JP2003013687A - シールド掘進時における地表面ないしは路盤の変位を測定する方法および路盤変位管理方法ならびに路盤変位管理装置 - Google Patents

シールド掘進時における地表面ないしは路盤の変位を測定する方法および路盤変位管理方法ならびに路盤変位管理装置

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JP2003013687A JP2001196807A JP2001196807A JP2003013687A JP 2003013687 A JP2003013687 A JP 2003013687A JP 2001196807 A JP2001196807 A JP 2001196807A JP 2001196807 A JP2001196807 A JP 2001196807A JP 2003013687 A JP2003013687 A JP 2003013687A
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勉 富沢
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博 保坂
Takaharu Kobayashi
隆治 小林
Tsutomu Hirabayashi
勉 平林
Kenji Okubo
健治 大久保
Katsunoshin Takamura
勝之進 高村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シールド掘進時における地表面ないしは路盤
の変位を、非接触式距離測定器を使って正確に測定する
方法を提供すること。 【解決手段】 シールドトンネル33を構築するに当た
り、シールド掘進路線35に沿い、地上より高い位置
に、複数の固定位置を設け、前記固定位置にそれぞれ非
接触式距離測定器としての光波式測距機44a,44b
を設置し、掘進路線上部の地表面ないしは路盤の近傍に
複数の計測点38を設け、シールドの掘進前,掘進中,
掘進後の任意の時期に、前記光波式測距機44a,44
bにより前記固定位置から計測点38までの距離を測定
し、これらの測定した距離から固定位置と計測点38と
の鉛直距離を演算し、この鉛直距離からシールド掘進に
おける地表面ないし路盤の変位を測定するように構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共用中の鉄道,道
路および滑走路等の路盤の下部にシールドトンネルを構
築するに当たり、地表面ないしは路盤の変位を測定する
方法と、路盤の変位を抑制するためのシールド掘進時に
おける管理方法と、この方法を実施するための路盤変位
管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、共用中の鉄道・道路および滑走
路などの下部の比較的浅い位置にシールドトンネルを構
築するときは、運転車両内の乗客の安全を確保するた
め、路盤の沈下および隆起による路盤変位を出来る限り
小さく抑える必要がある。
【0003】ところが、共用時間中の鉄道・道路および
滑走路などの路盤内は、絶えず運転車両が走行し、有人
による計測が非常に危険であり、困難である。
【0004】このため、シールド掘進時に路盤の状況を
リアルタイムでフィードバックし、適正な掘進管理値を
演算し、その演算値でシールド掘進管理を行うことは難
しい。
【0005】ところで、この種シールド掘進時における
路盤変位管理の従来技術としては、(1)あらかじめシ
ールド通過部の上部にボーリングを行い、沈下計を埋め
込んで行う方法、(2)鉄道において、レールに一体的
に沈下計を固定して行う方法、などがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術には次のような課題があった。
【0007】すなわち、前記(1)の従来技術では、共
用中にボーリングを行うには、作業時間に制約を受け
る。また、施工費が高い。
【0008】一方、前記(2)の従来技術では、レール
に一体的に沈下計を固定しても、レールは剛性の大きい
弾性体であり、沈下計による路盤変位の計測値と、実際
の変位量とは必ずしも一致しない。また、路盤変位の計
測値が、列車の走行時には常に列車の通過によって大き
く変動する。
【0009】本発明は、上記の事情に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、シールド掘進時における
地表面ないしは路盤の変位を、非接触式距離測定器を使
って正確に測定し得る方法を提供することにある。
【0010】また、本発明の他の目的は、シールド掘進
時における路盤変位をきわめて小さく抑制でき、無人で
しかも路盤の挙動を的確に把握でき、さらには路盤変位
計測用の機器の設置作業の時間的制約が少なく、かつ施
工費を安く行うことが可能な路盤変位管理方法を提供す
ることにある。
【0011】さらに、本発明の他の目的は、前記本発明
方法を的確に実施し得る路盤変位管理装置を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明方法では、シールドトンネルを構築するに当
たり、シールド掘進路線に沿い、地上より高い位置に、
複数の固定位置を設け、前記固定位置にそれぞれ非接触
式距離測定器を設置し、掘進路線上部の地表面ないしは
路盤の近傍に複数の測点を設け、シールドの掘進前,掘
進中,掘進後の任意の時期に、前記距離測定器により前
記固定位置から測点までの距離を測定し、これらの測定
した距離から固定位置と測点との鉛直距離を演算し、こ
の鉛直距離からシールド掘進における地表面ないし路盤
の変位を計測するようにしている。
【0013】また、前記目的を達成するため、本発明方
法では、シールドトンネルを構築するに当たり、あらか
じめ地山の性状からシールドの掘進管理値を設定し、掘
進管理値に基づいてシールドを掘進させ、シールド機の
平面位置を計測するとともに、シールドの掘進前,掘進
中,掘進後の任意の時期に、地表面ないし路盤の変位量
を測定し、これらの変位量からシールド機の当該部所の
適正制御値を演算し、この適正制御値に基づいて前記掘
進管理値を維持または修正し、シールド機の当該部所を
適正制御するようにしている。
【0014】さらに、前記目的を達成するため、本発明
装置では、シールドトンネルを構築するに当たり、シー
ルド機の平面位置を計測するシールド機位置計測手段
と、シールド掘進路線上の路盤変位を非接触式距離測定
により計測する路盤変位計測手段と、コンピュータとを
配備し、前記コンピュータに、地山の性状からあらかじ
め設定された掘進管理値に基づいてシールド機を発進さ
せる機能と、計測されたシールド機の平面位置と路盤変
位から路盤変位状態と路盤変位量を演算する機能と、演
算された路盤変位状態と路盤変位量からシールド機の当
該部所の適正制御値を演算し,この適正制御値に基づい
て前記掘進管理値を維持または修正し,シールド機の当
該部所を適正制御する機能とを持たせている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0016】図1〜図11は、シールド掘進時における
路盤変位管理を、鉄道(軌道)の如き交通路の路盤下部
にシールドトンネルを構築する際に適用したときの本発
明の一実施例を示す。なお、本発明は鉄道の如き路盤下
部のみならず民地等の下部にも適用し得る。
【0017】まず、図1は軌道とシールド機と路盤変位
管理装置の一実施例を示す縦断側面図、図2は図1のA
−A線断面図、図3は路盤変位計測手段を構成している
部材の設置状態を示す平面図である。
【0018】これら図1〜図3に示す実施例では、軌道
は締め固められた路盤2上の路盤面3の上部に、砂利を
敷き詰めて形成された道床4を有している。この道床4
には、長さ方向(y軸方向)に所要の間隔をおいて、多
数の枕木5が配置されている。この枕木5の列の上部に
は、2条で1組をなすレール6が2組敷設されていて、
複線の軌道が構築されている。
【0019】前記道床4の外側には、長さ方向(y軸方
向)と幅方向(x軸方向)とにそれぞれ所要の間隔をお
いて、複数の杭7が打ち込まれている。各杭7の上部に
は、架線用の支柱8が設けられている。道床4をはさん
で幅方向に対向する2本の支柱8の上部には、架線受け
9が固定されている。道床4の長さ方向に配列された架
線受け9には、車両に給電するための架線(図示せず)
が架設されている。
【0020】前記軌道の路盤2の下部にシールドトンネ
ル33を構築するに当たっては、発進立坑11からシー
ルド機13を導入し、このシールド機13により地山1
を掘削して行う。
【0021】前記発進立坑11内には、シールド機発進
用のセグメント12が固定されている。
【0022】前記シールド機13は、シールド筒14
と、隔壁15と、フード16と、カッタ駆動装置17
と、隔壁15に軸受け(図示せず)を介して支持された
カッタ駆動軸18と、このカッタ駆動軸18に取り付け
られたカッタ19と、掘削土砂用のチャンバ23と、カ
ッタ駆動軸18からチャンバ23に臨ませて設けられた
作泥土材注入系路(図示せず)と、チャンバ23に臨ま
せて隔壁15に設けられた土圧計24と、排土装置であ
るスクリューコンベア25と、シールドジャッキ26
と、裏込め注入管27と、充填材注入管29と、シール
ド筒14の後部に取り付けられたテールシール31等を
備えて構成されている。
【0023】前記カッタ19は、カッタ駆動軸18に一
体に取り付けられたカッタディスク20と、このカッタ
ディスク20の外面側に設けられた多数のカッタビット
21と、カッタディスク20の内面側に設けられた複数
の攪拌翼22とを有している。そして、カッタ19はカ
ッタ駆動軸18を介してカッタ駆動装置17により回転
駆動され、カッタビット21により地山1を掘削する。
【0024】前記チャンバ23は、隔壁15とフード1
6と切羽とに囲まれた空間に形成されている。このチャ
ンバ23には、カッタ19で掘削された土砂を取り込
む。
【0025】前記作泥土材注入系路は、チャンバ23内
の掘削土砂に作泥土材を注入する。そして、作泥土材を
注入した掘削土砂を、カッタディスク20に設けられた
攪拌翼22で攪拌する。
【0026】前記土圧計24は、切羽の土圧を計測し、
その計測値を後述のコンピュータ49に送り込む。
【0027】前記スクリューコンベア25は、チャンバ
23内を所定の圧力に保持しつつ、チャンバ23内の掘
削土砂を発進立坑11側に搬出し、排土する。
【0028】前記シールドジャッキ26は、地山1の掘
削当初は発進立坑11の坑口に固定されたセグメント1
2に反力を取ってシールド機13を発進させ、地山1の
掘削が進んだ後はシールド筒14の後方内部で組み立て
られたセグメント32に反力を取って推進させる。
【0029】前記裏込め注入管27は、地山1とセグメ
ント32間の空隙に裏込め材28を注入する。
【0030】前記充填材注入管29は、地山1とシール
ド筒14間の空隙に充填材30を注入する。
【0031】前記テールシール31は、シールド筒14
の後部からの泥水の浸入を防ぎ、シールド機13を水密
に保っている。
【0032】シールド掘進路線35は、掘進すべきシー
ルトトンネル33の幅方向(x軸方向)のほぼ中心部で
あり、シールド掘進方向34に延びている。
【0033】そして、前記シールド機13は発進立坑1
1から軌道下部の路盤2内を、土被り10を保って発進
され、地山1をシールド掘進路線35に沿ってシールド
掘進方向34に掘進し、シールド筒14の後方内部でセ
グメント32を組み立て、シールドトンネル33を構築
して行く。
【0034】ところで、路盤変位管理装置は、図1〜図
3に示すように、路盤変位計測手段と、制御室48と、
この制御室48内に設置されたコンピュータ49と、こ
れに接続されたディスプレイ50と、前記シールド機1
3内に設置された端末装置51等を備えて構成されてい
る。
【0035】前記路盤変位計測手段は、シールド路線3
5上に所要の間隔をおいて設置された計測杭36a,3
6b,36c,…と、各計測杭36a,36b,36
c,…の上部に取り付けられた目標板37a,37b,
37c,…と、計測用の不動点43と、測定の固定位置
としての軌道上方の架線受け9上に設置された非接触式
距離測定器である光波式測距機44a,44b等を備え
て構成されている。
【0036】各計測杭36a,36b,36c,…は、
構築すべきシールドトンネル33の中心に向かって鉛直
に設置され、かつ路盤面3から充分な深さの根入れ54
を有して打ち込まれていて、地山1と一体的に設置され
ている。
【0037】各目標板37a,37b,37c,…に
は、少なくとも上面に認識しやすい色を施すことが望ま
しい。また、各目標板37a,37b,37c,…の上
面には計測点38が設定されている。そして、前記目標
板37a,37b,37c,…は、当該計測杭36a,
36b,36c,…の上部に、同心状に取り付けられて
いる。
【0038】前記計測用の不動点43は、当該光波式測
距機44a,44bの近傍に手動で設定される。
【0039】各光波式測距機44a,44bは、回転軸
46の周りに回転可能に形成されている。また、光波式
測距機44a,44bは前記目標板37a,37b,3
7c,…を見渡せる位置としての当該架線受け9上の計
測位置に取り付けられている。各光波式測距機44a,
44bには、計測器カバー47が被せられている。さら
に、各光波式測距機44a,44bは電線52を介して
コンピュータ49に接続されている。
【0040】そして、この路盤変位計測手段では路盤2
の静止状態において、光波式測距機44a,44bから
当該計測用の不動点43にレーザ光45を照射し、その
ときのx軸方向,y軸方向および変位角の値を、x=
0,y=0,θ=θoに設定する。
【0041】次に、光波式測距機44a,44bから目
標板37a,37b,37c,…に設定された計測点3
8にレーザ光45を照射し、そのときのx軸方向,y軸
方向および変位角の値を、x=a,y=a,θ=θaに
設定する。
【0042】ついで、シールド機13を発進させた後、
光波式測距機44a,44bにより目標板37a,37
b,37c,…に設定された計測点38における路盤変
位を連続的に計測し、その計測値を光波式測距機44
a,44bから、電線52を通じてコンピュータ49に
リアルタイムで送り込む。
【0043】以上のように、この路盤変位計測手段によ
れば、シールド掘進路線35に沿って所要の間隔をおい
て打ち込まれた計測杭36a,36b,36c,…と、
これらの計測杭36a,36b,36c,…上に取り付
けられた目標板37a,37b,37c,…上に設定さ
れた計測点38と、任意に設定された計測用の不動点4
3と、架線受け9上の計測位置に取り付けられた光波式
測距機44a,44bとにより、レーザ光45を利用し
て非接触式距離測定器により路盤変位をリアルタイム
で、しかも正確に測定することができる。
【0044】前記コンピュータ49には、シールド掘進
に先立ち、各種掘進管理値が格納されている。この各種
掘進管理値は、あらかじめ確認された地山の土質性状に
基づいて設定される。また、コンピュータ49は前記各
種掘進管理値に基づいて、シールド機13の当該部所に
制御信号を送り込み、シールド機13を発進させる。ま
た、コンピュータ49はシールド掘進中に、シールド機
位置計測手段(図示せず)からシールド機の位置計測値
を、前記路盤計測手段から路盤変位計測値をそれぞれ取
り込み、ディスプレイ50や端末装置51に指令を送
り、前記計測値を表示させる。また、コンピュータ49
は、前記シールド機の位置計測値と路盤変位計測値から
路盤変位量と、路盤変位状態とを演算する。前記変位状
態としては、「先行沈下・変位なし・先行隆起」、「マ
シン上沈下・変位なし・マシン上隆起」、「後続沈下・
変位なし・後続隆起」などである。また、コンピュータ
49はディスプレイ50や端末装置51に指令を送り、
前記演算値を表示させる。さらに、コンピュータ49は
前記路盤変位量と路盤変位状態の演算値からシールド機
13の当該部所の適正制御値を演算する。そして、コン
ピュータ49は前記適正制御値に基づいて、前記各種掘
進管理値を維持または修正し、シールド機13の当該部
所を適正制御する。
【0045】コンピュータ49には、少なくとも前述の
ごとき機能を持たせている。
【0046】前記ディスプレイ50は、コンピュータ4
9からの指令により、掘進時におけるシールド機の平面
上の位置や路盤変位の計測値と、路盤変位量や路盤変位
状態の演算値とを表示する。
【0047】シールド機13内に設置された端末装置5
1は、電線53を介してコンピュータ49に接続されて
いる。そして、この端末装置51も、コンピュータ49
からの指令により、掘進時におけるシールド機の平面上
の位置や路盤変位の計測値と、路盤変位量や路盤変位状
態の演算値とを表示する。また、この端末装置51から
シールド機13内の作業員がコンピュータ49に、シー
ルド掘進時の情報を通信することもできる。
【0048】ついで、図4は路盤変位を示す縦断面図、
図5は同路盤変位の模式図である。
【0049】通常の路盤変位は、シールドトンネル33
の路盤面沈下68および沈下影響範囲69のように、お
よそ45度の範囲で発生する。
【0050】この路盤変位は、路盤面3に対してシール
ド機13の前面、つまり未掘削部分で先行沈下60また
は先行隆起61が発生する。これは、切羽の管理土圧が
静止土圧と一致しない場合、すなわちシールド機13の
掘進量と排土量のバランスが保たれていない場合に発生
する。
【0051】前記先行沈下60および先行隆起61の計
測は、シールド機13の前方の必要な範囲を連続して計
測することによって行う。
【0052】シールド機13が通過するときは、シール
ド機13と地山1間の空隙により、マシン上沈下62ま
たはマシン上隆起63が発生する。
【0053】前記マシン上沈下62およびマシン上隆起
63の計測は、シールド機13のテールシール通過点6
6付近の必要な範囲を連続して計測することによって行
う。
【0054】シールド機13のテールシール通過以降
(テールシールの通過点を図4に符号66で示す。)
は、セグメント32をシールド機13の内部で組み立て
るため、テールプレート厚やテールクリアランスの分だ
けシールド機13の外径よりも小さくなるので、セグメ
ント32と地山1間に空隙が発生する。この空隙に、掘
進と同時に裏込め28を注入する。
【0055】シールド機13が通過中に、後続沈下64
または後続隆起65が発生する。
【0056】前記後続沈下64および後続隆起65の計
測は、シールド機13のテールシール31の後方部分の
必要な範囲を連続して計測することによって行う。
【0057】以後、長期間微小変状が見られ、最終的に
収束する。
【0058】次に、図6は路盤が沈下したときの路盤面
の沈下量の計測状態を示し、図7は図6のB部分を拡大
して示す。また、図8は路盤が隆起したときの路盤面の
隆起量の計測状態を示し、図9は図8のC部分を拡大し
て示す。
【0059】これら図6〜図9に示す路盤変位計測技術
では、計測杭36と、目標板37と、目標板上の計測点
38〜42と、計測用の不動点(図6〜図9では省略)
と、光波式測距機44等を備えた路盤変位計測手段を用
いて行う。
【0060】前記計測杭36は、路盤2におけるシール
ド掘進路線35に沿って路盤面3に対して垂直に打ち込
まれている。また、計測杭36は路盤2内に根入れ54
を有して打ち込まれており、この根入れ54の範囲で路
盤2と接触しているため、路盤変位とほぼ同程度、上下
方向に変位する。
【0061】前記目標板37は、計測杭36の上部に、
これと同心状に取り付けられている。この目標板37の
上面のほぼ中央には、計測点38が設定されている。
【0062】前記計測用の不動点は、光波式測距機44
の近くの、例えば軌道外の任意の位置に手動で設定され
ている(図2参照)。
【0063】前記光波式測距機44は、目標板上の計測
点38〜42と、計測用の不動点とを見渡せる計測位置
としての、架線受け9上に設定された計測位置に設置さ
れている。
【0064】前記路盤変位計測手段により路盤変位を計
測するに当たっては、路盤2の静止状態で、光波式測距
機44から計測用の不動点にレーザ光45を照射し、そ
のときのx軸方向,y軸方向,変位角の値をx=0,y
=0,θ=θoに設定する。
【0065】次に、同じく路盤2の静止状態で、光波式
測距機44から目標板37上の計測点38にレーザ光4
5を照射し、そのときのx軸方向,y軸方向,変位角の
値をx=a,y=a,θ=θaに設定する。
【0066】そして、シールド機13の発進後、光波式
測距機44から目標板37上にレーザ光45を照射し続
け、路盤2の変位を連続的に計測する。
【0067】いま、図6に示すように、路盤面3が沈下
したものとすると、計測杭36が路盤2に根入れ54の
範囲で接触しているため、この計測杭36は路盤面3の
沈下量とほぼ同程度下降する。これにつれて、目標板3
7が変位なしの状態57から沈下状態58に変位する。
【0068】目標板37が変位なしの状態57から沈下
状態58に変位すると、図7に示すように、変位なしの
状態57における目標板37上の計測点38と、沈下状
態58における目標板37′上の計測点39と、前記変
位なしの状態57における目標板37上の計測点38か
ら沈下状態58の目標板37′上に降ろした垂線と目標
板37′の上面との交点である計測点40とを結ぶ直角
三角形が形成される。
【0069】ここで、光波式測距機44から図1に示す
コンピュータ49に変位角θaと、レーザ光変位量Δx
とを送り込む。
【0070】前記コンピュータ49は、前記路盤変位等
の計測値を取り込むとともに、ディスプレイ50や端末
装置51に指令を送り、計測値を表示させる。また、コ
ンピュータ49は次式により路盤沈下量Δzを演算す
る。 (数1) Δz=Δx×cosθa
【0071】さらに、コンピュータ49は演算した路盤
沈下量Δzも、ディスプレイ50や端末装置51に表示
させる。
【0072】一方、図8に示すように、路盤面3が隆起
すると、前述したところと同様、計測杭36が路盤2に
根入れ54の範囲で接触しているため、計測杭36が路
盤面3の隆起量とほぼ同程度上昇する。計測杭36の上
昇に伴い、目標板37が変位なしの状態57から隆起状
態59に変位する。
【0073】目標板37が変位なしの状態57から隆起
状態59に変位すると、図9に示すように、変位なしの
状態57における目標板37上の計測点38と、隆起状
態59における目標板37″上の計測点41と、変位な
しの状態57における目標板37の計測点38から隆起
状態59の目標板38″上に引いた垂線と目標板37″
の上面との交点である計測点42とを結ぶ直角三角形が
形成される。
【0074】そして、光波式測距機44から前記コンピ
ュータ49に変位角θa′と、レーザ光変位量Δx′と
を送り込む。
【0075】コンピュータ49は、前述したところと同
様、路盤変位等の計測値を取り込み、かつディスプレイ
50や端末装置51に指令を送り、計測値を表示させ
る。さらに、コンピュータ49は次式により路盤隆起量
Δz′を演算し、その演算された路盤隆起量Δz′もデ
ィスプレイ50や端末装置51に表示させる。 (数2) Δz′=Δx′×cosθa′
【0076】以上説明した路盤変位計測手段と、コンピ
ュータ49と、ディスプレイ50や端末装置51によ
り、非接触式距離測定器を使って無人で路盤変位を計測
し、その計測値からリアルタイムで路盤沈下量Δz、路
盤隆起量Δz′を演算し、計測値や演算値をリアルタイ
ムで表示することができる。
【0077】また、計測杭36を根入れ54を有して路
盤2に打ち込んでいるため、計測杭36は根入れ54の
範囲で直接路盤2と接触し、路盤変位量とほぼ同程度、
上下方向に変位するので、路盤2の挙動を的確に把握す
ることができる。
【0078】続いて、図10は路盤変位管理のフローチ
ャート、図11はシールド機の位置の判断基準を示す図
である。
【0079】シールド掘進に先立ち、ステップ100で
ボーリング等により、シールド掘進路線35上の地山の
土質性状をあらかじめ確認しておく。
【0080】次に、ステップ101で前記地山の土質性
状のデータからシールド機の各種掘進管理値を設定す
る。この各種掘進管理値は、切羽土圧管理値、掘削土量
値、裏込め管理値、裏込め材料の選定、充填材管理値等
である。前記裏込め管理値は、注入圧力(切羽の泥土圧
+α)、注入量(空隙量+α)である。
【0081】次に、ステップ102でシールド掘進のた
め、あらかじめ設定されたシールド機の各種掘進管理値
に基づいて、シールド機13を発進させる。シールド機
13の発進は、カッタ19を回転させ、スクリューコン
ベア25を回転させ、シールドジャッキ26を伸長させ
て行う。
【0082】シールド機13を発進させた後、ステップ
103で各種計測を行う。計測項目は、路盤変位計測手
段による路盤変位、シールド機13の位置、カッタトル
ク、掘削土量、土圧計24による切羽土圧、スクリュー
コンベア25の回転速度、送・排泥流量、シールドジャ
ッキ26の推力、同シールドジャッキ26の速度、裏込
め圧力、裏込め注入量、充填材注入量等である。そし
て、前記各種計測値を図1に示すコンピュータ49に送
り込む。
【0083】ついで、ステップ104でコンピュータ4
9に各種計測値を取り込み、コンピュータ49から指令
を送り、制御室48内のディスプレイ50やシールド機
13内の端末装置51に各種計測値を表示する。
【0084】次に、ステップ105でコンピュータ49
により管理圧力、つまり管理土圧や泥水圧が管理範囲内
に納まっているか,否かを判断する。
【0085】判断の結果、管理圧力が管理範囲外のとき
は、シールド掘進を停止させ、ステップ100に戻り、
地山の土質性状を再調査する。
【0086】判断の結果、管理範囲内に納まっていると
きは、次のステップに移行する。
【0087】ついで、ステップ106でコンピュータ4
9により路盤変位の計測値から路盤沈下量Δz、路盤隆
起量Δz′を演算する。その後、コンピュータ49によ
り路盤変位の有・無と、シールド機13の位置の計測値
から路盤変位状態を判断する。シールド機13の位置の
計測は、図11に示す判断基準に沿って行う。路盤変位
状態としては、図4に示すように、先行沈下60と、先
行隆起61と、マシン上沈下62と、マシン上隆起63
と、後続沈下64と、後続隆起65とがある。
【0088】そして、ステップ107でコンピュータ4
9により先行沈下60と先行隆起61について、路盤変
位があるか,否かを判断する。
【0089】判断の結果、先行沈下60が認められたと
きは、ステップ108で管理圧力を上げる。具体的に
は、スクリューコンベア25の回転数を下げるか、掘進
速度を上げるか、または送・排泥流量を調整して泥水圧
を上げる。
【0090】反対に、先行隆起61が認められたとき
は、ステップ109で管理圧力を下げる。具体的には、
スクリューコンベア25の回転数を上げるか、掘進速度
を下げるか、または送・排泥流量を調整して泥水圧を下
げる。
【0091】判断の結果、変位なし、つまり先行沈下6
0や先行隆起61に関する路盤変位が認められないとき
は、現状の管理圧力を維持してシールド掘進を継続す
る。
【0092】次に、ステップ110でコンピュータ49
によりマシン上沈下62とマシン上隆起63について、
路盤変位があるか,否かを判断する。
【0093】判断の結果、マシン上沈下62が認められ
たときは、ステップ111で充填材注入増を行う。具体
的には、充填材30の注入圧力を上げるか、または充填
材30の注入量を増やす。
【0094】反対に、マシン上隆起63が認められたと
きは、ステップ112で充填材注入減を行う。具体的に
は、充填材30の注入圧力を下げるか、または充填材3
0の注入量を減らす。
【0095】判断の結果、変位なし、つまりマシン上沈
下62やマシン上隆起63に関する路盤変位が認められ
ないときは、現状の充填材注入管理を維持するととも
に、ステップ113で充填材注入の監視を継続して行
う。
【0096】シールド掘進時において、ステップ114
で裏込め注入管27により裏込め注入を行う。
【0097】そして、裏込め注入中、ステップ115で
裏込め管理値が管理範囲内にあるか,否か継続して判断
する。裏込め管理値には、前述のごとく、注入圧力と、
注入量とがある。
【0098】判断の結果、裏込め管理値が管理範囲外に
あることが認められたときは、ステップ116で裏込め
注入を停止するとともに、シールド掘進をも停止させ、
ステップ100に戻り、地山の土質性状を再調査し、裏
込め材料の再選定を行う。
【0099】判断の結果、裏込め管理値が管理範囲内に
入っていると認められたときは、次のステップに移行す
る。
【0100】ついで、ステップ117でコンピュータ4
9により後続沈下64と後続隆起65について、路盤変
位があるか,否かを判断する。
【0101】判断の結果、後続沈下64が認められたと
きは、ステップ118で裏込め管理値を上げる。具体的
には、裏込め注入圧力を上げるか、または裏込め注入量
を増やす。
【0102】反対に、後続隆起65が認められたとき
は、ステップ119で裏込め管理値を下げる。具体的に
は、裏込め注入圧力を下げるか、または裏込め注入量を
減らす。
【0103】判断の結果、変位なし、すなわち後続沈下
64や後続隆起65に関する路盤変位が認められないと
きは、現状裏込め注入管理を維持するとともに、ステッ
プ120で裏込め注入の監視を継続して行う。
【0104】以上のように、この実施例では共用中の軌
道の路盤変位の計測、シールド機の位置の計測、路盤変
位量の演算、路盤変位状態の演算、計測値や演算値の表
示をリアルタイムで行い、前記演算値からシールド機1
3の当該部所の適正制御値を演算し、この適正制御値に
基づいて各種掘進管理値を維持または修正し、シールド
機13の当該部所を適正制御するようにしているので、
シールド掘進時における路盤変位をきわめて小さく抑え
ることができる。
【0105】次に、図12は路盤変位計測手段における
計測杭の他の実施例を示す縦断面図である。
【0106】この図12に示す計測杭70は、杭本体に
おける軌道の道床4の貫通部分に、外管71を有してい
る。
【0107】これにより、計測杭70の杭本体と道床4
の摩擦を低減することができる。
【0108】なお、計測杭70の上部には目標板72が
取り付けられている。この目標板72は図1〜図3に示
す目標板37a,37b,37c,…と同様である。
【0109】ついで、図13は計測杭のさらに他の実施
例を示す縦断面図である。
【0110】この図13に示す計測杭73は、杭本体の
下端部に、拡幅された掘削部74が設けられている。
【0111】この計測杭73では、杭本体を打ち込みま
たは回転させ、軌道の所定の位置に固定する。
【0112】ついで、杭本体の下端部から所要部分まで
定着材75を流し込み、構築すべきシールドトンネル直
上の地山1と計測杭73を定着させる。
【0113】さらに、杭本体の定着部分よりも上部の間
隙には滑材76を挿入する。
【0114】そして、計測杭73の上部には、上面に計
測点を有する目標板77が取り付けられている。
【0115】この実施例における計測杭73は、路盤2
が硬く、構築すべきシールドトンネルの直上付近が軟弱
な互層地盤や、土被りが大きい場合で、路盤変位計測が
困難な場合に適用して有効である。
【0116】なお、計測の対象が道路や滑走路の場合
は、測定が必要な範囲の路面上に、計測目標板や釘等を
設置しても良く、車両等の通行に支障がなければ杭等で
も良い。
【0117】続いて、図14は軌道の両側に建築されて
いる建物のうちの、選択された建物の屋上に光波式測距
機を設置した実施例を示す正面図、図15は図14の平
面図である。
【0118】これら図14および図15に示す実施例で
は、軌道の両側に建築されている建物78,79,80
のうちの、一方の側の建物78の屋上に光波式測距機4
4aが設置され、他方の側の建物80の屋上に光波式測
距機44bが設置されている。
【0119】一方、構築すべきシールドトンネルのシー
ルド掘進路線35に沿い、かつ所要の間隔をおいて路盤
2に計測杭36a,36b,36c,…が打ち込まれて
いる。各計測杭36a,36b,36c,…の上部に
は、計測点38を有する目標板37a,37b,37
c,…が取り付けられている。
【0120】そして、前記光波式測距機44aはレーザ
光45により目標板37a〜37gの計測点38におけ
る路盤変位に伴う上下方向の変位を計測し、前記光波式
測距機44bは同じくレーザ光45により目標板37e
〜37k上の計測点38における路盤変位に伴う上下方
向の変位を計測し、計測値をそれぞれコンピュータに送
り込み、処理するようにしている。
【0121】この図14および図15に示す実施例の他
の構成,作用については、前記図1〜図3に示す実施例
と同様である。
【0122】なお、光波式測距機を設置する建物は、木
造家屋の屋上でも良い。木造家屋を利用するときは、杭
など地中の不動位置で支持されていることが好ましい。
【0123】光波式測距機を建物の屋上に設置して路盤
変位を計測するときは、有人計測も可能であり、また計
測結果を制御室内のコンピュータに無線で送信すること
もできる。
【0124】また、計測の対象が道路の場合は、光波式
測距機を中央分離帯に設置しても良く、道路の側方に支
柱を設けるか,近くの建物の屋上に設置しても良い。
【0125】ついで、図16は路盤変位計測手段と、演
算処理部と、表示部との異なる実施例を示す概念図であ
る。
【0126】この図16に示す実施例では架線受け9上
に、光波式測距機81とカメラ82のユニットが設置さ
れている。前記光波式測距機81には、その視準接眼レ
ンズにカメラ82が互いに光軸を一致させて結合されて
いる。光波式測距機81とカメラ82には、計測機カバ
ー83が被せられている。
【0127】前記光波式測距機81には、上下・左右に
稼働させる稼働部が組み込まれている。
【0128】前記カメラ82は夜間でも使用できる赤外
線タイプでも、通常のタイプでも構わない。ただし、通
常のタイプのものは、夜間時には補助照明を必要とす
る。
【0129】一方、制御室84にはコンピュータ85
と、ディスプレイ86と、操作盤87と、TVモニタ8
8とが設置されている。他方、シールド機13の内部に
は、端末装置89と、TVモニタ90とが設置されてい
る。
【0130】前記コンピュータ85は、図1に示すもの
と同様、光波式測距機81等から計測値を取り込み、デ
ィスプレイ86とTVモニタ88と端末装置89とTV
モニタ90とに指令を送って計測値を表示させ、路盤変
位や路盤変位状態等を演算し、ディスプレイ86とTV
モニタ88と端末装置89とTVモニタ90とに指令を
送って演算値を表示させ、また路盤変位量と路盤変位状
態からシールド機の当該部所の適正制御値を演算し、こ
の適正制御値に基づいて各種掘進管理値を維持または修
正し、シールド機の当該部所を適正制御する機能を有し
ている。
【0131】前記ディスプレイ86は、コンピュータ8
5からの指令により計測値や演算値を表示する。
【0132】前記操作盤87には、電線91を介して光
波式測距機81が接続され、また操作盤87は電線92
を介してコンピュータ85に接続されている。そして、
制御室84内のTVモニタ88を監視しながら操作盤8
7により路盤変位の計測点(この図16では省略)に光
波式測距機81の視準を合わせるようにしている。
【0133】制御室84内のTVモニタ88には、電線
93を介してカメラ82が接続され、またTVモニタ8
8は電線94を介してコンピュータ85に接続されてい
る。このTVモニタ88は、コンピュータ85からの指
令によりカメラ82で撮影した画像を表示する。
【0134】シールド機13内に設置された端末装置8
9は、電線95を介してコンピュータ85に接続され、
コンピュータ85からの指令により計測値や演算値を表
示する。
【0135】シールド機13内に設置されたTVモニタ
90は、電線96を介してコンピュータ85に接続され
ている。このTVモニタ90も、コンピュータ85から
の指令により計測値や演算値を表示する。
【0136】この図16に示す実施例においても、非接
触式距離測定器により路盤変位を計測し、その計測値を
表示し、またシールド機の位置と路盤変位の計測値から
路盤変位量と路盤変位状態とを演算し、これらの演算値
からシールド機の当該部位の適正制御値を演算し、この
適正制御値に基づいて各種掘進管理値を維持または修正
し、シールド機の当該部所を適正制御できるので、シー
ルド掘進時における路盤変位をきわめて小さく抑制する
ことができる。
【0137】なお、この実施例において、カメラ82で
撮影した画像をコンピュータ85に取り込み、画像デー
タを解析・演算することで、路盤変位の計測点を自動視
準することもできる。
【0138】また、操作盤87をシールド機13内に設
置し、切羽側で操作するようにしても良い。
【0139】さらに、切羽側にも端末装置やTVモニタ
を設置し、路盤変位を監視することも可能である。
【0140】さらに、本発明では光波式測距機に代え
て、人工衛星を利用して路盤変位を計測しても良く、非
接触式距離測定器を用いるものであれば良い。
【0141】また、シールド工法は泥土圧、泥水圧、D
OT、MF、偏心多軸など、いずれの工法にも適用可能
である。
【0142】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法では交
通路の下部にシールドトンネルを構築するに当たり、シ
ールド掘進路線に沿い、地上より高い位置に、複数の固
定位置を設け、前記固定位置にそれぞれ非接触式距離測
定器を設置し、掘進路線上部の地表面ないしは路盤の近
傍に複数の測点を設け、シールドの掘進前,掘進中,掘
進後の任意の時期に、前記距離測定器により前記固定位
置から測点までの距離を測定し、これらの測定した距離
から固定位置と測点との鉛直距離を演算し、この鉛直距
離からシールド掘進における地表面ないし路盤の変位を
測定するようにしているので、シールド掘進時における
地表面ないしは路盤を、非接触式距離測定器を使って正
確に測定し得る効果がある。
【0143】また、本発明方法では交通路の下部にシー
ルドトンネルを構築するに当たり、あらかじめ地山の性
状からシールドの掘進管理値を設置し、掘進管理値に基
づいてシールドを掘進させ、シールド機の平面位置を計
測するとともに、シールドの掘進前,掘進中,掘進後の
任意の時期に、地表面ないし路盤の変位量を測定し、こ
れらの変位量からシールド機の当該部所の適正制御値を
演算し、この適正制御値に基づいて前記掘進管理値を維
持または修正し、シールド機の当該部所を適正制御する
ようにしているので、シールド掘進時における路盤変位
をきわめて小さく抑制し得る効果があり、無人でしかも
路盤の挙動を的確に把握し得る効果があり、さらには路
盤変位計測用の機器の設置作業の時間的制約が少なく、
かつ施工費を安く行い得る効果もある。
【0144】さらに、本発明装置によれば、交通路の路
盤の下部にシールドトンネルを構築するに当たり、シー
ルド機の平面位置を計測するシールド機位置計測手段
と、シールド掘進路線上の路盤変位を非接触式距離測定
により計測する路盤変位計測手段と、コンピュータとを
配備し、前記コンピュータに、地山の性状からあらかじ
め設定された掘進管理値に基づいてシールド機を発進さ
せる機能と、計測されたシールド機の平面位置と路盤変
位から路盤変位状態と路盤変位量を演算する機能と、演
算された路盤変位状態と路盤変位量からシールド機の当
該部所の適正制御値を演算し,この適正制御値に基づい
て前記掘進管理値を維持または修正し,シールド機の当
該部所を適正制御する機能とを持たせているので、前記
本発明路盤変位管理方法を的確に実施し得る効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を軌道の路盤下部にシールドトンネルを
構築する際に適用したときの一実施例を示す縦断側面図
である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1に示す実施例において、路盤変位計測手段
を構成している部材の設置状態を示す平面図である。
【図4】路盤変位を示す縦断面図である。
【図5】路盤変位の模式図である。
【図6】路盤が沈下したときの路盤面の沈下量の計測状
態を示す図である。
【図7】図6のB部分の拡大図である。
【図8】路盤が隆起したときの路盤面の隆起量の計測状
態を示す図である。
【図9】図8のC部分の拡大図である。
【図10】路盤変位管理のフローチャートである。
【図11】シールド機の位置の判断基準を示す図であ
る。
【図12】路盤変位計測手段における計測杭の他の実施
例を示す縦断面図である。
【図13】計測杭のさらに他の実施例を示す縦断面図で
ある。
【図14】建物の屋上に路盤変位計測手段の光波式測距
機を設置した実施例を示す正面図である。
【図15】図14に示す路盤変位計測手段を構成してい
る部材の設置状態を示す平面図である。
【図16】路盤変位計測手段と、演算処理部と、表示部
との異なる実施例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 地山 2 路盤 3 路盤面 4〜9 軌道を構成している部材 10 土被り 11 シールド機の発進立坑 13 シールド機 32 セグメント 33 シールドトンネル 35 シールド掘進路線 36,36a,36b,… 路盤変位計測用の計測杭 37,37a,37b,… 同目標板 38〜42 測点である計測点 43 計測用の不動点 44,44a,44b 非接触式距離測定器としての光
波式測距機 45 レーザ光 48 制御室 49 コンピュータ 50 ディスプレイ 51 端末装置 54 根入れ 55 沈下路盤面 56 隆起路盤面 57 路盤面の変位なしの状態 58 同沈下状態 59 同隆起状態 60 先行沈下 61 先行隆起 62 マシン上沈下 63 マシン上隆起 64 後続沈下 65 後続隆起 θa,θa′ 変位角 Δx,Δx′ レーザ光の変位量 Δz 路盤沈下量 Δz′ 路盤隆起量 70,73 路盤変位計測用の計測杭 81 光波式測距機 82 カメラ 84 制御室 85 コンピュータ 86 ディスプレイ 87 操作盤 88 TVモニタ 89 端末装置 90 TVモニタ 100〜120 シールド掘進による路盤変位管理のた
めのステップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富沢 勉 東京都中央区新川1丁目24番4号 大豊建 設株式会社内 (72)発明者 保坂 博 東京都中央区新川1丁目24番4号 大豊建 設株式会社内 (72)発明者 小林 隆治 東京都中央区新川1丁目24番4号 大豊建 設株式会社内 (72)発明者 平林 勉 東京都中央区新川1丁目24番4号 大豊建 設株式会社内 (72)発明者 大久保 健治 東京都中央区新川1丁目24番4号 大豊建 設株式会社内 (72)発明者 高村 勝之進 東京都中央区新川1丁目24番4号 大豊建 設株式会社内 Fターム(参考) 5J084 AA04 AB17 AC07 AD02 BA03 DA07 EA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールドトンネルを構築するに当たり、
    シールド掘進路線に沿い、地上より高い位置に、複数の
    固定位置を設け、前記固定位置にそれぞれ非接触式距離
    測定器を設置し、掘進路線上部の地表面ないしは路盤の
    近傍に複数の測点を設け、シールドの掘進前,掘進中,
    掘進後の任意の時期に、前記距離測定器により前記固定
    位置から測点までの距離を測定し、これらの測定した距
    離から固定位置と測点との鉛直距離を演算し、この鉛直
    距離からシールド掘進における地表面ないし路盤の変位
    を計測する方法。
  2. 【請求項2】 シールドトンネルを構築するに当たり、
    あらかじめ地山の性状からシールドの掘進管理値を設定
    し、掘進管理値に基づいてシールドを掘進させ、シール
    ド機の平面位置を計測するとともに、シールドの掘進
    前,掘進中,掘進後の任意の時期に、地表面ないし路盤
    の変位量を測定し、これらの変位量からシールド機の当
    該部所の適正制御値を演算し、この適正制御値に基づい
    て前記掘進管理値を維持または修正し、シールド機の当
    該部所を適正制御することを特徴とするシールド掘進時
    における路盤変位管理方法。
  3. 【請求項3】 シールドトンネルを構築するに当たり、
    シールド機の平面位置を計測するシールド機位置計測手
    段と、シールド掘進路線上の路盤変位を非接触式距離測
    定により計測する路盤変位計測手段と、コンピュータと
    を配備し、前記コンピュータに、地山の性状からあらか
    じめ設定された掘進管理値に基づいてシールド機を発進
    させる機能と、計測されたシールド機の平面位置と路盤
    変位から路盤変位状態と路盤変位量を演算する機能と、
    演算された路盤変位状態と路盤変位量からシールド機の
    当該部所の適正制御値を演算し,この適正制御値に基づ
    いて前記掘進管理値を維持または修正し,シールド機の
    当該部所を適正制御する機能とを持たせたことを特徴と
    するシールド掘進時における路盤変位管理装置。
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