JP2003024678A - 布おむつ用洗濯装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 布おむつ等に付着している大便等の汚れの塊
りを予め除去する共に、この布おむつを水洗浄すること
で、洗濯槽内において布おむつ等を衛生的かつ容易に洗
浄する。 【解決手段】 底部１ａに布おむつ等から除去した大便
等の塊を排出する排水開口２を有する洗濯槽１と、排水
開口２に開閉自在に設けた栓体５と、洗濯槽１の上部に
設けた、布おむつ等の汚れを水洗浄するために布おむつ
等を固定する固定具７と、洗濯槽１の上部に、固定具７
に向けて洗浄水を噴射するように設けた噴射口９と、を
備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主に幼児や老人の
布おむつ等を水洗浄し洗濯する装置に係り、特に小便や
大便等の汚れの塊とトイレットペーパー等を予め除去す
ると共に、この布おむつ等を水洗浄することができる布
おむつ用洗濯装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、幼児や老人等の布おむつの洗濯な
どは、一軒家においては屋外に設置した洗い場で行うの
が一般的であった。しかし、近年の都会地における住宅
事情の下では、屋外に、この種の汚れ物のための洗い場
を確保することは、ますます困難になりつつある。特
に、マンションなどの集合住宅においては、屋外に洗い
場を設けることは不可能である。

【０００３】このように、汚れ物専用の洗い場がない一
般住居においては、風呂場、台所の流し台あるいは洗面
所などにおいて処理をしていた。例えば、幼児や老人の
布おむつを洗濯するときは、先ず大便の塊はトイレに流
し、この布おむつを風呂場等に置いたバケツに消毒液と
共に入れておき、所定時間の経過後、又はある程度布お
むつの枚数が溜まったら風呂場や洗面所において、手洗
いで布おむつ表面の汚れを落としてから、洗濯機に入れ
て洗剤と共に洗濯していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のような
布おむつの洗濯方法では、先ずトイレで大便の塊を流
し、次に消毒液入りのバケツに入れ、この布おむつを手
で水洗いし、最後に洗濯機で洗剤による洗浄するといっ
た数多くの過程を経るので大変煩雑であるという問題を
有していた。

【０００５】特に、従来の洗濯方法では、トイレで布お
むつから大便の塊を流す際に便器の開口が小さいため、
その汚水が周囲に飛び散り非常に不潔であった。また、
布おむつに付いた大便を全て除去することは不可能であ
り、その大便等が付着した布おむつを流し台や風呂場で
如何に注意深く洗濯しても衛生上に問題があった。

【０００６】本発明は、上述した問題点を解決するため
に創案されたものである。すなわち本発明の目的は、布
おむつ等に付着している大便等の汚れの塊を予め除去す
ると共に、この布おむつを水洗浄することで、洗濯槽内
において布おむつ等を衛生的かつ容易に洗浄し、洗濯す
ることができる布おむつ用洗濯装置を提供することにあ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、底部
（１ａ）に布おむつ等から除去した大便等の塊を排出す
る排水開口（２）を有する洗濯槽（１）と、該排水開口
（２）に開閉自在に設けた栓体（５）と、該洗濯槽
（１）の上部に設けた、前記布おむつ等の汚れを水洗浄
するために該布おむつ等を固定する固定具（７）と、前
記洗濯槽（１）の上部に、前記固定具（７）に向けて洗
浄水を噴射するように設けた噴射口（９）と、を備え
た、ことを特徴とする布おむつ用洗濯装置が提供され
る。

【０００８】前記固定具（７）は、２枚の網部材（８）
を開閉可能に構成すると共に、表裏回転するように前記
洗濯槽（１）の上部に設けたもの、又は１枚の網部材
（１１）を前記洗濯槽（１）の上部に設けたものであ
る。

【０００９】前記洗濯層（１）の外周に設けた洗濯装置
外壁（１２）の底部周囲縁に、前記便器（４）を跨ぐよ
うに下方へ向けて延設して成る脚部（１３）を設けるこ
とが好ましい。前記洗濯槽（１）内に、洗浄と脱水を兼
用する回転槽（１５）を設けることができる。

【００１０】上記発明では、先ず、洗濯槽（１）を便器
（４）を跨ぐように、排水開口（２）を便器（４）の開
口に向けて配置する。次に、固定具（７）に、布おむつ
等を置いたり又は挟み、回転させ、その表面に付着した
大便等の塊を、噴射口（９）から洗浄水を噴射して流し
落とす。この大便の塊やトイレットペーパー等は排水開
口（２）から排水筒（３）を通って便器（４）内に流さ
れる。更に、布おむつ等に洗浄水を噴射し続けて、表面
の汚れを洗い流す。

【００１１】噴射口（９）からの水浄水で洗濯槽（１）
の内壁面を洗浄し、排水開口（２）の栓体（５）を閉じ
る。この状態で、通常の洗濯機と同様に洗剤を入れ、撹
拌翼（６）で回転洗濯する。なお、この噴射口（９）
は、首を振るように構成することができる。このように
構成することで、布おむつの広い範囲を水洗浄すること
が可能になる。

【００１２】開閉可能な２枚の網部材（８）からなる固
定具（７）では、その大便が上側に向くように布おむつ
を挟み、この固定具（７）を回転させて大便とトイレッ
トペーパー等を落下させながら、その表面に付着した大
便等の塊に洗浄水を噴射して大便を流し落とす。一方、
１枚の網部材（１１）からなる固定具（７）では、布お
むつに付着した大便を下側に向けて載せ、この状態で大
便を落下させる。残渣は噴射口（９）からの洗浄水で流
し落とす。

【００１３】更に、洗濯と脱水を兼用する回転槽（１
５）を用いることによって、大便の洗い流し、洗剤洗濯
から脱水といった一連の作業を容易にかつ確実に処理す
ることができる。

【００１４】また、本発明は、底部（２１ａ）に布おむ
つ等から除去した大便等の塊を排出する排水開口（２
２）を有する洗浄槽（２１）と、該洗浄槽（２１）の上
部に設けた、前記布おむつ等の汚れを水洗浄するために
該布おむつ等を固定する固定具（７）と、を備えること
ができる。前記洗浄槽（２１）の上部には、前記固定具
（７）に向けて洗浄水を噴射する噴射口（９）を更に設
けることが好ましい。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面を参照して説明する。図１は本発明の布おむつ
用洗濯装置の実施の形態を示す断面図である。本発明の
布おむつ用洗濯装置は、通常の洗濯機と同様に有底筒形
状の洗濯槽１を備え、この洗濯槽１のじょうご状の底面
１ａに排水開口２が穿設してある。この排水開口２は、
布おむつ等に付着した大便等の塊を排出するために必要
な径を有する。この排水開口２は洗浄水やすすぎ水を排
出する通常の排水口としての機能をも有する。特に、こ
の排水開口２には、洗濯槽１の下方に向けて排水筒３を
形成している。この排水筒３は、図３に示すように、便
器４の開口に向けて汚物等を排水するようになっている
が、直接下水口に接続することも可能である。

【００１６】排水開口２には栓体５が開閉自在に設けて
ある。この栓体５は、洗濯槽１の内部に水を張って洗浄
するときに所定の水位を維持するためのものである。こ
のように水を張った洗濯槽１は撹拌翼６を回転させて通
常の洗濯を行うことができる。

【００１７】洗濯槽１の上部には、布おむつ等を固定す
る固定具７を設けてある。この固定具７は、２枚の網部
材８，８をその一端縁又は全部で開閉可能に構成すると
共に、表裏回転し得るように洗濯槽１の上部に設けたも
のである。この固定具７に、大便等が付着した布おむつ
面を上方に向けて挟み、この固定具７を回転させて布お
むつの大便等の付着部分を下向きに向け、その布おむつ
の上面から下面に向けて噴射口９から洗浄水を噴射する
ことにより、その洗浄水の水圧と引力の作用で大便等が
布おむつの生地目の入ることなくきれい流し落とす。更
に、洗濯槽１の内壁面に飛び散った大便等を洗い流すた
めの多数の噴射口１０，１０…を、洗濯槽１の内壁面に
設けることができる。

【００１８】なお、固定具７の２枚の網部材８，８は、
可撓性を有する合成樹脂材で製造することができる。こ
のように可撓性を有する固定具７であれば、布おむつ等
に付着した大便等の汚れの塊を洗い流したあとに、その
両端を回転させることにより、そのまま余分な水分を絞
り落とすこともできる。

【００１９】本発明の布おむつ用洗濯装置は、洗濯装置
外壁１２の底部周縁に、便器４を跨ぐように下方に向
け、かつ延設して成る脚部１３を設けてある。この脚部
１３の下端にはコロ１４が設けられており、本発明の布
おむつ用洗濯装置を容易に移動し、かつ高低を調節する
ことができるようになっている。この洗濯装置を使用す
るときは、便器４を跨ぐように配置し、排水筒３は便器
４の開口に向ける。あるいは、排水筒３を下水口に接続
する。

【００２０】図２は布おむつ用洗濯装置の使用状態を示
す参考図である。本発明の布おむつ用洗濯装置の使用方
法を説明する。先ず、本発明の布おむつ用洗濯装置を便
器４を跨ぐように配置する。洗濯槽１の排水開口２はこ
の便器４の開口に向ける。次に、固定具７に、布おむつ
等を置いたり又は挟み込んで、回転させ、その表面に付
着した大便等の塊を、噴射口９から洗浄水を噴射して流
し落とす。この大便の塊は排水開口２から排水筒３を通
って便器４内又は下水口に直接流される。なお、網部材
８は、布おむつ等を挟んだ状態で振動させることによ
り、噴射水との相乗効果で大便等をより迅速かつ確実に
除去させることができる。

【００２１】噴射口９からの洗浄水で洗濯槽１内壁面を
洗浄し、排水開口２の栓体５を閉じる。この洗濯槽１内
に布おむつを落とし込んだ状態で、通常の洗濯機と同様
に洗剤を入れ、撹拌翼６で回転洗濯する。

【００２２】図３は布おむつ用洗濯装置の他の実施の形
態を示す断面図である。本発明の布おむつ用洗濯装置
は、洗濯槽１に、洗濯と脱水を兼用する回転槽１５を設
けることができる。このように、洗濯槽１内に兼用の回
転槽１５を設けることにより、大便の洗い流し、洗剤洗
濯から脱水といった一連の作業を容易にかつ確実に処理
することができる。

【００２３】なお、本発明は上述した発明の実施の形態
に限定されず、洗濯槽１の上部に設けた固定具７によっ
て、予め大便を除去すると共に、この布おむつ等を水洗
浄することにより、同じ洗濯槽１内で大便の除去と洗濯
を実施することができる構造の洗濯装置であれば、図示
した洗濯槽１内を撹拌翼６で回転洗濯するような構成又
は洗選と脱水を兼用する回転槽１４に限定されず、本発
明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論
である。

【００２４】図４は布おむつ用洗濯装置の他の実施の形
態を示す断面図である。図１に示す固定具７は、２枚の
網部材８，８をその一端縁又は全部で開閉可能に構成
し、洗濯機としての機能を有する洗濯槽１の上部におい
て表裏回転するように構成したものである。しかし、大
便の塊が付着した布おむつ等を広げて置くことができる
ものであれば、図４に示すように、底部２１ａに布おむ
つ等から除去した大便等の塊を排出する排水開口２２を
有する洗浄槽２１を設け、この洗浄槽２１の上部に、布
おむつ等の汚れを水洗浄するために該布おむつ等を固定
する固定具７を設けたものでもよい。この洗浄槽２１の
上部に、固定具７に向けて洗浄水を噴射するように設け
た噴射口２３を備えている。この図示例のように、洗濯
機としての機能を有さない洗浄槽２１に固定具７を設け
ることも可能である。このような洗浄槽２１を用いて大
便等を除去した布おむつ等は、通常の汚れた衣服と同様
に洗濯機で洗濯することができる。

【００２５】

【発明の効果】上述したように、本発明の布おむつ用洗
濯装置は、洗濯槽内において、布おむつ等に付着してい
る大便等の汚れの塊を予め除去すると共に水洗浄でき、
そのまま同じ洗濯槽内で洗濯することができるので、従
来のように布おむつをトイレに持って行き、次に消毒液
のバケツに入れた布おむつを手洗いするといった煩雑な
作業をすることなく、１台の洗濯装置で容易かつ短時間
で洗浄し、洗濯することができる。

【００２６】また、従来のように汚れた布おむつをトイ
レ、風呂場あるいは洗面所といった場所に持ち歩くこと
なく、かつ流し台や風呂場などにおいて洗う必要がない
ために、汚水が便器の周囲や流し台や風呂場に付着し
て、これらを汚すことがなくなり衛生的である。

【００２７】特に、本発明の布おむつ用洗濯装置では、
汚れた布おむつを容易かつ短時間で洗浄し、洗濯するこ
とができるので、何度も再利用可能となり、現在使用さ
れている毎回費用のかかる使い捨て紙おむつを使用する
必要がなくなり、経済的負担が軽減されると共に、その
使い捨て紙おむつが不燃ごみであるために世界中で生じ
ている環境問題についても解消することができる、等の
効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の布おむつ用洗濯装置の実施の形態を示
す断面図である。

【図２】布おむつ用洗濯装置の使用状態を示す参考図で
ある。

【図３】布おむつ用洗濯装置の他の実施の形態を示す断
面図である。

【図４】本発明の布おむつ用洗濯装置の他の実施の形態
を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 洗濯槽 １ａ 底部 ２ 排水開口 ４ 便器 ５ 栓体 ７ 固定具 ８ 網部材 ９ 噴射口 １２ 洗濯装置外壁 １３ 脚部 １５ 浄脱水兼用回転槽 ２１ 洗浄槽 ２１ａ 底部 ２２ 排水開口

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底部（１ａ）に布おむつ等から除去した
   大便等の塊を排出する排水開口（２）を有する洗濯槽
   （１）と、 該排水開口（２）に開閉自在に設けた栓体（５）と、 該洗濯槽（１）の上部に設けた、前記布おむつ等の汚れ
   を水洗浄するために該布おむつ等を固定する固定具
   （７）と、 前記洗濯槽（１）の上部に、前記固定具（７）に向けて
   洗浄水を噴射するように設けた噴射口（９）と、を備え
   た、ことを特徴とする布おむつ用洗濯装置。
2. 【請求項２】 前記固定具（７）が、２枚の網部材
   （８）を開閉可能に構成すると共に、表裏回転するよう
   に前記洗濯槽（１）の上部に設けたものである、ことを
   特徴とする請求項１の布おむつ用洗濯装置。
3. 【請求項３】 前記固定具（７）が、１枚の網部材（１
   １）を前記洗濯槽（１）の上部に設けたものである、こ
   とを特徴とする請求項１の布おむつ用洗濯装置。
4. 【請求項４】 前記洗濯槽（１）の外周に設けた洗濯装
   置外壁（１２）の底部周縁に、前記便器（４）を跨ぐよ
   うに下方へ向けて延設して成る脚部（１３）を設けた、
   ことを特徴とする請求項１、２又は３の布おむつ用洗濯
   装置。
5. 【請求項５】 前記洗濯槽（１）内に、洗濯と脱水を兼
   用する回転槽（１５）を設けた、ことを特徴とする請求
   項１、２、３又は４の布おむつ用洗濯装置。
6. 【請求項６】 底部（２１ａ）に布おむつ等から除去し
   た大便等の塊を排出する排水開口（２２）を有する洗浄
   槽（２１）と、 該洗浄槽（２１）の上部に設けた、前記布おむつ等の汚
   れを水洗浄するために該布おむつ等を固定する固定具
   （７）と、を備えた、ことを特徴とする布おむつ用洗濯
   装置。
7. 【請求項７】 前記洗浄槽（２１）の上部に、前記固定
   具（７）に向けて洗浄水を噴射する噴射口（９）を更に
   設けた、ことを特徴とする請求項６の布おむつ用洗濯装
   置。