JP2002525584A - ビームフォーマに関する改善 - Google Patents

ビームフォーマに関する改善

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JP2002525584A
JP2002525584A JP2000570764A JP2000570764A JP2002525584A JP 2002525584 A JP2002525584 A JP 2002525584A JP 2000570764 A JP2000570764 A JP 2000570764A JP 2000570764 A JP2000570764 A JP 2000570764A JP 2002525584 A JP2002525584 A JP 2002525584A
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samples
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JP2000570764A
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ジヨーンズ,キース・ジヨン
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UK Secretary of State for Defence
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    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10KSOUND-PRODUCING DEVICES; METHODS OR DEVICES FOR PROTECTING AGAINST, OR FOR DAMPING, NOISE OR OTHER ACOUSTIC WAVES IN GENERAL; ACOUSTICS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10K11/00Methods or devices for transmitting, conducting or directing sound in general; Methods or devices for protecting against, or for damping, noise or other acoustic waves in general
    • G10K11/18Methods or devices for transmitting, conducting or directing sound
    • G10K11/26Sound-focusing or directing, e.g. scanning
    • G10K11/34Sound-focusing or directing, e.g. scanning using electrical steering of transducer arrays, e.g. beam steering
    • G10K11/341Circuits therefor

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 出力ビームのセットを生成するためにいくつかの入力サンプルデータチャネルを処理するように構成された自己補償広帯域ビームフォーマを開示する。ビームフォーマは、入力データに関して並列に動作するいくつかの同一の処理ユニットを備え、部分スキャンのセットを形成し、それらが再結合されて、最終的なビームのセットを生成する。ビームフォーマは、機能不良センサの影響、およびアレイ幾何形状の変化を克服するように自己補償し、様々なタイプおよびサイズのアレイと共に使用できるように簡単に再構成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、特に、限定はしないが、音響ハイドロフォンのアレイと共に使用す
るビームフォーミング装置および従来ビームを形成する方法に関する。音響セン
サアレイの分野以外では、例えばレーダ、通信、イメージング、地理的探査、天
体物理的探査、生物医学などの応用分野に本発明を適用することが想定される。
【0002】 ソナーシステムの目的は、入射エネルギーが受信される方向および範囲を決定
することができるようにするために望ましくない方向からの信号を拒絶する能力
を保ちながら、センサのアレイに入射する1つまたは複数の音響源からのエネル
ギーを広い空間視野を通じて検出することである。
【0003】 広い視野を通じて高い指向性で高感度を得ることを求めることは、ある程度、
相容れないものである。広い視野と良好な指向感度の両方を提供するために、当
技術分野で従来「ビームフォーマ」として知られ、本明細書で以後、単にビーム
フォーマと呼ぶアセンブリを使用して、アレイ内のセンサからの出力が処理され
る。
【0004】 アレイ内の各センサは通常、対象の周波数範囲を通じて入射放射波に対する全
方向性感度を有する。各センサが、入射放射線に依存しており、ビームフォーマ
に供給される時間サンプル出力を生成する。次いで、従来は、「遅延和」プロセ
スを使用してビームフォーミングが実施され、センサからのサンプルデータに適
切な時間遅延が加えられ、その後、時間遅延されたサンプルが一体に加算されて
、従来ビームとして知られており、本明細書で以後、単にビームと呼ぶ出力を生
成する。
【0005】 サンプルデータに適切な時間遅延を加えることにより、図1(a)に示される
ように、形成されたビームの方向からアレイに入射する音響波面が同相でサンプ
ルされることを保証するようにアレイの指向感度を操作することが可能である。
入射波面が同相であるとき、出力サンプルデータは「コヒーレント」であると言
われ、このサンプルデータのコヒーレンスが指向感度を生み出す。典型的には、
広い範囲のビームステアリング角度をカバーする多数の異なるビームが形成され
る。各ビームは、サンプルデータに様々な時間遅延を加えることによって生成さ
れる。1つの考えうるシステムでは、選定されるビームの数は、方位角0°〜1
80°の全視野がカバーされ、この角度範囲を通じた感度の差が例えば最大値か
らせいぜい3dBしか降下しないことを保証するように選択される。これは、添
付図面の図2に示される。
【0006】 アレイ内の各センサが、個々の時間サンプル出力データの一定なストリームを
生成し、各出力信号がセンサに入射する音響エネルギーに依存する振幅および位
相情報を含むと仮定すると、従来の遅延和ビームフォーマの時間領域出力は、サ
ンプルセンサデータx(t)に関して次のように書くことができ、ここでmは
アレイ内のセンサのアドレスに対応する。
【0007】
【数1】 ここで、tは時係数であり、θは方位面内でのビームステアリング角度であり、
φは高度面内でのビームステアリング角度であり、rは合焦範囲であり、τ
、所与のビーム視線方向および範囲に関する第mのセンサでの時間遅延である。
項wは、所与のアレイに関する空間応答またはビームパターンを制御するため
に使用される第mのセンサに関するシェーディング係数である。
【0008】 シェーディング係数wの値は、アレイ内部でのセンサの位置に依存して、ア
レイ内の各センサごとに異なる。また、アレイの幾何形状によっても異なり、従
来のビームフォーマでは、その値が各センサごとに個別に計算される。複素数値
/帯域シフトセンサデータのビームフォーミングでは、シェーディング係数は、
ステアリング角度にも依存する。動作中にアレイの形状またはサイズが変化する
ため、全ての係数を手動で再計算する必要がある。これは特に、係数を容易に変
更することができない固定配線によるビームフォーマが生成される場合、コスト
がかかり、かつ時間がかかるものとなる。
【0009】 特に、良好な指向感度を得るために多数のビームが必要とされる、大きなアレ
イのビームフォーミングにおける従来の主要な問題は、リアルタイムで多数のサ
ンプルを処理することが困難であることである。従来の広帯域ビームフォーマの
演算上の複雑さは通常、毎秒O(M)操作であり、Mはセンサの数、F はサンプリングレートである。全狭帯域操作を追加する場合、あらゆる広帯域ビ
ームに対してスペクトル分析が適用され、これは、
【0010】
【数2】 まで増大する。ここで、Kは、関連する時間的離散フーリエ変換(DFT)アル
ゴリズムの長さであり、時間周波数変換は、高速フーリエ変換(FFT)アルゴ
リズムを使用して実施されると仮定している。
【0011】 ビームフォーマによって処理すべきデータがデジタル形式であるとき、そのよ
うなデータの処理では、機能不良センサが、同じ確率で最小レベルまたは最大レ
ベルにデフォルトする可能性があるため、この問題はいっそう複雑になる。大き
いダイナミックレンジを有するシステムでは、高い状態で障害を起こしている単
一のセンサが、ビームフォーマによって生成される空間情報を完全に破壊し、意
味のあるデータが得られなくなってしまう場合もある。これは特に、測定される
信号が小さい振幅のものである場合に当てはまる。
【0012】 従来、機能不良センサをリアルタイムで補償することができず、測定が行われ
た後に分析者のチームが採用され、ビームパターンに対する故障センサの影響を
「推量」して、形成されたビームの異常を説明している。典型的には、これは、
センサアレイが使用中に船に取り付けられている場合、船が港に戻った後にデー
タを分析することを意味する。
【0013】 従来、センサからのサンプリングレートを、ナイキスト(Nyquist)の
定理によって提案される最小サンプリングレートよりもかなり高くする必要があ
るため、大量のデータを高集中処理することが強く求められている。そのような
高いサンプリングレートは、正確なビームステアリングを容易にするために必要
とされる。より短い、またはより細かい時間間隔でサンプリングすることによっ
て、ビームを形成するために各サンプル出力に加えられる時間遅延を、高いサン
プリングレートでより細かいステップで調節することができる。
【0014】 従来、ナイキスト限界に近づくより低いサンプリングレートは、計算主体の有
限インパルス応答(FIR)デジタルフィルタと組み合わせて使用され、サンプ
リング後にサンプルデータを補間し、無条件安定性および所望の線形位相特性を
有する。しかし、このような手法は、処理すべき各データチャネルごとに単一F
IRフィルタを提供することを必要とする。この手法は、コストがかかり、計算
量が膨大である。
【0015】 したがって、本発明の目的は、特に任意のサイズおよび幾何形状のセンサのア
レイ、具体的には大きなアレイのビームフォーミングに関する従来技術の問題を
改善するビームフォーミングの方法、またはビームを形成する装置を提供するこ
とである。
【0016】 第1の態様によれば、本発明は、センサのアレイと組み合わせて使用するビー
ムフォーマであって、各センサが、測定量に応答して出力順次デジタル化時間サ
ンプルのチャネルを生成するように構成され、 (a)1つまたは複数の第1の1次結合ユニットを備え、各1次結合ユニット
が、1つまたは複数のセンサのサブセットからの入力サンプルデータチャネルを
処理するように構成された処理手段を備え、各1次結合ユニットが、前記入力デ
ータチャネルを処理して、複数の中間出力データチャネルを生成するように構成
され、各中間出力チャネルが、その1次結合ユニットと関連するセンサに関する
部分形成ビームに対応する順次データサンプルを備え、さらに、 (b)前記1つまたは複数の1次結合ユニットから前記中間出力データチャネ
ルを受信するように構成され、さらに前記中間出力データチャネルを組み合わせ
て、1つまたは複数の2次データチャネルを生成するように構成された少なくと
も1つの部分ビーム結合ユニットを備え、各2次データチャネルが、センサのア
レイ全体に関する形成ビームを備える ビームフォーマを提供する。
【0017】 ビームフォーマは「広帯域」ビームフォーマであってよく、広帯域とは、カバ
ーされる時間的周波数レンジが、直流(すなわちゼロ周波数)から対象の最大時
間的周波数までであることを言う。そのようなビームフォーマは、ビームデータ
の実数および虚数成分を同じ遅延和ビームフォーマルーチンを使用して生成する
ことができる複素数値/帯域シフトセンサデータの処理にも適用可能である。
【0018】 センサのアレイは、音響ハイドロフォンなどの圧力センサのアレイを含むこと
ができ、その際、測定量は、アレイの各センサに入射する1つまたは複数の音響
波を含む。
【0019】 好ましくは、1つまたは複数の1次結合ユニットは、入力チャネルを処理して
、中間出力データチャネルを同時にリアルタイムで、すなわちオンライン処理で
生成するように構成されている。したがって、並列処理技法を使用して動作する
ことができ、並列処理装置を提供することができる。
【0020】 したがって、第1の態様の本発明は、センサをサブセットに分割し、1次結合
ユニットを使用して各サブセットを同時に処理し、その後、中間部分ビームを組
み合わせて1セットの形成ビームを生成することによって、センサのアレイから
のデータ入力チャネルが並列に処理されるビームフォーマを提供する。
【0021】 ビームフォーマは、各視線方向ごとに1つの異なる出力ビームを出力する、ま
たは、例えば各方向で様々な範囲で合焦されるいくつかのビームを生成すること
によって、各ビーム視線角度に対応する複数の形成出力ビームを生成することが
できる。
【0022】 1つの改善形態では、 (a)総数の1次結合ユニットのうち複数からの中間出力データチャネルを組
み合わせて、少なくとも1つの第1の中間データチャネルを形成するように構成
された第1の中間結合手段と、 (b)複数の1次結合ユニットの異なるセットからの中間出力データチャネル
を組み合わせて、少なくとも1つの第2の中間データチャネルを形成するように
構成された第2の中間結合手段と、 (c)第1および第2の中間出力データチャネルを組み合わせて、2次データ
チャネルを生成するように構成された最終結合手段と を備える部分ビーム結合ユニットを提供することによって第2の並列性レベルを
達成することができる。
【0023】 例えば、960個のセンサのアレイに関し、16個の1次結合ユニットを提供
することができ、それぞれが60個の入力サンプルデータチャネルを処理する。
1次結合ユニットは、1次結合ユニットを4つずつ組み合わせて、4つの中間結
合手段を使用して中間形成ビームを生成することができ、4つのセットの中間形
成ビームを組み合わせるために単一の最終結合手段が提供されて、2次出力デー
タチャネルを生成する。この例では、各1次結合ユニットが、同じ数の入力チャ
ネルを処理するように構成されている。当然、個々の1次結合ユニットが、異な
る数の入力サンプルデータチャネルを処理することもできる。
【0024】 本発明の第1の態様の利点は、入力チャネルの並列処理が、サンプルデータを
処理して形成ビームを生成することができる速度を高めることである。これは、
センサの大きなアレイを構築し、ビームフォームすることを可能にする。個々の
1次結合ユニットをそれぞれ、結果として単一直列設計ビームフォーマよりも複
雑でなくすることもできる。
【0025】 各1次結合ユニットは、その1次結合ユニットと関連する入力チャネルからの
サンプルデータをメモリに格納する手段を備えることができる。入力データサン
プルは、メモリに「空間および時間のアレイ」として格納することができる。空
間および時間のアレイは、メモリのブロックに格納されたm行のサンプルを備え
ることができ、ここでmは、1次結合ユニットに関連するセンサの数であり、t
は、各行にある格納サンプルデータの時間的長さである。例えば、単位時間間隔
で入力データをサンプリングすることにより、m個のチャネルそれぞれについて
、時間的長さtの各チャネル内のアレイ中にt個のサンプルが格納される。アレ
イは、m個のデータサンプルの新たなセットがセンサによって生成されたときに
、1サンプリング間隔ごとに更新することができる。例えば、サンプルデータを
ストア中の各行の左端に追加することができ、ストア中にすでにある残りのデー
タを右へリップルすることができ、m個のサンプルの最も古いセットが、ストア
の右端側から排出される。
【0026】 アレイの時間的長さtは、エンドファイア(end-fire)信号がセンサのアレイ
を横切るのにかかる最大予測時間よりも大きくなるように選択することができ、
この時間は、コヒーレントデータサンプルを保証するためにビームフォーミング
中にサンプルに加えられる最大時間遅延に対応する。当然、時間的長さtのアレ
イに関して、アレイに格納されるサンプルの数はデータのサンプリングレートに
依存し、サンプリングレートがより高ければ、事前設定された時間の長さt内で
、より多くのサンプルが得られることが容易に理解されよう。
【0027】 1次結合ユニットはさらに、空間時間ストアに格納されたデータサンプルを補
間する手段を備えることができる。データの補間により、サンプルをより高いサ
ンプリングレートまで「アップサンプル」することが可能になる。
【0028】 補間手段の提供は、低い基本サンプリングレートから正確なビームフォーミン
グを達成するのに必要とされるデータの高周波数サンプリングを容易にするので
、有利である。これは、センサに対するハードウェア要件を最小限に抑え、サン
プルデータがアナログデジタル変換器(ADC)を使用して処理された後にデジ
タルサンプルとして格納される場合、ADCの速度、したがってコストを低減さ
せる。センサでの低いサンプリングレートはまた、センサからサンプルを搬送す
るケーブルの必要な帯域幅を最小限に抑えるので有利である。
【0029】 補間係数すなわちアップサンプリングレートは、Pによって示される整数値で
あってよい。したがって、データをアップサンプリングした後、空間時間ストア
は、同じ時間的長さt内でP倍のサンプルを含むことになる。
【0030】 各1次結合ユニットはさらに、遅延和プロセスを使用して1つまたは複数の部
分ビームを生成するように構成されたビームフォーミングサブユニットを備える
ことができる。ビームフォーミングサブユニットは、空間時間ストア中の同じデ
ータセットからいくつかの異なるビームを生成することができる。これは、デー
タサンプルに様々な時間遅延を加えることによって達成することができる。
【0031】 最も好ましい配置構成では、各異なるビームを生成するのに必要な時間遅延が
メモリテーブルに格納され、テーブル中の各エントリが一意の識別アドレスと共
に格納され、一意識別アドレスが、そのアドレスのデータを特定のビームおよび
空間時間ストア中のサンプルの行と関連付ける。テーブルは、オンチップメモリ
など高速アクセスメモリに保持されることが好ましい。
【0032】 したがって、ビームフォーミングサブユニットは、適切なアドレスを使用して
各入力チャネル上のサンプルに加える遅延を検索し、かつテーブルから必要な遅
延値が得られた後、その遅延値を使用して、ストアから必要なデータサンプルを
選定するように構成することができる。次いで、選定されたサンプルを1次結合
ユニットによって一体に加算して、選択された部分形成ビームに関する出力サン
プル値を生成することができる。
【0033】 したがって、事実上、参照用テーブルは、ビームを生成するために空間時間ス
トアからどのサンプル(または補間サンプル)を選定すべきかをビームフォーミ
ングユニットに知らせることができる。一例として、m行のサンプルのセットx (t)に関して、参照用テーブルデータは、第1の行からのサンプルx(t
)と、第2の行からのサンプルx(t)と、第3の行からのサンプルx(t
)...と、以下同様のサンプルとを組み合わせるようにビームフォーミングサ
ブユニットに知らせることができ、結果として生じるm個のサンプルを組み合わ
せて、1つの部分ビームに関する信号出力サンプルを生成する。これは、各サン
プリング間隔ごとに繰り返されて、出力サンプルのチャネルを生成する。この例
示シーケンスでは、第1の行からのサンプルx(t)と、第2の行からのサン
プルx(t)と、第3の行からのx(t)と、以下同様のサンプルとを加算
して、ビームに関する次の出力サンプルを生成する。
【0034】 1つの出力チャネル上に事前設定された数のサンプルが生成された後、異なる
セットの時間遅延またはアドレスがストアから得られ、第2のビームに関する第
2のデータサンプルチャネルを生成するためにプロセスが繰り返される。
【0035】 最も注目に値する配置構成では、空間時間ストアに格納された補間入力サンプ
ルと、および参照用テーブル中の時間遅延情報とを高速ローカルメモリに事前ロ
ードしてから、サンプルブロックに対する遅延和ビームフォーミング処理を実施
することができる。このとき、ビームフォーミングサブユニットが使用する必要
がある全てのサンプルと、ビームフォーミングサブユニットに選択すべきサンプ
ルを知らせるデータとを、ビームフォーミングサブユニットが迅速にアクセスす
ることができる高速メモリに事前ロードすることができる。次いで、ビームフォ
ーミングサブユニットによって生成されるビームフォーム出力を、ビームフォー
ミングサブユニットに関連する高速メモリの第2の領域に直接書き込むことがで
きる。これは、ビームを形成するのに必要な計算をできるだけ迅速に行うことが
でき、関連情報がアクセスされていても計算が遅延されないことを保証する。高
速アクセスメモリは、遅延和ルーチンを実施する処理ユニットに関連するオンチ
ップメモリであることが好ましい。
【0036】 1次結合ユニットはさらに、ビームを生成するために加算されるサンプルのセ
ットを形成するときに、ビームフォーミングサブユニットによって選定された各
補間サンプルにシェーディング係数を加えるように構成された手段を備えること
ができる。各選定されたサンプルに必要とされるシェーディング係数の値は、高
速メモリ、すなわちオンチップメモリに格納された第2の参照用テーブルに保持
することができる。
【0037】 1次結合ユニットは、遅延和プロセスの前に、選定されたサンプルにシェーデ
ィング係数を加えるように構成されることが好ましい。時間遅延参照用テーブル
の場合と同様に、シェーディング係数を、時間遅延値にアクセスするために使用
されるのと同じアドレスシステムを使用してアクセスすることができるテーブル
に格納することができる。したがって、ビームフォーミングサブユニットは、形
成すべきビームの数またはタイプに対応する単一アドレスを生成することができ
、この単一アドレスに基づいて、ビームフォーミングユニットが、テーブルに格
納された情報の正しいセットにアクセスすることができる。
【0038】 ビームフォーマはまた、センサアレイ構成および管理(SACM)ユニットを
含むことができ、1つまたは複数の形成ビームに必要とされる時間遅延またはア
ドレス、および各サンプルに加えるシェーディング値を計算するように構成され
た処理手段を備える。SACMユニットは、1次結合ユニットによってアクセス
される参照用テーブルに格納された値を更新するように構成することができる。
SACMユニットは、1つまたは複数の可変パラメータに応答して自動的に参照
用テーブルを更新することができる。または手動で、例えばプログラマが制御す
ることができる。
【0039】 いくつかの同一の1次結合ユニットを提供すること、および各1次結合ユニッ
ト内部にあるビームフォーミングサブユニットによって自動的にアクセスされる
時間遅延およびシェーディング情報を含む複数の参照用テーブルを提供すること
によって、SACMユニットは、形成ビームを任意の形状またはサイズのアレイ
に適合させるように参照用テーブル中のデータを設定することができる。例えば
、時間遅延およびシェーディング係数に適切なデータを選定することによって、
SACMユニットは、1次結合ユニットによって形成された出力ビームが、セン
サの線形、円筒形、または平面アレイからの(または実際は、任意のアレイ幾何
形状に関して)必要なビームに対応できるようにする。1次結合ユニットは、参
照用テーブル中の情報にアクセスし、入力データのサンプリングレートに関する
情報を受信して遅延和ルーチン用のサンプルを選定することのみを必要とするた
め、したがってそれらが「ダム(dumb)」になり、処理しているセンサのアレイ
に関する特定の機能を有しない場合がある。したがって、各1次結合ユニットは
、実質的に同一である場合がある。
【0040】 ビームフォーマは、アレイ内の1つまたは複数のセンサの相対位置、幾何形状
、またはその両方を決定するように構成された手段と組み合わせて使用するよう
に構成することができる。SACMユニットは、参照用テーブルに格納される時
間遅延、シェーディング係数値、またはその両方を更新して、使用中のアレイ形
状の変化を補償するように構成することができる。これは、リアルタイムで行う
ことができる。
【0041】 SACMユニットは、各1次結合ユニットに関連する諸センサのブロックの相
対位置を計算するように構成することができる。したがって、各1次結合ユニッ
トに関連するセンサが互いに固定され、異なる1次結合ユニットからのセンサは
、別の1次結合ユニットのセンサに関して動くことができると仮定することがで
きる。そのような仮定は、各1次結合ユニットに関連するセンサの数が小さい場
合に実現可能である。少数のセンサとは、例えば、アレイ内のセンサの総数の最
大約10または20パーセントと考えられる。この仮定は、アレイ形状を計算し
、それに対応する時間遅延およびシェーディング係数を計算するという問題を簡
単にする。これは特に、長牽引アレイ(long towed array)の
処理要件に適用できる場合がある。
【0042】 別法として、SACMユニットは、アレイ内部の各センサの位置を計算するよ
うに構成することができ、この場合には、各1次結合ユニット内部のセンサの相
対位置に関する仮定を行わない。
【0043】 「センサデータ機能不良検出」ユニットを、ビームフォーマと関連付けて提供
することができる。センサ機能不良検出ユニットは、機能不良サンプルを検出し
、それによりセンサから誤りデータサンプルを検出し、その後それらが1次結合
ユニットによって処理されるように構成することができる。検出ユニットは、空
間および時間のアレイ中に格納されたサンプルの統計値を分析することによって
誤りサンプルを検出することができる。ユニットは、リアルタイムでデータのサ
ンプルを分析するように構成することができる。
【0044】 検出ユニットは、参照用テーブルに格納することができる複数の出力エラーコ
ードを生成するように構成することができる。1つまたは複数の1次結合ユニッ
トをそれぞれ、検索テーブルに格納されたエラーコードを問い合わせるように構
成することができる。好ましくは、1つまたは複数の1次結合ユニットのうち当
該の1つに関連する単一センサ機能不良検出ユニットが提供される。別法として
、全ての1次結合ユニット、または1次結合ユニットの総数のサブグループに関
連する単一データセンサ機能不良ユニットを提供することができる。
【0045】 センサ機能不良検出ユニットは、SACMユニットの一部を形成することがで
きる。エラーコードは、時間遅延およびシェーディング係数を含むのと同じメモ
リに格納することができ、このメモリは、1次結合ユニットによって迅速にアク
セスすることができる高速メモリであることが好ましい。用語「迅速」は、1次
結合ユニットによるデータアクセスレートが十分に速く、遅延和プロセスを実施
するレートを決定する際に主要な因子とならないことを意味する。メモリは、1
次結合ユニットのマイクロプロセッサと共にオンチップであってよい。
【0046】 センサ機能不良検出ユニットは、いくつかの異なるエラーコードを生成するよ
うに構成することができ、各エラーコードが、異なるタイプの機能不良に対応す
る。例えば、第1のエラーコードを、問合せされた入力チャネルのブロックから
の機能不良センサがただ1つ存在することを示すために生成することができ、第
2の別のエラーコードを、ブロックからの1対の連続する機能不良センサが検出
されたことを示すために生成することができ、第3のエラーコードを、3つの連
続する機能不良センサのブロックが検出されたことを示すために生成することが
できる。
【0047】 単一エラーコードは、補間前に空間時間ストアの1行にあるいくつかのサンプ
ルに関して生成することができる。そのブロックは、少なくとも1つのサンプル
、またはおそらく任意の時間にストアの1行にある全てのサンプルを備えること
ができる。
【0048】 1次結合ユニットは、機能不良センサ検出ユニットによって生成されたエラー
コードを問い合わせ、誤りであると識別されたデータを、推定データサンプルま
たは推定補間データサンプルで置き代えるように構成することができる。推定訂
正データは、空間時間ストア中の誤りサンプルデータの周りにある1つまたは複
数のサンプルを分析することによって計算することができる。
【0049】 センサ機能不良検出ユニットは、1次結合ユニットが補間データサンプルを生
成する前にサンプルデータを分析することが好ましい。
【0050】 好ましくは、各1次結合ユニットに関連するビームフォーマサブユニットは、
補間手段による補間前に、空間時間ストア中の時間領域サンプルデータ(推定サ
ンプルを含んでいてよい)を周波数領域データに変換するように構成することが
できる。したがって、補間は、周波数領域技法を用いて実施することができ、計
算効率のためにFFTルーチンに基づくアルゴリズムの組を使用することができ
る。
【0051】 遅延和プロセスからの出力信号をデシメート(decimate)して、セン
サからのサンプルのサンプリングレートと異なり、かつアップサンプルデータレ
ートと異なる周波数でビームフォーム出力を生成することができる。
【0052】 デシメートとアップサンプリングの組合せは、高い初期サンプルレートを整数
デシメート係数で割るだけでは達成することができないレートで、形成ビームを
1次結合ユニットから(したがって最終的にはビームフォーマから)出力するこ
とを可能にし、それによりビームフォーマを真に「マルチレート」なデジタル信
号処理システムと見なすことができるようにするので、有利である。
【0053】 したがって、本発明の第1の態様が、アレイから様々な数の入力チャネルを受
信するようにそれぞれが構成された1次結合ユニットの様々な組合せを提供する
ことによって、様々なサイズのアレイと共に使用できるように簡単にスケール調
整できるビームフォーマを提供することが、当業者には理解されよう。アレイ全
体に関する出力ビームの完全なセットを形成するために、全ての入力チャネルを
1次結合ユニットによって処理すべきである。しかし、ビームは、センサのアレ
イの一部のみを使用して生成することができる。また、リアルタイムで機能不良
センサの新規の検出および補償を行う手段も備え、かつ入力データの処理におい
てある程度の並列性を提供して、比較的低い処理速度でリアルタイムで多数の形
成ビームを生成しながら、大きなアレイを取り扱うことができるようにする。
【0054】 ビームフォーマは、実数値センサデータまたは複素数値センサデータを処理す
るように構成することができる。実数値データは通常、パッシブセンサデータに
よって生じるなど、ローパスシステムで生じる。複素数値データは通常、アクテ
ィブセンサデータによって生じる。ビームフォーマは、ベースバンド化/複素数
値データを用いて動作するように構成することができる。これは、信号帯域幅と
伝送またはクリア周波数(courier frequency)との比が小さい(すなわち、典
型的には10%未満)ときに、処理要件を低減することを可能にするので特に有
利である。
【0055】 ビームフォーマが複素数値センサデータを処理するように構成されているとき
、データをまずベースバンド化する(すなわちバンドシフト、フィルタリング、
およびデシメートする)ことができる。ビームフォーマによって使用されるシェ
ード係数も複素数値にすることができる。
【0056】 ビームフォーマは、2つの空間および時間のアレイを含むことができ、第1の
アレイが、同相センサデータを保持するように構成され、第2のアレイが、直角
位相センサデータを保持するように構成される。このとき、空間時間ストアに保
持されているデータのアレイシェーディング、線形補間、およびコヒーレント集
計の組合せ動作を実行するための2セットのビームシェーディング係数ペアと共
に、ただ1つのセットのビームシェーディング係数を提供することができる。
【0057】 具体的に示された配置構成では、ビームフォーマを、実数値と複素数値のセン
サデータ両方を処理するように構成することができる。スイッチング手段を提供
することができ、それにより動作モード(実数または複素数)をリアルタイムで
切り換えることができる。スイッチは、ビームフォーマの操作者が手動で操作す
ることができる。
【0058】 本発明の第1の態様では、別法として、センサのアレイと組み合わせて使用す
るビームフォーミングの方法であって、各センサが、測定量に応答して出力順次
デジタル化時間サンプルのチャネルを生成するように構成され、 (a)1つまたは複数の第1の1次結合ユニットを提供するステップを含み、
各1次結合ユニットが、センサのサブセットから入力サンプルデータチャネルを
受信するように構成された処理手段を備え、各1次結合ユニットが、アレイ内の
センサの異なるサブセットに関連し、各1次結合ユニットが、入力データチャネ
ルを処理して、複数の中間出力データチャネルを生成するように構成され、各中
間チャネルが、その1次結合ユニットに関連するセンサに関する部分形成ビーム
に対応する順次データサンプルを備え、さらに、 (b)1つまたは複数の1次結合ユニットからの出力データチャネルを受信す
るように構成され、かつ中間出力データチャネルを組み合わせて、複数の2次デ
ータチャネルを生成するように構成された少なくとも1つの部分ビーム結合ユニ
ットを提供するステップを含み、各2次データチャネルが、センサのアレイ全体
に関する形成ビームを備える 方法を含むことができる。
【0059】 第2の態様によれば、本発明は、センサのアレイと組み合わせて使用するビー
ムフォーマ技法であって、各センサが、測定量に応答して出力データサンプルの
チャネルを生成するように構成され、 (a)m個のセンサからのデータサンプルのブロックを第1のストア手段に格
納するステップと、 (b)ストア手段中のデータサンプルを分析して、センサからのデータが誤り
かどうかを判定するために解釈される統計量を生成するステップと、 (c)アレイ内の各センサの機能を示すエラーコードを第2のストア手段に格
納するように構成された障害指示手段を提供するステップと を含むビームフォーマ技法を提供する。
【0060】 サンプルデータは、メモリに格納することができ、m行のサンプルデータを備
える空間時間ストアの形にすることができ、各行が、当該のセンサからの時間的
長さtのサンプルデータブロックに対応する。
【0061】 ステップ(b)は、ストアの1行に格納されたデータをデータのサブブロック
に分割し、各サブブロックを分析して、個々のサンプルが誤りかどうかを判定す
るために解釈される統計量を生成する追加のステップを含むことができる。
【0062】 障害指示手段は、「センサ活動シーケンス」でエラーコードを格納することが
でき、活動シーケンスは、所与のデータブロックに関する一意のセンサに対応す
るアドレスによって表されるいくつかのエラーコードを備える。
【0063】 この方法は、第1の検出プロセスまたは「初期の検出プロセス」を含むことが
でき、サブブロック中の積分された(すなわち時間を通じた絶対サンプル値の積
分)時間的サンプルの中央値を測定するステップと、積分されたサンプル、した
がって元のサンプルが誤りかどうかを判定するために、サブブロック中の個々の
積分されたサンプル値をそれぞれ中央値と比較するステップとを含む。
【0064】 この比較は、少なくとも50パーセントのセンサが機能している場合に、積分
されたサンプルデータの中央値が、比較を行うことができる信頼可能な基準値を
提供するという基本的事実によって可能になる。この方法では、各行にあるデー
タの第1のサブブロックに対応するエラーコードの初期セットを、センサの振舞
いに関する履歴データを必要とせずに生成することができる。
【0065】 この方法は、障害検出手段によって誤りと示されたデータのサンプルを、不良
サンプルに隣接する正常サンプルから導出される推定サンプルで置き代えるさら
なるステップを含むことができる。例えば、センサ活動シーケンスが、(機能不
良隣接センサに対応する)1、2、または3個の機能不良隣接サンプルが存在す
ることを示すエラーコードを含む場合、線形補間を使用して不良サンプルの振幅
を推定することができる。または補外(extrapolation)を使用して、不良サン
プルの両側にある正常サンプルから不良サンプルの位相を推定することができる
。ビームフォーマは、より正確な結果を生成するために、誤りサンプルではなく
訂正されたデータを使用してビームを形成するように構成することができる。
【0066】 好ましくは、この方法は、サブブロック中に所定の最大数、この例では3つよ
りも多い(連続誤りセンサに対応する)連続誤りサンプルが存在する場合、サン
プルデータのブロックをゼロ値で置き代える追加のステップを含む。
【0067】 この方法は、ストアの一端に新たなサンプルを追加し、ストアの他端から古い
サンプルを除去することによって各サンプリング間隔にストアに含まれるデータ
サンプルを更新する追加のステップを含み、それによりサンプルデータが時間と
ともにストアを横切って「リップル」することができる。
【0068】 この方法は、第1の検出プロセスまたは初期の検出プロセスを使用してセンサ
活動シーケンスデータの初期セットが導出された後に使用される第2の検出プロ
セスを含むことができる。
【0069】 第2の検出プロセスは、「標準検出プロセス」と呼ばれ、サンプルデータの各
チャネルごとに、 (a)いくつかのセンサに関する信号対雑音比(SNR)を計算するステップ
と、 (b)1つのデータチャネルを除去し、チャネルが除去された後に残りのセン
サのSNRを計算するステップと、 (c)2つの測定されたSNRを比較するステップと、 (d)比較の結果に基づいて、サンプルチャネルが不良か否かを判定するステ
ップと を含むことができる。
【0070】 SNRが計算されるセンサの数は、アレイ内の全てのセンサ、またはセンサの
総数のサブセットであってよい。
【0071】 好ましくは、この方法は、除去されたチャネルに関するSNRの値を、残りの
正常に機能しているチャネルのSNR値と比較することを含む。
【0072】 代替手法では、個々のチャネルをアレイ内の残りのセンサのSNRと比較する
のではなく、個々のチャネルを、ストアからのデータブロックを使用して、残り
の正常に機能しているセンサチャネルのSNRと比較することができる。
【0073】 1つのチャネルのデータサンプルとそのSNRとの比較により、センサの機能
状況を判定することができるようになる。これは、低いSNR、例えば残りのセ
ンサの平均値の半分未満のSNRを有する機能不良センサがアレイ全体のSNR
の減少をもたらすからである。このSNRの減少を使用して、センサが不良であ
ることを示すことができる。同様に、高SNRを有する機能不良センサは、アレ
イ全体のSNRの増大をもたらす可能性がある。
【0074】 好ましくは、この方法は、リアルタイムで働いて、機能不良センサおよびサン
プルを検出し、推定データを計算して、ビームフォーミングルーチンへの入力前
に誤りサンプルをそれで置き代えることができる。これは自動的、または半自動
的に行うことができる。
【0075】 代替手法では、第2の態様は、センサのアレイと組み合わせて使用する自己補
償ビームフォーマ装置であって、各センサが、測定量に応答して出力データサン
プルのチャネルを生成するように構成され、 (a)m個のセンサからのデータサンプルのブロックを格納するように構成さ
れた第1のストア手段と、 (b)ストア手段中のデータサンプルを分析して統計量を生成するように構成
されたサンプル分析手段、およびサンプルを解釈してセンサからのデータが誤り
かどうかを判定するように構成された解釈手段と、 (c)アレイ内の各センサの機能を示すエラーコードを第2のストア手段に格
納するように構成された障害指示手段と を備える自己補償ビームフォーマを含むものと考えることができる。
【0076】 自己補償ビームフォーマ装置はさらに、空間時間ストアを定義するように構成
されたメモリ手段を備えることができ、ストアがm行のサンプルデータを備え、
各行が、当該のセンサからの時間的長さtのサンプルデータのブロックに対応す
る。
【0077】 ストアの1行に格納されたデータをデータのサブブロックに分割するための手
段を提供することができ、かつ各サブブロックを分析して、個々のサンプルが誤
りかどうか判定するために解釈される統計量を生成するように構成された分析手
段を提供することができる。
【0078】 さらなる修正形態では、障害指示手段が、エラーコードが格納されるセンサ活
動シーケンスを定義することができ、センサ活動シーケンスは、一意のデータチ
ャネルブロックに対応するアドレスによって表されるいくつかのエラーコードを
備える。
【0079】 さらに、サブブロック中の積分されたサンプルの中央値を測定するように構成
された測定手段と、サブブロック中の個々の積分されたサンプル値を中央値と比
較して、サブブロック中のサンプルデータが誤りかどうか判定するように構成さ
れた第1の比較手段とを含むことができる。
【0080】 ビームフォーマはさらに、不良サンプルに隣接する正常サンプルから推定サン
プルを生成するための手段と、不良サンプルを推定サンプルで置き代えるための
手段を含むことができる。
【0081】 別の態様では、自己補償ビームフォーマがさらに、各チャネルに関連して、 a)センサのアレイ全体に関する信号対雑音比を計算するように構成された計
算手段と、 b)1つのデータチャネルを除去するように構成された除去手段とを備え、前
記計算手段が、残りのセンサの信号対雑音比を計算するように構成され、さらに
、 c)2つの測定された信号対雑音比を比較するように構成された第2の比較手
段と、 d)比較の結果に基づいて、サンプルチャネルが不良であるか否か判定するよ
うに構成された処理手段と を備えることができる。
【0082】 別の配置構成では、自己補償ビームフォーマがさらに、 a)ビームフォーミング前にサンプルデータを補間するように構成された補間
手段と、 b)適切なデシメート係数をビームフォーマの出力に加えるように構成された
デシメート手段とを備えることができ、デシメート係数が、関連の処理パラメー
タの数論的性質に依存し、それにより、データがセンサからサンプルされるレー
トと異なり、かつデータが補間されるレートと異なる出力レートでビームフォー
ムデータが生成される。
【0083】 第3の態様によれば、本発明は、センサのアレイからいくつかの入力サンプル
チャネルを受信するように構成され、かつ入力サンプルを処理することによって
1つまたは複数の出力ビームを生成するように構成されたビームフォーマであっ
て、 (a)入力サンプルを処理するために、遅延和ルーチンを使用してビームを形
成するように構成された信号処理ユニットと、 (b)いくつかのメモリブロックと、 (c)データ格納手段とを備え、遅延和ルーチンを実施する前に、ビームを形
成するのに必要な入力サンプルを第1のメモリブロックにロードするための手段
が提供され、さらに各ビームに関する時間遅延値を第2のメモリブロックに格納
するための手段が提供されるビームフォーマを提供する。
【0084】 遅延和ルーチンは、ビーム出力値を第3のメモリブロックに書き込むように構
成することができる。
【0085】 好ましくは、各メモリブロックが、遅延和ルーチンによって迅速にアクセスす
ることができる高速メモリを備える。ビームフォーマが、処理装置またはチップ
で実行する1つまたは複数のアルゴリズムとして実施される場合、メモリは、キ
ャッシュメモリなどのオンチップメモリであってよい。
【0086】 ビームフォーミング前に全ての入力時間サンプルおよび時間遅延値を格納する
のに十分高速なメモリ、および高速メモリに書き込まれるビームフォーム出力値
用の空間を提供することによって、処理ルーチンは、遠隔低速メモリからのデー
タへのアクセスを待機する、またはサンプルが得られ、処理ルーチンへ送達され
るのを待機する必要がある場合よりも速く動作することができる。したがって、
動作速度が最適化される。
【0087】 「高速メモリ」は、処理装置が遅延和ルーチンを操作して迅速にアクセスする
ことができる任意のメモリを意味する。好ましくは、メモリは、ルーチンを実施
する処理装置内に組み込まれる。すなわち、メモリは「オンチップ」メモリを含
むことができる。これは、メモリキャッシュの形であってよい。メモリのアクセ
ス時間は、ビームを形成するのに必要な演算処理を実施するのに必要な時間に比
べて無視できるものであることが好ましい。
【0088】 本発明の第3の態様は、本発明の第1および第2の態様と容易に組み合わせる
ことができ、高速並列処理を生み出す。そのような場合、各1次結合ユニットに
割り振られるセンサの数を、処理装置での利用可能高速メモリの使用を最適化す
るように選定することができる。これは、利用可能なメモリの量、各1次結合ユ
ニットに割り振られるセンサの数、およびサンプルデータが保持されるストアの
時間的長さに依存する場合がある。別法として、反対方向から問題にアプローチ
して、チップ上のメモリの量を、各ビームフォーミングユニットに関連するセン
サの数に適合するように最適化することができる。
【0089】 ビームフォーミングの問題が、本発明の第1の態様に関連して記述したいくつ
かの1次結合ユニットを使用する複数の並列動作に分けられる場合、各1次結合
ユニットは、第3の態様の本発明を実施するために3つのメモリブロックを有す
ることになる。
【0090】 1次結合ユニットによって形成され、第3のメモリブロックに格納された部分
ビームを、結合ユニットを使用して組み合わせて、いくつかの1次結合ユニット
に対応するセンサのアレイ全体に関する形成ビームを生成することができる。結
果として得られる形成ビームは、再び、遅延和プロセスに関連する第4のメモリ
ブロックに直接書き込むことができる。
【0091】 別の方法を見ると、本発明の第3の態様は、入力サンプルを処理することによ
って1つまたは複数の出力ビームを生成するためにセンサのアレイからのいくつ
かの入力サンプルチャネルをビームフォームする方法であって、 (a)入力サンプルを処理するために、遅延和ルーチンを使用してビームを形
成するように構成された信号処理ユニットを提供すること、 (b)いくつかのメモリブロックを提供すること、 (c)データ格納手段を提供すること、および (d)遅延和ルーチンを実施する前に、ビームを形成するのに必要な入力サン
プルを第1のメモリブロックにロードするステップ、遅延和ルーチンを実施する
前に、各ビームに関する時間遅延値を第2のメモリブロックに格納するステップ
、およびビーム出力値を第3のメモリブロックに書き込むステップという追加の
諸ステップ を含む。
【0092】 第4の態様によれば、本発明は、センサのアレイと組み合わせて使用するビー
ムフォーマであって、各センサが、測定量に応答して出力データサンプルのチャ
ネルを生成するように構成され、アレイ内のいくつかのセンサからの入力データ
サンプルのチャネルを処理して、1つまたは複数の形成ビームを生成するように
構成された処理ユニットを備え、ビームフォーマがさらに、各ビームを形成する
のに必要な時間遅延を示す情報をストア手段に格納するように構成されたSAC
Mユニットを含み、処理ユニットが、ストア手段に保持された時間遅延値に基づ
いて遅延和ビームフォーミング技法を適用するように構成されているビームフォ
ーマを提供する。
【0093】 SACMユニットは、1つまたは複数のビームの形成中に処理ユニットによっ
て選定された各データサンプルに加えられるシェーディング係数に関する情報を
格納するように構成することができる。
【0094】 したがって、2つの独立ユニット、すなわち遅延和ルーチンを使用してビーム
を形成する処理ユニットと、ビームを形成するために処理ユニットによって必要
とされる情報を格納するSACMユニットとを提供することができ、それらが一
緒に動作して、入力サンプルを処理する。
【0095】 SACMユニットがそう呼ばれるのは、処理ユニットに関する時間遅延および
シェーディング係数の値が、アレイ全体からそのビームフォーマに接続されたセ
ンサの構成に依存するためである。
【0096】 SACMユニットはさらに、1つまたは複数のセンサの動作状況に関する情報
を格納するように構成することができ、処理ユニットは、SACMユニットから
の動作状況に関する情報にアクセスするように構成される。例えば、SACMユ
ニットを、1つまたは複数の異なる不良コードを格納するように構成することが
でき、センサから得られる1つまたは複数のサンプルに関連する個別不良コード
を格納することができる。
【0097】 好ましくは、SACMユニットは、アレイのタイプ、アレイサイズ、センサ間
のスペーシング、合焦範囲、データサンプリングレート、またはこれらの組み合
わせに関する情報に基づいて、所与のビームに関する各データチャネルに使用さ
れる遅延時間を計算するように構成することができる。
【0098】 SACMユニットは、ユーザプログラム可能にすることができ、センサアレイ
の形状、サイズなどに関する情報が入力されるグラフィカルユーザインターフェ
ース(GUI)を含むことができる。例えば、ユーザは、完全なビームフォーマ
を構築するために、センサのアレイのタイプに関するデータをSACMユニット
に入力することができる。これはグラフィカルユーザインターフェースを介する
ものであってよい。ユーザはまた、サンプルがセンサから得られるレートに対応
するサンプリングレートを入力し、形成ビームがビームフォーマから出力される
選択出力レートを選定することができる。ユーザはまた、アレイ内のセンサ間の
スペーシングに関する情報を入力することができ、牽引アレイの場合には、セン
サの位置に関する情報を入力することができる。
【0099】 SACMユニットは、時間遅延、シェーディング係数、センサ状況情報、また
はこれらの組み合わせの複数のテーブルを生成するように構成することができ、
各テーブルが、いくつかの部分ビームを生成するために個々の1次結合ユニット
によって必要とされる情報を提供する。したがって、いくつかの別々の1次結合
ユニットを並列に操作することができる。
【0100】 SACMユニットはさらに、ユーザがSACMユニットにデータを入力する、
かつ/またはアレイサイズやサンプリングレートなど1つまたは複数のパラメー
タを変更することを可能にする手段を含む。SACMユニットは、アレイパラメ
ータに対する変更が行われた場合、時間遅延およびシェーディング係数値を自動
的に再計算することができる。
【0101】 第5の態様によれば、本発明は、センサのアレイを組み合わせて使用するビー
ムを形成する方法であって、各センサが、測定量に応答して出力データサンプル
のチャネルを生成するように構成され、各ビームが、ビームフォーム出力サンプ
ルのストリームとして生成され、ビームフォーミング前にサンプルデータを補間
するステップと、次いで適切なデシメート係数をビームフォーマの出力に加える
ステップとを含み、デシメート係数が、関連する処理パラメータの数論的性質に
依存し、それによりビームフォームデータを、データがセンサからサンプルされ
るレートと異なり、かつデータが補間されるレートと異なる出力レートで生成す
ることができる。
【0102】 したがって、この方法は、サンプルデータを補間してアップサンプルデータレ
ートにすることによって1つまたは複数のビームを形成するステップと、遅延和
ルーチンを補間データに適用することによって中間ビームフォーム出力を生成す
るステップと、中間ビームフォーム出力をデシメートして、必要なレートでビー
ムフォーム出力を生成するステップとを含むことができる。
【0103】 デシメート係数は、補間係数と、ビームフォームすべき時間的データブロック
中の有効サンプル数との積から得られる数に正確に(すなわち余りを残さずに)
割り切れるように選定することができる。補間係数は、奇数であるように選ぶこ
とができ、ブロック中の有効サンプル数は偶数であるように選ぶことができ、そ
れにより補間ファクタと有効サンプル数とが、必要に応じて互いに素なものとな
る。
【0104】 この方法はさらに、ビーム出力データの正確さを高めるために、補間データを
線形補間するステップを含むことができる。
【0105】 好ましくは、デシメート係数をユーザが調節して、ビームフォーマの出力周波
数を後続の処理電子回路の入力周波数に一致させ、データ転送率を最適にするこ
とができる。例えば、ビームフォーマがいくつかの部分ビームを生成するために
並列に動作するいくつかの1次結合ユニットを備えるとき、1次結合ユニットか
らのデータ転送率を、部分ビームを組み合わせて完全なビームを生成するために
使用される後続の電子回路に関する最適なデータ転送率と一致するように選ぶこ
とができる。
【0106】 時間的補間は、FFTルーチンに基づくアルゴリズムを使用する周波数領域技
法によって実施することができる。
【0107】 代替手法では、第5の態様が、センサのアレイと組み合わせて使用するビーム
フォーマであって、各センサが、測定量に応答して出力データサンプルのチャネ
ルを生成するように構成され、各ビームが、ビームフォーム出力サンプルのスト
リームとして生成され、 (a)ビームフォーミング前にサンプルデータを補間するように構成された補
間手段と、 (b)適切なデシメート係数をビームフォーマの出力に加えるように構成され
たデシメート手段とを備え、デシメート係数が、関連する処理パラメータの数論
的性質に依存し、それによりビームフォームデータを、データがセンサからサン
プルされるレートと異なり、かつデータが補間されるレートと異なる出力レート
で生成することができるビームフォーマを備えることができる。
【0108】 第6の態様によれば、本発明は、いくつかのセンサと組み合わせて使用するビ
ームフォーミングの方法であって、各センサが、測定量に応答してデータサンプ
ルのチャネルを生成するように構成され、 (a)各センサからのサンプルデータのブロックをストア手段に格納するステ
ップを含み、ストア手段の時間的長さが、1ブロックの長さと、センサに入射す
るエンドファイア信号がセンサのアレイを横切るのにかかる時間とを加えた長さ
以上であり、さらに、 (b)ストア手段中のサンプルデータのブロックをアップサンプルし、アップ
サンプルデータをストア手段に格納するステップと、 (c)複数のビームを形成するのに必要なストアからのサンプルデータを示す
時間遅延値を含むように構成された第2のストア手段を提供するステップと、 (d)ビームの時間遅延値に基づいて、時間的ブロックtの長さに等しい時
間的長さの格納データブロックについて、第1の形成ビームに関する第1のデー
タブロックを生成するステップと、 (e)その後、同じ格納データブロックから第2の形成ビームに関する第2の
データブロックを生成するステップと を含む方法を提供する。
【0109】 従来技術では、単一の瞬間に対応する第1のビームに関するビームフォーム出
力データ値を形成し、必要なビーム全てに関するビームフォーム出力データのセ
ットが生成されるまで繰り返し、その後、次の瞬間(すなわち、次のサンプリン
グ周期)に移って、ビームフォーム出力データ値の次のセットを形成することが
知られている。これは、出力サンプルの各瞬間セットごとに、ビームフォームが
アクセスする時間遅延値をm回(ここでmは、形成されるビームの数)変更し、
その後、次の瞬間に移って、ビームフォーム出力値のさらなるセットを形成する
ことを必要とする。
【0110】 本発明の第6の態様の方法は、ビームフォーム出力値の時間的ブロック全体が
、サンプルブロック中の全てのサンプルに関する(すなわちブロック中のあらゆ
る時間サンプルに関する)時間遅延データの1セットを使用して単一ビームに関
して生成され、その後、次に進み、次の時間遅延セットをデータブロックに加え
て第2のビームを生成し、m個のビーム全てが形成されるまでそれを繰り返すこ
とを提供する。この方法では、m個のセンサデータチャネルからn個のビームを
形成するために、ビームフォーマは、時間遅延値をm回だけアクセスする必要が
ある。従来の方法では、ビームフォーマは、ビームのセットを形成するために様
々な時間遅延データにm×n回アクセスしなければならない。
【0111】 この方法は、アレイ中に順次アドレス下で格納されたn個の時間遅延値セット
を提供し、第1のアドレスに対応するアレイ中の第1の時間遅延値セットを使用
して第1のビームに関するデータブロックを形成し、次いで時間遅延値にアクセ
スするために使用されるアドレスを増分して、形成すべき次のビームに関するデ
ータブロックを形成するのに必要な値にアクセスすることを含むことができる。
【0112】 好ましくは、センサからのサンプルデータは、t個のサンプルをm行有する空
間および時間のアレイの形でストア手段に格納することができ、ここでmは入力
チャネルの数であり、tはブロックの時間的長さである。1行中の各時間サンプ
ルx(t)は、一意のアドレスを備えることができ、ビームフォーマは、適切
なアドレスを選定することによってサンプルにアクセスする。
【0113】 例えば、長さ256サンプルの各チャネルに関するデータブロックについて、
ブロック間に25パーセントのオーバラップがあり、ビームフォーマからの出力
レートがセンサデータのサンプリングレートに等しいとき、時間遅延データサン
プルに関するビームステアリングアドレスは、192ビームフォームサンプルに
1度のレートでのみ、第2のストアからアクセスする必要がある。従来技術では
、ビームステアリングアドレスは、サンプリングレートでアクセスされる必要が
ある。
【0114】 代替手法では、本発明は、いくつかのセンサと組み合わせて使用するビームフ
ォーミング装置であって、各センサが、測定量に応答してデータサンプルのチャ
ネルを生成するように構成され、 (a)各センサからのサンプルデータのブロックを格納するように構成された
ストア手段を備え、ストア手段の時間的長さが、1ブロックの長さと、センサに
入射する信号がセンサのアレイを横切るのにかかる時間とを加えた長さ以上であ
り、さらに、 (b)ストア手段中のサンプルデータのブロックをアップサンプルし、アップ
サンプルデータをストア手段に格納するように構成されたアップサンプリング手
段と、 (c)複数のビームを形成するのに必要なストアからのサンプルデータを示す
時間遅延値を含むように構成された第2のストア手段と、 (d)ビームの時間遅延値に基づいて、時間的ブロックtの長さと等しい時
間的長さの格納データブロックについて、第1の形成ビームに関する第1のデー
タブロックを生成するように構成された手段と、 (e)その後、同じ格納データブロックから第2の形成ビームに関する第2の
データブロックを生成するように構成された手段と を備えるビームフォーミング装置を含むことができる。
【0115】 第7の態様によれば、本発明は、センサのアレイからのサンプルデータを補間
する方法であって、各センサが、時間領域中に個別サンプルチャネルを生成する
ように構成され、 (a)各チャネルごとにセンサからのサンプルデータをデジタル化するステッ
プと、 (b)第1の時間長さを有するm行のデータを備えるストア手段にサンプルデ
ータを格納するステップであって、各行が単一チャネルからの順次データを備え
るステップと、 (c)ストア手段の各行中のデータを、いくつかの第2のより短い時間的長さ
のデータブロックに分割するステップと、 (d)ブロック中の時間領域データを周波数領域に変換するステップと、 (e)逆DFTアルゴリズムを周波数領域データのゼロパッドバージョンに適
用するステップであって、処理が、ゼロ値データサンプルを無視して、補間時間
領域データのブロックを生成するステップと、 (f)ブロック中の補間データをストア手段に格納するステップとを含み、ス
トア手段中のデータブロックが時間領域でオーバーラップする方法を提供する。
【0116】 ストア手段は、m行のサンプルを備える空間時間ストアを含むことができ、こ
こでtは、空間時間ストアの各行の時間的長さであり、mはデータを生成するセ
ンサの数であり、各行が、オーバーラップする、したがって最後に共通サンプル
を共有するいくつかのブロックに分割される。したがって、各センサが、ストア
の各行を埋める時間サンプルのストリームを生成する。
【0117】 ストアの行が埋められると、時間サンプルは、ストアを通じてリップルするこ
とができ、新たなサンプルが一端から入り、古いサンプルが他端から排出され、
補間は、新たなサンプルのデータブロック全体がストアに追加されたときにのみ
、新たなデータブロック全体に対して生じる。
【0118】 帯域制限された時間的補間に関してDFTベースの技法によってもたらされる
エラーのほとんどが、データブロックの端部を処理することにより生じるため、
データブロックをオーバーラップし、補間が単一のデータブロックで一度に実施
されることが有利である。ブロックは、任意の量だけオーバーラップすることが
でき、しかし約25パーセントのオーバーラップが好ましく、データブロックの
各端部で等しい量のオーバーラップが提供される。
【0119】 ブロックは、1つの配置構成では、256個のデータサンプルを備えることが
できる。25パーセントオーバーラップが提供される場合があり、補間を実施す
るためにDFTアルゴリズムが使用するサンプルを192個残す。
【0120】 データのブロックは、DFTベースの補間ルーチンを実施するためにFFTア
ルゴリズムの組を実行する32ビット浮動点演算処理装置を使用して補間するこ
とができる。
【0121】 データのブロックは、Hanning、Triangular、Hammin
gまたはKaiserウィンドウ等などの適切なウィンドウ機能によって乗算し
て、補間の正確さをさらに高め、Gibbsタイプの効果を低減することができ
る。補間データが周波数領域から時間領域に戻された後、単純な機能を使用して
スケール調整して、そのようなウィンドウの効果を除去することができる。
【0122】 周波数領域補間アルゴリズムは、コンパクトFFTアルゴリズムの組を備える
ことができる。
【0123】 補間は、デュアルチャネル処理スキームを採用することができ、センサデータ
の2つのチャネルが同時に処理されて、処理アルゴリズムの計算効率を高める。
【0124】 サンプルデータは、周波数領域データのゼロパッドを行い、逆DFTすなわち
IDFTルーチンを適用することによって補間することができる。
【0125】 FFTアルゴリズム組は、IDFTプロセスの「行列」実施に基づく逆Sin
oスペクトル補間アルゴリズムを備えることができる。
【0126】 したがって、第7の態様は、高い正確さの周波数領域技法を使用してビームフ
ォーミング前にアレイからのサンプルデータを補間する方法を提供する。
【0127】 別の方法を見ると、本発明の第7の態様は、センサのアレイからのサンプルデ
ータを補間するように構成された装置であって、各センサが、時間領域中に個別
サンプルチャネルを生成するように構成され、 (a)各チャネルごとにセンサからのサンプルデータをデジタル化するように
構成されたデジタル化手段と、 (b)第1の時間的長さを有するm行のサンプルデータを格納するように構成
されたストア手段とを備え、各行が、単一のチャネルからの順次データを備え、
ストア手段の各行にある格納データを、いくつかの第2のより短い時間的長さの
データブロックにし、さらに、 (c)ブロック中の時間領域データを周波数領域に変換するように構成された
時間領域/周波数領域変換手段と、 (d)周波数領域データのゼロパッドバージョンに逆DFTアルゴリズムを適
用するように構成された処理手段とを備え、処理が、ゼロ値データサンプルを無
視して、補間時間領域データのブロックを生成し、ブロック中の補間データをス
トア手段に格納し、ストア手段中のデータブロックが時間領域でオーバーラップ
する装置を含むことができる。
【0128】 次に、本発明の実施形態を、図面を参照して単に例示のために記述する。
【0129】 本発明の多くの機能を使用する完全なビームフォーマが、既に実施されている
。添付図面の図3に、完全なビームフォーマの概略図を示す。これは、それぞれ
が時間サンプルデータのチャネルを生成するm音響センサ1のアレイを備える。
データのmチャネルはビームフォーマユニット2(詳細は下記で説明)に供給さ
れ、そこでいくつかのビームフォームされた出力を生成し、それは表示装置3に
供給されてオペレータにより解釈される。
【0130】 本発明は多くのタイプおよび形状のセンサアレイに適用可能であるが、この例
は、曳航船に曳航されている場合に入射音響信号を検出するための線形アレイの
音響センサつまりハイドロホンに関して記載されている。本発明は、曳航アレイ
つまり線形アレイや音響センサに限定されるものではなく、他の分野での多くの
応用例が想定されることが、当然理解されよう。
【0131】 1列のハイドロホンを備えた曳航アレイによる従来のビームフォーミングは、
計算上容認できる形成されたビームのセットを生じるために、従来、そのアレイ
を線形かつ水平なものと仮定し、アレイのセンサから得られたサンプルデータに
遅延和(delay−and−sum)手法として良く知られる処理技術を適用
することによってビームを生成する。
【0132】 約1000メートルという長さの大型曳航線形アレイの場合、そのアレイが固
定した一様な形状であるという仮定は成り立たない。例えば、曳航船の作戦行動
がそのアレイの形状を大きく変形させることがあり、アレイの変化に関する認識
が処理に組み込まれていない限り、誤ったビームフォーム出力の生成をもたらす
場合がある。
【0133】 過去になされた別の仮定は、アレイに衝突する波面が平面である、すなわち遠
距離場(far field)であるというものである。ただし、充分に大きな
センサアレイでは、λを注目する最高の周波数に対応した波長として、最小距離
λ/2の間隔をセンサ間にもうけ(空間的なエイリアシングを避けるため)、9
60個のセンサアレイを仮定すると、そのアレイの全長は809.4メートルに
なる。この場合、近距離場(near field)は約200キロメートルに
伸びる。したがって、すべてのターゲットは遠距離場にあるという仮定は、明ら
かに崩壊する。
【0134】 本発明は、形成されたビームを合焦するための手段を提供することによって従
来技術の検出アレイを改善し、その結果、近距離場にある対象を検出し、範囲情
報を生成することができるようにするものである。
【0135】 従来技術のビームフォーマ設計上のもう1つの制約は、機能不良なセンサによ
る形成されたビームへの影響である。これは、センサからの出力が高い状態か低
い状態のどちらかで損なわれることのあるデジタルシステムにおいて特に重大で
ある。
【0136】 開発され本明細書に記載したビームフォーマは、アレイサイズと、姿勢と、機
能不良なハイドロホンの影響とを補償し、形成されたビームを合焦させることが
できることをそのアレイの近距離場内に提供しながら、センサの大型アレイをビ
ームフォーミングする際の問題に解決法を提供する。
【0137】 このシステムは、デジタル設計技術と、ビームの形成におけるある程度の並列
処理とを使用して、様々なサイズと形状のアレイで使用するために調整可能な、
高速で小型のシステムを実現する。
【0138】 具体的には、開発し本明細書に例示したビームフォーマは、単純な線形アレイ
の形状に配置された960個のハイドロホンのアレイからビームを形成するよう
に構成されている。周波数880hz、波長約1.68メートルの設計で、この
アレイではアレイ全体の開口Dを806.4メートルとし、信号がそのアレイを
横断するための最大所要時間は、したがって0.55秒となる。処理システムは
、システムのアンチエイリアシング要求を満たすために、注目する最大時間周波
数f933hzを有し、センサからのデータは2800hzの率で、すなわち
ナイキスト比率の1.5倍だけの率でサンプリングされる。したがって、アレイ
全体では毎秒2,688,000サンプルのデータを生成する。このような大量
のデータは、処理システムに明らかに負担をかけるものであり、この問題は並列
処理技術を使用して取り扱われる。
【0139】 18ビットのダイナミックレンジを提供する18ビットデジタル信号処理(D
SP)システムが使用され、24ビットの2s−補数形式でデータを格納するこ
とによって102デシベルの最大ダイナミックレンジを提供する。
【0140】 ハイドロホンから得られた大量のサンプルデータを取り扱うのに要する処理量
を大幅に低減するために、ビームフォーマは、各サブユニットがハイドロホン総
数の一定割合を処理するいくつかの同一サブユニット4を備える。各サブユニッ
ト4は、入力データの960個のハイドロホンチャネルからハイドロホンデータ
の240チャネルを処理する。したがって、図4および図5に示すように、4つ
のサブユニット4が必要となる。この4つのサブユニットは、ビームフォームさ
れた出力を生成するために、結合された処理ユニット5によって結合されたビー
ム出力の一部を生成する。
【0141】 ビームフォーマの処理速度をさらに高めるために、各サブユニットは4つの1
次結合ユニット6と1つのサブ結合ユニット7に分割され、各1次結合ユニット
6はアレイの60個のハイドロホンから入力サンプルデータを受け取る。ここで
示すように、各1次結合ユニット6は、アレイの隣接ハイドロホンのブロックか
らの入力を受け取り、アルゴリズムの組を使用して着信データを処理する。しか
し、実際には、ハイドロホンは1次結合ユニット6の間で無作為に分割すること
ができ、完全に隣接させる必要はない。
【0142】 1次結合ユニットから提供された並列処理の二重レベルがサブ結合ユニットに
供給され、次いで結合ユニットに供給される。これは、入力サンプルからビーム
を形成するのに必要とされる多くの算術データ処理ステップを同時に実行できる
こと、したがって処理速度を高めることを意味する。速度が高まると、所与の処
理スピードで、より大型のアレイとより多くのビームの処理が可能になる。
【0143】 上記のように、各サブユニット4は同一であり、各1次結合ユニット6も同一
である。ビームフォーミングは、各1次結合ユニットで遅延和技術を使用して実
行される。各1次結合ユニットからの部分ビームのセットは、部分形成されたビ
ームの中間セットを生成するためにサブユニットによって結合され、センサアレ
イ全体に関して形成されたビームの単一セットを生成するために最終サブ開口結
合ユニットで結合される。
【0144】 1次結合ユニットおよびサブ結合ユニットに加え、SACMユニット8が提供
される。SACMユニット8は、正確な遅延和ルーチンを実行するために各1次
結合ユニット6によって必要とされる情報を制御する。各1次結合ユニット6は
、メモリブロックに格納されている値を読むことによって、必要となる時間遅延
値を獲得し、各1次結合ユニット6に割り当てられた時間遅延値は、1次結合ユ
ニット6に関係付けられたアレイ1全体におけるハイドロホンの位置に応じて1
次結合ユニット6ごとに異なる。したがって、1次結合ユニット6が本質的にダ
ムであり、メモリ9に割り当てられた時間−遅延値に基づいて、SACMユニッ
ト8によってビームフォーミングを実行することが、当業の技術者には容易に明
らかとなろう。SACMユニット8は、各1次結合ユニット6によって実行され
る遅延和ビームフォーミングプロセスによって必要とされるシェーディング係数
値も制御する。シェーディング係数の役割は、形成されたビームのサイドローブ
を低減することであり、その値はSACMユニット8によってメモリ9に書き込
まれ、次いで各1次結合ユニットが、ビームのセットを形成しながら、そのメモ
リ9にアクセスする。
【0145】 SACMユニット8の果たすもう1つの役割は、各サンプルの精度および信頼
性を評価するために、ビームフォーミングに先立ってセンサにより生成されるサ
ンプルを分析することである。これは、長期にわたりサンプルデータの統計を分
析することによって実行される。SACMユニット8は、各サンプルまたはサン
プルの各セットに対応するいくつかの障害コードを、センサ活動シーケンス10
の形式で格納しており、1次結合ユニット6は、ビームフォームに先立って、S
ACMユニット8からその障害コードにアクセスするように構成される。したが
って、1次結合ユニット6は、誤りのあるサンプルを補償するために、サンプル
データを変更することができる。
【0146】 したがって、本発明は、その最も単純な形式で、次の3つの単純な基礎的ブロ
ックの組合せだけから成るシステムを使用して、事実上あらゆるサイズや形状の
アレイのビームフォームを可能にする。
【0147】 (a)SACMユニット8 (b)1次結合ユニット6 (c)結合ユニット5、各1次結合ユニット6、または両方によって形成され
た部分ビームのセットからビームの完全なセットを再構成するサブ結合ユニット
7 この配置構成は、ある程度の融通性を提供する。まず、各1次結合ユニットに
接続されたデータの入力チャネル数(すなわち、各ユニットによって処理される
センサ数)を、ビームフォーマが作成されるハードウェアおよびソフトウェアに
合うように調整することができる。特に、1次結合ユニットのサイズは、プロセ
ッサボード上の使用可能なメモリの量に合うように、またはクロック速度の固定
したハードウェア/ソフトウェアプラットフォームを使用してスキャンされる周
波数範囲に対する所望のサンプリング速度に合うように調整することができる。
【0148】 アレイの所与のサイズに対して、1次結合ユニット数を増加させると、並列処
理の量が増加し、ビームを形成することのできる速度が一般に高速化する。その
結果、注目するより高いサンプリングレートまたは注目するより広い周波数の範
囲に適応することができる。
【0149】 1次結合ユニットは、完全なビームフォーマを生成するのに必要な設計量を低
減するものと同一にするができる。単一の1次結合ユニットが、入力データのい
くつかのチャネルにアクセスし、メモリからのビームフォーミングへの時間遅延
にアクセスし、いくつかの部分形成されたビームを出力するように設計されるだ
けで充分である。時間遅延がSACMユニット8によってメモリに書き込まれ、
したがってビームフォーマの挙動と入力データから形成されるビームのタイプお
よび数とは、1次結合ユニットの設計を変更せずに、SACMユニット8を再プ
ログラミングすることによって変更することができる。
【0150】 単一SACMユニットを、ビームフォーマにあるすべての1次結合ユニットの
間で共有することにより、SACMユニットへの変更の単一セットは、各1次結
合ユニットに必要とされるすべての変更を生成することができる。例えば、SA
CMユニットは、グラフィカルユーザインタフェースを介してプログラムするこ
とができ、これにより、オペレータは、形成されるビームの数およびタイプに関
するデータとアレイの形状およびサイズに関するデータとを入力することが可能
になる。
【0151】 ビームフォーマの様々なユニットの操作については、下記でより詳細に説明す
る。
【0152】 空間時間ストア 各センサは、センサに入射した音響信号に関する位相情報および振幅情報を含
む出力データサンプルのチャネルを生成する。センサからのサンプルデータは、
1次結合ユニットによって迅速にアクセスすることのできるメモリの空間時間ス
トア(space−time store)10に保持される。各1次結合ユニ
ットに、データの個別の空間時間ストア10が確立される。
【0153】 このストアは、サンプルデータのm行を含み、各行は時間的長さtを示し、
mは1次結合ユニットに関連付けられたセンサの数である。この場合、m=60
である。空間時間ストアの各行のデータは、図9に示すように、時間的長さt のデータブロックに分割される。各ブロックのサンプルが25%重なり合うよう
に、いくつかのブロックが形成される。
【0154】 ブロックは、256サンプルの長さを有し、25%重ね合わさるように選択さ
れる。データをブロックに分割する目的は2つある。1つ目は、1次結合ユニッ
トが、サンプルデータをブロックごとに補間するためである。2つめは、各チャ
ネルに関してビームフォームされる出力データが、一度に1ブロックだけ生成さ
れるためである。ブロックを重ね合わせることによって、使用される周波数領域
補間技法の精度が高められる。
【0155】 このストアのサイズは、1次結合ユニットに使用可能なメモリ量に適合するよ
うに、慎重に選択される。空間時間ストアの各行の時間的長さは、時間ブロック
の長さ以上プラス音響信号がセンサのアレイの一端から他端に通過するのに
掛かる最大時間になるように選択される。これにより、1次結合ユニットが時間
サンプルブロックに対してビームを形成するときに、空間および時間のアレイ内
にすべての必要な遅延時間サンプルが存在することが保証される。
【0156】 1次結合ユニットの設計理念 1次結合ユニット6(ハードウェアまたはソフトウェアで実施することが可能
)の役割は、部分形成されたビームのセットを生成するために、いくつかのチャ
ネルのサンプルセンサデータ(すなわち、空間および時間のアレイ内に保持され
るデータの行)を処理することである。1次結合ユニットは並列に動作するので
、アレイの所与のサイズに対する1次結合ユニットの数が増加すると、並列処理
の程度、すなわち処理能力も増加する。
【0157】 従来型遅延和ビーム形成技術を使用して正確なビームを形成するには、時間/
遅延量子化の影響を最小限に維持する必要がある。これは、充分高速にサンプリ
ングされたサンプルセンサデータを使用することによって、最も容易に達成され
る。従来技術によるビームフォーマは、ナイキスト比率のサンプリングレートの
10ないし15倍のサンプリングレートを使用してきた。ただし、正確なビーム
形成のためには、Nを形成される個別ビームの数として、サンプリングレートは
N以上であるべきである。したがって、960個のセンサのアレイの場合、サン
プリングレートは960×ナイキストにするのが理想的である。しかし、初期サ
ンプリングレートをこのように高くすることは、ADC段階および使用されるケ
ーブルの伝送帯域幅に著しい負担を掛けるので望ましくない。
【0158】 高い初期サンプリングレートによって生じる問題を回避するために、ビームフ
ォーミングサブユニットに必要とされるサンプリングレートは、1次結合ユニッ
ト内のサンプルセンサデータをアップサンプリングすることによって獲得される
。したがって、アンチエイリアシング要求を満たすのに必要なだけの、低い初期
サンプリングレートを使用することができる。例えば、注目する最大周波数をf =933 Hzとし、サンプリングレートをF=2800 Hz(すなわち
、1.5×ナイキスト)とすると、補間されたデータを、容認できるレートであ
る10.5×ナイキストに対応するビームフォーマに供給するために、データは
因子7によってアップサンプルすることができる。理論レベルで容認できる許容
誤差内にビームフォーマの応答を維持するには、一般に、このようなサンプリン
グレートで充分であると考えられる。
【0159】 ビームフォーミングに先立ってサンプルデータを補間する効果は、ビームステ
アリングの正確さを容易に高めることが理解されよう。したがって、i=1..
.mとした場合のkである(ここでmは1次結合ユニットに関連付けられたセ
ンサ数である)整数時間遅延値のセットが各部分ビームに関連付けられる。k の値は1次結合ユニットから迅速にアクセスすることができる高速アクセスメモ
リのブロックに保持されており、1次結合ユニットは、SACMユニットからk の値にアクセスする。したがって、SACMユニットを使用してメモリに保持
されているkの値を変化させることによってビームフォーマの挙動を変更する
ことは、比較的些細なことである。
【0160】 ビームフォーミングに先立つサンプルデータのアップサンプリングのもう1つ
の利点は、それによって、低い初期サンプリングレートが使用できるようになる
ことである。例えば、代表的な既存のビームフォーミングシステムでは、入力デ
ータは、ナイキスト比率の10倍ないし15倍のレートでサンプリングされる。
しかし、正確なビーム形成のためには、Nを形成される個別ビームの数とした場
合、この数字はN以上であるべきである。このような高いサンプリングレートは
、センサに関連付けられたハードウェア、特にADCおよび伝送ケーブル帯域幅
の点で大きな逼迫を生じる。
【0161】 高い入力サンプリングレートに対する要求とは対照的に、ビームフォーマの出
力は、ナイキスト規準に基づいたレートで生成されるだけでよい。したがって、
1次結合ユニットのビームフォーミングサブユニット出力は、整数因子で分割す
ることにより、アップサンプリングレートよりも低いレートにデシメートされて
、必ずしも初期サンプリング周波数の因子である必要のない出力レートを生じる
【0162】 例えば、サンプリングレートFで、着信ハイドロホンデータがレートPでアッ
プサンプリングされ、次いで因子Qでデシメートされ、部分形成されるビームに
関して、PおよびQを整数として、 出力周波数=(P×F)/Q の出力周波数を与えると仮定する。
【0163】 すると、この場合は結合ユニットで、ビームフォーミングシステムの次の段階
における周波数要求に、より厳密に合致する出力周波数を生成することが可能で
ある。
【0164】 補間の後、遅延和技術を実施する1次結合ユニットによりアップサンプルデー
タを使用してビームフォーミングが実行される。この技術の最初の段階では、1
次結合ユニットは、メモリに格納された各チャネルのサンプルに、それぞれの時
間遅延kを適用する。各ビームの視線方向に対して異なる時間遅延が要求され
る。補間は、計算効率のよい周波数領域アルゴリズムの組を使用して実行される
【0165】 ビームフォーミングプロセスの第2段階では、必要とされるサンプルを補間し
選択した後、ビームを形成するために選択された各サンプルにシェーディング係
数wを乗じ、次いでこれらを合計する。シェーディング係数の効果は、形成さ
れたビームの不要なサイドローブの量を低減することである。使用中に形状の変
化する可能性のある「動的」アレイについては、各ビームの方向に対して異なる
シェーディング係数のセットが必要とされる。また、複素数値の、帯域をシフト
したセンサデータのビームフォーミングについては、各ビームの方向に対して異
なるシェーディング係数のセットが必要とされる。シェーディング係数は、ビー
ムを形成する際に1次結合ユニットによってアクセス可能なメモリに格納されて
いる。時間遅延については、シェーディング係数の値wはSACMユニットを
使用して調整可能である。したがって、様々なアレイタイプ、サンプリングレー
ト、等々に対して多種多様なビームフォーマを構成するために同一の1次結合ユ
ニットを使用することができる。
【0166】 1次結合ユニットの動作概要 図7に、完全なビームフォーマの一部である1次結合ユニットの動作概略図を
示す。図8aおよび図8bに、1次結合ユニットのより詳細な略図を示す。
【0167】 図7を参照すると、ハイドロホンからサンプリングされたデータは、まずAD
C11によってデジタル化され、次に、1次結合ユニットによってアクセス可能
な空間時間ストア10に格納される。このサンプルデータは、次いでオプション
の機能不良ハイドロホン検出ユニット12(以下で説明)によって処理され、次
に、処理するために1次結合ユニット6に直接に渡される。機能不良ハイドロホ
ン検出ユニット12は、1次結合ユニットによってアクセス可能なメモリ9にS
ACMユニット8が格納するいくつかのエラーコードを生成する。1次結合ユニ
ットは、サンプルデータを空間時間ストアに補間する補間サブユニットと、障害
のあるサンプルを推定されたデータで置き換える機能不良センサ補償ユニットと
、ビームフォームされた出力データのいくつかのブロックを生成するために必要
とされるサンプルを選択する遅延和サブユニットとを備える。
【0168】 図8(a)に示すように、1次結合ユニット6は、256個のサンプルが重ね
合わさるブロックでストアのデータを処理する。ブロック11の各セットはウィ
ンドウ処理され、各ブロック端部のデータは無視される。次いでサンプルデータ
のブロックは、FFTルーチンを実行するように構成されたデジタル信号プロセ
ッサを使用して周波数領域に変換される。スクランブル(すなわちビット反転)
形式で残すことのできる、生成された周波数領域データが、次いで、1次結合ユ
ニットの一部を形成する帯域限定補間サブユニット14に渡される。これは、補
償アルゴリズムをデータに適用して誤りのあるサンプルを補償し、次に、補償さ
れたスペクトルをゼロパディングし、FFTルーチンを使用して逆DFTアルゴ
リズムを適用する。これにより、補間され修正されたデータのブロックのセット
が生成され、それは空間および時間のアレイ10に書き戻される。ウィンドウの
影響を除去するためにスケーリングファクタが適用される。すべてのブロックの
補間が完了するまで、これは繰り返される。空間時間ストアに新しい256個の
サンプルのセットが書き込まれると、次のルーチンが実行される。
【0169】 図8(b)を参照すると分かるように、1次結合ユニットは、一回の入射につ
いて第1ビームを形成するために必要なすべてのサンプル16を得るために、空
間時間ストア10に保持された時間遅延値にアクセスするように構成された遅延
和サブユニット15をさらに備える。
【0170】 この段階では、シェーディング係数乗算ユニット17を使用して、シェーディ
ング係数も適用される。1次結合ユニットによって形成される第1の部分ビーム
に関して単一データ出力値19を生成するために、サンプルが次いで加算される
18。これは、192個のサンプルの長さの出力値のブロックが、第1ビーム2
0に関して生成を完了するまで、ブロックの時間間隔ごとに繰り返される。
【0171】 遅延和サブユニットは、次いで、第2ビームに関するデータにアクセスし、サ
ンプル21のブロックのセットがすべての部分ビームに関して生成を完了するま
で、そのビーム等に関するサンプル19の第2ブロック20を生成する。次いで
このプロセスは、空間時間ストアの256個のサンプルの次の時間ブロックのた
めに再スタートする。実際、データはアレイを横断してリップルするので、この
ユニットは、256個のサンプルが一旦補間されると、これらのサンプルの同じ
(すなわち最新の)ブロックを効果的に処理する。
【0172】 補間サブユニットの詳細な説明 ビームフォーミングに先立って、ビームフォーミングサブユニットを使用して
補間が行われる。サンプリングされたハイドロホンデータからアップサンプリン
グされたデータを生成するための手法が開発された。この手法は、サンプルデー
タのデジタル時間領域データへの変換とそれに次ぐFFTルーチンを使用した周
波数領域への変換、スペクトラムのゼロパディング、逆Sinoスペクトル補間
アルゴリズムにより時間領域へ戻ることに依拠する。補償は、補間アルゴリズム
に組み込まれることができ、高速かつ計算効率のよい解決法を提供する。
【0173】 逆Sinoスペクトル補間アルゴリズム サンプルデータを補間するために、FFTアルゴリズムに基づくアルゴリズム
の組を使用して周波数領域技術を採用することができる。16個の1次結合ユニ
ットアレイの960個のセンサに対してFIRフィルタを適用することよりも演
算効率のよい、このようなアルゴリズムの組が開発された。
【0174】 このアルゴリズムの組は、次式
【0175】
【数3】 によって、1−D形式で与えられるDFTアルゴリズムの使用に基づいており、
上式で、
【0176】
【数4】 は、1(unity)のN番目の原始複素根であり
【0177】
【数5】 によって、逆DFTすなわちIDFTが与えられる。
【0178】 このDFTに基づく時間補間技術は、まずDFTと、結果として生じるスペク
トルの中心のゼロパディングとにより時間領域データのブロックを周波数領域の
ブロックに変換すること、次いでIDFTにより時間領域に戻ることを必要とす
る。DFTルーチンおよびIDFTルーチンは、FFTを用いて効率よく実行す
ることができ、一方ゼロパディングの量は、達成された補間のオーダを決定する
。スペクトル波形を左右対称に保つために、ゼロ値のサンプルがスペクトルの中
心に置かれることに留意されたい。このような方式の主たる制限事項は、IDF
Tのサイズに由来する高い算術の複雑さ(arithmetic comple
xity)と、時間領域および周波数領域にギブズタイプの影響が存在すること
に由来する低い補間の精度とが、従来の実施態様にあることである。したがって
、高性能DSPフィールドでは、これら両方の制限事項を克服することのできる
解決法が必要となる。
【0179】 ビームフォーマで使用される、提案のアルゴリズムの組では、IDFTは、ゼ
ロパディングと称するプロセスを使用してもとのN時間領域サンプルの間に補間
される時間領域サンプルを生成するために変更される。Nゼロ値サンプルがDF
Tスペクトルの中心に補間され、X[0],X[1],...,X[N−1]に
よって示され、新しいスペクトルY[0],Y[1],...,Y[2N−1]
を生じる、すなわち補間因子2が使用されると仮定する。その場合、新しいスペ
クトル系列のIDFTは、
【0180】
【数6】 によって与えられる。上式は、
【0181】
【数7】 で置き換えられる。上式で、加法の範囲は、中央Nサンプルがゼロ値であること
を反映するように調整されている。
【0182】 前の式にn=2mを代入すると、m=0,1...,N−1として、
【0183】
【数8】 を与える。これは、x[n]の偶数値インデックスを表す。したがって、ゼロパ
ディングされたスペクトルの2N−点IDFTは、偶数値のインデックスでN点
−IDFTのそれに置き換わる。インデックスnの奇数値は、もとのN−点ID
FT値の間に補間されたIDFT値を表す。この結果は、IDFTを取るのに先
立ち、充分な数のゼロ値のサンプルで、単にスペクトル系列をゼロパティングす
ることによって、P≧2とした場合の因子Pによる時間補間を明らかに一般化す
る。
【0184】 したがって、高い補間因子については、スペクトル系列のゼロパディングに続
いて、高い演算負荷を必要とする長いIDFTを実行する必要がある。一方、時
間領域のデータセットと周波数領域データセットへのDFT技術の適用は、時間
領域のデータブロックと周波数領域のデータブロックの端部で不連続性が生じる
ので、時間領域と周波数領域の両方にギブズタイプ効果をもたらす。
【0185】 DFTに基づく時間補間の問題に対して、時間領域のデータブロックの適切な
重なり合いと加重とを必要とする高精度の解決法が提供される。この解決法は、
チャイニーズ剰余定理(CRT:Chinese Remainder The
orem)を用いたIDFTの2−D公式化の使用を通して複雑さを低減する。
【0186】 ユビキタスなチャイニーズ剰余定理は、どちらもすべての次元において一義的
かつ巡回的なDFT/IDFTアルゴリズムに関して、m−Dに1−Dを、また
1−Dにm−Dのインデックスマッピング(index mapping)を生成することが
できるので、多くの現代信号処理アルゴリズムにおいて重要な役割を果たす。
【0187】 したがって、DFT/IDFTの指標付けにチャイニーズ剰余定理を適用する
ことにより、 (a)もとのDFT/IDFTをその正確な形式に回復し、また (b)m−D形式を構成する各々の小さなDFT/IDFTに関して正確な周
期数が得られることが保証され、 それに引き続く結果のDFT/IDFTのm−D定式化の重要性を考慮すると、
そのようなインデックスマッピングを使用することによりm−D定式化をどのよ
うにして達成することができるかを、この時点で理解することは価値あることで
ある。
【0188】 まず、NおよびNを互いに素な因子として、1−D IDFTの長さNを
【0189】
【数9】 と書けると仮定する。この場合、互いに素なモジュロ(RPM)インデックスマ
ッピングおよびCRTインデックスマッピング
【0190】
【数10】 (tおよびtは、
【0191】
【数11】 によって与えられる)を、n=0,1,...N−1およびn=0,1,
...N−1について、入力データおよび出力データにそれぞれ適用すること
によって、IDFTは、2−D形式で
【0192】
【数12】 のように書くことができる。上式で、WN1およびWN2は、それぞれ1のN 番目とN番目の原始複素根である。
【0193】 したがって、上式は、注目する2−因子の場合について、因子を修正せずに、
N−点IDFTを、2つの部分IDFTプロセスから構成される真の2−D I
DFTに置き換える。m−Dの場合への一般化は簡単なタスクであり、結果とし
て生じる式は、素因子アルゴリズム(PFA)としてより一般に知られている。
このように実行しなければならないわけではないが、RPMインデックスマッピ
ングおよびCRTインデックスマッピングの順番を逆転することにより、または
CRTインデックスマッピングを入力データおよび出力データの両方に適用する
ことによってさえ、同じ結果を生じさせることができる。
【0194】 上式の2−D定式化に戻ると、もとのIDFTアルゴリズムへの、すなわち逆
スペクトル補間(すなわち帯域限定時間補間)アルゴリズムへの高処理能力の解
決法をもたらす、高度に並列な方法で、これがどのように演算されることができ
るかを、次に理解する。
【0195】 まず、
【0196】
【数13】 を代入することによって、この式は
【0197】
【数14】 と書くことができる。
【0198】 第1の部分−IDFTは、本明細書で行−IDFTプロセスと称するN独立
−点IDFTを使用して計算することができることを示している。同様に、
第2の部分IDFTは、本明細書で列−IDFTプロセスと称するN独立N −点IDFTを使用して計算することができる。行−IDFTプロセスと列−I
DFTプロセスへのIDFTのこのような分解は、行列方法として知られており
、この2−因子分解を図14に示す。
【0199】 行−IDFTプロセスおよび列−IDFTプロセスで小さなIDFTが独立し
ていると仮定すると、行−IDFTプロセスにおけるN−点IDFTの並列計
算と、それに引き続く列−IDFTプロセスにおけるN−点IDFTの並列計
算によって、2−因子分解に対する高処理能力の解決法を簡単に得ることができ
る。ただし、列−IDFTプロセスを実施することができる前に、行−IDFT
出力データを含むマトリックスをまず転置する必要がある。次に、逆スペクトル
補間の問題に特に適しており、行−IDFT出力のマトリックス転置の必要性を
除去する、行列方法を実施するための別法について議論する。
【0200】 各N−点出力セットが同じ各N−点IDFT係数に対応している場合に、
各N−点列−IDFTは、列−IDFTからのN出力のセットで実行される
ことが理解されよう。したがって、個別のN−点ゼロサンプルの構成要素が行
−IDFTプロセッサから出力されるとすぐに、第1の列−IDFTを処理する
ことができる。同様に、対応するIDFT係数セットの個別の構成要素が計算さ
れるとすぐに、残りのN−点列−IDFTを処理することができる。
【0201】 したがって、行−IDFTを、従来行われているようにIDFTごとではなく
、図15に示すように係数ごとに処理することによって、行−IDFTマトリッ
クス出力の転置を除去することができ、各行−IDFT係数生成器からの出力は
、対応する列−IDFTに直接に供給される。次にこの理念を、インデックスマ
ッピングの選択および順序付けから生じる特別な簡約化により、魅力的で計算効
率のよい解決法を導く、逆スペクトル補間の問題に適用する。
【0202】 当節および次節で説明する逆スペクトル補間アルゴリズムは、本明細書で既に
議論した技術に基づくものであり、挿入器(interpolator)への入
力サンプル数をKで示し、補間因子をPで示す。本明細書で逆Sinoスペクト
ル補間(ISSI)アルゴリズムと称する、挿入器により生成される補間される
時間領域出力数Nは、
【0203】
【数15】 によって与えられる。上式で、Pは奇数の整数であり、Kは整数2乗であり、す
なわちPとKは互いに素である。
【0204】 このようにして補間パラメータを選択することによって、補間アルゴリズムに
よって必要とされるN−点IDFTを、K独立P−点IDFTの計算を含む行I
DFTプロセスと、それに引き続くP独立K−点IDFTの計算を含む列IDF
Tプロセスとして実行することが可能になる。さらに、上記の議論のように、入
力インデックスマッピングがRPMマッピングとして取られ、行−IDFTがI
DFTごとではなく係数ごとに処理されるならば、その結果生じるアルゴリズム
は、図16の流れ図によって表すことができる。ここで、各P−点行−IDFT
は、多くても1つの非ゼロ入力サンプルを所有する。
【0205】 したがって、行−IDFTプロセスは、図17のデュアル−ノードプロセッサ
によって実行される際、単一ゼロサンプルプロセスと1/2(P−1)デュアル
ノードプロセスに分解することができる。ここで、各デュアルノードプロセッサ
は、同一の非ゼロ入力サンプルからの2つのP−点IDFT係数を、p=0,1
,...,P−1について、関係式
【0206】
【数16】 によって計算する。上式で、Wは、1のP番目の原始複素根であり、「*」は
共役複素数のことである。
【0207】 ゼロサンプルプロセスとデュアルノードプロセスからの出力は、列−IDFT
プロセスのK−点IDFTに直接に供給することができる。これは、必要に応じ
て、従来型基数−2FFTアルゴリズムによっても実行することが可能である。
しかし、補間される時間領域出力の再順番付け用複合インデックスマッピングを
生じるために、自然に順番付けられた入力とビットを逆転した出力を伴うK−点
基数−2FFTアルゴリズム、すなわち、出力データの再順番付け用にPFAに
より必要とされると、ビット逆転インデックスマッピングをFFTアルゴリズム
から除去し、CRTインデックスマッピングのそれに結合することができる、デ
シメーション−イン−周波数(DIF)アルゴリズムを選択することによって、
さらなる簡約化を達成することができる。
【0208】 したがって、ゼロサンプルプロセスをデュアルノードプロセスの特別な場合と
みなすことによって、N−点IDFTは、1/2(P+1)同一の、独立プロセ
スを含む、非常に簡単でエレガントな計算構造に置き換えられ、各プロセスは、
1つのデュアルノードプロセッサと2つのスクランブルした出力であるK−点F
FTモジュールを含む、図18に示すSino計算エンジンによって実行される
【0209】 最後に、各デュアルノードプロセッサによって必要とされるフーリエマトリッ
クスエレメントと共に、入力インデックスマッピングと出力インデックスマッピ
ングだけを再計算することを要し、任意の精度の時間挿入器を構築するために同
じ計算構築ブロック、いわゆるSino計算エンジンを使用することができるの
で、逆Sinoスペクトル補間アルゴリズムは、時間補間の問題に非常に融通性
のある方法を提供する。また、このアルゴリズムはスペクトルをゼロ値サンプル
で物理的に水増しすることを必要としない。したがって、入力データおよび入力
インデックスマッピングの両方へのメモリ要求は最小限に維持される一方、出力
データバッファへのメモリ要求は、生成されるべき補間される時間領域出力の数
に比例する。すなわち、要求される補間精度に基づく。
【0210】 逆Sinoスペクトル補間アルゴリズムの効率分析 逆Sinoスペクトル補間アルゴリズムの効率を適切に評価するためには、関
係する特定の実施態様に関する算術の複雑さと、アルゴリズム構造と、通信の複
雑さ(communication complexity)と、ノイマン型単
一プロセッサマシンで使用するのか、例えばシストリックアレイのように計算を
パイプライン処理するための処理エレメントアレイを使用した高処理能力の並列
実施態様なのかを考慮する必要がある。
【0211】 特定の実施態様の性能は、処理能力の点では、その時間量について表すことが
でき、それぞれが時間単位数で表され、1つの算術時間単位が基本算術演算を実
行するのに要する時間に対応し、1つのルーティング時間単位が1つの距離単位
だけデータのサンプルを移動するのに要する時間に対応し、1つの距離単位が連
続した処理エレメントの間の距離である場合の、 (a)その算術の複雑さ、すなわち算術演算数の合計と、 (b)その通信の複雑さ、すなわちデータルーティング演算の数の合計と長さ
に対応する構成要素とを含む。
【0212】 単一プロセッサの実施態様に関する1次性能計量である、ISSIアルゴリズ
ムの算術の複雑さについては、この演算がFFTアルゴリズムに基づく技術の主
要な計算負荷を形成するので、必要とされる虚数乗法/累積演算の総数によって
適切な測度が与えられる。したがって、1つの算術時間単位は、1つの虚数乗法
/累積演算を実行するのに要する時間に対応する。
【0213】 長さKのデータ列および補間因子Pについては、逆Sinoスペクトラル補間
アルゴリズムの算術の複雑さSは、
【0214】
【数17】 の算術時間単位として表すことができる。
【0215】 直接DFT解決法については、ゼロ値サンプルを用いずにFFTアルゴリズム
を使用すると、算術の複雑さ、Dは、算術時間単位
【0216】
【数18】 を必要とする。これは、逆Sinoスペクトル補間アルゴリズムが、直接DFT
/FFT解決法よりも少ない時間単位
【0217】
【数19】 を必要とすることを意味する。
【0218】 したがって、これらの数字からすると、算術の複雑さの点だけについて考慮す
れば、逆Sinoスペクトル補間アルゴリズムは、補間因子Pが増加するに従い
その相対的な計算効率が向上することから、直接DFT/FFT解決法に比べ、
時間補間を実行するための魅力的な解決法であることは明らかである。しかし、
逆Sinoスペクトル補間アルゴリズムは、次に議論するように、それを超大規
模集積回路(VLSI)の実施態様への理想的な候補にする、エレガントで正則
な構造のもう1つの魅力を有する。
【0219】 逆Sinoスペクトル補間アルゴリズムの通信の複雑さおよび構造を考慮する
ことも重要である。
【0220】 逆Sinoスペクトル補間アルゴリズムは、入力インデックスマッピング、い
くつかの独立かつ同一の処理モジュール、複合出力インデックスマッピングに分
解する。このような分解は当然、並列の実施態様に役立つ。この場合、並列処理
は次の2つの方法の1つで達成することができる。
【0221】 (a)それらのオペレーティングを並列に、その処理を達成するために、Q=
1/2(P−1)として、計算エンジンQ+1まで割り当てる。また、 (b)例えば並列で実行される2つの列−IDFTを、Sino計算エンジン
のQ+1並列実施態様を処理に割り当てることにより最大処理能力を達成して、
計算エンジンの設計に並列処理を組み込む。しかし、実際には、ハードウェアサ
イズ、コスト、性能の間で帳合をとる必要がある。
【0222】 Sino処理モジュールの独立性を考慮すると、Sino実施態様の通信の複
雑さは個別の計算エンジンの通信の複雑さに限定される。これは、各々のK−点
、スクランブルされた出力FFTモジュールが実施される方法に依存する。例え
ば処理エレメントが複合バタフライオペレータである場合に1/2K処理エレメ
ントを備える、並列の、基数―2解決法については、データサンプルが必要とさ
れる処理エレメントに到達するために移動しなければならない最大距離は、1/
4K距離単位である。1/2PK処理エレメントを備える従来型FFT解決法で
は、この最大距離は1/4PK距離単位によって与えられる。
【0223】 d距離単位を経由したデータのルーティングに関連付けられる時間量が√dル
ーティング時間単位なので、そのアルゴリズムに対するルーティング演算の時間
量、Pは、 P〜O(PK)ルーティング時間単位によって与えられる。一方、逆Sin
oスペクトル補間アルゴリズムに対するそれ、Sは、 S〜O(√K)ルーティング時間単位によって与えられ、その結果、直接D
FT/FFTアルゴリズムの並列実施態様の通信の複雑さ、すなわち1/2PK
複合バタフライ単位を必要とする通信の複雑さが、逆Sinoスペクトル補間ア
ルゴリズムの並列実施態様の通信の複雑さ、すなわち各K−点FFTに対する1
/2K複合バタフライ単位を必要とする通信の複雑さより約√P倍大きい。
【0224】 Kが充分に小さい場合、すなわちK≦32の場合、各K−点IDFTは、K処
理エレメントの線形アレイを使用した、充分にパイプライン処理されたシストリ
ックな方法で実行されることができ、各処理エレメントは、虚数乗法/累積の同
一演算を実行する。デュアルノードプロセッサからの行−IDFT出力は、Si
no計算エンジンに対する時間量、すなわちO(K)の逆Sinoスペクトル補
間アルゴリズムに対する時間量を与えるために、一定速度で、2つの長さ−K線
形アレイにパイプライン処理されることができる。この際、各計算エンジンは、
すべての2K出力を、丁度K時間単位内で生成する。
【0225】 したがって、逆Sinoスペクトル補間アルゴリズムは、従来型の解決法には
みられない、VLSI実施態様の理想的な候補になるような、いくつかの特性を
所有する。その構造の規則性、すなわち単一構築ブロック−Sino計算エンジ
ンの反復使用により、任意の精度の時間補間を非常に簡単に設計することができ
る。純粋に計算エンジン自体の実施態様の複雑さに依存する、比較的簡単な通信
要件と組み合わせると、これは、VLSI技術と共に実施されるときに費用効果
のある解決法をもたらす。
【0226】 上記記載のアルゴリズムの特性に加え、デュアルチャネル処理技術が使用され
る。この技術は、センサデータの2つのチャネルを同時に処理する。この際、時
間から周波数への変換のための順方向FFTに始まり、次いで広帯域補償、周波
数から時間への変換のための長い逆FFTで終了する。デュアルチャネル処理は
、データの直接的なパッキングおよびアンパッキングにより、処理アルゴリズム
の実数部分と虚数部分とを使用して達成される。1つのチャネルは実数データと
して格納され、もう1つのチャネルは虚数データとして格納される。したがって
、両方のチャネルは、このアルゴリズムを使用して同時に処理されることができ
る。
【0227】 デュアルチャネル処理に入力するために必要とされる、連続したセンサチャネ
ルに関する時系列データ列は、n=0,1...,k−1および、k=0,1.
..,K−1について、時間−周波数の関係式
【0228】
【数20】 で{x[n]}および{y[n]}によって与えられる。複素数値の時系列デー
タ列の実数部分と虚数部分が、
【0229】
【数21】 と書かれる場合、時間−周波数の関係式は、
【0230】
【数22】 によって与えられ、次いで、実数値の時系列データ列のDFTスペクトルの実数
部分と虚数部分、{x[n]}および{y[n]}は、
【0231】
【数23】 と書くことができる。上式では、ZR[0]=ZR[K]およびZI[O]=Z
I[K]として、
【0232】
【数24】 であり、したがって、単一スペクトル構成要素のアンパッキングは、2つの実数
乗法と2つの実数加法を必要とする。
【0233】 周波数領域センサデータは、機能不良サンプルに関して補償技術を適用するた
めに、アンパッキングされた形式であることが好ましい。データは、関係式
【0234】
【数25】 によって、再パッキングすることができ、したがって、再パッキングは、2つの
実数乗法と2つの実数加法だけを必要とする。
【0235】 当業者なら、本明細書記載の補間ルーチンが音響センサおよびビームフォーマ
の域を超えた応用例を有することを理解するだろう。2つのチャネルを同時に処
理するための、実数部分と虚数部分を使用した、アルゴリズムのデュアル処理の
性質を含む、個別概念としてのアルゴリズムの新奇かつ創意に富んだ機能に対す
る保護を求めなければならない。
【0236】 遅延和サブユニットの詳細な説明 センサからサンプリングされたデータが、1次結合ユニットの適切な補間ユニ
ットを使用してアップサンプリングされ、必要に応じて機能不良ハイドロホンお
よび誤りのあるサンプルの存在に対する補償が一旦完了すると、あとはデータの
合計に先立って、操縦される各ハイドロホンチャネルおよびビームのために適切
な時間遅延およびシェーディング係数を適用するだけである。これを達成するた
めに、遅延和サブユニットは、連続した各ハイドロホンチャネルについて、補間
されたハイドロホンデータを受入れ、ビームステアリング係数の適用に先立って
、適切な時間遅延を適用する。次いで、すべての60チャネルが適切な部分ビー
ムを生じるために、合計処理がサンプルを結合する。シェーディング係数および
時間遅延値は、1次結合ユニットに関連付けられた適切なメモリブロックから、
1次結合ユニットによって得られる。時間遅延および係数は、例えばアレイの形
状の変更に関する補償のように、どの段階でもその値を更新することができるS
ACMユニットによってメモリに書き込まれる。
【0237】 従来型ビームは、ストアのアドレスセットを生成し、対応するアドレスされた
データのセットを合計することによって形成されるので、補間に先立ってハイド
ロホンからサンプリングされたデータを保持する空間時間ストアは、アレイの実
行時間履歴を保持する。格納された時間履歴は、着信信号が縦形であるとき、す
なわち信号がアレイ全体を横切らなければならないときでも、ビームを形成する
のに必要なすべてのハイドロホンデータを含むために充分な長さである。960
個のハイドロホンアレイについては、補償され、補間された9ブロックのハイド
ロホンデータがストアに保持される必要がある。各ブロックは、アップサンプリ
ングの前に25%重ね合わさる256個の時間サンプルと、アップサンプリング
後のこのサンプル量の7倍とを含み、新しい7×192=1344ブロックの補
間されたサンプルが約1/15秒ごとに使用可能になる。
【0238】 最も効率よいデータ処理のためには、遅延和サブユニットからの高速アクセス
用に使用可能な、S、S、Sで示されるランダムアクセスメモリ(RAM
)の3つのユニットが使用可能である。
【0239】 (a)Sは、遅延和サブユニットによるビーム形成のための時間遅延を表す
整数値kを格納するためのメモリエリアである。整数値kは、N整数のm行
のアレイ形式で格納されるのが最も好都合である。この場合、mは1次結合ユニ
ットによって処理されるチャネル数であり、Nは形成されるビーム数である。
【0240】 (b)Sは、シェーディング係数が格納されるメモリエリアである。時間遅
延については、形成されるべき各ビームに関してシェーディング係数の別々のセ
ットが必要であり、N×mの大きさのアレイに格納されることができる。したが
って、Nによる増分は、正確なシェーディング係数を自動的に進む。
【0241】 (c)Sは、遅延和サブユニットにより実行されるビームフォーミングプロ
セスの結果を格納するメモリエリアである。
【0242】 使用中、遅延和サブユニットは、正確なアドレスnを使用して、メモリブロッ
クSおよびSから時間遅延値およびシェーディング係数にアクセスする。ビ
ームフォーミングは、空間時間ストア内のブロックにあるすべてのサンプルに、
単一ビームに対応する時間遅延値とシェーディング係数の単一セットを使用して
実行される。このプロセスは次いで、Nによってインデックスを増分することに
より、次のビームに対して時間遅延値とシェーディング係数のセットを使用して
反復される。したがって、時間遅延値とシェーディング係数は、単一ビームに対
する完全なサンプルのブロックがビームフォーミングされる度にだけ、すなわち
192サンプルごとにだけ、遅延和サブユニットによってアクセスされる。
【0243】 ビームフォーミング演算の実行が完了した後、メモリの3番目のセットである
は、各々の部分形成されたビームに対するデータ値のセットを含む。部分形
成されたビーム値は、サンプルの各行を所要時間tとして、サンプルのN行(出
力チャネル)アレイの形式で格納することができる。したがって、N部分ビーム
が形成されると、Nチャネルはメモリに出力される。空間時間ストアのサンプル
と、必要な時間遅延と、シェーディング係数値とにアクセスでき、遠隔ユニット
から情報が転送されるのを待つことなくメモリに直接にその結果を書き込むこと
ができることにより、処理速度が最大限になる。本明細書に記載のアレイについ
ては、Sは240バイトまで備えるだけでよく、Sは240バイトまで、S は4320バイトまで備えるだけでよい。この際、Sは形成されるすべての
ビームに対する結果を含む。
【0244】 遅延和サブユニットは、不要なサイドローブを低減するために、シェーディン
グ係数を適用する。シェーディング係数の名目セット(すなわち、虚数のハイド
ロホンの等間隔の線形アレイについて)は、wは、m=1,2...Mについ
て、完全なブラックマンシェーディング関数
【0245】
【数26】 により与えられる。上式で、係数は、 a=7938/18608,a=9240/18608およびa=14
30/18608 によって与えられる。
【0246】 しかし、正確を期すために、シェーディング係数は虚数ではないが、形状依存
である、すなわち、操縦されるべき各ビームに対するハイドロホンデータに異な
る係数のセットの適用が必要とされると仮定されなければならない。
【0247】 線形挿入器を逆Sinoスペクトル補間ルーチンの出力に適用することによっ
て、前記遅延和ビームフォーミングプロセスに加え、正確さをさらに改善するこ
とができる。その結果、所与のハイドロホンチャネルと所与のビームステアリン
グ視線角度に対する、シェーディングされていないビームフォーマ出力への貢献
は、α,β∈[0,1]として、連続したハイドロホンサンプルx[i]および
x[i+1]の加重組合せ
【0248】
【数27】 として表すことができる。
【0249】 各ハイドロホンチャネルおよびビームステアリング角度に対する補間加重は、
シェーディング係数および時間遅延により、メモリSに格納されているシェー
ディング係数とさらに結合され、一意アドレス識別子を使用して1次結合ユニッ
トによってアクセスされることができる。同様に、ビームステアリング係数と称
する更新された係数は、SACMユニットにより計算され、格納されることがで
きる。
【0250】 機能不良センサ検出ユニット 機能不良センサ検出ユニットの目的は、空間時間ストアに保持されるサンプリ
ングされたデータを分析して、誤りのあるサンプルを検出することである。この
誤りのあるサンプルは、障害のあるセンサに由来する可能性があるか、または各
センサに関連付けられたADC素子の障害による可能性がある。このユニットは
、メモリブロックに格納されているエラーコードのセットを生成する。
【0251】 一般に、障害のあるセンサは、1次結合ユニットから部分形成されたビームを
無効にすることがある、充分に低い(すべてのビットセットがゼロ)か充分に高
い(すべてのビットセットが1)状態の、デジタル化された出力を生成する。
【0252】 このようなエラー状態が無視されると、連続した信号処理に深刻な性能低下を
もたらす可能性があり、したがって、処理利得の否定はより精巧な信号処理アル
ゴリズムの導入により達成される。
【0253】 機能不良センサおよび誤りのあるサンプルがビームパタンの生成に与える影響
は、アレイの指向性インデックス(より一般的には、利得)を低減すること、お
よび指向性干渉に対するアレイのサイドローブ応答を増加させることである。曳
航アレイの場合、指向性干渉は曳航船、付近の船舶の生成したノイズであるか、
活動化処理の場合は離散的船底散乱により生じる強い反響音である可能性がある
。しかし、機能不良センサを補償することができる前に、まずそのセンサが検出
され、そのセンサが属する機能不良センサのブロックのサイズまたは重複度に従
って分類される。
【0254】 したがって、ビームフォーミングシステムは、センサ分類およびセンサ補償ア
ルゴリズムの組をさらに含む。この場合、機能不良センサが次の4つのセンサの
1つに属するかどうかによって、補償アルゴリズムが適用される。
【0255】 (1)孤立した機能不良センサ (2)対になった機能不良センサ (3)3つの連続した機能不良センサのブロック (4)3つ以上の連続した機能不良センサのブロック 自動検出方式は、個別センサの貢献がアレイ利得方程式から除外される場合の
、アレイ利得への結果に基づく。自動検出ルーチンに引き続き、各タイプの機能
不良センサを補償するための、適切な(すなわちそのセンサが属する機能不良セ
ンサのブロックの重複度を考慮した)修正を伴って、振幅補間技術および位相外
挿技術に基づく補償処理方式が次いで適用される。
【0256】 その結果生じた補償技術は、周波数領域に適用され、狭帯域信号処理システム
と広帯域信号処理システムの両方に適用することができる。狭帯域処理の場合、
周波数領域のビームフォーマが仮定されるが、補償技術は、注目の時間周波数に
適用されるだけでよい。しかし、本明細書に記載のビームフォーマにおけるよう
に広帯域処理の場合、ビームフォーミングは周波数領域技術によって実行される
が、基本的には時間領域ビームフォーマにおいて、補償技術がすべての正の時間
周波数に適用される必要がある。その結果、再構成された時間領域信号が適切に
得られる。
【0257】 この結果は、センサの任意アレイの一般的な場合について議論されているが、
自動検出および補償技術の応用例は、本明細書に記載の平行ビームフォーマアレ
イの1次結合ユニット構造の応用例に限定されない。センサアレイに衝突する信
号波面は、平面、すなわち遠距離場発信源であると仮定され、信号領域およびノ
イズ領域は、独立かつ追加的であると仮定される。センサは、音響センサ(すな
わちハイドロホン)であると仮定される。
【0258】 機能不良ハイドロホン検出ユニットの演算を完全に理解するためには、次のよ
うに仮定する必要がある。
【0259】 (a)1次結合ユニットがほぼ線形であり、 (b)ターゲットが、1次結合ユニットの遠距離場にある、すなわち本明細書
で想定するアレイのサイズで音響サブユニットの局所点から少なくとも3/4キ
ロメータにある。
【0260】 これらの仮定により、1次結合ユニットに衝突する信号波面は、平面であると
みなすことができ、したがって、(振幅への)線形補間および(位相への)外挿
は、推定されたサンプル値を生成するために、1次結合ユニットによって正当に
適用することができる。
【0261】 機能不良センサ検出ユニットは、空間時間ストアから得られるサンプリングさ
れたデータについて統計を分析することによって機能する。上記に記載のように
、空間時間ストアは、各チャネルから取られ、1次結合ユニットに供給される時
間サンプルのセットを含む。空間時間ストアの各行にあるサンプルは、時間的長
さtのサンプルのブロックに分割されるが、この場合256個のサンプルを含
む。空間および時間のアレイは、サンプルのブロックの獲得が完了するたびにリ
フレッシュされ、各リフレッシュの間にストアに保持されるサンプルは、機能不
良なデータチャネルを検出するために使用される統計について分析される。
【0262】 空間時間ストアにおける機能不良センサと誤りのあるサンプルの検出は、2つ
のフェーズを含む。最初に、(信頼できる履歴データが使用可能でない場合にエ
ラーコードの初期セットを獲得するために)初期スタートアップルーチンが適用
される。続いて、初期エラーコードの生成が一旦完了すると、標準検出ルーチン
が使用される。この2つのユニットの各々の操作について、本明細書で説明する
【0263】 空間時間ストアが、図11に示すように、最新サンプル中の256個のサンプ
ルの60ブロック(センサチャネルあたり1ブロック)を備えると仮定する。空
間時間ストアは、ビームフォーミングに必要とされる最大時間遅延を補償するた
めに、実際にはチャネルあたり1ブロック以上の空間を含むが、スタートアップ
の際には、補償されていないデータの単一ブロックだけが存在し、残りのブロッ
クは当初は空である。(補間におけるエラーを最小限に抑えるため)ストアのブ
ロック間に25%の重なり合わせが補充されていると仮定すると、そのブロック
の残りの4分の3は、32サンプルの6サブブロックに分割される。
【0264】 初期検出方式は、以下のステップを含む。
【0265】 (a)各チャネルについて、サブブロックのサンプルを(絶対値の形で)積分
する。
【0266】 (b)60の結果の積分値の中央値を計算する。その中央値が、ステップ(f
)で計算されるように前時間ブロックの平均値と異なる場合、中央値を平均値で
置き換える。
【0267】 (c)その中央値から、上と下の検出閾値を計算する。
【0268】 (d)各センサに関する積分値と上と下の検出閾値を比較し、その比較の結果
に基づいてブロックのサンプルのエラーコードのセットを生成する。
【0269】 エラーコードは、センサ活動シーケンスとしてメモリに格納することができる
【0270】 各チャネルの256個のサンプルブロックの残り5つのサブブロックについて
、センサ活動シーケンスのエラーコードの生成は、以下のステップを含む。
【0271】 (e)1次結合ユニットの各センサに関する32個のサンプルを(絶対値の形
で)積分する。また、各センサに関して、 (f)残りの積分値の平均値を計算する。すなわち、テスト中のセンサから貢
献を除外する。その平均値が、ステップ(b)で計算されるように中央値と著し
く異なる場合、平均値を中央値で置き換える。また、 (g)その平均値(または中央値)から上と下の検出閾値を計算する。また、 (h)上と下の検出閾値に対してテスト中のセンサの積分値をテストする。各
サブブロックのテスト結果は、そのブロックのセンサ活動シーケンスに格納され
ているエラーコードを更新するために使用される。
【0272】 空間時間ストアのデータブロックの長さ256サンプルが生成される度にセン
サ活動シーケンスが更新されるので、192個のサンプル(25%の重なり合わ
せがるため)がビームフォーミングされるされる度に機能不良センサが検出され
、活動シーケンスにフラグアップされることができる。256個のサンプルのブ
ロックで分析することによって、ビームフォーマが形成されたビームをバッチで
生成するので、センサ活動シーケンスに保持されるエラーコードの値は、256
個のサンプルのブロックがビームフォーマに渡される度に効果的に更新される。
【0273】 上記で説明した初期機能不良センサ検出アルゴリズムは、少なくとも50%の
ハイドロホンが正確に機能していれば、その中央値は、誤りのあるサンプルを生
成する障害のあるセンサを検出するために参照するのに使用できるということに
基づいている。初期ルーチンを使用した初期画像の現像が一旦完了すると、エラ
ーコードの第1セットが生成され、メモリに書き込まれ、そのサンプルの平均値
とブロックの残りのセンサを比較することによって単一センサが分析される、よ
り正確な方式が使用される。これは、標準機能不良センサ検出ルーチンとして知
られる。
【0274】 エラーコードを含むセンサ活動シーケンスは、デジタルデータのブロックを含
み、1、2、3機能不良センサブロックを表す一意エラーコードの表示を可能に
するために、1チャネルに1ビットが割振られる。補償アルゴリズムの組は、(
任意で)1次結合ユニットに組み込まれる。そこで、センサ活動シーケンスに格
納されている値に基づく、空間時間ストアに保持されるサンプリングされたデー
タの分析されたブロックを修正し、その結果、誤りのあるサンプルを推定サンプ
ル値で代用する。この値は、誤りのあるサンプル周辺のサンプルの出力に基づく
アルゴリズムによって得られる。1、2、3隣接センサがサンプルの各ブロック
で誤っている、3つのタイプのエラーを補償するために、3つのアルゴリズムが
使用される。
【0275】 機能不良センサ検出段階を省略し、単にデジタル化されたサンプルデータを直
接に1次結合ユニットの補間段階に渡して、処理速度を高速化することも可能で
ある。機能不良検出ユニットが提供されると、機能不良検出ユニットの演算を、
必要に応じて手動または自動でオンまたはオフできるような手段を提供すること
ができる。したがって、1次結合ユニットからのデータが非常に信頼性があると
知られている場合、その1次検出ユニットについては、必要とされる処理ステッ
プ数を低減するために、例えばそのシステムを使用している人が手動でスイッチ
を切るように、検出ルーチンのスイッチを切ることができる。
【0276】 機能不良センサの自動検出 これまでのところ、ストアにあるサンプルの統計から誤りのあるサンプルを検
出する方法を簡単に説明した。統計分析に基づくエラー検出方式は、以下のよう
に実行することができる。検出方式は、標準検出ルーチンおよび初期検出ルーチ
ンを含む。
【0277】 (a)標準検出ルーチン Mセンサを含むアレイについては、λ/2スペーシングを用いて、Pで示さ
れるアレイ出力パワー、すなわち従来型ビームフォーマの出力は、
【0278】
【数28】 と書くことができる。上式で、Sは1つのセンサの信号パワーであり、Nはノイ
ズパワーである。アレイ出力での信号対雑音比(SNR)は、したがって、
【0279】
【数29】 と書かれる。上式で、(P−P)は並列信号パワーであり、Pはアレイノ
イズパワーである。アレイ利得AGが、単一センサ比SNRに対するアレイ信
号対雑音比SNRの比率として定義されるならば、
【0280】
【数30】 すなわち、アレイ利得は、アレイのセンサMの数に等しい。
【0281】 信号の位相がそのアレイを通して完全に一貫していると仮定されるが、振幅は
完全にランダムであるならば、ガウス分布に従う。既に述べたように、ノイズは
、一様な振幅をもつが、アレイを通して全体的には一貫していない。従来型ビー
ムフォーミングの後、M−1正確に機能するセンサのアレイに関する信号対雑音
比は、
【0282】
【数31】 によって与えられる。上式で、ノイズパワーは上記で定義されたとおりであるが
、信号パワーは、ここでM−1正確に機能するセンサの平均パワーと定義される
【0283】 さらに、残りのセンサが、任意の値の信号パワーSを除き、同じノイズパワ
ーを処理すると仮定するとする。アレイ出力は、アレイのすべてのMセンサから
の貢献で構成されるならば、アレイ出力SNRは、
【0284】
【数32】 と書くことができる。上式は、S=Sの場合は、必要に応じて、
【0285】
【数33】 と置き換えられる。
【0286】 解決されるべき問題は、信号パワーSは、どのレベルで条件:SM−1≧S になるのか、すなわち、対応するセンサは、Sのどのレベルで機能不良にな
ると考えられるかである。これに回答するには、
【0287】
【数34】 とする。
【0288】 パラメータβは、奇数センサの信号圧力振幅を残りのM−1正確に機能するセ
ンサの平均振幅の信号圧力に関係付ける、検出係数である。この場合、
【0289】
【数35】 すなわち、βは、SNRパラメータαおよびアレイの正確に機能するセンサの総
数に関して表すことができる。
【0290】 前式を操作することにより、α=1、すなわちSNRM−1=SNRの場合
、下の検出係数の値βは、Mが増加するに従って、β→1/2のようになる。奇
数センサの振幅レベルが、平均的M−1正確に機能するセンサの振幅レベルの1
/2より低いレベルしか測定できないほど低く設定されているならば、その影響
はアレイ出力SNRを減少させることであり、したがって、対応するセンサを機
能不良とみなすことができる。機能不良センサから生成されるデータが一般に自
動的にゼロの省略値をとる場合、これは、従来型アナログシステムの挙動の特徴
を表している。
【0291】 デジタルデータの処理を用いると、同等の確率で、振幅が最小限または最大限
のレベルの省略値をとる場合に、より深刻な問題が起こる可能性がある。例えば
、信号パワーSがα≒1/2、すなわちSNR=2×SNRM−1の場合、
上の検出係数値βは、0.414Mである。したがって、奇数センサの振幅レベ
ルが、残りのM−1正確に機能するセンサの平均の振幅レベルの0.414M倍
である場合、その影響は、アレイ出力SNRを2倍することであり、したがって
、対応するセンサもまた機能不良とみなすことができる。
【0292】 議論したばかりの標準検出手順をスタートアップする際、個別センサの初期機
能状態に関する信頼できる情報がないことに問題がある。したがって、所与のセ
ンサの振幅を残りのセンサの平均の振幅に対して比較することは、残りのセンサ
の平均の振幅がすべて正確に機能するとは限らないので、不可能である。例えば
、1つの非常に大きなセンサ振幅は、平均振幅レベルに関して、ひどく不正確な
値を導くことがある。したがって、初期スタートアップ検出手順は、機能不良セ
ンサの初期検出のために使用される。これは、機能不良センサの存在によって悪
影響を受ける可能性のある場合とない場合がある、計算された平均値の使用には
基づかない。
【0293】 初期検出方式 上記に記載のように、使用される手法は、センサの比較を目的として、センサ
振幅の中央値を使用することである。これは、少なくともセンサの半数は正確に
機能するもの(重大な障害を除いて確かにその通りであると考えられる)と仮定
すると、その中央値は、少なくとも優れた、正確に機能するセンサの振幅に対応
するからである。アレイの平均値ではなく中央振幅を選択したことによって起こ
り得る性能上の矛盾を斟酌するために、上および下の振幅検出係数を、この初期
検出ルーチンにおいてより緩やかに選択することができる。初期検出段階を検出
されずに通過した機能不良センサは、閾値が低減されるために、それに続く標準
検出手順で検出され、フラグアップされる。
【0294】 初期検出手順と標準検出手順の両方について、振幅比較を実行するために上と
下の検出係数を適切に選択したと仮定すると、個別センサは、正確に機能してい
る場合は、 フラグ=0 として、または機能不良の場合は、 フラグ=1 としてフラグアップされる。これらのフラグは、対応する1次結合ユニットに関
してセンサ活動シーケンスを形成するために使用される。この列は、単純な補償
アルゴリズムのセットを駆動するために使用される。標準検出手順に入る際、正
確に機能するものとしてフラグアップされたそれらすべてのセンサは、振幅比較
ルーチンで使用するための平均センサ圧力振幅の誘導過程で使用される。
【0295】 処理中のセンサデータがデジタルであるということは、非常に重大なことであ
る。これは、各機能不良センサからのデータの振幅が、同等の確率で、最小限ま
たは最大限のレベルの省略値をとることを意味するからである。これは、このよ
うなデータが一般に最小限レベルの省略値をとる、アナログシステムとは対照的
である。なぜセンサがこのような振る舞いをするかを理解するためには、デジタ
ル処理システムの内部素子の働きを見るだけでよい。例えば、 (a)オープンゲート入力は、その入力部の信号がそのゲート回路に到達する
ことを妨げ、したがって、出力部に到達することも妨げる。すなわち、CMOS
(相補型金属酸化膜半導体)ゲートでは、オープンゲートは予測不可能な影響を
及ぼす。
【0296】 (b)オープンゲート出力は、その入力部の信号がその出力部に到達すること
を妨げ、その結果、ゲートと回路の出力ピンの間で切断を生じ、出力ピンには電
圧がなくなる。また、 (c)供給電圧に対して短絡された入力部または出力部は、「高」レベル状態
、すなわち最大限レベルが続き、完全に短絡された入力部または出力部は、「低
」レベル状態、すなわち最小限レベルが続く。
【0297】 したがって、センサ回路またはアレイ回路の断続的なオープニングまたは短絡
は、回路内のどこに接続切断が発生したかによって、センサ出力に予測不可能な
振る舞いを生じる原因となる場合がある。このような明らかな物理的原因以外に
、遠隔測定データのエラーによっても問題が生じることがあり、その場合、長期
にわたって断続的にまたは持続的に「不良」センサデータが生成される。しかし
、物理的障害または、フーリエ変換ペアのような空間データおよび空間−周波数
データ(すなわちビームパタン)が1つの領域では広くもう1つの領域では狭い
かデルタ型であるならば、従来型ビームフォーマにより提供される空間情報が悪
影響を受けているか場合によっては破壊され、その後ターゲットの進路が失われ
るには、アレイ内のセンサが1つだけがこのような方法で機能不良であれば充分
であるというその他の障害によって、このようなデータが生成される。
【0298】 最後に、短期信号活動の結果、すなわち短期信号の損失または短期信号のバー
ストの結果により、不正確にもセンサが機能不良のフラグを立てられる可能性が
ある。この状況に対処するために、補償アルゴリズムの組を必須のセンサ活動シ
ーケンスを伴って提供するために、標準検出手順を連続して実行することがきる
。加えて、不正確に分類されたそれらのセンサが活動フラグを正確にリセットさ
せることができるように、初期検出手順を定期的に再適用することができる。こ
の検査が実行されず、センサブロックがこのような方法で分類を誤られるならば
、従来型ビームフォーマからのアレイ利得は余計に失われる。
【0299】 機能不良センサの補償 誤りのあるサンプルを識別すると、サンプルブロックは、誤った値を推定デー
タで置き換えるように処理される。開発された補償技術は、周波数領域で、すな
わち時間領域センサデータの時間−周波数変換に引き続きFFTルーチンによっ
て実行される。したがって、その結果生じるセンサデータは複素数の形式であり
、振幅情報と位相情報の両方を生成する。任意の時間周波数(すなわち任意の時
間FFTbinについて)について、1次結合ユニットのm番目のセンサに対応
する複素数サンプルXは、ここで、
【0300】
【数36】 の形式で表される。Aが振幅である場合は、
【0301】
【数37】 また、Φ
【0302】
【数38】 で示される位相である場合は上式の通りである。上式で、XRは、複素数サン
プルの実数部分であり、XIは、虚数部分である。機能不良センサの場合の、
センサ出力の推定値は、正確に機能するセンサの出力と区別するために、
【0303】
【数39】 によって示される。
【0304】 ケース1 孤立した機能不良センサの補償 インデックスmをもつ孤立した機能不良センサの場合、その出力の振幅は、正
確に機能する隣のセンサの振幅を平均することによって、
【0305】
【数40】 となる。
【0306】 その位相の推定を得るためには、位相の差
【0307】
【数41】 が、まず機能不良センサの左にある2つの正確に機能するセンサから計算される
。次いで、この位相の差は、必要とされる(m−1)番目のセンサの位相の値に
加算され、
【0308】
【数42】 を与える。別法として、この位相の推定は、機能不良センサの右にある2つの正
確に機能するセンサから導き、
【0309】
【数43】 を与えることもできる。
【0310】 したがって、孤立した機能不良センサの場合、振幅推定値は、最も近い線形補
間によって得られ、その位相は、そのセンサの左または右の2つの隣のセンサか
らの外挿によって得られ、位相推定の計算において従来発生した不明瞭な問題を
回避する。
【0311】 ケース2 対の機能不良センサ インデックスmおよびm+1をもつ対の機能不良センサの場合、振幅は、最も
近い機能するセンサ間への線形補間によって、
【0312】
【数44】 によって推定することができる。この位相推定は、Φ^を左の2つの機能する
センサからの外挿によって得、Φ^m+1を右の2つの機能するセンサからの外
挿によって得て、
【0313】
【数45】 によって与えられる。
【0314】 ケース3−機能不良センサの連続するブロック 2つ以上の連続した機能不良センサのブロックの場合、m1およびm2によっ
て与えられる最初のインデックスと最後のインデックスを用いて一般化すること
により、振幅は、最も近い機能するセンサの間の線形補間を使用して、
【0315】
【数46】 によって推定することができる。上式で、
【0316】
【数47】 である。すなわち、Lは、ブロックの機能不良センサの数に対応している。対応
する位相推定を得るためには、機能不良センサの対に関して、補償アルゴリズム
は、ブロック両端から作動する。
【0317】 したがって、ブロックの両端にある2つのセンサの位相値、
【0318】
【数48】 がまず推定され、続いて隣の機能不良センサ
【0319】
【数49】 等々、が、ブロックのすべての機能不良センサの処理が完了するまで、位相の前
の対を使用して、毎回推定する。
【0320】 補償ルーチンの議論 機能不良センサの補償において、本明細書に記載の応用例に使用されるべき規
則は、すべての孤立した機能不良センサがまず処理され、続いてすべての機能不
良センサの対が処理され、さらに続いて3つの機能不良センサのすべてのブロッ
クが処理されるというものである。これにより、孤立した機能不良センサのため
の位相推定は、機能不良センサの対を処理するために使用することができ、機能
不良センサの対のための後続の位相推定は、3つの機能不良センサのブロックを
処理するために使用することができるようになる。孤立した機能不良センサの特
定の場合、この規則は、正確に機能する隣のセンサが機能不良センサの左で使用
可能である場合、それらがまず使用され、左で使用可能でない場合は、右にある
センサが使用されるというものである。ただし、3つ以上の機能不良センサのブ
ロックについては、適用されるべき唯一の補償は、データのゼロ充填を含む。
【0321】 補償アルゴリズムの組の性能に関する問題 センサスペクトルにおいて空間的にコヒーレントな信号が優勢な時間周波数で
は、この補償技術は、センサが実際に機能しているならば、少なくともケース1
、2、3(すなわち、孤立した機能不良センサ、機能不良センサの対、3つの機
能不良センサのセット)に関しては、その得られたものに対する優れた近似値を
提供する。したがって、その結果、アレイの指向性インデックスは、理論値に近
いレベルに維持され、指向性狭帯域信号へのビームサイドローブ応答は著しく低
減される。強力な指向性信号が存在しない時間周波数では、推定された振幅スペ
クトルは、隣のセンサのそれを近似し、一方、隣のセンサに関する位相スペクト
ルはランダムである。
【0322】 推定されたスペクトルの位相と隣接の機能するセンサのそれとの間に結果とし
て相関関係がないことは、時間周波数における場のノイズに類似した性質を反映
しており、機能不良センサが実際に完全に演算可能であれば、振幅も概して同様
である。
【0323】 機能不良センサ補償に関して議論した技術を、狭帯域処理に関して提示した。
この狭帯域は、時間周波数帯域幅全体のほんの一部分(単一FFTbinの可能
性がある)を注目するものである。しかし、この結果は、広帯域処理システムの
場合、すなわちすべての時間周波数を注目する場合に拡張することができる。こ
れは、振幅補間技術および位相外挿技術を実行するために必須のすべての機能す
るセンサについて、FFTルーチンの適用に結果生じる、パスバンド領域および
トランジションバンド領域をカバーするすべての正の時間周波数binに補償技
術を適用することによって達成される。
【0324】 従来型広帯域ビームフォーミングを時間領域で実行する場合、複合入力データ
の実数構成要素または虚数構成要素のどちらか、および逆時間FFTルーチンを
通過した、結果として生じる両側の補償されたスペクトルを備える、各チャネル
のスペクトル構成要素の共役複素数対称性質を用いて、機能不良ハイドロホンで
、必要とされる再構成された広帯域信号を導くために、負の周波数構成要素がセ
ットアップされる。
【0325】 誤りのあるサンプルを識別する能力により、従来は不可能であった、リアルタ
イムによるデータの補償の実行が可能になる。
【0326】 誤ったデータ処理のための算術の複雑さ要求 サンプリングされたデータのブロックを訂正するために要する算術の複雑さを
推定するには、音響サブモジュールで合計5%のセンサが平均して一度に機能不
良であると仮定して、1次結合ユニットのそれぞれのセンサで合計約20%が周
波数領域と双方向の変換を必要とすることを要する。
【0327】 時間−周波数変換および周波数−時間変換は、256−点FFTアルゴリズム
を使用して実行される。これは、複合データについて、1740の実数乗法と5
008の実数加法を必要とする。
【0328】 したがって、60個のハイドロホンの単一の1次結合ユニット内の機能不良ハ
イドロホンの補償を実行するためのFFT要求の合計は、秒あたりの実数乗法
【0329】
【数50】 および、秒あたりの実数加法
【0330】
【数51】 によって与えられる。上式で、サンプリングレートは2800Hzと定義される
【0331】 ここで、単一時間周波数に関する単一機能不良センサの補償が、合計7つの実
数乗法、5つの実数加法、1つの平方根演算、2つのアークタンジェント演算、
2つの三角法演算を要すると仮定する。この計算は、上記で説明した補償ルーチ
ンの実施において実際に達成されている。アークタンジェント演算と三角法演算
は、参照用テーブル技術によって効率的に実行され、したがって、算術の複雑さ
の計算からは除外することができる。一方、平方根演算の量は、現実的には4つ
の実数乗法の量と等価とすることができ、したがって、単一時間周波数に関して
、単一の機能不良センサの補償を実行するための算術の複雑さ要求の合計は、1
1の実数乗法と5の実数加法だけによって近似することができる。
【0332】 したがって、すべての正の時間周波数binに関して、単一音響サブモジュー
ル内で、センサデータの振幅補間および位相外挿を実行するための算術の複雑さ
要求の合計は、音響モジュールの5%のセンサが機能不良であるとして、秒あた
りの実数乗法
【0333】
【数52】 および、秒あたりの加法乗法
【0334】
【数53】 によって与えられる。センサの5%以上が機能不良である場合、それに比例して
より多くの算術演算が必要とされることは明らかで、例えば、許容できる最悪の
ケースの数字である50%は、最高で前記の演算数の10倍を要する。既に述べ
たように、センサの50%以上が機能不良である場合、最初の50%だけが完全
に補償され、残りは単にそのデータがゼロ充填される。
【0335】 アレイ−形状補償 使用中におけるアレイ形状の変形から生じる性能の潜在的損失の多くは(すな
わち、アレイが作戦行動中の船舶に曳航されている場合)、アレイにおける各セ
ンサの位置を判定するモジュールを使用して回復することができる。この位置情
報に基づいて、各センサについて必要とされる時間遅延がSACMユニットによ
って再計算され、1次結合ユニットからアクセスされるメモリに格納される参照
用テーブルを新しい値に従って更新することができる。センサ位置の正確な測定
を各センサチャネルについて行うことができ、また選択されたセンサの測定を使
用してのみ位置を推定することができる。
【0336】 各音響センサまたはハイドロホンに、単一のヘッディング/深度センサを提供
するのが理想的である。これにより、センサ間の間隔の変化およびセンサの海抜
の変化を補償が可能になる。しかし、このような手法はコストが掛かるので、別
法では、各音響モジュールに提供されている単一のヘッディング/深度センサで
優れた精度でハイドロホンの位置を推定するために、スプラインのような多項式
補間曲線を使用することができる。このような手法でさらに精度を高めるには、
アレイが曳航される媒体の流体力学モデルに基づく評価を洗練するために、アレ
イ形状の時間−履歴を使用することができる。
【0337】 アレイ形状の変化をリアルタイムで補償する能力は、各1次結合ユニットに関
連付けられたセンサのセットのそれぞれをほぼ線形である(すなわち、センサの
サブユニットが空間的に固定している)と仮定することによってさらに高められ
る。したがって、各音響モジュールに関連付けられたセンサブロックだけがそれ
ぞれ相対的に移動し、各ブロックのセンサはそれぞれ相対的に固定していると仮
定する。これにより、必要となる個別計算数は、大幅に低減され、リアルタイム
のアレイ形状補償が実現する。
【0338】 ビームフォーマユニットの性能分析 前記ビームフォーマの性能を、機械的に生成された18ビット総合デジタル化
サンプルデータに対して評価するために、まず、32−センサ線形アレイに対す
るサンプリングレートは、4096Hzで与えられ、注目する最大時間周波数は
1024Hzによって与えられる、すなわちサンプリングレートの4分の1によ
って与えられると仮定する。上記説明のように、完全なハニングウィンドウ機能
、ブロック間における25%の重なり合わせ、補間ファクタ5を伴って、256
−サンプル入力データブロックが採用される。最悪のケースである、二乗平均(
RMS)補間エラーが、18ビット信号処理システムの量子化雑音レベルに対応
する103dBとして与えられる。補間エラーのレベルは、1オクターブ6dB
の割合で低下し、時間周波数を減少させる。
【0339】 ガウス白色雑音に埋め込まれた880Hzの単一トーンの存在が時間周波数内
容で優勢な状態で、32−センサアレイに対して120°の方位にある、遠距離
場のターゲットに対応してシミュレートされた数学的データのセットが、次いで
、ビームフォーマに入力される。
【0340】 32個のセンサのアレイは、アレイの一端付近に2つの機能不良センサのブロ
ックと、アレイ中央とアレイの他端の間に3つの機能不良センサのブロックを備
える。これら2つのブロックは、低い状態または高い状態で機能不良である。
【0341】 図12および13に、ビームフォーマによって形成されたビームへの機能不良
センサ検出/補償ユニットの適用が与える効果を示す。ビームフォーマの出力は
シェードされておらず、補間はFFTアルゴリズムの組を使用して周波数領域を
介して実行される。各図形は、1つは補償されていない出力に対するトレース、
もう1つは補償後の出力に対するトレースを示す2つのトレースを含む。出力ビ
ームは、統計的な信頼性をより高めるために、さらに線形補間とビーム空間にお
ける時間平均を受ける。
【0342】 図12に、アレイに100dBのSNRを有して入力データが「きれい」なと
きのビームフォーマの出力を示す。赤いトレースは、補償ユニットがスイッチオ
フの状態で生成され、青いトレースは、補償ユニットがスイッチオンの状態で生
成される。ビームが改善されているのが明らかに分かる。図13に、「ノイズの
ある」入力データのセットに対して明らかな同様の改善を示す。したがって、提
案されたシステムは、障害のあるセンサを備えたアレイを処理する能力があるこ
とを明らかに示している。
【0343】 最後に、一態様において、本発明は、アレイに完全なビームのセットを生成す
るために並列出力を結合する前に、着信センサデータを並列で処理するように構
成された複数の部分ビームフォーマを組み込むビームフォーミングのために、改
善された方法と装置を提供することにあることが、理解されよう。また、本発明
は、センサとサンプルデータの演算状況を判定するための手段と誤りのあるサン
プルを補償するための手段を与えることにもある。さらに、本発明は、ハードウ
ェアボードまたはユニットに存在する使用可能なメモリの量に適合するようにビ
ームを処理するために、個別ビームフォーミングサブユニットによって必要とさ
れる情報ブロックのサイズを調整することによって、高速かつ単純な方法を提供
することにある。ビームフォーマは、自己補償をし、形成されるべき広帯域また
は狭帯域を規定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)アレイに対して鋭角で入射する遠視野ビーム、および(b)近視野源か
らのビームに関して時間遅延値を加えることによるビームフォーミングの原理を
示す図である。
【図2】 広範囲のビーム視線をカバーする形成ビームの理想的なセットを示す図である
【図3】 本発明のいくつかの態様を実施するビームフォーマを使用する音響アレイシス
テム全体の概略図である。
【図4】 16個の1次結合ユニットを使用して960個の音響センサを処理するための
完全なビームフォーマの機能構築ブロック間の関係を示す図である。
【図5】 4つの1次結合ユニットのブロックと、それに関連する中間結合ユニットと、
SACMユニットとの機能関係の拡大図である。
【図6】 4つの中間結合ユニットと、最終ビームフォーム出力データを生成する最終結
合ユニットとの相互関係の拡大図である。
【図7】 センサからのサンプルデータが1次結合ユニットを介する流れと、1次結合ユ
ニットにアクセス可能なサンプルデータの時間履歴に関する記憶ブロックとして
の空間時間ストアの役割を示す流れ図である。
【図8a】 部分ビームデータを生成するために遅延和プロセスを適用する前に、補間デー
タを生成するようにサンプルデータが1次結合ユニットを介する流れを示す図で
ある。
【図8b】 SACMユニットによって生成される時間遅延およびシェーディング係数値を
使用するビームフォーマ内部にある補間データの順次処理を示す図である。
【図9】 1次結合ユニットの補間サブユニットによって処理するデータブロックのオー
バーラップを示す図である。
【図10】 補間前のブロック中のデータに対するHanningウィンドウの適用を示す
図である。
【図11】 空間および時間のアレイ中のサンプルデータの配置、および機能不良センサ検
出ユニットが処理するサブブロックにデータ行を細分割する方法を示す図である
【図12】 「低い」状態で故障した5つの機能不良センサを補償した後のプロトタイプビ
ームフォーマから得られる典型的な理論ビームフォーム出力を示す図である。
【図13】 「高い」状態で故障した5つのセンサがアレイ内に含まれる場合に得られた図
12と同様のトレースのセットを示す図である。
【図14】 基本ファクタ逆DFTアルゴリズムの行列実施を示すブロック図である。
【図15】 基本ファクタ逆DFTアルゴリズムの修正行列実施を示すブロック図である。
【図16】 逆Sinoスペクトル補間アルゴリズムの流れ図である。
【図17】 単一のデュアルノード処理ユニットを示す図である。
【図18】 ビームフォーマで実施されるSino計算エンジンを示す図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年10月10日(2000.10.10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ジヨーンズ,キース・ジヨン イギリス国、ドーシツトシヤー・デイ・テ イ・2・8・エツクス・ジエイ、ドーチエ スター、ウインフリス・テクノロジー・セ ンター、ビルデイング・エイ・22、ルー ム・177(番地なし) Fターム(参考) 5D019 AA02 BB19 FF02 5J083 AC07 AC28 AD02 BC02 BC12 BE42 BE43 BE57 CA12

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センサのアレイと組み合わせて使用するビームフォーマ技法
    であって、各センサが、測定量に応答して出力データサンプルのチャネルを生成
    するように構成され、 (a)m個のセンサからのデータサンプルのブロックを第1のストア手段に格
    納するステップと、 (b)第1のストア手段中のデータサンプルを分析して、センサからのデータ
    が誤りかどうかを判定するように解釈される統計量を生成するステップと、 (c)アレイ内の各センサの機能を示すエラーコードを第2のストア手段に格
    納するように構成された障害指示手段を提供するステップと を特徴とするビームフォーマ技法。
  2. 【請求項2】 サンプルデータが、メモリに格納されており、またm行のサ
    ンプルデータを備える空間時間ストアの形であり、各行が、当該のセンサからの
    時間的長さtのサンプルデータブロックに対応することを特徴とする請求項1に
    記載のビームフォーマ技法。
  3. 【請求項3】 ステップ(b)が、ストアの1行に格納されたデータをデー
    タのサブブロックに分割し、各サブブロックを分析して、個々のサンプルが誤り
    かどうかを判定するように解釈される統計量を生成する追加ステップを含むこと
    を特徴とする請求項1または2に記載のビームフォーマ技法。
  4. 【請求項4】 障害指示手段が、エラーコードをセンサ活動シーケンスにお
    いて格納し、センサ活動シーケンスが、一意のデータチャネルブロックに対応す
    るアドレスによって表されるいくつかのエラーコードを備えることを特徴とする
    請求項1から3のいずれか一項に記載のビームフォーマ技法。
  5. 【請求項5】 サブブロック中の積分されたサンプルの中央値を測定するス
    テップと、サブブロック中の個々の積分されたサンプル値を中央値と比較してサ
    ブブロックからのサンプルデータが誤りかどうかを判定するステップとを含む第
    1または初期の検出技法をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいず
    れか一項に記載のビームフォーマ技法。
  6. 【請求項6】 障害検出手段によって誤りと示されたデータサンプルを、該
    不良サンプルに隣接する正常サンプルから導出される推定サンプルで置き代える
    さらなるステップを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のビームフ
    ォーマ技法。
  7. 【請求項7】 誤りデータを生成する連続するセンサが所定最大数よりも多
    い場合に、サンプルデータのブロックをゼロ値で置き代える追加のステップを特
    徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のビームフォーマ技法。
  8. 【請求項8】 サンプルデータが時間とともにストアを横切って「リップル
    」するように、ストアの一端に新たなサンプルを追加し、ストアの他の時間的端
    部から古いサンプルを除去することによって、各サンプリング間隔でストアに含
    まれるデータサンプルを更新する追加のステップを特徴とする請求項1から7の
    いずれか一項に記載のビームフォーマ技法。
  9. 【請求項9】 第1または初期の検出プロセスを使用してセンサ活動シーケ
    ンスデータの初期セットを導出した後に使用される第2の検出プロセスをさらに
    含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のビームフォーマ技
    法。
  10. 【請求項10】 第2の検出プロセスが、各サンプルデータチャネルごとに
    、 (a)センサのアレイ全体に関する信号対雑音比を計算するステップと、 (b)1つのデータチャネルを除去し、チャネルが除去された後、残りのセン
    サの信号対雑音比を計算するステップと、 (c)2つの測定された信号対雑音比を比較するステップと、 (d)比較の結果に基づいて、サンプルチャネルが不良か否かを判定するステ
    ップと を含むことを特徴とする請求項9に記載のビームフォーマ技法。
  11. 【請求項11】 さらに、除去されたチャネルに関する信号対雑音比の値を
    、残りの正常に機能しているチャネルの値と比較することを含むことを特徴とす
    る請求項10に記載のビームフォーマ技法。
  12. 【請求項12】 ストアからの予め補間されているデータのブロックを使用
    して、個々のチャネルが、残りの正常に機能しているセンサチャネルの信号対雑
    音比と比較されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のビ
    ームフォーマ技法。
  13. 【請求項13】 リアルタイムで動作して、機能不良センサデータサンプル
    を検出し、推定データを計算して、ビームフォーミングルーチンへの入力前に誤
    りサンプルを推定データで置き代える請求項1から12のいずれか一項に記載の
    ビームフォーマ技法。
  14. 【請求項14】 センサのアレイと組み合わせて使用する自己補償ビームフ
    ォーマ装置であって、各センサが、測定量に応答して出力データサンプルのチャ
    ネルを生成するように構成され、 (a)m個のセンサからのデータサンプルのブロックを格納するように構成さ
    れた第1のストア手段と、 (b)第1のストア手段中のデータサンプルを分析して、統計量を生成するよ
    うに構成されたサンプル分析手段、および該データサンプルを解釈して、センサ
    からのデータが誤りかどうかを判定するように構成された解釈手段と、 (c)アレイ内の各センサの機能を示すエラーコードを第2のストア手段に格
    納するように構成された障害指示手段と を備える自己補償ビームフォーマ装置。
  15. 【請求項15】 さらに、空間時間ストアを規定するように構成されたメモ
    リ手段を備え、前記空間時間ストアがm行のサンプルデータを備え、各行が、当
    該のセンサからの時間的長さtのサンプルデータブロックに対応することを特徴
    とする請求項14に記載の自己補償ビームフォーマ装置。
  16. 【請求項16】 さらに、ストアの1行に格納されたデータをデータのサブ
    ブロックに分割する手段と、各サブブロックを分析して、個々のサンプルが誤り
    かどうかを判定するように解釈される統計量を生成するように構成された分析手
    段とを備える請求項14または15に記載の自己補償ビームフォーマ装置。
  17. 【請求項17】 障害指示手段が、エラーコードが格納されるセンサ活動シ
    ーケンスを規定し、センサ活動シーケンスが、一意のデータチャネルブロックに
    対応するアドレスによって表されるいくつかのエラーコードを備えることを特徴
    とする請求項14から16のいずれか一項に記載の自己補償ビームフォーマ装置
  18. 【請求項18】 さらに、サブブロック中の積分されたサンプルの中央値を
    測定するように構成された測定手段と、サブブロック中の個々の積分されたサン
    プル値を中央値と比較して、サブブロック中のサンプルデータが誤りかどうかを
    判定するように構成された第1の比較手段とを含むことを特徴とする請求項14
    から17のいずれか一項に記載の自己補償ビームフォーマ装置。
  19. 【請求項19】 さらに、不良サンプルに隣接する正常サンプルから推定サ
    ンプルを生成する手段と、不良サンプルを推定サンプルで置き換える手段とを含
    む請求項1から18のいずれか一項に記載の自己補償ビームフォーマ。
  20. 【請求項20】 さらに、各チャネルに関連して、 a)センサのアレイ全体に関する信号対雑音比を計算するように構成された計
    算手段と、 b)1つのデータチャネルを除去するように構成された除去手段とを備え、前
    記計算手段が、残りのセンサの信号対雑音比を計算するように構成され、さらに
    、 c)2つの測定された信号対雑音比を比較するように構成された第2の比較手
    段と、 d)比較の結果に基づいて、サンプルチャネルが不良であるか否かを判定する
    ように構成された処理手段と を備えることを特徴とする請求項1から19のいずれか一項に記載の自己補償ビ
    ームフォーマ。
  21. 【請求項21】 さらに、 a)ビームフォーミング前にサンプルデータを補間するように構成された補間
    手段と、 b)適切なデシメート係数をビームフォーマの出力に適用するように構成され
    たデシメート手段とを備え、デシメート係数が、関連する処理パラメータの数論
    的性質に依存し、それにより、データがセンサからサンプルされるレートと異な
    り、かつデータが補間されたレートと異なる出力レートでビームフォームデータ
    が生成される ことを特徴とする請求項14から20のいずれか一項に記載の自己補償ビームフ
    ォーマ。
  22. 【請求項22】 センサのアレイと組み合わせて使用するビームフォーマで
    あって、各センサが、測定量に応答して出力データサンプルのチャネルを生成す
    るように構成され、各ビームが、ビームフォーム出力サンプルのストリームとし
    て生成され、 (a)ビームフォーミング前にサンプルデータを補間するように構成された補
    間手段と、 (b)適切なデシメート係数をビームフォーマの出力に適用するように構成さ
    れたデシメート手段とを備え、デシメート係数が、関連する処理パラメータの数
    論的性質に依存し、それにより、データがセンサからサンプルされるレートと異
    なり、かつデータが補間されたレートと異なる出力レートでビームフォームデー
    タが生成される ビームフォーマ。
  23. 【請求項23】 センサのアレイと組み合わせて使用するビームフォーミン
    グ方法であって、各センサが、測定量に応答してデータサンプルのチャネルを生
    成するように構成され、 (a)ビームフォーミング前にサンプルデータを補間するステップと、 (b)適切なデシメート係数をビームフォーマの出力に加えるステップとを含
    み、デシメート係数が、関連する処理パラメータの数論的性質に依存し、それに
    より、データがセンサからサンプルされるレートと異なり、かつデータが補間さ
    れたレートと異なる出力レートでビームフォームデータが生成される ビームフォーミング方法。
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