JP2002526765A - キャビティ内レーザの出力の波長を測定することによる汚染種の同定及び濃度決定 - Google Patents

キャビティ内レーザの出力の波長を測定することによる汚染種の同定及び濃度決定

Info

Publication number
JP2002526765A
JP2002526765A JP2000574911A JP2000574911A JP2002526765A JP 2002526765 A JP2002526765 A JP 2002526765A JP 2000574911 A JP2000574911 A JP 2000574911A JP 2000574911 A JP2000574911 A JP 2000574911A JP 2002526765 A JP2002526765 A JP 2002526765A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
wavelength
gas
ils
ils laser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000574911A
Other languages
English (en)
Inventor
エイチ アトキンソン,ジョージ
エス ピルグリム,ジェフリー
Original Assignee
イノヴェイティヴ レーザーズ コーポレーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イノヴェイティヴ レーザーズ コーポレーション filed Critical イノヴェイティヴ レーザーズ コーポレーション
Publication of JP2002526765A publication Critical patent/JP2002526765A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/25Colour; Spectral properties, i.e. comparison of effect of material on the light at two or more different wavelengths or wavelength bands
    • G01N21/31Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/25Colour; Spectral properties, i.e. comparison of effect of material on the light at two or more different wavelengths or wavelength bands
    • G01N21/31Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry
    • G01N21/39Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry using tunable lasers

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Spectrometry And Color Measurement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 ガス試料中の較正された範囲内にある特定の濃度のガス種の存在を検出するための方法及び装置が開示される。発明のILSガス検出システム(10)は単にILSレーザ(12)、波長選択性光素子(52)及び光検出器(16)を含む。しかし、ILSレーザ(12)のとり得る波長、すなわち動作波長のバンド幅は、測定されているキャビティ内ガス種に起因する吸収帯すなわち領域の内の1つの中に完全に含まれることが好ましい。すなわち、較正された範囲内で、ガス種の存在によりILSレーザ(12)のレーザ出力波長、または特定の波長における出力強度が変わる。したがって、発明のILSレーザ法を用いる場合、較正された範囲内にある、吸収を行っているガス種の濃度を定量的に決定するために必要なことは、ILSレーザ(12)の出力波長を測定するかまたは特定の波長における出力強度を測定することだけである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】関連出願の説明 本出願は、本出願と同日に出願された米国特許出願第09/165,884号に
関連する。前記出願は、いかなる外付波長選択性素子ももたず、よって総出力強
度がガス種濃度を決定するために用いられるILSレーザを用いて、ガス試料内
の特定の濃度のガス種の存在を検出するための方法に関する。本出願は、レーザ
の分光出力における変化を測定するための波長選択性素子をもつ、ILSレーザ
の使用に向けられる。
【0002】発明の分野 本発明は概ねガス中の汚染種の検出に関し、さらに詳しくは、キャビティ内レ
ーザ分光法と一般に称されるレーザ手法による、ガス分子、原子、ラジカル及び
/またはイオンの高感度検出に関する。
【0003】発明の背景 レーザは、その最も簡単な形態において、2つのミラーの間に配置された増幅
媒体を含むとして図式的に示すことができる。レーザキャビティ内の光はミラー
の間で繰返し反射され、その都度、光利得を生みだす増幅媒体を通過する。第1
のミラーの鏡面コーティングは全反射性とすることができ、一方第2のミラーの
鏡面コーティングは半透過性とすることができ、よっていくらかの光がレーザキ
ャビティから漏れ出ることができる。ミラーの反射面間の空間領域は、レーザ共
振器すなわちキャビティを定め、本発明の状況においてはいわゆる“キャビティ
内領域”と関係する。
【0004】 レーザ出力強度は増幅媒体が動作する波長領域及び共振器素子の反射率の両者
の関数である。通常、この出力はバンド幅が広く、また尖鋭で判然とした分光的
特徴をもたない。
【0005】 レーザ分光法によるガス種、例えば原子、分子、ラジカルまたはイオンの同定
には、そのようなガス種が吸収する波長領域にレーザ出力があることが必要であ
る。ガス種の検出への従来のレーザ適用においては、レーザ外部にあるガス試料
を励起して、イオン化または蛍光のような2次信号をつくるために、レーザ光が
用いられる。あるいは、従来の吸収分光法においては、レーザの外部にあるガス
試料にレーザ光を通過させて、波長にともなって変化する減衰を測定する。
【0006】 約20年前、別の検出方法論であるキャビティ内レーザ分光法(ILS)が初め
て探究された;例えば、“ジャーナル・オブ・ケミカル・フィジックス(Journal
of Chemical Physics)”誌,第59巻(1973年7月1日),350〜354
ページのジー・アトキンソン(G. Atkinson),エイ・ローファー(A. Laufer),エ
ム・クリヨ(M. Kurylo)による「キャビティ内ダイレーザ技法による自由ラジカ
ルの検出」を参照されたい。ILSでは、レーザ自体が検出器として用いられる
。分析されるべきガス試料が、多モードの、バンド幅が均等に拡張されたレーザ
の光キャビティに挿入される。上掲のアトキンソン等は、基底状態及び励起状態
にあるガス分子、原子、ラジカル、及び/またはイオンを光キャビティの内部に
入れることにより、レーザ出力を変化させ得ることを示した。詳しくは、キャビ
ティ内のガス種の吸収スペクトルがレーザの分光出力に現れる。
【0007】 レーザ出力における弁別的な特性吸収は、吸収を行っているガス種によりもた
らされるキャビティ内損失により生じる(本明細書に用いられるように、“特性
吸収”とは、光強度対波長のグラフにおいて光強度が単独の光強度極小値に到達
する一連の波長系列に該当する)。多モードレーザにおいて、キャビティ内吸収
損失は基準モードダイナミクスによるレーザ利得と競合する。この結果、キャビ
ティ内特性吸収が競合するレーザの利得より実効的に強い波長で、レーザ出力強
度の減衰を観測することができる。特性吸収が強くなるほど、上記の波長におけ
るレーザ出力強度は大きく減少する。
【0008】 ILSでは、吸収を行うガス種をレーザ共振器内に挿入することにより、従来
の分光法より高められた検出感度が得られる。ILS技法の高められた検出感度
は、(1)レーザ増幅媒体で生みだされる利得と(2)吸収体損失との間の非線形的
競合により得られる。この結果、ILSは弱い吸収及び/または極めて低い吸収
体濃度のいずれの検出にも利用することができる。
【0009】 光キャビティ内のそれぞれのガス種は、それぞれの吸収スペクトルすなわち識
別特性により一意的に同定することができる。さらに、分光識別特性における特
定の1つまたは複数の特性吸収の強度は、センサを適切に較正しさえすれば、ガ
ス種の濃度の決定に用いることができる(本明細書に用いられるように、“分光
識別特性”とは、ガス種を一意的に同定する、吸収強度すなわち吸光度に対して
プロットされた波長に該当する)。
【0010】 ガス種の分光識別特性はILSレーザ出力を波長に関して分散することにより
得ることができる。ILSレーザ出力を分散し、よってガス種の分光識別特性を
得るためには、2種類の検出手法が一般に用いられる。ILSレーザ出力を波長
が固定された分散分光計に通し、この分光計により分解された特定のスペクトル
領域をマルチチャネル検出器を用いて記録することができる;名称を「キャビテ
ィ内レーザ分光法(ILS)による超高感度ガス検出のためのダイオードレーザで
ポンピングされるレーザシステム」とする、1998年5月5日に発行された、
ジー・エイチ・アトキンソン等への米国特許第5,747,807号を参照された
い。あるいは、単チャネル検出器で記録される様々なスペクトル領域を選択的に
分解するために、波長をスキャンできる分光計を用いることができる(上記特許
を参照されたい)。
【0011】 従来技術のILS検出システムは、検出されるべきキャビティ内ガス種の吸収
スペクトルにおける特性吸収のバンド幅よりもかなり広いスペクトルバンド幅を
有するILSレーザを用いる;名称を「汚染種の高感度検出のためのキャビティ
内レーザ分光器」とする、1997年11月18日に発行された、ジー・エイチ
・アトキンソン等への米国特許第5,689,334号を参照されたい。詳しくは
、そのようなレーザシステムは測定されているガス種の特性吸収のバンド幅より
少なくとも3倍は広い動作波長バンド幅を有している。
【0012】 しかし従来のILS実施方法は、実験室での実際の使用には成功しているが、
多くの市場向け用途には大きすぎ、また複雑すぎる。特に、ダイオードアレイ検
出器とともに用いられる波長が固定された分光計または単チャネル検出器ととも
に用いられる可変波長分光計を必要とすること、あるいは特性吸収を分析するた
めのコンピュータを必要とすることが、検出システムをさらに大きく、また複雑
にする。対照的に、市場の現実的制約により、ガス検出器は使いやすい大きさに
つくられ、比較的安価で、信頼性が高くなければならない。
【0013】 すなわち、例えばコンピュータの必要を排除することにより、(1)ILS測定
の複雑性を大きく低減し、(2)ILS装置の大きさを相当に縮小する方法論が必
要とされている。
【0014】発明の概要 本発明にしたがえば、ガス試料内の特定の濃度のガス種の存在を検出するため
の方法が開示される。本方法は: (a)ガス種が少なくとも1つの連続波長吸収帯を有することを決定し、較正さ
れた範囲内でガス種の濃度を決定するステップ; (b) (i)レーザキャビティと; (ii)増幅媒体と; を含むILSレーザを提供するステップ;ここでILSレーザは、ガス種が吸収
を行っている連続波長バンド内に完全に含まれる波長においてのみ動作するよう
に構成され、ガス種により誘起された吸収は較正された範囲内でレーザの1つま
たは複数の波長を変化させるのに十分な大きさである; (c)レーザキャビティを出る前にレーザキャビティに入れられるガス試料を通
る方向に、増幅媒体からの出力ビームが向けられるような位置に増幅媒体を置く
ステップ; (d)絶対波長または選ばれた波長基準(フィルタまたは波長分散光学系の定点
部分)に対する波長のいずれかを定量的に測定するために、ILSレーザを出て
くる出力を検出するような位置に検出器を置くステップ;及び (e)波長選択性光素子を、ILSレーザから出てくる出力が検出器に到達する
前にまず波長選択性光素子を通過しなければならないように、ILSレーザの外
部で、ILSレーザと検出器との間の位置に置くステップ;波長選択性光素子は
ILSレーザの出力波長の一部分の内にある波長を有する光のみを透過させる; を含む。
【0015】 さらに、ガス試料中の、較正された範囲内の特定の濃度のガス種の存在を検出
するためのガス検出システムが提供され、ここで、ガス種は連続波長の少なくと
も1つの単一バンド内の光を吸収し、よってILSレーザを出てくる出力の波長
を特定の量だけ変化させる。本ガス検出システムは: (a) (i)レーザキャビティと; (ii)増幅媒体と; を含むILSレーザ;ILSレーザは、ガス種が吸収を行っている連続波長のバ
ンド内に完全に含まれる波長においてのみ動作するように構成され、ガス種によ
り誘起された吸収は、較正された範囲内で、レーザの出力波長を変えるかまたは
特定の波長における強度を変えるのに十分な大きさである; (b)レーザキャビティ内にガス試料をいれるための容器;この容器により、増
幅媒体から出てくる出力ビームがレーザキャビティを出る前にガス試料を通過す
ることができる; (c)特定の波長における絶対レーザ出力パワーを定量的に測定するための検出
器;及び (d)波長選択性光素子;この波長選択性光素子は、ILSレーザから出てくる
出力が検出器に到達する前にまず波長選択性光素子を通過しなければならないよ
うに、ILSレーザの外部で、ILSレーザと検出器との間の位置に置かれる;
波長選択性光素子はILSレーザの出力波長の一部分の内にある波長を有する光
のみを透過させる; を含む。
【0016】 本発明にしたがい、本発明は、従来技術で開示されたいずれのILSレーザシ
ステムよりも小さく、簡単で、製作費用が少ない、市場向けの汚染種センサシス
テムを創出した。
【0017】 本発明のその他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面の考
察により明らかになるであろう。添付図面を通して、同じ参照数字は同じ要素を
表す。
【0018】好ましい実施形態の説明 本説明に参照される図面は、特に注記した場合を除き、正確に比例して描かれ
てはいないことは当然である。
【0019】 本発明の実施に関して発明者等が現在考えている最良の態様を示す、本発明の
特定の実施形態をここで詳細に参照する。別の実施形態も適用可能な範囲で簡単
に説明する。
【0020】 本発明はILSセンサを用いる極めて高感度のガス種検出に向けられる。本明
細書に用いられるように、“ガス種”とは、シリコン膜製造に用いられるような
ガス材料中に存在し得る、分子、原子、ラジカル及び/またはイオン種を指す。
したがって、本発明のILSガス検出システムはガス材料(例えば窒素)中の汚
染種(例えば水)の存在の検出に用いることができる。あるいは、ガス配管(例
えば窒素ガス配管)がガス材料(すなわち窒素)で十分パージされたか否かを決
定するためにILS検出を用いることができる。
【0021】 図1a及び1bは、従来技術のILS検出実施方法を簡略に示す。詳しくは、
図1aには、ILSレーザ12,集成分光計装置14,光検出器16及び光検出
器からの電気的出力を分析するためのコンピュータ18を含む、ILSガス検出
システム10の断面が示されている。
【0022】 図1aに描かれるILSレーザ12には、増幅媒体20及び、ミラー26及び
28の間の全光路長により定められる光共振器24内に置かれた、ガス試料セル
22が含まれる。ILSレーザ12にはさらに、増幅媒体20に放射光を与え、
よってILSレーザ12を駆動する光ポンピング源のような、ポンピング源(図
示せず)が必要であることは当然である。
【0023】 図1aは、増幅媒体20内で発生したレーザ光がガス試料セル22に向けられ
て、セル内のガス試料を通過することを示す。上述したように、光共振器すなわ
ちレーザキャビティ24内及び、特に、ガス試料セル22内のガス種は、ILS
レーザ12が動作する波長領域に特性吸収が位置していれば、吸収損失をもたら
すことができる。したがって、ILSレーザ12の出力ビーム32を分析して、
ILSレーザを出てくる出力ビームがガス種の分光識別特性と同じ特性吸収を含
んでいるか否かを決定することにより、レーザキャビティ24内で吸収を行って
いるガス種の存在を識別することができる。分光識別特性には強度及び波長に関
する情報が含まれることに注意されたい。
【0024】 本明細書で用いられるように、特性吸収は吸収線、すなわち、光強度対波長の
グラフに見ることができる、光強度の単独の極小点(すなわち吸収が極大に達す
る点)及びそのまわりの連続波長領域に対応する。吸収線のそれぞれは有限の波
長バンド幅及び吸収が極大に達する(すなわち出力強度が極小に達する)点を有
する。本発明に関しては、特性吸収を構成する波長の全てが、ガス種が吸収を行
っている波長であるから、特性吸収が重要である。
【0025】 さらに、本明細書に用いられるように、“吸収帯”は吸収がそれぞれの波長で
生じている吸収スペクトルにおける単一の連続波長領域として定義される。した
がって、吸収が見られない領域,Bで隔てられた2本の吸収線,A及びAを吸
収スペクトルが含んでいれば、2本の吸収線,A及びAは別々の吸収帯に対
応する。しかし2本の吸収線,A及びAが極小吸収(すなわち極大出力)で
隔てられているだけであれば、2本の吸収線,A及びAは単一の吸収帯に対
応する。吸収を行っているガス種の濃度は吸収スペクトルに影響するから、吸収
スペクトルにおける吸収帯の数は濃度とともに代わるであろう。例えば、第1の
濃度では分離されて明瞭な吸収線が、第2の、より高い濃度では会合して合体し
、単一の吸収帯を形成することがある。温度、生成時間及びポンピングパワーも
出力スペクトル及び測定される吸収スペクトルに影響することは当然である。し
たがって測定される吸収スペクトルにおける吸収帯の数も、温度、生成時間及び
ポンピングパワーにより変化するであろう。
【0026】 ILSレーザ12の分光出力を分析するため、ILSレーザからのILS出力
ビーム32は、出力ビームを波長に関して分散する、集成分光計装置14に送ら
れる。図1aでは、ILSレーザ12を出てくる出力ビーム32を分散するため
に、回折格子38及び40が用いられる。回折格子38及び40に入射する前に
レンズ34及び36が出力ビーム32を拡げる。レンズ42が、集成分光計装置
14の出力を光検出器16に集束する。
【0027】 従来技術の方法の1つでは、(1)集成分光計装置14が波長に関してスキャン
させることができる分散光学素子を含み、また(2)光検出器16が単チャネル検
出器を含む。図1aは、このスキャンを行う分散光学素子を回折格子38として
描いている。
【0028】 レーザキャビティ24内のガス種の分光識別特性は、集成分光計装置14を通
して送られる光が(単チャネル)光検出器16の前面に置かれた適切なアパーチ
ャ46を通過している間に、分散光学素子(回折格子38)をスキャンさせるこ
とにより得られる(アパーチャ46は単にスリットからなっていてよい)。回折
格子38でスキャンされながら集成分光計装置14を通して送られた光の強度が
光検出器16で測定される。光検出器16はこの強度を表す電気信号を出力する
(例えば、電気信号はILSレーザ強度に比例することができる)。さらに、分
光計はそれぞれの波長を表す電気信号をコンピュータ18に送る。このようにし
て、コンピュータ18は光検出器16で決定された強度を集成分光計装置14で
決定された波長と相関させる。すなわち、集成分光計装置14及び光検出器16
はコンピュータ18とともに動作して、ILSレーザ12から出てくる出力ビー
ム32のスペクトル分布の測定を可能にする。
【0029】 図1bは従来技術のILS検出法から得られたその種のデータを簡略に示す。
曲線48は、波長をスキャンし、集成分光計装置14を通して送られた光の強度
を測定することにより得られた、典型的な分光分散ILSレーザ出力スペクトル
(すなわち吸収スペクトル)を表す。特性吸収が位置する波長において、ILS
レーザ12の強度が減衰している。矢印49が5つのそのような特性吸収を示し
ている(曲線50は吸収を行っているいかなるガス種も存在しないILSレーザ
12のスペクトル分布を示す)。
【0030】 コンピュータ18は曲線48で示される吸収スペクトルを用いてガス種を同定
することができる。詳しくは、ILSレーザ12の出力スペクトル内に数多くの
特性吸収を含む吸収スペクトルが測定されて、測定されるべきガス種の既知の分
光識別特性と比較される。ガス種の特定の特性吸収の位置及び相対強度を、検出
されるべきガス種を一意的に同定するために用いることができる。レーザキャビ
ティ24内にあるキャビティ内ガス種の濃度または量は、吸収の大きさがあらか
じめ既知の濃度で較正されていれば、吸収スペクトルに見られる特性吸収の大き
さから決定することができる。
【0031】 従来技術の別の方法では、(1)ILSレーザ12から出てくる出力ビーム32
に固定分散光学素子を有する(すなわち回折格子38及び40でスキャンを行わ
ない)分光計を通過させ、(2)光検出器16がマルチチャネル検出器アレイを含
む。ILSレーザ12が動作するスペクトル領域は集成分光計装置14により定
められ、(マルチチャネルアレイ)光検出器16の面上に空間的に分配される。
光検出器46の前面に置かれたアパーチャ46は(もしあれば)検出器アレイの
複数の検出器を照射できるように十分大きく、よって検出器アレイの多数の検出
器が多数の波長を同時に観測する。
【0032】 したがって、集成分光計装置14により分解される特定のスペクトル領域は、
(マルチチャネルアレイ)光検出器16で同時に測定される。コンピュータ18
は、(マルチチャネルアレイ)光検出器16を操作し、光検出器の多数の検出器
から測定された強度を読み込む。さらに、集成分析計装置14は集成分析計装置
14により分解された波長を表す電気信号をコンピュータ18に送る。コンピュ
ータ18は(マルチチャネルアレイ)光検出器16及び集成分光計装置14から
の電気信号をそれぞれ強度及び波長に変換するようにプログラムされる。このよ
うにして、コンピュータ18は光検出器16で決定された強度を集成分光計装置
14で決定された波長と相関させる。
【0033】 すなわち、集成分光計装置14及び(マルチチャネルアレイ)光検出器16は
コンピュータ18とともに動作して、ILSレーザ12から出てくる出力ビーム
32のスペクトル分布を測定して記録する。図1bに示したものと同様の吸収識
別特性を得ることができる。
【0034】 上述したように、レーザキャビティ24内のガス種を同定するために分光識別
特性が用いられる。コンピュータは、ILSレーザ12の出力スペクトル内の数
多くの特性吸収すなわち吸収線を含む測定された吸収帯を記録し、これらを測定
されるべきガス種の既知の分光識別特性と比較する。吸収の大きさが既知の濃度
を用いて較正されていさえすれば、キャビティ内ガス種の濃度を分光識別特性に
見られる特性吸収の大きさから決定することができる。
【0035】 しかし従来技術の上記の方法では、特性吸収に対応する波長を含む複数の波長
だけではなく、吸収が極大の特性吸収のまわりの波長領域も含む、複数の波長に
おける強度を測定して記録することにより強度対波長のグラフを効率よく生成す
るために、コンピュータ18が必要となること当然である。
【0036】 対照的に、本発明の方法は上記の従来技術の手法より概念的にかなり単純であ
る。本発明の方法は、複数の波長にわたる強度分布を測定するのではなく、全出
力バンド幅の一部分内に、動作時に、すなわち光発生時にILSレーザ12によ
りつくられる出力の決定だけを必要とする。本発明の方法は本質的に、ILSレ
ーザ12が動作しているバンド幅の一部分内でのレーザ出力の変化を利用する。
すなわち、従来技術の方法ではレーザ出力を分散することにより測定されていた
特性吸収が、本発明の方法ではILSレーザ12の出力波長に作用することまた
は特定の波長における強度に作用することに利用される。ILSレーザ12のス
ペクトル内の多数の特性吸収を測定して記録することは必要ではない。
【0037】 本発明の方法は,別の観点において、ILSガス検出のための従来技術の方法
と概念的に異なる;すなわち、本発明に用いられるILSレーザ12は関係する
特性吸収のバンド幅と同等なバンド幅を有することが好ましい。従来技術のIL
S検出方法は検出されるべきキャビティ内ガス種にともなう個々の特性吸収のバ
ンド幅よりかなり広いスペクトルバンド幅を有するILSレーザ12を用いる。
詳しくは、従来技術のILSレーザ12では、測定されているガス種の特性吸収
のバンド幅より少なくとも3倍は広い動作バンド幅を有することが好ましい。
【0038】 いくつかの理由により、ガス種により与えられる特性吸収のバンド幅よりかな
り広い波長バンド幅を有するILSレーザ12の使用が好まれる。上述したよう
に、分光識別特性の様々な特性吸収が、検出されるべき特定のガス種の同定に際
してコンピュータ18の役に立つ。すなわち、吸収を行っているガス種の従来技
術の同定方法は、1つより多い特性吸収を含むのに十分な広さのスペクトルバン
ド幅を有するILSレーザ12に依存する。さらに、ILS手法の高められた検
出感度は主に多モードレーザの利得対損失の非線形的競合から得られるため、多
数の縦モードを有するILSレーザ12が最も有利である。したがって、従来技
術の方法は多数の縦モードを含むのに十分な広さのスペクトルバンド幅を有する
ILSレーザ12を用いる。
【0039】 しかし、本発明の第1の実施形態のILSレーザ12は、測定されているキャ
ビティ内ガス種にともなう吸収帯の内の1つのバンド幅と同等かまたはそれより
狭い動作バンド幅を有することが好ましい。さらに、本発明の方法を用いて好結
果を得るためには、ILSレーザ12の動作バンド幅は吸収帯に直接に重なるよ
うに同調されなければならない(上で論じたように、吸収帯は単一の特性吸収ま
たは複数の連続する特性吸収を含み得る)。
【0040】 ILSレーザ12のとり得るバンド幅すなわち動作バンド幅(Δνレーザ)は
、増幅媒体20が動作し得る波長領域、ミラー26及び28の分光特性及び光共
振器24内の光素子のそれぞれが通過させている光の波長領域により定められる
。詳しくは、Δνレーザは増幅媒体20のバンド幅並びにミラー26及び28の
バンド幅、さらにその他の全ての個々のキャビティ内光素子、例えばレーザキャ
ビティ24内のペリクルまたは複屈折同調素子のバンド幅の、たたみこみにより
定められる。
【0041】 好ましくは、ILSレーザ12の動作バンド幅の、(例えば、1つの特性吸収
または複数の連続する特性吸収を含む)吸収帯の前記重なり部分のバンド幅に対
する比は1対1である。ILSレーザ12の動作バンド幅は、(1)多モード動作
を維持するには十分に広いが、(2)注目するガス種にともなう吸収帯にしか重な
り得ないように十分に狭いことがさらに好ましい。以降、吸収帯の重なり部分は
吸収と、またそのバンド幅はΔν吸収と表される。
【0042】 上述したように、多モード動作を行えるのに十分な広いバンド幅を有するIL
Sレーザ12を用いることにより、ILSで達成可能な高められた検出感度が維
持される。しかし、ILSレーザ12の動作バンド幅は検出されるべきガス種に
ともなう吸収帯にしか重なり得ないように十分に狭いから、レーザからの特定の
波長の出力はガス種の濃度が変化するとともに量的に変化するであろう。
【0043】 吸収を行っているガス種の重なり部分バンド幅,Δν吸収とILSレーザ12
のバンド幅,Δνレーザとが同等である(すなわち、W吸収がWレーザに完全に
重なる)場合には、キャビティ内ガス種による吸収が特定の波長においてレーザ
で発生される光の量を制限することができ、よって出力波長をILSレーザの利
得特性、反射率及び透過率にとってより有利な別の値にシフトさせる。ILSレ
ーザ12は吸収損失が見られる波長領域では効率よく動作することができない。
吸収を行うガス種が存在すれば、ILSレーザ12が動作し得る唯一の領域が吸
収帯に占有され、これは特定の波長におけるレーザの動作を妨げる。
【0044】 ガス種の濃度が高くなるほど、吸収損失が大きくなり、特定の波長における損
失に打ち勝つのに十分な光(すなわち利得)を増幅媒体20で発生させるという課
題がますます達成困難になる。すなわち、キャビティ内ガス種の濃度が高くなる
につれて、ILSレーザ12からの光出力の波長は変化するであろう。キャビテ
ィ内吸収体濃度の関数としての特定の波長における光出力強度は、ILSセンサ
の較正に用いることができる。このアイデアを、吸収を行うガス種の濃度が十分
高く、よってILSレーザ12が閾値に全く達し得ず、動作を行い得ない、特殊
な場合にまで延長することができる。いかなる波長においても、ILSレーザに
より光出力がつくられることはない。
【0045】 したがって、本発明のILS法を用いる場合、吸収を行っているガス種の濃度
を定量的に決定するためには、特定の波長におけるILSレーザ12の出力強度
だけを測定すればよい。
【0046】 図2a及び2bは、ガス試料中のガス種の検出に向けられる、本発明の方法及
び装置を簡略に示す。詳しくは、図2aは本発明にしたがって構成されたILS
ガス検出システム10の断面を示し、図2bは、ILSレーザの2つの相異なる
動作条件についての本発明のILSレーザの出力波長を示す、強度及び波長を座
標とする、グラフである。
【0047】 本発明のILSガス検出システム10は単に、ILSレーザ12、波長選択性
光素子52及び出力波長の変化または特定の波長におけるレーザ出力の相対変化
のいずれかを定量的に測定するための光検出器16を含む。
【0048】 図2aに示される本発明の実施形態に描かれているように、ILSレーザ12
は増幅媒体20及びガス試料セル22を含み、それぞれはミラー26と28との
間に形成される光共振器24内に置かれる。
【0049】 図2aに示されるレーザキャビティ24は線型キャビティであるが、別のキャ
ビティ構造も本発明にしたがって用い得ることは当然である。そのような別のキ
ャビティ構造は、ILSレーザ12のとり得る(すなわち動作)波長バンド幅,
Δνレーザが、検出されるべきガス種にともなう特性吸収の吸収帯の重なり部分
バンド幅,Δν吸収と同等である限り、すなわち1対1に整合するかあるいはΔ
ν吸収内にちょうど収まる限り、許容される。
【0050】 図2aに示される波長選択性光素子52は、所要の狭バンド同調が得られる薄
い高反射率ファブリー−ペローエタロンとしてはたらく金属化ペリクルを含む。
金属化により、エタロンの仕上精度が向上し、バンド幅が狭められ、よって狭帯
域バンドパスフィルタがつくられる。本発明に適切に用い得るその他の波長選択
性光素子52の例には、光バンドパスフィルタ、回折格子、プリズム、電気光学
バンドパスフィルタ、偏光特性に基づいて動作するフィルタ、非線形光学特性に
基づいて動作するフィルタ、及びこれらの組合せがある。
【0051】 ILSレーザ12のとり得る(すなわち動作)波長バンド,Wレーザ(及びバ
ンド幅,Δνレーザ)が増幅媒体20及び、ミラー26及び28上に形成される
いかなる光学コーティングにも、またレーザキャビティ24内に置かれる光コン
ポーネント上に形成されるいかなる光学コーティングにも、依存することは当然
である。したがって増幅媒体20及びILSレーザ12に用いられる光コンポー
ネント、例えばミラー26及び28上のいかなるコーティング、またはガス試料
セル22の窓、あるいは増幅媒体20上のコーティングを、上述した態様で測定
されるべきガス種にともなう吸収帯だけに重なるように、ILSレーザのとり得
る(すなわち動作)バンド幅,Wレーザを狭めて同調するための構成とすること
ができる。
【0052】 図2aに描かれるILSレーザについては、ILSレーザ12のとり得る(ま
たは動作)波長バンド,Wレーザは、増幅媒体20が動作し得る波長バンド、ミ
ラー26及び28が反射している波長バンド、ミラー28が透過させている波長
バンド、さらにはレーザキャビティ24内のその他のキャビティ内光素子のそれ
ぞれ(例えば、波長選択性光素子)が通過させている波長バンドのたたみこみに
より定められる。
【0053】 さらに、ILSレーザ12がその閾値でまたは閾値より若干上でILSレーザ
を駆動するためのポンピング源(図示せず)を必要とすることも当然である。例
えば、増幅媒体20に放射光を与える光ポンピング源を用いることができる。
【0054】 図2aは、増幅媒体20内で発生したレーザ光がガス試料セル22に向けられ
て、その中のガス試料を通過することを示す。上述したように、レーザキャビテ
ィ24内、特にガス試料セル22内のガス種が、吸収損失をもたらし得る。しか
し本発明にしたがえば、ILSレーザ12のとり得るバンド幅Δνレーザは、測
定されているガス種にともなう吸収帯の重なり部分,W吸収のバンド幅,Δν吸収 と同等である。すなわち、キャビティ内ガス種による吸収はILSレーザ12の
出力波長を変化させ、よって特定の波長における出力強度を変化させるであろう
。したがってガス種の濃度を決定するためには、明確に定められた動作条件内で
ILSレーザ12が較正されなければならない。レーザから出てくる出力ビーム
32は、波長選択性光素子52を通過した後に、光検出器16で直接に検出され
る。
【0055】 最も簡単な形態において、光検出器16はフォトダイオード、光伝導体、また
は光電子増倍管のような単チャネル検出器を含む。その他の検出器も本発明に適
切に用いることができる。光検出器16の唯一の要件は、検出器がILSレーザ
ビーム32を検知し、結果としての電気信号をつくりだすことができなければな
らないことである。したがって、光検出器16から伸びる電気出力端子54が図
2aに描かれている。
【0056】 本発明のガス検出システム10は、コンピュータ18が用いられていない点で
図1aに示される従来技術のシステムと異なる。図2aに描かれるガス検出シス
テム10は、マルチチャネル検出器アレイも必要としない。
【0057】 さらに本発明の光検出システム10は、検出されるべきガス種にともなう吸収
帯だけに一致させるためにILSレーザ12の動作バンド幅を狭めて同調する、
追加の波長選択性光素子52’を必要に応じてレーザキャビティ24内に含むこ
とができる。
【0058】 ILSは従来技術の方法より高められた感度を提供するから、かつては測定さ
れなかった弱い遷移が本発明のガス検出システム10により初めて測定可能とな
り得ることは理解されよう。ILSレーザ12をどこに同調させるかについての
知識を、様々な特性吸収のスペクトル上の位置を示す、注目するガス種の分光学
的研究から得なければならない。ILSレーザ12の波長及び動作バンド幅をい
かにして光学的に制御するかについての理解も、ILSレーザの分光出力を1つ
(または複数の)特性吸収に整合させるために必要である。
【0059】 さらに、誤って真と読み取られる信号を生じさせ得るスペクトル干渉がおこる
可能性を排除するために、ある与えられたガス試料に存在する可能性があるいか
なる付加的ガス種についても分光学的研究が必要である。そのような付加的ガス
種が検出されてはならない場合には、ILSレーザ12の分光出力をそのような
他のガス種でつくられるいかなる特性吸収からも離して同調させなければならな
い。そうすれば、その他のガス種で生じる特性吸収からの潜在的寄与は、ILS
レーザ12が光を放射する波長領域には存在しないであろう。すなわち、ILS
レーザ12の動作波長は、(1)検出されるべきガス種にともなう1つ(または複
数の)特性吸収に一致し、(2)注目していないガス種からのスペクトル干渉を避
けるように選ばれなければならない。上述の要件が満足されれば、ILSレーザ
12の出力に関係する分光的相互作用は測定されるべきガス種による吸収のみに
起因するであろう。したがって、較正されていれば、測定されるガス種の濃度が
ILSレーザ12の出力波長により正確に測定されるであろう。
【0060】 波長選択性光素子52の選択された通過スペクトル帯は、あるガス種だけが出
力強度の変化に寄与する、ILSレーザ12の出力波長の特定の部分と一致する
ように選ばれるから、そのガス種が何であるかがわかる。
【0061】 明確に定められた動作条件の下で、波長選択性光素子52の通過帯に対応する
特定の波長における出力波長または強度をレーザキャビティ24内の既知のガス
種濃度で較正することにより、ガス種の濃度がわかる。この濃度は、温度、圧力
、レーザ利得、生成時間(t)すなわちキャビティ内モード競合が生じていられ
る時間、及びILSレーザ12の出力波長を変えるその他のいかなるパラメータ
も含む、動作パラメータの特定の組合せに依存する。ガス検出システム10が較
正された状態にあることを保証するためには、上記の動作パラメータが一定に保
たれなければならないことは当然である。あるいは、上記の動作パラメータを変
えることにより、ガス検出システムの較正された感度が変わり、よってガス検出
システムのダイナミックレンジを拡げるための、様々な明確に定められた動作条
件の下での多重較正が可能になる。いずれにしても、拡張された用法にわたり較
正を維持するガス検出システム10を構成するためには、ILSレーザ12の出
力強度に影響する特定の動作パラメータについての知識が必要である。
【0062】 ここで図2bを参照すると、異なる2つの動作条件についてILSレーザ12
の出力強度が波長に対して示されている。曲線56は、特定の濃度において特定
のレーザ出力波長をもって動作しているILSレーザ12に対応する。曲線58
は、別の汚染種濃度において別のレーザ出力波長をもって動作しているILSレ
ーザ12に対応する。
【0063】 次に図3を参照すると、本発明の別の実施形態が示される。本発明にしたがえ
ば、図3に描かれるILSレーザ12のとり得る(すなわち動作)波長バンド幅
(Δνレーザ)は、測定されるべきガス種にともなう吸収帯すなわち領域(W )に排他的に一致するのに十分に狭い。
【0064】 上で論じたように、“吸収帯”は吸収がそれぞれの波長でおこる吸収スペクト
ルにおける単一の連続波長領域として定義される。したがって、吸収が見られな
い領域,Bにより隔てられた2本の吸収線,A及びAを吸収スペクトルが含ん
でいれば、2本の吸収,A及びAは別々の吸収帯に対応する。しかし、2本
の吸収線,A及びAが極小吸収(すなわち極大強度)で隔てられているだけ
であれば、2本の吸収線,A及びAは単一の吸収帯に対応する。
【0065】 本発明にしたがえば、図3に描かれるガス検出システム10は、ILSレーザ
12、波長選択性光素子52及び光検出器16を含む。ILSレーザ12はミラ
ー26及び28で定められるレーザキャビティ24内に置かれた増幅媒体20を
含む。レーザキャビティ24は線型キャビティであり、増幅媒体20はイオンド
ープ結晶を含む。第1のミラー26はイオンドープ結晶の一端60上に反射コー
ティングを被着することにより形成される。第2のミラー28は曲面反射器を含
む。図2aと同様に、波長選択性光素子52’を必要に応じてレーザキャビティ
24内に含めることができる。
【0066】 図3に示されるレーザキャビティ24は線型キャビティであるが、別のキャビ
ティ構造も本発明にしたがって用い得ることは当然である。そのような別のキャ
ビティ構造は、ILSレーザ12の動作バンド幅,Δνレーザが、検出されるべ
きガス種にともなう吸収帯の重なり部分のバンド幅と同等である、すなわち1対
1で整合するかあるいはその中にちょうど収まる限り、許容できる。
【0067】 本発明のこの第2の実施形態において、増幅媒体20として用いられるイオン
ドープ結晶はTm3+:Tb3+:YLF結晶である。しかし、考えられる特定の
用途に適したその他のイオンドープ結晶も用い得ることは当然である。したがっ
て、以下に列挙されるイオンドープ結晶を含む、本明細書に特定的に開示される
イオンドープ結晶が全てを網羅しているはずであるとは考えていない。
【0068】 本発明の方法及び装置に適切に用い得るイオンドープ結晶の例には、Cr:T
m:Ho:YAG,Cr4+:YSO,Cr4+:YAG,Cr4+:YSAG,E
3+:GSGG,Er3+:YSGG,Er3+:YLF,Er3+:Yb3+:
ガラス,Ho3+:YSGG,Ho3+:Tm3+:LUAG,Tm3+:Ho3+ :YLF,Tm3+:Ho3+:YAG,Tm3+:Ca Y SOAP,Tm3+:
YLF,Tm3+:ガラス,Tm3+:Ca La SOAP,Tm3+:YOS,
Tm3+:YSGG,Tm3+:YAG,Tm3+:YVO,Yb3+:YAG,
Cr:ケイ酸マグネシウム,Er:Yb:ガラス,CO:MgF,Cr2+:Z
nSe,及びCr2+:ZnS/ZnSe/ZnTeがある。その他の材料も、ガ
スであろうと、液体であろうと、または固体であろうとも、増幅媒体20として
用いることができる。
【0069】 図3はさらに、レーザキャビティ24内に位置するガス試料セル22を示す。
ガス試料セル22はガス試料をレーザコンポーネントから隔離する。非腐食性ガ
ス試料に対してはガス試料セル22が必要でないことは当然であり、この場合に
は、ガス試料を全レーザキャビティ24内に入れることができる。
【0070】 ガス試料セル22には流入導管62及び流出導管64が設けられる。セルの窓
66及び68のそれぞれはガス試料セル22の両遠位端に取り付けられ、ビーム
70に分析されるべきガス試料を通過させる。また、窓66及び68はガス試料
セル22を封止する。
【0071】 ガス試料セルがILSレーザ12を収めるチャンバ72内に存在する場合は、
検出されるべきガス種をチャンバから除去または排除する必要がある。チャンバ
72からガス種を除去することにより、ガス検出システム10を用いて得られる
システム応答は、ガス試料セル22内に入れられたガス種の存在及び量を正確に
表す。チャンバ72からガス種をパージするか排気した後に、(例えばガス試料
が腐食性ガスを含む場合に)ガス試料が流入導管62及び流出導管64を介して
ガス試料セル22に供給される。しかし、ガス試料がレーザのコンポーネントと
化学的な反応を行わないような場合には、ガス試料をチャンバ72に通すことが
できる。
【0072】 上で論じたように、ILSレーザ12には増幅媒体20を励起するためのポン
ピング源74が必要である。イオンドープ結晶増幅媒体20の光励起は、半導体
ダイオードレーザ76を含むポンピング源74により与えられる。
【0073】 ポンピング源74は、ILSレーザ12を駆動する、コヒーレントであるかイ
ンコヒーレントであるか、連続波かパルス波かの、適当ないずれの光ポンピング
源も含み得ることは当然である。例えば、ポンピング源74は代わりに、固体結
晶レーザ(例えばNd:YAG)、ガスレーザ、1つないしそれ以上のフラッシ
ュランプ、ファイバレーザ、またはILSレーザ12のポンピングに適当なその
他のいかなるポンピング源も含み得る。
【0074】 図3は、電源78により電力が与えられ、また熱電冷却器80により冷却され
ている半導体ダイオードレーザ76を示す。半導体ダイオードレーザ76及び熱
電冷却器80は、半導体ダイオードレーザで発生する熱を放散するために与えら
れたヒートシンク82に搭載される。
【0075】 しかし、ポンピング源74として半導体ダイオードレーザ76を使用すると一
般に、半導体ダイオードレーザ76とILSレーザ12との間の光整合を容易に
するためのビーム整形光学系84を使用する必要がある。ビーム整形光学系の例
には、回折光学系、屈折光学系、屈折率が軸方向で変化する分布屈折率光学系、
屈折率が径方向で変化する分布屈折率光学系、微小光学系、及びこれらの組合せ
がある。図3は、一対のアナモルフィックプリズム86及び一対のレンズ88を
含む、巨視的光学系からなるビーム整形光学系84を示す。あるいは、ビーム拡
大望遠鏡または半導体ダイオードレーザ76から数μm以内に置かれた微小光学
系を用いることもできる。
【0076】 図3はさらに、ビーム整形光学系84と増幅媒体20との間に挿入された第1
の変調器90を示す。第1の変調器90は変調器ドライバ92により電力が与え
られ、制御される。第1の変調器90は半導体ダイオードレーザ76から出てく
るポンピングビーム96を交互に減衰及び透過し、よってポンピングビームによ
る増幅媒体20のポンピングを周期的に妨げる。このようにして、第1の変調器
90はポンピングビーム96に増幅媒体20の再帰的なポンピングをおこさせ、
よってILSレーザ12がオンとオフの間で切り換えられる。
【0077】 第2の変調器94が、ILSレーザ12を出てくる出力ビーム32の行路に挿
入される。第2の変調器94はレーザキャビティ24を出てくる出力ビーム32
を交互に減衰及び透過し、よって、出力を光検出器16に通すことにより、IL
Sレーザ12からの出力ビームを周期的にサンプリングする。
【0078】 第1の変調器90がポンピングビーム96の全強度を周期的に増幅媒体20に
到達させ、一方第2の変調器94が出力ビーム32の全強度を周期的に光検出器
16に到達させるように、第2の変調器94は第1の変調器90と同期される。
変調器90及び94の双方を用いることにより、増幅媒体20における利得がガ
ス種により生じる吸収損失と競合する時間の長さを制御することができる。詳し
くは、生成時間,tの値を2つの変調器90及び94を用いて調節することが
できる。本明細書で用いられるように、“生成時間”は、測定の前にILSレー
ザ12内でモード競合がおこっている時間として定義される(あるいはポンピン
グ源74の出力をパルス化し、よってポンピングビーム96を低強度値と高強度
値との間で交互させて、増幅媒体20を交互に閾値の下及び上(または閾値)に
置くことにより、第1の変調器90及び/または第2の変更器94を使用せずに
、生成時間,tを変えることができる)。
【0079】 ポンピングの中断は、機械的に動作するチョッパ、電気光学または音響光学変
調器及びシャッタの使用を含むが、これらには限定されない、様々な手段を用い
て達成することができる。あるいはポンピング源74(例えば半導体ダイオード
レーザ76)に供給される電力を変え、よってレーザ動作に必要な閾値のすぐ上
及びすぐ下に増幅媒体20を周期的に置く、高強度レベル及び低強度レベルとの
間の変動を半導体ダイオードレーザの出力に生じさせることができる。
【0080】 さらに、第2の変調器94は音響光学変調器を含むが、機械的に動作するチョ
ッパまたはシャッタのようなその他の器具も本発明の方法及び装置に適切に用い
得ることは当然である。あるいは、第2の変調器94を用いる代わりに、光検出
器16をオンとオフの間で交互に切り換えて、ILSレーザ12の出力を周期的
にサンプリングすることもできる。
【0081】 図3は、波長選択性光素子52を通して光検出器16に向けられている、IL
Sレーザ12からの出力ビーム32を描いている。代わりに、ILSレーザ12
からの光出力を光ファイバリンク、すなわち光ファイバまたは光ファイバ束を介
して、光検出器16が置かれている離れた場所に送り得ることは当然である。
【0082】 上で論じたように、本発明のILSレーザ12のとり得る(すなわち動作)波
長バンド,Wレーザは、測定されるべきガス種の吸収スペクトルの単一吸収帯す
なわち領域に排他的に一致するのに十分に狭いことが好ましい。増幅媒体20が
Tm3+:Tb3+:YLFを含む、図3に示されるILSレーザ12については
、その波長バンド幅が水蒸気の吸収スペクトルの単一吸収帯に直接に重なる。
【0083】 水蒸気についての吸収データを、第1の変調器90が用いられていないことを
除き、図3に簡略に示したものと同様のILSレーザ12を用いて得た。その代
わりに、半導体ダイオードレーザ76への電力を変調した。さらに、ILSレー
ザ12の出力を分散し、よって図4に描かれるグラフをつくるために、図1aに
示したものと同様の集成分光計装置14が必要であった。ただし、ILSレーザ
12は半導体ダイオードレーザ76で光励起された、Tm3+:Tb3+:YLF
からなるイオンドープ結晶を含んでいた。
【0084】 図4は窒素ガス中の高濃度の水蒸気についての正規化レーザ強度/水の吸収対
波長のグラフを示す。図4は1450nmから1455nmの波長領域での水蒸
気の分光識別特性を示している。1452.5nm及び1452.1nmにある水
の吸収線がそれぞれ矢印98及び100で示されている。これらの2本の吸収線
は極小吸収により隔てられた特性吸収と考えられる。これらの2本の吸収線は合
同し、よってダイオードでポンピングされたTm3+:Tb3+:YLFのバンド
幅内で一致する単一吸収帯すなわち領域を形成していた。図4は、ダイオードレ
ーザでポンピングされたTm3+:Tb3+:YLF ILSレーザのバンド幅が
、2本の水の吸収線によりつくられる水の吸収帯とおおよそ同等である(実際に
は水の吸収帯より若干広い)ことを示す。濃度が十分高い場合には、これらの2
本の吸収線を含む吸収帯すなわち領域は、ILSレーザ12の動作バンド幅に完
全に重なり、これを包含する(すなわち少なくとも同じ広さである)。したがっ
て、ILSレーザ12からの出力波長が変化するか、または特定の波長における
ILSレーザの出力が変化する。
【0085】 ILSレーザ12のとり得る、すなわち動作するバンド幅,Δνレーザが、測
定されているキャビティ内ガス種に起因する吸収帯の重なり部分のバンド幅,Δ
ν吸収と同等である場合は、本発明の方法及び装置を前記ガス種を同定するため
にも、またガス種濃度を測定するためにも利用することができる。
【0086】 本発明の方法を利用することにより、ILSレーザ12の出力の波長分布のマ
ッピングに依存する従来技術のILSセンサよりも、かなり小さく、簡単で、安
価であり、使用が容易なILSガス検出システム10が得られる。より小さく、
より低コストで、操作が簡単であることの結果として、本発明のガス検出システ
ム10を、ガス検出において全く別個の様々な用途に向けることができる。
【0087】 以上、較正された範囲内の濃度のガス種の存在を検出するための方法及び装置
を開示した。特許請求の範囲に表明される本発明の範囲を逸脱することなく、本
明細書に述べられた要素の構成及び配置に様々な改変がなされ得ることが、当業
者には容易に明らかであろう。さらにガス検出システム10の適用対象も、例え
ば半導体製造ラインにおけるような、ILSガス検出器の設置場所も、所望に応
じて変えることができる。例えばILSチャンバ72内の様々な要素の特定の配
置及びガス検出システム10自体を、それらの構成及び配置がILSレーザ12
の光励起を容易に再現可能な態様で適切に可能にする限り、改変することができ
る。現在知られているかまたは今後当業者により案出される、本発明の構成、配
置及び適用における上記及びその他の改変は、特許請求の範囲で考慮されている
【図面の簡単な説明】
【図1a】 ILSレーザ、集成分光計装置、光検出器、及び光検出器からの電気的出力を
分析するためのコンピュータを含む、従来技術のガス検出システムを描いた断面
図である
【図1b】 従来技術のILSレーザの、(i)吸収を行っているガス種がレーザキャビティ
内に存在する場合と、(ii)吸収を行っているガス種がレーザキャビティ内に存在
しない場合とのそれぞれについての、スペクトル分解された出力の、強度及び波
長を座標とするグラフである
【図2a】 ILSレーザ、波長選択性光素子及び光検出器を含む、本発明のガス検出シス
テムを描いた断面図である
【図2b】 2つの相異なるILSレーザ動作条件に関する、本発明のILSレーザの出力
波長の、強度及び波長を座標とするグラフである
【図3】 本発明のILSレーザの別の実施形態を示す略図である
【図4】 高水蒸気濃度に対する、1450nmから1455nmの波長にかけての吸収
スペクトルを示す、レーザ強度/水の吸収(任意単位)及び波長(単位:nm)を座
標とするグラフである
【符号の説明】
10 ILSガス検出システム 12 ILSレーザ 16 光検出器 20 増幅媒体 22 ガス試料セル 24 レーザキャビティ 26,28 ミラー 32 レーザ出力ビーム 52,52’ 波長選択性光素子 66,68 窓 72 ILSレーザチャンバ 74 ポンピング源 76 半導体ダイオードレーザ 78 電源 80 熱電冷却器 82 ヒートシンク 84 ビーム整形光学系 86 アナモルフィックプリズム 88 レンズ 90,94 変調器 92 変調器ドライバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01J 3/10 G01J 3/12 3/12 3/14 3/14 3/18 3/18 3/26 3/26 3/32 3/32 3/42 U 3/42 H01S 3/094 S (72)発明者 ピルグリム,ジェフリー エス アメリカ合衆国 ニューメキシコ州 87505 サンタフェ エスカイナ ロード 19 Fターム(参考) 2G020 AA03 BA02 BA03 BA12 CA02 CB04 CB07 CB23 CB42 CB51 CC02 CC13 CC23 CC27 CC30 CC31 CC48 CC55 CD03 CD22 2G059 AA01 BB01 CC02 DD12 DD13 EE01 EE12 GG01 GG02 GG07 HH01 JJ05 JJ11 JJ13 JJ24 KK04 MM01 MM09 5F072 AB15 JJ01 JJ08 KK06 KK26 KK30 MM03 PP07 TT05 TT15 YY11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス試料中の較正された範囲内にある特定の濃度のガス種の
    存在を検出するためのガス検出システム(10)において、前記ガス種が少なくと
    も1つの単一連続波長バンド内の光を吸収し、前記システムが: (a) (i)レーザキャビティ(24)と; (ii)イオンドープ結晶を含む増幅媒体(20)と; を含むILSレーザ(12);前記ILSレーザ(12)は前記ガス種が吸収を行う
    前記連続波長バンド内に完全に含まれる波長においてのみ動作するように構成さ
    れ、また前記ガス種により導入される前記吸収は、較正された範囲内で、前記レ
    ーザ(12)の出力波長を変えるか、または特定の波長における出力強度を変える
    のに十分に大きい; (b)前記ガス試料を前記レーザキャビティ内に入れるための容器(22);前記
    容器(22)により、前記増幅媒体(20)から出てくる出力ビーム(32)は、前記
    レーザキャビティ(24)を出る前に前記ガス試料を通過できる; (c)特定の波長における絶対レーザ出力パワーを定量的に測定するための検出
    器(16);及び (d)前記ILSレーザ(12)の外部で、前記ILSレーザ(12)と前記検出器
    (16)との間に置かれた波長選択性光素子(52);これにより前記ILSレーザ
    (12)を出てくる前記出力ビーム(32)は前記検出器(16)に到達する前に前記
    波長選択性光素子(52)をまず通過しなければならず、また前記波長選択性光素
    子(52)は前記ILSレーザ(12)の出力波長の一部分内にある波長を有する光
    のみを透過させる; を含むことを特徴とするガス検出システム(10)。
  2. 【請求項2】 前記ILSレーザ(12)が1つの単一連続波長領域内でのみ
    動作するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のガス検出システ
    ム(10)。
  3. 【請求項3】 前記ILSレーザ(12)が、前記ガス種が吸収を行っている
    前記バンドの外側の波長における前記ILSレーザ(12)の動作を防止するコン
    ポーネントを含むことを特徴とする請求項1記載のガス検出システム(10)。
  4. 【請求項4】 追加の波長選択性光素子(52’)が前記レーザキャビティ(
    24)内に置かれ、前記追加の波長選択性光素子(52’)が、前記ガス種が吸収
    を行っている前記バンドの外側の波長における前記ILSレーザ(12)の動作を
    防止することを特徴とする請求項3記載のガス検出システム(10)。
  5. 【請求項5】 前記増幅媒体(20)が、前記ガス種が吸収を行っている前記
    バンドの外側の波長における前記ILSレーザ(12)の動作を防止するのに十分
    に狭いバンド幅を有するか、あるいは前記ガス種が吸収を行っている前記バンド
    の外側の波長における前記ILSレーザ(12)の動作を防止する光学コーティン
    グをその上に有することを特徴とする請求項3記載のガス検出システム(10)。
  6. 【請求項6】 前記容器(22)が前記レーザキャビティ(24)内に置かれた
    ガス試料セル(22)を含み、前記ガス試料セル(22)は前記増幅媒体(20)から
    の前記出力ビーム(32)に前記ガス試料を通過させ得る窓(66,68)を有し、
    前記窓(66,68)の内の少なくとも1つが、前記ガス種が吸収を行っている前
    記バンドの外側の波長における前記ILSレーザ(12)の動作を防止する光学コ
    ーティングをその上に有することを特徴とする請求項3記載のガス検出システム
    (10)。
  7. 【請求項7】 前記レーザキャビティ(24)が少なくとも2つのミラー(2
    6,28)で形成され、前記ミラー(26,28)の内の少なくとも1つが、前記
    ガス種が吸収を行っている前記バンドの外側の波長における前記ILSレーザ(
    12)の動作を防止する光学コーティングをその上に有することを特徴とする請
    求項3記載のガス検出システム(10)。
  8. 【請求項8】 光ポンピング源(74)が前記増幅媒体(20)に放射光を与え
    、よって前記ILSレーザ(12)を駆動することを特徴とする請求項1記載のガ
    ス検出システム(10)。
  9. 【請求項9】 前記ガス種が吸収を行っている前記バンドが、(a)単一の特
    性吸収を含み、前記ILSレーザ(12)が多モード動作を維持するのに十分に広
    く、前記単一の特性吸収の波長のみに重なるのに十分に狭い動作バンド幅を有す
    るか、あるいは(b)複数の特性吸収を含み、前記ILSレーザ(12)が多モード
    動作を維持するのに十分に広く、前記複数の特性吸収の内の少なくとも1つの波
    長のみに重なるのに十分に狭い動作バンド幅を有することを特徴とする請求項1
    記載のガス検出システム(10)。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の前記ガス検出システム(10)を用いる、ガ
    ス試料中の構成された範囲の特定の濃度のガス種の存在を検出するための方法に
    おいて、前記方法が: (a)前記ガス種が前記較正された範囲内の量で前記ガス試料中に存在する場合
    に、前記ガス種が少なくとも1つの単一連続波長バンド内の光を吸収することを
    決定するステップ; (b)請求項1記載の前記ILSレーザ(12)を提供するステップ; (c)前記増幅媒体(20)からの前記出力ビーム(32)が、前記レーザキャビテ
    ィ(24)を出る前に、前記レーザキャビティ(24)内に入れられる前記ガス試料
    を通る方向に向けられるような位置に、前記増幅媒体(20)を置くステップ; (d)前記ILSレーザ(12)を出てくる出力の強度を検出し、よって特定の波
    長における出力パワーを定量的に測定するような位置に、前記検出器(16)を置
    くステップ;及び (e)前記ILSレーザ(12)を出てくる前記出力ビーム(32)が前記検出器(
    16)に到達する前に前記波長選択性光素子(52)をまず通過しなければならな
    いように、前記波長選択性光素子(52)を、前記ILSレーザ(12)の外部で、
    前記ILSレーザ(12)と前記検出器(16)との間の位置に置くステップ;前記
    波長選択性光素子(52)は前記ILSレーザ(12)の出力波長の一部分内の波長
    を有する光のみを透過させる; を含むことを特徴とする方法。
JP2000574911A 1998-10-02 1999-09-30 キャビティ内レーザの出力の波長を測定することによる汚染種の同定及び濃度決定 Pending JP2002526765A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/166,003 US5999259A (en) 1998-10-02 1998-10-02 Contaminant identification and concentration determination by monitoring the wavelength, or intensity at a specific wavelength, of the output of an intracavity laser
US09/166,003 1998-10-02
PCT/US1999/022721 WO2000020844A1 (en) 1998-10-02 1999-09-30 Contaminant identification and concentration determination by monitoring the wavelength of the output of an intracavity laser

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002526765A true JP2002526765A (ja) 2002-08-20

Family

ID=22601384

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000574911A Pending JP2002526765A (ja) 1998-10-02 1999-09-30 キャビティ内レーザの出力の波長を測定することによる汚染種の同定及び濃度決定

Country Status (8)

Country Link
US (1) US5999259A (ja)
EP (1) EP1117984A4 (ja)
JP (1) JP2002526765A (ja)
KR (1) KR100429731B1 (ja)
CN (1) CN1171084C (ja)
CA (1) CA2346015A1 (ja)
TW (1) TW480332B (ja)
WO (1) WO2000020844A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6187592B1 (en) * 1998-12-23 2001-02-13 Sandia Corporation Method for determining properties of red blood cells
DE10200029B4 (de) * 2001-01-04 2007-01-18 Peter E. Prof. Dr. Toschek Höchstempfindlicher Gasdetektor
DE10119618A1 (de) * 2001-04-21 2002-10-24 Univ Konstanz Optischer Mikro-Gassensor
DE102004037519B4 (de) * 2004-07-30 2008-12-18 Universität Kassel Sensor-Vorrichtung und Verfahren zur Ermittlung einer physikalischen Größe
JP5498399B2 (ja) * 2008-02-12 2014-05-21 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 色検出器
KR20100126379A (ko) * 2008-02-13 2010-12-01 휴렛-팩커드 디벨롭먼트 컴퍼니, 엘.피. 면적이 스케일링된 광 검출기들을 구비하는 컬러 검출기
HUE042517T2 (hu) * 2014-12-23 2019-07-29 Max Planck Gesellschaft Eljárás spektrális minta válasz mérésére
US10281391B2 (en) * 2015-06-05 2019-05-07 Luminit Llc Spectrally pure short-pulse laser
DE102015009595A1 (de) * 2015-07-24 2017-01-26 Universität Heidelberg Verfahren und Vorrichtung zur Kalibration eines optischen Resonators, Verwendung der Vorrichtung, Verwendung eines optischen Modulators und Computerprogrammprodukt
US11480519B2 (en) * 2020-04-24 2022-10-25 Honeywell International Inc. Methods, apparatuses, and systems for improving gas detecting devices

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5650856A (en) * 1995-06-16 1997-07-22 Brown University Research Foundation Fiber laser intra-cavity spectroscope
US5723864A (en) * 1995-09-01 1998-03-03 Innovative Lasers Corporation Linear cavity laser system for ultra-sensitive gas detection via intracavity laser spectroscopy (ILS)
US5689334A (en) * 1995-09-01 1997-11-18 Innovative Lasers Corporation Intracavity laser spectroscope for high sensitivity detection of contaminants
US5747807A (en) * 1995-09-01 1998-05-05 Innovative Lasers Coropration Diode laser-pumped laser system for ultra-sensitive gas detection via intracavity laser spectroscopy (ILS)

Also Published As

Publication number Publication date
CA2346015A1 (en) 2000-04-13
CN1329717A (zh) 2002-01-02
KR100429731B1 (ko) 2004-05-03
EP1117984A1 (en) 2001-07-25
CN1171084C (zh) 2004-10-13
US5999259A (en) 1999-12-07
EP1117984A4 (en) 2002-10-02
TW480332B (en) 2002-03-21
KR20010090738A (ko) 2001-10-19
WO2000020844A1 (en) 2000-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6075252A (en) Contaminant identification and concentration determination by monitoring the temporal characteristics of an intracavity laser
US7773217B2 (en) Probe for tunable laser Raman spectroscopy system
US9523637B2 (en) Thermal selectivity multivariate optical computing
US6028310A (en) Linear cavity laser system for intracavity laser spectroscopy
US5856869A (en) Distributed bragg reflector diode laser for Raman excitation and method for use
JPH0915156A (ja) 分光測定方法及び測定装置
US4077719A (en) Continuous wave generation of coherent vibrational anti-stokes spectra
US6151112A (en) High-resolution, compact intracavity laser spectrometer
JP2002526765A (ja) キャビティ内レーザの出力の波長を測定することによる汚染種の同定及び濃度決定
US5991032A (en) Contaminant identification and concentration determination by monitoring the intensity of the output of an intracavity laser
US3973134A (en) Generation of coherent rotational anti-Stokes spectra
JP4947988B2 (ja) ガス検出装置
CA1068122A (en) Generation of coherent rotational anti-stokes spectra
JP2631482B2 (ja) エキシマレーザの波長制御装置
SU979885A1 (ru) Устройство дл лазерно-спектроскопического абсорбционного анализа
JP4143512B2 (ja) 分光分析光度計
CA1058417A (en) Continuous wave generation of coherent vibrational anti-stokes spectra
Maiwald et al. Monolithic DFB laser diodes emitting at 785 nm for in situ SER spectroscopy

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040316

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20040616

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20040625

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041124