JP2002522070A - ヒト中脳細胞系およびその使用方法 - Google Patents

ヒト中脳細胞系およびその使用方法

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JP2002522070A JP2000565106A JP2000565106A JP2002522070A JP 2002522070 A JP2002522070 A JP 2002522070A JP 2000565106 A JP2000565106 A JP 2000565106A JP 2000565106 A JP2000565106 A JP 2000565106A JP 2002522070 A JP2002522070 A JP 2002522070A
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Abstract

(57)【要約】 条件付きで不死化されたヒト中脳細胞系を提供する。前記細胞系は、クローンであってもよいが、ドーパミン作動性ニューロンをはじめとするニューロンを形成させるのに使用することができる。該細胞系および/または分化した細胞は、パーキンソン病のような各種の神経学的疾患を予防および治療するための治療薬の開発に用いられる。さらに、該細胞系および/または分化した細胞はアッセイにおいて使用したり、中脳細胞の発生と分化の一般的研究に使用することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】技術分野 本発明は一般的にはヒト中脳細胞系に関するものである。さらに特定すると、
本発明は、ドーパミン作動性ニューロンへと分化することが可能な、条件付きで
不死化された中脳細胞系および該細胞系由来の分化した細胞に関する。このよう
な細胞系および/または分化細胞は治療薬の開発に、あるいはパーキンソン病な
どの疾病の治療に使用することができる。本発明はまた、種々のアッセイにおい
て、または中脳の発生と分化の研究のために前記細胞系および/または分化細胞
を使用することに関する。
【0002】発明の背景 哺乳動物の脳において、ドーパミン系は運動調節、ホルモン分泌調節、情動調
節にとって極めて重要である。ドーパミン作動性神経伝達の変化が様々な神経系
の障害に関与している。そのような障害の一つがパーキンソン病であり、この疾
病は線条体内のドーパミンの欠損が原因である。現在、この疾病を治療または予
防するための適切な方法は皆無である。L-DOPAがパーキンソン病の患者に投与さ
れてきたが、そのような治療は一般に有効でないと考えられている。
【0003】 胎児の神経組織(例えば、ドーパミン作動性ニューロンを含む中脳組織)の移
植片は、ヒトおよびモデル動物においてパーキンソン症候群の症状を改善するこ
とが示された。しかし、そのような移植片の使用は、十分な量の移植用組織を入
手することが困難であることもあって、制限を受ける。さらに、そのような組織
は凍結保存が十分には功を奏さず、新鮮な組織の移植が必要である。一般的には
、組織を(例えば、ウイルス汚染物を確認するために)評価する期間が必要であ
るので、新鮮な組織の使用は好ましくない。
【0004】 したがって、当分野では、パーキンソン病の研究や薬物創製のためのヒト中脳
ドーパミン作動性ニューロンの補充可能な供給源として使用することができる、
容易に分化可能で安定した中脳細胞系を必要としている。本発明はこうした要求
を満たし、その他の関係した有益性を提供するものである。
【0005】発明の概要 簡単に述べると、本発明は、ニューロンへと分化することが可能な、条件付き
で不死化されたヒト中脳細胞系を提供する。一態様において、本発明は、条件付
きで不死化されたヒト中脳神経前駆細胞の生産方法を提供する。該方法は、(a)
増殖を可能とする第1の表面上で第1の増殖培地中にプレートされたヒト中脳細
胞を、選択マーカーをコードするDNAと外部的に調節可能な増殖促進遺伝子によ
りトランスフェクトし、(b) 該トランスフェクト細胞を、付着および増殖を可能
とする第2の表面上で第2の増殖培地中にて選択し、そこから条件付きで不死化
されたヒト中脳神経前駆細胞を取得する、ことを含んでなる。特定の実施形態に
おいて、第1および第2の表面は、ポリアミノ酸(例えば、ポリリシンまたはポ
リオルニチン)、フィブロネクチン、ラミニンまたは組織培養プラスチックのう
ちの1種以上を含む基体からなる群より独立に選択される。増殖促進遺伝子はv-
mycなどの癌遺伝子である。増殖促進遺伝子の発現は、必要というわけではない
が、テトラサイクリンで阻止することができる。
【0006】 他の態様において、本発明は、ドーパミン作動性ニューロンへと分化すること
が可能な、条件付きで不死化されたヒト中脳神経前駆細胞、およびGABA作動性ニ
ューロンへと分化することが可能な、条件付きで不死化されたヒト中脳神経前駆
細胞を提供する。
【0007】 本発明はさらに、増殖促進遺伝子の発現を阻止する条件下で上記の条件付きで
不死化されたヒト中脳神経前駆細胞を培養することを含んでなる、ニューロンの
生産方法を提供する。特定の実施形態において、前記細胞はテトラサイクリン含
有培地中で、かつ/または1種以上の分化因子(例えば、フォルスコリン、GDNF
、CTNF、IGF-Iおよび/またはBDNF)の存在下で培養される。
【0008】 さらなる態様において、本発明は、上記のようにして生産されたニューロンを
提供する。
【0009】 本発明はさらに、他の態様において、上記のようにして生産された細胞を哺乳
動物に投与することを含んでなる、哺乳動物へのヒト中脳細胞の移植方法を提供
する。
【0010】 さらなる態様においては、上記のようにして生産された細胞を患者に投与する
ことを含んでなる、該患者のパーキンソン病の治療方法を提供する。
【0011】 他の態様においては、ヒト中脳細胞により産生されたタンパク質の活性をモジ
ュレートする薬剤についてスクリーニングする方法が提供される。該方法は、(a
) 上記のようにして生産された細胞に候補薬剤を接触させ、(b) 続いて、該細胞
により産生されたタンパク質の活性をモジュレートする候補薬剤の能力を測定す
る、ことを含んでなる。
【0012】 さらなる態様において、本発明は、サンプル中のタンパク質の存在または不在
を検出する方法を提供する。該方法は、(a) 上記のようにして生産された細胞に
サンプルを接触させ、(b) 続いて、該細胞における応答を検出し、そこからサン
プル中のタンパク質の存在を検出する、ことを含んでなる。
【0013】 本発明はさらに、上記のようにして生産された細胞の培養物内の遺伝子または
タンパク質の存在を検出することを含んでなる、ヒト中脳遺伝子またはタンパク
質の同定方法を提供する。
【0014】 さらなる態様においては、ヒト中脳細胞の死に影響を及ぼす薬剤についてスク
リーニングする方法が提供される。該方法は、(a) 上記のようにして生産された
細胞に候補薬剤を、候補薬剤の不在下では該細胞の死をもたらす条件下で接触さ
せ、(b) 続いて、該細胞の死に影響を及ぼす候補薬剤の能力を測定する、ことを
含んでなる。
【0015】 本発明はさらに、ヒト中脳細胞の死を調節するタンパク質についてスクリーニ
ングする方法を提供する。該方法は、(a) 上記のようにして生産された細胞内の
タンパク質の発現レベルを改変させ、(b) 続いて、該改変が該細胞の死に及ぼす
影響を測定し、そこからヒト中脳神経前駆細胞の死を調節するタンパク質を同定
する、ことを含んでなる。
【0016】 他の態様において、本発明は、上記のようにして生産された、条件付きで不死
化されたヒト中脳神経前駆細胞を提供する。かかる細胞はクローン細胞系内に存
在しうる。
【0017】 本発明の上記および他の態様は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照す
ることで明らかとなろう。本明細書中に引用した全ての文献は、それぞれが個別
に組み込まれているかのように、参照によりその全体をここに含めるものとする
【0018】詳細な説明 上述のとおり、本発明は、一般的には、条件付きで不死化されたヒト中脳細胞
系、その細胞系から分化した細胞、およびそのような細胞を用いる各種の方法に
関する。特に、本発明は、ドーパミン作動性ニューロンへと分化可能な条件付き
で不死化されたヒト中脳神経前駆細胞、および医薬品の発見および開発、移植研
究、治療法および種々のアッセイのためのそのような細胞の使用に関する。本発
明の条件付きで不死化されたヒト中脳神経前駆細胞系はクローン細胞系とするこ
とができるが、そうでなくともよい。本明細書に記載の細胞系は、均一な細胞の
永続的で再生可能な供給をもたらし、パーキンソン病などの疾患の治療および医
薬品開発を促すものである。
【0019】 条件付きで不死化されたヒト中脳神経前駆細胞は、一般的にはヒト中脳組織(
例えば、胎児中脳組織)から調製される。そのような組織は、好ましくは標準的
な方法を用いて分離する。次いでその組織を洗い、増殖させることのできる表面
上および増殖培地中(すなわち、少なくとも24時間を経て約1%の細胞が2倍となる
ことのできる表面および培地)にプレートする。好ましい増殖培地の1つは、DME
M/F-12、10%仔ウシ血清、およびFGF-2(ヒト遺伝子組換え体、40ng/mL、Boehring
er Mannheim, Indianapolis, 米国インディアナ州)を含有する。適切な表面とし
ては、限定はされないが、ポリアミノ酸の1種または組み合わせ(例えば、ポリリ
ジンおよび/またはポリオルニチン)、組織培養プラスチックおよびラミニンもし
くはフィブロネクチンで処理した表面を挙げることができる。細胞は通常は10 〜10個/cmの範囲の密度、好ましくは約3 X 10個/cmの密度でプレートし
うる。
【0020】 ヒト中脳神経前駆細胞は、増殖促進遺伝子(すなわち、適切な条件下でトラン
スフェクトされた細胞の増殖を促進するようなタンパク質をコードする遺伝子)
を含んでいる任意の適切なベクターを用いて、プレートされた細胞を、その増殖
促進タンパク質の産生および/または活性が外部因子によって調節可能となるよ
うにトランスフェクトすることによって条件付きで不死化することができる。好
ましい一実施形態においては、増殖促進遺伝子は癌遺伝子で、そのようなものと
しては限定はされないが、v-mycが挙げられる。増殖促進遺伝子として用いるこ
とのできるその他の癌遺伝子としては、N-myc、c-myc、p53、SV40ラージT抗原、
ポリオーマラージT抗原、アデノウイルスのE1a、およびヒトパピローマウイルス
のE7タンパク質が挙げられる。通常は、「増殖促進遺伝子」は、本明細書に記載
のtetで調節される発現系内で用いる場合には、ニューロンに分化することので
きる神経前駆細胞の培養物を生じせしめる任意の遺伝子である。
【0021】 増殖促進タンパク質の外部的な調節は、増殖促進遺伝子を外部的に調節可能な
プロモーター(すなわちその活性が、例えば、トランスフェクトされた細胞の温
度、またはその細胞と接触する培地の組成を改変することによって調節すること
のできるプロモーター)の制御下に置くことによって行うことができる。通常は
、増殖促進遺伝子の発現の調節は比較的厳格なものとすべきである(すなわち、
プロモーターが抑制されている場合には増殖促進遺伝子の発現は通常は本明細書
に記載の免疫蛍光法では検出できないようにすべきである)。例えば、テトラサ
イクリン(tet)で制御される遺伝子発現系を用いることができる(Gossenら, Proc
. Natl. Acad. Sci. USA 89:5547-5551, 1992; Hoshimaruら, Proc. Natl. Acad
. Sci. USA 93:1518-1523, 1996)。tetのない状態では、このベクター内のtetで
制御されるトランスアクチベーター(tTA)は、ヒトサイトメガロウイルス由来の
最少プロモーターをtetオペレーター配列と融合させたものであるphCMV−1
からの転写を強く活性化する。tTAは大腸菌(E.coli)のトランスポゾン-10由来の
tet耐性オペロンのレプレッサー(tetR)と単純ヘルペスウイルスのVP16の酸性ド
メインとの融合タンパク質である。tetが低濃度、非毒性濃度(0.01〜1.0μg/mL)
である場合は、ほぼ完全にtTAによるトランス活性化がなくなる(すなわち、v-my
cは本明細書記載の免疫蛍光アッセイを用いての検出ができなくなる)。
【0022】 好ましい一実施形態においては、該ベクターはさらに選択マーカー(例えば、
薬剤耐性を付与するタンパク質)をコードする遺伝子を含む。細菌性のネオマイ
シン耐性遺伝子(neo)は、本発明の範囲内で用いることのできるそのようなマ
ーカーの1つである。neoを持っている細胞は、25〜250μg/mLのG418を増殖培
地に添加するなどの当業者には公知の方法によって選択することができる。当業
者であれば、その他のマーカーを用いることができ、適切な選択を容易に行うこ
とができることは自明のことであろう。
【0023】 トランスフェクションは当業者に公知の種々の方法の任意のものによっても行
うことができるが、そのようなものとして限定はされないが、レトロウイルス感
染が挙げられる。通常は、プレートされた細胞は適切なレトロウイルス(例えば
、VSV-G偽型LINX v-myc レトロウイルス、これは下記に詳述している)の感染に
よってトランスフェクトすることができる。ウイルスのより高いストック濃度を
得るため、選択した培地中での(遠心後)ストックを得るため、およびヒト細胞へ
の感染性を増大させるために、VSV-G偽型レトロウイルスを使用するのが好まし
い。最近開発された(伝統的なものではない)VSV-G偽型レトロウイルスベクター
は、ヒト細胞への感染に特に有用であるが、それはVSV-糖タンパク質に対するレ
セプターは伝統的な両栄養性エンベロープタンパク質に対するレセプターよりも
豊富に存在し、種特異性がより少ないためである。さらに、VSV-G偽型ウイルス
粒子は超遠心分離に耐え、ウイルスの濃縮ができ神経前駆細胞の増殖と両立しう
る増殖培地中に再懸濁できる(Burnsら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:8033-8
037, 1993)。
【0024】 例えば、上記のとおり調製した中脳神経前駆細胞培養物は、プレートしてから
5日以内に、約12〜24時間(例えば、1晩)、ポリブレン(4〜8μg/mL)の存在下でイ
ンキュベートすることによってレトロウイルスに感染させることができる。次い
で、レトロウイルスを新鮮な増殖培地で洗うことによって除去することができる
。選択マーカーを有しているトランスフェクトされた細胞は、通常は付着と増殖
が可能な表面上および増殖培地中で選択することができる。ある表面の付着能は
肉眼による顕微鏡検査で測定することができる。通常は、細胞の少なくとも約20
%がその表面に付着するはずである。好ましい増殖培地の1つは、N2サプリメント
(GIBCO, Baltimore, 米国メリーランド州)、ラットCNS前駆細胞からの馴らし培
地(50%、Sahら, Nature Biotechnology 15:574-580, 1997によって述べられてい
るとおりに調製したもの)、FGF-2(ヒト遺伝子組換え体、40ng/mL、Boehringer M
annheim, Indianapolis, 米国インディアナ州)、EGF(ヒト遺伝子組換え体、40ng
/mL、GIBCO, Baltimore, 米国メリーランド州)、およびPDGFA/B(ヒト遺伝子組換
え体血小板由来増殖因子、20ng/mL、Boehringer Mannheim, Indianapolis, 米国
インディアナ州)を含むDMEM/F-12である。適切な表面としては、限定はされない
が、上述のポリアミノ酸の1種または組み合わせ(例えば、ポリリシンおよび/ま
たはポリオルニチン)、組織培養プラスチックおよびラミニンもしくはフィブロ
ネクチンで処理した表面を挙げることができ、付着性の単層として増殖させるべ
きである。
【0025】 トランスフェクション後、培養物は、例えば、N2サプリメント、FGF-2(40ng/m
L)、EGF(40ng/mL)、およびPDGFA/B(20ng/mL)を含むDMEM/F-12を含有する簡略化
増殖培地中で維持することができる。コンフルエンスに近づいた培養物をトリプ
シン処理によって継代し、1:5に分割することができる。典型的には、ほぼコン
フルエンスなT75フラスコ1個で10個の細胞を得ることができ、培養物は3〜7日
毎に継代させることができる。また、細胞は長期保存のために液体窒素中で凍結
させうる。
【0026】 クローン細胞系は、上述のとおり調製した条件付きで不死化されたヒト中脳神
経前駆細胞系から単離することができる。通常は、そのようなクローン細胞系は
標準的な技法、例えば限界希釈またはクローニングリングの使用によって単離し
て増やすことができる。クローン細胞系は通常は上述のように栄養補給して継代
させうる。ゲノムサザンブロットをクローナリティの確認のために行うことがで
きる。
【0027】 条件付きで不死化されたヒト中脳神経前駆細胞系(クローンでもよいが、そう
でなくともよい)は、通常は増殖促進遺伝子の発現を阻害することによって(すな
わち、増殖促進タンパク質の産生および/または活性を抑制することによって)ニ
ューロンへの分化を誘導することができる。例えば、増殖促進タンパク質をコー
ドする遺伝子が外部的に調節可能なプロモーターの制御下に置かれている場合に
は、条件(例えば、培地の温度もしくは組成)をその増殖促進遺伝子の転写を抑制
するように改変することができる。上述のテトラサイクリンによって制御される
遺伝子発現系では、テトラサイクリンを添加して増殖促進遺伝子の転写を抑制す
ることによって分化を起こさせることができる。通常は、1〜5μg/mLのテトラサ
イクリンで48時間処理することで神経の形態学的分化を開始させるには十分であ
り、その後数日間に分化したニューロンの数は増加する。そのような分化は例え
ば、細胞を、N2サプリメントおよびテトラサイクリン(1〜5μg/mL)を加えたDMEM
/F-12からなる培地中の適切な基体(例えば、ポリアミノ酸の1種または組み合わ
せ、フィブロネクチン、ラミニン、または組織培養プラスチック)に細胞をプレ
ートすることによって行うことができる。本発明の範囲内では、分化がフォルス
コリン(10μM)、GDNF(グリア細胞由来神経栄養因子;20ng/mL)、CNTF(毛様体神
経栄養因子; 20ng/mL)、IGF-I(インスリン様増殖因子; 100ng/mL)、およびBDNF(
脳由来神経栄養因子; 20ng/mL)の添加によって増強されることが見出された。そ
の後培地は一新することができる(2〜4日毎に)。
【0028】 分化細胞にはドーパミン作動性神経細胞(すなわち、ドーパミンを発現する神
経細胞)がある。そのような細胞は、ドーパミンの合成に関与する酵素であるチ
ロシンヒドロキシラーゼ(TH)の存在に基づいて同定することができる。通常は、
標準的な免疫蛍光技法を用いて、検出可能なレベルのTHを発現している細胞はド
ーパミン作動性とみなされる。GABA作動性分化細胞も同様に免疫蛍光法でのGABA
の検出に基づいて同定することができる。
【0029】 前駆細胞系と分化細胞系双方の特性評価は、通常は、当業者には周知の技法を
用いて行うことができ、そのような方法としては、細胞型の形態学的分析、免疫
細胞化学、およびPCR(細胞型特異的マーカーおよびレセプターの同定ならびに増
殖促進遺伝子の存在を確認するために)、ならびに電位依存性およびリガンド依
存性電流による電気生理学的分析が挙げられる。簡潔に述べれば、神経細胞は位
相明細胞体(phase bright cell bodies)および長く細い突起の存在に基づいて形
態学的に同定することができる。上記のとおり、神経のマーカーとしては、ドー
パミン作動性ニューロンのマーカーであるTH、およびGABA作動性ニューロンのマ
ーカーであるGABAが挙げられる。Map2abも、汎ニューロンマーカーとして用いる
ことができる。そのようなマーカーの存在または不在は標準的な免疫蛍光技法で
(例えば、市販の一次抗体および蛍光試薬を用いて)容易に測定することができ、
またそのようなマーカーをコードするmRNAのレベルをPCRまたはハイブリダイゼ
ーション技法を用いて測定することができる。細胞のファイヤアクションポテン
シャル(fire action potential)およびナトリウム、カルシウム、およびカリウ
ム電流ならびにリガンド依存性電流(例えば、ドーパミン(DA)、N-メチル-D-アス
パラギン酸(NMDA)、カイニン酸(KA)、及びγ-アミノ-n-酪酸(GABA))を生ずる能
力を評価するために当業者には公知の電気生理学的分析法を行って、機能を有す
るチャンネルおよびレセプターのレベルを測定することができる。
【0030】 ヒトの条件付きで不死化された中脳神経前駆細胞は通常はドーパミン産生ニュ
ーロンをin vitroまたはin vivoで産生させるために用いることができる。in vi
voでの使用には、条件付きで不死化された中脳神経前駆細胞は、その細胞がin v
ivoで分化するように移植することができる。あるいはまた、in vitroで作製さ
れた分化したドーパミン作動性ニューロンを移植することができる。
【0031】 移植は通常は当業界で公知の適切な技法のいかなるものを用いても行うことが
できる。例えば、所望の位置への細胞の導入(例えば注射によって)が容易となる
ような送達用器具(注射筒など)中に細胞を投入することができる。細胞は通常は
本明細書記載の移植のための医薬組成物中にある。
【0032】 細胞は通常は、パーキンソン病を治療する能力について、該疾病を有する種々
のモデル動物の任意のものを用いて評価することができる。適切なラットモデル
としては、6-ヒドロキシドーパミン、1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒド
ロピリジン(MPTP)での処理、または黒質線条体路の外科的解離(たとえば、Bjork
lundら, Nature 298:652-654, 1982を参照せよ)によって生じた黒質ドーパミン
作動性細胞内の損傷を有するラットが挙げられる。アカゲザルモデルまたはヒツ
ジモデルも用いることができ、そのモデルでは動物はMPTPの処理によって発生し
た黒質ドーパミン作動性細胞における損傷を有している(例えば、Smithら、Neur
oscience 52:7-16, 1993; Bakayら, Appl. Neurophysiol. 48:358-361; Zamirら
, Brain Res. 322:356-360, 1984; およびBaskinら, Life Sci. 54:471-479, 19
94を参照せよ)。細胞は標準的な技法を用いて移植することができ、その移植片
が周囲の組織に組み込まれたか否かを調べるために、形態学的および免疫組織化
学的な検討を行うことができる。回転対称モデル(Freedら, Neural Transplants
:Development and Function, Sladekら編, Plenum Press, NY, 373-406, 1984)
などの行動試験を、機能を有する形で組み込まれているかを確認するために用い
ることができる。
【0033】 患者の治療用には、条件付きで不死化されたヒト中脳神経前駆細胞系および/
またはモジュレート剤(例えば、下記に示すとおり、ヒト中脳神経前駆細胞によ
って産生されるタンパク質の活性を阻害もしくは増強することのできるもの、ま
たは分化したヒト中脳神経前駆細胞の死を阻害できるもの)を患者に投与するこ
とができる(予防のためまたは現在の症状の治療のためのいずれか)。そのような
細胞および/またはモジュレート剤を用いて予防および/または治療しうる症状と
しては、限定はされないが、パーキンソン病が挙げられる。特に、パーキンソン
病の治療には、分化したドーパミン作動性神経細胞を、例えば患者の線条中へ移
植することができる。通常は細胞を標準的な技法を用いて移植によって患者の体
内に導入することができる。モジュレート剤は当業者には公知の種々の経路のい
かなるものを経由させても投与することができる。そのような薬剤はその活性型
で、プロドラッグとして(すなわち、患者の体内で活性型に変換される化合物)、
またはそのモジュレート剤もしくはプロドラッグをコードする核酸配列として投
与することができる。本発明のこの態様で用いるための条件付きで不死化された
ヒト中脳神経前駆細胞は、それらの細胞が1つ以上の追加のタンパク質(モジュレ
ート剤など)を患者の体内で発現するようにさらにトランスフェクトすることが
できるが、必ずしもそうでなくともよい。
【0034】 患者への投与には、1種以上の条件付きで不死化されたヒト中脳神経前駆細胞(
および/またはモジュレート剤)は通常は医薬組成物に製剤化される。医薬組成物
は滅菌水溶液または非水性溶液、懸濁液もしくはエマルジョンとすることができ
、それはさらに生理学的に許容しうる担体(すなわち、有効成分の活性を妨害し
ない、無毒の物質)を含むことができる。当業者には既知のいかなる担体も適切
なものであれば本発明の医薬組成物に用いることができる。担体の選択は、部分
的には、投与される物質(すなわち細胞または化合物)の特性の如何による。代表
的な担体としては、生理食塩液、ゼラチン、水、アルコール、天然もしくは合成
油、ショ糖溶液、グリコール、オレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステル
、またはそれらの物質の組み合わせが挙げられる。場合により、医薬組成物はさ
らに保存剤および/またはその他の添加剤、例えば抗微生物剤、抗酸化剤、キレ
ート剤および/または不活性ガス、および/もしくはその他の有効成分を含有する
ことができる。
【0035】 投与の経路と回数、ならびに投与量は患者毎に異なり、投与される物質の特性
によっても異なる。一般的には、モジュレート剤を含む医薬組成物は、静脈内、
筋肉内、皮下、または体腔内に投与することができる。連日投与とすることがで
きる。細胞を含む組成物は通常は1回以上移植できる。適切な投与量とは、パー
キンソン病などの神経学的症状に冒されている患者の症状の改善を示すのに十分
な量か、またはそのような症状の発症を阻害するのに十分な量である。症状の改
善は、その疾患に伴う臨床症状の改善および/または遅延に基づいて検出するこ
とができる。症状の改善は、投与後または移植後数週間または数ヶ月で起こりう
るが、その期間内に必ずしも改善されるとは限らない。一般的には、1回投与量
中に含まれるモジュレート剤の量、または1回投与量中に存在するDNAによってin
situで産生されるモジュレート剤の量は、宿主1kgあたり約1mgから約200mgの範
囲である。1投与量の適切な量は患者の身体の大きさによっても変わるが、典型
的には10〜60kgの動物に対して約0.1mLから約5mLの範囲である。
【0036】 本発明の特定の態様の範囲内では、条件付きで不死化されたヒト中脳神経前駆
細胞系は種々のin vitroアッセイおよびスクリーニングに用いることができる。
本明細書に記載の細胞系が既知の多数のアッセイおよびスクリーニングに用いる
ことができること、ならびにそれらの方法を行う上での特定のパラメーターおよ
び判定基準は行おうとするアッセイに依存することは明らかであろう。当業者で
あれば既知の方法および同定しようとする化合物の所望の性質に基づいて、特定
のアッセイおよびスクリーニング法を容易にデザインすることができる。
【0037】 特定のアッセイ法においては、本明細書に記載の分化したまたは未分化の条件
付きで不死化されたヒト中脳神経前駆細胞系は、その細胞中の対象の核酸分子ま
たはタンパク質の存在または不在を検出するために用いることができる。それら
の細胞内の特定の核酸配列(すなわち、DNAおよび/またはRNA)を検出するために
は、PCRおよび/または種々のハイブリダイゼーション技法などの既知の方法を用
いることができる。そのようなアッセイ法は、例えばSambrookら, Molecular Cl
oning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratories, Cold Spring
Harbor, 米国ニューヨーク州, 1989中に記載の方法を用いて容易にデザインし
行うことができる。タンパク質を検出するためには、検出試薬は典型的には抗体
で、下記に示すように調製することができる。サンプル中のタンパク質の検出に
抗体を用いるための種々のアッセイフォーマットが当業者に知られている。例え
ば、HarlowおよびLane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbo
r Laboratory, 1988を参照せよ。そのようなアッセイ法で用いるための抗体はポ
リクローナルであってもモノクローナルであってもよい。抗体は当業者には既知
の種々の技法のいずれを用いても調製することができ、対象のタンパク質に対し
て特異的なモノクローナル抗体は、例えば、KohlerおよびMilstein, Eur. J. Im
munol. 6:511-519, 1976、およびそれの改良法を用いて調製することができる。
あるいはまた、タンパク質は、当業界で既知の適切なアッセイ法のいかなるもの
を用いても、そのタンパク質の活性に基づいて検出することができる。
【0038】 そのようなアッセイは通常は、例えば、ある薬剤のヒト中脳神経前駆細胞また
はニューロンによって産生されるタンパク質の活性をモジュレートする活性を評
価する方法で用いることができる。そのようなアッセイでは、分化したまたは未
分化の細胞を、候補薬剤がタンパク質の活性をモジュレートできるために十分な
条件下および時間、その薬剤と接触させることができる。接触後、細胞によって
産生されるタンパク質の活性を候補薬剤がモジュレートする能力は、標準的な技
法、例えばPCRまたはハイブリダイゼーション(mRNAのレベルを評価するために)
、または対象のタンパク質の測定に適切な種々のイムノアッセイまたは機能アッ
セイのいずれかなどを用いて測定することができる。例えば、カルシウム感受性
または電位感受性色素共役アッセイ(voltage-sensitive dye coupled assay)、c
AMP測定および/または受容体結合アッセイを候補モジュレート剤の効力を評価す
るために行うことができる。一般的には、そのようなスクリーニングに用いるた
めの抗体またはその他の薬剤の適切な量はその特定のタンパク質によって変わる
が、約10μgから約100mgの範囲となる。
【0039】 本明細書で用いている「モジュレーション」という用語は、対象のタンパク質
の活性の抑制または増強を含むものである。そのようなモジュレーションは転写
または翻訳の段階で生ずるか、またはインタクトなタンパク質の活性を改変した
結果であり得る。タンパク質の活性のモジュレーションは直接的(すなわち、そ
のモジュレート剤が対象のタンパク質と直接的に相互作用する)なもの、または
間接的(すなわち、そのモジュレート剤が1つ以上の他のタンパク質の発現および
/または活性を変え、それが次いで対象のタンパク質の活性をモジュレートする)
であり得る。モジュレート剤は抗体(例えばモノクローナル)、ポリヌクレオチド
、またはその他の薬剤とすることができる。細胞性タンパク質のいずれかの活性
をモジュレートするような薬剤をこのスクリーニングで同定することができる。
特定の実施形態においては、モジュレート剤は、神経伝達物質の受容体(例えば
、DA-受容体、AMPA-選択性受容体、カイニン酸受容体、GABA受容体、アデノシン
受容体、および/または5-HT受容体)、増殖因子受容体(例えば、FGF-2、EGF、BDN
F、NGF、CNTF、NT-3 および/またはGDNFに対する受容体)、またはイオンチャン
ネル(例えば、ナトリウムチャンネル、カルシウムチャンネル、および/またはカ
リウムチャンネル)などのタンパク質に対するものを同定することができる。好
ましいモジュレート剤はタンパク質の活性を少なくとも1/2に抑制するか、また
は2倍に増強することができる。
【0040】 本発明の別の1態様においては、本明細書記載の細胞系は、天然の神経前駆体
または神経細胞性環境でのタンパク質および/または遺伝子の発現を調べるシス
テム内で用いることができる。例えば、当業者にはよく知られた方法を用いて受
容体の発現および/または活性をアッセイすることができ、そのような発現およ
び/または活性への種々の改変の影響を評価することができる。そのような方法
の1つでは、細胞系は永続性または一過性で1種以上の対象の遺伝子でトランスフ
ェクトすることができ、その対象の遺伝子とは、限定はされないが、膜タンパク
質、分泌タンパク質、または細胞内タンパク質などを産生もしくは改変する遺伝
子がある。そのような遺伝子としては、イオンチャンネル、神経伝達物質の受容
体、神経変性疾患の家族性のタイプの変異を受けているタンパク質(例えば、シ
ヌクレイン(synuclein))および/またはMAPキナーゼが挙げられる。また、トラン
スフェクトされた遺伝子は薬剤開発に用いるためにリポーター遺伝子と結合させ
てもよい。本明細書に記載のこの態様およびその他の態様では、条件付きで不死
化されたヒト中脳神経前駆細胞は、分化させることなく用いることができ、また
は分化した細胞を用いることもできる。さらに、継代数の異なる細胞、および種
々の条件のいずれで増殖させた細胞も用いることができる。本発明の細胞系は現
存の細胞系に比べ、そのような研究のための多数の利点を有しており、その利点
としては、ニューロンを産生しうるクローン化した細胞系を提供しうること、お
よび条件付きで不死化された特性を有していることが挙げられ、その条件付きで
の不死化によって特別なステージで発生を止めることができる。何らかの所与の
研究のための特定の細胞の選択はその研究の目的に依存し、当業者であれば本明
細書に記載の技法を用いて適切な細胞を容易に調製し得る。
【0041】 さらなる態様では、本発明の条件付きで不死化されたヒト中脳神経前駆細胞系
はサンプル中の特定のタンパク質の存在または不在を検出するためのアッセイに
用いることができる。一般的には、アッセイはそのような細胞をサンプルと接触
させ、次いで当業者には知られている方法を用いてその細胞内のタンパク質によ
って誘導される応答を測定することにより行う。例えば、応答は示差表示(diffe
rential display)技法を用いて測定することができる。
【0042】 さらなる態様においては、本明細書に記載の条件付きで不死化されたヒト中脳
神経前駆細胞系は、増殖性で分化した(例えば、ドーパミン作動性神経性)ヒト中
脳神経前駆細胞中に存在する新規の遺伝子およびタンパク質の同定に用いること
ができる。PCR、示差表示、ハイブリダイゼーション、発現ライブラリーのスク
リーニング、イムノアッセイ、および2ハイブリッドスクリーンニングなどの技
法をそのような同定のために用いることができる。特に有用な技法は示差遺伝子
スクリーニングである。本明細書に記載のクローン化された細胞系は、そのよう
な研究に特に適している。なぜなら、単一の親細胞から由来したものであるので
、それ故に非クローン化細胞系と比較すると、ヒト中脳神経前駆細胞に特異的な
遺伝子が増幅される。実験的操作(例えば、アポトーシスの誘導)の際に発現され
る新規の遺伝子およびタンパク質も同定することができる。
【0043】 本明細書で提供される細胞系はin vitroでの神経細胞死のモデルとして用いる
こともでき、そのような神経細胞死としては、限定はされないが、増殖因子を取
り除くことにより誘導される神経アポトーシスが挙げられる。簡潔に述べれば、
クローン化された条件付きで不死化されたヒト中脳神経前駆細胞はアポトーシス
の基底レベルが最低限となるようにデザインされた条件下で分化させることがで
きる。適切な条件は、異なる試験条件下で増殖させた細胞中のアポトーシスの状
態にある核の比率を評価することによって容易に同定することができる。アポト
ーシスの状態にある核の比率は一般に、DAPI染色またはin situでのニック末端
標識アッセイなどの、当業者にはよく知られた方法によって測定することができ
る。アポトーシスの基底状態を最小限とするための適切な条件としては、1μg/m
Lのテトラサイクリン、フォルスコリン(10μM)、IGF-I(100ng/mL)、CNTF(20ng/m
L)、GDNF(20ng/mL)、およびBDNF(20ng/mL)の存在下での分化が挙げられる。細胞
は分化を起こすのに十分な時間、アポトーシスの基底状態(通常は分化の最初の1
0日間に増加する)を最小限のものとしつつ、適切な分化条件で維持しなければな
らない。
【0044】 次いで、そのような分化した神経細胞をアポトーシスの数種あるモデルのいず
れかに用いることができる。そのような1モデルにおいては、濃縮された核を有
するアポトーシスの状態にある細胞の比率を有意に増加させるために十分な時間
、増殖因子とN2サプリメントを取り除いておく。そのようなアポトーシスの状態
にある細胞の比率が少なくとも約2倍に増加することが好ましい。上述の代表的
な条件下では、約18時間の除去で通常は十分である。除去してから48時間後に著
しい比率の細胞が死に至るはずである。増殖因子の除去後に少なくとも約50%の
ニューロンが生存していないことが好ましい。
【0045】 そのような特定のモデルに限らず、アポトーシスの機構の研究、ならびに神経
細胞のアポトーシスに対する種々の条件および薬剤の影響を研究するために、当
業者にはよく知られた実験技法を用いて、それらの細胞を用いることができる。
例えば、神経細胞死に影響を及ぼす薬剤のスクリーニングのためにそれらの細胞
を用いることができる。そのようなスクリーニングは、細胞を増殖因子除去期間
中に候補薬剤と接触させ、次いでその候補薬剤のその後のアポトーシスのレベル
に影響を与える能力を評価することによって行うことができる。同様に、その細
胞は神経細胞死を調節するタンパク質をスクリーニングするために用いることが
できる。そのようなスクリーニングにおいては、候補タンパク質(例えば、酵素)
の発現または活性のレベルを標準的な技法を用いて細胞内で変化させ、次いで処
置(限定はされないが、増殖因子の除去が挙げられる)後のアポトーシスのレベル
の変化に与える影響を測定する。
【0046】 下記の実施例は説明のために提示するものであり、限定しようとするものでは
ない。
【0047】実施例 ヒト中脳前駆細胞系の調製 この実施例はヒト中脳神経前駆細胞の条件付きでの不死化を説明するものであ
る。
【0048】 1次培養中のヒト中脳細胞は最初の3か月のヒト胎児脳から調製した(Advanced Bioscience Resources, Inc.から入手)。その組織は州および連邦の法律および
規則に準拠して調達したものである。中脳をプロテアーゼ23(3mg/mL)を含有する
酵素溶液中で37℃で30〜45分間、時々つき砕きつつインキュベートして解離させ
た。分散させた中脳細胞を、トリプシンインヒビター(1mg/mL)およびウシ血清ア
ルブミン(1mg/mL)を含有する塩水で洗った。その後、細胞を約3×10個/cm
密度で、DMEM/F-12、10%ウシ胎児血清、およびFGF-2(ヒト遺伝子組換え、40ng/m
L、Boehringer Mannheim, Indianapolis, 米国インディアナ州)からなる増殖培
地にプレートした。
【0049】 レトロウイルス感染には、LINX v-mycベクターを用いた(Hoshimaruら, Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 93:1518-1523, 1996; Sahら, Nature Biotechnol. 15:57
4-580, 1997)。この系においては、テトラサイクリンのない条件では、テトラサ
イクリン制御トランスアクチベーター(tTA)はphCMV−1からの転写を強く活
性化し、下流のv-myc癌遺伝子の発現をもたらす。テトラサイクリン(0.01〜1.0
μg/mL)はtTAによる転写活性化をほぼ完全に抑え、そのことによってv-myc癌遺
伝子の転写をブロックする。そのベクター中にはネオマイシン耐性を付与する遺
伝子も存在している。中脳細胞培養物には、Sahら, Nature Biotechnol. 15:574
-580, 1997に記載の方法と類似の方法を用いてレトロウイルスを感染させG418で
選択した。
【0050】 G418での選択後、培養物を、N2サプリメント、FGF-2(40ng/mL)、EGF(40ng/mL)
およびPDGF A/B(20ng/mL)を含んだDMEM/F-12からなる単純化した増殖培地中で維
持した。コンフルエンスに近くなった培養物にトリプシン処理を行い1:5に分割
した。典型的には、ほぼコンフルエンスなT75フラスコ1個から10個の細胞が得
られ、培養物は3〜7日毎に継代した。
【0051】 G418での選択の間、ある程度の細胞死が生じた;選択後、v-myc+細胞はその培
養物中で優勢な細胞となった。これらのG-418耐性、v-myc+細胞は付着性の単層
として増殖した。細胞の大部分は非常に短い突起(process)を有する多角形であ
った。
【0052】 テトラサイクリンを用いた細胞系の分化によって、神経の分化の増加(図1)な
らびにv-myc癌タンパク質発現の抑制(図2A-2D)がもたらされた。TH発現の増加も
いくつかの細胞系では認められ、このことはドーパミン作動性ニューロンの存在
を示している。
【0053】 クローン化した細胞系は96ウエルのプレート中での限界希釈によって単離した
。単一のコロニーを上述のとおり栄養を与え継代することによって増殖させた。
増殖させた18の培養物のうちで14個は単一の細胞から由来したものと考えられる
【0054】 1つのクローン(MESII(1)-C2)を、N2サプリメント、テトラサイクリン(1μg/mL
)、フォルスコリン(10μM)、GDNF(20ng/mL)、およびBDNF(20ng/mL)を含むDMEM/F
-12中で分化させた。分化させた後には、多量のMAP2abおよびTH免疫応答性細胞
が観察された。このような免疫細胞化学的検討のために、細胞を4%パラホルムア
ルデヒドで固定し、ブロッキングバッファー中の1次抗体と室温で2時間インキュ
ベートし、濯ぎ、次いでブロッキングバッファー中のフルオレセイン(FITC)また
はTexas-redを結合させた種特異的2次抗体(Jackson Immunoresearch Laboratori
es, Inc., West Grove, 米国ペンシルベニア州)と室温でさらに1時間インキュベ
ートした。培養物をPBSで3回洗い、代表的な視野の計数および写真撮影の前にPV
A/DABCOでカバーガラスをかけた。
【0055】 クローンMESII(1)-C2も上述のとおり分化させたがこの場合にはCNTF(20ng/mL)
およびIGF-I(100ng/mL)を添加した。分化した細胞の約11%がMAP2ab免疫応答性で
、細胞の5%がTH免疫応答性であった(図3)。これらの分化条件では、MAP2ab陽性
細胞の41%がTH陽性でもあり、TH陽性細胞ではその100%がMAP2ab陽性であった。
【0056】 これらの結果は、不死化されたヒト中脳細胞系が分化してドーパミン作動性ニ
ューロンとなることを示している。さらに、その他の不死化されたヒト中脳細胞
系は分化してGABA作動性ニューロンとなる(図4)。
【0057】 上述のことから、本明細書に記載した本発明の特定の実施形態は説明の目的の
ものであるとはいえ、本発明の精神と範囲から逸脱することなく種々の改変を行
いうることは理解されるであろう。従って、本発明は添付の特許請求の範囲によ
って限定されること以外には限定されないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aおよび1Bは、不死化ヒト中脳細胞の位相差顕微鏡像である。図1Aは増殖条
件下で増殖させた後の細胞を示している。図1BはN2サプリメント、フォルスコリ
ン (10μM)、BDNF(20ng/mL)、およびGDNF(20ng/mL)を含むDMEM/F12培地で6日間
分化させた後の細胞を示している。
【図2】 図2A〜2Dは、位相差顕微鏡像(図2Aおよび図2C)、および写真(図2Bおよび図2D)
で、増殖条件での培養後(図2Aおよび図2B)、または6日間分化させた後(図2Cおよ
び図2D)の不死化ヒト中脳細胞の代表的なものにおけるv-mycに対する標識を示す
ものである。各フィールドにおいて、位相差顕微鏡像(固定後)は対応する免疫蛍
光写真の左側に示してある。
【図3】 図3は、6日間分化させた後の不死化ヒト中脳細胞系の代表的なものにおける、
チロシンヒドロキシラーゼ(TH)に対する免疫蛍光標識を示す写真である。培養物
は、N2サプリメント、テトラサイクリン(1μg/mL)、フォルスコリン(10μM)、BD
NF(20ng/mL)、GDNF(20ng/mL)、CNTF(20ng/mL)、およびIGF-I(100ng/mL)を含有す
るDMEM/F12培地で分化させた。
【図4】 図4は、6日間分化させた後の不死化ヒト中脳細胞系の代表的なものにおける、
GABAに対する免疫蛍光標識を示す写真である。培養物は、N2サプリメント、テト
ラサイクリン(1μg/mL)、フォルスコリン(10μM)、BDNF(20ng/mL)、GDNF(20ng/m
L)、CNTF(20ng/mL)、およびIGF-I(100ng/mL)を含有するDMEM/F12培地で分化させ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/15 G01N 33/50 P 33/50 Z (C12Q 1/04 // C12N 15/09 C12R 1:91) (C12Q 1/04 C12N 5/00 B C12R 1:91) 15/00 A (72)発明者 レイモン,ヘザー,ケー. アメリカ合衆国 92037 カリフォルニア 州,ラ ホヤ,ジェンター ストリート 535 Fターム(参考) 2G045 AA40 BB20 CB01 CB26 CB30 DA12 DA13 DA14 DA36 DA77 4B024 AA01 AA12 BA21 DA02 EA02 GA11 GA18 GA23 HA01 HA12 HA17 4B063 QA01 QA18 QQ08 QQ42 QQ52 QQ79 QR55 QR69 QR77 QR80 QS24 QS28 QS34 4B065 AA93X AA93Y AB01 AC10 BA02 BA06 BA25 BB13 BB28 BB34 BD32 CA24 CA44 CA46 4C087 AA01 BB45 BB64 NA14 ZA02

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 条件付きで不死化されたヒト中脳神経前駆細胞の生産方法で
    あって、 (a) 増殖を可能とする第1の表面上で第1の増殖培地中にプレートされたヒト
    中脳細胞を、選択マーカーをコードするDNAと外部的に調節可能な増殖促進 遺伝子によりトランスフェクトし、 (b) 該トランスフェクト細胞を、付着および増殖を可能とする第2の表面上で
    第2の増殖培地中にて選択し、そこから条件付きで不死化されたヒト中脳細胞を
    取得する、 ことを含んでなる上記方法。
  2. 【請求項2】 第1および第2の表面が、ポリアミノ酸、フィブロネクチン
    、ラミニンまたは組織培養プラスチックのうちの1種以上を含む基体からなる群
    より独立に選択される、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 増殖促進遺伝子が癌遺伝子である、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 癌遺伝子がv-mycである、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 増殖促進遺伝子の発現がテトラサイクリンにより阻止される
    、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 ニューロンへと分化することが可能な、条件付きで不死化さ
    れたヒト中脳神経前駆細胞。
  7. 【請求項7】 ドーパミン作動性ニューロンへと分化することが可能な、請
    求項6記載の条件付きで不死化されたヒト中脳神経前駆細胞。
  8. 【請求項8】 GABA作動性ニューロンへと分化することが可能な、請求項6
    記載の条件付きで不死化されたヒト中脳神経前駆細胞。
  9. 【請求項9】 増殖促進遺伝子の発現を阻止する条件下で請求項1に従って
    生産された細胞を培養することを含んでなる、ニューロンの生産方法。
  10. 【請求項10】 前記細胞をテトラサイクリン含有培地中で培養する、請求
    項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記細胞を1種以上の分化因子の存在下で培養する、請求
    項9記載の方法。
  12. 【請求項12】 分化因子がフォルスコリン、GDNF、CTNF、IGF-IおよびBD
    NFからなる群より選択される、請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 請求項9記載の方法により生産されたニューロン。
  14. 【請求項14】 請求項9記載の方法により生産されたドーパミン作動性ニ
    ューロン。
  15. 【請求項15】 請求項9記載の方法により生産されたGABA作動性ニューロ
    ン。
  16. 【請求項16】 哺乳動物に、請求項1または請求項9記載の方法により生
    産された細胞を投与することを含んでなる、哺乳動物へのヒト中脳細胞の移植方
    法。
  17. 【請求項17】 患者に、請求項1または請求項9記載の方法により生産さ
    れた細胞を投与することを含んでなる、該患者のパーキンソン病の治療方法。
  18. 【請求項18】 ヒト中脳細胞により産生されたタンパク質の活性をモジュ
    レートする薬剤についてスクリーニングする方法であって、 (a) 請求項1または請求項9記載の方法により生産された細胞に候補薬剤を接
    触させ、 (b) 続いて、該細胞により産生されたタンパク質の活性をモジュレートする候
    補薬剤の能力を測定する、 ことを含んでなる上記方法。
  19. 【請求項19】 サンプル中のタンパク質の存在または不在を検出する方法
    であって、 (a) 請求項1または請求項9記載の方法により生産された細胞にサンプルを接
    触させ、 (b) 続いて、該細胞における応答を検出し、そこからサンプル中のタンパク質
    の存在を検出する、 ことを含んでなる上記方法。
  20. 【請求項20】 請求項1または請求項9記載の方法により生産された細胞
    の培養物内の遺伝子またはタンパク質の存在を検出することを含んでなる、ヒト
    中脳遺伝子またはタンパク質の同定方法。
  21. 【請求項21】 ヒト中脳細胞の死に影響を及ぼす薬剤についてスクリーニ
    ングする方法であって、 (a) 請求項1または請求項9記載の方法により生産された細胞に候補薬剤を、
    候補薬剤の不在下では該細胞の死をもたらす条件下で接触させ、 (b) 続いて、該細胞の死に影響を及ぼす候補薬剤の能力を測定する、 ことを含んでなる上記方法。
  22. 【請求項22】 ヒト中脳細胞の死を調節するタンパク質についてスクリー
    ニングする方法であって、 (a) 請求項1または請求項9記載の方法により生産された細胞内のタンパク質
    の発現レベルを改変させ、 (b) 続いて、該改変が該細胞の死に及ぼす作用を測定し、そこからヒト中脳神
    経前駆細胞の死を調節するタンパク質を同定する、 ことを含んでなる上記方法。
  23. 【請求項23】 請求項1記載の方法に従って生産される、条件付きで不死
    化されたヒト中脳神経前駆細胞。
  24. 【請求項24】 クローン細胞系内に存在する、請求項23記載の細胞。
JP2000565106A 1998-08-12 1999-08-12 ヒト中脳細胞系およびその使用方法 Pending JP2002522070A (ja)

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