JP2002540166A - 弱毒化デング熱3型ウイルスワクチン - Google Patents

弱毒化デング熱3型ウイルスワクチン

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attenuated
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ジョゼフ, アール. プトナク,
ドリア, アール. デュボイス,
ブルース, エル. イニス,
チャールス, エイチ. ホーク,
デイビッド ヴァウン,
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ウォルター リード アーミー インスティテュート オブ リサーチ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、弱毒化デング熱1型ウイルスのワクチン組成物を提供する。より明細には、弱毒化ウイルスはPDK細胞における連続継代によって生成される。本発明はまた、弱毒化デング熱1型ウイルスの投与によってデング熱1型ウイルスに対する防護を誘発するために個体の免疫系を刺激するための方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、現在も審理中の、1999年3月26日に出願された米国特許願通
し番号第60/126,311号、及び現在も審理中の、2000年2月11日
に出願された米国特許願通し番号第60/182,063号から、35U.S.
C.§119(e)の下に優先権を主張する。
【0002】 (導入) デング熱は、カによってヒトに伝播される4つの血清型のデング熱ウイルス、
デング熱1型、デング熱2型、デング熱3型及びデング熱4型のいずれかによっ
て引き起こされる。成人においては、デング熱感染は典型的には、発熱、筋肉痛
、頭痛、そして時には発疹を伴う、自己限定性であるが無能力化をもたらす急性
疾病である。この疾病は出血熱を合併することがあり、駆血帯試験陽性、突発性
点状出血、明白な出血、及び/又はショックとして発現しうる。デング出血熱は
、約0.5%のケースにおいて致命的である。以前のデング熱感染からの抗体を
有する患者が、その後もう1つ別のデング熱ウイルス株に感染した場合、デング
出血熱の危険性がより高いことが示されている。
【0003】 デング熱ウイルスのカベクターは、世界のすべての熱帯及び亜熱帯地域、なら
びに米国、ヨーロッパ、アフリカ及び中東の一部の温帯地域において認められる
。近年、中南米、東南アジア、インド、アフリカ、カリブ海及び太平洋領域で地
方病性及び流行性デング熱感染が発生した。ベクターの駆除は現実的ではない。
【0004】 各血清型について1つずつ、4つの弱毒化デング熱ワクチンの候補を選択する
ためにWRAIRにおいて共同調査が実施された。成功を収めた他のヒトワクチ
ンの場合と同様に、継代したウイルスを入手しうる最高と最低の継代レベルで試
験することが計画された。これらの両端のいずれかが適当と認められるであろう
と考えられた。必要に応じて、さらなる中間継代レベルを試験のために開発する
ことができる。このアプローチでは、もしあるとすれば、どのような生物学的マ
ーカがヒトにおけるウイルスのビルレンスと相関するかを予測することは意図さ
れていなかった。1つのDEN型について成功したヒトワクチンは、弱毒化の生
物学的マーカの有効性を確認し、他の弱毒化ウイルスの選択を改善することがで
きる。多数の継代レベルの評価を分離するための経験的アプローチは近代的な弱
毒化ウイルスワクチンの先例に基づく;例えば、ふ化鴨卵の数継代だけが異なる
風疹ウイルス株は、ヒトのビルレンスにおいては著しく相違していた(Hals
teadら、1970、JAMA 211,911−916)。
【0005】 初期ワクチン候補物を細胞において増殖した。デング熱ウイルス複製に関して
非許容性細胞を一次イヌ腎(PDK)細胞での増殖に馴化させることによって弱
毒化ワクチンを調製した(Halstead 1978,Asian J.In
fect.Dis.978,112−117)。予備臨床試験は、デング熱ウイ
ルス株がPDK細胞での継代によってヒト用に弱毒化できることを明らかにした
(Eckels,1984,Am J Trop Med Hyg 33,67
9−683;Bhamarapravati,1987,Bull WHO 6
5,189−195)。それ故PDK継代は、選択的弱毒化の経験的プロセスを
検討しようとするものにとって卓越したモデルを提供する。しかし、ちょうどP
DK連続継代が累積的選択プロセスを及ぼすように、もう1つ別の細胞基質での
継代はそれ自体の選択圧をもたらす。FRhL継代がヒトに対するウイルスのビ
ルレンスを上昇させる又は低下させるかどうかは不明である。十分に特性付けら
れねばならない安定な細胞系統の一度だけの使用は興味深い。しかし、FRhL
細胞に関して公表されている経験は、これらの細胞がPDKでの連続継代の間に
獲得された生物学的特性を逆転しうる又は不安定化しうることを示唆している(
Halsteadら、1984,Am J Trop Med Hyg 33,
654−665;Halsteadら、1984,Am J Trop Med
Hyg 33,666−671;Halsteadら、1984,Am J
Trop Med Hyg 33,672−678;Halsteadら、19
84,Am J Trop Med Hyg 33,679−683;Ecke
lsら、1984,Am J Trop Med Hyg 33,679−68
3)。
【0006】 PDK細胞での多数の継代レベルでデング熱ウイルスの各候補株から実験的ワ
クチンを調製した;ワクチンの調製のために経験的に選択した継代は、約10、
20、30、40、及び50であった。次に1又はそれ以上の継代レベルで種々
の血清型のデング熱ワクチン系統の安全性と免疫原性をボランティアにおいて試
験した。これらの臨床試験の目的は、単価ワクチンとして及び多成分系ワクチン
への可能な組合せとしての開発のために候補弱毒化デング熱ワクチンを選択する
ことであった。この出願では、デング熱2、3、及び4型ワクチンの試験と選択
を述べる。デング熱1型候補ワクチンの選択は既に他所で詳細に記述されている
(Edelman,1994,J Infect Dis 170,1448−
1455)。
【0007】 (発明の開示) 本発明は、弱毒化デング熱3型ウイルスを含むワクチン組成物に関する。弱毒
化ウイルスは、生理的に許容される担体と共に、ヒト宿主において免疫応答を誘
発するのに十分な量で提供され、任意に宿主の免疫応答を高めるためのアジュバ
ントを含みうる。
【0008】 それ故、ビルレントデング熱3型分離株の連続継代から誘導される弱毒化デン
グ熱3型ウイルスを提供することが本発明の1つの目的である。
【0009】 デング熱3型ウイルスに対する防護を誘導するために個体の免疫系を刺激する
ための方法を提供することが本発明のもう1つの目的である。これらの方法は、
連続継代によって弱毒化した免疫学的に十分な量のデング熱3型株を個体に投与
することを含む。本発明の弱毒化デング熱3型ウイルスはCH53489分離株
から誘導され、ブタペスト条約の下にAmerican Type Cultu
re Collection(ATCC)of 10801 Universi
ty Boulevard,Manassas,Virginia 20110
−2209,U.S.A.に寄託され、VR−2647のアクセス番号を与えら
れた。
【0010】 弱毒化デング熱3型ウイルスの純粋培養を提供することが本発明のさらにもう
1つの目的である。弱毒化ウイルスは、培養から単離された、あるいは部分的又
は完全に精製された細胞培養上清中に存在しうる。ウイルスはまた凍結乾燥する
こともでき、所望に応じて、貯蔵あるいは宿主への送達のために様々な他の成分
と組み合わせることができる。
【0011】 (発明の詳細な説明) 本発明は、ヒトにおけるワクチンの使用に適したデング熱3型ウイルスを提供
する。ここで述べるデング熱3型ウイルスは、分離株に弱毒化をもたらす突然変
異が累積するように、一次イヌ腎細胞のような適当な宿主細胞系統において感染
性デング熱3型ウイルス分離株を連続継代することによって生成される。連続継
代とは、ウイルス分離株による細胞系統の感染、宿主細胞からのウイルス子孫の
回収、そしてそれに続く、次の継代を生じさせるためのウイルス子孫による新鮮
宿主細胞の感染を指す。
【0012】 1973年にタイにおいて、1名の患者からデング熱3型CH53489分離
株を分離し、蚊の細胞系統において一度、一次ミドリザル腎臓(PGMK)細胞
系統において四度継代した。デング熱3型のビルレント(疾患を引き起こす)株
は、変株が単離されるまで継代され、弱毒化された、すなわち感染性であるが疾
患を引き起こすことはできない改変されたウイルスの分離をもたらす。これらの
修飾ウイルスを感染性の低下に関してサルで試験する。感染性の低いものをその
後ヒトにおいて試験する。ヒトは、臨床疾患の徴候を示す唯一の霊長類である。
引き起こす臨床反応性は極小から皆無であるが、まだ感染し、免疫応答を誘発す
るウイルスは、弱毒化されている。
【0013】 本発明の1つの実施形態では、弱毒化株を誘導するためにビルレントデング熱
3型分離株を一次イヌ腎(PDK)細胞において連続継代した。連続継代は、P
DK細胞をビルレント株に感染させ、感染細胞を数日間インキュベーションして
、ウイルスを含む上清培養液を採集することによって実施した。次に採集したウ
イルスを新鮮PDK細胞に適用して次の継代を作製した。
【0014】 アカゲザル胎児肺細胞(FRhL)での最終継代後、一連の異なる継代をサル
において、次いでヒトにおいて臨床作用に関して試験した。ウイルス力価を至適
にするためFRhL細胞を使用し、残りの菌株は、弱毒化を逆転させない、又は
感染性を減少させるPDK弱毒菌株を保証するために試験された。FRhL継代
1をマスターシードとみなし、FRhL継代2を生産シード、そしてFRhL継
代3をワクチンロットとみなす。ウイルスの弱毒化は、サルとヒトの試験によっ
てのみ判定することができた。継代したウイルスのビルレンス、すなわち疾患を
引き起こす能力は、体温、頭痛、発疹等を含む症状を毎日監視して評価した。こ
のウイルスがデング熱3型疾患の臨床徴候を誘発することができないと判断され
たとき、継代は弱毒化された。
【0015】 本発明の弱毒化ウイルスの増殖は、デング熱3型ウイルスの増殖を可能にする
多くの細胞系統で行われうる。デング熱3型ウイルスは様々なヒト及び動物細胞
において増殖する。ワクチン用の弱毒化デング熱3型ウイルスの増殖のための好
ましい細胞系統は、DBS−FRhL−2、ベロ細胞、及び他のサル細胞を含む
。最も高いウイルス収量は、経験的に決定されているが、通常ベロ細胞のような
異数体細胞系で達成される。細胞は典型的には約0.005〜0.01の範囲の
感染多重度で接種し、ウイルスの複製を許容する条件下で、例えば約30〜37
℃で約5〜7日間、又はウイルスが適切な力価に達するのに必要な期間、培養す
る。ウイルスを細胞培養から取り出し、典型的には既知の清澄化方法、例えば傾
斜遠心分離やコラムクロマトグラフィーによって細胞成分から分離して、所望す
る場合には当業者に周知の方法を用いてさらに精製することができる。好ましく
は、ウイルスの生存性を維持するため、精製の間は2〜10℃の温度を保持する
ように注意しなければならない。
【0016】 弱毒化ウイルスの分離に続いて、弱毒化表現型についての基礎を調べるため、
そのゲノムの塩基配列分析を実施することができる。これは、ウイルスDNAま
たはRNAを塩基配列決定し、対照ウイルスのゲノム配列と比較して弱毒化分離
株におけるヌクレオチドの変化を同定することによって実施される。それ故、ビ
ルレント株に弱毒化をもたらす分子変化を特性付けることができる。
【0017】 本発明の1つの実施形態では、弱毒化ウイルスから分離したRNAゲノムの配
列を決定し、基本型株又は親株のいずれかの対照配列と比較する。ビルレント株
と弱毒化株の間でのヌクレオチド配列の相違を同定することができる。
【0018】 本発明は、対照野生型デング熱3型の配列と比較して1又はそれ以上に配列変
化を有する弱毒化デング熱3型ウイルスを提供する。
【0019】 ここで提供する本発明の1つの実施形態は、弱毒化ウイルス子孫を作製するた
めに、配列変化を導入することを含む。そのような変化を有するウイルスゲノム
は、クローニングしたDNAにヌクレオチド変化を導入するための、当業者に既
知の標準的組換えDNA手法(Ausubelら、Current Proto
cols in Molecular Biology,Greene Pub
lishing Associates & Wiley Interscie
nce,New York,1989)によって作製することができる。次にウ
イルス子孫の産生のために宿主細胞にトランスフェクションするための適切なベ
クターにゲノムをライゲーションすることができる。
【0020】 プラスミドを介したウイルスゲノムの導入を通してウイルス子孫を生成する能
力はまた、定められた分子変化を持つウイルスを産生するためにも使用できる。
本発明のこの実施形態では、ウイルスに所望する特性、例えば低いビルレンスを
与える、変化した配列を含む安定なウイルス株を生成することができる。このア
プローチはまた、ウイルスゲノムに所望する配列変化を導入し、ゲノムからウイ
ルス子孫を作製して、特性指摘のためにウイルス子孫を回収することにより、ウ
イルスの様々な特性、すなわち抗原型、ビルレンス、又は弱毒化への分子変化の
影響を評価するためにも使用できる。さらに、このアプローチを使用して、他の
疾患に対する免疫応答を生じさせるためにウイルスによって同時に送達される、
ウイルスゲノムに挿入された異種配列を持つウイルスを構築することができる。
【0021】 規定された分子変化を持つウイルスゲノムの構築は、当業者に既知のオリゴヌ
クレオチド指定、リンカースキャニング又はポリメラーゼ連鎖反応ベースの突然
変異誘発手法のような標準的手法を用いて実施できる(ZollerとSmit
h,1984,DNA 3,479−488;BotsteinとShortl
e,1985,Science 229,1193)。移入のために適当なベク
ターにゲノムをライゲーションすることは、当業者に既知の標準的手法を通して
実施しうる。ウイルス子孫を作製するための宿主細胞へのベクターのトランスフ
ェクションは、リン酸カルシウム又はDEAE−デキストランを介したトランス
フェクション、エレクトロポレーション、プロトプラスト融合、及び当業者に既
知の他の手法のような標準的手法のいずれかを用いて実施しうる(Sambro
okら、Molecular Cloning:A laboratory M
anual,Cold Spring Harbor Laboratory
Press,1989)。
【0022】 ワクチン用には、本発明の弱毒化ウイルスをワクチン製剤として直接使用する
か、又は、所望するときには当業者に周知のリオフィリゼーション標準方法を使
用して、好ましくは安定剤中で凍結乾燥することができる(Hoke,1990
,Am J Trop Med Hyg 43,219−226)。凍結乾燥し
たウイルスは、典型的には約4℃に保持する。使用するときには、凍結乾燥ウイ
ルスを水又はその代わりに安定化溶液、例えば、下記でさらに述べるようにアジ
ュバントと共に又はアジュバントなしで、食塩水又はMg++とHEPESを含
む溶液中に還元する。
【0023】 それ故、本発明のデング熱3型ウイルスワクチンは、ここで述べるような弱毒
化デング熱3型ウイルスの免疫学的に有効な量を有効成分として含有する。弱毒
化ウイルスは、生理的に許容される賦形剤及び/又はアジュバントと共に被験者
、特にヒトに導入されうる。有用な賦形剤は当業者において周知であり、例えば
水、緩衝水、0.4%食塩水、0.3%グリシン、ヒアルロン酸等を含む。生じ
た水溶液をそのまま又は凍結乾燥して包装することができ、凍結乾燥製剤は上述
したように投与の前に再水和する。組成物は、pH調整剤及び緩衝剤、張度調整
剤、湿潤剤等のような、生理的条件に近付けるために必要な製薬上許容される補
助物質、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化カルシウム、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールア
ミン等を含みうる。
【0024】 ここで開示する生弱毒化ウイルスの投与は、非経口注射(腹腔内、皮下、又は
筋肉内注射など)、鳥類における卵注射、経口的、及び気道表面へのウイルスの
局所適用(典型的には製薬製剤中で運搬される)を含めた何らかの適当な手段に
よって実施されうる。気道表面へのウイルスの局所適用は、鼻腔内投与によって
(例えば点滴注入器、綿棒、又は製薬製剤を鼻腔内に沈着させる吸入器を使用し
て)実施できる。気道表面へのウイルスの局所適用はまた、ウイルスをエーロゾ
ル懸濁液として含有する製薬製剤の呼吸用粒子(固体粒子と液体粒子の両方を含
む)を作製して、被験者に呼吸用粒子を吸入させることなどにより、吸入投与に
よっても実施できる。製薬製剤の呼吸用粒子を投与するための方法と装置は周知
であり、従来の何らかの手法が使用できる。ワクチン接種の結果として、宿主は
少なくとも部分的に又は完全に、デング熱3型ウイルス感染に対して免疫となる
、若しくは中等度から重症のデング熱3型ウイルス感染の発現に対して抵抗性と
なる。
【0025】 本発明の弱毒化デング熱3型ウイルスを含有するワクチン組成物は、デング熱
3型ウイルス感染を生じやすい、若しくは感染の危険度が高い個人に対して、そ
の個人自体の免疫応答能力を高めるために投与される。そのような量は、「免疫
学的に有効な量」と定義される。この用途においては、その正確な量はやはり、
被験者の健康状態と体重、投与様式、製剤の性質、等々に依存するが、一般には
被験者につき約10〜10pfuウイルスの範囲である。いずれの場合も、
ワクチン製剤は、重篤なあるいは生命を脅かすデング熱3型ウイルス感染に対し
て被験者を有効に防護するのに十分な量の本発明の弱毒化デング熱3型ウイルス
を提供すべきである。
【0026】 複数のデング熱ウイルスに対する防護を実現するために、ある特定の血清型の
本発明の弱毒化デング熱3型ウイルスを他の血清型のデング熱ウイルスの弱毒化
ウイルスと組み合わせることができる。典型的には、異なる改変ウイルスを混合
して同時に投与するが、別々に投与することもできる。
【0027】 一部の場合には、本発明の弱毒化デング熱3型ウイルスワクチンを、他の薬剤
に対する防護応答を誘発するワクチンと組み合わせることが望ましいと考えられ
る。
【0028】 本発明のワクチン組成物の単回又は多回投与が実施できる。十分なレベルの免
疫を誘発するためには多回投与が必要と考えられる。血清抗体を中和する量を測
定することによって誘発される免疫のレベルを監視し、所望するレベルの防護を
維持するために必要に応じて用量を調節する又はワクチン接種を反復することが
できる。例えば、0ヶ月目と6ヶ月目にワクチンを接種することができる。
【0029】 さらにもう1つの実施形態では、本発明は、サンプル中のデング熱3型感染の
存在を検出するための方法に関する。当業者において周知の標準的な方法を用い
て、表面(すなわち保持体)、例えばマイクロタイトレーションプレート又は膜
(例えばニトロセルロース膜)にデング熱3型の全部又は一部を被覆することに
より、診断アッセイを構築することができる。デング熱3型感染を有する疑いの
ある被験者からのサンプルをプレート又は膜と接触させる。ウイルスと、サンプ
ル中のウイルスに特異的な抗原との間で形成される、生じた複合体の存在を、蛍
光抗体分光法又は比色定量のような、当業者において一般的な既知の方法のいず
れかによって検出することができる。この検出方法は、例えばデング熱3型感染
の診断のために使用できる。
【0030】 以下の実施例は例示として提供するものであり、限定ではない。
【0031】 以下の「材料と方法」を下記の実施例において使用した。
【0032】 ワクチン製造のための材料と方法。 ウイルス株。DENウイルスをヒト及びカソースから分離したあと、一次イヌ
腎(PDK)細胞培養において継代した。表1は、PDK細胞において馴化させ
、継代した株を列記している。PDK細胞での継代後、シードとワクチンの製造
のためにウイルス株をFRhL細胞にさらに馴化させた。これは、最終ワクチン
ロットの調製のためのさらなる3〜4継代から成った。やはり表1に列記してい
る非経口ウイルス株は、DENウイルス複製を許容する細胞での低い細胞培養継
代から誘導した。
【0033】 ワクチンの製造。同様の手順を用いて、FRhL細胞培養において4つの血清
型すべてについてDENワクチンを調製した。貯蔵して予備試験した(試験結果
については表2参照)FRhl細胞を液体窒素貯蔵から取り出して、150cm フラスコにおいて可欠アミノ酸、ウシ胎児血清、FBS(2%)(Biowh
ittaker,Waldersville,MD)及び抗生物質を補足したイ
ーグル最小必須培地(EMEM)(Biowhittaker,Walders
ville,MD)の細胞培養基中で平板培養した。フラスコが集密に達したあ
と、培地を取り出し、0.01MOIの投入用に希釈したDEN生産シードをフ
ラスコに接種して、32℃で1時間吸着させた。吸着と新鮮EMEM培地の供給
後、フラスコを4日間32℃に戻した。接種後4日目に、すべてのフラスコから
の培地を廃棄し、細胞単層をハンクスBSS 100ml(Biowhitta
ker,Waldersville,MD)で3回洗浄した。洗浄後、FBSの
代わりに0.25%ヒト血清アルブミン(HSA,Alpha Therape
utic Corp,Los Angeles,CA)を含むEMEM培地をフ
ラスコに供給した。さらに2日間32℃でインキュベーションしたあと、すべて
のフラスコから上清培養液を取り出してプールした。安全性試験のためのサンプ
リング後、残りの培養液をプールし、0.45ミクロンの非蛋白結合膜フィルタ
ーで濾過して清澄化した。濾過した液をプールし、15%ラクトースと5%HS
Aを含む等量の安定剤と混合した。バルクの安定化した液体を凍結乾燥まで−7
0℃で保存した。最終的なバイアル注入のために、安定化液を41℃で急速解凍
し、血清バイアル中に3ml容量で分配した。バイアルのトレーをHull凍結
乾燥器で−40℃に冷凍し、その後1日乾燥した。キャップしたあと、バイアル
をモニター付き冷凍庫において−20℃で貯蔵した。
【0034】 ワクチン試験。ウイルスの調製ならびにシードとワクチンロットのために使用
したすべての細胞バンクを汚染物質の存在に関して試験した。試験項目と結果を
表2に列挙する。いずれの生成物においても検出可能な夾雑物は認められなかっ
た。
【0035】 アカゲザルの接種。成熟雄性及び雌性アカゲザル(6〜15kg)を、上腕に
0.5mlを皮下接種してDENワクチンロット又は親ウイルスで免疫した。ウ
イルスの分離と抗体試験のための血液を、接種前と接種後14日間毎日大腿静脈
から採取した。また免疫後30日目と60日目にも採血した。ウイルス攻撃誘発
を同様に実施した。
【0036】 C6/36細胞での増幅によるウイルスの分離。C6/36細胞培養増幅によ
るウイルスの分離はPutnakら、1996(J.Infect Dis 1
74,1176−1184)によって記述されている。簡単に述べると、サルの
接種後、1日目から14日目まで毎日血液標本を採取した。血清を分離して−8
0℃で冷凍した。血清からウイルスを回収するため、解凍した血清を細胞培地中
で1:3に希釈し、これを使用してC6/36カ細胞の単層を含む25cm
ラスコに接種した。ウイルスの吸着後、フラスコをEMEM維持培地中で28℃
に保持した。7日後、培地を交換し、フラスコをさらに7日間インキュベーショ
ンした。接種後14日目に、上清培養液を傾瀉し、等量の熱不活化ウシ胎児血清
(FBS)と混合したあと−80℃で冷凍した。その後凍結標本をプラークアッ
セイによって感染性ウイルスに関して検定した。
【0037】 ここで上記又は下記において引用する資料はすべて、その全体が参照してここ
に組み込まれる。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【表2の続き】
【0040】
【表3】
【表3の続き】
【0041】 プラークアッセイ。Sukhavachanaら、1966(Bull WH
O 35,65−66)の手順に従ったアカゲザル腎(LLC−Mk,ATC
C CCL7)細胞でのプラークアッセイにより、増幅したウイルス血性分離物
から又はサル血清から直接に感染性ウイルスの力価を測定した。C6/36細胞
でのアッセイは、Putnakら、1996、前出が述べたように実施した。
【0042】 中和試験。Russellら、1967(J Immunol 99,285
−290)が使用したのと同様のプラーク減少中和試験を用いて、サル血清から
DEN中和抗体を測定した。表1に列記した親ウイルスを使用して、血清標本に
おけるプラーク減少50%エンドポイント(PRNT50)を測定した。
【0043】 実施例1 PDK細胞におけるDENウイルスの修飾及びワクチンロットの生産。ワ
クチン開発のために選択したDENウイルス株は、PDK継代に先立って様々な
継代歴を有していた。DEN−4 341750の場合は、PDK細胞培養の接
種前に一度だけカでの継代があり、DEN−1 West Pac 74株はP
DK継代の前に20のFRhL細胞継代歴があった(表1)。DEN−3を除い
て、すべての株が少ない回数のPDK継代後に馴化した。DEN−3については
、この株をPDK細胞に馴化させるために初期継代でウイルス投入量を増加する
という付加的な作業が必要であった。PDK細胞への馴化後一般的なケースとし
て、DENウイルス力価は10−10PFU/mlの範囲内と認められた。
力価を高める試みは成功せず、ワクチン産生のために代替的な細胞基質を探索し
た。このために、いくつかの理由からDBS−FRhL−2(FRhL)細胞を
選択した:1)DENウイルスは、これらの細胞においてDENワクチンの製造
を可能にする約10PFU/mlの力価まで複製する;2)これらの細胞は、
ワクチン細胞基質に関連すると考えられる有害反応を伴わずに第I相臨床試験で
試験された、いくつかのDENワクチンの調製のために使用されている;3)F
RhL細胞は、潜在的腫瘍形成作用を持たず、逆転写酵素活性や夾雑物を含まな
い正常なアカゲザル肺二倍体細胞である;4)細胞が「正常な」二倍体細胞であ
るので、ワクチンを精製するために規制上やその他の必要条件がない;5)入手
可能な低い継代細胞から出発してワクチン製造のために使用しうる細胞世代でF
RhL細胞バンクを確立することができる。それ故PDK継代は、選択的弱毒化
の実験的プロセスを検討しようとするものにとって優れたモデルを提供する。し
かし、PDK連続継代が累積的選択プロセスを及ぼすように、もう1つ別の細胞
基質でのさらなる継代はそれ自体の選択圧をもたらす。FRhL継代がヒトに対
するウイルスのビルレンスを上昇させる又は低下させるかどうかは不明である。
十分に特性付けられねばならない安定な細胞系統の一度だけの使用は興味深い。
しかし、FRhL細胞に関して公表されている経験は、これらの細胞がPDKで
の連続継代の間に獲得された生物学的特性を逆転しうる又は不安定化しうること
を示唆している(Halsteadら、1984,Am J Trop Med
Hyg 33,654−665;Halsteadら、1984,Am J
Trop Med Hyg 33,666−671;Halsteadら、19
84,Am J Trop Med Hyg 33,672−678;Hals
teadら、1984,Am J Trop Med Hyg 33,679−
683;Eckelsら、1984,Am J Trop Med Hyg 3
3,679−683)。
【0044】 PDK継代したウイルスのFRhLへの馴化は、DENウイルスのすべての株
について一様に成功し、PDK継代には依存しなかった。FRhL継代1−4の
採集物からのウイルス力価は10−10PFU/mlの範囲であった。第三
−第四FRhL継代までに、すべてのDEN株セットウイルスのワクチンロット
を調製し、表2に列記されているように試験した。FRhL細胞バンク試験なら
びにマスターシードと生産シード試験についてのデータも表2に示している。安
全性と汚染がないことを確認するために必要なこれらの試験の結果は、陰性若し
くは許容される規格内であった。DEN−4 341750 PDK−20生産
シードについては、サルの神経ビルレンス試験を実施した。この試験の結果はH
oke,1990(Am J Trop Med Hyg 43,219−22
6)に認められる。比較のために使用したDEN−4生産シードならびにDEN
−4親ウイルスは神経病発生性ではなかった。残りの候補DENワクチンが神経
ビルレンスについて評価する必要があるかどうかは、この実験ならびにDENサ
ル神経ビルレンスの他の試験(個人的通信)からのデータに基づき、疑わしいま
まである。
【0045】 実施例2 PDK継代したDENウイルスを接種したアカゲザル。PDK細胞で継代した
、「株セット」と称されるDENウイルスの感染性を、各々の血清型について修
飾していない親ウイルスと比較した。表3はこれらの試験の結果を列記したもの
で、接種後2週間連続的に採取した血清においてウイルス血が認められた日数に
よってサルの感染性の度合を測定した。サルの親ウイルス接種は、それぞれDE
N−1、DEN−2、DEN−3及びDEN−4で接種した3〜4匹のサルの群
において6.8、5、3、及び4.7の平均日数を生じた。DEN−2親ウイル
スについては、付加的なデータ(示していない)により、同様のサルと分離手法
を使用して測定可能なウイルス血を有する感染が経時的に極めて再現可能である
ことが実証された。残念ながら、サル血清におけるウイルス力価に関しては部分
的なデータしか存在しない。存在するデータの大部分が、サルのウイルス血をカ
の細胞培養で力価測定したDEN−2親ウイルスに関する経験からのものである
。接種後4〜8日目のピークウイルス力価は、10PFU/ml血清に達する
力価を示した(Putnakら、1996、前出)。
【0046】 各々の株セットに関して、PDK継代は、サルに感染するウイルスの能力低下
が示すようにDENウイルスの修飾をもたらす。株セットのいくつかについては
、最も高いPDK継代でウイルス血が全く存在しないことにより、これが明瞭に
実証された。PDK継代27のDEN−1によるサルの接種は、4匹のサルにお
いてウイルス血0日との結果を生じた。これは、試験した合計56の血液からの
分離物が0であることを意味する。DEN−3 PDK−20及びPDK−30
についても同様の結果を認めた。このウイルスに関してPDK−30で、サルの
感染性のすべての証拠が喪失した、すなわち10PFUのウイルスで接種した
サルにおいてウイルス血及びセロコンバージョンが全く存在しなかった。DEN
−2株はサル感染性の改変に達するまでに最大数のPDK継代を必要とした。こ
のウイルスに関しては、ウイルス血低下のためにPDK細胞培養で少なくとも4
0の継代が必要であった。この経験と対照的に、DEN−4株341750は、
サル感染の改変のためにPDK細胞での6継代しか必要としなかった。もう1つ
のDEN−1株、1009については、50PDK継代後でも、親ウイルスと比
較してサル感染の改変の証拠を認めなかった(データは示していない)。結論と
して、PDK細胞継代は様々なDEN分離物の修飾と弱毒化のための有効な経験
的方法であると思われる。これは、PDK複製には適するが、サル及びヒトにお
ける標的細胞での複製には必ずしも適さないウイルス個体群にとって、おそらく
選択圧を及ぼすDENのためには不自然な宿主である。
【0047】 ヒトにおける候補ワクチン試験のための材料と方法 ボランティア。18−45歳の健常男性及び女性ボランティアを、血液化学、
血液学、プロトロンビン時間、部分トロンボプラスチン時間、検尿、急速血漿レ
アギン試験、及びB型肝炎表面抗原とHIVに対する抗体についての血清学を含
めて、一連の試験によって検査し、スクリーニングした。持続性の有意の異常又
は試験陽性に基づいてボランティアを除外した。女性ボランティアは、ワクチン
接種前48時間以内に妊娠試験陰性であり、ワクチン接種後3ヵ月間従来の避妊
法を使用して妊娠を避けることを言明した同意書に署名することに異存がなけれ
ば、参加に適格とした。さらに、ボランティアが、デング熱ワクチンへの応答に
影響を及ぼす可能性のあるフラビウイルス(Scott,1983,J Inf
ect Dis 148,1055−1060)の免疫を以前に獲得している場
合、あるいはネオマイシン、ストレプトマイシン又はゲンタマイシンに対するア
レルギーの既往歴がある場合には除外した。以前のフラビウイルス免疫は、デン
グ熱1−4型、日本脳炎、又は黄熱病に対する検出可能な赤血球凝集反応阻害抗
体を有しておらず(1:10の血清希釈で)、黄熱病ワクチン又はフラビウイル
ス感染の経歴がないことと定義した。
【0048】 臨床試験のすべての局面についての知識を調べるためにデザインされた筆記試
験でボランティアは≧70%と採点された。その後US 21 CFRパート5
0−「ヒト被験者の保護」に従って各ボランティアからインフォームドコンセン
トを得た。臨床プロトコールは、ヘルシンキ宣言(プロトコール)、及び陸軍規
制70−25−「研究の被験者としてのボランティアの使用」及び40−7−「
人体における治験薬の使用及びスケジュールI規制物質の使用」を含めて、すべ
ての関連規制条件に適合した。試験は、ヒト被験者試験審査委員会、公衆衛生局
、合衆国陸軍、WRAIR人体用研究委員会、及び試験薬審査委員会、バルチモ
アのメリーランド大学によって承認された。
【0049】 試験ワクチン。試験ワクチンは表4に列挙されている。ワクチンウイルスは、
シードとワクチンを調製するため、一次イヌ腎細胞において繰り返し継代し、次
いで3回の最終継代としてアカゲザル胎児肺(FRhL)連続二倍体細胞培養に
おいて継代した。ボランティアでの治験の前に、各候補物が、ワクチン接種した
アカゲザルにおいてその野生型親ウイルスに比べて実質的に低いウイルス血を誘
発することを確認した。アカゲザルの感染によって測定した十分な弱毒化は、デ
ング熱ワクチン株がヒトでの試験のために適切なワクチンであることを示唆した
【0050】 免疫の直前に、凍結乾燥ワクチンのバイアルを注射用滅菌水(USP)で還元
した。免疫後、再水和したワクチンの未使用部分を氷上に保持し、4時間以内に
LLC−MK細胞単層において力価測定した(Sukhavachanaら、
1966、Bull WHO 35,65−66)。各々のボランティアは、注
射した候補ワクチンに応じて1.0×10及び4.5×10pfuのウイル
スを摂取した(表4)。個々の試験ワクチンの継代歴を下記に要約する。
【0051】
【表4】
【0052】 デング熱1型45AZ5ワクチン: 1974年にナイル島(Nairu I
sland(Western Pacific))でのDEN熱のヒト患者より
DEN−1株West Pac 74が単離された。単離物をFrhL細胞培養
液中で20回継代培養し、ワクチンロットを調製した。継代培養には、弱毒化さ
れ、ヒトワクチン接種に好適であったウイルスを回収するための、変異促進およ
びプラーク選別が含まれた。2人のヒトボランティアへのワクチン接種に続き、
ボランティアのうち1人におけるDEN疾患のためにワクチンの使用を中止する
決定をした。ワクチンをさらに、PDKおよびFrhL細胞培養液中での継代に
よって弱毒化した。現在の候補ワクチンはDEN−1 45AZ5 PDK−2
0である。
【0053】 デング熱2型S16803ワクチン: デング熱2株S16803ウイルスは
デング熱の患者からのタイウイルス単離物に由来した。ウイルスを、合計50P
DK継代し、最終継代は、接種およびワクチン産出のためにアカゲザル胎児肺二
倍体細胞(DBS−FRhL−2)中で行った。2つのワクチン候補を最初に3
0回目および50回目PDK継代レベルで調製し、試験のために選別した。他の
ワクチン候補は、同様のデング熱2親株S16803ウイルスからWRAIRに
て作り出され、サルク研究所(Salk Institute、Swiftwa
ter,PA)による40回継代レベルにて産出された。
【0054】 デング熱3型CH53489ワクチン: デング熱3型株CH53489ウイ
ルスはタイ株より由来し、初代緑色サル腎臓(PGMK)およびC6/36昆虫
細胞中での初期継代の後、初代イヌ腎臓(PDK)細胞中で30回継代した。P
DK継代10、20および30からのウイルスを、胎児アカゲザル肺二倍体細胞
培養を接種するのに使用した。
【0055】 デング熱4型341750カリブワクチン: デング熱 4ワクチン候補は、
デング熱4のカリブ株(Columbia,1982)より由来し、ハワイ大学
にて継代され、WRAIR(Marchette,1990,Am J Tro
p Med Hyg 43,212−218)にて製造された。親ウイルスに対
する抗体は、始原型H−241を含む他のデング熱4ウイルス株を中和する。ヒ
ト単離物の弱毒化は初代イヌ腎臓(PDK)細胞培養液中で20回継代すること
で実施した。
【0056】 研究設計 標準の無作為化した、単一盲検入院患者臨床プロトコールをすべて
のパイロット研究のために使用した。大部分の研究はメリーランド大学のワクチ
ン発展センター(the Center for Vaccine Devel
opment,University of Maryland、Baltim
ore MD)で実施した。デング熱2 S16803 PDK 40ワクチン
およびデング熱4 CH341750 PDK 20ワクチンのパイロット研究
は感染疾患米軍医学調査機関(USAMRIID)の医学部門(United
States Army Medical Research Institu
te of Infectious Diseases,Ft Detrick
,MD)にて実施した。
【0057】 ワクチンの初期臨床研究において、特定の株に関する最も高い入手可能な継代
を3人のボランティアでまず試験した。症状をほぼ3週間モニタし、もしボラン
ティアが良好なままであったならば、次により低継代を試験した。1人またはそ
れ以上のボランティアが病気になった場合、より低い継代がより弱毒化される可
能性があったことが推定されたときにはワクチン株のより低い継代を試験するこ
とは実施しなかった。3人のボランティアにおいてすべての許容可能な継代レベ
ルを試験した後に、疾患を引き起こさなかった最も低いレベルを、7人までのさ
らなるボランティアでの試験のために選択した。
【0058】 注意深い観察を可能にし、外来感染性疾患への曝露を防ぎ、可能性のあるベク
ター蚊の感染を防ぐために、ボランティアを、接種前3日間より免疫化の後20
日間まで調査棟に閉じこめた。ひどさ、またこれらがワクチン接種に関連したと
考えられるか、考えられなくいかに関わらずに、それぞれのワクチンの投与に続
くこの期間内に起こったすべての副作用を記録した。ワクチンの許容可能な安全
性を以下の深刻な副作用のない状態としてあらかじめ定義した。ワクチン接種に
関連しない診断によって示されない任意の深刻な臨床疾病、持続性熱(24時間
にわたる4回の測定で口内温度が≧38.5℃である、最大日口内温度が3連続
日にて≧38.5℃である、または任意の別々の測定で40℃を超える温度であ
る)、2連続測定における、血小板減少症(100,000血小板/mmより
少ない)または白血球減少症(絶対的好中球数<1000)、または別な方法で
説明できない3またはそれ以上の連続日での正常の4倍以上の血漿アミノアラニ
ン変換酵素(ALT)濃度。さらに、ワクチンの使用に関連する可能性ある任意
の明らかな副作用を示唆していたであろう事柄を深刻な事象として詳細に記録し
た。
【0059】 ボランティアに、第0日に希釈していないワクチン、0.5mlを皮下に接種
した。免疫後、生存兆候を6時間毎に記録した。注射部位を試験し、紅斑の最大
直径および硬化を毎日測定し、記録した。臨床的な兆候(熱[>37.8℃]、
発疹、嘔吐、点状出血および肝臓、脾臓肥大)および症状(倦怠感、頭痛、筋肉
痛、関節痛、悪心、目の痛みまたは光恐怖症)を、免疫後最初の20日間毎日査
定した。症状は中度(症状に気づくが、棟で活動を続けた)または重度(症状に
よりベットでの生活)として等級化した。ボランティアによって要求された場合
、いたみの症状はプロポキシフェン ヒドロクロライドで処置し、解熱剤は使用
しなかった。観察を症状および身体的な発見の標準のチェックリストで記録した
。ボランティアを21日目に試験棟より出し、接種の後1、6、12および24
ヶ月の連続研究のために戻ってもらうことを要求した。
【0060】 2人の健康なフラビウイルス免疫ボランティアを、デング熱1 45AZ5ワ
クチンの親株にてUSAMRIIDにて免役し、2年後デング熱3 CH534
89ワクチンの親株で免役した。本研究からの医学的記録を、以下の兆候および
症状、熱、発疹、倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛および目の痛みまたは光恐怖症
が存在するか存在しないかに関して吟味した。ウイルス血症を毎日測定した。本
試験と対照的に、症状を体系的に記録はせず、症状の程度を等級化しなかった。
さらに、後の研究の間にUSAMRIIDにて8人のボランティアに与えたデン
グ熱4 341750カリブPDK 20での臨床的な事象を抜粋し、要約して
、現在のワクチンのそれと比較した(上記Hoke,1990)。
【0061】 研究室評価 血液をボランティアより定時的に入手可能なヘモグロビンおよび
ヘマトクリット、示差計数での白血球数計数、血小板計数およびアスパラギンア
ミノ転移酵素(AST)およびアラニンアミノ転移酵素(ALT)濃度に関する
医学的試験のために一日おき、および第31日に回収した。さらに、血液をウイ
ルス単離および抗体研究のために1日おきに第20日まで回収した。血液(20
ml)を≦2時間、4℃にて凝血させ、血漿を1ml分液でデカントし、冷凍し
、研究まで−70℃にて保存した。
【0062】 ウイルス単離 デング熱ウイルス血症の決定のために、血清を融解し、C6/
36蚊細胞単層上に植え付け、14日間28℃にてインキュベートした。上清培
養液回収液を、LLC−MK細胞でのプラークアッセイによってウイルスに関
してアッセイした(Sukhavachanaら 1966,Bull WHO
35,65−66)。血清中のウイルスの量を定量するために、プラークアッ
セイをヒトスジシマカ(Aedes albopictus)蚊細胞のC6/3
6クローン上で実施した(上記Hoke,1990)。細胞培養フラスコを血漿
の希釈物で接種させ、1〜2時間35℃にて吸収させた。ハンクスの平衡塩溶液
(Hank’s Balanced Salt Solution)および0.
75%アガロース、5%ラクトアルブミンヒドロライセート、0.12M Na
HCOからなるオーバーレイ培地および抗生物質を加え、すべてのフラスコを
35℃にてインキュベートした。7日後、フラスコを5%液体ニュートラルレッ
ドにて3〜5時間染色した。過剰の染料を取り除き、プラークを18時間後に読
んだ。
【0063】 血清学 抗体試験には、試験しているワクチンでの株と同一の血清型のデング
熱ウイルスを用いて行うELISA、HAIおよびプラーク減少中和試験(PR
NT)が含まれる。抗デングIgM抗体の検出はELISAを改変して実施し、
値>0.10 OD単位を陽性と見なした(上記Innis,1989)。HA
I試験を、アセトンで抽出した血清を使用して、4〜8ユニットの個々の抗原を
用いてマイクロ容量まで改変した標準技術によって実施し、阻害剤、9Clar
keとCasals,1958,Am J Trop Med Hyg 7,5
61−573を取り除いた。PRNTアッセイはRussellら (上記Ru
ssell,1967)によって記載された方法にて実施した。
【0064】 統計学的解析 継代レベルと反応性の頻度および厳格さの間の関係を、それぞ
れ傾向およびスペアマン相関に関するコクラン−アーミティッジ(Cochra
n−Armitage)試験を用いて、デング熱2ワクチンS16803(PD
K 30、40および50)とデング熱3ワクチンCH53489(PDK 1
0および20)に関して解析した。症状および兆候は独立的に、存在または非存
在、目症状、頭痛、倦怠感、筋肉痛、関節痛、発疹および熱(体温>37.8℃
)を経験した日数を含めて解析した。より高いPDK濃度がより低い反応性に関
連しないという無益な仮説を、5パーセントの確率で評価した。データの観察に
より、それぞれのウイルスに関する最適な継代レベルを、それぞれのボランティ
アの臨床的および免疫学的応答に基づいて決定した。許容できない副作用を引き
起こさず、しかし約80%のボランティアを免役した継代レベルを、U.S.
Army Medical Research and Developmen
t Command’s Flavivirus Vaccine Steer
ing Committeeによるさらなる発展のために選択した。
【0065】 ワクチンによる感染の定義 ワクチンによる感染は、ボランティアにおけるデング熱ウイルスの複製として
定義し、免疫後での血清型特異的中和抗体またはIgM抗デング熱抗体の存在に
よって検出した。ウイルス血症には、抗体応答がない状態では検出されないよう
な感染の診断に必要なものとしては含まれない。ワクチン失敗は、許容不可能な
逆臨床的応答または回復期IgMまたはPRNT抗体の発達の失敗として定義す
る。
【0066】 実施例3 弱毒化デング熱ワクチンに対する臨床的応答 デング熱2 S16803ワクチン PDK細胞中での第50回継代より産出したデング熱2株S16803ウイル
スを、3人のボランティアで検査した。ボランティアは健在であり、口内温度は
>38.0℃にはならなかった。3人のボランティアのうち2人が、一過性の中
程度の症状、嫌悪感、頭痛および目症状(目の痛みまたは光恐怖症)を経験した
。研究室での発見には、3人のうち2人で中程度ALT上昇(<2×正常)、そ
して3人のボランティアのうち1人での中程度の白血球減少症が含まれた。PD
K50ワクチンが許容可能な安全特性であったので、次のより低い入手可能継代
、PDK30を臨床的評価に関して選択した。
【0067】 10人の被験者にて試験したPDK30ワクチンは弱毒化されており、デング
熱を和らげるために穏やかに適合性のある症状を起こした。4人のボランティア
(40%)は、ワクチン後9〜14日にわたりTmax38.5℃の低程度の熱
を持った(中央日12)。80%が発疹を起こした。大部分のボランティアが目
の症状(10/10)、頭痛(9/10)および倦怠感(9/10)を経験し、
一方70%が>1の頭痛、目の痛みおよび光恐怖症、倦怠感、または筋肉痛の重
度の症状であった。3人のボランティアがそのアラニンアミノ転移酵素(ALT
)および肝臓病理の程度が中程度上昇した。
【0068】 PDK30ワクチンはとても反応原性であるので、さらにボランティアにおい
て試験することができないと考えられたので、PDK40ワクチンをマスターシ
ードより産出した。PDK40を接種した3人のボランティアのうち2人は、ワ
クチン後9〜10日に、低程度体温(<38.1℃)、発疹、倦怠感および頭痛
を伴う中程度のデング熱様症候群を示した。症状は薬物療法に対する無能性また
は必要性なしに数日にわたって自発的に解決した。症状に伴って、血清肝臓酵素
の予期しない上昇があり、1人において199 IU/mlの最大ALT濃度(
正常の4倍)、他において77 IU/mlの最大ALT(正常から1.5倍上
昇)であった。三人目のボランティアは無症候性のままであったが、しかしまた
ALTが2倍上昇した(〜最大10)。すべての研究室での異常は干渉なしに
数日以内に解決し、すべてのボランティアはワクチンの受容後21日には良好な
健康で解放した。PDK40に関連した肝炎事象の異常な頻度のために、この産
物に対するさらなる発展は計画しなかった。
【0069】 表5は、WRAIRデング熱2ワクチンでの初期臨床的実験を要約している。
熱および発疹の兆候の頻度の減少が、継代レベル30と50ワクチンの間で見ら
れる。さらに、継代を増加させるにしたがって、Tmax 38.5℃から正常
までの口内温度の下落があり、しかし1日を超えての熱の期間の変化はない。デ
ング熱2ワクチンに関して、目の症状、発疹、頭痛、倦怠感および筋肉痛の頻度
および期間は明らかに継代レベルと相関した。
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】
【表8】
【0074】 デング熱3CH53489ワクチン WRAIRにて開発されたデング熱3
ワクチン(CH53489、PDK 0)を、2人の健康な黄色熱−免疫男ボラ
ンティアに、2×10pfuのウイルスの皮下接種0.5mlとして投与した
。即時免疫後経路は普通であった。6日まで、両ボランティアは、高熱、悪寒、
筋肉痛、頭痛、倦怠感および散在性紅斑発疹によって特性化される適度に重度な
デング熱の病気であった。両ボランティアは血小板減少症および白血球減少症を
発生させたが、出血性熱の兆候はなかった。5日間持続した熱の期間の後、両人
はすぐに回復し、21日までにはよくなった。両方の被験者によって重症疾患が
経験されたために、本継代レベルのさらなる試験は実施しなかった。続いて、P
DK10およびPDK20継代レベルをワクチン候補として調製した。
【0075】 PDK20ワクチンを6人のボランティアに与え、結果として穏やかな反応原
性となった。1人の被験者が、3日目に一過性熱(Tmax 38.2℃)、咽
頭炎および頭部リンパ節症を伴う早期熱疾患を経験した。デング熱ウイルスはボ
ランティアの血清からは単離されなかった。本被験者は熱を伴う介入疾患を持っ
ていたことが考えられたが、これは直接的にワクチン接種に関連しなかった。6
人のボランティアのうち4人が、発疹のない短期間の穏やかなデング熱症状を起
こし、関節炎、目の痛みおよび頭痛が最も頻度のある病気であった。しかしなが
ら、1人のボランティアは、3日間さらに重度な頭痛、倦怠感および目の痛みの
症状を示した。彼はまた白血球減少症を発生させ、ALT濃度の上昇が維持し、
これらの研究所での異常は、31日時点での追跡で解決した。他のボランティア
は、2×正常より少ないところまで、穏やかで逆転可能なALTの上昇のみを持
った。PDK20ワクチンはわずかに許容可能である反応原性をもち安全であっ
たので、次に最も低い入手可能継代ワクチンウイルス(PDK10)を試験した
【0076】 PDK10ウイルスは、レシピエントにおいてとても反応原性であることが判
明した。3人のボランティアのうち1人が第10日および第11日にて低級熱(
Tmax 38.3℃)を、そして13日間鮮紅色発疹を発生させた。他のボラ
ンティアは、ワクチン後6〜9日での歯肉形成および減衰蕁麻疹、および過敏頸
部および腋窩リンパ節に関連したかゆみを発生させた。彼は続いて、10〜12
日に、倦怠感、頭痛および筋肉痛を伴った斑点状丘疹発疹をおこした。このボラ
ンティアは、ワクチンに対する特異体質アレルギー応答、続いて典型的なデング
熱様疾患をおこした可能性がある。これらの2人のボランティアはまた、白血球
減少および<2×正常までのALT濃度の上昇の研究所異常を起こし、これらは
31日目での追跡で解決した。
【0077】 表6は、デング熱3 CH53489ワクチンに対する応答を要約している。
継代を経ての兆候および症状が少ない頻度およびより短い期間の傾向があったけ
れども、継代はどちらの解析でも統計学的に有意にまでは到達していない。
【0078】 デング熱4 341750ワクチン 8人のボランティアに10PFUの
PDK 20ワクチン(上記Hoke,1990)を与えた。5人のボランティ
アがかろうじて気づくことのできる斑点、分岐発疹および最低温度上昇(最大3
8.1℃)をおこした。ウイルス血症および抗体応答がまたこれらの5人のボラ
ンティアで起こった(63%)。
【0079】 新規DEN−4 341750候補ワクチンをPDK継代15より調製し、こ
れはより低継代がより伝染性である可能性を予想した。3人のボランティアにこ
のワクチンを与え、2人は最小症状を経験した。三人目のボランティアは、熱、
顔面および四肢の浮腫性肥大、重度の倦怠、発疹、目の痛み、光恐怖症および関
節炎を伴い、8日目に突然病気になった。続く3日間にわたり、熱がTmax
39.6℃で維持したが、兆候および症状は自発的に解決した。ワクチンに対す
るこの連続的な副作用のために、PDK−15ワクチンのさらなる使用を終了し
、PDK−20をさらなる評価のために選択した。
【0080】 実施例4 ウイルス血症および弱毒化デング熱ワクチンに対する免疫応答 表7はWRAIRデング熱ワクチンでのウイルス血症および免疫応答を記述し
ている。個々のワクチンの感染性を以下に要約する。
【0081】 デング熱2 S16803ワクチン PDK50ワクチンのレシピエントはウ
イルス血症をおこし、3人のうち2人までが、60日までに低タイター中和抗体
を産出した。これらの発見は、ワクチンウイルスがヒトに対する感染性を減少さ
せたことを示唆していた。反対に3人のうち2人のデング2PDK40ワクチン
接種者はあきらかなウイルス血症を持ち、すべてがワクチン接種後に高タイター
抗体を産出した。予想したように、デング熱2 PDK30ワクチンの感染性は
最も高く、ウイルス血症がすべての10人のボランティアにて検出され、すべて
の被験者は60日までに>1:60の中和抗体力価でセロコンバートした。
【0082】 デング熱3 CH53489ワクチン ワクチンの温度感受性および小プラー
ク表現型を残しているデング熱−3ウイルスが、デング熱3 PDK0ワクチン
の2人の黄熱病免疫レシピエントで6および7日間回収された。続いて、第二感
染様交差反応性を持つ高力価化PRNT50および凝血阻害(HAI)抗体を、
両方のボランティアから30および60日に回収した血清中で測定した。感染性
はデング熱3 PDK10弱毒化ワクチンを与えた被験者で同様であり、3人の
うち2人がウイルス血症を起こし、ワクチン接種がすべてにおいて中和抗体を誘
導した。対照的に、6人のデング熱3 PDK20ワクチンの内2人が、検出可
能なウイルス血症をもち、3人のボランティアが続いてセロコンバートし、これ
が感染性の減少を反映している。
【0083】 デング熱4 341750ワクチン 8人のボランティアに10PFUの
PDK20ワクチンを与え、5人(63%)でウイルス血症および抗体応答が起
こった。この候補のより低い継代より調製したワクチンであるPDK15はより
感染性である。ウイルスを、ワクチン接種の後8および10日に、一人のボラン
ティアより単離し、最大力価は15 pfu/mlであった。このボランティア
は続いて、第二HAI応答を伴う450の中和抗体力価をおこし、すでにセント
ルイス(St.Louis)脳炎ウイルス(ワクチン接種の前、PRNTタイタ
ー1:20)に曝露されていたことがわかった。検出可能なウイルス血症を持た
ない2人のボランティアが、ワクチン接種後30日までに1:10および1:4
0の中和力価をおこした。
【0084】 実施例5 候補ワクチンの選択 WRAIR PDK−弱毒化ワクチンの安全性試験の長期プログラムを表8に
示し、それぞれの血清型に対するワクチンの顕著な特性を列記している。PDK
継代を増加させることにより、結果としてボランティアあたりの症状の期間およ
び数を査定した平均疾病スコアが減少した。さらに、PDK継代の増加はまた、
デング熱4ワクチンを除いて、ウイルス血症の平均日数の減少に関連した。試験
したデング熱2、3および4のワクチンのうち、ただ1つの継代レベル、デング
熱2 PDK50、デング熱3 PDK20およびデング熱4 PDK20が安
全であり、許容可能に反応原性であり、長期臨床試験に好適であると判断された
。しかしながら、感染したレシピエントの割合は、PDK継代レベルの増加と共
に減少した。中和抗体力価≧1:10の割合として定義したセロコンバートは同
様に、明白な信頼区間内で減少した。
【0085】 討議 WRAIRは生弱毒化デング熱ワクチンの発展に長年にわたって関わってきた
。WRAIRとMahidolデング熱ワクチンプログラム両方が、イヌ腎臓(
PDK)細胞での(細胞培養液中で成長を繰り返した)いくらかの継代を介して
弱毒化することで、さまざまな生ワクチンを発展させてきた。少数のボランティ
アでのパイロット試験の結果は、WRAIR候補ワクチンの安全性を確立した。
65人のレシピエント内のボランティアはだれも、継続した深刻な傷の緊急の処
置を必要としなかった。3人のボランティアが、デング熱ワクチン接種に関連し
た一過性の特異体質的応答を患い、結果として彼らが受けたワクチンのさらなる
臨床的発達離脱となった。やっかいである中での弱毒中のワクチンの実験的感染
は許容可能であった。
【0086】 臨床的経験は、ワクチンウイルスのPDK継代の増加が、ボランティアに対す
る弱毒化を増加させることを示した。この効果は、デング熱1およびデング熱3
ウイルスで最もよく見られ、そこで親非継代ウイルスは結果として、改変してい
ないデング熱および続く20 PDK継代許容可能反応原性となる。しかしなが
ら、PDK継代の増加はワクチンウイルスの感染性を減少させ、結果として免疫
原性の減少となる。さらに、ヒトでのワクチンウイルスのウイルス血症の減少は
、(デング熱4 PDK15を除いて)アカゲザルでのそれと相関するように見
える。これらの発見は、ボランティアでの弱毒化デング熱ウイルスワクチンの感
染性が免疫原性と同等であることを証明した。継代レベルと反応原性の間の関係
は、1つの症状を経験した被験者が、いくつかの症状を経験する可能性があるの
で、用心して説明されるべきである。本発明者らの解析方法は、これらの症状の
独立性を仮定しているので、独立P−値に基づいた解釈は不明確であり得る。ま
た、本発明者らは、発疹が、継代レベルとの強い関連を示していると信じている
(存在に関して独立P=0.009、期間に関してP=0.01)。これは、デ
ング熱2または3ワクチンいずれかに関して、発疹と他の症状の間の有意な相関
の欠如によって支持される(Spearmanの試験)。
【0087】 許容可能な安全性特性を持つワクチンのみ、デング熱1 45AZ5 PDK
20、デング熱2 S16803 PDK50、デング熱3 CH53489
PDK20およびデング熱4 341750 PDK20を、長期臨床試験に関
して選択した。少数のボランティアのためのセロコンバートでの明白な信頼区間
のために、続く試験は、それぞれの4つの選択したワクチンのレシピエントの数
を増加するように探索した。さらに、さらなる試験は、これらの弱毒化ワクチン
の免疫原性を、これらの試験のために使用した単一用量の代わりに2つの用量で
の投与を介して押し上げることができるかどうかを決定するために探索する可能
性がある。
【0088】 実施例6 一価ワクチンの長期研究;2用量で与えた一価ワクチン、1および2用量として
与えた四価形式として混合した一価ワクチン
【0089】 研究設計: これらの目的は、単一投与として、続いて2用量ワクチン接種ス
ケジュールによって与えた4つの一価ワクチンの安全性および免疫原性を評価す
ることであった。続いて、組合せ四価ワクチンの安全性および免疫原性を評価し
た。被験者は、2つの場所、Baltimoreのメリーランド大学およびWR
AIR,Washington DCから別々に採用した。22人の被験者の最
初の集団を、4または5人の4群に分けそれぞれ単一用量の一価デング熱または
黄熱病17Dウイルス(Connaught)どちらかを与えた。17D黄熱病
ワクチンを反応原性の対照およびベンチマークとして利用した。他の31人の被
験者を、1つの一価ワクチンの2用量、1ヶ月の時点で半分と3ヶ月の時点で残
りの半分を与えた7〜8人の4群に分けた。最後に10人のボランティアに2ま
たは3用量の四価ワクチンを与えた。最初の4人の四価レシピエントには0およ
び1ヶ月の時点でワクチン接種を行った。残りの6人の四価レシピエントには0
、1および4ヶ月の時点でワクチン接種した。10人の四価ワクチンレシピエン
トを除くすべての被験者に、無作為に、二重盲検形式でワクチン血清型を与えた
【0090】 被験者: 被験者は正常な健康な成人で、年齢18〜50歳であった。すべて
の被験者はB、C型肝炎およびHIVに関して血清陰性であった。すべての被験
者は、研究に入る前の凝血阻害アッセイによってデング熱1〜4、JE、SLE
およびYFに対して血清陰性であった。
【0091】 ワクチン: 4つの血清型ワクチン候補はもともと臨床疾患であるヒトから単
離した。次いでそれぞれを、上述したように、初代イヌ腎臓(PDK)内、次い
で胎児アカゲザル肺細胞内での連続的な継代によって改変した。これらの候補は
、ヒトボランティアでの先行小パオロット研究に基づいて選択した。それぞれ凍
結乾燥した一価ワクチンを、滅菌水で元に戻し、0.5ccの容量で与えた。血
清型1〜4の用量は、それぞれデング1、2、3および4の10、10、1
および10pfuであった。四価ワクチン用量は、それぞれ再構築一価
物の0.25ccを混合することで調整し、最終容量1ccで与えた。四価ワク
チンの用量は1.1〜2.8×10pfuであった。すべてのワクチンは上
腕の皮下に与えた。
【0092】 臨床安全性: ワクチンに対する応答を、それぞれのワクチン接種の後3週間
の間、毎日の症状日記と定期的な医者の評価の組合せで査定した。応答およびワ
クチン血症が最もおきそうであった期間である、ワクチン後の1週間のインキュ
ベーション期間後、5〜7日間の密閉観察のために被験者を試験宿舎内に収容し
た。被験者をとりわけ熱病、悪寒、頭痛、逆行眼窩痛、筋肉痛、関節痛、発疹な
どに関して試験し、尋ねた。それぞれの症状を、0(なし)、1(正常活性に影
響を与えない、薬物療法を必要としない)、2(薬物療法または活動の変化を必
要とする)、3(ベットでの療法または薬物療法による救済を必要とする)のス
ケールで等級化した。最も共通の症状は4つの分類に分けられる。これらの分類
は、1)自発的な熱および悪寒、2)頭痛および逆行眼窩痛、3)筋肉痛および
関節痛、および4)悪心、嘔吐、腹痛を含んだ胃腸管病訴であった。それぞれの
分類の症状指標を、それぞれの日での最も高い症状等級の産物および日で表した
症状の期間によって計算した。症状が24時間中ずっと起こった場合、1日の期
間と指定した。応答原性指標(RI)は、単純にそれぞれの分類に関する症状指
標の合計である。RIはそれぞれの被験者のワクチン応答を要約した。症状分類
指標およびRIにより、被験者とワクチン血清型との間のワクチン応答の半定量
性比較が可能である。
【0093】 被験者を、研究中の連続CBC、血小板計数、ASTおよびALTによって血
液学的および肝臓毒性に関してモニタした。
【0094】 深刻な副作用を、他の可能性のある原因のない重症疾患、24時間にわたって
連続的に>38.5℃ であるか、または3連続日間Tmax >38.5℃で
ある熱、または単一口内温度>104℃、2連続測定において<1,000/m
lの好中球減少症または<90,000/mlの血小板減少症、または血清AL
TまたはAST >5倍正常値として定義した。
【0095】 免疫原性: 血球凝集阻害アッセイの方法を、Clarke and Cas
sals,1958(Am J Trop Hyg 7, 561−573)の
方法にて実施した。デング熱IgMおよびIgGを、すべて、ただし最後の6人
の四価被験者において、捕獲ELISAによって測定した。デング熱および黄熱
病中和抗体を、プラーク減少中和試験によってそれぞれのワクチン接種の後第0
日目および第30日目に測定した。研究の終了点決定は、最後のワクチン接種後
30日間の任意の中和抗体の測定である。中和抗体セロコンバートを、1:5血
清希釈の最低点でのプラークの50%減少として定義した。ウイルス血症を、第
一および第二ワクチン接種の後7〜14日からの血清で決定した。ウイルス単離
のために使用した方法は、増幅のためにLLC−MKまたはC6/36細胞を
、そしてプラーク形成にためにVeroを使用したYuill,1968(Am
J Trop Med Hyg 17,441−448)より適合させた遅延
プラーク方法であった。
【0096】 単一用量および二用量研究からのデータを本報告のために結合させた。被験者
の特徴を表9に示している。合計59人の正常な被験者に、デング熱ウイルスワ
クチンを与え、49人には一価試験物を、10人には四価ワクチンを与えた。4
人には許可された17D黄熱病ワクチン(Connaught)を与えた。
【0097】
【表9】
【0098】 実施例7 反応原性 局所反応 59人のうちの19人(32%)のデング熱ワクチンレシピエント
が、注射部位での軽い腕の痛みを報告した。これらのうち7人はDEN−1を、
4人はDEN−2を、1人はDEN−3を、1人はDEN−4を、そして5人は
四価ワクチンをうけた。5人のみが24時間後に注射部位の痛みを報告した。1
人も腕の使用に影響しなかった。
【0099】 全身性反応 59人のデング熱レシピエントのうち20%が、その最初のワク
チン接種でなにも症状を報告せず、一方で、70%の被験者が第二ワクチン接種
にて同一ではなかった。第三の用量を与えた4人の被験者は、それに関連した症
状を報告しなかった。デング熱ワクチン接種より最も共通に報告された応答は頭
痛と筋肉痛であった。これらは様々なひどさで起こった。図1は、日常活動での
変化を引き起こすか、または除去のための薬物治療をとる最初のワクチン接種か
らの>等級1症状の発生を示している。ワクチンの第一投与後、5人(8%)の
被験者、1人は血清型1、1人は血清型4、そして3人は四価を与えた人が、1
日期間より少ない間、悪寒、筋肉痛、頭痛または悪心のいずれかの重症等級3症
状の1つを報告した。どの被験者も再ワクチン接種で等級3症状を報告はしなか
った。
【0100】 RIは0〜35の範囲であった。表10は、それぞれのワクチンの、報告のあ
った反応原性を比較している。DEN−1一価および四価ワクチンは、より大き
い反応原性に関連した。すべてのデング熱ワクチンの第二または第三投与は、第
一ワクチン接種からの重度の症状を和らげる被験者においてさえも、ほとんど応
答を引き起こさなかった。
【0101】
【表2】
【0102】 図2は血清型によるRIの頻度分布を示している。8人の被験者(14%)が
熱を発した(>100.4°F)。8人のうち4人にはDEN−1を、1人には
DEN−2を、1人にはDEN−3を、そして2人には四価を与えた。最も高い
熱および最も低い熱は、103.3°FのTmaxおよび3日間の熱としてDE
N−1レシピエントで起こった。たった1人の他の被験者、この人もDEN−1
を与えた被験者であるが、1日以上の熱を持った。8人のうち7人で熱の症状が
第一ワクチン接種の後に起こった。
【0103】 16人の被験者(27%)が、その第一ワクチン接種より体幹および先端を含
む全身化発疹をおこした。発疹は通常紅斑性の、斑点丘疹状であり、少しかゆみ
があった。全身化発疹であった16人のうち7人のみが熱を持った。発疹を持っ
た16人の被験者のうち、5人がDEN−1を与えられた人であり、2人がDE
N−2を、1人がDEN−3を、3人がDEN−4をそして5人が四価を与えら
れた人であった。発疹は典型的に、ワクチン接種の8〜10日までに顕著になり
、3?4日で解決する。被験者は誰も点状出血、紫斑または瘢痕をおこさなかっ
た。どの被験者も再ワクチン接種で発疹をおこさなかった。
【0104】 胃腸管症状は比較的共通であり、被験者の3分の1で起こったが、しかしそれ
らは穏やかであり、短時間であり、24時間以内に終了した。1人のDEN−4
レシピエントが、1日の間の神経性異常痛に関連した重度の悪心をおこした。
【0105】 6人の被験者(10%)、5人のデング熱および1人の黄熱病17Dレシピエ
ントが、絶対的好中球数が1000/mlより少ない持続的な好中球減少症を引
き起こした。最も低いのはDEN−1患者での288であった。好中球減少症は
一般的には2〜3日で解決した。どの被験者も血小板減少症はおこさなかった。
ASTまたはALTにおける臨床的に有意な上昇はなかった。
【0106】 その最初のデング熱ウイルス曝露を受けた非免疫成人の本集団で予想したよう
に、だれもデング熱出血性熱の臨床的な証拠は示さなかった。
【0107】 実施例8 免疫原性 ウイルス血症を10人の被験者(17%)、1人はDEN−2を受けており、
4人はDEN−3を、1人はDEN−4をそして4人は四価を受けた被験者で検
出した。DEN−1ウイルス血症は検出されなかった。四価被験者から単離した
ウイルスの血清型はいまだ同定されるべきままである。すべての検出されたウイ
ルス血症はウイルスの最初の投与後に起こった。奇妙にも、熱はたった3人の四
価レシピエントで、ウイルス血症と共に起こった。すべてのウイルス血症被験者
は中和抗体を発生した。1人はウイルス血症と共でさえIgMまたはIgG応答
はおこさなかった。
【0108】 表11は一価ワクチン接種に対する抗体応答を要約している。中和抗体は、I
gMまたはIgGよりも頻繁に検出された。セロコンバートは、1:10血清希
釈のPRNT50によっても発見されなかったIgMまたはIgGによっては検
出されなかった。存在する場合、IgMはワクチン後14日まで、41%で陽性
であり、21日までに17%、30日までに42%で陽性であった。IgMは典
型的には最初のワクチン接種の後30日までにピークであった。唯一の例外は、
そのIgMが第二ワクチン接種の後3日間ピークであった四価レシピエントでの
ものであった。IgMは3か月以上の間、持続可能である。中和抗体によるセロ
コンバート率は、血清型1、2、3および4でそれぞれ100%、92%、54
%および58%であった。存在する場合、中和抗体は典型的には最初のワクチン
接種後30日までに検出可能であった。0日目と30日目の間の時間点は中和抗
体に関して査定しなかった。ワクチンの第二投与は、4倍以上までDEN−2
GMTを押し上げたが、これは他の血清型では見られなかった。2人のDEN−
3被験者はワクチンの第二投与後にセロコンバートし、1人は1ヶ月の時点であ
り、他は3ヶ月の時点であった。彼らは1投与後に中和抗体を発生しなかった。
興味深いことに、これらの2人の被験者のIgM/IgGパターンは、その第二
投与後の二次応答を示唆し、免疫学的に第一投与にて感作されていたことを示唆
している。
【0109】 デング熱、SLE、JEおよびYFに関する開始前陰性血球凝血阻害アッセイ
にもかかわらず、53人中5人(9%)の試験した被験者はIgM対IgG比<
1.8を持つ第二抗体応答パターンをおこした。5人すべてが、ワクチン接種の
前に同一源デング熱中和抗体に関して陰性であった。このことは、先に起こった
フラビウイルス属への曝露を示唆している。本発明者らは、第二および初期抗体
応答者の平均RIs間の有意な差は発見しなかった(9.6対5.8、p=0.
19)。
【0110】 IgM/IgGまたは中和抗体を発生しなかった12人の一価被験者が存在し
た。1人はDEN−2を与えた被験者であり、6人はDEN−3を、5人はDE
N−4を与えた被験者であった。抗体非応答者のこの群に関する平均反応源性指
数は、2、3および4型中和抗体応答者の平均RIと有意に異なり1より少なか
った(0.9対4.9、p<0.003)。
【0111】 本発明者らの研究には25のブランクおよび31のコウカシアン(Cauca
sian)被験者が含まれた。これらの2つの人種の平均RIs間に有意な差異
はなかった。このことは、ブラックにおける穏やかなデング熱疾患のひどさを示
唆しているいくつかの疫学的証拠が存在するので興味深い。
【0112】
【表11】
【0113】
【表12】
【0114】
【表13】
【0115】 年齢、性別 表12は、10人の四価ワクチン被験者からのPRNTセロコンバート結果を
示している。最初の4人の被験者には0ヶ月および1ヶ月の時点で2回のワクチ
ンを与えた。1人の被験者は30日目における第二ワクチン接種をし損ない、6
0日目にワクチン接種した。さらに6人の被験者に0および1ヶ月の時点でワク
チン接種すべきであり、もし反応が不十分であった場合、4ヶ月の時点での第三
のワクチン接種を実施した。2人の被験者は単一投与の後、4つすべての血清型
に対する中和抗体を発現させた。他の2人の四価レシピエントは、4ヶ月の時点
でのワクチン接種の後に4つの血清型すべてに対してセロコンバートした。2人
の他の被験者は三価の応答を示した。1または2ヶ月時点で与えた四価の第二の
投与は、セロコンバートを有意に増加させなかった。これらの10人の四価被験
者での全セロコンバート率は、DEN−1、2、3および4に対してそれぞれ1
00%、80%、80%および40%であった。
【0116】 実施例9 研究を、2−レベル2階乗設計によって、四価ワクチンでのそれぞれの血清
型成分の相互作用を評価するために設計した。
【0117】 54人の被験者に、15順列のそれぞれの血清型の2用量レベルを与えた。結
果は図3に示している。高用量であるHは、希釈していないワクチンを示し、1
〜10pfu/mlの範囲であり、低容量であるLは、結果として10 3.5 〜104.5 pfu/mlとなる希釈していないワクチンの1:30希
釈を示している。
【0118】 6人の被験者には0および1ヶ月の時点で全用量四価ワクチンを与えた。被験
者が四価中和抗体応答を示さなかった場合、4ヶ月の時点で三回目の投与を行っ
た。結果は図4に示している。
【0119】 4人の被験者に、シリンジ混合全容量四価ワクチンを0および1ヶ月の時点で
与えた。終了点は、二回目のワクチン接種後1ヶ月の時点での臨床的な安全性お
よび中和抗体であった。T細胞応答を最初の4人の被験者で測定した。結果は図
5に示している。
【0120】 結果は、四価ワクチン(16処方)が、64人の非免疫アメリカ人ボランティ
アで安全であったことがわかったことを示唆している。反応原性は変化した。4
処方はすべてのボランティアにおいて三価または四価中和抗体を誘発した。一価
の実験にしたがって、1ヶ月の時点での四価ワクチンの第二投与は有意な反応原
性を誘導しなかったが、また中和抗体応答も増加させなかった。中和抗体応答の
最終滴定が進行中である。T細胞中での記憶インターフェロンガンマ応答を、中
和抗体のない状態で測定できる。≧4ヶ月の投与期間は、結果として四価セロコ
ンバートの改善となった可能性がある。
【0121】 討議 これらのワクチンは、野生型デング熱の実験的感染の歴史的記述と比較した場
合、ヒトにおいて弱毒化されることが明らかである(Simmons et a
l.,1931,Manila Bureau of Printing)。本
発明者らは、反応原性を定量するために、自己報告症状期間およびひどさに基づ
いた数的スケールを使用した。そのような方法は、ワクチン関連反応を過剰に見
積もる傾向にある。理想的には、天然のデング熱感染で検証すべきである。しか
しながら、不正確なRIにより、本発明者らは個人と集団の間の症状を理にかな
って比較することが可能である。一価ワクチンを試験することからの結果は、4
つのデング熱ワクチン候補の間で変化可能である弱毒化の程度を示した。45A
Z5 PDK20は最も弱く弱毒化、最も高い力価であり、結果として一律のセ
ロコンバートとなった。DEN−2候補、S16803 PDK50は同様に結
果として良性の反応原性性質を伴い、ほぼ100%のセロコンバートとなった。
Den−3およびDen−4は低反応原性性質を持ったが、セロコンバート率は
たった50〜60%であった。免疫原性のほとんどない株である3および4型の
投与は、1および2型のそれと比べて10倍低いことに注意すべきである。
【0122】 ウイルスの第二投与は明らかに少ない反応と関連した。しかしながら、1また
は3ヶ月の時点での一価ワクチンの第二投与の利点は小さい。Den−1および
2は、追加的投与が余分である可能性があるように、すでにほぼ一様に免疫原性
であった。それにも関わらず、Den−2のGMTは4倍に押し上げられた。こ
のことは、第二投与後の低濃度のウイルス複製の証拠である可能性があり、また
効果促進応答を誘発するために、投与には十分な抗原性量が含まれる。この中和
抗体反応のパターンはまた、17D YFでの第二ワクチン接種でも見られた(
Wisseman,1962,Am J Trop Med Hyg 11,5
70−575)。Den−3の第一投与は、二次抗体反応パターンを伴う第二投
与の後にセロコンバートした2人の一価被験者を感作した可能性がある。このこ
とは、本発明者らの中和抗体アッセイが、3型ワクチン候補に対する好ましい免
疫応答を検出するのに十分感受性ではない可能性があることを示唆している。第
二投与は4型に対する新規のセロコンバートを加えなかった。試験した投与およ
びスケジュールと共に、一価DEN−1またはDEN−4の第二投与を行うこと
の明らかに追加的な利益はなかった。
【0123】 一価ワクチンに対する中和抗体応答をおこさなかった12人の一価被験者もま
た測定可能なデング熱IgMまたはIgGと応答しなかった。すべてのこれらの
非応答者に、明らかに他の被験者において複製した同様のバイアルからの生ウイ
ルスを与えた。彼らはワクチン接種に対する応答をおこさなかった。したがって
、すべての兆候により、これらの被験者におけるウイルス複製の証拠は存在しな
かった。この非応答性に関する機構はわからない。感染のための宿主基質必要性
の欠如または効果的な先天性免疫の結果である可能性がある。
【0124】 多重投与の価値は、ウイルスの干渉を回避するための戦略として生弱毒化ワク
チンの組合せでより明らかになる可能性がある。ここでそれぞれの成分の用量お
よび投与間隔が重要である可能性がある。干渉および増強は、デング熱ウイルス
を組合せで与えた場合に潜在的に起こる。4人の被験者は4つすべての血清型に
対して中和抗体を作り、2人は第一投与の後、そして2人は4ヶ月の時点での第
三投与の後であった。4ヶ月間ワクチン再接種を受けた5人中4人のボランティ
アは、3つ以上の血清型に対してセロコンバートされた。この差異の説明は、ワ
クチン接種後1ヶ月の時点で、ワクチン内での鋳型ウイルスの増殖を抑制するた
めに十分な交差反応性中和抗体が存在することである可能性がある。Sabin
は、ヒト患者に1つの血清型ウイルスを与えた場合、3ヶ月までで終了するその
ような一過性の交差保護が存在したことを発見した(Sabin,1959,V
iral and Rickettsial Infections of M
an.Philadelphia:JB Lippincott Compan
y)。本発明者らの将来の四価試験では、0.6ヶ月ワクチン接種スケジュール
を使用する予定である。
【0125】 DEN−3および4の貧弱な免疫原性は、10 pfu/mlでのものであ
り得る。Den−3およびDen−4投与は、DEN−1および2と比較して複
製的不利である可能性があり、そのどちらも四価処方では10pfuである
。本発明者らはDEN−3およびDEN−4の力価を増加させるために他の産出
戦略を調査している。
【0126】 四価反応被験者での4つすべてのウイルスのウイルス血症を検出することなし
に、中和抗体の存在が4つすべての血清型の複製を必然的に意味することを確か
にすることはできない。測定した中和抗体は、交差反応する可能性があり、また
低親和力である可能性がある。この問題は、それぞれの血清型に対する抗体の長
期抵抗性を見ることによって記述すべきである。鋭敏な、血清型特異的RT−P
CRアッセイは、ウイルス複製の証拠として、多価ウイルス血症を測定するのに
有用である可能性があった。
【0127】 ただ2人の四価ワクチン接種被験者が、1回のワクチン接種後に4つすべての
血清型に対する中和抗体を産出した。四価ワクチンに対するそのような不確かな
応答は、有毒な異種血清型に対する曝露の設定における、デング熱出血性熱のリ
スクに関する疑問を発生させる。もし抗体依存的増強がDHFリスクに対する病
態生理学的機構である場合、すべての4血清型抗体がワクチン化によって誘発さ
れ、しかし1つまたはそれ以上の血清型抗体が中和閾値以下で異なって減少する
場合に、リスクが存在する可能性がある。本発明者らは以下で、TH1 T細胞
応答を、これらの四価ワクチン接種者が、中和抗体がない状態でさえも測定でき
ることを報告する。これは保護するのに十分であろうか。これらの疑問は、特定
領域での四価ワクチンの注意深い長期領域試験によってのみ解答されるものであ
る可能性がある。
【0128】 結論として、本発明者らの結果は、4つの血清型が、2、3および4型よりも
1型での一価ワクチンとして、変化しやすく反応原性であることを示唆している
。血清型1および2は>90%で中和抗体を誘発し、一方で血清型3および4は
ほとんど免疫原性ではない。四価組合せは安全であり、正当によく耐性であり、
10人の被験者のうち4人で4つすべての血清型に対して中和抗体を誘導した。
四価ワクチンの2回投与は、試験した1または2ヶ月投与間隔で、セロコンバー
トを改善はしなかった。4ヶ月を超えるより長い投与間隔ではセロコンバートが
改善される可能性がある。
【0129】 実施例10 デング・ワクチンに対するT細胞応答についての材料および方法 対象。年齢18〜50歳の35名の健康な成人のボランティア(21名の男性
、14名の女性)が、候補デングウイルスのワクチンに関与する、ウォルターリ
ード陸軍研究所によって行われたフェーズIの治験に参加した。参加者は、循環
性抗フラビウイルス抗体の不在に基づいたボランティアの群から選択された。さ
らなる選択条件は、HIV陰性の状態であり、そして物理的試験および質問票に
対する応答に基づいて優れた健康であった。
【0130】 ワクチン群。30名の個人は、任意に生の弱毒化一価ワクチンの2回用量を受
けた;4名は、生の弱毒化4価のワクチンの2回用量を受けた。1名の一価受容
者(ボランティア認識番号1)は、最初の投与を受けただけの後に、研究を中止
する。ワクチン接種の前に、ボランティアの内のいずれかに、デングウイルス1
−4型、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、または黄熱病ウイルス
に対する検出可能な血球凝集反応阻害血清抗体はなかった。各用量は、未希釈ウ
イルス(類)の0.5ml皮下注射として付与された。
【0131】 PBMC収集。末梢血(8ml)は、0日目、および最初の投与の後であるが
、第二の投与の前の5つの時点(3、7、9、14、28/30/31/60ま
たは91日目)で、バキュテーニア・細胞標品管(CPT)(ベクトン−ディキ
ンソン、ニュージャージー州フランクリン・レークス(Franklin La
kes、NJ))への静脈注射によって各ボランティアから収集された。血液も
、第二の投与の日に、そしてその後4つの時点で(第二の投与の後の3、7、9
および14日目)、収集された。したがって、ボランティアによって、第二の用
量の投与の時間は、第一の用量の後のおよそ1−3カ月であった。1カ月周辺の
収集時間における変動は、ボランティアの日程における変動により起こった。細
胞を、30分間、1000×gで遠心分離することによって、全血から分離した
。PBMCが、収集(CPT管上のゲルの上の細胞層)され、そして500×g
で遠心分離しながらハンクの平衡塩溶液(ライフ・テクノロジーズ、メリーラン
ド州ロックビル(Rockville,MD))で2回洗浄した。単離したPB
MCは、4ml(CPT管当たり)の細胞凍結培地/DMSO(シグマ、ミズー
リー州セントルイス)に再浮遊させ、そして一夜、−70℃で、1mlアリコー
ト量で凍結させた。その後、長期保存の間、PBMCを、蒸気相液体窒素に移行
させた。
【0132】 ワクチンウイルス。上に記述した以下の生の弱毒化デングウイルス株を、一価
ワクチンで使用した:45AZ5PDK20(DEN1)、S16803PDK
50(DEN2)、CH53489(DEN3)、341750PDK20(D
EN4)。四価ワクチンは、これらの株の4つ全ての等しい混合物であった。
【0133】 細胞培養ウイルス。ベロ細胞で繁殖された以下のデングウイルスを、培養物中
のPBMC刺激のために使用した:ウエストパック74(DEN1)、S168
03(DEN2)、CH53489(DEN3)、およびTVP360(DEN
4)。4つ全てのセロタイプは、1mlアリコート量でDr.Robert P
utnakによって供され、そして使用するまで−70℃で保存した。ウイルス
力価は、.30−2.4×10 6pfu/mlの範囲内であった。
【0134】 PBMCの粗培養物および生のウイルスでの刺激。PBMCの凍結バイアルを
、液体窒素保存から取り出し、そして穏やかに37℃で解凍させた。PBMCを
、RPMI培地1640(ライフ・テクノロジーズ、メリーランド州ロックビル
)で二回洗浄し、そして10%ヒト男性AB血清(シグマ)足す補足物[ペニシ
リン(100U/ml)−ストレプトマイシン(0.1mg/ml)−フンギソ
ン(0.25mg/ml)[シグマ]、2mM L−グルタミン(ライフ・テク
ノロジーズ)、および0.5mM 2−メルカプトエタノール(シグマ)]を含
む完全培地中に浮遊させた。細胞を、250万個の細胞/mlの濃度で浮遊させ
た。ある種のアッセイは、325万個の細胞/mlを必要とした。PBMC(1
00ml)を、96穴V底プレート(コスター、マサチューセッツ州アクトン)
の個々のウエルに添加した。10%完全培地に、3000から24000pfu
/100mlの濃度で希釈した等量のデングウイルス1、2、3または4の等量
を、各ウエルに添加した。対照ウエルは、ウイルスなしの等量の培地を受けた。
その後、細胞を、37℃で、5%COで、4日間培養した。
【0135】 免疫アッセイ。 化学ルミネッセンスの免疫アッセイを、4日の培養の終わりに組織培養上清で
分泌されるリンホカインの量を測定するために行った。96穴免疫アッセイプレ
ートであるマイクロライト2(ダイナテック・ラボラトリーズ,インク.(Dy
natech Laboratories,Inc.)、バージニア州チャンチ
リー(Chantilly,Virginia))を、0.1M重炭酸カリウム
緩衝液中の50ul/ウエルの10mg/ml未標識抗リンホカイン(IL−4
、IL−10またはインターフェロンγ)抗体(ファルミンギン(Pharmi
ngin)、カリフォルニア州サンディエゴ(SanDiego,CA))で一
夜被覆させた。プレートを洗浄し、そして100ul I−ブロック緩衝液(ト
ロピックス(Tropix)、マサチューセッツ州ベッドフォード(Bedfo
rd、MA))を、1時間添加した。標準(レコンビナントIL−4、IL−1
0およびインターフェロンγ、ファルミンゲン(Pharmingen)、カリ
フォルニア州サンディエゴ)を、10ng/mlの濃度で、I−ブロック開始中
に予備希釈した。標準の8−3倍希釈を行った。サンプル、対照および標準を、
等量のI−ブロック緩衝液中に希釈させた。アリコート量の50ulを、各アッ
セイプレートに添加した。サンプルを、室温で、1時間インキュベートした。プ
レートを洗浄した。二次ビオチン化抗体を、I−ブロック中で1:1000に希
釈し、そして50ul/ウエルを、アッセイプレートに添加した。プレートを洗
浄し、そして50ul/ウエルのアビジン−アルカリ性ホスファターゼ(アビジ
ックスAP(Avidix AP)、トロピックス(Tropix)、マサチュ
ーセッツ州ベッドフォード)を、アッセイプレートに添加した。プレートを、1
時間、室温でインキュベートした。洗浄プレートを、アッセイ緩衝液(トロピッ
クス)を用いて、1分間、2回インキュベートした。CDP−スター基質(トロ
ピックス)を、各ウエルに添加した(100ul/ウエル)。10分後、プレー
トを、MD2250ルミノメーター(ダイナテック、バージニア州チャンチリー
)で読取った。第一の試料を、修飾プロトコールを使用して分析した。アビジン
−アルカリ性ホスファターゼを使用する検出器の代わりに、アビジン−エクオリ
ン(シーライト・サイエンシズ(Sealite Sciences)、ジョー
ジア州アトランタ(Atlanta,GA))を使用した。この材料は、研究の
間に利用できなくなり、その結果プロトコールを改質した。標準および対照試料
を使用した結果は、2つのアッセイフォーマットについて同一であった。
【0136】 セロタイプ交差反応性。セロタイプ特異性を試験するために、一価弱毒化ワク
チン(結果参照)の選択受容者から42、45、または105日目に収集したP
BMCを、4日間、独立の培養物中の各セロタイプのウイルスで、単価250,
000細胞/ウエルで刺激した。その後、培養上清を、化学ルミネッセインスの
リンホカインELISAを用いて分析した。
【0137】 T細胞小集合の枯渇。リンホカイン産生の特別の細胞の源を試験するために、
PBMCに、刺激の前に、CD3+またはCD8+Tリンパ球を枯渇させた。選
択されたPBMCを、RPMI培地1640で二回洗浄し、そして5%完全培地
中で325万個の細胞/mlで浮遊させた(30%以上のPBMCを、枯渇手段
の間の細胞損失について補償するための投入量として使用した)。消極的枯渇に
ついては、細胞(650,000PBMC)を、洗浄した抗体を被覆した磁性ビ
ーズとインキュベートした。2つの型のビーズ、M−450抗CD3および抗C
D8ビーズ(ダイナル、ノルウエー国オスロー)を使用した。およそ20:1ビ
ーズ対標的細胞比を示す520万個の粒子/管の濃度で、抗CD3ビーズを使用
した。抗CD8ビーズを、およそ31:1ビーズ対標的細胞比を示す管当たり4
00万個の粒子の濃度で使用した。1.5ml微小遠心管中の商標ダイナビーズ
(DYNABEADSTM)(ダイナル)。細胞を、4℃で、30分間、中程度
の通気をしながらインキュベートした。非枯渇PBMCを、対照として使用した
。MPC−2磁性粒子濃度測定器(ダイナル)を用いて、標識細胞を、細胞混合
物から除去した。CD3+およびCD8+陰性で選択したPBMCを、新たな微
小遠心管に移した。任意の残渣未結合細胞を除去するために、濃縮ダイナビーズ
を、200ul完全培地で1回洗浄した。移行後、最終容積(400ul)を、
96穴V底培養プレートの2つのウエルに等しく分けた。枯渇および対照PBM
C培養上清を、化学ルミネッセンスのリンホカインELISAを用いて、4日後
に分析した。さらに、培養PBMCを、細胞内のグランザイムB mRNA(下
を参照)について分析した。CD4+枯渇を、同様に行ったが、しかし分離は、
M−450 CD4+(28.6ml/400万4千個の粒子、およそ31:1
ビーズ対標的細胞比)ダイナビーズを用いて刺激の後に行った。CD4+で陰性
に選択したPBMCを、細胞内グランザイムB mRNAについてのみ分析した
【0138】 フローサイトメトリー。枯渇効率(枯渇率(%)として測定された)を、任意
に選択され、未刺激のPBMC集団(非枯渇対照およびCD3+またはCD8+
枯渇集合の両方)の二重染色の後にFACS分析を使用して測定した。細胞を、
30分間、4℃で、PE標識抗−CD4+または抗−CD8+、およびFITC
標識抗−CD3+抗体(ベクトン−ディキンソン)とインキュベートした。その
後、標識PBMCを、蛍光緩衝液(PBS(シグマ)、0.05%Naアジド、
1%胎仔ウシ血清(スミット・バイオテクノロジー(Summit Biote
chnology)、コロラド州ボーダー(Boulder,CO))で3回洗
浄し、そして分析する前に、蛍光固定液(PBS、1%ホルマリン、0.05%
Naアジド)中で保存した。CD4+ダイナビーズを用いて、枯渇効率は、測定
されなかった。
【0139】 グランザイムBアッセイ。非枯渇対照PBMCおよびT細胞小集合で枯渇され
たPBMCを、野生型ウイルスを用いた4日間の刺激の後、細胞内グランザイム
B mRNAについてアッセイした。96穴プレートフォーマットでの逆転写酵
素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)アッセイを使用した。
【0140】 「ストレートA」のmRNA単離システム(ノバゲン、ウイスコンシン州マデ
ィソン)を用いて、mRNA精製を行った。リホカインELISA分析について
のPBMC培養上清の遠心分離および除去の後、ペレット化PBMCを、10m
Mジチオスレイトールを含む200ul/ウエルの溶解緩衝液を用いて溶解させ
、そしてその後、30分間、室温で、200mg/ウエルの洗浄したオリゴdT
磁性ビーズとインキュベートした。MPC−96(ダイナル)磁性粒子濃縮装置
を用いて8容積の洗浄緩衝液でビーズを十分に洗浄して、DNA、タンパク質お
よび細胞の残骸を除去した後、mRNAを、70℃で、20分間、200ul/
ウエルのHOで溶出させた。溶出液を、1.5ml微小遠心管に移し、そして
二回目の溶出を、さらなる200ml/ウエルのHOで行った。次に、400
ulの溶出液を、50ulの3M酢酸ナトリウム(pH5.2)、20mgのグ
リコーゲン(ノバゲン)、および300ulのイソプロパノールを用いて沈殿さ
せた。70%冷エタノールでの最終洗浄の後、mRNAペレットを、30ulの
O中で浮遊させた。
【0141】 96穴プレート中でRT−PCR段階を行った。ヒト・グランザイムB(CT
LA−1)のエキソンに対応し、そして120bp領域を増幅するオリゴヌクレ
オチドプライマー(22bp)が、ウォルター・リード陸軍研究所でDr.St
uart Cohenによって合成された。プライマーは、以下の配列を示した
:grb2a(センス)5’AGC CGA CCC AGC AGT TTA
TCC C(配列番号:1)、grb2b(アンチセンス)5’C TCT
GGT CCG CTT GGC CTT TCT(配列番号:2)。
【0142】 各逆転写酵素反応について、総反応容積は、40ulであり、そして以下のも
のを含んだ:MgCl(5mM)、10×緩衝液II(10mMトリス−HC
L、50mM KCL、pH8.3)、dNTPs(各1mM)、およびRNエ
ース阻害剤(40単位)[パーキン・エルマー、コネチカット州ノーウォーク(
Norwalk,CT)],AMV逆転写酵素(10単位)[シエカガク(Si
ekagaku)]、grb2bプライマー(3ピコモル)、sHO、および
4mlのmRNAテンプレート。42℃(90分)、99℃(5分)、4℃(不
確かに)で、パラメーターの組を用いて、9600サーモサイクラー(パーキン
・エルマー)で、RTインキュベーション段階を行った。各PCRについては、
総反応容積は、50ulであり、そして以下のものを包含した:MgCl(2
mM)、10×緩衝液II(上と同じ)、dNTP(各.4mM)、アンプリタ
ック金(1.25単位)、grb2aおよびgrb2bプライマー(各1ピコモ
ル)、sHO、および5ulのcDNAテンプレート。PCRインキュベーシ
ョン段階も、95℃の最初の変性/酵素活性化(10分)、30サイクル:[9
5℃の変性(10秒のランプで30秒)/60℃アニーリング(30秒のランプ
で30秒)/72℃伸長(30秒のランプで30秒)]、72℃最終伸長(7分
)、4℃(無期限に)]のパラメーター設定で、9600サーモサイクラーで行
った。
【0143】 電気泳動を用いて、最終増幅PCR産物(10ul)を、エチジウムブロミド
で染色した2%アガロース(シーケム(SeaKem))/1×TAE(トリス
−アセテート−EDTA)ゲル上で分離し、そしてデジタルカメラ(サイエンテ
ィフィック・イメージング・システムズ、コネチカット州ニューヘブン)を用い
て解析した。
【0144】 生ワクチンの追加抗原刺激投与に対する追加抗原刺激応答が、示されうる場合
、さらに弱毒化された生のウイルスワクチンを使用できうることが考えられる。
求められる追加抗原刺激応答は、抗体およびT細胞応答の両方である。
【0145】 デングワクチンに対するT細胞応答が、測定されたとき、T細胞応答の測定は
、抗原応答より少なかった。したがって、生のデングワクチンの投与に対するT
細胞応答は、ほとんど十分に特徴づけられない。この研究の1つの目標は、Tヘ
ルパー応答、セロタイプ特異性および強力な細胞毒性の点でワクチンに対するT
細胞応答の特性を決定することである。
【0146】 これらのワクチンに対する優性なT細胞応答は、Th1応答であった。これは
、4日培養中に生のデングウイルスによって刺激される末梢血単核細胞(PBM
C)によるインターフェロンγの分泌によって測定された。インターフェロンγ
は、CD3+CD8−T細胞によって分泌された。T細胞応答は、ある種の交差
反応性応答を伴うデングウイルスのセロタイプであった。既往の応答は、個人の
数名で記録されたが、他ではなかった。
【0147】 デングで刺激された細胞によるリンホカイン分泌。 生のデングウイルスは、PBMC培養物を刺激するために使用された。培養物
中に使用される刺激ウイルスのセロタイプは、ワクチンウイルスのセロタイプと
同じであった。4日後、組織培養上清を、インターフェロンγ、IL−4および
IL−10の存在について分析した。全ての培養で、IL−4およびIL−10
は、首尾一貫して陰性であった。2つのアッセイ対照は、アッセイが、適切に働
いていることを保証するために使用された。最初に、標準曲線を使用した組換え
リンホカインおよび第二の対照サンプルは、リンホカインが、組織培養上清の存
在下で検出されうることを保証するために使用された。
【0148】 IL−4およびIL−10の陰性発現と対照的に、高いレベルのインターフェ
ロンγが、数種の培養上清で検出された。図6は、一価ワクチンを受けているボ
ランティアから収集された細胞のインターフェロンγ発現の速度論を示す。全体
的に、デング3および4受容者で少数の高応答があったが、最高のインターフェ
ロンγ応答は、デング1およびデング2候補ワクチンの受容者から収集されたP
BMCによった。インターフェロンγは、第一の接種の後14日目までに偶然に
検出されたが、しかしその発現は、第二の用量の投与直前または直後まで検出さ
れなかった。したがって、分泌の速度論は、予測されたものよりいっそう遅かっ
た。この研究での一価受容者についての追加抗原刺激応答に関して、首尾一貫し
たパターンはなかった。個人により、インターフェロンγレベルは、第二用量の
投与後、増加または減少のいずれかをした。
【0149】 全ての収集点での全てのボランティアから得た未刺激PBMCは、検出不可能
なレベルのインターフェロンγを示した。刺激0日目の細胞から得た平均発現は
、230pg/mlの標準偏差で127pg/mlであった。
【0150】 一価ワクチン受容者については、16名の陽性および14名の陰性のインター
フェロンγ応答者(平均±3標準偏差)があった。30名の一価ワクチン受容者
の16名は、少なくとも1つの時点について、>1000pg/mlのインター
フェロンgの結果を示すPBMC培養を示した。12名は、2つまたはそれ以上
の連続的時点の間、>1000pg/mlで、インターフェロンg分泌を持続し
た。さらに、30名の内12名は、分析された最後の時点で>1000pg/m
lの分泌を示した。
【0151】 4名のボランティアは、四価のワクチン(4つ全ての一価株の等混合物)を受
けた。図7は、これらの四価受容者から収集されるPBMCによるインターフェ
ロンγ産生を示す。PBMCは、デングウイルスの4つのセロタイプの各々の内
の1つを使用した別々の培養で刺激された。ボランティア番号33および36番
から得たPBMCは、セロタイプの4つの各々で刺激した後、少なくとも1つの
時点の間、有為な量のインターフェロンγ、>1000pg/mlを分泌した。
ボランティア番号35番から得たPBMCは、4つのセロタイプの内の3つ(デ
ング3でない)に応答して有為な量のインターフェロンγを分泌した。ボランテ
ィア番号34番から得たPBMCは、デング2ウイルスに応答して有為な量のイ
ンターフェロンガンマのみを分泌した。最高の応答は、DEN1および2に対し
て優勢であった。インターフェロンγ産生の速度論は、一価の受容者でそうであ
ったとおり四価ワクチン受容者で遅延された。高レベルのインターフェロンγは
、第二の用量の接種の直前および後に検出された。追加抗原刺激応答に関して、
一価受容者を用いた場合、第二の用量の投与後に首尾一貫したインターロイキン
分泌γパターンはなかった。
【0152】 凝集する上で、これらの結果は、一価および四価ワクチン受容者の両方におけ
る優勢なTリンパ球応答が、抗原特異的Th1応答であったことを示す。
【0153】 実施例11 セロタイプ交差反応性。一価ワクチン受容者の内の12名から得たPBMCを
、デングセロタイプ特異的および交差反応性応答の存在について試験した。速度
論に基づいて、最後の時点(最後の収集日に対して第二)でPBMC培養上清中
に>1000pg/mlのインターフェロンγを分泌した個人が選択された。最
後の収集日から得たPBMCは、各デングセロタイプを用いて4日間、独立の培
養で刺激され、続いて培養上清中に分泌されたインターフェロンγの分析を行っ
た。ある程度のセロタイプの交差反応性があったが、最高の応答は、元来のワク
チン接種と同じセロタイプウイルスで刺激したPBMCで常に見られた(表14
)。したがって、これらの選択された一価ワクチン受容者から得られるPBMC
で見られるインターフェロンγ応答は、デングセロタイプ特異的であった。
【0154】 交差反応性応答は、セロタイプ特異的応答の半分(またはそれ未満)であった
。デング2ワクチン受容者については、最高の交差反応性応答は、デング4ウイ
ルスとであった。デング4ワクチン受容者については、最高の交差反応性応答は
、デング2ウイルスとであった。デング1ワクチン受容者については、交差反応
性応答は変化した。この群でただ1名のデング3ワクチン受容者があり、そして
その応答は、セロタイプ特異的であった。
【0155】
【表14】
【0156】 実施例12 T細胞小集合枯渇。これが、Th1応答であったことを確証するために、イン
ターフェロンγを分泌する細胞の同一性を、測定した。これは、培養の前に、T
細胞またはT細胞小集合を枯渇させることによって行われた。この研究に使用さ
れた細胞は、密度勾配遠心分離を用いて全血から分離された混合PBMCであっ
た。PBMC集団における優勢な細胞としては、T細胞、B細胞、単細胞、およ
びNK細胞が挙げられる。これらの評価については、我々は、13名の一価およ
び3名の四価のボランティアでの速度論に基づいて、最高のインターフェロンγ
応答の時点を選択した。
【0157】 細胞を、免疫磁性細胞分離を用いてPBMCから取り出した。枯渇効率は、試
験枯渇でのフローサイトメトリーを用いて評価された。培養されたPBMCの分
析は、利用できるのが少数のために行われなかった。試験枯渇で、CD3モノク
ローナル抗体を用いたCD3+細胞の除去は、非枯渇PBMC対照に比較してC
D3+細胞の92%減少を生じた。CD3枯渇を、CD3およびCD4について
の二重標識、CD3およびCD8についての二重標識、およびCD3についての
単独標識を使用して監視した。CD3枯渇は、CD3枯渇群中において、枯渇さ
れるべきCD3/CD4T細胞の98%、および枯渇されるべきCD3/CD8
細胞を伴う、CD8+細胞よりも、CD4+細胞についていっそう十分であった
。CD8モノクローナル抗体を用いたCD8+細胞の除去は、CD8+細胞の9
9.9%減少を生じた。
【0158】 選択されたPBMCは、4日間、デングウイルスとの培養で刺激され、そして
その後分泌したインターフェロンγについて試験したCD3+またはCD8+T
リンパ球を枯渇された。結果は、同時に培養された非枯渇PBMC対照から得ら
れたものに比較された。他の細胞集団が、インターフェロンγの産生についてC
D4+Tヘルパーを必要とするので、CD4+Tリンパ球は、刺激の前に枯渇さ
れなかった。
【0159】 培養の前にCD3+細胞を除去することは、表15に示されるとおりインター
フェロンγの産生を実質的に減少させた。CD3+枯渇後のインターフェロンγ
での減少についての範囲は、59−100%であった。減少したが、有為なイン
ターフェロンγ産生は、ある程度のCD3+枯渇培養で見られた。この残渣の産
生は、免疫磁性細胞分離の後に残る少量の残渣CD3+細胞が、インターフェロ
ンγを分泌しているか、および/または細胞の別の集団も、インターフェロンγ
を分泌しているかのいずれかを示す。
【0160】
【表15】
【0161】 1名の個人を除き、培養の前のCD8+細胞の除去は、インターフェロンγの
産生を減じなかった。16の培養物のうち9つで、CD8+細胞の除去は、おそ
らく、これらの細胞による抑制の除去により、またはCD8+細胞毒性リンパ球
により感染した抗原表在細胞の死滅を減じることにより、その産生を実際に増加
させた。
【0162】 同時に、これらの結果は、これらのPBMC培養で見られたインターフェロン
γが、CD4+Tリンパ球によるか、および/またはCD4+Tリンパ球による
かのいずれかで影響された細胞により分泌されることを示す。これは、Th1応
答の知見を支持する。
【0163】 実施例13 グランザイムB。Th1応答は、中でも、細胞毒性リンパ球応答に関連する。
細胞が介在した死滅の能力のある細胞が、これらのワクチンボランティアに存在
したかどうかを理解する努力で、グランザイムB mRNAは、枯渇実験のため
に培養されたPBMCで測定された。リンホカイン分析のための培養上清を除去
した後、細胞をペレット化させ、そしてmRNAの抽出のために溶解させた。グ
ランザイムB特異的プライマーは、RT−PCRのために使用された。PCR産
物は、アガロースゲル電気泳動によって分析された。ゲルのバンド強度を、比較
のために参考写真(図8)を使用して、+、−規模に変換した。7名のボランテ
ィアから得た余剰細胞を、ウイルスなしで培養した。これらの7名のボランティ
アから得た未刺激PBMCは、ほとんど(−または+)グラムザイムB mRN
A発現を示さなかった。抗原特異的刺激で、発現は、選択されたワクチン受容者
の内の16全てで実質的に上方制御された(図8)。CD8モノクローナル抗体
を用いたT細胞小集合の枯渇は、対照PBMCに比較してグランザイムB発現を
明らかには減じなかった。そのグランザイムB発現が、CD8枯渇群で減じられ
る3名の個人(認識番号16、22および33番)があった。1名(認識番号3
3)で、減少は実質的であった。対照的に、CD3モノクローナル抗体を用いた
T細胞小集合の枯渇は、14名のボランティアにおける発現を減じた。一価のボ
ランティアの内8名で、そして3名全ての四価のボランティアで、減少は、実質
的であった。インターフェロンγ非応答者の内の4名は、グランザイムB mR
NAについても試験した。全ては、低レベルの発現を示した(データは示されず
)。
【0164】 ボランティアの7名から得られた細胞で、CD4モノクローナル抗体を用いた
T細胞小集合の枯渇は、培養の4日後に行われた。枯渇は、培養中助けを必要と
する全ての細胞にTヘルパー活性を供するために培養後に行われた。刺激の後の
CD4+細胞の除去は、分析された7名のボランティアでの非枯渇対照に比べて
グランザイムB発現に影響を及ぼさなかった。したがって、CD4+Th1細胞
により介在されたグランザイムBの抗原依存性産生があるが、グランザイムBを
産生する実際の細胞は、T細胞以外の細胞であるようである。これが、NK細胞
によるか、またはマクロファージによる産生であるのかは、知られていない。
【0165】 検討 この研究の2つの目的は、ワクチン受容者に測定可能なT細胞応答があるかど
うか、およびワクチンの第二の用量に対する細胞介在応答が見られうるかどうか
を決定することである。そのような目的のために、T細胞応答速度論は、2回の
用量の周辺の間隔で収集される再刺激細胞によって測定された。再刺激は、本研
究の間に収集されたPBMCの粗培養物中の生ウイルスで行われた。
【0166】 この研究の第三の目的は、1.リンホカインレパートリーによって定義された
細胞型、2.デングセロタイプ特異性および交差反応性応答、および3.強力な
細胞毒性のグランザイムB産生の測定値の点で、T細胞応答の特性を決定するこ
とである。これらの応答は、一価および四価ワクチン受容者の両方から得られた
PBMCで測定された。四価のワクチン受容者に関して、応答が、4つ全てのセ
ロタイプのデングウイルスに検出されうるかどうかを決定することが重要であっ
た。
【0167】 ヒトおよびマウスTヘルパー応答は、リンホカイン発現5のそれらのパターン
に基づいて2つの群に分割されうる。Tヘルパー1(Th1)細胞は、IL−2
およびインターフェロンγの分泌によって特徴づけられる。それらの2つのリン
ホカインの中でも、インターフェロンγは、Th1細胞を同定する点で、最も重
要である。Tヘルパー2(Th2)細胞は、IL−4、IL−5、IL−6およ
びIL−10の分泌によって特徴づけられる。細胞またはPBMC粗培養の混合
集団で、2つの分泌の内1つが、通常優勢である。
【0168】 Th1対Th2応答に影響する1つの因子は、襲撃感染の特性である。ウイル
ス性感染、およびリステリア(Listeria)およびマイコバクテリウム(
Mycobacterium)のようなある種の細菌感染(Peters、19
96年、Hepatology23巻、909−916)は、しばしば、Th1
応答を誘導する一方で、ある種の寄生的感染は、Th2応答を誘導する(Con
radら、1990年、J Exp Med 171巻、1497−1508)
。2つの応答の比率は、感染の過程の間変化しうる。例えば、ウイルス性感染が
、通常、Th1応答で始まる場合でさえ、Th2応答は、感染中の後半に産生さ
れうる。当初のTh1応答は、CTL応答を増大する可能性があり、そして免疫
グロブリンのイソタイプに切り替えさせる一方で、以下のTh2応答は、B細胞
による抗体産生を増大させる可能性がある。
【0169】 自然のデング感染で、ある研究は、ほとんどの個人でTh1応答を示した。T
h1応答は、重篤な病因に関連せずに、有効な免疫応答に関連した。対照的に、
ある程度の個人は、より多くの病因に関連したTh2応答を発生した。
【0170】 有効な抗デング免疫応答とのTh1応答の関連の代わりに、Th1応答の重要
なリンホカインであるインターフェロンγは、免疫応答において陽性および陰性
の影響の両方を示す。タイ国では、Kuraneが、DF患者の血清中の低レベ
ルに対する比較においてDHF患者の血清中のインターフェロンγの高レベルを
見出した(Kuraneら、1991年、J Clin Invest 88巻
、1473−1480)。増加したインターフェロンγは、免疫活性化の測定値
でありうる。インターフェロンγは、細胞毒性細胞(CD4+T細胞、CD8+
T細胞、およびNK細胞)の活性化を活性化および維持することが必要とされる
。この機構が、重篤な感染における病因に寄与しうる一方で、同じ応答は、抗原
特異的細胞溶解を通してウイルスで感染した細胞の数を減少させることによって
、より穏やかな感染で有益でありうる。デングウイルス感染を制御する上でのイ
ンターフェロンγの陽性の役割は、インターフェロンα、βおよびγにおける最
近のマウスノックアウトモデルで示される。ノックアウトマウスは、感染に耐性
がある正常な成体対照と対照的に、デングウイルスによって致命的な感染の疑い
があった(JohnsonおよびRoehrig、J Virol 73巻、7
83−786頁、1999年)。
【0171】 あるいはまた、インターフェロンγは、デングウイルス感染の病因に寄与しう
る。病因についての1つの機構は、1つの主要な標的細胞、マクロファージの感
染を増加させることにより、免疫増強による可能性がある。培養で、インターフ
ェロンγは、細胞の表面でFcレセプターの数を増加させることによって、マク
ロファージ・セルラインU937の抗体介在感染を増加させた(Kontnyら
、J Virol 62巻、3928−3933頁、1988年)。であるが、
正常に培養されたマクロファージを使用した別の研究は、感染を減少させる反対
の効果を示した(Sittisombutら、1995年、J Med Vir
ol 45巻、43−49)。これらの矛盾している結果を付与して、インター
フェロンγが、マクロファージの感染が増加したことに寄与するかどうかは不明
瞭である。
【0172】 この研究で、Th1応答は、優勢な応答であった。IL−4およびIL−10
についてのアッセイは、TH2応答の欠乏を首尾一貫して消極的に示していた。
高レベルのインターフェロンγが、多くの培養物の上清で検出され、それにより
それらの培養物でのTh1応答の存在が示された。
【0173】 刺激された細胞が、全PBMCであったので、インターフェロンγの分泌に起
因する細胞が決定されることが必要であった。これは、免疫磁性手段を用いて、
T細胞小集合を枯渇させることによって行われた。消極的枯渇は、培養の前に、
CD3またはCD8のいずれかを認識する抗体で行われた。CD3枯渇が、イン
ターフェロンγ分泌の廃止を生じ、そしてCD8枯渇は、生じなかったので、C
D3+CD8−リンパ球は、インターフェロンγを分泌するか、または少なくと
も、インターフェロンγの分泌を制御する細胞集団であったと判断された。これ
は、インターフェロンγが、Th1応答の結果であったことを確認する。枯渇の
後にある程度の培養物中の残りのインターフェロンγは、培養物中の枯渇、枯渇
の後のある程度の残りのCD4+Tリンパ球、または他の細胞、おそらくナチュ
ラルキラー細胞またはマクロファージに依った可能性があった。
【0174】 頂点のインターフェロンγ応答は、セロタイプ特異的であった。一価ワクチン
受容者から得られる細胞は、4つのセロタイプのデングウイルスの各々によって
別々に刺激された場合、頂点のインターフェロンγ産生は、ワクチンウイルスに
相同なデングウイルスによる刺激に応答していた。他のデングウイルスに対する
より低い交差反応性応答は、培養のいくつかで記録された。これは、異なる測定
、リンパ球増殖を使用してその他によって得られた結果に類似する。1つの研究
では、デング2ワクチンを受ける個人から得られる細胞は、デング2ウイルスに
対してより大きな応答を示したが、しかし交差反応性応答が、記録された(Dh
arakul、J Infect Dis 170巻、27−33)。これは、
デング3ワクチン受容者から得られたクローンの大半が、デング3抗原に最高に
応答したが、他の3つのデング抗原に対して交差反応性応答を示したクローンの
レベルで確認された(Kuraneら、1989年、J Exp Med 17
0巻、763−775)。後の研究の結論は、一次デングウイルス感染が、優勢
に交差反応性CD4+リンパ球応答(増殖およびインターフェロンγ産生)を生
じることであった。
【0175】 この研究で、一価のワクチン受容者のPBMCの交差反応性応答は、通常、セ
ロタイプ特異的応答の半分またはそれ未満であった。四価のワクチン受容者では
、デングウイルスの個々のセロタイプに応答したインターフェロンγ分泌は、4
つの四価のワクチン受容者の内3つで明らかであった。応答は、低い応答が、セ
ロタイプ特異的応答または交差反応性応答であるかどうかを決定する可能性がな
かったことに十分な個々のワクチン受容者で変化した。
【0176】 インターフェロンγ分泌によって示されるとおりT細胞活性化の速度論は、予
測されるより遅かった。少数の例で、応答は、14日目までに検出され得た。し
かし、ほとんどの場合に、応答は、第二のワクチン用量の投与の直前まで検出さ
れなかった。遅延した速度論についての理由がなにであるかは不明である。ワク
チンウイルスに感染した細胞による抗原産生が、低く、そして頻発するという1
つの説明が可能である。しかし、その方法は、急な応答よりむしろ記憶応答を優
勢に検出したことは等しく可能である。例えば、活性なCD8+細胞は、初期の
感染の間に収集されたPBMCでのCD4+応答を阻害していた場合、測定可能
な応答は、弱毒化されうる。CD8+リンパ球が枯渇される培養で、残りのリン
パ球によるインターフェロンγ分泌は、培養の半分より多くで増加された。この
阻害は、初期の感染の間に多くなり得た。
【0177】 他方は、より急性のリンホカイン産生の速度論を観察した。血清インターフェ
ロンγを含めた血清リンホカインは、弱毒化デングワクチンを用いた接種の後、
17日間測定された。急性応答は、ウイルス血症の時間じゅう頂点に達したその
研究で注目された(Kuraneら、1995年、J Clin Lab Im
munol 46巻、35−40)。
【0178】 第二の用量に対する応答が混ぜられた。ある程度の個人は、インターフェロン
γ産生における増加を示した一方で、他方は、減少を示した。第二の用量の直前
にワクチン受容者から収集された細胞によるインターフェロンγ産生は、第二の
用量に対する任意の既往の応答を消しうるのに十分高かった。さらに、後半のイ
ンターフェロンγ応答は、既往のT細胞応答の測定を、いっそう困難にさせえた
。数名の個人が、第二の用量に応答したことは明かである。これは、活性な免疫
応答の存在下である程度の局在ウイルス成長があったことを示す可能性がある。
【0179】 要約すると、これらの生の弱毒化デングウイルスの投与に対する優勢なT細胞
応答は、Th1応答であった。これは、ワクチン受容者から収集された再刺激P
BMCによるインターフェロンγの分泌によって示された。ワクチン受容者の細
胞から得られるPBMC培養物で、再刺激の後に培養上清への明らかなIL−4
またはIL−10分泌を示したものはなかった。Th1応答は、CD3+CD8
−リンパ球が、インターフェロンγを分泌していることを示すことによって立証
された。Th1応答は、優勢にデングセロタイプ特異的であったが、しかしより
小さな交差反応性応答が、認められた。
【0180】 実施例14 免疫および疑わしいボランティアでの誘発株として4つのデングウイルスの臨
床および免疫学的評価 この研究の第一の目的は、疑わしいおよび免疫のボランティアでの4つの候補
のデング誘発ウイルスの各々に対する臨床応答を特徴づけて、ヒトのワクチン効
力の研究についての誘発株としてそれらの安定性を判断した。その研究の第二の
目的は、デング熱についての保護の免疫相互関係に関する仮説を生じることであ
る。
【0181】 用量、日程および経路:全てのボランティアは、研究の0日目に三角筋領域で
皮下に、0.5mgの単回用量で、4つのデング誘発ウイルスまたはプラセボの
内のいずれか1つを受ける。
【0182】 研究グループ: ボランティア集合番号1(疑わしい):DEN−1、DEN−2、DEN−3
、DEN−4またはプラセボのいずれかを受けること。ボランティア集合番号2
(免疫):DENウイルス(先に受けたワクチンに応答するセロタイプ)または
プラセボのいずれかを受けること。
【0183】 一般的適格条件:年齢18−35歳、なんら慢性の医療条件なしに素晴らしく
健康、書き取り理解力試験で>75%のスコアー、インフォームドコンセント、
研究期間の間の利用性、連隊からの参加の承認の文書(軍のみ)、先のデングワ
クチン接種に応じた血清学的変換(ボランティア集合番号2番のみ)。
【0184】 統計:データ解析は、各試験物の群で少数のボランティアに付与された、この
先行研究で最初に説明できる。第一の考慮は、プラセボに比較したとき、4つの
研究群内の医療事象(予め特定され、そして予測されない)の頻度を詳細に記述
することである。
【0185】 デング熱を発生する全ての誘発されたボランティアの予備誘発免疫測定および
後誘発免疫応答は、健康なままである全ての誘発されたボランティアのものと比
較して、保護の免疫相関関係について仮説を生じる。
【0186】 ヒトデングの誘発モデルの使用: デング病を特徴づけるか、または生のワクチン候補の弱毒化を評価するかのい
ずれかのために設計されたほとんどの歴代のヒトデング誘発実験と対照的に、こ
の誘発研究は、1)フラビウイルスを受けたことがないボランティア(ボランテ
ィア集合番号1)で誘発株として4種のデングウイルスを有効とすること、およ
び2)順次、相同器官のデングウイルスで誘発されたときにモノ型のデングワク
チンの受容者(ボランティア集合番号2)で免疫性の関連のあるものを同定する
ことを助長する。
【0187】 ボランティア集合番号1での医療上の応答が、これらの株が、誘発に適してい
ることを示唆する場合、それによりさらなる制御実験で、これらの誘発株は、デ
ングワクチン候補またはプラセボの受容者に投与されて、さらなる開発のための
最も有望なワクチン候補を選択する。
【0188】 ボランティア集合番号2での免疫学上の応答は、予備誘発免疫性のある種の態
様(抗体および/またはT細胞記憶)が、保護と関連があることを示唆する場合
、保護のこのような関連のあるものは、デングワクチン開発を簡便にしうる。
【0189】 誘発株として試験されるべきデングウイルスについての条件を定義すること:
適切なデング誘発ウイルスは、1)ボランティア集合番号1で3−7日間続く未
合併デング熱を再現可能に引起し、2)優良製造規則(GMP)と合せて製造さ
れ、そして偶発的剤または反応原性(reactogenic)の非ウイルス性
成分を含まず、および3)十分な量(>100用量)で凍結乾燥ウイルスとして
入手可能である。誘発ウイルスとしては、不活性化DEN−1 45AZ5(P
DK−0)、DEN−2 S16803(PDK−10)、DEN−3 cl
24/28(PDK−0),DEN−4 341750(PDK−6)(PDK
=一次イヌ腎臓細胞)が挙げられる。
【0190】 プラーク形成単位(pfu.)での誘発ウイルスの用量は、0.5×力価であ
る。
【0191】 研究誘発ウイルスは、後の2つの条件に合致する。この研究は、研究の候補の
誘発株が、第一の条件に合致することを示すことを助長する。我々は、この研究
で試験されるべき4種の誘発ウイルスが、適切に病因性があることのある程度の
証拠を有する。DEN−1およびDEN−3誘発ウイルスは、ボランティアでの
未合併で熱病の病気を引起すことがすでに示されている。この研究で投与される
べきDEN−2およびDEN−4誘発ウイルスは、ボランティアで試験されなか
ったが、それらは、ボランティアで熱病の病気を引起したので拒絶されたデング
ウイルスワクチン候補の前駆体である場合、それらは、病原性であると考えられ
る。4つの研究の候補のデング誘発ウイルスのいずれかを拒絶する唯一の理由は
、それらが、フラビウイルスを受けたことがないボランティア(ボランティア集
合番号1)でなんら病気を引起さないか、または任意のボランティア(ボランテ
ィア集合番号1および2)で過剰の病気を引起すかのいずれであるかである。
【0192】 ボランティア集合番号1:10名の健康なフラビウイルスを受けたことがない
ボランティアは、任意に、4つのセロタイプ(セロタイプ当たり2名のボランテ
ィア)またはプラセボの内1つでデングウイルス誘発を受ける。ボランティアお
よび調査者は、接種まで目隠ししたままである。我々は、デング誘発ウイルスを
受ける8名のボランティアが、3〜7日の発熱、ひどい頭痛および筋痛を示す中
程度な病気になることを予測する。完全な回復は、病気の発生から14日と同じ
だけ長く要しうる。各誘発ウイルスは、2名の受容者の医療的応答に基づいて適
切と見なされ、そしてデング熱の研究定義を満足しなければならない。デング熱
は、以下のもの:頭痛、筋痛、紅潮、眼窩後部痛、関節痛、およびアセトアミノ
フェン使用による温度の減少した期間に対処する48時間またはそれ以上の間の
持続的発熱、および発熱の期間中、そしてその後好中球減少症または血小板減少
症または肝臓損傷により明白であり、そして発熱のデングウイルス血症で明らか
な日の間の組織応答の内の2つまたはそれ以上を示す病気と定義される。
【0193】 ボランティア集合番号2:12歳までの若く健康な免疫のボランティアは、ホ
モ型デング誘発ウイルス(N=10、セロタイプに関わらず)またはプラセボ(
N=2)を受ける。免疫ボランティアは、一次中和抗体応答を示した一価の生の
弱毒化デングワクチンの先の受容者である。セクション23.3は、これらの一
価のデングワクチン受容者に関する医療および免疫学上のデータを要約する。免
疫ボランティアは、健康なままであると予測される。彼らの予備誘発免疫状態ま
たは免疫活性化内部誘発の測定は、保護の関連のものを同定しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ワクチン接種の結果としての>1度の症状の発生である。
【図2】 血清型別の反応誘発性指数の分布頻度である。
【図3】 種々の投与量での四価デング熱ワクチン試験の結果を示す表である。
【図4】 10名の被験者における完全投与量での四価デング熱ワクチンの免疫原性を示
す表である。
【図5】 四価ワクチン試験の選択した製剤についての詳細を示す表である。
【図6A〜H】 ワクチンボランティアから採集し、血清型特異的ウイルスで刺激したPBMC
によるインターフェロンγの産生。すべてのボランティアが1種類だけの血清型
のワクチンを接種された。左側のグラフ(A−D)は、32日目頃に2回目の投
与量を接種されたボランティアからの結果を示す。右側のグラフ(E−H)は、
92日目頃に2回目の投与量を接種されたボランティアからの結果を示す。大部
分のボランティアにおいて2回目の投与の直前に1000pg/mlを越える応
答が認められた。4名のボランティアだけが、1回目のワクチン接種を受けてか
ら最初の15日以内に1000pg/ml以上の応答があった。
【図7A〜D】 四価ワクチンを接種されたワクチンボランティアから採集したPBMCのイン
ターフェロンγの産生。PBMCは、個別に各血清型のウイルスで刺激した。各
々のグラフ中の個々の線は、個々の血清型のウイルスに対する1名のボランティ
アのPBMCの応答を表わす。単価ワクチンのレシピエントに関しては、遅延反
応が認められた。
【図8AおよびB】 単価及び四価ワクチンボランティアから採集したPBMCのグランザイムB
mRNA産生。いずれかの時点で分泌されたPBMCが≧1000pg IFN
γ/mlであった個人全員から細胞を採集した。これは、RTPCRによって検
出されるmRNAの量の半定量的表示である。上の図(A)は、すべてのサンプ
ルについて認められたバンドの強さを示す。下のゲル(B)は、陽性と陰性RT
PCRアッセイの例を示すために選択したボランティアからのものである。
【手続補正書】特許協力条約第19条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年11月27日(2000.11.27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA, BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,C Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH ,GM,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 プトナク, ジョゼフ, アール. アメリカ合衆国 メリーランド州 20910, シルバー スプリング, 16番 ストリ ート 8201 (72)発明者 デュボイス, ドリア, アール. アメリカ合衆国 メリーランド州 20902, ウェアトン, ジュドソン ロード 11908 (72)発明者 イニス, ブルース, エル. アメリカ合衆国 20012 ワシントン デ ィーシー, エヌ.ダブリュー., シダ ー ストリート 532 (72)発明者 ホーク, チャールス, エイチ. アメリカ合衆国 メリーランド州 21044, コロンビア, カーディナル レイン 6409 (72)発明者 ヴァウン, デイビッド アメリカ合衆国 メリーランド州 20905, シルバー スプリング, レッドゲイト ドライヴ 15108 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA32 CA01 GA18 4B065 AA90X AA95X AC20 BB32 BC50 CA45 4C085 AA03 BA51 CC08 DD06 DD86 EE06 FF24

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生理的に許容される賦形剤中に少なくとも1つの弱毒化デン
    グ熱1型ウイルスを含む免疫原性組成物。
  2. 【請求項2】 個体においてデング熱1型特異的免疫応答を誘発する、請求
    項1に記載の免疫原性組成物。
  3. 【請求項3】 免疫応答を高めるアジュバントをさらに含む、請求項1に記
    載の免疫原性組成物。
  4. 【請求項4】 弱毒化ウイルスが、ATCCアクセス番号VR−2648の
    デング熱1型ウイルスである、請求項1に記載の免疫原性組成物。
  5. 【請求項5】 10−10PFUの弱毒化ウイルスの用量で製剤される
    、請求項1に記載の免疫原性組成物。
  6. 【請求項6】 生理的に許容される賦形剤において、デング熱1型ウイルス
    である少なくとも1つの弱毒化ウイルスの免疫学的に十分な量を個体に投与する
    ことを含む、デング熱1型ウイルス特異的免疫応答を刺激するための方法。
  7. 【請求項7】 弱毒化ウイルスを10−10PFUの量で個体に投与す
    る、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 弱毒化ウイルスを非経口的に投与する、請求項6に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 弱毒化ウイルスを鼻腔内に投与する、請求項6に記載の方法
  10. 【請求項10】 前記投与が多回投与である、請求項6に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記多回投与が0ヶ月目と6ヶ月目である、請求項10に
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 ATCCアクセス番号VR−2648のデング熱1型ウイ
    ルスのヌクレオチド配列を含む、弱毒化デング熱1型ウイルスゲノムをコードす
    るDNA分子。
  13. 【請求項13】 デング熱1型ウイルスをイヌ腎細胞において継代して、各
    継代後にウイルスが哺乳類において疾患を引き起こす能力を試験することを含み
    、前記哺乳類において疾患を引き起こすことができないときウイルスが弱毒化さ
    れている、デング熱1型ウイルスを弱毒化するための方法。
  14. 【請求項14】 弱毒化ウイルスをアカゲザル胎児肺細胞において継代する
    、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 ウイルスの前記継代が無血清培地中で行われる、請求項1
    3に記載の方法。
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