JP2003032164A - 通信機 - Google Patents

通信機

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JP2003032164A
JP2003032164A JP2001217816A JP2001217816A JP2003032164A JP 2003032164 A JP2003032164 A JP 2003032164A JP 2001217816 A JP2001217816 A JP 2001217816A JP 2001217816 A JP2001217816 A JP 2001217816A JP 2003032164 A JP2003032164 A JP 2003032164A
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directivity
communication
monitor
antennas
antenna
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JP2001217816A
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Tetsuhiko Miyatani
徹彦 宮谷
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Hitachi Kokusai Electric Inc
Original Assignee
Hitachi Kokusai Electric Inc
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q1/00Details of, or arrangements associated with, antennas
    • H01Q1/12Supports; Mounting means
    • H01Q1/22Supports; Mounting means by structural association with other equipment or articles
    • H01Q1/24Supports; Mounting means by structural association with other equipment or articles with receiving set
    • H01Q1/241Supports; Mounting means by structural association with other equipment or articles with receiving set used in mobile communications, e.g. GSM
    • H01Q1/246Supports; Mounting means by structural association with other equipment or articles with receiving set used in mobile communications, e.g. GSM specially adapted for base stations
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q21/00Antenna arrays or systems
    • H01Q21/29Combinations of different interacting antenna units for giving a desired directional characteristic
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q3/00Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system
    • H01Q3/26Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system varying the relative phase or relative amplitude of energisation between two or more active radiating elements; varying the distribution of energy across a radiating aperture
    • H01Q3/2605Array of radiating elements provided with a feedback control over the element weights, e.g. adaptive arrays

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)
  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の通信アンテナA1〜A4の全体として
の指向性を制御してこれら複数の通信アンテナを用いて
信号を無線通信する通信機の指向性をモニタする。 【解決手段】 複数の通信アンテナとは別体のモニタア
ンテナ1が複数の通信アンテナ全体として所定の指向性
が実現されるように制御されてこれら複数の通信アンテ
ナから無線送信される信号を受信し、指向性情報取得手
段2、3が受信される信号に基づいて複数の通信アンテ
ナ全体としての指向性に関する情報を取得し、指向性情
報出力手段3が取得される指向性情報を外部の指向性実
現精度監視手段に対して出力し、指向性実現精度監視手
段が当該指向性情報と前記所定の指向性が実現された場
合に取得されると予想される指向性情報との差異に基づ
いて複数の通信アンテナ全体としての指向性の実現精度
を監視する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばアダプティ
ブアレイアンテナを用いて無線通信を行う送受信機など
に関し、特に、このような送受信機などで用いられてア
ダプティブアレイアンテナの送信指向性をモニタ(監
視)する機能に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えばアダプティブアレイアンテ
ナ(AAA:Adaptive Array Antenna)を適用したCD
MA送受信システムが検討等されている。アダプティブ
アレイアンテナでは、複数のアンテナのそれぞれにウエ
イト(アンテナウエイト)をもたせることによりこれら
複数のアンテナ全体としての指向性を制御して信号を受
信や送信することが行われる。例えば受信時には、アダ
プティブアレイアンテナでは、希望の到来波の方向に対
して最大指向性を有し且つ他の方向からの信号の受信特
性を大きく落ち込ませるような指向性が実現されるよう
に制御する。なお、このような制御の動作は、装置に具
備される制御アルゴリズムを用いて行われる。
【0003】図9には、アダプティブアレイアンテナを
搭載したCDMA(Code DivisionMultiple Access)用
の基地局装置の構成例を示してあり、このCDMA用基
地局装置には、4つの送受信用アンテナA11〜A14
(アンテナ#1〜アンテナ#4)から構成されるアダプ
ティブアレイアンテナと、これら4つの送受信用アンテ
ナA11〜A14のそれぞれに対応した4つの送受信用
無線部W11〜W14と、これら4つの送受信用アンテ
ナA11〜A14及び4つの送受信用無線部W11〜W
14に共通なユーザ別AAA信号処理部D2とが備えら
れている。
【0004】ここで、本例では、アダプティブアレイア
ンテナを構成するアンテナの総数N(Nは自然数)が4
である場合を示してあり、各送受信用アンテナA11〜
A14及び各送受信用無線部W11〜W14から成る送
受信アンテナ系が4つ備えられている。
【0005】同図に示したCDMA用基地局装置の動作
例を示す。例えば、CDMA用基地局装置では、1又は
複数の移動局装置から無線送信された信号を各送受信用
アンテナA11〜A14により受信し、受信した信号を
各送受信用アンテナA11〜A14に対応した各送受信
用無線部W11〜W14へ出力する。各送受信用無線部
W11〜W14は各送受信用アンテナA11〜A14か
ら入力される受信信号を無線周波数(RF:Radio Freq
uency)帯から中間周波数(IF:Intermediate Freque
ncy)帯もしくはベースバンド(BB:Baseband)帯へ
変換(ダウンコンバート)する機能を有しており、入力
された受信信号を当該機能によりダウンコンバートして
ユーザ別AAA信号処理部D2へ出力する。
【0006】その後、ユーザ別AAA信号処理部D2
が、例えば各送受信用無線部W11〜W14から入力さ
れる各受信信号に対して各ユーザ(例えば、各移動局装
置)毎にCDMA方式の逆拡散処理を行い、そして、A
AAの機能を実現するための各送受信用アンテナA11
〜A14毎及び各ユーザ毎の受信アンテナウエイトを各
送受信用アンテナA11〜A14毎及び各ユーザ毎の逆
拡散結果に対して乗算して、当該乗算結果を各ユーザ毎
に全ての送受信用アンテナA11〜A14について合成
したものをAAA機能による各ユーザ毎の受信信号とす
る。
【0007】一般に、特定のアルゴリズムに基づいて各
送受信用アンテナ毎の受信アンテナウエイトを決定して
各送受信用アンテナからの受信信号に当該受信アンテナ
ウエイトを乗算した結果を合成したものではアダプティ
ブアレイアンテナの受信指向性により受信信号の品質を
向上させることができ、また、上記と逆の操作を行うこ
とで送信信号の品質を向上させることも可能である。
【0008】例えば、CDMA用基地局装置では、ま
ず、全ての送受信用アンテナA11〜A14に共通な送
信信号を各ユーザ(例えば、各移動局装置)毎に作成
し、その後、ユーザ別AAA信号処理部D2により各送
受信用アンテナA11〜A14毎及び各ユーザ毎に異な
る送信アンテナウエイトを生成して、各ユーザ毎の送信
信号に各送受信用アンテナA11〜A14毎及び各ユー
ザ毎の送信アンテナウエイトを乗算し、各ユーザ毎の乗
算結果を各送受信用アンテナA11〜A14毎に全ての
ユーザについて合成したものをAAA機能による各送受
信用アンテナA11〜A14毎の送信信号とする。この
結果、各送受信用アンテナA11〜A14から送信出力
される信号は例えばそれぞれ異なることとなり、アダプ
ティブアレイアンテナの送信指向性により通信相手とな
る各受信機(例えば、各移動局装置)にとっての受信品
質を向上させることができる。
【0009】なお、受信アンテナウエイトや送信アンテ
ナウエイトを形成するアルゴリズムなどについては、種
々なものが用いられてもよい。また、上記図9では、X
(Xは自然数)ユーザ分のユーザデータを同時に受信処
理或いは送信処理する場合を示した。
【0010】図10には、アダプティブアレイアンテナ
によるアンテナ受信指向性パターンの計算結果の一例を
示してあり、具体的には、0度方向からの到来波に対応
して最大指向性を0度方向へ合わせた場合のパターンの
一例を(a)として示してあるとともに、45度方向か
らの到来波に対応して最大指向性を45度方向へ合わせ
たパターンの一例を(b)として示してある。なお、同
図では、0度の反対方向である180度方向への指向成
分や、45度の反対方向である−45度方向への指向成
分も、参考として示してある。
【0011】このようにアダプティブアレイアンテナに
より指向性を制御して受信信号の処理を行うと、希望の
到来波とは異なる到来方向から入射される干渉波を除去
して受信信号処理を行うことができ、このため、アダプ
ティブアレイアンテナは干渉除去を行う技術として大き
く注目されている。また、ここでは受信時の指向性につ
いて説明したが、送信時の指向性についても、例えば次
に述べる特別な測定が要求されることなどを除いては、
同様に干渉除去効果を得ることができる。
【0012】ここで、送信時等のアダプティブアレイア
ンテナに関して要求される上記した特別な測定を説明す
る。この特別な測定は、キャリブレーション(Calibrat
ion)と言われるものであり、送受信用アンテナを含め
た送受信経路や各デバイスの製造ばらつきによって生じ
る位相や振幅の特性の誤差(偏差)を較正(補正)する
ものである。
【0013】具体的な問題として、例えば、位相の変動
や振幅(ゲイン)の変動が生じる受信機の出力から求め
られた位相に基づいて基地局装置から見て45度の方向
に移動局装置が存在することが検出されたとすると、こ
の場合、送信時のアダプティブアレイアンテナでは45
度の方向に対する指向性が大きくなるようにアンテナ指
向性を変化させる。しかしながら、実際には、キャリブ
レーションを行っていない送信部では、各送受信アンテ
ナ系にはそれぞれ位相差やレベル差(振幅差)があるた
め、45度の方向に対して大きなアンテナ指向性を与え
ることができない。まして、受信部のキャリブレーショ
ンも行っていないと、そもそも45度の方向に移動局装
置が存在することが検出されたということも信用できな
くなってしまう。このような結果として、キャリブレー
ションを行っていない場合には、移動局装置が本来存在
する方向とは異なる方向に送信指向性が向いてしまうと
いった問題などが生じてしまう。
【0014】図11には、アダプティブアレイアンテナ
により実現される指向性パターン(例えば、送信指向性
パターン)の一例として、キャリブレーションが行われ
た場合の指向性パターンの例を(a)として示してあ
り、キャリブレーションが行われていない場合の指向性
パターンの例を(b)として示してある。なお、同図に
示した横軸はアダプティブアレイアンテナから見た方向
角度[度:degree]を示しており、縦軸は送受信される
信号のレベル[dB]を示している。同図に示されるよ
うに、キャリブレーションが正確に実行された場合には
移動局装置が存在する方向角度(ユーザ方向)V1に対
する最大指向性が実現されるのに対して、キャリブレー
ションが正確に行われていない場合には、キャリブレー
ション誤差による方向角度のずれが生じてしまって、最
大指向性の方向角度が異なる方向角度V2へ向いてしま
う。
【0015】なお、送受信アンテナ系のキャリブレーシ
ョンとしては、例えば送受信アンテナ系を用いて信号を
受信する場合における各送受信アンテナ系間の位相・振
幅偏差を補正する受信キャリブレーションや、送受信ア
ンテナ系を用いて信号を送信する場合における各送受信
アンテナ系間の位相・振幅偏差を補正する送信キャリブ
レーションや、1つの送受信アンテナ系に関して当該送
受信アンテナ系を用いて信号を受信する場合と当該送受
信アンテナ系を用いて信号を送信する場合との間の位相
・振幅偏差を補正する送受信間キャリブレーションがあ
る。
【0016】また、送受信アンテナ系のキャリブレーシ
ョンについては、例えば「W−CDMA下りリンクにお
ける適応アンテナアレイ送信ダイバーシチの室内伝送実
験特性、原田他、電子情報通信学会技術報告、RCS9
9−18(1999−05)」や、「W−CDMA下り
リンク適応アンテナアレイ送信ダイバーシチにおけるR
F送受信回路のキャリブレーションの検討、原田、田
中、佐和橋、安達、電子情報通信学会技術報告、RCS
99−101(1999−08)」や、「アンテナ特性
を考慮したFDDシステム用アダプティブアレーの自動
校正法、西森、長、鷹取、堀、電子情報通信学会技術報
告、RCS99−213、MW99−233(2000
−02)」に記載されており、その重要性が明らかにさ
れている。
【0017】以下で、上記したキャリブレーションなど
に関する従来の技術例を紹介する。例えば、特開平8−
248118号公報に記載された「フェイズドアレイレ
ーダ装置」では、フェイズドアレイアンテナからモニタ
ビーム用アンテナに向けてモニタ用のビームを送信し、
モニタビーム用アンテナにより受信したモニタ用のビー
ムのレベルが予め設定された基準レベル以下である場合
に異常と判断することが行われており、つまり、モニタ
ビーム用アンテナにより受信したモニタ用のビームのレ
ベルが予め設定された基準レベルより大きい場合には正
常と判断されることとなり、このように受信レベルが基
準レベルと比べて大きいか或いは小さいかにより正常或
いは異常を判断している。
【0018】また、特開2000−357911号公報
に記載された「電波到来方向探知方法及びその方法を使
用する装置」では、アダプティブアレイアンテナを備え
た基地局装置において、アダプティブアレイアンテナと
は独立に備えたアンテナ系列により移動局装置からの電
波の到来方向を探知することが行われている。
【0019】また、特開2001−7754号公報に記
載された「無線通信システム及び無線基地局」では、ア
ダプティブアレイアンテナを備えた基地局装置から端末
局装置への所望波電力対干渉波電力比(D/U値)を端
末局装置により測定して当該測定値を基地局装置へ送信
し、基地局装置が端末局装置から受信した当該測定値に
基づいて各アンテナ素子毎の重み付け係数を制御するこ
とが行われている。
【0020】また、特開2001−53661号公報に
記載された「アダプティブアレイ基地局における送受信
系調整方法およびアダプティブアレイ無線装置」では、
アダプティブアレイ基地局装置において、各アンテナに
おける無線周波数の送信系と受信系との振幅と位相の特
性差をキャリブレーションデータとして求め、当該キャ
リブレーションデータから各アンテナにおいて送出され
る無線周波数が最適な位相と振幅になるように計算する
キャリブレーションを実行することが行われている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例で示したよ
うな送受信アンテナ系に関する特性差により生じる指向
性パターンのずれの問題は既にアダプティブアレイアン
テナの研究者の間では検討等されており上記したキャリ
ブレーションにより解決されつつあるが、実際の商用装
置などの運用に際しては、具体的な例として、次の
(1)〜(4)に示すような不具合が生じてしまうと考
えられる。
【0022】(1)夏や冬の温度差に起因して送受信用
アンテナ自体や或いは送受信用アンテナを基地局装置本
体と接続するケーブルが金属的な伸張又は収縮により変
化したような場合に、過去にキャリブレーションしたと
きに補正された誤差と現在の誤差とが一致しているか否
かが不明となってしまう。 (2)雪や風に起因して送受信アンテナ系の位相や振幅
(ゲイン)の特性が大きく変動したような場合に、キャ
リブレーションの結果が追随しているか否かが不明とな
ってしまう。 (3)例えば最初の商用運用直前のテストでは、キャリ
ブレーションが正しく動作しているか否かが不明であ
り、つまりキャリブレーションにより誤差が本当に補正
されたか否かが不明である。 (4)例えば基地局装置を管理する中央管理局に対して
異常の通知が基地局装置などからなされた場合に、キャ
リブレーションに関する異常が生じたのか否かを判断す
ることが困難である。
【0023】以上のような不具合などがあることから、
キャリブレーションの動作を保証するためには、例えば
実際に装置を作成したメーカの技術者などがその場その
場に常駐してキャリブレーションの動作を確認すること
が必要となってしまい、このようなことが、AAA機能
が搭載される基地局装置などの運用上におけるコストを
高くしてしまい監視の作業を煩雑にしてしまうといった
問題があった。更に、例えば専門的な知識が無い者に
は、キャリブレーションの動作状態が正常なのか或いは
異常なのかを判定することができないといった問題があ
った。
【0024】本発明は、このような従来の課題を解決す
るためになされたもので、例えば、アダプティブアレイ
アンテナを用いて無線通信を行う構成において、アダプ
ティブアレイアンテナの送信指向性をモニタすることが
できる通信機などを提供することを目的とし、これによ
り、例えばアダプティブアレイアンテナの送信指向性の
高信頼度を保証することなどを実現する。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る通信機では、複数の通信アンテナの全
体としての指向性を制御してこれら複数の通信アンテナ
を用いて信号を無線により通信する構成において、複数
の通信アンテナとは別体で設けられたモニタアンテナが
複数の通信アンテナ全体として所定の指向性が実現され
るように制御されてこれら複数の通信アンテナから無線
により送信される信号を受信し、指向性情報取得手段が
モニタアンテナにより受信される信号に基づいて複数の
通信アンテナ全体としての指向性に関する情報を取得
し、指向性情報出力手段が指向性情報取得手段により取
得される指向性情報を外部の指向性実現精度監視手段に
対して出力する。
【0026】ここで、外部の指向性実現精度監視手段
は、指向性情報出力手段から入力される指向性情報と前
記所定の指向性が実現された場合に指向性情報取得手段
により取得されると予想される指向性情報との差異に基
づいて、複数の通信アンテナ全体としての指向性の実現
精度を監視する。
【0027】従って、所定の指向性が実現されるように
制御された複数の通信アンテナから無線送信された信号
について実際に実現された指向性に関する情報がモニタ
アンテナ及び指向性情報取得手段により取得されて指向
性情報出力手段により出力されることにより、指向性実
現精度監視手段により当該指向性情報に基づいて複数の
通信アンテナ全体としての指向性の実現精度を監視する
ことを可能とすることができ、これにより、例えば、従
来と比べて簡易な機能の追加により、アダプティブアレ
イアンテナを用いて無線通信を行う際などにアダプティ
ブアレイアンテナの送信指向性をモニタすることがで
き、アダプティブアレイアンテナの送信指向性の高信頼
度を保証することを実現することが可能となり、運用上
のコストを低減させることや専門的な知識の無い者によ
り監視を行うことなどが可能となる。
【0028】また、本発明では、例えば指向性に関する
情報を通信相手から通知してもらうような構成としなく
とも、通信機や指向性実現精度監視手段から成る通信機
側だけで指向性の実現精度を監視することが可能であ
る。また、本発明では、指向性に関する情報を取得して
指向性の実現精度を監視する構成であるため、例えば前
記所定の指向性自体を監視することが可能である。
【0029】ここで、通信機としては、例えば基地局装
置や中継局装置や移動局装置などの種々な通信機に適用
されてもよく、また、通信機で用いられる通信方式とし
ては、例えばCDMA方式やTDMA(Time Division
Multiple Access)方式やFDMA(Frequency Divisio
n Multiple Access)方式などの種々な通信方式が用い
られてもよい。また、通信機としては、例えば信号を送
信する機能及び信号を受信する機能の両方を有した送受
信機ばかりでなく、例えば信号を受信する機能を有さず
に信号を送信する機能を有した送信機などが用いられて
もよい。
【0030】また、複数の通信アンテナとしては、種々
なアンテナが用いられてもよく、また、通信アンテナの
数や配置としては、種々な数や配置が用いられてもよ
い。また、複数の通信アンテナの全体としての指向性を
制御する仕方としては、例えば、上記従来例で示したよ
うに、各通信相手に関して、各通信アンテナ毎の送信時
のアンテナウエイト(重み付け係数)を送信信号に乗算
して各通信アンテナから当該乗算結果を無線送信する仕
方や、各通信アンテナ毎の受信時のアンテナウエイトを
各通信アンテナ毎の受信信号に乗算して当該乗算結果を
全ての通信アンテナについて合成したものを受信信号と
する仕方を用いることができる。
【0031】また、モニタアンテナとしては、種々なア
ンテナが用いられてもよく、また、モニタアンテナの数
や配置としては、種々な数や配置が用いられてもよい。
なお、本発明では、複数の通信アンテナの全体としての
指向性の実現精度を監視することから、モニタアンテナ
としては、これら複数の通信アンテナとは別体で設けら
れたアンテナを用いている。
【0032】また、複数の通信アンテナからはこれら複
数の通信アンテナ全体として所定の指向性が実現される
ようにアンテナウエイトなどが制御されて信号が無線送
信され、当該信号がモニタアンテナにより受信される
が、当該所定の指向性としては任意の指向性が用いられ
てもよく、要は、例えばモニタアンテナにより受信した
信号が複数の通信アンテナから送信された際に制御され
ていた指向性に関する情報が指向性実現精度監視手段に
より把握されるような構成であればよい。
【0033】つまり、本発明では、モニタアンテナ及び
指向性情報取得手段により実際に取得される複数の通信
アンテナ全体としての指向性に関する情報と、当該指向
性情報を取得する基となった信号が複数の通信アンテナ
から送信された際に制御しようとした指向性が実際に実
現されたならば取得されるであろうと予想される指向性
情報とを比較して、例えばこれらの指向性情報が一致し
た場合には複数の通信アンテナ全体としての指向性の実
現精度は良好であると判定する一方、これらの指向性情
報が大きく異なる場合には当該指向性の実現精度は悪い
と判定する。なお、2つの指向性情報が一致するか或い
は異なるかを判定する場合に、例えば2つの指向性情報
が完全に一致しなくとも許容される誤差の範囲内にあれ
ば一致しているとみなすような判定の仕方を用いること
もできる。
【0034】こうしたことから、前記所定の指向性とし
ては、特に限定はなく、一例として、複数の通信アンテ
ナにより通信相手に対して無線送信される通信信号をモ
ニタアンテナにより受信することで実際に無線通信が行
われているときに制御された指向性に関する情報を取得
することができ、この場合には、例えば当該指向性に関
する情報を通信機から外部の指向性実現精度監視手段に
対して出力して通知する。また、他の例として、指向性
の実現精度を監視するための特定の指向性を前記所定の
指向性として予め設定しておくことも可能であり、この
場合には、例えば当該特定の指向性に関する情報が指向
性実現精度監視手段に予め設定される。
【0035】また、複数の通信アンテナ全体としての指
向性に関する情報としては、種々な情報が用いられても
よく、例えばモニタアンテナにより受信される信号のレ
ベルの情報などを用いることができる。なお、モニタア
ンテナにより受信される信号のレベルは、例えば当該信
号が複数の通信アンテナから送信された際に制御された
指向性に依存して変化する。また、例えば複数の通信ア
ンテナから見たモニタアンテナの方向角度を実際に或い
は擬似的に変化させると、当該方向角度に応じてモニタ
アンテナにより受信される信号のレベルが変化し、これ
により、指向性に関する情報を複数の方向角度について
取得することが可能である。
【0036】また、複数の通信アンテナ全体としての指
向性の実現精度を監視する態様としては、種々な態様が
用いられてもよく、例えば閾値などを用いて当該指向性
の実現精度が正常であるか或いは異常であるかを判定す
る態様を用いることや、当該態様において更に、異常で
あると判定した場合にその旨をユーザ(例えば、通信機
の状態を監視する者)に対してブザーなどにより報知す
る態様を用いることや、また、当該指向性の実現精度を
数値などによりユーザに対して表示出力などにより報知
する態様などを用いることができる。このように、本発
明では、指向性の実現精度を細かく数値的に監視する態
様ばかりでなく、指向性の実現精度が良好であるか或い
は悪くなったかを或る境界をもって判定するための監視
を行うこともできる。また、外部の指向性実現精度監視
手段としては、例えばメンテナンスツールなどの種々な
装置が用いられてもよい。
【0037】また、複数の通信アンテナ全体としての指
向性の実現精度を監視するための処理が行われるタイミ
ングとしては、種々なタイミングが用いられてもよく、
例えば一定の期間が経過する度毎に当該監視処理を行っ
て異常が検出された場合にはその旨をユーザ(例えば、
通信機の状態を監視する者)に対して通知するような構
成を用いると、当該ユーザにとっての監視の負担を軽減
することができる。また、例えば複数の通信アンテナが
設置されている場所の温度が所定の閾値以上変化した場
合などのように環境の変化に応じたタイミングで前記監
視処理を行うような構成を用いることもでき、また、例
えばユーザからの指示に応じて前記監視処理を行うよう
な構成を用いることもできる。
【0038】また、本発明に係る通信機では、ベースバ
ンド信号処理部を備え、当該ベースバンド信号処理部
は、複数の通信アンテナを用いて無線により通信される
信号をベースバンド処理する機能、及び、外部の監視装
置との間で通信する機能を有する。ここで、外部の監視
装置は、指向性実現精度監視手段を備え、本発明に係る
通信機を監視する。また、本発明に係る通信機では、指
向性情報取得手段が取得した指向性情報をベースバンド
信号処理部に対して出力し、指向性情報出力手段が、ベ
ースバンド信号処理部に備えられて、当該ベースバンド
信号処理部から外部の監視装置に対して指向性情報を出
力する。
【0039】従って、例えば外部の監視装置により通信
機を監視するような場合に、モニタアンテナ及び指向性
情報取得手段により取得される指向性情報が通信機に備
えられたベースバンド信号処理部を介して外部の監視装
置に対して出力されて当該監視装置により指向性の実現
精度が監視される構成とすることにより、指向性をモニ
タする構成を簡易化することが可能である。
【0040】ここで、外部の監視装置としては、種々な
装置が用いられてもよく、例えば移動通信システムの基
地局装置に備えられた通信機では、当該基地局装置の状
態を監視する中央監視局装置などを用いることができ
る。また、例えば外部の指向性実現精度監視手段から基
地局装置に対して指向性の実現精度の監視結果に関する
情報を通知するような構成を用いることもできる。
【0041】また、上記した指向性実現精度監視手段と
しては、例えば通信機に備えられてもよい。すなわち、
本発明に係る通信機では、複数の通信アンテナの全体と
しての指向性を制御してこれら複数の通信アンテナを用
いて信号を無線により通信する構成において、複数の通
信アンテナとは別体で設けられたモニタアンテナが複数
の通信アンテナ全体として所定の指向性が実現されるよ
うに制御されてこれら複数の通信アンテナから無線によ
り送信される信号を受信し、指向性情報取得手段がモニ
タアンテナにより受信される信号に基づいて複数の通信
アンテナ全体としての指向性に関する情報を取得し、指
向性実現精度監視手段が指向性情報取得手段により取得
される指向性情報と前記所定の指向性が実現された場合
に指向性情報取得手段により取得されると予想される指
向性情報との差異に基づいて複数の通信アンテナ全体と
しての指向性の実現精度を監視する。
【0042】また、本発明に係る通信機では、複数のモ
ニタアンテナをそれぞれ異なる位置に配置して備え、指
向性情報取得手段が各モニタアンテナにより受信される
信号に基づいて各モニタアンテナ毎に複数の通信アンテ
ナ全体としての指向性に関する情報を取得し、指向性実
現精度監視手段が指向性情報取得手段により取得される
各モニタアンテナ毎の指向性情報と前記所定の指向性が
実現された場合に指向性情報取得手段により取得される
と予想される各モニタアンテナ毎の指向性情報との差異
に基づいて複数の通信アンテナ全体としての指向性の実
現精度を監視する。
【0043】従って、複数の通信アンテナ全体としての
指向性を複数のモニタアンテナを用いてモニタすること
により、例えば前記所定の指向性を複数の方向角度につ
いて同時に或いは時間差をもってモニタすることがで
き、これにより、指向性の実現精度の監視の信頼性を向
上させることができる。つまり、或る指向性が実現され
ている場合には、通常、方向角度に応じて送信信号のレ
ベルが異なるため、2以上の方向角度で当該レベルをモ
ニタすることにより、当該指向性が正確に実現されてい
るか否かを確認する精度を高めることができる。
【0044】ここで、複数のモニタアンテナの数として
は、種々な数が用いられてもよい。また、複数のモニタ
アンテナの配置としては、種々な配置が用いられてもよ
く、例えば指向性を確認する精度を高めることができる
ような配置が用いられるのが好ましく、一例として、信
号のレベルが最大となる方向角度や最小となる方向角度
のように指向性に特徴的な方向角度にモニタアンテナが
配置されるのが好ましい。なお、指向性に関する情報
は、各モニタアンテナ毎に取得することが可能であり、
各モニタアンテナ毎に予想することが可能である。
【0045】また、本発明に係る通信機では、モニタア
ンテナが複数の通信アンテナから無線により送信される
通信信号を受信し、受信信号減衰手段がモニタアンテナ
により受信される通信信号を減衰させて指向性情報取得
手段へ出力し、指向性情報取得手段が受信信号減衰手段
により減衰させられた通信信号に基づいて複数の通信ア
ンテナ全体としての指向性に関する情報を取得する。
【0046】従って、例えば複数の通信アンテナにより
無線送信される通信信号をモニタアンテナにより受信し
て指向性情報取得手段により当該受信信号の指向性に関
する情報を取得するに際して、通信信号のレベルが大き
い場合であっても、モニタアンテナにより受信される通
信信号を受信信号減衰手段により減衰させることによ
り、当該通信信号のレベルを処理し易いレベルへ低減す
ることができる。
【0047】ここで、受信信号減衰手段により信号を減
衰させる程度(例えば、減衰率)としては、種々な程度
が用いられてもよい。また、受信信号減衰手段として
は、例えば信号を減衰させる減衰器(アッテネータ)を
用いることができ、また、好ましい構成例として、例え
ば外部からの制御により信号を減衰させる減衰率を変化
させることが可能な可変減衰器(可変アッテネータ)を
用いることもでき、この場合には、例えばモニタアンテ
ナにより受信される通信信号のレベルに応じて可変減衰
器の減衰率を変化させることができる。
【0048】また、本発明に係る通信機では、試験信号
無線送信手段がモニタアンテナに対する複数の通信アン
テナ全体としての指向性の影響が所定の指向性の方向角
度を総じて360度回転させたものとなるようにこれら
複数の通信アンテナから複数の異なる試験信号を無線に
より送信し、モニタアンテナが試験信号無線送信手段に
より複数の通信アンテナから無線により送信される試験
信号を受信し、指向性情報取得手段がモニタアンテナに
より受信される試験信号に基づいて複数の通信アンテナ
全体としての指向性に関する情報を取得する。
【0049】従って、複数の通信アンテナ全体としての
指向性が、これら複数の通信アンテナに対する方向角度
が0度から360度(なお、通常は、360度は0度に
相当する)となるまで一回転させることができるような
複数の異なる試験信号を用いてモニタされるため、指向
性の実現精度の監視を精度よく確実に行うことができ
る。
【0050】ここで、モニタアンテナに対する複数の通
信アンテナ全体としての指向性の影響が所定の指向性の
方向角度を総じて360度回転させたものとなるように
する複数の異なる試験信号としては、種々な信号が用い
られてもよい。具体的には、例えば、所定の指向性の方
向角度θの影響がモニタアンテナに対して与えられるよ
うな信号を各試験信号として用いることができ、当該方
向角度θを0度から360度までの範囲で複数の値に変
化させて得られる複数の異なる信号を複数の異なる試験
信号として用いることができる。この場合、方向角度θ
としては、例えばθ=0、90、180、270、36
0(なお、通常は、360度は0度に相当するため、3
60は無くてもよい)などのように方向角度が総じて3
60度回転させられるように設定され、また、同様に例
えば10度間隔や20度間隔などの他の間隔が用いられ
てもよく、或いは、例えば方向角度θが0度から360
度まで連続的に変化させられてもよい。
【0051】また、本発明に係る通信機では、複数の通
信アンテナに近接した位置にモニタアンテナを配置して
備え、試験信号無線送信手段が複数の通信アンテナから
無線により送信される通信信号の送信電力と比べて小さ
い送信電力であってモニタアンテナにより受信可能な送
信電力で試験信号を無線により送信する。従って、複数
の通信アンテナから無線送信される試験信号の送信電力
を小さくすることにより、当該試験信号が本発明に係る
通信機の通信相手に対して与える干渉の影響を小さくす
ることができる。
【0052】ここで、複数の通信アンテナに近接した位
置としては、種々な位置が用いられてもよく、理論的に
は、或る通信アンテナとモニタアンテナとの距離が小さ
いほど当該通信アンテナから無線送信する試験信号の送
信電力を小さくすることが可能である。また、モニタア
ンテナにより受信可能な送信電力としては、例えば指向
性情報取得手段により指向性情報を取得することが可能
な程度でモニタアンテナにより試験信号が受信されるよ
うな送信電力が用いられる。
【0053】また、本発明に係る通信機では、複数の通
信アンテナを用いて信号を無線により通信する無線通信
系の特性の誤差を較正するためのキャリブレーション系
を備え、当該キャリブレーション系を構成する処理部と
モニタアンテナを用いて指向性の実現精度を監視するた
めのモニタ系を構成する処理部との一部又は全部を共通
化した。従って、例えばキャリブレーション系を構成す
る処理部とモニタ系を構成する処理部との一部又は全部
が同一の回路部を共通化して構成などされるため、モニ
タ系にかかるコストや回路規模を低減することができ
る。
【0054】ここで、無線通信系としては、例えば複数
の通信アンテナやベースバンド信号処理部を用いて構成
される。また、モニタ系としては、例えばモニタアンテ
ナや指向性情報取得手段を用いて構成される。
【0055】また、キャリブレーション系としては、例
えば上記従来例に示したような送信キャリブレーション
などのキャリブレーションを行うための処理系が用いら
れ、具体的には、例えば複数の通信アンテナから無線送
信される信号を受信するアンテナや当該アンテナにより
受信される信号に基づいてキャリブレーションを行う信
号処理部などから構成される。なお、キャリブレーショ
ンでは例えば各通信アンテナ毎や複数の通信アンテナ間
の特性差を検出することが行われ、モニタでは例えば複
数の通信アンテナ全体としての指向性を確認することが
できる情報を検出することが行われる。
【0056】また、本発明では、以上に示したようなモ
ニタの機能を通信機とは別体で構成することもでき、こ
のような構成を通信機指向性実現精度監視装置として提
供する。なお、本発明に係る通信機指向性実現精度監視
装置は、例えばモニタ機能を備えていない通信機に付加
的に備えることが可能である。
【0057】一構成例として、本発明に係る通信機指向
性実現精度監視装置では、複数の通信アンテナの全体と
しての指向性を制御してこれら複数の通信アンテナを用
いて信号を無線により通信する通信機に備えられて、次
のようにして、当該通信機における指向性の実現精度を
監視する。すなわち、モニタアンテナが通信機に備えら
れた複数の通信アンテナ全体として所定の指向性が実現
されるように制御されてこれら複数の通信アンテナから
無線により送信される信号を受信し、指向性情報取得手
段がモニタアンテナにより受信される信号に基づいて通
信機に備えられた複数の通信アンテナ全体としての指向
性に関する情報を取得し、指向性実現精度監視手段が指
向性情報取得手段により取得される指向性情報と前記所
定の指向性が実現された場合に指向性情報取得手段によ
り取得されると予想される指向性情報との差異に基づい
て通信機に備えられた複数の通信アンテナ全体としての
指向性の実現精度を監視する。
【0058】また、本発明では、以上に示したようなモ
ニタ機能により実現されるモニタ処理を行う方法を通信
機指向性実現精度監視方法として提供する。一例とし
て、本発明に係る通信機指向性実現精度監視方法では、
複数の通信アンテナの全体としての指向性を制御してこ
れら複数の通信アンテナを用いて信号を無線により通信
する通信機に用いられて、次のようにして、当該通信機
における指向性の実現精度を監視する。すなわち、通信
機に備えられた複数の通信アンテナとは別体で設けられ
たモニタアンテナによりこれら複数の通信アンテナ全体
として所定の指向性が実現されるように制御されてこれ
ら複数の通信アンテナから無線により送信される信号を
受信し、モニタアンテナにより受信される信号に基づい
て通信機に備えられた複数の通信アンテナ全体としての
指向性に関する情報を取得し、取得される指向性情報と
前記所定の指向性が実現された場合に取得されると予想
される指向性情報との差異に基づいて通信機に備えられ
た複数の通信アンテナ全体としての指向性の実現精度を
監視する。
【0059】
【発明の実施の形態】本発明に係る実施例を図面を参照
して説明する。まず、本発明の第1実施例に係るCDM
A用基地局装置を説明する。図1には、本例のCDMA
用基地局装置の構成例を示してあり、このCDMA用基
地局装置には、アダプティブアレイアンテナを構成する
4つの送受信用アンテナ(アンテナ#1〜アンテナ#
4)A1〜A4と、各送受信用アンテナA1〜A4のそ
れぞれに対応した4つの送受信用無線部W1〜W4と、
これら4つの送受信用アンテナA1〜A4及び4つの送
受信用無線部W1〜W4に共通なユーザ別AAA信号処
理部Dとが、送受信される通信信号を処理する系として
備えられている。なお、各送受信用無線部W1〜W4と
しては、例えば無線周波数の信号を送信処理する機能及
び受信処理する機能を有した送受信部(TRX)を用い
て構成されている。
【0060】ここで、本例のCDMA用基地局装置で
は、例えば上記図9に示したCDMA用基地局装置と同
様に、アダプティブアレイアンテナを構成する送受信用
アンテナの総数N(Nは自然数)が4である場合を示し
てあり、各送受信用アンテナA1〜A4及び各送受信用
無線部W1〜W4から4つの送受信アンテナ系が構成さ
れている。また、本例の4つの送受信アンテナ系やユー
ザ別AAA信号処理部Dの構成や動作としては、例えば
上記図9に示したものと同様であるため、本例では、同
様な部分の詳しい説明を省略する。
【0061】また、上記図1に示されるように、本例の
CDMA用基地局装置には、本発明に係る特徴的な部分
として、モニタ用アンテナ1と、モニタ用無線部2と、
モニタ用ベースバンド信号処理部3とが備えられてい
る。ここで、本例では、モニタ用アンテナの総数M(M
は自然数)が1である場合を示してあり、つまり、1つ
のモニタ用アンテナ1が備えられている。また、本例で
は、モニタ受信系の総数Lが1である場合を示してあ
り、つまり、1つのモニタ用無線部2及び1つのモニタ
用ベースバンド信号処理部3が備えられている。また、
モニタ用アンテナ1及びモニタ受信系から成るモニタ系
は、AAA系の送信状態をモニタするための経路であ
り、一構成例としては、AAA系は本例のように送受信
を行う無線部W1〜W4を有する一方、モニタ受信系は
受信のみを行う無線部2を有する。
【0062】モニタ用アンテナ1は、例えばCDMA用
基地局装置の通信相手となる移動局装置の存在位置と比
べて4つの送受信用アンテナA1〜A4に対して近接し
た位置に設置されており、これら4つの送受信用アンテ
ナA1〜A4から無線送信される信号を受信し、受信し
た信号をモニタ用無線部2へ出力する。なお、モニタ用
アンテナ1では、4つの送受信用アンテナA1〜A4か
ら送信される4つの無線信号を重ね合わせた信号が受信
される。
【0063】モニタ用無線部2は、モニタ用アンテナ1
から入力される信号を無線周波数帯からベースバンド帯
へ変換などしてモニタ用ベースバンド信号処理部3へ出
力する。モニタ用ベースバンド信号処理部3は、モニタ
用無線部2から入力される信号に基づいて、当該信号の
レベルの情報などを、複数の送受信用アンテナA1〜A
4の全体としての送信指向性に関する情報(AAA情
報)として取得などする。
【0064】図2には、ユーザ別AAA信号処理部Dに
備えられて各送受信用アンテナA1〜A4毎の信号に対
して受信時のアンテナウエイトを生成などするAAA信
号処理部の構成例を示してあり、このAAA信号処理部
には、送受信用アンテナA1〜A4と同数の複素乗算器
J1〜JNと、加算器11と、加算器12と、例えばD
SP(Digital Signal Processor)などから構成された
ウエイト計算器13とが備えられている。
【0065】同図に示したAAA信号処理部では、各送
受信用アンテナA1〜A4からの受信信号が各ユーザ
(例えば、各移動局装置)毎に分配などされたものが各
複素乗算器J1〜JNに入力される。つまり、各送受信
用アンテナA1〜A4毎に分配された信号が各複素乗算
器J1〜JNに入力される。なお、1つのユーザから無
線送信された信号が複数の異なる経路(パス)を通過し
てCDMA用基地局装置に到来する場合には、例えば各
送受信用アンテナA1〜A4からの受信信号が各ユーザ
毎及び各パス毎の信号に分配される。また、本例のよう
にCDMA方式が用いられる場合には、各ユーザ毎や各
パス毎の信号を分配するに際して、受信信号と各ユーザ
毎に対応した拡散符号との相関を相関器により取得する
ことにより当該受信信号を当該拡散符号を用いて逆拡散
処理することが行われる。
【0066】各複素乗算器J1〜JNは、上記のように
或るユーザの或るパスの相関器出力信号を入力するとと
もに、後述するウエイト計算器13から出力される各送
受信用アンテナA1〜A4毎のアンテナウエイトを入力
し、入力した相関器出力信号と入力したアンテナウエイ
トとを複素乗算し、当該複素乗算結果を加算器11へ出
力する。なお、各送受信用アンテナA1〜A4毎のアン
テナウエイトとしては、例えば複素数の値(複素重み付
け係数)が用いられる。
【0067】加算器11は、N個の複素乗算器J1〜J
Nから入力されるN個の複素乗算結果を加算し、当該加
算結果をアダプティブアレイアンテナの機能により処理
された受信信号として出力する。なお、本例では、この
加算器11から出力される加算信号から例えばX(Xは
自然数)ユーザ分のユーザデータが取得される。
【0068】加算器12は、上記した加算器11から出
力される加算結果の一部を入力するとともに、例えば理
想的なアンテナウエイトが生成された場合に当該加算結
果の一部に相当すると予想される参照信号を入力し、入
力した加算結果の一部と入力した参照信号との差をAA
A制御の誤差として算出し、算出した誤差の情報をウエ
イト計算器13へ出力する。なお、この加算器12の機
能を、例えば前記加算結果の一部と前記参照信号との一
方から他方を減算する減算器を用いて構成することも可
能である。
【0069】ウエイト計算器13は、各送受信用アンテ
ナA1〜A4毎のアンテナウエイトを生成して各複素乗
算器J1〜JNへ出力する処理を行い、これに際して、
例えば加算器12から入力される情報に基づく誤差が最
小となるように、各送受信用アンテナA1〜A4毎のア
ンテナウエイトの生成処理を制御する。なお、ウエイト
計算器13では、例えばLMS(Least Mean Square)
などのウエイト生成アルゴリズムに基づいてアンテナウ
エイトの生成処理が行われ、本例では、一般的なLMS
が用いられた場合を示してある。
【0070】次に、図3を参照して、本例のCDMA用
基地局装置に備えられたモニタ系により行われる動作の
一例を示す。同図には、本例のCDMA用基地局装置に
備えられて例えば同一円上の等間隔な4つの位置に設置
された4つの送受信用アンテナA1〜A4と、これら4
つの送受信用アンテナA1〜A4の全体として形成され
る送信時の指向性パターンの一例と、本例のCDMA用
基地局装置に備えられたモニタ用アンテナ1と、本例の
CDMA用基地局装置と無線通信する相手となる2つの
移動局装置P0、P1の一例とを示してある。
【0071】なお、本例では、本例のCDMA用基地局
装置の周辺に上記した2つの移動局装置P0、P1が存
在し、これら2つの移動局装置P0、P1が互いに干渉
源になっているとする。また、本例では、本例のCDM
A用基地局装置から一方の移動局装置(ターゲット移動
局)P0に対して通信信号を無線送信する場合を示し、
この場合には、当該一方の移動局装置P0に対する通信
信号を送信する際における複数の送受信用アンテナA1
〜A4全体としての送信指向性としては、他方の移動局
装置(干渉移動局)P1の方向に対する信号のレベルが
小さくなり(理想的には、当該信号のレベルがゼロとな
り)且つ当該一方の移動局装置P0の方向に対する信号
のレベルが最大となる(当該方向に対する指向性が最大
となる)ような指向性パターンを実現するのが好まし
い。
【0072】ここで、本例のCDMA用基地局装置で
は、例えば上記図3に示したような理想的な送信指向性
パターンを形成することが必要とされるが、上記課題で
述べたように、このような理想的な送信指向性パターン
が例えばキャリブレーションの結果として実際に形成さ
れているか否かについては不明である。そこで、本例で
は、モニタ用アンテナ1などから成るモニタ系を備えて
おり、当該モニタ系により、理想的な送信指向性パター
ンが実際に形成されているか否かを判定する。
【0073】すなわち、複数の送受信用アンテナA1〜
A4全体としての送信指向性パターンを形成する実質的
な役割を有しているのは、例えば送受信用のベースバン
ド信号処理部であり、当該送受信用ベースバンド信号処
理部で生成されたユーザ毎に異なる各送受信用アンテナ
A1〜A4毎のアンテナウエイトを用いて指向性パター
ンが形成される。このため、複数の送受信用アンテナA
1〜A4からモニタ用アンテナ1の方向に対して送信出
力される信号に関して、モニタ用アンテナ1により受信
されてモニタ系により取得される当該信号のレベルを予
想信号レベルとして算出することが可能である。
【0074】そして、モニタ系では、複数の送受信用ア
ンテナA1〜A4から無線送信された信号をモニタ用ア
ンテナ1により受信してモニタ用無線部2によりダウン
コンバートなどし、モニタ用ベースバンド信号処理部3
により当該受信信号のレベルを検出して、当該検出結果
の情報をAAA情報として出力する。このようにして検
出される受信信号のレベルは理想的には前記予想信号レ
ベルと一致すると考えられることから、本例では、この
ようにして検出される受信信号のレベルと前記予想信号
レベルとを比較し、この結果、これら2つのレベルの差
が小さくて予め設定された閾値未満である場合には送受
信アンテナ系のキャリブレーションが正確になされてい
るとみなす一方、これら2つのレベルの差が大きくて当
該閾値以上である場合には送受信アンテナ系のキャリブ
レーションが正確になされていない或いは環境の変化な
どに起因してキャリブレーション結果にずれが生じてし
まったなどとみなす。
【0075】つまり、モニタ系により検出された受信信
号のレベルと前記予想信号レベルとが大きくずれている
ことは、複数の送受信用アンテナA1〜A4全体として
実際に実現された送信指向性が制御系によって実現しよ
うとした送信指向性から大きくずれてしまっていること
を表す。
【0076】本例では、このような送信指向性の実現精
度を監視するための構成として、モニタ用アンテナ1
や、少なくとも受信機能を有するモニタ用無線部2や、
モニタ用ベースバンド信号処理部3を備えており、ま
た、本例のようにCDMA方式が用いられる場合には、
CDMA方式の逆拡散処理の演算を行う機能がモニタ用
ベースバンド信号処理部3に備えられ、また、逆拡散処
理に必要な拡散符号の信号や拡散符号生成タイミングの
信号などの各種の信号が用意される。
【0077】上記図3を参照して説明したように、本例
では、モニタ系により、AAA機能の送信指向性パター
ンが正しく形成されているか否かを確認することが可能
となる。なお、AAA機能の送信指向性パターンが正し
く形成されていない場合には、間違ったユーザ(例え
ば、前記他方の移動局装置P1など)に対して電波が最
大放射などされてしまって却ってシステムのキャパシテ
ィを低減してしまうことにもなるが、本例では、このよ
うな望ましくない事態をモニタ系により発見して回避す
ることが可能である。
【0078】以上のように、本例のCDMA用基地局装
置では、例えばN本の送受信用アンテナを有してデジタ
ル変復調を用いて無線通信を行うCDMA用基地局装置
の送受信機において、当該N本の送受信用アンテナによ
り搬送波周波数帯域(無線周波数帯域)の信号をそれぞ
れ送受信してアダプティブアレイアンテナの機能を実現
するに際して、当該N本の送受信用アンテナからの送信
出力を観察するためにモニタ機能を備えた構成とし、具
体的には、M本のモニタ用アンテナと、当該M本のモニ
タ用アンテナからの出力信号を中間周波数帯域もしくは
ベースバンド帯域へダウンコンバートするL個のモニタ
用無線部と、当該L個のモニタ用無線部からの出力信号
から観察対象となる信号を抽出して当該抽出した信号に
関するレベルなどの情報を取得して出力するL個のモニ
タ用ベースバンド信号処理部を備えた。
【0079】ここで、Nは例えば2以上の自然数であ
り、Mは例えば1以上の自然数であり、Lは例えば1以
上の自然数であり、基本的な構成としてはL=Mとな
る。また、本例では、N=4であり、M=1であり、L
=1である場合を示したが、これらの数としては種々な
数が用いられてもよい。なお、本例では、アダプティブ
アレイアンテナを構成する送受信用アンテナの指向性を
監視することから送受信用アンテナの総数Nを複数とし
たが、例えば指向性アンテナなどから構成される1本の
送受信用アンテナ(つまり、N=1)により無線通信を
行う通信機に対して本例と同様なモニタ機能を適用する
ことも可能である。
【0080】従って、本例のCDMA用基地局装置で
は、例えばアダプティブアレイアンテナを備えた通信機
において必要となる送信時のキャリブレーションの正当
性(妥当性)を判断するためのモニタ機能により、当該
キャリブレーション自体の信頼性や或いは正しくキャリ
ブレーションされた後における環境の変化などに起因し
たキャリブレーション誤差の発生を監視することがで
き、これにより、アダプティブアレイアンテナのアンテ
ナウエイトが正しく生成されているか否かを確認するこ
とができ、例えば間違った指向性パターンが形成されて
しまって却ってシステムキャパシティを低減してしまう
ようなことを防止することができる。
【0081】なお、本例では、CDMA方式を採用した
基地局装置に本発明を適用した場合を示したが、例えば
TDMA方式を採用した基地局装置に本発明を適用する
場合には、ユーザ(例えば、移動局装置)毎に異なる時
間帯を割り当てて通信信号が送信されるため、例えば指
向性情報を測定する対象となる通信信号の宛先となるユ
ーザに割り当てられて当該ユーザに対する通信信号の送
信が行われる時間帯を、送受信アンテナ系などからモニ
タ系へ通知するタイミングをモニタ処理の中に設けるこ
とが必要となる。
【0082】また、本例では、モニタ用アンテナ1によ
り受信された信号のレベルの情報を指向性情報としてモ
ニタ用ベースバンド信号処理部3から出力する構成を示
したが、例えば当該受信レベルが正常であるか否かを判
定するための閾値情報をモニタ用ベースバンド信号処理
部3に設定し、モニタ用ベースバンド信号処理部3が当
該受信レベルが予め設定された誤差範囲内にあるか否か
を判定して、当該判定結果に基づいて当該誤差範囲内に
あって正常であることを表すOK信号や或いは当該誤差
範囲外にあって異常であることを表すNG信号を出力す
るような構成とすることもできる。
【0083】また、本例では、1つのモニタ用アンテナ
1を備えた場合を示したが、例えば複数のモニタ用アン
テナを備えた場合にはモニタするポイントが複数存在す
ることとなり、この場合には、複数の送受信用アンテナ
全体としての指向性パターンについて複数の方向角度で
のレベルを測定することが可能であり、これにより、よ
り正確に指向性パターンを測定することが可能となる。
なお、モニタ用アンテナを複数備える構成では、例えば
部品数やコストが増えることも考えられるが、必ずしも
全てのモニタ用アンテナにより受信される信号のレベル
情報などを同一時刻に測定する必要は無いことから、モ
ニタ受信系の総数Lをモニタアンテナの総数Mと比べて
少なくする構成(つまり、M>Lとする構成)を用いる
ことも可能である。このような構成では、例えば複数の
モニタ用アンテナのそれぞれから出力される受信信号を
後続するモニタ用無線部などへ接続する場合に、これら
複数のモニタ用アンテナを切り替えて接続するスイッチ
機能が備えられる。
【0084】ここで、本例では、複数の送受信用アンテ
ナA1〜A4の機能により複数の通信アンテナが構成さ
れており、モニタ用アンテナ1の機能によりモニタアン
テナが構成されており、モニタ用無線部2の機能やモニ
タ用ベースバンド信号処理部3の機能により指向性情報
取得手段が構成されており、モニタ用ベースバンド信号
処理部3の機能により指向性情報出力手段が構成されて
いる。なお、本例では、指向性実現精度監視手段の機能
が外部に備えられているとしたが、モニタ系や送受信ア
ンテナ系の内部に備えられてもよい。
【0085】次に、本例のCDMA用基地局装置のモニ
タ系に減衰器を備える構成例を説明する。この構成で
は、例えばモニタ用アンテナ1により受信した通信信号
をモニタ用無線部2によりダウンコンバートする際の問
題を解消する。モニタ用アンテナ1は、基地局装置に備
えられたアダプティブアレイアンテナの近辺に設置され
るのが通常であると考えられる。基地局装置では、アダ
プティブアレイアンテナから送信出力される通信信号を
当該基地局装置が統括するエリアの最遠方まで到達させ
ることが必要となるため、当該通信信号を非常に高い電
力で送信する。すると、アダプティブアレイアンテナに
近接した受信アンテナ(ここでは、モニタ用アンテナ
1)では当該通信信号を受信する場合に受信電力が高す
ぎることから歪みが発生し、当該歪みが発生したままで
は正確な受信処理を行うことができない可能性がある。
【0086】このような問題を解消するために、本例で
は、モニタ用無線部2に減衰器を挿入して、当該減衰器
によりモニタ用アンテナ1により受信された通信信号を
減衰させる。なお、本例では、モニタ機能は基本的にい
つ起動されるかが定められておらず、このような場合に
は、減衰率が固定された減衰器より、減衰率を可変に設
定することが可能な可変減衰器を用いるのが好ましい。
【0087】つまり、例えば基地局装置が統括するエリ
ア内に存在する移動局装置が少なくて基地局装置からの
通信信号の送信電力が低いときもあれば、一方、基地局
装置が統括するエリアの最外郭付近に多くの移動局装置
が配置されていて基地局装置からの通信信号の送信電力
が高いときもあり、このように通信信号の送信電力には
ダイナミックレンジがあるため、アダプティブアレイア
ンテナからの通信信号の送信電力或いはモニタ用アンテ
ナ1による通信信号の受信電力に応じて可変減衰器の減
衰率を調整してモニタ系による受信信号のレベルを一定
などに保持するのが好ましい。
【0088】以上のように、本例のCDMA用基地局装
置では、例えばL個のモニタ用無線部2のそれぞれの前
段にL個の減衰器のそれぞれを備え、モニタ用アンテナ
により受信される通信信号のレベルを当該減衰器により
低下させた後に当該通信信号をモニタ用無線部によりダ
ウンコンバートする。従って、本例のCDMA用基地局
装置では、例えば送信電力が高い通信信号をモニタ系に
おいて減衰させることにより、当該通信信号のレベルを
処理し易いレベルへ低下させることができる。また、可
変減衰器を備えた場合には、アダプティブアレイアンテ
ナからの送信電力のダイナミックレンジの変動に追従し
て、このような変動に対応したモニタリングを行うこと
が可能となる。ここで、本例では、減衰器や可変減衰器
により受信信号減衰手段が構成されている。
【0089】次に、本発明の第2実施例に係るCDMA
用基地局装置を説明する。図4には、本例のCDMA用
基地局装置の構成例を示してあり、このCDMA用基地
局装置には、送受信アンテナ系として、4つの送受信用
アンテナA1〜A4と、4つの送受信用無線部W1〜W
4と、ユーザ別AAA信号処理部Dとが備えられてい
る。また、本例のCDMA用基地局装置には、モニタ系
として、モニタ用アンテナ21と、モニタ用無線部22
と、モニタ用ベースバンド信号処理部23と、メンテナ
ンスツール(MT)インタフェース(I/F)部24と
が備えられている。
【0090】ここで、本例の送受信アンテナ系の構成や
動作は、例えば上記第1実施例の図1に示した送受信ア
ンテナ系と同様であり、説明の便宜上から、各処理部A
1〜A4、W1〜W4、Dに上記図1と同一の符号を付
してある。また、本例のモニタ用アンテナ21やモニタ
用無線部22やモニタ用ベースバンド信号処理部23の
構成や動作は、例えば上記第1実施例の図1に示したも
の1〜3と同様であり、本例では、モニタ用ベースバン
ド信号処理部23が指向性情報として取得したAAA情
報をメンテナンスツールインタフェース部24へ出力す
る構成となっている。
【0091】メンテナンスツールインタフェース部24
は、外部のメンテナンスツールへのインタフェース機能
を有しており、モニタ用ベースバンド信号処理部23か
ら入力されるAAA情報を外部のメンテナンスツールに
対して出力する。外部のメンテナンスツールは、例えば
パーソナルコンピュータから構成されており、メンテナ
ンスツールインタフェース部24などとの間で通信を行
って、CDMA用基地局装置の種々な状態を確認する機
能を有している。
【0092】なお、メンテナンスツールインタフェース
部24は、例えば通信を制御するためのプロトコルや、
通信用デバイスを有しており、また、メンテナンスツー
ルから入力される種々なコマンドに応じて指定された値
をメンテナンスツールへ返すためにコマンドをデコード
する機能を有している。また、メンテナンスツールの仕
様は、例えば基地局装置を設置するオペレータなどに応
じて設定され得るため、メンテナンスツールインタフェ
ース部24が有する機能としては上記の内容に追加や削
除の項目が生じ得る。
【0093】以上のように、本例のCDMA用基地局装
置では、L個のモニタ用ベースバンド信号処理部により
取得されるAAA情報を、メンテナンスツールインタフ
ェース部を介して、アダプティブアレイアンテナが搭載
されている装置のメンテナンスを行う装置(メンテナン
スツール)へ出力する。従って、本例のCDMA用基地
局装置では、メンテナンスツールを操作するユーザによ
り、例えば簡易に、現在におけるアダプティブアレイア
ンテナの動作状況を知ることができる。
【0094】ここで、本例では、メンテナンスインタフ
ェース部24の機能により指向性情報出力手段が構成さ
れている。また、本例では、指向性実現精度監視手段の
機能が外部のメンテナンスツールに備えられる構成とし
たが、例えば当該機能がモニタ系や送受信アンテナ系の
内部に備えられてもよい。
【0095】次に、本発明の第3実施例に係るCDMA
用基地局装置を説明する。図5には、本例のCDMA用
基地局装置の構成例を示してあり、このCDMA用基地
局装置には、送受信アンテナ系として、4つの送受信用
アンテナA1〜A4と、4つの送受信用無線部W1〜W
4と、ユーザ別AAA信号処理部Dとが備えられてい
る。また、本例のCDMA用基地局装置には、モニタ系
として、モニタ用アンテナ31と、モニタ用無線部32
と、モニタ用ベースバンド信号処理部33とが備えられ
ている。
【0096】ここで、本例の送受信アンテナ系の構成や
動作は、ユーザ別AAA信号処理部DにAAA情報を通
信するための追加機能を備えた点を除いては、例えば上
記第1実施例の図1に示した送受信アンテナ系と同様で
あり、説明の便宜上から、各処理部A1〜A4、W1〜
W4、Dに上記図1と同一の符号を付してある。また、
本例のモニタ用アンテナ31やモニタ用無線部32やモ
ニタ用ベースバンド信号処理部33の構成や動作は、例
えば上記第1実施例の図1に示したもの1〜3と同様で
あり、本例では、モニタ用ベースバンド信号処理部33
が指向性情報として取得したAAA情報をユーザ別AA
A信号処理部Dへ出力する構成となっている。
【0097】本例では、モニタ系により取得したAAA
情報をBTS(Base Transceiver Station)へ報告し
て、当該BTSを介して外部の中央監視局装置へ報告す
る。なお、本例では、本例のCDMA用基地局装置がB
TSに相当する。
【0098】一般に、基地局装置は外部の中央監視局装
置からの遠隔操作によって制御されており、基地局装置
は当該基地局装置自体の状態を常に中央監視局装置に対
して送信している。本例では、このような送信を行うた
めの送信ラインを用いてAAA機能の動作状態を常に報
告する構成とし、これにより、例えば既存の通信ライン
を用いてAAA機能のモニタ機能を実現し、当該モニタ
機能の追加にかかるコストを低減することを可能とし
た。
【0099】具体的には、本例のユーザ別AAA信号処
理部Dは、通信ラインを介して外部の中央監視局装置と
接続されており、モニタ用ベースバンド信号処理部33
から入力されるAAA情報を当該通信ラインを介して当
該中央監視局装置に対して送信する。
【0100】また、本例では、外部の中央監視局装置が
ユーザ別AAA信号処理部Dから受信したAAA情報に
基づいて指向性の実現精度が正常であるか否かを判定し
て異常と判定した場合にはその旨を表す情報を前記通信
ラインを介してユーザ別AAA信号処理部Dに対して送
信する機能を有しており、ユーザ別AAA信号処理部D
は当該情報を受信して異常が発生した旨を報知などす
る。
【0101】以上のように、本例のCDMA用基地局装
置では、モニタ用ベースバンド信号処理部33により取
得したAAA情報を、アダプティブアレイアンテナを用
いて通信する信号をベースバンド信号処理するユーザ別
AAA信号処理部Dへ出力し、当該AAA情報をユーザ
別AAA信号処理部Dから外部の中央監視局装置へ出力
し、当該中央監視局装置によりAAA機能の状態の異常
検出などを行う。
【0102】従って、本例のCDMA用基地局装置で
は、例えば中央監視局装置においてAAA機能を含むC
DMA用基地局装置の種々な状態を一括して監視するこ
とが可能であり、CDMA用基地局装置が設置されてい
る現地での調査を不要とすることが可能となる。また、
本例のCDMA用基地局装置では、例えば上記第2実施
例の図4に示した構成と比べて、モニタ結果であるAA
A情報を外部の装置へ報告するための回路を低減するこ
とが可能であり、これにより、コストを小さく抑えるこ
とが可能となる。
【0103】なお、本例のような構成では、必ずしもモ
ニタ系と送受信アンテナ系とを切り離して考える必要は
ないため、例えばモニタ系のモニタ用ベースバンド信号
処理部33の機能をユーザ別AAA信号処理部Dの中な
どのようにBTSの中に組み込んで構成することも可能
である。
【0104】ここで、本例では、ユーザ別AAA信号処
理部Dにより通信信号のベースバンド処理や外部の監視
装置との間の通信処理を行うベースバンド信号処理部が
構成されており、外部の中央監視局装置により外部の監
視装置が構成されている。また、本例では、指向性情報
出力手段の機能がユーザ別AAA信号処理部Dに備えら
れており、指向性実現精度監視手段の機能が外部の中央
監視局装置に備えられている。
【0105】次に、本発明の第4実施例に係るCDMA
用基地局装置を説明する。図6には、本例のCDMA用
基地局装置の構成例を示してあり、このCDMA用基地
局装置には、送受信アンテナ系として、4つの送受信用
アンテナA1〜A4と、4つの送受信用無線部W1〜W
4と、ユーザ別AAA信号処理部D1とが備えられてい
る。また、本例のCDMA用基地局装置には、モニタ系
として、モニタ用アンテナ41と、モニタ用無線部42
と、モニタ用ベースバンド信号処理部43とが備えられ
ている。
【0106】ここで、本例の送受信アンテナ系の構成や
動作は、ユーザ別AAA信号処理部D1から送信指向性
をモニタするためのテスト用の信号を送信するといった
点を除いては、例えば上記第1実施例の図1に示した送
受信アンテナ系と同様であり、説明の便宜上から、送受
信用アンテナA1〜A4や送受信用無線部W1〜W4に
上記図1と同一の符号を付してある。また、本例のモニ
タ用アンテナ41やモニタ用無線部42やモニタ用ベー
スバンド信号処理部43の構成や動作は、上記したテス
ト用信号によりモニタを行う点を除いては、例えば上記
第1実施例の図1に示したもの1〜3と同様である。
【0107】上記図6に示されるように、本例のユーザ
別AAA信号処理部D1には、第1のユーザ(User
#0:例えば、第1の移動局装置)に対して送信する通
信信号と当該第1のユーザに対する各送受信用アンテナ
A1〜A4毎のアンテナウエイトとを複素乗算する4つ
の複素乗算器(ウエイト乗算器)H1a〜H4aと、第
2のユーザ(User#1:例えば、第2の移動局装
置)に対して送信する通信信号と当該第2のユーザに対
する各送受信用アンテナA1〜A4毎のアンテナウエイ
トとを複素乗算する4つの複素乗算器(ウエイト乗算
器)H1b〜H4bと、各送受信用アンテナA1〜A4
毎に全てのユーザについての複素乗算結果を総和する4
つの加算器K1〜K4と、テスト用のチャネルの信号
(テスト用信号)を生成するテスト用チャネル生成部T
とが備えられている。
【0108】なお、本例では、2つのユーザ(User
#0、User#1)に対する通信信号をAAA処理す
るための構成を示したが、このようなユーザの数として
は種々な数であってもよく、通常、当該数と同数の複素
乗算器が各送受信用アンテナA1〜A4毎に備えられ
る。
【0109】第1のユーザに対する各複素乗算器H1a
〜H4aは、当該第1のユーザに対する通信信号と当該
第1のユーザに対する各送受信用アンテナA1〜A4毎
の送信アンテナウエイトとを複素乗算し、当該複素乗算
結果を各送受信用アンテナA1〜A4毎の加算器K1〜
K4へ出力する。同様に、第2のユーザに対する各複素
乗算器H1b〜H4bは、当該第2のユーザに対する通
信信号と当該第2のユーザに対する各送受信用アンテナ
A1〜A4毎の送信アンテナウエイトとを複素乗算し、
当該複素乗算結果を各送受信用アンテナA1〜A4毎の
加算器K1〜K4へ出力する。
【0110】テスト用チャネル生成部Tは、例えば指向
性をモニタするために用いられる特定のユーザ(ターゲ
ットユーザ:例えば、特定の移動局装置)に対して設定
される各送受信用アンテナA1〜A4毎の送信アンテナ
ウエイトと全ての送受信用アンテナA1〜A4に共通な
所定の信号とを複素乗算し、各送受信用アンテナA1〜
A4毎の複素乗算結果をテスト用信号として各送受信用
アンテナA1〜A4毎の加算器K1〜K4へ出力する。
【0111】各送受信用アンテナA1〜A4毎に備えら
れた各加算器K1〜K4は、接続された複素乗算器H1
a〜H4a、H1b〜H1bから入力される全てのユー
ザについての複素乗算結果及びテスト用チャネル生成部
Tから入力されるテスト用信号を総和し、入力される全
ての信号を総和した結果を各送受信用アンテナA1〜A
4毎の送受信用無線部W1〜W4へ出力する。これによ
り、本例では、複数の送受信用アンテナA1〜A4から
ユーザ(例えば、移動局装置)に対する通信信号が無線
送信される際に、当該通信信号に加算されたテスト用信
号も無線送信される。
【0112】次に、本例のモニタ処理を具体的に説明す
る。例えば上記第1実施例〜上記第3実施例では、モニ
タ用アンテナにより実際に受信した通信信号のレベルと
当該通信信号について算出される予定の受信レベルとを
比較してAAA機能の正常や異常を判定したが、本例で
は、例えば簡易な信号をテスト用信号として通信信号に
付加することにより、上記図3に示したような指向性パ
ターンを複数の方向角度で監視することを可能とする。
つまり、上記第1実施例〜上記第3実施例では、例えば
指定した或るユーザ(例えば、或る移動局装置)に対す
る送信ビームパターンの或る方向角度におけるレベルの
情報をモニタ系により取得したが、本例では、当該送信
ビームパターン自体の情報を全体的にモニタ系により取
得する。
【0113】なお、本例では、テスト専用のチャネルを
用いてテスト用信号を送信するが、このような専用のチ
ャネルを設けることが困難な場合などには、通信が行わ
れないユーザ(空きユーザ)のチャネルを利用してテス
ト用信号を送信することも可能である。また、本例のよ
うにCDMA方式が用いられる場合には、テスト用信号
についても、各チャネル間の直交性が必要となるため、
例えばスクランブルコードやチャネライゼーションコー
ドのようなCDMA方式に特有な信号処理は行われると
する。
【0114】本例では、上記図3に示したような指向性
パターンをモニタするために、例えばユーザ別AAA信
号処理部D1から各送受信用アンテナA1〜A4へ供給
される信号を微妙に変化させることを行う。上記図6に
示した本例の構成により実現されるAAA処理では、例
えば上記図3に示した移動局装置(ターゲット移動局)
P0が本例のCDMA用基地局装置から受信する信号の
レベル(例えば、電力のレベル)Fは式1で示される。
【0115】
【数1】
【0116】ここで、w1〜w4はそれぞれ、各送受信
用アンテナA1〜A4毎の複素数の送信アンテナウエイ
ト(AAAに特有な複素乗算係数)を示している。ま
た、s0は、例えばCDMA方式を例とすると、送信対
象となる移動局装置P0に対して送信する拡散後におけ
る変調データ(複素信号)を示している。また、φ1〜
φ4はそれぞれ、アダプティブアレイアンテナを構成す
る各送受信用アンテナA1〜A4から送信対象となる移
動局装置P0までの物理的な距離に依存する位相変化を
表す項を示している。
【0117】なお、正確には、上記式1には、例えば上
記図3に示した移動局装置(干渉移動局)P1について
の干渉成分も含まれるが、式を簡略化するため、及び、
例えば直接波だけではなく山やビルなどに反射して到来
する波が存在するマルチパス環境を考慮していないた
め、本例では省略する。また、上記式1では、360度
分の全ての方向角度の指向性パターンを一度に見ること
はできず、或る方向角度(例えば上記図3に示した指向
性パターンにおける或る一点だけ)のレベルを示してい
る。
【0118】上記図3に示されるような360度分の指
向性パターンを例えば擬似的に生成するためには、上記
式1中のパラメータを変化させることが必要となる。例
えば、或るユーザ(例えば、或る移動局装置)に対する
指向性パターンを検証したい場合には、当該ユーザへの
通信信号を送信するのに用いられるのと同じ送信アンテ
ナウエイトw1〜w4をテスト用チャネル生成部Tへ供
給し、モニタアンテナ41が設置されている位置(モニ
タポイント)において360度分の全ての方向角度の受
信レベルを測定することができるように、各送受信用ア
ンテナA1〜A4へ供給されるテスト用信号の位相を変
化させる。
【0119】なお、このようなテスト用信号の生成に当
たって、送信対象となる移動局装置P0が実際に存在す
る位置と、モニタ用アンテナ41が存在する位置とは異
なっていることから、上記したφ1〜φ4を、当該位置
の違いに起因する位相変化を考慮した項ξ1〜ξ4へ置
き換える。つまり、ξ1〜ξ4はそれぞれ、例えば上記
図3に示したアダプティブアレイアンテナを構成する各
送受信用アンテナA1〜A4からモニタ用アンテナ41
までの物理的な距離に起因する位相変動項を示してい
る。
【0120】ここで、図7を参照して、上記した位相変
動項ξ1〜ξ4を具体的に説明する。同図には、説明を
簡易化するために例えば4つの送受信用アンテナA1〜
A4が直線上に等間隔で並べられているとしてこれら4
つの送受信用アンテナA1〜A4を示してあり、また、
送受信用アンテナA4の位置から見て当該直線に対して
垂直な方向に位置するモニタ用アンテナ41を示してあ
る。同図では、互いに隣接する送受信用アンテナA1〜
A4同士の間隔dを0.5λとしてあり、送受信用アン
テナA4とモニタ用アンテナ41との距離を(n・λ)
としてある。ここで、λは無線送信する信号(テスト用
信号)の波長を示しており、nは自然数を示している。
【0121】同図に示した例では、モニタ用アンテナ4
1と送受信用アンテナA4との距離L4=(n・λ)と
なり、モニタ用アンテナ41と送受信用アンテナA3と
の距離L3={(1/2)2+n21/2λとなり、モニ
タ用アンテナ41と送受信用アンテナA2との距離L2
={12+n21/2λとなり、モニタ用アンテナ41と
送受信用アンテナA1との距離L1={(3/2)2
21/2λとなる。また、各位相変化ξ1〜ξ4はこれ
ら各距離L1〜L4に(2π/λ)を乗算したものとな
り、具体的には、送受信用アンテナA4に関する位相変
化ξ4=2nπとなり、送受信用アンテナA3に関する
位相変化ξ3=2{(1/2)2+n2 1/2πとなり、
送受信用アンテナA2に関する位相変化ξ2=2{12
+n21/2πとなり、送受信用アンテナA1に関する位
相変化ξ1=2{(3/2)2+n21/2πとなる。
【0122】また、或る方向角度θから到来する信号が
アダプティブアレイアンテナへ入射する角度θにより決
定されるアレイ応答ベクトルh(θ)を構成するベクト
ル成分として各送受信用アンテナA1〜A4に対応した
成分をそれぞれψ1〜ψ4で示すと、モニタ用アンテナ
41により受信されるテスト用信号のレベル(例えば、
電力のレベル)F(θ)は式2で示される。
【0123】
【数2】
【0124】また、上記したアレイ応答ベクトルh
(θ)は式3で示される。ここで、jは虚数を示す。
【0125】
【数3】
【0126】上記式3において、θは例えば直線状など
に配置されたアダプティブアレイアンテナの正面方向を
0度とした場合の方向角度(θ=0度〜360度)を示
している。上記したθを360度分だけ一回転させる
と、擬似的に、アダプティブアレイアンテナに対して入
射する信号が360度回転するように見える。
【0127】ここで、図8を参照して、上記したψ1〜
ψ4を具体的に説明する。同図には、例えば上記図7と
同様に直線上に等間隔で並べられた4つの送受信用アン
テナA1〜A4を示してあり、当該直線の法線方向に対
して角度θの方向に電波発信源があって当該方向から信
号(電波)が到来する場合を示してある。図8の例で
は、送受信用アンテナA4に或る信号部分が到着した時
刻では、他の送受信用アンテナA2〜A4には未だ当該
信号部分が到着しておらず、このため、各送受信用アン
テナA1〜A4では受信される信号の位相がずれ、当該
位相ずれをベクトル化したものがアレイ応答ベクトルと
なる。なお、(位相ずれ=光路差/波長)と表される。
【0128】ところで、上記式2はモニタ用アンテナ4
1の位置における受信レベルを示しており、移動局装置
の位置における受信レベルではない。このため、モニタ
用アンテナ41があまりにもアダプティブアレイアンテ
ナに近接していると、ξ1〜ξ4の位相項による位相変
動が大きく、移動局装置が本来受信すると予想されるレ
ベルに対してモニタ用アンテナ41での受信レベルに誤
差が生じてしまう。このようなことに鑑み、本例では、
上記したξ1〜ξ4の位相項は実質的に削除することが
望ましいと考え、上記式3の代わりに当該式3に補正を
加えた式4で示されるアレイ応答ベクトルh’(θ)を
用いることとする。
【0129】
【数4】
【0130】ここで、ξ1*〜ξ4*はそれぞれξ1〜ξ
4の共役複素数を示している。上記式4に示したような
アレイ応答ベクトルh’(θ)を用いると、モニタ用ア
ンテナ41の位置に依存する位相項が実質的に削除され
ることになり、モニタ用アンテナ41が送信対象となる
移動局装置と同様に無限遠に存在するとした指向性パタ
ーンを得ることが可能となる。
【0131】本例では、上記式4に示したアレイ応答ベ
クトルh’(θ)に対して位相項θを変化させることに
より、各位相θに対応した方向角度における受信レベル
をモニタ用アンテナ41のモニタ系により取得すること
ができ、これにより、例えば上記図3に示したような3
60度分の指向性パターンのレベル特性を得ることがで
きる。
【0132】以上のように、本例のCDMA用基地局装
置では、N本の送受信用アンテナへ供給する通信信号に
テスト用の送信信号を混入させて、当該テスト用信号の
位相を指向性パターンの360度分だけ回転させ、モニ
タ系では複数の送受信用アンテナから無線送信されるテ
スト用信号を受信して360度分の指向性パターンをモ
ニタする。
【0133】従って、本例のCDMA用基地局装置で
は、例えばモニタ用アンテナ41が固定的に設置されて
いるような場合においても、指向性パターンの360度
の範囲内における各角度での受信レベルをモニタ系によ
り取得することができるため、指向性パターンの全体的
な特性をモニタすることができ、これにより、例えば1
つの方向角度の受信レベルのみをモニタする場合と比べ
て、より高精度なAAA機能の状態監視を実現すること
ができる。
【0134】ここで、本例では、テスト用信号により試
験信号が構成されており、ユーザ別AAA信号処理部D
1が複数の位相が異なるテスト用信号を生成して送受信
アンテナ系から無線送信する機能により試験信号無線送
信手段が構成されている。
【0135】次に、テスト用信号の送信電力について説
明する。本例では、テスト用信号の送信電力を非常に小
さく設定するのが好ましい。すなわち、複数の送受信用
アンテナA1〜A4から無線送信されたテスト用信号は
モニタ用アンテナ41に到達するが、当該テスト用信号
はCDMA用基地局装置が統括する全てのエリアに向け
て放射されるため、当該テスト用信号自体が当該エリア
内に存する送信対象以外の移動局装置にとって干渉信号
となることが生じ得る。このため、テスト用信号の送信
電力は可能な限り低く抑えることが必要であり、また、
テスト用信号を送信する目的は或るユーザに向けて生成
された送信アンテナウエイトが正しく生成されているか
否かを確認することであるから、モニタ用アンテナ41
によりテスト用信号を受信することができれば当該目的
を達成することが可能である。
【0136】具体的には、テスト用信号の送信電力は、
例えば複数の送受信用アンテナA1〜A4からモニタ用
アンテナ41までの空間的な距離に応じた信号の減衰量
や、モニタ系で必要となる所要の信号電力対干渉電力比
(S/N:Signal to Noisepower ratio)から算出して
設定することが可能である。そして、このようにしてテ
スト用信号の送信電力を可能な限り低く設定することに
より、CDMA用基地局装置が統括するエリア内の移動
局装置へテスト用信号が到達するときには当該移動局装
置ではテスト用信号の受信レベルが非常に低くてノイズ
に埋もれて見えないといった状態を実現することがで
き、テスト用信号による干渉発生の問題を解消すること
ができる。
【0137】なお、テスト用信号の送信電力を低くする
仕方としては、一例として、テスト用チャネル生成部T
から各送受信用アンテナA1〜A4毎の加算器K1〜K
4へ出力する信号に関して、デジタル領域で実現する場
合には当該信号のビット数を低く設定する仕方を用いる
ことができ、また、アナログ領域で実現する場合には当
該信号を減衰器などにより減衰させる仕方を用いること
ができる。
【0138】以上のように、本例のCDMA用基地局装
置では、テスト用信号の送信電力を、複数の送受信用ア
ンテナからM本のモニタ用アンテナまで到達可能な値で
あり且つモニタ目的ではない本来の通信信号の送信電力
と比べて低い値に設定し、これによりテスト用信号の送
信電力を極端に低く設定した。
【0139】従って、本例のCDMA用基地局装置で
は、テスト用信号の存在によってシステムへの干渉量が
増加してしまうといった事態を回避することができ、A
AA機能のモニタを効率的に実行することができる。な
お、本例では、CDMA用基地局装置から移動局装置に
対して通信信号を無線送信する際に同時にテスト用信号
も無線送信する場合を示したが、例えば通信信号が無線
送信されないときにテスト用信号を無線送信するような
ことも可能である。
【0140】また、本例では、上述のように、モニタ用
アンテナ41は例えば複数の送受信用アンテナA1〜A
4に近接した位置に配置されており、テスト用信号の送
信電力としては例えば移動局装置に対する通信信号の送
信電力と比べて小さく且つモニタ用アンテナ41により
受信可能な電力が用いられている。
【0141】ここで、以上の実施例では、送受信アンテ
ナ系とモニタ系を備えたCDMA用基地局装置を示した
が、例えば送信時のキャリブレーションなどを行うため
のキャリブレーション系を備えるCDMA用基地局装置
では、当該キャリブレーション系とモニタ系とを同一の
系で構成することもできる。つまり、キャリブレーショ
ン系に対してモニタ系を別途設ける構成では装置の規模
が増大するため、本発明を実際の装置に適用する場合に
は、同一の系によりキャリブレーションとモニタを行う
ことが可能な構成とするのが好ましい。
【0142】具体的には、アダプティブアレイアンテナ
を備えた装置では、通常、キャリブレーションを行うこ
とは必須であり、このためにキャリブレーション用のア
ンテナなどを備えることがあり得る。この場合に、キャ
リブレーション用の系とモニタ用の系とを共通化するこ
とにより、装置全体のコストや回路規模を低減すること
が可能である。
【0143】なお、キャリブレーション系の動作とモニ
タ系の動作とで異なる点は、例えば、キャリブレーショ
ン系の動作では送受信アンテナ系に関して測定した位相
誤差や振幅誤差の情報をBTSへ帰還(フィードバッ
ク)させて送信時などのアンテナウエイトの補正を行う
一方、モニタ系の動作では指向性パターンに関するレベ
ル情報などをモニタリングするといった点である。この
ため、例えば既存のキャリブレーション系を利用してモ
ニタ系を構成する場合には回路規模の増加は特には無い
或いは非常に小さいと考えられる。
【0144】以上のように、本例のCDMA用基地局装
置では、キャリブレーションを行う系と同一の系を用い
てモニタ系を実現した。従って、本例のCDMA用基地
局装置では、例えばモニタ系の機能の全てをキャリブレ
ーション系に組み込むことにより、モニタ系の機能を実
現するのに必要なコストを大きく削減することが可能と
なる。
【0145】なお、キャリブレーション系は複数の送受
信用アンテナを用いて信号を無線により通信する無線通
信系の特性の誤差を較正する機能を有しており、本例で
は、送受信アンテナ系により当該無線通信系が構成され
ている。また、例えばモニタ系を構成する処理部の一部
がキャリブレーション系を構成する処理部と共通化され
てもよい。
【0146】また、以上の実施例では、CDMA方式を
用いて無線通信を行う基地局装置に本発明を適用した場
合を示したが、本発明は、例えば広帯域符号分割多元接
続(W(Wideband)−CDMA)方式を用いて移動局装
置との間で無線通信を行う基地局装置に適用するのに好
適なものである。
【0147】具体的には、次世代の移動通信方式である
W−CDMAでは、世界標準規格により、アダプティブ
アレイアンテナの適用が仕様にオプションとして盛り込
まれており、オペレータの判断によってアダプティブア
レイアンテナを適用することが可能となっている。そこ
で、本発明をW−CDMAの基地局装置に適用すること
により、上述したようにAAA機能の動作状態の正常性
を確認することが可能となり、結果として、基地局装置
の単価もしくは管理費を低減してインフラ設備費を低減
することなどが可能なセルラー電話網を構築することが
できる。
【0148】以上のように、本例のCDMA基地局装置
では、好ましい態様として、W−CDMAシステムに適
用した場合において、インフラ整備費を安価にすること
などができ、これにより、例えば当該システムのユーザ
(例えば、移動局装置である携帯電話機などの利用者)
が分担して負担するインフラ設備費が軽減されて、多く
のユーザの負担を軽減することなどができる。
【0149】ここで、本発明に係る通信機や通信機指向
性実現精度監視装置の構成や本発明に係る通信機指向性
実現精度監視方法の態様としては、必ずしも以上に示し
たものに限られず、種々な構成や態様が用いられてもよ
い。また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に
示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用す
ることが可能なものである。例えば、以上の実施例では
本発明をCDMA用基地局装置に適用した場合を示した
が、本発明は他の装置に適用することも可能であり、ま
た、携帯電話システムや簡易型携帯電話システム(PH
S:Personal Handy phone System)などの種々なシス
テムに適用することも可能である。
【0150】また、本発明に係る通信機や通信機指向性
実現精度監視装置や通信機指向性実現精度監視方法にお
いて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサや
メモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサ
がROM(Read Only Memory)に格納された制御プログ
ラムを実行することにより制御される構成が用いられて
もよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能
手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよ
い。また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフ
ロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)
−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒
体や当該プログラム(自体)として把握することもで
き、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに
入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に
係る処理を遂行させることができる。
【0151】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る通信
機などによると、例えば、複数の通信アンテナの全体と
しての指向性を制御してこれら複数の通信アンテナを用
いて信号を無線により通信する構成において、複数の通
信アンテナとは別体で設けられたモニタアンテナにより
複数の通信アンテナ全体として所定の指向性が実現され
るように制御されてこれら複数の通信アンテナから無線
により送信される信号を受信し、モニタアンテナにより
受信される信号に基づいて複数の通信アンテナ全体とし
ての指向性に関する情報を取得し、取得される指向性情
報と前記所定の指向性が実現された場合に取得されると
予想される指向性情報との差異に基づいて複数の通信ア
ンテナ全体としての指向性の実現精度を監視するように
したため、例えばアダプティブアレイアンテナの送信指
向性の高信頼度を保証することを実現することが可能と
なり、運用上のコストを低減させることや専門的な知識
の無い者により監視を行うことなどが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係るAAAモニタ機能
を備えたCDMA用基地局装置の一例を示す図である。
【図2】 ユーザ別AAA信号処理部に備えられたAA
A信号処理部の構成例を示す図である。
【図3】 指向性パターンとモニタアンテナとの関係の
一例を示す図である。
【図4】 本発明の第2実施例に係るAAAモニタ機能
により取得した情報を外部のメンテナンスツールへ出力
する機能を備えたCDMA用基地局装置の一例を示す図
である。
【図5】 本発明の第3実施例に係るAAAモニタ機能
により取得した情報をBTSへ帰還する機能を備えたC
DMA用基地局装置の一例を示す図である。
【図6】 本発明の第4実施例に係るテスト用信号を用
いたAAAモニタ機能を備えたCDMA用基地局装置の
一例を示す図である。
【図7】 送受信用アンテナとモニタ用アンテナとの物
理的な距離により発生する位相変動を算出する一例を説
明するための図である。
【図8】 アレイ応答ベクトルの求め方の一例を説明す
るための図である。
【図9】 従来例に係るアダプティブアレイアンテナを
搭載したCDMA用基地局装置の一例を示す図である。
【図10】 計算により求めたアンテナ指向性の一例を
示す図である。
【図11】 キャリブレーションの誤差により生じる指
向性パターンの変化の一例を示す図である。
【符号の説明】
A1〜A4・・送受信用アンテナ、 W1〜W4・・送
受信用無線部、D、D1・・ユーザ別AAA信号処理
部、1、21、31、41・・モニタ用アンテナ、2、
22、32、42・・モニタ用無線部、3、23、3
3、43・・モニタ用ベースバンド信号処理部、J1〜
JN、H1a〜H4a、H1b〜H4b・・複素乗算
器、11、12、K1〜K4・・加算器、 13・・ウ
エイト計算器、P0、P1・・移動局装置、 24・・
メンテナンスツールインタフェース部、T・・テスト用
チャネル生成部、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 7/26 D Fターム(参考) 5J021 AA05 AA06 AA13 CA06 DB01 EA04 FA14 FA15 FA16 FA17 FA20 FA32 GA02 GA08 HA05 HA10 JA10 5K059 CC02 CC04 DD02 DD07 DD10 5K067 CC10 CC24 EE02 EE10 EE22 GG01 GG11 KK02 KK03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の通信アンテナの全体としての指向
    性を制御してこれら複数の通信アンテナを用いて信号を
    無線により通信する通信機において、 複数の通信アンテナとは別体で設けられて、複数の通信
    アンテナ全体として所定の指向性が実現されるように制
    御されてこれら複数の通信アンテナから無線により送信
    される信号を受信するモニタアンテナと、 モニタアンテナにより受信される信号に基づいて複数の
    通信アンテナ全体としての指向性に関する情報を取得す
    る指向性情報取得手段と、 指向性情報取得手段により取得される指向性情報を、当
    該指向性情報と前記所定の指向性が実現された場合に指
    向性情報取得手段により取得されると予想される指向性
    情報との差異に基づいて複数の通信アンテナ全体として
    の指向性の実現精度を監視する外部の指向性実現精度監
    視手段に対して出力する指向性情報出力手段と、 を備えたことを特徴とする通信機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の通信機において、 複数の通信アンテナを用いて無線により通信される信号
    をベースバンド処理する機能及び指向性実現精度監視手
    段を備えて当該通信機を監視する外部の監視装置との間
    で通信する機能を有したベースバンド信号処理部を備
    え、 指向性情報取得手段は、取得した指向性情報をベースバ
    ンド信号処理部に対して出力し、 指向性情報出力手段は、ベースバンド信号処理部に備え
    られて、当該ベースバンド信号処理部から外部の監視装
    置に対して指向性情報を出力する、 ことを特徴とする通信機。
  3. 【請求項3】 複数の通信アンテナの全体としての指向
    性を制御してこれら複数の通信アンテナを用いて信号を
    無線により通信する通信機において、 複数の通信アンテナとは別体で設けられて、複数の通信
    アンテナ全体として所定の指向性が実現されるように制
    御されてこれら複数の通信アンテナから無線により送信
    される信号を受信するモニタアンテナと、 モニタアンテナにより受信される信号に基づいて複数の
    通信アンテナ全体としての指向性に関する情報を取得す
    る指向性情報取得手段と、 指向性情報取得手段により取得される指向性情報と前記
    所定の指向性が実現された場合に指向性情報取得手段に
    より取得されると予想される指向性情報との差異に基づ
    いて複数の通信アンテナ全体としての指向性の実現精度
    を監視する指向性実現精度監視手段と、 を備えたことを特徴とする通信機。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載の通信機において、 複数のモニタアンテナをそれぞれ異なる位置に配置して
    備え、 指向性情報取得手段は、各モニタアンテナにより受信さ
    れる信号に基づいて各モニタアンテナ毎に複数の通信ア
    ンテナ全体としての指向性に関する情報を取得し、 指向性実現精度監視手段は、指向性情報取得手段により
    取得される各モニタアンテナ毎の指向性情報と前記所定
    の指向性が実現された場合に指向性情報取得手段により
    取得されると予想される各モニタアンテナ毎の指向性情
    報との差異に基づいて複数の通信アンテナ全体としての
    指向性の実現精度を監視する、 ことを特徴とする通信機。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の通信機において、 モニタアンテナにより受信される信号を減衰させて指向
    性情報取得手段へ出力する受信信号減衰手段を備え、 モニタアンテナは、複数の通信アンテナから無線により
    送信される通信信号を受信し、 指向性情報取得手段は、受信信号減衰手段により減衰さ
    せられた通信信号に基づいて複数の通信アンテナ全体と
    しての指向性に関する情報を取得する、 ことを特徴とする通信機。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の通信機において、 モニタアンテナに対する複数の通信アンテナ全体として
    の指向性の影響が所定の指向性の方向角度を総じて36
    0度回転させたものとなるようにこれら複数の通信アン
    テナから複数の異なる試験信号を無線により送信する試
    験信号無線送信手段を備え、 モニタアンテナは、試験信号無線送信手段により複数の
    通信アンテナから無線により送信される試験信号を受信
    し、 指向性情報取得手段は、モニタアンテナにより受信され
    る試験信号に基づいて複数の通信アンテナ全体としての
    指向性に関する情報を取得する、 ことを特徴とする通信機。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の通信機において、 複数の通信アンテナに近接した位置にモニタアンテナを
    配置して備え、 試験信号無線送信手段は、複数の通信アンテナから無線
    により送信される通信信号の送信電力と比べて小さい送
    信電力であってモニタアンテナにより受信可能な送信電
    力で試験信号を無線により送信する、 ことを特徴とする通信機。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に
    記載の通信機において、 複数の通信アンテナを用いて信号を無線により通信する
    無線通信系の特性の誤差を較正するためのキャリブレー
    ション系を備え、 当該キャリブレーション系を構成する処理部とモニタア
    ンテナを用いて指向性の実現精度を監視するためのモニ
    タ系を構成する処理部との一部又は全部を共通化した、 ことを特徴とする通信機。
  9. 【請求項9】 複数の通信アンテナの全体としての指向
    性を制御してこれら複数の通信アンテナを用いて信号を
    無線により通信する通信機における当該指向性の実現精
    度を監視する通信機指向性実現精度監視装置であって、 通信機に備えられた複数の通信アンテナ全体として所定
    の指向性が実現されるように制御されてこれら複数の通
    信アンテナから無線により送信される信号を受信するモ
    ニタアンテナと、 モニタアンテナにより受信される信号に基づいて通信機
    に備えられた複数の通信アンテナ全体としての指向性に
    関する情報を取得する指向性情報取得手段と、 指向性情報取得手段により取得される指向性情報と前記
    所定の指向性が実現された場合に指向性情報取得手段に
    より取得されると予想される指向性情報との差異に基づ
    いて通信機に備えられた複数の通信アンテナ全体として
    の指向性の実現精度を監視する指向性実現精度監視手段
    と、 を備えたことを特徴とする通信機指向性実現精度監視装
    置。
  10. 【請求項10】 複数の通信アンテナの全体としての指
    向性を制御してこれら複数の通信アンテナを用いて信号
    を無線により通信する通信機における当該指向性の実現
    精度を監視する通信機指向性実現精度監視方法であっ
    て、 通信機に備えられた複数の通信アンテナとは別体で設け
    られたモニタアンテナによりこれら複数の通信アンテナ
    全体として所定の指向性が実現されるように制御されて
    これら複数の通信アンテナから無線により送信される信
    号を受信し、モニタアンテナにより受信される信号に基
    づいて通信機に備えられた複数の通信アンテナ全体とし
    ての指向性に関する情報を取得し、取得される指向性情
    報と前記所定の指向性が実現された場合に取得されると
    予想される指向性情報との差異に基づいて通信機に備え
    られた複数の通信アンテナ全体としての指向性の実現精
    度を監視する、 ことを特徴とする通信機指向性実現精度監視方法。
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