JP2003003282A - 親水化処理方法及び親水化処理された熱交換器 - Google Patents

親水化処理方法及び親水化処理された熱交換器

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JP2003003282A JP2002086780A JP2002086780A JP2003003282A JP 2003003282 A JP2003003282 A JP 2003003282A JP 2002086780 A JP2002086780 A JP 2002086780A JP 2002086780 A JP2002086780 A JP 2002086780A JP 2003003282 A JP2003003282 A JP 2003003282A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期使用時においても、得られる親水化皮膜
自体の臭気を抑制するとともに、臭気物質の存在下にあ
った後において不快臭の発生を抑制し、かつ、親水性を
持続することのできる熱交換器の親水化処理方法及び上
記親水化処理方法により処理された熱交換器を提供す
る。 【解決手段】 熱交換器を防錆処理した後、親水化処理
剤により固形皮膜量が0.02〜3g/m2 である皮膜
を形成する工程を含むことを特徴とする親水化処理方法
であって、上記親水化処理剤は、(A)側鎖に式(I) 【化1】 〔式中、nは1〜500の整数を表し、R1 は水素原子
又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2 は水素原子
又はメチル基を表す。〕で表される基を有し、上記式
(I)で表される基は、水酸基及びアセトキシ基の0.
01〜20モル%である変性ポリビニルアルコール、並
びに、(B)Ca、Al、Mg、Fe及びZnのリン化
合物塩並びにホウ素化合物塩からなる群より選ばれる少
なくとも1つを含有することを特徴とする親水化処理方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エバポレータや熱
交換器用を長期間使用する場合においても親水性と防臭
性に優れる親水化処理剤及び親水化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エバポレータや熱交換器は、通常、熱交
換を行うためのアルミニウムフィンが狭い間隔で保持さ
れ、更に、これらのフィンに冷媒を供給するためのアル
ミニウムチューブが入り組んで配置された複雑な構造と
なっている。このため、アルミニウムフィンの表面を親
水化することにより、冷房時に凝縮された水の排出を容
易にしている。しかし、上記親水化されたアルミニウム
フィン等の表面は、加熱と冷却とが繰り返され、また、
凝縮水や大気中の塵、微生物が混在付着する厳しい条件
に曝されるため、長期にわたって親水性を持続すること
は困難である。
【0003】特開平05−302042号公報には、ポ
リビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン
(PVP)、ナイロン、フェノール樹脂等からなる親水
化処理剤が開示されている。また、特開平5−2023
13号公報、特開平5−214273号公報、特許第2
649297号公報、特開平10−30069号公報に
は、水分散性有機樹脂及びシリカ又はアルミナを含む親
水化処理剤が開示されている。更に、特開平09−08
7576号公報には、アクリル系親水性架橋重合体微粒
子を含有する親水化処理用組成物が開示されている。
【0004】特開平7−323500号公報、特開平9
−14889号公報、特開平11−131254号公報
には、スルホン酸基、アクリルアミド等の極性官能基を
架橋させ、不溶化させて親水性を持続させる親水化処理
剤が開示されている。
【0005】特開2000−262968号公報には、
臭気の発生と親水性の劣化を抑制することを目的とし
て、ケン化度が90%以上のPVA及び金属塩からなる
アルミニウムフィン材用皮膜が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、長期
使用時においても、得られる親水化皮膜自体の臭気を抑
制するとともに、臭気物質の存在下にあった後において
不快臭の発生を抑制し、かつ、親水性を持続することの
できる熱交換器の親水化処理方法及び上記親水化処理方
法により処理された熱交換器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、熱交換器を
防錆処理した後、更に、エチレンオキサイドを1〜50
0モル付加させて得られる基を側鎖中特定範囲の含有量
で有する変性ポリビニルアルコールを含有する親水化処
理剤で処理することにより、得られる親水化皮膜が被覆
された熱交換器は、長期使用時においても、上記熱交換
器のアルミニウム等の素材や上記親水化皮膜自体が発し
得る臭気を抑制するとともに、たばこ、汗、香水等の臭
気物質の存在下にあった後においてこれら臭気物質の不
快臭が発生することを抑制し、かつ、充分な親水性を維
持することができることを見出し、本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、熱交換器を防錆処理した
後、親水化処理剤により固形皮膜量が0.02〜3g/
2 である皮膜を形成する工程を含むことを特徴とする
親水化処理方法であって、上記親水化処理剤は、(A)
側鎖に式(I)
【0009】
【化2】
【0010】〔式中、nは1〜500の整数を表し、R
1 は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R
2 は水素原子又はメチル基を表す。〕で表される基を有
し、上記式(I)で表される基は、水酸基及びアセトキ
シ基の0.01〜20モル%である変性ポリビニルアル
コール、並びに、(B)Ca、Al、Mg、Fe及びZ
nのリン化合物塩並びにホウ素化合物塩からなる群より
選ばれる少なくとも1つを含有することを特徴とする親
水化処理方法である。上記親水化処理剤は、更に、ケン
化度が90%以上であるポリビニルアルコールを上記親
水化処理剤の0.1〜30質量%含有するものであって
もよい。
【0011】上記(A)変性ポリビニルアルコールは、
上記親水化処理剤の0.1〜30質量%であることが好
ましい。上記(B)Ca、Al、Mg、Fe及びZnの
リン化合物塩並びにホウ素化合物塩からなる群より選ば
れる少なくとも1つは、樹脂固形分に対し0.1〜20
0質量%であることが好ましい。上記熱交換器は、アル
ミニウム材又はアルミニウム合金材からなるものが好ま
しい。本発明は、また、上記親水化処理方法により処理
されたことを特徴とする熱交換器である。以下、本発明
を詳細に説明する。
【0012】本発明の親水化処理方法は、熱交換器を防
錆処理した後、親水化処理剤により固形皮膜量が0.0
2〜3g/m2 である皮膜を形成する工程を含むことを
特徴とする。上記熱交換器としては特に限定されない
が、アルミニウム材又はアルミニウム合金材からなるも
のが好ましい。上記熱交換器は、通常、予め酸性洗浄剤
又はアルカリ性洗浄剤で洗浄することにより脱脂処理を
施す。
【0013】上記酸性洗浄剤としては特に限定されず、
例えば、硝酸、硫酸及びフッ酸並びにこれらの併用によ
る酸性水溶液等が挙げられる。上記酸性洗浄剤の酸濃度
は、1〜10Nが好ましく、3〜6Nがより好ましい。
上記酸性洗浄剤には、鉄、ニッケル、コバルト、モリブ
デン及びセリウムから選ばれる金属の塩又は金属酸塩を
添加することも好ましい。
【0014】上記アルカリ性洗浄剤としては特に限定さ
れず、例えば、水酸化ナトリウム、珪酸ナトリウム又は
リン酸ナトリウムを少なくとも1種類含有するアルカリ
水溶液等が挙げられる。上記アルカリ水溶液には、洗浄
性を高めるため、界面活性剤を添加しても良い。
【0015】上記熱交換器を洗浄する方法としては特に
限定されず、例えば、上記洗浄剤をスプレーする方法又
は上記洗浄剤を入れた浴中へ浸漬する方法等が挙げられ
る。上記洗浄剤の液温は、10〜70℃が好ましく、上
記洗浄剤との接触時間は、1秒〜5分が好ましい。上記
液温が10℃未満又は上記接触時間が1秒未満である
と、エッチングが不充分となることがあり、70℃を超
えたり5分を超えると、経済的に不利となることがあ
る。上記により洗浄された熱交換器は、水洗され、次い
で防錆処理が行われる。
【0016】上記防錆処理は、化成処理剤による化成処
理により行なわれる。上記化成処理剤としては、従来公
知のクロム酸クロメート処理剤、リン酸クロメート処理
剤又はノンクロム処理剤を使用することができる。上記
クロム酸クロメート処理剤は、クロム酸、フッ化物及び
強酸を含有する水溶液であり、3価クロムが主成分であ
る反応型クロメート及び電解クロメート、並びに、6価
クロム及び3価クロムが混合された塗布型クロメートが
ある。上記リン酸クロメート処理剤は、クロム酸、オル
トリン酸及びフッ化物を含有する混合水溶液である。上
記クロメート処理剤による化成処理を行うときには、6
価クロムイオン、リン酸イオン及びフッ素イオンの各量
をコントロールする必要がある。
【0017】上記ノンクロム処理剤としては反応型処理
剤及び塗布型処理剤がある。上記反応型処理剤として
は、ジルコニウム塩、チタニウム塩、けい素塩、ホウ素
塩及び過マンガン酸塩を挙げることができ、これらの塩
のフッ化物も好ましく使用することができる。上記塗布
型処理剤としては、例えば、水溶性樹脂にジルコニウム
塩が混合された塗布型ノンクロム処理剤等が挙げられ
る。上記ノンクロム処理剤には、必要に応じ、マンガン
酸、過マンガン酸、バナジン酸、タングステン酸、モリ
ブデン酸等のマンガン、バナジン、タングステン、モリ
ブデン、チタニウム及びアルミニウム並びにこれらの原
子を含有する化合物、シリカ、リン酸並びにリン酸塩等
からなる群より選ばれる少なくとも1つを添加すること
が好ましい。
【0018】上記熱交換器の化成処理方法としては特に
限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法等が挙げられ
る。上記熱交換器は、通常、複雑な形状を有するので、
浸漬法が好ましい。上記化成処理は、処理温度は、常温
又は少し加熱した程度が好ましく、10〜70℃がより
好ましく、処理時間は、1秒間〜5分間が好ましい。上
記防錆処理としては、エポキシ系、ウレタン系又はアク
リル系の樹脂プライマーを塗布してもよい。
【0019】上記化成処理により得られる化成皮膜は、
固形皮膜量がCr、Zr、Ti等の各元素の付着量基準
で10〜300mg/m2 が好ましい。10mg/m2
未満であると、防錆性が不充分な場合があり、300m
g/m2 を超えると、経済的に不利な上、親水性皮膜と
反応して親水性が低下することがある。上記化成処理の
後、必要に応じて水洗し、親水化処理剤を用いて親水化
処理を行う。
【0020】上記親水化処理剤は、(A)側鎖に上記式
(I)で表される基を有する変性ポリビニルアルコール
を含有する。上記変性ポリビニルアルコール(A)は、
優れた親水性及び耐水性を有するとともに、それ自体の
臭気がなく、臭気物質が吸着しにくいので、上記変性ポ
リビニルアルコール(A)を含有する上記親水化処理剤
は、親水性及び防臭性に優れ、また、得られる親水化皮
膜は水滴や流水に曝されても劣化しにくいので、所望に
より含有され自身の埃臭や吸着物質の不快臭を発するシ
リカ等の無機物や他の残存モノマー成分が露出しにく
く、更に、アルミニウム等の被処理材は露出しにくいの
で、被処理材自体が飛散して埃臭を発したり、腐食する
ことが妨げられる。
【0021】上記式(I)中のnは、1〜500の整数
である。500を超えると、親水性が高くなりすぎて造
膜性に劣り、また、臭気物質が吸着しやすくなる。好ま
しくは、1〜100の整数であり、より好ましくは、1
〜30の整数である。上記式(I)中のR1 は水素原子
又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。上記炭素数1〜
4のアルキル基としては特に限定されず、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。上記式
(I)中のR2 は水素原子又はメチル基を表す。上記R
1 及びR2 は、同一であっても異なっていてもよく、例
えば、ともに水素原子であるオキシエチレン鎖である場
合、上記R1 が水素原子であり上記R2 がメチル基であ
るオキシ−1−メチルエチレン鎖等であってよい。
【0022】上記変性ポリビニルアルコール(A)は、
側鎖として、上記式(I)で表される基に加え、水酸基
及びエステル結合を有する。上記エステル結合としては
特に限定されず、例えば、アルキルエステル等が挙げら
れる。上記エステル結合は、通常は酢酸エステルであ
り、即ち、アセトキシ基が側鎖として主鎖に結合してい
る。上記水酸基は、通常、遊離の水酸基であり、ナトリ
ウム等の金属等と塩を形成していてもよい。
【0023】上記変性ポリビニルアルコール(A)にお
いて、上記式(I)で表される基は、上記水酸基及び上
記アセトキシ基の0.01〜20モル%である。0.0
1モル%未満であると、上記式(I)で表される基を導
入することによる親水性や防臭性の向上が見られず、2
0モル%を超えると、親水性が高くなりすぎて造膜性に
劣り、また、臭気物質が吸着しやすくなる。好ましく
は、0.1〜10モル%である。上記式(I)で表され
る基は、主鎖に直接結合してもよいが、上記主鎖との間
に他の基、例えばメチレン基、エチレン基等のアルキレ
ン基、カルボニル基、エステル基、アミド基等があって
もよい。
【0024】上記変性ポリビニルアルコール(A)にお
いて、上記水酸基は、上記水酸基及び上記アセトキシ基
の50〜99.9モル%であることが好ましい。50モ
ル%未満であると、親水性が不充分となったり、防臭性
に劣るおそれがあり、99.9モル%を超えると、製造
工程上上記重合体を得ることが困難となる場合がある。
上記変性ポリビニルアルコール(A)の水酸基及びアセ
トキシ基中のモル%に関し、上記水酸基及び上記アセト
キシ基は、上記式(I)で表される基を含有する側鎖中
のものを含まないものとする。
【0025】上記変性ポリビニルアルコール(A)は、
通常、上記式(I)で表される基を含むモノマー及びビ
ニルエステル含有モノマーからなるモノマー成分の共重
合体をケン化することにより得られる。上記変性ポリビ
ニルアルコール(A)のケン化度としては、90%以上
が好ましい。90%未満であると、親水性に劣る場合が
ある。より好ましくは、95%以上である。
【0026】上記式(I)で表される基を含むモノマー
は、不飽和二重結合及び上記式(I)で表される基を併
有するものであれば特に限定されず、例えば、ビニルア
ルコール、アリルアルコール、2−ブテン−1−オー
ル、2−ブテン−2−オール、アクロレイン等のビニル
基含有化合物にエチレンオキサイドを付加させることに
より得られ、これらは1種又は2種以上を用いることが
できる。上記付加の方法としては特に限定されず、例え
ば、従来公知の方法を用いることができる。エチレンオ
キサイドをアクロレイン等のビニル基含有アルデヒド又
はケトンに付加させる場合には、1つの炭素原子に上記
式(I)で表される基が2個結合したアセタールが得ら
れ、このようなアセタールをモノマー成分に含み、得ら
れる共重合体のケン化物も本発明に用いられる変性ポリ
ビニルアルコール(A)の範囲内である。
【0027】上記ビニルエステル含有モノマーとしては
特に限定されず、通常、酢酸ビニルが好適に用いられ、
他のビニルエステル含有モノマーを併用してもよい。上
記変性ポリビニルアルコール(A)を得るための共重合
やケン化の方法としては特に限定されず、例えば、従来
公知の方法によることができる。上記式(I)で表され
る基は、また、重合体形成後に導入してもよい。
【0028】上記変性ポリビニルアルコール(A)は、
上記式(I)で表される基に加え、他のポリオキシアル
キレン基を併有してもよい。上記変性ポリビニルアルコ
ール(A)において、上記他のポリオキシアルキレン基
は、上記式(I)で表される基に対して30モル%以下
であることが好ましい。30モル%を超えると、防臭
性、親水性が悪化する場合がある。上記他のポリオキシ
アルキレン基は、例えば、上記他のポリオキシアルキレ
ン基及びビニル基を有するモノマーを上記モノマー成分
の一部に用いて共重合させることにより、導入すること
ができる。上記他のポリオキシアルキレン基としては特
に限定されず、例えば、ポリオキシプロピレン基等が挙
げられる。
【0029】上記変性ポリビニルアルコールは、上述の
式(I)で表される基、水酸基、エステル結合及び必要
に応じて含有される他のポリオキシアルキレン基に加え
て、他の官能基を側鎖に有していてもよく、例えば親水
性官能基等が挙げられ、例えば、カルボキシル基、スル
ホン基、ホスホン基等のアニオン性基;アミノ基、イミ
ダゾール環等のカチオン性基;エポキシ基、エーテル結
合等のノニオン性基等が挙げられる。これら他の官能基
は、モノマーが予め有するものであって重合により側鎖
として直接導入されるものであってもよいし、重合体形
成後の変性により導入されるものであってもよい。上記
変性としては特に限定されず、例えば、エポキシ変性、
珪素変性、チオール変性、カルボニル変性等のほか、カ
ルボン酸変性等のアニオン変性、アミン変性等のカチオ
ン変性等が挙げられる。上記他の官能基は1種又は2種
以上を含むことができる。
【0030】上記変性ポリビニルアルコール中の側鎖と
しての上記水酸基及び上記エステル結合の合計量は、メ
チル基、エチル基等の炭化水素基以外の上記変性ポリビ
ニルアルコール中の全側鎖官能基の80〜100モル%
であることが好ましい。
【0031】上記変性ポリビニルアルコール(A)は、
数平均分子量が1000〜1000000である。10
00未満であると、造膜性に劣り、親水性や他の皮膜物
性に劣り、1000000を超えると、得られる親水化
処理剤の溶液の粘度が高くなり、作業性や皮膜物性に劣
る。好ましくは、10000〜200000である。
【0032】上記変性ポリビニルアルコール(A)は、
上記親水化処理剤の0.1〜30質量%であることが好
ましい。0.1質量%未満であると、充分な造膜性が得
られず、親水性や防臭性に劣ることがあり、30質量%
を超えると、得られる親水化処理剤において凝集しやす
くなり、作業性や皮膜物性に劣る場合がある。より好ま
しくは、0.1〜20質量%である。
【0033】上記親水化処理剤は、上記変性ポリビニル
アルコール(A)に併用して、式(I)で表される基を
含まないポリビニルアルコールを含有してもよい。上記
式(I)で表される基を含まないポリビニルアルコール
は、上記親水化処理剤の0.1〜30質量%であること
が好ましい。0.1質量%未満であると、上記式(I)
で表される基を含まないポリビニルアルコールを含有す
ることによる防臭性の向上等が得られないことがあり、
30質量%を超えると、得られる親水化処理剤において
凝集しやすくなり、作業性や皮膜物性が劣る場合があ
る。
【0034】上記親水化処理剤は、防臭性を阻害しない
範囲内で、更に、上述の変性ポリビニルアルコール
(A)又は上記式(I)で表される基を含まないポリビ
ニルアルコール以外のその他の親水性有機化合物を含有
することが好ましい。上記親水化処理剤は、上記その他
の親水性有機化合物を含有することにより、親水性を一
層向上することができる。
【0035】上記その他の親水性有機化合物は、親水性
官能基を有し、上記親水性官能基としては、例えば、水
酸基、カルボキシル基、スルホン基、アミド基、アミノ
基、ホスホン基、エーテル結合、イミダゾール環、ニト
リル基等が挙げられる。上記エーテル結合は、アセター
ル結合を含む。これらの親水性官能基は、1種又は2種
以上を用いることができる。上記その他の親水性有機化
合物としては、例えば、水溶性ナイロン等のポリアミ
ド;ポリアクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリスチ
レンスルホン酸、ポリビニルイミダゾール、ポリビニル
ピロリドン、ポリビニルアセトアミド、ポリアミン、ポ
リアクリルアミド、イソプレン系スルホン酸ポリマー、
ポリビニルアセトアミド、ポリビニルホルムアミド、ポ
リアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアミジン、
ポリグルタミン酸、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ポリカルボジイミド、水溶性ポリウレタン、
水溶性ポリエステル、水溶性フェノール樹脂、水溶性エ
ポキシ樹脂等の樹脂及びその変性物;キトサン、アルギ
ン酸等の親水性低分子化合物等が挙げられる。
【0036】上記その他の親水性有機化合物において、
上述のエーテル結合はポリオキシアルキレン鎖であって
もよい。ポリオキシアルキレン鎖を有するその他の親水
性有機化合物を含有することにより、得られる親水化皮
膜は、無添加の場合と同程度の防臭性を保ちつつ、親水
性を一層向上させることができる。上記ポリオキシアル
キレン鎖を含有するその他の親水性有機化合物としては
特に限定されず、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポ
リプロピレンオキサイド、ノニオン系界面活性剤、反応
型アルキレンオキサイド系界面活性剤、エチレンオキサ
イド/ポリプロピレンオキサイドブロックポリマー、エ
チレンオキサイド/メチレンオキサイドブロックポリマ
ー、エチレンオキサイド含有アクリル樹脂、エチレンオ
キサイド含有ポリエステル樹脂、エチレンオキサイド含
有ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
【0037】上記親水性有機化合物は、含有する場合に
は、上記親水化処理剤中の樹脂固形分に対し50質量%
未満であることが好ましい。50質量%を超えると、上
記その他の親水性有機化合物に付着する臭気物質の不快
臭が発することがあり、上記変性ポリビニルアルコール
(A)の配合割合が低くなりすぎ、全体として防臭性に
劣る場合がある。好ましくは、30質量%未満である。
【0038】上記親水化処理剤は、上述の変性ポリビニ
ルアルコール(A)と併用して、(B)Ca、Al、M
g、Fe及びZnのリン化合物塩並びにホウ素化合物塩
からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有すること
が好ましい。上記親水化処理剤は、上記リン化合物塩及
び/又はホウ素化合物塩(B)を含有することにより、
上記リン化合物塩及び/又はホウ素化合物塩(B)がそ
れ自体臭気を発するものではなく、防臭性が向上される
とともに、親水性が維持され、また、造膜性が増す。
【0039】上記リン化合物塩としては特に限定されな
いが、リンのオキソ酸のようにリン原子と酸素原子とか
ら形成される酸の塩が好ましく、例えば、リン酸塩、亜
リン酸(ホスホン酸)塩、次亜リン酸(ホスフィン酸)
塩、フィチン酸塩等のほか、縮合リン酸塩が挙げられ
る。上記縮合リン酸塩としては特に限定されず、例え
ば、メタリン酸塩;ピロリン酸、トリポリリン酸等のポ
リリン酸塩等が挙げられる。上記リン化合物塩は、難溶
性のものが好ましく、水への溶解度(20℃)が1.0
g/100cm3 以下のものがより好ましい。上記ホウ
素化合物塩としては特に限定されず、例えば、ホウ酸
塩、ホウフッ化塩等が挙げられる。上記リン化合物塩及
び上記ホウ素化合物塩は、平均粒径0. 01〜5μmの
ものが好ましい。
【0040】上記リン化合物塩及び/又はホウ素化合物
塩(B)は、上記親水化処理剤中の樹脂固形分に対し
0.1〜200質量%であることが好ましい。0.1質
量%未満であると、上記リン化合物塩及び/又はホウ素
化合物塩(B)を添加することによる防臭性や造膜性の
増強が得られないことがあり、200質量%を超える
と、上記リン化合物塩及び/又はホウ素化合物塩(B)
自体が臭気性を帯びる場合があり、また、皮膜物性が劣
るおそれがある。好ましくは、5%〜50%である。
【0041】上記親水化処理剤は、更に、無機架橋剤、
有機架橋剤及びカップリング剤からなる群より選ばれる
少なくとも1つを含有することが好ましい。上記架橋剤
やカップリング剤を含有すると、上記親水化処理剤によ
り得られる親水化皮膜は、水滴や流水等に曝されても皮
膜が流出する等の劣化が防止されるので、親水性や造膜
性を高めることができる。
【0042】上記無機架橋剤としては特に限定されない
が、上述の変性ポリビニルアルコール(A)と錯化合物
を形成し得る金属化合物が好ましく、例えば、ジルコニ
ウム、チタン、クロム、アルミニウム、亜鉛等の金属化
合物が挙げられる。上記無機架橋剤としては、シリカで
あってもよい。上記シリカとしては特に限定されず、例
えば、アンモニウムシリケート、コロダリルシリカ、無
水シリカ等が挙げられる。上記シリカの平均粒子径は、
50nm以下が好ましい。なお、上記シリカを含有する
場合には、防臭性も向上させることができる。
【0043】上記有機架橋剤又はカップリング剤として
は特に限定されないが、水酸基と反応し得る官能基、又
は、変性した官能基に反応し得る官能基を有するもの等
が挙げられ、例えばブロックイソシアネート、フェノー
ル樹脂、メラミン、シランカップリング剤、チタンカッ
プリング剤、エポキシ化合物、カルボジイミド、チオー
ル化合物、シラン化合物、アミノ樹脂、カルボン酸、酸
無水物、アミン、アジリジン化合物等の有機化合物等が
挙げられる。
【0044】上記無機架橋剤、有機架橋剤又はカップリ
ング剤は、上記親水化処理剤中の樹脂固形分に対し0.
01〜100質量%であることが好ましい。0.01質
量%未満であると、これらの架橋剤やカップリング剤を
添加することによる親水性や造膜性の増強が得られない
ことがあり、100質量%を超えると、これらの架橋剤
やカップリング剤自体の臭気が強くなったり、臭気物質
を吸着して不快臭を発することがあるほか、親水性を阻
害することがある。
【0045】上記無機架橋剤としてシリカを含有させる
場合には、上記シリカは、上記親水化処理剤中の樹脂固
形分に対し0.1〜100質量%であることが好まし
い。0.1質量%未満であると、上記シリカを含有する
ことによる防臭性や造膜性が得られないことがあり、1
00質量%を超えると、シリカ自体が臭気性を帯びる場
合があり、皮膜物性が劣るおそれがある。好ましくは、
5〜30質量%である。
【0046】上記親水化処理剤は、更に、平均粒径0.
01〜5μmの粒子を含有してもよい。本明細書におい
て、上記平均粒径0.01〜5μmの粒子は、上述のそ
の他の親水性有機化合物、リン化合物塩及びホウ素化合
物塩(B)、架橋剤並びにカップリング剤以外のもので
ある。上記親水化処理剤は、上記粒子を含有することに
より、上記親水化処理剤で処理して得られる皮膜の表面
に凹凸を生じさせ、この凹凸によって親水性を向上させ
ることができる。
【0047】上記粒子は、有機化合物であっても無機化
合物であってもよく、例えば、アクリル系、シリコーン
系、メラミン系、セルロース系の微粒子ポリマー等の有
機化合物;酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコ
ニウム、ガラスビーズ、シリカ等の無機化合物が挙げら
れる。
【0048】上記粒子の平均粒径が0.01μm未満で
あると、親水化皮膜表面に親水性を向上するに充分な凹
凸形状が得られにくく、5μmを超えると、上記皮膜表
面の凹凸が大きくなり過ぎ、凝縮水等の皮膜表面上での
滞留を招いたり、外観に劣る場合がある。好ましくは、
0.1〜2μmである。
【0049】上記粒子は、上記親水化処理剤中の樹脂固
形分に対し50質量%未満であることが好ましい。50
質量%以上であると、上記粒子自体の臭気が感じられる
場合があり、また、吸着された臭気物質が不快臭を発す
ることがある。好ましくは、30質量%未満である。
【0050】上記親水化処理剤は、更に、上述の変性ポ
リビニルアルコール(A)を均一に分散するために、分
散剤を含むものであってよい。上記分散剤としては特に
限定されず、例えば、高分子ポリカルボン酸アルキロー
ルアミン塩、アクリル系共重合物、ポリカルボン酸アマ
イド溶液、脂肪族多価カルボン酸、高分子酸ポリエステ
ル塩等が挙げられ、各種界面活性剤を添加し分散しても
よい。
【0051】上記親水化処理剤は、また、各種抗菌剤を
添加してもよい。上記抗菌剤としては、例えばジンクピ
リチオン、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾー
ル、1, 2−ベンズイソチアゾリン、2- n- オクチル
- 4- イソチアゾリン- 3- オン、N−(フルオロジク
ロロメチルチオ)フタルイミド、N,N−ジメチル−N
´−フェノール−N´−(フルオロジクロロメチルチ
オ)−スルファミド、2−ベンズイミダゾールカルバミ
ン酸メチル、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジサル
ファイド、N−(トリクロロメチルチオ)−4−シクロ
ヘキサン−1,2−ジカルボキシイミド、メタホウ酸バ
リウム、イソチオシアン酸アリル;ポリオキシアルキレ
ントリアルキルアンモニウム、有機シリコン第4級アン
モニウム塩、ヘキサメチレンビググアニド塩酸塩等の第
4級アンモニウム塩;トリ−n−ブチルテトラデシルホ
スホニウムクロリド等の第4級ホスホニウム塩;ポリフ
ェノール系抗菌剤、フェニルアミド系抗菌剤、ビクアニ
ド系抗菌剤等を用いることができる。
【0052】上記親水化処理剤には、必要に応じて上記
以外の各種添加剤を使用することができる。上記添加剤
としては、潤滑剤、抗菌剤、防カビ剤、防腐剤、防バク
テリア剤、界面活性剤、顔料、染料、耐食性付与のため
のインヒビターが挙げられる。
【0053】上記親水化処理剤は、従来公知の方法によ
り調製することができ、例えば、上述の変性ポリビニル
アルコール(A)並びに所望により上記式(I)で表さ
れる基を含まないポリビニルアルコール及び/又はその
他の親水性有機化合物を全処理剤に対して溶解又は分散
させ、所望により添加するリン化合物塩及び/又はホウ
素化合物塩(B)、平均粒径0.01〜5μmの粒子、
架橋剤、カップリング剤、他の添加剤等を添加して混合
し、必要に応じて超音波分散機、微小媒体分散機等によ
り強制的に分散させる方法等を用いることができる。
【0054】上記親水化処理剤を用いる親水化処理の方
法としては特に限定されず、例えば、浸漬法、塗布法等
が挙げられる。上記熱交換器は、通常、複雑な形状を有
するので、浸漬法が好ましい。上記親水化処理におい
て、浸漬法の場合、処理液温度は10〜60℃程度が好
ましく、処理時間は3秒間〜5分間程度が好ましい。上
記親水化処理により固形皮膜量が0.02〜3g/m2
である皮膜を形成する。0.02g/m2 未満である
と、親水化性能が発現せず、3g/m2 を超えると、生
産性が低下する。好ましくは、0.05〜3g/m2
あり、より好ましくは、0.1〜1g/m2 である。
【0055】上記親水化処理の後、100〜220℃で
10〜60分間焼き付けることにより親水性皮膜を得る
ことができる。焼付け温度が100℃未満であると、造
膜性が不充分となり、220℃を超えると、親水持続性
が低下する。好ましくは、120〜200℃である。
【0056】本発明の親水化処理方法は、上述のよう
に、上記式(I)で表される基を分子中の水酸基及びア
セトキシ基の0.01〜20モル%有する変性ポリビニ
ルアルコール(A)を含有する親水化処理剤を用いるの
で、上記親水化処理剤から得られる親水化皮膜は、優れ
た親水性を呈するとともに、それ自体の固有の性質とし
て埃臭等の不快臭を発したり、臭気物質の存在下にあっ
た後において上記臭気物質の不快臭を発するという不具
合が低減される。本発明の親水化処理方法がこのような
有利な効果を奏する機構としては明確ではないが、次の
ように考えられる。
【0057】即ち、上記変性ポリビニルアルコール
(A)は、含有する水酸基及び上記式(I)で表される
基により高い親水性を呈するとともに、臭気物質との親
和性が少なく、また、結晶性が高く、密度が高いので、
仮に臭気物質が水酸基や上記式(I)で表される基中の
酸素原子に付着したとしても蓄積することなく放され、
上記臭気物質の不快臭を発しないものと推測される。従
って、本発明の親水化処理方法は、熱交換器に好適に用
いられる。
【0058】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明する。本発明は、これらの実施例に限定さ
れるものではない。各表中の濃度は、親水化処理剤にお
ける濃度(質量%)を表す。実施例1〜21 (親水化処理剤の調製)表1に示すように、変性ポリビ
ニルアルコール粉末、リン化合物塩、ホウ素化合物塩、
親水性有機化合物、架橋剤等を混合し、表1の各濃度
(質量%)を有する親水化処理剤を得た。上記式(I)
を含まないポリビニルアルコールとしてPVA−1〔ケ
ン化度99%、数平均分子量50000〕を用い、変性
ポリビニルアルコールとしてはPVA−2、PVA−3
及びPVA−4〔それぞれ、上記式(I)中のnは1
0、10、20;上記式(I)で表される基は分子中の
水酸基及びアセトキシ基の5モル%、1モル%、1モル
%;ケン化度は何れも99%;数平均分子量は何れも5
0000〕を用いた。また、カルボン酸変性ポリビニル
アルコールとしてPVA−5〔分子中の水酸基及びアセ
トキシ基の合計100モルのうち5モルをアクリル酸で
変性;上記式(I)中のnは10;上記式(I)で表さ
れる基は分子中の水酸基及びアセトキシ基の5モル%;
ケン化度99%;数平均分子量50000〕を用いた。
更に、分散剤〔ポリカルボン酸アマイド溶液〕、架橋性
フェノール〔ノボラック型フェノール樹脂、数平均分子
量約1000〕、ポリイソシアネート〔自己乳化型水性
ブロックイソシアネート〕、アクリル樹脂〔メトキシポ
リオキシエチレンメタクリル酸エステルとアクリル酸
8:2の共重合体〕、ポリエチレンオキサイド〔PE
O、数平均分子量100000〕、ポリアクリルアミド
〔ホモポリマー、数平均分子量20000〕、樹脂粒子
〔メチルメタクリレート系樹脂粒子、平均粒径1μ
m〕、抗菌剤〔2−(4−チアゾニル)−ベンズイミダ
ゾール〕、無水シリカ〔粒子径10nm〕等を用いた。
【0059】(親水化処理)硝酸10質量%(1.6
N)及び硫酸5質量%(1.0N)を含有する酸性洗浄
液〔表1及び表2において前処理欄に1で表す。〕を使
用し、この酸性洗浄液を65℃に温めた浴中に、アルミ
ニウム合金製熱交換器を4分間浸漬し、引き上げた後に
水道水で充分に洗浄した。更に、この熱交換器を、ジル
コニウム系防錆処理剤〔アルサーフ440N、2%、日
本ペイント社製。表1及び表2において化成処理欄に1
で表す。〕を50℃に温めた浴中に90秒間浸漬して化
成処理し、その後水道水で充分に洗浄した。次に、この
熱交換器を、上記により得た親水化処理剤の20℃の浴
に1分間浸漬し、引き上げた後、到達温度140℃で3
0分間加熱して、固形皮膜量0.3g/m2 の親水化処
理物を得た。ただし、実施例19では硝酸10質量%硫
酸5質量%に代わり、酸性洗浄液〔サーフクリーナー3
22N8、日本ペイント社製。表1において前処理欄に
2で表す。〕を用い、実施例20ではアルサーフ440
Nに代わり、リン酸クロム系防錆処理剤〔アルサーフ4
07/47、3%/0.5%、日本ペイント社製。表1
及び表2において化成処理欄に2で表す。〕を用いた。
【0060】(評価)得られた親水化処理物の親水性及
び臭気を下記方法により評価し、その結果を表1に示し
た。 1.親水性評価 親水化処理物を水道水流水に72時間接触させた後、水
滴との接触角を測定した。接触角の値が小さいほど親水
性が高いといえる。
【0061】2.埃臭評価 親水化処理物を水道水流水に72時間接触させた後、臭
いを嗅いで5段階評価した。 0点……………無臭 1点……………やっとかすかに臭いを感じる 2点……………らくに臭いを感じる 3点……………明らかに臭いを感じる 4点……………強く臭いを感じる 5点……………非常に強く臭いを感じる
【0062】3.におい付着臭(1) 親水化処理物を水道水流水に72時間接触させた後、5
0m3 の会議室に設置し、20本のたばこの煙に3時間
さらした。次いで、煙のない別の50m3 の会議室に1
時間放置した後、親水化処理物を上記3の5段階により
官能評価をした。
【0063】4.におい付着臭(2) 親水化処理物を水道水流水に72時間接触させた後、5
0m3 の会議室に設置し、4種の香水をそれぞれ100
mlとり3時間さらした。香水としては、市販のCKo
ne(カルバンクライン)、プチサンボン(ジバンシ
ー)、トゥルーラブ(エリザベスアーデン)、ダンドゥ
ルプアゾン(クリスチャンディオール)を用いた。次い
で、香水のない別の50m3 の会議室に1時間放置した
後、親水化処理物を上記3の5段階により官能評価をし
た。
【0064】
【表1】
【0065】比較例1〜6 親水化処理剤を表2に示す組成にし、比較例1では前処
理としての酸洗を行わず、比較例2では化成処理を行わ
ないこと以外は実施例1と同様にして、親水化処理物を
得て、評価した。親水化処理剤には、ポリアクリル酸
〔ホモポリマー、数平均分子量100000〕、コロイ
ダルシリカ〔SiO2 水分散体、平均粒径0.3μ
m〕、カルボキシメチルセルロース〔数平均分子量20
000〕、ポリビニルスルホン酸〔ホモポリマー、数平
均分子量20000〕、ポリアクリルアミド〔ホモポリ
マー、数平均分子量20000〕、ポリビニルピロリド
ン〔ホモポリマー、数平均分子量20000〕、ポリエ
チレンオキサイド〔PEO、数平均分子量10000
0〕、上述のPVA−2等を用いた。評価結果を表2に
示す。
【0066】
【表2】
【0067】表1及び表2から、本発明の範囲内にない
比較例で得られた親水化処理物は、親水性及び/又は防
臭性に劣るが、本発明の範囲内である実施例で得られた
親水化処理物は、親水性及び防臭性に優れていることが
わかった。
【0068】
【発明の効果】本発明の親水化処理方法及び上記親水化
処理方法により処理された熱交換器は、上述の構成より
なることから、親水化処理剤の成分特有の埃臭や、吸着
した臭気物質の不快臭を発しないので、長期使用時にお
いても、得られる親水化皮膜自体の臭気を抑制するとと
もに、臭気物質の存在下にあった後において不快臭の発
生を抑制し、かつ、親水性を持続することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 健吾 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー (72)発明者 菅原 博好 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー (72)発明者 内山 一寿 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー (72)発明者 印部 俊雄 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 前川 進 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 牛尾 朗 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 斉藤 宏一 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 松井 徳純 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4D075 CA37 DA20 DA23 DB07 DC16 4K044 AA06 AB02 BA02 BA04 BA14 BA17 BA18 BA21 BB03 BC02 BC03 CA16 CA53

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換器を防錆処理した後、親水化処理
    剤により固形皮膜量が0.02〜3g/m2 である皮膜
    を形成する工程を含むことを特徴とする親水化処理方法
    であって、前記親水化処理剤は、(A)側鎖に式(I) 【化1】 〔式中、nは1〜500の整数を表し、R1 は水素原子
    又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2 は水素原子
    又はメチル基を表す。〕で表される基を有し、前記式
    (I)で表される基は、前記変性ポリビニルアルコール
    が有する水酸基及びアセトキシ基の0.01〜20モル
    %である変性ポリビニルアルコール、並びに、(B)C
    a、Al、Mg、Fe及びZnのリン化合物塩並びにホ
    ウ素化合物塩からなる群より選ばれる少なくとも1つを
    含有することを特徴とする親水化処理方法。
  2. 【請求項2】 親水化処理剤は、更に、ケン化度が90
    %以上であるポリビニルアルコールを前記親水化処理剤
    の0.1〜30質量%含有するものである請求項1記載
    の親水化処理方法。
  3. 【請求項3】 (A)変性ポリビニルアルコールは、親
    水化処理剤の0.1〜30質量%である請求項1又は2
    記載の親水化処理方法。
  4. 【請求項4】 (B)Ca、Al、Mg、Fe及びZn
    のリン化合物塩並びにホウ素化合物塩からなる群より選
    ばれる少なくとも1つは、樹脂固形分に対し0.1〜2
    00質量%である請求項1、2又は3記載の親水化処理
    方法。
  5. 【請求項5】 熱交換器は、アルミニウム材又はアルミ
    ニウム合金材からなるものである請求項1、2、3又は
    4記載の親水化処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載の親水
    化処理方法により処理されたことを特徴とする熱交換
    器。
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