JP2002541720A - 光学的通信システムにおける偏光モード分散を補償する装置および方法 - Google Patents

光学的通信システムにおける偏光モード分散を補償する装置および方法

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JP2002541720A JP2000610153A JP2000610153A JP2002541720A JP 2002541720 A JP2002541720 A JP 2002541720A JP 2000610153 A JP2000610153 A JP 2000610153A JP 2000610153 A JP2000610153 A JP 2000610153A JP 2002541720 A JP2002541720 A JP 2002541720A
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Abstract

(57)【要約】 光学的通信システムは、ディジタル信号を送る送信器と、光伝達回線、変調分散装置を備える受信器を備え、該変調分散装置は、a)変調により前記ディジタル光信号の位相を変調する装置、及び、前記周期変動が正の変調振幅の時には変則的な分散を提供し、前記周期変動が負の変調振幅の時には正常の分散を提供する色分散要素を備え、前記変調装置は、a1)所定の変調周波数、a2)周期時間変動、及びa3)前記周期変動の最大振幅を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、偏光モード分散(PMD)および/または色分散が補償される光学
的通信システム、このPMDおよび/またはこの色分散を補償する方法ならびに
、このシステムおよびこの方法に使用可能な変調および分散装置に関する。
【0002】 現在、デジタル・タイプの光ファイバ遠隔通信の分野においては、光ビットを
伝達するのに用いられる主たる方法は、通常「非ゼロ復帰」と呼ばれる方法、す
なわちNRZおよび、「ゼロ復帰」と呼ばれる方法、すなわちRZである。
【0003】 第1の方法(NRZ)は、選択されたビットレートに対応する全タイムスロッ
トにわたり、論理「1」または論理「0」を伝達するということである。たとえ
ば、光信号がオン/オフ・タイプの変調によって振幅変調されると、ビット1は
タイムスロット全体にわたって所定の強度を有する光信号の存在に対応し、ビッ
ト0はタイムスロット全体にわたって光信号の仮想的不存在に対応する。
【0004】 一方、第2の方法(RZ)は、それぞれがタイムスロットよりも短い持続時間
を有する一連のパルスが伝達され、そしてこれらは伝達される情報に従って強度
変調される、パルス・タイプの伝達システムを用いている。したがって、たとえ
ば、オン/オフ・タイプの変調では、ビット1は所定の高度を有する光パルスの
存在に対応し、ビット0は光信号の仮想的不存在に対応する。
【0005】 「ソリトン(soliton)」または「準ソリトン(quasi−soli
ton)」タイプの伝達の場合には、パルスは、光ファイバなどの分散および非
ライン形媒体における伝搬等式の固有の解であり、光ファイバ内におけるその伝
搬が最適化されるような形状、振幅および持続時間を有する。そのため、これら
のパルスは、実質的に色分散および非ライン形効果による変更なく、光ファイバ
の所定の部分において伝搬される。
【0006】 NRZおよびRZ伝達の両方において、伝搬される光ビットの特性は光ファイ
バに固有の屈折(主として、たとえば不完全に円形の芯形状および/または内部
の非対称性をもたらす製造の不正確さによる)の結果変更される。これは、互い
に対して直交し、ファイバの屈折のために、互いに異なる群速度でファイバに沿
って伝搬する2つの基本的変更モードによって、光信号が光ファイバに沿って伝
搬するからである。換言すれば、これら2つのモードは異なった時間遅延を経る
。この現象は、従来は偏光モード分散(PMD)として定義されていたものであ
るが、時間における光ビットの広がり(場合によっては、2つの別個のビットへ
の分割にさえつながり得る)や、伝達システムの同期システム(クロック)に対
するビットの時間偏差(タイミングの損失)を引き起こし得る。
【0007】 光ファイバ中を伝搬する間の光ビットのこのような時間における広がりやタイ
ミングの損失は、光学的通信システムの最大伝達ビットレートを制限し、そのた
めその性能を制限する。
【0008】 さらに、基本的な偏光モードやそれらの時間遅延は時間が経つと変わる(たと
えば、外部温度、ファイバの取り替えおよび振動のため)ので、PMDの影響も
時間が経つと任意に変わる(C.D.Poole et al.、"Polarizatio
n-dependent pulse compression and broadening due to polarization dispers
ion in dispersion-shifted fiber", Optics Letters, vol. 13, No. 2, pp. 15
5-157, 1988)。
【0009】 最後に、何ら光電子再生なしに光信号が沿って通過できる光路の部分は、その
光路における光増幅器の接続のために非常に長いことは注目に値する。しかし、
これは、伝達ラインに沿ったPMDの累積の増加および、その結果生ずる受信に
おける信号対雑音比の悪化に寄与する。
【0010】 このPMDに加えて、やはり光ファイバに固有の特性による色分散というよく
知られた現象の結果、光ビットも変更を受ける。 これらの影響を削減するために、これまで光学的通信システムにおいて様々な
装置および/または方法、特にPMDが提案されてきた。
【0011】 米国特許第5,659,412号は、光ファイバ内を伝搬する光信号に導入さ
れるPMDを補償する装置および方法を記載している。受信信号は、偏光スプリ
ッタによって第1および第2の偏光成分に分割される。2つの偏光成分の間の位
相差に対応する制御信号を用いて、2つの偏光成分が受信信号の主たる偏光状態
と整列されるような方法で、偏光スプリッタの前の光路に置かれた少なくとも1
つの偏光コントローラを制御する。制御信号は、2つの偏光成分の位相が、結合
されたPMD補償出力信号を提供する前に整列されるような方法で、可変遅延要
素を調節するためにも使用できる。
【0012】 米国特許5,473,457号は、PMDを補償する方法および装置を記載し
ている。光信号は周波数変調されて光ファイバに沿って伝達される。この光ファ
イバの出力で、信号は偏光コントローラに伝達されてから、信号の偏光状態を維
持する光ファイバに伝達される。後者のファイバの出力で、偏光スプリッタは、
検出されて前記偏光コントローラの電気制御信号を生成する信号の、2つの直交
した偏光成分を分離する。そのため、偏光コントローラは、PMDを補償するよ
うな方法で継続的に制御される。
【0013】 米国特許第5,311,346号は、受信光信号の偏光状態を伝達光信号の偏
光状態と整列することにより、光伝達システムにおけるPMDを削減する装置お
よび方法を記載している。偏光コントローラは、長距離光ファイバ・システムの
入力または出力の何れかに設けられて、受信光信号の偏光を伝達光信号の偏光と
整列させ、それによって、受信信号の歪みを最少化する。偏光コントローラは、
受信信号の歪みを計測することにより自動的に制御でき、そのため、偏光コント
ローラのための制御信号を生成できる。
【0014】 米国特許第5,587,827号は、伝達機の色分散、偏光分散および周波数
「チャープ」を補償する装置を記載している。この装置は、規模は概ね均等で、
補償される分散および周波数チャープの量とは反対の符号である分散特性を有す
る、波長偏光変成器と偏光遅延変換器とを結合している。
【0015】 米国特許第5,491,576号は、信号の偏光に左右され、伝達システムに
存在する光ファイバおよび他の構成部品(たとえば、中継器、増幅器)によって
引き起こされる特定数の効果による、信号対雑音(SNR)の悪化を削減する装
置を記載している。これらの効果は、たとえば、偏光モード分散(PMD)、偏
光依存損失(PDL)および偏光依存ホールバーニング(PDHB)である。S
NRの悪化の問題は、互いから異なった波長で2つの成分を有する光信号を伝達
し、PDL、PMD、PDHBおよび伝達光ファイバの非直線性に従って2つの
成分の偏光状態を継続的に最適化するような方法で、2つの成分の波長ならびに
絶対的および相対的な偏光状態と、2つの成分によって搬送されるデータの間の
相対的遅延とを大幅に制御することにより取り組まれる。
【0016】 これら全ての既知の装置および/または方法は、決定およびフィードバック回
路を必要とするという欠点を有する。したがって、これらはPMDの削減をリア
ルタイムで実行しない。
【0017】 米国特許第5,596,448号は、偏光分散に影響を与えずに色分散を補償
する装置を記載している。この装置は、分散補償ファイバおよび偏光変換ミラー
を含む。分散補償ファイバは、光ファイバ伝達ラインの符号と逆の符号の色分散
を有し、その長さは、光ファイバ伝達ラインの色分散値に一致するような方法で
選択される。そして、伝達ライン内を伝搬された光は、偏光変換ミラーの方に、
一端から他端へと分散補償ファイバ内を伝搬される。このミラーは、光の偏光状
態を、それに入射する光の偏光状態に対して直交し時間が経つと逆転される状態
に変換し、分散補償ファイバ内の光を入射光と逆の方向に再伝搬する。これは、
色分散が補償されることを可能にする。PMDも、前記分散補償ファイバの出力
での光信号がその入力での信号と同じPMDを有するという意味で補償される。
換言すれば、米国特許第5,596,448号は、光ファイバ伝達ラインのPM
Dを補償する問題には取り組まずに、分散補償ファイバの短い部分のPMDを補
償するという問題だけに取り組んでいる。
【0018】 さらに、前述の全ての装置および/または方法も、PMDと関連づけられた2
つの基本的な現象(時間におけるビットの広がりおよび、伝達システムのクロッ
クに対するそれらのタイミングの損失)のうち1つ、すなわち時間におけるビッ
トの広がりという現象にしか働かないという欠点も有する。
【0019】 最後に、N.J.Smith et al.("soliton dynamics in the pre
sence of phase modulators", Optics communications, vol. 102, No. 3,4, pp
. 324-328, October 1993)は、各光増幅器の出力が、「ゴードン・ハウス・ジ
ッター(Gordon-Haus jitter)」として知られる効果の展開を制御することがで
きる帯域通過フィルタと位相変調器とを含む装置に接続されている、ソリトン伝
達を備えた光学的通信システムを想定した理論的かつ数学的な研究を提示してい
る(J.P.Gordon and H.A.Haus、"Random walk of cohe
rently amplified solitons in optical fiber transmission", Optics Letters
, vol. 11, No. 10, pp. 665-667, October 1986)。
【0020】 しかし、このシステムはPMDの問題に取り組みもしなければ解決もしない。 本発明は、PMDと関連づけられた両方の現象(時間におけるビットの広がり
および、伝達システムのクロックに対するそれらのタイミング損失)にリアルタ
イムで働くように意図されている。
【0021】 この目的のために、本発明は、第1の態様において、 所定のビットレートfcと持続時間1/fcの所定のタイムスロットとを有する
ビットフローを含む、少なくとも1つのデジタル光信号を伝達する第1の装置と
、 前記第1の装置に光学的に接続された、前記デジタル光信号の伝搬用の光伝達
ラインと、 前記光伝達ラインに光学的に接続され、前記デジタル光信号を受信し、受信装
置と変調および分散装置とを含み、該変調および分散装置が、 i.a)前記デジタル光信号の前記ビットレートfcに従って予め定められ た変調周波数と、 b)その持続時間が1/fcのタイムスロット内の所定の位置に対して 概ね対称な時間における周期的な変化と、 c)前記周期的な変化の最大振幅Kと を有する変調により前記デジタル光信号の位相を変調する変調要素と、 ii.前記変調要素に光学的に接続され、上記のように変調されたデジタル 光信号の位相の各ビット内にグループ遅延Dを導入可能な色分散要素で あって、前記時間における周期的な変化が正の変調振幅を有するときに 異常タイプの分散を与え、前記時間における周期的な変化が負の変調振 幅を有するときに正常タイプの分散を与える色分散要素とを含む、第2 の装置とを含む、光学的通信システムに関する。
【0022】 前記最大振幅Kと前記グループ遅延Dとの積はAからBの範囲にあることが好
ましく、ここで、Aは−0.5*(1−X)に等しくBは−0.5*(1+Y)に
等しく、Xは0.2以下であり、Yは2以下である。
【0023】 本発明による光学的通信システムは、光伝達ラインによってデジタル光信号内
に導入されるPMDを補償するという利点を有する。 さらに、PMDと関連づけられたビットのタイミングの損失という現象を補償
するだけでなく、ソリトン・タイプまたは準ソリトン・タイプの光伝達システム
に典型的なゴードン・ハウス・ジッターなどの、高周波数で通常は発生する、タ
イミングの損失(ジッター)という他の任意の現象をも補償する。
【0024】 本発明による光学的通信システムは、色分散を補償するという別の利点も有す
る。 前記Xは0.1以下であることが有利である。実質的にゼロに等しいことがさ
らに有利である。前記Yは1.5以下であることが好ましい。前記Yは1以下で
あることがさらに好ましい。また、0.5以下であることがまたさらに好ましい
。さらに、実質的にゼロに等しいことが有利である。
【0025】 一実施形態において、前記ビットはRZフォーマットである。 この場合に、前記最大振幅Kの絶対値は実質的に1/2T2に等しいことが好
ましく、前記グループ遅延Dの絶対値は実質的にT2に等しいことが好ましく、
ここでTはRZタイプの伝達に用いられる光パルスの時間の長さである。
【0026】 また、RZ伝達の場合には、前記第1の装置は、一連の光パルスの生成器と前
記一連の光パルスの変調器とを含む。 一連の光パルスの前記生成器は通常、光源と第1の振幅変調器とを含む。前記
光源は所定の強度を有する連続的な光信号を放出することができ、一方、前記第
1の振幅変調器は、前記所定のビットレートfcと持続時間1/fcの前記所定の
タイムスロットとを有する一連の光パルスを供給するような方法で、前記連続的
な光信号の強度を変調する。代替的な実施形態においては、一連の光パルスの前
記生成器は、「モード固定」タイプのレーザーからなる。
【0027】 前記一連の光パルスの前記変調器は、RZフォーマットのビットフローを含む
前記デジタル光信号を供給するような方法で、伝達される所定のデジタル・デー
タ要素に応じて、前記ビットレートfcで、前記光パルスを強度変調することが
できる第2の振幅変調器を含む。
【0028】 別の実施形態においては、前記ビットはNRZフォーマットである。 この場合に、前記第1の装置は、所定の強度を有する連続的な光信号を放出す
ることができる光源と、NRZフォーマットのビットフローを含む前記デジタル
光信号を供給するような方法で、伝達される所定のデジタル・データ要素に従っ
て、前記ビットレートfcで、前記連続的な光信号の強度を変調することができ
る振幅変調器とを含む。1つの変形においては、前記光源は、伝達される前記所
定のデジタル・データ要素を搬送する電気信号によって直接的に変調される。
【0029】 通常、前記光伝達ラインは、光ケーブルに挿入されていることが好ましい、少
なくとも1本の光ファイバを含む。前記光伝達ラインのパスによって必要とされ
た場合には、前記光伝達ラインは少なくとも1つの光増幅器も含む。
【0030】 前記第2の装置は、強度の第1のフラクション(fraction)を前記変
調および分散装置に供給し、強度の第2のフラクションをクロック回復器に供給
するような方法で、前記デジタル光信号の強度を分割することができる光ビーム
・スプリッタも含むことが好ましい。
【0031】 前記クロック回復器は、前記変調および分散装置の前記変調要素に能動的に接
続されており、前記光ビーム・スプリッタから生じる前記光信号のビットレート
cおよび、前記デジタル光信号のビットのタイムスロットの平均中央位置との
同期を決定できることが有利である。
【0032】 一実施形態において、前記変調周波数は前記クロック回復器によって決定され
た前記ビットレートfcに実質的に等しい。 前記タイムスロット内の前記所定の位置は、前記クロック回復器によって決定
されたタイムスロットの前記平均中央位置に対応することが有利である。
【0033】 前記位相変調の前記時間における周期的な変化は、実質的に正弦曲線を描くこ
と好ましい。前記位相変調の前記時間における周期的な変化は、切頭余弦タイプ
(概ね放物線状)であることがより好ましい。
【0034】 前記変調および分散装置の一実施形態においては、前記変調要素は、少なくと
も第1の位相変調器と前記位相変調器用の駆動装置とを含み、前記駆動装置は前
記クロック回復器に能動的に接続されている。
【0035】 前記変調要素は、光サーキュレータおよび、前記デジタル光信号を反射し、そ
の偏光状態を約90(回転することができる装置も含むことが好ましい。 前記変調要素は、第1の位相変調器に対して90(回転された屈折軸を有する
第2の位相変調器も含むことがさらに好ましい。
【0036】 前記変調要素は、第2の位相変調器、第1の偏光ビーム・スプリッタおよび第
2の偏光ビーム・スプリッタも含むことが有利である。 前記色分散要素は通常、光ファイバの適当な部分からなる。あるいは、従来の
光サーキュレータと、たとえば色分散の補償に用いられるタイプの1つである、
適切な可変周期(「チャープされた」)光ファイバ・ブラッグ格子とからなるこ
とが有利である。かかる可変周期格子の例は、K.O.Hill et al.
によって説明されている(「光ファイバ分散の補償のために、ファイバ・ブラッ
グ格子においてチャープされている」、Optics Letters, vol. 19, No. 17, pp.
1314-1316, 1994)。かかる可変周期ブラッグ格子を製作する方法は、特許出願
第WO98/08120号にも記載されている。
【0037】 最後に、別の実施形態においては、前記色分散要素は適切な対の回折格子から
なる。 通常、前記色分散要素によって導入された前記グループ遅延Dは積β2 *Lに等
しく、ここでβ2は色分散要素のps2/kmで表された色分散であり、Lはkm
で表されたその長さである。
【0038】 通常、前記受信装置は光検出器を含む。 第2の態様において、本発明は光信号を処理する装置に関し、前記装置は、 a)所定の変調周波数と、 b)時間における所定の周期的な変化と、 c)前記周期的な変化の最大振幅Kとを有する変調によって、前記光信号の
位相 を変調する変調要素と、 前記変調要素に光学的に接続され、前記光信号にグループ遅延Dを導入可能
な色 分散要素とを含み i.前記最大振幅Kと前記グループ遅延Dとの積はAからBの範囲にあり、こ こでAは−0.5*(1−X)に等しくBは−0.5*(1+Y)に等しく 、Xは0.2以下であり、Yは2以下であり、 ii.前記色分散要素は、前記時間における周期的な変化が正の変調振幅を有 するときに異常タイプの分散を与え、前記時間における周期的な変化が負 の変調振幅を有するときに正常タイプの分散を与える。
【0039】 通常、前記光信号は、所定のビットレートfcと持続時間1/fcの所定のタイ
ムスロットとを有するビットフローを含むデジタル光信号である。 この場合に、前記変調周波数は、前記デジタル光信号の前記ビットレートfc
に従って決定されることが好ましい。前記時間における周期的な変化は、持続時
間が1/fcの前記タイムスロット内の所定の位置に対して概ね対称であること
がさらに好ましい。
【0040】 前記変調および分散装置の構造上の特徴は、本発明による光学的通信システム
の変調および分散装置に関して既に詳細に説明した。したがって、これらの詳細
に関しては、本文の前の方を参照して戴きたい。
【0041】 前述の光学的通信システムにおいては、本発明によるこの変調および分散装置
は、PMDによって引き起こされる両方の現象(光ビットの時間における広がり
とタイミングの損失)をリアルタイムで補償するだけでなく、色分散も補償する
。また、既知の装置よりも簡単に製作でき費用もかからないという利点および、
より信頼性が高く、より少ないメンテナンスしか必要としないという利点も有す
る。
【0042】 発明者は、本発明による変調および分散装置の有利な特性は、ビットの適切な
圧縮および/またはリタイミング(retiming)から生ずることを理解し
た。
【0043】 その結果、本発明による変調および分散装置は、PMDおよび/または色分散
を補償するという機能が実行される光学的通信システムとの組み合わせにおいて
上記で説明したが、当業者は、光ビットを圧縮および/またはリタイミングする
他の用途においても容易に用いることができることを理解するであろう。
【0044】 第3の態様において、本発明は、所定のビットレートfcと持続時間1/fc
有する所定のタイムスロットとを有するビットフローを含むデジタル光信号のビ
ットを処理する方法にも関し、該方法は、 a)前記デジタル光信号の前記ビットレートfcに従って予め定められた変調周 波数と、 持続時間1/fcを有する前記タイムスロット内の所定の位置に対して概ね 対称である時間における周期的な変化と、 前記周期的な変化の最大振幅Kとを有する変調によって、前記デジタル光信 号の位相を変調するステップと、 b)適当な色分散要素において、前記位相変調されたデジタル光信号の各ビット のグループ遅延Dを生じさせるステップであって、前記色分散要素は前記時 間における周期的な変化が正の変調振幅を有するときに異常タイプの分散を 与え、前記時間における周期的な変化が負の変調振幅を有するときに正常タ イプの分散を与えるステップとを含む。
【0045】 第1の実施形態において、前記処理は前記デジタル光信号のビットの圧縮とい
う面である。 第2の実施形態において、前記処理は前記デジタル光信号のビットのリタイミ
ングという面である。
【0046】 第3の実施形態において、前記処理は前記デジタル光信号のビットの圧縮とリ
タイミングという面である。 この説明および特許請求の範囲を目的として、「ビットの圧縮」という表現は
、タイムスロットの中央の方への、前記ビットと関連づけられた出力の集中を意
味する。
【0047】 通常、前記グループ遅延Dは積β2 *Lに等しく、ここでβ2は前記色分散要素
のps2/kmで表された色分散であり、Lはkmで表されたその長さである。 前記最大振幅Kと前記グループ遅延Dとの積はAからBの範囲にあることが有
利であり、ここで、Aは−0.5*(1−X)に等しくBは−0.5*(1+Y)
に等しく、Xは0.2以下であり、Yは2以下である。
【0048】 前記XおよびYの特性については、本発明による光学的通信システムに関する
上記の説明を参照されたい。 通常、ステップa)は、前記デジタル光信号のビットレートfcを決定するス
テップa1)も含む。
【0049】 一実施形態において、前記変調周波数はステップa1)で決定された前記ビッ
トレートfcに実質的に等しい。 ステップa)は、前記デジタル光信号のビットのタイムスロットの平均中央位
置および前記平均中央位置との同期を決定するステップa2)も含むことが有利
である。
【0050】 前記タイムスロット内の前記所定の位置は、ステップ2)で決定された前記平
均中央位置に対応することが好ましい。 前記位相変調の前記時間における周期的な変化は概ね正弦曲線を描くこと好ま
しい。それは切頭余弦タイプ(概ね放物線状)であることがより好ましい。
【0051】 また、前記色分散要素の特性の詳細に関しては、上記の本文を参照されたい。 第4の態様において、本発明は、 所定のビットレートfcと持続時間1/fcの所定のタイムスロットとを有す るビットフローを含む、少なくとも1つのデジタル光信号を伝達する第1の装
置と 、 前記第1の装置に光学的に接続された、前記デジタル光信号の伝搬用の光伝 達ラインと、 前記光伝達ラインに光学的に接続され、前記デジタル光信号を受信し、受信
装置と変調および分散装置とを含み、該変調および分散装置が、 i.a1)前記デジタル光信号の前記ビットレートfcに従って予め定められ た変調周波数と、 b1)持続時間が1/fcである前記タイムスロット内の所定の位置に対 して概ね対称である時間における振幅の周期的な変化と、 c1)前記振幅の周期的な変化の最大振幅(AMとを有する変調によって、前 記光信号の振幅を変調する変調要素と、 ii.a2)前記デジタル光信号の前記ビットレートfcに従って予め定めら れた変調周波数と、 b2)持続時間が1/fcである前記タイムスロット内の所定の位置に対 して概ね対称である時間における位相の周期的な変化と、 c2)前記位相の周期的な変化の最大振幅Kとを有する変調によって、前 記デジタル光信号の位相を変調する変調要素と、 iii.前記変調要素に光学的に接続され、変調されたデジタル光信号の各ビ ット内にグループ遅延Dを導入可能な色分散要素であって、前記時間における
位相の周期的な変化が正の変調振幅を有するときに異常タイプの分散を与え、前
記時間における位相の周期的な変化が負の変調振幅を有するときに正常タイプの
分散を与える色分散要素とを含む、第2の装置とを含む、光学的通信システムに
関する。
【0052】 前記最大振幅Kと前記グループ遅延Dとの積はAからBの範囲にあることが好
ましく、ここで、Aは−0.5*(1−X)に等しくBは−0.5*(1+Y)に
等しく、Xは0.2以下であり、Yは2以下である。
【0053】 本発明のこの第4の態様による光学的通信システムは、PMDの実際の量から
は概ね独立して、光伝達ラインによってデジタル光信号内に導入されたPMDを
補償するという利点をさらに有する。これは特に、時間が経つと、すなわち光フ
ァイバ・ラインの老朽によって、PMDの量が変化すると思われるときに常に有
利である。
【0054】 本発明の第4の態様によって提供される同期振幅変調は、概ね減衰なしにタイ
ムスロットの中央に対応する信号の部分を伝達しながら、タイムスロットの中央
からずれたか広がった光信号の部分を減衰することが有利である。これは、同期
位相変調および分散との組み合わせで、時間の広がりおよびタイミングの損失の
効果をさらに削減する信号形状を提供する。
【0055】 本発明による光学的通信システムは、色分散を補償するという利点もさらに有
する。 前記Xは0.1以下であることが有利である。それは実質的にゼロに等しいこ
とがさらに有利である。前記Yは1.5以下であることが好ましい。前記Yは1
以下であることがさらに好ましい。それは0.5以下であることがさらに一層好
ましい。それは実質的にゼロに等しいことが有利である。
【0056】 一実施形態において、前記ビットはRZフォーマットである。 別の実施形態において、前記ビットはNRZフォーマットである。 第5の態様において、本発明は光信号を処理する変調および分散装置にも関し
、前記変調および分散装置は、 a)所定の変調周波数と、 b)時間における所定の振幅の周期的な変化と、 c)前記振幅の周期的な変化の最大振幅(AMとを有する変調によって、前記光
信号 の振幅を変調する変調要素と、 a)前記所定の変調周波数と、 b)時間における所定の位相の周期的な変化と、 c)前記位相の周期的な変化の最大振幅Kとを有する変調によって、前記光信
号の 位相を変調する変調要素と、 前記変調要素に光学的に接続され、前記変調された光信号内にグループ遅延
Dを 導入可能な色分散要素とを含み i.前記最大振幅Kと前記グループ遅延Dとの積はAからBの範囲にあり、こ
こでAは−0.5*(1−X)に等しくBは−0.5*(1+Y)に等しく、Xは 0.2以下であり、Yは2以下であり、 ii.前記色分散要素は、前記時間における位相の周期的な変化が正の変調振
幅を有するときに異常タイプの分散を与え、前記時間における位相の周期的な変
化が負の変調振幅を有するときに正常タイプの分散を与える。
【0057】 本発明の第2の態様の好適な特性は、本発明の第5の態様の好適な特性でもあ
る。 前記振幅の周期的な変化の前記最大振幅は、80%よりも大きい値を有するこ
とが有利である。前記振幅の周期的な変化の前記最大振幅は、90%よりも大き
い値を有することが好ましい。前記振幅の周期的な変化の前記最大振幅は、概ね
100%の値を有することがさらに好ましい。
【0058】 第6の態様において、本発明は、所定のビットレートfcと持続時間1/fc
有する所定のタイムスロットとを有するビットフローを含むデジタル光信号のビ
ットを処理する方法にも関し、該方法は、 a)a1)前記デジタル光信号の前記ビットレートfcに従って予め定められ た変調周波数と、 a2)持続時間1/fcを有する前記タイムスロット内の所定の位置に対 して概ね対称である時間における振幅の周期的な変化と、 a3)前記振幅の周期的な変化の最大振幅(Mとを有する変調によって、前 記光信号の振幅を変調するステップと、 b)b1)前記デジタル光信号の前記ビットレートfcに従って予め定められ た変調周波数と、 b2)持続時間1/fcを有する前記タイムスロット内の所定の位置に対 して概ね対称である時間における位相の周期的な変化と、 b3)前記位相の周期的な変化の最大振幅Kとを有する変調によって、前 記デジタル光信号の位相を変調するステップと、 c)適当な色分散要素において、前記変調されたデジタル光信号の各ビットの
グループ遅延Dを生じさせるステップであって、前記色分散要素は前記時間にお
ける位相の周期的な変化が正の変調振幅を有するときに異常タイプの分散を与え
、前記時間における位相の周期的な変化が負の変調振幅を有するときに正常タイ
プの分散を与えるステップとを含む。
【0059】 ここで、本発明の特徴と利点を、添付の図面において例により制限なく示した
実施形態を参照して説明する。 本発明の第1の態様による光学的通信システム100の図1aおよび図1bに
示した実施形態のそれぞれは、デジタル光信号1000を供給する第1の装置1
0、光伝達ライン30および前記デジタル光信号1000を受信する第2の装置
20を含み、前記第2の装置20は、本発明の第2の態様による変調および分散
装置200を含む。
【0060】 図1bの実施形態において、前記第1の装置10はRZフォーマットのデジタ
ル光信号1000を供給可能な従来の装置である。より特定的には、一連の光パ
ルスの生成器と前記一連の光パルスの変調器とを含む。一連の光パルスの前記生
成器はレーザー源11と第1の振幅変調器12とからなり、一方、前記一連の光
パルスの前記変調器は第2の振幅変調器13からなる。
【0061】 前記適当なレーザー源11は、光ファイバ遠隔通信の典型的な波長、たとえば
約1300から1700nmの範囲にある波長で、好ましくは1500〜160
0nmの領域にある光ファイバの第3の伝達ウィンドウ(window)におい
て連続的な光信号を放出可能である。
【0062】 第1の振幅変調器12は、従来の変調器、たとえばマッハ・ツェンダー干渉計
タイプまたは電気吸収タイプのものである。これは、前記レーザー源11を出る
前記連続的光信号の強度が変調され、かつ所定の持続時間T、所望の伝達速度に
等しいビットレートおよび所定の時間プロフィール(形状)によって特徴づけら
れる一連の光パルスを供給するような方法で適当な電気信号(図示せず)によっ
て駆動される。たとえば、前記ビットレートは2.4Gbit/s、10Gbi
t/sまたは、好ましくは40Gbit/sである。また、前記光パルスの形状
は通常、ガウスまたは双曲線セカント・タイプである。
【0063】 本発明を目的として、光パルスの「持続時間T」という表現は、光パルスの強
度が最大値Imaxを取る時間と、前記光パルスの強度がImax/eの値を取る時間
との間で経過した時間を示すために用いる。
【0064】 通常、前記所定の持続時間Tは、光パルスの半分の高さTFWHM(従来は「半値
全幅」として知られている)での総持続時間の関数として決定される。たとえば
、前記パルスがガウス形状を有するときには、前記所定の持続時間TはTFWHM
[2(1n2)1/2]、換言すれば約TFWHM/1.665に等しく、前記パルス
が双曲線セカント・タイプの形状を有するときには、TFWHM/(2*arcco
s h(2)、換言すれば約TFWHM/1.763に等しい。
【0065】 別の実施形態(図示せず)においては、一連の光パルスの前記生成器は、たと
えば従来の「モード固定」レーザーなどの単一の装置からなる。 前記第2の振幅変調器13は、従来の振幅変調器、たとえばマッハ・ツェンダ
ー干渉計タイプまたは電気吸収タイプのものである。これは、前記第1の装置に
よって供給される前記一連のパルスを、所望のビットレートfcで、伝達される
デジタル情報に従って変調するような方法で、光伝達ライン30に沿って伝達さ
れる前記デジタル情報を含む電気信号によって駆動される。そのため、前記第1
の装置10の出力では、RZフォーマット、ビットレートfc、持続時間1/fc を有するタイムスロット、持続時間Tおよび、たとえばガウスである形状によっ
て特徴づけられる一連のパルスを含むデジタル光信号1000が存在する。
【0066】 代替的な実施形態(図示せず)においては、前記第1の装置10は、NRZフ
ォーマットでデジタル光信号1000を供給可能な従来の装置である。この場合
に、通常これはレーザー源と振幅変調器からなる。前記レーザー源は、光ファイ
バ遠隔通信の典型的な波長、たとえば約1300から1700nmの範囲にある
波長で、好ましくは1500〜1600nmの領域にある光ファイバの第3の伝
達ウィンドウにおいて連続的な光信号を放出可能である。前記振幅変調器は、送
信されるデジタル情報に応じて、所望のビットレートfcで前記連続的な光信号
の強度を変調可能である。通常、前記振幅変調器は従来の振幅変調器、たとえば
マッハ・ツェンダー干渉計タイプまたは電気吸収タイプのものであり、光伝達ラ
イン30に沿って伝達されるデジタル情報を含む電気信号によって駆動される。
【0067】 最後の場合において、前記第1の装置10の出力では、NRZフォーマット、
ビットレートfcおよび持続時間1/fcのタイムスロットを有するビットフロー
を含むデジタル光信号1000が存在する。
【0068】 そのため、前記デジタル光信号1000は、前記第1の装置10の出力に光学
的に接続された前記光伝達ライン30に沿って伝達される。 前記光伝達ライン30は、たとえば500kmの長さを有し、通常は光ファイ
バからなる。前記光ファイバは伝達波長で単一モードであり、適当な光ケーブル
に挿入されていることが好ましい。たとえば、これは、PMDが約1ps/km 1/2 で色分散α2)が約20ps2/kmのステップ形タイプの従来の光ファイバ
であってもよい。
【0069】 あるいは、1550nmでゼロ名目分散を有する分散転位(DS)ファイバま
たは非ゼロ分散(NZD)ファイバなどの、他の従来タイプの光ファイバを用い
ることが可能である。
【0070】 前記光伝達ライン30の光ファイバのPMD値は、たとえば、0.05から1
.5ps/km1/2の範囲にある。 前記光伝達ライン30のパスによって必要とされる場合には、前記ライン30
は、たとえば100kmに1つずつ、カスケード(縦続:cascade)の光
増幅器も含む。
【0071】 光増幅器は、デジタル光信号1000を送信するのに用いられる波長を増幅可
能な、従来のタイプ、たとえば希土類(たとえばエルビウム)でドープされた能
動のファイバ・タイプまたは半導体タイプのものであることが好ましい。
【0072】 前記第2の装置20は伝達ライン30に光学的に接続されており、デジタル光
信号1000を受信可能である。 通常、これは、伝達ライン30から入るデジタル光信号1000を増幅する従
来の光増幅器21、光ビーム・スプリッタ22、クロック回復器23、本発明の
別の態様による変調および分散装置200、必要であれば光増幅器27および、
デジタル光信号1000を受信する従来の受信装置40を含む。
【0073】 光増幅器21は、たとえば希土類でドープされた能動のファイバ・タイプまた
は半導体タイプの増幅器であり、デジタル光信号1000の強度を、変調および
分散装置200ならびにクロック回復器23の感度閾値を超えた値まで上昇させ
ることが可能である。
【0074】 光ビーム・スプリッタ22は、たとえば、1つの入力と、一方が変調および分
散装置200に接続され他方がクロック回復器23に接続された2つの出力とを
備えた、従来の1x2溶融ファイバまたは導波管内カプラである。
【0075】 光ビーム・スプリッタ22は、クロック回復器23に接続された出力に、変調
および分散装置200に接続された出力に伝達される強度よりも小さい強度のフ
ラクションを伝達可能であることが好ましい。たとえば、その入力でのデジタル
光信号1000の強度の1/10をクロック回復器23に伝達し、残りの9/1
0を変調および分散装置200に伝達する。
【0076】 クロック回復器23は、 その入力でのデジタル光信号1000の強度のフラクションを光電検出して、
それを対応する電気信号に変換し、 その入力での前記デジタル光信号1000のビットレートfcおよびそれとの
同期を決定することが可能な従来の光電子装置である。
【0077】 ビットはファイバ内におけるそれらの伝搬の間に、時間における広がりおよび
/または前記第1の装置10のクロックに対するタイミングの損失などの歪みを
受けるので、クロック回復器23は通常、前記電気信号のスペクトルから、前記
ビットレートfcに関連するスペクトル成分を抽出して、それ自体をその入力に
到達するビットのタイムスロットの平均中央位置と同期させる。
【0078】 変調および分散装置200は、光ビーム・スプリッタ22の他方の出力からデ
ジタル光信号1000を収集し、それを処理して、ビットが伝達ライン30に沿
った光ファイバ内におけるそれらの伝搬の間に受ける歪み(時間における広がり
および/またはタイミングの損失)を最少化する。
【0079】 特に、RZパルスの場合には、変調および分散装置200はビットの最初の形
状、換言すれば、伝達されたときにビットが有した形状を光ファイバ内における
伝搬の前に回復することおよび、前記クロック回復器によって決定された同期に
従ってビットをリタイミングすることの両方が可能である。
【0080】 本発明の実施形態による変調および分散装置200は、位相変調要素2000
および分散要素204を含む。 図2に示した実施形態において、位相変調要素2000は、従来の光サーキュ
レータ201、位相変調器202、ミラー203および電子駆動装置24を含む
【0081】 あるいは、光ファイバまたは平面導波管タイプの従来の光ビーム・スプリッタ
を、前記光サーキュレータ201の代わりに用いてもよい。 光サーキュレータ201のポートに到達するデジタル光信号100は、ポート
2を通して移動変調器202の方に送信されてから、光ファイバ206の適当な
部分を通してミラー203に送信される。
【0082】 ミラー203は従来のファラデー・ミラー、換言すれば、同時にその偏光状態
を90(回転させながら、その入力で後方に位相変調器202の方へとデジタル
光信号1000を反射可能な装置であることが好ましい。そのため、デジタル光
信号1000は、第1の場合に1つの偏光状態で、第2の場合には第1の偏光状
態に直交した偏光状態(90(回転)で、位相変調器202を通過する。
【0083】 光ファイバ206の部分の長さは、この光ファイバ206を通って前方移動ま
たは戻り移動しているデジタル光信号1000が、位相変調器202によって実
行される変調の期間またはその自然数倍に概ね等しい総時間だけ遅延されるよう
な方法で選択されることが好ましい。
【0084】 位相変調器202は通常、たとえば2つの電極に接続されたLiNbO3基板
状の導波管からなる従来の装置である。前記LiNbO3位相変調器は共振タイ
プであることが好ましい。共振位相変調器は、たとえば本願の出願人名の特許出
願第WO99/09451号に記載されている。
【0085】 前記LiNbO3位相変調器202は、その入力において光信号の偏光の影響
を受け易く、換言すれば、デジタル光信号1000の偏光状態の2つの直交成分
を異なった方法で変調する。しかし、前記デジタル光信号1000は位相変調器
202を2回通過し、それぞれの場合に偏光状態は他方の偏光状態に直交してい
るので、その偏光状態の2つの直交成分は同じ方法で変調される。
【0086】 位相変調器202に接続された前記電極に印加される電位差Vを制御すること
により、(に等しいデジタル光信号1000の変化が得られ、ここで(は次のよう
に定義される。
【0087】 α=π(V/Vπ) ここで、Vπはπ(α=π)の違相を得るために印加されなければならない電位
差である。
【0088】 たとえば、時間において周期的に変化する電圧V(t)が印加されると、位相
変化(の時間における所定の周期的な変化αt)を得ることが可能である。この
場合に、得ることができる最大(または最小)の位相変化は、従来、変調度(M
して次のように定義されている。
【0089】 αM=π(Vmax/min/Vπ) ここで、VmaxおよびVminは、位相変調器の電極に印加される最大または最小の
違相である。時間α(t)における前記周期的な変化が正の変調振幅を有すると
きには、変調度αMはゼロよりも大きく、一方、時間α(t)における前記周期
的な変化が負の変調振幅を有するときには、変調度αMはゼロ未満である。
【0090】 この説明および特許請求の範囲において、「正の変調振幅」という表現は、位
相変調の時間αt)における変化が、タイムスロットの前記平均中央位置におけ
る最大値が存在するようなものであり、より高い周波数へのビットのスペクトル
成分の移行が前記平均中央位置の前に引き起こされ、より低い周波数への移行が
前記平均中央位置の後に引き起こされる状況を示すために用いている。一方、「
負の変調振幅」という表現は、位相変調の時間αt)における変化が、タイムス
ロットの前記平均中央位置に最小値が存在するようなものであり、より低い周波
数へのビットのスペクトル成分の移行が前記平均中央位置の前に引き起こされ、
より高い周波数への移行が前記平均中央位置の後に引き起こされる状況を示すた
めに用いている。
【0091】 電子駆動装置24は、クロック回復器23の制御下で位相変調器202を駆動
可能な従来の装置である。より特定的には、電子装置24は、位相変調器202
が本発明に従い、 1)クロック回復器23によって決定されたビットレートfcに従って選択され
た変調周波数、 2)タイムスロット内の所定の位置と同期され、前記所定の位置に対して概ね対
称な時間における周期的な変化(位相αt)のタイムエンベロープ)(前記時間
における変化の最大値または最小値は前記所定の位置に対して同期されている)
および、 3)前記時間における変化の最大振幅Kで、 K=1/2(αMΩ2)であり、 ここでΩ=2πfcであり、fcはクロック回復器23によって決定されたビット
レートであり、また、時間α(t)における周期的な変化が正の変調振幅である
か負の変調振幅であるかに応じて、ゼロよりも大きいか小さいKによって特徴づ
けられた、デジタル光信号1000の位相変調を位相変調器202が実行するよ
うな方法で、前記電極に電位差V(t)を印加する。
【0092】 通常、位相変調の時間における変化は、クロック回復器23によって決定され
たタイムスロットの平均中央位置と同期され、この位置に対して概ね対称である
【0093】 RZフォーマットのビットの場合には、前記最大振幅Kの絶対値は概ね[1/
(2T2)]に等しいことが有利であり、ここでTは上記の意味を有する。 位相変調器202を出るデジタル光信号1000は、それが2回目にそこを通
った後に、光サーキュレータ201のポート3を通して分散要素204に送信さ
れる。
【0094】 この分散要素204は、それを通過するビット内に、前記最大振幅Kとグルー
プ遅延Dとの積が本発明にしたがってAからBの範囲にあるような方法で選択さ
れた値を有するグループ遅延Dを導入し、ここでAは−0.5*(1−X)に等
しくBは−0.5*(1+Y)に等しく、Xは0.2以下であり、Yは2以下で
ある。
【0095】 RZフォーマットのビットの場合には、前記グループ遅延Dの絶対値がT2
ここでTは上記のように定義される)に概ね等しいことが有利である。 位相変調器202によって実行された位相変調の時間α(t)における変化が
正の変調振幅を有するときに、分散要素204は通常、異常タイプβ2<0)の
分散によって特徴づけられ、一方、位相変調器202によって実行された位相変
調の時間α(t)における変化が負の変調振幅を有するときに、分散要素204
は、正常タイプβ2>0)の分散によって特徴づけられることが好ましい。
【0096】 この説明および特許請求の範囲において、「異常な分散」という表現は、より
短い波長を有する光信号のスペクトル成分が、より長い波長を有する光信号のス
ペクトル成分よりも高い速度で移動する状況を示すために用いる。一方、「正常
な分散」という表現は、より短い波長を有する光信号のスペクトル成分が、より
長い波長の光信号のスペクトル成分よりも低い速度で移動する逆の状況を示すた
めに用いる。
【0097】 第1の実施形態において、前記分散要素204は、前記最大振幅Kと前記グル
ープ遅延D(ここで、D=β2 *L)との積が本発明に従ってAからBの範囲にあ
るような方法で選択された、長さL(通常はkmで表示)および色分散(2(通常
はps2/kmで表示)を有する単一モードの光ファイバの部分からなり、ここ
でAおよびBは上記の値を有する。
【0098】 第2の実施形態において、前記分散要素204は、光ファイバ内の従来の可変
周期(「チャープされた」)ブラッグ格子からなる。この場合にも、長さL(通
常はkmで表示)および色分散(2(通常はps2/kmで表示)は、前記最大振
幅Kと前記グループ遅延D(ここで、D=β2 *L)との積が本発明に従ってAか
らBの範囲にあるような方法で選択され、ここでAおよびBは上記の値を有する
【0099】 最後に、第3の実施形態において、前記分散要素204は従来の対の回折格子
からなる。この場合に、グループ遅延Dは、対の格子の長さL(通常はmで表示
)および有効な色分散(2(通常はps2/kmで表示)の所定の値に左右される
[G.P.Agrawal、"Nonlinear Fiber Optics", Academic Press, 2nd
ed., 1995, pp. 203-207]。
【0100】 たとえば、 ビットがRZフォーマットであり、 光パルスが概ねガウス形状を有し、 TFWHM≒22.04psであり、 T≒13.24psであり、 fc≒5GHzであり、 1/fc(タイムスロットの持続時間)≒200psである、本発明による光
学的通信システムの場合および、分散要素204がβ2=−20ps2/kmを有
する光ファイバからなる場合には、本発明による変調および分散装置200にお
いて、 位相変調器202は正の振幅で変調を実行し、 K≒2.85*10-3ps-2であり、 D≒−175ps2であり、 L≒8.75kmである。
【0101】 図3に示した実施形態において、変調および分散装置200は、位相変調要素
2000が、互いに対して90(回転された屈折の軸を有する第1の位相変調器
202および第2の位相変調器205ならびに、両変調器を動作させる電子駆動
装置24を含む点を除いて、図2に示したものと同じ構造を有して同じ機能を遂
行する。
【0102】 タイムスロット内の前記所定の位置との同期を失うために、電子駆動装置24
は、第1の位相変調器202と第2の位相変調器205との間でデジタル光信号
1000が受ける光学的遅延を見込むことが可能であることが好ましい。
【0103】 図4に示した実施形態において、変調および分散装置200は、位相変調要素
2000が第1の位相変調器202および第2の位相変調器205ならびに第1
の偏光ビーム・スプリッタ(PBS)207および第2のPBS208を有する
点を除いて、図2および図3のものと同じ構造を有し同じ機能を遂行する。
【0104】 変調および分散装置200の入力で、PBS207はデジタル光信号1000
の2つの直交する偏光成分を分離するが、そのうち一方の成分は位相変調器20
2によって変調され、他方は位相変調器205によって変調される。2つの位相
変調器202、205の出力で、前記2つの直交する偏光成分は第2のPBS2
08によって再結合されて、分散要素204に送られる。
【0105】 PBS207、208は、好ましくは光ファイバ、平面導波管または微小光学
タイプの従来の装置である。 別の実施形態(図示せず)において、位相変調要素2000は、入射光信号の
偏光の影響を受けにくい単一の位相変調器からなる。これは入射光信号の偏光の
影響を受けにくいので、この実施形態は、2つの位相変調器および/または、光
信号の偏光状態を回転させる(図2のミラーなど)か、その2つの直交する偏光
成分を分離する(図4のPBSなど)か、前記光信号を反射する(図2のミラー
など)要素を必要としない。
【0106】 別の実施形態(図示せず)において、位相変調要素2000は、デジタル光信
号が適当な光制御信号と共に伝搬される非線形要素(光ファイバの部分または半
導体増幅器など)からなる。後者は、好ましくはデジタル光信号1000の波長
とは異なる波長と、既知のカー効果により、所定の「交差位相変調」、換言すれ
ばデジタル光信号1000の所定の位相変調を生じさせるような所定の出力値と
を有する。
【0107】 前記所定の位相変調の特性は、位相変調器202に関連して既に詳細に説明し
た。したがって、これらの詳細については上記の本文を参照されたい。 図1bに示したように、前記変調および分散装置200によってこのように処
理されたデジタル光信号1000は、光増幅器27によって増幅され前記従来の
受信装置40によって検出されてから、それに続くあらゆる処理段階に送られる
【0108】 光増幅器27は、たとえば、希土類でドープされた能動なファイバ・タイプま
たは半導体タイプの従来の増幅器である。 別の実施形態(図示せず)において、本発明による光通信システムは、同じ光
伝達ラインにおいて、それぞれが所定の波長を有するM個(M(1)のデジタル
光信号を同時に伝達するという点を除いて、図1のものと同じ構造を有し同じ機
能を遂行する。
【0109】 より特定的には、光伝達システムは、前記M個のデジタル光信号を供給するM
個の伝達装置と、前記光伝達ラインに沿って前記M個のデジタル光信号を同時に
伝達する従来の波長マルチプレクサとを含む。前記光伝達システムは、前記光伝
達ラインの出力で前記M個のデジタル光信号を分離する従来の波長デマルチプレ
クサと、M個の受信装置(前記M個のデジタル光信号のそれぞれについて1つず
つ)も含む。各受信装置は、光ビーム・スプリッタ、クロック回復器ならびに本
発明による変調および分散装置を含む。
【0110】 前記伝達装置、前記光伝達ライン、前記受信装置、前記クロック回復器ならび
に本発明による前記変調および分散装置の特性の詳細については、図1aおよび
図1bに示した本発明による光通信システムの実施形態に関する上記の説明を参
照されたい。
【0111】 前記M個の伝達装置によって供給された前記M個のデジタル光信号が、光伝達
ラインによって必要とされるものと異なる特性(波長および/またはビットレー
トおよび/またはフォーマット)を有する場合には、前記光通信システムは、前
記M個の伝達装置によって供給された前記M個のデジタル光信号を受信し、それ
らを光伝達ラインによって必要とされる特性に合わせることが可能なインターフ
ェース・ユニットも含むことが好ましい。たとえば、前記インターフェース・ユ
ニットはそれらの出力で、前記光伝達ラインに沿ってカスケードに配置された光
増幅器の動作帯域幅内の波長を有するM個の光信号を供給する。
【0112】 米国特許第5,267,073号は、特に、入力光信号を光伝達ラインに合わ
せた形式に変換可能な伝達アダプタと、伝達された信号を受信装置に適した形式
に再変換可能な受信アダプタとを含むインターフェース・ユニットを記載してい
る。
【0113】 伝達装置、光増幅器のカスケードを備えた光伝達ラインならびに本発明による
変調および分散装置を含む受信装置を含む光学的通信システムを例により説明し
てきたが、本発明による光学的通信システムは、伝達ラインに沿って、光電再生
器、光光再生器、信号挿入/抽出(アッド・ドロップ)装置および、多数の通信
ラインが通達し始まる光ネットワークの切替ノードなどの他の装置を含んでもよ
く、本発明による変調および分散装置は、この説明に基づいて当業者に明らかな
基準に従い、本発明の原理から逸脱することなく、たとえば前記の再生器の1つ
に関連づけて、光伝達ラインにおいて接続されてもよい。 (2) 光光再生器の典型的な例は、L.Billes et al.によって説明さ
れ["20 Gbit/s Optical 3R Regenerator using SOA based Mach-Zehnder Inter
ferometer Gate", ECOC September (1997), No. 448, pp. 269-272]、D.Ch
iaroni et al.によって説明されている["New 10 Gbit/s 3R NRZ
optical regenerative interface based on semiconductor optical amplifiers
for all-optical networks", ECOC September (1997), No. 448, pp. 41-44]
【0114】 発明者は、光ファイバ伝達ラインに沿って伝搬されるデジタル光信号における
PMDを補償する、本発明による変調および分散装置200のふるまいを検証す
るために、コンピュータ・シミュレーションを実行した。
【0115】 これらのシミュレーションにおいては、ガウス形状、27.5psの持続時間
FWHMおよび10GHzのパルス変調周波数を有する一連のパルス(RZ伝達シ
ステム)を検討した。PMDの効果を表すために、各パルスを、一方が従来のマ
ックスウェル分散および平均値<Δτ>によって特徴づけられた任意の値Δτだ
け他方から遅延された、2つのパルスに分離した。このようにして生成したパル
スを光検出器によって検出してから、2つの異なった場合においてアイダイヤグ
ラムを決定した。第1の場合に、光検出器を出るパルスを検査し、一方、第2の
場合には、光検出器の後に設けた電気フィルタを出るパルスを検査した。この第
2の場合が、通常は電気フィルタが設けられた従来の受信装置における状況をよ
り正確に表している。
【0116】 シミュレーションにおいては、帯域幅は変調周波数の0.8倍に等しい従来の
四次ベッセル−トンプソン・フィルタであると仮定した。 知られているように、アイダイヤグラムは伝達システムの性能を評価するため
に用いることができる。アイダイヤグラムの閉包(closure)のレベルは、信号
のパルスの形状が受ける歪みに関する示唆を与え、したがって、受信における誤
差の確率に関する示唆を与える。たとえば、1dBのアイ閉包は従来、受信にお
ける10-9の誤差確率に対応するとみなされている。
【0117】 図5は、第1の場合(電気フィルタなし)においてこのようにして得られた確
率密度に関する結果を、<Δτ>=30psのアイダイヤグラムの閉包(dBで
表示)の関数として示している。図5aは変調および分散装置200がない場合
に得られた結果を示しており、一方、図5bおよび図5cは変調および分散装置
200で得られた結果を示している。図5bの場合には、変調および分散装置2
00について、 αM=0.3π、 変調周波数=10GHz、 位相変調の時間における変化は正弦曲線を描いた、 変調振幅は正であった、 分散は異常であった、 D=−272.8ps2と仮定した。
【0118】 図5cの場合においては、位相変調の時間における変化が切頭余弦タイプ(概
ね放物線状)であると仮定した以外は、図5bの場合において用いたのと同じパ
ラメータを用いた。
【0119】 図5aに示したように、変調および分散装置200がない場合には、アイダイ
ヤグラムの閉包の平均値(mEC)は4.15(3.43dBであることが分かっ
た。一方、変調および分散装置200があると、この平均値(mEC)は、図5b
の場合(位相変調の時間における変化が正弦曲線タイプであった)には1.16
(0.82dBに削減され、図5cの場合(位相変調の時間における変化が切頭
余弦タイプであった)には0.2(0.25dBに削減された。換言すれば、本
発明による変調および分散装置があると、アイダイヤグラムの閉包の平均値(m EC )は、それがない場合の値の約27.9%および約4.82%にそれぞれ削減
された。
【0120】 図6は、確率密度の値を、前述の電気フィルタを用いたという事実を除いて図
5の条件と同じ条件で求めた、アイダイヤグラムの閉包(dBで表示)の関数と
して示している。
【0121】 図6aに示したように、変調および分散装置200がない場合には、アイダイ
ヤグラムの閉包の平均値(mEC)は0.34(0.29dBであることが分かっ
た。一方、変調および分散装置200があると、この平均値(mEC)は、図6b
の場合(位相変調の時間における変化が正弦曲線タイプであった)には0.14
(0.16dBに削減され、図6cの場合(位相変調の時間における変化が切頭
余弦タイプであった)には0.03(0.08dBに削減された。換言すれば、
本発明による変調および分散装置があると、アイダイヤグラムの閉包の平均値(
EC)は、それがない場合の値の約41.2%および約8.8%にそれぞれ削減
された。
【0122】 光ファイバ伝達ラインに沿って伝搬されるデジタル光信号においてPMDを補
償する、本発明による変調および分散装置200の適用性を確認するためにも実
験的テストを実行した。
【0123】 第1の一連の計測においては、本発明による変調および分散装置のいくつかの
機能的特性を確認した。 使用した実験的なセットアップ(図7参照)は、電気無線周波数信号生成器3
60、光パルスの発生源300、偏光維持ファイバ310、位相変調器202、
電気移相器370、電気無線周波数増幅器380、光増幅器320、可変減衰器
330、光ファイバ204、光受信機340、デジタル・オシロスコープ350
ならびに、2つの電力スプリッタ390および400を含んでいた。
【0124】 発生源300は、レーザー源301,振幅変調器302および偏光維持光増幅
器303を含んでいた。 レーザー源301は1555nmで連続放出する三菱製のFU-68PDF-51PRLxxモ
デルであり、振幅変調器302は出願人製作のLiNbO3マッハ・ツェンダー
変調器であり、光増幅器303はやはり出願人製作の装置であった。
【0125】 生成器360は、Hewlett-Packard Co.製の5GHz電気信号生成器−Synteti
zer、モデル 8375 2Bであった。 偏光維持ファイバ310は従来のPANDATMファイバであった。
【0126】 位相変調器202は出願人製作のLiNbO3装置であった。 光増幅器320は、出願人が製作しOLA/E MWの名称の下に販売された
、14dBm装置であった。
【0127】 可変減衰器330は、E-TEK Dynamics Inc.によって製作され販売された従来
の光学装置である。 光ファイバ204は、約50kmの長さを有する、FOS製のステップ形タイ
プの単一モード・ファイバの部分であった。
【0128】 光受信機340は、Hewlett-Packard Co.製の、12GHzの帯域幅を有する
高速フォトダイオードであった。 電気移相器370は0〜18GHz Macom FSC 9341装置であ
った。
【0129】 電気無線周波数増幅器380はEra Technology Ltd.製の装置であった。 デジタル・オシロスコープ350はTektronix Inc.製の装置、モデルCSA
803 Aであった。
【0130】 2つの電力スプリッタ390および400はSuhner製の0〜12GHz
装置、モデル4901.19.Aであった。 無線周波数生成器360は、5GHzの周波数で電気信号を供給するために用
いた。この信号は、振幅変調器302、移相器370およびデジタル・オシロス
コープ350を駆動するために用いた。
【0131】 こうして、前記電気信号の制御の下で振幅変調器302は、 5GHzのビットレートfc(タイムスロット200ps)、 概ねガウス形状、 RZフォーマット、 TFWHM≒53.9ps、および T≒32.4psを有する一連の光パルスを供給するような方法で、レーザー源
301を出る1555nmの光信号を5GHzの周波数で振幅変調した。
【0132】 そして、概ね6dBmの出力を提供するために、変調された光信号の出力は光
増幅器303によって増幅され、このようにして増幅された光信号は、光ファイ
バ310を通して位相変調器202に送られた。変調された光信号の偏光状態を
維持するために、増幅器303および光増幅器310を偏光維持タイプのものか
ら選択した。これで単一の位相変調器202を用いることが可能になった。
【0133】 5GHzの電気信号によって駆動された位相変調器202を、一連の光パルス
の位相変調を実行するために用いたが、前記変調は、5GHzの変調周波数、お
よびピークが光パルスの強度のピークと同期された、時間における正弦曲線の周
期的な変化(正の変調振幅)、および約0.53(の変調度(Mによって特徴づけ
られる。
【0134】 そして、このようにして位相変調された光パルスの出力は、光ファイバ204
の50km部分の前で光増幅器320によって増幅された。そして、増幅された
光パルスの出力レベルは、光ファイバ204における非線形の現象を制限し、実
質的に色分散のみがそれに存在するような方法で、可変減衰器330によって調
節された。
【0135】 光ファイバ204は分散値β2=−21ps2/km(異常分散)を有し、グル
ープ遅延D≒β2 *L≒−T2≒1050ps2につながった。 光ファイバ204における伝搬の後に、光パルスは光検出器340によって光
電的に検出され、それらの波形がデジタル・オシロスコープ350によって表示
された。
【0136】 移相器370を用いて、位相変調の正弦曲線変化のピークと一連の光パルスの
強度のピークとの相対的な時間的位置を変えた。 それらが位相変調の正弦曲線変化に対してタイミングを失った(光パルスの強
度のピークが、位相変調の正弦曲線変化のピークともはや同期されない)と分か
ったときに、位相変調の正弦曲線変化との最初の同期を回復するような方法で、
位相変調器202および光ファイバ204によって、本発明に従って光パルスを
処理した。
【0137】 デジタル・オシロスコープ350は、一連のパルスと位相変調の変化との両方
を表示したので、位相変調の正弦曲線変化に対するそれらのタイム・オフセット
の変化で、光パルス内に導入されたタイム・シフトを計算することが可能であっ
た。
【0138】 図8はタイム・オフセット(psで表示)の関数として、光パルスのタイム・
シフト(psで表示)について実験的に得られた値(破線)と、タイム・オフセ
ットの総補償の理想的な状況において求められたであろう値(連続的な線)との
両方を示している。オシロスコープの読み取り誤差(約(5ps)も各計測点に
ついて示した。
【0139】 10ps、25ps、50ps、75psおよび100psのタイム・オフセ
ットで、それぞれ約10ps、20ps、25ps、29psおよび29psの
光パルスのタイム・シフトを求めた。
【0140】 図7における実験的なセットアップにおけるような正弦曲線の位相変調を用い
る、本発明による変調および分散装置は、たとえば、1ps*km-1/2のPMD
および500kmの長さを有する従来の光ファイバを含む光伝達ライン(換言す
れば、約22.4psの遅延を光パルスの偏光モードに導入できるライン)を備
えた光伝達システムにおけるPMDの効果を補償するために用いることができる
【0141】 シミュレーションによって示されたように、切頭余弦タイプ(換言すれば、概
ね放物線タイプ)の位相変調を用いることにより、よりよい結果を得ることがで
きる。
【0142】 本発明による変調および分散装置を含む、本発明による光学的通信システムの
性能および、本発明による前記変調および分散装置を含まないという事実以外は
本発明によるシステムと同じ特性を有する比較システムの性能に対する、PMD
の影響を評価するために、第2の一連の計測を実行した。
【0143】 これらの計測は、最初にRZフォーマットのデジタル光信号について行い、続
いてNRZフォーマットのデジタル光信号について行った。 RZフォーマットのデジタル光信号の場合に用いた実験的なセットアップ(図
9a参照)は、パターン生成器500、レーザー源510、第1の振幅変調器5
20および第2の振幅変調器530、偏光コントローラ540、PMDエミュレ
ータ550、第1の光増幅器560、PMD補償器570、第1の可変減衰器5
80、第2の光増幅器590、光フィルタ600、第3の光増幅器610、第2
の可変減衰器640、受信機620および誤差検出器630を含んでいた。
【0144】 パターン生成器500はAnritzu製の「プラス・パターン生成器」、モ
デルMP1763Bであった。 レーザー源510は、1555nmの連続放出する三菱製のFU-68PDF-51PRLxx
モデルであった。
【0145】 2つの振幅変調器520、530は、出願人製作のLiNbO3マッハ・ツェ
ンダー・タイプの2つの変調器であった。 偏光コントローラ540は、E-TEK Dynammics Inc.製の「プログラム可能偏光
コントローラ・ドライバ」装置、モデルFPCR−1Bであった。
【0146】 PMDエミュレータは、JDS製の「PMDエミュレータ」、モデルPE4で
あった。 3つの光増幅器560、590、610は、出願人が製作してOLA/E−M
Wの名称の下で販売した14dBm装置であった。
【0147】 2つの可変減衰器580、640は、E-TEK Dynamics Inc.が製作し販売した
従来の光学装置であった。 光フィルタ600は、微細光学帯域通過フィルタ、すなわち、1.3nmの帯
域幅を有するJDS製の「干渉調整可能フィルタ」であった。
【0148】 受信機620は、出願人が製作して販売したSRX「ソリトン受信機」であっ
た。 誤差検出器630は、Anritzu製の「誤差検出器」、モデルMP176
4Aであった。
【0149】 また、PMD補償器570(図9b)は、光スプリッタ22、クロック回復器
23および本発明による変調および分散装置200からなっていた。 変調および分散装置200は、位相変調要素2000と分散要素204とを含
んでいた。また、位相変調要素2000は、第1の位相変調器202および第2
の位相変調器205と、第1の電気移相器573および第2の電気移相器574
、電力スプリッタ575ならびに第1の電気増幅器576および第2の電気増幅
器577を含む電子駆動装置24とを含んでいた。
【0150】 光スプリッタ22は、光出力の約5%をクロック回復器23の入力に送り、約
95%を2つの位相変調器202、205に送ることが可能な、E-TEK Dynamics
Inc.製の従来の装置であった。
【0151】 クロック回復器23は、住友製の10GHz帯域幅のPINフォトダイオード
、Multilink製の制限増幅器および、Veritech製の10GHzクロック回復装置
からなっていた。
【0152】 電気移相器573、574は、0〜18GHzのMacom FSC装置であ
った。 電気増幅器576、577は、Era Technology Ltd.製の無線周波数増幅器で
あった。
【0153】 電力スプリッタ575は、0〜12GHzで動作する、Suhner製の6d
B電気無線周波数スプリッタ、モデル4901.19.Aであった。 2つの位相変調器202、205は、出願人製作のLiNbO3装置であった
。また、これらは直列に接続されており、入力デジタル光信号の2つの直交する
偏光成分を実質的に同じ方法で変調するために、互いに対して90(回転された
屈折の軸を有していた。
【0154】 分散要素204は、約20kmの長さを有する、FOS製のステップ形タイプ
の単一モードの光ファイバの部分からなっていた。 パターン生成器500は、一連の光パルスを供給するように、第1の振幅変調
器520を駆動するために用い、一方、第2の振幅変調器530は、送信される
デジタル情報に従って前記一連の光パルスを変調するために用いた。使用したビ
ットレートは10GHzであった。
【0155】 光パルスは、 10GHzのビットレートfc(100psのタイムスロット)、 概ねガウス形状、 RZフォーマットおよび T≒20.5psを有していた。
【0156】 こうして、RZフォーマットのデジタル光信号を偏光コントローラ540の入
力に送った。 PMDが光ファイバ伝達ラインによってデジタル光信号に導入されることを見
込むために、受信ビットの2つの基本的な偏光モードを、偏光コントローラ54
0およびPMDエミュレータ550によって時間Δτだけ遅延させた。本発明に
よる変調および分散装置がPMDの異なった値を補償する能力を検証するために
、前記2つの基本的な偏光モードを、時に応じて変えた時間Δτだけ遅延させた
【0157】 PMDエミュレータ550の出力で、デジタル光信号の出力を光増幅器560
によって増幅して、約6dBmの出力を与えた。 このようにして増幅された光信号の部分(約5%)をクロック回復器23に送
り、その他の部分(約95%)を2つの位相変調器202、205に送った。
【0158】 クロック回復器23は、ビットレートおよび受信ビットのタイムスロットの平
均中央位置との同期を、その入力で光信号から回復した。 また、2つの移相器573、574は、クロック回復器23によって回復され
た、タイムスロットの前記平均中央位置との同期を維持することを可能にした。
【0159】 2つの位相変調器202、205は、本発明に従って、 10GHzの変調周波数、 ピークが光パルスの強度のピークと同期している正弦曲線の周期的な変化(正の
変調振幅)および、 約1.2ラドに等しい変調度(Mを有する位相変調により、それらの入力でビット
を変調した。
【0160】 そして、このように位相変調されたデジタル光信号は、分散値β2=−21p
2/km(異常分散)を有する光ファイバ204に沿って伝搬され、グループ
遅延D≒β2 *L≒−T2≒−420ps2となった。
【0161】 時々、光ファイバ204を出る光信号の出力レベルを、受信機620の入力で
光信号対雑音比の異なった値を得るような方法で、可変減衰器580によって調
節した。
【0162】 そして、光信号の出力を増幅器590によって増幅し、光フィルタ600によ
ってフィルタリングし(アップリンク光増幅器によって生成されたASEの多く
を抹消するような方法で)、光増幅器610によって再度増幅した。
【0163】 可変減衰器640は、受信機620の入力で最適な光出力を得るためにも用い
た。 こうして光信号を受信機620で受信し、受信機620の入力での光信号対雑
音比の変化およびビットの2つの直交する偏光成分の間に導入された遅延Δτの
変化があった場合の、誤差の確率(ビット誤り率、BER)を判断するために、
誤差検出器630を用いた。
【0164】 PMDを補償する本発明による変調および分散装置を有する、本発明による光
学的通信システムの性能を、前記変調および分散装置のない比較光学的通信シス
テムの性能と比較するために、第1に図9のセットアップで、第2に図9の実験
的なセットアップから光ファイバ204以外のPMD補償器570の全ての要素
を取り除くことにより計測を行った。
【0165】 図10aは、比較システムでの、0ps(曲線A)、40ps(曲線B)およ
び50ps(曲線C)の遅延Δτならびに、本発明によるシステムでの、0ps
(曲線D)、40ps(曲線E)および50ps(曲線F)の遅延Δτについて
の信号対雑音比(dBで表示)の変化で得られた、BERの値を示している。
【0166】 図10aにおいて分かるように、曲線AおよびDは0psのΔτについて実質
的に一致する。換言すれば、PMDがない場合には、本発明によるシステムおよ
び比較システムの性能は実質的に同じである。
【0167】 40psのΔτについては、本発明によるシステムで得られたBERの値は、
比較システムで得られたBERの値よりも大幅に良好である(同じ信号対雑音比
では)。また、本発明によるシステムでは、BERの値はPMDがない場合に得
られるBERの値に非常に近くなる(曲線Eは曲線AおよびDに非常に類似であ
る)。したがって、本発明による変調および分散装置は、PMDによってデジタ
ル光信号の2つの基本的な偏光モードに導入された40psの前記時間遅延Δτ
の、実際上完全な補償を提供することが可能である。
【0168】 最後に、50psのΔτについてさえ、本発明によるシステムで得られたBE
Rの値は、比較システムで得られたBERの値よりも大幅に良好である。 次に、BERの同じ計測を、NRZフォーマットのデジタル光信号について行
った。使用した実験的なセットアップ(図示せず)は、第1の振幅変調器520
がなく、レーザー源510を出る連続的な光信号は、10GHzのビットレート
で伝達されたデジタル情報に従って変調されたNRZビットフローを含む光信号
を供給するような方法で、第2の振幅変調器530に直接的に送られたという事
実を除いて、図9のものと同一であった。
【0169】 図10bは、比較システムでの、0ps(曲線A)、40ps(曲線B)およ
び50ps(曲線C)の遅延Δτならびに、本発明によるシステムでの、0ps
(曲線D)、40ps(曲線E)および50ps(曲線F)の遅延Δτについて
の信号対雑音比(dBで表示)の変化がある、NRZフォーマットのデジタル光
信号で得られた、BERの値を示している。
【0170】 図10bにおいて分かるように、曲線AおよびDは、RZフォーマットのデジ
タル光信号の場合に一致したようにはもはや一致せず、本発明によるシステムで
得られたBERの値は、比較システムで得られたBERの値よりもはるかに良好
である。したがって、本発明による変調および分散装置は、前記信号がPMDに
よる変更を経ていない場合であっても、NRZフォーマットのデジタル光信号の
特性を改善し、その結果BERの点でのシステムの性能を改善することができる
と思われる。
【0171】 40psのΔτについては、本発明によるシステムで得られたBERの値は、
比較システムで得られたBERの値よりも大幅に良好である(同じ信号対雑音比
では)。また、本発明によるシステムでは、BERの値はPMDがない場合に得
られるBERの値に非常に近くなる(曲線Eは曲線Bよりも、曲線Dにはるかに
近い)。したがって、本発明による変調および分散装置は、PMDによってデジ
タル光信号の2つの基本的な偏光モードに導入された40psの前記時間遅延Δ
τの、実際上完全な補償を提供することが可能である。
【0172】 最後に、50psのΔτについてさえ、本発明によるシステムで得られたBE
Rの値は、比較システムで得られたBERの値よりも大幅に良好である。 光ファイバ伝達ラインに沿って伝搬されるデジタル光信号における色分散を補
償する、本発明による変調および分散装置を含む、本発明による光学的通信シス
テムの性能を検証するために、発明者はさらに別のコンピュータ・シミュレーシ
ョンを実行した。
【0173】 より特定的には、発明者は、既知の「スプリット形フーリエ」方法によって非
線形分散媒体におけるデジタル光信号の伝搬をシミュレートした。 シミュレーションは以下の方法で実行した。
【0174】 10GHzのビットレートの単一波長でのデジタル光信号の伝達を検討した。 このデジタル光信号は、 それぞれが100kmの長さ、0.25dB/kmの減衰および約−20ps2
/kmの色分散(2を有する、ステップ形タイプの従来の光ファイバの6個の部
分、 伝達部分における光出力増幅器(ブースタ)、 5個の光ライン増幅器、 受信部分における光前置増幅器ならびに、 それぞれの光ライン増幅器および光前置増幅器に接続された、従来の色分散補償
器を含む、従来の光伝達ラインに沿って送信した。
【0175】 前記従来の色分散補償器は通常、従来の光サーキュレータおよび、たとえば前
述のようにK.O.Hill et al.によって説明された("Chirped in
fiber Bragg gratings for compensation of optical fiber dispersion", Opti
cs Letters, vol. 19, No. 17, pp. 1314-1316, 1994)適当な可変周期(チャー
プされた)の光ファイバブラッグ格子からなる。
【0176】 様々な従来のライン補償器および受信部分で光前置増幅器に接続された従来の
補償器によって提供される色分散の補償値を、シミュレーションの途中で変えた
【0177】 各光増幅器の出力での11dBmの平均出力を仮定した。 そして、前記光伝達ラインを出るデジタル光信号を、光前置増幅器の後に設け
られ、0.5nmの帯域幅の光フィルタ、および本発明による変調および分散装
置、および7.5GHzの帯域幅の光受信機を、含む受信装置によって、受信し
た。
【0178】 光増幅器の自然放出および、周知の非線形減少による雑音寄与も考慮した。 このようにして受信した光信号のアイダイヤグラムの閉包に関するペナルティ
を、2つの異なった場合について判断した。第1の場合においては、NRZフォ
ーマットのデジタル光信号の伝達を検討し、一方、第2の場合においては、パル
スが半分の高さTFWHMでの持続時間約35psを有するRZフォーマットのデジ
タル光信号の伝達を検討した。
【0179】 また、両方の場合に、本発明による変調および分散装置を含む、本発明による
光学的通信システムの特性を、本発明による変調および分散装置を含まないとい
う事実を除いて本発明のシステムと完全に同一の比較システムの特性と比較する
ために、前記受信装置において本発明による前記変調および分散装置がある場合
とない場合の両方でシミュレーションを実行した。
【0180】 本発明の目的のために、「アイダイヤグラムの閉包に関するペナルティ」とい
う表現は、伝達されたデジタル光信号で得られたアイのアパーチャ(dBで表示
)と、受信されたデジタル光信号で得られたアイのアパーチャとの間の相違を示
すために用いた。
【0181】 NRZフォーマットの場合に得られた結果は、比較システムについては図11
および図13aに示し、本発明によるシステムについては図12、図13bおよ
び図14に示した。
【0182】 図11は、従来のライン補償器によって提供された補償のパーセンテージと、
前置増幅器に接続された従来の補償器によって提供された後補償のパーセンテー
ジの変化がある場合の、0.5dB(曲線A)、1dB(曲線B)、2dB(曲
線C)および3dB(曲線D)のペナルティ値について得られたレベル曲線の図
を示しており、ここで、 従来のライン補償器によって提供された補償は、補償された色分散のパーセンテ
ージで表示し、 後補償はpsで、換言すれば補償された色分散の総合値として表示してある。
【0183】 図11において分かるように、レベル曲線によって囲まれた面積は補償システ
ムにしては非常に小さい。たとえば、後補償のゼロ値については、0.5dB未
満のペナルティを得るために従来のライン補償器によって提供されなければなら
ない補償のパーセンテージは、約82%から94%の間、換言すれば15%未満
の範囲にある。
【0184】 一方、図12は、レベル曲線の図を図示しており、該レベル曲線は、本発明の
システムについて、ペナルティ値が0.5dB(曲線A)、1dB(曲線B)、
2dB(曲線C)及び3dB(曲線D)であって、従来の回線補償器により提供
される補償及び事後補償(post−compensation)のパーセント
に一定の変動がある場合に得られたものである。本発明の変調分散装置について
は、3ラドに相当する変調αM深さ値及び−200ps2に相当するグループ遅
延D値が推定された。
【0185】 図11の結果を図12の結果と比較すると、本発明のシステムのレベル曲線に
含まれる領域は、従来のシステムに見られる領域より広いことが分かるかも知れ
ない。特に、詳細に言えば、事後補償の様々な値については、0.5dB未満の
ペナルティを得るために従来の回線補償器が提供しなければならない補償のパー
セントは、比較システムに見られる範囲よりは広い本発明によるシステムの範囲
内にある。例えば、事後補償の値が凡そ−600ps2については、0.5dB
未満のペナルティを得るために従来の回線補償器が提供しなければならない補償
のパーセントはある以内にある。
【0186】 本発明によるシステムは、本発明による変調分散装置を備えており、従って、
従来の補償装置による光伝達ラインに沿って設けられなければならない色分散の
補償パーセントについては、比較システムより遥かに柔軟性がある。これは、本
発明によるシステムが、比較システムに対して、従来の補償による光伝達ライン
に沿って設けられて所望のぺネルティ値が受信されるのを確実にしなければなら
ない色分散補償パーセントの誤差を増大するからである。
【0187】 この柔軟性は、例えば、公知の多波長(波長分割マルチプレクサ、WDM)光
通信システムでは非常に重要であり、斯かるシステムでは、従来の回線補償器に
よる色分散補償は、波長(チャネル)が異なる複数の信号上で同時に提供されな
ければならない。
【0188】 この場合は、色分散が波長が異なる様々なチャネルに異なって作用するからで
あり、従来の補償器は、チャネル間の色分散の不均衡を均等化できないからであ
る。従って、従来の補償器は、それ自体で全てのチャネルに対して同一のパーセ
ントの色分散を補償することができないから、従来のWDM通信システムでは、
使用可能なチャネル数が該システムが許容する補償のパーセントの範囲により制
限される。
【0189】 本発明による通信システムは、本発明による変調分散装置を備えており、この
変調分散装置がシステムが許容する前記色分散の補償のパーセントの範囲を広げ
ており、従って、WDM通信システムで伝達可能なチャネル数が増大する。
【0190】 図13も補償の平均パーセントが90パーセントで事後補償が−600ps2
の場合に得られたアイダイアグラム(eye diagram)を比較システム
(図13a)及び本発明によるシステム(図13b)について図示したものであ
る。
【0191】 本発明の変調分散装置を備える本発明のシステムのアイダイアグラムの開口は
、比較システムに見られる開口より著しく良好であることが分かる。 また、図14は、ペナルティ値が0.5dB(曲線A)、1dB(曲線B)、
2dB(曲線C)及び3dB(曲線D)のレベル曲線を図示しており、従来の回
線補償器により提供される補償のパーセント及び本発明の変調分散装置で使用さ
れる変調αM深さに一定の変動がある場合に得られたものである。この場合、グ
ループ遅延Dは−200ps2及び事後補償の値は−400ps2と推定された。
αMの値を適当に選択すれば、様々なレベル曲線が含む領域(より詳細には、ペ
ナルティが0.5dBの曲線が含む領域)を拡大でき、従って、システムが許容
する色分散の補償パーセントの範囲を広げて0.5dB未満のペナルティをもた
らすことが可能なことが分かる。
【0192】 前記のシミュレーション(D=−200ps2)の条件と同一の条件において
、凡そ2ラドに等しいαMの値は、例えば、−0.79に凡そ等しいKとDの積
の値に相当する。
【0193】 時折、問題の光学的通信システムの変数により、当業者は、A<K×D<B(
但し、A及びBは上記に示した意味を持つものとする)の式を満たすαMの全て
の値、従って、Kの全ての値からシステムが許容する色分散の所望の補償パーセ
ントをもたらすことのできるαMの最適値を選択することが可能であり、この時
所望の値未満(通常は0.5dBに等しい)ペナルティが得られる。
【0194】 最後に、RZフォーマットのディジタル光信号の場合に得られた結果を、比較
システムについては図15及び図17(a)に、本発明によるシステムについて
は図16、図17(b)及び図18にそれぞれ図示する。
【0195】 図15は、ペナルティ値が0.5dB(曲線A)、1dB(曲線B)、2dB
(曲線C)及び3dB(曲線D)のレベル曲線を図示しており、従来の回線補償
器により提供される補償のパーセント及びプリアンプに接続された従来の補償器
により提供される事後補償のパーセント(psで表される)に一定の変動がある
場合に得られたものである。
【0196】 図15から分かるように、比較システムのレベル曲線に含まれる領域は非常に
小さい。例えば、補償後の値がゼロである場合には、0.5dB未満のペナルテ
ィを得るのに従来の回線補償器が提供しなければならない補償のパーセントは及
び80パーセント乃至95パーセント、即ち、凡そ15パーセントの範囲内にあ
ることになる。
【0197】 一方、図16は、ペナルティ値が0.5dB(曲線A)、1dB(曲線B)、
2dB(曲線C)及び3dB(曲線D)のレベル曲線を図示しており、従来の回
線補償器により提供される補償及び事後補償のパーセントに一定の変動がある場
合に、本発明によるシステムについて得られたものである。本発明による変調分
散装置については、2.7ラドに等しい変調αM深さ値及び−160ps2に等
しいグループ遅延D値が推定された。
【0198】 この場合も、図15の結果を図16の結果と比較すると、本発明によるシステ
ムのレベル曲線に含まれる領域は、比較システムに見られる領域より著しく広い
事がわかる。より詳細には、事後補償の値が様々である場合には、0.5dB未
満のペナルティを得るために従来の回線補償器により提供されなければならない
補償パーセントは、本発明によるシステムについては、比較システムに見られる
ものより遥かに広い領域内にあると言える。例えば、事後補償の値が−400p
2の場合には、0.5dB未満のペナルティを得るために従来の回線補償器に
より提供されなければならない補償パーセントは、本発明によるシステムについ
ては、凡そ78パーセント乃至凡そ102パーセント即ち凡そ25パーセントの
範囲ないにあると言える。
【0199】 この場合も、即ち、ディジタル光信号がRZフォーマットである場合は、従っ
て、本発明による変調分散装置を備えた本発明によるシステムは、従来の回線補
償器により光伝達ラインに沿って提供されなければならない色分散の補償パーセ
ントについては、比較システムより遥かに柔軟性があることが分かった。これは
、本発明によるシステムが、比較システムに対して、従来の回線補償器により光
伝達ラインに沿って提供されなければならない色分散の補償パーセントの誤差を
著しく増大して、所望のペナルティ値(通常は0.5dB)を確実にすることが
できるからである。
【0200】 また、図17は、補償の平均パーセントが78パーセントで事後補償がゼロの
場合に得られたアイダイアグラムを比較システム(図17a)及び本発明による
システム(図17b)について図示したものである。
【0201】 本発明の変調分散装置を備える本発明のシステムのアイダイアグラムの開口は
、比較システムに見られる開口より著しく良好であることが分かる。換言すれば
、比較システムにおいて拡大且つ歪むこととなるパルスが本発明によるシステム
の変調分散装置により圧縮されて、眼が受信器に対して再度開かれることになる
【0202】 最後に、図18は、ペナルティ値が0.5dB(曲線A)、1dB(曲線B)
、2dB(曲線C)及び3dB(曲線D)のレベル曲線を図示しており、従来の
回線補償器により提供される補償のパーセント及び本発明の変調分散装置で使用
される変調αM深さに一定の変動がある場合に得られたものである。この場合、
グループ遅延Dは−200ps2及び事後補償の値は−400ps2と推定された
。 αMの値を適当に選択すれば、様々なレベル曲線が含む領域、より詳細には、ペ
ナルティが0.5dBの曲線が含む領域を拡大でき、従って、システムが許容す
る色分散の補償パーセントの範囲を広げて0.5dB未満のペナルティをもたら
すことが可能なことが分かる。
【0203】 時折、問題の光学的通信システムの変数により、当業者は、A<K×D<B(
但し、A及びBは上記に示した意味を持つものとする)の式を満たすαMの全て
の値、従って、Kの全ての値からシステムが許容する色分散の所望の補償パーセ
ントをもたらすことのできるαMの最適値を選択することが可能であり、この時
所望の値未満(通常は0.5dBに等しい)ペナルティが得られる。
【0204】 本発明の別の実施例による変調分散装置を図19を参照して説明する。 斯かる変調分散装置200は、振幅変調要素2400、位相変調要素2000
及び分散要素204を備える。光増幅器250は、振幅変調要素2400及び位
相変調要素2000の間に連結するのが効果的である。しかしながら、光増幅器
250は前記装置の別の位置に連結することが可能であり、または、該装置が使
用される光伝達システムの要件に関して、前記装置による信号減衰が十分に低く
ければ、光増幅器250は省略することも可能である。図19に例示した実施例
では、振幅変調要素2400は、第1の振幅変調器242及び第2の振幅変調器
243と、第1の有極ビームスプリッタ(PBS)247と、第2のPBS24
8と、電子駆動装置244とを備える。
【0205】 振幅変調器242、243は、典型的な従来の装置であり、例えば、電極に関
係したLiNbO3上にマッハ−ツェンダー(Mach−Zender)干渉計
導波管構造を構成するものである。
【0206】 前記LiNbO3振幅変調器242、243は、入力時に光信号の分極を感知
する、即ち、異なる方法で、ディジタル光信号1000の偏波状態の2つの直交
要素を変調する。
【0207】 振幅変調要素2400の入力時には、PBS247がディジタル光信号100
0の2つの直交偏波要素を分離し、一方の要素が振幅変調器242により変調さ
れ、他方の要素が振幅変調器243により変調される。前記2つの振幅変調器2
42、243の出力時には、前記2つの直交偏波要素が第2のPBSにより再結
合されて、光増幅器250を介して位相変調要素2000へ送られる。
【0208】 PBS247、248は従来の装置であり、光ファイバ、平面導波管またはマ
イクロ−オプティックタイプのものが好適である。 別の実施例(図示しない)では、振幅変調要素2400は、入射光信号の偏波
を感知しないシングル振幅変調器から成る。該要素は、入射光信号の偏波を感知
しないから、本実施例では、2つの直交する偏波要素を分離且つ結合する2つの
振幅変調器及び/または要素(図19のPBS等の)を必要としない。
【0209】 振幅変調器242、243に関係した電極に印加される潜在的差を制御して、
αA=sin2(πβA/2)に等しいディジタル光信号1000の振幅変動(
低下)が得られる。但し、βAは|V−VQ|≦Vπに対してβA=|V−VQ
|/Vπと定義され、VQは、最大伝達条件を達成するのに変調器に印加しなけ
ればならない潜在的差であり、Vπは、変調伝達を最大値から最小値へ移行する
のに変調きに印加しなければならないVQからの潜在的デルタである。
【0210】 例えば、VQを超える(または下回る)時間で周期的に変動する電圧V(t)
が印加される場合、振幅変動αAの所定の時間周期変動αA(t)を得ることが
可能である。この場合、得ることのできる最大振幅変動は、従来振幅変調深さと
してαAM
【0211】
【数1】
【0212】 と定義される。但し、|V−VQ|maxは振幅変調器の電極に印加されるVQ
対する最大絶対値潜在的デルタで 電子駆動装置244は、クロック回復器23(図1)を制御して振幅変調器2
42、243を駆動することができる従来の装置である。より詳細には、電子駆
動装置244は、潜在的差V(t)を前記の電極に印加して、ディジタル光信号
1000の振幅変調を実施するようにするものであり、本発明によれば、 クロック回復器23により決定されるビットレートfcに応じて選択する変調周
波数と、 タイムスロット内の所定の時点と同期すると共に、該所定の時点(前記時間変動
の最大または最小値は前記所定の時点に対して同期するようにされる)に対して
大よそ対称となる周期的時間変動(振幅αA(t)のタイムエンベロップ)を特
徴とする。
【0213】 通常は、振幅変調の時間変動は、クロック回復器23により決定されるタイム
スロットの平均中央位置に同期すると共に、かかる位置に対して大よそ対象とな
る。
【0214】 上記振幅変調の振幅変調深さαAMは、80パーセントを超えるのが効果的で
ある。前記振幅変調の振幅変調深さαAMは、90パーセントを超えるのが好適
である。
【0215】 位相変調要素2000は、振幅変調要素2400の出力部へ連結される。 分散要素204は、位相変調要素2000の出力部へ連結される。 位相変調要素2000、該要素の位相変調及び分散要素203の特徴は、本発
明の変調分散装置の第1の実施例に関して詳細に説明した特徴と同一である。
【0216】 従って、それらの詳細については前記の説明を参照するものとする。 位相変調要素と振幅変調要素との相対位置は交換することができる。従って、
変調分散装置200(図示なし)の代替実施例は、位相変調要素2000を備え
ており、該要素は其の出力部で振幅変調要素2400の入力部に連結される。分
散要素204は、振幅変調要素2400の出力部に連結される。
【0217】 上記の双方の実施例において、光増幅器250、例えばエベリウムを添加した
繊維増幅器または半導体光増幅器を装置に関係させる、例えば、振幅変調要素2
400と位相変調要素2000または別の位置に連結して装置の減衰を補償する
ようにすることが出来る。
【0218】 更に別の一連の測定を行って、本発明の上記に説明した実施例による変調分散
装置を備えた本発明による光学的通信システムの性能、及び、該変調分散装置を
備えていないことを除けば前記の本発明によるシステムと同一の特徴を有した比
較システムの性能に関してPMDの効果を評価した。
【0219】 これらの測定は、NRZフォーマットのディジタル光信号について行われた。 試験のセットアップは、パターン発生器500と、電子光信号変換器512と
、波長アダプタ515と、偏波スクランブラー545と、ノイズ発生器557と
、第1の可変減衰器559と、第1の光増幅器560と、光フィルタ565と、
第2の光増幅器590と、光スペクトル分析器595と、信号補償器605と、
第2の可変減衰器640と、受信器620と、エラー検出器630とを備える。
【0220】 また、信号補償器605は、同期振幅変調装置575と、光増幅器592とP
MD補償器570を備えていた。 パターン発生器500は、アンリツ(Anritzu)により製造されたモデ
ル番号MP1763Bの「パルス発生器」であった。
【0221】 電子光変換器512は、出願人が製造LiNbO3製の振幅変調器で外部的に
変調されるDFBレーザーであった。 波長アダプタは、出願人が製造したモデル番号WCM−10Gのものであった
【0222】 偏波スクランブラーは、ヒューレットパッカード(Hewlett Pack
ard)社製のモデル番号HP11896Aの装置であった。 PMDエミュレータは、JDS社製のモデルPE4の「PMDエミュレータ」
であった。
【0223】 光増幅器560、590、592は、出願人が製造し、OLA/E−MW名で
市販されている14dB装置であった。 ノイズ発生器557は、ポンプエベリウム添加された繊維を含んだASE源で
あった。
【0224】 2つの可変減衰器559、640は、E−TEKダイナミックス(E−TEK
Dynamics)社により製造販売されている従来の光学的装置であった。 光学的フィルタ565は、マイクロ−オプティック帯域フィルタであり、即ち
、JDSにより製造された帯域幅が1.3nmの「干渉同調フィルタ」であった
【0225】 受信器620は、10GHzの帯域のノーテル(Nortel)PIN光ダイ
オードであった。 エラー検出器630は、アンリツ社製のモデル番号MP1764Aの「エラー
検出器」であった。
【0226】 図20bに図示する如く、同期振幅変調装置575は、光スプリッタ272、
クロック回復器271及び本発明による振幅変調要素2400から構成されてあ
った。
【0227】 振幅変調要素2400は、第1の242及び第2の2振幅変調器243と、第
1の247及び第2の偏波ビームスプリッタ248及び第1の273及び第2の
電気位相シフタ274を備えた電子駆動装置244と、電力スプリッタ275と
、第1の276及び第2の電気増幅器277とを備えていた。
【0228】 光スプリッタ272は、E−TEDダイナミック社製の従来の装置であって、
光パワーの凡そ5パーセントをクロック回復器271の入力へ、且つ、光パワー
の凡そ95パーセントを2つの振幅変調器242、243へ送ることが可能であ
った。
【0229】 クロック回復器271は、ノーテル社製の帯域幅が10GHzのPIN光ダイ
オードと、マルチリンク(Multilink)社製の限界増幅器と、ヴェリテ
ック(Veritech)社製の10GHzのクロック回復装置から構成されて
あった。
【0230】 電気位相シフタ273、274は、0乃至18GHzのマーコム(Macom
)FSC装置であった。 電気増幅器276、277は、エラ・テクノロジー(Era Technol
ogy)社製の無線周波数増幅器であった。
【0231】 電力スプリッタ275は、サフナー(Suhner)社製のモデル番号490
1.19.Aのゼロ乃至12GHzで作動する6dB電気無線周波数スプリッタ
であった。
【0232】 前記2つの振幅変調器242、243は、出願人が製造したLiNbO3装置
であった。 前記2つのPBS247及び248は、従来のマイクロ−オプティック装置で
あった。
【0233】 PMD補償器570は、本発明による変調分散装置の第1の実施例での第2の
一連の測定に関係して上記に説明した通りのものであった。しかしながら、この
別の一連の実験においては、分散要素204は、FOSにより製造されると共に
、凡そ9kmの長さのステップインデックスタイプのシングルモード光ファイバ
のセクションから構成されてあった。
【0234】 パターン発生器500を使用して電子光変換器512を駆動して伝達するディ
ジタル情報に従って変調した信号が供給される。使用したビットレートは10G
Hzであった。
【0235】 波長アダプタ515は、変調信号を1555nmの波長でNRZ変調信号へ変
換した。 従って、NRZフォーマットのディジタル光信号が偏波スクランブラー545
の入力へ送られた。
【0236】 光ファイバ伝達回線によりディジタル光信号へ導入されたPMDを斟酌するた
めには、入って来るビットの2つの基本的な偏波モードPMDエミュレータ55
0で時間Δτだけ遅延させた。本発明による変調分散装置の容量を実証して異な
るPMD値を補償するには、前記の2つの基本偏波モードを時折変動する時間Δ
τだけ遅延させた。
【0237】 ノイズ発生器557により発生されると共に、減衰器559により減衰された
ノイズ信号をカプラー555によりPMDエミュレータ550の出力と連結して
、連結した増幅器を備えた光伝達回線においてASEノイズの効果をシミュレー
トした。可変減衰器559の減衰を変動させて光信号の信号/ノイズ比を変更す
ることができた。
【0238】 PMD及びASEノイズを備えたディジタル光信号のパワーを光増幅器560
により増幅した。 光信号のパワーを光フィルタ565により(信号波長と異なる波長でASEの
多くを除去するように)ろ波すると共に、次いで、光増幅器590により再度増
幅した。増幅器の光信号の極一部を光スペクトル分析器590に連結して、光信
号/ノイズ比(OSNR)を測定するのに使用した。
【0239】 増幅した光信号を同期振幅変調装置575でスプリットした。斯かる信号の一
部(約5パーセント)をクロック回復器271へ送り、一部(約95パーセント
)をPBS247を介して2つの振幅変調器242、243へ送った。
【0240】 クロック回復器271は、入力の光信号から、入って来るビットのビットレー
ト及びその時間スロットの平均中央位置との同期を回復した。 また、2つの位相シフタ273、274は、クロック回復器23により回復さ
れた時間スロットの前記平均中央位置との同期を維持することができた。
【0241】 2つの振幅変調器242、243は、振幅変調によりその入力において前記ビ
ットを変調した。斯かる振幅変調は、 −10GHzの変調周波数と、 −光パルスのピーク強度と同期した最大伝達ピークを有した制限周期時間変動と
、 −αAM=100パーセントの振幅変調深さとを有していた。
【0242】 信号は、本発明の変調分散装置の第1の実施例での第2の一連の測定に関係し
て前に説明した如く、PMD補償器570により同期位相変調された。 このように位相変調されたディジタル光信号は、次いで、分散値β2=−21
ps2/kmを有した光ファイバに沿って伝搬されて、グループ遅延がD≒β2
×L≒−T2≒−190ps2となった。
【0243】 光ファイバ204を出て行った光信号のパワーレベルを可変減衰器640で調
整して、受信器620の入力で最適な光パワーである−3.5dBmを得た。 このように、光信号は受信器620により受信されると共に、エラー検出器6
30を使用して、受信器620の入力で光信号対ノイズ比が一定の変動をし、且
つ、ビットの2つの直交偏波要素間に導入される遅延Δτが一定の変動をした場
合のエラーの確立を決定した。
【0244】 PMDを補償する本発明による変調分散装置を有した本発明による光学的通信
システムの性能を前記変調分散装置を備えない比較光学的通信システムの性能と
比較するためには、先ず、図20aのセットアップで測定をし、次いで信号補償
器605の全ての要素を取り除いて測定をした。
【0245】 図21は、信号対ノイズ比が一定に変動した場合の、比較システムについての
遅延Δτが0ps(曲線A)、30ps(曲線B)、40ps(曲線C)及び5
0ps(曲線D)に対するBER値と、本発明によるシステムについての、遅延
Δτが0ps(曲線E)、30ps(曲線F)、40ps(曲線G)、50ps
(曲線H)及び60ps(曲線I)に対するBER値を示す。
【0246】 図21から分かる如く、Δτが40psでは、本発明のシステムについて得ら
れたBER値は、比較システムで得られたBER値(曲線C)より遥かに優れて
いた。更に、本発明のシステムでは、BER値がPMDがない場合に得られるB
ER値に非常に近くなる。実際、曲線Gは、本発明によるシステム(ぺネルティ
が、Δτ=0で比較システムと同じBERを達成するのに必要なOSNRの増大
として定義される)では1dB未満のペナルティを示すが、曲線Cは比較システ
ムについては約3dBのペナルティを示す。
【0247】 従って、本発明による変調分散装置は、PMDによりディジタル光信号の2つ
のモードに導入された40psの前記時間遅延Δτを実質的に完全に補償するこ
とができる。
【0248】 本発明のシステムでは、30psのΔτ、50psのΔτでさえ殆ど一切のペ
ナルティが達成されないが、本発明によるシステムで得られるBER値は、比較
システムで得られるBER値より著しく良好であり、ペナルティは、2dBを超
えて低減される。
【0249】 60psのΔτに対する不良性能は、光パルスのテールが信号補償器605に
到達する前に隣接する時間スロット(全タイムスロット持続時間:100ps)
で終わると言った事実により説明ができる。
【0250】 本発明のこの実施例での実験結果は、更に、OSNR値が一定である場合には
、BER値は少なくとも40psまでのΔτでは実質的に一定のままであること
を示す。
【0251】 本発明の変調分散装置200の前に説明した実施例(位相変調要素及び分散要
素を含んだ)に関しては、この実施例は、同期振幅変調要素も含んでおり、NR
Z伝達の場合には、Δτの値から実質的に独立した、即ち、信号に影響を及ぼす
時間拡張の度合いから実質的に独立した一定且つ低いペナルティ値を提供すると
言った利点を有する。
【0252】 図19に関して説明した実施例の変調分散装置を備えた本発明の光学的通信シ
ステムの性能を実証するのに発明者等は更なるコンピュータシミュレーションを
実施した。採用したシミュレーション技術は変調分散装置(図2乃至図4)の前
の実施例に関して上記に説明した技術に類似しており、NRZ信号伝達を考慮す
ると共に、シミュレーションにおいては、振幅変調要素2400により提供され
る振幅変調を斟酌する。
【0253】 図22は、シミュレーションの結果としての、信号補償のない比較装置と、振
幅変調深さがαAM=70パーセント(曲線B)、αAM=80パーセント(曲
線C)、αAM=90パーセント(曲線D)及びαAM=100パーセント(曲
線E)である場合の本発明のシステムとのQ要因対微分グループ遅延D(DGD
)を示す。
【0254】 シミュレーションの結果は、比較システム(信号補償のない)では、Q要因は
DGD値で30psを超えて著しく劣化されている一方で、本発明のシステムで
は、特に、80パーセントを超える振幅変調深さでは、実質的に一定のQ要因を
DGDのレベルに関係なく達成する。
【0255】 図23は、その他のシミュレーション結果、即ち、信号保証のない比較システ
ム(曲線A)と、振幅変調深さがαAM=100パーセントで、グループ遅延が
D=−200ps2で、Kの値が様々である本発明のシステムとについてBER
値対微分グループ遅延(DGD)のグラフを示しており、曲線Bは、KD=−0
.44に相対し、曲線Cは、KD=−0.55に相対し、曲線DはKD=−0.
66に相対し、曲線Eは、KD=−0.78に相対し、曲線Fは、KD=−0.
88に相対し、曲線Gは、KD=−1.01に相対し、且つ、曲線Hは、KD=
−1.1に相対する。
【0256】 斯かる結果は、試験をした変数の全範囲に亘って、図19を参照して説明した
実施例の変調分散装置により達成されるNRZ信号拡張補償に関係したBERに
おいて著しい改善がなされたことを確認した。特に、約−0.9乃至−0.4の
範囲に含まれるKDに関しては、約40psのDGDまでDGDから実質的に独
立したBER値が達成される。
【0257】 出願人は、本発明によるシステムにおいて、NRZ信号を伝達すると共に、図
19に関して説明した本発明の別の実施例による変調分散装置を採用する従来の
回線補償器により提供される分散補償の量は、好適には85パーセント乃至11
0パーセントであり、より好適には、90パーセント乃至105パーセントであ
り、更に好適には、95パーセント乃至100パーセントである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1aは、本発明による光伝達システムの第1の実施形態、図1bは、第2の
実施形態)の略図である。
【図2】 本発明による変調および分散装置の第1の実施形態の略図である。
【図3】 本発明による変調および分散装置の第2の実施形態の略図である。
【図4】 本発明による変調および分散装置の第3の実施形態の略図である。
【図5】 本発明による変調および分散装置を備えたシステムのシミュレーションによっ
て求められた、アイダイヤグラムの閉包の関数としての確率密度の値(図5a)
及び正弦曲線タイプ(図5b)および切頭余弦タイプ(図5c)の位相変調の2
つの場合におけるPMDの補償のための、本発明による変調および分散装置のな
い比較光通信システムを示している。
【図6】 本発明による変調および分散装置を備えたシステムのシミュレーションによっ
て求められた、アイダイヤグラムの閉包の関数としての確率密度の値(図6a)
及び受信機内の電気フィルタの存在がシミュレートされた、正弦曲線タイプ(図
6b)および切頭余弦タイプ(図6c)の位相変調の2つの場合において、本発
明による変調および分散装置のない比較光通信システムを示している。
【図7】 PMDの補償のための、本発明による変調および分散装置のふるまいを検証す
るために用いられた第1の実験的セットアップを示している。
【図8】 図7の実験的セットアップで得られた結果を示している。
【図9】 図9aは、PMDの補償のための、本発明による変調および分散装置を含む、
本発明によるシステムの性能を検証するために用いられた代2の実験的セットア
ップを示し図9bは、PMDの補償のための、本発明による変調および分散装置
を含む、本発明によるシステムの性能を検証するために用いられた代2の実験的
セットアップを示している。
【図10】 RZフォーマットでのデジタル信号(図10a)およびNRZフォーマットの
信号(図10b)の場合において、図9の実験的セットアップで得られた結果を
示している。
【図11】 NRZフォーマットのデジタル光信号の場合について、色分散を補償するため
の本発明による変調および補償装置なしで、比較光学的通信システムのシミュレ
ーションによって得られた、0.5dB(曲線A)、1dB(曲線B)、2dB
(曲線C)および3dB(曲線D)のペナルティ値に関するレベル曲線の図を示
している。
【図12】 NRZフォーマットのデジタル光信号の場合について、色分散を補償するため
の本発明による変調および補償装置を備えた、光学的通信システムのシミュレー
ションによって得られた、0.5dB(曲線A)、1dB(曲線B)、2dB(
曲線C)および3dB(曲線D)のペナルティ値に関するレベル曲線の図を示し
ている。
【図13】 90%の平均補償率、600psの後補償およびNRZフォーマットのデジタ
ル光信号の仮定の下に実行された、比較システム(13a)および本発明による
システム(13b)のシミュレーションによって得られたアイダイヤグラムを示
している。
【図14】 本発明による変調および分散装置において変調度の変化(Mを用いた、NRZ
フォーマットのデジタル光信号の場合における、色分散を補償するための本発明
による変調および補償装置を備えた、本発明による光学的通信システムのシミュ
レーションによって得られた、0.5dB(曲線A)、1dB(曲線B)、2d
B(曲線C)および3dB(曲線D)のペナルティ値に関するレベル曲線の図を
示している。
【図15】 RZフォーマットのデジタル光信号の場合における、色分散を補償するための
本発明による変調および補償装置のない、比較光学的通信システムのシミュレー
ションによって得られた、0.5dB(曲線A)、1dB(曲線B)、2dB(
曲線C)および3dB(曲線D)のペナルティ値に関するレベル曲線の図を示し
ている。
【図16】 RZフォーマットのデジタル光信号の場合における、色分散を補償するための
本発明による変調および補償装置を備えた、本発明による光学的通信システムの
シミュレーションによって得られた、0.5dB(曲線A)、1dB(曲線B)
、2dB(曲線C)および3dB(曲線D)のペナルティ値に関するレベル曲線
の図を示している。
【図17】 78%の平均補償率、0psの後補償およびRZフォーマットのデジタル光信
号の仮定の下に実行された、比較システム(13a)および本発明によるシステ
ム(13b)のシミュレーションによって得られたアイダイヤグラムを示してい
る。
【図18】 本発明による変調および分散装置において変調度の変化(Mを用いた、RZフ
ォーマットのデジタル光信号の場合における、色分散を補償するための本発明に
よる変調および補償装置を備えた、本発明による光学的通信システムのシミュレ
ーションによって得られた、0.5dB(曲線A)、1dB(曲線B)、2dB
(曲線C)および3dB(曲線D)のペナルティ値に関するレベル曲線の図を示
している。
【図19】 本発明による変調および分散装置のさらに別の実施形態の略図である。
【図20】 図29aは、本発明による変調および分散装置を含む、本発明によるシステム
の性能を検証するために用いられたさらに別の実験的セットアップを示し、図2
0bは本発明による変調および分散装置を含む、本発明によるシステムの性能を
検証するために用いられたさらに別の実験的セットアップを示している。
【図21】 図20aおよび図20bに示した実験において、信号対雑音比OSNRの変化
で得られたBERの値の図を示している。
【図22】 図19の実施形態による変調および分散装置を採用した、本発明によるシステ
ムのシミュレーションに関するQ因子と差分グループ遅延(DGD)との対比を
示している。
【図23】 図19の実施形態による変調および分散装置を採用した、本発明によるシステ
ムのシミュレーションに関するBER対差分グループ遅延(DGD)のグラフを
示している。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年4月19日(2001.4.19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 00104771.1 (32)優先日 平成12年3月6日(2000.3.6) (33)優先権主張国 欧州特許庁(EP) (31)優先権主張番号 60/189,036 (32)優先日 平成12年3月14日(2000.3.14) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 シフィニ,アレッサンドロ イタリア国イ−10018 パヴォーネ・カナ ヴェセ,ヴィア・トレント 22 (72)発明者 コルシニ,ラファエレ イタリア国イ−20136 ミラノ,ヴィア・ アルザイア・ナヴィッリョ・パヴェーセ 12 (72)発明者 フランコ,ピエルルイジ イタリア国イ−35100 パドヴァ,ヴィ ア・セルナイア 36 Fターム(参考) 2H079 AA02 AA12 BA01 BA03 CA04 DA03 EA05 KA11 5K002 AA01 AA03 CA01 CA13 DA05 FA01

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的通信システム(100)において、 所定のビットレートfeと持続期間1/fcの所定のタイムスロットを有する
    ビットフローを含む少なくとも1つのディジタル光信号(1000)を伝達する
    第1の装置(10)と、 前記第1の装置(10)と電気的に接続され、前記ディジタル光信号(100
    0)の伝搬用の光伝達ライン(30)と、 前記光伝達ライン(30)に光学的に接続され、前記ディジタル光信号(10
    00)を受信し、受信装置(40)と、変調及び分散装置(200)を含む第2
    の装置(20)と を含み、 該変調及び分散装置(200)が、 (i) (a)前記ディジタル光信号(1000)の前記ビットレートfcに
    従って予め決められた変調周波数(2000)と、 (b)その持続期間が1/fcのタイムスロット内の所定の位置に関して概
    ね対称な時間における周期的な変化と、 (c)前記周期的な変化の最大振幅と を有する変調により前記ディジタル光信号(1000)の位相を変調する変調
    要素と、 (ii) 前記変調装置(2000)に接続され、位相変調されたディジタル
    光信号(1000)の各ビットにグループ遅延を導入可能な色分散要素(204
    )であって、該色分散要素(204)は前記時間における周期的な変化が正の変
    調振幅を有すると時に異常タイプの分散を与え、前記時間における周期的な変化
    が負の変調振幅を有する時に正常タイプの分散を与える ことを特徴とする光学的通信システム。
  2. 【請求項2】 前記最大の振幅Kおよび前記グループ遅延Dの積が、AからBの
    範囲にあり、Aは−0.5×(1−X)で、Bが−0.5×(1+Y)で、Xが
    0.2以下で、Yが2以下である請求項1に記載の光学的通信システム(100
    )。
  3. 【請求項3】 前記ビットがRZフォーマットである請求項1または2の光学的
    通信システム(100)。
  4. 【請求項4】 前記ビットがNRZフォーマットである請求項1または2の光学
    的通信システム(100)。
  5. 【請求項5】 前記第2の装置(20)が、第1の強度フラクションを前記変調
    及び分散装置(200)に供給し、第2の強度フラクションをクロック回復器(
    23)に供給する方法で、前記ディジタル光信号(1000)の強度を分割可能
    な光ビームスプリッタ(22)を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    かに記載の光学的通信システム(100)。
  6. 【請求項6】 前記クロック回復器(23)が、前記変調及び分散装置(200
    )の前記変調要素(2000)に接続され、前記光ビームスプリッタから生じる
    前記ディジタル光信号(1000)の前記ビームレートfcを決定し、前記ディ
    ジタル光信号(1000)の前記ビットのタイムスロットの平均中央位置との同
    期を可能にする請求項5に記載の光学的通信システム(100)。
  7. 【請求項7】 前記位相変調の時間の周期的な変化が概ね放物線状である請求項
    1乃至6のいずれかに記載の光学的通信システム(100)。
  8. 【請求項8】 前記変調要素(2000)が、少なくとも1つの位相変調器(2
    02)と、前記位相変調器(202)の駆動装置(24)とを含み、該駆動装置
    (24)は前記クロック回復器(23)に接続されている請求項1乃至7のいず
    れかに記載の光学的通信システム(100)。
  9. 【請求項9】 前記色分散要素(204)が、光ファイバの適合部分を含む請求
    項1乃至8のいずれかに記載の光学的通信システム(100)。
  10. 【請求項10】 (a)予め定められた変調周波数と、 (b)予め定められた時間の周期的な変化と、 (c)該周期的な変化の最大振幅Kと、 を有する変調により光信号(1000)の位相を変調する変調手段(2000)
    と、 該変調手段(2000)に光学的に接続されグループ遅延Dを該光信号(10
    00)にに導入可能な色分散要素(204)とを 備え、 (i) 該最大振幅Kと該グループ遅延Dとの積が、AからBの範囲にあり、
    Aは−0.5×(1−X)で、Bが−0.5×(1+Y)で、Xが0.2以下で
    、Yが2以下であり、 (ii) 該色分散要素(204)は、前記時間における周期的な変化が正の
    変調振幅を有すると時に異常タイプの分散を与え、前記時間における周期的な変
    化が負の変調振幅を有する時に正常タイプの分散を与える ことを特徴とする光信号(1000)を処理するための変調及び分散装置(2
    00)。
  11. 【請求項11】 前記光信号(1000)が、予め定められたビットレートfc
    と持続期間1/fcの予め定められたタイムスロットを有するビットフローを含
    むディジタル光信号である請求項10に記載の変調及び分散装置(200)。
  12. 【請求項12】 前記変調周波数が前記ビットレートfcに従って選択されるこ
    とを特徴とする請求項11に記載の変調及び分散装置(200)。
  13. 【請求項13】 前記時間の周期的な変化が1/fcの持続期間の前記タイムス
    ロット内の予め定められた位置に関して概ね対称であることを特徴とする請求項
    11又は12に記載の変調及び分散装置(200)。
  14. 【請求項14】 予め定められたビットレートfcと、1/fcの持続期間を有
    する予め定められたタイムスロットとを有するビットフローを含むディジタル光
    信号を処理する方法であって、 (a)(1)前記ディジタル光信号のビットレートfcに従って予め定められ
    た変調周波数と、 (2)1/fcの持続時間を有する該タイムスロットの範囲内の予め定め
    られた位置に関して概ね対称な周期的な変化と、 (3)該周期的な変化の最大振幅Kと、 を有する変調で該ディジタル光信号の位相を変調するステップと、 (b)適切な色分散要素において、位相変調されたディジタル光信号の各ビッ
    トのグループ遅延を生じ、該色分散要素が、前記時間における周期的な変化が正
    の変調振幅を有すると時に異常タイプの分散を与え、前記時間における周期的な
    変化が負の変調振幅を有する時に正常タイプの分散を与えるステップと、 を備える該方法。
  15. 【請求項15】 前記処理が、前記ディジタル光信号のビットの圧縮を含むこと
    を特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記処理が、前記ディジタル光信号のビットのリタイミングを
    含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記処理が、前記ディジタル光信号のビットの圧縮とリタイミ
    ングを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記最大振幅Kと前記グループ遅延Dとの積が、AからBの範
    囲にあり、Aは−0.5×(1−X)で、Bが−0.5×(1+Y)で、Xが0
    .2以下で、Yが2以下であることを特徴とする請求項14から17に記載の方
    法。
  19. 【請求項19】 所定のビットレートfcと持続期間1/fcの所定のタイムス
    ロットを有するビットフローを含む少なくとも1つのディジタル光信号(100
    0)を伝達する第1の装置(10)と、 前記第1の装置(10)と電気的に接続され、前記ディジタル光信号(100
    0)の伝搬用の光伝達ライン(30)と、 前記光伝達ライン(30)に光学的に接続され、前記ディジタル光信号(10
    00)を受信し、受信装置(40)と、変調及び分散装置(200)を含む第2
    の装置(20)と、 を含み、 該変調及び分散装置(200)が、 (i) (a)前記ディジタル光信号(1000)の前記ビットレートfcに
    従って予め決められた変調周波数と、 (b)その持続期間が1/fcのタイムスロット内の所定の位置に関して概
    ね対称な時間における周期的な振幅変化と、 (c)前記周期的な振幅変化の最大振幅αAMと、 を有する変調により前記ディジタル光信号(1000)の位相を変調する変調
    要素(2400)と、 (ii) (d)前記ディジタル光信号(1000)の前記ビットレートfc
    に従って予め定められた変調周波数と、 (e)その持続時間が1/fcである前記タイムスロット内の予め定められ
    た位置に関し概ね対称な時間における位相の周期的な変化と、 (f)該位相の周期的な変化の最大振幅Kと、 有する変調で該ディジタル光信号の位相を変調す変調要素(2000)と、 (iii)前記変調装置(2000)に接続され、位相変調されたディジタル
    光信号(1000)の各ビットにグループ遅延Dを導入可能な色分散要素(20
    4)であって、該色分散要素(204)は前記時間における周期的な位相変化が
    正の変調振幅を有すると時に異常タイプの分散を与え、前記時間における周期的
    な位相変化が負の変調振幅を有する時に正常タイプの分散を与えること、 を含む該光学的通信システム(100)。
  20. 【請求項20】 前記最大の振幅Kおよび前記グループ遅延Dの積が、AからB
    の範囲にあり、Aは−0.5×(1−X)で、Bが−0.5×(1+Y)で、X
    が0.2以下で、Yが2以下である請求項19に記載の光学的通信システム(1
    00)。
  21. 【請求項21】 前記ビットがRZフォーマットである請求項19または20の
    光学的通信システム(100)。
  22. 【請求項22】 前記ビットがNRZフォーマットである請求項19または20
    の光学的通信システム(100)。
  23. 【請求項23】 光信号(1000)を処理する変調及び分散装置(200)で
    あって、 該変調及び分散装置が、 (a)予め定められた変調周波数と、 (b)時間における予め定められた周期的な振幅変化と、 (c)前記周期的な振幅変化の最大振幅αAMと、 を有する変調により光信号(1000)の振幅を変調する変調手段(2400)
    と、 (a)前記予め定められた変調周波数と、 (b)時間における予め定められた位相の周期的な変化と、 (c)該位相の周期的な変化の最大振幅Kと、 を有する変調で該光信号(1000)の位相を変調する変調要素(2000)
    と、 該変調要素に光学的に接続され、グループ遅延Dを該光信号(1000)に導入
    可能な色分散要素(204)と、 を備え、 (i)該最大振幅Kと該グループ遅延Dとの積が、AからBの範囲にあり、A
    は−0.5×(1−X)で、Bが−0.5×(1+Y)で、Xが0.2以下で、
    Yが2以下であり、 (ii) 該色分散要素(204)が、前記時間における周期的な位相変化が
    正の変調振幅を有すると時に異常タイプの分散を与え、前記時間における周期的
    な位相変化が負の変調振幅を有する時に正常タイプの分散を与える該変調及び分
    散装置(200)。 24. 所定のビットレートfcと持続期間1/fcの所定のタイムスロットを
    有するビットフローを含むディジタル光信号のビット処理する方法であって、該
    方法が、 (i) (a)前記ディジタル光信号の前記ビットレートfcに従って予め決め
    られた変調周波数と、 (b)持続期間1/fcを有するタイムスロット内の予め定められた位置に
    関して概ね対称な時間における周期的な振幅変化と、 (c)前記周期的な振幅変化の最大振幅αAMと、 を有する変調により前記ディジタル光信号(1000)の位相を変調するステッ
    プと、 (ii) (d)前記ディジタル光信号の前記ビットレートfcに従って予め
    定められた変調周波数と、 (e)持続時間1/fcを有する前記タイムスロット内の予め定められた位
    置に関し概ね対称な時間における周期的な位相変化と、 (f)該周期的な位相変化の最大振幅Kと、 有する変調で該ディジタル光信号の位相を変調するステップと、 (iii)適正な色分散要素において、前記位相変調されたディジタル光信号
    の各ビットのグループ遅延Dを発生し、前記分散要素が、前記時間における周期
    的な位相変化が正の変調振幅を有すると時に異常タイプの分散を与え、前記時間
    における周期的な位相変化が負の変調振幅を有する時に正常タイプの分散を与え
    るステップと、 備えた該方法。
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