JP2002531088A - 主要拒絶抗原 - Google Patents

主要拒絶抗原

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JP2002531088A
JP2002531088A JP2000585400A JP2000585400A JP2002531088A JP 2002531088 A JP2002531088 A JP 2002531088A JP 2000585400 A JP2000585400 A JP 2000585400A JP 2000585400 A JP2000585400 A JP 2000585400A JP 2002531088 A JP2002531088 A JP 2002531088A
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hla
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アリーン・ヴァン・ペル
フランシス・ブラッセール
エティエンヌ・ドゥ・プラエン
ティエリー・ブーン
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Abstract

(57)【要約】 主要組織適合遺伝子複合体分子型HLA−A2、好ましくはHLA−A2.1と複合体を形成可能な配列番号1または2に由来するアミノ酸の未破壊配列を含むポリペプチド。当該ポリペプチドまたはタンパクをコードするヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子であって、前記ヌクレオチド配列が配列番号3、4、5、6または7のいずれかに記載された配列ではない、単離された核酸分子。さらには、主要組織適合分子、HLAと複合体形成し、APC、好ましくは樹状細胞の表面に提示された、当該ポリペプチドまたはタンパクを含む、腫瘍の予防、治療または診断用の薬学的組成物であって、前記複合体が、前記APCをポリペプチドまたはタンパクを用いてパルスすることによって形成される薬学的組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、腫瘍細胞において発現されたポリペプチドおよびタンパク、並びに
、かかるポリペプチドおよびタンパクをコードする核酸分子に関する。また、本
発明は、かかるポリペプチドおよびタンパクを発現するための発現ベクターと宿
主細胞、並びに、かかるポリペプチドまたはタンパクに選択的に結合する、また
は、特異的なポリペプチド結合剤にも関する。さらに、本発明は、疾患、好まし
くはガンを、かかるポリペプチド、タンパク、核酸、ポリペプチド結合剤、発現
ベクターまたはトランスフォームされた宿主細胞を用いて、処置および診断する
方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】
腫瘍細胞をその正常な細胞から区別する表現型の変化は、多くの場合、細胞の
ゲノムに対する一以上の変化の結果である。腫瘍細胞で発現されるが、その正常
な細胞では発現されない遺伝子は、“腫瘍特異的”または“腫瘍関連”遺伝子と
呼ばれる。これらの腫瘍特異的または関連遺伝子は、腫瘍表現型のマーカーとな
りうる。
【0003】 哺乳動物の免疫システムが、外因性または異質物質を認識し、反応する工程は
、複雑である。このシステムの重要な一面は、細胞溶解性Tリンパ球(CTL)
またはT細胞の反応である。CTLは、ヒトリンパ球抗原(“HLA”)または
主要組織適合遺伝子複合体分子(“MHC”分子)と称される、細胞表面分子の
複合体、および、このHLA/MHC複合体を有する細胞内に由来するより大き
な分子から誘導された他のペプチドを認識して相互作用する。これについては、
Maleら,Advanced Immunology (J.P.Lipincott Company, 1987)、特に6−10章
およびC.A.Janewayら,Immuno Biology third ed.(Current Biology Ltd.1997)を
参照。T細胞とHLA/ペプチド複合体との相互作用は制限されており、HLA
分子とペプチドの特別な組合せに特異的なT細胞を必要とする。特異的CTLが
存在しない場合には、そのパートナーの複合体が存在してもT細胞反応は起こら
ない。同様に、特異的複合体が存在しなければ、CTLが存在しても、反応は起
こらない。このメカニズムは、外因性物質に対する免疫システムの反応、自己免
疫疾患、および、細胞異常に対する応答に関与する。タンパクがHLA結合ペプ
チドへと処理されるメカニズムに、多くの研究が集中した。これについては、Ba
rinaga,Sciece 257:880,1992; Fremontら,Science 257:919, 1992; Matsumuraら
,Science 257:927,1992; Latronら,Science 257:964,1992を参照。
【0004】 T細胞が細胞以上を認識するメカニズムは、ガンにも関与する。腫瘍細胞の表
面におけるHLA/ペプチド複合体として提示されるペプチドへと処理される遺
伝子の多数のファミリーは、その結果、細胞が特異的CTLにより溶解され、見
出された。これらの遺伝子は、“腫瘍拒絶抗原前駆体(tumour rejection antige
n precursors)”または“TRAP”分子をコードすると言われ、HLAと複合
体形成する、これから誘導されたペプチドは、“腫瘍拒絶抗原(tumour rejectio
n antigens)”または“TRA”と称される。この分野に多くの努力がなされ、
T細胞に認識される多くのヒト腫瘍拒絶抗原(TRAPとTRAの両方)が同定
された(Van den Eynde, B.J.およびP.van der Bruggen, 1997, Curr.Opin.Immu
nol.9:684)。中でも、遺伝子MAGE−1にコードされたTRAPは、患者M
Z2から誘導されたメラノーマ細胞の存在下で、同じ患者の血液リンパ球を培養
することによって最初に定義された。CTLクローンのパネルを混合リンパ球腫
瘍細胞培養(MLTC)技術によって作製し、これらのクローンの一つが、HL
A−A1に提示されたMAGE−1 TRAPから誘導されたノナペプチドTR
Aを認識した(van der Bruggen, P.,C.ら,1991,Science(Wash.DC).254:1643-16
47; Traversari, C.,ら,1992, J.Exp.Med.176:1453-1457およびWO92/20356)。
後に、MAGE−1が、少なくとも17の関連遺伝子のファミリー、すなわちM
AGE−1から−12(現在、MAGE−A1ないし−A12と呼ばれる)(De
Plaen,E.,ら1994,Immunogenetics,40:360-369)、MAGE−BIから−B4(
Muscatelli,F.,ら,1995,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.92:4987-4991; Dabovic,B.,ら
,1995,Mammalian Genome,6:571-580;およびLurquin, C.,ら,1997,Genomics.46:3
97-408)、およびMAGE−C1(Lucas,S.,ら,1998,Cancer Res.58:743-752)
に属することが見出された。
【0005】 このファミリーの遺伝子は、異なる組織学的タイプの種々の腫瘍において発現
されるが、精巣および胎盤を除いて正常組織では完全にサイレントである(De P
laen,E.,ら,1994,Immunogenetics.40:360-369;Dabovic,B.,ら,1995, Mammalian
Genome.6:571-580;Lurquin,C.,ら1997,Genomics.46:397-408;およびLucas,S.,ら
,1998,Cancer Res.58:743-752)。しかしながら、精巣の生殖細胞と胎盤の栄養
芽層は、MHCクラス1分子を発現せず(Haas,G.G.Jr.,ら,1988,Am.J.Reprod.I
mmunol.Microbiol.18:47-51)、これらの組織における遺伝子発現は、抗原発現
を誘導しない。確かに、オスのマウスをマウスP1A遺伝子によってコードされ
る抗原(ヒトのMAGE遺伝子と同じ発現パターンを有する、すなわち、腫瘍、
精巣および胎盤において発現されるが、別の正常な組織ではサイレントである)
で免疫化すると、精巣炎症または生殖能力の変更を引き起こさない、強いP1A
−特異的CTL反応がもたらされた(Uyttenhoveら,C.,C.ら,1997,Int.J.Cancer
.70:349-356)。それゆえ、MAGE遺伝子によってコードされた抗原は、ガン
のワクチンベース免疫療法の適切な候補であり、かつ、ある細胞をそのように処
置可能な腫瘍細胞として同定するための手段を提供するマーカーとして適切な候
補である。
【0006】 しかしながら、今のところ、混合されたリンパ球腫瘍細胞培養(MLTC)か
ら誘導された自己CTLを使用することにより、MAGE−A1、−A3および
−A6によってコードされたTRAを同定可能であることしか証明されておらず
、また、先の遺伝子発現アッセイは、CTL認識にはあまりに低いレベルでMA
GE−A10が腫瘍に発現されることを示唆した。これら全てのCTLは、一人
の患者、MZ2のみから得られた(Traversari,C.,ら,1992,J.Exp.Med.176:1453
-1457; van der Bruggen,P.,ら,1994,Eur.J.Immunol.24:2134-2140; Gaugler,B.
,ら,1994,Exp.Med.179:921-930;De Plaen,E.,ら,1994, Immunogenetics.40:360-
369;およびP.van der Bruggen,unpublished data)。しかしながら、本発明者等
は、別のメラノーマ患者から自己CTLクローンを得ることができた(LB17
51)。これは、従来未知であった、MAGE−A10およびMAGE−A8に
よってコードされたTRAを提示したHLA−A2.1を認識し、同定を可能に
する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題および課題を解決するための手段】
従って、本発明は、MHC分子型HLA−A2、好ましくはHLA−A2.1
と複合体を形成可能な配列番号1(図7)または配列番号2(図8)に由来する
アミノ酸の未破壊配列を含むポリペプチドを提供する。本発明に係るポリペプチ
ドは、ヒトのリンパ球から免疫応答を引き出すことができる、配列番号1または
2のアミノ酸の未破壊配列を含む。
【0008】 本発明に係るポリペプチドは、配列番号1または2からのアミノ酸配列の未破
壊配列を有するノナペプチドを含むことができ、ここで、N末端アミノ酸に隣接
するアミノ酸はLまたはM、好ましくはLであり、かつ、C末端アミノ酸はL、
VまたはI、好ましくはLである。好ましくは、3位のアミノ酸がYであり、か
つ/または4位のアミノ酸がDであり、かつ/または5位のアミノ酸がGであり
、かつ/または、7位のアミノ酸がEであり、かつ/または、8位のアミノ酸が
Hである。アミノ酸の位置は、N末端からC末端へと番号が付され、N末端アミ
ノ酸が1位である。上記ポリペプチドは好ましくは、MHC分子型HLA−A2
、好ましくはHLA−A2.1と複合体を形成可能である。
【0009】 本発明は、好ましくは、アミノ酸配列FLLFKYQMK(配列番号48)、
FIEGYCTPE(配列番号49)およびGLELAQAPL(配列番号50
)を有するノナペプチドを含まない。
【0010】 本発明のポリペプチドは、選択的に、上記ノナペプチド、そして好ましくは、
配列番号1または2からのアミノ酸の未破壊配列を含むデカペプチドであっても
よい。好ましい実施態様において、ノナペプチドは、アミノ酸配列GLYDGM
EHL(配列番号42)またはGLYDGREHS(配列番号43)を有し、好
ましくはGLYDGMEHL(配列番号42)を有する。具体的に、デカペプチ
ドは、アミノ酸配列GLYDGMEHLI(配列番号44)またはGLYDGR
EHSV(配列番号45)とすることができ、好ましくはGLYDGMEHLI
(配列番号44)とすることができる。
【0011】 さらなる態様において、本発明は、上記ノナペプチドまたはデカペプチドを含
む約93アミノ酸までの長さのポリペプチドまたはタンパクを含む。かかるポリ
ペプチドまたはタンパクは、配列番号1または2、好ましくは配列番号1からの
アミノ酸の未破壊配列を含む、もしくは当該配列からなることができる。
【0012】 本発明にかかるポリペプチドは、好ましくは、MHC分子型HLA−A2、好
ましくはHLA−A2.1と複合体形成した際に、ヒトリンパ球から免疫応答を
引き出せることが好ましい。この免疫応答は、好ましくは、ヒトTリンパ球、好
ましくはCD8T細胞からの細胞溶解反応である。
【0013】 さらなる態様において、本発明は、上記ポリペプチドを含むポリペプチドまた
はタンパクを提供し、前記ポリペプチドまたはタンパクのアミノ酸配列は、配列
番号1および2に記載された完全配列、または配列番号7(図13)のヌクレオ
チド334−918にコードされた完全配列のいずれでもない。
【0014】 また、本発明は、上記ポリペプチドまたはタンパクのいずれかに対して機能的
に等価な相同物であるポリペプチドまたはタンパクにまで拡大されるが、前記ポ
リペプチドまたはタンパクのアミノ酸配列が、配列番号1および2のいずれかに
記載された完全配列、または配列番号7のヌクレオチド334−918にコード
された完全配列ではないことを条件とする。本発明の実施態様において、ポリペ
プチドは、MHC分子型 HLA−A2、好ましくはHLA−A2.1と複合体
形成され得る。
【0015】 別の態様において、本発明は、本発明の上記態様にかかるポリペプチドまたは
タンパクをコードするヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含む核
酸分子を提供し、ここで前記ヌクレオチド配列は、配列番号3(図9)、配列番
号4(図10aおよび10b)、配列番号5(図11aおよび11b)、配列番
号6(図12)および配列番号7(図13)のいずれかに記載されるような完全
配列ではない。かかる核酸分子は、配列番号3、4または5からのヌクレオチド
の未破壊配列または相補配列、もしくは前記核酸分子のRNA転写物を含むこと
ができる。
【0016】 好ましい実施態様においては、かかる核酸分子は、複数のエピトープまたはポ
リトープ(polytope)をコードすることができる。
【0017】 さらなる態様において、本発明は、プロモーターに機能的に連結された上記核
酸分子を含む発現ベクターを提供する。本発明にかかる発現ベクターは、MHC
分子型 HLA−A2、好ましくはHLA−A2.1、サイトカインまたは共刺
激分子をコードするヌクレオチド配列、または、細菌性またはウイルス性ゲノム
もしくはその一部を含むことができる。
【0018】 さらなる態様において、本発明は、本発明にかかる発現ベクターを用いてトラ
ンスフォームまたはトランスフェクトされた宿主細胞に関する。かかる宿主細胞
は、MHC分子型 HLA−A2、好ましくはHLA−A2.1、および/また
は、サイトカインまたは共刺激分子をコードする発現ベクターでトランスフォー
ムまたはトランスフェクトされてもよい。
【0019】 さらに別の態様において、本発明は、本発明にかかる単離されたポリペプチド
またはタンパクに選択的に結合できる、または特異的な、ポリペプチド結合剤を
提供する。本発明にかかるポリペプチド結合剤は、本発明にかかる単離されたポ
リペプチドに特異的な、抗体、好ましくはモノクローナル抗体または抗体フラグ
メントを含むことができる。好ましくは、かかるポリペプチド結合剤は、本発明
にかかるポリペプチドと、MHC分子型 HLA−A2、好ましくはHLA−A
2.1との複合体には選択的に結合できる、または特異的であるが、主要組織適
合分子のみには結合しないものとすることができる。さらに、本発明にかかるポ
リペプチド結合剤は、MHC分子型 HLA−A2、好ましくはHLA−A2.
1と複合体形成した本発明にかかるポリペプチドを有する細胞を認識して選択的
に溶解するCTLとCTLクローンを含む。
【0020】 別の態様において、本発明は、疾患、好ましくは腫瘍の治療、予防または診断
における、本発明にかかるポリペプチドまたはタンパク、単離された核酸分子、
発現ベクター、宿主細胞、またはポリペプチド結合剤の使用に関する。かくして
、本発明は、任意に薬学的に許容できるキャリアーとの混合物形態で、本発明に
かかるポリペプチドまたはタンパク、核酸分子、発現ベクター、宿主細胞、また
はポリペプチド結合剤を含み、任意に腫瘍組織適合分子の分子型 HLA−A2
、好ましくはHLA−A2.1をさらに含む、疾患、好ましくは腫瘍の予防、治
療または診断用の薬学的組成物にも関する。かかる薬学的組成物は、抗腫瘍ワク
チンとして用いることができる。任意に、本発明にかかる薬学的組成物は、別の
TRAまたはTRAP、別のTRAまたはTRAPを発現する発現ベクターまた
は宿主細胞、もしくは別のTRAまたはTRAPに特異的なポリペプチド結合剤
を含むことができる。別の実施態様では、本発明にかかる薬学的組成物は、さら
に共刺激分子を含むことができる。
【0021】 好ましい実施態様では、本発明にかかる薬学的組成物は、本発明にかかるポリ
ペプチドでパルスされて、腫瘍組織適合分子、HLAとの複合体として前記ペプ
チドをその表面に提示した抗原提示細胞(APC)、好ましくは樹状細胞を含む
【0022】 別の態様では、本発明は、ペプチド-パルス化抗原提示細胞を提供する。
【0023】 さらなる態様においては、本発明は、疾患、好ましくはガンの診断方法に関し
、患者から単離された生物学的サンプルを、本発明にかかるポリペプチドまたは
タンパク、もしくは本発明にかかる核酸分子に特異的な薬剤と接触させること、
および、疾患の測定として、サンプル中のあらゆるポリペプチド、タンパクまた
は核酸分子と前記試薬との間の相互作用をアッセイすることを含む。本発明のか
かる態様において用いられるこのポリペプチド結合剤は、本発明の上記態様にか
かるポリペプチド結合剤とすることができる。
【0024】 また、本発明は、腫瘍細胞に対して反応性の細胞溶解性T細胞培養反応を生じ
る方法にも関する。かかる方法は、個人からリンパ球サンプルを取り出す工程、
次いで、このリンパ球サンプルを本発明にかかるポリペプチドまたはタンパク、
本発明にかかる発現ベクター、または本発明にかかる宿主細胞と培養する工程を
含むことができる。本発明にかかるポリペプチドまたはタンパクを含む抗原を発
現する腫瘍細胞に対して反応性の細胞溶解性T細胞を含む生成物は、疾患、好ま
しくは腫瘍の予防、治療または診断に使用することができ、これも、特に上記方
法により得られた、または得られる場合に、本発明に含まれる。
【0025】 上述したように、本発明は、発現ベクターを使用して、宿主細胞および細胞系
統をトランスフォームまたはトランスフェクトすることを含むことができる。か
くして、本発明にかかるコードDNA配列を、宿主細胞において本発明にかかる
ポリペプチドまたはタンパク(DNA配列によりコードされたもの)の発現に適
した発現ベクターに導入することができる。適切なベクターは、細菌性プラスミ
ド、ファージDNA、コスミド、酵母プラスミドおよびウイルスDNA、例えば
ポックスウイルス(例:ワクシニア)、レトロウイルス、バキュロウイルスおよ
びアデノウイルスDNAを含む。この方法は、一般に、発現されるDNA配列を
、mRNA合成用のプロモーターに機能的に連結されるように適切な制限エンド
ヌクレアーゼ部位に挿入することを含む。コード配列および制御配列、例えばプ
ロモーター配列は、制御配列の影響下または制御下にコード配列の発現または転
写をおくように共有結合された場合に、“機能的に”連結されると考えられる。
得られたベクターを、適切な宿主細胞をトランスフォームまたはトランスフェク
トするために用いて、その宿主細胞に必要なポリペプチドまたはタンパクを発現
させることができる。適切な宿主細胞は、より高度な真核細胞、例えば、哺乳動
物細胞および昆虫細胞とすることができ、また、より低級の真核細胞、例えば酵
母細胞、もしくは細菌細胞のような原核細胞とすることができる。例としては、
大腸菌(E.coli)、ボウズ(Bowes)メラノーマ、CHOおよびCOS細胞を含む。
適切な宿主の選択と、その宿主細胞にベクターを導入する方法は、当業者の知識
の範囲内の事項である。しかしながら、適切な技術、原核および真核宿主と共に
用いるためのクローニングおよび発現ベクターについては、Sambrookら,Molecul
ar Cloning, A Laboratory Manual, Second edition, Coldspring Harbour, NY,
1989に記載されている。
【0026】 本発明にかかる発現ベクターは、本発明にかかる特定のポリペプチドを提示す
るHLA分子をコードする核酸配列を含むことができる。あるいは、HLA分子
をコードする核酸配列は、本発明にかかる宿主細胞内の別個の発現ベクター内に
含まれてもよい。ベクターが両方のコード配列を含む場合、いずれかを正常に発
現しない細胞をトランスフェクトするために単一のベクターを用いることができ
る。本発明にかかるポリペプチドまたはタンパクと、これを提示するHLA分子
とに対するコード配列が別個の発現ベクターに含まれる場合には、発現ベクター
を共トランスフェクトすることができる。例えば、宿主細胞が、TRAを提示す
るHLA分子を既に発現する場合に、本発明にかかるポリペプチドまたはタンパ
クをコードする配列を、単独で用いることができる。
【0027】 哺乳動物細胞におけるmRNA発現のための好ましいシステムは、G418耐
性を与える遺伝子(安定にトランスフェクトした細胞系統の選択を容易にする)
およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサー−プロモーター配列の
ような選択可能マーカーを含む、pRc/CMV(Invitrogen, Carlsbad, CA,
USAから入手可能)システムを含む。さらに、霊長類またはイヌの細胞系統にお
ける発現に適しているものはpCEP4ベクター(Invitrogen)であり、これは
、エプスタインバーウイルス(EBV)複製起点を含み、マルチコピー染色体外
成分としてプラスミドの維持を容易にする。別の発現ベクターは、ポリペプチド
伸張因子1αのプロモーターを含むpEF-BOSプラスミドであり、これは、i
n vitroで効率的な転写を刺激する。このプラスミドは、MishizumaとNagata(Nuc
.Acids Res.18:5322,1990)により記載され、トランスフェクションにおけるその
使用については、例えばDemoulin(Mol.Cell.Biol.16:4710-4716, 1996)により開
示されている。別の好ましい発現ベクタは、Stratford-Perricaudet二より記載
されたアデノウイルスであり、これはE1およびE3タンパクに欠陥がある(J.
Clin.Invest.90:626-630,1992)。アデノ-P1A組み換え体としてのアデノウイ
ルスの使用については、Warnierらによる、P1Aに対する免疫化のためのマウ
スにおける皮内注射(Int.J.Cancer, 67:303-310,1996)に開示されている。
【0028】 上述したように、本発明は、本発明にかかるポリペプチドまたはタンパクに特
異的または選択的なポリペプチド結合剤を含むことができる。薬剤は、それが用
いられる状況において、別の分子との相互作用とは区別できるように、特定のポ
リペプチドまたはタンパクと相互作用できる場合に、その特定のポリペプチドま
たはタンパクに“特異的”であると考えられる。例えば、かかる薬剤は、特定の
アッセイにおいて一般に行われている条件下で、関連するポリペプチドまたはタ
ンパクに選択的に結合できる。用語“接触”は、生物学的サンプルを、特異的な
ポリペプチドまたはタンパクと薬剤とが特異的に相互作用するように、薬剤に十
分近くに、そして、適した条件下、例えば、濃度、温度、時間の下に配置するこ
とを意味する。薬剤と生物学的サンプルとを接触させるための適切な条件につい
ては、当業者に周知であり、特定のターゲット分子と特異的薬剤との間の特異的
相互作用を容易にするように選択される。ポリペプチド結合剤は、本発明にかか
るタンパクまたはポリペプチドの存在または不在を検出するためのスクリーニン
グアッセイにおいて、並びに、かかるタンパクおよびポリペプチドを単離するた
めの精製プロトコールにおいて、このように使用することができる。本発明にか
かるポリペプチド結合剤は、基質に付着させられた固定化抗体の形態であっても
よく、また、疾患を診断する本発明の方法は、患者から誘導されたタンパク含有
生物学的サンプルについて行われる通常の酵素免疫検定法(ELISA)を含む
ことができる。あるいは、この方法は、薬剤がラベル化抗体であり、生物学的サ
ンプルが患者から誘導され、かつ、SDSポリアクリルアミドゲルで電気泳動す
ることによって分離されたタンパクを含むウエスタンブロットを含むことができ
る。ポリペプチド結合剤は、本発明にかかるポリペプチドを提示するガン細胞に
試薬、トキシン、または他の分子を選択的に仕向けるために使用することができ
る。このようにして、本発明にかかるポリペプチドまたはタンパクを発現する腫
瘍に存在する細胞を、細胞傷害性化合物で処理することができる。
【0029】 上述したように、本発明は、本発明にかかるポリペプチドまたはタンパクに選
択的に結合する能力を備えた抗体または抗体のフラグメントを含むことができる
。かかる抗体は、通常の手法に従って調製されたポリクローナルおよびモノクロ
ーナル抗体を含む。
【0030】 本発明の抗体は、タンパク、タンパクのフラグメント、かかるタンパクまたは
そのフラグメントを提示する細胞等を動物に投与してポリクローナル抗体を誘導
することを含む、種々の方法のいずれかによって調製することができる。モノク
ローナル抗体の産生は、当該技術分野において周知の技術に従う。かかる抗体は
、例えば、タンパクを発現している組織を同定するため、あるいはタンパクを精
製するために用いられる。また、抗体は、視覚化のために特異的なラベリング剤
に結合されてもよく、また、これらに限定されないが、メトトレキサート、放射
性ヨウ素化化合物、リシンのような毒素、他の細胞増殖または細胞溶解剤等を含
む抗腫瘍剤に結合されてもよい。また、本発明に従って調製された抗体は、好ま
しくは、上記TRA/HLA複合体に特異的である。
【0031】 顕著に、当該技術分野において周知であるように、抗体分子の小さい部分、パ
ラトープ(paratope)のみが、そのエピトープに対する抗体の結合に関与する(一
般的に、Clark W.R.(1986) The Experimental Foundations of Modern Immunolo
gy Wiley & Sons, Inc.,New York; Roitt, I(1991) Essential Immunology, 7th
Ed.,Blackwell Scientific Publications, Oxfordを参照)。例えば、pFc'
およびFc領域は、相補的カスケードのエフェクターであるが、抗原結合とは無
関係である。pFc'領域が酵素的に切り出された抗体、あるいは、pFc'領域
なしで生成された抗体、F(ab')2フラグメントと称される、は、完全な抗体
の抗原結合部位の両方を維持する。同様に、Fc領域が酵素的に切断された抗体
、またはFc領域なしで生成された抗体、Fabフラグメントと称される、は、
完全な抗体分子の一つの抗原結合部位を維持する。Fabフラグメントは、Fd
と呼ばれる抗体重鎖の一部と、共有結合した抗体軽鎖とからなる。Fdフラグメ
ントは、抗体特異性の主要な決定因子であり(単一のFdフラグメントは、抗体
特異性を変更することなく、10までの異なる軽鎖と結合することができる)、
Fdフラグメントは、単離状態でエピトープ結合能力を維持する。
【0032】 抗体の抗原結合部位において、当該技術分野において周知であるように、抗原
のエピトープと直接的に相互作用する相補性決定領域(CDR)と、パラトープ
の三次構造を維持するフレームワーク領域(FR)が存在する(一般に、Clark,
1986; Roitt,1991を参照)。IgGイムノグロブリンの重鎖Fdフラグメントと
軽鎖の両方には、3つの相補性決定領域(CDR1からCDR3)によってそれ
ぞれ分断された4つのフレームワーク領域(FR1からFR4)が存在する。C
DR、特にCDR3領域、さらには重鎖CDR3は、抗体特異性に極めて重要で
ある。
【0033】 哺乳動物抗体の非CDR領域が、元の抗体のエピトープ特異性を維持しながら
、非特異的または異種特異的な抗体の類似領域で置換できることが、当該技術分
野で確立された。これは、ヒトFRおよび/またはFc/Fc'領域に非ヒトC
DRが共有的に結合されて、機能的な抗体を生成する“ヒト化”抗体の展開と使
用において最も明確に現れる。かくして、例えば、PCT国際公開公報WO92/043
81は、少なくとも一部のマウスFR領域が、ヒト由来のFR領域で置換されたヒ
ト化マウスRSV抗体の産生および使用を教示する。かかる抗体(抗原結合能力
を備えた完全な抗体のフラグメントを含む)は、しばしば、“キメラ”抗体と呼
ばれる。
【0034】 かくして、当業者であれば明らかなように、本発明は、F(ab')2、Fab
、FvおよびFdフラグメント;FcおよびまたはFRおよび/またはCDR1
および/またはCDR2および/または軽鎖CDR3領域が相同のヒトまたは非
ヒト配列によって置換されたキメラ抗体;FRおよび/またはCDR1および/
またはCDR2および/または軽鎖CDR3領域が相同のヒトまたは非ヒト配列
によって置換されたキメラF(ab')2フラグメント抗体;FRおよび/または
CDR1および/またはCDR2および/または軽鎖CDR3領域が相同のヒト
または非ヒト配列によって置換されたキメラFabフラグメント抗体;およびF
Rおよび/またはCDR1および/またはCDR2領域が相同のヒトまたは非ヒ
ト配列によって置換されたキメラFdフラグメント抗体をも提供する。また、本
発明は、いわゆる一本鎖抗体を含む。かくして、本発明は、本発明にかかるポリ
ペプチドおよびタンパクに特異的または選択的に結合する、多数の大きさおよび
タイプのポリペプチドを含むことができる。これらのポリペプチドは、抗体技術
以外のソースからも誘導することができる。例えば、かかるポリペプチド結合剤
は、溶液、固定化形態またはファージディスプレーライブラリーとして容易に調
製することができる変質ペプチドライブラリーによって提供されうる。コンビナ
トリアルライブラリーも、一以上のアミノ酸を含むペプチドから合成できる。ラ
イブラリーは、ペプチドおよび非ペプチド合成分子から合成することができる。
【0035】 ファージディスプレーは、本発明に従って使用できる結合ペプチドを同定する
のに特に有効である。概して、通常の方法を用いて、4ないし約80のアミノ酸
残基の挿入物を示す、ファージライブラリーを調製する(例えば、m13、fd
またはラムダファージを使用)。この挿入物は、完全な変質または偏ったアレー
を示してもよい。次いで、本発明にかかるポリペプチドまたはタンパクに結合す
る挿入物を有するファージを選別する。この方法は、本発明にかかるポリペプチ
ドまたはタンパクに結合するファージを数回再選択することによって繰り返され
る。繰り返すことにより、特定の配列を有するファージが豊富になる。DNA配
列分析を行って、発現されたポリペプチドの配列を同定することができる。本発
明にかかるポリペプチドまたはタンパクに結合する配列の最小線形部位を調べる
ことができる。一部または全ての最小線形部位+その上流または下流に一以上の
付加的な変質残基を含む挿入物を含む偏ったライブラリーを用いる方法を繰り返
すことができる。かくして、本発明にかかるポリペプチドまたはタンパクは、フ
ァージディスプレーライブラリーを含むペプチドライブラリーをスクリーニング
するため、本発明のポリペプチドのペプチド結合パートナーを同定および選別す
るために使用することができる。かかる分子は、上述したように、スクリーニン
グアッセイ、診断アッセイ、精製プロトコール、または薬剤、毒素および/また
はラベル化試薬(例えば、ラジオアイソトープ、蛍光分子等)を、細胞表面に本
発明にかかるポリペプチドまたはタンパクを発現する細胞に仕向けるために用い
ることができる。かかる結合剤分子は、本発明にかかるポリペプチドまたはタン
パクとHLA分子との複合体を結合するように、かかる複合体を用いて結合剤を
選別することによって調製することができる。かかる複合体を発現する腫瘍細胞
を無能にするか、破壊する薬剤分子は、当業者に公知であり、商業的に入手可能
である。例えば、イムノトキシン技術は、抗体またはそのフラグメントにより細
胞へと誘導される場合に、有効な毒素の例を提供する。毒素の例は、植物から誘
導されたリボソーム損傷毒素または細菌毒素、例えば、リシン、アブリン、サポ
リン、シュードモナスエンドトキシン、ジフテリア毒素、A鎖毒素、ブロック化
リシン等を含む。
【0036】 ここに記載した発明は、多数の使用を備えるが、その一部を以下に記載する。
第一に、本発明は、本発明にかかるポリペプチドまたはタンパクの発現により特
徴付けられる疾患の診断を可能にする。この方法は、本発明にかかるポリペプチ
ドまたはタンパクをコードする遺伝子の発現を調べることを含む。前者の場合に
は、かかる測定は、ポリメラーゼ連鎖反応またはラベルされたハイブリダイゼー
ションプローブを用いたアッセイを含む、標準的な核酸測定アッセイによって実
施することができる。一方、後者の場合には、抗体のような、本発明にかかるポ
リペプチド結合剤を用いてアッセイすることが好ましい。測定の別の方法は、C
TL活性についてアッセイすることにより、ペプチド特異的CTLによるTRA
/HLA複合体の認識についてアッセイすることである。かかるアッセイは、以
下に記載したタイプの、TNF放出アッセイ、クロム放出アッセイ、または、E
LISPOTと呼ばれる技術(CTL活性が、IFN-γまたはTNFα放出の
抗体検出を介して検出される)を含む(Schimittelら(1997).J.Immunol.Methods
210:167-174およびLalvaniら J.Exp.Med.186:859-865(1997))。
【0037】 ここに記載したCTLクローンによって認識される他のTRAPまたはTRA
は、ここに詳細に記載する方法で単離することができる。
【0038】 当業者に周知の種々の方法を、本発明の主題のような単離されたTRAおよび
TRAP分子を得るために利用することができる。このタンパクは、このタンパ
クを自然に産生する細胞から精製することができる。あるいは、このタンパクを
産生するように、発現ベクターを細胞に導入してもよい。別の方法では、mRN
A転写物を細胞にマイクロインジェクションまたは導入して、コードされたタン
パクの産生を引き起こしてもよい。網状赤血球溶解システムのような細胞を含ま
ない抽出物におけるmRNAの翻訳も、タンパクを産生するために使用すること
ができる。また、本発明のTRAを含むペプチドは、in vitroで合成できる。当
業者であれば、それらから誘導された単離されたTRAPおよび/またはTRA
を得るために、タンパクを単離する周知の方法を容易に実施することもできる。
これらは、イムノクロマトグラフィー、HPLC、ゲルろ過クロマトグラフィー
、イオン交換クロマトグラフィーおよびイムノアフィニティークロマトグラフィ
ーを含むが、これらに限定されない。
【0039】 本発明にかかるポリペプチドまたはタンパク、もしくは、本発明にかかる、こ
れらとHLAとの複合体は、アジュバントのような物質と組合せられて、本発明
にかかるポリペプチドまたはタンパクの発現により特徴付けられる疾患を処置す
ることに使用できるワクチンを生成する。
【0040】 開示に基づく一部の治療方法は、患者の免疫システムによる応答を前提とし、
TRA提示細胞の溶解を導く。かかるアプローチの一つは、問題の表現型の異常
細胞を備えた患者に対して、複合体に特異的な自己CTLを投与することである
。かかるCTLをin vitroで生成することは当業者の技術範囲である。一般的に
、患者から得られた細胞のサンプル、例えば血液細胞は、複合体を提示し、かつ
、CTLを誘発して増殖することのできる細胞と接触させられる。ターゲット細
胞は、COS細胞のようなトランスフェクタントとすることができる。これらの
トランスフェクタントは、その表面に所望の複合体を提示し、問題のCTLと組
み合わせられた場合にその増殖を刺激する。COS細胞は、広く入手でき、他の
適切な宿主細胞も入手可能である。CTLの特異的産生は、当業者に周知である
。抗原特異的CTLクローンを選別する一つの方法が最近記載され(Altmanら,S
cience 274:94-96,1996; Dunbarら,Curr.Biol.8:413-416,1998)、この方法では
、MHCクラスI分子/ペプチド複合体の発蛍光テトラマーが特異的CTLクロ
ーンを検出するために使用される。要するに、可溶性MHCクラスI分子が、β 2 -マイクログロブリンと、クラスI分子に結合するペプチド抗原の存在下で、in
vitroで折り畳まれる。精製後、MHC/ペプチド複合体が精製され、ビオチン
でラベルされる。テトラマーは、ビオチニル化ペプチド-MHC複合体と、ラベ
ル化アビジン(例えば、フィコエリトリン)を、4:1のモル比で混合すること
により形成される。次いで、テトラマーは、末梢血液またはリンパ節のようなC
TLの源と接触させられる。このテトラマーは、ペプチド抗原/MHCクラスI
複合体を認識するCTLと結合する。テトラマーが結合した細胞は、反応性CT
Lを単離するための蛍光活性化細胞選別によって選別することができる。単離さ
れたCTLは、in vitroで膨張させられる。このクローン的に膨張した自己CT
Lを、患者に投与することができる。本発明にかかるポリペプチドまたはタンパ
クに特異的な別のCTLを、同様の方法で単離および投与することができる。
【0041】 治療方法を詳説するために、養子免疫伝達(Greenberg.J.Immunol.136(5):191
7,1986; Riddelら.Science 257:238,1992; Lynchら,Eur.J.Immunol.21:1403-141
0,1991; Kastら, Cell 59:603-614,1989)を挙げることができ、所望の複合体を
提示する細胞を、CTLを含む末梢血液リンパ球と組み合わせ、それに特異的な
CTLを増殖させる。増殖したCTLを、特定の複合体を提示する異常細胞の一
部によって特徴付けられる細胞性異常の患者に投与する。次いで、CTLが異常
細胞を溶解し、これによって所望の治療結果を達成する。
【0042】 上記治療は、少なくとも一部の患者の異常細胞が、関連するHLA/TRA複
合体を提示することを仮定する。これは、この技術が、特定のHLA分子を提示
する細胞を同定する方法、並びに、直接関係のある配列のタンパクまたはDNA
を発現する細胞を同定する方法に非常に密接であることから、非常に容易に調べ
ることができる。この場合、MAGE−A10発現は、例えば、MAGE−A1
0 DNAの独特の部分からのプライマーを用いるPCRアッセイを行うことに
よって調べることができる。あるいは、他の周知の抗体をベースとする技術を、
関連するTRA/HLA複合体を提示する細胞を同定するために用いることがで
きる。関連する複合体を提示する細胞が上記スクリーニング方法により同定され
たら、これらを、CTLを含む患者由来のサンプルと組み合わせることができる
。複合体提示細胞が混合されたCTLサンプルによって溶解された場合は、TR
Aが提示されていること、および、この患者が、上記治療アプローチに適した候
補であることが推定できる。
【0043】 養子移入は、本発明に従って利用できる治療の形態のみではない。CTLは、
多数のアプローチを用いてin vivoにおいて誘発されうる。
【0044】 一部のアプローチは、ワクチンのような複合体を発現する非増殖性細胞を利用
するものである。かかるワクチンは、その表面にTRA/HLA複合体を提示す
る、本発明にかかる宿主細胞とすることができる細胞から調製可能である。この
アプローチで用いられる細胞は、放射線照射された非増殖性腫瘍細胞または非増
殖性トランスフェクタントのような、複合体を正常に発現するものである。Chen
ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:110-114 (1991)は、このアプローチを例示し、
HPV E7ペプチドを発現するトランスフェクションされた細胞の治療方法に
おける使用を示している。種々の細胞タイプを使用することができる。同様に、
問題の遺伝子の一方または両方を有するベクターを使用することができる。ウイ
ルス性または細菌性ベクターは、特に好ましい。例えば、本発明にかかるポリペ
プチドまたはタンパクをコードする核酸を、一部の組織または細胞タイプにおい
て、本発明にかかるポリペプチドまたはタンパクを発現させるプロモーターおよ
びエンハンサー配列に機能的に連結することができる。この核酸は、発現ベクタ
ーに取り込むことができる。発現ベクターは、本発明にかかるポリペプチドまた
はタンパクをコードする核酸のような、外因性核酸の挿入を可能にするように構
成または修飾された、未修飾の染色体外核酸、プラスミドまたはウイルスゲノム
とすることができる。本発明にかかるポリペプチドまたはタンパクをコードする
核酸は、レトロウイルスゲノムに挿入することもできる。こうすることにより、
ターゲット組織または細胞タイプのゲノムに核酸の組み込みを容易にする。これ
らのシステムでは、問題の遺伝子は、微生物、例えばワクシニアウイルス、レト
ロウイルスまたは細菌BCGに保有され、事実上、この物質が宿主細胞に“感染
”する。その結果得られた細胞は、問題の複合体を提示し、自己CTLによって
認識され、次いで増殖する。細胞がワクチンとして用いられる全ての場合におい
て、これらは、CTL応答を誘発するのに必要な成分の一方または両方をコード
する配列でトランスフェクションされた細胞、または、トランスフェクションの
必要性のない両方の分子を既に発現している細胞とすることができる。これらの
細胞は、本発明のTRAまたはそれから誘導されたペプチドで“パルス”された
樹状細胞(DC)のような抗原提示細胞(APC)であってもよい(Nestleら N
at.Med.4:328-332,1998; Mukherjiら Proc.Nat.Acad.Sci.USA.92:8078-8082,199
5; Huら Cancer Res.56:2479-2483, 1996)。
【0045】 また、ワクチンは、本発明にかかるポリペプチドまたはタンパクをコードする
裸のDNAまたはRNAを含む。これらは、in vitroで生成され、注入、粒子ボ
ンバードメント、鼻腔吸入およびその他の方法により投与されてもよい。“裸の
核酸”タイプのワクチンは、裸の核酸によりコードされたペプチドに特異的なC
TLの生成を含む免疫学的応答を誘発することが証明されている(Science 259:
1745-1748,1993)。ここで“疾患”を用いた場合、この用語は、腫瘍拒絶抗原前
駆体が発現されるあらゆる病理的状態を指す。かかる疾患の例は、ガン、特にメ
ラノーマである。
【0046】 同様の効果は、in vitroにおいてHLA提示細胞への取り込みを容易にするア
ジュバントと、本発明にかかるポリペプチドまたはタンパクとを組み合わせるこ
とにより達成できる。本発明にかかるポリペプチドまたはタンパクは、さらなる
処理を必要とすることなく、本発明にかかるポリペプチドまたはタンパクを提示
する分子と複合体を形成する。一般的に、患者は、本発明にかかるポリペプチド
またはタンパクの有効量の皮内注射を受けることができる。当該技術分野におい
て標準的な、免疫化プロトコールに従って、初期投与の後に、追加抗原刺激を行
うことができる。
【0047】 “ポリトープ”として知られる一連のエピトープをコードする核酸が特に好ま
しい。エピトープは、天然の隣接配列があってもなくてもよいが、連続的または
重複的にアレンジすることができ(例えば、Thompsonら Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 92:5845-5849,1995; Gilbertら Nature Biotechnol.15: 1280-1284,1997を参
照)、所望であれば、無関係のリンカー配列で分離されてもよい。ポリトープは
、免疫応答の生成のための免疫システムにより認識される生成された個々のエピ
トープへと処理される。
【0048】 かくして、例えば、本発明にかかり、MHC分子により提示され、CTLまた
はTヘルパーリンパ球によって認識されるペプチドを、別の腫瘍拒絶抗原由来の
ペプチド(例えば、ハイブリッド核酸またはポリペプチドを調製することによる
)と組み合わせて“ポリトープ”を形成することができる。免疫応答を誘導また
は増強するために投与することができる例示的な腫瘍関連ペプチド抗原は、腫瘍
関連遺伝子から誘導され、コードされたタンパクは、MAGE-1、MAGE-2
、MAGE-3、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、MAGE-7、MA
GE-8、MAGE-9、MAGE-10、MAGE-11、MAGE-12、MA
GE-13、GAGE-1、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-
5、GAGE-6、GAGE-7、GAGE-8、BAGE-1、RAGE-1、R
AGE-2、RAGE-3、RAGE-4、LB33/MUM-1、DAGE(PR
AME)、NAG、MAGE-Xp2(MAGE-B2)、MAGE-Xp3、(
MAGE-B3)、MAGE-Xp4(MAGE-B4)、チロシナーゼ、脳グリ
コーゲンホスホリラーゼ、メラン-A、MAGE-C1、MAGE-C2、NY-E
SO-1、LAGE-1、SSX-1、SSX-2(HOM-MEL-40)、SSX
-4、SSX-5、SCP-1およびCT-7を含む。例えば、腫瘍の特徴である抗
原ペプチドは、以下の表Aに記載されたものを含む。
【0049】 表A:例示的抗原
【表A】
【0050】 別の例も、当業者に周知であり(例えば、Coulie,Stem Cells 13:393-403,199
5を参照)、ここに記載されたものと同様に本発明で用いることができる。当業
者であれば、分子生物学の標準的手法に従って、一以上のMAGE−A10ペプ
チドと一以上の上記腫瘍拒絶ペプチドを含むポリペプチド、もしくはかかるポリ
ペプチドをコードする核酸を調製することができる。
【0051】 かくして、ポリトープは、種々のアレンジで組み合わせられた(例えば、連結
、重複)、二つ以上の潜在的に免疫原性または免疫反応刺激性ペプチドのグルー
プである。このポリトープ(またはポリトープをコードする核酸)は、免疫反応
を刺激、増強および/または誘発することにおけるポリトープの有効性を試験す
るために、標準的な免疫化プロトコールで、例えば動物に投与することができる
【0052】 ポリペプチドは、ポリトープを形成するために隣接配列の使用を介して、また
は直接的に結合され、ワクチンとしてポリトープを使用することは、当該技術分
野で周知である(例えば、Thomsonら, Proc.Acad.Sci USA 92(13):5485-5849,19
95; Gilbertら, Nature Biotechnol.15(12):1280:1284,1997; Thomsonら,J.Immu
nol.157(2):822:826,1996; Tamら,J.Exp.Med.171(1):299-306,1996参照)。例え
ば、Tamは、MHCクラスIおよびクラスII結合エピトープの両方からなるポリ
トープが、マウスモデルにおいて、抗体および保護免疫を生成できたことを示し
ている。また、Tamは、エピトープの“つながり(string)”を有するポリトープ
が処理されて、MHC分子により提示され、CTLにより認識される個々のエピ
トープを生じることも証明した。かくして、種々の数および組合せのエピトープ
を含むポリトープを調製することができ、CTLによる認識について、および免
疫応答の増大における効力について試験することができる。
【0053】 腫瘍が、一組の腫瘍抗原を発現することが知られている。その一部のサブセッ
トのみが、所定の患者の腫瘍に発現されうる。特定の患者に発現された腫瘍拒絶
抗原のサブセットを示すエピトープの異なる組合せに対応するポリトープを調製
できる。ポリトープは、腫瘍タイプによって発現されることが知られたより広い
スペクトルの腫瘍拒絶抗原を反映するように調製することができる。ポリトープ
は、ポリペプチド構造物として、あるいは、当該技術分野で公知の核酸輸送シス
テムを使用して、かかる治療を必要とする患者に導入することができる(例えば
、Allsopら,Eur.J.Immunol.26(8):1951-1959,1996を参照)。アデノウイルス、
ポックスウイルス、Ty-ウイルス様粒子、アデノ関連ウイルス、プラスミド、
細菌等をかかる輸送に使用することができる。輸送システムの効力を調べるため
に、マウスモデルにおいてポリトープ輸送システムをテストすることができる。
このシステムは、ヒトの臨床試験でもテストできる。
【0054】 免疫化プロトコールの一部として、免疫応答を増す物質を、本発明にかかる薬
学的組成物の核酸またはペプチド成分またはガンワクチンと共に投与することが
できる。かかる免疫応答増強化合物は、アジュバントまたはサイトカインのいず
れかに分類される。アジュバントは、抗原の保有を与えること(細胞外またはマ
クロファージ内)、マクロファージを活性化すること、並びにリンパ球の特異的
セットを刺激することによって免疫反応を増強することができる。多くの種類の
アジュバントが当該技術分野で周知であり、特別な例としては、MPL(SmithK
line Beecham)、Salmonella minnesota Re 595リポポリサッカリドの精製およ
び酸加水分解によって得られたコンジナー、QS21(SmithKline Beecham)、
Quillja saponaria抽出物から精製された純粋なQA-21サポニン、およびスク
アレンおよび/またはトコフェロールのような生分解性油から調製された種々の
油中水型エマルションが含まれる。また、サイトカインも、リンパ球刺激特性の
結果として予防接種プロトコールにおいて使用できる。かかる目的で使用できる
多くのサイトカインが、当業者に知られており、ワクチンの保護効果を増強する
ことが示されたインターロイキン12(IL-12)(Science 268:1432-1434,1
995)、GM-CSFおよびIL-18を含む。ここに記載したように、サイトカ
インは、それらをコードした核酸分子を発現するようにトランスフォームまたは
トランスフェクトされた細胞により、in vivoで産生することができる。
【0055】 予防接種プロトコールにおいて使用することができる多くの付加的な免疫反応
増強化合物が存在する。これらは、タンパクまたは核酸形態のいずれかで提供さ
れた共刺激分子を含む。かかる共刺激分子は、樹状細胞(DC)上に発現され、
かつ、T細胞上に発現されたCD28分子と相互作用できる、B7−1およびB
7−2(それぞれ、CD80およびCD86)分子を含む。この相互作用は、共
刺激(シグナル2)を抗原/MHC/TCR刺激(シグナル1)T細胞に与え、
細胞増殖とエフェクター機能を増強する。また、B7は、T細胞上のCTLA4
(CD152)と相互作用し、CTLA4とB7リガンドに関係する研究が、B
7−CTLA4相互作用が、抗腫瘍免疫およびCTL増殖を増強できることを示
唆した(Zhengら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:6284-6289,1998)。
【0056】 B7は、通常、腫瘍細胞上に発現されないので、T細胞にとって効率的な抗原
提示細胞(APC)ではない。B7発現の誘導は、腫瘍細胞がより効率的なCT
L増殖およびエフェクター機能を刺激することを可能にする。B7/IL−6/
IL-12の組合せによる共刺激は、T細胞集団におけるIFN−γおよびTh
1サイトカインプロフィールを誘導して、さらに増加したT細胞活性を導くこと
が示されている(Gajewskiら,J.Immunol.154:5637-5648,1995)。B7を用いた
腫瘍細胞トランスフェクションは、Wangら、(J.Immunol.19:1-8,1986)により、
養子移植免疫治療のためのin vitroCTL膨張と関連して議論されている。B7
分子の他の輸送メカニズムは、核酸(裸のDNA)免疫化(Kimら,Nature Biote
chnol.15:7:641-646,1997)および、アデノおよびポックスのような組み換えウ
イルス(Wendtnerら,Gene Ther.4:726-735,1997)を含む。これらのシステムは
、B7と、本発明にかかるポリペプチドまたはタンパク(ポリトープを含む)の
ような、他の選択分子、またはサイトカインの、共発現用の発現カセットの構築
および使用に用いることができる。これらの誘導システムは、in vitroでの予防
接種条件において、適切な分子を導入するために使用できる。in vitroおよびin
vivoにおいて直接的にT細胞を刺激するための抗CD28抗体の使用も考慮で
きる。
【0057】 リンパ球機能関連抗原-3(LFA−3)がAPCおよび一部の腫瘍細胞に発
現され、T細胞上に発現されたCD2と相互作用する。この相互作用は、T細胞
IL−2とIFN−γ産生を誘導し、かくして、B7/CD28共刺激相互作用
を補足できるが置換しない(Parraら,J.Immunol.,158:637-642,1997; Fentonら,
J.Immunother.21:95-108,1998)。
【0058】 リンパ球機能関連抗原−1(LFA−1)は、白血球に発現され、APCおよ
び一部の腫瘍細胞上に発現されたICAM−1と相互作用する。この相互作用は
、T細胞IL−2とIFN−γ産生を誘導し、かくして、B7/CD28共刺激
相互作用を補足できるが置換しない(Fentonら,1998)。LFA−1は、かくし
て、B7について上に記載した種々の方法の予防接種プロトコールに提供されう
る共刺激分子のさらなる例である。
【0059】 完全なCTL活性化およびエフェクター機能は、Th細胞CD40L(CD4
0リガンド)分子とDCに発現されたCD40分子との間の相互作用を介する、
Th細胞の助けを必要とする(Ridgeら,Nature 393:474,1998; Bennettら,Natur
e 393:478, 1998; Schoenbergerら,Nature 393:480,1998)。この共刺激シグナ
ルのこのメカニズムは、B7のアップレギュレーションに関与すると考えられ、
DC(APC)によるIL−6/IL−12産生と関連する。CD40−CD4
0L相互作用は、かくして、シグナル1(抗原/MHC−TCR)とシグナル2
(B7−CD28)相互作用を補足する。
【0060】 DC細胞を直接的に刺激するための抗CD40抗体の使用は、非プロフェッシ
ョナルAPC(腫瘍細胞)により提示されるか、炎症の外側で通常遭遇する腫瘍
関連抗原に対する反応を増強することが期待される。かかる状況において、Th
ヘルプおよびB7共刺激シグナルは提供されない。このメカニズムは、抗原パル
ス化DCをベースとする治療、または、Thエピトープが周知の腫瘍関連抗原前
駆体内に定義されていない状況において用いることができる。
【0061】 本発明にかかる薬学的組成物は、全身または局部投与に関して、通常薬学的に
許容できるキャリアーおよび賦形剤と共に製剤化することができる。かかるキャ
リアーおよび賦形剤は、当業者に困難を与えることなく選択することができ、即
時および持続放出を与えるものを含む。
【0062】 本発明は、初めて、MLTCにより、MZ2以外の患者から、MAGE-特異
的CTLを生成することを含む。HLA−A2という面において、MAGE−A
10によりコードされたナノペプチド(TRA)GLYDGMEHL(配列番号
42)を認識するCTLクローン(CTL477A/5)が生成された。その重
複するデカペプチド(TRA)GLYDGMEHLI(配列番号44)は、効率
は低いが、CTLにより溶解されるターゲット細胞を感作することができた。C
TL447A/5は、自己腫瘍細胞だけでなく、別のHLA−A2患者の腫瘍細
胞+MAGE−A10をも認識し(図6)、これは、GLYDGMEHL(配列
番号42)が、MAGE−A10とHLA−A2を発現する腫瘍において提示さ
れた共通のTRAであることを示唆する。MAGE−A10は、以前に予想され
たものよりも多く腫瘍に発現される。逆転写PCRにより、MAGE−A10遺
伝子の発現は、メラノーマ、肺ガン、頭部および首部の癌腫、膀胱の癌腫、ミエ
ローマ、前立腺の癌腫、および(以下の表2参照)を含む、種々の腫瘍において
検出されている。別のMAGE遺伝子について観察されるように、MAGE−A
10を発現する正常組織は、精巣のみである。
【0063】 臨床試験は、メラノーマ患者を、MAGE−A1およびMAGE−A3から誘
導されたペプチドで処置する方法であった。一部の患者は、純粋なペプチドで免
疫化した後に客観的な腫瘍退行を示したが、ペプチド特異的CTL反応は検出さ
れなかった(Marchand,M.ら,1995,Int.J.Cancer.63:883-885)。ペプチド-パル
ス化抗原提示細胞または樹状細胞で免疫化した場合、極めて少数の患者が、ペプ
チド特異的遅延型過剰感作またはCTL反応を生じた(Nestle,F.O.,ら,1998, N
at.Med.4:328-332; Mukherji,B.,Net al.,1995, Proc.Natl.Acad.Sci.USA.92:80
78-8082;およびHu,X.ら,1996,Cancer Res.56:2479-2483)。ガン免疫治療におけ
る障害の一つは、抗原を失った腫瘍変異体の出現である。MAGE-A10を発
現するほとんどの腫瘍がMAGE-A1および/またはMAGE-A3を発現する
ので(F.Brasseur,未公開データ)、カクテル予防接種における本発明にかかる
ペプチドの添加が、いくつかの異なる抗原をターゲットとすることにより抗腫瘍
効果を改善することが予想される。
【0064】 以下の例は、MLTC技術を使用して、患者LB1751由来の細胞溶解性T
リンパ球(CTL)を生成することを示す。これは、MAGE−A10を発現す
るターゲット細胞との刺激により、特異的に自己腫瘍細胞を溶解し、腫瘍壊死因
子(TNF)を生じる。CTLによる認識は、HLA−A2.1により制限され
ることが示され、抗原が、nt547−825の領域においてMAGE−A10
によりコードされることが見出された。この領域に対応するアミノ酸配列から、
HLA−A2.1に結合できる4つのペプチドを見出した。MAGE−A10の
発現は、種々の腫瘍において検出されたが、精巣を除く正常組織には検出されな
かった。また、同定された抗原ペプチドは、それゆえ、抗腫瘍予防接種に用いら
れる可能性を有する抗原のレパートリーに当然に加えられる。
【0065】 配列の簡単な説明 配列番号1は、MAGE−A10遺伝子によりコードされたタンパクのアミノ
酸配列である; 配列番号2は、MAGE−A8遺伝子によりコードされたタンパクのアミノ酸
配列である; 配列番号3は、MAGE−A10遺伝子のヌクレオチド配列である; 配列番号4は、MAGE−A10 cDNAの核酸配列である、配列番号1の
アミノ酸配列をコードする領域が塩基357から1466の間に存在する; 配列番号5は、MAGE−A8遺伝子のぬくれおちど配列である; 配列番号6は、同定された遺伝子のコード部のコドンを伴う、WO92/20356に開
示されたMAGE−A8遺伝子の一部の配列である; 配列番号7は、同定された遺伝子のコード部のコドンを伴う、WO92/20356に開
示されたMAGE−A10遺伝子の一部の配列である; 配列番号8−41は、表Aに記載されている; 配列番号42は、アミノ酸配列GLYDGMEHLを有するナノペプチドであ
る; 配列番号43は、アミノ酸配列GLYDGREHSを有するナノペプチドであ
る; 配列番号44は、アミノ酸配列GLYDGMEHLIを有するデカペプチドで
ある; 配列番号45は、アミノ酸配列GLYDGREHSVを有するデカペプチドで
ある; 配列番号46は、アミノ酸配列MLLVFGIDVを有するナノペプチドであ
る; 配列番号47は、アミノ酸配列CMLLVFGIDVを有するデカペプチドで
ある; 配列番号48は、アミノ酸配列FLLFKYQMKを有するナノペプチドであ
る; 配列番号49は、アミノ酸配列FIEGYCTPEを有するナノペプチドであ
る; 配列番号50は、アミノ酸配列GLELAQAPLを有するナノペプチドであ
る; 配列番号51は、実施例3に記載されたセンスプライマーである; 配列番号52は、実施例3に記載された第一のアンチセンスプライマーである
; 配列番号53は、実施例3に記載された第二のアンチセンスプライマーである
; 配列番号54は、実施例3に記載された第三のアンチセンスプライマーである
; 配列番号55は、実施例6に記載されたセンスプライマーである;および 配列番号56は、実施例6に記載されたアンチセンスプライマーである。
【0066】
【実施例】
実施例1 LBI751−MELに対するCTLクローンの調製および提示MHC分子のH
LA−A2.1の同定 メラノーマ細胞系統LB1751−MELを67歳男性患者LB1751の腋
窩リンパ節の転移性メラノーマから誘導し、上記方法に従って増殖させた(Van
den Eynde,B.,ら,1989,Int.J.Cancer.44:634-640)。LB1751−MEL培養
の開始から4継体目に、通常のEBVトランスフォーム化リンパ芽球の凝集が上
清に現れた。これらを回収し、別個に培養して、B細胞系統LB1751−EB
Vを得た。メラノーマ培養物LB1751−MELを、限界希釈クローニングに
よりEBV−トランスフォーム化B細胞を除いた。DNAフィンガープリントは
、LB1751−MELおよびLB1751−EBVが同一患者に由来すること
を確証した(データ示さず)。CTLクローンのパネルを、僅かに変更して依然
に記載したようにMLTCによって生成した(Herin,M.ら1987,Int.J.Cancer.39
:390-396)。要約すると、10mM Hepesバッファー、L-アルギニン(116
μg/ml)、L-アスパラギン(36μg/ml)、L-グルタミン(216g
/ml)、10%ヒト血清、および5ng/mlの組み換えヒトIL-7(rh
IL-7)を添加したIscoveの修飾ダルベッコ培地(GIBCO BRL, Gaithersburg,M
D)(Genzyme, Cambridge,MA)において、8%CO2インキュベーターにおいて
、照射したLB1751−MEL細胞を用いて、患者LB1751のPBLを培
養することによってMLTCを実施した。3日目に、rhIL-2(Eurocetus,
Amsterdam,Netherlands)を25U/mlの終濃度となるように添加した。リン
パ球を、25U/mlのrhIL-2と5ngl/mlのrhIL-7を含む新鮮
な培地において、照射したLB1751−MEL細胞を用いて週毎に再刺激した
。21日目に、CD8+Tリンパ球を、抗CD8結合MACS磁性マイクロビー
ズ(MACS,Miltenyi Biotec GmbH,Germany)を落ちいて分類し、限界希釈により
クローン化した。得られたパネルのCTLクローンは、LB1751−MEL細
胞を特異的に溶解したが、自己EBV−トランスフォーム化B細胞系統LB17
51−EBVまたはNK過敏性細胞系統K562は溶解しなかった。ターゲット
細胞の溶解は、先に記載(Boon,T.ら,1980,J.Exp.Med.152:1184-1193)されてい
るように、クロム放出により試験し、代表的なCTLクローン447A/5に関
するこれらのテストの結果を図1に示した。
【0067】 LB1751−MEL細胞で刺激した際にCTLクローン447A/5がTN
Fを産生する能力を、Traversari,C.,ら,1992,Immunogenetics.35:145-152に記
載した技術を用いて確認した。要約すると、2x104腫瘍細胞を24時間増殖
させた。この培地を捨て、3000のCTLを、10%ヒト血清と25U/ml
のrhIL-2を添加した100μlのIscoveの修飾ダルベッコ培地のマイクロ
ウェルに添加した。24時間後、上清を回収し、そのTNF含量を、WEHI1
64クローン13細胞に対するその細胞傷害性効果をテスト(Espevik,T.,ら198
6,J.Immunol.Methods.95:99-105)することにより、MTT比色アッセイにおい
て調べた(Traversari,C.ら,1992,Immunogenetics.35:145-152;およびHansen,M.
B.,ら,1989,J.Immunol.Methods.119:203-210)。mAb W6/32(抗HLA
クラスI)(Bamstable,C.J.ら,1978,Cell.14:9-20)、BB7.2(抗HLA−
A2)(Parham,P.およびF.M.Brodsky,1981,Hum.Immunol.3:277-299)、および
B1.23.2(抗HLA−Bおよび−C)(Rebai,N.およびB.Malissen,1983,
Tissue Antigens.22:107-117)により生じたTNFの阻害を、このテストに1/
20希釈の腹水を添加することによってテストし、TNFの産生が、mAb W
6/32(抗HLAクラスI)およびBB7.2(抗HLA−A2)によって阻
害されるが、mAb B1.23.2(抗HLA−B、−C)では阻害されず(
図2)、これは、ターゲット抗原がHLA−A2によって提示されることを示し
ている。このテストの結果は、図2に記載されている。
【0068】 実施例2 CTL447A/5によって認識された抗原をコードする遺伝子の同定 メラノーマ細胞系統LB1751−MELにおいてほとんど全てのMAGE−
A遺伝子が高レベルで発現するために(データ示さず)、CTL447A/5が
MAGE−A遺伝子の一つによってコードされた抗原を認識する可能性をテスト
した。COS−7細胞を、発現ベクターpcDNAI/Ampにクローン化され
たMAGE−AのcDNAと、pcDNAI/Amp−A2を用いてコトランス
フェクションした。この構成物はHLA−A2.1をコードする。DEAE-デ
キストラン-クロロキン方法によってトランスフェクションを行った(Seed,B.ら
,1987,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.84:3365-3369)。要約すると、2x104のCO
S−7細胞を、100ngのプラスミドpCDNAI/Amp−A2、患者SK
29のCTLクローンから単離されたHLA−A2.1遺伝子を含む組み換えプ
ラスミド(Wolfel,T.,ら,1993,Int.J.Cancer.55:237-244)と、pcDNAI/
Ampにクローン化した100ngのMAGE−A遺伝子のDNAを用いてトラ
ンスフェクトした。トランスフェクタントを48時間増殖させ、実施例1記載の
方法でCTL447A/5によるTNF産生を刺激する能力についてテストした
。このテストは、MAGE−A10DNAでトランスフェクトしたCOS−7細
胞で刺激された場合に、CTL447A/5により非常に多量のTNFが産生さ
れることを示した。また、MAGE−A8 cDNAを用いたトランスフェクタ
ントも、CTL447A/5を刺激してTNFを産生させるが、MAGE−A1
0 cDNAを用いた場合よりも効率が低かった。HLA−A2.1を単独で、
またはHLA−A2.1と他のいずれかのMAGE−A遺伝子とを組み合わせて
、トランスフェクトしたCOS−7細胞では刺激が観察されなかった。これらの
テストの結果を表1に記載する。
【表1】
【0069】 実施例3 MAGE−A10抗原性ペプチドの同定 MAGE−10の開始コドン(配列番号3のヌクレオチド1955)から始ま
る種々の長さのフラグメントを、PCR増幅により生成した。MAGE−A10
の1.1kbのオープンリーディングフレーム(ORF)をプラスミドベクター
pcDNAI/Amp(Invitrogen Corporation, Oxon,UK)にクローン化した
。MAGE−A10オープンリーディングフレーム(ORF)(配列番号3のヌ
クレオチド1955−3064)の最初の270、546および825ヌクレオ
チドを含む三つのフラグメントを、センスプライマー5'-GGAATTCATC
ATGCCTCGAGCTCCAAAGC-3’(配列番号51)と三つのアン
チセンスプライマー5’-GCTCTAGAGCTTAGGCTATCTGAG
CACTCTG-3’(配列番号52)、5’-GCTCTAGAGCTTAGC
ACTCGGAGGCTTCACT-3’(配列番号53)および5’-GCTC
TAGAGCTTACCAATCTTGGGTGAGCAG-3’(配列番号5
4)のそれぞれを用いてPCRによって増幅した。PCR増幅のために、Pfu
DNAポリメラーゼ(STRATAGENE,La Jolla,CA)を用いた。最初の変性工程を
94℃で5分間行った。増幅の最初のサイクルを、94℃で1分間、53℃で1
分間、72℃で1分間で行い、次いでさらに25サイクルを、94℃で1分間、
65℃で1分間、および72℃で1分間行った。サイクルを、72℃で15分間
の最終的な伸張工程で終結させた。
【0070】 このPCR産物を、EcoRIとXbaIで切断し、プラスミドpcDNAI/Amp
のEcoRI部位とXbaI部位に一方向にクローン化し、実施例2に記載されたDEA
E−デキストラン−クロロキニン方法を用いて、COS−7細胞にpcDNAI
/Amp−A2と共にトランスフェクトした。CTL刺激アッセイを、実施例1
および2に記載されたように、トランスフェクタントを用いて実施した。図3に
示されているように、825bpのフラグメントは、トランスフェクタントを、
CTL447A/5によるTNF産生を刺激できるようにしたが、546bpフ
ラグメントでは刺激できるようにしなかった。これは、抗原性ペプチドをコード
する配列が、MAGE−A10 ORFのnt547から825の間に位置する
ことを示している。
【0071】 ヌクレオチド547−825に対応するアミノ酸配列には、二つのノナペプチ
ド、MLLVFGIDV(ORFのコドン183−191)(配列番号46)お
よびGLYDGMEHL(254−262)(配列番号42)が存在し、これは
、HLA−A2.1ペプチド結合モチーフ、すなわち、LeuまたはMetを2
位に備え、かつ、そのC末端にLeu、ValまたはIleを有するノナ−また
はデカペプチドに適合する(Rammensee,H.G.ら,1995,Immunogenetics.41:178-22
8)。これら二つのペプチドおよびその重複デカペプチドを、一時的なNH2-末
端保護のためにF-mocを用いて固相上で合成し、質量分析により特徴決定し
た。ペプチドは、分析HPLCで示されるように>90%の純度を有し、以下の
ように修正を加えたBoon,T.ら,1980,J.Exp.Med.152:1184-1193に記載されている
クロム放出アッセイにおいて自己リンパ芽球細胞系統LB1751−EBVを感
作するために使用した。標的細胞を、37℃で1時間、51Cr−ラベル化し、強
く洗浄した。1000のターゲット細胞を、37℃で30分間、種々の濃度のペ
プチドの存在下で、96ウェルマイクロプレートにおいて、インキュベートし、
CTLを20のE/T比で添加した。クロム放出を37℃で4時間後に測定した
【0072】 ノナペプチドGLYDGMEHL(254−262)(配列番号42)および
、より効力の弱い、デカペプチドGLYDGMEHLI(254−263)(配
列番号44)が、LB1751−EBV細胞を感作して、CTL447A/5に
より溶解することを可能にした(図4A)。ペプチド感作前の1時間、抗HLA
−A2抗体MA2.1で予備処理した場合に、両方のペプチドでパルス化したL
B1751−EBV細胞は、CTLによる溶解に対して顕著に増大した過敏性を
示した(図4B)。mAb MA2.1は、細胞表面のHLA−A2分子に対す
るペプチドの結合を容易にすることができ、これにより、HLA−A2−制限ペ
プチド特異的CTLによるペプチド感作ターゲット細胞の溶解を増大する(Bodm
er, H.ら,1989,Nature 342:443-446)。HLA−A2分子に結合するペプチドの
増強は、mAb MA2.1のハイブリドーマ培養上清の1/5希釈を用いて51
Cr−ラベル化の際に、ターゲット細胞をインキュベーションすることによって
達成することができた(McMichael,A.J.ら,1980,Hum.Immunol.1:121-129;および
Bodmer,H.ら,1989,Nature 342:443-446)。その他の二つのペプチドMLLVF
GIDV(183−191)(配列番号46)とCMLLVFGIDV(182
−191)(配列番号47)は、LB1751−EBV細胞をmAb MA2.
1で処理した後でさえ、CTLによる認識を与えなかった。
【0073】 実施例4 MAGE−A8抗原ペプチドの同定 GLYDGMEHL(配列番号42)をコードするMAGE−A10遺伝子の
配列に相同なMAGE−A8の配列は、6位と9位に二つのアミノ酸の変化を示
すペプチドGLYDGREHS(MAGE−A8 ORFにおけるコドン232
−240)(配列番号43)をコードする。このペプチドとその重複デカペプチ
ドGLYDGREHSV(コドン232−241)(配列番号45)を、上記技
術により合成した。10μM程度の高濃度の各ペプチドでインキュベートしたL
B1751−EVB細胞は、CTL447A/5により溶解されなかった。しか
しながら、ペプチド濃度を100μMまで増加させた場合に、GLYDGREH
S(配列番号43)はLB1751−EBV細胞を環化して溶解させることがで
きた(図5)。溶解の増強は、LB1751−EBV細胞を、mAb MA2.
1で予備処理し、GLYDGREHSV(配列番号45)ではなく、GLYDG
REHS(配列番号43)でパルス化した場合に観察された。HLA−A2分子
に対するペプチド結合の増強は、mAb MA2.1のハイブリドーマ培養上清
の1/5希釈を用いて51Cr−ラベル化の際に、ターゲット細胞をインキュベー
ションすることによって達成された(McMichael,A.J.ら,1980,Hum.Immunol.1:12
1-129;およびBodmer,H.ら,1989,Nature 342:443-446)。
【0074】 実施例5 MAGE−A10+アロ腫瘍は、CTL447A/5により認識された抗原を提
示する 刺激細胞としてMAGE−A10またはMAGEA8を発現する同種異系HL
A−A2+腫瘍細胞系統を用いて、上記タイプのCTL刺激アッセイを、CTL
447A/5によるTNF産生を評価するために行った。メラノーマ細胞系統L
B373−MELとAVL3−MELをそれぞれ、患者LB373およびAVL
から誘導し、10%のFCSを含むIscoveの修飾ダルベッコ培地で培養した。骨
髄の甲状腺癌腫細胞系統TT(ATCC(登録商標)No.:CRL1803)を、America
n Type Culture Collection (Rockville,MD)から入手し、10%FCSを添加し
たDMEMに維持した。これらのアッセイの結果は図6に記載されており、これ
は、二つのMAGE−A10+細胞系統LB373−MELとAVL3−MEL
がCTL447A/5を刺激してTNFを産生することができたが、MAGE−
A8+細胞系統TTは刺激しなかったことを示す。さらに、AVL3−MEL細
胞は、LB373−MEL細胞よりも低い効力でCTL447A/5により認識
され、これは、AVL3−MELにおけるMAGE−A10の転写レベルがLB
373−MELよりも低いという知見に一致する(Serranoら、調製原稿)。
【0075】 実施例6 MAGE−A10は種々の腫瘍において発現される MAGE−A10の発現が少数の腫瘍でのみ研究されてきたので、さまざまな
組織タイプの一連の314の腫瘍を、遺伝子MAGE−A10に対する特異性を
確認するプライマーを用いてRT−PCRによってテストした。要約すると、逆
転写PCR(RT−PCR)を行って、腫瘍組織におけるMAGE−A10の発
現を検出した。全体のRNA精製およびcDNA合成を、上記のように行った(
Weynantsら.Int.J.Cancer.56:826-829;1994)。2μgの全RNAから生成され
た1/40のcDNAを、センスプライマー5’-CACAGAGCAGCAC
TGAAGGAG-3’(配列番号55)と、アンチセンスプライマー5’-CT
GGGTAAAGACTCACTGTCTGG-3’(配列番号56)を用いて
増幅し、MAGE−A10の485bpの特異的フラグメントを得た。PCRで
は、最初の変性工程を94℃で4分間行い、その後、30サイクルの増幅を、9
4℃で1分間、65℃で1分間および72℃で1分間で実施した。サイクルを7
2℃で15分間の最終的伸張工程で終結させた。表2に示したように、MAGE
−A10は、種々の組織タイプの多数の腫瘍において発現された。別のMAGE
遺伝子の発現についても、RT−PCRで調べた。MAGE−A10を発現する
71の腫瘍サンプルのうち、二つを除いた全てが、遺伝子MAGE−A1、A2
、A3、A4およびA6の少なくとも一つを同時に発現した(データ示さず)。
【0076】
【表2】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 CTL447A/5による自己LB1751−MEL細胞の特異
的溶解を示す。コントロールターゲットは、自己EBVトランスフォーム化リン
パ芽球系統LB1751−EBVおよびNK過敏性系統K562を含む。クロム
放出を、種々のエフェクター−ターゲット比において、クロムラベル化ターゲッ
ト細胞をCTLと4時間インキュベーションした後に測定した。
【図2】 CTL447A/5によるLB1751−MEL細胞のHLA制
限認識を示す。LB1751−MEL細胞を、単独で、または、示された特異性
を備えたmAbの存在下で、CTL447A/5を刺激するために使用した。2
4時間共培養した後、CTLによるTNFの産生を、TNF過敏性WEHI−1
64.13細胞に対する上清の毒性試験をすることにより測定した。
【図3】 CTL447A/5により認識された抗原性ペプチドをコードす
る領域の同定を示す。示された種々の長さのPCRフラグメントをpcDNAI
/Ampにクローン化し、HLA−A2.1遺伝子を用いてCOS−7細胞にコ
トランスフェクションした。トランスフェクトされた細胞を、CTL447A/
5と24時間インキュベートし、上清のTNFをWEHI−164.13細胞に
対する毒性により測定した。
【図4】 ペプチド感作LB1751−EBV細胞のCTL447A/5に
よる溶解の程度を示す。(A)MAGE−A10から誘導されたペプチドを用い
てパルスされたLB1751−EBV細胞。クロムラベル化自己EBVトランス
フォーム化リンパ芽球LB1751−EBVを種々の濃度で、記載のペプチドを
用いて30分間パルスし、その後、E/T比20においてCTL447A/5を
添加した。クロム放出を4時間後に測定した。(B)MAGE−A10ペプチド
でパルスしたLB1751−EBV細胞の溶解のmAB MA2.1による増強
。LB1751−EBV細胞を抗HLA−A2抗体MA2.1を用いて、または
、用いずに予備処理した。51Cr-ラベル化の際にmAb MA2.1を加えるこ
とにより予備処理を行った。ペプチド感作およびクロム放出アッセイを、(A)
と同様に行った。
【図5】 MAGE−A8から誘導されたペプチドで感作されたLB175
1−EBV細胞のCTL447A/5による溶解の程度を示す。LB1751−
EBV細胞を、抗HLA−A2抗体MA2.1Abを用いて、または用いずに予
備処理し、細胞のペプチド感作およびクロム放出アッセイを、図4に示すように
実施した。
【図6】 CTL447A/5による同種異系腫瘍細胞系統の認識の程度を
示す。HLA−A2患者から誘導されたLB373−MEL(MAGE−A10
+)、AVL3−MEL(MAGE−A10+)およびTT(MAGE−A8+
)細胞系統を、CTL447A/5を刺激するために使用した。自己腫瘍細胞系
統LB1751−MELをコントロールとして含めた。24時間共培養した後、
CTLによるTNFの産生を、TNF過敏性WEHI−164.13細胞に対す
る上清の毒性を試験することによって測定した。
【図7】 MAGE−A10遺伝子によりコードされたタンパクのアミノ酸
配列を示す(配列番号1)。
【図8】 MAGE−A8遺伝子によりコードされたタンパクのアミノ酸配
列を示す(配列番号2)。
【図9】 MAGE−A10遺伝子の核酸配列を示す(配列番号3)。
【図10】 図10aと10bは、MAGE−A10 cDNAの核酸配列
、塩基357から1466の間に存在する配列番号1のアミノ酸配列をコードす
る領域を示す(配列番号4)。
【図11】 図11aと11bは、MAGE−A8遺伝子の核酸配列を示す
(配列番号5)。
【図12】 WO92/20356に記載されたMAGE−A8遺伝子の一部の配列を
、同定された遺伝子のコード部位のコドンと共に示す(配列番号6)。
【図13】 WO92/20356に記載されたMAGE−A10遺伝子の一部の配列
を、同定された遺伝子のコード部位のコドンと共に示す(配列番号7)。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年2月6日(2001.2.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 C07K 7/06 4C086 43/00 121 14/705 4H045 C07K 7/06 16/28 14/705 C12N 1/15 16/28 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12Q 1/02 1/21 1/68 A 5/06 G01N 33/53 D 5/10 M C12Q 1/02 33/566 1/68 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/53 5/00 A E 33/566 A61K 37/02 (72)発明者 アリーン・ヴァン・ペル ベルギー・B−1200・ブリュッセル・ユー シーエル・7459・アヴェニュ・ヒッポクラ ート・74・ルードヴィッヒ・インスティテ ュート・フォー・キャンサー・リサーチ (72)発明者 フランシス・ブラッセール ベルギー・B−1200・ブリュッセル・ユー シーエル・7459・アヴェニュ・ヒッポクラ ート・74・ルードヴィッヒ・インスティテ ュート・フォー・キャンサー・リサーチ (72)発明者 エティエンヌ・ドゥ・プラエン ベルギー・B−1200・ブリュッセル・ユー シーエル・7459・アヴェニュ・ヒッポクラ ート・74・ルードヴィッヒ・インスティテ ュート・フォー・キャンサー・リサーチ (72)発明者 ティエリー・ブーン ベルギー・B−1200・ブリュッセル・ユー シーエル・7459・アヴェニュ・ヒッポクラ ート・74・ルードヴィッヒ・インスティテ ュート・フォー・キャンサー・リサーチ Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA31 CA04 DA01 DA02 DA05 DA11 EA01 EA02 EA03 EA04 FA01 GA11 HA01 HA03 HA12 4B063 QA01 QA19 QQ01 QQ08 QQ42 QQ52 QR08 QR33 QR42 QR55 QR59 QR62 QR77 QR80 QS05 QS25 QS34 QS36 QX02 4B065 AA01X AA57X AA87X AA94Y AB01 BA01 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA02 AA07 AA13 AA14 BA01 BA02 BA08 BA22 BA23 CA18 CA36 DA01 MA01 NA14 ZB012 ZB261 ZC751 4C085 AA14 BB01 BB17 CC03 DD61 DD62 DD63 4C086 AA01 AA02 AA03 EA16 MA01 MA02 MA03 MA04 MA05 NA14 ZB01 ZB26 ZC75 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA15 BA16 BA17 BA18 BA19 BA20 BA21 CA40 DA76 DA86 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主要組織適合遺伝子複合体分子型HLA−A2、好ましくは
    HLA−A2.1と複合体を形成可能なことを特徴とする、配列番号1または2
    に由来するアミノ酸の未破壊配列を含む単離されたポリペプチド。
  2. 【請求項2】 ヒトリンパ球から免疫応答を誘導できることを特徴とする、
    配列番号1または2に由来するアミノ酸の未破壊配列を含む単離されたポリペプ
    チド。
  3. 【請求項3】 N末端アミノ酸に隣接するアミノ酸がLまたはM、好ましく
    はLであり、C末端アミノ酸がL、VまたはI、好ましくはLである、配列番号
    1または2に由来するアミノ酸の未破壊配列を含むノナペプチド。
  4. 【請求項4】 3位のアミノ酸がYであり、かつ/または、4位のアミノ酸
    がDであり、かつ/または、5位のアミノ酸がGであり、かつ/または、7位の
    アミノ酸がEであり、かつ/または、8位のアミノ酸がHである、請求項3記載
    のノナペプチド。
  5. 【請求項5】 アミノ酸配列: (a)FLLFKYQMK; (b)FIEGYCTPE;または (c)GLEGAQAPL のいずれか一つを備えたノナペプチド以外である、請求項1ないし4のいずれか
    一項に記載のポリペプチド。
  6. 【請求項6】 主要組織適合遺伝子複合体分子型HLA−A2、好ましくは
    HLA−A2.1と複合体を形成可能なことをさらに特徴とする、請求項2ない
    し5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  7. 【請求項7】 請求項3ないし5のいずれか一項に記載のノナペプチド、好
    ましくは配列番号1または2に由来するアミノ酸の未破壊配列を含むデカペプチ
    ド。
  8. 【請求項8】 アミノ酸配列GLYDGMEHLまたはGLYDGREHS
    、好ましくはGLYDGMEHLを有するノナペプチド。
  9. 【請求項9】 アミノ酸配列GLYDGMEHLIまたはGLYDGREH
    SV、好ましくはGLYDGMEHLIを有するデカペプチド。
  10. 【請求項10】 請求項3ないし9のいずれか一項に記載されたノナペプチ
    ドまたはデカペプチドを含むことを特徴とする、約93アミノ酸までの長さの単
    離されたポリペプチド。
  11. 【請求項11】 配列番号1または2に由来するアミノ酸の未破壊配列を含
    む請求項10記載のポリペプチド。
  12. 【請求項12】 前記未破壊配列が配列番号1に由来する、請求項1ないし
    11のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  13. 【請求項13】 ヒトリンパ球から免疫応答を誘導することができる、請求
    項1ないし12のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  14. 【請求項14】 主要組織適合遺伝子複合体分子型HLA−A2、好ましく
    はHLA−A2.1と複合体を形成した場合に、ヒトリンパ球から免疫応答を誘
    導することができる請求項13記載のポリペプチド。
  15. 【請求項15】 前記免疫応答が、ヒトTリンパ球による細胞溶解性応答で
    ある、請求項13または14記載のポリペプチド。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし15のいずれか一項に記載のポリペプチド
    を含む単離された、ポリペプチドまたはタンパクであって、前記単離された、ポ
    リペプチドまたはタンパクのアミノ酸配列が、配列番号1および2に記載された
    アミノ酸配列のいずれでも、配列番号7のヌクレオチド334−918にコード
    されたアミノ酸配列でもない、単離されたポリペプチドまたはタンパク。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし16のいずれか一項に記載されたポリペプ
    チドまたはタンパクに機能的に等価な相同体である単離されたポリペプチドまた
    はタンパクであって、前記単離されたポリペプチドまたはタンパクのアミノ酸配
    列が、配列番号1および2に記載されたアミノ酸配列のいずれでも、配列番号7
    のヌクレオチド334−918にコードされたアミノ酸配列でもない、単離され
    たポリペプチドまたはタンパク。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし16のいずれか一項に記載のポリペプチド
    またはタンパクをコードするヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を
    含む単離された核酸分子であって、前記ヌクレオチド配列が配列番号3、4、5
    、6または7のいずれかに記載された配列ではない、単離された核酸分子。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の核酸分子であって、配列番号3、4また
    は5に由来するヌクレオチドの未破壊配列、相補配列、または前記核酸分子のR
    NA転写物を含む核酸分子。
  20. 【請求項20】 ヌクレオチド配列が、複数のエピトープまたはポリトープ
    をコードする、請求項18または19に記載の核酸分子。
  21. 【請求項21】 プロモーターに機能的に連結された請求項18ないし20
    のいずれか一項に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
  22. 【請求項22】 主要組織適合遺伝子複合体分子型HLA−A2、好ましく
    はHLA−A2.1、サイトカインまたは共刺激分子、または細菌性もしくはウ
    イルス性ゲノムまたはこれらの一部をコードするヌクレオチド配列をさらに含む
    、請求項21記載の発現ベクター。
  23. 【請求項23】 請求項21または22に記載された発現ベクターを用いて
    トランスフォームまたはたトランスフェクトされた宿主細胞。
  24. 【請求項24】 主要組織適合遺伝子複合体分子型HLA−A2、好ましく
    はHLA−A2.1、サイトカインまたは共刺激分子をコードする発現ベクター
    を用いてトランスフォームまたはたトランスフェクトされた、請求項23記載の
    宿主細胞。
  25. 【請求項25】 請求項1ないし17のいずれか一項に記載の単離されたポ
    リペプチドまたはタンパクに対し、選択的に結合する、または、特異的な、ポリ
    ペプチド結合剤。
  26. 【請求項26】 請求項1ないし17のいずれか一項に記載された単離され
    たポリペプチドに特異的な抗体、好ましくはモノクローナル抗体または抗体フラ
    グメントを含む、請求項25記載のポリペプチド結合剤。
  27. 【請求項27】 請求項1ないし17のいずれか一項に記載されたポリペプ
    チドと、主要組織適合遺伝子複合体分子型HLA−A2、好ましくはHLA−A
    2.1との複合体に対し、選択的に結合する、または、特異的であるが、前記主
    要組織適合分子単独には結合しない、請求項25または26に記載のポリペプチ
    ド結合剤。
  28. 【請求項28】 請求項1ないし17のいずれか一項に記載されたポリペプ
    チドと、主要組織適合遺伝子複合体分子型HLA−A2、好ましくはHLA−A
    2.1との複合体に特異的な、細胞溶解性T細胞を含む、請求項25ないし27
    のいずれか一項に記載のポリペプチド結合剤。
  29. 【請求項29】 腫瘍の治療、予防または診断に使用するための、請求項1
    ないし17のいずれか一項に記載のポリペプチドまたはタンパク、請求項18な
    いし20のいずれか一項に記載の単離された核酸分子、請求項21または22に
    記載の発現ベクター、請求項23または24に記載の宿主細胞、あるいは、請求
    項25ないし28のいずれか一項に記載のポリペプチド結合剤。
  30. 【請求項30】 請求項1ないし17のいずれか一項に記載のポリペプチド
    またはタンパク、請求項18ないし20のいずれか一項に記載の核酸分子、請求
    項21または22に記載の発現ベクター、請求項23または24に記載の宿主細
    胞、あるいは、請求項25ないし28のいずれか一項に記載のポリペプチド結合
    剤を、任意に薬学的に許容できるキャリアーと混合して含み、さらに、任意に主
    要組織適合遺伝子複合体分子型HLA−A2、好ましくはHLA−A2.1を含
    む、腫瘍の予防、治療または診断用の薬学的組成物。
  31. 【請求項31】 主要組織適合分子、HLAと複合体形成し、APC、好ま
    しくは樹状細胞の表面に提示された、請求項1ないし17のいずれか一項に記載
    のポリペプチドまたはタンパクを含む、腫瘍の予防、治療または診断用の薬学的
    組成物であって、前記複合体が、前記APCをポリペプチドまたはタンパクを用
    いてパルスすることによって形成される薬学的組成物。
  32. 【請求項32】 請求項1ないし17のいずれか一項に記載のポリペプチド
    またはタンパクを用いてパルスされて、前記ポリペプチドまたはタンパクを主要
    組織適合分子、HLAとの複合体としてその表面に提示する細胞、好ましくはA
    PC、さらに好ましくは樹状細胞。
  33. 【請求項33】 共刺激分子をさらに含む、請求項30または31記載の薬
    学的組成物。
  34. 【請求項34】 請求項1ないし17のいずれか一項に記載のポリペプチド
    またはタンパク、または請求項18ないし20のいずれか一項に記載の核酸分子
    に特異的な薬剤を、患者から単離された生物学的サンプルと接触させ、かつ、疾
    患の測定として、サンプル中に遊離、またはサンプルの構成要素を形成する、ポ
    リペプチド、タンパクまたは核酸分子のいずれかと前記薬剤との間の相互作用を
    アッセイすることを含む、疾患、好ましくはガンを診断する方法。
  35. 【請求項35】 薬剤が、請求項25ないし28のいずれか一項に記載のポ
    リペプチド結合剤である、請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 個人からリンパ球サンプルを取り出し、そのリンパ球サン
    プルを請求項1ないし14のいずれか一項に記載のポリペプチドまたはタンパク
    、請求項21または22記載の発現ベクター、または請求項23または24記載
    の宿主細胞と培養することを含む、腫瘍細胞に対して反応性の細胞溶解性T細胞
    培養物を生成する方法。
  37. 【請求項37】 請求項1ないし17のいずれか一項に記載のポリペプチド
    またはタンパクを含む抗原を発現する腫瘍細胞に対して反応性の細胞溶解性T細
    胞を含む、腫瘍の予防、治療または診断に使用するための生成物。
  38. 【請求項38】 請求項37記載の生成物であって、請求項36に記載の方
    法によって得られた、または得ることができる生成物。
  39. 【請求項39】 腫瘍増殖を調節または妨げるのに有効な量で、患者に、請
    求項29、30、31、33、37または38のいずれか一項に記載の組成物を
    投与することを含む、患者の腫瘍を治療する方法。
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