JP2002541085A - 歯内治療用繊維およびその使用方法 - Google Patents

歯内治療用繊維およびその使用方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、均一に分散した薬物の持続放出に適した歯内治療用線維に関する。管内治療部位への薬物、特に抗体の局所送達のための歯内治療用繊維の使用方法も開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 背景技術 歯内治療学は歯髄および歯根尖周囲組織の生物学および病理学に関する歯科学
の一分野である。歯内治療では、損傷を受け、感染し、病気にかかった歯を抜去
するのを防ぐことを目標として、化学物理的挫滅組織切除、洗浄、硬軟組織のド
レナージ、穿孔、抗微生物療法などの技術のセットを使用する。
【0002】 健常な生体歯髄は無菌であり、歯髄および歯根尖周囲組織の疾患の病因として
細菌感染症が果たす役割は充分確立されている。感染した、または壊死した歯根
組織では、髄腔および根管が細菌の貯蔵庫となるため、歯の消毒は根管療法の化
学物理的側面を妥当化する重要な根拠の一つである。最近のデータによると、1
回の通院で治療された壊死歯の根管不全の発生率は高く、副根管、ひれ状構造物
、三角、峡などの複雑な解剖学的空間に残留している細菌が原因である(Sjo
rgenら、Int.Endo.J.30:297〜306(1997))。そ
の他の研究によって、細菌はぞうげ細管内へ移動し、そこで生き延びることがで
きることが報告されている(Nagaokaら、J.Endodon.21:7
0−73(1995))。もし最終的な修復の前に根管の消毒が成功すれば、歯
内治療の成功率は26%高くなると推測されている(Sjorgenら、Int
.Endo.J.30:297〜306(1997))。
【0003】 根管感染症は主に嫌気菌による複数菌感染症であるという特徴がある。治療失
敗に関係のある一般的な歯内微生物群として、F.nucleatum、P.i
ntermedia、P.micros、S.intermeditus、P.
endodontlis、P.gingivalis、P.melaninog
enica、E.lentum、V.parvula、S.sanguis、P
.buccae、P.oralis、P.acnesが挙げられる(Haapa
salo、FEMS Immunol.and Medical Micro6
:213〜217(1993)およびSundqvist、J.Endodon
.7:257〜262(1992))。
【0004】 術後歯根尖周囲疼痛および治療予定日間の再燃も、根管内の細菌やその生成物
の存在が原因とされるのがふつうである。一般に、最初の細菌性感染症が引き金
となって宿主仲介炎症性反応が起こり、その結果が基盤となって、再燃を示した
患者の臨床症状が出現する。インストルメンテーションや洗浄を受けても生き延
びた細菌は空洞の根管内で急速に増殖することが報告されており(Bystro
mおよびSundqvist、Oral.Surg.Oral.Med Ora
l Pathol55:307〜312(1983))、根管内に存在する細菌
数と治療予定日間の再燃の発生率とのあいだに正の相関関係がある。根管内に黒
色のグラム陰性嫌気菌が存在すれば、通常は疼痛、腫脹、打診時圧痛という患者
愁訴を伴う(Haapasalo、FEMS Immunol.and Med
ical Micro6:213〜217(1993))。このように、根管か
らの細菌の除去が成功すれば再燃の発生率を下げることができると思われる。
【0005】 これまで抗生物質は、全身投与または局所投与により歯内治療学的処置を補助
するものとして使用されてきた。現在、根管感染症および増悪の抗生物質治療は
全身投与に限定されている。したがって、細菌の存在の一次的および二次的影響
と、治療予定日間の再燃および治療失敗の両者の発生率とのあいだに相関関係が
あることが確立されていることから、根管内用薬物、とくに抗生物質の実質的な
濃度を送達し持続させる効果的な方法が必要とされているのは明らかである。
【0006】 1950年代に根管内用薬物として使用するために複数抗生物質パスタ剤(P
BSC)が考案された(Grossman、L.I.、J.Amer.Dent
.Assoc.43:265〜278(1951))。PBSCは、グラム陽性
菌を標的とするペニシリン、ペニシリン耐性株用のバシトラシン、グラム陰性菌
用のストレプトマイシン、酵母を標的とするカプリル酸ナトリウムから構成され
、すべてをシリコンビークルに懸濁したものであった。臨床的評価によると、複
数抗生物質パスタ剤は治療的利点(培養陰性を達成するまでの投与回数が少ない
)はあるものの、この組成は嫌気菌(現在治療失敗の原因の中心的な菌であると
みなされている)には無効であった。1975年食品薬物庁(FDA)は、ペニ
シリンによる感作およびアレルギー性反応のリスクがあることを主な理由として
、PBSCを歯内治療に使用することを禁じた。これは、過去の歯内治療学的方
法、とりわけ局所送達法を、現在の知識および技術的進歩に照らして改善するこ
とが重要であることを明白に示している。
【0007】 発明の要旨 本発明は、生体適合性ポリマービークルに、たとえば均一に分散させた薬物ま
たは薬物組み合わせに対して浸透性である該ビークルを含む歯内治療用繊維(en
dodontic fiber)に関する。かかる繊維は、たとえば、歯周または根管内の治療
部位への薬物の局所送達および徐放のための方法に使用することができる。本発
明の歯内治療用繊維は改変された歯周用繊維(modified periodonatal fiber )
および管内用繊維(intracanal fiber)などを含む。
【0008】 本発明のひとつの態様は、薬物を管内治療部位に送達するのに適した改変され
た歯周用繊維に関係する。これらの第一世代の歯内治療用繊維は、ここでは「改
変された歯周用繊維」と言うが、歯周治療中に治療薬を投与するためにかつて開
発されたエチレンビニルアセテート送達ビークル(米国特許第4,764,37
7号および米国特許第4,892,736号)の適応物である(Gilad、「
歯内治療法における管内用薬物としてのクリンダマイシン含浸EVA繊維」、ハ
ーバード大学歯学部医科学修士論文が1998年4月2日に抗弁。その教示全体
が本明細書に参照として組入れられている)。詳細には、歯周用繊維は、該繊維
に根管内治療部位内使用を可能にする性質を与えるように、たとえば、形態およ
び硬度のような特殊な物理的特徴を与えるように、改変された。ある態様では、
この改変は、歯周用繊維を、生体適合性冷却スプレー(たとえばEndo Ic
e)のような薬剤で処理することを含む。
【0009】 別の態様では、本発明は第二世代の歯内治療用繊維にも関係し、これは本明細
書では「管内用繊維」と言うが、これは管内送達方法における使用のために特別
に設計され、それによって根管内部位における使用のために歯周用繊維を改変す
る必要を回避することができる。かかる設計は、該繊維の成分組成および/また
は成分比の変更などを含む。
【0010】 本発明は本明細書においてクリンダマイシン/エチレンビニルアセテート(E
VA)繊維を用いて示される。しかし、本実施例は本発明の範囲をなんら限定す
ることを意図するものではない。たとえば、意図される管内用繊維は、根管内設
置に適合するように選択されたポリマー組成、表面粘着性、剛性、ガラス転移温
度、直径を有するように製剤化(formulate )することができる。第二世代の管
内用繊維は特に管内使用に適合するが、この繊維の他の(即ち、管内以外の)使
用も意図される。たとえば、この管内用繊維は歯周治療にも使用することができ
る。
【0011】 さらに、薬物と、該薬物が開示された歯内治療用繊維(たとえば改変された歯
周用繊維)に組み込まれる用量の選択は、望みの治療的効果を達成する可能性が
最大の繊維を作製するのに最適なものとする。本明細書に例示し検討する管内用
繊維は、理想的には、管内用薬物の局所送達および持続放出に適したもので、し
たがって多数の管内送達方法を可能にするものである。
【0012】 歯内治療的用途の一側面では、歯内治療用繊維(たとえば改変された歯周用繊
維または管内用繊維)を、確証された歯内細菌感染症の治療に有効であると予測
された抗生物質の管内送達と徐放のために利用する。このような抗生物質の管内
送達の目標は、十分な薬物濃度および接触持続時間を達成して髄腔および管内の
すべての細菌の増殖を阻害し(たとえば部分的または完全な阻害)、それによっ
て全身抗生物質投与の必要性を回避することである。最終的には、確証された細
菌感染症をうまく治療できることが、歯内治療の失敗を減少させることになるで
あろう。
【0013】 別の態様では、本発明の歯内治療用繊維を用いた管内送達方法を予防的に利用
して、最終的な修復を適用する前に歯内治療中の根管を消毒する。これに関連し
て、局所送達方法を、該管の化学物理的準備によって除去されなかった残存細菌
をすべて排除するために使用する。さらに詳細には、この送達方法の目的は、細
菌増殖を、とくに根管内の黒色のグラム陰性菌の増殖を抑制することである。か
かる予防法は炎症による患者の疼痛の程度を低下させ治療予定日間の再燃を減退
させることができ、最終的には治療失敗のリスクを最低限に抑えることができる
【0014】 本発明のその他の態様では、本明細書に述べる歯内治療用繊維を、歯内治療課
程に必要とされる別の管内用薬物を送達するのに使用することができる。たとえ
ば、歯根尖周囲組織における細菌副生成物の存在による宿主仲介炎症性反応を減
弱させるために、抗炎症剤を単独または抗生物質と組み合わせて歯内治療用繊維
に組み込むことができる。
【0015】 本発明はさらに、歯周障害または歯内障害の治療用薬物の製造のための本発明
の歯内治療用繊維(たとえば改変された歯周用繊維または管内用繊維)の使用に
関する。
【0016】 発明の詳細な記載 歯内治療失敗の原因となる細菌感染症の根源としての内因性微生物叢が果たし
ている役割は充分確立されている(Kakehashi、S.ら、Oral S
urg.20:340〜348(1965))。歯内起源の感染症に関係づけら
れることが最も多い菌種は、プレボテラ属、ポルフィロモナス属、フソバクテリ
ウム属、ペプトストレプトコッカス属、ユーバクテリウム属、ストレプトコッカ
ス属に属する。これまで発表された研究の中には、黒色のグラム陰性嫌気菌の種
類が内因性病原体ではないかと述べているものもある(治療失敗した歯からの分
離率が25%から50%であることに基づいている)が、どれか1種がその他の
種より強力な病原体であるということが証明されたことはない(USAIDR
Information Bulletin、4(3)1990)。
【0017】 「再燃(flare-up)」とは、根管治療手順後、数時間から数日以内に発生する
疼痛および/または腫脹のことと定義されている。これらの症状の重症度によっ
ては、患者が予定外の通院や治療を開始するなど、患者の生活様式が大きく変わ
ることがよくある。発表された研究によると、黒色ポルフィロモナス属の菌(と
くにPorphyromonas gingivalisおよびPorphyr
omonas endodontalis)の根管内の存在は、治療予定日間の
再燃の原因となる急性症状の種類と相関関係がある(Yoshidaら、J.E
ndodon.13:24〜28(1987))。このように、歯内治療の失敗
率を下げるほかに、治療予定日間の再燃の発生率を下げることも望ましい。
【0018】 抗生物質はこれまで歯内治療を補助するものとして全身投与または局所投与に
よって使用されてきた。現在、根管内感染症および増悪の抗生物質による治療は
全身投与に限定されている。よく処方される抗生物質として、ペニシリン(例、
ペニシリンV、アモキシシリン)、エリスロマイシン(例、ステアリン酸エリス
ロマイシン)、リンコサミド(例、クリンダマイシン)、セファロスポリン(例
、セファレキシン)などがある。抗生物質使用の決断は、臨床医自身の治療方針
に関係してなされることが多い。過敏症またはアナフィラキシー反応、毒性、有
害全身作用、耐性菌の発生の可能性があるため全身性抗生物質の処方は抑制すべ
きだという知識を踏まえて、選択される。
【0019】 管内送達方法のためにこれまで利用されてきた送達デバイス、ビークル、技術
、薬物の利点を厳正に再検討すると、一般的な管内用薬物の使用、とくに管内用
抗生物質の使用は、活性域が不適切であり有効性持続期間が短いと批判されてき
たことがわかる。前者の問題は微生物学的試料採取技術の改善、とりわけ嫌気的
培養技術の改善による取り組みがなされ、現在それによって臨床医は歯内感染症
に伴う菌種の正確なプロフィールを知ることができる。この情報によって臨床医
はいっそう適切な抗菌薬を処方することができる。したがって、有効性持続時間
が短いことが管内送達プロトコルの主要な欠陥であることが明らかになった。本
明細書に述べる歯内治療用繊維は、活性薬物を少なくとも14日間徐放できる(
インビトロ)ことが証明されている治療法を可能にすることによってこの問題を
解決する。
【0020】 開示された歯内治療用繊維は、治療、とくに根管治療の結果として必要とされ
るいかなる種類の薬物であってもそれを持続放出することができる送達システム
および方法を可能にする。好適な実施例では、本発明は、歯内細菌感染症の治療
のための治療方法、あるいは従来の化学物理的な挫滅組織切除(debridment)お
よび洗浄技術を補助する方法としての使用に適した制御された無菌技術を提供す
る。
【0021】 全身投与は、作用薬物の感染部位への送達を循環器系の構成要素に依存してい
る。しかし、感染および/または炎症を起こした歯根周囲(periradicular )組
織および壊死性無髄歯は正常な血管組織を持っていないことは周知のことである
。この実際に即した考え方によって、全身投与は無効であることがわかるが、と
りわけ、抗生物質が有効であるためには標的とする微生物と接触しなければなら
ないということを合わせて考えるなら、なおさらである。これらの事実は、明ら
かに、全身投与された予防的抗生物質の潜在的利用性を損なうものである。
【0022】 これに対して、局所送達ストラテジーは薬物を標的とする組織空間に直接送達
するという治療上の利点がある。さらに、開示された送達ビークルおよび方法の
使用は、感染症が最初の治療コースに応答しない場合の細菌サンプリングおよび
感受性スクリーニングにも、予測外の合併症またはアレルギー反応が発生した場
合の該繊維の容易な除去にも、即応する。後者の特徴はパスタ組成物または液体
組成物のこれまでの使用に優る重要な改善である。
【0023】 さらに、抗生物質の実質的な局所濃度を達成できることも、薬物耐性病原体の
発生に寄与するというリスクを最低限に抑える。全身抗生物質使用の主な禁忌の
一つは、経口投与によって達成される比較的低い濃度では影響されない細菌が多
重薬剤耐性を持つ株を発生させることが理論的に見込まれる場合である。また、
管内送達は、全身投与法に通常付随する望ましくない副作用から患者を守る。た
とえば、クリンダマイシン全身投与に伴って偽膜性腸炎が発生するが、これは多
くの臨床医がクリンダマイシンの広域活性にもかかわらずクリンダマイシン処方
を嫌うに足る非常に劣悪な副作用である。しかし、偽膜性腸炎を起こすのに必要
な用量と、胃腸管接触という要件とを合わせて考慮するならば、クリンダマイシ
ン/EVA歯内治療用繊維の管内使用がかかる有害副作用の引き金となるとは思
えない。この後者の利点は、その課題に充分適合しているような作用域を持って
はいるが全身投与には高い毒性リスクを伴うという特定の薬物を処方する上で決
定的となりうる。
【0024】 本明細書に記載する管内用繊維は、管内送達法に使用するために特別に設計さ
れたものである。該繊維の最適な組成は、管内使用に必要な物理的特性およびポ
リマー組成となるように実験的に決定することができる。好適な態様では、歯内
治療用繊維は、清浄し整形した根管内に深く設置できるような直径を、たとえば
約0.1から約0.5mmの直径を持っている。ポリマーの組成およびガラス転
移温度も、該繊維を根管内に無菌的に設置できるのに必要な表面特性と剛性を与
えるように、また、その後該繊維が根管の輪郭に合致できるように、選ぶことが
できる。本発明における使用に適した管内用繊維は、さらに、本明細書に例示す
る改変された歯周用繊維に特徴的なさらなる特色を含みうる。さらに詳細には、
特に好適な繊維は、無臭である、無色である、根管に深く侵入させることができ
る、さまざまな治療薬とともに使用するのに適している、少なくとも一つの作用
薬の徐放が可能である(たとえば、少なくとも1週間のあいだ(インビトロ))
、歯の構造物を着色しない、または標準的細菌培養技術を妨害しない、などのさ
らなる特色によって特徴づけられる。
【0025】 開示される歯内治療用繊維の処方に有用な生体適合性ビークルは、生体適合性
の合成または天然のコポリマーであり、生分解性であっても生分解性でなくても
よい。たとえば、コラーゲン、セルロース性ポリマー、グリコール酸ポリマー、
メタクリレートポリマー、エチレンビニルアセテートポリマー、エチレンビニル
アルコールコポリマー、ポリカプロラクトン、ポリウレタン、ポリラクチド、お
よびこれらの組み合わせが本発明における使用に適している。ポリマー組成物の
形態(すなわち形状)は、その組成物を根管内に設置することができるような形
態であれば、重要ではない。好適な態様では、該ポリマー組成物の形態は糸状ま
たは繊維状である。たとえば、本明細書で意図する本発明に第二世代の管内用歯
内治療用繊維の調製に有用なポリマーは、米国特許第4,764,377号およ
び米国特許第4,892,736号に記載されている。
【0026】 管内送達方法における使用のための歯内治療用繊維の調製においては、送達特
性をさらに改変するために、あるいは作用物質の担体として役立てるために、一
定の不活性物質を含めてもよいと認識されており、かかる物質とは、溶媒、懸濁
剤、界面活性剤、粘度調節剤、および送達ビークルへの治療薬(複数の場合もあ
る)の可溶化に、または浸透速度や浸透後の薬剤の作用の制御に好適と思われる
他の薬学的に許容される物質などである。
【0027】 本発明によれば、改変された歯周用繊維または管内用繊維は当該分野で既知の
方法を用いて一つまたは複数の薬物を含浸している。本発明には実にさまざまな
薬物を単独で使用しても組み合わせて使用してもよい。本発明における使用に適
した治療剤として、次のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない
。すなわち、クリンダマイシン、テトラサイクリン、ネオマイシン、カナマイシ
ン、メトラニダゾール、カナマイシンなどの抗生物質、ヨウ素、スルホンアミド
、水銀、ビスビグアニジン、フェノール類などの抗菌剤、インドメタシン、ヒド
ロコルチゾンなどの抗炎症剤、免疫グロブリン、免疫グロブリンの抗原結合フラ
グメントなどの免疫試薬、メトトレキセートのような免疫調節剤などである。
【0028】 さらに、一部の治療形態では、最適の効果を得るために同一の送達用ビークル
中にこれらの薬剤の組み合わせを利用してもよいことが認識されている。したが
って、たとえば、ある抗生物質とある抗炎剤とを単一の歯内治療用繊維の調製物
に組み合わせてもよく、これを従来の歯内治療プロトコールのための補助として
または差替えとして使用することができると考えられる。
【0029】 薬物の選択と、それを歯内治療用繊維に組み込む用量は、特定の一組の要因に
照らして望みの治療効果を達成する繊維を作製するよう選ぶことができる。たと
えば、ある適切な抗生物質と歯内治療用繊維に組み込む用量の最初の選択は、治
療失敗に伴ってよく検出される菌種の知識、治療を施す特定の歯の状態、治療予
定日間の間隔に基づいて、実験的に選別される。根管治療中の使用に理想的な歯
根管内用抗生物質または抗菌剤(またはそれらの組み合わせ)に好適な性質は、
該薬物が、治療部位に存在する微生物のすべてまたは少なくとも一部に対して殺
菌性であり、迅速に有効であり、根管系内に深く浸透することができ、有機物存
在下で有効であり、歯根尖周囲組織を損傷せず、化学的に安定であり、無臭であ
り、無味であり、高価でないことである。実際には、記載した根管内送達方法に
使用するための治療薬の選択は、送達ビークルの薬剤への浸透性、薬剤を繊維へ
組み込むことができる用量、薬剤の毒性によって支配される。
【0030】 たとえば、クリンダマイシンは歯内治療に通常伴う細菌分類群の多くに対して
有効であり、感染部位で達成される有効濃度によって静菌作用または殺菌作用の
ある抗生物質となりうる。同抗生物質は、放線菌属、ユ−バクテリウム属、フソ
バクテリウム属、プロピオン酸菌属、微好気性連鎖球菌属、ペプトコッカス属、
ペプトストレプトコッカス属、ベイヨネラ属、プレボテラ属、ポルフィロモナス
属(Porphyromona)に対して有効である。また、クリンダマイシン暴露の結果とし
て過敏性およびアナフィラキシーが発生するのはきわめて稀である。さらに、本
明細書に提示したデータは、クリンダマイシン/EVA繊維は、再燃発生に通常
伴って見られる黒色(black-pigmented) プレボテラ属およびポルフィロモナス属
の菌に対してインビトロで活性である。クリンダマイシンは細菌リボゾームの5
0Sサブユニットに排他的に結合してペプチジル転移を妨害し、これはペプチド
鎖の延長を妨げ、最終的には細菌の蛋白合成を抑制する。(AHFS薬物情報参
考文献、388〜393(1997))。大半の感受性好気性菌および微好気性
菌についてのクリンダマイシンの最小阻止濃度(MIC)は0.1〜0.4mg
/mlであり、対応するペニシリンまたはエリスロマイシンのMICよりはるか
に低いことがしばしば観察される。発表された研究によると、1986年までの
20年間にわたり、リンコマイシンに対する細菌の感受性に顕著な変化はなく、
さらに詳細には、単離されたすべての菌種の70%〜80%はクリンダマイシン
に依然として感受性であることが示されている。これとは反対に、この同じ期間
に、アモキシシリン、セファロスポリン、エリスロマイシンについては、細菌感
受性の減退、一部では耐性の証拠が現れた(Woods、Aust.Dent.
J.33:420〜423、505〜510(1988))。
【0031】 開示された歯内治療用繊維および方法の歯内治療過程中の使用は、典型的な歯
内治療プログラムを補充するように容易に適合させることができる。従来の根管
療法は、最終的な修復を適用する前に髄腔および根管が確実に無菌となるよう、
最初の抜髄、化学物理的(chemomechanical) 挫滅組織切除、洗浄から十分な時間
を置くために、一連の何回かの通院にわたって実施される。したがって、予防法
の一環として、または確立された感染の治療のために、薬物含浸繊維の予測され
る使用には、生分解可能なポリマーは必要ではないが、随意に利用することがで
きよう。該繊維の制御された放出特性は、定期的交換の機会があるということと
あわせて、この方法を従来の歯内治療プロトコールに適合させ、局所投与がその
望みの治療効果を達成する確率を上げる。
【0032】 本明細書において特許請求され記載された改良歯周用繊維および根管内用繊維
は、開示された任意のあらゆる根管内送達方法における使用に適しているが、か
かる送達方法として、根管の予防的消毒、細菌性感染症の治療、宿主仲介炎症性
応答の減弱、歯内治療に必要な適切な根管内用薬物の持続的送達などが挙げられ
るが、これに限定されない。
【0033】 本発明を以下の非限定的実施例によってさらに詳しく説明する。本明細書で参
照したすべての文献、特許、公開された特許出願書の教示はその全体が本明細書
に組み込まれている。
【0034】 実施例 クリンダマイシン/EVA歯内治療用繊維の調製および歯内病原体に対するイン
ビトロ有効性 第一世代(歯周用)クリンダマイシン/EVA歯内治療用繊維は、歯周用テト
ラサイクリン/EVA繊維の調製に使用した方法(米国特許第4,892,73
6号に記載どおり)に従って、やや修正を加えて調製された。簡単に述べれば、
0.075gの一塩基性リン酸カルシウム(CaH2 PO4 )を10mlの蒸留
水(dH2 O)と合わせ、0.050gのリン酸クリンダマイシンおよび10m
lのdH2 Oから成る溶液に添加した。つぎにこの合わせた溶液を24時間凍結
乾燥した。得られた粉末を、45μの均一な粒径が得られるように#325メッ
シュの篩(W.S.Tyler Co.,Mentor,OH)を通してろ過し
た。得られた産物(125mg)を375mgのEVA粒子(USi Inc.
,TN)と合わせ、押出型プラストメーター(Tinius Olsen Co
.)を通して直径2.0mm、1.0mm、0.5mmに加工した。最後の押出
しで長さ250mmの繊維が得られ、そのクリンダマイシン用量はほぼ2.0m
g/10mm繊維と計算された。
【0035】 この改良歯周用クリンダマイシン/EVA繊維に対する細菌感受性を、長さ1
0mmの繊維断片を次の菌種のコロニーを形成させた血液寒天プレート上に置い
て測定した。それらの菌とは、F.nucleatum(ATCC364)、P
.intermedia(ATCC25621)、P.micros(ATCC
JH20)、S.intermedius(ATCC27335)、P.end
odontalis(ATCC35406)、P.gingivalis(AT
CC381)、P.melaninogenica(ATCC25845)、E
.lentum(ATCC25559)、V.parvula(ATCC107
90)、S.sanguis(ATCC551)、P.buccae(ATCC
33574)、P.oralis(ATCC33269)、P.acnes(A
TCC11827)である。分析プレートを嫌気チェンバー内で4日間培養した
後、生じた阻害帯をミリメータ定規を用いて測定し記録した。表1は、観察され
た阻害帯をまとめたものである。クリンダマイシンを含まないEVA繊維で構成
される対照繊維では検知できるような上記菌種の増殖阻害は得られなかった。こ
れらのデータは、クリンダマイシン/EVA繊維が歯内微生物に対する有意な抗
菌活性を有していることを示している。
【0036】
【表1】
【0037】 歯内病原体に感染した、抜去したヒト歯における細菌増殖のクリンダマイシン/
EVA繊維によるインビトロ抑制 クリンダマイシン/EVA繊維の有効性を検証するために、歯内病原体に持続
的に感染した抜去したヒト歯の使用に基づくインビトロアッセイを開発した。抜
去した32本のヒト歯(前歯および小臼歯)をセメントエナメル境で切断し、0
.04テーパーのニッケルチタンロータリー歯内治療器具(Tulsa Den
tal、Tulsa、OK)で整形し、5.25%次亜塩素酸ナトリウム(Na
OCl)で充分に清浄後、蒸留水で充分すすいだ。スミア層は除去しなかった。
つぎにこの歯を20分間蒸気滅菌し、粘着性ワックスで被覆し、歯根尖孔および
歯冠口を開存状態とした。
【0038】 最初の研究では、P.intermediaを血液寒天プレート上で増殖させ
、感染微生物として使用した。1.05gのBBLマイコプラズマブロス粉末と
ともに0.1gのブドウ糖、0.5gのヘミン、50mlのdH2 O、0.02
5gのL−システインから成る溶液(pH7.4〜7.6)を滅菌することによ
って、BBLマイコプラズマブロスを調製した。窒素を流入させながら、無菌ブ
ロスの試験管に保存寒天プレートからのP.intermediaコロニーを加
え、菌109 個/mlの濃度まで(光学密度の読みは600nmで1.0)希釈
し、次に450μlの無菌培地に50μlの細菌ブロスを添加することによって
菌106 個/mlまで希釈した。つぎに無菌歯を細菌ブロスを満たした組織培養
ウエルに入れた。これらのウエルを軽くカバーし、嫌気チェンバー内に4日間放
置した。
【0039】 試料採取のために、歯を乾燥ウエルに移し、無菌ペーパーポイントを15秒間
挿入した。こうして得た試料をつぎに1mlずつの無菌培地内に試料微生物を放
出させるために攪拌によって分散させた。窒素を流入させながら50μlの細菌
ブロスを450μlの無菌培地内に移すことによって10倍段階希釈を行い、1
-2、10-3、10-4濃度を得た。100μlの試料を血液寒天プレート上に広
げ、嫌気条件下で4日間培養した。5日目に歯を500μlの新鮮培地を含む二
つめのプレートに移し、さらに4日間嫌気培養条件に戻した。8日後、増殖陽性
を示す歯に該当するペーパーポイント試料プレートについて、コロニー形成単位
(CFU)数を測定したが、2本の歯は細菌コロニー形成がなかったため試験か
ら除外しなければならなかった。
【0040】 コロニーを形成した7本の歯を無作為に選んで対照歯として使用し(抗生物質
を含まずに作製した長さ10mmのEVA繊維を投与)、別の7本の感染歯を被
検歯として利用した(長さ10mmのクリンダマイシン/EVA繊維を投与)。
歯周用クリンダマイシン/EVA繊維は上記のようにして作製し、繊維の取り扱
いや挿入を容易にするために、生体適合性寒剤スプレー(Endo Ice)を
スプレーしてその表面粘着性を弱め剛性を高めた(こうすることで「改良歯周用
繊維」を作製した)。
【0041】 繊維を設置した後、歯を500μlの新鮮無菌培地とともに新しいウエルに入
れ、嫌気培養条件に戻した。ウエルには4日間毎日新鮮培地を補給し、この4日
目にペーパーポイントで歯の試料を採取し、上記の段階希釈および平板法によっ
て細菌コロニー形成の測定を行った。理論的にはペーパーポイントによる試料採
取ができないような位置(歯根管系内の複雑な解剖学的空間またはぞうげ細管の
ような)にコロニーを形成する菌種を確実に検出できるように、歯全体を個別に
滅菌オートクレーブバッグ内で破砕粉砕したのちに1mlの無菌培地を含む培養
試験管内に分散させた。粉砕した歯試料は、ペーパーポイント採取試料について
上述したようにして段階希釈し平板培養した。適切に希釈した血液寒天プレート
について7日後にCFU値を求めた。コロニーの同定は形態測定分析によって確
認した。対照(抗生物質なしのEVA繊維)と被検歯(クリンダマイシン/EV
A繊維)との差の統計学的分析は、母数によらないWilcoxin順位和検定
(Rank Sum Test) で行った。
【0042】 図1に示したデータはクリンダマイシン/EVA繊維がP.intermed
ia感染歯における細菌増殖抑制に有効であることを示している。クリンダマイ
シン繊維処理をした7本の被検歯はすべて、ペーパーポイント採取試料からも粉
砕歯試料からも増殖を全く示さず、これは該繊維の有効性を証明している。これ
に対して、EVA繊維処理をした7本の対照歯のうち6本は増殖陽性であった。
Wilcoxin順位和検定を用いた統計学的分析によると、ベースラインの感
染歯には繊維設置前のCFU測定値となんら有意差はなかった(P>0.05)
。クリンダマイシン/EVA処理したペーパーポイント採取試料と粉砕被検歯の
試料は対照歯と有意差があった(p<0.05)。
【0043】 第2の実験では、クリンダマイシン/EVA繊維が混合接種物による細菌感染
症を低下させる能力を評価した。16本の新たな歯を上記のように準備し、35
0μlの無菌培地と、細菌109 個/mlの濃度の50μlのF.nuclea
tum、50μlのP.micros、50μlのP.intermediaの
混合物とを含有する組織培養ウエルに入れた。ペーパーポイント採取試料を4日
後にもう一度採取して細菌増殖を確認し定量した。上記の方法で調製した改良歯
周用繊維を16本の歯(8本は対照、8本は被検歯)に4日間設置し、これらの
歯を毎日新鮮培地のウエルに移した。ペーパーポイント採取試料を得た後、歯を
粉砕し、段階希釈した試料を調製し、上記のように平板培養した。
【0044】 繊維設置の1週間後、CFU負荷量を定量し、ベースラインCFU数と比較し
た。コロニーの同定はやはり形態計測分析によって確認した。Wilcoxia
n順位和検定によると、対照歯と被検歯との差はすべて統計学的に有意(p<0
.05)であった。個々の歯について処置前後のCFU値をt検定で比較すると
、F.nucleatum群は有意差があり(p<0.05)、P.inter
media群(p<0.05)も同様であった。しかし、P.micros対照
群と被検群との差は有意ではなかった(p>0.05)。このように、図2に示
したように、クリンダマイシンの歯根管内送達は、混合接種物の場合は、P.i
ntermediaに対して最も有効であり、F.nucleatumに対して
はあまり有効でなく、P.microsに対しては、クリンダマイシンは血液寒
天プレート上のP.microsの純粋培養物の増殖を阻害するという事実があ
るにもかかわらず、あきらかに無効であった。
【0045】 シロイタチ犬歯の自己感染歯根管における細菌増殖のクリンダマイシン/EVA
繊維によるin vivo抑制 実験1 シロイタチの犬歯は歯根尖周囲病変部の誘導を検証するための歯内治療学的研
究に利用され成功しており(Fouad、Endo.and Dent Tra
uma 8:56〜62(1992))、歯内治療用繊維の設置に適合(accommo
date) するのに十分な長さと大きさがある。したがって、シロイタチの犬歯は、
クリンダマイシン歯内治療用繊維が自己感染歯根管内の細菌増殖を阻害する能力
を評価するin vivoモデル系となる。8匹の雄シロイタチ(12週令、そ
れぞれ体重約3ポンド、Marshall Farms、Rose、NY)を利
用してクリンダマイシン/EVA繊維のin vivo有効性を評価した。シロ
イタチに実験を行う30分前にアトロピンを前投薬した(0.04mg/kg、
皮下)。つぎに無菌PBS中ケタミン塩酸(30mg/kg)およびキシラジン
(3mg/kg)筋肉内投与により動物を麻酔した。必要であればケタミンおよ
びキシラジンの再投与によって補足した。32本(8匹それぞれにつき4本ずつ
)のシロイタチの犬歯の歯髄腔を外科処置によって露出させた(#2ラウンドバ
ーと高速ハンドピースを用いて)。作動長さ(working length)はX線で確認した
。歯根管系は0.04テーパーのニッケルチタンロータリー歯内治療用器具で処
置して0.30mm歯根尖を作製し無菌食塩水で洗浄した。この歯を7日間開放
放置して口腔内で細菌のコロニー形成を行わせた。つぎに自己コロニー形成した
歯を脱脂綿小球とIntermediate Restorative Mat
erial(中間修復用材)(IRM)で14日間閉鎖し、嫌気的に細菌増殖を
させ発病を促した。つぎにこれらの歯を再び開放し(全身麻酔下で)改良歯周用
繊維を設置した。8匹のうち4匹には被検クリンダマイシン/EVA繊維(1匹
あたり歯4本)、残りの4匹には陰性対照であるEVA繊維を設置した。脱脂綿
とIRMで再び閉鎖した。
【0046】 治療有効性は、この処置動物由来の粉砕歯試料を作製7日後に測定した。簡単
に述べると、動物を麻酔し、口をヨウ素およびアルコールでふき、歯をそのまま
抜き、表面をヨウ素およびアルコールで消毒してから、無菌オートクレーブバッ
グ内で粉砕した。つぎに繊維を除去し、歯の断片を窒素を流入させながら1ml
の前還元した嫌気的滅菌(PRAS)移送用培地内に入れ、直ちに検査室に送り
、上記のインビトロ試験に述べたように窒素流入下での段階希釈および平板培養
を行った。シロイタチの犬歯は一般に上記の繊維を受入れ収容(accommodate) す
るのに十分な長さがあったが、非常にカーブしているため抜歯過程が厄介であっ
た。その結果、一部の歯は破折し試験から除外しなければならなかった。
【0047】 試料を段階希釈し嫌気環境内で血液寒天プレート上で7日間培養し、CFUを
測定した。その結果得られたデータを図3Aに示した。対照歯(EVA繊維のみ
)について観察された平均CFU数は5.19×105 CFUであったのに対し
て、被検歯(クリンダマイシン/EVA繊維)については平均CFUは1.89
×105 であった。すなわちクリンダマイシン処置歯ではCFU負荷量が2.7
5分の1となった。Wilcoxin順位和検定によって、対照群と被検群との
差は統計学的に有意(p<0.05)であることが確認された。
【0048】 実験2 第2の実験では、2匹のシロイタチ(対照1匹、被検動物1匹)を使用した。
この対照動物については、4本の歯をクリンダマイシンを含まない改良歯内治療
用EVA繊維で処置し、別の第5の歯はアクセス(access)も器具処置も行わなか
ったが、最終的には抜歯し、粉砕し、試料を採取した。被検動物のほうは、3本
の歯に改良歯周用クリンダマイシン/EVA繊維を投与し、別の第4の歯は改良
歯周用テトラサイクリン/EVA繊維を投与した。ペーパーポイントおよび粉砕
歯試料を上記のように作製したが、2本は抜歯時に破折したため、データセット
には含めなかった。
【0049】 得られたデータを図3Bにまとめた。この小規模試料(small sample)について
は統計学的分析を行わなかった。しかしながら、被検歯は、対照歯と比べて、ペ
ーパーポイント採取試料について測定したCFU負荷量は6.3分の1、粉砕試
料については4.3分の1であった。テトラサイクリン/EVA繊維はクリンダ
マイシン繊維と同様な有効性を有するようであった。アクセスしなかった対照歯
は細菌増殖を示さず、この歯分離方法では歯根管外表から汚染されることはない
ことを確認した。
【0050】 上記in vivo実験の双方で得た1週間増殖後の血液寒天プレートから採
取した試料を用いて、Socranskyら(Biotechniques 1
7:788〜792(1994))記載によるDNA−DNAハイブリダイゼー
ションチェッカー盤分析を行った。各細菌分類群のコロニーを形成した歯の比率
を求めた(有無を判定)。対照歯(EVA繊維のみ)と被検歯(クリンダマイシ
ン/EVAまたはテトラサイクリン/EVA処理したもの)との比較データのま
とめを表2〜表4に示した。これらのデータは、クリンダマイシン/EVA繊維
による歯の処理は、対照繊維処理した対照歯で観察されるプロフィールと比べて
、特殊な細菌プロフィールの増殖(development) に好都合ではないことを示して
いる。
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】 発明の好適実施例に言及しつつ本発明を特定して立証し記述してきたが、付記
された特許請求の範囲によって定義される本発明の意図および範囲から逸脱する
ことなく、その発明の中で形態および詳細をさまざまに変更しうることを、当業
者たちは理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、P.intermediaをインビトロ感染させ、クリンダマイシン
/EVA繊維またはEVA対照繊維のいずれかで処置した抜去したヒト歯のペー
パーポイント試料または粉砕歯試料から分離したコロニー形成単位(CFU)数
を示す棒グラフである。
【図2】 図2A〜2Cは、F.nucleatum、P.micros、P.inte
rmediaの混合接種物でインビトロ感染させ、クリンダマイシン/EVA繊
維またはEVA対照繊維のいずれかで処置し、抜去したヒト歯から分離したCF
Uを示す棒グラフである。これらのグラフは接種物に存在する3種の細菌のそれ
ぞれに対するクリンダマイシン活性をまとめたものである。
【図3】 図3Aおよび3Bは、クリンダマイシン/EVA繊維またはEVA対照繊維の
いずれかで処置する根管治療を実施中の自己感染シロイタチ犬歯から回収したC
FU量をまとめた棒グラフである。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年4月23日(2001.4.23)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、P.intermediaをインビトロ感染させ、クリンダマイシン
/EVA繊維またはEVA対照繊維のいずれかで処置した抜去したヒト歯のペー
パーポイント試料または粉砕歯試料から分離したコロニー形成単位(CFU)数
を示す棒グラフである。
【図2】 図2A〜2Cは、F.nucleatum、P.micros、P.inte
rmediaのそれぞれの混合接種物でインビトロ感染させ、クリンダマイシン
/EVA繊維またはEVA対照繊維のいずれかで処置し、抜去したヒト歯から分
離したCFUを示す棒グラフである。これらのグラフは接種物に存在する3種の
細菌のそれぞれに対するクリンダマイシン活性をまとめたものである。
【図3】 図3Aおよび3Bは、クリンダマイシン/EVA繊維またはEVA対照繊維の
いずれかで処置する根管治療を実施中の自己感染シロイタチ犬歯から回収したC
FU量をまとめた棒グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジラッド,ジャック アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02167 チェスナット ヒル,ナンバー ワン,グレンランド ロード 18 (72)発明者 スタシェンコ,フィリップ アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02056 ノーフォーク,サフォーク ロー ド 5 (72)発明者 グッドソン,マックス アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02138 ケンブリッジ,フレッシュ ポン ド プレイス 56 Fターム(参考) 4C076 AA71 BB22 CC32 EE10A FF68 4C086 AA01 AA02 DA29 EA07 MA01 MA04 MA32 MA57 NA05 NA10 ZA67

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組み込まれた1つまたはそれ以上の薬物を有してなるコポリ
    マービークルを含有してなる、組み込まれた1つまたはそれ以上の薬物の管内治
    療部位への局所送達および持続放出に適した歯内治療用繊維。
  2. 【請求項2】 薬物が、抗生物質、抗炎症剤、抗菌剤、免疫性薬剤、および
    免疫調節剤またはそれらの組み合わせからなる群より選択されてなる、請求項1
    記載の歯内治療用繊維。
  3. 【請求項3】 薬物が、クリンダマイシン、テトラサイクリンおよびそれら
    の組み合わせからなる群より選択された抗生物質である、請求項2記載の歯内治
    療用繊維。
  4. 【請求項4】 該繊維が約0.1mm〜約2.0mmの直径を有するエチレ
    ンビニルアセテートコポリマーであり、抗生物質が10mmの繊維当たり約2.
    0mg〜約5.0mgの用量で組み込まれたクリンダマイシンである、請求項1
    記載の歯内治療用繊維。
  5. 【請求項5】 薬物が、抗生物質および抗炎症剤の組み合わせを含有してな
    る、請求項2記載の歯内治療用繊維。
  6. 【請求項6】 組み込まれた1つまたはそれ以上の薬物を有してなるコポリ
    マービークルを含有してなる、組み込まれた薬物の管内治療部位への送達および
    持続放出に適した改変された歯周用繊維であって、コポリマーがその表面厚が減
    少し、その硬性が増大するように処理されてなる、改変された歯周用繊維。
  7. 【請求項7】 (a)組み込まれた1つまたはそれ以上の薬物を有してなる
    、管内使用に適した歯内治療用繊維を得る工程; (b)該繊維が治療部位に直接接触するように根管に(a)の繊維を配置する工
    程;および (c)治療部位で繊維を維持する工程、 を含み、それにより、薬物が制御された速度で治療部位に送達される、管内治療
    部位への薬物の局所送達および持続放出のための方法。
  8. 【請求項8】 歯内治療用繊維が、改変された歯周用繊維または管内用繊維
    からなる群より選択される、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 (a)組み込まれた1つまたはそれ以上の薬物を有してなる
    、管内使用に適した歯内治療用繊維を得る工程; (b)繊維が治療部位と直接接触するように根管に(a)の繊維を挿入する工程
    ;および (c)治療部位で繊維を維持する工程 を含み、それにより抗生物質が治療部位に送達される、歯内細菌感染の治療方法
  10. 【請求項10】 歯内治療用繊維が、改変された歯周用繊維または管内用繊
    維からなる群より選択される、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 (a)組み込まれた1つまたはそれ以上の薬物を有してな
    る、管内使用に適した歯内治療用繊維を得る工程; (b)繊維が治療部位と直接接触するように、挫滅組織切除され、洗浄された根
    管に(a)の繊維を挿入する工程;および (c)治療部位で繊維を維持する工程、 を含み、それにより薬物が制御された速度で治療部位に投与される、歯内治療を
    受ける根管の消毒方法。
  12. 【請求項12】 歯内治療用繊維が、改変された歯周用繊維または管内用繊
    維からなる群より選択される、請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 (a)組み込まれた抗炎症剤を有する、管内使用に適した
    歯内治療用繊維を得る工程; (b)繊維が炎症組織と直接接触するように、挫滅組織切除され、洗浄された根
    管に繊維を配置する工程;および (c)治療部位で歯内治療用繊維を維持する工程、 を含み、それにより抗炎症剤が炎症部位に送達される、歯内治療を受ける歯の歯
    根尖周囲組織において炎症を減少させる方法。
  14. 【請求項14】 歯内治療用繊維が、改変された歯周用繊維または管内用繊
    維からなる群より選択される、請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 歯内障害の治療用薬物の製造のための歯内治療用繊維の使
    用。
  16. 【請求項16】 歯内治療用繊維が改変された歯周用繊維である、請求項1
    5記載の使用。
  17. 【請求項17】 歯内治療用繊維が管内用繊維である、請求項15記載の使
    用。
  18. 【請求項18】 歯周障害の治療用薬物の製造のための管内用繊維の使用。
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