JP2003013748A - 可変静翼装置とその制御方法 - Google Patents
可変静翼装置とその制御方法Info
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- JP2003013748A JP2003013748A JP2001200286A JP2001200286A JP2003013748A JP 2003013748 A JP2003013748 A JP 2003013748A JP 2001200286 A JP2001200286 A JP 2001200286A JP 2001200286 A JP2001200286 A JP 2001200286A JP 2003013748 A JP2003013748 A JP 2003013748A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 エンジンの使用中に、翼列の特性が当初の健
全な状況から変化した場合でも、エンジンの効率を高く
維持し、かつ剥離やサージングを抑制することができる
可変静翼装置とその制御方法を提供する。 【解決手段】 ジェットエンジン用軸流圧縮機の可変静
翼装置であって、可変静翼前後の静圧を検出する静圧計
測センサー12と、可変静翼を駆動するVSV駆動アク
チュエータ14と、VSV駆動アクチュエータを制御す
る制御装置16とを備え、静圧データとジェットエンジ
ンの運転データから、翼列特性が変化したか否かを判別
し、翼列特性が変化した場合には、事前に入力されたデ
ータベースとの照合を行い、翼列特性変化後においてサ
ージ余裕と作動効率が最適となるVSVスケジュールに
変更する。
全な状況から変化した場合でも、エンジンの効率を高く
維持し、かつ剥離やサージングを抑制することができる
可変静翼装置とその制御方法を提供する。 【解決手段】 ジェットエンジン用軸流圧縮機の可変静
翼装置であって、可変静翼前後の静圧を検出する静圧計
測センサー12と、可変静翼を駆動するVSV駆動アク
チュエータ14と、VSV駆動アクチュエータを制御す
る制御装置16とを備え、静圧データとジェットエンジ
ンの運転データから、翼列特性が変化したか否かを判別
し、翼列特性が変化した場合には、事前に入力されたデ
ータベースとの照合を行い、翼列特性変化後においてサ
ージ余裕と作動効率が最適となるVSVスケジュールに
変更する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの使用中
に、翼列の特性が当初の健全な状況から変化した場合で
も、エンジン効率を維持し、かつ剥離やサージングを抑
制する可変静翼装置とその制御方法に関する。
に、翼列の特性が当初の健全な状況から変化した場合で
も、エンジン効率を維持し、かつ剥離やサージングを抑
制する可変静翼装置とその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジェットエンジン等の軸流圧縮機におけ
る翼列では、図3に模式的に示すように、流れは、翼列
を通過する間に、流入速度V1から流出速度V2まで減速
し、その間流入角β1から流出角β2まで方向を変える。
流入速度が翼弦となす角度αは迎え角と呼ばれる。ま
た、翼列に対する流入速度V1は、流入空気の軸方向速
度Vzと翼列の周方向速度とのベクトル和であり、周方
向速度が同一の場合でも、軸方向速度Vzが小さいほど
翼列に対する迎え角αが大きくなる。
る翼列では、図3に模式的に示すように、流れは、翼列
を通過する間に、流入速度V1から流出速度V2まで減速
し、その間流入角β1から流出角β2まで方向を変える。
流入速度が翼弦となす角度αは迎え角と呼ばれる。ま
た、翼列に対する流入速度V1は、流入空気の軸方向速
度Vzと翼列の周方向速度とのベクトル和であり、周方
向速度が同一の場合でも、軸方向速度Vzが小さいほど
翼列に対する迎え角αが大きくなる。
【0003】航空機用ジェットエンジンでは、飛行状態
によって動翼列の周方向速度ばかりでなく、流入空気の
軸方向速度Vzも大きく変動する。そのため、迎え角α
の増大による流れの剥離やこれに起因するサージングを
防ぐために、図4に模式的に示すように、1段目に可変
入口静翼(Variable Inlet Guide
Vane: VIGV)や、その後方の数段に可変静
翼(VariableStatic Vane: VS
V)を付けて、空気流の動翼列に対する迎え角αを適正
範囲に調節する場合がある。
によって動翼列の周方向速度ばかりでなく、流入空気の
軸方向速度Vzも大きく変動する。そのため、迎え角α
の増大による流れの剥離やこれに起因するサージングを
防ぐために、図4に模式的に示すように、1段目に可変
入口静翼(Variable Inlet Guide
Vane: VIGV)や、その後方の数段に可変静
翼(VariableStatic Vane: VS
V)を付けて、空気流の動翼列に対する迎え角αを適正
範囲に調節する場合がある。
【0004】すなわち、可変入口静翼や可変静翼(以
下、可変静翼装置)では、静翼列を構成する各静翼1
と、エンジンを囲むリング2が一定の長さのアーム3
(取付角可変アーム)で連結されており、リング2を周
方向に移動してアーム3を介して各静翼1を揺動させる
ようになっている。上述した従来の可変静翼装置によ
り、動翼列に対する空気流の迎え角αを常に適正範囲に
調節して、エンジンの効率を維持し、かつ剥離やサージ
ングを抑制することができる。なお、かかる可変静翼装
置は、米国特許第5,308,226号、同第5,59
3,275号等に提案されている。
下、可変静翼装置)では、静翼列を構成する各静翼1
と、エンジンを囲むリング2が一定の長さのアーム3
(取付角可変アーム)で連結されており、リング2を周
方向に移動してアーム3を介して各静翼1を揺動させる
ようになっている。上述した従来の可変静翼装置によ
り、動翼列に対する空気流の迎え角αを常に適正範囲に
調節して、エンジンの効率を維持し、かつ剥離やサージ
ングを抑制することができる。なお、かかる可変静翼装
置は、米国特許第5,308,226号、同第5,59
3,275号等に提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
軸流圧縮機では、低回転から高回転までの幅広い作動域
で性能を最適化して、十分なサージ余裕と高効率を確保
するために可変静翼機構(VSV)を用いている。ま
た、この可変静翼機構の運転は、各回転速度毎に、そこ
での性能が最適化されるように設定されていた。なお、
かかる回転速度と可変静翼の迎え角αとの関係を「VS
Vスケジュール」と呼ぶ。
軸流圧縮機では、低回転から高回転までの幅広い作動域
で性能を最適化して、十分なサージ余裕と高効率を確保
するために可変静翼機構(VSV)を用いている。ま
た、この可変静翼機構の運転は、各回転速度毎に、そこ
での性能が最適化されるように設定されていた。なお、
かかる回転速度と可変静翼の迎え角αとの関係を「VS
Vスケジュール」と呼ぶ。
【0006】VSVスケジュールは、多段圧縮機の各翼
列が損傷や劣化していない健全な状態であることを前提
として設定されており、従来の技術では、このスケジュ
ールは一度設定されるとエンジン運転中には変更できな
い。そのため、エンジンの使用中に、航空機の飛行中に
航空エンジンが異物を吸い込んで翼が損傷したり、強い
乱気流中に突入して軸系が振れてラビング(動翼とケー
シングの接触)を起こし、翼が損傷した場合等では、各
翼列の特性が当初の健全な状況から変化する。この結
果、健全状態時に設定されたVSVスケジュールはもは
や最適な設定でなく、作動効率は悪化し、サージ余裕は
減少する。更に最悪の場合にはサージ余裕がなくなり、
サージに突入してエンジンが停止するおそれがある。
列が損傷や劣化していない健全な状態であることを前提
として設定されており、従来の技術では、このスケジュ
ールは一度設定されるとエンジン運転中には変更できな
い。そのため、エンジンの使用中に、航空機の飛行中に
航空エンジンが異物を吸い込んで翼が損傷したり、強い
乱気流中に突入して軸系が振れてラビング(動翼とケー
シングの接触)を起こし、翼が損傷した場合等では、各
翼列の特性が当初の健全な状況から変化する。この結
果、健全状態時に設定されたVSVスケジュールはもは
や最適な設定でなく、作動効率は悪化し、サージ余裕は
減少する。更に最悪の場合にはサージ余裕がなくなり、
サージに突入してエンジンが停止するおそれがある。
【0007】すなわち、従来のVSVスケジュールは、
エンジン運転中に何らかの理由により各翼列の特性が変
化した場合、最適な設定からずれ、作動効率とサージ余
裕が低下し、最悪の場合にはサージに突入してエンジン
が停止する問題点があった。
エンジン運転中に何らかの理由により各翼列の特性が変
化した場合、最適な設定からずれ、作動効率とサージ余
裕が低下し、最悪の場合にはサージに突入してエンジン
が停止する問題点があった。
【0008】本発明は、かかる問題点を解決するために
創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、エ
ンジンの使用中に、翼列の特性が当初の健全な状況から
変化した場合でも、エンジンの効率を高く維持し、かつ
剥離やサージングを抑制することができる可変静翼装置
とその制御方法を提供することにある。
創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、エ
ンジンの使用中に、翼列の特性が当初の健全な状況から
変化した場合でも、エンジンの効率を高く維持し、かつ
剥離やサージングを抑制することができる可変静翼装置
とその制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ジェッ
トエンジン用軸流圧縮機の可変静翼装置であって、可変
静翼前後の静圧を検出する静圧計測センサー(12)
と、可変静翼を駆動するVSV駆動アクチュエータ(1
4)と、該VSV駆動アクチュエータを制御する制御装
置(16)とを備え、制御装置により、静圧データとジ
ェットエンジンの運転データから翼列特性を検知し、飛
行中に各翼列特性が変化した場合に、変化後の最適なV
SVスケジュールに変更する、ことを特徴とする可変静
翼装置が提供される。
トエンジン用軸流圧縮機の可変静翼装置であって、可変
静翼前後の静圧を検出する静圧計測センサー(12)
と、可変静翼を駆動するVSV駆動アクチュエータ(1
4)と、該VSV駆動アクチュエータを制御する制御装
置(16)とを備え、制御装置により、静圧データとジ
ェットエンジンの運転データから翼列特性を検知し、飛
行中に各翼列特性が変化した場合に、変化後の最適なV
SVスケジュールに変更する、ことを特徴とする可変静
翼装置が提供される。
【0010】また、本発明によれば、(A)ジェットエ
ンジン用軸流圧縮機の可変静翼前後の静圧を検出し、
(B)検出した静圧データとジェットエンジンの運転デ
ータから翼列特性を検知し、(C)飛行中に各翼列特性
が変化した場合に、変化後の最適なVSVスケジュール
に変更する、ことを特徴とする可変静翼装置の制御方法
が提供される。
ンジン用軸流圧縮機の可変静翼前後の静圧を検出し、
(B)検出した静圧データとジェットエンジンの運転デ
ータから翼列特性を検知し、(C)飛行中に各翼列特性
が変化した場合に、変化後の最適なVSVスケジュール
に変更する、ことを特徴とする可変静翼装置の制御方法
が提供される。
【0011】上記本発明の装置及び方法によれば、静圧
計測センサー(12)によりジェットエンジン用軸流圧
縮機の可変静翼前後の静圧を検出し、制御装置(16)
により検出した静圧データとジェットエンジンの運転デ
ータから翼列特性を検知し、飛行中に各翼列特性が変化
した場合に、VSV駆動アクチュエータ(14)により
変化後の最適なVSVスケジュールに変更する。従っ
て、飛行中になんらかの原因で翼列特性の変化が生じて
も、その状況に適応した最適なVSVスケジュールに変
更調整されるため、十分なサージ余裕を保持した安全で
かつ高効率を維持した経済的なエンジン運転を実現でき
る。
計測センサー(12)によりジェットエンジン用軸流圧
縮機の可変静翼前後の静圧を検出し、制御装置(16)
により検出した静圧データとジェットエンジンの運転デ
ータから翼列特性を検知し、飛行中に各翼列特性が変化
した場合に、VSV駆動アクチュエータ(14)により
変化後の最適なVSVスケジュールに変更する。従っ
て、飛行中になんらかの原因で翼列特性の変化が生じて
も、その状況に適応した最適なVSVスケジュールに変
更調整されるため、十分なサージ余裕を保持した安全で
かつ高効率を維持した経済的なエンジン運転を実現でき
る。
【0012】本発明の好ましい実施形態によれば、前記
翼列特性の検知を、軸流圧縮機に装着した静圧計測セン
サーにより、エンジン運転中に常時行い、検知された静
圧データを制御装置に入力し、制御装置により、静圧デ
ータとジェットエンジンの運転データから、翼列特性が
変化したか否かを判別し、翼列特性が変化した場合に
は、事前に入力されたデータベースとの照合を行い、翼
列特性変化後においてサージ余裕と作動効率が最適とな
るVSVスケジュールに変更する。
翼列特性の検知を、軸流圧縮機に装着した静圧計測セン
サーにより、エンジン運転中に常時行い、検知された静
圧データを制御装置に入力し、制御装置により、静圧デ
ータとジェットエンジンの運転データから、翼列特性が
変化したか否かを判別し、翼列特性が変化した場合に
は、事前に入力されたデータベースとの照合を行い、翼
列特性変化後においてサージ余裕と作動効率が最適とな
るVSVスケジュールに変更する。
【0013】この方法により、事前にデータベースを入
力しておくことにより、翼列特性が変化した場合でも、
翼列特性変化後においてサージ余裕と作動効率が最適と
なるVSVスケジュールに変更することができる。
力しておくことにより、翼列特性が変化した場合でも、
翼列特性変化後においてサージ余裕と作動効率が最適と
なるVSVスケジュールに変更することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明の好ましい実施形態に
ついて、図面を参照して説明する。なお、各図におい
て、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明
を省略する。
ついて、図面を参照して説明する。なお、各図におい
て、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明
を省略する。
【0015】図1は、本発明の可変静翼装置を備えた軸
流圧縮機の部分構成図である。この図に示すように、本
発明の可変静翼装置10は、ジェットエンジン用軸流圧
縮機の可変静翼装置であり、可変静翼前後の静圧を検出
する静圧計測センサー12と、可変静翼1を駆動するV
SV駆動アクチュエータ14と、VSV駆動アクチュエ
ータ14を制御する制御装置16とを備える。
流圧縮機の部分構成図である。この図に示すように、本
発明の可変静翼装置10は、ジェットエンジン用軸流圧
縮機の可変静翼装置であり、可変静翼前後の静圧を検出
する静圧計測センサー12と、可変静翼1を駆動するV
SV駆動アクチュエータ14と、VSV駆動アクチュエ
ータ14を制御する制御装置16とを備える。
【0016】静翼1と動翼4は、この例では2つづつ交
互に配置され、それぞれ静翼列と動翼列を構成してい
る。また、この例では、2つの静翼列がすべて可変静翼
1で構成されている。なお、静翼1と動翼4で構成され
る段数は任意であり、1段でも3段以上でもよい。ま
た、静翼列の全てを可変静翼1で構成する必要はなく、
必要に応じて、1段分又は2段分以上とする。
互に配置され、それぞれ静翼列と動翼列を構成してい
る。また、この例では、2つの静翼列がすべて可変静翼
1で構成されている。なお、静翼1と動翼4で構成され
る段数は任意であり、1段でも3段以上でもよい。ま
た、静翼列の全てを可変静翼1で構成する必要はなく、
必要に応じて、1段分又は2段分以上とする。
【0017】静圧計測センサー12は、この例ではそれ
ぞれの可変静翼1の前後(上流側と下流側)に圧縮機ケ
ーシング5に設置されている。静圧計測センサー12
は、静圧を電圧信号に変換する半導体変換素子であるの
がよい。
ぞれの可変静翼1の前後(上流側と下流側)に圧縮機ケ
ーシング5に設置されている。静圧計測センサー12
は、静圧を電圧信号に変換する半導体変換素子であるの
がよい。
【0018】VSV駆動アクチュエータ14(14A,
14B)は、この例では、各可変静翼列にそれぞれ設け
られ、制御装置16により各可変静翼1を任意に揺動さ
せるようになっている。なお、この例ではVSV駆動ア
クチュエータ14を円で模式的に示しているが、図3に
例示した周知の構成のものを適用することができる。
14B)は、この例では、各可変静翼列にそれぞれ設け
られ、制御装置16により各可変静翼1を任意に揺動さ
せるようになっている。なお、この例ではVSV駆動ア
クチュエータ14を円で模式的に示しているが、図3に
例示した周知の構成のものを適用することができる。
【0019】制御装置16は、静圧計測センサー12で
得られた静圧データとジェットエンジンの運転データか
ら翼列特性を検知し、飛行中に各翼列特性が変化した場
合に、変化後の最適なVSVスケジュールに変更するよ
うになっている。
得られた静圧データとジェットエンジンの運転データか
ら翼列特性を検知し、飛行中に各翼列特性が変化した場
合に、変化後の最適なVSVスケジュールに変更するよ
うになっている。
【0020】本発明の制御方法は、上述した可変静翼装
置を用いて、以下のように行う。 (A)先ず、静圧計測センサー12により軸流圧縮機の
可変静翼前後の静圧を検出する。 (B)次いで、検出した静圧データとジェットエンジン
の運転データから翼列特性を検知するこ。 (C)この特性検知により、飛行中に各翼列特性が変化
した場合に、変化後の最適なVSVスケジュールに変更
する。
置を用いて、以下のように行う。 (A)先ず、静圧計測センサー12により軸流圧縮機の
可変静翼前後の静圧を検出する。 (B)次いで、検出した静圧データとジェットエンジン
の運転データから翼列特性を検知するこ。 (C)この特性検知により、飛行中に各翼列特性が変化
した場合に、変化後の最適なVSVスケジュールに変更
する。
【0021】更に、具体的には、翼列特性の検知は、軸
流圧縮機に装着した静圧計測センサー12により、エン
ジン運転中に常時行う。また、検知された静圧データを
制御装置16に入力し、制御装置により、静圧データと
ジェットエンジンの運転データから、翼列特性が変化し
たか否かを判別する。更に、この判別により翼列特性が
変化した場合には、事前に入力されたデータベースとの
照合を行い、翼列特性変化後においてサージ余裕と作動
効率が最適となるVSVスケジュールに変更する。
流圧縮機に装着した静圧計測センサー12により、エン
ジン運転中に常時行う。また、検知された静圧データを
制御装置16に入力し、制御装置により、静圧データと
ジェットエンジンの運転データから、翼列特性が変化し
たか否かを判別する。更に、この判別により翼列特性が
変化した場合には、事前に入力されたデータベースとの
照合を行い、翼列特性変化後においてサージ余裕と作動
効率が最適となるVSVスケジュールに変更する。
【0022】図2は、翼列特性の模式図である。この図
において、横軸は流量、縦軸は効率と圧力を示してい
る。また、図中の太線は正常時の最適設定状態を示し、
細線は翼列特性が劣化した状態を示している。更に図中
の破線はサージラインである。
において、横軸は流量、縦軸は効率と圧力を示してい
る。また、図中の太線は正常時の最適設定状態を示し、
細線は翼列特性が劣化した状態を示している。更に図中
の破線はサージラインである。
【0023】この図において、最適設定状態で最大効率
で運転した軸流圧縮機が何らかの理由で劣化し、細線の
状態になった場合、圧力及び流量が低下して図中のA,
a点からB,b点に特性が変化する。この場合、そのま
ま劣化した翼列特性(細線)上で運転を継続すると、サ
ージラインに近づいており、最悪の場合にはサージ余裕
がなくなり、サージに突入してエンジンが停止するおそ
れがある。
で運転した軸流圧縮機が何らかの理由で劣化し、細線の
状態になった場合、圧力及び流量が低下して図中のA,
a点からB,b点に特性が変化する。この場合、そのま
ま劣化した翼列特性(細線)上で運転を継続すると、サ
ージラインに近づいており、最悪の場合にはサージ余裕
がなくなり、サージに突入してエンジンが停止するおそ
れがある。
【0024】上述した本発明の装置及び方法によれば、
飛行中になんらかの原因で翼列特性の変化が生じても
(例えば、図2で太線から細線に変化しても)、その状
況に適応した最適なVSVスケジュールに変更調整され
るため、十分なサージ余裕を保持した安全でかつ高効率
を維持した経済的なエンジン運転を実現できる。
飛行中になんらかの原因で翼列特性の変化が生じても
(例えば、図2で太線から細線に変化しても)、その状
況に適応した最適なVSVスケジュールに変更調整され
るため、十分なサージ余裕を保持した安全でかつ高効率
を維持した経済的なエンジン運転を実現できる。
【0025】なお、本発明は上述した実施形態及び実施
例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
に変更できることは勿論である。
例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
に変更できることは勿論である。
【0026】
【発明の効果】上述したように本発明は、飛行中に何ら
かの原因により各翼列特性が当初の状況から変化し、当
初設定したVSVスケジュールが最適設定ではなくなっ
た場合に、翼列特性の変化を検知して変化後の最適なV
SVスケジュールを各回転数毎に決め、VSV駆動アク
チュエータを通してそのスケジュールに自動的に変更調
整するシステムである。
かの原因により各翼列特性が当初の状況から変化し、当
初設定したVSVスケジュールが最適設定ではなくなっ
た場合に、翼列特性の変化を検知して変化後の最適なV
SVスケジュールを各回転数毎に決め、VSV駆動アク
チュエータを通してそのスケジュールに自動的に変更調
整するシステムである。
【0027】また、翼列特性の検知は、圧縮機ケーシン
グに装着した静圧計測センサーにより、エンジン運転中
に常時行われる。サンプリング時間は任意だが、目安
は、航空機エンジンでは数秒程度、陸上用や船舶用では
数十秒から数時間が好ましい。検知された静圧データは
制御用コンピュータに送られる。
グに装着した静圧計測センサーにより、エンジン運転中
に常時行われる。サンプリング時間は任意だが、目安
は、航空機エンジンでは数秒程度、陸上用や船舶用では
数十秒から数時間が好ましい。検知された静圧データは
制御用コンピュータに送られる。
【0028】制御装置(制御用コンピュータ)は、送ら
れた静圧データを読み取り、翼列特性が健全な状態か変
化した状態かを判別する。特性が変化した場合には、事
前に入力されたデータベースとの照合を行い、翼列特性
変化後においてサージ余裕と作動効率が最適となるVS
Vスケジュールを決定する。翼列特性変化後の最適なV
SVスケジュールが決定されると、コンピュータからV
SV駆動アクチュエータに信号が送られ、VSVスケジ
ュールの変更がなされる。変更後は、新たな翼列特性の
変化がない限り、変更設定されたスケジュールで運転が
継続される。
れた静圧データを読み取り、翼列特性が健全な状態か変
化した状態かを判別する。特性が変化した場合には、事
前に入力されたデータベースとの照合を行い、翼列特性
変化後においてサージ余裕と作動効率が最適となるVS
Vスケジュールを決定する。翼列特性変化後の最適なV
SVスケジュールが決定されると、コンピュータからV
SV駆動アクチュエータに信号が送られ、VSVスケジ
ュールの変更がなされる。変更後は、新たな翼列特性の
変化がない限り、変更設定されたスケジュールで運転が
継続される。
【0029】従って、飛行中になんらかの原因で翼列特
性の変化が生じても、その状況に適応した最適なVSV
スケジュールに変更調整されるため、十分なサージ余裕
を保持した安全でかつ高効率を維持した経済的なエンジ
ン運転を実現できる。
性の変化が生じても、その状況に適応した最適なVSV
スケジュールに変更調整されるため、十分なサージ余裕
を保持した安全でかつ高効率を維持した経済的なエンジ
ン運転を実現できる。
【図1】本発明の可変静翼装置を備えた軸流圧縮機の部
分構成図である。
分構成図である。
【図2】翼列特性の模式図である。
【図3】翼列まわりの流れの説明図である。
【図4】従来の軸流圧縮機の可変静翼装置の模式的斜視
図である。
図である。
1 静翼、2 リング、3 アーム、4 動翼、5 圧
縮機ケーシング、10 可変静翼装置、12,12A〜
D 静圧計測センサー、14,14A,14B VSV
駆動アクチュエータ、16 制御装置
縮機ケーシング、10 可変静翼装置、12,12A〜
D 静圧計測センサー、14,14A,14B VSV
駆動アクチュエータ、16 制御装置
Claims (3)
- 【請求項1】 ジェットエンジン用軸流圧縮機の可変静
翼装置であって、可変静翼前後の静圧を検出する静圧計
測センサー(12)と、可変静翼を駆動するVSV駆動
アクチュエータ(14)と、該VSV駆動アクチュエー
タを制御する制御装置(16)とを備え、 制御装置により、静圧データとジェットエンジンの運転
データから翼列特性を検知し、飛行中に各翼列特性が変
化した場合に、変化後の最適なVSVスケジュールに変
更する、ことを特徴とする可変静翼装置。 - 【請求項2】 (A)ジェットエンジン用軸流圧縮機の
可変静翼前後の静圧を検出し、(B)検出した静圧デー
タとジェットエンジンの運転データから翼列特性を検知
し、(C)飛行中に各翼列特性が変化した場合に、変化
後の最適なVSVスケジュールに変更する、ことを特徴
とする可変静翼装置の制御方法。 - 【請求項3】 前記翼列特性の検知を、軸流圧縮機に装
着した静圧計測センサーにより、エンジン運転中に常時
行い、検知された静圧データを制御装置に入力し、制御
装置により、静圧データとジェットエンジンの運転デー
タから、翼列特性が変化したか否かを判別し、翼列特性
が変化した場合には、事前に入力されたデータベースと
の照合を行い、翼列特性変化後においてサージ余裕と作
動効率が最適となるVSVスケジュールに変更する、こ
とを特徴とする請求項2に記載の可変静翼装置の制御方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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