JP2002521554A - 潤滑剤結合反応を加速するように設計された触媒含有潤滑剤添加剤および触媒含有潤滑剤系 - Google Patents

潤滑剤結合反応を加速するように設計された触媒含有潤滑剤添加剤および触媒含有潤滑剤系

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JP2002521554A
JP2002521554A JP2000562458A JP2000562458A JP2002521554A JP 2002521554 A JP2002521554 A JP 2002521554A JP 2000562458 A JP2000562458 A JP 2000562458A JP 2000562458 A JP2000562458 A JP 2000562458A JP 2002521554 A JP2002521554 A JP 2002521554A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、1種以上の触媒と任意に他の添加剤を含む、新規な触媒含有潤滑剤添加剤および触媒含有潤滑剤系を開示する。前記触媒は、触媒含有潤滑剤と潤滑すべき摩耗表面との潤滑剤結合反応の速度を加速させ、かつ反応量を増加させるように作用するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の技術分野 本発明は、潤滑剤、触媒作用、有機化学および無機化学の分野に関する。特に
本発明は、1種以上の触媒を含む、新規な触媒含有潤滑剤添加剤(catalyzed lub
ricant additive)および触媒含有潤滑剤系に関する。前記触媒は、触媒含有潤滑
剤と潤滑すべき摩耗表面との潤滑剤結合反応の速度を加速させ、かつ反応量を増
加させるように作用するものである。
【0002】発明の背景 現在の技術の発達状態は、潤滑剤添加剤や固体潤滑剤添加剤を含有する潤滑剤
系の組成、配合および性能、金属被膜の組成および配合、触媒の組成および配合
、並びに固体潤滑剤添加剤を含有する潤滑剤の化学および性能に関する多くの開
示によって規定および説明される。これら全ては、本明細書中に記載する発明と
何らかの関連性を有するものである。本特許出願において引用文献として用いる
開示を以下に列挙する。
【0003】 米国特許以外の引用文献は、以下の通りである。 L. L. Cao, Y. M. SunおよびL. Q. Zheng, “Chemical Structure Characteri
zation of Boundary Lubrication Film Using X-ray Photoelectron Spectrosco
py and Scanning Auger Microprobe Techniques”, Wear, 140(1990), pp345-35
7。 Harold Shaub, John Pandosh, Anne SearleおよびStan Sprague, “Mechanism
Studies with Special Boundary Lubricant Chemistry”, Society of Automot
ive Engineers, Paper 952475, 1995。 Hal Shaub, John Pandosh, Anne Searle, Stan SpragueおよびMartin Treuhaf
t, “Engine Durability, Emissions and Fuel Economy Studies with Special
Boundary Lubricant Chemistry”, Society of Automotive Engineers, Paper 9
41983, 1994。 Keith Perrin, John Pandosh, Anne Searle, Hal ShaubおよびStan Sprague,
“Radioactive Tracer Study of Start-Up Wear Versus Steady-State Wear in
a 2.3 Liter Engine”, Society of Automotive Engineers, Paper 952474, 199
5。
【0004】 本特許出願と特定の関連性を有するか、または権利上大いに関係のある米国特
許を選抜して列挙する。米国特許第2,230,654号、同第2,510,112号、同第2,993,
567号、同第3,194,762号、同第3,247,116号、同第3,314,889号、同第3,432,431
号、同第3,493,513号、同第3,505,229号、同第3,536,624号、同第3,567,521号、
同第3,592,700号、同第3,607,747号、同第3,636,172号、同第3,640,859号、同第
3,723,317号、同第3,806,455号、同第3,909,431号、同第3,933,656号、同第3,96
9,233号、同第4,029,870号、同第4,036,718号、同第4,127,491号、同第4,224,17
3号、同第4,252,678号、同第4,349,444号、同第4,465,607号、同第4,484,954号
、同第4,500,678号、同第4,584,116号、同第4,615,917号、同第4,657,687号、同
第4,770,797号、同第4,803,005号、同第4,834,894号、同第4,857,492号、同第4,
859,357号、同第4,888,122号、同第4,892,669号、同第5,009,963号、同第5,160,
646号、同第5,350,727号、同第5,373,986号、同第5,447,896号、同第5,460,661
号を参照されたい。
【0005】 適切に設計された仕上処理後の金属摩耗表面には微細な隆起や突起が見られ、
これらは通常「凹凸」と呼ばれている。凹凸は、金属の裁断、機械加工および仕
上工程の際に必然的に生じてしまうものである。さらに、このような摩耗表面を
液体または半固体状の潤滑剤で潤滑しようとする場合、十分な量の液体または半
固体状の潤滑剤を維持して摩耗を防ぐためには、現在のところ、一般には、凹凸
の程度が約0.1μm(4マイクロインチ)でなければならないと考えられている
。摩耗表面が適切に設計されて液体または半固体状の潤滑剤で潤滑されている場
合には、潤滑剤によって隣接し合う摩耗表面間に膜が挿入され、摩耗が防止され
るようになる。潤滑対象の機構が動作状態にある間に液体または半固体状の膜が
常に摩耗表面上に維持される場合には、潤滑の形態は「流体潤滑」と呼ばれる。
適切に設計された潤滑剤系による流体潤滑では、潤滑を行った摩耗表面に対して
極めて確実な摩耗保護が可能である。しかしながら、高い信頼性を達成するため
には、液体または半固体状の潤滑剤の膜を連続的かつ十分な厚みにて、隣接し合
う摩耗表面間に挿入した状態に維持し、摩耗表面が直接接触するのを防止するか
、または少なくとも最小限に抑えなければならない。摩耗保護の付与という点に
おいては、液体または半固体状潤滑剤を、潤滑剤が果たさなければならない能力
(duty)に基づいて適切に設計しなければならない。この能力は、隣接し合う摩耗
表面の素材、間隙、摩耗表面にかかる負荷、摩耗表面同士の相対速度、温度、圧
力および他の関連する環境条件の関数として求めることができる。
【0006】 潤滑を必要とする摩耗表面が潤滑剤中に浸漬されない場合には、可動摩耗表面
の1つ以上に潤滑を施して、摩耗しそうな領域へ潤滑剤を引き込んだり、押しや
ったり、押し込んだりできるように機構を設計することが多い。摩耗表面が相対
運動を開始してから流体潤滑が確立するまでの期間は「境界期間」と呼ばれ、こ
の期間の潤滑特性は「境界潤滑」と呼ばれる。
【0007】 用語「境界」とは、かつてジャーナルベアリングを研究した昔の英国人研究者
から使われ続けている機構および潤滑設計分野の技術用語である。この研究者は
、シャフトがジャーナルベアリング内で回転を停止して静止状態になると、シャ
フトとジャーナルベアリングとの間で金属同士の接触が生じることを観察してい
る。その後、シャフトを再び回転させ始めると、ジャーナルベアリングへ適用し
た潤滑剤が膜を形成し始めてから流体潤滑が確立するまでに「境界期間」が発生
することを観察している。
【0008】 用語「境界潤滑」は、この英国人研究者によって行なわれた研究に端を発して
おり、潤滑剤工業において当時以来使用されている。この用語は、運転開始から
、潤滑剤の連続膜が確立して流体潤滑が生じるまでの期間において、隣接し合う
摩耗表面に対して生じる潤滑の特性を示すのに使用される。この用語はまた、減
速時から、潤滑剤の膜が壊れて隣接摩耗表面同士の相対運動が停止する時点まで
に生じる潤滑の特性を示すものでもある。境界潤滑はまた、加速(動作中の急激
な方向変化による加速等)を受ける機構に関連していることが多い。現在のとこ
ろ、用語「境界潤滑」とは、完全な流体潤滑ではない潤滑形態を表すのに用いら
れることが多い。
【0009】 適切に設計された機構、およびこのような機構を潤滑するように設計された工
程の目標は、隣接し合う摩耗表面間に、摩耗表面間の接触を防止または少なくと
も最小限に抑えるのに十分な厚みを有する潤滑剤の膜を確立して維持することで
ある。さらに、潤滑剤の環境下で隣接摩耗表面を動かすのに必要なエネルギーを
最小限に抑えることも目標である。これらの目標は、現在のところ、機構および
潤滑設計の当業者によって、最も低粘度であると認められている潤滑剤を用いる
ことにより、流体潤滑の形態において最も良好に達成されている。その際、隣接
し合う摩耗表面同士は一貫してまたは十分に隔てられた状態を保っている。
【0010】 残念なことに、潤滑を必要とする全ての機構を、流体潤滑形態に維持されるよ
うに設計できるわけではない。これには様々な理由があり、例えば、機構の往復
運動、即ち不規則な運動のため、運動速度が0〜ある最大値まで変化して一定せ
ず、しかも運動が一回りすると全て0に戻るといったことが挙げられる。さらに
、潤滑を施す機構は全て、動作を完全に開始および停止させなければならないも
のであるため、時として、流体潤滑を維持するのが不可能ではないが困難な期間
に定常状態とは異なる条件が発生してしまう。従って、ほとんどの場合、現行の
流体潤滑で動作するように機構を最適に設計できるとしても、該機構はおそらく
、運動サイクルまたは動作サイクルの様々な時点で境界潤滑条件を受けることに
なり、予想される動作寿命の一定の時点で境界潤滑条件を受ける可能性が高いと
考えられる。
【0011】 機構および潤滑の設計に関する現在の技術水準においては、機構および潤滑の
設計および動作に関する知見から、潤滑を必要とする機構は、境界潤滑期間にお
いて流体潤滑期間よりも摩耗速度が著しく速くなる傾向があると長い間されてい
た。境界潤滑期間における比較的速い摩耗速度は、隣接し合う摩耗表面間の直接
接触が頻繁に発生するためとされていた。この摩耗表面の接触は、機構の加速に
よって潤滑剤が消失することで最も頻繁に発生する。加速は、単純な運転開始も
しくは運転停止、または急激な速度変化や遠心運動、シヌソイド運動、往復運動
等の運動における急激な方向変化によって生じるものである。潤滑剤が消失する
このような傾向は、動作温度の上昇に伴う潤滑剤の粘度低下や、動作中および運
転停止後に潤滑剤が機構の摩耗表面から単純に重力の作用で流出することでも著
しくなる可能性がある。
【0012】 エネルギー散逸を最小限に抑える一つの考えに基づくと、流体潤滑期間におい
ては、現行の潤滑水準では、隣接し合う摩耗表面に次々とハイドロプレーニング
を発生させて直接接触を全て防止し得る最も低粘度の液体潤滑剤の使用が必要で
ある。しかしながら、比較的低粘度の液体潤滑剤では境界潤滑期間を避けること
ができないため、他の添加剤を含まなければ、機構の摩耗速度を最小限に抑える
のにも不十分であることが知られている。このような潤滑の二分に対する現行の
解決策は、固体潤滑剤を分散させた比較的低粘度の液体潤滑剤を用いることであ
る。好ましくは、微細固体潤滑剤粒子を液体または半固体状の潤滑剤ベースと配
合し、コロイド系を形成する要領で分散させる。このような潤滑剤は全動作条件
下で安定なものである。
【0013】 潤滑剤分野で現在までに知られている多くの優れた液体および半固体状潤滑剤
の他にも、比較的低い摩擦係数と特殊な構造特性や特殊な化学特性またはこの両
者によって区別される固体潤滑剤が存在する。好適な固体状潤滑剤の中には、二
硫化モリブデンやグラファイトのような層状の格子構造を示すものもある。この
ような構造上の特徴から、これらの物質を潤滑剤用途に使用すると摩擦係数が比
較的低くなる。各種有機ポリマー、エーテル化合物、脂肪酸化合物、並びに炭素
、カルシウム、バリウムおよびリチウムのフッ化物といった他の固体潤滑剤も、
摩擦係数が比較的低い。さらに、これらの固体潤滑剤は、潤滑対象の摩耗表面か
ら容易に流出したり振り落とされたりしない傾向がある点で、一般に液体潤滑剤
よりも温度変化による悪影響を受けにくい。さらに、多くの場合、固体潤滑剤は
摩耗表面へ吸着、吸収、または化学的に結合し、液体潤滑剤単独では十分な潤滑
が得られないような場合にも、十分な潤滑をもたらすことが多い。
【0014】 固体潤滑剤を含む適切に設計された潤滑剤系では、該固体潤滑剤が潤滑剤ベー
ス媒体中に均一に分配されており、好ましくは安定なコロイド系の状態である。
該固体粒子は、給油路(lubrication gallery)や給油フィルターを全て容易に通
過できるほど十分に小さく、潤滑剤系の潤滑対象である機構の全ての間隙へ容易
に入り込めるものである。
【0015】 液体または半固体状のベース潤滑剤への添加剤として一般に使用される固体潤
滑剤は、通常、一連の工程を経過するが、潤滑対象である機構の摩耗表面上へま
ず吸着する。その後、固体潤滑剤は通常摩耗表面内へ吸収され、場合によっては
、固体潤滑剤は最終的に摩耗表面と反応および化学的に結合し、持続的な耐久性
を有する摩擦係数が比較的低い膜を形成する。これらの3工程は、本明細書中に
記載する結合反応全体の一部をなすと考えられる。固体潤滑剤が摩耗表面へ結合
した時点で、摩耗を防止または軽減するのに十分適切な境界潤滑時の潤滑が得ら
れると予測される。
【0016】 現在実用されているおよび/または実用が見込まれる一部の固体潤滑剤は、ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)、テフロン(登録商標;PTFE)、パーフルオロ
ポリエーテルオキシド、エチレンポリマー、プロピレンポリマー、フルオロフェ
ニレンポリマー、パーフルオロポリエーテル、脂肪酸のポリオールモノエステル
、脂肪酸アミド、硫化脂肪および硫化エステル、モリブデン硫黄化合物、脂肪酸
の金属セッケン、グラファイト、フッ化炭素、フッ化塩化炭素、フッ化バリウム
、フッ化カルシウム、およびフッ化リチウムである。おそらく、これらの固体潤
滑剤の全てが上述の3工程を進行して、固体潤滑剤が摩耗表面へ結合する状態に
至るわけではないと思われる。事実、固体潤滑剤は、非結合性固体潤滑剤と結合
性固体潤滑剤の2つの群に便宜上分けることができる。
【0017】 非結合性固体潤滑剤は、通常は粉末の状態で潤滑すべき表面へ直接適用される
場合があり、ある程度の機械的または分子的作用によって表面へ吸着する。しか
しながら、この種の固体潤滑剤は明らかに、このように処理される表面へ物理的
または化学的に結合するものではない。従って、非結合性固体潤滑剤は、その特
性と、付着するが結合しないという事実から、通常いずれかの特定の用途に対し
て性能特性が規定される。非結合性固体潤滑剤は表面へ結合しないため、非結合
性固体潤滑剤の場合には、特に耐荷重用途では、隣接し合う耐荷重摩耗表面間か
ら押出されて、どのような有意期間であっても所望の潤滑特性を付与する状態を
維持できなくなる可能性がある。このため、非結合性固体潤滑剤は、「非粘着」
特性が求められる非耐荷重用途(例えば、調理器具表面、固着や汚れを防止した
表面等)に限って有用であると考えられる。
【0018】 結合性固体潤滑剤は、本明細書中で用いる定義によれば、通常、最初の吸着、
続いて吸収、さらに固体潤滑剤と摩耗表面との化学結合の作用によって所望の摩
耗表面へ結合するものである。結合は、多くの場合、添加剤、結合剤、高温、お
よび用途に適した他の物質や技術を用いることによって実施および促進させるこ
とが可能である。一般に、結合した固体潤滑剤は、該固体潤滑剤が結合反応以前
に発揮する潤滑特性とは異なる潤滑特性を示す。しかしながら、結合性潤滑剤が
摩耗表面へ一旦堅固に付着すると、非結合性潤滑剤に比べて耐荷重条件下でも持
続性が高まって除去されにくくなる。結合性固体潤滑剤は、ほぼ全ての場合にお
いて、潤滑された摩耗表面との結合界面を示すが、この界面は非常に薄いため、
固体潤滑剤を連続的に補充しなければ、摩耗作用が表面に加わるのを避けられな
いため、結合した潤滑剤が失われてしまう。
【0019】 潤滑の様式に拘わらず、機構および潤滑設計分野の現在の技術水準では、最良
の条件下であっても、隣接し合う摩耗表面に対してある程度の摩耗が生じてしま
うことは容易に理解できる。固体潤滑剤を含む潤滑剤系の多くが、良好な機能状
態に維持されるのであれば極めて効果的であり、潤滑された摩耗表面から除去さ
れる場合には直ちに自動補充されることは明らかである。
【0020】 しかしながら、摩耗表面と結合する現行の潤滑剤系に含まれる固体潤滑剤が結
合反応を行なうまでに非常に時間がかかることは、当業者には公知である。この
ようなことは、実際に、特定の用途においてこれらの有効な潤滑剤系の価値を下
げたり、さもなくば打ち消してしまうため、重大な問題である。
【0021】 各種の固体潤滑剤を含有する潤滑系の機能と利点の確認には、様々な文献を利
用することができ、例えば、本明細書中で引用した米国特許の多くが挙げられる
。文献に開示されたほぼ全ての場合において、測定および提示された潤滑の質と
耐磨耗性値は、新たに形成された固体潤滑膜について求められたものである。さ
らに、関連する化学や物理の原理に関する一般的な知識から、観察および報告さ
れた結果を確認することが可能である。しかしながら、固体潤滑剤を含有する潤
滑系によって潤滑した機構を実際に動作させると、非結合性固体潤滑剤と結合性
固体潤滑剤は両者とも、連続的に補充されない限り、押出、浸食、腐食、摩滅、
削り、摩損、粉砕、揮発、および通常の摩耗によって最終的に失われてしまうこ
とは避けられない。潤滑剤系に固体潤滑剤を多量に使用する限りは、当然のこと
ながら、固体潤滑剤が、露出した摩耗表面へ再度付着または結合することによっ
て再確立すると予想される。しかしながら、現行の潤滑剤系では、一般に付着ま
たは結合反応は発生まで比較的時間がかかることが知られている。実際のところ
、固体潤滑剤で潤滑した摩耗表面では、かなりの期間このような潤滑剤が存在し
ない状態が続き、おそらく潤滑剤が存在している時間よりも長いと予想するのは
あり得ないことではない。それでも、現行の潤滑剤系に固体潤滑剤が存在すれば
、固体潤滑剤を含まない潤滑剤系よりも一般に摩耗速度は遅くなる。
【0022】 最も普及している固体潤滑剤添加剤の1つはポリテトラフルオロエチレン(「PT
FE」)であり、米国特許第2,230,654号の主題である。米国特許第2,230,654号の
時点以来、結合性固体潤滑剤は、主に顕著に低い摩擦係数と他の物質の付着を防
ぐ明らかな傾向を有するため、優れた潤滑特性を示すと認識されていた。さらに
、PTFEは、ほとんどの化学的攻撃に対して高い耐性を示す。
【0023】 L. L. Caoらによって先に引用した引用文献中に開示された研究からは、PTFE
で処理した金属の摩耗表面では結合性の潤滑膜が形成されることが明らかになっ
た。この膜は定性的に、PTFEの最外層を含む4つの層に分けることができる。実
際に、PTFE含有油を境界潤滑条件下に置き、試験が完了した時点で金属試験片の
接触表面をX線光電子分光法および走査オージェマイクロプローブを用いて分析
を行った。結合性境界反応膜におけるフッ素の化学的状態は、4つの異なる化学
構造を示すことが判明した。化学構造およびこれに伴う結合エネルギーを表1に
示す。
【0024】
【表1】
【0025】 上述した構造の層を有する多層境界潤滑剤反応膜が金属表面上に形成されたこ
とが確認された。最外層、即ち第1層はPTFEの膜で構成されたものである。第2
層は、上述の項目2、3および4に示した化学構造の混成からなる混成反応膜で
構成されている。第3層は、第2層よりもフッ素の少ない化学構造を示す。最深
層は主にフッ化第一鉄およびフッ化第二鉄からなり、PTFEの微小粒子を一部含む
。結合エネルギーの計算からは、結合層がそれぞれ強固に結合し、最外層の結合
エネルギーが最大であることが明らかである。最内層、即ち第4層は、結合エネ
ルギーが他の3層よりもわずかに低いと判定されたものの、明らかに反応して金
属マトリックスの一部と化している。
【0026】 研究者であるL. L. Caoらは、「境界潤滑下では、PTFEの微粒子は機械的に摩
擦を軽減するだけでなく、化学反応にも寄与し、摩擦防止および摩耗防止におい
て重要な役割を果たすフッ素化合物の多層構造を形成している」と結論付けてい
る。
【0027】 機構および潤滑設計の当業者および他のエンジン摩耗挙動の学生達から、エン
ジンは、慣用のエンジン潤滑剤の水準では、運転開始以降の動作時に受ける摩耗
速度に比べて運転開始時の摩耗速度が一段と速い傾向があると長い間認識されて
いた。運転開始時における比較的速い摩耗速度は、エンジンの隣接し合う摩耗表
面間で金属同士の接触が頻繁に生じることに起因する可能性がある。接触が高頻
度で起こることは、不適切な潤滑が原因であるが、単純に、運転開始以前に潤滑
油が重力の作用によって摩耗表面から流出してエンジンオイル容器へ移行してし
まうことが原因となることもある。
【0028】 摩耗表面が潤滑油中に浸漬されるエンジン部品は、隣接し合う摩耗表面を油膜
上で「ハイドロプレーニング」の状態にする流体プロセスによって潤滑される。
このようなプロセスでは、理論上、隣接摩耗表面間の接触をほぼ完全に防止する
ことが可能である。主要なクランクシャフトベアリング、下部連接棒ベアリング
、およびエンジン油中に浸漬される他の摩耗表面を動作させるのはこのような条
件下である。しかしながら、潤滑油中に浸漬されないエンジンの他の摩耗表面に
は、境界潤滑および/または境界潤滑と流体潤滑のある組合せが生じる。エンジ
ンのピストンリング等に生じる境界潤滑の場合には、摩耗表面は金属間接触に直
接さらされるため、摩耗速度は、接触が起こりそうな個所に適切な潤滑剤が存在
するか否かに大きく依存する。潤滑剤が典型的なエンジンおよび/または隣接し
合う摩耗表面を有する他の機構で機能する様子を理解することで、境界潤滑を強
化して抵抗を減らし、摩耗を軽減するよう潤滑剤を改良する必要性が強調される
【0029】 PTFEを使用する現行の潤滑剤系は、潤滑対象の摩耗表面へPTFEを付着させ、次
いで凹凸の金属間接触によって局所的に極度の高温を発生させることに基づくも
のである。このような局所的な極度の高温は、PTFEと潤滑対象の金属摩耗表面と
の間の化学結合反応を促進するのに必要であると考えられる。このプロセスの明
らかな欠点は、金属間接触が、結合反応を促進するのに必要であると考えられる
局所的な高温を発生させることに関わっている点と、該金属間接触が、元々存在
していた潤滑剤の膜を物理的に縮小したり除去したりするように作用する点であ
る。即ち、浸食、腐食、摩滅、削り、摩損、粉砕、通常の摩耗および潤滑剤の揮
発といった作用を伴う場合には、隣接し合う金属摩耗表面同士の機械的な金属間
衝突による潤滑剤膜の除去効率は、おそらく、潤滑剤膜の形成効率とほぼ同程度
である。その理由は、本明細書中に記載したような現行の潤滑剤系で潤滑した摩
耗表面では、潤滑剤膜の利益を享受することなく、おそらく潤滑剤膜による保護
と同程度の頻度で摩耗表面が露出するものと結論付けるのが妥当であると考える
のが道理であり、上述の引用文献中に示された試験データからもこのことが言え
るためである。
【0030】 本明細書中に記載した引用文献および他の文献によれば、現在までに開示され
ている、固体潤滑剤が液体または半固体状の潤滑剤ベース材料中に含まれている
潤滑剤系の多くが、固体潤滑剤添加剤を含まない潤滑剤ベース材料よりも優れた
潤滑剤系であることが明らかな点には疑う余地はない。多くの場合、PTFEと他の
添加剤を含む本明細書中に記載の典型的な現行の潤滑剤系を適用することにより
、境界潤滑の測定摩耗速度がほぼ半減することが開示されている。
【0031】発明の概要 現在の技術水準の潤滑剤系に関する上述の結論に基づけば、潤滑剤系の性能に
改良の余地があることは想像に難くない。このような性能の改良を達成する新規
なアプローチは、今回始めてここに提示されるのであるが、1種以上の適切に設
計された触媒を潤滑剤系へ添加することによる。1種以上の有効な触媒を潤滑剤
系へ添加することにより、局所的な高温を必要とすることなく、結合した潤滑剤
膜の量が増加し、摩耗表面と固体潤滑剤添加剤との結合反応が加速される。従っ
て、固体潤滑剤-摩耗表面間の結合反応は周囲条件下での進行が可能であり、そ
の結果、潤滑剤膜が迅速に形成されて新たに露出した摩耗表面領域が「修復(hea
l)」される。さらに、得られる潤滑剤膜の厚みも、これ以上金属間接触が起こら
なくなるような厚さにまでなる。当然のことながら、適切に設計された触媒含有
潤滑剤添加剤および/または触媒含有潤滑剤系は、潤滑機構が一回りするまでに
結合潤滑剤膜を生成すると予想される。適切に設計された触媒を、PTFEまたは他
の有効な結合性固体潤滑剤添加剤を含む潤滑剤系へ添加すると、当然のことなが
ら、潤滑された摩耗表面は全時間摩耗保護に近づき、摩耗減少率もほぼ100%に
達すると予想される。本特許出願に開示するような触媒含有潤滑剤添加剤および
触媒含有潤滑剤系で潤滑しようとする場合には、機構の有効寿命を顕著に延長す
るこが可能である。本発明からは、現在の技術水準よりも優れた利点が期待され
る。
【0032】 潤滑剤の付着、場合によっては潤滑剤の結合反応が、一定の前処理(フッ素化
等)や各種熱処理方法および他の方法を用いることによって加速し得ることを示
した市販の刊行物や教科書、および米国特許ファイルから入手し得る文献が相当
数存在する。しかしながら、これらの方法は、このような処理が都合よく繰り返
されるような稀な場合を除けば、それ自体では、製造工程が完了した後の大部分
の機構に潤滑剤膜を再確立させるには至らない。この問題に対する新規な解決策
は上述した通りであり、即ち、適切な添加剤を潤滑剤系へ供給することである。
添加剤は該系内で連続的に機能し、結合の完了していない全ての摩耗表面上で潤
滑剤結合反応を迅速に開始および完了させるように作用する。適切な添加剤は、
結合反応を加速し、反応量を増加させ、かつ潤滑剤系で常に利用できる触媒であ
る。
【0033】 用語「触媒作用」は1835年にBerzeliusによって造られたものである。当時彼
は、触媒を次のように定義した:「触媒は、単に存在するだけで、通常は生じな
いような化学反応を引き起こす物質である」。その後Wilhelm Ostwaldによって
、現在受け入れられている触媒の定義の基礎が提案された:「触媒は、それ自体
は最終生成物に見られないが、化学反応の速度を変化させる物質である」。多く
の用途において、ごく微量の触媒で多大な変化を十分に生み出すことができ、最
終的な分析においても触媒自体が変化していないことは注目に値する。例えば、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の発明に関する米国特許第2,230,654号には
、該特許の実施例IIにおいて、「テトラフルオロエチレン(7.8部)を、加圧
下20℃にて容器へ投入した。21日後のポリマーの収率は0.05部または0.64%
であった。」と開示されている。続いて該特許は実施例VIIIにおいて、硝酸
銀の形態の触媒をメチルアルコールと共に導入した場合の結果を以下のように開
示している:「テトラフルオロエチレン(4.5部)を0.1部の硝酸銀および2.2部
のメチルアルコールと共に加圧下25℃にて容器へ導入した。重合が直ちに始ま
り、ゼリー状の塊が形成された。3日後、ゼリー状の塊は固化して褐色の粉末と
なり、白色ポリマーの特性と同様の特性を示した。収率は1.3部または29%で
あった。」。実施例VIIIでは、実施例IIに対してメチルアルコールを追加
し、温度を5℃上昇させているが、これらの要因は結果の向上に対してわずかに
作用しているに過ぎない。従って、反応速度を加速させ、21日ではなくてわず
か3日間で収率を0.64%から29%へ増加させた主な要因が、触媒の反応環境へ
の導入であることは明らかである。
【0034】 現在、触媒を使用して反応速度を加速し、収率を増加させることにより、特定
のプロセスを実現、実施、および/または経済的に可能にした工業プロセスが数
多く存在する。石油精製分野ではこのような例は数多く見られ、所望の反応を特
定の時間、場所および環境で完了させたり、単純にこのような反応の速度と収率
を向上させるのに触媒がうまく利用されている。この分野の重要な触媒プロセス
の一部は次の通りである:分解(クラッキング)、改質、ナフテン脱水素、ナフ
テンパラフィン脱水素環化、パラフィン異性化、パラフィン水素化分解、オレフ
ィン水素化、水素化脱硫、および重合。
【0035】 触媒の機能は、高価な賞品が貰えてコインも戻るスロットマシンに挿入される
コインにたとえられる。触媒反応では、触媒は1つの段階へ入り、別の段階から
出てくる。触媒はどのような組成でもよく、いずれの相(即ち、固体、液体、ま
たは気体)であってよい。反応物と相が同一の触媒は「均一系」と呼ばれ、反応
物と相が異なる触媒は「不均一系」と呼ばれる。
【0036】 米国特許第2,230,654号に例示されているように、ある特定の温度、圧力、濃
度および環境といった条件下でゆっくりと進行する反応の多くは、少量の触媒を
添加することにより大幅に速度を上げることが可能である。これらの触媒物質は
、場合によっては、活性化エネルギーのレベルが低下した新規な反応機構を提供
したり、反応物が吸着する表面を提供したりすることによって反応速度と反応収
率を増加させるように作用し、また、同様に、反応を容易にするように作用する
。触媒分野の当業者であれば、適切に設計された触媒を反応物の環境へ添加する
ことで、特定の反応の官能性を大幅に向上し得るという事実は周知のことである
。しかしながら、触媒作用の技術水準は、触媒の役割に関して未解決の問題が多
く、これらの未解決の問題は多くの興味深い研究領域を生んでいるのが現状であ
る。触媒挙動に関して確かに言えることは、反応速度が明らかに増加するという
ことと、反応の完了時に触媒が理論上完全に回収可能であるということだけであ
る。
【0037】 本発明は、触媒含有潤滑剤添加剤と触媒含有潤滑剤系に関する1群の配合物に
より完結する、新規な発想から成り立っている。本発明の触媒含有潤滑剤添加剤
は、下記の項目1および2、並びにこれ以外の番号の項目の1つ以上から構成さ
れる。
【0038】触媒含有潤滑剤添加剤 1.ベース潤滑剤 2.1種以上の触媒 3.1種以上の触媒、または触媒の任意の組合せ(但し、該触媒は1種以上の
遷移元素および/または1種以上の遷移元素を含む1種以上の化合物からなる) 4.任意の数の添加剤 5.任意の数の添加剤(但し、添加剤の1種以上が固体潤滑剤である) 6.任意の数の添加剤(但し、添加剤の1種以上をPTFE、他のポリマー、エー
テル、脂肪酸化合物、モリブデン化合物、金属セッケン、グラファイト、ハロゲ
ン化炭素(carbon halogen)、フッ化バリウム、フッ化カルシウムおよびフッ化リ
チウムからなる群より選択する) 7.1種以上のハロゲン元素、またはハロゲン元素の任意の組合せ、および/
またはハロゲン元素を含む1種以上の化合物 8.1種以上の触媒(但し、このような触媒は均一系触媒、不均一系触媒、ま
たは均一系触媒と不均一系触媒の任意の組合せである)
【0039】触媒含有潤滑剤系 本発明の触媒含有潤滑剤系は、本発明の触媒含有潤滑剤添加剤を任意のベース
潤滑剤へ添加したものから構成される。
【0040】 本発明の目的は、保護用潤滑剤膜を潤滑すべき摩耗表面上に可能な限り迅速に
確立および回復させ、隣接し合う摩耗表面が互いに接触する機会を阻止または最
小限に抑えることである。
【0041】 本発明の目的は、1種以上の新規な添加剤、具体的には触媒を含む添加剤を、
固体潤滑剤材料を含むベース潤滑剤(特に、液体または半固体状のベース材料か
ら構成されるベース潤滑剤)と配合する目的で提供することである。該添加剤は
、触媒含有潤滑剤と前記潤滑剤系によって潤滑すべき摩耗表面との結合反応の速
度を加速し、結合反応の量を増加させるように設計する。
【0042】 本発明の目的は、上述したように、潤滑剤添加剤として用いる1群の触媒の組
成を、1種以上の遷移元素、遷移元素を含む1種以上の化合物、または遷移元素
および遷移元素化合物の任意の組合せとして規定することである。遷移元素は、
原子番号が21〜31、39〜49および71〜81の元素のことであり、これ
ら全てが含まれる。
【0043】 本発明の目的は、各種の触媒含有潤滑剤添加剤および各種の触媒含有潤滑剤系
の成分を規定することである。該成分には、通常の鉱油もしくはグリース、また
は合成油もしくは合成グリース、または他の任意のベース潤滑剤(このような潤
滑剤が現在までに開示されているか否かには拘わらない)、並びに上述の触媒添
加剤が含まれる。
【0044】 本発明の目的は、追加の潤滑剤系添加剤を添加することである。該添加剤は、
添加剤が配合される触媒含有潤滑剤系を改良および強化するように設計される。
【0045】 本発明の目的は、1種以上のハロゲン元素および/またはハロゲン元素を含む
化合物を添加してスターター(starter)として機能させ、触媒含有潤滑剤の結合
反応と潤滑剤膜の形成の質量効果に寄与させることである。
【0046】発明の説明 上述したように、一般的な潤滑目的に関して最も有効な固体潤滑剤添加剤の1
つはPTFEである。このため、本発明の好適な実施形態の一つは、PTFEを含み、か
つ以下の配合を有する触媒含有潤滑剤添加剤である。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】 *「コロイド粒子」は直径1μm〜1nmの粒子とする。 **「安定なコロイド系」はコロイド粒子をある種の媒体中へ分散させた系とする
。該粒子は、該系に固有の運動エネルギーまたは「ブラウン運動」によって重力
による作用が相殺されているため、懸濁状態を維持している。 ***「ppm」は重量百万分率(parts per million)の略である。この場合は特に
、混合物中に含まれる他の材料に対する触媒の重量百万分率である。上述の白金
およびパラジウム濃度は非常に低濃度であるため、上述の有効数字の桁内では「
合計」値に影響しない。
【0049】
【表4】
【0050】 上述したように、結合潤滑剤膜の分析に関するL. L. Caoらの研究知見が発表
されている。それによれば、結合潤滑剤膜は、PTFEを他の添加剤と共に含む潤滑
剤系をエンジンの摩耗表面へ適用した後に形成されることが判明した。結合潤滑
剤膜は、4つの識別可能な層を含むことが分かっている。
【0051】 本発明の適切な触媒の存在下では、潤滑剤膜の形成時に生じる最初の反応は、
PTFEに対する一部のフッ素-炭素結合の切断であると考えられる。その後、潤滑
される摩耗表面へフッ素ラジカルが付着すると考えられる(L. L. Caoらによる分
析の場合には、潤滑される摩耗表面は鉄(Fe)である)。この段階では、式FeF4 -1
および/またはFeF6 -3で表されるフッ化第二鉄化合物が一時的に形成される。こ
れらの化合物は反応性が高く、従って不安定である。次いで、これらのフッ化第
二鉄化合物は、「第3内層」の「化学構造」として先に示したPTFEの分解生成物
と結合し、鉄摩耗表面と分解PTFEとの間に臨界結合(critical bond)を確立する
か、またはポリモノフルオロエチレン固体潤滑剤膜を確立すると考えられる。
【0052】 上述のL. L. Caoらによって確認された層と同様の4層の潤滑剤膜を形成する
と考えられる現場化学反応の進行を、反応環境において不均一系触媒となる白金
およびパラジウムを含む本発明の好適な実施形態に関して以下に示す。
【0053】1.最外層 1.1 ポリテトラフルオロエチレンの吸収: (-CF2-CF2-) PTFE2.第2内層 2.1 ベースオイルの脱水素: C10H22 ←白金およびパラジウム→ C10H22 + 2H n-デカン 触媒 n-デカン 水素 2.2 フッ素-炭素結合の切断とPTFEの第1段階水素化: (-CF2-CF2-) + 2H ←白金およびパラジウム→ (-CFH-CFH-) + 2F PTFE 水素 触媒 ポリジフルオロエ チレン フッ素3.第3内層 3.1 ベースオイルの脱水素: C10H22 ←白金およびパラジウム→ C10H22 + 2H n-デカン 触媒 n-デカン 水素 3.2 フッ素−炭素結合のさらなる切断とPTFEの第2段階水素化: (-CFH-CFH-) + H ←白金およびパラジウム→ (-CFH-CH2-) + F ポリジフルオロエチレン 水素 触媒 ポリモノフルオロエチ レン フッ素4.金属表面 4.1 ポリモノフルオロエチレンと鉄およびフッ素との結合反応: 2Fe + 4F + (-CFH-CH2-) ←白金およびパラジウム→ FeF2(-CFH-CH2-)FeF 2 * 鉄 フッ素 ポリモノフルオロ 触媒 フッ化第 二鉄-ポリモノ エチレン フルオロ エチレン結合物 4.2 フッ素と第一鉄との反応: Fe + 2F ←白金およびパラジウム→ FeF2 鉄 フッ素 触媒 フッ化第一鉄 4.3 フッ素とフッ化第一鉄との反応: FeF2 + F ←白金およびパラジウム→ FeF3 フッ化第一鉄 フッ素 触媒 フッ化第二鉄
【0054】 *上述の「金属表面」反応4.1では、反応生成物は例示したものであるか、また
は以下の構造からなる群より選択される反応生成物の1つもしくは組み合わせで
ある:4.1.1 Fe(-CF2-CF2-)2;4.1.2 Fe(-CF2-CFH-)2;4.1.3 Fe(-CFH-CFH-) 2 ;4.1.4 Fe(=CF-CFH-);4.1.5 Fe(=CF-CF=);4.1.6 FeF(-CF2-CF2-);4.1.7
FeF(-CFH-CH2-);4.1.8 Fe(-CF2-CF2-)3;4.1.9 Fe(-CF2-CFH-)3;4.1.10
Fe(-CFHHH-CFH-)3;4.1.11 2Fe(=CF-CFH-)3;4.1.12 2Fe(=CF-CF=)3;および4
.1.13 FeF2(-CF2-CF2-)。
【0055】 潤滑される摩耗表面が、潤滑の対象となる摩耗表面を一般に構成する材料のい
ずれであっても、同様の反応が考えられる。フッ素が最も電気陰性度の高い元素
であって、最も反応性に富むことが知られている非金属であるという事実から、
フッ素は、潤滑対象の摩耗表面を構成し得るいかなる材料とも事実上反応すると
考えられる。さらに、潤滑される摩耗表面が鉄で構成されている場合に予想され
る現場化学反応は、別の材料からなる摩耗表面でも同様に進行すると考えられる
(但し、別の摩耗表面材料の元素記号で鉄の元素記号(Fe)を置き換え、化合比率
を適当に調整する)。
【0056】 上述した本発明の好適な実施形態の各反応において触媒として機能する白金お
よびパラジウムの存在は、反応を加速し、反応量を増加させ、周囲条件下で反応
をより迅速に完了させるように作用する。
【0057】 特定の実施形態を挙げて本発明を記載してきたが、先の記載や検討から、多く
の置き換え、改変、変更および並べ替えが関連分野の当業者に明らかであること
は明白である。他の実施形態も、本発明の概念、範囲、趣旨、説明および/また
は実施を勘案すれば、関連分野の当業者には明らかであろう。本明細書中に開示
した本発明の概念、範囲または趣旨を逸脱することなく、本発明の置き換え、改
変、変更および並べ替えを実施し得ることを主張する。従って、本発明は、本明
細書中に示した特定の実施形態、配合および反応に限定されるものではなく、こ
のような置き換え、改変、変更および並べ替え、並びに特許請求の範囲に示す他
の形態全てを包含するものである。 上述の引用文献は全て、引用により本明細書中に含まれるものとする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 105/68 C10M 105/68 105/72 105/72 107/04 107/04 107/06 107/06 107/38 107/38 107/54 107/54 125/04 125/04 137/10 137/10 A 143/04 143/04 147/02 147/02 149/00 149/00 159/18 159/18 159/22 159/22 159/24 159/24 // C10N 10:02 C10N 10:02 10:04 10:04 10:06 10:06 10:08 10:08 10:10 10:10 10:12 10:12 10:14 10:14 10:16 10:16 20:06 20:06 Z 30:02 30:02 30:04 30:04 30:06 30:06 30:10 30:10 30:12 30:12 50:08 50:08 50:10 50:10 70:00 70:00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4H104 AA04 AA05 AA08 AA16 BB35 BE11 BG04 BJ07 CA02 CA03 CE01 CE11 CG01 CG03 DA02 DB04 DB06 DB07 EA08 EB02 FA01 FA02 FA03 FA04 FA05 FA06 FA07 FA08 JA01 LA01 LA02 LA03 LA05 LA06 QA18

Claims (53)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース潤滑剤手段と、触媒としてのみ作用する量の少なくと
    も1つの触媒手段とを配合した潤滑剤添加剤組成物であって、前記触媒手段は、
    均一系、不均一系、および均一系と不均一系の組合せのうちの少なくとも1つで
    あり、他の添加剤手段が含まれていてもよい、前記組成物。
  2. 【請求項2】 任意のベース潤滑剤手段と、ゼロを含む任意の数の他の添加
    剤手段と、少なくとも1つの遷移元素触媒手段とを配合した潤滑剤組成物であっ
    て、前記触媒手段は、摩耗表面との結合速度を加速するのに十分な量に限られ、
    かつ均一系、不均一系、および均一系と不均一系の組合せのうちの少なくとも1
    つである、前記組成物。
  3. 【請求項3】 任意のベース潤滑剤手段と、少なくとも1つの固体潤滑剤手
    段と、ゼロを含む任意の数の、前記固体潤滑剤手段以外の他の添加剤手段と、少
    なくとも1つの遷移元素触媒手段とを配合した潤滑剤組成物。
  4. 【請求項4】 任意のベース潤滑剤手段と、少なくとも1つの固体潤滑剤手
    段と、ゼロを含む任意の数の、前記固体潤滑剤手段以外の他の添加剤手段と、ハ
    ロゲン手段と、少なくとも1つの触媒手段とを配合した潤滑剤組成物。
  5. 【請求項5】 任意のベース潤滑剤手段と、少なくとも1つの固体潤滑剤手
    段と、ゼロを含む任意の数の、前記固体潤滑剤手段以外の他の添加剤手段と、フ
    ッ素手段と、少なくとも1つの触媒手段とを配合した潤滑剤組成物。
  6. 【請求項6】 潤滑剤の表面への結合を増強するための遷移金属触媒含有潤
    滑剤添加剤組成物であって、 1/100重量%以下の白金、および 1/100重量%以下のパラジウム、 を含んでなり、前記組成物の残部は、添加剤を含んでいてもよい潤滑剤である、
    前記組成物。
  7. 【請求項7】 触媒含有潤滑剤系組成物であって、 1/100重量%以下の白金および1/100重量%以下のパラジウムを含んでなる遷移
    金属触媒組成物、並びに 潤滑剤ベース を含んでなる前記組成物。
  8. 【請求項8】 保護用潤滑剤膜を摩耗表面上に迅速に確立または回復させる
    方法であって、 1/100重量%以下の白金および1/100重量%以下のパラジウムを含んでなる遷移
    金属触媒含有潤滑剤添加剤組成物を、ベース潤滑剤と配合して混合物を形成し、 前記混合物を摩耗表面へ接触させる 工程を含んでなる前記方法。
  9. 【請求項9】 前記白金およびパラジウムがコロイド状である、請求項8記
    載の方法。
  10. 【請求項10】 前記白金およびパラジウムが、互いに対してそれぞれ約3
    〜98の重量比で存在する、請求項8記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記白金およびパラジウムがコロイド状であって、さらに
    周囲媒体中に懸濁された状態を維持している、請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 分散剤がさらに含まれる、請求項8記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記分散剤がポリマーアミンである、請求項12記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 ポリテトラフルオロエチレンのコロイド粒子がさらに含ま
    れる、請求項8記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記ポリテトラフルオロエチレンのコロイド粒子が、周囲
    媒体中に懸濁された状態を維持している、請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 ヒドロフルオロカーボンオイルがさらに含まれる、請求項
    15記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記白金および前記パラジウムがいずれもコロイド状であ
    って、周囲媒体中で安定なコロイドとして存在しており、前記遷移金属触媒含有
    潤滑剤添加剤組成物が、 ポリマーアミン分散剤、 ポリテトラフルオロエチレンのコロイド粒子、および ヒドロフルオロカーボンオイル をさらに含んでなる、請求項6または7記載の遷移金属触媒含有潤滑剤添加剤組
    成物。
  18. 【請求項18】 約5%〜約25%の重量%で触媒含有潤滑剤系中に含まれ
    る、請求項6または7記載の遷移金属触媒含有潤滑剤添加剤組成物。
  19. 【請求項19】 前記触媒含有潤滑剤組成物が前記触媒含有潤滑剤系組成物
    の約5重量%〜約25重量%を占めている、請求項7記載の触媒含有潤滑剤系組
    成物。
  20. 【請求項20】 前記遷移金属触媒組成物が、 前記潤滑剤系の約6重量%を占めるポリマーアミン分散剤、 前記潤滑剤系の約4重量%を占めるポリテトラフルオロエチレンのコロイド粒
    子、 前記潤滑剤系の約1重量%を占めるヒドロフルオロカーボンオイル、並びに 前記潤滑剤系の約100ppmを占めるコロイド状の白金およびパラジウム をさらに含んでなる、請求項7記載の触媒含有潤滑剤系組成物。
  21. 【請求項21】 前記潤滑剤ベースが、ベースオイル、分散剤、界面活性ア
    ルカリ剤、界面活性酸化防止剤、主界面活性剤、防錆剤、酸化防止摩耗防止化合
    物、および粘度調整剤から構成される、請求項7記載の触媒含有潤滑剤系組成物
  22. 【請求項22】 前記ベースオイルが、通常の鉱油、合成油、通常のミネラ
    ルグリース、および合成グリースからなる群より選択される、請求項21記載の
    触媒含有潤滑剤系組成物。
  23. 【請求項23】 前記触媒含有潤滑剤系が、 ベースオイル、 ポリマーアミン分散剤、 高塩基性フェナート界面活性アルカリ剤、 低塩基性フェナート界面活性酸化防止剤、 低塩基性スルホネート主界面活性剤、 高塩基性スルホネート防錆剤、 ジアルキルジチオリン酸亜鉛酸化防止摩耗防止化合物、および エチレン−プロピレンコポリマー粘度調整剤 から構成される、請求項7記載の触媒含有潤滑剤系組成物。
  24. 【請求項24】 前記潤滑剤ベースが前記潤滑剤系混合物全体の約78.5重量
    %を占め、前記触媒含有潤滑剤系が、 約7重量%のポリマーアミン分散剤、 約0.5重量%の高塩基性フェナート界面活性アルカリ剤、 約1.5重量%の低塩基性フェナート界面活性酸化防止剤、 約1.5重量%の低塩基性スルホネート主界面活性剤、 約0.5重量%の高塩基性スルホネート防錆剤、 約1.5重量%のジアルキルジチオリン酸亜鉛酸化防止摩耗防止化合物、および 約10重量%のエチレン−プロピレンコポリマー粘度調整剤 をさらに含んでなる、請求項7記載の触媒含有潤滑剤系組成物。
  25. 【請求項25】 前記遷移金属触媒含有潤滑剤添加剤組成物が、 ポリマーアミン分散剤、 ポリテトラフルオロエチレンのコロイド粒子、 ヒドロフルオロカーボンオイル をさらに含んでなり、前記潤滑剤ベースが、 ベースオイル、 分散剤、 界面活性アルカリ剤、 界面活性酸化防止剤、 主界面活性剤、 防錆剤、 酸化防止摩耗防止化合物、および 粘度調整剤 をさらに含んでなる、請求項6記載の遷移金属触媒含有潤滑剤添加剤組成物。
  26. 【請求項26】 潤滑剤と潤滑すべき表面との間の化学結合を促進する方法
    であって、 ベース潤滑剤を選択し、 このような化学結合を加速するための触媒としてのみ作用するのに十分な量の
    少なくとも1種の触媒を前記ベース潤滑剤と混合し、 前記混合物を潤滑すべき表面へ接触させる 工程を含んでなる前記方法。
  27. 【請求項27】 前記遷移元素が前記潤滑剤の1/100未満である、請求項2
    6記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記潤滑剤が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テ
    フロン(登録商標;PTFE)、パーフルオロポリエーテルオキシド、エチレンポリ
    マー、プロピレンポリマー、フルオロフェニレンポリマー、パーフルオロポリエ
    ーテル、脂肪酸のポリオールモノエステル、脂肪酸アミド、硫化脂肪および硫化
    エステル、モリブデン硫黄化合物、脂肪酸の金属セッケン、グラファイト、フッ
    化炭素、フッ化塩化炭素、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、およびフッ化リ
    チウムからなる群より選択される、請求項26記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記触媒が、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム
    、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジ
    ルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラ
    ジウム、銀、カドミウム、インジウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タ
    ングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、タリウムか
    らなる群より選択される1種以上の元素である、請求項26記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記遷移元素触媒が1種以上の化合物から構成され、前記
    化合物は、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバル
    ト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モ
    リブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム
    、インジウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、
    オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、タリウムからなる化合物群より選択
    される元素から構成される、請求項26記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記潤滑剤ベースの濃度が約75重量%〜約95重量%で
    ある、請求項26記載の方法。
  32. 【請求項32】 コロイド粒子を前記混合物へ添加する工程をさらに含んで
    なる、請求項26記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記コロイド粒子の平均直径が1μm未満である、請求項
    32記載の方法。
  34. 【請求項34】 2つの表面間に潤滑を施す方法であって、 前記表面の少なくとも一方に潤滑剤ベースを供給し、 前記潤滑剤ベースと前記表面の少なくとも一方との間の化学結合を加速するた
    めの触媒としてのみ十分な量の触媒へ、前記潤滑剤ベースを接触させる 工程を含んでなる前記方法。
  35. 【請求項35】 前記触媒が遷移金属元素である、請求項34記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記触媒の量が、前記潤滑剤ベースの重量の1/100未満で
    ある、請求項34記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記触媒量を前記潤滑剤ベースへ予め混合しておく、請求
    項34記載の方法。
  38. 【請求項38】 潤滑剤系であって、 潤滑剤ベース、および 潤滑剤系と潤滑すべき表面との結合を促進するためにのみ必要な量の触媒含有
    潤滑剤添加剤 を含んでなる前記潤滑剤系。
  39. 【請求項39】 前記触媒含有潤滑剤添加剤に任意の遷移元素が含まれる、
    請求項38記載の潤滑剤系。
  40. 【請求項40】 前記遷移元素が、重量で1/100未満の量の白金およびパラ
    ジウムの少なくとも一方である、請求項39記載の潤滑剤系。
  41. 【請求項41】 前記ベースが80重量%であり、前記添加剤が20重量%
    である、請求項39記載の潤滑剤系。
  42. 【請求項42】 材料を接触させるべき表面に対する前記材料の結合速度と
    結合量を増加させる方法であって、 前記材料を触媒元素と接触させて、前記材料と前記触媒元素の少なくとも一部
    との組合せ物を形成し、 組合わせた前記元素を前記表面へ接触させる 工程を含んでなる前記方法。
  43. 【請求項43】 前記接触が実質的に瞬時である、請求項42記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記接触が比較的長期にわたる、請求項42記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記組合せ物が、1/100重量%未満の前記触媒元素を含有
    する、請求項42記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記触媒元素が遷移元素である、請求項42記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記少なくとも1つの触媒手段が現場潤滑剤結合手段を提
    供し、前記潤滑剤結合手段によって、前記ベース潤滑剤手段単独の場合と比べて
    、潤滑剤結合反応が加速されて潤滑剤結合量が増加し、その際、潤滑剤結合は、
    配合物と潤滑すべき表面との間の結合を指し、前記結合手段には、吸着、吸収、
    イオン結合、共有結合、配位結合およびイオン原子価結合からなる群より選択さ
    れる少なくとも1つの結合様式が含まれる、請求項1記載の潤滑剤添加剤組成物
  48. 【請求項48】 潤滑剤添加剤組成物へ配合される前記ベース潤滑剤手段に
    、任意の数の他の添加剤手段が含まれ、他の添加剤手段の少なくとも1つが、ポ
    リテトラフルオロエチレン、モリブデン硫黄化合物、パーフルオロポリエーテル
    オキシド、脂肪酸の金属セッケン、エチレンポリマー、グラファイト、プロピレ
    ンポリマー、フッ化炭素、フルオロフェニレンポリマー、フッ化塩化炭素、パー
    フルオロポリエーテル、フッ化バリウム、脂肪酸のポリオールモノエステル、フ
    ッ化カルシウム、脂肪酸アミド、フッ化リチウム、並びに硫化脂肪および硫化エ
    ステルからなる群より選択される、固体潤滑剤手段である、請求項1記載の潤滑
    剤添加剤組成物。
  49. 【請求項49】 前記少なくとも1つの触媒手段が、少なくとも2つの触媒
    成分を含み、前記触媒成分の少なくとも1つが均一系であって、かつ前記触媒成
    分の少なくとも1つが不均一系であり、ここで、均一系とは、ベース潤滑剤手段
    と相が同一であることをさし、不均一系とは、潤滑剤添加剤組成物へ配合される
    ベース潤滑剤手段とは相が異なることをさし、相とは、固体、液体、および気体
    状態にある潤滑剤添加剤組成物の状態をさす、請求項1記載の潤滑剤添加剤組成
    物。
  50. 【請求項50】 前記少なくとも1つの触媒手段が、 前記潤滑剤系の約6重量%を占めるポリマーアミン分散剤、 前記潤滑剤系の約4重量%を占めるポリテトラフルオロエチレンのコロイド粒
    子、 前記潤滑剤系の約1重量%を占めるヒドロフルオロカーボンオイル、並びに 前記潤滑剤系の約100ppmを占めるコロイド状の白金およびパラジウム を含んでなる、請求項1記載の潤滑剤添加剤組成物。
  51. 【請求項51】 前記ベース潤滑剤手段がベースオイルであり、前記他の添
    加剤手段が ポリマーアミン分散剤、 高塩基性フェナート界面活性アルカリ剤、 低塩基性フェナート界面活性酸化防止剤、 低塩基性スルホネート主界面活性剤、 高塩基性スルホネート防錆剤、 ジアルキルジチオリン酸亜鉛酸化防止摩耗防止化合物、および エチレン-プロピレンコポリマー粘度調整剤 を含んでなる、請求項1記載の潤滑剤添加剤組成物。
  52. 【請求項52】 前記ベース潤滑剤手段と前記他の添加剤手段との任意の配
    合物の約78.5%がベースオイルであり、前記ベース潤滑剤手段と前記他の添加剤
    手段との任意の配合物の約21.5%が前記他の添加剤手段であって、 約7重量%のポリマーアミン分散剤、 約0.5重量%の高塩基性フェナート界面活性アルカリ剤、 約1.5重量%の低塩基性フェナート界面活性酸化防止剤、 約1.5重量%の低塩基性スルホネート主界面活性剤、 約0.5重量%の高塩基性スルホネート防錆剤、 約1.5重量%のジアルキルジチオリン酸亜鉛酸化防止摩耗防止化合物、および 約10重量%のエチレン-プロピレンコポリマー粘度調整剤 を含んでなる、請求項1記載の潤滑剤添加剤組成物。
  53. 【請求項53】 前記ベース潤滑剤手段がベースオイルであり、前記少なく
    とも1つの触媒手段が ポリマーアミン分散剤、 ポリテトラフルオロエチレンのコロイド粒子、および ヒドロフルオロカーボンオイル を含んでなり、前記他の添加剤手段が 分散剤、 界面活性アルカリ剤、 界面活性酸化防止剤、 主界面活性剤、 防錆剤、 酸化防止摩耗防止化合物、および 粘度調整剤 を含んでなる、請求項1記載の潤滑剤添加剤組成物。
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