JP2003026754A - ポリウレタン発泡エラストマー - Google Patents

ポリウレタン発泡エラストマー

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JP2003026754A
JP2003026754A JP2001217239A JP2001217239A JP2003026754A JP 2003026754 A JP2003026754 A JP 2003026754A JP 2001217239 A JP2001217239 A JP 2001217239A JP 2001217239 A JP2001217239 A JP 2001217239A JP 2003026754 A JP2003026754 A JP 2003026754A
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polyol
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polyurethane
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Makoto Okubo
真 大久保
Minoru Sawai
実 澤井
Kazuhisa Fukumoto
和央 福本
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】補強や表張り等の処理を施さなくても、十分な
強度及び耐摩耗性を発揮するポリウレタン発泡エラスト
マー及びその製造法を提供すること。 【解決手段】炭酸エステル骨格を有し、密度が0.2〜
1.0g/cm3 であるポリウレタン発泡エラストマ
ー、並びに2個以上の活性水素を有する化合物Aを含有
する組成物、2個以上の活性水素を有する化合物Bで変
性されたポリイソシアネートプレポリマー及び発泡剤を
用いるポリウレタン発泡エラストマーの製造法であっ
て、化合物A及び化合物Bの少なくとも一方が炭酸エス
テル骨格を有する、ポリウレタン発泡エラストマーの製
造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタン発泡
エラストマー及びその製造法に関する。更に詳しくは、
例えば、シート、ベッド、玩具、靴底、自動車、原動機
付き自転車等に用いられる衝撃吸収体、吸音体、振動吸
収体、クッション材料等として好適に使用しうるポリウ
レタン発泡エラストマー及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、シート、ベッド等に用いられる
クッション材として、低反発弾性軟質ポリウレタンフォ
ームが知られている。低反発弾性軟質ポリウレタンフォ
ームは、ポリウレタンフォームの原料として用いられる
ポリオールの官能基数や水酸基価、イソシアネートとポ
リオール成分との混合比等を調整したり、可塑剤を添加
することによって得られている。
【0003】しかし、この低反発弾性軟質ポリウレタン
フォームは、フォーム密度が通常0.10g/cm3
下であることを考慮しても強度が極端に低いとともに耐
摩耗性にも劣る。従って、低反発弾性軟質ポリウレタン
フォームを使用する場合には、強度を向上させるために
その補強材としてスプリング等を用いたり、耐摩耗性を
向上させるために合皮や繊維で表張りさせることによっ
て使用されている。
【0004】一方、補強材を内部に埋め込んだり表張り
を行ったりすると、この様な処理を施さないものを使用
する場合と比較して工程負荷が増加したり製造コストが
高くなったりするので好ましくない。特に美観に対する
視覚請求があまり重要ではない工業品用途においては、
表張りをなくすことが好ましい。また補強材としてスプ
リングを用いた場合には、フォームの変形量が大きいた
め押圧を加えたときに用いている補強材が使用者に感知
される、いわゆる「底付き」と呼ばれる現象が発生しや
すい。この改良の為に様々な提案がなされているが(例
えば特開平2−31712号公報及び特開平11−56
558号公報)、いずれも煩雑な製造工程であり、必然
的に製造コストも高くなる。
【0005】特表昭62−502970号公報には、ポ
リ(アルキレンカーボネート)ポリオールから製造され
た軟質フォームが提案されているが、強度が充分とはい
えず、「底付き」や耐摩耗性に関しては言及されていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、補強や表張
り等の処理を施さなくても、十分な強度及び耐摩耗性を
発揮するポリウレタン発泡エラストマー及びその製造法
を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
(1)炭酸エステル骨格を有し、密度が0.2〜1.0
g/cm3 であるポリウレタン発泡エラストマー、並び
に(2)2個以上の活性水素を有する化合物A(以下、
単に「化合物A」という)を含有する組成物(以下、単
に「組成物」という)、2個以上の活性水素を有する化
合物B(以下、単に「化合物B」という)で変性された
ポリイソシアネートプレポリマー(以下、単に「ポリイ
ソシアネートプレポリマー」という)及び発泡剤を用い
るポリウレタン発泡エラストマーの製造法であって、化
合物A及び化合物Bの少なくとも一方が炭酸エステル骨
格を有する、ポリウレタン発泡エラストマーの製造法に
関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のポリウレタン発泡エラス
トマーは、炭酸エステル骨格を有し、密度が0.2〜
1.0g/cm3 のものである。このように、本発明の
ポリウレタン発泡エラストマーは、炭酸エステル骨格を
有しているので、高強度及び耐摩耗性の他、低反発弾性
を発揮するという利点がある。
【0009】また、本発明のポリウレタン発泡エラスト
マーは、その密度が0.2〜1.0g/cm3 であるこ
とから、ポリウレタン発泡エラストマーとして、所望の
形状を変形することなく得ることができ、軽量性と高強
度と耐摩耗性を達成できるという利点がある。前記密度
は、0.3〜0.8g/cm3 が好ましく、0.3〜
0.6g/cm3 が特に好ましい。
【0010】また、本発明のポリウレタン発泡エラスト
マーは、優れた防振性能や衝撃吸収性能が得られる観点
から、5mmの厚さの反発弾性率が9%以下であること
が好ましい。このように厚さが薄くても低反発弾性率を
有するポリウレタン発泡エラストマーを自動車や原動機
付き自転車等のシートに用いた場合には、人にかかる重
量負担感を軽減させ、不快感や疲労感を軽減させるとい
う効果が発現される。また、動力発生部や作動部、車底
部、また精密作動部に用いた場合には、音鳴り発生やゆ
るみ、部品の破損や変型を防ぐ効果が発現される。前記
反発弾性率は、7%以下がより好ましい。なお、本発明
において反発弾性率とは、後述の実施例に記載のよう
に、JIS K−6301に準じ、試験片の厚さを5m
mに調整して測定したものをいう。
【0011】本発明のポリウレタン発泡エラストマー
は、化合物Aを含有する組成物、化合物Bで変性された
ポリイソシアネートプレポリマー及び発泡剤を用いて、
例えば、前記組成物、ポリイソシアネートプレポリマー
及び発泡剤を60℃以下の温度で混合し、攪拌した後、
発泡させることによって製造することができる。
【0012】化合物Aとしては、2個以上の活性水素を
有する化合物であればよい。その例としては、ポリカー
ボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエ
ーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポ
リブタジエンポリオール、ポリマーポリオールや、ポリ
カプロラクトン変性ポリエーテルポリオール、ポリエス
テル変性ポリエーテルポリオール等の1分子中に2種以
上の異なった骨格を有するポリオール等が挙げられる。
【0013】化合物Bとしては、2個以上の活性水素を
有する化合物であればよい。その例としては、ポリカー
ボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエ
ーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポ
リブタジエンポリオールや、ポリカプロラクトン変性ポ
リエーテルポリオール、ポリエステル変性ポリエーテル
ポリオール等の1分子中に2種以上の異なった骨格を有
するポリオール等が挙げられる。
【0014】本発明においては、化合物A及び化合物B
の少なくとも一方が炭酸エステル骨格を有する化合物で
あることが、炭酸エステル骨格による強度、耐摩耗性及
び低反発弾性を発揮させる観点から好ましい。
【0015】化合物A及び化合物Bの少なくとも一方に
該当する炭酸エステル骨格を有する化合物としては、ポ
リカーボネートポリオールが挙げられる。その例として
は、1,4−ブタンジオールポリカーボネートポリオー
ル、1,5−ペンタンジオールポリカーボネートポリオ
ール、1,6−ヘキサンジオールポリカーボネートポリ
オール、1,9−ノナンジオールポリカーボネートポリ
オール、1,10−デカンジオールポリカーボネートポ
リオール、ネオペンチルグリコールポリカーボネートポ
リオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールポリ
カーボネートポリオール、ジエチレングリコールポリカ
ーボネートポリオール、トリエチレングリコールポリカ
ーボネートポリオール、ポリエチレングリコールポリカ
ーボネートポリオール、ジプロピレングリコールポリカ
ーボネートポリオール、トリプロピレングリコールポリ
カーボネートポリオール、ポリプロピレングリコールポ
リカーボネートポリオール、エチレンオキシド鎖を含有
するポリプロピレンポリオールのポリカーボネートポリ
オール等やこれらの合成の際にグリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール等を併用して得ら
れる多官能ポリカーボネートポリオール、またこれらの
混合物や分子内にグリコール、トリオール等が複数種存
在する共縮合ポリカーボネートポリオール等が挙げられ
る。
【0016】これらにおいては、本発明に用いられる組
成物を調製する際の取り扱い易さ及び射出成形時におけ
る配管での固結防止の観点から、室温で液状であること
が好ましく、例えば、ネオペンチルグリコールポリカー
ボネートポリオール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オールポリカーボネートポリオール、ジエチレングリコ
ールポリカーボネートポリオール、トリエチレングリコ
ールポリカーボネートポリオール、ジプロピレングリコ
ールポリカーボネートポリオール、トリプロピレングリ
コールポリカーボネートポリオール、ポリプロピレング
リコールポリカーボネートポリオール、エチレンオキシ
ド鎖を含有するポリプロピレンポリオールのポリカーボ
ネートポリオール、またこれらの混合物や分子内にグリ
コール、トリオール等が複数種存在する共縮合ポリカー
ボネートポリオールが挙げられる。
【0017】中でも、化合物Aに用いられるポリカーボ
ネートポリオールとしては、特に含有される活性水素を
含む基が第一級の水酸基であることが好ましく、ネオペ
ンチルグリコールポリカーボネートポリオール、3−メ
チル−1,5−ペンタンジオールポリカーボネートポリ
オール、ジエチレングリコールポリカーボネートポリオ
ール、トリエチレングリコールポリカーボネートポリオ
ール、エチレンオキシド鎖を含有するポリプロピレンポ
リオールのポリカーボネートポリオール、またこれらの
混合物や分子内にグリコール、トリオール等が複数種存
在する共縮合ポリカーボネートポリオールが挙げられ
る。
【0018】化合物Aに用いられるポリカーボネートポ
リオールの粘度は、40℃で10000mPa・s以下
が好ましく、より好ましくは7000mPa・s以下、
更に好ましくは3000mPa・s以下、最も好ましく
は2000mPa・s以下であることが、射出成形機で
の経時的な射出初期量と射出後期量の差を小さくする、
射出量安定化の観点から望ましい。好ましい分子量は、
粘度との関係から一概には言えないが数平均分子量は2
50〜4000が好ましい。数平均分子量が250以上
であると、ソフトセグメントとしての機能が発揮し易
く、4000以下であると、粘度が適度な高さになるた
め、好ましい。
【0019】また、化合物Bに用いられるポリカーボネ
ートポリオールとしては、プレポリマーとした際の結晶
析出、増粘及び固化を防止する観点から、結晶化しにく
い構造を持つことが好ましく、以下の室温で液状である
ネオペンチルグリコールポリカーボネートポリオール、
3−メチル−1,5−ペンタンジオールポリカーボネー
トポリオール、ジエチレングリコールポリカーボネート
ポリオール、トリエチレングリコールポリカーボネート
ポリオール、ジプロピレングリコールポリカーボネート
ポリオール、トリプロピレングリコールポリカーボネー
トポリオール、ポリプロピレングリコールポリカーボネ
ートポリオール、エチレンオキシド鎖を含有するポリプ
ロピレンポリオールのポリカーボネートポリオール、ま
たこれらの混合物や分子内にグリコール等が複数種存在
する共縮合ポリカーボネートポリオールが挙げられる。
【0020】また、化合物Bに用いられるポリカーボネ
ートポリオールの粘度は、40℃で20000mPa・
s以下が好ましく、より好ましくは10000mPa・
s以下、更に好ましくは5000mPa・s以下、最も
好ましくは2000mPa・s以下であることが、ポリ
イソシアネートプレポリマーとした際の射出成形機での
経時的な射出初期量と射出後期量の差を小さくする、射
出量安定化の観点から望ましい。好ましい分子量は粘度
との関係から一概には言えないが数平均分子量は250
〜6000が好ましい。数平均分子量が250以上であ
ると、ソフトセグメントとしての機能が発揮し易く、6
000以下であると、粘度が適度な高さになるため、好
ましい。
【0021】なお、本発明に用いられる化合物Bには、
更に部分的にエステル結合やアミド結合等の異なる結合
基が導入されていてもよい。
【0022】また、前記の化合物Aを含有する組成物
は、化合物Aの他、必要により、架橋剤、黄変防止剤、
整泡剤、ウレタン化触媒、顔料、可塑剤及び抗菌剤から
なる群より選ばれた任意成分を含有していてもよい。
【0023】前記ポリカーボネートポリオール以外に使
用される化合物Aとしては、二塩基酸とグリコールとか
らなるポリエステルポリオール、二塩基酸とグリコール
及びトリオールとからなるポリエステルポリオール等の
ポリエステルポリオール;ポリプロピレンポリオール、
ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテル
ポリオール;ポリカプロラクトンポリオール、ポリブタ
ジエンポリオール、ポリマーポリオール等が挙げられ、
これらの化合物Aは、それぞれ単独で又は2種以上を混
合して用いることができる。これらの中では、前記ポリ
カーボネートポリオール以外に使用される化合物Aの融
点、粘度等の液状性、耐加水分解性及び経済性の観点か
ら、ポリプロピレンポリオールが好ましく、プロピレン
オキシドのセグメントとエチレンオキシドのセグメント
とがランダムあるいはブロック的に存在しているものが
より好ましく、イソシアネートとの反応のバランスを保
つ観点から、エチレンオキシドがポリプロピレンポリオ
ールの末端にブロック的に付加されたブロックコポリマ
ーが特に好ましい。
【0024】前記組成物における化合物Aの含有量は、
所望の硬度や密度等により変動するため、一概に言えな
いが、60〜99重量%が好ましく、80〜95重量%
がより好ましい。
【0025】架橋剤としては、2個以上のイソシアネー
ト反応性水素原子を含む、例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール等のグリコール、エタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、
N−メチルジエタノールアミン、3−アミノプロパノー
ル等の脂肪族アミン、4,4’−ジアミノジフェニルメ
タン、及びこれの芳香環の一部が塩素原子で置換された
構造物が挙げられる。
【0026】架橋剤の量は、所望する硬度によって決定
される為、一概には言えないが、目的とするポリウレタ
ン発泡エラストマーを得るためには前記組成物中0.5
〜20重量%が好ましく、反応バランスを考慮するとよ
り好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは2〜7重
量%である。前記量が2重量%以上であれば、所望する
形状を有する型に注型後脱型する際の強度が十分であ
り、亀裂や収縮の発生が極めて少なく、また、10重量
%以下であると初期反応性いわゆるクリーム速度が適度
で、また発生ガスがフォームに取り込まれるため、充填
が操作性よく行われる。
【0027】黄変防止剤としては、公知の例えばヒンダ
ードフェノール系やヒンダードアミン系のラジカル捕捉
剤、亜燐酸化学物やチオエーテル化合物等の還元剤、ベ
ンゾトリアゾール化合物やベンゾフェノン化合物等の紫
外線吸収剤、ヒドラジン系化合物等のガス黄変防止剤が
挙げられ、これらは単独又は2種以上を混合して用いる
ことができる。
【0028】黄変防止剤の量は、黄変を防止する必要が
ない場合、添加の必要がないが、変色を抑制する目的で
使用する場合、その抑制効果を発生させる観点からそれ
ぞれ用いる種類において前記組成物中0.02重量%以
上が好ましく、また多く添加させてもその効果が飽和せ
ずコストアップを防止する観点から、2.0重量%以下
が好ましい。
【0029】また、相乗効果を発生させる観点から、前
記黄変防止剤をラジカル捕捉剤、還元剤及び紫外線吸収
剤と併用して用いることが好ましい。
【0030】整泡剤としては例えばポリジメチルシロキ
サンやポリシロキサン−ポリアルキレンオキシドブロッ
ク共重合体等の市販のポリウレタン発泡用シリコーン化
合物、界面活性剤等が挙げられる。
【0031】整泡剤の量は、気泡の安定化の観点から、
前記組成物中0.01〜2重量%が好ましく、0.05
〜1重量%がより好ましい。
【0032】ウレタン化触媒としては、トリエチレンジ
アミン、2−メチルイミダゾール、トリエチルアミン、
N,N,N’,N’,−テトラメチルヘキサメチレンジ
アミン、N−エチルモルフォリンの様な第3級アミン、
スタナスオクトエート、ジブチルスズジラウレートのよ
うな有機スズ化合物等が挙げられ、これらは単独又は2
種以上を混合して用いることができる。
【0033】ウレタン化触媒の量は、有効量換算で、脱
型時の強度を充分に発揮させる観点から前記組成物中
0.1重量%以上が好ましく、また充填不良を回避する
観点から1.5重量%以下が好ましい。また、該量とし
ては、0.3〜0.8重量%が更に好ましい。
【0034】顔料としては、市販の顔料を用いることが
できる。例えばチタンホワイトやカーボンブラック、ベ
ンガラ等が挙げられ、これらは単独であるいは2種以上
を混合して用いることができる。
【0035】顔料の量は、所望の色目の濃さによって調
整されるが、通常有効量換算で、前記組成物中0〜5重
量%が好ましい。
【0036】可塑剤としては、例えば、アジピン酸、フ
タル酸、トリメリット酸等の有機酸又は燐酸と、エタノ
ール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−エチルヘ
キサノール、n−オクタノール、フェノール、アルキル
フェノール等の水酸基含有化合物との反応生成物、炭酸
エチレン、炭酸プロピレン等が挙げられ、これらは単独
で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0037】可塑剤の量は、物性維持と単位体積当たり
のコストダウンを図る観点から、前記組成物中1〜50
重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
【0038】抗菌剤としては、例えば、塩化ベンザルコ
ニウム、塩化ベンゼトニウム、セチル燐酸化ベンザルコ
ニウム等のカチオン系界面活性剤、銀ゼオライトや銅ゼ
オライト等の金属系抗菌剤等が挙げられ、これらは単独
で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0039】抗菌剤の量は、抗菌効果の発生の観点か
ら、有効量換算で前記組成物中0.05重量%以上が好
ましく、また発泡不良を防止する観点から、0.5重量
%以下が好ましい。
【0040】本発明に用いられる組成物は、前記化合物
Aに必要であれば前記添加剤や水を添加、混合すること
で調製することができる。この調製時の温度は、40〜
90℃程度が好ましい。
【0041】本発明で用いられるポリイソシアネートプ
レポリマーは、前記化合物Bで変性されたものである。
このイソシアネートプレポリマーは、イソシアネートに
対して、化学量論的に当量未満の量の化合物Bとを反応
させることによって得ることができる。
【0042】イソシアネートとしては、例えば、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジ
イソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、1,6
−ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられ、中で
も、ポリウレタン発泡エラストマーの強度を向上させる
観点から、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
トが好ましい。これらは単独で又は2種以上を混合して
用いることができる。
【0043】また、ポリイソシアネートプレポリマーに
用いられる化合物Bとしては、前記したものであればよ
い。ポリイソシアネートプレポリマー中における化合物
Bの量としては、イソシアネート1当量に対して0.1
〜0.4当量が好ましい。
【0044】なお、ポリイソシアネートプレポリマーに
は、必要によりカルボジイミド変性体、ウレア変性体及
び前記化合物Aで変性させたポリオール変性体が含有さ
れていても良い。
【0045】また、ポリイソシアネートプレポリマーに
は、前記黄変防止剤、可塑剤、水以外の後述の発泡剤等
の添加剤が含まれていてもよい。
【0046】イソシアネートプレポリマーの製造法とし
ては、例えば、窒素ガス置換された反応器内に前記イソ
シアネートを仕込み、化合物B、必要であれば他の添加
剤等を温度40〜90℃で添加、混合して反応させる方
法が挙げられる。
【0047】また、本発明に用いられる発泡剤として
は、フロン、シクロペンタン等の蒸発型発泡剤;水等の
反応型発泡剤;アゾビスカルボンアミド、メチルテトラ
ゾール等の分解型発泡剤が挙げられる。これらの発泡剤
の中では、環境保護及び安全性の面から水が好ましい。
なお、水以外の発泡剤を用いる場合には、該発泡剤は、
前記組成物に含有させてもよく、あるいは前記化合物B
で変性されたポリイソシアネートプレポリマーとともに
用いてもよい。
【0048】本発明において、例えば、前記化合物Aを
含有する組成物、化合物Bで変性されたポリイソシアネ
ートプレポリマー及び発泡剤を混合及び攪拌する方法と
しては、60℃以下、好ましくは35〜50℃の温度条
件下で行うものであればよく、特に限定はない。
【0049】得られる混合物中における発泡剤の量は、
所望する密度及び発泡剤の発生ガス量によって決定され
る為、一概には言えないが、例えば水を用いる場合に
は、所望の密度のポリウレタン発泡エラストマーを得る
ためには、0.06〜1.8重量%が好ましく、更に好
ましくは0.1〜1.5重量%である。
【0050】また、前記混合物中における前記組成物
と、ポリイソシアネートプレポリマーとの割合は、組成
物中のイソシアネートと反応活性な水素基濃度、一般的
には水酸基価、水分%、一級アミン価及び二級アミン価
とポリイソシアネートプレポリマーのNCO%を鑑みて
決定される。この化学量論的に当量である場合が、いわ
ゆるイソシアネートインデックス比率にして100であ
る。イソシアネートインデックス比率は、耐収縮性の観
点から50以上が好ましく、また、低反発弾性の保持と
脱型性を発揮させる観点から110以下が好ましい。な
お、イソシアネートインデックス比率は、後述の実施例
に記載の方法により測定されたものをいう。
【0051】また、前記のように得られた混合物を発泡
させる方法としては、60℃以下、好ましくは35〜5
0℃の温度条件下で行うものであればよく、特に限定は
ない。
【0052】このようにして得られる本発明のポリウレ
タン発泡エラストマーは、補強や表張り等の処理を施さ
なくても、十分な強度及び耐摩耗性を発揮するものであ
る。特に、本発明のポリウレタン発泡エラストマーは、
ゴムと比較して耐油性及び耐保存性に優れており、しか
も厳しい環境下で使用することができるという利点を有
する。
【0053】また、本発明のポリウレタン発泡エラスト
マーは、低反発弾性であり、さらに一般的なポワリング
やダイレクトタイプの射出成形機による成形が可能であ
るという特徴を有する。これらの特徴により、所望の形
状を有するモールド内に組成物及びポリイソシアネート
プレポリマーの混合物を注入し成形させる。この成形法
の利点として、成形型の内面が複雑な形状を有する場合
であっても、その内面に追従した形状を与えた成形品を
得ることが可能なことが挙げられる。従って、本発明の
ポリウレタン発泡エラストマーは、ポリウレタン成形材
料として好適に使用される。
【0054】前記ポリウレタン発泡エラストマーの成形
には、市販の射出成型機を用いることができる。射出成
型機としては、デスマ(DESMA) (KLOECKNER Schuhmasch
inemGmbH 社製、商品名) やグズビー(GUS-BI) (officin
a Mecc. S.p.A. 社製、商品名) 、ポリウレタン靴底用
成型機 (PEC) (株式会社ポリウレタンエンジニアリング
製、一般名) やRIM 成型機を用いることができる。以
下、成形方法を簡潔に記載するが、成形機の操作方法の
詳細は成形機製造メーカーの発行する取扱説明書に基づ
いて行なえばよい。
【0055】組成物、ポリイソシアネートプレポリマー
をそれぞれの原料タンクに仕込み、60℃以下、好まし
くは温度35〜50℃の範囲に温度調節しておく。な
お、発泡剤として水を使用する場合、前記組成物に水を
添加する。また、発泡剤として水以外のものを使用する
場合、前記組成物及び/又はポリイソシアネートプレポ
リマーに予め添加しておくことが好ましい。また単位秒
数あたり、適当なイソシアネートインデックス比率でそ
れぞれの原料が射出される様、循環圧を調整しておく
(これを検量作業とも呼ぶ)。検量作業が完了した後、
射出口(ヘッドとも呼ぶ)にスクリューあるいはミキサ
ーを据え付け作業可能な状態にする。
【0056】所望する形状を内面に有した型に市販の離
型剤を塗布しておき、通常、温度25〜60℃に温度調
節しておく。型の容積に所望する密度を乗じた量(吐出
量とも呼ぶ、これは組成物及びポリイソシアネートプレ
ポリマーの合計量である)が射出される秒数を検量から
算出し、射出秒数を入力する。
【0057】注入量が規定量通りとなるよう、捨て打ち
を行い、用意しておいた型に規定の射出秒数、原料を射
出あるいは注型し、一定時間、通常は2〜10分間経過
した後、脱型を行うことで、成形品を得ることができ
る。
【0058】この様にして得られた成形品は、注型加工
されているため、切り出し加工が不要で、補強や表張り
が無くても十分な強度と耐摩耗性を有するものであり、
例えば、シート、ベッド、玩具、靴底、自動車、原動機
付き自転車等に用いられる衝撃吸収体、吸音体、振動吸
収体、クッション材料等として好適に使用しうる。
【0059】
【実施例】製造例1〔ジプロピレングリコールカーボネ
ートポリオールの調製〕 十分に窒素ガス置換した反応容器(構成:丸型四ツ口フ
ラスコ、攪拌棒、窒素導入管、温度計保護管、脱溶媒管
を設置、以下同じ)内に、ジプロピレングリコール10
0部(重量部、以下同じ)及びジメチルカーボネート5
0部を入れて攪拌した。攪拌しながら、反応容器内に、
ナトリウムメトキシドの28重量%メタノール溶液1.
9部を添加し、内温を160℃に昇温した。
【0060】次に、ジメチルカーボネートとメタノール
との混合物の系外留去が止まった時点で、内温が80℃
となるまで冷却した。次に、ナトリウムを吸着させるた
めに、アルカリ吸着土〔協和化学工業(株)製、商品
名:キョーワード600S〕10部を反応容器内に添加
した。
【0061】次に、槽内液を濾紙にて加圧濾過し、得ら
れた粗生成物を反応容器内に戻し、内温を180℃に昇
温させた。昇温完了後、反応容器内部の圧力が0.00
4MPaとなるように調整してジプロピレングリコール
を留去させ、ジプロピレングリコールカーボネートポリ
オール(酸価0.02mgKOH/g、水酸基価28
5.0mgKOH/g、ヨウ素価0.01gI2 /10
0g、粘度〔40℃における粘度、以下同じ〕331m
Pa・s、数平均分子量(計算値)394)を得た。
【0062】製造例2〔末端にエチレンオキシドを付加
させたポリプロピレングリコールとジエチレングリコー
ルとの共縮合ポリカーボネートポリオールの調製〕 十分に窒素ガス置換させた反応容器内に、ポリプロピレ
ングリコール81.25部〔旭硝子ウレタン(株)製、
商品名:プレミノール5005〕、ジエチレングリコー
ル18.75部及びジメチルカーボネート50部を入
れ、攪拌を開始した。攪拌しながら、反応容器内に、ナ
トリウムメトキシドの28重量%メタノール溶液1.9
部を添加し、内温を160℃に昇温した。
【0063】次に、ジメチルカーボネートとメタノール
との混合物の系外留去が止まった時点で、内温が80℃
となるまで冷却した。次に、ナトリウムを吸着させるた
めに、アルカリ吸着土〔協和化学工業(株)製、商品
名:キョーワード600S〕10部を添加した。
【0064】次に、槽内液を濾紙にて加圧濾過し、得ら
れた粗生成物を反応容器に戻し、内温を200℃に昇温
させた。昇温完了後、反応容器内の圧力が0.0027
MPaとなるように調整してジエチレングリコールを留
去させ、末端にエチレンオキシドを付加させたポリプロ
ピレングリコールとジエチレングリコールとの共縮合ポ
リカーボネートポリオール(酸価0.04mgKOH/
g、水酸基価56.1mgKOH/g、ヨウ素価0.4
6gI2 /100g、粘度1800mPa・s、数平均
分子量(計算値)2000)を得た。
【0065】調製例1〔ポリイソシアネートプレポリマ
ーAの調製〕 窒素ガス置換された反応容器内に4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート100部を仕込み、製造例1で
得られたジプロピレングリコールカーボネートポリオー
ル37.4部を反応温度が80℃を超えないように徐々
に反応容器内に滴下させた。滴下終了後、2時間攪拌を
継続し、更に亜リン酸トリフェニル1.4部を添加して
0.5時間攪拌を行い、ポリイソシアネートプレポリマ
ーA(黄色透明液体、NCO%18.5%、粘度144
0mPa・s)を得た。
【0066】調製例2〔ポリイソシアネートプレポリマ
ーBの調製〕 窒素ガス置換された反応容器内に4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート100部を仕込み、ポリプロピ
レングリコール〔旭硝子ウレタン(株)製、商品名:エ
クセノール420〕37.4部を反応温度が80℃を超
えないように徐々に反応容器内に滴下させた。滴下終了
後、2時間攪拌し、更に亜リン酸トリフェニル1.4部
を添加して0.5時間攪拌を継続させ、ポリイソシアネ
ートプレポリマーB(黄色透明液体、NCO%18.5
%、粘度500mPa・s)を得た。
【0067】配合例1〔ポリオール組成物Aの調製〕 窒素ガス置換された反応容器内に、40℃に温調しなが
らポリプロピレントリオール〔旭硝子ウレタン(株)
製、商品名:エクセノール845〕50部、製造例2で
得られた末端にエチレンオキシドを付加させたポリプロ
ピレングリコールとジエチレングリコールとの共縮合ポ
リカーボネートポリオール50部、エチレングリコール
4.5部、ジエチレングリコール0.9部、白顔料〔大
日精化工業(株)製、商品名:FTR610ホワイト〕
2.19部、トリエチレンジアミンの33.3重量%エ
チレングリコール溶液1.738部、整泡剤〔東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン(株)製、商品名:SRX−
253〕1部及び水1.193部を攪拌し混合させてポ
リオール組成物A(酸価0.08mgKOH/g、水酸
基価136.8mgKOH/g、水分1.05%)を得
た。
【0068】配合例2〔ポリオール組成物Bの調製〕 窒素ガス置換された反応容器内に、40℃に温調しなが
らポリプロピレントリオール〔旭硝子ウレタン(株)
製、商品名:エクセノール845〕50部、ポリプロピ
レングリコール〔旭硝子ウレタン(株)製、商品名:プ
レミノール5005〕50部、エチレングリコール4.
5部、ジエチレングリコール0.9部、白顔料〔大日精
化工業(株)製、商品名:FTR610ホワイト〕2.
19部、トリエチレンジアミンの33.3重量%エチレ
ングリコール溶液1.738部、整泡剤〔東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン(株)製、商品名:SRX−25
3〕1部及び水1.193部を攪拌し、混合させてポリ
オール組成物B(酸価0.08mgKOH/g、水酸基
価124.4mgKOH/g、水分1.05%)を得
た。
【0069】実施例1〜2及び比較例1〜2 ポリウレタン靴底用成型機〔(株)ポリウレタンエンジ
ニアリング製、型番MU−203S〕を用いた。
【0070】表1に示す組成の組成物及びポリイソシア
ネートプレポリマーをそれぞれの原料タンクに仕込み、
40℃で温度調節した。また1秒あたり、表1に示すイソ
シアネートインデックス比率でそれぞれの原料が射出さ
れるように、循環量及び循環圧を調整した (これを検量
作業ともいう) 。尚、表中のイソシアネートインデック
ス比率は、適当なカップにて発泡させたフリーフォーム
を射出後、室温で10分間放置させ、フリーフォームの胴
の部分に収縮が見られない比率における最小値である。
【0071】検量作業が完了した後、射出口 (ヘッドと
も呼ぶ) にスクリューを据え付け作業可能な状態にし
た。
【0072】所望する形状を内面に有した型に市販の離
型剤〔プラパワー2060、花王(株)製、商品名〕
0.002g/cm3 を塗布しておき、50±1℃に温度
調節した。
【0073】型の容積に所望する密度を乗じた量 (吐出
量とも呼ぶ、これは組成物及びポリイソシアネートプレ
ポリマーの合計量である) が射出される秒数を検量から
算出し、射出秒数を入力した。
【0074】一度捨て打ちを行い、二度目に用意してお
いた型に規定の射出秒数、原料を射出し、6分経過した
後、脱型し、所望の形状を有する成形品を得た。なお、
実施例1は、組成物及びポリイソシアネートプレポリマ
ー双方にポリカーボネートポリオールを使用したもので
ある。実施例2は組成物にポリカーボネートポリオール
使用したものである。比較例1で得られたエラストマー
は炭酸エステル骨格を有しない化合物である。また、比
較例2には、「低反発ウレタンフォーム」とカタログに
記載されている市販の成形品〔ユニテック産業(株)
製、商品名:茶カテキン肩枕〕のウレタン部を100mm ×
300mm ×10mmになるように切り出して用いた。
【0075】得られた成形品の物性は、以下の方法に従
って測定した。その結果を表1に示す。尚、物性評価は
100mm ×300mm ×10mmのシート型を用いた。
【0076】〔イソシアネートインデックス比率〕組成
物とポリイソシアネートプレポリマーが化学量論的に当
量となる重量比率においてポリイソシアネートプレポリ
マーを100部とした際、組成物をx部の形で表す。実
際の成型比率がポリイソシアネートプレポリマー/組成
物=100/xであった場合がイソシアネートインデッ
クス比率にして100である。従って、これと比較し
て、実際の成型比率がy/xであった場合、yがイソシ
アネートインデックス比率である。
【0077】〔硬度〕Asker C硬度計にて測定し
た。
【0078】〔密度〕100mm×300mm×10m
mのポリウレタンフォームの重量を測定し、体積300
cm3 で除して測定した。
【0079】〔モジュラス〕モジュラスは、JIS K
−6301の引っ張り強度の測定に準じて測定した。な
お、モジュラスとは100%(2倍)、200%(3
倍)、300%(4倍)に伸びた際の抗張力を示す。
【0080】〔引っ張り強度〕JIS K−6301に
記載の方法で、樹脂をポリウレタンフォームに代えて測
定した。
【0081】〔伸び〕JIS K−6301に記載の方
法で、樹脂をポリウレタンフォームに代えて測定した。
【0082】〔引き裂き強度〕JIS K−6301に
記載の方法で、樹脂をポリウレタンフォームに代えて測
定した。
【0083】〔反発弾性率〕JIS K−6301に準
じ、測定した。なお、表中、「5mm」又は「10m
m」とは試験片の厚さがそれぞれ5mm又は10mmで
あることを意味する。10mmの厚さの反発弾性率の測
定には前記シート型をそのまま用いた。5mmの厚さの
場合は前記シート型を100mm×300mm×5mm
になるようにカッターやスライサーで2分割し、そのス
キン面を測定面として用いた。このように試験片の厚さ
を5mmと10mmの2つに分けて測定することによ
り、成型品の底付き感を評価できる。通常、前記のよう
に試験片の厚みを10mmから5mmに薄くして測定を
行うと底付きが発生して反発弾性率が上昇する。従っ
て、前記2つの厚さの試験片において、反発弾性率が低
く、且つその差がより小さく維持されていることは、底
付き感が少ないことを示す。
【0084】〔耐摩耗性、体積損失率〕直径18mmの
ポンチで試験片を円柱状に打ち抜き、DIN−5351
6に準じ、荷重を5Nとして測定した。なお、体積損失
率は、〔試験片の元の高さ(mm)−試験片の測定後の
高さ(mm)〕/試験片の元の高さ(mm)×100と
して求めた。
【0085】
【表1】
【0086】表1に示された結果から、実施例1、2で
得られたポリウレタン発泡エラストマーは、共に比較例
1のものと比較して、諸物性に優れ、特に5mmの厚さ
の反発弾性率の低いものであることがわかる。
【0087】また、実施例1、2で得られたポリウレタ
ン発泡エラストマーは、共に比較例2のものと比較して
優れた物性を有するものである。特に、実施例1、2の
ものは共に比較例2のものより密度が6倍高いが、他の
引っ張り強度、引き裂き強度はいずれも6倍よりもさら
に高く、且つ耐摩耗性も6分の1以下であることから、
実施例1、2のものは共に強度が高く、且つ耐摩耗性に
優れたものであることがわかる。
【0088】また、実施例1、2で得られたポリウレタ
ン発泡エラストマーは、低反発弾性であり、さらに比較
例1、2のものに比べ、10mmと5mmへ厚さを変え
た場合でも反発弾性率が低く維持されているため、底付
き感が極めて少ないものであることがわかる。
【0089】
【発明の効果】本発明のポリウレタン発泡エラストマー
は、補強や表張り等の処理を施さなくても、十分な強度
及び耐摩耗性を発揮する。さらには低反発弾性であり、
厚さが薄くても低反発弾性の維持性に優れるものである
ため、底付き感の極めて少ないものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福本 和央 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内 Fターム(参考) 4J034 CA02 CA03 CA04 CA13 CA15 CA16 CB01 CB02 CB03 CB07 CB08 CC03 CE01 DA01 DB03 DF01 DF02 DF12 DF14 DG00 DG01 DH00 DP19 HA01 HA02 HA06 HA07 HC03 HC12 HC13 HC52 HC61 HC64 HC71 JA41 JA42 KC17 KD12 MA14 QB13 QB16 QC01 QD01 QD02 RA03 RA05 RA12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸エステル骨格を有し、密度が0.2
    〜1.0g/cm3であるポリウレタン発泡エラストマ
    ー。
  2. 【請求項2】 5mmの厚さの反発弾性率が9%以下で
    ある請求項1記載のポリウレタン発泡エラストマー。
  3. 【請求項3】 2個以上の活性水素を有する化合物Aを
    含有する組成物と、2個以上の活性水素を有する化合物
    Bで変性されたポリイソシアネートプレポリマーとを発
    泡剤の存在下で反応させて得られる、化合物A及び化合
    物Bの少なくとも一方が炭酸エステル骨格を有する請求
    項1又は2記載のポリウレタン発泡エラストマー。
  4. 【請求項4】 2個以上の活性水素を有する化合物Bで
    変性されたポリイソシアネートプレポリマーにおいて、
    化合物Bで変性されるイソシアネートが4,4’−ジフ
    ェニルメタンジイソシアネートである請求項3記載のポ
    リウレタン発泡エラストマー。
  5. 【請求項5】 2個以上の活性水素を有する化合物Aを
    含有する組成物、2個以上の活性水素を有する化合物B
    で変性されたポリイソシアネートプレポリマー及び発泡
    剤を用いるポリウレタン発泡エラストマーの製造法であ
    って、化合物A及び化合物Bの少なくとも一方が炭酸エ
    ステル骨格を有する、ポリウレタン発泡エラストマーの
    製造法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005146281A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 Bayer Materialscience Ag プラスチック複合要素およびその製造法と用途
WO2013179799A1 (ja) * 2012-05-28 2013-12-05 Dic株式会社 2液硬化型発泡ポリウレタン組成物、発泡ポリウレタン成形体、及び靴底
WO2016167312A1 (ja) * 2015-04-15 2016-10-20 東ソー株式会社 ポリウレタンインテグラルスキンフォーム及びその製造方法
CN111499831A (zh) * 2020-05-25 2020-08-07 安徽禾臣新材料有限公司 聚氨脂橡胶锦复合材料及其制备方法

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