JP2002535241A - オーファン核内受容体 - Google Patents

オーファン核内受容体

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JP2002535241A JP2000537897A JP2000537897A JP2002535241A JP 2002535241 A JP2002535241 A JP 2002535241A JP 2000537897 A JP2000537897 A JP 2000537897A JP 2000537897 A JP2000537897 A JP 2000537897A JP 2002535241 A JP2002535241 A JP 2002535241A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、チトクロームP-450モノオキシゲナーゼ(CYP)プロモータに結合し、またCYP遺伝子発現を誘導する化合物によって活性化される新規なヒト・オーファン核内受容体に関する。本発明は更に、このような受容体をコードする核酸配列、該受容体を製造する方法、並びに前記受容体およびこれをコードする核酸配列を使用する方法に関する。また、本発明は、ヒト受容体を発現するように形質転換された非ヒト動物、並びに薬物相互作用および毒性について化合物をスクリーニングするためにこのような動物を使用する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は米国仮特許出願第60/079,593号(1998年3月27日出願)の優先権を主張
する。その米国仮特許出願の全内容は参考として本明細書中に組み込まれる。
【0002】
【技術分野】
本発明は、チトクロームP−450モノオキシゲナーゼ(CYP)プロモータ
に結合し、そしてCYP遺伝子発現を誘導する化合物で活性化される新規なヒト
のオーファン核内受容体に関する。本発明はさらに、そのような受容体をコード
する核酸配列、そのような受容体を作製する方法、ならびにそのような受容体お
よびこの受容体をコードする核酸配列を使用する方法に関する。本発明また、そ
のようなヒト受容体を発現するように形質転換された非ヒト動物、ならびに薬物
の相互作用および毒性について化合物をスクリーニングするためにそのような動
物を使用する方法に関する。
【0003】
【発明の背景】
ヘムタンパク質のチトクロームP−450(CYP)ファミリーのメンバーは
、種々の発ガン性物質および毒素を含む広範囲の内因性物質および生体異物の酸
化的代謝において重要である(Nebert et al., Ann. Rev. Biochem. 56:945〜99
3(1987))。ヒトにおいて、CYP3A4モノオキシゲナーゼは、肝臓および腸
におけるその大きな存在量ならびにその広い基質特異性のために薬物の生体変換
において主要な役割を果たしている。CYP3A4は、ステロイド類、免疫抑制
剤、イミダゾール系抗真菌剤およびマクロライド抗生物質を含む60%を越える
使用中の薬物の代謝を触媒している(Maurel, P.「チトクロームP450:代謝
的側面および毒物学的側面」(Ioannides, C. 編)、241〜270(CRC Pres
s, Inc., Boca Raton, FL, 1996)。
【0004】 CYP3A4遺伝子の発現は、様々な化合物による処置に応答してインビボお
よび初代肝細胞の両方において顕著に誘導される。CYP3A4発現の最も有効
な誘導剤の多くは、グルココルチコイドのデキサメタゾン、抗生物質のリファン
ピシン、抗真菌剤のクロトリマゾール、および低コレステロール血症剤のロバス
タチンなどの広く使用されている薬物である(Maurel, P.「チトクロームP45
0:代謝的側面および毒物学的側面」(Ioannides,C.編), 241〜270 (CRC Pres
s, Inc., Boca Raton, FL, 1996)、Guzelian,P.S.「ミクロソームおよび薬物酸
化」(Miners, J.O., Birkett, D.J., Drew, R.&McManus, M.編)、148〜155 (Tay
lor and Francis, London, 1988))。CYP3A4タンパク質の広い基質特異性
と結びつけられたCYP3A4発現レベルの誘導性は、混合薬物治療を受けてい
る患者における多くの薬物相互作用に関する基礎を表している。CYP3A4発
現レベルに対する化合物の作用を特徴づけるインビボアッセイおよびインビトロ
アッセイを開発する試みが行われているが、このような努力は、動物およびその
組織を試験目的に使用することの有用性を制限している種特異的な作用によって
妨げられている。従って、新規化合物のCYP3A4遺伝子発現に対する効果の
分析は、主として、ヒトの肝臓組織を含む面倒なアッセイに限られている。
【0005】 最近では、CYP3A4遺伝子発現の誘導に関する分子的基礎を理解すること
に努力が向けられている。CYP3A4プロモータがクローニングされ、転写開
始部位の約150bp上流に位置する20bpの領域が、デキサメタゾンおよび
リファンピシンに対する応答性を付与していることが明らかにされている(Hash
imoto et al., Eur. J. Biochem. 218:585〜595(1993)、Barwick et al., Molec
. Pharmacol. 50:10〜16(1996))。この領域は、多数の核内受容体スーパーファ
ミリーによって認識されるAG(G/T)TCAモチーフを2コピー含有する。
このことは、核内受容体が、CYP3A4発現の化学的誘導剤の少なくとも幾つ
かの作用を媒介することに関与し得ることを示唆している。しかし、本発明がな
される前には、この応答エレメントに結合するタンパク質は特徴づけられていな
かった。
【0006】 本発明は、CYP3A4プロモータ内の応答エレメントに結合し、そしてCY
P3A4発現を誘導することが知られている様々な化合物で活性化される新規な
オーファン核内受容体の同定に基づいている。この受容体の同定により、薬物が
インビボで相互作用するかどうかを明らかにするために使用することができるア
ッセイが可能になる。
【0007】
【発明の概要】
本発明は、CYPプロモータ、例えば、チトクロームP−450モノオキシゲ
ナーゼ3A4(CYP3A4)プロモータ内のリファンピシン/デキサメタゾン
応答エレメントに結合する、ヒトプレグナンX受容体(hPXR)と名付けられ
た新規なヒトのオーファン核内受容体に関する。この受容体は、CYP(例えば
、CYP3A4)遺伝子の転写を調節するために活性化される。本発明はさらに
、hPXRをコードする核酸に関する。このような核酸には、ホスト細胞におい
て受容体を発現させるために使用することができる発現ベクターが含まれる。本
発明はまた、そのような発現ベクターで形質転換されたホスト細胞、ならびに化
合物(例えば、薬物)をそのCYP(例えば、CYP3A4)遺伝子発現調節能
についてスクリーニングするために設計されたアッセイにおいて受容体および受
容体コード配列を使用する方法に関する。本発明はまた、ヒト受容体を発現する
ように形質転換された非ヒト動物、および薬物スクリーニングにおいてそのよう
な動物を使用する方法に関する。
【0008】
【発明の詳細な記述】
本発明は新規ヒト核内受容体であるhPXRに関する。更に、本発明はhPX
Rをコードする核酸配列、このような配列を含む構築物、構築物を含むホスト細
胞、及びこのようなホスト細胞を使用するhPXR作製方法に関する。更に本発
明は、CYP発現を誘導する化合物を同定するのに使用できるイン・ビボ及びイ
ン・ビトロアッセイに関する。以下CYP3A4を具体的に参照しながら開示す
るが、供せられる詳細(例えば方法)はその他のCYP遺伝子に関しても同様に
応用できると認識すべきである。
【0009】 hPCRは約434アミノ酸を含む、分子量約49.7キロダルトンのタンパ
ク質として特徴付けされる。hPXRは、CYP3A4プロモータ内のDNA応
答エレメントに、9−シスレチノール酸受容体、即ち、RXPとのヘテロダイマ
ーとして結合する。hPXRは、CYP3A4発現を調節することが知られてい
る化合物によって活性化される。該受容体は肝臓に最も豊富に発現されるが、結
腸や小腸にも存在している。
【0010】 本発明の受容体の実施形態の1つは、図1に記載のアミノ酸配列、又はその類
似体(ここに言う類似体とは、図1の配列の天然に生起するヒト変異体を示す)
、又はhPXRの少なくとも1の機能的特性(例えばリガンド結合又はDNA結
合)を有する断片を含むその断片を有する。好ましい断片は、図1の配列の一部
を少なくとも長さ連続30アミノ酸、より好ましくは少なくとも長さ50連続ア
ミノ酸、そして最も好ましくは少なくとも長さ75連続アミノ酸含む。具体的断
片は、リガンド結合ドメイン(即ち、図1の配列のアミノ酸141ないし434
)及びDNA結合ドメイン(即ち、図1の配列のアミノ酸41ないし107)及
び以下の実施例に記載されたリガンド結合アッセイ(即ち、図1の配列のアミノ
酸130ないし434)に使用されるドメインを含む。更に、発明は図1の配列
のリガンド結合ドメインと少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を共有する、
より好ましくは少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を、そして最も好ましく
は図1の配列のリガンド結合ドメインと少なくとも90%又は95%、96%、
97%、98%又は99%のアミノ酸配列同一性(%配列同一性は、例えばNC
BIウエブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/より入手可能なBasic B
last(第2版)により決定される)を共有するドメインを含み、そして図1
の配列の機能を保持することが好都合であるタンパク質を包含する。
【0011】 本発明の受容体、又はその断片は検出可能な標識体(例えば放射線活性又は蛍
光標識)を含有できる。受容体、又はその断片は固体支持体、例えばガラス又は
プラスチック製粒子、プレート又はフィルターに結合することもできる。
【0012】 本発明の核酸配列は、hPXR、例えば図1に示すアミノ酸配列を有するhP
XRをコードするDNA及びRNA配列、及び上記規定のような図1のアミノ酸
配列の類似体及び断片をコードする核酸配列、そして上記のような図1の配列の
リガンド結合ドメインと少なくとも80%のアミノ酸配列同一性(より好ましく
は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少な
くとも96%、又は少なくとも97%、又は少なくとも98%、または少なくと
も99%)を共有するドメインを含むタンパク質をコードする核酸配列を包含す
る。本発明の具体的な核酸配列は図1に示されている。
【0013】 hPXRをコードする配列は構築物、例えばプロモータ(例えばCMV、SV
40、Taq、T7又はLav0プロモータ)と作動可能に連結された発現構築
物中に存在できる。この様な発現構築物は培養細胞(例えば酵母、細菌、昆虫又
は哺乳動物)内にて操作可能であり、コードされたhPXR又はその断片を発現
する。好ましい発現ベクターにはpGEX、pET、pFASTbacHT及び
pSG5が含まれる。
【0014】 本発明は上記構築物にて形質転換された培養細胞(例えば酵母、細菌、あるい
は哺乳動物(例えばCV−1、HuH7、HepG2又はCaCo2細胞))に
も関する。形質転換は各種標準的技法の何れかを使用し実施できる。これら細胞
は、ポリペプチド産物の発現に好適な条件下にこれら細胞を培養することでhP
XR(又はその断片)を作製する方法に使用できる。
【0015】 更に本発明は、少なくともhPXRの1つのDNA結合ドメイン又はリガンド
結合ドメイン、及び非hPXR由来配列を含むキメラ受容体(又は受容体成分を
有する融合タンパク質)(及びコードする配列)に関する。非hPXR由来配列
は、キメラ受容体により提供される目的に好適になるよう選択することができる
。このような配列の例には、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ及び酵母転
写因子GAL4のDNA結合ドメイン及びその他のDNA結合ドメイン、例えば
エストロゲン及びグルココルチコイド受容体のDNA結合ドメインが含まれる。
キメラ受容体は検出可能な標識体(例えば放射線活性又は蛍光標識)を持つこと
ができる。キメラ受容体は固体支持体、例えばガラス又はプラスチック製粒子、
プレート又はフィルターに結合することもできる。
【0016】 本発明の別の態様は、CYP3A4レベルに対する化合物(例えば潜在的新規
薬物)の作用のプロファイルに使用できるイン・ビトロ(無細胞)及びイン・ビ
ボ(細胞ベース)アッセイに関する。CYP3A4酵素の広範囲の基質特異性と
連結したCYP3A4レベルの誘導性は、多剤治療を受けている患者に於ける多
くの薬物間相互作用のベースを表す。理想的には、新規薬物はCYP3A4発現
レベルに殆ど、又は全く影響しないだろう。
【0017】 本発明のアッセイは各種形状の何れかを取ることができる。hPXRを活性化
する化合物はCYP3A4遺伝子発現誘導体として機能することから、hPXR
結合及び活性化アッセイはCYP3A4の活性化が期待できる化合物を特定する
効率的方法を提供する。
【0018】 本発明の結合アッセイは、hPXR又はそのリガンド結合ドメイン(単独又は
融合タンパク質として存在する)が、検出可能な標識体(例えば放射線活性又は
蛍光標識体)を持つと好都合である試験化合物とインキュベートされる無細胞ア
ッセイを含む。次に、試験化合物に対し遊離または結合しているhPXR、又は
そのリガンド結合ドメインは、各種技術(例えばゲル濾過クロマトグラフィー(
例えばセファデックスG50スピンカラム)又はハイドロキシアパタイト樹脂上
への捕捉による)の何れかを用い遊離型試験化合物から分離される。次にhPX
Rまたはそのリガンド結合ドメインに結合した試験化合物の量が決定される(例
えば、放射線標識試験化合物の場合では液体シンチレーション測定による)。
【0019】 hPXRまたはそのリガンド結合ドメインに結合する放射線標識試験化合物を
検出する別の方法は、シンチレーションプロキシミティーアッセイ(SPA)で
ある。このアッセイでは、ビーズ(又はその他の粒子)をシンチラントに含浸さ
せ、hPXRまたはそのリガンド結合ドメインを捕捉可能な分子でコートする(
例えばストレプトアビジンコーティングビーズはビオチン化hPXRリガンド結
合ドメインの捕捉に使用できる)。放射線標識された試験化合物とhPXR又は
そのリガンド結合ドメインの複合体がSPAビーズの表面上に捕捉され、放射線
標識体がシンチラントにシグナルを発するのに十分な程度近接して持ち込まれた
時のみ放射線活性数値が検出される。この方法には、結合試験化合物からの遊離
型試験化合物の分離を必要としない利点がある(Nichols et al., Anal. Bioche
m. 257:112-119(1998))。
【0020】 試験化合物がhPXRリガンド結合ドメインと結合するか否かを決定するアッ
セイは、競合結合アッセイによっても実施できる。このアッセイでは、hPXR
又はそのリガンド結合ドメインは、検出可能な標識体(例えば、放射線活性又は
蛍光標識体(実施例5−実施例5記載の合成法での使用に好適なクラブトリー触
媒には、Chen et al., J. Labelled Compd. Radiopharm. 39:291(1997) 及びCra
btree et al., Inorg. Synth. 28:56(1990)に報告の触媒が含まれる)を持つこ
とが好都合であるhPXRと相互作用することが既知である化合物とインキュベ
ートされる。試験化合物を反応体に加え、hPXR、又はそのリガンド結合ドメ
インへの結合に関する標識化合物との競合能力についてアッセイする。遊離型の
既知(標識された)化合物を結合したものと分離するステップを実施する標準的
アッセイフォーマットまたはSPAフォーマットは、試験化合物の競合する能力
の評価に使用できる。
【0021】 本発明による結合アッセイの別の実施例は、hPXRリガンドがhPXRリガ
ンド結合ドメインと共活性因子(例えば、SRC1、TIF−1、TIF−2又
はACTR、あるいはその断片)との相互作用を誘導するという発見に基づく。
試験化合物がhPXRを活性化する、即ちCYP3A4の発現を誘導するかを決
定するためには、hPXRのリガンド結合ドメインは融合タンパク質(例えばグ
ルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、ヒスチジンタグまたはマルト
ース結合タンパク質)として調整(例えば発現)される。融合タンパク質及び共
活性化因子(いずれか、あるいは共に検出可能な標識体、例えば放射線活性また
は蛍光タグで好都合に標識される)を試験化合物存在下、又は非存在下にインキ
ュベートし、融合タンパク質に対する共活性化因子の結合の強さを決定する。試
験化合物の存在下での相互作用の誘導はhPXR活性化因子の指標である。
【0022】 本発明によるhPXR活性化アッセイは全長hPXR及びhPXR結合ドメイ
ンにより認識されるDNA結合部位を1コピーまたはそれ以上のコピー含むレポ
ーターシステムを使用し実施される(実施例3)。しかし、活性化アッセイは活
性化されたキメラ受容体システムを使用し好都合に実施される。例えば、hPX
Rのリガンド結合ドメインは例えば酵母転写因子GAL4のDNA結合ドメイン
、またはエストロゲンあるいはグルココルチコイド受容体のDNA結合ドメイン
に融合できる。キメラ(例えば、GAL4−hPXRキメラ)の発現ベクターは
ホスト細胞(例えばCV−1、HuH7、HepG2、又はCaCo2細胞)内
にレポーター構築物と共にトランスフェクトできる。レポーター構築物は、レポ
ーター遺伝子(例えばCAT、SPAP又はルシフェラーゼ)の発現を推進する
、キメラ(例えば、GAL4 DNA結合部位)中に存在する結合ドメインによ
り認識されるDNA結合部位を、1またはそれ以上のコピー(例えば5)含むこ
とができる。次に構築物を含む細胞をビヒクル単独、又は試験化合物を含むビヒ
クルで処理し、レポーター遺伝子の発現レベルが決定される。本アッセイによれ
ば、試験化合物存在下でのレポーター遺伝子の発現促進は、試験化合物がhPX
Rを活性化し、従ってCYP3A4遺伝子発現の誘導因子として機能できること
を示す。(実施例4参照) 本発明に関連した使用に好適な別のフォーマットは、酵母2ハイブリッドアッ
セイである。本法は酵母内で実施されるタンパク質−タンパク質相互作用を検出
する確立した方法である。エサを表すタンパク質#1は酵母内にてDNA結合ド
メインとのキメラとして発現される(即ちGAL4)。捕食者を表すタンパク質
#2は同一酵母細胞内にて強い転写活性ドメインと共にキメラとして発現される
。エサと捕食者の相互作用の結果、レポーター遺伝子(例えばルシフェラーゼ又
はβ−ガラクトシダーゼ)の活性化、あるいは選択可能マーカーの制御(例えば
LEU2遺伝子)が起こる。本法は例えばhPXR1と共活性化タンパク質(例
えばSRC1、TIF1、TIF2、ACTR)またはその断片の様な別のタン
パク質とのリガンド依存性相互作用を検出するスクリーニングとして使用できる
(Fields et al., Nature 340:245-246(1989))。
【0023】 更に別のフォーマットはリガンド−誘導複合体形成(LIC)アッセイである
。本法は、核内受容体DNA相互作用へのリガンド−介在作用を検出する方法で
ある。hPXR(又は、少なくともそのDNA及びリガンド結合ドメイン)は、
確立されたhPXR/RXR結合部位を表すDNA存在下にヘテロダイマーの相
方であるRXRとインキュベートできる。試験化合物は、DNAへのhPXR/
RXRヘテロダイマーの結合を促進、または干渉するそれらの能力についてアッ
セイすることができる(Forman et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4312-
4317(1997))。
【0024】 好適なpKi、例えばpKi>5にてPXRを結合する化合物は、標準的な結
合アッセイを用いることで、他の核内受容体(例えばRXR)に対するPXRの
選択性についてスクリーニングすることができる。PXRに対し選択的に結合し
(即ち、PXRに対する親和性が、例えばグルココルチコイド受容体に比べて少
なくとも10倍以上、好ましくはPXRに対する親和性が100倍以上大きい)
、そしてそれにより細胞(例えば培養中の細胞、組織中に存在する細胞、または
全動物体内に存在する細胞)中のPXRの機能活性に影響を及ぼす化合物は、病
気にかかった哺乳動物とPXR活性との関連付けに使用できる。例えば、PXR
を活性化する化合物はCYP3Aを誘導する。即ち、CYP3A活性が重要であ
る疾患はPXRと関連し、PXRを活性化又は失活化する化合物はこれら疾患の
予防又は治療に有効であろう。本発明の関連方法を使用することで、新規PXR
−関連疾患を発見することができる。これら新規の関連性が発見されれば、PX
Rを活性化、または失活化する化合物をスクリーニングすることで、これら疾患
に関する新規薬物を発見できる。
【0025】 上記方法による病気関連付けへの使用に好適な化合物の例は、式Iの化合物で
ある:
【化3】 式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立にC−Cアルキル(直鎖又
は分枝型)、好ましくはCまたはCアルキル(例えばエチル、n−プロピル
又はイソプロピル)であり、より好ましくはCアルキルである。化合物は検出
可能な標識体、即ち放射線標識体、例えばトリチウムで標識できる。
【0026】 本発明の別の態様は、hPXRを発現するトランスジェニック動物である。例
えば、hPXR遺伝子及び内因性のマウスPXR遺伝子を発現するトランスジェ
ニックマウスを作ることができる。さらに内因性PXR遺伝子がノックアウトさ
れ、次にhPXR遺伝子で置換されたマウスも作ることができる。hPXRのイ
ソフォーム及び遺伝子の突然変異対立遺伝子を発現するトランスジェニック動物
を作ることができる。これら方法により開発されたトランスジェニック動物は、
薬物相互作用及び毒性に関する化合物のスクリーングに、及びイン・ビボでのC
YP3Aの制御の研究に使用できる。
【0027】 本発明の別の側面は、CYP3A4遺伝子発現を誘導する受容体の能力が変化
するhPXR内突然変異のスクリーニングに使用できる診断用アッセイに関する
。これらのアッセイは、hPXR遺伝子の配列決定、配列変化又は多形を検出す
るために設計されたハイブリダイゼーション法、又は変異/多形hPXRから野
生型を区別する抗体の使用に基づくことができる。hPXRに特徴的なDNA結
合またはリガンド結合に変化させる変化は、hPXR活性に大きな影響を持つと
期待できる。hPXRの突然変異又は多形は、薬物代謝の速度が異常になる結果
、薬物に対する副作用リスクが高い患者の指標になるだろう。
【0028】 本発明はhPXR、及びその抗原結合断片(例えばFab断片)に対し特異的
なポリクローナル又はモノクローナル抗体にも関連する。抗体は、無傷のhPX
Rまたは上記のその断片を使用する標準的な技術に従って作製することができる
。抗体は、例えば受容体の存在を検出するアッセイに使用できる。更に、抗体は
、hPXR精製プロトコールに使用することができる。
【0029】 本発明は、例えば上記の1またはそれ以上の方法での使用に好適なキットにも
関する。キットはhPXR(又はその断片)又は同一体をコードする核酸、また
は上記抗体を含むことができる。キットは、GW−485801のようなhPX
Rに結合する化合物を含むこともできる。キット、核酸及び/又は抗体は容器内
の配置されたキット内に存在することができる。キットは、特定の方法の実施を
促進するために、補助的試薬及び緩衝剤等を含むことができる。
【0030】 本発明の具体的な態様は、以下の非限定的実施例に詳細に記述される。
【0031】
【実施例】
以下の実験的な詳細は引き続く具体的実施例に関連する。
【0032】 <化学物質> デキサメタゾン−t−ブチルアセテートおよびRU486をResearch Plus, I
nc.(Bayonne, NJ)およびBiomol(Plymouth Meeting, PA)よりそれぞれ入手し
た。他のすべての化合物はSigma Chemical Co.(St. Louis, MO)あるいはStera
loids, Inc.(Wilton, NH)のいずれかから入手した。
【0033】 <hPXR cDNAの分子クローニング> ESTを、hPXR配列のヌクレオチド444−2111を含むIncyte
データベース(クローン識別番号22111526)で同定した。このEST配
列から由来するオリゴヌクレオチド(5’CTGCTGCGCATCCAGGA
CAT3’)(配列番号1)を、Gene Trapper溶液ハイブリダイゼ
ーションクローニング法(Gibco/BRL)を用いたpCMV−SPORTヒト肝臓
cDNAライブラリー(Gibco/BRL)のスクリーニングに使用した。2つのクロ
ーンがhPXRをコードし、1方はヌクレオチド1−2125を、もう1方はヌ
クレオチド102−2118を含んで入手した。長い方の配列を図1Aに示す。
配列を並べ、ウィスコンシン大学遺伝子コンピュータグループ(University of W
isconsin Genetics Computer Group)プログラムで分析した。
【0034】 <プラスミド> 発現ベクターpSG5−hPXRをPCR増幅およびpSG5発現ベクター(
Strategene)内にhPXRクローンのヌクレオチド1−1608をサブクローニ
ングすることで生成した。pSG5−hPXR ATGを、オリゴヌクレオチド
【化4】
【化5】 を用いたhPXRのアミノ酸1−434をコードしているcDNAのPCR増幅
およびEcoRI/BamHI切断pSG5内への挿入で生成した。細菌性発現
ベクターpGEX−hPXRを、アミノ酸108−434をコードしているcD
NAのPCR増幅とpGEX−2T(Pharmacia)への挿入で生成した。レポー
タープラスミド(DR3)−tk−CATを、CYP3A1 DR3 PXR
【化6】 を含む2本鎖オリゴヌクレオチドの4つのコピーを、pBLCAT2(Luckow e
t al., Nucl. Acids Res. 15:5490(1987))のBamHI部位に挿入することで
生成した。レポータープラスミド(IR6)−tk−CATを、CYP3A4
IR6 PXRE
【化7】 の3つのコピーをpBL2CATのBamHI部位に挿入することで生成した。
pRSET−SRC1.14発現プラスミドはすでに記載している(Kliewer, S
. A., et al., Cell 92:73-82(1998))。すべての構築物を配列分析で確認した
【0035】 <共トランスフェクションアッセイ> CV−1細胞を10%木炭除去ウシ胎児血清を含むDME培地内で、1ウエル
あたり1.2×10細胞の濃度で24穴プレートにまいた。一般的に、トラン
スフェクション混合液は33ngの受容体発現ベクター、100ngのレポータ
ープラスミド、200ngのβ−ガラクトシダーゼ発現ベクター(pCH110, Phar
macia)および166ngの担体プラスミドが含まれた。細胞を、取扱説明書に
したがってLipofectamine(Life Technologies, Inc.)を用いてリポフェクショ
ンにて一晩トランスフェクトした。培地を10%脱脂ウシ血清(Sigma)を含む
DME培地に換え、細胞をさらに24時間インキュベートした。細胞抽出物を準
備し、すでに記載されたように(Lehmann et al., J. Biol. Chem. 270:12953-1
2956(1995))、CATおよびβ−ガラクトシダーゼ活性についてアッセイした。
【0036】 <ノーザン分析> およそ1.0kbのhPXRのLBDをコードしている断片を、ランダムプラ
イミングによって[32P]−標識化し、マウスの複数の組織ノーザンブロット
(Clontech)をプローブするのに使用した。ブロットをExpressHyb溶
液(Clontech)中で42℃一晩ハイブリダイゼーションした。最終洗浄を0.1
×SSC、0.1%SDSで58℃にておこなった。
【0037】 <バンドシフトアッセイ> hPXR、mPXR1、およびhRXRを、取扱説明書にしたがって、TNT
ウサギ網状赤血球溶解物結合イン・ビトロ転写/翻訳システム(Promega
)を用いてイン・ビトロで合成した。ゲル易動度シフトアッセイ(20μl)に
は10mM Tris(pH8.0)、40mM KCl、0.05% NP−
40、6%グリセロール、1mM DTT、0.2μg ポリ(dI−dC)お
よび各2.5μlのイン・ビトロ合成PXRおよびRXRタンパク質を含んだ。
競合剤オリゴヌクレオチドは10倍から50倍過剰に含めた。氷上10分間のイ
ンキュベーションの後、10ngの[32P]−標識化オリゴヌクレオチドを加
え、さらに10分間インキュベーションを続けた。DNA−タンパク質複合体を
0.5XTBE(1×TBE=90mM Tris、90mM ホウ酸、2mM
EDTA)中4%ポリアクリルアミドゲル上で分離した。ゲルを乾燥させ、−
70℃でオートラジオグラフィーにかけた。以下のオリゴヌクレオチドを放射標
識したプローブあるいは競合剤のいずれかで使用した(センスストランドを示す
)。
【0038】
【化8】 <CARLA> GST−hPXR融合タンパク質をBL21(DE3)plysS細胞に発現
させ、細菌抽出物を、10mM Tris,pH8.0、50mM KCl、1
0mM DTTおよび1% NP−40を含むタンパク質溶解緩衝液(Protein L
ysis Buffer)中で細胞を1回凍結−解凍し、つづいて30分間40,000×g
で遠心して調製した。グリセロールを最終濃度10%となるように得られた上清
に加えた。溶解物を−80度で保存した。[35S]SRC1.14をPro-Mix
(Amersham)の存在下、TNTウサギ網状赤血球システム(Promega)を用いて
作製した。共沈殿反応物には、25μlのGST−hPXR融合タンパク質を含
む溶解物、25μlインキュベーション緩衝液(Incubation Buffer)(50mM
KCl、40mM HEPES pH7.5、5mM β−メルカプトエタノ
ール、1% Tween−20、1%脂肪不含粉乳)、5μl[35S]SRC
1.14およびビヒクル(1% DMSO)あるいは指示したような化合物が含
まれた。混合液をゆっくりかき混ぜながら4℃で25分間インキュベートし、大
量にタンパク質溶解緩衝液で洗浄した15μlのグルタチオン−セファロース4
Bビーズ(Pharmacia)を加えた。反応液をさらに25分間4℃でゆっ
くり混ぜながらインキュベートした。ビーズを微量遠心管で3000rpmでペ
レットにし、ビヒクルのみ、デキサメタゾン−t−ブチルアセテート、リファン
ピシン、あるいはクロトリマゾールいずれかを含むタンパク質溶解緩衝液で3回
洗浄した。最後の洗浄の後、ビーズを50mM DTTを含む25μlの2×S
DS−PAGE標本緩衝液に再懸濁した。標本を100℃で5分間熱し、10%
Bis−Tris PAGEゲルにのせた。ゲルを乾燥させ、オートラジオグ
ラフィーにかけた。
【0039】 例 1: hPXRの分子クローニングおよび組織発現パターン mPXR1(Kliewer et al., Cell 92:73-82(1998))領域に高い相同性を有
するIncyte LifeSeq(登録商標)の適切なデータベースにおいて、ヒトESTを
同定した。プローブとしてのEST内において、オリゴヌクレオチドを使用した
ヒト肝臓由来cDNAライブラリのスクリーンにおいて、2つの大きなクローン
を単離した。これらクローンのうち最大のものは長さ2146bp(図1A)で
あり、DNA結合ドメイン(DBD)およびリガンド結合ドメイン(LBD)中
のmPXR1に対してそれぞれ97%と76%の相同性を有する核内受容体スー
パーファミリの新規メンバーを有していた(図1B)。核内受容体スーパーファ
ミリにおけるその他のメンバーとしては、hPXRがXenopus laevisのオーファ
ン受容体ONR1(Smith et al., Nucl. Acids Res. 22:66-71(1994))および
ビタミンD受容体に対してもっとも関連性が高かった(図1B)。注目すべきこ
とに、hPXR配列はインフレーム停止コドン(hPXR配列中のヌクレオチド
205−207)の間においてAUG開始コドンとDBDをコードする領域の開
始位置を欠いている。しかし、CV−1細胞、hPXRクローン、および最小チ
ミジンキナーゼ(tk)プロモータならびにクロラムフェニコールアセチルトラ
ンスフェラーゼ(CAT)遺伝子(Kliewer et al., Cell 92:73-82(1998))の
上流に挿入されたラットCYP3A1遺伝子プロモータからの確立されたmPX
R結合部位のコピーを4つ含むレポータープラスミドを使って実施したトランス
フェクション試験からは、hPXRクローンが周知のmPXR1リガンドである
デキサメタゾン−t−ブチルアセテートにより効率よく活性化される機能的核内
受容体をコードすることが明らかとなった(Kliewer et al., Cell 92:73-82(19
98))(図1C)を示した。
【0040】 hPXR配列の試験からは、インフレームCUGコドン(ヌクレオチド304
−306)が、所望されるkozak配列(Kozak, J. Biol. Chem. 266:19867-19870
(1991))に囲まれていることが明らかとなった。核内受容体RARβ4(Kozak,
J. Biol. Chem. 266, 19867-19870(1991)、Nagpal et al., Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 89:2718-2722(1982))を含む真核細胞タンパク質の翻訳を開始するに
は、CUGコドンを使用することが慣例となっている。このCUGコドンでの翻
訳を開始することにより、mPXR1より3個長い434個のアミノ酸からなる
タンパク質を得ることが予想され、分子量は49.7kDであると推定される。
CUGコドンでのhPXR cDNAの翻訳が始まっているかどうかを決定する
ため、野性型5’領域を含むhPXR RNAを、[35S]メチオニンの存在
下にウサギ網状赤血球溶解物を使用して翻訳した。対照としてのhPXR RN
A中ではこのCUGコドンがすでに至適AUG(hPX AUG)に突然変異し
ており、これをイン・ビトロにおいて翻訳した。野性型hPXR RNAの翻訳
の結果、hPXR AUG RNAの翻訳産物(図1D中、星印付きの白抜き矢
印)と共に遊走している約50kDのタンパク質が生成した。翻訳反応中でhP
XRアンチセンスRNAを使用した場合には、この50kDの産物が産生しなか
った。hPXR RNAを使用して実施した翻訳反応中では、約53kDの翻訳
産物もごく微量産生しており(図1折れた矢印)、このことはCUGコドンより
も上流の、別の非AUGコドンで少量の翻訳が始まっていることを示していた。
しかし、機能性DBDを含むhPXRにとってはCUGコドンが主要な翻訳開始
部位であることが、試験結果からわかっている。
【0041】 次に、多数の成人組織から調製したpoly(A)+RNA含有ブロットを使
用し、ノーザン分析を介してhPXRの組織発現パターンを調べた。hPXR
mRNAは肝臓においてもっとも大量に発現しており、結腸および小腸でも発現
していた(図2)。最大発現を示す2.6kb産物の他に、4.3kbおよび5
kbの2つのより少量のメッセージとからなる、サイズの異なる3つの転写物を
、これら組織の各々から検出した。最近、mPXR遺伝子もまた肝臓および小腸
で大量に発現していることが分かった(Kliewer et al., Cell 92:73-82(1998)
)。mPXRメッセージもまた胃および腎臓において低レベルで発現していたが
、これらの組織中ではhPXRに対するmRNAは検出されなかった(図2)。
しかるに、hPXRとmPXRは共に肝臓および消化管組織において多量に発現
している。しかし、マウスとヒトではPXRの発現パターンに差異が生じている
【0042】 例 2: hPXRはCYP3A4遺伝子プロモータにおける反応エレメントを介し
て転写を活性化する mPXRがCYP3A1遺伝子の発現を制御していることを示す証拠が幾つか
示されている。mPXR1はCYP3A1遺伝子発現を活性化させることで周知
のグルココルチコイドおよびアンチグルココルチコイドを含む化合物により活性
化され、mPXR1およびCYP3A1遺伝子は肝臓および小腸に局在しており
、mPXR1は過去にグルココルチコイドおよびアンチグルココルチコイドとコ
ンファーすることが明らかになっていたCYP3A1遺伝子プロモータ中の反応
エレメントに結合している(Kliewerら Cell 92:73-82(1998)、Quattrochi et a
l., J. Biol. Chem. 270:28917-28923(1995)、Huss et al., J. Biol. Chem. 93
:4666-4670(1996))。CYP3A4遺伝子が肝臓および小腸でも発現することを
示す所見と、この発現がグルココルチコイドおよびアンチグルココルチコイドに
反応して誘導されることを示す所見(Molawa et al., Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 83:5311-5315(1986)、Kocarek et al., Drug Met. Dispos. 23:415-421(199
5))は、結果的にhPXRがCYP3A4遺伝子の発現を制御しているかどうか
の探索へつながった。
【0043】 デキサメタゾンおよびリファンピシンに反応したCYP3A4の発現誘導は、
反転反復(IR)として構成された核内受容体ハーフサイト配列G(G/T)T
CAを2コピー含むプロモータの約20bpの領域にほぼ局在し、6つの塩基対
すなわちIR6モチーフ(Barwick et al., Molec. Pharmacol. 50:10-16(1996)
)(図3B)によって分けられていた。このIR6モチーフは幾つかの種におい
てCYP3A遺伝子ファミリーのメンバーにおけるプロモータ中でかなり保存さ
れていた(Barwick et al., Molec. Pharmacol. 50:10-16(1996))。興味深いこ
とに、このハーフサイト構造は、DR3モチーフなる3ヌクレオチドスペーサー
を有する直接反復配列(DR)として構成される2つのハーフサイトを含むCY
P3A1 PXR反応エレメント(PXRE)に見出されたハーフサイト構造と
は大きく異なっている(Kliewer et al., Cell 92:73-82(1998))。hPXRが
IR6モチーフを介して転写を制御できるかどうかを決定するために、tkプロ
モータおよびCAT遺伝子の上流にあるCY3PA4 IR6反応エレメントの
コピー3つを含むレポータープラスミドが生成された。(IR6)−tk−C
ATレポーターおよびpSG5−hPXR ATG発現プラスミドをCV−1細
胞中において、ビヒクルのみ、または10μMデキサメタゾン−t−ブチルアセ
テートのいずれかで処理して、共トランスフェクションアッセイを実施した。h
PXRはデキサメタゾン−t−ブチルアセテートの存在下にてレポーターのレベ
ルを誘導しており(図3A)、このことは、hPXRがCYP3A4 IR6モ
チーフを介して転写を活性化できることを示す。
【0044】 hXPRがCYP3A4 IR6反応エレメントと直接反応するかどうかを決
定するために、バンドシフトアッセイを実施した。mPXR1はRXRとのヘテ
ロダイマーとしてDNAと結合するので(Kliewer et al., Cell 92:73-82(1998
))、hPXRにはDNAとの高い親和性相同作用を有するRXRが必要になる
であろうと推察された。hPXRとRXRは、いずれもCYP3A4 IR6モ
チーフを含む放射性標識オリゴヌクレオチドと自ら結合することはない(図3C
)。しかし、hPXRとRXRはヘテロダイマーとして効率よくIR6 PXR
Eと結合する。hPXR/RXR複合体は、CYP3A4プロモータ由来のIR
6のPXREか、または過去においてmPXR1/RXR結合部位として定義さ
れていたCYP3A1プロモータ由来のDR3 PXREのいずれかをコードす
る未標識オリゴヌクレオチドと効率良く競合していた(Kliewer et al., Cell 9
2:73-82(1998))(図3C)。このため、hPXR/RXRヘテロダイマーは、
明らかに構造の異なるアーキテクチャを持つ2つの反応エレメントと効率よく相
互作用していた。IR6 PXRE(図3C)の5’ハーフサイトのいずれか、
あるいはハーフサイト配列の両側に突然変異を含むものを使用した競合剤オリゴ
ヌクレオチドを使用した場合では、競合は殆どまたはまったく生じなかった。m
PXR1をhPXRで置換した場合には、同一の結合プロファイルが認められた
(図3C)。これらの実験からは、hPXRがRXRに対するヘテロダイマーと
してCYP3A4 IR6 PXREと効率よく結合することと、hPXRとm
PXR1がきわめてよく似たDNA結合プロファイルを有することが結論付けら
れた。
【0045】 例 3: ヒトとmPXRの活性化の違い CYP3A4遺伝子発現は合成ステロイド(Kocarek et al., Drug. Met. Dis
pos. 23:415-421(1995),Schetz et al., J. Biol. Chem. 259:2007-2012(1984)
,Heuman et al., Mol. Pharmaclo. 21:753-760(1982)、Schulte-Hermann et al
., Cancer Res. 48:2462-2468(1988)),マクロライド系抗生物質(Weighton et
al., Biochem. 24:2171-2178(1985))、抗真菌剤(Hostetler et al., Mol. Ph
armacol. 35:279-285(1989))、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(statins)(
Kocarek et al., Toxicol.Appl. Pharmacol. 120:298-307(1993),Schetz et al
., Hepatology 18:1254-1262(1993))、およびフェノバルビタール様化合物(Hu
man et al., Mol. Pharmacol. 21:753-760(1982))を含む、ゼノバイオチックス
の著明なアレーに反応して誘導される。次に、CYP3A4の発現に対してこれ
ら化合物の幾つか、またはすべてが及ぼす影響をhPXRが仲介するかどうかを
調べた。CV−1細胞をpSG5−hPXR ATG発現プラスミド、および(
IR6)−tk−CATレポータープラスミドと共にトランスフェクションし
、この細胞を、ヒトおよび/またはげっ歯類にCYP3A遺伝子発現を誘導する
ことで周知の多数の化合物のマイクロモル濃度で処理した。図4Aに見られるよ
うに、hPXRは合成ステロイド類であるデキサメタゾン、デキサメタゾン−t
−ブチルアセテート、PCN、RU486、スピロノラクトン、およびシプロテ
ロン−アセテートにより活性化された。デキサメタゾン−t−ブチルアセテート
およびRU486は試験した合成ステロイド類のなかでもhPXRに対してのも
っとも効率良い活性化物質である。注目すべきことに、抗生物質リファンピシン
および抗真菌剤クロトリマゾールは共にhPXRの効率良い活性化物質である(
図4A)。抗高コレステロール血症薬であるロバスタチンもまた、フェノバルビ
タールおよびオルガノコリン殺虫剤トランスノナクロールがそうであったように
、hPXRを活性化した(図4A)。しかるに、hPXRはCYP3A4遺伝子
発現を誘導することで周知のきわめて多様性に富む化合物群により活性化される
(図4B)。
【0046】 幾つかの天然に生起するC21ステロイドについても、mPXR1を活性化す
ることが過去に示されてきたhPXRを対象として試験した(Kliewer et al.,
Cell 92:73-82(1998))。プレグネノロン、プロゲステロン、および5β−プレ
グナン−3、20−ジオンはすべてhPXRをほぼ4倍活性化した。プレグネノ
ロンおよびプロゲステロンの17−ヒドロキシ誘導体はhPXRにとっての弱い
活性化物質であった(図4A)。これらの天然型ステロイドはすべて>10uM
のEC50値により一過性のトランスフェクションアッセイにおいてhPXRを
活性化しており、このことが、これらステロイドが天然型のhPXRリガンドと
は考えられないことを示唆している。しかし、プレグナンおよびプレグナン代謝
物関連物質は天然型リガンドとして機能すると考えられる。
【0047】 げっ歯類またはヒトのいずれから採取した初代肝細胞を対象に、CYP3A遺
伝子発現に対する化学的誘導物質の影響を分析した結果、有意な種差のあること
が明らかとなった(Barwick et al., Molec. Pharmacol. 50:10-16(1996),Koca
rek et al., Drug. Met. Diospos. 23:415-421(1995))。たとえば、リファンピ
シンはヒト肝細胞におけるCYP3A4遺伝子発現にとって効率良い誘導剤であ
るが、ラット肝細胞のCYP3A1レベルに対しては殆どあるいはまったく影響
を及ぼさない。これとは対照的に、PCNはラット肝細胞においてCYP3Aレ
ベルに対して著明な影響を有するけれども、ヒト肝細胞に対しては軽微な影響を
及ぼすに過ぎない。このような種差のばらつきがPXR活性化プロファイルの差
に関わっているかどうかを調べるために、mPXR1に対するこれら化合物の同
一パネルを調べた。図4Aに示すように、PXRにおけるマウスとヒトの相同部
分に対する反応プロファイルには顕著な差異が認められた。リファンピシンはh
PXRにとっての効率よい活性化物質であるけれども、mPXR1にとっては弱
い活性化物質であるに過ぎなかった(図4A)。クロトリマゾール、ロバスタチ
ンおよびフェノバルビタールもまた、mPXR1よりもhPXRに対しての効率
良い活性化物質であった。これとは対照的に、PCNはhPXRのみを3倍強く
活性化したが、mPXR1に対してはほぼ9倍強く活性化した(図4A)。これ
をあわせて考えると、これらのデータは、CYP3Aの制御に関する種差の大半
が、PXRの活性化プロファイルの差異に起因していることを指摘している。
【0048】 CYP3A発現を誘導する化学物質のパネルを、ヒトグルココルチコイド受容
体(GR)上でもプロファイルした。図4Aに示すように、GRにとっての効率
よい活性化物質はデキサメタゾンとデキサメタゾン−t−ブチルアセテートのみ
であった。その他の化合物のなかでGRを>1.5倍活性化させた物質は認めら
れなかった(図4A)。最近の報告(Calleja et al., Nature Med. 4:92-96(19
98))とは対照的に、リファンピシンによるGRの活性化は認められなかった。
この試験は過去においてHepG2細胞を対象に実施されたので、リファンピシ
ンは細胞株によって異なる代謝を受けると考えられる。予想どおり、プレグネノ
ロン、プロゲステロン、あるいはそれらの17−ヒドロキシ誘導体はいずれもG
R活性に対して何の影響も及ぼさなかった(図4A)。しかるに、CYP3A遺
伝子発現誘導物質を伴うPXRにおいて、ヒトとマウスでの相同部に認められた
広範囲の活性化プロファイルは、その他のステロイドホルモン受容体にとっての
一般的特徴にはなっていない。
【0049】 高い親和性を有する放射活性リガンドの非存在下において、コアクチベータ基
本アッセイを生化学的手段として使用し、オーファン核内受容体がタンパク質と
直接反応するかどうかを測定した(Kliewer et al., Cell 92:73-82(1998)、Kre
y et al., Mol. Endocrinol. 11:779-791(1997))。これらのアッセイは、核内
受容体とコアクチベータという名のアクセサリタンパク質との相互作用をリガン
ド類が誘導するとの所見において予見されている(Krey et al., Mol. Endocrin
ol. 11:779-791(1997))。また、最近、デキサメタゾン−t−ブチルアセテート
およびPC等、幾つかのmPXR1のステロイド状の活性化物質が、mPXR1
LBDとステロイド状受容体コアクチベータ1(SRC1.14)における1
4kD断片との相互作用を促進することがわかった(Kliewer et al., Cell 92:
73-82(1998))。hPXRを活性化し構造的には多様である化合物類が、リガン
ドとして作用するのと同様に作用するかどうかを調べるために、互いに化学的ク
ラスの異なる強力な活性化物質3つすなわちデキサメタゾン−t−ブチルアセテ
ート、リファンピシンおよびクロトリマゾールを選択し、コアクチベータ受容体
リガンドアッセイ(CARLA)の試験に使用した。E.Coli内においてh
PXRおよびmPXRのLBDsはグルタチオン−t−ブチルアセテート(GS
T)との融合タンパク質として発現しており、[35S]メチオニンと[35
]システインとの存在下においてイン・ビトロでSRC1.14が合成された。
図4Cに示すように、デキサメタゾン−t−ブチルアセテート、リファンピシン
およびクロトリマゾールは各々が[35S]SRC1.14とGST−hPXR
との相互作用を促進した。トランスフェクション試験に関する試験結果と矛盾す
ることなく、デキサメタゾン−t−ブチルアセテートはGST−mPXR1と[ 35 S]SRC1.14との相互作用を効率よく誘導したが、リファンピシンと
クロトリマゾールは誘導しなかった(図4C)。これとあわせて考えると、これ
らのデータは、構造的に多様性を有する化合物がhPXRリガンド類として作用
することと、ヒトとマウスでのPXRにおける相同部分が、リガンドへの結合特
性の面からみて有意に異なっていることを示唆している。
【0050】 例 4: トランスフェクションアッセイ プラスミド:GAL4−hPXRキメラおよびUAS−tk−SPAPレポー
ター GAL4−hPXR発現構築物は、pSG5発現ベクター(Statagene)中に
、酵母S.crevisiaeの転写ファクターGAL4の翻訳開始配列とアミ
ノ酸1−147を含有する。hPXRのアミノ酸108−434はベントポリメ
ラーゼ(New England Biolads)を使ってポリメラーゼ鎖反応(PCR)によっ
て増幅され、GAL4配列のC−末端へ挿入される。UAS−tk−SPAPレ
ポーターはtkプロモータとCAT遺伝子の上流にあるGAL4結合部位5個分
のコピーを含有する(Berger et al., Gene 66:1(1988))。
【0051】 トランスフェクションアッセイ:SPAPレポーター CV−1細胞を10%のデリピデート化ウシ胎児血清含有DME培地中に添加
し、2.4x10の濃度で96穴プレート(Coaster)中でトランスフェクシ
ョン前に16−24時間培養する。一般的には、8.0ngのレポータープラス
ミド、25.0ngのβ−ガラクトシダーゼ発現ベクター(pCH110、Phar
macia)、および2.0ngのGAL4−hPXR発現ベクターを担体DNA(p
Bluescript、Stratagene)と混合し、10mlのoptiMEM I培地(Life
Technologies)において、1ウエルあたり合計80ngのDNAとなるように
する。これに2次混合液として9.3mlのoptiMEM I培地と0.7m
lのLIPOFECTAMINETM(Life Technologies)を添加する。30
分後、さらに80mlのoptiMEM I培地を添加し、この混合液を細胞に
添加する。16時間後、この培地をデリピデート化と加熱非働化処理したウシ胎
児血清を10%添加したDME培地、および10−5Mの濃度で被験物質を添加
した培地と交換する。24時間培養後、SPAP活性およびβ−ガラクトシダー
ゼ活性を、200mlの基質混合液(16mMのo−ニトロフェニルβ−D−ガ
ラクトピラノシド(Sigma)、120mMのフルオレセインジフォスフェート(M
olecular Probes)、0.16%のTritonX−100、160mMのジエ
タノールアミンpH9、44.8mMのNaCl、および0.8mMのMgCl )を直接添加することによって測定する。あるいは、標準プロトコールを使用
することによってアルカリフォスファターゼおよびβ−ガラクトシダーゼ活性を
別個に測定する。簡単にいえば、25mlの0.5%TritonX−100を
上清に添加することによって細胞を溶解させる。40mlの細胞溶解物に対して
200mlのβ−ガラクトシダーゼ基質試薬(36mMのo−ニトロフェニルβ
−ガラクトシダーゼ、1.25mMのMgCl、2.8mMのNaCl、およ
び4.4Mのβ−メルカプトエタノール)または200mlのアルカリフォスフ
ァターゼ基質試薬(2.5mMのp−ニトロフェニルフォスフェート、0.5m
MのMgCl、20mMのNaCl、1MのジエタノールアミンpH9.85
)のいずれかを添加し、1時間培養する。アルカリフォスファターゼ活性は、ビ
ヒクル単独(トランスフェクション効率に対する内部対照標準として機能するβ
−ガラクトシダーゼ活性に対して正常化されたもの)に対する相対活性の度合い
の倍数として発現される。
【0052】 例 5: 〔H〕GW―485801の合成 (i)〔H〕3,5−ジテルトブチルー4―ヒドロキシベンズアルデヒドの
調製 3,5−ジテルトブチルー4−ヒドロキシベンズアルデヒド5mg(20.6
μmol)およびCrabtree触媒7.5mg(9.3μmol)を2ml
のジクロロメタンに溶解し、10Ciトリチウムガスの存在下5時間撹拌する。
溶液を蒸発させ、乾燥し、不安定なトリチウムを、メタノールから繰り返し蒸発
させて除去する。残渣を10mlのメタノールに再溶解し、計数し分析する。
【0053】 収率:800 mCi ヘキサン:酢酸エチル(80:20)で溶出したシリカによるTLCでは放射
化学純度はおよそ50%である。
【0054】 未精製の物質を蒸発させ1mlとして、ヘキサン:酢酸エチル(85:15)
で溶出した単一500μmシリカプレート上の調整用のプレートクロマトグラフ
ィーにて精製する。プレートを紫外線下で調べて、必要なアルデヒドに相当する
バンドを集め、生成物を酢酸エチル中で抽出する。これを蒸発させて乾燥し、ジ
クロロメタン中に再溶解し、計数し分析する。
【0055】 収率:370 mCi 上記のTLCは単一の標識および23Ci/mmolで比活性を示した。
【0056】 (ii)〔H〕GW−485801の調製 上記(i)での生成物(23Ci/mmol、16μmolで370mCi)
を蒸発させ乾燥し、THF1ml中に再溶解し、氷浴にて撹拌下、冷却する。ト
ルエン55μl、55μmol中の1Mチタニウム(iv)塩化物を加えると、
直ちに黄色になる。テトラエチルメチレンジホスホネート75μlのTHF溶液
110mg/ml、28.6μmol次いでN―メチルモルホリン8.1μl、
7.5mg、74μmolを加える。こうすることにより、深青色となる。次い
で、溶液を室温で4時間撹拌する。
【0057】 酢酸エチル:メタノール(90:10)中のシリカ上のTLC分析によると、
およそ60%の不活性なGW−485801に相当する放射能を示した。
【0058】 (iii)〔H〕GW−485801の精製 粗生成物を酢酸エチル:メタノール(90:10)で溶出した2×1mmシリ
カプレート上の調整用のプレートクロマトグラフィーにて精製する。プレートを
紫外線下で調べて、必要な生成物に相当するバンドを集め、生成物を酢酸エチル
:メタノール(90:10)中に抽出する。これを蒸発させて乾燥し、ニトロゲ
ンー流出エタノール30mlに再溶解する。これは黄色の液体である。
【0059】 収率:180 mCi (iv)〔H〕GW−485801の分析 (iii)で得られた精製された生成物をTLC、HPLC、質量分光法およ
びT−NMRによって分析する。
【0060】 TLCは、99%の放射化学純度を示す。
【0061】 HPLC98.9%の放射化学純度を示す。
【0062】 上記の両システムでは、放射性のピークは共に不活性なGW−485801に
溶出される。
【0063】 重量分光法では、23Ci/mmolの比活性を示し、同位体分布は未標識が
18.4%、1×Hが81.6%である。放射性物質のスペクトルは、不活性
なGW−485801のスペクトルに一致する。
【0064】 T−NMRは、GW−485801のビニル位置の標識に相当する単一の標識
位置(ピークがリン原子にカップリングすることによって4つのシグナルに分割
する。)を示す。これは前駆体のアルデヒド−Hでの標識に相当する。
【0065】 原料の一部は、ニトロゲンー流出エタノールで1mCi/mlに希釈され、1
×2mCiパックとして分配される。残りは、−20℃(約170mCi)で保
管される。
【0066】 例 6: ビオチン−His6―PXR/RXRa タンパク質 ヒトPXR(Genbank AF061056)のアミノ酸130−434を示すコード配列
は、pRSETa発現ベクター(Invitorogen)に更にクローニング
される。N−末端PCRプライマー(MKKGHHHHHHG)(配列番号10
)由来の、ポリヒスチジンタグをコードする配列は、フレーム中で融合される。
得られたコードされたHis6−PXR配列は以下に示すとおりである。
【0067】
【化9】 制限酵素NdeIおよびHindIIIがBB5508(pRSETa)から
RXRαのアミノ酸225−462をコードするcDNA断片を脱離するのに用
いられる。断片は、pET24a発現プラスミド(Novagen)中にライゲートさ
れる。この構築物のBglII、HindIII断片(T7プロモータ、ラクト
ースオペレーター、RBSおよびRXRa含有)は、pACYC184(BB5
114)のBamHI,HindIII部位(テトラサイクリン耐性を除去する
)にクローニングされる。このことにより、BL21(DE3)細胞中で培養さ
れ、IPTGで誘発されるとT7プロモータからRXRαが発現される。得られ
たコードされたRXRα配列は以下の通りである。
【0068】
【化10】 His6−PXR/pRSETaおよびRXRα/pACYC184プラスミ
ドは、BL21(DE3)E.Coli菌株に同時形質転換される。0.05m
g/mlアンピシリンおよび0.05mg/mlクロラムフェニコールを含有す
る標準Luria−Bertani(LB)培養液を含む1リットル振とうフラ
スコ液体培養を、接種し、22℃で24時間培養する。細胞を0.05mMIP
TGで4〜6時間、22℃で誘導し、次いで細胞を遠心分離(20分、3500
g、4℃)にて取り出す。細胞ペレットを−80℃で保管する。細胞ペレットを
250mlの緩衝液A(50mM Tris−ClpH8.0、250mM N
aCl、50mMイミダゾールpH7.5)中に再懸濁する。細胞を3から5分
間、氷上で超音波処理し、細胞破片を遠心分離(45分、20,000g、4℃
)により取り除く。きれいにした上澄みを0.45mMフィルターを通して濾過
し、50mlProBond(Ni++荷電)キレート化樹脂(Invitorogen)
に充填する。緩衝液Aで基線まで洗浄した後、カラムを125mMイミダゾール
pH7.5を含有する緩衝液Aで洗浄する。His6−PXR/RXRα複合体
を、300mMイミダゾールpH7.5を含有する緩衝液Aによって、カラムか
ら溶離する。カラム留分をプールし、Centri―prep30K(Amicon)
ユニットを用いて濃縮する。タンパク質を、20mM Tris―Cl、pH8
.0、200mM NaCl、5mM DTT、2.5mM EDTApH8.
0であらかじめ平衡にしたセファロースS−75樹脂(Pharmacia)を充填した
カラム(26mm×90cm)を用いてサイズ除去する。カラム画分を前述した
ようにプ−ルし、濃縮する。精製されたHis6−PXR/RXRαは、ゲル濾
過によってPBSに変化した緩衝液で処理し、平均総モルタンパク質質濃度45
mMとなる。5倍の総モル数の過剰なNHS―LC−ビオチン(Pierce)を最小
量のPBS中のこのタンパク質混合物に添加する。この溶液を穏やかな撹拌下、
60分間室温で、およそ23℃でインキュベートする。ビオチン化修飾反応は2
000×過剰モル数のTris―HCl、pH8を添加すると停止する。ビオチ
ンーHis6―PXR/RXRαを、3種の緩衝液の変化に対して、即ち、それ
ぞれ少なくとも50容量の、5mM DTT、2mM EDTAおよび2%スク
ロースを含有するTBSpH8で4℃にて透析する。ビオチンーHis6−PX
R/RXRαを質量分析に付し、試薬による修飾の程度を明らかにする。ビオチ
ン化されたタンパク質溶液を凝結させ、−80℃で保管する。
【0069】 例 7: PXRシンチレーションプロキシマティーアッセイ(SPA) ストレプトアビジン―PVA SPAビーズ(Amershampharmacia cat # RPNQ
0007)をアッセイ緩衝液(50mM Tris HCl pH8.0、50mM
KCl、1mM DTT、0.1mg/mlウシ血清アルブミンを含まない必
須脂肪酸)0.5mg/ml中に再懸濁する。ビオチン−His6−PXR/R
XRαをビーズに添加し、最終濃度を50nMとする。受容体を、30分間、室
温でSPAビーズに結合させる。未結合の受容体をSPAビーズを3000rp
mで5分間、Rupp&Bowman Silencer遠心分離機のスインギングバケットローター
中で遠心分離によって、除去する。次いで、SPAビーズでコートされた受容体
をアッセイ緩衝液中で再懸濁させて3.3mg/mlとする。100μg(30
μL)のSPAビーズでコートされた受容体を96穴オプティプレート(Packar
d cat # 6005190)のそれぞれのウエルに添加する。それぞれのウエルには、最
終濃度では〔H〕GW−485801が含まれていて、0.5nMから800
nMの間で変化する。非特異的な結合は10μMクロトリマゾールの添加によっ
て決定される。それぞれのウエルの総容量は100μLである。プレートはTo
pSealA(Packard cat # 6005185)で封じられ、完全に混合したことを確
認するまで、瞬間的に撹拌する。次いで、プレートを室温で、平衡になるまでイ
ンキュベートする。次いで、プレートをTopCount液体シンチレーション
カウンター(Packard)上、H PVT SPAで最適化されたプロトコール
を用いて計数する。クロトリマゾール非存在(Tサンプル)または存在下(NS
サンプル)の3つの部分からなるサンプルの平均をとり、特異的結合を式: 特異的結合=T−NS によって、計数する。
【0070】 特異的結合 vs.〔H〕GW−485801濃度のプロットを生じ(図6)、デ
ータが直角双曲線の式に適合する際には、非線形の回帰を用いてKd値を決定す
る。
【0071】 試験化合物を10mM DMSOに溶解し、アッセイ緩衝液中で連続的に希釈
する前にDMSO中1:10に希釈する。一般的には、化合物は100μMから
0.3nMの範囲の濃度で試験される。ストレプトアビジンーPVT SPAビ
ーズ(AmershamPharmacia cat # RPNQ0007)はアッセイ緩衝液(50mM Tr
is HCl pH8.0,50mM KCl、1mM DTT、0.1mg/
mlウシ血清アルブミンを含まない必須脂肪酸)0.5mg/mlに再懸濁され
る。ビオチンーHis6−PXR/RXRαをビーズに添加し、最終濃度を50
nMとする。受容体を30分間、室温でSPAビーズに結合させる。未結合の受
容体を、SPAビーズを3000rpmで5分間、Rupp&Bowman S
ilencer遠心分離機のスインギングバケットローター中で遠心分離によっ
て、除去する。次いで、SPAビーズでコートされた受容体をアッセイ緩衝液中
で再懸濁させて3.3mg/mlとする。100μg(30μL)のSPAビー
ズでコートされた受容体を96穴オプティプレート(Packard cat # 6005190)
のそれぞれのウエルに添加する。それぞれのウエルには、最終濃度では25nM
の〔H〕GW−485801、および試験化合物またはアッセイ緩衝液と同量
が含まれている。非特異的結合は10μMクロトリマゾールの添加によって決定
される。それぞれのウエルの総容量は100μLである。プレートはTopSe
alA(Packard cat # 6005185)で封じられ、完全に混合したことを確認する
まで、瞬間的に撹拌する。次いで、プレートを室温で平衡になるまで、およそ1
.5時間インキュベートする。次いで、プレートをTopCount液体シンチ
レーションカウンター(Packard)上、HPVT SPAで最適化されたプロ
トコールを用いて計数され、色が消えるまで訂正するようプログラムされる。「
%〔H〕GW−485801の範囲」の値は下記の式によって計算される;
【数1】 (式中、CDPMは試験化合物を含有するウエルのDPM値、NSDPMは10
μMクロトリマゾールを含有する「非特異的」ウエルの平均DPM値、TDPM は、何も添加しない化合物を含有する「すべての」ウエルの平均DPM値である
。%〔H〕GW−485801範囲 vs. 濃度のグラフは各試験化合物につい
て作製され、またIC50値は非線形回帰を用いて決定された(表1参照)。
【0072】
【表1】 上記の全ての記述は参照して、ここに組み込まれる。
【0073】 ここでの開示を読めば、形式および詳細における種々の変更が、発明の主旨か
ら逸脱することなく実施されることが、当業者に明らかであろう。
【0074】
【表2】
【表2】
【表2】
【表2】
【表2】
【表2】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1A−1】 hPXRのヌクレオチド配列(配列番号13)および予想されるアミノ酸配列
(配列番号14)。図1A〜1DはhPXRの分子クローニングを示している。
【図1A−2】 hPXRのヌクレオチド配列(配列番号13)および予想されるアミノ酸配列
(配列番号14)。
【図1B】 hPXR、mPXR1、Xenopusのオーファン核内受容体1(xONR
1)(Smith et al., Nucl. Acids Res. 22:66〜71(1994))、およびヒトビタミ
ンD受容体(hVDR)間のアミノ酸配列比較。数字はDBDおよびLBDにお
けるアミノ酸同一性の割合を示す。
【図1C】 hPXRクローンは機能的な核内受容体をコードする。トランスフェクション
アッセイを、hPXR cDNAの野生型5’領域を含有するpSG5−hPX
R発現ベクター、および4コピーのCYP3A4 DR3 PXREを含有する
レポータープラスミドを用いて行った。細胞をビヒクル単独(0.1%のDMS
O)または10μMデキサメタゾン−t−ブチルアセテートで処理した。続いて
、細胞抽出物をCAT活性についてアッセイした。データ点は、二連で行ったア
ッセイの平均値を示す。
【図1D】 全長のhPXRの翻訳は非AUGコドンで開始される。インビトロでの転写お
よび翻訳を、hPXR cDNAの野生型5’領域を含有するpSG5−hPX
R発現ベクター、またはヌクレオチド位304〜306のCUGコドンがAUG
に改変されているpSG5−hPXR AUGを用いて行った。いずれかのテン
プレートが使用されたときに合成された50kDの産物を白抜き矢印および星印
で示す。DBD内のメチオニン−56またはメチオニン−69での翻訳開始を示
していると考えられる2つのより短い産物を黒矢印で示す。少ない量で存在する
より大きな翻訳産物を曲がった矢印で示す。サイズマーカー(kD単)を左側に
示す。
【図2】 成体組織におけるhPXR発現パターンのノーザンブロット分析(左から右に
、心臓(1)、脳(2)、胎盤(3)、肺(4)、肝臓(5)、骨格筋(6)、
腎臓(7)、膵臓(8)、脾臓(9)、胸腺(10)、前立腺(11)、精巣(
12)、卵巣(13)、小腸(14)、結腸(15)、PBL(16)。RNA
サイズマーカー(kb単位)を左側に示す。 図3A〜3C:hPXRはCYP3A4プロモータ内のIR6エレメントを介
して転写を活性化する。
【図3A】 CV−1細胞を、pSG5−hPXR ATG発現プラスミドの存在下(+)
または非存在下(−)のいずれかで(IR6)−tk−CATレポータープラ
スミドで同時トランスフェクションして、ビヒクル単独(白棒)または10μM
デキサメタゾン−t−ブチルアセテート(黒棒)で処理した。続いて、細胞抽出
物をCAT活性についてアッセイした。データは、三連で行ったアッセイの平均
値+/−標準偏差を示す。
【図3B】 バンドシフトアッセイにおける使用オリゴヌクレオチド。核内受容体ハーフ−
部位モチーフの位置および変異を示す。
【図3C】 バンドシフトアッセイを、CYP3A4 IR6 PXREおよびhPXRと
、hPXR(上段)またはmPXR1(下段)のいずれかとを含有する放射能標
識したオリゴヌクレオチドを用いて行った。未標識の競合剤オリゴヌクレオチド
を示されているように10倍または50倍のモル過剰量で加えた。 図4A〜4C:hPXRは、CYP3A4遺伝子発現の構造的に異なる誘導
剤により活性化される。
【図4A】 CV−1細胞を、pSG5−hPXR ATG発現プラスミドまたはpSG5
−mPXR1発現プラスミドおよび(IR6)−tk−CATレポーターを用
いて(それぞれ、左側および中央)、あるいはRS−hGR発現プラスミド(Gi
guere et al., Cell 46:645〜652(1986))と、tk−CATの上流に位置するコ
ンセンサスグルココルチコイド応答エレメントを2コピー含有するレポーターと
を用いて(右側)トランスフェクションした。細胞を1μMのメバスタチンまた
はロバスタチン、100μMのフェノバルビタールあるいは10μMの他の化合
物で処理した。続いて、細胞抽出物をCAT活性についてアッセイした。データ
は、三連で行ったアッセイの平均値+/−標準偏差を示す。
【図4B】 hPXRを活性化する代表的な化合物の構造を示す。
【図4C】 CARLAを、細菌で発現させたGST−hPXRまたはGST−mPXR1
、およびインビトロ合成した[35S]SRC1.14を用いて行った。[35 S]SRC1.14を、ビヒクル単独(1)(1%のDMSO)あるいは10μ
Mのデキサメタゾン−t−ブチルアセテート(2)、リファンピシン(3)また
はクロトリマゾール(4)の存在下、GST−hPXRまたはGST−mPXR
1のいずれかと混合した。GST−hPXR(上段)またはGST−mPXR1
(下段)との複合体を形成した[35S]SRC1.14をグルタチオン−セフ
ァロースビーズで沈澱させた。
【図5】 [H]GW−485801を製造するための反応スキーム。
【図6】 [H]GW−485801濃度に対する特異的結合のプロット。Kd=37
0nM。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 ZNA G01N 33/15 Z C12Q 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/566 33/50 C12N 5/00 B 33/566 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 クリーワー、スティーブン・アンソニー アメリカ合衆国 ノース・カロライナ州 27709 リサーチ・トライアングル・パー ク、ピー・オー・ボックス 13398、ファ イブ・ムーア・ドライブ(番地なし)、グ ラクソ・ウェルカム・インコーポレーテッ ド内 (72)発明者 ウィルソン、ティモシー・マーク アメリカ合衆国 ノース・カロライナ州 27709−3398 リサーチ・トライアング ル・パーク、ピー・オー・ボックス 13398、ファイブ・ムーア・ドライブ(番 地なし)、グラクソ・ウェルカム・インコ ーポレーテッド内 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 AA40 CB01 DA12 DA13 DA14 DA36 DA77 FB02 FB07 4B024 AA11 BA63 CA04 CA11 DA02 DA06 EA04 FA02 FA10 GA11 GA13 GA18 GA19 4B063 QA01 QA18 QQ61 QR33 QR41 QR58 QR60 QR77 QR80 QS05 QS36 QX01 4B065 AA26X AA90X AA93Y AB01 BA02 BA05 BD15 BD17 BD18 CA24 CA46 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 BA41 CA40 DA50 EA50 FA74 GA10 GA15 GA22 GA26

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チトクロームP-450モノオキシゲナーゼプロモータに結合す
    る単離されたヒト核内受容体、またはそのDNA結合ドメインもしくはリガンド結
    合ドメイン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の受容体であって、前記プロモータはチトク
    ロームP-450モノオキシゲナーゼ3A4(CYP3A4)プロモータである受容体。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の受容体であって、前記受容体はhPXRである
    受容体。
  4. 【請求項4】 図1に示したアミノ酸配列を有する単離されたヒト核内受容
    体、または少なくとも30の連続的なアミノ酸配列のその断片。
  5. 【請求項5】 hPXRおよび非hPXR誘導された配列のDNA結合性またはリガン
    ド結合性ドメインを含む融合タンパク質。
  6. 【請求項6】 請求項1もしくは4のタンパク質または請求項5の融合タン
    パク質をコードする配列を具備する単離された核酸。
  7. 【請求項7】 請求項6の核酸およびベクターを含む構築物。
  8. 【請求項8】 請求項7の構築物を含むホスト細胞。
  9. 【請求項9】 請求項3の受容体またはその断片を製造する方法であって: プロモータに動作可能に連結された、前記受容体またはその断片をコードする
    配列を具備する発現構築物を含むホスト細胞を、前記受容体またはその断片が産
    生される条件下で培養することと; 前記受容体またはその断片を単離することとを包含する方法。
  10. 【請求項10】 CYP3A4遺伝子発現を誘導する能力について被検化合物をス
    クリーニングする方法であって: i)前記被検化合物を、hPXRのリガンド結合ドメインと接触させることと; ii)前記被検化合物が前記リガンドドメインに結合するかどうかを決定する
    こととを具備し、 前記被検化合物の前記リガンド結合ドメインへの結合が、CYP3A4遺伝子発現を
    誘導する化合物の指標である方法。
  11. 【請求項11】 hPXRを活性化または阻害する能力について被検化合物をス
    クリーニングする方法であって: i)DNA結合ドメインおよびhPXRリガンド結合ドメインをコードする配列を
    具備した発現ベクターを調製することと; ii)レポーター遺伝子に動作可能に連結され、前記DNA結合ドメインによ
    って認識される前記DNA結合部位を含むレポーター構築物を調製することと; iii)前記は発現ベクターおよび前記レポーター構築物を、適合性ホスト細
    胞に導入することと; iv)工程(iii)から得られる前記細胞を、前記被検化合物と共にインキ
    ュベートすることと; v)前記レポーター遺伝子の発現レベルを決定することとを具備し、 前記被検化合物の存在下における前記レポーター遺伝子の発現の増大は、前記
    被検化合物がhPXRを活性化できることを示し、 前記被検化合物の存在下における前記レポーター遺伝子の発現の阻害は、前記
    被検化合物がhPXRを阻害できることを示す方法。
  12. 【請求項12】 請求項10の方法によって同定された、CYP3A4を誘導する
    化合物。
  13. 【請求項13】 請求項11の方法によって同定された、hPXRを活性化する
    化合物。
  14. 【請求項14】 PXRによって媒介される細胞の機能を調節する方法であっ
    て、前記細胞と請求項11の方法を用いて同定されたPXRを活性化する化合物と
    を、前記活性化が行われ且つそれにより前記機能が調節される条件下で接触させ
    ることを具備した方法。
  15. 【請求項15】 PXRによって媒介される細胞の機能を調節する方法であっ
    て、前記細胞と請求項11の方法を用いて同定されたPXRを阻害する化合物とを
    、前記阻害が行われ且つそれにより前記機能が調節される条件下で接触させるこ
    とを具備した方法。
  16. 【請求項16】 請求項14または15に記載の方法であって、前記化合物
    は次式Iの化合物である方法。 【化1】 ここで、R1、R2、R3およびR4は、独立に、直鎖または分岐鎖のC1〜C6アルキル
    である。
  17. 【請求項17】 請求項14または15に記載の方法であって、前記細胞は
    培養細胞である方法。
  18. 【請求項18】 請求項14または15に記載の方法であって、前記細部は
    組織内に存在する方法。
  19. 【請求項19】 請求項15または15に記載の方法であって、前記細胞は
    動物中に存在する方法。
  20. 【請求項20】 特定の疾患または症状をPXRの調節と関連させるための方
    法であって、 PXRに特異的に結合する化合物を、該結合が行われ且つPXRにより媒介される細
    胞の機能的活性がPXRによって調節される条件下で、前記細胞中に存在するPXRに
    接触させることと、 前記機能的活性の調節を検出し、該機能的活性の調節を或る疾患または症状と
    関連させることにより、該疾患または症状をPXRの調節と関連させることとを具
    備した方法。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の方法であって、前記化合物は次式Iの
    化合物である方法。 【化2】 ここで、R1、R2、R3およびR4は、独立に、直鎖または分岐鎖のC1〜C6アルキル
    である。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の方法であって、前記化合物はGW-48580
    1である方法。
  23. 【請求項23】 請求項20の方法によりPXRの調節と関連させられた疾患
    または症状を予防または治療する方法であって、それを必要としている患者に対
    して、前記予防または治療が行われるようにPXRの活性を調節する治療的に有効
    な量の薬剤を投与することを具備した方法。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の方法であって、前記薬剤はGW-485801
    である方法。
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