JP2003028991A - 坑道のモニタリング方法 - Google Patents

坑道のモニタリング方法

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JP2003028991A JP2002126003A JP2002126003A JP2003028991A JP 2003028991 A JP2003028991 A JP 2003028991A JP 2002126003 A JP2002126003 A JP 2002126003A JP 2002126003 A JP2002126003 A JP 2002126003A JP 2003028991 A JP2003028991 A JP 2003028991A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物の地層処分場等におけるモニタリング
に際し、センサー,試錐孔,通信ケーブルの数を削減
し、センサーや通信ケーブル等の交換やメンテナンスを
容易に行なえるようにする。 【解決手段】 坑道4や処分孔6の近傍や周辺の岩盤B
内、坑道支保工Dの内部や表面、処分孔6の緩衝材Cの
内部に設けた走行管10〜14内に、各種センサーや採
水装置等を少なくとも1つ備えた移動式のモニタリング
装置20を配置し、このモニタリング装置20を移動さ
せながら、あるいは所定の位置に定置して、岩盤,坑道
支保工または処分空間内緩衝材の温度,変位,歪み,応
力,地下水の測定、岩盤,坑道支保工背面または処分空
間内緩衝材の空隙の測定、岩盤内,坑道支保工内または
処分空間内緩衝材内の地下水の採取等を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、坑道のモニタリン
グ方法に関するものであり、特に放射性廃棄物等を地下
に埋設処分するための地層処分場のモニタリングに有効
に適用される。
【0002】
【従来の技術】放射性廃棄物の地層処分方法は、従来か
ら種々の方法が提案されており、例えば高レベル放射性
廃棄物に関しては、廃棄物をガラス原料と共に高温で溶
かし合わせてステンレス鋼製のキャニスターに流し込む
ことにより、ガラス固化体として安定化処理し、このガ
ラス固化体をオーバーパックと称される厚肉鋼板製の密
閉容器内に密閉収納し、このオーバーパックを地下数百
〜千数百mの深さの岩盤中に緩衝材を介して地層処分す
ることが計画されている。
【0003】このような地層処分システムにおいて、廃
棄体(オーバーパック)を定置埋設するレイアウトとし
ては、図16に示すような基本的な4つの方式がある。
図16(a) は、処分坑道横置き方式であり、左右に一対
の主要坑道(搬送坑道)1,1間に水平あるいは上下方
向に傾斜させた処分坑道(処分空間)2を所定の間隔を
おいて平行に掘削形成し、各処分坑道2内に廃棄体Aを
横にして坑道長手方向に所定の間隔をおいて定置埋設し
ている。図16(b) は、処分立坑竪置き方式であり、上
部の主要坑道(搬送坑道)1と下部の坑道1’間に垂直
の処分孔(処分立坑:処分空間)3を所定の間隔をおい
て平行に掘削形成し、各処分立坑3内に廃棄体Aを竪に
して上下方向に所定の間隔をおいて定置埋設している。
【0004】図16(c) は、処分孔横置き方式であり、
処分坑道(搬送坑道)4の両側壁部に水平の処分孔(処
分空間)5を坑道長手方向に間隔をおいて掘削形成し、
各処分孔5内に廃棄体Aを横にして定置埋設している。
図16(d) は、処分孔竪置き方式であり、処分坑道4の
底部に垂直の処分孔(処分空間)6を坑道長手方向に間
隔をおいて掘削形成し、各処分孔6内に廃棄体Aを竪に
して定置埋設している。
【0005】このような地層処分システムにおいては、
操業前の試験段階や実際の操業段階で、岩盤の変位や地
下水の浸入等をモニタリングする必要があり、スウェー
デンのプロトタイプ処分場では、図17に示すような、
バリア性能を確認する実証試験が実施されている。
【0006】この実証試験では、図17に示すように、
実物大の処分孔6に疑似キャニスターAと緩衝材Cを定
置し、上部空間4を埋め戻し、先ず緩衝材Cの膨潤挙動
をモニタリングしている。この緩衝材の挙動確認のた
め、多くのセンサー101が埋め込まれ、このセンサー
からのデータを得るため、隣接して設けた計測用坑道1
02から30本程度の試錐孔103をプロトタイプ処分
場100(処分孔上部坑道4)に向けて掘削し、試錐孔
103の中に通信ケーブルを配置している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のような
従来のモニタリング方法では、センサー,試錐孔,通信
ケーブルの数が膨大なものとなり、設置作業やメンテナ
ンスに時間がかかり、コストが増大するという課題があ
る。あるいは、メンテナンスが不可能であり、モニタリ
ングを継続できない場合がある。
【0008】また、地層処分場で適用されるセンサーや
通信ケーブル等のモニタリング機器は、高温・高圧環境
下で長期間の使用に耐える必要があり、モニタリング機
器には耐久性が必要とされる。しかし、後述する例に示
される通り、モニタリング機器の耐久性は、長期間の使
用に対して十分であるとはいえず、従来のモニタリング
方法では、一度埋め込んだセンサーやケーブルの交換が
難しいという課題がある。
【0009】センサーの耐久性に関しては、カナダの地
下 420mの坑道におけるベントナイトプラグとコンクリ
ートプラグの実証試験では、ベントナイトプラグの性能
確認のために 800個以上のセンサーが設置されたが、そ
の稼動状況は3年間で80%台であった。また、通常の土
木工事における情報化施工でも、数年の工事期間終了ま
でに3割程度のセンサーに何らかの問題が生じることが
多い。
【0010】本発明は、前述のような従来のモニタリン
グ方法の課題を解決すべくなされたもので、本発明の第
1の目的は、廃棄物の地層処分場等におけるモニタリン
グに際し、センサー,試錐孔,通信ケーブルの数を少な
くすることができると共に、センサーや通信ケーブル等
の交換やメンテナンスを容易に行なうことができる坑道
のモニタリング方法を提供することにある。
【0011】さらに、本発明の第2の目的は、廃棄物の
地層処分場等におけるモニタリングに際し、試錐孔,通
信ケーブルの数を少なくすることができると共に、人工
バリアに水の通り道が形成されるのを防止することがで
き、かつ、モニタリング装置を小型で安価な装置とする
ことができる坑道のモニタリング方法を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1〜6
は、前記第1の目的を達成するものである。本発明の請
求項1は、坑道の近傍や周辺の岩盤内または坑道支保工
の内部や表面に走行路を設け、この走行路内に移動式の
モニタリング装置を配置し、岩盤または坑道支保工に関
連する各種のモニタリングを行なうことを特徴とする坑
道のモニタリング方法である。
【0013】この請求項1は、通常のトンネルの維持・
管理、放射性廃棄物の地層処分場の維持・管理に適用さ
れるものであり、岩盤または坑道支保工を坑道軸方向と
平行または直角にボーリングして走行路を形成し、ある
いは、このボーリング孔内に走行管を設置して走行路を
形成する。温度センサー,変位センサー(傾斜計),超
音波センサー,pHセンサー,採水装置などを1種類ま
たは複数種類搭載したモニタリング装置を移動させなが
ら、あるいは、所定の箇所に定置して、岩盤や坑道支保
工の温度,変位,歪み,応力,地下水の測定、岩盤や坑
道支保工背面の空隙の測定、岩盤内や坑道支保工内の地
下水の採取等を行なう。
【0014】本発明の請求項2は、廃棄物が緩衝材を介
して埋設される処分空間と、この処分空間に廃棄物を搬
送するための坑道を備えた地層処分場におけるモニタリ
ング方法であり、坑道の近傍や周辺の岩盤内または坑道
支保工の内部や表面、あるいは、処分空間の近傍や周辺
の岩盤内または処分空間の内部や表面に走行路を設け、
この走行路内に移動式のモニタリング装置を配置し、岩
盤、坑道支保工または処分空間内や坑道内の充填材(緩
衝材や埋め戻し材・プラグ等)に関連する各種のモニタ
リングを行なうことを特徴とする坑道のモニタリング方
法である。
【0015】この請求項2は、放射性廃棄物等の地層処
分場に適用した場合であり、図16に示す坑道1や4な
どの近傍の岩盤内に走行路を坑道軸方向と平行または直
角に設ける。あるいは、坑道1や4の支保工の内部に坑
道軸方向と平行に走行路を設ける。あるいは、図16に
示す処分坑道2,処分孔3,処分孔5,処分孔6などの
処分空間の近傍の岩盤内またはこれらの処分空間の内部
に走行路を処分空間軸方向と平行に、あるいは、処分空
間や廃棄体を取り囲むように設ける。走行路は、ボーリ
ングにより形成し、あるいは、このボーリング孔内に走
行管を設置して形成する。走行管の材質は、耐久性のあ
るプラスチックやセラミックス等が好ましい。
【0016】この請求項2では、温度センサー,変位セ
ンサー(傾斜計),超音波センサー,pHセンサー,採
水装置などを1種類または複数種類搭載したモニタリン
グ装置を移動させながら、あるいは、所定の箇所に定置
して、岩盤,坑道支保工または処分空間内や坑道内の緩
衝材や埋め戻し材・プラグ等の温度,変位,歪み,応
力,地下水の測定、岩盤,坑道支保工背面または処分空
間内緩衝材や埋め戻し材・プラグ等の空隙の測定、岩盤
内,坑道支保工内または処分空間内緩衝材内の地下水の
採取等を行なう。
【0017】本発明の請求項3は、請求項1または2に
記載の坑道のモニタリング方法において、モニタリング
装置は、自走可能なモニタリング機器または外部の駆動
手段で移動可能なモニタリング機器であることを特徴と
する坑道のモニタリング方法である。
【0018】この請求項3では、モニタリング装置は比
較的小径の走行路を移動可能な装置であり、センサーや
採水装置等を内蔵したモニタリング機器を駆動モータと
駆動輪等で自走させ、あるいは、押し棒,ケーブル,流
体圧などの外部の駆動手段で走行させる。
【0019】本発明の請求項4は、請求項1、2または
3に記載の坑道のモニタリング方法において、モニタリ
ングに傾斜計を使用し、岩盤、坑道支保工または処分空
間内の変位を測定することを特徴とする坑道のモニタリ
ング方法である。
【0020】この請求項4では、傾斜計を搭載したモニ
タリング装置を走行させ、坑道や処分空間の近傍の岩盤
の変位、坑道支保工の変位、または処分空間内の緩衝材
の変位を測定する。計測された変位から、岩盤等の歪み
や応力を求めることができる。
【0021】本発明の請求項5は、請求項1、2、3ま
たは4に記載の坑道のモニタリング方法において、モニ
タリングに採水装置を使用し、岩盤、坑道支保工または
処分空間内の地下水を採取することを特徴とする坑道の
モニタリング方法である。
【0022】この請求項5では、採水装置を搭載したモ
ニタリング装置を走行させ、所定の位置で採水する。採
水後、試験室などで、岩盤の地下水組成,坑道支保工等
の浸透水組成を測定する。pHセンサーで直接測定する
こともできる。
【0023】本発明の請求項6は、請求項1、2、3、
4または5に記載の坑道のモニタリング方法において、
モニタリングに超音波測定器を使用し、岩盤、坑道支保
工または処分空間内の空隙を検出することを特徴とする
坑道のモニタリング方法である。
【0024】この請求項6では、超音波測定器を搭載し
たモニタリング装置を走行させ、坑道支保工背面等に発
生した空隙を検出する。この空隙は、走行管を利用して
グラウトを注入することにより、埋めることができる。
【0025】以上のような構成の本発明の走行路と移動
式のモニタリング装置による坑道のモニタリング方法で
は、坑道の近傍や周辺の岩盤内または坑道支保工の内部
や表面などに走行路を設け、この走行路内に移動式のモ
ニタリング装置を配置し、岩盤または坑道支保工などの
各種のモニタリングを行なうため、1つのモニタリング
装置により広範囲にわたってモニタリングを行なうこと
ができ、また、少ない数のモニタリング機器で多く位置
で多くの項目をモニタリングすることができ、従来のス
ウェーデンのプロトタイプ処分場の場合と比べて、セン
サー,試錐孔,通信ケーブルの数を大幅に削減すること
ができる。
【0026】さらに、モニタリング装置は簡単に取り出
すことができるため、センサーや通信ケーブル等の交換
やメンテナンスを容易に行なうことができ、長期間にわ
たって正確なモニタリングが可能となる。
【0027】本発明の請求項7〜10は、前記第2の目
的を達成するものである。本発明の請求項7は、坑道の
周辺の岩盤内または坑道支保工に走行路を設け、この走
行路内に移動式のデータ収集装置を配置し、前記走行路
の外に設けたモニタリング装置により岩盤または坑道支
保工に関連する各種のデータを計測して無線で発信し、
このデータを前記データ収集装置で収集することを特徴
とする坑道のモニタリング方法である。
【0028】この請求項7は、通常のトンネルの維持・
管理、放射性廃棄物の地層処分場の維持・管理に適用さ
れるものであり、岩盤または坑道支保工を坑道軸方向と
平行または直角にボーリングして走行路を形成し、ある
いは、このボーリング孔内に走行管を設置して走行路を
形成する。一方、モニタリング装置(地中無線センサ)
は、前記走行路の近傍の岩盤内あるいは坑道内等に設置
し、例えば、周辺岩盤や坑道支保工等の温度、変位、歪
み、応力、間隙水圧、空隙、ガス、電位、地下水化学
(pH、Eh、地下水組成、放射能、電気伝導度等)な
どを計測する。この計測データを、モニタリング装置に
搭載された送信器から無線方式(電磁波方式、音響方式
や超音波方式等)で発信し、走行路内を移動し、あるい
は、所定の位置に定置されたデータ収集装置の受信器で
受信して収集する。
【0029】本発明の請求項8は、廃棄物が緩衝材を介
して埋設される処分空間と、この処分空間に廃棄物を搬
送するための坑道を備えた地層処分場におけるモニタリ
ング方法であり、坑道の周辺の岩盤内または坑道支保
工、あるいは、処分空間の周辺の岩盤内に走行路を設
け、この走行路内に移動式のデータ収集装置を配置し、
前記走行路の外に設けたモニタリング装置により、岩
盤、坑道支保工または処分空間内や坑道内の充填材(緩
衝材や埋め戻し材・プラグ等)に関連する各種のデータ
を計測して無線で発信し、このデータを前記データ収集
装置で収集することを特徴とする坑道のモニタリング方
法である。
【0030】この請求項8は、放射性廃棄物等の地層処
分場に適用した場合であり、図16に示す坑道1や4な
どの近傍の岩盤内に走行路を坑道軸方向と平行または直
角に設ける。あるいは、坑道1や4の支保工の内部に坑
道軸方向と平行に走行路を設ける。あるいは、図16に
示す処分坑道2,処分孔3,処分孔5,処分孔6などの
処分空間の近傍の岩盤内に走行路を処分空間軸方向と平
行に設ける。走行路は、ボーリングにより形成し、ある
いは、このボーリング孔内に走行管を設置して形成す
る。走行管の材質は、耐久性のあるプラスチックやセラ
ミックス等が好ましい。一方、モニタリング装置(地中
無線センサ)は、処分坑道や処分孔などの処分空間に定
置埋設される廃棄体(オーバーパック)等に近接して、
あるいは、その近傍に埋設し、または、処分孔に通じる
坑道等の埋め戻し材内等に埋設し、例えば、廃棄体の温
度など、緩衝材や埋め戻し材の温度、膨潤圧、ひずみな
ど、周辺岩盤や坑道支保工等の温度、変位、歪み、応
力、間隙水圧、空隙、ガス、電位、地下水化学(pH、
Eh、地下水組成、放射能、電気伝導度等)などを計測
する。この計測データを、モニタリング装置に搭載され
た送信器から無線方式(電磁波方式、音響方式や超音波
方式等)で発信し、走行路内を移動し、あるいは、所定
の位置に定置されたデータ収集装置の受信器で受信して
収集する。
【0031】本発明の請求項9は、請求項7または8に
記載の坑道のモニタリング方法において、データ収集装
置は、自走可能なデータ収集機器または外部の駆動手段
で移動可能なデータ収集機器にデータの受信器が設けら
れていることを特徴とする坑道のモニタリング方法であ
る。
【0032】この請求項9では、データ収集装置は比較
的小径の走行路を移動可能な装置であり、データ収集機
器を駆動モータと駆動輪等で自走させ、あるいは、押し
棒,ケーブル,流体圧などの外部の駆動手段で走行させ
る。データ収集機器は、少なくとも受信器が搭載され、
受信した計測データを通信ケーブルを介して伝送し、あ
るいは、データ収集機器のメモリ内に一時的に蓄積する
などする。なお、このデータ収集機器には、センサを搭
載し、モニタリング装置(地中無線センサ)とは別の計
測を行うようにすることもできる。
【0033】本発明の請求項10は、請求項7、8また
は9に記載の坑道のモニタリング方法において、モニタ
リング装置は、密閉容器の中に、電源と、各種の計測を
行うセンサと、センサからの計測データを無線で送信す
る送信器が収納されていることを特徴とする坑道のモニ
タリング方法である。
【0034】この請求項10では、モニタリング装置と
データ収集機器は比較的近くに位置しているため、小型
の送信器等を用いることができる。センサは常時作動さ
せてもよいし、電源を節約するために定期的に作動させ
てもよい。また、モニタリング装置とデータ収集機器に
それぞれ送受信器を設け、モニタリング装置に制御信号
を送信してセンサ等を制御することもできる。
【0035】以上のような構成の本発明の走行路と移動
式のデータ収集装置と地中無線センサによる坑道のモニ
タリング方法では、坑道の周辺の岩盤内または坑道支保
工などに走行路を設け、この走行路内に移動式のデータ
収集装置を配置し、岩盤、坑道支保工または処分空間内
や坑道内の充填材などに関連する各種のデータをモニタ
リング装置で計測して無線で発信し、前記データ収集装
置で収集するため、従来のスウェーデンのプロトタイプ
処分場の場合と比べて、試錐孔,通信ケーブルの数を大
幅に削減することができる。
【0036】また、モニタリング装置の計測データをデ
ータ収集装置へ無線で伝送するため、緩衝材や埋め戻し
材等の人工バリアに水の通り道(通信ケーブルや走行管
など)が形成されるのを防止することができ、核種等の
選択的移行経路を無くすことができ、処分場の安全性を
損なうことがない。また、無線による通信は、モニタリ
ング装置と走行路のデータ収集装置とが比較的近くに位
置しているため、例えば10m程度の短距離の通信であ
り、小型の通信装置でよく、モニタリング装置を小型で
安価な装置とすることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施の形
態に基づいて説明する。この実施形態は、高レベル放射
性廃棄物の地層処分場に本発明を適用した例である。図
1〜図13は、本発明の走行路と移動式のモニタリング
装置による坑道のモニタリング方法(請求項1〜6)の
実施形態である。
【0038】図1は、図16(d) の処分孔竪置き方式に
適用した例であり、処分坑道4の近傍における岩盤B内
に走行管10を坑道4の軸方向と平行に配設し、坑道4
の近傍における岩盤B内に走行管11を坑道4の軸方向
と直交するように配設している。また、処分坑道4の支
保工(吹付けコンクリートと2次覆工コンクリートな
ど)D内または支保工Dの表面に走行管12を坑道4の
軸方向と平行に配設している。
【0039】さらに、坑道4の底部に垂直に掘削形成さ
れた処分孔6の近傍における岩盤B内に走行管13を処
分孔6の軸方向と平行に配設し、処分孔6の緩衝材(ベ
ントナイトを主な成分とする混合土など)Cの内部にお
ける廃棄体(オーバーパック)Aの外側に走行管14を
処分孔6の軸方向と平行に配設している。なお、緩衝材
Cのベントナイト混合土は、力学的な緩衝機能,低透水
性能,放射性物質の低拡散性能を有する材料であり、岩
盤圧や地下水の影響を低減し、核種の移行を遅延させる
ことができるものである。
【0040】このような走行管10〜14内に移動式の
モニタリング装置20を配置し、モニタリング装置20
を移動させながら、あるいは、所定の位置に定置させ
て、後述する種々の測定や採水などのモニタリングを行
なう。また、必要に応じて、走行管からモニタリング装
置20を取り出して、センサーや通信ケーブル等の交換
やメンテナンスを行なう。
【0041】モニタリング装置20は、例えば図1(b)
に示すように、センサー等のモニタリング機器が内蔵さ
れた本体21と、この本体21の両端部に配置された移
動安定装置22などから構成されている。移動安定装置
21には、その周方向に間隔をおいて車輪、ローラある
いはスライダー23等が複数配設されている。本体21
には、1種類のセンサー等を搭載してもよいし、複数個
のセンサー等を搭載するようにしてもよい。
【0042】例えば、図2(a) は処分孔内の人工バリア
(緩衝材)のモニタリング概念図であり、処分孔6の緩
衝材C内に走行管14を設置し、この走行管14の内部
に種々のセンサー等を備えた各種モニタリング装置20
を上下に移動させることで、様々なデータを走行管14
内の任意の位置で取得することが可能となる。従来と比
べて、センサーの数を大幅に減少させることができ、コ
ストの削減が可能となる。
【0043】図2(b) は天然バリア(岩盤)のモニタリ
ング概念図であり、処分坑道4の周辺母岩に沿って水平
ボーリングを行い、このボーリング孔に走行管10を設
置し、この走行管10の内部にモニタリング装置20を
水平移動させることで、広範囲にわたって1つのセンサ
ーでモニタリングすることが可能となる。センサー等の
種類を替えることで、多くの項目をモニタリングするこ
とも可能である。
【0044】なお、モニタリング装置20を常時移動さ
せる必要がない場合には、交換時にのみ移動させるとい
う使い方で十分である。
【0045】(1) 走行管の配置レイアウト 図3はオーバーパック近傍の人工バリア内に走行管を設
置する場合の走行管の配置レイアウト例を示したもので
ある。処分孔竪置き方式では、図3(a) に示すように、
直線状の走行管14内をモニタリング装置20が上下に
往復移動する往復型や、廃棄体Aの周りに環状に配置し
た走行管14内をモニタリング装置20が循環移動する
循環型などが考えられる。
【0046】処分坑道横置き方式では、図3(b) に示す
ように、処分坑道2の軸方向に平行に配設された走行管
14内をモニタリング装置20が一方向に水平移動する
一方通行型、比較的短い走行管14内をモニタリング装
置20が水平往復移動する往復型、1個ないし複数個の
廃棄体Aの周りをモニタリング装置20が循環移動する
循環型などが考えられる。
【0047】図4は天然バリアの配置レイアウト例を示
したものであり、図4(a) の処分孔竪置き方式の処分坑
道4では、一方通行型などとし、図4(b) の処分孔竪置
き方式の処分孔6では、往復型などとする。
【0048】(2) モニタリング装置の移動方式 図5はモニタリング装置20の移動方式の例を示したも
のである。図5(a) は、移動安定装置22に走行管の内
面を転動する駆動輪23を複数設け、自走させる自走式
の例である。駆動輪23の駆動モータには電力ケーブル
24で電力を供給する。これに限らず、バッテリー電源
式とすることもできる。
【0049】図5(b) は、モニタリング装置20の片側
から伸縮棒等の押し込み装置25により押し引きする片
押し式の例である。処分孔竪置き方式のように上下移動
させる場合には、重力を利用できるため、ケーブルとウ
インチ等による巻き上げ・巻き下げ方式とすることがで
きる。
【0050】図5(c) は、モニタリング装置20の両端
に連結した牽引ケーブル26で牽引するケーブル式の例
である。処分孔竪置き方式のように上下移動させる場合
には、モニタリング装置20の上端部のみに牽引ケーブ
ル26を連結すればよい。
【0051】図5(d) は、空気圧あるいは液圧(走行管
内に液を充填する場合)27でモニタリング装置20を
移動させる圧力式の例である。一方向の移動に空気圧等
を使用し、他方向の移動に牽引ケーブル26を使用して
もよいし、両方向の移動に空気圧等を使用することもで
きる。
【0052】(3) モニタリング装置の形状 図6はモニタリング装置20の形状の例を示したもので
ある。図6(a) は、円筒形の本体21の両端部に車輪付
きの移動安定装置22を設けた基本形の例である。この
場合、直線状の走行管内での走行性が良好となる。
【0053】図6(b) は、本体21の中央部を2分割し
てピンヒンジ等で連結し、折れ曲がるようにした中折れ
型の例である。この場合、曲線状の走行管内での走行が
円滑となる。折り曲げる箇所は、本体21に限らず、そ
の他の部分でもよい。
【0054】図6(c) は、モニタリング装置20の両端
に流線型の端部28を設けた例である。この場合、液体
中を移動させる場合に有効である。
【0055】図6(d) は、装置全体を球型にした例であ
り、球形の本体21の中央に移動安定装置22を設けて
いる。この場合、形状がコンパクトであるため、走行性
がよい。
【0056】図6(e) は、円筒形の本体21のみからな
る例であり、移動安定装置22が無くても、直線状の走
行管の場合は十分に走行可能と考えられる。
【0057】図6(f) は、球形の本体21のみからなる
例である。移動方式が圧力方式(空気圧・液圧)で、か
つ、データ保存装置を内蔵させれば、ケーブルも不要で
あり、簡素なシステムになる。
【0058】(4) モニタリング装置の交換方法 移動式のモニタリング装置の特徴である「交換しやす
さ」や「メンテナンスのし易さ」を向上させるため、図
7(a) に示すように、走行管14の端部から使用してい
たモニタリング装置20を直接取り出し、新しいモニタ
リング装置20を挿入し、モニタリング装置を完全に取
り替える方式が最も簡単である。
【0059】これに対し、常時モニタリングをする必要
がなく、モニタリング装置20を一時的に別の場所に保
管しておきたい場合、また、走行管内の雰囲気を乱した
くない場合などには、図7(b) に示すように、走行管1
4の一部とモニタリング装置20を一体化して着脱する
方式が考えられる。この場合、走行管14内の雰囲気が
一定に保たれるため、人工バリアへの影響が小さい。セ
ンサー自体のキャリブレーションも容易になる。
【0060】(5) モニタリング装置からのデータ伝送方
式 モニタリング装置20のセンサーで取得したデータは、
図8(a) に示すように、移動用ケーブルを兼ねる通信ケ
ーブル30を用い、パソコン等の記録装置31に直接伝
送する方式が考えられる。この方式は、信頼性が高い
が、通信距離が長くなる場合にはケーブルに負担がかか
る。
【0061】また、センサーにメモリを内蔵させ、モニ
タリングしたデータをメモリ内に一時的に蓄積する方式
も考えられる。図8(b) に示すように、データが保存さ
れたモニタリング装置20を走行管14内の所定の位置
まで移動させ、記録装置31に接続してデータを保存す
る。場合によっては、モニタリング装置20を走行管1
4から取り外して記録装置31に接続する。モニタリン
グ装置20の移動方式が圧力方式の場合、ケーブルが不
要になるため、システムを簡素化できる。
【0062】なお、以上のようなデータ伝送方式に限ら
ず、無線でデータを伝送することも可能である。
【0063】また、モニタリング装置20の走行は、有
線方式や無線方式で、オペレータの操作により制御さ
れ、あるいはコンピュータにより自動制御される。
【0064】(6) 走行管の埋め戻し 実際の操業段階で廃棄体Aや緩衝材C等の搬送や定置の
作業の間、モニタリングを継続し、これらの作業が終了
すると、搬送坑道等を埋め戻して永久閉鎖することにな
るが、天然バリアや人工バリア内に設置された走行管が
将来の水の通りみちになることを防止するため、適切に
埋め戻し処理する必要がある。このような埋め戻し処理
の一例を図9に示す。
【0065】図9において、 先ずモニタリング装置
20を走行管14内から撤去した後、走行管14の内部
にベントナイトCを注入する。 緩衝材Cの上面から
所定の距離だけ走行管14の上部の周囲の緩衝材Cを掘
削する。 走行管14の上部を切断除去する。 掘
削した空間を緩衝材Cで埋め戻す。
【0066】(7) 走行管 移動式のモニタリング装置20の場合、装置自体は交換
可能であるため、交換しながら長期間のモニタリングが
可能となる。しかし、走行管10〜14の交換は困難で
あるため、走行管は耐久性のある材質、例えばプラスチ
ックやセラミックスとするのが好ましい。
【0067】(8) その他 図10(a) に示すように、人工バリア(緩衝材C)への
影響を小さくするため、走行管14内に窒素等の不活性
ガスを封入することも考えられる。
【0068】また、図10(b) に示すように、走行管1
4に通水用孔40を設けるなどして、再冠水後に走行管
14内に間隙水が浸入可能な構造とすることにより、緩
衝材間隙水のpH等の化学特性もモニタリングすること
ができる。
【0069】さらに、図10(c) に示すように、モニタ
リング装置20に清掃ブラシ41を設け、走行管14の
メンテナンスを実施することもできる。
【0070】(9) 具体的な測定例 図11は、図1の処分孔竪置き方式における岩盤関連の
モニタリングの例を示したものである。図11(a) は、
モニタリング装置20に移動式傾斜計20−1を使用
し、岩盤B内に設置した処分坑道4に平行な3本の走行
管10(1本でもよい)内を水平移動させ、トンネル軸
方向の岩盤変位を測定する例である。この測定値から歪
みや応力を算出することができる。
【0071】図11(b) は、岩盤B内に設置した処分坑
道4に垂直な走行管11内に移動式傾斜計20−1を上
下移動させ、トンネル直角方向の歪みや応力を測定する
例である。
【0072】図11(c) は、モニタリング装置20に移
動式採水装置20−2を使用し、走行管10内を水平移
動させ、所定の位置で地下水を採取する例である。採水
後、試験室で地下水組成を測定する。なお、走行管10
の所定位置にパッカーや弁等を設置しておくこともでき
る。また、直接、pH計を走行させることも可能であ
る。
【0073】図12は、図1の処分孔竪置き方式におけ
る支保工関連のモニタリングの例を示したものである。
図12(a) は、モニタリング装置20に移動式傾斜計2
0−1を使用し、支保工D内に設置した処分坑道4に平
行な3本の走行管12(1本でもよい)内を水平移動さ
せ、トンネル軸方向の支保工変位を測定する例である。
この測定値から歪みや応力を算出することができる。
【0074】図12(b) は、モニタリング装置20に移
動式採水装置20−2を使用し、走行管12内を水平移
動させ、所定の位置で地下水を採取する例である。採水
後、試験室で地下水組成を測定する。この場合、地盤中
地下水組成との比較ができる。なお、走行管12の所定
位置にパッカーや弁等を設置しておくこともできる。ま
た、直接、pH計を走行させることも可能である。
【0075】図12(c) は、モニタリング装置20に移
動式超音波測定器20−3を使用し、走行管12内を水
平移動させ、支保工Dの背面の空隙を測定する例であ
る。
【0076】図13は支保工関連のその他のモニタリン
グ等の例を示したものである。図13(a) は、走行管1
2を支保工Dの2次覆工排水層内(排水シート内)に2
本設置し(1本でもよい)、排水層に浸入する地下水を
通水孔等を有する走行管12に集水し、処分坑道4の端
部より排水する例である。その際、水量と組成を測定す
る。
【0077】図13(b) は、長期間供用中に支保工Dの
背面に空隙が発生し、処分坑道4の健全性を維持するの
が難しくなった場合には、走行管12を予めダブルパッ
カー式スリーブパイプとし、グラウトの注入を行なう例
である。管の閉塞にも利用することができる。グラウト
材料は、セメント系やベントナイト系などを使用する。
【0078】なお、以上は、図16に示す放射性廃棄物
の地層処分場に適用した場合について説明したが、これ
に限らず、その他の廃棄物の埋設処分にも適用が可能で
あり、さらに、通常のトンネルのモニタリングにも適用
が可能である。
【0079】次に、図14、図15は、本発明の走行路
と移動式のデータ収集装置と地中無線センサによる坑道
のモニタリング方法(請求項7〜10)の実施形態であ
る。図14は、実験段階(実験場)に適用した場合を示
している。
【0080】図14は、図1と同様に、処分孔竪置き方
式であり、処分坑道4の支保工(吹付けコンクリートと
2次覆工コンクリートなど)D内または支保工Dの表面
に走行管12が坑道4の軸方向と平行に配設されてい
る。なお、処分坑道4の近傍における岩盤B内に走行管
を坑道4の軸方向と平行に配設し、坑道4の近傍におけ
る岩盤B内に走行管を坑道4の軸方向と直交するように
配設してもよい(図示省略、図1参照)。また、坑道4
の底部に垂直に掘削形成された処分孔6内に廃棄体(オ
ーバーパック)Aが緩衝材(ベントナイトを主な成分と
する混合土など)Cにより定置埋設されている。なお、
処分坑道4の奥側が埋め戻し材Eで埋め戻され、プラグ
Fで閉鎖されている。
【0081】このような処分坑道4において、図14に
示すように、走行管12内に移動式のデータ収集装置5
0を配置し、緩衝材Cおよび埋め戻し材Eなどの中に地
中無線センサによるモニタリング装置51を埋設し、各
種のデータをモニタリング装置51のセンサで計測し、
この計測されたデータを無線でデータ収集装置50に発
信し、このデータ信号をデータ収集装置51で収集す
る。データ収集装置50は、走行管12内を移動させな
がら、あるいは、所定の位置に定置させて、データを収
集する。必要に応じて、データ収集装置50は交換・メ
ンテナンス位置52から取り出して、部品の交換やメン
テナンスを行う。
【0082】移動式のデータ収集装置50は、図15に
示すように、データ収集機器が内蔵された本体53と、
車輪やローラやスライダー等の移動安定装置54などか
ら構成されている。本体53には、少なくとも、データ
収集機器の無線の受信器が搭載されている。
【0083】移動式のデータ収集装置50の移動方式
は、図1の移動式のモニタリング装置20と同様であ
り、図5に示すような、駆動輪と駆動モータを用いた電
力ケーブル供給方式やバッテリー電源方式、その他の方
式を採用できる。また、形状も図6に示す種々の形状を
採用することができる。また、データ収集装置50で収
集したデータは、図1の移動式のモニタリング装置20
と同様に、通信ケーブルでパソコン等の記録装置に伝送
する方式、データ収集機器にメモリを内蔵させて一次的
に蓄積しておく方式、無線で記録装置に伝送する方式な
どを採用することができる。
【0084】地中無線センサによるモニタリング装置5
1は、図14に示すように、密閉容器55の中に、電源
56と、各種の計測を行うセンサ57と、センサ57か
らの計測データを無線で送信する送信器58などを搭載
して構成されている。信号の無線伝送には、電磁気信号
による電磁波方式あるいは音波信号による音響方式・超
音波方式等を用いる。
【0085】埋設してあるセンサ57からの計測データ
を、近傍を走行し、あるいは近傍に定置されたデータ収
集装置50で収集するため、バリア(緩衝材Cや埋め戻
し材Eなど)に水の通りみち(通信ケーブルや走行管な
ど)が形成されるのを防止することができる。また、無
線による通信は、例えば10m程度の短距離の通信であ
り、小型の通信装置でよく、モニタリング装置51を小
型で安価な装置とすることができる。さらに、電源やセ
ンサ等も10年程度の短期間使用できる装置とすれば、
より小型で安価な装置とすることができ、実験段階(実
験場)に使用する場合に好適となる。なお、実験段階に
限らず、長期にわたるモニタリングにも適用できること
はいうまでもない。
【0086】なお、地中無線センサによるモニタリング
装置51は、図14に示すように、処分孔6の緩衝材C
および処分坑道4の埋め戻し材Eの中に埋設する場合を
例示したが、これに限らず、例えば図16(a) 、(b) の
場合には、処分坑道2や処分孔3の内部に埋設する。
【0087】センサ57は、温度センサ、圧力センサ、
変位センサ(傾斜計)、超音波センサ,pHセンサなど
であり、廃棄体Aの温度など、緩衝材Bや埋め戻し
材Eの温度、膨潤圧、ひずみなど、周辺岩盤や坑道支
保工等の温度、変位、歪み、応力、間隙水圧、空隙、ガ
ス、電位、地下水化学(pH、Eh、地下水組成、放射
能、電気伝導度等)など、の項目を計測する。
【0088】なお、センサ57は、耐腐食性、耐圧性、
耐放射線性等に優れたプローブを用い、このプローブを
検出箇所に配置する。
【0089】また、データ収集装置50にもセンサを設
け、モニタリング装置51とは別の計測を行うようにす
ることもできる。また、モニタリング装置51のセンサ
57は常時作動させてもよいし、電源56を節約するた
めに定期的に作動させてもよい。また、モニタリング装
置51とデータ収集装置50にそれぞれ送受信器を設
け、モニタリング装置51に制御信号を送信してセンサ
57を制御することもできる。
【0090】なお、以上は、図16に示す放射性廃棄物
の地層処分場に適用した場合について説明したが、これ
に限らず、本発明の走行路と移動式のデータ収集装置と
地中無線センサによる坑道のモニタリング方法は、その
他の廃棄物の埋設処分にも適用が可能であり、さらに、
通常のトンネルのモニタリングにも適用が可能である。
【0091】
【発明の効果】(1) 本発明の走行路と移動式のモニタリ
ング装置による坑道のモニタリング方法は、坑道の近傍
や周辺の岩盤内または坑道支保工の内部や表面などに走
行路を設け、この走行路内に移動式のモニタリング装置
を配置し、岩盤または坑道支保工などの各種のモニタリ
ングを行なうため、1つのモニタリング装置により広範
囲にわたってモニタリングを行なうことができ、また、
少ない数のモニタリング機器で多く位置で多くの項目を
モニタリングすることができ、従来と比べて、センサ
ー,試錐孔,通信ケーブルの数を大幅に削減するがで
き、コストの大幅な低減が可能となる。
【0092】(2) また、モニタリング装置は簡単に取り
出すことができるため、センサーや通信ケーブル等の交
換やメンテナンスを容易に行なうことができ、長期間に
わたって正確なモニタリングが可能となる。
【0093】(3) 本発明の走行路と移動式のデータ収集
装置と地中無線センサによる坑道のモニタリング方法
は、坑道の周辺の岩盤内または坑道支保工などに走行路
を設け、この走行路内に移動式のデータ収集装置を配置
し、岩盤、坑道支保工または処分空間内や坑道内の充填
材などに関連する各種のデータをモニタリング装置で計
測して無線で発信し、前記データ収集装置で収集するた
め、従来のスウェーデンのプロトタイプ処分場の場合と
比べて、試錐孔,通信ケーブルの数を大幅に削減するこ
とができ、コストの大幅な低減が可能となる。
【0094】(4) また、モニタリング装置の計測データ
をデータ収集装置へ無線で伝送するため、緩衝材や埋め
戻し材等の人工バリアに水の通り道(通信ケーブルや走
行管など)が形成されるのを防止することができ、核種
等の選択的移行経路を無くすことができ、処分場の安全
性を損なうことがない。また、無線による通信は、モニ
タリング装置と走行路のデータ収集装置とが比較的近く
に位置しているため、例えば10m程度の短距離の通信
であり、小型の通信装置でよく、モニタリング装置を小
型で安価な装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の走行路と移動式のモニタリング装置に
よる坑道のモニタリング方法を廃棄物の地層処分に適用
した場合の1例であり、(a) は断面にして示す斜視図、
(b) は部分断面図である。
【図2】図1の処分孔と処分坑道の断面図である。
【図3】本発明の走行路と移動式のモニタリング装置に
よる坑道のモニタリング方法における処分孔と処分坑道
における人工バリアのモニタリングを示す断面図であ
る。
【図4】本発明の走行路と移動式のモニタリング装置に
よる坑道のモニタリング方法における坑道と処分孔にお
ける天然バリアのモニタリングを示す断面図である。
【図5】本発明の走行路と移動式のモニタリング装置に
よる坑道のモニタリング方法におけるモニタリング装置
の種々の移動方式を示す断面図である。
【図6】本発明の走行路と移動式のモニタリング装置に
よる坑道のモニタリング方法におけるモニタリング装置
の種々の形状を示す断面図である。
【図7】本発明の走行路と移動式のモニタリング装置に
よる坑道のモニタリング方法におけるモニタリング装置
の交換方法を示す断面図である。
【図8】本発明の走行路と移動式のモニタリング装置に
よる坑道のモニタリング方法におけるモニタリング装置
のデータ伝送方法を示す断面図である。
【図9】本発明の走行路と移動式のモニタリング装置に
よる坑道のモニタリング方法における走行管の埋め戻し
を示す断面図である。
【図10】本発明の走行路と移動式のモニタリング装置
による坑道のモニタリング方法におけるその他のモニタ
リングやメンテナンスを示す断面図である。
【図11】本発明の走行路と移動式のモニタリング装置
による坑道のモニタリング方法における岩盤関連のモニ
タリングの具体例を示す断面図である。
【図12】本発明の走行路と移動式のモニタリング装置
による坑道のモニタリング方法における支保工関連のモ
ニタリングの具体例を示す断面図である。
【図13】本発明の走行路と移動式のモニタリング装置
による坑道のモニタリング方法における支保工関連のそ
の他のモニタリングやメンテナンスの具体例を示す断面
図である。
【図14】本発明の走行路と移動式のデータ収集装置と
地中無線センサによる坑道のモニタリング方法を廃棄物
の地層処分に適用した場合の1例であり、断面にして示
す斜視図である。
【図15】図14における移動式のデータ収集装置と地
中無線センサによるモニタリング装置を示す断面図であ
る。
【図16】廃棄物の地層処分の基本的な定置方式を示す
斜視図である。
【図17】従来の実証試験の処分場におけるモニタリン
グシステムを示す断面図と斜視図である。
【符号の説明】
A……廃棄体 B……岩盤 C……緩衝材 D……支保工 E……埋め戻し材 F……プラグ 1……主要坑道 2……処分坑道 3……処分孔 4……処分坑道 5……処分孔 6……処分孔 7……立坑 10,11,12,13,14……走行管 20……モニタリング装置 21……本体 22……移動安定装置 23……車輪、ローラあるいはスライダー等 24……電力ケーブル 25……押し込み装置 26……牽引ケーブル 27……空気圧あるいは液圧 28……流線型の端部 30……通信ケーブル 31……記録装置 40……通水用孔 41……清掃ブラシ 50……データ収集装置 51……モニタリング装置 52……交換・メンテナンス位置 53……本体 54……移動安定装置 55……密閉容器 56……電源 57……センサ 58……送信器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 坑道の周辺の岩盤内または坑道支保工に
    走行路を設け、この走行路内に移動式のモニタリング装
    置を配置し、岩盤または坑道支保工に関連する各種のモ
    ニタリングを行なうことを特徴とする坑道のモニタリン
    グ方法。
  2. 【請求項2】 廃棄物が緩衝材を介して埋設される処分
    空間と、この処分空間に廃棄物を搬送するための坑道を
    備えた地層処分場におけるモニタリング方法であり、坑
    道の周辺の岩盤内または坑道支保工、あるいは、処分空
    間の周辺の岩盤内または処分空間に走行路を設け、この
    走行路内に移動式のモニタリング装置を配置し、岩盤、
    坑道支保工または処分空間内や坑道内の充填材に関連す
    る各種のモニタリングを行なうことを特徴とする坑道の
    モニタリング方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の坑道のモニタ
    リング方法において、モニタリング装置は、自走可能な
    モニタリング機器または外部の駆動手段で移動可能なモ
    ニタリング機器であることを特徴とする坑道のモニタリ
    ング方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3に記載の坑道のモ
    ニタリング方法において、モニタリングに傾斜計を使用
    し、岩盤、坑道支保工または処分空間内の変位を測定す
    ることを特徴とする坑道のモニタリング方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4に記載の坑道
    のモニタリング方法において、モニタリングに採水装置
    を使用し、岩盤、坑道支保工または処分空間内の地下水
    を採取することを特徴とする坑道のモニタリング方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5に記載の
    坑道のモニタリング方法において、モニタリングに超音
    波測定器を使用し、岩盤、坑道支保工または処分空間内
    の空隙を検出することを特徴とする坑道のモニタリング
    方法。
  7. 【請求項7】 坑道の周辺の岩盤内または坑道支保工に
    走行路を設け、この走行路内に移動式のデータ収集装置
    を配置し、前記走行路の外に設けたモニタリング装置に
    より岩盤または坑道支保工に関連する各種のデータを計
    測して無線で発信し、このデータを前記データ収集装置
    で収集することを特徴とする坑道のモニタリング方法。
  8. 【請求項8】 廃棄物が緩衝材を介して埋設される処分
    空間と、この処分空間に廃棄物を搬送するための坑道を
    備えた地層処分場におけるモニタリング方法であり、坑
    道の周辺の岩盤内または坑道支保工、あるいは、処分空
    間の周辺の岩盤内に走行路を設け、この走行路内に移動
    式のデータ収集装置を配置し、前記走行路の外に設けた
    モニタリング装置により、岩盤、坑道支保工または処分
    空間内や坑道内の充填材に関連する各種のデータを計測
    して無線で発信し、このデータを前記データ収集装置で
    収集することを特徴とする坑道のモニタリング方法。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載の坑道のモニタ
    リング方法において、データ収集装置は、自走可能なデ
    ータ収集機器または外部の駆動手段で移動可能なデータ
    収集機器にデータの受信器が設けられていることを特徴
    とする坑道のモニタリング方法。
  10. 【請求項10】 請求項7、8または9に記載の坑道の
    モニタリング方法において、モニタリング装置は、密閉
    容器の中に、電源と、各種の計測を行うセンサと、セン
    サからの計測データを無線で送信する送信器が収納され
    ていることを特徴とする坑道のモニタリング方法。
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