JP2002519413A - ヒト免疫不全ウイルスの複製を阻害するピペラジン誘導体 - Google Patents

ヒト免疫不全ウイルスの複製を阻害するピペラジン誘導体

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JP2002519413A JP2000558082A JP2000558082A JP2002519413A JP 2002519413 A JP2002519413 A JP 2002519413A JP 2000558082 A JP2000558082 A JP 2000558082A JP 2000558082 A JP2000558082 A JP 2000558082A JP 2002519413 A JP2002519413 A JP 2002519413A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、化学式(I)のピペラジン誘導体の使用に関する:式中、A及びB=C=O, C=S又はR7=H、メチル、シアノ、シアノメチル、CO2CH3又は(C=O)CH3で、R8=H又はフェニルであるCR7R8;R1からR6=H、OH又はC1からC5のアルコキシ;XはC=O、O(C=O)、O(C=S)、O(SO2)、NH(C=O)、NH(C=S)、NH(SO2)、S(C=O)又はS(C=S)を表し、Y=NR9R10、CR9R10R11=H、C1からC5のアルキル、C2からC5のアルケニル又はC2からC5のアルキニル又は5から10原子を含む窒素複素環;又はO、S、O(C=O) O、NH(C=O) O又はS (C=O) O、Y=上述したR9、R10、R11を有するCR9R10R11;又はHIVを阻害する薬剤を調製するための薬学的に許容される塩のうちの1つ。本発明は、HIV感染の治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、ヒト免疫不全ウイルスの複製を阻害するためのピペラジン誘導体に
関する。
【0001】 感染患者における重度日和見感染症の発生に反映される、免疫防御の衰弱を引
き起こすほか、主要な細胞標的をCD4+ Tリンパ球及びマクロファージ系細胞とす
るヒト免疫不全ウイルス(HIV)による感染は、とりわけ中枢神経系における、
慢性の炎症性症候群の原因であり、これはHIV脳症または亜急性脳炎の名の下に
一緒に分類される神経性合併症により現れる。“血小板活性化因子”(PAF)は
、炎症およびアレルギーの早期メディエーターとして明らかにされてきたもので
、炎症メディエーターとしての役割のためだけでなくその神経毒性により、この
炎症性症候群において重要な役割をもつと考えられる。
【0002】 HIV感染における治療の効果は、感染患者の血中ウイルス量の減少により、ま
た循環CD4+ Tリンパ球のレベルの回復により、測定される。これらの診断基準に
関して、ウイルス複製における2つの異なる段階で作用する2クラスの抗レトロ
ウイルス薬が、現行のHIV感染治療法の基礎を、結果として形成するのに有効で
あることが見出されてきた。これらは: ―まず第一に、ウイルス酵素の活性を阻害することに向けられた逆転写酵素阻
害剤である。該ウイルス酵素は、ウイルスのリボ核酸(RNA)の、ウイルスが感
染細胞の核へと入り込み、該細胞のゲノム中へと組み込まれるようになる形態の
、デオキシリボ核酸(DNA)への逆転写を確実にする。これらの逆転写酵素阻害
剤としては、ジドブジン(zidovudine)(AZT)、ジダノシン(didanosine)(ddI)
、ザルシタビン(zalcitabine)(ddC)、ラミブジン(lamivudine)(3TC)、スタ
ブジン(stavudine)(d4T)及びネビラピン(nevirapine)が示され;及び ―第二に、インジナビル(indinavir)、リトナビル(ritonavir)、サキナビル(s
aquinavir)、及びネルフィナビル(nelfinavir)のようなプロテアーゼ阻害剤であ
る。これらは、複製に由来する−すなわち、様々な内部タンパク質および酵素の
組み込みにおいて−ウイルス分子の成熟プロセスに関与するウイルス酵素の活性
を阻害することにより作用し、この成熟プロセスは、感染すべき別の細胞に向け
たこれら分子の放出に先立つ。
【0003】 これらの抗レトロウイルス薬は、通常は組み合わせて用いられる:例えば、2
つの逆転写酵素阻害剤と1つのプロテアーゼ阻害剤とを組み合わせてなる三重療
法が今日では第一線の治療として処方されており、四重療法のプロトコルは目下
臨床評価中である。
【0004】 これらの価値にも関わらず、現在利用可能な抗レトロウイルス薬は実際にはHI
V感染の問題を解決していない。
【0005】 とりわけ、第一に、それらはウイルスの変異を引き起こし、治療に対する耐性
が生まれる原因、また長期的にみれば治療回避現象の原因となり、感染が再開す
る結果となる。更に、誘導された耐性は、通常、種々の抗レトロウイルス薬間、
特にプロテアーゼ阻害剤間で交差するため、治療的代用は極めて限られている。
【0006】 第二に、これら抗レトロウイルス薬のうち幾つかは、組織への拡散が限られて
いる。特に、それらは血液脳関門を越えることができず、従って、一方で好適な
ウイルス感染の標的を構成する、中枢神経系へ到達することができない。
【0007】 さらに、これらの抗レトロウイルス薬は多くの副作用をもち(貧血症、白血球
減少症、悪心、嘔吐、下痢、筋肉痛、頭痛、末梢神経障害、皮疹、発熱、膵臓炎
、肝臓毒性等)、こうした作用はこれらを組み合わせで用いた場合により著しい
。患者にもたらす不都合のせいで、こうした副作用が患者の非コンプライアンス
を生む可能性のほか、その性質が深刻であるためにあるケースにおいては治療の
中止を余儀なくさせることもある。
【0008】 最後に、これらの抗レトロウイルス薬はウイルス自身に対する活性が限られて
おり、感染患者の免疫系を防御あるいは回復できないという欠点をもつ。
【0009】 その結果、HIVに対し活性であり従ってこのウイルスによる感染を効果的に治
療するに適すると同時に、組織へ広範に拡散しかつ特に中枢神経系に到達するこ
とができ、現行の抗レトロウイルス薬に対し耐性を誘導せずかつ交差耐性をもた
ず、ウイルスの排除だけでなく免疫系の防御あるいは回復さえも可能にし、また
最適な患者のコンプライアンスに適合した充分な耐性をもつ化合物を提供すると
いう問題が生まれる。
【0010】 1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-メトキシカルボニル)-
ピペラジンは、フランス特許出願No.89 13258において抗虚血及び抗炎症剤とし
て開示された。
【0011】 さらに、フランス特許出願No.89 13259及びNo.90 04798、並びに欧州特許出願
No.0 368 670においては、3置換ピペラジン誘導体が、インビトロにおいて血小
板凝集に対するPAFの作用を阻害することができ、この点において、このメディ
エーターが関与すると思われる病理学の治療において、また特に炎症性症候群お
よびアレルギー性症候群(急性炎症、胃腸潰瘍、喘息、心臓アナフィラキシー、
等)の治療において用いられ得ることが示された。
【0012】 PAFアンタゴニストとしてのこのタイプのピペラジン誘導体の長所は、その後
これら化合物の化学構造の生理活性に対する影響を特定することに向けられたLa
mouri et al. (J. Med. Chem., 1993, 36, 8, 990-1000)及びHeymans et al. (J
. Lipid Mediators Cell Signalling, 1994, 10, 153-154; J. Lipid Mediators
Cell Signalling, 1996, 15, 161-173)の研究によって確認された。
【0013】 さて、ピペラジン誘導体についての研究を続けるにおいて、本発明者らは、驚
くべきことに、これら誘導体の幾つかは、抗PAF活性をもつに加え、極めて効率
よくHIVの複製を阻害すること、また、体内におけるこのウイルスの増殖を阻害
すること及びその究極的排除だけでなく、PAFに対する阻害活性により免疫機能
の回復をも可能にするゆえに、HIV感染の治療において治療法の選択として適す
ることを発見した。
【0014】 従って、本発明の一つの主題は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の複製を阻害
するための医薬品の調製のための、一般式(I)に対応するピペラジン誘導体:
【0015】
【化8】
【0016】 −A及びBは、互いに独立してC=O、C=S又はCR7R8基を表わし、ここでR7は水素原
子又はメチル、シアノ、シアノメチル、CO2CH3及び(C=O)CH3基より選ばれる基を
表わし、R8は水素原子又はフェニル基を表わす; −R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立して水素原子、水酸基または直鎖若
しくは分岐のC1-C5アルコキシ基を表わす; −Xが表わすのは: ・C=O、O(C=O)、O(C=S)、O(SO2)、NH(C=O)、NH(C=S)、NH(SO2)、S(C=O)、及び
S(C=S)基より選ばれる基であり、この場合YはNR9R10又はCR9R10R11基(ここでR9 、R10及びR11は互いに独立して水素原子、直鎖又は分岐のC1〜C5アルキル、C2
C5アルケニル又はC2〜C5アルキニル基を表わす)、或いは5〜10の原子並びに
窒素、酸素及び硫黄より選ばれる1又はそれ以上のヘテロ原子を随意に含む窒素
複素環を表わす; ・或いは、酸素若しくは硫黄原子又はO(C=O)O、NH(C=O)O及びS(C=O)O基より選
ばれる基であり、この場合YはCR9R10R11基を表わす(ここでR9、R10及びR11は上
記と同様の意味をもつ); 或いは薬学的に許容し得るその塩のうち1つの使用である。
【0017】 本明細書の上文及び下文において: −“直鎖或いは分岐のC1〜C5アルキル基”なる表現は、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル又はペンチル基などの
、5以下の炭素原子を含むいずれかの炭化水素に基づく基を意味する; −“直鎖或いは分岐のC2〜C5アルケニル基” なる表現は、ビニル、アリル、
ブテニル、ブタジエニル又はペンテニル基などの、2〜5個の炭素原子及び1つ
又はそれ以上の炭素−炭素二重結合を含むいずれかの炭化水素に基づく基を意味
する; −“直鎖或いは分岐のC2〜C5アルキニル基”なる表現は、エチニル、プロピニ
ル、ブチニル又はペンチニル基など、2〜5個の炭素原子及び1つ又はそれ以上
の炭素−炭素三重結合を含むいずれかの炭化水素に基づく基を意味する; −“直鎖或いは分岐のC1〜C5アルコキシ基”なる表現は、メトキシ、エトキシ
、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、アリ
ルオキシ、ブテニルオキシ、メチルプロペニルオキシ、ペンテニルオキシ、メチ
ルブテニルオキシ又はペンタジエニルオキシ基などの、式ORのいずれかの基を意
味し、ここでRは5を以下の炭素原子を含む飽和或いは不飽和の炭化水素に基づ
く鎖を表わし、および; −“5〜10の原子並びに窒素、酸素及び硫黄より選ばれる1又はそれ以上の 別のヘテロ原子を随意に含む窒素複素環 ” なる表現は、ピロリル、イミダゾリ
ル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピロリジニル、ピラゾリジニル
、イミダゾリジニル、ピペリジル又はインドリル基などの、5〜10の原子を含
み、そのうち少なくとも1つが窒素原子であって、窒素、酸素及び硫黄より選ば
れる1又はそれ以上の別の原子を随意に含むいずれかの飽和或いは不飽和環を意
味する。
【0018】 本発明に従うと、R1、R2及びR3は好ましくは基Aに結合したフェニル核の3'、4
'及び5'位の炭素原子により支えられ、一方R4、R5及びR6は好ましくは基Bに結合
したフェニル核の3'、4'及び5'位に炭素原子により支えられる。
【0019】 本発明の第一の好適実施例によれば、ピペラジン誘導体は特定式(I-a)に対
応する:
【0020】
【化9】
【0021】 (ここでA及びBは互いに独立してC=O又はC=S基を表わし、一方R1、R2、R3、R4
R5、R6、X及びYは上に定義した一般式(I)と同様の意味をもつ)。
【0022】 有利には、特定式(I-a)において、R1、R2、R4及びR5はメトキシ基を表わし
、R3及びR6は共に水素原子又はメトキシ基を表わし、Xが表わすのは: ・O(C=O)又はNH(C=O)基であり、この場合YはNR9R10又はCR9R10R11基(ここでR9
、R10及びR11は上記一般式(I)と同様の意味を有する)を表わす、又は5〜10
の原子並びに窒素、酸素及び硫黄より選ばれる1又はそれ以上の別のヘテロ原子
を随意に含む窒素複素環である; ・或いはNH(C=O)O基であり、この場合YはCR9R10R11基を表わす(ここでR9、R10
及びR11は上記一般式(I)と同様の意味を有する)。
【0023】 特定式(I-a)に対応するピペラジン誘導体は、好ましくは1,4-ビス(3',4',5'
-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピ
ペラジン、1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジプロピルア
ミノカルボニルオキシメチル)ピペラジン、1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベ
ンゾイル)-2-(1'-ピペリジノカルボニルオキシメチル)ピペラジン、1,4-ビス(3'
,4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(1'-ピロリジノカルボニルオキシメチル)ピ
ペラジン、1,4-ビス(3',4'-ジメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカル
ボニルオキシメチル)ピペラジン、1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)
-2-(イソプロピルオキシカルボニルアミノメチル)ピペラジン、1,4-ビス(3',4',
5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(tert-ブチルカルボニルアミノメチル)ピペラジ
ン、1-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-4-(3',4',5'-トリメトキシチオベン
ゾイル) -2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジン、1,4-ビ
ス(3',4',5'-トリメトキシチオベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニル
オキシメチル)ピペラジン及び1-(3',4',5'-トリメトキシチオベンゾイル)-4-(3'
,4',5'-トリメトキシベンゾイル) -2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメ
チル)ピペラジンより選ばれる。
【0024】 特に好ましくは、特定式(I-a)に対応するピペラジン誘導体は、1,4-ビス(3'
,4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチ
ル)ピペラジンである。
【0025】 本発明の別の好適な実施態様によれば、ピペラジン誘導体は特定式(I-b)に
対応する:
【0026】
【化10】
【0027】 (ここでR8は水素原子又はフェニル基を表わし、一方R4、R5、R6、X及びYは上記
に定義した一般式(I)と同様の意味をもつ)。
【0028】 有利には、特定式(I-b)において、R4、R5及びR6はメトキシ基を表わし、Xは
O(C=O)基を表わし、一方YはNR9R10基(ここでR9及びR10は共に直鎖或いは分岐の
C1〜C5アルキル、C2〜C5アルケニル又はC2〜C5アルキニル基を表わす)或いは5
〜10の原子並びに窒素、酸素及び硫黄より選ばれる1又はそれ以上の別のヘテ
ロ原子を随意に含む窒素複素環を表わす。
【0029】 特定式(I-b)に対応するピペラジン誘導体は、好ましくは1-ベンジル-4-(3',
4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチ
ル)ピペラジン及び1-ジフェニルメチル-4-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-
2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンより選ばれる。
【0030】 本発明のさらに別の好適な実施態様によれば、ピペラジン誘導体は特定式(I-
c)に対応する:
【0031】
【化11】
【0032】 (ここでR8は水素原子又はフェニル基を表わし、一方R1、R2、R3、X及びYは上記
に定義した一般式(I)と同様の意味をもつ)。
【0033】 有利には、特定式(I-c)において、R1、R2及びR3がメトキシ基を表わし、Xが
O(C=O)基を表わし、一方YがNR9R10基(ここでR9及びR10は共に直鎖或いは分岐の
C1〜C5アルキル、C2〜C5アルケニル又はC2〜C5アルキニル基を表わす)或いは5
〜10の原子並びに窒素、酸素及び硫黄より選ばれる1又はそれ以上の別のヘテ
ロ原子を随意に含む窒素複素環を表わす。
【0034】 特定式(I-c)に対応するピペラジン誘導体は、好ましくは1-(3',4',5'-トリ
メトキシベンゾイル)-4-ベンジル-2- (N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメ
チル)ピペラジンである。
【0035】 HIV複製を阻害するための医薬品を調製するのに一般式(I)のピペラジン誘導
体及び薬学的に許容し得るその塩を用いることには、多くの利点がある。とりわ
け、感染患者におけるウイルスの蔓延をコントロールできること及びその抗ウイ
ルス作用による究極的排除のほかに、PAF活性に対するその阻害作用によってこ
れらの患者の免疫系の回復を誘導することが可能である。さらには、HIV複製に
対する作用のメカニズムは未だ完全には明らかにされていないものの、これらピ
ペラジン誘導体は、逆転写酵素に対しても或いはウイルスプロテアーゼに対して
も作用していないようであり、これらの使用自体により、HIV感染の治療におい
て一般に臨床医が遭遇する交叉耐性の問題を克服することが可能になる。加えて
、本発明に従い有用なピペラジン誘導体は細胞毒性がないことを示すが、このこ
とは、非常に申し分のない耐性を主張する。
【0036】 一般式(I)のピペラジン誘導体及び薬学的に許容し得るその塩は、以下を含
むプロセスにより得られ得る: *調製を所望する該誘導体が一般式(I)に対応し、ここでA及びBは共にC=O 基
である場合で、かつそれらが結合するフェニル核が同一の置換基を有するとき: a)下記の一般式(II)に対応する化合物:
【0037】
【化12】
【0038】 (ここでX及びYは上記に定義された一般式(I)におけるのと同様の意味をもつ
) の下記一般式(III)の試薬を用いたアシル化:
【0039】
【化13】
【0040】 (ここでHalはハロゲン原子、好ましくは塩素原子を表わし、一方R'、R''及びR'
''は互いに独立して水素原子、水酸基又は直鎖或いは分岐のC1-C5アルコキシ基
を表わす)所望であれば、続いて b) 工程a)で得られた化合物の、薬学的に許容し得るその塩への転化; *調製を所望する該誘導体が一般式(I)に対応し、ここでA及びBは共にC=O 基
であり、かつそれらが結合するフェニル核が異なる置換基を有するとき: a)下記の一般式(III-a)の試薬を用いた、また次に下記の一般式(III-b)の
試薬を用いた、上記に定義された一般式(II)に対応する化合物のアシル化:
【0041】
【化14】
【0042】 (ここでHalはハロゲン原子、好ましくは塩素原子を表わし、一方R1、R2、R3、R 4 、R5及びR6は上記に定義された一般式(I)におけるのと同様の意味をもつ)、
所望であれば、続いて b) 工程a)で得られた化合物の、薬学的に許容し得るその塩への転化; *調製を所望する該誘導体が一般式(I)に対応し、ここでA及びBは共にC=S 基
である場合で、かつそれらが結合するフェニル核が同一の置換基を有するとき: a)上記に定義された一般式(II)に対応する化合物の、上記に定義された一般
式(III)の試薬を用いたアシル化、 b) 工程a)で得られた化合物と、例えばLawesson's試薬のような、カルボニル
官能基をチオカルボニル官能基に転化し得る試薬との反応、所望であれば続いて c) 工程b)で得られた化合物の、薬学的に許容し得るその塩への転化; *調製を所望する該誘導体が一般式(I)に対応し、ここで2つの基A及びBのう
ち1つはC=O基であり、もう一方はC=S基である場合で、かつそれらが付属するフ
ェニル核が同一の置換基を有するとき: a)該化合物のピペラジン環の4位の窒素原子を必要に応じて(例えばトリチル
化により)保護した後の、上記に定義された一般式(II)に対応する化合物の、
上記に定義された一般式(III)の試薬を用いたアシル化、 b) 工程a)で得られた化合物と、カルボニル官能基をチオカルボニル官能基に
転化し得る試薬との反応、 c)ピペラジン環の4位の窒素原子を、この原子が保護されていれば(例えば脱
トリチル化により)脱保護した後の、上記で定義された一般式(III)の試薬を
用いた、工程b)で得られた化合物のアシル化、所望であれば続いて d) 工程c)で得られた化合物の、薬学的に許容し得るその塩への転化; *調製を所望する該誘導体が一般式(I)に対応し、ここでAはC=O基であり、一
方BはC=S基である場合で、かつそれらが結合するフェニル核が異なる置換基を有
するとき: a)上記に定義された一般式(II)に対応する化合物の、上記に定義された一般
式(III-a)の試薬を用いたアシル化、 b) 工程a)で得られた化合物と、カルボニル官能基をチオカルボニル官能基に
転化し得る試薬との反応、 c) 上記で定義された一般式(III-b)の試薬を用いた、工程b)で得られた化合
物のアシル化、所望であれば続いて d) 工程c)で得られた化合物の、薬学的に許容し得るその塩への転化; *調製を所望する該誘導体が一般式(I)に対応し、ここでAはC=S基であり、一
方BはC=O基である場合で、かつそれらが結合するフェニル核が異なる置換基を有
するとき: a)この化合物のピペラジン環の4位の窒素原子を保護した後の、上記に定義さ
れた一般式(II)に対応する化合物も、上記に定義された一般式(III-b)の試
薬を用いたアシル化、 b) 工程a)で得られた化合物と、カルボニル官能基をチオカルボニル官能基に
転化し得る試薬との反応、 c) ピペラジン環の4位の窒素原子の脱保護後の、上記で定義された一般式(I
II-b)の試薬を用いた、工程b)で得られた化合物のアシル化、所望であれば続い
て d) 工程c)で得られた化合物の、薬学的に許容し得るその塩への転化; *調製を所望する該誘導体が一般式(I)に対応し、ここでA及びBは共にCR7R8
基である場合で、かつそれらが結合するフェニル核が同一の置換基を有するとき
: a)下記の一般式(IV)の試薬を用いた、上記に定義された一般式(II)に対応
する化合物のアシル化:
【0043】
【化15】
【0044】 (ここでHalはハロゲン原子、及び好ましくは塩素原子を表わし、R7及びR8は上
記に定義された一般式(I)におけるのと同様の意味を有し、一方R'、R''及びR'
''は、互いに独立して水素原子、水酸基又は直鎖若しくは分岐のC1〜C5アルコキ
シ基を表わす)、所望であれば、続いて b) 工程a)で得られた化合物の、薬学的に許容し得るその塩への転化; *調製を所望する該誘導体が一般式(I)に対応し、ここでA及びBは共にCR7R8
基である場合で、かつそれらが結合するフェニル核が異なる置換基を有するとき
: a)下記の一般式(IV-a)の試薬を用いた、及び次に下記の一般式(IV-b)の試
薬を用いた、上記に定義された一般式(II)に対応する化合物のアシル化:
【0045】
【化16】
【0046】 (ここでHalはハロゲン原子、好ましくは塩素原子を表わし、一方R1、R2、R3、R 4 、R5、R6、R7及びR8は上記に定義された一般式(I)におけるのと同様の意味を
もつ) b) 工程a)で得られた化合物の、薬学的に許容し得るその塩への転化; *調製を所望する該誘導体が一般式(I)に対応し、ここで2つの基A及びBのう
ち1つはC=O基であり、もう一方はCR7R8基である場合: a)該化合物のピペラジン環の4位の窒素原子を必要に応じて保護した後の、上
記に定義された一般式(II)に対応する化合物の、上記に定義された一般式(II
I)の試薬を用いたアシル化、 b)ピペラジン環の4位の窒素原子の、この原子が保護されているときの脱保護
後の、上記で定義された一般式(IV)の試薬を用いた、工程a)で得られた化合物
のアシル化、所望であれば続いて c) 工程b)で得られた化合物の、薬学的に許容し得るその塩への転化。
【0047】 XがO(C=O)基を表わす一般式(II)の化合物は、1,4-ジベンジル-2-ヒドロキシ
メチルピペラジン(Helv. Chem. Acta, 1962, 45, 2383-2402においてJucker an
d Rissiにより開示されたプロセスにより得られ得る)から、この化合物をフェ
ニルクロロカーボネートのようなアリールハロカーボネートと共にアシル化し、
続いて生じた化合物を式H-Yの試薬の作用による置換反応に供し、ここでYは一般
式(II)におけると同様の意味をもち、最後にこうして得た該化合物を例えば活
性炭上でのパラジウムを用いた水素化分解に供することにより、調製し得る。
【0048】 XがO(C=S)基を表わす一般式(II)の化合物もまた、1,4-ジベンジル-2-ヒドロ
キシメチルピペラジンから調製できるが、この場合、該化合物を、例えばチオホ
スゲン及び式H-Yの試薬、ここでYは一般式(II)におけると同様の意味をもつ、
の連続的作用による付加−脱離反応に供し、続いて生じた化合物を、例えば2,2,
2-トリクロロエチルクロロホルメート用い、かつ亜鉛及び酢酸の存在下で脱ベン
ジル化に供する。
【0049】 XがO(SO2)基を表わす一般式(II)の化合物もまた、1,4-ジベンジル-2-ヒドロ
キシメチルピペラジンから、該化合物を、例えばスルフリルクロライド及び式H-
Yの試薬、ここでYは一般式(II)におけるのと同様の意味をもつ、の連続的作用
による付加−脱離反応に供し、生じた化合物を次に脱ベンジル化に供することに
より、調製し得る。
【0050】 XがNH(C=O)、NH(C=S)又はNH(C=O)O基を表わす一般式(II)の化合物は、1,4-
ジベンジル-2-アミノメチルピペラジンから、該化合物を式Hal(C=O)Y、Hal(C=S)
Y及びHal(C=O)O-Yの試薬、ここでHalはハロゲン原子、好ましくは塩素原子を表
わし、一方Yは一般式(II)におけるのと同様の意味をもつ、より選ばれる試薬
と反応させ、次に生じた化合物を、XがNH(C=O)又はNH(C=O)O基を表わす場合は水
素化分解に、XがNH(C=S)基を表わす場合は脱ベンジル化に供することにより調製
し得る。
【0051】 XがNH(SO2)基を表わす一般式(II)の化合物もまた、1,4-ジベンジル-2-アミ
ノメチルピペラジンから調製できるが、この場合、該化合物を、例えばスルフリ
ルクロライド及び式H-Yの試薬、ここでYは一般式(II)におけるのと同様の意味
をもつ、の連続的作用による付加−脱離反応に供し、次に脱ベンジル化する。
【0052】 1,4-ジベンジル-2-アミノメチルピペラジン自体は、トリエチルアミン及びベ
ンゼン存在下2,3-ジブロモプロピオニトリルとN,N'-ジベンジルエチレンジアミ
ンとの反応の結果1,4-ジベンジル-2-シアノピペラジンを得、次にこの化合物を
、例えばリチウムアルミニウムハイドライドの作用による還元反応に供すること
により得られ得る。
【0053】 XがS(C=O)基を表わす一般式(II)の化合物は、1,4-ジベンジル-2-チオメチル
ピペラジンから、該化合物をフェニルクロロカーボネートのようなアリールハロ
カーボネートと共にアシル化し、続いて生じた化合物を式H-Yの試薬の作用によ
る置換反応に供し、ここでYは一般式(II)におけるのと同様の意味をもち、最
後にこうして得た該化合物を脱ベンジル化に供することにより、調製し得る。
【0054】 同様にして、XがS(C=S)基を表わす一般式(II)の化合物は、1,4-ジベンジル-
2-チオメチルピペラジンから、該化合物を、例えばチオホスゲン及び式H-Yの試
薬、ここでYは一般式(II)におけるのと同様の意味をもつ、の連続的作用によ
る付加−脱離反応に供し、こうして得た該化合物を脱ベンジル化に供することに
より、調製し得る。
【0055】 1,4-ジベンジル-2-チオメチルピペラジン自体は、1,4-ジベンジル-2-クロロメ
チルピペラジンから、この化合物を例えばナトリウム或いはカリウムチオアセテ
ートを用いた求核置換反応に供し、次に得られた化合物を水酸化ナトリウムのよ
うな塩基でけん化することにより得られ得る。
【0056】 Xが酸素原子又は硫黄原子を表わす一般式(II)の化合物自体は、各々1,4-ジ
ベンジル-2-ヒドロキシメチルピペラジン及び1,4-ジベンジル-2-チオメチルピペ
ラジンから、これらの化合物を、例えば塩基及び次に式Hal-Yの試薬、ここでHal
はハロゲン原子好ましくは塩素原子を表わし、一方Yは一般式(II)におけると
同様の意味をもつ、の作用によるエーテル化に供し、続いてこうして得た該化合
物を水素化分解に供することにより、調製し得る。
【0057】 XがO(C=O)O基又はS(C=O)O基のいずれかを表わす一般式(II)の化合物は、各
々、1,4-ジベンジル-2-ヒドロキシメチルピペラジン及び1,4-ジベンジル-2-チオ
メチルピペラジンから、これらを例えば式Hal(C=O)O-Yの試薬、ここでHalはハロ
ゲン原子好ましくは塩素原子を表わし、一方Yは一般式(II)におけるのと同様
の意味をもつ、の作用による付加−脱離反応に供し、得られた該化合物を脱ベン
ジル化に供することにより、調製し得る。
【0058】 本発明は、HIV複製を阻害する用途の医薬品の調製に使用するための、既知の
ピペラジン誘導体及びそれ自体が新規のピペラジン誘導体の両方を包含する。
【0059】 従ってまた本発明の主題は、上記に定義された一般式(I)に対応する新規ピ
ペラジン誘導体、しかしながら、条件としてこの一般式(I)において: −R1、R2及びR3が飽和な直鎖又は分岐のC1〜C4アルコキシ基であり、A基に結合
したフェニル核の3'、4'及び5'位に位置する炭素原子により支えられる場合であ
って、かつBはC=O基である場合、Yは: ・Xが酸素又は硫黄原子を表わすとき、直鎖或いは分岐のC1〜C4アルキル、C2
〜C4アルケニル又はC2〜C4アルキニル基以外である;及び ・XがC=O又はO(C=O)基を表わすとき、直鎖或いは分岐のC1〜C4アルキル、C2
C4アルケニル、C2〜C4アルキニル基、或いは非置換の又は直鎖或いは分岐のC1
C4アルキル、C2〜C4アルケニル若しくはC2〜C4アルキニル基の1つ又は2つで置
換されたアミンでない; −R1、R2、R3、R4、R5及びR6がいずれもメトキシ基を表わす場合であって、かつ
R1、R2及びR3が A基に結合したフェニル核の3'、4'及び5'位に位置する炭素原子
により支えられ、一方R4、R5及びR6はB基に結合したフェニル核の3'、4'及び5'
位に位置する炭素原子により支えられる場合、Yは: ・A及びBが共にC=O基を表わしかつXがO(C=O)基を表わすとき、直鎖或いは
分岐のC5又はC6アルキル基、直鎖或いは分岐のC5アルキル基で置換されたアミン
、又は2つの直鎖C5アルキル基で置換されたアミン以外である; 及び ・A及びBが共にCH2基を表わしかつXがO(C=O)基を表わすとき、CH(CH2CH3)2
以外である; 並びに薬学的に許容し得るその塩でもある。
【0060】 本発明に従うと、これらの新規ピペラジン誘導体において、R1、R2及びR3は好
ましくはA基に結合したフェニル核の3'、4'及び5'位に位置する炭素原子により
支えられ、一方R4、R5及びR6は好ましくはB基に結合したフェニル核の3'、4'及
び5'位に位置する炭素原子により支えられる。
【0061】 これら新規ピペラジン誘導体の第一の好適な実施態様によれば、該誘導体は特
定式(I-a)に対応する:
【0062】
【化17】
【0063】 ここでA及びBは互いに独立してC=O基又はC=S基を表わし、一方R1、R2、R3、R4
R5、R6、X及びYは上記に定義した一般式(I)におけるのと同様の意味をもち、
しかしながら、条件として: −R1、R2及びR3が飽和の、直鎖又は分岐のC1〜C4アルコキシ基である場合であっ
て、かつBがC=O基である場合、Yは: ・Xが酸素又は硫黄原子を表わすとき、直鎖或いは分岐のC1〜C4アルキル、C2
〜C4アルケニル又はC2〜C4アルキニル基以外である;及び ・XがC=O又はO(C=O)基を表わすとき、直鎖或いは分岐のC1〜C4アルキル、C2
C4アルケニル、C2〜C4アルキニル基、又は非置換の或いは直鎖或いは分岐のC1
C4アルキル、C2〜C4アルケニル又はC2〜C4アルキニル基の1つ又は2つで置換さ
れたアミンでない; −R1、R2、R3、R4、R5及びR6がいずれもメトキシ基を表わす場合、XがO(C=O)基
を表わすとき、Yは直鎖或いは分岐のC5又はC6アルキル基、直鎖或いは分岐のC5
アルキル基で置換されたアミン、又は2つの直鎖C5アルキル基で置換されたアミ
ン以外である。
【0064】 特定式(I-a)の新規ピペラジン誘導体の中で特に好ましいものは、R1、R2、R 4 及びR5がメトキシ基を表わし、R3及びR6が共に水素原子又はメトキシ基を表わ
し、かつXが表わすのは: ・O(C=O)基であり、この場合Yは5〜10の原子並びに窒素、酸素及び硫黄より
選ばれる1又はそれ以上の別のヘテロ原子を随意に含む窒素複素環を表すか、或
いは、R3及びR6が水素原子を表わす場合NR9R10基(ここでR9及びR10は共に直鎖
又は分岐のC1〜C5アルキル、C2〜C5アルケニル又はC2〜C5アルキニル基を表わす
)を表わす; ・或いはNH(C=O)基であり、この場合YはNR9R10又はCR9R10R11基(ここでR9、R10 及びR11は互いに独立して水素原子又は直鎖若しくは分岐のC1〜C5アルキル、C 2 〜C5アルケニル、C2〜C5アルキニル基を表わす)或いは5〜10の原子及び窒
素、酸素及び硫黄より選ばれる1又はそれ以上の別のヘテロ原子を随意に含む窒
素複素環のいずれかを表わす; ・又はNH(C=O)O基であり、この場合YはCR9R10R11基(ここでR9、R10及びR11は互
いに独立して水素原子又は直鎖若しくは分岐のC1〜C5アルキル、C2〜C5アルケニ
ルまたはC2〜C5アルキニル基である) のいずれかであるものである。
【0065】 特定式(I-a)のこれら新規ピペラジン誘導体は、好ましくは1,4-ビス(3',4',
5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(1'-ピペリジノカルボニルオキシメチル)ピペラ
ジン、1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(1'-ピロリジノカルボニ
ルオキシメチル)ピペラジン、1,4-ビス(3',4'-ジメトキシベンゾイル)-2-(N,N-
ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジン、1,4-ビス(3',4',5'-トリ
メトキシベンゾイル)-2-(イソプロピルオキシカルボニルアミノメチル)ピペラジ
ン、1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(tert-ブチルカルボニルア
ミノメチル)ピペラジン、1-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-4-(3',4',5'-
トリメトキシチオベンゾイル) -2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル
)ピペラジン及び1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシチオベンゾイル)-2-(N,N-ジエ
チルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンである。
【0066】 これら新規ピペラジン誘導体のもう一つの好適な実施態様によれば、該誘導体
は特定式(I-b)に対応する:
【0067】
【化18】
【0068】 (ここでR8は水素原子又はフェニル基を表わし、一方R4、R5、R6、X及びYは上記
に定義した一般式(I)と同様の意味をもつ)。
【0069】 有利には、特定式(I-b)のこれら新規ピペラジン誘導体において、R4、R5
びR6はメトキシ基を表わし、XはO(C=O)基を表わし、一方YはNR9R10基(ここでR9 及びR10は共に直鎖或いは分岐のC1〜C5アルキル、C2〜C5アルケニル又はC2〜C5
アルキニル基を表わす)或いは5〜10の原子並びに窒素、酸素及び硫黄より選
ばれる1又はそれ以上の別のヘテロ原子を随意に含む窒素複素環を表わす。
【0070】 特定式(I-b)に対応する新規ピペラジン誘導体は、好ましくは1-ベンジル-4-
(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシ
メチル)ピペラジン及び1-ジフェニルメチル-4-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイ
ル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンである。
【0071】 該新規ピペラジン誘導体のさらに別の好適な実施態様によれば、これらの誘導
体は特定式(I-c)に対応する:
【0072】
【化19】
【0073】 (ここでR8は水素原子又はフェニル基を表わし、一方R1、R2、R3、X及びYは上記
に定義した一般式(I)と同様の意味をもつ)。
【0074】 有利には、特定式(I-c)の新規ピペラジン誘導体において、R1、R2及びR3
メトキシ基を表わし、XはO(C=O)基を表わし、一方YはNR9R10基(ここでR9及びR1 0 は共に直鎖或いは分岐のC1〜C5アルキル、C2〜C5アルケニル又はC2〜C5アルキ
ニル基を表わす)或いは5〜10の原子並びに窒素、酸素及び硫黄より選ばれる
1又はそれ以上の別のヘテロ原子を随意に含む窒素複素環を表わす。
【0075】 特定式(I-c)のこれらの新規ピペラジン誘導体の中でも、特に好ましいもの
は1-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-4-ベンジル-2- (N,N-ジエチルアミノ
カルボニルオキシメチル)ピペラジンである。
【0076】 本発明の主題はまた、新規ピペラジン誘導体である1-(3',4',5'-トリメトキシ
チオベンゾイル)-4-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミ
ノカルボニルオキシメチル)ピペラジン、並びに薬学的に許容し得るその塩でも
ある。
【0077】 本発明の主題はまた、医薬品として用いるための、上記に定義された新規ピペ
ラジン誘導体、並びに薬学的に許容し得るその塩でもある。
【0078】 本発明の主題はまた、有効成分として少なくとも1つの上記に定義された新規
ピペラジン誘導体、又は薬学的に許容し得るその塩、並びに通常薬学で用いられ
るものから選ばれた賦形剤及び添加剤を随意に含むことを特徴とする薬学的組成
物でもある。阻害特性がこのような誘導体により、HIV複製とPAF活性のどちらに
対しても示されるならば、これらの薬学的組成物は、とりわけHIV感染の全ての
段階(HIV−ポジティブ段階或いは後天性免疫不全症候群(AIDS)段階)での予
防及び/又は治療において用途を見出す。
【0079】 上述のアレンジメントの他に、本発明はまた、後述する残りの記載より明らか
になるであろう別のアレンジメントも含み、これは本発明に従ったピペラジン誘
導体調製の並びにそれらのHIV複製に対する阻害活性および細胞毒性がないこと
の実証の実施例、並びに添付の図面に関し、ここで −図1は曲線の形を取り、単球由来マクロファージにおけるHIV複製に対する
、1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボ
ニルオキシメチル)ピペラジンの用量−効果関係を表わす; −図2はヒストグラムの形を取り、種々の細胞集団(末梢血からの単球由来マ
クロファージ、単球及び単核細胞)におけるHIV複製に対する、用量100μMでの1
,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニル
オキシメチル)ピペラジンの阻害活性を表わす;並びに −図3は、ヒストグラムの形を取り、用量100μMでの1,4-ビス(3',4',5'-トリ
メトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジ
ン処理した単球由来マクロファージ及び該誘導体で処理していない単球由来マク
ロファージの生存率を表わす。
【0080】 しかし、これらの実施例は単に本発明の課題を示す目的のために与えられたも
のであり、決してそれらの限定を構成しないことは、明らかに理解されるべきで
ある。
【0081】 I−ピペラジン誘導体の調製 実施例11,4-ビス(3', 4', 5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(1'-ピロリジノカ
ルボニルオキシメチル)ピペラジンの調製[A及びB = C=O, R1〜R6 = OCH3, X
= O(C=O)及びY = ピロリジニルである特定式(I-a)の誘導体] 1.1 - 1,4-ジベンジル-2-フェノキシカルボニルオキシメチルピペラジンの
調製 9.5ml(2.8当量;94.4mmol)のトリエチルアミン及び95mlのジクロロメタン(CH2 Cl2)中、10g(33.7mmol)の1,4-ジベンジル-2-ヒドロキシメチルピペラジン(Jucke
r及びRissiによりHelv. Chem. Acta, 1962, 45, 2383-2402において記載された
方法に従って調製された)を含む溶液を、添加漏斗が取り付けられた500mlのすり
合わせ口の三角フラスコに入れ、氷浴中で冷却する。95mlのCH2Cl2に溶解した6.
4g(1.25当量;42mmol)のフェニルクロロカーボネートを滴下した後、混合物を0
℃で1時間、次に室温で10時間撹拌する。反応終了時に、溶液を飽和重炭酸ナト
リウム溶液(NaHCO3)で一度、次いで中性のpHが得られるまで水で洗浄し、硫酸マ
グネシウム(MgSO4)上で乾燥させる。紙でろ過し、CH2Cl2を蒸発させた後、残渣
をジクロロメタンを溶離剤として使用するシリカゲルカラム上でクロマトグラフ
ィーにかける。8gの1,4-ジベンジル-2-フェノキシカルボニルオキシメチルピペ
ラジンが粘性物の形でこのようにして得られる。 収率:57%。Rf=0.52(2/98 v/v MeOH/CH2Cl2)。
【0082】 1.2 - 1,4-ジベンジル-2-(1'-ピロリジノカルボニルオキシメチル)ピペラジ
ンの調製 3.12g(7.5mmol)の1,4-ジベンジル-2-フェノキシカルボニルオキシメチルピペ
ラジンを冷却器が取り付けられた100mlのすり合わせ口の三角フラスコ中で、9.4
ml(15当量;112.8mmol)のピロリジンに溶解させる。混合物をサーモスタットに
よって制御された油浴中で60時間還流する。冷却及び過剰のアミンを蒸発させた
後、残渣をCH2Cl2に溶解し、中性になるまで水で洗浄する。有機相を乾燥させ(M
gSO4)、紙でろ過し、溶媒を蒸発させた後、生成物をシリカゲルカラム上でクロ
マトグラフィーにかけ、MeOH/CH2Cl2混合液(0.5/95.5 v/v)で溶離させる。1.48g
の1,4-ジベンジル-2-(1'-ピロリジノカルボニルオキシメチル)ピペラジンが粘性
物の形でこのようにして得られる。収率:50.2%。Rf=0.38(5/95 v/v MeOH/CH2C
l2)。
【0083】 1.3− 2-(1'-ピロリジノカルボニルオキシメチル)ピペラジン塩酸塩の調製 1.48g(3.7mmol)の1,4-ジベンジル-2-(1'-ピロリジノカルボニルオキシメチル)
ピペラジンを100mlのすり合わせ口の丸底フラスコ中で、40mlの無水エタノール
及び1mlの12N HClに溶解する。そこに約100mgの炭上のパラジウム(10%)を添加す
る。混合物を水素雰囲気下に置き、激しく撹拌し、穏やかに加熱する(40℃)。最
初の生成物が消失した時(反応プログラムは、NaHCO3数粒でアリコートを中性に
した後、MeOH/CH2Cl2混合物(5/95 v/v)で溶離された薄層クロマトグラフィーで
モニターされる)、溶液を紙でろ過し、触媒をエタノール及び水で数回洗浄する
。溶媒を真空下で蒸発させる。1.04gの2-(1'-ピロリジノカルボニルオキシメチ
ル)ピペラジン塩酸塩がこのようにして得られ、更なる精製をせずに次の段階に
使用される。収率:98.3%。Rf=0.4(80/80/2 v/v/v CHCl3/MeOH/NH4OH)。
【0084】 1.4 - 1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(1'-ピロリジノカル
ボニルオキシメチル)ピペラジンの調製 添加漏斗が取り付けられた100mlのすり合わせ口の三角フラスコ中で、1.04g(3
.63mmol)の2-(1'-ピロリジノカルボニルオキシメチル)ピペラジン塩酸塩を3ml(1
2.4当量;40.85mmol)のトリエチルアミン及び50mlのCH2Cl2に溶解する。30mlの
乾燥CH2Cl2に溶解した2.88g(3.8当量;12.5mmol)の3,4,5-トリメトキシベンゾイ
ルクロライドを急速に滴下する。3時間撹拌し、数mlのエタノールを添加した後
、溶液を水で2回洗浄し、乾燥し(MgSO4)、紙でろ過し、真空下で蒸発させる。残
渣をシリカゲルカラム上でクロマトグラフィーにかけ、MeOH/CH2Cl2混合液(1/99
v/v)で溶離する。得られた生成物をCH2Cl2に溶解し、トリメトキシ安息香酸の
痕跡を除去するために飽和NaHCO3溶液で洗浄し、溶媒を蒸発させた後、メタノー
ル/エーテル混合液(5/95 v/v)から結晶化させる。焼結漏斗でろ過し、エーテル
で洗浄し、乾燥させた後、591mgの1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)
-2-(1'-ピロリジノカルボニルオキシメチル)ピペラジンの結晶がこのようにして
得られる。収率:29%。Rf=0.43(5/95 v/v MeOH/CH2Cl2)。融点:145.1℃。 IR: 1694(カルバメートC=O)、1622(アミドC=O)、1584(芳香族C=C)cm-1.1 H NMR(200MHz, CDCl3, HMDS)δppm: 6.57(s, 4H, 芳香族Hs)、5-4.07(m, 5H, C
H2OCO及びピペラジンCH2及びCH)、3.8(ブロードs, 18H, CH3O)、3.62-2.3(m, 8H
, CH2N)、1.72(ブロードs, 4H, ピロリジンCH2)。
【0085】 実施例21,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルア
ミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンの調製[A及びB = C=O、R1〜R6 = OCH 3 、X = O(C=O)及びY = N(CH2CH3)2である特定式(I-a)の誘導体] 2.1 - 1,4-ジベンジル-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピ
ペラジンの調製 実施例1の工程1.1で使用されるのと同一のプロトコールに従って作業し、実施
例1の工程1.2と同じ条件下で1,4-ジベンジル-2-フェノキシカルボニルオキシメ
チルピペラジンを10mlのジエチルアミンで処理し、3gの1,4-ジベンジル-2-フェ
ノキシカルボニルオキシメチルピペラジンで開始して、1.75gの1,4-ジベンジル-
2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)-ピペラジンが粘性物の形で得
られる。収率:61.7%。Rf=0.2(50/50 v/v エーテル/石油エーテル)。
【0086】 2.2 - 1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミ
ノカルボニルオキシメチル)ピペラジンの調製 再び実施例1の工程1.3で使用されたのと同一のプロトコールに従って作業し、
実施例1の工程1.4と同じ条件下で0.5g(1.73mmol)の2-(N,N-ジエチルアミノカル
ボニルオキシメチル)ピペラジン塩酸塩を1gの3,4,5-トリメトキシベンゾイルク
ロライドで処理すると、0.83gの1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2
-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンが得られる。収率:8
0%。融点:128.6℃。Rf=0.35(3/97 v/v MeOH/CH2Cl2)。 IR: 1694(カルバメートC=O)、1632(アミドC=O)、1584(芳香族C=C)cm-1.1 H NMR(80MHz, CDCl3, HMDS)δppm: 6.62(s, 4H, 芳香族Hs)、5-4.07(m, 5H, CH 2 OCO及びピペラジンCH2及びCH)、3.8(ブロードs, 18H, CH3O)、3.62-2.92(m, 8H
, CH2N)、1.0(t, 6H, CH3)。
【0087】 実施例31,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジプロピルア ミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンの調製 [A及びB = C=O、R1〜R6 = OCH 3 、X = O(C=O)及びY = N(CH2CH2CH3)2である特定式(I-a)の誘導体] 3.1 - 1,4-ジベンジル-2-(N,N-ジプロピルアミノカルボニルオキシメチル)
ピペラジンの調製 再び実施例1の工程1.1で使用されるのと同一のプロトコールに従って作業し、
実施例1の工程1.2と同じ条件下で3g(27.2mmol)の1,4-ジベンジル-2-フェノキシ
カルボニルオキシメチル)ピペラジンを10mlのジプロピルアミンで処理し、2.28g
の1,4-ジベンジル-2-(N,N-ジプロピルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジ
ンが粘性物の形で得られる。収率:75%。Rf=0.22(50/50 v/v エーテル/石油エ
ーテル)。
【0088】 3.2 - 1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジプロピルア
ミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンの調製 再び実施例1の工程1.3で使用されるのと同一のプロトコールに従って作業し、
実施例1の工程1.4と同じ条件下で0.8gの2-(N,N-プロピルアミノカルボニルオキ
シメチル)ピペラジン塩酸塩を1.47gの3',4',5'-トリメトキシベンゾイルクロラ
イドで処理すると、1.24gの1,4-ビス(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-
ジプロピルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンが得られる。収率:78%。
融点:109.3℃。Rf=0.36(3/97 v/v MeOH/CH2Cl2)。 IR: 1700(カルバメートC=O)、1640(アミドC=O)、1590 (芳香族C=C)cm-1.1 H NMR(80MHz, CDCl3, HMDS)δppm: 6.62(s, 4H, 芳香族Hs)、5-4.07(m, 5H, CH 2 OCO及びピペラジンCH2及びCH)、3.8(ブロードs, 18H, CH3O)、3.62-2.92(m, 8H
, CH2N)、1.3(m, 4H, CH2)、0.8(t, 6H, CH3)。
【0089】 実施例41,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(1'-ピペリジノカ
ルボニルオキシメチル)ピペラジンの調製[A及びB = C=O、R1〜R6 = OCH3、X
= O(C=O)及びY = ピペリジルである特定式(I-a)の誘導体] 4.1 - 1,4-ジベンジル-2-(1'-ピペリジノカルボニルオキシメチル)ピペラジ
ンの調製 再び実施例1の工程1.1で使用されるのと同一のプロトコールに従って作業し、
実施例1の工程1.2と同じ条件下で1gの1,4-ジベンジル-2-フェノキシカルボニル
オキシメチルピペラジンを10mlのピペラジンで処理すると、0.68gの1,4-ジベン
ジル-2-(1'-ピペリジノカルボニルオキシメチル)ピペラジンが粘性物の形で得ら
れる。収率:66.5%。Rf=0.09(70/30 v/v エーテル/石油エーテル)。
【0090】 4.2 - 1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(1'-ピペリジノカル
ボニルオキシメチル)ピペラジンの調製 再び実施例1の工程1.3で使用されるのと同一のプロトコールに従って作業し、
実施例1の工程1.4と同じ条件下で0.5gの2-(1'-ピペリジノカルボニルオキシメチ
ル)ピペラジン塩酸塩を1.1gの3,4,5-トリメトキシベンゾイルクロライドで処理
すると、0.8gの1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(1'-ピペリジノ
カルボニルオキシメチル)ピペラジンが得られる。収率:56%。融点:146.7℃。
IR: 1694(カルバメートC=O)、1622(アミドC=O)、1584 (芳香族C=C)cm-1.1 H NMR(200MHz, CDCl3, HMDS)δppm: 6.56(s, 4H, 芳香族Hs)、5.3-4 (m, 5H, C
H2OCO及びピペラジンCH2及びCH)、3.8(ブロードs, 18H, CH3O)、3.60-2.70(m, 8
H, CH2N)、1.43(m, 6H, ピペリジンCH2)。
【0091】 実施例51,4-ビス(3',4'-ジメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカ
ルボニルオキシメチル)ピペラジンの調製[A及びB = C=O、R1, R2, R4及びR5
OCH3、R3及びR6 = H、X = O(C=O)及びY = N(CH2CH3)2である特定式(I-a)の
誘導体] 再び実施例1の工程1.3で使用されるのと同一のプロトコールに従って作業し、
実施例1の工程1.4と同じ条件下で3.36g(11.6mmol)の2-(N,N-ジエチルアミノカル
ボニルオキシメチル)ピペラジン塩酸塩を5.8g(2.5当量 − 29mmol)の3,4-ジメ
トキシベンゾイルクロライドで処理し、4時間反応させてMeOH/CH2Cl2混合液(1/9
9 v/v)で溶出されるシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーの後、3.35gの1
,4-ビス(3',4'-ジメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキ
シメチル)ピペラジンが得られる。収率:53.2%。融点:103.9℃。Rf=0.49(5/95
v/v MeOH/CH2Cl2)。 IR: 1694(カルバメートC=O)、1622(アミドC=O)、1584 (芳香族C=C)cm-1.1 H NMR(200MHz, CDCl3, HMDS)δppm: 6.94(s, 2H, 芳香族Hs)、6.85(dd, 4H, 芳
香族Hs)、5.1-3.9 (m, 5H, CH2OCO及びピペラジンCH2及びCH)、3.8(ブロードs,
12H, CH3O)、3.9-2.7(m, 8H, CH2N)、1.3-0.7(m, 6H, CH3)。
【0092】 実施例61,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(イソプロピルオキ シカルボニルアミノメチル)ピペラジンの調製 [A及びB = C=O、R1〜R6 = OCH3
、X = NH(C=O)O及びY = CH(CH3)2である特定式(I-a)の誘導体] 6.1 - 1,4-ジベンジル-2-シアノピペラジンの調製 冷却器の取り付けられたすり合わせ口の三角フラスコ中で、25g(117mmol)の2,
3-ジブロモプロピオニトリルを300mlのベンゼン及び100mlのトリエチルアミンに
溶解し、40℃に加熱する。100mlのベンゼンに溶解して80℃に加熱した28.17g(11
7mmol)のN,N'-ジベンジルエチレンジアミンをそこに滴下し、その混合物を80℃
で3時間撹拌する。冷却後、トリエチルアンモニウムハイドロブロマイドを濾別
する。溶媒(ベンゼン及び過剰のトリエチルアミン)を留去し、残渣をエーテルに
溶解させ、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、次いで中性のpHになるまで水で洗浄する。
有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過して蒸発させる。粘性化合物が得られ、それを
エーテル/へキサン混合液(60/40 v/v)中で、28gの1,4-ジベンジル-2-シアノピペ
ラジンの白色結晶の形に結晶化する。収率:82%。融点:61.7℃。Rf=0.8(5/95
v/v MeOH/CH2Cl2)。
【0093】 6.2 - 1,4-ジベンジル-2-アミノメチルピペラジンの調製 1リットルのすり合わせ口の三角フラスコ中で300mlのエーテルに28g(95mmol)
の1,4-ジベンジル-2-シアノピペラジンを溶解させ、50mlのエーテル中の10.96g(
3当量;284mmol)のLiAlH4の撹拌された懸濁液に滴下する。その混合物を室温で1
2時間撹拌し続ける。反応終了時に、20%水酸化ナトリウム溶液の滴下によって加
水分解する。形成された固体の水酸化アルミニウム複合体を沈降させることによ
り分離し、エーテルですすぐ。エーテル相を水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過
し、蒸発させ、得られた残渣をMeOH/CH2Cl2混合物(1/99 v/v)で溶出するシリカ
ゲルカラム上のクロマトグラフィーで精製する。22gの1,4-ジベンジル-2-アミノ
メチルピペラジンをこのようにして粘性物の形で回収する。収率:77.5%。Rf=0
.2(80/20 v/v CH2Cl2/MeOH)。
【0094】 6.3 - 1,4-ジベンジル-2-イソプロピルオキシカルボニルアミノメチルピペ
ラジン及びその塩酸塩の調製 すり合わせ口の三角フラスコ中で、300mlのトルエンに溶解した22g(75mmol)の
1,4-ジベンジル-2-アミノメチルピペラジンを100mlのトリエチルアミンと混合す
る。シリンジで取られた97ml(0.1mol)のイソプロピルクロロフォルメートを50ml
のトルエンに溶解し、上記の溶液に滴下する。滴下終了時に混合物を室温で2時
間撹拌する。溶液をエーテルで希釈し、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、中性のpHを得
るために水で洗浄する。有機相を乾燥し(MgSO4)、ろ過し、蒸発させると、28.3g
の1,4-ジベンジル-2-イソプロピルオキシカルボニルアミノメチルピペラジンが
粘性化合物の形で得られる。収率:99.6%。Rf=0.4(95/5 v/v CH2Cl2/MeOH)。
【0095】 1,4-ジベンジル-2-イソプロピルオキシカルボニルアミノメチルピペラジンの
塩酸塩は、エタノールに溶解し、その溶液を気体のHClで飽和させることにより
調製する。エタノールを蒸発後、32.3gの1,4-ジベンジル-2-イソプロピルオキシ
カルボニルアミノメチルピペラジン塩酸塩を得、更なる精製をせずに次の工程に
使用する。
【0096】 6.4 - 2-イソプロピルオキシカルボニルアミノメチルピペラジン塩酸塩の調
製 32.3g(71mmol)の1,4-ジベンジル-2-イソプロピルオキシカルボニルアミノメチ
ルピペラジン塩酸塩を100mlの酢酸に溶解し、200mgの炭上のパラジウム(10%)を
添加する。PARR装置を使用し、懸濁液を一晩中水素圧力下(27バール)で撹拌し、
60℃で加熱する。触媒をろ別し、溶媒を蒸発させると、化合物が得られ、その化
合物をエタノール/エーテル混合液(5/95 v/v)から結晶化させると、白色結晶の
形で17gの2-イソプロピルオキシカルボニルアミノメチルピペラジン塩酸塩を得
る。収率:87%。融点:237.1℃。Rf=0.6(80/20/2 v/v/v CHCl3/MeOH/NH4OH)。
【0097】 6.5 - 1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(イソプロピルオキ
シカルボニルアミノメチル)ピペラジンの調製 1リットルの三角フラスコ中で、300mlのジクロロメタン及び50mlのトリエチ
ルアミンに、17g(60mmol)の2-イソプロピルオキシカルボニルアミノメチルピペ
ラジン塩酸塩を溶解する。150mlのCH2Cl2に溶解した31.5g(114mmol)の3,4,5-ト
リメトキシベンゾイルクロライドを添加漏斗を使用して滴下する。混合物を3時
間撹拌する。次いで溶液を飽和NaHCO3溶液で洗浄し、そして中性のpHが得られる
まで水で洗浄する。有機相を乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で蒸発させ、残渣
を溶離剤としてMeOH/CH2Cl2 (1/99 v/v)を使用するシリカゲルカラム上で精製す
る。26.3gの1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(イソプロピルオキ
シカルボニルアミノメチル)ピペラジンが、アセトン/石油エーテル混合液(70/30
v/v)から再結晶した後に得られる。収率:72%。融点:140.2℃。Rf=0.3(95/5
v/v CH2Cl2/MeOH)。 IR: 3368(N-H)、1717(カルバメートC=O)、1622(アミドC=O)、1584 (芳香族C=C)c
m-1.1 H NMR(200MHz, CDCl3, HMDS)δppm: 6.59(s, 4H, 芳香族Hs)、5.15(マルチプレ
ット, 1H, NH)、4.85(カルテット, 1H, ピペラジンCH)、4.5-4 (m, 3H, CHOCO及
びCH2NCOO)、3.8(ブロードs, 18H, CH3O)、3.6-2.9(m, 6H, CH2N)、1.15(m, 6H,
CH3)。
【0098】 実施例71,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(tert-ブチルカル
ボニルアミノメチル)ピペラジンの調製[A及びB = C=O、R1〜R6 = OCH3、X =
NH(C=O)及びY = C(CH3) 3である特定式(I-a)の誘導体] 7.1− 1,4-ジベンジル-2-tert-ブチルカルボニルアミノメチルピペラジンの
調製 実施例6の工程6.1及び6.2で使用されるのと同一のプロトコールに従って調製
された3.36g(13.1mmol)の1,4-ジベンジル-2-アミノメチルピペラジンを、5.5ml
の(3当量;39.3mmol)のトリエチルアミン及び100mlのジクロロメタンに溶解して
、30mlのCH2Cl2に溶解した2.63ml(1.5当量;19.6mmol)の2,2-ジメチルプロパノ
イルクロライドを急速な滴下により処理する。溶液を4時間還流する。次に数ml
のエタノールを添加し、その後、溶液を水で2回洗浄し、1回飽和NaHCO3溶液で洗
浄し、次いで中性のpHが得られるまで水で洗浄する。有機相を乾燥し (MgSO4)、
紙でろ過し、溶媒を蒸発した後、残渣をシリカゲルカラム上でクロマトグラフィ
ーにかけ、MeOH/CH2Cl2混合液(0.5/99.5 v/v)で溶離する。2.44gの1,4-ジベンジ
ル-2-tert-ブチルカルボニルアミノメチルピペラジンがこのようにして粘性物の
形で得られる。収率:49%。Rf=0.36(95/5 v/v CH2Cl2/MeOH)。
【0099】 7.2− 2-tert-ブチルカルボニルアミノメチルピペラジン塩酸塩の調製 100-mlのすり合わせ口の丸底フラスコ中で、2.44g(6.43mmol)の1,4-ジベンジ
ル-2-tert-ブチルカルボニルアミノメチルピペラジンを50mlのエタノール及び1m
lの12N HClに溶解する。約100mgの炭上のパラジウム(10%)をそこに添加する。混
合物を水素雰囲気下に置き、3時間激しく撹拌し、穏やかに加熱する(40℃)。懸
濁液を紙でろ過し、触媒をエタノール及び水で数回リンスする。溶媒を蒸発させ
ると、1.2gの2-tert-ブチルカルボニルアミノメチルピペラジン塩酸塩を得る。
収率:68.6%。融点:278.6℃。Rf=0.13(80/20 v/v/v CHCl3/MeOH/NH4OH)。
【0100】 7.3 - 1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-tert-ブチルカルボ
ニルアミノメチルピペラジンの調製 実施例6の工程6.5で記載されたプロトコールに従って作業するが、1.2g (4.4m
mol)の2-tert-ブチルカルボニルアミノメチルピペラジン及び2.33g(2.3当量;10
.1mmol)の3,4,5-トリメトキシベンゾイルクロライドで開始し、室温で24時間の
反応及びMeOH/CH2Cl2混合液(2/98 v/v)で溶離されるシリカゲルカラム上のクロ
マトグラフィーの後、900mgの1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-t
ert-ブチルカルボニルアミノメチルピペラジンが得られる。収率:34.6%。Rf=0
.29(95/5 v/v CH2Cl2/MeOH)。融点:146.5℃。
【0101】 実施例81-ベンジル-4-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチ
ルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジン塩酸塩の調製[R4〜R6 = OCH3、R8 = H、X = O(C=O)及びY = N(CH2CH3)2である特定式(I-b)の誘導体] 8.1 - 4-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカル
ボニルオキシメチル)ピペラジンの調製 添加漏斗が取り付けられた1リットルのすり合わせ口の三角フラスコ中で、実
施例2の工程2.2に従って調製された19.86g(86mmol)の2-(N,N-ジエチルアミノカ
ルボニルオキシメチル)ピペラジン二塩酸塩を、400mlのCH2Cl2及び42ml(3.5当量
)のトリエチルアミンに溶解し、氷浴中に浸す。そのようにして得られた溶液に2
00mlのCH2Cl2中19.83g(86mmol)の3,4,5-トリメトキシベンゾイルクロライドを含
む溶液を滴下する。反応は、出発アミンが消失するまで、CH2Cl2/MeOH/NH4OH混
合液(80/20/0.5 v/v/v)を溶離液として使用する、薄層クロマトグラフィーでモ
ニターする。次に溶液を飽和NaHCO3溶液、次いで中性のpHが得られるまで水で洗
浄する。次に有機相を乾燥し(MgSO4)、ろ過し、蒸発させ、得られた残渣を、MeO
H/CH2Cl2混合液(1/99 v/v)を溶離液とするシリカゲルカラム上でクロマトグラフ
ィーにかける。18.75gの4-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチ
ルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンが粘性油の形でこのようにして得
られる。収率:53.33%。
【0102】 8.2 - 1-ベンジル-4-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチル
アミノカルボニルオキシメチル)ピペラジン塩酸塩の調製 20.8g(51mmol)の4-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミ
ノカルボニルオキシメチル)ピペラジン、7.74g(61mmol)のベンジルクロライド、
200mlのアセトニトリル、10gの炭酸カリウム(K2CO3)及び1gのヨウ化カリウム(KI
)を、500mlのすり合わせ口の三角フラスコに導入する。混合物を2時間還流する
。得られた懸濁液を焼結漏斗でろ過し、このようにして回収された固体をアセト
ンで洗浄する。ろ液を蒸発させ、CH2Cl2で溶解し、水で洗浄する。有機相を乾燥
し(MgSO4)、ろ過し、蒸発させ、得られた残渣を、MeOH/CH2Cl2混合液(2/98 v/v)
で溶離したシリカゲルカラム上で精製すると、生成物が生じ、その生成物は無水
エタノールに再溶解し、気体のHCl流をバブリングすることにより塩酸塩に変換
される。エタノールを蒸発させた後、このようにして形成された塩酸塩はアセト
ン/エタノール混合液(60/40 v/v)から結晶化され、26.46gの1-ベンジル-4-(3',4
',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル
)ピペラジン塩酸塩を生じる。収率:96.9%。融点:134℃ IR: 1690(カルバメートC=O)、1631(アミドC=O)、1586 (芳香族C=C)cm-1.1 H NMR(200MHz, CDCl3, HMDS)δppm: 13.38(マルチプレット, 1H, HCl)、7.58-7
.39(2 ブロードs, 5H, 芳香族ベンジルHs)、6.55(s, 2H, 芳香族Hs)、5.15-3.9(
m, 7H, CH2OCO, ベンジルCH2及びピペラジンCH2及びCH)、3.78(ブロードs, 9H,
CH3O)、3.6-2.1(m, 8H, CH2N)、1.05(t, 6H, CH3)。
【0103】 実施例91-ジフェニルメチル-4-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N -ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジン塩酸塩の調製 [R4〜R6 = O
CH3、R8 = フェニル、X = O(C=O)及びY = N(CH2CH3)2である特定式(I-b)の誘
導体] 冷却器が取り付けられおよび油浴中に置かれた50-mlのすり合わせ口の三角フ
ラスコ中で、実施例8の工程8.1に従って調製された300mg(0.67mmol)の4-(3',4',
5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)
ピペラジン、320mg(2当量)のジフェニルメチルブロマイド、60mg(0.5当量)のヨ
ウ化カリウム及び560mg(6当量)の炭酸カリウムを10mlのアセトニトリル中で60時
間還流下に撹拌する。懸濁液を紙上でろ過し、塩を回収してアセトニトリルで数
回すすぐ。ろ液を蒸発させ、残渣をCH2Cl2に溶解し、飽和NaHCO3溶液及び中性の
pHが得られるまで水で連続的に洗浄する。MeOH/CH2Cl2混合液(0.5/99.5 v/v)で
溶離するシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより、生成物を単離する
ことができ、その生成物は無水エタノールに再溶解し、気体のHClの流れをバブ
リングすることにより塩酸塩に変換される。エーテルを添加することにより90mg
の1-ジフェニルメチル-4-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチル
アミノカルボニルオキシメチル)ピペラジン塩酸塩が沈殿する。収率:22%。融点
:189.5℃。 IR: 3349(N+-H)、1694(カルバメートC=O)、1623(アミドC=O)、1580 (芳香族C=C)
cm-1.1 H NMR(200MHz, CDCl3, HMDS)δppm: 7.9(dd, 4H, フェニルのオルトH)、7.3(m,
6H, 芳香族Hs)、6.55(s, 2H, 芳香族Hs)、5.06(s, 1H, ジフェニルメチルのCH)
、4.6及び3.2(2m, 13H, CH2OCO, ピペラジンCH2及びCH)、3.78(ブロードs, 9H,
CH3O)、0.8(m, 6H, CH3)。
【0104】 実施例101-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-4-ベンジル-2-(N,N-ジエチ ルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジン塩酸塩の調製 [R1〜R3 = OCH3、R8 = H、X = O(C=O)及びY = N(CH2CH3)2である特定式(I-c)の誘導体] 10.1 - 4-トリフェニルメチル-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメ
チル)ピペラジンの調製 1リットルのすり合わせ口の三角フラスコ中で、実施例1の工程1.3と同一のプ
ロトコールに従って調製し、400mlのCH2Cl2及び42ml(3.5当量)のトリエチルアミ
ンに溶解された24.68g(86mmol)の2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチ
ル)ピペラジン塩酸塩を含む溶液を−10℃に冷却する。200mlのCH2Cl2中233g(86m
mol)のトリフェニルメチルクロライドを含む溶液を、冷却されたこの溶液に約2
時間にわたって滴下する。同じ温度で3時間撹拌した後、混合物を飽和NaHCO3
液で洗浄し、次いで中性のpHが得られるまで水で洗浄する。有機相を乾燥(MgSO4 )、ろ過、蒸発させた後、35.9gの4-トリフェニルメチル-2-(N,N-ジエチルアミノ
カルボニルオキシメチル)ピペラジンが粘性物の形で得られる。収率:91.6%。
【0105】 10.2 - 1-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-4-トリフェニルメチル-2-(N
,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンの調製 添加漏斗が取り付けられた500mlのすり合わせ口の三角フラスコ中で、15ml(2
当量)のトリエチルアミン及び100mlのCH2Cl2に24.16g(53mmol)の4-トリフェニル
メチル-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンを溶解し、
氷浴中に置く。25mlのCH2Cl2中14.6g(1.2当量)の3,4,5-トリメトキシベンゾイル
クロライドを含む溶液を、このようにして得られた溶液に滴下する。反応を、溶
離剤としてエーテルを使用する薄層クロマトグラフィーでモニターし、反応が終
了する時に、混合物を飽和NaHCO3溶液で洗浄し、次いで中性のpHが得られるまで
水で洗浄する。溶媒を乾燥(MgSO4)、ろ過、蒸発させた後に得られる残渣は、32.
32gの1-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-4-トリフェニルメチル-2-(N,N-ジ
エチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンからなり、この生成物は更な
る精製なしに次の工程に使用される。収率:93.4%。
【0106】 10.3 - 1-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカル
ボニルオキシメチル)ピペラジンの調製 500mlのすり合わせ口の丸底フラスコ中で、200mlのメタノールに26.77g (41mm
ol)の1-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-4-トリフェニルメチル-2-(N,N-ジ
エチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンを溶解し、冷却条件下で気体
のHClの流れをバブリングし、次いで出発物質が完全に消失するまで室温で撹拌
することにより塩酸塩に変換する。メタノールを蒸発させた後、残渣をCH2Cl2
溶解し、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、次いで中性のpHが得られるまで水で洗浄する
。有機相を乾燥(MgSO4)、ろ過および蒸発させた後、CH2Cl2で溶離するシリカゲ
ルカラム上でのクロマトグラフィーにより、12.54gの1-(3',4',5'-トリメトキシ
ベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンを、粘
性物の形で得る。収率:74.8%。
【0107】 10.4 - 1-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-4-ベンジル-2-(N,N-ジエチ
ルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジン塩酸塩の調製 実施例8の工程8.2で使用されたのと同一のプロトコールに従って作業し、10.6
3g(26mmol)の1-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカ
ルボニルオキシメチル)ピペラジンで開始し、11.55gの1-(3',4',5'-トリメトキ
シベンゾイル)-4-ベンジル-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピ
ペラジン塩酸塩が得られる。収率:83%。融点:180.6℃。
【0108】 この化合物の赤外線(IR)及び核磁気共鳴(NMR)スペクトルの特徴は、その異性
体である1-ベンジル-4-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルア
ミノカルボニルオキシメチル)ピペラジン塩酸塩のものと同一である。
【0109】 実施例111-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-4-(3',4',5'-トリメトキシ チオベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンの 調製 [A = C=O、B = C=S、R1〜R6 = OCH3、X = O(C=O)及びY = N(CH2CH3)2
である特定式(I-a)の誘導体] 11.1 - 4-(3',4',5'-トリメトキシチオベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノ
カルボニルオキシメチル)ピペラジンの調製 実施例8の工程8.1に記載されたプロトコールに従って調製された、1.7g (3.66
mmol)の4-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニ
ルオキシメチル)ピペラジンを、34mlのTHFに溶解し、氷浴中で冷却する。1.7g(1
当量)のローソン(Lawesson's)試薬を分割してそこに添加する。溶液を0℃で30分
間、次いで室温で一晩中撹拌する。溶媒を真空下で除去し、残渣を速やかにシリ
カゲルカラム上で精製すると(溶離剤:CH2Cl2次いでCH2Cl2中1%MeOH)、1.1gの4-
(3',4',5'-トリメトキシチオベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオ
キシメチル)ピペラジンが黄色の粘性物として生じる。収率:62.4%。 IR: 3314(NH)、2967(CH)、2836(CH3O)、1696(カルバメートC=O)、1582 (芳香族C
=C)cm-1. 11.2 - 1-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-4-(3',4',5'-トリメトキシ
チオベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンの
調製 CaCl2保護チューブが取り付けられた25mlの丸底フラスコ中で、250mg(0.6mmol
)の4-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオ
キシメチル)ピペラジン、164μl(2当量)のEt3N及び200mg(1.5当量)の3,4,5-トリ
メトキシベンゾイルクロライドを10mlのCH2Cl2に溶解し、その混合物を室温で一
晩中撹拌する。次いでその溶液を水で洗浄し(2×10ml)、乾燥し、ろ過し、蒸発
させる。残渣をシリカゲルカラム上で精製し(CH2Cl2中1%MeOHで溶離する)、MeOH
/ジエチルエーテル/へキサン混合液から結晶化させると、150mgの1-(3',4',5'-
トリメトキシベンゾイル)-4-(3',4',5'-トリメトキシチオベンゾイル)-2-(N,N-
ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンを得る。収率:41%。Rf=0.
53(5/95 v/v MeOH/ CH2Cl2)。融点:105.8℃。 IR: 2967(CH)、2839(CH3O)、1691(アミドC=O)、1584, 1506(芳香族C=C)cm-1.1 H NMR(200MHz, CDCl3, HMDS)δppm: 6.58(s, 2H, ピペラジンCH)、4.5-3.9(m,
3H, ピペラジンCH, CH2OCO)、3.79(s, 18H, CH3O)、3.6-2.6(マルチプレット, 8
H, ピペラジンCH, CH2NCO)、1.03(m, 6H, CH3)。
【0110】 実施例121,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルア
ミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンの調製[A及びB = C=S、R1〜R6 = OCH 3 、X = O(C=O)及びY = N(CH2CH3)2である特定式(I-a)の誘導体] 実施例2に従って調製された500mg(0.83mmol)の1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキ
シベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンを、
10mlのTHF中に溶解し、氷浴中で冷却する。670mg(2当量)のローソン(Lawesson's
)試薬を分割してそこに添加する。溶液を0℃で30分間、室温で20時間保持し、1
時間還流する。冷却及び溶媒の蒸発後、残渣をシリカゲルカラム上で精製する (
1/99/ v/v MeOH/CH2Cl2で溶離する)。460mgの1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシ
ベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンが黄色
結晶の形でこのようにして得られる。収率:87.3%。融点95.1℃。 IR: 2936(CH)、2833(CH3O)、1700(カルバメートC=O)、1582, 1507 (芳香族C=C)c
m-1.1 H NMR(200MHz, CDCl3, HMDS)δppm: 7.2(マルチプレット, 4H, 芳香族H)、5.15
及び4.9(2マルチプレット, 2H, ピペラジンCH)、4.4-3.9(マルチプレット, 3H,
ピペラジンCH, CH2OCO)、3.79(s, 18H, CH3O)、3.6-2.1(m, 8H, ピペラジンCH2,
CH2NCO)、0.9(m, 6H, CH3)。
【0111】 実施例131-(3',4',5'-トリメトキシチオベンゾイル)-4-(3',4',5'-トリメト キシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンの 調製 [A = C=S、B = C=O、R1〜R6 = OCH3、X = O(C=O)及びY = N(CH2CH3)2
である特定式(I-a)の誘導体] 13.1 - 1-(3',4',5'-トリメトキシチオベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノ
カルボニルオキシメチル)ピペラジンの調製 実施例10の工程10.1〜10.3に記載されたプロトコールに従って調製された1.4g
(3.44mmol)の1-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカ
ルボニルオキシメチル)ピペラジンを、30mlのTHFに溶解し、氷浴中で冷却する。
そこに1.4g(1当量)のローソン(Lawesson's)試薬を徐々に添加する。溶液を1時間
冷やしたままにし、次いで一晩中室温で保つ。溶媒を真空下で除去し、速やかに
シリカゲル上で精製すると(溶離剤:1/99 v/v MeOH/CH2Cl2)、1.2gの1-(3',4',5
'-トリメトキシチオベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチ
ル)ピペラジンが得られる。収率:82%。 IR: 1690(カルバメートC=O)、1592 (芳香族C=C)cm-1. 13.2 - 1-(3',4',5'-トリメトキシチオベンゾイル)-4-(3',4',5'-トリメト
キシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンの
調製 30mlのCH2Cl2中1.2g(2.82mmol)の1-(3',4',5'-トリメトキシチオベンゾイル)-
2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジン及び800μl(2当量)
のEt3Nを含む溶液に、780mgの3',4',5'-トリメトキシベンゾイルクロライドを分
割して添加する。撹拌は室温で一晩中続けられる。2mlのEtOHの添加後、溶液を1
0mlの水で洗浄し、乾燥し、ろ過し及び蒸発させる。次いで残渣をMeOH及びCH2Cl 2 (1/99/ v/v)の混合液で溶出して速やかに精製する。MeOH/ジエチルエーテル混
合液から結晶化した後、405mgの1-(3',4',5'-トリメトキシチオベンゾイル)-4-(
3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメ
チル)ピペラジンがこのようにして得られる。収率:23.2%。Rf=0.44(5/95 v/v
MeOH/CH2Cl2)。融点:175.4℃。 IR: 1699(カルバメートC=O)、1642(アミドC=O)、1588及び 1507 (芳香族C=C)cm- 1 .1 H NMR(200MHz, CDCl3, HMDS)δppm: 6.6(s, 2H, 芳香族H)、6.6-6(m, 2H, 芳香
族H)、4.9-3.9(m, 5H, CH2O, CH及びCH2NCS);3.8(s, 18H, CH3O)、3.7-2.6(m,
8H, CH2NCO)、1.04(ブロードs, 6H, CH3)。
【0112】 II−HIVの複製に対する阻害活性 本発明に従ったピペラジン誘導体のHIVの複製に対する阻害活性は、インビト
ロで試験するために計画された一連の実験によって確立された: −第1に、単球由来マクロファージの培養物のみを使用する第1の実験系におけ
る、これらの誘導体がHIV複製を阻害する能力(実施例14); −第2に、これらの単球由来マクロファージについて本発明に従うピペラジン
誘導体を用いる様々な方法(実施例15);及び −最後に、一方でマクロファージに分化していない単球を、他方では末梢血単
核細胞の培養物を使用する2つの他の実験系において、これらの同じ誘導体がHIV
複製を阻害する能力(実施例16)。HIVの2つの主要な細胞の標的、つまりマクロフ
ァージ及びCD4+Tリンパ球を含む後者の細胞集団において、これらの細胞を分裂
促進因子、フィトヘマグルチニン-Pで活性化又はそうしなかった後、組換えヒト
インターロイキン-2で細胞を刺激することにより、様々なレベルの細胞の活性化
が人工的に似せられた。
【0113】 実施例14単球由来マクロファージにおける阻害活性 14.1−プロトコール a) マクロファージの産生及び培養 マクロファージは、末梢血単核細胞から単離された単球の分化によって得られ
た。
【0114】 これを行うために、末梢血単核細胞は、フィコール勾配(MSL2000, Eurobio由
来)における遠心分離によって血液の他の成分から分離され、RPMI 1640培地(ベ
ーリンガーマンハイム由来)中で2回洗浄した。単球は、向流水ひ(counter-curre
nt elutriation)によってこれらの単核細胞から単離された。回収されたフラク
ションは、セルカウンター−アナライザー(Coulter由来)を使用して分析され
、各フラクションに対応する細胞はフェノタイプが調べられ(phenotyped)、次
いでフローサイトメーター(FACS, べクトンディッキンソン由来)を使用して分
析された。このようにして回収された単球の純度は、少なくとも95%に等しい。
【0115】 これらの単球は、次いで56℃で30分間処理することにより予め補体除去された
(decomplemented)10%牛胎児血清(ベーリンガーマンハイム由来)、L-グルタ
ミン(2mM)及び100μg/mlの3つの抗生物質:ペニシリン、ストレプトマイシン
及びネオマイシン(PSN, ライフテクノロジーズ由来)を含む溶液を添加されたR
PMI 1640培地(ベーリンガーマンハイム由来)を含む培養培地(以下培地A)中
で、培養培地ml当たり100万単球の割合で懸濁された。得られた懸濁液は、各ウ
ェルに1mlの懸濁液(すなわち100万単球)を入れることにより、48穴プレートの
ウェルに分配され、単球は、ウェルの壁に接着させるために7日間放置すること
により、マクロファージに分化された。マクロファージは、次いで分化させるの
に使用されたのと同じ培養培地を使用して28日間培養された。
【0116】 分化及びその後の培養を通して、マクロファージは、5%CO2を含む湿気で飽和
された雰囲気中、37℃で維持された。各ウェルの培養培地は、上清を除去し等量
の新鮮な培地で入れ替えることにより、3又は4日おきに入れ替えられた。
【0117】 b) ピペラジン誘導体を用いたマクロファージの処理 試験されるピペラジン誘導体は、ジメチルスルフォキシド(DMSO)に200mMの
濃度で溶解された。このようにして得られた溶液はアリコートに分けられ、遮光
下に−20℃で保存された。試験を行うために必要な希釈は、上述したように培地
A中で使用時に調整された。
【0118】 ピペラジン誘導体でのマクロファージの処理は、培養の3日目(D3)−すなわ
ちHIVで感染させる(D4)24時間前に、試験されるピペラジン誘導体を培養培地
に添加することにより始められた。処理は、次いでマクロファージの培養中ずっ
と、すなわち28日目(D28)まで継続された。各ピペラジン誘導体について、0.0
1μM, 0.1μM, 1μM, 10μM及び100μM に対応する様々な用量が試験された。
【0119】 c) マクロファージのHIVの感染 マクロファージは、マクロファージ屈性を有するHIV-1/Ba-Lリファレンス分離
株で感染され(Gartnerら、Science, 1986, 233, 215-219)、この細胞のタイプ
においてインビトロで効果的に継代培養する。
【0120】 ウイルス株は、フィトへマグルチニン-P(PHA-P、Difco Laboratories由来、1
μgのPHA-P/培養培地ml)で前活性化され、組換えヒトインターロイキン-2(IL-2
、ベーリンガーマンハイム由来、IL-2の20IU /培養培地ml)で刺激された臍帯血
単核細胞培養物中の、この分離株の構成株をインビトロで増幅させることにより
構成された。これらの培養物の上清は、サイトカイン類のような可溶性因子を除
去するために360000×gで5分間遠心分離された。ペレットをRPMI 1640培地に再
懸濁し、PHA-Pで前活性化された末梢血単核細胞を使用してウイルス株をアッセ
イした(Manuel des Techniques Virologiques Consensus, ANRSにより出版され
た)。マクロファージの50%を感染させるために必要な感染量(ID50)は、Karbe
rの式を使用して測定された(Karberら、Arch. Exp. Path. Pharmak., 1931, 16
2, 956-959)。
【0121】 マクロファージは、それぞれの培養ウェルに10000 ID50、すなわち0.01(す
なわち0.01ウイルス粒子/マクロファージ)に等しい感染多重度に対応する、ウ
イルス負荷を導入することにより感染された。マクロファージを感染させた24時
間後、過剰のウイルスはPBSでこれらのマクロファージを洗浄することにより除
去された。
【0122】 d) ウイルス複製のアッセイ及びこの複製の阻害の測定 マクロファージにおけるウイルスの複製は、レイ(Rey)ら、Biochem. Biophy
s. Res. Comm., 1984, 121, 126-133により記載された方法に従って、上清を新
鮮な培地に入れ替える間、培養の3又は4日おきの培養上清における逆転写酵素(
RT)の酵素活性をアッセイすることによりモニターされ、そこでは逆転写酵素の
活性は、オリゴ-dT12-18プライマー及び放射性元素で標識された基質である、ト
リチウム化されたメチルチミジン3リン酸(3H TTP)存在下で、ポリ-rA合成マト
リックスの相補鎖を伸長する間に取り込まれた放射活性を測定することによりア
ッセイされる。
【0123】 これを行うために、各培養ウェルに含まれる400μlの上清を360000×gで5分間
超遠心分離に供した。逆転写酵素は、20μlのNTE-トライトン(100mM NaCl, 10m
M トリス緩衝液, 1mM EDTA, 0.1%トライトンX -100)と共にウイルスのペレット
を溶解させることにより遊離された。これらの20μlは、40μlの以下の反応混合
液と共にインキュベートされた:62.5mM pH7.8 トリス緩衝液、25mM KCl、6.25m
M MgCl2、1.25mM DTT、ポリ-rA及びオリゴ-dT12-18 2.5×10-3の光学密度単位
(ODU)、5.55×10-3Tbq 3H TTP。1時間後、酵素反応は停止され、新たに合成さ
れた鎖が、1mlのピロリン酸ナトリウム、5μgの酵母DNA及び4mlの20%トリクロロ
酢酸を添加することにより4℃で20分間で沈殿された。得られた混合物は、放射
活性のあるポリ-dT鎖を保持する酢酸セルロース膜(ミリポア)を使用して濾過
された。フィルターを5%トリクロロ酢酸溶液で洗浄し、25μlの70%エタノールを
添加することにより残った水を除去し、フィルターを80℃で10分間オーブンで乾
燥させた。次いで、このフィルターは8mlのシンチレーション液を含むシンチレ
ーションフラスコに導入され、シンチレーションカウンター(パッカードベル由
来)を使用して放射活性が測定された。逆転写酵素の活性は、時間当たり及び培
養上清のml当たり取り込まれたトリチウム化されたメチルチミジン1リン酸(3H
TMP)のpmol、又はより簡単には、時間当たり及び培養上清のml当たりのcpmで
表される。
【0124】 ピペラジン誘導体によるウイルスの複製の阻害は、各試験誘導体及びこの誘導
体の各試験用量について、この誘導体で処理されたマクロファージの培養終了時
点(D28)での逆転写酵素の累積的な活性を、“コントロール”マクロファージ
の培養物、すなわちピペラジン誘導体で処理を受けてない培養物で得られる活性
と比較することにより、測定された。
【0125】 それぞれの処理されたマクロファージの培養物について、ウイルスの複製の阻
害パーセント(I)をこのようにして式によって確立した。
【0126】
【式1】
【0127】 14.2−結果 図1は、例として曲線の形で、本発明に従ったピペラジン誘導体、すなわち実
施例2で得られた1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチル
アミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンの、単球由来マクロファージにおけ
るHIVの複製に関する用量効果関係を示す。この誘導体でマクロファージを処理
する間に得られたウイルス複製の阻害パーセント(I)はy軸上に、試験された用
量は、μMでx軸上に表される。
【0128】 この図は、いったん1μMより多くの用量で使用されると、1,4-ビス(3',4',5'-
トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペ
ラジンが単球由来マクロファージにおけるHIV複製に対する阻害活性を示すこと
、及び50%有効量(ED50)、すなわちこのウイルスの複製の50%を阻害する用量が
5μMに等しいことを示す。
【0129】 実施例8で調製された1-ベンジル-4-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N
,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンは、40μMに等しいED50
を示すが、一方、実施例10で調製された1-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-
4-ベンジル-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンは、13
μMに等しいED50を有する。
【0130】 実施例15単球由来マクロファージを処理する様々な手段の実施 本発明に従うピペラジン誘導体で単球由来マクロファージを処理する様々な方
法は、実施例14で記載されたものと類似するプロトコールを使用して試験された
【0131】 しかし、これらの試験において、マクロファージ培養物は3つのグループに分
けられた: −実施例14で記載されるように、マクロファージがHIVで感染される24時間前
(すなわちD3)にピペラジン誘導体で処理され、その処理がD28まで維持される
、第1グループ(以下グループ1)。
【0132】 −マクロファージがHIVで感染された24時間後(すなわちD5)に処理され、D28
まで処理が維持される、第2グループ(以下グループ2)、及び −マクロファージがHIVで感染される24時間前(すなわちD3)に処理されたが
、その後処理が維持されなかった、第3グループ(以下グループ3)。
【0133】 全ての場合において、ピペラジン誘導体は100μMの用量で使用され、試験は三
重(triplicate)で行われた。
【0134】 例として、以下の表1は、これらの様々な手段に従って1,4-ビス(3',4',5'-ト
リメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラ
ジンでマクロファージを処理することにより得られた、ウイルス複製の阻害パー
セント(I)の平均±標準偏差を示す。
【0135】
【表1】
【0136】 これらの結果は、1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエ
チルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンが、このウイルスをこれらのマ
クロファージに感染させる前に投与しても後に投与しても、単球由来マクロファ
ージにおいてHIV複製を阻害することができること、且つその抗ウイルス活性は
長く続く処理がなくても持ちこたえることを示す。
【0137】 実施例16マクロファージに分化していない単球及び末梢血単核細胞における 阻害活性 マクロファージに分化していない単球及び末梢血単核細胞(PBMCs)におけるH
IV複製を阻害するピペラジン誘導体の能力は、実施例14に記載されたのと類似す
るプロトコールを使用して試験された。
【0138】 しかし、この試験においては、単球は分化工程なしで培養された。
【0139】 末梢血単核細胞の培養物に関し、これらは3つのグループに分けられた。
【0140】 −これらの単核細胞は、フィトへマグルチニン-Pと共に培養する最初の48時間
の間に活性化され、組換えヒトインターロイキン-2と共に培養する間中刺激され
た第1グループ(以下グループ1);これらの培養物は、20IUのIL-2/培養培地ml
で補足された培地Aからなる培養培地(以下培地B)中で調製され、単核細胞は、
フィトへマグルチニン-P を培養培地ml当たりこの化合物1μgを添加することに
より活性化された; −単核細胞はフィトへマグルチニン-Pで活性化されなかったが、組換えヒトイ
ンターロイキン-2で刺激され、培地B中で調製された第2グループ(以下グループ
2);及び −単核細胞はフィトへマグルチニン-Pでの活性化にも組換えヒトイン タ
ーロイキン-2での刺激にも供されず、培地A中で調製された第3グループ(以下グ
ループ3)。
【0141】 全ての場合において、細胞(単球及びPBMCs)の本発明に従うピペラジン誘導
体での処理は、D3、すなわちHIVで感染される(D4)24時間前に試験されるピペラ
ジン誘導体を培養培地に添加することによって開始された。処理は細胞の培養中
ずっと、すなわち28日目(D28)まで維持された。各ピペラジン誘導体は100μM
の用量で試験され、その試験はトリプリケートで行われた。
【0142】 図2は、例としてヒストグラムの形で、グループ1、2及び3の単球及び末梢血単
核細胞を1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノ
カルボニルオキシメチル)ピペラジンで処理することにより得られた、ウイルス
の複製の阻害パーセント(I)の平均±標準偏差を示す。このヒストグラムはま
た、単球由来マクロファージを同じピペラジン誘導体と同じ条件下に処理するこ
とにより観察されたウイルスの複製の阻害パーセント(I)の平均±標準偏差も
示す。
【0143】 III−細胞毒性 本発明に従ったピペラジン誘導体の細胞毒性は、3つの異なる試験; −トリパンブルー用いた試験 −MTT試験又は3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリ
ウムブロマイドを用いた試験、及び −ニュートラルレッドを用いた試験、 によって、本発明に従ってピペラジン誘導体で処理された、末梢血単核細胞の培
養物及び単球由来マクロファージの培養物の生存率を測定し、得られた結果を“
コントロール”の培養物、すなわち前記ピペラジン誘導体で処理しないこと以外
は同じ条件下で調製した、末梢血単核細胞の培養物又は単球由来マクロファージ
の培養物について観察された結果と比較することにより評価された。
【0144】 トリパンブルー試験は、非接着細胞に対して従来から行われている試験であり
、本発明に従うピペラジン誘導体の末梢血単核細胞の生存率に対する影響を測定
するために使用された。この試験は、生存率を試験したい細胞懸濁液のサンプル
を、死細胞中には拡散するが生細胞中には拡散しないトリパンブルーと混合する
こと、及びマラセズ(Malassez)細胞において死細胞(青い細胞)及び生細胞(
屈折力を有する細胞)を数えることを包含する。
【0145】 対照的に、MTT試験は、接着細胞に対して従来から行われている。本発明に従
うピペラジン誘導体の単球由来マクロファージに対する影響を測定するために使
用された。この試験は、MTT存在下に生存率を測定したい細胞懸濁液のサンプル
を4時間インキュベートすることを包含する。MTTは黄色に着色された生成物であ
り、生細胞のミトコンドリアのデヒドロゲナーゼにより不溶性で紫色であるフォ
ルマザンに代謝される。分光測定法により、MTTとフォルマザンとの間の吸光度
の違いが、ミトコンドリアのデヒドロゲナーゼ活性、従って懸濁液中に存在する
細胞の生存率を定量することを可能にする(Schwartzら、AIDS Res. Hum. Retro
viruses, 1988, 4, 441-448)。
【0146】 ニュートラルレッド試験はまた、接着細胞に対して行われる試験であり、本発
明に従うピペラジン誘導体の単球由来マクロファージに対する影響を測定するた
めに使用された。この試験は、生存率を測定したい細胞懸濁液のサンプルを、ト
リパンブルーとは違って生細胞中には拡散するが死細胞中には拡散しないニュー
トラルレッドと共にインキュベートすること、及び次いで細胞を洗浄することに
より過剰のニュートラルレッドを除去し、細胞を溶解し(例えば−20℃で氷酢酸
で)、分光測定法により得られた溶解物の吸光度を測定することを包含する(Mo
ntefioriら、J. Clin. Microbiol., 1988, 26, 231-235)。
【0147】 全ての場合において、末梢血単核細胞及び単球由来マクロファージの生存率は
、培養する前及び培養培地を入れ替える度に測定された。
【0148】 例として、ヒストグラムの形で、ニュートラルレッド試験で測定されるように
、 “コントロール”の単球由来マクロファージの培養物のものと比較された100
μMの用量の1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミ
ノカルボニルオキシメチル)ピペラジンで処理した単球由来マクロファージの培
養物の生存率を示す図3によって例示されているように、行われた全ての生存率
の測定は、本発明に従うピペラジン誘導体の細胞毒性がないことを実証する。な
ぜなら、培養を通して、このような誘導体で処理した細胞培養物と未処理の細胞
培養物との間の生細胞の数において、有意な違いが確認されないからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】−図1は曲線の形を取り、単球由来マクロファージにおけるHIV複製に
対する、1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノ
カルボニルオキシメチル)ピペラジンの用量−効果関係を表わす;
【図2】−図2はヒストグラムの形を取り、種々の細胞集団(末梢血からの単核
由来マクロファージ、単核及び単核細胞)におけるHIV複製に対する、用量100μ
Mでの1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカル
ボニルオキシメチル)ピペラジンの阻害活性を表わす;並びに
【図3】−図3は、ヒストグラムの形を取り、用量100μMで1,4-ビス(3',4',5'-
トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペ
ラジン処理した単核由来マクロファージ及び該誘導体で処理していない単核由来
マクロファージの生存率を表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 デロドゥル−ボスケ ナタリー フランス国 エフ−75016 パリ リュ バリーズ 16 (72)発明者 ゴッドフロワ ジャン−ジャック フランス国 エフ−75020 パリ リュ ドゥ ラ シン 20 (72)発明者 ラムリ アーズジン フランス国 エフ−93150 レ ブラン メニル リュ ロダン 2 (72)発明者 クレイエット パスカル フランス国 エフ−78000 ベルサイユ リュ エドメ フレミ 17 (72)発明者 マルタン マルク フランス国 エフ−78250 ムーラン ア レ シルベストル 6 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 BC50 MA01 MA04 NA01 NA14 ZB33 ZC55

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の複製を阻害するための医薬品
    の調製のための、一般式(I)に対応するピペラジン誘導体: 【化1】 ここで: −A及びBは、互いに独立してC=O、C=S又はCR7R8基を表わし、ここでR7は水 素原子又はメチル、シアノ、シアノメチル、CO2CH3及び(C=O)CH3基より選ばれ
    る基を表わし、R8は水素原子又はフェニル基を表わす; −R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立して水素原子、水酸基又は直鎖若
    しくは分岐のC1-C5アルコキシ基を表わす; −Xが表わすのは: ・C=O、O(C=O)、O(C=S)、O(SO2)、NH(C=O)、NH(C=S)、NH(SO2)、S(C=O)、及
    びS(C=S)基より選ばれる基であり、この場合YはNR9R10又はCR9R10R11基を表す(
    ここでR9、R10及びR11は互いに独立して水素原子、直鎖或いは分岐のC1〜C5アル
    キル、C2〜C5アルケニル又はC2〜C5アルキニル基を表わす)か、或いは5〜10
    の原子並びに窒素、酸素及び硫黄より選ばれる1又はそれ以上のヘテロ原子を随
    意に含む窒素複素環である; ・或いは、酸素もしくは硫黄原子又はO(C=O)O、NH(C=O)O、及びS(C=O)O基よ
    り選ばれる基であり、この場合YはCR9R10R11基を表わす(ここでR9、R10及びR11 は上記と同様の意味をもつ); 或いは薬学的に許容し得るその塩のうち1つの使用。
  2. 【請求項2】R1、R2及びR3が好ましくは基Aに結合したフェニル核の3'、4'
    及び5'位の炭素原子により支えられ、一方R4、R5及びR6が好ましくは基Bに結合
    したフェニル核の3'、4'及び5'位の炭素原子により支えられることを特徴とする
    、請求項1に記載の使用。
  3. 【請求項3】ピペラジン誘導体が特定式(I-a)に対応する: 【化2】 (ここでA及びBは互いに独立してC=O又はC=S基を表わし、一方R1、R2、R3、R4
    R5、R6、X及びYは請求項1に定義した通りである)ことを特徴とする、請求項1
    又は請求項2に記載の使用。
  4. 【請求項4】特定式(I-a)において、R1、R2、R4及びR5がメトキシ基を表
    わし、R3及びR6が共に水素原子又はメトキシ基を表わし、Xが表わすのが: ・O(C=O)又はNH(C=O)基であり、この場合YはNR9R10又はCR9R10R11基(ここでR9
    、 R10及びR11は請求項1に定義した通りである)或いは5〜10の原子並びに
    窒素、酸素及び硫黄より選ばれる1又はそれ以上の別のヘテロ原子を随意に含む
    窒素複素環である; ・或いはNH(C=O)O基であり、この場合YはCR9R10R11基を表わす(ここでR9、R10 及びR11もまた請求項1に定義した通りである)、 であることを特徴とする、請求項3に記載の使用。
  5. 【請求項5】ピペラジン誘導体が特定式(I-b)に対応する: 【化3】 (ここでR8は水素原子又はフェニル基を表わし、一方R4、R5、R6、X及びYは請求
    項1に定義した通りである)ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の
    使用。
  6. 【請求項6】特定式(I-b)において、R4、R5及びR6がメトキシ基を表わし
    、XがO(C=O)基を表わし、一方YがNR9R10基(ここでR9及びR10は共に直鎖或いは
    分岐のC1〜C5アルキル、C2〜C5アルケニル又はC2〜C5アルキニル基を表わす)或
    いは5〜10の原子並びに窒素、酸素及び硫黄より選ばれる1又はそれ以上の別
    のヘテロ原子を随意に含む窒素複素環を表わすことを特徴とする、請求項5に記
    載の使用。
  7. 【請求項7】ピペラジン誘導体が特定式(I-c)に対応する: 【化4】 (ここでR8は水素原子又はフェニル基を表わし、一方R1、R2、R3、X及びYは請求
    項1に定義した通りである)ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の
    使用。
  8. 【請求項8】特定式(I-c)において、R1、R2及びR3がメトキシ基を表わし
    、XがO(C=O)基を表わし、一方YがNR9R10基(ここでR9及びR10は共に直鎖或いは
    分岐のC1〜C5アルキル、C2〜C5アルケニル又はC2〜C5アルキニル基を表わす)或
    いは5〜10の原子並びに窒素、酸素及び硫黄より選ばれる1又はそれ以上の別
    のヘテロ原子を随意に含む窒素複素環を表わすことを特徴とする、請求項7に記
    載の使用。
  9. 【請求項9】ピペラジン誘導体が以下の誘導体を含む群より選ばれることを
    特徴とする、請求項1〜8のいずれか1つに記載の使用: ・1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボ ニルオキシメチル)ピペラジン、 ・1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジプロピルアミノカル ボニルオキシメチル)ピペラジン、 ・1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(1'-ピペリジノカルボニルオ キシメチル)ピペラジン、 ・1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(1'-ピロリジノカルボニルオ キシメチル)ピペラジン、 ・1,4-ビス(3',4'-ジメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオ キシメチル)ピペラジン、 ・1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(イソプロピルオキシカルボ ニルアミノメチル)ピペラジン、 ・1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(tert-ブチルカルボニルアミ
    ノメチル)ピペラジン、 ・1-ベンジル-4-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカ
    ルボニルオキシメチル)ピペラジン、 ・1-ジフェニルメチル-4-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチル アミノカルボニルオキシメチル)ピペラジン、 ・1-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-4-ベンジル-2-(N,N-ジエチルアミノカ
    ルボニルオキシメチル)ピペラジン、 ・1-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-4-(3',4',5'-トリメトキシチオベンゾ
    イル) -2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジン、 ・1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシチオベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカ
    ルボニルオキシメチル)ピペラジン及び ・1-(3',4',5'-トリメトキシチオベンゾイル)-4-(3',4',5'-トリメトキシベンゾ
    イル) -2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジン。
  10. 【請求項10】ピペラジン誘導体が1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾ
    イル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジンであることを
    特徴とする、請求項1〜9のいずれか1つに記載の使用。
  11. 【請求項11】請求項1に定義された一般式(I)に対応することを特徴と
    する新規ピペラジン誘導体、しかしながら、条件としてこの一般式(I)におい
    て: −R1、R2及びR3が飽和な直鎖又は分岐のC1〜C4アルコキシ基であり、A基に結合
    したフェニル核の3'、4'及び5'位に位置する炭素原子により支えられる場合であ
    って、かつBはC=O基である場合、Yは: ・Xが酸素又は硫黄原子を表わすとき、直鎖或いは分岐のC1〜C4アルキル、C2
    〜C4アルケニル又はC2〜C4アルキニル基以外であり;及び ・XがC=O又はO(C=O)基を表わすとき、直鎖或いは分岐のC1〜C4アルキル、C2
    C4アルケニル、C2〜C4アルキニル基、又は非置換の或いは直鎖或いは分岐のC1
    C4アルキル、C2〜C4アルケニル又はC2 〜C4アルキニル基の1つ又は2つで置換
    されたアミン以外である; −R1、R2、R3、R4、R5及びR6がいずれもメトキシ基を表わす場合であって、かつ
    R1、R2及びR3がA基に結合したフェニル核の3'、4'及び5'位に位置する炭素原子
    により支えられ、一方R4、R5及びR6はB基に結合したフェニル核の3'、4'及び5'
    位に位置する炭素原子により支えられる場合、Yは: ・A及びBが共にC=O基を表わしかつXがO(C=O)基を表わすとき、直鎖或いは分岐
    のC5又はC6アルキル基、直鎖或いは分岐のC5アルキル基で置換されたアミン、又
    は2つの直鎖C5アルキル基で置換されたアミン以外であり; 及び ・A及びBが共にCH2基を表わしかつXがO(C=O)基を表わすとき、CH(CH2CH3)2
    以外である; 並びに薬学的に許容し得るその塩。
  12. 【請求項12】R1、R2及びR3が好ましくはA基に結合したフェニル核の3'、4
    '及び5'位に位置する炭素原子により支えられ、一方R4、R5及びR6が好ましくはB
    基に結合したフェニル核の3'、4'及び5'位に位置する炭素原子により支えられる
    ことを特徴とする、請求項11に記載のピペラジン誘導体。
  13. 【請求項13】特定式(I-a): 【化5】 (ここでA及びBは互いに独立してC=O基又はC=S基を表わし、一方R1、R2、R3、R4 、R5、R6、X及びYは請求項1に定義した通りである)に対応することを特徴とす
    る、請求項11又は請求項12に記載のピペラジン誘導体、しかしながら、条件
    として: −R1、R2及びR3が飽和の、直鎖又は分岐のC1〜C4アルコキシ基である場合、Y
    は: ・Xが酸素又は硫黄原子を表わすとき、直鎖或いは分岐のC1〜C4アルキル、C2
    〜C4アルケニル又はC2〜C4アルキニル基以外である;及び ・XがC=O又はO(C=O)基を表わすとき、直鎖或いは分岐のC1〜C4アルキル、C2
    C4アルケニル、C2〜C4アルキニル基、又は非置換の或いは直鎖或いは分岐のC1
    C4アルキル、C2〜C4アルケニル又はC2〜C4アルキニル基の1つ又は2つで置換さ
    れたアミン以外である; −R1、R2、R3、R4、R5及びR6がいずれもメトキシ基を表わす場合、XがO(C=O)基
    を表わすとき、Yが直鎖或いは分岐のC5又はC6アルキル基、直鎖或いは分岐のC5
    アルキル基で置換されたアミン、又は2つの直鎖C5アルキル基で置換されたア
    ミン以外である。
  14. 【請求項14】特定式(I-a)において、R1、R2、R4及びR5がメトキシ基を
    表わし、R3及びR6が共に水素原子又はメトキシ基を表わし、かつXが表わすのが
    : ・O(C=O)基であり、この場合Yは5〜10の原子並びに窒素、酸素及び硫黄より
    選ばれる1又はそれ以上の別のヘテロ原子を随意に含む窒素複素環を、或いは、
    R3及びR6が水素原子を表わす場合NR9R10基(ここでR9及びR10は共に直鎖或いは
    分岐のC1〜C5アルキル、C2〜C5アルケニル又はC2〜C5アルキニル基である)を表
    わす; ・又はNH(C=O)基であり、この場合YはNR9R10又はCR9R10R11基(ここでR9、R10
    及びR11は互いに独立して水素原子又は直鎖或いは分岐のC1〜C5アルキル、C2〜C 5 アルケニル、C2〜C5アルキニル基を表わす)或いは5〜10の原子並びに窒素
    、酸素及び硫黄より選ばれる1又はそれ以上の別のヘテロ原子を随意に含む窒素
    複素環のいずれかを表わす; ・又はNH(C=O)O基であり、この場合YはCR9R10R11基(ここでR9、R10及びR11は請
    求項1に定義された通りである)を表わす、 ことを特徴とする、請求項13に記載のピペラジン誘導体。
  15. 【請求項15】特定式(I-b): 【化6】 (ここでR8は水素原子又はフェニル基を表わし、一方R4、R5、R6、X及びYは請求
    項1に定義した通りである)に対応することを特徴とする、請求項11又は請求
    項12に記載のピペラジン誘導体。
  16. 【請求項16】特定式(I-b)において、R4、R5及びR6がメトキシ基を表わ
    し、XがO(C=O)基を表わし、一方YがNR9R10基(ここでR9及びR10は共に直鎖或い
    は分岐のC1〜C5アルキル、C2〜C5アルケニル又はC2〜C5アルキニル基を表わす)
    或いは5〜10の原子並びに窒素、酸素及び硫黄より選ばれる1又はそれ以上の
    別のヘテロ原子を随意に含む窒素複素環を表わすことを特徴とする、請求項14
    に記載のピペラジン誘導体。
  17. 【請求項17】特定式(I-c): 【化7】 (ここでR8は水素原子又はフェニル基を表わし、一方R1、R2、R3、X及びYは請求
    項1に定義した通りである)に対応することを特徴とする、請求項11又は請求
    項12に記載のピペラジン誘導体。
  18. 【請求項18】特定式(I-c)において、R1、R2及びR3がメトキシ基を表わ
    し、XがO(C=O)基を表わし、一方YがNR9R10基(ここでR9及びR10はそれぞれ直鎖
    或いは分岐のC1〜C5アルキル、C2〜C5アルケニル又はC2〜C5アルキニル基を表わ
    す)或いは5〜10の原子並びに窒素、酸素及び硫黄より選ばれる1又はそれ以
    上の別のヘテロ原子を随意に含む窒素複素環を表わすことを特徴とする、請求項
    17に記載のピペラジン誘導体。
  19. 【請求項19】以下の化合物のうちの1つであることを特徴とする、請求項
    11〜18のいずれか1つに記載のピペラジン誘導体: ・1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(1'-ピペリジノカルボニルオ
    キシメチル)ピペラジン、 ・1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(1'-ピロリジノカルボニルオ
    キシメチル)ピペラジン、 ・1,4-ビス(3',4'-ジメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオ キシメチル)ピペラジン、 ・1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-2-(イソプロピルオキシカルボ
    ニルアミノメチル)ピペラジン、 ・1-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-4-ベンジル-2-(N,N-ジエチルアミノカ
    ルボニルオキシメチル)ピペラジン、 ・1-(3',4',5'-トリメトキシベンゾイル)-4-(3',4',5'-トリメトキシチオベンゾ
    イル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラジン、及び ・1,4-ビス(3',4',5'-トリメトキシチオベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカ
    ルボニルオキシメチル)ピペラジン。
  20. 【請求項20】1-(3',4',5'-トリメトキシチオベンゾイル)-4-(3',4',5'-ト
    リメトキシベンゾイル)-2-(N,N-ジエチルアミノカルボニルオキシメチル)ピペラ
    ジンであることを特徴とするピペラジン誘導体、並びに薬学的に許容し得るその
    塩。
  21. 【請求項21】医薬品としての使用のための、請求項11〜20のいずれか
    1つに記載のピペラジン誘導体並びに薬学的に許容し得るその塩。
  22. 【請求項22】有効成分として請求項11〜20のいずれか1つに記載の少
    なくとも1つのピペラジン誘導体、又は薬学的に許容し得るその塩を含むことを
    特徴とする薬学的組成物。
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