JP2003030649A - 画像処理方法および装置 - Google Patents
画像処理方法および装置Info
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Abstract
リアルタイムで検出することができる画像処理方法およ
び装置を提供すること。 【解決手段】 対象物を含む撮影画像から対象物を検出
する画像処理方法であって、モルフォロジーのずらし重
ね処理によって撮影画像の濃淡を強調するステップと、
強調した撮影画像から特定の対象物が存在するエリアを
切り出すステップと、切り出したエリアの対象物につい
て予め定めた処理を行うステップとを備えることを特徴
とする。
Description
画像から対象物を検出する画像処理方法および装置に係
り、特に航空写真や衛星写真などのリモートセンシング
画像から例えば道路上の車両数を自動的に観測するのに
好適な画像処理方法および装置に関するものである。
る交通量観測システムとして、道路に沿ってテレビカメ
ラ、ループ式検知器、超音波式検知器、光学式検知器な
どのセンサを設置し、道路上を走行する車両を検出し、
そのセンサ出力信号を観測センタに伝送し、そこで人手
または自動的に車両数を計測するものが知られている。
来の交通量観測システムにあっては、次のような問題が
ある。 (1)道路沿いに設置するテレビカメラなどのセンサの
数には限界があるため、広範囲にわたる道路における交
通量を計測することができず、広範囲にわたる交通量を
適切に制御することができない。 (2)計測精度を上げようとすると、センサ、通信設備
の数が増大した大規模システムとなり、その構築・維持
に膨大なコストがかかる。 (3)収集する情報が大量であるため、リアルタイム性
に劣る。
物を安価なコストでリアルタイムで検出することができ
る画像処理方法および装置を提供することにある。
に、本発明の画像処理方法は、対象物を含む撮影画像か
ら対象物を検出する画像処理方法であって、モルフォロ
ジーのずらし重ね処理によって撮影画像の濃淡を強調す
るステップと、強調した撮影画像から特定の対象物が存
在するエリアを切り出すステップと、切り出したエリア
の対象物について予め定めた処理を行うステップとを備
えることを特徴とする。また、切り出したエリアの対象
物について対象物の数を計数する処理を行うステップを
さらに備えることを特徴とする。また、前記撮影画像
は、背景画像中での対象物の面積が微細な衛星撮影画像
または空撮画像であることを特徴とする。
む撮影画像から対象物を検出する画像処理装置であっ
て、モルフォロジーのずらし重ね処理によって撮影画像
の濃淡を強調する手段と、強調した撮影画像から特定の
対象物が存在するエリアを切り出す手段と、切り出した
エリアの対象物について予め定めた処理を行う手段とを
備えることを特徴とする。また、切り出したエリアの対
象物について対象物の数を計数する手段をさらに備える
ことを特徴とする。また、前記撮影画像は、背景画像中
での対象物の面積が微細な衛星撮影画像または空撮画像
であることを特徴とする。
用した交通量観測装置の実施形態を示すハードウェアの
ブロック図である。この実施形態の交通量観測装置は、
キーボード101、処理装置102、記憶装置106、
ディスプレイ109から構成されている。キーボード1
01はコマンド名やそのパラメータの入力を行うもので
あり、処理装置102は交通量観測装置の各種入力コマ
ンドに対する処理を行うものである。より詳細には、モ
ルフォロジーのずらし重ね処理によりリモートセンシン
グ画像中の自動車像の濃淡を強調する対象像の強調処理
103と、リモートセンシング画像と地図情報を結合し
て背景エリアである道路エリアを切り出す背景エリアの
切り出し処理104と道路エリア上の自動車の台数をカ
ウントする対象物のカウント処理105を備えている。
記憶装置106には、処理装置102への入力となるリ
モートセンシング画像107と地図情報108のデータ
を蓄えている。ディスプレイ109はキーボード101
が入力した文字列や処理装置102がコマンドの処理し
た結果などの表示を行う。
などのリモートセンシング画像の利用して、道路上の自
動車のカウントを自動化することである。リモートセン
シング画像を利用する理由は、第1に、1組のリモート
センシング画像の視野は数十km四方の大きさを持つの
で、広範囲の対象を同時に観測することが可能である。
第2に、リモートセンシング画像を用いる交通量観測装
置は、主に画像データ受信施設とコンピュータで構成さ
れ、従来のセンサを用いるシステムに比較してはるかに
小規模のもので済む。第3に、リモートセンシング画像
の容量はせいぜい数十メガバイトであり、現在のコンピ
ュータで高速に処理できる。
いた交通量観測装置における処理は、次の3つのステッ
プから構成されている。 (1)モルフォロジーのずらし重ね処理による自動車像
の濃淡の強調 (2)リモートセンシング画像と地図情報との結合によ
る道路エリアの切り出し (3)道路エリア上の自動車のカウント ここで、リモートセンシング画像の解像度は最も高精度
のもので数10cmのオーダであり、一方、自動車は通
常数メートルの大きさである。したがって、多くの場
合、リモートセンシング画像の解像度は自動車を認識す
るのに臨界的な解像度である。
ング画像から微細な自動車像を抽出し易いように、前も
って自動車像の濃淡を強調する画像処理を行う。濃淡画
像を強調する前処理としてコントラストの強調と鮮鋭化
が知られている。コントラストの強調は、まず、濃度ヒ
ストグラムを生成し、その情報に基づいて濃度の線形変
換や濃度ヒストグラムを平坦化する濃度変換を行う。ま
た、濃淡画像の鮮鋭化は濃淡画像の高い空間周波数成分
を高域強調フィルタによって強調する。これらの濃淡画
像強調法は共通して強調する対象が十分な大きさを持つ
という条件を前提としている。しかし、リモートセンシ
ング画像の自動車像は数画素程度の微細な大きさのこと
があり、この前提条件を満たさない。したがって、リモ
ートセンシング画像の自動車像を対象とした場合、これ
らの手法は効果的ではない。
ジー(mathematical morphology)の基本演算の1つで
ある「ずらし重ね」(dilation)を用いる。この濃淡画像
強調法には対象の大きさに対する前述のような前提条件
がないという利点がある。モルフォロジーは与えられた
2値画像または濃淡画像からの特徴抽出を目的とし、集
合論的操作からなる対象画像の変形手法の一貫した理論
体系である。モルフォロジーの一般的な知見は次の文献
1,2で得られる。 文献1:「間瀬茂、上田修功:モルフォロジーと画像解
析(I), 信学誌Vol.74, No.2, pp.166-174(1991)」 文献2:「上田修功、間瀬茂:モルフォロジーと画像解
析(II・完), 信学誌Vol.74, No.3, pp.271-279(199
1)」
重ねは次のように定義される。濃淡画像f : F → E と
濃淡画像k : K → E とする。ここで、FとKは2次元空
間の集合であり、Eは濃度を意味するユークリッド空間
を示す。濃淡画像fと濃淡画像kのずらし重ねf ○ kはf
(x −z)とk(z)の和の集合の最大値である。より正確に
数式で表すと、 (f ○ k)(x) = max[f(x − z) + k(z)|z ∈ K, (x −
z) ∈ F] である。zは最大値演算子に対する変数である。明らか
に、ずらし重ねはコンボリューションと同じ計算量を必
要としている。ただし、コンボリューションは積につい
ての総和の計算をするのに対して、ずらし重ねは和につ
いての最大値の計算をする。
設定し、濃淡画像kを固定しているものと見なすことが
多い。この時、濃淡画像fからずらし重ねf ○ k への写
像は濃淡画像kをパラメータとした濃淡画像fのフィルタ
と考えられる。濃淡画像kは構成要素(structuring ele
ment)と呼ばれ、この濃淡画像kを変えることにより様
々な種類の変換を得ることができる。
円板であり、その上で構成要素kが一定の値0を取る場
合を考える。この場合、 (f ○ k)(x) =max[f(x − z)|z ∈ K, (x − z) ∈ F] となり、ずらし重ね(f ○ k)(x)は点xを中心とし、半径
rの円板の領域についての濃淡画像fの最大値を値とす
る。もし、濃淡画像fが図2に示すようなある点pで鋭い
ピークを持つならば、ずらし重ね(f ○ k)(x)は、点xと
点pとの間の距離がrより短かい時、このピークの値を取
る。言い換えると、ずらし重ね(f ○ k)(x)は、図2に
太実線で示すように点pを中心とし、半径rの円板上で大
きな値を取る。したがって、このフィルタは小さな明る
い領域を半径rの円板の明るい領域に拡大する変換であ
る。より一般的に、ずらし重ねは任意の形状の明るい領
域の入力に対して、その明るい領域を距離rだけ膨張さ
せてできる明るい領域を出力する変換であることにな
る。さらに、構成要素kの値が非負値(0以上の値)で
ある場合のずらし重ねも明らかに同様の性質を持つこと
が分かる。
用できる。リモートセンシング画像の多くの場合、背景
である道路の明るさに対して、道路上の自動車像の明る
さは比較的明るい。その上、自動車像は直接処理するに
は困難なほど微細な粒状の形状を持つ。すなわち、自動
車像はリモートセンシング画像の中の鋭いピークである
と考えられる。したがって、前に述べた構成要素を使っ
たずらし重ねを作用させれば、自動車像は強調され、自
動車像の抽出など後続の画像処理に向いた適度の大きさ
を持った形状になる。
の基本演算の1つである「ずらし重ね処理」を活用し、背
景に対して微細な画像を強調(濃淡の鮮鋭化と形状の膨
張)を活用し、道路上の自動車の数をカウントするもの
である。
動車像の強調の詳細、すなわち、モルフォロジーのずら
し重ねg(x1, x2) = (f ○ k)(x1, x2)を計算するアルゴ
リズムを示したフローチャートである。このフローチャ
ートで扱う入力濃淡画像f(x1, x2)の定義域は0 ≦ x1 <
Max1,0 ≦ x2 < Max2である。また、構成要素k(x1, x
2)の定義域は原点を中心とした半径rの円板であり、そ
の値は0とする。アルゴリズムはステップ301からス
テップ303のx1に関するループとステップ304から
ステップ306のx2に関するループを含む。これらのル
ープはずらし重ねg(x1, x2)の定義域である長方形を走
査する。
“0”に設定する。ステップ308からステップ310
のz1に関するループとステップ311からステップ31
3のz2に関するループがある。これらのループは構成要
素kの定義域である円板を囲む、一辺の長さが2rである
正方形を走査する。z1とz2は最大値演算子に対する変数
を表すものである。次にステップ314で点(z1, z2)が
構成要素kの定義域である円板の内部にあるか判定す
る。円板の内部にある場合は、ステップ315でg(x1,
x2)がf(x1−z1, x2 − z2)より小さいか判定する。小さ
い場合は、ステップ316でg(x1, x2)の値をf(x1 − z
1, x2 − z2)に置き換える。ステップ314あるいはス
テップ315で判定が否であるならば、なにもせずにル
ープに戻る。結局、z1のループとz2のループを回ること
により、g(x1, x2)はf(x1 − z1, x2 − z2)の最大値と
なる。
を“1”、それ以外での値を“0”とした2値画像であ
る。図1の背景エリアの切り出し処理104における道
路エリアの切り出しでは、リモートセンシング画像とこ
の2値画像(地図情報108)を突合せ、2値画像の値
が“1”である位置の濃度値をその位置のリモートセン
シング画像の濃度値とし、2値画像の値が“0”である
位置の濃度値を“0”とする濃淡画像を生成する。これ
により、道路エリアのみが“1”となった濃淡画像が得
られる。
る道路エリア上の自動車のカウントはしきい値処理とラ
ベル付けに分けられる。しきい値処理は、濃淡画像の各
点の濃度値を、適当な基準値に対する大小関係に基づい
て“0”と“1”に分けることによって濃淡画像を2値
画像に変える処理である。一般的に、自動車像は道路に
比べて明るいので、自動車像の濃度値と道路の濃度値の
間の適当な中間値をしきい値に選択したしきい値処理に
より、道路エリアを切り出した濃淡画像から自動車像を
“1”とし、道路を“0”とする2値画像を生成するこ
とができる。なお、しきい値の決定法には、p-タイル
法、モード法、判別分析法、濃度値特性法などが知られ
ている。その詳細は下記の文献3に記載されている。 文献3:「鳥脇純一郎:画像理解のためのディジタル画
像処理[I]、昭晃堂(平成1年)」 2値画像のラベル画像とは、2値画像の連結成分に対応
する画素で、連結成分のラベルを表す正整数を値とし、
連結成分以外の画素では“0”を値とする画像である。
4を持つ2値画像の例である。図4(b)はその2値画像
のラベル画像である。このラベル画像中では4つの連結
成分401〜404が“1”から“4”の整数で番号付
けされている。なお、画素同士が上下または左右に隣り
合っている場合を2つの画素は互いに4隣接するとい
う。同じ値を持つ2個の画素aとbに対して、これらと同
じ値を持つ画素の系列が存在して、この系列の中ですべ
ての隣あう画素の組が4隣接するとき、画素aとbは連結
しているという。各連結成分は、画素間の連結という同
値関係で定まる画素の同値類である。ラベル付けは2値
画像からラベル画像を求める処理である。これには、例
えば、すべての値が“1”である画素に初期ラベルを与
えた後、それに隣接した値“1”の画素へ順に伝播させ
る並列型アルゴリズムがある。ラベル付けのアルゴリズ
ムの詳細については次の文献4に記載されている。 文献4:「鳥脇純一郎:画像理解のためのディジタル画
像処理[II]、昭晃堂(平成3年)」 前述の2値画像で各自動車像は1つの連結成分であるの
で、ラベル付けのアルゴリズムによって自動車の台数を
カウントすることができる。
トセンシング画像中から道路上の自動車像を抽出した例
を説明する。図5(a)は入力のリモートセンシング画像
107の例を示す図である。リモートセンシング画像1
07の大きさは約300×300画素であり、その濃度
値は“0”から“255”の範囲の値をとる。図5に例
示するリモートセンシング画像107にはほぼ中央部の
上下方向の道路と左右方向の道路があり、右下部で交差
している。これらの道路上および道路に沿った駐車場に
多数の自動車がある。自動車はリモートセンシング画像
107中で約1画素の大きさであり、これは認識できる
限界の大きさである。ここで明らかに自動車像の強調の
前処理が必要である。
像に対し、ずらし重ね処理を適用した結果、生成された
濃淡画像である。主に人工物から成る明るい領域が膨張
していることが認められる。特に道路上や駐車場にある
大多数の自動車が強調されている。このため、自動車像
の抽出が可能となる。
部の上下方向の注目領域501の道路エリアを切り出し
て生成された濃淡画像を示す模式図である。濃度が暗い
道路エリアの濃度値は例えば約160以下、自動車像の
領域の濃度値は例えば約200以上であり、それぞれの
領域は視覚的に区別可能になっている。
画像にしきい値処理をほどこして生成された白黒の2値
画像である。しきい値処理の結果、背景や対象が明確に
なり、道路エリア上の自動車像が鮮明化される。図6
(b)の2値画像に対してラベル付け処理によって図6
(c)に示すようなラベル画像を生成する。そして、こ
のラベル画像において、連結成分をカウント処理105
でカウントすることにより、道路上の自動車の台数を容
易に検出することができる。
シング画像を利用することにより、広範囲にわたる道路
上の対象物を容易に、しかもセンサなどの膨大な地上設
備を配置することなく、リアルタイムで検出することが
できる。なお、上記実施形態においては、道路上の自動
車の数を検出する場合を例に挙げて説明したが、リモー
トセンシング画像または空撮画像によって、海上に浮か
ぶ船舶や構造物など、背景画像に対して微細な形状に写
る対象物を検出する場合の全てに適用することができ
る。
によれば、道路上の車両などの対象物を安価なコストで
リアルタイムで検出することができる。
置の実施の形態を示すハードウェアのブロック図であ
る。
明図である。
ャートである。
ある。
である。
の画像を示す説明図である。
物の強調処理、104…背景エリアの切り出し処理、1
05…対象物のカウント処理、106…記憶装置、10
7…リモートセンシング画像、108…地図情報。
Claims (6)
- 【請求項1】 対象物を含む撮影画像から対象物を検出
する画像処理方法であって、 モルフォロジーのずらし重ね処理によって撮影画像の濃
淡を強調するステップと、 強調した撮影画像から特定の対象物が存在するエリアを
切り出すステップと、 切り出したエリアの対象物について予め定めた処理を行
うステップとを備えることを特徴とする画像処理方法。 - 【請求項2】 切り出したエリアの対象物について対象
物の数を計数する処理を行うステップをさらに備えるこ
とを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。 - 【請求項3】 前記撮影画像は、背景画像中での対象物
の面積が微細な衛星撮影画像または空撮画像であること
を特徴とする請求項1または2に記載の画像処理方法。 - 【請求項4】 対象物を含む撮影画像から対象物を検出
する画像処理装置であって、 モルフォロジーのずらし重ね処理によって撮影画像の濃
淡を強調する手段と、 強調した撮影画像から特定の対象物が存在するエリアを
切り出す手段と、 切り出したエリアの対象物について予め定めた処理を行
う手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。 - 【請求項5】 切り出したエリアの対象物について対象
物の数を計数する手段をさらに備えることを特徴とする
請求項4に記載の画像処理装置。 - 【請求項6】 前記撮影画像は、背景画像中での対象物
の面積が微細な衛星撮影画像または空撮画像であること
を特徴とする請求項4または5に記載の画像処理装置。
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