JP2003015507A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2003015507A JP2001198828A JP2001198828A JP2003015507A JP 2003015507 A JP2003015507 A JP 2003015507A JP 2001198828 A JP2001198828 A JP 2001198828A JP 2001198828 A JP2001198828 A JP 2001198828A JP 2003015507 A JP2003015507 A JP 2003015507A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報記録(書き込み)のために高屈折率の色
素材料を含有する色素層を光記録媒体に設けたとして
も、光導波路層を伝播する光に別のモードが発生しにく
い(つまり、マルチモードになりにくい)ようにする。 【手段】 コア層2の近傍に、色素を含有する層(以
下、色素層という)4を設けるとともに、コア層2及び
色素層4を挟む各クラッド層3の屈折率n1,n4を互
いに異なるように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体に関
し、詳しくは、クラッド層に挟まれて形成される光導波
路層(コア層)を複数有し光照射により情報の書き込み
や読み出しが行なえる光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】(1)体積ホログラムメモリの説明 光メモリ(光記録媒体)は、従来、媒体表面層のレーザ
照射による変化により情報を記録するものが一般的であ
り、その変化としては形状変化,磁区変化,相変化等を
利用するものが実用化されている。これらはレーザ光を
レンズで絞りその焦点で記録を行なうため、回折限界に
よる焦点の広がりによりレーザ光の波長程度にスポット
系が制限されるため、記録密度の限界が存在する。
【0003】そのため、レーザ光を短波長化することに
よりスポット径を小径化して情報記録媒体の記録密度を
高密度化しようとする試みが進められてはいるが、レー
ザを短波長化するのにも限界があり、大幅な高密度化に
は限界がある。また、情報記録媒体の記録密度は、情報
記録媒体に対して書き込み速度/読み出し速度に関連し
ており、上述したように記録密度を十分に高密度化でき
ないことから、情報記録媒体に対する書き込み速度/読
み出し速度を十分に高速化できない。即ち、かかる書き
込み速度/読み出し速度を所定速度以上に保持しようと
すれば、記録密度が低いほど、かかる一定情報量が記録
された部分の面積が大きくなって、この一定情報量に対
する書き込み/読み出しを行なうためのヘッドの移動速
度を高速にしなければならない。
【0004】しかし、このようなヘッドには一般にレー
ザ光源や光学系等が取り付けられており比較的重量があ
ることから、ヘッドの移動速度を高速化することにも限
界があり、したがって、記録密度を十分に高密度化でき
なければ、情報記録媒体に対する書き込み速度/読み出
し速度を十分に高速化することができないのである。そ
こで、このような記録密度の限界を打破する光記録媒体
として、「体積(3次元)ホログラムメモリ」と呼ばれ
る光メモリが種々開発・検討されている。この「3次元
ホログラムメモリ」は、非常に狭い回折角度依存性を利
用して、参照光の角度を変えながら情報を情報記録媒体
の同一体積中に多重に記録でき、非常に高い記録密度を
実現できるもので、例えば、ニオブ酸リチウム単結晶の
フォトリフラクティブ効果を利用したものや、フォトポ
リマーの光重合反応や光架橋反応を利用したもの、フォ
トクロミズムを利用したもの等がある。
【0005】この「3次元ホログラムメモリ」では、記
録層の内部に、物体からの反射光や信号等の情報を表す
信号光(物体光)と参照光とを照射して干渉させ、この
干渉により光強度分布に応じて記録層の光学的性質(屈
折率や吸光度等)が変化するので、このような光学的性
質の三次元分布という形で干渉縞を3次元的に記録する
ことができる。
【0006】また、記録に使用した参照光と同じ波長の
光を同じ角度で「3次元ホログラムメモリ」に対して照
射することにより(このように情報再生を目的に「3次
元ホログラムメモリ」に照射する光を「読出光」とい
う)、回折光として信号光(即ち情報)が再生されるが
(このようにして再生される信号光を「再生光」とい
う)、情報の再生に際しては、読出光の角度に非常に敏
感となり、参照光の角度や位相分布を変えて記録するこ
とで多重記録が可能となっている。
【0007】ここで、「3次元ホログラムメモリ」にお
ける情報の記録/読み出し方法には、主に、「角度多重
方式」と「シフト多重方式」とがある。前者の「角度多
重方式」では、参照光を平面波とし、参照光の照射角度
を少しずつ変化させていくことにより、参照光と信号光
との干渉縞を多重に記録することが行なわれる。これに
対し、後者の「シフト多重方式」では、参照光を、レン
ズを用いて球面波とし、参照光と信号光との角度は変え
ず、例えば参照光と情報記録媒体とを相対的に平行にシ
フトさせることにより(被記録部分を少しずつずらして
いくことにより)、参照光と信号光との干渉縞を多重に
記録することが行なわれる。
【0008】つまり、「シフト多重方式」では、参照光
が球面波なので、入射角度の異なる多数の参照光が同時
に記録媒体に照射されていることと等価となる。このた
め、参照光が照射された記録媒体の特定の位置に着目す
ると、参照光と記録媒体とをシフトさせると、シフト前
後ではこの特定位置に対する参照光の照射角度が異なる
こととなる。
【0009】したがって、参照光と記録媒体とを少しず
つシフトさせることで、参照光の照射角度を少しずつ変
化させることができ、「角度多重方式」と同様に参照光
と信号光との干渉縞を多重に記録することができるので
ある。そして、この際のシフト距離を照射スポット径よ
り十分小さく(1/100程度)することで、同一体積
中に高密度の多重記録を行なうことができる。なお、本
「シフト多重方式」は、特にディスク状の記録媒体の記
録/読み出しに適している。
【0010】しかしながら、「3次元ホログラムメモ
リ」は、記録密度は非常に高いものとなるが、その一方
で記録/読み出しの光学系がかさばり、装置の小型化が
難しい。また、記録媒体自体も、安定性,信頼性,取り
扱い易さの面で十分に実用的なものは得られておらず、
さらに複製も容易でないことから、実用化までには至っ
ていないのが現状である。
【0011】(2)カード型(平板状)ホログラムメモ
リの説明 そこで、このような3次元ホログラムメモリの難点を補
い、且つ、体積記録の利点を活かすために、カード(平
板)形状を有する多層2次元ホログラム型の記録媒体
(以下、多層2次元光メモリという)が提案されている
(例えば、特開平11−345419等参照)。これ
は、コア層とクラッド層とを有する多層の光導波路層の
各層に、光散乱要因によるホログラムを形成(記録)し
たものである。
【0012】このような多層2次元光メモリでは、一つ
の(コア)層(情報が記録された層)に光を結合して伝
播させることで、その伝播光の散乱により記録情報(ホ
ログラフィー情報)が散乱光として外部に取り出され、
その散乱光を例えば2次元画像検出器(以下、単に「検
出器」ともいう)で検出することで記録情報の読み出し
(再生)が行なわれる。
【0013】そして、近年、このような多層2次元光メ
モリは、平板状の光導波路層(クラッド層に挟まれたコ
ア層)を多数積層する(100層程度の積層が可能であ
る)ことにより、その記録容量も向上しており、単一面
に情報を記録する通常の2次元メモリと、上述した体積
ホログラムメモリのような3次元メモリとの中間に位置
付けられる。また、多層2次元光メモリの場合は、上記
検出器の面上に再生された記録情報(散乱光)が結像す
るようにホログラムを設計しておけば、情報読み取りの
ための光学系も簡素な構成で済む。
【0014】さらに、多層2次元光メモリは、計算機で
作成したホログラムの型を作れば、それを用いて各層を
エンボス加工等により作製したものを積層して製造する
ことができるので、複製も容易である。また、ホログラ
ムメモリを多層にするメリットは、そのクロストークの
小ささにある。即ち、通常のビットバイビットでの情報
記録を多層で行なおうとすると、1ビットの記録情報を
読み出すためには、記録部分の光散乱や屈折,吸収現象
を用いるため光学定数の大きな変化が必要であるが、ホ
ログラムの場合は光の回折現象を利用するので、屈折率
の変化が小さく回折効率が小さくても記録情報を読み出
す際のS/N比を大きくできる。特に、1層ではほとん
ど透明な層になるので、層間の光干渉が小さくなるとい
うメリットがある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、多層2次元
光メモリは、カード形状の各光導波路層にホログラム
(情報)を膜の凹凸等の光散乱性加工により予め書き込
んでおき、再生のみに利用する(つまり、ROMとして
用いる)ものが数多く提案されているが、このような媒
体に情報を書き込むことは容易ではない。
【0016】例えば、特開平9−101735号公報に
は、光導波路層にバクテリオロドプシンのようなフォト
クロミック材料〔光感光(硬化)性の材料〕を用いて、
導波光(参照光)と物体光(信号光)の干渉縞により媒
体に情報を書き込む方法(干渉縞露光)が開示されてい
るが、フォトクロミック材料等の色素材料の層(以下、
色素層という)はバインダーポリマー等で希釈されたも
のでは露光感度の低下が避けられない。
【0017】露光感度を高めるためには、必然的に、純
粋な色素材料あるいは高濃度に色素材料を含有する色素
層を設ける必要があるが、今度は、このような色素層で
はその屈折率が高いために、光導波路層の伝播光(読出
光や干渉縞露光による書き込みの場合の参照光)に複数
の伝播モード(マルチモード)が生じてしまい、情報
(ホログラム)の記録/再生が正常に行なえなくなって
しまう。
【0018】即ち、クラッド層に挟まれた光導波路層
(コア層)を伝播する光は、クラッド層の屈折率の方が
コア層の屈折率よりも小さいことから、全反射を繰り返
しながら減衰することなく伝播してゆくが、これらの屈
折率や各層の膜厚の構成によってシングルモードからマ
ルチモードまで種々のモードが生じる。異なるモードの
光は異なる伝播速度を有するため、媒体内での波長が異
なり、このため、ホログラムの読出光や参照光としては
不適である。しかも、光を導波路層に導入する部分での
入射光とモードの分布との重なりによって、どのモード
に結合されるかが決まるため、安定した再生も困難であ
る。
【0019】また、カード形状(平板状)の光メモリで
は、屈折率,膜厚,層構成でどのような伝播モードが生
じるかが決まる。一般に、屈折率が高くなると薄膜でも
別の伝播モードが生じる。また、層構成が対称になる
と、膜厚に対するカットオフが無くなり、光導波路層が
どのように薄くても別の伝播モードが生じてしまう。こ
のような状況から、光導波路層に高屈折率の色素層を設
けると、色素層の無い場合にはシングルモードであった
ものが容易にマルチモードになってしまうのである。
【0020】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、情報記録(書き込み)のために純粋または高
濃度の(つまり、高屈折率の)色素材料を含有する色素
層を設けたとしても、光導波路層を伝播する光に別のモ
ードが発生しにくい(つまり、マルチモードになりにく
い)、光記録媒体を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の光記録媒体(請求項1)は、コア層とこ
のコア層を挟む複数のクラッド層とを有する平板状の光
記録媒体において、前記のコア層の近傍に、色素を含有
する層(以下、色素層という)が設けられるとともに、
上記のコア層及び色素層を挟む各クラッド層の屈折率が
互いに異なることを特徴としている。
【0022】ここで、上記のコア層及び色素層を挟む各
クラッド層のうち、コア層に近接するクラッド層の屈折
率よりも色素層に近接するクラッド層の屈折率の方を小
さくするのが好ましい(請求項2)。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態として
のカード形状の多層2次元ホログラム型メモリ(光記録
媒体)の構造を示す模式的斜視図で、この図1に示す多
層2次元ホログラム型メモリ(以下、単に「多層光メモ
リ」又は「ホログラムメモリ」もしくは「媒体」とい
う)1は、コア層2と、このコア層2の一方の面部に積
層された色素層4と、これらのコア層2及び色素層4を
挟むクラッド層3とを有して成る光導波路部材が、複数
(ここでは、3層分)積層された構造を有している。
【0024】ここで、上記の色素層4には、バクテリオ
ロドプシンやジアリールエテン化合物等のフォトクロミ
ック材料、CD−RやDVD−R等に利用されているよ
うな色素,顔料化合物等が適用される。これらは、光を
吸収して、光化学反応や光分解,温度変化による分解,
形状変化,相変化等を起こすものであればいずれを適用
しても、これらの変化を利用することで、多層光メモリ
1に情報(ホログラム)を記録できるようになっている
のである。
【0025】なお、具体的に、上記の「色素」材料とし
ては、例えば、アゾ色素,シアニン色素,インジゴ系色
素,縮合環色素,フタロシアニン系色素,キナクリド
ン,ポルフィリン,トリフェニルメタン,スチルベン,
カロテノイド,ペリレン色素,スクアリリウム系色素,
共役高分子等が適用できるが、使用レーザ波長で吸収帯
を有するものであればどのようなものを適用してもよ
い。
【0026】また、上記のコア層2の膜厚については、
10μm(マイクロメートル)以下、好ましくは、1μ
m〜5μm程度にするのがよく、クラッド層3について
は、5μm以上、好ましくは、7μm〜100μm程度
にするのがよい。さらに、色素層4は、例えば、コア層
2の近傍に色素を塗布あるいは蒸着することにより形成
することができる。この色素層4の膜厚は、1μm以
下、好ましくは、0.05μm〜0.5μm程度に選定
するのがよい。
【0027】さらに、ホログラムメモリ1への情報記録
(書き込み)は、参照光と信号光との干渉縞によって行
なう方法(干渉縞露光)が一般的である。即ち、光導波
路層(コア層)2を伝播する光を参照光とし、記録すべ
き情報をもった信号光をホログラムメモリ1の面部に対
して垂直な方向から照射してこれら2つの光を交差させ
ることで媒体1内に干渉縞を形成し、この干渉縞による
色素層4の変化によって情報を記録するのである(図3
参照)。なお、図3において、符号11は空間変調素子
を表し、この空間変調素子11にレーザ光が入射される
と本素子11に応じた書き込みデータが画像として表示
されて上記信号光が生成されるのである。
【0028】また、他の書き込み方法としては、例えば
図4に示すように、レーザ光をレンズ14等で集光し
て、その焦点を色素層4に合わせ、レーザ光あるいは記
録層(コア層)2を面内で移動させながらレーザ光を変
調して計算機等によって予め作成したホログラム(計算
機ホログラム)を逐次(直接)書き込んでゆく方法も考
えられる。
【0029】さて、次に、上記のコア層2及び色素層4
を挟む各クラッド層3は、本実施形態では、それぞれの
屈折率が互いに異なる値になっている(屈折率について
非対称になっている)。このようにコア層2を挟む各ク
ラッド層3の屈折率を非対称にしておけば、コア層2の
厚みに対してカットオフが生じるので、別の伝播モード
が生じるためには或る程度の厚み(これを「カットオフ
膜厚」という)が必要になる。
【0030】従って、薄い色素層4を導入しても、その
カットオフ膜厚よりも薄い膜厚であれば、各クラッド層
3の屈折率が対称になっている場合に比して別の伝播モ
ードが生じにくくなる。以下、この状況をシミュレーシ
ョンにより典型的な例を挙げて説明する。カード形状
(平板状)の光導波路部材の伝播モードは、任意の層構
成についてトランスファー行列法を用いて計算すること
ができる(Kogelnik)。この計算結果は、非常に良く実
験との対応がとれ、屈折率及び膜厚の測定方法として確
立しているものである。
【0031】(1)対称クラッド層の場合 図2にモデルの構成を示す。この図2において、n1と
n4がそれぞれクラッド層3の屈折率、ncがコア層2
の屈折率、ndが色素層4の屈折率を表し、コア層2の
膜厚は1.8μm、色素層4の膜厚は例えばCD−R等
の光記録に用いられる色素層の膜厚の程度として0.0
5μmと仮定する。なお、以下のシミュレーションは、
いずれも1層分の光導波路部材(コア層2,クラッド層
3,色素層4)に着目して行なうが、図2で図示を省略
している他の光導波路部材についても同様の理論が成り
立つ。
【0032】そして、まず、従来技術との比較のため
に、コア層2とクラッド層3の材料にそれぞれポリマー
を用い、その屈折率をポリマーの典型的な値、例えば、
n1=n4=1.54、nc=1.55とした場合〔か
かる条件は、色素層4が無い場合に光導波路層2がシン
グルモードになる条件である〕についてシミュレーショ
ンを行なってみる。
【0033】即ち、次表1に示すように、n1=n4=
1.54,nc=1.55(膜厚1.8μm)の対称型
の光導波路部材に、膜厚0.05μmの色素層4を設
け、その色素層4の屈折率ndを1.55から1.8ま
で変化させてみる。この場合は、図5に示すように、色
素層4の屈折率ndが1.57程度から本来のモード
(符号5参照)とは別のモード(符号6参照)が生じ、
マルチ(2)モードになっていることが分かる。色素材
料は一般に高屈折率であるため、このような系では2モ
ードになることは避けられない。なお、図5において、
縦軸は有効屈折率、横軸は色素層4の屈折率ndをそれ
ぞれ示す。
【0034】
【表1】
【0035】(2)非対称クラッド層の場合(その1) 次に、本実施形態の多層光メモリ1、即ち、次表2に示
すように、図2においてn1=1.50、n4=1.5
4、nc=1.55(膜厚1.8μm)とした非対称型
の光導波路部材に、膜厚0.05μmの色素層4を設
け、その色素層4の屈折率ndを1.55から2.0ま
で変化させてみる。
【0036】
【表2】
【0037】この場合は、図6に示すように、色素層4
の屈折率ndが1.92程度から本来のモード(符号7
参照)とは別のモード(符号8参照)が生じ、2モード
になっていることが分かる。なお、この場合も、図6に
おいて、縦軸は有効屈折率、横軸は色素層の屈折率nd
をそれぞれ表す。従って、上述した対称型の光導波路部
材の場合に比して、高屈折率の色素層4を設けても伝播
モードがマルチモードになることを避けることが容易で
あるといえる。つまり、有効な情報記録(書き込み)の
ために高濃度(高屈折率)の色素材料を用いた場合で
も、情報の書き込み/読み出しを正常且つ安定して行な
うことができるのである。
【0038】特に、本例の場合は、n1<n4、即ち、
コア層2及び色素層4を挟む各クラッド層3のうち、コ
ア層2に近接するクラッド層3の屈折率よりも色素層4
に近接するクラッド層3の屈折率の方を小さくすること
により、その逆(後述)の場合よりも、非対称性の効果
(マルチモード防止効果)を強くできるので、より高い
屈折率を有する色素層4を用いることが可能になる。つ
まり、媒体1の記録(書き込み)感度をより高めつつ、
情報の書き込み/読み出しを正常且つ安定して行なうこ
とが可能となるのである。
【0039】なお、上記のシミュレーション条件(表
2)から、多層光メモリ1の場合は、図1において上位
層から下位層に位置するクラッド層3ほどその屈折率を
大きくすればよいことになる。 (3)非対称クラッド層の場合(その2) 次に、上記のシミュレーション条件(表2参照)とは逆
に、次表3に示すように、n1=1.54、n4=1.
50、nc=1.55(膜厚1.8μm)とする非対称
型の光導波路部材(つまり、この場合は、屈折率の高い
方のクラッド層3が色素層4に接している)に、膜厚
0.05μmの色素層4を設け、その色素層4の屈折率
ndを1.55から2.0まで変化させてみる。
【0040】
【表3】
【0041】この場合は、図7に示すように、色素層4
の屈折率ndが1.79程度から本来のモード(符号9
参照)とは別のモード(符号10参照)が生じ、2モー
ドになっていることが分かる。つまり、屈折率の低い方
のクラッド層3が色素層4に接している場合よりもマル
チモード防止効果が弱まるものの、対称型の光導波路部
材の場合よりは効果があり、高屈折率の色素層4を設け
ても2モードになることを避けることが容易になってい
ることが分かる。従って、この場合も、有効な情報記録
のために高濃度(高屈折率)の色素材料を用いたとして
も、情報の書き込み/読み出しを正常且つ安定して行な
うことが可能である。
【0042】なお、上記のシミュレーション条件(表
3)から、多層光メモリ1の場合は、図1において上位
層から下位層に位置するクラッド層3ほどその屈折率を
小さくすればよいことになる。 (4)屈折率差 上述したコア層2及び色素層4を挟む各クラッド層3の
屈折率差は、最低でも0.1以上あればよく、より好ま
しくは、0.03以上あるのがよい(上記のシミュレー
ションでは屈折率差を0.04にしている)。どの程度
の屈折率差があればよいかは、媒体1に用いる全ての材
料の屈折率や膜厚に依存するが、これについては上記の
シミュレーションにより容易に選定することができる。
この屈折率差は、なるべく大きい方が良いが、光導波の
ために各クラッド層3の屈折率はコア層2の屈折率より
も小さい必要があるので、実用的には、1以下が好まし
い。
【0043】また、このような屈折率差は、各クラッド
層3に異なる材料を用いれば容易に実現することができ
る。また、同一材料でも、屈折率を変化させるようなも
のを添加することによって実現できる。例えば、屈折率
1.5程度のポリマー材料に、高屈折率の化合物を溶解
したり、チタニアやポリスチレン等の高屈折率の粒子を
分散混入したりすれば高屈折率になり、シリカやフッ素
置換のポリマー等の低屈折率材料を添加すれば低屈折率
になる。ただし、粒子を分散混入する場合には、光の波
長よりも十分小さな(例えば、100nm以下)粒子を
分散して光散乱による光伝播損失を抑制する必要があ
る。
【0044】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して
実施することができる。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の光記録媒
体によれば、コア層の近傍に色素を含有する層(以下、
色素層という)が設けられている場合であっても、その
コア層を挟む各クラッド層の屈折率が互いに異なる(非
対称になっている)ので、各クラッド層の屈折率が同じ
(対称になっている)場合に比して、コア層(光導波路
層)を伝播する光に別のモードが発生しにくくマルチモ
ードになりにくい。従って、有効な情報記録(書き込
み)のために高濃度(高屈折率)の色素材料を用いた場
合でも、情報の書き込み/読み出しを正常且つ安定して
行なうことができる。
【0046】特に、色素層を設けた場合は、コア層に近
接するクラッド層の屈折率よりも色素層に近接するクラ
ッド層の屈折率の方を小さくすることにより、その逆の
場合よりも、別のモードの発生をより効果的に抑えるこ
とができるので、さらに高濃度(高屈折率)の色素層を
設けたとしても、情報の書き込み/読み出しを正常且つ
安定して行なうことができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのカード形状の多層
2次元ホログラム型メモリ(光記録媒体)の構造を示す
模式的斜視図である。
【図2】本実施形態に係るシミュレーションモデルを説
明すべく図1に示す多層2次元ホログラム型メモリの側
面を一部省略して模式的に示す図である。
【図3】図1に示す多層2次元ホログラム型メモリに対
するホログラムの書き込み方法を説明するための模式図
である。
【図4】図1に示す多層2次元ホログラム型メモリに対
するホログラムの他の書き込み方法を説明するための模
式図である。
【図5】図2においてクラッド層の屈折率を対称にした
場合のシミュレーション結果の一例を示す図である。
【図6】図2においてクラッド層の屈折率を非対称にし
た場合(その1)のシミュレーション結果の一例を示す
図である。
【図7】図2においてクラッド層の屈折率を非対称にし
た場合(その2)のシミュレーション結果の一例を示す
図である。
【符号の説明】
1 多層2次元ホログラム型メモリ(光記録媒体) 2 コア層 3 クラッド層 4 色素層 11 空間変調素子 14 レンズ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア層と該コア層を挟む複数のクラッド
    層とを有する平板状の光記録媒体において、 該コア層の近傍に、色素を含有する層(以下、色素層と
    いう)が設けられるとともに、 該コア層及び該色素層を挟む各クラッド層の屈折率が互
    いに異なることを特徴とする、光記録媒体。
  2. 【請求項2】 該コア層及び該色素層を挟む各クラッド
    層のうち、該コア層に近接するクラッド層の屈折率より
    も該色素層に近接するクラッド層の屈折率の方が小さい
    ことを特徴とする、請求項1記載の光記録媒体。
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