JP2002524530A - Il−12を用いるカポジ肉腫の治療 - Google Patents

Il−12を用いるカポジ肉腫の治療

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Abstract

(57)【要約】 IL−12を用いてカポジ肉腫(KS)、特にエイズ関連KSを治療する方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、一般的には、インターロイキン−12(IL−12)を用いるカポ
ジ肉腫(KS)、詳細には、エイズ関連KSの治療に関する。
【0002】 発明の背景 同性愛男性におけるエイズに関連したカポジ肉腫に関する1981年の報告は
、これまで馴染みのなかった新生物疾患における興味を増大させた。この伝染病
に関連したKSは、古典的または風土性のアフリカの形態よりもはるかに爆発的
に広まり、一般的には、急速に進行する。エイズの状況下である場合、KSが進
行して内臓に至ることがあり、特に肺のKSはまれに死を引き起こす。そのうえ
、攻撃的な皮膚およびリンパ腺の感染は重大な死をしばしば引き起こす。ある点
において、KSは第2の最もありふれたエイズ決定疾患であった。しかしながら
、当該伝染病が成熟すると、エイズを構成するものは何かという定義が変化し、
患者における初期エイズを決定する疾患としてのKSの罹病率は低下してしまう
。しかしながら、KS症例の絶対数は増加し続け、現在、KSは、患者が別のエ
イズ決定疾患を有した後にしばしば発症する。白人の同性愛男性におけるものが
大部分であるが、HIV感染の危険のあるすべての群においてエイズ状況下にお
けるKSの分布は均一でない。実際、KSは同性愛またはバイセクシュアル男性
において、他のすべてのエイズ患者合計(3.9%)よりも7倍多い(27.3
%)。
【0003】 現在、KSに対する治療方法はない。抗レトロウイルス療法は、ある種の環境
において、KSの進行を遅延させ、あるいは部分的に逆行させうることを示唆す
るいくつかの証拠があるが、一般的には、この腫瘍には特殊な治療が必要である
。多くの様式が試みられ、種々の結果を生んでいる。インターフェロンアルファ
は、特に、皮膚に限定された疾患があり、T4細胞カウントが約200/mm3
以上である患者において良好な応答を得ることに有用であった。しかしながら、
この疾病は治癒されず、インターフェロンは、しばしばAZTと併用されて毒性
を発揮し、抗レトロウイルス療法を妨害しうる。目下のところ、種々の抗レトロ
ウイルス治療薬とともにインターフェロンを投与する試みの研究が進行中である
。局所的なKS傷害は放射線療法により有効に治療される。より攻撃的な傷害ま
たは内臓傷害は、一般的には、細胞毒性化学療法により治療される。種々の薬剤
を用いるKSの化学療法は腫瘍応答を引き起こし、そのことは重大といえる。し
かしながら、これらの応答は不完全で一時的な経口があり、しばしば短期間であ
る。また、これらの薬剤の多くは有意に骨髄抑制かつ免疫抑制と関連があり、患
者はしばしば長期間の治療に耐えられなくなる。さらに、これらの薬剤の多くを
用いる治療は、患者に日和見感染(OI)の傾向を付与しうる。
【0004】 KSの発症は完全には理解されていないが、脈管形成過程がKS傷害の開始お
よび進行に中心的役割を果たすことを示す実体的証拠がある。インビトロ培養さ
れたカポジ肉腫由来の細胞は、種々のオートクリンおよびパラクリン成長因子を
分泌することが示され、それらは脈管形成性能のあるものを含み、塩基性繊維芽
細胞成長因子(bFGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、血小板由来成長因
子(PDGF)およびインターロイキン−1(IL−1)が含まれる。これらの
同様な因子の多くは、スキャッター因子(SF)およびHIV−1 Tatのご
とき他の因子と同様に、KS由来の紡錘細胞(spindle cells)のインビトロで
の増殖を刺激することが示された。これらの同じKSは、ヌードマウスに皮下注
射された場合、マウス組織由来のKS様傷害の成長を誘導しうることが見出され
ている。さらに、同様の傷害が、bFGFおよびTatならびにTatおよびヘ
パリンの同時接種によっても誘導された。かくして、KS由来紡錘状細胞が分泌
する因子は単独またはTatとともに、KS様傷害の形成に関与しうることが明
らかである。さらに、マウスにおけるこれらの傷害の成長および発達は、メタロ
プロテイナーゼ−2の組織阻害剤(TIMP−2)またはテコガランのごとき抗
脈管形成活性を有する薬剤または化合物の全身投与により抑制されうる。
【0005】 内皮細胞ならびにKS紡錘細胞由来の細胞に関するデータが存在する。培養内
皮細胞は、活性化Tリンパ球によりインビトロで放出されたサイトカイン(イン
ビトロでKS由来紡錘状細胞の増殖を誘導する多くのサイトカインを包含)に曝
露された場合、紡錘状となる。さらに、これらの内皮細胞はインビトロにおいて
Tatの増殖効果に感受性となり、その様式はKS由来紡錘状細胞のものと類似
である。
【0006】 KSの発達を導く、提案されたサイトカインカスケードを開始させる最初の刺
激または因子は未知である。しかしながら、ヘルペス様ウイルス、仮にカポジ肉
腫ヘルペスウイルス(KSHV)またはヒトヘルペスウイルス−8(HHV−8
)と命名されたものが関与している可能性を示す文献が増えている。このウイル
スは、HIVに感染したKS傷害ならびに古典的およびアフリカのKSに存在し
、あるいは関連しており、KSのない患者よりもずっと高頻度で出現するという
報告があるが、体腔リンパ腫およびCastleman病のごとき他の多くの疾患におい
ても報告されている。さらに、KSHVがKS傷害の血管スペースに張り付いて
いる平坦な内皮細胞ならびに典型的なKS紡錘状細胞に存在するという報告があ
る。よって、KS発達に関する正確な機構および工程は不明であるが、脈管形成
がこの疾病の発症全体に中心的な役割を果たしていることは明らかである。
【0007】 研究により、CD4陽性Tリンパ球は2群に分類されることが示されている。
インターロイキン−2(IL−2)およびインターフェロン−ガンマを産生する
1型Tヘルパー細胞(TH1)、および主にインターロイキン−4(IL−4)
、インターロイキン−5(IL−5)、インターロイキン−6(IL−6)およ
びインターロイキン−10(IL−10)を産生する2型Tヘルパー細胞(TH
2)である1-4。一般的には、TH1細胞は細胞性の1型応答を媒介し、TH2細
胞は体液性の2型免疫応答に関与している。HIV感染状況下において、インタ
ーロイキン−2産生およびTH−1により媒介される他の反応が低下し、TH2に
より媒介される2型反応が促進され、1型優勢からのこの免疫応答の変化はHI
V感染の主な特徴となる5,6
【0008】 まとめると、エイズ関連KSは、エイズに関連した重大な新生物疾患であり、
疾病率が高く、死さえも引き起こすことがある。目下のところ、この疾患の治療
は最適なものがなく、より耐えやすい薬剤が必要でがある。上記のごとき、新た
な脈管形成がKSにとり重要であるとの証拠がある。このため、脈管形成の抑制
はKS患者に有益でありうる。後で説明するように、インターロイキン−12(
IL−12)は強力な抗脈管形成活性を有し、TH1免疫応答を実質的に刺激し
うることが示された。
【0009】 インターロイキン−12(IL−12)は、活性化T細胞およびナチュラルキ
ラー(NK)細胞の増殖を促進すること;細胞毒性T細胞およびNK細胞の活性
を促進すること;ならびにインターフェロン−ガンマ(IFN−γ)産生を誘導
することが示されている7。また、臨床前モデルにおいてIL−12は抗腫瘍お
よび抗転移活性を有する8。さらに、IL−12はTH1細胞の成長および分化を
可能にし、その一方でTH2活性を抑制することも示されている。Tヘルパー細
胞分化に対するIL−12のかかる効果は、HIV感染患者由来のT細胞におけ
るHIV特異的細胞により媒介される免疫応答をエクスビボにて回復させること
も見出されている。
【0010】 より最近になって、Voestらは、IL−12が強力な抗脈管形成剤であると報
告した11。さらに彼らは、IL−12の抗脈管形成活性はIFN−γの誘導を介
して媒介されることも見出した。次いで、Angiolilloらは、ヒトインターフェロ
ン誘導可能蛋白10(IP−10)(IFN−γにより誘導されるケモカイン)
がインビボにおける脈管形成の強力な阻害剤であることを報告した12。それゆえ
、IL−12の抗脈管形成活性は、それが局所的なIFN−γ産生を誘導するこ
とによるものであり、その結果IP−10産生がアップレギュレーションされう
ると思われる。かくして、IL−12は、インビボにおいて強力な抗脈管形成活
性を有すること、ならびにTH1活性を選択的に促進することが示された。
【0011】 Foliらは、最近、インビトロにおけるHIV複製に対するIL−12の効果に
つき報告した13。彼らは、7日間の培養でHIV p24の産生を調ることによ
り、IL−12がインビトロにおいて、前以て刺激された、新鮮末梢血単核細胞
(PBMC)中のHIV複製を誘導したことを示した。このIL−12により誘
導されたHIV複製はIL−1、IL−2、腫瘍壊死因子−アルファまたはベー
タによるものではなく、刺激された培養物中のDC4の選択的消失に関連してい
た。しかしながら、IL−12は単球/マクロファージにおいてはHIV複製に
対してほとんど影響しないか、あるいは影響しなかった。結局、彼らは、IL−
12により誘導されたHIV複製増加は、ジデオキシヌクレオシドAZT、dd
IおよびddCにより抑制されうることを示した13。よって、全身投与されたI
L−12が感染患者(特に抗レトロウイルス療法を行っていない患者)中のHI
V複製を増加させうる可能性がある。
【0012】 種々の用量およびスケジュールでIL−12を静脈注射または皮下注射する多
くのフェーズIおよびフェーズII試験が行われている。多くの毒性が記録され
た。これらの毒性には、発熱および全身性徴候、悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、
胃痛、消化不良、およびguiac陽性便、貧血および場合によりPTおよびPTT
の増加を伴う白血球、リンパ球、好中球および血小板カウントの一時的減少;血
清グルコース値の一時的上昇およびあまり頻繁ではないが高血糖;用量依存性の
SGOT、SGPT、アルカリ性ホスファターゼおよびビリルビンの上昇;呼吸
困難、血尿、血清クレアチニン上昇、血中ウレア窒素上昇、および尿量過少、混
乱、不安、めまい、不眠、緊張低下、神経質、傾眠、およびふるえ;低血圧およ
びある程度の末梢浮腫;皮下注射部位の紅斑およびかゆみ(自然に消失);なら
びに甲状腺刺激ホルモン(TSH)増加が包含される。
【0013】 IL−12投与中に6人の患者が死亡し;うち4人は疾病の進行によるもので
あり、2人はIL−12によるものであった。IL−12に関連すると思われる
2人の死はいずれも、1日500ng/kgのIL−12を一週間に5日間(3
週間にわたり)静脈注射して腎臓細胞カルシノーマを治療している患者における
ものであり、フェーズII試験において発生した。1人の患者はサイクル1の1
0日目に、胃腸血流低下により死亡し、もう1人はサイクル1の23日目に多発
性器官不全で死亡した。IL−12の毒性プロファイルは非常にスケジュール依
存的であり、フェーズII試験での投与量がスケジュールにしては多過ぎたため
であると、最終的に決定された。詳細には、初期のフェーズIでの研究にはIL
−12を1回投与し、次いで、多数回投与を行ったが、フェーズII試験では初
めの1回投与を行わなかった。まだ不明の機構により、この初めのIL−12投
与がある種の耐性を発生させ、その後の投与の毒性を減じたことを示唆するデー
タがある。
【0014】 HIV感染患者(各人は、100〜300個のCD4細胞/mm3または30
1〜500個のCD4細胞/mm3)にIL−12を皮下注射する、1回投与、
プラシボ対照フェーズI試験に関するデータがある。投与レベルの研究は3、1
0、30、100、300および1000ng/kgとした。1000ng/k
g用量で観察された毒性(疲労、胃痛、アミノトランスフェラーゼ上昇および高
ビリルビン血症)に基づいて、最大耐性用量(MTD)は300ng/kgであ
ることがわかった。いずれの対象においてもCD4またはCD8細胞カウントま
たは血漿ウイルス血症(分枝DNAアッセイにより測定)の臨床的に有意な変化
はなかった。しかしながら、100ntg/kgよりも多い用量を投与された患
者においてインターフェロンγおよびネオプテリンレベルの一時的上昇が見られ
た。
【0015】 100ないし500個のCD4細胞/mm3を有するHIV感染患者における
IL−12についてのフェーズI/II二重盲検、ランダム化、プラシボ対照、
多中心、用量増加的研究は1995年11月に開始された。インターロイキン−
12は皮下注射により1週間に2回、12週間にわたり投与された。研究した投
与レベルは30、100、300および500ng/kg/IL−12注射であ
った。24人の患者が各投与群に参加(18人にIL−12投与、6人にプラシ
ボ投与)させて、20人の患者が少なくとも4週間の試験投薬期間を完了するよ
うにした。全部で26人の患者が30ng/kg投与レベルに参加した。4人の
患者を安全性以外の理由で脱退させた。13人の患者は12週間の治療を完了し
た。30ng/kg用量は十分に耐えられた。現在に至るまで、研究投薬に関す
る重大な悪影響または用量制限的毒性は報告されていない。100ng/kgレ
ベルまでの用量増加を行い、この投与レベルに10人の患者を参加させた。 それゆえ、IL−12投与によるKS治療を行うことが望ましいであろう。
【0016】 発明の概要 本発明は、哺乳動物対象におけるカポジ肉腫の治療方法を提供し、該方法は、
治療上有効量のIL−12または生物学的に活性のあるそのフラグメントもしく
はサブユニットを対象に投与することを含む。 他の具体例において、本発明は、哺乳動物対象のカポジ肉腫に関連した傷害に
おける脈管形成を抑制する方法を提供し、該方法は、治療上有効量のIL−12
またはその生物学的に活性のあるフラグメントもしくはサブユニットを対象に投
与することを含む。 好ましい具体例において、治療される対象はエイズを有する。他の好ましい具
体例において、IL−12を蛋白として、あるいはIL−12をコードするDN
Aの形態として投与する。 さらなる他の好ましい具体例において、IL−12蛋白を100〜1000n
g/対象体重1kg、好ましくは、300、500、625および750ng/
対象体重1kgからなる群より選択される用量で、最も好ましくは300ng/
対象体重1kgの用量で投与する。 本発明の他の態様および利点は、以下の本発明の好ましい具体例の詳細な説明
を考慮すれば明らかであろう。
【0017】 発明の詳細な説明 インターロイキン−12(IL−12)は、はじめはナチュラルキラー細胞刺
激因子と呼ばれたヘテロダイマーサイトカインであり、例えば、M. Kobayashi e
t al., 1989, J. Exp. Med. 170: 827に記載されている。IL−12は天然ソー
スから精製でき、化学合成により製造でき、あるいは好ましくは、組み換えDN
A法、例えば1990年5月17日公開の国際特許出願WO90/05147(
欧州特許出願第441900号でもある)(参照により本明細書に一体化させる
)に詳述されている組み換え宿主細胞においてIL−12を発現させ、単離する
ことにより製造する。ヘテロダイマーであるヒトIL−12の30kDおよび4
0kDサブユニットのDNAおよびアミノ酸配列は上記国際特許出願および米国
特許第5571515号(参照により本明細書に一体化させる)に記載されてい
る。組み換えヒトおよびネズミIL−12の研究室的な量も、Genetics Institu
te, Inc., Cambridge, Massachusettsから入手可能である。
【0018】 本明細書の用語「インターロイキン−12」または「IL−12」は、インタ
ーロイキン−12、IL−12アジュバント活性を有示すその個々のサブユニッ
ト、フラグメント、IL−12をコードするポリヌクレオチド、ならびに「イン
ターロイキン−12」または「IL−12」の機能的同等物をいう。 治療上有効量のIL−12とは、投与された場合、(1)KS症状を減少させ
る(1またはそれ以上のKS傷害の数、再発、拡張またはサイズを減少させるこ
とを包含するが、これらに限らない)、あるいは(2)1またはそれ以上の存在
しているKS傷害または新たなKS傷害の形成部位における脈管形成を減少させ
る量をいう。宿主に投与されるIL−12量は、種々の他の要因(使用抗体、宿
主の体の大きさ、体重、全身的健康状態、性別および食事、投与期間、ならびに
治療すべきKS傷害の個々の性質を包含)に応じて変化させられるであろう。一
例として、望ましくは、治療上有効量のIL−12ポリペプチドは、患者の体重
1kgあたり約10ngないし約1000ng(好ましくは、約100ngない
し約750ng、あるいは約100ngないし約300ng、あるいは約300
ngないし約500ng、あるいは約500ngないし約750ng)である。
いずれの患者に対しても有効量は、IL−12の効果および毒性のバランスを取
ることにより容易に決定されるであろう。確立された用量範囲の調節および取り
扱いは十分に当業者の能力の範囲内である。
【0019】 種々の経路でIL−12を宿主に投与することができる。投与経路は皮内、経
皮(例えば、除放性ポリマーにより)、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、経口、
経耳、硬膜外、肛門または膣(例えば、坐薬により)ならびに鼻腔内経路を包含
するが、これらに限らない。他の便利な投与経路、例えば、輸液またはボーラス
注射、または表皮または粘膜からの吸収を用いてもよい。特に好ましい投与経路
は、患者が家で都合よく自分で投与できる経路であり、例えば、皮内、経皮(例
えば、除放性ポリマーにより)、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、経口、経耳、
硬膜外、肛門または膣(例えば、坐薬により)ならびに鼻腔内経路を包含するが
、これらに限らない。さらに、他の成分または生物学的に活性のある薬剤、例え
ば種々の抗ウイルス剤(例えば、ヌクレオシドアナログ逆転写酵素阻害剤、非ヌ
クレオシド逆転写酵素阻害剤、および/またはプロテアーゼ阻害剤)または種々
の抗新生物剤または化学療法剤(例えば、非環状ヌクレオシドホスホネート、ア
ドリアマイシン、ブレオマイシン、および/またはビンクリスチンを個々にある
いは混合して)またはトレチノインのごとき他の生物学的に活性のある薬剤とと
もにIL−12を投与することができる。他の医薬上許容される成分をIL−1
2とともに投与してもよく、例えば、グリセリドのごとき界面活性剤、ラクトー
スのごとき賦形剤、担体、希釈剤、およびビヒクルとともに投与してもよい。所
望ならば、ある種の甘味料、香料および/または着色料を添加してもよい。
【0020】 さらに、IL−12をコードするポリヌクレオチドを宿主中でインビボ発現さ
せることによりIL−12を投与することができる。ポリヌクレオチド、好まし
くはDNA形態のものを患者にデリバリーしてIL−12を発現させてもよい。
いわゆる「裸のDNA」を用いてIL−12を宿主においてインビボで発現させ
てもよい(Cohen, J., 1993, Science 259: 1691-1692; Fynan, E. et al., 199
3, PNAS USA 90: 11478-11482; およびWolff, J. A. et al., 1991, Biotechniq
ues 11: 474-485には、「裸のDNA」の類似の使用が記載されている。これら
を参照により本明細書に一体化させる。)。
【0021】 ポリペプチド形態のIL−12を患者にデリバリーするためのさらに他のモー
ドは当業者に知られており、記載されたようにしてIL−12ポリペプチドと同
様に用いることができる。例えば、IL−12をコードするポリヌクレオチドを
ベクターの一部として、あるいはプロモーター配列の作動可能に連結したIL−
12をコードする配列を含有するカセットとして投与してもよい(例えば、19
94年1月20日公開の国際特許出願PCT WO94/01139参照。参照
により本明細書に一体化させる。)。簡単に説明すると、IL−12蛋白をコー
ドするDNAまたはその所望フラグメントを核酸カセットに挿入してもよい。こ
のカセットを処理して、発現すべきIL−12配列の他に、ベクター中への挿入
を可能ならしめる他の所望フランキング配列が含まれるようにしてもよい。次い
で、適当なベクター中の、IL−12配列のインビボでの複製および発現を指令
できるプロモーター、mRNAリーダー配列、開始部位および他の調節配列の下
流にこのカセットを挿入する。発現させるべきコーディング配列の下流にさらな
る調節配列を挿入してもよい。このベクターは、宿主中でのIL−12ポリペプ
チドのインビボ発現を可能にする。 本明細書にて引用した特許および文献を、参照により本明細書に一体化させる
【0022】 下記実施例は本発明の具体例を説明するものであるが、開示範囲を限定するも
のではない。 実施例1−エイズの臨床的治療−IL−12を用いるエイズ関連KSの治療 本願の出願時に、National Cancer Instituteにおいて下記の臨床プロトコー
ルが完了または遂行中である。以下において現在形または未来形を使用すること
があっても、報告された手順はすでに行われたものであるか、または実際に遂行
中のものである。 適格性の評価および参加 下記判断基準に従って患者の適格性を評価して参加させるか否かを決定する。
【0023】 参加させるための判断基準 ・HIV感染を有し、生検によりカポジ肉腫(KS)が確認された患者であって
、非侵襲的方法により評価される疾患を有し、余命3カ月以上の者。 ・ELISAおよびウェスタンブロットにより測定した場合、すべての患者はH
IVに対する血清抗体を有していなければなららい。 ・患者は通院しなくてはならず、Karnofsky作業状態(performance status)は
少なくとも70である。 ・すべての患者は、以下のものの2種またはそれ以上の組み合わせからなる抗レ
トロウイルス治療薬を一定量投与されていなくてはならない:AZT、ddI、
ddC、3TC、d4T、サキナビル、リトナビル、インジナビル、非ヌクレオ
シド逆転写酵素阻害剤、または別のプロテアーゼ阻害剤。他の治療薬での治療は
、ケアのコミュニティースタンダードが考慮される限り可能である。患者はこの
治療規則を4週間受けた後、IL−12で治療される。 ・患者は少なくとも18歳であり、インフォームドコンセントを受けうる者でな
くてはならない。 ・出産可能性のあるすべての患者は、研究中およびその後2カ月間は医学的に許
容される産児制限に同意しなくてはならない。 ・すべての患者において全ビリルビン≦3.7md/dl、直接フラクション≦
0.2mg/dl、かつ間接フラクション≦3.5mg/dlであり、これらの
異常はプロテアーゼ阻害剤での治療によると思われる者。
【0024】 排除のための判断基準 ・投与期間中妊娠または妊娠可能性のある者。出産可能性のあるすべての女性患
者は研究開始から2週間以内に妊娠テスト陰性でなければならない。出産可能性
のあるすべての患者は研究中およびその後2カ月間は医学的に許容される産児制
限に同意しなくてはならない。さらに、授乳中の患者は研究には参加させない。
この点において、授乳の大きな危険性はHIVの子孫への伝染であり、さらに研
究を行うことは危険であることに注意すべきである。 ・他の治療に応答しうる肺のKSまたは生命を脅かす急性のKSを有する患者は
不適格である。さらに、実際に授乳中または重症のKSを有する患者は、Princi
pal InvestigationまたはStudy Chairpersonの判断においてこれらの傷害が患者
に直接的危険を及ぼすものである場合、不適格とされうる。 ・以下の血液学的異常のいずれか有する者: 1.Hb<9.0gm/dlまたは研究開始前1カ月以内に輸血を受けた者 2.絶対好中球カウント(ANC)<750個/mm3である者 3.血小板カウント<75000個/mm3である者 4.APTTまたはPT>対照の120%である者 ・肝硬変の病歴のある者または現在肝機能不全である者であって、 1.全ビリルビン>2mg/dl 2.AST/GOT>正常上限の2.5倍である者 ・血清クレアチニン>1.5mg/dLであり、クレアチニンクリアランス<6
0mL/分と評価または測定された者。 ・臨床的に有意な自己免疫疾患(すなわち、自分自身に対する抗体および/また
は免疫学的応答により引き起こされる疾患、例えば、全身性エリトマトーデス)
、および/またはリューマチ性疾患を有する者 ・実際に肉眼で見える胃腸からの出血のある者または制御できない消化性潰瘍を
有する者 ・炎症性大腸炎の病歴を有する者 ・KS以外の悪性腫瘍の過去または現在の病歴を有する者(治療中止後1カ月異
常たって完全に沈静化した患者、または完全に切除された基底細胞癌またはin s
ituでの頸部偏平上皮癌を有する者を除く) ・研究開始前2週間以内に重症または生命を脅かす細菌、ウイルス、真菌、原生
動物または寄生病原体に感染した者。一般的には、研究開始前10日以内に39
℃以上の発熱がある者は不適格である。ただし、発熱が重大な感染によるもので
ないことが確認できた者は除く。 ・他の異常を有する患者、ただし、グレード3の毒性と評価されたリンパ球減少
またはKSの直接的症状を除く(下表1参照)。 ・IL−12またはIL−12と交差反応することが知られている他の化合物に
対する既知の過敏症を有する者。 ・患者はいかなる理由であっても、過去にIL−12を投与されていてはならな
い。また、最近6カ月以内にスラニンでの治療を受けた者;3週間以内に細胞毒
性化学療法剤での治療または化学療法規則(マイトマイシンCまたはニトロソウ
レアを6週間)を受けた者、インターフェロン、他の全身的な抗KS治療または
治療規則、放射線治療、または局所的治療(局所的注射)を受けた者;最近6週
間以内にサイトカインまたは骨髄刺激因子(エリスロポイエチン(Epo)以外
)での治療を受けた者;最近2週間以内に免疫応答に影響するに十分な量の全身
的なグルココルチコイドソテロイドでの治療を受けた者。一般的には、このこと
は、20mg以上のプレドニソンを1週間以上にわたり投与するのと同等である
。置換グルココルチコイド療法は許される。アンドロゲンまたはミネラルコルチ
コイド療法はうまく行かないが許される。 ・インフォームドコンセントを受け入れられない、あるいは無防備な性交渉また
はHIV再感染を引き起こす可能性のある他の行動をしない意志のない者。 ・Principal InvestigatorまたはStudy Chairpersonの意見において、この研究
に患者を参加させることが不可能であろうといわれる医学的症状を有する者。
【0025】 研究適格性の評価 研究開始14日以内に前治療での評価を行い、これには完全な病歴、システム
の検閲、および医学的試験が含まれ、神経学的試験および神経学的病気に特に注
意を払う。患者がスクリーニングから48時間以内に治療開始できる場合、研究
参加時点で以下の研究を繰り返す必要はない。スクリーニング研究は以下のもの
を包含する: ・HIV血清学 ・急性ケアパネル ・肝臓パネル ・ミネラルパネル ・CPK、尿酸、アミラーゼ、リパーゼ、LDH ・CBC、diff(自動リンパ球計数)、レチックカウント(retic count)
、ESR ・APTT、PT、スロンビン時間(TT)、フィブリノーゲン ・尿分析 ・妊娠試験(女性の場合) ・EKG ・胸部X線 ・FACS−CD4、CD8、RAおよびROT細胞を包含(4本の頭部が緑の
10cc試験管はSIAC,Frederick,MDに。あらかじめスケジュールを立てて、正
午までに採取。同時にCBCおよび自動分別を行う必要がある。) ・頭部が赤い試験管を保存用にFrederick,MDへ。 ・頭部が黄色い試験管を結晶HIV−1−RNA−PCR用に(SIAC, Frederic
k,MDへ)
【0026】 患者の登録 各患者はPrincipal Investigator(Yarchoan博士)またはStudy Chairperson
(Pluda博士)と話し合う。患者が適格であると決定されたならば、インフォー
ムドコンセントを患者から得て、NCI−IRBにより認証されたインフォーム
ドコンセントの署名された声明文により文書化される。患者担当医師はOrkland
Co.に電話することによってMedicine Branchプロトコールオフィスで患者を登録
しなくてはならない。さらに、Orkland Co.は患者をプロトコールから解放する
際に同じ電話番号に電話する。最初の投与前に、病歴および全身的な医学試験結
果および適当ならば陰性の妊娠試験結果が、患者のKSの評価とともに記録され
る。 最大患者数:55人
【0027】 研究の実施 この研究は、3種の高投与量のIL−12をHIV関連KS患者に継続して与
えるパイロット試験として設計されている。各用量に対する耐性に関する情報を
収集し、さらにかかる患者に投与した場合のIL−12活性に関する予備的な情
報も収集する。また、HIV関連KS患者に投与した場合のIL−12の免疫学
的およびウイルス学的効果に関するデータも収集する。 患者は皮下注射(SC)によりIL−12を毎週2回与えられる。患者に高用
量のIL−12(100ng/kg/回、300ng/kg/回、500ng/
kg/回、625ng/kg/回、および750ng/kg/回)を継続して与
える。しかしながら、用量を毒性に応じて変更しない場合、患者内の用量上昇を
伴わずに一定量のIL−12を患者に与える。最初の12週間まで患者にIL−
12を投与してもよい。前以て、12週間後に安定または良好な臨床的KS応答
を示した患者にはさらに16週間投与することができる(28週間の全治療期間
)。有益な抗腫瘍または免疫学的効果が観察され、治療28週後にも継続してい
るので、18カ月(1年半)まで薬剤投与期間を延長するように修正される。さ
らなる患者を、耐えることのできるより高用量のIL−12で治療して、HIV
関連KS患者におけるIL−12活性を調べてもよい。
【0028】 最初に、3ないし6人の患者を各用量レベルに参加させる。さらに10人まで
の患者を最大耐性用量に参加させて、この用量レベルに対する耐性を確認し、こ
の患者集団におけるIL−12活性についての試験的データを得る。薬剤毒性以
外の理由で最初の4週間の治療を完了しなかった各用量レベルの元の6人の患者
のうち3人までを入れ替えてもよい(最大全患者数55人まで)。患者には危険
な状態の肺炎または実際に出血しているKS傷害があってはならない。
【0029】 用量制限的毒性が観察されない限り、3人の患者において投与レベルを連続的
に上昇させてもよい(下記「毒性判断基準」参照)。ある投与レベルにおいて最
初の3人の患者のうち1人に用量制限的毒性が観察された場合、そのレベルでさ
らに3人の患者を治療して用量制限的毒性がないことを確認してから用量の増加
を行わなくてはならない。ある用量において2人に用量制限的毒性が観察された
場合、最大耐性用量は越えられている。全部で少なくとも6週間は初期レベルで
治療してその耐性を確認することが望ましい。 最大耐性用量を、プロトコールの一部として投与される最大用量レベルとして
定義する(6人中1人または6人中0人の患者(例えば、1/6以下の患者)が
用量制限的毒性を経験したことになる)。最大耐性用量レベルを決定したならば
、さらに10人までの患者をこの用量レベルに参加させて、耐性およびこの用量
レベルの毒性をよりよく決定し、HIV関連KS患者におけるIL−12活性を
予備的に調てもよい。IL−12を投与するこの研究または他の研究を行った後
に、最大耐性用量以下の用量レベルに対してさらに患者を保証してもよい。これ
を行う場合、さらなる患者が最大耐性用量以下の用量レベルでの研究に参加する
ようにプロトコールを修正する。
【0030】 薬剤投与 通院患者において患者の評価および薬剤投与を行う。しかしながら、医学的に
必要な場合には、合併症の評価を許可することが必要である。患者は、IL−1
2の最初の投与を受け、投与後1時間観察される。NCI Outpatient Cancer Cent
er (Day hospital)において引き続きIL−12を投与されるか、あるいは看護
婦またはヘルスケアのプロフェッショナルにより家庭で投与される。 3群の患者にIL−12の1回投与を1週間に2回(少なくとも3日あける)
皮下注射(SC)により行う。IL−12投与量は: レベル1 1週間に2回、100ng/kg/回 レベル2 1週間に2回、300ng/kg/回 レベル3 1週間に2回、500ng/kg/回 レベル4 1週間に2回、625ng/kg/回 レベル5 1週間に2回、750ng/kg/回 はじめに3〜6人の患者を各用量レベルに参加させる。
【0031】 各用量レベル内のIL−12を12週にわたり患者に投与する。各用量3人ま
での患者(毒性以外の理由により治療完了4週間前までに研究から除かれた患者
)を、Principal InvestigatorまたはProtocol Chairpersonの裁量により入れ替
えてもよい。 個々の用量レベルにおいて少なくとも3人の患者が用量制限的毒性を示すこと
なく最初の4週間のIL−12投与を完了した後、引き続き患者を次のより高い
用量レベルに参加させる。 最大耐性用量レベルを決定したならば、さらに10人までの患者をこの用量レ
ベルに参加させて、耐性およびこの用量レベルの毒性をよりよく決定し、HIV
関連KS患者におけるIL−12活性を予備的に調てもよい。 まず、12週間後に安定または良好な臨床的KS応答を示した患者にはさらに
16週間投与することができる(28週間の全治療期間)。有益な抗腫瘍または
免疫学的効果観察され、治療28週後にも継続している場合、18カ月(1年半
)まで投与するように修正される。 最大耐性用量レベルを投与される少なくとも6人の患者に関して、マーカー傷
害ではない皮膚のKS傷害に隣接した部位にIL−12を注射する試みを行う(
マーカー傷害の定義については、後の「カポジ肉腫の評価」のセクション参照)
【0032】 治療の変更 グレード4以下のトランスアミナーゼ上昇を除き(下表1参照)、用量制限的
毒性を経験している患者(定義については後で示す「毒性判断基準」のセクショ
ン参照)を次の最低用量レベル(レベル1の患者に対する初発用量の50%)で
再治療してもよいが、薬剤投与停止4週間以内に毒性がグレード1以下に解消す
ることが条件である。IL−12投与停止から4週間以内に毒性が解消しなかっ
た患者、または低用量で用量制限的毒性が再発した患者を研究から外す。グレー
ド4以下の用量制限的トランスアミナーゼ上昇(上記のごとく解消する)を示す
患者を同じ用量のIL−12で再治療する。用量制限的肝臓毒性が再発し、上記
のごとく回復したならば、次の最低用量で再治療する。この低用量において用量
制限的肝臓トランスアミナーゼ毒性が発生した患者を研究から外す。 メレナを発症あるいは肉眼で認められる血便をした患者は、適当な評価が得ら
れるまでIL−12を中止する。
【0033】 オンスタディ(On Study)評価 治療開始前に下記ベースライン研究を行う(患者がスクリーニングから48時
間以内に治療されている場合、上記「研究適格性の評価」に記載したスクリーニ
ング評価を繰り返す必要はない)。 ・急性ケアパネル ・肝臓パネル ・ミネラルパネル ・甲状腺機能試験(TSH、TT4) ・CPK、尿酸、アミラーゼ、リパーゼ、LDH、β−2−ミクログロブリン ・CBC、diff(自動リンパ球計数)、レチックカウント、ESR ・APTT、PT、スロンビン時間(TT)、フィブリノーゲン ・尿分析 ・妊娠試験(女性の場合) ・FACS−CD4、CD8、RAおよびROTを包含(4本の頭部が緑の10
cc試験管はSIAC,Frederick,MDに。あらかじめスケジュールを立てて、正午ま
でに採取。同時にCBCおよび自動分別を行う必要がある。) ・EBV抗体、CMV抗体 ・B型肝炎SAg、B型肝炎SAb ・C型肝炎抗体 ・RBCフォーレート、ビタミンB12、鉄、トランスフェリン、VDRL ・頭部の赤い試験管を保存用としてFrederick,MDへ ・40ccヘパリン処理血液(頭部が緑の試験管に入れて)を免疫学的試験のた
めに取る(マイトジェンおよび抗原に応答したTH1/TH2プロファイルおよび
IL−2産生)(Gene Shearer博士、部屋番号5A31に送る) ・20ccまでの血液をウイルス学的試験、細胞系の確立、血液学的パラメータ
調査または試験遂行中重要となる研究用に取ってもよい(研究者が遺伝学的/家
族的マーカーに興味を持ったならば、この研究を行うようにプロトコールを修正
してIRBに戻る)。 ・IgEを含むイムノグロブリンレベルの定量 ・頭部が黄色い試験管を血漿HIV−1 RNA−PCR用に保存(SIAC, Frede
rick, MDに送る) ・頭部が赤い試験管を血清インターフェロンガンマ、IP−10、bFGF、V
EGFおよびIL−6用にする。これらの試験管のうち1本を採血後即座に氷上
に置く(Yarchoan博士の研究室、部屋番号5A25に送る)。 ・20ccの尿をbFGF用に取る(Yarchoan博士の研究室、部屋番号5A25
に送る)。 ・EKG CXR;可能な場合には胸部CT(臨床的シナリオまたはCXRの結果が肺のプ
ロセス示唆した場合にCTが必要) ・他の研究(内部腫瘍を評価し測定する場合)
【0034】 患者を研究に参加させることができるためには生検により証明されたKSが必
要である。(患者は検査用に外部生検スライドを持ち、あるいはスクリーニング
過程での生検を持っている)。さらに、容易にアクセス可能な皮膚傷害、正常皮
膚の生検、あるいは胸腔液または腹水試料を、細胞系の確立および陽性のKS関
連ウイルスの同定のごとき研究目的で得てもよい。かかる試料採取を拒絶した場
合、患者は研究に参加しない。
【0035】 カポジ肉腫の評価 研究を開始したらベースラインの全身写真を得る。この時点で、患者の疾病を
表し、できれば体の別々の部分に存在する5つの傷害(以下、マーカー傷害とい
う)を選択する。マーカー傷害は、放射線療法または傷害内注射のごとき局所的
治療を受けていないものであるべきである。ものさしを横に置いてこれらの傷害
の詳細な写真を取る。これらの傷害のサイズ、色および結節を各外来時に記録す
る。全部で50個以上の傷害がある場合、20個以上のKS傷害を有する身体の
1〜3箇所の典型的な領域(後の「応答判断基準」のセクションも参照)を選択
する。「マーカー」傷害が身体の典型的領域とそれ以外の部分に分散するように
する。臨床的に必要ならば研究開始時に放射線科学的研究を行う。全身のKS傷
害の評価を以下のようにして行う: 研究開始時に患者を評価して、50個またはそれ以上の傷害を有するかどうか
を調べる。 (1)開始時に50またはそれ以上の傷害を有する患者については、ベースライ
ンにおいて1〜3カ所の典型的な領域を選択し、それぞれ以後の評価に使用する
。典型的な領域は少なくとも20個のKS傷害を有する身体の部分である。これ
らの典型的領域の傷害の合計数を計数し、平坦なものか隆起したものかを記録す
る。治療過程において1個の傷害が2個またはそれ以上の小さい傷害に分裂した
場合(その領域が元の傷害の境界を越えて拡張しない場合)、治療に対する応答
を調べる際の全数を評価する目的で、これらの傷害をやはり1個として計数する
。 (2)開始時に50個未満の傷害を有する患者については、傷害の全数を計数し
、平坦なものか隆起したものかを記録する。
【0036】 治療フェーズおよびフォローアップ 一般的評価 最初の6週間の治療期間中週に1回、病院において患者を評価
し、その後、研究期間中2週間ごとに評価する。評価は外来において、対象とす
る徴候(頭痛、吐き気、嘔吐、下痢、腹部不快感、食欲、ふるえ、寝汗、筋肉お
よび関節の痛み、集中力、まひ、ならびに情緒および神経学的状態)につき行う
。目的とする徴候は、完全な身体的試験、体重変化、および発熱を包含する。体
温および体重を外来ごとに評価する。
【0037】 カポジ肉腫の評価 外来ごとの評価: 外来ごとにマーカー傷害を調べ、サイズ、色および結節を
記録する。 4週間ごとに評価する: (1)マーカー傷害を調べ、サイズ、色、および結節を記録し、傷害の全数(患
者がベースラインにおいて50個未満の傷害を有する場合)またはすでに決定さ
れた典型的領域中の傷害の数(患者が50個以上の傷害を有する場合)を、「カ
ポジ肉腫の評価」のセクションに記載のごとく4週間の治療期間が終了するたび
に、ならびに治療終了時または患者が研究から脱退したときに計数する。 (2)8週間の治療期間が終了するたびに、ならびに治療終了時または患者が研
究から脱退したときに全身のマーカー傷害の写真を取る。適当ならば、放射線科
学的研究を8週間ごとに(あるいは臨床的に必要ならば、もっと頻繁に)、なら
びに治療終了時または患者が研究から脱退したときに行う。 KS傷害に隣接した部位にIL−12注射する患者について、傷害を写真に取
り、調べ、その結節および色を記録してから、治療を開始する。傷害に隣接した
部位に注射を行っている限り、外来ごとにこの傷害を調べ、その結節および色を
記録し、8週間毎ならびに傷害隣接部位への注射を中止したときに(患者の他の
部位にIL−12を注射しているかどうかにかかわらず)写真を取る。
【0038】 研究室的研究 外来ごとに以下の研究室的研究を行う(しかしながら、臨床的
に必要な場合以外は、1週間に1回を越えてはならない): ・分別CBC、ESR網状赤血球カウント ・APTT、PT、フィブリノーゲン ・急性パネル、肝臓パネル、ミネラルパネル ・尿分析 4週間ごとに試験を行う: ・分別CBC、ESR網状赤血球カウント ・APTT、PT、フィブリノーゲン ・急性パネル、肝臓パネル、ミネラルパネル ・甲状腺機能試験(TSH、TT4) ・頭部が赤い試験管を保存用としてFrederick,MDに ・尿分析、CPK、アミラーゼ、LDH、β−2−ミクログロブリン、尿酸 ・2本の頭部が赤い試験管を血清bFGF、VEGF、インターフェロンγ、I
P−10およびIL−6用に取る。採血後、これらの試験管のうち1本を即座に
氷上に置く。 ・20ccの尿をbFGF用に取る。 ・FACS−CD4、CD8,RAおよびROTを包含(頭部が緑の10ccの
試験管をSIAC,frederick,MD。あらかじめスケジュールを立てて、正午までに採
取。同時にCBCおよび自動分別を行う必要がある。) ・ウイルス学的試験、細胞系の確立、血液学的パラメータの測定、または試験遂
行中に臨床的に重要となる他の研究用に20ccまでの血液を得てもよい(研究
者が遺伝学的/家族的マーカーに興味を持ったならば、この研究を行うようにプ
ロトコールを修正してIRBに戻る)。 ・頭部が黄色い試験管を血漿HIV−1−RNA−PCR用にする(SIAC,Frede
rick,MDに送る)。 4、8、12および24週目に試験を行う: ・40ccヘパリン処理血液(頭部が緑の試験管に入れて)を免疫学的試験のた
めに取る(マイトジェンおよび抗原に応答したTH1/TH2プロファイルおよび
IL−2産生)(Gene Shearer博士、部屋番号5A31に送る) 研究終了時に試験する: ・4週間ごとに行った、必要なすべての血液検査 治療期間中6週間ごとに胸部X線写真を取る。
【0039】 臨床上必要ならば、容易にアクセス可能な皮膚傷害の生検を得てもよい。さら
に、プロトコールに入る時、あるいは研究期間中のいずれかの時に、無関係な皮
膚の典型的な傷害の生検または胸腔液もしくは腹水試料を、細胞系の確立および
陽性のKS関連ウイルスの同定のごとき研究のために得てもよい。さらに、非K
S関連傷害を同じ研究に関して得てもよい。内蔵のKS傷害の生検を臨床目的で
行う場合、これらの研究目的のために試料を使用してもよい。適当なKS傷害の
生検を得て、典型的な傷害が病理学的に解消したかどうかを調べてもよい。かか
る試料採取を拒絶した場合、患者は研究に参加しない。 臨床的に必要な場合に他の試験を行ってもよい。プロトコールを壊さずに、可
能な最も近い日に試験スケジュールを変更してもよい(例えば、合衆国の祝日ま
たは移動困難のごとき予知できない事態による)。
【0040】 併用する治療 抗レトロウイルス治療については後の「補足的ケア」参照。試験期間中に特別
な医学的目標に明らかに必要な医薬を作成することにすべての努力を払わなけれ
ばならない。可能な場合には全身的なグルココルチコイドステロイド投与を避け
ることが特に重要である。なぜなら、それらの使用はKSを悪化させる可能性が
あるからである。さらに、KS傷害、免疫学的パラメータまたはHIHV−8/
KSHVに影響する可能性のある薬剤を可能な場合には避けるべきである。治療
開始1カ月前のカウンター越しの投薬、輸入薬または市販薬を包含する他の治療
、投薬、生物学的方法または血液製剤を記録する。腎臓毒性、骨髄毒性、免疫転
調性、または肝臓毒性薬剤または作用剤に関する利用可能な情報も記録する。上
記の排除的(exclusionary)薬剤を除き、服薬規則の変化が医学的に保証されな
い場合、一般的には患者は試験に入る前に服用していた薬剤を服用し続ける。患
者は免疫転調剤、あるいは下記のごときKSに対する治療を受けない。患者のエ
リスロポイエチン(Epo)を与えてもよく、あるいは絶対的に必要な場合には
、顆粒球コロニー刺激因子(G−SGF)を標準的な投薬慣習として与えてもよ
い。他のサイトカインは許容されない。最終的には、患者に投与するプロテアー
ゼ阻害剤と他の薬剤との間の相互作用に注意を払うべきである。
【0041】 研究中止の判断基準 下記のいすれかの理由により治療を中止する: ・用量制限的毒性の発生。しかしながら、用量制限的毒性を経験している患者(
定義については「毒性の判断基準」のセクション参照)を、次の最低用量レベル
で治療してもよい(レベル1の患者への初発用量の50%)。ただし、薬剤を中
止してから2週間以内に毒性がベースラインまたはグレード1まで解消すること
が条件である。IL−12中止後2週間以内に毒性が解消しない患者、あるいは
より低用量で用量制限的毒性が再発した者は研究から除外する。 ・絶対好中球カウント(ANC)<500個/mm3の患者にはIL−12を継
続して投与し、ANC≧750個/mm3になるまでG−CSFを添加する(週
3回(tiw)300μg)。G−CSFを投与してもANCが≧750個/m
3まで増加しない場合、IL−12を中止し、G−CSFを継続する。その後
、IL−12中止後2週間以内にANC≧750個/mm3になった場合、IL
−12を次の最低用量レベル(レベル1での患者の初発用量の50%)で再度開
始する。IL−12中止後2週間以内にANC≧750個/mm3にならない者
、あるいはより低い用量で用量制限的毒性を再発した者は研究から除外する。A
NCが≧750個/mm3のままである限り、G−CSFを減少させ、あるいは
中止する。 ・患者が研究に参加した後で、生命を脅かす感染が発生した場合には、感染に対
する治療が完了し、この時点で4週間が経過していない場合は、Principle Inve
stigatorまたはStudy Chairpersonの裁量によりIL−12投与を再開してもよ
い。しかしながら、IL−12での改善が明らかな患者および4週間以上IL−
12を投与されていない患者は、Principle InvestigatorまたはStudy Chairper
sonの裁量により、疾病解消2週間以内にIL−12を再開してもよい。 ・患者がインフォームドコンセントを与えられないほど感情的に許容できずに全
身的衰弱が起こった場合。 ・Principle InvestigatorまたはStudy Chairpersonにより他の潜在的な逆反応
または十分に重大と思われる出来事と判断された場合、治療を中止する。 ・患者がプロトコールに従わない場合、Principle InvestigatorまたはStudy Ch
airpersonの裁量により治療を中止してもよい。 ・患者の妊娠 ・下記の「補足的ケア」のセクションで述べるように2種またはそれ以上の抗レ
トロウイルス薬を投与することができない場合。 ・疾病の進行ならびにPrinciple InvestigatorまたはStudy Chairpersonの意見
によれば細胞毒性の治療が必要なほど疾病が重大な場合。他の脈管形成阻害剤の
場合と同様にインターロイキン−12も静細胞性であるので、KSを安定化させ
、あるいはKS進行速度を低下させる。そゆれえ、疾病を有する患者は、下記「
応答の判断基準」のセクションでの定義によれば進行性であっても、重症または
生命を脅かすものではない場合には、患者とPrinciple InvestigatorまたはStud
y Chairpersonとが議論してIL−12投与を継続してもよい。 ・患者の要望があった場合、またはPrinciple InvestigatorまたはStudy Chairp
ersonの裁量により、治療を中止してもよい。
【0042】 研究後の評価 治療完了後4週間のフォローアップ評価を行う。薬剤毒性がフォローアップ評
価において残存する場合、医学的に必要ならば毒性が安定化するまで患者をフォ
ローする。対象となる徴候(頭痛、吐き気、嘔吐、下痢、腹部不快感、食欲、ふ
るえ、寝汗、筋肉および関節の痛み、集中力、まひ、ならびに情緒および神経学
的状態)につき評価を行う。目的とする徴候は、完全な身体的試験、体重変化、
および発熱を包含する。体温および体重を外来ごとに評価する。
【0043】 研究室的な研究 ・分別CBC、ESR、網状赤血球カウント ・APIT、PT、フィブリノーゲン ・急性パネル、肝臓パネル、ミネラルパネル ・甲状腺機能試験(TSH、TT4) ・頭部が赤い試験管を保存用にFrederickへ ・尿分析、CPK、アミラーゼ、LDH、β−2−ミクログロブリン、尿酸 ・2本の頭部が赤い試験管を血清bFGF、VEGF、インターフェロン−γ、
IP−10およびIL−6用とする。これらの試験環のうち1本を採血後即座に
氷上に置く(5A25の部屋に送る)。 ・20ccの尿をbFGF用に取る(5A25の部屋に送る)。 FACS−CD4、CD8,RAおよびROTを包含(頭部が緑の10ccの試
験管をSIAC,frederick,MD。あらかじめスケジュールを立てて、正午までに採取
。同時にCBCおよび自動分別を行う必要がある。) ・ウイルス学的試験、細胞系の確立、血液学的パラメータの測定、または試験遂
行中に臨床的に重要となる他の研究用に20ccまでの血液を得てもよい(研究
者が遺伝学的/家族的マーカーに興味を持ったならば、この研究を行うようにプ
ロトコールを修正してIRBに戻る)。 ・40ccヘパリン処理血液(頭部が緑の試験管に入れて)を免疫学的試験のた
めに取る(マイトジェンおよび抗原に応答したTH1/TH2プロファイルおよび
IL−2産生)(Gene Shearer博士、部屋番号5A31に送る)
【0044】 補足的ケア 臨床的に必要な場合、あるいはPrinciple InvestigatorまたはStudy Chairper
sonの裁量により医薬を投与する(下記のものは例外)。 ・研究の最初の12週間におけるKSに特異的な治療。この期間後、まれに痛み
を伴ったあるいは醜い傷害を、Principle InvestigatorまたはStudy Chairperso
nの裁量により、INDホルダーを併用して局所的治療で治療してもよい。しか
しながら、患者は少なくとも5個の評価可能な傷害を有し続けなくてはならない
。しかしながら、可能なすべての試みを用いてかかる治療を避ける。 ・排除のための判断基準に記載した医薬(短期間のコルチコステロイドは除く)
【0045】 すべての患者は、下記のもののうち2種またはそれ以上の組み合わせからなる
一定量の抗レトロウイルス治療薬を、IL−12での治療前および研究期間中投
与されなくてはならない:AZT、ddI、ddC、3TC、d4T、サキナビ
ル、リトナビル、インジナビル、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤または別のプ
ロテアーゼ阻害剤(単独または組み合わせ)。一般的には、可能なすべての試み
を行ってプロトコール期間中患者の抗レトロウイルス治療薬を変化させないよう
にすべきである。なぜなら、ウイルス負荷に対するIL−12の効果(存在する
場合には)が興味の対象だからである。しかしながら、医学的に保証される場合
には用量を変化させてもよい。また、医学的に必要な場合には、2種またはそれ
以上の薬剤の組み合わせを投与し続ける限り、抗レトロウイルス剤を変更しても
よく、あるいは研究開始後に規則を変更してもよい。いずれかの理由によりそれ
らの抗レトロウイルス剤の中止が必要な患者を研究から除外する。 ミネラル含有治療用複合ビタミン剤をすべての患者に投与し、低用量のビタミ
ンB12または葉酸レベルを、特定にビタミン置換療法により修正すべきである。
医学的に必要な場合には、日和見感染に対する予防的処置を患者に施すべきであ
る。
【0046】 データ収集および評価 Retroviral Diseases Research Teamのメンバーによりデータが集められる。P
rotocol ChairpersonであるJames M. Pluda博士はプロトコールの手落ちにつき
即座に対応する。
【0047】 応答の判断基準 薬剤または治療規則に対するKSの応答についての評価は、通常用いられてい
る腫瘍学的定義を用いることによってもグレード付けするのが困難である。しか
しながら、KSに対する治療の評価を標準化する努力において、AIDS Clinical
Group Oncology CommitteeはKSに関する一連の段階および応答の定義を案出し
た。我々は、これらの判断基準を修飾して用いて、IL−12に対するKS患者
の応答を評価する。傷害の数、サイズ、結節および色の評価において観察者によ
りいくぶんばらつきがあり、測定値を解釈する際にこのことを考慮しなれればな
らない、ということに注意すべきである。 研究開始時に50個以上の傷害を有していた患者における完全な応答を評価す
るために、前以て選択した、少なくとも20個の傷害を含む1〜3カ所の典型的
な領域を考慮する。しかしながら、完全な応答については、全身(すなわち、典
型的な領域に限定されない)において検出される疾病が存在しないことが必要で
ある。
【0048】 完全な応答(CR): 検出可能な残存疾病(腫瘍関連浮腫を包含)の不存在
が少なくとも4週間継続すること。見かけのCR後にも皮膚の色素斑が存在して
いる患者において、少なくとも1カ所の典型的な傷害の生検により悪性細胞の不
存在が証明されることが必要である。内蔵疾患を有していたことが明らかな患者
において、適当な内視鏡またはラジオグラフィー的方法で再検査すべきである。
かかる方法が医学的に禁忌が示される場合、その患者を臨床的なCRを有するも
のとして分類してもよい。
【0049】 部分的な応答(PR): 傷害数の正味の増加がないこと(「カポジ肉腫の評価
」のセクションで説明したように、治療期間中に2個またはそれ以上の小さな傷
害に分裂する1個の傷害をやはり1個として数える);以前無関係であった身体
部位に新たな傷害が発生しないこと;腫瘍関連浮腫または浸出に係わる、あるい
はそのような外観を呈する、あるいはそのような状態が悪化する新たな内蔵部位
がないこと;ならびに: (1)以前存在していた傷害の数および/またはサイズが50%以上減少するこ
とが少なくとも4週間継続するか、あるいは (2)以前隆起していた傷害の少なくとも50%が完全に平坦化し(すなわち、
以前結節またはプラーク様であった傷害が斑点状となる)、それが少なくとも4
週間継続するか、あるいは (3)マーカー傷害の最大直径の積の合計が50%減少し、それが少なくとも4
週間継続するか、あるいは (4)Clinical Centerの放射線取扱者(代表Feuerstein博士)により確認され
た場合に放射線科学的に測定可能な内蔵の傷害が50%減少し、少なくとも4週
間再発の証拠がないか、あるいは (5)CRの判断基準には合致するが、やはり腫瘍関連浮腫または浸出を有する
患者はPR有するものとして分類する。
【0050】 臨床的に完全な応答: 検出可能な残存疾患(腫瘍関連浮腫を包含)が少なくと
も4週間ないこと。皮膚の色素斑傷害が見かけの完全な応答後にも存在する患者
について、典型的な傷害を生検せずに疾病が存在しいおことがわかる。内臓疾患
を有する患者においては、医学的に禁忌が示されず、疾病の存在が陰性であるこ
とがわからない場合には、診断的放射線科学的または内視鏡による研究を繰り返
すべきである。
【0051】 進行性の疾病: 病院での傷害の測定結果に関連する判断基準に関し、可能な場
合には、すなわち、少なくとも1週間間隔で得られた2つの測定値が下記判断基
準に合致する場合にのみ、進行性であるとする。 (1)傷害の数および/またはマーカー傷害のサイズ(最大直径の積の合計)が
ベースライン時よりも25%またはそれ以上増加すること、あるいは (2)傷害の少なくとも25%の性質が斑状からプラーク状または結節に変化す
ること、あるいは (3)内蔵疾患に関連または進行する新たな内蔵部位があること、あるいは (4)少なくとも1週間計測し、患者の正常な活性を妨害する、新たなまたは増
大する浮腫または浸出が生じること
【0052】 毒性の判断基準 NCI Common Toxicity Criteria (CTC)を用いて毒性を評価する(後で示す表1
参照)。しかしながら、リンパ球減少はHIV感染においてほとんど普遍的にみ
られ、リンパ球カウントをCTCごとに評点付けするが、IL−12の用量制限
的毒性または治療中止の判断基準としてはカウントしない。 グレード4の血小板減少;エリスロポイエチンに応答しないグレード4の貧血
;およびG−CSFに応答しないグレード4の好中球減少(上記「研究中止の判
断基準」参照)は用量制限的である。リンパ球減少はしばしばHIV感染の証拠
となり、いかなるグレードであっても用量制限的毒性として用いられない。 グレード2の心臓毒性および神経学的毒性は用量制限的と考える。 グレード3またはそれ以上の非血液学的毒性(「毒性の判断基準」セクション
で述べたもの、高ビリルビン血症、および肝臓トランスアミナーゼレベル上昇は
除く)は用量制限的と考える。ビリルビン上昇患者(直接ビリルビン>0.3m
g/mlであり間接ビリルビン>4.5mg/mlである場合に全ビリルビン>
4.8mg/ml)は用量制限的と考える。肝臓トランスアミナーゼレベルが上
昇した患者については、トランスアミナーゼ>500IUの場合に用量制限的で
あると考える。 グレード3またはそれ以上の非血液学的毒性(「毒性の判断基準」セクション
で述べたものおよび高ビリルビン血症は除く)は用量制限的と考える。ビリルビ
ン上昇患者(直接ビリルビン>0.3mg/mlであり間接ビリルビン>4.5
mg/mlである場合に全ビリルビン>4.8mg/ml)は用量制限的と考え
る。 Principle InvestigatorまたはStudy Chairpersonの意見によればIL−12
に対する応答の結果、壊死および/または出血しているとされる、目に見えるま
たは可視化できるKS傷害は、悪化した状況を構成せず、あるいは薬剤に関連し
た毒性と考えない。 評価により毒性がおそらくまたは決定的に患者に存する症状によるものである
と分からない場合、上記の毒性は用量制限的と考える。治療しない場合、エイズ
患者は時々異常な臨床的または研究室的症状を発症する(例えば、Pneumocystis
carinii肺炎(PCP)による発熱)。プロトコールのため、評価後にエイズに
よる用量制限的毒性を発生した患者は、最大耐性用量を決定するものとしては評
点付けされない。エイズによるかかる毒性が薬剤投与の最初の4週間以内に生じ
た場合、あるいは患者がこの期間中に脱退を選択した場合、別の患者と入れ替え
てもよい。
【0053】 統計学的考慮 研究の主目的は、5種の増加する用量レベルの範囲においてHIV関連KS患
者に投与されるIL−12に対する耐性に関する情報を得ること、ならびに投与
される最大耐性用量を決定することである。3〜6人の患者を5種の用量レベル
のそれぞれに参加させ、各用量につき3人までの患者を上記「研究計画」セクシ
ョンで述べたように入れ替えてもよい。最大耐性用量を、プロトコールの一部と
して投与された最大用量レベルであって、6人中0または1人の患者が用量制限
的毒性を経験するレベルであると定義する。最大耐性用量レベルを決定したなら
ば、さらに10人までの患者をこの用量レベルに参加させて、このレベルに対す
る耐性および毒性をよりよく定義し、HIV関連KS患者におけるIL−12の
活性を予備的に調べてもよい。かくして、当該研究には最大55人までの患者が
参加する。可能ならば、IL−12を投与するこの研究または他の研究で得られ
たデータを検閲した後、最大耐性用量以下の用量レベルに対してさらなる患者を
保証してもよい。これを行う場合、プロトコールを修正して、さらなる患者が最
大耐性用量以下の用量レベルに参加できるようにする。
【0054】 HIV関連KS患者におけるIL−12の活性についての予備的情報を得る。
上述のごとく、薬剤または治療規則に対するKSの応答についての評価は、通常
使用される腫瘍学的定義によってはグレード付けが困難である。しかしながら、
KSに対する治療の評価を標準化する努力において、AIDS Clinical Group Onco
logy CommitteeはKSに関する一連の段階および応答の定義を案出した。我々は
、上記「応答の判断基準」に記載のごとくこれらの判断基準を修飾して用いて、
IL−12に対するKS患者の応答を評価する。傷害の数、サイズ、結節および
色の評価において観察者によりいくぶんばらつきがあり、測定値を解釈する際に
このことを考慮しなれればならない、ということに注意すべきである。
【0055】 HIV感染および免疫学的機能に対するIL−12の可能な効果をさらに調べ
るために、ウイルス負荷量(HIV RNA PCRでアッセイ);CD4細胞の
絶対数;インターフェロンガンマ、bFGF、VEGFおよびIL−6の血清お
よび/または尿におけるレベル;ならびにTH1/TH2/サブセットならびにI
L−2産生の変化につき評価を行う。これらの変化を評価するために、12週目
とエントリー時との間で一次比較を行う。非パラメータ試験を用いて比較調査を
行い、隣接する用量のグループを一緒にして変化を明らかなものとしてもよい。
他の時点(4週目を包含)についても調べ、エントリー時と比較する。
【0056】 上記「適格性の評価および参加」セクションにて概説した適格性の判断基準を
満たす場合、男性および女性双方ならびにすべての民族的な群からの対象はこの
研究に適する。現在まで、薬剤の代謝または疾病の応答が群により異なることを
示唆するデータはない。集団を代表する患者数を増加させるために努力するが、
一方では、この予備研究において、患者の安全と潜在的に毒性かつ/または無効
な治療にさらされる個体数に対する制限との間のバランスを保ち、他方では臨床
研究の性別および民族による態様を調べる必要がある。性別または民族による結
果の相違が記録された場合、参加患者を増やすか、あるいはフォローアップ研究
をそれらの相違をより十分に調べるものとしてもよい。実際問題として、理由は
完全には理解されていないが、KSはHIV感染女性には比較的まれであり、そ
れゆえ、多数の男性患者が研究に動員されることが期待されることに注意すべき
である。
【0057】 この試験で評価される患者は1年間で24人(1カ月に2人)である。それゆ
え、最大患者数(55人)を扱うプロトコールの場合、55人の患者を参加させ
る時間は〜2.5年と推定される。
【0058】 研究倫理 この試験の調査の性質および目的、使用する方法および処置ならびに参加者の
危険性および不快感、潜在的利益、ならびに別の可能な治療を注意深く患者に説
明し、署名したインフォームドコンセント文書を得る。
【0059】 データの報告 NCIのCancer Treatment Evaluation Program (CTEP)がこのプロトコールを
監視し、DCT Case Formまたは許可された磁気テープフォーマットを用いてデー
タがClinical Trials Monitoring Serviceに2週間ごとに送られる。CTEP Inves
tigator's HandbookのAttachment 1に規定されているように、発生する毒性はC
TEPに報告しなくてはならない。特に、薬剤投与によると考えられる、生命を
脅かす(グレード4)すべての毒性は、Investigational Drug Branch(電話番
号230−2330、ファックス番号230−0159)に24時間以内に報告
しなければならない。10作業日間以内にレポート書いて送付しなければならな
い(CTEP ADE形式を用いて Investigational Drug Branch P.O. Box 30012 Bethesda, MDへ)。
【0060】 グレードにかかわらず、新たな毒性の最初の発生は、Investigational Drug B
ranch内のドラッグモニターに24時間以内に報告しなくてはならない。ADE
フォームが必要かもしれない。さらに、すべてのADEはIRB,NCIに10作業日
間以内に報告される。
【0061】 薬理学的情報 IL−12(NSC#672423)はGenetics Instituteにより製造された
研究薬である。INDが管理し、CTEP,DCTDC,NCIにより薬剤提供
される。
【0062】 処方 この試験には、中真空下の5mlバイアル中の凍結乾燥粉末として提供
される組み換えヒトIL−12(rhIL−12)製品を使用する。各バイアル
は50μgのrhIL−12を含有する。各rhIL−12バイアルに付される
ラベルには適当な情報(製品名および量、ロット番号、保存条件、スポンサー名
、ならびに正当な規則注意を包含)が記載される。rhIL−12のバイアルは
1回のみの使用を意図されている。注射用滅菌水(WFI)を添加して凍結乾燥
製品を復元する。rhIL−12の復元に静殺菌性WFIを使用してはならない
【0063】 保存 rhIL−12凍結乾燥製品を安全な冷蔵設備中2℃ないし8℃にて保
存しなければならない。WFIを温度制御して保存してもよい。シリンジ中の単
位用量を温度制御して保存してもよく、調製後4時間以内に使用しなければなら
ない。
【0064】 調製 rhIL−12製品は、50μgのIL−12を含有する5mlバイア
ル中凍結乾燥粉末として提供される。対象の体重(kg)を用いて研究薬剤IL
−12の用量を計算する。外来ごとに患者の体重を計り、患者の体重がベースラ
インから±5%変化している場合、新たな用量を計算して、投与すべき研究薬剤
の用量を決定する。凍結乾燥薬剤製品を5mlまたは1mlの滅菌WFIで復元
する。5mlのWFIでの復元により10μg/ml用量の溶液が得られ、10
0ng/kg用量レベルの場合に使用する。1mlのWFIでの復元により50
μg/ml用量の溶液が得られ、300ng/kg用量レベルおよびそれより高
用量レベルの場合に使用する。rhIL−12を復元するために、WFIをバイ
アルの栓を通して注入する。5mlでの希釈を容易にするために、バイアルから
空気をいくらか抜き取ることが必要かもしれない。5mlでの希釈には、最初に
約2mlのWFIをバイアル中の粉末に添加しておくことが推奨される。同じシ
リンジで空気をいくぶん抜き取り、次いで、さらに3mlを添加する。その後、
バイアルを穏やかに転がして粉末を溶解させる。復元は約1分で完了する。復元
後、着色物質または微粒子を含むバイアルは使用してはならない。下表は、計画
された研究用量レベル(2つの投与溶液のうち1つに使用する100ng/kg
および300ng/kg以上のすべてのレベル)のための40〜100kgの範
囲の体重の対象を基準とした投与体積の例である。下表は投与用研究薬剤の調製
に使用する投与溶液(10または50μg/ml)を示す。 rhIL−12 50μgバイアルを復元 投与溶液の最終濃度 用量群 するのに必要なWFI体積 100ng/kg 5.0ml 10μg/ml ≧300ng/kg 1.0ml 50μg/ml 体重65.4kgの患者に300ng/kgの用量レベルとして計算。 1mlのWEIでの復元により50μg/ml(=50000ng/ml)の
投与溶液が得られる。 全用量=65.4kgx300ng/kg=19620ng。 注射体積=全用量÷濃度=19620ng÷50000ng/ml=0.39
ml
【0065】 投与方法 上記「薬剤投与」セクションに示すように、実際の体重(kg)を
基準にして用量を計算する。皮下(SC)注射により研究薬剤を投与する。1回
に2mlよりも多く注射してはならない。
【0066】 薬剤責任および薬剤注文 Clinical Drug Request (NIH-986)を完全に記載し
、それをAuthrization Section, DCTDC, NCI, EPN Room 707, Bethesda, MD 208
92に郵送するかあるいはそれを(301)480−4612にファックスするこ
とにより薬剤を注文することができる。問い合わせは(301)496−572
5まで電話する。
【0067】 薬剤発明記録 発明者または発明者により選任された責任あるパーティーは、
NCI Drug Accountability Record Formを用いて、DCTDCから受け取ったす
べての薬剤についての発明および支配権についての注意深い記録を維持しなけれ
ばならない(NCI Investigators Handbook for Procedures for Drug Accountab
ility and Storage参照)。
【0068】 実施例2−IL−12を用いるエイズ関連KSの臨床治療結果 15人の患者が実施例1で説明したプロトコールに参加し、これに従った。プ
ロトコールごとに100ng/kg(5人)、300ng/kg(6人)および
500ng/kg(4人)で患者を治療した。参加した患者のCD4カウントの
メジアン値は201個/mm3(17〜602個/mm3の範囲)であった。参加
患者のウイルス負荷メジアン値は2384コピー/ml(0〜156996コピ
ー/mlの範囲)であった。参加患者のKS進行段階を、ACTG TISステ
ージングシステムを用いて以下のように評点を付けた: よく進行 0人 あまり進行していない 15人 T1 12人 I1 7人 S1 11人 治療前に参加患者に以下の治療を施した: なし 1人 化学療法 9人 インターフェロン 3人 局所的治療 2人 実験的治療 10人
【0069】 治療された患者は下記の研究室的毒性を示した: 毒性 グレード2 グレード3 グレード4 白血球減少 8 3 0 好中球減少 評価せず 6 4 SGPT 0 3 0 SGOT 3 2 0 全ビリルビン 4 1 0 グルコース 4 0 0 4人の患者にG−CSFを与えた。3人に継続してIL−12を与えたがさら
なる好中球減少はみられなかったが、4番目の患者はG−CSFに耐えられず、
IL−12治療は継続不可能であった。 治療された患者は以下の臨床的毒性(実施例1のプロトコールにおいて定義)
を示した: 発熱、発汗、疲労、頭痛 ・治療開始とともに発症 ・治療を継続していると1ないし2週間以内に自発的に解消 注射部位 ・かゆみ ・最小限の不快感 本願の出願時点において、治療された患者は以下の臨床的結果を示していた: 100ng/kg用量レベル: 患者5人 ・1人は1週目にCNSトキソプラズモーシスと推定される ・3人は2、4および4週目において症状が進行 ・1人は26週間の治療を完了して疾病が安定 300ng/kgレベル:患者6人 ・1人は3週目に用量制限的肝臓毒性 ・2人は部分的に応答 1人は22週目に好中球減少し、G−CSFに耐えられなくなった 1人は13週目以降も治療継続 ・3人は25、19および15週目で安定して治療継続 500ng/kgレベル:患者4人 ・4人とも9、8、7および4週目で安定して治療継続 これらのデータは、IL−12がKS患者に十分に耐え得るものであり、IL
−12治療はKS治療において臨床的応答を生じさせることを示す。
【0070】 参考文献 1. Mosmann TR, Cherwinski H, Bond MW, Giedlin MA, Coffman RL. Two types
of murine helper T cell clone. I. Definition according to profiles of l
ymphokine activities and secreted proteins. J Immunol 1986; 136:2348-57.
2. Scott P, Kaufman SHE. The role of T-cell subsets and cytokines in th
e regulation of infection. Immunol. Today 1991; 12:346-8. 3. Sher A, Gazzinelli RT, Oswald IP, et al. Role of T-cell derived cyto
kines in the downregulation of immune responses in parasitic and retrovi
ral infection. Immunol. Reviews 1992; 127:183-204. 4. Romagnani S. Human TH1 and TH2 subsets: doubt no more. Immunol Today
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interleukin-4 production in asymptomatic, human immunodeficiency virus-s
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d to replicate preferentially in TH2 and TH0 cells [see comments]. Scien
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ic cell- mediated immune responses by interleukin-12 in vitro. Science 1
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Th2 stimulatory cytokines interleukin-12 and interleukin-4 on human immu
nodeficiency virus replication. Blood 1995; 85:2114-23.
【0071】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】 自己骨髄または血液幹細胞サポート研究補足的な毒性判断基準 グレード5 骨髄移植後8週間以降に細菌または真菌感染または好中球<50
0/μlまたは血小板<10000/μlに関連した出血で死亡 グレード4 8週間以降の好中球<500/μlおよび/または血小板<10
000/μl グレード3 4〜8週間における好中球<500/μlおよび/または血小板
<10000/μl グレード2 4週間までの好中球<500/μlおよび/または血小板<10
000/μl グレード1 好中球減少および/または血小板減少、しかし好中球<500/
μlかつ血小板<10000/μlにはならない 他の非出血性毒性はCommon Toxicity Criterianiによりグレード付けすべきで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA, BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,C Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH ,GM,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,UZ,VN,YU,ZW (71)出願人 アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 メリーランド 20852− 3804,ロックビル,エグゼキューティブ ブールバード 6011,スイート 325,オ フィス オブ テクノロジー トランスフ ァー,ナショナル インスティチューツ オブ ヘルス (72)発明者 ロバート・ヤーチョーン アメリカ合衆国20817メリーランド州ベセ ズダ、バーニング・トゥリー・ロード9007 番 (72)発明者 ジェイムズ・エム・プルダ アメリカ合衆国20886メリーランド州ゲイ ザーズバーグ、ドラムリッジ・サークル 19212番 (72)発明者 キャスリーン・ワイビル アメリカ合衆国20772メリーランド州アッ パー・マールボロ、マウント・キャルバー ト・ロード14624番 (72)発明者 ジル・リーツォー アメリカ合衆国21044メリーランド州コロ ンビア、リトル・パトゥクセント・パーク ウェイ11507番 (72)発明者 ジーン・エム・シアラー アメリカ合衆国20817メリーランド州ベセ ズダ、グレンウッド・ロード5512番 (72)発明者 エレン・フィーガル アメリカ合衆国20878メリーランド州ノー ス・ポトマック、ボート・ハウス・コート 2番 (72)発明者 ジョバンナ・トサト アメリカ合衆国20817メリーランド州ベセ ズダ、バーニング・トゥリー・ロード9007 番 (72)発明者 リチャード・リトル アメリカ合衆国20009ワシントン・ディス トリクト・オブ・コロンビア、ノース・ウ エスト、サウス・ストリート1745番 (72)発明者 マシュー・エル・シャーマン アメリカ合衆国02459マサチューセッツ州 ニュートン、ジャネット・ロード33番 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA17 BA03 CA18 DA12 MA66 NA14 ZB262 ZB332 ZC552

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物対象におけるカポジ肉腫の治療方法であって、治療
    上有効量のIL−12またはその生物学的に活性のあるフラグメントもしくはサ
    ブユニットを該対象に投与することを含む方法。
  2. 【請求項2】 該対象がエイズを有する請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 該IL−12が蛋白として投与される請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 IL−12をコードするDNAの形態として該IL−12が
    投与される請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 該蛋白が対象の体重1kgあたり100〜1000ngの用
    量で投与される請求項3の方法。
  6. 【請求項6】 該蛋白が対象の体重1kgあたり300ng、500ng、
    625ngおよび750ngからなる群から選択される用量で投与される請求項
    5の方法。
  7. 【請求項7】 該蛋白が対象の体重1kgあたり300ngの用量で投与さ
    れる請求項6の方法。
  8. 【請求項8】 哺乳動物対象におけるカポジ肉腫に関連した傷害における脈
    管形成を抑制する方法であって、治療上有効量のIL−12またはその生物学的
    に活性のあるフラグメントもしくはサブユニットを該対象に投与することを含む
    方法。
  9. 【請求項9】 該対象がエイズを有する請求項8の方法。
  10. 【請求項10】 該IL−12が蛋白として投与される請求項8の方法。
  11. 【請求項11】 IL−12をコードするDNAの形態として該IL−12
    が投与される請求項8の方法。
  12. 【請求項12】 該蛋白が対象の体重1kgあたり100〜1000ngの
    用量で投与される請求項10の方法。
  13. 【請求項13】 該蛋白が対象の体重1kgあたり300ng、500ng
    、625ngおよび750ngからなる群から選択される用量で投与される請求
    項12の方法。
  14. 【請求項14】 該蛋白が対象の体重1kgあたり300ngの用量で投与
    される請求項13の方法。
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