JP2003016442A - 画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム

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JP2003016442A
JP2003016442A JP2001201729A JP2001201729A JP2003016442A JP 2003016442 A JP2003016442 A JP 2003016442A JP 2001201729 A JP2001201729 A JP 2001201729A JP 2001201729 A JP2001201729 A JP 2001201729A JP 2003016442 A JP2003016442 A JP 2003016442A
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pixel
value
image
energy
edge
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JP2001201729A
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English (en)
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Michel Xavier
ミッシェル グザビエ
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない計算処理で効果的且つ簡単に画像の解
像度を変更できるようにする。 【解決手段】 ステップS21において、入力された画
像データが画像モードであるか否かが判定され、画像モ
ードであると判定された場合、ステップS22におい
て、1次元垂直イメージリフレッシュ処理が実行され
る。ステップS23において、1次元水平イメージリフ
レッシュ処理が実行される。ステップS24において、
高速垂直アップサンプリング処理が実行される。ステッ
プS25において、高速水平アップサンプリング処理が
実行される。これにより、アップサンプリング処理の前
に、イメージリフレッシュ処理が実行されるので、1次
元垂直イメージリフレッシュ処理、および、1次元水平
イメージリフレッシュ処理の処理対象となる画素数を抑
制することができ、計算処理量を低減させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、画像処理装置お
よび方法、並びに記録媒体に関し、特に、静止画および
動画像など様々なソースに適用でき、そして人間の視覚
系にアピールする方法で鮮明で自然なエッジとテクスチ
ャを再描画し、高画質な高解像度画像を得ることができ
るようにした画像処理装置および方法、並びに記録媒体
に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタル画像に基づく機器(デジタルカ
メラやカメラ一体型ビデオテープレコーダなど)の使用
機会が多くなるにつれ、いわゆるデジタルズーム処理の
必要性が高まってきた。それに伴い、デジタル画像の解
像度を上げるための様々な方法が開発されてきた。従来
の主な手法として、以下の3つの手法が存在する。第1
の手法は、最近隣画素をそのまま用いた補間方法(0次補
間(zero-order-hold interpolation))であり、特にハー
ドウェアの観点からみて簡単な補間法である。第2の手
法は、最近隣2画素の平均値を計算し、垂直方向と水平
方向に新しい画素を挿入する双線形補間方法(bilinear
interpolation)であり、隣接画素の補間にはかなり良い
手法だと考えられている。第3の手法は、ノイズにも強
く、モザイクパターンが出現しない、B-スプライン(B-s
pline)補間法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
方法は、特に高倍率で効果が少なく、拡大された画像に
は、有名な「モザイクパターン」というノイズが出てし
まう。そして、エッジが大幅に破壊され、非常に目障り
なジャギーが出現してしまう。第2の方法は、画像全体
がぼやけてしまうという欠点があり、画像の解像度は改
善されない。加えて、高倍率の際にモザイク現象がたく
さん出てしまう。第3の方法は、画像はかなりぼやけて
しまい、それにもかかわらず相対的に見るとハードウェ
アは複雑になってしまう。
【0004】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、少ない計算処理で、効果的かつ簡単に、
コンピュータグラフィックスから写真までの範囲に及ぶ
様々なタイプの静止画および動画像の解像度を変更する
ことができるようにするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理装置
は、原画像の中心画素エネルギを計算するエネルギ計算
手段と、エネルギ計算手段により計算された中心画素エ
ネルギに基づいて、エッジを強調するエッジ強調手段
と、エネルギ計算手段により計算された中心画素エネル
ギに基づいて、テクスチャを強調するテクスチャ強調手
段と、エッジ強調手段により強調されたエッジの方向を
検出する方向検出手段と、方向検出手段により検出され
たエッジの方向に基づいて、原画像の画素から新たな画
素を補間する補間手段とを備えることを特徴とする。
【0006】前記エネルギ計算手段には、原画像の所定
の画素の水平方向、および、垂直方向の中心画素エネル
ギを、画素の近傍に存在する近傍画素の画素値より計算
させるようにすることができる。
【0007】前記エネルギ計算手段により使用された近
傍画素のうち、所定の画素を中心として、垂直方向、ま
たは、水平方向に配列された近傍画素の画素値の、最大
値、および、最小値を検出する最大値最小値検出手段
と、中心画素エネルギと、最小値、および、最小値より
も大きく最大値よりも小さい所定の閾値とを比較する第
1の比較手段とをさらに設けるようにさせることがで
き、第1の比較手段の第1の比較結果により、中心画素
エネルギが、最小値以上で、かつ、閾値未満の場合、テ
クスチャ強調手段には、所定の画素をテクスチャ領域に
属するものとみなすようにさせ、フィルタ処理を施させ
ることによりテクスチャを強調させるようにすることが
できる。
【0008】前記フィルタ処理は、所定のフィルタの係
数を、対応する画素に乗算し、その積を加算する1次元
フィルタ処理とするようにさせることができる。
【0009】前記所定のフィルタの係数は、中心画素エ
ネルギに対応する値とするようにさせることができる。
【0010】前記フィルタ処理は、原画像の垂直方向と
水平方向のそれぞれの方向について行う処理とさせるこ
とができる。
【0011】前記エネルギ計算手段により使用された近
傍画素のうち、所定の画素を中心として、垂直方向、ま
たは、水平方向に方向に配列された近傍画素の画素値
の、最大値、および、最小値を検出する最大値最小値検
出手段と、中心画素エネルギと、最小値よりも大きく最
大値よりも小さい所定の閾値、および、最大値とを比較
する第2の比較手段とをさらに設けるようにさせること
ができ、第2の比較手段の第2の比較結果により、中心
画素エネルギが、閾値以上で、かつ、最大値未満の場
合、エッジ強調手段には、所定の画素をエッジ領域に属
するものとみなすようにさせ、フィルタ処理を施させ、
さらに、クリッピング処理を施させることによりエッジ
を強調させるようにすることができる。
【0012】前記フィルタ処理は、所定のフィルタの係
数を、対応する画素に乗算し、その積を加算する1次元
フィルタ処理とするようにさせることができる。
【0013】前記所定のフィルタの係数は、中心画素エ
ネルギに対応する値とするようにさせることができる。
【0014】前記フィルタ処理は、原画像の垂直方向と
水平方向のそれぞれの方向について行う処理とするよう
にさせることができる。
【0015】前記フィルタ処理が施された画素の画素値
と、最大値、および、最小値を比較する第3の比較手段
を設けるようにさせることができ、クリッピング処理
は、第3の比較手段の第3の比較結果に対応して、フィ
ルタ処理が施された画素の画素値が、最大値よりも大き
い場合、フィルタ処理された画素の画素値を最大値に置
換する処理とさせることができ、フィルタ処理された画
素の画素値が、最小値よりも小さい場合、フィルタ処理
された画素の画素値を最小値に置換する処理とさせるよ
うにすることができる。
【0016】前記補間手段には、検出されたエッジの方
向の2つの画素から新たな1つの画素を補間させるよう
にすることができる。
【0017】前記補間手段には、エッジ検出手段により
エッジが検出されないとき、線形補間処理を行わせるよ
うにすることができる。
【0018】前記補間手段により補間された画素の局所
的構造の整合性を判定する整合性判定手段をさらに設け
るようにさせることができ、整合性判定手段により整合
性がないと判定されたとき、補間手段には、線形補間処
理を行わせるようにすることができる。
【0019】前記補間手段とエッジ強調手段の処理は、
値Zの値が2より大きい場合、値Zの値が2であるとき
の処理をN回行った後、値zの値が2以下であるときの
処理を1回行うようにさせることができる。
【0020】本発明の画像処理方法は、原画像の中心画
素エネルギを計算するエネルギ計算ステップと、エネル
ギ計算ステップの処理で計算された中心画素エネルギに
基づいて、エッジを強調するエッジ強調ステップと、エ
ネルギ計算ステップの処理で計算された中心画素エネル
ギに基づいて、テクスチャを強調するテクスチャ強調ス
テップと、エッジ強調ステップの処理で強調されたエッ
ジの方向を検出する方向検出ステップと、方向検出ステ
ップの処理で検出されたエッジの方向に基づいて、原画
像の画素から新たな画素を補間する補間ステップとを含
むことを特徴とする。
【0021】本発明の記録媒体のプログラムは、原画像
の中心画素エネルギの計算を制御するエネルギ計算制御
ステップと、エネルギ計算制御ステップの処理で計算さ
れた中心画素エネルギに基づいて、エッジの強調を制御
するエッジ強調制御ステップと、エネルギ計算制御ステ
ップの処理で計算された中心画素エネルギに基づいて、
テクスチャの強調を制御するテクスチャ強調制御ステッ
プと、エッジ強調制御ステップの処理で強調されたエッ
ジの方向の検出を制御する方向検出制御ステップと、方
向検出制御ステップの処理で検出されたエッジの方向に
基づいて、原画像の画素から新たな画素の補間を制御す
る補間制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0022】本発明のプログラムは、原画像の中心画素
エネルギの計算を制御するエネルギ計算制御ステップ
と、エネルギ計算制御ステップの処理で計算された中心
画素エネルギに基づいて、エッジの強調を制御するエッ
ジ強調制御ステップと、エネルギ計算制御ステップの処
理で計算された中心画素エネルギに基づいて、テクスチ
ャの強調を制御するテクスチャ強調制御ステップと、エ
ッジ強調制御ステップの処理で強調されたエッジの方向
の検出を制御する方向検出制御ステップと、方向検出制
御ステップの処理で検出されたエッジの方向に基づい
て、原画像の画素から新たな画素の補間を制御する補間
制御ステップとをコンピュータに実行させることを特徴
とする。
【0023】本発明の画像処理装置および方法、並びに
プログラムにおいては、原画像の中心画素エネルギが計
算され、計算された中心画素エネルギに基づいて、エッ
ジが強調され、計算された中心画素エネルギに基づい
て、テクスチャが強調され、強調されたエッジの方向が
検出され、検出されたエッジの方向に基づいて、原画像
の画素から新たな画素が補間される。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を適用した画像処
理装置の構成例を表している。この画像処理装置10に
おいては、画像入力部1が処理対象とされる画像データ
を、記録媒体から読み取ったり、ネットワークを介して
伝送されてくるものを受信して入力し、画像処理部2に
出力している。画像処理部2は、画像入力部1より入力
された画像の解像度を変更し(拡大または縮小し)、画
像出力部3に出力している。画像出力部3は、画像処理
部2より供給された画像データを表示部に表示させた
り、記録媒体に記録するか、あるいは、伝送媒体を介し
て、他の装置に伝送する。
【0025】画像処理部2には、エッジコネクタ処理部
11が設けられている。このエッジコネクタ処理部11
は、画像のエッジを太くする処理を実行する。すなわ
ち、小さいサイズの画像は、低解像度であり、信頼でき
る情報が少ないため、拡大するのが困難である。エッジ
が1画素と同じくらい細い(薄い)と、後述する高速垂
直アップサンプリング処理部12,垂直アップサンプリ
ング処理部13,高速水平アップサンプリング処理部1
4、または、水平アップサンプリング処理部15におけ
るエッジ検出が困難になり、エッジ方向に沿った補間処
理を正確に行うことが困難になる。そこで原画像に前処
理を行い、エッジを検出し易くする。この画像情報を破
壊しない前処理は、例えばコンピュータのアイコンやワ
ードプロセッサのフォントなどの弱接続(loose connec
tion)を持つ画像に対して行われる。
【0026】高速垂直アップサンプリング処理部12と
垂直アップサンプリング処理部13は、それぞれ原画像
の解像度を垂直方向にZ倍する処理を行う。高速垂直ア
ップサンプリング処理部12は、Zの値が1より大きく
2より小さい場合の処理を行い、垂直アップサンプリン
グ処理部13は、Zの値が2である場合の処理を行う。
【0027】高速水平アップサンプリング処理部14と
水平アップサンプリング処理部15は、それぞれ原画像
の解像度を水平方向にZ倍する処理を行う。高速水平ア
ップサンプリング処理部14は、Zの値が1より大きく
2より小さい場合の処理を行い、水平アップサンプリン
グ処理部15は、Zの値が2である場合の処理を行う。
【0028】線形縮小処理部16は、原画像の解像度を
縮小する((Z<1)倍する)処理を行う。
【0029】1次元垂直イメージリフレッシュ処理部1
7と1次元垂直イメージリフレッシュ処理部18は、バ
ッファ17a,18aを適宜利用しながら、それぞれ垂
直方向または水平方向に画像データを1次元のフィルタ
で処理し、エッジとテクスチャを視覚的に違和感なく強
調する。すなわち、記録媒体に画像データが記録される
場合、記録媒体の物理的な影響により高域成分が抑制さ
れて、画像中のエッジ部分とテクスチャ部分がぼけてし
まうといった現象が生じることがあるので、1次元垂直
イメージリフレッシュ処理部17と1次元垂直イメージ
リフレッシュ処理部18は、各画素の中心画素エネルギ
を求めて、対応するフィルタ処理を行うと共に、中心画
素エネルギの値からその画素がエッジ、または、テクス
チャのいずれに属しているかを判別し、エッジの場合に
ついては、さらに、フィルタ処理により生じてしまう歪
みを抑制するため、クリッピング処理を施す。
【0030】また、1次元垂直イメージリフレッシュ処
理部17と1次元垂直イメージリフレッシュ処理部18
で使用するフィルタは、各々2種類のフィルタが用意さ
れており、必要に応じてユーザが任意に設定することが
できる。この2種類のフィルタのうち一方のフィルタ
は、周波数領域の特性を綿密に制御できるという特性が
あり、他方のフィルタは、前者のフィルタと比較すると
周波数領域の特性を綿密に制御することができないが、
処理量を軽減することができるというものである。これ
らのフィルタは、構成するフィルタの要素が異なると言
う他は同様であり、その処理も同様である。以下の説明
においては、前者のフィルタをAタイプ、後者のフィル
タをBタイプと称するものとする。
【0031】次に、図2のフローチャートを参照して、
画像処理部2のズーム処理について説明する。最初にス
テップS1において、画像処理部2は、変数zに倍率Z
の値を設定する。次にステップS2において、画像処理
部2は、変数zの値が2以上であるか否かを判定し、2
未満である場合には、ステップS3に進み、変数zの値
が1より大きく2より小さい値であるか否かが判定され
る。変数zの値が1より大きく2より小さい場合にはス
テップS4に進み、画像処理部2は、高速ズーム処理を
行う。この高速ズーム処理の詳細は、図3のフローチャ
ートを参照して後述する。その後、ステップS7におい
て、出力表示処理が実行される。
【0032】ステップS3において変数zの値が1と2
の間の値ではないと判定された場合、ステップS5に進
み、その変数zの値は、0であるか否かが判定される。
その変数zの値が0でない場合には(変数zの値が1未
満である場合には)、ステップS6に進み、標準的な線
形縮小処理が実行される。その後、ステップS7におい
て、出力表示処理が実行される。すなわち、生成された
画像が、画像出力部3により、表示部に表示される。
【0033】これに対してステップS5において、変数
zの値が0であると判定された場合、ステップS6にお
けるズーム処理を所定回数実行した結果、拡大処理は既
に完了しているため、ステップS7に進み、出力表示処
理が実行される。
【0034】ステップS2において、変数zの値が2以
上であると判定された場合、ステップS8に進み、画像
処理部2は、ズーム処理を実行する。このズーム処理の
詳細は、図37のフローチャートを参照して後述する。
【0035】ステップS8の次にステップS9に進み、
画像処理部2は、変数zの値を2で除算する。その後、
処理はステップS2に戻り、それ以降の処理が繰り返し
実行される。
【0036】すなわち、変数zの値が2以上である場合
には、ステップS8の処理が変数zの値が2より小さく
なるまで所定回数繰り返し行われる。そして、変数zの
値が2より小さくなった場合には、変数zの値が1と2
の間の値であるとき、ステップS4で高速ズーム処理が
行われ、変数zの値が1未満である場合には、ステップ
S6で標準的な線形縮小処理が行われる。この標準的な
線形縮小処理は、例えば、バイリニアフィルタを用いて
実現することができる。
【0037】次に、図3のフローチャートを参照して、
ステップS4の高速ズーム処理について説明する。最初
にステップS21において、画像処理部2は、ユーザよ
り設定されているモードが、画像モードであるか否かを
判定する。設定されているモードが画像モードでない場
合には(処理対象の画像が、エッジコネクタ処理を必要
とするアイコンやフォントなどの弱接続の画像である場
合には)、ステップS26に進み、エッジコネクタ処理
が行われる。このエッジコネクタ処理の詳細は、図33
と図34を参照して後述するが、この処理で、弱接続の
画像が強接続の画像に前処理される。
【0038】ステップS21で設定されているモードが
画像モードであると判定された場合(処理対象の画像が
強接続の画像である場合)、およびステップS26の処
理の後、ステップS22に進み、画像処理部2は、1次
元垂直イメージリフレッシュ処理を実行する。
【0039】ここで、図4のフローチャートを参照し
て、1次元垂直イメージリフレッシュ処理部17の1次
元垂直イメージリフレッシュ処理について説明する。
【0040】ステップS31において、1次元垂直イメ
ージリフレッシュ処理部17は、画像入力部1より入力
された画像データのうち、処理していない画素があるか
否かを判定し、処理していない画素があると判定された
場合、その処理は、ステップS32に進む。
【0041】ステップS32において、1次元垂直イメ
ージリフレッシュ処理部17は、未処理画素を検索し、
検索された未処理画素の垂直方向中心画素エネルギを算
出する。例えば、図5に示すような画像データが入力さ
れ、垂直方向のy+1,y,y−1の各ラインに、画素
a乃至e、画素f乃至j、および、画素k乃至oが配置
されているものとするとき、画素hの近傍のAエリア
(図中実線で囲まれた範囲)の垂直方向中心画素エネル
ギEV-hは、以下の式(1)により求められる。
【0042】 EV-h=|(b+c+d)−(l+m+n)|・・・(1)
【0043】ここで、b,c,d,l,m,およびn
は、画素b,c,d,l,m,およびnの画素値であ
る。すなわち、式(1)の垂直方向中心画素エネルギEV
は、未処理画素を中心とした上のラインと下のラインに
存在する画素値の和同士の差分の絶対値である。このた
め、相関のある画素同士が上下にある場合は、その画素
値の差分には、大きな差がないので、垂直方向中心画素
エネルギも小さくなり、逆に、相関のない画素同士が上
下にある場合、その画素値の差分には大きな差が現れる
ことが多く、結果として垂直方向中心画素エネルギも大
きくなる。
【0044】1次元垂直イメージリフレッシュ処理部1
7は、未処理画素の垂直方向中心画素エネルギEV-hを上
記の式(1)を演算することにより求める。
【0045】ステップS33において、1次元垂直イメ
ージリフレッシュ処理部17は、未処理画素を含めた上
下3個の画素の画素値を比較して最大値と最小値を求め
る。すなわち、例えば、図5に示すように、未処理画素
が画素hであった場合、それを含めた上下の画素c,
h,m(図5中の点線で囲まれたBエリア)の各画素値
を読出し、図6に示すように、その内の最大値(c,
h,m)と最小値(c,h,m)を求める。
【0046】ステップS34において、1次元垂直イメ
ージリフレッシュ処理部17は、求められた垂直方向中
心画素エネルギEV-hが、最小値(c,h,m)より大き
く、かつ、最大値(c,h,m)未満であるか否かを判
定し、最小値(c,h,m)より大きく、かつ、最大値
(c,h,m)未満であると判定した場合、すなわち、
その画素がエッジか、または、テクスチャであると判定
した場合、その処理は、ステップS35に進む。
【0047】ステップS35において、1次元垂直イメ
ージリフレッシュ処理部17は、垂直1次元フィルタを
構成する係数αの値を計算する。係数αは、式(2)に
示すような計算により求められる。
【0048】 α=α0−(EV-h/EV-h-max)・・・(2)
【0049】ここで、α0(1<α0≦2)は、ユーザに
より任意に設定される値であり、EV-h-Maxは、垂直方向
中心画素エネルギEV-hの最大値である。尚、ここで言う
垂直中心画素エネルギの最大値EV-h-maxは、最大値
(c,h,m)とは、異なるものであり、算出され得る
最大値を示している。
【0050】ステップS36において、1次元垂直イメ
ージリフレッシュ処理部17は、図5に示すBエリアの
画素c,h,mに、図6に示すような1次元垂直フィル
タ処理を施す。すなわち、1次元垂直フィルタは、(1/
2−α/2,α,1/2−α/2)(1<α≦2)といったもの
であり、例えば、フィルタが上述のタイプAの場合、以
下の式(3)に示すような演算により、フィルタ処理さ
れた画素値hV-filterが求められる。
【0051】 hV-filter=c×(1/2−α/2)+h×α+m×(1/2−α/2)・・・(3)
【0052】ここで、係数αは、上述のステップS35
の処理で求められた値であり、フィルタによるエッジ、
または、テクスチャの強調の程度を調節することができ
る。すなわち、係数αは、垂直方向中心画素エネルギEV
-hの値により動的に変化し、垂直方向中心画素エネルギ
EV-hが小さいと係数αは大きくなり、結果として、図6
に示す1次元垂直フィルタは、画素hに強く作用するこ
とになり、逆に、垂直方向中心画素エネルギEV-hが大き
いと係数αは小さくなり、結果として、図6に示す垂直
フィルタは、画素hに弱く作用することになる。
【0053】ステップS37において、1次元垂直イメ
ージリフレッシュ処理部17は、図6に示すように、現
在処理している画素がエッジであるか、または、テクス
チャであるかの判別処理を行う。すなわち、垂直中心画
素エネルギEV-hは、テクスチャである場合、その値が最
小値(c,h,m)に近い値をとり、エッジである場
合、その値が最大値(c,h,m)に近い値をとる。そ
こで、最大値(c,h,m)と最小値(c,h,m)の
中間付近に閾値EV-sを設定し、閾値EV-sより垂直中心画
素エネルギEV-hが大きいとき、エッジであると判別し、
逆に、閾値EV-sより垂直中心画素エネルギEV-hが小さい
とき、テクスチャであると判別する。例えば、垂直中心
画素エネルギEV-hが閾値EV-sより大きいとき、1次元垂
直イメージリフレッシュ処理部17は、注目する処理中
の画素が、エッジであると判別し(エッジの表示領域に
存在する画素であると判別し)、その処理は、ステップ
S38に進む。
【0054】ステップS38において、1次元垂直イメ
ージリフレッシュ処理部17は、図6に示すように、フ
ィルタ処理した画素値hV-filterと最大値(c,h,
m)を比較し、フィルタ処理した画素値hV-filterが最
大値(c,h,m)以上であるか否かを判定し、最大値
(c,h,m)以上であると判定した場合、ステップS
39において、1次元垂直イメージリフレッシュ処理部
17は、画素値hV-filterを最大値(c,h,m)に置
き換える。
【0055】ステップS40において、1次元垂直イメ
ージリフレッシュ処理部17は、最大値(c,h,m)
に置き換えられた画素値を画素hの画素値としてバッフ
ァ17aに記憶させ、その処理は、ステップS31に戻
り、全ての画素に1次元垂直エッジ強調処理が施された
と判定されるまで同様の処理が繰り返される。
【0056】ステップS34において、垂直方向中心画
素エネルギEVが、最小値(c,h,m)より大きく、か
つ、最大値(c,h,m)未満ではないと判定された場
合、すなわち、その画素がエッジか、または、テクスチ
ャでではないと判定された場合、その処理は、ステップ
S40に進み、1次元垂直イメージリフレッシュ処理部
17は、画素hの画素値を、フィルタ処理することな
く、そのままバッファ17aに記憶させ、その処理は、
ステップS31に戻り、それ以降の処理が繰り返され
る。また、ステップS37において、垂直中心画素エネ
ルギEV-hが閾値EV-sより小さいとき、1次元垂直イメー
ジリフレッシュ処理部17は、注目する処理中の画素
が、テクスチャであると判定し、その処理は、ステップ
S40に進む。すなわち、テクスチャである場合、1次
元垂直イメージリフレッシュ処理部17は、フィルタ処
理が施された画素値hV-filterを画素hの値としてバッ
ファ17aに記憶させる。
【0057】ステップS38において、フィルタ処理し
た画素値hV-filterが最大値(c,h,m)以上ではな
いと判定した場合、ステップS41において、1次元垂
直イメージリフレッシュ処理部17は、フィルタ処理し
た画素値hV-filterと最小値(c,h,m)を比較し、
フィルタ処理した画素値hV-filterが最小値(c,h,
m)以下であるか否かを判定し、フィルタ処理した画素
値hV-filterが最小値(c,h,m)以下であると判定
した場合、その処理は、ステップS42に進む。
【0058】ステップS42において、1次元垂直イメ
ージリフレッシュ処理部17は、画素値hV-filterを最
小値(c,h,m)に置き換え、ステップS40におい
て、最小値(c,h,m)に置き換えられた画素値を、
画素hの画素値としてバッファ17aに記憶する。
【0059】ステップS41において、フィルタ処理し
た画素値hV-filterが最小値(c,h,m)以下ではな
いと判定した場合、その処理は、ステップS40に進
み、1次元垂直イメージリフレッシュ処理部17は、フ
ィルタ処理された画素値hV-filterを、画素hの画素値
としてバッファ17aに記憶させ、その処理は、ステッ
プS31に戻る。
【0060】すなわち、ステップS34の処理で、垂直
方向中心画素エネルギEV-hが、最小値(c,h,m)よ
り大きく、かつ、最大値(c,h,m)未満である場
合、図6に示すように、ステップS33の処理で求めら
れた最大値(c,h,m)、および、最小値(c,h,
m)が、画素c,h,mの局所的な範囲の最大値と最小
値とみなされ、ステップS36の処理でフィルタ処理し
て求められた画素値が、その最小値と最大値の範囲に含
まれたときは、さらに、ステップS37の処理で、エッ
ジであるかテクスチャであるかが判定され、テクスチャ
として判定されると、フィルタ処理した画素値を、その
ままバッファ17aに記憶させ、エッジとして判定され
ると、最小値(c,h,m)以下のときは画素値を最小
値に、最大値(c,h,m)以上のときは画素値を最大
値にして(クリッピングして)、バッファ17aに記憶
させる。ステップS34の処理で、垂直方向中心画素エ
ネルギEVが、最小値(c,h,m)より大きく、かつ、
最大値(c,h,m)未満ではない場合、エッジ、また
は、テクスチャではないと判定された場合、元の画素値
が、フィルタ処理されることもなく、そのままバッファ
17aに記憶される。
【0061】尚、1次元垂直フィルタは、上述のように
2種類存在し、図6に示すAタイプと、図7で示すよう
にBタイプが存在する。すなわち、Aタイプでは、式
(3)で示したような演算により、フィルタ処理がなさ
れるが、Bタイプでは、以下の式(4)に示すような演
算がされる。
【0062】 hV-filter(TypeB) =c×(1/4−α/2)+h×1/2+α+m×(1/4−α/2)・・・(4)
【0063】尚、係数αは、Aタイプと同様に、式
(2)により設定可能であり、その他の処理も同様であ
るので、その処理の説明は省略する。
【0064】ここで、図3の処理の説明に戻る。
【0065】ステップS22の処理における、1次元垂
直イメージリフレッシュ処理が実行されると、続いてス
テップS23において、1次元水平イメージリフレッシ
ュ処理が実行される。
【0066】ここで、図8のフローチャートを参照し
て、1次元水平イメージリフレッシュ処理部18の1次
元水平イメージリフレッシュ処理について説明する。
【0067】ステップS51において、1次元水平イメ
ージリフレッシュ処理部18は、1次元垂直イメージリ
フレッシュ処理部17により1次元垂直イメージリフレ
ッシュ処理された画像データのうち、処理していない画
素があるか否かを判定し、処理していない画素があると
判定された場合、その処理は、ステップS52に進む。
【0068】ステップS52において、1次元水平イメ
ージリフレッシュ処理部18は、未処理画素を検索し、
検索された未処理画素の垂直方向中心画素エネルギを算
出する。例えば、図9に示すような画像データが入力さ
れ、垂直方向のy+1,y,y−1の各ラインに、画素
a乃至e、画素f乃至j、および、画素k乃至oが配置
されているものとするとき、画素hの近傍のAエリア
(図中実線で囲まれた範囲)の水平方向中心画素エネル
ギEH-hは、以下の式により求められる。
【0069】 EV-h=|(d+i+n)−(b+g+l)|・・・(5)
【0070】ここで、b,c,d,l,m,およびn
は、画素b,c,d,l,m,およびnの画素値であ
る。すなわち、式(5)の水平方向中心画素エネルギEH
は、未処理画素を中心とした右のラインと左のラインに
存在する画素値の和同士の差分の絶対値である。このた
め、相関のある画素同士が左右にある場合は、その画素
値の差分には、大きな差がないので、水平方向中心画素
エネルギも小さくなり、逆に、相関のない画素同士が左
右にある場合、その画素値の差分には大きな差が現れる
ことが多く、結果として水平方向中心画素エネルギも大
きくなる。
【0071】1次元水平イメージリフレッシュ処理部1
8は、未処理画素の水平方向中心画素エネルギEH-hを上
記の式(5)を演算することにより求める。
【0072】ステップS53において、1次元水平イメ
ージリフレッシュ処理部18は、未処理画素を含めた左
右3個の画素の画素値を比較して最大値と最小値を求め
る。すなわち、例えば、図9に示すように、未処理画素
が画素hであった場合、それを含めた上下の画素g,
h,i(図9中の点線で囲まれたBエリア)の各画素値
を読出し、図10に示すように、その内の最大値(g,
h,i)と最小値(g,h,i)を求める。
【0073】ステップS54において、1次元水平イメ
ージリフレッシュ処理部18は、求められた水平方向中
心画素エネルギEHが、最小値(g,h,i)より大き
く、かつ、最大値(g,h,i)未満であるか否かを判
定し、最小値(g,h,i)より大きく、かつ、最大値
(g,h,i)未満であると判定した場合、すなわち、
その画素がエッジか、または、テクスチャであると判定
した場合、その処理は、ステップS55に進む。
【0074】ステップS55において、1次元水平イメ
ージリフレッシュ処理部18は、水平1次元フィルタを
構成する係数αの値を計算する。係数αは、上述の式
(2)と同様に、式(6)に示すような計算により求め
られる。
【0075】 α=α0−(EH-h/EH-h-max)・・・(6)
【0076】ここで、α0(1<α0≦2)は、ユーザに
より任意に設定される値であり、EH-h-Maxは、水平方向
中心画素エネルギEH-hの最大値である。尚、ここで言う
水平中心画素エネルギの最大値EH-h-maxは、最大値
(g,h,i)とは、異なるものであり、算出され得る
最大値を示している。
【0077】ステップS56において、1次元水平イメ
ージリフレッシュ処理部18は、図9に示すBエリアの
画素g,h,iに、図10に示すような1次元水平フィ
ルタ処理を施す。すなわち、1次元水平フィルタとして
は、(1/2−α/2,α,1/2−α/2)(1<α≦2)とい
ったものであり、例えば、フィルタが上述のタイプAの
場合、以下の式(7)に示すような演算により、フィル
タ処理された画素値hH-filterが求められる。
【0078】 hH-filter=g×(1/2−α/2)+h×α+i×(1/2−α/2)・・・(7)
【0079】ここで、係数αは、上述のステップS55
の処理で求められた値であり、フィルタによるエッジ、
または、テクスチャの強調の程度を調節することができ
る。すなわち、係数αは、水平方向中心画素エネルギEH
-hの値により動的に変化し、水平方向中心画素エネルギ
EV-hが小さいと係数αは大きくなり、結果として、図1
0に示す1次元水平フィルタは、画素hに強く作用する
ことになり、逆に、水平方向中心画素エネルギEH-hが大
きいと係数αは小さくなり、結果として、図10に示す
垂直フィルタは、画素hに弱く作用することになる。
【0080】ステップS57において、1次元水平イメ
ージリフレッシュ処理部18は、図10に示すように、
現在処理している画素がエッジであるか、または、テク
スチャであるかを判定する。すなわち、水平中心画素エ
ネルギEH-hは、テクスチャである場合、その値が最小値
(g,h,i)に近い値をとり、エッジである場合、そ
の値が最大値(g,h,i)に近い値をとる。そこで、
最大値(g,h,i)と最小値(g,h,i)の中間付
近に閾値EH-sを設定し、閾値EH-sより水平中心画素エネ
ルギEH-hが大きいとき、エッジであると判別し、逆に、
閾値EH-sより水平中心画素エネルギEH-hが小さいとき、
テクスチャであると判別する。例えば、水平中心画素エ
ネルギEH-hが閾値EH-sより大きいとき、1次元水平イメ
ージリフレッシュ処理部18は、注目する処理中の画素
が、エッジであると判定し(エッジの表示領域に存在す
る画素であると判別し)、その処理は、ステップS58
に進む。
【0081】ステップS58において、1次元水平イメ
ージリフレッシュ処理部18は、図10に示すように、
フィルタ処理した画素値hH-filterと最大値(g,h,
i)を比較し、フィルタ処理した画素値hH-filterが最
大値(g,h,i)以上であるか否かを判定し、最大値
(g,h,i)以上であると判定した場合、ステップS
59において、1次元水平イメージリフレッシュ処理部
18は、画素値hH-filterを最大値(g,h,i)に置
き換える。
【0082】ステップS60において、1次元水平イメ
ージリフレッシュ処理部18は、最大値(g,h,i)
に置き換えられた画素値を画素hの画素値としてバッフ
ァ18aに記憶させ、その処理は、ステップS51に戻
り、全ての画素に1次元垂直エッジ強調処理が施された
と判定されるまで同様の処理が繰り返される。
【0083】ステップS54において、水平方向中心画
素エネルギEHが、最小値(g,h,i)より大きく、か
つ、最大値(g,h,i)未満ではないと判定された場
合、すなわち、その画素がエッジか、または、テクスチ
ャでではないと判定された場合、その処理は、ステップ
S60に進み、1次元水平イメージリフレッシュ処理部
18は、画素hの画素値を、フィルタ処理することな
く、そのままバッファ18aに記憶させ、その処理は、
ステップS51に戻り、それ以降の処理が繰り返され
る。また、ステップS57において、水平中心画素エネ
ルギEH-hが閾値EH-sより小さいとき、1次元水平イメー
ジリフレッシュ処理部18は、注目する処理中の画素
が、テクスチャであると判定し、その処理は、ステップ
S60に進む。すなわち、テクスチャである場合、1次
元水平イメージリフレッシュ処理部18は、フィルタ処
理が施された画素値hH-filterを画素hの値としてバッ
ファ18aに記憶させる。
【0084】ステップS58において、フィルタ処理し
た画素値hH-filterが最大値(g,h,i)以上ではな
いと判定した場合、ステップS61において、1次元水
平イメージリフレッシュ処理部18は、フィルタ処理し
た画素値hH-filterと最小値(g,h,i)を比較し、
フィルタ処理した画素値hH-filterが最小値(g,h,
i)以下であるか否かを判定し、フィルタ処理した画素
値hH-filterが最小値(g,h,i)以下であると判定
した場合、その処理は、ステップS62に進む。
【0085】ステップS62において、1次元水平イメ
ージリフレッシュ処理部18は、画素値hH-filterを最
小値(g,h,i)に置き換え、ステップS60におい
て、最小値(g,h,i)に置き換えられた画素値を、
画素hの画素値としてバッファ18aに記憶する。
【0086】ステップS61において、フィルタ処理し
た画素値hH-filterが最小値(g,h,i)以下ではな
いと判定した場合、その処理は、ステップS60に進
み、1次元水平イメージリフレッシュ処理部18は、フ
ィルタ処理された画素値hH-filterを、画素hの画素値
としてバッファ18aに記憶させ、その処理は、ステッ
プS51に戻る。
【0087】すなわち、ステップS54の処理で、水平
方向中心画素エネルギEHが、最小値(g,h,i)より
大きく、かつ、最大値(g,h,i)未満である場合、
図10に示すように、ステップS53の処理で求められ
た最大値(g,h,i)、および、最小値(g,h,
i)が、画素g,h,iの局所的な範囲の最大値と最小
値とみなされ、ステップS56の処理でフィルタ処理し
て求められた画素値が、その最小値と最大値の範囲に含
まれたときは、さらに、ステップS57の処理で、エッ
ジであるかテクスチャであるかが判定され、テクスチャ
として判定されると、フィルタ処理した画素値を、その
ままバッファ18aに記憶させ、エッジとして判定され
ると、最小値(g,h,i)以下のときは画素値を最小
値に、最大値(g,h,i)以上のときは画素値を最大
値にして(クリッピングして)、バッファ18aに記憶
させる。ステップS54の処理で、垂直方向中心画素エ
ネルギEHが、最小値(g,h,i)より大きく、かつ、
最大値(g,h,i)未満ではない場合、エッジ、また
は、テクスチャではないと判定されたとき、元の画素値
が、フィルタ処理されることもなく、そのままバッファ
18aに記憶される。
【0088】尚、1次元水平フィルタは、上述のように
2種類存在し、図10に示すAタイプと、図11で示す
ようにBタイプが存在する。すなわち、Aタイプでは、
式(7)で示したような演算により、フィルタ処理がな
されるが、Bタイプでは、以下の式(8)に示すような
演算がされる。
【0089】 hH-filter(TypeB) =g×(1/4−α/2)+h×1/2+α+i×(1/4−α/2)・・・(8)
【0090】ここで、αの設定は、Aタイプと同様に、
式(6)により設定可能であり、その他の処理も同様で
あるので、その処理の説明は省略する。
【0091】ここで、図3の処理の説明に戻る。
【0092】ステップS23において、1次元水平イメ
ージリフレッシュ処理が実行されると、続いて、ステッ
プS24において、高速垂直アップサンプリング処理を
実行する。この高速垂直アップサンプリング処理は、例
えば、図12に示されるように、画像入力部1より入力
された原画像の画素数を垂直方向に拡大する処理を意味
する。この高速垂直アップサンプリング処理は、高速垂
直アップサンプリング処理部12により実行される。
【0093】高速垂直アップサンプリング処理の詳細
は、図13のフローチャートに示されている。高速垂直
アップサンプリング処理部12は、最初にステップS7
1において、Hバッファ31(後述する図15)と2Y
バッファ41(後述する図21)を作成する。画像入力
部1より入力された原画像(I_image)のサイズが、In_
width×In_heightである場合、Hバッファ31のサイズ
は、In_width×(alpha_Z×In_height)となる。ここで、
alpha_Zは、原画像を垂直方向に拡大する倍率を表し、
今の場合、高速垂直アップサンプリングであるので、そ
の値は1より大きく、2より小さい値である(ステップ
S3,S4)。
【0094】2Yバッファ41は、サイズがIn_width×
1とされる。この2Yバッファ41には、補間された画
素が一次的に格納される。
【0095】次に、ステップS72において、高速垂直
アップサンプリング処理部12は、ケース1乃至ケース
3に対応する処理を実行する。
【0096】このケース1乃至ケース3の処理は、Hバ
ッファ31のY行の補間データを生成する処理である。
Y行の補間データが、ケース1乃至ケース3のいずれの
処理により生成されるかは、次のように決定される。
【0097】すなわち、本実施の形態においては、原画
像I_imageを垂直方向に2倍に拡大した画像としての仮
想垂直2倍拡大画像2Y_imageが想定される。Hバッファ
31に格納する画像は、原画像I_imageを垂直方向にalp
ha_Z倍した画像であるから、仮想垂直2倍拡大画像2Y_i
mageの行を2Y_lineとし、Hバッファ31に格納する画
像の行をYとすると、次の比例式が成立する。
【0098】Y:2Y_line=alpha_Z:2・・・(9)
【0099】この式を整理すると、次式が得られる。
【0100】2Y_line=Y×2/alpha_Z・・・(10)
【0101】上記(10)式より計算された値2Y_line
が整数且つ偶数である場合(2Y_line=2nであり、nが整
数である場合)、Y行の補間データは、ケース1の処理
で生成される。値2Y_lineが整数且つ奇数である場合(2
Y_line=2n+1であり、nが整数である場合)、Y行の補
間データは、ケース2の処理で生成される。その他の場
合、すなわち値2Y_lineが実数である場合、Y行の補間
データは、ケース3の処理で生成される。
【0102】ケース1の場合、図14のフローチャート
に示す処理が実行される。すなわち、ケース1の場合、
Hバッファ31の行Yの値を、原画像I_image中の所定
の行の値(2Y_line/2=n)と対応させることができる。
このため、ステップS81において、原画像I_imageの2
Y_line/2行をHバッファ31のY行にそのままコピーす
る処理が実行される。
【0103】図15は、この場合の処理を模式的に表し
ている。すなわち、ケース1の場合、Hバッファ31の
行Yの値が原画像I_imageの行nの値と等しいため、原
画像のn(=2Y_line/2)行がHバッファ31のY行にそ
のままコピーされる。
【0104】次に、図16のフローチャートを参照し
て、ケース2の場合の処理について説明する。このケー
ス2の場合、(2n+1)/2の値は整数ではないので、Hバッ
ファ31の行Yの値を、原画像I_image中の所定の行の
値に対応させることができない。しかしながら、仮想垂
直2倍拡大画像2Y_image中の所定の行(2n+1)とは、対応
させることができる。
【0105】そこで、この場合、ステップS91におい
て、原画像I_image中の所定の範囲(N画素)の上行up_
lineと下行down_lineの画素を抽出する処理が実行され
る。Nの値は可変とされる。従って、上行up_lineの中
心座標は、(X+N/2,n)となり、下行down_lineの中心座標
は、(X+N/2,n+1)となる。
【0106】次にステップS92において、局所エネル
ギE(N)が次式より計算される。
【0107】 E(N)=Σ(I=0,N-1)ABS(up_line(I)−down_line(N-I-1))・・・(11) 上記(11)式の計算は、up_lineの個々の画素から対
角線上に位置するdown_lineの画素を減算し、その絶対
値のIが0からN-1までの和を積算することを意味する。
【0108】図17は、局所エネルギE(N)の計算の例を
表している。同図に示されるように、上行up_lineの画
素と、下行down_lineの画素のうち、対角線上に位置す
る上の画素から下の画素の画素値が減算され、その差の
絶対値の和が局所エネルギE(N)とされる。図17の例で
は、画素Y0,0の値(30)から、画素Y1,4の値(25
5)が減算される。また画素Y0,1の画素値(150)
から、画素Y1,3の画素値(230)が減算される。以
下同様に、画素Y0,2の画素値(150)から画素Y1,2
の画素値(200)が減算され、画素Y0,3の画素値
(200)から画素Y1,1の画素値(200)が減算さ
れ、画素Y0,4の画素値(255)から、画素Y1,0の画
素値(30)が減算される。そしてそれぞれの差分の絶
対値の和が局所エネルギとされる。
【0109】ステップS93において、高速垂直アップ
サンプリング処理部12は、局所エネルギE(N)が予め設
定されている所定の閾値Tより大きいか否かを判定す
る。局所エネルギE(N)が閾値Tと等しいか、それより小
さい場合、その領域は、エッジを含まない平坦な低エネ
ルギの領域と見なされる。この場合、潜在的エッジの方
向を計算する必要がない。このため、ステップS99に
進み、高速垂直アップサンプリング処理部12は、Hバ
ッファ31中の座標(X+N/2,Y)の画素データとして、
隣接する上行中心画素up_line(N/2)と、隣接する下行中
心画素down_line(N/2)の平均値を演算し、Hバッファ3
1のその座標(X+N/2,Y)に格納する。すなわち、ステ
ップS99においては、次の式に基づいて、標準的な線
形補間処理が行われる。
【0110】 H_buffer(X+N/2,Y)=0.5×(up_line(N/2)+down_line(N/2))・・・(12)
【0111】ステップS93において、局所エネルギE
(N)の値が閾値Tより大きいと判定された場合、その領
域は、潜在的エッジを含んだ高エネルギ領域と見なされ
る。このとき、ステップS94において、エッジ方向を
試験的に計算する処理が実行される。具体的には、以下
に示す演算が、x=N-1からxをデクリメントし、xが−
1より大きいとき行われる。
【0112】 Energy=ABS(up_line(N-x-1)−down_line(x))・・・(13)
【0113】上記(13)式で計算されたエネルギの値
のうち、最も小さいものが選択され、その2つの画素が
対応する対角線の方向が局所的なエッジの方向と見なさ
れる。
【0114】図18は、この場合の具体的な例を表して
いる。この例においては、画素Y0,0の画素値(30)
と、画素Y1,4の画素値(255)との差、画素Y0,1の
画素値(150)と、画素Y1,3の画素値(230)と
の差、画素Y0,2の画素値(150)と、画素Y1,2の画
素値(200)との差、画素Y0,3の画素値(200)
と、画素Y1,1の画素値(200)との差、および画素
Y0,4の画素値(255)と、画素Y1,0の画素値(3
0)との差が、それぞれ演算される。そしてそれらの値
の絶対値のうち、最も小さい値(この例の場合、画素Y
0,3と画素Y1,1を結ぶ方向)が局所的なエッジ方向と見
なされる。
【0115】図19は、Hバッファ31に保持されてい
る上行up_lineの3画素と下行down_lineの3画素との差
から局所的なエッジ方向が推測される例を表している。
図19の例においては、Nの値が3とされているが、こ
のNの値としてより大きな値を用いることで、より正確
に、かつより多くの方向のエッジの検出が可能となる。
【0116】ステップS94の処理で、エッジ方向が検
出された場合、さらにステップS95において、その検
出されたエッジ方向の画素を用いて、補間処理が行われ
る(方向補間処理が行われる)。この方向補間処理は、
エッジ方向に対応する2つの画素の画素値に基づいて、
その間に位置する画素の画素値を補間することを意味す
る。例えば、図18の例では、画素Y0,3と画素Y1,1の
画素値の平均値(200)が、両者の間の画素の画素値
とされる。
【0117】これにより、全ての場合において、上行中
心画素と下行中心画素の平均値を新たな画素の画素値と
する標準的な線形補間処理(ステップS99の処理)に
較べ、元の画像の鮮明さとコントラストを保存し、画像
のボケを抑制することが可能となる。
【0118】次に、ステップS96に進み、高速垂直ア
ップサンプリング処理部12は、構造コレクタ処理を実
行する。この構造コレクタ処理は、座標(X+N/2,Y)に補
間された画素と、その垂直の近傍画素、すなわち座標up
_line(N/2)と、座標down_line(N/2)との関係を解析する
ことで、更新された局所構造(ステップS95の方向補
間処理で生成された画素とその上下の画素)の整合性を
チェックする処理である。
【0119】すなわち、この構造コレクタ処理では、上
行の中心画素から更新された画素を減算する処理が行わ
れ、さらに、更新された画素から下行の中心画素を減算
する処理が行われる。さらに、以上のようにして得られ
た2つの減算結果を乗算することで、垂直方向の変化を
表す値V(N/2)が計算される。すなわち、ステップS96
においては、次の式で示す演算が行われる。
【0120】 V(N/2)= (up_line(N/2)−H-buffer(X+N/2,Y)) ×(H-buffer(X+N/2,Y)−down_line(N/2))・・・(14)
【0121】次に、ステップS97において、高速垂直
アップサンプリング処理部12は、ステップS96での
演算結果に基づいて、更新された局所構造の整合性があ
るか否かを判定する。この判定は、上記式(6)で演算
された値V(N/2)が正であるか否かに基づいて行われる。
値V(N/2)が正である場合には、整合性があると見なさ
れ、ステップS98において、ステップS95の方向補
間処理で生成された画素がHバッファ31の行Yに格納
される。またこの画素値は、ステップS71の処理(図
13)で生成された2Yバッファ41(図21)にも格
納される。
【0122】これに対して、ステップS97において、
値V(N/2)が負であると判定された場合、整合性はないと
見なされる。すなわち、局所方向の識別が誤っており、
ステップS95で生成された画素値は、適切でないと判
断される。この場合、局所エッジの方向は、識別不可能
と見なされ、ステップS99に進み、ステップS93に
おいて、局所エネルギE(N)の値が閾値Tより小さいと判
定された場合と同様に、式(4)を用いた標準的な線形
補間処理が行われる。すなわち、上行中心画素up_line
(N/2)と、下行中心画素down_line(N/2)との平均値が、
その間のHバッファ31の新しい画素(X+N/2,Y)の画素
値とされる。
【0123】図16のケース2の処理を模式的に表す
と、図20に示されるようになる。
【0124】すなわち、ステップS92において、局所
エネルギが計算され、その値が閾値Tより小さい場合
(低エネルギの場合)には、ステップS99において、
線形補間処理が実行される。これに対して、局所エネル
ギが閾値Tより大きい場合(高エネルギの場合)には、
ステップS94において、エッジ方向計算処理が行われ
る。そしてステップS95において、ステップS94で
得られたエッジ方向に基づいて、方向補間処理が実行さ
れる。さらに、ステップS96において、構造コレクタ
処理が行われ、整合性がある場合には、ステップS95
の方向補間処理で生成された画素値がHバッファ31に
格納されるが、整合性がないと判定された場合には、ス
テップS99において、線形補間処理が実行される。
【0125】図21は、図16のフローチャートで示さ
れるケース2の場合の処理を、原画像I_image、Hバッ
ファ31、2Yバッファ41、および仮想垂直2倍拡大
画像2Y_imageの関係から表している。Hバッファ31の
Y行が仮想垂直2倍拡大画像2Y_imageの所定の行2Y_lin
eと所定の関係にある場合には、原画像I_imageのn行
と、n+1行に基づいて、方向補間処理が行われ、得ら
れたデータは2Yバッファ41に格納される。そして、
2Yバッファ41に格納されたデータがHバッファ31
の行Yにコピー(格納)される。
【0126】次に、図22のフローチャートを参照し
て、ケース3の処理について説明する。このケースは、
2n<2Y_line<2n+1、または、2n-1<2Y_line<2nの場
合、つまり、Hバッファ31中の行Yの値が、仮想垂直
2倍拡大画像2Y_imageの行2Y_lineのいずれにも対応せ
ず、かつ、原画像I_imageのどの行とも対応しない場合
である。
【0127】この場合、ステップS111において、2Y
_lineの値が2nより大きく、且つ2n+1より小さいか否か
が判定される。2Y_lineの値が2nより大きく、且つ2n+1
より小さい場合、仮想垂直2倍拡大画像2Y_imageの2n+1
行と2n行から、Hバッファ31のY行が生成される。
【0128】そこで、この場合、ステップS112にお
いて、高速垂直アップサンプリング処理部12は、仮想
垂直2倍拡大画像2Y_imageの2n+1行を、隣接する上行2n
行と、下行2n+2行(原画像I_imageにおけるn行とn+1
行)を用いて、図16のケース2のフローチャートに示
すステップS91乃至ステップS99の処理で計算す
る。ステップS112で計算された結果は、Hバッファ
31における次のn+1行の計算に使用する可能性がある
ので、ステップS113において、2Yバッファ41に
格納される。
【0129】さらに、ステップS114において、ステ
ップS112で計算された2n+1行(2Yバッファ41に
記憶されている値)と、仮想垂直2倍拡大画像2Y_image
の2n行(原画像I_imageのn行)から、Hバッファ31
のY行が次式から演算され、Hバッファ31のY行に記
憶される。
【0130】 H_buffer(X,Y) =(2Y_line−2n)×2Y-buffer(X)+(2n+1−2Y_line)×I_image(X,n) ・・・(15)
【0131】このように、ステップS112乃至S11
4の処理では、原画像I_imageを垂直方向に2倍に拡大
した画像を生成し、その画像と原画像I_imageとから、a
lpha_Z倍の画像を生成していることになる。
【0132】一方、ステップS111において、2Y_lin
eが2nより大きく、且つ2n+1より小さいと判定されなか
った場合(2Y_lineが2n-1より大きく、2nより小さいと
判定された場合)、仮想垂直2倍拡大画像2Y_imageの2n
-1行と2n行から、Hバッファ31のY行が生成される。
この2n-1行は、Hバッファ31中の前行を求める際に計
算され、2Yバッファ41に既に格納されている場合が
ある。そこでステップS115において、2n-1行が2Y
バッファ41に既に格納されているか否かが判定され、
格納されている場合には、ステップS118において、
2n-1行のデータが2Yバッファ41から取り出される。
【0133】これに対して、ステップS115におい
て、2n-1行のデータが2Yバッファ41にまだ格納され
ていないと判定された場合、ステップS116に進み、
仮想垂直2倍拡大画像2Y_imageの2n-1行を、上行2n-2行
と下行2n行(原画像I_imageのn-1行とn行)を用い、図
16のケース2のフローチャートのステップS91乃至
ステップS99の処理により計算する処理が実行され
る。ステップS116で計算された2n-1行の値は、ステ
ップS117において、Hバッファ31における次のY+
1行の計算に使用する可能性があるので、2Yバッファ
41に格納される。
【0134】ステップS117、またはステップS11
8の処理の後、ステップS119に進み、得られた2n-1
行と、仮想垂直2倍拡大画像2Y_imageの2n行(原画像I_
imageのn行)からHバッファ31のY行が次式に従っ
て補間される。
【0135】 H-buffer(X,Y)= (2n−2Y_line)×2Y−buffer(X)+(2Y_line−(2n−1))×I_image(X,n) ・・・(16)
【0136】この処理は、X=0からIn_widthより小さ
い値である期間、Xの値をインクリメントしつつ行われ
る。
【0137】Hバッファ31の個々の未知の行の各画素
を求めるため、(−1<X<In_width−N+1)と、(−1
<Y<alpha_Z×In_height-1)の条件を満たす座標(X+
N/2,Y)で、同様の処理が繰り返し実行される。
【0138】このように、ケース3の処理においては、
仮想垂直2倍拡大画像2Y_image中の2n行と2n+1行、また
は2n-1行と2n行を用いて、重み付け補間が実行される。
【0139】以上の図22のケース3に示す処理を模式
的に表すと、図23に示すようになる。仮想垂直2倍拡
大画像2Y_imageの2Y_line行の値が2nより大きく、且つ2
n+1関係の場合とHバッファ31のY行とが所定の原画
像I_imageのn行とn+1行から方向補間処理により2n+1
行、または2n-1行のデータが生成され、2Yバッファ4
1に記憶される。そして、2Yバッファ41に記憶され
た値と、仮想垂直2倍拡大画像2Y_imageの2n行のデータ
から、Hバッファ31のY行のデータが重み付け補間さ
れる。
【0140】図3のフローチャートに戻って、以上のよ
うにして、ステップS24の高速垂直アップサンプリン
グ処理が行われた後、ステップS25に進み、高速水平
アップサンプリング処理が実行される。この高速水平ア
ップサンプリング処理は、高速水平アップサンプリング
処理部14により実行される。高速水平アップサンプリ
ング処理は、図24に示されるように、画素を水平方向
に補間する処理である。
【0141】図25は、高速水平アップサンプリング処
理の詳細を表している。ステップS131で高速水平ア
ップサンプリング処理部14は、Vバッファ51(後述
する図27)と2Xバッファ61(後述する図30)を
作成する。Vバッファ51は、サイズが、(alpha_Z×I
n_width)×(alpha_Z×In_height)とされ、2Xバッ
ファ61は、そのサイズが1×(alpha_Z×In_height)
とされる。2Xバッファ61には、仮想水平2倍拡大画
像2X_imageのX座標(奇数座標)の一列のデータが格納
される。
【0142】ステップS132において、ケース1乃至
ケース3に対応する処理が実行される。ケース1乃至ケ
ース3のいずれの処理が実行されるかは、次式を演算す
ることにより判断される。
【0143】2X_column=X×2/alpha_Z・・・(17)
【0144】上記演算により求められた2X_columnの値
が整数であり、且つ偶数である場合(2X_column=2nであ
り、nが整数である場合)、ケース1とされ、2X_colum
nが整数且つ奇数である場合(2X_column=2n+1であり、
nが整数である場合)、ケース2とされ、2X_columnが
実数である場合(その他の場合)、ケース3とされる。
【0145】ケース1の場合、図26のフローチャート
に示す処理が実行される。このケースは、仮想水平2倍
拡大画像2X_imageにおける2X_column=2n列が、前もって
計算されたHバッファ31の2X_column/2=n列と対応す
る場合である。この場合、高速水平アップサンプリング
処理部14は、ステップS141において、Hバッファ
31の2X_column/2列をVバッファの列Xにコピーす
る。
【0146】図27は、このケース1の処理を概念的に
表している。仮想水平2倍拡大画像2X_imageにおける2n
列が、Vバッファ51のn列と対応する場合、Hバッフ
ァ31のn列が、Vバッファ51の列Xにコピーされ
る。
【0147】図28は、図25のステップS133のケ
ース2のVバッファ51に対する処理のフローチャート
を示している。このケースは、Vバッファ51中の列X
の値を、仮想水平2倍拡大画像2X_image中の所定の列
(2n+1)と対応させることができるが、Hバッファ31
中の所定の列の値に対応させることはできない場合であ
る。
【0148】この場合、ステップS151において、H
バッファ31中の所定の範囲(N画素)の左列left_col
umn、および右列right_columnが抽出される。左列left_
columnの中心座標は、(n,Y+N/2)とされ、右列right
_columnの矩形の中心座標は、(n+1,Y+N/2)とされ
る。
【0149】次にステップS152において、局所エネ
ルギE(N)が、左列left_columnの個々の画素から、対角
線上に位置する右列right_columnの画素を減算し、その
絶対値の和を演算することで求められる。すなわち、こ
の処理では次式が演算される。
【0150】 E(N)=Σ(I=0,N-1)ABS(left_column(I)−right_column(N−I−1) ・・・(18)
【0151】次にステップS153において、エネルギ
E(N)が予め設定された閾値Tより大きいか否かが判定さ
れる。エネルギE(N)が閾値Tと等しいか、それより小さ
い場合、その領域はエッジを含まない平坦な低エネルギ
領域と見なされる。この場合、潜在的なエッジの方向を
計算する必要がない。このためステップS159に進
み、標準的な線形補間処理が行われる。すなわち、次式
に示すように、隣接する左列の中心画素left_column(N/
2)と、隣接する右列の中心画素right_column(N/2)の平
均値から、新しい画素(X+N/2,Y)の画素値が演算され
る(標準的な線形補間処理が行われる)。
【0152】 V-buffer(X+N/2,Y)= 0.5×(left_column(N/2)+right_column(N/2))・・・(19)
【0153】ステップS153において、エネルギE(N)
が閾値Tより大きいと判定された場合、その領域は潜在
的にエッジを含んでいる高エネルギ領域と見なされる。
そこで、この場合、ステップS154に進み、次式にし
たがってエッジ方向計算処理が実行される。
【0154】 Energy=ABS(left_column(N−x−1)−right_column(x))・・・(20)
【0155】上記演算は、x=N−1からxの値を順次
デクリメントし、xが−1より大きい間繰り返される。
具体的には、図29に示されるように、左列の画素から
対角線上の右列の画素を減算する処理が、右列の上側か
ら実行される。
【0156】計算されたエネルギのうち、最も小さい値
に対応する画素の対角線の方向が局所的なエッジの方向
と判定される。図29においては、N=3とされている
が、このNの値をより大きい値とすることで、より多く
の方向の判定が可能となる。
【0157】ステップS154でエッジ方向が判定され
ると、ステップS155において、ステップS154で
判定されたエッジ方向の2つの画素の平均値を演算する
ことで、その間の画素が補間される(方向補間処理が実
行される)。これにより、標準的な線形補間による画像
のボケを防止し、元の画像の鮮明さとコントラストを保
存することが可能となる。
【0158】次に、ステップS156において、構造コ
レクタ処理が実行される。すなわちVバッファ51中の
座標(X,Y+N/2)に補間された画素と、その垂直方向
の近傍画素である座標left_column(N/2)の画素、および
right_column(N/2)の画素との関係を解析することで局
所構造の整合性をチェックする処理が行われる。このた
め、次式に従って、補間された画素を左列の中心の画素
から減算し、右列の中心画素を補間された画素から減算
することで2つの減算結果を得、さらに2つの減算結果
を乗算することで、水平方向の変化を表す値H(N/2)が計
算される。
【0159】 H(N/2)= (left_line(N/2)−V-buffer(X+N/2,Y)) ×(V-buffer(X+N/2,Y)−right_column(N/2))・・・(21)
【0160】ステップS157において、ステップS1
56で演算された値H(N/2)に基づき、補間された局所構
造に整合性があるか否かが判定される。具体的には、値
H(N/2)が正であるか否かが判定される。値H(N/2)が正で
ある場合には、ステップS155の方向補間処理で求め
られた画素は正しい(整合性がある)ものとされ、ステ
ップS158において、Vバッファ51の列Xに格納さ
れる。またこの値は、2Xバッファ61にも格納され
る。
【0161】ステップS157において、値H(N/2)が負
であると判定された場合(整合性がない)、すなわち、
ステップS155の方向補間処理で生成された画素値は
適切でないと判定された場合、ステップS159に進
み、ステップS153でエネルギE(N)が閾値Tより判定
された場合と同様に、標準の線形補間処理が行われる。
また、その値は、2Xバッファ61にも格納される。
【0162】図30は、以上のケース2の処理を概念的
に表したものである。同図に示されるように、Vバッフ
ァ51の列Xが、仮想水平2倍拡大画像2X_image中の所
定の列と所定の関係にある場合、Hバッファ31のn列
と、n+1列から方向補間処理により生成されたデータ
が2Xバッファ61に記憶され、それがVバッファ51
の列Xにコピーされる。
【0163】次に、図31のフローチャートを参照し
て、図25のステップS132におけるケース3のVバ
ッファに対する処理について説明する。
【0164】このケースは、2n<2X_column<2n+1、ま
たは、2n-1<2X_column<2nのケースの場合、つまり、
Vバッファ51中の列Xの値が、仮想水平2倍拡大画像
2X_imageの列2X_columnのいずれにも対応せず、かつ、
Hバッファ31のどの列とも対応しない場合である。
【0165】この場合、ステップS171において、2X
_columnの値が2nより大きく、且つ2n+1より小さいか否
かが判定される。2X_columnの値が2nより大きく、且つ2
n+1より小さい場合、仮想水平2倍拡大画像2X_imageの2
n+1列と2nから、Vバッファ51のX列が生成される。
【0166】そこで、この場合、ステップS172にお
いて、高速水平アップサンプリング処理部15は、仮想
水平2倍拡大画像2X_imageの2n+1列を、隣接する上列2n
列と、下列2n+2列(Hバッファ31におけるn列とn+1
列)を用いて、図28のケース2のフローチャートに示
すステップS151乃至ステップS159の処理で計算
する。ステップS172で計算された結果は、Vバッフ
ァ51における次のn+1列の計算に使用する可能性があ
るので、ステップS173において、2Xバッファ61
に格納される。
【0167】さらに、ステップS174において、ステ
ップS172で計算された2n+1列(2Xバッファ61に
記憶されている値)と、仮想水平2倍拡大画像2X_image
の2n列(Hバッファ31のn列)から、Vバッファ51
のX列が次式から演算され、Vバッファ51の列Xに記
憶される。
【0168】 V_buffer(X,Y)= (2X_column-2n)×2X-buffer(X)+(2n+1-2X_column)×I_image(n,Y) ・・・(22)
【0169】一方、ステップS171において、2X_col
umnが2nより大きく、且つ2n+1より小さいと判定されな
かった場合(2X_columnが2n-1より大きく、2nより小さ
いと判定された場合)、仮想水平2倍拡大画像2X_image
の2n-1列と2n列から、Vバッファ51のX列が生成され
る。この2n-1列は、Vバッファ51中の前列を求める際
に計算され、2Xバッファ61に既に格納されている場
合がある。そこでステップS175において、2n-1列が
2Xバッファ61に既に格納されているか否かが判定さ
れ、格納されている場合には、ステップS178におい
て、2n-1列が2Xバッファ61から取り出される。
【0170】これに対して、ステップS175におい
て、2n-1列のデータが2Xバッファ61にまだ格納され
ていないと判定された場合、ステップS176に進み、
仮想水平2倍拡大画像2X_imageの2n-1列を、上列2n-2列
と下列2n列(Hバッファ31のn-1列とn列)を用い、
図28のケース2のフローチャートのステップS151
乃至ステップS159の処理により計算する処理が実列
される。ステップS176で計算された2n-1列の値は、
ステップS177において、Vバッファ51における次
のX+1列の計算に使用する可能性があるので、2Xバッ
ファ61に格納される。
【0171】ステップS177、またはステップS17
8の処理の後、ステップS179に進み、得られた2n-1
列と、仮想水平2倍拡大画像2X_imageの2n列(Hバッフ
ァ31のn列)からVバッファ51のX列が次式に従っ
て補間される。
【0172】 V-buffer(X,Y)= (2n−2X_column)×2X-buffer(Y)+(2X_column−(2n-1))×I_image(n,Y) ・・・(23)
【0173】この処理は、Y=0からIn_height×alpha
_Zより小さい値である期間、Yの値をインクリメントし
つつ行われる。
【0174】Vバッファ51の個々の未知の列の各画素
を求めるため、(−1<Y<alpha_Z×In_height−N+
1)と、(−1<Y<alpha_Z×In_width−1)の条件を
満たす座標(X,Y+N/2)で、同様の処理が繰り返し実行
される。
【0175】このように、ケース3の処理においては、
仮想水平2倍拡大画像2X_image中の2n列と2n+1列、また
は2n-1列と2n列を用いて、重み付け補間が実行される。
【0176】以上の図31のケース3に示す処理を模式
的に表すと、図32に示すようになる。Vバッファ51
中の列Xの値が、仮想水平2倍拡大画像2X_imageの列と
所定の関係にある場合、原画像I_imageのn列と、n+1列
から方向補間処理により2n+1列、または2n-1列のデータ
が生成され、2Xバッファ61に記憶される。そして、
2Xバッファ61に記憶された値と、仮想水平2倍拡大
画像2X_imageの2n列のデータから、Vバッファ51のX
列のデータが重み付け補間される。
【0177】以上のようにして、ステップS21におい
て、設定されているモードが、画像モードであると判定
された場合、ステップS22乃至ステップS25の処理
が行われるのであるが、ステップS21において、設定
されているモードが画像モードではないと判定された場
合(コンピュータのアイコンやワードプロセッサのフォ
ントなどの弱接続の画像が処理される場合)、ステップ
S22乃至ステップS25の処理が行われる前に、ステ
ップS26において、エッジコネクタ処理が実行され
る。図33と図34は、このエッジコネクタ処理の詳細
を表している。このエッジコネクタ処理は、エッジコネ
クタ処理部11により実行される。
【0178】最初にステップS191において、所定の
画素(X,Y)に対応して、2×2個の画素が切り出さ
れる。そしてステップS192とステップS193にお
いて、それぞれ右対角エネルギと、左対角エネルギが計
算される。右対角エネルギは、2×2個の画素のうち、
右上の画素から左下の画素を減算することで求められ、
左対角エネルギは、左上画素から右下画素を減算するこ
とで求められる。
【0179】例えば、画素(X,Y)を図35(A)に
おける画素(ピクセル)0とした場合、右対角エネルギ
は、図35(A)に示されるように、ピクセル1からピ
クセル2の値を減算することで求められ、左対角エネル
ギは、図35(B)に示されるように、ピクセル0から
ピクセル3の値を減算することにより求められる。
【0180】次に、ステップS194において、左対角
線上の画素値は、右対角線上の画素値より小さいか否か
が判定される。図35の例の場合、ピクセル0とピクセ
ル3の画素値が、ピクセル1とピクセル2の画素値より
小さいか否かが判定される。
【0181】ステップS194において、左対角線上の
画素値が右対角線上の画素値より小さいと判定された場
合、ステップS195に進み、ステップS193で演算
された左対角エネルギは、予め設定されている所定の閾
値より小さいか否かが判定される。左対角エネルギが閾
値より小さい場合、ステップS196に進み、画素(ピ
クセル)2は、画素(ピクセル)1より小さいか否かが
判定される。画素2が画素1より小さい場合には、ステ
ップS197において、画素1を、画素0と画素3の平
均値とする処理が実行される。ステップS196におい
て、画素2が画素1より小さくない(等しいか大きいと
判定された場合)、ステップS198に進み、画素2
を、画素0と画素3の平均値とする処理が実行される。
【0182】図36(A)は、ステップS187の処理
の結果、画素1の値が画素0と画素3の平均値とされた
場合を表している。
【0183】ステップS195において、左対角エネル
ギが閾値と等しいか閾値より大きいと判定された場合、
ステップS196乃至ステップS198の処理はスキッ
プされる。
【0184】ステップS194において、左対角線上の
画素値が右対角線上の画素値より小さくないと判定され
た場合(等しいかより大きいと判定された場合)、ステ
ップS199に進み、ステップS192で演算された右
対角エネルギが、予め設定されている所定の閾値より小
さいか否かが判定される。右対角エネルギが閾値より小
さい場合には、ステップS200に進み、画素3は、画
素0より小さいか否かが判定される。画素3が画素0よ
り小さい場合には、ステップS201において、画素0
を、画素1と画素2の平均値とする処理が行われる。ス
テップS200において、画素3が画素0より小さくな
い(等しいかより大きい)と判定された場合、ステップ
S202に進み、画素3を、画素1と画素2の平均値と
する処理が実行される。
【0185】図36(B)は、ステップS202におけ
る処理により、画素3が、画素1と画素2の平均値とさ
れた場合の例を示している。
【0186】ステップS199において、右対角エネル
ギが閾値より小さくないと判定された場合、ステップS
200乃至ステップS202の処理はスキップされる。
【0187】アイコンやフォントなどの弱接続を有する
エッジを、以上のエッジコネクタ処理により厚くするこ
とで、エッジ構造を強くすることができる。これによ
り、図35に示されるように、エッジが局所的に、たっ
た2つの対角線上にしか存在しない弱接続が存在する場
合に、図16のステップS94におけるエッジ方向計算
処理、或いは、図28におけるステップS154のエッ
ジ方向計算処理などにより、エッジ方向を認識する際、
極端な誤解を引き起こしてしまい、結果的にエッジの連
続性を破壊してしまうようなことが抑制される。
【0188】次に、図2のステップS8のズーム処理に
ついて説明する。このズーム処理の詳細は、図37のフ
ローチャートに示されている。図37におけるステップ
S211乃至ステップS215の処理は、図3の高速ズ
ーム処理におけるステップS21乃至ステップS25の
処理と基本的に同様の処理となっている。
【0189】図37のステップS216におけるエッジ
コネクタ処理、ステップS212における1次元垂直イ
メージリフレッシュ処理、およびステップS213にお
ける1次元水平イメージリフレッシュ処理は、それぞ
れ、図3のステップS22の1次元垂直イメージリフレ
ッシュ処理、ステップS23の1次元垂直エッジビルダ
処理、およびステップS15の1次元水平イメージリフ
レッシュ処理と同様の処理であるので、その説明は省略
する。以下においては、ステップS214における垂直
アップサンプリング処理と、ステップS215における
水平アップサンプリング処理についてのみ説明する。
【0190】最初に図38のフローチャートを参照し
て、ステップS214における垂直アップサンプリング
処理について説明する。この処理は、垂直アップサンプ
リング処理部13により実行される。
【0191】最初にステップS231において、Hバッ
ファ31が作成される。そのサイズは、In_width×(2×
In_height)とされる。次に、ステップS232におい
て、図39に示されるように、原画像I_imageのY行を
Hバッファ31の行2Yにコピーする処理が行われる。
Hバッファ31の最後の行には、原画像I_imageの最後
の行がコピーされる。
【0192】次に、ステップS233において、原画像
I_image中の上行up_lineと下行down_lineのN画素を抽
出する処理が実行される。上行up_lineの中心座標は、
(X+N/2,n)となり、下行down_lineの中心座標は、(X+N/
2,n+1)となる。
【0193】次にステップS234において、局所エネ
ルギE(N)が次式より計算される。
【0194】 E(N)=Σ(I=0,N-1)ABS(up_line(I)−down_line(N-I-1))・・・(24)
【0195】上記(24)式の計算は、up_lineの個々
の画素から対角線上に位置するdown_lineの画素を減算
し、その絶対値の和を積算することを意味する。
【0196】次に、ステップS235において、高速垂
直アップサンプリング処理部13は局所エネルギE(N)が
予め設定されている所定の閾値Tより大きいか否かを判
定する。局所エネルギE(N)が閾値Tと等しいか、それよ
り小さい場合、その領域は、エッジを含まない平坦な低
エネルギの領域と見なされる。この場合、潜在的エッジ
の方向を計算する必要がない。このため、ステップS2
41に進み、垂直アップサンプリング処理部13は、H
バッファ31中の座標(X+N/2,Y)の画素データとし
て、隣接する上行中心画素ab_line(N/2)と、隣接する下
行中心画素down_line(N/2)の平均値を演算し、Hバッフ
ァ31のその座標(X+N/2,Y)に格納する。すなわち、
ステップS241においては、次の式に基づいて、標準
的な線形補間処理が行われる。
【0197】 H_buffer(X+N/2,Y)=0.5×(up_line(N/2)+down_line(N/2))・・・(25)
【0198】ステップS235において、局所エネルギ
E(N)の値が閾値Tより大きいと判定された場合、その領
域は、潜在的エッジを含んだ高エネルギ領域と見なされ
る。このとき、ステップS236において、エッジ方向
を試験的に計算する処理が実行される。具体的には、以
下に示す演算が、x=N-1から−1より大きくなるまで行
われる。
【0199】 Energy=ABS(up_line(N-x-1)−down_line(x))・・・(26)
【0200】上記(26)式で計算されたエネルギの値
のうち、最も小さいものが選択され、その2つの画素が
対応する対角線の方向が局所的なエッジの方向と見なさ
れる。
【0201】ステップS236の処理で、エッジ方向が
検出された場合、さらにステップS237において、そ
の検出されたエッジ方向の画素を用いて、補間処理が行
われる(方向補間処理が行われる)。この方向補間処理
は、エッジ方向に対応する2つの画素の画素値に基づい
て、その間に位置する画素の画素値を補間することを意
味する。
【0202】これにより、全ての場合において、上行中
心画素と下行中心画素の平均値を新たな画素の画素値と
する標準的な線形補間処理(ステップS241の処理)
に較べ、元の画像の鮮明さとコントラストを保存し、画
像のボケを抑制することが可能となる。
【0203】次に、ステップS238に進み、垂直アッ
プサンプリング処理部13は、構造コレクタ処理を実行
する。この構造コレクタ処理は、座標(X+N/2,Y)に補間
された画素と、その垂直の近傍画素、すなわち座標up_l
ine(N/2)と、座標down_line(N/2)との関係を解析するこ
とで、更新された局所構造(ステップS237の方向補
間処理で生成された画素とその上下の画素)の整合性を
チェックする処理である。
【0204】すなわち、この構造コレクタ処理では、上
行の中心画素から更新された画素を減算する処理が行わ
れ、さらに、更新された画素から下行の中心画素を減算
する処理が行われる。さらに、以上のようにして得られ
た2つの減算結果を乗算することで、垂直方向の変化を
表す値V(N/2)が計算される。すなわち、ステップS23
8においては、次の式で示す演算が行われる。
【0205】 V(N/2)= (up_line(N/2)−H-buffer(X+N/2,Y))×(H-buffer(X+N/2,Y)−down_line(N/2)) ・・・(27)
【0206】次に、ステップS239において、垂直ア
ップサンプリング処理部13は、ステップS238での
演算結果に基づいて、更新された局所構造の整合性があ
るか否かを判定する。この判定は、上記式(27)で演
算された値V(N/2)が正であるか否かに基づいて行われ
る。値V(N/2)が正である場合には、整合性があると見な
され、ステップS240において、ステップS237の
方向補間処理で生成された画素がHバッファ31の行Y
に格納される。
【0207】これに対して、ステップS239におい
て、値V(N/2)が負であると判定された場合、整合性はな
いと見なされる。すなわち、局所方向の識別が誤ってお
り、ステップS237で生成された画素値は、適切でな
いと判断される。この場合、局所エッジの方向は、識別
不可能と見なされ、ステップS241に進み、ステップ
S235において、局所エネルギE(N)の値が閾値Tより
小さいと判定された場合と同様に、式(25)を用いた
標準的な線形補間処理が行われる。すなわち、上行中心
画素up_line(N/2)と、下行中心画素down_line(N/2)との
平均値が、その間のHバッファ31の新しい画素(X+N/
2,Y)の画素値とされる。
【0208】図40は、図37のステップS215にお
ける水平アップサンプリング処理の詳細を表している。
この処理は、水平アップサンプリング処理部15により
実行される。
【0209】最初にステップS261において、Vバッ
ファ51が作成される。そのサイズは、2×In_width×
2×In_heightとされる。ステップS262において、
Hバッファ31のX列をVバッファ51の2X列にコピ
ーする処理が実行される。Xの値は−1より大きく、In
_widthより小さい値とされる。
【0210】ステップS263において、Hバッファ3
1中の左列left_column、および右列right_columnが抽
出される。左列left_columnの中心座標は、(n,Y+N/
2)とされ、右列right_columnの矩形の中心座標は、(n
+1,Y+N/2)とされる。
【0211】次にステップS264において、局所エネ
ルギE(N)が、左列left_columnの個々の画素から、対角
線上に位置する右列right_columnの画素を減算し、その
絶対値の和を演算することで求められる。すなわち、こ
の処理では次式が演算される。
【0212】 E(N)=Σ(I=0,N-1)ABS(left_column(I)−right_column(N-i-1)) ・・・(28)
【0213】次にステップS265において、エネルギ
E(N)が予め設定された閾値Tより大きいか否かが判定さ
れる。エネルギE(N)が閾値Tと等しいか、それより小さ
い場合、その領域はエッジを含まない平坦な低エネルギ
領域と見なされる。この場合、潜在的なエッジの方向を
計算する必要がない。このためステップS271に進
み、標準的な線形補間処理が行われる。すなわち、次式
に示すように、隣接する左列の中心画素left_column(N/
2)と、隣接する右列の中心画素right_column(N/2)の平
均値から、新しい画素(X+N/2,Y)の画素値が演算され
る。
【0214】 V-buffer(X+N/2,Y)=0.5×(left_column(N/2)+right_column(N/2)) ・・・(29)
【0215】ステップS265において、エネルギE(N)
が閾値Tより大きいと判定された場合、その領域は潜在
的にエッジを含んでいる高エネルギ領域と見なされる。
そこで、この場合、ステップS266に進み、次式にし
たがってエッジ方向計算処理が実行される。
【0216】 Energy=ABS(left_column(N−x−1)−right_column(x))・・・(30)
【0217】上記演算は、x=N−1からxの値を順次
デクリメントし、xが−1より大きい間繰り返される。
【0218】計算されたエネルギのうち、最も小さい値
に対応する画素の対角線の方向が局所的なエッジの方向
と判定される。
【0219】ステップS266でエッジ方向が判定され
ると、ステップS267において、ステップS266で
判定されたエッジ方向の2つの画素の平均値を演算する
ことで、その間の画素が補間される(方向補間処理が実
行される)。これにより、標準的な線形補間による画像
のボケを防止し、元の画像の鮮明さとコントラストを保
存することが可能となる。
【0220】次に、ステップS268において、構造コ
レクタ処理が実行される。すなわち、Vバッファ51中
の座標(X,Y+N/2)に補間された画素と、その垂直方
向の近傍画素である座標left_column(N/2)の画素、およ
びright_column(N/2)の画素との関係を解析することで
局所構造の整合性をチェックする処理が行われる。この
ため、次式に従って、補間された画素を左列の中心の画
素から減算し、右列の中心画素を補間された画素から減
算することで2つの減算結果を得、さらに2つの減算結
果を乗算することで、水平方向の変化を表す値H(N/2)が
計算される。
【0221】 H(N/2)= (left_line(N/2)−V-buffer(X+N/2,Y)) ×(V-buffer(X+N/2,Y)−right_column(N/2))・・・(31)
【0222】ステップS269において、ステップS2
68で演算された値H(N/2)に基づき、補間された局所構
造に整合性があるか否かが判定される。具体的には、値
H(N/2)が正であるか否かが判定される。値H(N/2)が正で
ある場合には、ステップS267の方向補間処理で求め
られた画素は正しい(整合性がある)ものとされ、ステ
ップS270において、Vバッファ51の行Xに格納さ
れる。
【0223】ステップS269において、値H(N/2)が負
である場合(整合性がない、すなわち、ステップS26
7の方向補間処理で生成された画素値は適切でないと判
定された場合)、ステップS271に進み、ステップS
265でエネルギE(N)が閾値Tより判定された場合と同
様に、標準の線形補間処理が行われる。
【0224】図41は、以上の図40おける水平アップ
サンプリング処理の概念を表している。同図に示される
ように、Hバッファ31のX列のデータが、Vバッファ
51の2X列にコピーされる。そして、その間の列のデ
ータが補間される。
【0225】以上のようにして、画像の解像度を任意の
倍率で変更することができる。この場合、例えば、画像
を6倍に拡大するとき、ズーム処理を2回繰り返し、4
倍の画像を得た後、3/2倍の高速ズーム処理を行うこ
ともできるし、ズーム処理を3回繰り返し、8倍の画像
を得た後、3/4倍の線形縮小処理を行うこともでき
る。
【0226】また、図4,図8のフローチャートで説明
したように、1次元垂直イメージリフレッシュ処理、お
よび、1次元水平イメージリフレッシュ処理は、エッジ
とテクスチャを識別し、エッジに対しては、フィルタ処
理とクリッピング処理を施し、テクスチャに対しては、
フィルタ処理のみを施すと言ったように処理内容を分け
て、それぞれに対応した適切な処理を施すことが可能と
なる。
【0227】さらに、上述のように、図3、または、図
37で示すように、高速ズーム処理、または、ズーム処
理において、垂直アップサンプリング処理、および、水
平アップサンプリング処理を行う前に、1次元垂直イメ
ージリフレッシュ処理、および、1次元水平イメージリ
フレッシュ処理を実行することにより、1次元垂直イメ
ージリフレッシュ処理、および、1次元水平イメージリ
フレッシュ処理は、画素数が拡大される前の原画像の画
素数での処理を実行するだけで済むため、図6,図7,
図10,図11で示す1次元垂直フィルタ、および、1
次元水平フィルタのフィルタタップ数を、拡大処理後の
画素数に対応させる必要がなく、その分計算処理量を低
減させることができ、処理の高速化を実現することが可
能となる。
【0228】また、1次元垂直フィルタ、および、1次
元水平フィルタの係数αが、垂直中心画素エネルギEV、
および、水平中心画素エネルギEHの値の変化に動的に対
応するため、エッジ、または、テクスチャへの強調処理
の強弱を適切に変化させることが可能となる。
【0229】図42は、図1に示した機能ブロックを有
する画像処理装置10のハードウェアの構成例を表して
いる。CPU(Central Processing Unit)111は、ROM
(Read Only Memory)112に記憶されているプログラ
ム、または記憶部118からRAM(Random Access Memor
y)113にロードされたプログラムに従って各種の処
理を実行する。RAM113にはまた、CPU111が各種の
処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶
される。
【0230】CPU111、ROM112、およびRAM113
は、バス114を介して相互に接続されている。このバ
ス114にはまた、入出力インタフェース115も接続
されている。
【0231】入出力インタフェース115には、キーボ
ード、マウスなどよりなる入力部116、CRT,LCDなど
よりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出
力部117、ハードディスクなどより構成される記憶部
118、モデム、ターミナルアダプタなどより構成され
る通信部119が接続されている。通信部119は、イ
ンターネットなどに代表されるネットワークを介しての
通信処理を行う。
【0232】入出力インタフェース115には、また、
必要に応じてドライブ120が接続され、磁気ディスク
131、光ディスク132、光磁気ディスク133、或
いは半導体メモリ134などが適宜装着され、それらか
ら読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じ
て記憶部118にインストールされる。
【0233】上述した一連の処理は、ハードウェアによ
り実行させることもできるが、ソフトウエアにより実行
させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより
実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプロ
グラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコン
ピュータ、または、各種のプログラムをインストールす
ることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば
汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや
記録媒体からインストールされる。
【0234】この記録媒体は、図42に示す装置では、
コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供する
ために配布される、プログラムが記録されている磁気デ
ィスク131(フレキシブルディスクを含む)、光ディ
スク132(CD-ROM(CompactDisc-Read Only Memory),D
VD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク
133(MD(Mini-Disc)を含む)、もしくは半導体メ
モリ134などよりなるパッケージメディアにより構成
されるだけでなく、装置に予め組み込まれた状態でユー
ザに提供される、プログラムが記録されているROM11
2や、記憶部118に含まれるハードディスクなどで構
成される。
【0235】なお、本明細書において、記録媒体に記録
されるプログラムを記述するステップは、記載された順
序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずし
も時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に
実行される処理をも含むものである。
【0236】また、本明細書において、システムとは、
複数の装置により構成される装置全体を表すものであ
る。
【0237】
【発明の効果】以上の如く、本発明の画像処理装置およ
び方法、並びにプログラムによれば、原画像の中心画素
エネルギを計算し、計算した中心画素エネルギに基づい
て、エッジを強調し、計算した中心画素エネルギに基づ
いて、テクスチャを強調し、強調したエッジの方向を検
出し、検出したエッジの方向に基づいて、原画像の画素
から新たな画素を補間するようにしたので、少ない計算
処理で、効果的且つ簡単に画像の解像度を変更すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した画像処理装置の構成例を示す
ブロック図である。
【図2】図1の画像処理装置のズーム処理を説明するフ
ローチャートである。
【図3】図2のステップS4における高速ズーム処理を
説明するフローチャートである。
【図4】図3のステップS22における1次元垂直イメ
ージリフレッシュ処理を説明するフローチャートであ
る。
【図5】図3のステップS22における1次元垂直イメ
ージリフレッシュ処理を説明する図である。
【図6】図3のステップS22における1次元垂直イメ
ージリフレッシュ処理を説明する図である。
【図7】図3のステップS22における1次元垂直イメ
ージリフレッシュ処理を説明する図である。
【図8】図3のステップS23における1次元水平イメ
ージリフレッシュ処理を説明するフローチャートであ
る。
【図9】図3のステップS23における1次元水平イメ
ージリフレッシュ処理を説明する図である。
【図10】図3のステップS23における1次元水平イ
メージリフレッシュ処理を説明する図である。
【図11】図3のステップS23における1次元水平イ
メージリフレッシュ処理を説明する図である。
【図12】高速垂直アップサンプリング処理を説明する
図である。
【図13】図3のステップS24における高速垂直アッ
プサンプリング処理の詳細を説明するフローチャートで
ある。
【図14】図13のステップS72におけるケース1の
処理を説明するフローチャートである。
【図15】図14のケース1の処理を説明する図であ
る。
【図16】図13のステップS72におけるケース2の
処理を説明するフローチャートである。
【図17】図8のステップS92における局所エネルギ
の計算を説明する図である。
【図18】図8のステップS94におけるエッジ方向計
算処理を説明する図である。
【図19】図8のステップS94におけるエッジ方向計
算処理を説明する図である。
【図20】図16のケース2の処理を説明する図であ
る。
【図21】図16のケース2の処理を説明する図であ
る。
【図22】図13のステップS72におけるケース3の
処理を説明するフローチャートである。
【図23】図22におけるケース3の処理を説明する図
である。
【図24】図3のステップS24における高速垂直アッ
プサンプリングを説明する図である。
【図25】図3のステップS24における高速垂直アッ
プサンプリング処理の詳細を説明するフローチャートで
ある。
【図26】図25のステップS132におけるケース1
の処理を説明するフローチャートである。
【図27】図25のケース1の処理を説明する図であ
る。
【図28】図25のステップS132におけるケース2
の処理を説明するフローチャートである。
【図29】図28のケース2の処理を説明する図であ
る。
【図30】図28のケース2の処理を説明する図であ
る。
【図31】図25のステップS132におけるケース3
の処理を説明するフローチャートである。
【図32】図31のケース3の処理を説明する図であ
る。
【図33】図3のステップS26におけるエッジコネク
タ処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図34】図3のステップS26におけるエッジコネク
タ処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図35】図33のステップS192とステップS19
3における右対角エネルギと左対角エネルギを説明する
図である。
【図36】図33のステップS197と図34のステッ
プS202における処理を説明する図である。
【図37】図2のステップS8におけるズーム処理を説
明するフローチャートである。
【図38】図37におけるステップS214の垂直アッ
プサンプリング処理の詳細を説明するフローチャートで
ある。
【図39】図38の垂直アップサンプリング処理を説明
する図である。
【図40】図37のステップS215における水平アッ
プサンプリング処理を説明するフローチャートである。
【図41】図40の水平アップサンプリング処理を説明
する図である。
【図42】図1の画像処理装置のハードウェアの構成例
を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 画像入力部, 2 画像処理部, 3 画像出力
部, 10 画像処理装置, 11 エッジコネクタ処
理部, 12 高速垂直アップサンプリング処理部,
13 垂直アップサンプリング処理部, 14 高速水
平アップサンプリング処理部, 15 水平アップサン
プリング処理部, 16 線形縮小処理部, 17 1
次元垂直イメージリフレッシュ処理部,17a バッフ
ァ, 181次元水平エッジビルダ処理部, 18a
バッファ
フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 AA20 BA02 BA30 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CD09 CE03 CH09 5C023 AA02 AA07 AA37 BA01 DA02 DA03 DA04 DA08 EA03 EA05 EA08 EA10 EA12 5C076 AA21 AA22 AA27 AA31 BA05 BA06 BB22 BB25 CB01 5C077 LL05 MP07 PP03 PP20 PP43 PP59 PQ08 PQ18 PQ20 RR11 RR18 RR19

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空間解像度を垂直方向と水平方向にそれ
    ぞれZ倍することにより原画像の解像度を変換する画像
    処理装置において、 前記原画像の中心画素エネルギを計算するエネルギ計算
    手段と、 前記エネルギ計算手段により計算された前記中心画素エ
    ネルギに基づいて、エッジを強調するエッジ強調手段
    と、 前記エネルギ計算手段により計算された前記中心画素エ
    ネルギに基づいて、テクスチャを強調するテクスチャ強
    調手段と、 前記エッジ強調手段により強調された前記エッジの方向
    を検出する方向検出手段と、 前記方向検出手段により検出された前記エッジの方向に
    基づいて、原画像の画素から新たな画素を補間する補間
    手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記エネルギ計算手段は、前記原画像の
    所定の画素の水平方向、および、垂直方向の中心画素エ
    ネルギを、前記画素の近傍に存在する近傍画素の画素値
    より計算することを特徴とする請求項1に記載の画像処
    理装置。
  3. 【請求項3】 前記エネルギ計算手段により使用された
    前記近傍画素のうち、前記所定の画素を中心として、垂
    直方向、または、水平方向に配列された前記近傍画素の
    画素値の、最大値、および、最小値を検出する最大値最
    小値検出手段と、 前記中心画素エネルギと、前記最小値、および、前記最
    小値よりも大きく前記最大値よりも小さい所定の閾値と
    を比較する第1の比較手段とをさらに備え、 前記第1の比較手段の第1の比較結果により、前記中心
    画素エネルギが、前記最小値以上で、かつ、前記閾値未
    満の場合、前記テクスチャ強調手段は、前記所定の画素
    をテクスチャ領域に属するものとみなし、フィルタ処理
    を施すことによりテクスチャを強調することを特徴とす
    る請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記フィルタ処理は、所定のフィルタの
    係数を、対応する画素に乗算し、その積を加算する1次
    元フィルタ処理であることを特徴とする請求項3に記載
    の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記所定のフィルタの係数は、前記中心
    画素エネルギに対応する値であることを特徴とする請求
    項4に記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記フィルタ処理は、前記原画像の垂直
    方向と水平方向のそれぞれの方向について行う処理であ
    ることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記エネルギ計算手段により使用された
    前記近傍画素のうち、前記所定の画素を中心として、垂
    直方向、または、水平方向に方向に配列された前記近傍
    画素の画素値の、最大値、および、最小値を検出する最
    大値最小値検出手段と、 前記中心画素エネルギと、前記最小値よりも大きく前記
    最大値よりも小さい所定の閾値、および、前記最大値と
    を比較する第2の比較手段とをさらに備え、 前記第2の比較手段の第2の比較結果により、前記中心
    画素エネルギが、前記閾値以上で、かつ、前記最大値未
    満の場合、前記エッジ強調手段は、前記所定の画素をエ
    ッジ領域に属するものとみなし、フィルタ処理を施し、
    さらに、クリッピング処理を施すことによりエッジを強
    調することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装
    置。
  8. 【請求項8】 前記フィルタ処理は、所定のフィルタの
    係数を、対応する画素に乗算し、その積を加算する1次
    元フィルタ処理であることを特徴とする請求項7に記載
    の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 前記所定のフィルタの係数は、前記中心
    画素エネルギに対応する値であることを特徴とする請求
    項8に記載の画像処理装置。
  10. 【請求項10】 前記フィルタ処理は、前記原画像の垂
    直方向と水平方向のそれぞれの方向について行う処理で
    あることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  11. 【請求項11】 前記フィルタ処理が施された画素の画
    素値と、前記最大値、および、前記最小値を比較する第
    3の比較手段を備え、 前記クリッピング処理は、前記第3の比較手段の第3の
    比較結果に対応して、前記フィルタ処理が施された画素
    の画素値が、前記最大値よりも大きい場合、前記フィル
    タ処理された画素の画素値を最大値に置換する処理であ
    り、前記フィルタ処理された画素の画素値が、前記最小
    値よりも小さい場合、前記フィルタ処理された画素の画
    素値を最小値に置換する処理であることを特徴とする請
    求項7に記載の画像処理装置。
  12. 【請求項12】 前記補間手段は、検出された前記エッ
    ジの方向の2つの画素から新たな1つの画素を補間する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  13. 【請求項13】 前記補間手段は、前記エッジの領域に
    属さない画素に対して、線形補間処理を行うことを特徴
    とする請求項1に記載の画像処理装置。
  14. 【請求項14】 前記補間手段により補間された画素の
    局所的構造の整合性を判定する整合性判定手段をさらに
    備え、 前記整合性判定手段により整合性がないと判定されたと
    き、前記補間手段は、線形補間処理を行うことを特徴と
    する請求項1に記載の画像処理装置。
  15. 【請求項15】 前記補間手段と前記エッジ強調手段の
    処理は、前記値Zの値が2より大きい場合、前記値Zの
    値が2であるときの処理をN回行った後、前記値zの値
    が2以下であるときの処理を1回行うことを特徴とする
    請求項1に記載の画像処理装置。
  16. 【請求項16】 空間解像度を垂直方向と水平方向にそ
    れぞれZ倍することにより原画像の解像度を変換する画
    像処理装置の画像処理方法において、 前記原画像の中心画素エネルギを計算するエネルギ計算
    ステップと、 前記エネルギ計算ステップの処理で計算された前記中心
    画素エネルギに基づいて、エッジを強調するエッジ強調
    ステップと、 前記エネルギ計算ステップの処理で計算された前記中心
    画素エネルギに基づいて、テクスチャを強調するテクス
    チャ強調ステップと、 前記エッジ強調ステップの処理で強調された前記エッジ
    の方向を検出する方向検出ステップと、 前記方向検出ステップの処理で検出された前記エッジの
    方向に基づいて、原画像の画素から新たな画素を補間す
    る補間ステップとを含むことを特徴とする画像処理方
    法。
  17. 【請求項17】 空間解像度を垂直方向と水平方向にそ
    れぞれZ倍することにより原画像の解像度を変換する画
    像処理装置を制御するプログラムであって、 前記原画像の中心画素エネルギの計算を制御するエネル
    ギ計算制御ステップと、 前記エネルギ計算制御ステップの処理で計算された前記
    中心画素エネルギに基づいて、エッジの強調を制御する
    エッジ強調制御ステップと、 前記エネルギ計算制御ステップの処理で計算された前記
    中心画素エネルギに基づいて、テクスチャの強調を制御
    するテクスチャ強調制御ステップと、 前記エッジ強調制御ステップの処理で強調された前記エ
    ッジの方向の検出を制御する方向検出制御ステップと、 前記方向検出制御ステップの処理で検出された前記エッ
    ジの方向に基づいて、原画像の画素から新たな画素の補
    間を制御する補間制御ステップとを含むことを特徴とす
    るコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録され
    ている記録媒体。
  18. 【請求項18】 空間解像度を垂直方向と水平方向にそ
    れぞれZ倍することにより原画像の解像度を変換する画
    像処理装置を制御するコンピュータに、 前記原画像の中心画素エネルギの計算を制御するエネル
    ギ計算制御ステップと、 前記エネルギ計算制御ステップの処理で計算された前記
    中心画素エネルギに基づいて、エッジの強調を制御する
    エッジ強調制御ステップと、 前記エネルギ計算制御ステップの処理で計算された前記
    中心画素エネルギに基づいて、テクスチャの強調を制御
    するテクスチャ強調制御ステップと、 前記エッジ強調制御ステップの処理で強調された前記エ
    ッジの方向の検出を制御する方向検出制御ステップと、 前記方向検出制御ステップの処理で検出された前記エッ
    ジの方向に基づいて、原画像の画素から新たな画素の補
    間を制御する補間制御ステップとを実行させるプログラ
    ム。
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