JP2002523724A - 回転再生式熱交換器用のフローティングバイパスシール - Google Patents

回転再生式熱交換器用のフローティングバイパスシール

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Abstract

(57)【要約】 再生式空気予熱器における加熱要素(40)のまわりのガス流れバイパスは、ロータ区画室(28)内において積層されている加熱要素(40)間に配置されているフローティングバイパスシール(46,50,56)を使用することにより、減少される。シール(46,50,56)は開口中央部と外周フレーム部分とを具備するフレーム(58)から成り、外周フレーム部分は加熱要素(40)と区画室(28)の側部との間の隙間をふさぐ。シール(46,50,56)は、調節可能とすることができ、また変形可能なエッジシール(60)を有することができ、これにより区画室(28)の側部に対して実際に接触してシールすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】
本発明は、回転再生式熱交換器における加熱要素のまわりのガス流れの内部バ
イパスを減少又は排除する装置に関し、特に、空気予熱器における加熱要素のま
わりの空気及び煙道ガス流れの内部バイパスを減少又は排除する装置に関する。
【0002】 回転再生式空気予熱器において、ロータは複数のパイ状セクターに分割され、
更にこれらセクターの各々が複数のロータ区画室に細分されている。各ロータ区
画室は加熱要素のひとつ又はそれ以上の組立体に適合するように設計され、加熱
要素はバスケット様容器とその中の複数の熱伝達表面とから成る。製作公差及び
/又は熱状態の変化の下での延び作用に関連するロータ構体の変形のために、通
常、各バスケットのまわりに隙間を許容して設置状態での干渉を除去するように
加熱要素を設計する必要がある。
【0003】 製作公差、ロータの変形及び/又は設計上の隙間により、バスケットの側部と
ロータ区画室の対応する側壁又は隣接する他のバスケットとの間に過剰な隙間(
“バイパス隙間”)が形成されたときには、空気及びガス流れの一部分がこの隙
間を通して流れて加熱伝達表面をバイパスし、これにより熱伝達率の損失が生じ
てしまう。
【0004】 このようなバイパス隙間は、過去において、“タブ付け(tabbing)”
(これは、隙間を閉じるのに十分と思われる大きさでバイパスストリップを隙間
にわたって溶接することにより行われる)として知られている手段により、又は
隙間区域を受け入れるのに十分な大きさで弾性シール装置を隙間区域に取り付け
ることにより、対処されている。しかしながら、これら2つの解決法は現場作業
費及び材料費が高くかかる。すなわち、一般に、加熱要素のすべての層に、それ
ぞれ、タブ付け又は密封装置を取り付けることが必要とされる。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、回転再生式熱交換器における熱伝達表面のまわりの空気及びガス流
れのバイパスを減少又は排除する新規な装置を提供する。本発明は、加熱要素の
端に隣接してかつこの加熱要素端の外周部に位置するようにしてロータ区画室内
に配置されているフローティングシールを使用する。このフローティングシール
は、最小の隙間を残して各区画室に適合するような大きさとされ、これによりフ
ローティングシールは加熱要素と区画室の側部との間の隙間をふさぐ。フローテ
ィングシールは、種々の大きさの区画室に適合できるように調節可能とすること
ができる。また、変形例によれば、フローティングシールはその2つ又はそれ以
上の側部に取り付けられた変形可能なエッジシールを包含し、これによりエッジ
シールはフローティングシールが所定位置に押し込まれたときに変形させられて
壁に適合する。
【0006】
【好適な実施例の説明】
本発明の以下の説明において、熱を煙道ガスから燃焼用空気に伝達するために
使用される回転再生式空気予熱器が一例として示されている。しかしながら、本
発明は他の任意の回転又は固定再生式の熱交換器に適用可能であることを理解す
べきである。
【0007】 図面の図1は、従来の回転再生式空気予熱器を一部切欠して示す斜視図であっ
て、ハウジング12を示す。このハウジングの中には、ロータ14が矢印18に
より示される方向に回転できるよう駆動軸又は柱16に取り付けられている。ロ
ータは、外側シェル20と、半径方向に延びてロータを複数のパイ状セクター2
4に分割する複数の仕切り板22とを有する。複数の接線板26は、各セクター
24を複数の大略台形状の区画室28に分割する。最も外側の区画室は、通常、
ロータシェル20により画成されているわん曲外側端を有する。この図1には示
されてはいないけれども、各区画室は複数の積重された加熱要素を収容する。空
気予熱器のハウジングは、板30により煙道ガス側と空気側とに分割されている
。図1に示した板30と対応する他の板が、ハウジング12の底部に設置されて
いる。熱い煙道ガスは、ガス入口ダクト32を通して空気予熱器内に入り、それ
からロータを通して軸方向に流れて熱を加熱伝達表面に伝達せしめ、それからガ
ス出口ダクト34を通して出る。煙道ガスの流れと反対の方向に流れる空気は、
空気入口ダクト36を通して空気予熱器内に入り、それからロータ14を通して
流れて熱を奪い取り、それから空気出口ダクト38を通して出る。
【0008】 図2は、図1のロータの一部分の正面断面図であって、ロータ柱16とロータ
シェル20との間に延びる半径方向仕切り板22を具備するひとつのセクターを
示す。接線方向に延びる板26は、仕切り板22と一緒に区画室28を形成する
。この図2は、ひとつの区画室28内に積重されている2つの加熱要素40を示
している。しかしながら、各区画室内に積重される加熱要素は、2つよりも多く
又は少なくすることができることは理解されよう。この図2は、また、加熱要素
40と接線板26との間の接線隙間42を示している。
【0009】 従来設計での問題を更に示すために、図3は仕切り板22と接線板26とによ
り画成されている区画室28内の加熱要素40を示す平面図である。この図3に
見ることができるように、半径方向隙間44が加熱要素40の両側部と仕切り板
22との間に存在し、また接線隙間42が加熱要素40の内外方端と接線板26
との間に存在する。接線隙間42は、また、図2にも示されている。
【0010】 根本的に、従来の加熱要素40は2つの型式が存在する。第1の型式は、図1
0に示されるように、4つの垂直面の各々のまわりにフレーム142のみを有し
て、一般にピクチャーフレーム型バスケット140と称されている。そして、バ
スケットの内外方端に平行な多数の独立する板144から成る熱伝達表面がバス
ケット内に配置されている。この型式のバスケットによれば、空気及びガスは、
加熱要素の側部を通して、バイパス隙間に(タブ付けによりバイパスストリップ
が取り付けられている場合には、その上方又は下方のバイパス隙間に)逃げるこ
とができる。加熱要素の他の一般的な型式は、図11に示されるように、4つの
垂直面の各々がバスケットのまわりを包んでいる連続板242により閉じられて
いて、一般にフルラッパー型バスケット240と称されている。この型式のバス
ケットによれば、バスケットの両側部及び内外方端がすべて閉じられているので
、空気及びガスは独立する各加熱要素の内部から外部へ逃げることができない。
更に、図12に示されるように、加熱要素340が閉じられる他の型式は、ピク
チャーフレーム型式とフルラッパー型式との混成である。すなわち、この型式の
加熱要素は、ピクチャーフレーム型バスケット342を有しているが、しかし、
4つの垂直面はこれらの垂直面を閉じるようにフレームに取り付けられた板34
4を有している。以上述べた型式のいずれの加熱要素でも、バイパス隙間が問題
である。本発明に関して、任意の型式のバスケットが用いられるが、しかし、閉
じ型式のバスケット、例えば、図11のフルラッパー型バスケット、又は図12
の4つの側板を具備するピクチャーフレーム型である閉じ型式バスケットに本発
明を適用することは優先的な結果が生じるものである。
【0011】 図4は、本発明によるフローティングバイパスシール46を示す。このシール
46は、最小隙間を残して所定のロータ区画室28に適合するような大きさとさ
れた大略台形状のフレームである。種々の大きさの区画室に適合するように種々
の大きさのシールが、用意される。また、最も外側の区画室のためのシールは、
わん曲ロータシェル20に適合するようなわん曲外方端を有する。すなわち、フ
ローティングバイパスシールの大きさは種々の大きさの区画室のために選定され
、これらのシールが区画室の大きさの公差及び予想される変形を考慮して最小と
される隙間でもって区画室内に挿入できるものとされる。シール46の側部48
の幅は、これらの側部が所定の加熱要素の上方又は下方の外周部に連続して係合
するように選定される。また、シール46の厚さは、区画室内への取り付けのた
めに取り扱うのに及び隣接する加熱要素により生じる荷重に耐えるのに実質的に
十分であるように選定される。
【0012】 図5は、ロータの一部分の正面断面図であって、区画室内の2つの加熱要素4
0間の位置に設けられている本発明のフローティングバイパスシール46を示す
。この図5に見ることができるように、フローティングバイパスシール46は実
質的に接線板26にまで外側に延びて、隙間42を閉じている。図6は、フロー
ティングバイパスシール46が加熱要素40の上に置かれている状態を示す。加
熱要素40の外周部は、シール40の下に点線で示されている。この図6におい
て、シール46が最小隙間を残して区画室の側部にまで外側に延び、加熱要素4
0をオーバーラップして流れ制限部を形成し、隙間を実質的に閉じていることを
見ることができよう。また、図5に見ることができるように、フローティングバ
イパスシール46は2つの加熱要素40間に挟持されている。したがって、典型
的には浮動が自由であるシールは、例えば、すす吹き圧力が加えられたときにそ
の所定位置の外へ吹き飛ばされることはない。シールの取り付けの間、シールを
区画室内の所定位置に少なくとも一時的に固定しておくことは有益なことである
。これは、シールの少なくともひとつの側部に沿って例えばタック溶接のような
溶接をすることにより行うことができる。これは、たとえタック溶接が例えば熱
膨張により生じる力のために後で破壊するとしても、組み立てを容易にするもの
である。
【0013】 次に、空気予熱器は、製作公差又は熱変形のために大きさが異なる種々のセク
ター24の区画室28を有することがある。図7は、調節可能とした変形例のフ
ローティングバイパスシール50を示す。このフローティングバイパスシールは
、符号52で示されている複数、本例では4つのセグメントに細分されている。
これらのセグメントは、滑動連結装置54により互いに接続されている。例示さ
れている連結装置54は、単に、2つのセグメントを一緒に保持するようにこれ
らセグメント間の結合部のまわりに設けられた重金属シートのベント管であり、
セグメントが連結装置内で滑動することを許す。しかしながら、他の形の連結装
置も、また、本発明で用いることができるものである。例えば、セグメントの端
が開口を有し、この開口内に連結棒を滑動可能に挿入し、これにより結合部をつ
なぐようにすることができる。4つのセグメント52を連結装置54で組み立て
た後に、フローティングバイパスシール50は区画室28内に配置され、それか
ら外側に動くように調節され、これによりセグメントは半径方向の仕切り板及び
接線板に係合し、最も外側の区画室の場合には、セグメントはロータシェルに係
合する。これは、フローティングバイパスシールと区画室の壁との間の隙間を常
に最小にすることを保証する。
【0014】 本発明の更に他の実施例が、図8及び図9に示されている。この実施例におい
て、符号56で示されているフローティングバイパスシールは、前述したフロー
ティングシール46,50よりは多少増加はするがそれでも小さい隙間を残して
ロータ区画室に適合するような大きさとされているベースフレーム58から成る
。そして、このベースフレーム58には変形可能なエッジシール60が取り付け
られている。このエッジシール60は、図8に示されるように4つの側部のすべ
てにあっても良いし、又はその側部の内の1〜3つの側部にあっても良い。この
変形可能なエッジシールは、適当な手段、例えば溶接により取り付けることがで
き、また、区画室の壁の形状に適合するように変形可能である適当な軽量形金属
ストリップから形成することができる。この変形例のフローティングバイパスシ
ール56は、取り付けのために、通常、関連する区画室内に斜めに挿入され、そ
れから加熱要素の頂部に係合する位置まで押し下げられる。フローティングバイ
パスシール56をこのような位置に押し下げる過程において、エッジシール60
は、図9に示されるように、変形して、実質的にシール56と区画室の壁との間
に連続する係合を形成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 典型的な空気予熱器の概略斜視図であって、そのロータセクター及び区画室を
示す。
【図2】 ロータの一部分のひとつのセクターの正面断面図であって、ひとつの区画室内
に垂直に積重されている従来の2つの加熱要素及びバイパス隙間を示す。
【図3】 加熱要素を収容する従来のロータ区画室の平面図であって、バイパス隙間を示
す。
【図4】 本発明のフローティングシールの斜視図である。
【図5】 図2と同様なロータの一部分の正面断面図であるが、しかし、2つの加熱要素
間に配置されている本発明のフローティングシールを具備する区画室を示す。
【図6】 ロータの部分平面図であって、加熱要素とフローティングシールとを収容する
区画室を示す。
【図7】 フローティングシールを調節可能にした変形例を示す図である。
【図8】 フローティングシールが変形可能なエッジシールを具備するようにした変形例
の斜視図である。
【図9】 区画室内で変形したエッジシールを具備する図8の変形例のフローティングシ
ールを示す側面図である。
【図10】 加熱要素の一型式を示す図である。
【図11】 加熱要素の他の型式を示す図である。
【図12】 加熱要素の更に他の型式を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ローデス ロビン バリー アメリカ合衆国 ニューヨーク 14895 ウェルズビル ノース・ハイランド・アベ ニュー 145

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転再生式熱交換器用のロータにおいて、 a.ロータ柱と、 b.外側シェルと、 c.前記ロータを複数のパイ状セクターに分割する複数の仕切り板と、 d.前記セクターの各々の中に設けられ、前記セクターを複数の区画室に分割
    する複数の接線板と、 e.前記セクターの各々の中に積重された複数の加熱要素であって、この加熱
    要素のまわりに該加熱要素と前記仕切り板及び前記接線板との間の隙間が存在す
    る加熱要素と、 f.前記加熱要素の少なくともひとつに隣接し、ガスが前記加熱要素のまわり
    から前記隙間を通してバイパスするのを防止するフローティングバイパスシール
    装置と、 を包含し、前記フローティングバイパスシール装置が外周部と開口中央部とを
    有する周囲バンドから成り、前記外周部が前記仕切り板と前記接線板とに密接に
    隣接して前記区画室内にはめ込まれるような形状とされて、前記仕切り板と前記
    接線板と共にシールを形成し、また前記周囲バンドが前記加熱要素と前記仕切り
    板及び前記接線板との間の前記隙間をふさぐと共に前記加熱要素を少なくとも部
    分的にオーバーラップするような幅を有し、これによりガスが前記隙間を通して
    前記加熱要素をバイパスするのを防止するようにしたロータ。
  2. 【請求項2】 前記複数の加熱要素が、閉じられた側部を有している請求項1記載のロータ。
  3. 【請求項3】 前記複数の加熱要素が、フルラッパー型式である請求項2記載のロータ。
  4. 【請求項4】 前記複数の加熱要素が、側板を具備するピクチャーフレーム型式である請求項
    2記載のロータ。
  5. 【請求項5】 前記フローティングバイパスシール装置が複数のセグメントに細分され、これ
    らのセグメントが調節可能な連結装置により互いに接続され、これにより前記フ
    ローティングバイパスシール装置の大きさが調節可能である請求項1記載のロー
    タ。
  6. 【請求項6】 前記フローティングバイパスシール装置が、ベースフレームと、このベースフ
    レームのまわりに設けられて前記仕切り板及び前記接線板に係合する変形可能な
    エッジシールとから成る請求項1記載のロータ。
  7. 【請求項7】 前記フローティングバイパスシール装置が、2つの積重された前記加熱要素間
    に挟持されている請求項1記載のロータ。
  8. 【請求項8】 前記フローティングバイパスシール装置が、2つの積重された前記加熱要素間
    に挟持されている請求項2記載のロータ。
  9. 【請求項9】 前記フローティングバイパスシール装置が、2つの積重された前記加熱要素間
    に挟持されている請求項3記載のロータ。
  10. 【請求項10】 前記フローティングバイパスシール装置が、2つの積重された前記加熱要素間
    に挟持されている請求項4記載のロータ。
  11. 【請求項11】 前記フローティングバイパスシール装置が、2つの積重された前記加熱要素間
    に挟持されている請求項5記載のロータ。
  12. 【請求項12】 前記フローティングバイパスシール装置が、2つの積重された前記加熱要素間
    に挟持されている請求項6記載のロータ。
  13. 【請求項13】 前記フローティングバイパスシール装置が、取り付けの間、前記区画室内に溶
    接されている請求項1記載のロータ。
JP2000567892A 1998-08-27 1999-01-27 回転再生式熱交換器用のフローティングバイパスシール Expired - Lifetime JP3491231B2 (ja)

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