JP2003026642A - 大豆タンパク質の加水分解によって得られるアミノ酸の金属錯体の製造 - Google Patents

大豆タンパク質の加水分解によって得られるアミノ酸の金属錯体の製造

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    • A23K20/147Polymeric derivatives, e.g. peptides or proteins

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 大豆タンパク質源を処理し、このタンパク質
源を効率的に加水分解してアミノ酸を製造する方法を提
供する。 【解決手段】 大豆精製副産物および大豆濃縮物との処
理可能な配合物であって、大豆濃縮物の量が配合物の5
0重量%を超えない配合物から微量元素/アミノ酸を製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動物飼料栄養剤、特
に大豆タンパク質加水分解物からアミノ酸の金属錯体を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】動物の栄養素における銅、鉄、マンガ
ン、亜鉛などの微量元素の重要性については以前から認
識されている。家畜類および家禽類の健康状態および生
活状態を維持するためには、常用飼料に十分な量でしか
も生物学的に利用可能な形でこれら微量元素を配合する
必要がある。通常の飼料成分はこれら元素が不足してい
るため、家畜類および家禽類の常用飼料にこれら元素を
追加配合している。多くの市販飼料添加剤の場合、容易
に生物学的に利用できる形で必須成分を与えるために開
発されたものである。生物学的利用能の程度、即ち栄養
素が同化摂取されることができる形で実際に使用される
程度は、“生物学的利用能”と呼ばれている。生物学的
利用能は、常用飼料に栄養素が存在する形の物性および
化学的特性に依存するものである。必須金属の生物学的
利用能の強化は、家畜類などの栄養上の必要性を満足す
る添加剤の濃度を低く抑えると同時に、高レベルの微量
元素の家畜類および環境の両者に対する潜在的に有害な
作用を抑制できるため、有利である。
【0003】微量元素の生物学的利用能が金属の対応す
る無機源よりも強いいくつかの製品は市販されている。
金属の一般にリガンドとして知られている有機分子との
会合が、生物学的利用能の強化に寄与している。この会
合、即ち結合により金属の物性および化学的特性が変性
する結果、可溶性が強くなり、消化管における安定性が
増し、循環器への吸収が改善し、代謝利用が強くなる。
【0004】本出願の共同譲受人は過去に、必須元素の
より生物学的利用能の強い源としてアミノ酸の金属錯体
を合成し、これについて特許を取得している。例えば、
米国特許第3,941,818号、同第3,950,3
72号、同第4,021,569号、同第4,039,
681号および同第4,067,994号である。これ
ら公報には、αアミノ酸、好ましくはDL−メチオニンと
遷移金属である亜鉛、クロム、マンガン、および鉄との
1:1錯体が記載されている。L−メチオニンとの同様
な錯体の生成については、米国特許第5,278,32
9号に記載されている。また、米国特許第4,900,
561号および同第4,948,594号には、末端ア
ミノ基をもつαアミノ酸の銅錯体が記載されている。さ
らに、銅、マンガン、亜鉛、および鉄とαヒドロキシル
脂肪族カルボン酸との錯体は、米国特許第4,956,
188号および同第5,583,243号公報に記載さ
れている。コバルトとグルコヘプタン酸などのポリヒド
ロキシルカルボン酸との錯体については、米国特許第
4,670,269号および同第4,678,854号
公報に記載があり、そしてアミノ酸L−リシンと微量元
素との錯体については、米国特許第5,061,815
号公報に記載がある。これら特許公報に開示されている
化合物の有効性については、これら公報自体に記載され
ているデータおよび各種の科学文献や技術報告書に載せ
られているデータにより実証されている。
【0005】また、上記特許公報には、純粋な合成また
は天然アミノ酸またはヒドロキシル酸を使用することが
記載されている。米国特許第5,698,724号で
は、本出願の譲受人が必須元素と、一般のタンパク質の
加水分解によって得られた天然アミノ酸との錯体の合成
について開示している。この特許が発行されて以来、こ
れら錯体を由来とする微量元素の生物学的利用能が、無
機源由来の微量元素より高いことが多数の研究により実
証されている。米国特許第5,698,724号には、
各種の容易に利用可能なタンパク質から各種のアミノ酸
錯体を大量生産するために好適な技術が開示されてい
る。一方、EUは、アミノ酸の微量元素キレート化合物の
ある一定の群を飼料添加剤として使用することを199
8年に承認している。ただし、使用条件は限られてい
る。承認された添加剤は、アミノ酸の銅、鉄、マンガン
および亜鉛キレート化合物を含有するものである。これ
らキレート化合物を製造するさいに使用するアミノ酸源
は、加水分解大豆タンパク質に制限されている。
【0006】市販されている大豆タンパク質源を由来と
するアミノ酸の微量元素キレート化合物を製造する、米
国特許第5,698,724号に開示されている技術を
採用した場合、技術上多数の問題がある。これら技術上
の問題点を解決するためには、特に欧州市場を対象とし
た大豆タンパク質系製品の条件を特異化する必要があ
る。
【0007】大豆タンパク質は、異なる濃度のタンパク
質を含有する多数の等級(グレード)で利用できる。大
豆タンパク質濃縮物は、オイル分、灰分および繊維分の
大部分を取り除いた市販製品である。大豆炭水化物の大
部分は、濃縮物に残留している。例えば、大豆タンパク
質濃縮物は約65%のタンパク質、約25%の炭水化物
を含有し、残りはオイル分、灰分および繊維分である。
大豆精製副産物は、大豆から炭水化物、繊維分および脂
肪分の大部分を除去することにより得られた大豆タンパ
ク質の別な容易に入手できる製品である。例えば、大豆
精製副産物はタンパク質が約90%、炭水化物が5%未
満、そして残りがオイル分、灰分および繊維分である。
これら2つの大豆タンパク質製品の違いは、副産物はタ
ンパク質の濃度が高く、濃縮物は炭水化物の濃度が高い
ことである。これら2つの製品は物性が大きく異なり、
これらの相違が、微量元素金属錯体を製造するさいのア
ミノ酸源として使用する製品の適度に影響する。
【0008】例えば、大豆タンパク質濃縮物に炭水化物
が高濃度で存在すると、酸加水分解中に粘稠な残留物や
重質析出物が生成することになる。この結果、金属アミ
ノ酸錯体の生成や担体に錯体を形成し、乾燥した後に担
体上に生成する液体の効率的な分布が煩雑になる。さら
に、“濃縮物”のタンパク質濃度が比較的低くなると、
最終製品に配合できる金属アミノ酸キレート化合物の量
が減少する。
【0009】また、大豆精製副産物には、処理上いくつ
かの特殊な問題もある。タンパク質濃度が比較的高く、
かつ炭水化物濃度が低いため、金属アミノ酸キレート化
合物を製造するために潜在的に許容できるタンパク質源
として大豆精製タンパク質副産物を使用することができ
るが、この製品は、嵩密度および湿潤性が比較的低いた
め、嵩のある粉末と、加水分解に必要な比較的少量の酸
とを混合するさいに技術的な問題が生じる。このよう
に、大豆タンパク質濃縮物と大豆精製副産物の両者を微
量元素/アミノ酸キレート化合物の製造方法に使用でき
るように製造方法を改善する必要が依然として存在して
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】即ち、本発明の第1の
目的は、大豆タンパク質源を処理し、このタンパク質源
を効率的に加水分解してアミノ酸を得、EU諸国の基準を
満足する微量元素/キレート化合物を製造する方法を提
供することである。
【0011】本発明の第2の目的は、金属アミノ酸錯体
の製造量を最大化できるように製造プロセスを制御する
簡単かつ経済的な製造方法を提供することである。
【0012】本発明の第3の目的は、硫酸によるタンパ
ク質の加水分解後、銅アミノ酸錯体を製造する安全かつ
簡単な製造方法を提供することである。
【0013】鉄についていえば、米国特許第5,69
8,724号に開示されている技術によって市販等級の
酸化鉄から鉄アミノ酸錯体を大量製造することは、酸化
鉄を溶解するために過酷な条件が必要なため、実際的で
はない。加えて、米国特許第5,698,724号に記
載されている方法では、Fe(II)のアミノ酸錯体を製造す
ることはできない。このように、加水分解大豆タンパク
質のみならず他のタンパク質源から鉄、特にFe(II)のア
ミノ酸錯体を製造する新規な方法を開発することが要請
されている。
【0014】本発明の第4の目的は、大豆タンパク質を
始めとするタンパク質の塩酸加水分解によって得られた
アミノ酸の鉄錯体、特に鉄(II)錯体を製造する実際的
な方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、市場で
入手できる大豆タンパク質源を効率的に加水分解してか
ら、金属アミノ酸錯体を生成する実際的な方法を提供す
るものである。本発明方法では、2種類の等級の市販大
豆タンパク質からなる混合物を使用して、所要濃度のタ
ンパク質を含有し、最適な物性をもつ配合物を得る。こ
の配合物を高温の、よく攪拌された酸溶液に添加する。
固形分と酸を混合した後、タンパク質が単一アミノ酸に
完全に加水分解されるまで、1〜12時間100〜15
0℃の温度で溶液を加熱する。
【0016】製造プロセスを最適化し、製品における金
属―アミノ酸錯体の濃度を最大化するためには、加水分
解に使用する酸の量を制御しなければならない。加水分
解に先立ち、タンパク質のアミノ酸組成物を決定し、タ
ンパク質源に存在するすべてのアミノ酸の全モル数を算
出する。目的とする金属―アミノ酸錯体を生成するため
に必要な金属量を計算し、金属を可溶化する酸の等量を
決定する。本発明では、塩基を使用して過剰な酸を中和
し、金属錯体の最適な生成に必要なpHに溶液を調節す
る必要はない。
【0017】また、本発明は、硫酸で大豆タンパク質を
加水分解した後に、銅―アミノ酸錯体を製造する方法を
提供するものである。加水分解には、6〜8Nの硫酸を
使用する。酸とタンパク質の混合物を1〜12時間10
0〜150℃で加熱する。酸加水分解に酸化銅を添加し
て、銅―アミノ酸錯体を生成する。
【0018】さらに、本発明は、大豆タンパク質の塩酸
加水分解生成物から鉄(II)−アミノ酸錯体を製造する
方法を提供するものでもある。上記のように、大豆タン
パク質を塩酸で加水分解する。次に、加水分解物を水酸
化カルシウムで処理し、カルシウム−アミノ酸錯体を生
成する。硫酸第1鉄を添加する。硫酸カルシウムを生成
し、析出させる。生成した第1鉄―アミノ酸錯体の状態
は、溶液状態である。生成物を担体上で乾燥する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明で使用する2種類の異なる
等級の大豆タンパク質は市場から合理的な価格で容易に
入手できる。すなわち、大豆タンパク質濃縮物と大豆精
製副産物である。大豆タンパク質濃縮物は、易流動性
で、水と良好に混合する。既に説明したように、大豆タ
ンパク質濃縮物に炭水化物が高濃度で存在すると、加水
分解時に粘稠な重質物が残留する。このような重質残留
物が存在すると、金属アミノ酸錯体の効率的な生成が煩
雑になり、担体に錯体を生成し乾燥した後に生成する液
体を均一に分布させることが複雑になる。また、記述の
ように、大豆精製副産物は嵩密度および湿潤性が比較的
低い。従って、酸溶液に加えた時にうまく混合しないた
め、加水分解効率が悪い。これら大豆アミノ酸源製品の
いずれかを使用するさいに生じる問題を解決するため
に、これら2種類の製品の混合物を使用すると、それぞ
れの望ましくない特性を最小限に抑えることできること
を見出した。80%の大豆精製副産物と20%の大豆タ
ンパク質濃縮物からなる好適な混合物の場合、十分に高
い濃度でタンパク質を含有し、十分に低い濃度で炭水化
物を含むため、金属―アミノ酸錯体を製造するのに好適
である。一般的には、混合物は50%〜80%の大豆精
製副産物と20%〜50%の大豆濃縮物とで構成でき
る。濃縮物の量が50%を超えないことが好ましく、5
0%を超えるとプロセス上問題が発生する場合がある。
【0020】他のタンパク質源に使用する同じ手法を用
いて大豆タンパク質源配合物と酸溶液とを混合する試み
は不首尾に終わった。また、室温で酸溶液に配合物を添
加すると、大豆タンパク質がゼラチン状重質物を生成す
るため、加熱しても溶液化しなかった。激しく攪拌され
ている酸溶液に室温で大豆タンパク質源を添加した場合
には、攪拌しにくく、加熱しても簡単には溶液化しない
ゼラチン状の重質物が生成した。70℃以上の温度に酸
溶液を加熱し、激しく攪拌しながら大豆タンパク質を添
加した場合にのみ、固形分が酸溶液に均一に分布した。
加熱を継続すると、固形分の大部分が溶解し、タンパク
質が完全に加水分解し、目的のアミノ酸になった。生成
物には、ごく少量の(使用した大豆タンパク質重量の1
0〜12%)固形分が懸濁していた。上記の酸溶液を、
後述の実施例に記載するように、金属―アミノ酸錯体の
生成に使用する。
【0021】大豆タンパク質製品の価格が比較的高く、
EUでの使用が承認された製品の基準が厳格なため、これ
ら製品の市場価値を高くできるように製造プロセスを注
意深く制御しながら実施する必要がある。これら製品に
おける金属アミノ酸の濃度を最大化するためには、加水
分解に必要な酸の量を正確に調べる必要がある。また、
酸の量はタンパク質源を有効に加水分解し、次にタンパ
ク質加水分解により生成するアミノ酸と反応する金属塩
の必要な量を生成するのに十分な量でなければならな
い。酸の使用量が金属錯体を生成するために必要な量を
超えた場合には、適当な塩基を用いて、金属アミノ酸錯
体の安定性を最適化するために必要な範囲に反応混合物
のpHを調節する必要がある。この結果、最終製品に含
有させることができる金属アミノ酸錯体の最大濃度を低
くすることができる。従って、この意味においては、製
品における錯体の量を最大化するためには、酸を適正な
量で使用することが重要である。
【0022】従来の検討を通じて、酸の容量がタンパク
質の重量の少なくとも二倍の時にタンパク質の加水分解
が最大化することが判明している(米国特許第5,69
8,724号を参照)。さらに、錯体生成後の反応混合
物の全重量により、製品を有効に乾燥するために添加で
きる担体の最小量が決まる。これら2つの要因を総合し
て考えると、最終製品における金属アミノ酸の濃度を最
大化するために使用する酸の量を制御する重要性を説明
できる。製造プロセスを最適化し、かつ製品における金
属アミノ酸錯体の濃度を最大化するためには、加水分解
に使用する酸の量を計算するさいに、十分な注意を払う
必要がある。加水分解を行なう前に、タンパク質のアミ
ノ酸組成物を求め、タンパク質源の単位重量に存在する
全アミノ酸の全モル数を算出する。目的の金属アミノ酸
錯体を生成するために必要な金属の量を計算する。金属
の必要なモル数は、タンパク質に存在するアミノ酸のモ
ル数および目的とする錯体の種類に依存するものであ
る。1:1金属アミノ酸錯体を生成するさいに必要な金
属源のモル数は、存在するアミノ酸のモル数に等しい。
また、1:2金属アミノ酸錯体を生成するさいに必要な
金属源のモル数は、存在するアミノ酸のモル数の1/2
である。製品における錯体の濃度を最大化するために
は、タンパク質を加水分解するために使用する酸の量
は、金属と反応するために必要な量に等しく、また使用
する酸の量は、タンパク質重量の二倍に等しいかそれ以
上でなければならない。タンパク質の加水分解に最適な
濃度で目的量の酸を準備する。塩酸の場合には6N、そ
して硫酸の場合には6〜8Nである。金属を溶解するた
めに必要な酸を正確な化学量論で使用するため、米国特
許第5,698,724号に記載されているように、水
酸化ナトリウムなどの塩基を使用して過剰な酸を中和
し、金属錯体の最適な生成に必要なpHに溶液を調節す
る必要がない。
【0023】大豆精製副産物/濃縮物からなる配合物を
単一のアミノ酸部分に酸加水分解した後、銅、鉄、マン
ガンや亜鉛の可溶性塩などの微量元素源を用いて錯体ま
たはリガンドを生成するさいに容易に使用することがで
きる。これ以降は、本出願人による特許公報に記載され
ているプロセスを使用できる。一般的には、若干の加熱
を行いながら可溶性微量元素を添加し、溶解するまで混
合する。場合に応じて、約100℃までの温度に1時間
加熱してから、冷却してもよい。この後、所望ならば、
混合物を担体に添加し、製品を均質化することもでき
る。
【0024】所望の微量元素の適当な可溶性源として
は、各金属の酸化物や無機酸塩を使用する。例えば、酸
化亜鉛、酸化銅や、硫酸第1鉄、硫酸マンガンなどの可
溶性塩を使用することができる。タンパク質の加水分解
によって生成したアミノ酸から銅アミノ酸錯体を製造す
ることが、本発明の技術的課題である。この場合には、
タンパク質源として大豆タンパク質か、あるいは他の適
当なタンパク質源を使用する。いくつかのミネラル酸を
タンパク質の加水分解に使用することができるが、一般
的には、金属アミノ酸錯体の製造効率を最大化するため
に好ましい酸は塩酸である。ただし、米国特許第5,6
98,724号公報に記載されているように、酸化銅な
どの酸化性の強い物質を、塩酸を含有する加水分解タン
パク質の混合物に添加することは、危険が大きいので、
きわめて大きな注意を払う必要がある。酸化銅は、塩酸
を酸化し、塩素ガスを発生すると同時に、金属銅を生成
できる。これは製品の品質を劣化させるだけでなく、環
境上危険である。タンパク質の加水分解に硫酸を使用す
ることは、米国特許第4,874,893号公報に開示
されている。ただし、加水分解を効率よく実施するため
には、高濃度の硫酸(12Nの硫酸)が必要である。こ
の理由は、硫酸が2つのプロトン解離定数をもつ事実に
よる。この第2の解離定数については、タンパク質の加
水分解における析出には低すぎると報告されている。金
属アミノ酸錯体を最大限に生成するには使用する酸の濃
度が6N〜8Nでなければならないため、硫酸の使用につ
いては過去検討されていない。
【0025】本発明は、より低い濃度の酸を使用して、
タンパク質を効率よく加水分解し、最終製品における銅
アミノ酸錯体の濃度を最大化することに関する。大豆タ
ンパク質を効率よく加水分解するために、濃度が6N〜8
Nの硫酸を使用する。100〜140℃で1〜12時間
酸タンパク質混合物を加熱した後に、加水分解が完全に
なることが認められた。アミノ酸の硫酸溶液に酸化銅を
添加すると、酸化物がスムーズに溶解するとともに、銅
アミノ酸錯体が生成する。
【0026】米国特許第5,698,724号公報の記
載に従って酸化鉄から鉄アミノ酸錯体を大量生産するこ
とは実際的ではない。市販の酸化鉄の場合には、タンパ
ク質の加水分解後に得られた酸溶液に溶解するために厳
格な条件が必要である。さらに、米国特許第5,69
8,724号公報に記載の方法を使用した場合、鉄(I
I)のアミノ酸錯体を得ることはできない。本発明は、
硫酸第1鉄または硫酸第2鉄およびタンパク質加水分解
物から鉄アミノ酸錯体を製造する方法にも関する。本明
細書に開示するように、6Nの塩酸を使用することによ
って大豆タンパク質を加水分解する。酸を中和し、カル
シウムアミノ酸錯体を生成するのに十分な量で水酸化カ
ルシウムを添加する。この混合物に、激しく攪拌しなが
ら、等量の硫酸第1鉄または硫酸第2鉄を添加する。溶
液状態の塩化物イオンと鉄塩からの硫酸塩イオンとの間
に交換反応が生じ、硫酸カルシウムが析出するととも
に、鉄アミノ酸錯体が生成する。濾過によって析出硫酸
カルシウムを除去し、濾液を適当な担体上で乾燥する。
【0027】適当な微量元素アミノ酸担体は公知であ
り、本出願による前記特許公報に記載されているため、
これ以上詳しい説明は省く。実施例で実証されている一
つの実例は、フェザーミールタンパク質である。制限す
る意図はないが、本発明の以下の実施例によって説明す
る。なお、ある種の変更は可能であり、いずれにせよ本
発明の作用効果を達成できるものである。
【0028】
【実施例】実施例1 6N塩酸による大豆タンパク質濃縮物の加水分解 還流冷却器、供給漏斗および温度計を備えた1Lの、三
つ首丸底フラスコに200mlの6N塩酸を加えた。塩
酸を磁気攪拌器で激しく攪拌した。激しく攪拌しなが
ら、100gの大豆タンパク質濃縮物を徐々に添加し
た。攪拌を続けた状態で、混合物を100℃に加熱し、
この温度に12時間維持した。加熱1時間後に固形分の
大部分が消失し、暗い色の稠密な生成物が残留した。混
合物を冷却し、秤量式フィルター坩堝で濾過した。蒸留
水でフィルターを洗浄し、洗浄液を同じフィルターフラ
スコに回収した。フィルターを乾燥し、秤量した。濾液
の重量を計量し、濾液のアミノ酸およびタンパク質含量
を同定した。残留物の重量は、添加したタンパク質の2
4.92%に相当する24.916gであった。濾液の
重量は338.680gであった。濾液は、タンパク質
を0.7087%、そしてアミノ酸を12.945%含
んでいた。これは、使用した大豆タンパク質濃縮物の元
の重量の2.40%タンパク質および43.84%アミ
ノ酸に相当する。
【0029】実施例2 塩酸で加水分解した大豆タンパク質濃縮物からの亜鉛ア
ミノ酸錯体の製造 還流冷却器、供給漏斗および温度計を備えた1Lの、三
つ首丸底フラスコに200mlの6N塩酸を加えた。塩
酸を磁気攪拌器で激しく攪拌した。激しく攪拌しなが
ら、100gの大豆タンパク質濃縮物を徐々に添加し
た。攪拌を続けた状態で、混合物を100℃に加熱し、
この温度に12時間維持した。加熱1時間後に固形分の
大部分が消失し、暗い色の稠密な生成物が残留した。攪
拌を続けた状態で、ほぼ50℃に混合物を冷却した。さ
らに攪拌を続けた状態で、38.672gの酸化亜鉛を
徐々に加えた。すべての酸化亜鉛を溶解した後、反応混
合物を徐々に100℃まで加熱し、この温度に1時間維
持した。混合物を室温に冷却した。混合物のpHは2.
137であった。50%水酸化ナトリウム20gを徐々
に加えた。溶液のpHは3.086であった。激しく混
合しながら、混合物を150グラムの担体配合物に加え
て、均一な湿潤した生成物を得た。混合物を80℃で2
4時間乾燥した。 亜鉛含量=8.953% 亜鉛―アミノ酸錯体=6.998% 結合率%=78.16%
【0030】使用した酸の量は、使用できる最小量であ
った。添加した酸化亜鉛の量は、大豆タンパク質濃縮物
のタンパク質濃度に基づいて使用できる最大量であっ
た。亜鉛の理論収率は9%であった。亜鉛回収率は9
9.48%であった。亜鉛アミノ酸錯体の収率が下がっ
たのは、劣化した炭水化物の存在によりアミノ酸含量が
低くなり、また加水分解率が下がったためである。
【0031】実施例3 6N塩酸による大豆精製タンパク質副産物の加水分解 還流冷却器、供給漏斗および温度計を備えた1Lの、三
つ首丸底フラスコに200mlの6N塩酸を加えた。塩
酸を磁気攪拌器で激しく攪拌した。激しく攪拌しなが
ら、100gの大豆精製タンパク質副産物を徐々に添加
した。大豆精製タンパク質副産物は塩酸と混合せず、ゼ
ラチン状重質物が生成し、混合物を攪拌できなくなっ
た。還流しながら、混合物を100℃に徐々に加熱し
た。大豆タンパク質は溶液化せず、フラスコ内部に付着
した固形分のためポンプを必要とした。
【0032】実施例4 6N塩酸による大豆精製タンパク質副産物の加水分解 還流冷却器、供給漏斗および温度計を備えた1Lの、三
つ首丸底フラスコに213mlの6N塩酸を加えた。塩
酸を磁気攪拌器で激しく攪拌し、70〜80℃に加熱し
た。激しく攪拌しながら、100.045gの大豆精製
タンパク質副産物を徐々に添加した。攪拌を続けた状態
で、混合物を100℃に加熱し、この温度に12時間維
持した。加熱1時間後に固形分の大部分が消失し、暗い
色の生成物が残留した。混合物を冷却し、秤量式フィル
ター坩堝で濾過した。蒸留水でフィルターを洗浄し、洗
浄液を同じフィルターフラスコに回収した。フィルター
を乾燥し、秤量した。濾液の重量を計量し、濾液のアミ
ノ酸およびタンパク質含量を同定した。残留物の重量
は、添加したタンパク質の10.22%に相当する1
0.216gであった。濾液の重量は425.686g
であった。濾液は、タンパク質を0.7371%、そし
てアミノ酸を16.794%含んでいた。これは、使用
した大豆精製タンパク副産物の元の重量の3.14%タ
ンパク質および71.49%アミノ酸に相当する。
【0033】実施例5 塩酸で加水分解した大豆精製タンパク質副産物 からの亜鉛アミノ酸錯体の製造 還流冷却器、供給漏斗および温度計を備えた1Lの、三
つ首丸底フラスコに2213mlの6N塩酸を加えた。
塩酸を磁気攪拌器で激しく攪拌し、70〜80℃に加熱
した。激しく攪拌しながら、100gの大豆精製タンパ
ク質副産物を徐々に添加した。攪拌を続けた状態で、混
合物を100℃に加熱し、この温度に12時間維持し
た。加熱1時間後に固形分の大部分が消失し、暗い色の
生成物が残留した。さらに攪拌を続けた状態で、混合物
をほぼ50℃に冷却した。攪拌を続けた状態で、52.
216gの酸化亜鉛を徐々に加えた。すべての酸化亜鉛
を溶解した後、反応混合物を徐々に100℃まで加熱
し、この温度に1時間維持した。混合物を室温に冷却し
た。激しく混合しながら、混合物を152.230gの
担体配合物に加えて、均一な湿潤した生成物を得た。混
合物を80℃で24時間乾燥した。 亜鉛含量=10.16% 亜鉛―アミノ酸錯体=9.39% 結合率%=92.39%
【0034】実施例6 大豆精製タンパク質副産物および大豆タンパク質濃縮物
の配合物の6N塩酸による加水分解 還流冷却器、供給漏斗および温度計を備えた1Lの、三
つ首丸底フラスコに213mlの6N塩酸を加えた。塩
酸を磁気攪拌器で激しく攪拌し、70〜80℃に加熱し
た。激しく攪拌しながら、80グラムの大豆精製タンパ
ク質副産物および20グラムの大豆タンパク質濃縮物か
らなる配合物を徐々に添加した。攪拌を続けた状態で、
混合物を100℃に加熱し、この温度に12時間維持し
た。加熱1時間後に固形分の大部分が消失し、暗い色の
生成物が残留した。混合物を冷却し、秤量式フィルター
坩堝で濾過した。蒸留水でフィルターを洗浄し、洗浄液
を同じフィルターフラスコに回収した。フィルターを乾
燥し、秤量した。濾液の重量を計量し、濾液のアミノ酸
およびタンパク質含量を同定した。残留物の重量は、添
加したタンパク質の10.89%に相当する10.88
2gであった。濾液の重量は382.574gであっ
た。濾液は、タンパク質を0.7151%、そしてアミ
ノ酸を17.028%含んでいた。これは、使用した大
豆タンパク質配合物の元の重量の2.74%タンパク質
および65.18%アミノ酸に相当する。
【0035】実施例7 大豆精製タンパク質副産物および大豆タンパク質濃縮物
からなる、塩酸加水分解配合物から亜鉛アミノ酸錯体の
製造 還流冷却器、供給漏斗および温度計を備えた1Lの、三
つ首丸底フラスコに213mlの6N塩酸を加えた。塩
酸を磁気攪拌器で激しく攪拌し、70〜80℃に加熱し
た。激しく攪拌しながら、80gの大豆精製タンパク質
副産物および20グラムの大豆タンパク質濃縮物からな
る配合物を徐々に添加した。攪拌を続けた状態で、混合
物を100℃に加熱し、この温度に12時間維持した。
加熱1時間後に固形分の大部分が消失し、暗い色の生成
物が残留した。さらに攪拌を続けた状態で、混合物をほ
ぼ50℃に冷却した。攪拌を続けた状態で、49.51
2gの酸化亜鉛を徐々に加えた。すべての酸化亜鉛を溶
解した後、反応混合物を徐々に100℃まで加熱し、こ
の温度に1時間維持した。混合物を室温に冷却した。激
しく混合しながら、混合物を146.596gの担体配
合物に加えて、均一な湿潤した生成物を得た。混合物を
80℃で24時間乾燥した。 亜鉛含量=11.19% 亜鉛―アミノ酸錯体=9.756% 結合率%=87.19%
【0036】実施例8 タンパク質加水分解により精製した金属―アミノ酸錯体
の量を最大化する酸および金属の最適量の計算 本実施例では、タンパク質源としてフェザーミールを使
用した。製品サンプルを全アミノ酸分析した。結果を表
1の欄“たんぱく質源”に示す。“タンパク質源”の第
1欄には、アミノ酸の濃度を示す。単位は“g/タンパ
ク質100g”である。また、アミノ酸それぞれの算出
濃度(“mmoles/100g”を単位とする)を第2欄に示
す。各欄の末行に、タンパク質におけるアミノ酸の全濃
度(単位はg/100gおよびmmoles/100gである)を示
す。広範に行なった研究により、酸加水分解後にタンパ
ク質におけるアミノ酸の回収率は例えば90%である。
タンパク質100gのアミノ酸含量が667.14mmol
esであった。これは、加水分解後に回収したアミノ酸の
量が、600mmolesの亜鉛と反応して、アミノ酸錯体を
生成するのに十分な量であることを示す。金属を溶解す
るために必要な酸の量は、1,200mmolesであった。
従って、140℃で1時間タンパク質を6N塩酸(タン
パク質100gにつき酸1.2モル)で加水分解した。
アミノ酸溶液のサンプルを分析した結果を欄“酸加水分
解物”に示す。“酸加水分解物”の第一欄に、溶液の
“g/100g”におけるアミノ酸濃度を示す。“mmole
s/100g”を単位とするアミノ酸の算出濃度を第2欄に示
す。加水分解前に酸に加えたタンパク質の量が正確にわ
かっているので、元のタンパク質のg/100gおよびm
moles/100gを単位とする酸加水分解物におけるアミノ酸
の濃度を計算し、結果を各欄の末行に示す。加水分解率
%は、加水分解前のタンパク質源に存在するアミノ酸の
濃度と酸加水分解物に存在するアミノ酸の濃度とから算
出する。本実施例では、酸加水分解物においてタンパク
質100g/gを単位とするアミノ酸の回収率は87.
09%であった。mmoles/100gタンパク質を単位と
する場合、酸加水分解物においてタンパク質の90.0
9%のアミノ酸を回収できた。
【0037】
【表1】
【0038】実施例9 フェザーミールタンパク質の塩酸加水分解生成物からの
亜鉛―アミノ酸錯体の製造 表2に示す処方に従って6N塩酸を用いて、実施例7で
試験したフェザーミールタンパク質サンプルを大規模加
水分解した。必要量の6N塩酸を激しく攪拌しながら7
0℃に加熱した。加熱および攪拌を続けた状態で、フェ
ザーミールタンパク質を添加した。反応混合物を140
℃で1時間加熱した。反応混合物を冷却し、反応液サン
プルを取り出した。約70℃に320gのサンプルを加
熱し、酸化亜鉛(50.890g)を攪拌を続けた状態
で徐々に添加した。酸化亜鉛全部の添加後、混合物を1
00℃で1時間加熱した。200gの担体に反応液を添
加し、80℃で24時間乾燥した。
【0039】乾燥物のサンプルを分析したところ、下記
のものを含んでいた。 1)水で抽出できる亜鉛=10.13% 2)亜鉛―アミノ酸錯体=10.05% 3)全アミノ酸=27.62% 4)アミノ酸錯体として存在する金属=99.28%
【0040】
【表2】
【0041】実施例10 硫酸で加水分解した大豆精製タンパク質副産物からの銅
アミノ酸錯体の製造 還流冷却器、供給漏斗および温度計を備えた1Lの、三
つ首丸底フラスコに165mlの蒸留水に64gの濃硫
酸(93%)を加えて調製した229mlの6N硫酸を
加えた。硫酸を磁気攪拌器で激しく攪拌し、70〜80
℃に加熱した。激しく攪拌しながら、100gの大豆精
製タンパク質副産物を徐々に添加した。攪拌を続けた状
態で、混合物を100℃に加熱し、この温度に24時間
維持した。加熱1時間後に固形分の大部分が消失し、暗
い色の生成物が残留した。さらに攪拌を続けた状態で、
混合物をほぼ50℃に冷却した。攪拌を続けた状態で、
47.822gの酸化銅を徐々に加えた。すべての酸化
銅を溶解した後、反応混合物を徐々に激しくない程度ま
で沸騰するまで加熱し、この温度に1時間維持した。激
しく混合しながら、混合物を157.196gの担体配
合物に加えて、均一な湿潤した生成物を得た。混合物を
80℃で24時間乾燥した。
【0042】サンプルを分析したところ、下記のものを
含有していた。 1)水で抽出できる亜鉛=9.063% 2)銅―アミノ酸錯体=8.97% 3)アミノ酸錯体として存在する銅=99.01%
【0043】実施例11 フェザーミールタンパク質の塩酸加水分解生成物からの
鉄(II)−アミノ酸錯体の製造 表3に示す処方に従って6N塩酸を用いて、実施例7で
試験したフェザーミールタンパク質サンプルを加水分解
した。必要量の6N塩酸を激しく攪拌しながら70℃に
加熱した。加熱および攪拌を続けた状態で、フェザーミ
ールタンパク質を添加した。反応混合物を140℃で1
時間加熱した。反応混合物を冷却し、反応液サンプルを
取り出した。約70℃に322gのサンプルを加熱し、
水酸化カルシウム(44.978g)を攪拌を続けた状
態で徐々に添加した。水酸化カルシウム全部の添加後、
混合物を70℃で1時間加熱した。硫酸第1鉄(16
7.090g)を添加し、加熱を攪拌しながら続けた。
重質物が生成し、攪拌の停止後ただちに低部に沈降し
た。混合物を濾過し、析出物を水洗し、洗浄液を元の濾
液に加えた。濾液および洗浄液の合計重量は、509g
であった。
【0044】濾液サンプルを分析したところ、鉄―アミ
ノ酸錯体として6.59%の、水で抽出できる鉄(II)
を含有していた。
【0045】
【表3】
【0046】実施例12 フェザーミールタンパク質の塩酸加水分解生成物からの
亜鉛―アミノ酸錯体の大規模製造 表4に示す処方に従って6N塩酸を用いて、実施例7で
試験したフェザーミールタンパク質サンプルを大規模加
水分解した。必要量の6N塩酸を激しく攪拌しながら7
0℃に加熱した。加熱および攪拌を続けた状態で、フェ
ザーミールタンパク質を添加した。反応混合物を140
℃で1時間加熱した。反応混合物を冷却し、実施例9お
よび11の製造例と同様に分析しかつ使用するために、
少量のサンプルを取り出した。反応混合物を約70℃に
加熱し、酸化亜鉛を攪拌を続けた状態で徐々に添加し
た。酸化亜鉛全部の添加後、混合物を100℃で1時間
加熱した。工業用乾燥機の最適な操作に必要な適正な割
合で、担体に混合物を加えた。生成物を水分が5%にな
るまで乾燥した。
【0047】乾燥物のサンプルを分析したところ、下記
のものを含んでいた。 1)水で抽出できる亜鉛=10.27% 2)亜鉛―アミノ酸錯体=9.65% 3)全アミノ酸=23.03% 4)アミノ酸錯体として存在する金属=94.00%
【0048】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07F 15/02 C07F 15/02 (72)発明者 アブデル−モネム マームード エム. アメリカ合衆国 ミネソタ州 55344− 7232,エデン プレーリー,ヴァイキング ドライヴ 10400,スウィート 240 Fターム(参考) 2B150 AB03 BA02 BC06 BD01 CE08 DA43 DH07 DH08 DH09 DH10 4H006 AA02 AA03 AB10 AC46 AC52 BB31 BC10 BC19 BE01 BE02 BE03 BE60 4H048 AA03 AB10 4H050 AA03 AB10

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大豆タンパク質源から微量元素/アミノ
    酸を製造する方法において、 大豆タンパク質源として、大豆精製副産物と大豆濃縮物
    との配合物であって、大豆濃縮物の量が配合物の50重
    量%を超えない配合物を使用することを特徴とする製造
    方法。
  2. 【請求項2】 大豆精製副産物と大豆濃縮物との配合物
    が50重量%〜80重量%の大豆精製副産物と20重量
    %〜50重量%の大豆濃縮物とからなる請求項1記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも70℃に加熱された加水分解
    用酸中において、上記配合物を酸加水分解し、単一アミ
    ノ酸部位を与える請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 加熱された酸に上記配合物を徐々に添加
    すると同時に攪拌する請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 酸/大豆配合物を加熱して、単一アミノ
    酸部位を形成する加水分解を100℃〜150℃の温度
    で1〜12時間行なう請求項3記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記加水分解用酸が約6Nの塩酸である
    請求項3記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記加水分解用酸が6N〜8Nの硫酸であ
    る請求項3記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 大豆タンパク質から微量元素/アミノ酸
    錯体を製造する方法において、 大豆精製副産物と大豆濃縮物とを配合し、このさいに大
    豆濃縮物の量が配合物の50重量%を越えないように配
    合し、 攪拌しながら、少なくとも70℃に加熱された加水分解
    用酸にこの配合物を徐々に添加し、 加水分解用酸/大豆配合物を約100℃〜約150℃の
    温度で1〜12時間加熱して、タンパク質を単一アミノ
    酸部位に加水分解し、そして次に、 この単一アミノ酸部位を可溶性の微量ミネラル源と反応
    させて、微量元素/アミノ酸錯体を形成することからな
    ることを特徴とする製造方法。
  9. 【請求項9】 上記微量元素を銅、鉄、マンガンおよび
    亜鉛からなる群から選択する請求項8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記加水分解用酸を塩酸および硫酸か
    らなる群から選択する請求項8記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記加水分解用酸が約6Nの塩酸であ
    る請求項10記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記加水分解用酸が6N〜8Nの硫酸で
    ある請求項11記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記微量元素がこの微量元素の酸化物
    および無機酸塩から誘導される請求項9記載の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 アミノ酸源を大豆精製副産物と大豆濃
    縮物との配合物から誘導した微量元素アミノ酸錯体ミネ
    ラル栄養剤において、 大豆濃縮物の量が50重量%を越えない、大豆精製副産
    物と大豆濃縮物との配合物から誘導した単一アミノ酸部
    位と併用した、銅、鉄、マンガンおよび亜鉛からなる群
    から選択した微量元素と、そして微量元素/アミノ酸錯
    体に好適な担体とからなることを特徴とする上記ミネラ
    ル栄養剤。
  15. 【請求項15】 大豆精製副産物と大豆濃縮物との配合
    物が50重量%〜80重量%の大豆精製副産物と20重
    量%〜50重量%の大豆濃縮物とからなる請求項14記
    載のミネラル栄養剤。
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