JP2002543910A - 結び目プッシャ - Google Patents

結び目プッシャ

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JP2002543910A JP2000617802A JP2000617802A JP2002543910A JP 2002543910 A JP2002543910 A JP 2002543910A JP 2000617802 A JP2000617802 A JP 2000617802A JP 2000617802 A JP2000617802 A JP 2000617802A JP 2002543910 A JP2002543910 A JP 2002543910A
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ノーブルズ、アンソニー、アール
クリュー、ジョン、アール
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スーチュラ,インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 患者の血管または器官の切開に向けて縫合糸結び目(200)を押すための結び目プッシャが、結び目に係合する細長い部材(124)を含む。縫合糸の1つのセグメント(194)が縫合糸リーダ(100)に取り付けられ、リーダ(100)は、細長い部材(124)内の内腔を介してセグメント(194)を引張る。細長い部材(124)を用いて結び目を引張り、縫合糸の一端または両端を保持することにより、連続結び目が切開に向けて進ませられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は切開の縫合に関し、より詳細には、身体内部の血管および器官にある
切開を閉じるための縫合糸の使用に関する。
【0002】 (関連技術の説明) 外科医は、縫合糸を用いて切開や創傷を閉じる、あるいは組織部を接合する必
要に迫られることがよくある。外科医は、縫合糸を組織部に通した後、組織部を
互いに引き合わせ、離れないようにするため、縫合糸を結ばなければならない。
動脈につながる組織路の端部など手が届きにくい領域で縫合糸を結ぶとき、外科
医は大変苦労する。通常、結び目を患者外部で形成し、次いで外科医の指先で、
接合すべき組織部に向けて押していく。この技法は手間と時間がかかり、成果が
不確かである。外科医が容易にかつ正確に組織部を互いに引き合わせて結び目を
完成させることができる、より信頼性ある手順が必要である。
【0003】 (発明の概要) 本発明の一態様は、縫合糸に形成された結び目を押すための装置である。この
装置は、遠位端部と、少なくとも遠位端部を介する内腔とを有する細長い部材を
含む。内腔は、結び目が遠位端部を通過しないように十分小さく、しかし縫合糸
の結び目のないセグメントが遠位端部を通過できるように十分大きい。この装置
はまた、縫合糸リーダの少なくとも遠位端部が内腔から外に延在するように、細
長い部材の開口内に挿入するようにサイズを取られ、かつ内腔の少なくとも一部
を通過するようにサイズを取られた遠位端部を有する縫合糸リーダを含む。縫合
糸リーダは、内腔から縫合糸リーダを引き抜くことによって縫合糸を内腔内に引
くことができるように、縫合糸を解放可能に固定できるように適合されている。
この装置の好ましい実施形態では、縫合糸リーダが撚り線を備え、縫合糸リーダ
の遠位端部が、縫合糸セグメントを受け取るための把持部を備える。この装置は
さらに、細長い本体を有するカッターを備えることができ、カッターは、縫合糸
セグメントを切断するための切断要素を含み、細長い部材に沿って摺動可能であ
る。
【0004】 本発明の別の態様は、第1および第2の縫合糸セグメントが組織部から延在す
るように、ある長さの縫合糸を組織部を介して進ませることを含む縫合方法であ
る。細長い部材が提供され、少なくともその一部がチューブを備える。第1の縫
合糸セグメントを、チューブの少なくとも一部を介して引く。第1および第2の
縫合糸セグメントを使用して縫合糸に第1の結び目を結ぶ。第1の縫合糸セグメ
ントを覆ってチューブを進ませ、チューブの遠位部を使用して組織部に向けて第
1の結び目を押す。第1および第2の縫合糸セグメントを使用して縫合糸に第2
の結び目を結び、第1および第2の縫合糸セグメントの少なくとも一方を覆って
チューブを進ませて、第2の結び目を第1の結び目に向けて押す。この方法の好
ましい実施形態では、第1の縫合糸セグメントを引くことが、チューブを介して
縫合糸リーダを進ませること、縫合糸リーダを第1の縫合糸セグメントに固定す
ること、およびチューブから縫合糸リーダを引き抜くことを含む。縫合糸リーダ
は、チューブの近位端部から引き抜く、あるいはチューブの遠位端部にある開口
から引き抜くことができる。1つの好ましい実施形態では、ある長さの縫合糸を
組織部を介して進ませることが、カテーテル・シース導入具(CSI)を介して
第1および第2の縫合糸セグメントを延在させることを含む。
【0005】 本発明の他の態様は、2つの自由端を有する縫合糸を提供すること、少なくと
もその一部を介する内腔を有する細長い部材を提供すること、および縫合糸の第
1の端部セグメントを内腔の少なくとも一部を介して引くことを含む。結び目は
、i)第2の端部セグメントを使用して、第1の端部セグメントの前を通る上側
ループを形成し、ii)第2の端部セグメントを使用して、上側ループから第1
の端部セグメントの後方に延在し、かつ一実施形態では第2の端部セグメントの
前を通る下側ループを形成することによって、縫合糸の2つの自由端部を使用し
て形成される。細長い部材を使用して第1の端部セグメントに沿って下側ループ
を押し、それにより上側ループが第1の端部セグメントに沿って下側ループによ
って引張られる。好ましくは、少なくとも1つの追加の結び目が形成され、前の
結び目に対して押される。
【0006】 (好ましい実施形態の詳細な説明) 本発明の好ましい実施形態を図示し、添付図を参照しながら説明する。図1に
示されるように、縫合糸リーダ100が、環状部102と円筒形ベース部104
とを有するハンドル101を備える。ハンドル101はポリプロピレンから作成
することができる。環状部102および円筒形部104は、一体となって長手方
向に約3.8cm(1.5インチ)延在している。円筒形部104は、図2で見
られるように、外径(O.D.)が約0.97cm(0.38インチ)であり、
内面にダブル・リード1/4回転ねじ106を有する。
【0007】 ハンドル101は、比較的硬く、しかし可撓性のあるワイヤのループからなる
ワイヤ・リテーナ110に接続されている。ワイヤ110は、細長いダブル・ワ
イヤ構造を形成するように撚られている。ワイヤ110の端部は、ハンドル10
1の円筒形部104の当該の穴112(図2参照)に挿入され、シアノアクリレ
ートなどの接着剤を使用してハンドルに結合されている。ワイヤ110は、ばね
鋼など、約0.025cm(0.010インチ)のステンレス鋼であってよい。
ハンドル101にワイヤ110を結合する前に、ハンドルとワイヤの間で適切な
強さの結合を作ることができるようにワイヤの表面に凹凸を付ける必要がある場
合がある。例えば、ワイヤ110の端部を、ローレット切りプレスまたはバイス
内でローレット切りアーバを使用してローレット切りして、ワイヤに凹凸表面を
形成することができる。撚り線構造110の遠位部は把持部120を備え、この
把持部120は、好ましい実施形態ではキャプチャ・ループ120を備える。好
ましい実施形態では、ループ120はダイヤモンド形状であり、好ましくは、そ
の遠位端に小さなサブループを有し、これはキャプチャ・ループ120を開いた
状態に偏らせるためのばねとして働く。
【0008】 図3Aおよび3Bは、管状の細長い押込部材124を示す。管状部材124の
近位端部は、ホルダ130を介して延在する内腔内部に密着嵌合する。チューブ
124は、ポリカーボネートなどのポリマーからなる場合があり、長さ約24.
6cm(9.7インチ)であり、チューブの長さ全体に沿って内径(I.D.)
約0.079cm(0.031インチ)の内腔を内部に有する。チューブ124
の外径は近位端で約0.24cm(0.095インチ)であり、チューブ124
の遠位端140から約2.2cm(0.85インチ)で始まり、先細りして外径
約0.15cm(0.060インチ)になっている。内腔の直径は、ホルダ13
0の長さに沿って一定であり、約0.24cm(0.095インチ)よりもわず
かに大きい。チューブ124とホルダ130は、超音波溶接によって、またはシ
アノアクリレートなどの接着剤によって互いに接合して一体型ユニットを形成す
ることができる。チューブ124の近位端は、図3Bに示されるように、ホルダ
130の近位端と同一平面にある。ホルダ130はポリプロピレンであってよい
【0009】 ホルダ130は、外面に、ねじ106と対合するねじ150を有し、ホルダ1
30をハンドル101の円筒形部104内にねじ止めすることができるようにな
っている。このようにすると、図4に例示されているように、ホルダ130/チ
ューブ124ユニットと縫合糸リーダ100を組み立て、結び目プッシャ・アセ
ンブリ160を形成することができる。縫合糸リーダ100(図1)のキャプチ
ャ・ループ120は、緩和状態で、チューブの幅よりも実質的に大きい幅を有し
、それにより医師が簡単に内部に縫合糸を通すことができる。しかし、キャプチ
ャ・ループ120を形成するワイヤ110は、十分に可撓性があり平らにするこ
とができ、それによりワイヤ110をチューブ124の内腔内に、かつそこを介
して通すことができる。ワイヤ・リテーナ110の長さは、キャプチャ・ループ
120がチューブ124の遠位端をわずかに超えて延在するように選択される。
ワイヤ110は十分な弾性を有し、チューブ124の範囲外にあるときにキャプ
チャ・ループ120が元の緩和形状に復元できるようになっている。
【0010】 図5は、患者の皮膚、例えば患者の脚180の切開174を介して導入されて
いるカテーテル・シース導入具(CSI)170を示す。縫合糸190は、組織
部195、196(図5に想像線で示す)を引き合わせる目的で患者内に導入さ
れている。例えば血管または器官の創傷または内部切開によって生じた組織部1
95、196から、縫合糸190の2つの端部セグメント192、194がそれ
ぞれ延在する。縫合糸190は、「Method and Apparatus
for Suturing」という名称の米国特許第5860990号、19
99年1月14日出願の「Suturing Device for Seal
ing Artery Following Angiogram」という名称
の本出願人の同時係属出願09/231177号、および2000年3月13日
出願の「Suturing Device and Method」という名称
の本出願人の同時係属出願09/524211号に記載されたものを含めた任意
の適した様式で患者に導入することができ、これら全てを本明細書に参照により
組み込む。縫合糸190は、直径0.018cm(0.007インチ)の生分解
性材料、またはポリプロピレンなどの非生分解性材料である。
【0011】 図6に例示されるように、組み立てられたデバイス160において、ワイヤ・
リテーナ110は、ワイヤ110の把持部120がチューブ124の遠位端を超
えて延在するようにチューブ124を介して通されている。手術医は、把持部1
20を形成するワイヤ間に縫合糸190の一方のセグメント(例えばセグメント
194)を通す。チューブ124に関して縫合糸リーダを移動させるために、ハ
ンドル101を回転して、管状部材124とのねじ係合を外す。次に、図7およ
び8を参照すると、片手でセグメント192を保持しながら、ハンドルを引張り
、ワイヤ110を管状部材124から近位方向に引く。縫合糸リーダ100を近
位方向に引張って縫合糸をチューブ124内に引いたとき、チューブの内壁が把
持部120を圧縮し、それにより把持部を形成するワイヤ部が間に縫合糸を摘ま
んでセグメント194を十分にきつく保持し、したがって、把持部120から縫
合セグメント194が外れることなくワイヤ110をチューブ124から抜くこ
とができる。このようにして、縫合糸190のセグメント194がチューブ12
4内に、かつそこを介して引かれる。
【0012】 図7および8に示されるように、チューブ124内部の内腔は、縫合糸セグメ
ント194およびワイヤ110が内腔の長さ全体を通過することができるのに十
分な大きさである。ワイヤ110をチューブ124を介して完全に引張った後、
縫合糸190を、引張って把持部120から取り外すことができる。このとき、
ワイヤ110およびハンドル101が、チューブ124を介して縫合セグメント
194を案内する。ワイヤ把持部120に関して本明細書に図示し説明している
が、縫合糸190は、間に縫合糸セグメントを摘まむように適合された任意の対
面部材の対、特に弾性偏り対面部材の対によって固定することができる。
【0013】 ついで、手術医は、縫合糸190から、外科結び目、典型的には、組織部を一
緒に締め付けるために切開に向けて摺動させることができる自己締付け結び目を
形成することができる。管状部材124内部の内腔の内径は実質的に結び目より
も小さく、そのため結び目は大きすぎて内腔に入らない。したがって、図9に示
されるように、管状部材124を使用して、CSI170を介して内部切開に向
けて、かつ内部切開に接するように結び目200を押すことができる。好ましく
は、チューブ124を片手で結び目200に対して進ませ、縫合190の両セグ
メント192、194をもう一方の手で保持する。遠位端140近傍のチューブ
124のテーパ付き輪郭が、組織路に沿って結び目200を押すことを容易にし
、鈍い端部によって生じる外傷または擦傷を低減する。管状部材124内の内腔
を介する染出しによって、使用者は、管状部材が十分前方に進んで、縫合する開
口を閉じた時を知ることができる。
【0014】 第1の結び目を定位置に固持する目的で追加の結び目を追加するために、上に
概説した手順を繰り返すべきである。好ましくは2〜5個の自己締付け結び目が
、次々に重ねて押され、安全な封鎖を提供する複合結び目を提供する。切開が閉
じられた後、患者外部にストランドがぶら下がって残らないように縫合糸190
を切る。このために、縫合糸190を、チューブ124の遠位端に位置された外
科鋏またはカッターによって、皮膚レベルよりも下で切ることができる。
【0015】 様々なタイプの結び目を使用することができるが、1つの好ましい結び目プッ
シャ使用方法は、同種の2つの連続ハーフ・ヒッチ200(例えば、2つの右ヒ
ッチまたは2つの左ヒッチ)を用いて始まる複合結び目200’の形成を含む。
縫合糸190の1つのセグメント(例えばセグメント194)をチューブ124
を介して引き、もう一方のセグメント(例えばセグメント192)を管状部材1
24の外部に保つ。同じタイプの2つのハーフ・ヒッチを縫合糸に結ぶ。これら
のハーフ・ヒッチは、縫合糸セグメント194を覆って管状部材124を進ませ
ることによって切開に向けて押される。そのような前進中、縫合セグメント19
4に張力が加えられ、手術医がセグメント194を手でしっかり保持するが、セ
グメント192には張力が加わらない。このようにして、2つのハーフ・ヒッチ
を、内部切開に向けて、かつ内部切開に達するまで押す。次に、同じタイプの単
一ハーフ・ヒッチを形成し(例えば、2つの右ハーフ・ヒッチをはじめに使用し
た場合、単一右ハーフ・ヒッチを形成する)、管状部材124を用いて内部切開
に向けて、かつ内部切開に達するまで押し、このとき手術医は、片手で両セグメ
ント192、194をしっかり保持し(図9参照)、いくらかの張力が両セグメ
ントに加わっている。最後の結び目を除いて全ての連続結び目が同じタイプであ
る。最後の結び目は、もう一方のタイプまたは向きのハーフ・ヒッチであり、例
えば前の結び目がすべて右ハーフ・ヒッチであった場合には左ハーフ・ヒッチを
使用し、それにより正方形結び目を形成する。
【0016】 図10を参照すると、摺動可能管状部材124の一実施形態が、非常に小さな
直径を有するテーパ付き遠位端を有する。この形状は、患者に向けて結び目20
0を摺動するのに有利である。例示したように、外科結び目200を、セグメン
ト194に摺動可能に取り付けられた管状部材124を用いて縫合糸セグメント
192、194によって形成することができる。縫合糸セグメント192は、図
10からわかるように、セグメント194下方に交差する下側ループ部210と
、セグメント部194の上、かつ部分210の上方および後方にループする上側
ループ部212とを有する(図を簡単にするために、縫合糸を2点で破断して示
して、他の縫合部がその上を通っていることを示す。しかし、縫合糸が連続スト
ランドであることを理解されたい)。
【0017】 管状部材124のテーパ付き端部の先端214は、部分210と縫合糸セグメ
ント194の交差点に係合し、ループ部212が、そのような先端214の上方
および前方を通る。このとき、先端214が結び目200内部に効果的に埋め込
まれるように、部材124のテーパ付き端部が上側ループ部212によって取り
囲まれる。この位置では、先端214が縫合糸セグメント部192、194の下
側交差点(すなわち、下側ループ部210および縫合糸セグメント部194の交
差点)で結び目200を押す。したがって、結び目200は、結び目の上部では
なく結び目の底部から押される。これにより、結び目200を患者に向けて簡単
に進ませることができ、結び目が、結び目プッシャとの相互作用により早まって
結ばれるのを防止する。
【0018】 管状部材124と共に使用するのが好ましい他のタイプの結び目200は、図
10Aに示されるクリンチ結び目である。例示されるように、この結び目は、上
側ループ部212と下側ループ部210とを含む。しかし、下側ループ部は、そ
こから延在する蛇行部を有し、その端部がセグメント192のループを通過する
。上述したように、これらの結び目のいくつかは、チューブ124を使用して切
開に向かって連続的に押され、複合結び目200’を形成する。結ばれた結び目
が(例えば本明細書に記述する方法の1つに従って)内部切開近傍に形成された
後、余剰縫合材料が切り取られる。
【0019】 縫合糸190を切るための一技法を図11、11A、および11Bを参照しな
がら例示する。縫合糸190の両セグメント192、194を管状部材124を
介して引張る。縫合糸カッター220をチューブ124内に挿入し、好ましくは
接合すべき内部切開または組織部のごく近傍にある固定複合結び目200’(図
11B)に向けてチューブ124内部で摺動させる(すなわちチューブを介して
押す)。カッター220は、遠位端部にブレードなど近位方向を向く切断要素2
24(図11A参照)を有する細長い本体を含み、切断要素は、カッターの遠位
端から所定の距離、例えば1cmの場所に位置されている。切断要素224が結
び目から約1cmとなるように、固定結び目200’に向けてカッター220を
できるだけ押す。次いで使用者は、カッター220を引き戻し、または回転させ
、それにより図11Bに示されるように縫合糸の両ストランドを切断要素224
でスライスすることによって縫合糸190を切断することができる。切断要素2
24をカッターの遠位端から例えば1cm離した状態で縫合糸カッター220を
構成することの代替形態として、切断要素をカッターの遠位端に配置することが
でき、カッター220上のマーク(図示せず)またはストップ(図示せず)を、
カッターをそれ以上進ませるべきでないことを使用者に知らせる指標として働か
せることができる。望みであれば、シース(図示せず)を使用して縫合糸カッタ
ー220を取り囲み、患者に対する偶発的な損傷の危険を最小限に抑えることが
でき、シースは、カッターによって縫合糸190を切断する直前に引っ込められ
る。
【0020】 別の結び目プッシャ実施形態を図12A、12B、および13に示す。この実
施形態は、管状部材を備え、図1に示されるものと同様の縫合糸リーダを利用す
る。しかし、管状部材と、管状部材が接合されるホルダとは、図3Aおよび3B
におけるそれらの等価物とは異なる構成になっている。図12Aおよび12Bは
、遠位端140aと、遠位端近傍の開口230とを含む管状部材124aを示す
。管状部材124aはホルダ130aに固定されている。ワイヤ・リテーナ11
0aは、管状部材124aの長さ全体を介して沿ってはおらず、図13の組み立
てられたデバイス160aによって示されるように、開口230内へ進ませられ
、遠位端140aのみを通過する。さらに、縫合糸リーダ100aはホルダ13
0aの近位端に取り付けられず、このため、ホルダ内のねじ150が必要なくな
る。同様に、図13および14のワイヤ110aは、図1および8に示される第
1の結び目プッシャ実施形態で使用されるワイヤ110に比べて短くすることが
できる。
【0021】 図13の実施形態を使用する1つの好ましい方法を、図14を参照して示す。
例示されるように、縫合糸セグメント194は、管状部材124aの内腔内に引
かれ、かつワイヤ110aを使用して開口230から外に引かれる。次いで、使
用者が、図10に示されるハーフ・ヒッチや、図10Aに示されるクリンチ結び
目などの自己締付け結び目を形成する。1つの例示実施形態では、使用者が同じ
向きの2つのハーフ・ヒッチ(例えば2つの右ヒッチまたは2つの左ヒッチ。1
つの左ハーフ・ヒッチと1つの右ハーフ・ヒッチではない)を形成し、次いで片
手で教示されたセグメント194を保持し、それと同時に同じ手でCSI170
を保持する。もう一方の手で、使用者は管状部材124aを用いて結び目200
(この場合、2つのハーフ・ヒッチ)を押して、CSI170へ、かつ内部切開
へ向ける。次に、同じタイプの単一ハーフ・ヒッチを形成し(例えば、2つの右
ハーフ・ヒッチをはじめに使用した場合、単一右ハーフ・ヒッチを形成する)、
管状部材124aを用いて内部切開に向け、かつ内部切開に達するまで押し、こ
のとき手術医は、片手で両セグメント192、194とCSI170とをしっか
り保持し、もう一方の手で管状部材124aを押す。全ての連続結び目が、同様
に内部切開に向けて進ませられ、先と同様に最後の結び目以外は同じタイプのも
のである。最後の結び目は他のタイプのハーフ・ヒッチであり、例えば、前の結
び目がすべて右ハーフ・ヒッチであった場合、左ハーフ・ヒッチを使用し、それ
により正方形結び目を形成する。前述の手順はハーフ・ヒッチを利用するが、様
々な他のタイプの結び目のうち任意のものを使用して複合結び目200’を形成
することもできることを理解されたい。任意の場合に、図13の実施形態は、手
順全体を通して1人の手術医が簡単に利用することができる。さらに、このとき
縫合糸のセグメント194が開口230から出ており、管状部材124aの長さ
全体に沿って延在していないので、縫合糸190は、図4の実施形態における縫
合糸と同じ長さである必要はない。
【0022】 完全に形成された複合結び目を内部切開のごく近傍に配置した状態で、使用者
は続いて、セグメント192、194が患者の皮膚内の切開174から外に延在
しないように縫合糸を切断する。図11および11Aの縫合糸カッター220を
この目的で使用することができる。縫合糸セグメント192および194を管状
部材124aに通し(例えば、縫合糸端部194を穴230に通し、縫合糸端部
192を管状部材124aの長さ全体に沿って通す)、次いで縫合糸カッター2
20をチューブ124a内部に配置し、固定結び目に向けて押す。切断要素22
4を結び目付近に配置した状態で、切断要素を引き戻し、または回転させ、それ
により縫合糸190を切断する。管状部材124aを結び目に付き合わせ、開口
230の遠位に切断要素224を位置決めすることによって、切断要素は、セグ
メント192と共に、縫合糸190のセグメント194も切断する。
【0023】 別法として、図15に示されるように、遠位端に鋭い縁部254を有するハイ
ポチューブ250を、管状部材124aにわたって事前位置決めすることができ
る。内部切開に複合結び目を形成した後、両縫合糸端部192、194を開口2
30を介して引く。チューブ124aの遠位端を、複合結び目200’に近接し
てCSI170内部に位置決めし、ハイポチューブ250を結び目に向けて付勢
する(すなわち、ハイポチューブは管状部材124aを覆って摺動させる)。図
15Aに例示されるように、ハイポチューブ250の縁部254が、縫合糸19
0のセグメント192および194を切断する(図を見やすくするために、CS
I170は図15Aに示しておらず、それにより複合結び目200’とチューブ
124aの遠位部とが露出している)。管状部材124a上のマーク(図示せず
)を使用して、手術医がハイポチューブ250をどれくらい前方に押すべきか判
断することができる。また、ハイポチューブ250を使用していないとき、デテ
ント機構(図示せず)を使用して、ハイポチューブ250をホルダ130aに保
持することができる。
【0024】 本発明の様々な実施形態を上述してきた。本発明をこれら特定の実施形態に関
して説明してきたが、この説明は本発明を例示するものであり、限定するもので
はない。頭書の特許請求の範囲に定義した本発明の真の精神および範囲を逸脱す
ることなく、様々な変更および適用例を当業者は想定できよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ハンドルおよびワイヤを備える縫合糸リーダを示す図である。
【図2】 ワイヤの端部を受け止めるために内部に2つの穴を有する図1のハンドルの端
面図である。
【図3A】 事前に組み立てられた第1の結び目プッシャ実施形態のホルダおよび管状部材
の斜視図および断面図である。
【図3B】 事前に組み立てられた第1の結び目プッシャ実施形態のホルダおよび管状部材
の斜視図および断面図である。
【図4】 縫合糸リーダを有する第1の結び目プッシャ実施形態を示す図である。
【図5】 患者内部の切開に向けて1つまたは複数の結び目を押すために図1〜4の結び
目プッシャ実施形態を使用する様子を示す図である。
【図6】 患者内部の切開に向けて1つまたは複数の結び目を押すために図1〜4の結び
目プッシャ実施形態を使用する様子を示す図である。
【図7】 患者内部の切開に向けて1つまたは複数の結び目を押すために図1〜4の結び
目プッシャ実施形態を使用する様子を示す図である。
【図8】 患者内部の切開に向けて1つまたは複数の結び目を押すために図1〜4の結び
目プッシャ実施形態を使用する様子を示す図である。
【図9】 患者内部の切開に向けて1つまたは複数の結び目を押すために図1〜4の結び
目プッシャ実施形態を使用する様子を示す図である。
【図10】 結び目プッシャと共に縫合糸の交差を示す概略図である。
【図10A】 結び目プッシャと共に縫合糸の交差を示す概略図であって、縫合がクリンチ結
び目の形をしている図である。
【図11】 縫合の端部を切断するために本明細書で開示された結び目プッシャ実施形態に
関連して使用することができる縫合糸カッターを示す図である。
【図11A】 縫合の端部を切断するために本明細書で開示された結び目プッシャ実施形態に
関連して使用することができる縫合糸カッターを示す図である。
【図11B】 縫合糸の端部を切断する図11Aの縫合糸カッターを示す図である。
【図12A】 第2の結び目プッシャ実施形態の管状部材およびホルダを示す図である。
【図12B】 第2の結び目プッシャ実施形態の管状部材およびホルダを示す図である。
【図13】 縫合糸リーダを有する第2の結び目プッシャ実施形態を示す図である。
【図14】 患者内部の切開に向けて1つまたは複数の結び目を押すために図13の結び目
プッシャ実施形態が使用される様子を示す図である。
【図15】 図13の結び目プッシャ実施形態に関連して使用される縫合糸カッターを示す
図である。
【図15A】 縫合糸の端部を切断する図15の縫合糸カッターを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縫合糸に形成された結び目を押すための装置であって、 遠位端部を有する細長い部材であって、少なくとも前記遠位端部を介する内腔
    を有し、前記内腔が、結び目が前記遠位端部を通過しないよう十分に小さく、か
    つ縫合糸の結び目のないセグメントが前記遠位端部を通過できるように十分に大
    きい細長い部材と、 縫合糸リーダの少なくとも遠位端部が前記内腔から外に延在するように、前記
    細長い部材の開口内に挿入され、前記内腔の少なくとも一部を介するようにサイ
    ズを取られた遠位端部を有する縫合糸リーダであって、前記内腔から縫合糸リー
    ダを引き抜くことによって縫合糸を前記内腔内に引くことができるように、縫合
    糸を解放可能に固定できるように適合されている縫合糸リーダと を備える装置。
  2. 【請求項2】 前記縫合糸リーダの前記遠位端部が、縫合糸セグメントを受
    け取るための把持部を備える請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記内腔が、前記細長い部材の長さ全体を介して延在する請
    求項1に記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記縫合糸リーダが撚り線を備える請求項1に記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記撚り線に取り付けられたハンドルを備える請求項4に記
    載の装置。
  6. 【請求項6】 前記細長い部材の前記開口が、前記細長い部材の近位端と遠
    位端の間に設けられ、前記開口が、前記縫合糸リーダの前記遠位端部が前記内腔
    内を通ることができるようにサイズが取られる請求項1に記載の装置。
  7. 【請求項7】 さらに、細長い本体を有するカッターを備え、前記カッター
    が、縫合糸セグメントを切断するための切断要素を含み、前記細長い部材に沿っ
    て摺動可能である請求項1に記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記細長い本体が前記内腔内部で摺動する請求項7に記載の
    装置。
  9. 【請求項9】 前記細長い本体が前記細長い部材を覆って摺動する請求項7
    に記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記縫合糸リーダの前記遠位部が、間に縫合糸セグメント
    を摘まむように適合された一対の摘まみ部材を備える請求項1に記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記摘まみ部材が弾性的に偏らされ、間に縫合糸を保持し
    、縫合糸を引張ることによって前記縫合糸をそこから解放することができるよう
    にする請求項10に記載の装置。
  12. 【請求項12】 第1および第2の縫合糸セグメントが組織部から延在する
    ように、ある長さの縫合糸を組織部を介して進ませること、 少なくとも一部がチューブを備える細長い部材を提供すること、 チューブの少なくとも一部を介して第1の縫合糸セグメントを引くこと、 第1および第2の縫合糸セグメントを使用して縫合糸に第1の結び目を結ぶこ
    と、 第1の縫合糸セグメントを覆ってチューブを進ませ、チューブの遠位部を使用
    して組織部に向けて第1の結び目を押すこと、 第1および第2の縫合糸セグメントを使用して縫合糸に第2の結び目を結ぶこ
    と、および 第1の結び目に向けて第2の結び目を押すために、第1および第2の縫合糸セ
    グメントの少なくとも一方を覆ってチューブを進ませること を含む縫合方法。
  13. 【請求項13】 第1のセグメントをチューブの前記部分に保ちながら第2
    の結び目を結ぶ請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記第1および第2の縫合糸セグメントの少なくとも一方
    を覆ってチューブを進ませることが、第1の縫合糸セグメントを覆ってチューブ
    を進ませることを含む請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記第1の縫合糸セグメントを引くことが、 チューブを介して縫合糸リーダを進ませること、 縫合糸リーダを第1の縫合糸セグメントに固定すること、および チューブから縫合糸リーダを引き抜くこと を含む請求項12に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記チューブから縫合糸を引き抜くことが、チューブの近
    位端部から縫合糸リーダを引き抜くことを含む請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記チューブから縫合糸を引き抜くことが、チューブの遠
    位端部にある開口から縫合リーダを引き抜くことを含む請求項15に記載の方法
  18. 【請求項18】 前に結んだ結び目の向きと異なる向きの結び目を結ぶこと
    、および 正方形結び目を形成するために、前に結んだ結び目に向けて、反対向きの結び
    目を進ませること を含む請求項12に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記ある長さの縫合糸を組織部を介して進ませることが、
    カテーテル・シース導入具(CSI)を介して第1および第2の縫合糸セグメン
    トを延在させることを含む請求項12に記載の方法。
  20. 【請求項20】 第1の縫合糸セグメントとCSIとの両方を片手で保持し
    、もう一方の手でチューブを進ませることを含む請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 組織部が血管の一部である請求項12に記載の方法。
  22. 【請求項22】 第2の縫合糸セグメントをチューブ外部に残し、チューブ
    を、第1の縫合糸セグメントを覆って進ませる請求項12に記載の方法。
  23. 【請求項23】 さらに、組織部に向けてチューブに沿ってカッターを摺動
    させることによって、第2の結び目を第1の結び目に向けて押した後に、第1お
    よび第2の縫合糸セグメントを切断することを含む請求項12に記載の方法。
  24. 【請求項24】 チューブを介してカッターを摺動させることを含む請求項
    23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 細長い部材を覆ってカッターを摺動させることを含む請求
    項23に記載の方法。
  26. 【請求項26】 2つの自由端を有する縫合糸を提供すること、 少なくともその一部を介する内腔を有する細長い部材を提供すること、 前記縫合糸の第1の端部セグメントを内腔の少なくとも一部を介して引くこと
    、および 縫合糸の2つの自由端を使用して結び目を形成することであって、前記形成が
    、i)第1の端部セグメントの前を通る上側ループを形成するように第2の端部
    セグメントを使用すること、およびii)上側ループから第1の端部セグメント
    の後方に延在する下側ループを形成するように前記第2の端部セグメントを使用
    することを含む結び目を形成すること、および、 細長い部材を使用して第1の端部セグメントに沿って下側ループを押し、それ
    により上側ループが第1の端部セグメントに沿って下側ループによって引張られ
    ること を含む縫合方法。
  27. 【請求項27】 下側ループが第2の端部セグメントの前を通る請求項26
    に記載の方法。
  28. 【請求項28】 下側ループ部の一端に蛇行部が形成される請求項26に記
    載の方法。
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