JP2003004274A - クリーンルーム内のケーブル入線及び配管工法及びこれに使用する仮設防塵テント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーブル等の増設工事又は各種機器の新設、
増設、移設の際に、クリーンルーム内に設置された配電
盤内部又はクリーンルーム内で使用する各種機器に蓄積
した塵埃がクリーンルーム内で浮遊飛散することを防止
するばかりでなく、光ケーブル接続の際の融着エラーを
防止することができるケーブルの入線及び配管工法とこ
れに使用する仮設防塵テントを提供する。 【解決手段】 クリーンルーム内に設置され、クリーン
ルーム内で使用される各種機器（パソコンや精密機械）
へ送電線や通信ケーブルを接続するため設置された分電
盤ボックス２内での入線工事に際し、分電盤ボックス２
にその上部及び周囲を覆う組立式の防塵テント１を設置
し、当該防塵テント１内で作業する。この防塵テント１
は組立式の屋根骨組３と、屋根骨組３を支持する脚体４
と、屋根骨組３の上部を覆う天幕５ａと、脚体４の周囲
を覆う側面幕５ｂとを有し、屋根骨組３が分電盤ボック
ス２の扉２ａと着脱自在に連結される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイス工
場、食品工場、薬品工場、無菌手術室、サーバールーム
等のクリーンルーム内に設置された各種機器の据付設置
作業や分電盤ボックス内に光ファイバー等のケーブル入
線工事や配管工事等を行なう際に使用される仮設防塵テ
ントに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、電子・精密機器、医薬品、醸
造品、化粧品等の研究・製造室あるいはパソコン等の精
密機器が多数収容されたサーバールームにおいては、室
内雰囲気中の塵埃を極限まで抑えたクリーンルームが嘱
望されている。これらのクリーンルーム内では、外部か
ら塵埃が侵入しないように配慮することはもとより、当
該クリーンルーム内で従事する作業者の人体からの発塵
も防止する手段も種々講じられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、クリーンル
ーム内で使用される各種機器（パソコンや精密機械）へ
送電線や通信ケーブルを接続するためにクリーンルーム
内に設置された配電盤内部には、天井裏又は床下から侵
入した塵埃が堆積していたりする。その後、ケーブル等
の増設等の入線工事又は配管工事の際に、これらの塵埃
がクリーンルーム内で浮遊して飛散するおそれがある。
したがって、入線工事や配管工事が完了するまで、細心
の防塵対策を採る必要があるが、従来、これといった防
塵対策は講じられていなかった。したがって、入線工事
や配管工事完了後にクリーンルーム内を極めて厳密に清
掃し直す必要があった。とくに、光ケーブル接続の際に
は塵埃による融着エラーが発生したり、半導体デバイス
工場内では数ミクロンの塵埃で製品の不具合率が高くな
っているのが現状であり対策の施しようがなかった。

【０００４】本発明は、上記のような従来技術の問題点
に鑑みてなされたものであり、ケーブル等の増設工事又
は各種機器の新設、増設、移設の際に、クリーンルーム
内に設置された配電盤内部又はクリーンルーム内で使用
する各種機器に蓄積した塵埃がクリーンルーム内で浮遊
飛散することを防止するばかりでなく、光ケーブル接続
の際の融着エラーを防止することができる防塵テントを
提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このため本発明では、ク
リーンルーム内に設置されて使用される各種機器（パソ
コンや精密機械）や分電盤ボックスに送電線や通信ケー
ブルを接続する入線工事及び配管工事及び各種機器の据
付設置に際し、当該各種機器や分電盤ボックスにその上
部及び周囲を覆う組立式の防塵テントを仮設し、当該防
塵テント内で作業することを第１の特徴とする。

【０００６】本発明工法で使用される防塵テントは、組
立式の屋根骨組と、該屋根骨組を支持する脚体と、前記
屋根骨組の上部を覆う天幕と、前記脚体の周囲を覆う側
面幕とを有し、該側面幕にフィルター付通気口が設けら
れていることを特徴とし、屋根骨組が分電盤ボックス又
はクリーンルーム内で使用される各種機器と着脱自在に
連結されているものが好ましい、また、さらに好ましく
は屋根骨組及び脚体が伸縮自在又は折り畳み自在とされ
ていると良い。

【０００７】すなわち、本発明の防塵テントは、防塵テ
ントの屋根骨組が伸縮自在又は折畳み自在とされ、この
屋根骨組を分電盤ボックスや各種機器と着脱自在に連結
することで、分電盤ボックスや各種機器をテントの骨組
みの一部と成し、この屋根骨組に脚体を着脱自在に連結
するようにされている。そして、クリーンルーム内で使
用される各種機器本体をテントで覆い囲み、各種機器の
新設、増設、移設の際に塵埃の侵入を防止するものであ
る。

【０００８】本発明の防塵テントは、扉を開放した配電
盤の上部及び周囲を覆う天幕とその周囲を覆う側面幕を
備えているので、配電盤内部に堆積した塵埃等がクリー
ンルーム内に飛散することがなく、また、配電盤の周囲
及び上方のいずれからの塵埃の侵入も防止できる。ま
た、防塵テントに空調機を連結することにより、テント
内の除塵及び除湿、冷房及び暖房等の空調を行なうこと
ができ、テント内の作業環境を良好にすることができ
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に示す実施例に基づいて説明する。図１は本発明に係
る防塵テントの一実施例を示す斜視図、図２は本発明に
係る防塵テントの他の実施例を示す斜視図、図３は本発
明に係る防塵テントを設置したクリーンルームを示す概
略断面図である。

【００１０】

【実施例】図１に示すように、防塵テント１Ａは、分電
盤ボックス２の上方及び周囲を覆う組立式のテント構造
とされている。すなわち、防塵テント１Ａは、屋根骨組
体３と、その屋根骨組体３を支持するための２本の支持
脚４、さらに、屋根骨組体３を上部から覆う天井幕５ａ
及び支持脚４の周囲を覆うテント本体側面幕５ｂとが一
体に形成されたテント幕体５とから構成されている。

【００１１】屋根骨組体３は、伸縮自在の構造にされた
一対の桁杆３ａと、これら梁杆３ａを連結する桁杆３ｂ
とから構成されている。そして、梁杆３ａの一端を分電
盤ボックス２の開放された扉２ａの一端部上部に例えば
ボルトやピン６等により着脱自在に連結した後、これら
を所望の長さ分引き伸ばし、各々に支持脚４を連結して
立設する。

【００１２】テント幕体５は、テント布として一般的に
使用されている透明な合成樹脂シート等を使用し、側面
の一部にフルター付通気口５ｃを設ける。尚、テント幕
体５は屋根テント部と側面テントとを分割して、例え
ば、側面テントを複数のカーテン状幕から構成し、屋根
骨組体３にスライド自在に取付けるようなものでも良
い。また、屋外での使用に際しては織布製としても良
い。すなわち、本発明の防塵テントは屋外での光ケーブ
ル成端作業等にも使用できる。

【００１３】図２は、本発明に係る防塵テントの他の実
施例を示すものである。尚、前記実施例と同様な構成要
素には同一の符号を付して説明する。この防塵テント１
Ｂは、クリーンルーム内に設置されて使用される各種機
器（パソコンや精密機械）１４全体を被覆して使用され
るもので、一端が屋根骨組体３の矩形に連結された４本
の桁杆３ｂに囲まれた角隅内側に傾動自在に取り付けら
れた梁杆３ａが設けられており、この梁杆３ａ他端が被
覆すべき各種機器（パソコンや精密機械）１４の角部等
に着脱自在に接続できるようにされている。すなわち、
各種機器（パソコンや精密機械）１４に接続された梁杆
３ａが屋根骨組体３を補強することとなり、テントの安
定性が増す。このタイプの防塵テント１Ｂは、例えば、
各種機器１４の近傍床面に配管等の増設のための挿通孔
を穿孔する際に使用して好適なものとなる。

【００１４】図３は、クリーンルームの一実施例を示す
概略断面図である。クリーンルーム７は、床面より床上
されたメッシュ状の床面８ａと内壁８ｂとからなる。そ
して、床面８ａの下方には床面８ａのメッシュを通過し
て沈降する塵埃をクルーンルーム７の外部に集塵排気す
る集塵ダクト９が設けられている。１０は、空気清浄フ
ィルタ１１を介して天井に接続された空調機である。

【００１５】すなわち、クリーンルーム７内は空調機１
０で浄化した空気を室内に供給し、クリーンルーム７内
の空気をメッシュ状の床面８ａから床下空間へ排出させ
ることにより、室内の空気を清浄するようにされてい
る。尚、空調機１０とメッシュ状床面８ａ下部との間に
は室内の空気の循環を行う循環用ダクト１２が設けら
れ、床下空間へ排出された空気が循環路を経て、再び空
気清浄フィルタ１１及び空調機１０を介してクリーンル
ーム７内に送給できるようにされている。

【００１６】本発明では、このようなクリーンルーム７
内に設置された、クリーンルーム７内で使用される各種
機器（パソコンや精密機械）や分電盤ボックス内に送電
線や通信ケーブルを接続するたの入線工事や配管工事に
際し、分電盤ボックス２を上記のような防塵テント１を
仮設設置して包囲し、作業者は当該防塵テント１内で防
塵服を着用して作業を行なう。分電盤ボックス２内部に
は過去の入線工事や配管工事等により天井裏や床下から
侵入した塵埃が堆積している場合がある。その場合、防
塵テント１に携帯式の空調機１３等を連結することによ
り、テント１内の除塵及び除湿、冷房及び暖房等の空調
を行なうことができ、テント１内の作業環境を良好にす
ることができる。

【００１７】

【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、以
下の優れた効果がある。 （１）ケーブルの入線工事や配管工事の際に、クリーン
ルーム内に設置された各種機器や分電盤ボックス内部に
蓄積した塵埃がクリーンルーム内で浮遊飛散することを
防止することができる。 （２）防塵テントの屋根骨組が各種機器や分電盤ボック
スと着脱自在に連結されているので、屋根骨組体を補強
することができテントの安定性が増す。 （３）光ケーブル接続の際の融着エラーを防止すること
ができる。 （４）狭い場所でも簡単に据付け、撤去ができケーブル
の接続に好適な環境を簡便に確立できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る防塵テントの一実施例を示す斜視
図である。

【図２】本発明に係る防塵テントの他の実施例を示す斜
視図である。

【図３】本発明に係る防塵テントを設置したクリーンル
ームを示す概略断面図である。

【符号の説明】

１Ａ 仮設防塵テント １Ｂ 仮設防塵テント ２ 分電盤ボックス ３ 屋根骨組体 ３ａ 梁杆 ３ｂ 桁杆 ４ 支持脚 ５ テント幕体 ５ａ 天井幕 ５ｂ 本体側面幕 ６ ボルト又はピン ７ クリーンルーム ８ａ メッシュ状床面 ８ｂ 内壁 ９ 集塵ダクト １０ 空調機 １１ 空気清浄フィルター １２ 循環用ダクト １３ 携帯式空調機 １４ 各種機器（パソコンや精密機械）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 美好 宮崎県宮崎市潮見町176番地１ (72)発明者 湯地 博幸 宮崎県宮崎郡田野町甲9889番地 (72)発明者 西本 正弘 宮崎県宮崎市吉村町冬治甲850番地23 (72)発明者 下吉 浩二 宮崎県宮崎郡佐土原町大字上田島8628番地 26 (72)発明者 横田 光広 宮崎県宮崎郡清武町正手１番27号 長友清 ＡＰ201 (72)発明者 小島 知子 宮崎県宮崎市新別府町城元354番地２ Ｆターム(参考） 2E141 AA03 BB01 CC01 DD11 DD14 EE03 GG11 3L058 BE02 BF03 BF05 BF09 BG03

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 クリーンルーム内に設置されて使用され
   る各種機器（パソコンや精密機械）や分電盤ボックスに
   送電線や通信ケーブルを接続する入線工事及び配管工事
   及び各種機器の据付設置に際し、当該各種機器や分電盤
   ボックスにその上部及び周囲を覆う組立式の防塵テント
   を仮設し、当該防塵テント内で作業することを特徴とす
   るクリーンルーム内のケーブル入線及び配管工法。
2. 【請求項２】 組立式の屋根骨組と、該屋根骨組を支持
   する脚体と、前記屋根骨組の上部を覆う天幕と、前記脚
   体の周囲を覆う側面幕とを有し、前記屋根骨組が各種機
   器や分電盤ボックスと着脱自在に連結されることを特徴
   とする仮設防塵テント。
3. 【請求項３】 屋根骨組及び脚体が伸縮自在又は折り畳
   み自在とされていることを特徴とする請求項２記載の仮
   設防塵テント。