JP2003013111A - 歯車の製造方法 - Google Patents

歯車の製造方法

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JP2003013111A JP2001204223A JP2001204223A JP2003013111A JP 2003013111 A JP2003013111 A JP 2003013111A JP 2001204223 A JP2001204223 A JP 2001204223A JP 2001204223 A JP2001204223 A JP 2001204223A JP 2003013111 A JP2003013111 A JP 2003013111A
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Michiharu Yokoi
道治 横井
Koji Inada
弘司 稲田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼結歯車の歯部表層を高密度化する。 【解決手段】 歯車形状の鉄系焼結素形材14を製造す
る素形材製造工程S02、S03、S08、S09と、
少なくとも前記素形材14の歯部14aの表層を加熱す
る加熱工程S04と、少なくとも前記素形材14の歯部
14aの表層がマルテンサイト領域内の温度に加熱され
た状態の前記歯部14aに噛み合うように転造ダイス1
3により仕上げ転造する転造工程S06を備えているこ
とを特徴とする歯車の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は歯車の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】焼結部品で歯車を製造する場合、特に歯
部の高強度化が必要不可欠である。焼結部品の場合、そ
の高強度化には密度を向上させることが有効な対策であ
る。
【0003】従来技術1として、特開2000−871
04号公報には、粉末成形時にダイを加熱して成形して
成形密度を向上させる温間成形技術が開示されている。
成形密度を向上させることにより、焼結部品の密度を向
上させることをねらいとしている。
【0004】従来技術2として、特開平10−1762
03号公報には、歯部を備えた焼結体の粗材を、歯部に
噛み合う転造ダイスにより転造加工して強度が必要な歯
部の表層を緻密化する歯車の製造方法が開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術1は、ダイを加熱するための装置が必要であり、成形
装置が複雑でコストアップする問題点があった。また、
焼結密度は成形密度の向上によりある程度向上できる
が、成形密度の向上だけでは不十分である。
【0006】また、従来技術2では歯部の表層密度向上
には限界があり、一般の焼結プロセスで可能な7.0g
/cmの粗材密度では7.5g/cmが限界であっ
た。
【0007】本発明は上記課題を解決したもので、焼結
歯車の歯部表層を高密度化できる歯車の製造方法を提供
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、本発明の請求項1において講じた技術的手段
(以下、第1の技術的手段と称する。)は、歯車形状の
鉄系焼結素形材を製造する素形材製造工程と、前記素形
材の歯部の表層を加熱する加熱工程と、前記素形材の歯
部の表層がマルテンサイト領域内の温度に加熱された状
態の前記歯部に噛み合うように転造ダイスにより仕上げ
転造する転造工程を備えていることを特徴とする歯車の
製造方法である。
【0009】上記第1の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0010】すなわち、素形材の歯部の表層がマルテン
サイト領域内の温度に加熱された状態で転造するので、
素形材の歯部の表層の変形抵抗が下がった状態で転造す
ることができ、焼結歯車の歯部表層を高密度化できる。
【0011】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項2において講じた技術的手段(以下、第2の技
術的手段と称する。)は、前記素形材製造工程に、鉄系
粉末を含む粉末原料から歯車形状の歯車成形体を成形す
る歯車成形体成形工程と前記歯車成形体を焼結する焼結
工程が備えられていることを特徴とする請求項1記載の
歯車の製造方法である。
【0012】上記第2の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0013】すなわち、成形時に歯車形状に加工できる
ので、短時間に安価に素形材を製造できる。
【0014】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項3において講じた技術的手段(以下、第3の技
術的手段と称する。)は、前記素形材製造工程に、鉄系
粉末を含む粉末原料から円筒形状の円筒成形体を成形す
る円筒成形体成形工程と前記円筒成形体を焼結し円筒形
状の円筒焼結体を製造する焼結工程と該円筒焼結体から
歯車形状に加工する加工工程が備えられていることを特
徴とする請求項1記載の歯車の製造方法である。
【0015】上記第3の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0016】すなわち、焼結後に歯車形状に加工するの
で、素形材の形状を正確にでき、歯部の密度分布を最適
にする高密度化設計ができる。また焼結後に歯車形状に
加工するので、歯車の形状に制約がなく、様々な形状の
歯車を製造できる。
【0017】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項4において講じた技術的手段(以下、第4の技
術的手段と称する。)は、前記加熱工程の加熱を高周波
加熱により行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かに記載の歯車の製造方法である。
【0018】上記第4の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0019】すなわち、誘導電流が歯部の表層に多く流
れ、加熱が必要な歯部の表層を主に加熱できるので、エ
ネルギー効率に優れた加熱ができる効果を奏する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について、
図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施例の歯車
の製造工程図である。本実施例は図2に示す平歯車を製
造する工程である。この平歯車100は基部22の外周
に歯部21が形成されており、その諸元は歯数26、モ
ジュール3、圧力角20度、基礎円直径73.296m
m、ピッチ円直径78mm、歯先円直径(大径)84m
m、歯幅20mmである。
【0021】ステップS01は、鉄系粉末に成形助剤と
してステアリン酸亜鉛を0.75wt%混合する混粉工
程である。鉄系粉末としてはFe−0.06C−0.5
5Ni−1.03Mo(カーボン0.06wt%、ニッ
ケル0.55wt%、モリブデン1.03wt%、残部
が実質的に鉄である鉄系材料)の材料組成で、平均粒径
約100μmのものを使用した。なお、鉄系粉末は、こ
の材料組成、粒径に限定されるものでなく、歯車の材料
として適し、焼結可能な材料なら何でもよい。
【0022】ステップS02は、十分混合した上記の粉
末を使用して、常温にて一軸プレス成形により歯車形状
の歯車成形体を700MPaで冷間成形する歯車成形体
成形工程である。歯車成形体の大きさは焼結による収縮
を考慮した大きさである。続いて、この歯車成形体をス
テップS03の焼結工程で、窒素ガス雰囲気下、115
0℃で1時間焼結し、鉄系焼結素形材を製造した。この
素形材の密度は7.0g/cmであった。
【0023】本実施例では、ステップS01〜S03が
素形材製造工程に相当する。しかし、ステップS01の
混粉工程は必須ではなく、すでに混合されている鉄系粉
末を使用したり、成形助剤を用いないで成形することも
できる。
【0024】図3は、本実施例に使用した転造装置の正
面断面図である。定盤1の上面にメインフレーム2およ
びメインフレーム3が固設されている。メインフレーム
3のコの字状の先端部分にダイス軸12が鉛直方向に軸
支され、このダイス軸12に転造ダイス13が一体的に
固定されている。転造ダイス13はネジ状を呈してお
り、ダイス軸12により回転可能に固定されている。ダ
イス軸12の上端部にははすば歯車11が一体的に固定
されている。
【0025】定盤1の左側上面にドライブモータ5が固
設されている。ドライブモータ5の出力軸であるドライ
ブシャフト6は、メインフレーム3に水平方向に軸支さ
れるとともに、図3において右端にはカサ歯車7が一体
的に固定されている。
【0026】その下端部にカサ歯車8が一体的に固定さ
れ、その上端部にはすば歯車10が一体的に固定されて
いる補助シャフト9もメインフレーム3に鉛直方向に軸
支されている。補助シャフト9とドライブシャフト6
は、カサ歯車7とカサ歯車8が互いに噛み合う位置に配
設されている。また補助シャフト9とダイス軸12は、
はすば歯車10とはすば歯車11が互いに噛み合う位置
に配設されている。
【0027】以上の構成により、ドライブモータ5の回
転駆動力はドライブシャフト6を介してカサ歯車7、カ
サ歯車8、補助シャフト9、はすば歯車10、はすば歯
車11、ダイス軸12へと順次伝達され、転造ダイス1
3を回転駆動させる。
【0028】メインフレーム2にはシリンダ17によっ
て移動可能なバックアップ用シャフト16が水平方向に
軸支されている。図3におけるバックアップ用シャフト
16の左端部はボックス15と連結されている。ボック
ス15はプレート4の上に固設されており、ボックス1
5はプレート4上を図3において左右方向および紙面垂
直方向へ平行移動可能に配設されている。ボックス15
の紙面垂直方向への送りは、図示しない送り用モータの
駆動力を利用して行う。ボックス15にはワーク軸18
が図3において紙面に垂直方向に軸支されている。
【0029】メインフレーム3とプレート4の間の定盤
1上に高周波加熱装置20が設けられている。高周波加
熱装置20は必要に応じて高周波コイル19を上下動可
能に構成されている。
【0030】ステップS03で製造された鉄系焼結素形
材をワーク14としてワーク軸18の転造ダイス13に
対向する位置に歯車中心を一体的に固定する。ワーク1
4は、ワーク軸18により回転自在に固定されているこ
とになる。
【0031】ステップS04の加熱工程では、高周波コ
イル19がワーク14を加熱できる位置まで上昇させ、
ワーク14を図示しない駆動源により回転させながら高
周波コイル19に通電しワーク14を所定の温度に加熱
する。高周波誘導電流による加熱では表皮効果によりワ
ーク14の表層が特に加熱される。すなわちワーク14
の歯部の表層が加熱される。歯部の表層とは歯部表面か
ら一定の深さまでの領域を称する。具体的には歯車によ
って多少異なるが、表面から表面深さ(表面からの深
さ)1〜2mmまでの領域を指している。加熱温度は、
予め実験的に求められた通電時間と加熱温度の関係から
求められる高周波コイル19の通電時間により制御す
る。
【0032】高周波コイル19の通電時間が所定時間に
達したら、直ちに高周波コイル19を下降させ、ステッ
プS05で潤滑剤を図示しないノズルから吐出させてワ
ーク14に塗布する。潤滑剤は、転造時に摩擦係数を低
減させるためのもので、油性黒鉛を使用した。しかし、
潤滑剤は油性黒鉛に限定されるものではなく、水溶性黒
鉛など、上記の作用を有するものを適宜使用できる。
【0033】潤滑剤塗布後、ワーク14の歯部の表面が
150℃に加熱された状態で直ちにステップS06の転
造工程を実施する。転造を開始するときのワーク14の
歯部の表面温度は100〜350℃、より好ましくは1
20〜300℃に制御される。歯部の表面温度が100
℃より低い状態では変形抵抗減少の効果が得られない。
120℃以上の温度にすれば変形抵抗減少の効果が大き
く好ましい。加熱工程におけて加熱するワーク14の歯
部表面の所定温度は、転造開始までに生ずる温度低下を
考慮して決められる。
【0034】本実施例の歯車に用いた材料においては、
350℃以下がマルテンサイト領域内の温度である。マ
ルテンサイトの温度領域は材料組成により変化する。本
発明ではマルテンサイト領域内の温度以下で加熱するこ
とによって歯部の表層の変形抵抗を下げて転造すること
により、歯部の表層を高密度化し、歯部を高強度化でき
る。マルテンサイト領域より高い温度で加熱すると、オ
ーステナイトに変態し強度低下が生ずるので、マルテン
サイト領域内の温度以下で転造することが重要である。
このためマルテンサイト領域の上限温度に近すぎる温度
では制御ミス等によりオーステナイト領域に入る恐れが
あり、また加熱から転造開始までの温度降下を考慮する
必要があるので、実施例の材料の場合、300℃以下の
温度に制御することが好ましい。
【0035】図4は図3におけるワーク14および転造
ダイス13部分を上方から見た断面図である。図5は転
造ダイス13によりワーク14が転造されていく様子を
示した図である。転造工程について図3〜5を用いて説
明する。
【0036】まずドライブモータ5を駆動させ、転造ダ
イス13を図4においてB方向へ一定回転速度で回転駆
動させておく。この状態にて図3の位置にあるセットさ
れたワーク14を、シリンダ17によりボックス15を
図3において左方へ移動させ、図4に示すようにワーク
14と転造ダイス13とを噛み合わせ、ワーク14を転
造ダイス13へ所定量だけ押し込み固定する。
【0037】この状態にて図示しない送り用モータを操
作し、ボックス15を図4においてA方向へ所定の一定
速度で平行移動させる。ボックス15のA方向への平行
移動により、ワーク14は転造ダイス13に対して歯す
じ方向へ送られることになる。この転造ダイス13のB
方向への回転運動と、ワーク14のA方向への送り運動
により、両者の接触領域において、ホブ切りと類似の創
成運動により転造加工が逐次的に行われることになる。
【0038】転造加工中のワーク14の転造は、図5に
示すように進行する。すなわち、転造ダイス13がワー
ク14と噛み合った状態にてB方向へ回転すると、転造
ダイス13のネジ山部13aおよびネジ底部13bがワ
ーク14に対して図5において上方向へ移動する。する
と、転造ダイス13に噛み合うワーク14は、両者の接
触領域において転造されながら図5においてC方向へ連
れ回りすることになる。このようなワーク14のC方向
への回転運動と、図4におけるA方向への送り運動によ
り、ワーク14の歯部14aの歯先14bは転造ダイス
13のネジ底部13bにて転造され、ワーク14の歯部
14aの歯元14cは転造ダイス13のネジ山部13a
にて逐次転造される。
【0039】以上の動作により転造が進行し、ワーク1
4が図4においてA方向へ十分送られ、転造ダイス13
との接触状態が解除された時点にて、ワーク14の転造
が終了する。
【0040】この転造工程は、ワーク14の歯部表層が
加熱された状態で行われるので、ワーク14の歯部表層
の変形抵抗を低減させ、従来と同じ加工力でも、より多
くの変形量を得ることができる。これにより、歯車の表
層では空孔への材料流動量を増加させて空孔を減少さ
せ、歯部表層を高密度化できる。
【0041】図6は本実施例の転造後の歯車の歯先から
深さ方向の密度分布図である。この図は、転造後のワー
ク14を歯幅の中央付近かつ図2における紙面と平行な
平面でカットし、その断面を光学顕微鏡で観察し、0.
15mmに占める空孔面積の比率から密度換算して求
めた密度分布である。
【0042】表面深さ2.0mmより表面側の密度が向
上しており、表面から1.0mmまでの表面深さでは
7.8g/cmまで密度上昇させることができてい
る。密度が7.0g/cm(相対密度89.2%)だ
った素形材を、歯部の表層において深さ1.0mmまで
7.8g/cm(相対密度99.4%)まで高密度化
できた。なお、本実施例の鉄系材料の真密度は7.85
であり、相対密度は真密度に対する比率である。相対密
度99.4%は、焼結部品としては極めて高い値であ
る。この結果、歯部が高強度化された。
【0043】最後に、ステップS07で硬化層を形成し
て強度を確保するために浸炭焼入し平歯車100を完成
させる。実施例における浸炭焼入条件は、930℃、
1.5時間である。
【0044】図7は本発明の変形例の歯車の製造工程図
である。実施例と同じ工程は同じ符号を使用し、説明を
省略する。変形例は実施例と素形材製造工程が異なって
いる。実施例と同様にステップS01で混合した鉄系粉
末を用いて、ステップS08の円筒成形体成形工程で、
常温にて一軸プレス成形により円筒形状の円筒成形体を
700MPaで冷間成形した。
【0045】この円筒成形体を実施例と同じ条件で焼結
し、円筒焼結体を製造した(ステップS03)。円筒焼
結体の密度は7.0g/cmであった。次にステップ
S09の加工工程で、円筒焼結体をホブ切りで歯車形状
に加工し、歯車形状の鉄系焼結素形材を製造した。この
鉄系焼結素形材をワーク14として、実施例と同様にス
テップS04〜S07により加熱、転造、浸炭焼入して
平歯車100を製造した。変形例においても、実施例と
同様に歯部の表層が高密度化されていた。
【0046】本変形例では、ステップS01、S08、
S03、S09が素形材製造工程に相当する。しかし、
実施例と同様、ステップS01の混粉工程は必須ではな
く、すでに混合されている鉄系粉末を試用したり、成形
助剤を用いないで成形することもできる。
【0047】以上、実施例および変形例で示したよう
に、鉄系焼結素形材の歯部の表層をマルテンサイト領域
内の温度に加熱し、加熱された状態の歯部に噛み合うよ
うに転造ダイスにより仕上げ転造して歯車を製造するこ
とにより、歯部表層を高密度化でき、高強度の歯車を製
造できる。
【0048】実施例および変形例では歯部の表層を高周
波加熱により加熱したが、例えばレーザ加熱、炉加熱な
ど他の加熱方法でも適用できる。鉄系焼結素形材を転造
装置以外の場所で加熱してから転造装置にセットしても
よい。しかし、鉄系材料の場合、高周波により誘導加熱
されるので高周波加熱が適用できるだけでなく、実施例
および変形例のように歯部に対向するように高周波コイ
ルを位置させることにより、誘導電流が歯部の表層に多
く流れ、加熱が必要な歯部の表層を主に加熱できるの
で、エネルギー効率に優れた加熱ができる効果を奏す
る。
【0049】実施例および変形例では加熱工程と転造工
程が分離されているが、この工程をほぼ同時に行っても
よい。例えば、高周波コイルを転造ダイスと反対の歯部
に対向する位置に設け、所定温度に加熱後転造しつつ加
熱を続けるなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適用
できる。
【0050】鉄系焼結素形材の製造方法としては、実施
例では粉末成形法により歯車形状に成形し焼結する方法
を、変形例では粉末成形法により円筒成形体を成形し焼
結後、歯車形状に加工する方法を示した。実施例の方法
では、成形時に歯車形状に加工できるので、短時間に安
価に素形材を製造できる。一方、変形例では焼結後に歯
車形状に加工するので、素形材の形状を正確にでき、歯
部の密度分布を最適にする高密度化設計ができる。しか
も、この方法では、歯車の形状に制約がない。
【0051】鉄系焼結素形材の製造方法は、実施例や変
形例に限定されず、例えば、円筒成形体から歯車形状に
加工したのち焼結したり、歯車形状に成形後に成形体加
工を加えたのち焼結したり、歯車形状に成形後焼結した
のち加工したり、射出成形で歯車形状に成形したのち脱
脂、焼結するなど、鉄系焼結素形材を製造する方法なら
どの方法でもよい。
【0052】実施例および変形例では平歯車を製造する
方法で示したが、これに限定されず、はすば歯車など転
造ができる歯車なら何でも適用できる。また、転造装置
も実施例および変形例の転造装置に限定されず、歯車の
歯部を転造する装置なら何でも適用できる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明は、歯車形状の鉄
系焼結素形材を製造する素形材製造工程と、少なくとも
前記素形材の歯部の表層を加熱する加熱工程と、少なく
とも前記素形材の歯部の表層がマルテンサイト領域内の
温度に加熱された状態の前記歯部に噛み合うように転造
ダイスにより仕上げ転造する転造工程を備えていること
を特徴とする歯車の製造方法であるので、焼結歯車の歯
部表層を高密度化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の歯車の製造工程図。
【図2】実施例の歯車の平面図。
【図3】実施例に使用した転造装置の正面断面図。
【図4】図3におけるワーク14および転造ダイス13
部分を上方から見た断面図。
【図5】転造ダイス13によりワーク14が転造されて
いく様子を示した図。
【図6】実施例の転造後の歯車の歯先から深さ方向の密
度分布図。
【図7】本発明の変形例の歯車の製造工程図。
【符号の説明】
13…転造ダイス 14…ワーク(鉄系焼結素形材) 14a…歯部 19…高周波コイル 20…高周波加熱装置 S02…歯車成形体成形工程(素形材製造工程) S03…焼結工程(素形材製造工程) S06…転造工程 S08…円筒成形体成形工程(素形材製造工程) S09…加工工程(素形材製造工程)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯車形状の鉄系焼結素形材を製造する素
    形材製造工程と、前記素形材の歯部の表層を加熱する加
    熱工程と、前記素形材の歯部の表層がマルテンサイト領
    域内の温度に加熱された状態の前記歯部に噛み合うよう
    に転造ダイスにより仕上げ転造する転造工程を備えてい
    ることを特徴とする歯車の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記素形材製造工程に、鉄系粉末を含む
    粉末原料から歯車形状の歯車成形体を成形する歯車成形
    体成形工程と前記歯車成形体を焼結する焼結工程が備え
    られていることを特徴とする請求項1記載の歯車の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記素形材製造工程に、鉄系粉末を含む
    粉末原料から円筒形状の円筒成形体を成形する円筒成形
    体成形工程と前記円筒成形体を焼結し円筒形状の円筒焼
    結体を製造する焼結工程と該円筒焼結体から歯車形状に
    加工する加工工程が備えられていることを特徴とする請
    求項1記載の歯車の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱工程の加熱を高周波加熱により
    行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    歯車の製造方法。
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