JP2002531235A

JP2002531235A - 医療処置用フィルター

Info

Publication number: JP2002531235A
Application number: JP2000584979A
Authority: JP
Inventors: ブース、チャールズ・エス
Original assignee: Pall Corp
Current assignee: Pall Corp
Priority date: 1998-11-30
Filing date: 1999-11-22
Publication date: 2002-09-24
Also published as: CA2352880C; CA2352880A1; WO2000032296A2; US6746504B2; DE69934825D1; EP1144080B1; AU760086B2; US6576033B1; AU2350000A; EP1144080A3; US20030200738A1; DE69934825T2; EP1144080A2; WO2000032296A3

Abstract

(57)【要約】腹腔鏡手術のような医療処置に使用するためのフィルター装置(300) を開示する。好ましくは、装置(300) は、フィルター配列(200) と、第１および第２の側壁(5, 55) を有するフィルターハウジング(50)とを含み、第１および第２の側壁のそれぞれの少なくとも一部は可撓性で多孔質である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【優先権】

本出願は、1998年11月30日出願の米国仮特許出願60/110,229および1999年６月
４日出願の同60/137,497 (これらを参考のために援用する) に基づく優先権を主
張する。

【０００２】

【技術分野】

本発明は、医療処置用、より具体的には腹腔鏡または内視鏡による手術用のフ
ィルターに関する。

【０００３】

【発明の背景】

ある種の医療処置中、例えば、腹腔鏡および内視鏡による手術中に、腹部を膨
らませるため、腹腔内に適当なガスが導入される。腹部の膨張は、各臓器を分離
させ、かつ手術を行う内部空間 (キャビティ) を拡大させる傾向がある。例えば
、１または２以上のトロカールを用いて腹部を穿孔し、トロカールの少なくとも
１つに注入 (インサフレーション) ガスを通して腹部を膨らませることができる
。手術に用いる１または２以上の器具、例えば、腹腔鏡、メス、レーザーおよび
／または電気焼灼器具、を必要に応じて適当なトロカールの中を通して挿入する
ことができる。

【０００４】その処置が組織および／または血管の切断を必要とする場合、レーザー、超音
波組織切断器具および電気焼灼 (電気メス) 器具が使用できるが、それは、これ
らの操縦が容易で比較的きれいな切断部を形成するからである。さらに、これら
は焼灼効果があり、従って出血を少なくする。

【０００５】手術が終了したら、キャビティを膨らませるのに用いたガスを腹腔から排出さ
せる。また、レーザー、超音波組織切断器具および電気焼灼器具による切断は、
手術部位の外科医の視界を曇らせるか、遮ることがある水蒸気または「煙 (スモ
ーク) 」を発生することが多いので、外科医は手術中もガス（煙を含む）を追い
出して腹腔から煙を除去することがある。例えば、外科医は、トロカールの１つ
に通じているカニューレに付随するバルブを開放し、煙を周囲大気に排出するこ
とがある。或いは、煙を再循環させる、例えば、１つのトロカールから抜き出し
て、別のトロカールから腹腔内に再循環させることもできる。

【０００６】しかし、煙は、毒性、悪臭、または他の点で望ましくない物質 (例、ベンゼン
、シアン化水素、トルエン、ホルムアルデヒド、一酸化炭素、ウイルス、細菌、
細胞、および／または患者の患部組織からの体液) を含んでいることがあり、こ
れらの物質は、手術室の環境に放出されると、外科医および外科医のスタッフを
健康上に危険にさらす可能性がある。また、この煙（例えば、細菌および／また
はウイルスを含有することがある）の放出または再循環は、例えば、腹膜を通る
吸収、または腹腔以外の位置での体内への侵入による、さらなる汚染の危険性に
患者をさらすことがある。

【０００７】患者の腹腔から出てきたガスの一部をフィルターで濾過しようという試みはあ
った。しかし、これらの従来のフィルターは多くの欠点があった。例えば、一部
のフィルターは大きすぎて、外科医の視界および／または外科医の手術部位内お
よびその付近の動きの幅を妨害する。この種のフィルターはまた、すぐに詰まっ
たり、望ましくない物質を十分に除去できなかったり、および／または作動に労
力集約型の作業（多くの工程を必要とすることもある）を必要とすることがある
。特別の設備（例、器具、バルブ、および／または排気手段）をフィルターと併
用しなければならないこともある。これに代えて、または加えて、フィルターは
、調節可能なガス流量および／または標準的な注入圧力である約１L/min 以上の
ガス流量で使用するのに適していないことがある。

【０００８】本発明は、従来技術の上記難点の少なくとも一部を軽減するものである。本発
明の上記および他の利点は、以下の説明から明らかとなろう。

【０００９】

【発明の要約】

本発明によると、可撓性フィルター要素を含んでいる少なくとも１つの可撓性
フィルターを備える、ガス、好ましくは患者の体腔から排出されたガス（例、腹
腔鏡手術中に）用のフィルター装置が提供され、このフィルター装置は、ガスが
これを通過できるような配置になっている。例えば、可撓性フィルターの表面は
フィルター装置の壁面または側面を与えることができ、ガスは可撓性フィルター
の片面から、フィルターを通って、フィルターの反対側の面に通過し、フィルタ
ー装置の壁面または側面は、フィルターの反対側の表面を構成する。

【００１０】一部の態様では、フィルター装置はハウジングと少なくとも１つのフィルター
要素とを備え、ハウジングの少なくとも一部分は可撓性で、ガスを通過させるこ
とができ、フィルター装置はガスがフィルター要素とハウジングの可撓性部分と
を通過できるような配置になっている。

【００１１】別の態様では、フィルター装置はハウジングと少なくとも１つのフィルター要
素とを備え、フィルター要素は有効濾過面積が少なくとも約12.9 cm² (少なくと
も約２in²)であり、フィルター装置はガスがフィルター要素とハウジングの一部
とを通過できるような配置になっている。

【００１２】一部の態様では、ハウジングおよび／またはフィルター要素の少なくとも一部
は可撓性である。別の態様では、ハウジングおよびフィルター要素は実質的に不
撓性である。

【００１３】好適態様において、フィルター装置は、腹腔鏡の煙を除去し、ガスが装置を通
過してハウジングの外部に出る時の臭気を低減する。フィルターおよびフィルター装置の各態様は、任意の望ましい一定または可変
のガス流量で使用するのに適している。好ましくは、フィルター装置は、任意の
適当なシステム (例、腹腔鏡手術に使用するシステム) に容易に付加することが
できる。１態様において、フィルター装置 (あるセットの一部であってもよい)
は、片手操作の(one-handed)ガス流量調節が可能である。

【００１４】本発明の各態様は、特に手術環境での使用、中でも腹腔鏡手術中での使用を意
図しているが、それは、例えば、処置に要する外科医、看護婦、技師および／ま
たは手術室の時間 (いずれも費用が高い) の量の低減によって、外科処置をより
迅速および／またはより高いコスト効率で完了することが可能になりうるからで
ある。例えば、1999年について、少なくとも１つの検討において、腹腔鏡手術中
の手術室の時間的価値が１分当たり120 ドルを優に超えると推定されていること
から、時間の節約は特に有利である。

【００１５】本発明によると、ガスフィルター (好ましくは煙フィルター) は、保持部材を
含んでいる。即ち、これは、微生物 (例、細菌) 、ウイルス、細胞、体液、煙霧
(エーロゾル) 、および液滴の少なくとも１種といった少なくとも１種の望まし
くない物質を保持し、ガスの少なくとも一部は保持部材を通過することができ、
通過したガスは望ましくない物質の少なくとも一部の濃度が低減している。保持
部材は、ベンゼン、シアン化水素、ホルムアルデヒド、およびトルエンの少なく
とも１種といった他の望ましくない物質を保持してもよく、もしくはその通過を
低減させ、ならびに／または、保持部材は臭気の通過を低減してもよい。煙フィ
ルターは、任意の適当な性質の少なくとも１つの多孔質基体、例えば、繊維質ウ
ェブ、膜 (メンブラン) 、それらの組合わせ等といった多孔質媒体を含む。典型
的には、煙フィルターの少なくとも一部は可撓性である。

【００１６】典型的には、ガスフィルターは、多孔質保持基体、好ましくは多孔質保持媒体
を含んだ少なくとも１つの煙フィルター要素を備える。多孔質基体は、任意の適
当な物理的寸法を有することができ、典型的には２つの向かい合う側 (例、第１
の側と、これと反対側の第２の側) を有し、その間に中心部分のあるシート形態
であろう。この場合、多孔質基体の細孔は、一般に多孔質基体の第１の側と第２
の側との間の流体連通を可能にする。典型的には、ガスフィルターは、少なくと
も１つの疎水性の膜 (好ましくは疎水性の微孔質膜) および／または少なくとも
１つの疎水性の繊維質媒体を含んだ煙フィルター要素を備え、これを通って被処
理流体（例、ガス）が流れる。このフィルター要素は、２つの向かい合う側 (例
、第１の側と被処理流体に関して反対側の第２の側、ガスの少なくとも一部は該
要素を通過する) を有し、その間に中心部分がある。フィルター要素の細孔は、
一般にこの要素の２つの向かい合う側の間 (例、第１の側と第２の側との間) の
流体連通を可能にする。

【００１７】煙フィルターは、任意の適当な細孔構造、例えばジオクチルフタレート(DOP)
煙透過等級、または細孔等級(pore rating)(例、例えば、泡立ち点により証明さ
れるように一定粒度の粒子を特定の程度まで除去する能力）を有することができ
る。煙フィルターは、均一もしくは実質的に均一な細孔構造を有してもよく、ま
たは連続、不連続もしくは段階的に細孔構造が変動することができる。例えば、
煙フィルターは、傾斜した細孔構造を有することができる。一部の態様では、煙
フィルターは、個々の要素および／または層の細孔構造が異なる、例えば、細孔
等級が異なる、複数の要素および／または層を備える。例えば、煙フィルターは
、少なくとも２つの層の細孔等級が異なる複数の層を有する煙フィルター要素を
備える。

【００１８】煙フィルターは、追加の要素、層、または構造を備えることができ、これらは
膜または他の多孔質媒体でよい。例えば、一部の態様では、煙フィルターは構造
および／または機能が異なる追加部品、例えば、予備濾過、臭気低減、支持、排
液、スペーシング（間隔調整）およびクッションの少なくとも１つの機能を持つ
追加部品、をさらに備えることができる。煙フィルターが１または２以上の追加
部品を備える一部の態様では、各追加部品の少なくとも一部が可撓性である。

【００１９】ここで用いる「煙」なる用語は、ガス (例、注入ガス) ならびに組織および／
もしくは血管のアブレーション (焼灼) により生ずる物質の一部および／もしく
は副生物の一部 (例、煙霧および液滴) を包含する。煙は、細菌およびウイルス
の少なくとも１種といった、追加物質を含むことがある。

【００２０】

【発明の具体的説明】

本発明の１態様によると、煙を濾過するのに適合させたガスフィルターを備え
たガスフィルター装置が提供される。このガスフィルターは、第１の面とその反
対側 (向かい合う側) の第２の面とを有し、該装置はガスフィルターの第２の面
の少なくとも一部分を構成する少なくとも１つの壁面 (典型的には側壁) を有し
、該壁面の少なくとも該部分はガスの通過が可能であり、ガスフィルターは、疎
水性の保持部材を含んだ少なくとも１つの多孔質フィルター要素を備え、ガスフ
ィルター装置は、ガスがフィルターと壁面の該部分とを通過できるような配置に
なっている。一部の態様では、壁面の少なくとも一部は可撓性であり、フィルタ
ー装置は、ガスがフィルターと壁面の可撓性部分とを通過できるような配置にな
っている。

【００２１】ガスフィルター装置の１態様において、ガスフィルターは、少なくとも２つの
ガスフィルター (好ましくは、少なくとも２つの煙フィルター) を含み、第１お
よび第２のガスフィルターはそれぞれ第１の面とその反対側の第２の面とを有し
、装置は少なくとも２つの側壁を有し、第１の側壁は第１のガスフィルターの第
２の面の少なくとも１部分を構成し、第２の側壁は第２のガスフィルターの第２
の面の少なくとも１部分を構成し、ガスフィルター装置は、ガスがこれらのフィ
ルターと側壁の前記部分とを通過できる配置になっている。

【００２２】本発明の１態様によると、内部キャビティと、その少なくとも１部分はガスの
通過が可能である少なくとも１つの壁面とを有するフィルターハウジング、およ
び少なくとも１つの多孔質フィルター要素を含んだ、煙を濾過することができる
ガスフィルター、を備えたガスフィルター装置が提供され、該フィルター要素は
疎水性保持部材を含み、該ガスフィルター装置は、ガスが該煙フィルターとハウ
ジングの壁面の該部分とを通過できるような配置になっている。１態様において
、フィルター要素は、有効濾過面積が少なくとも約12.9 cm² (約２in²)である。
好ましくは、疎水性保持部材は微生物および／またはウイルス保持部材である。
１好適態様において、フィルターハウジングは、少なくとも片側がガスを通過さ
せることができる不織布媒体から実質的に構成される。

【００２３】１態様において、煙フィルター装置は、疎水性保持部材を含んだ、有効濾過面
積が少なくとも約12.9 cm² (約２in²)の、少なくとも１つの多孔質フィルター要
素を有する煙フィルターを備え、この煙フィルター装置は、少なくとも約３分の
累積煙の間、約50％以下のガス流量低下率で煙を濾過することができる。このフ
ィルター要素は少なくとも１部分として可撓性部分を含むことができる。別の態
様において、フィルター要素は実質的に不撓性である。

【００２４】典型的には、ガスフィルターは、やはりガスを通過させることができる、プレ
フィルター要素および／または臭気低減要素といった少なくとも１つの追加要素
を含んだ煙フィルターを備える。１態様において、煙フィルターは細菌の通過を
防止する。

【００２５】一部の態様において、ガスフィルター装置は、少なくとも第１および第２の側
壁と有するハウジングと、少なくとも第１および第２の煙フィルターとを備えて
おり、ハウジングの２つの側壁のそれぞれ少なくとも１部分は可撓性であって、
ガスを通過させることができ、各煙フィルターは少なくとも１つの多孔質フィル
ター要素を含んでおり、各多孔質フィルター要素は疎水性の保持部材を含んでお
り、該ガスフィルター装置は、ガスの一部は第１煙フィルターと第１側壁とを通
過でき、ガスの別の部分は第２煙フィルターと第２側壁とを通過できるような配
置になっている。１好適態様において、第１および第２の煙フィルターはそれぞ
れ、プレフィルター要素および／または臭気低減フィルター要素といった少なく
とも１つの追加要素を備える。一部の態様では、フィルターハウジングの第１お
よび第２の側壁は、ガスを通過させることができる不織布媒体から実質的に構成
される。

【００２６】本発明の別の態様によると、ガスを通過させる煙フィルター配列が提供され、
この配置は、疎水性の保持部材を含んでいる第１の多孔質フィルター要素、プレ
フィルター要素および／もしくは臭気低減媒体を含んだ追加要素から構成される
第１の煙フィルターと；疎水性の保持部材を含んでいる第２の多孔質フィルター
要素、プレフィルター要素および／もしくは臭気低減媒体を含んだ追加要素から
構成される第２の煙フィルターとを備える。１態様において、保持部材はさらに
プレフィルター要素も含んでおり、各煙フィルターは、疎水性保持部材／プレフ
ィルターを含んだ多孔質フィルター要素と、臭気低減媒体を含んだ追加要素、と
から構成される。

【００２７】本発明の別の態様によると、ガスを通過させる煙フィルター配列が提供され、
この配置は、疎水性の保持部材を含んだ第１の多孔質フィルター要素から構成さ
れる第１の煙フィルターと、疎水性の保持部材を含んだ第２の多孔質フィルター
要素から構成される第２の煙フィルターとを備え、この煙フィルター配列の有効
濾過面積は少なくとも約12.9 cm² (約２in²)である。

【００２８】一部の態様において、この煙フィルター配列を備える煙フィルター装置は、少
なくとも第１の側壁と第２の側壁とを有し、第１および第２の側壁の少なくとも
１部分は可撓性でガスを通過させることができ、第１側壁の少なくとも一部は第
１煙フィルターの１表面を構成し、第２側壁の少なくとも一部は第２煙フィルタ
ーの１表面を構成する。

【００２９】本発明の各部品について、以下により詳しく説明する。類似の部品は類似の参
照番号を有する。図１〜5 は、本発明に係るフィルター装置の各種態様の組立て後の斜視図 (図
１) 、分解組立て図 (図２、４および５) 、ならびに断面図 (図３) であり、こ
こで装置は、ガス (例、煙の形態) が装置の内部に流入し、ガスフィルターを通
過し、フィルター装置のハウジングの一部を通過することができるような配置に
なっている。典型的には、各ガスフィルター (以下「煙フィルター」という) は
、ガスの通過が可能な複数の要素、例えば、１つの煙フィルター要素ならびに１
つのプレフィルター要素および／もしくは臭気低減要素、を備える。

【００３０】図２〜５に示した典型的態様では、煙フィルター装置300 は、第１の側壁５と
第２の側壁55とを有するフィルターハウジング50を備え、第１および第２の各側
壁の少なくとも一部分は可撓性 (例、柔軟性) で多孔質である。フィルター装置
300 は、第１の100 および第２の煙フィルター101 を含み、典型的には第１煙フ
ィルターと第２煙フィルターとの間に空間90を有する、フィルター配列200 を備
える。図示のフィルター装置はまた、吸気口を有する入口75を備えていて、フィ
ルター装置は、ガスが入口を通って第１および第２の煙フィルター100 と101 の
間の空間90の中に入ることができる配置になっており、その後にガスの一部は第
１煙フィルター100 と第１側壁５を通過し、ガスの別の部分は第２煙フィルター
101 と第２側壁55を通過する。

【００３１】図７ａおよび７ｂに示した態様では、フィルター装置はマニホルド700 を備え
る。図７ｂに示すように、図示の態様では、マニホルドは入口75を有し、ガスは
マニホルドと入口を通って、第１および第２の煙フィルター100 と101 の間の空
間90の中に入ることができ、その後にガスの一部は第１煙フィルター100 と第１
側壁５を通過し、ガスの別の部分は第２煙フィルター101 と第２側壁55を通過す
る。

【００３２】第１および第２の煙フィルター100, 101はそれぞれ、少なくとも１つの疎水性
の保持部材を含んだ多孔質煙フィルター要素1, 11 を備える。好ましくは、疎水
性保持部材は微生物および／またはウイルス保持部材を含む。疎水性保持部材は
典型的には少なくとも一つの膜および／または少なくとも１つのデプスフィルタ
ー(depth filter)を含む。典型的には、煙フィルターは、プレフィルター要素お
よび／または臭気低減要素といった追加要素を備える。図２および３に示した態
様では、第１および第２の煙フィルターはプレフィルター要素2, 22 および臭気
低減要素3, 33 も備え、多孔質煙フィルター要素1, 11 はプレフィルター要素2,
22 と臭気低減要素3, 33 との間に配置される。これに代えて、または加えて、
疎水性保持部材が予備濾過も与えるようにすることができる。

【００３３】好ましくは、煙フィルター配列200 はハウジング50に固定されている。例えば
、図３および７ｂに示した態様によると、第１煙フィルター100 は第１側壁５の
一部にシールされ、第２煙フィルター101 は第２側壁55の一部にシールされてい
る。図７ｂに示した態様も、第１および第２の煙フィルターの一部がマニホルド
700 の一部にシールされていることを示している。

【００３４】図４および５は、フィルター装置300 の別の２つの態様を示し、煙フィルター
は多孔質煙フィルター要素1, 11 と臭気低減要素3, 33 とを備える。図４に示し
た態様では、臭気低減要素3, 33 は多孔質煙フィルター要素1, 11 の下流側であ
り、図５に示した態様では、臭気低減要素は多孔質煙フィルター要素の上流側で
ある。

【００３５】図６は、ハウジングを持たないフィルター装置の１態様の断面図を示し、この
装置は、ガスが装置の内部に流入し、ガスフィルターを通過して装置の外部に出
ることができる配置になっている。

【００３６】煙フィルター装置300 は、導管、流量制御装置、およびコネクターの少なくと
も１つ (これらに限られないが) といった追加部品を含みうるセットの一部とし
て利用することができる。典型的には、このセットは、１つの煙フィルター装置
、少なくとも１つの導管、および少なくとも１つのコネクターを含む。図１、２
、４および５は、フィルター装置300 、コネクター550 、第１および第２の導管
501, 502、および流量制御装置600 を備えるセット500 の態様を示している。別
の態様 (例、図７ａに示すような) では、セットは、第１の導管501 とフィルタ
ー装置300 との間に少なくとも１つのコネクターを備える。適当なコネクターと
しては、これらに限られないが、ルアー取付具(luer fitting)のようなユニバー
サル取付具またはカプラー；バルブ(barb)型取付具のようなプッシュオン(push-
on) 取付具などが挙げられる。

【００３７】次に、本発明の各種態様に係る煙フィルター装置の個々の部品について説明す
ると、これらの部品は利用されるガスと適合性があり、煙の発生を含むプロトコ
ルについては、これらの部品はそのプロトコル [例、腹腔鏡、内視鏡、ソラスコ
ピー(thorascopy)、産科用ジネスコピー(gynescopy)]において発生する煙と適合
性があり、多様な材料から作製することができる。一部の態様では、部品は、例
えば、エチレンオキサイドまたはガンマ滅菌の使用をはじめとする、１種または
２種以上の消毒および／または滅菌プロトコルと適合性がある。

【００３８】装置がハウジングを備える態様では、ハウジング50は任意の適当な形状および
寸法のものでよい。好適態様において、ハウジングは軽量である。１態様におい
て、ハウジングは金型を使用せずに形成することができる。ハウジングは、例え
ば、ほぼ涙滴 (しずく) 型、丸形、楕円形、正方形、長方形または三角形でよい
。図１に示した態様では、ハウジング50は、第１および第２の２つの側壁と、開
いた端部および閉じた端部を有する、ほぼ袋様の形態をとり、開いた端部が入口
に固定 (例、シール) されている。図７ａに示した態様では、ハウジング50は、
第１と第２の側壁を有するほぼ円形の形態をとり、側壁はマニホルド700 に固定
(例、シール) されている。典型的には、第１および第２の側壁5, 55 のそれぞ
れの少なくとも一部は可撓性である。一部の態様では、各側壁の少なくとも実質
部分 (例、面積の少なくとも約50％) は可撓性であり、ハウジングの実質的に全
部を可撓性にすることもできる。

【００３９】フィルター装置は追加部品を含むことができる。例えば、ハウジングはマニホ
ルド700 を備えることができ (図７ａおよび７ｂ) 、このマニホルドは典型的に
は装置内部への１つの共通入口流路 (流入路) を与える。図７ａと、より具体的
には図７ｂに示した態様によると、第１および第２の側壁5, 55 のそれぞれの少
なくとも一部は、好ましくは可撓性である。マニホルドは可撓性でも、実質的に
不撓性でもよい。

【００４０】ガスを通過させる多様な材料がハウジングに適している。典型的には、この材
料は、プロファイル(profile、断面) が小さく、軽量でコンパクトである。例え
ば、ハウジングは、１もしくは２以上の網 (例、ポリエステルもしくはポリプロ
ピレン) ならびに／または１もしくは２以上の多孔質の織布および／もしくは不
織布材料、例えば、これらに限られないが、REEMAY (R)およびTYPAR (R)(いずれ
もReemay, Inc.) から構成することができる。ハウジングに２以上の層を含むこ
とができる。

【００４１】典型的には、ハウジング50は、一体に固定 (例、シール) された不織布材料の
１または２以上のシートから構成される。所望により、ハウジングは、１枚のシ
ートを固定前に１回または２回以上折り曲げたものから構成することができる。
ハウジングは、接着剤、溶剤、高周波シール、超音波シール、および／またはヒ
ートシールを利用して、例えば、その端部もしくは側部で、またはフィルター装
置および／もしくはセットの他の部品 (制限されないが、煙フィルター、導管、
コネクター、マニホルドもしくは口部の１もしくは２以上の部品) にシールする
ことができる。所望により、ハウジングは、煙フィルターおよび／またはセット
の１または２以上の部品へのシールを持ち、または持たずに、任意の数のシール
を含むことができる。

【００４２】煙フィルター装置がハウジングと煙フィルターとを備える態様において、煙フ
ィルターはハウジングと連合して、装置に流入したガスをフィルターとハウジン
グとを通過できるようにする。煙フィルター装置がハウジングを備えていない態
様 (例、図６に示すような) では、装置の配置は、装置に流入したガスが煙フィ
ルターを通過して装置の外部に出ることができるようになっている。

【００４３】これらの態様によると、煙フィルターは疎水性保持部材を含んだ少なくとも１
つの多孔質煙フィルター要素を含み、この保持部材は、典型的には少なくとも１
つの疎水性微孔質膜および／または少なくとも１つの疎水性デプスフィルター媒
体を含んでいる。図２〜６ (ならびに図７ｂに示したフィルター装置の態様) に
示したフィルター装置300 の態様は、２つの煙フィルター100, 101を有し、各煙
フィルターは、疎水性保持部材を含んだ多孔質煙フィルター要素1, 11 を含んで
いる。多孔質フィルター要素は、１区分(section) もしくは複数の区分を有する
ことができ、ならびに／または複数の層を含むことができる。これに代えて、ま
たは加えて、多孔質煙フィルター要素は、複数の媒体 (例、少なくとも１つの疎
水性膜と少なくとも１つの疎水性繊維質媒体) を含むことができる。

【００４４】典型的には、煙フィルター要素1, 11 は、DOP 煙透過等級が臭気低減要素の該
等級より小さい。疎水性保持部材が少なくとも１つの膜を含んでいる態様では、煙フィルター要
素1, 11 の細孔構造 (例、細孔等級または細孔寸法) は、典型的には臭気低減要
素の細孔構造より小さい。煙フィルター要素1, 11 がデプスフィルターではない
(例、フィルター要素が予備濾過を与えない) 態様の一部では、フィルター要素
の細孔構造は、別個の予備濾過要素の細孔構造より小さい。

【００４５】煙フィルター要素は、煙中の望ましくない物質の性質およびサイズ、望ましい
流量、ならびに煙フィルターの前後での許容可能な圧力降下を含む、いくつかの
因子に従って選択することができる。

【００４６】１好適態様において、煙フィルター要素は実質的に細菌の通過を防止する。さ
らにより好ましい態様では、煙フィルター要素は、ウイルスの通過も実質的に防
止する。例えば、この態様の煙フィルター要素は、煙中の細菌の少なくとも約95
％を除去でき、かつ少なくとも約４log ウイルス減少を与えることができる。よ
り好ましい態様では、煙フィルター要素は、細菌の少なくとも約99％を除去でき
(態様によっては、少なくとも約５log の細菌減少を与え) 、かつ少なくとも約
５log のウイルス減少を与えることができる。

【００４７】さらにより好ましい態様では、煙フィルター要素は本質的に100 ％の細菌を除
去でき (態様によっては、少なくとも約７log の細菌減少を与え) 、かつ少なく
とも約７log のウイルス減少を与えることができる。

【００４８】典型的には、煙フィルター要素は、少なくとも約0.3 μｍ以上の粒径の煙粒子
を少なくとも約99.97 ％除去し、より好ましくは少なくとも約0.12μｍの粒径の
煙粒子を少なくとも約99.999％またはそれ以上 (例えば、少なくとも約99.9995
％) 除去する。例として、１態様において、煙フィルター要素は、0.3 μｍおよ
び10.5 ft/分のガス流量で、少なくとも約0.03％、より好ましくは少なくとも約
0.015 ％のDOP 煙透過 (例えば、ASTM D2986-71 により測定して) の等級を有す
る。

【００４９】典型的には、煙フィルター要素が膜を備える態様において、煙フィルター要素
1, 11 は、細孔等級 (例、泡立ち点により実証されるような) が約10μｍ以下、
より好ましくは約５μｍ以下、さらにより好ましくは約２μｍ以下である。

【００５０】任意の特定の機構に拘束されるものではないが、細菌およびウイルスといった
小粒子は、煙フィルター要素の細孔寸法が粒子 (自由粒子、または液滴状態で懸
濁している粒子) の寸法より大きいことがあっても、強力な分子間力 (即ち、フ
ァンデルワールス力) を含む、拡散により煙フィルター要素により除去されると
考えられる。さらに、より大きな粒子を含む粒子は、ストレーニング (漉し) 、
慣性詰め込み(inertial impaction)、および／またはインターセプション(inter
ception)によっても除去されうる。

【００５１】典型的には、煙フィルターの有効濾過面積は少なくとも12.9 cm² (約２in²)で
あり、より好ましくは少なくとも約19.4 cm² (約３in²)である。一部の態様では
、有効濾過面積は約22.6 cm² (約3.5 in²)以上、例えば、約32.3〜約51.6 cm² (
約５〜約８in²)の範囲内、である。

【００５２】煙フィルター要素は、ガスおよび煙と適合性のある、基体、繊維または膜の形
成が可能な任意の適当な天然および／または合成材料から作製することができる
。一部の態様では、市販材料が好ましい。適当なポリマーとしては、これらに限
られないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、任意のナイロン、例、ナイロ
ン6, 6T, 11, 46, 66 および610 、ポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテ
ルスルホン(PES) 、ポリプロピレン、およびポリエステルが挙げられる。

【００５３】他の適当な材料としてはセルロース誘導体がある。また、マイクロガラス(mic
roglass)および／もしくはラミネーテドガラス(laminated glass) を包含するガ
ラス繊維のような非樹脂質材料も使用できる。

【００５４】 Pall Corportion (米国ニューヨーク州イーストヒルズ) よりSUPOR (R) およ
びPALLFLEX (R)なる商品名で入手できるものといった市販の媒体も適当である。
他の適当な市販媒体としては、これらに限られないが、H&V HOVOGLAS (R) (Holl
ingsworth & Vose Company, マサチューセッツ州イーストワルポール) およびVE
RIFLO (Enhanced Filter, カリフォルニア州ベンチュラ) が挙げられる。

【００５５】煙フィルター要素は未処理のままでもよく、またはその有効性を高めるように
処理したものでもよい。要素の表面特性は、例えば、湿式もしくは乾式酸化を始
めとする化学反応、表面へのポリマーの被覆もしくは付着、またはグラフト化反
応により変性させることができる (例、CWSTの変化、表面電荷、例えば、正電荷
もしくは負電荷、の導入、ならびに／または表面の極性もしくは親水性の変化)
。変性法としては、例えば、照射、極性もしくは荷電モノマー、表面の荷電ポリ
マーによる被覆および／もしくは架橋、ならびに表面の官能基を結合するように
化学的変性を行うことが挙げられる。グラフト化反応は、ガスプラズマ、熱、バ
ンデグラーフ発電機、紫外線、電子線、もしくは他の形態の各種放射線のような
エネルギー供給源に曝すか、またはプラズマ処理を用いた表面エッチングもしく
は付着により活性化させてもよい。煙フィルター要素は、最初は親水性であった
のを処理により疎水性にしたものでもよく、および／または煙フィルター要素は
、その疎水性を増大させるように (即ち、より疎水性にするように) 処理するこ
とができる。

【００５６】煙フィルター要素は多様な形態をとりうる。例えば、この要素は実質的に平面
状、プリーツ状、波板状、または円筒形とすることができる。前述したように、煙フィルター100, 101は、追加要素といった追加部品を包含
しうる。例えば、煙フィルターは、プレフィルター要素、臭気低減要素といった
１もしくは２以上の上流側および／もしくは下流側の要素、ならびに支持および
／もしくは排液要素を備えることができる。一部の態様では、煙フィルターの各
要素の少なくとも一部は可撓性、例えば、柔軟性である。

【００５７】煙フィルターは、１または２以上の部品が煙フィルター要素に固定、例えば、
積層している複合材料を含むことができる。これに代えて、または加えて、追加
要素は煙フィルターとは別部材とすることができる。

【００５８】好ましくは、煙フィルターは臭気低減要素も含んでいる。煙フィルターはまた
、プレフィルター要素を含んでいてもよく、または保持部材が保持および予備濾
過を与えることができる (例、保持部材が複数のデプスフィルター要素および／
または繊維質層を含むことができる) 。

【００５９】図２〜５および７ｂに示した例示態様では、煙フィルターは、疎水性部材の下
流側 (図２〜４、７ｂ) または疎水性部材の上流側 (図５) に配置された臭気低
減要素3, 33 をさらに備えている。図６に示した例示態様は臭気低減要素を備え
ていない。

【００６０】図２および３に示した態様は、プレフィルター要素2, 22 および臭気低減要素
3, 33 を備える。これらの要素のどちらも複数の層を含むことができる。好まし
くは、プレフィルター要素および臭気低減要素は非常に開放性で良好な気孔率を
有する。プレフィルター要素および臭気低減要素は任意の適当な織布または不織
布材料から構成することができ、天然および／または合成材料、例、繊維、ポリ
マー材料および／またはガラスから形成することができる。材料の例としては、
ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、炭素 (好ましくは活性
炭、例えば、木炭および／もしくはノボロイド(novoloid)繊維) ならびに／また
はマイクロガラスが挙げられる。炭素は、粒状でマトリックス中に埋設してもよ
く、または繊維状でブレンド (例、綿／セルロースのブレンド) 中に混合しても
よい。

【００６１】別個のプレフィルター要素を備える一部の態様では、プレフィルター要素は、
例えばポリマー繊維および／またはガラス繊維を包含する繊維質媒体を含む。臭気低減要素を備える一部の態様では、臭気低減要素は他の化学物質および／
または有機蒸気といった望ましくない物質の通過も低減する。例えば、臭気低減
要素を備える１例示態様において、この要素はベンゼン、ホルムアルデヒド、シ
アン化水素、およびトルエンの少なくとも１つの通過を低減することもある。

【００６２】１好適態様において、臭気低減要素は炭素媒体、好ましくは活性炭媒体、さら
により好ましくは繊維質活性炭媒体を含む。好ましい市販媒体の１例は、活性炭
ULTRASORB (R) (Enhanced Filter、カリフォルニア州ベンチュラ) であり、例え
ば繊維質または粒状ラミネートの形態である。好適な市販媒体の別の例は、AQF
(R) 媒体 (AQF Technologies、ノースカロライナ州シャーロット) であり、例え
ば三次元ポリエステル不織布構造内の活性炭の形態である。

【００６３】典型的には、臭気低減要素を備える態様では、臭気低減要素は疎水性保持部材
の下流側である。即ち、ガスは臭気低減要素を通過する前に保持部材を通過する
。しかし、例えば、図５に示すような、一部の態様では、臭気低減要素は疎水性
保持部材の上流側とすることもでき、煙フィルター中の最初の要素とすることが
できる。

【００６４】一部の態様では、煙フィルター100, 101は、１または２以上の窓あき要素(win
dow element)、例えば、図２〜６および７ｂに示した窓あき要素4, 44 をさらに
備える。１または２以上の窓あき要素は１または２以上の窓または開口部を有す
ることができる。図示した窓あき要素4, 44 の態様は窓または開口部が１つの例
である。

【００６５】窓あき要素と窓は、任意の適当な数、サイズおよび／または形状 (例、矩形、
円形、三角形、楕円形) のものとすることができる。煙フィルターは、異なる特
徴 (例、形状、サイズおよび／または窓の数) を持つ複数の窓つき要素を備える
ことができ、各窓あき要素は異なる特徴を持つ複数の窓を有することができる。

【００６６】典型的態様では、少なくとも１つの窓あき要素は、煙フィルターの複数の要素
を一体に固定するため、および／またはフィルターをハウジングに固定するため
の表面積を与える。例えば、図２、３、６および７ｂに示した態様では、煙フィ
ルター要素1, 11 およびプレフィルター要素2, 22 に固定された窓あき要素によ
り、これらの要素を一体にシールすることが可能となる。図２および３に示した
態様によると、窓あき要素により、煙フィルターをハウジングの側壁の内面にシ
ールする (煙フィルター要素と側壁との間に介在する臭気低減要素と一緒に) こ
とが可能となる。図７ｂに示した態様では、窓あき要素はマニホルド700 に固定
することもできる。

【００６７】窓あき要素はまた、入口をハウジングにシールすることも可能にする。窓あき
要素は、例えば、煙フィルター要素またはプレフィルター要素の両面のいずれに
も固定することができる。固定、例えば、シールは、例えば、接着剤、溶剤、高
周波シール、超音波シールおよび／またはヒートシールの利用を包含することが
できる。一部の態様、例えば、炭素媒体を含んでいるフィルター装置のサブ部品
またはサブアセンブリを与える一部の態様では、高周波シールはあまり望ましく
ない場合がある。

【００６８】窓あき要素を作製するのに適した典型的材料としては、これらに限られないが
、例えば、可塑化ポリ塩化ビニル(PVC) 、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカ
ーボネート、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリエチレン、エチレン−酢酸
ビニル(EVA) ならびにこれらの材料の組合わせが挙げられる。

【００６９】本発明によると、煙フィルター装置の各種態様は、患者の体腔からのガスの排
出を伴う任意の医療プロトコルに使用することができ、任意の適当なガス流量で
使用することができる。ガス流量は、一定でも変動してもよく、例えば約0.5 L/
min またはそれ以下の低い流量から、約15 L/minまたはそれ以上までの範囲に及
ぶことができる。一部の態様、例えば、煙フィルター装置を備えた煙フィルター
セットの一部の態様では、セットは、バルブ、閉止具もしくはクランプ (ネジ式
クランプとピンチ式クランプを包含する) といったガス流量制御装置をさらに備
える。一部の態様では、流量制御装置は片手で操作できる。所望により、流量制
御装置は調節可能型とすることができる。

【００７０】煙フィルター装置は、煙の発生 (例、レーザー、電気メス (焼灼) 器具、また
は超音波組織切断器具により発生) を伴うプロトコルに特に有用である。典型的
には、本発明の装置は、約６分までの累積焼灼時間またはそれ以上の時間にわた
って、約50％以下のガス流量低減率で煙を濾過することができる。一部の態様で
は、本発明の装置は、約６分までまたはそれ以上の累積焼灼時間にわたって、約
40％以下、例えば約30％以下のガス流量低減率で煙を濾過することができる。１
態様において、装置は、約６分までまたはそれ以上の累積焼灼時間にわたって、
約20％以下のガス流量低減率で煙を濾過することができる。

【００７１】本発明によると、煙フィルター装置は、煙から少なくとも１種の化学物質 (例
、煙中または煙に付随する) を低減することができ、例えば、OSHA規格以下の暴
露限界を与えることができる。煙中の存在する代表的な化学物質とその暴露限界
は、「手術の煙：今日の既知事項(Surgical Smoke: What We Nnow Today)」(Val
leylab Inc.,コロラド州ボールダー、著作権1996) に列挙されているもの、例え
ば、「表５：化学物質、暴露限界および関連する健康への影響」(12 頁) に列挙
されているもの、が挙げられる。例えば、煙フィルターの１態様は、煙から下記
化学物質の少なくとも１種を低減することができる：アセトアルデヒド、アクロ
レイン、アセトニトリル、ベンゼン、シアン化水素、一酸化炭素、ホルムアルデ
ヒド、ポリ芳香族炭化水素 (PAH)、スチレン、トルエンおよびキシレン。

【００７２】本発明に係る煙フィルター装置の各種態様は、任意の数の煙フィルター、例え
ば、１個の煙フィルター、２個の煙フィルター、または３個以上の煙フィルター
、を有することができ、煙フィルター装置はハウジングを備えていてもよく、ま
たハウジングを持たなくてもよい。煙フィルターの１部分 (例、フィルターの表
面) は煙フィルター装置の側面または端面の１部分を構成することができる。こ
れに代えて、または加えて、煙フィルター装置の１態様は、少なくとも１部分 (
例、少なくとも片側の側壁の１部分) が可撓性で、ガスを通過させることができ
るハウジングを備えることができ、この装置はガスが煙フィルターとハウジング
の可撓性部分とを通過できる配置になっている。

【００７３】さらに別の態様では、ハウジングが実質的に不撓性であるか、および／または
煙フィルターが実質的に不撓性である。ハウジングは１または２以上の開放部分
を備えていてもよく (例、装置の少なくとも片側に) 、ガスは可撓性もしくは不
撓性の煙フィルターと装置ハウジングのこの開放部分とを通過することができる
。これに代えて、または加えて、煙フィルター装置は実質的に不撓性のハウジン
グを備えることができ、煙フィルターが使用時にハウジング内で屈曲可能となる
配置にすることができる。

【００７４】

【実施例】

【００７５】

【実施例１】ほぼ図１〜３に示すような形態の煙フィルター装置を作製した。各フィルター
要素は有効直径が2.25 in (5.72 cm) の円板である。各煙フィルター要素は、20
L/minのガス流量で直径が少なくとも0.10μｍ以上の煙粒子の少なくとも99.999
％を除去するPTFE膜である。プレフィルター要素はH&V HOVOGLAS (R) (Hollings
worth & Vose Co.) 繊維要素であり、臭気低減要素はULTRASORB (R) (Enhanced
Filter) 活性炭繊維 (等級ACF-200) (基本重量200 g/m²) である。窓あき要素は
、PVC シートを直径2.25 in (5.72 cm) の中央窓を形成するように裁断したもの
である。ハウジングはREEMAY (R) (Reemay, Inc.) 不織布媒体である。導管は軟
質PVC チューブである。

【００７６】上記要素とハウジングを一緒にシールして、プレフィルター要素により囲まれ
た中心キャビティを形成する。軟質チューブをハウジング内に挿入し、これにシ
ールする。形成された柔軟なフィルター装置は、ガスがチューブから中心キャビ
ティ内に流入し、下流方向にプレフィルター要素を通過した後、煙フィルター要
素、臭気低減要素およびハウジングの側壁を通過することができる配置になって
いる。

【００７７】この煙フィルター装置を、片手で調節可能な流量制御装置、追加の導管および
ルアー取付具に連結し、その後の腹腔鏡胆嚢摘出手術 (胆嚢除去) 時に、装置の
ルアー取付具をトロカールに連結する。CO₂ガス流 (頻繁な焼灼を開始するごと
に流す) は11 L/minであり、６分の累積電気焼灼後にガス流量は15 mm Hg (0.29
psi) の一定圧力で10 L/minを十分に超えたままである (ガス流量低下率は10％
未満) 。外科医の視界は腹腔内の煙により遮られず、処置を中断して腹部から煙
を排出する必要はない。煙フィルター装置を通って出てくるガスに知覚しうる臭
気はない。

【００７８】本例は、本発明に係る煙フィルター装置が電気焼灼手術中の煙の濾過に使用す
るのに適していることを示している。

【００７９】

【実施例２】実施例１に記載したようにして煙フィルター装置を作製する。煙フィルター装置を、片手で調節可能な流量制御装置、追加の導管およびルア
ー取付具に連結し、その後の腹腔鏡胆嚢摘出手術 (胆嚢除去) 時に、装置のルア
ー取付具をトロカールに連結する。CO₂ガス流 (頻繁なハーモニックスカルペル
(Harmonic Scalpel)(R) の使用を開始するごとに流す) は11 L/minであり、９分
の累積ハーモニックスカルペル使用後に、ガス流量は15 mm Hg (0.29 psi) の一
定圧力で9 L/min を超えたままである (ガス流量低下率は20％未満) 。外科医の
視界は腹腔内の煙霧により遮られず、処置を中断して腹部から煙霧を排出する必
要はない。煙フィルター装置を通って出てくるガスに知覚しうる臭気はない。

【００８０】本例は、本発明に係る煙フィルター装置がハーモニックスカルペル(R) の使用
に対して煙の濾過に使用するのに適していることを示している。

【００８１】

【実施例３】本例は、本発明に係る煙フィルター装置が焼灼煙中の揮発性有機化学物質を除
去できるか否かを示すものである。

【００８２】３種類の態様の煙フィルター装置を作製し、試験する。第１の装置は、ほぼ実
施例１に記載したように作製するが、但し流量制御装置と追加の導管は連結しな
い。第２の装置は、類似の形態を持つが、臭気低減要素が、実施例１で利用した
ULTRASORB (R) 媒体ではなく、基本重量600 g/m²のAQF (R) 媒体2750 (AQF Tech
nologies, ノースカロライナ州シャーロット) である。

【００８３】第３の装置は、ほぼ図４に示した形態を持ち、煙フィルター要素は２つのH&V
HOVOGLAS (R)繊維要素であり、臭気低減要素は、基本重量200 g/m²のULTRASORB
(R) 活性炭繊維 (等級ACF-200)である。本装置は膜を含んでいない。窓あき要素
、ハウジング (およびそのシール) 、ならびに導管は、実施例１に記載の通りで
ある。

【００８４】これらの煙フィルター装置を別個に試験チャンバーに連結する。試験チャンバ
ーは２つのトロカールスリーブ・アクセス口を有する蓋部を備える。二酸化炭素
キャニスターを注入器に連結し、注入チューブセットにより注入器をチャンバー
に連結する。

【００８５】第１のトロカールを用いて、焼灼メスを一方のトロカールスリーブ・アクセス
口を通してチャンバー内に入れて煙を発生させ、他方のトロカールスリーブ・ア
クセス口は、濾過サンプルまたは対照サンプルのいずれかの採取口として使用す
る。フィルター装置は、採取口に第２のトロカールを介して取り付ける。各試験
に対して、Tenax TAポリマー樹脂で処理した加工チューブ (Scientific Instrum
ent Services、ニュージャージー州リンゴーズ) をフィルター装置の下流側に配
置して対象の化学物質を吸収し、ポリマー処理チューブを取り外し、樹脂を脱着
して対象の化学物質を定量する。チューブは下記物質を定量するように準備する
：３−メチル−２−ブテナール、ベンゼン、スチレン、トルエンおよびエチルベ
ンゼン。

【００８６】試験チャンバーの底板上に牛レバーを置き、チャンバーをシールする。注入器
の運転を開始し、最大充填流量40 L/minで15 mm Hgにセットする。トロカール口
をストップコックにより閉じる。10秒の焼灼バーストによりチャンバー内が曇り
、６回のバーストを引き起こして１分の累積合計煙時間を与える。各バースト後
に、トロカールのストップコックを開け、ガスがアクセス口およびフィルター装
置を約30秒間通過できるようにする。その後、ストップコックを閉じる。注入器
を通る全ガス流量を記録した後、ポリマー処理チューブを取り外して脱着のため
に保管する。

【００８７】その後、フィルター装置を取り外し、対照チューブを取り付ける。別の１分間
の煙を付与し、前述したようにアクセス口を通過させ、ポリマー処理チューブを
取り外して脱着のために保管する。

【００８８】その後、フィルター装置を再び連結し (ポリマー処理チューブなしに) 、別の
１分間の煙をフィルターに通す。その後、試験チャンバーをきれいにし、ポリマ
ー処理チューブを連結する。別の１分間の煙を前述したように付与し (フィルタ
ーに対する煙の累積合計は３分間) 、チューブを取り外して脱着のために保管す
る。

【００８９】その後、フィルター装置を取り出し、別の対照チューブを取り付ける。別の１
分間の煙を前述したように付与し、このチューブを取り外して脱着のために保管
する。

【００９０】上記プロセス、即ち、フィルターおよび対照 (フィルターなし) によるプロセ
スを、対象とする各物質の試験ごとに新たなフィルターを用いて繰り返す。結果を下記の表１に示す。

【００９１】

【表１】

【００９２】特に、焼灼中に発生する悪臭 (腐敗臭) のかなりの部分の原因物質であると考
えられる３−メチル−２−ブテナールに関して、本発明の煙フィルター装置は、
１分目と３分目のどちらの暴露時間でも、３−メチル−２−ブテナールを検出レ
ベル以下まで低減させるのに対し、対象での該レベルは23〜42 ng の範囲内であ
る。濾過したサンプルでは臭いは検出されないのに対し、対象サンプルではいず
れも臭いが検出される。

【００９３】表に示したように、３−メチル−２−ブテナールの低減に加えて、これらの態
様の煙フィルター装置は下記の有機物質の濃度を低減した：ベンゼン、スチレン
、およびトルエン。

【００９４】本例は、本発明に係る煙フィルター装置が、焼灼中に発生する悪臭の一部の原
因と考えられる揮発物質の一部を含む、有機揮発物質を除去することを示してい
る。

【００９５】出版物、特許および特許出願を含む、本明細書に引用した参考文献の全てをこ
こに参考のためにそれらの全体を援用する。本発明を以上に例示および具体例としてある程度詳細に説明したが、本発明は
各種の改変および変更形態をとることができ、記載した具体的態様に制限される
ものではないことは当然である。これらの具体例は本発明を制限するものではな
く、本発明は本発明の範囲内の全ての改変、均等例および変更例を包含すること
も理解されよう。

【図面の簡単な説明】

【図１】組立てた煙フィルター装置の１態様の斜視図。

【図２】本発明に係る煙フィルター配列を備えた煙フィルター装置の１態様の分解組立
図。

【図３】図２に示した煙フィルター配列を備えた、図１に示した態様の３−３線に沿っ
た断面図。

【図４】本発明に係る煙フィルター配列を備えた煙フィルター装置の別の態様の分解組
立図。

【図５】本発明に係る煙フィルター配列を備えた煙フィルター装置の別の態様の分解組
立図。

【図６】本発明に係る煙フィルター装置の別の態様であって、装置がハウジングを備え
ておらず、装置の第１の側壁の一部が第１の煙フィルターの表面を構成し、装置
の第２の側壁の一部が第２の煙フィルターの表面を構成する態様の断面図。

【図７】装置が吸気口を含んだむマニホルドを備える組立てた煙フィルター装置の別の
態様の平面図 (図7a) および断面図 (図7aの7b−7b線に沿った、図7b) 。

【符号の説明】

1, 11:煙フィルター要素、2, 22:プレフィルター要素、3, 33:臭気低減要素、4,
44:窓あき要素、5, 55:側壁、50: ハウジング、75: 入口、90: 空間、100, 101
: 煙フィルター、200:煙フィルター配列、300:フィルター装置、500:フィルター
セット、501, 502: 導管、600:流量制御装置、700:マニホルド

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】壁面の少なくとも一部分が可撓性で、ガスの通過が可能であ
る少なくとも１つの壁面、ならびに疎水性の保持部材を含んだ少なくとも１つの多孔質フィルター要素を備え、第
１面とその反対側の第２面とを有する、ガスフィルター、を備えるガスフィルター装置であって、前記壁面の可撓性部分が前記ガスフィル
ターの第２面を構成し、ガスが前記ガスフィルターと前記壁面の可撓性部分とを
通過できる配置になっている、ガスフィルター装置。
【請求項２】内部キャビティを有し、かつ壁面の少なくとも一部分が可撓
性で、ガスの通過が可能である少なくとも１つの壁面を有する、フィルターハウ
ジング、ならびに疎水性の保持部材を含んだ少なくとも１つの多孔質フィルター要素を備えるガ
スフィルター、を備えるガスフィルター装置であって、ガスが前記ガスフィルターと前記ハウジ
ングの壁面の可撓性部分とを通過できる配置になっているガスフィルター装置。
【請求項３】内部キャビティを有し、かつ少なくとも第１の側壁と第２の
側壁とを有し、第１および第２の側壁のそれぞれ少なくとも一部分が可撓性で、
ガスの通過が可能である、フィルターハウジング、ならびに少なくとも第１の多孔質フィルター要素と第２の多孔質フィルター要素とを備
え、第１および第２のフィルター要素がそれぞれ疎水性の保持部材を含んでいる
、煙を濾過できるガスフィルター、を備えるガスフィルター装置であって、ガスが前記第１の多孔質フィルター要素
と前記ハウジングの第１の側壁とを通って前記内部キャビティに流れ込むことが
できる配置になっているガスフィルター装置。
【請求項４】フィルター装置が、ガスが前記第２の多孔質フィルター要素
と前記ハウジングの第２の側壁とを通って前記内部キャビティに流れ込むことも
できる配置になっている、請求項３記載のフィルター装置。
【請求項５】ハウジングの壁面が不織布媒体を含んでいる、請求項２〜４
のいずれか１項に記載のフィルター装置。
【請求項６】装置が実質的に可撓性である、請求項１〜５のいずれか１項
に記載のフィルター装置。
【請求項７】可撓性部分を含んでいる壁面が側壁を構成している、請求項
１または２記載のフィルター装置。
【請求項８】保持部材が少なくとも１つの繊維質媒体を含んでいる、いず
れかの先行請求項に記載のフィルター装置。
【請求項９】保持部材が少なくとも１つのデプスフィルターを含んでいる
、請求項８記載のフィルター装置。
【請求項１０】保持部材が少なくとも１つの膜を含んでいる、いずれかの
先行請求項に記載のフィルター装置。
【請求項１１】臭気低減媒体を含んだ少なくとも１つのフィルター要素を
さらに備える、いずれかの先行請求項に記載のフィルター装置。
【請求項１２】臭気低減媒体が活性炭を含んでいる、請求項11記載のフィ
ルター装置。
【請求項１３】装置が、約６分までの累積煙の間、約50％以下のガス流量
低下率で煙を濾過することができる、いずれかの先行請求項に記載のフィルター
装置。
【請求項１４】疎水性の保持部材を含んでいる第１の多孔質フィルター要
素と、臭気低減要素と、を備える煙フィルターであって、少なくとも約３分の累積煙の間、約50％以下の
ガス流量低下率でガスを通過させることができる煙フィルター。
【請求項１５】疎水性の保持部材を含んでいる第１の多孔質フィルター要
素と、プレフィルター要素と、を備える煙フィルターであって、細菌の通過を防止しながら、ガスを通過させる
ことができる煙フィルター。
【請求項１６】疎水性の保持部材を含んでいる第１の多孔質フィルター要
素と、第１の多孔質要素の下流側の、臭気低減媒体を含んでいる追加のフィルター
要素と、を備える煙フィルター。
【請求項１７】疎水性の保持部材を含んでいる第１の多孔質フィルター要
素と、繊維質媒体を含んでいるプレフィルター要素と、活性炭媒体を含んでいる追加のフィルター要素とを備える煙フィルターであって、第１フィルター要素がプレフィルター要素と追
加フィルター要素との間に位置する煙フィルター。
【請求項１８】複数のフィルター要素が一緒にシールされている、いずれ
かの先行請求項に記載の煙フィルター。
【請求項１９】不織布媒体にシールされている、いずれかの先行請求項に
記載の煙フィルター。
【請求項２０】疎水性の保持部材を含んでいる第１の多孔質フィルター要
素を備えた第１の煙フィルターと、疎水性の保持部材を含んでいる第２の多孔質フィルター要素を備えた第２の煙
フィルターと、を備える煙フィルター配列。
【請求項２１】疎水性の保持部材を含んでいる第１の多孔質フィルター要
素を備えた第１の煙フィルターと、第１煙フィルターと流体連通している、プレ
フィルター要素および／もしくは炭素媒体を含んだ追加要素、ならびに疎水性の保持部材を含んでいる第２の多孔質フィルター要素を備えた第２の煙
フィルターと、第２煙フィルターと流体連通している、プレフィルター要素およ
び／もしくは炭素媒体を含んだ追加要素、を備えた、煙フィルター配列。
【請求項２２】フィルターハウジングの上流側に、装置へのガスの流量を
制御するガス流量制御装置をさらに備える、いずれかの先行請求項に記載のフィ
ルター装置。
【請求項２３】いずれかの先行請求項に記載の煙フィルター装置、および
フィルターハウジングへのガスの流量を制御するガス流量制御装置、を備える、
煙フィルターセット。
【請求項２４】 15 mm Hg圧力で少なくとも約１L/min のガス流量で使用す
るのに適合した、請求項22記載のフィルター装置または請求項23記載の煙フィル
ターセット。
【請求項２５】有効濾過面積が少なくとも約２in²(12.9 cm²)である、い
ずれかの先行請求項に記載のフィルター、フィルター装置、またはフィルター配
列。
【請求項２６】保持部材が可撓性である、いずれかの先行請求項に記載の
フィルター、フィルター装置、またはフィルター配列。
【請求項２７】フィルターが可撓性である、請求項26記載のフィルター、
フィルター装置、またはフィルター配列。
【請求項２８】疎水性の保持部材を含んだ少なくとも１つの多孔質フィル
ター要素を備えた煙フィルターを有する煙フィルター装置であって、前記フィル
ター要素は有効濾過面積が少なくとも約２in²(12.9 cm²)であり、煙フィルター
装置が、少なくとも約３分の累積煙の間、約50％以下のガス流量低下率で煙を濾
過するのに適合している煙フィルター装置。
【請求項２９】ハウジングをさらに備え、煙フィルターがハウジング内に
配置されている、請求項28記載の装置。
【請求項３０】煙フィルターが可撓性である請求項28または29記載の装置
。
【請求項３１】ハウジングが実質的に不撓性である請求項29記載の装置。
【請求項３２】煙フィルターが実質的に不撓性である請求項29または30記
載の装置。
【請求項３３】ハウジングが少なくとも１つの側壁を有し、装置の配置が
、ガスが煙フィルターとハウジングの側壁とを通過して流れることができるよう
になっている、請求項29記載の装置。
【請求項３４】請求項１〜33のいずれかに記載のフィルターにガスを通す
ことを含む、ガスの濾過方法。
【請求項３５】側壁とガスフィルターとを有するガスフィルター装置にガ
スを通過させることを含むガスの濾過方法であって、ガスフィルター装置のガス
の通過が、ガスフィルターと側壁の一部とをガスが通過することを含む方法。
【請求項３６】少なくとも第１の側壁と第２の側壁とを有し、第１および
第２の側壁のそれぞれ少なくとも一部分がガスの通過が可能であるハウジングを
備えたガスフィルター装置にガスを通過させることを含み、前記装置は、少なくとも第１の多孔質フィルター要素と第２の多孔質フィルタ
ー要素とを含み、第１および第２のフィルター要素がそれぞれ疎水性の保持部材
を含んでいる、煙を濾過するのに適合したガスフィルターを備え、前記フィルター装置は、ガスが前記第１および第２の多孔質フィルター要素と
前記ハウジングの第１および第２の側壁の少なくとも一部とを通って装置内に流
れ込むことができる配置になっている、ガスの濾過方法。
【請求項３７】ガスを患者の体腔内に送り込み、そして体腔からのガスを、側壁とガスフィルターとを有するガスフィルター装置を通
過させることを含み、ガスフィルター装置のガスの通過が、前記ガスフィルター
と前記側壁の一部とをガスが通過することを含む、ガスの濾過方法。
【請求項３８】ガスフィルター装置のガスの通過が、ガスからの煙の低減
を含む、請求項35〜37のいずれか１項に記載の方法。
【請求項３９】手術中に煙が発生し、そして発生した煙を煙除去フィルターに通して煙が低減したガスを与えることを含む
、手術中の煙の除去方法。
【請求項４０】フィルターのガスの通過が、ガスの臭気の低減を含む、請
求項34〜39のいずれか１項に記載の方法。
【請求項４１】フィルターのガスの通過が、ガス中の少なくとも１種の化
学物質の濃度を低減させることを含む、請求項34〜40のいずれか１項に記載の方
法。
【請求項４２】フィルターのガスの通過が、ガス中の煙霧の濃度を低減さ
せることを含む、請求項34〜41のいずれか１項に記載の方法。