JP2002524110A - 血管密封材および創傷被覆材として用いるためのi型コラーゲンおよびiii型コラーゲン止血性組成物 - Google Patents

血管密封材および創傷被覆材として用いるためのi型コラーゲンおよびiii型コラーゲン止血性組成物

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JP2002524110A
JP2002524110A JP2000564526A JP2000564526A JP2002524110A JP 2002524110 A JP2002524110 A JP 2002524110A JP 2000564526 A JP2000564526 A JP 2000564526A JP 2000564526 A JP2000564526 A JP 2000564526A JP 2002524110 A JP2002524110 A JP 2002524110A
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ジェイムス ダブリュー. ポラレック,
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Abstract

(57)【要約】 重合化したI型コラーゲンおよび/またはIII型コラーゲンに基づく、血管密封材および創傷被覆材としての医療用途のための組成物、ならびにその調製が記載される。重合化の前に、コラーゲンモノマーが組換え的に調製され、これによりこのようなモノマーを形成するためのコラーゲンの化学改変は必要でない。I型コラーゲンおよびIII型コラーゲンからなるゼラチンを含む、I型コラーゲンおよび/またはIII型コラーゲン組成物は、軟部組織を結合するための医医療用接着剤(medical adhesive)として、および種々の医学用途のための密封材として有用である。本発明のさらなる局面において、重合化したI型コラーゲンおよび/またはIII型コラーゲン組成物は創傷治癒を誘導する因子を含むか、または組織密封または創傷被覆において所望される有利なさらなる特徴を提供する。本発明の組成物はまた、非接着性形態でも有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願との相互参照) 本出願は、米国仮出願番号60/095,977の一部継続出願である。
【0002】 (発明の分野) 本発明は、密封材および創傷被覆材としての医療用途のための、重合化した組
換えのI型コラーゲンおよび/またはIII型コラーゲンに基づく組成物(ゼラ
チンに基づく組成物を含む)ならびにそれらの組み合わせに関する。本発明は、
さらに、このような組成物の調製に関する。これらの組成物は種々の医療適用に
おける密封材として有用である。これには、血管プラグ(vascular p
lug)型のデバイス、創傷閉鎖(wound closure)デバイス、外
科手順後の癒着の形成を防ぐための腱ラップ(tendon wrap)および
切開、滲出創傷などを処置するのに用いるための包帯、ならびに組織を結合する
ための医療用接着剤が挙げられる。本発明のさらなる局面において、この組成物
は、創傷治癒を誘導するか、または組織密封材に所望されるさらなる有利な特徴
を提供する因子を含む。より詳細には、本発明の組成物は血管密封材として用い
られ得る。
【0003】 (発明の背景) (機械的接着技術、化学的接着技術、合成的接着技術および自己の接着技術) 生物学的組織を結合する能力は、生物医学の研究者にとって重要な研究領域で
ある。純粋に機械的な結合を通して、所望される接着性を提供するための試みは
、簡便でも恒久的でもないことが判明している(Buonocore,M.,A
dhesion in Biological Systems,R.S.Ma
nly編、Academic Press,New York,1970,第1
5章)。例えば、手術、傷害などの後の軟部組織における切開の閉鎖の選り抜き
の従来法は、縫合およびステープル(staple)であった。これらの技術お
よび方法は、例えば、疼痛を生じ得、そして瘻孔肉芽腫および神経腫を処置する
のが困難である、縫合またはステープルとの組織の不適合性により制限される。
機械的手段はまた、純粋に接着性であることに制限され得、このため出血または
滲出などをしている閉鎖創傷に適用される密封材と比べて十分に満足され得ない
。縫合およびステープルはまた、弱い実質組織または血管新生に乏しい組織を通
じて切断する傾向にあり得る。縫合は、液体および生物の漏れを可能にし得る通
路を残したままにし得る。縫合は、さらに、いずれの縫合についても針がそれに
付けられる縫合糸より大きく、従って針の通路が縫合を形成するために用いた縫
合糸により充填され得るより大きいという点で問題である。
【0004】 さらに、外科医の側に要求される手技および視覚の器用さ、ならびに微小手術
における縫合またはステープルの使用に要する時間の過度の長さにより制限が課
される。さらに、ステープルまたは縫合の間の隙間におけるつなぎ目は、適切に
適用される場合でさえ、ステープルまたは縫合は本質的に弱いかまたは、時間経
過とともに構造的に弱くそして漏出し得る。
【0005】 いく人かの研究者が、創傷のレーザー閉鎖を研究してきた。(例えば、Abe
rgel,R.P.ら(1986)J.Am.Acad.Dermatol.1
4(5):810〜814;Cespanyi,Eら(1987)J.Surg
.Res.42(2):147〜152;Oz,M.C.ら(1989)Las
ers Surg.Med.9(3):248〜253;Oz,M.C.ら(1
991)Am.Surg.57(5):275〜279;およびOz,M.C.
ら(1993)J.Clin.Laser Med.Surg.11(3):1
23〜126を参照のこと)。初期の努力は、創傷の縁に直接適用する異なる波
長のレーザーを用いて組織を溶着すること、およびこのようにして生成した組織
融合の微細構造の基礎を研究することに集中した。研究者は、変化した個体の原
線維の嵌合をともなうコラーゲンの均質化変化を提唱した。(例えば、Scho
ber、Rら(1986)Science 232(4756):1421〜1
422を参照のこと)。研究者は、コラーゲン原線維を、架橋を可能にする閾値
レベル以上に加熱する案を探求した。しかし、この反応を可能にするために必要
な熱は、付随する熱損傷を引き起こす。これは、例えば、眼組織においてはわず
かな歪みでさえ機能的な結果を有し得るために望ましくない。また、レーザー溶
着不全の事象では、組織の端が初めの処置により損傷され得、そしてレーザーエ
ネルギーに再曝露され得ない。
【0006】 さらなる研究は、創傷において色素を配置することにより熱活性化架橋を増強
することを試みた。レーザー波長での色素の吸収の適合が、より低いレーザー出
力およびより少ない付帯する温度損傷を伴う、接着性の効果を獲得したことが報
告された。(例えば、Chuck,R.S.ら(1989)Lasers Su
rg.Med.9(5):471〜477;およびOz,M.C.ら(1990
)J.Vasc.Surg.11(5):718〜725を参照のこと)。組織
「はんだ(結合物質:solder)」を作成するための色素とタンパク質との
組み合わせがまた研究された。一般に用いられるタンパク質はフィブリノーゲン
、および特には自己のフィブリノーゲンである。自己のフィブリノーゲンは、プ
ールしたドナーからの血液成分の使用を通じたウイルス性疾患の伝播の問題を回
避するために用いられる。以前の適用では、フィブリノーゲンは、全血の画分と
して得られている。これは他の血液成分、例えば凝固因子を含む。種々の動物モ
デルにおけるこのようなタンパク質−色素混合物の適用は、色素のみに対する改
善であることを確認した。(例えば、Moazami、Nら(1990)Arc
h.Surg.125(11):1452〜1454;およびOzら(1990
)を参照のこと)。しかし、ヒトへの直接適用は、ドナー血漿からの感染の危険
性を回避する手順の前に、患者由来の必須のタンパク質フィブリノーゲンを単離
する必要性に起因して妨げられた。他のタンパク質、例えばアルブミンは、匹敵
する溶着強度が得られなかったので不十分な代替物であった。
【0007】 タンパク質−色素適用および縫合閉鎖の比較は、タンパク質−色素適用がそれ
ほど炎症性応答を生成せず、そしてより大きいコラーゲン生成、破裂のより大き
い平均ピーク応力、およびより良好な美容術を生じることを示す。(例えば、W
ilder,T.M.ら(1991)Plast.Reconstr.Surg
.88(6):1018〜1025を参照のこと)。このような組織はんだ(結
合物質)の眼科適用は、結膜小胞の密封、強膜切開、網膜切除術の閉鎖、および
加熱角膜形成を含む。(例えば、Fink,A.J.ら(1986)Am.J.
Ophthalmol.101(6):695〜699;およびLatina,
M.A.ら(1990)Arch.Ohthalmol.108(12):17
45〜1750を参照のこと)。
【0008】 上記のような縫合、ステープルおよびレーザー技術のような機械的手段の欠乏
および制限のせいで、生体医学接着剤(adhesive)および密封材として
、例えばシアノアクリレートのような合成ポリマーを開発する労力がなされた。
しかし、これらのプラスチック材料は、炎症性組織反応を誘導する。さらに、生
理学的な条件下で恒久的な結合を確立するこれらの材料の能力は、まだ完全には
理解されていない。
【0009】 合成的接着剤に関連する公知の毒性は、結合材料としての生物学的に誘導され
た接着剤の開発への研究者を導いた。例えば、フィブリンに基づくのりは、かな
り注意を引いた。(例えば、フィブリン接着剤の一般的考察については、Eps
tein,G.H.ら、Ann.Otol.Rhinol.Laryngol.
95:40〜45(1986);Kram、H.B.らArch.Surg.1
19:1309〜1311(1984);Scheenee Jら、Surge
ry 95:6〜12(January 1984);およびSiedento
p,K.H.らLaryngoscooe 93:1310〜1313(198
3)を参照のこと)。市販のフィブリン組織接着剤は、ヒト血漿に由来し、従っ
て有害な免疫原性応答および感染因子(例えば、B型肝炎ウイルスのような)の
伝播のような潜在的な健康状の危険性を提示する。さらに、このような接着剤に
より与えられる結合強度は、コラーゲン接着剤と比較して相対的に弱い。(例え
ば、De Toledo,A.R.ら、Assoc.for Res.Visi
on and Ophthalmology,Annual Meeting
Abstract,第31巻、317(1990)を参照のこと)。従って、生
物医学適用のための安全でかつ有効な生物学的に適合性の組織接着剤の必要性が
存在する。
【0010】 より近年では、組み合わせ産物が組織接着および密封材としての使用のために
考案されている。皮膚移植片、鼓膜形成術の適用、硬膜欠損の修復、扁摘後の止
血および気管形成術への適用のためののりを得るための、3つの別個に調製した
物質(ヒトフィブリノーゲン寒冷沈降物、カルシウムイオンの存在下のトロンビ
ン、および第XIII因子濃縮物)の組み合わせ使用が記載されている。(St
aindl(Ann.Otol(1979)88:413〜418)を参照のこ
と)。この同じ期間に、Immuno−AG、Vienna、Austria、
は、2つの成分の「フィブリンシール(fibrin seal)」システムの
製造および商品化を開始した。ここで、1つの成分は、プールした血液から調製
した、高度に濃縮したヒトフィブリノーゲン、第XIII因子および他のヒト血
漿タンパク質を含み、そしてもう一方の成分はトロンビンおよびカルシウムイオ
ンを供給する。この2つの成分はフィブリン溶解性インヒビターの存在下で一緒
に添加される。適用後、凝固およびフィブリンの架橋が起こる。最後に、このシ
ールは、組織の再構成を伴う創傷または外傷の治癒のプロセスにおいて溶解し得
る。このシステムの2つの成分を同時混合しそして適用する、このシステムのた
めの適用デバイスの開発が記載されている。(Redl、Hら「Biomate
rials 1980」Winter,G.D.ら編(1982)John W
iley&Sons.Ltd.,第669〜675頁)。これらの組み合わせシ
ステムおよびそれらの使用は、広範に記載されいる。(例えば、Seelich
,T.,J Head and Neck Pathol(1982)3:65
〜69;O’Connor,A.F.,ら.,Otolaryngol Hea
d Neck Surg(1982)90:347〜348;Marquet,
J.,J.Head and Neck Pathol(1982)3:71〜
72;Thorson,G.K.ら.,J Surg Oncol(1983)
24:221〜223を参照のこと)。十二指腸洞の出血の処置におけるこのフ
ィブリンのりシステムへのバリウムイオンの添加が追跡監視を容易にすることが
また報告されている。(例えば、McCarthy,P.M.ら、Mayo C
lin Pros(1987)62:317〜319;Portmann M.
J Head and Neck Pathol(1982)3:96;Pan
is,R.,(同書)94〜95、を参照のこと)。
【0011】 最近、市販の組織接着剤製品およびシステムにおいて血液血漿由来産物の使用
により惹起される健康上の問題を回避することを探求する方法に労力が集中して
いる。フィブリノーゲン含有成分の自己対応物を単離する試みがなされている。
(例えば、Feldman、M.C.ら、Arch Otolaryngol−
Head and Neck Surg(1988)114:182〜185;
Feldman,M.C.ら、Arch Ophthalmol(1987)1
05:963〜967;Feldman,M.C.ら、M J Otolog(
1988)9:302〜305;Silberstein,L.E.ら、Tra
nsfusion(1988)28:319〜321を参照のこと)。自己フィ
ブリノーゲン調製物の使用はまた、明白な制限を有する。
【0012】 (血管密封材)組織接着剤の重要な局面の1つは、創傷、詳細には、血管穿刺
および他の血管創傷(例えば、手術から生じる)の密封である。
【0013】 例えば、主要な血管構造に経皮的にアクセスすることは、種々の診断手順およ
び治療手順(経皮的経管的冠動脈形成術(PTCA)、経皮冠動脈造影、および
経皮冠状動脈内粥腫切除術を含む)において、重要な工程である。経皮血管内手
順において、血管空間へのアクセスは一般的に、いわゆるセルディンガー法を使
用して獲得され、この方法では、まず中空の針を用いて皮膚、内在する筋組織、
および選択された血管(例えば、大腿動脈)の壁を通した穿刺創傷を作製する。
次に、ガイドワイヤーを、その遠位端が血管内に配置されるまで管状針を通して
挿入し、配置された時点でこの針をガイドワイヤーから取り外し、そして誘導針
シースおよび拡張器と交換する。誘導針シースは、代表的に、ガイドワイヤー周
囲を密封するために、その近位端に自己密封止血弁を備える。次いで、ガイドワ
イヤーを、誘導針を通して血管空間に前進させ、そして血管系の予め選択された
領域に配向する。一旦、ガイドワイヤーが位置付けられると、カテーテルを、こ
のガイドワイヤーの上で所望の領域まで前進させる。
【0014】 一旦、この手順が完了し、そしてカテーテルおよび誘導針シースが穿刺部位か
ら取り除かれると、特に患者が抗凝固療法(例えば、ヘパリン、クマジン(co
umadin)、アスピリン、または血栓崩壊剤)にある場合には、大量の出血
が起こり得る。アクセス部位での手順後の出血を阻止するために使用される最も
一般的な方法は、正常な生理学的経路がアクセス部位を密封するまで、穿孔部位
に直接的圧力を適用することに関する。この方法に伴ういくつかの問題点が存在
する。第1に、圧力適用技術は、出血の阻止に失敗し得る。このような出血は、
生命の危機に関わり得るか、または大量の血腫を導き得る。例えば、鼡径部など
における大量の血腫は、主要な神経供給を前方のより低い端にとどめ得る。
【0015】 第2に、圧力適用技術は、入院滞在の長さを延長する。例えば、PTCAは2
〜3時間で完了し得るが、患者は代表的に、アクセス部位を生理学的に密封させ
るために、さらに数時間から一晩の間入院する。この延長した入院滞在の間、患
者は、例えば大腿動脈のアクセスの場合に、しばしば患者の大腿にテープされた
砂嚢を伴って、固定して滞在することが必要とされる。
【0016】 これらおよび他の合併症は、自然の弾性を減少した動脈を一般に有する高齢の
患者においてPTCA手順が実施される場合に悪化する。比較的非弾性の動脈に
おけるアクセス穿孔は、正常の弾性の動脈における場合と同じ程度には緊縮また
は収縮しない。結果として生じる非縮小穿孔は、代表的に、正常な動脈における
アクセス穿孔よりも2〜3倍大きく、アクセス部位の止血の開始および正常な生
理学的密封をさらに複雑にする。
【0017】 1992年に全世界で500、000を超えるPTCAが実施され(Cowe
n Report、1993年3月)、そして主要な血管構造に経皮的にアクセ
スすることを必要とするその数の数倍の他の手順もまた実施された。従って、圧
力適用技術によって必要とされる入院滞在の長さの増大は、このような血管への
アクセスに必要とされる手順の経費をかなり増加させる。
【0018】 より速くかつより安全な血管アクセス部位の密封を可能にする技術は、非常に
大量の健康管理資金を節約する。医学文献は、多数の多様な手段によって、血管
造影または血管形成術のような用途における、経皮的に適用された血管内誘導針
の除去後の止血を達成することの問題に取り組んできた。米国特許第5,290
,310号は、血管壁における貫通部位に対して、皮下的にコラーゲン栓を送達
するためのデバイスを記載する。そのバレルの中にドーナツ型のコラーゲン栓を
含む器具が、管状誘導針の外部周辺に作製される。この器具は、穿刺創傷内およ
びこの穿刺の部位の血管の外部壁に対してコラーゲン栓を排出するためのプッシ
ャー(pusher)を備える。このデバイスは、動物供給源に由来し、従って
主にヘテロ三量体のI型コラーゲンを含むコラーゲン栓に依存する。
【0019】 米国特許第5,129,882号はまた、その遠位端がもはや血管内にはない
ように十分に誘導針シースの内腔が収縮した後に、誘導針シースの内腔を通して
注射デバイスを経由させることによって穿刺創傷に止血剤を注射するための外科
的器具を開示する。プランジャーを使用することにより、止血剤は器具の外側で
、そして穿刺創傷付近の動脈の外部壁に対して押し出される。
【0020】 米国特許第4,744,364号、同第4,852,974号、同第4,89
0,612号、同第5,021,059号、および同第5,222,974号は
各々、創傷内に適切な密封材を注射するための固着デバイスに付着された細糸を
使用しつつ、穿刺を通して血管内に固着デバイスを挿入することによって止血を
もたらすための方法および装置を記載する。固着デバイスは、血管内への密封物
質の進入を妨げ、そして選択された血管に向けさせるためのアンカー(anch
or)およびガイド(guide)として作用する。
【0021】 さらに他の、血管手順後に穿刺損傷内に止血剤を注射するためのデバイスが、
米国特許第5、281、197号、同第4、838、280号、同第5、192
、300号、および同第4、738、658号、ならびに公開された欧州特許出
願0 476 178A1に記載されている。
【0022】 (生体適合物質としてのコラーゲン/ゼラチン) 動物における主要な結合組
織タンパク質であるコラーゲンは、合成ポリマーには見られない多数の特徴を有
する。コラーゲンの特徴としては、生組織との良好な適合性、細胞増殖の促進、
ならびに移植の吸収および同化が挙げられる(例えば、Shimizu,R.ら
、Biomat.Med.Dev.Art.Org.5(1):49−66(1
977)を参照のこと)。これらの同じ特徴は、コラーゲンの誘導産物であるゼ
ラチンにもあてはまる。
【0023】 生体適合物質としてのコラーゲンの種々の適用(例えば、人工腎の透析膜、人
工角膜、硝子体、人工の皮膚および血管、止血剤、ソフトコンタクトレンズ、お
よび外科手術におけるコラーゲンの使用)が試験されている(Sterzel,
K.H.ら、Ameri.Soc.Artif.Int.Organs 17:
293(1971)、Rubin,A.L.ら、Nature 230:120
(1971)、および米国特許第4,581,030号、Dunn,M.ら、A
mer.Soc.Artif.Int.Organs 17:421(1971
)、Krajicek,M.ら、J.Srug.Res.4:290(1964
)、米国特許第4,215,200号、米国特許第4,264,155号;同第
4,264,493号;同第4,349,470号;同第4,388,428号
;同第4,452,925号、および同第4,650,616号、ならびにCh
vapil,M.ら、Int.Rev.Conn.Tiss.Res.6:1−
61(1973))。
【0024】 しかし、天然のコラーゲン繊維は、コラーゲンを無限に架橋されたネットワー
クに変換する共有結合性分子間架橋が理由で、成熟組織において基本的に不溶性
である。天然のコラーゲンの分散および可溶化は、分子間結合を破壊し、そして
コラーゲンの所望の特性を付与する基本の堅固な三重らせん構造に影響すること
なく、免疫原性の非らせん末端領域を取り除く種々のタンパク質分解性酵素で処
理することによって達成され得る(精製された可溶性コラーゲンを調製する一般
的な方法については、例えば、米国特許第3,934,852号;同第3,12
1,049号;同第3,131,130号;同第3,314,861号;同第3
,530,037号;同第3,949,073号;同第4,233,360号、
および同第4,488,911号を参照のこと)。
【0025】 コラーゲンを生体医学的接着剤としてより適合させるためにコラーゲンを改変
するための、種々の方法および物質が提案された(コラーゲンおよび合成ポリマ
ーに関する一般的考察については、例えば、De Toledo,A.R.ら、
Assoc.for Res.in Vision and Ophthalm
ology、Annual Meeting Abstract、第31巻、3
17(1990);Lloydら、「Covalent Bonding of
Collagen and Acrylic Polymers」、Amer
ican Chemical Society Symposium on B
iomedical and Dental Applications of
Polymers、Polymer Science and Techno
logy、第14巻、Plenum Press(Gebelein and
Koblitz編)New York、1980、第59〜84頁;Shimi
zuら、Biomat.Med.Dev.Art.Org.5(1):49−6
6(1977);およびShimizuら、Biomat.Med.Dev.A
rt.Org.6(4):375−391(1978)を参照のこと)。多くの
場合、先行の改変されたコラーゲンベースの接着剤は、以下を含む種々の欠陥を
被る:(1)発熱を産生する架橋/重合反応、(2)長い反応時間、および(3
)酸素および生理学的pH範囲の存在下で効力のない反応(例えば、Lee M
.L.ら、Adhesion in Biological Systems、
R.S.Manly編、Academic Press、New York、1
970、第17節を参照のこと)。さらに、多くの先行の改変されたコラーゲン
ベースの接着剤は、それらを生体医学的用途に不適合にさせる毒性物質を含む(
例えば、Buonocore,M.G.(1970)および米国特許第3,45
3,222号を参照のこと)。
【0026】 さらに、コラーゲンベースの接着剤の使用にはまた、このような接着剤が動物
供給源(そして代表的にはウシ供給源)由来であるので、免疫学的な懸念が存在
する。注射可能デバイスとしてのこのようなコラーゲンの使用に関する研究は、
少数の炎症応答を報告した。より近年では、ウシ海綿状脳障害(「狂牛病」)に
関連したヒトへの障害の伝染に関する潜在的な問題が、特にヨーロッパで、動物
および特にウシ供給源の物質の使用を制限するように注意を集めた。
【0027】 これらの欠陥にもかかわらず、伝えるところでは適切な接着性強度および多く
の医療的適用(特に、柔組織に関する)における有用性を有する、特定のコラー
ゲンベースの接着剤が記載された(米国特許第5,219,895号、同第5,
614,587号、同第5,582,834号、同第5,575,997号、同
第5,354,336号、および同第4,600,574号を参照のこと)。参
考文献は、コラーゲンベースの接着剤においてI型およびII型の使用を確認し
ている。ここで、精製されたI型およびII型コラーゲンは、化学的に改変され
て生理学的条件で可溶性のモノマーを形成し、そして重合化されて接着性および
密封材特性を有する組成物を形成する。特に、この報告は、コラーゲン混合物を
提示する天然の供給源由来のコラーゲンからなるコラーゲンベースの接着剤に限
定されている。例えば、天然の供給源から単離されるようなI型コラーゲンは、
使用される組織供給源に依存して、代表的に約10〜20%のIII型コラーゲ
ンおよび他のコラーゲン、ならびに約90〜80%のI型コラーゲンを含む。「
I型コラーゲン」混合物に関して、参考文献はさらに、その構造的特徴の結果と
同じ程度の接着性のコラーゲンの使用、あるいは、上皮細胞接着において暗示さ
れたI型コラーゲンのホモ三量体と比較した、優勢なI型コラーゲンのへテロ三
量体の使用のみを教示している(例えば、Ghersiら、1989、Eur.
J.Cell Biol.50:279−84を参照のこと)。
【0028】 入手可能な報告は、III型コラーゲン、III型コラーゲンの予想外の止血
特徴、または当該分野で記載されるような最初の化学的改変工程を回避すること
を可能にする組換えコラーゲンの使用に言及していない。
【0029】 まとめると、より速くかつより安全な治癒を可能にし、ドナー(非ヒトを含む
)供給源からの感染の危険性を最小化し、簡便性および耐久性を増加し、外科手
術の資金および時間への依存を最小化し、そして優れた生体適合性を示す密封材
および創傷被覆材として有用な組成物についての必要性が、当該分野において存
在する。さらに、現在の利用可能な処方を超える改善された簡便性および耐久性
を提供し、そして侵襲性の少ない処置を促進して、医療的監視のもとで改善され
た患者の痛みの軽減およびより短時間を生じる、生物学的に誘導された接着剤に
ついての必要性が存在する。さらに、このような組成物は、好ましくは、改善さ
れた結合強度を提供する。上記に挙げられたより安全かつより有効な治癒の利点
を提供し、そして生物学的に適合性である非接着性組成物についても、必要性が
存在する。
【0030】 (発明の要旨) 本発明は、可溶性の組換え的に誘導されたIII型コラーゲンモノマーおよび
/またはI型コラーゲンモノマー、またはIII型コラーゲンモノマーおよび/
またはI型コラーゲンモノマー由来のゼラチンを使用して形成され得る、密封材
特性を有する生物学的に適合性のIII型コラーゲン産物および/またはI型コ
ラーゲン産物(コラーゲン産物およびゼラチン産物は、ひとまとめにして、本明
細書中以降、「コラーゲン」といわれる)を含み、ここでこのモノマーは、重合
化されて密封材特性を有するIII型コラーゲン組成物および/またはI型コラ
ーゲン組成物を形成する。好ましくは、コラーゲンはヒトであり、そして組換え
技術を使用して誘導される。III型コラーゲンは、他の型のコラーゲンと比較
して、その予想外に優れた止血特徴のために選択された。I型コラーゲンは、そ
の構造的特徴のため、ならびに特定のI型コラーゲン形態(例えば、I型コラー
ゲンのホモ三量体)の止血特性のために選択された。重合化反応は、化学的酸化
剤、紫外線照射、適切な酸化酵素、または大気中の酸素のような適切な重合化開
始剤によって開始され得る。さらに、グルタルアルデヒド、色素媒介性光酸化、
PEGおよびその誘導体、アシルアジ化物、プライエポキシ(plyepoxy
)固定剤、酸化デンプン(過ヨウ素酸塩)および水溶性カルボジイミド(「WS
C」)を含む架橋剤は、重合化プロセスにおいて使用されて、密封材特性を有す
るコラーゲン組成物を形成し得る。
【0031】 産物の構造的安定性および止血特徴を最適化することによって、組換えコラー
ゲン産物の密封材特性および接着性特性を最適化する目的のために、産物は、純
粋な組換えI型コラーゲンおよびIII型コラーゲンの組み合わせから構成され
る。純粋な組換えIII型コラーゲン 対 純粋な組換えI型コラーゲン(ヘテ
ロ三量体)の割合は、好ましくは約30%以上のIII型コラーゲン 対 約7
0%以下のI型コラーゲン(ヘテロ三量体)である。より好ましくは、純粋な組
換えIII型コラーゲン 対 純粋な組換えI型コラーゲン(ヘテロ三量体)の
割合は、約30%〜約50%のIII型コラーゲン 対 約70〜約50%のI
型コラーゲン(ヘテロ三量体)である。最も好ましくは、純粋な組換えIII型
コラーゲン 対 純粋な組換えI型コラーゲン(ヘテロ三量体)の割合は、約3
0〜約40%のIII型コラーゲン 対 約70〜約60%のI型コラーゲン(
ヘテロ三量体)である。
【0032】 I型コラーゲンのホモ三量体から構成される組成物に関して、純粋な組換えI
型ホモ三量体 対 組換えI型コラーゲンのへテロ三量体および組換えIII型
コラーゲンの組み合わせの割合は、約90:10である。より好ましくは、純粋
な組換えI型ホモ三量体 対 組換えI型コラーゲンのへテロ三量体および組換
えIII型コラーゲンの組み合わせの割合は、約75:25である。最も好まし
くは、純粋な組換えI型ホモ三量体 対 組換えI型コラーゲンのへテロ三量体
および組換えIII型コラーゲンの組み合わせの割合は、約50:50である。
【0033】 他の型のコラーゲンを含まず、以下の特徴および能力のうちの少なくとも1つ
を有する、純粋な組換えIII型コラーゲンの組織密封材、純粋な組換えI型の
組織密封材、または純粋な組換えI型コラーゲンおよびIII型コラーゲンの組
織密封材を提供することが本発明の目的である。
【0034】 (i)止血。密封材は、止血障壁として作用し、そして血清、リンパ、および
液体の漏出の危険を低減する。III型コラーゲンは、固有に止血特性を保有す
るので、止血デバイスにおけるその使用は、既知のフィブリン密封材を超える改
善を提供する。I型コラーゲンはまた、いくつかの止血特性を保有する。
【0035】 (ii)接着。その接着特性に起因して、本発明の密封材は、それらの間に強
力な連結を形成することによって組織を結合し、そして一様ではない創傷表面に
適合する。接着効果は、以下に記載される薬剤のような薬剤とIII型コラーゲ
ンおよび/またはI型コラーゲンとの組み合わせによって増大する。
【0036】 (iii)創傷治癒。密封材は、効率的な止血および創傷表面間の接着と組み
合わせて、改善された治癒プロセスを提供する繊維芽細胞の増殖を促進する(G
hersiら、1989、Eur.J.Cell Biol.50:279−2
84(ホモ三量体およびヘテロ三量体のI型コラーゲンの特徴の比較)もまた、
参照のこと)。抗接着性/創傷治癒組成物としての本発明の組成物の使用は、瘢
痕組織ではなく正常(再生)組織を生じる(すなわち、最適な創傷治癒)ことが
予期される。さらに、このような組成物はまた、炎症応答を減少させる。
【0037】 従って、生体医学的適用(特に、柔組織に関する適用)のために適切な接着性
強度を有する、安全で効率的な生物学的接着剤として、重合化されたIII型コ
ラーゲンおよび/またはI型コラーゲンの組成物を提供することが、本発明の目
的である。より詳細には、本発明は、大きな血管および心臓における穿刺および
切開を密封する際に有用な組成物に関する。重合化された物質は、その意図され
る生体医学的適用(眼科学、形成外科学、整形外科学、および心臓学における用
途を含む)に合わせて、多くのサイズおよび形状をとり得る。III型コラーゲ
ンおよび/またはI型コラーゲンを含有する本発明の血管密封材組成物は、単独
で、または組織密封材デバイス(例えば、米国特許第5,782,860号(1
998年7月21日発行)、同第5,759,194号(1998年6月2日発
行)、および同第5,728,132号(1998年3月17日発行)において
示されるデバイスを含む)と組み合わせて、使用され得る。
【0038】 本発明の別の目的において、III型コラーゲンおよび/またはI型コラーゲ
ンの組成物はさらに、血管密封材または創傷被覆材のためにさらに所望される特
徴を付与する薬剤から構成される。例えば、フィブリン、フィブリノーゲン、ト
ロンビン、カルシウムイオン、およびXIII因子が、重合化コラーゲンの三次
元ネットワークの形成をより良好にもたらすために組成物中に含められ得る。本
発明のなお別の目的において、組換えIII型コラーゲン組成物は、創傷治癒能
力を有する化合物を取りこむ。1つの実施態様において、この化合物は、結合組
織増殖因子であり、そして創傷へのこの化合物の徐放をもたらすように組成物中
に取りこまれる。本発明の第2の実施態様では、米国特許第4,808,402
号(1989年2月28日発行)に記載のように、薬物(例えば、腫瘍壊死因子
)が血管新生を改善する。
【0039】 (発明の詳細な説明) 方法論、プロトコール、細胞株、ベクター、および試薬などは変動し得るので
、本発明が、本明細書中に記載の特定の方法論、プロトコール、細胞株、ベクタ
ー、および試薬などに制限されないことが理解される。また、本明細書中で用い
られる用語は、特定の実施態様のみを記載する目的で使用され、そして本発明の
範囲を制限することを意図しないことも理解される。本明細書中で使用される場
合および添付の特許請求の範囲において、単数の形態「a」、「an」および「
the」は、その文脈が明らかに他を指示しない限り、複数の言及を含むことに
注意されなければならない。従って、例えば、「an antibody(抗体
)」に対する言及は、1つ以上の抗体および当業者に公知のそれらの等価物など
を参照する。
【0040】 他に定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語および科学
用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を
有する。好ましい方法、デバイス、および物質が記載されるが、本明細書中に記
載のそれらに対して類似または等価な任意の方法および物質が、本発明の実施ま
たは試験において使用され得る。本明細書中に引用されるすべての参考文献は、
その全体において、本明細書中で参考として援用される。
【0041】 (定義) 本明細書中で使用される場合、「生物学的適合性」とは、本発明に従って改変
された組換えIII型コラーゲンおよび/またはI型コラーゲン(すなわち、重
合化されたIII型コラーゲン組換え産物)をいい、これは、被験体の生物学的
組織内に組み込まれるか、または移植されるか、あるいは生物学的組織に隣接し
て配置され、そしてより詳細には、このような組み込みまたは移植あるいは配置
後に、経時的に顕著に劣化しないか、または免疫応答もしくは有害な組織反応を
誘導しない。
【0042】 本明細書中で使用される場合、用語「純粋な組換えI型コラーゲン」とは、実
質的に他のコラーゲン型を含まない、組換え技術によって製造されたI型コラー
ゲンをいう。他に詳細に言及されない限り、用語、純粋な組換えI型コラーゲン
は、I型コラーゲンホモトリマーおよびI型コラーゲンヘテロトリマーの両方、
およびその混合物を含む。この用語は、他の任意の形態の組換えI型コラーゲン
、およびコラーゲンのサブセット(例えば、ゼラチン)として分類され得る、こ
れらのI型コラーゲンに対してなされる任意の改変を含み得る。この用語は、天
然の供給源から単離されたI型コラーゲンを除外する。
【0043】 本明細書中で使用される場合、用語「純粋な組換えIII型コラーゲン」とは
、実質的に他のコラーゲン型を含まない、組換え技術によって製造されたヒトI
II型コラーゲンをいう。この用語は、他の任意の形態の組換えIII型コラー
ゲン、およびコラーゲンのサブセット(例えば、ゼラチン)として分類され得る
、これらのIII型コラーゲンに対してなされる任意の改変を含み得る。この用
語は、天然の供給源から単離されたIII型コラーゲンを除外する。
【0044】 本明細書中で使用される場合、用語「実質的に含まない」とは、他の任意のコ
ラーゲン型から実質的に純粋な組換えコラーゲン型、または他の任意のコラーゲ
ン型と混合されていない組換えコラーゲン型、および好ましくは他のコラーゲン
型を少なくとも90%含まない組換えコラーゲン型をいう。
【0045】 本明細書中で使用される場合、用語「血管密封材」とは、止血特性を保持する
、血管創傷を閉じる際に有用な任意の組成物(プラグを含む)をいう。
【0046】 本明細書中で使用される場合、用語「創傷」とは、皮膚、粘膜または上皮管壁
における任意の開口をいい、ほとんどのこのような開口は、一般的に、露出され
た組織、皮がむけた生身の組織または擦過された組織に関連する。本発明に従っ
て処置され得る創傷または他の外傷の型に関する限定はなく、このような創傷は
、以下を含むがこれらに限定されない:I度熱傷、II度熱傷およびIII度熱
傷(特に、II度熱傷およびIII度熱傷);手術切開(美容手術の切開を含む
);裂傷、切開および穿通を含む、創傷;ならびに潰瘍(褥瘡潰瘍(とこずれ)
、および糖尿病患者、歯科患者、血友病患者、悪性の患者、および肥満患者に関
連する潰瘍または創傷を含む)。主な関心は、新生血管形成による重い創傷の治
癒であるが、本発明がまた、軽度の創傷および上皮細胞の美容再生に有用であり
得ることが意図される。好ましくは、処置されるべき創傷は、ウイルス感染また
は腫瘍に関連があるか否かに関わらず、熱傷および手術切開である。
【0047】 (重合化された組換えI型コラーゲンおよびIII型コラーゲンの調製) (I型コラーゲンモノマーおよびIII型コラーゲンモノマーの生成) 接着特性および止血特性を有する、本発明の生物学的適合性コラーゲン産物を
形成する際に有用なコラーゲンの型は、組換えI型コラーゲンおよびIII型コ
ラーゲンである。モノマーの可溶性I型コラーゲンおよびIII型コラーゲンは
、トランスジェニック動物におけるIII型コラーゲンの生成に関するプロセス
を包含する、組換えプロセスによって得られる。このような組換えプロセスは、
例えば、米国特許第5,593,859号(本明細書中に参考として援用される
)に示される。好ましくは、I型コラーゲンまたはIII型コラーゲンは、I型
コラーゲンまたはIII型コラーゲンを含むポリペプチドをコードする少なくと
も1つの遺伝子、と翻訳後酵素プロリル4−ヒドロキシラーゼのαサブユニット
およびβサブユニットをコードする遺伝子とでトランスフェクトされた細胞を培
養し、そしてそれらから生じるコラーゲンモノマーを精製することによって、組
換え製造される。好ましくは、モノマーの可溶性I型コラーゲンおよびIII型
コラーゲン材料は、粘稠性のコンシステンシーならびに種々の程度の透明度およ
び清澄性を示す。
【0048】 (I型コラーゲンモノマーおよびIII型コラーゲンモノマーの重合化)続い
て、組換えI型コラーゲンモノマーおよびIII型コラーゲンの溶液を、重合化
または架橋条件に供して、本発明の重合化されたコラーゲン組成物を生成し得る
。重合化は、照射(例えば、UV、γ、または蛍光)を使用して行われ得る。U
V照射は、標準の254nm光源またはUVレーザー光源を使用して、短波長範
囲で達成され得る。標準の254nm光源(4〜12ワット)を用いて、2.5
〜10cmの露光距離、好ましくは2.5〜5cmの距離で、重合化は、10〜
40分、好ましくは20〜30分で生じる。過度のUV露光は、コラーゲンポリ
マーの脱重合を開始させる。γ照射を使用する重合化は、0.5〜2.5Mra
dを使用して行われ得る。過度のγ照射もまた、コラーゲンポリマーを脱重合さ
せる。酸素の存在下での重合化は、露光前の流体に開始剤を添加することによっ
て達成され得る。開始剤の限定されない例としては、過硫酸ナトリウム、チオ硫
酸ナトリウム、塩化鉄四水和物、亜硫酸水素ナトリウム、および酸化酵素(例え
ば、ペルオキシダーゼまたはカテコールオキシダーゼ)が挙げられる。開始剤が
使用される場合、重合化は、30秒〜5分、通常1〜3分で生じる。
【0049】 重合化因子は、好ましくはUV照射である。しかし、モノマー置換基の重合化
または架橋は、材料を大気中の酸素に単純に曝露すること(しかし、重合化の速
度は、UV照射または化学的薬剤の場合より、顕著により遅い)を含む、当該分
野で公知の任意の方法によって行われ得る。
【0050】 他の因子もまた、重合化プロセスにおいて有用であり得る。例えば、本発明の
組成物から形成される接着剤の接着強度を改善するために、二官能性のモノマー
架橋剤を、本発明の組成物に添加して重合化をもたらし得る。このような架橋剤
は、例えば、米国特許第3,940,362号(本明細書中に参考として援用さ
れる)において、当該分野で公知である。
【0051】 さらに、当該分野で周知の、重合化方法および架橋剤(例えば、グルタルアル
デヒド、色素媒介光酸化、PEGおよびその誘導体、アシルアジド、ポリエポキ
シ(plyepoxy)固定剤;酸化デンプン(過ヨウ素酸塩)および水溶性カ
ルボジイミド(「WSC」)は、本発明の重合化コラーゲンを生成するために使
用され得る。(例えば、米国特許第4,615,794号、米国特許第5,44
4,154号、米国特許第4,500,453号、米国特許第5,702,81
8号、米国特許第5,415,938号、米国特許第5,308,641号、米
国特許第5,264,551号、米国特許第5,258,501号、米国特許第
5,258,481号、米国特許第4,427,808号、米国特許第4,27
2,610号を参照のこと)。
【0052】 さらに、重合化を達成するためのポリアルデヒド組成物の使用もまた、利用さ
れ得る(例えば、PCT WO97/29715およびEP 747,066
A2を参照のこと)。
【0053】 (ゼラチンの形成)本発明の組換えコラーゲンタンパク質は、当該分野で公知
の手順を使用して、さらに改変および加工されてゼラチンにされ得る。(例えば
、Veis,1965,Internatioonal Review of
Connective Tissue Research,「The Phys
ical Chemistry of Gelatin」,Academic
Press,New York and Londonを参照のこと)。例えば
、全ての標準コラーゲンのゼラチン転換プロセスの一般的特徴は、コラーゲンタ
ンパク質の二次構造の喪失であり、大半の例において、コラーゲンの一次構造ま
たは三次構造のいずれかの変更である。本発明のコラーゲンは、所望のゼラチン
の型に依存する異なる手順を使用して、加工され得る。
【0054】 1つのアプローチにおいて、改変は、細胞塊または培養培地に存在する未精製
コラーゲンまたはプロコラーゲンに対して生じ得るか、あるいは任意のさらなる
改変が、上記のような精製コラーゲンに対してなされ得る。例えば、組換えコラ
ーゲンまたはプロコラーゲンは、組換えゼラチンへと改変および加工され得る。
ゼラチンは、上昇した温度でのゼラチンの可溶性、ならびに低pHまたは高pH
、低塩濃度または高塩濃度、および高温条件での安定性を利用して、細胞塊また
は培養培地から直接的に生成され得る。例えば、細胞塊または培養培地をさらに
処理して、界面活性剤、加熱または変性剤を使用してコラーゲンの三重らせん構
造を変性することによって、ゼラチンを抽出し得る。(例えば、特に、Vies
を参照のこと)。組織由来ゼラチンの製造のためのよく確立された操作が、組換
えゼラチンの生成に適用され得る。これは、強アルカリまたは強酸での処理、水
溶液中での加熱抽出、イオン交換クロマトグラフィー、クロスフリー(cros
s−flow)濾過および加熱乾燥を含むが、これらに限定されない。
【0055】 (I型コラーゲン組成物およびIII型コラーゲン組成物) 本発明の組成物は、重合化されたI型コラーゲンおよびIII型コラーゲンか
ら構成され、ここで、上記組成物は、以下の工程を包含するプロセスによって製
造される:(1)上記の組換え方法による、I型コラーゲンモノマーおよびII
I型コラーゲンモノマーの生成;ならびに(2)このようなモノマーの重合化。
さらに、最終組成物が、ゼラチンベースの密封材または創傷被覆材である場合、
このプロセスは、コラーゲンをゼラチンに転換する工程を包含する。
【0056】 組換えコラーゲン産物の構造的安定性ならびにこの産物の止血特性を最適化す
ることにより、この産物の密封材特性および接着剤特性を最適化する目的のため
に、この産物は、好ましくは、純粋な組換えI型コラーゲンおよびIII型コラ
ーゲンの組み合わせ構成される。純粋な組換えI型コラーゲン(ヘテロトリマー
)に対する純粋な組換えIII型コラーゲンの比は、約70%以下のI型コラー
ゲン(ヘテロトリマー)に対して、約30%以上のIII型コラーゲンである。
より好ましくは、純粋な組換えI型コラーゲン(ヘテロトリマー)に対する純粋
な組換えIII型コラーゲンの比は、約70%〜約50%のI型コラーゲン(ヘ
テロトリマー)に対して、約30%〜約50%のIII型コラーゲンである。最
も好ましくは、純粋な組換えI型コラーゲン(ヘテロトリマー)に対する純粋な
組換えIII型コラーゲンの比は、約70%〜約60%のI型コラーゲン(ヘテ
ロトリマー)に対して、約30%〜約40%のIII型コラーゲンである。
【0057】 本発明の組織密封材および接着剤中の成分の濃度の適切な範囲は、当該分野で
周知の方法によって決定され得る。(例えば、Haraski,H.ら(199
9)第XXII巻、Society for Biomaterials,15
8〜159頁;Fasman,G.D.編(1989)Practical H
andbook of Biochemistry and Molecula
r Biology,Section 1,126〜130頁;米国特許第5,
834,232号(1998年11月10日発行);Sierra,D.H.ら
(1992)J.Appl.Biomater.3(2):147−151;M
artinowitz,U.およびR.Saltz(1996)Curr.Op
in.Hematol.3(5):395−402;ならびにSiriex,D
.(1998)Ann.Vasc.Surg.12(4):311−316を参
照のこと)。本発明の組成物のコラーゲン成分の実際の割合は、この組成物に対
する他の薬剤の添加およびこの組成物の所望の用途に依存する。特定の組成物に
適切な割合の決定は、当業者のレベル内であり、そして本発明は、達成され得る
種々の組み合わせを意図する。
【0058】 本発明の組成物は、血管組織、およびより一般的には、軟組織を接着または密
封する際に有用な他の薬剤からさらに構成され得る。例えば、組換えI型コラー
ゲンタンパク質および/または組換えIII型コラーゲンタンパク質に加えて、
この組成物は、好ましくは、第XIII因子および/またはフィブリン/フィブ
リノーゲン/フィブロネクチンおよび/またはプラスミノゲンのようなトランス
グルタミナーゼを含む。これらの成分の適切な濃度は、当該分野で周知の方法に
よって選択され得る。例えば、フィブリノーゲンはまた、血漿濃度で存在し得、
例えば、約1.5mg/ml〜約4.0mg/ml、またはそれより高い。フィ
ブリノーゲンは、例えば、性能をモニターするためにより低濃度で存在し得る。
【0059】 好ましくは、この組成物はまた、凝固酵素(すなわち、トロンビン)を、特に
、二価カルシウム(例えば、塩化カルシウム)と組み合わせで含む。塩化カルシ
ウム濃度は、組織接着組成物の特定の目的に依存して、例えば、40mM〜0.
2Mとの間で変化し得る。高濃度の塩化カルシウムは、線維芽細胞増殖を阻害し
、従って、抗接着適用(フィブロネクチン(線維芽細胞の増殖を刺激する)は、
このような組成物中で存在しなくてもよい)に好ましい。フィブリン溶解インヒ
ビター(例えば、プラスミンインヒビター(例えば、アプロチニン、アプリロチ
ニン(aprilotinin)、α−2−アンチプラスミン、α−2−マクロ
グロブリン、α−1−アンチトリプシン、ε−アミノカプロン酸またはε−トラ
ネキサム酸)、あるいはプラスミンアクチベーターインヒビター(例えば、PA
I−1またはPAI−2))を含むことは、さらに価値があり得る。
【0060】 本発明の組織接着組成物における以前に公知の成分の割合が、当該分野で周知
の方法に従って選択され得るが、粘性増強ポリマーの必要量は、特定のポリマー
および意図される使用形態に依存して、当業者によって容易に決定され得る。従
って、この粘性増強ポリマーの濃度および/または分子量が非常に低い場合、粘
性増加は不十分であり、そして非常に高い濃度および/または分子量は、フィブ
リン重合化および組織への接着を阻害する。
【0061】 トロンビン濃度を増加することによって、本発明の組成物の重合化は速められ
得、にかわが固まるまでの時間を減少する。例えば、低いトロンビン濃度では、
組成物のフィブリンは、適用後数分間、多かれ少なかれ流体のまま残存する。従
って、本発明に従う粘性増強ポリマーで粘性を増加するさらに有益な効果は、よ
り低濃度のトロンビン(密着されるべき部分が、引き続いて、非水平表面に対す
る順応さえ必要とする状況下で必要とされる)が、使用され得ることである。
【0062】 同様に、本発明の組成物は、本明細書中に記載の薬剤の組み合わせを含むより
むしろ、融合タンパク質を含み得、この融合タンパク質において、I型コラーゲ
ンおよび/またはIII型コラーゲンと、例えば、フィブリンが結合されて1つ
の分子を形成する。このような融合タンパク質は、本明細書中に記載の組換え技
術に従って製造され得る。
【0063】 本発明のさらなる実施態様において、本発明の組成物は、組織の形成を誘導ま
たは促進すること、あるいは線維症性接着の形成を限定することのいずれかによ
る創傷治癒に有用な薬剤を含む。このような薬剤としては、抗生物質、または成
長因子(例えば、結合組織成長因子(例えば、米国特許第5,408,040号
および同第5,585,270号(参考として本明細書中に援用される)に記載
される)が挙げられる。本発明の別の実施態様において、この薬剤は、血管形成
を改善する(例えば、腫瘍壊死因子(米国特許第4,808,402号(198
9年2月28日発行)に記載される)。
【0064】 特に本発明の血管密封材の局面に関して、III型コラーゲンおよび/または
I型コラーゲンを含む血管密封材組成物は、単独で使用され得るか、または組織
密封材デバイス(例えば、米国特許第5,783,860号(1998年7月2
1日発行)、同第5,759,194号(1999年6月2日発行)および同第
5,728,132号(1998年3月17日発行)に示されるデバイスを含む
)との組み合わせで使用され得る。
【0065】 (用途領域) 本発明の重合化III型コラーゲン産物および/または重合化I型コラーゲン
産物は、機械的な密封材および接着系を生成するために有用であり得る。
【0066】 (血管接着系)適用領域は、以下を含むが、これらに限定されない:一般的な
外科、歯科、神経外科、形成外科、胸郭および血管外科、腹部外科、整形外科、
事故手術、婦人科、泌尿器科、および眼科(opthalmology)。本発
明のコラーゲン密封材はまた、薬物(例えば、抗生物質、成長因子および細胞増
殖抑制剤)の局所適用に使用されている。
【0067】 (密封材フィルムおよび創傷被覆材)本発明の1つの局面において、重合化コ
ラーゲン産物は、密封材フィルムの形態に作製され得る。コラーゲンベースのフ
ィルムは、プラスチックフィルムのコンシステンシーおよび感触を有して可撓性
および弾性であるが、高い生物学的適合性を示し得る。密封材フィルムの用途は
、以下を含むが、これらに限定されない:腱手術後の接着形成の予防(すなわち
、腱周辺のラップとしての使用)、合成鼓膜としての使用、および代用顔面組織
および創傷被覆材成分としての使用。密封材フィルムの可能な用途のさらなる例
としては、角膜擦過傷の処置、創傷閉鎖、カテーテルおよび装置の被覆、ならび
に組織および腱(例えば、腹膜腔)における接着形成を予防するための材料とし
ての使用が挙げられる。
【0068】 本発明のさらなる実施態様は、多くの薬物および薬学的組成物(成長因子、抗
生物質、および他の生物学的に有益な化合物を含む)の送達に特異的な系におい
て使用され得る、密封材および接着性処方物を含む。このような材料は、コラー
ゲン接着剤または密封材に添加されて、細胞移動、細胞接着、および創傷治癒を
促進する。
【0069】 (血管形成および血管造影)血管造影は、染料が冠状疾患の存在または非存在
を検出するために動脈(好ましくは、大腿動脈)内に注射されることによる、診
断手順である。血管形成(PCTAとしても公知である)は、動脈の妨害物を除
去する目的のための動脈(例えば、冠状動脈)におけるバルーンの膨張を含む、
治療手順である。大腿動脈を穿刺した後、バルーンカテーテルを、大腿動脈を通
して導入し、そしてアテローム性動脈硬化症(プラーク)によってブロックされ
た冠状動脈まで誘導される。一旦、正確に位置付けすると、バルーンは、血管壁
に対して脂肪物質を押し込むことによって動脈を開口する試行において、数回膨
張および収縮され、これは、心筋の罹患領域に血液を循環させるのを可能にする
。種々の型のバルーンカテーテルが、血管形成および血管造影において一般的に
使用され、これらには、以下が挙げられる:1)疾患部位に対して独立したガイ
ドワイアを利用する、オーバーザワイア(over−the−wire)カテー
テル;2)バルーンカテーテルをガイドワイアと組合せて1つのデバイスにした
、固定ワイアカテーテル;3)標準的なオーバーザワイアカテーテルよりもより
簡便に交換され得るオーバーザワイアカテーテルである、迅速交換(rapid
−exchange)カテーテルまたは単一オペレーター(single−op
erator)交換カテーテル;および4)この手順の間の血流を可能にする、
灌流カテーテル。回転チップカテーテルは、動脈壁上に蓄積したプラークを除去
する。これらのデバイスは、識別切断(differential cutti
ng)と呼ばれる技術を使用する。石灰化材料は、動脈壁の弾性性質に起因して
、動脈を損傷せずに微小粒子になる。
【0070】 血管形成は、血管造影よりもより侵襲性かつ複雑な手順であり、これは、血管
造影に使用されるよりも長い鞘の挿入を必要とする。この鞘は、動脈内にカテー
テルを導入するための媒介物として使用される。さらに、血管造影はまた、手術
手順中またはその後の凝固を予防するために、血液溶剤(thinner)(例
えば、ヘパリン)の使用を必要とする。抗凝固剤は、身体の自然密封/凝固機構
を妨げ、従って、密封穿刺は、有意な長さの時間を必要とする。
【0071】 本発明に従って、動脈からカテーテルおよび他の侵襲性デバイスを引き抜いた
後、接着剤塗布器を、必要に応じて、鞘内に導入し、そして動脈中の穿刺近辺ま
たは穿刺に接触する位置に配置し得る。この手順の間、手動または機械的加圧を
動脈に適用して、穿刺部位での血液の流れを減少する。可能な場合、過度の血液
/体液は、穿刺部位から除去される。続いて、本発明の組換えIII型コラーゲ
ンモノマーおよび/または組換えI型コラーゲンモノマーは、動脈の外表面上の
穿刺および/または穿刺跡内に適用される。次いで、モノマーを、本明細書に記
載の技術(例えば、UV照射)によって、重合化および/または架橋する。この
結果、重合化は、0〜300秒以内、好ましくは、0〜120秒以内、より好ま
しくは、0〜30秒以内、そして最も好ましくは、3〜10秒で生じる。動脈の
外側へこのコラーゲンモノマー組成物を適用することによって、塞栓症(動脈ま
たは循環系の妨害)の発生は、実質的に除去される。あるいは、重合化は、PC
T WO97/29715およびEP747,066 A2(参考として本明細
書中に記載される)に示される方法に従って達成され得る。
【0072】 あるいは、重合化III型コラーゲンおよび/または重合化I型コラーゲンが
使用され得、そして重合化工程が回避され得る。本発明の接着剤の結合強度のた
めに、少量の接着剤しか、穿刺された動脈を密封するのに必要とされない。さら
に、本発明に従う手術接着剤が、ほとんど直ちに重合化し得るので、この接着剤
は、動脈の内部を貫通することなく動脈の表面上および/または穿刺跡に沿って
重合化し得る。従って、大きい片または大きい粒子の材料は、循環系に進入せず
、これによって、実質的に塞栓症の危険性を減少する。本発明の好ましい接着剤
の迅速かつ強度な結合に起因して、患者は、最短期間の間だけしか固定される必
要がない。
【0073】 (投与) (処方物)本発明の組織処置組成物は、先行技術のフィブリン密封材と同じ型
の調製物で提示され得る。この成分は、適切な水溶液とともに用いる前に希釈す
るために、冷凍した(deep frozen)溶液形態か、または凍結乾燥粉
末(例えば、それぞれアプロチニンおよびカルシウムイオンを含有する)として
提供され得る。さらに、本発明の血管密封材は、当該分野で記載されるように、
そして当業者に公知のようにコラーゲンプラグの形態に処方され、そして成形さ
れ得る。
【0074】 本発明の組成物は、組織接着剤の適用の際に形成されるコラーゲン網に取りこ
まれるように、組織接着剤に、例えば、抗生物質または増殖因子のような薬学的
因子を組み込むことにより、さらにこれらの因子を含み得る。従って、この因子
は、例えば、この組成物が点眼剤または創傷治癒調製物などとして用いられる場
合、組成物から制御可能に放出されながら、適用の部位で保持される。上記でも
言及したように、本発明の組織接着剤組成物から放出されるべき薬学的に活性な
物質は、それ自体における粘性を増大する重合体またはそれに結合する物質であ
ってもよい。粘性増大の要件を満たし、そして治療的有用性および薬学的有用性
を有し、そしてバイオアベイラビリティーを維持するのに所望され得るこのよう
な粘性増大重合体の具体的な例は、ヒアルロン酸ならびにその塩および誘導体で
ある。これは水に容易に溶解し、そして非常に短い生物学的半減期を有する。従
って、1つの局面において、本発明の組成物は、ヒアルロン酸ならびにその塩お
よび誘導体のようなプロテオグリカンについて有利な徐放性調製物を構成する。
これらは、そのバイオアベイラビリティーをかなり増大する。
【0075】 特に、本発明の組成物は、接着特性を有するものに限定されない。非接着性組
成物も、特にこれらの組成物が主に創傷治癒を意図している場合、含まれる。こ
れらの組成物は、アルブミンおよび/または増殖因子のような非接着性タンパク
質を特に含み得る。実質的に非接着性の組成物もまた、この組成物の重合体部分
がタンパク質部分の接着性特性を阻害する場合にも得られ得る。この文脈におい
て、本明細書においてしばしば平易さの理由から「接着性」と呼ばれているが、
本発明は、接着性の組成物および実質的に非接着性の組成物の両方を含むことが
強調されるべきである。
【0076】 (組成物の適用)本発明の組成物は、種々の調剤デバイスを用いて適用され得
る。例えば、外科用接着剤は、視覚的監視システムを通して適用プロセスをモニ
タリングしながら、米国特許第4,900,303号(Lemelson)およ
び同第5,372,585号(Tiesenbrun)に記載されるデバイスを
用いて適用され得る。本発明の組成物はまた、米国特許第5,129,882号
(Weldonら)に記載の装置、または上記で引用される他のデバイス、もし
くは当該分野で周知の他のデバイスにより適用され得る。
【0077】 本発明による組成物はまた、他の密封手段と組み合わせて適用され得る。例え
ば、接着組成物は、外科縫合糸またはテープを用いて閉鎖した穿刺部位、例えば
、心臓を含む血管組織における穿刺または切開の密封に適用され得る。この場合
の接着剤は、完全な密封を提供し、従って器官または血管からの体液漏出、例え
ば、動脈穿刺部位からの漏出の危険性を減じる。本発明の外科用接着剤は、さら
に他の密封手段、例えば、プラグなどと組み合わせて用いられ得る。このような
技術は、例えば、米国特許第4,852,568号(Kensey)、同第4,
890,612号(Kensey)、同第5,053,046号(Janese
)、同第5,061,274号(Kensey)、同第5,108,421号(
Fowler)、同第4,832,688号(Sagaeら)、同第5,192
,300号(Fowler)、同第5,222,974号(Kenseyら)、
同第5,275,616号(Fowler)、同第5,282,827号(Ke
nseyら)、同第5,292,332号(Lee)、同第5,324,306
号(Makowerら)、同第5,370,660号(Weinsteinら)
および同第5,021,059号(Kenseyら)に記載されている。これら
の特許の内容は参考として本明細書において援用されている。
【0078】 特に、本発明の組成物は、少なくとも1つの表面に対して特定の組成物を適用
することにより2つの表面を接着するために用いられ得る。使用者の特定の要求
に基づいて、本発明の接着組成物は、公知の手段により、例えば、ガラスの撹拌
棒、滅菌ブラシ、または医薬滴下器などを用いて、適用され得る。多くの場合に
は、圧力下のエアロゾル調剤パッケージが好ましい。ここでは、接着組成物は、
適合性の無水噴霧剤を有する溶液中に存在する。モノマーのエアロゾル適用は、
止血における使用のために特に有利である。エアロゾル適用のための機構は当該
分野で周知である。
【0079】 (実施例) 以下の実施例は、単に本発明を例示するために提供され、そして本発明の範囲
を限定することを意図しない。
【0080】 (酵母発現系からの組換えIII型コラーゲンの精製) 以下のプロトコールを用いて、Pichiaから組換えヒトIII型コラーゲ
ン(「rhcIII」または「RhcIII」)を精製した。 1.1容量の細胞ペレットを7容量の0.1N HClで再懸濁する; 2.−20℃の冷凍庫から取り出してすぐのガラスビーズでBead−Beat
erチャンバを半分満たす; 3.細胞懸濁液でこのチャンバを満たす; 4.氷−水のジャケットをこのチャンバに組み合わせる; 5.このジャケットにある程度の塩化ナトリウムとともに氷水をいれる; 6.この細胞ペレットを、それぞれ1分のホモジナイゼーションの間に5分間隔
として、5×1分間、ホモジナイズする; 7.濾紙なしでブーフナー漏斗を通す濾過によりホモジネートを回収する; 8.ペプシン溶液を最終濃度0.2mg/mlまで添加し、そして4℃で8時間
インキュベートする; 9.10,000rpmで30分間遠心し、そして上清(画分S1)およびペレ
ット(画分P1)を収集する; 10.10M NaOHでpHを7.4に調節する、4℃で一晩インキュベート
する。 11.5M NaClおよびHACを1M NaCl、0.5M HACに添加
する; 12.4℃で1時間インキュベートする。 13.遠心分離によりペレットを収集する(画分P2); 14.このペレットを3容量の0.1M HCl(コラーゲン量に依存して、コ
ラーゲン濃度を約0.3mg/mlに調節する)に溶解する; 15.1.5容量の3M尿素、0.3M NaCl、0.15M Tris、p
H7.4を添加し、そしてNaOHでpHを7.4に調節する; 16.流速0.1〜0.2ml/分でDEAE−セルロースカラム(1.6×1
5cm)を通過させる; 17.流出物を収集する; 18.1M NaCl、0.5M HACにおける沈殿によりコラーゲンを濃縮
する; 19.10mM HCl中のペレットを再溶解する(画分rhcIII); 20.必要な場合、10mM HClに対してコラーゲン溶液を透析する; (組換えヒトIII型コラーゲンの特徴付け) 上記のように、精製したrhcIIIを図1に示すようにSDS−PAGEに
より試験し、そしてアミノ酸分析を実行した。そして精製したrhcIIIのア
ミノ酸組成物を以下のように表1に示す。
【0081】
【表1】 (生体適合性および組織反応試験) rhcIIIおよびコメリック(commeric)の生体適合性および組織
反応をラット皮下モデルにおいて試験した。rhcIIIおよび市販のコラーゲ
ン止血薬(Collagen Hemostat)を無菌条件下で注射用ペース
ト/ゲル中に処方した。このrhcIIIサンプルを、内毒素レベルが限界以下
であることを確認するために試験した。このゲルをラットに皮下注射した。予備
的なデータは、rhcIIIがいかなる紅斑も浮腫も生じないことを示す。この
ゲルを注射後2日、7日および28日で切開し、そしてH&E染色を用いて組織
学的に試験した。市販のコラーゲン止血薬は、rhcよりもかなり強力な組織応
答を有する。7日目にラットから収集したrhcIIIと市販のコラーゲン止血
薬との比較を図2に示す。
【0082】 (血小板凝集試験) (方法)上記の組換えヒトIII型コラーゲン(「rhcIII」)の原線維
発生を以下の方法に従って試験した:第1のrhcIII溶液を10mM HC
lで希釈して1mg/mlにして、次に、1/10容量の200mM Na2
PO4、pH11.2を添加した。次いでこの溶液を十分混合し、そして一晩、
室温(20〜22℃)でインキュベートした。インキュベーション後、原繊維の
スラリーをボルテックスした後、用いた。
【0083】 次いで、ヒト血小板富化血漿(PRP)を明白に健常なドナーの新鮮血液から
調製した。次いで、このPRPを200K/μlに調節し、そしてコラーゲン原
繊維スラリーをPRPに添加した。原繊維スラリーの添加後、血小板凝集プロフ
ィールを血小板凝集計を用いて検出した。5分以内に生じる少なくとも30%の
光学密度の低下を誘導するコラーゲンの量から、完全な血小板凝集を誘導する最
小量のコラーゲンを推定する。
【0084】 (実験結果)組換えヒトコラーゲンIIIの血小板凝集能を、上記の方法に従
って、そしてBalleisenら、1975、Klin.Wschr 53:
903〜905(本明細書において参考として援用される)においてより完全に
記載しているように、ウシ皮膚由来のコラーゲンの血小板凝集能と比較した。以
下の表2に示すように、組換えヒトコラーゲンIIIから生成した原繊維は、ヒ
ト血小板凝集の誘導において、ウシ皮膚コラーゲンから生成した原繊維よりも、
より少ない最小量でよい。組換えヒトコラーゲンIIIはまた、血小板凝集を誘
導する作用発現時間がより短い。これらの結果は、組換えヒトコラーゲンが、組
織由来コラーゲンよりもより止血性であることを示す。
【0085】
【表2】 以降の実験では、血小板を3人の健常ドナーから入手し、そして血漿中で20
0K/mlに調製した。コラーゲン原繊維スラリーを血小板懸濁液に添加し、そ
して凝集を血小板凝集計で測定した。完全な血小板凝集を誘導し得る最小量のコ
ラーゲンを添加したコラーゲンの量を段階的に減じることにより決定した。少な
くとも30%のODの低下が5分以内に生じた場合、完全な凝集が生じたとした
。rhcIIIは血小板の完全な凝集を誘導するのにより少ない最小量でよいこ
とが示され、そしてこれは、rhcIIIはウシI型コラーゲンよりも止血性で
あることを示す。図1に示されるこの結果は、III型コラーゲン原繊維がI型
コラーゲン原繊維よりも止血性であることを示す。
【0086】 (rhcIIIスポンジの止血効果) rhcIIIを以下のように調製した: rhcIIIをpichia pastoris中で発現した。選択した発現
クローンを規定の条件下でバイオリアクター中で培養した。rhcIIIを制限
したペプシン消化およびディファレンシャル塩沈により収集した細胞ペレットか
ら精製した。精製したrhcIIIを、まずリン酸緩衝液での中和、および室温
での一晩のインキュベーションによって原繊維中に処方した。この原繊維を遠心
分離により収集し、次いで水に再懸濁した。均質化後、rhcIIIゲルを型枠
に移し、そしてスポンジ中で凍結乾燥した。この型のスポンジは水の吸収が非常
に乏しい。
【0087】 水吸収能は、止血薬および血管密封材としてのrhcIIIの適用に重要であ
る。本発明の組成物がこの要件を満たし得ることを確実にするため、水吸収性の
rhcIIIスポンジを処方するプロセスを開発した。基本的に、スポンジをま
ずUV照射で、次いで1%WSCで架橋した。残存する架橋試薬をPBS中での
インキュベーションにより除去し、そしてスポンジを水で洗浄した。架橋したス
ポンジを動物試験および組織密封材の処方物のために凍結乾燥する。このプロセ
スは、rhcIIIスポンジの水吸収を増強するのみでなく、rhcIIIスポ
ンジの機械的強度を有意に増加した。コントロール研究において、ウシI型コラ
ーゲンをまた、同じ手順後にスポンジ内に処方した。
【0088】 順応したニュージーランド白ウサギ(New Zealand White
Rabbit)を深く麻酔し、そして脾臓を露出するために開腹術を行った。ス
カペル(scapel)ブレードを用いて、脾臓に約1cmの長さでかつ0.3
cmの深さの均一な切開を行った。次いでこの切開をrhcIIIスポンジかま
たはウシコラーゲンIスポンジで処置した。試験物または陽性コントロール材料
の適用から出血停止までの時間間隔を記録した。Anovaおよびスチューデン
ト2サンプルT検定を用いて、止血の平均時間の統計分析を行った。rhcII
Iスポンジで処置した脾臓の出血時間がウシI型コラーゲンで処置した時間より
有意に短かったことが観察された。これらの結果を図4に示す。
【0089】 (rhcIII密封材の処方物) rhcIII密封材を調製するため、以下を含む、3工程の実験アプローチを
探求した:1)架橋したrhcIIIスポンジを調製する工程;2)ヒトトロン
ビンでこのスポンジをコーティングする工程;および3)引き続き、ヒトフィブ
リノーゲンでこのスポンジをコーティングする工程。
【0090】 水溶性カルボジイミドで架橋したコラーゲンスポンジを100%エタノールで
リンスし、そして濾過漏斗に置いた。エタノール中に懸濁したヒトトロンビン(
25U/ml)を用いて、濾過によりスポンジを被膜した。スポンジ上のトロン
ビンの量は、約10U/cm2であった。4mg/mlの濃度で水中に溶解した
ヒトフィブリノーゲンを3容量のエタノールとの混合により沈殿した。沈殿した
フィブリノーゲンを減圧によりスポンジを通じて濾過した。スポンジ上のフィブ
リノーゲンの量は約3mg/cm2であった。コートしたスポンジを凍結乾燥し
、そして動物試験に用いた。
【0091】 順応したニュージーランドホワイトラビットを深く麻酔し、そして腎臓および
脾臓を露出するために開腹術を行った。スカペルブレードを用いて、腎臓および
/または脾臓に約1.0cmの長さでかつ0.3cmの深さの切開を行った。こ
の切開を市販のコラーゲンスポンジINSTATまたはrhcIII密封材で処
置した。試験物の適用から出血停止までの時間間隔を記録した。止血が得られた
後の試験部位からの物質の剥離により、試験物の接着能力を評価した。この結果
を表3および表4に示す。
【0092】
【表3】
【0093】
【表4】 この研究の結果は、rhcIII原繊維がウシI型コラーゲンよりも低濃度で
ヒト血小板凝集を誘導し得ることを示した。このことは、rhcIIIスポンジ
が、脾臓傷害モデルにおいて、ウシコラーゲンスポンジよりも短い時間で出血を
停止することを示す。フィブリン密封材を増強したrhcIIIの原型は、イン
ビボで、市販のコラーゲンスポンジにまさる優れた止血の可能性を示した。
【0094】 (架橋実験) (ウシI型コラーゲン) 可溶性ウシIコラーゲンを用いて架橋可能性試験を実行した。10mMHCl
中のウシコラーゲンIを1/10容量の0.2M Na2HPO4、pH11.2
を用いて中和し、そして室温で1晩インキュベートした。原繊維を水で洗浄し、
そして遠心分離により50mg/mlに濃縮した。ホモジナイズしたゲルを小さ
い細胞培養シャーレに移し、そして凍結乾燥してスポンジを形成した。
【0095】 コラーゲンを架橋するため、ウシコラーゲンスポンジを水溶性カルボジイミド
(「WSC」)の溶液中で、室温で一晩インキュベートし、次いで、PBSおよ
び水で洗浄した。次いで、架橋したスポンジを乾燥し、そして溶解度および水吸
収について試験し、そして市販のコラーゲンスポンジ(AngiosealTM
いうコラーゲンスポンジ)と比較した。このデータを表5に示す。
【0096】
【表5】 表5および図5に示すように、架橋スポンジは、室温で24時間水中でインキ
ュベーションした後もインタクトであるようである。一方、非架橋コラーゲンス
ポンジはインタクトではなかった。架橋したコラーゲンスポンジの機械的強度を
試験するためにこれを指で引き裂いた。0.5%より高い濃度のWSCで架橋し
たコラーゲンスポンジは、適切な機械的強度を示した。
【0097】 (組換えIII型コラーゲン) 1/10容量の0.2M Na2HPO4、pH11.2を用いる10mMHC
l中でのrhcIIIの中和によりrhcIIIコラーゲン原繊維を調製し、そ
して室温で1晩インキュベートした。rhcIII原繊維を遠心分離により回収
し、そして水で洗浄した。この原繊維を60mg/mlに濃縮し、そしてゲルに
ホモジナイズした。このゲルを型枠に移し、そして約2.5mmの厚さのスポン
ジ中に凍結乾燥した。
【0098】 このコラーゲンスポンジを25%エタノール中の1%WSCを用いて室温で1
6時間架橋した。反応溶液中でのコラーゲンスポンジの湿潤化を加速するためエ
タノールを添加した。次いで、架橋したスポンジをPBSで2時間洗浄し、引き
続き水で3回洗浄した。凍結乾燥後、約1.4cm2の大きさのコラーゲンスポ
ンジを用いて、水吸収について試験した。さらに、2mgのコラーゲンスポンジ
を用いて溶解度について試験した。表6に示すように、rhcIIIスポンジの
架橋は、その水吸収能力を改善した。架橋したrhcIIIスポンジの湿潤化時
間は、約10秒に低下し、そして水の取り込みは、76mgから433mgに増
加した。架橋したrhcIIIスポンジは、室温で24時間水中でインキュベー
ションした後もインタクトのままであった。一方、非架橋rhcIIIはインタ
クトのままではなかった。
【0099】
【表6】 このコラーゲンスポンジをまたSDS−PAGEを用いて試験した。図6に示
すように、レーン1およびレーン6がrhcIIIを示す;レーン2はAngi
osealTMについてのコラーゲンスポンジを示す;レーン3は、架橋したウシ
コラーゲンIスポンジを示す;レーン4は架橋したrhcIIIスポンジを示す
;そしてレーン5は、架橋していないrhcIIIスポンジを示す。コラーゲン
スポンジAngiosealTM、架橋したウシコラーゲンIスポンジ、および架
橋したrhcIIIスポンジは、SDS−PAGE緩衝液中で溶解しない。
【0100】 本発明の記載された方法およびシステムの種々の改変および変更は、本発明の
範囲および精神から逸脱することなく当業者に明白である。本発明は特定の好ま
しい実施態様と組み合わせて記載されるが、特許請求の範囲に記載の本発明は、
このような特定の実施態様に過度に限定されるべきではないことが理解されるは
ずである。実際、分子生物学または関連分野の当業者に自明である本発明を実行
するための記載された様式の種々の改変は、特許請求の範囲の範囲内であること
が意図される。本明細書において引用されるすべての参考文献は、その全体が本
明細書において参考として援用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、pichia pastorisによって生成された組換えIII型
コラーゲンのSDS−PAGE分析を示す。
【図2】 図2は、は、組換えIII型コラーゲンおよび市販のコラーゲン止血物質の生
体適合性に関するデータを示す。
【図3】 図3は、組換えIII型コラーゲンおよびウシI型コラーゲンの血小板凝集能
実験に関するデータを示す。
【図4】 図4は、組換えIII型コラーゲンおよびウシI型コラーゲンで処置した脾臓
の出血時間に関するデータを示す。
【図5】 図5は、水溶性カルボジイミドで架橋されたウシI型コラーゲンのSDS−P
AGE分析を示す。
【図6】 図6は、水溶性カルボジイミドで架橋された組換えIII型コラーゲンのSD
S−PAGE分析を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 24/00 A61L 15/04 26/00 25/00 A 27/00 K A61P 17/02 A61K 37/12 C12P 21/02 37/465 //(C12P 21/02 37/02 C12R 1:84) 37/547 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH,G M,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ネフ, トーマス ビー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94027, アサートン, グレンウッド アベニュ ー 190 Fターム(参考) 4B064 AG01 CA06 CC24 DA01 4C081 AA02 AB13 AC04 BA11 BA13 BA16 CD121 CD151 CD172 CD18 CD23 4C084 AA02 AA06 BA44 DC03 DC10 DC15 DC50 MA01 MA63 NA14 ZA532 ZA891 ZA892

Claims (53)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合化したIII型コラーゲンを含む密封材組成物であって
    、ここで該密封材組成物は、細胞において純粋なIII型コラーゲンモノマーを
    組換え的に製造する工程、および該モノマーを因子と重合化する工程により生成
    される、密封材組成物。
  2. 【請求項2】 前記組成物が生物学的に適合性である、請求項1に記載の組
    成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の組成物であって、前記III型コラーゲン
    モノマーの組換え製造が以下の工程: (a)III型コラーゲンを含むポリペプチドをコードする少なくとも1つの
    遺伝子、およびプロリル4−ヒドロキシラーゼのαサブユニットまたはβサブユ
    ニットの群から選択されるポリペプチドをコードする少なくとも1つの遺伝子で
    トランスフェクトされた細胞を培養する工程;ならびに (b)該III型コラーゲンを精製する工程、 を含む、組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の組成物であって、前記組成物が、さらにフ
    ィブリン、フィブリノーゲン、トロンビン、第XIII因子または結合組織増殖
    因子の群から選択される1つ以上の因子を含む、組成物。
  5. 【請求項5】 前記密封材が血管密封材である、請求項1に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記コラーゲンがゼラチンである、請求項1に記載の組成物
  7. 【請求項7】 前記組成物が非接着性である、請求項1に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記組成物がさらにアルブミンを含む、請求項7に記載の組
    成物。
  9. 【請求項9】 前記重合化が架橋により達成される、請求項1に記載の組成
    物。
  10. 【請求項10】 組織密封材を作製するための方法であって、該方法は、以
    下の工程: (a)組換え手段によりIII型コラーゲンモノマーを製造する工程;および (b)該III型コラーゲンモノマーを重合化する工程、 を包含する、方法。
  11. 【請求項11】 前記重合化が架橋により達成される、請求項10に記載の
    方法。
  12. 【請求項12】 重合化したI型コラーゲンを含む密閉材組成物であって、
    該密封材組成物は、細胞において純粋なI型コラーゲンモノマーを組換え的に製
    造する工程、および該モノマーを因子と重合化する工程により生成される、密封
    材組成物。
  13. 【請求項13】 前記組成物が生物学的に適合性である、請求項12に記載
    の組成物。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の組成物であって、I型コラーゲンモノ
    マーの組換え製造が以下の工程: (a)I型コラーゲンを含むポリペプチドをコードする少なくとも1つの遺伝
    子、およびプロリル4−ヒドロキシラーゼのαサブユニットまたはβサブユニッ
    トの群から選択されるポリペプチドをコードする少なくとも1つの遺伝子でトラ
    ンスフェクトされた細胞を培養する工程;ならびに (b)該I型コラーゲンを精製する工程、 を含む、組成物。
  15. 【請求項15】 前記コラーゲンがゼラチンである、請求項12に記載の組
    成物。
  16. 【請求項16】 請求項12に記載の組成物であって、前記組成物が、さら
    にフィブリン、フィブリノーゲン、トロンビン、第XIII因子または結合組織
    増殖因子の群から選択される1つ以上の因子を含む、組成物。
  17. 【請求項17】 前記密封材が血管密封材である、請求項12に記載の組成
    物。
  18. 【請求項18】 前記I型コラーゲンがヘテロ三量体コラーゲンである、請
    求項12に記載の組成物。
  19. 【請求項19】 前記I型コラーゲンがヘテロ三量体コラーゲンである、請
    求項12に記載の組成物。
  20. 【請求項20】 前記組成物が非接着性である、請求項12に記載の組成物
  21. 【請求項21】 前記組成物がさらにアルブミンを含む、請求項20に記載
    の組成物。
  22. 【請求項22】 前記重合化が架橋により達成される、請求項12に記載の
    組成物。
  23. 【請求項23】 組織密封材を作製するための方法であって、該方法は、以
    下の工程: (a)組換え手段によりI型コラーゲンモノマーを製造する工程;および (b)該I型コラーゲンモノマーを重合化する工程、 を包含する、方法。
  24. 【請求項24】 前記重合化が架橋により達成される、請求項23に記載の
    方法。
  25. 【請求項25】 重合化した精製III型コラーゲンおよび重合化した精製
    I型コラーゲンを含む組織密封材組成物。
  26. 【請求項26】 前記組成物が生物学的に適合性である、請求項25に記載
    の組成物。
  27. 【請求項27】 純粋な組換えI型コラーゲンに対する純粋な組換えIII
    型コラーゲンの比が、約70%以下のI型コラーゲンに対する約30%以上のI
    II型コラーゲンである、請求項25に記載の組成物。
  28. 【請求項28】 前記コラーゲンがゼラチンである、請求項25に記載の組
    成物。
  29. 【請求項29】 請求項25に記載の組成物であって、前記組成物が、さら
    にフィブリン、フィブリノーゲン、トロンビン、第XIII因子または結合組織
    増殖因子の群から選択される1つ以上の因子を含む、組成物。
  30. 【請求項30】 重合化したIII型コラーゲンを含む創傷被覆組成物であ
    って、該組成物は、細胞において純粋なIII型コラーゲンモノマーを組換え的
    に製造する工程、および該モノマーを因子と重合化する工程により生成される、
    創傷被覆組成物。
  31. 【請求項31】 前記組成物が生物学的に適合性である、請求項30に記載
    の組成物。
  32. 【請求項32】 請求項30に記載の組成物であって、前記III型コラー
    ゲンモノマーの組換え製造が以下の工程: (a)III型コラーゲンを含むポリペプチドをコードする少なくとも1つの
    遺伝子、およびプロリル4−ヒドロキシラーゼのαサブユニットまたはβサブユ
    ニットの群から選択されるポリペプチドをコードする少なくとも1つの遺伝子で
    トランスフェクトされた細胞を培養する工程;ならびに (b)該III型コラーゲンを精製する工程、 を含む、組成物。
  33. 【請求項33】 前記コラーゲンがゼラチンである、請求項30に記載の組
    成物。
  34. 【請求項34】 請求項30に記載の組成物であって、前記組成物が、さら
    にフィブリン、フィブリノーゲン、トロンビン、第XIII因子または結合組織
    増殖因子の群から選択される1つ以上の因子を含む、組成物。
  35. 【請求項35】 前記重合化が架橋により達成される、請求項30に記載の
    組成物。
  36. 【請求項36】 創傷被覆材を作製するための方法であって、該方法は、以
    下の工程: (a)組換え手段によりIII型コラーゲンモノマーを製造する工程;および (b)該III型コラーゲンモノマーを重合化する工程、 を包含する、方法。
  37. 【請求項37】 前記重合化が架橋により達成される、請求項36に記載の
    方法。
  38. 【請求項38】 重合化したI型コラーゲンを含む創傷被覆材組成物であっ
    て、該組成物は、細胞において純粋なI型コラーゲンモノマーを組換え的に製造
    する工程、および該モノマーを因子と重合化する工程により生成される、創傷被
    覆材組成物。
  39. 【請求項39】 前記組成物が生物学的に適合性である、請求項38に記載
    の組成物。
  40. 【請求項40】 請求項38に記載の組成物であって、I型コラーゲンモノ
    マーの組換え製造が以下の工程: (a)I型コラーゲンを含むポリペプチドをコードする少なくとも1つの遺伝
    子、およびプロリル4−ヒドロキシラーゼのαサブユニットまたはβサブユニッ
    トの群から選択されるポリペプチドをコードする少なくとも1つの遺伝子でトラ
    ンスフェクトされた細胞を培養する工程;ならびに (b)該I型コラーゲンを精製する工程、 を含む、組成物。
  41. 【請求項41】 前記コラーゲンがゼラチンである、請求項38に記載の組
    成物。
  42. 【請求項42】 請求項38に記載の組成物であって、前記組成物が、さら
    にフィブリン、フィブリノーゲン、トロンビン、第XIII因子または結合組織
    増殖因子の群から選択される1つ以上の因子を含む、組成物。
  43. 【請求項43】 前記コラーゲンがゼラチンである、請求項38に記載の組
    成物。
  44. 【請求項44】 前記I型コラーゲンがヘテロ三量体コラーゲンである、請
    求項38に記載の組成物。
  45. 【請求項45】 前記I型コラーゲンがホモ三量体コラーゲンである、請求
    項38に記載の組成物。
  46. 【請求項46】 前記重合化が架橋により達成される、請求項38に記載の
    組成物。
  47. 【請求項47】 創傷被覆材を作製するための方法であって、該方法は、以
    下の工程: (a)組換え手段によりI型コラーゲンモノマーを製造する工程;および (b)該I型コラーゲンモノマーを重合化する工程、 を包含する、方法。
  48. 【請求項48】 前記重合化が架橋により達成される、請求項47に記載の
    方法。
  49. 【請求項49】 重合化した精製III型コラーゲンおよび重合化した精製
    I型コラーゲンを含む創傷被覆材組成物。
  50. 【請求項50】 前記組成物が生物学的に適合性である、請求項49に記載
    の組成物。
  51. 【請求項51】 純粋な組換えI型コラーゲンに対する純粋な組換えIII
    型コラーゲンの比が、約70%以下のI型コラーゲンに対する約30%以上のI
    II型コラーゲンである、請求項49に記載の組成物。
  52. 【請求項52】 前記コラーゲンがゼラチンである、請求項49に記載の組
    成物。
  53. 【請求項53】 請求項49に記載の組成物であって、前記組成物が、さら
    にフィブリン、フィブリノーゲン、トロンビン、第XIII因子または結合組織
    増殖因子の群から選択される1つ以上の因子を含む、組成物。
JP2000564526A 1998-08-10 1999-08-10 血管密封材および創傷被覆材として用いるためのi型コラーゲンおよびiii型コラーゲン止血性組成物 Withdrawn JP2002524110A (ja)

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