JP2002543802A - 緑内障の診断 - Google Patents

緑内障の診断

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JP2002543802A
JP2002543802A JP2000616394A JP2000616394A JP2002543802A JP 2002543802 A JP2002543802 A JP 2002543802A JP 2000616394 A JP2000616394 A JP 2000616394A JP 2000616394 A JP2000616394 A JP 2000616394A JP 2002543802 A JP2002543802 A JP 2002543802A
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ガルソン,アンリ−ジャン
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インスティテュート ナショナル デ ラサンテ エット デ ラ レシェルシュ メディケ−ル(インセルム)
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Abstract

(57)【要約】 個体のApoE対立遺伝子および/またはApoE遺伝子プロモーター対立遺伝子を評価することにより、早発型緑内障の発症について、および疾患発症時に高眼内圧を伴う緑内障の発症について、個体の危険性を評価するための方法を記載する。TIGR遺伝子に突然変異を有する個体においては、ApoE4対立遺伝子の存在が、早発型緑内障の発症の危険性の増加を示す。TIGR遺伝子プロモーターに突然変異を有する個体においては、ApoE4対立遺伝子の存在が、疾患発症時に高眼内圧を伴う緑内障の発症の危険性の低下を示す。TIGR遺伝子に突然変異を有する個体におけるApoE4対立遺伝子とApoE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子との組み合わせはまた、早発型緑内障の発症の危険性の増加を示す。ApoE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子の存在は、TIGR遺伝子に突然変異が存在するか存在しないかに関わらず、疾患発症時に高眼内圧を伴う緑内障の発症の危険性の増加を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願 本願は、1999年5月7日出願の米国仮出願第60/133,224号の開
示を、参照により完全に本明細書に組み込むものであって、該仮出願の利益を主
張する。
【0002】 発明の背景 緑内障は、視神経の変性を特徴とする眼障害群である。これは、世界中におい
て、失明の主因の1つとなっている。緑内障発症の1つの主要な危険因子は、家
族歴であり、いくつかの異なる遺伝型緑内障が説明されてきた。緑内障の1つの
型、原発開放角緑内障(遺伝子記号:GLC1)は、視野欠損および最終的な失
明を引き起こす視神経の萎縮を特徴とする一般的な障害である。GLC1は、発
症年齢および臨床的徴候の差違に基づき、群分けされている。
【0003】 若年発症型原発開放角緑内障(GLC1A)は、通常、小児期後期または成人
期初期に出現する。GLC1Aの進行は迅速かつ重篤であり、眼内圧が高く、医
学的治療に対する反応性が低く、通常眼手術を必要とするようなものである。G
LC1Aは、最初、第1染色体のq21−q31領域にマッピングされ(Sheffi
eld, V. C.ら、Nature Genet. 4:47-50 (1993))、第1染色体q24に位置す
る小柱網誘導可能グルココルチコイド応答(trabecular meshwork inducible glu
cocorticoid response) (TIGR)タンパク質の遺伝子の突然変異が、GLC
1A緑内障と関連していることが同定された(Stone, E. M.ら、Science 275:66
8-670 (1997);Stoilova, D.ら、Ophthalmic Genetics 18 (3):109-118 (1997)
;Adam, M. F. ら、Hum. Mol. Genet. 6:2091-2097 (1997) ;Michels-Rautenst
rauss, K. G.ら、Hum. Genet. 102:103-106 (1998);Mansergh, F. C. ら、Hum.
Mutat. 11:244-251 (1998) )。
【0004】 制限酵素消化による直接的な突然変異分析により追跡される成人発症型または
晩発型原発開放角緑内障(GLC1B)は、最も一般的な緑内障の型である。そ
れは、若年発症型原発開放角緑内障よりも軽度であり、緩徐に進展し、発症年齢
は様々であるが、通常は40歳以降である。GLC1Bは、眼内圧の極軽度から
軽度の上昇と関連しており、定期的にモニターされた医学的治療に十分に応答す
る場合が多い。しかしながら、疾患は緩徐かつ無痛に進行するため、視神経に対
する不可逆的な傷害が既に起こってしまった後期になって初めて検出される場合
がある。連鎖、ハプロタイプ、および臨床的なデータから、GLC1Bの遺伝子
座は2cen−q13領域に割り当てられている(Stoilova, D.ら、Genomics 3
6:142-150 (1996))。さらなる証拠により、いくつかの付加的な原発開放角緑内
障の遺伝子座が同定されている。GLC1C、成人発症型POAG遺伝子は、3
qにマッピングされており(Wirtz, M. K.ら、am. J. Hum. Genet. 60:296-304
(1997))、GLC1Dは8q23にマッピングされており(Trifan, O. C. ら、
Am. J. Ophthalmol. 126:17-28 (1998) )、GLC1Eは10p15−p14に
マッピングされている(Sarfarazi, M. ら、Am. J. Hum. Genet. 62:641-652 (1
998))。
【0005】 緑内障の潜行性のため、視神経に対する有意な傷害が起こる前に、予防的また
は緩和的な措置をとることができるよう、緑内障の発症の確率を診断または予測
するための、より優れた、より早期の手段が必要とされている。
【0006】 発明の概要 本発明は、小柱網誘導可能グルココルチコイド応答(TIGR)タンパク質の
遺伝子の突然変異を有する個体(「TIGR遺伝子突然変異のキャリア」)また
はTIGR遺伝子のプロモーターの突然変異を有する個体(「TIGR遺伝子プ
ロモーター突然変異のキャリア」)のような個体において、早発型(early-onse
t)緑内障の発症の危険性を評価する方法に関し、疾患発症時に高眼内圧(IO
P)を伴う緑内障の発症の危険性を評価する方法に関する。本発明は、該方法に
おいて有用なキットにも関する。
【0007】 該方法は、(例えば、1個もしくは複数個のApoE4対立遺伝子の存在もし
くは不存在の検出により、および/または1個もしくは複数個のApoE遺伝子
プロモーターの「T」対立遺伝子の存在もしくは不存在の検出により、)個体が
ApoE4対立遺伝子(もしくは、2個のApoE4対立遺伝子)を有するか否
か、および/または個体がApoE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子(も
しくは、2個の「T」対立遺伝子)を有するか否か、を決定するため、個体のア
ポリポタンパク質E(ApoE)遺伝子の対立遺伝子を評価する工程、および/
または個体のApoE遺伝子プロモーターの対立遺伝子を評価する工程を含む。
個体がTIGR遺伝子突然変異またはTIGR遺伝子プロモーター突然変異のキ
ャリアであるか否かが不明である場合には、TIGR遺伝子またはプロモーター
の突然変異の存在または不存在が、ApoE対立遺伝子および/またはApoE
遺伝子プロモーター対立遺伝子の評価と同時に決定されうる。
【0008】 TIGR遺伝子突然変異のキャリアにおいて、ApoE4対立遺伝子の存在は
、ApoE4対立遺伝子を有していないTIGR遺伝子突然変異のキャリアの危
険性と比較して早発型緑内障の発症の危険性が高いことの指標である。TIGR
遺伝子プロモーター突然変異のキャリアにおけるApoE4対立遺伝子の存在は
、ApoE4対立遺伝子を有していないTIGR遺伝子プロモーター突然変異の
キャリアの危険性と比較して、疾患発症時に高眼内圧を伴う緑内障の発症の危険
性が低いことの指標である。TIGR遺伝子突然変異のキャリアにおけるApo
E4対立遺伝子の不存在は、ApoE4対立遺伝子を有するTIGR遺伝子突然
変異のキャリアの危険性と比較して、早発型緑内障の発症の危険性が低いことの
指標である。TIGR遺伝子プロモーター突然変異のキャリアにおけるApoE
4対立遺伝子の不存在は、ApoE4対立遺伝子を有するTIGR遺伝子プロモ
ーター突然変異のキャリアの危険性と比較して、疾患発症時に高眼内圧を伴う緑
内障の発症の危険性が高いことの指標でもある。
【0009】 TIGR遺伝子の突然変異を保持する個体におけるApoE4対立遺伝子とA
poE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子との組み合わせも、ApoE4対
立遺伝子を有するが、ApoE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子は有して
いないTIGR突然変異のキャリアの危険性と比較して、早発型緑内障の発症の
危険性が高いことの指標である。ApoE4対立遺伝子を有するTIGR突然変
異のキャリアにおけるApoE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子の不存在
は、ApoE4対立遺伝子およびApoE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝
子を有するTIGR突然変異のキャリアの危険性と比較して、早発型緑内障の発
症の危険性が低いことの指標である。TIGR遺伝子の突然変異が存在するかま
たは存在しないかに関わらず、個体におけるApoE遺伝子プロモーターの「T
」対立遺伝子の存在は、ApoE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子を有し
ていない個体の危険性と比較して、疾患発症時に高眼内圧を伴う緑内障の発症の
危険性が高いことの指標である。個体におけるApoE遺伝子プロモーターの「
T」対立遺伝子の不存在は、ApoE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子を
有する個体の危険性と比較して、疾患発症時に高眼内圧を伴う緑内障の発症の危
険性が低いことの指標である。
【0010】 高い眼内圧、特に疾患発症時の高い眼内圧は、より重度の緑内障と関連してい
るため、本発明の方法およびキットは、緑内障の早期発症の危険性またはより重
度の緑内障の危険性を有する個体を同定するための簡便な手段を与える。高い危
険性を有する個体の同定は、罹患個体のための、および罹患個体または疾患遺伝
子キャリアである可能性のあるその他の家族のための、より優れた治療計画を可
能にする。
【0011】 発明の詳細な説明 本発明は、個体の早発型緑内障の発症の危険性を評価する方法、および個体の
疾患発症時に高眼内圧を伴う緑内障の発症の危険性を評価する方法に関する。本
明細書において使用される「緑内障」という用語は、原発開放角緑内障(POA
G)をさし、若年発症型POAGと成人発症型または晩発型POAGの両方を含
む。
【0012】 本明細書に記載されるように、本出願人は、アポリポタンパク質E(ApoE
)遺伝子の対立遺伝子と緑内障の発症年齢との関係、およびApoE遺伝子プロ
モーターの対立遺伝子と緑内障診断時の眼内圧レベルとの関係を同定した。アポ
リポタンパク質E(ApoE)は、血漿リポタンパク質のタンパク質成分であり
、コレステロール代謝において役割を果たしている。ApoEタンパク質には、
単一遺伝子の3つのApoE対立遺伝子により産生される、ApoE2、Apo
E3、およびApoE4という3つのアイソフォームが存在する。個体は、個体
が有する対立遺伝子によって、6つの表現型、ホモ表現型(ApoE2/2、A
poE3/3、もしくはApoE4/4)またはヘテロ表現型(ApoE2/3
、ApoE2/4、もしくはApoE3/4)のうちの1つを有している(Mahl
ey, R.W.、Science 240:622-630 (1988);Emi, M. ら、Genomics 3:373-379 (19
88) (これらの文献の開示は、参照により完全に本明細書に組み込まれる))。
ApoE遺伝子の遺伝子プロモーターの2対立遺伝子(A/T)多型性も、同定
されている(Bullido, M. J.ら、Nature Genet. 18:69-71 (1998) (これの開示
は、参照により完全に本明細書に組み込まれる))。
【0013】 TIGR遺伝子のいくつかの突然変異が、緑内障と関連付けられている (例
えば、Richards, J. E. ら、Ophthalmology 105:1698-1707 (1998);Kee, C. と
Ahn, B. H.、Korean J. Ophthalmol. 11:75-78 (1997) ;Adam, M. F. ら、Hum.
Mol. Genet 6:2091-2097 (1997))。TIGR遺伝子のプロモーターの多型また
は突然変異も、少なくとも1つ、同定されている。
【0014】 本出願人は、小柱網誘導可能グルココルチコイド応答(TIGR)タンパク質
をコードする遺伝子(「TIGR遺伝子」)に1個または複数個の突然変異、特
に表現度が変動しうる突然変異を有する個体における、ApoE対立遺伝子と緑
内障の発症年齢との相関を同定した。TIGRタンパク質をコードする遺伝子に
1個または複数個の突然変異を有する個体は、本明細書において、「TIGR遺
伝子突然変異キャリア」、または突然変異がTIGRタンパク質をコードする領
域に存在することを示すため「TIGRタンパク質突然変異キャリア」とも呼ば
れ、TIGR遺伝子のプロモーターに1個または複数個の突然変異を有する個体
は、本明細書において、「TIGR遺伝子プロモーター突然変異キャリア」と呼
ばれる。個体は、TIGR遺伝子突然変異キャリアであり、かつTIGR遺伝子
プロモーター突然変異キャリアでもある場合がある。
【0015】 TIGR遺伝子突然変異キャリアにおいて、少なくとも1個のApoE4対立
遺伝子を有するものは、ApoE4対立遺伝子を有していない個体よりも、緑内
障の発症時の年齢が有意に低かった。ApoE3対立遺伝子を有しておらず、少
なくとも1個のApoE2対立遺伝子を有するTIGR遺伝子突然変異キャリア
は、少なくとも1個のApoE4対立遺伝子を有するTIGR遺伝子突然変異キ
ャリアよりも、緑内障の発症時の年齢が有意に高かった。ApoE3対立遺伝子
についてホモであるTIGR遺伝子突然変異キャリアは、少なくとも1個のAp
oE4対立遺伝子を有するものと、ApoE4対立遺伝子を有しておらず、少な
くとも1個のApoE2対立遺伝子を有するものとの中間の緑内障の発症年齢を
有していた。さらに、少なくとも1個のApoE4対立遺伝子を有するTIGR
遺伝子突然変異キャリアにおいて、ApoE遺伝子の遺伝子プロモーターにおけ
る1個または2個の「T」対立遺伝子の存在も、2個のA対立遺伝子の存在と比
較して有意に低い緑内障の発症年齢と相関している。さらに、遺伝子プロモータ
ーのT対立遺伝子は、個体がTIGR遺伝子突然変異キャリアであるか否かに関
わらず、疾患発症時の眼内圧レベル(IOP)に影響を与え、ApoE対立遺伝
子の遺伝子プロモーターにT対立遺伝子を有する個体は、有意に高い診断時IO
Pを有していた。遺伝子プロモーターにおけるT対立遺伝子多型は、TIGR遺
伝子プロモーター突然変異キャリアにおける、高いIOPとも関連していた。対
照的に、ApoE4対立遺伝子を有するTIGR遺伝子プロモーター突然変異キ
ャリアにおいては、IOPは低かった。
【0016】 これらの発見の結果として、個体の早発型緑内障の発症の危険性を評価する方
法、および個体の疾患発症時に高眼内圧を伴う緑内障の発症の危険性を評価する
方法が、ここに利用可能となった。該方法においては、個体におけるApoE対
立遺伝子、および/またはApoE遺伝子プロモーターの対立遺伝子が評価され
る。
【0017】 個体におけるApoE対立遺伝子を評価するためには、1個または複数個の特
定のApoE対立遺伝子の存在または不存在を検出する。個体が少なくとも1個
のApoE4対立遺伝子を有するか否かを決定することができるよう、特定のA
poE対立遺伝子の存在または不存在の検出を実施する場合には、ApoE2、
ApoE3、もしくはApoE4対立遺伝子、またはそれらの組み合わせの存在
を検出することができる。例えば、ApoE4対立遺伝子(または、2個存在す
る場合には、2個のApoE4対立遺伝子)の存在または不存在が、検出されう
る。または、2個の対立遺伝子の存在はまた、他の対立遺伝子の不存在を示して
いるため、ApoE2および/またはApoE3対立遺伝子の存在または不存在
を検出し、それにより1個または複数個のApoE4対立遺伝子の存在または不
存在を間接的に評価することもできる。例えば、2個のApoE3対立遺伝子(
最も一般的な遺伝子型)の存在、2個のApoE2対立遺伝子の存在、または1
個のApoE3対立遺伝子および1個のApoE2対立遺伝子の存在は、Apo
E4対立遺伝子の不存在の指標である。所望により、3つ全ての対立遺伝子(A
poE2、ApoE3、およびApoE4)の存在または不存在を検出してもよ
い。
【0018】 ApoE遺伝子プロモーター対立遺伝子を評価するためには、ApoE遺伝子
プロモーター対立遺伝子の存在または不存在を検出する。例えば、ApoE遺伝
子プロモーターの「T」対立遺伝子の存在または不存在を検出することができる
。または、ApoE遺伝子プロモーターの「A」対立遺伝子の存在または不存在
を検出し、それにより「T」対立遺伝子の存在または不存在を間接的に評価する
ことができる。所望により、両方の対立遺伝子(「T」対立遺伝子および「A」
対立遺伝子)の存在または不存在を検出してもよい。
【0019】 個体におけるApoE対立遺伝子および/またはApoE遺伝子プロモーター
対立遺伝子は、ハイブリダイゼーション法(例えば、サザンまたはノーザン分析
)、遺伝子および/または遺伝子プロモーターの配列決定、対立遺伝子特異的オ
リゴヌクレオチド分析、制限酵素消化による分析、または(ApoE対立遺伝子
の場合には)1個もしくは複数個のApoEタンパク質の分析(例えば、分光法
、酵素結合免疫吸着アッセイ、比色法、電気泳動、等電点電気泳動、ラジオイム
ノアッセイ、(ウェスタンブロッティングのような)イムノブロッティング)を
含む、多様な方法により評価されうる。ApoE対立遺伝子を評価するいくつか
の方法が、Roseらの米国特許第5,508,167号(これの開示は、参照
により完全に本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されている。同様の方法が
、ApoEプロモーターの対立遺伝子を評価するため使用されうる。
【0020】 例えば、個体におけるApoE対立遺伝子を評価する1つの方法において、サ
ザン分析のようなハイブリダイゼーション法が使用されうる(Current Protocol
s in Molecular Biology, Ausubel, F. ら編,John Wiley & Sons (1998年
までの全ての増補を含む))。例えば、ApoE遺伝子を含むかまたはApoE
タンパク質をコードするゲノムDNA、RNA、またはcDNAを含有する被検
試料が、使用されうる。そのようなゲノムDNA、RNA、およびcDNAは、
本明細書において、集合的に「ApoE遺伝子を含む核酸」と呼ばれる。被検試
料は、個体(「被検個体」)から入手される。個体は、成人、小児、または胎児
でありうる。被検試料は、血液試料、脳脊髄液試料、または組織試料(例えば、
皮膚またはその他の臓器)のような、DNA、RNA、またはcDNAを含有す
る任意の起源に由来しうる。好ましい実施態様において、ApoE遺伝子を含む
核酸を含有する被検試料は、血液試料、線維芽細胞皮膚試料、毛根、または口腔
から得られた細胞から(例えば、洗口により)入手される。もう1つの好ましい
実施態様において、ApoE遺伝子を含む核酸を含有する被検試料は、羊水穿刺
または絨毛膜絨毛採取のような適切な方法により、胎児の細胞または組織から入
手される。
【0021】 所望により、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば、米国特許第4
,683,195号、第4,683,202号、第4,800,159号、第4
,965,188号を参照のこと)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(例えば、We
iss, R. 、Science 254:1292 (1991) を参照のこと)、またはその他の手段によ
り、ApoE遺伝子を増幅させることができる。または、ApoE遺伝子の一部
(例えば、コドン112またはコドン158を含む部分)を増幅させてもよい。
次いで、ApoE遺伝子を含む核酸(および、増幅を実施した場合には、遺伝子
または遺伝子の一部の増幅されたコピー)を含有する被検試料を、ApoE対立
遺伝子を評価するために調査する。特定の対立遺伝子の存在は、被検試料中のA
poE遺伝子を含む核酸の、核酸プローブとのハイブリダイゼーションにより示
される。本明細書において使用される「核酸プローブ」とは、DNAプローブま
たはRNAプローブでありうる。核酸は、ApoE遺伝子の対立遺伝子のうちの
1個のみと特異的にハイブリダイズする;即ち、1個の対立遺伝子(例えば、A
poE4対立遺伝子)とハイブリダイズするが、他の対立遺伝子(例えば、Ap
oE2およびApoE3対立遺伝子)とはハイブリダイズしない。そのような核
酸プローブは、本明細書において「対立遺伝子特異的核酸プローブ」と呼ばれる
。そのような核酸プローブの断片も、対立遺伝子変異を含有するApoE遺伝子
の部分とハイブリダイズするのであれば、使用されうる。
【0022】 ApoE対立遺伝子を評価するためには、ApoE遺伝子を含む核酸を含有す
る被検試料を、少なくとも1個の核酸プローブと接触させることにより、ハイブ
リダイゼーション試料を形成させる。核酸プローブとApoE遺伝子を含む核酸
との特異的ハイブリダイゼーションを可能とするために十分な条件下でハイブリ
ダイゼーション試料を維持する。本明細書において使用される「特異的ハイブリ
ダイゼーション」とは、(例えば、誤対合のない)正確なハイブリダイゼーショ
ンをさす。特異的ハイブリダイゼーションは、例えば高ストリンジェンシー条件
または中ストリンジェンシー条件の下で実施されうる。ハイブリダイゼーション
のための「ストリンジェンシー条件」とは、特定の核酸ともう1つの核酸とのハ
イブリダイゼーションを許容する温度および緩衝液濃度の条件をさす技術用語で
ある。ここで、第1の核酸は、第2の核酸と完全に相補的である場合もあるし、
または第1および第2の核酸は、ある程度の相補性のみを有している場合もある
。例えば、完全に相補的な核酸を、相補性の低いものから区別する、ある種の高
ストリンジェンシー条件が、使用されうる。核酸ハイブリダイゼーションのため
の「高ストリンジェンシー条件」および「中ストリンジェンシー条件」は、Curr
ent Protocols in Molecular Biology (前記)(これの開示は、参照により本
明細書に組み込まれる)のチャプター2.10および6.3、特に2.10.1
〜2.10.16頁、および6.3.1〜6頁に説明されている。ハイブリダイ
ゼーションのストリンジェンシーを決定する正確な条件は、核酸の長さ、塩基組
成、ハイブリダイズする配列間の誤対合の割合および分布、温度、イオン強度、
不安定化剤の濃度、並びにその他の要因のような要因に依存する。従って、高ま
たは中ストリンジェンシー条件は、経験的に決定されうる。1つの実施態様にお
いて、特異的ハイブリダイゼーションのためのハイブリダイゼーション条件は、
中ストリンジェンシーである。特に好ましい実施態様において、特異的ハイブリ
ダイゼーションのためのハイブリダイゼーション条件は、高ストリンジェンシー
である。
【0023】 特異的ハイブリダイゼーションが存在する場合には、次いで常法を用いて検出
される。特異的ハイブリダイゼーションが対立遺伝子特異的核酸プローブと被検
試料中のApoE遺伝子との間で生ずる場合、個体は核酸プローブがハイブリダ
イズするApoEの対立遺伝子を有する。複数個の核酸プローブを、この方法で
同時に使用することもできる(例えば、ApoE2対立遺伝子にハイブリダイズ
するプローブおよびApoE3対立遺伝子にハイブリダイズするプローブ)。
【0024】 遺伝子プロモーターの核酸(および、増幅を実施した場合には、遺伝子プロモ
ーターまたは遺伝子プロモーターの一部の増幅されたコピー)を含有する試料、
および2個のApoE遺伝子プロモーター対立遺伝子のうちの1個のみとハイブ
リダイズする対立遺伝子特異的核酸プローブを使用して、ApoE遺伝子プロモ
ーター対立遺伝子を評価するため、同様の方法がまた使用されうる。さらに、こ
れらの方法は、ApoE遺伝子を含み、かつApoE遺伝子プロモーターも含む
核酸(並びに、増幅を実施した場合には、遺伝子および遺伝子プロモーター、ま
たは遺伝子および遺伝子プロモーターの一部の増幅されたコピー)を含有する試
料、ApoE対立遺伝子のうちの1個とハイブリダイズする少なくとも1個の対
立遺伝子特異的核酸プローブ、およびApoEプロモーターの対立遺伝子とハイ
ブリダイズする対立遺伝子特異的核酸プローブを使用して、ApoE対立遺伝子
とApoE遺伝子プロモーター対立遺伝子の両方を同時に評価するために使用さ
れうる。例えば、ApoEプロモーターおよびApoE遺伝子を含むゲノムDN
Aを同時に増幅し、次いで遺伝子およびプロモーターの対立遺伝子について評価
することができる。
【0025】 もう1つのハイブリダイゼーション法において、ApoE遺伝子の対立遺伝子
の存在または不存在を同定するため、ノーザン分析(Current Protocols in Mo
lecular Biology, Ausubel, F.ら編,John Wiley & Sons 、前記)が使用される
。ノーザン分析のためには、適切な手段により被検個体からRNAの試料を入手
する。前記のような対立遺伝子特異的核酸プローブと、個体由来のRNAとの特
異的ハイブリダイゼーションは、ApoE遺伝子のその対立遺伝子の存在の指標
である。核酸プローブの使用の代表的な例については、例えば米国特許第5,2
88,611号および第4,851,330号を参照のこと。
【0026】 または、前記のハイブリダイゼーション法において、核酸プローブの代わりに
ペプチド核酸(PNA)プローブを使用してもよい。PNAとは、有機塩基(A
、G、C、T、またはU)がメチレンカルボニルリンカーを介してグリシン窒素
と結合しているN−(2−アミノエチル)グリシン単位のようなペプチド様無機
骨格を有するDNA類似体である(例えば、Nielsen, P. E.ら、Bioconjugate C
hemistry, 1994, 5, American Chemical Society,1頁(1994))。PNAプロー
ブは、前記の核酸プローブと同様にして、即ちApoE遺伝子の特定の対立遺伝
子と特異的にハイブリダイズするよう、設計されうる。
【0027】 配列分析も、ApoE遺伝子の対立遺伝子および/またはApoE遺伝子プロ
モーターの対立遺伝子を検出するために使用されうる。前記のように、被検試料
を被検個体から入手する。前記のように、所望により、遺伝子、遺伝子プロモー
ター、および/またはその隣接配列を増幅するために、PCRまたはLCRを使
用することができる。ApoE遺伝子の対立遺伝子、もしくは遺伝子の断片の、
1個または複数個の配列、および/またはApoE遺伝子プロモーターの1個ま
たは複数個の配列を、常法を使用して決定する。ApoE遺伝子、遺伝子断片、
または遺伝子プロモーターの、1個または複数個の配列を、ApoE遺伝子また
はApoE遺伝子プロモーターの異なる対立遺伝子の既知の核酸配列と比較し、
それにより個体の対立遺伝子を決定する。
【0028】 対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(本明細書において「配列特異的オリゴ
ヌクレオチド」とも呼ぶ)も、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド (ASO
)プローブによる増幅された核酸のドットブロットハイブリダイゼーションの使
用を通して、ApoE対立遺伝子および/またはApoE遺伝子プロモーター対
立遺伝子の存在または不存在を検出するために使用されうる(例えば、Houlston
, R. S. ら、Hum. Genet. 83:364-8 (1989) (これの開示は、参照により本明細
書に完全に組み込まれる))。「対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド」(本明
細書において「対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブ」とも呼ぶ)とは
、ApoE遺伝子の1個の対立遺伝子(または、ApoE対立遺伝子を評価する
のか、またはApoE遺伝子プロモーター対立遺伝子を評価するのかによって、
ApoE遺伝子プロモーターの1個の対立遺伝子)と特異的にハイブリダイズす
る、およそ10〜50塩基対、好ましくはおよそ15〜30塩基対のオリゴヌク
レオチドである。遺伝子または遺伝子プロモーターの特定の対立遺伝子に対して
特異的な対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブは、常法を使用して調製
されうる(Current Protocols in Molecular Biology(前記)を参照のこと)。
ApoE遺伝子または遺伝子プロモーターの対立遺伝子を決定するためには、前
記のように、被検試料を被検個体から入手する。所望により、ApoE遺伝子、
遺伝子プロモーター、および/またはその隣接配列の全部または断片を増幅する
ために、PCRまたはLCRを使用することができる。常法を使用して、被検試
料をドットプロットし(Current Protocols in Molecular Biology(前記)を参
照のこと)、そのブロットを、1個または複数個の対立遺伝子特異的オリゴヌク
レオチドプローブと接触させる。次いで、1個または複数個のプローブと被検試
料との特異的ハイブリダイゼーションの存在を検出する。対立遺伝子特異的オリ
ゴヌクレオチドプローブと個体の被検試料との特異的ハイブリダイゼーションは
、その対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドが結合するApoE遺伝子(または
遺伝子プロモーター)の対立遺伝子の存在の指標である。
【0029】 ApoE対立遺伝子の評価は、ApoEタンパク質を含む被検試料を調査する
ことによってもなされうる。個体由来の被検試料を、ApoE遺伝子の1個また
は複数個の対立遺伝子によりコードされたタンパク質の存在に関して評価する。
分光法、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、比色法、電気泳動、等電点
電気泳動、およびイムノブロッティング(Current Protocols in Molecular Bio
logy、特にチャプター10を参照のこと)を含む、ApoE遺伝子によりコード
されたタンパク質を調査する様々な手段が、使用されうる。例えば、ApoE遺
伝子の1個の対立遺伝子によりコードされたタンパク質と特異的に結合する抗体
を使用したウェスタンブロッティング分析が、ApoE遺伝子のその対立遺伝子
によりコードされたタンパク質の被検試料中の存在または不存在を同定するため
に使用されうる。本明細書において使用される「抗体」という用語は、タンパク
質またはタンパク質断片と反応性のポリクローナル抗体およびモノクローナル抗
体の両方、並びに複数個の抗体の混合物(例えば、変異型タンパク質またはタン
パク質断片と反応性の、異なる型のモノクローナル抗体の混和物)を包含する。
抗体という用語は、さらに、完全な抗体、および/または生物学的に機能性のそ
れらの断片、複数の種に由来する部分を含むキメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト様抗
体、および二機能性抗体を包含するものとする。生物学的に機能性の抗体断片と
は、抗体断片と目的タンパク質との結合にとって十分な断片である。
【0030】 本発明の好ましい実施態様において、ApoE対立遺伝子および/またはAp
oE遺伝子プロモーター対立遺伝子は、好ましくは関連遺伝子材料の対立遺伝子
特異的増幅(即ち、ApoE遺伝子またはApoE遺伝子プロモーターの増幅)
の後、SSOプローブを用いたドットブロットハイブリダイゼーションを使用し
て評価される。
【0031】 本発明の方法 本発明の1つの実施態様において、個体の早発型緑内障の発症の危険性が評価
される。個体は、TIGR遺伝子突然変異キャリアもしくはTIGR遺伝子プロ
モーター突然変異キャリアであることが既知の個体であってもよいし、またはT
IGR遺伝子突然変異キャリアかつ/もしくはTIGR遺伝子プロモーター突然
変異キャリアとしての個体の状態(個体がTIGR遺伝子突然変異キャリアかつ
/もしくはTIGR遺伝子プロモーター突然変異キャリアであるか否か)が不明
であってもよく、それは、別途決定されうる。もう1つの実施態様において、T
IGR遺伝子突然変異キャリアかつ/またはTIGR遺伝子プロモーター突然変
異キャリアとしての個体の状態は、TIGR遺伝子の1個または複数個の突然変
異を同定するための前記と同様の方法を使用して、同時に決定されうる(例えば
、Richards, J. E. ら、Ophthalmology 105:1698-1707 (1998);およびKee, C.
とAhn, B. H.、Korean J. Ophthalmol. 11:75-78 (1997) (これらの文献の開示
は、参照により完全に本明細書に組み込まれる)を参照のこと)。好ましい実施
態様において、TIGR遺伝子突然変異キャリアかつ/またはTIGR遺伝子プ
ロモーター突然変異キャリアとしての個体の状態は、TIGR遺伝子および/ま
たはTIGR遺伝子プロモーターの突然変異を検出することにより、同時に決定
されうる。
【0032】 個体の早発型緑内障の発症の危険性を評価するためには、前記のように、個体
がApoE4対立遺伝子を有するか否か(即ち、個体が少なくとも1個のApo
E4対立遺伝子を有するか否か;個体は2個のApoE4対立遺伝子を有してい
てもよい)を(直接的または間接的に)決定するため、個体のApoE対立遺伝
子を評価する。好ましい実施態様において、個体のApoE対立遺伝子は、Ap
oE4対立遺伝子の存在または不存在(例えば、ApoE4対立遺伝子の不存在
;1個のApoE4対立遺伝子の存在;イア(ir)2個のApoE4対立遺伝子
の存在)を決定することにより、評価される。個体がTIGR遺伝子突然変異キ
ャリアであり、かつ個体がApoE4対立遺伝子を有している場合(即ち、少な
くとも1個のApoE4対立遺伝子を有している場合;個体は2個のApoE4
対立遺伝子を有していてもよい)、その個体は、ApoE4対立遺伝子を有して
いないTIGR遺伝子突然変異キャリアと比較して、高い早発型緑内障の発症の
危険性を有する。そのような「高い早発型緑内障の発症の危険性」を有する個体
は、ApoE4対立遺伝子を有していないTIGR遺伝子突然変異キャリアの緑
内障の発症年齢よりも、統計的に有意な量だけ、低い緑内障の発症年齢を有する
可能性が高い個体である。TIGR遺伝子突然変異キャリアがApoE4対立遺
伝子を有していない場合、その個体は、ApoE4対立遺伝子(または2個のA
poE4対立遺伝子)を有するTIGR遺伝子突然変異キャリアと比較して、低
い早発型緑内障の発症の危険性を有している。即ち、1個または2個のApoE
4対立遺伝子を有するTIGR遺伝子突然変異キャリアの緑内障の発症年齢より
も、統計的に有意な量だけ、高い緑内障の発症年齢を有する可能性が高い。さら
に、1個のApoE2対立遺伝子および1個のApoE3対立遺伝子、または2
個のApoE2対立遺伝子を有するTIGR遺伝子突然変異キャリアは、2個の
ApoE3対立遺伝子を有するTIGR遺伝子突然変異キャリアと比較して、低
い早発型緑内障の発症の危険性を有している(即ち、統計的に有意な量だけ、高
い緑内障の発症年齢を有する可能性が高い)。
【0033】 本発明のもう1つの実施態様において、個体の早発型緑内障の発症の危険性は
、前記のように、個体がApoE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子(また
は2個の「T」対立遺伝子)を有するか否かを(直接的または間接的に)決定す
るため、個体のApoEプロモーター対立遺伝子を検査することにより、評価さ
れる。好ましい実施態様において、個体のApoE遺伝子プロモーター対立遺伝
子は、ApoE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子の存在または不存在(例
えば、「T」対立遺伝子の不存在;1個の「T」対立遺伝子の存在;または2個
の「T」対立遺伝子の存在)を決定することにより、評価される。前記と同様に
、個体はTIGR遺伝子突然変異キャリアであることが既知の個体であってもよ
いし、またはTIGR突然変異キャリアとしての個体の状態(個体がTIGR突
然変異キャリアであるか否か)が不明であってもよく、それは、別途決定される
か、または同時に決定されうる。さらに、個体は、少なくとも1個のApoE4
対立遺伝子を有していることが既知の個体であってもよいし、または個体のAp
oE対立遺伝子状態が不明であってもよく、それは、別途または同時に決定され
うる。好ましい実施態様において、個体のApoE遺伝子プロモーター対立遺伝
子は、個体のApoE対立遺伝子と同時に評価される。
【0034】 個体がTIGR遺伝子突然変異キャリアであり、かつ1個または複数個のAp
oE4対立遺伝子を有しており、かつApoE遺伝子プロモーターの「T」対立
遺伝子を有している場合(即ち、少なくとも1個の「T」対立遺伝子を有してい
る場合;個体は2個の「T」対立遺伝子を有していてもよい)、その個体は、高
い早発型緑内障の発症の危険性を有している。そのような高い早発型緑内障の発
症の危険性を有している個体は、1個または複数個のApoE4対立遺伝子を有
するが、ApoE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子は有していないTIG
R遺伝子突然変異キャリアと比較して、統計的に有意な量だけ、低い緑内障の発
症年齢を有する可能性が高い個体である。ApoE4対立遺伝子を有するTIG
R遺伝子突然変異キャリアが、ApoE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子
を有していない場合、その個体は、1個または複数個のApoE4対立遺伝子を
有するが、ApoE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子は有していないTI
GR遺伝子突然変異キャリアと比較して、低い早発型緑内障の発症の危険性を有
している(即ち、1個または複数個のApoE4対立遺伝子および1個または複
数個のApoE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子を有するTIGR遺伝子
突然変異キャリアの緑内障の発症年齢よりも、統計的に有意な量だけ、高い緑内
障の発症年齢を有する可能性が高い)。
【0035】 本発明のもう1つの実施態様において、個体の疾患発症時に高眼内圧を伴う緑
内障の発症の危険性が評価される。「疾患発症」とは、緑内障の症状が最初に顕
示された時点をさす。疾患発症の正確な瞬間は、決定不可能であるが、緑内障の
初期診断時の高いIOPは、疾患発症時の高いIOPの指標である。
【0036】 個体は、TIGR遺伝子突然変異キャリアかつ/またはTIGR遺伝子プロモ
ーター突然変異キャリアであることが既知の個体であってもよいし、またはTI
GR遺伝子突然変異キャリアかつ/またはTIGR遺伝子プロモーター突然変異
キャリアとしての個体の状態(個体がTIGR遺伝子突然変異キャリアかつ/ま
たはTIGR遺伝子プロモーター突然変異キャリアであるか否か)が不明であっ
てもよい。個体の疾患発症時に高IOPを伴う緑内障の発症の危険性を評価する
ためには、前記のように、個体が1個または複数個のApoEプロモーターの「
T」対立遺伝子を有するか否かを(直接的または間接的に)決定するため、個体
のApoEプロモーター対立遺伝子が評価される。好ましい実施態様において、
個体のApoE遺伝子プロモーター対立遺伝子は、ApoE遺伝子プロモーター
の「T」対立遺伝子の存在または不存在(例えば、「T」対立遺伝子の不存在;
1個の「T」対立遺伝子の存在;または2個の「T」対立遺伝子の存在)を決定
することにより、評価される。個体がApoE遺伝子プロモーターの「T」対立
遺伝子(または2個の「T」対立遺伝子)を有している場合、その個体は、Ap
oE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子を有していない個体と比較して、高
い疾患発症時に高IOPを伴う緑内障の発症の危険性を有している。「高い疾患
発症時に高IOPを伴う緑内障の発症の危険性」を有している個体は、ApoE
遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子を有していない個体の疾患発症時IOP
よりも、統計的に有意な量だけ、高い疾患発症時IOPを有する可能性が高い個
体である。個体がApoE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子を有していな
い場合、その個体は、ApoE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子(または
2個の「T」対立遺伝子)を有する個体と比較して、低い疾患発症時に高IOP
を伴う緑内障の発症の危険性を有している(即ち、ApoE遺伝子プロモーター
の1個または複数個の「T」対立遺伝子を有する個体の疾患発症時IOPよりも
、統計的に有意な量だけ、低い疾患発症時IOPを有する可能性が高い)。
【0037】 本発明のもう1つの実施態様において、個体の疾患発症時に高IOPを伴う緑
内障の発症の危険性は、前記のように、個体が1個または複数個のApoE4対
立遺伝子を有するか否かを(直接的または間接的に)決定するため、個体のAp
oE対立遺伝子を検査することにより評価される。好ましい実施態様において、
個体のApoE対立遺伝子は、1個または複数個のApoE4対立遺伝子の存在
または不存在を決定することにより、評価される。個体は、TIGR遺伝子突然
変異キャリアかつ/またはTIGR遺伝子プロモーター突然変異キャリアである
ことが既知の個体であってもよいし、またはTIGR遺伝子突然変異キャリアか
つ/またはTIGR遺伝子プロモーター突然変異キャリアとしての個体の状態(
個体がTIGR遺伝子突然変異キャリアかつ/またはTIGR遺伝子プロモータ
ー突然変異キャリアであるか否か)が不明であってもよく、それは、別途で決定
されるか、または同時に決定されうる。好ましい実施態様において、TIGR遺
伝子突然変異キャリアかつ/またはTIGR遺伝子プロモーター突然変異キャリ
アとしての個体の状態は、前記のような方法を使用して、同時に決定される。
【0038】 個体がApoE4対立遺伝子(または、2個のApoE4対立遺伝子) TI
GR遺伝子プロモーター突然変異キャリアである場合、その個体は、ApoE4
対立遺伝子を有するTIGR遺伝子プロモーター突然変異キャリアと比較して、
低い疾患発症時に高IOPを伴う緑内障の発症の危険性を有する(即ち、当該個
体は、統計的に有意な量だけ、低い疾患発症時IOPを有する可能性が高い)。
TIGR遺伝子プロモーター突然変異キャリアがApoE4対立遺伝子を有して
いない場合、その個体は、1個または複数個のApoE4対立遺伝子を有するT
IGR遺伝子プロモーター突然変異キャリアと比較して、高い疾患発症時に高I
OPを伴う緑内障の発症の危険性を有している(即ち、1個または2個のApo
E4対立遺伝子を有するTIGR遺伝子プロモーター突然変異キャリアの疾患発
症時IOPよりも、統計的に有意な量だけ、高い疾患発症時IOPを有する可能
性が高い)。
【0039】 本発明のキット 本発明は、本発明の方法において有用なキットも含む。キットは、被検試料を
入手するための手段;核酸プローブ、PNAプローブ、または対立遺伝子特異的
オリゴヌクレオチドプローブ;適切な試薬;ApoEアイソフォームに対する抗
体;本発明の方法を実施するための説明書;対照試料;および/またはその他の
成分を含みうる。好ましい実施態様において、キットは、個体のApoE対立遺
伝子およびApoE遺伝子プロモーターの対立遺伝子を評価するための手段を含
み、かつ本発明の方法を実施するための説明書も含む。もう1つの好ましい実施
態様において、キットは、TIGR遺伝子突然変異キャリアかつ/またはTIG
R遺伝子プロモーター突然変異キャリアとしての個体の状態を評価するための手
段、並びに個体のApoE対立遺伝子およびApoE遺伝子プロモーターの対立
遺伝子を評価するための手段を含み、かつ本発明の方法を実施するための説明書
も含む。
【0040】 本明細書において引用された全ての文献の開示は、完全に参照により組み込ま
れる。以下、実施例により、本発明をさらに説明する。
【0041】 実施例 ApoE対立遺伝子と、ApoE遺伝子プロモーター対立遺伝子と 、緑内障との関係の同定 ApoE対立遺伝子およびApoE遺伝子プロモーター対立遺伝子の評価 Adam,M.F.ら(Hum. Mol. Genet. 6:2091-2097 (1997))に記載のよう
にして、患者を選択した。Sambrookら(Molecular Cloning: A Laborat
ory Manual,第2版,New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989
)により記載されたようにして、試料を採取し、ゲノムDNAを調製した。
【0042】 ApoE対立遺伝子の評価を、ApoEコード領域多型の遺伝子型タイピング
により実施した。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)後の、配列特異的オリゴヌク
レオチド(SSO)プローブを用いたドットブロットハイブリダイゼーションを
利用した。フォワードプライマーTCCAAGGAGCTGCAGGCGGCG
CA(配列番号:1);リバースプライマーTAGCGGCTGGCCGGCC
AGGGAG(配列番号:2)を用いて、ApoE遺伝子の塩基3878〜42
07位を増幅した。
【0043】 反応では、ゲノムDNA 400ng、フォワードプライマー12pmol、
リバースプライマー16pmol、Taq DNAポリメラーゼ(Promega, Mad
ison, WI)0.7単位、2mM MgCl2 、10%v/v DMSO、200
μM 各dNTP、および1×酵素緩衝液(Promega )を最終容量50μlで含
んでいた。PHC3サーマルサイクラー(Techne,UK )で、3つのセグメント(
94℃1分、60℃1分、72℃1分)を44サイクルの増幅を実施した。PC
R産物をハイボンド(Hybond)N+ナイロン膜(Amersham,UK )上にドットブロ
ットし、次いでNaOH 0.4M中で変性させた。T4キナーゼ(Promega )
を使用してATP[γ32P]で放射性標識された4オリゴヌクレオチドを用いて
、多型コドンを検索した。プローブの配列は、以下の通りであった(多型性の位
置には、下線が施されている): コドン112:T:GCCACGTCCTCCATG(配列番号:3) (洗
浄温度50℃); コドン112:G:CATGGAGGACGTGGC(配列番号:4) (洗
浄温度50℃); コドン158:T:GCCTTCTGCAGGTCA(配列番号:5) (洗
浄温度48℃);および コドン158:G:TGACCTGCAGAAGGC(配列番号:6) (洗
浄温度50℃)。
【0044】 ハイブリダイゼーションは、5×SSPE、0.1%SDS、1%脱脂粉乳(
20×SSPEは、3M NaCl、20mM EDTA、0.1Mリン酸ナト
リウム、pH7.4である)中で、42℃で、一夜、実施した。過剰のプローブ
を、示された温度で、洗浄溶液(4×SSPE、0.1%SDS)で洗浄除去し
た。膜をXAR5コダック(Kodak )フィルムへのオートラジオグラフィーに供
した。ブロットされたPCR産物の量を調節するため、膜を脱ハイブリダイズし
、放射性標識されたフォワード増幅プライマーで再検索した。多型性の位置の組
み合わせにより、 112T+158T=ApoE2 112T+158G=ApoE3 158G+158G=ApoE4 という、3つの既知のApoE対立遺伝子が決定される。
【0045】 ApoE遺伝子プロモーター領域多型の分析により、ApoE遺伝子プロモー
ター対立遺伝子の評価を実施した。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)後の、配列
特異的オリゴヌクレオチド(SSO)プローブを用いたドットブロットハイブリ
ダイゼーションを利用した。フォワードプライマー:GTGCATCATACT
GTTCCCAC(配列番号:7)、およびリバースプライマー:TCCTTT
CCTGACCCTGTCCTT(配列番号:8)を用いて、増幅を実施した。
【0046】 反応では、ゲノムDNA 200ng、各プライマー5pmol、Taq D
NAポリメラーゼ(Promega, Madison, WI)0.125単位、1.5mM Mg
Cl2 、200μM 各dNTP、および1×酵素緩衝液(Promega )を最終容
量25μlで含んでいた。PHC3サーマルサイクラー(Techne, UK)で、3セ
グメント(94℃1分、53℃1分、72℃1分)を35サイクルの増幅を実施
した。第一のPCR工程のフォワードプライマーおよび2個の対立遺伝子特異的
プライマー:AATCACTTAAGGTCAGGAG[T/A](配列番号:
9、10)のうちの1個を用いて、第二の対立遺伝子特異的増幅を実施した。P
CR産物をアガロースゲル上での移動により分離し、臭化エチジウム染色および
UV照射により可視化した。
【0047】 ApoE対立遺伝子と、ApoEプロモーター対立遺伝子と、緑内障表現型(発
症年齢および初期IOP)との関係 TIGRタンパク質の突然変異により引き起こされた緑内障を有する患者の疾
患発症年齢を評価した。生存率分析は、少なくとも1個のApoE4対立遺伝子
を有するTIGR突然変異のキャリアが、ApoE4対立遺伝子を有しておらず
、少なくとも1個のApoE2対立遺伝子を有する患者よりも、診断時の年齢が
有意に低く(p=0.01)、ApoE3対立遺伝子についてホモの患者は、そ
の中間の発症年齢を有していた。ApoE遺伝子プロモーター多型そのものは、
影響しなかった。しかしながら、ApoE4対立遺伝子を有する個体において、
ApoE遺伝子プロモーターの「T」対立遺伝子(対照のおよそ15%)は、「
A」対立遺伝子よりも低い発症年齢と関連していた(ApoE4個体におけるA
A対(AT=TT)の比較)。従って、ApoE4対立遺伝子およびApoE「
T」遺伝子プロモーター対立遺伝子の両方を有する患者は、非ApoE4患者よ
りも発症年齢がはるかに低かった(<30歳)。データを下記の表1および2に
示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】 もう1つの評価において、ApoE対立遺伝子そのものが緑内障表現型(発症
年齢および初期IOP)に影響を与えたか否かを決定するため、緑内障の家族歴
およびTIGR連鎖に関わらず、無関係なPOAG患者の群を試験した。Apo
E遺伝子の対立遺伝子頻度は、患者と対照とで有意には異なっていなかった。A
poE対立遺伝子は、緑内障表現型に影響を与えなかったが、ApoE「T」遺
伝子プロモーター対立遺伝子は、高い診断時IOPと関連していた(AA(n=
85):31.4±8.3対AT+TT(n=29):26.6±10.1(p
=0.008))。
【0051】 この同じプロモーター対立遺伝子は、表3に示されるように、TIGR遺伝子
プロモーター突然変異mt1(TIGR遺伝子の転写開始部位を基準として−8
50位に、C対立遺伝子ではなくG対立遺伝子が存在)を保持する患者における
高いIOPとも関連していた(Mt+(陽性)/ApoE−TおよびMt−(陰
性)との比較についてP=0.005)。
【0052】
【表3】
【0053】 さらに、TIGRのmt1プロモーター突然変異とApoE対立遺伝子との相
互作用により、ApoE4対立遺伝子が低い診断時IOPと関連していることが
示された(P=0.004)。
【0054】
【表4】
【0055】 本発明の好ましい実施態様を参照しつつ、本発明を具体的に示し説明したが、
添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の精神および範囲から逸
脱することなく、形式および詳細を様々に変化させうることが、当業者には理解
されよう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ガルソン,アンリ−ジャン フランス国 パリ エフ−75016 リュ ドゥ ラネラ,55 Fターム(参考) 4B024 AA11 CA02 CA04 CA09 DA02 EA04 HA12 HA19 4B063 QA19 QQ43 QR32 QR55 QS25 QS34

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 個体におけるApoE対立遺伝子を評価する工程を含み、個
    体がTIGR遺伝子突然変異のキャリアである場合、ApoE4対立遺伝子の存
    在が早発型緑内障の発症の危険性の増加を示し、かつApoE4対立遺伝子がな
    んら存在しないことが早発型緑内障の発症の危険性の低下を示す、早発型緑内障
    の発症についての個体の危険性の評価方法。
  2. 【請求項2】 個体におけるApoE対立遺伝子を評価する工程を含み、個
    体がTIGR遺伝子プロモーター突然変異のキャリアである場合、ApoE4対
    立遺伝子の存在が疾患発症時に高眼内圧を伴う緑内障の発症の危険性の低下を示
    し、かつApoE4対立遺伝子がなんら存在しないことが疾患発症時に高眼内圧
    を伴う緑内障の発症の危険性の増加を示す、疾患発症時に高眼内圧を伴う緑内障
    の発症についての個体の危険性の評価方法。
  3. 【請求項3】 個体におけるApoE対立遺伝子を評価する工程が、個体に
    おけるApoE4対立遺伝子の存在または不存在を検出する工程を含む、請求項
    1または請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 個体におけるTIGR遺伝子突然変異の存在または不存在を
    検出する工程をさらに含む、請求項1または請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 個体におけるApoE遺伝子プロモーターの対立遺伝子を評
    価する工程を含み、個体がTIGR遺伝子突然変異のキャリアであり、かつAp
    oE4対立遺伝子を有する場合、ApoE遺伝子プロモーターにおけるT対立遺
    伝子の存在が早発型緑内障の発症の危険性の増加を示し、かつApoE遺伝子プ
    ロモーターにおいてT対立遺伝子がなんら存在しないことが早発型緑内障の発症
    の危険性の低下を示す、早発型緑内障の発症についての個体の危険性の評価方法
  6. 【請求項6】 個体におけるApoE遺伝子プロモーターの対立遺伝子を評
    価する工程を含み、ApoE遺伝子プロモーターにおけるT対立遺伝子の存在が
    疾患発症時に高眼内圧を伴う緑内障の発症の危険性の増加を示し、かつApoE
    遺伝子プロモーターにおいてT対立遺伝子がなんら存在しないことが疾患発症時
    に高眼内圧を伴う緑内障の発症の危険性の低下を示す、疾患発症時に高眼内圧を
    伴う緑内障の発症についての個体の危険性の評価方法。
  7. 【請求項7】 個体におけるApoE遺伝子プロモーターの対立遺伝子を評
    価する工程が、個体におけるApoE遺伝子プロモーターのT対立遺伝子の存在
    または不存在を検出する工程を含む、請求項5または請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 個体におけるTIGR遺伝子突然変異の存在または不存在を
    検出する工程および個体におけるApoE4対立遺伝子の存在または不存在を検
    出する工程をさらに含む、請求項5記載の方法。
  9. 【請求項9】 個体がTIGR遺伝子突然変異のキャリアである請求項6記
    載の方法。
  10. 【請求項10】 a)個体におけるApoE4対立遺伝子の存在または不存
    在を検出するために使用することができる少なくとも1つの試薬、ならびに b)ApoE4対立遺伝子の存在または不存在を決定することにより、早発型緑
    内障の発症の危険性が個体で増加しているか、または低下しているかを決定する
    ための説明書、ここで、個体がTIGR遺伝子突然変異キャリアである場合、A
    poE4対立遺伝子の存在が早発型緑内障の発症の危険性の増加を示し、かつA
    poE4対立遺伝子がなんら存在しないことが早発型緑内障の発症の危険性の低
    下を示す、 を含んでなる、早発型緑内障の発症の危険性が個体で増加しているか、または低
    下しているかを決定するためのキット。
  11. 【請求項11】 a)個体におけるApoE4対立遺伝子の存在または不存
    在を検出するために使用することができる少なくとも1つの試薬、ならびにAp
    oE4対立遺伝子の存在または不存在を決定することにより、疾患発症時に高眼
    内圧を伴う緑内障の発症の危険性が個体で増加しているか、または低下している
    かを決定するための説明書、ここで、個体がTIGR遺伝子プロモーター突然変
    異キャリアである場合、ApoE4対立遺伝子の存在が疾患発症時に高眼内圧を
    伴う緑内障の発症の危険性の低下を示し、かつApoE4対立遺伝子がなんら存
    在しないことが疾患発症時に高眼内圧を伴う緑内障の発症の危険性の増加を示す
    ;あるいは b)個体におけるApoE遺伝子プロモーターにおけるT対立遺伝子の存在また
    は不存在を検出するために使用することができる少なくとも1つの試薬、ならび
    にApoE遺伝子プロモーターにおけるT対立遺伝子の存在または不存在を決定
    することにより、疾患発症時に高眼内圧を伴う緑内障の発症の危険性が個体で増
    加しているか、または低下しているかを決定するための説明書、ここで、Apo
    E遺伝子プロモーターにおけるT対立遺伝子の存在が疾患発症時に高眼内圧を伴
    う緑内障の発症の危険性の増加を示し、かつApoE遺伝子プロモーターのT対
    立遺伝子がなんら存在しないことが疾患発症時に高眼内圧を伴う緑内障の発症の
    危険性の低下を示す;あるいは c)(a)と(b)の両方、 を含んでなる、疾患発症時に高眼内圧を伴う緑内障の発症の危険性が個体で増加
    しているか、または低下しているかを決定するためのキット。
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