JP2003011770A - ガス発生器の梱包方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアベルト用のガス発生器の如く、ガスの発
生方向に方向性を有するガス発生器の安全な梱包方法を
提供する。 【解決手段】 軸方向に開口したガス放出孔３を有し内
部に密閉空間Ｓが設けられた長尺円筒状のハウジング５
と、前記ハウジング５内に形成され燃焼により高温ガス
を発生するガス発生剤６が装填された燃焼室と、を備え
たガス発生器Ｐ１を筐体１内に梱包する梱包方法であっ
て、前記ガス発生器Ｐ１を、連結部材１０によって連結
保持して、該連結部材１０を筐体１に固定することによ
って、動きを拘束して梱包する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエアバッ
グ等を膨張展開させるガス発生器を運搬する際に、ガス
発生器を安全に梱包するガス発生器の梱包方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】自動車の衝突時に生じる衝撃から乗員を
保護するため、瞬時にエアバッグを展開させるためのガ
ス発生器は、各種のエアバッグモジュールに組み込まれ
ている。このガス発生器は、衝突の際に衝突センサから
の衝突検出信号により瞬時に多量の高温ガスを発生させ
るものである。

【０００３】この種のガス発生器には、瞬時にガス発生
剤を燃焼できるように、ガス発生剤の点火には火薬を使
用するものが多い。そのため、これらガス発生器の運搬
に際しては、万一の場合を想定して梱包され、運搬され
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】例えば、図２に示すよ
うなエアベルトに用いられるガス発生器Ｐ１の場合、シ
ートベルト内へガスを放出するため、シートベルトへの
取り付けが可能なように、長尺円筒状のハウジング５０
の一端にガス放出筒５１が形成されている。このため、
ガス発生剤５２の燃焼により発生するガスが方向性を有
するようになっている。

【０００５】このため、図２に示すように、各ガス発生
器Ｐ１を夫々同一方向に向けて並べて、筐体５３内に連
結部材５４によって連結して梱包した場合、ガス発生器
Ｐ１内のガス発生剤５２が、何らかの原因で燃焼し、多
量のガスが発生すると、筐体５３内からガス発生器Ｐ１
が飛び出したり、あるいは、筐体５３自身がガスの勢い
で飛んでしまうという問題があった。

【０００６】本発明は、従来の係る問題点を鑑みてなさ
れたものであり、エアベルト用のガス発生器の如く、ガ
スの発生方向に方向性を有するガス発生器の安全な梱包
方法を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の請求項１に記載のガス発生器の梱包方法は、
軸方向に開口したガス放出孔を有し内部に密閉空間が設
けられた長尺円筒状のハウジングと、前記ハウジング内
に形成され燃焼により高温ガスを発生するガス発生剤が
装填された燃焼室と、を備えたガス発生器を筐体内に梱
包する梱包方法であって、前記ガス発生器を、連結部材
によって連結保持して、該連結部材を筐体に固定するこ
とによって、動きを拘束して梱包するものである。ガス
発生器を、連結部材に連結保持した後、連結部材を筐体
内に固定することによってガス発生器を筐体内に動きを
拘束して梱包することができる。また、ガス発生器を連
結部材に連結保持した後に、連結部材を筐体に固定する
ことで、ガス発生器を筐体内に梱包するため、梱包方法
が簡単であり、梱包時の安全性を高めることができる。

【０００８】請求項２に記載のガス発生器の梱包方法
は、請求項１において、前記連結部材が、中空の筒状部
材であり、周囲に複数の小孔を有するとともに、軸部に
所定間隔で形成された前記ガス発生器の保持部を有して
いることを特徴とする。ガス発生器を同一方向に向けて
梱包した場合であっても、周囲に形成された複数の小孔
によってガス発生器からのガスの放出方向を分散するこ
とが可能となる。このため、ガス発生器からガスが発生
した場合であっても、ガス発生器が筐体から飛び出すと
いうようなことが起こらない。これによって、ガス発生
器を安全にかつ確実に筐体に固定することができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態の一例を
図面を参照しつつ説明する。図１は、エアベルト用ガス
発生器Ｐ１を筐体１内に梱包した状態を示す図である。

【００１０】図１において、筐体１は、ステンレス、ア
ルミニウム等の金属製であることが好ましいが、樹脂製
であってもよい。そして、筐体１と各ガス発生器Ｐ１と
の隙間には、発泡樹脂等の発泡材が梱包されている。こ
の梱包材が、筐体１への振動等を吸収する。

【００１１】ガス発生器Ｐ１は、図１に示すように、一
端に軸方向に開口したガス放出孔３を有し、軸方向に延
びたガス放出筒４と、内部に密閉空間Ｓが設けられた長
尺円筒状のハウジング５と、で構成されている。ハウジ
ング５内の密閉空間Ｓには、燃焼により高温ガスを発生
するガス発生剤６と、ガス発生剤６の燃焼によって発生
するガスが通過し、該ガスを冷却するとともに、ガス中
の塵等を集塵するフィルター材７が装填されている。ま
た、ハウジング５の他端側には、点火器８を有した塞栓
９がかしめ固定されている。

【００１２】これらガス発生器Ｐ１の一端には、ガス放
出筒４の先端部分を連結部材１０の軸部に形成された保
持部１２に挿入されて保持されている。

【００１３】連結部材１０は、中空の筒状部材であり、
周囲に複数の小孔１１が形成されている。そして、所定
間隔でガス発生器Ｐ１のガス放出筒４の先端部分が挿入
される保持部１２が形成されている。このガス発生器Ｐ
１の保持部１２における保持方法は特に限定されるもの
でなく、確実に固定できるものであれば良い。例えば、
ガス放出筒４の先端部及び保持部１２の内周にネジを形
成して、螺合するようにしてもよい。また、保持部１２
の内周部にバネ等の弾性材料を設け、その弾性力で挟持
するようにしても良い。

【００１４】また、連結部材１０は、周囲に複数の小孔
１１が形成されているため、仮にガス発生器Ｐ１のガス
放出孔３からガスが放出された場合であっても、ガスが
一方向に集中して放出されることがなく、拡散されて放
出される。

【００１５】連結部材１０は、その両端部で筐体１に固
定されている。筐体１への固定方法については特に限定
されるものではなく、例えば、両端部にネジを形成し、
筐体１の外部より螺合して固定することができる。これ
によって、ガス発生器Ｐ１を筐体１内で拘束することが
可能となる。このように、万が一、ガス発生器Ｐ１から
ガスが放出された場合であっても、連結部材１０の周囲
に形成された小孔１１によってガスが拡散されて放出さ
れるため、筐体１内から飛び出したりすることを防止で
きる。また、連結部材１０で筐体１に固定できるため、
ガス発生器Ｐ１を安全に梱包することが可能となり、運
搬時に万が一ガス発生器Ｐ１からガスが放出された場合
でも、最低限の被害で抑えることができる。

【００１６】また、本発明に係るガス発生器の梱包方法
は、上記実施形態例に示したエアベルト用ガス発生器に
限定されるものではなく、放出されるガスが方向性を有
するガス発生器への適用が可能である。なお、この場
合、連結部材のガス発生器の保持部を、ガス発生器の形
態、大きさに併せて適宜形成し、ガス放出孔若しくはガ
ス放出口を覆うようにする。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、以上のように構成されてお
り、ガス発生器を、周囲に小孔を有した連結部材によっ
て連結保持した状態で筐体に固定するため、ガスの放出
方向を分散できるとともに、ガス発生器の筐体内での動
きを拘束することができるため、安全にガス発生器を梱
包し、運搬することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るガス発生器の梱包方法の一実施形
態例を示す図である。

【図２】従来のガス発生器の梱包方法の一例を示す図で
ある。

【符号の説明】

Ｐ１ ガス発生器 １ 筐体 ２ 梱包材 ３ ガス放出孔 ４ ガス放出筒 ５ ハウジング ６ ガス発生剤 ７ フィルター材 ８ 点火器 ９ 塞栓 １０ 連結部材 １１ 小孔 １２ 保持部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸方向に開口したガス放出孔を有し内部
   に密閉空間が設けられた長尺円筒状のハウジングと、前
   記ハウジング内に形成され燃焼により高温ガスを発生す
   るガス発生剤が装填された燃焼室と、を備えたガス発生
   器を筐体内に梱包する梱包方法であって、 前記ガス発生器を、連結部材によって連結保持して、該
   連結部材を筐体に固定することによって、動きを拘束し
   て梱包するガス発生器の梱包方法。
2. 【請求項２】 前記連結部材が、中空の筒状部材であ
   り、周囲に複数の小孔を有するとともに、軸部に所定間
   隔で形成された前記ガス発生器の保持部を有しているこ
   とを特徴とする請求項１に記載のガス発生器の梱包方
   法。