JP2002535283A - 進行中の急性同種移植片拒絶反応を抑制する方法 - Google Patents

進行中の急性同種移植片拒絶反応を抑制する方法

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JP2002535283A JP2000594483A JP2000594483A JP2002535283A JP 2002535283 A JP2002535283 A JP 2002535283A JP 2000594483 A JP2000594483 A JP 2000594483A JP 2000594483 A JP2000594483 A JP 2000594483A JP 2002535283 A JP2002535283 A JP 2002535283A
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正和 小林
ホンジ ジャン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、進行中の急性同種移植片拒絶反応を抑制する方法を提供する。一具体化態様において、その方法は、進行中の急性同種移植片拒絶反応を経験中の宿主に、同種移植片を進行中の急性拒絶反応から救うのに有効な量のIL10阻害剤およびIL2阻害剤を投与することを包含する。他の一具体化態様において、その方法は、IL2阻害剤による免疫抑制が不十分なことに起因する進行中の急性同種移植片拒絶反応を経験中の宿主に、同種移植片を進行中の急性拒絶反応から救うのに有効な量のIL10阻害剤を投与することを包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は、進行中の急性同種(異系)移植片拒絶反応を抑制する方法に関する
ものである。 背景技術 急性の同種臓器または組織移植片拒絶反応は、臨床上侮りがたい問題である。
たとえば、急性拒絶反応は、腎移植後のもっとも危険で、もっとも頻繁な合併症
である(Suthanthiranら、Renal Transpl.,78,
77−94(1998))。急性拒絶反応は、レシピエント(受容者)の免疫系
が移植された移植片を異物として認識し、それを破壊すべく免疫応答を開始する
ときに生じる。急性拒絶反応は、主として、ドナー(すなわち移植片)の主要組
織適合遺伝子複合体(MHC)エピトープを認識し、CD8+ Tリンパ球(細
胞傷害性T細胞)の産生を刺激するサイトカイン類を分泌するCD4+ Tリン
パ球(ヘルパーT細胞)による総合された細胞性免疫応答である。細胞傷害性T
細胞の活性が、次には、移植片に対する傷害を惹起する。
【0002】 産生するサイトカイン類に基づいて区別されるCD4+ T細胞の少なくとも
2つのサブグループが、移植片拒絶反応を調節する。ヘルパーT1細胞(Th1
)は、インターロイキン−2(IL2)、インターフェロン−γ(IFNγ)、
腫瘍壊死因子−β(TNFβ)およびリンホトキシンを含む炎症増進性サイトカ
イン類を産生し、これらが細胞性免疫応答を刺激する。これとは対照的に、ヘル
パーT2細胞(Th2)は、サイトカインの中でもインターロイキン−4(IL
4)、インターロイキン−5(IL5)、インターロイキン−6(IL6)、イ
ンターロイキン−10(IL10)およびインターロイキン−13(IL13)
を分泌するが、これらは体液性およびアレルギー性応答の刺激に関係する(Mo
ssmanら、Ann.Rev.Immunol.,7,145−173(19
89);Sederら、Ann.Rev.Immunol.,12,635−6
73(1994);(Paulら、Cell,76,241−251(1994
); Ferraraら、Transfusion Med.Rev.,12,1−1
7(1998))。さらに、IL4、IL10などのTh2関連サイトカイン類
は、Th1細胞の活性化を抑制し、マクロファージの抗原提示機能を引き起こす
ことが示されている(Mooreら、Ann.Rev.Immunol.,11
,165−190(1993))。
【0003】 インビトロおよびインビボの移植モデルで、Th1細胞の活性化の結果、同種
移植片拒絶反応が生じることが示されている。Th1細胞の活性化は、たとえば
IL2やIFNの関与する細胞傷害活性の働きを容易ならしめることが報告され
ている(Novelliら、J.Immunol.,147,1445−145
0(1991);Landolfoら、Science 229,176−18
0(1985))。
【0004】 同様に、Th1関連サイトカイン類が多くの自己免疫疾患にかかわっているこ
とが証明されている。たとえば、慢性関節リウマチの患者は、滑膜組織中にTh
1細胞を主に有しており(Simonら、PNAS,91,8562−8566
(1994))、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)はTh1細胞によって誘
発されることが示されている(Kuchrooら、J.Immunol.,15
1,4371−4381(1993))。さらには、Th1関連サイトカイン類
が、内皮細胞、ケラチノサイトおよび肝細胞ならびに免疫細胞の活性化および機
能を調節することが示されている。
【0005】 急性拒絶反応および自己免疫疾患におけるTh2細胞およびそれらの関連サイ
トカイン類の正確な役割は、いまだきわめて議論の余地のあるところである。T
h2関連サイトカイン類によるTh1タイプサイトカインプログラムの沈黙化(
サイレンシング)およびマクロファージの抗原提示機能の阻害は、Th2サイト
カイン類が抗炎症剤および免疫抑制剤として機能することを示唆している。かく
して、Th2サイトカイン類の濃度上昇は、移植片の生存性を高め、自己免疫応
答を抑制する上で一つの役割を果たすと期待されよう。
【0006】 しかし、Th2関連サイトカイン類がIL2非依存性T細胞活性化を上向き調
節し、B細胞機能を始動させ、CD8+ T細胞およびNK細胞の細胞毒性を増
強する能力は、Th2関連サイトカイン類も免疫刺激剤として機能しうることを
示唆している。これの裏付けとして、最近の実験的および臨床的研究は、急性拒
絶反応を経験している移植片でTh2タイプサイトカインmRNAsが上向き調
節されていることを示している(Fujimuraら、Transpl.Pro
c.,30,1023−1026(1998);Naganoら、Transp
l.,63,1101(1997);Suthanthiran,Med.Sc
i.,313,264(1997);Greatら、Transpl.,62,
910(1996);Oroszら、Transpl.,63,1109(19
97))。さらに、最近の研究は、喘息患者の気管支からのT細胞中およびアト
ピー性皮膚炎の血液および病変部位からのT細胞中にIL4が検出されたことか
ら、Th2応答がアレルギー疾患に関与していることを示している(Ohmen
ら、J.Immunol.154:1956−1963(1995))。アトピ
ー性皮膚炎では、T細胞よりもむしろ単球がIL10の主要な供給源のようであ
る。
【0007】 移植片拒絶反応および自己免疫応答におけるTh2関連サイトカインIL10
の役割は、とくに論議の的になっている。IL10は、当初、Th2細胞によっ
て産生され、Th1細胞によるINFγ、IL1α、IL1β、IL2、TNF
αなどのサイトカインの産生を抑制するサイトカイン合成阻害因子(CSIF)
として記述された(Fiorentinoら、J.Immunol.,146,
3444−3451(1991);Mooreら、Science 248,1
230−1252(1990))。炎症増進性サイトカイン類の産生を阻害する
ほかに、IL10は、単球表面でのクラスIIMHC抗原発現の下向き調節(ダ
ウンレギュレーション)を介して単球の抗原提示能を低下させることによって、
抗原特異性Th1細胞の増殖を抑制することが示されている(Trowbrid
geら、J.Expt.Med.,154,1517−1524(1981);
Lambertら、Cell.Immunol.,120,401−418(1
981);Mossmanら、Immunol.Today,12,A49−A
53(1991))。そのほか、IL10がクラスIIMHCの発現だけでなく
、ヒト単球表面でのB7および細胞間接着分子−1(ICAM−1)の発現をも
抑制することが示されている(Abramowicz,WO94/17773)
。B7およびICAM−1は、抗原提示細胞(APC)の膜表面で発現される「
補助(アクセサリー)分子」であり、T細胞の表面の対応する受容体(それぞれ
CD28およびLFA−1)と相互作用し、T細胞の活性化を助長する。それゆ
え、IL10は、MHC II/T細胞受容体相互作用ならびにB7/CD28
およびICAM−1/FLA−1相互作用の両者に干渉することによりT細胞活
性化を抑制するという仮説が立てられている(Abramowicz,WO94
/17773)。
【0008】 IL10がTh1細胞の活性化および炎症増進性サイトカイン類の産生に対し
て強い抑制作用を有するという知見から、IL10が同種移植片拒絶反応などの
細胞性免疫応答の強力な免疫抑制剤であるという仮説が導かれた(Langら、
Transpl.Proc.27,1146−1147(1995))。このよ
うに、臓器移植に続く移植片拒絶反応を抑制するためのIL10の使用を示唆し
ている人は多い(Warrick,WO97/05896;Abramowic
z,WO94/17773)。急性および慢性炎症性状態ならびに自己免疫疾患
の治療のためのIL10の使用を示唆している人もいる(Lauenerら、W
O96/32418;Tadamori,WO97/05896)。しかし、最
近の報告は、IL10も免疫刺激因子であるかもしれないことを示唆している。
たとえば、IL10は、樹状細胞誘発CD8+ T細胞分化を支え、IL−2に
よって支えられたCD8+ T細胞の増殖を増進し、同種抗体依存性細胞性細胞
毒性を増強することが示されている(Macatoniaら、J.Immuno
l.,150,3755(1993);Chenら、J.Immunol.,1
47,528−534(1991);teVeldeら、J.Immunol.
,149,4048(1992);Goら、J.Exp.Med.,172,1
625−1631(1990))。さらに、最近、急性移植片拒絶反応を受けて
いる同種移植片においてIL10が上向き調節されていることが示されており、
IL10が急性同種移植片拒絶反応における促進因子として機能している可能性
を示唆している(Fujimuraら、Transpl.Proc.,30,1
023−1026(1998);Suthanthiran,Med.Sci.
,313,264(1997);Oroszら、Transpl.,63,11
09(1997))。
【0009】 真菌トリポクラジウム・インフラーツム・ガムス(Tolypocladiu
m inflatum Gams)その他の不完全真菌によって産生される環状
ペプチドであるシクロスポリンA(CsA)は、移植片レシピエントでの移植片
拒絶反応を予防するための免疫抑制剤として広く使用されている。たとえば、C
sAは、皮膚、心、腎、膵、骨髄、小腸および肺を含む同種移植片の生存の延長
に、また対宿主性移植片病および遅延型過敏症の抑制に、成功している。CsA
は、Tリンパ球の活性化を妨げることおよび細胞周期のG0期からG1期への進
行の間にIL2、IFNγ、IL4遺伝子を含むいくつかのサイトカインの転写
を阻害することが示されている(Flamandら、J.Immunol.,1
44,2875−(1990);Granelli−Piperno、J.Ex
p.Med.,171,533(1990);Sigalら、Ann.Rev.
Immunol.,10,519(1992);Tocciら、J.Immun
ol.,143,718−726(1989))。さらに、CsAは、インター
ロイキン−2受容体の発現およびIL2の放出を抑制することが示されており(
Kinoら、J.Antibiot.,40,1256−1265(1987)
;Tocciら、J.Immunol.,143、718−726(1989)
)、またT細胞の活性化を妨げることが示されている(Tocciら(1989
)、上掲)。
【0010】 CsAの阻害作用は、それが対応細胞内結合蛋白質であるシクロフィリンに結
合し、カルシニューリンと複合体を形成し、それによってカルシニューリンを不
活性化し、サイトカイン類の初期活性化を遮断する結果として生じるものであり
、それらサイトカイン類のうち、IL2遺伝子転写およびIL2受容体発現につ
いては精力的に研究されている(O’Keefeら、Nature,357,6
92(1992);Clipstoneら、Nature,357,695(1
992))。Ca2+−カルモジュリン依存性プロテインフォスファターゼである
カルシニューリンは、IL2遺伝子に結合してそれの転写活性化に関与するいく
つかのDNA結合蛋白質の機能活性化に必要である(Clipstoneら、N
ature,357,695(1992);Schreiber,Cell,7
0,365(1990);Martinら、J.Immunol.,154,9
22−927(1995);Jainら、Nature,365,352−35
5(1993))。カルシニューリンは、NF−ATやAP−1などの細胞質T
細胞転写因子を脱燐酸することができ、それにより、かかる因子の核移行を誘発
させ、IL2遺伝子の活性化を可能ならしめると考えられる(Morris,T
ranspl.Proc.,26,3272−3275(1994);Jain
ら、Nature,356,801−804(1992))。
【0011】 他の広く用いられている免疫抑制剤に、ストレプトマイセス・ツクバエンシス
により産生され、タクロリムスまたはFK506として知られているマクロライ
ド抗生物質がある。構造の相違にもかかわらず、タクロリムスは、CsAの場合
と類似の機構によってT細胞の活性化を阻害する(Thompson,Immu
nol.Today,10,6(1989);Petersら、Drugs,4
6,746−794(1993);Ochiaiら、Transpl.,44,
729−733(1987);Tocciら、上掲(1989))。CsAと同
様に、タクロリムスはそれの対応する細胞性結合蛋白質(FKBP)に結合して
複合体を形成し、これがカルシニューリンに結合してその活性を阻害し、その結
果、IL2およびその他のサイトカイン遺伝子の転写をもたらすCD4+ Th
細胞内での基本的シグナル伝達事象を阻害するに至る(Sigalら、Ann.
Rev.Immunol.,10,519(1992);Tocciら、J.I
mmunol.,143,718(1989))。とくに、タクロリムスは、イ
ンビトロでT細胞の増殖、IL2の産生および他の増殖促進性サイトカイン類の
産生を抑制する上では、CsAより10〜100倍強力であり、インビボでT細
胞依存性抗体の産生、対宿主性移植片反応および遅延型過敏性反応を抑制する上
では、10倍強力であることが示されている(Morrisら、Transpl
.Proc.,26,3272(1994))。
【0012】 臨床試験および実験的研究により、タクロリムスは、急性同種移植片拒絶反応
を予防するための一次免疫抑制剤としてCsAに代わる有望な代替物となること
が示されている(Ochiaiら、Transpl.Proc.,19,128
4(1987));Ochiaiら、Transpl.,44,729−733
(1987);Muraseら、Transpl.,50,186−189(1
990);Todoら、Transpl.Proc.,19,64−67(19
87));Todoら、Surgery,104,239−249(1988)
;Todoら、Ann.Surg.,212,295−305(1990))。
タクロリムスは、すでに、皮膚、心、肝、腎および小腸の同種移植片移植を含む
広範囲の動物移植モデルで試験されてきている(Kinoら、J.Antibi
ot.,40,1256(1987);Sawadaら、J.Immunol.
,139,1797(1987);Tocciら、J.Immunol.,14
3,718(1989);Sigalら、Ann.Rev.Immunol.,
10,519(1992);Starzlら、Lancet,2,1000−1
004(1989);Starzlら、JAMA,264,63(1990);
Armitageら、Transpl.,53,164(1991);Todo
ら、Transpl.,53,369(1992)。さらに、タクロリムスは、
臨床臓器移植において成功裏に使用されており、肝移植の場合、CsAよりも3
〜10桁強力であると評価されている。
【0013】 CsAおよびタクロリムスはともに急性同種移植片拒絶反応の予防のための免
疫抑制効果を実証しているが、最近の実験的研究および臨床試験は、CsAとタ
クロリムスとが、進行中の急性同種移植片拒絶反応からの救出に関しては、異な
る免疫抑制活性を有することを示している(Ochiaiら、Transpl.
Proc.,44,729(1987);Ciancoら、Transpl.P
roc.,27,812(1995);日本タクロリムス研究班、Transp
l.Proc.,23,3071(1991);Laskowら、Transp
l.Proc.,27,809(1995);Muraseら、Transpl
.,50,186(1990))。進行中の拒絶反応とは、急性拒絶反応の諸相
または諸段階もしくは顕著なリンパ球局所浸潤および移植片破壊によって特徴づ
けられる急性拒絶反応の晩期を意味する。それが起こるのは、動物または患者に
投与された免疫抑制剤の用量が不充分であって、その結果、免疫抑制が不十分と
なり、移植片拒絶反応が生じるためである。
【0014】 興味あることに、移植から数日後に(すなわち同種移植片拒絶反応が起こって
しまってから)投与された適量のタクロリムスが同種移植片の生存を有意に増進
しうることが見いだされている。これに対し、CsAはその適量を同種移植片拒
絶反応後に投与しても移植片の生存に効果がない。すなわち、タクロリムスは、
急性同種移植片拒絶反応を防止するための予防処置用としてだけでなく、移植片
を進行中の拒絶反応から救うための抗拒絶反応処置用としても、利用できる。こ
れに対し、CsAは、予防処置用としての効用が証明されているだけである。
【0015】 移植片の生存率は顕著に改善されてきたけれども、たとえばCsAを用いたと
きの急性同種移植片拒絶反応発生率は、一部には用量を誤った結果としての不十
分な免疫抑制のためもあるが、依然として69%と高い(Tarantinoら
、Transpl.,52,53(1991))。さらに、CsAやタクロリム
スなどの免疫抑制薬の効果は、通常それらの濃度に依存し且つしばしばそれらが
もつ最大免疫抑制効果の発現を妨げる様々な副作用によって制限をうける。たと
えば、CsAは、高血圧、高脂血症、振戦および多毛ならびに強度で不可逆性の
腎毒性、肝毒性および心毒性を惹起しうる(McEvoyら、Am.Soc.H
osp.Pharm.,2476−2478(1994);Wiederrec
htら、Ann.NY Acad.Sci.,696,9−19(1993);
Fauldsら、Drugs,45,953−1040(1996))。同様に
、タクロリムスは、腎毒性、神経毒性、およびグルコ−ス代謝の変化をもたらす
ことが示されている(Yokotaら、Transpl.Proc.,21,1
066(1989);Ochiaiら、Transpl.,44,729(19
87);Shapiroら、Transpl.Proc.,19,57(198
7))。さらに、免疫抑制薬の吸収が悪い、または変動しうるために、用量決定
を誤ることがありうる。たとえば、CsAの吸収率はおよそ30%であり、患者
内および患者間の差異が大きく、生体内利用率が胃の運動性、粘膜の完全性、食
物の存在および胆汁流量に依存する(Liaoら、Phramacothera
py,16,401−408(1996))。誤用量、毒性および/または低い
吸収率ならびに特定の免疫抑制剤に対する所与の個人の感受性のための不十分な
免疫抑制に起因する進行中の急性同種移植片拒絶反応は、依然として組織および
臓器移植の領域における一つの問題であり、急性拒絶反応過程の複雑さを目立た
せるばかりである。
【0016】 かくして、不適切な用量または低い吸収性の結果として生じた進行中の同種移
植片拒絶反応を抑制するような免疫抑制療法が必要とされる。しかも、毒性レベ
ルでの免疫抑制薬の投与を必要とすることなく、進行中の同種移植片拒絶反応を
抑制するような免疫抑制療法が必要とされる。
【0017】 上記にかんがみ、本発明の目的は、不十分な免疫抑制から生じるものなどの、
進行中の急性同種移植片拒絶反応を抑制する方法を提供することである。本発明
のこの目的およびその他の目的、利点ならびにさらなる発明性ある特徴は、本明
細書の詳細な説明を読めば、当業者には明らかになるであろう。 本発明の概要 本発明は、進行中の急性同種移植片拒絶反応を抑制する方法を提供する。一つ
の具体化態様においては、該方法は、進行中の急性同種移植片拒絶反応を経験中
の宿主に、同種移植片を進行中の急性拒絶反応から救うのに有効な量のIL10
阻害剤およびIL2阻害剤(またはタクロリムス単独)を投与することを包含す
る。他の一具体化態様においては、該方法は、IL2阻害剤による免疫抑制が不
十分なために進行中の急性同種移植片拒絶反応を経験中の宿主に、同種移植片を
進行中の急性拒絶反応から救うのに有効な量のIL10阻害剤を投与することを
包含する。 本発明の詳細な説明 本発明は、進行中の急性同種移植片拒絶反応を抑制する方法を提供する。本発
明は、IL10阻害剤およびIL2阻害剤が進行中の同種移植片拒絶反応を抑制
しうるという驚くべき発見に基づいている。
【0018】 上記にかんがみ、本発明は、一つの具体化態様において、移植片を進行中の急
性拒絶反応から救うのに有効な量のIL10阻害剤および同じように有効な量の
IL2阻害剤を投与することにより、宿主において進行中の急性同種移植片拒絶
反応を抑制する方法を提供する。免疫抑制薬の限られた免疫抑制能力およびそれ
の考えられる作用機序から、免疫抑制が不十分なために進行中の急性拒絶反応が
生じうる。動物移植モデルでは、急性拒絶反応は移植後3〜5日目に始まり、た
とえばリンパ球浸潤および関連サイトカイン/細胞傷害性因子の産生および移植
片破壊の形跡によって特徴付けられる。それは生体組織検査によって同定・確認
することができる。
【0019】 進行中の急性同種移植片拒絶反応を抑制する上記の方法に従って処置できる宿
主は、ヒトを含む任意の哺乳動物であってよい。同種移植片は任意の組織または
臓器であってよい。「組織」なる語は、先駆または前駆細胞を含む血球などの個
々の細胞を包含するものである。組織の例としては、角膜、骨髄、膵島が挙げら
れる。進行中の急性拒絶反応から救うことのできる臓器の例としては、心、腎、
肝、肺、膵、膀胱、小腸、皮膚などが挙げられる。
【0020】 移植片を進行中の急性拒絶反応から救うのに使用するIL10阻害剤は、任意
の適当な阻害剤であればよく、DNAレベルで、RNAレベルで、または蛋白質
レベルで作用するいずれのものでもよく、IL10またはその受容体に直接作用
するものでも、間接的に作用するものでもよい。IL10阻害剤の一例は、抗I
L10抗体などのアンタゴニストである。IL10サイトカイン蛋白質、その類
縁体または免疫原性断片(ともに天然型および組換え型のもの)に対して、抗体
を生じさせることができる。また、活性型または不活性型IL10に対して抗体
を生じさせることができ、その差は、活性型サイトカインに対する抗体の方が、
活性型立体配座でのみ存在するエピト−プを認識する可能性が高いことにある。
さらに、該IL10蛋白質、類縁体または断片は、ポリペプチドなどの他の物質
に、たとえば共有結合または非共有結合によって、連結することができる。
【0021】 抗IL10抗体は、ポリクローナルであっても、モノクローナルであってもよ
い。かかる抗体はモノクローナル抗体がより好ましい。抗IL10抗体は、市販
供給源から購入してもよく、当該技術分野で周知の方法を用いて調製し、同定・
確認してもよい(たとえばHowellら、「抗体、実験室マニュアル」(An
tibodies,A Laboratory Manual)(コールド・ス
プリング・ハーバー・ラボラトリー、1988年)参照)。簡単に述べれば、I
L10を抗原として動物に反復免疫化処置し、免疫化動物から抗血清を採取する
ことによって、ポリクローナル抗体を調製できる。当該技術分野において既知の
とおり、抗体産生のために広範囲の動物を免疫化することができる。かかる動物
種には、ヤギ、ウサギ、マウス、ラット、ハムスター、モルモットが含まれるが
、これらに限定されるものではない。ヤギまたはウサギの血液量が比較的大であ
るので、ポリクローナル抗体の生産にかかる動物を使用するのが好ましい。モノ
クローナル抗体は、IL10を抗原として動物に免疫化処置し、その動物から脾
細胞またはリンパ球を取り出し、標準的な融合プロトコールを用いてそれらの脾
細胞またはリンパ球を形質細胞腫細胞と融合させて、抗体分泌性ハイブリドーマ
を産生させることによって、得ることができる。
【0022】 あるいは、該IL10阻害剤は、IL10受容体に結合し、該受容体へのリガ
ンドの結合を阻害および/またはIL10の生体応答惹起能を阻害するIL10
アンタゴニストであってもよい。かかるIL10アンタゴニストとしては、IL
10受容体、IL10受容体に結合するが効果を生じない変異IL10リガンド
などに対する抗体が挙げられる。また、IL10阻害剤は、IL10の上流また
は下流のシグナルをブロックする分子であってもよい。また、IL10阻害剤は
、アンチセンス分子(たとえばWO97/31532;Senior,Biot
ech.Genet.Eng.Rev.15:79−119(1998);Bi
rdら、Biotech.Genet.Eng.Rev.9:207−227(
1991);Matzkeら、Trends Genet.11(1):1−3
(1995);Baulcombe,Plant Mol.Biol.32(1
−2):79−88(1996);Castanattoら、Crit.Rev
.Eukaryot.Gene Exp.2(4):331−357(1992
);およびRossi,Trends Biotechnol.13(8):3
01−306(1995)参照)またはIL10mRNA転写産物に特異的なリ
ボザイムまたはIL10の発現を阻害または阻止するDNA結合蛋白質であって
もよい。治療用アンチセンス核酸は、それ自体がさらにリボザイム配列を含んで
いてもよい。
【0023】 アンチセンス核酸分子は、当該技術分野で既知の方法に従って生成させること
ができる。アンチセンス阻害に用いられる核酸分子は、通常は、阻害されるべき
核酸の少なくとも一部、好ましくは連続する少なくとも約20のヌクレオチドに
実質的に同じであるが、同一である必要はない。該アンチセンス核酸分子は、当
該核酸に対して相同性または実質的相同性を示す一つの遺伝子ファミリーの範囲
内の他の蛋白質に阻害作用が及ぶように、設計することができる。導入されるア
ンチセンス核酸分子は、一次転写産物もしくは完全にプロセシングを受けたmR
NAに対してそれの全長でなくてもよい。一般に、相対的に短い配列を使用する
場合には、より高い相同性を用いて、埋め合わせをすることができる。さらに、
導入される配列は、同じイントロンあるいはエキソン・パターンを有している必
要はなく、非コードセグメントの相同性も同様に有効であろう。
【0024】 事実上いかなる任意の標的RNAとも特異的に対合し、特定の位置でホスホジ
エステル・バックボーンを切断して、標的RNAを機能的に不活性化するリボザ
イムを、設計することができる。この切断を実施する際に、リボザイム自体は変
化を受けることがなく、従ってリサイクルによる他の分子の切断が可能であって
、真の酵素として作用する。アンチセンスRNA中にリボザイム配列を含めるこ
とにより、それらRNAにRNA切断活性が付与され、それによって構築物の活
性が高められる。標的RNA特異的リボザイムの設計および使用は、Hasel
offら、Nature 334:585−591(1988)に記載されてい
る。リボザイムは、それの活性部位の各々の側で標的配列に対して相補性の少な
くとも20の連続するヌクレオチドを包含していることが好ましい。
【0025】 本明細書で使用する限り、IL10阻害剤の有効量とは、移植片を進行中の急
性拒絶反応から救うのに十分な量を意味する。特定の宿主に対するIL10阻害
剤の有効量は、使用するIL10阻害剤、宿主の総括的健康状態、IL10阻害
剤の毒性、投与経路などの因子に依存して変化しうる。IL10阻害剤の有効量
は、実施例1に記載したものなどの移植アッセイを利用して決定することができ
る。なお、IL10阻害剤の有効量を決定するための他のアッセイ法は、当該技
術分野において既知である。
【0026】 IL10阻害剤は、通常、有効量のIL10阻害剤と医薬として許容しうる担
体とを含有してなる医薬組成物として投与する。医薬として許容しうる担体は、
本発明の組成物を宿主に送達するのに適した相溶性・混和性の任意の無毒性物質
であってよい。かかる担体の例としては、標準食塩液、リンゲル液、デキストロ
ース溶液およびハンク溶液が挙げられる。固定油、オレイン酸エチルなどの非水
性担体も使用できる。好ましいのは、5%デキストロース/食塩液である。担体
は、緩衝剤、保存剤などの、医薬組成物の等張性および化学的安定性を増強する
添加物を少量含有することができる。注射用組成物のための医薬として許容しう
る担体についての要件は、当業者には周知である(「製剤学と薬局実務(Pha
rmaceutics and Pharmacy Practice)」、J
.B.リッピンコット社、ペンシルバニア州フィラデルフィア市、Banker
&Chalmers編、ページ238−250(1982)および「ASHP注
射薬ハンドブック(ASHP Handbook on Injectable
Drugs,Toissel,第4版、ページ622−630(1986)参
照)。
【0027】 投与は、一つ以上の機能パラメータ、たとえば血液パラメータ、または生検な
どによって、進行中の拒絶反応が確認されしだい、開始するのが好ましい。IL
10阻害剤は、経口的に、非経口的に、またはその他の任意の適当な手段によっ
て、投与できる。経口投与は、消化管プロテアーゼから当該化合物を保護する周
知の処方を用いて、実施できる。IL10阻害剤は、阻害剤の腹腔内、静脈内、
皮下または筋肉内注射によって、またはその他の任意の許容しうる全身的適用法
によって、非経口的に投与するのが好ましい。埋め込み可能な薬物送達システム
によって、IL10阻害剤を送達することもできる。
【0028】 該方法は、さらに、同種移植片を進行中の急性拒絶反応から救うのに有効な量
のIL2阻害剤を同時投与することを包含する。これに代えて、IL10阻害剤
によってIL2を阻害することもできる。任意の適当なIL2阻害剤を使用する
ことができる。IL2阻害剤は、DNA、RNAまたは蛋白質のレベルで作用す
ることができ、IL2またはその受容体に直接的または間接的に作用できる。I
L2阻害剤の一例は、抗IL2抗体などのアンタゴニストである(抗IL10抗
体に関する上記説明参照)。これに代わるものとして、IL2阻害剤は、IL2
受容体に結合でき、該受容体へのリガンドの結合阻害および/またはIL2の生
体応答惹起能を阻害することのできるIL2アンタゴニストであってよい(IL
10アンタゴニストに関する上記説明参照)。該IL2阻害剤は、ラパマイシン
などのIL2の上流または下流シグナルをブロックする分子であってもよい。あ
るいは、該IL2阻害剤は、アンチセンス分子またはIL2mRNA転写産物に
特異的なリボザイムまたはIL2の発現を阻害または阻止するDNA結合蛋白質
であってもよい。IL2阻害剤の他の例としては、IL2mRNA転写を阻害す
るCsA、シクロヘキシミド、p38MAPキナ−ゼ阻害剤、負の調節エレメン
ト−A(NREA)などの負に作用する転写因子などが挙げられる。CsAは好
ましいIL2阻害剤である。
【0029】 IL2mRNA阻害剤の有効量および有効量決定は、IL10阻害剤に関して
上記したとおりである。
【0030】 有効量のIL2阻害剤および医薬として許容しうる担体を含有してなる医薬組
成物も、IL10阻害剤に関して上記したとおりである。この点で、IL10阻
害剤とIL2阻害剤とは、同一組成物中で、または異なる組成物中で、同じまた
は異なる経路で、投与することができる。いずれにしても、IL10阻害剤およ
びIL2阻害剤を異なる経路で投与する場合には、それらを、同時投与の効果が
得られるように投与しなければならない。IL2mRNA転写阻害剤などのIL
2阻害剤の投与中に進行中の同種移植片拒絶反応が生起した場合には、IL10
阻害剤を、急性拒絶反応の早期の段階で投与することが好ましい。
【0031】 他の一具体化態様では、本発明は、IL2阻害剤による免疫抑制が不十分なこ
とによる急性同種移植片拒絶反応を抑制する方法を提供する。該方法は、進行中
の急性同種移植片拒絶反応を経験している宿主に、同種移植片を進行中の急性拒
絶反応から救うのに有効な量のIL2阻害剤を投与することを包含する。宿主、
同種移植片および組織は、上記したとおりである。IL10阻害剤も、IL10
阻害剤の有効量も、上記したとおりである。IL10阻害剤を投与するための医
薬組成物、投与経路および投与のタイミングも、上記したとおりである。 実施例 以下、実施例で本発明を説明する。これらの実施例は、本発明をより一層説明
するためのものであって、この発明の範囲を限定することを意図したものではな
い。 実施例1 この実施例は、ラット心移植時の急性同種移植片拒絶反応を予防するための一
次療法として用いるCsAおよびタクロリムスの適量の決定方法を説明するもの
である。
【0032】 体重200−250gの同系雄性ルイスラット(LEW)(RT11)を、心
移植のレシピエントとして用いた。体重150−200gの同系雄性LEWおよ
び同系雄性ブラウン・ノルウェー(BN)(RT1a)ラットを、それぞれ(同
種)同系移植片(アイソグラフト)および同種(異系)移植片(アログラフト)
ドナーラットとして用いた。心移植は、オノとリンジーの改良手技(Onoら、
J.Thorac.Cardiovasc.Surg.,57,225(196
9))を用いて実施し、ドナーの大動脈および肺動脈をそれぞれレシピエントの
腹部大動脈および下大静脈に端−側吻合した。移植のレシピエントは、移植後0
日目から10日目まで、CsAまたはタクロリムスの投与を受け、毎日拒絶反応
についてモニターされた。心移植片の拒絶反応は、拍動の完全な停止であると定
義し、開腹後目視により確認した。種々の用量(3.2、10、または32mg
/kg)のCsA(藤沢薬品工業、日本国大阪市、ロット番号060975L)
を純オリーブ油5mlに溶解させ、レシピエントラット(各用量当たり5匹)に
移植後0日目から10日目まで毎日経口投与した。種々の用量(1、3.2また
は10mg/kg)のタクロリムス(藤沢、ロット番号701732)を水5m
lに溶解させ、レシピエントラット(各用量当たり5匹)に移植後0日目から1
0日目まで毎日経口投与した。対照同系移植片および対照同種移植片レシピエン
ト(各5ラット)は、移植後に免疫抑制薬の投与を受けなかった。対照同系心移
植片の生存期間中央値(MST)は>100日であった。これに対し、同種心移
植片は平均6日間生存した。3.2mg/kg/日のCsAを投与された同種移
植片レシピエントの同種心移植片のMSTは11日であった。10mg/kg/
日のCsAを投与されたものの同種心移植片のMSTは21日であった。32m
g/kg/日のCsAを投与されたものの同種心移植片のMSTは20日であっ
た。これらの結果に基づき、CsAの適量は、10mg/kg/日であると決定
した。1.0mg/kg/日のタクロリムスを投与されたものの同種心移植片の
MSTは12日であった。3.2mg/kg/日のタクロリムスを投与されたも
のの同種心移植片のMSTは19日であった。10mg/kg/日のタクロリム
スを投与されたものの同種心移植片のMSTは21日であった。タクロリムスの
適量は3.2mg/kg/日であると決定した。 実施例2 この実施例は、タクロリムスは進行中の同種心移植片拒絶反応を救いうるが、
CsAはできないことを明らかにする。
【0033】 同種移植片心移植に続く最初の4日間に免疫抑制薬を投与しないと、局所リン
パ球浸潤およびそれらの関連サイトカイン/細胞傷害性遺伝子発現によって決定
づけられる移植片拒絶反応の進行が起る(Fujimuraら、Transpl
ant Proc.30:1023(1998))。それゆえ、移植に伴うこの
反応過程を開始させるために、心移植後0日目から4日目まで薬物の投与を見合
わせた。実施例1に記載の移植法を用いた。ただし、CsAおよびタクロリムス
のそれぞれの適量を、移植片レシピエントに移植後5日目から始めて毎日投与し
、10日間(すなわち、移植後5日目〜14日目)継続した。CsAまたはタク
ロリムスの投与なしでは、同系移植片のMSTは>30日であり、対照同種移植
片のMSTは6日であった。移植後5日目〜14日目に3.2mg/kg/日の
タクロリムスを毎日投与したところ、MSTは19日となり、移植片の生存期間
が約13日間延長された。これとは対照的に、10mg/kg/日のCsAの毎
日の投与では、MSTは7日になっただけであった。これらの結果は、タクロリ
ムスが同種心移植片を進行中の移植片拒絶反応から救うことができるが、CsA
はできないことを示している。 実施例3 この実施例は、タクロリムスは進行中の同種腎移植片拒絶反応を救いうるが、
CsAはそれができないことを明らかにする。
【0034】 タクロリムスまたはCsAが進行中の腎移植片拒絶反応を阻止できるかどうか
を調べるため、体重150−250gの雄性BNラット(RT1nRT2a、成和
、日本)から体重250−350gの雄性LEWラット(RT11RT2b、チャ
−ルズ・リバー、日本)へ腎移植片を移植した。体重250−350gの雄性L
EWラットおよび体重150−250gの雄性BNラットを、藤沢薬品工業株式
会社、日本国大阪市の動物施設でSPF(特定病原体除去)条件下に保持した。
腎移植は、フィッシャーとリーにより記載されている改良手技(Fisherら
、Surgery,58,904(1965))を用いて実施した。腎の移植は
、腎動脈および腎静脈をそれぞれ大動脈および下大静脈のパッチと端−側吻合す
ることにより、実施した。ドナ−の尿管は、細いポリエチレン製内腔ステントを
介してレシピエントの膀胱に直接移植した。移植に当たり、全レシピエントの両
側腎を摘出した。移植片の虚血時間は約30分であった。腎移植片の生存期間を
、ラットの生存期間として測定した。レシピエントからの腎組織の組織検査によ
り、移植片拒絶反応の兆候である組織内出血、尿細管壊死、静脈内皮炎およびび
まん性リンパプラスマ細胞浸潤を観察して、移植片拒絶反応を確認した。種々の
用量(3.2、10および32mg/kg)のCsA(藤沢、ロット番号060
975L)を純オリ−ブ油5mlに溶解させ、移植後2日目または4日目から始
めて13日間毎日レシピエントラット(各用量当たり7匹)に経口投与した。種
々の用量(0.32、1.0および3.2mg/kg)のタクロリムス(藤沢、
ロット番号701732)を水5mlに溶解させ、移植後2日目または4日目か
ら始めて13日間毎日レシピエントラット(各用量当たり7匹)に経口投与した
。対照同系移植片および対照同種移植片レシピエントには、移植後、蒸留水、オ
リーブ油またはプラシーボを与えた。同系腎移植片は拒絶されず、100日間よ
りも長く生存した。対照同種腎移植片は、水の場合、MST8日で拒絶され、オ
リーブ油では8日で、プラシーボでは9日で拒絶された。無処置同種腎移植片は
8日目に拒絶された。しかし、3.2mg/kg/日のタクロリムスで移植後2
−14日目に処置した5匹のレシピエントラットのすべてならびに移植後4−1
6日目に処置した5匹のレシピエントのうちの3匹が、50日より長く生存した
。これに対して、10mg/kg/日のCsAで移植後2−14日目に処置した
レシピエントは19日間生存し、移植後4−16日目に処置したレシピエントは
13日間生存した。これらの結果は、タクロリムスはラットにおける進行中の同
種腎移植片拒絶反応を有意に克服できるが、CsAはそれができないことを示し
ている。 実施例4 この実施例は、タクロリムスは、進行中の同種心移植片拒絶反応を救うための
抗拒絶反応療法の間に、CD8+(細胞傷害性T細胞)およびナチュラルキラー
(NK)細胞の同種心移植組織への浸潤を劇的に抑制することができるが、Cs
Aはそれができないことを明らかにする。
【0035】 実施例1に記載の方法を用いて、レシピエントラットに、心移植後5日目から
10日間、適量のCsA(10mg/kg/日)およびタクロリムス(3.2m
g/kg/日)を経口投与した。移植後5、7および10日目に、種々の免疫細
胞集団に対する特異抗体で免疫染色した移植組織の免疫組織学的検査により、C
D4+、CD8+、NKR−P1AおよびED2陽性細胞の存在を調べた。免疫
組織学的検査のために、心組織の4μm凍結切片を切り出し、アセトンで固定し
、CD4+(ヘルパーT細胞)、CD8+(細胞傷害性T細胞)、NKR−P1
A(ナチュラルキラー細胞)およびED2(マクロファージ細胞)陽性細胞のマ
ーカーに対するモノクローナル抗体(Pharmingen社、カリフォルニア
州サンディエゴ市)に暴露した。つぎに、それらの切片を、ペルオキシダーゼ結
合抗マウスIgG抗体とともにインキュベートした。3−アミノ−9−エチルカ
ルバゾールを用いて、結合ペルオキシダーゼを検出した。結果を定量的に評点付
けした。各々の組織切片につき、ランダムな3つの代表的な視野を目視顕微鏡(
x40)で計測して、組織当たりの平均細胞数を求めた。同種移植片対照の心組
織中の陽性に染色される細胞集団は、CD4+、CD8+、NKR−P1Aおよ
びED2陽性細胞が、10日目まで累進的に増加した。タクロリムスおよびCs
Aは、7日目に、局所移植組織中への細胞浸潤の有意な抑制を示さなかった。し
かし、タクロリムスおよびCsAは、両者とも、10日目に、CD4+およびE
D2細胞浸潤を部分的にブロックする上で同等の活性を示した。対照的に、タク
ロリムスは、10日目に、CD8+およびNKR−P1A細胞浸潤を有意にブロ
ックしたが、CsAはしなかった。これらの結果は、タクロリムスは細胞傷害性
T細胞およびナチュラルキラー細胞の浸潤をブロックするが、CsAはしないこ
とを明らかにするもので、タクロリムスが、移植組織への細胞傷害性T細胞およ
びナチュラルキラー細胞の浸潤をブロックすることによって、同種心移植片を進
行中の拒絶反応から救いうることを示唆している。 実施例5 この実施例は、タクロリムスが、同種心移植片レシピエントにおいて、進行中
の心同種移植片拒絶反応を救うための抗拒絶反応療法中に、IL10mRNAの
発現を下方調節することを明らかにするものである。
【0036】 実施例1に記載の方法を用いて、無薬物、10mg/kg/日のCsAまたは
3.2mg/kg/日のタクロリムスを、移植後5日目のレシピエントラットに
経口投与した。移植から5、7および10日目に、心移植組織から全RNAを抽
出し、サイトカインmRNAにつき、逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応(RT−
PCR)により試験した。全RNAは、TRIZOL(ギブコBRL社、メリー
ランド州ゲイザースバーグ市)によって移植心組織から抽出した。RT−PCR
は、ランダムヘキサマー(ギブコBRL社、メリーランド州ゲイザースバーグ市
)を用いて、全RNAをcDNAに逆転写させることによって行った。逆転写ず
みの材料を、IFNγ、IL2、IL4、IL10、IL1β、IL6、TNF
α、TGFβ、グランザイム、パーフォリンまたはG3PDHのセンスおよびア
ンチセンスプライマーおよびTaqDNAポリメラーゼ(ベーリンガー・マンハ
イム有限会社、ドイツ国マンハイム市)とともにPCR混合物に加えた。サーマ
ルサイクラー(パーキン・エルマー社、ニュージャージー州ブランチバーグ市)
により、各サイトカインまたはG3PDHに最適のサイクルで増幅した。PCR
産物を2.3%アガロースゲルにかけ、電気泳動により分離し、臭化エチジウム
染色により可視化した。GelDoc1000ドキュメンテーションシステム(
バイオ・ラッドラボラトリーズ、カリフォルニア州ハーキュリーズ市)により、
遺伝子特異的バンド強度を得た。G3PDHmRNAは、RT−PCRの内部標
準として増幅させた。同系移植片対照と比較するとき、同種対照は、IL1β、
IL2、IL6、IL10、IFNγ、TNFα、TGFβ、グランザイムおよ
びパ−フォリンのmRNAが5日目に有意に上方調節され、その後、同種移植片
対照において同系移植片に比してそれらが減少することを示した。CsAおよび
タクロリムスの両者は同等に、7日目および10日目に、同種移植片対照と比較
して、約20%〜約50%の範囲内で、IFNγ、IL2、IL1β、IL6、
TNFα、TGFβ、グランザイムおよびパーフォリンmRNAの発現を阻害し
た。しかし、7日目および10日目に、タクロリムスはCsAよりも顕著にIL
10mRNAの発現を抑制した。この実施例は、タクロリムスは進行中の同種移
植心拒絶反応を救うための抗拒絶反応療法の間に、同種移植心レシピエントにお
けるIL10mRNAの発現を抑制できるが、CsAはできないことを明らかに
している。 実施例6 この実施例は、タクロリムスは、進行中の同種移植心拒絶反応を救うための抗
拒絶反応療法の間に、同種移植心レシピエントにおけるIL10蛋白質の発現を
下方調節することを示すものである。
【0037】 実施例5に記載の移植法を用いた。タクロリムスまたはCsAの適量を、移植
から5日後に投与した。移植後7日目に、血清末梢リンパ球中のIL2、IL4
およびIL10蛋白質のレベルをELISAアッセイによって測定した。CsA
およびタクロリムスは、IL2およびIL4蛋白質の発現を等しく抑制した。対
照的に、タクロリムスはIL10蛋白質の発現を、同種移植片対照と比較して、
73%抑制したが、CsAは、同種移植片対照と比較して、IL10蛋白質を抑
制しなかった。これらの結果は、タクロリムスが進行中の同種移植心拒絶反応を
救うための抗拒絶反応療法の間に、同種移植心レシピエントにおけるIL10の
レベルを下方調節するが、CsAはしないことを示している。 実施例7 この実施例は、抗IL10抗体などのIL10阻害剤は、CsAと組合せると
き、同種心移植片を進行中の急性同種移植片拒絶反応から救うことを示すもので
ある。
【0038】 実施例2に記載のラットおよび移植法を用いた。抗マウスIL10抗体(R&
Dシステム社、カタログ番号AF−417−NA、ロット番号NU07)を標準
食塩液に懸濁させた。同種移植心レシピエントに移植後0−4日目の間薬物を与
えず、急性移植片拒絶反応を生起させた。5日目に、移植心レシピエントに薬物
を与えない(対照)か、10mgのCsAを10日間(すなわち移植後5日目〜
14日目に)単独投与するか、1mgの抗IL10抗体を2日間(移植後5日目
〜6日目に)投与するか、または10mgのCsAを10日間、1mgの抗IL
10抗体を2日間投与した。同系移植片対照(無薬物)のMSTは30日より長
かった。一方、同種移植片対照のMSTは6日であった。CsAまたは抗IL1
0単独で処置したレシピエント同種移植片のMSTは7日(すなわち、同種移植
片対照と同様)であった。これに対し、CsAおよび抗IL10で処置したレシ
ピエントの同種移植片の平均生存期間は、13日であった。これらの結果は、移
植後5日目に抗IL10抗体などのIL10阻害剤とCsAとを投与することに
よって、同種心移植片の進行中の拒絶反応を救いうることを示している。さらに
、それらの結果は、CsA単独では、IL10の不十分な抑制からくる進行中の
同種移植片拒絶反応を阻止しないことを示している。
【0039】 特許、特許出願、文献発表などを含めて、本明細書に引用した参照文献のすべ
てをそのまま、ここに引用により、挿入するものである。
【0040】 以上、好ましい具体化態様に力点を置いてこの発明を説明したが、それらの方
法の変法を用いることができること、該発明は本明細書に特定的に記載した以外
の態様でも実施できることは、当業者には自明であろう。従って、この発明は、
以下の請求の範囲に定義された発明の精神および範囲内に包含されるすべての変
形・修飾をも包含するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/06 C07K 16/24 C12N 15/09 16/28 // C07K 16/24 C12N 15/00 A 16/28 A61K 37/02 (72)発明者 ヤング シューフェン アメリカ合衆国、コネチカット州、06516、 ウェストヘブン、アプト エフ、アイビー サークル11 Fターム(参考) 4B024 AA01 HA20 4C084 AA02 AA19 AA20 BA44 CA62 DA11 NA05 ZB081 ZB082 4C085 AA13 AA14 DD63 DD88 EE01 JJ03 KA03 KA04 4H045 AA11 AA30 CA40 DA75 EA22

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 進行中の急性同種移植片拒絶反応を経験中の宿主に、同種移
    植片を進行中の急性拒絶反応から救うのに有効な量のインターロイキン−10(
    IL10)阻害剤およびインターロイキン−2(IL2)阻害剤を投与すること
    を特徴とする、進行中の急性同種移植片拒絶反応を抑制する方法。
  2. 【請求項2】 該IL10阻害剤がIL10アンタゴニストである請求項1
    の方法。
  3. 【請求項3】 該IL10アンタゴニストが抗IL10抗体である請求項2
    の方法。
  4. 【請求項4】 該IL10アンタゴニストがIL10受容体アンタゴニスト
    である請求項2の方法。
  5. 【請求項5】 該IL10受容体アンタゴニストが抗IL10受容体抗体で
    ある請求項4の方法。
  6. 【請求項6】 該IL10阻害剤が、IL10の上流または下流シグナルを
    遮断する化合物である請求項1の方法。
  7. 【請求項7】 該IL10阻害剤および該IL2阻害剤を急性拒絶反応の間
    に投与する請求項1の方法。
  8. 【請求項8】 該同種移植片が、心、腎、肝、肺、膵、膀胱、小腸および皮
    膚からなる群から選ばれたものである請求項1の方法。
  9. 【請求項9】 IL2阻害剤がIL2mRNA転写の阻害剤である請求項1
    の方法。
  10. 【請求項10】 該IL2mRNA転写阻害剤がシクロスポリンA(CsA
    )である請求項9の方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかの方法に従って進行中の急性同
    種移植片拒絶反応を抑制するための医薬品の製造へのIL10阻害剤およびIL
    2阻害剤の使用。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10のいずれかの方法に従って進行中の急性同
    種移植片拒絶反応を抑制するための活性成分としてIL10阻害剤およびIL2
    阻害剤を含有する組成物。
  13. 【請求項13】 IL2阻害剤による免疫抑制が不十分なことに起因する進
    行中の急性同種移植片拒絶反応を経験中の宿主に、同種移植片を進行中の急性拒
    絶反応から救うのに有効な量のIL10阻害剤を投与することを特徴とする進行
    中の急性同種移植片拒絶反応を抑制する方法。
  14. 【請求項14】 IL2阻害剤による免疫抑制が不十分なことに起因する進
    行中の急性同種移植片拒絶反応を抑制するための医薬品の製造へのIL10阻害
    剤の使用。
  15. 【請求項15】 IL2阻害剤による免疫抑制が不十分なことに起因する進
    行中の急性同種移植片拒絶反応を抑制するための活性成分としてIL10阻害剤
    を含有する組成物。
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