JP2003007248A - 低圧ガス放電ランプ - Google Patents

低圧ガス放電ランプ

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JP2003007248A JP2002174632A JP2002174632A JP2003007248A JP 2003007248 A JP2003007248 A JP 2003007248A JP 2002174632 A JP2002174632 A JP 2002174632A JP 2002174632 A JP2002174632 A JP 2002174632A JP 2003007248 A JP2003007248 A JP 2003007248A
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ヒルビク ライネル
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ケールベル アーヒム
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バイアー ヨハネス
Thomas Dr Juestel
ユステル トーマス
Peter J Schmidt
イェー シュミット ペーター
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    • H01J61/02Details
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発生する放射を電磁スペクトルの可視レンジ
にできるだけ近づけた低圧ガス放電ランプを提供する。 【解決手段】 元素周期表のIV族の主族元素とのカル
コゲニドとバッファガスとを有する充填ガスを含むガス
放電容器と、内部又は外部電極と、低圧ガス放電を発生
しかつ維持する手段とを有する低圧ガス放電ランプ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、充填ガスを有する
ガス放電容器と、電極と、低圧ガス放電を発生させかつ
維持する手段とを有する低圧ガス放電ランプに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】低圧ガス放電ランプにおける光の発生
は、ランプ電極間の電界により、荷電粒子、特に電子
(イオンの場合もある)が、ランプの充填ガス中のガス
原子又は分子と衝突してこれらガス原子又は分子を励起
又はイオン化する程度に強く加速されるという原理に基
づくものである。充填ガスのこれら原子又は分子が基底
状態に戻る際に、励起エネルギーのほぼ大部分が放射に
変換される。
【0003】従来の低圧ガス放電ランプは、充填ガス中
に水銀を含んでおり、更にガス放電容器の内側に蛍光体
被膜が設けられている。この低圧ガス放電ランプには、
水銀蒸気が主として高エネルギーだが目に見えないUV
−C範囲の電磁スペクトル内にある放射を放出し、この
放射を、先ず最初に蛍光体により、それよりも著しく低
いエネルギーレベルを有する可視放射に変換する必要が
あるという欠点がある。この処理においては、このエネ
ルギーの差が不所望な熱放射に変換される。
【0004】その上、充填ガス中の水銀は、ますます、
環境的に有害で毒性のある物質と見なされるようになっ
ており、その使用、製造及び処分が環境に脅威となるた
め、今日の大量生産物においては可能な限り避けるべき
物質とされている。
【0005】充填ガス中の水銀を他の物質に置き換える
ことにより、低圧ガス放電ランプのスペクトルに影響を
及ぼすおそれがあることは既に分かっている。
【0006】例えば、英国特許公開第2014358号明細書
は、放電容器と、電極と、UV放出体としての少なくと
も一種のハロゲン化銅を含む充填剤とを有する低圧ガス
放電ランプが開示されている。このハロゲン化銅含有低
圧ガス放電ランプは、可視波長範囲及び約324.75
nm〜327.4nmのUV波長範囲の光を放出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電磁
スペクトルの可視範囲にできるだけ近い放射を発生する
低圧ガス放電ランプを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、この目
的は、元素周期表のIV族の主族元素とのカルコゲニド
とバッファガスとを有する充填ガスを含むガス放電容器
と、内部又は外部電極と、低圧ガス放電を発生させかつ
維持する手段とを有する低圧ガス放電ランプにより達成
される。
【0009】本発明によるランプにおいて、分子ガス放
電は低圧力で起こり、このガス放電が電磁スペクトルの
可視及び近UVA範囲の放射を放出する。この放射は分
子放電により発生されるため、カルコゲニドの種類や、
他に加え得る添加物や、ランプ内圧や点灯温度が連続ス
ペクトルの正確な位置を制御し得る。
【0010】本発明によるランプは、蛍光体と組み合わ
せると、従来の低圧水銀放電ランプよりかなり高い発光
効率を有する。ルーメン/ワットで表されるこの発光効
率は、特定の可視波長範囲における放射の輝度と、放射
を発生するためのエネルギーとの比である。本発明によ
るランプの高い発光効率は、特定量の光がより低い電力
消費で得られることを意味する。
【0011】元素周期表のIV族の主族元素、例えば、
ケイ素、ゲルマニウム、スズ及び鉛とのカルコゲニドは
高い解離エネルギーを有する。その結果、ガス放電中
に、電子衝突のイオン化により気相中の分子のうちのほ
んの一部しか分裂せず、ガス放電中に、カルコゲニドイ
オンは殆ど発生しない。このことも、ランプの発光効率
に好影響を及ぼす。
【0012】その上、本発明によれば、水銀の使用を回
避している。
【0013】本発明によるランプは、UV−Aランプと
して、日焼け用ベッドに用いたり、殺菌ランプや塗料硬
化用ランプとして用いると有利である。一般の照明目的
のためには、ランプを適切な蛍光体と組み合わせる。ス
トークスシフトにより引き起こされる損失が少ないた
め、100ルーメン/ワットを超える高い発光効率の可
視光が得られる。
【0014】本発明の範囲内では、カルコゲニドを、硫
化物、セレン化物及びテルル化物からなる群より選択す
るのが好ましい。
【0015】本発明の範囲内では、元素周期表のIV族
の主族元素を、ケイ素、ゲルマニウム、スズ及び鉛から
なる群より選択するのが好ましい。
【0016】カルコゲニドは、SiS、GeS、GeSe、GeTe、
SnS、SnSe及びSnTeからなる群より選択するのが特に好
ましい。
【0017】充填ガスが、セレン化ゲルマニウム Ge
Seを有することにより、従来技術に比べ特に有利な効
果が得られる。この場合、広い連続スペクトルを有する
ガス放電が得られる。
【0018】或いは又、充填ガスが硫化ゲルマニウム
GeSを有するのも好ましい。硫化ゲルマニウムを有す
る充填ガスは、高い蒸気圧を特徴とする。
【0019】充填ガスが、ケイ素、ゲルマニウム、スズ
及び鉛の2種以上のカルコゲニドからなる混合物を有す
ることにより、発光効率が更に向上する。
【0020】カルコゲニドにおいては、カルコゲンと元
素周期表のIV族の主族元素との間のモル比nを0.8
≦n≦1.2 とするのが好ましい。
【0021】充填ガスは、バッファガスとして、ヘリウ
ム、ネオン、アルゴン、クリプトン及びキセノンからな
る群より選択された不活性ガスを有することができる。
【0022】本発明の範囲内では、ガス放電容器がその
外面上に蛍光体被膜を有するのが好ましい。本発明によ
る低圧ガス放電ランプにより放出されるUV−A放射
は、一般的な種類のガラスによっては吸収されず、放電
容器の壁部をほぼ損失無く通り抜ける。従って、蛍光体
被膜をガス放電容器の外側面に設けることができる。こ
のことは、製造処理を簡単化することになる。
【0023】ガス放電容器はその内面上に蛍光体被膜を
有するのも好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の上述の及びその他の観点
は以下に記載の実施例の説明から明らかとなるであろ
う。図1に示す実施例において、本発明による低圧ガス
放電ランプは、放電空間を囲んでいる管状ランプバルブ
1から構成されている。外側接点3を有する内部電極2
はこの管の両端に封入されており、これら内部電極によ
りガス放電を点弧できる。さらに、低圧ガス放電ランプ
は、既知のように、ガス放電ランプの点弧及び点灯を制
御するのに用いる電気安定器を有する。
【0025】或いは又、ガス放電容器は、複数回屈曲し
た又はコイル状にした管の形態となるように構成するこ
とができ、これを外側バルブにより囲むこともできる。
ガス放電容器の壁部は、ガラス類、石英、酸化アルミニ
ウム又はイットリウム−アルミニウム−ガーネットから
形成するのが好ましい。
【0026】充填ガスとしては、最も簡単な場合には、
2×10-11 mol/cm3から2×10-9 mol/cm3 の量の、ケイ
素、ゲルマニウム、スズ及び鉛のカルコゲニドと、不活
性ガスとを用いる。この不活性ガスは、ガス放電をより
容易に点弧させ得るバッファガスとして作用する。この
バッファガスはアルゴンを用いるのが好ましい。アルゴ
ンは、ヘリウム、ネオン、クリプトン又はキセノンのよ
うな他の不活性ガスで完全に又は部分的に置き換えるこ
とができる。
【0027】カルコゲニドは、カルコゲン、即ち元素周
期表のVI族の主族元素を有する化合物である。本発明
の範囲内で、カルコゲンとして、硫黄(S)、セレン
(Se)及びテルル(Te)を有するカルコゲニドを用
いるのが好ましい。
【0028】元素周期表のIV族の主族元素としては、
本発明の範囲内で、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(G
e)、スズ(Sn)及び鉛(Pb)の元素を用いること
ができる。
【0029】本発明では、元素周期表のIV族の主族元
素とのカルコゲニドを用いるのが好ましく、この場合、
カルゴゲンと、元素周期表のIV族の主族元素との間の
モル比nは、約0.8≦n≦1.2とするのが好まし
い。
【0030】後に記載した表1は、元素周期表のIV族
の主族元素とのカルコゲニドの幾つかについての分光特
性を示す。T* [K]は、カルコゲニドの蒸気分圧が1P
a(10 μbar)に達している時のランプの壁部の温度
である。「遷移」の列には、カルコゲニド分子の放射遷
移の種類を示す。「X」は分子の電子的基底状態を示
し、「A」、「B」、「D」及び「E」は分子の電子的
励起状態を示す。「D[eV]」は関連するカルコゲニド
の解離エネルギーであり、「λ* 」は分子放射の固有の
波長を示す。
【0031】ケイ素、ゲルマニウム、スズ及び鉛との2
種以上のカルコゲニドをガス雰囲気中で組み合わせるこ
とにより発光効率を改善し得る。
【0032】点灯中のランプの内圧を最適化することに
よって更に発光効率を改善し得る。バッファガスの冷状
態での充填圧pとガス放電容器の最小直径dとの積が、
20Pa・cm(0.2mbar・cm )<p・d<2・1
3Pa・cm(20mbar・cm )の条件を満足する場
合に、バッファガスの冷状態での充填圧は最適となる。
【0033】ランプ点灯中の温度を適切な構成上の手段
により制御して、25℃の外部温度での点灯中に内部温
度T1がT *±50[K]となるようにすることにより、
低圧ガス放電ランプの発光効率を高めることができるこ
とを確かめた。この内部温度T1は、ガス放電容器の最
冷却点に関連するものである。
【0034】内部温度を高めるために、赤外線反射層で
被覆した外側バルブをガス放電容器を囲むように設ける
ことができる。インジウムをドープした酸化スズの赤外
線反射被膜を用いるのが好ましい。
【0035】本発明による低圧ガス放電ランプ内の電極
の好適な材料は、例えば、ニッケル又はニッケル合金、
或いは融点の高い金属、特にタングステン又はタングス
テン合金、とりわけレニウムを有するタングステン合金
から成る。また、酸化トリウム又は酸化インジウムとタ
ングステンとの複合材料も適切に用いることができる。
これら電極には、仕事関数の低い材料を追加的に被覆す
ることができる。
【0036】図1による実施例においては、ランプのガ
ス放電容器の外側面を蛍光層4で被覆している。ガス放
電により発生するUV放射により、この蛍光体層中の蛍
光体を励起し可視域の光5を放出させる。
【0037】蛍光体層の化学組成が光のスペクトル又は
その色調を決定する。蛍光体として適切に用いうる材料
は、発生した放射を吸収し、この放射を適切な波長範
囲、例えば赤、青及び緑の三原色に対する波長範囲で放
出し、かつ蛍光量子収量を高くし得るようなものとする
必要がある。
【0038】適切な蛍光体及び蛍光体合成物は、必ずし
もガス放電容器の内面に被着する必要はなく、代わりに
ガス放電容器の外面に被着することもできる。その理由
は、一般的な種類のガラスはUVAの波長範囲で発生し
た放射を吸収しないためである。
【0039】他の実施例によれば、ガス放電容器の外側
に電極を設け、例えば2.65MHz、13.56MH
z又は2.4GHzの周波数を有する高周波電界を用い
てランプを容量的に励起する。
【0040】さらに他の実施例によれば、例えば2.6
5MHz、13.56MHz又は2.4GHzの周波数
を有する高周波電界を用いてランプを誘導的に励起す
る。
【0041】ランプを点弧すると、これら電極により放
出された電子が充填ガスの原子及び分子を励起し、特性
線及び連続分子スペクトルのUV放射を放出する。
【0042】放電により充填ガスを加熱し、光出力が最
適となる、所望の蒸気圧及び所望の点灯温度を達成す
る。
【0043】ランプの点灯中にカルコゲニド含有充填ガ
スから発生する放射は、周期表のIV族の主族元素の線
スペクトルの他に、カルコゲニドの分子放電により引き
起こされる強く、広く、連続的な分子スペクトルを呈す
る。この連続的な分子スペクトルの最大放射範囲は、通
常、カルコゲニドの分子量が増えるにつれてより長波長
側に移動する。
【0044】
【表1】
【0045】[実際例1]UVA放射を透過するガラス
より成り、長さが14cmで直径が2.5cmの円筒状
放電容器に銅の外部電極を設ける。この放電容器を排気
し同時に0.3mgの量のGeSeを加える。さらに、
冷却時に5・10 2Pa(5mbar)の圧力でアルゴ
ンを導入する。外部交流電源から周波数13.65MH
zの交流電流を給電し、433℃の点灯温度で発光効率
を測定した。発光効率は100ルーメン/ワットであっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 セレン化ゲルマニウムを含む充填ガスを有す
る低圧ガス放電ランプにおける光の発生を示す線図であ
る。
【符号の説明】
1 ランプバルブ 2 電極 3 外側接点 4 蛍光層 5 可視域の光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロベルト ペーター ショール ドイツ国 52159 レートゲン ファウレ ンブルッフシュトラーセ 60アー (72)発明者 ライネル ヒルビク ドイツ国 52076 アーヘン ピロルヴェ ーク 23 (72)発明者 アーヒム ケールベル オランダ国 6462 ベーエヌ ケルクラー デ プリックステーンウェッハ 60アー (72)発明者 ヨハネス バイアー ドイツ国 52146 ヴュールゼレン デュ ッフェシャイダー ヴェーク 179 (72)発明者 トーマス ユステル ドイツ国 52070 アーヘン アウグスタ シュトラー 78アー (72)発明者 ペーター イェー シュミット ドイツ国 52064 アーヘン ズュートシ ュトラーセ 62

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 元素周期表のIV族の主族元素とのカル
    コゲニドとバッファガスとを有する充填ガスを含むガス
    放電容器と、 内部又は外部電極と、 低圧ガス放電を発生させかつ維持する手段とを有する低
    圧ガス放電ランプ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の低圧ガス放電ランプに
    おいて、 前記カルコゲニドは、硫化物、セレン化物及びテルル化
    物からなる群より選択されていることを特徴とする低圧
    ガス放電ランプ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の低圧ガス放電ランプに
    おいて、元素周期表の前記IV族の主族元素は、ケイ
    素、ゲルマニウム、スズ及び鉛から選択されていること
    を特徴とする低圧ガス放電ランプ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の低圧ガス放電ランプに
    おいて、前記カルコゲニドは、SiS、GeS、GeSe、GeTe、
    SnS、SnSe 及びSnTeからなる群より選択されていること
    を特徴とする低圧ガス放電ランプ。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の低圧ガス放電ランプに
    おいて、充填ガスは、セレン化ゲルマニウム GeSe
    を有することを特徴とする低圧ガス放電ランプ。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の低圧ガス放電ランプに
    おいて、充填ガスは、硫化ゲルマニウム GeSを有す
    ることを特徴とする低圧ガス放電ランプ。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の低圧ガス放電ランプに
    おいて、充填ガスは、ケイ素、ゲルマニウム、スズ及び
    鉛の2種以上のカルコゲニドからなる混合物を有するこ
    とを特徴とする低圧ガス放電ランプ。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の低圧ガス放電ランプに
    おいて、カルコゲニドにおける、カルコゲンと元素周期
    表のIV族の主族元素との間のモル比が0.8≦n≦
    1.2であることを特徴とする請求項1に記載の低圧ガ
    ス放電ランプ。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の低圧ガス放電ランプに
    おいて、充填ガスは、バッファガスとして、ヘリウム、
    ネオン、アルゴン、クリプトン及びキセノンからなる群
    より選択された不活性ガスを含むことを特徴とする低圧
    ガス放電ランプ。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の低圧ガス放電ランプ
    において、ガス放電容器の外側面上に蛍光体被膜を有す
    ることを特徴とする低圧ガス放電ランプ。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の低圧ガス放電ランプ
    において、ガス放電容器の内側面上に蛍光体被膜が設け
    られていることを特徴とする低圧ガス放電ランプ。
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