JP2003004029A - 複合構造を有するセラミックスローラ - Google Patents
複合構造を有するセラミックスローラInfo
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- ceramic
- shaft
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 軸の部分の熱膨張係数とセラミックスの部分
の熱膨張係数とが近似してなる複合構造を有するセラミ
ックスローラを提供すること。 【解決手段】 円柱状の軸の円周面に、円筒状のセラミ
ックスからなるローラを装着した複合構造を有するセラ
ミックスローラにおいて、該軸が、強化材であるセラミ
ックス粉末またはセラミックス繊維にマトリックスであ
るアルミニウムまたはアルミニウム合金を複合させた金
属−セラミックス複合材料からなることとした複合構造
を有するセラミックスローラ。
の熱膨張係数とが近似してなる複合構造を有するセラミ
ックスローラを提供すること。 【解決手段】 円柱状の軸の円周面に、円筒状のセラミ
ックスからなるローラを装着した複合構造を有するセラ
ミックスローラにおいて、該軸が、強化材であるセラミ
ックス粉末またはセラミックス繊維にマトリックスであ
るアルミニウムまたはアルミニウム合金を複合させた金
属−セラミックス複合材料からなることとした複合構造
を有するセラミックスローラ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックスロー
ラに関し、特に支持体である軸の円周面に、円筒状のセ
ラミックスからなるローラを装着した複合構造を有する
セラミックスローラに関する。
ラに関し、特に支持体である軸の円周面に、円筒状のセ
ラミックスからなるローラを装着した複合構造を有する
セラミックスローラに関する。
【0002】
【従来の技術】圧延工場などで用いられる高温で重量の
ある材料などを搬送する搬送ローラについては、従来、
耐熱鋼、鉄系合金などからなる金属製ローラが用いられ
てきた。しかし、この金属製ローラは、そのローラ表面
の大きな磨耗により搬送に悪影響を与えるので、ローラ
表面を研磨するなどのメンテナンスを頻繁に行う必要が
あった。
ある材料などを搬送する搬送ローラについては、従来、
耐熱鋼、鉄系合金などからなる金属製ローラが用いられ
てきた。しかし、この金属製ローラは、そのローラ表面
の大きな磨耗により搬送に悪影響を与えるので、ローラ
表面を研磨するなどのメンテナンスを頻繁に行う必要が
あった。
【0003】そのため、近年においては、搬送する鋼材
等の搬送物と接触するローラ表面の部分を耐磨耗性の良
好なセラミックスとし、そのセラミックスを支持する軸
の部分を金属とする、金属製の軸に円筒状のセラミック
スからなるローラを装着した複合構造を有するセラミッ
クスローラが提案されるようになった。
等の搬送物と接触するローラ表面の部分を耐磨耗性の良
好なセラミックスとし、そのセラミックスを支持する軸
の部分を金属とする、金属製の軸に円筒状のセラミック
スからなるローラを装着した複合構造を有するセラミッ
クスローラが提案されるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この複
合構造を有するセラミックスローラでは、軸である金属
部分の熱膨張係数がローラであるセラミックス部分の熱
膨張係数よりはるかに大きいため、ローラが高温に晒さ
れると、軸である金属が外側のセラミックスより大きく
膨張し、セラミックスが亀裂などを生じて破損に至ると
いう問題があった。
合構造を有するセラミックスローラでは、軸である金属
部分の熱膨張係数がローラであるセラミックス部分の熱
膨張係数よりはるかに大きいため、ローラが高温に晒さ
れると、軸である金属が外側のセラミックスより大きく
膨張し、セラミックスが亀裂などを生じて破損に至ると
いう問題があった。
【0005】この破損を防止するために、セラミックス
の部分と金属の部分との間にクリアランスを設けること
もされているが、そのクリアランスが適切でないと、例
えば大き過ぎるとセラミックスの部分が空回りしてしま
い、小さ過ぎると先と同様セラミックスが破損しかねな
いという問題がある。
の部分と金属の部分との間にクリアランスを設けること
もされているが、そのクリアランスが適切でないと、例
えば大き過ぎるとセラミックスの部分が空回りしてしま
い、小さ過ぎると先と同様セラミックスが破損しかねな
いという問題がある。
【0006】本発明は、上述したセラミックスローラが
有する課題に鑑みなされたものであって、その目的は、
軸の部分の熱膨張係数とセラミックスの部分の熱膨張係
数とが近似してなる複合構造を有するセラミックスロー
ラを提供することにある。
有する課題に鑑みなされたものであって、その目的は、
軸の部分の熱膨張係数とセラミックスの部分の熱膨張係
数とが近似してなる複合構造を有するセラミックスロー
ラを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため鋭意研究した結果、軸である金属部分を
金属とセラミックスとの複合材料とすれば、軸の部分の
熱膨張係数とセラミックスの部分の熱膨張係数とが近似
するセラミックスローラが得られるとの知見を得て本発
明を完成するに至った。
を達成するため鋭意研究した結果、軸である金属部分を
金属とセラミックスとの複合材料とすれば、軸の部分の
熱膨張係数とセラミックスの部分の熱膨張係数とが近似
するセラミックスローラが得られるとの知見を得て本発
明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、(1)円柱状の軸の円周面
に、円筒状のセラミックスからなるローラを装着した複
合構造を有するセラミックスローラにおいて、該軸が、
強化材であるセラミックス粉末またはセラミックス繊維
にマトリックスであるアルミニウムまたはアルミニウム
合金を複合させた金属−セラミックス複合材料からなる
ことを特徴とする複合構造を有するセラミックスローラ
(請求項1)とし、(2)前記複合材料中のセラミック
スの含有率が、40〜80体積%であることを特徴とす
る請求項1記載の複合構造を有するセラミックスローラ
(請求項2)とし、(3)前記複合材料中のセラミック
スが、SiCであることを特徴とする請求項1記載の複
合構造を有するセラミックスローラ(請求項3)とする
ことを要旨とする。以下さらに詳細に説明する。
に、円筒状のセラミックスからなるローラを装着した複
合構造を有するセラミックスローラにおいて、該軸が、
強化材であるセラミックス粉末またはセラミックス繊維
にマトリックスであるアルミニウムまたはアルミニウム
合金を複合させた金属−セラミックス複合材料からなる
ことを特徴とする複合構造を有するセラミックスローラ
(請求項1)とし、(2)前記複合材料中のセラミック
スの含有率が、40〜80体積%であることを特徴とす
る請求項1記載の複合構造を有するセラミックスローラ
(請求項2)とし、(3)前記複合材料中のセラミック
スが、SiCであることを特徴とする請求項1記載の複
合構造を有するセラミックスローラ(請求項3)とする
ことを要旨とする。以下さらに詳細に説明する。
【0009】上記で述べたように、本発明のセラミック
スローラとしては、ローラを支持する軸を、強化材であ
るセラミックス粉末またはセラミックス繊維にマトリッ
クスであるアルミニウムまたはアルミニウム合金を複合
させた金属−セラミックス複合材料からなることとした
(請求項1)。
スローラとしては、ローラを支持する軸を、強化材であ
るセラミックス粉末またはセラミックス繊維にマトリッ
クスであるアルミニウムまたはアルミニウム合金を複合
させた金属−セラミックス複合材料からなることとした
(請求項1)。
【0010】これは、軸である部分を金属に代えて金属
とセラミックスとの複合材料とすることにより、軸の熱
膨張係数をその外側のローラ部分のセラミックスの熱膨
張係数に近づけることができ、さらに、その複合材料中
の金属とセラミックスとの割合を調整することにより、
ローラ部分のセラミックスの熱膨張係数により近く近似
させることができることとなる。
とセラミックスとの複合材料とすることにより、軸の熱
膨張係数をその外側のローラ部分のセラミックスの熱膨
張係数に近づけることができ、さらに、その複合材料中
の金属とセラミックスとの割合を調整することにより、
ローラ部分のセラミックスの熱膨張係数により近く近似
させることができることとなる。
【0011】その複合材料中の金属としては、アルミニ
ウムまたはアルミニウム合金とした。このアルミニウム
またはアルミニウム合金は、軽量である故に成した複合
材料も軽量となり、しかもアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金自体は剛性は高くないものの、セラミックスと
複合化するとその剛性が高くなるので、従来の軸である
金属製の鉄系合金などに比べて軽量化が図れて駆動に必
要な電力を節約することができ、また、剛性を高くする
ことができるので軸ぶれの発生を生じ難くすることもで
きることとなる。
ウムまたはアルミニウム合金とした。このアルミニウム
またはアルミニウム合金は、軽量である故に成した複合
材料も軽量となり、しかもアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金自体は剛性は高くないものの、セラミックスと
複合化するとその剛性が高くなるので、従来の軸である
金属製の鉄系合金などに比べて軽量化が図れて駆動に必
要な電力を節約することができ、また、剛性を高くする
ことができるので軸ぶれの発生を生じ難くすることもで
きることとなる。
【0012】その複合材料中のセラミックスの含有率と
しては、40〜80体積%とした(請求項2)。セラミ
ックスの含有率が40体積%より小さいと熱膨張係数が
大きくなってローラであるセラミックスの熱膨張係数に
合わせ難くなる。一方、セラミックスの含有率が80体
積%より大きいとアルミニウムまたはアルミニウム合金
との複合化が難しくなる。
しては、40〜80体積%とした(請求項2)。セラミ
ックスの含有率が40体積%より小さいと熱膨張係数が
大きくなってローラであるセラミックスの熱膨張係数に
合わせ難くなる。一方、セラミックスの含有率が80体
積%より大きいとアルミニウムまたはアルミニウム合金
との複合化が難しくなる。
【0013】その複合材料中のセラミックスの種類とし
ては、SiCとした(請求項3)。セラミックスの種類
は、ローラであるセラミックスの熱膨張係数に合わせる
ことができるものであればどんなものでもよいが、その
中で特にSiCは、熱膨張係数が小さいのでローラであ
るセラミックスの熱膨張係数に合わせ易く、しかも剛性
が高いので成した複合材料の剛性もさらに高くすること
ができる。
ては、SiCとした(請求項3)。セラミックスの種類
は、ローラであるセラミックスの熱膨張係数に合わせる
ことができるものであればどんなものでもよいが、その
中で特にSiCは、熱膨張係数が小さいのでローラであ
るセラミックスの熱膨張係数に合わせ易く、しかも剛性
が高いので成した複合材料の剛性もさらに高くすること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法を詳しく述べる
と、金属−セラミックス複合材料からなる軸を作製する
ために、先ずセラミックスとしてSiC、Al2O3、A
lNなどのセラミックス粉末またはセラミックス繊維を
用意し、これに複合化させるアルミニウムまたはアルミ
ニウム合金のインゴットも用意する。
と、金属−セラミックス複合材料からなる軸を作製する
ために、先ずセラミックスとしてSiC、Al2O3、A
lNなどのセラミックス粉末またはセラミックス繊維を
用意し、これに複合化させるアルミニウムまたはアルミ
ニウム合金のインゴットも用意する。
【0015】用意したセラミックス粉末またはセラミッ
クス繊維とアルミニウムまたはアルミニウム合金とで軸
である複合材料を作製する。複合材料の作製には慣用の
方法が用いられる。即ち、セラミックス粉末とアルミニ
ウムまたはアルミニウム合金の粉末とを混合し、成形
し、燒結する粉末冶金法、あるいはセラミックス粉末ま
たはセラミックス繊維でプリフォームを形成し、そのプ
リフォームに加圧または非加圧で溶融したアルミニウム
またはアルミニウム合金を浸透させる方法などがある。
クス繊維とアルミニウムまたはアルミニウム合金とで軸
である複合材料を作製する。複合材料の作製には慣用の
方法が用いられる。即ち、セラミックス粉末とアルミニ
ウムまたはアルミニウム合金の粉末とを混合し、成形
し、燒結する粉末冶金法、あるいはセラミックス粉末ま
たはセラミックス繊維でプリフォームを形成し、そのプ
リフォームに加圧または非加圧で溶融したアルミニウム
またはアルミニウム合金を浸透させる方法などがある。
【0016】その中で特に米国ランクサイド社が開発し
た非加圧金属浸透法(PrimexTM)は、形成された
プリフォームにMgを含むアルミニウム合金を接触さ
せ、それを窒素雰囲気中で700〜900℃の温度で加
熱して溶融したアルミニウム合金を浸透させる方法であ
り、Mgの化学反応を利用してセラミックスと溶融金属
との濡れ性を改善し、機械的な加圧を行わなくてもプリ
フォーム中に溶融金属を浸透させることができるという
特徴があり、加圧装置が不要である、コストが安いなど
の利点を有するより好ましい製造方法である。
た非加圧金属浸透法(PrimexTM)は、形成された
プリフォームにMgを含むアルミニウム合金を接触さ
せ、それを窒素雰囲気中で700〜900℃の温度で加
熱して溶融したアルミニウム合金を浸透させる方法であ
り、Mgの化学反応を利用してセラミックスと溶融金属
との濡れ性を改善し、機械的な加圧を行わなくてもプリ
フォーム中に溶融金属を浸透させることができるという
特徴があり、加圧装置が不要である、コストが安いなど
の利点を有するより好ましい製造方法である。
【0017】ここではその方法による軸の作製方法を述
べると、先ず用意したセラミックス粉末またはセラミッ
クス繊維で40〜80体積%の粉末充填率を有するプリ
フォームを形成する。プリフォームの形成方法はプレス
法でもよいし、鋳込み法でもよい。
べると、先ず用意したセラミックス粉末またはセラミッ
クス繊維で40〜80体積%の粉末充填率を有するプリ
フォームを形成する。プリフォームの形成方法はプレス
法でもよいし、鋳込み法でもよい。
【0018】得られたプリフォームに用意したMgを含
むアルミニウム合金のインゴットを接触させ、それを窒
素雰囲気中で700℃〜900℃の温度で熱処理し、溶
融したアルミニウム合金を非加圧で浸透させ、冷却した
後、それを機械加工して所定の径と長さを有する金属−
セラミックス複合材料からなる軸を作製する。得られた
軸を別に作製した円筒状のセラミックスローラに挿入
し、それを接着剤などで固定して複合構造を有するセラ
ミックスローラを作製する。
むアルミニウム合金のインゴットを接触させ、それを窒
素雰囲気中で700℃〜900℃の温度で熱処理し、溶
融したアルミニウム合金を非加圧で浸透させ、冷却した
後、それを機械加工して所定の径と長さを有する金属−
セラミックス複合材料からなる軸を作製する。得られた
軸を別に作製した円筒状のセラミックスローラに挿入
し、それを接着剤などで固定して複合構造を有するセラ
ミックスローラを作製する。
【0019】以上の方法で複合構造を有するセラミック
スローラを作製すれば、軸の部分の熱膨張係数とセラミ
ックスの部分の熱膨張係数とが近似するセラミックスロ
ーラが得られる。
スローラを作製すれば、軸の部分の熱膨張係数とセラミ
ックスの部分の熱膨張係数とが近似するセラミックスロ
ーラが得られる。
【0020】
【実施例】以下本発明の実施例を比較例と共に具体的に
挙げ、本発明をより詳細に説明する。
挙げ、本発明をより詳細に説明する。
【0021】(実施例1)
(1)複合構造を有するセラミックスローラの作製
市販のSiC粉末(信濃電気精錬社製、平均粒径60μ
m)60重量部に、市販のSiC粉末(信濃電気精錬社
製、平均粒径25μm)40重量部加え、これにバイン
ダーとしてコロイダルシリカ液(常磐電気社製)をシリ
カ固形分が3重量部となる量を添加し、これにさらにイ
オン交換水を30重量部加えてポットミルで12時間混
合した。
m)60重量部に、市販のSiC粉末(信濃電気精錬社
製、平均粒径25μm)40重量部加え、これにバイン
ダーとしてコロイダルシリカ液(常磐電気社製)をシリ
カ固形分が3重量部となる量を添加し、これにさらにイ
オン交換水を30重量部加えてポットミルで12時間混
合した。
【0022】得られたスラリーを型に流し込み、それを
フィルタープレスした後、得られた成形体を1000℃
の温度で焼成してSiC粉末の充填率が70体積%のプ
リフォームを形成した。得られたプリフォームを機械加
工して直径が50mmで、長さが150mmの円柱形状
のプリフォームとした。
フィルタープレスした後、得られた成形体を1000℃
の温度で焼成してSiC粉末の充填率が70体積%のプ
リフォームを形成した。得られたプリフォームを機械加
工して直径が50mmで、長さが150mmの円柱形状
のプリフォームとした。
【0023】このプリフォームにMgを含むアルミニウ
ム合金(JIS AC8A)のインゴットを接触させ、
それを窒素雰囲気中で800℃の温度で熱処理し、溶融
したアルミニウム合金をプリフォーム中に非加圧で浸透
させた後、冷却して複合材料を作製した。得られた複合
材料の表面を機械加工で仕上げして直径が50mmで、
長さが150mmの軸を作製し、その軸を別に用意した
内径が50mmで、肉厚が2mmのAl2O3製の円筒の
内部に挿入し、軸と円筒とをシリコン接着剤で接着して
複合構造を有するセラミックスローラを作製した。
ム合金(JIS AC8A)のインゴットを接触させ、
それを窒素雰囲気中で800℃の温度で熱処理し、溶融
したアルミニウム合金をプリフォーム中に非加圧で浸透
させた後、冷却して複合材料を作製した。得られた複合
材料の表面を機械加工で仕上げして直径が50mmで、
長さが150mmの軸を作製し、その軸を別に用意した
内径が50mmで、肉厚が2mmのAl2O3製の円筒の
内部に挿入し、軸と円筒とをシリコン接着剤で接着して
複合構造を有するセラミックスローラを作製した。
【0024】(2)評価
得られた軸である複合材料とローラであるセラミックス
の熱膨張係数をJISR1518に準ずる方法(測定機
器:理学電気社製、TMA8410)で測定した。その
結果、複合材料の熱膨張係数は6.5×10-6/℃で、
セラミックスの熱膨張係数は7.0×10-6/℃で両者
がほぼ近似していた。また、得られたセラミックスロー
ラを電気炉に挿入して400℃の温度に上げ、それを冷
却したセラミックスローラを目視でその軸とローラとの
間に亀裂や剥れがあるかどうかを、またローラに亀裂が
入っているかどうかを調べた。その結果、亀裂や剥れ、
あるいはローラの亀裂は認められず、また、軸にトルク
をかけても軸とローラはしっかりと接合されていて問題
なかった。このことは、本発明のセラミックスローラで
あれば、軸の部分の熱膨張係数とローラであるセラミッ
クスの部分の熱膨張係数とが近似した、軸の部分とセラ
ミックスの部分との熱膨張差によって問題が生じること
のない複合構造を有するセラミックスローラとすること
ができることを示している。
の熱膨張係数をJISR1518に準ずる方法(測定機
器:理学電気社製、TMA8410)で測定した。その
結果、複合材料の熱膨張係数は6.5×10-6/℃で、
セラミックスの熱膨張係数は7.0×10-6/℃で両者
がほぼ近似していた。また、得られたセラミックスロー
ラを電気炉に挿入して400℃の温度に上げ、それを冷
却したセラミックスローラを目視でその軸とローラとの
間に亀裂や剥れがあるかどうかを、またローラに亀裂が
入っているかどうかを調べた。その結果、亀裂や剥れ、
あるいはローラの亀裂は認められず、また、軸にトルク
をかけても軸とローラはしっかりと接合されていて問題
なかった。このことは、本発明のセラミックスローラで
あれば、軸の部分の熱膨張係数とローラであるセラミッ
クスの部分の熱膨張係数とが近似した、軸の部分とセラ
ミックスの部分との熱膨張差によって問題が生じること
のない複合構造を有するセラミックスローラとすること
ができることを示している。
【0025】(比較例1)比較のために比較例1では、
実施例1の軸を金属(SUS304)とした他は実施例
1と同様に複合構造を有するセラミックスローラを作製
し、評価した。その結果、軸の金属部分の熱膨張係数は
17×10-6/℃で、セラミックスの部分の熱膨張係数
は7.0×10-6/℃で両者の熱膨張係数は大きく離れ
ており、そのため、軸とローラとの大きな熱膨張差によ
りローラに亀裂が発生していた。
実施例1の軸を金属(SUS304)とした他は実施例
1と同様に複合構造を有するセラミックスローラを作製
し、評価した。その結果、軸の金属部分の熱膨張係数は
17×10-6/℃で、セラミックスの部分の熱膨張係数
は7.0×10-6/℃で両者の熱膨張係数は大きく離れ
ており、そのため、軸とローラとの大きな熱膨張差によ
りローラに亀裂が発生していた。
【0026】
【発明の効果】以上の通り、本発明のセラミックスロー
ラであれば、軸の部分の熱膨張係数とセラミックスの部
分の熱膨張係数とが近似するセラミックスローラとする
ことができるようになった。このことにより、本発明の
セラミックスローラを用いるローラ、例えば搬送ロー
ラ、ピンチローラ、フィードローラ、ガイドローラ等と
呼ばれる複合構造を有するセラミックスローラ全てが、
加温された雰囲気下で用いても、軸とローラとの間に亀
裂や剥れが生じることのない、また、ローラに亀裂が生
じることのないセラミックスローラとすることができる
ようになった。
ラであれば、軸の部分の熱膨張係数とセラミックスの部
分の熱膨張係数とが近似するセラミックスローラとする
ことができるようになった。このことにより、本発明の
セラミックスローラを用いるローラ、例えば搬送ロー
ラ、ピンチローラ、フィードローラ、ガイドローラ等と
呼ばれる複合構造を有するセラミックスローラ全てが、
加温された雰囲気下で用いても、軸とローラとの間に亀
裂や剥れが生じることのない、また、ローラに亀裂が生
じることのないセラミックスローラとすることができる
ようになった。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C22C 1/10 C22C 1/10 J
47/06 47/06
49/06 49/06
49/14 49/14
// B22F 5/00 B22F 5/00 E
C22C 101:04 C22C 101:04
101:14 101:14
101:16 101:16
(72)発明者 塩貝 達也
千葉県佐倉市大作2−4−2 太平洋セメ
ント株式 会社 中央研究所
Fターム(参考) 3J103 AA02 AA83 AA85 BA22 FA12
FA14 GA02 GA15 HA03 HA06
HA19 HA37 HA51 HA60
4K018 AA14 AB01 AB02 AB03 AC01
BA08 BA11 BB02 DA11 JA16
KA17
4K020 AA05 AA06 AA08 AA22 AC01
BA02 BA03 BB02 BB08 BB22
BB26 BB29 BB41 BC03
Claims (3)
- 【請求項1】 円柱状の軸の円周面に、円筒状のセラミ
ックスからなるローラを装着した複合構造を有するセラ
ミックスローラにおいて、該軸が、強化材であるセラミ
ックス粉末またはセラミックス繊維にマトリックスであ
るアルミニウムまたはアルミニウム合金を複合させた金
属−セラミックス複合材料からなることを特徴とする複
合構造を有するセラミックスローラ。 - 【請求項2】 前記複合材料中のセラミックスの含有率
が、40〜80体積%であることを特徴とする請求項1
記載の複合構造を有するセラミックスローラ。 - 【請求項3】 前記複合材料中のセラミックスが、Si
Cであることを特徴とする請求項1または2記載の複合
構造を有するセラミックスローラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001189049A JP2003004029A (ja) | 2001-06-22 | 2001-06-22 | 複合構造を有するセラミックスローラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001189049A JP2003004029A (ja) | 2001-06-22 | 2001-06-22 | 複合構造を有するセラミックスローラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003004029A true JP2003004029A (ja) | 2003-01-08 |
Family
ID=19028033
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001189049A Pending JP2003004029A (ja) | 2001-06-22 | 2001-06-22 | 複合構造を有するセラミックスローラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003004029A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007248738A (ja) * | 2006-03-15 | 2007-09-27 | Nichias Corp | セラミックスローラ |
-
2001
- 2001-06-22 JP JP2001189049A patent/JP2003004029A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007248738A (ja) * | 2006-03-15 | 2007-09-27 | Nichias Corp | セラミックスローラ |
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