JP2002535237A - 放射線療法のための生体分解性ガラス組成物および方法 - Google Patents

放射線療法のための生体分解性ガラス組成物および方法

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Abstract

(57)【要約】 哺乳動物における放射線療法に適合した微粒子形の非放射性ガラスは、有効量の中性子照射を受けるとβまたはγ放射放射性同位元素を生成する、示した組成の生体分解性の希土ホウ酸リチウム物質を含み、該放射性同位元素はガラス物質全体に分布し、放射線療法のために体液中に導入された該ガラスは、それらと反応し、放射性同位元素が該ガラス物質に保持され、処置部位から漏出するのを防ぐように該ガラス物質表面に不溶性物質を形成するのに適合している。放射線療法を実施するための放射性ガラスおよび方法も開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 本発明は、放射線療法、例えば関節炎の関節の放射線滑膜切除術、ならびに放
射線療法に用いる微粒子形の生体分解性ガラス組成物に関する。 現在、治療線量のβ放射線をin vivoで供給する物質を、身体の病的器官、例
えば悪性腫瘍および関節炎の関節の炎症性滑膜を照射するために用いることは米
国では承認されていない。in vivo放射線療法用に以前に検討された物質は、生
体不活性(非分解性)ガラス(例えば、Ehrhardt et al. Nuc. Med. Biol., 14
[3] (1987); Ehrhardt et al., Soc. of Nuc. Med., 39th Annual Meeting, Jun
e 9-12 (1992); Day et al., Advanced Series in Ceramics-Vol. 1, p. 305-31
7, World Scientific (1994); Hyatt et al., J. Am. Ceram. Soc., 70 [10] (1
987);およびErbe et al., J. Biomed. Mat. Res., 27, 1301-1308 (1993))、ま
たは非ガラス(例えば、Ansell, Ann. Rheum. Dis., 6 Supp. 1-2 (1993); Ingra
nd, Ann. Rheum. Dis., 6 Supp. 3-9 (1973); Boerbooms et al., Eur. J. Nuc.
Med., 10 (1985); Spooren et al., Eur. J. Nuc. Med., 10 (1985); and Neve
s et al., Appl. Rad. Isat., 38 [9] (1987))に分類することができる。これら
物質はすべて同様な方法で注射することにより患者に投与することができる。
【0002】 生体不活性放射線療法ガラス微粒子については、局所的に大線量の治療的β放
射線を安全に供給するためのガラス物質の効果はすでに証明されている。しかし
ながら、そのようなガラスは、身体に永久に留まることができる療法に限られる
。病的な関節の放射線滑膜切除術は、放射線医薬を最終的に除去(クリアランス
)することが望ましいであろう適用の一例である。このことから生体分解性物質
の必要性が生じる。 放射性医薬として用いることが提案されている非ガラス物質には、表面に放射
性同位元素が付着(結合)している放射性コロイド、およびラセミ、ポリマーま
たはタンパク質微粒子が含まれる。これら非ガラス物質のいくつかはin vivoの
処置部位、例えばリュウマチ性関節炎の関節から除去することができる。しかし
ながら、それらにはそれぞれ有用性、および製造および使用時の安全性が限られ
るという欠点がある。これら欠点には、(1)過剰または潜在的に危険な量の放
射線が処置部位の外に放射されることが含まれる。この望ましくない放出は、完
全な放射性物質が物理的に漏出し、該物質が放射能を持ったままでより小さい粒
子やイオン種に崩壊し、または体液と接触した時に粒子表面から放射性同位元素
が離れることにより生じる。(2)放射線線量はある適用に望まれるより小さな
量に限られる。(3)製造時に放射性物質を操作することを含む複雑な調製方法
。(4)半減期の短い放射性同位元素の使用(これは該物質を速やかに使用しな
くてはならないことを意味する)。これにより放射性医薬を配送(郵送)するの
に利用できる時間が限られる。
【0003】 β放射放射性核種は、イオン化粒子(電子)の直線的エネルギー伝達(LET)が
適度であり、その範囲が中程度(典型的には組織中に数ミリメートル)のため、
放射線療法への適用に最も有用であると考えられる。γ線はより大きな距離にわ
たりより低レベルで線量を供給する。α粒子は他の極端な状態を示し、非常に高
LET線量を供給するが、極端に範囲が限られているため、処置すべき組織の細
胞と完全に接触していなければならない。さらに、αエミッターは一般的に重金
属であり、考えられる化学反応が限られ、処置すべき領域から放射性核種が漏れ
ることから過度な危険性がある。 最も有用な放射線療法の放射性核種であるβエミッターも、放射性同位元素の
最も強力な供給源である核リアクター中への中性子の捕捉により最も豊富に生成
されることは思いがけないことである。リアクター産生同位元素の数は数千あり
、研究者は種々の半減期、βエネルギー、γ放射、および化学特性を持つ同位元
素を広く選べる。β放射ほど有用ではないがγ放射は、Angerγ線カメラまたは
単光子コンピュータトモグラフィ(SPECT)装置を用いて観察するために身体中に
放射性同位元素を分布させるのに重要な役割を演じる。これにより、器官または
関節からの放射性核種の漏出の直接観察とある程度の定量ができ、試験動物にお
ける放射性核種の関節注射の有効性および分布を明確に確認することもできる。
【0004】 関節炎の関節の放射線滑膜切除術に関して、大きさの異なる関節、例えば指関
節と膝関節の病的滑膜を異なる深度で処置するには異なる平均β範囲の同位元素
が必要である。上に重なる正常組織の有意な壊死を生じることなく有効な十分な
深度の「キル(kill)」を達成することが重要である。 希土を含むガラスミクロスフェアは、リウマチ性関節炎の関節の放射線滑膜切
除術処置用に検討されてきた。放射性ガラスミクロスフェアを滑膜嚢内に直接注
射し、病的関節膜の炎症を起こした内面を破壊するのに充分な放射線(≧10,000
rads (cGy))を供給することができた。放射性コロイド微粒子、例えば、90Yまた
198Au塩は、現在ヨーロッパで放射線滑膜切除術に用いられているが(例えば、
Houle et al., Radiology 172 [3] 1989); Russel et al., Endocurietherapy/H
yperthermia Oncology, 4 [7] 171-186 (1988); Sledge et al., Arth. Rheum.
29 [2] 153-159 (1986); Davis et al., J. Nucl. Med., 30 [6] 1047-1055 (19
89); Hall, Orthop. Clin. North Am., 6, 675-684 (1975); およびTaylor et a
l., Ann. Rheum. Dis., 31, 159-161 (1972))、米国では使用時に許容できない
量の放射線の漏出があるため承認されていない。放射性コロイドはミクロン以下
のサイズであるため滑膜を容易に脱出することが知られており、ある例では目標
とする放射線の25%が関節の外側の健康な組織に沈着した。放射線療法用のガ
ラスミクロスフェアは放射性コロイドよりかなり大きく(直径>1μm)、さら
に、数ミクロン以内のサイズに注意深く調節されるという利点がある。
【0005】 米国特許第5,011,797号(1991年4月30日)は、生体分解性ガラス物質、および
該ガラス物質全体に化学的に溶解し、実質的に均質に分布したβ放射線を放射す
る放射性同位元素を含む関節炎の関節の放射線滑膜切除術用の放射性ミクロスフ
ェアを開示している。生体分解性ガラス物質は、ケイ酸リチウム、アルミノケイ
酸リチウム、アルミノホウ酸リチウム、ゲルマン酸リチウム、アルミノゲルマン
酸リチウム、ケイ酸カリウム、アルミノケイ酸カリウム、アルミノホウ酸カリウ
ム、ゲルマン酸カリウム、またはアルミノゲルマン酸カリウムであってよく、ま
たβ放射線放射放射性同位元素は、サマリウム-153、ホルミウム-166、エルビウ
ム-169、ジスプロシウム-165、レニウム-186、レニウム-188、またはイットリウ
ム-90であってよい。該特許は、β放射線放射放射性同位元素を含むアルミノケ
イ酸マグネシウムおよびアルミノシリケートガラス物質のような非生体分解性ガ
ラス物質も開示している。 放射線療法、例えば関節炎の関節の放射線滑膜切除術に適合するガラス物質を
改良し続ける必要がある。
【0006】 (発明の要約) 本発明の種々の目的は、放射線療法に用いる新規生体分解性希土−ホウ酸リチ
ウムガラス物質を提供し、βまたはγ放射放射性同位元素を含むそのようなガラ
ス物質を提供し、ミクロスフェアの形のそのようなガラス物質を提供し、そのよ
うな生体分解性ガラス物質を提供し、放射線療法のために体液中に導入したとき
にそれと反応し、その中に含まれる放射性同位元素を体液と反応させて放射性同
位元素がガラス物質表面上に不溶性化合物を形成することにより放射性同位元素
がガラス物質上に保持され、処置部位から漏れるのを防ぐように適合したそのよ
うな放射性同位元素を提供し、そして放射線療法、例えば関節炎の関節の放射線
滑膜切除術を実施する方法を提供することである。他の目的および特徴は一部が
明白であり、一部がこれ以降に示される。
【0007】 簡単には、本発明は、下記の組成の1つを有する生体分解性ガラス物質を含む
、哺乳動物の放射線療法に適合した微粒子形の新規放射性ガラスを目的とする: xRE2O3 ●(100-x)LiB3O5 xRE2O3 ●yLi2O ●(100-x-y)B2O3 xRE2O3 ●yMgO ●(100-x-y)LiB3O5 xRE2O3 ●yMgO ●(100-x-y)Li2B8O13 xRE2O3 ●3MgO ●5SiO2 ●yAl2O3 ●(100-y-x)Li2B8O13 [式中、REは治療的強度のβまたはγ放射線を放射する中性子により活性化す
ることができる希土であり、該放射性同位元素は該ガラス物質全体に分布してい
る。xはRE2O3のモルパーセントであり、約0.5〜5の範囲である。yはLi2O、MgO
、またはAl2O3のモルパーセントである。バランスはホウ酸リチウム物質ガラス
である。該ホウ酸リチウムガラスは実質的にリチウム-6およびホウ素-10を含ま
ず、放射線療法の為に体液中に導入されたガラスは、それらと反応し、放射性同
位元素が該ガラス物質に保持され、処置部位から漏出するのを防ぐように該ガラ
ス物質表面に不溶性物質を形成するのに適合している。]
【0008】 本発明の別の局面は、有効量の中性子照射を受けるとβまたはγ放射放射性同
位元素を生じ、該ガラス物質の最初の生成時に放射性元素を操作することを避け
ながら放射線療法に用いるのに適したガラス物質を提供する微粒子形の新規非放
射性ガラスを提供することである。 さらに本発明の別の局面は、本発明の新規放射性ガラス物質を用いる放射線療
法、例えば関節炎の関節の放射線滑膜切除術を実施する新規方法を提供すること
である。
【0009】 (図面の簡単な説明) 図1は、非定型溶解の結果として希土−ホウ酸リチウムガラスミクロスフェア
の表面に腐蝕(反応)層を形成することを示す模式図である。 図2は、火炎球状化(spheroidization)により作製したジスプロシウム-アル
ミノホウ酸-リチウム(DyLAB)ガラスミクロスフェアの代表的SEM顕微鏡写真で
ある。白線は10μmである。 図3は、37℃のPBS溶液(pH7.4)に24時間浸漬した後の(A) DyLA
B-5、(B) DyLAB-10、(C)DyLAB-15、および(D) DyLAB-20ガラスミクロスフェアの
代表的SEM顕微鏡写真を示す。溶液から該スフェアを除去した後に、両(A)
および(B)においてDyLABガラスミクロスフェアの表面に収縮とクラッキング
が生じた。ガラスおよび腐蝕層両方の平滑な表面のきめに注意。白線は10μm
である。
【0010】 図4は、37℃のPBS溶液(pH7.4)に11日間浸漬した後の(A) DyLA
B-5、(B) DyLAB-10、(C)DyLAB-15、および(D) DyLAB-20ガラスプレートの代表的
顕微鏡写真(200x)を示す。腐蝕(反応)層の証拠が(A)および(B)に
(クラッキングとして)みられるが(C)や(D)にはみられない。DyLABガラ
スプレートの端を(C)および(D)の写真の上端近くに示す。 図5は、22℃のPBS溶液(pH7.4)に上左端に示す時間(時間)浸漬
した後のDyLAB-20ガラスミクロスフェアの日付順のビデオ画像(200x)を示
す。ガラスミクロスフェアの外部表面上に形成される層は、約26時間後に検出
可能となり、時間とともに次第に厚くなる。ミクロスフェアの外径はほぼ一定の
ままであるが、非反応コアの直径は次第に小さくなる、ミクロスフェアの平均直
径は28μmである。 図6は、ラットの健康な膝関節内に注射して2週間後の滑膜中に埋め込まれた
DyLAB-10ガラスミクロスフェア(直径20−25μm)の顕微鏡写真である((
A)120Xおよび(B)480X)。(A)の矢印は、(1)滑膜に埋め込ま
れたガラスミクロスフェア、(2)関節軟骨、および(3)骨を示す。ガラスミ
クロスフェアの分解を(B)に示し、腐蝕層(1)がガラスコア(2)を取り囲
む。 図7は、ラットの健康な膝関節内に注射して2週間後の(2)マクロファージ
(楕円形)に囲まれた(1)2つのDyLAB-10ガラスミクロスフェアの顕微鏡写真
である(480X)。ミクロスフェアの分解は表面の脱色および形が球状からで
こぼこに変化することにより示される。
【0011】 (好ましい態様の説明) 本発明により今回、ある種の微粒子形の新規放射性ガラス物質を、身体の病的
器官、例えば悪性腫瘍および関節炎の関節の炎症を起こした滑膜のin vivo照射
に用いてよいことがわかった。該ガラス物質は放射線療法のために体液中に導入
したときに、その中に含まれるβおよびγ放射放射性同位元素を体液と反応させ
て、該放射性同位元素がガラス物質上に保持され、処置部位から漏れるのを防ぐ
ように放射性同位元素がガラス物質表面上に不溶性化合物を形成するのに適合し
たミクロスフェアの形であってよい。本発明の放射性ガラス物質は、放射能を導
入する前に他の方法で製造し、分粒し、そして処理してよい新規非放射性ガラス
物質から製造され、これは、該ガラス物質の初期生成時に非放射性物質のみを用
いて作業する利点をもたらす。
【0012】 本発明の第一の態様において、微粒子形の新規放射性物質(例えばミクロスフ
ェア)は下記の組成の1つを有する生体分解性ガラス物質からなる: xRE2O3 ●(100-x)LiB3O5 xRE2O3 ●yLi2O ●(100-x-y)B2O3 xRE2O3 ●yMgO ●(100-x-y)LiB3O5 xRE2O3 ●yMgO ●(100-x-y)Li2B8O13 xRE2O3 ●3MgO ●5SiO2 ●yAl2O3 ●(100-y-x)Li2B8O13 [式中、REは治療的強度のβまたはγ放射線を放射する中性子により活性化す
ることができ、該放射性同位元素は該ガラス物質全体に分布している希土放射性
物質である。xはRE2O3のモルパーセントであり、約0.5〜5の範囲である。yはL
i2O、MgO、またはAl2O3のモルパーセントである。バランスはホウ酸リチウム物
質ガラスである。] 該ホウ酸リチウムガラス物質は実質的にリチウム-6およびホウ素-10を含まな
い。リチウム-6は、天然のリチウム化合物を中性子と衝突させるとトリチウムを
形成する7.4%天然にアバンダントな同位元素である。トリチウムは半減期が12
.5年のβエミッターである。したがって、リチウム-7を中性子と衝突させても
放射性同位元素は形成されないので、リチウム-7だけを含む化合物を用いるべき
である。ホウ素-10は、大きな熱中性子断面積(3837barns)を持つ同位元素であ
り、本発明のガラス物質においては、該ガラスが多くの中性子を吸着してガラス
の他の部分が放射性になるのを防ぐかも知れないので不利であろう。この問題は
熱中性子断面積がはるかに小さい(約0.005barns)ホウ素-11のみを含む化合物
を用いることにより避けることができる。
【0013】 治療的強度のβまたはγ放射線を放射する、あらゆる中性子で活性化できる希
土放射性同位元素を上記のガラス物質組成物として本発明を実施するのに用いて
よい。本明細書で用いている用語「中性子で活性化できる(中性子活性化)希土
放射性同位元素」にはイットリウム-90が含まれる。βまたはγ放射放射性同位
元素の例には、ジスプロシウム-165、ホルミウム-166、イットリウム-90、レニ
ウム-186、レニウム-188、およびサマリウム-153が含まれる。これらβまたはγ
放射放射性同位元素は本発明に用いるのに特に適している。サマリウム-153(半
減期46.3時間)およびホルミウム-166(半減期26.8時間)は上記ガラス組成物に容
易に溶解させることができ、核リアクター中で良好な活性化特性を持ち、画像化
できる(imageable)γ線を有し、毒性が低く、それらを含む放射性ガラス物質が
分布するために十分な長さの半減期を持つ。
【0014】 ホルミウム-166は、100%アバンダントな、安定したホルミウム-165に熱中性子
を中性子捕捉させることにより生成する(共鳴中性子断面積はそれぞれ61.2およ
び67.0barns)。ホルミウム-166は、最大範囲約8.0mmおよび平均範囲約2mmの1.8
55MeV(51%)および1.776MeV(48%)最大エネルギーβ粒子を放射することにより半
減期26.83時間で減衰する。ジスプロシウム-165は、最大エネルギーがわずかに
低い(1.31MeV)β粒子を放射し、ヒト膝の放射線滑膜切除術に有効であることが
証明されているので、ホルミウム-166はこの適用のために充分な浸透性を持つよ
うである。Ho-166はこの適用のために充分な浸透性を持つ。Ho-166も6.2%アバン
ダンスの80.5Kev γ線を放射するので、常套的技術により画像化できる。
【0015】 サマリウム-153は、天然または同位元素的に豊富化されたサマリウム-152の中
性子捕捉により生成され(熱および共鳴中性子断面積はそれぞれ210および3,020
barns)、それぞれ0.810MeV(20%)、0.710MeV(49%)および0.640MeV(30%)最大エネ
ルギーのβ放射により減衰する(付随する範囲は最大2.3mmおよび平均距離0.8mm
)。Sm-153は物理的半減期が46.27時間であり、29.8%アバンダンスの高度に画像
化できる103KeV γ線を生じ、減衰して安定なEu-153となる。 サマリウム-153およびホルミウム-166はともに化学的に適合性であり、約1日
間減衰後には中性子衝突により誘導される他の有意な放射能は存在しない上記ガ
ラス組成物に取り込むことができる。ジスプロシウム-165、イットリウム-90、
レニウム-186、およびレニウム-186、ならびに他のβまたはγ放射放射性同位元
素も本発明を実施するのに放射性同位元素として用いてよい。
【0016】 上記組成物内の生体分解性ホウ酸リチウムガラス物質の例には以下のものがあ
る: Dy2O3 1.7モル% Li2O 24.6モル% B2O3 73.7モル% 100.0モル% Dy2O3 5モル% Li2O 16モル% Al2O3 5モル% B2O3 66モル% SiO2 5モル% MgO 3モル% 100.0モル% Dy2O3 5モル% Li2O 15モル% Al2O3 10モル% B2O3 62モル% SiO2 5モル% MgO 3モル% 100.0モル% HO2O3 2モル% Li2O 15モル% Al2O3 15モル% B2O3 60モル% SiO2 5モル% MgO 3モル%。 100.0モル%
【0017】 上記組成物内の他の放射性同位元素含有ホウ酸リチウムガラス物質も本発明を
実施するのに用いてよい。 先に示したように、本発明の生体分解性希土−ホウ酸リチウムガラス物質は、
特定のガラス組成物により決定された制御された速度で体内で腐蝕、反応、もし
くは生体分解される。この生体分解は、ガラスに含まれるβまたはγ放射放射性
同位元素が処置部位から漏れないように生じる。好ましくは、該ガラス物質は、
ほぼあらゆる所望のサイズのミクロスフェア、好ましくは直径100ミクロン以下
、より好ましく直径約1〜40ミクロンのミクロスフェアに形成される。
【0018】 注射もしくは当該分野で知られた他の適切な常套的方法により放射線療法のた
めに処置部位に投与した後、放射性希土元素は、該ガラス内の別の成分または体
液と反応してガラス物質表面に不溶性化合物を形成し、不溶性化合物は最終的に
ガラス物質全体に形成され、ガラス物質上に保持されることにより処置部位から
の漏出を防いでよい。図1に、ジスプロシウム-165、ホルミウム-166、またはin
vivo 放射線療法に用いる本発明の他の希土ホウ酸リチウムガラスミクロスフェ
アの分解もしくは腐蝕特性の簡略化モデルを示す。図1は、B2O3、Li2O、MgO、
および程度は低いがAl2O3およびSiO2の溶解によるガラスミクロスフェア表面上
の腐蝕もしくは反応層の存在を示す。他の部位への望ましくない移動を防ぐため
にガラス物質上に形成され、保持された不溶性化合物は、例えば希土酸化物、希
土水酸化物、または希土ホスフェートであってよい。予想される溶解(分解)生
成物、および非溶解Dy2O3またはHo2O3、Al2O3、およびSiO2を図1に示す。ガラ
スミクロスフェアの腐蝕または反応層内への体液からのP、K、およびNaイオンの
拡散も図1に示す。腐蝕層中の非溶解酸化物は一部水和物になってよい。
【0019】 以下の実験研究が示すように、37℃で11時間脱イオン水に浸漬した後の中性子
活性化DyLABガラスミクロスフェアからは測定し得る量の放射能は放射されなか
った。放射性DyLABミクロスフェアからジスプロシウム-165が放射されないこと
を、非放射性ミクロスフェアを用いる同様の測定により確認した。 本発明の希土ホウ酸リチウムガラス物質の分解は、下記のin vitro試験中に観
察された。図5に示すDyLABガラスミクロスフェアは、本発明のガラス物質のユ
ニークな分解特性を示す。放射性成分は放射されないが、該ガラス物質は37℃の
PBS溶液中で24時間以内に反応を開始した。これはDyLABミクロスフェア上の希土
豊富化反応層の形成として図5に示され、該ガラスが体内で分解性であろうこと
を示す。 本発明のガラス物質の分解速度はガラス組成を調整することにより約10-6〜10 -10 g/cm2/minに容易に制御することができる。すなわち、本発明の希土−ホウ酸
リチウムガラスは、半減期がわずか2時間から多くとも7日間の範囲である種々の
有用な放射性同位元素(βまたはγエミッター)を安全に供給することができる。
この因子は、in vivo放射線療法のための本発明ガラス物質の多能性を大きく向
上させる。
【0020】 以下に示す本発明ガラス物質のin vitro試験とin vivo試験の結果はよく一致
している。反応または腐蝕層は、図5に示すものと同様にラットの健康な膝関節
内に注射したガラスミクロスフェア上にも形成された(図6および7参照)。ラ
ットの該関節内に注射されたガラスミクロスフェアと模擬体液に浸漬したものの
分解特性に差は検出されなかった。
【0021】 ミクロスフェアの形の本発明ガラス物質は、粉末の均質な混合物(すなわちバ
ッチ)を融解させ所望のガラス組成物を形成させることにより製造してよい。該
バッチに用いる的確な化合物または生(raw)物質は、融解組成物を製造するため
の正しい割合で必要な酸化物を提供する限り重要ではない。本発明ガラス物質の
実例的成分のモルおよび重量パーセントを下記表II〜Vに示す。各生物質の純度
は典型的には99.9%以上である。粉末を乾燥または湿った状態で混合して均質な
混合物とした後、該混合物をプラチナまたはプラチナ/ロジウム合金るつぼに入
れて電気加熱炉中で融解させてよい。該生物質は中性子照射により放射性になる
不純物を含んではならない。
【0022】 該るつぼを加熱炉から取り出し、次いで融解物をステンレススチールプレート
上の筋(bar)もしくはパティ(patty)中で成形する。ガラスミクロスフェアを
形成するには、該ガラスを乳鉢と乳棒で粉砕してガラス粉末を得る。次に、該粉
末をプロパン/空気火炎に供給して各粒子を融解し、表面張力により球状化する
。球状粒子を冷却して固体ガラスミクロスフェアとし、回収する。本発明のガラ
ス物質は、容易にほぼあらゆる所望のサイズ、好ましくは直径約100ミクロン
、より好ましくは直径約1〜40ミクロンのミクロスフェアとすることができる
【0023】 微粒子形、例えばミクロスフェアの本発明のガラス物質は、βまたはγ放射線
放射放射性同位元素、例えば、ジスプロシウム-165、ホルミウム-166、イットリ
ウム-90、レニウム-186、レニウム-188、またはサマリウム-153を生じる有効量
(その量は該ガラス物質全体に化学的に溶解し、均一に分布しているそのような
元素の特定の同位体による)の中性子の照射を受けることにより活性化してよい
。ガラス物質は製造後に放射性となるので、例えばミクロスフェア中で融解およ
び製造されたすべてのガラスは好都合に非放射性物質のみを含む。 示したように、記載のごとく製造した本発明の放射性ガラス組成物を、病的器
官、例えば悪性腫瘍および関節炎の関節の炎症を起こした滑膜をin vivo照射す
るために投与してよい。ガラスミクロスフェアの形のこれら新規ガラス組成物は
、動脈内注射もしくは他の適切な投与方法により投与してよい。例えば関節炎の
関節の放射線滑膜切除術に用いる場合は、ガラス組成物を滑液中に導入し、深さ
約50〜100ミクロンまで滑膜中に妥当に均一に分布するようにし、β放射線を放
射し、放射性同位元素をガラス物質内に保持して処置部位から移動するのを防ぎ
、より遠い関節構造に有意な照射を伴うことなく該膜の厚さを実質的に完全に照
射する。
【0024】 本発明の新規ガラス組成物は、in situ分解性の有意な利点をもたらし、処置
部位から放射線が漏出する可能性を有意に低下させ、製造しやすい。そのような
ガラス組成物は現在非ガラス放射線療法物質により供給されるより大きな放射線
線量の使用を可能にし、比較的高価でない物質を用いることができ、単回投与に
より体内の実質的にあらゆる部位に供給することができる。本発明の非放射性ガ
ラス組成物も保存期間は不定である。
【0025】 以下の実施例により本発明の実施を例示する。 実施例1 (1) グラスの製造 Dy2O3、Ho2O3、Y2O3、またはSm2O3を含む表Iに記載の希土−ホウ酸リチウムガ
ラスを、希土酸化物の分析グレード粉末の均質な混合物を電気加熱炉中のプラチ
ナもしくはプラチナ/ロジウム合金るつぼ中で融解することにより製造する。ガ
ラスの製造に用いるすべてのバス(bath)物質は、H3BO3およびLi2CO3を除く酸
化物であった。
【0026】 表I.生体分解性放射性医薬として用いるために検討した希土−ホウ酸リチウム
ガラスの組成物のモルパーセント
【表1】 RE = Dy、Ho、Y、またはSm。
【0027】 該ガラスのほとんどは1000〜1150℃で融解した。Al2O3およびSiO2を含む該ガ
ラスの融解温度は、1200〜1300℃とわずかに高かった。各融解物は、完全な融解
および均質性を保証するため約30分間(RELABガラスについては1時間まで)その
融解温度に保った。この期間後、融解物をアルミナ棒で一度攪拌し、ステンレス
スチールプレート上の筋またはパティ内で成形した。 該ガラスは特性測定のために焼き戻すかまたは球状化するために粉砕するまで
デシケーター中に保存した。希土−ホウ酸リチウムガラスのバッチ組成を表II〜
Vに記載する。
【0028】 表II.DyLBガラスの組成物モルおよび重量%(括弧内wt%)
【表2】 (P) = スチールプレート上の形成物; (SQ) = スチールプレート間の焼き入れ
スプラット(縦長の平板); H =均質(な); S = わずか(に); P = 部分的(
に)
【0029】 表III.HoLBガラスの組成物モルおよび重量%(括弧内wt%)
【表3】 (P) = スチールプレート上の形成物; (SQ) = スチールプレート間の焼き入れ
スプラット(縦長の平板); H =均質(な); S = わずか(に); P = 部分的(
に)
【0030】 表IV.DyMLBガラスの組成物モルおよび重量%(括弧内wt%)
【表4】 H =均質(な);(P) = スチールプレート上の形成物
【0031】 表V.RELABガラス★★の組成物モルおよび重量%(括弧内wt%)(RE=Dy、H
o、またはSm)
【表5】 H =均質(な);(P) = スチールプレート上の形成物。★★ LiO/B2O3 = すべてのRELABガラスについて0.24。 †ガラスIDに含まれる番号は、該ガラスのAl2O3モル%に相当する(RELABガラ
スについてのみ)。
【0032】 (2)特性測定 25℃の該ガラスの密度を、懸濁液媒質としてケロセンを用いるArchimedes浮力
法により測定した(その密度(25℃で0.8015g/cm2)をGay-Lussac比重瓶を用いて
測定した)。密度を測定するために、クラックおよび気泡のない各焼き戻しガラ
ス片の乾燥および懸濁質量を分析用はかりを用いて測定した。密度の実験誤差は
±0.01g/cm2と推定された。 nD屈折指数を、屈折指数が保証された液体とナトリウムD(589 nm)光のみを透
過するフィルターを用いるBeckeライン法により測定した。磁器乳鉢と乳棒で粉
砕した焼き戻しガラスを屈折指数測定に用いた。該屈折指数の誤差は±0.002で
あった。
【0033】 (3)化学耐久性測定 Dy2O3またはHo2O3を含む該ガラスの化学耐久性を、37℃のリン酸緩衝生理食塩
水(PBS)溶液に浸漬した成形(as-cast)または焼き戻しバルクガラス試料の重量
損失を測定することにより評価した。37℃のPBS溶液を腐蝕媒質として用い、表V
I記載のイオン含量と体液、例えば滑液の温度をシミュレートした。
【0034】 表VI.RELABグラスの腐食試験に用いるリン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液中の無
機電解質のモル含量
【表6】 腐蝕試験用の成形試料に、クラックまたは薄い尖った端がないDyLB、HoLB、DyML
B、DyLAB、またはHoLABガラス片を選んだ。
【0035】 腐食試験用の長方形ガラス試料(プレート)を焼き戻しDyMLBおよびDyLABガラ
スから切り取り、SiC紙およびAl2O3研磨剤を用いて研磨し0.05μm表面仕上げと
した。試験前のガラスの腐蝕を避けるため切り取りおよび研磨時には非水性潤滑
剤、すなわちケロセンおよび鉱油のみを用いた。試験前の該プレートをアセトン
でリンスし、ガラス表面からあらゆる残留ケロセンまたは鉱油を除去した。ガラ
スプレート(=10x5x2 mm)を用いて、ガラスの重量損失から分解(溶解)速度(
DR、g/cm2/min)を計算した。PBS溶液に浸漬する前に、DyMLBおよびDyLABガラス
プレートの表面積をそのバルク容積から推定し、すべてのガラス試料の初期重量
を決定した。
【0036】 バルクガラス試料(成形片または焼き戻しガラスプレート)を、高密度ポリエ
チレン(HDPE)ボトルに入れた37℃のPBS溶液約100mLに別々に浸漬した。ガラス試
料を定期的にPBS溶液から取り出し、アセトンで静かにリンスして70℃の空気中
で少なくとも30分間乾燥した。乾燥後、反応もしくは腐蝕したガラス試料を重量
測定し、さらに試験するために各PBS溶液に戻した。これらの工程を18日間まで
数回繰り返した(またはDyLABおよびHoLABガラスについては各75および90日間)
【0037】 37℃のPBS溶液に5または24時間浸漬した後にDyLBおよびDyMLBガラス試料から
放出されたDy(もしあれば)の量を誘導結合形高周波プラズマ分光法(inductiv
ely coupled plasma spectroscopy (ICP))を用いて測定した。各ガラス試料のP
BS溶液約10mLをデカントし、新鮮溶液で置き換えた。デカントしたPBS溶液をろ
過してあらゆる微粒子を除去し、ICP分析によりDy濃度を測定した。5および24時
間以内に放射性165Dyの77.8および99.9%がその非放射性娘核種であるで165Hoに
減衰した。
【0038】 (4) ガラスミクロスフェア調製物 希土−ホウ酸リチウムガラスからin vivoで用いるガラスミクロスフェアを製
造することの実行可能性を火炎球状化技術を用いて試験した。上記表Iから各Dy
LB、HoLB、DyMLB、DyLAB、およびHoLABガラス組成物の少なくとも1つを用いて
火炎球状化を試みた。各ガラスを磁器乳鉢および乳棒で粉砕して-45μm(-325メ
ッシュ)粉末を得た。火炎上方に位置した振動スパーテルから該ガラス粉末をプ
ロパン/空気火炎中に徐々に落とすことにより各粒子を融解し、表面張力により
球状物を得た。火炎を止め、球状の小滴を冷却してガラスとし、ステンレススチ
ールシリンダーに回収した。
【0039】 結 果 (1) 希土-ホウ酸リチウムガラスの形成 各希土−ホウ酸リチウムガラスバッチを完全に融解させ、各融解温度(1000〜1
300℃)に数分間保った後に気泡を含まなくなった。ガラス融解物はすべて融解
したB2O3もしくはほとんどのガラスを形成するシリケート融解物より著しく液状
であった。典型的ソーダ石灰シリケートガラスの「融解」温度(1450℃)におけ
る粘性は、10〜100poiseである。希土−ホウ酸リチウムガラス融解物の低い粘性
は、融解物の均質化を助け、フィニング(fining)に要する時間を減らすので有
利であり、これにより揮発性の元素、例えばホウ素およびリチウムのいかなる損
失も制限される。1300℃で融解したDy-LAB-20融解物についてのみ観察されたわ
ずかな発煙の除き、希土−ホウ酸リチウム融解物からの揮発の証拠はなかった。 DyLBおよびHoLBのほとんど、およびAl2O3、MgO、および/またはSiO2を含むす
べての希土−ホウ酸リチウムガラス(DyMLB、DyLAB、HoLAB、YLAB、およびSmLAB)
は、表II〜VIに示すようにスチールプレートを用いて形成すると透明ガラスを形
成した。希土−ホウ酸リチウムガラスはいくらか線(striae)を含んでいたが、そ
の他は均質のようであった。Yを除くすべての希土は、着色ガラス(Hoについて
は橙色、およびDyもしくはSmについては黄色)を生じた。
【0040】 (2) 密度および屈折指数 希土−ホウ酸リチウムガラスの密度は2.29〜2.95g/cm3の範囲でありRe2O3のモ
ル%の増加に伴って直線的に増加した。 希土−ホウ酸リチウムガラスの屈折指数(nD)は1.544〜1.604の範囲であり、希
土酸化物のモル%の増加につれて増加した(これは密度の増加から予想された)
。しかしながら、Al2O3またはMgOの添加による屈折指数の変動は、希土−ホウ酸
リチウムガラスの密度のそれより顕著であった。
【0041】 (3) 希土−ホウ酸リチウムガラスの化学耐久性 希土−ホウ酸リチウムガラスの化学耐久性は、望ましくない放射線漏出ならび
に該ガラスの最終的崩壊および分解(溶解)の観点から重要である。希土−ホウ
酸リチウムガラスミクロスフェアは、有意に放射性のまま165Dy、166Ho、90Y、
または153Smについてそれぞれ約1、11、20、または27日間(すなわち10半減期
)希土放射性核種を処置部位内に完全に保持することが好ましい。10半減期は、
希土−ホウ酸リチウムガラスミクロスフェアが有害量の放射線を放射することな
く完全に崩壊できるであろう放射線の99.9%が減衰する時の時間に相当する。
【0042】 (a) Dyの放出 DyLB(1〜5)またはDyMLBガラスと37℃で5〜24時間接触させたあらゆるPBS溶液
を用いたICP分析により検出できる量のDy(≧0.1ppm)はみられなかった。これら
の結果は各DyMLBガラスのさらに2試料を試験することにより確認された。
【0043】 (b) 重量損失および分解速度 希土−ホウ酸リチウムガラスの化学耐久性は組成で劇的に変化し、一般的に希
土酸化物のモル%が増加するにつれて増加した。8日後のDyLBおよびDyMLBガラ
スおよび7日後のDyLABおよびHoLABガラスの重量損失と分解速度(DR)をそれぞ
れ表VIIおよびVIIIに示す。 全体として、HoLBおよびDyLBガラスは、最も耐久性が低い希土−ホウ酸リチウ
ムガラスである。それぞれ0.84〜3.9モル%のDy2O3を含むDyLB-1〜DyLB-5ガラス
はHoLBガラスより耐久性が高く、24時間以内に完全に反応しなかった。全体とし
て、DyMLBガラスはDyLBガラスよりわずかに耐久性が高く、37℃のPBS溶液中に8
日間浸漬した後の重量損失は1.0〜13.7%であった(表VII参照)。
【0044】 表VII.DyLB、DyALB、およびDyMLBガラスの%重量損失および分解速度(比較のた
めDy2O3、およびAl2O3またはMgOのモル%を含む)
【表7】 37℃のPBS溶液中で約8日間(200時間)後 (-nm-)測定せず
【0045】 表VIII.DyALBおよびHoLABガラスの%重量損失および分解速度(比較のためRE2O3 およびAl2O3のモル%を含む)
【表8】 † RE=Dy、Ho、Y、またはSm (-nm-) 測定せず。 37℃のPBS溶液に約7日間後 § 測定した重量損失は理論実験誤差内であった。 (nd) 検出し得る重量損失なし。 (不確定度 ±0.05mg)
【0046】 DyMLBガラスのDR(表VIIに記載)は、すべてのガラスについて同じオーダーの等
級(10-7g/cm2 min.)であったが、重量損失パーセント同様に幾分組成の差に不一
致があった。 DyLABガラスは、DyLBまたはDyMLBガラスよりはるかに化学耐久性が高かったが
、このことは、DyLABガラスはDy2O3含有率(5モル%)が最も高く、SiO2、Al2O3
およびMgOを含んでいたため驚くことではなかった。HoLABガラスはDyLABガラス
より希土(Ho2O3、2モル%)の含有率が低いため、化学耐久性も低かった。37℃のP
BS溶液中でほとんどまたは全く重量損失がなかったDyLAB-15、DyLAB-20、および
HoLAB-20ガラスは、明らかに最も分解性が低い希土−ホウ酸リチウムガラスであ
る。
【0047】 (4) 希土-ホウ酸リチウムガラスミクロスフェアの成形 固体ガラスミクロスフェア(直径1〜40μm)は、DyLABおよびHoLABガラス、なら
びにDyLB-3、DyLB-8、DyMLB-6、DyMLB-8、およびHoLB-5ガラスすべてからうまく
製造された。DyLAB-5ガラスから製造したミクロスフェアは、火炎球状化により
製造したすべての希土−ホウ酸リチウムミクロスフェアの代表的均一性と平滑な
表面を示した。希土−ホウ酸リチウムガラスミクロスフェアの小分画は、放射線
療法のためのミクロスフェアの使用に何ら不利な作用をもたない1またはそれ以
上の小気泡を含んでいた。
【0048】 実施例2 (1) ガラスの製造 下記表IXに記載のジスプロシウムおよびホルミウムガラス各50gを、電気加熱
炉中のプラチナもしくはプラチナ/ロジウム合金るつぼ中で高純度粉末の均質混
合物(すなわち、Dy2O3、H3BO3、Li2CO3、Al2O3、SiO2、およびMgo)を融解する
ことにより製造した。
【0049】 表IX.in vivo放射線療法について検討したDyLABおよびHoLABガラスの組成モル
【表9】 各ガラスID中の番号は該ガラス中のAl2O3モル%に一致する。★★ Dy2O3(DyLAB)またはHo2O3(HoLAB)。 括弧内は重量%。
【0050】 該ガラスを製造するのに用いるすべてのバッチ物質は、H3BO3およびLi2CO3
除きすべて酸化物であった。1200〜1300℃で30分間以内に各バッチは完全に融解
し、ほとんど泡がなかった。融解物の粘性はソーダ石灰ガラス(約1500℃で10〜
100Poise)よりはるかに低かった。アルミナ棒で攪拌する前の約1時間、各融解
物を融解温度に保ち、次いでステンレススチールプレートの筋またはパティ中で
成形した。各ジスプロシウムガラスの部分を500℃の空気で30分間焼き戻した。
焼き戻したジスプロシウムガラスを交差偏光を通してみることによりあらゆる残
存するひずみについて検査した。
【0051】 (2) ガラスミクロスフェアの形成 ガラスミクロスフェアを形成するには、該ガラスを磁器乳鉢および乳棒で粉砕
し、粒子をふるいにかけて-45μm(-325メッシュ)ガラス粉末を得た。次に、ガラ
ス粉末をプロパン/空気火炎に入れて各粒子を融解し、表面張力により球状化さ
せた。火炎を外し、球状粒子を冷却して固体ガラスミクロスフェアとし、大ステ
ンレススチールシリンダー(容器)中に回収した。上記表IXに記載の各ガラスか
らミクロスフェアを製造した。球状化後、ガラスミクロスフェアを乾燥し、サイ
ズ範囲が直径+38、-38/+32、-32/+25、-25/+20、および-20μmのふるいにかけ
、次いでデシケーター中に保存した。
【0052】 (3) 化学耐久性の測定 (A) 重量損失 バルクジスプロシウムおよびホルミウムガラスの腐蝕を試験するため、長方形
試料(プレート)を焼き戻しジスプロシウムガラスから切り取り、各ホルミウム
ガラスの成形片を選択した。ジスプロシウムガラスプレートをSiC紙およびAl2O3 研磨剤を用いて研磨し0.05μmに仕上げた。試験前の該ガラスの腐蝕の可能性を
最小限にするため切断および研磨時には非水性潤滑剤のみを用いた。試料をアセ
トンで洗浄することによりガラス表面から潤滑剤を除去した。バルクジスプロシ
ウムおよびホルミウムガラス試料の重量および表面積を腐食試験前に測定した。
ホルミウムガラス試料は長方形ではなかったため、その表面積は推定値のみであ
った。 バルクジスプロシウムおよびホルミウムガラス試料を、高密度ポリエチレン瓶
中で、37℃のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液(pH 7.4)を用いて別々に腐蝕した
。pHおよび無機イオン含有量が体液と非常に近いことからPBS溶液(Sigma Chemic
al Co., St. Louis, Mo.)を用いた。各ガラス試料のガラス表面積/溶液容積(SA
/V)比は約0.1cm-1であった。定期的にガラス試料をPBS溶液から取り出し、短時
間アセトンに潜らせてあらゆる残留PBSを除去し、70℃の空気で30分間乾燥した
。次に、ガラス試料の重量を測定し、さらに試験するため素早く各PBS溶液中に
戻した。この工程を90日間まで数回反復した。示した期間におけるジスプロシウ
ムおよびホルミウムガラスの溶解速度(DR、g/cm2/min.)を、重量損失を初期表面
積および所要分解時間で割ることにより決定した。
【0053】 (B)溶液分析 誘導結合形高周波プラズマ分光法(ICP)または浸出放射性165Dyのシンチレーシ
ョンカウティングを別の2実験で用い、腐蝕時に上記DyLABガラスミクロスフェ
アから溶解したDy3+量(もしあれば)を定量した。ICP分析のために、非放射性D
yLAB-5、DyLAB-10、DyLAB-15、またはDyLAB-20ガラスミクロスフェア(平均直径2
8±4μm)約70mgを、37℃で5〜24時間PBS溶液30mL中で腐蝕させた(推定SA/V約1.
8cm-1)。ある例では、DyLAB-10ガラスミクロスフェアと23日間接触させたPBS溶
液をICPを用いて分析した。5または24時間(または23日間)沈めた(submersion)
後、ガラスミクロスフェアをPBS溶液から減圧ろ過し、走査電子顕微鏡(SEM)で試
験した。各PBS溶液をICPで分析し、溶液中のDyおよび他のガラス成分、すなわち
B、Al、Si、およびMgの量を測定した。用いたICP装置はDy、B、Al、Si、およびM
gの検出下限が0.1ppmであった。 中性子活性化DyLAB-10またはDyLAB-20ガラスミクロスフェアを37℃で浸漬した
脱イオン(DI)H2Oの放射能(推定SA/V約〜cm-1)を測定し、溶液中の放射性165D
y量を決定した。約3時間毎に、各試験溶液の1/2を取り出し、等量の新鮮DI H2O
と交換した。デカントした試験溶液をろ過してあらゆるガラスミクロスフェアを
除去し、次いで165Dyの94KeV γ放射をカウントすることにより分析を行った。D
yLABガラスミクロスフェアの放射能もコントロールとして測定した。
【0054】 (C) 表面分析 電子分散分光法(Electron dispersion spectroscopy(EDS))およびx線光電
子分光法(XPS)を用いて、作製した腐蝕DyLABガラスプレートの表面組成を測定し
た。作製した(as-made)ガラスに比べてDyLABガラスの腐蝕表面のDy濃度が最も
興味深かった。重量損失測定用に腐蝕した同じDyLAB-5ガラスプレートを用いてE
DS分析を行った。XPS分析のために、別のセットのDyLAB-10ガラスプレートを37
℃のPBS溶液中で0、5、24、または336時間(2週間)腐蝕した。
【0055】 (D) ガラスミクロスフェアのin vivo試験 ガラスミクロスフェアのin vivo化学耐久性および生物学的適合性の予備的検
討を、ラットの健康膝関節(膝)内に直接非放射性DyLAB-10ガラスミクロスフェ
アを注射することにより行った。注射前に、DyLAB-10ガラスミクロスフェア(直
径20〜25μm)を75wt.%グリセロール−生理食塩水溶液(球体0.04mg/μL)に懸濁
した。注射するためにガラスミクロスフェアが懸濁したままとなるようにグリセ
ロールを用いて液状担体の粘性を増加させた。上記懸濁液50および100μL、すな
わち、DyLAB-10ガラスミクロスフェア2および4mg(おおよそ球体50,000個/mg)を
それぞれ左および右膝関節内に注射した。 ガラスミクロスフェア注射の2週間後に動物を屠殺し、各膝関節から薄い組織
切片を作製した。組織切片を作製するため、ラットから関節を取り出して脱水し
、ポリメチルエタクリレートで固定した。矢状面に沿って固定関節から薄い切片
を切り出し、SiC紙およびAl2O3研磨剤を用いて研磨した。研磨した切片を光学顕
微鏡で試験することによりDyLAB-10ガラスミクロスフェアの物理的状態、周囲滑
膜嚢(synovial)組織、および組織壊死または他の不利な反応のあらゆる証拠に
ついて検討した。
【0056】 結 果 (1) 希土ガラスの形成 ジスプロシウムおよびホルミウム融解物すべてを冷却し、気泡および非融解バ
ッチ物質を含まない透明ガラスを得た。ジスプロシウムおよびホルミウムガラス
はそれぞれ黄色または橙色であり、いくらか筋を含んでいた他は外見上均質であ
った。ジスプロシウムガラス中に残るひずみは、該ガラスを空気中、500℃で30
分間焼き戻すことにより適切に除去された。 ミクロスフェアはジスプロシウムおよびホルミウムガラスのそれぞれからうま
く生成され、すべてその形成品質および外観ともに同様であった。図2の代表的
顕微鏡写真は、火炎球状化により作製したガラスミクロスフェアの均質性および
平滑な表面のきめを示す。図2では見えないが、ガラスミクロスフェアの小分画
は1またはそれ以上の気泡を含んでいた。
【0057】 (2) ジスプロシウムおよびホルミウムガラスの溶解速度 37℃のPBS溶液に1、7、または75日間(ホルミウムガラスについては90日間
)浸漬した後のバルクジスプロシウム(Dy2O3 5モル%)およびホルミウム(Ho2O3 2
モル%)ガラス試料の表面積当たりの累積重量損失パーセント(%WL/cm2)を下記表
Xに示す。
【0058】 表X.37℃のPBS溶液中で腐蝕させたDyLABおよびHoLABガラスにおける表面積当
たりの重量損失パーセント(SA/V=0.1cm-1)
【表10】 ★★ -検出できる重量損失なし(不確実度±0.05mg) † -測定した重量損失は理論的実験誤差内。 § -推定表面積から計算。
【0059】 重量損失の結果は、該ガラスの化学耐久性が有意に変化し、Al2O3の増加に伴
って増加することを示す(5〜20モル%)。例えば、DyLAB-5およびDyLAB-10ガラス
プレート(それぞれAl2O3 5および10モル%)は、75日後の総重量損失がそれぞれ1.
16および0.17%/cm2であったが、DyLAB-15およびDyLAB-20ガラスプレート(それぞ
れAl2O3 15および20モル%)では測定できる重量損失はほとんどまたは全くなか
った。同様に、90日後のHoLABガラスプレートの重量損失はAl2O3含有率が10モル
%から20モル%に増加するにつれて33.53%/cm2から0.19%/cm2に減少した。 DyLABガラスは、等モル%のAl2O3を含むHoLABガラスより明らかに化学耐久性が
高く、これは特定の希土酸化物より量の違い(Dy2O3またはHo2O3、それぞれ5また
は2モル%)に起因する。RELABガラスミクロスフェアの中性子活性化時間および得
られる比活性を標準化するため、Dy2O3またはHo2O3のモル%を各RELABガラス系列
、DyLABまたはHoLAB内で一定に保った。DyLABおよびHoLABガラスの化学耐久性を
中性子活性化時間に影響を及ぼさないAl2O3含有率を調整することにより調節し
た。
【0060】 (3) DyLABガラスミクロスフェアからのジスプロシウムの放出 37℃の脱イオン水に11時間まで浸漬した中性子活性化DyLAB-10またはDyLAB-20
ガラスミクロスフェアからは測定し得る量の放射能は放射されなかった(検出限
界、nCiより下)(すなわち、165Dyについては放射線の96.4%が減衰する4.8半減
期)。脱イオン水中にいかなる検出し得る放射線もないことは、処置部位の外側
への放射線の放射がないことの重要な証拠であり、in vivoでDyLABガラスミクロ
スフェアを用いる安全性を裏付ける。さらに、これらの結果は、中性子活性化が
DyLABガラスミクロスフェアの化学耐久性に不利な影響を及ぼさないことを証明
する。放射性DyLABガラスミクロスフェアからのDyの放出がないことが非放射性
ミクロスフェアを用いる同様の測定により確認された。 37℃でDyLABガラスミクロスフェアと接触させたPBS溶液のICP分析は、該ガラ
スの重量損失がDyの溶解ではなく非活性化(activatable)ガラスの溶解による
ことを示す。DyLAB-5、DyLAB-10、DyLAB-15、またはDyLAB-20ガラスミクロスフ
ェアと37℃で24時間まで接触させたPBS溶液のICP分析により測定しうる量のDy(>
0.1 ppm)は検出されなかった。このことは、24時間で165Dyの99.9%が減衰してそ
の非放射性娘同位元素である165Hoとなるので重要である。換言すれば、検出し
得る量の放射性165Dyは最初の24時間には放射されないであろう。同様に、DyLAB
-10ガラスミクロスフェアを23日間入れたPBS溶液中にはジスプロシウムは検出さ
れなかった。
【0061】 いかなるDyもDyLABガラスミクロスフェアから溶解したという証拠はないが、
検出し得る量のB、Al、Si、およびMgが各DyLABガラスのミクロスフェアから溶解
した。DyLABガラスミクロスフェアから溶解した特定のガラス成分の量は、該ガ
ラス中のAl2O3のモル%が増加するにつれて減少した。すなわち、DyLABガラスミ
クロスフェアの全体的腐蝕抵抗性はAl2O3含有率の増加につれて増加し、これは
バルクDyLABガラスプレートについても真実であった(表X参照)。 示されたように、RELABガラスは均一に溶解せず、166Ho、90Y、または153Smを
含む放射性希土はいずれもRELABガラスミクロスフェアから放出されるとは予期
されないであろう。希土放射性核種がガラス中に保持されるRELABガラスミクロ
スフェアの均質でない溶解は、特に半減期の長い166Ho、90Y、または153Smを含
むガラスについては、in vivo放射線治療の安全性に関して明らかに好都合であ
る。
【0062】 (4) Dyが豊富な反応層の形成 37℃のPBSに浸漬したDyLABガラスプレートおよびミクロスフェア表面における
Dyが豊富な反応層の形成を種々の技術を用いて証明した。 (A) SEMおよび光学顕微鏡 SEMおよび光学顕微鏡は、PBS溶液に浸漬したDyLAB-5およびDyLAB-10ガラスの
ミクロスフェアおよびプレート上の両方に目に見える反応層が形成されたことを
示す。37℃のPBS中に24時間後のDyLAB-5およびDyLAB-10ガラスミクロスフェアの
SEM顕微鏡写真(図3(a)および3(b))は、該ミクロスフェア表面からの層の部分
的分離とクラッキングを示す。球体が乾燥するとDyLABガラスミクロスフェア表
面にクラックが現れ、これは脱水の特徴である毛細管圧勾配と収縮を示唆する。
このことは、DyLAB-5またはDyLAB-10ガラスの腐蝕表面が、おそらく腐蝕から生
じるより開放性の構造と多孔性によりPBS溶液浸透性であり、出発ガラスより機
械的に弱かったことを示す。
【0063】 (B) EDS分析 クラックはDyLAB-5およびDyLAB-10ガラスプレート表面にもみられた(図4(a)
および(b)に示す)。図4aは、DyLAB-5ガラスプレート上の腐蝕層の分画が37℃の
PBSに11日間浸漬したガラスから分離したことも示す。該溶液のICP分析から、ED
Sにより決定されたAl+Siに対するDyの原子比(Dy/Al+Si))が、DyLAB-5ガラスか
ら分離した腐蝕層において作製したDyLAB-5ガラスより3.3倍大きかったことは驚
くことではない。DyLABガラスから浸出したDyの濃度は他のガラス成分がPBS溶液
または脱イオン水に溶解するので増加すると予期された。EDS分析は、DyLABガラ
スの1成分であるMgがDyLAB-5ガラス上の腐蝕層にないことも証明した。
【0064】 (C) XPS分析 ガラスのXPS分析の表面解像度は、EDSの約1ミクロンに比して10〜20Åであり
、イオンスパッターミリング(ion sputter milling)と組み合わせて組成的深
度(compositional depth)プロフィールを得ることができる。XPSスペクトル中
のDyによって生じたピークのサイズの増加(示さず)は、DyLAB-10ガラス中のDy
濃度が腐蝕の進行につれて増加したことを示す。BおよびAlのXPSピークのサイズ
に基づいて、5または24時間浸漬したDyLAB-10ガラス中のBおよびAlの濃度は、そ
れぞれ1000および80Åの深さまで低くなるようである。2週のDyLAB-10ガラス試
料中のBおよびAlのXPSピークは作製したDyLAB-10ガラスプレートのそれとほぼ酷
似している。DyLAB-10ガラスのDy濃度は、Dyがガラスから溶解していれば減少す
るが、腐蝕2週間後でも同じままか、または増加するようである。 XPS分析は、PBS溶液由来のリンイオンが5、24、または336時間浸漬後のDyLAB-
10ガラス表面に存在したことも証明した。5または24時間浸漬した試料のXPSスペ
クトルは、リン濃度が深度につれて減少するが、溶解時間につれて増加すること
を示す。この濃度勾配は、リンが、表面に単純に沈着するよりおそらく非溶解ガ
ラス組成物と反応し、腐蝕層中に拡散したことを示唆する。
【0065】 (D) リアルタイムビデオ顕微鏡法(RTVM) DyLABガラスミクロスフェアの反応は、リアルタイムビデオ顕微鏡法(RTVM)に
より最も鮮明に示される。RTVMは、DyLABガラスミクロスフェアがPBS溶液中で分
解し始める時に該ミクロスフェアのサイズが減少しないことを明瞭に示している
。図5の、22℃のPBS溶液中のDyLAB-10ガラスミクロスフェアの日付順RTVM画像は
(推定SA/V<0.1cm-1)、該ミクロスフェアの外部表面で始まり、時間の増加につれ
て内部に成長する層の成長を示す。この「シェル」は、DyLAB-5およびDyLAB-10
ガラスミクロスフェアでそれぞれ約5および26時間後に最初に認められ、反応層
が該ガラス上に形成されたことの視覚的証拠である。図5の画像は、DyLAB-10ガ
ラスミクロスフェアの外径(反応層/溶液インターフェイス)がほぼ一定のまま
であり、該ガラス/腐蝕層インターフェイスが各球形の中心に向かって移動する
につれて反応層が厚くなることを示す。これにより、DyLABガラスミクロスフェ
ア内に非反応ガラスから成ると思われる収縮した球形「コア」が出現した。DyLA
Bガラスミクロスフェアの外径が変化しなかったという事実は、腐蝕層が再沈着
化合物よりほぼ非溶解ガラス成分からなることをさらに示す。
【0066】 (5) DyLABガラスミクロスフェアのin vivo腐蝕 腐蝕層は、ラットの健康な膝関節(膝)内に注射した非放射性DyLAB-10ガラス
ミクロスフェア(平均直径、23μm)表面にも形成された。滑膜中に埋め込んだDy
LAB-10ガラスミクロスフェアの顕微鏡写真(図6(a)および(b)、注射後2週間)
は、22または37℃のPBS溶液中に浸漬したDyLAB-5またはDyLAB-10ガラスミクロス
フェア上にみられた腐蝕層の外観と同様な腐蝕層の証拠を示す。同様に、膝関節
中で2週間にわたりラットに注射したDyLAB-10ガラスミクロスフェアのサイズに
著しい減少はなかった。滑膜の外側にミクロスフェアはみられなかった(図6(A)
参照)。DyLAB-10ガラスミクロスフェア2または4mgを注射した膝関節に認識でき
る差はなかった。 これらの結果は、模擬身体条件における腐蝕試験がin vivo使用時におけるReL
ABガラスミクロスフェアの挙動を代表することを示す。ラットに注射したDyLAB-
10ガラスミクロスフェアの表面の腐蝕層が脱イオン水またはPBS溶液に浸漬したD
yLAB-5またはDyLAB-10ガラスミクロスフェアの表面に形成されたものに比べ組成
に明らかな差があったと考える理由はほとんどない。すなわち、滑膜中に埋め込
んだDyLABガラスミクロスフェアに形成される腐蝕層では、球体を注射後少なく
とも2週間(その時点ですべてのミクロスフェアが非放射性である)は出発ガラ
スからのDyがすべてでなくともほとんど保持されていると予期されよう。このこ
とは、放射線滑膜切除術時にDyLABまたはHoLABガラスミクロスフェア由来の注射
した放射能がガラス微粒子または溶解した165Dyまたは166Hoの形でヒトの関節の
外側に漏出しないことを示唆する。
【0067】 注射したDyLAB-10ガラスミクロスフェア(球体約100,000または200,000個/関
節)が滑液嚢の外側にはみられなかった事実は同じく重要である。すべてのDyLAB
-10ガラスミクロスフェアは滑膜中に埋め込まれているようであった。これは、
滑膜の内側に位置するときReLABガラスミクロスフェアはより均一な線量の治療
的放射線を供給することができるので重要な所見である。 ラットは、ガラスミクロスフェア注射直後に正常な活動を再開し、該ミクロス
フェアが膝関節中にあった2週間、如何なる否定的な反応も示さなかった。図6(
a)に示すように、RELABガラスのin vivo使用の5つの基準の1つである関節組織
の壊死または関節軟骨に対する物理的損傷の証拠はなかった。異物反応が観察さ
れ、DyLAB-10ガラスミクロスフェアはマクロファージ(食細胞)に飲み込まれ、
これはミクロスフェア周囲の楕円形のハロー(光輪)として見られた。マクロフ
ァージは、図6(a)および(b)で見ることができるが図7のDyLAB-10ガラスミクロス
フェア周囲に最も明確に示されている。ラットにみられた異物反応が関節に何ら
かの害を与えたという証拠はなく、異物反応はもはや放射性でないガラスミクロ
スフェアを身体から除去することができる一方法であると考えられるのでマクロ
ファージがRELABガラスミクロスフェアを飲み込むことは有益かも知れない。 上記のことから、本発明の種々の目的が達成され、他の有利な結果が達成され
たことがわかるであろう。 本発明の範囲を離れることなく上記組成物および方法を種々に変化させること
ができるであろうから、本明細書中に含まれるか、添付の図面に示したすべての
事項は例示であって限定のためのものではないと解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 非定型分解の結果として希土−ホウ酸リチウムガラスミクロスフ
ェアの表面に腐蝕(反応)層を形成することを示す模式図である。
【図2】 火炎球状化により作製したジスプロシウム-アルミノホウ酸-リチ
ウム(DyLAB)ガラスミクロスフェアの代表的SEM顕微鏡写真である。
【図3】 37℃のPBS溶液(pH7.4)に24時間浸漬した後の(A)
DyLAB-5、(B) DyLAB-10、(C)DyLAB-15、および(D) DyLAB-20ガラスミクロスフェ
アの代表的SEM顕微鏡写真である。
【図4】 37℃のPBS溶液(pH7.4)に11日間浸漬した後の(A)
DyLAB-5、(B) DyLAB-10、(C)DyLAB-15、および(D) DyLAB-20ガラスプレートの代
表的顕微鏡写真(200x)である。
【図5】 22℃のPBS溶液(pH7.4)に上左端に示す時間(時間)
浸漬した後のDyLAB-20ガラスミクロスフェアの日付順のビデオ画像(200x)
である。
【図6】 ラットの健康な膝関節内に注射して2週間後の滑膜中に埋め込ま
れたDyLAB-10ガラスミクロスフェア(直径20−25μm)の顕微鏡写真である
((A)120Xおよび(B)480X)。
【図7】 ラットの健康な膝関節内に注射して2週間後の(2)マクロファ
ージ(楕円形)に囲まれたDyLAB-10ガラスミクロスフェアの顕微鏡写真である(
480X)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C03C 3/15 A61K 43/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ジェイムズ・イー・ホワイト アメリカ合衆国65211ミズーリ州コロンビ ア、ユニバーシティ・ホール316、ザ・キ ュレーターズ・オブ・ザ・ユニバーシテ ィ・オブ・ミズーリ Fターム(参考) 4C076 AA31 AA99 BB11 BB40 CC50 FF32 4C084 AA12 MA66 NA12 ZA961 4G062 AA10 BB05 BB08 CC10 DA01 DA02 DA03 DB01 DB02 DB03 DB04 DC06 DC07 DD01 DE01 DF01 EA04 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ02 FJ03 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH10 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK02 KK03 KK05 KK06 KK07 KK10 MM18 NN40

Claims (45)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物の放射線療法に適合した微粒子形の非放射性ガラス
    であって、 xRE2O3 ●(100-x)LiB3O5 xRE2O3 ●yLi2O ●(100-x-y)B2O3 xRE2O3 ●yMgO ●(100-x-y)LiB3O5 xRE2O3 ●yMgO ●(100-x-y)Li2B8O13 xRE2O3 ●3MgO ●5SiO2 ●yAl2O3 ●(100-y-x)Li2B8O13 [式中、REは有効量の中性子照射を受けるとβまたはγ放射放射性同位元素を
    生じる中性子により活性化することができる(neutron activatable)希土(類)元
    素であり、該放射性同位元素は該ガラス物質全体に分布している。xはRE2O3
    モルパーセントであり、約0.5〜5の範囲である。yはLi2O、MgO、またはAl2O3
    モルパーセントである。バランスはホウ酸リチウム物質ガラスであり、該ホウ酸
    リチウムガラスは実質的にリチウム-6およびホウ素-10を含まない。ここで、放
    射線療法の為に体液中に導入された該ガラスは、それらと反応し、放射性同位元
    素が該ガラス物質に保持され、処置部位から漏出するのを防ぐように該ガラス物
    質表面に不溶性物質を形成するのに適合している] からなる群から選ばれる組成を有する生体分解性希土(類)−ホウ酸リチウムガ
    ラス物質を含む該ガラス。
  2. 【請求項2】 該βまたはγ放射放射性同位元素がジスプロシウム-165、ホ
    ルミウム-166、イットリウム-90、レニウム-186、レニウム-188、およびサマリ
    ウム-153からなる群から選ばれる請求項1記載の非放射性ガラス。
  3. 【請求項3】 該希土−ホウ酸リチウムガラス物質が以下の組成を有する請
    求項1記載の非放射性ガラス: Dy2O3 1.7モル% Li2O 24.6モル% B2O3 73.7モル%。
  4. 【請求項4】 該希土−ホウ酸リチウムガラス物質が以下の組成を有する請
    求項1記載の非放射性ガラス: Dy2O3 5モル% Li2O 16モル% Al2O3 5モル% B2O3 66モル% SiO2 5モル% MgO 3モル%。
  5. 【請求項5】 該希土−ホウ酸リチウムガラス物質が以下の組成を有する請
    求項1記載の非放射性ガラス: Dy2O3 5モル% Li2O 15モル% Al2O3 10モル% B2O3 62モル% SiO2 5モル% MgO 3モル%。
  6. 【請求項6】 該希土−ホウ酸リチウムガラス物質が以下の組成を有する請
    求項1記載の非放射性ガラス: HO2O3 2モル% Li2O 15モル% Al2O3 15モル% B2O3 60モル% SiO2 5モル% MgO 3モル%。
  7. 【請求項7】 哺乳動物の関節炎を起こした関節の放射線滑膜切除術に適合
    し、放射線滑膜切除術のために滑液中に導入される請求項1記載の非放射性ガラ
    ス。
  8. 【請求項8】 形が球状である請求項1記載の非放射性ガラス。
  9. 【請求項9】 約100ミクロン以下の直径を有するミクロスフェアの形を
    している請求項8記載の非放射性ガラス。
  10. 【請求項10】 該ミクロスフェアが約1〜40ミクロンの直径を有する請
    求項9記載の非放射性ガラス。
  11. 【請求項11】 該放射性同位元素により形成される該不溶性化合物が希土
    ホスフェートである請求項1記載の非放射性ガラス。
  12. 【請求項12】 該放射性同位元素により形成される該不溶性化合物が希土
    酸化物である請求項1記載の非放射性ガラス。
  13. 【請求項13】 該放射性同位元素により形成される該不溶性化合物が希土
    水酸化物である請求項1記載の非放射性ガラス。
  14. 【請求項14】 該放射性同位元素がジスプロシウム-165である請求項1記
    載の非放射性ガラス。
  15. 【請求項15】 該放射性同位元素がホルミウム-166である請求項1記載の
    非放射性ガラス。
  16. 【請求項16】 哺乳動物の放射線療法に適合した微粒子形の放射性ガラス
    であって、 xRE2O3 ●(100-x)LiB3O5 xRE2O3 ●yLi2O ●(100-x-y)B2O3 xRE2O3 ●yMgO ●(100-x-y)LiB3O5 xRE2O3 ●yMgO ●(100-x-y)Li2B8O13 xRE2O3 ●3MgO ●5SiO2 ●yAl2O3 ●(100-y-x)Li2B8O13 [式中、REは治療的強度のβまたはγ放射線を放射する中性子により活性化す
    ることができる希土放射性同位元素であり、ここで、該放射性同位元素は該ガラ
    ス物質全体に分布している。xはRE2O3のモルパーセントであり、約0.5〜5の範
    囲である。yはLi2O、MgO、またはAl2O3のモルパーセントである。バランスはホ
    ウ酸リチウム物質ガラスであり、該ホウ酸リチウムガラスは実質的にリチウム-6
    およびホウ素-10を含まない。ここで、放射線療法の為に体液中に導入された該
    ガラスは、それらと反応し、放射性同位元素が該ガラス物質に保持され、処置部
    位から漏出するのを防ぐように該ガラス物質表面に不溶性物質を形成するのに適
    合している。] からなる群から選ばれる組成を有する生体分解性ガラス物質を含む該ガラス。
  17. 【請求項17】 放射性同位元素がジスプロシウム-165、ホルミウム-166、
    イットリウム-90、レニウム-186、レニウム-188、およびサマリウム-153からな
    る群から選ばれる請求項16記載の放射性ガラス。
  18. 【請求項18】 該希土−ホウ酸リチウムガラス物質が以下の組成を有する
    請求項16記載の放射性ガラス: Dy2O3 1.7モル% Li2O 24.6モル% B2O3 73.7モル%。
  19. 【請求項19】 該希土−ホウ酸リチウムガラス物質が以下の組成を有する
    請求項16記載の放射性ガラス: Dy2O3 5モル% Li2O 16モル% Al2O3 5モル% B2O3 66モル% SiO2 5モル% MgO 3モル%。
  20. 【請求項20】 該希土−ホウ酸リチウムガラス物質が以下の組成を有する
    請求項16記載の放射性ガラス: Dy2O3 5モル% Li2O 15モル% Al2O3 10モル% B2O3 62モル% SiO2 5モル% MgO 3モル%。
  21. 【請求項21】 該希土−ホウ酸リチウムガラス物質が以下の組成を有する
    請求項16記載の放射性ガラス: HO2O3 2モル% Li2O 15モル% Al2O3 15モル% B2O3 60モル% SiO2 5モル% MgO 3モル%。
  22. 【請求項22】 哺乳動物の関節炎を起こした関節の放射線滑膜切除術に適
    合し、放射線滑膜切除術のために滑液中に導入される請求項16記載の放射性ガ
    ラス。
  23. 【請求項23】 形が球状のミクロスフェア形である請求項16記載の放射
    性ガラス。
  24. 【請求項24】 約100ミクロン以下の直径を有するミクロスフェアの形
    をしている請求項23記載の放射性ガラス。
  25. 【請求項25】 該ミクロスフェアが約1〜40ミクロンの直径を有する請
    求項23記載の放射性ガラス。
  26. 【請求項26】 該放射性同位元素により形成される該不溶性化合物が希土
    ホスフェートである請求項16記載の放射性ガラス。
  27. 【請求項27】 該放射性同位元素により形成される該不溶性化合物が希土
    酸化物である請求項16記載の放射性ガラス。
  28. 【請求項28】 該放射性同位元素により形成される該不溶性化合物が希土
    水酸化物である請求項16記載の放射性ガラス。
  29. 【請求項29】 該放射性同位元素がジスプロシウム-165である請求項16
    記載の放射性ガラス。
  30. 【請求項30】 該放射性同位元素がホルミウム-166である請求項16記載
    の放射性ガラス。
  31. 【請求項31】 哺乳動物に対し有効量の微粒子形の放射性ガラスを投与す
    ることを含む放射線療法を行う方法であって、 xRE2O3 ●(100-x)LiB3O5 xRE2O3 ●yLi2O ●(100-x-y)B2O3 xRE2O3 ●yMgO ●(100-x-y)LiB3O5 xRE2O3 ●yMgO ●(100-x-y)Li2B8O13 xRE2O3 ●3MgO ●5SiO2 ●yAl2O3 ●(100-y-x)Li2B8O13 [式中、REは治療的強度のβまたはγ放射線を放射する中性子により活性化す
    ることができる希土放射性同位元素であり、該放射性同位元素は該ガラス物質全
    体に分布している。xはRE2O3のモルパーセントであり、約0.5〜5の範囲である
    。yはLi2O、MgO、またはAl2O3のモルパーセントである。バランスはホウ酸リチ
    ウム物質ガラスであり、該ホウ酸リチウムガラスは実質的にリチウム-6およびホ
    ウ素-10を含まない。ここで、放射線療法の為に体液中に導入された該ガラスは
    、それらと反応し、放射性同位元素が該ガラス物質に保持され、処置部位から漏
    出するのを防ぐように該ガラス物質表面に不溶性物質を形成するのに適合してい
    る。] からなる群から選ばれる組成物を有する生体分解性ガラス物質を含む方法。
  32. 【請求項32】 該放射性同位元素がジスプロシウム-165、ホルミウム-166
    、イットリウム-90、レニウム-186、レニウム-188、およびサマリウム-153から
    なる群から選ばれる請求項31記載の方法。
  33. 【請求項33】 該希土−ホウ酸リチウムガラス物質が以下の組成を有する
    請求項31記載の方法: Dy2O3 1.7モル% Li2O 24.6モル% B2O3 73.7モル%。
  34. 【請求項34】 該希土−ホウ酸リチウムガラス物質が以下の組成を有する
    請求項31記載の方法: Dy2O3 5モル% Li2O 16モル% Al2O3 5モル% B2O3 66モル% SiO2 5モル% MgO 3モル%。
  35. 【請求項35】 該希土−ホウ酸リチウムガラス物質が以下の組成を有する
    請求項31記載の方法: Dy2O3 5モル% Li2O 15モル% Al2O3 10モル% B2O3 62モル% SiO2 5モル% MgO 3モル%。
  36. 【請求項36】 該希土−ホウ酸リチウムガラス物質が以下の組成を有する
    請求項31記載の方法: HO2O3 2モル% Li2O 15モル% Al2O3 15モル% B2O3 60モル% SiO2 5モル% MgO 3モル%。
  37. 【請求項37】 関節炎の関節の放射線滑膜切除術を行う請求項31記載の
    方法。
  38. 【請求項38】 該ガラスの形が球状である請求項31記載の方法。
  39. 【請求項39】 該ガラスが約100ミクロン以下の直径を有するミクロス
    フェアの形をしている請求項37記載の方法。
  40. 【請求項40】 該ミクロスフェアが約1〜40ミクロンの直径を有する請
    求項37記載の方法。
  41. 【請求項41】 該放射性同位元素により形成される該不溶性化合物が希土
    ホスフェートである請求項31記載の方法。
  42. 【請求項42】 該放射性同位元素により形成される該不溶性化合物が希土
    酸化物である請求項31記載の方法。
  43. 【請求項43】 該放射性同位元素により形成される該不溶性化合物が希土
    水酸化物である請求項31記載の方法。
  44. 【請求項44】 該放射性同位元素がジスプロシウム-165である請求項31
    記載の方法。
  45. 【請求項45】 該放射性同位元素がホルミウム-166である請求項31記載
    の方法。
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