JP2002542786A - Dsp−5二重特異性mapキナーゼホスファターゼ - Google Patents

Dsp−5二重特異性mapキナーゼホスファターゼ

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JP2002542786A JP2000614403A JP2000614403A JP2002542786A JP 2002542786 A JP2002542786 A JP 2002542786A JP 2000614403 A JP2000614403 A JP 2000614403A JP 2000614403 A JP2000614403 A JP 2000614403A JP 2002542786 A JP2002542786 A JP 2002542786A
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cell
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ラルフ エム. ルーチェ,
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セプティア, インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 細胞増殖、細胞分化、および細胞の生存に関する状態の処置のための組成物および方法が、提供される。詳細には、二重特異性ホスファターゼDSP−5、およびDSP−5基質の脱リン酸化を刺激するDSP−5のポリペプチド改変体が、提供される。これらのポリペプチドを用いて、例えば、DSP−5活性を阻害する抗体および他の薬剤を同定し得る。これらのポリペプチドおよび薬剤を用いて、細胞増殖、細胞分化、および細胞の生存を調節し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、一般的に、細胞増殖、細胞分化、および/または細胞生存における
欠損と関連する状態を処置するために有用な組成物および方法に関する。本発明
は、より詳細には、二重特異性プロテインホスファターゼおよびそのポリペプチ
ド改変体に関する。本発明はまた、増殖性応答、細胞分化、および/または細胞
生存をもたらすシグナル伝達を調節する抗体および他の薬剤(低分子を含む)の
同定のためのそのようなポリペプチドの使用に関する。
【0002】 (発明の背景) マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPキナーゼ)は、種々の保存性
のメンバーを有する保存された細胞シグナル伝達経路の構成要素として存在する
。MAPキナーゼは、配列Thr−X−Tyrを有する二重リン酸化モチーフに
おけるリン酸化(MAPキナーゼキナーゼによる)によって活性化される。ここ
で、チロシン残基およびスレオニン残基でのリン酸化が活性に必要である。活性
化されたMAPキナーゼは、いくつかの伝達標的(transduction
target)(転写薬剤を含む)をリン酸化する。MAPキナーゼの不活化は
、MAPキナーゼホスファターゼと呼ばれる二重特異性ホスファターゼによる、
この部位での脱リン酸化によって媒介される。高等真核生物において、MAPキ
ナーゼシグナル伝達の生理的役割は、増殖、腫瘍形成、発生、および分化のよう
な、細胞内事象と相関していた。従って、これらの経路を介してシグナル伝達を
調節する能力は、MAPキナーゼシグナル伝達と関連するヒト疾患(例えば、癌
)についての処置および予防療法の開発をもたらし得る。
【0003】 二重特異性プロテインチロシンホスファターゼ(二重特異性ホスファターゼ)
は、ホスホチロシン残基とホスホスレオニン/セリン残基との両方を脱リン酸化
するホスファターゼである(Waltonら、Ann.Rev.Biochem
.62:101−120、1993)。MAPキナーゼを不活性化するいくつか
の二重特異性ホスファターゼが同定されており、これらには、MKP−1(WO
97/00315;KeyseおよびEmslie、Nature 59:64
4−647、1992)、MKP−4、MKP−5、MKP−7、Hb5(WO
97/06245)、PAC1(Wardら、Nature 367:651−
654、1994)、HVH2(GuanおよびButch、J.Biol.C
hem.270:7197−7203、1995)、およびPYST1(Gro
omら、EMBO J.15:3621−3632、1996)が含まれる。特
定の二重特異性ホスファターゼの発現は、ストレスまたはマイトジェンによって
誘導されるが、他の二重特異性ホスファターゼは、特定の細胞型において構成的
に発現されるようである。二重特異性ホスファターゼの発現および活性の調節は
、細胞増殖、細胞分化、および細胞生存を含む、MAPキナーゼ媒介性の細胞機
能の制御に重要である。例えば、二重特異的ホスファターゼは、細胞増殖のネガ
ティブレギュレーターとして機能し得る。細胞の型または活性化に関して種々の
特異性を有する、多くのこのような二重特異性ホスファターゼが存在する可能性
がある。しかし、二重特異性ホスファターゼの調節は、理解が乏しいままであり
、そして比較的少ない数の二重特異性ホスファターゼのみしか同定されていない
【0004】 従って、当該分野において、MAPキナーゼシグナル伝達カスケードにおける
、MAPシグナル伝達、および二重特異性ホスファターゼの調節の理解の改善に
ついての必要性が存在する。二重特異性ホスファターゼ調節の理解の増加は、M
APキナーゼカスケードに関与するタンパク質の活性を調節するための方法の開
発、およびこのようなカスケードと関連する状態を処置するための方法の開発を
容易にし得る。本発明は、これらの必要性を満足し、そしてさらに、他の関連す
る利点を提供する。
【0005】 (発明の要旨) 手短に述べれば、本発明は、細胞増殖応答を調節し得る薬剤を同定するための
組成物および方法を提供する。1つの局面において、本発明は、配列番号2に列
挙されるDSP−5の配列またはその改変体を有する単離されたDSP−5ポリ
ペプチドを提供し、この改変体は、そのポリペプチドが活性化MAPキナーゼを
脱リン酸化する能力を保持しているように、配列番号2の残基の50%以下での
1以上アミノ酸の欠失、付加、挿入、または置換にて異なる。
【0006】 さらなる局面において、本発明は、配列番号2に対応する配列を有するポリペ
プチドの少なくとも10個連続するアミノ酸をコードする単離されたポリヌクレ
オチドを提供する。特定の実施形態において、本発明は、配列番号2に対応する
配列を有するポリペプチドの少なくとも15個連続するアミノ酸をコードする単
離されたポリヌクレオチドを提供する。特定のこのようなポリヌクレオチドは、
DSP−5ポリペプチドをコードする。なおさらに、ポリヌクレオチドは、DS
P−5ポリヌクレオチドの一部に相補的である少なくとも15個連続するヌクレ
オチドを含み、かつ/または0.1×SSCおよび0.1% SDS中で、50
℃で、少なくとも15分間の洗浄を含む条件下で、配列番号1に列挙される配列
の相補体に検出可能にハイブリダイズする、アンチセンスポリヌクレオチドであ
り得る。前述のポリヌクレオチドのいずれかを含む発現ベクター、およびそのよ
うな発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞もまた、提
供される。
【0007】 本発明はさらに、他の局面において、以下の工程:(a)DSP−5ポリペプ
チドの発現を可能にする条件下で、上記のような宿主細胞を培養する工程;およ
び(b)上記宿主細胞培養物からDSP−5ポリペプチドを単離する工程、を包
含する、DSP−5ポリペプチドを産生するための方法を提供する。
【0008】 DSP−5ポリペプチド(例えば、配列番号2の配列を有するポリペプチド)
に特異的に結合する、単離された抗体およびその抗原結合フラグメントもまた、
本発明によって提供される。
【0009】 本発明はさらに、他の局面において、上記のようなポリペプチド、ポリヌクレ
オチド、抗体またはそのフラグメントを、生理学的に受容可能なキャリアと合わ
せて含む、薬学的組成物を提供する。
【0010】 さらなる局面において、本発明は、サンプル中のDSP−5発現を検出するた
めの方法を提供し、この方法は、(a)抗体/DSP−5複合体の形成を可能に
するのに十分な条件下かつ時間の間、サンプルを、上記のような抗体またはその
抗原結合フラグメントと接触させる工程;および(b)抗体/DSP−5複合体
のレベルを検出する工程、を包含する。
【0011】 なお他の局面において、本発明は、サンプル中のDSP−5発現を検出するた
めの方法を提供し、この方法は、(a)サンプルを、上記のようなアンチセンス
ポリヌクレオチドと接触させる工程;および(b)そのアンチセンスポリヌクレ
オチドとハイブリダイズするDSP−5ポリヌクレオチドの量を、そのサンプル
中で検出する工程、を包含する。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応またはハイブリ
ダイゼーションアッセイを用いて、そのアンチセンスポリヌクレオチドとハイブ
リダイズするDSP−5ポリヌクレオチドの量が決定され得る。
【0012】 本発明はまた、酵素活性および/または基質結合のモジュレーターについての
スクリーニングアッセイにおいて有用なDSP−5ポリペプチドを提供する。他
の局面において、DSP−5活性を調節する薬剤についてスクリーニングするた
めの方法もまた提供され、この方法は以下の工程を包含する:(a)候補薬剤を
上記のようなDSP−5ポリペプチドと、そのポリペプチドと候補薬剤との間の
相互作用を可能にするのに十分な条件下かつ時間の間、接触させる工程;および
(b)続いて、候補薬剤の非存在下で、そのポリペプチドがDSP−5基質を脱
リン酸化する予め決定した能力と比較して、DSP−5基質を脱リン酸化するそ
のポリペプチドの能力を評価する工程。このような方法は、インビトロまたは細
胞環境中(例えば、インタクトな細胞中)で実施され得る。
【0013】 さらなる局面において、DSP−5活性を調節する薬剤についてスクリーニン
グするための方法が提供され、この方法は、以下の工程を包含する:(a)候補
薬剤を、検出可能な転写物またはタンパク質をコードするポリヌクレオチドに作
動可能に連結されたDSP−5プロモーターを含む細胞と、そのプロモーターと
候補薬剤との間の相互作用を可能にするに十分な条件かつ時間で、接触させる工
程;ならびに引き続いて(b)候補薬剤の非存在下での予め決定したレベルの発
現と比較して、そのポリヌクレオチドの発現を評価する工程。
【0014】 また、細胞における増殖性応答を調節するための方法も提供され、その方法は
、DSP−5活性を調節する薬剤と細胞を接触させる工程を包含する。
【0015】 さらなる局面において、細胞の分化を調節するための方法が提供され、その方
法は、DSP−5活性を調節する薬剤と細胞を接触させる工程を包含する。
【0016】 本発明はさらに、細胞の生存を調節するための方法を提供し、その方法は、D
SP−5活性を調節する薬剤と細胞を接触させる工程を包含する。
【0017】 関連する局面において、本発明は、DSP−5活性と関連する(かまたは、D
SP−5の投与により処置可能な)障害に罹患した患者を処置するための方法を
提供し、この方法は、DSP−5活性を調節する薬剤の治療上有効な量を患者に
投与する工程を包含する。このような障害としては、癌、対宿主性移植片病、自
己免疫疾患、アレルギー、代謝疾患、異常な細胞成長(growth)、異常な
細胞増殖(proliferation)および細胞周期異常が、挙げられる。
【0018】 さらなる局面において、DSP−5基質捕捉変異体ポリペプチドが提供される
。このようなポリペプチドは、そのポリペプチドが、DSP−5と比較して実質
的には減少していない親和性にて基質に結合するように、かつそのポリペプチド
が基質を脱リン酸化する能力は、DSP−5と比較して減少しているように、配
列番号2中の残基の50%以下での1つ以上のアミノ酸の欠失、付加、挿入また
は置換にて、配列番号2に記載される配列と異なる。特定の実施形態において、
基質捕捉変異体ポリペプチドは、配列番号2の84位または115位の置換を含
む。
【0019】 本発明はさらに、他の局面において、DSP−5と相互作用する能力について
分子をスクリーニングするための方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含
する:(a)候補分子を上記のDSP−5ポリペプチドまたはその改変体と、そ
の候補分子とポリペプチドとが相互作用するのを可能にするに十分な条件かつ時
間で、接触させる工程;ならびに(b)そのポリペプチドへのその候補分子の結
合の存在または非存在を検出する工程。この検出工程は、例えば、アフィニティ
ー精製工程、酵母ツーハイブリッドスクリーニング、またはファージディスプレ
イのスクリーニングを含み得る。
【0020】 1つの局面において、本発明は、配列番号4に記載されるDSP−5代替形態
の配列またはその改変体を有する単離されたDSP−5ポリペプチドを提供し、
この改変体は、配列番号4の残基の50%以下において、1以上のアミノ酸欠失
、付加、挿入または置換にて異なり、その結果、このポリペプチドは、活性化M
AP−キナーゼを脱リン酸化する能力を保持する。
【0021】 さらなる局面において、本発明は、配列番号4に対応する配列を有するポリペ
プチドの少なくとも10個の連続アミノ酸をコードする単離されたポリヌクレオ
チドを提供する。特定の実施形態において、本発明は、配列番号4に対応する配
列を有するポリペプチドの少なくとも15個の連続したアミノ酸をコードする単
離されたポリヌクレオチドを提供する。特定のこのようなポリヌクレオチドは、
DSP−5代替形態ポリペプチドをコードする。なおさらに、ポリヌクレオチド
は、DSP−5代替形態のポリペプチドの一部に相補的な少なくとも15個の連
続したヌクレオチドを含み、そして/または60℃での15分間の0.1X S
SCおよび0.1% SDS中での洗浄を含む条件下で、配列番号2に記載され
る配列の相補体に検出可能にハイブリダイズするアンチセンスポリヌクレオチド
であり得る。前述のポリヌクレオチドのいずれかを含む発現ベクター、およびこ
のような発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされる宿主細胞がまた
、提供される。
【0022】 他の局面において、本発明はさらに、以下の工程:(a)DSP−5代替形態
ポリペプチドの発現を可能にする条件下で、上記の宿主細胞を培養する工程;お
よび(b)DSP−5代替形態ポリペプチドを宿主細胞培養物から単離する工程
、を包含するDSP−5代替形態ポリペプチドを産生するための方法をさらに提
供する。
【0023】 単離された抗体、およびその抗原結合フラグメント(これらは、配列番号4の
配列を有するポリペプチドのようなDSP−5代替形態のポリペプチドに特異的
に結合する)がまた、本発明により提供される。
【0024】 他の局面において、本発明は、さらに、生理学的に受容可能なキャリアと組み
合わせて、上記のようなポリペプチド、ポリヌクレオチド、抗体またはそのフラ
グメントを含む薬学的組成物を提供する。
【0025】 さらなる局面において、本発明は、以下の工程を含む、サンプル中のDSP−
5代替形態発現を検出するための方法を提供する:(a)抗体/DSP−5代替
形態複合体の形成を可能にするのに十分な条件でかつ時間で、上記のような抗体
またはその抗原結合フラグメントとサンプルを接触させる工程;および(b)抗
体/DSP−5代替形態複合体のレベルを検出する工程。
【0026】 なお他の局面において、本発明は、以下の工程を含む、サンプル中のDSP−
5代替形態発現を検出するための方法を提供する:(a)上記のようなアンチセ
ンスポリヌクレオチドとサンプルを接触させる工程;および(b)サンプル中の
アンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイズするDSP−5代替形態ポリヌ
クレオチドの量を検出する工程。アンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイ
ズするDSP−5代替形態ポリヌクレオチドの量を、例えば、ポリメラーゼ連鎖
反応またはハイブリダイゼーションアッセイを用いて検出し得る。
【0027】 本発明はまた、酵素活性および/または基質結合のモジュレーターについての
スクリーニングアッセイに有用なDSP−5代替形態のポリペプチドを提供する
。他の局面において、以下の工程を含む、DSP−5代替形態活性を調節する薬
剤についてのスクリーニングのための方法がまた、提供される:(a)ポリペプ
チドと候補薬剤との間の相互作用を可能にするに十分な条件下でかつ時間で、上
記のようなポリペプチドと候補薬剤を接触させる工程;および(b)候補薬剤の
非存在でDSP−5代替形態基質を脱リン酸化するポリペプチドの予め決定され
た能力と比較して、DSP−5代替形態基質を脱リン酸化するポリペプチドの能
力をその後に評価する工程。このような方法は、インビボまたは細胞環境(例え
ば、インタクトな細胞内で)実施され得る。
【0028】 さらなる局面において、以下の工程を包含する、DSP−5代替形態活性を調
節する薬剤についてスクリーニングするための方法が、提供される:(a)プロ
モーターと候補薬剤との間の相互作用を可能にするに十分な条件下でかつ時間で
、検出可能な転写物またはタンパク質をコードするポリヌクレオチドに操作可能
に連結されたDSP−5代替形態プロモーターを含む細胞と候補薬剤を接触させ
る工程;および(b)候補薬剤の非存在下で発現の予め決定されたレベルと比較
して、ポリヌクレオチドの発現をその後に評価する工程。
【0029】 DSP−5代替形態活性を調節する薬剤と細胞を接触させる工程を包含する、
細胞における増殖応答を調節するための方法がまた、提供される。
【0030】 さらなる局面において、DSP−5代替形態活性を調節する薬剤と細胞を接触
させる工程を包含する、細胞の分化を調節する方法が、提供される。
【0031】 本発明は、さらに、DSP−5代替形態活性を調節する薬剤と細胞を接触させ
る工程を包含する、細胞生存を調節するための方法を提供する。
【0032】 関連した局面において、本発明は、DSP−5代替形態活性に関連する障害(
またはDSP−5代替形態の投与によって処置可能な障害)に罹患する患者を処
置する方法を提供する。この方法は、DSP−5代替形態活性を調節する治療有
効量の薬剤を患者に投与する工程を包含する。このような障害としては、癌、対
宿主性移植片病、自己免疫疾患、アレルギー、代謝疾患、異常な細胞成長(gr
owth)、異常な細胞増殖(proliferation)および細胞周期異
常が、挙げられる。
【0033】 さらなる局面において、変異ポリペプチドを捕捉するDSP−5代替形態基質
が提供される。このようなポリペプチドは、配列番号4における残基の50%以
下における1以上のアミノ酸欠失、付加、挿入または置換にて配列番号4に記載
される配列と異なり、その結果、このポリペプチドは、DSP−5代替形態に比
較して実質的に減少されない親和性で基質に結合し、かつ基質を脱リン酸化する
このポリペプチドの能力は、DSP−5代替形態に比較して減少される。特定の
特異的実施形態において、基質捕捉変異ポリペプチドは、配列番号4の84位ま
たは115位に置換を含む。
【0034】 他の局面において、本発明は、さらに、以下の工程を包含する、DSP−5代
替形態と相互作用する能力について分子をスクリーニングするための方法を提供
する:(a)候補分子およびポリペプチドに相互作用させるに十分な条件下かつ
時間で上記のようなDSP−5代替形態ポリペプチドまたはその改変体と候補分
子を接触させる工程;および(b)候補分子のポリペプチドへの結合の存在また
は非存在を検出する工程。検出する工程は、例えば、アフィニティー精製工程、
酵母ツーハイブリッドスクリーンまたはファージディスプレイライブラリーのス
クリーンを含み得る。
【0035】 本発明のこれらの局面および他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面
を参照することによって、明らかになる。本明細書中に開示されるすべての参考
文献は、各々が個別に援用されたかのように、その全体が参考として本明細書中
に援用される。
【0036】 (発明の詳細な説明) 上記のように、本発明は、一般的に、インビトロおよびインビボでの細胞増殖
性応答を調節(すなわち、刺激または阻害)するための、組成物および方法に関
する。詳細には、本発明は、二重特異性ホスファターゼDSP−5またはDSP
−5代替形態(図1〜4;配列番号1〜4)、ならびにその改変体、ならびにD
SP−5またはDSP−5代替形態に特異的に結合する抗体を提供する。また、
本明細書中に提供されるのは、スクリーニング、検出アッセイ、および関連する
治療用途のためにこのような化合物を使用するための、方法である。
【0037】 (DSP−5ポリペプチドおよびDSP−5ポリヌクレオチド) 本明細書中で使用される場合、用語「DSP−5ポリペプチド」または「DS
P−5代替形態ポリペプチド」とは、本明細書中に提供されるようなDSP−5
配列またはそのような配列の改変体を含む、ポリペプチドをいう。このようなポ
リペプチドは、DSP−5基質中のチロシン残基およびスレオニン/セリン残基
の両方を脱リン酸化し得、ネイティブの全長DSP−5またはDSP−5代替形
態の活性と比較して、実質的には減少していない活性を有する。DSP−5また
はDSP−5代替形態基質は、活性化(すなわち、リン酸化)MAP−キナーゼ
を含む。他の基質は、本明細書中で記載されるように、基質捕捉変異体を使用し
て同定され得、そして1つ以上のリン酸化チロシン残基、スレオニン残基および
/またはセリン残基を有する、ポリペプチドを含む。
【0038】 本発明の範囲内のDSP−5またはDSP−5代替形態ポリペプチド改変体は
、1つ以上の置換、欠失、付加および/または挿入を含み得る。特定のDSP−
5またはDSP−5代替形態改変体について、この改変体が、DSP−5基質内
のチロシンおよびスレオニン残基を脱リン酸化する能力は、実質的には減少しな
い。このようなDSP−5改変体が、DSP−5基質内のチロシンおよびスレオ
ニン残基を脱リン酸化する能力は、ネイティブのDSP−5またはDSP−5代
替形態と比較して、増強され得るか、または無変化であり得るか、あるいは、ネ
イティブのDSP−5またはDSP−5代替形態と比較して、50%未満減少さ
れ得、そして好ましくは、20%未満減少され得る。このような改変体は、本明
細書中で提供される代表的なアッセイを使用して、同定され得る。
【0039】 本発明によって、特定の機能が無能力にされているDSP−5またはDSP−
5代替形態の改変された形態もまた意図される。例えば、このようなタンパク質
は、構成的に活性または不活性であり得るか、あるいは、変更された結合性質ま
たは触媒性質を示し得る。このような変更されたタンパク質は、周知技術を使用
して生成され得、そして変更された機能は、本明細書中で提供されるようなスク
リーニングを使用して確認され得る。特定の改変されたDSP−5またはDSP
−5代替形態ポリペプチドは、「基質捕捉変異体」として公知である。このよう
なポリペプチドは、基質を結合する能力を保持する(すなわち、Kmが実質的に
は減少していない)が、基質を脱リン酸化する能力の減少(すなわち、kcat
、好ましくは、1分当たり1未満まで減少している)を示す。さらに、基質捕捉
変異体/基質複合体の安定性は、DSP−5/基質複合体(DSP−5代替形態
/基質複合体を含む)の安定性と比較して、実質的に減少していないはずである
。複合体安定性は、会合定数(Ka)に基づいて評価され得る。Km、kcatおよ
びKaの決定は、当該分野で公知の標準的な技術(例えば、WO 98/047
12;Lehninger,Biochemistry,1975 Worth
Publishers,NYを参照のこと)および本明細書中で提供されるア
ッセイを使用して、容易に達成され得る。基質捕捉変異体は、例えば、84位ま
たは115位でのアミノ酸置換によりDSP−5またはDSP−5代替形態を改
変することによって(例えば、84位のアミノ酸アスパラギン酸をアラニン残基
で置換することによって、または残基115のシステインをセリンで置換するこ
とによって)生成され得る。基質捕捉変異体は、例えば、DSP−5基質を同定
するために使用され得る。手短に言えば、改変されたDSP−5またはDSP−
5代替形態が、候補基質と接触されて(単独、または細胞抽出物のようなタンパ
ク質の混合物内で)、基質/DSP−5複合体の形成が可能になり得る。次いで
、この複合体は、従来技術によって単離され得、基質の単離および特徴付けが可
能になり得る。基質捕捉変異体の調製および使用は、例えば、PCT公開番号W
O 98/04712に記載される。
【0040】 好ましくは、改変体は、保存的置換を含む。「保存的置換」は、ペプチド化学
の当業者が、そのポリペプチドの二次構造および親水疎水度(hydropat
hy)が実質的に変化しないことを予期するように、1つのアミノ酸が、類似の
性質を有する別のアミノ酸に代わって置換されている、置換である。アミノ酸置
換は、一般的に、残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性および/または両
親媒性性質の類似性に基づいてなされ得る。例えば、負に荷電したアミノ酸とし
ては、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられる;正に荷電したアミノ酸
としては、リシンおよびアルギニンが挙げられる;ならびに類似の親水性価を有
する非荷電の極性ヘッド基(head group)を有するアミノ酸としては
、ロイシン、イソロイシンおよびバリン;グリシンおよびアラニン;アスパラギ
ンおよびグルタミン;ならびにセリン、スレオニン、フェニルアラニンおよびチ
ロシンが挙げられる。保存的変化を代表し得るアミノ酸の他のグループとしては
以下が挙げられる:(1)ala、pro、gly、glu、asp、gln、
asn、ser、thr;(2)cys、ser、tyr、thr;(3)va
l、ile、leu、met、ala、phe;(4)lys、arg、his
;および(5)phe、tyr、trp、his。改変体はまた、あるいは代わ
りに、非保存的変化を含み得る。
【0041】 一般的に、改変は、重要でない領域において、より容易になされ得、重要でな
い領域とは、DSP−5またはDSP−5代替形態の活性を実質的には変化しな
いネイティブ配列の領域である。重要でない領域は、本明細書中に記載されるよ
うな、特定の領域におけるDSP−5またはDSP−5代替形態配列の改変、お
よびホスファターゼアッセイにおける得られた改変体の能力の評価によって同定
され得る。好ましい配列改変は、活性部位ドメイン(VHCHAGVSRSVA
II、配列番号5)を保持するようになされる。特定の好ましい実施形態におい
て、このような改変は、DSP−5またはDSP−5代替形態と、DSP−5基
質以外の細胞成分との間の相互作用に影響を及ぼす。しかし、置換はまた、得ら
れた改変体が、基質脱リン酸化を刺激する能力を実質的に保持するならば、ネイ
ティブタンパク質の重要な領域においてなされ得る。特定の実施形態において、
改変体は、50%以下、好ましくは、25%以下のアミノ酸残基の、置換、欠失
、付加および/または挿入を含む。
【0042】 改変体はまた(あるいは、代わりに)、例えば、そのポリペプチドの活性に対
して最小の影響を有するアミノ酸の欠失または付加によって改変され得る。特に
、改変体は、アミノ末端および/またはカルボキシ末端で、さらなるアミノ酸配
列を含み得る。このような配列は、例えば、そのポリペプチドの精製または検出
を容易にするために使用され得る。
【0043】 DSP−5ポリペプチド(またはDSP−5代替形態ポリペプチド)は、種々
の周知技術のうちのいずれかを使用して調製され得る。以下に記載されるような
DNA配列によってコードされる組換えポリペプチドは、当業者に公知の種々の
発現ベクターのうちのいずれかを使用して、それらのDNA配列から容易に調製
され得る。発現は、組換えポリペプチドをコードするDNA分子を含む発現ベク
ターで形質転換されたかまたはトランスフェクトされた、任意の適切な宿主細胞
において達成され得る。適切な宿主細胞としては、原核生物、酵母および高等真
核生物細胞(哺乳動物細胞を含む)が挙げられ、そしてグリコシル化にて異なる
形態が、宿主細胞または単離後のプロセシングを変化させることによって生成さ
れ得る。培養培地へ組換えタンパク質またはポリペプチドを分泌する適切な宿主
/ベクター系由来の上清は、市販のフィルターを使用して最初に濃縮され得る。
濃縮後、その濃縮物は、適切な精製マトリックス(例えば、アフィニティマトリ
ックスまたはイオン交換樹脂)に適用され得る。最終的に、1つ以上の逆相HP
LC工程を利用して、組換えポリペプチドがさらに精製され得る。
【0044】 約100個よりも少ないアミノ酸、そして一般的には約50個よりも少ないア
ミノ酸を有する、部分および他の改変体はまた、当業者に周知の技術を使用して
、合成手順によって生成され得る。例えば、このようなポリペプチドは、市販の
固相技術(例えば、Merrifield固相合成法)のうちのいずれかを使用
して、合成され得、ここで、アミノ酸は、連続して、伸長するアミノ酸鎖に付加
される。Merrifield,J.Am.Chem.Soc.85:2149
−2146,1963を参照のこと。ポリペプチドの自動合成のための装置は、
Perkin−Elmer,Inc.,Applied BioSystems
Division(Foster City,CA)のような供給者から市販
されており、そして製造業者の使用説明書に従って、操作され得る。
【0045】 「DSP−5ポリヌクレオチド」は、DSP−5またはDSP−5代替形態ポ
リペプチドまたはその改変体の少なくとも一部分をコードする任意のポリヌクレ
オチドであるか、あるいはこのようなポリヌクレオチドに相補的である任意のポ
リヌクレオチドである。好ましいポリヌクレオチドは、DSP−5またはDSP
−5代替形態ポリペプチドをコードするかまたはこのような配列に相補的である
、少なくとも15個連続したヌクレオチド、好ましくは、少なくとも30個連続
したヌクレオチドを含む。特定のポリヌクレオチドは、DSP−5またはDSP
−5代替形態ポリペプチドをコードする;他のポリヌクレオチドは、以下に記載
されるようなプローブ、プライマーまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドとし
ての使用を見出し得る。ポリヌクレオチドは、一本鎖(コード鎖またはアンチセ
ンス鎖)あるいは二本鎖であり得、そしてDNA(ゲノムDNA、cDNAまた
は合成DNA)分子あるいはRNA分子であり得る。さらなるコード配列または
非コード配列が、本発明のポリヌクレオチド内に存在し得るが、必ずしもその必
要はなく、そしてポリヌクレオチドは、他の分子および/または支持物質に連結
され得るが、必ずしもその必要はない。
【0046】 DSP−5ポリヌクレオチドは、ネイティブ配列(すなわち、内因性DSP−
5またはDSP−5代替形態配列あるいはその一部分またはスプライス改変体)
を含み得るか、あるいはこのような配列の改変体を含み得る。ポリヌクレオチド
改変体は、上記のように、コードされたポリペプチドの活性が、実質的には減少
しないように、1つ以上の置換、付加、欠失および/または挿入を含み得る。コ
ードされたポリペプチドの活性に対する効果は、一般的に、本明細書中に記載さ
れるように評価され得る。改変体は、好ましくは、ネイティブのDSP−5また
はDSP−5代替形態またはその一部分をコードするポリヌクレオチド配列に、
少なくとも約70%の同一性、より好ましくは、少なくとも約80%の同一性お
よび最も好ましくは、少なくとも約90%の同一性を示す。パーセント同一性は
、AlignまたはBLASTアルゴリズム(Altschul,J.Mol.
Biol.219:555−565,1991;HenikoffおよびHen
ikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1091
5−10919,1992)のような当業者に周知のコンピュータアルゴリズム
を使用して、配列を比較することによって容易に決定され得、このアルゴリズム
は、NCBIウェブサイト(http://www/ncbi.nlm.nih
.gov/cgi−bin/BLAST)で入手可能である。デフォルトパラメ
ータが使用され得る。特定の改変体は、ネイティブの遺伝子に実質的に相同性で
ある。このようなポリヌクレオチド改変体は、中程度にストリンジェントな条件
下で、ネイティブのDSP−5またはDSP−5代替形態(または、相補的配列
)をコードする天然に存在するDNA配列またはRNA配列とハイブリダイズし
得る。適切な中程度にストリンジェントな条件は、例えば、5×SSC、0.5
% SDS、1.0mM EDTA(pH 8.0)の溶液中で予め洗浄する工
程;50℃〜68℃、5×SSCで、1〜16時間(例えば、一晩)ハイブリダ
イズする工程;その後、65℃までにて20〜40分間で1回または2回、0.
05〜0.1% SDSを含む2×SSC、0.5×SSCおよび0.2×SS
Cの各々の1つ以上で、洗浄する工程を包含する。さらなるストリンジェンシー
のために、条件は、50〜60℃、15〜40分間の0.1×SSCおよび0.
1% SDSでの洗浄を含み得る。当業者に公知のように、ハイブリダイゼーシ
ョン条件のストリンジェンシーの変化は、プレハイブリダイゼーション工程、ハ
イブリダイゼーション工程および洗浄工程のために使用される時間、温度および
/または溶液の濃度を変更することによって達成され得、そして適切な条件はま
た、使用されるプローブの特定のヌクレオチド配列、およびブロットされた発端
(proband)の核酸サンプルの特定のヌクレオチド配列に部分的に依存し
得る。従って、適切にストリンジェントな条件は、プローブの所望の選択性が、
1つ以上の特定の発端配列にハイブリダイズするが他の特定の発端配列にはハイ
ブリダイズしない能力に基づいて、同定される場合、過度の実験を伴わずに容易
に選択され得ることが認識される。
【0047】 遺伝コードの縮重の結果として、本明細書中に記載される通りのポリペプチド
をコードする多くのヌクレオチド配列が存在することもまた当業者によって認識
される。これらのポリヌクレオチドのうちのいくつかは、任意のネイティブな遺
伝子のヌクレオチド配列に対して最小の相同性を保有する。それにもかかわらず
、コドン使用法の相違に起因して変化するポリヌクレオチドが、本発明によって
特に意図される。
【0048】 ポリヌクレオチドは、任意の種々の技術を用いて調製され得る。例えば、ポリ
ヌクレオチドは、適切な細胞または組織型(例えば、ヒトの胸、精巣または胸腺
)から調製されたcDNAから増幅され得る。このようなポリヌクレオチドは、
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を介して増幅され得る。このアプローチについ
ては、配列特異的プライマーが、本明細書中に提供される配列に基づいて設計さ
れ得、そして購入または合成され得る。
【0049】 増幅された部分を用い、周知の技術を用いて全長の遺伝子が適切なライブラリ
ー(例えば、ヒト脳、精巣、または胸腺のcDNA)から単離され得る。このよ
うな技術内で、増幅に適切な1以上のポリヌクレオチドプローブまたはポリヌク
レオチドプライマーを用いてライブラリー(cDNAまたはゲノム)がスクリー
ニングされる。好ましくは、ライブラリーは、より大きな分子を含むように大き
さが選択される。ランダムプライムライブラリーもまた、遺伝子の5’領域およ
び上流領域を同定するために好適であり得る。ゲノムライブラリーは、イントロ
ンを得るためおよび5’配列を伸長させるために好適である。
【0050】 ハイブリダイゼーション技術について、部分配列が、周知の技術を用いて(例
えば、32Pを用いるニックトランスレーションまたは末端標識によって)標識さ
れ得る。次いで、細菌ライブラリーまたはバクテリオファージライブラリーが、
変性した細菌コロニーを含むフィルター(またはファージプラークを含むローン
(lawn))を、標識したプローブを用いてハイブリダイズすることによって
スクリーニングされ得る(例えば、Sambrookら,Molecular
Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spr
ing Harbor Laboratories,Cold Spring
Harbor,NY,1989を参照のこと)。ハイブリダイズするコロニーま
たはプラークが選択され、そして増殖され、そしてさらなる分析のためにDNA
が単離される。クローンを分析して、例えば、部分配列由来のプライマーおよび
ベクター由来のプライマーを用いるPCRによって、さらなる配列の量が決定さ
れ得る。制限地図および部分配列を生成して、オーバーラップする1以上のクロ
ーンを同定し得る。周知の技術を用いて適切なフラグメントを連結することによ
って、全長のcDNA分子を生成し得る。
【0051】 あるいは、部分的cDNA配列から全長のコード配列を得るための多数の増幅
技術が存在する。このような技術では、増幅は一般に、PCRを介して行われる
。1つのこのような技術は、「cDNA末端の迅速増幅」、すなわち、RACE
として公知である。この技術は、内部プライマーと、ポリA領域またはベクター
配列にハイブリダイズする外部プライマーとを使用して、既知の配列の5’側
である配列および3’側である配列を同定することを含む。任意の種々の市販の
キットを用いて、増幅工程を行い得る。例えば、当該分野で周知のソフトウェア
を使用して、プライマーを設計し得る。プライマーは好ましくは、17〜32ヌ
クレオチド長であり、少なくとも40%のGC含量を有し、そして約54℃〜7
2℃の温度で標的配列にアニーリングする。増幅された領域は、上記の通りに配
列決定され得、そしてオーバーラップする配列は、連続した配列へと集合され得
る。
【0052】 DSP−5をコードするcDNA配列を図1(配列番号1)に提供し、そして
推定アミノ酸配列を図3(配列番号3)に提供する。DSP−5代替形態をコー
ドするcDNA配列は、図2(配列番号2)中に提供され、そして推定アミノ酸
配列が、図4(配列番号4)に提供される。DSP−5の活性部位VHCHAG
VSRSVAII(配列番号5)は、配列番号3の位置113〜126かつ配列
番号4の位置113〜126に位置する。この部位にすぐ隣接する配列情報を用
い、ヒトの脳、胸腺および精巣のcDNAを用いる5’RACE反応および3’
RACE反応を設計して、脳、精巣、および胸腺のRNAが比較的高度に豊富で
あることを示すmRNAに対応する、1020塩基対cDNAを同定した。この
cDNAは、本明細書中で二重特異性ホスファターゼ−5、すなわち、DSP−
5と呼ばれる、340アミノ酸のタンパク質をコードする。これらのRACE反
応はまた、脳および胸腺に存在するが、精巣に存在しないmRNAに対応する8
97塩基対cDNAを同定する。このcDNAは、DSP−5代替形態として本
明細書中でいわれ、かつ340アミノ酸DSP−5の53カルボキシ末端アミノ
酸の、別個の12アミノ酸カルボキシ末端での置換によって340アミノ酸DS
P−5と異なる、299アミノ酸のDSP−5代替形態タンパク質をコードする
。図5に示す配列比較によって示されるように、DSP−5(またはDSP−5
代替形態)は、他のMAPキナーゼホスファターゼに対して有意な相同性を示す
【0053】 DSP−5(またはDSP−5代替形態)ポリヌクレオチド改変体は一般に、
例えば、固相化学合成を含む当該分野で公知の任意の方法によって調製され得る
。ポリヌクレオチド配列の改変はまた、オリゴヌクレオチド部位特異的変異誘発
(oligonucleotide−directed site−speci
fic mutagenesis)のような標準的な変異誘発技術を用いて導入
され得る。あるいは、RNA分子が、DSP−5またはDSP−5代替形態をコ
ードするDNA配列またはその部分のインビトロまたはインビボでの転写によっ
て生成され得、但し、このDNAは、適切なRNAポリメラーゼプロモーター(
例えば、T7またはSP6)を有するベクターに組み込まれる。特定のポリヌク
レオチドを用いて、本明細書中に記載されるように、コードされるポリペプチド
を調製し得る。さらに、あるいは、ポリヌクレオチドは、コードされるポリペプ
チドがインビボで生成されるように、患者に投与され得る。
【0054】 コード配列の少なくとも一部分に相補的であるポリヌクレオチド(例えば、ア
ンチセンスポリヌクレオチドまたはリボザイム)はまた、プローブまたはプライ
マーとして使用され得るか、または遺伝子発現を改変するために使用され得る。
アンチセンス薬剤としての使用のためのオリゴヌクレオチドおよびリボザイム、
ならびにそれらの標的化された送達のための遺伝子をコードするDNAの同定は
、当該分野で周知の方法を含む。例えば、このようなオリゴヌクレオチドの所望
の特性、長さおよび他の特徴は、周知である。アンチセンスオリゴヌクレオチド
は、代表的には、以下のような結合を使用することによって、内因性ヌクレオチ
ド分解酵素による分解に耐えるように設計される:ホスホロチオエート結合、メ
チルホスホネート結合、スルホン結合、サルフェート結合、ケチル(ketyl
)結合、ホスホロジチオエート結合、ホスホロアミダイト結合、リン酸エステル
結合、および他のこのような結合(例えば、Agrwalら,Tetrehed
ron Lett.28:3539−3542(1987);Millerら,
J.Am.Chem.Soc.93:6657−6665(1971);Ste
cら,Tetrehedron Lett.26:2191−2194(198
5);Moodyら,Nucl.Acids Res.12:4769−478
2(1989);Uznanskiら,Nucl.Acids Res.(19
89);Letsingerら,Tetrahedron 40:137−14
3(1984);Eckstein,Annu.Rev.Biochem.54
:367−402(1985);Eckstein,Trends Biol.
Sci.14:97−100(1989);Oligodeoxynucleo
tides.Antisense Inhibitors of Gene E
xp ession,Cohen,編,Macmillan Press,Lo
ndon,頁97−117(1989)中のStein;Jagerら,Bio
chemistry 27:7237−7246(1988)を参照のこと)。
【0055】 アンチセンスポリヌクレオチドは、配列特異的な様式で、核酸(例えば、mR
NAまたはDNA)に結合するオリゴヌクレオチドである。相補的配列を有する
mRNAに結合した場合、アンチセンスは、そのmRNAの翻訳を妨げる(例え
ば、米国特許第5,168,053号、Altmanら;同第5,190,93
1号、Inouye,同第5,135,917号、Burch;同第5,087
,617号、SmithおよびCluselら(1993)Nucal.Aci
ds Res.21:3405−3411(これは、ダンベル状(dumbbe
ll)アンチセンスオリゴヌクレオチドを記載する)を参照のこと)。3重鎖分
子とは、2重鎖DNAを結合して同一順序の(colinear)3重鎖分子を
形成し、それによって転写を妨げる、単一のDNA鎖をいう(例えば、米国特許
第5,176,996号、Hoganら(これは、2重鎖DNA上の標的部位に
結合する合成オリゴヌクレオチドを作製するための方法を記載する)を参照のこ
と)。
【0056】 特に有用なアンチセンスヌクレオチドおよび3重鎖分子は、DSP−5または
DSP−5代替形態ポリペプチドまたは内因性DSP−5(またはDSP−5代
替形態)の発現に関する任意の他のプロセスを媒介するタンパク質をコードする
DNAまたはmRNAのセンス鎖と、そのDSP−5(またはDSP−5代替形
態)ポリペプチドをコードするmRNAの翻訳の阻害がもたらされるように、相
補的であるかまたは結合する分子である。アンチセンスRNAへと転写され得る
cDNA構築物がまた、アンチセンスRNAの産生を容易にするために、細胞ま
たは組織中に導入され得る。アンチセンス技術は、ポリメラーゼ、転写薬剤また
は他の調節分子の結合の妨害を介して、遺伝子発現を調節するために使用され得
る(Huber and Carr,Molecular and Immun
ologic Approaches,Futura Publishing
Co.(Mt.Kisco,NY;1994)中のGeeらを参照のこと)。あ
るいは、アンチセンス分子は、DSP−5(またはDSP−5代替形態)遺伝子
の制御領域(例えば、プロモーター、エンハンサーまたは転写開始部位)とハイ
ブリダイズして、そしてこの遺伝子の転写をブロックするようにか;またはリボ
ソームへの転写物の結合を阻害することにより翻訳をブロックするように設計さ
れ得る。
【0057】 本発明はまた、DSP−5−特異的リボザイムを意図する。リボザイムは、R
NA基質(例えば、mRNA)を特異的に切断するRNA分子であり、細胞性遺
伝子発現の特異的な阻害または妨害を生じる。RNA鎖の切断および/または連
結に関与する、少なくとも5つの公知のクラスのリボザイムが存在する。リボザ
イムは、任意のRNA転写物に標的化され得、そしてこのような転写物を触媒作
用的に切断し得る(例えば、米国特許第5,272,262号、同第5,144
,019号;および同第5,168,053号、同第5,180,818号、同
第5,116,742号および同第5,093,246号(Cechら)を参照
のこと)。任意のDSP−5(またはDSP−5代替形態) mRNA特異的リ
ボザイム、またはこのようなリボザイムをコードする核酸が、DSP−5(また
はDSP−5代替形態)遺伝子発現の阻害をもたらすために宿主細胞に送達され
得る。従って、リボザイムは、真核生物プロモーター(例えば、真核生物ウイル
スプロモーター)に連結されたリボザイムをコードするDNAによって宿主細胞
に送達され得、その結果、核中への導入の際に、そのリボザイムは直接転写され
得る。
【0058】 任意のポリヌクレオチドが、インビボでの安定性を増大するためにさらに改変
され得る。可能な改変としては、これらに限定されないが、5’および/または
3’末端における隣接配列の付加;骨格におけるホスホジエステル結合以外のホ
スホロチオエート結合または2’O−メチル結合の使用;ならびに/あるいは非
伝統的(nontraditonal)塩基(例えば、イノシン、キューオシン
(queosine)およびワイブトシン、ならびにアセチル形態、メチル形態
、チオ形態、および他の改変された形態の、アデニン、シチジン、グアニン、チ
ミンおよびウリジン)を含むことが挙げられる。
【0059】 本明細書中に記載されるようなヌクレオチド配列は、確立された組換えDNA
技術を使用して種々の他のヌクレオチド配列と結合され得る。例えば、ポリヌク
レオチドは、種々のクローニングベクターのいずれか(プラスミド、ファージミ
ド、λファージ誘導体およびコスミドを含む)中にクローン化され得る。特定の
目的のベクターとしては、発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクター
および配列決定ベクターが挙げられる。一般に、適切なベクターは、少なくとも
1つの生物にて機能的な複製起点、都合の良い制限エンドヌクレアーゼ部位およ
び1つ以上の選択可能マーカーを含む。他のエレメントは、所望される使用に依
存し、そして当業者に明らかである。
【0060】 特定の実施形態において、ポリヌクレオチドは、哺乳動物の細胞中への侵入、
およびそこでの発現を可能にするように処方され得る。このような処方は、以下
の記載のような治療的目的のために特に有用である。標的細胞においてポリヌク
レオチドの発現を達成するための多く方法が存在し、そして任意の適切な方法が
利用され得ることを、当業者は理解する。例えば、ポリヌクレオチドは、周知の
技術を使用して、ウイルスベクター中に取り込まれ得る。ウイルスベクターは、
さらに、選択マーカーに関する遺伝子(形質導入された細胞の同定または選択を
補助するため)および/または標的化部分に関する遺伝子(例えば、特定の標的
細胞におけるレセプターに対するリガンドをコードする遺伝子)を移すかまた組
み込んで、そのベクターを標的特異的にし得る。標的化はまた、当業者に公知の
方法により、抗体を用いて達成され得る。
【0061】 治療目的のための他の処方としては、コロイド分散系(例えば、高分子複合体
、ナノカプセル(nanocapsule)、ミクロスフェア、ビーズ)、なら
びに脂質に基づく系(水中油エマルジョン、ミセル、混合ミセル、およびリポソ
ームを含む)が挙げられる。インビトロおよびインビボでの送達ビヒクルとして
の使用のための好ましいコロイド系は、リポソーム(すなわち、人工膜小胞)で
ある。このような系の調製および使用は、当該分野で周知である。
【0062】 他の局面において、DSP−5プロモーターは、標準的技術を使用して単離さ
れ得る。本発明は、このようなプロモーター配列またはその1つ以上のシス作用
調節エレメントまたはトランス作用調節エレメントを含む、核酸分子を提供する
。このような調節エレメントは、DSP−5(またはDSP−5代替形態)の発
現を増強し得るかまたは抑制し得る。5’隣接領域は、本明細書中に提供される
ゲノム配列に基づいて、標準的技術を使用して生成され得る。必要な場合、さら
なる5’配列が、PCRに基づく方法または他の標準的方法を使用して生成され
得る。この5’領域は、標準的な方法を使用してサブクローン化され得、そして
配列決定され得る。プライマー伸長法および/またはRNアーゼプロテクション
分析が使用され、cDNAから推定される転写開始部位が確認され得る。
【0063】 プロモーター領域の境界を規定するために、種々の大きさの、推定上のプロモ
ーターインサートが、プロモーターもエンハンサーも含まない適切なレポーター
遺伝子を含む異種発現系にサブクローニングされ得る。適切なレポーター遺伝子
としては、ルシフェラーゼをコードする遺伝子、β−ガラクトシダーゼをコード
する遺伝子、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼをコードする遺
伝子、分泌アルカリホスファターゼをコードする遺伝子、またはグリーン蛍光タ
ンパク質遺伝子が挙げられ得る。適切な発現系は周知であり、そして周知の技術
を用いて調製され得るか、または市販されている。内部欠失構築物が、唯一の内
部制限部位を用いるか、または唯一ではない制限部位の部分的な消化により、生
成され得る。次いで、構築物は、高レベルのDSP−5(またはDSP−5代替
形態)発現を示す細胞にトランスフェクトされ得る。一般に、最小の5’隣接領
域がレポーター遺伝子の最も高い発現レベルを示す構築物は、プロモーターと定
義される。このようなプロモーター領域は、レポーター遺伝子に連結され得、そ
して薬剤を、DSP−5転写を調節する能力について評価するために使用され得
る。
【0064】 一旦、機能的プロモーターが同定されると、シス作用エレメントおよびトラン
ス作用エレメントが位置決定され得る。シス作用配列は、一般に、先に特徴付け
された転写モチーフに対する相同性に基づいて、同定され得る。次いで、点変異
が、同定された配列内に生成されて、このような配列の調節の役割が評価され得
る。このような変異は、部位特異的変異誘発技術またはPCRに基づくストラテ
ジーを用いて、生成され得る。次いで、変更されたプロモーターが、上記のよう
に、レポーター遺伝子発現ベクターにクローニングされ、そしてレポーター遺伝
子発現に対するこの変異の影響が評価される。
【0065】 本発明はまた、DSP−5(またはDSP−5代替形態)の対立遺伝子改変体
ならびに他の生物由来のDSP−5配列の使用を意図する。このような配列は、
一般に、本明細書中に提供される配列に対する類似性(例えば、ハイブリダイゼ
ーション技術を用いて)に基づき、そして本明細書中に提供されるアッセイを用
いてDSP−5活性の存在に基づいて、同定され得る。
【0066】 一般に、本明細書中に記載されるようなポリペプチドおよびポリヌクレオチド
は、単離されている。「単離された」ポリペプチドまたはポリヌクレオチドとは
、その元の環境から取り出された、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドである
。例えば、天然に存在するタンパク質は、天然の系において共存する物質のいく
らかまたは全てから分離されている場合に、単離されている。好ましくは、この
ようなポリペプチドは、少なくとも約90%純粋であり、より好ましくは少なく
とも約95%純粋であり、そして最も好ましくは少なくとも約99%純粋である
。ポリヌクレオチドは、例えば、天然の環境の一部ではないベクターにクローニ
ングされている場合に、単離されているとみなされる。
【0067】 (DSP−5活性を検出するためのアッセイ) 本発明に従って、DSP−5(またはDSP−5代替形態)の基質は、全長チ
ロシンリン酸化タンパク質およびポリペプチドを含み得、ならびにチロシン残基
においてリン酸化され得、かつ特定の好ましい実施形態においては、セリン残基
またはスレオニン残基においてもリン酸化を受け得る、そのフラグメント(例え
ば、部分)、誘導体またはアナログを含み得る。このようなフラグメント、誘導
体およびアナログとしては、例えばDSP−5(またはDSP−5代替形態)と
複合体を形成することによって、本明細書中に提供されるようなDSP−5(ま
たはDSP−5代替形態)と相互作用する生物学的機能を少なくとも維持する、
任意の天然に存在するDSP−5基質ポリペプチドまたは人工的に操作されたD
SP−5基質ポリペプチドが挙げられる。DSP−5基質ポリペプチドのフラグ
メント、誘導体またはアナログ(融合タンパク質である基質を含む)は、以下の
いずれかであり得る:(i)1つ以上のアミノ酸残基が、保存アミノ酸残基もし
くは非保存アミノ酸残基(好ましくは保存アミノ酸残基)で置換されており、そ
してこのような置換されたアミノ酸残基は、遺伝コードによりコードされてもコ
ードされなくてもよいアミノ酸残基であるもの、または(ii)1つ以上のアミ
ノ酸残基が置換基を含むもの、または(iii)基質ポリペプチドが別の化合物
(例えば、そのポリペプチドの半減期を増加させる化合物(例えば、ポリエチレ
ングリコール)、またはレポーター分子のような検出可能部分)と融合されたも
の、または(iv)さらなるアミノ酸(基質のポリペプチドまたはプロタンパク
質配列の精製のために使用されるアミノ酸を含む)が基質のポリペプチドに融合
したもの。このようなフラグメント、誘導体およびアナログは、当業者の範囲内
であるとみなされる。好ましい実施形態において、MAPキナーゼポリペプチド
は、本明細書中に提供されるような使用のための基質である。
【0068】 DSP−5(またはDSP−5代替形態)ポリペプチド改変体は、MAPキナ
ーゼホスファターゼ活性に適した任意のアッセイを用いて、DSP−5活性につ
いて試験され得る。このようなアッセイは、インビトロでか、または細胞に基づ
くアッセイにおいて、実施され得る。例えば、MAPキナーゼは、本明細書中に
提供されるようなDSP−5基質として使用するために、Upstate Bi
otechnology(Lake Placid、NY;カタログ番号14−
206)から不活化形態として得られ得る。MAPキナーゼのリン酸化は、周知
の技術(例えば、ZhengおよびGuan、J.Biol.Chem.268
:16116−16119、1993により記載されるもの)を使用して、MA
PキナーゼキナーゼMEK−1(Upstate Biotechnology
;カタログ番号14−206から入手可能)を用いて、実施され得る。
【0069】 例えば、[32P]で放射線標識した基質(例えば、MAPキナーゼ)を、放射
線標識された活性化MAPキナーゼを生じるキナーゼ反応のために、使用し得る
。次いで、DSP−5(またはDSP−5代替形態)ポリペプチドは、このDS
P−5ポリペプチドをMAPキナーゼと適切な条件下(例えば、Tris(pH
7.5)1mM EDTA、1mMジチオトレイトール、1mg/mLウシ血
清アルブミン、30℃で10分間;またはZhengおよびGuan、J.Bi
ol.Chem.268:16116−16119、1993により記載される
ような)で接触させることにより、活性化MAPキナーゼを脱リン酸する能力に
ついて試験され得る。MAPキナーゼの脱リン酸は、種々のアッセイ(例えば、
連結キナーゼアッセイ(当該分野において一般的に公知の任意のアッセイを用い
て、MAPキナーゼ基質のリン酸化を評価する))のいずれかを用いるか、また
は直接的に((1)放射性リン酸基の損失(例えば、ゲル電気泳動、続いてオー
トラジオグラフィーによる);(2)脱リン酸の後の電気泳動移動度のシフト;
(3)ホスホチロシンまたはホスホスレオニンに対して特異的な抗体との反応性
の損失;あるいは(4)MAPキナーゼのホスホアミノ酸分析に基づく)、検出
され得る。特定のアッセイは、一般に、Wardら、Nature 367:6
51−654、1994、またはAlessiら、Oncogene 8:20
15−2020、1993により記載されるように実施され得る。一般に、50
0pg〜50ngのDSP−5ポリペプチドと、100ng〜100μgの活性
MAPキナーゼとの接触は、MAPキナーゼの検出可能な脱リン酸を、代表的に
は20〜30分以内に生じるべきである。特定の実施形態においては、0.01
〜10単位/mL(好ましくは約0.1単位/mLであり、ここで単位とは、1
分間あたり1nmolの基質を脱リン酸するに十分な量である)のDSP−5ポ
リペプチドが、0.1〜10μM(好ましくは約1μM)の活性MAPキナーゼ
と接触されて、MAPキナーゼの検出可能な脱リン酸を生じ得る。好ましくは、
DSP−5ポリペプチドは、MAPキナーゼの脱リン酸、または相当する量のネ
イティブなヒトDSP−5(またはDSP−5代替形態)の存在下で観察される
脱リン酸と少なくとも同程度のリン酸化基質(例えば、チロシンリン酸化ペプチ
ドおよび/またはセリンリン酸化ペプチド)を生じる。本明細書中に記載のよう
な変異をトラップする基質を使用して同定される他の基質が、このようなアッセ
イにおいてMAPキナーゼと置換され得ることが、明らかである。
【0070】 (抗体および抗原結合フラグメント) DSP−5に特異的に結合する、ペプチド、ポリペプチドおよび他の非ペプチ
ド分子もまた、本発明により意図される。本明細書中で使用される場合、ある分
子が検出可能なレベルでDSP−5と反応し、そして関連しない配列または異な
るホスファターゼの配列を含むペプチドとは検出可能に反応しない場合に、この
分子はDSP−5に「特異的に結合する」といわれる。好ましい結合分子として
は抗体が挙げられ、これは、例えば、ポリクローナル、モノクローナル、単鎖、
キメラ、抗イディオタイプ、CDR移植免疫グロブリン、またはそのフラグメン
ト(例えば、タンパク分解的に産生されたか、または組換え的に作製された免疫
グロブリンF(ab’)2、Fab、Fv、およびFdフラグメント)であり得
る。特定の好ましい抗体は、本明細書中で記載されるようなインビトロアッセイ
においてDSP−5の活性を阻害またはブロックする抗体である。抗体のDSP
−5への結合特性は、一般に、免疫検出法(例えば、酵素結合イムノソルベント
アッセイ(ELISA)、免疫沈降、免疫ブロッティングなどを含む)を使用し
て評価され得、これらは当業者により容易に実施され得る。
【0071】 当該分野において周知の方法を使用して、DSP−5に特異的な抗体、ポリク
ローナル抗血清、またはモノクローナル抗体が産生され得る。抗体はまた、所望
の特性を有するように設計された、遺伝的に操作された免疫グロブリン(Ig)
またはIgフラグメントとして産生され得る。例えば、例示の目的であって限定
ではないが、抗体は、第1の哺乳類種からの少なくとも1つの可変(V)領域ド
メインおよび第2の異なる哺乳類種からの少なくとも1つの定常領域ドメインを
有するキメラ融合タンパク質である抗体は組換えIgGを含み得る。最も一般的
には、キメラ抗体は、マウス可変領域配列およびヒト定常領域配列を有する。こ
のようなマウス/ヒトキメラ免疫グロブリンは、マウス抗体由来の相補性決定領
域(CDR)を移植することによって「ヒト化」され得、これは抗原への、ヒト
誘導V領域フレームワーク領域およびヒト誘導定常領域への結合特異性を与える
。これらの分子のフラグメントは、タンパク分解性消化によって、または必要に
応じて、タンパク分解性消化に続く穏やかなジスルフィド結合の還元およびアル
キル化によって産生され得る。あるいは、このようなフラグメントはまた、組換
え遺伝操作技術によって産生され得る。
【0072】 本明細書中で使用される場合、抗体が、DSP−5に検出可能なレベルで反応
する場合、好ましくは親和性定数Kaが約104-1以上の場合、より好ましく
は約105-1以上の場合、より好ましくは約106-1以上の場合、そしてさら
により好ましくは約107-1以上の場合に、抗体はDSP−5ポリペプチドに
「免疫特異的」または「特異的に結合」といわれる。結合パートナーまたは抗体
の親和性は、慣習的な技術(例えば、Scatchardら(Ann.N.Y.
Acad.Sci.USA 51:660(1949))に記載される方法また
は表面プラスモンレゾナンス(BIAcore,Biosensor,Pisc
ataway,NJ)を使用して容易に決定され得る。例えば、Wolffら、
Cancer Res.53:2560−2565(1993)を参照のこと。
【0073】 抗体は、一般に、当業者に公知の種々の任意の技術によって調製され得る。例
えば、Harlowら、Antibodies:A Laboratory M
anual,Cold Spring Harbor Laboratory(
1988)を参照のこと。このような技術の1つにおいて、動物は、抗原として
DSP−5を用いて免疫化され、ポリクローナル抗血清を産生する。適切な動物
としては、例えば、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウシが挙げられ、そしてより
小さな哺乳類種(例えば、マウス、ラット、およびハムスター)または他の種も
また挙げられ得る。
【0074】 免疫原は、DSP−5、精製されたかまたは部分的に精製されたDSP−5ポ
リペプチドまたはその改変体もしくはフラグメント(例えば、ペプチド)、ある
いはDSP−5ペプチドを発現する細胞から構成され得る。DSP−5ペプチド
は、タンパク分解性切断によって産生され得るか、または化学的に合成され得る
。例えば、DSP−5ポリペプチドをコードする核酸配列が本明細書中で提供さ
れ、その結果当業者は、免疫原として使用するためのこれらのポリペプチドを日
常的に調製し得る。免疫化のための有用なポリペプチドまたはペプチドはまた、
宿主動物において免疫原性応答をより作製しそうなアミノ酸配列を決定するため
に、当業者に公知の方法に従って、DSP−5の1次、2次、および3次構造を
分析することによって選択され得る。例えば、Novotny、1991 Mo
l.Immunol.28:201−207:Berzofsky、1985
Science 229:932−40を参照のこと。
【0075】 動物への注射のための免疫原の調製は、DSP−5ポリペプチド(またはその
改変体もしくはフラグメント)の、別の免疫原性タンパク質(例えば、キーホー
ルリンペットヘモシニアン(KLH)またはウシ血清アルブミン(BSA)のよ
うなキャリアタンパク質)への共有結合を含み得る。さらに、免疫原として使用
されるDSP−5ペプチド、ポリペプチド、またはDSP−5発現細胞は、アジ
ュバント中で乳濁化され得る。例えば、Harlowら、Antibodies
:A Laboratory Manual、Cold Spring Har
bor Laboratory(1988)を参照のこと。一般に、最初の注射
の後に、動物は、特に抗原、アジュバント(存在する場合)、および/または特
定の動物種に従って変化し得る好ましいスケジュールに従って、1つ以上のブー
スタ免疫化を受ける。免疫応答は、特異的抗体力価を決定するために、動物を定
期的に出血させ、集めた血液から血清を分離し、そしてこの血清を免疫アッセイ
(例えばELISAまたはオクタロニー拡散アッセイなど)において分析するこ
とによってモニターされ得る。一旦、抗体力価が確立されると、動物は、ポリク
ローナル抗血清を集めるために、定期的に出血され得る。次いで、DSP−5ポ
リペプチドまたはペプチドに特異的に結合するポリクローナル抗体は、このよう
な抗血清から精製(例えば、プロテインAまたは適切な固体支持体に固定された
DSP−5ポリペプチドを用いるアフィニティークロマトグラフィーによって)
され得る。
【0076】 DSP−5ポリペプチドまたはそのフラグメントもしくは改変体に特異的に結
合するモノクローナル抗体、および所望の結合特異性を有するモノクローナル抗
体を産生する不死の真核生物細胞株のハイブリドーマもまた、例えば、Kohl
erおよびMilstein(Nature、256:495−497;197
6 Eur.J.Immunol.6:511−519(1976))の技術お
よびその改善方法を使用して調製され得る。動物(例えば、ラット、ハムスター
、または好ましくはマウス)は、上記のように調製されたDSP−5免疫原で免
疫化される。抗体形成細胞、代表的には脾臓細胞を含むリンパ細胞は、免疫化動
物から得られ、そして薬物感作骨髄腫(例えば、プラズマ細胞腫)細胞融合パー
トナー(好ましくは、免疫化動物と同系、そして必要に応じて他の所望の性質(
例えば、内因性Ig遺伝子産物の発現能力を有さない)を有するパートナー)と
の融合によって不死化され得る。リンパ(例えば、脾臓)細胞および骨髄腫細胞
は、膜融合促進剤(例えば、ポリエチレングリコールまたは非イオン性界面活性
剤)と数分間結合され得、次いでハイブリド−マ細胞の増殖を支持するが、骨髄
腫細胞を融合しない選択培地上で低密度でプレートされ得る。好ましい選択培地
は、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)である。十分な時間
(普通約1〜2週間)の後に、細胞のコロニーのが観測される。1つのコロニー
を単離し、この細胞によって産生される抗体が、DSP−5ポリペプチドまたは
その改変体もしくはフラグメントに対する結合活性について試験され得る。高い
親和性およびDSP−5抗原に対して特異的であるモノクローナル抗体を産生す
るハイブリドーマが好ましい。従って、DSP−5ポリペプチドまたはその改変
体もしくはフラグメントに特異的に結合するモノクローナル抗体を産生するハイ
ブリドーマは、本発明によって意図される。
【0077】 モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ培養物の上清から単離され得る。マウ
スモノクローナル抗体の産生の代替方法は、同系マウス(例えば、このモノクロ
ーナル抗体を含む腹水の形成を促進するために処置された(例えば、プリスタン
刺激された)マウス)の腹腔にこのハイブリドーマ細胞を注射することである。
従来技術(例えば、クロマトグラフィー、ゲル濾過、沈澱、抽出など)によって
、引き続き(通常は1〜3週間以内)得られた腹水から、汚染物質が除去され得
る。例えば、抗体は、このモノクローナル抗体の特定の性質(例えば、重鎖また
は軽鎖イソタイプ、結合特異性など)に基づいて選択された適切なリガンドを使
用するアフィニティークロマトグラフィーによって精製され得る。固体支持体に
固定される適切なリガンドの例としては、プロテインA、プロテインG、抗定常
領域(軽鎖または重鎖)抗体、抗イディオタイプ抗体およびDSP−5ポリペプ
チドまたはそのフラグメントもしくは改変体が挙げられる。
【0078】 ヒトモノクローナル抗体は、当業者が精通した多数の技術によって産生され得
る。このような方法としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:ヒト
抹消血球(例えば、Bリンパ球を含む)のエプステイン−バーウイルス(EBV
)形質転換、ヒトB細胞のインビトロ免疫化、酵母人工クロモソーム(YAC)
によって挿入されたヒト免疫グロブリン遺伝子を保有する免疫化トランスジェニ
ックマウスからの脾臓細胞の融合、ヒト免疫グロブリンV領域ファージライブラ
リーからの単離、または本明細書中の開示に基づく当該分野で公知の他の手順。
【0079】 例えば、ヒトモノクローナル抗体を産生するための1つの方法としては、EB
V形質転換によるヒト抹消血球の不死化が挙げられる。例えば、米国特許第4,
464,456号を参照のこと。DSP−5ポリペプチド(またはその改変体も
しくはフラグメント)に特異的に結合するモノクローナル抗体を産生する不死化
細胞株は、本明細書中で提供されるような免疫検出法(例えば、ELISA)に
よって同定され、次いで標準的クローニング技術によって単離され得る。ヒトモ
ノクローナル抗体を産生するための別の方法は、ヒト脾臓B細胞を抗原で刺激し
、続いて刺激されたB細胞の異種ハイブリッド融合パートナーとの融合を含む、
インビトロ免疫化である。例えば、Boernerら、1991 J.Immu
nol.147:86−95を参照のこと。
【0080】 本発明における使用のためのヒトDSP−5特異的モノクローナル抗体および
ポリクローナル抗血清の産生のためのさらに別の方法は、トランスジェニックマ
ウスに関連する。例えば、米国特許第5,877,397号;Bruggema
nnら、1997 Curr.Opin.Biotechnol.8:455−
58;Jakobovitsら、1995 Ann.N.Y.Acad.Sci
.764:525−35を参照のこと。これらのマウスにおいて、ヒト免疫グロ
ブリン重鎖および軽鎖遺伝子は、遺伝操作によって生殖系列配列に人工的に導入
され、そして内因性マウス免疫グロブリン遺伝子は不活性化される。例えば、B
ruggemannら、1997 Curr.Opin.Biotechnol
.8:455−58を参照のこと。例えば、ヒト免疫グロブリン導入遺伝子は、
ミニ遺伝子構築物であり得るか、または酵母人工クロモソームのトランス遺伝子
座であり得、これはマウスリンパ組織におけるB細胞特異的DNA転位および過
剰変異を起こす。例えば、Bruggemannら、1997 Curr.Op
in.Biotechnol.8:455−58を参照のこと。DSP−5に特
異的に結合するヒトモノクローナル抗体は、トランスジェニック動物の免疫化、
脾臓細胞の骨髄腫での融合、上記のような抗体を産生する細胞の選択およびクロ
ーニングによって得られ得る。ヒト抗体を含むポリクローナル血清はまた、免疫
化動物の血液から得られる。
【0081】 DSP−5(ヒト化抗体を含む)に特異的なキメラ抗体はまた、本発明に従っ
て産生され得る。キメラ抗体は、第1の哺乳類種由来の少なくとも1つの定常領
域ドメインおよび第2の異なる哺乳類種由来の少なくとも1つの可変領域ドメイ
ンを有する。例えば、Morrisonら、1984、Proc.Natl.A
cad.Sci.USA、81:6851−55を参照のこと。好ましい実施形
態において、キメラ抗体は、マウス、ラット、またはハムスターのモノクローナ
ル抗体由来の可変領域のような非ヒトモノクローナル抗体由来の少なくとも1つ
の可変領域ドメインをコードするポリヌクレオチド配列を、少なくとも1つのヒ
ト定常領域をコードする核酸配列を含むベクターにクローニングすることによっ
て構築され得る。例えば、Shinら、1989 Methods Enzym
ol.178:459−76;Wallsら、1993 Nucleic Ac
ids Res.21:2921−29を参照のこと。例示目的として、マウス
モノクローナル抗体の軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチド配列は、ヒト
κ軽鎖定常領域配列をコードする核酸配列を含むベクターに挿入され得る。別個
のベクターにおいて、モノクローナル抗体の重鎖可変領域をコードするポリヌク
レオチド配列は、ヒトIgG1定常領域をコードする配列を有するフレームにク
ローンされ得る。選択された特定のヒト定常領域は、特定の抗体に対して所望さ
れるエフェクター機能に依存し得る(例えば、相補的固定、特定のFcレセプタ
ーへの結合など)。キメラ抗体を産生するための、当該分野で公知の別の方法は
、相同組換え(例えば、米国特許第5,482,856号)である。好ましくは
、ベクターは、キメラ抗体の安定した発現のために、真核生物細胞にトランスフ
ェクトされる。
【0082】 非ヒト/ヒトキメラ抗体は、「ヒト化」抗体を作製するために、さらに遺伝操
作され得る。このようなヒト化抗体は、非ヒト哺乳類種の免疫グロブリン由来の
複数のCDR、少なくとも1つのヒト可変フレームワーク領域、および少なくと
も1つのヒト免疫グロブリン定常領域を含み得る。特定の実施形態におけるヒト
化は、例えば、DSP−5結合可変領域が得られる非ヒトモノクローナル抗体、
またはこのようなV領域および上記のような少なくとも1つのヒトC領域を有す
るキメラ抗体のいずれかと比較した場合に、DSP−5に対する減少した結合親
和性を有する抗体を提供し得る。従って、ヒト化抗体の設計について有用な計略
は、例えば、例示目的であって限定ではないが、キメラ抗体の非ヒトフレームワ
ーク領域に最も相同的なヒト可変フレームワーク領域の同定が挙げられ得る。理
論に束縛されることは望まないが、このような計略は、ヒト化抗体がDSP−5
に対する特異的結合親和性を保持している可能性を増加し得、いくつかの好まし
い実施形態において、これはDSP−5ポリペプチドまたはその改変体もしくは
フラグメントに対して実質的に同じ親和性であり得、そして他の特定の好ましい
実施形態において、これはDSP−5に対してより大きな親和性であり得る。例
えば、Jonesら、1986 Nature 321:522−25;Rie
chmannら、1988 Nature 332:323−27を参照のこと
。従って、このようなヒト化抗体の設計は、非ヒト可変領域のCDRループ構造
および構造決定因子の決定(例えば、コンピュータモデリングによる)、次いで
このCDRループおよび決定因子の、公知のヒトCDRループ構造および決定因
子との比較を含み得る。例えば、Padlanら、1995 FASEB 9:
133−39;Chothiaら、1989 Nature、342:377−
383を参照のこと。コンピュータモデリングはまた、非ヒト可変領域での配列
相同性によって選択されたヒト構造テンプレートを比較するために使用され得る
。例えば、Bajorathら、1995 Ther.Immunol.2:9
5−103;EP−0578515−A3を参照のこと。非ヒトCDRのヒト化
が結合親和性の減少を生じる場合、コンピュータモデリングは、親和性を部分的
に、完全に、または超えて最適に(すなわち、非ヒト化抗体よりも高いレベルま
で増加)回復させるために、部位指向的または他の突然変異誘発技術によって変
化され得る特異的アミノ酸残基の同定を援助し得る。当業者はこれらの技術に精
通しており、そしてこのような設計計略についての多くの変化および改変を容易
に理解する。
【0083】 特定の実施形態において、抗体の抗原結合フラグメントの使用が好ましくあり
得る。このようなフラグメントには、FabフラグメントまたはF(ab’)2
フラグメントが含まれ、これは、それぞれパパインまたはペプシンでのタンパク
分解性消化によって調製され得る。抗原結合フラグメントは、例えば、固定化プ
ロテインAまたはプロテインG、あるいは固定化DSP−5ポリペプチド、ある
いはその適切な改変体またはフラグメントを使用するアフィニティークロマトグ
ラフィーによってFcフラグメントから分離され得る。当業者は、日常的にかつ
過度の実験なしで、例えば、本明細書中で提供される免疫検出法を使用して、得
られた親和性精製抗体の特徴に基づく適切な改変体またはフラグメントを決定し
得る。Fabフラグメントを産生するための代替方法としては、F(ab’)2
フラグメントの穏やかな還元に続くアルキル化が挙げられる。例えば、Wier
、Handbook of Experimental Immunology
、1986、Blackwell Scientific、Bostonを参照
のこと。
【0084】 特定の実施形態に従って、上記のIg分子の任意の非ヒト、ヒト、またはヒト
化重鎖および軽鎖の可変領域は、単鎖Fv(sFv)ポリペプチドフラグメント
(単鎖抗体)として構築され得る。例えば、Birdら、1988 Scien
ce 242:423−426;Hustonら、1988 Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 85:5879−5883を参照のこと。多機
能性sFv融合タンパク質は、sFvポリペプチドインフレームをコードするポ
リヌクレオチド配列の、種々の任意の公知のエフェクタータンパク質をコードす
る少なくとも1つのポリヌクレオチド配列への結合によって産生され得る。これ
らの方法は、当該分野で公知であり、そして例えばEP−B1−0318554
、米国特許第5,132,405号、米国特許第5,091,513号、および
米国特許第5,476,786号に開示される。例示の目的として、エフェクタ
ータンパク質は、免疫グロブリン定常領域配列を含み得る。例えば、Holle
nbaughら、1995 J.Immunol.Methods 188:1
−7を参照のこと。エフェクタータンパク質の他の例は酵素である。非限定的な
例として、このような酵素は、治療目的のための生物学的活性を提供し得る(例
えば、Simersら、1977 Bioconjug.Chem.8:510
−19を参照のこと)か、または多くの任意の周知の基質から検出可能な産物へ
の、診断的使用のためのホースラディッシュペルオキシダーゼ触媒変換のような
、検出可能な活性を提供し得る。sFv融合タンパク質のさらに他の例としては
、Ig−毒素融合、または免疫毒素が挙げられ、ここで、sFvポリペプチドは
毒素に結合される。適切な条件下で、細胞に対して毒性であることが同定された
広範な種々のポリペプチド配列を、当業者は理解する。本明細書中で使用される
場合、免疫グロブリン−毒素融合タンパク質に包含される毒性ポリペプチドは、
例えば、生活機能での直接干渉によってかまたはアポトーシス誘導によって、細
胞の生存を損なう様式で細胞内に導入され得る任意のポリペプチドであり得る。
従って、毒素は、例えば、Pseudomonas aeruginosa外毒
素A、植物ゲロニン(gelonin)、Bryonia dioicaからの
ブリオジン(bryodin)などのようなリボソーム不活性化タンパク質が挙
げられ得る。例えば、Thrushら、1996 Annu.Rev.Immu
nol.14:49−71;Frankelら、1996 Cancer Re
s.56:926−32を参照のこと。化学治療剤、抗有糸分裂剤、抗体、アポ
トーシス誘導因子(または「アポトーゲン(apoptogen)」、例えばG
reenおよびReed、1998、Science 281:1309−13
21を参照のこと)などを含む多数の他の毒素は、当業者に公知であり、そして
本明細書中に提供される例は、本発明の範囲および精神を限定することのない例
示として意図される。
【0085】 特定の実施形態において、sFvは、融合タンパク質と抗原(例えば、DSP
−5)との間の特異的結合の検出を可能にするペプチドまたはポリペプチドドメ
インに融合され得る。例えば、この融合ポリペプチドドメインは、親和性タグポ
リペプチドであり得る。従って、結合パートナー(例えば、DSP−5)へのs
Fv融合タンパク質の結合は、当業者が精通する任意の種々の技術によって、ア
ビジン、ストレプトアビジンまたはHis(例えば、ポリヒスチジン)タグのよ
うな親和性ポリペプチドまたはペプチドタグを使用して検出され得る。検出技術
はまた、例えば、アビジンまたはストレプトアビジン融合タンパク質の、ビオチ
ンまたはビオチン模倣配列への結合(例えば、Luoら、1998 J.Bio
technol.65:225およびそこに列挙される参考文献を参照のこと)
、検出可能な部分(例えば、標識部分)を有する融合タンパク質の直接共有結合
的改変、特異的標識化レポーター分子への融合タンパク質の非共有結合、酵素活
性を有する部分を含む融合タンパク質による検出可能な基質の酵素的改変、また
は融合タンパク質の固相支持体への固定(共有結合または非共有結合)を含み得
る。
【0086】 従って、所望の親和性特性を有するエフェクターペプチドのような別のポリペ
プチドに融合した、DSP−5特異的免疫グロブリン誘導ポリペプチドを含む本
発明のsFvタンパク質は、例えば、エフェクターペプチドがグルタチオン−S
−トランスフェラーゼのような酵素である融合タンパク質を含み得る。別の例と
して、sFv融合タンパク質はまた、Staphylococcus aure
usプロテインAポリペプチドに融合されたDSP−5特異的Igポリペプチド
を含み得;核酸をコードするプロテインAおよび免疫グロブリン定常領域に対し
て親和性を有する融合タンパク質の構築におけるその用途は、一般に、例えば米
国特許第5,100,788号に開示される。sFv融合タンパク質の構築に有
用な他の親和性ポリペプチドは、例えばWO89/03422;米国特許第5,
489,528号;米国特許第5、672、691号;WO93/24631;
米国特許第5,168,049号;米国特許第5,272,254号およびその
他の個所に開示されるストレプトアビジン融合タンパク質、ならびにアビジン融
合タンパク質(例えば、EP 511,747を参照のこと)を含み得る。本明
細書中で提供されるように、sFvポリペプチド配列は、全長融合ポリペプチド
を含み得そして代替的にその改変体またはフラグメントを含み得るエフェクター
タンパク質配列を含む、融合ポリペプチド配列に融合され得る。
【0087】 DSP−5ポリペプチドまたはその改変体もしくはフラグメントに特異的に結
合する抗体を選択するためのさらなる方法は、ファージディスプレイである。例
えば、Winterら、1994 Annul.Rev.Immunol.12
:433−55;Burtonら、1994 Adv.Immunol.57:
191−280を参照のこと。ヒトまたはマウスの免疫グロブリン可変領域遺伝
子コンビナトリアルライブラリーは、DSP−5ポリペプチドまたはその改変体
もしくはフラグメントに特異的に結合するIgフラグメント(Fab、Fv、s
Fvまたはこれらのマルチマー)を選択するためにスクリーニングされ得るファ
ージベクターにおいて作製され得る。例えば、米国特許第5,223,409号
;Huseら、1989 Science 246:1275−81;Kang
ら、1991 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:436
3−66;Hoogenboomら、1992 J.Molec.Biol.2
27:381−388;Schlebuschら、1997 Hybridom
a 16:47−52およびこれらに列挙される参考文献を参照のこと。例えば
、Ig可変領域フラグメントをコードする複数のポリヌクレオチド配列を含むラ
イブラリーは、M13またはその改変体のような糸状のバクテリオファージの遺
伝子に、M13融合タンパク質を作製するために、例えばM13の遺伝子III
または遺伝子VIIIのようなファージコートタンパク質をコードする配列を用
いて、インフレームで挿入され得る。融合タンパク質は、コートタンパク質と軽
鎖可変領域ドメインおよび/または重鎖可変領域ドメインとの融合物であり得る
【0088】 特定の実施形態に従って、免疫グロブリンFabフラグメントはまた、以下の
ようにファージ粒子上に提示され得る。Ig定常領域ドメインをコードするポリ
ヌクレオチド配列は、コートタンパク質を用いてインフレームでファージゲノム
に挿入され得る。従って、このファージコート融合タンパク質は、Ig軽鎖また
は重鎖フラグメント(Fd)と融合され得る。例えば,ヒトIgライブラリーか
ら、ヒトκ定常領域をコードするポリヌクレオチド配列は、少なくとも1つのフ
ァージコートタンパク質をコードする配列を用いて、インフレームでベクターに
挿入され得る。さらに、または代替的に、ヒトIgG1 CH1ドメインをコー
ドするポリヌクレオチド配列は、少なくとも1つの他のファージコートタンパク
質をコードする配列を用いて、インフレームで挿入され得る。次いで、可変領域
ドメインをコードする複数のポリヌクレオチド配列(例えば、DNAライブラリ
ー由来の)は、バクテリオファージコートタンパク質に融合するFabフラグメ
ントを発現するために、定常領域コートタンパク質融合物を用いて、インフレー
ムでベクターに挿入され得る。
【0089】 DSP−5ポリペプチドに結合するIgフラグメント(例えば、Ig V領域
またはFab)を表示するファージは、このファージライブラリーをDSP−5
またはその改変体もしくはフラグメントと混合することによって、あるいはこの
ファージライブラリーを、結合するのに十分な条件下および時間で固体マトリッ
クス上に固定されたDSP−5ポリペプチドに接触させることによって、選択さ
れ得る。非結合ファージは、洗浄液によって除去され、この洗浄液は代表的には
低濃度の塩(例えば、NaCl)、好ましくは100mM未満のNaCl、より
好ましくは50mM未満のNaCl、最も好ましくは10mM未満のNaClを
含む緩衝液であり得るか、または塩を含まない緩衝液であり得る。次いで、特異
的に結合したファージは、NaCl含有緩衝液で溶出される(例えば、段階的様
式で塩濃度を増加させることによって)。代表的には、高親和性でDSP−5に
結合するファージは、開放するのにより高い塩濃度を必要とする。溶出されたフ
ァージは、適切な細菌性宿主に伝播され得、そして一般に、DSP−5特異的免
疫グロブリンを発現するファージの収量を増加させるために、DSP−5結合お
よび溶出の連続的ラウンドが繰り返され得る。コンビナトリアルファージライブ
ラリーはまた、非ヒト可変領域のヒト化のために使用され得る。例えば、Ros
okら、1996 J.Biol.Chem.271:22611−18;Ra
derら、1998 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:
8910−15を参照のこと。このようにして選択されたファージ中に挿入され
た免疫グロブリン遺伝子のDNA配列は、標準的技術によって決定され得る。S
ambrookら、1989 Molecular Cloning:A La
boratory Manual、Cold Spring Harbor P
ressを参照のこと。次いで、親和性選択されたIgコード配列は、Igフラ
グメントの発現のために別の適切なベクター内にクローニングされ得るか、また
は必要に応じて、免疫グロブリン全体の鎖の発現のために、Ig定常領域を含む
ベクターにクローニングされ得る。
【0090】 ファージディスプレイ技術はまた、DSP−5に結合するポリペプチド、ペプ
チドまたは単鎖抗体を選択するために使用され得る。このようなペプチドまたは
抗体をコードする候補核酸分子(例えば、DNA)が挿入され得るマルチクロー
ニング部位を有する適切なベクターの例として、McLaffertyrら、G
ene 128:29−36、1993;Scottら、1990 Scien
ce 249:386−390;Smithら、1993 Methods E
nzymol.217:228−257;Fischら、1996、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 93:7761−66を参照のこと。挿
入されたDNA分子は、ランダムに産生された配列を含み得るか、または本明細
書中で提供されるようなDSP−5ポリペプチドまたはその改変体もしくはフラ
グメントに特異的に結合する公知のペプチドまたはポリペプチドドメインの改変
体をコードし得る。一般に、核酸挿入物は、60アミノ酸までのペプチド、より
好ましくは3〜35アミノ酸のペプチド、そしてさらにより好ましくは6〜20
アミノ酸のペプチドをコードする。挿入された配列によってコードされるペプチ
ドは、バクテリオファージの表面に表示される。DSP−5ポリペプチドに対す
る結合ドメインを発現するファージは、上記のような固定されたDSP−5ポリ
ペプチドへの特異的結合に基づいて選択され得る。本明細書中で提供される場合
、周知の組換え遺伝技術は、そのフラグメントを含む融合タンパク質を構築する
ために使用され得る。例えば、産生され得るポリペプチドは、得られた産物のD
SP−5に対する結合親和性を最大にするために、2つ以上の同様な、または異
なる親和性選択されたDSP−5結合ペプチドドメインのタンデムアレイを含む
【0091】 他の特定の実施形態において、本発明は、マルチマー抗体フラグメントである
DSP−5特異的抗体を意図する。有用な方法論は、一般に、例えばHayde
nら、1997、Curr Opin.Immunol.9:201−12;C
olomaら、1997 Nat.Biotechnol.15:159−63
に記載される。例えば、マルチマー抗体フラグメントは、ミニ抗体(minia
ntibodies)(米国特許第5,910,573号)またはディアボディ
(diabodies)(Holligerら、1997、Cancer Im
munol.Immunother.45:128−130)を形成するための
ファージ技術によって作製され得る。DSP−5特異的Fvのマルチマーまたは
異なる高原特異性を有する第2のFvに非共有結合的に会合したDSP−5特異
的Fvを含む二特異的抗体であるマルチマーフラグメントが、産生され得る。例
えば、Koelemijら、1999 J.Immunother.22:51
4−24を参照のこと。別の例として、マルチマー抗体は、2つの単鎖抗体また
はFabフラグメントを有する二特異的抗体を含み得る。特定の関連した実施形
態に従って、第1のIgフラグメントは、DSP−5ポリペプチド(またはその
改変体もしくはフラグメント)上の第1抗原性決定因子に特異的であり得、一方
第2Igフラグメントは、DSP−5ポリペプチドの第2抗原性決定因子に特異
的であり得る。あるいは、他の特定の関連した実施形態において、第1免疫グロ
ブリンフラグメントは、DSP−5ポリペプチドまたはその改変体もしくはフラ
グメント上の抗原性決定因子について特異的であり得、そして第2の免疫グロブ
リンフラグメントは、第2の異なる(すなわち、非DSP−5)分子上の抗原性
決定因子について特異的であり得る。DSP−5に特異的に結合する二特異的抗
体もまた意図され、ここで少なくとも1つの抗原結合ドメインは、融合タンパク
質として存在する。
【0092】 DSP−5結合免疫グロブリン分子へのアミノ酸変異の導入は、DSP−5に
対する特異性または親和性を増加するために、あるいはエフェクター機能を変え
るために有用であり得る。DSP−5に対する高い親和性を有する免疫グロブリ
ンは、特定の残基の部位指向突然変異によって産生され得る。コンピュータに補
助される3次元分子モデリングは、DSP−5ポリペプチドに対する親和性を改
善するために、変化されるべきアミノ酸残基を同定するために使用され得る。例
えば、Mountainら、1992、Biotechnol.Genet.E
ng.10:1−142を参照のこと。あるいは、CDRのコンビナトリアルラ
イブラリーは、M13ファージにおいて産生され得、そして改善された親和性を
有する免疫グロブリンフラグメントについてスクリーニングされる。例えば、G
laserら、1992、J.Immunol.149:3903−3913;
Bardasら、1994 Proc.Natl.Acad.Sci.USA
91:3809−13;米国特許第5,792,456号を参照のこと。
【0093】 エフェクター機能はまた、部位指向突然変異によって変化され得る。例えば、
Duncanら、1988 Nature 332:563−64;Morga
nら、1995 Immunology 86:319−24;Eghteda
rzedeh−Kondriら、1997 Biotechniques 23
:830−34を参照のこと。例えば、免疫グロブリンのFcタンパク質上のグ
リコシル化部位の突然変異は、免疫グロブリンが相補鎖に固定する能力を変化し
得る。例えば、Wrightら、1997 Trends Biotechno
l.15:26−32を参照のこと。定常領域ドメインにおける他の突然変異は
、免疫グロブリンが相補鎖に固定する能力を変化し得るか、または抗体依存性細
胞傷害性の効果を変化し得る。例えば、Duncanら、1988 Natur
e 332:563−64;Morganら、1995 Immunology
86:319−24;Senselら、1997 Mol.Immunol.
34:1019−29を参照のこと。
【0094】 本明細書中に記載されるDSP−5に特異的に結合する抗体またはそのフラグ
メントをコードする核酸分子は、核酸切除、連結、形質転換およびトランスフェ
クションのための任意の種々の周知の手順に従って、伝播されそして発現され得
る。従って、特定の実施形態において、抗体フラグメントの発現は、Esche
richia coliのような原核生物宿主において好ましくあり得る(例え
ば、Pluckthunら、1989 Methods Enzymol.17
8:497−515を参照のこと)。他の特定の実施形態において、抗体または
そのフラグメントの発現は、酵母(例えば、Saccharomyces ce
revisiae、Schizosaccharomyces pombeおよ
びPichia pastoris)、動物細胞(哺乳動物細胞を含む)または
植物細胞を含む真核生物宿主細胞において好ましくあり得る。適切な動物細胞の
例としては、限定ではないが、骨髄腫、COS,CHO、またはハイブリドーマ
細胞が挙げられる。植物細胞の例としては、タバコ、トウモロコシ、ダイズ、お
よびイネの細胞が挙げられる。当業者に公知の手法に従って、そして本開示に基
づいて、核酸ベクターは、特定の宿主系において外来配列を発現するために設計
され得、次いでDSP−5結合抗体(またはそのフラグメント)をコードするポ
リヌクレオチド配列が挿入され得る。調節エレメントは、特定の宿主に従って変
化する。
【0095】 本明細書中に記載されるDSP−5結合免疫グロブリン(またはそのフラグメ
ント)は、酵素、細胞傷害剤、または他のレポーター分子(色素、放射性核種、
発光基、蛍光基、またはビオチンなどを含む)のような検出可能な部位または標
識を含み得る。DSP−5特異的免疫グロブリンまたはそのフラグメントは、診
断または治療の適用のために、放射標識され得る。抗体の放射標識のための技術
は、当該分野で公知である。例えば、Adams 1998 In Vivo
12:11−21;Hiltunen 1993 Acta Oncol.32
:831−9を参照のこと。治療適用は、以下に詳細に記載され、そして他の治
療剤と組合わせてDSP−5結合抗体(またはそのフラグメント)の使用を含み
得る。抗体またはフラグメントはまた、当該分野で公知のそして本明細書中で提
供される細胞傷害剤(例えば、リボソーム不活性化タンパク質のような毒素、化
学治療剤、抗縮瞳剤、抗生物質など)と組合わされ得る。
【0096】 本発明はまた、本明細書中で提供されるDSP−5またはその改変体もしくは
フラグメントに特異的に結合する抗体(またはその抗原結合フラグメント)を認
識する抗イディオタイプ抗体の産生を意図する。抗イディオタイプ抗体は、免疫
原として抗DSP−5抗体(またはその抗原結合フラグメント)を使用し本明細
書中に記載される方法によって、ポリクローナル抗体として、またはモノクロー
ナル抗体として産生され得る。抗イディオタイプ抗体またはそのフラグメントは
また、上記の任意の組換え遺伝操作法によってか、またはファージディスプレイ
選択によって産生され得る。抗イディオタイプ抗体は、抗DSP−5抗体のDS
P−5ポリペプチドへの結合が競合的に阻害されるように、抗DSP−5抗体の
抗原結合部位と反応し得る。あるいは、本明細書中で提供される抗イディオタイ
プ抗体は、抗DSP−5抗体のDSP−5ポリペプチドへの結合を競合的に阻害
しなくてもよい。
【0097】 本明細書中で提供され、そして当該分野で周知の方法論に従って、ポリクロー
ナルおよびモノクローナル抗体は、DSP−5ポリペプチドの親和性単離のため
に使用され得る。例えば、Hermansonら、Immobilized A
ffinity Ligand Techniques、Acadedmic
Press、Inc.New York、1992を参照のこと。手短に言うと
、抗体(またはその抗原結合フラグメント)は、固体支持体材料上に固定化され
得、次いで、この支持体材料は目的のポリペプチド(例えば、DSP−5)を含
むサンプルと接触される。サンプルの残りからの分離に続いて、次いでこのポリ
ペプチドは、固定化された抗体から放出される。
【0098】 (DSP−5発現を検出するための方法) 本発明の特定の局面は、診断およびアッセイの目的のために、DSP−5また
はDSP−5代替形態に対して惹起された抗体またはハイブリダイズするポリヌ
クレオチドを使用する方法を提供する。特定のアッセイは、DSP−5またはD
SP−5代替形態、またはそのタンパク質分解フラグメントの存在または非存在
を検出するために抗体または他の薬剤を使用することを含む。あるいは、DSP
−5またはDSP−5代替形態をコードする核酸は、標準的なハイブリダイゼー
ションおよび/またはPCR技術を使用して検出され得る。適切なプローブおよ
びプライマーは、本明細書に提供されるDSP−5 cDNA配列および/また
はDSP−5代替形態cDNA配列に基づいて、当業者によって設計され得る。
アッセイは、一般的に、真核生物細胞、細菌、ウイルス、このような生物から調
製された抽出物および生きている生物において見出される流体のような生物学的
供給源から得られる種々のサンプルのいずれかを使用して行われ得る。患者から
得られ得る生物学的サンプルには、血液サンプル、生検検体、組織外植片、器官
培養物および他の組織または細胞調製物が挙げられる。患者または生物学的供給
源は、ヒトまたは非ヒト動物、初代細胞培養物または培養適合細胞株であり得、
これには、遺伝的に操作された細胞株(染色体的に組み込まれた組換え核酸配列
またはエピソーム組換え核酸配列を含み得る)、不死化または不死化可能細胞株
、体細胞ハイブリッド細胞株、分化した細胞株または分化可能な細胞株、形質転
換された細胞株などが挙げられるが、これらに限定されない。特定の好ましい実
施形態において、患者または生物学的供給源は、ヒトであり、特に好ましい実施
形態において、生物学的供給源は、哺乳動物である非ヒト動物(例えば、ゲッ歯
動物(例えば、マウス、ラット、ハムスターなど)、有蹄動物(例えば、ウシ)
または非ヒト霊長類)である。本発明の特定の他の好ましい実施形態において、
患者は、変化した細胞シグナル伝達と関連した疾患を有すると疑われ得るかまた
はその危険があると疑われ得るか、あるいは、疾患のような危険がないかまたは
その存在がないことが既知であり得る。
【0099】 DSP−5またはDSP−5代替形態タンパク質を検出するために、試薬は代
表的には抗体であり、この抗体は、本明細書中に記載されるように調製され得る
。サンプル中のポリぺプチドを検出するための抗体を使用するための、当業者に
公知の種々のアッセイ形式がある。例えば、HarlowおよびLane,An
tibodies:A Laboratory Manual,Cold Sp
ring Harbor Laboratory,1988を参照のこと。例え
ば、このアッセイは、ウェスタンブロット形式で実行され得、この形式において
、生物学的サンプルからのタンパク質調製物を、ゲル電気泳動により分離し、適
切な膜にトランスファーし、そして抗体と反応させる。次いで、膜上の抗体の存
在は、以下に記載されるような適切な検出試薬を用いて検出され得る。
【0100】 別の実施形態において、アッセイは、固体支持体上に固定された抗体を使用し
、標的DSP−5またはDSP−5代替形態に結合させ、そしてサンプルの残り
から取り除くことを包含する。次いで結合されたDSP−5またはDSP−5代
替形態は、レポーター基を含む第2の抗体または試薬を用いて検出され得る。あ
るいは、競合アッセイが利用され得る。この競合アッセイにおいて、DSP−5
ポリぺプチド(またはDSP−5代替形態ポリペプチド)を、レポーター基で標
識し、そしてサンプルと共に抗体をインキュベートした後に固定化抗体に結合さ
せる。このサンプルの成分が標識化ポリぺプチドの抗体ヘの結合を阻害する程度
は、このサンプルの固定化抗体との反応性を示し、そして結果として、サンプル
中のDSP−5(またはDSP−5代替形態)のレベルを示す。
【0101】 固体支持体は、抗体が結合され得る、当業者に公知の任意の材料(例えば、マ
イクロタイタープレートにおける試験ウェル、ニトロセルロースフィルターまた
は別の適切な膜)であり得る。あるいは、支持体は、ビーズまたは円板(例えば
、ガラス)、ファイバーガラス、ラテックスまたはプラスチック(例えば、ポリ
スチレンまたはポリビニルクロリド)であり得る。当業者に公知の種々の技術(
特許および科学文献に豊富に記載される)を使用して、抗体は、固体支持体上に
固定化され得る。
【0102】 特定の実施形態において、サンプル中のDSP−5(またはDSP−5代替形
態)の検出のためのアッセイは、2つの抗体のサンドイッチアッセイである。こ
のアッセイは、第1に固体支持体(一般的にはマイクロタイタープレートのウェ
ル)上に固定化された抗体を生物学的サンプルと接触させる工程により実行され
得、その結果、サンプル内のDSP−5(またはDSP−5代替形態)は、固定
化抗体に結合することが可能になる(室温での30分間のインキュベーション時
間が、一般的に充分である)。次いで、結合されないサンプルを、固定化DSP
−5/抗体複合体から除去し、そしてDSP−5(またはDSP−5代替形態)
上の異なる部位に結合し得る第2の抗体(酵素、色素、放射性核種、発光基、蛍
光基、またはビオチンのようなレポーター基を含む)を添加する。次いで、固体
支持体に結合したままの第2の抗体の量を、特異的レポーター基に適切な方法を
用いて決定する。放射性基については、シンチレーション計数またはオートラジ
オグラフィー法が、一般的に適切である。分光法を使用して、色素、発光基、お
よび蛍光基を検出し得る。ビオチンを、異なるレポーター基(一般的に放射性基
もしくは蛍光基または酵素)に結合された、アビジンを使用して検出し得る。酵
素レポーター基を、一般的には基質を(一般的に特定の期間)添加し、次いで、
反応産物の分光分析または他の分析することにより検出し得る。周知の技術を使
用して、サンプル中のDSP−5(またはDSP−5代替形態)のレベルを決定
するために、標準および標準添加物を使用し得る。
【0103】 本発明の関連する局面において、DSP−5(またはDSP−5代替形態)お
よびDSP−5ホスファターゼ活性を検出するためのキットが提供される。この
ようなキットは、DSP−5(またはDSP−5代替形態)またはDSP−5(
またはDSP−5代替形態)をコードする核酸のレベルを検出するために設計さ
れ得るか、または直接ホスファターゼアッセイもしくは結合ホスファターゼアッ
セイにおいて、DSP−5(またはDSP−5代替形態)のホスファターゼ活性
を検出し得る。一般的には、本発明のキットは、アッセイにおいて使用される要
素(例えば、試薬または緩衝液)を封入した1つ以上の容器を含む。
【0104】 DSP−5(またはDSP−5代替形態)、またはDSP−5(またはDSP
−5代替形態)をコードする核酸のレベルを検出するためのキットは、代表的に
はDSP−5(またはDSP−5代替形態)タンパク質、DSP−5(またはD
SP−5代替形態)DNAあるいはDSP−5(またはDSP−5代替形態)R
NAに結合する試薬を含む。DSP−5(またはDSP−5代替形態)をコード
する核酸を検出するために、試薬は、核酸プローブまたはPCRプライマーであ
り得る。DSP−5(またはDSP−5代替形態)タンパク質を検出するために
、試薬は、代表的には抗体である。このようなキットはまた、試薬の直接的また
は間接的検出に適したレポーター基を含む(すなわち、レポーター基は、この試
薬に共有結合で結合され得るか、または第2の分子(例えば、プロテインA、プ
ロテインG、免疫グロブリンまたはレクチン)に結合し得、この第2の分子自身
が、試薬に結合し得る)。適切なレポーター基としては、酵素(例えば、セイヨ
ウワサビペルオキシダーゼ)、基質、補因子、インヒビター、色素、放射性核種
、発光基、蛍光基およびビオチンが挙げられるが、これらに限定されない。この
ようなレポーター基は、当業者に公知の標準的な方法を使用して、サンプル成分
に対する試薬の結合を直接的または間接的に検出するために使用され得る。
【0105】 DSP−5活性を検出するためのキットは、代表的には適切な緩衝液と組合せ
たDSP−5基質を含む。DSP−5活性は、上記のようなホスファターゼアッ
セイを行う前に、DSP−5特異的(またはDSP−5代替形態特異的)抗体を
用いて免疫沈降工程を実施することにより特異的に検出され得る。基質の脱リン
酸化を検出する際の使用のための他の試薬もまた提供され得る。
【0106】 特定の診断アッセイにおいて、変化したDSP−5(またはDSP−5代替形
態)の存在または変化したレベルのDSP−5(またはDSP−5代替形態)発
現に基づいて、増殖障害は、患者または本明細書中に提供されるような別の生物
学的供給源生物において、検出され得る。例えば、抗体は、野生型DSP−5(
またはDSP−5代替形態)とアミノ酸配列におけるバリエーションを有する変
化したDSP−5(またはDSP−5代替形態)とを識別し得る。このようなバ
リエーションは、増殖障害の存在、またはこのような障害の感受性を示し得る。
ハイブリダイゼーションおよび増幅技術は、同様に改変DSP−5(またはDS
P−5代替形態)配列を検出するために使用され得る。
【0107】 (DSP−5活性のモジュレーターを同定するための方法) 本発明の1つの局面において、DSP−5(またはDSP−5代替形態)ポリ
ペプチドは、DSP−5活性を調節する薬剤を同定するために使用され得る。こ
のような薬剤は、MAP−キナーゼカスケードを介するシグナル変換を阻害また
は増強し、細胞増殖を引き起こし得る。DSP−5(またはDSP−5代替形態
)活性を調節する薬剤は、DSP−5の発現および/もしくは安定性、DSP−
5タンパク質活性ならびに/または基質を脱リン酸化するDSP−5の能力を変
化させ得る。このようなアッセイにおいてスクリーニングされ得る薬剤としては
、以下が挙げられるが、これらに限定されない:抗体およびその抗原結合フラグ
メント、例えば、触媒部位または二重リン酸化モチーフを提示する競合基質また
はペプチド、DSP−5(またはDSP−5代替形態)の転写および/または翻
訳を妨害するアンチセンスポリヌクレオチドおよびリボザイム、ならびにDSP
−5(またはDSP−5代替形態)に結合し、そしてDSP−5(またはDSP
−5代替形態)を不活化する他の天然分子および合成分子(例えば、低分子イン
ヒビター)。
【0108】 本発明に従うDSP−5(またはDSP−5代替形態)のモジュレーターをス
クリーニングする方法における使用のための候補薬剤は、「ライブラリー」また
は化合物、組成物もしくは分子のコレクションとして提供され得る。このような
分子は、代表的には、当該分野において「低分子」として知られ、そして105
ダルトン未満、好ましくは104ダルトン未満、そしてなおより好ましくは、1
3ダルトン未満の分子量を有する化合物を含む。例えば、試験化合物のライブ
ラリーのメンバーは、本明細書中に提供されるような少なくとも1つのDSP−
5ポリペプチド(またはDSP−5代替形態ポリペプチド)を各々含む、複数の
サンプルに投与され得、次いで基質のDSP−5媒介脱リン酸化または基質への
DSP−5媒介結合を増強または阻害するそれらの能力についてアッセイされる
。DSP−5機能(例えば、ホスホチロシンおよび/またはホスホセリン/スレ
オニン脱リン酸化)に影響を与え得るとしてこのように同定された化合物は、治
療目的および/または診断目的のために役立つ。なぜなら、これらは、DSP−
5活性に関連する疾患の処置および/または検出を可能にするからである。この
ような化合物はまた、DSP−5に関与する分子シグナル伝達機構に関する研究
、およびさらなる特異性を示す将来のDSP−5化合物の発見および開発におけ
る改良に関する研究において役立つ。
【0109】 候補薬剤はさらに、コンビナトリアルライブラリーのメンバーとして提供され
得、これは、好ましくは、複数の反応容器中で行われる所定の複数の化学反応に
従って調製された合成薬剤を含む。例えば、種々の出発化合物は、1以上の固相
合成、記録されたランダム混合手順および記録された反応分割手段を利用して調
製され得、これらは、所定の構成が、複数の順列および/または組み合わせの反
応条件を帰属可能に受けることを可能にする。得られる生成物は、スクリーニン
グされ得、次いで反復の選択および合成手順をされ得るライブラリー(例えば、
ペプチド(例えば、PCT/US91/08694、PCT/US91/046
66(これらは、本明細書中でその全体を参考として援用される)を参照のこと
)または本明細書中で提供されるような低分子を含み得る他の組成物(例えば、
PCT/US94/08542、EP 0774464、米国特許第5,798
,035号、米国特許第5,789,172号、米国特許第5,751,629
号(これらは、本明細書中でその全体を参考として援用される)を参照のこと)
の合成コンビナトリアルライブラリー)を構成する。このようなライブラリーの
多様な分類は、確立された手順に従って調製され得、そして本開示に従うDSP
−5を用いて試験され得ることを、当業者は理解する。
【0110】 特定の実施形態においては、調節薬剤は、候補薬剤を、DSP−5(またはD
SP−5代替形態)ポリペプチドまたはこのようなポリペプチドをコードするD
SP−5(またはDSP−5代替形態)ポリヌクレオチドと、インビトロまたは
インビボで組み合わせ、そして候補薬剤のDSP−5ホスファターゼ活性に対す
る効果を、例えば、本明細書中に記載される代表的なアッセイを用いて評価する
ことによって同定され得る。ホスファターゼ活性における増加または減少は、候
補薬剤の存在下および非存在下で、本明細書中に提供される代表的なアッセイを
行うことによって測定され得る。手短には、候補薬剤は、活性DSP−5(また
はDSP−5代替形態)ポリペプチドと基質(例えば、リン酸化MAP−キナー
ゼ)の混合物中に、この混合物の1以上の成分とのプレインキュベーションあり
またはなしで含まれ得る。一般的に、抗体またはこのようなアッセイにおける使
用のための他の薬剤の適切な量は、約0.01μM〜約100μMの範囲である
。次いで、薬剤のDSP−5活性への効果は、基質からのホスフェートの損失を
定量化し、そしてその損失を、候補薬剤の添加なしでDSP−5(またはDSP
−5代替形態)を用いて達成された損失と比較することによって評価され得る。
あるいは、結合キナーゼアッセイが使用され得、このアッセイにおいてDSP−
5活性は、MAP−キナーゼ活性に基づいて間接的に測定される。
【0111】 あるいは、DSP−5(またはDSP−5代替形態)コード領域またはレポー
ター遺伝子と作動可能に連結されたDSP−5プロモータを含むポリヌクレオチ
ドは、試験化合物のDSP−5転写への影響を評価するために使用され得る。こ
のようなアッセイは、DSP−5(またはDSP−5代替形態)を内因的に発現
する細胞(例えば、ヒトもしくは他の哺乳動物の脳、精巣、卵巣、脾臓または胸
腺)またはレポーター遺伝子と連結したDSP−5プロモーターを含む発現ベク
ターでトランスフェクトされた細胞において行われ得る。次いで、試験化合物の
効果は、DSP−5またはレポーターの転写に対する効果を、例えば、ノーザン
ブロット分析または適切なレポーター活性アッセイを用いてアッセイすることに
よって評価され得る。
【0112】 DSP−5活性はまた、その発現が適切な基質の活性化に依存するレポーター
遺伝子でトランスフェクトした全細胞において測定され得る。例えば、適切な細
胞(すなわち、DSP−5(またはDSP−5代替形態)を発現する細胞)は、
レポーター遺伝子と連結された基質依存性プロモーターでトランスフェクトされ
得る。このような系において、レポーター遺伝子の発現(これは、当業者に周知
の方法を用いて容易に検出され得る)は、基質の活性化に依存する。基質の脱リ
ン酸化は、レポーター活性における減少に基づいて検出され得る。候補調節薬剤
は、上記のようにこのような系に添加され得、DSP−5活性に対するそれらの
効果を評価する。
【0113】 本発明はさらに、DSP−5(またはDSP−5代替形態)と相互作用するか
、またはDSP−5(またはDSP−5代替形態)に結合する分子を同定するた
めの方法を提供する。このような分子は、一般的に、少なくとも104、好まし
くは、少なくとも105、より好ましくは、少なくとも106、なおより好ましく
は、少なくとも107、そして最も好ましくは、少なくとも108の親和力定数(
a)を有してDSP−5(またはDSP−5代替形態)と会合する。親和力定
数は、周知の技術を用いて決定され得る。相互作用分子を同定するための方法は
、例えば、調節薬剤についての最初のスクリーニングとして、またはインビボで
のDSP−5活性に関与する因子を同定するために使用され得る。基質捕捉のた
めの技術(例えば、上記のようなDSP−5改変体もしくはDSP−5代替形態
改変体または基質捕捉変異体を用いる)はまた、本明細書中で提供される特定の
実施形態に従って意図される。標準的な結合アッセイに加えて、相互作用分子を
同定するために周知である多くの他の技術(酵母ツーハイブリッドスクリーニン
グ、ファージディスプレイおよび親和力技術を含む)が存在する。このような技
術は、慣用的なプロトコルを用いて行われ得、これらのプロトコルは当業者に周
知である(例えば、Bartelら、Cellular Interactio
ns in Development:A Practical Approa
ch、D.A.Harley(編)、Oxford University P
ress(Oxford,UK)、153〜179頁、1993を参照のこと)
。これらおよび他の技術においては、候補相互作用タンパク質(例えば、推定D
SP−5基質)は、DSP−5結合タンパク質またはDSP−5相互作用タンパ
ク質の存在についてアッセイする前に、リン酸化され得る。
【0114】 他の局面においては、本発明は、動物が機能的なDSP−5(またはDSP−
5代替形態)の発現も、変化したDSP−5(またはDSP−5代替形態)の発
現もしない、動物モデルを提供する。このような動物は、標準的な相同組換え戦
略を用いて産生され得る。この様式で産生された動物モデルは、DSP−5(ま
たはDSP−5代替形態)ポリペプチドの活性およびインビボでの調節薬剤を研
究するために使用され得る。
【0115】 (基質を脱リン酸化する方法) 本発明の別の局面において、DSP−5(またはDSP−5代替形態)ポリペ
プチドは、本明細書中で提供されるDSP−5(またはDSP−5代替形態)の
基質を脱リン酸化するために使用され得る。1つの実施形態において、基質は、
30℃で10分間、適切な緩衝液(例えば、Tris、pH7.5、1mM E
DTA、1mM ジチオスレイトール、1mg/mL ウシ血清アルブミン)中
で基質とともにDSP−5(またはDSP−5代替形態)ポリペプチドをインキ
ュベートすることで、インビボで脱リン酸化され得る。MAPキナーゼのような
、DSP−5によって脱リン酸化され得る任意の化合物が、基質として使用され
得る。一般に、反応成分の量は、約50pg〜約50ngのDSP−5(または
DSP−5代替形態)ポリペプチドにわたり、そして約10ng〜約10μgの
基質にわたり得る。次いで、脱リン酸化された基質は、例えば、親和性技術およ
び/またはゲル電気泳動によって精製され得る。基質の脱リン酸化の程度は、[
γ−32P]標識化基質を試験アリコートに添加し、そして本明細書中に記載され
るように基質の脱リン酸化のレベルを評価することによって、一般にモニターさ
れ得る。
【0116】 (細胞応答を調節する方法) 調節薬剤は、インビボおよびインビトロの両方の種々の状況における、細胞の
増殖、分化および生存のような細胞応答を、調節、改変またはさもなくば変化(
例えば、増加または減少)するために使用され得る。一般に、このような応答を
調節(例えば、統計的に有意な様式で増加または減少)するために、細胞は、D
SP−5活性の調節を可能にするのに十分な時間および条件下で、DSP−5活
性を調節する薬剤に接触される。細胞応答を調節する薬剤は、種々の方法の任意
において機能し得る。例えば、薬剤は、遺伝子発現のパターンを調節し得る(す
なわち、協調的様式で発現される遺伝子ファミリーまたは遺伝子の発現を増大ま
たは阻害し得る)。種々のハイブリダイゼーションおよび増幅の技術は、遺伝子
発現のパターンを評価するために利用可能である。あるいは、またはさらに、薬
剤は細胞のアポトーシスまたは壊死をもたらし得、そして/または細胞内の細胞
サイクルの機能を調節し得る。(例えば、Ashkenaziら、1998 S
cience、281:1305;Thornberryら、1998 Sci
ence 281:1312;Evanら、1998 Science 281
:1317;Adamsら、1998 Science 281:1322;お
よびそれらに列挙される参考文献を参照のこと。) 上記のように処置された細胞は、変化した増殖、分化または生存特性を有する
細胞の標準的特徴を示し得る。さらに、このような細胞は、細胞増殖の接触阻害
、足場非依存性増殖または改変された細胞間接着のような、他の検出可能な特性
における変化を示し得る(しかし、必要とはされない)。このような特性は、当
業者が精通した技術を使用して容易に検出され得る。
【0117】 (治療方法) 1つ以上のDSP−5ポリペプチドもしくはDSP−5代替形態ポリペプチド
、調節薬剤(DSP−5と特異的に結合する任意の薬剤(例えば、本明細書中に
提供されるような抗体またはそのフラグメント))および/またはこのようなポ
リペプチドをコードするポリヌクレオチドおよび/または調節薬剤はまた、患者
においてDSP−5活性を調節するためにも使用され得る。本明細書中で使用さ
れる場合、「患者」は、任意の哺乳動物(ヒトを含む)であり得、そしてDSP
−5活性に関連した状態に冒され得るか、または検出可能な疾患を有さないもの
であり得る。従って、処置は、存在する疾患の処置であり得るか、または予防的
であり得る。DSP−5活性に関連する状態としては、細胞増殖(癌、対宿主性
移植片病(GVHD)、自己免疫疾患、アレルギーまたは免疫抑制が関与し得る
他の状態を含む)、代謝疾患、異常な細胞増殖または異常な細胞分化、および細
胞周期異常に関連する任意の障害が挙げられる。このような特定の障害は、正常
なMAPキナーゼのホスファターゼ活性の欠損に関連し、制御されていない細胞
増殖を導く。DSP−5(またはDSP−5代替形態)ポリペプチドおよびこの
ようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、このような障害を回復さ
せるために使用され得る。
【0118】 患者への投与のために、1つ以上のポリペプチド、ポリヌクレオチドおよび/
または調節薬剤が、薬学的組成物として一般に処方される。薬学的組成物は、滅
菌した水溶液または非水溶液、懸濁液または乳濁液であり得、これはさらに生理
学的に受容可能なキャリア(すなわち、活性成分の活性に干渉しない非毒性物質
)を含む。このような組成物は、固体、液体または気体(エアロゾル)の形態で
あり得る。あるいは、本発明の組成物は、凍結乾燥物として処方され得るか、ま
たは化合物は、周知の技術を使用してリポソーム内にカプセル化され得る。本発
明の範囲内の薬学的組成物はまた、他の成分を含み得、これらは生物学的に活性
であるか、または不活性であり得る。このような成分としては、以下が挙げられ
るがこれらに限定されない:緩衝液(例えば、中性緩衝生理食塩水またはリン酸
緩衝生理食塩水)、炭水化物(例えば、ブドウ糖、マンノース、ショ糖またはデ
キストラン)、マンニトール、タンパク質、ポリペプチド、またはグリシンのよ
うなアミノ酸、抗酸化剤、EDTAまたはグルタチオンのようなキレート化剤、
安定剤、色素、矯味矯臭剤、および懸濁剤および/または保存剤。
【0119】 当業者に公知の任意の適切なキャリアは、本発明の薬学的組成物において使用
され得る。治療的使用のためのキャリアは周知であり、そして例えば、Remi
ngtons Pharmaceutical Sciences,Mack
Publishing Co.(A.R.Gennaro編 1985)に記載
される。一般に、キャリアの型は、投与の形態に基づいて選択される。薬学的組
成物は、投与(例えば、局所的、経口、経鼻、クモ膜下内、直腸、膣、舌下、ま
たは非経口(皮下、静脈内、筋肉内、胸骨内(intrasternal)、空
洞内、道内(intrameatal)、または尿道内の注射あるいは注入が挙
げられる)投与が挙げられる)の任意の適切な様式のために処方され得る。非経
口投与について、このキャリアは、好ましくは水、生理食塩水、アルコール、脂
肪、ワックスまたは緩衝液を含む。経口投与について、上記の任意のキャリアま
たは固体キャリア(例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン
酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、滑石粉、セルロース、カオリン、グリ
セリン、デンプンデキストリン、アルギニン酸ナトリウム、カルボキシメチルセ
ルロース、エチルセルロース、ブドウ糖、ショ糖、および/または炭酸マグネシ
ウム)が使用され得る。
【0120】 薬学的組成物(例えば、経口投与または注射による送達のための)は、液体形
態(例えば、エリキシル、シロップ、溶液、乳濁液または懸濁液)であり得る。
液体の薬学的組成物としては、例えば以下の1つ以上が挙げられ得る:注射のた
めの水、食塩水、好ましくは生理食塩水、リンゲル液、等張性塩化ナトリウム、
溶媒または懸濁媒体として役立ち得る合成のモノグリセリドまたはジグリセリド
のような不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコ
ールまたは他の溶媒のような滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラ
ベン(paraben)のような抗菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナト
リウムのような抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸のようなキレート化剤;アセ
テート、シトレートまたはホスフェートのような緩衝液および塩化ナトリウムま
たはブドウ糖のような張度の調節のための薬剤。非経口調製物は、ガラスまたは
プラスチックで作製されたアンプル、使い捨てシリンジまたは複数の用量バイア
ルに同封され得る。生理食塩水の使用が好ましく、そして注射可能な薬学的組成
物は、好ましくは滅菌されている。
【0121】 本明細書中に記載された組成物は、持続放出のために処方され得る(すなわち
、投与に続く化合物の緩やかな放出をもたらすカプセルまたはスポンジのような
処方物)。このような組成物は、一般的には周知の技術を用いて調製され得、そ
して例えば、経口、直腸または皮下埋め込み術によってか、または所望の標的部
位への移植によって投与され得る。持続放出処方物は、キャリアマトリックスに
おいて分散され、そして/または速度制御膜によって囲まれたリザーバ内に含ま
れる薬剤を含み得る。このような処方物内での使用のためのキャリアは、生体適
合性であり、そしてまたは生分解性であり得る;好ましくは、この処方物は、活
性成分の放出の比較的一定のレベルを提供する。持続放出処方物に含まれる活性
成分の量は、移植の部位、放出の速度および予期される持続期間ならびに処置ま
たは予防される状態の性質に依存する。
【0122】 DSP−5(もしくはDSP−5代替形態)ポリペプチドおよび/または調節
薬剤をコードするポリヌクレオチドを(ポリペプチドおよび/または調節薬剤が
、インサイチュで生成されるように)含有する薬学的組成物に関して、このポリ
ヌクレオチドは、核酸ならびに、細菌発現系、ウイルス発現系および哺乳動物発
現系を含む、当業者に公知の種々の送達系のいずれかに存在され得る。このよう
な発現系にDNAを取り込むための技術は、当業者に周知である。このDNAは
また、例えば、Ulmerら、Science 259:1745−1749,
1993に記載およびCohen,Science 259:1691−169
2,1993によって概説されるように「裸」であり得る。裸のDNAの取り込
みは、細胞に効果的に輸送される生分解性ビーズ上にDNAを被覆することによ
って上昇され得る。
【0123】 薬学的組成物内の、DSP−5(またはDSP−5代替形態)ポリペプチド、
ポリヌクレオチドまたは調節薬剤は、種々の化合物のいずれかに連結され得る。
例えば、このような因子は、その薬剤の標的部位への送達を容易にする標的化部
分(例えば、モノクロナール抗体またはポリクロナール抗体、タンパク質または
リポソーム)に連結され得る。本明細書中で使用される場合「標的化部分」は、
任意の物質(例えば、化合物または細胞)であり得、その薬剤の標的細胞または
組織への輸送を増大する薬剤と連結された場合、それによってその薬剤の局所的
な濃度を上昇する。標的化部分としては、抗体またはそのフラグメント、レセプ
ター、リガンドならびに標的組織の細胞に結合する他の分子、または標的組織の
近位の細胞に結合する他の分子が挙げられる。抗体標的化因子は、インタクト(
全て)な分子、そのフラグメント、またはその機能的な等価物であり得る。抗体
フラグメントの例としては、F(ab’)2、−Fab’、FabおよびF[v
]フラグメントであり、これらは、従来の方法によってか、または遺伝子工学も
しくはタンパク質工学によって産生され得る。結合は、一般的には、共有結合で
あり、そして例えば、直接縮合または他の反応によってか、二機能性リンカーま
たは多機能性リンカーを手段として達成され得る。標的化部分は、薬剤が治療的
利点を発揮すると予期される、細胞または組織に基づいて選択され得る。
【0124】 薬学的組成物は、処置(または予防)される疾患に適切な様式で投与され得る
。適切な投薬量ならびに投与の適切な持続期間および頻度は、患者の状態、患者
の疾患の型および重篤性、活性成分の特定の形態および投与の方法のような因子
によって決定される。一般的には、適切な投薬量および処置レジメンは、治療的
利点および/または予防的利点(例えば、より多くの完全な寛解または部分的な
寛解、または長期の無疾患および/または全体的な生存のような臨床的な成果を
向上させる)を提供するのに十分な量で薬剤を提供する。予防的な使用に関して
、用量は、細胞増殖に関連する疾患の発症を予防、遅延、またはこれの重篤性を
減少するのに十分でなければならない。
【0125】 最適な投薬量は、一般的には、実験的なモデルおよび/または臨床的な試みを
用いて決定され得る。一般的には、用量において存在するポリペプチドの量また
は用量において存在するDNAによってインサイチュで産生されるポリペプチド
の量は、約0.01μg/kg宿主〜約100μg/kg宿主、代表的には約0
.1μg〜約10μgの範囲である。効果的な治療を提供するのに十分な最少投
薬量の使用は、通常好ましい。患者は、一般的には、当業者に公知である処置ま
たは予防される状態について適切なアッセイを用いて治療有効性または予防有効
性についてモニタされ得る。適切な用量サイズは、患者の大きさに伴なって変化
するが、代表的には、10〜60kgの動物に対して約10mL〜約500mL
の範囲である。
【0126】 以下の実施例は、例示の目的で提示するが、限定の目的ではない。
【0127】 (実施例) (実施例1) (DSP−5およびDSP−5代替形態をコードするcDNAのクローニング
および配列決定) 本実施例は、ヒトDSP−5をコードするcDNA分子のクローニングを示す
【0128】 二重特異性(dual−specificity)ホスファターゼの活性部位
ドメインの周囲の保存された配列モチーフを以下のように同定した:二重特異性
ホスファターゼは、タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)のより大きな
ファミリーに属する。このファミリーのホスファターゼは、5つの可変アミノ酸
ストレッチのN末端に位置するシステイン残基、それに続くアルギニン残基を含
む保存された触媒性ドメインを共有する(Faumanら、Trends In
Bioch.Sci.21:413〜417、1996)。DSPは、代表的
に、PTP活性部位モチーフを含むが、他の領域においてはPTPに対する配列
相同性を欠いている(Jia,Biochem.and Cell Biol.
75:17〜26,1997)。しかし、DSPの間で保存されているコンセン
サス配列は、報告されておらず、かつ上記に言及されたような公知のDSP配列
の試験から明白なコンセンサス領域も報告されていない。新しいDSPファミリ
ーメンバーの同定に有用な、より長いコンセンサスDSPアミノ酸配列モチーフ
を誘導するために、複数の公知のヒト二重特異性ホスファターゼ配列を整列させ
、比較した。MAP−キナーゼホスファターゼ活性を有する8つのヒトDSP由
来の8つのアミノ酸配列の整列により、PTP活性部位サインモチーフを含む2
3アミノ酸のペプチド配列から構成される保存された相同性領域を得た。従って
、以下の配列: GRVLVHCQAGISRSGTNILAYLM(配列番号6) を有する候補ペプチドを用いて、発現配列タグ(Exprssed Seque
nce Tag)データベース(Nat.Center for Biol.I
nformation.www.ncbi.nlm.nih.gov/dbES
T)を検索した。この検索では、デフォールトパラメータ中の遺伝子コード縮重
性を可能にする反復(iteration)で候補ペプチドの逆翻訳を可能にす
るアルゴリズム(tblastn)を使用した。この検索結果は、EST AA
314946を、MAP−キナーゼホスファターゼ配列の候補として同定した。
このESTは、発現された遺伝子の完全なコード領域を含まなかった。また、セ
ンス鎖およびオープンリーディングフレーム(ORF)も同定されなかった。O
RFの存在を決定するために、EST AA314946配列を、2つの等しい
セグメント(第1は、推定ORFのアミノ末端領域を含み、そして第2は、カル
ボキシ末端領域を含む)に細分した。アミノ末端フラグメントの配列を、上記の
tblastnを用いるESTデータベースを再び検索するために使用し、そし
てEST AA316253およびAA081517を、EST AA3149
46と有意な配列重複を有するとして同定した。EST AA314946のカ
ルボキシ末端部分を、ESTデータベースを検索するために使用する場合、さら
なるEST AA489562およびAA312939を、有意な配列重複を有
するとして同定した。
【0129】 全長コード配列を得るため、供給業者の指示に従って、5’/3’RACEキ
ット(Boehringer Mannheim ,Indianapolis
,IN;Clontech,Palo Alto,CA;Life Techn
ologies,Inc.,Gaithersburg,MD)を用いて、記載
のように(Frohmanら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA
85:8998、1988;Oharaら、Proc.Nat.Acad.Sc
i.USA 86:5673、1989;Lohら、Science 243:
217、1989)、5’および3’RACE(rapid amplific
ation of cDNA end:cDNA末端の迅速増幅)反応において
、ヒト胸腺、脳、および精巣cDNAをスクリーニングした。保存された配列モ
チーフにすぐ隣接する配列情報を、ヒト胸腺、脳、および精巣のcDNAでの5
’および3’RACE反応において用いた。これには、以下のプライマー(配列
番号7〜11)を用いた。
【0130】
【化1】 生じたRACE5’産物のヌクレオシド配列決定は、AA314946、AA
316253およびAA081517の存在を確認し、そしてDSP−5の開始
メチオニンについてコドンが存在するこれらの配列における決定を可能にした。
【0131】 3’RACE産物の配列決定は、EST AA489562との有意な重複を
示し、上記されるように、AA314946のカルボキシ末端領域との重複を示
した。DSP−5カルボキシ末端をコードするヌクレオチド配列を同定するため
に、ESTデータベースを、プローブとしてEST AA489562配列を用
いて、上記の通りに検索した。結果は、EST AA489562と別のEST
AA074665との有意な重複を示し、後者のESTは、DSP−5カルボキ
シ末端を含むことを示唆した。AA074665における3’配列の同一性を確
認するために、以下のオリゴヌクレオチドプライマーを、設計および合成した:
DSP5−3’−norm:5’−TGAATGATAAGAAGCAAAGG
CAGC−3’(配列番号12) (これは、DSP−5 ORFに対する3’に位置しかつこれの外にあるヌクレ
オチド配列領域について特異的である)かつ DSP5−3’−end:5’−GTGGCAACTGAAATTATACCA
GCC−3’(配列番号13) (これは、以前に確認されたORFに局在する)。これらのプライマーを用いる
PCR増幅は、残余のDSP−5 C末端領域配列ならびにDSP−5のカルボ
キシ末端の決定を可能にする。614塩基対の推定単位複製配列を、胸腺、脳お
よび精巣cDNAテンプレートから得た。
【0132】 検索配列としてAA489562を用いる、上記のESTデータベース検索は
また、さらなるEST、AA923158を所与した。AA923158を、B
LASTアルゴリズムを用いる検索配列としてESTデータベースに再実行する
場合、類似性を、別のEST,AA88077(第2潜在性DSP−5 C末端
についてのコード配列を含む)に対して同定した。これらのさらなるESTにお
ける3’配列の同一性を確認するために、末端コドンに対する配列3’に特異的
なオリゴマープライマー: DSP5−3’var:5’−GTTAAAATAGAGCTTAAAATGC
AAGAAGG−3’(配列番号14) を、脳および胸腺cDNAから推定サイズの単位複製配列をPCR増幅するため
に、DSP5−3’末端(配列番号13)と対にした。
【0133】 340アミノ酸のDSP−5タンパク質(図3;配列番号3)をコードするc
DNA(図1;配列番号1)および299アミノ酸(図4:配列番号4)のDS
P−5タンパク質(「DSP−5代替形態」)の代替形態をコードする別の3’
末端を有する代替cDNA形態(図2、配列番号2)を同定した。第1287ア
ミノ酸(配列番号3および4に共通する)をコードするDNA配列は、他のMA
P−キナーゼホスファターゼ(図5)に対して有意な相同性を有する。同定され
たcDNAは、1020(図1)塩基対のコード領域および897(図2)塩基
対コード領域、ならびに関連する5’および3’非翻訳配列を含む。DSP−5
(およびDSP−5代替形態)についての活性部位ドメインを、配列番号3およ
び4の各々においてアミノ酸の113位で始まる領域に局在化させた。
【0134】 半定量的RT−PCR分析を実行した。これらの分析は、脳、精巣、および胸
腺における、有意により高いレベルのDSP−5 mRNAを示した。
【0135】 (実施例2) (ヒト組織におけるDSP−5発現) 本実施例において、DSP−5コード核酸配列が、種々の組織供給源由来のヒ
トポリA+RNAにハイブリダイズすることを示す。核酸ハイブリダイゼーショ
ンプローブとしての使用のため、全長DSP−5コードcDNA(配列番号1)
を、Ausubelら(1998 Current Protocols in
Molecular Biology,Greene Publ.Assoc
.Inc.& John Wiley & Sons,Inc.,Boston
,MA)に記載のランダムプライマー方法により32P標識した。このプローブを
、検出可能なβアクチンmRNAの量について基準化した、複数のヒト組織に由
来するヒトポリA+RNAを含むブロット(図4、カタログ番号7759−1;
Clontech,Inc.,Palo Alto,CA)にハイブリダイズし
た。Express HybTM溶液(Clontech)中で68℃で30分間
、ブロットをプレハイブリダイゼーションし、次いで、標識したプローブを用い
、Express HybTM溶液中で、68℃で1時間ハイブリダイズした。次
に、このブロットを、2×SSC、0.5% SDS中で、室温にて40分間洗
浄し、次いで、0.1×SSC、0.1%SDS中で50℃で40分間、2回目
の洗浄をした。ブロットを風乾し、次いで、Hyperfilm MPTMオート
ラジオグラフフィルム(Amersham Life Sciences,Ar
lington Hts,IL)に一晩曝露した。結果を図5に示す。ここでは
、RNAのヒト組織供給源は以下のとおりであった:(図6A)レーン1、心臓
;レーン2、脳;レーン3、胎盤;レーン4、肺;レーン5、肝臓;レーン6、
骨格筋;レーン7、腎臓;レーン8、脾臓;(図6B)レーン1、脾臓;レーン
2、胸腺;レーン3、前立腺;レーン4、精巣;レーン5、卵巣;レーン6、小
腸;レーン7、結腸;レーン8、末梢血白血球。
【0136】 前述により、本発明の特定の実施形態が例示の目的で本明細書において記載さ
れているが、種々の改変が本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ
得ることが理解される。従って、本発明は添付の特許請求の範囲によってしか限
定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、DSP−5についてのcDNA配列(配列番号1)を示し、開始コド
ンおよび終止コドンが、太字で示される。
【図2】 図2は、DSP−5代替形態のcDNA配列(配列番号2)を示し、開始コド
ンおよび停止コドンは、太字で示される。
【図3】 図3は、DSP−5の推定アミノ酸配列(配列番号3)を示す。
【図4】 図4は、DSP−5代替形態の推定アミノ酸配列(配列番号4)を示す。
【図5】 図5は、DSP−5と他のMAP−キナーゼホスファターゼとの間の配列類似
性を示す、配列アラインメントである。
【図6】 図6は、32P標識した全長DSP−5コード核酸配列をプローブとして使用す
る、ノーザンブロットハイブリダイゼーションを示す。ブロットは、以下のよう
な種々の組織型由来のヒトポリA+RNAを含んだ:(図6A)レーン1、心臓
;レーン2、脳;レーン3、胎盤;レーン4、肺;レーン5、肝臓;レーン6、
骨格筋;レーン7、腎臓;レーン8、膵臓;(図6B)レーン1、脾臓;レーン
2、胸腺;レーン3、前立腺;レーン4、精巣;レーン5、卵巣;レーン6、小
腸;レーン7、結腸;レーン8、末梢血白血球。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 A61P 37/06 4B065 37/06 37/08 4C084 37/08 43/00 105 4C085 43/00 105 C07K 16/40 4H045 C07K 16/40 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 9/16 B 5/06 C12Q 1/68 A 5/10 G01N 33/15 Z 9/16 33/50 Z C12Q 1/68 33/53 D G01N 33/15 M 33/50 33/566 33/53 33/577 B 33/58 Z 33/566 C12P 21/08 33/577 C12N 15/00 ZNAA 33/58 5/00 A // C12P 21/08 E (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2G045 AA25 AA40 BB20 CA25 CB01 DA12 DA13 DA14 DA20 DA36 DA77 FB01 FB02 FB03 FB07 4B024 AA01 AA11 BA11 BA44 CA01 DA03 GA11 GA18 HA12 4B050 CC01 CC03 DD11 EE10 LL01 4B063 QA18 QQ02 QQ27 QQ42 QQ79 QQ96 QR08 QR32 QR42 QR48 QR55 QR62 QS25 QS33 QS34 QX01 4B064 AG27 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA93X AA93Y AB01 AC14 BA02 BB19 BB34 CA25 CA31 CA44 CA46 4C084 AA02 AA03 AA06 AA07 AA13 AA17 CA53 NA14 ZB082 ZB132 ZB212 ZB262 4C085 AA13 AA14 DD62 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 DA76 DA89 EA20 EA50 FA74

Claims (98)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号3に記載されるDSP−5の配列あるいはその改変
    体を有する単離されたポリペプチドであって、該改変体は、該ポリペプチドが活
    性化MAPキナーゼを脱リン酸化する能力を保持するように、配列番号3におけ
    る残基の50%以下での1つ以上のアミノ酸の欠失、付加、挿入、または置換に
    て異なる、単離されたポリペプチド。
  2. 【請求項2】 配列番号3に対応する配列を有するポリペプチドの少なくと
    も10個連続するアミノ酸をコードする、単離されたポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 配列番号3に対応する配列を有するポリペプチドの少なくと
    も15個連続するアミノ酸をコードする、単離されたポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載のポリヌクレオチドを含む、
    発現ベクター。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の発現ベクターを用いて形質転換されたかま
    たはトランスフェクトされた、宿主細胞。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のポリペプチドをコードする、単離されたポ
    リヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 配列番号1に記載された配列を含む、請求項6に記載のポリ
    ヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の発現ベクターを用いて形質転換されたかま
    たはトランスフェクトされた、宿主細胞。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載のポリヌクレオチドに相補的な少なくとも
    15個連続するヌクレオチドを含む、アンチセンスポリヌクレオチド。
  11. 【請求項11】 配列番号1に記載される配列の相補体に、50℃にて15
    分間の0.1×SSCおよび0.1%SDS中での洗浄を含む条件下で、検出可
    能にハイブリダイズする、単離されたポリヌクレオチド。
  12. 【請求項12】 請求項10または請求項11に記載のポリヌクレオチドを
    含む、発現ベクター。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の発現ベクターを用いて形質転換された
    かまたはトランスフェクトされた、宿主細胞。
  14. 【請求項14】 DSP−5ポリペプチドを産生する方法であって、以下の
    工程: (a)請求項9に記載の宿主細胞を、DSP−5ポリペプチドの発現を可能にす
    る条件下で培養する工程;および (b)該宿主細胞培養物から該DSP−5ポリペプチドを単離する工程、 を包含する、方法。
  15. 【請求項15】 配列番号3の配列を有するDSP−5ポリペプチドに特異
    的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合フラグメント。
  16. 【請求項16】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項15に記載
    の抗体またはそのフラグメント。
  17. 【請求項17】 薬学的組成物であって、生理学的に受容可能なキャリアと
    組み合わせて請求項15に記載の抗体またはそのフラグメントを含む、薬学的組
    成物。
  18. 【請求項18】 サンプル中のDSP−5発現を検出するための方法であっ
    て、以下: (a)サンプルを、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと
    、抗体/DSP−5複合体を形成させるに十分な条件かつ時間で接触させる工程
    ;および (b)抗体/DSP−5複合体のレベルを検出し、そしてそこからサンプル中の
    DSP−5の存在を検出する工程、 を包含する、方法。
  19. 【請求項19】 前記抗体が支持物質に連結される、請求項18に記載の方
    法。
  20. 【請求項20】 前記抗体が検出可能なマーカーに連結される、請求項18
    に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記サンプルが患者から得られた生物学的サンプルである
    、請求項18に記載の方法。
  22. 【請求項22】 サンプル中のDSP−5発現を検出するための方法であっ
    て、以下: (a)サンプルを、請求項10または請求項11に記載のアンチセンスポリヌク
    レオチドと接触させる工程;および (b)該サンプルにおいて該アンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイズす
    るDSP−5ポリヌクレオチドの量を検出し、そしてそこから該サンプル中のD
    SP−5発現を検出する工程、 を包含する、方法。
  23. 【請求項23】 前記アンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイズする
    DSP−5ポリヌクレオチドの量がポリメラーゼ連鎖反応を用いて決定される、
    請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記アンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイズする
    DSP−5ポリヌクレオチドの量がハイブリダイゼーションアッセイを用いて決
    定される、請求項22に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記サンプルがRNA調製物またはcDNA調製物を含む
    、請求項22に記載の方法。
  26. 【請求項26】 DSP−5活性を調節する薬剤についてスクリーニングす
    るための方法であって、以下の工程: (a)候補薬剤を、請求項1に記載のポリペプチドと、該ポリペプチドと候補薬
    剤との間での相互作用を可能にするに十分な条件かつ時間で接触させる工程;な
    らびに (b)引き続いて、該ポリペプチドがDSP−5基質を脱リン化する能力を、候
    補薬剤の非存在下で該ポリペプチドが該DSP−5基質を脱リン酸化する予め決
    定された能力と比較して評価し;そしてそれからDSP−5活性を調節する薬剤
    を同定する工程、 を包含する、方法。
  27. 【請求項27】 前記DSP−5基質がMAPキナーゼである、請求項26
    に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記候補薬剤が低分子である、請求項26に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記低分子がコンビナトリアルライブラリー内に存在する
    、請求項26に記載の方法。
  30. 【請求項30】 DSP−5活性を調節する薬剤についてスクリーニングす
    るための方法であって、以下の工程: (a)候補薬剤を、検出可能な転写物またはタンパク質をコードするポリヌクレ
    オチドに作動可能に連結されたDSP−5プロモーターを含む細胞と、該プロモ
    ーターと候補薬剤との間での相互作用を可能にするに十分な条件かつ時間で接触
    させる工程;ならびに (b)引き続いて、該ポリヌクレオチドの発現を、候補薬剤の非存在下での発現
    の予め決定されたレベルと比較して評価し;そしてそれからDSP−5活性を調
    節する薬剤を同定する工程、 を包含する、方法。
  31. 【請求項31】 前記ポリヌクレオチドがDSP−5ポリペプチドをコード
    する、請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記ポリヌクレオチドがレポータータンパク質をコードす
    る、請求項30に記載の方法。
  33. 【請求項33】 細胞における増殖応答を調節するための方法であって、 細胞を、DSP−5活性を調節する薬剤と接触させる工程 を包含する、方法。
  34. 【請求項34】 細胞の分化を調節するための方法であって、 細胞を、DSP−5活性を調節する薬剤と接触させる工程 を包含する、方法。
  35. 【請求項35】 細胞の生存を調節するための方法であって、 細胞を、DSP−5活性を調節する薬剤と接触させる工程 を包含する、方法。
  36. 【請求項36】 前記薬剤が遺伝子発現のパターンを調節する、請求項33
    〜35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記細胞が細胞成長の接触阻害を示す、請求項33〜35
    のいずれか1項に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記細胞が足場非依存性増殖を示す、請求項33〜35の
    いずれか1項に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記細胞が変化した細胞間接着特性を示す、請求項33〜
    35のいずれか1項に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記薬剤がアポトーシスを調節する、請求項35に記載の
    方法。
  41. 【請求項41】 前記薬剤が細胞周期を調節する、請求項35に記載の方法
  42. 【請求項42】 前記細胞が患者の中に存在する、請求項32に記載の方法
  43. 【請求項43】 DSP−5活性に関連する障害に罹患した患者を処置する
    ための方法であって、 患者に、DSP−5活性を調節する薬剤の治療有効量を投与する工程 を包含する、方法。
  44. 【請求項44】 前記障害が、癌、対宿主性移植片病、自己免疫疾患、アレ
    ルギー、代謝疾患、異常な細胞成長、異常な細胞増殖、および細胞周期の異常か
    らなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
  45. 【請求項45】 DSP−5基質捕捉変異体ポリペプチドであって、該ポリ
    ペプチドが、DSP−5と比較して実質的には減少していない親和性で基質に結
    合するように、かつ該ポリペプチドが、基質を脱リン酸化する能力がDSP−5
    と比較して低下しているように、配列番号3に記載される配列と、配列番号3に
    おける残基の50%以下での1つ以上のアミノ酸の欠失、付加、挿入または置換
    にて異なっている、DSP−5基質捕捉変異体ポリペプチド。
  46. 【請求項46】 前記ポリペプチドが、配列番号3の84位または115位
    での置換を含む、請求項45に記載の基質捕捉変異体ポリペプチド。
  47. 【請求項47】 DSP−5と相互作用する能力について分子をスクリーニ
    ングする方法であって、以下の工程: (a)候補分子を請求項1に記載のポリペプチドと、該候補分子とポリペプチド
    とを相互作用させるに十分な条件かつ時間で接触させる工程;および (b)該ポリペプチドへの該候補分子の結合の存在または非存在を検出し、そし
    てそこから該候補分子がDSP−5と相互作用するか否かを決定する工程、 を包含する、方法。
  48. 【請求項48】 前記検出する工程が、アフィニティー精製工程を包含する
    、請求項47に記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記検出する工程が、酵母ツーハイブリットスクリーニン
    グまたはファージディスプレーライブラリーのスクリーニングを包含する、請求
    項47に記載の方法。
  50. 【請求項50】 配列番号4に記載されるDSP−5代替形態の配列あるい
    はその改変体有する単離されたポリペプチドであって、該改変体は、該ポリペプ
    チドが活性化MAPキナーゼを脱リン酸化する能力を保持するように、配列番号
    4における残基の50%以下での1以上のアミノ酸欠失、付加、挿入または置換
    にて異なる、単離されたポリペプチド。
  51. 【請求項51】 配列番号4に対応する配列を有するポリペプチドの少なく
    とも10個の連続アミノ酸をコードする、単離されたポリヌクレオチド。
  52. 【請求項52】 配列番号4に対応する配列を有するポリペプチドの少なく
    とも15個の連続するアミノ酸をコードする、単離されたポリヌクレオチド。
  53. 【請求項53】 請求項51または請求項52に記載のポリヌクレオチドを
    含む、発現ベクター。
  54. 【請求項54】 請求項53に記載の発現ベクターを用いて形質転換された
    かまたはトランスフェクトされた、宿主細胞。
  55. 【請求項55】 請求項50に記載のポリペプチドをコードする、単離され
    たポリヌクレオチド。
  56. 【請求項56】 配列番号2に記載された配列を含む、請求項55に記載の
    ポリヌクレオチド。
  57. 【請求項57】 請求項55に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクタ
    ー。
  58. 【請求項58】 請求項57に記載の発現ベクターを用いて形質転換された
    かまたはトランスフェクトされた、宿主細胞。
  59. 【請求項59】 請求項55に記載のポリヌクレオチドに相補的な少なくと
    も15個連続するヌクレオチドを含む、アンチセンスポリヌクレオチド。
  60. 【請求項60】 配列番号2に記載される配列の相補体に、60℃にて15
    分間の0.1×SSCおよび0.1%SDS中での洗浄を含む条件下で、検出可
    能にハイブリダイズする、単離されたポリヌクレオチド。
  61. 【請求項61】 請求項59または請求項60に記載のポリヌクレオチドを
    含む、発現ベクター。
  62. 【請求項62】 請求項61に記載の発現ベクターを用いて形質転換された
    かまたはトランスフェクトされた、宿主細胞。
  63. 【請求項63】 DSP−5代替形態ポリペプチドを産生する方法であって
    、以下の工程: (a)請求項58に記載の宿主細胞を、DSP−5代替形態ポリペプチドの発現
    を可能にする条件下で培養する工程;および (b)該宿主細胞培養物から該DSP−5代替形態ポリペプチドを単離する工程
    、 を包含する、方法。
  64. 【請求項64】 配列番号4の配列を有するDSP−5代替形態ポリペプチ
    ドに特異的に結合する、単離された抗体またはその抗原結合フラグメント。
  65. 【請求項65】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項64に記載
    の抗体またはそのフラグメント。
  66. 【請求項66】 薬学的組成物であって、生理学的に受容可能なキャリアと
    組み合わせて請求項64に記載の抗体またはそのフラグメントを含む、薬学的組
    成物。
  67. 【請求項67】 サンプル中のDSP−5代替形態発現を検出するための方
    法であって、以下: (a)サンプルを、請求項64に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと
    、抗体/DSP−5代替形態複合体を形成させるに十分な条件かつ時間で接触さ
    せる工程;および (b)抗体/DSP−5代替形態複合体のレベルを検出し、そしてそこからサン
    プル中のDSP−5代替形態の存在を検出する工程、 を包含する、方法。
  68. 【請求項68】 前記抗体が支持物質に連結される、請求項67に記載の方
    法。
  69. 【請求項69】 前記抗体が検出可能なマーカーに連結される、請求項67
    に記載の方法。
  70. 【請求項70】 前記サンプルが患者から得られた生物学的サンプルである
    、請求項67に記載の方法。
  71. 【請求項71】 サンプル中のDSP−5代替形態発現を検出するための方
    法であって、以下: (a)サンプルを、請求項59または請求項60に記載のアンチセンスポリヌク
    レオチドと接触させる工程;および (b)該サンプルにおいて該アンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイズす
    るDSP−5代替形態ポリヌクレオチドの量を検出し、そしてそこから該サンプ
    ル中のDSP−5代替形態発現を検出する工程、 を包含する、方法。
  72. 【請求項72】 前記アンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイズする
    DSP−5代替形態ポリヌクレオチドの量がポリメラーゼ連鎖反応を用いて決定
    される、請求項71に記載の方法。
  73. 【請求項73】 前記アンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイズする
    DSP−5代替形態ポリヌクレオチドの量がハイブリダイゼーションアッセイを
    用いて決定される、請求項71に記載の方法。
  74. 【請求項74】 前記サンプルがRNA調製物またはcDNA調製物を含む
    、請求項71に記載の方法。
  75. 【請求項75】 DSP−5代替形態活性を調節する薬剤についてスクリー
    ニングするための方法であって、以下の工程: (a)候補薬剤を、請求項50に記載のポリペプチドと、該ポリペプチドと候補
    薬剤との間での相互作用を可能にするに十分な条件かつ時間で接触させる工程;
    ならびに (b)引き続いて、該ポリペプチドがDSP−5代替形態基質を脱リン化する能
    力を、候補薬剤の非存在下で該ポリペプチドが該DSP−5代替形態基質を脱リ
    ン酸化する予め決定された能力と比較して評価し;そしてそれからDSP−5代
    替形態活性を調節する薬剤を同定する工程、 を包含する、方法。
  76. 【請求項76】 前記DSP−5代替形態基質がMAPキナーゼである、請
    求項75に記載の方法。
  77. 【請求項77】 前記候補薬剤が低分子である、請求項75に記載の方法。
  78. 【請求項78】 前記低分子がコンビナトリアルライブラリー内に存在する
    、請求項75に記載の方法。
  79. 【請求項79】 DSP−5代替形態活性を調節する薬剤についてスクリー
    ニングするための方法であって、以下の工程: (a)候補薬剤を、検出可能な転写物またはタンパク質をコードするポリヌクレ
    オチドに作動可能に連結されたDSP−5代替形態プロモーターを含む細胞と、
    該プロモーターと候補薬剤との間での相互作用を可能にするに十分な条件かつ時
    間で接触させる工程;ならびに (b)引き続いて、該ポリヌクレオチドの発現を、候補薬剤の非存在下での発現
    の予め決定されたレベルと比較して評価し;そしてそれからDSP−5代替形態
    活性を調節する薬剤を同定する工程、 を包含する、方法。
  80. 【請求項80】 前記ポリヌクレオチドがDSP−5代替形態ポリペプチド
    をコードする、請求項79に記載の方法。
  81. 【請求項81】 前記ポリヌクレオチドがレポータータンパク質をコードす
    る、請求項79に記載の方法。
  82. 【請求項82】 細胞における増殖応答を調節するための方法であって、 細胞を、DSP−5代替形態活性を調節する薬剤と接触させる工程 を包含する、方法。
  83. 【請求項83】 細胞の分化を調節するための方法であって、 細胞を、DSP−5代替形態活性を調節する薬剤と接触させる工程 を包含する、方法。
  84. 【請求項84】 細胞の生存を調節するための方法であって、 細胞を、DSP−5代替形態活性を調節する薬剤と接触させる工程 を包含する、方法。
  85. 【請求項85】 前記薬剤が遺伝子発現のパターンを調節する、請求項82
    〜84のいずれか1項に記載の方法。
  86. 【請求項86】 前記細胞が細胞成長の接触阻害を示す、請求項82〜84
    のいずれか1項に記載の方法。
  87. 【請求項87】 前記細胞が足場非依存性増殖を示す、請求項82〜84の
    いずれか1項に記載の方法。
  88. 【請求項88】 前記細胞が変化した細胞間接着特性を示す、請求項82〜
    84のいずれか1項に記載の方法。
  89. 【請求項89】 前記薬剤がアポトーシスを調節する、請求項84に記載の
    方法。
  90. 【請求項90】 前記薬剤が細胞周期を調節する、請求項84に記載の方法
  91. 【請求項91】 前記細胞が患者の中に存在する、請求項81に記載の方法
  92. 【請求項92】 DSP−5代替形態活性に関連する障害に罹患した患者を
    処置するための方法であって、 患者に、DSP−5代替形態活性を調節する薬剤の治療有効量を投与する工程
    を包含する、方法。
  93. 【請求項93】 前記障害が、癌、対宿主性移植片病、自己免疫疾患、アレ
    ルギー、代謝疾患、異常な細胞成長、異常な細胞増殖、および細胞周期の異常か
    らなる群から選択される、請求項92に記載の方法。
  94. 【請求項94】 DSP−5代替形態基質捕捉変異体ポリペプチドであって
    、該ポリペプチドが、DSP−5代替形態と比較して実質的には減少していない
    親和性で基質に結合するように、かつ該ポリペプチドが、基質を脱リン酸化する
    能力がDSP−5代替形態と比較して低下しているように、配列番号4に記載さ
    れる配列と、配列番号4における残基の50%以下での1つ以上のアミノ酸の欠
    失、付加、挿入または置換にて異なっている、DSP−5代替形態基質捕捉変異
    体ポリペプチド。
  95. 【請求項95】 前記ポリペプチドが、配列番号4の84位または115位
    での置換を含む、請求項94に記載の基質捕捉変異体ポリペプチド。
  96. 【請求項96】 DSP−5代替形態と相互作用する能力について分子をス
    クリーニングする方法であって、以下の工程: (a)候補分子を請求項50に記載のポリペプチドと、該候補分子とポリペプチ
    ドとを相互作用させるに十分な条件かつ時間で接触させる工程;および (b)該ポリペプチドへの該候補分子の結合の存在または非存在を検出し、そし
    てそこから該候補分子がDSP−5代替形態と相互作用するか否かを決定する工
    程、 を包含する、方法。
  97. 【請求項97】 前記検出する工程が、アフィニティー精製工程を包含する
    、請求項96に記載の方法。
  98. 【請求項98】 前記検出する工程が、酵母ツーハイブリットスクリーニン
    グまたはファージディスプレーライブラリーのスクリーニングを包含する、請求
    項96に記載の方法。
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