JP2003015079A - 立体像表示方法及び表示装置 - Google Patents

立体像表示方法及び表示装置

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JP2003015079A
JP2003015079A JP2001199466A JP2001199466A JP2003015079A JP 2003015079 A JP2003015079 A JP 2003015079A JP 2001199466 A JP2001199466 A JP 2001199466A JP 2001199466 A JP2001199466 A JP 2001199466A JP 2003015079 A JP2003015079 A JP 2003015079A
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spatial light
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light modulator
phase
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JP2001199466A
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Kaneyuki Imai
欽之 今井
Ikutake Yagi
生剛 八木
Masahiro Sasaura
正弘 笹浦
Takashi Kurihara
栗原  隆
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光エネルギーの利用効率が良く、ノイズの少
ない立体像を再現することのできる立体像表示方法およ
び表示装置を提供する。 【解決手段】 左側から入射する平面波状のレーザ光5
は、偏光ビームスプリッタ6で反射され、空間光変調器
7の各画素に印加される電圧に応じて偏向角が変えら
れ、反射する。この光が再度偏光ビームスプリッタ6を
通るときには、所定の偏向角の成分のみが下(レンズ2
1の方)へ透過する。この光は、レンズ21および22
を透過して空間光変調器8の面内で再生される。ただ
し、λ/2板9によって偏光を回転させることにより、
空間光変調器8の複屈折の主軸方向に合わせている。よ
って空間光変調器8では、偏光は回転せず、単に光路長
を変調する、すなわち位相を変調する作用を有する。よ
って、振幅と位相の両方が変調された光が立体像を表示
する光11として出力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像を表示する方法
および装置に関し、特に、立体像を表示する立体像表示
方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術において、動画像を表現する
装置の代表的なものに、フィルムを使った映写装置があ
る。また、低価格で小型なものの代表として陰極線管を
使ったテレビ受像機がある。フィルム映写装置は、解像
度が非常に高く、従来から美しい画像が得られるが、予
めフィルムに撮影された動画像しか表示できない。これ
に対し、陰極線管ではフィルム映写機ほどの解像度が得
られないが、画像を電気信号として扱うため、表示する
画像の自由度が高い。
【0003】コンピュータシステムの表示装置として
は、フィルムを使った映写装置は不向きであり、上記の
ように自由度の高い陰極線管を用いた装置がよく用いら
れる。また、これと同様に自由度の高い液晶表示装置
も、近年よく利用されるようになってきている。しかし
ながら、陰極線管を用いた装置や液晶表示装置など、従
来の画像表示装置は平面画像を表示するものが殆どであ
り、立体像を表示することはできない。実際には、平面
像よりも立体像の方が現実感があり、また、表現力も遥
かに高いため、立体像を表示できる装置が望まれる。
【0004】立体像を表示するひとつの方法として、両
眼視差を利用するものがある。この方法は、右目と左目
に与える画像を少し変えて擬似的に臨場感を与えるもの
で、真の意味での立体像とは言えないものの、これだけ
で十分に迫力を感じさせることができる。娯楽施設など
では、特殊なメガネをかけることによって、両眼視差を
利用して臨場感のある動画像を楽しませる劇場もある。
【0005】また、上記の方法と同様に両眼視差を利用
して、従来の平面画像表示装置を用いて擬似立体表示を
行う方法もある。例えばコンピュータの陰極線管表示装
置とメガネを併用した、より自由度の高い疑似立体像表
示装置を実現することが可能である。
【0006】しかしながら、これらの装置を用いても、
やはり真の立体像というよりも臨場感を擬似的に実現し
ているものであり、表現力としては平面画像からの大き
な改善は望めず、実際、情報量は左右の目それぞれに画
像を与えることを考慮しても2倍を越えることはない。
このため、娯楽的な効果は高いものの、用途は限定され
る。
【0007】これに対し、真の意味での立体像を生成す
る、ホログラフィーの原理に基づく装置がある。ホログ
ラフィーは、振幅と位相情報を含む光波面を忠実に再生
する技術である。立体物から四方八方に発せられる光の
情報を記録して忠実に再生するため、その立体物がなく
なっても、目で見た限りではあたかもその立体物がまだ
その場所に存在するように感じられる。正面から見た姿
だけではなく、観測者が頭を動かせば、立体物の側面を
も観測することができる。これは、前記のメガネを用い
た装置では難しい。
【0008】もともとホログラフィー技術では、レーザ
光を用いた干渉で感光フィルムに実際に存在する立体物
から発せられる光の情報を記録する。フィルムに形成さ
れる感光パターンをホログラムと称し、これに再びレー
ザ光を照射すると先に立体物から発せられた光が再生さ
れる。したがって、予め立体物の動きに合わせて複数枚
感光させたフィルムを、映写装置と同様に連続してコマ
送りすれは、動く立体像を生成することも可能である。
しかし、このようなホログラフィー技術を用いても、予
め用意した動画しか再生することができず、陰極線管と
同様に自由に立体像を生成することが望まれる。
【0009】そこで、自由度の高い立体像表示を実現す
るため、液晶空間光変調器を用いた計算機ホログラム再
生方式が従来から存在した。これは、光の干渉によって
ホログラムを記録する代わりに、数値計算でホログラム
のパターンを予測し、それを液晶空間光変調器に表示さ
せてホログラムの代わりとし、これにレーザ光を照射し
て立体像を生成するものである。この方式では、実際に
は存在しない架空の立体物を自由に作り上げ、これから
ホログラムパターンを算出して表示することができる。
なお、ここで用いられる液晶空間光変調器とは、コンピ
ュータと接続して平面画像を表示する、一般的な液晶デ
ィスプレイとほぼ同じ構造のものである。
【0010】一般的な液晶ディスプレイは、微小な画素
が縦横に数百個ずつ並んだ構造を取っており、この画素
それぞれの光の透過率を個別に電気信号で制御すること
により、平面画像を表現する。ここで必要な光は、液晶
素子背面に反射鏡を置いて外部の照明光を反射させて利
用するか、または代わりに発光体を置いて発生させる方
式がある。これらと計算機ホログラムで用いる液晶空間
光変調器が異なる点は、光がレーザ光であることと、そ
のままの画像パターンの代わりにホログラムの形に光強
度を変調させる点である。また、計算機ホログラムに用
いるためには、一般的な画素よりもかなり小さいサイズ
の画素が望まれる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
1個の液晶空間光変調器を用いた計算機ホログラムによ
る立体像表示方式では、空間光変調器に照射したレーザ
光が、100%立体像を生成する光へと変換されるわけ
ではなく、変換効率は低い。空間光変調器を透過した後
も、ホログラムによって大きな影響を受けず、ほぼその
ままの形で直進し続ける光の成分が強い強度のまま残
る。このことは、光エネルギーの利用効率が悪いという
1点のみならず、変換されなかった光が大きなノイズと
して残ることを意味し、場合によっては、目的とした立
体画像の光が、強いノイズに埋もれて見えないこともあ
る。
【0012】本発明は、上記のような事情を考慮してな
されたものであり、光エネルギーの利用効率が良く、ノ
イズの少ない立体像を再現することのできる立体像表示
方法および表示装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、立体像を表示する方法であって、光の
強度を変調する2次元空間光変調器と光の位相を変調す
る2次元空間位相変調器とを用いて、光の強度と位相の
双方を変調することを特徴とする立体像表示方法を要旨
とする。
【0014】また、本発明の立体像表示方法は、2つの
空間光変調器を用いるものであって、平面波の光を、前
記2つの空間光変調器のうちの一方によって、第1の平
面内で強度または位相変調し、変調された光を、結像光
学系に導入し、これによって前記第1の平面内で変調さ
れた光を別の第2の平面内で再生し、この第2の平面内
にてもう一方の空間光変調器で位相または強度変調する
ことにより、光の位相と強度の双方を変調することを特
徴とする。
【0015】また、本発明の立体像表示装置は、光の強
度を変調する第1の空間光変調器と、光の位相を変調す
る第2の空間光変調器とを備えており、平面波の光を、
前記第1の空間光変調器によって強度変調するととも
に、前記第2の空間光変調器によって位相変調すること
を特徴とする。
【0016】また、本発明の立体像表示装置は、前記第
1の空間光変調器と前記第2の空間光変調器との間に配
置された光学結像手段を備えていることを特徴とする。
【0017】また、本発明の立体像表示装置において
は、前記光学結像手段は、レンズを用いて構成されるこ
とを特徴とする。
【0018】また、本発明の立体像表示装置において
は、前記第1の空間光変調器は、印加される電気信号に
応じて可変な偏向角によって入射光の偏光を変えて反射
光として出力する液晶装置と、光の偏向角に応じて透過
率が変わる偏光ビームスプリッタとを用いて構成される
ものであることを特徴とする。
【0019】また、本発明の立体像表示装置において
は、前記第2の空間光変調器は、印加される電気信号に
応じて光路長を可変とすることによって、入射光の位相
を変えて反射光として出力する液晶装置を用いて構成さ
れるものであることを特徴とする。
【0020】また、本発明の立体像表示装置は、前記第
1の空間光変調器側からの光を前記第2の空間光変調器
側へ仕向けるとともに、前記第2の空間光変調器からの
反射光を出力側へ仕向けるビームスプリッタを備えてい
ることを特徴とする。
【0021】また、本発明の立体像表示装置は、前記第
1の空間光変調器と前記第2の空間光変調器との間に配
置された偏光回転手段を備えていることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しこの発明の実
施形態について説明する。なお、以下では、簡単のため
に光の場をスカラー量として取り扱う。図1は、光の回
折を示す概略図である。図1に示すように、ある平面Σ
内の各点P0でスカラー光電磁場をU(P0)とすると、
任意の点P1でのスカラー光電磁場U(P1)は、Raylei
gh-sommerfeldの理論より、次の式(1)のように表わ
せる。
【0023】
【数1】
【0024】ここで、jは虚数単位、λは光の波長、k
は光の波数で2π/λ、θはP0からP1ヘ伸びるベクト
ルr(→)と平面Σとのなす角、rはベクトルr(→)
の長さであり、積分は平面Σ内で行う。また、U
(P0)、U(P1)共にスカラー光電磁場の複素フェイ
ザー表示である。
【0025】これより、平面Σ内の各点P0でのスカラ
ー光電磁場が決まれば、任意の点でのスカラー光電磁場
が一意的に決まる事がわかる。逆に、何らかの立体構造
物から発せられる光電磁場を模擬的に発生させようとす
るならば、そのスカラー光電磁場U(P1)を発生させ
るような、ある平面内でのU(P0)を式(1)から逆
算し、そのスカラー光電磁場を生成してやればよいこと
がわかる。U(P0)は複素フェイザー表示であるの
で、各点P0において振幅と位相との両方の値を持つ。
すなわち、理想的な立体像表示を行うためには、振幅と
位相の両方を平面内で変調することが必要である。
【0026】前述のように、液晶を用いて光の強度を変
調する空間光変調器は存在し、計算機ホログラムによる
立体像表示に用いられている。また、これまでは用途が
限定され、あまり頻繁には用いられていないが、同じく
液晶を用いた光の位相を変調する空間光変調器も存在す
る。そこで、本実施形態は、これら両方の空間光変調器
を用いてU(P0)を実現し、これにより立体像を表現
しようとするものである。
【0027】両空間光変調器を用いて振幅と位相を変調
するためには、最も単純には、2つをぴったりと隙間な
く重ね合わせればよい。しかしながら、実際には各変調
器の構造の制約上、ほとんどの場合は隙間なく重ね合わ
せることが難しい。その場合、両空間光変調器の間に適
当な結像光学系を挿入すればよい。
【0028】図2は、本実施形態により光の振幅と位相
を変調するための結像光学系の構成例を示す概略図であ
る。図2における左端の平面Σ’内でU(x,y)なる
スカラー光電磁場でなる光波を、距離fだけ離れた位置
に置かれた焦点距離fのレンズ1と、さらに距離2fだ
け離れた位置に置かれた同じく焦点距離fのレンズ2と
を透過させると、またさらに距離fだけ離れた平面
Σ’’内にて、平面Σ’内での値と等しいスカラー光電
磁場U(x,y)が生成される。これより、平面Σ’内
にて、まず一つの空間光変調器を用いて振幅を変調する
と、平面Σ’’内でこの振幅分布が再生されるので、加
えてこの面内に置いたもう一つの空間光変調器で位相を
変調するということができる。また、逆に、位相を変調
してから振幅を変調してもよい。
【0029】以上で、本実施形態による二段階の空間的
な光変調によって、振幅と位相との双方を変調した光を
発生させ、これにより立体像を模擬的に表現することが
できることが説明された。なお本発明は、もちろん、空
間光変調器や結像光学系の種類に限定されるものではな
い。
【0030】本実施形態では、液晶を用いたものが一般
的であるために空間光変調器を例として用いたが、光の
振幅を変調するものと位相を変調するものであれば、他
の物理原理を用いた素子を用いてもよい。また、図2に
示した結像光学系もほんの一例であり、カメラや望遠鏡
などに代表されるように、結像光学系は多種多様であ
る。例えば、図2に示す二つのレンズは同じ焦点距離を
持つものを想定しているが、これは異なっていてもよ
い。ただし、その場合は平面Σ’内での光電磁場分布は
平面Σ’’内では拡大または縮小されること考慮して表
示装置の設計を行う。この点を考慮すれば、どんな結像
光学系でも利用可能である。
【0031】ここで、従来の計算機ホログラムによる立
体像表示と、本実施形態の方法との比較を行う。図3
は、点光源を表示する場合において、従来技術の方法と
本実施形態の方法との違いを示す概略図である。また、
この図3は、最も単純な像である点光源を一つ表示する
場合を例にとって示している。図3において、符号3
は、座標(X1,Y1,Z1)に位置する点光源であり、
このような点光源3を表示する場合、次の式(2)で表
わすスカラー光電磁場を生成することを目的とする。
【0032】
【数2】
【0033】ただし、Aは任意複素数であり、また、r
は次の式(3)で表わされる。
【0034】
【数3】
【0035】従来の計算機ホログラムを用いる方式で
は、例えば、次の式(4)のように振幅透過率を変調し
た空間光変調器をZ=Z0におき、これに左側から平面
波4を照射すればよい。
【0036】
【数4】
【0037】ここで、r0は、次の式(5)で表わされ
る。
【0038】
【数5】
【0039】また、式(4)は、振幅透過率の最大が1
00%になるように規格化されている。式(4)を見る
と、単純計算で、cosの項から透過率は全体で半分近
くまで下がってしまうことが予測される。また、透過し
た光は全て式(2)の光を生成するわけではなく、その
まま直進する光の成分もできるので、光の利用効率はさ
らに半分近くになる。
【0040】一方、本実施形態の方式の場合は、光振幅
を式(6)のように変調する。
【0041】
【数6】
【0042】また、本実施形態の方式の場合は、光位相
を式(7)のように変調する。
【0043】
【数7】
【0044】ただし、mod(a,b)は、aをbで割
ったときの剰余とする。また、ここでも最大振幅透過率
を100%に規格化している。透過率を考える場合には
式(7)式は関係なく、式(6)には式(4)のような
振動項は含まれてないため、100%に近い透過率が得
られることが分かる。また、振幅・位相変調後は、全て
の光が式(2)の点光源を表示するための光電磁場とな
っており、従来方式のような他の成分は理論的には存在
しない。以上より、本実施形態の方式では、光エネルギ
ーの利用効率が従来方式よりも高く、また、従来技術に
おいて問題であったノイズ成分を非常に小さくすること
ができることが分かる。
【0045】図4は、本実施形態による立体像表示装置
の光学系の構成を示す模式図(断面図)である。図4に
示す立体像表示装置は、偏光ビームスプリッタ6と、空
間光変調器7(液晶装置)と、レンズ21(光学結像手
段)と、λ/2板9(偏光回転手段)と、レンズ22
(光学結像手段)と、ビームスプリッタ10と、空間光
変調器8(液晶装置)とから構成されている。
【0046】なお、ここでは、空間光変調器7と8とは
互いに全く同じものを用いている。これら空間光変調器
7および8としては、元々は光の振幅(あるいは強度)
を変調する目的で作製された液晶素子を用いた液晶空間
光変調器である。これら空間光変調器7および8の変調
面は、縦方向および横方向に区切られている。そして、
その個々の区切りを画素と呼び、各画素の液晶はそれぞ
れに印加される電圧に応じて複屈折する。
【0047】図4の左上から、光電界が紙面に垂直な偏
向の平面波状のレーザ光5を偏光ビームスプリッタ6に
入射すると、そのほぼ100%が反射されて上の空間光
変調器7へと入射する。この空間光変調器7は、通常の
液晶に電気信号が加えられてない状態では複屈折がな
く、入射された光はそのままの偏光で反射され、偏光ビ
ームスプリッタ6に戻る。このため、この偏光ビームス
プリッタ6ではその100%が反射されて入射光の方向
へ戻る。しかし、液晶に電気信号が加えられると複屈折
が誘起されて楕円偏光となり、偏光ビームスプリッタで
反射されずに透過し、図の下方向(レンズ21の方向)
へ進む成分ができる。
【0048】上記のように、電気信号によって光の強度
(あるいは振幅)が空間的に変調される。振幅変調され
た光は、2枚のレンズ21および22(結像光学系、光
学結像手段)を透過して空間光変調器8の面内で再生さ
れる。ただし、その途中のレンズ21とレンズ22との
間で、λ/2板9によって偏光を回転させ、空間光変調
器8の複屈折の主軸方向に合わせるようにする。
【0049】光は、空間光変調器8に入射する前にビー
ムスプリッタ10も透過するが、このピームスプリッタ10
は前記のものとは異なって偏光に依存しないもので、偏
光はそのままで空間光変調器8に入射する。空間光変調
器8は、空間光変調器7と基本的に同じ構造のものであ
るが、複屈折の主軸に合わせて光が入射するために偏光
は回転せず、単に光路長を変調する、すなわち位相を変
調する作用を有する。これにより、空間光変調器8から
反射され、さらにビームスプリッタ10で右方向へ反射さ
れる光は振幅と位相の双方が変調されたものとなり、立
体像を表現する光11となる。
【0050】上記のような装置を試作し、100個の光
源からなるボール状の立体構造物を、空間光変調器8か
ら奥に20mm(ミリメートル)離れた位置に表示する
ように計算した光波面の振幅を空間光変調器7に、位相
を空間光変調器8に与えたところ、空間光変調器8の反
射光に、目的としたボール状の立体構造物を観測するこ
とができた。従来の振幅空間光変調器にホログラムを表
示する方式では平面波状の背景が強く、直接目で立体像
が表示されているのを観測するのは困難であったが、本
実施形態の試作品を用いた場合には問題なく観測するこ
とができた。
【0051】次に、上記実施形態による立体像表示の原
理等について、補足的な説明を行う。図5は、空間内に
置かれた立体物を人間の目によって観測する場合の状況
を示す概略図である。図5に示すように、立体物に照明
があてられ、立体物から反射した光の空間内における光
電磁場を人間の目で検知することによってこの観測が行
われる。ここで、この空間の光電磁場ψ(x,y,z)
を式(8)のように表わすこととする。つまり、A
(x,y,z)が光の振幅であり、φ(x,y,z)が
位相である。
【0052】
【数8】
【0053】図5に曲線で示している等位相面は、上記
の光電磁場において位相φ(x,y,z)が一定となる
点が形成する面である。
【0054】人間が立体物の表面から発せられる光を観
測して、その立体物を認知する。この際、人間が観測す
る位置を変えると、同じ物体であっても前面が見えたり
側面が見えたり見え方が変わり、これによって観測対象
が立体物であると認知できる。このように見え方が変わ
るのは、同じ物体から発せられた光であっても、観測位
置によって異なる成分の光が観測されるからである。
【0055】従って、これら振幅及び位相の両方を考慮
して、全ての成分に関して立体物から発せられる光と全
く同じ光の像を発生させることにより、実際には立体物
が存在していなくても、あたかも存在するかのように感
じる立体像を表示することが可能となる。そして、この
とき、観測者が観測する位置を変えることにより、実際
に立体物が存在しているときのように、その見え方も変
わることとなる。
【0056】図6は、上記の性質を利用して平面上に立
体像を表示させるための原理を示す概略図である。図6
に示す状況では、立体物は実際には存在していない。ま
た、そして、z=z0で表わされる平面をΣと呼ぶ。
【0057】ここでは、平面Σ上での光電磁場ψ(x,
y,z0)をU(P0)と書く(z0は一定)。このU
(P0)が決まれば、式(1)より、平面Σより右側の
光電磁場は一意に決まることがわかる。つまり、この平
面Σ内のみで光の合成を行えば、平面Σの右側の観測者
までの間の空間では光電磁場分布は自動的に決まる。従
って、この平面Σ内でU(P0)なる光電磁場分布を生
成することができれば、あたかも立体物が存在している
かのように観測者に見せることが可能となる。
【0058】上記の光電磁場U(P0)を生成するた
め、従来技術のホログラフィー方式では、強度変調型の
空間光変調器によって、平面波を式(9)のように強度
変調するようにしていた。但し、強度は正の実数である
ので、式(9)の値が負にならないように、任意実定数
Cの大きさを調整する。
【0059】
【数9】
【0060】この場合は、強度変調のみでU(P0)を
発生させることができるが、変換効率が悪く、SN比も
悪いという問題がある。
【0061】そこで本発明の前記実施形態では、強度変
調型の空間光変調器に加えて、位相変調型の空間光変調
器を用いることとした。つまり、式(8)から、次の式
(10)の関係が得られる。
【0062】
【数10】
【0063】つまり、図6において平面Σの左側から入
射する平面波を、強度A(x,y,z02、かつ位相−
φ(x,y,z0)となるように平面Σにおいて変調す
ることにより、光電磁場U(P0)を発生させることが
できる。なお、光の強度は振幅の2乗である。
【0064】一平面内で、2つの空間光変調器を用い
て、強度と位相の両方を変調するための装置構成とし
て、図7に示すような構成が考えられる。図6に示す構
成では、2つの液晶空間光変調器を用いており、これら
のうち一方が強度変調用であり、もう一方が位相変調用
である。
【0065】しかしながら、図7にも示すように、液晶
空間光変調器は、液晶をガラス板などで挟持する構造に
なっていることが多い。また、強度変調用の液晶空間光
変調器にはさらに偏光板がついていることが多い。この
ため、実際に変調が起こる液晶面同士をぴったりと接触
させることは難しく、厳密に一平面内で光の強度と位相
の両方を変調させることは難しい。そこで、前記の実施
形態において説明したように、図4にも示したようなレ
ンズを用いて構成した立体像表示装置が望ましい。
【0066】以上、図面を参照してこの発明の実施形態
およびその原理を詳述してきたが、具体的な構成はこの
実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸
脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、光の強度を変調する2次元空間光変調器と、光の位
相を変調する2次元空間位相変調器の、2つの空間光変
調器を用いて、光の強度と位相の双方を変調することに
より、従来の空間光変調器によって光の強度のみを変調
して立体像を表示する方式よりも、光エネルギーの利用
効率が飛躍的に高く、またノイズの少ない立体像表示を
行うことが可能となる。従って、立体像の観測がしやす
くなり、光源であるレーザもパワーの小さい安価なもの
を利用することができる。また、これによって、装置全
体も小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光の回折を示す概略図である。
【図2】 この発明の一実施形態により、光の振幅と位
相を変調するための結像光学系の構成例を示す概略図で
ある。
【図3】 点光源を表示する場合において、従来技術の
方法と本発明の実施形態の方法との違いを示す概略図で
ある。
【図4】 本発明の一実施形態による立体像表示装置の
光学系の構成を示す模式図(断面図)である。
【図5】 観測者が立体物を観測する際の原理を示す概
略図である。
【図6】 図5に示す原理に基づいて、立体像の表示を
実現するための原理を示す概略図である。
【図7】 2つの液晶空間光変調器を用いて光の強度変
調と位相変調の両方を行うための装置構成の一例を示す
概略図である。
【符号の説明】
1,2 レンズ 3 点光源 4 平面波 5 平面波状のレーザ光 6 偏光ビームスプリッタ 7 空間光変調器 8 空間光変調器 9 λ/2板 10 ビームスプリッタ 11 立体像を表示する光 21,22 レンズ
フロントページの続き (72)発明者 笹浦 正弘 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 栗原 隆 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2H059 AA26 5C061 AA06 AB11 AB16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立体像を表示する方法であって、 光の強度を変調する2次元空間光変調器と光の位相を変
    調する2次元空間位相変調器とを用いて、光の強度と位
    相の双方を変調することを特徴とする立体像表示方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の立体像表示方法であっ
    て、 2つの空間光変調器を用いて、 平面波の光を、前記2つの空間光変調器のうちの一方に
    よって、第1の平面内で強度または位相変調し、変調さ
    れた光を、結像光学系に導入し、これによって前記第1
    の平面内で変調された光を別の第2の平面内で再生し、
    この第2の平面内にてもう一方の空間光変調器で位相ま
    たは強度変調することにより、光の位相と強度の双方を
    変調することを特徴とする立体像表示方法。
  3. 【請求項3】 光の強度を変調する第1の空間光変調器
    と、 光の位相を変調する第2の空間光変調器とを備えてお
    り、 平面波の光を、前記第1の空間光変調器によって強度変
    調するとともに、前記第2の空間光変調器によって位相
    変調することを特徴とする立体像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の空間光変調器と前記第2の空
    間光変調器との間に配置された光学結像手段を備えてい
    ることを特徴とする請求項3に記載の立体像表示装置。
  5. 【請求項5】 前記光学結像手段は、レンズを用いて構
    成されることを特徴とする請求項4に記載の立体像表示
    装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の空間光変調器は、 印加される電気信号に応じて可変な偏向角によって入射
    光の偏光を変えて反射光として出力する液晶装置と、 光の偏向角に応じて透過率が変わる偏光ビームスプリッ
    タとを用いて構成されるものであることを特徴とする請
    求項3から5までのいずれかに記載の立体像表示装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の空間光変調器は、印加される
    電気信号に応じて光路長を可変とすることによって、入
    射光の位相を変えて反射光として出力する液晶装置を用
    いて構成されるものであることを特徴とする請求項3か
    ら6までのいずれかに記載の立体像表示装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の空間光変調器側からの光を前
    記第2の空間光変調器側へ仕向けるとともに、前記第2
    の空間光変調器からの反射光を出力側へ仕向けるビーム
    スプリッタを備えていることを特徴とする請求項7に記
    載の立体像表示装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の空間光変調器と前記第2の空
    間光変調器との間に配置された偏光回転手段を備えてい
    ることを特徴とする請求項3から8までのいずれかに記
    載の立体像表示装置。
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