JP2002533894A - 超伝導ケーブル - Google Patents

超伝導ケーブル

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JP2002533894A
JP2002533894A JP2000591630A JP2000591630A JP2002533894A JP 2002533894 A JP2002533894 A JP 2002533894A JP 2000591630 A JP2000591630 A JP 2000591630A JP 2000591630 A JP2000591630 A JP 2000591630A JP 2002533894 A JP2002533894 A JP 2002533894A
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superconducting cable
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JP2000591630A
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ナッシ,マルコ
ラディエ,ピエルルイジ
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Pirelli and C SpA
Original Assignee
Pirelli Cavi e Sistemi SpA
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B12/00Superconductive or hyperconductive conductors, cables, or transmission lines
    • H01B12/02Superconductive or hyperconductive conductors, cables, or transmission lines characterised by their form
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
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    • H01B12/16Superconductive or hyperconductive conductors, cables, or transmission lines characterised by cooling
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    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 a)超伝導材料から成るテープ層20と、b)超伝導材料から成る前記テープ層を支持する管状要素6であって、金属材料で出来た少なくとも1つの部分を備え且つ超伝導材料から成るテープ層20と電気的に接触した管状要素6と、c)超伝導材料を臨界温度以下の加工温度まで冷却し得るようにされた冷却回路であって、最小値と最大値との間の範囲の所定の加工圧力の流体を含む冷却回路とを備える、少なくとも1つの位相を有し、室温とケーブルの加工温度との間の温度変化に起因する、超伝導材料から成る上記テープの変形が該テープの臨界変形よりも小さい超伝導ケーブル1であって、短絡時、超伝導材料が達する最高温度が、上記流体の最低加工圧力のとき、超伝導材料の臨界温度と上記冷却流体の沸騰温度との間の最低温度以下であるように、所定の量の抵抗型導電性材料が超伝導材料の層20と電気的に接触して存在することを特徴とする超伝導ケーブル1が記載されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】
その全体的な局面において、本発明は、いわゆる超伝導率状態、すなわち、電
気抵抗が略零の状態にて電流を伝送するために使用されるケーブルに関する。
【0002】 より具体的には、本発明は、少なくとも1つの位相を有する超伝導ケーブル(
1)であって、 a)超伝導材料から成るテープ層(20)と、 b)超伝導材料から成る前記テープ層(20)を支持する管状要素(6)であ
って、金属材料で出来た少なくとも1つの部分を備え且つ超伝導材料から成るテ
ープ層(20)と電気的に接触した前記管状要素と、 c)超伝導材料をその臨界温度以下の加工温度まで冷却し得るようにされた冷
却回路であって、最小値と最大値との間の範囲にある所定の加工値の流体を含む
前記冷却回路と、を備え、 室温とケーブルの加工温度との間の温度変化に起因する、超伝導材料で出来た
前記テープの変形が上記テープの臨界変形よりも小さい超伝導ケーブルに関する
【0003】 以下の説明及び特許請求の範囲の記載において、超伝導材料とは、臨界温度(
以下の説明において、単にTcとも称する)として規定された所定の温度下にて
、実質的に零の抵抗率を有する超伝導位相を備え、銅、バリウム及びイットリウ
ムの混合酸化物又はビスマス、鉛、ストロンチウム、カリウム、銅、サリリウム
、水銀の混合酸化物から成る特殊なニオブチタン合金又はセラミックのような材
料を意味するものとする。
【0004】 超伝導ケーブルという語は、超伝導材料層を含む少なくとも1つの導電要素を
備える、電流を伝送するために使用されるケーブルを意味するものとする。 従来のケーブル又は抵抗型ケーブル又は抵抗型導電材料という語は、非超伝導
材料から成るケーブル、すなわち、電気抵抗が零でない導電要素を採用するケー
ブルを意味するものとする。
【0005】 最後に、以下の説明及び特許請求の範囲において、高電力ケーブルとは、全体
として3,000A以上の電流量を伝送するために使用されるケーブルであって
、誘導された磁界が超伝導率状態にて実現可能な最大の電流密度の値を小さくし
始めるようにするケーブルを意味するものとする。
【0006】
【従来の技術】
超伝導ケーブルの分野において、ケーブルを短絡過電流から保護し、これによ
り、短絡が生じるときには、超伝導材料が超伝導率状態に保つことすなわち、そ
の臨界温度以下に保つ課題が特に感じられる。
【0007】 過渡短絡の後、ケーブルをその臨界温度以下に保つことを共通の基礎として一
連の安定化基準を提案することにより、従来の技術はこの問題に対処することを
試みている。
【0008】 超伝導ケーブルの安定化判断基準の概要は、材料研究協会(Material
Research Society)の1989年のAdv.Mats.Vol
.6、MRS Int´I Mtg.にてE.W.コーリング(Colling
s)による「80Kに対するセラミックス超伝導体におけるフラックスジャンプ
安定性及び低温安定性(Flux−jump stability and c
ryostability in ceramic −−a review)」
に記載されている。
【0009】 かかる出版物において、この語によってフラックスのピークが生じた後、超伝
導ケーブルの安定化を示す目的のため、低温安定性の判断基準と「フラックスジ
ャンプ安定性」との区別がされる。
【0010】 特に、上述の出版物に開示された低温安定性の判断基準は、十分に冷却した通
常の導電材料が超伝導材料と関係したとき、完全な又は制限された安定性の点に
て区別され、このことは、過電流が超伝導材料をその全長又はその一部分の長さ
に亙って通常の状態にした後、超伝導状態を回復することを許容する。
【0011】 かかる完全及び制限された低温安定性の判断基準は、共通の基準として、ケー
ブル内に所定の量の金属材料を使用することと、過渡短絡中に、通常の導体の機
能を有し、短絡過電流が流れるのを許容し且つ短絡自体中に発生された熱を除去
する機能を有することと、その臨界温度以下に保ち得るような仕方にて超伝導材
料中の温度上昇を制限することとを含む。
【0012】 実際には、短絡中、超伝導材料はその超伝導能力を失い、不導電体となり、こ
のため、過電流は通常の導体を通って流れる。通常の導体により行われる、かか
る電流の搬送は、導体自体内でのエネルギの放散を意味し、満足し得る量の金属
が存在するとき、過渡短絡が終了したならば、超伝導材料がその超伝導状態に戻
るのを許容する。
【0013】 上述した出版物において、完全及び限定的な安定性の判断基準に加えて、動的
及び断熱膨張安定性の判断基準も記載されている。上記の出版物の第二のものに
及びT.イトウ(Ito)及びH.クトバ(Kutoba)による低温学(Cr
yogenics)29、621−624ページ(1989)に記載された低温
安定性の更なる判断基準は、最小伝播領域(MPZ)に関係した安定性のいわゆ
る判断基準である。かかる判断基準は、通常の導体を超伝導材料に関係させ且つ
材料の長手方向に沿って超伝導ケーブルを導電率に対して安定化させることを許
容する。
【0014】 上述した安定性の判断基準はまた、単独で又は互いに組み合わせて超伝導ケー
ブルにも適用することもできる。 当該出願人の名による欧州特許第97202433.5号には、最大の引張り
変形率が3%以上である、金属フォイルに結合された超伝導テープが開示されて
いる。
【0015】 当該出願人は、完全及び断熱膨張安定性の判断基準を超伝導ケーブル、特に、
高温超伝導材料が採用されるケーブルに使用することは、一連の欠点があること
を意味することが分かった。実際上、安定性の判断基準に完全に適合するために
は、相当な量の金属材料(通常の導体)を使用する必要があり、それに伴い、一
方にて、ケーブルの重量及び容積の増大を生じてその製造を難しくし、その最大
長さを制限し且つその付設をより困難にする欠点、及び他方にて、ケーブルの全
体的なコストを増すという一連の欠点がある。
【0016】 更に、当該出願人は、超伝導材料の支持要素として金属材料を使用することは
、ケーブルの冷却中、超伝導材料自体に使用される金属の熱膨張率の差により超
伝導材料を変形させ勝ちの応力を生じさせることが分かった。
【0017】 実際には、当該出願人は、クランプ式ヘッドを有する作用構造内で採用される
冷却流体(例えば、液体窒素)の温度までケーブルが室温から冷却する間、超伝
導ケーブルを構成する要素には、半径方向(ケーブルを構成する材料の熱膨張率
の相違による)及び長手方向(クランプ式ヘッドの構造による)の双方に向けて
多数の応力が加わり、その結果、超伝導材料が損傷するおそれがあることが分か
った。
【0018】 この点に関して、特に有害なものは、超伝導材料層の上で長手方向に沿って発
生される応力であり、それは、これら応力は、電流を超伝導率の状態で搬送する
その能力に影響を与えるであろう表面亀裂を生じるからである。
【0019】 その第一の局面において、本発明は、上述した型式の超伝導ケーブルであって
、超伝導材料の層(20)と電気的に接触した所定の量の抵抗型導電材料が存在
し、このため、短絡の場合に超伝導材料が達する最高温度は、上記流体の最高加
工圧力における超伝導材料の臨界温度と上記冷却流体の沸騰温度との間の最小温
度よりも低いことを特徴とする超伝導ケーブルに関するものである。
【0020】 好ましくは、上記層と電気的に接触する金属材料の量、特に、超伝導材料の層
の支持要素内に存在する量は、以下の説明に記載した完全及び断熱膨張安定性の
判断基準を適用することで決定されるようにする。
【0021】 本発明によれば、その冷却中、超伝導材料中に発生された長手方向への応力を
軽減することが可能であり、それは、自由収縮が不可能であり、従って、超伝導
材料の損傷を制限し、これに応じて、超伝導率率状態下におけるその伝送能力の
低下を制限するからである。
【0022】 その第二の局面において、本発明は、金属被覆内に組み込まれた少なくとも1
つの超伝導材料層であって、該材料層が電気的に接触する所定の量の金属材料か
ら成る管状要素により支持された少なくとも1つの超伝導材料層を備え、該超伝
導材料層がその臨界温度以下の温度まで冷却流体により冷却される伝導要素であ
って、所定の量の抵抗型導電材料が超伝導材料の層と電気的に接触する状態で存
在し、短絡の場合、超伝導材料が達する最高温度が上記流体の最高加工圧力のと
き、超伝導材料の臨界温度と上記冷却流体の沸騰温度との間の最低温度よりも低
いことを特徴とする導電要素に関するものである。
【0023】 その第三の局面において、本発明は、超伝導ケーブルの超伝導材料のテープ内
で長手方向に沿って発生される応力を制限する方法であって、 所定の量の金属材料から成る超伝導材料のテープを支持する少なくとも1つの
管状要素であって、超伝導材料のテープと電気的に接触した少なくとも1つの管
状要素を提供するステップと、 上記超伝導材料のテープを上記少なくとも1つの支持管状要素の表面の上にら
旋状に巻くステップと、 超伝導材料を冷却流体によりその臨界温度以下の温度まで冷却するステップと
を備える方法において、 上記超伝導材料のテープに結合された金属材料で出来た少なくとも1つの補強
フォイルを結合するステップと、 短絡の場合、超伝導材料が達する最高温度が上記流体の最小加工のとき、超伝
導材料の臨界温度と該冷却流体の沸騰温度との間の最低温度よりも低いような仕
方にて、超伝導材料の層と電気的に接触する金属材料の全体量を決定するステッ
プとを備えることを特徴とする方法に関するものである。
【0024】 本発明の第一の実施の形態によれば、好ましくは、実質的に不可逆的仕方にて
超伝導テープの金属被覆に結合され且つ超伝導材料と電気的に接続した少なくと
も1つの金属材料の補強フォイルから成る超伝導材料の層内で長手方向に沿って
発生された応力を制限し得るようにされた手段を提供することにより、室温とケ
ーブルの加工温度との間の温度変化に起因する、超伝導材料から成る上記テープ
の変形が、該テープの臨界的変形よりも小さい。
【0025】 このようにして、過渡短絡中に、過電流は、テープの金属材料と、管状支持要
素の金属材料と、超伝導材料に対し平行に接続され、抵抗型導体をバイパスして
該抵抗型導体を構成する補強フォイルとの間で分割される。
【0026】 過渡短絡の終了時に、電流は、再度、超伝導材料により超伝導率状態で運ぶこ
とができる。 特に、導電性要素において、テープの金属材料が一方にて管状の支持要素の金
属材料と電気的に接続し、他方にて補強フォイルと電気的に接続することは、上
記材料を互いに接触させるか又は本質的に既知の導電性要素の間に介在させるか
の何れかにより行われる。
【0027】 好ましくは、上記補強フォイルは、金属被覆の厚さの1/2以下の厚さであり
、好ましくは、付設中又は使用中に付与される色々な機械的応力又は熱応力を受
けるとき、ケーブルの導電性要素の抵抗を増すことに寄与するようにする。
【0028】 更に好ましくは、かかる厚さは0.03乃至0.08mmの範囲にあるように
する。 本発明の1つの好ましい実施の形態において、付与された色々な応力に対する
ケーブルの導電性要素の抵抗は、超伝導材料に対し長手方向に沿って所定の程度
のプレストレスを加えることにより、更に増大させることが好ましい。
【0029】 長手方向に沿って実質的に方向決めされた引張り応力をフォイルに付与すると
同時に、補強フォイルを超伝導材料のテープの被覆材料に結合することにより、
かかるプレストレスが得られることが好ましい。
【0030】 好ましくは、かかる超伝導材料のプレストレスは、ケーブルが室温から冷却流
体の温度まで冷却されるとき、ケーブルクランプ止めヘッドの構造内で超伝導材
料に付与される引張り効果を部分的に補償することが可能であることが分かった
【0031】 より具体的には、当該出願人は、ケーブルにて使用される超伝導材料の超伝導
率状態の伝送能力の低下は、同一の材料(従って、同一の熱膨張率)、ケーブル
の同一の幾何学的形態及び冷却中の同一の温度降下を採用するとき、かかる補強
フォイルが設けられていないテープを有する超伝導ケーブルの場合よりも、少な
いことが分かった。
【0032】 好ましくは、上記型式の補強フォイルが設けられた導電性要素は、例えば、一
方が巻き取り用であり、もう一方が巻き戻し用であり、何れか一方に適宜にブレ
ーキを掛ける、2つのコイルにより本質的に既知の装置によって補強フォイルに
対し3.4*107Pa(3.5kg/mm2)乃至34.3*107Pa(35k
g/mm2)の範囲の引張り応力を付与することにより得られるようにする。
【0033】 かかる引張り応力により、このようにして得られた補強テープの超伝導材料は
、次式により規定された、長手方向すなわち「γ」に沿って%のプレストレス程
度を有する。
【0034】 γ=[(Li−Lf)/Li*100 ここで、 Li=テープの最初の長さ; Lf=プレストレスを加えた後のテープの最終長さ; 上記値は0.05乃至0.2%の範囲。
【0035】 1つの代替的な実施の形態において、超伝導材料の層内で長手方向に沿って発
生される応力を制限し得るようにされた手段は、金属被覆の両面に結合された2
つの補強フォイルを備えることができる。
【0036】 好ましくは、補強フォイル及び金属被覆は、一度び接続なされたならば、超伝
導材料の所望のプレストレスが維持されることを保証するような仕方にて溶接又
はろう付けにより、実質的に不可逆的仕方にて相互に結合されるようにする。
【0037】 好ましくは、補強フォイルと超伝導材料の金属被覆との間の所望の電気的接触
は、溶接又はろう付けにより結合する場合、自動的に保証されるようにする。 好ましくは、本発明のケーブルは、5°乃至60°の範囲、好ましくは10°
乃至40°の範囲の巻き付け角度に従って管状支持要素の表面にら旋状に巻かれ
た複数の超伝導テープを備えるようにする。このようにして、上記テープの各々
の内部で発生される可能な機械的応力を更に減少させることができるようにする
ことが好ましい。
【0038】 好ましくは、1つ又は2つ以上の補強フォイル及び上記少なくとも1つの超伝
導テープの金属被覆は、銅、アルミニウム、銀、マグネシウム、ニッケル、青銅
、ステンレス鋼、ベリリウム及びその合金から成る群から選んだ材料から成るも
のとする。
【0039】 更により好ましくは、1つ又は2つ以上の超伝導テープの金属被覆に結合され
た1つ又は2つ以上の補強フォイルは、好ましくは、磁気ステンレス鋼、青銅、
ベリリウム、アルミニウム及びその合金から成る群から選んだ金属から成るもの
とする一方、テープの金属被覆は、銀、マグネシウム、アルミニウム、ニッケル
及びその合金から成る群から選んだ金属から成るものとする。
【0040】 本発明の第二の実施の形態によれば、超伝導材料層内で長手方向に沿って生じ
た応力を制限し得るようにされた手段は、この実施の形態において、実質的に複
合型式のもの、すなわち、第一の金属材料と、該第一の材料と関係し且つ該第一
の材料よりも大きい熱膨張率を有する第二の材料とから成る上述した管状の支持
要素を備えるものとする。
【0041】 好ましくは、管状の支持要素は、熱伝導材料の層内で長手方向に沿って生じた
応力を制限し得るようにされた手段として且つ熱伝導材料を機械的に支持し得る
ようにされた手段として同時に作用し、これと同時に、熱伝導材料と電気的に接
続した金属、すなわち、過渡短絡中にケーブルを安定化させるのに十分な量の金
属を提供するようにする。
【0042】 当該出願人は、金属材料のみから成るものに限定せずに、実質的に複合的な管
状支持要素を使用することは、半径方向及び長手方向の双方に沿って熱伝導材料
に付与される応力を減少することを許容することが分かった。
【0043】 特に、かかる複合的支持要素は、より大きい熱膨張率を有する上述した第二の
材料が存在するため、熱伝導材料よりも大きい全体的な熱膨張率を有し、このた
め、ケーブルの冷却ステップの間、完全に金属製の支持体に対しより大きい程度
だけ半径方向に収縮可能であることが分かった。
【0044】 このようにして、本発明による複合的支持体は、熱伝導材料が長手方向に沿っ
てより大きい程度だけ伸びることを許容し、従って、いわゆる規制された収縮に
より、熱伝導材料内で長手方向に沿った応力を軽減することを許容する。
【0045】 更に、複合的な管状支持要素を使用することは、複合的な管状支持要素の第二
の材料が第一の金属材料よりも小さいヤング弾性率(E)を有する場合、完全に
金属で出来た管状要素に比して、端末上で熱伝導ケーブルの両端により長手方向
に加わる応力を実質的な仕方にて軽減することを可能にする。
【0046】 作動中、実際に、ケーブルに加わる長手方向への応力は、管状支持要素を構成
する材料のそれぞれ熱膨張率とヤング弾性率(E)との積に比例する。 更に、適当な寸法とすることにより、複合的な管状支持要素は、通常の導体と
して機能し且つ熱伝導材料と電気的に接続し、過渡短絡中に、ケーブルを安定さ
せるのに十分な量の金属材料を含むことが分かった。特に、過渡短絡中に、熱伝
導材料により運ぶことのできず、一時的にその熱伝導特性を失い易い過電流は、
熱伝導材料と電気的に接続した金属材料を透過する。
【0047】 本発明の目的上、複合的な支持要素を製造するための第一の金属材料は、抵抗
率77K<5*10-9Ωm、比熱77K>106J/m3K及び熱伝導率77K>
5W/mKであることが好ましい金属である。
【0048】 特に、複合的な支持要素の第一の金属材料は、銅、アルミニウム及びその合金
から成る群から選ばれる。 好ましくは、上述の第二の材料は、非金属材料であり、17*10-6-1以上
、好ましくは、20*10-6-1以上、更により好ましくは、40乃至60*10 -6-1の範囲の熱膨張率を有するものとする。
【0049】 1つの好ましい実施の形態において、上述した第二の非金属材料はプラスチッ
ク材料である。 本発明の目的上、プラスチック材料は、例えば、ナイロンのようなポリアミド
、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンから成る群から選ぶ
ことが好ましい。
【0050】 本発明に従って複合的な支持要素を製造するときに使用すべく提供される幾つ
かの材料の室温と77Kとの間の熱収縮率(ε)の値、及び77Kにおけるヤン
グ弾性率(E)の値は、以下の表に掲げてある。
【0051】 材料 ε(%) E(GPa) Cu 0.30 100 Al 0.39 77 Ag 0.36 100 PTFE 2.00 5 1つの好ましい実施の形態において、上述した第一及び第二の材料は、隣接す
る環状セクターとして形成される。かかる設計は、特に、複合的な管状要素を製
造するステップを容易にすることを許容する。
【0052】 本発明の目的上、上記第一及び第二の材料のセクターの数及びかかるセクター
の配置は、ケーブルの構造上の必要条件に基づいて、当業者が容易に決定するこ
とができる。
【0053】 好ましくは、複合的な管状支持要素を製造するセクターの数は、3乃至50の
範囲にあるようにする。1つの好ましい実施の形態において、かかる数は、複合
的な管状支持要素の外径及びセクターの厚さ「s」とその幅「l」との間の比「
K」が0.4乃至0.7の範囲にあるような仕方にて、セクターの厚さの関数で
あるようにして選ばれる。
【0054】 好ましくは、上記第一及び第二の材料のセクターは、一方が他方の後になるよ
うに交互に配置されるようにする。かかる配置は、実際上、比較的均一な機械的
特徴を有する管状支持要素を形成することを許容し、かかる特徴は、管状支持要
素を製造するために使用される撚り機の動的安定性を満足し得るものとし、また
、全体としてケーブルの冷却中、複合的な管状支持要素の機械的適合性を満足し
得るものにすることの双方を保証することを許容する。
【0055】 好ましくは、上記第一及び第二の材料の環状セクターは、5°乃至50°の範
囲の巻き角度にてら旋状に巻かれるようにする。かかる仕方にて、隣接するセク
ターの間で満足できも、しかも継続的なクランプ止め状態を保証することが可能
となる。
【0056】 1つ代替的な実施の形態において、超伝導材料の複合的な管状支持要素は、実
質的に、上記の第二の材料から成る内側の管状要素を備えるものとし、この第二
の材料には、上記第一の金属材料から成る薄いフォイル又はワイヤーが巻かれる
【0057】 この場合にも且つ上述したように、フォイル又はワイヤーが、管状の内側要素
の上にら旋状に巻かれることが好ましい。 本発明の第三の実施の形態によれば、熱伝導材料の層内で長手方向に沿った発
生した応力を制限し得るようにされた手段は、上述した複合的な管状要素と、熱
伝導材料の1つ又は2つ以上のテープに結合された少なくとも1つの金属補強フ
ォイルとを備えている。
【0058】 本発明の熱伝導ケーブルは、同軸ケーブル及び非同軸ケーブルの双方とするこ
とができる。 以下の説明及び特許請求の範囲において、同軸ケーブルという語は、管状の支
持要素と、該管状の支持要素を同軸状に取り巻く位相導体と、位相導体の外側の
誘電性材料層と、誘電性材料層により支持され且つ位相導体に対して同軸状の戻
し導体とを備えるケーブルを意味するものとする。
【0059】 本発明の目的上、戻し導体内では、位相導体内を循環する電流に等しく且つ該
電流と反対の電流が流れ、位相導体内を循環する電流により発生される磁界に等
しく且つ該磁界と反対の磁界を発生させ、2つの導体の間に含まれるケーブルの
部分内に磁界を封じ込め且つ戻し導体に対して外部から支持されたケーブル部分
内の放散電流の存在を少なくする。
【0060】 好ましくは、戻し導体は、金属被覆内に組み込まれた超伝導材料層を含む少な
くとも1つの超伝導テープと、金属被覆と電気的に接触し且つ短絡状態時、超伝
導材料が安定化するのを許容する機能を果たす所定の量の金属材料(安定化金属
)とを備えている。
【0061】 好ましくは、更に、安定化金属の全体量は、位相導体に対して施され且つ以下
の説明にて記載する完全及び断熱膨張安定性と同一の判断基準を適用することに
より、決定されるようにする。
【0062】 好ましくは、安定化金属は、例えば、巻かれた超伝導テープの金属被覆と直接
接触した、0.1乃至5mmの範囲の厚さを有する複数のストラップ又はテープ
内で分割されるようにする。
【0063】 1つの代替的な実施の形態において、戻し導体は、好ましくは、実質的に不可
逆的な仕方にて、超伝導材料の金属被覆に結合され且つ超伝導材料と安定化金属
との間に介在させた少なくとも1つの補強フォイルを備えることができる。
【0064】 位相導体に生ずる場合と同様に、戻し導体は、過渡短絡中、その伝導能力を失
い、電流は、安定化金属材料、補強フォイル(存在するならば)及びテープの金
属被覆(存在するならば)を通って流れ、短絡の終了時、超伝導材料内を流れて
戻る。
【0065】 好ましくは、戻し導体の安定化金属は、例えば、熱伝導テープと関係し、従っ
て、同一のテープとしてら旋状に巻かれた銅又はその他の適当な金属のようなス
トラップ又はワイヤー内で分割されるようにする。
【0066】 好ましくは、ケーブルを作用させ且つ同様にケーブルの長い長さに亙って、熱
伝導材料の臨界温度よりも適宜に低い温度が維持されることを確実にする熱交換
を保証し得るような仕方にて、加圧され且つ過冷却された適宜の冷却流体にて本
発明の熱伝導ケーブルが冷却されるようにする。
【0067】 その流動中、実際に、冷却流体は、ケーブルを構成する要素により吸収された
熱に起因する熱の増加、及びケーブルを通る間の液体の損失に起因する損失圧力
の増加及び冷却流体自体の多少なりとも乱流的な流れの双方を同時に受ける。
【0068】 このため、ケーブルの作用状態の選択は、かかる現象を考慮に入れてなされる
。特に、冷却流体を可能な限りそれ自体の飽和曲線の温度及び圧力値と相違する
ように保つ加工状態であることが好ましい。かかる加工状態は、冷却流体の状態
の線図における一部分の限界を画成する、いわゆる「作用窓部」内に含まれ、そ
の冷却流体内では、超伝導材料の冷却流体を液体状態に保ちつつ、その臨界温度
以下に冷却する必要性のために安全状態が存在する。
【0069】 好ましくは、加圧され且つ過冷却された冷却流体を使用することは、安定化金
属として採用される金属材料の量を更に少なくてよいことを許容する。冷却流体
がより高圧に加圧され且つ過冷却されればされる程、採用される金属の量は、益
々少なくなる。
【0070】 好ましくは、超伝導材料は、いわゆる「高温」型(約110KのTc)であり
、約63K乃至90Kの範囲の温度まで冷却されるようにする。 かかる冷却は、10乃至20バールの範囲の加工圧力の冷却流体として液体窒
素を使用することで実現されることが好ましい。
【0071】 本発明によれば、上述した超伝導ケーブルの実施の形態は、色々なものとする
ことができる。特に、上述したように、本発明のケーブルは同軸又は非同軸とし
、存在する3つの位相の1つが単一要素又は多数要素から成るものとし、電気的
絶縁は、低温環境(低温誘電)又は室温(高温誘電)の双方に存在し、熱的絶縁
は、単一位相又は接続された3つの位相の各々にて行うことができる。
【0072】 本発明の更なる特徴及び有利な点は、添付図面に関して以下に記載する幾つか
の好ましい実施の形態の詳細な説明から一層明確に理解されよう。
【0073】
【好ましい実施の形態の詳細な説明】
図1を参照すると、本発明による同軸3層超伝導ケーブル1は、例えば、鋼、
アルミニウム等のような金属で出来た管状の保持殻体9内に収容された(好まし
くはルーズに)位相の各々に対し、参照番号3a、3b、3cで示した複数の導
電要素3を備える、全体として参照番号2で示した超伝導コアを備えている。
【0074】 導電要素3の各々は、一方、以下の説明からより明確となるように、各々が少
なくとも1つの超伝導材料層を含む、それぞれ位相導体4及び戻し導体5である
一対の同軸導体を備えている。
【0075】 同軸位相導体4及び中立導体5は、戻し導体5がその上で直接的に支持された
誘電材料の層8を介在させることにより、互いに電気的に絶縁されている。 ケーブル1は、図1のケーブルにおいて、いわゆる高温型である選んだ超伝導
の臨界温度よりも十分に低い温度まで超伝導コア2を冷却し得るようにされた冷
却流体が循環するのに適した冷却回路を備えている。
【0076】 上記冷却回路は、本質的に既知であり従って図示しない適当な圧送手段を備え
ており、この圧送手段は、共に導電性要素3の各々の内部及びかかる要素と管状
殻体9との間の隙間内で典型的に、65乃至90Kの温度にて例えば、液体窒素
のような適当な冷却流体を供給する。
【0077】 外部環境への熱放散を可能な限り少なくするため、超伝導コア2は、例えば、
複数の積層層と、少なくとも1つの保護シースとにより形成された、熱絶縁体を
備える保持構造体又は低温保持装置10内に包み込まれている。
【0078】 当該技術分野で既知の低温保持装置は、例えば、1992年10月の電力供給
に関するIEEE会議の議事録Vol.7、nr.4の1745−1753ペー
ジの論文に記載されている。
【0079】 より具体的には、図示した実施例において、低温保持装置10は、例えば、介
在させたスペーサ13の助けを借りてルーズに巻かれた「熱超絶縁体」として当
該技術分野で既知のポリエステル樹脂で出来た幾つかの表面金属被覆テープ(例
えば数10個)により形成された絶縁材料層11を備えている。かかるテープは
、管状要素14により境が設定された環状の中空スペース12内に収容され、こ
の中空スペース内では、既知の装置により10-2N/m2程度の負空ηが維持さ
れる。
【0080】 金属で出来た管状支持要素14は、環状の中空スペース12に対し所望の流体
密の特徴を付与することができ、また、例えば、ポリエチレンで出来た外部シー
ス15により覆われている。
【0081】 好ましくは、管状の金属製の支持要素14は、鋼、銅、アルミニウム等で出来
た管状の形態で且つ長手方向に溶接した曲げテープにより又は押し出し成形管等
により形成されるようにする。
【0082】 ケーブルの可撓性の条件が要求するならば、要素14は、波形とすることがで
きる。 上述した要素に加えて、その構造及び使用条件に従ってケーブル牽引要素も存
在し、軸方向又は周縁方向に配置され、超伝導要素3に加えられる機械的応力を
制限することを確実にすることができる。図示しないかかる牽引要素は、従って
、例えば、ロープ式鋼ワイヤーにより又は1つ以上の軸方向金属ロープ又は例え
ばアラミド繊維のような誘電性材料で出来た補強材の如く、周縁方向に配置され
た金属補強材により当該技術分野で周知の技術に従って形成することができる。
【0083】 一例として、図1に図示するように、各位相に対し特に、幾つかの超伝導要素
が存在し、位相(a、b、c)の各々は、図示した3つの超伝導要素3a、3b
、3cの各々に対し接尾辞1、2で示した2つの超伝導要素を備えており、この
ため、各位相電流は、幾つかの導体(図示した実施例において2つ)の間で分割
される。
【0084】 図2において、図1の同軸状超伝導ケーブル1の導電性要素3の1つは斜視図
及び拡大図で図示されている。 説明をより容易にするため、図2及び以下の図3及び図4において、図1に関
して上述したものと構造的に又は機能的に同等のケーブルの要素は、同一の参照
番号で表示し、それ以上は説明しない。
【0085】 図2に図示した導体要素3a1は、それぞれ例えば、ポリテトラフルオロエチ
レンのようなプラスチック材料及び例えば、銅のような金属材料で出来ており、
一方が後になるように交互に配置され且つら旋状に巻かれた複数の環状セクター
16、17を有する複合的な管状要素6を備えている。
【0086】 同軸位相導体4及び戻し導体5の各々は、それぞれ、複合的な管状要素6及び
絶縁材料の層8の上にら旋状に巻かれた複数の超伝導テープ18a、18bを備
えている。かかる超伝導テープ18a、18bの各々は、金属被覆19内に包み
込まれた超伝導材料20の層を備えている。
【0087】 戻し導体5は、本質的に既知の仕方にて巻かれた超伝導テープ18bの金属被
覆19と電気的に接触して安定化金属として作用する複数の銅ストラップ7を更
に備えている。
【0088】 図3に図示したケーブル1の導電性要素3の更なる実施の形態において、同軸
位相導体4及び戻し導体5は、例えば、ろう付けにより超伝導テープ18a、1
8bの金属被覆19に実質的に不可逆的な仕方にて結合された複数の金属補強フ
ォイル21を更に備えている。
【0089】 好ましくは、位相導体4の補強フォイル21は、金属被覆19の半径方向内面
に結合され、複合的な管状要素6とテープ18aとの間に介在され且つこのよう
にして、テープに対する機械的保護要素として作用するようにする。
【0090】 かかる仕方にて、フォイル21は、超伝導テープ18aの金属被覆19及び複
合的な管状要素6の金属材料の環状セクター17の双方と電気的に接触している
【0091】 好ましくは、戻し導体5の補強フォイル21は、位相導体4に対して鏡状の形
態に配置されている、すなわち、これらフォイルは、テープ18bの金属被覆1
9の半径方向外面に結合され、銅ストラップ7とテープとの間に介在され且つこ
のようにしてテープに対する機械的保護要素として作用する。
【0092】 このようにして、フォイル21は、超伝導テープ18bの金属被覆19及び安
定化金属(銅ストラップ7)の双方と電気的に接触している。 好ましくは、更に、同軸位相導体4及び戻し導体5の補強フォイル21は、こ
のようにして、短絡の場合、ケーブル1の低温安定性を確保すること、及びフォ
イルが超伝導テープ18a、18bに結合されたとき、ケーブル1の端子に加わ
る引張り応力を超伝導材料に所定の程度のプレストレスを付与し得るような仕方
にて十分に減少させることとに寄与する。
【0093】 非同軸ケーブル及び単位相超伝導ケーブル1を図示する図4に示した実施の形
態において、伝導性要素3I、3II、...、3VIIは、位相導体4のみを備え、
該位相導体は、この場合、複合的管状支持要素6の上にら旋状に巻かれた超伝導
テープ18を含む、位相導体4のみを備えている。
【0094】 この更なる実施の形態において、低温保持装置10は、管状殻体9と管状の支
持要素23との間に画成されて、その内部を液体窒素が循環する中空のスペース
22を備えている。
【0095】 この非同軸単位相超伝導ケーブル1の外側には、半導体材料の2つの管状要素
25、26内に含まれた超伝導ケーブルの電気絶縁のため、誘電材料24の層が
設けられる。
【0096】 上述した内容を参照しつつ、幾つかの実施例が、短絡状態の振舞いを示し且つ
本発明による超伝導ケーブル及び従来技術による幾つかの実施の形態の機械的応
力に関して幾つかの実施例を以下に非限定的に説明する。
【0097】
【実施例1】 (本発明) 本発明の1つの実施の形態によれば、高電力3層同軸超伝導ケーブルの原型の
各々がそれぞれの支持要素にら旋状に巻かれた超伝導材料のテープから成る一対
の位相導体及び戻し導体を含む、複数の導電性要素を備える、高温度及び低温誘
電型で出来ている。
【0098】 特に、位相導体は、完全に金属で出来た管状要素により支持される一方、戻し
導体は、位相導体の外側で且つ位相導体と同軸状の誘電材料層により支持されて
いる。
【0099】 位相導体及び戻し導体の双方の超伝導テープには、同一テープの金属被覆に結
合された厚さ0.05mmの金属補強フォイルが設けられている。 戻し導体にはまた、超伝導テープの金属被覆に結合された金属補強フォイルに
電気的に接触した銅ストラップ(安定化金属)も設けられている。
【0100】 補強フォイルを超伝導テープに結合するステップは、第一のステップにて、補
強フォイルに対し実質的に長手方向に引張り応力を加え、第二のステップにおい
て、該フォイルをテープに結合して、超伝導材料にプレストレスを加え得るよう
にすることにより行った。特に、フォイルには、約15.4*107Pa(15
.7kg/mm2)の引張り応力を加え、これにより、超伝導材料に対し約0.
1%に等しい程度のプレストレスが得られるようにした。
【0101】 位相導体の管状支持要素に対して使用される金属は銅とした。 ケーブルの製造のために考慮した加工特性は次の通りであった。 電力 0.7GVA 公称電圧(位相−位相) 132kV 公称電流 3070A 臨界電流 9210A 長さ 50km ケーブルは、次の短絡状態にて安定し得るような仕方にて設計した。
【0102】 短絡回路電流Icc 50kA 短絡回路持続時間Δtcc 0.5s 更に次のことを想定した。
【0103】 1)過渡短絡中に放散した電力は、完全に超伝導材料の層、超伝導材料を組み
込む金属被覆の層及び金属層内の温度上昇に変換され、何れにおいてもこれら(
管状の支持要素、金属補強フォイル及び銅ストラップ)と電気的に接触するよう
にする。
【0104】 2)この放散は、超伝導材料と電気的に接続した状態で金属材料を通って流れ
る全ての短絡電流に対して抵抗可能であること、 3)短絡回路の終了時に超伝導により達した最高温度を最高加工圧力時に超伝
導の臨界温度と冷却流体の沸騰温度との間の最低温度として規定された許容可能
な最高温度Tamm以下に制限するため、最高加工圧力時に、短絡に起因する温度
上昇ΔTは、次式により与えられると想定する。
【0105】 ΔTamm≦(Tamm−Tworking max)/f ここで、Tworking maxは、最高加工温度、fは安全率である。 上記の加工特性にて製造したケーブルは、液体窒素に対する次の加工温度及び
圧力範囲を有する。
【0106】 最低加工温度=63.2K 最高加工温度=82K 最高加工圧力=20バール 最低加工圧力=10バール 臨界温度が約110KのBSCCO型高温度超伝導材料を使用し、また10バ
ール圧力時の液体窒素の沸騰温度は104Kに等しいから、許容可能な最高温度
ammはこの値と一致するものと想定する。
【0107】 短絡状態にてケーブルの低温安定性を保証する金属材料の量は次式に従って決
定した。 ΔTamm=[(ΣRicci 2)/(Σmipi)]*Δtcc (I) ここで、 ΔTammは、短絡に起因する許容可能な温度上昇を表し、 Riは超伝導ケーブルのi番目の要素の抵抗を表し、 Icciは超伝導ケーブルのi番目の要素の短絡電流を表し、 miは超伝導ケーブルのi番目の要素の質量を表し、 cpiは超伝導ケーブルのi番目の要素の比熱を表し、 Δtccは短絡の持続時間を表す。
【0108】 その結果、 mi=δi *i=δi *i *i (II) ここで、 δiはi番目の要素の密度を表し、 Viはi番目の要素の体積を表し、 Siはi番目の要素の断面積を表し、 liはi番目の要素の長さを表す。
【0109】 同様に次式となる。 Ri=ρi *(li/Si) (III) ここで、ρiはi番目の要素の電気比抵抗率を表す。
【0110】 ΔTamm、δi、li、ρi、Icci、cpi、Δtccの値及び超伝導テープ、金属
補強フォイル及び銅ストラップの断面積の値は、既知の設計データであるから、
(I)にて等式(II)、等式(III)を置換することにより、管状支持要素
の金属材料の断面積を決定することが可能となる。
【0111】 完全及び断熱安定性の上記判断基準に従って製造したケーブルの構造的特徴及
び短絡の場合の超伝導材料の温度上昇ΔTは、安全率fがそれぞれ4.4、2.
2であると想定して得られた場合(参照符号1a、1bで図示)に対して以下の
表Iに掲げてある。
【0112】 特に、戻し導体の構造的特徴は、同一の短絡電流がその双方を通って流れるこ
とに鑑みて全く同様の方法で決定することができるから、位相導体の構造的特徴
のみを示してある。
【0113】 かかる表から理解し得るように、本発明によるケーブルは、短絡の場合、超伝
導材料の温度上昇ΔTをそれぞれ5℃(事例1a)及び10℃(事例1b)に制
限し、これにより、ケーブルの完全及び断熱安定性の判断基準に完全に適合する
ことを許容する。
【0114】
【実施例2−3】 (本発明) 本発明の更なる実施の形態によれば、各々がそれぞれの支持要素の上にら旋状
に巻かれた超伝導材料テープから成る一対の位相導体及び戻し導体を含む3つの
導電性要素を備える更なる2つの同軸ケーブルの原型を製造し、この場合、該支
持要素は、位相導体に対し複合的な管状要素から成り、戻し導体に対し誘電材料
層から成るものとした。
【0115】 特に、複合的な管状支持要素は、一方が他方の後になるように交互に配置され
た銅(第一の金属材料)及びポリテトラフルオロエチレンで出来ており、内径3
8.7mm、及び外径48.5mmであり、実質的に、技術的且つ冷却上の条件
に適合し得るようにした。かかる配置のための環状セクターの好ましい数は、1
4であることが分かった。単一セクターの断面積は47.9mm2である。
【0116】 実施例1の場合と同様に、戻し導体には、超伝導テープと電気的に接触した銅
ストラップ(安定化金属)を設けた。 超伝導テープには、実施例1(実施例2)と類似した超伝導テープの金属被覆
に結合された金属補強フォイルを設け又はかかるフォイルを設けなかった(実施
例3)。
【0117】 更に、実施例1の場合と同様に、第一のステップにおいて、実質的に長手方向
に補強フォイルに対し引張り応力を加え且つ第二のステップにおいて、該補強フ
ォイルを超伝導材料のプレストレスを得るような仕方にてテープに結合すること
により、補強フォイルを超伝導テープに結合するステップを行った。
【0118】 特に、約0.1%の超伝導材料のプレストレスレベルが得られるようにフォイ
ルに対し約15.4*107Pa(15.7kg/mm2)の引張り応力を加えた
【0119】 2つのケーブルの原型の構造的特徴は、以下の表Iに掲げてある。 上記の表Iのデータを分析することにより、許容可能な最高の温度上昇が10
℃である場合、実施例2及び3は、実施例1bと同一の結果を提供し、超伝導材
料のテープの補強フォイルが温度上昇に寄与する程度は、無視し得る程度である
ことが分かった。
【0120】 ケーブルの幾何学的形態に関して、実施例2及び3の複合的な管状要素は、実
施例1bのケーブルの完全に金属製の管状要素よりも厚い厚さを有し、それは、
適当な量のポリテトラフルオロエチレンが存在するとき、短絡状態にてケーブル
の安定性を保証するため、適宜な量の銅を提供する必要があるからである。
【0121】
【実施例4】 (比較) 実施例1と同一の特徴を有するケーブルを製造したが、過渡短絡中に、いかな
る安定性の判断基準を考慮せずに、該ケーブルを設計した。得られた結果は、以
下の表IIに掲げてある。
【0122】
【実施例5】 (比較) 更に、比較の目的のため、完全及び断熱安定性の判断基準を採用することによ
り、超伝導材料のテープの外側に補強フォイルが存在しない点を除いて、先の実
施例1と同一の特徴を有するケーブルを製造した。
【0123】 材料研究所(Materials Research Society)の1
989年のAdv.Mats.Vol.6における、MRS Int´I Mt
g.におけるE.W.コーリング(Collings)による「80Kに対する
セラミック超伝導体におけるフラックスジャンプ安定性及び低温安定性(Flu
x−jump stability and cryostability i
n ceramic −−a review)」という上記の出版物において、
安定化金属の面積及び超伝導テープの金属被覆の金属の面積の合計値と超伝導材
料の全面積との間の比「Rs」を超伝導テープの安定化金属の電気抵抗率ρ及び
臨界電流密度Jcのようなパラメータにのみ相関させる等式が報告されている。
【0124】 これら値を置換すると、上記の等式は次式のようになる。 Rs 2*(Rs+1)=9.27*Ic (IV) 超伝導テープの金属被覆の面積と超伝導材料の全面積との比を知ることにより
、安定化金属の面積と超伝導材料の面積との比の値を得ることが可能である。
【0125】 これら結果は、同一の表IIに記載されている。
【0126】
【実施例6】 (比較) 構造及び又は技術的条件にのみ従って、すなわち、位相導体を支持し且つ戻し
導体を保護するという機能のみを有する追加的な金属を有するべくケーブルを製
造した。
【0127】 これら結果は以下の表IIに掲げてある。
【0128】
【実施例7】 (比較) 先の実施例4と同一の方法にて、2つのケーブル7a、7bを製造し、この場
合、超伝導材料の量のみが増加する結果として、安全率はそれぞれ4.4及び2
.2に等しいと想定した。
【0129】 これら結果は以下の表IIに掲げてある。 以下の表I、表IIを分析することにより、実施例4、6に従って製造された
ケーブルは、短絡の場合の温度上昇(ΔT)が過大であるため、実際の用途には
不適当であることが分かる。
【0130】 その代わり、実施例1乃至3に従って製造したケーブルは、高温度にて超伝導
材料の安定性を保証し、また、窒素を液体状態に保ち、超伝導材料と電気的に接
続する全体的な金属材料の量が実施例5のケーブルの場合よりも少なく、超伝導
材料の量は、実施例7のケーブル7a、7bよりも少なく、これに伴い経済的な
節約効果が得られる。
【0131】
【実施例8】 (機械的応力の評価) クランプ式ヘッドの作動構造にて液体窒素により冷却する結果として、超伝導
材料の長手方向に沿って発生する機械的応力を比較するため、実施例1b、2、
3によるケーブルの原型を実施例5のケーブルと比較した。
【0132】 短絡状態における完全及び断熱安定性に対する金属材料の最小の全断面積は、
298.2mm2と想定した。 複合的な管状支持要素を製造する第一の金属材料として銅を使用する一方、第
二の非金属材料としてポリテトラフルオロエチレンを使用した。
【0133】 実施例1b、5の管状の支持要素は、特に、実施例2、3の複合的な管状支持
要素の同一の構造が幾何学的に得られるような仕方にて、14個の金属セクター
、特に銅セクターを備えて製造した。
【0134】 次に、原型に対し多数の試験を行った。これら試験は、超伝導材料に生じた変
形、規制された収縮への反動としてケーブルにより端子に加えられた牽引力及び
最終的に、上述の判断基準に従ってケーブルの完全及び断熱安定性を保証するの
に必要とされる使用した導電性材料の量を比較した。
【0135】 かかる試験の結果は、以下の表IIIに掲げてあり、この場合、臨界変形の値
、すなわち、その値以上の場合、超伝導材料の破断及び粒子の分離が検知され、
これに伴い、材料自体の電流伝送能力が低下するときの値も記載されている。
【0136】 臨界変形の値に関して、表IIIの値から、実施例1b、2の補強フォイルが
設けられたケーブルは、かかるフォイルを設けなかったケーブルよりも大きい値
を有することが直ちに明らかである。このことは、フォイルをテープの金属被覆
に結合するステップに伴う超伝導材料の層のプレストレス効果に実質的に寄与す
ることができる。
【0137】 表IIIの結果から、実施例5のケーブルの場合、超伝導材料の変形は、臨界
値よりも大きい値を有し、このことは、超伝導率状態にて電流を超伝導状態で伝
送する能力に影響することを観察することが更に可能である。
【0138】 好都合であることに、実施例2、3の原型の双方において、超伝導材料の変形
は、臨界値よりも実質的に小さいことに加えて、実施例1bの原型について検出
したものよりも明らかに小さく、これは、複合的な管状支持要素が超伝導材料に
加えられる長手方向に沿った応力の程度を減少させる点で有効であることの更な
る証拠である。
【0139】 表I 本発明 管状支持要素 内部SC ΔT.(℃) の金属材料 例1a 断面積mm2 545 88.6 5 Cu/SC 5.6 例1b 断面積mm2 335 88.6 10 Cu/SC 3.8 例2 断面積.mm2 335 88.6 10 Cu/SC 3.8 例3 断面積mm2 335 88.6 10 Cu/SC 3.8 内部SC=内部導体(位相導体)の超伝導材料層 ΔT=超伝導材料の温度上昇 表II 比較 管状支持要素 内部SC ΔT.(℃) の金属材料 例4 断面積mm2 0 88.6 620 Cu/SC − 例5 断面積mm2 1277.7 29.2 0 Cu/SC 43.7 例6 断面積.mm2 199 88.6 23.7 Cu/SC 2.2 例7a 断面積mm2 199 615 5 Cu/SC 0.32 例7b 断面積mm2 199 320 10 Cu/SC 0.62 内部SC=内部導体(位相導体)の超伝導材料層 ΔT=超伝導材料の温度上昇 表III 例1b 例2 例3 例5 超伝導体の変形(%) 0.31 0.18 0.18 0.31 臨界変形(%) 0.5 0.5 0.29 0.29 牽引力(Kg) 11700 14100 13700 40000 銅の量(%) 100 100 100 300
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態による、同軸多数要素の3層超伝導ケーブルの一部
断面図とした斜視図である。
【図2】 図1の同軸ケーブルの1つの要素の拡大し且つ部分断面図とした斜視図である
【図3】 位相導体及び戻し導体の双方に補強フォイルが設けられた、図1の同軸ケーブ
ルの1つの要素の第二の実施の形態の拡大且つ部分断面図とした斜視図である。
【図4】 本発明の更なる実施の形態による単位相、多数要素、非同軸超伝導ケーブルの
拡大部分断面図とした斜視図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年2月9日(2001.2.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】 より具体的には、本発明は、少なくとも1つの位相を有する超伝導ケーブル(
1)であって、 a)所定の量の抵抗型電導電材料と電気的に接触した超伝導材料から成るテー
プ層(20)と、 b)超伝導材料から成る前記テープ層(20)を支持する管状要素(6)であ
って、金属材料で出来た少なくとも1つの部分を備え且つ超伝導材料から成るテ
ープ層(20)と電気的に接触した前記管状要素と、 c)超伝導材料をその臨界温度以下の加工温度まで冷却し得るようにされた冷
却回路であって、最小値と最大値との間の範囲にある所定の加工値の流体を含む
前記冷却回路と、を備える、超伝導ケーブルに関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】 その第一の局面において、本発明は、請求項1に記載された、上述した型式の
超伝導ケーブルに関するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】 本発明によれば、上記層と電気的に接触する金属材料の量、特に、超伝導材料
の層の支持要素内に存在する量は、以下の説明に記載した完全及び断熱膨張安定
性の判断基準を適用することで決定されるようにする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】 その第二の局面において、本発明は、請求項16に記載されたように、金属被
覆内に組み込まれた少なくとも1つの超伝導材料層に関するものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】 その第三の局面において本発明は、請求項17に記載されたように、超伝導ケ
ーブルの超伝導材料のテープ内で長手方向に沿って誘起される応力を制限する方
法に関するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA, BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,C Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE ,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS, JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,L R,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN ,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,T R,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (71)出願人 Pirelli Cavi e Sist emi S.p.A

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの位相を有する超伝導ケーブル(1)におい
    て、 a)超伝導材料から成るテープ層(20)と、 b)超伝導材料から成る前記テープ層(20)を支持する管状要素(6)であ
    って、金属材料で出来且つ超伝導材料から成るテープ層(20)と電気的に接触
    した少なくとも1つの部分を備える前記管状要素(6)と、 c)超伝導材料をその臨界温度以下の加工温度まで冷却し得るようにされた冷
    却回路であって、最小値と最大値との間の所定の加工圧力の流体を含む前記冷却
    流体とを備え、 超伝導材料から成る前記テープが、室温とケーブルの加工温度との間の温度変
    化に起因して変形する程度が該テープの臨界変形よりも少ない超伝導ケーブルに
    おいて、 超伝導材料の層(20)と電気的に接触する抵抗型導電材料の所定の量が存在
    し、 短絡の場合、超伝導材料が達する最高温度が、前記流体の最低加工圧力時の超
    伝導材料の臨界温度と前記冷却流体の沸騰温度との間の最低温度よりも低いこと
    を特徴とする、超伝導ケーブル。
  2. 【請求項2】 請求項1による超伝導ケーブル(1)において、 前記テープ層が、金属被覆(19)内に組み込まれることを特徴とする、超伝
    導ケーブル。
  3. 【請求項3】 請求項2による超伝導ケーブル(1)において、 前記超伝導材料が、金属材料で出来た少なくとも1つの補強フォイル(21)
    を備えることを特徴とする、超伝導ケーブル。
  4. 【請求項4】 請求項3による超伝導ケーブル(1)において、 前記超伝導材料が、前記層の両面に結合された金属材料で出来た2つの補強フ
    ォイル(21)を備えることを特徴とする、超伝導ケーブル。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4による超伝導ケーブル(1)において、 前記超伝導材料が、長手方向に沿って実質的にプレストレスが加えられること
    を特徴とする、超伝導ケーブル。
  6. 【請求項6】 請求項5による超伝導ケーブル(1)において、 前記少なくとも1つの超伝導テープ(18a、18b)の超伝導材料の層(2
    0)が、長手方向(γ)に沿って0.05乃至0.2%の範囲の程度のプレスト
    レスを有することを特徴とする、超伝導ケーブル。
  7. 【請求項7】 請求項1による超伝導ケーブル(1)において、 5°乃至60°の範囲の巻き付け角度に従って前記少なくとも1つの管状支持
    要素(6)の表面の上でら旋状に巻かれた複数の超伝導テープ(18a、18b
    )を備えることを特徴とする、超伝導ケーブル。
  8. 【請求項8】 請求項3又は4による超伝導ケーブル(1)において、 前記超伝導テープ(18a、18b)の補強フォイル(21)及び金属被覆(
    19)が、銅、アルミニウム、銀、マグネシウム、ニッケル、青銅、ステンレス
    鋼、ベリリウム及びその合金から成る群から選ばれた金属から成ることを特徴と
    する、超伝導ケーブル。
  9. 【請求項9】 請求項1、3又は4による超伝導ケーブル(1)において、 前記管状支持要素(6)は、実質的に複合的であり、第一の金属材料と、該第
    一の材料の熱膨張率よりも大きい熱膨張率を有する、前記第一の材料と関係した
    第二の材料とを備えることを特徴とする、超伝導ケーブル。
  10. 【請求項10】 請求項9による超伝導ケーブル(1)において、 前記第一及び第二の材料が、隣接する環状セクター(16、17)として形成
    されることを特徴とする、超伝導ケーブル。
  11. 【請求項11】 請求項10による超伝導ケーブル(1)において、 前記環状セクター(16、17)が、一方が他方の後になるように配置される
    ことを特徴とする、超伝導ケーブル。
  12. 【請求項12】 請求項10による超伝導ケーブル(1)において、 前記環状セクター(16、17)が、5°乃至50°の範囲の巻き付け角度に
    従ってら旋状に巻かれることを特徴とする、超伝導ケーブル。
  13. 【請求項13】 請求項9による超伝導ケーブル(1)において、 前記第一の金属材料が77K<5*10-9Ωmの抵抗率、77K>106J/m 3 Kの比熱及び77K>5W/mKの熱伝導率を有する金属であることを特徴と
    する、超伝導ケーブル。
  14. 【請求項14】 請求項9による超伝導ケーブル(1)において、 前記第二の材料が17*10-6-1以上の熱膨張率を有する非金属材料である
    ことを特徴とする、超伝導ケーブル。
  15. 【請求項15】 請求項14による超伝導ケーブル(1)において、 前記第二の非金属材料が、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン及びポリ
    エチレンから成る群から選ばれたプラスチック材料であることを特徴とする、超
    伝導ケーブル。
  16. 【請求項16】 所定の量の金属材料から成る管状要素(6)により支持さ
    れた金属被覆(19)内に組み込まれた超伝導材料の少なくとも1つの層(20
    )を備える超伝導ケーブル用の伝導性要素であって、 該層(20)が前記所定の量の金属材料と電気的に接触し、 前記超伝導材料の層(20)が冷却流体によりその臨界温度以下の温度まで冷
    却される導電性要素(3)において、 抵抗型の所定の量の導電性材料が超伝導材料の層(20)と電気的に接触する
    状態で存在し、 短絡の場合、超伝導材料が達する最高温度が、該流体の最低加工圧力のとき、
    超伝導材料の臨界温度と前記冷却流体の沸騰温度との間の最低温度よりも低いこ
    とを特徴とする、導電性要素。
  17. 【請求項17】 超伝導ケーブルの超伝導材料をテープ(18)内で長手方
    向に沿って発生された応力を制限し得るようにされた方法であって、 所定の量の金属材料から成る超伝導材料のテープ(18)を支持する少なくと
    も1つの管状要素(6)であって、超伝導材料のテープ(18)と電気的に接触
    した前記少なくとも1つの管状要素(6)を提供するステップと、 超伝導材料の前記テープ(18)を前記少なくとも1つの管状支持要素(6)
    の表面にら旋状に巻くステップと、 超伝導材料を冷却流体によりその臨界温度以下の温度まで冷却するステップと
    を備える方法において、 金属材料で出来た少なくとも1つの補強フォイル(21)を超伝導材料の前記
    テープ(18)に結合するステップと、 短絡の場合、超伝導材料が達する最高温度が、該流体の最低加工圧力のとき、
    超伝導材料の臨界温度と前記冷却流体の沸騰温度との間の最低温度よりも低いよ
    うな仕方にて超伝導材料の層(20)と電気的に接触した金属材料の全体量を決
    定するステップとを備えることを特徴とする、方法。
  18. 【請求項18】 請求項17による方法において、 前記テープ(18a、18b)の超伝導材料が、長手方向(γ)に沿って0.
    05乃至0.2%の範囲の程度のプレストレスを有することを特徴とする、方法
  19. 【請求項19】 請求項17による方法おいて、 管状要素は実質的に複合的であり、第一の金属材料と、該第一の材料の熱膨張
    率よりも大きい熱膨張率を有する、前記第一の材料と関係した第二の材料とを備
    えることを特徴とする、方法。
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