JP2003030173A - 実行装置システム - Google Patents
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- G05B—CONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
- G05B13/00—Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion
- G05B13/02—Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric
- G05B13/0205—Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric not using a model or a simulator of the controlled system
- G05B13/026—Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric not using a model or a simulator of the controlled system using a predictor
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 割当てを階層的に分解することにより複数の
実行装置に対して解を割当てる方法及び装置を提供す
る。 【解決手段】 割当て解を供給するアロケータと、割当
て解を受信し、修正された割当て解を生成する解修正装
置と、少なくとも1つの動作制約を有し、修正された割
当て解と少なくとも1つの動作制約とに基づき動作を行
う部材とを有する。解修正装置は、前記部材の動作のた
めの割当て解を変更して前記少なくとも1つの動作制約
に対する誤差を低減するとともに他の動作制約の割当て
状況を維持することにより、修正された割当て解を生成
する
実行装置に対して解を割当てる方法及び装置を提供す
る。 【解決手段】 割当て解を供給するアロケータと、割当
て解を受信し、修正された割当て解を生成する解修正装
置と、少なくとも1つの動作制約を有し、修正された割
当て解と少なくとも1つの動作制約とに基づき動作を行
う部材とを有する。解修正装置は、前記部材の動作のた
めの割当て解を変更して前記少なくとも1つの動作制約
に対する誤差を低減するとともに他の動作制約の割当て
状況を維持することにより、修正された割当て解を生成
する
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、実行装置群に対す
る割当て解(allocation solution)を修正する装置及
び方法に関する。 【0002】 【従来の技術】全数探索(exhaustive search)技術に
よる作動(アクチュエーション)の割当ては、作動装置
(アクチュエータ)が少数の場合のみ機能する。これ
は、コンピュータの負担が、作動装置の数及び状態とと
もに指数関数的に増大するためである。混合整数非線形
計画及び標準最適化技術による作動装置の割当てにも問
題点がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、割当てを階
層的に分解することにより複数の実行装置に対して解を
割当てる方法及び装置を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、割当て解を供給するアロケータと、割当
て解を受信し、修正された割当て解を生成する解修正装
置と、少なくとも1つの動作制約を有し、修正された割
当て解と少なくとも1つの動作制約とに基づき動作を行
う部材とを有し、前記解修正装置は、前記部材の動作の
ための割当て解を変更して前記少なくとも1つの動作制
約に対する誤差を低減するとともに他の動作制約の割当
て状況を維持することにより、修正された割当て解を生
成することを特徴とする。本発明においては、連続する
高レベル解を使用して、1つの問題を、最適な方法で解
決可能なより小さい問題に分解する。 【0005】 【発明の実施の形態】実行装置を含む多数要素システム
は多種あり、ここでは、システム全体の総合目標(over
all goal)が所望される。しかしながら、上記の問題の
ため、実行装置に命令を割当てこの総合目標を達成する
ことは難しい。本発明では、この総合目標を、実行装置
のグループ、すなわちサブ領域または実行モジュール、
ならびに個別実行装置に割当てる。よって、本発明によ
れば、実行装置のアレイはサブ領域に分割され、このサ
ブ領域に所望の目標が与えられる。さらに、本発明によ
れば、サブ領域をさらなるサブ領域に分割することがで
き、最終サブ領域に含まれる実行装置の数が、局所的な
最適探索を実行するのに十分な少数になるまでこの処理
を継続できる。サブ領域はある特定実行装置に対して正
確に整列する必要はなく、むしろこれらのサブ領域によ
り実行装置の任意のグループ分けを表すことができる。
さらに、実行装置の位置または配置は、総合目標の分解
のために知られている必要はなく、下位サブ領域の詳細
を上位サブ領域から隠すこともできる。 【0006】図1は、本発明による配分された作動の割
当てを有する多数要素システム100の例示的な1実施
形態を示す概略図である。システム100は、任意数の
異なるタイプのアプリケーションで使用される任意のタ
イプのシステムでよい。例えば、エアジェット(空気噴
射)式用紙搬送システム、ロボットシステムなどでもよ
いが、これらの例に限定されない。システム100は、
システムアロケータ(割当て装置)110、複数の実行
装置120、入力装置130、制御装置135及び少な
くとも1つのセンサ140を含む。 【0007】複数の実行装置120は、個別実行装置1
50を含む。実行装置150は、アロケータに制御され
て、所望の結果すなわち作用(action)を生成すべく動
作する。装置150の例は、作動装置及びエアジェット
(空気噴射装置)である。 【0008】入力装置130は通信リンク132を介し
て制御装置135と通信し、制御装置135に総合目的
(overall objective)を供給する。入力装置130
は、コンピュータでも、ソフトウェアプログラムでも、
ジョイスティックでも、マウスでも、あるいはコンピュ
ータに読取られるグラフィックの入力ソースでもよい。
ただし、ここで、システム100の目的がグラフィック
入力ソースの出力に関連している。さらに、入力ソース
130は、システム100のより高レベルの制御要素、
例えば、用紙の移動目標(望ましい軌跡)を用紙処理部
(システム100の一例)に送るプリントシステムのジ
ョブスケジューラでもよい。 【0009】センサ140は、通信リンク142を介し
て制御装置135と通信する。センサ140は、実行装
置150の現在の作動状況を監視し、その状況をリンク
142を介して制御装置135に供給する。 【0010】制御装置135は、入力ソース130から
総合目的を受信して、この総合目的に基づきシステム目
標を算出する。例示的な実施形態においては、制御装置
135はセンサ140から現在状況情報を受信し、総合
目的と現在状況とに基づき、命令を算出する。制御装置
135は、比例微分制御装置(proportional derivativ
e controller)でもよい。 【0011】システム目標とは、力の割当て、命令、ま
たは実行装置150が達成する目標であり、連続する値
でも、離散した値でもよい。 【0012】アロケータ110は、制御装置135から
の命令を受信し、割当てアルゴリズムを実行して、総合
目的を達成するためにどの実行装置を作動すべきかを決
定する。アロケータ110は、通信リンク112を介し
て実行装置120と通信する。 【0013】実行装置120を複数のグループに分割し
てもよく、これらのグループを、アロケータ110によ
る局所最適割当て探索の実行が可能な十分小さいグルー
プにまでさらに分割できる。 【0014】実行装置は、複数の実行装置モジュール1
70及び180に分割される。実行装置モジュール17
0に、個別実行装置150を含むことができる。実行装
置モジュール180は、少なくとも1つの他の実行装置
モジュール170を、サブモジュールとして含んでもよ
い。1つ以上の実行装置モジュール170に同一の個別
実行装置150を含んでもよいし、1つ以上の実行装置
モジュール180に同一の実行装置モジュール170を
含んでもよい。 【0015】アロケータ110は、総合目的を、総合目
的の割当ての解に対する制約となる、各モジュール17
0及び180に対する解、モジュール割当て、サブ目
標、サブ目的またはサブ命令によって表すことにより、
割当ててもよい。各モジュール170に対する解は、さ
らに、サブモジュールに対する解に分解でき、この結果
階層的な分解を提供する。このような階層的分解は、サ
ブモジュールに含まれる実行装置が十分に少数で、全数
探索技術などにより割当て解を直ちに実行できるように
なるまでアロケータ110により継続できる。 【0016】アロケータ110は、1つ以上のレベル、
例えば上部レベル116、中間レベル117、及び下部
レベル118(図1)を有する。 【0017】上部レベル116は、モジュールアロケー
タ191を含み、中間レベル117はモジュールアロケ
ータ192及び193を含み、下部レベル118はモジ
ュールアロケータ194,195,196及び197を
含む。レベル116,117,118は階層的に配列さ
れているので、上部レベル116のモジュールアロケー
タ191は中間レベル117のモジュールアロケータ1
92及び193を制御し、中間レベル117のモジュー
ルアロケータ192は下部レベル118のモジュールア
ロケータ194及び195を制御する。中間レベル11
7のモジュールアロケータ193は下部レベル118の
モジュールアロケータ196及び197を制御する。下
部レベル118のモジュールアロケータ194,19
5,196及び197は、実行装置170の各グループ
または個別実行装置150を制御する。 【0018】なお、図1に示す制御装置135及びアロ
ケータ110は、プログラムされた汎用コンピュータと
して実施することもできるし、またはASIC、FPG
A、PEDL、PLA,PALあるいは他のハードウェ
ア回路を用いて実施することもできる。 【0019】リンク112,132,137,142
は、装置間を接続する任意の通信システム、例えば、有
線、無線、ダイレクトケーブル接続、ネットワーク接
続、イントラネット、インターネット、あるいは分散処
理ネットワークによる接続などが可能である。 【0020】図2には、多数実行装置システム100と
してのエアジェット式用紙搬送システム200が示され
ている。システム200は、図1のアロケータ100と
同様に階層的割当てレベルを有する制御装置/アロケー
タ210を含む。 【0021】システム200は、さらに、エアジェット
のアレイ220、入力ソース230及びセンサ240を
含む。 【0022】通信リンク222,232,242がさら
に設けられている。 【0023】バルブ駆動装置224が、リンク222に
沿って設けられ、リンク222を介してアロケータから
受信した命令にもとづき個別エアジェットバルブ250
の開閉を制御する。 【0024】少なくとも1つのセンサ読出し装置242
がリンク242に沿って設けられ、センサ信号をリンク
242を介して制御装置210に供給する。 【0025】物体260、例えば用紙がエアジェット2
50のアレイ上に配置される。エアジェット250は、
物体260を特定の位置に移動する。 【0026】センサ240は、物体260の端部位置を
検出すべく配線されたCMOSイメージセンサバーでも
よい。センサ240は、用紙の端部が常にセンサ240
に対して少なくとも4箇所で交差するような間隔で配置
されている。このようにして、物体260のx位置、y
位置、及び角度位置を決定できる。 【0027】エアジェットのアレイ220は、異なる4
方向(左右及び上下)のいずれかを向き、アレイ220
内に均等に分散した576のエアジェットを含む。エア
ジェットのアレイ220は、36(すなわち6x6)個
の「タイル」/作動装置モジュール270から構成さ
れ、各作動装置モジュール270は16(すなわち4x
4)個のエアジェットを含む。この作動装置モジュール
270をまとめて、より大きい作動装置モジュール28
0を形成することができる。 【0028】個々にコンピュータアドレス可能な静電フ
ラップ弁により、各エアジェット250を通過する空気
流を制御する。エアジェット250から噴射された空気
が用紙をアレイ220の上方に浮上させる。用紙に抗す
る空気の粘性抵抗のため、大部分が用紙上の空気衝突点
を中心とした小さい円形領域に限定された力が用紙に付
与される。1キロパスカル(kPa)の供給圧力に対
し、1ジェットにつき約10-4ニュートン(Nt)の力
が一般的である。デビッドKビーゲルセン、イライアス
パニデス、ラーズEスワーツ、ウォレンBジャクソン、
アンドリューAベルリン共著「噴射空気の斜め衝突によ
り誘発されたせん断応力場の特性」(Biegelsen, David
K; Panides, Elias; Swartz, Lars E; Jackson, Warre
n B; Berlin, Andrew A. Characterization of Shear S
tress Field Induced By ObliquelyImpinging Air Jet
s. MEMS-Vol.1, Microelectromechanical Systems (MEM
S) (ASME 1999), pp. 385-389)参照のこと。 【0029】各エアジェット250の力が線形重ね合わ
せ(linear superposition)として加算される。各エア
ジェット250のバルブは開閉のいずれかであるので、
各エアジェット250は実質的に2値(バイナリ)力作
動装置(force actuator)であり、アレイ全体220は、
分散した2値力作動装置のアレイと見ることができる。
エアジェット250の応答時間は、通常約1〜2ミリ秒
である。 【0030】物体260の状態は、次の6つの値により
示すことができる。すなわち、x位置、y位置、角度位
置、x方向の速度、y方向の速度、及びz軸を中心とし
た角速度である。 【0031】制御装置/アロケータ210は、これら多
数のエアジェット250から、物体260を所望の総合
目的に向けて移動するために必要な力を付与するエアジ
ェットを選択しなければならない。例示的な本実施形態
においては、作動装置は2値エアジェットであり、整数
計画問題(integer programming problem)が発生す
る。制御装置/アロケータ210は、割当て方法を使用
してこれらの問題を解決する。 【0032】物体260がアレイ220を通過して移動
する際に、センサ240から読み出されたデータを使用
し、制御装置/アロケータ210は物体260のx位
置、y位置、角度位置を算出する。また、一定時間にお
けるこの位置情報を使用することにより、物体260の
x及びy方向速度と角速度が算出される。このような物
体260の位置及び速度が物体の状態である。制御装置
/アロケータ210は、物体の状態を算出し、入力ソー
ス230により供給された総合目的に本来基づく、所定
のまたは動的な軌跡により与えられる望ましい状態と、
この物体状態とを比較する。 【0033】制御装置/アロケータ210は複数の割当
てレベルを含み、その各レベルが階層的に配置された少
なくとも1つのモジュールアロケータ(図2には示され
ていない)を有する。この複数のモジュールアロケータ
により、より大きい各モジュール作動装置280および
各モジュール作動装置270に対する望ましいx及びy
方向の力、及びz軸(物体260に対して垂直な軸)を
中心とするトルクが算出される。これらの力が個別エア
ジェット250に割当てられ、個別エアジェット250
全体で物体260に所望の作動力を付与する。 【0034】用紙搬送システムの例が以下の2つの文献
に開示されている。(1)アンドリューベルリン、デビ
ッドKビーゲルセン、パトリックチュー、マーキューズ
フロムハーツ、デビッドゴールドバーグ、ウォレンジャ
クソン、イライアスパニデス、ブライアンプリーズ、ジ
ェームスライク、ラーズスワーツ共著「調整されたエア
ジェットアレイを使用する用紙搬送」(Berlin, Andre
w, Biegelsen, David;Cheung, Patrick; Fromherz, Mar
kus; Glodberg, David; Jackson, Warren; Panides,
Elias; Preas, Bryan; Reich, James; and Swartz, Lar
s E. "Paper Transport Using Modulated Airjet Array
s," IS&T's NIP 15:1999 InternationalConference on
Digital Printing Technologies, Orlando, Florida, O
ctober,1999, pp. 285-288)及び(2)デビッドビーゲ
ルセン、アンドリューベルリン、パトリックチュー、マ
ーキューズフロムハーツ、デビッドゴールドバーグ、ウ
ォレンジャクソン、ブライアンプリーズ、ジェームスラ
イク、ラーズスワーツ共著「エアジェット式用紙移動装
置:中規模MEMSの1例」Biegelsen, David;Berlin,
Andrew; Cheung, Patrick; Fromherz, Markus; Glodbe
rg, David; Jackson, Warren; Elias; Preas, Bryan; R
eich, James; and Swartz, Lars E. “AirJet Paper Mo
ver: An Example of Meso-Scale MEMS, SPIE, Micromac
hined Devices and Components VI, Santa Clara, Cali
fornia Vol.4176, September, 2000, pp.122-129”。 【0035】図3には、エアジェットのアレイ320の
例示的な1実施形態が示されている。アレイ320は、
複数のエアジェット350を含む。アレイ320は、2
次元格子上のN個のジェットの集合体としてモデリング
されている。あるエアジェットi(iは1からN)は、
その位置(xxi,yxi)、力領域(force domains)(d
xi及びdyi)及び力fxi及びfyi(fxi∈dxi,fyi∈
dyi)により表される。 【0036】位置(xiは352として表され、yiは3
54として表される)は、物体360の質量中心362
に対して与えられる。種々の例示的な実施形態において
は、質量中心362は近似されている。しかしながら、
別の例示的実施形態では、質量中心362は制御装置に
提供されているか、システムが質量中心362を知るべ
く較正されている。種々の実施形態では、対象の時間に
おいて物体360の下部に位置する作動装置のみがモデ
リングされる。 【0037】個々のエアジェット350の力領域は、連
続インターバルdi=[fmin,fma x]、またはあるイ
ンクリメント値fincに対する可能な値の離散集合di=
{fm in,fmin+finc, fmin+2finc…,fmax}でもよ
い。例示的な種々の実施形態においては、エアジェット
350は、正と負のいずれかの方向におけるx方向の力
390またはy方向の力395のみを付与できる。種々
の例示的な実施形態においては、エアジェット350
は、エアジェット350を通過する空気流を制御する2
値により、オンまたはオフの切替えのみが可能である。
よって、xの方向性を持つエアジェット(x方向エアジ
ェット:x directional air-jet)に対し、力領域は次
式で示される。 【0038】 【数1】 (1) yの方向性を持つ(y方向:x directional)エアジェ
ットについても同様である。エアジェットが状態を切替
えるための時間は1〜2ミリ秒であるので、これは物体
360の動きに対して無視できる。したがって、ジェッ
トバルブは瞬時に状態を切替えると仮定する。 【0039】エアジェット350をまとめてタイルを形
成してもよい。エアジェットモジュール370はx方向
エアジェットとy方向エアジェットのいずれをも含む可
能性があるので、x力成分372とy力成分374とを
いずれも有する。例えば、n個のx方向エアジェットと
n個のy方向エアジェットとを、正負いずれの方向にも
同数ずつ有するモジュールエアジェット370に対する
最大の力は、いずれの方向においても、fMAX=n/2
fmaxである。よって、このようなモジュールエアジェ
ット370に対する力領域は、次式により表される。 【0040】 【数2】 dxi=dyi={−fMAX,−fMAX+fmax,...,0...,fMAX} (2) 作動装置モジュール370は、境界ボックスの重心また
はその境界内部におけるエアジェット350の平均位置
として与えることのできる位置(xxiは376として表
され、yxiは378として表される)を有する。 【0041】例示的な種々の実施形態においては、エア
ジェットモジュールは、個々の作動装置350ではな
く、作動装置モジュール370のグループを含んでい
る。このようなエアジェットモジュールの例を380と
して示す。エアジェットモジュール380は、x及びy
両方の力成分、位置、及び力領域を有することが可能で
ある点においてエアジェットモジュール370と同様で
ある。 【0042】あるエアジェットモジュール370または
システム全体または作動装置のアレイ320におけるエ
アジェット350がまとまってx方向の力Fx、y方向
の力Fyおよびz方向のトルクTzを物体360に伝え
る。 【0043】種々の例示的な実施形態においては、作動
装置モジュールiは、システムのx方向及びy方向の力
に対し、力fxi及びfyiをそれぞれ追加的に付与する。
さらに、力fxiは、(物体360の質量中心362を中
心とする)zトルクに力−y ifxiを付与し、力fxiは
xifyiを付加する。すなわち、作動装置モジュールi
により伝えられるzトルクは、tzi=xifyi−yifxi
である。種々の例示的な実施形態において、個々のエア
ジェット350についても同じことが言える。ただし、
各エアジェット350は、x方向の力とy方向の力との
いずれかのみを付与する。物体360に作用する全体的
なx方向の力Fx、y方向の力Fy及びzトルクTzが、
次式で示す線形加法モデルに従って決定する。 【0044】 【数3】 (3) 図4には、本発明による、多数作動装置システムに対し
て階層的に力を割当てる方法の例示的な1実施形態が示
される。種々の例示的な実施形態において、この方法
は、多数作動装置システム内の1アロケータにより使用
される。別の様々な実施形態では、この方法は、多数作
動装置システム内の複数のレベルアロケータにより使用
される。 【0045】作動装置の数は制御コマンドの次元数(望
ましい目標)U(ただし、U=(F xFyTz)を大きく
上回るので、作動装置に作動を割当てる方法は数多くあ
る。一般に、付加的な自由度を使用して他の望ましい目
標を達成し、これにより多くの可能な作動装置構成から
最も望ましい割当てを選択するのが望ましい。言い換え
ると、力の割当て問題は、条件付最適化問題として考え
ることができる。この条件付最適化問題では、制約(co
nstraint)とは、作動装置の領域制約(domainconstrai
nts)と、個々の作動装置と付加された総合的な力との
関係との両方である(式(2)及び式(3))。この最
適化問題は、どの作動装置を起動すべきかを決定するた
めに各制御時間ステップにおいて解かれる。作動が離散
的であるため、要求されるアクションを正確に再生する
ことは通常可能ではない。一般的には、離散的最適化問
題は、不可解な程度に難解(NPハード)である。すな
わち作動の割当て計算は、作動装置の数とともに指数関
数的に増大する。一方、多数の作動装置を有する作動装
置のアレイの場合、作動は連続体限界(continuumlimi
t)に近づき、問題の解決が概して容易になる。したが
って、力の割当て方法の望ましい特性は、少数のジェッ
トに対して離散的最適化問題を最適に解き、中間数のジ
ェットに対してほぼ最適な解決を提供し、多数のジェッ
トに対して連続体に近づくことであり、これは本発明に
より達成される。 【0046】作動の最適な割当ては、全数探索、離散的
最適化解決法(discrete optimization solver)、また
は少数の作動装置(例えば、一般的なディジタル信号処
理装置に関して1ミリ秒のループ時間で実行するエアジ
ェットの例では、10個以下)に対して予め算出した解
のルックアップテーブルにより、取得できる。より多数
の作動装置に対しては、連続する解を近似法として使用
し、割当て問題をより小さいサブ問題にほぼ最適な方法
で分解してもよい。そして、各サブ問題を、さらに小さ
いサブ問題に分解してもよい。 【0047】サブ問題への分解には、作動装置をモジュ
ール(作動装置のグループ)に分割し、必要な力を生成
する責任を各モジュールに指定する(assign)ことを含
む。 【0048】図4に示される例示的な方法は、ステップ
S400において開始し、ステップS405に進む。ス
テップS405では、割当てが必要な目標、例えば力が
受信される。システムアロケータとモジュールアロケー
タのいずれかにより制御された特定のレベルが受信され
る。受信された目標は、目標生成装置130により受信
された目標である。あるいは、システムアロケータ11
0の中間レベル117に位置するアロケータ114が、
上部レベル116のアロケータ114から受信した力の
割当てでもよい。 【0049】上部レベルの割当ては、割当て(U,I,
n)として識別される。ここで、Uは作動装置のアレイ
全体に対する総合タスクであり、U=(FxFyTz)Tで
表される。Iは識別子列、すなわち数のリストであり、
システムのレベルを表す。(上部レベルはレベル1であ
り、Iが「1.2」であれば、上部レベル1におけるレ
ベル2のモジュール2を表す)。nは、このレベルにお
けるモジュールまたはジェットの数(上部レベルでは、
nは1)を表す。 【0050】ステップS410において、第1のモジュ
ールを選択する。すなわち、あるレベル内のモジュール
を表す指数であるiを1に設定する。図1に示す例示的
な上部レベル116の場合、アロケータは1つのみ、す
なわちモジュールは1つのみである。しがたって、この
モジュールを選択する。図1に示す例示的な中間レベル
117では、それぞれがアロケータ114に対応する2
つのモジュールがある。図1の例示的な下部レベル11
8の場合は、それぞれがアロケータ114に対応する4
つのモジュールがある。 【0051】続いて、ステップS415において、現在
のモジュールiを分解する。モジュールを分解するに
は、それがシステム全体、すなわち上部レベルに対して
であろうと、サブレベル例えば中間レベルに対してであ
ろうと、分解関数を使用する。種々の例示的な実施形態
においては、分解関数が次式により表される。 【0052】 【数4】[ni,ri,wi]=分解(I,i) 分解処理により、レベルIのモジュールiを選択し、以
下に詳細に説明する割当て関数に対する、作動装置すな
わちサブモジュールの数ni、サブモジュールの位置ri
=(xiyi)、及び重みwiを返還する。この分解関数
により、以下に詳細に説明する、モジュールの階層的分
解の発見的選択を行う。(さらなる)階層的分解を望ま
ない場合、すなわち現在のモジュールをいわゆるサブモ
ジュールまたはサブ領域に分割することを望まない場合
は、例えば図1の下部レベル118内のモジュールにつ
いて行われるように、この関数によりモジュールiをそ
の実際のni個のエアジェットに分解する。複数の作動
装置を作動装置モジュールにまとめるグループ化は予め
定めてもよいし、例えば、負荷平衡(load-balancing)
基準にもとづき動的に算出してもよい。 【0053】複数の作動装置を、種々の方法で作動装置
モジュールにグループ化することができる。種々の例示
的な実施形態においては、複数の作動装置の物理的なレ
イアウトに従い、例えば、センサ間における作動装置の
各クラスタを1モジュールにする。作動装置のアレイの
物理的発見的分解の例示的な1実施形態が図5(すなわ
ち、「タイル」)に示されている。物理的発見方法の効
果は、システムのモジュール構造が、対応する割当てア
ルゴリズムのモジュール構造にも及ぶ点である。種々の
例示的な実施形態においては、約360個の噴射器をカ
バーする8.5x11インチの用紙の場合、物理的発見
方法によって、用紙の下部に位置する領域が約40のモ
ジュールに分解され、各モジュールには最大約16個の
実際のエアジェットが含まれる。用紙によって完全にカ
バーされる1モジュールは16個の実際のエアジェット
を含み、4つのエアジェットずつ各方向を向いている。
離散するバルブ及びfmaxの単一ジェット力を有する場
合でも、このようなモジュールは、fxi及びfyiに対し
てほぼ連続する力領域を提供する。 【0054】 【数5】dxi=dyi={−4fmax,−3fmax,−2f
max,−fmax,0,fmax,2fm ax,3fmax,4
fmax} 別の例示的なグループ化発見的方法は、「制約に従う」
すなわち論理的発見方法である。複数の作動装置の論理
的発見的グループ化の例示的な1実施形態が図6に示さ
れている。例えば、y位置が同じx方向のジェットはす
べて、以下に示し、詳細に説明する式(4)の制約に関
し、互いに交換が可能である。 【0055】y位置が同じx方向ジェットの行と、x位
置が同じy方向ジェットの列とにより、ある行または列
における特に簡単な割当て関数が得られる。例示的な1
実施形態においては、N個のモジュールがNx個の「x
モジュール」とNy個の「yモジュール」とに分割され
るエアジェットの分解が図4に示されている。ここで、
Nx個の「xモジュール」は、各モジュールが、共通の
y位置yiを有するx方向のジェットのみを含み、Ny個
の「yモジュール」は、各モジュールが、共通のx位置
xiを有する、y方向のジェットのみを含む。このよう
な構成を有することにより、重み付け特性(wxiwyi)
は、nxi個のエアジェットを有するxモジュールに対し
ては(nxi0)であり、nyi個のエアジェットを有する
yモジュールに対しては(0nyi)である。 【0056】1レベルにおけるグループ化/分解によ
り、他の下位レベルにおける力の割り当てを極めて簡素
化できる。種々の例示的な実施形態においては、8.5
x11インチの用紙に対し、論理的発見的方法は、用紙
下部の領域を約50のモジュールにグループ化する。各
モジュールは最大約12の個別ジェットを備える。 【0057】再び図4を参照し、ステップS420にお
いて、現在のモジュールに対するサブ目標を決定する。
種々の例示的な実施形態においては、サブ目標は力であ
る。サブ目標すなわち力は、次式により表される。 【0058】 【数6】ui=解答(U,ni,ri,wi,n) 上式において、U=(FxFyTz)Tは現在のレベルにお
ける全モジュールに対する所望する全体の力であり、n
は現在のレベルのおけるモジュールの数であり、それ以
外の入力はすべて分解により決定する値である。出力u
i=(fxifyitz i)T は、モジュールiに対する算出
された割当てである。 【0059】さまざまな例示的な実施形態において、U
は、例えば目標生成装置130により生成された総合的
な力である。別の例示的な実施形態においては、Uは現
在のモジュールのレベルより高いレベルのモジュールか
らの力の割り当て命令である。階層におけるレベルある
いはモジュールにおけるサブモジュール数に従い、ステ
ップS420では、以下に詳細に示して説明する式
(5)及び(6)のインスタンシエーション(instanti
ations)を使用する。 【0060】ステップS425において、現在のモジュ
ールが属するレベルが、作動装置のアレイ全体の最下レ
ベルであるか否かを判断する。現在のモジュールレベル
が最下レベルでない場合、ステップS430に進み、次
の下位レベルのモジュールにサブ目標を割当てる。この
割当ては、割当て(ui,I.i,ni)で表される。一
方、ステップS425において、現在のモジュールのレ
ベルが最下位レベルであると判断された場合、ステップ
S435に進み、サブ目標を個々の作動装置に指定す
る。指定関数(assignment function)は、次式により表
される。 【0061】 【数7】uIi=指定(ui,I.i) 指定関数は、モジュールI.iの作動装置に所望の作動
uIiを指定する。言い換えると、所望の作動ui=(f
xifyitzi)T及び単一の作動装置が与えられると、指
定関数はxジェットに対するfxiおよびyジェットに対
するfyiを選択してもよい。離散的領域の場合には、指
定は、さらにしきい値化関数(thresholding functio
n)をさらに適用し、領域から1要素を選択してもよ
い。例えば、領域{0,fmax}を備えるxジェットの
場合、fxiが0以上の場合には、指定はfmaxを返還し
てもよい。多数のジェットを備えるモジュールの場合、
指定処理は最適な探索を実行してもよい。割当てはモジ
ュールに対して局所的であるので、最適な指定を予め算
出し、力の指定をルックアップ動作に限定することもで
きる。 【0062】多数のモジュール(作動装置群または単一
作動装置から構成される)が与えられた場合、所望の力
Uの最適な割当て及び指定を生成するための以下の方法
が、ステップS430及びS435に対して使用され
る。種々の例示的な実施形態においては、x及びy方向
にエアジェットを備えるN個のモジュールが存在する。
各モジュールは、物体の質量中心に対する位置(xi,
yi)(i=1,...N)に配置されている。すなわ
ち、モジュールは位置(xi,yi)においてその力を付
与する。種々の例示的な実施形態においては、これらの
ジェットは力Uを生成している間、互いに反する作用を
してはならない(すなわち、作動は最小でなければなら
ない)。よって、このような望ましい挙動を捉える、可
能な条件付最適化問題は、次式により表される。 【0063】 【数8】 (4) ここで、fi=(fxifyi)はモジュールジェットiに
対する、割当てられたx及びyの力であり、wi=(w
xiwyi)は上記x及びyの力への各モジュールの寄与に
対する重み係数(weighting factor)である。重み係数
が大きいほど、モジュールは、力及びトルクに対する制
約の適合において大きな役割を果たすと同時に目的関数
の最小化においてはその役割が小さい。小さい重み係数
は目的関数を強調する。この目的関数は、各モジュール
に、制御された必要な力を提供しながらもその作動を最
小化させる。起動レベルが連続的であれば、この最適化
問題の解は次式により与えられる。 【0064】 【数9】 (5) i=1,...,Nの場合、上式において、 【数10】 (6) 量はサブモジュールすべての重み付けられた平均位置で
あり、σx,σyはこの平均に関するx及びyサブモジュ
ールジェット位置すべての重み付けられた標準偏差であ
る。トルクtziは(xi,yi)に対して0である。 【0065】エアジェットが連続的である場合、上記の
等式は最適解を提供する。一方、離散的な作動装置を用
いて実施した場合には、最適解を階層的分解により近似
する。これについては以下に説明する。 【0066】式(5)及び(6)により要求される総合
的な力は、大領域に対する全体的なタスクU=(FxFy
Tz)Tのそのサブ領域またはモジュールに対するタスク
ui=(fxifyi0)Tへの分割を表す。 【0067】条件付最適化問題に対する式(5)及び
(6)の解を、必要に応じて特定システムに対してイン
スタンシエーション(具体化:instantiated)すること
ができる。例えば、Nx個のxジェット及びNy個のyジ
ェットに対する非階層的割当ての場合、各ジェット「モ
ジュール」は、単一のジェットを含み、xジェットに対
しては(wxiwyi)=(10)、yジェットに対しては
(wxiwyi)=(01)で等しく重み付けられている。
式(5)及び(6)のインスタンシエーションは簡単に
求めることができる。 【0068】2レベルの階層的割当てにおいては、上部
レベルの重みを使用し、モジュールサイズに応じて作動
の指定をシフトすることができる。例えば、nxi個のx
ジェットとnyi個のyジェットを備えるi番目のモジュ
ールに対しては、(wxiwyi)=(nxinyi)になるよ
うに重みを選択してもよい。この場合も、式(5)及び
(6)のインスタンシエーションを求めることができ
る。各モジュールにおける割当ては、モジュール中のジ
ェットに対する非階層的割当ての場合と同様であり、同
一の等式を用いる。 【0069】論理的に分解されたモジュールの場合、式
(5)及び(6)をインスタンシエーションするモジュ
ールへの割当ては、x及びyモジュールのそれぞれに対
し、fxiまたはfyiについてのみ算出すればよく、ある
モジュール内の割当ては、xモジュールについては式
(7)に従い、yモジュールについてはその同等式に従
う。さまざまな例示的な実施形態においては、論理的発
見方法により分解されたエアジェットのアレイが、y位
置の同じN個のxジェットのみで構成されている場合、
そのモジュールに対する割当て関数のインスタンシエー
ション、すなわち式(5)は、次式のようになる。 【0070】 【数11】 (7) ステップS430及びS435の後、ステップS440
に進み、ここで、すべてのモジュールが評価されたか、
すなわちモジュールに対する力を個々の作動装置にさら
に割当てまたは指定する必要がないかを判断する。すな
わち、iがnに等しいか(ただし、nは当該レベルにお
けるモジュールの数)を判断する。iがnに等しくない
(すべてのモジュールについてまだ評価されていない)
場合、ステップS445に進む。 【0071】ステップS445においては、次のモジュ
ールを選択する。すなわち、iをi+1に増加させる。
そしてステップS415に戻り、S415からS440
を、iが当該レベルのモジュールまたは作動装置の数で
あるnに等しくなるまで繰り返す。すなわち、当該レベ
ルの各モジュールを分解し、各モジュールに対する力を
決定し、各モジュールに対する力をサブモジュールに割
当てるか、あるいは個別作動装置に指定する。選択すべ
きモジュールがなくなると、次のモジュールを選択でき
ないので、ステップS440において、すべてのモジュ
ールが評価されたと判断する。 【0072】ステップS440において、すべてのモジ
ュールが評価されたと判断されると、すなわちiがnと
等しければ、ステップS450に進み処理が終了する。 【0073】任意の所与のレベルにおける複数のモジュ
ール内の割当ては、互いに完全に分断されているので、
並行させることができ、多数の処理装置間に分散させる
ことができる。 【0074】さらに、コンピュータ計算の分散が作動と
同一のスケールである。 【0075】再帰または反復方法を使用することもでき
る。 【0076】上記の割当て方法は、前回のモジュールの
ステップS430における力の割当てにおいて発生した
誤差を割当てるステップを、ステップS430にさらに
含んでもよい。この誤差とは、所与のモジュールに対す
る望ましい目標作動と、実際に生成された作動との差で
ある。 【0077】誤差の割当て方法は、次モジュール割当て
方法(next module allocation method)により完成し
てもよい。次モジュール割当て方法は、ui-1=(Fi-1
n,T i-1 n)の割当てにおいて発生した力及びトルクの
誤差を、割当て対象である次のモジュールに付加する。
特に、 【数12】 ここで、 【数13】 は、(i−l)番目のサブ領域の割当てにおいて生成さ
れたトルクと力それぞれの誤差であり、Wはトルク対力
の誤差の相対的な重要性を反映する誤差重み係数であ
る。W=1であれば、力の誤差のみを考慮し、W=0で
あれば力の誤差は無視してトルク誤差のみを考慮する。
i番目のモジュールは、より以前に行われた割当てにお
いて発生した誤差の補償を試みる。同様に、子モジュー
ル/サブモジュールがすべて割当てられている場合、そ
の結果としての親モジュールの誤差は次の親モジュール
に割当てられ、その親モジュールはその誤差をさらにそ
の子モジュール(すなわち、サブモジュール)に伝え
る。この実施形態においても、他の実施形態と同様、モ
ジュールを考慮する順序が重要でありうる。例えば、誤
差の割当ては、連続的または最も近い隣への順序にする
ことができる。様々な例示的な実施形態においては、物
体(用紙)の端部からその中心への(アウトサイドイ
ン)割当てが好ましい。アウトサイドイン割当てでは、
最も外側のモジュールを最初に割当てる。この割当て方
法により生成された誤差は、続いて、大抵は物体の逆側
にある次の最外側モジュールに割当てられる。この処理
を最後に中心モジュールが割当てられるまで継続する。
外側のモジュールは、物体に最大のトルクを付与する。
外側モジュールにより生成された誤差は互いに相殺され
る傾向があり、この結果、小さい誤差は、より小さいト
ルクを伝えることのできる内側モジュールによって処理
される。 【0078】上記の誤差割当て方法は、生成された誤差
を現在のベル内の残りのモジュールすべてに割当てる普
遍的(universal)誤差割当てでもよい。この誤差割当て
は、現在のモジュールの割当てによって生じた誤差によ
り、T(n-1)及びF(n-1)を調整することにより実現す
る。次のサブ領域の割当てでは、新しい目標を使用す
る。図7は、システムをモジュール1,2,3のそれぞ
れに対するモジュール701,702,703に分割
し、一点鎖曲線710で表される連続的な力に近づける
システムの分解を示す図である。各モジュールでは、そ
の境界における平均連続力密度を表そうと試みる。モジ
ュール1の場合、この力が712で示されている。この
モジュールに伝えられる実際の力は、鎖線で示される7
06である。よって、誤差が斜線を付けた方形708に
より示される。この誤差708を平均連続力714から
差し引き、モジュール2において太線718で示される
次の望ましい力を提供する。誤差708を力714から
引いたのは、モジュール1において、供給された力が望
ましい力712に比べて大きすぎたためである。モジュ
ール2に付与された力は716(鎖線)で示される。こ
の力は太線で示される総合的な望ましい力718に比べ
て小さいため、モジュール2の誤差728が生じる。こ
の誤差728が望ましい平均連続力722に付加され、
モジュール3の望ましい力720(太線)を得る。モジ
ュール3において実際に付与された力は、鎖線で示され
る724である。したがって、3つのモジュールすべて
の組合わせに対する誤差は、726である。他の可能性
として、各モジュールエラーを均等に他のモジュールに
与えてもよい。 【0079】上記の誤差割当て方法により、力の局所的
な割当ては絶対的に最適である必要はない。重要なの
は、全体的な割当てである。 【0080】本発明によるハイブリッド式階層最適アル
ゴリズムは、あらゆる数の作動装置に対して好適に機能
し、連続解を使用して問題を多数のより小さい自己相似
問題に分割することにより高次元問題に対する一般的な
手法を表す。本発明は、さらに、ロボットシステム、例
えば感温マイクロロボット(すなわち、「スマートダス
ト」)や、大規模工場などのシステムにも一般的に適用
可能である。 【0081】図8には、増分割当て解(incremental al
location solution)を提供する割当てシステム800
が概略的に示されている。システム800は、割当て解
を生成し、その割当て解に誤差がある場合にはその割当
て解を修正(すなわち「補正」または「修繕」)する。 【0082】割当てシステム800は、割当て解ソース
810と、解修正装置820と、作動あるいはさらなる
割当てのための解を供給される部材830とを含む。 【0083】種々の異なる例示的実施形態において、部
材830は、実行装置、例えば実行装置150であり、
あるいは複数の実行装置やモジュール実行装置、例えば
図1のモジュール実行装置170でもよい。あるいは、
作動装置のアレイ全体、例えば図2の作動装置220、
または個別モジュールアロケータ、例えば図1のモジュ
ールアロケータ192でもよい。 【0084】割当て解ソース810(アロケータ110
でもよい)は、リンク812により割当て解を解修正装
置820に供給する。割当て解は、(例えば同様の問題
に対する前回の解から)与えられたものでよいし、極め
て単純な割当てアルゴリズムにより生成してもよい。 【0085】解修正装置820は、割当て解を受信し、
部材830の物理的またはデザイン能力にもとづき、修
正された割当て解を生成する。修正された割当て解は、
リンク822により部材830に供給される。解修正装
置820は、割当て解ソース810によって供給された
初期割当て解から開始し、1つ以上の制約における誤差
を減らすべく解を変更しながらそれ以外の誤差はすべて
変更しないようにして、割当て問題を近似的に(approx
imately)解くことにより修正された割当て解を生成す
る。 【0086】解修正装置820は、ソフトウェアまたは
ハードウェアとして実施可能である。 【0087】図9は、解修正装置820により使用可能
な方法の1実施形態例を示す。この方法は、ステップS
900において開始し、次にステップS910に進み、
割当て解を受信する。 【0088】ステップS920において、割当て解に誤
差があるかどうかを判断する。通常、割当て解は、部材
の制約を満たす際に、矛盾、すなわち誤差を含んでい
る。誤差は、制約または目標ベースで定義され、特定の
制約または目標に関し、割当て解が部材に対して実行を
要求している事項と、その制約または目標に対して部材
が実行する事項(すなわち期待される動作)との間に矛
盾がある場合に誤差が存在するとされる。制約または目
標は、部材が物体に付与するトルクであってもよい。部
材が割当て解により付与するトルクは、割当て解トルク
によって要求されるトルクより大きい可能性があるが、
これはおそらく、特定方向の力など、別の制約が、部材
が満たすべき要件をさらに有するためである。例えば、
「力の合計=全体的なy方向の力」と「力の合計xその
x方向の位置=全体的なz方向トルク」という2つの制
約がある場合がある。割当て解はどちらの力がオンであ
るかを特定する。これにより、一方または他方の制約に
おける合計が、望ましい全体的な力またはトルクに等し
くない可能性が現れる。こうして、誤差があると判定さ
れると、処理はステップS930に進み、誤差がない場
合にはステップS940に進む。 【0089】ステップS930において、割当て解を修
正する。部材の能力を調査することにより、前記誤差
を、他の制約の状態を維持しながら低減するために、解
のいずれかの部分が修正可能か否かを判断する。2つの
制約、例えば、「力の合計=全体的なy方向の力」と
「力の合計xそのx方向の位置=全体的なz方向トル
ク」とがあり、これらの制約がいずれも矛盾する、すな
わちいずれの制約にも誤差が存在する場合もある。処理
は、さらにステップS940に進む。 【0090】ステップS940においては、解を出力す
る。割当て解がステップS930で修正されていれば、
修正された割当て解を出力する。修正が行われていなけ
れば、最初の割当て解を出力する。そして、ステップS
950において、この方法は終了する。 【0091】図10には、解修正装置820により使用
される別の実施形態が示される。この方法は、図9に示
した方法と以下の点で異なる。すなわち、図10の方法
では、ステップS1030において割当て解を修正した
後、ステップS1040(図9のステップS940に対
応)に進むのではく、ステップS1020(図9のステ
ップS920に対応)に戻る。そして、解がしきい値に
達した場合、例えば、その解がそれ以上の誤差を有さな
い場合や、解が許容可能な誤差公差に達した場合、また
は一定の反復を繰り返した後や特定の実行時間の経過後
などに、このようなループを終了してもよい。そして、
しきい値に達すると、ステップS1020からステップ
S1040に進む。 【0092】すなわち、割当て解をステップS1030
において複数回修正してもよい。割当て解の複数回修正
により、その解はそれに伴って(monotonically)改良
される。したがって、この方法はこのような随時特性(a
nytime property)を備えている(すなわち、この方法に
よれば、前記ループから出て、ステップS1020から
S1040に進む時には常に解を有し、ループを反復す
る回数が多いほどより良い解が得られる。)。 【0093】図11は、作動装置のアレイ1100の例
示的な1実施形態を示す概略図である。アレイ1100
は、x方向に整列した作動装置1110を含む。この実
施形態例により、図8に示される解修正装置820の動
作例を説明する。 【0094】各個別作動装置1110は、力1112を
y方向において平面物体1120に付与する。物体11
20は、y方向への移動と、物体の質量中心1122に
位置するz軸を中心にした回転との少なくともいずれか
の動きをする。説明を簡単にするために、各作動装置1
100、iは、力fiを伝えることができると仮定す
る。力fiは、負のy方向または正のy方向に向けられ
るか、あるいはオフされる。この実施形態では、X方向
の力は存在しない。アレイ1100が物体1120に力
を付与し、物体が所与の軌跡に従うことが望まれる場
合、上記のように、望ましい動きを生成するために各作
動装置により付加された力について判断をしなければな
らない。 【0095】この実施形態に対する全体アレイ1100
の割当て目標には、y方向の力Fyとz方向のトルクTz
とを含む。この実施形態における全体アレイ1100に
対する割当て解は、作動装置1100、iに対して選択
された力fiである。アレイ1100の実際のy方向の
力F’yは、 と定義される。アレイ1100の実際のz方向のトルク
T’zは、 と定義される。xi1116は、物体1120の質量中
心1122に対する作動装置iの位置である。y方向の
力の制約に関する誤差は、目標Fyと、割当て解により
決定する実際のy方向の力F’yとの差として定義され
る。z方向のトルクの制約に関する誤差は、目標T
zと、割当て解により決定する実際のz方向のトルク
T’zとの差として定義される。 【0096】図12は、本発明による解修正方法の例示
的な実施形態であり、図11の作動装置アレイ1100
を参照して説明する。この例示的実施形態は、アレイに
供給される割当てにおける誤差を低減する作動装置の修
正を考慮している。このようは修正は、選択された誤差
が最大限減少するようにその状態をフリップ(入れ替え
る:flip)ことができる2つの作動装置を探索すること
により実現する。この方法は、前記探索に対する関連要
因をあらかじめ算出して表に記憶することにより、最適
なフリップペアを探さなくても高速ルックアップが可能
な場合に、特に興味深い。 【0097】この方法は、ステップS1200において
開始し、ステップS1210に進み、ここで、アレイ全
体に対する割当て解fiを受信する。割当て解は、上記
の方法を含む種々の方法により受信できるが、上記の方
法に限定されるものではない。 【0098】通常、割当て解はアレイの制約を満たす際
に誤差を含む。例示的な本実施形態においては、誤差を
低減するために、1つの制約を満たす際の誤差を低減し
つつ他の制約に対する誤差は維持する、割当て解におけ
る変化を求める。この例示的な実施形態においては、低
減すべき誤差はトルク制約における誤差である。このよ
うな変化は、選択された誤差を最大限減少するようにそ
の状態をフリップすることのできる2つ作動装置(すな
わち、フリップペア)を探索することにより得られる。
フリップペアとは、一方の作動装置の力が減少し、他方
の作動装置の力が同じ量だけ増加する(これにより、全
体zトルクが変化するが、y方向の力は変化しない)作
動装置のペアである。ステップS1220において、初
期割当て解に基づき付与される実際のトルクT’zか
ら、割当て目標Tzにより要求されるトルクを引いた差
がゼロより大きいか否かを判断する。実際のトルクT’
zが目標より大きい場合、ステップS1230に進み、
T’zをTzまで減少する、作動装置のフリプペアを探索
する。そして、ステップS1260に進む。 【0099】ステップS1220において、T’z−Tz
がゼロより大きくないと判断された場合には、ステップ
S1240に進み、初期割当て解に基づき付加される実
際のトルクT’zから、割当て目標Tzにより要求される
トルクを引いた差がゼロより小さいか否かを判断する。
実際のトルクが目標より小さい場合、ステップS125
0に進み、T’zをTzまで増加する、作動装置のフリッ
プペアを探索する。そして、ステップS1260にさら
に進む。ステップS1240において、実際のトルクが
目標より小さくない場合は、ステップS1270に進
む。 【0100】ステップS1260においては、ステップ
S1230またはS1240の探索によって得られたフ
リップペアに基づき割当て解を修正する。この方法はス
テップS1270で終了する。だたし、図10に示され
る方法と同様に、図12に示す方法も、他の種々の実施
形態においてはループを含み、これにより修正された解
を誤差に関して再びチェックすることも可能である。 【0101】種々の例示的な実施形態においては、ステ
ップS1230及びS1240における探索に対する関
連要因を予めコンピュータ計算してルックアップテーブ
ルに記憶し、これにより最適なフリップペアの高速ルッ
クアップを可能にする。 【0102】誤差を最小限にするために、図1に示す2
つの作動装置1110の作動をフリップする。すなわ
ち、一方の作動装置iに対して力fiを増加し、他方の
作動装置jに対して力fjを同じ量だけ減少させる。2
つの作動装置の力を逆にすることにより、全体アレイ1
100に対する力F’yを維持しながら、誤差・T’z−
Tz・を低減することができる。力領域{−fmax,0,
fmax}が与えられると、フリップする力fiおよびfj
は、T’zを(xi−xj)fmaxだけ変化させる(f iは
−fmaxまたは0からfmax増加し、fjは0またはfmax
からfmax減少する)。したがって、T’zにおける可能
な改良は、フリップされる作動装置の相対位置xi及び
xjに依存する。 【0103】どの作動装置1110を修正する(フリッ
プする)かを決定するために必要なのは作動装置111
0の相対位置のみである。種々の例示的な実施形態にお
いては、要素d(i,j)を備えたルックアップテーブ
ルを予めコンピュータ計算し、作動装置の相対距離を決
定し、(すべての作動装置i及びjに対して)関係d
(i,j)=xi−xjを符号化する。一般に、ルックア
ップテーブルは、n個の作動装置に対してnxnのマト
リクスである。表1は、n=5の場合のルックアップテ
ーブルの例であり、すべての作動装置は互いに対して正
確に1装置分の間隔で配置されている。 【0104】 【表1】 他の様々な例示的な実施形態においては、ルックアップ
テーブルの半分のみをコンピュータ計算する。これは、
テーブルがしばしば作動装置のアレイに応じて対称的で
あるためである。例えば、表1に示される例では、d
(i,j)=−d(j,i)であり、d(i,i)=0
である。作動装置が、間隔sで規則的な格子状に配置さ
れている場合、すなわち、すべてのiに対し、xi+1−
xi=sであれば、d(1、j)(ただし、j>1)の
行だけを計算すれば十分である。これは、j>iであれ
ば、d(i,j)=d(1,j−i+1)(さらに、d
(i,j)=(j−i)s)であるためである。 【0105】この方法では、許可可能なフリップペア
(i,j)が見つかるまでテーブルの半分を検索する。
(現在の作動装置の状態f’i及びf’jが与えられた場
合、f i・0で、f’j・0であれば、フリップペア(i,
j)は許可可能である。)同一の組において許可可能な
フリップペアが多数ある場合には、最終決定をするため
の新たな基準、例えばフリップ後にオンになる作動装置
の数など、を使用することができる。 【0106】以下の、割当て解を修正するための例示的
な擬似コードでは、ルックアップテーブルd及び作動装
置割当て解f’i(i=1,..,n)が与えられる
と、本発明の方法は、可能であれば作動装置のうちの2
つをフリップすることにより、新しい解fi(i=
1,..,n)を決定する。 【0107】 すべてのi(i=1,..,n)に対し、fi=f’i(デフォルト解) T’z−Tz>0であれば、(T’zをTzまで減少するフリップを検索し) f’i・0で、f’j・0であり ・T’z−Tz +d(i,j)fmax・最小 になるようなペア(i,j)(i=1,..,n−1かつj=i+1,.., n) を求める。 【0108】さらに、同じ改良に対して追加的な基準を
最適化する。 【0109】 あるいは、T’z−Tz<0であれば、(T’zをTzまで増加するフリップを検 索し) f’i・0で、f’j・0であり ・T’z−Tz −d(i,j)fmax・最小 になるようなペア(i,j)(i=2,..,nかつj=1,..,i−1) を求 める。 【0110】さらに、同じ改良に対して追加的な基準を
最適化する。 【0111】 終了 このようなペア(i,j)が見つかった場合、(作動装置の状態をフリップす る) fi=fi+fmax fj=fj−fmax 終了 予めコンピュータ計算したルックアップテーブルの要素
を、変化が減少する順にさらに分類しても良い。作動装
置ペア指数の集合Skの配列(k=1,..,n−1)
を計算する。ここで、各ペアの集合は、変化の等しいフ
リップ作動装置を表す。各集合Skとともに、その集合
におけるペアの距離dkを決定して記録する。図11及
び表1に示される前記の例では、集合Skにおけるすべ
てのペア(i,j)に対し、d(i,j)=(n−k)
であり、s=dkである。例えば、表1の前記ルックア
ップテーブルを以下の配列により置き換えることができ
る。 【0112】S1={(1,5)},d1=4 S2={(1,4),(2,5)},d2=3 S3={(1,3),(2,4),(3,5)},d3=
2 S4={(1,2),(2,3),(3,4),(4,
5)},d4=1 テーブルの要素は、対象となる基準(metric of intere
st)に関して、ランク付けされた等価クラスごとにグル
ープ分けされる。そして、この方法は許可可能なフリッ
プペアが見つかるまで配列を検索し、それ以上の改良が
不可能である配列の位置に達する。 【0113】ルックアップテーブルは、1誤差における
単なる変化以外の基準を符号化してもよい。例えば、F
y及びTzの誤差の重み付けられた和を低減するという目
標を有するフリップ構成を評価することもできる。すな
わち、フリップペアは、これらの誤差の組合わせを低減
するものであれば許可される。 【0114】別の実施形態においては、重み付け誤差を
低減する、k個の作動装置切換えの組合わせ(k=
2,..,n)を検索する。例えば、質量中心から距離
xに位置する1つの作動装置がフリップでき、かつx/
2の距離にある2つの作動装置をフリップできる。 【0115】割当て解の修正は、特定数の制約及び正確
に2つの作動装置の切替えに限定されるものではない。
したがって、例えば、3つの作動装置の状態を一度に切
替えることを意図する場合、ルックアップテーブルは
(上記の2次元マトリクスではなく)3次元マトリクス
になり、マトリクスの位置(i,j,k)にある各要素
d(i,j,k)は、作動装置i,j及びkを変更する
ことにより解が改良される量を示す。別の例として、多
数の制約を一度に改良することが目標であれば、ルック
アップテーブルは1つ以上の制約における改良を符号化
してもよい。 【0116】図10の実施形態に示されるように、割当
て解の修正を複数回実行することが可能であり、これに
より、フリップ動作を複数回実行して解をさらに改良す
ることができる。 【0117】また、本発明による解修正方法の任意の実
施形態を連続的に適用することにより、複数の制約にお
ける誤差を低減することができる。 【0118】図13は、図1の多数要素システム100
の例示的な実施形態の概略図であり、解修正装置131
0をさらに含んでいる。この実施形態は、本発明によ
り、解修正装置を階層的アロケータにどのように組み合
わせることができるかを示している。解修正装置131
0は、図8に示される解修正装置820の例示的な1実
施形態である。 【0119】解修正装置1310は、アロケータ110
と複数の実行装置との間に設けられている。リンク11
2’によりアロケータ110が解修正装置1310に接
続されている。リンク1312により、解修正装置13
10が複数の実行装置120に接続されている。リンク
112’及び1312は、リンク112と同一である。 【0120】アロケータ110は、複数の実行装置を制
御するための割当て解を、リンク112’を介して解修
正装置1310に供給する。解修正装置は、本発明によ
る方法に基づき、解において検出された誤差に応じてそ
の解を修正する。本発明による方法とは、上記の方法を
含むが上記の方法のみに限定されない。割当て解に誤差
が検出されない場合、解修正装置は、元の割当て解を、
リンク1312を介して複数の実行装置120に送る。
一方、解修正装置1310は、割当て解に誤差があると
判断すると、修正した割当て解をリンク1312により
複数の実行装置120に送る。 【0121】解修正装置1310は、各モジュールにお
ける局所的な作動装置の変化の調査のみが要求されるよ
う、実行装置モジュール170及び180についての、
予めコンピュータ計算した情報を再利用してもよい。 【0122】本発明による解修正装置及び方法は、修正
された解を実行装置に直接供給する必要なく、修正した
解をアロケータに供給することも可能である。例えば、
本発明による解修正装置を、階層的アロケータの中間レ
ベルにおいて組み合わせることもできる。図14には、
図1の多数要素システム100が中間割当てレベル11
7において配置された解修正装置1410及び1420
をさらに含む、例示的な1実施形態が示されている。解
修正装置1410及び1420は、図8に示される解修
正装置820の例示的な実施形態である。 【0123】解修正装置1410及び1420は、アロ
ケータ110内に設けられている。解修正装置1410
は、モジュールアロケータ192と、モジュールアロケ
ータ194及び195との間に設けられている。解修正
装置1410は、モジュールアロケータ192から割当
て解を受信し、上記の例示的な方法を含む、本発明の割
当て解修正方法を実行して必要であれば割当て解を修正
し、修正した解をモジュールアロケータ194及び19
5に供給する。 【0124】解修正装置1420は、モジュールアロケ
ータ193と、モジュールアロケータ196及び197
との間に設けられている。解修正装置1420は、モジ
ュールアロケータ193から割当て解を受信し、上記の
例示的な方法を含む、本発明の割当て解修正方法を実行
して必要であれば割当て解を修正し、修正した解をモジ
ュールアロケータ196及び197に供給する。
る割当て解(allocation solution)を修正する装置及
び方法に関する。 【0002】 【従来の技術】全数探索(exhaustive search)技術に
よる作動(アクチュエーション)の割当ては、作動装置
(アクチュエータ)が少数の場合のみ機能する。これ
は、コンピュータの負担が、作動装置の数及び状態とと
もに指数関数的に増大するためである。混合整数非線形
計画及び標準最適化技術による作動装置の割当てにも問
題点がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、割当てを階
層的に分解することにより複数の実行装置に対して解を
割当てる方法及び装置を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、割当て解を供給するアロケータと、割当
て解を受信し、修正された割当て解を生成する解修正装
置と、少なくとも1つの動作制約を有し、修正された割
当て解と少なくとも1つの動作制約とに基づき動作を行
う部材とを有し、前記解修正装置は、前記部材の動作の
ための割当て解を変更して前記少なくとも1つの動作制
約に対する誤差を低減するとともに他の動作制約の割当
て状況を維持することにより、修正された割当て解を生
成することを特徴とする。本発明においては、連続する
高レベル解を使用して、1つの問題を、最適な方法で解
決可能なより小さい問題に分解する。 【0005】 【発明の実施の形態】実行装置を含む多数要素システム
は多種あり、ここでは、システム全体の総合目標(over
all goal)が所望される。しかしながら、上記の問題の
ため、実行装置に命令を割当てこの総合目標を達成する
ことは難しい。本発明では、この総合目標を、実行装置
のグループ、すなわちサブ領域または実行モジュール、
ならびに個別実行装置に割当てる。よって、本発明によ
れば、実行装置のアレイはサブ領域に分割され、このサ
ブ領域に所望の目標が与えられる。さらに、本発明によ
れば、サブ領域をさらなるサブ領域に分割することがで
き、最終サブ領域に含まれる実行装置の数が、局所的な
最適探索を実行するのに十分な少数になるまでこの処理
を継続できる。サブ領域はある特定実行装置に対して正
確に整列する必要はなく、むしろこれらのサブ領域によ
り実行装置の任意のグループ分けを表すことができる。
さらに、実行装置の位置または配置は、総合目標の分解
のために知られている必要はなく、下位サブ領域の詳細
を上位サブ領域から隠すこともできる。 【0006】図1は、本発明による配分された作動の割
当てを有する多数要素システム100の例示的な1実施
形態を示す概略図である。システム100は、任意数の
異なるタイプのアプリケーションで使用される任意のタ
イプのシステムでよい。例えば、エアジェット(空気噴
射)式用紙搬送システム、ロボットシステムなどでもよ
いが、これらの例に限定されない。システム100は、
システムアロケータ(割当て装置)110、複数の実行
装置120、入力装置130、制御装置135及び少な
くとも1つのセンサ140を含む。 【0007】複数の実行装置120は、個別実行装置1
50を含む。実行装置150は、アロケータに制御され
て、所望の結果すなわち作用(action)を生成すべく動
作する。装置150の例は、作動装置及びエアジェット
(空気噴射装置)である。 【0008】入力装置130は通信リンク132を介し
て制御装置135と通信し、制御装置135に総合目的
(overall objective)を供給する。入力装置130
は、コンピュータでも、ソフトウェアプログラムでも、
ジョイスティックでも、マウスでも、あるいはコンピュ
ータに読取られるグラフィックの入力ソースでもよい。
ただし、ここで、システム100の目的がグラフィック
入力ソースの出力に関連している。さらに、入力ソース
130は、システム100のより高レベルの制御要素、
例えば、用紙の移動目標(望ましい軌跡)を用紙処理部
(システム100の一例)に送るプリントシステムのジ
ョブスケジューラでもよい。 【0009】センサ140は、通信リンク142を介し
て制御装置135と通信する。センサ140は、実行装
置150の現在の作動状況を監視し、その状況をリンク
142を介して制御装置135に供給する。 【0010】制御装置135は、入力ソース130から
総合目的を受信して、この総合目的に基づきシステム目
標を算出する。例示的な実施形態においては、制御装置
135はセンサ140から現在状況情報を受信し、総合
目的と現在状況とに基づき、命令を算出する。制御装置
135は、比例微分制御装置(proportional derivativ
e controller)でもよい。 【0011】システム目標とは、力の割当て、命令、ま
たは実行装置150が達成する目標であり、連続する値
でも、離散した値でもよい。 【0012】アロケータ110は、制御装置135から
の命令を受信し、割当てアルゴリズムを実行して、総合
目的を達成するためにどの実行装置を作動すべきかを決
定する。アロケータ110は、通信リンク112を介し
て実行装置120と通信する。 【0013】実行装置120を複数のグループに分割し
てもよく、これらのグループを、アロケータ110によ
る局所最適割当て探索の実行が可能な十分小さいグルー
プにまでさらに分割できる。 【0014】実行装置は、複数の実行装置モジュール1
70及び180に分割される。実行装置モジュール17
0に、個別実行装置150を含むことができる。実行装
置モジュール180は、少なくとも1つの他の実行装置
モジュール170を、サブモジュールとして含んでもよ
い。1つ以上の実行装置モジュール170に同一の個別
実行装置150を含んでもよいし、1つ以上の実行装置
モジュール180に同一の実行装置モジュール170を
含んでもよい。 【0015】アロケータ110は、総合目的を、総合目
的の割当ての解に対する制約となる、各モジュール17
0及び180に対する解、モジュール割当て、サブ目
標、サブ目的またはサブ命令によって表すことにより、
割当ててもよい。各モジュール170に対する解は、さ
らに、サブモジュールに対する解に分解でき、この結果
階層的な分解を提供する。このような階層的分解は、サ
ブモジュールに含まれる実行装置が十分に少数で、全数
探索技術などにより割当て解を直ちに実行できるように
なるまでアロケータ110により継続できる。 【0016】アロケータ110は、1つ以上のレベル、
例えば上部レベル116、中間レベル117、及び下部
レベル118(図1)を有する。 【0017】上部レベル116は、モジュールアロケー
タ191を含み、中間レベル117はモジュールアロケ
ータ192及び193を含み、下部レベル118はモジ
ュールアロケータ194,195,196及び197を
含む。レベル116,117,118は階層的に配列さ
れているので、上部レベル116のモジュールアロケー
タ191は中間レベル117のモジュールアロケータ1
92及び193を制御し、中間レベル117のモジュー
ルアロケータ192は下部レベル118のモジュールア
ロケータ194及び195を制御する。中間レベル11
7のモジュールアロケータ193は下部レベル118の
モジュールアロケータ196及び197を制御する。下
部レベル118のモジュールアロケータ194,19
5,196及び197は、実行装置170の各グループ
または個別実行装置150を制御する。 【0018】なお、図1に示す制御装置135及びアロ
ケータ110は、プログラムされた汎用コンピュータと
して実施することもできるし、またはASIC、FPG
A、PEDL、PLA,PALあるいは他のハードウェ
ア回路を用いて実施することもできる。 【0019】リンク112,132,137,142
は、装置間を接続する任意の通信システム、例えば、有
線、無線、ダイレクトケーブル接続、ネットワーク接
続、イントラネット、インターネット、あるいは分散処
理ネットワークによる接続などが可能である。 【0020】図2には、多数実行装置システム100と
してのエアジェット式用紙搬送システム200が示され
ている。システム200は、図1のアロケータ100と
同様に階層的割当てレベルを有する制御装置/アロケー
タ210を含む。 【0021】システム200は、さらに、エアジェット
のアレイ220、入力ソース230及びセンサ240を
含む。 【0022】通信リンク222,232,242がさら
に設けられている。 【0023】バルブ駆動装置224が、リンク222に
沿って設けられ、リンク222を介してアロケータから
受信した命令にもとづき個別エアジェットバルブ250
の開閉を制御する。 【0024】少なくとも1つのセンサ読出し装置242
がリンク242に沿って設けられ、センサ信号をリンク
242を介して制御装置210に供給する。 【0025】物体260、例えば用紙がエアジェット2
50のアレイ上に配置される。エアジェット250は、
物体260を特定の位置に移動する。 【0026】センサ240は、物体260の端部位置を
検出すべく配線されたCMOSイメージセンサバーでも
よい。センサ240は、用紙の端部が常にセンサ240
に対して少なくとも4箇所で交差するような間隔で配置
されている。このようにして、物体260のx位置、y
位置、及び角度位置を決定できる。 【0027】エアジェットのアレイ220は、異なる4
方向(左右及び上下)のいずれかを向き、アレイ220
内に均等に分散した576のエアジェットを含む。エア
ジェットのアレイ220は、36(すなわち6x6)個
の「タイル」/作動装置モジュール270から構成さ
れ、各作動装置モジュール270は16(すなわち4x
4)個のエアジェットを含む。この作動装置モジュール
270をまとめて、より大きい作動装置モジュール28
0を形成することができる。 【0028】個々にコンピュータアドレス可能な静電フ
ラップ弁により、各エアジェット250を通過する空気
流を制御する。エアジェット250から噴射された空気
が用紙をアレイ220の上方に浮上させる。用紙に抗す
る空気の粘性抵抗のため、大部分が用紙上の空気衝突点
を中心とした小さい円形領域に限定された力が用紙に付
与される。1キロパスカル(kPa)の供給圧力に対
し、1ジェットにつき約10-4ニュートン(Nt)の力
が一般的である。デビッドKビーゲルセン、イライアス
パニデス、ラーズEスワーツ、ウォレンBジャクソン、
アンドリューAベルリン共著「噴射空気の斜め衝突によ
り誘発されたせん断応力場の特性」(Biegelsen, David
K; Panides, Elias; Swartz, Lars E; Jackson, Warre
n B; Berlin, Andrew A. Characterization of Shear S
tress Field Induced By ObliquelyImpinging Air Jet
s. MEMS-Vol.1, Microelectromechanical Systems (MEM
S) (ASME 1999), pp. 385-389)参照のこと。 【0029】各エアジェット250の力が線形重ね合わ
せ(linear superposition)として加算される。各エア
ジェット250のバルブは開閉のいずれかであるので、
各エアジェット250は実質的に2値(バイナリ)力作
動装置(force actuator)であり、アレイ全体220は、
分散した2値力作動装置のアレイと見ることができる。
エアジェット250の応答時間は、通常約1〜2ミリ秒
である。 【0030】物体260の状態は、次の6つの値により
示すことができる。すなわち、x位置、y位置、角度位
置、x方向の速度、y方向の速度、及びz軸を中心とし
た角速度である。 【0031】制御装置/アロケータ210は、これら多
数のエアジェット250から、物体260を所望の総合
目的に向けて移動するために必要な力を付与するエアジ
ェットを選択しなければならない。例示的な本実施形態
においては、作動装置は2値エアジェットであり、整数
計画問題(integer programming problem)が発生す
る。制御装置/アロケータ210は、割当て方法を使用
してこれらの問題を解決する。 【0032】物体260がアレイ220を通過して移動
する際に、センサ240から読み出されたデータを使用
し、制御装置/アロケータ210は物体260のx位
置、y位置、角度位置を算出する。また、一定時間にお
けるこの位置情報を使用することにより、物体260の
x及びy方向速度と角速度が算出される。このような物
体260の位置及び速度が物体の状態である。制御装置
/アロケータ210は、物体の状態を算出し、入力ソー
ス230により供給された総合目的に本来基づく、所定
のまたは動的な軌跡により与えられる望ましい状態と、
この物体状態とを比較する。 【0033】制御装置/アロケータ210は複数の割当
てレベルを含み、その各レベルが階層的に配置された少
なくとも1つのモジュールアロケータ(図2には示され
ていない)を有する。この複数のモジュールアロケータ
により、より大きい各モジュール作動装置280および
各モジュール作動装置270に対する望ましいx及びy
方向の力、及びz軸(物体260に対して垂直な軸)を
中心とするトルクが算出される。これらの力が個別エア
ジェット250に割当てられ、個別エアジェット250
全体で物体260に所望の作動力を付与する。 【0034】用紙搬送システムの例が以下の2つの文献
に開示されている。(1)アンドリューベルリン、デビ
ッドKビーゲルセン、パトリックチュー、マーキューズ
フロムハーツ、デビッドゴールドバーグ、ウォレンジャ
クソン、イライアスパニデス、ブライアンプリーズ、ジ
ェームスライク、ラーズスワーツ共著「調整されたエア
ジェットアレイを使用する用紙搬送」(Berlin, Andre
w, Biegelsen, David;Cheung, Patrick; Fromherz, Mar
kus; Glodberg, David; Jackson, Warren; Panides,
Elias; Preas, Bryan; Reich, James; and Swartz, Lar
s E. "Paper Transport Using Modulated Airjet Array
s," IS&T's NIP 15:1999 InternationalConference on
Digital Printing Technologies, Orlando, Florida, O
ctober,1999, pp. 285-288)及び(2)デビッドビーゲ
ルセン、アンドリューベルリン、パトリックチュー、マ
ーキューズフロムハーツ、デビッドゴールドバーグ、ウ
ォレンジャクソン、ブライアンプリーズ、ジェームスラ
イク、ラーズスワーツ共著「エアジェット式用紙移動装
置:中規模MEMSの1例」Biegelsen, David;Berlin,
Andrew; Cheung, Patrick; Fromherz, Markus; Glodbe
rg, David; Jackson, Warren; Elias; Preas, Bryan; R
eich, James; and Swartz, Lars E. “AirJet Paper Mo
ver: An Example of Meso-Scale MEMS, SPIE, Micromac
hined Devices and Components VI, Santa Clara, Cali
fornia Vol.4176, September, 2000, pp.122-129”。 【0035】図3には、エアジェットのアレイ320の
例示的な1実施形態が示されている。アレイ320は、
複数のエアジェット350を含む。アレイ320は、2
次元格子上のN個のジェットの集合体としてモデリング
されている。あるエアジェットi(iは1からN)は、
その位置(xxi,yxi)、力領域(force domains)(d
xi及びdyi)及び力fxi及びfyi(fxi∈dxi,fyi∈
dyi)により表される。 【0036】位置(xiは352として表され、yiは3
54として表される)は、物体360の質量中心362
に対して与えられる。種々の例示的な実施形態において
は、質量中心362は近似されている。しかしながら、
別の例示的実施形態では、質量中心362は制御装置に
提供されているか、システムが質量中心362を知るべ
く較正されている。種々の実施形態では、対象の時間に
おいて物体360の下部に位置する作動装置のみがモデ
リングされる。 【0037】個々のエアジェット350の力領域は、連
続インターバルdi=[fmin,fma x]、またはあるイ
ンクリメント値fincに対する可能な値の離散集合di=
{fm in,fmin+finc, fmin+2finc…,fmax}でもよ
い。例示的な種々の実施形態においては、エアジェット
350は、正と負のいずれかの方向におけるx方向の力
390またはy方向の力395のみを付与できる。種々
の例示的な実施形態においては、エアジェット350
は、エアジェット350を通過する空気流を制御する2
値により、オンまたはオフの切替えのみが可能である。
よって、xの方向性を持つエアジェット(x方向エアジ
ェット:x directional air-jet)に対し、力領域は次
式で示される。 【0038】 【数1】 (1) yの方向性を持つ(y方向:x directional)エアジェ
ットについても同様である。エアジェットが状態を切替
えるための時間は1〜2ミリ秒であるので、これは物体
360の動きに対して無視できる。したがって、ジェッ
トバルブは瞬時に状態を切替えると仮定する。 【0039】エアジェット350をまとめてタイルを形
成してもよい。エアジェットモジュール370はx方向
エアジェットとy方向エアジェットのいずれをも含む可
能性があるので、x力成分372とy力成分374とを
いずれも有する。例えば、n個のx方向エアジェットと
n個のy方向エアジェットとを、正負いずれの方向にも
同数ずつ有するモジュールエアジェット370に対する
最大の力は、いずれの方向においても、fMAX=n/2
fmaxである。よって、このようなモジュールエアジェ
ット370に対する力領域は、次式により表される。 【0040】 【数2】 dxi=dyi={−fMAX,−fMAX+fmax,...,0...,fMAX} (2) 作動装置モジュール370は、境界ボックスの重心また
はその境界内部におけるエアジェット350の平均位置
として与えることのできる位置(xxiは376として表
され、yxiは378として表される)を有する。 【0041】例示的な種々の実施形態においては、エア
ジェットモジュールは、個々の作動装置350ではな
く、作動装置モジュール370のグループを含んでい
る。このようなエアジェットモジュールの例を380と
して示す。エアジェットモジュール380は、x及びy
両方の力成分、位置、及び力領域を有することが可能で
ある点においてエアジェットモジュール370と同様で
ある。 【0042】あるエアジェットモジュール370または
システム全体または作動装置のアレイ320におけるエ
アジェット350がまとまってx方向の力Fx、y方向
の力Fyおよびz方向のトルクTzを物体360に伝え
る。 【0043】種々の例示的な実施形態においては、作動
装置モジュールiは、システムのx方向及びy方向の力
に対し、力fxi及びfyiをそれぞれ追加的に付与する。
さらに、力fxiは、(物体360の質量中心362を中
心とする)zトルクに力−y ifxiを付与し、力fxiは
xifyiを付加する。すなわち、作動装置モジュールi
により伝えられるzトルクは、tzi=xifyi−yifxi
である。種々の例示的な実施形態において、個々のエア
ジェット350についても同じことが言える。ただし、
各エアジェット350は、x方向の力とy方向の力との
いずれかのみを付与する。物体360に作用する全体的
なx方向の力Fx、y方向の力Fy及びzトルクTzが、
次式で示す線形加法モデルに従って決定する。 【0044】 【数3】 (3) 図4には、本発明による、多数作動装置システムに対し
て階層的に力を割当てる方法の例示的な1実施形態が示
される。種々の例示的な実施形態において、この方法
は、多数作動装置システム内の1アロケータにより使用
される。別の様々な実施形態では、この方法は、多数作
動装置システム内の複数のレベルアロケータにより使用
される。 【0045】作動装置の数は制御コマンドの次元数(望
ましい目標)U(ただし、U=(F xFyTz)を大きく
上回るので、作動装置に作動を割当てる方法は数多くあ
る。一般に、付加的な自由度を使用して他の望ましい目
標を達成し、これにより多くの可能な作動装置構成から
最も望ましい割当てを選択するのが望ましい。言い換え
ると、力の割当て問題は、条件付最適化問題として考え
ることができる。この条件付最適化問題では、制約(co
nstraint)とは、作動装置の領域制約(domainconstrai
nts)と、個々の作動装置と付加された総合的な力との
関係との両方である(式(2)及び式(3))。この最
適化問題は、どの作動装置を起動すべきかを決定するた
めに各制御時間ステップにおいて解かれる。作動が離散
的であるため、要求されるアクションを正確に再生する
ことは通常可能ではない。一般的には、離散的最適化問
題は、不可解な程度に難解(NPハード)である。すな
わち作動の割当て計算は、作動装置の数とともに指数関
数的に増大する。一方、多数の作動装置を有する作動装
置のアレイの場合、作動は連続体限界(continuumlimi
t)に近づき、問題の解決が概して容易になる。したが
って、力の割当て方法の望ましい特性は、少数のジェッ
トに対して離散的最適化問題を最適に解き、中間数のジ
ェットに対してほぼ最適な解決を提供し、多数のジェッ
トに対して連続体に近づくことであり、これは本発明に
より達成される。 【0046】作動の最適な割当ては、全数探索、離散的
最適化解決法(discrete optimization solver)、また
は少数の作動装置(例えば、一般的なディジタル信号処
理装置に関して1ミリ秒のループ時間で実行するエアジ
ェットの例では、10個以下)に対して予め算出した解
のルックアップテーブルにより、取得できる。より多数
の作動装置に対しては、連続する解を近似法として使用
し、割当て問題をより小さいサブ問題にほぼ最適な方法
で分解してもよい。そして、各サブ問題を、さらに小さ
いサブ問題に分解してもよい。 【0047】サブ問題への分解には、作動装置をモジュ
ール(作動装置のグループ)に分割し、必要な力を生成
する責任を各モジュールに指定する(assign)ことを含
む。 【0048】図4に示される例示的な方法は、ステップ
S400において開始し、ステップS405に進む。ス
テップS405では、割当てが必要な目標、例えば力が
受信される。システムアロケータとモジュールアロケー
タのいずれかにより制御された特定のレベルが受信され
る。受信された目標は、目標生成装置130により受信
された目標である。あるいは、システムアロケータ11
0の中間レベル117に位置するアロケータ114が、
上部レベル116のアロケータ114から受信した力の
割当てでもよい。 【0049】上部レベルの割当ては、割当て(U,I,
n)として識別される。ここで、Uは作動装置のアレイ
全体に対する総合タスクであり、U=(FxFyTz)Tで
表される。Iは識別子列、すなわち数のリストであり、
システムのレベルを表す。(上部レベルはレベル1であ
り、Iが「1.2」であれば、上部レベル1におけるレ
ベル2のモジュール2を表す)。nは、このレベルにお
けるモジュールまたはジェットの数(上部レベルでは、
nは1)を表す。 【0050】ステップS410において、第1のモジュ
ールを選択する。すなわち、あるレベル内のモジュール
を表す指数であるiを1に設定する。図1に示す例示的
な上部レベル116の場合、アロケータは1つのみ、す
なわちモジュールは1つのみである。しがたって、この
モジュールを選択する。図1に示す例示的な中間レベル
117では、それぞれがアロケータ114に対応する2
つのモジュールがある。図1の例示的な下部レベル11
8の場合は、それぞれがアロケータ114に対応する4
つのモジュールがある。 【0051】続いて、ステップS415において、現在
のモジュールiを分解する。モジュールを分解するに
は、それがシステム全体、すなわち上部レベルに対して
であろうと、サブレベル例えば中間レベルに対してであ
ろうと、分解関数を使用する。種々の例示的な実施形態
においては、分解関数が次式により表される。 【0052】 【数4】[ni,ri,wi]=分解(I,i) 分解処理により、レベルIのモジュールiを選択し、以
下に詳細に説明する割当て関数に対する、作動装置すな
わちサブモジュールの数ni、サブモジュールの位置ri
=(xiyi)、及び重みwiを返還する。この分解関数
により、以下に詳細に説明する、モジュールの階層的分
解の発見的選択を行う。(さらなる)階層的分解を望ま
ない場合、すなわち現在のモジュールをいわゆるサブモ
ジュールまたはサブ領域に分割することを望まない場合
は、例えば図1の下部レベル118内のモジュールにつ
いて行われるように、この関数によりモジュールiをそ
の実際のni個のエアジェットに分解する。複数の作動
装置を作動装置モジュールにまとめるグループ化は予め
定めてもよいし、例えば、負荷平衡(load-balancing)
基準にもとづき動的に算出してもよい。 【0053】複数の作動装置を、種々の方法で作動装置
モジュールにグループ化することができる。種々の例示
的な実施形態においては、複数の作動装置の物理的なレ
イアウトに従い、例えば、センサ間における作動装置の
各クラスタを1モジュールにする。作動装置のアレイの
物理的発見的分解の例示的な1実施形態が図5(すなわ
ち、「タイル」)に示されている。物理的発見方法の効
果は、システムのモジュール構造が、対応する割当てア
ルゴリズムのモジュール構造にも及ぶ点である。種々の
例示的な実施形態においては、約360個の噴射器をカ
バーする8.5x11インチの用紙の場合、物理的発見
方法によって、用紙の下部に位置する領域が約40のモ
ジュールに分解され、各モジュールには最大約16個の
実際のエアジェットが含まれる。用紙によって完全にカ
バーされる1モジュールは16個の実際のエアジェット
を含み、4つのエアジェットずつ各方向を向いている。
離散するバルブ及びfmaxの単一ジェット力を有する場
合でも、このようなモジュールは、fxi及びfyiに対し
てほぼ連続する力領域を提供する。 【0054】 【数5】dxi=dyi={−4fmax,−3fmax,−2f
max,−fmax,0,fmax,2fm ax,3fmax,4
fmax} 別の例示的なグループ化発見的方法は、「制約に従う」
すなわち論理的発見方法である。複数の作動装置の論理
的発見的グループ化の例示的な1実施形態が図6に示さ
れている。例えば、y位置が同じx方向のジェットはす
べて、以下に示し、詳細に説明する式(4)の制約に関
し、互いに交換が可能である。 【0055】y位置が同じx方向ジェットの行と、x位
置が同じy方向ジェットの列とにより、ある行または列
における特に簡単な割当て関数が得られる。例示的な1
実施形態においては、N個のモジュールがNx個の「x
モジュール」とNy個の「yモジュール」とに分割され
るエアジェットの分解が図4に示されている。ここで、
Nx個の「xモジュール」は、各モジュールが、共通の
y位置yiを有するx方向のジェットのみを含み、Ny個
の「yモジュール」は、各モジュールが、共通のx位置
xiを有する、y方向のジェットのみを含む。このよう
な構成を有することにより、重み付け特性(wxiwyi)
は、nxi個のエアジェットを有するxモジュールに対し
ては(nxi0)であり、nyi個のエアジェットを有する
yモジュールに対しては(0nyi)である。 【0056】1レベルにおけるグループ化/分解によ
り、他の下位レベルにおける力の割り当てを極めて簡素
化できる。種々の例示的な実施形態においては、8.5
x11インチの用紙に対し、論理的発見的方法は、用紙
下部の領域を約50のモジュールにグループ化する。各
モジュールは最大約12の個別ジェットを備える。 【0057】再び図4を参照し、ステップS420にお
いて、現在のモジュールに対するサブ目標を決定する。
種々の例示的な実施形態においては、サブ目標は力であ
る。サブ目標すなわち力は、次式により表される。 【0058】 【数6】ui=解答(U,ni,ri,wi,n) 上式において、U=(FxFyTz)Tは現在のレベルにお
ける全モジュールに対する所望する全体の力であり、n
は現在のレベルのおけるモジュールの数であり、それ以
外の入力はすべて分解により決定する値である。出力u
i=(fxifyitz i)T は、モジュールiに対する算出
された割当てである。 【0059】さまざまな例示的な実施形態において、U
は、例えば目標生成装置130により生成された総合的
な力である。別の例示的な実施形態においては、Uは現
在のモジュールのレベルより高いレベルのモジュールか
らの力の割り当て命令である。階層におけるレベルある
いはモジュールにおけるサブモジュール数に従い、ステ
ップS420では、以下に詳細に示して説明する式
(5)及び(6)のインスタンシエーション(instanti
ations)を使用する。 【0060】ステップS425において、現在のモジュ
ールが属するレベルが、作動装置のアレイ全体の最下レ
ベルであるか否かを判断する。現在のモジュールレベル
が最下レベルでない場合、ステップS430に進み、次
の下位レベルのモジュールにサブ目標を割当てる。この
割当ては、割当て(ui,I.i,ni)で表される。一
方、ステップS425において、現在のモジュールのレ
ベルが最下位レベルであると判断された場合、ステップ
S435に進み、サブ目標を個々の作動装置に指定す
る。指定関数(assignment function)は、次式により表
される。 【0061】 【数7】uIi=指定(ui,I.i) 指定関数は、モジュールI.iの作動装置に所望の作動
uIiを指定する。言い換えると、所望の作動ui=(f
xifyitzi)T及び単一の作動装置が与えられると、指
定関数はxジェットに対するfxiおよびyジェットに対
するfyiを選択してもよい。離散的領域の場合には、指
定は、さらにしきい値化関数(thresholding functio
n)をさらに適用し、領域から1要素を選択してもよ
い。例えば、領域{0,fmax}を備えるxジェットの
場合、fxiが0以上の場合には、指定はfmaxを返還し
てもよい。多数のジェットを備えるモジュールの場合、
指定処理は最適な探索を実行してもよい。割当てはモジ
ュールに対して局所的であるので、最適な指定を予め算
出し、力の指定をルックアップ動作に限定することもで
きる。 【0062】多数のモジュール(作動装置群または単一
作動装置から構成される)が与えられた場合、所望の力
Uの最適な割当て及び指定を生成するための以下の方法
が、ステップS430及びS435に対して使用され
る。種々の例示的な実施形態においては、x及びy方向
にエアジェットを備えるN個のモジュールが存在する。
各モジュールは、物体の質量中心に対する位置(xi,
yi)(i=1,...N)に配置されている。すなわ
ち、モジュールは位置(xi,yi)においてその力を付
与する。種々の例示的な実施形態においては、これらの
ジェットは力Uを生成している間、互いに反する作用を
してはならない(すなわち、作動は最小でなければなら
ない)。よって、このような望ましい挙動を捉える、可
能な条件付最適化問題は、次式により表される。 【0063】 【数8】 (4) ここで、fi=(fxifyi)はモジュールジェットiに
対する、割当てられたx及びyの力であり、wi=(w
xiwyi)は上記x及びyの力への各モジュールの寄与に
対する重み係数(weighting factor)である。重み係数
が大きいほど、モジュールは、力及びトルクに対する制
約の適合において大きな役割を果たすと同時に目的関数
の最小化においてはその役割が小さい。小さい重み係数
は目的関数を強調する。この目的関数は、各モジュール
に、制御された必要な力を提供しながらもその作動を最
小化させる。起動レベルが連続的であれば、この最適化
問題の解は次式により与えられる。 【0064】 【数9】 (5) i=1,...,Nの場合、上式において、 【数10】 (6) 量はサブモジュールすべての重み付けられた平均位置で
あり、σx,σyはこの平均に関するx及びyサブモジュ
ールジェット位置すべての重み付けられた標準偏差であ
る。トルクtziは(xi,yi)に対して0である。 【0065】エアジェットが連続的である場合、上記の
等式は最適解を提供する。一方、離散的な作動装置を用
いて実施した場合には、最適解を階層的分解により近似
する。これについては以下に説明する。 【0066】式(5)及び(6)により要求される総合
的な力は、大領域に対する全体的なタスクU=(FxFy
Tz)Tのそのサブ領域またはモジュールに対するタスク
ui=(fxifyi0)Tへの分割を表す。 【0067】条件付最適化問題に対する式(5)及び
(6)の解を、必要に応じて特定システムに対してイン
スタンシエーション(具体化:instantiated)すること
ができる。例えば、Nx個のxジェット及びNy個のyジ
ェットに対する非階層的割当ての場合、各ジェット「モ
ジュール」は、単一のジェットを含み、xジェットに対
しては(wxiwyi)=(10)、yジェットに対しては
(wxiwyi)=(01)で等しく重み付けられている。
式(5)及び(6)のインスタンシエーションは簡単に
求めることができる。 【0068】2レベルの階層的割当てにおいては、上部
レベルの重みを使用し、モジュールサイズに応じて作動
の指定をシフトすることができる。例えば、nxi個のx
ジェットとnyi個のyジェットを備えるi番目のモジュ
ールに対しては、(wxiwyi)=(nxinyi)になるよ
うに重みを選択してもよい。この場合も、式(5)及び
(6)のインスタンシエーションを求めることができ
る。各モジュールにおける割当ては、モジュール中のジ
ェットに対する非階層的割当ての場合と同様であり、同
一の等式を用いる。 【0069】論理的に分解されたモジュールの場合、式
(5)及び(6)をインスタンシエーションするモジュ
ールへの割当ては、x及びyモジュールのそれぞれに対
し、fxiまたはfyiについてのみ算出すればよく、ある
モジュール内の割当ては、xモジュールについては式
(7)に従い、yモジュールについてはその同等式に従
う。さまざまな例示的な実施形態においては、論理的発
見方法により分解されたエアジェットのアレイが、y位
置の同じN個のxジェットのみで構成されている場合、
そのモジュールに対する割当て関数のインスタンシエー
ション、すなわち式(5)は、次式のようになる。 【0070】 【数11】 (7) ステップS430及びS435の後、ステップS440
に進み、ここで、すべてのモジュールが評価されたか、
すなわちモジュールに対する力を個々の作動装置にさら
に割当てまたは指定する必要がないかを判断する。すな
わち、iがnに等しいか(ただし、nは当該レベルにお
けるモジュールの数)を判断する。iがnに等しくない
(すべてのモジュールについてまだ評価されていない)
場合、ステップS445に進む。 【0071】ステップS445においては、次のモジュ
ールを選択する。すなわち、iをi+1に増加させる。
そしてステップS415に戻り、S415からS440
を、iが当該レベルのモジュールまたは作動装置の数で
あるnに等しくなるまで繰り返す。すなわち、当該レベ
ルの各モジュールを分解し、各モジュールに対する力を
決定し、各モジュールに対する力をサブモジュールに割
当てるか、あるいは個別作動装置に指定する。選択すべ
きモジュールがなくなると、次のモジュールを選択でき
ないので、ステップS440において、すべてのモジュ
ールが評価されたと判断する。 【0072】ステップS440において、すべてのモジ
ュールが評価されたと判断されると、すなわちiがnと
等しければ、ステップS450に進み処理が終了する。 【0073】任意の所与のレベルにおける複数のモジュ
ール内の割当ては、互いに完全に分断されているので、
並行させることができ、多数の処理装置間に分散させる
ことができる。 【0074】さらに、コンピュータ計算の分散が作動と
同一のスケールである。 【0075】再帰または反復方法を使用することもでき
る。 【0076】上記の割当て方法は、前回のモジュールの
ステップS430における力の割当てにおいて発生した
誤差を割当てるステップを、ステップS430にさらに
含んでもよい。この誤差とは、所与のモジュールに対す
る望ましい目標作動と、実際に生成された作動との差で
ある。 【0077】誤差の割当て方法は、次モジュール割当て
方法(next module allocation method)により完成し
てもよい。次モジュール割当て方法は、ui-1=(Fi-1
n,T i-1 n)の割当てにおいて発生した力及びトルクの
誤差を、割当て対象である次のモジュールに付加する。
特に、 【数12】 ここで、 【数13】 は、(i−l)番目のサブ領域の割当てにおいて生成さ
れたトルクと力それぞれの誤差であり、Wはトルク対力
の誤差の相対的な重要性を反映する誤差重み係数であ
る。W=1であれば、力の誤差のみを考慮し、W=0で
あれば力の誤差は無視してトルク誤差のみを考慮する。
i番目のモジュールは、より以前に行われた割当てにお
いて発生した誤差の補償を試みる。同様に、子モジュー
ル/サブモジュールがすべて割当てられている場合、そ
の結果としての親モジュールの誤差は次の親モジュール
に割当てられ、その親モジュールはその誤差をさらにそ
の子モジュール(すなわち、サブモジュール)に伝え
る。この実施形態においても、他の実施形態と同様、モ
ジュールを考慮する順序が重要でありうる。例えば、誤
差の割当ては、連続的または最も近い隣への順序にする
ことができる。様々な例示的な実施形態においては、物
体(用紙)の端部からその中心への(アウトサイドイ
ン)割当てが好ましい。アウトサイドイン割当てでは、
最も外側のモジュールを最初に割当てる。この割当て方
法により生成された誤差は、続いて、大抵は物体の逆側
にある次の最外側モジュールに割当てられる。この処理
を最後に中心モジュールが割当てられるまで継続する。
外側のモジュールは、物体に最大のトルクを付与する。
外側モジュールにより生成された誤差は互いに相殺され
る傾向があり、この結果、小さい誤差は、より小さいト
ルクを伝えることのできる内側モジュールによって処理
される。 【0078】上記の誤差割当て方法は、生成された誤差
を現在のベル内の残りのモジュールすべてに割当てる普
遍的(universal)誤差割当てでもよい。この誤差割当て
は、現在のモジュールの割当てによって生じた誤差によ
り、T(n-1)及びF(n-1)を調整することにより実現す
る。次のサブ領域の割当てでは、新しい目標を使用す
る。図7は、システムをモジュール1,2,3のそれぞ
れに対するモジュール701,702,703に分割
し、一点鎖曲線710で表される連続的な力に近づける
システムの分解を示す図である。各モジュールでは、そ
の境界における平均連続力密度を表そうと試みる。モジ
ュール1の場合、この力が712で示されている。この
モジュールに伝えられる実際の力は、鎖線で示される7
06である。よって、誤差が斜線を付けた方形708に
より示される。この誤差708を平均連続力714から
差し引き、モジュール2において太線718で示される
次の望ましい力を提供する。誤差708を力714から
引いたのは、モジュール1において、供給された力が望
ましい力712に比べて大きすぎたためである。モジュ
ール2に付与された力は716(鎖線)で示される。こ
の力は太線で示される総合的な望ましい力718に比べ
て小さいため、モジュール2の誤差728が生じる。こ
の誤差728が望ましい平均連続力722に付加され、
モジュール3の望ましい力720(太線)を得る。モジ
ュール3において実際に付与された力は、鎖線で示され
る724である。したがって、3つのモジュールすべて
の組合わせに対する誤差は、726である。他の可能性
として、各モジュールエラーを均等に他のモジュールに
与えてもよい。 【0079】上記の誤差割当て方法により、力の局所的
な割当ては絶対的に最適である必要はない。重要なの
は、全体的な割当てである。 【0080】本発明によるハイブリッド式階層最適アル
ゴリズムは、あらゆる数の作動装置に対して好適に機能
し、連続解を使用して問題を多数のより小さい自己相似
問題に分割することにより高次元問題に対する一般的な
手法を表す。本発明は、さらに、ロボットシステム、例
えば感温マイクロロボット(すなわち、「スマートダス
ト」)や、大規模工場などのシステムにも一般的に適用
可能である。 【0081】図8には、増分割当て解(incremental al
location solution)を提供する割当てシステム800
が概略的に示されている。システム800は、割当て解
を生成し、その割当て解に誤差がある場合にはその割当
て解を修正(すなわち「補正」または「修繕」)する。 【0082】割当てシステム800は、割当て解ソース
810と、解修正装置820と、作動あるいはさらなる
割当てのための解を供給される部材830とを含む。 【0083】種々の異なる例示的実施形態において、部
材830は、実行装置、例えば実行装置150であり、
あるいは複数の実行装置やモジュール実行装置、例えば
図1のモジュール実行装置170でもよい。あるいは、
作動装置のアレイ全体、例えば図2の作動装置220、
または個別モジュールアロケータ、例えば図1のモジュ
ールアロケータ192でもよい。 【0084】割当て解ソース810(アロケータ110
でもよい)は、リンク812により割当て解を解修正装
置820に供給する。割当て解は、(例えば同様の問題
に対する前回の解から)与えられたものでよいし、極め
て単純な割当てアルゴリズムにより生成してもよい。 【0085】解修正装置820は、割当て解を受信し、
部材830の物理的またはデザイン能力にもとづき、修
正された割当て解を生成する。修正された割当て解は、
リンク822により部材830に供給される。解修正装
置820は、割当て解ソース810によって供給された
初期割当て解から開始し、1つ以上の制約における誤差
を減らすべく解を変更しながらそれ以外の誤差はすべて
変更しないようにして、割当て問題を近似的に(approx
imately)解くことにより修正された割当て解を生成す
る。 【0086】解修正装置820は、ソフトウェアまたは
ハードウェアとして実施可能である。 【0087】図9は、解修正装置820により使用可能
な方法の1実施形態例を示す。この方法は、ステップS
900において開始し、次にステップS910に進み、
割当て解を受信する。 【0088】ステップS920において、割当て解に誤
差があるかどうかを判断する。通常、割当て解は、部材
の制約を満たす際に、矛盾、すなわち誤差を含んでい
る。誤差は、制約または目標ベースで定義され、特定の
制約または目標に関し、割当て解が部材に対して実行を
要求している事項と、その制約または目標に対して部材
が実行する事項(すなわち期待される動作)との間に矛
盾がある場合に誤差が存在するとされる。制約または目
標は、部材が物体に付与するトルクであってもよい。部
材が割当て解により付与するトルクは、割当て解トルク
によって要求されるトルクより大きい可能性があるが、
これはおそらく、特定方向の力など、別の制約が、部材
が満たすべき要件をさらに有するためである。例えば、
「力の合計=全体的なy方向の力」と「力の合計xその
x方向の位置=全体的なz方向トルク」という2つの制
約がある場合がある。割当て解はどちらの力がオンであ
るかを特定する。これにより、一方または他方の制約に
おける合計が、望ましい全体的な力またはトルクに等し
くない可能性が現れる。こうして、誤差があると判定さ
れると、処理はステップS930に進み、誤差がない場
合にはステップS940に進む。 【0089】ステップS930において、割当て解を修
正する。部材の能力を調査することにより、前記誤差
を、他の制約の状態を維持しながら低減するために、解
のいずれかの部分が修正可能か否かを判断する。2つの
制約、例えば、「力の合計=全体的なy方向の力」と
「力の合計xそのx方向の位置=全体的なz方向トル
ク」とがあり、これらの制約がいずれも矛盾する、すな
わちいずれの制約にも誤差が存在する場合もある。処理
は、さらにステップS940に進む。 【0090】ステップS940においては、解を出力す
る。割当て解がステップS930で修正されていれば、
修正された割当て解を出力する。修正が行われていなけ
れば、最初の割当て解を出力する。そして、ステップS
950において、この方法は終了する。 【0091】図10には、解修正装置820により使用
される別の実施形態が示される。この方法は、図9に示
した方法と以下の点で異なる。すなわち、図10の方法
では、ステップS1030において割当て解を修正した
後、ステップS1040(図9のステップS940に対
応)に進むのではく、ステップS1020(図9のステ
ップS920に対応)に戻る。そして、解がしきい値に
達した場合、例えば、その解がそれ以上の誤差を有さな
い場合や、解が許容可能な誤差公差に達した場合、また
は一定の反復を繰り返した後や特定の実行時間の経過後
などに、このようなループを終了してもよい。そして、
しきい値に達すると、ステップS1020からステップ
S1040に進む。 【0092】すなわち、割当て解をステップS1030
において複数回修正してもよい。割当て解の複数回修正
により、その解はそれに伴って(monotonically)改良
される。したがって、この方法はこのような随時特性(a
nytime property)を備えている(すなわち、この方法に
よれば、前記ループから出て、ステップS1020から
S1040に進む時には常に解を有し、ループを反復す
る回数が多いほどより良い解が得られる。)。 【0093】図11は、作動装置のアレイ1100の例
示的な1実施形態を示す概略図である。アレイ1100
は、x方向に整列した作動装置1110を含む。この実
施形態例により、図8に示される解修正装置820の動
作例を説明する。 【0094】各個別作動装置1110は、力1112を
y方向において平面物体1120に付与する。物体11
20は、y方向への移動と、物体の質量中心1122に
位置するz軸を中心にした回転との少なくともいずれか
の動きをする。説明を簡単にするために、各作動装置1
100、iは、力fiを伝えることができると仮定す
る。力fiは、負のy方向または正のy方向に向けられ
るか、あるいはオフされる。この実施形態では、X方向
の力は存在しない。アレイ1100が物体1120に力
を付与し、物体が所与の軌跡に従うことが望まれる場
合、上記のように、望ましい動きを生成するために各作
動装置により付加された力について判断をしなければな
らない。 【0095】この実施形態に対する全体アレイ1100
の割当て目標には、y方向の力Fyとz方向のトルクTz
とを含む。この実施形態における全体アレイ1100に
対する割当て解は、作動装置1100、iに対して選択
された力fiである。アレイ1100の実際のy方向の
力F’yは、 と定義される。アレイ1100の実際のz方向のトルク
T’zは、 と定義される。xi1116は、物体1120の質量中
心1122に対する作動装置iの位置である。y方向の
力の制約に関する誤差は、目標Fyと、割当て解により
決定する実際のy方向の力F’yとの差として定義され
る。z方向のトルクの制約に関する誤差は、目標T
zと、割当て解により決定する実際のz方向のトルク
T’zとの差として定義される。 【0096】図12は、本発明による解修正方法の例示
的な実施形態であり、図11の作動装置アレイ1100
を参照して説明する。この例示的実施形態は、アレイに
供給される割当てにおける誤差を低減する作動装置の修
正を考慮している。このようは修正は、選択された誤差
が最大限減少するようにその状態をフリップ(入れ替え
る:flip)ことができる2つの作動装置を探索すること
により実現する。この方法は、前記探索に対する関連要
因をあらかじめ算出して表に記憶することにより、最適
なフリップペアを探さなくても高速ルックアップが可能
な場合に、特に興味深い。 【0097】この方法は、ステップS1200において
開始し、ステップS1210に進み、ここで、アレイ全
体に対する割当て解fiを受信する。割当て解は、上記
の方法を含む種々の方法により受信できるが、上記の方
法に限定されるものではない。 【0098】通常、割当て解はアレイの制約を満たす際
に誤差を含む。例示的な本実施形態においては、誤差を
低減するために、1つの制約を満たす際の誤差を低減し
つつ他の制約に対する誤差は維持する、割当て解におけ
る変化を求める。この例示的な実施形態においては、低
減すべき誤差はトルク制約における誤差である。このよ
うな変化は、選択された誤差を最大限減少するようにそ
の状態をフリップすることのできる2つ作動装置(すな
わち、フリップペア)を探索することにより得られる。
フリップペアとは、一方の作動装置の力が減少し、他方
の作動装置の力が同じ量だけ増加する(これにより、全
体zトルクが変化するが、y方向の力は変化しない)作
動装置のペアである。ステップS1220において、初
期割当て解に基づき付与される実際のトルクT’zか
ら、割当て目標Tzにより要求されるトルクを引いた差
がゼロより大きいか否かを判断する。実際のトルクT’
zが目標より大きい場合、ステップS1230に進み、
T’zをTzまで減少する、作動装置のフリプペアを探索
する。そして、ステップS1260に進む。 【0099】ステップS1220において、T’z−Tz
がゼロより大きくないと判断された場合には、ステップ
S1240に進み、初期割当て解に基づき付加される実
際のトルクT’zから、割当て目標Tzにより要求される
トルクを引いた差がゼロより小さいか否かを判断する。
実際のトルクが目標より小さい場合、ステップS125
0に進み、T’zをTzまで増加する、作動装置のフリッ
プペアを探索する。そして、ステップS1260にさら
に進む。ステップS1240において、実際のトルクが
目標より小さくない場合は、ステップS1270に進
む。 【0100】ステップS1260においては、ステップ
S1230またはS1240の探索によって得られたフ
リップペアに基づき割当て解を修正する。この方法はス
テップS1270で終了する。だたし、図10に示され
る方法と同様に、図12に示す方法も、他の種々の実施
形態においてはループを含み、これにより修正された解
を誤差に関して再びチェックすることも可能である。 【0101】種々の例示的な実施形態においては、ステ
ップS1230及びS1240における探索に対する関
連要因を予めコンピュータ計算してルックアップテーブ
ルに記憶し、これにより最適なフリップペアの高速ルッ
クアップを可能にする。 【0102】誤差を最小限にするために、図1に示す2
つの作動装置1110の作動をフリップする。すなわ
ち、一方の作動装置iに対して力fiを増加し、他方の
作動装置jに対して力fjを同じ量だけ減少させる。2
つの作動装置の力を逆にすることにより、全体アレイ1
100に対する力F’yを維持しながら、誤差・T’z−
Tz・を低減することができる。力領域{−fmax,0,
fmax}が与えられると、フリップする力fiおよびfj
は、T’zを(xi−xj)fmaxだけ変化させる(f iは
−fmaxまたは0からfmax増加し、fjは0またはfmax
からfmax減少する)。したがって、T’zにおける可能
な改良は、フリップされる作動装置の相対位置xi及び
xjに依存する。 【0103】どの作動装置1110を修正する(フリッ
プする)かを決定するために必要なのは作動装置111
0の相対位置のみである。種々の例示的な実施形態にお
いては、要素d(i,j)を備えたルックアップテーブ
ルを予めコンピュータ計算し、作動装置の相対距離を決
定し、(すべての作動装置i及びjに対して)関係d
(i,j)=xi−xjを符号化する。一般に、ルックア
ップテーブルは、n個の作動装置に対してnxnのマト
リクスである。表1は、n=5の場合のルックアップテ
ーブルの例であり、すべての作動装置は互いに対して正
確に1装置分の間隔で配置されている。 【0104】 【表1】 他の様々な例示的な実施形態においては、ルックアップ
テーブルの半分のみをコンピュータ計算する。これは、
テーブルがしばしば作動装置のアレイに応じて対称的で
あるためである。例えば、表1に示される例では、d
(i,j)=−d(j,i)であり、d(i,i)=0
である。作動装置が、間隔sで規則的な格子状に配置さ
れている場合、すなわち、すべてのiに対し、xi+1−
xi=sであれば、d(1、j)(ただし、j>1)の
行だけを計算すれば十分である。これは、j>iであれ
ば、d(i,j)=d(1,j−i+1)(さらに、d
(i,j)=(j−i)s)であるためである。 【0105】この方法では、許可可能なフリップペア
(i,j)が見つかるまでテーブルの半分を検索する。
(現在の作動装置の状態f’i及びf’jが与えられた場
合、f i・0で、f’j・0であれば、フリップペア(i,
j)は許可可能である。)同一の組において許可可能な
フリップペアが多数ある場合には、最終決定をするため
の新たな基準、例えばフリップ後にオンになる作動装置
の数など、を使用することができる。 【0106】以下の、割当て解を修正するための例示的
な擬似コードでは、ルックアップテーブルd及び作動装
置割当て解f’i(i=1,..,n)が与えられる
と、本発明の方法は、可能であれば作動装置のうちの2
つをフリップすることにより、新しい解fi(i=
1,..,n)を決定する。 【0107】 すべてのi(i=1,..,n)に対し、fi=f’i(デフォルト解) T’z−Tz>0であれば、(T’zをTzまで減少するフリップを検索し) f’i・0で、f’j・0であり ・T’z−Tz +d(i,j)fmax・最小 になるようなペア(i,j)(i=1,..,n−1かつj=i+1,.., n) を求める。 【0108】さらに、同じ改良に対して追加的な基準を
最適化する。 【0109】 あるいは、T’z−Tz<0であれば、(T’zをTzまで増加するフリップを検 索し) f’i・0で、f’j・0であり ・T’z−Tz −d(i,j)fmax・最小 になるようなペア(i,j)(i=2,..,nかつj=1,..,i−1) を求 める。 【0110】さらに、同じ改良に対して追加的な基準を
最適化する。 【0111】 終了 このようなペア(i,j)が見つかった場合、(作動装置の状態をフリップす る) fi=fi+fmax fj=fj−fmax 終了 予めコンピュータ計算したルックアップテーブルの要素
を、変化が減少する順にさらに分類しても良い。作動装
置ペア指数の集合Skの配列(k=1,..,n−1)
を計算する。ここで、各ペアの集合は、変化の等しいフ
リップ作動装置を表す。各集合Skとともに、その集合
におけるペアの距離dkを決定して記録する。図11及
び表1に示される前記の例では、集合Skにおけるすべ
てのペア(i,j)に対し、d(i,j)=(n−k)
であり、s=dkである。例えば、表1の前記ルックア
ップテーブルを以下の配列により置き換えることができ
る。 【0112】S1={(1,5)},d1=4 S2={(1,4),(2,5)},d2=3 S3={(1,3),(2,4),(3,5)},d3=
2 S4={(1,2),(2,3),(3,4),(4,
5)},d4=1 テーブルの要素は、対象となる基準(metric of intere
st)に関して、ランク付けされた等価クラスごとにグル
ープ分けされる。そして、この方法は許可可能なフリッ
プペアが見つかるまで配列を検索し、それ以上の改良が
不可能である配列の位置に達する。 【0113】ルックアップテーブルは、1誤差における
単なる変化以外の基準を符号化してもよい。例えば、F
y及びTzの誤差の重み付けられた和を低減するという目
標を有するフリップ構成を評価することもできる。すな
わち、フリップペアは、これらの誤差の組合わせを低減
するものであれば許可される。 【0114】別の実施形態においては、重み付け誤差を
低減する、k個の作動装置切換えの組合わせ(k=
2,..,n)を検索する。例えば、質量中心から距離
xに位置する1つの作動装置がフリップでき、かつx/
2の距離にある2つの作動装置をフリップできる。 【0115】割当て解の修正は、特定数の制約及び正確
に2つの作動装置の切替えに限定されるものではない。
したがって、例えば、3つの作動装置の状態を一度に切
替えることを意図する場合、ルックアップテーブルは
(上記の2次元マトリクスではなく)3次元マトリクス
になり、マトリクスの位置(i,j,k)にある各要素
d(i,j,k)は、作動装置i,j及びkを変更する
ことにより解が改良される量を示す。別の例として、多
数の制約を一度に改良することが目標であれば、ルック
アップテーブルは1つ以上の制約における改良を符号化
してもよい。 【0116】図10の実施形態に示されるように、割当
て解の修正を複数回実行することが可能であり、これに
より、フリップ動作を複数回実行して解をさらに改良す
ることができる。 【0117】また、本発明による解修正方法の任意の実
施形態を連続的に適用することにより、複数の制約にお
ける誤差を低減することができる。 【0118】図13は、図1の多数要素システム100
の例示的な実施形態の概略図であり、解修正装置131
0をさらに含んでいる。この実施形態は、本発明によ
り、解修正装置を階層的アロケータにどのように組み合
わせることができるかを示している。解修正装置131
0は、図8に示される解修正装置820の例示的な1実
施形態である。 【0119】解修正装置1310は、アロケータ110
と複数の実行装置との間に設けられている。リンク11
2’によりアロケータ110が解修正装置1310に接
続されている。リンク1312により、解修正装置13
10が複数の実行装置120に接続されている。リンク
112’及び1312は、リンク112と同一である。 【0120】アロケータ110は、複数の実行装置を制
御するための割当て解を、リンク112’を介して解修
正装置1310に供給する。解修正装置は、本発明によ
る方法に基づき、解において検出された誤差に応じてそ
の解を修正する。本発明による方法とは、上記の方法を
含むが上記の方法のみに限定されない。割当て解に誤差
が検出されない場合、解修正装置は、元の割当て解を、
リンク1312を介して複数の実行装置120に送る。
一方、解修正装置1310は、割当て解に誤差があると
判断すると、修正した割当て解をリンク1312により
複数の実行装置120に送る。 【0121】解修正装置1310は、各モジュールにお
ける局所的な作動装置の変化の調査のみが要求されるよ
う、実行装置モジュール170及び180についての、
予めコンピュータ計算した情報を再利用してもよい。 【0122】本発明による解修正装置及び方法は、修正
された解を実行装置に直接供給する必要なく、修正した
解をアロケータに供給することも可能である。例えば、
本発明による解修正装置を、階層的アロケータの中間レ
ベルにおいて組み合わせることもできる。図14には、
図1の多数要素システム100が中間割当てレベル11
7において配置された解修正装置1410及び1420
をさらに含む、例示的な1実施形態が示されている。解
修正装置1410及び1420は、図8に示される解修
正装置820の例示的な実施形態である。 【0123】解修正装置1410及び1420は、アロ
ケータ110内に設けられている。解修正装置1410
は、モジュールアロケータ192と、モジュールアロケ
ータ194及び195との間に設けられている。解修正
装置1410は、モジュールアロケータ192から割当
て解を受信し、上記の例示的な方法を含む、本発明の割
当て解修正方法を実行して必要であれば割当て解を修正
し、修正した解をモジュールアロケータ194及び19
5に供給する。 【0124】解修正装置1420は、モジュールアロケ
ータ193と、モジュールアロケータ196及び197
との間に設けられている。解修正装置1420は、モジ
ュールアロケータ193から割当て解を受信し、上記の
例示的な方法を含む、本発明の割当て解修正方法を実行
して必要であれば割当て解を修正し、修正した解をモジ
ュールアロケータ196及び197に供給する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多数要素システムの例示的な実施形態を示す
概略図である。 【図2】 エアジェット式用紙搬送システムの例示的な
実施形態を示す概略図である。 【図3】 作動装置のアレイの例示的な実施形態を示す
概略図である。 【図4】 スマートマターシステムの、総合目的を割当
てる方法の例示的な実施形態を概略的に示すフローチャ
ートである。 【図5】 作動装置のアレイの物理的発見的グループ分
けの例示的な実施形態を示す概略図である。 【図6】 作動装置のアレイの論理的発見的グループ分
けの例示的な実施形態を示す概略図である。 【図7】 複数のサブ領域全体での誤差割当て方法を示
す図である。 【図8】 解修正装置を含む例示的な割当てシステムを
概略的に示す図である。 【図9】 割当て解を修正する方法を示す図である。 【図10】 割当て解を修正する別の方法を示す図であ
る。 【図11】 x方向に整列した作動装置のアレイを示す
概略図である。 【図12】 割当て解を修正する方法を示す図である。 【図13】 例示的な解修正装置をさらに含む、図1の
多数要素システムの概略図である。 【図14】 例示的な解修正装置がさらにアロケータの
中間レベルに配置された、図1の多数要素システムの概
略図である。 【符号の説明】 100 多数要素システム、110 システムアロケー
タ、120 実行装置、130 入力ソース、135
制御装置、140 センサ、170,180実行装置モ
ジュール、191,192,193,194,195,
196,197 モジュールアロケータ、200 エア
ジェット式用紙搬送システム、210制御装置/アロケ
ータ、220 エアジェットのアレイ、230 入力ソ
ース、240 センサ、250 個別エアジェット、2
60 物体、270,280作動装置モジュール、35
0 エアジェット、360 物体、362 質量中心、
370 作動装置モジュール、380 エアジェットモ
ジュール、810割当て解ソース、820 解修正装
置、830 部材、1310,1410,1420 解
修正装置。
概略図である。 【図2】 エアジェット式用紙搬送システムの例示的な
実施形態を示す概略図である。 【図3】 作動装置のアレイの例示的な実施形態を示す
概略図である。 【図4】 スマートマターシステムの、総合目的を割当
てる方法の例示的な実施形態を概略的に示すフローチャ
ートである。 【図5】 作動装置のアレイの物理的発見的グループ分
けの例示的な実施形態を示す概略図である。 【図6】 作動装置のアレイの論理的発見的グループ分
けの例示的な実施形態を示す概略図である。 【図7】 複数のサブ領域全体での誤差割当て方法を示
す図である。 【図8】 解修正装置を含む例示的な割当てシステムを
概略的に示す図である。 【図9】 割当て解を修正する方法を示す図である。 【図10】 割当て解を修正する別の方法を示す図であ
る。 【図11】 x方向に整列した作動装置のアレイを示す
概略図である。 【図12】 割当て解を修正する方法を示す図である。 【図13】 例示的な解修正装置をさらに含む、図1の
多数要素システムの概略図である。 【図14】 例示的な解修正装置がさらにアロケータの
中間レベルに配置された、図1の多数要素システムの概
略図である。 【符号の説明】 100 多数要素システム、110 システムアロケー
タ、120 実行装置、130 入力ソース、135
制御装置、140 センサ、170,180実行装置モ
ジュール、191,192,193,194,195,
196,197 モジュールアロケータ、200 エア
ジェット式用紙搬送システム、210制御装置/アロケ
ータ、220 エアジェットのアレイ、230 入力ソ
ース、240 センサ、250 個別エアジェット、2
60 物体、270,280作動装置モジュール、35
0 エアジェット、360 物体、362 質量中心、
370 作動装置モジュール、380 エアジェットモ
ジュール、810割当て解ソース、820 解修正装
置、830 部材、1310,1410,1420 解
修正装置。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ワレン ビー ジャクソン
アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サン
フランシスコ カステナーダ アベニュー
160
Fターム(参考) 5B045 AA05 GG02
5B056 BB22 BB34 BB37 BB42 BB91
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 割当て解を供給するアロケータと、 割当て解を受信し、修正された割当て解を生成する解修
正装置と、 少なくとも1つの動作制約を有し、修正された割当て解
と少なくとも1つの動作制約とに基づき動作を行う部材
と、 を有し、 前記解修正装置は、前記部材の動作のための割当て解を
変更して前記少なくとも1つの動作制約に対する誤差を
低減するとともに他の動作制約の割当て状況を維持する
ことにより、修正された割当て解を生成することを特徴
とする実行装置システム。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US09/845,210 US20030028275A1 (en) | 2001-05-01 | 2001-05-01 | Incremental distributed actuation for large assemblies of implementation units |
US09/845,210 | 2001-05-01 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003030173A true JP2003030173A (ja) | 2003-01-31 |
Family
ID=25294656
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002121698A Withdrawn JP2003030173A (ja) | 2001-05-01 | 2002-04-24 | 実行装置システム |
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Country | Link |
---|---|
US (1) | US20030028275A1 (ja) |
EP (1) | EP1258788A3 (ja) |
JP (1) | JP2003030173A (ja) |
BR (1) | BR0201510A (ja) |
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US8616339B2 (en) | 2008-12-08 | 2013-12-31 | Mitsubishi Electric Corporation | Elevator control device |
US10395139B2 (en) | 2016-06-29 | 2019-08-27 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information processing apparatus, method and computer program product |
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DE102009026573A1 (de) * | 2009-05-29 | 2010-12-02 | Ford Global Technologies, LLC, Dearborn | Verfahren und Vorrichtung zur Steuerung der Aktuatorzuordnung in einem System, insbesondere einem Fahrzeug |
US9733638B2 (en) | 2013-04-05 | 2017-08-15 | Symbotic, LLC | Automated storage and retrieval system and control system thereof |
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WO2001026334A2 (en) * | 1999-10-06 | 2001-04-12 | Sensoria Corporation | Method and apparatus for sensor networking |
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2001
- 2001-05-01 US US09/845,210 patent/US20030028275A1/en not_active Abandoned
-
2002
- 2002-04-24 JP JP2002121698A patent/JP2003030173A/ja not_active Withdrawn
- 2002-04-30 EP EP02009779A patent/EP1258788A3/en not_active Withdrawn
- 2002-04-30 BR BR0201510-2A patent/BR0201510A/pt not_active Application Discontinuation
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US8087023B2 (en) | 2002-12-23 | 2011-12-27 | International Business Machines Corporation | Topology aware grid services scheduler architecture |
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US10395139B2 (en) | 2016-06-29 | 2019-08-27 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information processing apparatus, method and computer program product |
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Publication number | Publication date |
---|---|
EP1258788A2 (en) | 2002-11-20 |
BR0201510A (pt) | 2003-06-10 |
US20030028275A1 (en) | 2003-02-06 |
EP1258788A3 (en) | 2003-10-22 |
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Date | Code | Title | Description |
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