JP2003033543A - 遊技機 - Google Patents

遊技機

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JP2003033543A
JP2003033543A JP2001225206A JP2001225206A JP2003033543A JP 2003033543 A JP2003033543 A JP 2003033543A JP 2001225206 A JP2001225206 A JP 2001225206A JP 2001225206 A JP2001225206 A JP 2001225206A JP 2003033543 A JP2003033543 A JP 2003033543A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遊技制御手段と他の電気部品制御手段との間
におけるコマンドの送受信を欠落させないようにする。 【解決手段】 遊技状態復旧処理において、バックアッ
プRAMに保存されていた出力ポート1〜4出力内容記
憶領域(払出制御信号、表示制御信号、ランプ制御信号
および音制御信号のコマンドデータを記憶する領域)の
内容を出力ポート1〜4に出力するとともに、保存され
ていた出力ポート0出力内容記憶領域(各制御コマンド
に関する割込信号とSTB信号の出力状態を記憶する領
域)の内容を出力ポート0に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遊技者が遊技媒体
を用いて所定の遊技を行うことが可能なパチンコ遊技機
やスロットマシン等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】遊技機として、遊技球などの遊技媒体を
発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けら
れている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞する
と、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。
さらに、表示状態が変化可能な可変表示装置が設けら
れ、可変表示装置の表示結果があらかじめ定められた特
定の表示態様となった場合に所定の遊技価値を遊技者に
与えるように構成されたものがある。
【0003】特別図柄を表示する可変表示装置の表示結
果があらかじめ定められた特定の表示態様の組合せとな
ることを、通常、「大当り」という。なお、遊技価値と
は、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状
態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態にな
ることや、遊技者にとって有利な状態となるための権利
を発生させたりすることである。
【0004】大当りが発生すると、例えば、大入賞口が
所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に
移行する。そして、各開放期間において、所定個(例え
ば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成
する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例え
ば16ラウンド)に固定されている。なお、各開放につ
いて開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数
が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口
は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条
件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの
入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終
了する。
【0005】そして、遊技球が遊技盤に設けられている
入賞口に遊技球が入賞すると、あらかじめ決められてい
る個数の賞球払出が行われる。遊技の進行は主基板に搭
載された遊技制御手段によって制御されるので、入賞に
もとづく賞球個数は、遊技制御手段によって決定され、
景品としての遊技球を払い出す払出機構を制御する払出
制御手段に送信される。なお、以下、遊技制御手段およ
びその他の制御手段を、それぞれ電気部品制御手段と呼
ぶことがある。また、電気部品とは、遊技機に設けられ
ている部品(機構部品や回路等)であって、電気的に動
作するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】遊技機には、遊技制御
手段を初めとする種々の電気部品制御手段が搭載されて
いるが、一般に、各電気部品制御手段はマイクロコンピ
ュータで構成される。すなわち、ROM等にプログラム
が格納され、制御上一時的に発生するデータや制御進行
に伴って変化するデータがRAMに格納される。する
と、遊技機に停電等による電源断状態が発生すると、R
AM内のデータは失われてしまう。よって、停電等から
の復旧時には、最初の状態(例えば、遊技店においてそ
の日最初に遊技機に電源投入されたときの状態)に戻さ
ざるを得ないので、遊技者に不利益がもたらされる可能
性がある。例えば、大当り遊技中において電源断が発生
し遊技機が最初の状態に戻ってしまうのでは、遊技者は
大当りの発生にもとづく利益を享受することができなく
なってしまう。
【0007】そのような事態を回避するには、停電等の
不測の電力供給の停止が生じたときに、電気部品制御手
段において、必要なデータを電源バックアップされたバ
ックアップRAMに保存し、電源が復旧したときに保存
されていたデータを復元して制御状態を復元し遊技を再
開させればよい。しかし、それぞれに電気部品制御手段
が搭載された電気部品制御基板が複数ある場合には各電
気部品制御手段間でコマンドの送受信を行う必要がある
が、コマンドの送受信を行っている最中に電力供給の停
止が生じた場合には、コマンドの送受信が完了しないま
ま、電気部品制御手段が動作を停止してしまうおそれが
ある。
【0008】そのような状況が生ずると、電源が復旧し
たときに、保存されていたデータにもとづいて制御状態
を電力供給停止前の状態に戻しても、1つのコマンドの
送受信が欠落してしまったことになる。そのコマンド
が、遊技者の利益に直結するような情報(例えば、遊技
制御手段から電気部品制御手段としての払出制御手段に
賞球払出を指示するための情報)を含んでいるような場
合には、遊技者に不利益が与えられてしまうことにな
る。
【0009】そこで、本発明は、停電等の不測の電力供
給の停止が生じたときに制御状態を復旧させるために必
要なデータを保存するための電力供給停止時処理を実行
することが可能な遊技機において、遊技制御手段と他の
電気部品制御手段との間におけるコマンドの送受信を欠
落させないようにすることができる遊技機を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による遊技機は、
遊技者が遊技媒体を用いて所定の遊技を行うことが可能
な遊技機であって、遊技機への電力供給が停止しても所
定期間は記憶内容を保持することが可能な変動データ記
憶手段(例えばバックアップRAM)を有し、遊技の進
行に関わる制御を行う遊技制御手段(例えばCPU56
等)と、遊技制御手段からのコマンドにもとづいて遊技
機に設けられている電気部品の制御を行う電気部品制御
手段(例えば払出制御手段)とを備え、遊技制御手段
が、コマンドデータとコマンドデータの電気部品制御手
段への入力を指示するための指示信号(例えば図23に
おける割込信号や図43におけるSTB信号)とを出力
ポートを介して出力することによってコマンドを電気部
品制御手段に送信し、変動データ記憶手段は、コマンド
データの出力ポートへの出力に応じて出力ポートに出力
したコマンドデータの内容を記憶可能なポート出力内容
記憶領域(例えば出力ポート1出力内容記憶領域〜出力
ポート4出力内容記憶領域)を含み、遊技制御手段が、
電力供給が開始された場合に、変動データ記憶手段に保
持されていた記憶内容にもとづいて制御状態を電力供給
が停止する前の制御状態に復旧させる制御を行うことが
可能であり、その制御に関連して、ポート出力内容記憶
領域の内容にもとづいて、電気部品制御手段がコマンド
データを入力可能に出力ポートの状態を復旧させる制御
を行うことが可能であることを特徴とする。
【0011】遊技制御手段が、コマンドデータを出力し
た後に指示信号を出力するまでの間に電力供給が停止し
た場合には、電力供給が再開されたときに、コマンドデ
ータに関する出力ポートの状態を復旧させた後、指示信
号を出力するように構成されていてもよい。
【0012】電気部品制御手段が、遊技機への電力供給
が停止しても所定期間は記憶内容を保持することが可能
な変動データ記憶手段(例えばバックアップRAM)を
有し、電力供給が停止する場合に制御状態を復旧させる
ために必要なデータを変動データ記憶手段に保存するた
めの電力供給停止時処理を実行するように構成されてい
てもよい。
【0013】遊技制御手段が、コマンドデータの出力に
関連して、コマンドデータを出力していることを示すデ
ータ出力中信号(例えば図23におけるSTB信号)を
出力するように構成されていてもよい。
【0014】電気部品制御手段が、指示信号とデータ出
力中信号の両方(例えば図23における割込信号とST
B信号)の出力を検出した場合に、コマンドデータを入
力する入力処理を実行するように構成されていてもよ
い。
【0015】遊技制御手段が、電力供給が停止する場合
に制御状態を復旧させるために必要なデータを変動デー
タ記憶手段に記憶するための電力供給停止時処理を実行
することが可能であるとともに、電力供給停止時処理を
開始した後でも所定期間はデータ出力中信号の出力を維
持するように構成されていてもよい。
【0016】電気部品制御手段が、電力供給停止時処理
においてデータ出力中信号の状態を監視しデータ出力中
信号が出力されている場合には、コマンドデータを入力
する入力処理を実行するように構成されていてもよい。
【0017】電気部品制御手段が、通常時に受信したコ
マンドデータを記憶する通常時コマンド記憶領域(例え
ば受信バッファ)と、電力供給停止時処理が開始された
後に受信したコマンドデータを記憶するバックアップコ
マンド記憶領域(例えばコマンドバッファ)とを備えて
いてもよい。
【0018】電気部品制御手段が、電力供給が開始され
た場合に、バックアップコマンド記憶領域にコマンドデ
ータが記憶されていた場合には通常時コマンド記憶領域
の内容を無効にする(例えばクリアする)ことが好まし
い。
【0019】遊技制御手段が、電気部品制御手段がコマ
ンドデータを入力する入力処理を実行する契機を示す信
号(例えば割込信号)を送信した後、入力処理実行中に
おける実際の入力の契機を示す信号として指示信号(例
えばSTB信号)を出力するように構成されていてもよ
い。
【0020】電気部品制御手段が、電力供給が開始され
た場合に、遊技制御手段によるコマンドデータの出力ポ
ートへの出力状態を監視し、出力状態に応じてコマンド
データを入力する入力処理を再開可能な状態にするよう
に構成されていてもよい。
【0021】電気部品制御手段が、入力処理を実行して
から、所定の保護データを除き、変更データ記憶手段の
内容をクリアするように構成されていてもよい。
【0022】保護データには賞球数を示すデータ(例え
ば総賞球数バッファ)が含まれていることが好ましい。
【0023】電気部品制御手段が、電力供給が開始され
た場合に、所定期間、遊技制御手段によるコマンドデー
タの出力ポートへの出力状態に変化がない場合には、入
力処理を実行せずに制御状態を復旧させるように構成さ
れていてもよい。
【0024】遊技制御手段が、所定の制御周期毎に発生
する割込に関連して遊技の制御を実行し、制御期間内に
電気部品制御手段に対してコマンドを送信する制御を実
行しない場合には、ポート出力内容記憶領域の内容を所
定の内容(例えばFF(H)や00(H))とするよう
に構成されていてもよい。
【0025】所定の内容は、クリアデータ以外のデータ
(例えばFF(H))であることが好ましい。
【0026】電力供給が開始された場合に、電力供給が
停止する前の制御状態に復旧させるか否かを遊技制御手
段が決めるための復旧条件が複数あり、遊技制御手段
が、復旧条件の全てが成立していたら電力供給が停止す
る前の制御状態に復旧させ、復旧条件のうち少なくとも
1つが成立していなかったら、制御状態を初期化する初
期化処理を行うように構成されていてもよい。
【0027】復旧条件は、例えば、変動データ記憶手段
に電力供給停止前の制御状態に関する記憶内容が記憶さ
れていたことを含む。
【0028】復旧条件は、例えば、変動データ記憶手段
の記憶内容にもとづいて作成されたチェックデータ(例
えばチェックサム)が正常であったことを含む。
【0029】復旧条件は、例えば、変動データ記憶手段
の記憶内容を初期化させるための初期化操作手段(例え
ばクリアスイッチ921)の操作信号がなかったことを
含む。
【0030】電気部品制御手段は、例えば、遊技媒体の
払い出しを行う払出手段(例えば球払出装置97)を制
御する払出制御手段(例えば払出制御用CPU371
等)である。
【0031】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の一
実施形態を図面を参照して説明する。まず、遊技機の一
例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明す
る。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2
は遊技盤の前面を示す正面図である。
【0032】パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成
された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取
り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊
技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に
形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対
して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構
部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けら
れる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構
造体である。
【0033】図1に示すように、パチンコ遊技機1は、
額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠
2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供
給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技
球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハ
ンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2
の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられてい
る。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その
板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体であ
る。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されて
いる。
【0034】遊技領域7の中央付近には、それぞれが識
別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を
含む可変表示装置(特別可変表示装置)9が設けられて
いる。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、
「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14が設けられ
ている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の
背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出され
る。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可
変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置1
5は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0035】可変入賞球装置15の下部には、特定遊技
状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開
状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20
は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技
盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)
に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉
板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出され
る。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換え
るためのソレノイド21Aも設けられている。また、可
変表示装置9の上部には、始動入賞口14に入った有効
入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDに
よる特別図柄始動記憶表示器(以下、始動記憶表示器と
いう。)18が設けられている。有効始動入賞がある毎
に、始動記憶表示器18は点灯するLEDを1増やす。
そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、
点灯するLEDを1減らす。
【0036】ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッ
チ32aで検出されると、普通図柄始動記憶が上限に達
していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、
普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表
示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10の表
示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10におい
て表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなけ
れば、普通図柄始動記憶の値が1増やされる。普通図柄
表示器10の近傍には、普通図柄始動記憶数を表示する
4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表
示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある
毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを
1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開
始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0037】この実施の形態では、左右のランプ(点灯
時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによ
って可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば2
9秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のラ
ンプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲ
ート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値
が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定され
る。普通図柄表示器10における可変表示の表示結果が
当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所
定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態に
なる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図
柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって
不利な状態から有利な状態に変化する。
【0038】さらに、確変状態では、普通図柄表示器1
0における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる
とともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数と
のうちの一方または双方が高められ、遊技者にとってさ
らに有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、
普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間)
が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利
になるようにしてもよい。
【0039】遊技盤6には、複数の入賞口29,30,
33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,3
3への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30
a,33a,39aによって検出される。遊技領域7の
左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25
が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収する
アウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上
部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられ
ている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左
枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられてい
る。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口
等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ラン
プ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cお
よび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光
体の一例である。
【0040】そして、この例では、左枠ランプ28bの
近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51
が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れ
たときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置さ
れ、プリペイドカードが挿入されることによって球貸し
を可能にするカードユニット50も示されている。な
お、プリペイドカードとしての磁気カードに限らず、I
Cカード等の他の記録媒体を用いることもできる。記録
媒体の形状についても、名刺大の薄型のカード形状に限
らず、ICコインなど種々の形状のものを使用すること
ができる。
【0041】カードユニット50には、使用可能状態で
あるか否かを示す使用可表示ランプ151、カード内に
記録された残額情報に端数(100円未満の数)が存在
する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられる
度数表示LEDに表示させるための端数表示スイッチ1
52、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技
機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器15
3、カードユニット50内にカードが投入されているこ
とを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体として
のカードが挿入されるカード挿入口155、およびカー
ド挿入口155の裏面に設けられているカードリーダラ
イタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放
するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0042】打球発射装置から発射された遊技球は、打
球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域
7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口ス
イッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始で
きる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が
可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始でき
る状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
【0043】可変表示装置9における特別図柄の可変表
示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特
別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示態様)であ
ると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板2
0が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例え
ば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開
閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞ス
イッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20
の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例
えば15ラウンド)許容される。
【0044】停止時の可変表示装置9における特別図柄
の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)
の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が
高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさ
らに有利な状態となる。
【0045】次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造につ
いて図3および図4を参照して説明する。図3は、遊技
機を裏面から見た背面図である。図4は、各種部材が取
り付けられた機構板を遊技機背面側から見た背面図であ
る。
【0046】図3に示すように、遊技機裏面側では、可
変表示装置9を制御する図柄制御基板80を含む可変表
示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ
等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置され
ている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコ
ンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置され
ている。さらに、遊技盤6に設けられている各種装飾L
ED、特別図柄始動記憶表示器(始動記憶表示器)18
および普通図柄始動記憶表示器41、装飾ランプ25、
枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ2
8b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れ
ランプ52を点灯制御するランプ制御手段が搭載された
ランプ制御基板35、スピーカ27からの音発生を制御
する音制御手段が搭載された音制御基板70も設けられ
ている。また、DC30V、DC21V、DC12Vお
よびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板
910や発射制御基板91が設けられている。
【0047】遊技機裏面において、上方には、各種情報
を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナ
ル基板160が設置されている。ターミナル基板160
には、少なくとも、球切れ検出スイッチの出力を導入し
て外部出力するための球切れ用端子、賞球個数信号を外
部出力するための賞球用端子および球貸し個数信号を外
部出力するための球貸し用端子が設けられている。ま
た、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機
外部に出力するための各端子を備えた情報端子盤34が
設置されている。
【0048】さらに、各基板(主基板31や払出制御基
板37等)に含まれる変動データ記憶手段(例えば、遊
技機への電力供給が停止したときにもその内容を保持可
能なバックアップRAM)に記憶されたバックアップデ
ータをクリアするための初期化操作手段としてのクリア
スイッチ921が搭載されたスイッチ基板190が設け
られている。スイッチ基板190には、クリアスイッチ
921と、主基板31等の他の基板と接続されるコネク
タ922が設けられている。
【0049】貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導
レール39を通り、図4に示されるように、カーブ樋1
86を経て賞球ケース40Aで覆われた球払出装置に至
る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段とし
ての球切れスイッチ187が設けられている。球切れス
イッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出
動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内
の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タン
ク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ
167も誘導レール39における上流部分(貯留タンク
38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出ス
イッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置
島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球
の補給が行われる。
【0050】なお、球切れスイッチ187は、球払出装
置に至る払出球通路に27〜28個程度の遊技球が存在
することを検出できるような位置に係止されている。す
なわち、球切れスイッチ187は、賞球の一単位の最大
払出量(この実施の形態では15個)および球貸しの一
単位の最大払出量(この実施の形態では100円:25
個)以上が確保されていることが確認できるような位置
に設置されている。
【0051】球払出装置から払い出された遊技球は、連
絡口45を通ってパチンコ遊技機1の前面に設けられて
いる打球供給皿3に誘導される。連絡口45の側方に
は、パチンコ遊技機1の前面に設けられている余剰球受
皿4に連通する余剰球通路46が形成されている。
【0052】入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸
し要求にもとづく遊技球が多数払い出されて打球供給皿
3が満杯になり、ついには遊技球が連絡口45に到達し
た後さらに遊技球が払い出されると、遊技球は、余剰球
通路46を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球
が払い出されると、感知レバー47が貯留状態検出手段
としての満タンスイッチ48を押圧して、貯留状態検出
手段としての満タンスイッチ48がオンする。その状態
では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払
出装置の動作が停止するとともに発射装置の駆動も停止
する。
【0053】図4に示すように、球払出装置の側方に
は、カーブ樋186から遊技機下部の排出口192に至
る球抜き通路191が形成されている。球抜き通路19
1の上部には球抜きレバー193が設けられ、球抜きレ
バー193が遊技店員等によって操作されると、誘導レ
ール39から球抜き通路191への遊技球通路が形成さ
れ、貯留タンク38内に貯留されている遊技球は、排出
口192から遊技機外に排出される。
【0054】図5は、払出手段としての球払出装置97
の構成例を示す分解斜視図である。この例では、賞球ケ
ース40Aとしての3つのケース140,141,14
2の内部に球払出装置97が形成されている。ケース1
40,141の上部には、球切れスイッチ187の下部
の球通路と連通する穴170,171が設けられ、遊技
球は、穴170,171から球払出装置97に流入す
る。
【0055】球払出装置97は駆動源となる払出モータ
(例えばステッピングモータ)289を含む。払出モー
タ289の回転力は、払出モータ289の回転軸に嵌合
しているギア290に伝えられ、さらに、ギア290と
噛み合うギア291に伝えられる。ギア291の中心軸
には、凹部を有するスプロケット292が嵌合してい
る。穴170,171から流入した遊技球は、スプロケ
ット292の凹部によって、スプロケット292の下方
の球通路293に1個ずつ落下させられる。
【0056】球通路293には遊技球の流下路を切り替
えるための振分部材311が設けられている。振分部材
311はソレノイド310によって駆動され、賞球払出
時には、球通路293における一方の流下路を遊技球が
流下するように倒れ、球貸し時には球通路293におけ
る他方の流下路を遊技球が流下するように倒れる。な
お、払出モータ289およびソレノイド310は、払出
制御基板37に搭載されている払出制御用CPUによっ
て制御される。また、払出制御用CPUは、主基板31
に搭載されている遊技制御用のCPUからの指令に応じ
て払出モータ289およびソレノイド310を制御す
る。
【0057】賞球払出時に選択される流下路の下方には
球払出装置によって払い出された遊技球を検出する賞球
センサ(賞球カウントスイッチ)301Aが設けられ、
球貸し時に選択される流下路の下方には球払出装置によ
って払い出された遊技球を検出する球貸しセンサ(球貸
しカウントスイッチ)301Bが設けられている。賞球
カウントスイッチ301Aの検出信号と球貸しカウント
スイッチ301Bの検出信号は払出制御基板37の払出
制御用CPUに入力される。払出制御用CPUは、それ
らの検出信号にもとづいて、実際に払い出された遊技球
の個数を計数する。
【0058】なお、ギア291の周辺部には、払出モー
タ位置センサ296を形成する複数の突起部295が形
成されている。突起部295は、ギア291の回転すな
わち払出モータ289の回転に伴って発光体(図示せ
ず)からの光を、払出モータ位置センサの受光部(図示
せず)に対して透過させたり遮蔽したりする。払出制御
用CPUは、受光部からの検出信号によって払出モータ
289の位置を認識することができる。
【0059】また、この実施の形態では、払出手段とし
ての球払出装置97は球貸しも賞球払出も実行可能な構
成であるが、球貸しを行う機構と賞球払出を行う機構と
が独立していても本発明を適用することができる。球貸
しを行う機構と賞球払出を行う機構とが独立している場
合には、賞球払出と球貸しとを同時実行可能なので、遊
技球の相対的な払出速度を速くすることができる。ま
た、遊技球の流下路を切り替えるための振分部材311
およびソレノイド310は不要である。さらに、払出手
段として、例えば、モータが正転すると賞球払出が行わ
れモータが逆転すると球貸しが行われるような構造のも
のなど、他の構造のものを用いることもできる。
【0060】図6は、遊技盤6に設置されているスイッ
チ基板190の部分を示す正面図である。図6に示すよ
うに、スイッチ基板190には、主基板31等の他の基
板に、ケーブルを介してクリアスイッチ921の出力を
接続するためのコネクタ922が搭載されている。
【0061】図7は、スイッチ基板190に搭載された
クリアスイッチ921の構成の一例を示す構成図であ
る。図7(A)には、押しボタン構造のクリアスイッチ
921が示されている。クリアスイッチ921が押下さ
れるとローレベル(オン状態)のクリアスイッチ信号
(操作信号)が出力され、コネクタ922を介して主基
板31および払出制御基板37等に出力される。すなわ
ち、クリアスイッチ921から主基板31および払出制
御基板37等に出力される操作信号がオン状態になる。
また、クリアスイッチ921が押下されていなければハ
イレベル(オフ状態)の信号が出力される。なお、この
実施の形態では、クリアスイッチ信号は少なくとも主基
板31および払出制御基板37に出力されるので、コネ
クタ922として、主基板31へのクリアスイッチ信号
を出力するためのコネクタと、払出制御基板37へのク
リアスイッチ信号を出力するためのコネクタとを別個に
設けてもよい。
【0062】図7(B)は、クリアスイッチ921の他
の構成例を示す構成図である。図7(B)に示すクリア
スイッチ921は、「OFF」、「ON」および「クリ
ア」の選択切り換えを行うための切換操作部921aを
有する。切換操作部921aによって、「OFF」が選
択されているときは何らの信号も発生しない。「ON」
が選択されているときはハイレベルの信号を出力する。
なお、クリアスイッチ921が、遊技機1に対する電源
供給のオン/オフ切換のためのスイッチも兼ねていても
よい。その場合、「OFF」が選択されると、遊技機1
に対する電源供給が停止された状態(遊技機の電源がオ
フの状態)になる。「ON」または「クリア」が選択さ
れると、遊技機1に対して電源供給が行われる状態(遊
技機の電源がオンの状態)になる。また、「クリア」が
選択されているときに、ローレベルのクリアスイッチ信
号が出力される。
【0063】なお、この実施の形態では、クリアスイッ
チ921が搭載されたスイッチ基板190が他の基板
(遊技制御基板等)とは別個に設けられているが、他の
基板にクリアスイッチ921を搭載してもよい。例え
ば、電源基板910に搭載してもよい。クリアスイッチ
921が電源基板910に搭載されている場合には、遊
技盤6の入れ替え等の場合に入れ替え後の遊技盤6に対
して電源基板910をそのまま使用しても、入れ替え後
の遊技盤6において、そのままで遊技状態復旧処理等を
実行することができる。すなわち、電源基板910の使
い回しを行うことができる。
【0064】また、クリアスイッチ921は、遊技盤6
の側に設置されていてもよいが、遊技枠側に設置されて
いてもよい。
【0065】図8は、主基板31における回路構成の一
例を示すブロック図である。なお、図8には、払出制御
基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70、発射
制御基板91および図柄制御基板80も示されている。
主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1
を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始
動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントス
イッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,
39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、
賞球カウントスイッチ301Aおよびクリアスイッチ9
21からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路5
8と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、
開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内
の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路
53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と
が搭載されている。
【0066】なお、図8には示されていないが、カウン
トスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回
路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始
動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントス
イッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,
39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、
賞球カウントスイッチ301A等のスイッチは、センサ
と称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出
できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)
であれば、その名称を問わない。スイッチと称されてい
るものがセンサと称されているもの等でもよいこと、す
なわち、スイッチが遊技媒体検出手段の一例であること
は、他の実施の形態でも同様である。
【0067】また、基本回路53から与えられるデータ
に従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装
置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞
球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを
示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等
の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載さ
れている。
【0068】基本回路53は、CPU56が実行するプ
ログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして
使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)とし
てのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うC
PU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の
形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵
されている。すなわち、CPU56は、1チップマイク
ロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピ
ュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよ
く、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであ
っても内蔵されていてもよい。
【0069】また、RAM(CPU内蔵RAMであって
もよい。)55の少なくとも一部が、電源基板910に
おいて作成されるバックアップ電源よってバックアップ
されているバックアップRAMである。すなわち、遊技
機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM
55の少なくとも一部の内容は保存される。ただし、こ
の実施の形態では、RAMの全てがバックアップ電源に
よってバックアップされている。
【0070】遊技球を打撃して発射する打球発射装置は
発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モー
タ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力
は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわ
ち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の
操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御され
る。
【0071】この実施の形態では、ランプ制御基板35
に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設けられ
ている始動記憶表示器18、普通図柄始動記憶表示器4
1および装飾ランプ25の表示制御を行うとともに、枠
側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28
b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れラ
ンプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDそ
の他の種類の発光体でもよく、この実施の形態および他
の実施の形態で用いられているLEDも他の種類の発光
体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例
である。また、特別図柄を可変表示する可変表示装置9
および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表
示制御は、図柄制御基板80に搭載されている表示制御
手段によって行われる。
【0072】図9は、図柄制御基板80内の回路構成
を、可変表示装置9の一実現例であるLCD(液晶表示
装置)82、普通図柄表示器10、主基板31の出力ポ
ート(ポート0,2)570,572および出力バッフ
ァ回路620,62Aとともに示すブロック図である。
出力ポート(出力ポート2)572からは8ビットのコ
マンドデータが出力され、出力ポート570からは割込
信号およびストローブ信号(STB信号)が出力され
る。割込信号は、表示制御用CPU101の割込端子に
入力される。また、STB信号は、I/Oポートに入力
される。
【0073】表示制御用CPU101は、制御データR
OM102に格納されたプログラムに従って動作し、主
基板31からノイズフィルタ107および入力バッファ
回路105Bを介して割込信号およびSTB信号が入力
されると、入力バッファ回路105Aを介して表示制御
コマンドを受信する。入力バッファ回路105A,10
5Bとして、例えば汎用ICである74HC540,7
4HC14を使用することができる。なお、表示制御用
CPU101がI/Oポートを内蔵していない場合に
は、入力バッファ回路105A,105Bと表示制御用
CPU101との間に、I/Oポートが設けられる。
【0074】そして、表示制御用CPU101は、受信
した表示制御コマンドに従って、LCD82に表示され
る画面の表示制御を行う。具体的には、表示制御コマン
ドに応じた指令をVDP103に与える。VDP103
は、キャラクタROM86から必要なデータを読み出
す。VDP103は、入力したデータに従ってLCD8
2に表示するための画像データを生成し、R,G,B信
号および同期信号をLCD82に出力する。
【0075】なお、図9には、VDP103をリセット
するためのリセット回路83、VDP103に動作クロ
ックを与えるための発振回路85、および使用頻度の高
い画像データを格納するキャラクタROM86も示され
ている。キャラクタROM86に格納される使用頻度の
高い画像データとは、例えば、LCD82に表示される
人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からな
る画像などである。
【0076】入力バッファ回路105A,105Bは、
主基板31から表示制御基板80へ向かう方向にのみ信
号を通過させることができる。従って、表示制御基板8
0側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。すな
わち、入力バッファ回路105A,105Bは、入力ポ
ートとともに不可逆性情報入力手段を構成する。表示制
御基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改
造によって出力される信号が主基板31側に伝わること
はない。
【0077】高周波信号を遮断するノイズフィルタ10
7として、例えば3端子コンデンサやフェライトビーズ
が使用されるが、ノイズフィルタ107の存在によっ
て、表示制御コマンドに基板間でノイズが乗ったとして
も、その影響は除去される。また、主基板31のバッフ
ァ回路620,62Aの出力側にもノイズフィルタを設
けてもよい。
【0078】図10は、主基板31およびランプ制御基
板35における信号送受信部分を示すブロック図であ
る。この実施の形態では、遊技領域7の外側に設けられ
ている天枠ランプ28a、左右枠ランプ28b,28c
と遊技盤に設けられている装飾ランプ25、始動記憶表
示器18および普通図柄始動記憶表示器41の点灯/消
灯と、賞球ランプ51および球切れランプ52の点灯/
消灯とを示すランプ制御コマンドが主基板31からラン
プ制御基板35に出力される。
【0079】図10に示すように、ランプ制御に関する
ランプ制御コマンドは、基本回路53におけるI/Oポ
ート部57の出力ポート(出力ポート0,3)570,
573から出力される。出力ポート(出力ポート3)5
73は8ビットのコマンドデータを出力し、出力ポート
570からは割込信号およびストローブ信号(STB信
号)が出力される。割込信号は、ランプ制御用CPU3
51の割込端子に入力される。また、STB信号は、I
/Oポートに入力される。ランプ制御基板35におい
て、主基板31からの制御コマンドは、入力バッファ回
路355A,355Bを介してランプ制御用CPU35
1に入力する。なお、ランプ制御用CPU351がI/
Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路
355A,355Bとランプ制御用CPU351との間
に、I/Oポートが設けられる。
【0080】ランプ制御基板35において、ランプ制御
用CPU351は、各制御コマンドに応じて定義されて
いる天枠ランプ28a、左右枠ランプ28b,28c、
装飾ランプ25の点灯/消灯パターンに従って、天枠ラ
ンプ28a、左右枠ランプ28b,28c、装飾ランプ
25に対して点灯/消灯信号を出力する。点灯/消灯信
号は、天枠ランプ28a、左右枠ランプ28b,28
c、装飾ランプ25に出力される。なお、点灯/消灯パ
ターンは、ランプ制御用CPU351の内蔵ROMまた
は外付けROMに記憶されている。
【0081】主基板31において、CPU56は、RA
M55の記憶内容に未払出の賞球残数があるときに賞球
ランプ51の点灯を指示する制御コマンドを出力し、前
述した遊技盤裏面の払出球通路の上流に設置されている
球切れスイッチ187(図3参照)が遊技球を検出しな
くなると球切れランプ52の点灯を指示する制御コマン
ドを出力する。ランプ制御基板35において、各制御コ
マンドは、入力バッファ回路355A,355Bを介し
てランプ制御用CPU351に入力する。ランプ制御用
CPU351は、それらの制御コマンドに応じて、賞球
ランプ51および球切れランプ52を点灯/消灯する。
なお、点灯/消灯パターンは、ランプ制御用CPU35
1の内蔵ROMまたは外付けROMに記憶されている。
【0082】入力バッファ回路355A,355Bとし
て、例えば、汎用のCMOS−ICである74HC54
0,74HC14が用いられる。入力バッファ回路35
5A,355Bは、主基板31からランプ制御基板35
へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従
って、ランプ制御基板35側から主基板31側に信号が
伝わる余地はない。たとえ、ランプ制御基板35内の回
路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力さ
れる信号がメイン基板31側に伝わることはない。な
お、入力バッファ回路355A,355Bの入力側にノ
イズフィルタを設けてもよい。
【0083】また、主基板31において、出力ポート5
70,573の外側にバッファ回路620,63Aが設
けられている。バッファ回路620,63Aとして、例
えば、汎用のCMOS−ICである74HC250,7
4HC14が用いられる。このような構成によれば、外
部から主基板31の内部に入力される信号が阻止される
ので、ランプ制御基板70から主基板31に信号が与え
られる可能性がある信号ラインをさらに確実になくすこ
とができる。なお、バッファ回路620,63Aの出力
側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0084】図11は、主基板31における音制御コマ
ンドの信号送信部分および音制御基板70の構成例を示
すブロック図である。この実施の形態では、遊技進行に
応じて、遊技領域7の外側に設けられているスピーカ2
7の音声出力を指示するための音制御コマンドが、主基
板31から音制御基板70に出力される。
【0085】図11に示すように、音制御コマンドは、
基本回路53におけるI/Oポート部57の出力ポート
(出力ポート0,4)570,574から出力される。
出力ポート(出力ポート4)574からは8ビットのコ
マンドデータが出力され、出力ポート570からは割込
信号およびストローブ信号(STB信号)が出力され
る。割込信号は、音制御用CPU701の割込端子に入
力される。また、STB信号は、I/Oポートに入力さ
れる。音制御基板70において、主基板31からの各信
号は、入力バッファ回路705A,705Bを介して音
制御用CPU701に入力する。なお、音制御用CPU
701がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力
バッファ回路705A,705Bと音制御用CPU70
1との間に、I/Oポートが設けられる。
【0086】そして、例えばディジタルシグナルプロセ
ッサによる音声合成回路702は、音制御用CPU70
1の指示に応じた音声や効果音を発生し音量切替回路7
03に出力する。音量切替回路703は、音制御用CP
U701の出力レベルを、設定されている音量に応じた
レベルにして音量増幅回路704に出力する。音量増幅
回路704は、増幅した音声信号をスピーカ27に出力
する。
【0087】入力バッファ回路705A,705Bとし
て、例えば、汎用のCMOS−ICである74HC54
0,74HC14が用いられる。入力バッファ回路70
5A,705Bは、主基板31から音制御基板70へ向
かう方向にのみ信号を通過させることができる。よっ
て、音制御基板70側から主基板31側に信号が伝わる
余地はない。従って、音制御基板70内の回路に不正改
造が加えられても、不正改造によって出力される信号が
主基板31側に伝わることはない。なお、入力バッファ
回路705A,705Bの入力側にノイズフィルタを設
けてもよい。
【0088】また、主基板31において、出力ポート5
70,574の外側にバッファ回路620,67Aが設
けられている。バッファ回路620,67Aとして、例
えば、汎用のCMOS−ICである74HC250,7
4HC14が用いられる。このような構成によれば、外
部から主基板31の内部に入力される信号が阻止される
ので、音制御基板70から主基板31に信号が与えられ
る可能性がある信号ラインをさらに確実になくすことが
できる。なお、バッファ回路620,67Aの出力側に
ノイズフィルタを設けてもよい。
【0089】図12は、払出制御基板37および球払出
装置97の構成要素などの払出に関連する構成要素を示
すブロック図である。図12に示すように、満タンスイ
ッチ48からの検出信号は、中継基板71を介して主基
板31のI/Oポート部57に入力される。また、球切
れスイッチ187からの検出信号も、中継基板72およ
び中継基板71を介して主基板31のI/Oポート部5
7に入力される。
【0090】主基板31のCPU56は、球切れスイッ
チ187からの検出信号が球切れ状態を示しているか、
または、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状
態を示していると、払出を停止すべき状態であることを
指示する払出制御コマンドを送出する。払出を停止すべ
き状態であることを指示する払出制御コマンドを受信す
ると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は球
払出処理を停止する。
【0091】さらに、賞球カウントスイッチ301Aか
らの検出信号は、中継基板72および中継基板71を介
して主基板31のI/Oポート部57に入力されるとと
もに、中継基板72を介して払出制御基板37の入力ポ
ート372bに入力される。賞球カウントスイッチ30
1Aは、球払出装置97の払出機構部分に設けられ、実
際に払い出された賞球払出球を検出する。
【0092】入賞があると、払出制御基板37には、主
基板31の出力ポート(ポート0,1)570,571
から賞球個数を示す払出制御コマンドが入力される。出
力ポート(出力ポート1)571は8ビットのコマンド
データを出力し、出力ポート570からは割込信号およ
びストローブ信号(STB信号)が出力される。割込信
号は、入力バッファ回路373Bを介して払出制御用C
PU371の割込端子に入力される。また、STB信号
は、I/Oポート372bに入力される。払出制御用C
PU371は、I/Oポート372aを介して払出制御
コマンドを入力し、払出制御コマンドに応じて球払出装
置97を駆動して賞球払出を行う。なお、この実施の形
態では、払出制御用CPU371は、1チップマイクロ
コンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されてい
る。
【0093】また、主基板31において、出力ポート5
70,571の外側にバッファ回路620,68Aが設
けられている。バッファ回路620,68Aとして、例
えば、汎用のCMOS−ICである74HC250,7
4HC14が用いられる。このような構成によれば、外
部から主基板31の内部に入力される信号が阻止される
ので、払出制御基板37から主基板31に信号が与えら
れる可能性がある信号ラインをさらに確実になくすこと
ができる。なお、バッファ回路620,68Aの出力側
にノイズフィルタを設けてもよい。
【0094】払出制御用CPU371は、出力ポート3
72cを介して、貸し球数を示す球貸し個数信号をター
ミナル基板160に出力する。さらに、出力ポート37
2dを介して、エラー表示用LED374にエラー信号
を出力する。
【0095】さらに、払出制御基板37の入力ポート3
72bには、中継基板72を介して、球貸しカウントス
イッチ301B、および払出モータ289の回転位置を
検出するための払出モータ位置センサ296からの検出
信号が入力される。球貸しカウントスイッチ301B
は、球払出装置97の払出機構部分に設けられ、実際に
払い出された貸し球を検出する。払出制御基板37から
の払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372
cおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機
構部分における払出モータ289に伝えられ、振分ソレ
ノイド310への駆動信号は、出力ポート372eおよ
び中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分
における振分ソレノイド310に伝えられる。また、ク
リアスイッチ921の出力も、入力ポート372bに入
力される。
【0096】カードユニット50には、カードユニット
制御用マイクロコンピュータが搭載されている。残高表
示基板74には、打球供給皿3の近傍に設けられている
度数表示LED、球貸しスイッチおよび返却スイッチが
接続される。
【0097】残高表示基板74からカードユニット50
には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ信号およ
び返却スイッチ信号が払出制御基板37を介して与えら
れる。また、カードユニット50から残高表示基板74
には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信
号および球貸し可表示信号が払出制御基板37を介して
与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の
間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(B
RDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し
完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(P
RDY信号)が入力ポート372bおよび出力ポート3
72eを介してやりとりされる。
【0098】パチンコ遊技機1の電源が投入されると、
払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カード
ユニット50にPRDY信号を出力する。また、カード
ユニット制御用マイクロコンピュータは、VL信号を出
力する。払出制御用CPU371は、VL信号の入力状
態により接続状態/未接続状態を判定する。カードユニ
ット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッ
チが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カー
ドユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基
板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の
遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロ
コンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力
する。
【0099】そして、払出制御基板37の払出制御用C
PU371は、カードユニット50に対するEXS信号
を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立
ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所
定個の貸し球を遊技者に払い出す。このとき、振分ソレ
ノイド310は駆動状態とされている。すなわち、球振
分部材311を球貸し側に向ける。そして、払出が完了
したら、払出制御用CPU371は、カードユニット5
0に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユ
ニット50からのBRDY信号がオン状態でなければ、
賞球払出制御を実行する。
【0100】以上のように、カードユニット50からの
信号は全て払出制御基板37に入力される構成になって
いる。従って、球貸し制御に関して、カードユニット5
0から主基板31に信号が入力されることはなく、主基
板31の基本回路53にカードユニット50の側から不
正に信号が入力される余地はない。また、カードユニッ
ト50で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板
37から供給される。
【0101】この実施の形態では、電源基板910から
払出制御基板37に対して電源断信号も入力される。電
源断信号は、払出制御用CPU371のマスク不能割込
(NMI)端子に入力される。さらに、払出制御基板3
7に存在するRAM(CPU内蔵RAMであってもよ
い。)の少なくとも一部は、電源基板910において作
成されるバックアップ電源によって、バックアップされ
ている。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止して
も、所定期間は、RAMの少なくとも一部の内容は保存
される。ただし、この実施の形態では、RAMは全てバ
ックアップ電源によってバックアップされている。
【0102】なお、この実施の形態では、カードユニッ
ト50が遊技機とは別体として遊技機に隣接して設置さ
れている場合を例にするが、カードユニット50は遊技
機と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じ
てその金額に応じた遊技球が貸し出されるような場合で
も本発明を適用できる。
【0103】図13は、電源基板910の一構成例を示
すブロック図である。電源基板910は、主基板31、
図柄制御基板80、音制御基板70、ランプ制御基板3
5および払出制御基板37等の電気部品制御基板と独立
して設置され、遊技機内の各電気部品制御基板および機
構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC2
4V、VSL(DC+30V)、DC+21V、DC+1
2VおよびDC+5Vを生成する。また、バックアップ
電源すなわち記憶保持手段となるコンデンサ916は、
DC+5Vすなわち各基板上のIC等を駆動する電源の
ラインから充電される。なお、VSLは、整流回路912
において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することに
よって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源とな
る。
【0104】トランス911は、交流電源からの交流電
圧を24Vに変換する。AC24V電圧は、コネクタ9
15に出力される。また、整流回路912は、AC24
Vから+30Vの直流電圧を生成し、DC−DCコンバ
ータ913およびコネクタ915に出力する。DC−D
Cコンバータ913は、1つまたは複数のコンバータI
C922(図13では1つのみを示す。)を有し、VSL
にもとづいて+21V、+12Vおよび+5Vを生成し
てコネクタ915に出力する。コンバータIC922の
入力側には、比較的大容量のコンデンサ923が接続さ
れている。従って、外部からの遊技機に対する電力供給
が停止したときに、+30V、+12V、+5V等の直
流電圧は、比較的緩やかに低下する。コネクタ915は
例えば中継基板に接続され、中継基板から各電気部品制
御基板および機構部品に必要な電圧の電力が供給され
る。
【0105】ただし、電源基板910に各電気部品制御
基板に至る各コネクタを設け、電源基板910から、中
継基板を介さずにそれぞれの基板に至る各電圧を供給す
るようにしてもよい。また、図13には1つのコネクタ
915が代表して示されているが、コネクタは、各電気
部品制御基板対応に設けられている。
【0106】DC−DCコンバータ913からの+5V
ラインは分岐してバックアップ+5Vラインを形成す
る。バックアップ+5Vラインとグラウンドレベルとの
間には大容量のコンデンサ916が接続されている。コ
ンデンサ916は、遊技機に対する電力供給が停止した
ときの電気部品制御基板のバックアップRAM(電源バ
ックアップされているRAMすなわち電力供給停止時に
も記憶内容保持状態となりうる変動データ記憶手段)に
対して記憶状態を保持できるように電力を供給するバッ
クアップ電源となる。また、+5Vラインとバックアッ
プ+5Vラインとの間に、逆流防止用のダイオード91
7が挿入される。なお、この実施の形態では、バックア
ップ用の+5Vは、主基板31および払出制御基板37
に供給される。
【0107】また、電源基板910には、電源監視回路
(電源監視手段)としての電源監視用IC902が搭載
されている。電源監視用IC902は、VSL電圧を導入
し、VSL電圧を監視することによって遊技機への電力供
給停止の発生を検出する。具体的には、VSL電圧が所定
値(この例では+22V)以下になったら、電力供給の
停止が生ずるとして電源断信号を出力する。なお、監視
対象の電源電圧は、各電気部品制御基板に搭載されてい
る回路素子の電源電圧(この例では+5V)よりも高い
電圧であることが好ましい。この例では、交流から直流
に変換された直後の電圧であるVSLが用いられている。
電源監視用IC902からの電源断信号は、主基板31
や払出制御基板37等に供給される。
【0108】電源監視用IC902が電力供給の停止を
検知するための所定値は、通常時の電圧より低いが、各
電気部品制御基板上のCPUが暫くの間動作しうる程度
の電圧である。また、電源監視用IC902が、CPU
等の回路素子を駆動するための電圧(この例では+5
V)よりも高く、また、交流から直流に変換された直後
の電圧を監視するように構成されているので、CPUが
必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができ
る。従って、より精密な監視を行うことができる。さら
に、監視電圧としてVSL(+30V)を用いる場合に
は、遊技機の各種スイッチに供給される電圧が+12V
であることから、電源瞬断時のスイッチオン誤検出の防
止も期待できる。すなわち、+30V電源の電圧を監視
すると、+30V作成の以降に作られる+12Vが落ち
始める以前の段階でそれの低下を検出できる。
【0109】+12V電源の電圧が低下するとスイッチ
出力がオン状態を呈するようになるが、+12Vより早
く低下する+30V電源電圧を監視して電力供給の停止
を認識すれば、スイッチ出力がオン状態を呈する前に電
力供給回復待ちの状態に入ってスイッチ出力を検出しな
い状態となることができる。
【0110】また、電源監視用IC902は、電気部品
制御基板とは別個の電源基板910に搭載されているの
で、電源監視回路から複数の電気部品制御基板に電源断
信号を供給することができる。電源断信号を必要とする
電気部品制御基板が幾つあっても電源監視手段は1つ設
けられていればよいので、各電気部品制御基板における
各電気部品制御手段が後述する復旧制御を行っても、遊
技機のコストはさほど上昇しない。
【0111】なお、図13に示された構成では、電源監
視用IC902の検出信号(電源断信号)は、バッファ
回路918,919を介してそれぞれの電気部品制御基
板(例えば主基板31と払出制御基板37)に伝達され
るが、例えば、1つの検出信号を中継基板に伝達し、中
継基板から各電気部品制御基板に同じ信号を分配する構
成でもよい。また、電源断信号を必要とする基板数に応
じたバッファ回路を設けてもよい。さらに、主基板31
と払出制御基板37とに出力される電源断信号につい
て、電源断信号を出力することになる電源監視回路の監
視電圧を異ならせてもよい。
【0112】図14は、主基板31におけるCPU56
周りの一構成例を示すブロック図である。図14に示す
ように、電源基板910の電源監視回路からの電源断信
号がバッファ回路900を介して、CPU56のマスク
不能割込端子(XNMI端子)に接続されている。従っ
て、CPU56は、マスク不能割込(NMI)処理によ
って遊技機への電力供給の停止の発生を確認することが
できる。なお、バッファ回路900から出力される信号
は電源監視回路910からの検出信号と実質的に変わら
ないので(増幅を受けたのみ)、以下、バッファ回路9
00から出力される信号を検出信号またはNMI信号と
呼ぶことがある。
【0113】図14には、システムリセット回路65も
示されている。システムリセット回路65におけるリセ
ットIC651は、電源投入時に、外付けのコンデンサ
の容量で決まる所定時間だけ出力をローレベルとし、所
定時間が経過すると出力をハイレベルにする。すなわ
ち、リセット信号をハイレベルに立ち上げてCPU56
を動作可能状態にする。また、リセットIC651は、
電源基板910の電源監視回路が監視する電源電圧と等
しい電源電圧であるVSLの電源電圧を監視して電圧値が
所定値(電源監視回路が電源断信号を出力する電源電圧
値よりも低い値)以下になると出力をローレベルにす
る。従って、CPU56は、電源監視回路からの電源断
信号に応じて所定の電力供給停止時処理を行った後、シ
ステムリセットされる。
【0114】図14に示すように、リセットIC651
からのリセット信号は、NAND回路947に入力され
るとともに、反転回路(NOT回路)944を介してカ
ウンタIC941のクリア端子に入力される。カウンタ
IC941は、クリア端子への入力がローレベルになる
と、発振器943からのクロック信号をカウントする。
そして、カウンタIC941のQ5出力がNOT回路9
45,946を介してNAND回路947に入力され
る。また、カウンタIC941のQ6出力は、フリップ
フロップ(FF)942のクロック端子に入力される。
フリップフロップ942のD入力はハイレベルに固定さ
れ、Q出力は論理和回路(OR回路)949に入力され
る。OR回路949の他方の入力には、NAND回路9
47の出力がNOT回路948を介して導入される。そ
して、OR回路949の出力が、リセット信号としてC
PU56のリセット端子に接続されている。このような
構成によれば、電源投入時に、CPU56のリセット端
子に2回のリセット信号(ローレベル信号)が与えられ
るので、CPU56は、確実に動作を開始する。
【0115】また、図14に示す例では、リセットIC
651のCK端子にはCPU56の出力ポートから、あ
る時間間隔で信号が供給される。その信号が途絶えて所
定期間(ウォッチドッグタイマのタイムアウト時間)以
上信号の入力がない状態になると、リセットIC651
は、リセット信号のレベルを一旦リセットレベルにす
る。図14では、CPU56からリセットIC651に
対する信号は内蔵出力ポートから出力される例が示され
ているが、その信号は、外付けの出力ポートから出力さ
れるようにしてもよい。
【0116】また、CPU56がウォッチドッグ機能を
内蔵しウォッチドッグタイマのタイムアウトによって内
部的にCPU56にリセットがかかるようなCPUであ
り、その機能を利用している場合には、リセットIC6
51のCK端子に信号を与えるような構成を用いなくて
もよい。
【0117】そして、例えば、電源基板910の電源監
視回路の検出電圧(電源断信号を出力することになる電
圧)を+22Vとし、リセット信号をローレベルにする
ための検出電圧を+9Vとする。そのように構成した場
合には、電源監視回路とシステムリセット回路65と
が、同一の電源VSLの電圧を監視するので、電圧監視回
路が電源断信号を出力するタイミングとシステムリセッ
ト回路65がシステムリセット信号を出力するタイミン
グの差を所望の所定期間に確実に設定することができ
る。所望の所定期間とは、電源監視回路からの電源断信
号に応じて電力供給停止時処理を開始してから電力供給
停止時処理が確実に完了するまでの期間である。なお、
電源監視回路とシステムリセット回路65とが監視する
電源の電圧は異なっていてもよい。
【0118】CPU56等の駆動電源である+5V電源
から電力が供給されていない間、RAMの少なくとも一
部は、電源基板から供給されるバックアップ電源によっ
てバックアップされ、遊技機に対する電力供給が停止し
ても内容は保存される。そして、+5V電源が復旧する
と、システムリセット回路65からリセット信号が発せ
られるので、CPU56は、通常の動作状態に復旧す
る。そのとき、必要なデータがバックアップRAMに保
存されているので、停電等からの復旧時に停電等の発生
時の遊技状態に復旧させることができる。
【0119】なお、図14に示す構成では、電源投入時
にCPU56のリセット端子に2回のリセット信号(ロ
ーレベルがリセットレベル)が与えられるが、リセット
信号の立ち上がりタイミングが1回しかなくても確実に
リセット解除されるCPUを使用する場合には、符号9
41〜949で示された回路素子は不要である。その場
合、リセットIC651の出力がそのままCPU56の
リセット端子に接続される。
【0120】なお、この実施の形態で用いられるCPU
56は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウン
タ回路(CTC)も内蔵している。PIOは、PB0〜
PB3の4ビットおよびPA0〜PA7の1バイトのポ
ートを有する。PB0〜PB3およびPA0〜PA7の
ポートは、入力/出力いずれにも設定できる。
【0121】図15および図16は、この実施の形態に
おける出力ポートの割り当て例を示す説明図である。図
15に示すように、出力ポート0は各電気部品制御基板
に送出される制御コマンドの割込信号およびSTB信号
の出力ポートである。また、払出制御基板37に送出さ
れる払出制御コマンドの8ビットのデータは出力ポート
1から出力され、図柄制御基板80に送出される表示制
御コマンドの8ビットのデータは出力ポート2から出力
され、ランプ制御基板35に送出されるランプ制御コマ
ンドの8ビットのデータは出力ポート3から出力され
る。そして、図16に示すように、音制御基板70に送
出される音制御コマンドの8ビットのデータは出力ポー
ト4から出力される。
【0122】また、出力ポート5から、情報出力回路6
4を介して情報端子板34やターミナル基板160に至
る各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報の出力
データが出力される。そして、出力ポート6から、可変
入賞球装置15を開閉するためのソレノイド16、大入
賞口の開閉板20を開閉するためのソレノイド21、お
よび大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド2
1Aに対する駆動信号が出力される。
【0123】図15および図16に示すように、払出制
御基板37、図柄制御基板80、ランプ制御基板35お
よび音制御基板70に対して出力される各割込信号およ
びSTB信号を出力する出力ポート(出力ポート0)
と、コマンドデータである払出制御信号CD0〜CD
7、表示制御信号CD0〜CD7、ランプ制御信号CD
0〜CD7および音制御信号CD0〜CD7を出力する
出力ポート(出力ポート1〜4)とは、別ポートであ
る。
【0124】従って、割込信号およびSTB信号を出力
する際に、誤って払出制御信号CD0〜CD7、表示制
御信号CD0〜CD7、ランプ制御信号CD0〜CD7
および音制御信号CD0〜CD7を変化させてしまう可
能性が低減する。また、払出制御信号CD0〜CD7、
表示制御信号CD0〜CD7、ランプ制御信号CD0〜
CD7または音制御信号CD0〜CD7を出力する際
に、誤って割込信号およびSTB信号を変化させてしま
う可能性が低減する。その結果、主基板31の遊技制御
手段から各電気部品制御基板に対するコマンドは、より
確実に送出されることになる。さらに、各割込信号およ
びSTB信号は、全て出力ポート0から出力されるよう
に構成されているので、遊技制御手段の割込信号および
STB信号出力処理の負担が軽減される。
【0125】図17は、この実施の形態における入力ポ
ートのビット割り当てを示す説明図である。図17に示
すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞ
れ、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、
始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、V入賞
スイッチ22、ゲートスイッチ32aの検出信号が入力
される。また、入力ポート1のビット0〜4には、それ
ぞれ、賞球カウントスイッチ301A、満タンスイッチ
48、球切れスイッチ187の検出信号、カウントスイ
ッチ短絡信号およびクリアスイッチ921の検出信号が
入力される。なお、各スイッチからの検出信号は、スイ
ッチ回路58において論理反転されている。このよう
に、クリアスイッチ921の検出信号すなわち初期化操
作手段の操作入力は、遊技球を検出するためのスイッチ
の検出信号が入力される入力ポート(8ビット構成の入
力部)と同一の入力ポートにおけるビット(入力ポート
回路)に入力されている。
【0126】なお、この実施の形態では、出力ポートお
よび入力ポートとして、外付けのものが使用されている
が、CPU56に内蔵されているPIOを用いてもよ
い。
【0127】次に遊技機の動作について説明する。図1
8は、主基板31における遊技制御手段(CPU56お
よびROM,RAM等の周辺回路)がプログラムに従っ
て実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊
技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベ
ルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1
以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、C
PU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0128】初期設定処理において、CPU56は、ま
ず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込
モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタ
ックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定す
る(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの
初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス
(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)お
よびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステッ
プS5)を行った後、ウォッチドッグクリア処理(ステ
ップS6)を行って、RAMをアクセス可能状態に設定
する(ステップS7)。ステップS6では、CPU56
がウォッチドッグ機能を内蔵し、それを利用している場
合には、ウォッチドッグ機能の初期化およびタイマクリ
ア処理が行われる。
【0129】この実施の形態で用いられるCPU56
は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回
路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の
外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3
と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
【0130】この実施の形態で用いられているCPU5
6には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類
のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が
発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設
定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタック
にセーブする。
【0131】割込モード0:割込要求を行った内蔵デバ
イスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3
バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よっ
て、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまた
はCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行す
る。リセット時に、CPU56は自動的に割込モード0
になる。よって、割込モード1または割込モード2に設
定したい場合には、初期設定処理において、割込モード
1または割込モード2に設定するための処理を行う必要
がある。
【0132】割込モード1:割込が受け付けられると、
常に0038(H)番地に飛ぶモードである。
【0133】割込モード2:CPU56の特定レジスタ
(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力
する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成
されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すな
わち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値と
され下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示さ
れるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあ
るが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各
内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出
する機能を有している。
【0134】よって、割込モード2に設定されると、各
内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可
能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込
処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード
1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を
用意しておくことも容易である。上述したように、この
実施の形態では、初期設定処理のステップS2におい
て、CPU56は割込モード2に設定される。
【0135】次いで、CPU56は、入力ポート1を介
して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態
を1回だけ確認する(ステップS8)。その確認におい
てオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期
化処理を実行する(ステップS12〜ステップS1
6)。クリアスイッチ921がオンである場合(押下さ
れている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号
が出力されている。なお、入力ポート1では、クリアス
イッチ信号のオン状態はハイレベルである(図15参
照)。また、例えば、遊技店員は、クリアスイッチ92
1をオン状態にしながら遊技機に対する電力供給を開始
することによって、容易に初期化処理を実行させること
ができる。すなわち、RAMクリア等を行うことができ
る。
【0136】クリアスイッチ921がオンの状態でない
場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバック
アップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデ
ータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か
確認する(ステップS9)。この実施の形態では、電力
供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域
のデータを保護するための処理が行われている。そのよ
うな保護処理が行われていた場合をバックアップありと
する。そのような保護処理が行われていないことを確認
したら、CPU56は初期化処理を実行する。
【0137】この実施の形態では、バックアップRAM
領域にバックアップデータがあるか否かは、電力供給停
止時処理においてバックアップRAM領域に設定される
バックアップフラグの状態によって確認される。例え
ば、バックアップフラグ領域に「55(H)」が設定さ
れていればバックアップあり(オン状態)を意味し、
「55(H)」以外の値が設定されていればバックアッ
プなし(オフ状態)を意味する。
【0138】バックアップありを確認したら、CPU5
6は、バックアップRAM領域のデータチェック(この
例ではパリティチェック)を行う(ステップS10)。
この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェック
サムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始ア
ドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの
対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数を
セットする。そして、チェックサムデータエリアの内容
とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を
演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにスト
アするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサ
ム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェック
サム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェッ
クサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チ
ェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転
し、反転後のデータをチェックサムとする。
【0139】電力供給停止時処理において、上記の処理
と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェッ
クサムはバックアップRAM領域に保存されている。ス
テップS9では、算出したチェックサムと保存されてい
るチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給
停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRA
M領域のデータは保存されているはずであるから、チェ
ック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック
結果が正常でないということは、バックアップRAM領
域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なってい
ることを意味する。そのような場合には、内部状態を電
力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供
給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初
期化処理を実行する。
【0140】チェック結果が正常であれば、CPU56
は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部
品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すた
めの遊技状態復旧処理を行う(ステップS11)。そし
て、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プ
ログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのア
ドレスに復帰する。
【0141】このように、バックアップフラグとチェッ
クサム等のチェックデータとを用いてバックアップRA
M領域のデータが保存されているか否かを確認すること
によって、遊技状態を電力供給停止時の状態に正確に戻
すことができる。すなわち、バックアップRAM領域の
データにもとづく状態復旧処理の確実性が向上する。な
お、この実施の形態では、バックアップフラグとチェッ
クデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデ
ータが保存されているか否かを確認しているが、いずれ
か一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフ
ラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を
実行するための契機としてもよい。
【0142】また、電力供給が開始された場合に、電力
供給が停止する前の制御状態に復旧させるか否かを決め
るための復旧条件が複数あり、復旧条件の全てが成立し
ていたら電力供給が停止する前の制御状態に復旧させ、
復旧条件のうち少なくとも1つが成立していなかったら
制御状態を初期化する初期化処理を行うように構成され
ている。従って、誤って復旧処理がなされ、誤った制御
がなされてしまうことが防止される。なお、この例で
は、復旧条件の成立は、クリアスイッチ921の押下が
なかった(クリアスイッチ921の操作信号がない)こ
と、バックアップフラグがオン状態であったこと(変動
データ記憶手段に電力供給停止前の制御状態に関する記
憶内容が記憶されていることを示すフラグがオン状態で
あること)、およびパリティチェックの結果が正常であ
ったことである。
【0143】この実施の形態では、電力供給停止時処理
を実行したことを示すフラグとして1バイトデータであ
るバックアップフラグを用いたが、電力供給停止時処理
を実行したことを示すフラグであればどのような形態の
フラグを用いてもよい。また、そのようなフラグは複数
あってもよい。
【0144】初期化処理では、CPU56は、まず、R
AMクリア処理を行う(ステップS12)。また、所定
の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普
通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、
特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、
賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御
状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期
値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS1
2)。さらに、球払出装置97からの払出が可能である
ことを指示する払出許可状態指定コマンド(以下、払出
可能状態指定コマンドという。)を払出制御基板37に
対して送信する処理を行う(ステップS13)。また、
他のサブ基板(ランプ制御基板35、音制御基板70、
図柄制御基板80)を初期化するための初期化コマンド
を各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS1
4)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示さ
れる初期図柄を示すコマンド(図柄制御基板80に対し
て)や賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を
指示するコマンド(ランプ制御基板35に対して)等が
ある。
【0145】初期化処理では、払出制御基板37に対し
て常に払出可能状態指定コマンドが送信される。仮に、
遊技機の状態が球払出装置97からの払出が可能でない
状態であったとしても、直後に実行される遊技制御処理
において、その旨が検出され、払出が可能でない状態で
あることを指示する払出禁止状態指定コマンド(以下、
払出停止状態指定コマンドという。)が送信されるので
問題はない。
【0146】そして、4ms毎に定期的にタイマ割込が
かかるようにCPU56に設けられているCTCのレジ
スタの設定が行われる(ステップS16)。すなわち、
初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジス
タ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0147】以上のように、この実施の形態では、CP
U56がクリアスイッチ921がオンであることを検出
した場合には、バックアップRAMにデータが保存され
ているか否かに関わらず初期化処理(ステップS12〜
S16)が実行されるので、遊技店の側で強制的に遊技
制御手段を初期化することができる。すなわち、ソフト
ウェア的に遊技制御手段の初期化が実現される。また、
クリアスイッチ921がオンでなくても、バックアップ
フラグとチェックサム等のチェックデータとを用いてソ
フトウェア的に遊技制御手段の初期化を行うことができ
るので、電力供給が復旧したときに、誤った遊技状態が
復元されてしまうことが防止される。
【0148】また、クリアスイッチ921がオンである
ことを検出しない場合に、バックアップRAMにデータ
が正しく保存されていないことを確認したら、CPU5
6は、初期化処理(ステップS12〜S16)を実行す
る。従って、CPU56は、初期化操作手段に対する操
作がなされなくても、所定の初期化条件が成立した場合
には(この例では、ステップS9またはS10で
「N」)、変動データ記憶手段の記憶内容を初期化す
る。
【0149】初期化処理の実行(ステップS12〜S1
6)が完了すると、メイン処理で、割込許可状態とし
(ステップS17)、ステップS20〜S32のループ
処理に移行する。
【0150】ループ処理において、CPU56は、ま
ず、ウォッチドッグクリア処理を実行する(ステップS
20)。ステップS20では、CPU56がウォッチド
ッグ機能を内蔵し、それを利用している場合には、内蔵
されているウォッチドッグタイマにタイマクリアするた
めのデータを書き込む処理が行われる。また、図14に
例示したように、リセットIC651に信号を与えるこ
とによってウォッチドッグ機能を実現している場合に
は、1パルスの信号を出力する。
【0151】次いで、CPU56は、スイッチ処理を行
う(ステップS21)。この実施の形態では、後述する
ように、タイマ割込処理において、入力ポートのデータ
が所定のRAM領域に保存されている。ステップS21
のスイッチ処理では、そのRAM領域を介して、ゲート
スイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイ
ッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33
a,39a等のスイッチの検出信号を認識し、それらの
状態判定を行う。
【0152】次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えら
れている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行
われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる
(エラー処理:ステップS22)。
【0153】次に、CPU56は、割込禁止にした後
(ステップS23)、表示用乱数更新処理(ステップS
24)および初期値用乱数更新処理(ステップS25)
を実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更
新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(ステッ
プS26)。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更
新処理が実行されるときには割込禁止状態になっている
ので、それらの乱数更新処理が実行されている最中に後
述するタイマ割込が生じ割込処理で乱数更新処理が実行
され、カウント値に矛盾が生じてしまうことが防止され
る。
【0154】さらに、CPU56は、特別図柄プロセス
処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス制御
では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序
で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当
する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄
プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更
新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステッ
プS28)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示
器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図
柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて
実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、
遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0155】次いで、CPU56は、表示制御コマンド
等を送信する処理を行う(コマンド制御処理:ステップ
S29)。なお、コマンド制御処理は、特別図柄プロセ
ス処理や普通図柄プロセス処理において実行されるよう
に構成してもよい。
【0156】さらに、CPU56は、例えばホール管理
用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確
率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う
(ステップS30)。
【0157】また、CPU56は、所定の条件が成立し
たときにソレノイド回路59に駆動指令を行うための制
御を行う(ステップS31)。可変入賞球装置15また
は開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口
内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド
回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,
21Aを駆動する。
【0158】そして、CPU56は、始動口スイッチ1
4a、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a
およびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球
個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS
32)。具体的には、タイマ割込処理において入力ポー
トのデータが設定されたRAM領域を介して、始動口ス
イッチ14a、入賞口スイッチ29a,30a,33
a,39aおよびカウントスイッチ23がオンしたこと
を認識したら、払出制御基板37に賞球個数を示す払出
制御コマンドを出力するための制御を行う。払出制御基
板37に搭載されている払出制御用CPU371は、賞
球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97
を駆動する。その後、ステップS20に戻る。
【0159】なお、この実施の形態では、メイン処理の
ループ処理において遊技制御処理(ステップS21〜S
31)が実行されているが、遊技制御処理はタイマ割込
処理において実行されるようにしてもよい。
【0160】図20は、RAM領域の一部を示す説明図
である。図20に示すように、RAM55には、出力ポ
ート0出力内容記憶領域〜出力ポート6出力内容記憶領
域がある。出力ポート0出力内容記憶領域〜出力ポート
6出力内容記憶領域は、それぞれ、出力ポート0〜出力
ポート6に出力される内容を記憶する領域であり、出力
ポート0出力内容記憶領域〜出力ポート6出力内容記憶
領域のそれぞれのビット構成は、出力ポート0〜出力ポ
ート6のビット構成と同一である。
【0161】図21は、CPU56が実行する特別図柄
プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャート
である。図21に示す特別図柄プロセス処理は、図19
のフローチャートにおけるステップS27の具体的な処
理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う
際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)お
よび始動口スイッチ通過確認処理(ステップS311)
を行った後に、内部状態(この例では特別図柄プロセス
フラグ)に応じて、ステップS300〜S309のうち
のいずれかの処理を行う。
【0162】変動短縮タイマ減算処理は、始動記憶(始
動口スイッチ14aがオンしたことの記憶)の記憶可能
最大数に対応した個数設けられている変動短縮タイマを
減算する処理である。そして、後述する特別図柄大当り
判定処理(ステップS301)において、例えば、変動
短縮タイマの値が0になっていて、かつ、低確率状態
(通常状態)では始動記憶数が始動記憶の最大値、確変
状態では始動記憶数が「2」以上であれば、図柄の変動
パターンとして変動時間が短縮されたパターンを用いる
ことに決定される。また、始動口スイッチ通過確認処理
は、始動口スイッチ14aがオンしたときに所定の各乱
数値を取得して記憶する処理である。
【0163】ステップS300〜S309において、以
下のような処理が行われる。
【0164】特別図柄通常処理(ステップS300):
始動記憶数を確認し、始動記憶数が0でなければ、ステ
ップS301に移行するように特別図柄プロセスフラグ
の値を変更する。
【0165】特別図柄大当り判定処理(ステップS30
1):始動入賞があったときに記憶された各種乱数を格
納するバッファ等の内容をシフトする。シフトの結果、
押し出されたバッファの内容にもとづいて大当りとする
か否かを決定する。なお、バッファは、始動入賞の記憶
可能最大数だけ用意されている。また、シフトによって
押し出されたバッファの内容は、最も前に生じた始動入
賞に応じた内容である。そして、大当りとすることに決
定した場合には、大当りフラグをセットする。その後、
ステップS302に移行するように特別図柄プロセスフ
ラグの値を変更する。
【0166】停止図柄設定処理(ステップS302):
特別図柄の可変表示の表示結果である左右中図柄の停止
図柄を決定する。そして、ステップS303に移行する
ように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
【0167】変動パターン設定処理(ステップS30
3):特別図柄の可変表示のパターンすなわち可変表示
パターン(変動パターン)を決定する。そして、決定さ
れた変動パターンおよび停止図柄等を通知するための表
示制御コマンドを図柄制御基板80等に対して出力する
ための処理を行う。その後、ステップS304に移行す
るように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
【0168】特別図柄変動処理(ステップS304):
変動パターンに応じて決められている変動時間が経過し
たか否か確認する。経過していれば、ステップS305
に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更す
る。
【0169】特別図柄図柄停止処理(ステップS30
5):一定時間(例えば1.000秒)が経過した後、
大当りとすることに決定されている場合には、ステップ
S306に移行するように特別図柄プロセスフラグの値
を変更する。そうでなければ、ステップS300に移行
するように特別図柄プロセスフラグの値を変更する。
【0170】大入賞口開放前処理(ステップS30
6):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的に
は、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイ
ド54を駆動して大入賞口を開放する。そして、ステッ
プS307に移行するように特別図柄プロセスフラグの
値を変更する。
【0171】大入賞口開放中処理(ステップS30
7):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行
う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ステップS30
8に移行するように特別図柄プロセスフラグの値を変更
する。
【0172】特定領域有効時間処理(ステップS30
8):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大
当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大
当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウ
ンドがある場合には、ステップS307に移行するよう
に特別図柄プロセスフラグの値を変更する。また、所定
の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかっ
た場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、ス
テップS309に移行するように特別図柄プロセスフラ
グの値を変更する。
【0173】大当り終了処理(ステップS309):大
当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための
表示をランプ制御手段等に行わせる制御を行う。そし
て、ステップS300に移行するように特別図柄プロセ
スフラグの値を変更する。
【0174】図22は、図19に示された遊技制御処理
において実行される普通図柄プロセス処理(ステップS
28)を示すフローチャートである。普通図柄プロセス
処理では、CPU56は、ステップS71のゲートスイ
ッチ処理を実行した後に、普通図柄プロセスフラグの値
に応じてステップS72〜S76に示された処理のうち
のいずれかの処理を実行する。
【0175】ゲートスイッチ処理では、普通図柄変動開
始の条件となるゲート32の打球通過にもとづくゲート
スイッチ32aのオンを検出する。ゲートスイッチ32
aがオンしていたら、普通図柄始動記憶が最大値(この
例では「4」)に達しているか否か確認する。達してい
なければ、普通図柄始動記憶の値を+1する。なお、普
通図柄始動記憶の値が変化すると、その旨を表示制御手
段に伝達するための表示制御コマンド等が図柄制御基板
80等に送信される。そして、CPU56は、普通図柄
当り判定用乱数の値を抽出し、その値を記憶する。な
お、普通図柄始動記憶は、バックアップRAMに形成さ
れている。
【0176】ステップS72の普通図柄変動待ち処理で
は、CPU56は、普通図柄始動記憶の値が0以外であ
れば、普通図柄プロセスフラグの値を更新する。普通図
柄始動記憶の値が0であれば何もしない。
【0177】ステップS73の普通図柄判定処理では、
CPU56は、普通図柄始動記憶数=1に対応する乱数
値格納エリアに格納されている値を読み出すとともに、
普通図柄始動記憶の値を1減らし、かつ、各乱数値格納
エリアの値をシフトする。すなわち、普通図柄始動記憶
数=n(n=2,3,4)に対応する乱数値格納エリア
に格納されている値を、普通図柄始動記憶数=n−1に
対応する乱数値格納エリアに格納する。そして、CPU
56は、抽出されている普通図柄当り判定用乱数の値に
もとづいて当り/はずれを決定する。
【0178】また、普通図柄の停止図柄を図柄制御基板
80に通知するために、停止図柄を示す表示制御コマン
ドを送信するための制御を行う。具体的には、所定の格
納領域(RAM)に停止図柄を示す表示制御コマンドを
格納し、コマンド送出要求のためのデータをセットす
る。そのデータは、遊技制御処理におけるコマンド制御
処理(ステップS29)で参照される。あるいは、停止
図柄を示す表示制御コマンドが格納されているコマンド
送信テーブル(ROM)のアドレスを、コマンド制御処
理において認識可能に指定する。次いで、普通図柄変動
開始を示す表示制御コマンドを送信するための制御を行
う。具体的には、所定の格納領域(RAM)に普通図柄
変動開始を示す表示制御コマンドを格納し、コマンド送
出要求のためのデータをセットする。あるいは、普通図
柄変動開始を示す表示制御コマンドが格納されているコ
マンド送信テーブル(ROM)のアドレスを指定する。
【0179】そして、普通図柄変動時間タイマをスター
トする。例えば、高確率時には、普通図柄変動時間タイ
マに5.1秒に相当する値を設定する。低確率時には、
普通図柄変動時間タイマに29.2秒に相当する値を設
定する。また、普通図柄プロセスフラグを普通図柄変動
処理を示す値に更新する。
【0180】普通図柄の変動制御は、図柄制御基板80
に搭載されている表示制御手段(表示制御用CPU10
1等)によって実行される。表示制御手段は、普通図柄
変動開始を示す表示制御コマンドを受信したら普通図柄
の変動を開始する。そして、後述する普通図柄変動停止
を示す表示制御コマンドを受信したら普通図柄の変動を
停止し、通知されている停止図柄を表示する。
【0181】ステップS74の普通図柄変動処理では、
普通図柄変動時間タイマがタイムアウトしたか否か確認
する。タイムアウトしていたら、普通図柄プロセスフラ
グを普通図柄停止処理を示す値に更新する。
【0182】ステップS75の普通図柄停止処理では普
通図柄変動停止を示す表示制御コマンドを送信するため
の制御を行う。そして、当りとすることに決定されてい
るときには、普通電動役物当りフラグを設定すると共
に、普通図柄プロセスフラグを始動入賞口開閉処理を示
す値に更新する。始動入賞口開閉処理では、所定回数だ
け所定期間始動入賞口(可変入賞球装置15)を開放す
る制御が行われる。また、はずれとすることに決定され
ているときには、普通図柄プロセスフラグを普通図柄変
動待ち処理を示す値に更新する。
【0183】なお、始動入賞口開閉処理で用いられる開
放パターンは、例えば、低確率時には、可変入賞球装置
15が1回だけ0.2秒間開放するようなパターンであ
る。また、高確率時には、可変入賞球装置15が1.1
5秒間開放した後4.4秒の閉成期間をおいて再度1.
15秒間開放するようなパターンである。可変入賞球装
置15は、開放パターンに従って開閉制御される。な
お、この実施の形態では、普通電動役物としての可変入
賞球装置15は、始動入賞口14を開閉するための電動
役物と兼用されている。
【0184】図23は、この実施の形態における主基板
31から他の各電気部品制御基板(サブ基板)に送信さ
れる制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマン
ド、ランプ制御コマンド、音制御コマンド)の送出形態
を示すタイミング図である。この例では、制御コマンド
のコマンドデータは1バイトで構成されている。
【0185】図23に示すように、主基板31(メイ
ン)からコマンドデータが出力された後、割込信号およ
びSTB信号がオン状態になる。このように、遊技制御
手段は、コマンドデータの出力に関連して、データ出力
中信号(この例ではSTB信号)の出力タイミングと同
タイミングで、コマンドデータの電気部品制御手段への
入力を指示するための指示信号としての割込信号を出力
する。
【0186】その後、メインからの割込信号はオフ状態
になり、サブ基板の電気部品制御手段がコマンド受信処
理を完了した後のタイミングで、メインからのSTB信
号はオフ状態になる。
【0187】図24は、表示制御コマンドを送信するた
めのコマンド制御処理の一例を示すフローチャートであ
る。表示制御コマンドを送信するためのコマンド制御処
理は、例えば、図19に示されたフローチャートにおけ
るステップS29において実行される。表示制御コマン
ドを送信するためのコマンド制御処理において、CPU
56は、出力ポート2出力内容記憶領域に、送出すべき
表示制御コマンドのコマンドデータを書き込む(ステッ
プS331)。そして、表示制御コマンド送出要求フラ
グをセットする(ステップS332)。なお、ステップ
S331では出力ポート2出力内容記憶領域ではなくバ
ックアップRAMにおける他の領域にコマンドデータを
書き込み、実際にコマンドデータが出力ポート2に出力
されるときに、出力ポート2出力内容記憶領域にコマン
ドデータを書き込むように構成してもよい。
【0188】なお、表示制御コマンドを出力ポートに出
力する処理は、後述するタイマ割込処理において実行さ
れる。また、表示制御コマンドを送信するためのコマン
ド制御処理は、図19におけるループ処理で実行されて
いるので、同一処理が繰り返し実行されないように、図
24に示す処理は、前の表示制御コマンドの送信が完了
したことを確認してから実行されるようにプログラム構
成されていることが好ましい。
【0189】図25は、払出制御コマンドを送信するた
めのコマンド制御処理の一例を示すフローチャートであ
る。払出制御コマンドを送信するためのコマンド制御処
理は、例えば、図19に示されたフローチャートにおけ
るステップS32の賞球処理において実行される。払出
制御コマンドを送信するためのコマンド制御処理におい
て、CPU56は、出力ポート1出力内容記憶領域に、
送出すべき払出制御コマンドのコマンドデータを書き込
む(ステップS335)。そして、払出制御コマンド送
出要求フラグをセットする(ステップS336)。な
お、ステップS335では出力ポート1出力内容記憶領
域ではなくバックアップRAMにおける他の領域にコマ
ンドデータを書き込み、実際にコマンドデータが出力ポ
ート1に出力されるときに、出力ポート1出力内容記憶
領域にコマンドデータを書き込むように構成してもよ
い。
【0190】例えば、賞球払出数を指定するための払出
制御コマンドとして、01(H)〜0F(H)のいずれ
かが用いられる。従って、1個〜15個の賞球払出数を
指定することができる。また、払出制御状態を指定する
ための払出制御コマンドとして、01(H)〜0F
(H)以外の1バイトのデータが用いられる。例えば、
払出禁止を指定する場合には11(H)が用いられ、払
出禁止解除を指定する場合には12(H)が用いられ
る。あるいは、払出禁止/払出禁止解除の原因毎に払出
制御コマンドを定義してもよい。例えば、球切れ(補給
球不足)の場合にはF0(H)、その解除の場合にはF
1(H)、下皿満タンの場合にはF2(H)、その解除
の場合にはF3(H)のようにしてもよい。さらに、1
バイトのうちの上位の4ビットを指示の種類を示すデー
タとし、下位の4ビットを具体的内容を示すデータとし
てもよい。例えば、上位4ビットが0000であれば賞
球払出数を指示することとし下位4ビットで賞球数を示
すようにする。また、上位4ビットが0001であれば
払出禁止/払出禁止解除を指示することにしてもよい。
【0191】図26は、タイマ割込処理を示すフローチ
ャートである。タイマ割込処理において、CPU56
は、レジスタの退避処理を行った後(ステップS10
0)、ポート入力処理(ステップS101)、ポート出
力処理(ステップS102)およびタイマ更新処理(ス
テップS103)を行う。そして、レジスタの復旧処理
を行い(ステップS104)、割込許可状態にして(ス
テップS105)、処理を終了する。
【0192】ステップS101のポート入力処理は、入
力ポートのデータを読み出して、読み出したデータを所
定のRAM領域に書き込む処理である。遊技制御処理
(図19に示されたループ処理)では、RAM領域の内
容にもとづいて入力ポートの入力状態を認識する。ステ
ップS102のポート出力処理は、出力ポート1出力内
容記憶領域〜出力ポート6出力内容記憶領域の内容を出
力ポート1〜6に出力するとともに、制御コマンドが各
サブ基板における電気部品制御手段に受信可能なように
割込信号およびSTB信号を制御する処理である。ステ
ップS103のタイマ更新処理は、遊技制御処理におい
て用いられている各種タイマの値を減算する処理であ
る。例えば、遊技制御処理では、タイマに計測時間に相
当した値をタイマにセットし、タイマの値が0になった
らタイムアウトしたと認識する。
【0193】遊技制御手段は、メイン処理とタイマ割込
処理とを協働させて遊技の制御を進行している。すなわ
ち、遊技制御手段は、所定の制御周期毎に発生する割込
に関連して遊技の制御を実行している。
【0194】図27は、ポート出力処理(ステップS1
02)の構成例を示すフローチャートである。ポート出
力処理において、CPU56は、出力ポート5出力内容
記憶領域のデータを出力ポート5(図16参照)に出力
する(ステップS341)。また、出力ポート6出力内
容記憶領域のデータを出力ポート6(図16参照)に出
力する(ステップS342)。なお、出力ポート5出力
内容記憶領域および、出力ポート6出力内容記憶領域に
は、遊技制御処理(図19に示されたループ処理)にお
いて、出力ポートの各ビットのオン/オフに応じたデー
タが設定されている。例えば、出力ポート5出力内容記
憶領域のビット0〜2は、遊技制御処理におけるソレノ
イド処理(ステップS31)でオン/オフ(セット/リ
セット)される。
【0195】次いで、CPU56は、制御コマンド(払
出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマン
ド、音制御コマンド)を送信するための制御(ステップ
S343〜S353)を行う。まず、制御コマンド送出
要求フラグ(払出制御コマンド送出要求フラグ、表示制
御コマンド送出要求フラグ、ランプ制御コマンド送出要
求フラグまたは音制御コマンド送出要求フラグ)がセッ
トされているか否か確認する(ステップS343)。い
ずれの制御コマンド送出要求フラグもセットされていな
い場合には、何もせずリターンする。
【0196】いずれかの制御コマンド送出要求フラグが
セットされている場合には、その制御コマンド送出要求
フラグに対応したポート出力内容記憶領域(出力ポート
1出力内容記憶領域〜出力ポート4出力内容記憶領域の
いずれか)のデータを、対応する出力ポート(出力ポー
ト1〜出力ポート4のいずれか)に出力する(ステップ
S344)。例えば、払出制御コマンド送出要求フラグ
がセットされていた場合には、出力ポート1出力内容記
憶領域のデータを出力ポート1(図15参照)に出力す
る。このタイミングは、図23におけるa区間の開始時
に相当する。
【0197】次に、CPU56は、出力ポート0の、デ
ータを出力した出力ポート(出力ポート1〜出力ポート
4のいずれか)に対応した出力ポート0の割込信号のビ
ット(ビット0〜3のいずれか)と、出力ポート0のS
TB信号のビット(ビット4〜7のいずれか)とに
「1」を出力する(ステップS345)。例えば、ステ
ップS344において出力ポート1出力内容記憶領域の
データを出力ポート1に出力した場合には、出力ポート
0のビット0(払出制御信号用割込信号)とビット4
(払出制御信号用STB信号)とに「1」を出力する。
このタイミングは、図23におけるb区間の開始時に相
当する。なお、ステップS344とS345との間に、
ディレイ時間をおいてもよい。
【0198】そして、対応する制御コマンド送出要求フ
ラグをクリアする(ステップS346)。例えば、ステ
ップS344において出力ポート1出力内容記憶領域の
データを出力ポート1に出力した場合には、払出制御コ
マンド送出要求フラグをクリアする。また、出力ポート
0の出力状態を出力ポート0出力内容記憶領域にコピー
しておく(ステップS347)。
【0199】次いで、図23におけるb区間とc区間の
時間の合計に相当する時間だけ待ってから(ステップS
348)、データを出力した出力ポート(出力ポート1
〜出力ポート4のいずれか)に対応した出力ポート0の
割込信号のビット(ビット0〜3のいずれか)を「0」
にする(ステップS349)。例えば、ステップS34
4において出力ポート1出力内容記憶領域のデータを出
力ポート1に出力した場合には、出力ポート0のビット
0(払出制御信号用割込信号)に「0」を出力する。ま
た、出力ポート0の出力状態を出力ポート0出力内容記
憶領域にコピーしておく(ステップS350)。このタ
イミングは、図23におけるd区間の開始時に相当す
る。なお、b区間は、主基板31が割込信号を出力して
からサブ基板において割込が受け付けられるまでの遅れ
時間に相当する。
【0200】さらに、図23におけるd区間とe区間の
時間の合計に相当する時間だけ待ってから(ステップS
351)、データを出力した出力ポート(出力ポート1
〜出力ポート4のいずれか)に対応した出力ポート0の
STB信号のビット(ビット4〜7のいずれか)を
「0」にする(ステップS352)。例えば、ステップ
S344において出力ポート1出力内容記憶領域のデー
タを出力ポート1に出力した場合には、出力ポート0の
ビット4(払出制御信号用STB信号)に「0」を出力
する。また、出力ポート0の出力状態を出力ポート0出
力内容記憶領域にコピーしておく(ステップS35
3)。このタイミングは、図23におけるe区間の終了
時に相当する。
【0201】なお、ステップS343において、制御コ
マンド送出要求フラグ(払出制御コマンド送出要求フラ
グ、表示制御コマンド送出要求フラグ、ランプ制御コマ
ンド送出要求フラグまたは音制御コマンド送出要求フラ
グ)がリセット状態であった場合には、リセット状態で
あった制御コマンド送出要求フラグに対応したポート出
力内容記憶領域(出力ポート1出力内容記憶領域〜出力
ポート4出力内容記憶領域のいずれか)に、所定のデー
タ(例えばクリアデータとしての00(H)やクリアデ
ータ以外のFF(H))を設定するとともに、対応する
出力ポート(出力ポート1〜出力ポート4のいずれか)
に、同じ値を出力するようにしてもよい。すなわち、制
御期間(この例では4ms)内に制御コマンドの送出制
御を実行しない場合には、ポート出力内容記憶領域の内
容を所定の内容としてもよい。
【0202】また、タイマ割込処理は4ms毎に実行さ
れるので、図27に示されたポート出力処理も4msに
1回しか実行されない。従って、各電気部品制御基板に
は、主基板31から、1回の制御期間(この例では4m
s)において高々1つの制御コマンドしか出力されな
い。
【0203】以上のようにして、図23に示されたよう
なタイミングで、制御コマンドがサブ基板に送出され
る。なお、タイマ割込がかかったときに、複数種類の制
御コマンド送出要求フラグがオンしていたときには、例
えば、あらかじめ決められている優先順位に従って、い
ずれかの制御コマンド送出要求フラグについてステップ
S344〜S353の処理が実行される。
【0204】このように、この実施の形態では、制御コ
マンドのコマンドデータを出力するときに、ポート出力
内容記憶領域のデータを出力ポートに出力する。そし
て、ポート出力内容記憶領域のデータは、電力供給が停
止しても所定期間はその内容が保存されるバックアップ
RAMに設定される。上述したように、メイン処理では
ポート出力内容記憶領域ではなくバックアップRAMに
おける他の領域にコマンドデータを書き込み、実際にコ
マンドデータが出力ポートに出力されるときに、ポート
出力内容記憶領域にコマンドデータを書き込むように構
成した場合には、出力ポートにコマンドデータを出力す
るときに、ポート出力内容記憶領域に、出力ポートに出
力したコマンドデータが設定される。
【0205】図28は、遊技状態復旧処理の一例を示す
フローチャートである。遊技状態復旧処理において、C
PU56は、まず、スタックポインタの復旧処理を行う
(ステップS81)。スタックポインタの値は、後で詳
述する電力供給停止時処理において、所定のRAMエリ
ア(電源バックアップされているバックアップRAM領
域)に退避している。よって、ステップS81では、そ
のRAMエリアの値をスタックポインタに設定すること
によって復旧させる。なお、復旧されたスタックポイン
タが指す領域(すなわちスタック領域)には、電力供給
が停止したときのレジスタ値やプログラムカウンタ(P
C)の値が退避している。
【0206】そして、CPU56は、CTCやPIOな
どの内蔵デバイスの初期設定を行い、また、スタック領
域から各種レジスタの退避値を読み出して、各種レジス
タに設定する(ステップS91)。すなわち、レジスタ
復元処理を行う。ここで、RAMアクセス許可状態に設
定する処理も行う。さらに、バックアップフラグをクリ
アする(ステップS92)すなわち、前回の電力供給停
止時に所定の記憶保護処理を行うための電力供給停止時
処理が実行されたことを示すフラグをリセットする。ま
た、パリティフラグがオンしていない場合には割込許可
状態にする(ステップS93,S94)。最後に、AF
レジスタ(アキュミュレータとフラグのレジスタ)をス
タック領域から復元する(ステップS95)。
【0207】さらに、保存されていた出力ポート1〜4
出力内容記憶領域(払出制御信号、表示制御信号、ラン
プ制御信号および音制御信号のコマンドデータを記憶す
る領域)の内容を出力ポート1〜4に出力するととも
に、保存されていた出力ポート0出力内容記憶領域(各
制御コマンドに関する割込信号とSTB信号の出力状態
を記憶する領域)の内容を出力ポート0に出力する(ス
テップS96)。
【0208】そして、RET命令が実行されるのである
が、ここでのリターン先は、遊技状態復旧処理をコール
した部分ではない。なぜなら、ステップS81において
スタックポインタの復旧処理がなされ、復旧されたスタ
ックポインタが指すスタック領域に格納されているリタ
ーンアドレスは、プログラムにおける前回の電力供給停
止時にNMIが発生したアドレスである。従って、ステ
ップS95の次のRET命令によって、電力供給停止時
にNMIが発生したアドレスにリターンする。すなわ
ち、スタック領域に退避されていたアドレスにもとづい
て復旧制御が実行されている。
【0209】遊技状態復旧処理において、以上のような
処理が行われることによって、電力供給が停止したとき
に(具体的にはマスク不能割込がかかって電力供給停止
時処理を行っていたときに)、図23に示されたa〜e
区間のいずれかの制御を行っていた場合でも、それぞれ
の制御に復旧する。また、ステップS96の処理によっ
て、制御コマンドに関連する出力ポートの状態も完全に
復元される。従って、例えば、a区間の状態に復旧した
場合には、制御コマンドのコマンドデータが出力ポート
に出力された状態で、電力供給が停止したときの制御状
態に復旧することができる。この場合、電力供給が停止
したときの制御状態は、制御コマンドのコマンドデータ
を出力した後、割込信号およびSTB信号を出力する前
の状態である(図27におけるステップS344の処理
完了後、ステップS345の処理開始前)。よって、制
御状態が復旧することによってステップS345の処理
が開始され、割込信号およびSTB信号が出力ポートに
出力される。
【0210】このように、遊技制御手段は、コマンドデ
ータを出力した後にコマンドデータの取り込み(電気部
品制御手段への入力)を指示するための信号(この例で
は割込信号およびSTB信号)を出力するまでの間に電
力供給が停止した場合には、電力供給が再開されたとき
に、コマンドデータに関する出力ポートの状態を復旧さ
せた後、コマンドデータの取り込みを指示するための信
号を出力するように構成されている。
【0211】図29は、電源基板910からの電源断信
号に応じて実行されるマスク不能割込処理(電力供給停
止時処理)の処理例を示すフローチャートである。CP
U56のXNMI端子にローレベルからハイレベルへの
変化が生じてマスク不能割込が発生すると、CPU56
に内蔵されている割込制御機構は、マスク不能割込発生
時に実行されていたプログラムのアドレス(具体的には
実行完了後の次のアドレス)をスタックポインタが指す
スタック領域に退避させるとともに、スタックポインタ
の値を増やす。すなわち、スタックポインタの値がスタ
ック領域の次のアドレスを指すように更新する。なお、
この実施の形態では、XNMI端子にローレベルからハ
イレベルへの変化が生ずると割込が生ずるが、他の態様
のレベル変化に応じて割込が発生するマイクロコンピュ
ータを用いても、以下のような制御を実行することがで
きる。
【0212】電力供給停止時処理において、CPU56
は、AFレジスタ(アキュミュレータとフラグのレジス
タ)をバックアップRAM領域のスタック領域に退避さ
せる(ステップS451)。また、割込フラグをパリテ
ィフラグにコピーする(ステップS452)。パリティ
フラグはバックアップRAM領域に形成されている。割
込フラグは、割込許可状態であるのか割込禁止状態であ
るのかを示すフラグであって、CPU56が内蔵する制
御レジスタ中にある。割込フラグのオン状態が割込禁止
状態であることを示す。上述したように、パリティフラ
グは遊技状態復旧処理で参照される。そして、遊技状態
復旧処理において、パリティフラグがオン状態であれ
ば、割込許可状態には設定されない。
【0213】また、BCレジスタ、DEレジスタ、HL
レジスタ、IXレジスタおよびスタックポインタをバッ
クアップRAM領域のスタック領域に退避させる(ステ
ップS454〜S458)。なお、ステップS451〜
S458の処理は、電源監視手段の検出信号に応じて制
御状態を復旧させるために必要なデータを変動データ記
憶手段に保存させるためのデータ退避処理に相当する。
【0214】次に、バックアップあり指定値(この例で
は「55H」)をバックアップフラグにストアする。バ
ックアップフラグはバックアップRAM領域に形成され
ている。次いで、パリティデータを作成する(ステップ
S460〜S467)。すなわち、まず、クリアデータ
(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステ
ップS460)、チェックサム算出開始アドレスをポイ
ンタにセットする(ステップS461)。また、チェッ
クサム算出回数をセットする(ステップS462)。
【0215】そして、チェックサムデータエリアの内容
とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を
演算する(ステップS463)。演算結果をチェックサ
ムデータエリアにストアするとともに(ステップS46
4)、ポインタの値を1増やし(ステップS465)、
チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS4
66)。ステップS463〜S466の処理が、チェッ
クサム算出回数の値が0になるまで繰り返される(ステ
ップS467)。
【0216】チェックサム算出回数の値が0になった
ら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の
各ビットの値を反転する(ステップS468)。そし
て、反転後のデータをチェックサムデータエリアにスト
アする(ステップS469)。このデータが、電源投入
時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、R
AMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ス
テップS470)。以後、内蔵RAM55のアクセスが
できなくなる。従って、電圧低下に伴ってプログラムの
暴走が生じても、RAMの記憶内容が破壊されるような
ことはない。
【0217】その後、CPU56は、待機状態(ループ
状態)に入る。従って、システムリセットされるまで、
何もしない状態になる。なお、ウォッチドッグタイマを
使用している場合には、ループ状態でウォッチドッグク
リア処理を行っていないので、ウォッチドッグタイマが
タイムアウトする。ただし、正常な電力供給停止時には
その前にシステムリセットがかかる。しかし、例えばノ
イズ等によってNMIがかかった場合には、電力供給停
止時ではないのでシステムリセットがかからないが、ウ
ォッチドッグタイマのタイムアウトによってリセットが
かかり、ループから抜け出すことができる。
【0218】図30は、この実施の形態におけるRAM
領域のアドレスマップを示す説明図である。図30に示
すように、RAM領域の先頭はバックアップフラグの領
域に割り当てられている。そして、最後部にチェックサ
ムバッファの領域が割り当てられている。なお、バック
アップフラグからチェックサムバッファまでの領域は作
業領域に相当し、チェックサムバッファ以降の領域にス
タック領域が設定されている。また、この実施の形態で
は、RAM領域の全てが電源バックアップされている。
【0219】なお、図20に示された出力ポート0出力
内容記憶領域〜出力ポート6出力内容記憶領域は、図3
0に示すコマンド制御用バッファの一部に相当する。
【0220】図31は、チェックサム作成方法の一例を
説明するための説明図である。ただし、図31に示す例
では、簡単のために、バックアップRAM領域のデータ
のサイズを3バイトとする。電源電圧低下にもとづく電
力供給停止時処理において、図31に示すように、チェ
ックサムデータとして初期データ(この例では00
(H))が設定される。次に、「00(H)」と「F0
(H)」の排他的論理和がとられ、その結果と「16
(H)」の排他的論理和がとられる。さらに、その結果
と「DF(H)」の排他的論理和がとられる。そして、
その結果(この例では「39(H)」)を論理反転して
得られた値(この例では「C6(H)」)がチェックサ
ムバッファに設定される。
【0221】なお、図31では、説明を容易にするため
に、論理反転前のデータ「39(H)」がチェックサム
バッファに格納されている様子が示されている。なお、
初期データとしての00(H)はステップS460で設
定されるチェックサムデータに対するクリアデータに応
じた値であるが、実際には、00(H)との排他的論理
和は演算前と後とで値が変わらないので、00(H)と
の排他的論理和演算を行わなくてもよい。
【0222】この実施の形態では、チェックサムバッフ
ァは、バックアップRAM領域(変動データ記憶手段)
の最後のアドレスに格納されている。従って、例えば、
チェックサム作成方法のプログラムに誤りがないかどう
か確認する際に、容易にその確認を行うことができる。
RAM領域の最終アドレスの値が正しいか否か確認すれ
ばよいからである。また、この実施の形態では、チェッ
クサム算出開始アドレスはバックアップフラグが設定さ
れるアドレスであり、チェックサム算出最終アドレスは
賞球制御用フラグ・バッファのうちの最後のアドレスで
ある(図30参照)。従って、賞球制御用フラグ・バッ
ファの後、すなわち、バックアップRAM領域の最後の
アドレスをチェックサムバッファの領域にすれば、RA
M領域において無駄が生ずることはない。
【0223】なお、確認のしやすさやRAM領域の無駄
防止を考慮すると、バックアップRAM領域の最初のア
ドレスをチェックサムバッファの領域にしてもよい。
【0224】また、遊技機への電力供給開始時にはパリ
ティチェックOKか否かの判断が行われるが(図18に
おけるステップS10)、その判断では、電力供給停止
時処理におけるパリティデータの作成処理(ステップS
460〜S469)と同様の処理が行われ、処理結果す
なわち演算結果がチェックサムバッファの内容と一致し
たらパリティチェックOKと判定される。
【0225】なお、ここでは、バックアップRAM領域
の最後または最初のアドレスをチェックサムバッファの
領域にしたが、バックアップRAM領域の中途の領域に
チェックサムバッファの領域を割り当ててもよい。ま
た、この実施の形態では、作業領域のデータにもとづい
てチェックサムが生成されているが、スタック領域のデ
ータも含めてチェックサムを生成するようにしてもよ
い。
【0226】さらに、この実施の形態では、電力供給開
始時に、電力供給停止時処理における処理と同じ処理に
よってチェックサムを生成し、生成されたチェックサム
とバックアップRAMに保存されていたチェックサムと
を比較したが、他の方法を用いてもよい。例えば、バッ
クアップRAMに保存されていたチェックサムを初期値
として、電力供給停止時処理において演算対象となった
各データについて演算を行い、演算結果が所定値(例え
ば00(H))と一致したらパリティチェックOKと判
定するようにしてもよい。
【0227】また、チェックのためのチェックデータは
チェックサムに限られず、バックアップRAMの内容が
正当に保存されているかを判定できるものであれば、他
のチェックデータを用いてもよいし、チェックデータは
複数あってもよい。その場合、各チェックデータのチェ
ック対象となるRAM領域が別であってもよい。すなわ
ち、RAM領域における複数部分の各部分についてチェ
ックデータを作成するようにしてもよい。
【0228】図32は、払出制御用CPU371周りの
一構成例を示すブロック図である。図32に示すよう
に、電源基板910の電源監視回路(電源監視手段)か
らの電源断信号が、バッファ回路960を介して払出制
御用CPU371のマスク不能割込端子(XNMI端
子)に接続されている。従って、払出制御用CPU37
1は、マスク不能割込処理によって遊技機への電力供給
停止の発生を確認することができる。なお、バッファ回
路960から出力される信号は電源監視回路910から
の検出信号と実質的に変わらないので(増幅を受けたの
み)、以下、バッファ回路960から出力される信号を
検出信号またはNMI信号と呼ぶことがある。
【0229】払出制御用CPU371のCLK/TRG
2端子には、主基板31からの払出制御用の割込信号が
接続されている。CLK/TRG2端子にクロック信号
が入力されると、払出制御用CPU371に内蔵されて
いるタイマカウンタレジスタCLK/TRG2の値がダ
ウンカウントされる。そして、レジスタ値が0になると
割込が発生する。従って、タイマカウンタレジスタCL
K/TRG2の初期値を「1」に設定しておけば、割込
信号の入力に応じて割込が発生することになる。そし
て、払出制御用CPU371は、割込が発生すると、コ
マンド受信割込処理を実行する。
【0230】払出制御基板37には、システムリセット
回路975も搭載されているが、この実施の形態では、
システムリセット回路975におけるリセットIC97
6は、電源投入時に、外付けのコンデンサに容量で決ま
る所定時間だけ出力をローレベルとし、所定時間が経過
すると出力をハイレベルにする。また、リセットIC9
76は、VSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値(例
えば+9V)以下になると出力をローレベルにする。従
って、遊技機への電力供給停止時には、リセットIC9
76からの信号がローレベルになることによって払出制
御用CPU371がシステムリセットされる。
【0231】リセットIC976が電力供給停止を検知
するための所定値は、通常時の電圧より低いが、払出制
御用CPU371が暫くの間動作しうる程度の電圧であ
る。また、リセットIC976が、払出制御用CPU3
71が必要とする電圧(この例では+5V)よりも高い
電圧を監視するように構成されているので、払出制御用
CPU371が必要とする電圧に対して監視範囲を広げ
ることができる。従って、より精密な監視を行うことが
できる。
【0232】+5V電源から電力が供給されていない
間、払出制御用CPU371の内蔵RAMの少なくとも
一部は、電源基板から供給されるバックアップ電源がバ
ックアップ端子に接続されることによってバックアップ
され、停電等の遊技機に対する電力供給停止が発生して
も内容は保存される。そして、+5V電源が復旧する
と、システムリセット回路975からリセット信号が発
せられるので、払出制御用CPU371は、通常の動作
状態に復旧する。そのとき、必要なデータがバックアッ
プされているので、停電等からの復旧時には停電発生時
の払出制御状態に復旧させることができる。
【0233】なお、図32に示された構成では、システ
ムリセット回路975は、電源投入時に、コンデンサの
容量で決まる期間のローレベルを出力し、その後ハイレ
ベルを出力する。すなわち、リセット解除タイミングは
1回だけである。しかし、図9に示された主基板31の
場合と同様に、複数回のリセット解除タイミングが発生
するような回路構成を用いてもよい。
【0234】また、図32に示す例では、リセットIC
976のCK端子には払出制御用CPU371の出力ポ
ートから、ある時間間隔で信号が供給される。その信号
が途絶えて所定期間(ウォッチドッグタイマのタイムア
ウト時間)以上信号の入力がない状態になると、リセッ
トIC976は、リセット信号のレベルを一旦リセット
レベルにする。図32では、払出制御用CPU371か
らリセットIC976に対する信号は内蔵出力ポートか
ら出力される例が示されているが、その信号は、外付け
の出力ポートから出力されるようにしてもよい。
【0235】また、払出制御用CPU371がウォッチ
ドッグ機能を内蔵しウォッチドッグタイマのタイムアウ
トによって内部的に払出制御用CPU371にリセット
がかかるようなCPUであり、その機能を利用している
場合には、リセットIC976のCK端子に信号を与え
るような構成を用いなくてもよい。
【0236】図33は、この実施の形態における出力ポ
ートの割り当てを示す説明図である。図33に示すよう
に、出力ポートC(アドレス00H)は、払出モータ2
89に出力される駆動信号等の出力ポートである。ま
た、出力ポートD(アドレス01H)は、7セグメント
LEDであるエラー表示LED374に出力される表示
制御信号の出力ポートである。そして、出力ポートE
(アドレス02H)は、振分ソレノイド310に出力さ
れる駆動信号、およびカードユニット50に対するEX
S信号とPRDY信号とを出力するための出力ポートで
ある。
【0237】図34は、この実施の形態における入力ポ
ートのビット割り当てを示す説明図である。図34に示
すように、入力ポートA(アドレス06H)は、主基板
31から送出された払出制御コマンドの8ビットの払出
制御信号を取り込むための入力ポートである。また、入
力ポートB(アドレス07H)のビット0〜1には、そ
れぞれ、賞球カウントスイッチ301Aおよび球貸しカ
ウントスイッチ301Bの検出信号が入力される。ビッ
ト2〜5には、カードユニット50からのBRDY信
号、BRQ信号、VL信号およびクリアスイッチ921
の検出信号が入力される。また、ビット7には、主基板
31からの払出制御信号用STB信号が入力される。
【0238】なお、図12に示すように、この実施の形
態では、出力ポートおよび入力ポートとして、外付けの
ものが使用されているが、払出制御用CPU371に内
蔵されているPIOを用いてもよい。
【0239】図35は、払出制御手段(払出制御用CP
U371およびROM,RAM等の周辺回路)がプログ
ラムに従って実行するメイン処理を示すフローチャート
である。メイン処理では、払出制御用CPU371は、
まず、必要な初期設定を行う。すなわち、払出制御用C
PU371は、まず、割込禁止に設定する(ステップS
700)。次に、割込モードを割込モード2に設定し
(ステップS701)、スタックポインタにスタックポ
インタ指定アドレスを設定する(ステップS702)。
また、払出制御用CPU371は、内蔵デバイスレジス
タの初期化を行い(ステップS703)、CTCおよび
PIOの初期化(ステップS704)を行った後に、ウ
ォッチドッグクリア処理(ステップS705)を行っ
て、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS
706)。ステップS6では、払出制御用CPU371
がウォッチドッグ機能を内蔵し、それを利用している場
合には、ウォッチドッグ機能の初期化およびタイマクリ
ア処理が行われる。
【0240】この実施の形態では、内蔵CTCのうちの
一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、
ステップS703の内蔵デバイスレジスタの設定処理お
よびステップS704の処理において、使用するチャネ
ルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込
発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを
設定するためのレジスタ設定が行われる。そして、その
チャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タ
イマ割込を例えば1ms毎に発生させたい場合は、初期
値として1msに相当する値が所定のレジスタ(時間定
数レジスタ)に設定される。
【0241】なお、タイマモードに設定されたチャネル
(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベ
クタは、タイマ割込処理の先頭アドレスに相当するもの
である。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベ
クタとでタイマ割込処理の先頭アドレスが特定される。
タイマ割込処理では、払出制御処理が実行される。
【0242】また、内蔵CTCのうちの他の一つのチャ
ネル(この実施の形態ではチャネル2)が、遊技制御手
段からの払出制御コマンド受信のための割込発生用のチ
ャネルとして用いられ、そのチャネルがカウンタモード
で使用される。従って、ステップS703の内蔵デバイ
スレジスタの設定処理およびステップS704の処理に
おいて、使用するチャネルをカウンタモードに設定する
ためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジス
タ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定
が行われる。
【0243】カウンタモードに設定されたチャネル(チ
ャネル2)に設定される割込ベクタは、後述するコマン
ド受信割込処理の先頭アドレスに相当するものである。
具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとで
コマンド受信割込処理の先頭アドレスが特定される。
【0244】この実施の形態では、払出制御用CPU3
71でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CT
Cのカウントアップにもとづく割込処理を使用すること
ができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた
割込処理開始アドレスを設定することができる。
【0245】CTCのチャネル2(CH2)のカウント
アップにもとづく割込は、上述したタイマカウンタレジ
スタCLK/TRG2の値が「0」になったときに発生
する割込である。従って、例えばステップS705にお
いて、特定レジスタとしてのタイマカウンタレジスタC
LK/TRG2に初期値「1」が設定される。さらに、
CLK/TRG2端子に入力される信号の立ち上がりま
たは立ち下がりで特定レジスタとしてのタイマカウンタ
レジスタCLK/TRG2のカウント値が−1されるの
であるが、所定の特定レジスタの設定によって、立ち上
がり/立ち下がりの選択を行うことができる。この実施
の形態では、CLK/TRG2端子に入力される信号の
立ち上がりで、タイマカウンタレジスタCLK/TRG
2のカウント値が−1されるような設定が行われる。
【0246】また、CTCのチャネル3(CH3)のカ
ウントアップにもとづく割込は、CPUの内部クロック
(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値
が「0」になったら発生する割込であり、後述する1m
sタイマ割込として用いられる。具体的には、CPU3
71の動作クロックを分周したクロックがCTCに与え
られ、クロックの入力によってレジスタの値が減算さ
れ、レジスタの値が0になるとタイマ割込が発生する。
例えば、CH3のレジスタ値はシステムクロックの1/
256周期で減算される。分周したクロックにもとづい
て減算が行われるので、レジスタの初期値は大きくなら
ない。ステップS705において、CH3のレジスタに
は、初期値として1msに相当する値が設定される。
【0247】CTCのCH2のカウントアップにもとづ
く割込は、CH3のカウントアップにもとづく割込より
も優先順位が高い。従って、同時にカウントアップが生
じた場合に、CH2のカウントアップにもとづく割込、
すなわち、コマンド受信割込処理の実行契機となる割込
の方が優先される。
【0248】次いで、払出制御用CPU371は、入力
ポートB(図34参照)を介して入力されるクリアスイ
ッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステ
ップS707)。その確認においてオンを検出した場合
には、払出制御用CPU371は、通常の初期化処理を
実行する(ステップS711〜ステップS713)。ク
リアスイッチ921がオンである場合(押下されている
場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力さ
れている。なお、入力ポート372では、クリアスイッ
チ信号のオン状態はハイレベルである。
【0249】なお、払出制御用CPU371は、例え
ば、オン状態が少なくとも1ms(1ms毎に起動され
る処理の1回目の処理における検出直前に検出信号がオ
ンした場合)継続しないとスイッチオンとは見なさない
が、クリアスイッチ921のオン検出の場合には、1回
のオン判定でオン/オフが判定される。すなわち、初期
化操作手段としてのクリアスイッチ921が所定の操作
状態であるか否かを払出制御用CPU371が判定する
ための初期化要求検出判定期間は、遊技媒体検出手段と
しての賞球カウントスイッチ等が遊技媒体を検出したこ
とを判定するための遊技媒体検出判定期間とは異なる期
間とされている。
【0250】クリアスイッチ921がオンの状態でない
場合には、払出制御用CPU371は、払出制御用のバ
ックアップRAM領域にバックアップデータが存在して
いるか否かの確認を行う(ステップS708)。例え
ば、主基板31のCPU56の処理と同様に、遊技機へ
の電力供給停止時にセットされるバックアップフラグが
セット状態になっているか否かによって、バックアップ
データが存在しているか否か確認する。バックアップフ
ラグがセット状態になっている場合には、バックアップ
データありと判断する。
【0251】バックアップありを確認したら、払出制御
用CPU371は、バックアップRAM領域のデータチ
ェック(この例ではパリティチェック)を行う。不測の
停電等の電力供給の停止が生じた後に復旧した場合に
は、バックアップRAM領域のデータは保存されていた
はずであるから、チェック結果は正常になる。チェック
結果が正常でない場合には、内部状態を電力供給の停止
時の状態に戻すことができないので、不測の停電等から
の復旧時ではなく電源投入時に実行される初期化処理を
実行する。
【0252】チェック結果が正常であれば(ステップS
709)、払出制御用CPU371は、内部状態を電力
供給停止時の状態に戻すための払出状態復旧処理を行う
(ステップS710)。そして、バックアップRAM領
域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の指す
アドレスに復帰する。
【0253】バックアップフラグとチェックサム等のチ
ェックデータとを用いてバックアップRAM領域のデー
タが保存されているか否かを確認することによって、払
出制御状態を電力供給停止時の状態に正確に戻すことが
できる。すなわち、バックアップRAM領域のデータに
もとづく状態復旧処理の確実性が向上する。なお、この
実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータ
との双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保
存されているか否かを確認しているが、いずれか一方の
みを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチ
ェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行する
ための契機としてもよい。
【0254】このように、遊技制御手段以外の電気部品
制御手段においても、電力供給が開始された場合に、電
力供給が停止する前の制御状態に復旧させるか否かを決
めるための復旧条件が複数あり、電気部品制御手段は、
復旧条件の全てが成立していたら電力供給が停止する前
の制御状態に復旧させ、復旧条件のうち少なくとも1つ
が成立していなかったら制御状態を初期化する初期化処
理を行うように構成されている。従って、誤って復旧処
理がなされ、誤った制御がなされてしまうことが防止さ
れる。なお、この例では、復旧条件の成立は、クリアス
イッチ921の押下がないこと、バックアップフラグが
オン状態であること、およびパリティチェックの結果が
正常であったことである。
【0255】この実施の形態では、電力供給停止時処理
を実行したことを示すフラグとして1バイトデータであ
るバックアップフラグを用いたが、電力供給停止時処理
を実行したことを示すフラグであればどのような形態の
フラグを用いてもよい。また、そのようなフラグは複数
あってもよい。
【0256】初期化処理では、払出制御用CPU371
は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS71
1)。ここでは、RAMの全領域をクリアする。そし
て、1ms毎に定期的にタイマ割込がかかるように払出
制御用CPU371に設けられているCTCのレジスタ
の設定が行われる(ステップS712)。すなわち、初
期値として1msに相当する値が所定のレジスタ(時間
定数レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理の
ステップS701において割込禁止とされているので、
初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS
713)。
【0257】次いで、払出制御処理(ステップS751
〜S760)が繰り返し(ループ処理で)実行される。
【0258】払出制御処理において、払出制御用CPU
371は、まず、ウォッチドッグクリア処理を実行する
(ステップS751)。ステップS751では、払出制
御用CPU371がウォッチドッグ機能を内蔵し、それ
を利用している場合には、内蔵されているウォッチドッ
グタイマにタイマクリアするためのデータを書き込む処
理が行われる。また、図34に例示したように、リセッ
トIC976に信号を与えることによってウォッチドッ
グ機能を実現している場合には、1パルスの信号を出力
する。
【0259】また、入力ポート372bに入力される賞
球カウントスイッチ301Aや球貸しカウントスイッチ
301B等のスイッチがオンしたか否かを判定する(ス
イッチ処理:ステップS752)。ただし、この実施の
形態では、後述するように、タイマ割込処理において、
入力ポートのデータが所定のRAM領域に保存されてい
る。ステップS752のスイッチ処理では、そのRAM
領域を介して、賞球カウントスイッチ301Aや球貸し
カウントスイッチ301B等のスイッチの検出信号を認
識し、それらの状態判定を行う。
【0260】次に、払出制御用CPU371は、主基板
31から払出停止状態指定コマンドを受信していたら払
出停止状態に設定し、払出可能状態指定コマンドを受信
していたら払出停止状態の解除を行う(払出停止状態設
定処理:ステップS753)。また、受信した払出制御
コマンドを解析し、解析結果に応じた処理を実行する
(コマンド解析実行処理:ステップS754)。さら
に、プリペイドカードユニット制御処理を行う(ステッ
プS755)。
【0261】次いで、払出制御用CPU371は、球貸
し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行う(ステップ
S756)。このとき、払出制御用CPU371は、振
分ソレノイド310によって球振分部材311を球貸し
側に設定する。
【0262】さらに、払出制御用CPU371は、総合
個数記憶に格納された個数の賞球を払い出す賞球制御処
理を行う(ステップS757)。このとき、払出制御用
CPU371は、振分ソレノイド310によって球振分
部材311を賞球側に設定する。そして、出力ポート3
72cおよび中継基板72を介して球払出装置97の払
出機構部分における払出モータ289に対して駆動信号
を出力し、所定の回転数分払出モータ289を回転させ
る払出モータ制御処理を行う(ステップS758)。た
だし、この実施の形態では、後述するように、遊技制御
手段の場合と同様に、タイマ割込処理において、出力ポ
ート出力内容記憶領域のデータが出力ポートに出力され
る。従って、払出モータ制御処理では、出力ポート出力
内容記憶領域に駆動信号等を設定する。
【0263】なお、この実施の形態では、払出モータ2
89としてステッピングモータが用いられ、それらを制
御するために1−2相励磁方式が用いられる。従って、
具体的には、払出モータ制御処理において、8種類の励
磁パターンデータが繰り返し払出モータ289に出力さ
れる。また、この実施の形態では、各励磁パターンデー
タが4msずつ出力される。
【0264】次いで、エラー検出処理が行われ、その結
果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行う
(エラー処理:ステップS759)。また、遊技機外部
に出力される球貸し個数信号を出力する処理等を行う
(出力処理:ステップS760)。その後、ステップS
751に戻る。
【0265】図36は、ステップS710の払出状態復
旧処理の一例を示すフローチャートである。払出状態復
旧処理において、払出制御用CPU371は、まず、ス
タックポインタの復旧処理を行う(ステップS73
1)。スタックポインタの値は、後述する電力供給停止
時処理において、所定のRAMエリア(電源バックアッ
プされている)に退避している。よって、ステップS7
31では、そのRAMエリアの値をスタックポインタに
設定することによって復旧させる。なお、復旧されたス
タックポインタが指す領域(すなわちスタック領域)に
は、電力供給が停止したときのレジスタ値やプログラム
カウンタ(PC)の値が退避している。
【0266】そして、CTCやPIOなどの内蔵デバイ
スの初期設定を行い、また、スタック領域から各種レジ
スタの退避値を読み出して、各種レジスタに設定する
(ステップS732)。すなわち、レジスタ復元処理を
行う。ここで、RAMアクセス許可状態に設定する処理
も行う。さらに、バックアップフラグをクリアする(ス
テップS733)。すなわち、前回の電力供給停止時に
所定の記憶保護処理が実行されたことを示すフラグをリ
セットする。そして、パリティフラグがオンしていない
場合には割込許可状態にする(ステップS734,S7
35)。最後に、内部状態を払出禁止状態に設定して
(ステップS736)、AFレジスタ(アキュミュレー
タとフラグのレジスタ)をスタック領域から復元する
(ステップS737)。なお、内部状態を払出禁止状態
に設定するということは、例えば、対応する内部フラグ
を設定することである。また、通常の電力供給開始時
(払出状態復旧処理が行われない場合)にも、内部状態
を払出禁止状態に設定する。そして、主基板31の遊技
制御手段は、起動時に、払出ができる状態(例えば球切
れスイッチ187がオン状態でなく下皿満タン状態でも
ない状態)にあるか否かを判断し、払出ができる状態で
あれば、払出可能状態を示す払出制御コマンドを送信す
る。そのような払出制御コマンドの受信に応じて、払出
制御手段は、払出禁止状態を解除する。このような制御
によって、払出制御手段が、払出を開始させるべきでな
いにも関わらず球払出装置97に球払出を開始させてし
まうことが防止される。
【0267】そして、RET命令が実行されるのである
が、ここでのリターン先は、払出状態復旧処理をコール
した部分ではない。なぜなら、ステップS731におい
てスタックポインタの復旧処理がなされ、復旧されたス
タックポインタが指すスタック領域に格納されているリ
ターンアドレスは、プログラムにおける前回の電力供給
停止時にNMIが発生したアドレスである。従って、ス
テップS736の次のRET命令によって、電力供給停
止時にNMIが発生したアドレスにリターンする。すな
わち、スタック領域に退避されていたアドレスにもとづ
いて復旧制御が実行されている。
【0268】図37は、タイマ割込処理を示すフローチ
ャートである。タイマ割込処理において、払出制御用C
PU371は、レジスタの退避処理を行った後(ステッ
プS761)、ポート入力処理(ステップS762)、
ポート出力処理(ステップS763)およびタイマ更新
処理(ステップS764)を行う。そして、レジスタの
復旧処理を行い(ステップS765)、割込許可状態に
して(ステップS766)、処理を終了する。
【0269】ステップS762のポート入力処理は、入
力ポートのデータを読み出して、読み出したデータを所
定のRAM領域に書き込む処理である。払出制御処理
(図35に示されたループ処理)では、RAM領域の内
容にもとづいて入力ポートの入力状態を認識する。ステ
ップS763のポート出力処理は、出力ポート出力内容
記憶領域の内容を対応する出力ポートに出力する処理で
ある。ステップS764のタイマ更新処理は、払出制御
処理において用いられている各種タイマの値を減算する
処理である。例えば、払出制御処理では、タイマに計測
時間に相当した値をタイマにセットし、タイマの値が0
になったらタイムアウトしたと認識する。
【0270】図38は、この実施の形態におけるRAM
領域のアドレスマップを示す説明図である。図38に示
すように、RAM領域の先頭はバックアップフラグの領
域に割り当てられている。そして、最後部にチェックサ
ムバッファの領域が割り当てられている。なお、バック
アップフラグからチェックサムバッファまでの領域は作
業領域に相当し、チェックサムバッファ以降の領域にス
タック領域が設定されている。また、この実施の形態で
は、RAM領域の全てが電源バックアップされている。
【0271】図38に示すように、保護領域には、総賞
球数バッファ、貸し球個数記憶、払出状態フラグ等が設
定されている。総賞球数バッファは、主基板31の側か
ら指示された賞球払出個数(賞球数)の総数を記憶する
ものである。貸し球個数記憶は、未払出の球貸し個数を
記憶するものである。払出状態フラグは、払出可能状態
にあるのか払出禁止状態にあるのかを示すフラグであ
る。保護領域以外の領域は、その内容が保存されていな
くても制御状態を復旧させることができるようなデータ
を記憶する領域であり、一時的発生するデータを保存す
るワークエリア等である。なお、この実施の形態では、
保護領域およびその他の領域は、払出制御復旧処理にお
いてクリアされない。
【0272】図39は、主基板31からの割込信号(払
出制御用)に応じて起動されるコマンド受信割込処理を
示すフローチャートである。コマンド受信割込処理にお
いて、払出制御用CPU371は、レジスタの退避処理
を行った後(ステップS771)、入力ポートB(図3
4参照)のデータを入力する(ステップS772)。そ
して、そのビット7(払出制御用STB信号)を確認す
る(ステップS773)。払出制御用STB信号がオン
状態であれば、入力ポートA(図34参照)のデータを
入力する(ステップS774)。そして、入力したデー
タを、コマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバ
ッファに格納し(ステップS775)、コマンド受信個
数カウンタの値を更新する(ステップS776)。
【0273】その後、レジスタ復旧処理を行い(ステッ
プS777)、割込許可状態にして(ステップS77
8)、処理を終了する。以上のように、この実施の形態
では、払出制御手段は、指示信号(割込信号)とデータ
出力中信号(STB信号)の両方の出力を検出した場合
に、コマンドデータを入力する処理(ステップS77
4)を実行することになる。
【0274】図40は、主基板31から受信した払出制
御コマンドを格納するための受信バッファの一構成例を
示す説明図である。この例では、払出制御コマンドを4
個格納可能なリングバッファ形式の受信バッファが用い
られる。従って、受信バッファは、受信コマンドバッフ
ァ1〜4の4バイトの領域で構成される。そして、受信
したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド
受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウ
ンタは、0〜3の値をとる。
【0275】なお、コマンド解析実行処理は図35に示
されたメイン処理で実行され、その処理において、読出
ポインタが指す受信バッファの内容が読み出されるとと
もに読出ポインタの値が+1される。また、主基板31
の遊技制御手段は、4msの制御期間において1つしか
払出制御コマンドを送信しない。従って、通常、受信バ
ッファに、複数の払出制御コマンドが記憶されているこ
とはない。
【0276】図41および図42は、電源基板910か
らの電源断信号に応じて実行されるマスク不能割込処理
(NMI処理:電力供給停止時処理)の処理例を示すフ
ローチャートである。
【0277】電力供給停止時処理において、払出制御用
CPU371は、AFレジスタを所定のバックアップR
AM領域に退避する(ステップS801)。また、割込
フラグをパリティフラグにコピーする(ステップS80
2)。パリティフラグはバックアップRAM領域に形成
されている。割込フラグは、割込許可状態であるのか割
込禁止状態であるのかを示すフラグであって、払出制御
用CPU371が内蔵する制御レジスタ中にある。割込
フラグのオン状態が割込禁止状態であることを示す。上
述したように、パリティフラグは遊技状態復旧処理で参
照される。そして、払出状態復旧処理において、パリテ
ィフラグがオン状態であれば、割込許可状態には設定さ
れない。
【0278】また、BCレジスタ、DEレジスタ、HL
レジスタおよびIXレジスタをバックアップRAM領域
に退避する(ステップS804〜807)。なお、ステ
ップS801〜S807の処理は、電源監視手段の検出
信号に応じて制御状態を復旧させるために必要なデータ
を変動データ記憶手段に保存させるためのデータ退避処
理に相当する。
【0279】次に、処理ループ回数としてあらかじめ決
められた値をセットし(ステップS808)、賞球カウ
ントスイッチ301Aのチェック処理と払出制御コマン
ド受信処理とを所定期間実行するループ処理に移行す
る。払出制御用CPU371は、まず、ウォッチドッグ
クリア処理を行う(ステップS810)。次いで、入力
ポートB(図34参照)のデータを入力する(ステップ
S811)。そして、入力したデータのビット7(払出
制御用STB信号)を確認する(ステップS812)。
払出制御用STB信号がオン状態であって、オン状態の
確認が最初のものであれば(ステップS813)、入力
ポートA(図34参照)のデータを入力し、入力したデ
ータをコマンドバッファに格納する(ステップS81
4)。
【0280】コマンドバッファは、通常の制御時に使用
される通常時コマンド記憶領域としての受信バッファ
(図40参照)とは異なるRAM領域に設けられている
バックアップコマンド記憶領域であり、電力供給停止時
でも所定期間は保存される。
【0281】次いで、ポートチェック回数としてあらか
じめ決められている値をセットし(ステップS81
5)、入力ポートB(図34参照)のデータを入力する
(ステップS816)。そして、スイッチチェックタイ
ミングが到来していない場合には(ステップS81
7)、ポートチェック回数を減算し(ステップS81
8)、その値が0になっていなければステップS816
に戻る(ステップS819)。0になっていれば、ステ
ップS823に移行する。
【0282】スイッチチェックタイミングが到来してい
る場合には、スイッチチェック処理を行い(ステップS
820)、賞球カウントスイッチ301Aがオンしたこ
とを検出したら(ステップS821)、総賞球数バッフ
ァの値を減算し(ステップS821)、ステップS82
3に移行する。なお、スイッチチェック処理は、賞球カ
ウントスイッチ301Aが確かにオンしたか否かを検出
する処理であり、例えば、所定回連続してオン状態が検
出されたら、ステップS821で賞球カウントスイッチ
301Aが確かにオンしたと判断される。
【0283】ステップS823では、処理ループ回数を
減算し、処理ループ回数が0になっていなければステッ
プS810に戻る(ステップS824)。処理ループ回
数が0になっていれば、ステップS831に移行する。
【0284】ステップS831ではスタックポインタを
バックアップRAM領域に退避させ、さらに、バックア
ップあり指定値(この例では「55(H)」)をバック
アップフラグにストアする。バックアップフラグはバッ
クアップRAM領域に形成されている。次いで、主基板
31のCPU56の処理と同様の処理を行ってパリティ
データを作成しバックアップRAM領域に保存する(ス
テップS833〜S842)。そして、RAMアクセス
レジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS84
3)。以後、内蔵RAMのアクセスができなくなる。
【0285】その後、払出制御用CPU371は、待機
状態(ループ状態)に入る。従って、システムリセット
されるまで、何もしない状態になる。なお、ウォッチド
ッグタイマを使用している場合には、ループ状態でウォ
ッチドッグクリア処理を行っていないので、ウォッチド
ッグタイマがタイムアウトする。ただし、正常な電力供
給停止時にはその前にシステムリセットがかかる。しか
し、例えばノイズ等によってNMIがかかった場合に
は、電力供給停止時ではないのでシステムリセットがか
からないが、ウォッチドッグタイマのタイムアウトによ
ってリセットがかかり、ループから抜け出すことができ
る。
【0286】図23に示されたb〜e期間において電力
供給が停止しマスク不能割込が主基板31のCPU56
にかかると、CPU56は、出力ポートの出力状態を変
更しないので、払出制御用STB信号が出力されていた
場合にはその出力状態は維持されている。すなわち、遊
技制御手段は、コマンドデータの出力に関連してコマン
ドデータを出力していることを示すデータ出力中信号
(この例ではSTB信号)を出力するとともに、電力供
給停止時処理を開始した後にも所定期間(上記の例では
システムリセットされるまでであって、払出制御手段が
コマンド受信を完了するまでの期間よりも短い期間)は
データ出力中信号の出力を維持している。電力供給が停
止するときには払出制御用CPU371にもマスク不能
割込がかかるが、払出制御用CPU371が実行するマ
スク不能割込処理において、所定期間(この例では処理
ループ回数の初期値×S810〜S824のループ時
間)データ出力中信号の状態を監視し(ステップS81
2)、データ出力中信号が出力されている場合には、コ
マンドデータを取り込む処理を実行する。そして、コマ
ンドデータが受信されコマンドバッファに格納される
(ステップS814)。従って、b〜e期間において電
力供給が停止する場合には、払出制御手段において、送
信途中であった払出制御コマンドの受信が完了する。
【0287】なお、図23に示されたc〜d期間におい
て電力供給が停止しマスク不能割込が主基板31のCP
U56にかかると、電力供給停止のタイミングによって
は、電力供給再開後の払出状態復旧処理によってコマン
ド受信割込処理に復旧し、コマンド受信割込処理によっ
て払出制御コマンドを受信してしまう場合も考えられ
る。
【0288】そこで、この実施の形態では、メイン処理
におけるコマンド解析実行処理(ステップS754)に
おいて、まず、コマンドバッファにデータがあるか否か
確認する。コマンドバッファは電力供給停止時処理にお
いて受信した払出制御コマンドを格納するバックアップ
コマンド記憶領域であり、電力供給停止時でも所定期間
は保存されている。コマンドバッファにデータがある場
合には、そのデータについてコマンド解析処理を実行し
た後、コマンドバッファの内容をクリアするとともに、
さらに、通常時コマンド記憶領域としての受信バッファ
をクリアする。すなわち、通常時コマンド記憶領域の内
容を無効にする。
【0289】なお、コマンド解析処理は受信されていた
払出制御コマンドがいかなるコマンドであるかを解析す
る処理であり、例えば、賞球個数を指示する払出制御コ
マンドであったことが確認されたら、後述する総賞球数
バッファの内容を更新する。そして、コマンド受信カウ
ンタを初期化する。すなわち、読出ポインタの値と一致
させる。
【0290】メイン処理において、このような制御を行
えば、電力供給が停止するときにコマンド受信割込処理
の処理途中であって、電力供給が復旧してコマンド割込
処理の実行が再開され、受信コマンドを受信バッファに
格納したとしても、その受信コマンドはメイン処理にお
いて破棄される。よって、払出制御コマンドがコマンド
バッファと受信バッファの双方に格納されるという状
況、すなわち、払出制御コマンドを二重に受信してしま
うという状況が発生することはない。なお、上述したよ
うに、コマンド受信割込処理中に停電等の不測の電力供
給停止が発生した場合、本来コマンド受信割込処理によ
って受信されるべき払出制御コマンドは、電力供給停止
時処理によって受信され、コマンドバッファに格納され
ている。
【0291】実施の形態2.図43は、第2の実施の形
態(実施の形態2)における主基板31から各電気部品
制御基板(サブ基板)に送信される制御コマンド(払出
制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマン
ド、音制御コマンド)の送出形態を示すタイミング図で
ある。この例では、制御コマンドのコマンドデータは1
バイトで構成されている。
【0292】図43に示すように、主基板31(メイ
ン)から割込信号がオン状態になった後オフ状態になっ
たら、コマンドデータが出力される。さらに、STB信
号がオン状態になる。このように、遊技制御手段は、電
気部品制御手段がコマンドデータを入力する入力処理を
実行する契機を示す信号(この例では割込信号)を送信
した後、コマンドデータを出力し、コマンドデータを出
力した後に、入力処理実行中における実際の入力の契機
を示す信号として指示信号(この例ではSTB信号)を
出力する。サブ基板では、電気部品制御手段を構成する
マイクロコンピュータに対して割込信号の立ち上がりで
割込がかかり、制御コマンドの受信処理(入力処理)が
開始される。
【0293】サブ基板の電気部品制御手段は、受信処理
において、STB信号がオン状態になったらコマンドデ
ータを取り込む。その後、サブ基板の電気部品制御手段
がコマンド受信処理を完了した後のタイミングで、メイ
ンからのSTB信号はオフ状態になる。
【0294】この実施の形態でも、遊技制御手段は、制
御コマンドの送出処理を除いて、実施の形態1の場合と
同様な制御を行う。すなわち、電源断信号に応じて電力
供給停止時処理を実行する(図29参照)。また、電力
供給開始時に、復旧条件が成立していることを確認した
ら、遊技状態復旧処理を行う。遊技状態復旧処理におい
て、保存されていた出力ポート0〜4出力内容記憶領域
の内容を出力ポート0〜4に出力する処理を行う(図2
8のステップS96参照)。なお、この実施の形態で
も、入出力ポートの信号割り当ては、実施の形態1の場
合と同じである。
【0295】図44は、この実施の形態における遊技制
御手段のタイマ割込処理(図26参照)で実行されるポ
ート出力処理(ステップS102)の構成例を示すフロ
ーチャートである。ポート出力処理において、CPU5
6は、出力ポート5出力内容記憶領域のデータを出力ポ
ート5(図16参照)に出力する(ステップS37
1)。また、出力ポート6出力内容記憶領域のデータを
出力ポート6(図16参照)に出力する(ステップS3
72)。なお、出力ポート5出力内容記憶領域および、
出力ポート6出力内容記憶領域には、遊技制御処理(図
19に示されたループ処理)において、出力ポートの各
ビットのオン/オフに応じたデータが設定されている。
【0296】次いで、CPU56は、制御コマンド(払
出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマン
ド、音制御コマンド)を送信するための制御(ステップ
S373〜S386)を行う。まず、制御コマンド送出
要求フラグ(払出制御コマンド送出要求フラグ、表示制
御コマンド送出要求フラグ、ランプ制御コマンド送出要
求フラグまたは音制御コマンド送出要求フラグ)がセッ
トされているか否か確認する(ステップS373)。い
ずれの制御コマンド送出要求フラグもセットされていな
い場合には、何もせずリターンする。
【0297】いずれかの制御コマンド送出要求フラグが
セットされている場合には、コマンドデータを出力する
出力ポート0の割込信号のビット(ビット0〜3のいず
れか)に「1」を出力する(ステップS374)。例え
ば、払出制御コマンドを送信する場合には、出力ポート
0のビット0(払出制御信号用割込信号)に「1」を出
力する。また、制御コマンド送出要求フラグをリセット
しておく(ステップS375)。さらに、出力ポート0
の出力状態を出力ポート0出力内容記憶領域にコピーし
ておく(ステップS376)。このタイミングは、図4
3におけるa区間の開始時に相当する。
【0298】次に、CPU56は、図43におけるa区
間とb区間の時間の合計に相当する時間だけ待ってから
(ステップS377)、コマンドデータを出力する出力
ポート(出力ポート1〜出力ポート4のいずれか)に対
応した出力ポート0の割込信号のビット(ビット0〜3
のいずれか)を「0」にする(ステップS378)。例
えば、払出制御コマンドを送信する場合には、出力ポー
ト0のビット0(払出制御信号用割込信号)に「0」を
出力する。さらに、出力ポート0の出力状態を出力ポー
ト0出力内容記憶領域にコピーしておく(ステップS3
79)。このタイミングは、図43におけるc区間の開
始時に相当する。なお、a区間は、主基板31が割込信
号を出力してからサブ基板において割込が受け付けられ
るまでの遅れ時間に相当する。
【0299】次いで、CPU56は、ステップS373
で確認した制御コマンド送出要求フラグに対応したポー
ト出力内容記憶領域(出力ポート1出力内容記憶領域〜
出力ポート4出力内容記憶領域のいずれか)のデータ
を、対応する出力ポート(出力ポート1〜出力ポート4
のいずれか)に出力する(ステップS380)。例え
ば、払出制御コマンド送出要求フラグがセットされてい
た場合には、出力ポート1出力内容記憶領域のデータを
出力ポート1(図15参照)に出力する。
【0300】なお、メイン処理ではポート出力内容記憶
領域ではなくバックアップRAMにおける他の領域にコ
マンドデータを書き込み、実際にコマンドデータが出力
ポートに出力されるときに、ポート出力内容記憶領域に
コマンドデータを書き込むように構成した場合には、出
力ポートにコマンドデータを出力するときに、ポート出
力内容記憶領域に、出力ポートに出力したコマンドデー
タを設定する。また、なお、ステップS379とS38
0との間に、ディレイ時間をおいてもよい。
【0301】次に、CPU56は、図43におけるd区
間の時間に相当する時間だけ待ってから(ステップS3
81)、出力ポート0の、コマンドデータを出力した出
力ポート(出力ポート1〜出力ポート4のいずれか)に
対応した出力ポート0のSTB信号のビット(ビット4
〜7のいずれか)に「1」を出力する(ステップS38
2)。例えば、ステップS380において出力ポート1
出力内容記憶領域のデータを出力ポート1に出力した場
合には、出力ポート0のビット4(払出制御信号用ST
B信号)に「1」を出力する。さらに、出力ポート0の
出力状態を出力ポート0出力内容記憶領域にコピーして
おく(ステップS383)。このタイミングは、図43
におけるe区間の開始時に相当する。なお、ステップS
381の処理を行わないようにしてもよい。また、サブ
基板では、d区間開始のタイミングから、やや遅れて受
信処理が開始される。その遅れは、サブ基板におけるマ
イクロコンピュータの処理遅れ(ソフトウェアがSTB
信号のオンを検知するまでの遅れ)である。
【0302】そして、CPU56は、図43におけるe
区間の時間に相当する時間だけ待ってから(ステップS
384)、出力ポート0の、コマンドデータを出力した
出力ポート(出力ポート1〜出力ポート4のいずれか)
に対応した出力ポート0のSTB信号のビット(ビット
4〜7のいずれか)に「0」を出力する(ステップS3
85)。例えば、ステップS380において出力ポート
1出力内容記憶領域のデータを出力ポート1に出力した
場合には、出力ポート0のビット4(払出制御信号用S
TB信号)に「0」を出力する。さらに、出力ポート0
の出力状態を出力ポート0出力内容記憶領域にコピーし
ておく(ステップS386)。このタイミングは、図4
3におけるe区間の終了時に相当する。
【0303】なお、ステップS373において、制御コ
マンド送出要求フラグ(払出制御コマンド送出要求フラ
グ、表示制御コマンド送出要求フラグ、ランプ制御コマ
ンド送出要求フラグまたは音制御コマンド送出要求フラ
グ)がリセット状態であった場合には、リセット状態で
あった制御コマンド送出要求フラグに対応したポート出
力内容記憶領域(出力ポート1出力内容記憶領域〜出力
ポート4出力内容記憶領域のいずれか)に、所定のデー
タ(例えばやFF(H)やクリアデータとしての00
(H))を設定するとともに、対応する出力ポート(出
力ポート1〜出力ポート4のいずれか)に、同じ値を出
力するようにしてもよい。すなわち、制御期間(この例
では1ms)内に制御コマンドの送出制御を実行しない
場合には、ポート出力内容記憶領域の内容を所定内容と
してもよい。所定のデータをFF(H)にした場合に
は、電力供給が復旧したときに、全てのポートのビット
を監視していずれかがオン状態になるかどうかを判断す
るだけで容易にポートの状態が復旧したか否か確認する
ことができる。つまり、変化の有無を確認する場合に比
べて容易にポートの状態が復旧したか否か確認すること
ができる。
【0304】以上のようにして、図43に示されたよう
なタイミングで、制御コマンドがサブ基板に送出され
る。なお、タイマ割込がかかったときに、複数種類の制
御コマンド送出要求フラグがオンしていたときには、例
えば、あらかじめ決められている優先順位に従って、い
ずれかの制御コマンド送出要求フラグについてステップ
S374〜S386の処理が実行される。
【0305】このように、この実施の形態では、制御コ
マンドのコマンドデータを出力するときに、ポート出力
内容記憶領域のデータを出力ポートに出力する。そし
て、ポート出力内容記憶領域のデータは、電力供給が停
止しても所定期間はその内容が保存されるバックアップ
RAMに設定される。上述したように、メイン処理では
ポート出力内容記憶領域ではなくバックアップRAMに
おける他の領域にコマンドデータを書き込み、実際にコ
マンドデータが出力ポートに出力されるときに、ポート
出力内容記憶領域にコマンドデータを書き込むように構
成した場合には、出力ポートにコマンドデータを出力す
るときに、ポート出力内容記憶領域に、出力ポートに出
力したコマンドデータが設定される。
【0306】払出制御手段も、実施の形態1の場合と同
様にメイン処理およびタイマ割込処理を行うことができ
るが、メイン処理における電力供給開始時に復旧条件が
成立していることを確認したら実行される払出状態復旧
処理、コマンド受信割込処理、および電力供給停止時処
理は、実施の形態1の場合とは異なる。なお、この実施
の形態でも、入出力ポートの信号割り当ては、実施の形
態1の場合と同じである。
【0307】図45は、この実施の形態におけるコマン
ド受信割込処理を示すフローチャートである。コマンド
受信割込処理において、払出制御用CPU371は、レ
ジスタの退避処理を行った後(ステップS781)、S
TB信号待ちカウンタをセットする(ステップS78
2)。そして、入力ポートB(図34参照)のデータを
入力し(ステップS783)、そのビット7(払出制御
用STB信号)を確認する(ステップS784)。払出
制御用STB信号がオン状態であれば、ステップS78
7に移行する。
【0308】払出制御用STB信号がオン状態でなけれ
ば、STB信号待ちカウンタのカウント値を−1し(ス
テップS785)、カウント値が0になっているか否か
確認する(ステップS786)。0になっていなけれ
ば、ステップS783に戻る。0になっていたら、ステ
ップS790に移行する。
【0309】ステップS787において、払出制御用C
PU371は、入力ポートA(図34参照)のデータを
入力する。そして、入力したデータを、コマンド受信個
数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納し(ステ
ップS788)、コマンド受信個数カウンタの値を更新
する(ステップS789)。
【0310】その後、レジスタ復旧処理を行い(ステッ
プS790)、割込許可状態にして(ステップS79
1)、処理を終了する。
【0311】コマンド受信割込処理は、主基板31から
の割込信号がオン状態になったことに起因して起動され
る。そして、コマンド割込処理において、STB信号が
オン状態になったことを検出したらコマンドデータの取
込が実行される(ステップS787)。また、所定期間
(STB信号待ちカウンタの初期値に対応した時間)内
にSTB信号がオン状態にならなかったら処理を終了す
る。
【0312】図46は、この実施の形態における電源基
板910からの電源断信号に応じて実行されるマスク不
能割込処理(NMI処理:電力供給停止時処理)の処理
例を示すフローチャートである。
【0313】電力供給停止時処理において、払出制御用
CPU371は、AFレジスタを所定のバックアップR
AM領域に退避する(ステップS851)。また、割込
フラグをパリティフラグにコピーする(ステップS85
2)。パリティフラグはバックアップRAM領域に形成
されている。割込フラグは、割込許可状態であるのか割
込禁止状態であるのかを示すフラグであって、払出制御
用CPU371が内蔵する制御レジスタ中にある。割込
フラグのオン状態が割込禁止状態であることを示す。上
述したように、パリティフラグは遊技状態復旧処理で参
照される。そして、払出状態復旧処理において、パリテ
ィフラグがオン状態であれば、割込許可状態には設定さ
れない。
【0314】また、BCレジスタ、DEレジスタ、HL
レジスタおよびIXレジスタをバックアップRAM領域
に退避する(ステップS854〜857)。また、出力
ポートをクリアする処理を行う(ステップS858)。
【0315】次に、ポートチェック回数としてあらかじ
め決められた値をセットし(ステップS861)、賞球
カウントスイッチ301Aのチェック処理を所定期間実
行するループ処理に移行する。払出制御用CPU371
は、まず、入力ポートB(図34参照)のデータを入力
する(ステップS862)。そして、スイッチチェック
処理を行い(ステップS863)、賞球カウントスイッ
チ301Aがオンしたことを検出したら(ステップS8
64)、払出カウント値を+1する(ステップS86
5)。払出カウント値はバックアップRAMに形成さ
れ、払出状態復旧処理において、そのカウント値が総賞
球数バッファに反映される。
【0316】そして、ポートチェック回数を減算し(ス
テップS866)、その値が0になっていなければ、所
定時間のディレイ時間(スイッチチェック間隔に相当)
をおいた後ステップS862に戻る(ステップS86
7,S868)。0になっていれば、図42に示された
ステップS831に移行する。
【0317】図47は、この実施の形態における払出状
態復旧処理の一例を示すフローチャートである。払出状
態復旧処理において、払出制御用CPU371は、ま
ず、スタックポインタの復旧処理を行う(ステップS8
71)。スタックポインタの値は、後述する電力供給停
止時処理において、所定のRAMエリア(電源バックア
ップされている)に退避している。よって、ステップS
871では、そのRAMエリアの値をスタックポインタ
に設定することによって復旧させる。なお、復旧された
スタックポインタが指す領域(すなわちスタック領域)
には、電力供給が停止したときのレジスタ値やプログラ
ムカウンタ(PC)の値が退避している。
【0318】上述したように、主基板31のCPU56
は、電力供給開始時に復旧条件が成立していたら実行さ
れる遊技状態復旧処理において、保存されていたポート
出力内容記憶領域の内容を出力ポートに出力する処理を
行うのであるが、この実施の形態では、払出制御用CP
U371は、そのような状況を考慮して、主基板31か
らポート出力内容記憶領域の内容が出力されたことを確
認してから、電力供給停止直前に実行されていたアドレ
スに復帰する制御を行う。
【0319】払出制御用CPU371は、まず、処理ル
ープ回数をセットする(ステップS872)。そして、
入力ポートA(図34参照)のデータすなわちコマンド
データを入力する(ステップS873)。そして、入力
したデータが前回入力したデータと同じであるか否か確
認する(ステップS874)。同じであれば、処理ルー
プ回数を−1する(ステップS875)。そして、処理
ループ回数が0になっていなければステップS873に
戻る。処理ループ回数が0になっていればステップS8
77に移行する。また、ステップS874において入力
したデータが前回入力したデータと同じであることを確
認した場合にもステップS877に移行する。
【0320】ステップS877において、払出制御用C
PU371は、CTCやPIOなどの内蔵デバイスの初
期設定を行い、また、スタック領域から各種レジスタの
退避値を読み出して、各種レジスタに設定する(ステッ
プS877)。すなわち、レジスタ復元処理を行う。こ
こで、RAMアクセス許可状態に設定する処理も行う。
さらに、バックアップフラグをクリアする(ステップS
878)。次いで、電力供給が停止したときに実行され
た電力供給停止時処理において保存された払出カウント
値を総賞球数バッファに反映する(ステップS87
9)。例えば、総賞球数バッファの内容から払出カウン
ト値を減算する。また、RAM領域における保護領域以
外の領域(図38参照)の内容をクリアする(ステップ
S880)。そして、パリティフラグがオンしていない
場合には割込許可状態にする(ステップS881,S8
82)。最後に、内部状態を払出禁止状態に設定して
(ステップS883)、AFレジスタ(アキュミュレー
タとフラグのレジスタ)をスタック領域から復元する
(ステップS884)。
【0321】そして、所定時間(処理ループ回数の初期
値に応じた時間)内に入力ポートの状態が変化しなかっ
た場合には、すなわち、ステップS872〜S876の
処理において遊技制御手段からのコマンドデータの出力
が確認されなかったら、プログラムカウンタ(PC)を
初期化して(ステップS885)RET命令が実行され
る。従って、この実施の形態では、払出状態復旧処理を
実行した後、初期状態から払出制御が開始される。
【0322】以上のような処理によって、電力供給が開
始したときに、復旧条件が成立していた場合に実行され
る払出状態復旧処理において、主基板31からのコマン
ドデータが入力される入力ポートの状態が変化したこと
を確認してから、電力供給停止時にNMIが発生したア
ドレスに復帰する。従って、そのアドレスがコマンド受
信割込処理におけるアドレスであるような場合に、保存
されていたポート出力内容記憶領域の内容を出力ポート
に出力する処理を主基板31のCPU56が行ったこと
を確認してからコマンド受信割込処理を再開することが
できる。従って、払出制御コマンドの受信を確実に行う
ことができ、払出制御コマンドが消失してしまうことを
確実に防止することができる。なお、コマンド受信割込
処理が完了したら、初期状態から払出制御が開始され
る。
【0323】実施の形態1とは異なり、この実施の形態
では、電力供給停止時処理において、払出制御コマンド
の受信を継続する処理は実行されない。しかし、払出状
態状態復旧処理において、保存されていたポート出力内
容記憶領域の内容を出力ポートに出力する処理を主基板
31のCPU56が行ったことを確認してからコマンド
受信割込処理を再開する。すなわち、電力供給が開始さ
れた場合に、遊技制御手段によるコマンドデータの出力
ポートへの出力状態を監視し、出力状態に応じてコマン
ドデータを取り込む処理を再開可能な状態にする。従っ
て、電力供給停止の直前に払出制御コマンドの受信が開
始されたにも関わらず受信が完了しなかった場合でも、
電力供給が復旧したときに、確実にコマンド受信処理を
完了させることができる。
【0324】なお、この実施の形態では、主基板31の
CPU56がポート出力内容記憶領域の内容を出力ポー
トに出力する処理を行ったことを確認するための所定時
間内に、CPU56がポート出力内容記憶領域の内容を
出力ポートに出力する処理を行ったことを確認できなか
った場合には、初期状態に戻るようにしたが、そのよう
な場合には、電力供給が停止したときにコマンド受信処
理は行われていなかったはずであり、コマンド受信処理
に復旧することはない。すなわち、CPU56がポート
出力内容記憶領域の内容を出力ポートに出力する処理を
行ったことを確認できなかった場合には、初期状態に戻
っても問題はない。また、初期状態に戻る際にRAMの
保護領域の内容は保存されているので、遊技者に不利益
が与えられることはない。
【0325】また、払出状態復旧処理において保護領域
以外の領域がクリアされるので、不正確なデータによっ
て誤った制御を行ってしまうことが防止される。この実
施の形態では、払出状態復旧処理において保護領域以外
の領域がクリアされるが、電力供給が開始されたときに
コマンド受信処理に復旧するような場合には、コマンド
受信処理におけるコマンドデータの取り込みを実行して
から保護領域以外の領域をクリアするようにしてもよ
い。
【0326】なお、上記の各実施の形態では、図23ま
たは図43に示された形態で制御コマンドが送信された
が、制御コマンドの送出形態はそれらに限られず、コマ
ンドデータとコマンドデータの取り込みを指示するため
の信号とを含んでいれば、他の形態であってもよい。ま
た、上記の各実施の形態では、コマンドデータは1バイ
トであったが、複数バイトのコマンドデータを用いても
よい。さらに、コマンドデータの取り込みを指示するた
めの信号の極性は、図23または図43に示された極性
と逆であってもよい。
【0327】また、上記の各実施の形態では、システム
リセット回路が主基板31や払出制御基板37に搭載さ
れていたが、システムリセット回路は電源基板910に
搭載されていてもよい。ただし、システムリセット回路
を電源基板910に搭載した場合には、不正にシステム
リセットをかけて大当りを発生させるための乱数を生成
するカウンタを初期化してカウンタのカウント値が大当
り判定値となるタイミングを狙うような不正行為が行わ
れないように、何らかの保護対策を施すことが望まし
い。例えば、電源基板910から主基板31に至るリセ
ット信号の配線を電源線から独立させる等の対策を施す
ことが望ましい。このことは、電源基板910から主基
板31に至る電源断信号についても同様である。
【0328】また、上記の各実施の形態では、主基板3
1および払出制御基板37において、ウォッチドッグタ
イマのタイムアウトにもとづくリセット信号が、電力供
給開始時や電力供給停止時に用いられるリセット信号と
同様にリセット回路65,975から出力されていた
が、主基板31および払出制御基板37において、電力
供給開始時や電力供給停止時に用いられるリセット回路
65,975とは独立して、ウォッチドッグタイマのタ
イムアウトにもとづくリセット信号を発生する回路を設
けてもよい。
【0329】また、上記の各実施の形態では、遊技制御
以外の電気部品制御手段として、主として、電気部品と
しての球払出装置97等を制御する払出制御手段を例に
したが、本発明が適用される電気部品制御手段は、他の
ものであってもよい。例えば、電気部品としての可変表
示装置9等の制御を行う表示制御手段、電気部品として
の各種ランプやLEDなどの発光手段の制御を行う発光
体制御手段、電気部品としてのスピーカ27等の制御を
行う音制御手段に対して本発明を適用することができ
る。すなわち、遊技制御手段からのコマンドにもとづい
て電気部品の制御を行うそれらの電気部品制御手段が、
バックアップRAMを有し、電源断信号等に応じて電力
供給停止時処理を実行し、電力供給が開始されたときに
所定の制御状態復旧処理を行うものであれば、本発明を
適用することができる。また、音、ランプ、表示等の制
御を行う演出制御手段が設けられている場合に、演出制
御手段に対して本発明を適用することもできる。
【0330】さらに、上記の各実施の形態のパチンコ遊
技機1は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示装
置9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄
の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可
能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞に
もとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞がある
と所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチ
ンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図
柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放す
る所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生ま
たは継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明
を適用できる。また、パチンコ遊技機に限られず、スロ
ット機等においても本発明を適用することができる。
【0331】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明で
は、遊技機を、遊技制御手段が、コマンドデータとコマ
ンドデータの電気部品制御手段への入力を指示するため
の指示信号とを出力ポートを介して出力することによっ
てコマンドを電気部品制御手段に送信し、変動データ記
憶手段は、コマンドデータの出力ポートへの出力に応じ
て出力ポートに出力したコマンドデータの内容を記憶可
能なポート出力内容記憶領域を含み、遊技制御手段が、
電力供給が開始された場合に、変動データ記憶手段に保
持されていた記憶内容にもとづいて制御状態を電力供給
が停止する前の制御状態に復旧させる制御を行うことが
可能であり、その制御に関連して、ポート出力内容記憶
領域の内容にもとづいて、電気部品制御手段がコマンド
データを入力可能に出力ポートの状態を復旧させる制御
を行うことが可能であるように構成にしたので、遊技制
御手段と他の電気部品制御手段との間におけるコマンド
の送受信を欠落させないようにすることができる効果が
ある。
【0332】請求項2記載の発明では、遊技制御手段
が、コマンドデータを出力した後、指示信号を出力する
までの間に電力供給が停止した場合には、電力供給が再
開されたときに、コマンドデータに関する出力ポートの
状態を復旧させた後、指示信号を出力するように構成さ
れているので、コマンドデータを出力した後、指示信号
を出力するまでの間に電力供給が停止しても、確実にコ
マンドの送受信が実行される。
【0333】請求項3記載の発明では、電気部品制御手
段が、遊技機への電力供給が停止しても所定期間は記憶
内容を保持することが可能な変動データ記憶手段を有
し、電力供給が停止する場合に制御状態を復旧させるた
めに必要なデータを変動データ記憶手段に保存するため
の電力供給停止時処理を実行するように構成されている
ので、電気部品制御手段も、変動データ記憶手段に保存
されているデータにもとづいて制御状態を復旧させるこ
とができる。
【0334】請求項4記載の発明では、遊技制御手段
が、コマンドデータの出力に関連して、コマンドデータ
を出力していることを示すデータ出力中信号を出力する
ように構成されているので、電気部品制御手段は、デー
タ出力中信号にもとづいてコマンドを入力する処理を確
実に実行することができるようになる。
【0335】請求項5記載の発明では、電気部品制御手
段が、指示信号とデータ出力中信号の両方の出力を検出
した場合に、コマンドデータを入力する入力処理を実行
するように構成されているので、電気部品制御手段にお
いて、双方の信号を検出したことを条件にコマンドデー
タを入力するという確実な入力処理を行うことができ
る。
【0336】請求項6記載の発明では、遊技制御手段
が、電力供給が停止する場合に制御状態を復旧させるた
めに必要なデータを変動データ記憶手段に記憶するため
の電力供給停止時処理を実行することが可能であるとと
もに、電力供給停止時処理を開始した後でも所定期間は
データ出力中信号の出力を維持するように構成されてい
るので、電気部品制御手段は、電力供給停止時処理を開
始した後でも、コマンドの取込を実行することができる
ようになり、コマンドの送受信が確実に遂行される。
【0337】請求項7記載の発明では、電気部品制御手
段が、電力供給停止時処理においてデータ出力中信号の
状態を監視しデータ出力中信号が出力されている場合に
はコマンドデータを入力する入力処理を実行するように
構成されているので、電気部品制御手段は、電力供給停
止時処理を開始した後でも、確実にコマンドを入力する
処理を実行することができる。
【0338】請求項8記載の発明では、電気部品制御手
段が、通常時に受信したコマンドデータを記憶する通常
時コマンド記憶領域と、電力供給停止時処理が開始され
た後に受信したコマンドデータを記憶するバックアップ
コマンド記憶領域とを備えているので、電力供給停止時
処理を開始した後でもコマンドの取込を実行するように
しても、受信したコマンドが確実に保存されるようにな
る。
【0339】請求項9記載の発明では、電気部品制御手
段が、電力供給が開始された場合に、バックアップコマ
ンド記憶領域にコマンドデータが記憶されていた場合に
は通常時コマンド記憶領域の内容を無効にするように構
成されているので、電力供給停止時処理を開始した後で
もコマンドの取込を実行するようにしても、1つのコマ
ンドを2回取り込んでしまうことはない。
【0340】請求項10記載の発明では、遊技制御手段
が、電気部品制御手段がコマンドデータを入力する入力
処理を実行する契機を示す信号を送信した後、入力処理
中における実際の入力の契機を示す信号として指示信号
を出力するように構成されているので、電気部品制御手
段において、契機を示す信号の入力を契機としてコマン
ドデータ受信処理を開始するとともに指示信号があった
ことを条件にコマンドデータを入力するという確実な入
力処理を行うことができる。
【0341】請求項11記載の発明では、電気部品制御
手段が、電力供給が開始された場合に、遊技制御手段に
よるコマンドデータの出力ポートへの出力状態を監視
し、出力状態に応じてコマンドデータを入力する入力処
理を再開可能な状態にするように構成されているので、
電力供給が停止したときにコマンドの送受信途中であっ
ても、電力供給が再開されたときに確実にコマンドが電
気部品制御手段に取り込まれる。
【0342】請求項12記載の発明では、電気部品制御
手段が、入力処理を実行してから、所定の保護データを
除き、変更データ記憶手段の内容をクリアするように構
成されているので、誤ったデータによって誤った制御を
行ってしまう可能性が低減する。
【0343】請求項13記載の発明では、保護データに
は賞球数を示すデータが含まれているので、電力供給停
止前の賞球数を、電力供給再開後に引き継ぐことができ
る。
【0344】請求項14記載の発明では、電気部品制御
手段が、電力供給が開始された場合に、所定期間、遊技
制御手段によるコマンドデータの出力ポートへの出力状
態に変化がない場合には、入力処理を実行せずに制御状
態を復旧させるように構成されているので、不必要な制
御を行うことなく、電力供給停止前の制御状態に復旧す
ることができる。
【0345】請求項15記載の発明では、遊技制御手段
が、所定の制御周期毎に発生する割込に関連して遊技の
制御を実行し、制御期間内に電気部品制御手段に対して
コマンドを送信する制御を実行しない場合には、ポート
出力内容記憶領域の内容を所定の内容とするように構成
されているので、電気部品制御手段において誤ったコマ
ンドが取り込まれてしまう可能性が低減する。
【0346】請求項16記載の発明では、所定の内容
は、クリアデータ以外のデータであるから、出力ポート
に出力されているデータの内容を判断しやすくなる。
【0347】請求項17記載の発明では、電力供給が開
始された場合に、電力供給が停止する前の制御状態に復
旧させるか否かを決めるための復旧条件が複数あり、遊
技制御手段が、復旧条件の全てが成立していたら電力供
給が停止する前の制御状態に復旧させ、復旧条件のうち
少なくとも1つが成立していなかったら、制御状態を初
期化する初期化処理を行うように構成されているので、
誤ったデータにもとづいて制御状態が復旧されてしまう
ことが防止される。
【0348】請求項18記載の発明では、復旧条件が変
動データ記憶手段に電力供給停止前の制御状態に関する
記憶内容が記憶されていたことを含むので、電力供給停
止前の制御状態に関する記憶内容が記憶されていない場
合には制御状態を復旧させる処理は行われず、誤ったデ
ータにもとづいて制御状態が復旧されてしまう可能性が
低減する。
【0349】請求項19記載の発明では、復旧条件が変
動データ記憶手段の記憶内容にもとづいて作成されたチ
ェックデータが正常であったことを含むので、誤ったデ
ータにもとづいて制御状態が復旧されてしまう可能性が
低減する。
【0350】請求項20記載の発明では、復旧条件が、
変動データ記憶手段の記憶内容を初期化させるための初
期化操作手段の操作信号がなかったことを含むので、遊
技店員等が容易に変動データ記憶手段に内容を初期化す
ることができる。
【0351】請求項21記載の発明では、電気部品制御
手段は、遊技媒体の払い出しを行う払出手段を制御する
払出制御手段であるから、払出制御手段も、変動データ
記憶手段に保存されているデータにもとづいて制御状態
を復旧させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機を正面からみた正面図であ
る。
【図2】 ガラス扉枠を取り外した状態での遊技盤の前
面を示す正面図である。
【図3】 遊技機を裏面から見た背面図である。
【図4】 各種部材が取り付けられた機構板を遊技機背
面側から見た背面図である。
【図5】 球払出装置の構成例を示す分解斜視図であ
る。
【図6】 遊技盤に設置されているスイッチ基板の部分
を示す正面図である。
【図7】 クリアスイッチの構成の一例を示す構成図で
ある。
【図8】 遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示す
ブロック図である。
【図9】 図柄制御基板の回路構成例を示すブロック図
である。
【図10】 ランプ制御基板内の回路構成を示すブロッ
ク図である。
【図11】 音制御基板内の回路構成を示すブロック図
である。
【図12】 払出制御基板の回路構成例を示すブロック
図である。
【図13】 電源基板の回路構成例を示すブロック図で
ある。
【図14】 電源監視および電源バックアップのための
CPU周りの一構成例を示すブロック図である。
【図15】 出力ポートのビット割り当ての一例を示す
説明図である。
【図16】 出力ポートのビット割り当ての一例を示す
説明図である。
【図17】 入力ポートのビット割り当ての一例を示す
説明図である。
【図18】 主基板におけるCPUが実行するメイン処
理を示すフローチャートである。
【図19】 主基板におけるCPUが実行するメイン処
理を示すフローチャートである。
【図20】 遊技制御手段におけるRAM領域の一部を
示す説明図である。
【図21】 特別図柄プロセス処理を示すフローチャー
トである。
【図22】 普通図柄プロセス処理を示すフローチャー
トである。
【図23】 主基板からサブ基板に送信される制御コマ
ンドの送出形態を示すタイミング図である。
【図24】 コマンド制御処理を示すフローチャートで
ある。
【図25】 コマンド制御処理を示すフローチャートで
ある。
【図26】 タイマ割込処理を示すフローチャートであ
る。
【図27】 ポート出力処理を示すフローチャートであ
る。
【図28】 遊技状態復旧処理を示すフローチャートで
ある。
【図29】 マスク不能割込処理(電力供給停止時処
理)を示すフローチャートである。
【図30】 RAMのアドレスマップを示す説明図であ
る。
【図31】 チェックサム作成方法の一例を説明するた
めの説明図である。
【図32】 電源監視および電源バックアップのための
払出制御用CPU周りの一構成例を示すブロック図であ
る。
【図33】 出力ポートのビット割り当ての一例を示す
説明図である。
【図34】 入力ポートのビット割り当ての一例を示す
説明図である。
【図35】 払出制御用CPUが実行するメイン処理を
示すフローチャートである。
【図36】 払出状態復旧処理を示すフローチャートで
ある。
【図37】 タイマ割込処理を示すフローチャートであ
る。
【図38】 RAMのアドレスマップを示す説明図であ
る。
【図39】 コマンド受信割込処理を示すフローチャー
トである。
【図40】 受信バッファの構成例を示す説明図であ
る。
【図41】 マスク不能割込処理(電力供給停止時処
理)を示すフローチャートである。
【図42】 マスク不能割込処理(電力供給停止時処
理)を示すフローチャートである。
【図43】 主基板からサブ基板に送信される制御コマ
ンドの送出形態を示すタイミング図である。
【図44】 ポート出力処理を示すフローチャートであ
る。
【図45】 コマンド受信割込処理を示すフローチャー
トである。
【図46】 マスク不能割込処理(電力供給停止時処
理)を示すフローチャートである。
【図47】 払出状態復旧処理を示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機 31 主基板 37 払出制御基板 54 ROM 55 RAM(変動データ記憶手段) 56 CPU 371 払出制御用CPU 910 電源基板

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊技者が遊技媒体を用いて所定の遊技を
    行うことが可能な遊技機であって、 遊技機への電力供給が停止しても所定期間は記憶内容を
    保持することが可能な変動データ記憶手段を有し、遊技
    の進行に関わる制御を行う遊技制御手段と、 前記遊技制御手段からのコマンドにもとづいて、遊技機
    に設けられている電気部品の制御を行う電気部品制御手
    段とを備え、 前記遊技制御手段は、コマンドデータとコマンドデータ
    の電気部品制御手段への入力を指示するための指示信号
    とを出力ポートを介して出力することによってコマンド
    を前記電気部品制御手段に送信し、 前記変動データ記憶手段は、前記コマンドデータの出力
    ポートへの出力に応じて出力ポートに出力したコマンド
    データの内容を記憶可能なポート出力内容記憶領域を含
    み、 前記遊技制御手段は、電力供給が開始された場合に、前
    記変動データ記憶手段に保持されていた記憶内容にもと
    づいて制御状態を電力供給が停止する前の制御状態に復
    旧させる制御を行うことが可能であり、該制御に関連し
    て、前記ポート出力内容記憶領域の内容にもとづいて、
    前記電気部品制御手段が前記コマンドデータを入力可能
    に出力ポートの状態を復旧させる制御を行うことが可能
    であることを特徴とする遊技機。
  2. 【請求項2】 遊技制御手段は、コマンドデータを出力
    した後に指示信号を出力するまでの間に電力供給が停止
    した場合には、電力供給が再開されたときに、コマンド
    データに関する出力ポートの状態を復旧させた後、指示
    信号を出力する請求項1記載の遊技機。
  3. 【請求項3】 電気部品制御手段は、遊技機への電力供
    給が停止しても所定期間は記憶内容を保持することが可
    能な変動データ記憶手段を有し、電力供給が停止する場
    合に制御状態を復旧させるために必要なデータを前記変
    動データ記憶手段に保存するための電力供給停止時処理
    を実行する請求項1または請求項2記載の遊技機。
  4. 【請求項4】 遊技制御手段は、コマンドデータの出力
    に関連して、コマンドデータを出力していることを示す
    データ出力中信号を出力する請求項3記載の遊技機。
  5. 【請求項5】 電気部品制御手段は、指示信号とデータ
    出力中信号の両方の出力を検出した場合に、コマンドデ
    ータを入力する入力処理を実行する請求項4記載の遊技
    機。
  6. 【請求項6】 遊技制御手段は、電力供給が停止する場
    合に制御状態を復旧させるために必要なデータを変動デ
    ータ記憶手段に記憶するための電力供給停止時処理を実
    行することが可能であるとともに、前記電力供給停止時
    処理を開始した後でも所定期間はデータ出力中信号の出
    力を維持する請求項4または請求項5記載の遊技機。
  7. 【請求項7】 電気部品制御手段は、電力供給停止時処
    理において、データ出力中信号の状態を監視し、データ
    出力中信号が出力されている場合には、コマンドデータ
    を入力する入力処理を実行する請求項4から請求項6の
    うちのいずれかに記載の遊技機。
  8. 【請求項8】 電気部品制御手段は、通常時に受信した
    コマンドデータを記憶する通常時コマンド記憶領域と、
    電力供給停止時処理が開始された後に受信したコマンド
    データを記憶するバックアップコマンド記憶領域とを備
    える請求項7記載の遊技機。
  9. 【請求項9】 電気部品制御手段は、電力供給が開始さ
    れた場合に、バックアップコマンド記憶領域にコマンド
    データが記憶されていた場合には通常時コマンド記憶領
    域の内容を無効にする請求項8記載の遊技機。
  10. 【請求項10】 遊技制御手段は、電気部品制御手段が
    コマンドデータを入力する入力処理を実行する契機を示
    す信号を送信した後、前記入力処理実行中における実際
    の入力の契機を示す信号として指示信号を出力する請求
    項1記載の遊技機。
  11. 【請求項11】 電気部品制御手段は、電力供給が開始
    された場合に、遊技制御手段によるコマンドデータの出
    力ポートへの出力状態を監視し、前記出力状態に応じて
    コマンドデータを入力する入力処理を再開可能な状態に
    する請求項1または請求項10記載の遊技機。
  12. 【請求項12】 電気部品制御手段は、入力処理を実行
    してから、所定の保護データを除き、変更データ記憶手
    段の内容をクリアする請求項11記載の遊技機。
  13. 【請求項13】 保護データには賞球数を示すデータが
    含まれる請求項12記載の遊技機。
  14. 【請求項14】 電気部品制御手段は、電力供給が開始
    された場合に、所定期間、遊技制御手段によるコマンド
    データの出力ポートへの出力状態に変化がない場合に
    は、入力処理を実行せずに制御状態を復旧させる請求項
    11から請求項13のうちのいずれかに記載の遊技機。
  15. 【請求項15】 遊技制御手段は、所定の制御周期毎に
    発生する割込に関連して遊技の制御を実行し、前記制御
    期間内に電気部品制御手段に対してコマンドを送信する
    制御を実行しない場合には、ポート出力内容記憶領域の
    内容を所定の内容とする請求項1、または請求項10か
    ら請求項14のうちのいずれかに記載の遊技機。
  16. 【請求項16】 所定の内容は、クリアデータ以外のデ
    ータである請求項15記載の遊技機。
  17. 【請求項17】 電力供給が開始された場合に、遊技制
    御手段が、電力供給が停止する前の制御状態に復旧させ
    るか否かを決めるための復旧条件が複数あり、前記遊技
    制御手段は、前記復旧条件の全てが成立していたら電力
    供給が停止する前の制御状態に復旧させ、 前記復旧条件のうち少なくとも1つが成立していなかっ
    たら、制御状態を初期化する初期化処理を行う請求項1
    から請求項16のうちのいずれかに記載の遊技機。
  18. 【請求項18】 復旧条件は、変動データ記憶手段に電
    力供給停止前の制御状態に関する記憶内容が記憶されて
    いたことを含む請求項17記載の遊技機。
  19. 【請求項19】 復旧条件は、変動データ記憶手段の記
    憶内容にもとづいて作成されたチェックデータが正常で
    あったことを含む請求項17または請求項18記載の遊
    技機。
  20. 【請求項20】 復旧条件は、変動データ記憶手段の記
    憶内容を初期化させるための初期化操作手段の操作信号
    がなかったことを含む請求項17から請求項19のうち
    のいずれかに記載の遊技機。
  21. 【請求項21】 電気部品制御手段は、遊技媒体の払い
    出しを行う払出手段を制御する払出制御手段である請求
    項1から請求項20のうちのいずれかに記載の遊技機。
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