JP2002527450A - 画像形成試薬としてのキレーターが組み込まれたArg−Gly−Asp(RGD)ミメティック合成ディスインテグリン類 - Google Patents

画像形成試薬としてのキレーターが組み込まれたArg−Gly−Asp(RGD)ミメティック合成ディスインテグリン類

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JP2002527450A
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アール. シン プラーランド
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Abstract

(57)【要約】 【化20】 本発明は、血小板糖タンパク質IIb/IIIa複合体のアンタゴニストとして作用する式(I)で表される新規な化合物と、該化合物から製造される99mTc標識放射性薬剤と、動脈および静脈の血栓の診断用の画像形成試薬として該化合物を用いる方法と、該化合物を含むキットと、を提供する。式中のR、R 、R、R、およびnは明細書中で定義される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の属する技術分野) 本発明は、放射性標識された、キレーターが組み込まれたRGD偽合成ディス
インテグリン類である新規な放射性薬剤と、動脈および静脈の血栓の診断に用い
る画像形成試薬(imaging agents)として該薬剤を使用する方法
と、該薬剤の調製に用いる新規な試薬と、該試薬を含有するキットとに関する。
【0002】 (発明の背景) 静脈および動脈の血栓塞栓疾患の臨床的な評価は、感度および特異性の両方が
欠けていると信頼できない。生命を脅かすおそれのある状況を鑑みると、非侵襲
的に(non−invasive)診断する方法を使用して血栓塞栓疾患を迅速
に診断する要求は、未だ臨床的に満たされていない。血小板活性と結果として生
じた血小板凝集は、不安定狭心症、心筋梗塞、一過性虚血性発作、脳卒中、アテ
ローム性動脈硬化症、および糖尿病などの心臓血管系や脳血管系の血栓塞栓疾患
を含む種々の病理生理学的な症状と関連することが示されている。血小板がこれ
らの疾患に寄与するのは、特に損傷した後の動脈壁において、凝集しまたは血小
板血栓を形成できることに由来する。これについては、一般に、Fusterら
の「J.Am.Coll.Cardiol、5巻、第6号、175B〜183B
頁(1985)」、Rubensteinらの「Am.HeartJ.、102
巻、363〜367頁(1981)」、Hammらの「J.Am.Coll.C
ardiol.、10巻、998〜1006頁(1987)」、およびDavi
esらの「Circulation、73巻、418〜427頁(1986)」
を参照して頂きたい。最近では、血小板糖タンパク質IIb/IIIa複合体(
GPIIb/IIIa)は、既知の血小板アゴニストに対する一般的な経路を提
供することによって、血小板凝集を媒介する細胞膜タンパク質として同定されて
いる。Philipsらの「Cell、65巻、359〜362頁(1991)
」を参照して頂きたい。
【0003】 また、血小板の活性と凝集は、血栓静脈炎とそれに付随する肺塞栓などの静脈
血栓塞栓疾患において重要な役割を果たしていると考えられている。また、血液
が人工器官の合成心臓弁などの人工表面上を流れる(flow over)患者
では、血小板栓、血栓、および塞栓の発生の危険性がある。これについては、一
般に、Fusterらの「J.Am.Coll.Cardiol.、5巻、第6
号、175B〜183B頁(1985)」、Rubensteinらの「Am.
HeartJ.、102巻、363〜367頁(1981)」、Hammらの「
J.Am.Coll.Cardiol.、10巻、998〜1006頁(198
7)」、およびDaviesらの「Circulation、73巻、418〜
427頁(1986)」を参照して頂きたい。
【0004】 血栓塞栓疾患のおそれのある患者を非侵襲的に診断しモニターするための適当
な手段はとても有用であることから、非侵襲的な放射性核種画像形成用の血小板
標的放射性標識薬の開発を何度か試みた。例えば、動脈血栓診断の画像形成に9
9mTcモノクローナル抗フィブリン抗体を用いて実験的研究を行った。Cer
queiraらの「Circulation、85巻、298〜304頁(19
92)」を参照して頂きたい。著者は、新たに生成した動脈血栓の画像形成にお
けるそのような試薬の実用可能性について報告している。131I標識し、活性
化したヒト血小板に対して特異性をもつモノクローナル抗体は、動脈血栓および
静脈血栓の診断への応用可能性があると報告されている。しかしながら、妥当な
血栓対血液比(標的対背景比)が得られるのは、放射性標識抗体を投与してから
4時間後のみである。これについては、Wuらの「Clin.Med.J、10
5巻、533〜559頁(1992)」を参照して頂きたい。最近では、125
I、131I、99mTc、および111Inで放射性標識した7E3モノクロ
ーナル抗血小板抗体の有用性も議論されている。CollerらのPCT出願国
際公開第WO89/11538号(1989)を参照して頂きたい。しかしなが
ら、放射性標識した7E3抗体は非常に大きな分子量を持った分子であるという
欠点を持っている。123I、125Iおよび131Iで放射性標識し、かつ酵
素学的に不活性化したt−PAを血栓の検出と限局(localization
)に用いる研究者もいる。Ordmらの「Circulation、85巻、2
88〜297頁(1992)」を参照して頂きたい。さらに、血栓塞栓の放射線
検出における他のアプローチも記載されており、例えば、Koblikらの「S
min.Nucl.Med、19巻、221〜237頁(1989)」を参照し
て頂きたい。
【0005】 動脈および静脈の血栓の検出と限局は、血栓塞栓疾患を正確に診断し、適切な
治療を行うには非常に重要である。血栓を検出する非侵襲的な放射性核種画像形
成に対する新しいより重要な放射性試薬が求められる。本発明は、この重要な目
的を指向する。
【0006】 (発明の概要) 従って、本発明の目的は、血小板糖タンパク質IIb/IIIa複合体のアン
タゴニストとして作用する放射性薬剤(radiophramaceutica
l)を製造するための新規の試薬を提供することである。
【0007】 本発明の他の目的は、血小板糖タンパク質IIb/IIIa複合体のアンタゴ
ニストとして作用する放射性薬剤を提供することである。
【0008】 本発明の他の目的は、動脈および静脈の血栓の診断に用いる画像形成試薬とし
ての上記薬剤の使用方法を提供することである。
【0009】 本発明の他の目的は、動脈および静脈の血栓の診断に用いる新規の放射性薬剤
組成物を提供することである。
【0010】 本発明の他の目的は、放射性薬剤組成物を製造するための本発明の化合物を含
有する新規のキットを提供することである。
【0011】 これらの目的やその他の目的は次の詳細な説明によって明らかになるが、これ
らは態様は、化学式(1)の化合物、
【0012】
【化8】
【0013】 または薬剤学上許容し得る塩、またはそれらのプロドラッグが、血小板糖タンパ
ク質IIb/IIIa複合体のアンタゴニストとして作用する放射性薬剤の製造
する際に効果的な試薬であるという本発明者の発見により達成されたものである
。式中のn、R、R、R、およびRは下記で定義される。
【0014】 (好適な実施態様の詳細な説明) [1] 従って、第1の実施態様において、本発明は、式(I)の新規な化合物
【0015】
【化9】
【0016】 またはその薬剤学的に許容できる塩を提供する。式中、 Rは、HおよびNHの群から選択され; Rは、CHCOHおよびCHCHCOHの群から選択され; Rは、
【0017】
【化10】
【0018】 の群から選択され、式中の*はRが式Iに結合されている所を示し; Rは、CHNHC(=NH)NH,NHC(=NH)NH,C(=N
H)NH,CHC(=NH)NH、およびCHCHC(=NH)NH の群から選択され;そして nは、0または1である。
【0019】 [2] より好ましい実施態様において、本発明は、式中のRがNHC(=N
H)NHである新規な化合物を提供する。
【0020】 [3] より好ましい実施態様において、本発明は、次の新規な化合物を提供す
る:式中、 Rは、NHであり; Rは、CHCOHであって、 Rは、
【0021】
【化11】
【0022】 であって、式中の*はRが式Iに結合されている所を示し;そして nは、0である。
【0023】 [4] 別のより好ましい実施態様において、本発明は、次の新規な化合物を提
供する:式中、 Rは、Hであり; Rは、CHCOHであり; Rは、
【0024】
【化12】
【0025】 であって、式中の*はRが式Iに結合されている所を示し;そして nは、0である。
【0026】 [5] 別のより好ましい実施態様において、本発明は、次の新規な化合物を提
供する:式中、 Rは、NHであり; Rは、CHCOHであり; Rは、
【0027】
【化13】
【0028】 であって、式中の*はRが式Iに結合されている所を示し;そして nは、1である。
【0029】 [6] 別のより好ましい実施態様において、本発明は、次の新規な化合物を提
供する:式中、 Rは、NHであり; Rは、CHCOHであり; Rは、
【0030】
【化14】
【0031】 であって、式中の*はRが式Iに結合されている所を示し;そして nは、0である。
【0032】 [7] 別のより好ましい実施態様において、本発明は、次の新規な化合物を提
供する:式中、 Rは、Hであり; Rは、CHCOHであり; Rは、
【0033】
【化15】
【0034】 であって、式中の*はRが式Iに結合されている所を示し;そして nは0である。
【0035】 [8] 第2の実施態様において、本発明は、所定量の式(I)の化合物または
その薬剤学的に許容できる塩を含む放射性薬剤を調製するための新規なキットを
提供する。
【0036】 [9] 第3の実施態様において、本発明は、式(I)の化合物および99m
cの複合体を含む新規な放射性薬剤を提供する。
【0037】 [10] 第4の実施態様において、本発明は、放射性薬剤学的に許容できる担
体および99mTc標識した式(I)の化合物を含む新規な放射性薬剤組成物を
提供する。
【0038】 [11] 第5の実施態様において、本発明は、(i)前記哺乳動物に有効量の 99m Tc標識した式(I)の化合物を投与すること、および、 (ii)前記哺乳動物の画像形成を行うこと、 を含む新規な画像形成方法を提供する。
【0039】 [12] 別の好ましい実施態様において、前記画像形成方法は哺乳動物中の血
小板沈着部位を視覚化するためである。
【0040】 [13] 別の好ましい実施態様において、前記画像形成方法は哺乳動物中の血
小板沈着を測定するためである。
【0041】 [14] 別の好ましい実施態様において、前記画像形成方法は哺乳動物中の血
小板沈着と関連する障害を診断するためである。
【0042】 [15] 第6の実施態様において、本発明は、哺乳動物の放射線画像形成(r
adioimaging)用の無菌かつ非発熱性キットであって、 (a)所定量の式(I)の化合物、および (b)所定量の還元剤 を含むキットを提供する。
【0043】 [16] 別の好ましい実施態様において、前記成分(a)および(b)がバイ
アル中に含まれている。
【0044】 [17] 別の好ましい実施態様において、前記成分(a)が第1のバイアル中
に含まれ、前記成分(b)が第2のバイアル中に含まれている。
【0045】 [18] 別の好ましい実施態様において、前記還元剤は塩化第一スズである。
【0046】 (定義) 上記のように、本発明の化合物を放射性標識することができる。「放射性標
識する」とは、対象となる血小板糖タンパク質IIb/IIIa化合物が哺乳動
物患者への投与に適した放射性同位体を含むということを意味する。
【0047】 「金属キレーター」および「キレーター」は、全体として互換性あるものとし
て使用され、金属核と結合できまたは複合体を形成することができる化学部分を
示す。
【0048】 以下に記載するように、本発明の血小板糖タンパク質IIb/IIIa化合物
は、キレート剤を介して放射性標識が該化合物に組み込まれることによって放射
性標識されており、この場合、このキレート剤は該化合物に組み込まれている。
化学式(I)では、金属キレートは次の基を意図する。
【0049】
【化16】
【0050】 本発明の放射性標識化合物は、現在のまたは可能性のある血栓塞栓疾患を診断
するための非侵襲的な画像形成に対する放射性薬剤として有用であることが発見
された。血栓塞栓疾患とは、例えば、不安定狭心症、心筋梗塞、一過性虚血性発
作、脳卒中、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、血栓静脈炎、肺疾患塞栓症、血
小板栓症、および心臓弁などの人工心臓装置によって起こる血栓または塞栓を含
む、動脈血栓および静脈血栓などである。本発明の放射性標識化合物は、新しく
形成されるまたはすでに形成されているの両方の血栓に有用である。本発明の放
射性標識化合物は、転移ガン細胞に見られようなGPIIb/IIIa複合体が
過剰発現している現在のまたは可能性のある状態を診断することにも有用である
。対象となる放射性標識化合物を少量で効果的に用いて、毒性の危険性を最小に
できる。また、対象となる化合物は、例えば、当該技術分野に知られている放射
性標識7E3抗体よりも非常に小さいサイズであり、それゆえ血栓の検出に妥当
な標的対背景(T/B)比を容易に得ることができる。本発明の放射性標識化合
物の用途は、後述する有用性の項目でさらに詳しく説明する。
【0051】 「診断キット」は、本明細書では、放射性薬剤を合成するために臨床環境また
は薬学環境でこれを実施するエンド・ユーザーによって使用される一または複数
のバイアル内に製剤と呼ばれる成分の集合体を含む。このキットは、注入用の水
または食塩水、放射性核種溶液、放射性薬剤合成する際に必要に応じてキットを
加熱する装置、注射器やシールディングなど放射性薬剤を患者に投与するときに
必要な器具、および画像形成機器など、これを実施するエンド・ユーザーが一般
に得られるものを除き、放射性薬剤を合成し使用する際に必要なすべての成分を
含む。
【0052】 本キットは、一または複数のバイアル内に入れておくものであり、製剤の全部
または一部は、独立して無菌の溶液または凍結乾燥された固体の形態をとること
ができる。貯蔵安定性を増加させるために、試薬と還元剤は凍結乾燥されている
ことが好ましい。凍結乾燥をしないならば、本キットを凍らせるか、室温で溶液
中に貯蔵することができる。使用する溶媒は、通常、水または食塩水であるが、
水の方が好ましい。キットは密封しておくことが好ましい。
【0053】 本明細書中で用いる「緩衝剤」は、キットの製造の際と放射性薬剤の合成の際
にキットのpHを制御するために使用する化合物である。
【0054】 「凍結乾燥補助剤」は、本明細書では、ガラス転移温度などの凍結乾燥に好ま
しい物性を有する組成物をいい、凍結乾燥に関するキットの成分のすべてを組み
合わせたもの物性を向上させるために診断キットに添加される。
【0055】 「安定化補助剤」は、本明細書では、放射性薬剤が合成された後に放射性薬剤
を安定化するか、またはキット使用前の貯蔵寿命を延長するために、放射性薬剤
または診断キットに添加する成分である。安定化補助剤は、酸化防止剤でも、還
元剤でも、またはラジカルスカベンジャーでもよく、他の成分または放射性薬剤
を劣化させる化学種と優先的に反応して安定性を高めることができる。
【0056】 「可溶化補助剤」は、本明細書では、放射性薬剤の合成に必要な媒体における
一または複数の他の成分の溶解性を向上させる成分である。
【0057】 本明細書中で用いる「静菌剤」は、診断キット使用前の貯蔵の際や診断キット
を使用して放射性薬剤を合成した後において、診断キットにおける細菌の成長を
抑制する成分である。
【0058】 「還元剤」は、本明細書では、放射性核種と反応する化合物であり、電子(対
)を放射性核種に渡すことによって酸化状態を低下させ、それによって放射性核
種をより反応性に富むものとするために、通常、比較的反応性の低い高酸化力状
態の化合物として得られる。放射性核種を調製するのに有用であり、この放射性
核種を調製するのに有用な診断キットに有用である還元剤には、塩化第一すず、
フッ化第一すず、硫酸ホルマミジン、アスコルビン酸、システイン、ホスフィン
、および第一銅塩または第一鉄塩が含まれるが、これらに限定されるものではな
い。別の還元剤は、BrodackらによるPCT出願第94/22496号に
記載されており、参照により本明細書中の一部に取り入れられる。
【0059】 「転移配位子」は、本明細書では、放射性核種と中間複合体を形成する配位子
であり、この中間複合体は、不要な副反応を防ぐ程度に安定であるが、放射性薬
剤に転換することができる程度に変化しやすいものである。中間複合体の形成は
動力学的に有利である一方、放射性薬剤の形成は熱力学的に有利である。放射性
核種を調製するのに有用であり、この放射性核種を調製するのに有用な診断キッ
トに有用である転移配位子には、グルコネート,グルコヘプトネート、マンニト
ール、グルコレート、N,N,N’,N’−エチレンジアミン四酢酸、ピロホス
フェート、およびメチレンジホスホネートが含まれるが、これらに限定されるも
のではない。一般に、転移配位子は、酸素供与原子または窒素供与原子を含有す
る。
【0060】 本明細書中に記載されている化合物は、非対称中心を有することができる。明
示の示唆がない限り、本発明には、すべてのキラル体、ジアステレオマー体、お
よびラセミ体が含まれる。本明細書中に記載されている化合物中には、オレフィ
ン、C=N二重結合、およびこれらの類似構造の幾何異性体が多数存在し、この
ような安定なすべての異性体を本発明中で考慮する。充分に理解しておくべきこ
とは、本発明の化合物は不斉置換炭素原子を含有しているため、光学活性体かラ
セミ体かを区別できることである。ラセミ体を分割することや光学活性出発物質
から合成するなどの光学活性体の調製方法は、当該技術分野においては周知であ
る。ぺプチド結合の二つの異なる異性体(シスとトランス)が存在することは既
知であり、本明細書中に記載されている化合物中にも存在し、本発明では、この
ような安定な異性体のすべてを考慮に入れる。特に具体的に明記しない限り、本
発明化合物のすべての位置においてL−異性体(あるいは等価なRまたはS立体
配置)のアミノ酸を用るのが好ましい。特定の立体化学または異性体が特に示さ
れない限り、前文で示したものを除いて、一構造物のすべてのキラル体、ジアス
テレオマー体、及びラセミ体と、すべての幾何異性体を考慮する。特定のアミノ
酸のDおよびL異性体は、アミノ酸の慣用的3文字略語を用いて本明細書中に示
してあり、D−LeuまたはL−Leuのように示す。
【0061】 Pgは、放射性核種との反応で置換され、または反応(放射性標識)状態下で
脱保護されることができる種々のチオール保護基の中から選択されたものである
。このようなチオール保護基には、GreeneとWutsの「Protect
ive Groups in Organic Synthesis、John
Wiley & Sons、ニューヨーク(1991)」にリストされている
ものが含まれ、この開示事項は参照により本明細書中の一部に取り入れられる。
当業者に周知であるチオール保護基はいずれも使用できる。好ましいチオール保
護基の例には、アセトアミドメチル(ACM)、1−エトキシエチル(EOE)
、p−アニシリデン、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラニル
(THF)、およびそれらの誘導体が含まれる。
【0062】 「アミン保護基」は、本明細書では、アミン基の保護に関する有機合成の技術
分野で知られているいずれの基も意味する。このようなアミン保護基には、Gr
eeneとWutsの「Protective Groups,in Orga
nic Synthesis John Wile&Sons、ニューヨーク(
1991)」、および、「The Peptides:Analysis,Sy
nthesis,Biology、3巻、Academic Press、ニュ
ーヨーク(1981)」にリストされているものが含まれるが、これらの開示事
項は参照により本明細書の一部に取り入れられる。当該技術分野で知られている
いずれの保護基も使用できる。アミン保護基の例は、次のもの、すなわち、1)
ホルミル、トリフルオロアセチル、フタリル、p−トルエンスルホニルなどのア
シル型、2)ベンジルオキシカルボニル(CbzまたはZ)、置換ベンジルオキ
シカルボニル、1−(p−ビフェニル)−1−メチルエトシキカルボニル、9−
フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)などの芳香族カルバメート、
3)第三級ブチルオキシカルボニル(Boc)、エトシキカルボニル、ジイソプ
ロピルメトキシカルボニル、およびアリールオキシカルボニルなどの脂肪族カル
バメート型、4)シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボ
ニルなどの環状アルキルカルバメート型、5)トリフェニルメチルおよびベンジ
ルなどアルキル型、6)トリメチルシランなどのトリアルキルシラン、7)フェ
ニルチオカルボニルおよびジチアスクシノイルなどのチオール含有型を含むが、
それらに限定されるものではない。また、「アミノ保護基」には、アジドベンゾ
イル、p−ベンゾイルベンゾイル、o−ベンゾイルベンゾイル、p−アセチルベ
ンゾイル、ダンシル、グリシル−p−ベンゾイルベンゾイル、フェニルベンゾイ
ル、m−ベンゾイルベンゾイル、およびベンゾイルベンゾイルなどのアシル型が
含まれる。
【0063】 「薬剤学的に許容される」という語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の
毒性、刺激性、アレルギー反応、またはその他の問題、または合併症もなく、妥
当な利益/危険比に比例するように、ヒトおよび動物の組織に接触する使用に適
している上記化合物、物質、組成物および/または剤形を意味するために用いら
れる。
【0064】 「薬剤学的に許容される塩」は、本明細書中では、親化合物がその酸または塩
基の塩をつくることで修飾された、開示化合物の誘導体を意味する。薬剤学的に
許容される塩の例には、アミンなどの塩基性残基の鉱酸または有機酸の塩、カル
ボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩が含まれるが、それらに限定さ
れるものではない。薬剤学的に許容される塩には、例えば、非毒性の無機酸また
は有機酸から生成される親化合物の従来の非毒性塩または四級アンモニウム塩が
含まれる。例えば、これら従来の非毒性塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スル
ファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸から誘導された塩、酢酸、プロピオン酸
、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸
、アスコルビン酸、パム酸(pamoic acid)、マレイン酸、ヒドロキ
シマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファ
ニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスル
ホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などの有機酸から調製し
た塩が含まれる。
【0065】 本発明化合物の薬剤学的に許容される塩は、塩基性基または酸性基を含有する
親化合物から、従来の化学的方法により合成することができる。一般に、このよ
うな塩は、遊離の酸または塩基の形態をとるこれらの化合物を、水または有機溶
液、または両者の混合物中で化学量論的量の適当な塩基または酸と反応させるこ
とによって調製できる。一般に、エーテル、EtOAc、エタノール、イソプロ
パノール、またはアセトニトリルのような非水媒体が好ましい。適切な塩のリス
トは、Remington’s pharmaceutical Scienc
es、18版、Mack Publishing Company、Easto
n、ペンシルベニア州、1445頁、1990年に見出され、その開示内容を本
明細書中で参照により取り入れる。
【0066】 プロドラッグは非常に多くの所望の薬剤特性(すなわち、溶解性、バイオアベ
イラビリティ、生産性など)を高めることが知られているため、本発明の化合物
はプロドラッグ体として送達してもよい。したがって、本発明は、特許請求の範
囲で権利請求された化合物のプロドラッグ、これらを送達する方法、およびこれ
らを含む組成物を含むことを意図する。「プロドラッグ」は、本明細書に用いら
れる用語として、そのプロドラッグを哺乳動物に投与したときに、本発明の活性
な親薬物をin vivoで放出する、共有結合したいずれの坦体をも含むこと
を意味する。本発明のプロドラッグは、本発明の化合物に存在する官能基を修飾
することによって調製され、その修飾が通常の操作またはin vivoのいず
れかで切断されると親化合物になるようにする。プロドラッグには、本発明化合
物中のヒドロキシル基、アミノ基、またはスルフヒドリル基が任意の基に結合し
ているが、本発明のプロドラッグが哺乳動物に投与されたときにそれらが切断さ
れてそれぞれ遊離のヒドロキシル基、遊離のアミノ基、または遊離のスルフヒド
リル基を生ずる本発明化合物が含まれる。プロドラッグの具体例には、本発明化
合物中のアルコール官能基またはアミン官能基の酢酸誘導体、ギ酸誘導体、およ
び安息香酸誘導体などが含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0067】 「アミノ酸」は、本明細書では、塩基性アミノ基および酸性アミノ基の両方を
含む有機化合物をいう。この語には、修飾アミノ酸や特殊な(unusual)
アミノ酸が含まれ、これらは、例えば、RobertsらのVellaccio
The Peptides,5:342−429頁(1983)」に開示され
ており、その内容を援用により本明細書に取り入れる。本発明を実施するのに用
いられる修飾アミノ酸や異常アミノ酸には、D−アミノ酸、ヒドロキシリジン、
4−ヒドロキシプロリン、オルニチン、2,4−ジアミノブタン酸、2,3−ジ
アミノプロピオン酸、β−2−チエニルアラニン、4−アミノフェニルアラニン
、ホモアルギニン、ノルロイシン、N−メチルアミノブタン酸、ナフチルアラニ
ン、フェニルグリシン、β−フェニルプロリン、第三級ロイシン、4−アミノシ
クロヘキシルアラニン、N−メチル−ノルロイシン、3,4−デヒドロプロリン
、4−アミノピペリジン−4−カルボン酸、6−アミノカプロン酸、トランス−
4−(アミノメチル)−シクロヘキサンカルボン酸、2−(アミノメチル)−安
息香酸、3−(アミノメチル)−安息香酸、4−(アミノメチル)−安息香酸、
1−アミノシクロペンタンカルボン酸、1−アミノシクロプロパンカルボン酸、
および2−ベンジル−5−アミノペンタン酸が含まれるが、これらに限定される
ものではない。
【0068】 「アミノ酸残基」は、本明細書では、ペプチド中に存在するアミノ酸(本明細
書中で定義されている)の部分を意味する。「ペプチド」は、本明細書では、ペ
プチド結合によって連結している二つまたは複数のアミノ酸(本明細書中で定義
されているもの)から成る鎖状化合物を意味する。また「ペプチド」は、ペプチ
ド成分と、擬ペプチド(pseudopeputide)またはペプチドミメチ
ック(peputide mimetic)の残基若しくは他の非アミノ酸成分
などの非ペプチド成分の両方を含む化合物を含む。このようなペプチド成分と非
ペプチド成分の両方を含む化合物を「ペプチドアナログ」という。
【0069】 本明細書中では次の省略形が使用される。
【0070】
【表1】
【0071】 一般に、ペプチドは、C末端残基のα−アミンを脱保護し、次の適切に保護さ
れたアミノ酸をペプチド結合を介して連結させる、以下に記載する方法により伸
長させる。この脱保護と連結の手順を繰り返せば、望みとする配列を得ることが
できる。この連結は、逐次的な方法でアミノ酸成分を用いて行ったり、断片(2
から数個のアミノ酸)を縮合したり、または両方の方法を組み合わせたり、若し
くはMerrifield「J.Am.Chem.Soc.、85巻、2149
〜2154頁(1963)」によってもたらされた方法である固相ペプチド合成
によって行ったりすることができ、これらの開示事項を援用により本明細書に取
り入れる。
【0072】 本発明の化合物は、自動ペプチド合成装置を用いても合成できる。上記の方法
に加え、ペプチド合成方法としては、StewartとYoungの「Soli
d Phase Peptide Synthesis、2版、Pierce
Chemical Co.社、ロックフォード、イリノイ州(1984)」、G
ross、Mienhofer、およびUdenfriend Eds.の「T
he Peptide:Analysis,Synthesis,Biolog
y、1,2,3,5および9巻、Academic Press社、ニューヨー
ク(1980〜1987)」、Bodanszkyの「Peptide Che
mistry:A Practical Textbook、Springer
−Verlag社、ニューヨーク(1988)」、およびBodanszkyの
「The Practice of Peptide Synthesis、S
pringer−Verlag社、ニューヨーク(1984)」に述べられてお
り、これらの開示事項を援用により本明細書に取り入れる。
【0073】 二つのアミノ酸誘導体の間の連結、アミノ酸とペプチドの間の連結、二つのペ
プチド断片の間の連結、またはペプチドの環化は、標準的な連結方法を用いて行
うが、その方法には、アジド法、混合カルボン酸無水物(イソブチルクロロギ酸
塩)法、カルボジイミド(ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカ
ルボジイミド、または水溶性カルボジイミド)法、活性エステル(p−ニトロフ
ェニルエステル、N−ヒドロキシスクニシックイミドエステル)法、Woodw
ard試薬K法、カルボニルジイミダゾール法、BOP−Clなどのリン試薬、
または酸化−還元法がある。これらの方法(特に、カルボジイミド法)には、1
−ヒドロキシベンゾトリアゾールを加えることによって促進することができるも
のがある。これらの結合反応は、溶液(水相)または固相のどちらかで行う。
【0074】 アミノ酸成分の官能基は、不要な結合が形成されることを避けるため、連結反
応を行っている間は必ず保護する。使用される保護基は、Greeneの「Pr
otective Groups in Organic Synthesis
、John Wiley & Sons、ニューヨーク(1981)」、および
「The Peptide:Analysis,Synthesis,Biol
ogy、3巻、Academic Press社、ニューヨーク(1981)」
にリストされており、これらの開示事項を援用により本明細書に取り入れる。
【0075】 C末端残基のα−カルボニル基は、通常は、切断によってカルボン酸を生ずる
こととなるエステルにより保護される。これらの保護基には、1)メチルやt−
ブチルなどアルキルエステル、2)ベンジルや置換ベンジルなどアリールエステ
ル、または3)トリクロロエチルやフェナシルエステルなどの穏やかな塩基処理
または穏やかな還元処理によって切断されるエステルが含まれる。固相の場合、
C−末端アミノ酸は、不溶性のキャリア(通常、ポチスチレン)に結合している
。これらの不溶性のキャリアは、カルボキシル基と反応し、伸長するときの条件
に対しては安定であるが、その後に容易に切断される結合を形成する基を含む。
それらの例としては、オキシム樹脂(DeGradoとKaiser「J. O
rg. Chem.45巻、1295〜1300頁(1980)」)、塩化メチ
ル樹脂または臭化メチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、およびアミノメチル樹脂
がある。これらの樹脂の多くは商業的に入手可能であり、樹脂には望みとするC
末端アミノ酸がすでに組み込まれている。
【0076】 各アミノ酸のα−アミノ基は保護しなければならない。当該技術分野で知られ
ているいずれの保護基も使用できる。これらの例として、1)ホルミル、トリフ
ルオロアセチル、フタリル、p−トルエンスルホニルなどのアシル型、2)ベン
ジルオキシカルボニル(Cbz)と置換ベンジルルオキシカルボニル、1−(p
−ビフェニル)−1−メチルエトシキカルボニル、9−フルオレニルメチルオキ
シカルボニル(Fmoc)などの芳香族カルバメート、3)t−ブチルオキシカ
ルボニル(Boc)、エトシキカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル
、およびアリールオキシカルボニルなどの脂肪族カルバメート型、4)シクロペ
ンチルオキシカルボニルやアダマンチルオキシカルボニルなどの環状アルキルカ
ルバメート型、5)トリフェニルメチルやベンジルなどアルキル型、6)トリメ
チルシランなどのトリアルキルシラン、7)フェニルチオカルボニルやジチアス
クシノイルなどのチオール含有型がある。好ましいα−アミノ保護基は、Boc
またはFmocである。ペプチド合成の際に適当に保護されるアミノ酸誘導体は
、商業的に入手可能なものが多い。
【0077】 α−アミノ保護基の開裂は、次のアミノ酸の連結より前に行われる。Boc基
を使用した場合、とり得る方法は、トリフルオロ酢酸のみ、またはジクロロメタ
ン中トリフルオロ酢酸、若しくはジオキサン中HClである。結果により生じた
アンモニウム塩は、次に、連結前に、またはその場で(in situ)、緩衝
溶液などの塩基性溶液、またはジクロロメタン中またはジメチルホルムアミド中
の第三級アミンを用いて中和される。Fmocを使用した場合、とり得る試薬は
、ジメチルホルムアミド中のピペリジンまたは置換ピペリジンであるが、第二級
アミンまたは塩基性水溶液も使用できる。脱保護は、0℃と室温の間で温度で行
う。
【0078】 側鎖官能基を持つアミノ酸は、上記の同定された基のいずれかを使用するペプ
チドを調製する際には保護しなければならない。当業者が認識しておくべきこと
は、これらの側鎖官能基に対する適当な保護基の選択と使用は、ペプチド中のア
ミノ酸と他の保護基の存在に依存することである。このような保護基の選択は、
α−アミノ酸の脱保護および連結を行っている間にこの保護基を取り除かなくて
もよい点で重要である。
【0079】 例えば、α−アミンの保護にBocが用いられた場合、次の保護基、すなわち
、アルギニンに対しては、p−トルエンスルホニル(トシル)部およびニトロを
利用することができ、リジンに対しては、ベンジルオキシカルボニル、置換ベン
ジルオキシカルボニル、トシルまたはトリフルオロアセチルを利用することがで
き、グルタミン酸とアスパラギン酸に対しては、シクロペンチルなどのベンジル
またはアルキルのエステルを利用することができ、セリンとトレオニンに対して
は、ベンジルエーテルを利用することができ、チロシンに対しては、ベンジルエ
ーテル、置換ベンジルエーテル、または2−ブロモベンジルオキシカルボニルを
利用することができ、システインに対してはp−メチルベンジル、p−メトキシ
ベンジル、アセトアミドメチル、ベンジル、またはt−ブチルスルホニルを利用
することができる。トリプトファンのインドールは、保護しないか、ホルミル基
で保護する。
【0080】 α−アミノ酸の保護にFmocが使用された場合、通常は第三級ブチル塩基性
保護基が用いられる。例えば、Bocはリジンに対して用いられ、第三級ブチル
エーテルはセリン、トレオニン、およびチロシンに対して用いられ、t−ブチル
エステルはグルタミン酸とアスパラギン酸に対して用いられる。
【0081】 固相合成を用いた場合、環化を妨げることがある官能基から保護基を同時に取
り除くことなく、ペプチドを樹脂から取り除かなければならない。従って、ペプ
チドを溶液中で環化させるならば、同時に他の保護基を取り除かなくても、遊離
のα−カルボキシレートと遊離のα−アミノ基が生ずるような切断条件を選ぶ必
要がある。あるいは、ペプチドをヒドラジン分解によって樹脂から取り除き、次
にアジド法で連結してもよい。他の非常に便利な方法は、オキシム樹脂上でペプ
チドを合成し、次に樹脂から分子間求核置換を行い、環状ペプチドを生じさせる
ものである(Osapay、Profit、およびTaylor「Tetrah
edron Letters 43巻、6121−6124頁(1990)」)
。オキシム樹脂を用いた場合、Boc保護スキームを一般に選択する。次に、側
鎖の保護基を取り除く好ましい方法には、0℃において、ジメチルスルフィド、
アニソール、チオアニソール、またはp−クレソールなどの添加物を含有する無
水HFで処理することが一般に含まれる。ペプチドの切断は、トリフルオロメタ
ンスルホン酸/トリフルオロ酢酸の混合物など、他の酸試薬によっても行われる
【0082】 この発明における異常アミノ酸は、当業者によく知られた標準的な方法(「T
he Peptide:Analysis,Synthesis,Biolog
y、5巻、342〜449頁、Academic Press社、ニューヨーク
(1981)」)で合成できる。N−アルキルアミノ酸は、上記の方法(Che
ungらの「Can.J.Chem.55巻、906頁(1997)」、Fre
idingerらの「J.Org.Chem.48巻、77頁(1982)」)
を使用して調整することができ、これらの開示事項を援用により本明細書に取り
入れる。
【0083】 本発明の化合物は、以下でさらに詳しく述べた方法を用いて調製することがで
きる。本発明の化合物を調製するのに使用する代表的な原料と方法は、以下でさ
らに詳しく述べる。
【0084】 マニュアル固相ペプチド合成は、BioRad Inc.社から購入した25
mLのポリプロピレン濾過チューブ中で行うか、またはPeptide Int
ernational社から購入した60mLの水銀時計(hour−glas
s)の反応容器中で行った。オキシム樹脂(置換濃度=0.96mmol/g)
は、刊行された方法(DeGradoとKaiser、「J.Org.Chem
.45巻、1295頁(1980)」)に従って調製するか、またはNovab
iochemから購入した(置換濃度=0.62mmol/g)。すべての化学
品と溶媒(試薬等級)は、購入元から得たものを使用し、精製はさらに行わなか
った。t−ブチルオキシカルボニル(Boc)アミノ酸と他の出発原料となるア
ミノ酸は、Bachem Inc.社、Bachem Bioscience
Inc.社(フィフィラデルフィア、ペンシルベニア州)、Advanced
ChemTech社(ルイスビル、ケンタッキー州)、Peninsula L
aboratories社(ベルモント、カルホルニア州)、またはSigma
社(セントルイス、ミズーリ州)から商業的に入手したものである。2−(1H
−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム
ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)とTBTUは、Advaced Ch
emTech社から購入した。N−メチルモルホリン(NMM)、m−クレゾー
ル、D−2−アミノ酪酸(Abu)、トリメチルアセチルクロライド、ジイソプ
ロピルエチルアミン(DIEA)は、Aldrich Chemical Co
mpany社から購入した。ジメチルホルムアミド(DMF)、エチルアセテー
ト、クロロホルム(CHCl)、メタノール(MeOH)、ピリジン、および
塩酸(HCl)は、Baker社から得た。アセトニトリル、ジクロロメタン(
DCM)、酢酸(HOAc)、トリフルオロ酢酸(TFA)、エチルエーテル、
トリエチルアミン、アセトン、および硫酸マグネシウムは、商業的に入手した。
無水エタノールは、Quantum Chemical Corporatio
n社から得た。
【0085】 本発明の他の特徴は、次の代表的な態様の説明の過程において明らかにするが
、これらの態様は本発明を理解するためのものであって、それらの態様に限定す
ることを意図するものではない。
【0086】 (実施例) (実施例1) 3−(3−((4−(アミジノアミノ)フェニル)カルボニルアミノ)−2−
アミノプロパノイルアミノ)−3−(N−(2−チエニルメチル)カルバモイル
)プロパン酸の調製
【0087】
【化17】
【0088】 Boc−Asp(OBzl)−OH2.27モル,0.95gとカップリング
したアミノメチル−チオフェンを、CHCl(10mL)中のTFA(10
mL)を用いて脱保護した。反応混合物を2時間攪拌し、次いで濃縮してオイル
とした。CHCl20mLアリコートによる追加の洗浄を3回行い、微量の
TFAすべてを除去した。得られた化合物を、乾燥DMF35mLの存在下で、
Z−Dap(Boc)−OH2.4モル,0.81g、TBTU2.4モル,0
.77g、およびDIPEA7.51モル,1.31mLと反応させた。反応混
合物を0℃で24時間攪拌した。溶媒をロータリーエバポレーションで除去し、
オイルを生成し、該オイルをEtOAc25mLに溶かし、HO、5%クエン
酸、飽和NaHCO、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥した。これにより、
保護された核キレーター骨格Bを生成された。TFA5mLおよびCHCl 5mLで攪拌することにより、B上のBoc基を除去した。反応混合物を2時間
攪拌し、次いで溶媒を真空下で除去した。続いて、CHClを3回洗浄し、
微量のTFAを取り除いた。
【0089】 DMF15mL中のTBTU0.424g,1.32モル、DIPEA740
mL,4.25モルの存在下、B0.8g,1.25モルとグアニジノ安息香酸
0.285g,1.32モルとを混合することにより、グアニジノ安息香酸のカ
ップリング行った。ワークアップの前に反応混合物を0℃で一晩攪拌し、保護さ
れた官能性キレーターをオイルとして生成した。C60mgをTFA1〜2mL
に溶かすことにより、保護基(OBzlおよびZ)を除去した。反応混合物をア
セトン/乾燥氷浴中で−16℃まで冷却した。温度を約−10℃で維持しながら
、TFMSA1〜2mLを滴下により加えた。アニソール0.4mLを加え、紫
色に変化した反応混合物を−10℃でさらに3時間攪拌した。続いて、冷ジエチ
ルエーテル45mLを反応混合物に加え、温度を約−35℃まで低下させた。混
合物をこれらの条件下で0.5時間攪拌し、その後温度をさらに約−78℃まで
低下させ、さらに1.5時間攪拌した。生成した白色の沈殿物を媒体フリット漏
斗を濾過して濾過し、数回冷エーテルで洗浄した。沈殿物を100mLフラスコ
に移し、水:アセトン(1:1)混合物20mLに溶解した。樹脂を洗浄する前
に、この溶液をBio−Rad−AG1×2(アセテート)1.5mLで処理し
た。混合物を30分間攪拌し、その後pHを1.0から4.5まで変化させた。
溶液を濾過し、樹脂を水(3×5mL)で洗浄し、濾液を凍結乾燥した。
【0090】 粗生成物の精製を分取HPLCにより行った(Rainin機器およびVyd
ac C18カラム(5cm×25cm)を使用、流速15mL/分、30分間
で2%Bから20%Bへの勾配移動相(A=0.1%TFAを含む100%水、
およびB=0.1%TFAを含む50%アセトニトリル水溶液)を用いる、22
0nmでモニター、保持時間(分):16.9。この化合物を以下に示した方法
を用いて分析した:分析HPLC方法、Hewlett Packardモデル
1050機器およびVydac C18カラム(4.6mm×25cm)を使用
、流速1mL/分、45分間で2%Bから100%Bの勾配移動相(A=0.1
%TFAを含む100%水、B=0.1%TFAを含む90%アセトニトリル水
溶液)を用いる、220nmでモニター、保持時間(分):10.11。MS−
FABm/z C2025S+Hについての計算値:476.53;
実験値:476.3。
【0091】 (実施例2) 3−(3−((4−(アミジノアミノ)フェニル)カルボニルアミノ)プロパ
ノイルアミノ)−3−(N−(2−チエニルメチル)カルバモイル)プロパン酸
の調製
【0092】
【化18】
【0093】 Z−Dap(Boc)−OHの代わりにBoc−β−Alaを用いてキレータ
ー骨格を調製したことを除き、実施例1で用いる方法と類似の方法により実施例
2の合成を行った。
【0094】 粗生成物の精製を分取HPLCにより達成した(Rainin機器およびVy
dac C18カラム(5cm×25cm)を使用、流速15mL/分、30分
間で2%Bから20%Bへの勾配移動相(A=0.1%TFAを含む100%水
、およびB=0.1%TFAを含む50%アセトニトリル水溶液)を用いる、2
20nmでモニター、保持時間(分):20.1。この化合物を以下に示した方
法を用いて分析した:分析HPLC方法、Hewlett Packardモデ
ル1050機器およびVydac C18カラム(4.6mm×25cm)を使
用、流速1mL/分、45分間で2%Bから100%Bの勾配移動相(A=0.
1%TFAを含む100%水、B=0.1%TFAを含む90%アセトニトリル
水溶液)を用いる、220nmでモニター、保持時間(分):10.3。MS−
FABm/z C2024S+Hについての計算値:461.5;実
験値:461.2。
【0095】 (実施例3) 3−((アセチルアミノ)メチルチオ)−2−(2−(3−((4−((アミ
ジノアミノ)メチル)フェニル)カルボニルアミノ)−2−アミノプロパノイル
アミノ)アセチルアミノ)プロパン酸(実施例3a)、3−((アセチルアミノ
)メチルチオ)−2−(2−(3−((4−((アミジノアミノ)メチル)フェ
ニル)カルボニルアミノ)−2−アミノプロパノイルアミノ)−3−カルボキシ
プロパノイルアミノ)プロパン酸(実施例3b)、3−((アセチルアミノ)メ
チルチオ)−2−(2−(3−((4−(アミジノアミノ)フェニル)カルボニ
ルアミノ)−2−アミノプロパノイルアミノ)−3−カルボキシプロパノイルア
ミノ)プロパン酸(実施例3c)、および3−((アセチルアミノ)メチルチオ
)−2−(2−(3−((4−(アミジノアミノ)フェニル)カルボニルアミノ
)プロパノイルアミノ)−3−カルボキシプロパノイルアミノ)プロパン酸(実
施例3d)の調製
【0096】
【化19】
【0097】 wang樹脂固体支持体上でのfmoc−ティーバッグ化学を用い、マニュア
ル固相ペプチド合成により、実施例3a〜dの合成を行った。5.0×5.0c
mティーバッグを0.75mmメッシュポリプロピレンフィルター(スペクトル
フィルター)から作製し、Wang樹脂上に市販のS−アセトアミドメチル−L
−システイン0.5gで満たした。すべての場合において、Wang樹脂上で各
fmoc−アミノ酸およびグアニジノメチル−またはグアニジノ安息香酸とS−
アセトアミドメチル−L−システインとのシーケンシャルカップリングを用いて
、保護トリペプチド樹脂中間体の合成を行った。アミノ酸のカップリングには、
標準的なピペリジン脱保護とHBTU/TBTUカップリング方法とを用いた。
95:2.5:2.5の割合でTFA/トリイソプロピルシラン/水のカクテル
を用いて、樹脂からの開裂とOtBu基およびBoc基の脱保護とを同時に行っ
た。
【0098】 粗生成物の精製を分取HPLCにより行った(Rainin機器およびVyd
ac C18カラム(5cm×25cm)を使用、流速15mL/分、40分間
で20%Bから40%Bへの勾配移動相(A=0.1%TFAを含む100%水
、およびB=0.1%TFAを含む50%アセトニトリル水溶液)を用いる、2
20nmでモニター、保持時間(分):実施例3a:16.97;実施例3b:
17.45;実施例3c:12.81;実施例3d:13.8。次いで、化合物
を以下に示した方法を用いて分析した:分析HPLC方法、Hewlett P
ackardモデル1050機器およびVydac C18カラム(4.6mm
×25cm)を使用、流速1mL/分、35分間で2%Bから100%Bの勾配
移動相(A=0.1%TFAを含む100%水、B=0.1%TFAを含む90
%アセトニトリル水溶液)を用いる、220nmでモニター、保持時間(分):
実施例3a:8.55;実施例3b:9.01;実施例3c:8.33;実施例
3d:11.06。実施例3a:MS−FABm/z C2030
+Hについての計算値:511.6;実験値:511.2。実施例3b:MS−
FABm/z C2232S+Hについての計算値:569.6;実
験値:569.2。実施例3c:MS−FABm/z C2130
+Hについての計算値:555.6;実験値:555.3。実施例3d:MS−
FABm/z C2129S+Hについての計算値:540.6;実
験値:540.2。
【0099】 (実施例4) 実施例3cのTc−99m複合体の調製 実施例3cの溶液を、20mM リン酸緩衝液(pH11)0.5mL中の0
.2mgに溶かすことにより調製した。この溶液に99mTcO (30mC
i)0.2mLを加えた。これに飽和酒石酸スズ溶液0.2mLを加え、反応混
合物を80℃で30分間加熱し、続いて室温で冷却した。約2分間冷却した後、
溶液20μLを下記のHPLC方法により分析した。
【0100】 得られた複合体の放射化学純度(%RCP)をHPLCを用いて次の方法で測
定した:Hewlett Packardモデル1050機器およびVydac
C18カラム(4.6mm×25cm)を使用、流速1mL/分、15分で1
00%A(10mM リン酸緩衝液、pH6.0)から7%B(アセトニトリル
)および25分で80%Bとする勾配移動相を用いる。RCP値をキット加熱後
0.5時間、3時間、および6時間で得た(RCP>90%、n=3)。
【0101】 (実施例5) 実施例3cのTc−99m複合体の調製 実施例3cの溶液を、20mM リン酸緩衝液(pH11)0.25mL中の
0.2mgに溶かすことにより調製した。この溶液に、崩壊したTc−99m生
成溶離剤1.0mL、および飽和酒石酸スズ溶液0.15mLを加えた。反応混
合物を80℃で30分間加熱し、続いて室温で冷却した。約2分間冷却した後、
溶液20μLを実施例4に記述したHPLC方法により分析した。比較のために
、実施例4で記述したTc−99m複合体も同時に調製し、HPLCにより分析
した。Tc−99mおよびTc−99複合体のラジオクロマトグラフでは同様の
保持時間を示し、このことは「トレーサー」および微視的双方のレベルで同様の
種が形成されたことを示している。hPRPを用いたGPIIb/IIIa結合
アッセイにより実施例3cのTc−99m複合体の3つのバッチを評価したとこ
ろ、少なくとも好ましいIC50(μM)値を有することが分かった。
【0102】 (有用性) 本発明の放射性薬剤化合物は、不安定狭心症、心筋梗塞、一過性虚血性発作、
脳卒中、アテローム性動脈硬化、糖尿病、血栓静脈炎、肺疾患塞栓症、または心
臓弁などの人工心臓装置を有する患者に存在することのできる血栓を画像形成す
るための放射性薬剤として有用であり、従って、本発明の放射性薬剤化合物は、
現在のまたは可能性のある疾患の診断に使用できる。患者は、哺乳動物のいずれ
でもよいが、ヒトであるのが好ましい。放射性標識化合物は、単独で用いられる
か、または放射性薬剤上許容し得るキャリアを有する組成物として用いられるか
、および(または)他の診断薬または治療薬と組み合わせて用いられる。適切な
放射性薬剤キャリアおよびそれらの適当な量は、当該技術分野では周知であり、
例えば、「Remington’s Pharmaceuticals Sci
ence、Gennaro,A.R.出版.,Mack Publishing
Company社、イーストン、ペンシルベニア州(1985)」および「T
he United States Pharmacopia−The Nat
ional Formulary、第22改定版、Mack Printing
Company社、イーストン、ペンシルベニア州(1990)」で参照する
ことができ、これらは薬学分野における標準的な参考文献である。当業者は認知
していることであるが、化合物を安定化させるために、当該技術分野で知られて
いる亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、ゲンチシン酸
、クエン酸(またはそれらの塩)、またはエチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウ
ム(EDTAナトリウム)などの抗酸化剤を含む他の物質を適宜加える。このよ
うな他の物質およびそれらの適当な量は、上記の「Remington’s P
harmaceuticals Science」と「The United
States Pharmacopia−The National Form
ulary」に記載されている。
【0103】 本発明には、本発明の化合物を含む放射性薬剤キットも含まれる。このキット
には、無菌で凍結乾燥された標識化合物を含めることができ、また放射性薬剤上
許容できる再構成溶液(reconstitution liquid)の無菌
容器を含めることができる。適当な再構成溶液は、上記の「Remington
’s Pharmaceuticals Science」と「The Uni
ted States Pharmacopia−The National
Formulary」に記載されている。このキットには、選択的に本発明の放
射性化合物の組成物の無菌容器を含めることができる。このキットには、望むな
らば、例えば、一または複数のキャリア、若しくは一または複数の付加的な混合
用バイアルなどの他の慣用的な成分を含めることができる。本発明の標識化合物
とキャリアの量、これらの成分を混合するためのガイドライン、および投与のプ
ロコトルを指示している指し込みまたはラベルなどの指示書も、キットに含める
ことができる。キットに含まれる容器および材料の滅菌と本発明の標識化合物の
凍結乾燥(解凍‐乾燥をいう)は、当業者に知られている慣用的な滅菌方法と凍
結乾燥方法を用いて行われる。
【0104】 本発明の別の態様は、放射性薬剤調製に用いる診断キットである。本発明の診
断キットは、所定量の化学式(1)、還元剤、および、任意に、可溶化補助剤ま
たは転移配位子、緩衝剤、凍結乾燥補助剤、安定化補助剤、静菌剤などの他の成
分とで構成された一または複数の無菌で非発熱性の製剤を含むバイアルを備えて
いる。製剤中に一または複数の任意選択の成分を含めると、しばしば、これを実
施するエンド・ユーザーによる放射性薬剤の合成が容易になり、キットの製造が
容易になり、キットの貯蔵寿命が延び、または放射性薬剤の安定性および貯蔵寿
命を向上する。製剤中に任意選択の成分を含めることによって達成される改良は
、製剤の複雑性に増大やなることやキットの製造費用の増加とを比較し考慮しな
ければならない。製剤の全部または一部を含む一または複数のバイアルは、独立
して無菌溶液または凍結乾燥された固体の形態であることができる。
【0105】 放射性核種を調製するのに有用であり、この放射性核種を調製するのに有用な
診断キットに有用である可溶化補助剤には、エタノール、グリセリン、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノオ
レート、ソルビタンモノオレエート、ポリソルベート、ポリ(オキシエチレン)
ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)ブロックコポリマー(プルロ
ニクス)、およびレシチンが含まれるが、これらに限定されるものではない。好
ましい可溶化補助剤は、ポリエチレングリコールとプルロニクスである。
【0106】 放射性核種を調製するのに有用であり、この放射性核種を調製するのに有用な
診断キットに有用である緩衝剤には、リン酸塩、クエン酸塩、スルホサリチル酸
塩、および酢酸塩が含まれるが、これらに限定されるものではない。より完全な
リストが米国薬局方(United States Pharmacopia)
に記載されている。
【0107】 放射性薬剤の調整に有用な診断キットの調製に有用である凍結乾燥補助剤には
、マニトール、ラクトース、ソルビトール、デキストラン、フィコール、および
ポリビニルピロリジンが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0108】 放射性核種を調製するのに有用であり、この放射性核種を調製するのに有用な
診断キットに有用である安定化補助剤には、アスコルビン酸、システイン、モノ
チオグリセロール、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、ゲンチジ
ン酸、およびイノシトールが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0109】 放射性核種を調製するのに有用であり、この放射性核種を調製するのに有用
な診断キットに有用である静菌剤には、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニ
ウム、クロロブタノール、および、メチルパラベン、プロピルパラベン、または
ブチルパラベンが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0110】 診断キットの成分は、一つ以上の機能を果たすこともできる。例えば、還元剤
は安定化剤としてもすることも作用でき、緩衝剤は転移配位子としても作用する
こともでき、凍結乾燥剤は転移配位子、補助配位子、またはコリガンドとしても
作用することもできる。
【0111】 製剤中の各成分の所定量は、ある場合にはその成分に特異的であり、他の場合
には他の成分量、または任意選択の成分の存在および量に依存する様々な要因に
よって決定される。一般に、製剤の所望の効果を与える各成分の最小量が使用さ
れる。製剤の所望の効果とは、これを実施するエンドユーザーが放射性薬剤を合
成でき、放射性薬剤を安全に注射することができ、かつその薬剤が患者の病状に
関する診断情報を与えることを確保することである。
【0112】 本発明の診断キットは、これを実施するエンドユーザーが放射性薬剤を合成す
る際に従う指示書を含んでいてもよい。この指示書は、一または複数のバイアル
、または出荷のために包装した容器に貼付することができ、あるいはパッケージ
インサートと呼ばれる独立した差込み文書であってもよい。
【0113】 本発明方法の一つを実施するために、ボーラス注射により、一般に放射性化合
物を静脈内に投与するが、化合物が血小板と接触するようないかなる手段によっ
ても放射性化合物を投与することができる。本開示を理解した当業者は、適切な
投与量を容易に知ることができる。投薬量は、投与される特定の化合物、年齢、
健康状態、体重、患者が持っている症状の性質や程度、放射性標識の量、標識と
して用いる特定の放射性核種、血液からの放射性化合物のクリアランス率などの
要因に大きく依存することは言うまでもない。放射性標識物質の許容投与範囲は
、例えば、「the Physicians Desk Reference(
PDR) for Nuclear Medicine」というMedical
Exonomics Company社によって出版された周知の引用文献の
中にまとめられている。上記の考慮事項のいくつかが、Eckelmanらの「
J.Nucl.Med.、209巻、350〜357頁(1979)」において
議論されている。一般的な指示によると、本発明の放射性化合物の投与量範囲は
、1mCiと40mCiの間である。
【0114】 本発明の放射性化合物がひとたび投与されると、ガンマカメラまたは計算断像
撮影機などの標準的な放射線イメージングシステムによって血栓の存在を視覚化
できる。このイメージングシステムは、当該技術分野で周知であり、例えば、M
acovsiki,A.の「Medical Imaging System、
Information and System Science Seri
es、Kailath,T.出版、Prentice−Hall,Inc.社、
Englewood Cliffs,ニュージャージー州(1983)」におい
て論じられている。単一光子放出計算断像撮影機 (SPECT)と陽電子放出
断像撮影機(PET)は特に好ましい。特に、画像形成は、放射性シンチオグラ
フィックシステムを使用して、患者の全身、または血栓が形成されている疑いの
ある患者の特定部分を走査して行われ、放射性同位体信号を検出する。検出され
た信号は、次にそのシステムによって血栓の画像に変換される。得られた画像は
、例えば、核医学の医師などの経験のあるオブザーバーによって読み取られる。
上述の手順を、本明細書では患者を「画像形成する(imaging)」という
。一般に、画像形成は、患者に本発明の放射性化合物を投与してから約1分から
約48時間の間に行われる。画像形成の正確な測時は、使用する放射性の半減期
や投与した化合物のクリアランス率などの要因に大きく依存し、当業者は容易に
測定時を明らかにすることができる。画像形成は、投与後約1分から約4時間の
間で行われるのが好ましい。
【0115】 患者に対し、特別かつ高親和性をもって血栓を限局でき、血栓を検出でき、お
よび(または)血栓塞栓疾患を診断することができる本発明の放射性化合物を用
いる利点は、本開示により、当業者に容易に明らかになるであろう。
【0116】 (血小板−フィブリノーゲン結合アッセイ) Bennettらの「Proc.Natl.Acad.Sci.米国第80巻
、2417〜2422頁(1983)」の記載に従って125I‐フィブリノー
ゲンを血小板と結合させたが、以下に述べるようにいくつか改善されている点が
ある。ヒトPRP(h−PRP)をセファロースカラムに適用し、血小板分画を
精製した。ヒトゲル精製血小板(h−GPP)を活性化する前に、一定量の血小
板(5×10細胞)を1mMの塩化カルシウムとともに取り外し可能な96ウ
ェルプレートに加えた。125I‐フィブリノーゲン配位子の存在下、ADP、
コラーゲン、アラキドン酸塩、エピネフリン、および(または)トロンビンを用
いて、ヒトのゲル精製血小板を活性化した。遠心分離によって125I‐フィブ
リノーゲンが結合した活性化血小板を遊離型のものから分離し、次にガンマ計数
機で活性化血小板の数を数えた。IC50評価のため、血小板を活性化する前に
、試験化合物を様々な濃度で加えた。好ましい本発明の化合物には、約1mMよ
り低いIC50値、より好ましくは約0.1mMより低いIC50値、さらによ
り好ましくは約0.01mMより低いIC50値、さらにより好ましくは約0.
001mMより低いIC50値、最も好ましくは約0.0005mMのIC50 値を有する化合物が含まれる。
【0117】 明細書で引用した特許や刊行物のそれぞれの開示事項は、援用により本明細書
に取り入れる。
【0118】 明らかに、上記教示に照らせば本発明の非常に多くの修正や変更が可能である
。それゆえ、記載された請求の範囲内において、本発明は本明細書中に具体的に
記載されたようなものとは異なるように実施できることを理解しておくべきであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AU,BR,CA,CN,CZ,EE,HU,IL, IN,JP,KR,LT,LV,MK,MX,NO,N Z,PL,SG,SI,SK,TR,UA,US,VN ,ZA (72)発明者 プラーランド アール. シン アメリカ合衆国 02174 マサチューセッ ツ州 アーリントン チャールトン スト リート 144 Fターム(参考) 4C084 AA12 MA66 ZC78 4C085 GG02 HH03 4H045 AA10 AA30 BA11 BA50 BA71 DA83 EA50 FA41 GA22 HA02

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I)の化合物、 【化1】 またはその薬剤学的に許容できる塩であって、式中、 Rは、HおよびNHの群から選択され; Rは、CHCOHおよびCHCHCOHの群から選択され; Rは、 【化2】 の群から選択され、式中の*はRが式Iに結合されている所を示し; Rは、CHNHC(=NH)NH,NHC(=NH)NH,C(=N
    H)NH,CHC(=NH)NH、およびCHCHC(=NH)NH の群から選択され;そして nは、0または1である ことを特徴とする化合物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化合物であって、式中、RはNHC(=N
    H)NHであることを特徴とする化合物。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の化合物であって、式中、 Rは、NHであり; Rは、CHCOHであって、 Rは、 【化3】 であって、式中の*はRが式Iに結合されている所を示し;そして nは、0である ことを特徴とする化合物。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の化合物であって、式中、 Rは、Hであり; Rは、CHCOHであり; Rは、 【化4】 であって、式中の*はRが式Iに結合されている所を示し;そして nは、0である ことを特徴とする化合物。
  5. 【請求項5】請求項2に記載の化合物であって、式中、 Rは、NHであり; Rは、CHCOHであり; Rは、 【化5】 であって、式中の*はRが式Iに結合されている所を示し;そして nは、1である ことを特徴とする化合物。
  6. 【請求項6】請求項2に記載の化合物であって、式中、 Rは、NHであり; Rは、CHCOHであり; Rは、 【化6】 であって、式中の*はRが式Iに結合されている所を示し;そして nは、0である ことを特徴とする化合物。
  7. 【請求項7】請求項2に記載の化合物であって、式中、 Rは、Hであり; Rは、CHCOHであり; Rは、 【化7】 であって、式中の*はRが式Iに結合されている所を示し;そして nは0である ことを特徴とする化合物。
  8. 【請求項8】所定量の請求項1に記載の化合物またはその薬剤学的に許容で
    きる塩を含む放射性薬剤を調製するためのキット。
  9. 【請求項9】請求項1に記載の化合物および99mTcの複合体を含むこと
    を特徴とする放射性薬剤。
  10. 【請求項10】放射性薬剤学的に許容できる担体および99mTc標識した
    請求項1に記載の化合物を含むことを特徴とする放射性薬剤組成物。
  11. 【請求項11】(i)前記哺乳動物に有効量の99mTc標識した請求項1
    に記載の化合物を投与すること、および、 (ii)前記哺乳動物の画像形成を行うこと、 を含むことを特徴とする画像形成方法。
  12. 【請求項12】哺乳動物中の血小板沈着部位を視覚化することを特徴とする
    請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】哺乳動物中の血小板沈着を測定することを特徴とする請求項
    11に記載の方法。
  14. 【請求項14】哺乳動物中の血小板沈着と関連する障害を診断することを特
    徴とする請求項11に記載の方法。
  15. 【請求項15】哺乳動物の放射線画像形成用の無菌かつ非発熱性キットであ
    って、 (a)所定量の請求項1に記載の化合物、および (b)所定量の還元剤 を含むことを特徴とするキット。
  16. 【請求項16】前記成分(a)および(b)がバイアル中に含まれているこ
    とを特徴とする請求項15に記載のキット。
  17. 【請求項17】前記成分(a)が第1のバイアル中に含まれ、前記成分(b
    )が第2のバイアル中に含まれていることを特徴とする請求項15に記載のキッ
    ト。
  18. 【請求項18】前記還元剤が塩化第一スズであることを特徴とする請求項1
    5に記載のキット。
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