JP2003004849A - ソーナー装置 - Google Patents

ソーナー装置

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JP2003004849A
JP2003004849A JP2001192175A JP2001192175A JP2003004849A JP 2003004849 A JP2003004849 A JP 2003004849A JP 2001192175 A JP2001192175 A JP 2001192175A JP 2001192175 A JP2001192175 A JP 2001192175A JP 2003004849 A JP2003004849 A JP 2003004849A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ソーナー装置は,水中に指向性を制御し
て波動エネルギを放射する送波手段2,波動エネルギを
受信信号とする受波手段4,水と他の物質とを混合する
手段1,波動の伝播路にあって物質と水との混合物を滞
留あるいは貯蔵する貯留手段2を備え,貯留手段の形状
が,送波手段による波動エネルギの放射面から離れるに
従って断面積が増加する形状である。指向性制御する送
受波を,水と他の物質との混合物を滞留あるいは貯蔵し
た音響路を備えたパラメトリックアレイ音源を用いて行
なう。 【効果】 海底,水底下の埋設物を高い分解能と感度で
探知できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水中の情報を音波に
より映像化するソーナー技術に係わり,特に海底地質探
査や,ケーブルや遺失物等の埋設物を検出するソーナー
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,海底の地質探査等には,水中に波
動エネルギを放射する送信音源と,海底,海中からのエ
コーを受音するハイドロホンアレイとを曳航するソーナ
ー装置が広く使用されている。海底内での音波の減衰
は,周波数が高くなるほど著しいため,送信音波の周波
数は,通常,数十kHz以下のものが用いられる。
【0003】一方,ケーブルや小型の遺失物等,1m以
下の寸法の物体が海底に埋没した物を検出するために
は,可能な限り高い周波数で送受信を行うのが,分解能
の確保の点から有利である。数十kHz以下の音波で十
分な方位分解能を確保しながら,海底を広範に捜索する
ために,その送受信周波数と海底(水底)との距離,分
解能の最適化の関係から,無人のROV(Remotely Ope
rated Vehicles,遠隔操作ビークル)にソーナーの送受
信部を搭載したものが用いられる場合が多い。
【0004】また,広い海底領域を探査するために,水
上艇からソーナーの送受信部を搭載した曳航体を牽引
し,水深を制御しながら探査を行うことも広く行われて
いる。
【0005】しかし,ROV等を用いる場合でも,海底
から数mから数十mの高度を取ると,必要な分解能に見
合う送受波器の口径は約1mから数十m以上になり,大
口径を確保しなければならない。水中で数ノット以上の
速度で安定曳航,航走できる躯体に搭載できる送信音源
の大きさは,曳航速度につれて増す航走抵抗の大きさか
ら,実用上限界がある。この最大口径の限界を改善する
方法として,水の非線型音響伝播を利用したパラメトリ
ックアレイ音源を利用する方法が広く知られている。
【0006】パラメトリックアレイ音源は,周波数が高
く,指向性に優れる1次波のエネルギの一部が,海水の
非線型音響伝播により2次波の成分である差周波数成分
にエネルギが移り,差周波数成分に関して仮想的なエン
ドファイヤアレイが形成されたのと等価になる効果を利
用する音源である。パラメトリックアレイ音源は,送信
する1次音波から,変換される2次の音波へのエネルギ
ーの変換効率が,高くとも百分の1程度であるため,変
換効率の改善が望まれる。
【0007】この問題に関連して,水中気泡の振動で送
波エネルギーの周波数特性を制御する技術が米国特許U
SP3,437,170に開示されている。また,送波
音源の前に水中気泡を形成し,その非線型振動を用い
て,パラメトリックアレイ音源の効率を改善する技術が
日本音響学会誌46巻8号622頁から627頁に開示
されている。また,米国特許USP3,872,421
号に於いては,非線形性の高い媒質を容器に収め,容器
内で定在波を発生させてパラメトリックアレイ音源とす
る方法が開示されている。また,特開平4−35918
2号公報では,気泡を含んで固体化された材料を用いて
非線形性を改善する方法が開示されている。また,特開
平7−203579号公報では,送波音源の前に気泡を
形成する技術が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では,気
泡の利用で非線型効果を高める原理的な技術や構成が開
示されているが,海底埋設物等を検出する場合に送信を
固定の指向性条件で行うことは少なく,実用的には指向
性を制御する場合が多い。
【0009】本発明が解決しようとする課題は以下の通
りである。 (1)フェイズドアレイビームフォーマなどで電子的に
送波指向性を制御する場合に,上述のパラメトリックア
レイ音源の効率改善を促す技術について空間的均一性を
高めること。 (2)パラメトリックアレイ音源の一次波の距離減衰に
よるゲイン低下を補うため,水面直下よりも海底に接近
した深度からの音波の送受信による走査を実現するこ
と。 (3)パラメトリックアレイ音源の低い周波数の2次波
のエコーを高い空間分解能で受信すること。 (4)受信手段の水中運動時の流体抵抗を減少させるこ
と。 (5)2次波を線状アレイで受波する場合の指向性を送
信を含めて改善すること。 (6)船舶などの航走時の流体抵抗と自重を減少させる
こと。 (7)海底への送波入射角の制御および,船舶などの航
走時の流体抵抗による貯留手段(水と他の物質との混合
物を滞留あるいは貯蔵する)の運動と送波手段の相対位
置関係を維持すること。 (8)船舶などの航走時の送波手段と受波手段の空間的
位置関係の変動を吸収すること。 (9)水中にて所定の時間の後,溶解消失する物質を非
線型効果改善に用いること。
【0010】本発明の目的は,指向性制御する送受波
を,水と他の物質との混合物を滞留あるいは貯蔵した音
響路を備えたパラメトリックアレイ音源を用いて行な
い,上記の課題を解決し,海底埋設物等を検出するソー
ナー装置を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記(1)の課題を解決
するために,本発明の第1の構成のソーナー装置は,海
中などの水中にその指向性を制御して波動エネルギを放
射する送波手段と,水又は海水と,所定の流体(気体あ
るいは液体,あるいは固体粒子を分散させた液体などの
複数物質の分散相,混合相などの物質から構成される)
とを混合する手段と,前記物質と水の混合物を滞留ある
いは貯蔵させ,送波手段の送波面から離れるに従って断
面が増加する扇型あるいは円錐,角錐型の形状をもつ,
開空間あるいは閉空間をなす貯留手段とを具備する。
【0012】上記(2)の課題を解決するために,本発
明の第2の構成のソーナー装置は,第1の構成のソーナ
ー装置に於いて,送波手段と,受波手段が,自律,遠隔
操作,索の有無に係わらず,水面下を航走する躯体に具
備する構成とする。
【0013】上記(3)の課題を解決するために,本発
明の第3の構成のソーナー装置は,第1の構成のソーナ
ー装置に於いて,送波手段または貯留手段と,受波手段
は,音響的に分離して具備する構成とする。
【0014】上記(4)の課題を解決するために,本発
明の第4の構成のソーナー装置は,第2の構成のソーナ
ー装置に於いて,受波手段を流体抵抗の小さい線状配列
として形成し,曳航する構成とする。
【0015】上記(5)の課題を解決するために,本発
明の第5の構成のソーナー装置は,第4の構成のソーナ
ー装置に於いて,送波手段は航走体の航走方向に対し,
ほぼ直交方向に配列する複数の送波素子で構成する。
【0016】上記(6)の課題を解決するために,本発
明の第6の構成のソーナー装置は,第1の構成のソーナ
ー装置に於いて,貯留手段として膨張または収縮が可能
な袋を具備する構成とする。
【0017】上記(7)の課題を解決するために,本発
明の第7の構成のソーナー装置は,第1の構成のソーナ
ー装置に於いて,貯留手段と送波手段を一体として可動
にする機構を具備する構成とする。
【0018】上記(8)の課題を解決するために,本発
明の第8の構成のソーナー装置は,第1の構成のソーナ
ー装置に於いて,送波手段の位置あるいは姿勢を検出す
る検出手段を備え,検出手段により得られた情報をもと
に受波手段の受信信号を処理する構成とする。
【0019】上記(9)の課題を解決するために,本発
明の第9の構成のソーナー装置は,第1の構成のソーナ
ー装置に於いて,所定の流体を構成する物質は,二酸化
炭素を含有するか,あるいは水中で二酸化炭素を発生す
る物質を含有する。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1の実施例)図1は,本発明
の第1の実施例の構成を説明する図である。本発明のソ
ーナー装置を構成する,混合手段1,貯留手段2,送波
手段3,受波手段4は,水10の中に沈められる。水1
0は,海,河川,湖沼,ダム,大規模貯水設備などの海
水や淡水などである。通常,送波手段3はランジュバン
型送波器,受波手段4はハイドロホン等を用いる。貯留
手段2は,流体を保持できる定形,あるいは不定形の容
器あるいは空間により構成される。
【0021】送波手段3は,放射するエネルギーの大部
分が貯留手段2を通過するように配置される。送波手段
3は,指向性を制御した送波ビーム5および別指向性の
送波ビーム5aを形成する。貯留手段2は,送波ビーム
5,5aのほぼ同じ音波の伝播距離を包含する形状とす
る。一例として,送波手段3が送波ビーム5,5aを面
内で扇状に走査する場合,貯留手段2の形状も扇状の領
域とする。送波手段3がビーム5,5aを円錐や角錐の
体積内で走査する場合であれば,貯留手段2の形状も円
錐,角錐の領域とするのが望ましい。貯留手段2の形状
は,送波手段3の音響放射面から距離が増すにつれ,拡
声器のように断面積が拡大する形状で構成する。
【0022】受波手段4は,送波手段3の送波したビー
ムが,反射体7で反射してきたエネルギを受けて受信信
号とする。受波手段4は受波するエネルギの大半が貯留
手段2を通過しないように送波手段3,貯留手段2とは
距離をおいて配置される。即ち,受波ビーム6が貯留手
段2を通らないよう設置される。
【0023】混合手段1は,貯留手段2に接続される。
図1に示す混合手段1は,吸入口1x,貯槽1y,吐出
口1zを備える。物質11は貯槽1yに貯蔵される。吸
入口1xより周囲の水10が,貯槽1yより物質11
が,移動して混和されて混合物12が形成される。吐出
口1zより貯留手段2の内部に,混合物12が蓄積ある
いは滞留される。混合手段1は吐出口1zにて貯留手段
2と接続されている。ここで物質11は,空気や二酸化
炭素などの気体,過酸化水素水などの液体,過炭酸ナト
リウムなどの固体粒子などの単一相,気体や液体を膜で
包含したマイクロカプセルなどの複数相からなる粒子や
それらを高濃度で液相に分散したもの等であり,攪拌に
より水や海水に分散できる。これらは,水や海水に分散
すると音波伝播に関する非線型性を増す点に特徴があ
る。また,二酸化炭素を含む,あるいは発生する物質を
用いた場合,二酸化炭素気泡は水に対する溶解度が高い
ため,音響的には速やかに消失し,大きな径の気泡に成
長しにくい。
【0024】貯留手段2は,混合物12を周囲に散逸さ
せない閉空間で構成されても良いが,混合物12の密度
が周囲の水10と同等もしくは低ければ,混合物12は
浮力により上部位置に大部分が滞留するため,貯留手段
2の底部が水中に対して開いた開空間により構成しても
良い。
【0025】貯留手段2が袋や槽のような閉空間を構成
するものであれば,混合手段1は吸入口1xを備え,周
囲の水10を吸引して貯留手段2に混合物12を送りこ
むが,同時に,混合手段1は混合物12を当初の吐出口
1zより逆に吸引し,当初の吸入口1xより排出しても
良い。このような機能は,混合手段1が正転,逆転が制
御できる流体ポンプ等を備えると容易に実現できる。ま
た,吸水口1xを備えず,当初の吐出口1zより吸排水
を行う構成でも良い。
【0026】この構成により,送波手段3の音響放射面
から所定の距離までに,非線型を増した,ほぼ均一な音
響路を形成できる。ここでの所定の距離とは,送信する
音波の中心周波数での波長で,数十波長以上が実用上望
ましい。 (第2の実施例)図2は,本発明の第2の実施例の構成
を説明する図であり,図1の構成要素を水中航走体に搭
載する実施例を示す。本明細書では,「水中航走体」
は,有索,無索,自律,遠隔操作,曳航,自走の何れを
も問わず,海中に潜航する移動体を指す。水中航走姿勢
に於いて,水底部に向けて開口が広がるよう,航走体の
躯体20の内部に貯留手段2が設けられる。流体抵抗の
低減を図った躯体20により,水中,水底を広範囲に移
動探査するのに適する。また,航走雑音の影響を低減で
きる。また,安定化翼により姿勢変動による,送波ビー
ム5b,5c,受波ビーム6aの動揺を低減できる。 (第3の実施例)図3は,本発明の第3の実施例の構成
を説明する図である。図3に示す実施例は,図2に示す
実施例に於いて,受信の指向性と感度の改善を図るもの
である。通常,1次波の送波ビーム5b,5cにより,
非線型効果により変換すべき2次音波は,1次の周波数
の数分の一から十分の一の低い周波数とする。このた
め,1次波の送波口径と同口径での受波ビームの主極幅
は,1次の幅の数倍から十倍になる。これを補うため,
航走時の流体抵抗の著しい増大を招くことなく,受信口
径を拡大できる曳航式アレイ40を躯体20aより曳航
して受波手段4とする。曳航式アレイ40は,ハイドロ
ホン素子41を索上に直線配列して水中で牽引するもの
である。航走体の進行方向に沿って大口径が得られ,線
状であるため流体抵抗が比較的小さくて済む。また,揚
収時に小型に巻き取ることが出来る点が有利である。送
波ビーム5bはパラメトリックアレイとして1次波周波
数の持つの高い指向性で水中,海底,海底下の反射体7
よりエコーを発生させ,大口径の受波ビーム6bで受信
される。反射体7が水中,海底にある場合は,送波手段
3が発生する高い周波数の1次波と,水中伝播中に発生
する低い周波数の2次波の両者から波動エネルギーをエ
コーとして得られる場合が多いが,埋設物など海底面以
下からの反射では,2次波成分が主なものとなる。曳航
式アレイ40は,単一である必要はなく,2,3本並列
にする構成にすると,索の長手方向に直交する面内での
指向性を改善できる。
【0027】図4は,本発明の第3の実施例に於ける送
波手段を説明する図である。海底に向かって航走体搭載
のソーナーにより捜索する場合,航走体の躯体20の進
行方向に対して横断的に送波エネルギーの指向性を制御
することが探査効率を上げるためには望ましい。送波手
段3を,躯体20の進行方向にほぼ直交する方向に分割
された送波素子3eの配列とすると,良く知られるフェ
イズドアレイ整相方式などにより送波ビーム5d,5
e,5fが形成できる。海底100の表面では,躯体2
0の進行方向SSに対してほぼ直交する方向SP上に送
波ビーム5d,5e,5fが照射される。航走体の躯体
20に内蔵される混合手段1の吐出口1zは,送波手段
3の長手方向に沿って混合物が均一に吐き出されるよう
に工夫することもできる。また,送波素子3eの配列
は,図4の如く直線状配列である必要はなく,円弧状の
配列,複数の線分上の配列でもよく,また,送波素子3
eの放射面が躯体20の進行方向や海底に対し並行に固
定されている必要もない。
【0028】次に,図3に示す航走体に搭載するソーナ
ーの送波手段3が,図4に示す配列状の送波手段3より
なり,受波手段4(曳航式アレイ40)が2本並列に具
備される場合のソーナー装置における送受ビームの空間
的関係について,図5を用いて説明する。図5は,本発
明の第3の実施例に於ける送波ビームを説明する図であ
る。実施例3では,送波手段3はM素子の送波素子3e
よりなる。これらは独立して送波ビームフォーマ51よ
り送信信号を供給され,送波ビーム5d,5e,5fを
形成する。送波ビーム5d,5e,5fは送波時にパラ
メトリックアレイを形成する。送波ビームフォーマ51
は,航走体の進行方向とほぼ直交する一軸方向のみで指
向性を制御するため,航走体の進行方向に沿った指向性
は,送波時の指向性のままである。
【0029】N素子からなる曳航式アレイ40の2本に
より受波手段4が構成され,それらが得る2N個の受信
信号は受波ビームフォーマ52に供給される。受波ビー
ムフォーマ52は受波ビーム6cを形成する。受波ビー
ム6cの航走体の進行方向に沿った指向性はN個の長い
アレイ口径によって,送波の1次波,2次波ともに高い
指向性を形成することが出来る。一方,進行方向とほぼ
直交する軸方向の指向性は,2列の曳航式アレイ40の
左右の間隔を有効幅とする方位分解能を有する。図示し
ない手段によって,送波ビームフォーマ51によるビー
ム形成の方位情報を受波ビームフォーマ52に反映する
ことができる。
【0030】次に,航走体に搭載する貯留手段2を変形
可能な袋状構造体とし,この袋状構造体を音響路とし
て,航走体の進行方向に対する送波の指向性を機械的に
制御する構成例について,図6から図9を用いて説明す
る。図6は,本発明の第3の実施例に於ける航走体を説
明する上面図である。索61は海上の船舶などにつなが
り,航走体を曳航,揚収するほか,各種の制御信号,受
信信号,送信信号の送受,推進装置等への電力供給を行
う。航走体の本体は大きく別けて,袋状の貯留手段60
を枠に固定しながら,基部に配列状の送波手段3を格納
する送波部21と,左推進部22,右推進部23からな
る。左推進部22と右推進部23は二つの水平支柱で一
体となっている。第1の水平支柱は,航走体の進行方向
前方で送波部21の基部を貫通する。送波部21は,そ
の基部に於いて,第1の水平支柱を中心に所定の角度範
囲で回転可能である。第2の水平支柱は航走体後方にあ
り,送波部21の枠の底部の一部を捕捉・開放する,捕
り手機構24を備える。
【0031】左推進部22には,送波ビームフォーマ5
1が格納され,圧電素子等からなる送波手段3に送信信
号電力を供給する。送波部21の回転角度を検出するた
め,ロータリーエンコーダ62も格納される。ロータリ
ーエンコーダ62による回転角度情報は,送波ビームフ
ォーマ51,受波ビームフォーマ52等の制御情報とさ
れる。右推進部23には物質11を収納する貯槽1y,
流量調節弁1b,1c,混合手段1である双方向ポンプ
1aが格納されている。周囲の海水などの水10は吸入
口1xより,流量調節弁1bを経て双方向ポンプ1aに
より内部に導入される。物質11も貯槽1yより流量調
節弁1cを経て導入され,双方向ポンプ1a等を経る間
に水10と混合される。変形可能な送管1dを通過し
て,得られる混合物12は吐出口1zから袋状の貯留手
段60の内部に供給される。混合物12が十分に袋状の
貯留手段60の内部に供給されると,双方向ポンプ1a
の吐出圧力一杯までの内圧で袋状の貯留手段60は膨張
する。流量調節弁1b,1cを遮断することにより,以
降,袋状の貯留手段60の体積は変化しない。膨張した
袋状の貯留手段60は,送波手段3の近傍で厚みが薄
く,送波部21の枠の底部でほぼ矩形に広がった形状と
なる。袋状の貯留手段60をソーナーの送波に供しない
場合には,内部の混合物12を排出して収縮させる。排
出は,双方向ポンプ1aを逆転させ,流量調節弁1bの
みを開通させて行ない,最初の吸入口1xより混合物1
2を周囲へ吐出する。左推進部22,右推進部23は,
共に末尾に曳航式アレイ40を曳航する。次に,送波部
21での送波ビーム形成を図7,図8を用いて説明す
る。
【0032】図7は,本発明の第3の実施例に於ける航
走体の送波部を説明する図であり,図8は,本発明の第
3の実施例に於ける航走体の送波部の可動機構を説明す
る図である。非線型性を増した混合物12で十分に膨張
させた,袋状の貯留手段60を貫通するように送波ビー
ム5d,5fが形成される。送波ビームの偏向角度は,
航走体の進行方向を横断する面内で電子的に偏向でき
る。航走体の進行方向を含む面内での送波ビームの指向
性は,航走中の可動翼71の角度で制御される。
【0033】図8(a)は,袋状の貯留手段60の動き
を説明する航走体の側面図である。送波部21は,俯角
位置S1,S2,S3の順に,海底に対する送波ビーム
6の俯角を変化させることができる。ビームの俯角を変
えることは,航走体の対水速度により,袋状の貯留手段
60が受ける流体抵抗を変化させることにもなり,航走
経路や海流などの水中の周囲状況により微妙に送波ビー
ム俯角も変動する。これらの角度変動情報は,図6に示
すロータリーエンコーダー62により送波ビームフォー
マ51,図5に示す受波ビームフォーマ52に入力され
て動揺の補正情報となる。
【0034】図8(b)は,袋状の貯留手段60が,左
推進部22と右推進部23の間に格納された状態を示
す。航走体を短時間で揚収したり,目的海域地点へ移動
させる場合,袋状の貯留手段60を格納して流体抵抗を
大きく低減させることができる。この航走体を用いた埋
設物の走査を図9を用いて以下に説明する。
【0035】図9は,本発明の第3の実施例に於ける埋
設物の探知を説明する図である。水上の船舶90から索
61により航走体20が曳航される。袋状の貯留手段6
0を貫通した送波ビーム5は,効率よくパラメトリック
アレイを形成し,海底100に入射する。海水と海底と
の音響インピーダンスの違いから,1次波のエコーは海
底100の表面で大半のエネルギを反射し,曳航式アレ
イ40で受信される。海底下に入射したエネルギーは著
しい減衰を受け,周波数にも拠るが,殆ど受信されな
い。この結果,1次波のエコーに対する受波ビーム6e
の形成により,海底100の表面の形状が詳細に画像化
される。パラメトリックアレイ音源として変換された2
次波の低周波成分は,海底下に入射した後でも,受ける
減衰は1次波に比べると相対的に少なく,埋設物である
反射体7で散乱されて,再び海中にエネルギが戻され,
曳航式アレイ40で受信される。受波ビーム6fの形成
により,埋設物7の有無を検出できる。
【0036】
【発明の効果】本発明により,従来のサブボトムプロフ
ァイラやサイドスキャンソーナでは困難であった海底,
水底下の埋設物を,高い分解能と感度で探知できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を説明する図。
【図2】本発明の第2の実施例の構成を説明する図。
【図3】本発明の第3の実施例の構成を説明する図。
【図4】本発明の第3の実施例に於ける送波手段を説明
する図。
【図5】本発明の第3の実施例に於ける送波ビームを説
明する図。
【図6】本発明の第3の実施例に於ける航走体を説明す
る上面図。
【図7】本発明の第3の実施例に於ける航走体の送波部
を説明する図。
【図8】本発明の第3の実施例に於ける航走体の送波部
の可動機構を説明する側面図。
【図9】本発明の第3の実施例に於ける埋設物探知を説
明する図。
【符号の説明】
1…混合手段,1a…双方向ポンプ,1b,1c…量調
節弁,1d…送管,1x…吸入口,1y…貯槽,1z…
吐出口,2…貯留手段,3…送波手段,3e…送波素
子,4…受波手段,40…曳航式アレイ,41…ハイド
ロホン素子,5,5a〜5f…送波ビーム,51…送波
ビームフォーマ,52…受波ビームフォーマ,6,6a
〜6f…受波ビーム,7…反射体,10…水,11…物
質,12…混合物,20…躯体,21…送波部,22…
左推進部,23…右推進部,24…捕り手機構,60…
袋状の貯留手段,61…索,62…ロータリーエンコー
ダ,90…船舶,100…海底,SS…進行方向,SP
…直交方向,S1〜S3…俯角位置。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水中に指向性を制御して波動エネルギを放
    射する送波手段と,前記波動エネルギを受信信号とする
    受波手段と,水と他の物質とを混合する手段と,前記送
    波手段の波動の伝播路にあって,前記物質と水との混合
    物を滞留あるいは貯蔵する貯留手段とを備えるソーナー
    装置であって,前記貯留手段の形状が,前記送波手段に
    よる前記波動エネルギの放射面から離れるに従って断面
    積が増加する形状であることを特徴とするソーナー装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1に於いて,前記送波手段,前記貯
    留手段,及び前記受波手段が,水中航走体に具備される
    ことを特徴とするソーナー装置。
  3. 【請求項3】請求項1に於いて,前記送波手段と前記受
    波手段が分離して具備されることを特徴とするソーナー
    装置。
  4. 【請求項4】請求項2に於いて,前記受波手段は,複数
    の受波素子からなり,前記水中航走体より線状の配列で
    曳航されることを特徴とするソーナー装置。
  5. 【請求項5】請求項4に於いて,前記送波手段は,前記
    水中航走体の航走方向に対し,ほぼ直交方向に沿って配
    列する複数の送波素子よりなることを特徴とするソーナ
    ー装置。
  6. 【請求項6】請求項1に於いて,前記貯留手段は膨張ま
    たは収縮が可能な袋を具備することを特徴とするソーナ
    ー装置。
  7. 【請求項7】請求項1に於いて,前記貯留手段と前記送
    波手段を一体として可動にする機構を具備することを特
    徴とするソーナー装置。
  8. 【請求項8】請求項1に於いて,前記送波手段の位置あ
    るいは姿勢を検出する検出手段を備え,前記検出手段に
    より得られた情報をもとに前記受波手段の受信信号を処
    理することを特徴とするソーナー装置。
  9. 【請求項9】請求項1に於いて,前記物質は,二酸化炭
    素を含有するか,あるいは水中で二酸化炭素を発生する
    物質を含むことを特徴とするソーナー装置。
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