JP2003018006A - アナログデジタル変換方法 - Google Patents

アナログデジタル変換方法

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JP2003018006A
JP2003018006A JP2001195830A JP2001195830A JP2003018006A JP 2003018006 A JP2003018006 A JP 2003018006A JP 2001195830 A JP2001195830 A JP 2001195830A JP 2001195830 A JP2001195830 A JP 2001195830A JP 2003018006 A JP2003018006 A JP 2003018006A
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noise
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Masaaki Yasumoto
雅昭 安本
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Nachi Fujikoshi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】通常のランダムな雑音を除去できるだけでな
く、発性雑音の影響も最小限にとどめることが可能な、
アナログデジタル変換方法を提供する。 【解決手段】アナログ信号をデジタル信号に変換する方
法において、アナログ信号を複数回デジタル信号に変換
したデータを大きさの順にソーティングし、このデジタ
ル信号に変換されたデータのすべてに対してその平均値
および標準偏差を算出し、この標準偏差に所定の係数を
乗じこれを前記平均値に加えた値を上限値とするととも
に、前記標準偏差に前記係数を乗じこれを前記平均値か
ら差し引いた値を下限値とし、前記デジタル信号に変換
されたデータの中から前記上限値以上のデータおよび前
記下限値以下のデータを除去し、この除去後のデータの
平均値をアナログデジタル変換後のデータとするように
した。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アナログデジタル
変換方法に関し、特に、計測装置等において利用できる
ような、センサから得られるアナログ信号をデジタル信
号に変換し、これを計測データとして使用するのに適し
たアナログデジタル変換方法に関する。 【0002】 【従来の技術】アナログデジタル変換(以下、AD変換
と略する)器は、アナログ信号で入力される自然界の現
象を、デジタル信号を扱うコンピュータで処理する際に
必要となる重要な装置である。例えば、デジタル制御装
置においては、センサで取得した計測値としてのアナロ
グ信号をコンピュータで扱うことのできるデジタル信号
に変換するためにAD変換器を使用しているが、特に、
デジタル制御装置の中でもミクロンレベル以上の精度が
要求されるCNC装置では、AD変換の精度や信頼度が
重要な要素となっている。 【0003】ここでAD変換の信頼度について考える
と、AD変換時間は1ミリ秒以下と非常に短いため、1
回のAD変換結果には大きな誤差が潜む可能性が高い。
誤差の主な原因は雑音によるものである。アナログ信号
は一般に外部から混入してくる雑音に影響されやすい。
従って、雑音を除去することが重要な技術となってい
る。アナログ信号に重畳する雑音を除去する方法として
は、主として次の2つの方法が採用されている。 【0004】第1の方法は、アナログ信号をデジタル信
号に変換する直前で、低域通過炉波器(ローパスフィル
タ)または積分器を介して雑音を除去する方法である。
この方法は、雑音の成分がランダムな場合や十分に解析
されている場合は有効な手段であるが、雑音の成分が変
化した場合などは効果が不十分となる。積分型AD変換
器はこの方法を利用したAD変換器として知られてい
る。 【0005】第2の方法は、AD変換後のデータの平均
値をコンピュータで計算してこの平均値をデジタル信号
とする方法である。最近の計測器は、そのほとんどがA
D変換器を内蔵しているため、この方法を採用している
ものが多い。一般にスムージングと呼ばれているこの方
法は、雑音がランダムに発生している場合に有効で、極
端な例では、雑音に埋もれてしまった本来の信号も取り
出せる有効な手段である。デジタルオシロスコープはほ
とんどの機種がこの機能を搭載し、微小信号も確実に取
り出せるようになっている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術で述
べた第2の方法には、大きな欠点がある。それは突発的
な雑音に対しては全く効果がない点である。また、突発
的な雑音はその振幅が本来の信号と大きく値が異なるた
め、これを含めて平均値を計算すると、誤差が大きくな
る点である。これらの点は、実験室など比較的突発的な
雑音が発生しにくい環境で使用される計測装置ではあま
り問題とはならないが、工場などにおいてセンサで計測
したデータを基にオンライン制御を行うような場合は、
電源などから突発的な雑音が混入する可能性が高いた
め、このような雑音に対する対策が必要となる。 【0007】本発明は、係る従来技術の問題点を解決す
るためになされたものであり、通常のランダムな雑音を
除去できるだけでなく、従来の問題点である突発性雑音
の影響についても最小限にとどめることが可能な、アナ
ログデジタル変換方法を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明では、アナログ信号をデジタル信号に変
換する方法において、アナログ信号を複数回デジタル信
号に変換し、このデジタル信号に変換されたデータのす
べてに対してその平均値および標準偏差を算出し、この
標準偏差に所定の係数を乗じこれを前記平均値に加えた
値を上限値とするとともに、前記標準偏差に前記係数を
乗じこれを前記平均値から差し引いた値を下限値とし、
前記デジタル信号に変換されたデータの中から前記上限
値以上のデータおよび前記下限値以下のデータを除去
し、この除去後のデータの平均値をアナログデジタル変
換後のデータとすることを特徴とするアナログデジタル
変換方法を提供した。 【0009】係る構成により上限値及び下限値を設定し
たことにより、通常のランダムな雑音ばかりでなく突発
性の雑音についても、上限値以上のデータあるいは下限
値以下のデータのいずれかに含まれるようになる。その
ため、これら上限値以上のデータ及び下限値以下のデー
タを、アナログ信号を複数回デジタル信号に変換したデ
ータの中から除去し、この除去後のデータの平均値をア
ナログデジタル変換後のデータとすることにより、通常
のランダムな雑音ばかりでなく突発性の雑音の影響につ
いても除去されたデジタルデータを得ることができる。
特に、本発明においては、アナログ信号を複数回デジタ
ル信号に変換したデータについて、その平均値及び標準
偏差を算出し、この平均値及び標準偏差に基づいて上限
値及び下限値を設定するようにしたので、入力したアナ
ログ信号中に含まれる雑音の状況に対応して、適切な上
限値及び下限値が自動的に設定される。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の
一実施形態における、アナログデジタル変換方法の処理
手順を示したフローチャートである。なお、以下の説明
文中、「ステップ*」(*は正の整数)の表記は、図1
に示したフローチャートにおけるステップ番号に対応し
ている。 【0011】計測を開始すると、まずアナログ信号をk
回連続でAD変換(サンプリング)し、k個のデジタル
データをメモリ等に記憶する(ステップ1)。ここで、
kは任意の正の整数であり、通常は10以上の値をと
る。kの値が大きい方が計測精度は向上するが、計測時
間が長くなる。次に、前記メモリ等に記憶されたk個の
計測データに対してソーティング(並べ替え)を行い、
データ値の大きい順に並べ替えを行う(ステップ2)。
次に、並べ替えたデータから大きい順にn個のデータを
抜き取り(ステップ3)、さらに、小さい方からm個の
データを抜き取る(ステップ4)。この結果、雑音等に
よる異常なデータがほとんど除去される。ここで、n、
mは正の整数で、(n+m)はkより十分に小さくなけ
ればならない。例えば、k=100とすれば、n=m=
10程度が適している。最後に、抜き取った残りの(k
−n−m)個のデータの平均値を計算し(ステップ
5)、この平均値を1回の計測データ、すなわち最終的
なAD変換結果として出力する(ステップ6)。 【0012】以下、1回の計測で連続して10回のサン
プリング(k=10)を行う場合を1例として、本実施
形態の具体的な作用を示す。サンプリングとは、センサ
などからのアナログ信号をデジタル信号に変換すること
で、10回のサンプリングは短時間の間に時系列的に1
0回のデジタル信号を生成することとなる。例えば、1
2ビットのAD変換器を使用する場合は、通常1回のサ
ンプリングは1ミリ秒以下で実行できるので、10回の
サンプリングを行っても僅か10ミリ秒(0.01秒)
以下で全てのサンプリングが終了するため、この間にお
ける計測データの変化は無いに等しく、通常の計測では
全く問題とはならない。さて、10回のサンプリングで
得られた10個のデータを、まず大きい順に並べ替え
(ソーティング)を行う。次に大きいものから2個(n
=2)、逆に小さいものから2個(m=2)抜き取り、
残りの6個のデータを有効なデータとする。抜き取るデ
ータの数は突発的な雑音が発生する頻度で決まるが、こ
こでは、仮に総データ数の40%を抜き取るものとして
いる。次に残った6個のデータから平均値を計算し、こ
の平均値を計測データとして出力する。 【0013】図2は、AD変換器で計測されたオリジナ
ルデータ(図1のステップ1で得られたデータ)の一例
を示したものであり、本例では10回のサンプリングデ
ータとなっている。図2において、各マス内の左側はデ
ータの番号、右側はデータの値である。これを大きい順
にソーティングした結果(図1のステップ2で得られた
結果)を図3に示す。図3によれば、データ番号3、
6、7のデータは他のデータに比べて極端にずれた値と
なっている。 【0014】さて、これらのデータに対して平均値を計
算すると、図4(a)に示すようになる。図4(a)は
10個のデータの平均値、図4(b)はデータの値が最
も大きいもの(ここでは、データ番号3)、及び最も小
さいもの(ここではデータ番号6)のみを抜き取った残
りの8個のデータについて平均値を計算したものであ
る。図4(c)は、さらに大きいデータ、小さいデータ
を2個ずつ抜き取り、残りの6個について平均値を計算
した結果である。なお、図4(a)は、従来例で示した
第2の方法で計算した結果と同じである。これら3種類
の平均値を比較すると、突発的に発生した雑音によると
思われる計測データにより、計測誤差が発生しているこ
とがわかる。図4(c)では、これらの影響がほとんど
除去されていると考えられるので、得られた平均値は従
来の方法に比べて格段に信頼度が向上しているといえ
る。 【0015】係る方法では、突発的な雑音が発生する確
率が20%以下の場合は完全にこのような雑音を除去で
きる。また、6個のデータには、サンプリングによる量
子化誤差、ランダムな雑音も含まれているが、平均値を
計算することで6分の1に減らす効果が得られている。
全体のサンプル数を増加させると、さらに信頼度も向上
してくる。従って、従来方法と同様な効果が期待できる
ほか、突発的な雑音も効果的に除去できるようになる。 【0016】ところで、前述した抜き取り作業において
は、抜き取り量を予め決めておく方法が一般的である。
係る方法については、例えば、実開昭59−10429
9号公報や特開昭63−263416号公報にも開示さ
れている。しかし、この方法では、入力信号に含まれる
雑音の頻度により抜き取る範囲を都度変更してやる必要
があり、これは面倒であるだけでなく、信号の雑音成分
が変化するなどの要因に対して常に最適な状態を維持す
ることが難しい。そこで、以下に、抜き取り範囲を自動
的に計算する方法について、図5を参照して説明する。 【0017】ます、前述のステップ1と同様に、アナロ
グ信号をk回連続でAD変換(サンプリング)し、k個
のデジタルデータをメモリ等に記憶する(ステップ1
1)。次に、ステップ11においてメモリ等に記憶され
たk個の計測データに対して、その平均値Xと標準偏差
Sを計算する(ステップ12)。標準偏差はデータのば
らつきの度合いを表す指標としてよく知られている。雑
音が少ない場合は、標準偏差Sが小さく、雑音成分が多
くなるにつれて標準偏差Sは大きな値を示す。図2のデ
ータ列に対して係る操作を実施すると、平均値X=0.
1、標準偏差S=0.58となる。ここで、式(1)に
示すように、標準偏差Sに所定の係数zを乗じこれを前
記平均値Xに加えた値を上限値とするとともに、前記標
準偏差Sに前記係数zを乗じこれを前記平均値Xから差
し引いた値を下限値とし、これら上限値及び下限値をし
きい値とする(ステップ13)。 【0018】 【数1】 【0019】次に、ステップ11においてメモリ等に記
憶されたk個の計測データの中から、ステップ13にお
いて算出した上限値以上のデータ及び同下限値以下のデ
ータを除去する(ステップ14)。次に、ステップ14
において除去された残りのデータに対して、その平均値
を計算する(ステップ15)。最後に、前述のステップ
6と同様に、ステップ15において算出した平均値を、
1回の計測データ、すなわち最終的なAD変換結果とし
て出力する(ステップ16)。 【0020】なお、上限値と下限値を求める式(1)に
おいて、係数zについては、これを大きくすると抜き取
られるデータが少なくなり、一方、これを小さくすると
抜き取られるデータが多くなる。一般的には標準偏差の
3倍(3σと呼ぶ)がデータのばらつきの範囲内と言わ
れており、係数z=1.5(3σの1/2)を使用する
とよい。サンプルデータ数が多い場合は係数zの値を小
さく、サンプルデータ数が少ない場合は係数zの値を大
きくした方がよい。図2の例に基づいて、係数z=1.
5の場合を適用すると、上限値=0.1+0.87=
0.97、下限値=0.1−0.87=−0.77とな
るので、図3から除外するデータは、データ番号3及び
6となり、図4(b)と同様の結果が得られる。 【0021】以上、本発明の一実施形態について説明し
た。なお、本実施形態においては繰り返しサンプリング
数は10回としていたが、これに限定されるものではな
い。入力アナログ信号が十分に一定である限り、サンプ
リング数が多い方が従来方法と同様に量子化誤差、ラン
ダム雑音の除去に関して効果が大きくなる。また、図1
において、ステップ3とステップ4はこれを逆に実行し
ても結果は同じとなる。 【0022】 【発明の効果】本発明によれば、アナログ信号を複数回
デジタル信号に変換し、これら変換データのすべてに対
してその平均値及び標準偏差を算出し、この平均値及び
標準偏差に基づいて上限値及び下限値を設定し、前記変
換データの中から上限値以上のデータ及び下限値以下の
データを除去し、この除去後のデータの平均値をアナロ
グデジタル変換後のデータとするようにしたので、通常
のランダムな雑音ばかりでなく突発性の雑音の影響につ
いても除去されたデジタルデータを得ることができるよ
うになった。さらに、雑音の影響を除去する際に使用す
るしきい値(上限値及び下限値)は、入力したアナログ
信号中に含まれる雑音の状況に対応して自動的に設定さ
れるようにしたので、変換後のデジタルデータの信頼性
が向上するものとなった。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態における、アナログデジタ
ル変換方法の処理手順を示したフローチャートである。 【図2】AD変換器で計測されたオリジナルデータを示
したものであり、10回のサンプリングデータである。 【図3】図2に示したサンプリングデータを大きい順に
並べ替え(ソーティング)した結果である。 【図4】図3のデータを基にして計算した平均値の比較
結果である。(a)は全データの平均値(従来方法によ
る計算結果)、(b)、(c)は本発明を用いた2種類
の平均値計算結果である。(b)は抜き取り数が大小そ
れぞれ1個の場合、(c)は抜き取り数が大小それぞれ
2個の場合である。 【図5】本発明の他の実施形態における、アナログデジ
タル変換方法の処理手順を示したフローチャートであ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】アナログ信号をデジタル信号に変換する方
    法において、 アナログ信号を複数回デジタル信号に変換し、 該デジタル信号に変換されたデータのすべてに対してそ
    の平均値及び標準偏差を算出し、 前記標準偏差に所定の係数を乗じこれを前記平均値に加
    えた値を上限値とするとともに、前記標準偏差に前記係
    数を乗じこれを前記平均値から差し引いた値を下限値と
    し、 前記デジタル信号に変換されたデータの中から前記上限
    値以上のデータ及び前記下限値以下のデータを除去し、 該除去後のデータの平均値をアナログデジタル変換後の
    データとすることを特徴とするアナログデジタル変換方
    法。
JP2001195830A 2001-06-28 2001-06-28 アナログデジタル変換方法 Withdrawn JP2003018006A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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