JP2002525685A - プログラム可能レンズアッセンブリ及びこれを組み込んだ光学システム - Google Patents

プログラム可能レンズアッセンブリ及びこれを組み込んだ光学システム

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JP2002525685A JP2000571400A JP2000571400A JP2002525685A JP 2002525685 A JP2002525685 A JP 2002525685A JP 2000571400 A JP2000571400 A JP 2000571400A JP 2000571400 A JP2000571400 A JP 2000571400A JP 2002525685 A JP2002525685 A JP 2002525685A
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Abstract

(57)【要約】 結像システム(10)は、固定されたレンズの組合せ(22)と、空間光変調器(SLM)(20)と、1次検出器アレー(12)とを備える。SLM(20)によって、単純アレー(12)を横断して、アレー(12)に対して垂直方向に、場面の映像が走査される。これは、走査を行うために変化するSLM上の回折パターンを表示することによって行われる。表示された回折パターンは、典型的に、1次エレメント(40)と2次エレメント(42)とを有する。SLMに表示されたプログラム可能に変更される組合せチャープパターン(36)を有することによって、且つ、それを1秒間に数千回変更できることによって、高速読み出し能力を有するアレーが、2−D結像アレーに代わりうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 この発明は、プログラム可能レンズアッセンブリ及びこれを組み込んだ光学シ
ステムに関する。
【0002】 光学システム(又は光学アッセンブリ)によって焦点面に集束される視界又は
視界内の面を変更可能であることが望ましいことがある。例えば、検出器又は検
出器アレー(例えば、画素化されたカメラの検出器)を設けてもよく、映像を検
出する結像面を有してもよい。また、光学エレメントによって結像面に集束され
るのは3−D空間内のどの面かを変更することも望ましいことがある。
【0003】 これまでは、これをレンズの機械的移動によって行っている。異なる角度から
検出するように光学システムを配向するために、光学アッセンブリを異なる角度
に差し向けること、又は、広い視野を有するシステムを設計することが知られて
いる。
【0004】 第1の観点に従って、本発明は、光入力と、空間光変調器(SLM)と、SL
Mの表示を制御する制御器(例えば、コンピュータ又はマイクロプロセッサ制御
器)と、検出器とを備えた光学アッセンブリであって、 前記制御器は、SLMに表示されたパターンを変更して、使用時に、光入力か
らSLMに入射する放射を、SLMに制御させて、前記光学アッセンブリが観察
している場面の3−D空間内のコンピュータにより選択された表面又は領域から
の放射を、前記検出器に集束させるようにされたことを特徴とする、光学アッセ
ンブリから成る。
【0005】 かくして、SLMによって表示されたパターン(回折パターン、反射パターン
又は屈折パターン)は、コンピュータ/制御器によってプログラムされ、幾つか
の実施例では、急速に変更可能である。
【0006】 SLM上のパターンは、制御器による制御のもとで、変化するようにプログラ
ムされるが、SLM及び検出器は、互いに固定されたままである。アッセンブリ
は、検出器に対して相対的に移動する機械的光部品を有していてもよい。
【0007】 好ましくは、SLMは、その表示が変更可能である速度を有し、前記制御器は
、前記SLMの前記表示が変更可能である速度と実質的に同一の速度で変わるよ
うに、前記パターンをプログラムすることができる。
【0008】 SLM上のパターンは、少なくとも1時間に一回、1分に一回、1秒間に一回
、1秒間に10回、1秒間に100回、1秒間に千回、1秒間に1万回、1秒間
に10万回の速度、又はより高速、或いは、前記点の何れかの間に定義される範
囲にある速度で、変化させることができる。
【0009】 表示されるパターンは、使用時に、(i)実質的に1次パターン、又は(ii)実質
的に2次又はより高次のパターン、又は(iii)(i)と(ii)との組合せであるのが好
ましい。パターンを、真の1次パターン又は真の2次、3次、又はより高次のパ
ターン(又はこのような真のパターンの組合せ)から実質的に類似しているが変
更された性能を有するように変更されるパターンに変更可能であることが望まし
い。
【0010】 パターンは、実質的に1次の回折格子パターンから成るコンポーネント及び/
又は2次チャープ機能から成るコンポーネントを有するのが好ましい。回折及び
チャープパターンは、2値のものであってもよく、より多くの量子化レベルを備
えていてもよい。パターンは、入射光の位相又は振幅、又はその両方を変えても
よい。
【0011】 制御器は、可能な1次及び/又はチャープ機能のライブラリを備えるのが好ま
しい。ライブラリから選択された1次及びチャープ機能の組合せは、使用時に、
SLMに与えられるのが好ましい。或いは、制御器又は幾つかの別の装置は、好
ましくは実時間でパターンを算出してもよい。しかし、ライブラリの方が好まし
い。
【0012】 検出器は、検出器エレメントの線アレーから成るのが好ましい。アレーには、
複数の検出器エレメントがあってもよく、一つだけであってもよい(単一エレメ
ントアレー)。好ましくは、SLMの表示を制御して、1次アレーの方向と一般
に交差する方向に、検出器アレー上で場面の映像を走査するようになっている。
1次アレーは、直線のアレーで構成してもよいが、単純アレーで構成してもよい
【0013】 好ましくは、制御器は、SLMの組合せパターンの1次コンポーネントを変更
することによって、(アッセンブリの光学軸に対して、アジマス、及び/又は、
高度/登り勾配で、傾斜して配置されている)場面の異なる角度部分を走査する
ようになっている。
【0014】 3−D空間の何れかの点又は点の組合せを、単一のエレメントであってもよい
検出器に、結像できるようにしてもよい。
【0015】 制御器は、異なる組合せチャープ機能を有するパターンを表示するようにSL
Mを制御することによって、3−D場面空間の異なる深度領域を検出器に集束さ
せるようになっているのが好ましい。チャープ機能は、z方向、つまり深さ方向
の走査焦点を提供してもよい。
【0016】 別の観点に従って、本発明は、光変調パターンを表示することができ、使用時
に、焦点深度とレンズアッセンブリによって光が集束される方向とを制御する、
プログラム可能SLMを備えたプログラム可能集束エレメントアッセンブリから
成る。
【0017】 これは、実時間で行われるのが好ましい。好ましくは、1秒間に多数の異なる
焦点配列が、SLMに表示される。
【0018】 別の観点に従って、本発明は、検出器に差し向けられる場面の一部を制御する
ための、プログラム可能SLMに表示される1次格子及び/又はチャープ格子の
使用から成る。場面のその部分は、検出器に集束又は結像されてもよい。
【0019】 3−D空間の1つの点又は複数の点が、検出器に集束され、SLMは、制御器
によってプログラムされるのが好ましい。1秒間に多数(例えば数千)の点が、
検出器に集束されるのが好ましい。
【0020】 更に別の観点に従って、本発明は、場面の映像を検出器に差し向ける方法であ
って、前記検出器に差し向けられる場面の映像のx−y部分、及び/又は、検出
器に差し向けられるz平面の前記場面の結像面を制御するために、プログラムS
LMを使用することを含み、場面−検出器方向は、z方向にあることを特徴とす
る方法から成る。
【0021】 検出器に投影される場面内の面は、検出器に集束されてもよい。しかし、幾つ
かの応用例では、検出器に集束しなくてもよく、例えば、若干焦点から外れても
よい。
【0022】 SLMにチャープが与えられるのが好ましい。SLMに1次格子が与えられる
のが好ましい。或いは、実質的にチャープ又は1次格子であるパターン、又はそ
の組合せであるパターンが、SLMに与えられてもよい。
【0023】 検出器に差し向けられる場面の領域のz軸から外れた位置を制御するように、
1次格子の方位及び/又は格子の線の間隔が制御されるのが好ましい。検出器に
集束される場面の3−D空間内の面の、検出器からの距離を決定するために、チ
ャープが使用されるのが好ましい。
【0024】 SLM上の表示は、検出器上で前記場面の映像を何度も走査するように、プロ
グラム可能に制御され、制御器が、検出器が検出するものの時間的に離間した記
録を取るのが好ましい。検出器は、検出器の2−Dアレーではなくて、好ましく
は線検出器である(しかし2−Dアレーであってもよい)。
【0025】 プログラムされたSLMは、光学システムの収差を補償するのが好ましい。
【0026】 別の観点に従って、本発明は、収差を有する光学システムと、その収差を補償
するプログラムされたSLMとから構成される。
【0027】 補償は、部分的であっても、実質的に全補償であってもよい。
【0028】 別の観点に従って、本発明は、検出器が順次、異なる場面部分に関連する場面
情報を検出するように、検出器と、検出器上の場面の走査部分とを有することと
、各場面部分を示す検出信号を読むために検出器を読むことによって、場面を示
す映像を構築することと、検出器からの時間的に離間した読み出しから映像を生
成することを含む、映像の生成方法から成る。
【0029】 この方法は、単純検出器アレーを有することを含むのが好ましい。これによっ
て、高速読み出しが容易になる。
【0030】 この方法は、好ましくは、検出器上の場面部分の走査を行うために、場面から
入射する放射を制御するようにコンピュータで制御されたSLMを備えることを
含むのが好ましい。
【0031】 この方法は、必要とされる映像の画素がより少ない又は多いときに場面が走査
されるよりも、多く又は少なく走査することによって、映像中の画素数を増大又
は減少させることを含むのが好ましい。
【0032】 この方法は、より低い解像度の映像用に走査されるよりも多く又は少なく走査
することによって、映像の解像度を上げる又は下げることを含むのが好ましい。
映像は、2−D映像であっても、3−D映像であってもよい。
【0033】 この方法は、場面のx−y面のより大きな又は小さな範囲に亘って場面を走査
することによって、光学アッセンブリの視界を拡大又は縮小することを含むのが
好ましい。
【0034】 別の観点に従って、本発明は、検出器とスキャナとを備え、スキャナは、検出
器上の場面の部分を走査するようになっており、場面の異なる部分からの放射は
、異なる時に、検出器に差し向けられ、読み出された検出器は、検出器から信号
を読み出してその信号を映像編集器に供給するようになっており、異なる時の信
号は、場面の異なる部分を表し、映像編集器は、読み出し信号から場面の映像を
生成するようになっていることを特徴とする結像装置から成る。
【0035】 スキャナは、3−D空間の場面を走査して、場面空間内の異なる3−D体積か
らの放射を検出器に差し向けるようになっているのが好ましい。映像は、3−D
映像であってもよい。スキャナは、SLMで構成してもよい。SLMは、制御手
段によって制御されて、検出器上の場面の走査を行う光変調パターンを表示して
もよい。SLMは、(組合せチャープパターン実質的に1次の、及び、実質的に
2次の又は高次の機能)を表示するように制御されてもよい。
【0036】 制御器は、高速で検出器上の場面の部分を走査するように、SLMを制御する
ようになっているのが好ましい。走査速度は、秒当たり千、1万、又は10万(
或いはそれより多い)場面の部分を検出器に投影させるオーダーであってもよい
【0037】 検出器は、単一の検出器エレメント、或いは、1−Dや2−Dアレーのような
複数の検出器エレメントのアレーであってもよい。検出器は、検出器エレメント
の単純アレーであってもよい。
【0038】 この装置は、検出器上の場面の部分の走査を変えることによって、映像コンピ
ュータで形成される映像の解像度を変更するようになっていてもよい。場面がよ
り微細な「場面画素」/検出器に入射する場面のより小さな部分を有する検出器
エレメントに走査される場合は、映像の解像度が改善されるであろう。場面が走
査されて、x−y平面のより大きな面積(場面から検出器の方向はz方向である
)が走査され、検出器によって一層広い視角が「見られる」であろうし、映像コ
ンピュータによって生成される映像は、一層広い視角を有するであろう。
【0039】 この装置は、カメラであってもよい。
【0040】 この装置は、結像システムの開口寸法を変更できるようにされてもよい。これ
を行うために設けられる開口寸法変更手段は、それ自身の右(right)にあるエレ
メントであってもよく、機械的なエレメントであってもよく、或いは、制御器に
よって制御されるSLM又はSLMの一部であってもよい。開口寸法の変更を行
うために付加的なSLMを設けてもよい。開口変更手段は、2つの状態(ブロッ
ク/クリア)を有する開口形成手段を備えていてもよく、或いは、ブロック/ク
リア間の幾つかのグレイレベルを有していてもよい。
【0041】 映像コンピュータによる検出後の処理は、装置の解像度を改善するであろう。
検出器の検出器エレメントに差し向けられた場面の一領域は、後処理後に、生成
された映像の1つの映像画素に対応していなくてもよい。映像画素平均化、重み
付け、又は他の映像獲得後の処理を行ってもよい。
【0042】 別の観点に従って、本発明は、場面の画素映像を構築するように、異なる時に
映像獲得検出器上の場面の部分を走査するために、結像システムに走査装置を使
用することから構成される。
【0043】 走査は、検出器に走査される場面の画素寸法を制御するために利用されるのが
好ましい。走査は、生成された映像に形成される画素数を制御するために利用さ
れるのが好ましい。
【0044】 以下、本発明の実施例を、あくまでも例示として、添付図面を参照しつつ説明
する。
【0045】 ここで、我々の同時出願中の特許出願であるPCT/GB98/02876号を参照されたい
。PCT/GB98/02876号の開示及び内容を、参考として、この特許出願の開示に合体
する。出願中のPCT/GB98/02876号は、この出願に使われる幾つかの用語を把握し
、幾つかの実施例の幾つかの特徴がどのように働くかを把握する助けになるだろ
う。
【0046】 図1は、光学アッセンブリ10を示し、この光学アッセンブリ1は、センサ1
6の、光学軸18に直交して延びるここでは一つの(1次の)アレー14(アレ
ー14は図4に最もよく示されている)と、空間光変調記20(SLM)と、集
束集光レンズ22と、SLM20から光学軸18に沿って異なる距離に位置する
第1の結像面24及び第2の結像面26とを有する。この例では、センサ16、
SLM20及びレンズ22は、全て、互いに固定された関係で、場合によっては
フレームワーク(図示せず)上に、取り付けられる。レンズ22(又は幾つかの
他の集光器)は、SLM20と実質的に同一面積を有してもよいが、より大きな
、或いは遙かに大きな面積を有していてもよい。光学アッセンブリ中に、一つ、
二つ、或いはより多くのレンズを設けてもよい。
【0047】 図4は、1次アレー14を詳細に示し、理想的に、各センサ16が、専用の読
み出し回路28を有する(そうでない実施例も含まれるが、各センサが、並列に
、場合によっては独立に、読み出されるのが好ましい)ことを示している。幾つ
かの実施例では、回路28は、センサ16からの読み出し信号の信号処理をも行
う。センサ16は、同時並列に読み出されることができる。2−Dアレーでなく
、1−Dアレー14があるので、センサに対応する電子素子のための、遙かに大
きな空間があることがわかるだろう。電子素子28及びセンサ16は、共通の半
導体チップ(図示せず)上に設けることができる。
【0048】 図1の実施例のSLM20は、コンピュータ制御によるパターンを表示するこ
とのできるコンピュータ制御透過型SLMである。SLM20とレンズ22は、
符号30で示すプログラム可能レンズアッセンブリを構成している。レンズとS
LMとの組み合わせで、種々の光学的配置構成が可能である。
【0049】 図5は、プログラム可能レンズアッセンブリ30と、SLM20を制御するコ
ンピュータ又はマイクロプロセッサ32と、ここではカメラ34として示したセ
ンサ12(しかし、アレー14であってもよい)とを示している。カメラ34は
、例えば、CMOSカメラ、CCDカメラ、写真フィルムカメラ、或いは図4の
読み出し機能付きカメラであってもよい。
【0050】 レンズ22及び/又はセンサ/カメラ34は、コンピュータ32によって制御
することもできる(制御しなくてもよい)。幾つかの実施例では、レンズ22は
省略することもできる。レンズアッセンブリ30には、可成りの集束力のある光
学コンポーネントとして、SLMがあるだけでよい。
【0051】 レンズ22は、場面から光を集め、。それをSLM20に差し向ける(典型的
には、それを部分的に集束させる)。SLM20は、コンピュータ32によって
生成されたパターン36を表示している。
【0052】 パターン36は、図7に概略的に示されている。コンピュータ32は、そのメ
モリ内に、1次回折格子40(a〜c)と2次(又はより高次の)チャープ格子
42(a〜c)の可能な組み合わせのライブラリを備えている。組み合わせには
、2つのエレメントがあればよく、或いは、3以上あってもよい。例えば、40
aと42aとの組み合わせが、コンピュータによって選択され、SLM20に同
時に表示される。組み合わせパターンは、組み合わせられたチャープとして考え
ることができる。
【0053】 2次チャープ42aは、光がSLM上のそれに当たったときに、集束レンズと
して働き、検出器の1次アレー14を含む、符号44で示す焦点面又は結像面に
、光を集束させる。チャープ42の選択は、3−D空間の何れの面、即ち、24
又は26(又はその他)が結像面44に結像される面であるかを決定する。
【0054】 パターン36の回折格子40の部分は、3−D空間の結像面の中心点が、如何
に光学軸18からオフセットしているか、そして、それが、光学軸18からどの
角度方向に離れているかを決定する。例えば、格子40がその線間に無限空間を
有する(即ち、格子40が無い)ならば、結像面/結像場面の中心は、光学軸1
8上に位置するだろう。格子40の線間距離が小さいほど、センサアレー14の
結像面44上に投影された視界の中心は軸18から遠くなる。光学軸18に対す
る格子40の線の延びる方向は、投影された視界の中心の変位/検出器に集束さ
れた場面の一部の変位の角度方向を制御する。
【0055】 図12は、幾つかのパターンを示す。組み合わせパターンが形成されるとき、
1次(又は1次に近い)パターンとチャープ(又はチャープに近いかより高次の
)パターンをアナログとして組み合わせてアナログ組み合わせチャープを形成し
、その後にそれを二値化することが必要だと思われる(二値化組み合わせチャー
プが提供する場合)。1次パターン及びチャープを二値化してから二値化された
パターンを組み合わせると、上手く行かない。同様のことは、より高次の量子化
にも当てはまる。
【0056】 例えば、図6は、センサ16の、図面において垂直方向に延びる1次アレー1
4と、光学軸18とを示している。更に、光学軸18から異なる角度(例えばα
1及びα2)で変位した視界の中心48の線46をも示している。線46は、光
学軸18及びセンサ16の線と直交している(或いは交差している)。SLM2
0に表示された組み合わせチャープの1次格子コンポーネントを変更することに
よって、線46に沿って(又は異なる角度α1及びα2等から)センサ16の線
上に投影された視界の中心を走査することができる。各角度α(又は視界中心4
8)について、センサ16は、結像面の場面映像の垂直方向「スライス」を検出
する。角度αが変更されるにつれて、センサ16センサ16は、結像面の映像の
異なる交差方向の(この場合は、直交方向の)領域から、垂直方向「スライス」
を得る。このようにして、図6に示す概略的配置構成は、視界を横断する異なる
角度で、視界の結像面の7つの垂直方向スライスを得る。
【0057】 センサ16の1−Dアレーに落着した場面の一部を、センサ16を横断して、
センサ16と交差する(例えば直交する)方向に走査することによって、センサ
16の1−Dアレーを使用して場面の2−D画像を構築することができる。単一
の検出器/センサを使用すること、或いは検出器の2−Dアレーを使用すること
も可能である。
【0058】 組み合わせチャープの2次チャープエレメントを変更することは、光学アッセ
ンブリの結像面に集束される場面の面を変更することになる。異なるチャープで
連続的に結像することによって、場面の3−D画像を構築することができる。こ
れは、例えば図5に示すものに似たセンサの1−Dアレー、或いは、CMOS又
はCCDカメラのようなセンサの2−Dアレー、或いは単一の検出器を使用して
行うことができる。
【0059】 もし、結像面に集束すべき場面の3−D空間の領域のオフアクシス「ステアリ
ング」が要求されない場合は、SLMに(又は組合せチャープの一部として)1
次格子は使用しなくてもよいことも、理解されるであろう。
【0060】 結像されている場面の結像面に変更が必要でない場合は、2次チャープは無く
てもよく、或いは、2次チャープは変更しなくてもよい。
【0061】 光学アッセンブリの結像面に集束される場面の3−D空間内の面が平坦平滑な
面でなくてもよいことも理解されるであろう。それは、表面であればよく、湾曲
していても起伏を有していてもよい。SLMに表示される適当な組合せチャープ
/パターンは、場面内の如何なる表面でも、実際に光学アッセンブリの結像面に
集束させることができる。場面の画素を順次結像させ、場面の画素間の結像面の
距離/方位を変更することにより複合表面を構築することによって、これを行っ
てもよい。光線をステアリング及び集束させるためにSLMを使用し、SLMを
コンピュータ制御して実時間で高速に応答/ステアリング可能にすることは、S
LMを、急速制御可能で且つ非常にフレキシブルな光学装置として、動作させる
ことを可能にする。
【0062】 図3は、1次アレー14に傾斜面50(光学軸に直角な面に対して傾斜した面
)の異なる「スライス」を投影するようにSLM上の組合せチャープを変更する
ことによる、上述したことを示しており、3−D空間における結像面にあるスラ
イスは、アレー14から異なる深度/距離にあり、検出器アレーは、傾斜面上の
「場面のスライス」を順次検出する。例えば、第1距離(チャープ42により制
御される)にある1つのスライス52には、(異なるチャープ42を使用する)
異なる場面結像面にある別のスライス54が続く。
【0063】 光学アッセンブリの結像面は、主に平坦な面と想定されているが、これも、平
坦でなくてもよく、湾曲していてもよい。
【0064】 SLMに表示された組合せチャープは、コンピュータによってプログラム可能
に制御され、結像面の異なるスライスは、結像表面として選択された表面の画像
を構築するために、異なる時に1次アレーによってサンプリングすることができ
る。順次サンプリングされたスライスは、3D空間で隣接している必要はないが
、典型的には隣接していてもよい。表示された回折格子エレメント40の線間の
間隔と、SLMの線の方位とを制御することによって、コンピュータは、結像検
出器14に集束される場面の領域が、如何に軸からオフセットするかを、制御す
ることができる。
【0065】 センサの1−Dアレーは、単一のセンサで構成することもできる(即ち、1エ
レメントアレー)ことも理解されるであろう。結像すべき表面の所望の部分は、
その後、SLMによって2つの交差方向(多分、2つの直行方向)にセンサを横
断してステップされることになるであろう。
【0066】 図2は、SLM20の前後にレンズ56、58が設けられた、別の光学的配置
構成を示す。
【0067】 図4では、個々の検出器画素/センサエレメント16が、読み出し回路によっ
て別々にアドレス指定されて、センサエレメントの全てを並列に読み出す。これ
によって、読み出し速度が上がる。更に、センサエレメント16の幾つかだけ(
全部でなく)を読み出すこともできる。これによって、急速な走査が容易になり
、及び/又は、高速の結像システムを作成することができる。制御コンピュータ
は、光学システムのユーザの要求に応じて、どのセンサエレメントがいつ読まれ
るか、を決定することができる。制御コンピュータは、ユーザによってプログラ
ム可能であってもよく、或いは、複数の予め用意されたプログラムの中から、ユ
ーザが選択できるものであってもよい。
【0068】 図4及び図6の配置構成は、複数のセンサ(又は単一のセンサ)の1−Dアレ
ー若しくはセンサの2−D単純アレーの使用を可能にする。これは、高速な読み
出しが重要とされる用途に、望ましいであろう。単純なアレーを備えることは、
このような単純なアレーは、実質的に全ての検出器の並列読み出しを可能にする
ので、有利である。
【0069】 図10a〜10dは、「単純」2−D検出器アレーの幾つかの例を示す。検出
器エレメントは、符号100で示し、何らかの初期処理又は増幅回路は、符号1
02で示す(図10aのみに示す)。単純アレーは、実質的に全ての検出器エレ
メント100を並列に読み出させることができる。多数の他の検出器エレメント
に囲まれた検出器エレメントを有する複合アレーでは、2−Dアレーの中央領域
の「埋もれた」検出器エレメントから個々に読み出させることに困難がある。幾
つかの単純アレーは、全て又はほぼ全ての検出器エレメントをアレーの周辺に備
えている(これは、電子素子を同一面の周辺の外に配置できることを意味する)
。限られた数の検出器エレメントを順次読み出させつつ、それでも全体的に高速
の性能を得ることができる。例えば、読み出しが複数対の検出器エレメントであ
る場合、順に読み出されるのは2つだけであろう(しかし、これは、全ての検出
器エレメントからの真の並列読み出しよりも遅い)。検出器エレメントの外輪線
内に1つ又は2つの検出器エレメントだけを配置しつつ、並列読み出し用回路の
ための余地を備えることもできる。
【0070】 図9は、格子を構成する検出器エレメント100の離間された列92、94、
96、98を有する2−D結像検出器アレー90を示す。各列が、別々に読み出
され、この実施例では、各列が交互に反対方向に読み出される(これによって、
読み出し用電子素子により大きな空間を許容できる)。
【0071】 図7では、1次及びチャープの機能の対を記憶させるものとして、1次及びチ
ャープの組合せを有するメモリが示されているが(そして実際にそれを備えてい
る)、メモリが、1次格子のライブラリ、チャープのライブラリを有していても
よいこと、及び、コンピュータが、各グループから選択して組合せチャープを作
成してもよいことも理解できるであろう。パターンは、表示前に、又は実際の表
示の際に、組み合わせてもよい。
【0072】 組合せチャープに(アッセンブリの見る方向をオフアクシスにするために)1
次コンポーネントを使用することは、システムが2−D検出器を有する場合は、
必要でない(しかし、それでも使用してもよい)。
【0073】 PCT/GB98/02876の図9A乃至9Cを見ると、アレー上の映像を走査するために
検出器に対して光源を移動させる思想が、各「画素」又は場面の小さな領域が光
源として見得ることを実現することによって場面を結像させることに適用され、
(SLMを使用して)一連の選択された光源/場面の領域を検出器アレーに集束
させることは、同一の走査思想を利用している。SLM上のパターンを制御する
ことによって、場面の一領域を「オン」にしたままで(検出器に集束させて)、
別の光源/場面の領域を「オフ」にすることも有効に可能である。
【0074】 図8は、本発明の可能な応用例を示す。多くの光学システムは、典型的には、
多数の異なる光学コンポーネント(例えば、図1で、レンズ22とSLM22は
、対応する収差を有していてもよい)の収差の組合せによる光学的収差を有する
。システム全体の収差は、或る場面の面の異なる領域が、結像面に正しく集束さ
れないことを意味する。図8の面80は、カメラの結像面を示し、表面82は、
場面内の平坦面が集束される表面である。システムの残りの収差を補償するため
に、SLMに組合せチャープを適用することができる。線84は、SLM20に
適用された組合せチャープが、どのようにして、システムの結像検出器面を効果
的に変更するか(或いは、見方を変えれば、検出器面に集束される場面の面をど
のように変更するか)を示している。このように、システムの収差が分かれば、
組合せチャープパターンを使用して、収差を改善するか、或いは実質的に除去す
ることができる。
【0075】 若しくは、異なる組合せチャープパターンを使用して、収差のある映像の異な
る領域を補償することができる。
【0076】 SLMと組合せチャープとを使用して収差を補償する原理は、2次元の収差を
補償するためにも利用することができる。
【0077】 本発明は、多くの分野で応用できる。プログラム可能レンズは、一つの応用例
である。SLMは、1秒間に数千のパターン、或いは数万、更には10万のオー
ダーのパターン表示することができるので、プログラム可能レンズをきわめて高
速に(1秒間に数千回)変えることができる。
【0078】 一つの応用例であるパターン認識では、数千フレーム/秒(或いは、1万フレ
ーム/秒)が可能な高速の2−Dセンサが求められる。また、パターン認識の技
術分野には、2−Dアレーに必要とされる画素数を増加する方向への動きもある
。本発明は、SLM上の適当な組合せパターンを使用することによって、映像を
形成する画素数を増加又は減少させることができる。場面の各結像フレームは、
順次処理(例えば、デジタル処理)される必要がある。これを、高速に或いはよ
り高速に、データ保存するカメラがある。但し、それはオフラインで処理される
。我々の先の特許出願であるPCT/GB98/02876(本願に参考として合体されている
)には、光源(例えばVCSEL)の1−Dアレーを採用することによって1−
Dセンサアレーを横断してパターンを効果的に走査する技術がある。これは、一
連の点光源である。各点光源は、光学軸に対して異なる角度にある。従って、1
−Dセンサアレー(光源/VCSELアレーに垂直方向に差し向けられている)
は、光源/VCSELが次々に切り替えられると、SLM上に表示されたパター
ンがそれを横断して移動すると認識する。光源の数は、2−Dパターンの幾つの
1次スライスがセンサによって検出されるかを決定する。
【0079】 1次回折格子がSLMに表示されていれば(位相又は振幅であり得る)、これ
は、平面波光線を偏向させる。上述の光源/VCSELアレーとの類似点は、映
像は、点光源の2−Dアレーとして考えることができることである。SLM上に
表示された回折格子を変更することによって、場面は、x−y平面におけるセン
サアレーを横断して走査することができる。SLM上に、1次格子の代わりに、
或いはこれに加えて、2次回折格子が使用される場合は、3−D走査を行うこと
ができる。プログラム可能チャープをセンサアレーと組み合わせると、3−D結
像が行えるようになる。図3に概略的に示すように、如何なるx−y−z平面で
も、或いは曲面でも、適当なチャープ組合せを適切に選択することによって、結
像させることができる。後処理は、3−D場面を再構築することができる。
【0080】 チャープは、x−y運動の組合せにおいて、検出器アレーを横断して場面の映
像を走査するために使用することができる(検出器アレーは、例えば、1−Dア
レー又は単一エレメント検出器であってもよい)。
【0081】 SLMには、波長感知可能なものがある。単一の波長の光(例えば、レーザ)
場面を照明すること、及び/又は、SLMに入さする光をフィルタにかけて実質
的に単色にすることが望ましいこともある。
【0082】 異なる色(例えば、赤、青、緑)のフィルタを使用してカラー映像を構築する
ことが望ましいこともある。例えば微細加工されたシリコンのような技術に基づ
いたSLMを、異なる波長で機能するようにプログラムすることができる。これ
によって、ハイパースペクトル又はカラー能力が得られる。
【0083】 本発明は、原理的に、真の意味での光の波長に限られず、全ての電磁(e.m.)
波長に適応できる。「光(又は光学的)」の用語は、電磁波一般を包含すると解
釈すべきである。本発明を、電磁波ではない波(例えば、超音波又は音波又は圧
縮波)を使って実施することも可能であろう。重ねて、本発明はこの点で広義に
解釈すべきである。
【0084】 場面又はSLM(又は両者)のための照明源があってもよく、無くてもよい。
【0085】 現在、1−DのCCDセンサは、200MHz画素読み出し速度(Dalsa
)のものが市販されている。100MHzの2−Dセンサも市販され、200M
Hzのものも間もなく市販されるであろう。しかし、これらは、全ての画素がフ
レーム毎に読み出される必要があるので、柔軟性に欠ける。高速読み出し速度は
、複数の出力タップを設計することによって可能である。これによって、装置を
、それぞれ複数のセンサ画素を有し、並列に読み出される複数の領域に分けるこ
とになる。各タップは、独立に制御できるように設計することができるが、幾つ
のタップを使用できるかについては、制限がある。物理的に、読み出し用回路の
ための十分な空間がないからである。完全な並列読み出しに差し向けて、フリッ
プチップボンディングの研究開発が行われているが、これは、高価で、大量の電
力を消費する。ここに提案されている、完全な並列読み出し能力を有する1−D
アレー(又は単純アレー)は、設計が遙かに容易であり、組合せチャープとの組
み合わせでは、映像の局部読み出しの完全制御を可能にする。映像の全ての解像
可能な画素を読み出す必要はない。
【0086】 空間光変調器(SLM)は、我々の先の文献(PCT/GB98/02876において符号7
、8を参照)における高速ビットプレーン空間光変調器(Fast Bit Plane Spati
al Light Modulator (FBPSLM))のような高速光変調アレーで構成されてもよい
。基板上に設けることのできる強誘電液晶材料のアレーで構成してもよい。
【0087】 SLMは、光が第1の態様で変調されながらエレメントを透過する第1の状態
と、エレメントを透過する光が第2の異なる態様で変調される第2の状態との間
で切り替えることのできる画素又はエレメントのアレーで構成されてもよい。い
ずれの場合にも、光は減速されるか、振幅変調されるか、或いは両方であってよ
い。好ましくは、各エレメントは、液晶画素から成る。SLMは、動作中、透過
可能であっても反射可能であってもよい。第1の状態にある画素に作用した光と
、第2の状態にある画素に作用した光との間には、ほぼ180°の位相差があっ
てもよい。
【0088】 SLMは、液晶のような透過装置であってもよく、微細加工された機械的装置
(例えば、光を反射することのできる電子制御可動部材)のような反射装置であ
ってもよい。幾つかの反射装置については、光はこれを「透過」しない(しかし
、別のものでは、透過する。例えば、LC付きミラー)。より一般的な表現では
、光は、装置の領域の状態に依存して、様々な態様で装置に作用すると言うこと
ができる。
【0089】 改良型では、レンズは、SLM自体と一体であってもよい。
【0090】 PCT/GB98/02876で述べたのと同様に、本発明は、チャープ/組合せチャープを
1秒間に極めて多数回、変更することのできるプログラム可能チャープ/SLM
を使用して、パターン認識に使用することができる。
【0091】 これまでの記載で示した別の利点は、チャープ信号を応用することが、若干平
坦でないSLMを使用しても使用可能な光出力(例えば、プログラム可能SLM
のための相関パターン又は別の使用)を生成することができることである。この
ような平坦でないSLMは、製造プロセスにおける欠陥を介して現れ、光学的に
平坦なSLMよりも遙かに安価である。後者は歩留まりが低いからである。
【0092】 チャープ/組合せチャープは、既に述べたように、収差を補償し、このことは
、光学的に余り平坦性でないSLMを様々な用途に使用可能にする。実に、本発
明の一つの観点で見た更に別の用途は、SLMにパターンを適用することによっ
て光学的な欠陥を補償することで、これまでに可能であったよりも不完全なSL
Mを使用する方法としての用途である。
【0093】 パターン認識のために、チャープ組合せが、理想的には、パターンが二値化さ
れる前に付加されるべきであること、そして、両パターンにでも一方のパターン
だけにでも負荷できることが、実験で示された。パターンを予め計算して、それ
を基準パターンに付加する方が、便利であると思われる。従って、異なるチャー
プを有する1組のパターンを合成して、チャープを、実時間で、或いは順次、リ
ストからランダムに選択してz方向の走査焦点を生成できるようにすることも可
能である。1次及び2次(又はより高次のパターンの組合せることで、焦点を3
次元で実時間で可変にすることができる。例えば、FBPSLMの現在の設計は
、チャープパターンを秒当たり約1万回変更させることを可能にしている。応用
例として、機械的に可動な部品を必要としない光ディスクのメモリアクセスやホ
ログラフィック記憶装置がある。
【0094】 幾つかの応用例では、例えば、未知のチャープが入力信号に含まれるかもしれ
ない、ウィグナー変換又はアンビギティー機能における時間/周波数分析のよう
に、可変チャープが必要なこともある。付加的なチャープを使用する目的は、所
望の信号を取り出すために、未知のチャープを否定するものを発見することにあ
る。
【0095】 チャープは、2を超える変調レベル(即ち、二値でない)を有するSLMに使
用することもできるであろう。これには、多重変調レベルが唯一の相関ピークを
生成する(パターン認識において)という利点があり、光出力が一層効率的にな
る。シークされる物体の位置の曖昧さは、唯一の相関ピークを持つことによって
除去されるが、DCピークの存在による問題が依然として残る。
【0096】 チャープは、レンズに類似した数学的記述を有することも注目すべきであり、
レンズをチャープと結合して使用する必要がないことが、実験で示された。これ
は、光学システムの設計を単純化する。
【0097】 プログラム可能チャープ駆動SLMを備えた光学アッセンブリを使用する時間
/周波数分析が利用される可能性のある一つのエリアは、電磁信号エンコードデ
ータ(そうでなくてもよい)が移動中のプラットフォームから発生されたか、プ
ラットフォームが加速しているか/減速しているか、である。補正チャープを「
正しい」信号に返すことによって、その信号を一掃して、且つ(又は代わりに)
、どの補正チャープが良く補償したかを知ることによって、プラットフォームの
加速/減速を決定することができる。(補正チャープのライブラリは、各チャー
プに対応する加速度を備えるであろう)。或いは、受信チャープ信号の分析時に
、コンピュータで脱チャープ用チャープを算出することができる。信号は、受信
側で、慎重に伝送用にチャープされ、脱チャープされてもよい。
【0098】 「画素」について述べられ、SLMは、主に、画素を備えるものとしているが
(アレーに設けられた別々の制御可能なエリア)、「画素」は、光伝導体又は多
の光センサを備えた、光学的にアドレスされるSLMのような、画素化されてい
ない装置(真に画素化されていない)を含むのに十分な広義に解釈されることも
意図している。
【0099】 多くの応用例では、光学システムは結像システムであろうが、全てではないで
あろう。
【0100】 「SLMの表示」について述べられたが、この用語が、可動ミラーや可動ピス
トン型反射SLM、及び透過SLMのような、入射電磁波に異なる位相又は振幅
変化を導入することのできる領域を有する動作表面を備えたSLMの光変調性を
も含むものであることが、理解されるであろう。
【0101】 技術の要求が変化することがあり、電子結像装置では、一層高い解像度に対す
る要望が増加している。これは、伝統的に、検出器アレーにより一層多くの画素
を設けることによって対処されてきた。見たところ、検出器アレーが如何に大き
くとも、解像度がどうであろうとも、数年内にもっと良いものが求められるのが
常である。検出器アレーにおける限りある検出器エレメントの数は、解像度の制
限になる。
【0102】 本発明は、この問題を改善する応用例をも有する。コンピュータ制御器は、観
察されている場面を効果的に画素化して、それを、検出器の固定アレー(又は単
一の検出器)上で走査するので、これは、解像度を(部分的に)決定するコンピ
ュータである。何故ならば、x−y走査を制御することによって生成される映像
の画素数を決定するからである。
【0103】 図11は、本発明に従うカメラによって結蔵される場面を示す。場面の「画素
」110、112、114、116は、SLMによってカメラの検出器アレー/
検出器に差し向けられる(殆どの場合は集束される)3−D空間内の領域である
。場面の画素の解像度の変更は、コンピュータからSLMへの命令の変更によっ
て行われる(従って、検出器アレーを変更することなく、より高い解像度が得ら
れる)。
【0104】 図13は、少数の検出器エレメント16を備えた検出器12を示すと共に、コ
ンピュータによって選択された場面における3−D面の領域からの光が当てられ
る/結像されるエリア130を概略的に示す。コンピュータ/SLMは、検出器
エレメント16上で、矢印132の方向及び矢印134の交差方向に、場面領域
を走査する。必要とされる数の画素が捉えられる。
【0105】 SLMを使用して検出器アレー(又は単一の検出器)の3−D場面の体積を走
査することで、映像の画像における画素数を、ハードウェアで制御するよりも、
コンピュータで制御することが可能になる。コンピュータは、SLM(又は別の
スキャナ/集束器)を制御して、パターンを表示させ、生成される映像のための
一層広い視角を形成させることができる。或いは、コンピュータは、SLMに表
示されたパターンを使用して、形成される映像の物理的寸法/視界を同一に保持
しつつ、映像の解像度を上げるために検出器上で映像を走査することで生成され
る映像画素数を増加させることによって、その映像のより一層高い解像度を達成
することができる。コンピュータは、勿論、両方を行うことができる。
【0106】 光学システムに可変解像度及び/又は可変視界が要求される一つの理由は、そ
の開口数が可変であるべきかどうかにある。焦点深度/被写界深度を変更するた
めに(光学機器から特定の距離にある物の結像を集中させることが望まれること
がある)、システムの開口寸法を可変にすることが望ましいこともある。
【0107】 開口寸法を変更すると、焦点深度が変わる。開口寸法の減少は、焦点深度を増
大させ、必要とされるz方向の解像度を低下させる。開口寸法の減少は、必要な
視界を減少させ、所定の解像度の映像を形成するのに必要な画素数が、それだけ
少なくて済む。画素数が少なくて済めば、映像はより高速に形成することができ
る。
【0108】 一方、開口寸法の増大は、焦点深度を減少させ、視界を増大させる。その視界
を結像させるには、その映像に、より多くの画素が必要になる。所定時間内に映
像を作るためには、解像度を下げる必要があるかもしれない(或いは、その映像
を形成するのにかかる時間に、要求される場面のより多くの走査回数が付加され
るであろう)。
【0109】 開口及び開口制御を、スキャナ/SLMから離間されたコンポーネントとして
(スキャナの前方か後方に)設けることができる。或いは、これを、スキャナ/
SLMに設けてもよい。これを、フーリエ面に、又はその近くに、(例えば、共
焦点顕微鏡法では、フーリエ面における開口制御が望ましいであろう)設けるこ
とができる。
【0110】 使用された用語の幾つかについてその定義を与えることは、助けになるだろう
【0111】 「組合せチャープ」:これは、1次、2次、3次、又は、更に高次のパターン
の組合せ、或いは、そのような組合せに実質的に類似する、変更されたパターン
であり得る。
【0112】 「光学」:本発明は、電磁放射のための如何なる放射波長にも、圧縮波にも、
対応する。
【0113】 「結像」:これは、光学装置の映像面に、又は、フーリエ変換面に、又はいず
れにも当たらない面に対するものであり得る。
【0114】 「集束」:検出器が配設され、放射を受ける面。
【0115】 「色」:光学上のもの(赤、緑、青)だけでなく、多重波長でもあり得る。
【0116】 「単純アレー」:電子素子による並列読み出しを許容する検出器の配列であり
、例えば、全ての、又はほぼ全ての検出器が、アレーの周縁にあるもの。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従う光学アッセンブリを概略的に示す。
【図2】 別の光学アッセンブリを概略的に示す。
【図3】 別の光学アッセンブリを概略的に示す。
【図4】 図1〜3のアッセンブリの詳細を示す。
【図5】 別の光学アッセンブリを概略的に示す。
【図6】 本発明の幾つかの実施例の動作原理を概略的に示す。
【図7】 コンピュータデータベースに保持される多数の異なるパターンを概略的に示す
【図8】 光学システムの収差と、本発明が収差に対してどのように光学システムのセン
サ面をマップできるかを概略的に示す。
【図9】 検出器の結像アレーを示す。
【図10a〜10d】 別の検出器アレーを示す。
【図11】 本発明に従う機器によって観察される場面を概略的に示し、且つ、その場面が
、機器の検出器アレー上で走査されるx−y平面、更にはz方向の画素にどのよ
うに分割できるかを示す。
【図12a〜12e】 1次パターン、2次パターン、3次パターン、2値結合1次/2次パターン、
及び、2値結合2次/3次パターンを示す。
【図13】 固定検出器アレー上の場面領域の走査のステッピングを概略的に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2H087 KA03 LA01 NA01 RA00 RA27 RA44 RA46 5C022 AA14 AC42 AC51 AC54 AC69

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光入力と、空間光変調器(SLM)と、SLMの表示を制御
    する制御器と、検出器とを備えた光学アッセンブリであって、 前記制御器は、SLMに表示されたパターンを変更して、使用時に、光入力か
    らSLMに入射する放射を、SLMに制御させて、前記光学アッセンブリが観察
    している場面の3−D空間内の選択された表面又は領域からの放射を、前記検出
    器に差し向けるようにされたことを特徴とする、光学アッセンブリ。
  2. 【請求項2】 前記制御器は、SLMを制御して、前記光学アッセンブリが
    観察している場面の3−D空間内の任意の表面又は領域からの放射を、前記検出
    器に差し向けることが可能である、請求項1に記載のアッセンブリ。
  3. 【請求項3】 前記場面の3−D空間内の前記選択された表面又は領域から
    の放射は、前記検出器に集束される、請求項1又は2に記載のアッセンブリ。
  4. 【請求項4】 前記SLMによって表示されるパターンが、コンピュータ/
    制御器によってプログラムされ、急速に変更可能である、請求項1〜3の何れか
    一項に記載のアッセンブリ。
  5. 【請求項5】 前記SLMは、その表示が変更可能である速度を有し、前記
    制御器は、前記SLMの前記表示が変更可能である速度と実質的に同一の速度で
    変わるように、前記パターンをプログラムすることができる、請求項1〜4の何
    れか一項に記載のアッセンブリ。
  6. 【請求項6】 前記SLM上の前記パターンは、1秒間に少なくとも100
    0回、変更可能である、請求項1〜5の何れか一項に記載のアッセンブリ。
  7. 【請求項7】 前記パターンは、実質的に1次の回折格子パターンで構成さ
    れるコンポーネントと、実質的にチャープ機能で構成されるコンポーネントとを
    有する、請求項1〜6の何れか一項に記載のアッセンブリ。
  8. 【請求項8】 前記制御器は、可能な1次及び/又は2次又はより高次の機
    能のライブラリを備え、1次及び2次又はより高次の機能の前記ライブラリから
    選択された組合せが、使用時に、前記SLMに与えられる、請求項1〜7の何れ
    か一項に記載のアッセンブリ。
  9. 【請求項9】 前記検出器は、検出器エレメントの線アレー、又は、長い長
    さを有する検出器エレメントの単純アレーであり、前記制御器は、SLMの表示
    を制御して、前記線アレーの方向と一般に交差する方向に、或いは、前記長い方
    向と交差する方向に、前記検出器アレー上で場面の映像を走査するようになって
    いる、請求項1〜8の何れか一項に記載のアッセンブリ。
  10. 【請求項10】 前記制御器は、1次機能とチャープ機能との組合せの1次
    コンポーネントを変更することによって、(前記アッセンブリの光学軸に対して
    、アジマス及び/又は登り勾配で、傾斜して配置されている)前記場面の異なる
    角度部分を走査するようになっている、請求項1〜9の何れか一項に記載のアッ
    センブリ。
  11. 【請求項11】 前記制御器は、異なる組合せチャープ機能を有するパター
    ンを表示するように前記SLMを制御することによって、3−D場面空間の異な
    る深度領域を検出器上に集束させるようになっている、請求項1〜10の何れか
    一項に記載のアッセンブリ。
  12. 【請求項12】 光変調パターンを表示することができ、使用時に、焦点深
    度とレンズアッセンブリによって光が集束される方向とを制御する、プログラム
    可能SLMを備えたことを特徴とするプログラム集束エレメントアッセンブリ。
  13. 【請求項13】 検出器に差し向けられる場面の一部を制御するための、プ
    ログラム可能SLMに表示される1次格子及び/又はチャープ格子の使用。
  14. 【請求項14】 3−D空間における点は、時間的に順次、検出器に差し向
    けられ、又は、集束され、前記SLMは、空間内の異なる点を、異なる時に、前
    記検出器に差し向ける、又は、集束させるように、前記制御器によってプログラ
    ムされることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
  15. 【請求項15】 場面の映像を検出器に差し向ける方法であって、前記検出
    器に差し向けられる場面の映像のx−y部分、及び/又は、集束されているz平
    面の前記場面の結像面を制御するために、プログラム可能SLMを使用すること
    を含み、場面−検出器方向は、z方向にあることを特徴とする方法。
  16. 【請求項16】 前記SLMにチャープが与えられることを特徴とする、請
    求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記SLMに1次格子が与えられることを特徴とする、請
    求項15又は16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記1次格子及び/又は前記格子の線の空間の方位が、前
    記検出器に差し向けられる場面の領域の局部を制御するように、制御されること
    を特徴とする、請求項15又は16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記チャープは、前記検出器に集束される場面の3−D空
    間内の面の検出器からの距離を決定するために使用される、請求項16〜18の
    何れか一項に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記SLM上の表示は、検出器上で前記場面の映像を何度
    も走査するように、プログラム可能に制御され、制御器が、検出器が検出するも
    のの時間的に離間した記録を取ることを特徴とする請求項15〜19の何れか一
    項に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記プログラム可能SLMは、光学システムの収差を補償
    することを特徴とする、請求項15〜20の何れか一項に記載の方法。
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