JP2002543394A - 表現型および生物学上のマーカーの同定系 - Google Patents

表現型および生物学上のマーカーの同定系

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リンゴールド,ゴードン
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ブランク,カレン・ジェイ
アリソン,アンソニー
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Abstract

(57)【要約】 生物の複数のパラメーターのための上記生物を完全に特徴付けする表現型系。上記表現型は、細胞集団および/または細胞関連分子に関する少なくとも20のアッセイの結果、可溶性因子に関する少なくとも20のアッセイの結果、および臨床上のパラメーターからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の領域 本発明は、疾患、疾患の進行、治療に対する応答および通常の生物学上の機能
に関する生物学上のマーカーの新規なパターンを同定および使用するための、表
現型および生物学上のマーカーの同定の系および方法を提供する。生物学上のマ
ーカーの新規なパターンの発見および使用は、コストの上でより有効な薬剤の開
発をもたらし、臨床試験における患者の選択の改良および大きく改善された安全
性と効果を伴う治療法の同定を含む。表現型の情報および生物学上のマーカーは
診断の応用においても使用することができる。
【0002】 発明の背景 ゲノミックス、コンビナトリアルケミストリーおよび高処理スクリーニングを
含む薬剤開発の最近の革新の結果として、臨床試験に利用可能な薬剤候補の数は
製薬工業の発展と経済的能力を広げる。1998年に、世界のトップの薬剤およ
びバイオテクノロジーの会社は研究と開発に500億ドル以上を費やし、その1
/3は直接臨床開発に費やされた。管理された介護組織および他の支払い人から
の増大する競争と圧力を含む、多くの因子の結果として、製薬工業は、売買され
る新規な薬剤の安全性と効果を含む質を高めること、および臨床開発の効果を高
めることを探求している。
【0003】 最近の薬剤開発の革新は、よって、臨床試験の進行の妨げの一因となってきた
。同定された治療上の標的および生成されたリード化合物の数は、それらが現在
実施されているように、製薬会社が臨床試験を実施する能力を広げる。さらに、
新規な薬剤を開発する平均コストが約5億ドルであると、産業界が現在見積もる
とおり、有力な薬剤候補の全てを開発することは極端に高価である。
【0004】 薬剤工業は、薬剤の開発における均等な技術改良を探求することに力を注ぎつ
つある。臨床試験は高価なままであり、危険なままであり、そしてしばしば結論
の作成が主観性の高い分析に基づく。結果として、薬剤が最も有効な患者の集団
、提供される薬剤の適切な用量およびその使用に関連した副作用の可能性を決定
することが、しばしば難しい。これは臨床開発において失敗をより多く導くばか
りでなく、不適切に調薬されるか、処方されるか、または危険な副作用を引きお
こすかもしれない製品を承認しうる。準備中の薬剤の数の増加に伴い、製薬会社
は薬剤開発プロセスよりも前に薬剤候補の安全性と効果の客観的な測定値を割り
出す技術を必要とする。
【0005】 多数の情報と技術を扱うためのアプローチは、薬剤の同定と開発の慣用法から
逸脱することである。様々な異なる、分析上の、臨床上の、そして情報操作技術
のとどまることのない前進として、個体または集団の前例のない全身性の評価を
可能にするそのような個体または集団の表現型を発生させることが可能かもしれ
ない。所定の個体の表現型は、理論上、結局は全ての点においてそのような個体
の全ての測定可能な特徴を含む。そのような表現型情報の一つの使用は、生物学
上のマーカーの同定である。
【0006】 生物学上のマーカーは、測定または評価される場合、正常な生物学上のプロセ
ス、病理学上のプロセスまたは治療の介入に対する薬理学上の応答の指標として
、別の関係または相関をとりわけ有する特徴である。治療の介入に対する薬理学
上の応答は、限定ではないが、一般的な介入に対する応答(例えば、効果)、介
入に対する用量応答、介入の副作用プロフィール、および薬物動力学特性を含む
。応答は、有効な変化または逆の(例えば、毒性)変化の何れかに相関するかも
しれない。生物学上のマーカーは、病理プロセスに関連して変化する細胞または
分子のパターンを含み、そして診断および/または予防上の価値を有する。生物
学上のマーカーは、細胞集団およびそれらの関連する分子のレベル、可溶性因子
のレベル、他の分子のレベル、遺伝子型の情報、遺伝子発現レベル、遺伝子変異
、および疾患の存在およびまたは進行に相関しうる臨床上のパターンを含んでよ
い。
【0007】 疾患の進行または再発または生命測定物の質のような臨床上の終点とは対照的
に(評価のために長い時間かかるのが典型)、生物学上のマーカーは薬剤の臨床
上のプロフィールの、より迅速且つ定量性の測定を提供するかもしれない。臨床
実務および薬剤開発の両方において現在使用される単一の生物学上のマーカーは
、コレステロール、前立腺特異的抗原(「PSA」)、CD4 T細胞およびウ
イルスRNAを含む。高コレステロールと心臓疾患、PSAと前立腺癌、および
CD4陽性T細胞の減少とAIDSにおけるウイルスRNAの間のよく知られた
相関とは違い、大抵の他の疾患に相関する生物学上のマーカーはまだ同定されて
いない。結果として、政府機関と製薬会社の両者は臨床試験に使用するための生
物学上のマーカーの開発をますます求めているが、薬剤開発における生物学上の
マーカーの使用は今日まで制限されてきた。
【0008】 有力な生物学上のマーカーが多数存在するが、生物学上のマーカーと、正常な
生物学上のプロセス、疾患、疾患の進行および治療に対する応答の相関関係を確
立するために必要な莫大な量の情報を通して選別することができる、限定された
技術が存在する。表現型決定は、数百から数千のパラメーターを測定するのに必
要な装置およびアッセイ、このデータを容易にアクセス可能にする情報科学シス
テム、情報のパターンと臨床データを相関させるソフトウエアおよびその結果で
ある情報を薬剤開発プロセスにおいて利用する能力を必要とする。
【0009】 発明の概要 本発明は、生物または生物のクラスまたはサブクラスを表現型決定することに
関する。本発明は、正常な生物学上のプロセス、病理プロセスまたは治療介入に
対する薬理学上の応答の指標として測定および評価される生物学上のマーカーの
同定も含む。この発明は、生物の表現型または患者の疾患状態および治療に対す
る応答を正確にプロファイルできる複数の多様な生物学上のマーカーの定量性の
、感受性の再現性のある、そして迅速な測定を提供することができる技術を含む
。さらに、血液は単一のもっとも情報が豊富な組織であって、試験のために簡単
且つ容易に接近可能であるため、本発明は、血液の小サンプルから生物学上のパ
ラメーターを同定することに焦点をしぼる。本発明は、3つの主要な要素:装置
、アッセイ開発および臨床情報科学を含む、複数の訓練上のフォーマットを含む
【0010】 発明の詳細な説明 本発明は、生物または生物のクラスまたはサブクラスの表現型決定に向けられ
る。理論上、生物の表現型決定は、上記個体の過去と現在の全ての測定可能な測
定値を得ることを含む。あらゆる生物の全部の表現型決定は実用的ではなく、不
可能でさえあるが、本明細書に開示されて記載された表現型決定は、パラメータ
ーまたは特性の種類の前例のない数の前例のない量を提供することにより、正常
な生物学上の機能、疾患、疾患の進行および生物に対して仮想上のあらゆる不安
に関連した変化の分析を可能にする情報源を提供する。
【0011】 本発明により教示される表現型決定系の一つの利用性は、正常な生物学上のプ
ロセス、疾患または医学上の症状に関する生物学上のマーカーの同定である。本
発明のこの側面を実施するためには、i)個々の集団からの生物学上の情報、i
i)各個体からの十分な量のデータ、好ましくは時間をかけた複数サンプリング
により得られたデータ、およびiii)a)広範囲の種類の情報を統合的に取り
込むことができ、そしてb)異なる種類のデータの意味のある相関分析を実施す
ることができる情報の保存および修正の系を有することが必要である。図1は、
生物学上のマーカーの同定系を創製するのに有用な情報を描写する。
【0012】 疾患と疾患の進行は、遺伝学上および環境上の因子の両方の完全な相互作用を
含む。本発明は、小サンプルの血液から遺伝学上および環境上の因子の両方を反
映する生物学上のマーカーのパターンにおける変化を同定して追跡する能力を有
する。さらに、本発明は、疾患感受性、疾患進行および治療に対する応答の遺伝
子成分の解読を助ける。
【0013】 本発明は、細胞、蛋白質、有機分子、遺伝子型、可溶性因子、臨床上および環
境上の因子を監視することができ、それらの全ては薬剤開発における生物学上の
マーカーとして、および疾患マーカーとして使用されてきた。公知の生物学上の
マーカーの例は、AIDSにおけるCD4陽性T細胞およびウイルスRNAレベ
ルの低下、心臓疾患のための受容される生物学上のマーカーとしての上昇したコ
レステロールレベルおよび前立腺癌患者の血液中に見いだされる蛋白質マーカー
としてのPSAの変化したレベルの監視を含む。
【0014】 生物学上のマーカーまたはマーカー「グルーピング」の一部であることが発見
されるかもしれない生物学上の特性およびパラメーターはしばしば予測不可能な
ため、適切なデータベースは、出来る限り多くのパラメーターに関する情報を含
むことが必須である。
【0015】 本発明は、所定の生物の表現型決定、そのような表現型をアッセンブルするた
めの方法およびそのような表現型を利用する方法に広がる。生物または生物のク
ラスまたはサブクラスの表現型は、生物または生物のクラスまたはサブクラスに
関するデータの大きな寄せ集めを含む。本発明の新規な側面は、生物に対して利
用可能なデータの様々なカテゴリーの各々からの、データの共通点のない性質と
データの質に見いだされる。表現型は、表現型を規定するデータが広範囲ならば
その完全な有用性に到達し得るにすぎない。例えば、物理試験から日常的に得ら
れた標準的な血液プロフィールと臨床上の因子を含むヒト患者に関する表現型は
、そのような表現型を完全に活用するための十分な情報を提供することができな
い。関与するアッセイと得られたデータは科学的および臨床上の能力の範囲であ
るが、単一の生物から情報の全てを得ることは、新たな課題である。表現型の操
作および維持管理はそれ自体をコンピューター化させるが、所定の表現型を慣用
のフォーマットにおいて保持できる。生物学上のマーカーを同定するかまたは生
物において不安の効果を観察するために表現型を操作することは、もちろん、コ
ンピューターを通したコンピューターによる分析の使用により大きく単純化され
る。上記のとおり、生物の全部の表現型の決定は事実上何千または何百万のデー
タ点を含む。この発明の好ましい側面において、表現型は、40より多い生物学
上のパラメーター、より好ましくは100パラメーターより多く、そしてもっと
も好ましくは200を越える異なるパラメーター、そしていくつかの場合には3
00を越える異なるパラメーターを含む。表現型は、細胞アッセイ、可溶性因子
アッセイおよび臨床情報からの情報を含む生物学上のパラメーターを含むに違い
ない。好ましい態様において、少なくとも20の細胞集団および/または細胞関
連分子の測定値を取り込む少なくとも20の細胞アッセイの結果、および少なく
とも20の可溶性因子アッセイの結果が、臨床情報と共に上記表現型に含まれる
。より好ましい態様において、少なくとも40の細胞集団および/または細胞関
連分子の測定値を取り込む少なくとも40の細胞アッセイの結果が含まれ、好ま
しくは臨床上および環境上のパラメーターの広範囲のバッテリーを伴う。本発明
の好ましい態様においては、20より多い臨床パラメーター、好ましくは40よ
り多いパラメーターが含まれ、いくつかの場合には60を越えるパラメーターが
含まれる。
【0016】 患者に関する生物学上の情報の豊富で容易に接近可能な源は、血液である。現
時点では、特性決定された抗体を用いて、200を越える別々の白血球細胞表面
抗原が同定されている。さらに、血液中には何千もの蛋白質および他の可溶性因
子および同定できる小分子が存在する。よって、問題は、血液中の十分な情報含
有物を発見することにおいてではなく、限定された量の血液から利用可能な情報
の全てを効率よく抽出することにおいてである。
【0017】 多くのレベルの生物学上のマーカーが個体により広く変化するかもしれない。
多くの場合、そのような変化はランダムであるが、これはいつも真実ではないか
もしれない。例えば、いくつかの状況において、ベースラインは個々に特定であ
るかもしれず、そして個体から複数の読みをとることによってのみ、生物学上の
マーカーを同定することが可能である。ベースラインは健康な個体に関して確立
される見込みがないかもしれないが、疾患または医学上の症状を有する所定の個
体において時間をかけて変更物から得られた貴重な情報は存在するかもしれない
。例えば、慢性関節リウマチの患者は医薬を投与したかしないか、または兆候の
重度な再発を呈する場合、興味のある変化を示すかもしれない。そのような長期
的な相関が存在するなら、他の類似の状況の患者の長期的データの再検討は、上
記疾患に関連した貴重な生物学上のマーカーを確証することができる。長期間に
わたる長期的データが存在する場合、統計上重要な分析のために必要な個体の数
は、相対的に小さい。
【0018】 本発明の付加的な応用は、用量応答研究を監視することにおける。この態様に
おいては、個体の集団を薬剤の投与の前と後および薬剤の容量を増加させた後に
評価する。この態様においては、選択された集団は健康な個体であってよく、そ
して評価された生物学上の用量応答の終点は毒性または副作用のプロファイルで
ある。個体が特定の疾患または医学上の症状を有する態様においては、薬剤の陰
性作用と共に、マーカーの効果を同定してよい。薬剤の投与の前と後に個体から
の情報を評価することにより、投与と薬剤に対する応答に関連したマーカーまた
はマーカーグルーピングを同定することが可能になる。いくつかの状況において
は、そのようなマーカーを臨床研究のための終点として使用することができる。
例えば、疾患の進行または再発または生命測定物の質のような臨床上の終点(評
価するのに長い時間がかかるのが典型)とは対照的に、生物学上のマーカーが薬
剤の臨床上のプロフィールのより迅速且つ定量性の測定を提供するかもしれない
【0019】 本発明の他の態様においては、疾患または医学上の症状の予防または治療のた
めに薬剤または処置を受けた個体の長期的な研究が、評価される個体の集団を構
成することができる。次の臨床上の観察を受ける前に個体の生物学上の指標を相
関させることにより、処置治療から最も利益を得ることになる有力な患者集団の
メンバーに関連した生物学上のマーカーを同定することが可能になる。そのよう
な様式においては、高価な処置は、処置により最大の利益を、もっとも得そうな
患者の亜集団に限定され得る。
【0020】 本発明の別の応用は、疾患の極めて初期の臨床上の兆候を同定するための生物
学上のマーカーの使用である。これは、医者の診察室に連れて行くのに十分重度
ではない「準臨床」のサインおよび兆候を患者が有するかもしれない場合の多数
の疾患状態に関して極めて貴重である。
【0021】 しかしながら、患者が彼らの血液中に発見されたマーカーを有したなら、そし
て医学上の注意を要求するように忠告されたなら、彼らの「準臨床上の」サイン
は、疾患のもっとも初期の表現型提示として同定することができる。多くの疾患
に関して、治療用薬剤を使い初めて、一般的にその個体に関してその疾患実在物
の罹患率および死亡率を低下させるように導くように出来る限り初期に疾患を診
断することは極めて有利である。可能なシナリオは、慢性関節リウマチに関する
生物学上のマーカーを有するか否かを見るための血液試験を、患者が受けるか否
かである。マーカーが存在したなら、彼らの関節において暖かい感覚を有するこ
とのみかもしれない「準臨床」段階の間に、関節痛、隆起および変形を有するま
で待つ代わりに、彼らは次に処置を求めることができる。その個体は、処置を求
める前に疾患のほぼ後期の段階を彼らが有するまで待つ誰かに比較して、慢性関
節リウマチに関してずっと良好な長期間の結果を有する見込みがあるはずである
【0022】 本発明は、生物または生物のクラスまたはサブクラスの表現型決定に向けられ
る。表現型は、極めて多数のデータカテゴリーからのデータから作成される。こ
の発明の範囲内に含まれるデータの本質的なカテゴリーは、i)生物学上の流体
中の分子に関連した彼らの細胞を含む細胞集団のレベル、ii)生物学上の流体
中の可溶性因子のレベル、iii)薬剤用量および薬物動力学(薬剤の測定と体
内のその代謝)およびiv)臨床上のパラメーターである。データの付加的なカ
テゴリーは、限定ではないが、i)生物学上の流体中の小分子化合物のレベル、
ii)個体に関する遺伝子型の情報、個々の遺伝子の構成および遺伝子発現(m
RNAまたは転写物)レベルを含む、およびiii)尿の成分のアッセイから得
たデータを含んでよい。特定の態様において、データのカテゴリーは、イメージ
、例えばx−線、脳または体のCATスキャン、またはMRIs、または生検、
EKGs,ストレス試験、内視鏡、超音波試験、腹腔鏡手法、正像体の手術、P
ETスキャン、あるいは個体の症状のあらゆる他の測定から得られる情報を含む
【0023】 好ましい態様において、本発明のデータベースに含まれる臨床パラメーターは
、限定ではないが、個体の、年齢、性別、体重、身長、ボディータイプ、病歴(
共通病的状態(comorbidities)、薬物等を含む)、疾患または医
学上の症状の出現と分類(あれば)および医師により作成された他の標準臨床観
察を含む。臨床パラメーターの間で、環境因子および家族の病歴の因子も含まれ
る。
【0024】 臨床パラメーターは、得られた情報の源によりさらに特徴付けすることができ
る。臨床パラメーターを得た患者は、医師の診察室からファイルアウトしてよい
、骨関節炎に関してのWOMAC、そして慢性関節リウマチに関してのHeal
th Assessment Questionnaireのような調査票を通
して患者が提供する情報を含んでよい。同様に、患者の現在の臨床上の兆候の全
てにアドレスする電子またはウエブに基づく調査票を、クリニックを訪れる前に
患者により完成させることができる。看護婦により得られた情報は、生命に関す
るサイン、アレルギー試験、肺機能試験、ストレスタリウム試験、またはECG
試験を含む様々な試験からの情報を含む。医師から回収された臨床パラメーター
は、以前の、疾患、手術、入院、薬物、薬物に対する反応、家族の病歴、社会生
活の経歴、アルコール/ドラッグ/喫煙の経歴、並びにHIVまたは肝炎に関す
る高い危険に患者がおかれたであろう他の挙動の詳細な経歴を含む。徹底した医
師の試験は、臨床医によっても実施され、患者の臨床パラメーターの非常に重要
な成分である。
【0025】 好ましい態様において、細胞集団のレベルおよびそれらの関連する分子はマイ
クロボリュームレーザースキャニングサイトメトリーにより同定される。そのよ
うなデータはフローサイトメトリーにより得ることもできるが、フローサイトメ
トリーを実施するのに必要な血液の容量が、所定の個体から一度に採集される血
液に対して実施できるアッセイの数に対して重大な制限を定める。さらに、フロ
ーサイトメトリーを実施するために必要なサンプル調製物は、時間を浪費し、高
価であり、そして測定結果に干渉するかもしれない。
【0026】 可溶性因子のレベルは、あらゆる適切な技術により測定することができる。好
ましい態様において、可溶性因子のレベルは標準免疫アッセイ技術、例えばEL
ISA技術により測定される。別の態様においては、マイクロボリュームレーザ
ースキャニングサイトメトリーを使用することにより、可溶性因子のレベルを得
る。可溶性因子は、免疫アッセイ、例えばMLSC,ELISA等、質量分光分
析、2Dゲル電気泳動、質量分光分析と免疫アッセイの組み合わせ、および臨床
アッセイにより検出することができる。好ましい態様において、細胞集団はML
SCアッセイにより検出され、そして可溶性因子は免疫アッセイまたは質量分光
分析により検出される。
【0027】 本発明は、少量の血液からの生物学上のパラメーターの、迅速で、再現性の有
る定量性評価のための改良された装置;血液中の何百から何千のパラメーターの
検出のための改良された装置に匹敵する高感度アッセイ;時間をかけて累積され
る患者からの広範囲の医学情報内容を回収するための広い臨床戦略;パラメータ
ーのパターンを正常な生物学上の機能、特定の疾患、疾患進行および治療に対す
る応答に相関させるためのソフトウエア、データベースおよびデータ採掘手段;
薬剤開発における使用のための学術センターおよび臨床研究機関との共同におけ
る臨床データおよび生物学上のマーカーのデータベース;マーカーの専有パター
ンを使用した診断試験およびリード化合物を選択することにおいて、より特徴付
けされた決定を可能にし、そして所定の治療により利益を得る見込みのより多い
患者を同定することにより、薬剤開発の効果を改善する能力の開発を含む。
【0028】 生物の表現型を決定して、多数の生物学上のパラメーターの再現性の良い迅速
な測定を実施する唯一の能力は、少量の血液サンプルからの生物学上のマーカー
の新規なパターンを同定する本発明に関して必須である。これまでの統計分析は
、異なる細胞サブセットまたは細胞集団の数に関するアッセイが定量性であって
高い再現性であることを示してきた。本技術は、小容量の血液を使用して、患者
のサンプルの限定された操作を必要とし、他の市販の測定技術を越える明確な利
点を有する。
【0029】 本発明は、特定の疾患に関する患者集団の研究をさらに含む。これらの研究は
、疾患パターンの統計分析に基づき、そして罹患した個体からの多数の血液サン
プルの回収を必要とする。さらに、本発明は、植物および動物に関しての生物学
上のマーカーを表現型決定して同定することに関して、および前臨床研究におい
て評価することを助けることに関して、有用性を有する。
【0030】 定義 本明細書にて使用されるとおり、用語「表現型」または「表現型決定」は、全
ての測定可能な生物の特性の実質上のサブセットからなる、蓄積されたもの(c
ompilation)を意味する。そのような特性またはパラメーターは、限
定ではないが、細胞集団のレベル、それらの関連する分子、可溶性因子のレベル
、他の分子のレベル、遺伝子型情報、遺伝子発現レベル、遺伝子の変異、および
臨床上のパラメーターを含む。そのような特性またはパラメーターは、全ての経
歴データおよび現在のデータを含む。例えば、生物の全部の表現型は、現時点で
の測定可能な全ての特性、並びに過去の全ての時間点におけるそのような全ての
特性を含む。技術上測定可能な特性に加えて、表現型は、生物の感覚または感情
(生物がヒトの場合、表現型は個々の精神状態、例えば意気消沈、痛み、動揺、
精神病、薬物依存症を含む);ダイエット、およびダイエット、ケガ、親類の病
歴、性経験、社会的−経済的状態を含むことができる。
【0031】 本明細書にて使用されるとおり、用語「生物」は、全ての植物、動物、ウイル
スおよび地球外物質(exoterrestial materials)を意
味する。この定義に含まれるのは、如何なる意味においても限定ではないが、ヒ
ト、マウス、ラット、ウサギ、コンパニオン動物、天然および遺伝子操作された
植物、および天然および遺伝子操作された動物である。
【0032】 所定の表現型は、単一の生物または生物のクラスまたはサブクラスの特徴の蓄
積されたものを含むかもしれない。例えば、表現型データは、治療介入前と後に
癌と診断された一人の男性の個体、年齢15から55の間の男性のグループ、ま
たは癌と診断された年齢15から55の男性のグループから得られるかもしれな
い。この様式において、表現型は、与えられた個体に特異的であるかもしれず、
あるいは組み合わされた個体のグループの平均または典型的な症状を表すかもし
れない。
【0033】 個々の生物または生物のグループの表現型を様々な目的のために使用してよい
。本発明の広いスキムにおいて、表現型は、長期間調査されて、生物に対するい
くらかの動揺(perturbation)後に評価される。例えば、喘息の兆
候の提示の前と後の個体の表現型の比較を使用することにより、喘息に付随した
生物学上のマーカーを同定することができる。別の例において、喘息を有する個
体の表現型を正常な成人の表現型と比較することができる。別の例において、天
然に生じる植物の表現型を遺伝子を変更された植物の表現型と比較することによ
り、遺伝子の変更の導入により測定可能な特性が変わるか否かを決定することが
できる。表現型決定情報の使用のさらなる例は、個体の健康な(well−)患
者の状態を定期的に監視して、生物学上の加齢のプロセスの測定値を追跡するこ
とである。生物に関しての理解できる表現型データに関する有力な使用法はほと
んど無限である。
【0034】 本発明は、生物または生物のクラスまたはサブクラスに関する表現型、そのよ
うな表現型を得るための方法およびそのような表現型を利用する方法を含み、生
物学上のマーカーの同定方法を含む。
【0035】 本明細書にて使用されるとおり、用語「生物学上のマーカー」または「マーカ
ー」または「バイオマーカー」は、正常および異常な生物学上のプロセス、病理
のプロセスまたは治療介入に対する薬理学上の応答の指標として測定されて評価
される特性またはパラメーターを意味する。治療上の介入に対する薬理学上の応
答は、限定ではないが、通常の介入に対する応答(例えば、効果)、介入に対す
る用量応答、介入の副作用プロファイル、および薬物動力学特性を含む。応答は
、有効あるいは逆の(例えば、毒性の)変化の何れかに相関するかもしれない。
生物学上のマーカーは病理プロセスに付随して変化する細胞または分子のパター
ンまたは全体的調和を含み、そして診断上および/または予後の価値を有する。
【0036】 生物学上のマーカーは、限定ではないが、細胞集団のレベル、それらの関連す
る分子、可溶性因子のレベル、他の分子のレベル、遺伝子発現レベル(mRNA
または転写物)、遺伝子情報、および疾患の存在および進行、正常な生物学上の
プロセスおよび治療に対する応答に相関し得る臨床上のパラメーターを含む。臨
床実務および薬剤開発の両方において現在使用される単一の生物学上のマーカー
は、コレステロール、PSA、CD4 T細胞およびウイルスRNAを含む。高
コレステロールと心臓疾患、PSAと前立腺癌、およびCD4陽性T細胞の減少
とAIDSにおけるウイルスRNAの間のよく知られた相関とは違い、大抵の他
の疾患に相関する生物学上のマーカーはまだ同定されていない。結果として、政
府機関と製薬会社の両者は臨床試験に使用するための生物学上のマーカーの開発
をますます求めているが、薬剤開発における生物学上のマーカーの使用は今日ま
で限定されてきた。
【0037】 非限定例として、生物学上のマーカーは、正常な生物学上の状態、疾患または
医学上の症状と明確な関係を有するとしばしば考えられ、例えば、高コレステロ
ールは心臓疾患の危険性の増加に相関し、PSAレベルの上昇は前立腺癌の危険
性の上昇に相関し、そしてCD4 T細胞の低下およびウイルスRNAの増加は
AIDSの存在/進行に相関する。しかしながら、様々な疾患症状または医学上
の症状のための有用なマーカーが顕著により複雑なパターンからなるかもしれな
いことは、実際上本当らしい。例えば、上昇したレベルのひとつまたは複数の可
溶性因子− −サイトカイン類− −おそらく、と共に見いだされた場合の特定
の細胞種上のひとつまたは複数の特定の細胞表面抗原の低下したレベルは、特定
の自己免疫疾患の指標である。よって、この発明のために、生物学上のマーカー
は多数の指標のパターンを意味してよい。
【0038】 本明細書にて使用されるとおり、用語「生物学上のマーカー同定系」は、デー
タの相関および生物学上のマーカーの同定を可能にする様式において、患者集団
から情報を得て、該情報を同化するための系を意味する。生物学上のマーカー同
定系は、多数のデータカテゴリー、上記データカテゴリーの各々に対応する複数
の個体からのデータ、および上記データカテゴリー内の対応するデータを相関さ
せるためのプロセシング手段を含む、統合されたデータベースを含み、但し、デ
ータカテゴリーの相関分析は、上記疾患または医学上の症状が該疾患または医学
上の疾患を有さない個体からのとは異なる一つまたは複数のデータカテゴリーを
同定するために作成することができ、上記同定されたカテゴリーは上記疾患また
は医学上の症状に関するマーカーである。さらに、マーカーは異なる時間点にお
いて単一の個体に関しての様々なデータカテゴリーを、例えば薬剤投与の前と後
に比較することにより、同定してよい。
【0039】 本明細書にて使用されるとおり、用語「データカテゴリー」は、生物について
認識することができるあらゆる種類の測定値を意味する。本発明において有用な
データカテゴリーの例は、限定ではないが、生物の生物学上の流体中の細胞集団
およびそれらの関連する分子の数と種類および生物の生物学上の流体中の可溶性
因子の数と種類、生物の臨床パラメーターに関連した情報、生物の生物学上の流
体のmlあたりの細胞容積カウント、生物のDNAに関連したゲノミック情報お
よび遺伝子発現レベルを含む。例えば、単一のデータカテゴリーは、薬剤または
その代謝物の血液または尿中のレベルでありうる。データカテゴリーの追加の例
は、CD4 T細胞絶対数のカウントである。あらゆる時間点において生物また
は生物のクラスまたはサブクラスに与えられた情報の数は、一部、その生物の表
現型を含む。
【0040】 本明細書にて使用されるとおり、用語「生物学上の流体」はあらゆる生物学上
の物質を意味し、限定ではないが、血液(全血、赤血球細胞溶解により調製され
た白血球、末梢血単核細胞、血漿および血清を含む)、つば、尿、精液、脳脊髄
液、気管支吸引物、汗、糞、滑液および全または操作された組織を含む。生物学
上の流体は、典型的には、細胞およびそれらの関連分子、可溶性因子、小分子お
よび他の物質を含む。血液は、多くの理由で本発明における好ましい生物学上の
流体である。第一に、容易に入手可能であり、そして複数回採集することができ
る。血液は、時間をかけて骨髄中の始原細胞から一部を補充する。血液は、抗原
性チャレンジに応答性であって、抗原性チャレンジのメモリーを有する。血液は
、中心に位置し、再循環し、そして体内を通して変化に対して潜在的に報告する
。血液は、表面分子、内部分子、および個々の細胞に付随した分泌分子を含む莫
大な細胞集団を含む。血液は、自己、例えばサイトカイン、抗体、深刻な段階の
蛋白質等と、外来、例えば化学物質および感染性疾患の生成物の両方である可溶
性因子も含む。
【0041】 本明細書において使用されるとおり、用語「細胞集団」は、共通の特性を有す
る細胞のセットを意味する。特性は、一つ、二つ、三つまたはそれ以上の細胞関
連分子の存在およびレベル、サイズ等を含んでよい。一つ、二つ、三つまたはそ
れ以上の細胞関連分子は細胞集団を規定することができる。通常、いくつかの細
胞関連分子を使用することにより、さらに細胞集団を部分集合にすることができ
る。細胞集団は、集団レベルにおいて同定され、そして蛋白質レベルでは同定さ
れない。細胞集団は、一つ、二つまたはそれ以上の分子により規定され得る。あ
らゆる細胞集団が有力なマーカーである。
【0042】 本明細書にて使用されるとおり、用語「細胞関連分子」は、細胞に関連するあ
らゆる分子を意味する。これは、限定ではないが、1)内因性の細胞表面分子、
例えば蛋白質、糖蛋白質、脂質および糖脂質;2)外来の細胞表面分子、例えば
それらの受容体に結合したサイトカイン、Fc受容体に結合したイムノグロブリ
ン、B細胞またはT細胞に結合した外来性抗原および自身の抗原に結合した自己
抗体;3)内因性内部分子、例えば細胞質蛋白質、糖質、脂質およびmRNA、
および核蛋白質およびDNA(ゲノミックおよび体性の核酸);4)外来の内部
分子、例えばウイルスの蛋白質および核酸を含む。好ましい細胞関連蛋白質は、
典型的には細胞表面蛋白質である。一例として、何百もの白血球細胞表面蛋白質
または抗原が存在し、白血球分化抗原(CD抗原、現在CD166まで,Leu
kocyte Typing VI,Kishimoto,T.et al.,
ED,1997を参照)、抗原受容体(例えば、B細胞受容体およびT細胞受容
体)、および主要組織適合性複合体を含む。これらのクラスの各々は、莫大な数
の蛋白質を包含する。例示の細胞表面蛋白質のリストを表1に提供するが、莫大
な数の細胞表面蛋白質の単なる例示であって、いかなる意味においても総合的な
リストであることを意図しない。
【0043】 本明細書にて使用されるとおり、用語「可溶性因子」は、細胞集団または細胞
関連分子ではない生物学上の流体または組織のあらゆる測定可能な成分を意味す
る。可溶性因子は、限定ではないが、可溶性蛋白質、糖質、脂質、脂質蛋白質、
ステロイド、他の小分子を含み、金属、無機、イオン性および金属有機種および
前記成分のあらゆるものの複合物、例えばサイトカインおよび可溶性受容体;抗
体および抗原;および何かに複合化した薬剤を含む。可溶性因子は、自己、例え
ばサイトカイン、抗体、深刻な段階の蛋白質等と、外来、例えば化学物質、感染
性疾患の生成物および腸のフロラおよびファウナの、両方でありうる。可溶性因
子は、内因性、即ち生物により生成されてよく、あるいは外来性、例えばウイル
ス、薬剤または環境毒素であってよい。可溶性因子は小分子化合物、例えばプロ
スタグランジン、ビタミン、代謝産物(例えば、鉄、糖、アミノ酸等)、薬剤お
よび薬剤代謝物でありうる。例示の可溶性蛋白質のリストを表6に提供するが、
莫大な数の可溶性蛋白質の単なる例示であって、いかなる意味においても総合的
なリストであることを意図しない。
【0044】 この発明のためには、可溶性因子は公知または未知の実在物のいずれかであっ
てよい。所定の種が同定可能であるかもしれないが、種の化学的正体が未知であ
る場合に様々な技術が利用可能である。本発明においては、可溶性因子の化学的
正体は、アッセイを実施してその存在または不在を決定するときに現在公知か未
知であることを必要とはしない。
【0045】 本明細書において使用されるとおり、用語「小分子」または「有機分子」また
は「小有機分子」は、18から10,000の範囲の分子量を有する可溶性因子
または細胞関連因子を意味する。小分子は、限定ではないが、プロスタグランジ
ン、ビタミン、代謝産物(例えば、鉄、糖、アミノ酸等)、薬剤および薬剤代謝
産物を含みうる。
【0046】 本明細書において使用されるとおり、用語「疾患または医学上の症状」は、体
の機能、系または器官の妨害、停止、不全または変化を意味する。疾患または医
学上の症状の例は、限定ではないが、免疫性および炎症性の症状、癌、心臓血管
系疾患、感染性疾患、精神医学の症状、肥満および他のそのような疾患を含む。
例示のために、免疫性および炎症性の疾患は、自己免疫疾患を含み、さらには慢
性関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、糖尿病等を含む。
【0047】 本明細書にて使用されるとおり、用語「動揺(perturbation)」
は、生物に対しておこり得る外来または内因性の測定可能な事象を意味する。簡
単な例は、個体に対する治療剤の投与、または健康であったが、後に喘息になっ
た個体である。この応用において、動揺は、比較されつつある生物の個体または
グループの間の違いを含んでもよい。例えば、動物の集団は正常であると考えて
よく、そしてそれらの表現型を同様ではあるが遺伝学上変更された動物の表現型
と比較する。遺伝学上変更された動物は、その遺伝学上の変化が通常から乱され
た(perturbated)という感覚において動揺された。多くの場合、動
揺は、異なる時間点において生じる単一の事象ではない。動揺は、延長した時間
をかけて起こるか、および/または臨床的あるいは断続性であってよい。
【0048】 本明細書にて使用されるとおり、用語「臨床パラメーター」は、疾患または医
学上の症状に関連するかもしれない、得られた情報を意味する。そのような情報
は、患者によりまたは医学または科学の観察者により供給されてよい。ヒトに関
する臨床パラメーターの例は、限定ではないが、年齢、性別、体重、身長、血液
型、病歴、人種、家族の病歴、遺伝因子、環境因子、疾患または医学上の症状の
出現と分類、および臨床実験室試験のあらゆる結果、例えば血圧、MRI,x−
線等を含む。
【0049】 臨床パラメーターは、得られる情報の源によりさらに特徴付けすることができ
る。患者から得た臨床パラメーターは、患者が、医師の診察室からファイルアウ
トしてよい、骨関節炎に関してのWOMAC、そして慢性関節リウマチに関して
のHealth Assessment Questionnaireのような
調査票を通して患者が提供する情報を含んでよい。同様に、患者の現在の臨床上
の兆候の全てにアドレスする電子またはウエブに基づく調査票を、クリニックを
訪れる前に患者により完成させることができる。看護婦により得られた情報は、
生命に関するサイン、アレルギー試験、肺機能試験、ストレスタリウム試験、ま
たはECG試験を含む様々な試験からの情報を含む。医師から回収された臨床パ
ラメーターは、以前の、疾患、手術、入院、薬物、薬物に対する反応、家族の病
歴、社会生活の経歴、アルコール/ドラッグ/喫煙の経歴、並びにHIVまたは
肝炎に関する高い危険に患者がおかれたであろう他の挙動の詳細な経歴を含む。
徹底した医師の試験は、臨床医によっても実施され、患者の臨床パラメーターの
非常に重要な成分である。
【0050】 本明細書において使用されるとおり、用語「臨床の終点」は、如何にして患者
が感じるか、機能するか、または生存するかを測定する特性または可変物を意味
する。特定の疾患により患者が如何にして感じるかまたは機能するかを測定する
ために共通に使用されるいくつかの機構が存在し、そしてそれらはしばしば有効
な臨床調査票を含む。これらは自己管理されてよく、例えばBeckの抑鬱調査
票または国際前立腺調査票は排尿の変化が前立腺肥大v.膀胱の出口の障害によ
るか否かを決定する。これらの手段は、患者が鬱病か否かを決定するCarro
l調査票を完成させる間に、顔の表情、患者が10分より長く座ることが不可能
なこと、興奮のレベル等の特徴を判定するヘルスケアのプロバイダーにより提供
されてよい。そして最終的に、精神医学の病気の場合、典型的には、かれらの病
気の急な悪化のために入院を許可された患者は、グループの相互作用を含む様々
なセッティングにおいて機能する彼らの能力を臨床医が記録することおよび注釈
を作ることを実現せずに、観察されることになる。これらの「臨床の終点」は、
疾患の存在あたり高度に可変性であり、そして続いて、これらの終点を特徴付け
るのに使用される手段も実に広い。
【0051】 本明細書において使用されるとおり、用語「マイクロボリュームレーザースキ
ャニングサイトメトリー」または「MLSC」は、蛍光標識検出分子を使用して
小容量のサンプル中の成分の存在を検出し、そして上記サンプルを蛍光放射が記
録される光学スキャニングに供する方法を意味する。MLSC系は、他の技術か
ら識別するいくつかのカギとなる特徴を有する:1)ほんの少量の血液(5−5
0μl)しか多くのアッセイには必要としない;2)絶対数の細胞カウント(細
胞/μl)が得られる;および3)アッセイが全血または生成された白血球細胞
上の何れかに直接実行されうる。この技術の完成は、一回の血液の回収からの数
百の異なる細胞集団の測定を促進することになる。MLSC技術は、米国特許番
号5,547,849および5,556,764およびDietz et al
.(Cytometry 23:177−186(1996))、および「レー
ザースキャナー共焦点時間解析された蛍光分光分析系」と題する仮の特許出願(
米国仮出願番号60/144,798、1999年7月21日に出願)、および
「マイクロボリュームレーザースキャニングサイトメトリー」と題する本発明と
同時に出願された同じ所有の有用性出願に記載されており、各々は完全に本明細
書に編入される。マイクロボリュームキャピラリーを有するレーザースキャニン
グサイトメトリーは、全血、加工された血液、および他の流体中の蛍光標識され
た細胞の監視のための強力な方法を提供する。本発明は、さらに、少量の血液か
らの複数の血液マーカーの同時測定をするMLSC装置の能力を改善することに
より、MLSC技術をさらに改良する。改善されたSurroScan光学系能
力を模式図を図2に示す。
【0052】 本明細書にて使用されるとおり、用語「タグ」は、限定ではないが、原子、分
子、分子の断片、または官能基;粒子または粒子の組み合わせ;単一または連続
の電磁気パルス;または下記成分を同定するか、定量するか、関連するか、認識
するか、追随するか、見つけるか、見分けるか、観察するか、追跡するか、また
は識別する(以後I/Q)ために使用される生物学上の系の成分(分子または分
子の山、例えば細胞、カチオン、アニオン、原子、または超分子アッセンブリー
、限定ではないが、生物学上の分子間の非共有複合体を含む)に付随するか、付
着するか(共有または非共有の何れか)または接続させたあらゆる形態のものを
含むあらゆる存在物または種を意味する。
【0053】 タグはしばしば外来性であり、即ち、調査中の成分の一部ではない。例えば、
蛍光染料分子がしばしばタグとして、追跡、定量または両方のために使用される
。同様に、第2の種、例えばELISAのための酵素に結合させた、ビオチンま
たはストレプトアビジンのタグとしての使用が広まっている。他の形態のタグは
、限定ではないが、質量分光分析による蛋白質I/Qのためのアイソトープ質量
タグ、ラマン散乱によるI/Qのためのラマン−活性タグ、光散乱によるI/Q
のための粒子性タグ、蛍光、凝集力、エネルギー転移、および表面プラズマ共鳴
を含む、様々な他の検出機構を含む。
【0054】 この点に関しては、ほとんど無限の数の粒子性タグが存在し、そのほんのわず
かな数しか以前に使用されてはいない。ナノ粒子科学のその初期におけるように
(200年前の有機化学のように)、粒子性タグの複雑さは分子の複雑さに接近
することを認識できる。換言すれば、我々は、粒子性のタグがコンビナトリアル
ケミストリーにおいてビーズタグとして現在使用されている有機分子に匹敵する
かもしれず、換言すれば、数千から数十万あるいは数百万もの唯一同定可能なタ
グであると予測する。我々は、さらに、そのようなタグが全ての細胞内の測定を
可能にするのに十分小さくなることを認識する。例えば、現在大まかに、18の
異なる発光半導体量子が存在し、各蛍光の発光は異なる波長における。理論上は
、数千または数百万のそのような直光ナノ粒子光学タグの生産を認識することが
できるが、検出機構は蛍光を含んでも含まなくてもよい(あるいは他の光学方法
でさえ)。
【0055】 同じことは、超分子化学、および超分子タグにおいて言うことができる。我々
は、非共有結合により共に保持された分子アッセンブリーがタグとしての究極の
用途を見いだすことを認識する。さらに、タグは生物学上の成分に共有または非
共有の何れかにより付随した個々の分子を含むことができる。例えば、電気化学
上活性な酸化還元タグを使用することにより唯一成分を同定することをイメージ
できる。10の異なる分子を有したなら、各々は異なる酸化還元ポテンシャルを
有し、そして各々は予め官能基化されることにより特定の生物学上の成分と反応
し、そして酸化還元ポテンシャルの検出を特性決定に使用して、複合化されたタ
グI/Qを実施することができる。これは、蛍光を用いて現在使用されている戦
略と同一であり、「波長」スペースの代わりに酸化還元「スペース」を用いる。
【0056】 タグは官能基であることができ、カルボキシル酸におけるように、アミン、糖
等、あるいは分子に付随したスピンでさえあり得ることにも注目されたい。例え
ば、我々は、2つのサンプルを共に混合することができ、各サンプルは特定の連
続性の電磁気パルス(高視野NMRにおいて典型的に使用される種類の)により
分与された一つまたは複数の核を有する可能性を認識する。我々は、2つのサン
プルのためのパルスが、検出方法を使用してそれらを比較するのに十分寿命が長
いはずであることをさらに想像する。特に、我々は、濃度が同一な全ての種に関
して2つのサンプルのためのサインはキャンセルし、2つのサンプル中の濃度が
同一ではない場合にこれらの種に関してのみシグナルを置き忘れる可能性を想像
する。
【0057】 当業者には、前に定義したとおりタグの間に機能上の差異が存在しないことは
明らかであるべきであり、そして「レポーター」または「レポーター分子」は化
学および生物学の文献中で典型的に使用されるとおりである。同様に、以下で定
義される「検出分子」はそれ自体がタグでありうる(例えば、クオーツクリスタ
ルマイクロバランスまたは圧無力バイオセンサーにおけるように、I/Qが質量
である場合)。
【0058】 本明細書において使用されるとおり、用語「検出分子」は、分子または興味の
有る他の種に結合することができるあらゆる分子または分子アッセンブリーを意
味し、限定ではないが、細胞関連分子、可溶性因子、または小分子または有機分
子を含む。好ましい検出分子は抗体である。抗体はモノクローナルまたはポリク
ローナルであり得る。しかしながら、新規な種類の検出分子が発見されて普及す
るにつれて、それらは間違いなく使用されうることに注目されたい。例えば、ア
プタマーは分子認識に関して使用が増大しており、有機化学者は現在多数の分子
受容体を合成している。究極には、これらを検出分子として使用でき、それら自
身のみまたはタグを付随させるかの何れかによる。
【0059】 本明細書において使用されるとおり、用語「染料」、「蛍光体」、「蛍光染料
」はレーザーによる励起下で蛍光を発することができる分子を意味することとし
て交換可能に使用される。上記染料は本発明において検出分子に直接結合させる
のが典型であるが、間接の結合も包含される。多くの染料が当業界公知であり、
限定ではないが、表2に示すものを含む。特定の好ましい態様において、蛍光体
は赤領域(>600nm)のスペクトルにおいて励起され得るものが使用される
。2つの赤い染料、Cyt5およびCyt5.5が典型的に使用される。それら
は、それぞれ665および695ナノメーターにおいて放射し、そして容易に抗
体にカップリングすることができる。両方とも633nmにおいてヘリウム−ネ
オンレーザーにより励起することができる。使用してよい3つの染料のセットは
、Cyt5,Cyt5.5およびCyt7またはCyt5,Cyt5.5および
Cyt7 APCを含む。Mujumdar et al.,Bioconju
gate Chemistry,7:356(1996);米国特許第5,26
8,486号;Beavis et al.,Cytometry,24:39
0(1996);Rpderser et al.,Cytometry,24
:191(1996);および米国特許第5,714,386号を参照されたい
。本発明の範囲内においてタグ付加の目的または検出目的に有用な追加の新規な
染料は、引用により本明細書に全部を編入する、1999年7月6日に出願され
た「ブリッジされた蛍光染料、それらの製造およびそれらのアッセイにおける使
用」と題する同じ所有の米国仮出願番号60/142,477に記載される。
【0060】 本明細書にて使用されるとおり、用語「動物モデル」は、ヒトの疾患または医
学上の症状に類似の病理および進行を伴う疾患または症状が発症し得るあらゆる
動物実験系を意味する。適切な動物系は、限定ではないが、ラット、マウス、ウ
サギ、および霊長類を含む。いくつかの場合、上記疾患は動物モデルにおいて同
時に起こる。他の場合、上記疾患は動物モデルにおける疾患の誘導が同じ症状、
例えば病原体による感染、毒素に対する暴露、または特別なダイエット――ヒト
において疾患を引き起こすものによりもたらされ得る。あるいは、上記の疾患ま
たは症状は、ヒトの疾患または医学上の症状の実際の開始因子が未知な場合でさ
えも、ヒトの疾患または症状を模倣する薬剤を用いて動物モデルにおいて誘導す
ることができる。上記の疾患または医学上の症状は、外科手術の技術の使用を通
しても誘導されるかもしれない。実験動物モデル系の遺伝子操作は動物モデルの
開発のさらなる手段を提供し、単独かまたは疾患誘導の他の方法と組み合わせる
かの何れかによる。
【0061】 表現型決定の前臨床応用 現在多くの努力が注がれるのは、ヒトにおける生物学上のマーカーの同定と分
析に対して向けられつつある。しかしながら、実験動物系において生物学上のマ
ーカーを同定して分析するための方法を有することが望まれているはずである。
例えば、特定のヒト疾患の進行の生物学上のマーカーは、その疾患の実験上誘導
された動物モデル、例えば関節炎のラットアジュバントモデルにおいて同定する
ことができる(Philippe,et al.,American Jour
nal of Physiology 273:R1550−56(1997)
に総説される)。同定用マーカーを使用することにより、実験治療の効果を動物
モデルにおいて決定することができる。ヒトにおいて同じ疾患について予防性ま
たは診断性である生物学上のマーカーの、動物における発現に対して、特に高い
効果を有する治療剤は、よって、初期−−即ち危険性のある−−ヒト臨床試験を
実施することなく同定することができる。あるいは、新規な生物学上のマーカー
はヒト疾患の実験動物モデルにおいて同定することができ、次に、同じマーカー
またはそれらのヒト相同物がヒトにおいて同じ疾患または医学上の症状について
予防性または診断性であるか否かを決定するために実験を実施することができる
。いくつかのケースにおいては、ヒトにおいて同定された生物学上のマーカーを
使用することにより、動物モデルが対応する生物学上のマーカーにより評価でき
る前臨床試験を促進することができる。
【0062】 本発明の一連の態様において、生物学上のマーカーをヒト疾患の動物モデルに
おいて研究する。現在はそのようなモデルが多数存在し、より多くが開発されつ
つあり、様々な異なる技術を使用して特定の疾患を誘導する。各ケースにおいて
、興味のある生物学上のマーカーはMLSCを用いて好ましい態様にて最初に同
定することができる。同定されたマーカーは、次に、MLSCを使用して候補の
治療剤に対する動物の応答を測定するために研究される。MLSCに基づいたア
ッセイが典型的には小容積の生物学上の流体しか必要としないため、MLSCは
、動物を犠牲にすることを除いてほんの限定された量の流体しか動物から得られ
ない場合に、動物モデル系(特に、ラットとマウス)における使用に唯一適して
いる。特に、MLSCの使用は、候補治療剤の薬物動力学を決定するために実験
動物の複数時間点分析を可能にする。
【0063】 本発明のいくつかの態様において、特定の疾患の公知かまたは新たに同定され
たヒトの生物学上のマーカーの動物の相同性を、実験上誘導されたその疾患の動
物モデルにおいて研究する。いくつかのケースにおいては、ヒト分子を除いて動
物の相同物は既に公知になり、特徴決定される。例えば、広範囲な研究を通して
、マウスおよびヒトにおいて同様に挙動する蛋白質について相当量知られている
。ヒトの生物学上のマーカーの以前は未知であった動物の相同物の同定、および
それらに結合できる試薬の製造が、当業界公知の標準生物学技術の使用を通して
達成できる。
【0064】 本発明の他の態様において、新規な生物学上のマーカー、例えば公知の血液細
胞関連蛋白質の発現の以前に未知であったパターンが、ヒト疾患の動物モデルに
おいて最初に観察されるかもしれない。この態様においては、同定されたマーカ
ーのヒト疾患の進行または発症に対する関連性が、上記生物学上のマーカーのヒ
ト相同物を同定し、次に興味のある疾患を罹患したヒトにおけるそれらの発現を
研究することにより、決定することができる。同定された動物の生物学上のマー
カーがヒト疾患に関連するらしいならば、次に、それらは1)ヒトにおける疾患
に関する新規な診断および予防のアッセイの基礎として;および2)上記疾患の
動物モデルにおける候補治療剤の特異性および効果を評価するための手段として
、機能することができる。
【0065】 本発明の一つの態様において、新規且つ改良された動物モデルがヒトにおいて
同定された生物学上のマーカーに基づいて開発されるかもしれない。例えば、本
発明の生物学上のマーカー同定系を利用すると、血清中の特定の可溶性因子のレ
ベルが大きく増加するが、特定の細胞集団のレベルが減少する、特定の疾患また
は医学上の症状に関して見いだされ得る。この情報に基づき、動物モデルが仕立
てられ、−−例えば、相同な因子の遺伝学上のノックアウトの使用により−−動
物血清中の上記疾患を良好に模擬することができる。
【0066】 本発明の表現型決定系は新規または改良された動物モデルの同定においても有
用であるかもしれない。例えば、遺伝学上変更された多数の動物を表現型決定す
ることにより、遺伝学上の変更の表面の溝を形作る絵(fuller pict
ure)が認識できる。この知見の利用は、新規または改良された動物モデルの
同定に有用であり得る。例えば、全てが選択されたヒトの疾患状態に模擬させる
かもしれない多数のノックアウトマウスを創製することが可能かもしれない。し
かしながら、様々なノックアウトマウス各々並びに上記疾患を罹患したヒトの表
現型を決定することにより、ヒトの疾患にほとんど密接に模倣した動物モデルを
同定することが可能になる。
【0067】 本発明は、ヒト疾患のあらゆる動物モデルにおいて使用することができる。例
示の目的のために、本発明を使用して、高血圧、関節硬化症、心臓肥大症、アテ
ローム発生、および血栓症を含む心臓血管系疾患の多くの側面の動物モデルにお
いて生物学上のマーカーを同定して分析することができる。鬱血性心不全および
肥大症の多くの動物モデルは現在開発されつつあり、そして多くは、Carme
liet,Artherosclerosis,144:163−93)199
9);Young et al.,Molecular Basis of C
ardiovascular Disease,37−85(K.R.Chie
n,Editor)(1999);Hasenfuss,Cardiovasc
.Res.39:60−76(1998);Krege et al,Fund
am.Clin.Cardiol.26:271−92(1996);Liao
et al.,Am.J.Therap.4:149−58(1997);お
よびBecker et al.,Hypertension 27:495−
501(1996)に総説される。以下は、心臓血管系疾患のいくつかの動物モ
デルの部分的なリストである。
【0068】
【表1】
【0069】 他の態様において、本発明を使用することにより、炎症性疾患、例えば関節炎
および多発性硬化症の動物モデルにおいてマーカーを同定および分析する。 候補の治療剤をスクリーンするのに使用する場合、本発明は、より伝統的なス
クリーニング方法論を超える多数の重要な利点を有する。第1に、治療剤の開発
の相対的に遅い段階で臨床試験が来るが、その時類似の動物の生物学マーカーの
発現に対して上記治療剤が高い特性効果を有することが知られており;これは臨
床参加者の危険を最小にする。第2に、生物学上のマーカーの発現のパターンを
分析するために実験動物を使用することは、相対的に少量の有力な治療剤のみが
最初に合成されることを要求し、即ち治療剤開発のコストを減少させる。
【0070】 他の態様において、本発明の上記方法および系は、獣医学の目的のために動物
の疾患または医学上の症状のマーカーを同定するのにも使用される。同定された
マーカーは、次に、その疾患または症状に対して向けられた候補治療剤のスクリ
ーニングに使用することができる。この態様は飼い馴らされた動物、家畜および
植物に適用することができる。
【0071】 装置 データのカテゴリーの要求を満たすデータを得るためのあらゆる適切な手段は
、本発明の範囲内である。好ましい態様において、マイクロボリュームスキャニ
ングサイトメトリー(「MLSC」)を使用することにより、細胞関連分子およ
び細胞種のカウントに関するデータを得る。いくつかの態様において、MLSC
技術は、可溶性蛋白質に関するデータを得るために、ビーズに基づく取得系また
は酵素結合イムノソルベントアッセイ(例えばELISA)の様々な種類と共に
使用される。この発明において使用されるMLSC技術は、血液中の蛍光標識細
胞および可溶性蛋白質を監視するための強力な方法である。この技術は、診断の
応用のための一つまたは複数の細胞性マーカーの同定のために、臨床実験室にお
いて現在使用される。本発明は、MLSCを使用することにより、生物学上のパ
ラメーターの同定を促進する。一つの態様において、本発明は、少量の血液から
複数の生物学上の特性またはパラメーターの同時測定を行うMLSC装置の能力
を改良することにより、MLSC技術を改良する。
【0072】 本発明の装置を用いて達成される特定の増強(「SurroScan装置」と
呼ぶ)は以下を含む:1)2つの追加の蛍光発色チャンネルが4つまでの蛍光発
色の同時検出および測定を可能にする;2)高いレーザー励起パワーが感度およ
び処理量を改良する;3)使い捨てキャピラリーアレイがアッセイあたりのより
少ない血液を用いて患者のサンプルあたりのより多くのアッセイを可能にする;
4)改良されたソフトウエアおよび系の集積化がサンプル測定およびデータ分析
を自動化する;5)SurroScan装置の能力はデータベース創製および生
物学上のマーカーの発見のための高容量の患者のサンプルを扱うことに拡張され
る。
【0073】 マイクロボリュームスキャニングサイトメトリー(MLSC)系のデザイン MLSC技術は米国特許番号5,547,849および5,556,764お
よびDietz et al.(Cytometry 23:177−186(
1996))に記載されており、それら各々は引用により完全に編入される。I
magan2000システムはBiometric Imaging社により市
販されており、MLSC系の一例である。マイクロボリュームキャピラリーを用
いたレーザースキャニングサイトメトリーは、全血、加工血液、および他の流体
中の蛍光標識細胞を監視するための強力な方法を提供する。本発明は、さらに、
少量の血液から複数の生物学上のマーカーの同時測定をするMLSC装置の能力
を改良することによりMLSC技術を改良する。改良されたSurroScan
光学系能力を模式図を図2に示す。本発明における使用のための好ましいMLS
C装置は、「レーザースキャナー共焦点時間解析された蛍光分光分析系」と題す
る仮の特許出願(米国仮出願番号60/144,798、1999年7月21日
に出願)、および「マイクロボリュームレーザースキャニングサイトメトリー」
と題する本発明と同時に出願された同じ所有の有用性出願に記載されている。両
出願は引用により完全に本明細書に編入される。
【0074】 改良された光学配置の一つの態様を図2に示す。キャピラリーアレイ10は分
析のためのサンプルを含む。好ましい態様において、平行にされた励起光が一つ
または複数のレーザーにより供給される。特に好ましい態様においては、633
nmの励起光がHe−Neレーザー11により供給される。この波長は生物材料
の自己蛍光に関連した問題を回避する。上記レーザーのパワーは3から17mW
に増加させる。高いパワーのレーザーは2つの潜在的な利点を有し、感度の増加
とスキャニング速度の増加である。平行にされた励起光は励起二色性フィルター
12により偏向する。反射に際して、検流計により操縦されるスキャンミラー1
3上に入射する。該スキャンミラーは検流計による固定された範囲の角度、例え
ば+/−2.5度を超えて容易に振動することができる。該スキャニングミラー
は、顕微鏡の対物レンズ16の入射ひとみ(entrance pupil)上
へスキャンミラーをイメージする2つのリレーレンズ14および15への入射光
を反射する。この光学配置は、ミラーにおける特定のスキャンされた角度を、顕
微鏡対物レンズの焦点における特定の視野の位置に変換する。+/−の角度の広
がり(sweep)は、対物レンズの焦点における1mmのスキャン幅をもたら
す。スキャン角と視野の位置の関係は、この配置においては本質的に直線であり
、そしてこの範囲の角度を超える。さらに、顕微鏡の対物レンズは、入ってくる
平行にされたビームを、対物レンズの焦点の平面上の点に集中させる。点の直径
は、光学上の解像力を設定するものであり、平行にされたビームの直径および対
物レンズの焦点距離により決定される。
【0075】 広がった励起ビームの経路内に置かれた蛍光サンプルはストークシフトされた
光を放射する。この光は、対物レンズにより集められて、平行化される。この平
行化された光は、なお平行化された2つのリレーレンズ14および15から現れ
、そしてそれを反射して脱スキャンするスキャンミラーにぶつかる。ストークシ
フトされた光は、次に、二色性励起フィルター(短い波長の光を反射して長い波
長の光が通過するのを許容する)を通過して、次にあらゆる反射した励起光を除
去する(filter out)ようにさらに作用する第1長路(long p
ass)フィルター17を通過する。
【0076】 本発明の改良された装置は、次にさらなる一連の二色性フィルターを使用する
ことにより、ストークシフトされた光を4つの異なる放射バンドに分離する。第
1の蛍光二色性18は、2つの最も青い蛍光色を2つの最も赤い蛍光色から分離
する。上記の2つのもっとも青い色は、次に、第1フォーカシングレンズを通し
て第1窓19に集められて、焦点の合っていない蛍光シグナルを顕著に低下させ
る。窓を通過した後に、第2蛍光二色性21はさらに個々の青色を別の色から分
離する。個々の青色は、次に2つの分離した光電子倍増管22および23に分け
られる。2つの最も赤い色は、次に、第2の長路フィルター25、ミラー26、
および第2フォーカシングレンズ27を通して第2窓24に集められて、その後
、第2蛍光二色性28により2つのもっとも青い色から分離される。窓24を通
過した後、最も赤い色は第3の蛍光二色性28により互いに分離される。個々の
赤色は、次に、光電子倍増管29および30に分けられる。この様式において、
4つの別々の蛍光シグナルが、キャピラリー中に入れられたサンプルから、同時
に個々の光電子倍増管に伝達され得る。この改良は、初めて、4つの別々の分析
物が同時に監視されることを可能にする。各光電子倍増管は、入ってくる蛍光フ
ォトンの流れに応答して電流を生じる。これらの個々の電流は、検出エレクトロ
ニクス中の一つまたは複数のプリアンプによりボルト数を分離するために変換さ
れる。ボルト数は、スキャンされたイメージに関する画素強度値を決定するため
に、アナログによる通常の間隔にてデジタルコンバーターにサンプリングされる
。本発明の4つのチャンネルはチャンネル0、1、2、および3と命名される。
【0077】 新たな光学レイアウトは、4つまでの蛍光標識分子の同時測定を可能にする4
つの検出チャンネルを有する。典型的には、3またはそれ以上の蛍光色を各アッ
セイにおいて使用する。適切な染料の組み合わせが利用可能な状況下において、
上記装置は4色アッセイを支援することができる。
【0078】 XYトランスレーションステージを用いることにより、上記光学系に関するキ
ャピラリーのアレイを動かす。SurroScan系のトランスレーションステ
ージは2つのアレイを持ち、各々は96ウエルのプレートのフットプリントを有
する。キャピラリーアレイは32の個々の固定されたキャピラリーを有し、複数
チャンネルピペットに匹敵するように区切る。操作者は、一度に32のキャピラ
リーの2つのプレートを負荷することができる。プレートがスキャンされてイメ
ージが処理される間は、操作者の介入を必要としない。別法としては、Imag
an2000(VC120)のためにデザインされた16の個々のキャピラリー
を別のホルダーに負荷する。
【0079】 イメージ処理ソフトウエアは2、3、または4色の何れかの蛍光染料を用いて
イメージを適応させる。ソフトウエアは個々の色の何れかにおいて検出された粒
子を同定してパラメーターで表示する。各粒子を説明する測定されたパラメータ
ーはリストモードフォーマットにセーブされて、慣用のサイトメトリー分析ソフ
トウエア、例えばFlowJoに適合可能なように作成される。
【0080】 キャピラリーのアレイを含む新たな使い捨てのカートリッジのデザインが開発
されて、仮米国特許出願、(米国特許仮出願番号60/130,876,題「使
い捨ての光学キュベットカートリッジ」、1999年4月23日出願;米国特許
仮出願番号60/130,918,題「使い捨ての光学キュベットカートリッジ
を使用する分光光度計分析系」、1999年4月23日出願;および米国特許仮
出願番号60/130,875,題「薄いフィルム状の光学キュベットカートリ
ッジのための真空チャック」、1999年4月23日出願);および「使い捨て
の光学キュベットカートリッジ」と題する2000年4月21日に出願された同
じ所有の有用性出願に記載されており、これらは引用により完全に本明細書に編
入される。このキュベットカートリッジは実施例5、7および8において使用さ
れている。現在使用されるデザインは、Flex−32と称され、32のキャピ
ラリーを含む。FLEX32−プレートの充填穴は、96ウエルプレートおよび
複数チャンネルピペッティング装置のように同じ9mm間隔を有する。それは、
キャピラリー内部面積を規定するためにダイで切断される二重の接着層を伴って
サンドイッチされたマイラーの2層から構築される。その結果のカートリッジは
低コストにて高容量にて製造することができる。該カートリッジは柔軟性であり
、真空圧により光学上平面な基盤上に据え付けられることが可能であり、製造プ
ロセスにおける平面性の要求をは排除する。キャピラリーの間隔は複数チャンネ
ルマイクロプレートピペッターおよびロボット工学との適合可能性を保持するよ
うにデザインした。
【0081】 細胞アッセイ 本発明は細胞アッセイを含み、その多くは抗体に基づいており、装置、例えば
MLSC装置に適合可能であり、そして数百から数千の細胞集団およびそれらの
細胞に関連した分子を一つの10mL採血管から測定することができる。一つの
好ましい態様において、MLSCと適合可能なあらゆる種類の検出分子およびア
ッセイフォーマットがこの発明に包含され、限定ではないが、活性化および接着
のマーカーを含む細胞表面蛋白質、細胞内蛋白質、細胞の活性化状態の変化を識
別するためのアッセイ、稀な白血球細胞を濃縮して同定するためのアッセイ、全
血を用いた使用のためのアッセイ、および可溶性因子、例えば血液中の蛋白質の
検出のためのアッセイを含む。
【0082】 フローサイトメトリーを用いた場合のように、細胞表面抗原に特異的なフルオ
ロフォア標識された抗体を用いて、特定の集団を同定し、特徴決定し、そして列
挙する。上記反応は全血中で実施することができる。通常、試薬を洗浄する必要
はない;血液−抗体混合物の定量性希釈は通常十分なサンプル調製物である。細
胞−抗体混合物は既知の体積の光学材質のキャピラリーへ負荷され、そしてレー
ザーに基づく蛍光イメージング装置により分析される。全血を用いて操作するた
めには、スペクトルの赤領域(>600nm)において励起され得るフルオロフ
ォアを使用する。精製された白血球細胞も上記装置を使用して分析できる。フロ
ーサイトメトリーとは対照的に、レーザーは、レーザーを通り過ぎて流れる細胞
よりも定常期の細胞に関してスキャンする。小さなシリンジレーザー点が一方向
にてキャピラリーを横切ってスキャンされ、第2方向において光学系に関してキ
ャピラリーが翻訳される。光電子倍増管チューブを使用することにより、蛍光シ
グナルを検出する。イメージプロセシングソフトウエアを使用してイメージを分
析して、興味のある細胞を同定および数える。
【0083】 このMLSCのアプローチは、一つの採血管からの数百の異なる細胞集団に関
して絶対細胞カウントを得ることを可能にする。100の異なる抗原に対する抗
体のセットに関しては、約5000の可能な2色の組み合わせおよび約162,
000の可能な3色の組み合わせが存在する。(1回のnの組み合わせr、nr =n!/r!(n−r)!)そのような注意深い思考が100の最も適切なセッ
トを開発することまたはそうアッセイすることに要求される。複数色のキャピラ
リーは、オリジナルの2色系よりも多くの細胞集団が、与えられた量の血液を用
いて同定されることを可能にする。一例として、試薬を多様にすることにより、
2つの2色アッセイにおいて同定された全ての集団が1つの3色アッセイにおい
て同定できる。例えば、一つのキャピラリーでCD3とCD4並びに別のキャピ
ラリーでCD3とCD8をアッセイすることに代えて、一つのキャピラリーでC
D3,CD4およびCD8をアッセイすることができる。より重要なのは、唯一
の細胞集団が3つまたはそれ以上の抗原の同時発現により規定され得る。例えば
、CD8 T細胞は、CD45RAおよびCD62Lの異なる発現に基づいて4
つの異なる集団に亜集団化される。
【0084】 免疫アッセイ手法 免疫アッセイは様々なフォーマットにおいて作動させることができ、適切なフ
ォーマットは本発明において想像される。2つの例を以下に示す。MLSC系は
微小球体に基づく免疫アッセイと共に使用することができる。このサンドイッチ
アッセイにおいて、微小球体は分析物特異的取得用抗体のための固相支持体とし
て使用される。生物学上の流体からの分析物は抗体をコートされた微小球体に結
合し、そして蛍光分子例えばCy5により直接標識されて分析物上の別のエピト
ープに結合する、二次抗体により検出される。アミノビーズおよびそれらのヒン
ジ領域を通して抗体を共有結合するヘテロ二機能性架橋結合剤を使用するプロト
コルは複数アッセイにおいてうまく機能する。MLSC装置と現在のソフトウエ
アを用いて異なるサイズの(3から20ミクロンの範囲)ビーズを識別すること
ができる。異なるサイズの微小球体への異なる取得用抗体のカップリングにより
、単一のキャピラリー中で免疫アッセイを複合化することができる。内部インデ
ィケーター染料も、微小球体を識別して複合化を促進するのに使用することがで
きる。
【0085】 実施例5において論じられる可溶性因子に関する免疫アッセイは全て化学発光
に基づくサンドイッチELISAである。マイクロタイタープレートは興味のあ
る分析物に関して特異的な取得用抗体でコートされてブロックされる。分析物を
含む生物学上の流体を加え、インキュベートし、次に洗浄する。同じ分析物上の
第2のエピトープに特異的なビオチン化抗体を加え、インキュベートし、そして
洗浄してから、アビジンアルカリホスファターゼ配合体を用いる。分析物のレベ
ルは化学発光アルカリホスファターゼ基質を用いて明らかにされる。プレートを
Wallac Victor2イムノメーターまたは同様の装置により読む。 疾患または医学上の症状に関する生物学上のマーカーの発見を助けるための細胞
アッセイの強いパネルについてのデザインおよび実行 MLSC系は最小量の血液を用いて素早い細胞の染色を可能にするようにデザ
インされる。異なる細胞表面抗原のスコアに対して向けられた試薬が開発され、
それらは組み合わせた場合に数百の異なる細胞集団を同定することができる。試
薬および組み合わせの開発のための戦略は以下に論じられる。
【0086】 100より多い細胞アッセイを開発するために適切な一連のモノクローナル抗
体試薬を用いる。現在まで、莫大な(約80)異なる細胞表面抗原に向けられた
多くの(約120)の異なるモノクローナル抗体の同定に成功しており、2色M
LSC装置を用いて試験された。Cy5およびCy5.5のような小さな有機染
料を、一工程NHS化学およびよく確立された手法を用いて抗体のアミノ基に容
易にカップリングさせる。好ましい染料対抗体比率はCy5,Cy5.5,およ
びCy7試薬に関して決定されており、通常は1から4の範囲である。APCの
ような蛋白質フルオロクロームを、ヘテロ二機能性架橋結合試薬SMCCを用い
て3工程手法においてゆるやかに還元された抗体のスルフィドリル基に連結する
。他のフルオロフォアを含む試薬の調製も可能である。フローサイトメトリーの
応用のためのCy7−APCおよび(Cy7−APC)−抗体配合体が以前に記
載された。抗体−フローサイトメトリーカップリングの化学はAPCに関するの
と同じである。全ての蛋白質−蛋白質配合体は、伝統的手段、例えばアクタFP
LC上のゲル濾過により精製される。蛍光微小球体も調査することができる。抗
体は2工程のカルボジイミド化学を用いてカルボキシル化微小球体にカップリン
グされる。
【0087】 新たなモノクローナル抗体試薬が、全血および溶解した赤血球細胞の両者に関
して力価測定される。試薬の特異性、および非特異的結合の欠如は適切なカウン
ター株を用いて確認される。分析は、あらゆる適切なソフトウエアプログラムを
用いて実施され、FlowJoサイトメトリーソフトウエア(Treestar
社http://www.treestar.com/flowjo/において
ダウンロードされるインターネットとして利用可能)。力価から、アッセイごと
の各試薬の最適な量(典型的には0.01から2μg/ml)および予備分析標
準が決定される。好ましい態様において、全てのアッセイは均質(洗浄なし)様
式において実施される。これは通常、各抗体試薬が≦1μg/mlの力価点を有
することにより、蛍光バックグラウンドをさほど高くしないことを要求する。可
能性のある困難は、特定の試薬が配合に従順でないかもしれないかまたはあまり
に高い力価点を有するかもしれないことである。同じ抗原に対する二次モノクロ
ーナル抗体を置き換えることは通常可能である。研究の時間経過の間にいくつか
の個々の抗原が測定可能ではないかもしれない危険性もある。各抗原カテゴリー
からの複数の抗体も典型的には評価される。
【0088】 典型的には、約50−100(またはそれ以上)の細胞アッセイのパネルを疾
患または医学上の症状を監視するために開発する。そのようなアッセイは数百の
異なる細胞集団を数えることを可能にさせる。一例として、慢性関節リウマチ(
RA)に潜在的に重要な免疫性および炎症性の細胞パラメーターを監視すること
が可能である。RA集団に関しては、使用のために評価される細胞表面抗原を、
認識される細胞抗原の種類に基づいて異なるサブセットに分類してよい。例示と
して、T細胞、B細胞、抗原提示細胞、NK細胞、および顆粒球、並びにこれら
の細胞上に見いだされる関連受容体および構造を含む主要な白血球亜種上に見い
だされた抗原を含む。これらは、活性化分子、同時刺激成分、接着分子、抗原受
容体、サイトカイン受容体等を含んでよい。代表的な、しかし限定的ではない、
RAに関して評価してよい抗原のリストは表1に提供される。
【0089】 細胞アッセイフォーマット 上記の細胞アッセイは2つのフォーマット、全血またはRBC−溶解血液の何
れかにおいてデザインされる。好ましい態様において、上記アッセイは全血また
はRBC−溶解血液のフォーマットにおいて実施される。ほとんどの正確な細胞
絶対数(細胞/血液のμlあたり)が得られることを、最小限の操作が証明する
。さらに、ほんのわずかな量の血液がアッセイごとに必要とされ、その結果一本
の血液チューブから多くのアッセイを作動させることができる。しかしながら、
別のアッセイフォーマット、RBC−溶解血液が好ましいことになる。これらは
、血清中に含まれる可溶性因子(遊離の(free)Ig、可溶性サイトカイン
受容体等)が細胞標識および極めて低い頻度で存在する細胞の集団を干渉する、
特定の抗原−抗体対を含む。この手法は、正常な個体においては本質的に検出不
可能であるが溶解されたフォーマットにおいては10倍増加するCD25または
CD69を発現する活性化細胞のために有用であり、そして様々な自己免疫症状
において増加することが示された。他のマイナーな細胞集団、例えばNK細胞の
改良された検出も証明され、そして分析において特に有用であることを証明する
べきである。一例として、96のアッセイのパネルに関しては、64を全血に対
して実施して、32を溶解した血液に関して実施すると予測される。別のサンプ
ルプロセシングは、Ficoll勾配によるPBMCの調製、ポリクローナルに
よるエクスビボ刺激または抗原特異的活性化因子を含んでよい。
【0090】 抗体試薬を組み合わせることは、病原論に寄与するか、または疾患または医学
上の症状、例えば自己免疫疾患のためのマーカーであるかもしれない新規な細胞
集団の同定のために重要である。例えば、接着分子は、自己免疫プロセスに関与
すると考えられるT細胞上で異なって発現され得ることが知られている。さらに
、いくつかの研究は、自己免疫疾患の患者においてメモリーCD4 T細胞の数
の増加があるかもしれないことを示唆した。本発明のアッセイにより、HLAク
ラスII−制限された系列(即ち、CD4+)のメモリー(即ち、CD45RO+ )T細胞のサブセット上に特異的な、異なるレベルの接着分子(例えば、CD1
1a+)において同時に見ることが可能である。これは、関連疾患に関係する細
胞集団を同定する能力を増加させるべきである。複数色の能力は、所定の細胞種
または個体発生の異なる段階において同じ細胞種に見いだされたマーカー上で共
に典型的には発見されない抗原の組み合わせを選択することにより、新規な細胞
集団を探索することを可能にもする。
【0091】 適切な蛍光染料の決定 上記のとおり、あらゆる適切な蛍光染料が本発明の範囲内である。2つの共通
に使用される染料はシアニン染料はCy5(em667)およびCy5.5(e
m703)である。典型的には、685nmにおいて放射シグナルを分配する一
つの二色性フィルターを使用する。2つより多い染料を使用する場合には、より
多くのフィルターが必要になる。染料のMLSC系における適合性を決定するた
めに染料を評価する。一例として、様々な染料を評価することにより、適切な全
部で3色のセットを決定する(表2参照)。染料を評価する際に考慮すべきパラ
メーターは、1)3つの染料のスペクトルの分離、2)レーザーパワーの函数と
してのシグナル対ノイズ比、3)利用可能なフィルターの適切さ、4)配合の容
易さ、および5)その結果の抗体−フルオロフォア配合体の特異性を含む。Cy
5とAPCは第1色に適当であり、そしてCy5.5は第2色に適当である。い
くつかの可能な染料が第3色に適当である。Cy7−APCはMLSC系に適切
であることが予測される。Imagan2000系を用いた予備結果は、この染
料が長波長のチャンネル(>685nm)にて検出されて、Cy5ともAPCと
も識別されることを証明する。放射スペクトルは、Cy5.5とのオーバーラッ
プが新たな装置のための適当なフィルターに与えられた問題であるべきでないこ
とを示す。蛍光微小球体は、広範囲の別の色を提示し、そしていくつかのサイト
メトリーの応用における使用に成功してきた。配合の方法は、微小球体試薬を用
いると時折生じる非特異的結合を最小にする方法が使用されることになる。典型
的には、フルオロフォアの各々について、わずかな選択抗体、例えば抗−CD3
,抗−CD4および抗−CD20を用いてフルオロフォア−抗体配合体のコンテ
クストにおいて評価される。
【0092】 可溶性因子のアプローチ 蛍光以外の手段により実施される大変多くの生物分析が存在する。これらのう
ちで顕著なのは、質量分光分析であり、ポリペプチドおよび蛋白質の詳細な同定
および分析の選択のための道具にすぐになる。質量分光分析における生物分子サ
ンプルの導入のために2つの広範囲に使用されている方法が存在する:電気スプ
レーイオン化(ESI)およびマトリックス補助されたレーザー脱着/イオン化
(MALDI)。MALDI−TOFは、蛋白質、ポリペプチドおよび他のマク
ロ分子の分析に現在成功して利用されている。エネルギーを分析物に移動させる
有機マトリックスの導入が脱着質量分光分析のフィールドをすばらしく進歩させ
たとしても、MALDI−TOFはいまだいくつかの制限を有する。例えば、小
分子の検出は実用的ではなく、マトリックスからのバックグラウンドイオンの存
在のためである。そのような場合、ESIまたはガスクロマトグラフィー(GC
)質量分光分析でさえ、検出またはプロファイルのために使用することができる
【0093】 蛋白質の分子構造および不均質な性質の複雑性は、多次元分離技術に関する要
求を伴う。このための主要なエリアの一つは、例えばポリアクリルアミドをゲル
マトリックスとして使用する二次元ゲル電気泳動の開発である。ゲルは、架橋結
合、洗浄剤の添加、酵素または抗体の固定化(親和性クロマトグラフィー)また
は基質の固定化(ジモグラフィー)およびpH勾配に関して修飾される。この技
術は、蛋白質の特性決定のために、構造上の修飾、活性、pI値、および分子量
に関して使用される。
【0094】 別のエリアは多次元クロマトグラフィーのアプローチの開発であり、混血の(
hyphanated)分離技術とも呼ばれる。利点は、分析物をより正確に定
量する能力およびレーザー誘導性蛍光および質量分光分析のようなオンラインの
検出法との良好な適合性を含む。これまで、通常は2つの分離系が、直交して良
好なピーク受容力(解析)を導くように、選択される。主要な技術上のハードル
は、二次元への移動に際して解析度を保持することに関しての様々な分離技術と
検出系との融和であり、そして移動相と検出系との適合性、例えば溶出物中の塩
と洗浄剤は電気スプレー質量分光分析に不適合である。Naylor J.A
1996,744 237−78;Jorgenson Anal.Chem
1997,69,1518−1524。
【0095】 化学的な誘導は、ESI質量スペクトルを生じさせるのに十分イオン化されな
い混合物中の成分を活性化するために選択的に使用することができる。例えば、
電気スプレー条件下でイオン化しない酸性または塩基性の残基を典型的に欠くス
テロール類を、フェロセンカルボキシル酸にカップリングさせ、電気化学的性質
を促進するイオン化である。Anal.Chem.1994,66,209−2
12。誘導化は、親の娘および孫娘のイオン中の異なる断片化パターンを使用す
ることにより、光学異性体(イソバリック種)の間で識別するためのハンドルと
しても機能することができる。四極子イオントラップ質量分光分析計のMSn能
力は、例えば、CoCl2(DAP)2Clを用いて誘導化されたヘキソサミン
モノサッカライド、グルコサミン、ガラクトサミンおよびマンノサミンを識別す
るために使用されており、但しDAPはジアミノプロパンである。Anal.C
hem 1999,71,4142−4147。
【0096】 親和性に基づく分離、続く質量分光分析検出は、生物学上の流体、例えば血液
および尿においてほとんどあるいは全くサンプル調製物を用いずに複合分子の分
析を可能にするように、臨床上興味がある。Ciphergenの技術(表面富
裕化レーザー脱着イオン化(SELDI),MALDIの変法)はこの原理に基
づく。Ciphergenは、蛋白質および/または小分子を適用して次にスト
リンジェンシーを増して洗浄する5−6の異なる表面を提供する。各々の表面/
ストリンジェンシーの組み合わせが異なる吸着プロフィールを導くから、上記技
術は複合混合物の分析のための手段を提供する。
【0097】 臨床データおよび情報科学 生物学上のマーカーの同定および臨床測定との相関は、莫大な量の生物学上お
よび医学上のデータの統合およびそのようなデータを接近可能にして使用可能に
するサーチエンジンを必要とする。本発明において開発された装置およびアッセ
イは、小サンプルの血液から数百、数千の別個のマーカーを同定する能力を有す
る。本発明は、疾患の進行および治療に対する応答の時間をかけてフォローされ
る、患者からの広範囲な医学情報を回収する広い臨床戦略を開発することを含む
。さらに、本発明は、特定の疾患、疾患進行および治療に対する応答にマーカー
のパターンを相関させるためのソフトウエア、データベースおよびデータを引き
出す道具を含み、限定ではないが、アッセイおよび臨床情報のデータベース、デ
ータ変換および統計分析の道具、および医学上の質問のプロトタイプを含む。本
発明の情報系は、異なる種類のデータのエントリーのための共通語および共通フ
ォーマットを使用するためにデザインされて、データを取り出す目的のために組
織化される。
【0098】 数年のうちに広く使用されることとなる万能の医学言語は、SnoMed−R
Tである。この言語は、本発明の現在の情報系に容易に適合可能になる。同様に
、本発明は、他の言語および技術が利用可能になるにつれて、それらもデータベ
ースに取り込まれるかもしれないということにおいて、適合可能である。一例は
、腹部のCTスキャンを通して得られるデジタルx線、乳房X線写真、または虚
像の結腸内視術を統合する道具のきたるべき開発である。
【0099】 生物学上のマーカーと疾患を相関させるのに必要な莫大な量の生物学上および
臨床上の情報を操作することができる情報系を開発することにおける技術上のチ
ャレンジは、別種の、複雑な、そしてしばしば適合不可能な多数の情報源をモデ
リングおよび統合すること、科学および医学の情報および方法において素早い前
進に適合させること、およびユーザーフレンドリーなインターフェース、正確な
フォーマットおよび強力なサーチツールを開発することを含む。本発明により提
供される科学情報系はこれらの技術チャレンジを満たす。
【0100】 データ分析 細胞の分析からのデータ出力は、同定された各集団に関しての全血のμlあた
りの細胞の両方の数、所定の集団に関する抗原密度の評価を与える各細胞に関連
する分子に関しての染色の平均強度、細胞の平均サイズ、および特定の分子の発
現レベルを含む。各々の数を分析するが、上記のとおり、実際の細胞の数と特定
の分子の発現レベルの両方が所定の疾患の症状を変えるかもしれないからである
。明確な臨床上の可変物(例えば疾患の診断)に関連したマーカー(細胞カウン
トまたは染色強度、可溶性因子のレベル)を同定するためには、様々な識別技術
を使用する。連続する、価値のある可変物に関連するマーカー(例えば可溶性因
子のレベル)を同定するためには、様々な回帰技術を使用する。適切なところで
は、人口統計および臨床上の可変物(例えば、年齢、性別、付随する薬剤等)お
よび遺伝学上のパラメーターが上記モデルの共変動因子として含まれる。これら
の技術はデータの分析において適用され、典型的には、SASおよびStati
stica統計分析ソフトウエアパッケージを使用する。
【0101】 本発明の統合された科学情報の土台の構成(図3参照)は、複数の段構造から
なる。最も低いレベルは、一連のデータ源からなる。第1の源は、限定ではない
が細胞アッセイデータおよび可溶性因子アッセイデータを含む科学データからな
る。第2の源は、アッセイの開発のためのプロトコルと臨床研究の実行のための
プロトコルを記載する、逐語的且つ平板なデータの組み合わされた形態において
の半構造的データであってよい。上記構造はデータタイプの定義(DTD)とし
てコード化されていてよく、情報の索引付けと質問並びにウエブのブラウザー上
の選択された情報の表示の両方のために機能するタグを規定する。DTDタグは
別のパーティーとの高いレベルの情報の共有を可能にする情報交換モデルも規定
する。第3のデータの源は、臨床研究の要求に会うように集められて再構築され
た臨床データである。患者からの有用で定量可能な情報の回収を、時間の制約の
元で最大限にするように最適化された臨床上の質問を用いることにより、情報を
集めて、必要な質の制御を提供する。必要であれば、質問は多言語であって、応
答者が面と向かわなければならないかもしれない検診のチャレンジ(例えば、コ
ンピューターキーボードを使用することの不能)に適合されることになる。この
データ源に関する選択の技術はXMLであってよい。さらに、系を集める臨床上
の情報は、入力の非逐語的な手段も含む。応答者は、ヒトの解剖のイメージにお
いて示して、健康上関連した情報を提供するために視覚的且つ図表による表示を
通して影響することにより、それを明瞭に発音する必要なしに問題を示してよい
。他の手段、例えば喘息または肺気腫の患者における生存能力およびFeV 1
秒の簡単な測定または心臓不整脈を検出および/または正常化するための装置を
監視すること等も入力のために使用できる。データの第4の源は、別の装置、例
えばImagan,SurroScan及びELISAプレートリーダーの組み
合わせ上の科学アッセイの実行に必要な関連パラメーターの全ての設定を含む装
置のデータである。
【0102】 さらに、データは回収されてリストに記録することができる。リストの形態に
おいて、個々の細胞各々の測定値が記録される。これは、異なる分子の複雑なセ
ットを発現する細胞集団の同定および分析を促進させる。別の分析スキムは容易
に探索されて、最適なデータ分析を促進する。同様に、患者のデータの完全なセ
ット(細胞集団、可溶性因子、病歴、臨床パラメーター等)を各患者サンプルに
関して保存することができる。
【0103】 図3に示すとおり、これらのデータ源は共通の概要(schema)を使用し
て統合されて倉庫に入れられる。この概要は、構成上のデータ源からの情報の解
釈を調和する。上記解釈は構成上のデータ源の各々の理論上または身体上の保存
の詳細とは独立した様式における。共通の概要は、承諾したデータ(compl
ied data)を最終的に使用するツールセットまたはユーザーインターフ
ェースに顕著に影響することなく、時間をかけてデータ源が加えられるかまたは
修飾され得る(変化の管理)。上記共通の概要は、いまだに変化するデータと、
承諾したデータを使用して該データから知見を引き出す適用プログラムとの間の
、緩衝を提供する。同様に、以後、追加の装置、例えばNMRが追加のデータの
生成のために含まれるなら、既に存在する倉庫の組織化を装備することなしに、
それを加えることができる。
【0104】 概要は、免疫学と関連する臨床上のエリアにおける共通の概念とそれらの関係
の形而上学と共に増加する。形而上学は、基礎をなすデータ源およびデータ掘り
出し作業の詳細に関してのユーザーが特定した要求の解釈において、データ掘り
出し道具およびユーザーインターフェースにより援助するために使用される。形
而上学は回収された臨床データの確認においても利用される。
【0105】 プログラムのツールキットはデータ掘り出しおよび結果の可視化のための、統
計分析のプログラムを含む。ツールキットプログラムの分析結果は一連の結果に
対する一連の症状を関連づける一連の規則を提供する。これらの規則は、基礎を
なすデータの統計上顕著な部分にわたって適用されて、 もしも症状1および症状2および...および症状Nならば、結果1、結果2
、... の形態をなす。
【0106】 例えば、細胞のデータ源と臨床上のデータ源に適用される場合、上記ツールキ
ットは以前には未知であった細胞アッセイと可溶性因子測定値の間の関係を引き
出すことができる。ツールキットによる分析の結果は将来ユーザーに対しておよ
びデータベースの再使用にリサイクルされる。上記構成は、蓄積された発見の経
験を保存することにより、そして継続する改良のためのこの経験を統合すること
により、知識発見プロセスを改良することを意図する。
【0107】 データ掘り出しのための他の道具は、高次元のデータにおいて集中発生するた
めの方法を含む。これらの道具は以前に使用されたとおりにマニュアルのゲーテ
ィングの現存法を増大させて置換することを意図する。1回で一人の患者からの
一つのアッセイを考える現在のサイトメトリーソフトウエアとは違い、本発明の
サイトメトリーの道具は、制限された集団の最適なセットを決定するために(ゲ
ート)、複数の患者のサンプルからのアッセイの全域で(across)、リス
トモードデータを試験してよい。上記の系は、二次元および三次元の視野の選択
されたサブセット上に推定された密集を同時に予測する複数次元の可視化系にカ
ップリングされる。
【0108】 第1の横の列はユーザーインターフェースである。上記の系のこの部分はユー
ザーインターフェースとして機能して、臨床研究に関連した仕事を計画して実行
するために使用される。ユーザーインターフェースレベルにおいて支持される仕
事は、研究データからの知見の発見、臨床研究プランニング、プロトコルプラン
ニングおよび評価法およびアッセイ法の開発を含む。
【0109】 ユーザーインターフェースは均一な様式での情報に関する要求を受け入れるこ
とになる。図表のインターフェースは組み合わせてよく、そしてアブストラクト
の概念レベルからの情報の保存された細部に対して「ドリルダウン」を許容して
よい。データとテキストの両方を含む情報の要求を許容してよく(例えば、アッ
セイプロトコルプランニングに関する文書化)、そしてネットワークにわたるイ
ンターフェースを許容してよい。
【0110】 実施例 実施例1 慢性関節リウマチに関する生物学上のマーカーの同定のための本発明の使用 本発明は、慢性関節リウマチ(RA)に関する生物学上のマーカーの同定のた
めに使用することができる。マイクロボリュームレーザースキャニングサイトメ
トリー(MLSC)を使用して、RAに関する生物学上のマーカーを同定するた
めのデータの創製を補助する。マーカーを発見する努力は、容易に接近可能な生
物学上の流体、最も著名なのは血液、に焦点を合わせる。二色の装置および抗体
に基づくアッセイは、ほんの少量の全血を用いて異なる細胞集団の同定および列
挙のスコアのためのこの技術の可能性を証明した。可溶性因子、小分子および広
範囲の臨床データベースと組み合わされた複数パラメーター細胞分析は、将来の
生物学上のマーカーの発見のための強力な道具である。そのようなマーカーは疾
患の活性と治療に対する応答を予測して監視するための新規且つより有効な様式
を導く可能性を有する。
【0111】 慢性関節リウマチは小関節の慢性の炎症性疾患であり、全身性の結果も表明し
た。上記疾患の病因は未知であるが、その病理は時間をかけての共通の特徴と共
に展開する。初期の事象は未知の媒介物により開始する炎症性応答を含むらしい
。活性化されたCD4+T細胞が上記炎症を拡大させて永続させるらしい。活性
化されたT細胞の存在は、ポリクローナルB細胞の活性化とリウマチ様の因子(
RF)の生成を誘導することができる。組織の損傷が蓄積し、自己抗原を放出し
、そしてT細胞応答の範囲が広がる。結局、一定の炎症環境が滑液を分泌する繊
維芽細胞の形質転換を導くかもしれず、T細胞およびマクロファージに非依存性
の破壊的可能性を生じる。前炎症性サイトカインは関節のマクロファージにより
主に生産されてそれらが誘導するサイトカイン、例えばIL−6は,組織的に活
性であって、血清中に存在し、そして深刻な段階の蛋白質の肝臓の合成を増大さ
せる。上記疾患の様々な段階にわたって、疾患のマーカーになることが有力な滑
液および血液中の分子および細胞において変化を有する。その容易な接近可能性
と体内にわたっての循環のため、血液は、疾患活性を監視するための魅力ある窓
を提供し、即ちこの発明の主要な標的である。
【0112】 本発明は、慢性関節リウマチに関する診断および予後の価値のある生物学上の
マーカーを同定するために有用である。そのようなマーカーは、異なる形態の疾
患を分類するため、例えばその関節の侵食が他よりも素早く起こる患者のサブセ
ットを同定するために必要である。さらに、上記マーカーは、介入の効果を評価
して初期の非毒性の好結果の治療を開発するために決定的である。上記疾患の候
補マーカーである血液、滑液および尿中の細胞および可溶性因子に、多くの調査
がなされてきた。一般的に、一度に一つから数個のマーカーが調査された。いく
つかの因子、例えばリウマチ様因子およびC−反応性蛋白質がRAに付随してい
たが、RA−特異的マーカーのコンセンサスパネルはない。複数の候補マーカー
を同時に評価することに関して強い要求がある。これは、単一のアッセイにて測
定できるパラメーター(色)の数を増加させることにより複数のアッセイを用い
て達成される。
【0113】 本発明は、疾患のマーカーを同定してそれをRAに適用させるためのプラット
フォームを開発することができる。一般的に、そのようなアッセイの組み合わせ
は、主要な細胞サブセットを同定するための一つまたは複数の試薬からなる(表
1の左カラム)。これらの抗原のいくつか、例えばCD4は複数アッセイにおい
て標的化される。フルオロクロームと標的抗原の特性はそのようなアッセイの組
み合わせを開発することにおいて考慮される。例えば、より明るいフルオロクロ
ームはより少ない抗原と共に使用される。他のアッセイに関しては、特定の標的
に関して最良のスペクトル差をもつ試薬を使用することが重要である。一般的に
は、各抗体に関して、三つ一組のFlowJoソフトウエアを使用することによ
り、1から3の異なる3色の組み合わせ(例えば、Cy5CD3,Cy5.5C
D4,Cy7APC−CD45RA対Cy5CD45RA,Cy5.5CD4,
Cy7APC−CD3)を分析して、異なる細胞集団を識別するための最良の組
み合わせを決定する。
【0114】 アッセイの好結果のパネルをデザインすることは、いくつかの経験的な知見を
必要とする。上記プロセスは典型的には対話式のプロセスであり、各実験は前の
実験の上に築かれる。一例として、RAに関して有力な価値を有する候補の組み
合わせの概観を以下に示す。
【0115】 T細胞。T細胞パネルにおいて評価された主要な抗原は、CD2,CD3,C
D4,CD5,CD7およびCD8を含む。これらのT細胞集団上の多種類の分
子を調査することができる。これらは、ナイーブ(CD45RA)対メモリー細
胞(CD45RO,CD26)を識別する助けとなる表面抗原、および活性化(
CD25,CD69,CD71,HLAクラスII)または同時刺激(CD27
,CD28)において役割を担う抗原を含む。さらに、炎症性部位に対する接着
性において役割を担うかもしれないマーカーをアッセイする(CD62L,CD
11a/CD18,CD44,CD54およびCD58)。αβTCR,γδT
CR、およびVβTCR遺伝子のパネルの発現に基づいて、T細胞亜集団が評価
される。
【0116】 B細胞。B細胞パネルにおいて評価された主要な抗原は、CD19,CD20
,CD21,CD22,CD23およびCD72である。さらに、より活性化さ
れた表現型を示すかもしれないこれらのB細胞サブセット上の様々なマーカー(
CD40,CD80,CD86,HLAクラスII,CD5)、およびリンパ球
ホーミングおよび接着に連坐するマーカー(CD62L,CD44,CD11a
/CD18)を分析する。特定の抗原のためのIgM,IgGおよびIgA受容
体も評価される。
【0117】 抗原提示細胞。抗原提示細胞は、主要抗原CD13,CD14,CD15およ
びCD33に対するマーカーを使用して評価される。さらに、これらの細胞の上
の、様々な接着分子(CD11a,CD18,CD29,CD44,CD54,
CD58,CD62L)および同時刺激分子(CD80,CD86)が分析され
る。CD16(FcγRIII),CD32(FcγRII)およびCD64(
FcγRI)を含む他の関連受容体がアッセイされる。
【0118】 他の細胞種および抗原。RAにおけるNKマーカーおよび顆粒球マーカーの発
現についてほんのわずかな研究しかなされず、そして一般的には不一致の結果を
与えた。NK亜集団はマーカーCD16,CD56,CD57およびNKB1を
用いて分析される。好中球および好塩基球を含む顆粒球はCD13,CD15お
よびCD16を用いて表現型決定してよい。上記に類似の接着分子および受容体
のパネルを用いてこれらの集団をさらにサブセット化する。
【0119】 その発現が、より活性化されたかまたはメモリー表現型に付随するか、接着性
または同時刺激性に連坐するか、または重要なリガンドに関しての受容体である
ことが示された、多くの抗原が存在する。例は表1に概略する。これらのマーカ
ーのいくつかをいくつかの自己免疫症状において試験し、そして発現が可変性で
あることがわかった。例えば、RAの患者からのT細胞は高いレベルの接着性受
容体LFA−1(CD11a/CD18)を示すが、活性化された細胞上では通
常増加するか、または活性化および同時刺激のマーカー(CD80)であるIL
2受容体(CD25)の発現に関しては変化がない。
【0120】 試験されるかもしれないインディケーターと細胞集団の種類を示すいくつかの
例を以下に論じる。 T細胞。RAにおいてT細胞を連坐させるいくつかの系統の証拠が存在する(
Fox,D.A.(1997)Arthritis Rheum 40,598
−609)。そのような証拠は、第3の高度可変領域中に共通配列を共有するM
HCクラスII対立遺伝子とRAの関連を含む(Weyand,C.M.and
Goronzy,J.J.(1997)Ann N Y Acad Sci
815,353−6およびWeyand,C.M.and Goronzy,J
.J.(1997)Med Clin North Am 81,29−55)
。CD4+T細胞はMHCクラスII抗原に結合した抗原を認識するから、RA
と特定のクラスII分子の関係は、RAにおけるCD4 T細胞の役割を示唆す
る。さらに、RA、例えばコラーゲン誘導性関節炎およびアジュバントの動物モ
デルにおける研究は、罹患した動物から移された細胞が感受性の宿主において滑
膜炎を誘導できることを示した。さらに、RA患者における研究は、T細胞を排
除することまたはT細胞機能を干渉することに向けられた戦略が、リウマチ性炎
症を改善できることを示した。
【0121】 おそらくよい本発明に関係があることとして、RA患者の滑液、滑液組織およ
び/または末梢血のいずれかにおけるT細胞の表現型の試験がいくつかの興味あ
る発見を導いた(Cush,J.J.and Lipsky,P.E.(199
1)Clin Orthp,9−22)。活性化された細胞の数の増加は、RA
患者の末梢血および滑液中で検出可能である。これらのT細胞は対照に比して低
い抗原密度でCD3およびCD4細胞表面マーカーを発現し、インビトロにおい
て有糸分裂促進物質で活性化されたT細胞において観察されるのと類似のレベル
である(Luyten,F.,Suykens,S.,Veys,E.M.,V
an Lerbeirghe,J.,Ackerman,C.,Mielant
s,H.and Verbruggen,G.(1986)J Rheumat
ol 13,864−9)。CD4/CD8比における増加を引き起こすもっと
も活性なRAにおいてCD8+細胞の数のわずかな減少がある。さらに、RAの
患者からのT細胞は増加した量の初期活性化マーカーCD69(Pitzali
s,C.,Kingsley,G.,Lanchbury,J.S.,Murp
hy,J.and Panayi,G.S.(1987)J Rheumato
l 14,662−6)および増加した数のCD4+CD29+およびCD4+
D45RO+メモリー細胞、および増加した発現のMHCクラスII産物(Pi
tzalis,C.,Kingley,G.,Murphy,J.and Pa
nayi,G.(1987)Clin Immunol Immunopath
ol 45,252−8)を発現する。CD44依存性の主要な接着の発現は、
子供のRAと全身性紅斑性狼瘡における同時発生性兆候的疾患に強く相関し(E
stess,P.,DeGrendele,H.C.,Pascual,V.a
nd Siegelman,M.H.(1998)J Clin Invest
102,1173−82)、そして成人のRAにおいても重要かもしれない。
いくつかの研究は、γδTCR T細胞の数の増加およびこれらの細胞上でのH
LA発現の増加を示した(Reme,T.,Portier,M.,Frays
sinoux,F.,Combe,B.,Miossec,P.,Favier
,F.and Sany,J.(1990)Arthritis Rheum
33,485−92)。制限されたTCRに時々付随するCD8+57+細胞の増
加も報告された(Morley,J.K.,Batliwalla,F.M.,
Hingorani,R.and Gregersen,P.K.(1995)
J Immunol 154,6182−90およびSerrano,D.,M
onteiro,J.,Allen,S.L.,Kolitz,J.,Schu
lman,P.,Lichtman,S.M.,Buchbinder,A.,
Vinciguerra,V.P.,Chiorazzi,N.and Gre
gersen,P.K.(1997)J Immunol 158,1482−
9)。3色のアッセイは、この特異的なT細胞サブセット上の制限されたVβ発
現を監視することができる。
【0122】 B細胞。B細胞の表現型分析はRA患者においても実施された。頭蓋(pan
)のT細胞マーカーCD5を発現するB細胞亜集団が上昇したことが示された(
Sowden,J.A.,Roberts−Thomson,P.J.,and
Zola,H.(1987)Rheumatol Int 7,255−9,
Hardy,R.R.,Hayakawa,K.,Shimizu,M.,Ya
masaki,K.and Kishimoto,T.(1987)Scien
ce 236,81−3およびCasali,P.,Burastero,S.
E.,Nakamura,M.,Inghirami,G.and Notki
ns,A.L.(1987)Science 236,77−81)。このサブ
セットも自己免疫マウスにおいて上昇し、IgM自己抗体が構成的に発現される
ことが示された(Hayakawa,K.and Hardy,R.R.(19
88)Annu Rev Immunol 6,197−218)。ヒトにおい
ては、しかしながら、CD5+B細胞は優先的に自己抗体を産生せず(Suzu
ki,N.,Sakane,T.and Engleman,E.G.(199
0)J Clin Invest 85,238−47)そしてヒトにおける自
己免疫の病理におけるCD5+B細胞の役割はまだ不明であり、おそらくは活性
化されたB細胞の存在を反映する(Werner−Favre,C.,Visc
her,T.L.,Wohlwend,D.and Zubler,R.H.(
1989)Eur J Immunol 19,1209−13)。RA患者か
らの循環するB細胞も、HLA DR分子の発現の増加を示し、再び、活性化さ
れたB細胞表現型を示す(Eliaou,J.F.,Andary,M.,Fa
vier,F.,Carayon,P.,Poncelet,P.,Sany,
J.,Brochier,J.and Clot,J.(1988)Autoi
mmunity 1,217−22)。3色のアッセイはCD5+CD19+B細
胞上の特異的なHLAクラスII発現の増加を監視することができる。
【0123】 抗原提示細胞。いくつかの細胞種は抗原提示細胞として機能することができ、
単球、マクロファージ、樹状細胞、B細胞およびクラスII抗原を発現するよう
に誘導された他の細胞を含む。一般的に、これらの細胞は、自己免疫疾患の患者
において増加した発現レベルのHLAクラスII抗原により証明される活性化表
現型を示す(Lipsky,P.E.,Davis,L.S.,Cush,J.
J.and Oppenheimer−Marks,N.(1989)Spri
nger Semin Immunopathol 11,123−62)。抗
原提示細胞は滑液区画において豊富であり(Viner,N.J.(1995)
Br Med Bull 51,359−67)、そして血液由来のマクロファ
ージがいくつかの研究においてヒトカートリッジ糖蛋白質39の発現に関連した
(Kirkpatrick,R.B.,Emery,J.G.,Connor,
J.R.,Dodds,R.,Lysko,P.G.and Rosenber
g,M.(1997)Exp Cell Res 237,46−54)。
【0124】 可溶性因子アッセイ。可溶性因子アッセイは有力な生物学上のマーカーの追加
のバッテリーを提供する。RA患者において同定された多くの重要な可溶性因子
がある。これらは、循環するサイトカイン、例えばTNFαおよびIL−6,サ
イトカイン受容体、ケモカイン、別のアイソタイプのリウマチ性因子、異なる形
態のグリコシレーションを有するイムノグロブリン、ホルモン、深刻な段階の蛋
白質、例えばC反応性蛋白質および血清アミロイド、および可溶性接着分子、並
びにマトリックス金属蛋白質分解酵素およびそれらの阻害剤のレベルを含む。こ
れらの可溶性因子の多くは疾患の異なる段階においてRA患者にて可変レベルに
おいて存在することが知られている(Choy,E.H.,and Scott
,D.L.(1995)Drugs 50,15−25,Feldmann,M
.,Brennan,F.M.and Maini,R.N.(1996)An
nu Rev Immunol 14,397−440,およびWollhei
m,F.A.(1996)Apmis 104,81−93)。よって、アッセ
イを実施することにより、これらの可溶性因子を測定して、同定された細胞集団
との統計上の相関を検索することができる。
【0125】 病歴。可溶性因子に加えて、患者の病歴における情報がデータベースに含まれ
る。臨床上のパラメーターは、年齢、性別、疾患の段階、外部研究室の試験、例
えばESR、以前の治療およびあらゆる付随の薬剤および治療に関する情報を含
むことになる。この情報は評価に関係する。例えば、免疫抑圧性薬剤、例えばR
A患者からしばしば採取される薬剤が、細胞表面抗原の発現に対する十分な効果
を有し得ることが知られている。メトトレキサートで処置された患者はCD19 + およびCD5+19+B細胞の低下を示す。シクロホスファミドで処置された患
者は、CD25またはHLA DRを発現する活性化T細胞の低下を示す。プレ
ドニゾンで処置された患者は細胞表面表現型におけるいくらかの変化を示し、活
性化CD3+25+T細胞の低下、CD5+19+B細胞の低下、およびCD16+
およびCD56+NK細胞の低下を含む(Lacki,J.K.and Mac
kiewicz,S.H.(1997)Pol Arch Med Wewn9
7,134−43)。他の臨床上の可変物、例えば疾患の期間も有用かもしれな
い。
【0126】 患者集団の識別。自己免疫疾患に関するような細胞のアッセイの文献の総説は
、明らかに相いれない報告が存在することを明らかにする。例えば、そのような
報告はCD5 B細胞のレベルの増加をRA患者において示し(Markelj
evic,J.,Batinic,D.,Uzarevic,B.,Bozik
ov,J.,Cikes,N.,Babic−Naglic,D.,Horva
t,Z.and Marusic,M.(1994)J Rheumatol
21,2225−30)、一方他の研究は示さない(Liu,S.T.,Wan
g,C.R.,Liu,M.F.,Li,J.S.,Lei,H.Y.and
Chuang,C.Y.(1996)Clin Rheumatol 15,2
50−3)。これらの刊行物は、細胞の表現型、そしておそらくは細胞の機能に
関してRA患者において重要な含蓄を有する混乱を生じさせる他の因子が存在す
るかもしれないことを示唆する。血清中で循環する可溶性因子のレベル、疾患の
段階、および治療に基づき、研究の為に選択された患者集団を隔離することは、
上で論じられたRA患者におけるCD5+19+B細胞レベルに関しての明らかな
矛盾を一部説明することができる。例えば、IgMリウマチ様因子のレベルとC
D5 B細胞のパーセンテージの間に重要な関係が存在することは知られている
(Youinou,P.,Mackenzie,L.,Katsikis,P.
,Merdrignac,G.,Isenberg,D.A.,Tuaillo
n,N.,Lamour,A.,Le Goff,P.,Jouquan,J.
,Drogou,A.and et al.(1990)Arthritis
Rheum 33,339−48)。さらに、IgAリウマチ様因子のレベルは
CD5 B細胞並びにCD4+CD45RO+T細胞のレベルに関連する(Ari
nbjarnarson,S.,Jonsson,T.,Steinsson,
K.,Sigfusson,A.,Jonsson,H.,Geiersson
,A.,Thorsteinsson,J.and Valdimarsson
,H.(1997)J Rheumatol 24,269−74)。複数のパ
ラメーターの同時測定は、患者グループを隔離するためにカギとなる可変物を同
定する可能性を増大させる。
【0127】 この包括的な例は、この発明が疾患を特徴付けするための生物学上のマーカー
の全体を同定するのに唯一適合されることを例示する。MLSC技術は、極めて
少容量のサンプルしか必要とせず、一つの血液サンプル上で多数のアッセイを完
了できることを提供し、そして最大量の生物学上の情報を獲得できることを保証
する。生物学上のマーカーの同定系は、アッセイ種の混合を適応させることがで
き、とりわけ全血およびRBC−溶解した血液を含む。実施されたアッセイは臨
床上の指標に関して関係あると考えられ、そして広範囲の調査を可能にする。関
連する生物学上のマーカーは本発明の技術を用いて同定することができる。
【0128】 実施例2 多発性硬化症の生物学上のマーカーを同定するための本発明の使用 本発明は多発性硬化症(MS)の生物学上のマーカーを同定するために使用す
ることができる。上記生物学上のマーカー同定系は、多発性硬化症のマーカーを
同定するのに用いられる。MSは中枢神経系の自己免疫炎症性疾患である。MS
は神経系の機能不全のエピソードを再発させることおよび緩解させることに臨床
上の特徴がある。上記疾患の病因は未知のままであるが、しかしながら、脳、脊
髄、および脳脊髄液中の炎症性細胞の存在は、CNSミエリンに対する免疫の攻
撃がMSの病理に対して主要であることを示唆する。MSの損傷に顕著な特徴は
、脳および脊髄にわたって見いだされるかもしれない、斑と呼ばれる脱ミエリン
のエリアである。炎症細胞は斑の縁に観察され、そして白質にわたって散乱する
。主な炎症細胞は、活性化されたリンパ球および単球由来のマクロファージを含
む。CD4 T細胞は斑の縁に蓄積し;CD8 T細胞は進行中の疾患において
頻繁には見いだされないが積年の損傷には存在する。ミエリンの塩基性蛋白質お
よび他の非ミエリン自己抗原を認識する自己反応性T細胞は血液中を循環し、そ
して活性化に際して血液−脳バリヤーを通過することができる。接着分子、組織
適合性抗原、およびリンパ球と単球の活性化の別のマーカー(IL2R,FcR
)のアップ制御は、活性化とホーミングのプロセスに全て関係している。さらに
、免疫応答を増幅させるのに機能する前炎症性サイトカインの増加がある。自己
免疫応答は著しいB細胞刺激も含む。産生された自己抗体は相補系を活性化して
脱ミエリン化を促進することができる。疾患の様々な段階を通して、CNSの分
子および細胞そして疾患のマーカーになる可能性のある血液に変化がある。
【0129】 本発明は、多発性硬化症のための診断価値および予後の価値のある疾患マーカ
ーを同定することができる。そのようなマーカーは、異なる形態の疾患を分類す
るため、例えば二次進行性疾患を発症する可能性がもっともある再発−緩解の疾
患の患者のサブセットを同定するために、価値がある。さらに、上記マーカーは
、介入の効果を評価して、初期の非毒性の好結果の治療を開発するために価値が
ある。多くの研究者が、上記疾患の候補マーカーである、血液、脳脊髄液(CS
F)および尿中の細胞および可溶性因子を作成してきた。一般的には、一つから
数個のマーカーが一度に調査された。いくつかの因子、例えばCSFにおけるオ
リゴクローナルイムノグロブリンがMSに付随していたが、MS特異的マーカー
に関するコンセンサスパネルはない。複数の候補マーカーを同時に評価すること
に関する強い要求が存在する。
【0130】 T細胞。MSにおいてT細胞を連坐させるいくつかの系統の証拠が存在する。
そのような証拠はMHCクラスII(特にHLA DR)対立遺伝子とMSとの
関連を含む(Hauser,S.L.,Fleischnick,E.,Wei
ner,H.L.,Marcus,D.,Awdeh,Z.,Yuni,E.J
.and Alper,C.A.(1989)Neurology 39,27
5−7)。CD4+T細胞はMHCクラスII抗原に結合した抗原を認識するか
ら、MSと特定のクラスII分子の関連は、MSにおけるCD4 T細胞に関し
ての役割を示唆する。さらに、例えばMS動物モデル、例えばマウスまたはラッ
トの実験用アレルギー性脳脊髄炎における研究は、ミエリン抗原特異的CD4
T細胞がナイーブな動物へ養子縁組により移入された場合に、疾患を引き起こし
得ることを示した(Cross,A.H.,and Raine,C.S.(1
990)J Neuroimmunol 28,27−37およびCross,
A.H.,Cannella,B.,Brosnan,C.F.,and Ra
ine,C.S.(1990)Lab Invest 63,162−70)。
さらに、MS患者における研究は、T細胞を排除することまたはT細胞機能を干
渉することを目的とした戦略がMSの進行を遅らせる得ることを示した。
【0131】 おそらくより本発明に関連することとして、MS患者の脳脊髄液および/また
は末梢血の中のT細胞の表現型を試験する研究はいくつかの興味ある発見を導い
た。MS患者の血液中ではCD8+T細胞の減少がある。もっとも顕著な減少を
示したサブセットはCD8+CD11b+サブセットであった(Ilonen,J
.,Surcel,H.M.,Jagerroos,H.,Nurmi,T.a
nd Reunanen,M.(1990)Acta Neurol Scan
d 81,128−30およびOksaranta,O.,Tarvonen,
S.,Ilonen,J.,Poikonen,K.,Reunanen,M.
,Panelius,M.and Salonen,R.(1996)Neur
ology 47,1542−5)。特に進行中のMSにおいてCD71および
CD25マーカーをもつ活性化T細胞においても増加がある(Genc,K.,
Dona,D.L.and Reder,A.T.(1997)J Clin
Invest 99,2664−71およびStrauss,K.,Hulst
aert,F.,Deneys,V.,Mazzon,A.M.,Hannet
,I.,De Bruyere,M.,Reichert,T.and Sin
dic,C.J.(1995)J Neuroimmunol 63,133−
42)。さらに、脳脊髄液および末梢血中の大多数のT細胞はCD4およびCD
8 T細胞の両方の集団上で高いレベルのCD45ROとCD29を伴うメモリ
ー表現型を示す(Vrethem,M.,Dahle,Ekerfelt,C.
,Forsberg,P.,Danielsson,O.and Emerud
h,J.(1998)Acta Neurol Scand 97,215−2
0)。これは、末梢循環においてCD4+CD45RA+(Strauss,K.
,Hulsaert,F.,Deneys,V.,Mazzon,A.M.,H
annet,I.,De Bruyere,M.,Reichert,T.an
d Sindic,C.J.(1995)J Neuroimmunol 63
,133−42)およびCD8+CD27−CD45RA+(Hintzen,R
.Q.,Fiszer,U.,Fredrikson,S.,Rep,M.,P
olman,C.H.,van Lier,R.A.and Link,H.(
1995)J Neuroimmunol 56,99−105)ナイーブT細
胞の減少を導く。最近の研究は、CD4+,CD4+SLAM+,およびCD4+
D7+細胞(優先的にTヘルパー1サイトカインを生産する細胞)が対照に比し
てMS患者において増加すると結論した(Ferrante,P.,Fusi,
M.L.,Saresella,M.,Caputo,D.,Biasin,M
.,Trabattoni,D.,Salvaggio,A.,Clerici
,E.,de Vries,J.E.,Aversa,G.,Cazzulo,
C.L.and Clerici,M.(1998)J Immunol 16
0,1514−21)。さらに、いくつかの研究は、制限されたTCRレパート
リーの指標である、MS患者の末梢血中の非対称の(skewed)TCR可変
ベータ用法を示した(Gran,B.,Gestri,D.,Sottini,
A.,Quiros Roldan,E.,Bettinardi,A.,Si
gnorini,S.,Primi,D.,Ballerini,C.,Tai
uti,R.,Amaducci,L.and Massacesi,L.(1
998)J Neuroimmunol 85,22−32)。遺伝子の再構成
の制限されたパターンもγδT細胞サブセットにおいて記載された(Micha
lowska−Wender,G.,Nowak,J.and Wender,
M.(1998)Folia Neuropathol 36,1−5)。
【0132】 B細胞。B細胞の表現型分析もMS患者において実施された。頭蓋(pan)
のT細胞マーカーCD5を発現するB細胞亜集団が上昇したことが示された(M
ix,E.,Olsson,T.,Correale,J.,Baig,S.,
Kostulas,V.,Olsson,O.and Link,H.(199
0)Clin Exp Immunol 79,21−7)。このサブセットも
自己免疫マウスにおいて上昇し、IgM自己抗体が構成的に発現されることが示
された(Hardy,R.R.,Hayakawa,K.,Shimizu,M
.,Yamasaki,K.and Kishimoto,T.(1987)S
cience 236,81−3)。ヒトにおいては、しかしながら、CD5+
B細胞は優先的に自己抗体を産生せず(Suzuki,N.,Sakane,T
.and Engleman,E.G.(1990)J Clin Inves
t 85,238−47)そしてヒトにおける自己免疫の病理におけるCD5+
B細胞の役割はまだ不明であり、おそらくは活性化されたB細胞の存在を反映す
る(Werner−Favre,C.,Vischer,T.L.,Wohlw
end,D.and Zubler,R.H.(1989)Eur J Imm
unol 19,1209−13)。この結論に一致して、高いレベルのメモリ
ーマーカーCD45ROがMSの患者からの循環CD20+B細胞上に見いださ
れた(Yacyshyn,B.,Meddings,J.,Sadowski,
D.and Bowen−Yacyshyn,M.B.(1996)Dig D
is Sci 41,2493−8)。循環するCD80+B細胞の数も活発な
疾患を有するMS患者において顕著に増加するが、安定なMSにおいては正常で
ある(Genc,K.,Dona,D.L.and Reder,A.T.(1
997)J Clin Invest 99,2664−71)。
【0133】 抗原提示細胞。いくつかの細胞種は抗原提示細胞として機能することができ、
単球、マクロファージ、樹状細胞、B細胞およびクラスII抗原を発現するよう
に誘導された他の細胞を含む。一般的に、これらの細胞は、活発なMSを有する
患者において増加した発現レベルのHLAクラスII抗原により証明される活性
化表現型を示す(Genc,K.,Dona,D.L.and Reder,A
.T.(1997)J Clin Invest 99,2664−71)。最
近の研究も、CD86とCD95(fas)を発現する単球がMSにおいては健
康な対照に比較して増加することを示した(Genc,K.,Dona,D.L
.and Reder,A.T.(1997)J Clin Invest 9
9,2664−71)。
【0134】 他の細胞種。ほんのわずかな研究のみがMSにおいてNKマーカーと顆粒球マ
ーカーの発現を見た。一つの研究は、慢性で進行性のMSにおけるCD16+
K細胞の減少を示す(Kastrukoff,L.F.,Morgan,N.G
.,Aziz,T.M.,Zecchini,D.,Berkowitz,J.
and Paty,D.W.(1988)J Neuroimmunol 20
,15−23)。
【0135】 可溶性因子アッセイ。可溶性因子アッセイは有力な生物学上のマーカーの追加
のバッテリーを提供する。MS患者において同定された多くの重要な可溶性因子
がある。例えば、可溶性Apo A−1/Fasのレベル(Ferrante,
P.,Fusi,M.L.,Saresella,M.,Caputo,D.,
Biasin,M.,Trabattoni,D.,Salvaggio,A.
,Clerici,E.,de Vries,J.E.,Aversa,G.,
Cazzullo,C.L.and Clerici,M.(1998)J I
mmunol 160,1514−21)は、安定な疾患の患者または健康な対
照において観察されるレベルに比して、急性のMSでは増加する。さらに、可溶
性接着分子、例えば可溶性細胞内接着分子1(ICAM−1)(Giovann
oni,G.,Lai,M.,Thorpe,J.,Kidd,D.,Char
moun,V.,Thompson,A.J.,Miller,D.H.,Fe
ldmann,M.and Thompson,E.J.(1997) Neu
rology 48,1557−65)および可溶性E−セレクチン(Giov
annoni,G.,Thorpe,J.W.,Kidd,D.,Kendal
l,B.E.,Moseley,I.F.,Thompson,A.J.,Ke
ir,G.,Miller,D.H.,Feldmann,M.and Tho
mpson,E.J.(1996)J Neurol Neurosurg P
sychiatry 60,20−6)のレベルは、疾患の異なる段階において
MS患者において増加することが示された。TNFαおよびIFNγのような前
炎症性サイトカインは疾患の異なる段階にてMS患者においてレベルを変えなが
ら存在することが知られる(Navikas,V.and Link,H.(1
996)J Neurosci Res 45,322−33)。他の関連蛋白
質、例えばサイトカインおよびサイトカイン受容体、ケモカイン、マトリックス
金属蛋白質分解酵素およびそれらの阻害剤、ネオプテリン、およびミエリン塩基
性蛋白質も、MS患者において異なる段階にて並びに健康な対照においてレベル
を変えながら存在することが知られている。よって、これらの可溶性因子を測定
して、同定された細胞集団との統計上の相関を探索するために、アッセイを実施
することができる。
【0136】 病歴と患者集団の識別。可溶性因子に加えて、患者の病歴の情報がデータベー
スに含まれる。臨床上の病歴は、年齢、性別、疾患の段階、外部研究室の証拠(
磁気共鳴イメージング、オリゴクローナルイムノグロブリンの脳脊髄液分析およ
び喚起された潜在性の記録)、以前の治療およびあらゆる付随する薬剤または治
療に関する情報を含むことになる。この情報は、患者集団を隔離するために意味
がある。
【0137】 処置効果が上記細胞の表現型において役割を担うことは明らかである。未処置
のMS患者が健康なドナーに比較してCD3+CD4+CD8+循環T細胞のより
大きな集団を表すが、この細胞の集団はコルチコステロイド処置のあとには減少
する[30]。さらに、CD71+およびHLA DR+リンパ球および単球の
数が活発なMSにおいては増加する。しかしながら、IFNβ−1bを用いた治
療は、活性化されたHLADR+,CD71+およびCD25+細胞の数を低下
させる。さらに、循環するCD80+B細胞の数は減少するが、治療後にCD8
6+単球の数は増加する[14]。他の臨床上の可変物、例えば疾患の期間も有
用であるかもしれない。例えば、制限されたTCR Vβレパートリーを伴うM
S患者においては、医学上の疾患の期間は制限されたレパートリーを有さない患
者に比して短いことが示された(Gran,B.,Gestri,D.,Sot
tini,A.,Quiros Roldan,E.,Bettinardi,
A.,Signorini,S.,Primi,D.,Ballerini,C
.,Taiuti,R.,Amaducci,L.and Massacesi
,L.(1998)J Neuroimmunol 85,22−32)。
【0138】 実施例3 対照の患者の血液に対して慢性関節リウマチの患者の血液を比較する研究 試験研究においては、40の2色細胞アッセイのパネルをImagan 20
00のために用意して、約50人のドナーからの血液サンプルを評価した。半分
はスタンフォード血液銀行から、そしてもう半分はスタンフォード大学のリウマ
チ病クリニックからであった。本発明のバイオマーカーサーチエンジンのカギと
なる成分:装置、アッセイおよび分析道具を評価および開発するために、上記研
究をデザインした。それは、バイオマーカーを解明するためには必ずしもデザイ
ンされなかった。未結合の試薬を除去するための洗浄なしに、全てのアッセイを
全血に対して実施した。38のアッセイが23人の異なる細胞表面抗原に対して
27の異なる抗体試薬を含んだ。18は各染料に配合された一つの抗原を含むこ
とにより、2色の組み合わせを作成した。2つのアッセイがDNAインターカレ
ート染料による細胞生存性を監視した。上記細胞アッセイは、T細胞、B細胞、
NK細胞、単球および顆粒球のセットを含む約100の異なる細胞集団の同定を
可能にした。 方法
【0139】 細胞アッセイ アッセイのパネルを表3に示す。アッセイ作業を最適化するために試薬の組み
合わせを用意する前に、各試薬を試験して力価測定する。
【0140】 サンプルの調製 この研究のために、全ての細胞アッセイを全血に対して、均一様式(あとの染
色洗浄なし)にて適用した。DNA染料の蛍光標識抗体試薬の組み合わせのアリ
コート(20μl)を、マイクロタイタープレートの別々のウエルに、用意され
たラックから複数チャンネルピペットを用いて分配した。全血液または希釈され
た全血(30μl)を複数チャンネルピペットにより加えて、サンプルを混合し
た。細胞を20分間インキュベートして、次に100μLの希釈剤を加えて混合
した。各染色サンプルの一部(50μL、血液10μLに相当)を容積測定用キ
ャピラリー(VC120)に加えて、修飾したImagan 2000装置に負
荷した。スキャンを開始して、オペレーターの介入なしに実行した。データファ
イルをコンピューターネットワーク上で動かし、そしてフローサイトメトリー標
準フォーマットに変換した。FlowJoサイトメトリーソフトウエアを使用し
て、細胞集団を同定し、そして細胞計数(μLあたりの細胞)、相対的な細胞の
サイズ、および相対的な蛍光強度に関する数値を得たが、各ゲート化された(ボ
ックス化された)細胞集団に関する抗原密度の評価である。
【0141】 可溶性因子 C−反応性蛋白質の血清レベルをImagan 2000上でビーズに基づく
免疫アッセイにより測定した。抗−CRP抗体をコートしたビーズを使用して、
分析物を捕獲した。Cy5を配合された抗−CRP抗体を使用して捕獲された分
析物を明らかにした。
【0142】 患者の医学上の情報 年齢、性別、疾患重度のパラメーター、同時死亡率および医薬を含む短縮され
た病歴を各患者から得た。血液銀行のサンプルのデータは年齢と性別に限定され
た。
【0143】 データベースと統計 細胞アッセイ、可溶性因子アッセイおよび病歴のデータ出力を単一のデータベ
ースに組み合わせた。分類上の臨床可変物(例えば疾患の診断)に付随した有力
な生物学上のマーカー(細胞計数または染色強度、血清濃度)を同定するために
、フィッシャーの直線および正方形識別分析、ロジスティック回帰、および系統
樹を含む、様々な識別技術を使用した。連続評価された臨床可変物(例えば赤血
球沈降速度)に付随したマーカーを同定するために、我々は、多変量直線回帰お
よび回帰樹を含む様々な回帰技術を使用する。識別および回帰の両分析のために
、段階的な可変選択および交差確認を使用して、興味のある臨床可変物にもっと
も密接に関連したそれらのマーカーを同定した。適切であれば、人口統計学上お
よび臨床上の可変物(例えば、年齢、性別、および付随する薬剤)が上記モデル
の共可変物として含まれた。これらの技術は、SASおよびStatistic
a統計分析ソフトウエアパッケージを使用して実行されて適用された。
【0144】 結果 共通分析戦略はほとんどの患者のサンプルに関して使用できる 細胞集団の研究の障害の一つはしばしばドナーサンプル間の生存可能性である
が、分析された細胞集団に関して全てのドナーの全域で同一の分析ウインドウ(
ゲート)を用いた。これは、これらのアッセイと細胞分析系の強さと整合性を証
明する。ゲートの残りの5%は、特定のドナーにおいて出現する新たな集団また
は少しのドナーに関して信頼できないらしい試薬を斟酌するために調節した。後
者の場合、問題の試薬は、将来の研究のために、改良されたバージョンに代える
ことができる。
【0145】 ドナー間の変更を伴う2色の組み合わせの一例を図4に示す。Cy5に配合さ
せたCD27をCy5.5に配合させたCD8と組み合わせて、細胞を染色した
。この組み合わせは、CD8+T細胞(MHCクラスII制限された)が監視さ
れるのを可能にし、CD27+(活性化された)そしてCD27-.CD8-,C
D27+細胞(実際に活性化された、MHCクラスII制限された、T細胞)も
検出される。上記のドナー間には変化があるが、単一ゲート化戦略は実行できる
。3つの細胞集団が上記ドナー間で異なることが同定される。図4Aにおいて、
CD8+T細胞の大多数がCD27陰性である。図4Bにおいて、CD8+細胞の
大多数がCD27陽性である。最終的に、図4Cにおいて、CD8集団はCD2
7陽性である集団とCD27陰性である集団の間に分けられる。FlowJoは
我々のフローサイトメトリーソフトウエアであり、ゲート化された集団各々につ
いて細胞カウントを計算する。さらに、各抗原の平均蛍光強度が得られた。これ
は細胞表面上の抗原密度の指標である。各細胞集団に関する相対細胞サイズも得
た。数を比較して、全てのドナーの全域で統計を計算する。CD8+T細胞上の
CD27の発現に関してここで示された違いは、我々の臨床研究において患者と
対照集団を比較した場合に観察される変化の種類の典型である。
【0146】 関連する測定値の間の優秀な相関 この最初の研究の別の目的は、2色のImagn系の強さを評価して統計道具
を開発することであった。上記研究をデザインすることにより、いくつかのキャ
ピラリーが同じかまたは別の染料に配合された同じ抗体試薬を含んだ。これは、
CD3,CD4,CD5,CD7,CD8,CD19,CD20およびCD27
抗原に関して同じドナーから概して2−6回同じ測定値が得られることを可能に
した。同じ細胞集団を、それらの上で見いだされた別の抗原に対する抗体を使用
して測定した。例えば、全T細胞をCD3並びにCD5を使用して数えた。B細
胞をCD19並びにCD20等を使用して数えた。この初期の研究において、優
秀な一致が、同一の試薬を含むキャピラリーと類似の細胞集団を染色する異なる
抗体を含むキャピラリーの間で共に観察された。異なるキャピラリーにわたる同
じ抗原に関する相関定数は平均0.94であった。上記相関定数はCD3対CD
5およびCD19対CD20に関して共に0.97であった。これらの相関の例
を図5および図6に示す。
【0147】 RAと血液銀行サンプルの間に違いが観察される いくつかの測定されたパラメーターを使用して、一般的な血液銀行のサンプル
とRA患者のサンプルを分離し、表4に示す。最良の単一のマーカーはサンプル
の80から86%を正確に分離した(7から10の不正確な指定)。いくつかの
2細胞集団の対がサンプルの90%を分離したことから、細胞集団のセットは単
一の細胞集団よりも患者集団を分離するためにより有用かもしれないことを示唆
する。
【0148】 実施例4 拡張されたRAの研究 この実施例はRA研究における測定能力を拡張する。慢性関節リウマチ(RA
)患者からの細胞集団と可溶性因子を監視した。RA患者は臨床研究の一部であ
り、メトトレキサートとARAVAまたは偽薬の何れかを服用した。患者を約2
カ月間、長期にわたり監視した。各時間点において、細胞集団のデータ、可溶性
因子のデータ、および臨床上の情報を回収した。
【0149】 細胞アッセイ ほとんどの細胞アッセイを実施例3に記載されたとおりに全血フォーマットに
て実施する。ほとんど正確な絶対細胞カウント(細胞/血液μl)が得られるこ
とを最小の操作が保証する。さらに、ほんの少量の血液しかアッセイあたりに必
要ではなく(40ul)、単一の採血管を使用して多数のアッセイを動かすこと
ができる。しかしながら、いくつかの細胞集団に関しては、別のアッセイフォー
マット、RBC−溶血が好ましい。これらは、血清に含まれる可溶性因子(遊離
Ig、可溶性サイトカイン受容体等)が細胞の標識を干渉するような特定の抗原
−抗体対および極めて低い頻度で存在する細胞の集団を含む。例えば、RBC−
溶血サンプルの調製は、正常な個体では全血から検出不可能であるが溶解フォー
マットにおいて10倍に増加して様々な自己免疫状態において増加するらしいC
D25またはCD69を発現する活性化細胞に関して有用である。他のマイナー
な細胞集団、例えばNK細胞の改良された検出も証明された。
【0150】 このプロトコルに関して、細胞アッセイは46の全血アッセイと14のRBC
−溶解全血を含む60の2色組み合わせのパネルを含んだ。全部で39の異なる
抗体試薬(Cy5に配合した30とCy5.5に配合した9)を使用したが、3
5の異なる細胞表面抗原を標的にする。全てのアッセイは均一様式にて実施した
(染色後の洗浄をしない)。このアッセイパネルは、150より多くの異なる細
胞集団の同定を可能にする。試薬の組み合わせと同定できる細胞集団を表5に提
供する。
【0151】 可溶性因子アッセイ 次の複数の可溶性因子の測定のために、血清をアリコートにして、各血液サン
プルを凍結させる。これらは、循環サイトカイン、例えばTNFαおよびIL−
6、サイトカイン受容体、ケモカイン、異なるアイソタイプのリウマチ様因子(
RF)、イムノグロブリン、深刻な段階の蛋白質、例えばC−反応性蛋白質およ
び血清アミロイドA、および可溶性接着分子、並びにマトリックス金属蛋白質分
解酵素およびそれらの阻害剤のレベルを含む。アッセイされた22の可溶性因子
の最初のパネルを表6に示す。追加の標的も表6に提供する。全てのアッセイは
サンドイッチELISAフォーマットにて、適合する抗体対を用いて実施するこ
とにより、必要な感度と特異性を保証する。
【0152】 患者の医学上の情報 より詳細な疾患特定情報を伴う病歴を上記研究の各サンプルに含める。
【0153】 実施例5 4チャンネルMLSC装置上の細胞アッセイ アッセイあたりより多くの情報含有量を含むより多くのアッセイが4チャンネ
ルSurroScan装置上で動かし得る。3色試薬組み合わせを使用してアッ
セイが開発される。有効な染料の組み合わせはCy5,Cy5.5およびCy7
を含み、そしてCy5,Cy5.5およびCy7−APCは3色標的抗原の同時
且つ別個の測定を可能にする。3色の組み合わせは、1)重複を排除することに
より(例えば、2つのキャピラリーでCD3+CD4とCD3+CD8を測定す
るのに代わって、CD3,CD4およびCD8を一つのキャピラリーにて測定す
る)、そして2)3つの抗原の同時の発現似より規定される新規な集団を同定す
ることにより(例えば、CD45RAとCD62L両方を発現するナイーブCD
+T細胞)、2色の組み合わせよりも、キャピラリーあたりのより多くの情報
の取得を容易にする。異なる放射スペクトルを有する適切な蛍光染料を用意する
ことにより、第4のチャンネル、いくつかのケースにおいては存在するチャンネ
ル中の追加の標的抗原を同時に監視することができる。図7は、SurroSc
an装置上の3色アッセイの結果を提供する。
【0154】 SurroScan装置上のアッセイは、VC120キャピラリーよりも約1
/3少ないサンプルを使用するキャピラリーアレイにより実行することができる
。全血アッセイに関しては、3色アッセイあたり10μLもしくはそれより少な
い量を加工することができ、10mLの採血管あたり1000までのアッセイに
ついての可能性を与える。白血球濃度の10倍増加を伴うRBC−溶解血液サン
プルについては、採血管あたり約100のアッセイを実施することができる。5
0またはそれより多い標的抗原を用いる64の3色アッセイのパネルは全血フォ
ーマットと溶解フォーマットの両方を使用して開発中である。200より多い細
胞集団の同定を可能にすべきである。
【0155】 実施例6 細胞内染色 細胞内分子をMLSC技術を使用して測定することができる。PBMCを5時
間PHAとイオノマイシンの存在下で培養した。細胞をCy5.5抗−CD8で
染色することにより、細胞毒性T細胞を同定し、固定し、透過性にし、そしてC
y5抗−インターフェロン−ガンマ(IFN−γ)で染色することにより細胞内
サイトカインを検出した。図8のデータは、刺激された細胞中でのみIFN−γ
が検出されることを示す。対照の試薬(MOPC)は細胞を標識しない。CD8
T細胞のうち、20%が細胞内IFN−γを発現する。
【0156】 実施例7 アレルギーおよび喘息の処置のための生物学上のマーカーの同定 本発明は、アレルギー性喘息の生物学上のマーカーを同定するために使用する
ことができる。喘息は不確定の病因による普通の慢性肺疾患である。せき、ぜい
ぜいいうこと、胸部のしめつけ、および呼吸の不足の兆候を導く気道の炎症によ
り特徴付けられる。これらの臨床上の兆候は、気道の高感受性および気流の妨害
を引き起こす長期間の炎症性プロセスによると考えられる。上記疾患は極端な苦
痛を引き起こし、そして適切な処置なしには時に致命的になり得る。喘息の臨床
上の出現は、喘息を発症する可能性を増大させる遺伝学上の素因における様々な
環境因子の重ね合わせによりもたらされると考えられる。アトピーは環境性アレ
ルゲンに対する高感受性であり、喘息に共通であるが、全てのアトピーの個体が
喘息を発症するわけではない。アレルギー性機構の相対的な重要性は完全に理解
されていない。コルチコステロイド(吸入されて全身性)は喘息において効果が
あるが、それらの有用性を制限する感知された実際の副作用に付随した。コルチ
コステロイドに対する応答のより完全な理解は、肺の中にのみ局所効果を有する
薬剤または副作用なしに有益な効果を有する薬剤の開発を可能にするかもしれな
い。
【0157】 アトピー、喘息およびコルチコステロイド治療に対する応答の生物学上のマー
カーを同定するために研究のデザインした。被験者は、20の4つの研究グルー
プに関してスクリーンされる:1)皮膚試験アレルゲンに対する陽性を試験され
た軽い喘息、2)皮膚試験アレルゲンに対する陰性を試験された軽い喘息、3)
皮膚試験アレルゲンに対する陽性を試験された非喘息、4)皮膚試験アレルゲン
に対する陰性を試験された非喘息(健康な被験者)。全ての的確な被験者を単一
ブラインドの、偽薬制御された、ランダム化された平行研究に参加させることに
より、処方処置3日後の生物学上のマーカーに対する薬剤プレドニソンの効果を
調査した。1日目の朝の処置前と4日目の朝の最後の投薬12時間後に血液サン
プルを採取する。
【0158】 被験者は、詳細な病歴を含む厳しいスクリーニングを受けて、そして肺機能と
アレルギーに関しての臨床試験を受ける。軽い喘息は、1)FEV1≧80%予
測、2)喘息の文書化された診断または以下の何れかの病歴:せき、特に晩の悪
化、再発のぜいぜい、再発の呼吸困難、再発の胸部しめつけ、および3)陽性の
メタコリンチャレンジ試験を有する(Cockcroft DW,et al
Clin Allergy 1977;7:235およびJuniper EF
,et al Thorax 1984;39:556)。非喘息は、1)FE
1≧80%予測、2)喘息の病歴なし、および3)陰性のメタコリンチャレン
ジ試験を有する。アレルギーの被験者はアレルゲンパネルの少なくとも一つに対
して陽性皮膚試験を有する。
【0159】 臨床データの例は、血液学:白血球細胞カウント(WBC),赤血球細胞カウ
ント(RBC)、ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(HCT)、平均細胞
容積(MCV)、平均細胞ヘモグロビン(MCH)、平均細胞ヘモグロビン濃度
(MCHC)、血小板カウント、好中球カウント、リンパ球カウント、単球カウ
ント、好酸球カウント、好塩基球カウントおよびESR−赤血球沈降速度;血液
化学:アルカリホスファターゼ、アラニントランスアミナーゼ、アスパラギント
ランスアミナーゼ、ガンマ−グルタミルトランスペプチダーゼ、アルブミン、全
蛋白質、全ビリルビン、尿素、クレアチニン、ナトリウム、カリウム、グルコー
ス;尿分析:蛋白質、グルコース、ケトン、ビリルビン、血液、白血球;肝炎お
よびHIV試験:HIV IおよびII、B型肝炎表面抗原、C型肝炎抗体を含
む。全ての臨床上の病歴と試験パラメーターが、統計分析、共可変物としての評
価およびデータ掘り出しに関するマスターデータベース中に含まれることになる
【0160】 アトピー性喘息はIgE抗体により媒介される免疫原性疾患である。アレルゲ
ンへの暴露はB細胞がIgEを合成することを誘導し、気道の粘膜中に存在する
高親和性の受容体の乳房細胞に結合する。アレルゲンへの再暴露に際して、乳房
細胞の表面上の抗原−抗体相互作用が、ヒスタミン、トリプターゼ、PGD2
ロイコトリエンC4およびD4、および血小板活性化因子(PAF)を含む、乳房
細胞顆粒中に保存されたアナフィラキシスのメディエーターの放出を誘因する。
これらの可溶性因子は、気道の平滑筋の修飾を誘導し、そしてFEV1における
媒介の減少を引き起こす。アレルゲンに対する再暴露も、様々なサイトカイン:
IL−4,IL−5,GM−CSF,TNF−α、TGF−βのT細胞および乳
房細胞からの合成および放出を導く。これらのサイトカインはB細胞を引き付け
て活性化し、より多くのIgE、そして好酸性球および好中球の生産を導き、好
酸性球カチオン蛋白質(ECP)、主要塩基性蛋白質(MBP)およびPAFを
生産する。これらの因子は、浮腫、粘液過剰分泌、平滑筋収縮を引き起こし、そ
して暴露の約4−6時間後のFEV1の低下により示唆される後期喘息性応答に
典型的に付随する気管支の反応性を増加させる。
【0161】 細胞および可溶性因子の測定の広いパネルを、生物マーカーの発見の目的で血
液サンプルに適用する。上記の研究のデザインは、グループ内の個体相互のの可
変性の情報、並びにマーカー発現のグループ相互の違いを与える。グループ相互
の違い(例えば、アレルギー性非喘息対非アレルギー性非喘息)がグループ内の
個体相互の可変性よりも大きくなると信じられる。プレドニソン治療がマーカー
発現において重要な個体内の変化をもたらすことがさらに信じられる。
【0162】 細胞アッセイ 血液中の免疫パラメーターと炎症パラメーターに焦点を合わせた64の3色細
胞アッセイのパネルを用意して、初期アトピー性喘息に関して試験した。該パネ
ルを表7に示す。
【0163】 可溶性因子 上記研究は可溶性因子の広いパネルをも探索することになる。サンドイッチに
基づく化学発光ELISAフォーマットにおけるイムノアッセイを以下の標的に
関して使用する: サイトカイン、ケモカインおよびそれらの可溶性受容体:IL−1アルファ、
IL−1ベータ、IL−1 RA,IL−1 sRI,IL−1 sRII,I
L−2,IL−2sR,IL−3,IL−4,IL−5,IL−6,IL−6
sR,IL−8,IL−10,IL−12 p40,IL−12 p70,IL
−13,IL−16,IL−17,MIF,MIP−1アルファ、MIP−1ベ
ータ、RANTES,sTNFアルファRI*,sTNFアルファRII*,TG
Fベータ、TNFアルファ、アルファ、TGFベータ2、TGFベータ3、オン
コスタチンM、M−CSF,GM−CSF,IGF−1,PDGF−BB,FG
F−4,FGF−6,FGF−7,Fas,VEGF,MCP−1,PF−4,
EOTAXIN,IFNガンマ、イムノグロブリン:IgA1カッパ、IgA1
ラムダ、IgA1,2カッパ、IgA1,2ラムダ、IgA2カッパ、IgA2
ラムダ、IgE全部、IgG1カッパ、IgG1ラムダ、IgG1全部、IgG
2カッパ、IgG2ラムダ、IgG2全部、IgG3カッパ、IgG3ラムダ、
IgG3全部、IgG4カッパ、IgG4ラムダ、IgG4全部、IgG全部、
IgG全カッパ、IgG全ラムダ、IgMカッパ、IgMラムダ、IgM全部、
RFIgA,RFIgG,RFIgM,RF全部、急性相の蛋白質:CRP,S
AA;マトリックス金属蛋白質分解酵素およびそれらの阻害剤:MMP−3,M
MP−9,TIMP−1,TIMP−2;可溶性接着分子:sCD54(ICA
M−1),sCD62E,sCD62P。
【0164】 イムノアッセイまたは質量分光分析アッセイにより測定される追加の可溶性因
子は、限定ではないが、サイトカイン、ケモカインおよびそれらの可溶性受容体
:IL−9.IL−11.IL−14,IL−15,IL−18,sCD23,
好酸性球蛋白質:ECP,MBP,イムノグロブリン:アレルゲン特異的IgE
、糖質修飾されたIg;様々なプロスタグランジン;様々なロイコトリエン、ヒ
スタミンを含む。
【0165】 細胞アッセイ、可溶性因子アッセイ、病歴およびスクリーニング標識からのデ
ータ出力を単一のデータベース中で組み合わせる。明確な臨床上の可変物(疾患
の状態、プレドニソンまたは偽薬、治療の前と後)に関連する有力な生物学上の
マーカー(細胞カウント、特定の細胞種上の抗原の強度、可溶性因子濃度等)を
同定するために、様々なANOVAおよび判別技術を使用することができる。適
切であれば、人口統計上および臨床上の可変物(例えば、年齢、性別、特定の病
歴の結果)を上記モデルの共可変物として含めることができる。技術は、SAS
,Statistica,Statviewまたは類似の統計分析ソフトウエア
パッケージと共に実施することができる。
【0166】 実施例8 アスピリン投与後に生物学上のマーカーを同定するための本発明の使用 本発明を使用することにより、小サンプルの末梢血上で実施される細胞および
可溶性因子に対する薬剤投与の効果を評価するために、生物学上のマーカーを同
定することができる。これらのアッセイはヒト末梢血中の細胞および可溶性マー
カーに対する、異なる用量の薬剤の効果の分析を可能にすると期待される。この
実施例においては、広く使用されるカウンターを越える(over−the−c
ounter)薬剤アスピリンをヒトボランティアに投与する。異なる用量の薬
剤を経口投与し;投与前と投与後の様々な時間点において血液を採取し、そして
細胞および可溶性因子アッセイのパネルを管理する。
【0167】 アスピリンは2つの主な注意書き:1)冠動脈および脳の血栓症の危険を低下
させるため、および2)鎮痛性/抗炎症剤として、に関して日常的に使用される
。第1の注意書きの基礎をなす機構は、血小板中の酵素PGH−シンセターゼの
不可逆阻害であると信じられる。この酵素のプロスタグランジン生成物はトロン
ボキサンA2に変換されて、血小板凝集および血栓症を助長する。プロスタグラ
ンジン合成の副作用は酸素フリーラジカルの生成であり、酸化還元−酸化金属の
存在下で、アルデヒド中の未飽和の脂肪酸を変換する。脂質酸化の相対的に安定
な生成物はマロンジアルデヒド(MDA)である。この化合物は、日常的には、
チオバルビツール酸(TBA)との相互作用後に比色または蛍光によりアッセイ
する。プロスタグランジンの合成を阻害することにより、アスピリンは末梢血血
小板中のMDAレベルを減少させることが予測される。血小板活性化の他のマー
カーの変化、例えばCD62PおよびCD63の発現の変化も起こるかもしれな
い。
【0168】 E−タイプのプロスタグランジンは単球−マクロファージ系列の細胞により、
リンパ球の活性化と腫瘍ネクローシス因子−α(TNF−α)の生産を抑圧する
。正常な健康の人においていくらかのレベルのリンパ球の活性化とTNF−αの
生産があれば、これがアスピリン処置後に増加して末梢血において検出可能であ
るかもしれない。アスピリン投与後の予測された変化の例がある;多くのマーカ
ーをアッセイするならば、予測されない変化も見いだされるかもしれず、そして
予測されたよりももっと関心を引くことが証明されるかもしれない。
【0169】 上記の研究は血液パラメーターに対するアスピリンの効果を同定するようにデ
ザインされる。3つの投薬スキムの一つに従いアスピリンを経口投与するように
、適確な被験者をランダムに指名する。グループIは朝食後に1用量(325m
gタブレット)そして夕食後に2用量(全部で1300mg)である。1集団あ
たり10−12人の被験者がいる。アスピリン投与の前、間、そして後に血液サ
ンプルを採取する。スケジュールを表8に示す。被験者は健康な個体の18−6
5歳の年齢であり、他のアスピリン、他の非ステロイド抗炎症薬剤もとらないし
現在治療中でもなく、抗炎症性(ステロイドまたは非ステロイド)薬剤の使用を
必要とする人々である。
【0170】 細胞アッセイ 42の3色細胞アッセイのパネルを初期研究のために使用する。表9参照。上
記パネルは、免疫パラメーターおよび炎症パラメーターを含み、そして実施例7
に挙げたアッセイのいくつかを含む。血小板機能に関する一連のアッセイも含む
(1−17)。これらのアッセイは、希釈された全血中の直接測定並びにトロン
ビン刺激アッセイ(TRT,10−13)および刺激対照(NTRT,14−1
7)を含む。
【0171】 可溶性因子 実施例7に記載されたとおりの可溶性因子の広いパネルが上記研究の一部にな
る。追加の測定は:Von Willebrand因子、b−トロンボグロブリ
ン、トロンボキサンB2、6−ケトPGFおよびマロンジアルデヒドを含む。可
溶性因子は血漿から測定されることになる。さらに、いくつかの可溶性因子(例
えば、MDA、プロスタグランジンロイコトリエン)を刺激されたサンプルと対
照に関して評価することになる。
【0172】
【表2】
【0173】
【表3】
【0174】
【表4】
【0175】
【表5】
【0176】
【表6】
【0177】
【表7】
【0178】
【表8】
【0179】
【表9】
【0180】
【表10】
【0181】
【表11】
【0182】
【表12】
【0183】
【表13】
【0184】
【表14】
【0185】
【表15】
【0186】
【表16】
【0187】
【表17】
【0188】
【表18】
【0189】
【表19】
【0190】
【表20】
【0191】
【表21】
【0192】
【表22】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、生物学上のマーカーの同定系の一つの態様を得るために同化させた、
情報の種類の模式的描写である。
【図2】 図2は、本発明の改善されたMLSC装置の模式図を描写する。
【図3】 図3は、本発明において得られたデータを分析するための統合された情報の土
台を描写る。
【図4】 図4A−Cは、CD27+およびCD27-CD8 T細胞がサンプル間で変化
することを示す、実施例1において得られた結果を描写する。
【図5】 図5AおよびBは、2色のMLSCによる強い細胞測定を描写する。図5Aは
、6つの異なるキャピラリーからのCD8 T細胞カウントの一致を示す。Cy
5.5抗−CD8を各キャピラリーに関してCy5を配合した異なる抗体(抗−
CD3,CD25,CD7,CD45RA,CD62L,CD69)と組み合わ
せた。50の異なる血液サンプルを分析した。四角とホイスカーのプロットは、
細胞カウントの分散が各キャピラリーに関して極めて類似していることを示す。
二つ一組の直線回帰もこれらのアッセイの高い程度の一致を示す(データは示さ
ず)。図5は、B細胞の2つの測定の一致を示し、一つはCy5.5抗−CD2
0、そしてもう一つはCy5.5抗−CD19である。直線回帰の95%の信頼
区間(点線)は1つのスロープを含み、そして適合(fit)は0.97の相関
定数を有する。
【図6】 図6は、RA患者サンプルおよび血液銀行サンプルのCD8 T細胞とCD4
T細胞を比較する分類マトリックスを示す。
【図7】 図7AおよびBは、SurroScan装置上の3色アッセイの結果を示す。
【図8】 図8A−Cは、MLSC技術を用いて測定された細胞内分子を染色した結果を
示す。
【図9】 図9A−Cは、MLSC技術を使用した3つの検出チャンネル分析の結果を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 カンター,エアロン・ビー アメリカ合衆国カリフォルニア州94560, ニューアーク,アーデン・ストリート 37076 (72)発明者 ナタン,マイケル・ジェイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94303, パロ・アルト,サン・アントニオ・ロード 765,ナンバー 56 (72)発明者 ブランク,カレン・ジェイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94002, ベルモント,サマセット・コート 11 (72)発明者 アリソン,アンソニー アメリカ合衆国カリフォルニア州94002, ベルモント,ヘイスティングズ・ドライブ 2513 Fターム(参考) 2G045 AA40 CA18 CA19 CA20 CA25 CA26 DA36 FA12 FA37 FB03 FB07 FB12 FB13 GC15

Claims (71)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物学上のマーカーの同定系であって、 a)i)生物の生物学上の流体中の複数の細胞集団および/または細胞関連分
    子のレベル、および/または生物の生物学上の流体中の複数の可溶性因子のレベ
    ル、および ii)生物の複数の臨床上のパラメーターに関連した情報 を含む複数のデータカテゴリーを含む統合されたデータベース; b)上記データカテゴリーに対応する複数の生物のデータ;および i)正常な生物学上のプロセス、病理プロセス、または治療の介入に対す
    る薬理学上の応答を示すデータカテゴリーを同定するためにデータカテゴリーの
    相関分析が作成できるような、データカテゴリー内のデータを相関させるための
    プロセシング手段であって、但し上記の同定されたカテゴリーは生物学上のマー
    カーである を含む同定系。
  2. 【請求項2】 細胞集団および/または細胞関連分子のレベルに関するデータ
    がマイクロボリュームレーザースキャニングサイトメトリーにより得られる、請
    求項1記載の生物学上のマーカーの同定系。
  3. 【請求項3】 少なくとも20の細胞集団および/または細胞関連分子レベル
    データのカテゴリーを含む、請求項1または2記載の生物学上のマーカーの同定
    系。
  4. 【請求項4】 少なくとも30の細胞集団および/または細胞関連分子レベル
    データのカテゴリーを含む、請求項3記載の生物学上のマーカーの同定系。
  5. 【請求項5】 少なくとも40の細胞集団および/または細胞関連分子レベル
    データのカテゴリーを含む、請求項3記載の生物学上のマーカーの同定系。
  6. 【請求項6】 可溶性因子が可溶性蛋白質である、請求項1−3の何れか1項
    記載の生物学上のマーカーの同定系。
  7. 【請求項7】 可溶性因子が小分子である、請求項1記載の生物学上のマーカ
    ーの同定系。
  8. 【請求項8】 可溶性因子のレベルに関するデータがマイクロボリュームレー
    ザースキャニングサイトメトリーにより得られる、請求項1記載の生物学上のマ
    ーカーの同定系。
  9. 【請求項9】 可溶性因子のレベルに関するデータがイムノアッセイにより得
    られる、請求項1記載の生物学上のマーカーの同定系。
  10. 【請求項10】 少なくとも20の細胞集団および/または細胞関連分子レベ
    ルデータのカテゴリーを含む、請求項1記載の生物学上のマーカーの同定系。
  11. 【請求項11】 少なくとも30の細胞集団および/または細胞関連分子レベ
    ルデータのカテゴリーを含む、請求項10記載の生物学上のマーカーの同定系。
  12. 【請求項12】 少なくとも40の細胞集団および/または細胞関連分子レベ
    ルデータのカテゴリーを含む、請求項10記載の生物学上のマーカーの同定系。
  13. 【請求項13】 上記生物の少なくともいくつかからのデータが複数の時間に
    含まれる、請求項1記載の生物学上のマーカーの同定系。
  14. 【請求項14】 データがカテゴリーが、 iii)生物に関連した遺伝子型の情報を さらに含む、請求項1記載の生物学上のマーカーの同定系。
  15. 【請求項15】 可溶性因子のレベルに関するデータが質量分光分析により得
    られる、請求項1記載の生物学上のマーカーの同定系。
  16. 【請求項16】 臨床パラメーターに関連した情報が、年齢、性別、体重、伸
    長、血液型、病歴、家族の病歴、環境因子および疾患または医学上の症状の顕在
    および類別からなる群から選択される、請求項1記載の生物学上のマーカーの同
    定系。
  17. 【請求項17】 治療処置投与の前または後にデータが生物から得られる、請
    求項1記載の生物学上のマーカーの同定系。
  18. 【請求項18】 上記データの少なくともいくつかが、予め決定された疾患ま
    たは医学上の症状を有すると以前に診断された生物から得られる、請求項1記載
    の生物学上のマーカーの同定系。
  19. 【請求項19】 上記データの少なくともいくつかが、予め決定された疾患ま
    たは医学上の症状を有すると以前に診断された生物から複数の時間点において得
    られる、請求項1記載の生物学上のマーカーの同定系。
  20. 【請求項20】 予め決定された疾患または医学上の症状が慢性関節リウマチ
    である、請求項1記載の生物学上のマーカーの同定系。
  21. 【請求項21】 予め決定された疾患または医学上の症状が、慢性関節リウマ
    チ、喘息、アレルギーおよび多発性硬化症からなる群から選択される、請求項1
    8または19記載の生物学上のマーカーの同定系。
  22. 【請求項22】 上記データカテゴリーが生物の生物学上の流体中の複数の細
    胞集団および/または細胞関連分子のレベルおよび生物の生物学上の流体中の複
    数の可溶性因子乗れベルを含む、請求項1記載の生物学上のマーカーの同定系。
  23. 【請求項23】 所定の疾患または医学上の症状に関する生物学上のマーカー
    を同定するための方法であって、 複数の生物から得られた情報を相関させるが、但し上記生物のいくつかが上記
    疾患または医学上の症状を有し、情報が複数のデータカテゴリーに関連し、そし
    て上記データカテゴリーが i)生物の生物学上の流体中の複数の細胞集団および/または細胞関連分子の
    レベル、および/または生物の生物学上の流体中の複数の可溶性因子のレベル、
    および ii)生物の複数の臨床上のパラメーターに関連した情報 からなり、そして 上記疾患または医学上の症状を有する生物が上記疾患または医学上の症状を有さ
    ない生物とは異ってよく、そして同定された上記カテゴリーが上記疾患のための
    生物学上のマーカーであること を含む、上記方法。
  24. 【請求項24】 細胞集団および/または細胞関連分子のレベルに関するデー
    タがマイクロボリュームレーザースキャニングサイトメトリーにより得られる、
    請求項23記載の生物学上のマーカーの同定系。
  25. 【請求項25】 少なくとも20の細胞集団および/または細胞関連分子レベ
    ルデータのカテゴリーを含む、請求項23記載の生物学上のマーカーの同定系。
  26. 【請求項26】 少なくとも30の細胞集団および/または細胞関連分子レベ
    ルデータのカテゴリーを含む、請求項25記載の生物学上のマーカーの同定系。
  27. 【請求項27】 少なくとも40の細胞集団および/または細胞関連分子レベ
    ルデータのカテゴリーを含む、請求項25記載の生物学上のマーカーの同定系。
  28. 【請求項28】 可溶性因子のレベルに関するデータがマイクロボリュームレ
    ーザースキャニングサイトメトリーにより得られる、請求項23記載の生物学上
    のマーカーの同定系。
  29. 【請求項29】 少なくとも20の細胞集団および/または細胞関連分子レベ
    ルデータのカテゴリーを含む、請求項23記載の生物学上のマーカーの同定系。
  30. 【請求項30】 少なくとも30の細胞集団および/または細胞関連分子レベ
    ルデータのカテゴリーを含む、請求項29記載の生物学上のマーカーの同定系。
  31. 【請求項31】 少なくとも40の細胞集団および/または細胞関連分子レベ
    ルデータのカテゴリーを含む、請求項29記載の生物学上のマーカーの同定系。
  32. 【請求項32】 データがカテゴリーが、 iii)生物に関連した遺伝子型の情報を さらに含む、請求項23記載の生物学上のマーカーの同定系。
  33. 【請求項33】 可溶性因子のレベルに関するデータが質量分光分析により得
    られる、請求項23記載の生物学上のマーカーの同定系。
  34. 【請求項34】 可溶性因子のレベルに関するデータがイムノアッセイにより
    得られる、請求項23記載の生物学上のマーカーの同定系。
  35. 【請求項35】 臨床パラメーターに関連した情報が、年齢、性別、体重、伸
    長、血液型、病歴、家族の病歴、環境因子および疾患または医学上の症状の顕在
    および類別からなる群から選択される、請求項23記載の生物学上のマーカーの
    同定系。
  36. 【請求項36】 予め決定された疾患または医学上の症状が慢性関節リウマチ
    である、請求項23記載の生物学上のマーカーの同定系。
  37. 【請求項37】 予め決定された疾患または医学上の症状が、慢性関節リウマ
    チ、喘息、アレルギーおよび多発性硬化症からなる群から選択される、請求項2
    3記載の生物学上のマーカーの同定系。
  38. 【請求項38】 i)細胞集団および/または細胞関連分子に関する少なくと
    も20のアッセイの結果; ii)可溶性因子に関する少なくとも20のアッセイの結果;および iii)臨床上のパラメーター を含む、複数の生物学上のパラメーターを含む、生物の表現型。
  39. 【請求項39】 細胞集団および/または細胞関連分子に関する少なくとも4
    0のアッセイの結果を含む、請求項38記載の表現型。
  40. 【請求項40】 可溶性因子に関する少なくとも40のアッセイの結果を含む
    、請求項38記載の表現型。
  41. 【請求項41】 上記生物の遺伝子型の情報をさらに含む、請求項38記載の
    表現型。
  42. 【請求項42】 生物のクラスまたはサブクラスの表現型であって、上記クラ
    スまたはサブクラスの複数のメンバーからの複数の生物学上のパラメーターから
    なり;但し上記メンバー各々からの、上記生物学上のパラメーターは、 i)細胞集団および/または細胞関連分子に関する少なくとも20のアッセイ
    の結果; ii)可溶性因子に関する少なくとも20のアッセイの結果;および iii)臨床上のパラメーター を含む、上記表現型。
  43. 【請求項43】 細胞集団および/または細胞関連分子に関する少なくとも4
    0のアッセイの結果を含む、請求項42記載の表現型。
  44. 【請求項44】 可溶性因子に関する少なくとも40のアッセイの結果を含む
    、請求項42記載の表現型。
  45. 【請求項45】 上記生物の遺伝子型の情報をさらに含む、請求項42記載の
    表現型。
  46. 【請求項46】 生物の表現型を創製するための系であって、 i)a)細胞集団および/または細胞関連分子に関する少なくとも20のアッ
    セイの結果; b)可溶性因子に関する少なくとも20のアッセイの結果;および c)臨床上のパラメーター を含む上記生物からの生物学上のパラメーター得て、そして ii)統合されたデータベースへ上記生物学上のパラメーターを入力すること
    からなる、上記系。
  47. 【請求項47】 細胞集団および/または細胞関連分子に関する少なくとも4
    0のアッセイの結果を含む、請求項46記載の表現型。
  48. 【請求項48】 可溶性因子に関する少なくとも40のアッセイの結果を含む
    、請求項46記載の表現型。
  49. 【請求項49】 上記生物の遺伝子型の情報をさらに含む、請求項46記載の
    表現型。
  50. 【請求項50】 生物に対する不安の効果を評価するための方法であって、 i)上記不安の前または後に上記生物の表現型を得て;そして ii)変化した表現型を同定するために上記の前と後の表現型の情報を比較す
    ることからなるが、 但し、上記表現型が、 a)細胞集団および/または細胞関連分子に関する少なくとも20のアッセイ
    の結果; b)可溶性因子に関する少なくとも20のアッセイの結果;および c)臨床上のパラメーター からなる、上記方法。
  51. 【請求項51】 細胞集団および/または細胞関連分子に関する少なくとも4
    0のアッセイの結果を含む、請求項50記載の表現型。
  52. 【請求項52】 可溶性因子に関する少なくとも40のアッセイの結果を含む
    、請求項50記載の表現型。
  53. 【請求項53】 上記生物の遺伝子型の情報をさらに含む、請求項50記載の
    表現型。
  54. 【請求項54】 生物のクラスまたはサブクラスに対する不安の効果を評価す
    るための方法であって、 i)上記不安の前または後に上記生物の上記クラスまたはサブクラスの表現型
    を得て;そして ii)変化した表現型を同定するために上記の前と後の表現型の情報を比較す
    ることからなるが、 但し、上記表現型が、 a)細胞集団および/または細胞関連分子に関する少なくとも20のアッセイ
    の結果; b)可溶性因子に関する少なくとも20のアッセイの結果;および c)臨床上のパラメーター からなる、上記方法。
  55. 【請求項55】 生物またはクラスまたはサブクラスまたは生物に対する不安
    の効果を評価するための方法であって、 i)上記不安により作用されなかった複数の上記生物の表現型および上記不安
    により作用された一つまたは複数の上記生物の表現型を得て;そして ii)上記不安により作用されなかった複数の上記生物の表現型の情報を、上
    記不安により作用された一つまたは複数の上記生物の表現型の情報と比較するこ
    とからなるが、 但し、上記表現型が、 a)細胞集団および/または細胞関連分子に関する少なくとも20のアッセイ
    の結果; b)可溶性因子に関する少なくとも20のアッセイの結果;および c)臨床上のパラメーター からなる、上記方法。
  56. 【請求項56】 疾患または医学上の症状の生物学上のマーカーの上記疾患ま
    たは医学上の症状を有する動物モデルにおける同定のための系であって、 a)複数のデータカテゴリーを含む、 i)生物の生物学上の流体中の複数の細胞集団および/または細胞関連分子の
    レベル、および/または生物の生物学上の流体中の複数の可溶性因子のレベル、
    および ii)生物の複数の臨床上のパラメーターに関連した情報 を含む統合されたデータベース;および b)上記データカテゴリーに相当する複数の動物からのデータ;および i)正常な生物学上のプロセス、病理プロセス、または治療の介入に対する薬
    理学上の応答を示すデータカテゴリーを同定するためにデータカテゴリーの相関
    分析が作成できるような、データカテゴリー内のデータを相関させるためのプロ
    セシング手段であって、 但し上記の同定されたカテゴリーは生物学上のマーカーである、 を含む上記同定系。
  57. 【請求項57】 細胞集団および/または細胞関連分子のレベルに関するデー
    タがマイクロボリュームレーザースキャニングサイトメトリーにより得られる、
    請求項56記載の生物学上のマーカーの同定系。
  58. 【請求項58】 少なくとも20の細胞集団および/または細胞関連分子レベ
    ルデータのカテゴリーを含む、請求項56および57記載の生物学上のマーカー
    の同定系。
  59. 【請求項59】 少なくとも40の細胞集団および/または細胞関連分子レベ
    ルデータのカテゴリーを含む、請求項58記載の生物学上のマーカーの同定系。
  60. 【請求項60】 少なくとも20の可溶性因子レベルデータのカテゴリーを含
    む、請求項56記載の生物学上のマーカーの同定系。
  61. 【請求項61】 少なくとも40の可溶性因子レベルデータのカテゴリーを含
    む、請求項56記載の生物学上のマーカーの同定系。
  62. 【請求項62】 上記データカテゴリーが、 動物に関連した遺伝子型情報 をさらに含む、請求項56記載の生物学上のマーカーの同定系。
  63. 【請求項63】 所定の疾患または医学上の症状に関する生物学上のマーカー
    を上記疾患または医学上の症状の動物モデルにおいて同定するための方法であっ
    て、 上記疾患または医学上の症状の動物モデルを用意し、 複数の個々の生物から得られた情報を相関させるが、但し上記個々の生物のい
    くつかが上記疾患または医学上の症状を有し、情報が複数のデータカテゴリーに
    関連し、そして上記データカテゴリーが i)個体の生物学上の流体中の複数の細胞集団および/または細胞関連分子の
    レベル、および/または個々の動物の生物学上の流体中の複数の可溶性因子のレ
    ベル、および ii)個々の動物の複数の身体上のパラメーターに関連した情報 からなり、そして 上記疾患または医学上の症状を有する個々の動物が上記疾患または医学上の症
    状を有さない個々の動物とは異ってよいデータカテゴリーを同定するが、但し上
    記同定されたカテゴリーが上記動物モデルの上記疾患のための生物学上のマーカ
    ーであること を含む、上記方法。
  64. 【請求項64】 所定の疾患または医学上の症状に関する生物学上のマーカー
    をヒトにおいて同定するための方法であって、 上記疾患または医学上の症状の動物モデルを用意し、 請求項63に記載の方法に従い、上記疾患または医学上の症状の動物モデルに
    おいて上記疾患または医学上の症状に関する生物学上のマーカーを同定し;そし
    て 上記生物学上のマーカーがヒトにおいて上記疾患または医学上の症状の診断用
    または予防用であるか否かを決定すること からなる上記方法。
  65. 【請求項65】 ヒトの疾患または医学上の症状に対して向けられた候補治療
    剤をアッセイする方法であって、 上記疾患または医学上の症状の動物モデルを用意し、 請求項63記載の方法により、上記動物モデルの上記疾患または医学上の症状
    の少なくとも一つの生物学上のマーカーを同定し; 上記動物モデルを上記候補治療剤で処置し;そして 上記動物モデルの上記生物学上のマーカーの応答を監視すること からなる上記方法。
  66. 【請求項66】 所定の疾患または医学上の症状を有するヒトにおいて臨床研
    究の結果を監視するための、上記疾患または医学上の症状の動物モデルにおいて
    同定された生物学上のマーカーの相同物であるヒトの生物学上のマーカーを評価
    することを含む方法。
  67. 【請求項67】 ヒトの疾患または医学上の症状に関して改良された動物モデ
    ルをデザインする方法であって、 上記疾患または医学上の症状に関するヒトの生物学上のマーカーを同定し; 上記ヒトの生物学上のマーカーの動物の相同物のレベルを上昇させるかまたは
    減少させることにより、上記疾患または医学上の症状をより正確にまねるように
    動物モデルを仕立てることからなる上記方法。
  68. 【請求項68】 疾患または医学上の症状の動物モデルを同定する方法であっ
    て、 i)上記疾患または医学上の症状の複数の有力な動物モデルの表現型を得て; ii)上記疾患または医学上の症状を有する生物の表現型を得て; iii)上記疾患または医学上の症状を有する生物の表現型をもっとも密接に
    模擬する動物モデルの表現型を同定するために、上記有力な動物モデルの表現型
    を、上記疾患または医学上の症状を有する生物の表現型と比較すること; からなり、但し、上記表現型が、 a)細胞集団および/または細胞関連分子に関する少なくとも20のアッセイ
    の結果; b)可溶性因子に関する少なくとも20のアッセイの結果;および c)臨床上のパラメーター からなる、上記方法。
  69. 【請求項69】 上記生物がヒト、動物、植物、およびウイルスからなる群か
    ら選択される、請求項38記載の表現型。
  70. 【請求項70】 上記クラスまたはサブクラスまたは生物がヒト、動物、植物
    、およびウイルスからなる群から選択される、請求項42記載の表現型。
  71. 【請求項71】 植物または動物に対しての遺伝子の変更の効果を評価する方
    法であって、 i)遺伝子を変更した植物または動物の表現型と、遺伝子を変更されなかった
    植物または動物の表現型を得て;そして ii)遺伝子を変更した表現型と遺伝子を変更しなかった表現型を比較するこ
    とにより変化したパラメーターを同定するが、 但し、上記表現型が、 a)細胞集団および/または細胞関連分子に関する少なくとも20のアッセイ
    の結果; b)可溶性因子に関する少なくとも20のアッセイの結果;および c)臨床上のパラメーター からなる、上記方法。
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