JP2003033198A - P2x7受容体活性の調節因子を同定する方法および産物、並びに骨格障害の治療におけるそれらの使用 - Google Patents

P2x7受容体活性の調節因子を同定する方法および産物、並びに骨格障害の治療におけるそれらの使用

Info

Publication number
JP2003033198A
JP2003033198A JP2002125273A JP2002125273A JP2003033198A JP 2003033198 A JP2003033198 A JP 2003033198A JP 2002125273 A JP2002125273 A JP 2002125273A JP 2002125273 A JP2002125273 A JP 2002125273A JP 2003033198 A JP2003033198 A JP 2003033198A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
receptor
compound
bone
mineral density
bone mineral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002125273A
Other languages
English (en)
Inventor
Christopher Allen Gabel
クリストファー・アレン・ゲイベル
Hua Zhu Ke
フア・チュー・ケ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pfizer Products Inc
Original Assignee
Pfizer Products Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pfizer Products Inc filed Critical Pfizer Products Inc
Publication of JP2003033198A publication Critical patent/JP2003033198A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 P2X7受容体活性の調節因子を同定する
方法および産物、並びに骨格障害の治療におけるそれら
の使用を提供する。 【解決手段】 化合物をスクリーニングして、骨量お
よび/または骨ミネラル密度を調節するための療法的候
補を同定する方法と共に、減少した骨量および/または
骨ミネラル密度によって特徴付けられる骨格障害を治療
する方法である。該方法は、P2X7受容体のアゴニス
トの同定および使用に基づく。すなわち、化合物をスク
リーニングして、骨量および/または骨ミネラル密度を
増加させるための療法的候補を同定する方法であって:
試験化合物と、P2X7受容体を発現する細胞を、該化
合物の存在を別にして、P2X7受容体リガンドへの前
記P2X7受容体の結合を可能にする条件下で接触さ
せ;そしてP2X7受容体活性の指標を検出することを
含み;前記指標の増加が、前記化合物がin vivo
でP2X7受容体と相互作用することによって、骨量お
よび/または骨ミネラル密度を増加させるための候補で
あることを示す、前記方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子生物学および
骨学の分野に関する。より具体的には、本発明は、化合
物をスクリーニングして、P2X7受容体活性の調節因
子を同定することによって、骨量および/または骨ミネ
ラル密度を調節するための療法的候補を同定する方法お
よび産物に関する。こうした療法的候補は、減少した骨
量および/または骨ミネラル密度によって特徴付けられ
る骨格障害の治療に有用である可能性がある。
【0002】
【従来の技術】細胞表面ATP受容体は、代謝調節型受
容体ファミリー(P2Y/P2U受容体ファミリー)お
よびイオンチャンネル型受容体ファミリー(P2X受容
体ファミリー)に分けることが可能である。代謝調節型
受容体ファミリーメンバーは、G−タンパク質カップリ
ング受容体であり、そしてイオンチャンネル型受容体フ
ァミリーメンバーはリガンド作動型チャンネルである。
11の代謝調節型受容体ファミリーメンバーおよび7つ
のイオンチャンネル型受容体ファミリーメンバー、P2
X1からP2X7がある。
【0003】P2X7受容体は、P2X受容体ファミリ
ーの他のメンバー同様、ATP作動型イオンチャンネル
である(Surprenantら(1996), Sc
ience 272:735−738; Rassen
drenら(1997),J. Biol. Che
m. 272:5482−5486; Michelら
(1998), Br. J. Pharmacol.
125:1194−1201)。しかし、P2X7受
容体は、このファミリーの他のメンバーとは明らかに異
なる特性を示す。例えば、P2X7受容体は、活性化を
達成するのに、1mMより多いATPレベルを必要とす
るが、他のP2X受容体は、100μM未満またはそれ
に等しいATP濃度で活性化する(Greenberg
ら(1998), J. Biol. Chem. 2
63:10337−10343;Steinbergら
(1987), J. Biol. Chem. 26
2:8884−8888)。より高い濃度が必要である
ことは、部分的に、P2X7受容体がそのリガンドとし
てATP4-を優先すること、そして生理学的濃度の二価
陽イオン(例えばCa2+およびMg2+)を含む培地中に
この種の存在量が比較的低いことを反映する。P2X7
受容体のさらにユニークな特徴は、そのコンダクタンス
特性に見られる。P2X受容体はすべて、連結後、非選
択的チャンネル様特性を示すが、P2X7受容体によっ
て形成されるチャンネルは、迅速に孔へとトランスフォ
ームし、900ダルトンもの大きさの溶質の通過を可能
にする(Steinbergら(1987), J.
Biol. Chem. 262:8884−888
8; Virginioら(1999), J. Ph
ysiol. 519:335−346)。このトラン
スフォーメーションの分子的詳細は説明されないままで
あるが、ドメイン交換および欠失実験から、P2X7受
容体のカルボキシ末端ドメインが、孔複合体形成に関与
していることが示唆されてきており;カルボキシ末端ド
メインは、他のP2X受容体の匹敵するドメインよりか
なり長い(North(1996), Current
Opin. Cell Biol. 8:474−4
83)。おそらくこの孔様活性の結果として、P2X7
受容体が、15分間より長く連続して連結し、これが細
胞死につながる可能性がある(Di Virgilio
(1995), Immunol. Today 1
6:524−528; Murgiaら(1992),
Biochem. J. 288:897−901;
Ferrariら(1999), FEBS Let
t. 447:71−75)。
【0004】P2X7受容体は、限定された細胞分布を
示し、単球およびマクロファージおよびいくつかのリン
パ球集団を含む造血起源の細胞に主に観察される(Di
Virgilio(1995), Immunol.
Today 16:524−528; Colloら
(1997), Neuropharmacol.3
6:1277−1283)。この受容体はまた、ミクロ
グリア細胞(Sanzら(2000), J. Imm
unol. 164:4893−4898)、いくつか
の癌細胞(Wileyら(1989), Blood
73:1316−1323)、精子(Forestaら
(1996), Am J. Physiol. 27
0:C1709−C1714)、および樹状細胞(Mu
tiniら(1999), J. Immunol.
163:1958−1965)上に存在すると報告され
ている。P2X7受容体は、リンパ球増殖(Baric
ordiら(1999), J. Biol. Che
m. 274:33206−33208)、受精(Fo
restaら(1996), Am. J. Phys
iol. 270:C1709−C1714)、巨細胞
形成(Chiozziら(1997), J. Cel
l Biol. 138:697−706)、細胞死
(Murgiaら(1992), Biochem.
J. 288:897−901; Ferrariら
(1999), FEBS Lett.447:71−
75)、進入するミコバクテリウムの殺作用(Lamm
asら(1997), Immunity 7:433
−444)、およびIL−1翻訳後プロセシング(Ho
gquistら(1991), Proc. Nat
l.Acad. Sci.(USA)88:8485−
8489; Perregauxら(1994)J.
Biol. Chem. 269:15195−152
03)を含む多様なリストの細胞活性に関与することが
報告されている。さらに、P2X7受容体の連結は、ホ
スホリパーゼDの活性化およびNF−κBのいくつかの
型の活性化と関連付けられている(Humphreys
ら(1996), J. Immunol. 157:
5627−5637; Ferrariら(199
7), J. Cell Biol. 139:163
5−1643)。P2X7受容体が、ラット骨組織およ
びラット破骨細胞で発現されていることが報告されてい
る(Hoebertzら(2000)Bone 27:
503−510)。
【0005】動物全体でのIL−1β翻訳後プロセシン
グにおけるP2X7受容体の役割に取り組むため、P2
X7受容体欠損マウス系統が生成されている(Soll
eら(2001), J. Biol. Chem.
276:125−132を参照されたい)。P2X7受
容体欠損マウスは、マクロファージの細菌リポ多糖刺激
に反応したプロ−IL−1βの正常な産生を示し、そし
てin vivoリポ多糖注射に反応した腹腔IL−6
の正常な増加を示した。しかし、P2X7受容体欠損マ
ウスは、ATP刺激マクロファージによる成熟IL−1
βの正常な外在化(externalization)
を示さず、またATP注射に反応した腹腔IL−1の正
常な増加も示さなかった。これらの相違にもかかわら
ず、P2X7受容体欠損マウスは、健康であり、そして
妊性であり、そして明白な表現型をまったく示さない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、化合物をスク
リーニングして、骨量および/または骨ミネラル密度を
調節するための療法的候補を同定する方法を提供する。
本発明はまた、減少した骨量および/または骨ミネラル
密度によって特徴付けられる骨格障害を治療するための
方法であって、P2X7受容体のアゴニストの同定およ
び使用に基づく、前記方法も提供する。化合物をスクリ
ーニングする方法は、部分的に、P2X7受容体のin
vivoの役割およびその活性の性質決定に応じる。
【0007】したがって、1つの側面において、本発明
は、化合物をスクリーニングして、骨量および/または
骨ミネラル密度を調節するための療法的候補を同定する
方法であって、化合物がP2X7受容体活性の指標を増
加させるかまたは減少させる能力を決定することによ
る、前記方法を提供する。これらの方法では、細胞表面
上にP2X7受容体を発現する細胞株由来の細胞表面上
のP2X7受容体と、化合物を接触させる。接触工程
は、該化合物の存在を別にして、P2X7受容体リガン
ドへの該P2X7受容体の結合を可能にするであろう条
件下で行う。その後、P2X7受容体活性の指標を測定
する;該指標の増加または減少は、該化合物がin v
ivoでP2X7受容体と相互作用することによって、
骨量および/または骨ミネラル密度を調節するための候
補であることを示す。
【0008】いくつかの態様において、アッセイに既知
のP2X7受容体リガンドを添加せずに、P2X7受容
体と化合物を接触させ、P2X7受容体アゴニストを同
定する。これらの態様において、P2X7受容体活性の
指標の増加は、該化合物がP2X7受容体のアゴニスト
の候補であることを示す。他の態様において、既知のP
2X7受容体リガンドに加えて、化合物を添加し、P2
X7受容体アゴニストおよびアンタゴニストを同定す
る。これらの態様では、P2X7受容体活性の指標の増
加は、該化合物がP2X7受容体のアゴニストの候補で
あるか、または既知のリガンドのアゴニスト活性の増進
因子であることを示し、そして指標の減少は、該化合物
がP2X7受容体のアンタゴニストの候補であるか、ま
たは既知のリガンドのアゴニスト活性の阻害剤であるこ
とを示す。
【0009】前述の態様のいずれにおいても、化合物ま
たはリガンドおよび受容体の間の相互作用は、P2X7
受容体活性の指標を測定することによって決定する。好
ましい指標は、増加した細胞浸透性または増加した巨大
分子の細胞内集積;活性化炎症性細胞における増加した
IL−1α、IL−1β、またはIL−18翻訳後プロ
セシング;炎症誘導細胞における増加したIL−6産
生;L−セレクチン分断;ストレスキナーゼ活性化;お
よびリンパ球増殖である。P2X7受容体結合ドメイン
を発現する細胞が破骨細胞前駆体であるいくつかの態様
において、指標は、破骨細胞への分化である。細胞が破
骨細胞であるいくつかの態様において、指標は、増加し
た吸収窩形成または増加したアポトーシスである。
【0010】上述の態様のいずれにおいても、P2X7
受容体を発現する細胞は、天然にP2X7受容体を発現
する細胞であってもよいし、またはP2X7受容体をコ
ードする遺伝子構築物で形質転換された細胞株由来であ
ってもよい。
【0011】別の側面において、本発明は、化合物をス
クリーニングして、骨量および/または骨ミネラル密度
を調節するための療法的候補を同定する方法であって、
化合物がP2X7受容体結合ドメインに結合する能力を
決定することによる、前記方法を提供する。これらの方
法では、細胞表面上にP2X7受容体の結合ドメインを
発現する細胞株由来の細胞表面上のP2X7受容体の少
なくとも結合ドメインと、化合物を接触させる。接触工
程は、化合物の存在を別にして、P2X7受容体リガン
ドへの該P2X7受容体結合ドメインの結合を可能にす
るであろう条件下で行う。あるとすれば、P2X7受容
体結合ドメインおよび化合物の間の結合を検出する。P
2X7受容体結合ドメインおよび化合物の間の結合は、
該化合物がin vivoでP2X7受容体と相互作用
することによって、骨量および/または骨ミネラル密度
を調節するための候補であることを示す。
【0012】いくつかの態様において、アッセイに既知
のP2X7受容体リガンドを添加せずに、P2X7受容
体結合ドメインと化合物を接触させる。これらの態様で
は、P2X7受容体結合ドメインへの結合は、該化合物
がP2X7受容体と相互作用するための候補であること
を示す。他の態様において、既知のP2X7受容体リガ
ンドの存在下で、化合物を添加する。これらの態様で
は、P2X7受容体結合ドメインへの該化合物の結合ま
たはP2X7受容体結合ドメインへの既知のリガンドの
結合の減少のいずれも、該化合物がP2X7受容体と相
互作用するための候補であることを示す。
【0013】先行する方法のいくつかの態様において、
化合物、既知のリガンド、および/またはP2X7受容
体結合ドメイン間の結合の検出を容易にするため、化合
物または既知のP2X7受容体リガンドのいずれかを検
出可能標識で標識する。標識化要素を、細胞表面上のP
2X7受容体結合ドメインと接触させた後、いかなる未
結合標識化要素も洗い流し、そしてP2X7受容体結合
ドメインに結合した標識化要素を検出する。こうしたア
ッセイにおける好ましい標識は、放射性同位体、蛍光標
識、化学発光標識、酵素ドメイン、特異的結合要素、お
よび金属原子である。
【0014】上述の態様のいずれにおいても、P2X7
受容体結合ドメインを発現する細胞は、天然にP2X7
受容体を発現する細胞であってもよいし、またはP2X
7受容体結合ドメインをコードする遺伝子構築物で形質
転換された細胞株由来であってもよい。形質転換細胞を
用いる場合、これらは、好ましくは、全P2X7受容
体、またはP2X7受容体の少なくとも結合ドメインを
含むキメラタンパク質を発現する遺伝子構築物で形質転
換される。
【0015】別の側面において、本発明は、化合物をス
クリーニングして、P2X7受容体発現を調節すること
によって、骨量および/または骨ミネラル密度を調節す
るための療法的候補を同定する方法を提供する。これら
の方法では、内因性P2X7受容体を発現する細胞、あ
るいは内因性または外因性P2X7受容体遺伝子転写調
節要素に機能可能であるように連結されているレポータ
ー遺伝子で形質転換された細胞を、試験しようとする化
合物と接触させる。内因性P2X7遺伝子またはレポー
ター遺伝子の発現の増加または減少は、該化合物がin
vivoでP2X7受容体発現を増加させるかまたは
減少させることによって、骨量および/または骨ミネラ
ル密度を調節するための候補であることを示す。
【0016】別の側面において、本発明は、化合物をス
クリーニングして、骨量および/または骨ミネラル密度
を調節するための療法的候補を同定する、細胞に基づく
機能的活性アッセイを提供する。これらの方法では、P
2X7受容体をコードする配列に機能可能であるように
連結されている外因性転写調節要素を含む遺伝子構築物
で形質転換された細胞株由来の細胞を、試験しようとす
る化合物と接触させる。細胞におけるP2X7受容体活
性の指標の増加または減少は、該化合物がinvivo
でP2X7受容体活性を増加させるかまたは減少させる
ことによって、骨量および/または骨ミネラル密度を調
節するための候補であることを示す。こうした態様で
は、指標には、限定されるわけではないが、増加した細
胞浸透性または増加した巨大分子の細胞内集積;活性化
炎症性細胞における増加したIL−1α、IL−1β、
またはIL−18翻訳後プロセシング;炎症誘導細胞に
おける増加したIL−6産生;L−セレクチン分断;ス
トレスキナーゼ活性化;およびリンパ球増殖が含まれる
可能性がある。細胞が破骨細胞前駆体であるいくつかの
態様において、指標は、破骨細胞への分化である。細胞
が破骨細胞であるいくつかの態様において、指標は、増
加した吸収窩形成または増加したアポトーシスである。
【0017】形質転換細胞を使用する前述の態様のいず
れにおいても、細胞は、P2X7受容体、P2X7受容
体結合ドメイン、またレポーター遺伝子をコードする遺
伝子構築物で形質転換されている、トランスジェニック
非ヒト動物由来であってもよいし、またはこうした動物
の子孫であってもよい。
【0018】別の側面において、本発明は、化合物をス
クリーニングして、骨量および/または骨ミネラル密度
を調節するための療法的候補を同定する、動物に基づく
アッセイであって、全非ヒト動物を使用する、前記アッ
セイを提供する。したがって、この側面において、化合
物を動物に投与し、そして該動物において、P2X7受
容体活性の指標の増加または減少を検出する。こうした
指標の増加は、該化合物がin vivoでP2X7受
容体活性を増加させることによって、骨量および/また
は骨ミネラル密度を増加させるための候補であることを
示す。こうした指標の減少は、該化合物がin viv
oでP2X7受容体活性を減少させることによって、骨
量および/または骨ミネラル密度を減少させるための候
補であることを示す。
【0019】いくつかの態様において、動物は、通常P
2X7受容体を発現する動物であり、そして受容体に関
して正常または野生型である動物である。あるいは、動
物は、該動物で発現されるP2X7受容体をコードする
遺伝子構築物で形質転換されているトランスジェニック
非ヒト動物、またはこうした動物の子孫である。
【0020】前述の態様で検出することが可能なP2X
7受容体活性の指標には、増加した細胞浸透性または増
加した巨大分子の細胞内集積;活性化炎症性細胞におけ
る増加したIL−1α、IL−1β、またはIL−18
翻訳後プロセシング;炎症誘導細胞における増加したI
L−6産生;L−セレクチン分断;ストレスキナーゼ活
性化;およびリンパ球増殖が含まれる。さらに、指標に
は、破骨細胞前駆体の破骨細胞への分化、破骨細胞の増
加した吸収窩形成、または増加したアポトーシスが含ま
れる。こうした指標は、好ましくは、動物由来の体液お
よび/または生検試料を用いて評価する。さらに、指標
には、骨ミネラル密度、骨ミネラル含量、骨梁(tra
becular bone)数、骨梁分離、骨ミネラル
領域、骨体積、骨の厚み、および骨外周などの表現型的
変化が含まれる。
【0021】別の側面において、本発明は、化合物をス
クリーニングして、骨量および/または骨ミネラル密度
を調節するための療法的候補を同定する方法であって、
化合物を動物に投与する、前記方法を提供する。これら
の態様では、動物は、外因性または内因性P2X7受容
体遺伝子転写調節要素に機能可能であるように連結され
ている外因性レポーター遺伝子で形質転換されている、
トランスジェニック非ヒト動物、またはこうした動物の
子孫である。該動物におけるレポーター遺伝子の発現の
増加または減少は、該化合物がin vivoでP2X
7受容体発現を増加させるかまたは減少させることによ
って、骨量および/または骨ミネラル密度を増加させる
かまたは減少させるための候補であることを示す。
【0022】別の側面において、本発明は、化合物をス
クリーニングして、骨量および/または骨ミネラル密度
を調節するための療法的候補を同定する、細胞不含結合
アッセイを提供する。これらの方法では、結合アッセイ
は、P2X7受容体の少なくとも結合ドメインを含んで
行うが、受容体は、細胞と結合している必要はない。し
たがって、いくつかの態様において、少なくともP2X
7受容体結合ドメインと、化合物を、該化合物の存在を
別にして、既知のP2X7受容体リガンドへの前記P2
X7受容体結合ドメインの結合をin vivoで可能
にする条件下で接触させる。あるとすれば、P2X7受
容体結合ドメインおよび化合物の間の結合を検出する。
こうしたアッセイにおいて、P2X7受容体結合ドメイ
ンおよび化合物の間の結合は、該化合物がin viv
oでP2X7受容体と相互作用することによって、骨量
および/または骨ミネラル密度を調節するための候補で
あることを示す。他の態様において、既知のP2X7受
容体リガンドの存在下、P2X7受容体の少なくとも結
合ドメインと、化合物を、該化合物の存在を別にして、
該P2X7受容体リガンドへの該P2X7受容体結合ド
メインの結合をinvivoで可能にする条件下で接触
させる。あるとすれば、P2X7受容体結合ドメインお
よび化合物またはP2X7受容体リガンドのいずれかの
間の結合を検出する。こうしたアッセイにおいて、P2
X7受容体結合ドメインおよび化合物の間の結合、また
はP2X7受容体結合ドメインおよびP2X7受容体リ
ガンド間の減少した結合の検出は、該化合物がin v
ivoでP2X7受容体と相互作用することによって、
骨量および/または骨ミネラル密度を調節するための候
補であることを示す。
【0023】先行する態様のいずれにおいても、化合
物、既知のリガンド、および/またはP2X7受容体結
合ドメイン間の結合の検出を容易にするため、好ましく
は、化合物または既知のP2X7受容体リガンドのいず
れかを検出可能標識で標識する。標識化要素を、細胞表
面上のP2X7受容体結合ドメインと接触させた後、い
かなる未結合標識化要素も洗い流し、そしてP2X7受
容体結合ドメインに結合した標識化要素を検出する。あ
るいは、シンチレーション近接アッセイを使用する場
合、過剰な標識化要素は、検出前に洗い流す必要はな
い。前述の結合アッセイで用いられる標識には、放射性
同位体、蛍光標識、化学発光標識、酵素ドメイン、特異
的結合要素、および金属原子が含まれる。
【0024】前述の結合アッセイの好ましい態様におい
て、非標識結合要素の1つを固定する。したがって、い
くつかの態様において、化合物を標識し、そしてP2X
7受容体結合ドメインを支持体上に固定する。他の態様
において、P2X7受容体リガンドを標識し、そしてP
2X7受容体結合ドメインを支持体上に固定する。他の
態様において、P2X7受容体結合ドメインを標識し、
そして化合物を支持体上に固定する。他の態様におい
て、P2X7受容体リガンドを標識し、そして化合物を
支持体上に固定する。他の態様において、化合物を標識
し、そしてP2X7受容体リガンドを支持体上に固定す
る。最後に、他の態様において、P2X7受容体結合ド
メインを標識し、そしてP2X7受容体リガンドを支持
体上に固定する。固定要素に適した支持体には、アフィ
ニティーカラム、スライド、ウェル、粒子および/また
は微小粒子が含まれる。
【0025】別の側面において、本発明は、化合物をス
クリーニングして、骨量および/または骨ミネラル密度
を調節するための療法的候補を同定する方法であって、
凝集アッセイを使用する、前記方法を提供する。これら
の方法において、化合物を第一の粒子上に固定し、そし
てP2X7受容体の少なくとも結合ドメインを第二の粒
子上に固定する。化合物の存在を別にして、P2X7受
容体リガンドへの前記P2X7受容体の結合を可能にす
る条件下で、粒子を接触させる。P2X7受容体結合ド
メインおよび化合物の間の結合は、粒子の凝集を検出す
ることによって検出する。凝集は、該化合物がin v
ivoでP2X7受容体と相互作用することによって、
骨量および/または骨ミネラル密度を調節するための候
補であることを示す。
【0026】別の側面において、本発明は、こうした治
療が必要な哺乳動物において、骨量および/または骨ミ
ネラル密度を増加させる方法であって、該哺乳動物にお
いて、骨量および/または骨ミネラル密度を増加させる
のに有効な量のP2X7受容体のアゴニストを投与する
ことによる、前記方法を提供する。別の側面において、
本発明は、減少した骨量および/または骨ミネラル密度
によって特徴付けられる骨格障害を有する哺乳動物を治
療する方法であって、該哺乳動物において、骨量および
/または骨ミネラル密度を増加させるのに有効な量のP
2X7受容体のアゴニストを投与することによる、前記
方法を提供する。これらの方法のいくつかの態様におい
て、哺乳動物は、骨粗しょう症、歯周炎、整形外科的骨
溶解、炎症性骨疾患、または骨折などの疾患に罹患して
いるか、またはその実質的なリスクがある。P2X7受
容体アゴニストは、全身にまたは局所に投与してもよ
い。
【0027】当業者は、本発明を説明する説明および付
随する請求項において、本明細書に用いられる用語を完
全に理解するであろう。にもかかわらず、本明細書に別
に提供されない限り、以下の用語は、この直後に記載さ
れるとおりである。
【0028】本明細書において、用語「P2X7受容
体」は、Surprenantら(1996), Sc
ience 272:735−738、およびRass
endrenら(1997), J. Biol. C
hem. 272:5482−5486に記載されるヒ
ト受容体と共に、P2X7受容体活性を有するいかなる
ヒト対立遺伝子変異体(variant)、並びにいか
なる哺乳動物相同体およびそれらの変異体も指す(Ge
nBank寄託番号第Y09561号およびGenBa
nk寄託番号第Y12851号−第Y12855号も参
照されたい)。本明細書において、用語「相同体」は、
異なる種における参照タンパク質と進化的に関連し、そ
して実質的な構造的および機能的類似性を共有するタン
パク質を意味する(例えばヒトおよびラットP2X7受
容体)。
【0029】本明細書において、用語「P2X7活性」
は、以下のいかなる1つ以上も意味する:増加した細胞
浸透性;増加した巨大分子の細胞内集積;活性化炎症性
細胞における増加したIL−1α、IL−1β、または
IL−18翻訳後プロセシング;炎症誘導細胞における
増加したIL−6産生;L−セレクチン分断;ストレス
キナーゼ活性化;リンパ球増殖;破骨細胞前駆体の破骨
細胞への分化;破骨細胞による増加した吸収窩形成;ま
たは破骨細胞の増加したアポトーシス。これらの活性は
ATPによって刺激されることが知られる。しかし、本
発明の方法において、これらの活性は、P2X7受容体
リガンドの存在下または非存在下で、試験化合物によっ
て刺激される。
【0030】本明細書において、用語「P2X7受容体
の結合ドメイン」または「P2X7受容体結合ドメイ
ン」は、天然に存在する非免疫グロブリンリガンドにi
n vivoで結合するP2X7受容体タンパク質の部
分を意味する。本明細書において、P2X7受容体の結
合ドメインは、GenBank寄託番号第Y09561
号のアミノ酸残基およそ1−22に対応する、該分子の
少なくとも細胞外ドメインを含み、そして好ましくは、
GenBank寄託番号第Y09561号の残基およそ
23−41に対応する、第一の膜貫通ドメインを含む。
【0031】本明細書において、用語「P2X7受容体
リガンド」は、P2X7受容体に結合し、そしてアゴニ
ストとして作用する、いかなる分子も意味する。いくつ
かのP2X7受容体アゴニストがすでに同定されている
(BurnstockおよびWilliams(200
0), J. Pharmacol. Exp. Th
er. 295:862−869を参照されたい)。例
えば、P2X7受容体の既知のアゴニストは、アデノシ
ン三リン酸(ATP)、2’−O−(4−ベンゾイル)
−ベンゾイル−ATP、3’−O−(4−ベンゾイル)
−ベンゾイル−ATP(Bz−ATP)、および1−
α,β−メチレンATP(α,β−meATP)を含
む。一般の当業者に明らかになるであろうように、これ
らの化合物の化学的変異体、誘導体および類似体と共
に、天然P2X7受容体リガンドATPの化学的変異
体、誘導体および類似体もまた、P27受容体リガンド
として含まれるさらなるアゴニストの候補である。
【0032】本明細書において、アッセイに関し、句
「P2X7受容体リガンドへのP2X7受容体結合ドメ
インの結合を可能にする条件」は、P2X7受容体およ
びP2X7受容体リガンドが、in vivoでこれら
が結合するのと実質的に同じ度合いに結合することが可
能であるような、生理学的条件と同一の、または実質的
に類似の、アッセイ媒体中の温度、圧力、pH、イオン
濃度およびモル浸透圧濃度の条件を意味する。こうした
条件は、アッセイ媒体が、潜在的に、スクリーニングさ
れる化合物を除き、受容体−リガンド結合の有効な阻害
剤または競合因子を実質的に含まないことを仮定する。
【0033】本明細書において、句「P2X7受容体結
合ドメインをコードする遺伝子構築物」は、P2X7受
容体の少なくとも結合ドメインのアミノ酸配列をコード
する遺伝子配列を含むか、または該アミノ酸配列をコー
ドする遺伝子配列に相補的であり、そして該構築物で形
質転換されている細胞において、発現されることが可能
である、組換えDNA、RNA、または核酸類似体分子
を意味する。該構築物は、P2X7タンパク質を一過的
に発現することが可能であるか、または細胞のゲノムに
安定して組み込まれ、そして誘導性にまたは恒常的に該
タンパク質を発現することが可能である。本明細書にお
いて、「核酸類似体」は、生存細胞内で、相補的核酸の
順方向または逆方向転写を指示するか、あるいはコード
されるポリペプチドの翻訳を指示するため、核酸に十分
な構造的および機能的類似性を有する分子を意味する。
【0034】本明細書において、遺伝子操作に関し、用
語「形質転換する」は、その細胞または生物において発
現されるポリペプチド配列をコードし、そして/または
遺伝子座の発現を達成するように、その細胞または生物
のゲノムに組み込まれる、外因性核酸または核酸類似体
を、細胞または生物に導入することを意味する。用語
「形質転換する」は、こうした核酸または核酸類似体を
導入する多様な方法をすべて含むよう用いられ、限定さ
れるわけではないが、当該技術分野において、形質転
換、トランスフェクション、形質導入、エレクトロポレ
ーション、弾道注入(ballistic injec
tion)、およびそれらに匹敵するものが含まれる。
【0035】本明細書において、用語「外因性」は、参
照遺伝子配列またはゲノムに関し、第二の遺伝子配列
が、参照配列に隣接して、または参照ゲノム内に、天然
に存在しないことを意味する。
【0036】本明細書において、用語「レポーター遺伝
子」は、発現された際、検出可能な生化学的または表現
型的影響を有する、いかなる遺伝子配列も意味する。本
明細書において、句「AをBと接触させる」は、Aおよ
びBが、AおよびBを溶液中で混合することによるよう
に、またはAの溶液を支持体上のBに注ぐことによるよ
うに、分子レベルで相互作用するのに十分な物理的近接
に置かれることを意味する。本明細書において、句「A
をBと接触させる」は、「BをAと接触させる」と同等
であることが意図され、そしてどちらかの要素が他のも
のに対して固定されているか、またはどちらかの要素が
他のものに向かって動かされることを示すことを意図し
ない。
【0037】本明細書において、用語「療法的に有効な
量」は、意味のある患者利益を示すのに十分であり、す
なわち骨損傷の非癒合骨折のサイズを減少させるか、骨
増殖または治癒を促進するか、骨量を増加させるか、ま
たは骨ミネラル密度を増加させるのに十分である、薬剤
組成物または方法の各活性構成要素の総量を意味する。
単独で投与される個々の活性成分に適用した際、該用語
は、その成分のみを指す。組み合わせに適用した際、該
用語は、組み合わせて、連続してまたは同時に投与した
のであっても、療法的効果を生じる活性成分の合わせた
量を指す。
【0038】本明細書において、用語「調節する」また
は「達成する」は、増加または減少いずれかを意味す
る。本明細書において、用語「増加」および「減少」
は、それぞれ、統計的に有意な増加(すなわちp<0.
1)および統計的に有意な減少(すなわちp<0.1)
を意味する。
【0039】本発明の他の特徴および利点は、以下の詳
細な説明から、そして請求項から明らかであろう。本発
明は、特定の態様と関連して記載されているが、実施す
ることが可能な他の変更および修飾もまた、本発明の一
部であり、そしてまた付随する請求項の範囲内であるこ
とが理解されるであろう。本出願は、一般的に本発明の
原理にしたがう、本発明のいかなる同等物、変動、使
用、または適応も含むよう意図され、当該技術分野内の
既知のまたは習慣的な実施の範囲内に入り、そして過度
の実験を伴わずに確かめることが可能な、本開示からの
逸脱を含む。核酸およびポリペプチドを作成しそして用
いることに関するさらなる手引きは、分子生物学、タン
パク質科学、および免疫学の標準的な教科書に見られる
(例えばDavisら, Basic Methods
in Molecular Biology, El
sevir Sciences Publishin
g,Inc., ニューヨーク州ニューヨーク, 19
86; Hamesら, Nucleic Acid
Hybridization, IL Press,1
985; Molecular Cloning, S
ambrookら,Current Protocol
s in Molecular Biology, A
usubelら監修, John Wiley and
Sons; Current Protocols
in Human Genetics, Dracop
oliら監修, John Wiley and So
ns; Current Protocols in
Protein Science, John E.
Coliganら監修, John Wiley an
d Sons;およびCurrent Protoco
ls in Immunology, John E.
Coliganら監修, John Wiley a
nd Sonsを参照されたい)。本明細書において言
及されるすべての刊行物は、本明細書にその全体を援用
する。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明は、部分的に、in vi
voのP2X7受容体の役割およびその活性の発見およ
び性質決定に依存する。具体的には、本発明は、部分的
に、P2X7受容体が、海綿骨(cancellous
bone)および皮質骨量の制御、並びに海綿骨構築
の発展を含む、骨量増大および維持に重要な役割を果た
すという発見に基づく。したがって、本発明は、化合物
をスクリーニングして、骨量および/または骨ミネラル
密度を調節するための療法的候補を同定する方法と共
に、P2X7受容体のアゴニストを用い、減少した骨量
および/または骨ミネラル密度によって特徴付けられる
骨格障害を治療する方法を提供する。
【0041】P2X7受容体アゴニストおよびアンタゴ
ニストの候補 P2X7受容体アゴニストまたはアンタゴニストを同定
するため、スクリーニングすることが可能な化合物種の
例には、限定されるわけではないが、核酸(例えばDN
AおよびRNA)、炭水化物、脂質、タンパク質、ペプ
チド、ペプチド擬似体(peptidomimetic
s)、および小分子が含まれる。
【0042】候補化合物は、天然に存在する化合物のラ
イブラリーおよびコンビナトリアル・ケミストリーによ
って産生される合成化合物のライブラリー両方を含む、
当該技術分野に知られる多くのアプローチのいずれかを
用いて得られる剤のライブラリーから同定することが可
能である。
【0043】分子ライブラリーの合成のための方法の例
は、当該技術分野において、例えば:米国特許第5,7
38,996号;米国特許第5,807,683号;D
eWittら(1993), Proc. Natl.
Acad. Sci.(USA)90:6909;
Erbら(1994), Proc. Natl.Ac
ad. Sci.(USA)91:11422; Zu
ckermannら(1994), J. Med.
Chem. 37:2678; Choら(199
3), Science 261:1303; Car
rellら(1994), Angew. Chem.
Int. Ed. Engl. 33:2059;
Carellら(1994), Angew. Che
m. Int. Ed. Engl. 33:206
1; Gallopら(1994),J. Med.
Chem. 37:1233;およびLam(199
7),Anticancer Drug Des. 1
2:145に見出すことが可能である。
【0044】剤のライブラリーは、溶液中に(例えばH
oughten(1992), Bio/Techni
ques 13:412−421)、あるいはビーズ上
に(Lam(1991), Nature 354:8
2−84)、チップ上に(Fodor(1993),
Nature 364:555−556)、細菌上に
(米国特許第5,223,409号)、胞子上に(米国
特許第5,571,698号;米国特許第5,403,
484号;および米国特許第5,223,409号)、
プラスミド上に(Cullら(1992), Pro
c. Natl.Acad. Sci.(USA)8
9:1865−1869)、またはファージ上に(Sc
ottおよびSmith(1990), Scienc
e 249:386−390; Devlin(199
0), Science 249:404−406;
Cwirlaら(1990), Proc. Nat
l. Acad. Sci.(USA)87:6378
−6382;およびFelici(1991), J.
Mol. Biol. 222:301−310)存
在していてもよい。
【0045】細胞に基づく機能アッセイ 本発明は、化合物をスクリーニングして、骨量および/
または骨ミネラル密度を調節するための療法的候補を同
定する、いくつかの方法であって、P2X7受容体の少
なくとも結合ドメインを発現する生存細胞を使用する、
前記方法を提供する。これらの方法は、P2X7受容体
を天然に発現する細胞、あるいはP2X7受容体発現を
引き起こすかまたは増進するよう遺伝的に操作されてい
る細胞を使用する。細胞は、哺乳動物(例えばヒト、サ
ル、マウス、ラット、イヌ、ハムスター、ウサギ、ヤ
ギ)のものであってもよいし、あるいはヒトまたは他の
哺乳動物P2X7受容体を発現するよう遺伝的に操作さ
れている他の真核(例えば昆虫または酵母)または原核
(例えば細菌)細胞であってもよい。細胞は不死化細胞
株、細胞培養、または一次細胞調製から得てもよいし、
あるいは動物(例えばヒトまたは他の哺乳動物、または
非ヒトトランスジェニック動物)から直接得てもよい。
P2X7受容体への結合を評価する好ましい態様におい
て、細胞は、ヒトP2X7受容体の少なくとも結合ドメ
インを発現する、ヒト、マウス、ラット、またはハムス
ター細胞である。最も好ましい態様において、細胞は、
内因性にP2X7受容体を発現する、哺乳動物、より好
ましくは、ヒトまたはネズミ細胞であり、そして/また
はマクロファージまたは破骨細胞である。P2X7受容
体のC末端は、チャンネルまたは孔形成に関与すると考
えられるため、細胞を遺伝子構築物で形質転換する際、
構築物が全P2X7受容体をコードするか、またはその
配列が、天然P2X7 C末端配列と同等に機能するC
末端配列に連結されている結合ドメインを含むキメラタ
ンパク質をコードすることが好ましい(例えばキメラヒ
ト−ラットP2X7受容体の産生を報告する、Rass
endrenら(1997), J. Biol. C
hem. 272:5482−5486を参照された
い)。
【0046】第一の側面において、本発明は、生存細胞
において、化合物がP2X7受容体活性の指標を増加さ
せるかまたは減少させる能力を決定する方法を提供す
る。これらの方法では、細胞表面上にP2X7受容体を
発現する細胞株由来の細胞と、化合物を接触させる。接
触工程は、化合物の存在を別にして、P2X7受容体リ
ガンドへの該P2X7受容体の結合を可能にするであろ
う条件下で行う。したがって、例えば、接触工程は、生
理学的に許容しうる緩衝溶液または細胞を増殖させる細
胞培地中で行うことが可能である。好ましくは、この条
件は、in vivo条件の実質的な複製であるよう選
択する。
【0047】細胞を試験化合物と接触させた後、P2X
7受容体活性の指標を測定する。指標の増加または減少
は、該化合物がin vivoでP2X7受容体と相互
作用することによって、骨量および/または骨ミネラル
密度を調節するための候補であることを示す。P2X7
受容体活性の適切な指標を以下に論じる。
【0048】スクリーニング法を用いてP2X7受容体
アゴニストを同定する際の、細胞に基づくスクリーニン
グ法のいくつかの態様において、アッセイ培地にいかな
る既知のP2X7受容体リガンドも添加せず、P2X7
受容体と試験化合物を接触させる。したがって、これら
の態様において、P2X7受容体活性の指標のいかなる
増加も、該化合物がP2X7受容体のアゴニストの候補
であることを示す。
【0049】他の態様において、上述のもののような既
知のP2X7受容体リガンドを、試験しようとする化合
物に加えて、アッセイ培地に添加する。これらの態様に
おいて、P2X7受容体活性の指標の増加は、該化合物
が、P2X7受容体のアゴニストまたは既知のリガンド
のアゴニスト活性の増進因子いずれかの候補であること
を示す。逆に、該指標の減少は、該化合物が、P2X7
受容体のアンタゴニストまたは既知のリガンドのアゴニ
スト活性の阻害剤いずれかの候補であることを示す。好
ましい態様において、アッセイ培地に添加されるP2X
7受容体の既知のリガンドはATPである。
【0050】細胞に基づく結合アッセイ 別の側面において、本発明は、化合物をスクリーニング
して、骨量および/または骨ミネラル密度を調節するた
めの療法的候補を同定する方法であって、化合物がP2
X7受容体結合ドメインに結合する能力を決定すること
による、前記方法を提供する。これらの方法では、表面
上にP2X7受容体の結合ドメインを発現する細胞株由
来の細胞表面上のP2X7受容体の少なくとも結合ドメ
インと、化合物を接触させる。接触工程は、化合物の存
在を別にして、P2X7受容体リガンドへの該P2X7
受容体結合ドメインの結合を可能にするであろう条件下
で行う。あるとすれば、P2X7受容体結合ドメインお
よび化合物の間の結合を検出する。P2X7受容体結合
ドメインおよび化合物の間の結合は、該化合物がin
vivoでP2X7受容体と相互作用することによっ
て、骨量および/または骨ミネラル密度を調節するため
の候補であることを示す。
【0051】いくかの態様において、アッセイに既知の
P2X7受容体リガンドを添加せずに、P2X7受容体
結合ドメインと、化合物を接触させる。これらの態様に
おいて、P2X7受容体結合ドメインへの結合は、該化
合物がP2X7受容体と相互作用するための候補である
ことを示す。他の態様では、既知のP2X7受容体リガ
ンドの存在下で、化合物を添加する。これらの態様にお
いて、P2X7受容体結合ドメインへの化合物の結合、
またはP2X7受容体結合ドメインへの既知のリガンド
の結合の減少は、該化合物がP2X7受容体と相互作用
するための候補であることを示す。
【0052】先行する態様のいずれにおいても、化合
物、既知のリガンド、および/またはP2X7受容体結
合ドメイン間の結合の検出を容易にするため、好ましく
は、化合物または既知のP2X7受容体リガンドのいず
れかを検出可能標識で標識する。標識化要素を、細胞表
面上のP2X7受容体結合ドメインと接触させた後、い
かなる未結合標識化要素も洗い流し、そしてP2X7受
容体結合ドメインに結合した標識化要素を検出する。こ
うしたアッセイで用いることが可能な標識には、限定さ
れるわけではないが、放射性同位体(例えば32P、
35S)、蛍光標識(例えばフルオレセインイソチオシア
ネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニ
ン、アロフィコシアニン、およびフルオレスカミン)、
化学発光標識(例えばルシフェリン、ルミノール、イソ
ルミノール、芳香族アクリジニウムエステル、イミダゾ
ール、およびシュウ酸エステル)、酵素ドメイン(例え
ばルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラ
クトシダーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナー
ゼ、マレイン酸デヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダ
ーゼ、およびペルオキシダーゼ)、特異的結合要素(例
えばc−mycエピトープ、ビオチンまたは(ストレプ
ト)アビジン、プロテインA、レクチン、免疫グロブリ
ン)、および金属原子(例えばAu)が含まれる。
【0053】上述の態様のいずれにおいても、P2X7
受容体結合ドメインを発現する細胞は、P2X7受容体
を天然に発現する細胞であってもよいし、またはP2X
7受容体結合ドメインをコードする遺伝子構築物で形質
転換されている細胞株由来であってもよい。形質転換細
胞を用いる場合、これらは、全P2X7受容体、または
P2X7受容体の少なくとも結合ドメインを含むキメラ
タンパク質を発現する遺伝子構築物で形質転換されてい
てもよい。
【0054】動物に基づく系 別の側面において、本発明は、化合物をスクリーニング
して、骨量および/または骨ミネラル密度を調節するた
めの療法的候補を同定する方法であって、全非ヒト動物
を使用する、前記方法を提供する。したがって、この側
面では、化合物を動物に投与し、そして該動物におい
て、P2X7受容体活性の指標の増加または減少を検出
する。こうした指標の増加は、該化合物がin viv
oでP2X7受容体活性を増加させることによって、骨
量および/または骨ミネラル密度を増加させるための候
補であることを示す。該指標の減少は、該化合物がin
vivoでP2X7受容体活性を減少させることによ
って、骨量および/または骨ミネラル密度を減少させる
ための候補であることを示す。P2X7受容体活性の適
切な指標を以下に論じる。
【0055】いくつかの態様において、動物は、通常P
2X7受容体を発現する動物であり、そして受容体に関
して正常または野生型である動物である。あるいは、動
物は、該動物で、好ましくは内因性P2X7受容体を発
現する組織において、発現されるP2X7受容体をコー
ドする遺伝子構築物で形質転換されているトランスジェ
ニック非ヒト動物、またはこうした動物の子孫である。
形質転換ベクターを、胚盤胞または胚性幹細胞を形質転
換するために産生し、そして用いることが可能であり、
そしてこれらの形質転換細胞を、その後、当該技術分野
に知られる方法によって、トランスジェニック動物を産
生するのに用いることが可能である(例えばSolle
ら(2001), J. Biol. Chem. 2
76:125−132)。
【0056】非ヒトトランスジェニック動物由来の細胞
は、当該技術分野に知られる技術を用いて、組織または
器官から単離し、そして上述の細胞に基づく活性アッセ
イおよび細胞に基づく結合アッセイに用いることが可能
である。こうした細胞はまた、以下に論じられるような
細胞不含結合アッセイ、抗体生成、およびそれらに匹敵
するもののP2X7受容体タンパク質の供給源として、
用いてもよい。例えば、血液、または限定されるわけで
はないが、リンパ節、扁桃腺、脾臓、腸のパイアー斑、
および骨髄などの被験者の二次リンパ器官から、当該技
術分野に知られるいずれかの方法によって、免疫細胞を
収集するか、または単離することが可能である(例えば
Current Protocols in Immu
nology, Green Publishing
Associates, ニューヨーク州ニューヨーク
(1991), p.21を参照されたい)。こうした
供給源から得た免疫細胞は、典型的には、主に、分化お
よび成熟の多様な段階の再循環するリンパ球およびマク
ロファージを含む。所望により、望ましい場合、望まし
い細胞(例えば樹状細胞、T細胞、およびマクロファー
ジ)の存在を確認するため、形態学的観察および免疫化
学染色などの標準的技術を用いることが可能である。本
発明の細胞に基づく方法に用いられる免疫細胞は、標準
的技術によって収集することが可能である。例えば、シ
リンジを用いて血液を抜き取り、これをFicoll−
Hypaque(Pharmacia)勾配遠心分離に
供して、細胞を分離することが可能である。保存剤不含
ヘパリンで抗凝血処理した血液は、通常、0.5−1.
0x106リンパ球/mlを生じる。分離した血液細胞
(例えばマクロファージ)は、本方法で使用する前に、
標準的技術によって凍結してもよい。好ましい態様にお
いて、用いる免疫細胞は、リンパ球およびマクロファー
ジを含む精製白血球である。
【0057】単球由来マクロファージは、細胞を1−2
時間培養フラスコに接着させ、非接着細胞を洗い流し、
そしてインターフェロン−γ(IFN−γ)を加えた適
切な培地(例えば20%ヒト血清、2mMグルタミン、
5mM HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−
1−ピペラジン−エタン−スルホン酸)、および100
μg/mlストレプトマイシンを補ったRPMI 16
40)中で7−12日間、接着細胞を培養することによ
って、免疫細胞から単離することが可能である(例えば
Blanchardら(1995), J. Cel
l. Biochem. 57:452−464;およ
びBlanchardら(1991),J. Immu
nol. 147:2579−2585を参照された
い)。
【0058】P2X7活性の指標 本明細書に記載される細胞に基づくまたは動物に基づく
方法のいずれにおいても、試験化合物またはリガンドお
よび受容体の間の相互作用は、P2X7受容体活性の指
標を測定することによって決定することが可能である。
これらの指標は、P2X7受容体のATP刺激と関連す
ることが知られる。したがって、本発明の方法におい
て、これらの指標は、P2X7受容体リガンドによる同
時刺激を伴い、そして伴わず、アッセイする。これらの
指標には、限定されるわけではないが、増加した細胞浸
透性または増加した巨大分子の細胞内集積;活性化炎症
性細胞における増加したIL−1α、IL−1β、また
はIL−18翻訳後プロセシング;炎症誘導細胞におけ
る増加したIL−6産生;L−セレクチン分断(例えば
Guら(1998), Blood 92:946−9
51を参照されたい);ストレスキナーゼ活性化(例え
ばHumphreysら(2000), J.Bio
l. Chem. 275(35):26792−26
798を参照されたい);およびリンパ球増殖が含まれ
る。
【0059】用いる細胞が破骨細胞前駆体である態様で
は、指標は、破骨細胞への分化であってもよいし、そし
て細胞が破骨細胞である態様では、指標は増加した吸収
窩形成(例えばMorrisonら(1998),
J. Physiol. 511:495−500を参
照されたい)または増加したアポトーシス(例えばHo
gquistら(1991), Proc. Nat
l. Acad. Sci.(USA)88:8485
−8489; Moddermanら(1994),
Calcif. Tissue Int. 55
(2):141−150を参照されたい)であってもよ
い。こうした指標は、in vitroで培養される細
胞を用いて、または動物由来の体液および/または生検
試料を用いて、評価する。
【0060】P2X7活性のこうした指標を測定する方
法は、本明細書および文献に記載される。例えば、細胞
浸透性における変化は、細胞の電気生理学的変化および
/または染色剤などの巨大分子の細胞集積によって測定
することが可能である(例えばMichelら(199
8), Br. J. Pharmacol. 12
4:1194−1201; Virginioら(19
99), J. Physiol. 519:335−
346;および以下の実施例を参照されたい)。インタ
ーロイキンの翻訳後プロセシングおよび産生の変化は、
免疫沈降および/またはELISAアッセイを用いて測
定することが可能である(例えばSolleら(200
1), J. Biol. Chem. 276:12
5−132;および以下の実施例を参照されたい)。リ
ンパ球増殖の変化は、標準的細胞計数技術によって測定
することが可能である(例えばBaricordiら
(1999), J. Biol. Chem. 27
4:33206−33208;Chen(1996),
Oncogene 13:1395−403; Je
oung(1995), J. Biol. Che
m. 270:18367−73を参照されたい)。
【0061】さらに、本明細書に記載される動物に基づ
く方法のいずれにおいても、P2X7受容体活性の指標
は、限定されるわけではないが、骨ミネラル密度、骨ミ
ネラル含量、骨梁数、骨梁分離、骨ミネラル領域、骨体
積、骨の厚み、および骨外周のようなパラメーターの表
現型的変化を含む可能性がある。特に、増加したP2X
7活性の指標は、より高い体積測定皮質−皮質下骨ミネ
ラル含量、より高い体積測定皮質−皮質下骨ミネラル密
度、より高い体積測定皮質骨ミネラル含量、より高い体
積測定皮質骨ミネラル密度、より高い骨梁体積、より厚
い骨梁厚、より多い骨梁数、および/または遠位大腿骨
幹端でのより低い骨梁分離;またはより高い体積測定皮
質−皮質下骨ミネラル含量、より高い体積測定皮質骨ミ
ネラル含量、より多い体積測定皮質骨ミネラル領域、よ
り高い体積測定骨梁ミネラル含量、より高い体積測定総
骨ミネラル含量、より高い体積測定総骨ミネラル密度、
より高い骨膜外周、および/または大腿骨幹でのより高
い皮質内(endocortical)外周を含む可能
性がある。
【0062】細胞不含結合アッセイ 別の側面において、本発明は、化合物をスクリーニング
して、骨量および/または骨ミネラル密度を調節するた
めの療法的候補を同定する、細胞不含結合アッセイを提
供する。これらの方法において、結合アッセイは、P2
X7受容体の少なくとも結合ドメインを用いて行うが、
受容体タンパク質は、細胞と結合している必要はない。
したがって、いくつかの態様において、少なくともP2
X7受容体結合ドメインと、化合物を、該化合物の存在
を別にして、既知のP2X7受容体リガンドへの前記P
2X7受容体の結合をin vivoで可能にする条件
下で接触させる。あるとすれば、P2X7受容体結合ド
メインおよび化合物の間の結合を検出する。こうしたア
ッセイにおいて、P2X7受容体結合ドメインおよび化
合物の間の結合は、該化合物がin vivoでP2X
7受容体と相互作用することによって、骨量および/ま
たは骨ミネラル密度を調節するための候補であることを
示す。他の態様において、既知のP2X7受容体リガン
ドの存在下、P2X7受容体の少なくとも結合ドメイン
と、化合物を、該化合物の存在を別にして、該P2X7
受容体リガンドへの該P2X7受容体結合ドメインの結
合を可能にする条件下で接触させる。その後、あるとす
れば、P2X7受容体結合ドメインおよび化合物または
P2X7受容体リガンドのいずれかの間の結合を検出す
る。こうしたアッセイにおいて、P2X7受容体結合ド
メインおよび化合物の間の結合、またはP2X7受容体
結合ドメインおよびP2X7受容体リガンド間の減少し
た結合の検出は、該化合物がin vivoでP2X7
受容体と相互作用することによって、骨量および/また
は骨ミネラル密度を調節するための候補であることを示
す。
【0063】先行する態様のいずれにおいても、化合
物、既知のリガンド、および/またはP2X7受容体結
合ドメイン間の結合の検出を容易にするため、好ましく
は、化合物または既知のP2X7受容体リガンドのいず
れかを検出可能標識で標識する。標識化要素を、細胞表
面上のP2X7受容体結合ドメインと接触させた後、い
かなる未結合標識化要素も洗い流し、そしてP2X7受
容体結合ドメインに結合した標識化要素を検出する。あ
るいは、シンチレーション近接アッセイを使用する場
合、過剰な標識化要素は、検出前に洗い流す必要はな
い。前述の結合アッセイで用いることが可能な標識は、
上述のように、放射性同位体、蛍光標識、化学発光標
識、酵素ドメイン、特異的結合要素、および金属原子で
ある。
【0064】前述の結合アッセイの好ましい態様におい
て、非標識結合要素の1つを固定する。したがって、い
くつかの態様において、化合物を標識し、そしてP2X
7受容体結合ドメインを支持体上に固定する。他の態様
において、P2X7受容体リガンドを標識し、そしてP
2X7受容体結合ドメインを支持体上に固定する。他の
態様において、P2X7受容体結合ドメインを標識し、
そして化合物を支持体上に固定する。他の態様におい
て、P2X7受容体リガンドを標識し、そして化合物を
支持体上に固定する。他の態様において、化合物を標識
し、そしてP2X7受容体リガンドを支持体上に固定す
る。最後に、他の態様において、P2X7受容体結合ド
メインを標識し、そしてP2X7受容体リガンドを支持
体上に固定する。これらの要素を固定するのに適した支
持体には、アフィニティーカラム、スライド、ウェル、
粒子および/または微小粒子が含まれる。
【0065】別の側面において、化合物をスクリーニン
グして、骨量および/または骨ミネラル密度を調節する
ための療法的候補を同定する方法であって、凝集アッセ
イを使用する、前記方法が提供する。これらの方法にお
いて、化合物を第一の粒子上に固定し、そしてP2X7
受容体の少なくとも結合ドメインを第二の粒子上に固定
する。化合物の存在を別にして、P2X7受容体リガン
ドへの前記P2X7受容体の結合を可能にする条件下
で、粒子を接触させる。P2X7受容体結合ドメインお
よび化合物の間の結合は、粒子の凝集を検出することに
よって検出する。凝集は、該化合物がin vivoで
P2X7受容体と相互作用することによって、骨量およ
び/または骨ミネラル密度を調節するための候補である
ことを示す。凝集は、濁度測定を含む、標準的な技術を
用いて測定する。本発明の使用に適した粒子には、1μ
m−1000μmの範囲のサイズを有する、ラテック
ス、ポリ酢酸(PLA)、ポリグリコール酸(PG
A)、ポリ(コ−乳酸−グリコール酸)(PLGA)、
ポリ(エチレングリコール)(PEG)、および類似の
微小球体が含まれる。
【0066】P2X7発現の調節因子に関するアッセイ 別の側面において、本発明は、P2X7受容体遺伝子の
転写を調節することによってP2X7受容体の発現を調
節することが可能な化合物をスクリーニングする方法を
提供する。こうした化合物は、骨量および/または骨ミ
ネラル密度を調節するための療法的候補である。
【0067】これらの方法の1つの態様において、内因
性P2X7受容体を発現する細胞を用い、そして当該技
術分野に知られる標準法を用いて、P2X7 mRNA
またはタンパク質レベルを検出することによって、P2
X7受容体をコードする配列の発現を測定する。あるい
は、外因性または内因性P2X7受容体遺伝子転写調節
要素に機能可能であるように連結されている外因性レポ
ーター遺伝子で形質転換された細胞株由来の細胞を使用
する。これらの細胞を、試験しようとする化合物と接触
させ、そしてレポーター遺伝子の発現の増加または減少
は、該化合物が、in vivoでP2X7受容体発現
を増加させるかまたは減少させることによって、骨量お
よび/または骨ミネラル密度を調節するための候補であ
ることを示す。これらの方法で用いることが可能なレポ
ーター遺伝子の限定されない例には、西洋ワサビペルオ
キシダーゼ、β−グルクロニダーゼ(GUS)、β−ガ
ラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、およびクロラムフェ
ニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)が含ま
れる(例えばJefferson(1987),Pla
nt Mol. Biol. Rep. 5:387;
Terriら(1989), EMBO J. 8:
343; Konczら(1987),Proc. N
atl. Acad. Sci.(USA)84:13
1; De Blockら(1984), EMBO
J. 3:1681を参照されたい)。内因性P2X7
受容体転写調節要素が、レポーター遺伝子に機能可能で
あるように連結される場合、限定されるわけではない
が、相同組換えベクターまたは部位特異的挿入ベクター
を含む、多様な形質転換ベクターを、当該技術分野に知
られる方法にしたがって、産生することが可能である。
例えば、レポーター遺伝子の発現がP2X7受容体遺伝
子転写調節要素によって制御されるであろうように、P
2X7受容体遺伝子をレポーター遺伝子配列で相同組換
えし、そして置換することを可能にするのに十分なP2
X7受容体遺伝子配列が隣接する、レポーター遺伝子の
コード配列を含む、相同組換えのための遺伝子構築物を
調製することが可能である。あるいは、当該技術分野に
公知の方法によって、外因性P2X7受容体遺伝子転写
調節配列を、遺伝子構築物中で、外因性レポーター遺伝
子に機能可能であるように連結することが可能である。
これらの構築物は、細胞のゲノムに挿入される(例えば
相同組換え、部位特異的挿入、または無作為挿入によっ
て)か、または染色体外に存在する(例えばプラスミド
として)ように設計される。
【0068】発現に基づくアッセイはまた、内因性にま
たは一過的にP2X7受容体を発現する動物に対して行
うことが可能である。これらの方法の1つの態様におい
て、外因性または内因性P2X7受容体遺伝子転写調節
要素に機能可能であるように連結されている外因性レポ
ーター遺伝子で形質転換されているトランスジェニック
非ヒト動物、またはこうした動物の子孫である動物を使
用してもよい。動物における、P2X7受容体遺伝子ま
たはレポーター遺伝子の発現の増加または減少は、該化
合物が、in vivoでP2X7受容体発現を増加さ
せるかまたは減少させることによって、骨量および/ま
たは骨ミネラル密度を増加させるかまたは減少させるた
めの候補であることを示す。形質転換ベクターは、上述
のように産生し、そして胚盤胞または胚性幹細胞を形質
転換するため、用いることが可能であり、そしてこれら
の形質転換細胞を、その後、当該技術分野に知られる方
法によって、トランスジェニック動物を産生するのに用
いることが可能である(例えばSolleら(200
1), J. Biol. Chem. 276:12
5−132を参照されたい)。
【0069】遺伝子構築物 本発明の形質転換細胞および/またはトランスジェニッ
ク非ヒト動物を産生するため、多様な標準的組換え遺伝
子構築物を使用することが可能である。
【0070】標的細胞ゲノムに特異的にまたは非特異的
に挿入することが可能な、広い範囲のいずれかのベクタ
ーの構造的構成要素として、遺伝子構築物を標的細胞に
導入することが可能である。適切な発現ベクターには、
細菌、プラスミド、酵母、およびウイルスベクターが含
まれる。ウイルスベクターには、限定されるわけではな
いが、単純疱疹ウイルス(herpes simple
x virus)ベクター、アデノウイルス(aden
ovirus)ベクター、アデノ関連ウイルスベクタ
ー、レトロウイルス(retroviral)ベクタ
ー、レンチウイルス(lentiviral)ベクタ
ー、仮性狂犬病ウイルス(pseudorabies
virus)ベクター、アルファ−ヘルペスウイルス
(alpha−herpes virus)ベクター、
およびそれらに匹敵するものが含まれる。ウイルスベク
ター、特に非複製細胞を修飾するのに適したウイルスベ
クター、およびこうしたベクターを目的のポリヌクレオ
チドの発現と組み合わせて使用する方法の完全な概説
は、Viral Vectors: Gene The
rapy and Neuroscience App
lications, CaplittおよびLoew
y監修, Academic Press, サンディ
エゴ, 1995に見出すことが可能である。レトロウ
イルスベクターは、米国特許第5,449,614号に
記載されるものなどのレトロウイルスパッケージング細
胞株と組み合わせて用いることが可能である。非ネズミ
哺乳動物細胞を、遺伝子修飾のための標的細胞として用
いる場合、広宿主性(amphotropic)または
汎親和性(pantropic)パッケージング細胞株
を用いて、適切なベクターをパッケージングすることが
可能である(Oryら(1996), Proc. N
atl. Acad. Sci.(USA)93:11
400−11406)。代表的なレトロウイルスベクタ
ーは、例えば、米国特許第5,521,076号に記載
される。
【0071】P2X7受容体結合ドメインの発現を引き
起こすかまたは増進することを意図する遺伝子構築物
は、典型的には、P2X7配列に外因性である(そして
おそらく標的細胞のゲノムに外因性である)転写調節要
素に機能可能であるように連結されている、少なくとも
P2X7受容体結合ドメインをコードする遺伝子配列を
含むであろう。これらの転写調節要素は、転写プロモー
ター領域および所望によりエンハンサー配列を含むであ
ろう。構築物に組み込まれる転写プロモーターおよびエ
ンハンサーの例には、限定されるわけではないが、細胞
または組織特異的プロモーター、誘導性プロモーター、
および制御可能プロモーターが含まれる。特定の例に
は、限定されるわけではないが、単純疱疹チミジンキナ
ーゼプロモーター、サイトメガロウイルス(cytom
egalovirus)(CMV)プロモーター/エン
ハンサー、SV40プロモーター、PGKプロモータ
ー、メタロチオネインプロモーター、アデノウイルス後
期プロモーター、ワクシニアウイルス(vaccini
a virus)7.5Kプロモーター、鳥ベータグロ
ビンプロモーター、ヒストンプロモーター(例えばマウ
スヒストンH3−614プロモーター)、ベータアクチ
ンプロモーター、およびカリフラワーモザイクウイルス
(cauliflower mosaic viru
s)35Sプロモーターが含まれる(一般的には、Sa
mbrookら, Molecular Clonin
g, Vol I−III, Cold Spring
HarborLaboratory Press,
ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(198
9)、およびCurrent Protocols i
n Molecular Biology, John
Wiley & Sons(1989−2000版を
参照されたい)。
【0072】骨格障害の治療法 別の側面において、本発明は、こうした治療が必要な哺
乳動物において、骨量および/または骨ミネラル密度を
増加させる方法であって、該哺乳動物において、骨量お
よび/または骨ミネラル密度を増加させるのに有効な量
のP2X7受容体のアゴニストを投与することによる、
前記方法を提供する。別の側面において、本発明は、減
少した骨量および/または骨ミネラル密度によって特徴
付けられる骨格障害を有する哺乳動物を治療する方法で
あって、該哺乳動物において、骨量および/または骨ミ
ネラル密度を増加させるのに有効な量のP2X7受容体
のアゴニストを投与することによる、前記方法を提供す
る。これらの方法のいくつかの態様において、哺乳動物
は、骨粗しょう症、歯周炎、整形外科的骨溶解、炎症性
骨疾患、または骨折、あるいは他の骨傷害などの疾患に
罹患しているか、またはその実質的なリスクがある。骨
への障害または損傷が局在している態様(例えば歯周炎
または骨折)では、P2X7受容体アゴニストの投与
が、障害または損傷の部位での、またはその近傍での、
ペースト、ゲル、または移植持続放出処方の投与による
ように、やはり局在していることが好ましい。
【0073】P2X7受容体アゴニストは、生理学的お
よび/または薬学的に許容しうるキャリアー中の療法組
成物として投与する。例えば、P2X7受容体アゴニス
トは、一般的に、Harrison’s Princi
ples of Internal Medicin
e, 第14版, McGraw−Hill, ニュー
ヨーク(1998)に記載されるように、患者に投与す
ることが可能である。キャリアーの特性は、投与経路に
応じるであろう。
【0074】投与は、当業者に決定されるように、状態
および反応に応じ、多量(bolus)、間欠、または
連続投与であってもよい。いくつかの好ましい態様にお
いて、アゴニストは局所(例えば病巣内)および/また
は全身投与される。用語「局所投与」は、体の定義され
る領域に搬送することを指し、一方、用語「全身投与」
は、経口摂取による、あるいは筋内、静脈内、皮下、ま
たは腹腔内注射による、全生物への搬送を含むことを意
味する。
【0075】こうした組成物は、P2X7受容体アゴニ
ストに加え、キャリアー、希釈剤、充填剤、塩、緩衝
剤、安定化剤、可溶化剤、および当該技術分野に公知の
他の成分を含んでもよい。薬剤組成物はまた、骨形成ま
たは維持を増進する、他の活性因子および/または剤も
含んでもよい。こうしたさらなる因子および/または剤
を薬剤組成物中に含み、P2X7受容体アゴニストと相
乗効果を生じるか、またはアゴニストに引き起こされる
副作用を最小限にすることが可能である。
【0076】薬剤組成物は、リポソームの形であっても
よく、この中で、P2X7受容体アゴニストは、他の薬
学的に許容しうるキャリアーに加え、水性溶液中にあ
る、ミセル、不溶性単層、液晶、または薄膜層のような
凝集形で存在する脂質などの両親媒性剤と組み合わされ
ている。リポソーム形成に適した脂質には、限定なし
に、モノグリセリド、ジグリセリド、スルファチド、リ
ゾレシチン、リン脂質、サポニン、胆汁酸、およびそれ
らに匹敵するものが含まれる。1つの特に有用な脂質キ
ャリアーは、リポフェクチンである。こうしたリポソー
ム処方の調製は、例えば、米国特許第4,235,87
1号;米国特許第4,501,728号;米国特許第
4,837,028号;および米国特許第4,737,
323号に開示されるように、当該技術分野のレベル内
である。薬剤組成物はさらに、細胞への剤の搬送を増進
する、シクロデキストリンおよびそれに匹敵するものな
どの化合物、または遅延放出ポリマーを含んでもよい。
【0077】本発明の治療法を実施する際、療法的に有
効な量の1つ、2つ、またはそれ以上のP2X7受容体
アゴニストを、減少した骨量および/または骨ミネラル
密度によって特徴付けられる疾患または障害に罹患した
被験者に投与する。アゴニストは、本発明の方法にした
がい、単独で、あるいは疾患または障害の他の既知の療
法と組み合わせて、投与することが可能である。1つ以
上の他の療法と共に投与する際、P2X7受容体アゴニ
ストは、他の治療と同時に、または連続して投与するこ
とが可能である。連続して投与する場合、主治医が、他
の療法と組み合わせて、P2X7受容体アゴニストを投
与する、適切な順序を決定するであろう。
【0078】本発明の方法を実施するため、薬剤組成物
中のP2X7受容体アゴニストの投与は、移植、経口摂
取、吸入、あるいは皮膚、皮下、筋内、または静脈内注
射などの、多様な慣用的方法で、行うことが可能であ
る。
【0079】P2X7受容体アゴニストが、全身的と対
照的に、局所的に(例えば損傷部位に)投与される場
合、正常組織取り込みは、減少するはずである。P2X
7受容体アゴニストは、該アゴニストを生体適合性マト
リックス素材中に混合し、そしてこの混合物を治療しよ
うとする部位またはその近傍に移植するかまたは適用す
ることによって、局所投与することが可能である。例え
ば、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PG
A)、ポリ(コ−乳酸−グリコール酸)(PLGA)、
ポリ(エチレングリコール)(PEG)、およびそれら
に匹敵するものなどの生体適合性ポリマーは、P2X7
受容体アゴニストを含む、生物侵食性移植物に成形する
ことが可能である。あるいは、当該技術分野に知られ
る、多様なパップ剤またはワックスをP2X7受容体ア
ゴニストと混合し、そして体内(例えば歯周損傷)部位
に適用することが可能である。さらに、タンパク質をリ
ポソーム表面に挿入することによって、リポソームにP
2X7受容体アゴニストを被包し、そしてこれらのリポ
ソームを選択された組織に標的化する方法を利用するこ
とが可能である(Pagnanら(2000), J.
Natl. Can. Inst. 92:253−
61; Yuら(1999), Pharm. Re
s. 16:1309−15)。
【0080】療法的に有効な量のP2X7受容体アゴニ
ストを経口投与する際、P2X7受容体アゴニストは、
錠剤、カプセル、粉末、溶液またはエリキシル剤の形で
あろう。錠剤型で投与する際、薬剤組成物はさらに、ゼ
ラチンまたはアジュバントなどの固体キャリアーも含ん
でもよい。錠剤、カプセル、および粉末は、約5から9
5%のP2X7受容体アゴニストを、そして好ましくは
約25から90%のP2X7受容体アゴニストを含むこ
とが可能である。液体型で投与される際、水、石油、ピ
ーナツ油、ミネラルオイル、ダイズ油、ゴマ油などの動
物または植物起源の油、あるいは合成油などの液体キャ
リアーを添加してもよい。薬剤組成物の液体型は、さら
に、生理学的生理食塩水溶液、デキストロースまたは他
の多糖溶液、あるいはエチレングリコール、プロピレン
グリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコ
ールを含んでもよい。液体型で投与する際、薬剤組成物
は、重量約0.5から90%のP2X7受容体アゴニス
トを、そして好ましくは約1から50%のP2X7受容
体アゴニストを含む。
【0081】療法的に有効な量のP2X7受容体アゴニ
ストを、静脈内、皮下、筋内、または腹腔内注射する
際、P2X7受容体アゴニストは、発熱物質不含の非経
口的に許容しうる水性溶液の形であろう。pH、等張
性、安定性、およびそれらに匹敵するものに関する、こ
うした非経口的に許容しうる溶液の調整は、当該技術分
野の範囲内である。静脈内、皮下、筋内、または腹腔内
注射に好ましい薬剤組成物は、P2X7受容体アゴニス
トに加え、等張ビヒクルを含むはずである。薬剤組成物
はまた、安定化剤、保存剤、緩衝剤、酸化防止剤、また
は当業者に知られる他の添加物も含んでもよい。
【0082】薬剤組成物中のP2X7受容体の量は、治
療される異常の性質および重症度に、そして患者が経験
した先の治療の性質に応じるであろう。究極的には、主
治医が、個々の患者各々を治療するP2X7受容体アゴ
ニストの量を決定するであろう。同様に、薬剤組成物を
用いた静脈内療法の期間は、治療される疾患の重症度、
並びに個々の患者各々の状態および潜在的な特異体質的
反応に応じて、異なるであろう。究極的には、主治医
が、本発明の薬剤組成物を用いた、静脈内療法の適切な
期間を決定するであろう。初めに、主治医は、低用量の
P2X7受容体アゴニストを投与し、そして患者の反応
を観察することが可能である。患者にとって最適な療法
的効果が得られるまで、より多い用量のP2X7受容体
アゴニストを投与してもよく、そしてその時点で、投薬
量をさらに増加しない。
【0083】本発明の方法を実施するのに用いられる多
様な薬剤組成物は、kg体重または器官重量当たり、約
10μgから約20mgのP2X7受容体アゴニストを
含むことが意図される。
【0084】本明細書に記載される発明が、より完全に
理解されることを可能にするため、以下の実施例を示
す。これらの実施例は、例示目的のためのみであり、そ
していかなる方式でも本発明を限定すると解釈されない
ことを理解しなければならない。
【0085】
【実施例】実施例1 P2X7受容体欠損マウスにおける骨形態 骨量を制御する際のP2X7受容体の役割を直接調べる
ため、末梢定量的コンピューター連動断層撮影(pQC
T)および標準的な骨組織形態計測法を用いて、P2X
7受容体欠損マウス系統の骨表現型を性質決定した。骨
量および骨構造の相違を、野生型対照と比較した。これ
らの相違は、P2X7受容体が、骨量を増加させるの
に、そして海綿骨構築を制御するのに役割を果たすこと
を示す。
【0086】A.研究プロトコル P2X7受容体ノックアウト(KO)マウスは、先に記
載されるように生成した(Solleら(2001),
J. Biological Chemistry,
276:125−132)。13のメス野生型(W
T)マウスおよび13のP2X7受容体KOマウスの重
量を測定し、そして8週齢で剖検した。各マウス由来の
右大腿をpQCTによって解析し、そして体積測定総骨
ミネラル含量および密度、骨梁ミネラル含量および密
度、並びに皮質骨ミネラル含量および密度を測定した。
各マウス由来の左大腿は、骨組織形態計測解析のため、
4μmの切片にプロセシングした。
【0087】B.末梢定量的コンピューター連動断層撮
影(pQCT) 各マウス由来の右大腿を、遠位大腿骨幹端、始原海綿骨
部位、および大腿骨幹、皮質骨部位で解析した。切除し
た大腿は、ソフトウェアバージョン5.40を備えたp
QCT X線装置(Stratec XCT Rese
arch M,Norland Medical Sy
stems, ウィスコンシン州フォートアトキンソ
ン)でスキャンした。遠位大腿骨幹端の1mm厚横断面
切片は、遠位端から2.5mm近位で取り、そして中大
腿骨幹の1mm厚横断面切片は、遠位端から7mm近位
で取り、0.10mmのボクセルサイズであった。皮質
骨は、輪郭モード2および皮質モード4を用いて定義
し、そして解析した。340mg/cm3の外側閾値設
定を用い、軟部組織から皮質殻を区別し、そして529
mg/cm3の内側閾値設定を用い、皮質内表面に沿っ
た皮質骨を区別した。骨梁は、剥離モード4を用い、皮
質骨および皮質下骨を海綿骨から区別するため、655
mg/cm3の閾値設定で、測定した。定義された海綿
骨の1%のさらなる同心円剥離を用い、皮質骨および皮
質下骨が解析から除外されていることを確実にした。先
に記載されるように、総骨、骨梁、および皮質骨に関し
て体積測定含量、密度、および領域を測定した(Bea
merら(1996), Bone, 18:397−
403)。さらに、皮質骨膜および骨内膜外周を測定し
た。上述の方法を用い、総骨、骨梁、および皮質領域の
体積測定含量、密度および領域のex vivoの精度
は、位置を変え、0.99%から3.49%の範囲であ
ることが決定された。
【0088】C.遠位大腿骨幹端の海綿骨組織形態計測 先に記載されるように、組織形態計測のため、石灰質を
除去していない、4μm厚の遠位大腿骨幹端のメタクリ
ル酸メチル包埋縦切片を調製した(Jeeら(199
7), Handbook of Bone Morp
hology中,Takahashi監修, 日本・新
潟市: Nishimusa, pp87−112)。
切片を修飾マッソンのトリクローム染色で染色した。画
像解析系(Osteomeasure, Inc.,
ジョージア州アトランタ)を組織形態計測解析で用い
た。組織形態計測測定は、成長板−骨端接合部に対して
0.5mmおよび2.5mmの間の近位の遠位大腿骨幹
端の海綿骨組織中で行い、そして側方次元の皮質内表面
に拡張した。骨梁体積および構造に関する測定および計
算には、先に記載されるように、骨梁体積、骨梁厚、骨
梁数、および骨梁分離が含まれた(Jeeら(199
7)、上記)。
【0089】D.結果 WT対照(19.85±0.7グラム)に比較し、P2
X7受容体KOマウス(19.33±0.4グラム)の
体重の有意な相違はなかった。同様に、P2X7受容体
KO(14.83±0.37 mm)およびWT対照
(14.55±0.47 mm)の間の大腿長に有意な
相違はなかった。しかし、WT対照に比較し、KOマウ
スは、遠位大腿骨幹端で、有意に低い体積測定皮質−皮
質下骨ミネラル含量(−13%)、体積測定皮質−皮質
下骨ミネラル密度(−7%)、体積測定皮質骨ミネラル
含量(−13%)、および体積測定皮質骨ミネラル密度
(−5%)を有した。同様に、KOマウスは、WT対照
に比較した際、大腿骨幹で、有意に低い体積測定総骨ミ
ネラル含量(−12%)、体積測定総骨ミネラル密度
(−11%)、体積測定皮質−皮質下骨ミネラル含量
(−10%)、体積測定骨梁ミネラル含量(−26
%)、体積測定皮質骨ミネラル領域(−8%)、および
体積測定皮質骨ミネラル含量(−10%)、骨膜外周
(−6%)、および皮質内外周(−9%)を有した。
【0090】遠位大腿骨幹端海綿骨組織形態計測解析
は、KOマウスが、有意により低い骨梁体積(−32
%)、骨梁厚(−18%)、および骨梁数(−19
%)、並びに有意により高い骨梁分離(+40%)を有
することを示した。
【0091】これらのデータは、体重および骨長が、P
2X7受容体を欠くマウスおよび野生型対照の間で異な
らないが、P2X7受容体を欠くマウスで、より低い海
綿骨および皮質骨量、並びに劣った海綿骨構築が見られ
ることを示す。実施例2 細胞に基づくアッセイの腹腔マクロファージ単離 腹腔マクロファージは、頚椎脱臼によって動物を屠殺し
た直後に、5%ウシ胎児血清(FBS)を含むRosw
ell Park Memorial Institu
te(RPMI)培地5mlを動物(例えばマウス)の
腹腔に注入することによって採取する。注入培地は、外
部表面を擦ることによって腹腔全体に分散させ、腹腔に
進入するため、腹膜を覆う皮膚に穴を開け、そしてトラ
ンスファーピペットの補助で、注入液体を回収する。多
数の動物由来の洗浄液をプールし、そして遠心分離(3
00xg)によって細胞を収集する。細胞ペレットは、
5% FBSを含むRPMI中での遠心分離によって、
2回洗浄する。実施例3 P2X7受容体仲介巨大分子取り込み P2X7受容体の1つの活性は、ATP活性化に反応
し、蛍光色素YoProイエローなどの巨大有機分子の
転位を促進することである(Virginioら(19
99)J. Physiol. 519:335−34
6)。野生型動物から単離された腹腔マクロファージを
細胞外YoProイエローの存在下で、5mM ATP
で活性化すると、蛍光強度の時間依存増加が観察され
る。蛍光のこの増加は、色素分子の内部侵入後のDNA
への結合から生じ;DNAに結合すると、蛍光強度が増
加する。ATPの非存在下で、蛍光強度の有意な増加は
観察されず、形質膜が、ヌクレオチド三リン酸の非存在
下で、YoProイエローに対し不透過性であることが
示される。本発明の1つの態様にしたがい、ATPに同
時に曝露し、または曝露せず、蛍光色素などの巨大有機
分子のP2X7受容体仲介転位を調節する能力に関し、
化合物を試験する。
【0092】単離マクロファージを用いて、P2X7受
容体機能をアッセイする際、腹腔マクロファージは、遠
心分離によって、等張培地(15mM HEPES、p
H7.2、135mM NaCl、5mM KCl、1
8mM CaCl2、08mM MgCl2)で洗浄し、
そして生じた細胞ペレットを等張培地に懸濁し、約1x
106細胞/mlの最終細胞濃度を達成する。この細胞
懸濁物を50μl、プレート(例えばMicroflu
or “B”U底プレート、Dynatech、バージ
ニア州シャンティリー)のウェルに入れ、そして等張培
地中に溶解された蛍光色素(例えば2μM YoPro
イエロー、Molecular Probes、オレゴ
ン州ユージーン)50μlを各ウェルに添加する。5m
M ATPを添加し、または添加せず、試験化合物また
は対照ビヒクルをウェルに添加する。37℃で、時間の
関数として、蛍光を監視する。YoProイエローに関
しては、励起は450nmであり、そして発光は、53
0nmで測定する。P2X7受容体活性を刺激する試験
化合物は、試験化合物を欠く対照試料に比較して、蛍光
を増加させる。実施例4 単離マクロファージにおけるIL−1β翻訳後プロセシ
ング マウスなどの動物から単離した腹腔マクロファージを、
リポ多糖(LPS)で刺激し、そして[35S]メチオニ
ンで標識する。これらの放射標識細胞は、その後、5m
M ATPなどの分泌刺激の非存在下または存在下で培
養し、その後、細胞および培地を別個に採取し、細胞
は、界面活性剤抽出によって可溶化し、そしてIL−1
βは、培地および細胞抽出物から、免疫沈降によって回
収する。
【0093】マクロファージをプレート上に蒔き(例え
ば1x106細胞/ウェル)、そして1μg/ml大腸
菌LPS(Sigma、ミズーリ州セントルイスの血清
型055 B5)で75−90分間刺激する。その後、
100単位/mlペニシリン、100μg/mlストレ
プトマイシン、1%透析FBS、1μg/ml LP
S、およびpH7.3の25mM HEPESを含むメ
チオニン不含RPMI培地(「パルス培地」)2ml
で、細胞をリンスする。その後、83μCi/mlの35
S−メチオニン(Amersham Corp.、イリ
ノイ州シカゴ)を含むパルス培地1mlを各ウェルに添
加し、そして37℃で1時間、細胞を標識する。続い
て、100単位/mlペニシリン、100μg/mlス
トレプトマイシン、1% FBS、2mMグルタミン、
1μg/ml LPS、およびpH7.3の25mM
HEPESを含むRPMI 1640培地(「追跡培
地」)で、標識細胞を2回リンスする。試験化合物およ
び/または5mM ATPを含むまた含まない追跡培地
1mlを各ウェルに添加し、そして37℃で30分間、
細胞を追跡する。培地を採取し、そして遠心分離(60
00xg、5分間)によって清澄にし、細胞および/ま
たは細胞破片を除去する。細胞単層を、1% Trit
on X−100、150mM NaCl、25mM
HEPES、pH7、0.1mM PMSF、1mg/
mlオボアルブミン、1mMヨード酢酸、1μg/ml
ペプスタチン、および1μg/mlロイペプチンで構成
される溶解緩衝液1mlに懸濁する。TritonX−
100およびプロテアーゼ阻害剤の濃縮ストックからア
リコットを添加することによって、清澄な培地試料を、
これらの試薬の同じ最終濃度に調整する。氷上で30分
間インキュベーションした後、TLA−45ローター
(Beckman、カリフォルニア州パロアルト)中
で、45,000rpmで30分間遠心分離することに
よって、すべての試料を清澄にし、生じた上清を回収
し、そしてヤギ抗ネズミIL−1β血清を用いて、試料
からIL−1βを免疫沈降する。免疫沈降物は、SDS
ゲル電気泳動によって分画し、そしてPhosphoi
magerで、乾燥ゲルをスキャンすることによって、
個々のIL−1βポリペプチド種に関連する放射能の量
を測定する。実施例5 in vivoのIL−1β翻訳後プロセシング in vivoで細菌リポ多糖(LPS)に曝露された
マウスなどの動物の腹腔マクロファージは、成熟IL−
1βの有効な外在化を引き出すのに、5mMATPなど
の分泌刺激を必要とする(Griffithsら(19
95)J.Immunol. 154:2821−28
28)。in vivoでのIL−1βプロセシングの
度合いを測定するため、動物をLPSで初回免疫刺激
し、そして2時間後、ATPを含むまたは含まない、そ
して/または試験化合物を含むまたは含まないPBSの
ip注射を行う。その後、これらの動物由来の腹腔洗浄
液を、酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)によっ
て、IL−1β含量に関して評価する。
【0094】マウス群に1μgのLPSを腹腔内(i
p)注射する。LPS注射の2時間後、マウスに30m
M ATP(pH7に調整)を含むまたは含まない、試
験化合物を含むまたは含まない、リン酸緩衝生理食塩水
(PBS)pH7をip注射する。ATPまたはPBS
注射の30分後または120分後、マウスを屠殺し、そ
して5% FBSを含むRPMI 3mlで、腹腔を洗
浄する。腹腔洗浄液を回転して落とし、そして上清を収
集し、そしてELISA(それぞれAmersham
Life Sciences、バージニア州アーリント
ンハイツおよびEndogen、マサチューセッツ州ウ
ォーバーン)を用いて、IL−1βおよびIL−6の存
在に関して試験する。実施例6 in vivoサイトカイン産生能力の性質決定 IL−1シグナル伝達は、IL−6などの他のサイトカ
インの産生を導く可能性がある(Allenら(200
0), J. Exp. Med. 191:859−
869)。このカスケード効果を評価するため、マウス
などの動物を、LPS(または対照としてPBS)の注
射によって初回免疫刺激し、そして2時間後、ATPま
たは試験化合物(または対照としてPBS)を投与し、
IL−1翻訳後プロセシングを促進する。動物をさらな
る期間(例えば4時間)、インキュベーションし、そし
てインキュベーション過程中、数回、腹腔洗浄液を収集
し、そしてELISAによってサイトカインに関して解
析する。LPSの最初の初回免疫刺激注射を受け、そし
て続いてPBSを投与されたマウスは、1および2時間
で、PBSおよびATPの組み合わせを注射されたマウ
スから回収されたものより上昇したIL−6レベルを生
じる(4から5ng/ml)。しかし、4時間までに、
LPS−PBS処理動物から回収されたIL−6レベル
は、ベースラインに戻った。一方、LPS初回免疫刺激
され、続いてATPに曝露されたマウスは、洗浄液IL
−6の劇的な増加を示し、4時間の時点で、>25ng
/mlのピーク値に達する。実施例7 部分的受容体精製 ネズミ腹腔マクロファージ細胞ペレットを、遠心分離に
よって空洞化緩衝液(25mM HEPES、pH7、
30mM NaCl、1mM EDTA、1mMジチオ
スレイトール、1μg/mlロイペプチン、および1μ
g/mlペプスタチン)中で1回洗浄する。その後、細
胞ペレットを、空洞化緩衝液2.5mlに再懸濁し、そ
して細胞を窒素空洞化によって破壊する(750psi
で氷上15分間)。生じた細胞溶解物は、0.1%サポ
ニンに調整し、氷上で30分間インキュベーションし、
そして続いて遠心分離(Beckman Ti70ロー
ター中で、50,000rpm、30分間、4℃)によ
って細胞膜を回収する。ガラス管−テフロン(登録商
標)乳棒ホモジナイザーの補助で、膜ペレットを2ml
の空洞化緩衝液中に懸濁し、そして総タンパク質解析
(Pierce、イリノイ州ロックフォード)のため、
アリコットまたは懸濁物を取っておく。膜を再び遠心分
離によって収集し、その後、ペレットを100μlの2
XLaemmli試料緩衝液に懸濁する。タンパク質は
さらに、4−20% Tris−グリシンゲル(Nov
ex、カリフォルニア州サンディエゴ)上での分離、お
よび/または抗P2X7受容体血清(Alomone、
イスラエル・エルサレム)によって精製する。実施例8 破骨細胞分化およびアポトーシスに関するアッセイ 骨髄破骨細胞分化培養系(例えばマウスまたはラット)
は、先に記載されるように確立する(Takahash
iら(1988), Endocrinology 1
22:1373−1381; Grasserら(19
97), J.Cell. Biochem. 65:
159−171; Keら(1998), Endoc
rinology 139:2068−2076)。簡
潔には、骨髄を収集し、5x105/cm2の密度で細胞
を蒔き、そしてその後、P2X7受容体リガンドを含み
または含まず、ビヒクルまたは試験化合物で、細胞を処
理する。第3日、新鮮な化合物を含む培地で50%置き
換えて、細胞培養を6日間維持し、その後、第6日に、
破骨細胞染色および定量的観察を行う。培養中に形成さ
れた破骨細胞を視覚化するため、酒石酸耐性酸ホスファ
ターゼ(TRAP)に関する組織化学染色を行う。アポ
トーシス細胞を同定するため、製造者(Boehrin
ger−Mannheim、インディアナ州インディア
ナポリス)の指示にしたがい、TDT仲介dUTPニッ
ク端標識(TUNEL)によって、断片化核DNAを標
識する。培養第3日、先に記載されるように、p53お
よびCD61特異的モノクローナル抗体(それぞれ、O
ncogene Sciences、マサチューセッツ
州ケンブリッジ、およびPharmingen、カリフ
ォルニア州サンディエゴ)を用いて、p53およびCD
61同時位置決定を行う。顕微鏡(例えばOlympu
s BH−2)下で、標識細胞を調べ、そして計数す
る。同等物 本発明は、本明細書に記載される特定の態様によって、
範囲に限定されるものではない。むしろ、本明細書に記
載されるものに加え、前述の説明および付随する図か
ら、本発明の多様な修飾が当業者に明らかとなるであろ
う。こうした修飾は、付随する請求項の範囲内に属する
と意図される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 Z 33/50 C12N 15/00 A (72)発明者 フア・チュー・ケ アメリカ合衆国コネチカット州06340,グ ロトン,イースタン・ポイント・ロード, ファイザー・グローバル・リサーチ・アン ド・ディベロプメント

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物をスクリーニングして、骨量お
    よび/または骨ミネラル密度を増加させるための療法的
    候補を同定する方法であって:試験化合物と、P2X7
    受容体を発現する細胞を、該化合物の存在を別にして、
    P2X7受容体リガンドへの前記P2X7受容体の結合
    を可能にする条件下で接触させ;そしてP2X7受容体
    活性の指標を検出することを含み;前記指標の増加が、
    前記化合物がin vivoでP2X7受容体と相互作
    用することによって、骨量および/または骨ミネラル密
    度を増加させるための候補であることを示す、前記方
    法。
  2. 【請求項2】 化合物をスクリーニングして、骨量お
    よび/または骨ミネラル密度を調節するための療法的候
    補を同定する方法であって:試験化合物およびP2X7
    受容体リガンドと、P2X7受容体を発現する細胞を、
    該化合物の存在を別にして、前記P2X7受容体リガン
    ドへの前記P2X7受容体の結合を可能にする条件下で
    接触させ;そしてP2X7受容体活性の指標の増加また
    は減少を検出することを含み;前記指標の増加または減
    少が、前記化合物がin vivoでP2X7受容体と
    相互作用することによって、骨量および/または骨ミネ
    ラル密度を調節するための候補であることを示す、前記
    方法。
  3. 【請求項3】 前記細胞が破骨細胞前駆体を含み、そ
    して前記指標が破骨細胞への分化であり、並びに/ある
    いは前記細胞が破骨細胞であり、そして前記指標が増加
    した吸収窩形成または増加したアポトーシスである、請
    求項1または2の方法。
  4. 【請求項4】 化合物をスクリーニングして、骨量お
    よび/または骨ミネラル密度を調節するための療法的候
    補を同定する方法であって:P2X7受容体結合ドメイ
    ンを細胞表面上に発現する細胞および所望により追加の
    P2X7受容体リガンドと、化合物を、該化合物の存在
    を別にして、P2X7受容体リガンドへの前記P2X7
    受容体結合ドメインの結合を可能にする条件下で接触さ
    せ;そして前記P2X7受容体結合ドメインおよび少な
    くとも1つの前記化合物および前記P2X7受容体リガ
    ンドの間の結合を検出することを含み;前記P2X7受
    容体結合ドメインおよび前記化合物の間の結合の検出、
    または前記P2X7受容体結合ドメインおよび前記P2
    X7受容体リガンドの間の増加したもしくは減少した結
    合の検出が、前記化合物がin vivoでP2X7受
    容体と相互作用することによって、骨量および/または
    骨ミネラル密度を調節するための候補であることを示
    す、前記方法。
  5. 【請求項5】 化合物をスクリーニングして、骨量お
    よび/または骨ミネラル密度を調節するための療法的候
    補を同定する方法であって:P2X7受容体遺伝子転写
    調節要素の調節下でコード配列を発現する細胞と、試験
    化合物を接触させ;そして前記化合物が、前記コード配
    列の発現を増加させるかまたは減少させるかどうか検出
    することを含み;前記コード配列の発現の増加または減
    少が、前記化合物がin vivoでP2X7受容体発
    現を調節することによって、骨量および/または骨ミネ
    ラル密度を調節するための候補であることを示す、前記
    方法。
  6. 【請求項6】 前記細胞が、P2X7受容体遺伝子転
    写調節要素に機能可能であるように連結されている、レ
    ポーター遺伝子コード配列で形質転換され、レポーター
    遺伝子発現の増加または減少が、前記化合物がin v
    ivoでP2X7受容体発現を調節することによって、
    骨量および/または骨ミネラル密度を調節するための候
    補であることを示す、請求項5の方法。
  7. 【請求項7】 化合物をスクリーニングして、骨量お
    よび/または骨ミネラル密度を調節するための療法的候
    補を同定する方法であって:化合物を提供し;前記化合
    物を、P2X7受容体を発現する非ヒト動物に投与し;
    そして前記化合物が、前記動物において、P2X7受容
    体活性の指標を増加させるかまたは減少させるかどうか
    を検出することを含み;前記指標の増加が、前記化合物
    がin vivoでP2X7受容体活性を増加させるこ
    とによって、骨量および/または骨ミネラル密度を増加
    させるための候補であることを示し、そして前記指標の
    減少が、前記化合物がin vivoでP2X7受容体
    活性を減少させることによって、骨量および/または骨
    ミネラル密度を減少させるための候補であることを示
    す、前記方法。
  8. 【請求項8】 前記動物が、トランスジェニック非ヒ
    ト動物であって、前記動物で発現されるP2X7受容体
    をコードする外因性核酸配列で形質転換されている、前
    記非ヒト動物、またはこうした動物の子孫である、請求
    項7の方法。
  9. 【請求項9】 前記指標が、増加した細胞浸透性;増
    加した巨大分子の細胞内集積;活性化炎症性細胞におけ
    る増加したIL−1α、IL−1β、またはIL−18
    翻訳後プロセシング;炎症誘導細胞における増加したI
    L−6産生;増加したL−セレクチン分断;ストレスキ
    ナーゼ活性化;およびリンパ球増殖からなる群より選択
    される、請求項1、2または7の方法。
  10. 【請求項10】 前記指標が、破骨細胞前駆体の破骨
    細胞への分化;破骨細胞における増加した吸収窩形成ま
    たは増加したアポトーシス、並びに骨ミネラル密度、骨
    ミネラル含量、骨梁数、骨梁分離、骨ミネラル領域、骨
    体積、骨の厚み、および骨外周からなる群より選択され
    る表現型的変化を含む、請求項7の方法。
  11. 【請求項11】 化合物をスクリーニングして、骨量
    および/または骨ミネラル密度を調節するための療法的
    候補を同定する方法であって:P2X7受容体結合ドメ
    インおよび所望により追加のP2X7受容体リガンド
    と、試験化合物を、該化合物の存在を別にして、P2X
    7受容体リガンドへの前記P2X7受容体結合ドメイン
    の結合を可能にする条件下で接触させ;そして前記P2
    X7受容体結合ドメインおよび少なくとも1つの前記化
    合物および前記P2X7受容体リガンドの間の結合を検
    出することを含み;前記P2X7受容体結合ドメインお
    よび前記化合物の間の結合の検出、または前記P2X7
    受容体結合ドメインおよび前記P2X7受容体リガンド
    の間の減少した結合の検出が、前記化合物がin vi
    voでP2X7受容体と相互作用することによって、骨
    量および/または骨ミネラル密度を調節するための候補
    であることを示す、前記方法。
  12. 【請求項12】 こうした治療が必要な哺乳動物にお
    いて、骨量および/または骨ミネラル密度を増加させる
    方法であって、前記哺乳動物に、前記哺乳動物におい
    て、骨量および/または骨ミネラル密度を増加させるの
    に有効な量のP2X7受容体のアゴニストを投与するこ
    とを含む、前記方法。
JP2002125273A 2001-04-30 2002-04-26 P2x7受容体活性の調節因子を同定する方法および産物、並びに骨格障害の治療におけるそれらの使用 Pending JP2003033198A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US28752301P 2001-04-30 2001-04-30
US60/287523 2001-04-30

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003033198A true JP2003033198A (ja) 2003-02-04

Family

ID=23103278

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002125273A Pending JP2003033198A (ja) 2001-04-30 2002-04-26 P2x7受容体活性の調節因子を同定する方法および産物、並びに骨格障害の治療におけるそれらの使用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003033198A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010539454A (ja) * 2007-09-14 2010-12-16 バイオセプター・インターナショナル・リミテッド 細胞外体液中のプリン作動性(p2x)受容体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010539454A (ja) * 2007-09-14 2010-12-16 バイオセプター・インターナショナル・リミテッド 細胞外体液中のプリン作動性(p2x)受容体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060035849A1 (en) Methods and composition for modulating type I muscle formation using pgc-1 alpha
AU775583B2 (en) Methods for the diagnosis and treatment of metastatic prostate tumors
US6537765B2 (en) GPR10 as a target for identifying weight modulating compounds
JP2005512508A (ja) Dkk媒介性相互作用を変調する試薬および方法
US8293477B2 (en) Methods for modulating bone formation and mineralization by modulating KRC activity
US20090226463A1 (en) Novel method of modulating bone-related activity
WO2003068983A1 (en) Use of the axl receptor for diagnosis and treatment of renal disease
US20090048117A1 (en) Modulation of immune system function by modulation of polypeptide arginine methyltransferases
US6548734B1 (en) Methods relating to modulation of cartilage cell growth and/or differentiation by modulation of NFATp activity
JP2003512304A (ja) 医薬組成物および分泌フリズル化関連タンパクを用いる方法
US20040028684A1 (en) Cancer diagnosis and assays for screening anti-cancer agents
EP1255110A2 (en) Methods and products for identifying modulators of P2X7 receptor activity, and their use in the treatment of skeletal disorders
EP0887081A2 (en) Human serum glucocorticoid regulated kinase, a target for chronic renal disease
US9745589B2 (en) Methods for modulating skeletal remodeling and patterning by modulating SHN2 activity, SHN3 activity, or SHN2 and SHN3 activity in combination
EP1594446A2 (en) CALCIUM-SENSING RECEPTOR 2 (CaR2) AND METHODS FOR USING
JP2006526762A (ja) アジポネクチンとそのレセプターとの間の相互作用を調節するための方法及び組成物
CN108144060A (zh) 一类通过调控yb-1磷酸化治疗单核细胞趋化蛋白-1参与的疾病的药物及其筛选方法
JP2003033198A (ja) P2x7受容体活性の調節因子を同定する方法および産物、並びに骨格障害の治療におけるそれらの使用
US20060292638A1 (en) Sequence #115 as a target for identifying weight modulating compounds
WO2004045530A2 (en) Methods for treating, preventing, or reducing cardiac disorders using fadd inhibitors
EP1025205A2 (en) (in vitro) differentiation of vascular smooth muscle cells, methods and reagents related thereto
EP1553414A1 (en) Methods for the diagnosis and treatment of metastatic prostate tumors
JP2003093099A (ja) 破骨細胞分化関連遺伝子
JP2006514828A (ja) スフィンゴシンキナーゼの機能的レベルを調節することによって上皮細胞活性を調節する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040803

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20041102

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20041108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050203

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050304

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050602

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050714