JP2003014346A - オーガ式製氷機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストッカの底部中央に対して冷凍ケーシング
がずれて配設されたものにおいて、該ストッカ内に圧縮
氷を均一に貯留する。 【解決手段】 押圧頭４４は、円筒状本体４４ａの外周
面に、周方向の幅寸法が大きな第１の固定刃４４ｂと、
周方向の幅寸法が小さな第２の固定刃４４ｃとが、周方
向に離間して交互に設けられる。円筒状本体４４ａの外
壁面と冷凍ケーシング１０の内壁面および隣り合う固定
刃４４ｂ,４４ｃとの間に、圧縮通路２０を画成してい
る。押圧頭４４は、第１の固定刃４４ｂがストッカ３０
の前側を向く姿勢で冷凍ケーシング１０に対して位置決
め固定される。この状態において、中心線Ｌより貯氷容
量の大きな領域Ａ側を向く圧縮通路２０の開口総面積
が、貯氷容量の小さな領域Ｂを向く圧縮通路２０の開口
総面積より大きくなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、冷凍ケーシング
の内壁面に氷結させた氷をオーガスクリューで削り取り
つつ上方に移送し、得られたフレーク状氷を圧縮して所
定寸法の圧縮氷を製造するよう構成したオーガ式製氷機
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より喫茶店やレストラン等の厨房で
は、所要形状の氷塊を製造する製氷機が、その用途や目
的に応じて好適に使用されており、そのなかに、チップ
氷やフレーク氷と云った小片状の氷塊を連続的に製造す
るオーガ式製氷機がある。このオーガ式製氷機は、図４
に示す如く、円筒状の冷凍ケーシング１０の外周に、冷
凍機構(図示せず)に連通する蒸発器１２が密着的に巻回
され、製氷運転時に冷媒を該蒸発器１２に循環させるこ
とにより、冷凍ケーシング１０を強制冷却するよう構成
される。また、冷凍ケーシング１０には図示しない製氷
水タンクから製氷水が所定レベルで供給され、製氷運転
が開始されて冷凍ケーシング１０が強制冷却されること
で、製氷水がケーシング内壁面から徐々に氷結を始め、
層状の薄氷が形成されるようになっている。

【０００３】前記冷凍ケーシング１０の内部にはオーガ
スクリュー１４が内挿され、その下軸部１４ａが、冷凍
ケーシング１０の下部に配設した下軸受１６により回転
可能に支持されると共に、上軸部１４ｂが、冷凍ケーシ
ング１０の上部内側に配設された押圧頭１８に回転可能
に支持されている。またオーガスクリュー１４には、冷
凍ケーシング１０の内径より僅かに小さい外径の削切刃
１４ｃが螺旋状に形成され、該ケーシング１０の内壁面
に氷結する薄氷を、前記削切刃１４ｃで削り取りつつ上
方に移送するよう構成される。

【０００４】前記オーガスクリュー１４の上軸部１４ｂ
を回転可能に支持する前記押圧頭１８は、図５に示す如
く、円筒状本体１８ａの外周面に、複数の固定刃１８ｂ
が周方向に離間して放射状に設けられ、円筒状本体１８
ａの外壁面と冷凍ケーシング１０の内壁面との間に、周
方向に離間して複数の圧縮通路２０を画成している。す
なわち、前記オーガスクリュー１４により削り取られつ
つ上方に移送されるフレーク状氷が、各圧縮通路２０に
押込まれることで圧縮されて水分が除去されることで、
該圧縮通路２０の断面寸法で連続する圧縮氷が製造され
る。また押圧頭１８の上端部には、圧縮通路２０から上
方に押上げられる圧縮氷を所定寸法毎に折断する氷折部
２２が設けられている。そして、得られた所定寸法の圧
縮氷が、前記冷凍ケーシング１０の上部に配設されたス
トッカ２４に放出されて貯留されるようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記オーガ式製氷機で
は、冷凍機構を構成する圧縮機や凝縮器等を配設する関
係で、前記ストッカ２４の底部中央に対してずれた位置
に冷凍ケーシング１０を配設する場合がある。このよう
な仕様においては、前記押圧頭１８から圧縮氷が全周に
亘って均等に放出されると、底部中央を挟んで冷凍ケー
シング１０の配設位置とは反対側には圧縮氷が貯留され
難く、従ってストッカ内には全体として均一に圧縮氷が
貯留されなくなる。この場合において、オーガ式製氷機
ではストッカ２４内に貯氷検知センサを配設し、該セン
サによる圧縮氷の検知状態に応じて製氷機の運転・停止
を制御しているが、圧縮氷が均一に貯留されない状況で
は貯氷検知センサの配設位置によっては、該センサによ
る圧縮氷の正確な検知が行なわれず、製氷機が効率的に
運転されなくなるおそれがある。

【０００６】

【発明の目的】本発明は、前述した従来の技術に係るオ
ーガ式製氷機に内在している前記欠点に鑑み、これを好
適に解決するべく提案されたものであって、ストッカの
底部中央に対して冷凍ケーシングがずれて配設されたも
のにおいて、該ストッカ内に圧縮氷を均一に貯留し得る
オーガ式製氷機を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、所期
の目的を達成するため、本発明に係るオーガ式製氷機
は、冷凍ケーシングの内部に回転可能に配設され、該ケ
ーシングの内壁面に氷結させた氷を削り取りつつ上方に
移送するオーガスクリューと、前記冷凍ケーシングの上
部内側に配設されてオーガスクリューにより上方に移送
されるフレーク状氷を圧縮する押圧頭と、前記冷凍ケー
シングの上部に配設されて押圧頭から放出される圧縮氷
を貯留するストッカとから構成したオーガ式製氷機にお
いて、前記冷凍ケーシングは、前記ストッカの底部中央
からずれて配設されて、該ストッカには冷凍ケーシング
の配設位置に対して貯氷容量の大きな領域と小さな領域
とが画成され、前記押圧頭は、周方向に離間する複数の
固定刃により、前記オーガスクリューにより移送される
フレーク状氷を圧縮しつつ上方に案内する複数の圧縮通
路を周方向に離間して画成し、前記ストッカにおける貯
氷容量の大きな領域を向く前記圧縮通路の開口総面積
が、貯氷容量の小さな領域を向く圧縮通路の開口総面積
より大きくなる姿勢で、前記押圧頭を冷凍ケーシングに
位置決めするよう構成したことを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に、本発明に係るオーガ式製氷
機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しな
がら以下説明する。なお、オーガ式製氷機の基本構成
は、図４を参照して従来の技術の項で説明した通りであ
るので、同一部材には同じ符号を付して詳細説明は省略
する。

【０００９】図１は、実施例に係るオーガ式製氷機にお
ける押圧頭とストッカとの関係を示すものであり、図２
は、実施例に係るオーガ式製氷機の概略構造を示すもの
である。すなわち図２に示す如く、製氷機本体２６の下
部側に機械室２８が画成されると共に、該機械室２８の
上方にストッカ３０が設けられており、前記機械室２８
の内部に配設された製氷ユニット３２によって圧縮氷が
製造されてストッカ３０内に貯留されるようになってい
る。製氷ユニット３２は、凝縮器３４および圧縮機３６
等からなる冷凍機構３８と、該圧縮機３６の後方に配置
された製氷機構４０および製氷水タンク４２等から基本
的に構成される。

【００１０】前記製氷機構４０は、前述したオーガ式の
ものであって、前記冷凍機構３８から導出する蒸発器１
２が外周に巻回された冷凍ケーシング１０、該ケーシン
グ１０の内部に回転可能に配設されたオーガスクリュー
１４および冷凍ケーシング１０の上部内側に配設されて
フレーク状氷を圧縮する押圧頭４４等で構成される。そ
して、前記冷凍ケーシング１０は、その上端部が前記ス
トッカ３０の底部３０ｂの中央Ｃ₁から後方にずれた位
置において、ストッカ３０内に連通する貫通状態で配設
され、これによってストッカ３０内には、冷凍ケーシン
グ１０の配設位置を挟んで前側(後述する氷取出口側)に
貯氷容量の大きな領域Ａが画成されると共に、後側に貯
氷容量の小さな領域Ｂが画成される(図１参照)。

【００１１】前記ストッカ３０における底部中央Ｃ₁を
挟んで冷凍ケーシング１０の配設位置とは反対側に臨む
前壁３０ａに氷取出口４６が開設され、該取出口４６は
扉４８により開閉可能に閉成されるようになっている。
またストッカ３０の内部には、圧縮氷を検知可能な貯氷
検知センサ５０が配設されており、該センサ５０が圧縮
氷を検知した際に圧縮氷が満杯状態になったと判断して
製氷ユニット３２の運転を停止すると共に、該センサ５
０が圧縮氷を検知しなくなると製氷ユニット３２の運転
を再開させる制御を行なうよう設定されている。

【００１２】前記押圧頭４４は、図３に示す如く、円筒
状本体４４ａの外周面に、周方向の幅寸法が大きな第１
の固定刃４４ｂと、周方向の幅寸法が小さな第２の固定
刃４４ｃとが、周方向に離間して交互に設けられ、円筒
状本体４４ａの外壁面と冷凍ケーシング１０の内壁面お
よび隣り合う固定刃４４ｂ,４４ｃとの間に圧縮通路２
０を画成している。そして実施例においては、周方向に
離間して６つの圧縮通路２０が画成され、各圧縮通路２
０から圧縮氷が前記ストッカ３０内に放出されるように
なっている。

【００１３】前記押圧頭４４は、図１に示す如く、適宜
位置の第１の固定刃４４ｂがストッカ３０の前側を向く
姿勢で冷凍ケーシング１０に対して位置決め固定されて
いる。この状態において、ストッカ３０の底部中央Ｃ₁
と押圧頭４４の軸心Ｃ₂とを通る線分Ｍに対して、該軸
心Ｃ₂を通って線分Ｍと直交する中心線Ｌを基準とする
と、該中心線Ｌより貯氷容量の大きな領域Ａ側を向く前
記圧縮通路２０の開口総面積が、貯氷容量の小さな領域
Ｂを向く圧縮通路２０の開口総面積より大きくなってい
る。更に具体的に説明すれば、前側を向く第１の固定刃
４４ｂを挟む両側の圧縮通路２０,２０は完全に大きな
領域Ａを向いており、またストッカ３０の側方を向いて
いる２つの圧縮通路２０,２０においては、前記中心線
Ｌを挟んで大きな領域Ａ側を向く開口面積が大きくなっ
ている。従って、ストッカ３０における貯氷容量の大き
な領域Ａを向く側の圧縮通路２０の開口総面積が大きく
なるものである。なお、実施例では中心線Ｌを挟んで前
側が大きな領域Ａ、後側が小さな領域Ｂとなる。

【００１４】

【実施例の作用】次に、実施例に係るオーガ式製氷機の
作用につき、以下に説明する。オーガ式製氷機において
製氷運転が開始されると、前記冷凍ケーシング１０は蒸
発器１２内を循環する冷媒と熱交換を行なって強制冷却
され、前記製氷水タンク４２から冷凍ケーシング１０に
供給される製氷水は、ケーシング内壁面から徐々に氷結
を始め、層状の薄氷が形成される。冷凍ケーシング１０
の内部に配設した前記オーガスクリュー１４が回転駆動
されると、該スクリュー１４の削切刃１４ｃにより薄氷
が削り取られつつ上方に移送される。

【００１５】前記オーガスクリュー１４により移送され
るフレーク状氷は、冷凍ケーシング１０の上部内側に配
設した前記押圧頭４４で画成される各圧縮通路２０に押
込まれることで圧縮される。そして、各圧縮通路２０か
ら上方に押上げられた圧縮氷は、前記氷折部２２によっ
て所定寸法毎に折断されて、前記ストッカ３０内に放出
される。この場合に、ストッカ３０に画成される貯氷容
量の大きな領域Ａを向く圧縮通路２０の開口総面積が、
貯氷容量の小さな領域Ｂを向く圧縮通路２０の開口総面
積より大きくなるよう設定されているから、該大きな領
域Ａにより多くの圧縮氷が放出される。すなわち、前記
冷凍ケーシンク１０の配設位置がストッカ３０の底部中
央Ｃ₁からずれていても、ストッカ３０内には全体とし
て圧縮氷が均一に貯留される。従って、ストッカ３０内
に圧縮氷が偏って貯留されることに起因して、貯留状態
に応じて前記貯氷検知センサ５０が圧縮氷を正確に検知
できず、製氷機が効率的に運転されなくなるのは防止さ
れる。

【００１６】前記押圧頭に設けられる固定刃の幅寸法や
数および圧縮通路の数等は、実施例に示すものに限定さ
れるものではない。また、冷凍ケーシングに対する押圧
頭の位置決め姿勢に関しては、固定刃の幅寸法や数およ
び圧縮通路の数等に応じて変わるものであって、実施例
のように第１の固定刃が前側を向くものに限られず、ス
トッカにおける貯氷容量の大きな領域を向く圧縮通路の
開口総面積が、貯氷容量の小さな領域を向く圧縮通路の
開口総面積より大きくなっていればよい。

【００１７】

【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係るオー
ガ式製氷機では、ストッカの底部中央に対して冷凍ケー
シングがずれて配設されていても、ストッカ内に圧縮氷
を均一に貯留させることができる。従って、圧縮氷の貯
留状態に応じて製氷機を運転制御する貯氷検知センサ等
による効率的な運転が達成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の好適な実施例に係るオーガ式製氷機
の押圧頭とストッカとの関係を示す説明図である。

【図２】 実施例に係るオーガ式製氷機の概略構成図で
ある。

【図３】 実施例に係る冷凍ケーシングに配設された状
態の押圧頭を示す横断平面図である。

【図４】 従来の技術に係るオーガ式製氷機を示す縦断
側面図である。

【図５】 従来の技術に係る冷凍ケーシングに配設され
た状態の押圧頭を示す横断平面図である。

【符号の説明】

１０ 冷凍ケーシング，１４ オーガスクリュー，２０
圧縮通路 ３０ ストッカ，４４ 押圧頭，４４ｂ 第１の固定刃，
４４ｃ 第２の固定刃 Ａ 貯氷容量の大きな領域，Ｂ 貯氷容量の小さな領域， Ｃ₁ ストッカの底部中央

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷凍ケーシング(10)の内部に回転可能に
   配設され、該ケーシング(10)の内壁面に氷結させた氷を
   削り取りつつ上方に移送するオーガスクリュー(14)と、
   前記冷凍ケーシング(10)の上部内側に配設されてオーガ
   スクリュー(14)により上方に移送されるフレーク状氷を
   圧縮する押圧頭(44)と、前記冷凍ケーシング(10)の上部
   に配設されて押圧頭(44)から放出される圧縮氷を貯留す
   るストッカ(30)とから構成したオーガ式製氷機におい
   て、 前記冷凍ケーシング(10)は、前記ストッカ(30)の底部中
   央(C₁)からずれて配設されて、該ストッカ(30)には冷凍
   ケーシング(10)の配設位置に対して貯氷容量の大きな領
   域(A)と小さな領域(B)とが画成され、 前記押圧頭(44)は、周方向に離間する複数の固定刃(44
   b,44c)により、前記オーガスクリュー(14)により移送さ
   れるフレーク状氷を圧縮しつつ上方に案内する複数の圧
   縮通路(20)を周方向に離間して画成し、 前記ストッカ(30)における貯氷容量の大きな領域(A)を
   向く前記圧縮通路(20)の開口総面積が、貯氷容量の小さ
   な領域(B)を向く圧縮通路(20)の開口総面積より大きく
   なる姿勢で、前記押圧頭(44)を冷凍ケーシング(10)に位
   置決めするよう構成したことを特徴とするオーガ式製氷
   機。
2. 【請求項２】 前記押圧頭(44)には、周方向の幅寸法が
   大きな固定刃(44b)と小さな固定刃(44c)とが周方向に交
   互に設けられると共に、前記全ての圧縮通路(20)の断面
   寸法は同一に設定されている請求項１記載のオーガ式製
   氷機。