JP2003000484A - 電気掃除機用吸込具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アジテーターに塵埃が付着することによって
生じる集塵能力の低下を最小限に押さえ、材料的にも高
コストなものを使用せず、衛生的でかつ使用性に優れた
低コストな製品を提供することを目的としている。 【解決手段】 回転自在のアジテーター５を内設し、前
記アジテーター５は塵埃掻上体２ａと中空部４を有する
回転子１から構成され、前記回転子１に中空部４と連通
する連通孔３を、前記塵埃掻上体２ａの根元近傍および
それと略対向側に設けた電気掃除機用吸込具で、前記中
空部４を通じて、前記塵埃掻上体２ａの根元近傍に設け
た連通孔３より噴出する気流により、塵埃掻上体２ａに
付着した塵埃をクリーニングする構成としたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電気掃除機および
その吸込具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の電気掃除機を図３、４を用いて説
明する。アジテーターを有する吸込具はじゅうたん上の
塵埃を集塵するのに絶大な効果を発揮している。回転子
１上に設けられた受風体２ｂは吸気風９により回転力を
得るために設けられている。回転子１上には毛ブラシ、
もしくは樹脂で構成された塵埃掻上体２ａも設けられて
おり、これがじゅうたんと擦れ合い、じゅうたん上から
塵埃を遊離させ、吸込口へと掻き上げる。この塵埃は吸
気風９に乗り、空気と共に掃除機本体内部の集塵室１２
へと運ばれる。特に、じゅうたんに付着した綿や毛など
の塵埃を集塵するには、塵埃掻上体を毛ブラシで構成す
るのが有効である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塵埃掻
上体２ａに毛ブラシを使用する際のデメリットとして、
塵埃掻上体２ａに綿や毛などが絡み付き易いというもの
がある。塵埃掻上体２ａがじゅうたんと擦れることによ
り、綿や毛の塵埃はじゅうたん上から引き離され、この
塵埃のほとんどは吸込み気流によって吸引され、集塵室
へと運ばれるが、一部はアジテーター上の毛ブラシに絡
み付いてしまう。また、細かい粉状の塵埃は、毛ブラシ
に絡み付きにくいが、樹脂で構成された塵埃掻上体２ａ
や、回転子の表面に付着してしまい、外観上不潔感を感
じさせる。そのため、アジテーターを有する吸込具の多
くは、アジテーターを着脱式とし、水洗いによるメンテ
ナンスを可能にしている。また、幾度にもわたる洗剤洗
浄による性能劣化を防ぐために十分な耐水性、耐薬品性
を有する樹脂や金属、油脂などを用いる必要があった。

【０００４】本発明は上記課題を解決するもので、アジ
テーターにゴミの付着が起こりにくい構成とし、ユーザ
ーに清潔感を与え、またメンテナンスの回数を減らして
ユーザーへの負担を軽減するとともに、アジテーターに
塵埃が付着することによって生じる集塵能力の低下を最
小限に押さえ、材料的にも高コストなものを使用せず、
衛生的でかつ使用性に優れた低コストな製品を提供する
ことを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、回転自在のアジテーターを内設し、前記ア
ジテーターは塵埃掻上体と中空部を有する回転子から構
成され、前記回転子に中空部と連通する連通孔を、前記
塵埃掻上体の根元近傍およびそれと略対向側に設けた電
気掃除機用吸込具で、前記中空部を通じて、前記塵埃掻
上体の根元近傍に設けた連通孔より噴出する気流によ
り、塵埃掻上体に付着した塵埃をクリーニングする構成
としたものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１記載の発明は、
回転自在のアジテーターを内設し、前記アジテーターは
塵埃掻上体と中空部を有する回転子から構成され、前記
回転子に中空部と連通する連通孔を、前記塵埃掻上体の
根元近傍およびそれと略対向側に設けた電気掃除機用吸
込具である。

【０００７】この構成によれば、塵埃掻上体の根元近傍
の連通孔より噴出する気流により、毛ブラシ等の塵埃掻
上体に付着した塵埃を吹き飛ばすことが可能となり、塵
埃掻上体への塵埃付着を抑えることで衛生的、かつ塵埃
掻上体へ塵埃が付着することによる集塵性能の低下を抑
えることが可能となる。

【０００８】本発明の請求項２記載の発明は、塵埃掻上
体の根元近傍の連通孔は、前記塵埃掻上体の回転方向側
に設けた電気掃除機用吸込具である。

【０００９】この構成によれば、塵埃掻上体の塵埃の付
着しやすい側面に集中的に気流を当てることが可能とな
り、塵埃掻上体のクリーニング効果が向上する。

【００１０】本発明の請求項３記載の発明は、回転自在
のアジテーターを内設し、前記アジテーターは塵埃掻上
体と受風体と中空部を有する回転子から構成され、前記
回転子に中空部と連通する連通孔を、前記受風体の根元
近傍およびそれと略対向側に設けた電気掃除機用吸込具
である。

【００１１】この構成によれば、受風体に付着した埃な
どの塵埃を、受風体の根元近傍の連通穴から噴出する気
流により吹き飛ばすことが可能となり、受風体への塵埃
付着を抑えることで衛生的、かつ受風体へ塵埃が付着す
ることによる集塵性能の低下を抑えることが可能となる
本発明の請求項４記載の発明は、受風体の根元近傍の連
通孔は、前記受風体の回転方向側に設けた電気掃除機用
吸込具である。

【００１２】この構成によれば、受風体に付着しがちな
細かい粒子状の塵埃を効果的に吹き飛ばすことが可能と
なり、外観上衛生的となり商品の品位が向上する。

【００１３】本発明の請求項５記載の発明は、吸込具内
部の吸口側方向に連通孔が向いた時に、連通孔からの噴
出風が生じる構成としたものである。

【００１４】この構成によれば、塵埃掻上体や受風体に
付着した塵埃が吹き飛ばされた後に、再びじゅうたん上
に吹き付けられ、じゅうたんに塵埃を再付着させること
を防止することが可能となる。また必要な位置でのみ連
通孔から気流が噴出されるため、噴出圧力が増加し、塵
埃掻上体および受風体のクリーニング効果が増大する。

【００１５】本発明の請求項６記載の発明は、塵埃掻上
体を、回転子の周面長手方向に螺旋状に設けた電気掃除
機吸込具である。

【００１６】この構成によれば、塵埃掻き揚げ部と被清
掃面が点接触となり、幅方向に万遍なく触れるため、ア
ジテーターがある角度になった時にだけ床面から回転抵
抗をうけることが無くなり、スムーズな回転が可能とな
る。

【００１７】本発明の請求項７記載の発明は、受風体
を、回転子の周面長手方向に螺旋状に設けた電気掃除機
吸込具である。

【００１８】この構成によれば、被清掃面と触れる塵埃
掻上体と、触れる可能性のある受風体の双方が被清掃面
と点接触となり、幅方向に万遍なく触れるため、アジテ
ーターがある角度になった時にだけ床面から回転抵抗を
うけることが無くなり、スムーズな回転が可能となる。

【００１９】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図１および
図２を用いて説明する。図１および図２は、吸込具およ
びアジテーターの部分詳細図である。図１において、１
は回転子、２ａは塵埃掻上体、２ｂは受風体、３は連通
孔、４は中空部、５は前記１〜４より構成されたアジテ
ーターである。６は吸込具外郭であり、７は吸込口、８
は中心軸である。

【００２０】回転子１上に、塵埃掻上体２ａ、受風体２
ｂが螺旋状に取り付けられている。回転子１上の塵埃掻
上体２ａおよび受風体２ｂの根元のアジテーター５の回
転方向側に連通孔３が、塵埃掻上体２ａおよび受風体２
ｂに沿って、かつ回転子１の中心に対して対称な構成で
多数設けられる。アジテーター５の中心部には中心軸８
が挿入されており、この中心軸は内部に中空部４を有し
ている。

【００２１】次に、本発明の吸込具の動作詳細について
説明する。外部駆動源、もしくは吸気風、排気風によっ
て直接駆動されるアジテーター５が回転することによ
り、塵埃掻上体２ａがじゅうたん上の塵埃を掻き上げ
る。掻き上げられた塵埃のほとんどは吸気風９に乗って
吸気口７を通過し、掃除機本体の集塵部へと運ばれる
が、一部の塵埃は塵埃掻上体２ａもしくは受風体２ｂ上
に付着する。しかし、中空部４を通じて塵埃掻上体２ａ
および受風体２ｂの回転方向側の根元に設けられた連通
孔３より噴出される噴出風１０により、この塵埃は塵埃
掻上体２ａや受風体２ｂより引き離され、吸気風９に乗
り、吸気口７を通じて集塵部へと運ばれる。このとき、
連通孔３からの噴出風１０は、塵埃掻上体２ａや受風体
２ｂが吸気口７側に位置した時のみ噴出されるため、塵
埃掻上体２ａや受風体２ｂから吹き飛ばされた塵埃は、
床面上に再付着することなく吸気口７より吸引され、本
体集塵部へと運ばれる。

【００２２】なお、本実施例において、塵埃掻上体、お
よび受風体はそれぞれ２つ、互いに６０度の角度を有し
て取り付けられているが、個数、角度をこれに限る必要
はない。また、塵埃掻上体のみでも可であり、逆に受風
体のみでも可能である。ただし後者の場合、受風体に塵
埃掻上体の機能を複合させねば床面上の塵埃を効果的に
集塵可能とはならないのは言うまでもない。これらは必
要、用途に応じて使い分けるとよい。

【００２３】

【発明の効果】本発明によれば、アジテーターにゴミの
付着が起こりにくくなり、従ってアジテーターのメンテ
ナンスの回数が減少し、ユーザーへの負担が軽減される
とともに、アジテーター洗浄の回数が減少することで高
価な耐薬品性の材料の使用を控えることが可能となり、
またアジテーターに塵埃が付着することによって生じる
集塵力の低下を最小限に押さえることが実現でき、衛生
的でかつ使用性に優れた低コストな製品が提供可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す吸込具の部分詳細図

【図２】同アジテーターの部分詳細図

【図３】従来の吸込具の部分詳細図

【図４】同電気掃除機の全体構成図

【符号の説明】

１ 回転子 ２ａ塵埃掻上体 ２ｂ受風体 ３ 連通孔 ４ 中空部 ６ 吸込具外郭 ７ 吸込口 ８ 中心軸 ９ 吸気風 １０ 噴出風 １１ 電動送風機 １２ 集塵室

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転自在のアジテーターを内設し、前記
   アジテーターは塵埃掻上体と中空部を有する回転子から
   構成され、前記回転子に中空部と連通する連通孔を前記
   塵埃掻上体の根元近傍およびそれと略対向側に設けた電
   気掃除機用吸込具。
2. 【請求項２】 塵埃掻上体の根元近傍の連通孔は、前記
   塵埃掻上体の回転方向側に設けた請求項１記載の電気掃
   除機用吸込具。
3. 【請求項３】 回転自在のアジテーターを内設し、前記
   アジテーターは塵埃掻上体と受風体と中空部を有する回
   転子から構成され、前記回転子に中空部と連通する連通
   孔を、前記受風体の根元近傍およびそれと略対向側に設
   けた電気掃除機用吸込具。
4. 【請求項４】 受風体の根元近傍の連通孔は、前記受風
   体の回転方向側に設けた請求項３記載の電気掃除機用吸
   込具。
5. 【請求項５】 アジテーターが回転し、吸込具の吸口側
   方向に連通孔が位置した時に、連通孔からの噴出風が生
   じる構成とした請求項１〜４のいずれか１項に記載の電
   気掃除機吸込具。
6. 【請求項６】 塵埃掻上体を、回転子の周面長手方向に
   螺旋状に設けた請求項１〜５記載のいずれか１項に記載
   の電気掃除機吸込具。
7. 【請求項７】 受風体を、回転子の周面長手方向に螺旋
   状に設けた請求項３〜６のいずれか１項に記載の電気掃
   除機吸込具。