JP2002519060A - 電位ゲート制御カリウムチャネルサブユニットKv6.2 - Google Patents

電位ゲート制御カリウムチャネルサブユニットKv6.2

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JP2002519060A JP2000558201A JP2000558201A JP2002519060A JP 2002519060 A JP2002519060 A JP 2002519060A JP 2000558201 A JP2000558201 A JP 2000558201A JP 2000558201 A JP2000558201 A JP 2000558201A JP 2002519060 A JP2002519060 A JP 2002519060A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、単離されたKv6.2の核酸配列およびアミノ酸配列、Kv6.2に対する抗体、Kv6.2を検出する方法、生物学的に活性なKv6.2を用いた電位ゲート制御カリウムチャネルのアクチベーターおよびインヒビターについてのスクリーニング方法、ならびにKv6.2を含む電位ゲート制御カリウムチャネルのアクチベーターおよびインヒビターについてスクリーニングするためのキットを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願の相互参照) 本出願は、1998年1月1日に出願した米国特許出願第60/091,46
6号(その全体が本明細書中で参考として援用される)の利益を主張する。
【0002】 (連邦政府により援助された研究および開発の下でなされた発明に対しての権
利に関する記載) 適用されない。
【0003】 (発明の分野) 本発明は、Kv6.2の単離された核酸配列およびアミノ酸配列、Kv6.2
に対する抗体、Kv6.2を検出する方法、生物学的に活性なKv6.2を使用
して電位ゲート制御カリウムチャネルアクチベーターおよびインヒビターをスク
リーニングする方法、ならびにKv6.2を含む電位ゲート制御カリウムチャネ
ルのアクチベーターおよびインヒビターをスクリーニングするためのキットを提
供する。
【0004】 (発明の背景) カリウムチャネルは、多数の生理的なプロセス(心拍の調節、動脈の拡張、イ
ンスリンの放出、神経細胞の興奮、および腎臓の電解質輸送の調節を含む)に関
与する。従って、カリウムチャネルは、広汎な種々の動物細胞(例えば、神経組
織、筋肉組織、腺組織、免疫組織、生殖組織、および上皮組織)中にて見出され
る。これらのチャネルは、特定の条件下での細胞内の、および/または細胞から
のカリウムの流れを可能にする。例えば、これらのチャネルが開く際のカリウム
イオンの流出は、細胞の内部をより負にして、この細胞に適用された電位を脱分
極させて反作用する。これらのチャネルは、例えば、カルシウム感受性、電位ゲ
ート制御、セカンドメッセンジャー、細胞外リガンド、およびATP感受性によ
って調節される。
【0005】 カリウムチャネルは、推定される構造類似性および機能類似性に基づいて、8
つのファミリーに入るαサブユニットによって構成される(Weiら、Neur
opharmacology 35(7):805〜829(1997))。こ
れらのファミリーのうちの3つ(Kv、Eag関連、およびKQT)は、6回膜
貫通型ドメインの共通モチーフを共有し、そして主に、電位によってゲート制御
される。2つの他のファミリー(CNGおよびSK/IK)はまた、このモチー
フを含むが、それぞれ環式ヌクレオチドおよびカルシウムによってゲート制御さ
れる。カリウムチャネルのαサブユニットの3つの他のファミリーは、異なった
パターンの膜貫通ドメインを有する。Sloファミリーカリウムチャネル、すな
わちBKチャネルは、7回膜貫通型ドメインを有し(Meeraら、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA.94(25):14066〜71(19
97))、そして電位およびカルシウムの両方またはpHによってゲート制御さ
れる(Schreiberら、J.Biol.Chem.273:3509〜1
6(1998))。別のファミリー(内向き整流カリウムチャネル(Kir))
は、2回膜貫通型ドメインを含む構造ファミリーに属し(例えば、Lagrut
taら、Jpn.Heart.J.37:651〜660 1996を参照のこ
と))、8番目の機能的に異なるファミリー(TP、または「2つの孔」)は、
この内向き整流モチーフの2個の縦列反復を含む。
【0006】 カリウムチャネルは、代表的には、4個のαサブユニットによって形成され、
そしてホモマー(同一のαサブユニットから構成される)またはヘテロマー(2
以上の異なる型のαサブユニットから構成される)であり得る。さらに、Kv、
KQTおよびSloすなわちBKサブユニットから構成されるカリウムチャネル
は、しばしば、さらなる構造的に異なった補助的な、すなわちβサブユニットを
含むことが見出されている。これらのβサブユニットは、それ自体カリウムチャ
ネルを形成しないが、代わりに、それらは、補助的なサブユニットとして作用し
、αサブユニットにより形成されるチャネルの機能的な特性を改変する。例えば
、Kvβサブユニットは、細胞質性であり、そしてKvチャネルの表面発現を増
大させ、そして/またはこのチャネルの不活化の反応速度を改変することが公知
である(Heinemannら、J.Physiol.493:625〜633
(1996);Shiら、Neuron 16(4):843〜852(199
6))。別の例において、KQTファミリーのβサブユニット(minK)は、
活性化反応速度を主に変化させる(Sanguinettiら、Nature
384:80〜83(1996))。
【0007】 電位ゲート制御カリウムチャネルのKvスーパーファミリーは、代表的に4つ
のサブユニットから構成されるヘテロマーチャネルおよびホモマーチャネルの両
方を含む(例えば、Salinasら、J.Biol.Chem.272:87
74〜8780(1997);Salinasら、J.Biol.Chem.2
72:34371〜24379(1997);Postら、FEBS Lett
s.399:177〜182(1996))。電位ゲート制御カリウムチャネル
は、広汎な種々の組織および細胞型中で見出されており、そしてニューロン統合
、心臓拍動調整作用、筋肉の収縮、ホルモン分泌(section)、細胞容積
調節、リンパ球分化、および細胞増殖のようなプロセスに関与する(例えば、S
alinasら、J.Biol.Chem.39:24371〜24379(1
997))。このチャネルが構成されるKvスーパーファミリーのいくつかのα
サブユニットは、クローニングおよび発現されている:(例えば、Kv5.1、
Kv6.1(Dreweら、J.Neurosci.12:538〜548(1
992);Postら、FEBS Letts.399:177〜182(19
96));Kv8.1(Hugnotら、EMBO J.15:3322〜33
31(1996));およびKv9.1および9.2(Salinasら、J.
Biol.Chem.39:24371〜24379(1997))。これらの
遺伝子のうちのいくつかの発現パターンもまた、試験されている(例えば、Ve
rma−Kurvariら、Mol.Brain.Res.46:54〜62(
1997);Maletic−Savaticら、J.Neurosci.15
:3840〜3851(1995);Duら、Neurosci.84:37〜
48(1998)。
【0008】 (発明の要旨) したがって,本発明は、Kv6.2を初めて提供する。これは、ヘテロマー電
位ゲート制御カリウムチャネルのαサブユニットであるポリペプチドモノマーで
ある。Kv6.2は、これまでにクローニングも同定もされておらず、そして本
発明は、マウスおよびヒトのKv6.2についてのヌクレオチドおよびアミノ酸
の配列を提供する。
【0009】 一つの局面において、本発明は、ヘテロダイマーカリウムチャネルのαサブユ
ニットを含むポリペプチドモノマーをコードする、単離された核酸を提供する。
このポリペプチドモノマーは、以下:(i)少なくとも1つのさらなるKvαサ
ブユニットとともに、電位ゲート制御の特徴を有するヘテロマーカリウムチャネ
ルを形成する能力を有し;(ii)Kv6.2サブユニット会合領域に対して7
0%を超えるアミノ酸配列同一性を有するモノマーサブユニット会合領域を有し
;そして(iii)配列番号1または配列番号17に対して生成されたポリクロ
ーナル抗体に特異的に結合する。
【0010】 一つの局面において、本発明は、ヘテロマーカリウムチャネルのαサブユニッ
トを含むポリペプチドモノマーをコードする、単離された核酸を提供する。この
ポリペプチドモノマーは、以下:(i)少なくとも1つのさらなるKvαサブユ
ニットとともに、電位ゲート制御の特徴を有するヘテロマーカリウムチャネルを
形成する能力を有し;(ii)Kv6.2 S4−S6領域に対して少なくとも
85%を超えるアミノ酸配列同一性を有するS4−S6領域を有し;そして(i
ii)配列番号1または配列番号17に対して生成されたポリクローナル抗体に
特異的に結合する。
【0011】 一つの実施態様において、この核酸は、マウスもしくはヒトのKv6.2をコ
ードする。別の実施態様において、この核酸は、配列番号1または配列番号17
をコードする。別の実施態様において、この核酸は、配列番号2または配列番号
18のヌクレオチド配列を有する。
【0012】 1つの実施態様において、この核酸は、以下からなる群より選択されるプライ
マーセットと同じ配列に対して、ストリンジェントなハイブリゼーション条件下
で選択的にハイブリダイズするプライマーによって増幅される:
【0013】
【化2】 1つの実施態様において、この核酸は、約53kD〜約65kDの間の分子量
を有するポリペプチドモノマーをコードする。一つの実施態様において、この核
酸は、配列番号2または配列番号18のヌクレオチド配列に対して中程度なスト
リンジェントハイブリダイゼーション条件下で選択的にハイブリダイズする。
【0014】 別の局面において、本発明は、ポリペプチドモノマーをコードする、単離され
た核酸を提供する。ここで、この核酸は、波2または配列番号18に対して高い
少なくともとリンジェントハイブリダイゼーション条件下で特異的にハイブリダ
イズする。
【0015】 別の局面において、本発明は、ヘテロマーカリウムチャネルのαサブユニット
を含む、単離されたポリペプチドモノマーを提供する。このカリウムチャネルは
、以下(i)少なくとも1つのさらなるKvαサブユニットとともに、電位ゲー
ト制御の特徴を有するヘテロマーカリウムチャネルを形成する能力を有し;(i
i)アミノ酸Kv6.2サブユニット会合領域に対して70%を超えるアミノ酸
配列同一性を有するモノマーサブユニット会合領域を有し;そして(iv)配列
番号1または配列番号17に対して生成されたポリクローナル抗体に特異的に結
合する。
【0016】 別の局面において、本発明は、ヘテロマーカリウムチャネルのαサブユニット
を含む、単離されたポリペプチドモノマーを提供する。このカリウムチャネルは
、以下(i)少なくとも1つのさらなるKvαサブユニットとともに、電位ゲー
ト制御の特徴を有するヘテロマーカリウムチャネルを形成する能力を有し;(i
i)Kv6.2 S4−S6領域に対して85%を超えるアミノ酸配列同一性を
有するS4−S6領域を有し;そして(iv)配列番号1または配列番号17に
対して生成されたポリクローナル抗体に特異的に結合する。
【0017】 一つの実施態様において、このポリペプチドモノマーは、マウスもしくはヒト
のKv6.2のアミノ酸配列を有する。別の実施態様において、このポリペプチ
ドモノマーは、配列番号1または配列番号17のアミノ酸配列を有する。
【0018】 別の局面において、本発明は、上記のポリペプチドモノマーに選択的に結合す
る抗体を提供する。
【0019】 別の局面において、本発明は、上記のポリペプチドモノマーをコードする核酸
を含む発現ベクターを提供する。
【0020】 別の局面において、本発明は、上記の発現ベクターを用いてトランスフェクト
された宿主細胞を提供する。
【0021】 別の局面において、本発明は、電位ゲート制御カリウムチャネルを通じたイオ
ンフラックスを増加もしくは減少させる化合物を同定するための方法を提供する
。この方法は、以下の工程を包含する:(i)この化合物を、真核生物宿主細胞
または細胞膜に接触させる工程であって、該宿主細胞もしくは細胞膜において、
ヘテロマーカリウムチャネルのαサブユニットを含むポリペプチモノマーを発現
しており、ここで、該ポリペプチドモノマーは、以下:(a)少なくとも1つの
さらなるKvαサブユニットとともに、電位ゲート制御の特徴を有するヘテロマ
ーカリウムチャネルを形成する能力を有し;(b)Kv6.2サブユニット会合
領域に対して70%を超えるアミノ酸配列同一性を有するモノマーサブユニット
会合領域を有し;そして(c)配列番号1または配列番号17に対して生成され
たポリクローナル抗体に特異的に結合する、工程;ならびに(ii)カリウムチ
ャネルを発現する、その細胞または細胞膜に対するその化合物の機能的効果を決
定する工程。
【0022】 別の局面において、本発明は、電位ゲート制御カリウムチャネルを通じたイオ
ンフラックスを増加もしくは減少させる化合物を同定するための方法を提供する
。この方法は、以下の工程を包含する:(i)この化合物を、真核生物宿主細胞
または細胞膜に接触させる工程であって、該宿主細胞もしくは細胞膜において、
ヘテロマーカリウムチャネルのαサブユニットを含むポリペプチモノマーを発現
しており、ここで、該ポリペプチドモノマーは、以下:(a)少なくとも1つの
さらなるKvαサブユニットとともに、電位ゲート制御の特徴を有するヘテロマ
ーカリウムチャネルを形成する能力を有し;(b)配列比較アルゴリズムを用い
て測定された場合、Kv6.2 S4−S6領域に対して85%を超えるアミノ
酸配列同一性を有するS4−S6領域を有し;そして(c)配列番号1または配
列番号17に対して生成されたポリクローナル抗体に特異的に結合する、工程;
ならびに(ii)カリウムチャネルを発現する、その細胞または細胞膜に対する
その化合物の機能的効果を決定する工程。
【0023】 1つの実施態様において、イオンのフラックスの増加または減少は、電流もし
くは電圧の変化を測定することによって決定される。別の実施態様において、こ
のポリペプチドモノマーポリペプチドは、組換えである。
【0024】 別の実施態様において、本発明は、Kv6.2の存在を哺乳動物組織において
検出する方法を提供する。この方法は、以下の工程を包含する:(i)生物学的
サンプルを単離する工程;(ii)この生物学的サンプルを、Kv6.2と選択
的に会合するKv6.2特異的試薬と接触させる工程;および(iii)そのサ
ンプルと選択的に会合したKv6.2特異的試薬のレベルを検出する工程。
【0025】 1つの実施態様において、Kv6.2特異的試薬は、以下からなる群より選択
される:KV6.2特異的抗体、Kv6.2特異的オリゴヌクレオチドプライマ
ー、およびKv6.2核酸プローブ。別の実施態様において、そのサンプルはヒ
ト由来である。
【0026】 別の局面において、本発明は、コンピュータシステムにおいて、Kv6.2遺
伝子の変異についてスクリーニングする方法を提供する。この方法は、以下の工
程を包含する:(i)そのコンピュータに、配列番号2または配列番号18のヌ
クレオチド配列、およびその保存的改変版を有する電位ゲート制御カリウムチャ
ネルタンパク質をコードする第一の核酸配列を入力する工程;(ii)その第一
の核酸配列と、その第一の核酸配列と実質的な同一性を有する第二の核酸配列と
を比較する工程;および(iii)その第一の核酸配列とその第二の核酸配列と
の間のヌクレオチドの相違を同定する工程。
【0027】 1つの実施態様において、その第二の核酸配列は、疾患状態に関連する。
【0028】 別の局面において、本発明は、コンピュータシステムにおいて、Kv6.2ポ
リペプチドの三次元構造を同定するための方法を提供する。この方法は、以下の
工程を包含する:(i)このコンピュータシステムに、カリウムチャネルモノマ
ーの少なくとも25アミノ酸のアミノ酸配列またはそのポリペプチドをコードす
る遺伝子の少なくとも75ヌクレオチドを入力する工程であって、そのポリペプ
チドは、配列番号1または配列番号17のアミノ酸配列およびその保存的改変版
を有する、工程;および(ii)そのアミノ酸配列によってコードされるポリペ
プチドの三次元構造を生成する工程。
【0029】 1つの実施態様において、このアミノ酸配列は、一次構造であり、ここで、そ
の生成工程は、以下の工程を包含する:(i)その一次構造から、その一次構造
によって決定されるエネルギー項を用いて二次構造を形成する工程;および(i
i)その二次構造から、その二次構造によって決定されるエネルギー項を用いて
三次構造を形成する工程。別の実施態様において、この生成工程は、その三次構
造から、その三次構造によって決定される非等方性項を用いて四次構造を形成す
る工程を包含する。別の実施態様において、この方法は、さらにリガンドに結合
する、そのタンパク質の三次元構造の領域を同定する工程、およびその領域を用
いてそのタンパク質に結合するリガンドを同定する工程を包含する。
【0030】 (発明の詳細な説明) (I.緒言) 本発明は、初めて、マウスおよびヒトの組織から同定およびクローニングされ
た、Kv6.2をコードする核酸を提供する。このポリペプチドモノマーは、カ
リウムチャネルモノマーの「Kv」スーパーファミリーのメンバーである。この
ファミリーのメンバーは、6回膜貫通領域の電位ゲート制御カリウムチャネルの
サブユニットであるポリペプチドモノマーである(K=カリウム、v=電位ゲー
ト制御)。電位ゲート制御カリウムチャネルは、静止電位を維持するにおいて、
および細胞の励起を制御するに重要な役割を有する。
【0031】 本発明はまた、Kv6.2サブユニットを含む電位ゲート制御カリウムチャネ
ルのアクチベーターおよびインヒビターについてスクリーニングする方法を提供
する。電位ゲート制御チャネル活性のこのような調節因子は、CND障害(例え
ば、偏頭痛、聴覚および視覚の障害、精神障害、痙攣のようは中枢神経系障害を
処置するについて、および神経保護因子として(例えば、発作を予防するため)
有用である。
【0032】 さらに、本発明は、Kv6.23活性についてのアッセイを提供する。ここで
、Kv6.2は、直接のまたは間接的なレポーター分子として作用する。アッセ
イおよび検出系におけるレポーターとしてのKv6.2のこのような使用は、広
汎な適用を有する(例えば、Kv6.2は、カリウム濃度、膜電位、電流の流れ
、イオンフラックス、転写、シグナル伝達、レセプター−リガンド相互作用、セ
カンドメッセンジャー濃度、インビトロ、インビボおよびエキソビボの変化を測
定するレポーター分子として使用され得る。一つの実施態様において、Kv6.
2は、特定の方向における電流の流れ(例えば、外向きまたは内向きのカリウム
の流れ)の指標と使用され得、そして別の実施態様において、Kv6.2は、グ
リーン蛍光タンパク質のような第二のレポーター分子への付着を介して、間接の
レポーターとして使用され得る。
【0033】 最後に、本発明は、Kv6.2の核酸およびタンパク質の発現を検出する方法
を提供する。これは、Kv6.2により提供されるチャネル多様性の調査および
Kv6.2により提供されるヘテロマーチャネル活性の調整/調節、ならびに異
常なイオンフラックスを含む疾患の診断(これは、偏頭痛、聴覚の問題、視覚の
問題、痙攣および精神障害のような中枢神経系疾患の診断を含む)を可能にする
【0034】 機能的には、Kv6.2は、電位ゲート制御カリウムチャネルのαサブユニッ
トである。代表的には、このような電位ゲート制御チャネルは、ヘテロマーまた
はホモマーであり、そして4つのサブユニットまたはモノマーを含み、これら各
々は6回膜貫通ドメインを伴う。Kv6.2を含む電位ゲート制御カリウムチャ
ネルは、代表的に、ヘテロマーであり、そして1つ以上のKv6.2のサブユニ
ットを、Kvスーパーファミリーからの他のサブユニット(例えば、Kv2.1
およびKv2.2)の1つ以上とともに含み得る。電位ゲートカリウムチャネル
におけるKv6.2の存在は、ヘテロマーチャネルの活性を調節し、従って、チ
ャネルの多様性を増強する。例えば、Kv6.2が別のモノマーと会合する場合
、得られるチャネルは、異なる単一のチャネル伝導性および変化した力学的特性
(例えば、活性化および不活化の速度の変化、ならびに活性化のための電位およ
び閾値の変化)を有し得る。例えば、図2は、Kv6.2およびKv2.1を含
むチャネルにおいて、Kv2.1のみを含むチャネルに比して、活性化電位にお
いて、約20mV脱分極したシフト、および劇的な脱活性化の遅延を示す。チャ
ネルの多様性はまた、Kv6.2の選択的スプライシングされた形態とともに増
大される。
【0035】 構造的には、マウスKv6.2のヌクレオチド配列(配列番号2)は、およそ
506アミノ酸のポリペプチドモノマーをコードする。ここで、推定分子量は、
約58kDa(配列番号1)であり、そして推定の範囲は53〜63kDである
。ヒトのKv6.2のヌクレオチド配列(配列番号18)は、およそ519アミ
ノ酸のポリペプチドモノマーをコードする。ここで、推定される分子量は、約6
0kDa(配列番号17)であり、そして推定される範囲は55−65kDaで
ある。特に、Kv6.2のアミノ酸配列は、「サブユニット会合」領域を有する
(およそ、アミノ酸70〜182、例えば、配列番号1のアミノ酸70〜182
、マウスKv6.2を参照のこと)、これは、保存されたアミノ酸配列である。
他の種からの関連するKv6.2遺伝子および/またはKv6ファミリーメンバ
ーは、少なくとも約70%のアミノ酸同一性をこの領域において共有する。Kv
6.2のアミノ酸配列はまた、保存されたS4〜S6領域を有する(およそ、ア
ミノ酸326−466、例えば、配列番号1のアミノ酸326−466、マウス
Kv6.2を参照のこと)。他の種からの関連するKv6.2遺伝子および/ま
たはKv6ファミリーメンバーは、この領域において、少なくとも約85%のア
ミノ酸同一性を共有する。
【0036】 本発明はまた、配列番号1に示すKv6.2の多型性改変体を提供する:改変
体#1、これは、アミノ酸484位でのメチオニン残基がロイシン残基に置き換
わっている;改変体#2、これは、アミノ酸174位においてロイシン残基がバ
リン残基に置き換わっている;および改変体#3、これは、アミノ酸195位に
おいて、アラニン残基がセリン残基に置き換わっている。
【0037】 本発明はまた、配列番号17に示すKv6.2の多型性改変体を提供する:改
変体#1、これは、アミノ酸501位において、メチオニン残基がロイシン残基
に置き換わっている;改変体#2、これは、アミノ酸148位においてアラニン
残基がセリン残基に置き換わっている;改変体#3、これは、アミノ酸508位
において、イソロイシン残基がバリン残基に置き換わっている;および改変体#
4、これは、アミノ酸17位でのチロシン残基が、フェニルアラニン残基に置き
換わっている。
【0038】 Kv6.2のヌクレオチドおよびアミノ酸の配列の特定の領域を使用して,K
v6.2の多型性改変体、種間ホモログ、および対立遺伝子を同定し得る。この
同定は、例えば、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下および配列
決定で、または他のヌクレオチド配列との比較のためにコンピュータシステムに
おける配列情報を用いるか、またはKv6.2に対して惹起された抗体を用いて
、インビトロで行われ得る。代表的には、Kv6.2の多型性改変体および対立
遺伝子の同定は、サブユニット会合領域のアミノ酸配列(またはそのアミノ酸配
列をコードするヌクレオチド配列)(例えば、マウスKv6.2のおよそアミノ
酸70−182、配列番号1を参照のこと)またはS4−S6領域(例えば、マ
ウスKv6.2のアミノ酸326−466、配列番号1を参照のこと)の比較に
よって行われ得る。サブユニット会合領域またはS4−S6領域における少なく
とも約70%以上、好ましくは約80%以上、85%以上最も好ましくは90−
95%以上のアミノ酸同一性は、代表的に、Kv6.2のタンパク質が多岐性改
変体、種間ホモログ、または対立遺伝子であることを実証する。配列の比較は、
以下に記載する任意の配列比較アルゴリズムを用いて行われ得る。Kv6.2の
サブユニット会合領域と特異的に結合する抗体もまた、対立遺伝子、種間ホモロ
グおよび多型性改変体を同定するために使用され得る。
【0039】 Kv6.2の多型性改変体、種間ホモログおよび対立遺伝子は、推定Kv6.
2のポリペプチドモノマーを同時発現させる工程、およびKvファミリーの別の
メンバー(例えば、Kv2.1またはKv2.2)と同時発現される場合にその
モノマーが、ヘテロマー性電位ゲート制御カリウムチャネルを形成するか否かを
試験する工程によって確認される。このアッセイを用いて、Kv6.2の「サブ
ユニット会合領域」と約70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85
%以上、90%以上または95%以上のアミノ酸同一性有するタンパク質が、K
v6.2と同じ機能的な特徴を共有し、それゆえ、Kv6.2の種であることが
実証される。このアッセイはまた、Kv6.2の「S4−S6」領域と約85%
以上、好ましくは90%以上、95%以上のアミノ酸同一性を有するタンパク質
が、Kv6.2と同じ機能的特徴を有し、それゆえKv6.2の種であることを
実証するために用いられる。代表的には、配列番号1または配列番号17のアミ
ノ酸配列Kv6.2を、推定のKv6.2タンパク質と比較した場合にポジティ
ブコントロールとして用いて、Kv6.2の多型性改変体または対立遺伝子の同
定を実証する。
【0040】 Kv6.2のヌクレオチドおよびアミノ酸の配列情報もまた使用して、コンピ
ュータシステムにおけるヘテロマー電位ゲート制御カリウムチャネルのモデルを
構築し得る。次いで、これらのモデルを使用して、Kv6.2を含むヘテロマー
電位ゲート制御カリウムチャネルを活性化し得るかまたは阻害し得る化合物を同
定する。Kv6.2を含むチャネルの活性を調節するそのような化合物を使用し
て、チャネル活性の調節およびチャネルの多様性におけるKv6.2の役割を調
査し得る。
【0041】 初めての生物学的に活性なKv6.2の単離は、Kv6.2サブユニットのヘ
テロマー電位ゲート制御カリウムチャネルのインヒビターおよびアクチベーター
についてアッセイするための手段を提供する。生物学的に活性なKv6.2は、
Kv6.2のサブユニットおよび他のKvメンバーを含む電位ゲート制御カリウ
ムチャネルのインヒビターおよびアクチベーターを、インビボおよびインビトロ
での発現を用いて試験するために(例えば、電位または電流における変化を測定
する)有用である。少なくとも1つのKv6.2サブユニットを含む電位ゲート
制御カリウムチャネルを用いて同定されたそのようなアクチベーターおよびイン
ヒビターを用いて、電位ゲート制御チャネルの反応速度論およびヘテロマーチャ
ネルの伝導特性をさらに研究し得る。そのようなアクチベーターおよびインヒビ
ターは、異常なイオンフラックスを含む疾患(例えば、中枢神経系障害)を処置
するための薬学的因子として有用である。Kv6.2、およびKv6.2を含む
チャネルの発現を検出する方法もまた、異常なイオンフラックスを含む疾患(例
えば、上記のような中枢神経系障害および他の障害)についての診断適用のため
に有用である。例えば、Kv6.2をコードする遺伝子の染色体局在化を使用し
て、Kv6.2により生じ、そしてそれと関連する疾患を同定し得る。Kv6.
2を検出する方法もまた、チャネルの多様性およびチャネルの活性の調節におけ
るKv6.2の役割を検査するために有用である。
【0042】 (II.定義) 本明細書において使用される場合、以下の用語は、特に言及しない限り、それ
らに割り当てられた意味を有する。
【0043】 句「電位ゲート制御(voltage−gated)」活性または「電位ゲー
ト制御(voltage−gating)」とは、個々のポリペプチドモノマー
またはサブユニットから構成されるカリウムチャネルの特徴をいう。一般に、電
位ゲート制御カリウムチャネルの開口の確率は、細胞が脱分極するにつれ増加す
る。電位ゲート制御カリウムチャネルは、おもに、カリウムの流出を可能にする
。なぜなら、このチャネルは、代表的な細胞におけるカリウムについての膜電位
(EK)より正の膜電位で開く確率が高いからである。EKすなわちカリウムにつ
いての膜電位は、細胞膜の内側および外側に見出されるカリウムの相対的な濃度
に依存し、そして代表的には哺乳動物について−60mVと−100mVとの間
である。EKは、カリウムイオンの正味の流れがない膜電位である。なぜなら、
カリウムフラックスを駆動する電気的な電位(すなわち、電圧での電位)が、カ
リウム流出を指向させる濃度勾配([K+]電位)と平衡化されているからであ
る。この値はまた、カリウムについての「逆電位」または「ネルンスト(Ner
nst)」電位としても知られる。いくつかの電位ゲート制御カリウムチャネル
は不活化を受け、これは、より高い膜電位でカリウム流出を減少させ得る。カリ
ウムチャネルはまた、それらが、EKよりも負の膜電位で開口したままであるよ
うな特定の場合にカリウムフラックスを可能にし得る(例えば、Adamsおよ
びNonner,Pottasium Channels,40−60頁(Co
ol編、1990)を参照のこと)。電位ゲート制御の特徴は、電流の流れにお
ける変化およびチャネルを通るイオンフラックスを測定するための種々の技術(
例えば、外部溶液の[K+]を変化させること、およびチャネル電流の活性化電
位を測定することによる(例えば、米国特許第5,670,335号を参照のこ
と))によって、パッチクランプ技術または異なる条件下での電位クランプを用
いた電流の測定によって、および異なる条件下で放射性トレーサーまたは電位感
受性色素を用いたイオンフラックスの測定によって、測定され得る。
【0044】 「ホモマーチャンネル」とは、同一のαサブユニットから構成されるKv6.
2チャンネルをいい、他方、「ヘテロマーチャンネル」とは、少なくとも1つの
KvαサブユニットおよびKvファミリー(例えば、Kv2.1)由来の少なく
とも1つの他の異なるタイプのαサブユニットから構成されるKv6.2チャネ
ルをいう。ホモマーチャンネルおよびヘテロマーチャンネルは共に、補助的なβ
サブユニットを含み得る。代表的には、チャンネルは4つのαサブユニットから
構成され、そしてこのチャンネルは、ヘテロマーまたはホモマーであり得る。
【0045】 「βサブユニット」は、αサブユニットから構成されるカリウムチャンネルの
補助的なサブユニットであるポリペプチドモノマーである。しかし、βサブユニ
ット単独ではチャンネルを形成し得ない(例えば、米国特許第5,776,73
4号を参照)。βサブユニットは、例えば、αサブユニットが細胞表面に到達し
、活性化キネティクスを変化させ、そしてそのチャンネルへの天然リガンド結合
の感受性を変化させるのを手助けすることによりチャンネルの数を増加させるこ
とが公知である。βサブユニットは、孔領域の外側にあり得、そして孔領域を含
むαサブユニットと会合し得る。これらはまた、孔領域の外側の口に寄与し得る
【0046】 句「サブユニット会合領域」とは、この特定のタンパク質を構造的に同定する
Kv6.2の領域をいう(マウスKv6.2(配列番号1を参照)のほぼアミノ
酸70〜182)。この領域は、PILEUPのような配列比較アルゴリズムを
使用するアミノ酸配列同一性比較により、Kv6.2のKv6.2多型改変体お
よびKv6.2対立遺伝子を同定するために使用され得る。このサブユニット会
合領域は、Shenら、Neuron 11:67−76(1993);Yuら
、Neuron 16:441−453(1996);Xuら、J.Biol.
Chem.270:24761−24768(1995);ShenおよびPf
affinger、Neuron 14:625−633(1995);Kre
uschら、Nature 392:945−948(1998);およびLi
ら、Science 257:1225−1230(1992)に記載されてい
る。
【0047】 句「S4−S6領域」(S4〜S6領域)とは、この特定のタンパク質を構造
的に同定するKv6.2の領域をいう(マウスKv6.2(配列番号1を参照)
のほぼアミノ酸326〜466)。この領域は、PILEUPのような配列比較
アルゴリズムを使用するアミノ酸配列同一性比較により、Kv6.2のKv6.
2多型改変体およびKv6.2対立遺伝子を同定するために使用され得る。S4
−S6は3つの膜貫通領域(S4、S5、孔ドメイン、およびS6)を含み、そ
して電位依存性の開閉(voltage−gating)およびイオンコンダク
タンスに関与する(例えば、AckermanおよびClapham、New
Engl.J.Med.336:1575−1586(1997);Janおよ
びJan、Annu.Rev.Neurosci.20:91−123(199
7)を参照)。
【0048】 「Kv6.2」とは、電位依存性カリウムチャンネルのサブユニットまたはモ
ノマー、カリウムチャンネルモノマーのKv6ファミリーのメンバー、およびカ
リウムチャンネルモノマーのKvスーパーファミリーのメンバーであるポリペプ
チドをいう。Kv6.2がカリウムチャンネル(好ましくは、ヘテロマーカリウ
ムチャンネル)の部分である場合、そのチャンネルは電位依存活性を有する。し
たがって、用語Kv6.2とは、(1)Kv6.2サブユニット会合領域に対し
、約70%より大きいアミノ酸配列同一性、好ましくは、約75、80、85、
90または95%より大きいアミノ酸配列同一性を有するサブユニット会合領域
を有するか、(2)Kv6.2 S4−S6領域に対し、約85%より大きいア
ミノ酸配列同一性、好ましくは、約90または95%より大きいアミノ酸配列同
一性を有するS4−S6領域を有するか、(3)配列番号1、配列番号17、サ
ブユニット会合領域、S4−S6領域、およびこれらの保存的に改変された改変
体からなる群より選択されたアミノ酸配列を含む免疫原に対して惹起された抗体
に結合するか、(4)配列番号2、配列番号18、サブユニット会合領域をコー
ドする核酸、S4−S6領域をコードする核酸、およびこれらの保存的に改変さ
れた改変体からなる群より選択された配列に、ストリンジェントなハイブリダイ
ゼーション条件下で特異的にハイブリダイズするか、または(5)配列番号3お
よび配列番号4、または配列番号5および配列番号6、または配列番号7および
配列番号8、または配列番号9および配列番号10からなるプライマーセットと
同じ配列に、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で特異的にハイ
ブリダイズするプライマーによって増幅される、多型改変体、対立遺伝子、変異
体および種間ホモログをいう。
【0049】 Kv6.2を含むチャンネルに影響を及ぼす化合物を試験するアッセイの文脈
中で句「機能的効果」は、そのチャンネルの影響下に間接的または直接的にある
任意のパラメータの決定を包含する。これには、イオン流および膜電位の変化が
含まれ、そして他の生理学的効果(例えば、転写またはホルモン放出の増加また
は減少)もまた含まれる。
【0050】 「機能的効果を決定する」とは、細胞機能および細胞膜機能に関して、細胞ま
たは細胞膜に対する、イオン流を増加または減少させる化合物の効果を試験する
ことをいう。イオン流は、チャンネルおよびそのアナログを通過する任意のイオ
ン(例えば、カリウム、ルビジウム、ナトリウム)であり得る。好ましくは、こ
の用語は、Kv6.2を含むチャンネルに対する化合物の機能的効果、例えば、
放射性同位体を含むイオン流、電流振幅、膜電位、電流量、転写、タンパク質結
合、リン酸化、脱リン酸化、セカンドメッセンジャー濃度(cAMP、cGMP
、Ca2+、IP3)および他の生理学的効果(例えば、ホルモンおよび神経伝達
物質の放出)の変化、ならびに電圧および電流の変化をいう。このような機能的
効果は、当業者に公知の任意の手段(例えば、パッチクランプ、電位感受性色素
、全細胞電流、放射性同位体流出、誘導性マーカーなど)によって測定され得る
【0051】 Kv6.2を含む電位依存性カリウムチャンネルの「インヒビター」、「アク
チベーター」または「モジュレーター」とは、Kv6.2チャンネル機能につい
てインビトロアッセイおよびインビボアッセイを使用して同定された阻害性また
は活性化の分子をいう。インヒビターは、チャンネルを減少、ブロック、阻止、
活性化遅延、不活化、脱感作、またはダウンレギュレートする化合物である。ア
クチベーターは、チャンネル活性を増加、開口、活性化、促通、活性化増強、感
作、またはアップレギュレートする化合物である。インヒビターおよびアクチベ
ーターについてのこのようなアッセイには、例えば、細胞または細胞膜中でKv
6.2を発現させ、次いでチャンネルを通るイオンの流れを測定し、そして分極
の変化(すなわち、電位)を決定することが含まれる。あるいは、内因性Kv6
.2チャンネルを発現する細胞が、このようなアッセイにおいて使用され得る。
阻害の程度を調べるため、Kv6.2チャンネルを含むサンプルまたはアッセイ
は、電位アクチベーターまたはインヒビターで処理され、そしてインヒビターを
含まないコントロールサンプルと比較される。コントロールサンプル(インヒビ
ターで処理されていない)を100%の相対的Kv6.2活性の値とする。Kv
6.2を含むチャンネルの阻害は、コントロールに対するKv6.2活性の値が
約90%、好ましくは50%、より好ましくは25〜0%である場合に達成され
る。Kv6.2を含むチャンネルの活性化は、コントロールに対するKv6.2
活性の値が110%、より好ましくは150%、最も好ましくは少なくとも20
0%〜500%高いかまたは1000%以上高い場合に達成される。
【0052】 「生物学的に活性な」Kv6.2とは、上記のように試験された電位依存性開
閉の特徴を有するカリウムチャンネルを形成する能力を有するKv6.2をいう
【0053】 用語「単離された」、「精製された」、または「生物学的に純粋な」とは、天
然の状態で見出されるような通常には伴われる成分を実質的または本質的に含ま
ない物質をいう。純度および同質性は、代表的には、ポリアクリルアミドゲル電
気泳動または高速液体クロマトグラフィーのような分析化学技術を使用して決定
される。調製物中に存在する優勢な種であるタンパク質は、実質的に精製されて
いる。詳細には、単離されたKv6.2核酸は、Kv6.2遺伝子に隣接しKv
6.2以外のタンパク質をコードするオープンリーディングフレームから分離さ
れている。用語「精製された」は、核酸またはタンパク質が電気泳動ゲルにおい
て本質的に1つのバンドを生じることを示す。特に、これは、その核酸またはタ
ンパク質が、少なくとも85%純粋、より好ましくは少なくとも95%純粋、そ
して最も好ましくは少なくとも99%純粋であることを意味する。
【0054】 「核酸」とは、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドおよびその
一本鎖または二本鎖形態のポリマーをいう。この用語は、公知のヌクレオチドア
ナログまたは改変された骨格残基もしくは連鎖を含む核酸を包含し、これらは、
合成であるもの、天然に存在するもの、および天然に存在しないものであり、参
照核酸と同様な結合特性を有し、そして参照ヌクレオチドと同様な様式で代謝さ
れる。このようなアナログの例としては、ホスホロチオエート、ホスホルアミデ
ート、メチルホスホネート、キラルメチルホスホネート、2−O−メチルリボヌ
クレオチド、ペプチド−核酸(PNA)が含まれるが、これらに限定されない。
【0055】 他に示されなければ、特定の核酸配列はまた、明示的に示された配列と同様に
、その保存的に改変された改変体(例えば、縮重コドン置換体)および相補配列
を暗黙に包含する。具体的には、縮重コドン置換体は、1またはそれ以上の選択
された(または、すべての)コドンの3番目の位置が混合塩基および/またはデ
オキシイノシン残基で置換された配列を作成することにより達成され得る(Ba
tzerら、Nucleic Acid Res.19:5081(1991)
;Ohtsukaら、J.Biol.Chem.260:2605−2608(
1985);Rossoliniら、Mol.Cell.Probes 8:9
1−98(1994))。用語核酸は、遺伝子、cDNA、mRNA、オリゴヌ
クレオチド、およびポリヌクレオチドと互換可能に使用される。
【0056】 特定の核酸配列はまた、「スプライス改変体」を暗黙に包含する。同様に、核
酸によりコードされた特定のタンパク質は、その核酸のスプライス改変体により
コードされる任意のタンパク質を暗黙に包含する。その名が示唆するように「ス
プライス改変体」は、遺伝子のオルタナティブスプライシングの産物である。転
写後、最初の核酸転写物は、異なる(別の)核酸スプライス産物が異なるポリペ
プチドをコードするようにスプライスされ得る。スプライス改変体の産生機構は
変化するが、エキソンのオルタナティブスプライシングを含む。読み過し転写に
より同じ核酸に由来する別のポリペプチドもまた、この定義に包含される。スプ
ライシング反応の任意の産物(組換え形態のスプライス産物を含む)がこの定義
に含まれる。カリウムチャンネルスプライス改変体の例は、Leicherら、
J.Biol.Chem.273(52):35095−35101(1998
)において議論される。
【0057】 用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基
のポリマーをいうために、本明細書中で互換可能に使用される。この用語は、天
然に存在するアミノ酸ポリマーおよび天然に存在しないアミノ酸ポリマーと同様
に、1またはそれ以上のアミノ酸残基が、対応する天然に存在するアミノ酸の人
工的化学模倣物であるアミノ酸ポリマーに適用される。
【0058】 用語「アミノ酸」とは、天然に存在するアミノ酸および合成アミノ酸、ならび
に天然に存在するアミノ酸と同様な様式で機能するアミノ酸アナログおよびアミ
ノ酸模倣物をいう。天然に存在するアミノ酸は、遺伝コードによりコードされる
アミノ酸、ならびにその後改変されるアミノ酸(例えば、ヒドロキシプロリン、
γ−カルボキシグルタメート、およびO−ホスホセリン)である。アミノ酸アナ
ログとは、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的化学構造(すなわち、水素、カ
ルボキシル基、アミノ基、およびR基に結合されたα炭素)を有する化合物(例
えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチル
スルホニウム)をいう。このようなアナログは、改変されたR基(例えば、ノル
ロイシン)または改変されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸
と同じ基本的化学構造を保持する。アミノ酸模倣物とは、アミノ酸の一般的な化
学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と同様な様式で機能
する化学化合物をいう。
【0059】 アミノ酸は、その一般に公知の3文字記号か、またはIUPAC−IUB B
iochemical Nomenclature Commissionによ
り推奨される1文字記号のいずれかにより、本明細書中で言及され得る。ヌクレ
オチドも同様に、一般に受け入れられた1文字コードにより言及され得る。
【0060】 「保存的に改変された改変体」は、アミノ酸配列および核酸配列の両方に適用
される。特定の核酸配列に関して、保存的に改変された改変体とは、同一のまた
は本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸をいい、核酸がアミノ酸配列を
コードしない場合には、本質的に同一な配列をいう。遺伝コードの縮重のため、
多数の機能的に同一な核酸が任意の所定のタンパク質をコードする。例えば、コ
ドンGCA、GCC、GCG、およびGCUはすべて、アミノ酸アラニンをコー
ドする。したがって、アラニンがコドンにより特定される全ての位置で、そのコ
ドンは、コードされたポリペプチドを変更することなく、記載された対応するコ
ドンの任意のものに変更され得る。このような核酸の変動は、保存的に改変され
た変異の1つの種である「サイレント変異」である。ポリペプチドをコードする
本明細書中のすべての核酸配列はまた、その核酸の可能なすべてのサイレント変
異を記載する。当業者は、核酸中の各コドン(通常メチオニンのための唯一のコ
ドンであるAUG、および通常トリプトファンのための唯一のコドンであるTG
Gを除く)が、機能的に同一な分子を産生するために改変され得ることを認識す
る。したがって、ポリペプチドをコードする核酸の各サイレント変異は、記載さ
れた各配列において暗黙に含まれる。
【0061】 アミノ酸配列に関して、当業者は、核酸、ペプチド、ポリペプチドまたはタン
パク質の配列に対する個々の置換、欠失、または付加(単一のアミノ酸またはコ
ードされる配列中の小さな割合のアミノ酸を変更、付加、または欠失する)が、
「保存的に改変された改変体」(ここでは、その変更がアミノ酸の化学的に同様
なアミノ酸での置換を生じる)であることを認識する。機能的に同様なアミノ酸
を提供する保存的置換表は、当該分野で周知である。このような保存的に改変さ
れた改変体は、本発明の多型改変体、種間ホモログ、および対立遺伝子に加えて
であり、これらを排除するものではない。
【0062】 以下の8群はそれぞれ、互いに保存的置換であるアミノ酸を含む: 1)アラニン(A)、グリシン(G); 2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E); 3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q); 4)アルギニン(R)、リジン(K); 5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V); 6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W); 7)セリン(S)、トレオニン(T);および 8)システイン(C)、メチオニン(M) (例えば、Creighton、Protein(1984)を参照)。
【0063】 高分子構造(例えば、ポリペプチド構造)は種々のレベルの構成に関して記述
され得る。この構成の一般的な議論については、例えば、Albertsら、M
olecular Biology of the Cell(第3版、199
4)、ならびに、CantorおよびSchimmel、Biophysica
l Chemistry Part I:The Conformation
of Biological Macromolecules(1980)を参
照。「一次構造」とは、特定のペプチドのアミノ酸配列をいう。「二次構造」と
は、ポリペプチド内の局所的に配置された3次元構造をいう。これらの構造はド
メインとして一般に公知である。ドメインは、ポリペプチドの緻密単位を形成し
、そして代表的には50〜350アミノ酸長であるそのポリペプチドの部分であ
る。代表的なドメインは、β−シートおよびα−ヘリックスの伸長部分(str
etch)のような、より構成的でないセクションから作られる。「三次構造」
とは、ポリペプチドモノマーの完全な3次元構造をいう。「四次構造」とは、独
立した三次単位の非共有的会合により形成される3次元構造をいう。異方性用語
はまた、エネルギー用語として公知である。
【0064】 「標識」は、分光光度手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、
または化学的手段により検出可能な組成物である。例えば、有用な標識には、32 P、蛍光色素、電子稠密試薬(electron−dense reagent
)、酵素(例えば、ELISAにおいて通常使用されるような)、ビオチン、ジ
ゴキシゲニン、またはハプテン、および抗血清またはモノクローナル抗体が利用
可能なタンパク質が含まれる(例えば、配列番号1のポリペプチドは、例えば、
このペプチド中に放射標識を組み込むことにより検出可能にされ得、そしてこの
ペプチドと特異的に反応性である抗体を検出するため使用され得る)。
【0065】 本明細書中で使用される場合、「核酸プローブまたはオリゴヌクレオチド」は
、1またはそれ以上の型の化学結合により、通常、通常は水素結合形成による相
補塩基対合により、相補配列の標的核酸に結合し得る核酸として定義される。本
明細書中で使用される場合、プローブは、天然の塩基(すなわち、A、G、Cも
しくはT)、または改変された塩基(7−デアザグアノシン、イノシンなど)を
含み得る。さらに、プローブ中の塩基は、ハイブリダイゼーションを妨げない限
り、ホスホジエステル結合以外の連結により結合され得る。したがって、例えば
、プローブは、構成成分の塩基が、ホスホジエステル結合よりむしろ、ペプチド
結合によって結合しているペプチド核酸であり得る。プローブが、ハイブリダイ
ゼーション条件のストリンジェンシーに依存して、プローブ配列との完全な相補
性を欠く標的配列に結合し得ることは、当業者により理解される。プローブは、
好ましくは、同位体、発色団、発光団、クロモゲンを用いてのように直接標識さ
れるか、またはストレプトアビジン複合体が後に結合し得るビオチンを用いての
ように間接的に標識される。プローブの存在または非存在についてアッセイする
ことにより、選択された配列またはサブ配列の存在または非存在が検出され得る
【0066】 「標識された核酸プローブまたはオリゴヌクレオチド」は、標識と、リンカー
または化学結合を介して共有的に、またはイオン結合、ファンデルワールス結合
、静電結合、または水素結合を介して非共有的に結合されており、その結果、こ
のプローブの存在が、そのプローブに結合した標識の存在を検出することによっ
て検出され得る、核酸プローブまたはオリゴヌクレオチドである。
【0067】 例えば、細胞、あるいは核酸、タンパク質、またはベクターに関して使用する
場合、用語「組換え」は、細胞、核酸、タンパク質、またはベクターが異種核酸
またはタンパク質の導入またはネイティブな核酸もしくはタンパク質の変更によ
り改変されていること、あるいは細胞がそのように改変された細胞に由来するこ
とを示す。したがって、例えば、組換え細胞は、ネイティブな(非組換え)形態
の細胞内には見出されない遺伝子を発現するか、またはそうでなければ異常に発
現されるか、過少に発現されているか、または全く発現されていないネイティブ
な遺伝子を発現する。
【0068】 「プロモーター」は、核酸の翻訳を指揮する一連の核酸制御配列として定義さ
れる。本明細書中で使用される場合、プロモーターは、転写開始部位に近い必要
な核酸配列(例えば、ポリメラーゼII型プロモーターの場合、TATAエレメ
ント)を含む。プロモーターはまた、必要に応じて、遠位のエンハンサーまたは
リプレッサーエレメントを含む。これらは、転写開始部位から数千塩基対程度に
位置し得る。「構成的」プロモーターは、ほとんどの環境および発達条件下で活
性なプロモーターである。「誘導性」プロモーターは、環境または発達の調節下
で活性なプロモーターである。用語「作動可能に連結された」とは、核酸発現制
御配列(例えば、プロモーター、または転写因子結合部位のアレイ)と第2の核
酸配列との間の機能的な連結をいう。ここで、発現制御配列は、第2の配列に対
応する核酸の転写を指揮する。
【0069】 核酸の部分に関して使用される場合、用語「異種」は、その核酸が、天然には
互いに同じ関係では見出されない2またはそれ以上のサブ配列を含むことを示す
。例えば、新たな機能的な核酸を作製するために配置された、関連しない遺伝子
からの2またはそれ以上の配列(例えば、ある供給源由来のプロモーターおよび
別の供給源由来のコード領域)を有する核酸は、代表的には、組換え的に産生さ
れる。同様に、異種タンパク質は、そのタンパク質が、天然には互いに同じ関係
では見出されない2またはそれ以上のサブ配列を含むことを示す(例えば、融合
タンパク質)。
【0070】 「発現ベクター」は、宿主細胞において特定の核酸の転写を可能にする一連の
特定された核酸エレメントを有する、組換え的または合成的に作製された核酸構
築物である。発現ベクターは、プラスミド、ウイルス、または核酸フラグメント
の部分であり得る。代表的には、発現ベクターは、プロモーターに作動可能に連
結された、転写されるべき核酸を含む。
【0071】 2またはそれ以上の核酸配列またはポリペプチド配列の文脈で、用語「同一な
」または%「同一性」とは、以下の配列比較アルゴリズムの1つを使用して測定
するか、もしくは手作業の整列および視覚的調査により測定されるような、比較
ウィンドウまたは指定された領域にわたる最大の対応性について比較および整列
させる場合、同じであるか、または特定された割合の同じアミノ酸残基またはヌ
クレオチド(すなわち、Kv6.2サブユニット会合領域またはS4−S6領域
のような特定された領域にわたって、70%同一、好ましくは75%、80%、
85%、90%、または95%同一)を有する2またはそれ以上の配列もしくは
サブ配列をいう。次いで、このような配列は、「実質的に同一」であるといわれ
る。この定義はまた試験配列の相補体をいう。同一性は、長さが、好ましくは少
なくとも約25のアミノ酸もしくはヌクレオチドである領域にわたって、または
より好ましくは50〜100アミノ酸もしくはヌクレオチドである領域にわたっ
て存在する。
【0072】 配列比較のために、代表的には、1つの配列は参照配列として働き、これに対
して試験配列が比較される。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験および
参照配列が、コンピュータに入力され、(必要であれば)配列座標が指定され、
そして配列アルゴリズムプログラムパラメータが指定される。初期設定のプログ
ラムパラメータが使用され得る。あるいは、別のパラメータが指定され得る。次
いで、配列比較アルゴリズムが、プログラムパラメータに基いて、参照配列に対
する試験配列の%配列同一性を算出する。
【0073】 本明細書中で使用される場合、「比較ウィンドウ」は、20〜600、通常約
50〜約200、より通常には約100〜約150からなる群より選択される連
続位置数のうちのいずれか1つの数のセグメントへの言及を含む。ここで、この
2つの配列が最適に整列された後、配列は、同じ数の連続位置の参照配列と比較
され得る。比較のための配列整列方法は、当該分野において周知である。比較の
ための配列の最適な整列は、例えば、SmithおよびWaterman、Ad
v.Appl.Math.2:482(1981)の局所相同性アルゴリズム、
NeedlemanおよびWunsch、J.Mol.Biol.48:443
(1970)の相同性整列アルゴリズム、PearsonおよびLipman、
Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444(1988
)の類似性のための検索法、これらのアルゴリズムのコンピュータ化した手段(
instrumentation)(Wisconsin Genetics
Software Package(Genetics Computer G
roup,575 Science Dr.Madison,WI)中のGAP
、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)、または手作業の整列お
よび視覚調査(例えば、Current Protocols in Mole
cular Biology(Ausubelら編、1995補遺))により実
行され得る。
【0074】 有用なアルゴリズムの1例はPILEUPである。PILEUPは、関係およ
び%配列同一性を示すために、順送り対合型整列を使用して、関連する配列の群
からの複数の配列整列を作成する。これはまた、整列を作成するために使用され
たクラスター化関係を示すツリーまたはデンドグラム(dendogram)を
プロットする。PILEUPはFengおよびDoolittle、J.Mol
.Evol.35:351−360(1987)の順送り整列法の単純法を使用
する。使用された方法は、HigginsおよびSharp、CABIOS 5
:151−153(1989)により記載される方法に類似する。プログラムは
、それぞれ最大長5000ヌクレオチドまたはアミノ酸の300配列までを整列
し得る。複数整列手順は、2つの最も類似する配列の対合型整列から始め、2つ
の整列させた配列のクラスターを作成する。次いで、このクラスターは、次に最
も関連する配列または整列された配列のクラスターと整列される。配列の2つの
クラスターは、2つの個々の配列の対合型整列の単純な拡張によって整列される
。最終的な整列は、一連の順送り対合型整列により達成される。プログラムは、
特定の配列およびそのアミノ酸またはヌクレオチドの配列の比較領域の座標を指
定し、そしてプログラムパラメータを指定することによって実行される。PIL
EUUPを使用して、参照配列は、以下のパラメータを使用して%配列同一性関
係を決定するために、他の試験配列と比較される:初期設定のギャップ重み(3
.00)、初期設定のギャップ長重み(0.10)、および重み付け末端ギャッ
プ。PILEUPは、GCG配列分析ソフトウエアパッケージ、例えば、バージ
ョン7.0(Devereauxら、Nuc.Acids Res.12:38
7−395(1984))から入手され得る。
【0075】 %配列同一性および配列類似性を決定するために適切なアルゴリズムの別の例
は、BLASTおよびBLAST2.0アルゴリズムである。これらは、それぞ
れ、Altschulら、Nuc.Acids Res.25:3389−34
02(1977)およびAltschulら、J.Mol.Biol.215:
403−410(1990)に記載される。BLAST分析を実施するためのソ
フトウエアは、National Center for Biotechno
logy Information(http://www.ncbi.nlm
.nih.gov/)を通じて公に入手可能である。このアルゴリズムは、まず
、質問配列において長さWの短いワードを同定することによって高得点の配列ペ
ア(HSP)を同定することを含む。この短いワードは、データベース配列中の
同じ長さのワードと整列される場合、いくらか正の値の閾値得点Tと適合するか
またはこれを満足する。Tは、隣接ワード得点閾値と呼ばれる(Altschu
lら、前出)。これらの初期隣接ワードヒットは、それらを含むより長いHSP
を見出すための検索を開始するためのシードとして働く。ワードヒットは、累積
整列得点が増加し得る限り、各配列に沿う両方向に伸長される。累積得点は、ヌ
クレオチド配列については、パラメータM(適合残基のペアについての報酬得点
;常に>0)およびN(不適合残基についての罰則得点;常に<0)を使用して
算出する。アミノ酸配列については、得点付け行列を使用して、累積得点を算出
する。それぞれの方向でのワードヒットの伸長は、累積整列得点が、最大達成値
から量X低下した場合、累積得点が、1またはそれ以上の負得点残基整列の蓄積
のために、0またはそれ以下になった場合、またはいずれかの配列の末端に到達
した場合、停止される。BLASTアルゴリズムのパラメータW、T、およびX
は、整列の感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド
配列用)は、初期設定として、ワード長(W)11、期待値(E)10、M=5
、N=−4および両鎖の比較を使用する。アミノ酸配列のためには、BLAST
Pプログラムは、初期設定として、ワード長3、および期待値(E)10、およ
びBLOSUM62得点付け行列(HenikoffおよびHenikoff、
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915(1989
)を参照)整列(B)50、期待値(E)10、M=5、N=−4および両鎖の
比較を使用する。
【0076】 BLASTアルゴリズムもまた、2つの配列間の類似性の統計学的分析を行う
(例えば、KarlinおよびAltschul、Proc.Nat’l.Ac
ad.Sci.USA 90:5873−5787(1993)を参照のこと)
。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの尺度は、最少合計
確率(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列
間の適合が偶然に生じる確率の指標を提供する。例えば、核酸は、試験核酸の参
照核酸に対する最少合計確率が約0.2未満である場合、より好ましくは約0.
01未満である場合、そして最も好ましくは約0.001未満である場合、参照
配列に類似するとみなされる。
【0077】 2つの核酸配列またはポリペプチドが実質的に同一であるとの指標は、以下に
記載のように、第一の核酸によりコードされたポリペプチドが、第二の核酸によ
りコードされたポリペプチドに対して惹起された抗体と免疫学的に交差反応性で
あることである。従って、ポリペプチドは、代表的には、例えば、2つのペプチ
ドが保存的置換によってのみ異なる場合、第二のポリペプチドと実質的に同一で
ある。2つの核酸配列が実質的に同一であるとの別の指標は、以下に記載のよう
に、2つの分子またはそれらの相補体が、ストリンジェントな条件下で互いにハ
イブリダイズすることである。2つの核酸配列が実質的に同一であるとのなお別
の指標は、同じプライマーが配列を増幅するために使用され得ることである。
【0078】 句「〜に選択的に(または特異的に)ハイブリダイズする」とは、分子が、特
定のヌクレオチド配列のみに、その配列が複雑な混合物(例えば、全細胞または
ライブラリーDNAまたはRNA)中に存在する場合に、ストリンジェントなハ
イブリダイゼーション条件下で、結合、二重鎖形成、またはハイブリダイズする
ことをいう。
【0079】 句「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、プローブが、そ
の標的部分配列(代表的には、核酸の複雑な混合物中にある)にハイブリダイズ
するが、他の配列にはハイブリダイズしない条件をいう。ストリンジェントな条
件は、配列依存性であり、そして異なる環境では異なる。より長い配列は、より
高い温度で特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションに対す
る十分な指針は、Tijsen、Techniques in Biochem
istry and Molecular Biology−−Hybridi
zation with Nucleic Probes、「Overview
of principles of hybridization and
the strategy of nucleic acid assays」
(1993)において見出される。一般に、ストリンジェントな条件は、規定の
イオン強度pHでの特定の配列についての熱融点(Tm)より約5〜10℃低い
ように選択される。Tmは、標的に対して相補的なプローブの50%が平衡状態
で標的配列にハイブリダイズする温度(規定のイオン強度、pH、および核濃度
(nucleic concentration)下で)である(標的配列がT m で、過剰に存在するので、これらプローブの50%が平衡状態で占められる)
。ストリンジェントな条件は、塩濃度が、pH7.0〜8.3で約1.0Mナト
リウムイオン未満、代表的には約0.01〜1.0Mナトリウムイオン濃度(ま
たは他の塩)であり、そして温度が、短いプローブ(例えば、10〜50ヌクレ
オチド)については少なくとも約30℃であり、そして長いプローブ(例えば、
50ヌクレオチドより大きい)については少なくとも約60℃である条件である
。ストリンジェントな条件はまた、ホルムアミドのような脱安定剤の添加によっ
て達成され得る。高ストリンジェンシーハイブリダイゼーションのために、ポジ
ティブなシグナルは、バックグラウンドの少なくとも2倍であり、好ましくはバ
ックグラウンドハイブリダイゼーションの少なくとも10倍である。例示の高ス
トリンジェンシーまたはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、以
下を含む:50%ホルムアミド、5×SSC、および1%SDSで42℃でイン
キュベートまたは5×SSCおよび1%SDSで65℃でインキュベートし、0
.2×SSCおよび0.1%SDSで65℃での洗浄を伴う。
【0080】 ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズしない核酸は、それらがコ
ードするポリペプチドが実質的に同一である場合、なお実質的に同一である。こ
れは、例えば、核酸のコピーが、遺伝コードによって許容される最大コドン縮重
を用いて作製された場合、生じる。このような場合、核酸は、代表的には、中程
度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする。
例示の「中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、37
℃での40%ホルムアミド、1M NaCl、1%SDSの緩衝液でのハイブリ
ダイゼーションおよび45℃での1×SSCでの洗浄を含む。ポジティブなハイ
ブリダイゼーションは、バックグラウンドの少なくとも2倍である。当業者は、
代替的なハイブリダイゼーション条件および洗浄条件が同様のストリンジェンシ
ーの条件を提供するために利用され得ることを、容易に認識する。
【0081】 「抗体」は、免疫グロブリン遺伝子由来のフレームワーク領域またはそのフラ
グメントを含むポリペプチドをいい、これは、抗原を特異的に結合し、そして認
識する。認識された免疫グロブリン遺伝子は、κ、λ、α、γ、δ、ε、および
μ定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子を含む。軽鎖
は、κまたはλのいずれかとして分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ、または
εとして分類される。これは、順に、それぞれ免疫グロブリンクラスIgG、I
gM、IgA、IgD、およびIgEを規定する。
【0082】 例示の免疫グロブリン(抗体)構造単位は、テトラマーを含む。各テトラマー
は、2つの同一のポリペプチド鎖対で構成される。各対は、1つの「軽」(約2
5kDa)および1つの「重」(約50〜70kDa)を有する。各鎖のN末端
は、抗原認識を主として担う、約100〜110またはそれ以上のアミノ酸の可
変領域を規定する。用語可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)は、それぞれ、
これらの軽鎖および重鎖をいう。
【0083】 抗体は、例えば、インタクトな免疫グロブリンとして、または種々のペプチダ
ーゼによる消化によって生成された多数の十分に特徴付けられたフラグメントと
して存在する。従って、例えば、ペプシンは、ヒンジ領域中のジスルフィド結合
の下で抗体を消化し、F(ab)’2を生成する。これは、Fabのダイマーで
あり、それ自体、ジスルフィド結合によってVH−CH1に接続された軽鎖である
。F(ab)’2は、温和な条件下で還元されて、ヒンジ領域中のジスルフィド
結合を破壊し得、それによりF(ab)’2 ダイマーをFab’モノマーに変換
し得る。Fab’モノマーは、本質的には、ヒンジ領域の部分を伴うFabであ
る(Fundamental Immunology(Paul編、第3版、1
993を参照のこと)。種々の抗体フラグメントは、インタクトな抗体の消化に
よって規定されるが、当業者は、このようなフラグメントが、化学的に、または
組換えDNA方法論を用いることのいずれかにより、新規に合成され得ることを
理解する。従って、用語抗体は、本明細書中で使用されるように、また、完全抗
体の改変により生成された抗体フラグメント、または組換えDNA方法論を用い
て新規に合成される抗体フラグメント(例えば、単鎖Fv)、またはファージ提
示ライブラリー(例えば、McCaffertyら、Nature 48:55
2−554(1990)を参照のこと)を用いて同定された抗体フラグメントを
包含する。
【0084】 モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体の調製について、当該分野で公
知の任意の技術が使用され得る(例えば、KohlerおよびMilstein
、Nature 256:495−497(1975);Kozborら、Im
munology Today 4:72(1983);Coleら、77〜9
6頁、Monoclonal Antibodies and Cancer
Therapy、Alan R.Liss、Inc.(1985)を参照のこと
)。単鎖抗体の生成のための技術(米国特許第4,946,778号)が、本発
明のポリペプチドに対する抗体を生成するように適合され得る。また、トランス
ジェニックマウス、または他の生物(例えば、他の哺乳動物)が、ヒト化抗体を
発現させるために使用され得る。あるいは、ファージ提示技術が、選択された抗
原に対して特異的に結合する抗体およびヘテロマーFabフラグメントを同定す
るために使用され得る(例えば、McCaffertyら、Nature 34
8:552−554(1990);Marksら、Biotechnology
10:779−783(1992)を参照のこと)。
【0085】 「抗Kv6.2」抗体は、Kv6.2遺伝子、cDNA、またはそれらの部分
配列によってコードされるポリペプチドに特異的に結合する抗体または抗体フラ
グメントをいう。
【0086】 「キメラ抗体」は、(a)定常領域またはその一部が、抗原結合部位(可変領
域)が、異なるもしくは変更したクラスの定常領域、エフェクター機能および/
または種、またはキメラ抗体に新規な特性を付与する完全に異なる分子(例えば
、酵素、毒素、ホルモン、成長因子、薬物など)に連結されるように変更した、
置換された、または交換された抗体分子であるか;あるいは(b)可変領域また
はその一部が異なるもしくは変更した抗原特異性を有する可変領域と変更した、
置換された、または交換された抗体分子である。
【0087】 用語「免疫アッセイ」は、抗原に特異的に結合する抗体を使用するアッセイで
ある。免疫アッセイは、抗原を単離、標的、および/または定量するために、特
定の抗体の特異的結合特性の使用によって特徴付けられる。
【0088】 抗体に対して「特異的に(または選択的に)結合する」または「特異的に(ま
たは選択的に)免疫反応性の」(タンパク質またはペプチドをいう場合)との句
は、タンパク質および他の生物分子の不均質集団におけるタンパク質の存在を決
定付ける結合反応を言う。従って、称された免疫アッセイ条件下では、特異化さ
れた抗体は、バックグラウンドの少なくとも2倍で特定のタンパク質に結合し、
有意な量で、サンプル中に存在する他のタンパク質に実質的に結合しない。この
ような条件下での抗体に対する特異的結合は、特定のタンパク質に対するその特
異性について選択された抗体を必要とし得る。例えば、Kv6.2(配列番号1
または配列番号17の配列を有する、配列番号2または配列番号18によってコ
ードされる)、スプライス改変体、またはその一部に対して惹起されたポリクロ
ーナル抗体は、Kv6.2と特異的に免疫反応性であって、他のタンパク質(K
v6.2の多型改変体、オーソログ、および対立遺伝子を除く)とはそうでない
ポリクローナル抗体のみを得るために選択され得る。この選択は、Kv6.1(
他のKv6.2オーソログ)のような分子と、および他のKv6ファミリーメン
バーまたは他のKvスーパーファミリーメンバーと交差反応性の抗体を引き算し
て除くことにより達成され得る。種々の免疫アッセイ形式が、特定のタンパク質
と特異的に免疫反応性の抗体を選択するために使用され得る。例えば、固相EL
ISA免疫アッセイが、タンパク質と特異的に免疫反応性の抗体を選択するため
に慣用的に使用され得る(例えば、免疫アッセイ形式および特異的免疫反応性を
決定するために使用され得る条件の説明について、HarlowおよびLane
、Antibodies、A Laboratory Manual(1988
)を参照のこと)。代表的には、特異的または選択的反応は、バックグラウンド
シグナルまたはノイズの少なくとも2倍であること、およびより代表的には、バ
ックグラウンドの10〜100倍より大きい。
【0089】 句「〜と選択的に会合する」とは、核酸が上記のように別のものと「選択的に
ハイブリダイズする」ことが可能なこと、または抗体が上記のようにタンパク質
に「選択的に(または特異的に)結合する」ことが可能なことをいう。
【0090】 「宿主細胞」とは、発現ベクターを含み、かつ発現ベクターの複製または発現
を支持する細胞を意味する。宿主細胞は、原核生物細胞(例えば、E.coli
)または真核生物細胞(例えば、酵母細胞、昆虫細胞、両生類細胞、もしくは哺
乳動物細胞(例えば、CHO、HeLaなど)であり得、例えば、培養細胞、外
植片、およびインビボでの細胞であり得る。
【0091】 本明細書中で使用される「生物学的サンプル」とは、Kv6.2またはKv6
.2タンパク質をコードする核酸を含む生物学的組織または流体のサンプルであ
る。このようなサンプルは、ヒトから単離された組織を包含するが、これらに限
定されない。生物学的サンプルはまた、組織の切片(例えば、組織学的目的で採
取した凍結切片)を包含し得る。生物学的サンプルは、真核生物、好ましくは、
真核生物(例えば、真菌、植物、昆虫、原生動物、鳥類、魚類、爬虫類)、およ
び好ましくは、哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウシ、イヌ、モルモット、
もしくはウサギ)、および最も好ましくは、霊長類(例えばチンパンジーまたは
ヒト)から代表的に得られる。
【0092】 (III.Kv6.2をコードする遺伝子の単離) (A.一般的な組換えDNA方法) 本発明は、組換え遺伝子の分野における慣用的技術に依存する。本発明におけ
る一般的な使用方法を開示する基本的なテキストとしては、Sambrookら
、Molecular Cloning、A Laboratory Manu
al(第2版、1989);Kriegler、Gene Transfer
and Expression:A Laboratory Manual(1
990);およびCurrent Protocols in Molecul
ar Biology(Ausubelら編、1994)が挙げられる。
【0093】 核酸について、サイズは、キロベース(kb)または塩基対(bp)のいずれ
かで与えられる。これらは、アガロースゲルまたはアクリルアミドゲルの電気泳
動由来、配列決定した核酸由来、または公開されたDNA配列由来の概算値であ
る。タンパク質について、サイズは、キロダルトン(kDa)またはアミノ酸残
基数で与えられる。タンパク質のサイズは、ゲル電気泳動から、配列決定された
タンパク質から、アミノ酸配列由来、または公開されたタンパク質配列から見積
もられる。
【0094】 市販されていないオリゴヌクレオチドは、Van Devanterら、Nu
cleic Acids Res.12:6159〜6168(1984)に記
載されるように、自動合成機を用いた固相ホスホルアミダイトトリエステル方法
(これは、BeaucageおよびCaruthers、Tetrahedro
n Letts.22:1859〜1862(1981)に最初に記載される)
に従って化学的に合成され得る。オリゴヌクレオチドの精製は、Pearson
およびReanier,J.Chrom.255:137〜149(1983)
に記載されるように、未変性アクリルアミドゲル電気泳動またはアニオン性交換
HPLCのいずれかによる。
【0095】 クローン化遺伝子および合成オリゴヌクレオチドの配列は、例えば、Wall
aceら、Gene 16:21〜26(1981)の二本鎖の鋳型を配列決定
するために、クローニングのあと鎖終結方法を用いて確認され得る。
【0096】 (B.Kv6.2をコードするヌクレオチド配列の単離のためのクローニング
方法) 一般的に、Kv6.2をコードする核酸配列および関連する核酸配列ホモログ
は、cDNAおよびゲノムDNAライブラリーからクローン化されるか、または
オリゴヌクレオチドプライマーを用いる増幅技術を用いて単離される。例えば、
Kv6.2配列は、代表的には、核酸プローブまたはポリヌクレオチドと配列番
号2または配列番号18に由来し得る配列をハイブリダイズすることによりヒト
核酸(ゲノムまたはcDNA)ライブラリーから単離され、好ましくはサブユニ
ット会合領域またはS4〜S6領域をコードする領域から単離される。Kv6.
2のRNAおよびcDNAが単離され得る適切な組織は、全脳のような脳組織で
ある。
【0097】 プライマーを用いた増幅技術をまた使用して、DNAまたはRNAからKv6
.2を増幅および単離し得る。以下のプライマーをまた使用して、Kv6.2の
配列を増幅し得る:
【0098】
【化3】
【0099】 これらのプライマーを使用して、例えば、全長配列または百〜数百のヌクレオ
チドのプローブのいずれかを増幅し得る。次いで、これを用いて全長Kv6.2
のためのヒトライブラリーをスクリーニングする。
【0100】 Kv6.2をコードする核酸はまた、プローブとして抗体を用いて発現ライブ
ラリーから単離され得る。そのようなポリクローナル抗体またはモノクローナル
抗体は、配列番号1、配列番号17、またはそれらの免疫原性部分の配列を用い
て惹起され得る。
【0101】 Kv6.2のサブユニット会合領域またはS4〜S6領域に実質的に同一であ
るKv6.2多型改変体、オーソログおよび対立遺伝子は、Kv6.2核酸プロ
ーブおよびオリゴヌクレオチドをストリンジェントなハイブリダイゼーション条
件下で用いて、ライブラリーをスクリーニングすることにより単離され得る。あ
るいは、発現ライブラリーを用いて、Kv6.2およびKv6.2多型改変体、
オーソログ、ならびに対立遺伝子を、抗血清またはKv6.2もしくはその一部
(例えば、Kv6.2のサブユニット会合領域またはS4〜S6領域)に対して
産生される精製された抗体(これらはまた、Kv6.2ホモログを認識しそして
選択的に結合する)を用いて免疫学的に、発現されたホモログを検出することに
よって、クローン化し得る。
【0102】 cDNAライブラリーを作製するために、Kv6.2 mRNAが豊富な供給
源(例えば、全脳のような組織)を選択するべきである。次いで、mRNAは逆
転写酵素を用いてcDNAになり、組換えベクター中に連結されて、そして増殖
、スクリーニングおよびクローニングのための組換え宿主中にトランスフェクト
される。cDNAライブラリーの作製方法およびスクリーニング方法は周知であ
る(例えば、GublerおよびHoffman、Gene 25:263〜2
69(1983);Sambrookら、前出;Ausubelら、前出を参照
のこと)。
【0103】 ゲノムライブラリーについて、DNAは、組織から抽出され、そして機械的に
剪断されるかまたは酵素的に消化されるかのいずれかにより、約12〜20kb
のフラグメントを生じる。次いで、フラグメントは、勾配遠心分離により望まし
くないサイズから分離され、そしてバクテリオファージλベクター中で構築され
る。これらのベクターおよびファージは、インビトロでパッケージされる。組換
えファージは、BentonおよびDavis、Science 196:18
0〜182(1977)に記載されるようなプラークハイブリダイゼーションに
より分析される。コロニーのハイブリダイゼーションは、Grunsteinら
、Proc.Acad.Sci.USA.、72:3961〜3965(197
5)において一般的に記載されるように実行される。
【0104】 Kv6.2核酸およびそのホモログを単離する代替的方法は、合成オリゴヌク
レオチドプライマーの使用とRNAまたはDNAの鋳型の増幅を組み合わせる(
米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号;PCR P
rotocols:A Guide to Methods and Appl
ications(Innisら編、1990)を参照のこと)。ポリメラーゼ
連鎖反応(PCR)およびリガーゼ連鎖反応(LCR)のような方法を用いて、
mRNAから、cDNAから、ゲノムライブラリーから、またはcDNAライブ
ラリーから直接Kv6.2の核酸配列を増幅し得る。縮重オリゴヌクレオチドは
、本明細書で提供される配列を用いてKv6.2ホモログを増幅するために設計
され得る。制限エンドヌクレアーゼ部位は、そのプライマー中に組込まれ得る。
ポリメラーゼ連鎖反応または他のインビトロでの増幅方法はまた、例えば、発現
されるべきタンパク質をコードする核酸配列をクローン化するため、生理学的サ
ンプル中のKv6.2コード化mRNAの存在を検出するためのプローブとして
使用するための核酸を作製するため、核酸配列決定のため、あるいは他の目的の
ために有用であり得る。PCR反応により増幅された遺伝子は、アガロースゲル
から精製され得、そして適切なベクター中へクローン化され得る。
【0105】 Kv6.2の遺伝子発現はまた、当該分野における公知の技術(例えば、mR
NAの逆転写および増幅、総RNAもしくはポリA+RNAの単離、ノーザンブ
ロッティング、ドットブロッティング、インサイチュハイブリダイゼーション、
RNase保護、高密度ポリヌクレオチドアレイ技術など)により分析され得る
【0106】 合成オリゴヌクレオチドを用いて、プローブとして使用するため、またはタン
パク質の発現のために組換えKv6.2遺伝子を構築し得る。この方法は、通常
40〜120bpの長さの一連の重複オリゴヌクレオチド(これは、遺伝子のセ
ンス鎖および非センス鎖の両方を提示する)を用いて実施される。次いで、これ
らのDNAフラグメントは、アニールされ、連結され、そしてクローン化される
。あるいは、増幅技術を正確なプライマーとともに用いて、Kv6.2遺伝子の
特定の部分配列を増幅し得る。次いで、この特定の部分配列は、発現ベクター中
へ連結される。
【0107】 Kv6.2についての遺伝子は、代表的には、複製および/または発現のため
に、原核生物細胞または真核生物細胞中への形質転換前に中間のベクターにクロ
ーン化される。これらの中間ベクターは、代表的には原核生物ベクター(例えば
、プラスミド)か、またはシャトルベクターである。
【0108】 (C.原核生物および真核生物における発現) クローン化遺伝子(例えば、Kv6.2をコードするcDNA)の高レベルの
発現を得るために、代表的には、Kv6.2を発現ベクター中にサブクローニン
グする。この発現ベクターは、転写を指向する強力なプロモーター、転写/翻訳
ターミネーター、およびタンパク質をコードする核酸のための場合の、翻訳開始
のためのリボソーム結合部位を含む。適切な細菌性プロモーターは当該分野にお
いて周知であり、そして例えばSambrookら、およびAusubelら(
前出)において記載される。Kv6.2タンパク質を発現するための細菌性発現
系は、例えば、E.coli、Bacillus sp.およびSalmone
llaにおいて利用可能である(Palvaら、Gene 22:229〜23
5(1983);Mosbachら、Nature 302:543〜545(
1983))。そのような発現系についてのキットは、市販されている。哺乳動
物細胞、酵母細胞、および昆虫細胞についての真核生物発現系は、当該分野にお
いて周知であり、そして市販されてもいる。
【0109】 異種核酸の発現を指向するために使用されるプロモーターの選択は、特定の適
用に依存する。このプロモーターは、好ましくは、異種の転写開始部位からの、
その天然の設定での転写開始部位からとほぼ同じ距離に位置する。しかし、当該
分野において公知であるように、この距離におけるいくつかの変動が、プロモー
ターの機能の損失なしに順応され得る。
【0110】 プロモーターに加えて、発現ベクターは、代表的には、転写ユニットまたは宿
主細胞におけるKv6.2コード核酸の発現に必要なさらなるエレメントの全て
を含む発現カセットを含む。従って、代表的な発現カセットは、Kv6.2およ
び転写の効率的なポリアデニル化に必要なシグナルをコードする核酸配列に作動
可能に連結されるプロモーター、リボソーム結合部位および翻訳終止を含む。こ
のカセットのさらなるエレメントとしては、エンハンサー、ならびにゲノムDN
Aが構造遺伝子として使用される場合、機能的スプライスドナーおよびアクセプ
ター部位を有するイントロンが含まれ得る。
【0111】 プロモーター配列に加えて、発現カセットはまた、効率的な終結を提供するた
めに構造遺伝子の下流に転写終結領域を含むべきである、この終結領域は、プロ
モーター配列と同じ遺伝子から得られ得るか、または異なる遺伝子から得られ得
る。
【0112】 遺伝情報を細胞中へ輸送するために使用される特定の発現ベクターは、特に重
要ではない。真核生物細胞または原核生物細胞中での発現に使用される任意の従
来のベクターが使用され得る。標準的な細菌性発現ベクターには、pBR322
に基づくプラスミド、pSKF、pET23Dのようなプラスミド、およびGS
TおよびLacZのような融合発現系が挙げられる。エピトープタグはまたは、
従来の単離方法(例えば、c−myc)を提供するために組換えタンパク質に付
加され得る。
【0113】 真核生物ウイルス由来の調節エレメントを含む発現ベクターは、代表的には、
真核生物発現ベクター(例えば、SV40ベクター、パピローマウイルスベクタ
ー、およびエプスタイン−バーウイルス由来のベクター)において使用される。
他の例証的な真核生物ベクターとしては、pMSG、pAV009/A+、pM
TO10/A+、pMAMneo−5、バキュロウイルスpDSVE、および以
下のプロモーターの指向下でタンパク質の発現が可能である任意の他のベクター
が挙げられる:CMVプロモーター、SV40初期プロモーター、SV40後期
プロモーター、メタロチオネインプロモーター、マウス乳癌ウイルスプロモータ
ー、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ポリヘドリンプロモーター、または真核
生物細胞における発現に有効な他のプロモーター。
【0114】 いくつかの発現系は、チミジンキナーゼおよびジヒドロ葉酸還元酵素のような
遺伝子増幅を提供するマーカーを有する。あるいは、ポリヘドリンプロモーター
または他の強力なバキュロウイルスプロモーターの指向下で、Kv6.2コード
配列と共に昆虫細胞中のバキュロウイルスベクターを用いるような、遺伝子増幅
を包含しない高収量発現系もまた、適切である。
【0115】 代表的に発現ベクター中に含まれるエレメントはまた、E.coliにおいて
機能するレプリコン、組換えプラスミドを保有する細菌の選択を可能にする抗生
物質耐性をコードする遺伝子、および真核生物の配列の挿入を可能にするプラス
ドの非必須領域における固有の制限部位を含む。選択される特定の抗生物質耐性
遺伝子は重要でなく、当該分野で公知の多くの任意の耐性遺伝子が適切である。
原核生物の配列は、好ましくは、必要な場合、真核生物細胞中でのDNAの複製
を干渉しないように選択される。
【0116】 標準的なトランスフェクション方法を用いて、多量のKv6.2タンパク質を
発現する細菌細胞株、哺乳動物細胞株、酵母細胞株または昆虫細胞株を産生する
。次いで、これを標準的な方法を用いて精製する(例えば、Colleyら、J
.Biol.Chem.264:17619〜17622(1989);Gui
de to Protein Purification、in Method
s in Enzymology、第182巻(Deutscher編、199
0)を参照のこと)。真核生物細胞および原核生物細胞の形質転換は、標準的技
術に従って、実施される(例えば、Morrison、J.Bact.132:
349〜351(1977);Clark−CurtissおよびCurtis
s、Methods in Enzymology 101:347〜362(
Wuら編、1983)を参照のこと)。
【0117】 外来ヌクレオチド配列を宿主細胞中へ導入するための任意の周知の手順が使用
され得る。これらには、リン酸カルシウムトランスフェクションの使用、ポリブ
レン、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソーム、マイクロイ
ンジェクション、プラズマベクター、ウイルスベクターおよびクローン化ゲノム
DNA、cDNA、合成DNAまたは他の外来遺伝物質を宿主細胞へ導入するた
めの他の周知の方法のいずれかが、挙げられる(例えば、Sambrookら、
前出を参照のこと)。用いる特定の遺伝子操作手順が、少なくとも1つの遺伝子
を、Kv6.2を発現し得る宿主細胞中へ首尾良く導入し得る用いられることの
みを必要とする。
【0118】 発現ベクターが細胞中に導入された後、トランスフェクトされた細胞は、Kv
6.2の発現を好む条件下で培養され、これは、以下に同定した標準的な方法を
用いて培養物から回収される。
【0119】 (IV.Kv6.2ポリペプチドの精製) 天然に存在するか、または組換えのいずれかのKv6.2は、機能的アッセイ
における使用のために精製され得る。天然に存在するKv6.2モノマーは、例
えば、全脳のようなヒト組織、およびKv6.2ホモログの任意の他の供給源か
ら精製され得る。組換えKv6.2モノマーは、任意の適切な発現系から精製さ
れ得る。
【0120】 Kv6.2モノマーは、標準的な技術(硫酸アンモニウムのような物質を用い
る選択的沈降;カラムクロマトグラフィー、免疫精製法などを含む)によって、
実質的に純粋まで精製され得る(例えば、Scopes、Protein Pu
rification:Principles and Practice(1
982);米国特許第4,673,641号;Ausubelら、前出;および
Sambrookら、前出、を参照のこと)。
【0121】 多くの手順が、組換えKv6.2モノマーを精製する場合に、利用され得る。
例えば、確立した分子接着特性を有するタンパク質は、Kv6.2モノマーに可
逆的に融合され得る。適切なリガンドを使用して、Kv6.2モノマーは、精製
カラムに選択的に吸着され得、次いで、比較的純粋な形態で、そのカラムから遊
離される。次いで、融合タンパク質は、酵素活性により除去される。最終的に、
Kv6.2モノマーは、免疫アフィニティーカラムを使用して精製され得る。
【0122】 (A.組換え細菌からのKv6.2モノマーの精製) 組換えタンパク質は、形質転換された細菌によって大量に、代表的には、プロ
モーター誘導後に、発現される;しかし、発現は、構成的であり得る。IPTG
でのプロモーター誘導は、誘導性プロモーター系の一例である。細菌は、当該分
野における標準的な手順に従って、増殖される。新鮮または凍結された細菌細胞
を、タンパク質の単離のために使用する。
【0123】 細菌において発現されるタンパク質は、不溶性の凝集体(「封入体」)を形成
し得る。いくつかのプロトコルは、Kv6.2モノマー封入体の精製のために適
切である。例えば、封入体の精製は、代表的には、例えば、緩衝液(50mM
TRIS/HCL pH7.5、50mM NaCl、5mM MgCl2、1
mM DTT、0.1mM ATP、および1mM PMSF)中でのインキュ
ベーションによる細菌細胞の破壊による、封入体の抽出、分離、および/または
精製を含む。その細胞懸濁液は、フレンチプレスを2〜3回通過させ、溶解され
得るか、Polytron(Brinkman Instruments)を使
用してホモジナイズされ得るか、または氷上で超音波処理され得る。細菌の溶解
の代替の方法は、当業者に明らかである(例えば、Sambrookら、前出;
Ausubelら、前出を参照のこと)。
【0124】 必要であれば、その封入体は、可溶化され、そしてその溶解された細胞懸濁液
は、代表的には、遠心分離されて、所望でない不溶性の物質が除かれる。封入体
を形成したタンパク質は、適合性の緩衝液で希釈または透析によって再生され得
る。適切な溶媒には、尿素(約4M〜約8M)、ホルムアミド(少なくとも約8
0%、容量/容量ベースで)、および塩酸グアニジン(約4M〜約8M)が含ま
れるが、これらに限定されない。凝集体形成タンパク質を可溶化し得るいくつか
の溶媒(例えば、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、70%蟻酸)は、免疫原
性および/または活性の欠如を伴う、タンパク質の不可逆的な変性の可能性のた
めに、この手順における使用のためには不適切である。塩酸グアニジンおよび類
似の薬剤は変性剤であるが、この変性は、不可逆的ではなく、そしてその変性剤
を除去する(例えば、透析によって)か、または希釈すると再生が起こり得、こ
れにより、免疫学的および/または生物学的に活性なタンパク質の再形成が可能
になる。他の適切な緩衝液は、当業者に公知である。ヒトKv6.2モノマーは
、標準的な分離技術(例えば、Ni−NTAアガロース樹脂を用いて)によって
他の細菌タンパク質から分離される。
【0125】 あるいは、Kv6.2モノマーを細菌のペリプラズムから精製することが可能
である。細菌の溶解後、Kv6.2モノマーが細菌のペリプラズムへと移出され
る場合、細菌のペリプラズム画分は、当該分野で公知の他の方法に加えて、冷浸
透圧ショック法によって単離され得る。組換えタンパク質をペリプラズムから単
離するために、細菌細胞は、遠心分離されて、ペレットを形成する。そのペレッ
トは、20%スクロースを含有する緩衝液中で再懸濁される。細胞を溶解するた
めに、その細菌を遠心分離し、そしてそのペレットを、氷冷5mM MgSO4
中で再懸濁し、そして約10分間氷浴中に保持する。その細胞懸濁液を遠心分離
し、そしてその上清をデカントし、そして保存する。上清に存在する組換えタン
パク質は、当業者に周知の標準的な分離技術によって宿主タンパク質から分離さ
れ得る。
【0126】 (B.Kv6.2モノマーを精製するための標準的なタンパク質分離技術) (溶解性画分) しばしば、最初の工程として、特に、タンパク質混合物が複雑である場合、最
初の塩分画は、目的の組換えタンパク質からの多くの不要な宿主細胞タンパク質
(または細胞培養培地に由来するタンパク質)を分離し得る。好ましい塩は、硫
酸アンモニウムである。硫酸アンモニウムは、タンパク質混合物中の水の量を効
果的に減少することによってタンパク質を沈殿させる。次いで、タンパク質は、
その溶解性に基づいて沈殿する。タンパク質は、疎水性であればあるほど、より
低い硫酸アンモニウム濃度で沈殿する傾向がある。代表的なプロトコルには、得
られる硫酸アンモニウム濃度が、20〜30%の間であるように、飽和硫酸アン
モニウムをタンパク質溶液に添加することが含まれる。この濃度は、タンパク質
の最も疎水性のものを沈殿させる。次いで、その沈殿物は、廃棄され(目的のタ
ンパク質が疎水性でない限り)、そして硫酸アンモニウムを、目的のタンパク質
を沈殿させることが知られている濃度までその上清に添加する。次いで、沈殿物
は、緩衝液中に可溶化され、そして必要に応じて過剰の塩が、透析またはダイア
フィルトレーションのいずれかによって除去される。タンパク質の溶解性に依存
する他の方法(例えば、冷エタノール沈殿)は、当業者に周知であり、そして複
雑なタンパク質混合物を分画するために使用され得る。
【0127】 (サイズ差異分画) Kv6.2モノマーの分子量は、異なる孔サイズの膜(例えば、Amicon
またはMillipore膜)を通す限外濾過を使用して、より大きなサイズの
タンパク質およびより小さなサイズのタンパク質から単離するために使用され得
る。第1の工程として、そのタンパク質混合物は、目的のタンパク質の分子量よ
りも小さな分子量カットオフを有する孔サイズを有する膜を通して限外濾過され
る。次いで、限外濾過の保持物は、目的のタンパク質の分子量よりも、大きな分
子量カットオフを有する膜に対して限外濾過される。組換えタンパク質は、膜を
通過して濾液へと移る。次いで、その濾液は、以下に記載のようにクロマトグラ
フィーにかけられ得る。
【0128】 (カラムクロマトグラフィー) Kv6.2モノマーはまた、そのサイズ、正味の表面電荷、疎水性、およびリ
ガンドに対する親和性に基づいて、他のタンパク質から分離され得る。さらに、
タンパク質に対して惹起された抗体は、カラムマトリックスに結合され得、そし
てそのタンパク質が免疫精製され得る。これらの方法の全ては、当該分野で周知
である。クロマトグラフィー技術は、任意の規模で、そして多くの異なる製造業
者(例えば、Pharmacia Biotech)からの装置を使用して、行
われ得ることが当業者に明らかである。
【0129】 (V.Kv6.2の免疫学的検出) 核酸ハイブリダイゼーション技術を使用するKv6.2遺伝子および遺伝子発
現の検出に加えて、Kv6.2モノマーを検出するためのイムノアッセイもまた
使用し得る。イムノアッセイは、Kv6.2モノマーを定性的に、または定量的
に分析するために使用され得る。適用可能な技術の一般的な概説は、Harlo
w & Lane,Antibodies:A Laboratory Man
ual(1988)において見出され得る。
【0130】 (A.Kv6.2モノマーに対する抗体) Kv6.2モノマーと特異的に反応するポリクローナル抗体およびモノクロー
ナル抗体を産生する方法は、当業者に公知である(例えば、Coligan、C
urrent Protocols in Immunology(1991)
;Harlow & Lane、前出;Goding、Monoclonal
Antibodies:Principles and Practice(第
二版、1986);ならびにKohler & Milstein、Natur
e 256:495−497(1975)を参照のこと)。このような技術には
、ファージまたは類似のベクターにおける組換え抗体のライブラリーからの抗体
の選択による抗体調製、ならびにウサギまたはマウスを免疫することによるポリ
クローナル抗体およびモノクローナル抗体の調製が含まれる(例えば、Huse
ら、Science 246:1275−1281(1989);Wardら、
Nature 341:544−546(1989)を参照のこと)。
【0131】 Kv6.2モノマーの部分を含む多数の免疫原は、Kv6.2モノマーと特異
的に反応性の抗体を産生するために使用され得る。例えば、組換えKv6.2モ
ノマーまたはその抗原性フラグメント(例えば、サブユニット結合領域またはS
4−S6領域)は、本明細書に記載されるように単離され得る。組換えタンパク
質はまた、上記のように真核生物細胞または原核生物細胞において発現され得、
そして一般に上記のように精製され得る。組換えタンパク質は、モノクローナル
抗体またはポリクローナル抗体の産生のための好ましい免疫原である。あるいは
、本明細書に開示される配列に由来し、そしてキャリアタンパク質に結合体化さ
れた合成ペプチドが、免疫原として使用され得る。天然に存在するタンパク質も
また、純粋な、または不純な形態のいずれかで使用され得る。次いで、その産物
は、抗体を産生し得る動物に注入される。モノクローナル抗体またはポリクロー
ナル抗体のいずれかが、タンパク質を測定するためのイムノアッセイにおける引
き続く使用のために、産生され得る。
【0132】 ポリクローナル抗体の産生の方法は、当業者に公知である。マウス(例えば、
BALB/Cマウス)またはウサギの同系交配の系統は、標準的なアジュバント
(例えば、フロイントのアジュバント)および標準的な免疫プロトコルを使用し
てタンパク質により免疫される。その動物の免疫原調製物に対する免疫応答は、
試験的に採血することにより、そしてβサブユニットへの反応性の力価を決定す
ることにより、モニターされる。免疫原に対する抗体の適切に高い力価が得られ
た場合、血液は、動物から収集され、そして抗血清が調製される。そのタンパク
質に反応性である抗体を富化するための抗血清のさらなる画分化は、所望であれ
ば行われ得る(Harlow & Lane、前出を参照のこと)。
【0133】 モノクローナル抗体は、当業者になじみ深い種々の技術によって得られ得る。
簡単には、所望の抗原で免疫した動物からの脾臓細胞は、一般的に骨髄腫細胞と
の融合によって不死化される(Kohler & Milstein、Eur.
J.Immunol.6:511−519(1976)を参照のこと)。不死化
の代替の方法には、エプスタインバーウイルス、発癌遺伝子、またはレトロウイ
ルスでの形質転換、あるいは当該分野で周知の他の方法が含まれる。単一の不死
化細胞から生じるコロニーは、抗原に対する所望の特異性および親和性の抗体の
産生についてスクリーニングされ、そしてこのような細胞から産生されるモノク
ローナル抗体の産生は、種々の技術(脊椎動物宿主の腹膜腔への注入を含む)に
よって増幅され得る。あるいは、モノクローナル抗体またはその結合フラグメン
トをコードするDNA配列を、Huseら、Science 246:1275
−1281(1989)によって概説される一般的なプロトコルに従って、ヒト
B細胞由来のDNAライブラリーをスクリーニングすることによって、単離し得
る。
【0134】 モノクローナル抗体およびポリクローナル抗血清は、回収され、そしてイムノ
アッセイ(例えば、固相支持体上に固定化した免疫原を用いる固相イムノアッセ
イ)において免疫原タンパク質に対して力価測定される。代表的には、104
上の力価を有するポリクローナル抗血清が選択され、そして、競合結合イムノア
ッセイを使用して、非Kvタンパク質または他のKv6ファミリーメンバー(例
えば、Kv6.1または他のKvスーパーファミリーメンバー)に対するそれら
の交差反応性について試験される。特異的なポリクローナル抗血清およびモノク
ローナル抗体は、通常、少なくとも約0.1mMのKdで、より通常には、少な
くとも約1μMで、好ましくは、少なくとも約0.1μMまたはそれより良好に
、そして最も好ましくは、0.01μMまたはそれより良好に結合する。
【0135】 一旦、Kv6.2に対する特異的な抗体が利用可能となれば、Kv6.2は、
種々のイムノアッセイ法によって検出され得る。免疫学的手順およびイムノアッ
セイ手順の総説については、Basic and Clinical Immu
nology(Sities & Terr編、第7版、1991)を参照のこ
と。さらに、本発明のイムノアッセイは、いくつかの構成のいずれかにおいて行
われ得、それらは、Enzyme Immunoassay (Maggio編
、1980);およびHarlow & Lane、前出において広範に検討さ
れている。
【0136】 (B.免疫学的結合アッセイ) Kv6.2は、多数の十分に認識された免疫学的結合アッセイのいずれかを使
用して検出および/または定量され得る(例えば、米国特許第4,366,24
1号;同第4,376,110号;同第4,517,288号;および同第4,
837,168号を参照のこと)。一般的なイムノアッセイの総説については、
Methods in Cell Biology:Antibodies i
n Cell Biology、第37巻(Asai編、1993);Basi
c and Clinical Immunology(Stites & T
err編、第7版、1991)もまた参照のこと。免疫学的結合アッセイ(また
はイムノアッセイ)は、代表的には、選択されたタンパク質または抗原(この場
合、Kv6.2またはその抗原配列)に特異的に結合する抗体を使用する。抗体
(例えば、抗Kv6.2)は、当業者に周知の、そして上記の任意の多数の手段
によって産生され得る。
【0137】 イムノアッセイはまた、しばしば、抗体および抗原によって形成される複合体
に特異的に結合し、そして標識するために、標識剤を使用する。標識剤は、それ
自体、抗体/抗原複合体を含む部分の1つであり得る。従って、その標識剤は、
標識されたKv6.2ポリペプチドであり得るか、または標識された抗Kv6.
2抗体であり得る。あるいは、標識剤は、第3の部分(例えば、二次抗体)であ
り得、これは、抗体/Kv6.2複合体に特異的に結合する(二次抗体は、代表
的には、第一の抗体が由来した種の抗体に特異的である)。免疫グロブリン定常
領域に特異的に結合し得る他のタンパク質(例えば、プロテインAまたはプロテ
インG)もまた、標識剤として使用され得る。これらのタンパク質は、種々の種
からの免疫グロブリン定常領域との強力な非免疫原性反応性を示す(例えば、K
ronvalら、J.Immunol.111:1401−1406(1973
);Akerstromら、J.Immunol.135:2589−2542
(1985)を参照のこと)。標識剤は、別の分子(例えば、ストレプトアビジ
ン)が特異的に結合し得る検出可能な部分(例えば、ビオチン)で改変され得る
。種々の検出可能な部分が、当業者に周知である。
【0138】 アッセイの間を通して、インキュベーションおよび/または洗浄工程は、試薬
の各組み合わせの後に必要とされ得る。インキュベーション工程は、約5秒から
数時間まで、好ましくは、約5分から約24時間まで変化し得る。しかし、イン
キュベーション時間は、アッセイ形式、抗原、溶液の容量、濃度などに依存する
。通常、アッセイは、周囲温度で行われるが、10℃〜40℃のような温度範囲
にわたって行われ得る。
【0139】 (非競合アッセイ形式) サンプル中のKv6.2を検出するためのイムノアッセイは、競合的または非
競合的のいずれかであり得る。非競合的イムノアッセイは、抗原の量が直接測定
されるアッセイである。1つの好ましい「サンドイッチ」アッセイにおいて、例
えば、抗Kv6.2サブユニット抗体は、それらが固定化される固体基材に直接
結合され得る。次いで、これらの固定化された抗体は、試験サンプル中に存在す
るKv6.2を捕捉する。従って、Kv6.2モノマーは、固定化され、次いで
、標識を有する第二のKv6.2抗体のような標識剤によって結合される。ある
いは、第二の抗体は、標識を欠き得るが、代わりに、第二の抗体が由来した種の
抗体に特異的な標識された第三の抗体によって結合され得る。第二または第三の
抗体は、代表的には、検出可能な部分(例えば、ビオチン)によって改変され、
そこに別の分子(例えば、ストレプトアビジン)が特異的に結合して、検出可能
な部分を提供する。
【0140】 (競合アッセイ形式) 競合アッセイにおいて、サンプル中に存在するKv6.2の量は、サンプル中
に存在する未知のKv6.2によって抗Kv6.2抗体から排除された(競合し
て除かれた)既知の添加した(外因性の)Kv6.2の量を測定することによっ
て、間接的に測定される。1つの競合アッセイにおいて、既知量のKv6.2が
、サンプルに添加され、そしてそのサンプルは、次いで、Kv6.2に特異的に
結合する抗体と接触する。抗体に結合した外因性Kv6.2の量は、サンプル中
に存在するKv6.2の濃度に反比例する。特に好ましい実施態様において、抗
体は、固体基材に固定化される。抗体に結合したKv6.2の量は、Kv6.2
/抗体複合体中に存在するKv6.2の量を測定すること、あるいは残りの複合
体形成していないタンパク質の量を測定することのいずれかによって決定され得
る。Kv6.2の量は、標識されたKv6.2分子を提供することによって、検
出され得る。
【0141】 ハプテン阻害アッセイは、別の好ましい競合アッセイである。このアッセイに
おいて、既知のKv6.2は、固体基材に固定化される。既知量の抗Kv6.2
抗体がサンプル中に添加され、そしてそのサンプルは、次いで、固定化Kv6.
2と接触される。公知の固定化Kv6.2に結合した抗Kv6.2抗体の量は、
サンプル中に存在するKv6.2の量に反比例する。再び、固定化された抗体の
量が、抗体の固定化画分または溶液中に残存する抗体の画分のいずれかを検出す
ることによって、検出され得る。検出は、抗体が標識されている場合は直接であ
り得、または上記のように抗体に特異的に結合する標識された部分の引き続く添
加によって間接であり得る。
【0142】 (交差反応性決定) 競合結合形式におけるイムノアッセイはまた、Kv6.2についての交差反応
性決定のために使用され得る。例えば、タンパク質は、配列番号1または配列番
号17の少なくとも部分配列を有するか、または配列番号2または配列番号18
によって少なくとも部分的にコードされたタンパク質もしくはその免疫原性領域
(例えば、サブユニット結合領域もしくはS4−S6領域)は、固体支持体に固
定化され得る。他のKv6.2ファミリーメンバーのような他のタンパク質(例
えば、Kv6.1もしくはKv6.2オルソログ)は、アッセイに添加され、抗
血清の固定化抗原への結合について競合する。添加されたタンパク質の、固定化
タンパク質への抗血清の結合について競合する能力は、配列番号1または配列番
号17の配列を有するKv6.2の、それ自体と競合する能力と比較される。上
記のタンパク質についての交差反応性の割合(%)は、標準的な計算を使用して
計算される。上記に列挙した添加されたタンパク質の各々と10%未満の交差反
応性を有する抗血清は、選択され、そしてプールされる。交差反応性抗体は、必
要に応じて、添加された考慮されるタンパク質(例えば、遠縁のホモログ)との
免疫吸着によってプールされた抗血清から除去される。
【0143】 次いで、免疫吸着およびプールされた抗血清は、第二のタンパク質(おそらく
、Kv6.2の対立遺伝子、オルソログ、または多型性改変体であると考えられ
る)を免疫原性タンパク質と比較するために上記のような競合結合イムノアッセ
イにおいて使用される。この比較をするために、2つのタンパク質は、各々広範
な濃度でアッセイされ、そして抗血清の固定化タンパク質への結合の50%を阻
害するのに必要な各タンパク質の量が、決定される。結合の50%を阻害するた
めに必要とされる第二のタンパク質の量が、結合の50%を阻害するために必要
とされるKv6.2によってコードされるタンパク質の量の10倍未満である場
合、第二のタンパク質は、それぞれのKv6.2免疫原に対して惹起されたポリ
クローナル抗体に特異的に結合するといわれる。
【0144】 (その他のアッセイ形式) ウエスタンブロット(イムノブロット)分析は、サンプル中のKv6.2の存
在を検出および定量するために使用される。その技術は、一般に、サンプルタン
パク質を、分子量に基づいてゲル電気泳動によって分離すること、その分離され
たタンパク質を適切な固体支持体(例えば、ニトロセルロースフィルター、ナイ
ロンフィルター、または誘導体化ナイロンフィルター)に移すこと、およびその
サンプルを、Kv6.2に特異的に結合する抗体とともにインキュベーションす
ることを含む。抗Kv6.2抗体は、固体支持体上のKv6.2に特異的に結合
する。これらの抗体は、直接標識され得るか、または引き続いて抗Kv6.2抗
体に特異的に結合する標識された抗体(例えば、標識されたヒツジ抗マウス抗体
)を使用して検出され得る。
【0145】 他のアッセイ形式には、リポソームイムノアッセイ(LIA)が含まれ、これ
は、特定の分子(例えば、抗体)に結合し、そしてカプセル化した試薬またはマ
ーカーを放出するように設計されたリポソームを使用する。次いで、その放出さ
れた化学物質は、標準的な技術に従って検出される(Monroeら、Amer
.Clin.Prod.Rev.5:34−41(1986)を参照のこと)。
【0146】 (非特異的結合の減少) 当業者は、イムノアッセイにおいて非特異的結合を最小化することがしばしば
望ましいことと理解する。特に、アッセイが固体基材上に固定された抗原または
抗体を含む場合、その基材への非特異的結合の量を最小化することは望ましい。
そのような非特異的結合を減少させる手段は、当業者に周知である。代表的には
、この技術は、その基材をタンパク質性の組成物で被覆することを包含する。特
に、ウシ血清アルブミン(BSA)、脱脂粉乳、およびゼラチンのようなタンパ
ク質組成物が広く使用され、粉乳が最も好ましい。
【0147】 (標識) アッセイにおいて使用される特定の標識または検出可能な基は、そのアッセイ
に使用される抗体の特異的結合を顕著に妨害しない限り、本発明の重要な局面で
はない。検出可能な基は、検出可能な物理的または化学的特性を有する任意の物
質であり得る。このような検出可能な標識は、イムノアッセイの分野において、
十分に開発されており、一般に、このような方法において有用なほとんどの任意
の標識が、本発明に適用され得る。従って、標識は、分光学的、光化学的、生化
学的、免疫化学的、電気的、光学的、または化学的な手段によって検出可能な任
意の組成物である。本発明において有用な標識には、磁気ビーズ(例えば、DY
NABEADSTM)、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、
テキサスレッド、ローダミンなど)、放射標識(例えば、3H、125I、35S、14 C、または32P)、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホス
ファターゼ、および他のELISAにおいて一般的に使用されるもの)、ならび
に比色定量標識(例えば、コロイド金または色ガラスまたはプラスチックビーズ
(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど))が含まれる。
【0148】 標識は、当該分野で周知の方法に従って、直接または間接的に、アッセイの所
望の成分に結合され得る。上記のように、広範な種々の標識が、使用され得、標
識の選択は、必要とされる感度、化合物との結合の容易さ、安定性の要件、利用
可能な装置、および処理設備に依存する。
【0149】 非放射性の標識は、しばしば、間接的手段によって付着される。一般に、リガ
ンド分子(例えば、ビオチン)は、分子に共有結合される。そのリガンドは、次
いで、別の分子(例えば、ストレプトアビジン)に結合し、この別の分子は、本
来検出可能であるか、またはシグナル系(例えば、検出可能な酵素、蛍光化合物
、または化学発光化合物)に共有結合されるかのいずれかである。リガンドおよ
びその標的は、Kv6.2を認識する抗体、または抗Kv6.2抗体を認識する
二次抗体との任意の適切な組み合わせにおいて使用され得る。
【0150】 その分子はまた、シグナル生成化合物に、例えば、酵素または蛍光団と結合す
ることによって、直接結合体化され得る。標識としての目的の酵素は、主に、加
水分解酵素(特に、ホスファターゼ、エステラーゼ、およびグリコシダーゼ)、
またはオキシダーゼ(特に、ペルオキシダーゼ)である。蛍光化合物には、フル
オレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、ダンシル、ウンベ
リフェロンなどが含まれる。化学発光化合物には、ルシフェリン、および2,3
−ジヒドロフタラジンジオン(例えば、ルミノール)が含まれる。使用され得る
種々の標識またはシグナル生成系の総説については、米国特許第4,391,9
04号を参照のこと。
【0151】 標識を検出する手段は、当業者に周知である。従って、例えば、標識が、放射
標識である場合、検出手段には、オートラジオグラフィーにおけるように、シン
チレーションカウンターまたは写真フィルムが含まれる。標識が蛍光標識である
場合、それは、蛍光色素を適切な波長の光で励起し、そして得られる蛍光を検出
することによって、検出され得る。その蛍光は、視覚的に、写真フィルムにより
、電子検出器(例えば、電荷結合素子(CCD)または光電子倍増管)などを使
用して、検出され得る。同様に、酵素標識は、酵素に対する適切な基質を提供し
、そして得られる反応生成物を検出することによって検出され得る。最後に、簡
単な比色標識は、単に、標識と関連する色を観察することによって検出され得る
。従って、種々のディップスティックアッセイにおいて、結合体化された金は、
しばしば、ピンクに見え、一方、種々の結合体化したビーズは、ビーズの色に見
える。
【0152】 いくつかのアッセイ形式は、標識された成分の使用を必要としない。例えば、
凝集アッセイは、標的抗体の存在を検出するために使用され得る。この場合、抗
原被覆粒子は、標的抗体を含むサンプルによって凝集される。この形式において
、成分のいずれも、標識されることを要せず、そして標的抗体の存在が、簡単な
視覚的検査によって検出される。
【0153】 (VI.Kv6.2のモジュレーターについてのアッセイ) (A.アッセイ) Kv6.2モノマーおよびKv6.2対立遺伝子、オルトログ(orthol
og)、および多型改変体は、電位ゲート制御カリウムチャンネルのサブユニッ
トである。Kv6.2を含むカリウムチャンネルの活性は、種々のインビトロお
よびインビボアッセイ(例えば、電流の測定、膜電位の測定、イオン(例えば、
カリウムまたはルビジウム)流の測定、カリウム濃度の測定、セカンドメッセン
ジャーおよび転写レベルの測定)を用いて、カリウム依存性酵母増殖アッセイを
用いて、ならびに例えば、電位感受性色素、放射性トレーサー、およびパッチク
ランプ電気生理学を用いて、評価され得る。
【0154】 さらに、このようなアッセイは、Kv6.2を含むチャンネルのインヒビター
およびアクチベーターについて試験するために使用され得る。このようなカリウ
ムチャンネルのモジュレーターは、カリウムチャンネルを含む種々の障害を処置
するために有用である。機能障害の処置には、例えば、内分泌障害、CNS障害
(例えば、偏頭痛、聴覚および視覚の問題、精神病障害、痙攣)が含まれ、そし
て神経保護剤(例えば、脳卒中を予防するための)として使用する。このような
モジュレーターはまた、Kv6.2によって提供されるチャンネルの多様性およ
びKv6.2によって提供されるカリウムチャンネル活性の調節/調整(reg
ulation/modulation)の研究のために有用である。
【0155】 カリウムチャンネルのモジュレーターは、生物学的に活性なKv6.2(組換
え体であるかまたは天然に存在するかのいずれか)を使用して試験される。Kv
6.2は、単離されるか、細胞内で同時発現されるか、または細胞に由来する膜
中で同時発現され得る。このようなアッセイにおいて、Kv6.2は、単独で発
現されてホモマーカリウムチャンネルを形成するか、または好ましくは、第2の
αサブユニット(例えば、Kv2.1またはKv2.2またはKv6ファミリー
メンバーのような別のKvスーパーファミリーメンバー)とともに同時発現され
て、ヘテロマーカリウムチャンネルを形成する。Kv6.2はまた、さらなるβ
サブユニットとともに発現され得る。調節は、上記に記載されたインビトロまた
はインビボアッセイの1つを用いて試験され得る。潜在的なカリウムチャンネル
インヒビターまたはアクチベーターで処理されるサンプルまたはアッセイは、調
節の程度を試験するために、試験化合物を有さないコントロールサンプルと比較
される。コントロールサンプル(アクチベーターでもインヒビターでも処理され
ていない)には、相対的なカリウムチャンネル活性値100が割り当てられる。
Kv6.2を含むチャンネルの阻害は、カリウムチャンネル活性値が、コントロ
ールに比較して、約90%、好ましくは50%、より好ましくは25%である場
合に、達成される。Kv6.2を含むチャンネルの活性化は、カリウムチャンネ
ル活性値が、コントロールに比較して、110%、より好ましくは150%、よ
り好ましくは200%高い場合に、達成される。イオン流を増加させる化合物は
、Kv6.2を含むチャンネルが開いている確率を増加させることによって、そ
れが閉じている確率を減少させることによって、チャンネルを通したコンダクタ
ンスを増加させることによって、および/またはイオンの通過を可能にすること
によって、イオン電流密度の検出可能な増加を引き起こす。
【0156】 イオン流の変化は、Kv6.2を含むカリウムチャンネルを発現する細胞また
は膜の分極(すなわち、電位)の変化を決定することによって評価され得る。細
胞の分極の変化を決定するための好ましい手段は、電位クランプおよびパッチク
ランプ技術(例えば、「細胞付着」型、「インサイドアウト」型、および「全細
胞」型)(例えば、Ackermanら、New Engl.J.Med.33
6:1575−1595(1997)を参照のこと)を用いて、電流の変化(そ
れによって分極の変化を測定する)を測定することによる。全細胞の電流は、標
準的な方法論を用いて簡便に決定される(例えば、Hamilら、PFluge
rs.Archiv.391:85(1981)を参照のこと)。他の公知のア
ッセイには、放射性標識ルビジウム流アッセイ、および電位感受性色素を用いる
蛍光アッセイが含まれる(例えば、Vestergarrd−Bogindら、
J.Membrane Biol.88:67−75(1988);Danie
lら、J.Pharmacol.Meth.25:185−193(1991)
;Holevinskyら、J.Membrane Biology 137:
59−70(1994)を参照のこと)。Kv6.2を含むチャンネルタンパク
質を通してのカリウム流を阻害し得るか、または増加させ得る化合物のアッセイ
は、本発明のチャンネルを有する細胞と接触する水浴溶液か、またはその細胞を
含む水浴溶液へのその化合物の適用によって行われ得る(例えば、Blatzら
、Nature 323:718−720(1986);Park,J.Phy
siol.481:555−570(1994)を参照のこと)。一般的に、試
験される化合物は、1pM〜100mMの範囲で存在する。
【0157】 試験化合物の、チャンネルの機能に対する効果は、電流もしくはイオン流の変
化によって、または電流およびイオン流の変化の結果によって、測定され得る。
電流またはイオン流の変化は、カリウムイオンまたはルビジウムイオンのような
イオンの流れの増加または減少のいずれかによって測定される。カチオンは、種
々の標準的な方法において測定され得る。それらは、イオンの濃度変化によって
直接的に測定され得るか、または膜電位もしくはイオンの放射性標識によって間
接的に測定され得る。試験化合物のイオン流に対する結果は、非常に様々であり
得る。従って、任意の適切な生理学的変化は、本発明のチャンネルに対する試験
化合物の影響を評価するために用いられ得る。試験化合物の効果は、毒素結合ア
ッセイによって測定され得る。機能的な結果が、インタクトな細胞または動物を
用いて決定される場合、種々の効果(例えば、伝達物質(例えば、ドーパミン)
の放出、ホルモン(例えば、インスリン)の放出、既知の遺伝子マーカーおよび
特徴付けされていない遺伝子マーカーの両方に対する転写変化(例えば、ノーザ
ンブロット)、細胞の体積変化(例えば、赤血球における)、免疫応答(例えば
、T細胞活性化)、細胞代謝の変化(例えば、細胞増殖またはpH変化)、およ
び細胞内セカンドメッセンジャーの変化(例えば、Ca2+またはサイクリックヌ
クレオチド))もまた測定され得る。
【0158】 好ましくは、そのアッセイにおいて使用されるカリウムチャンネルの一部であ
るKv6.2は、配列番号1、配列番号17に示される配列、またはそれらの保
存的に修飾された改変体を有する。あるいは、そのアッセイのKv6.2は真核
生物由来であり、そしてKv6.2のサブユニット結合領域またはS4−S6領
域に対して実質的なアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸部分配列を含む。一般
的に、そのアミノ酸配列同一性は、少なくとも70%、好ましくは少なくとも7
5、80、85、90%、最も好ましくは少なくとも95%である。
【0159】 Kv6.2オルトログは、一般的に、上記のようなKv6.2を含むチャンネ
ルに、実質的に類似の特性を付与する。好ましい実施態様において、Kv6.2
ホモログであると疑われる化合物と接触して配置される細胞は、真核細胞(例え
ば、Xenopus(例えば、Xenopus laevis)の卵母細胞また
は哺乳動物細胞(例えば、CHOまたはHeLa細胞))におけるイオン流の増
加または減少についてアッセイされる。Kv6.2と類似の方法で化合物によっ
て影響を受けるチャンネルは、Kv6.2のホモログまたはオルトログとみなさ
れる。
【0160】 (B.モジュレーター) Kv6.2サブユニットを含むKv6.2チャンネルのモジュレーターとして
試験された化合物は、任意の小さな化学化合物、または生物学的な実体(例えば
、タンパク質、糖、核酸、または脂質)であり得る。あるいは、モジュレーター
は、遺伝的に改変されたヒトKv6.2サブユニットであり得る。代表的には、
試験化合物は、小さな化学分子およびペプチドである。本質的に任意の化学化合
物が、本発明のアッセイにおいて潜在的なモジュレーターまたはリガンドとして
使用され得るが、最も頻繁には、水溶液または有機溶液(とりわけ、DMSOに
基づく)中に溶解し得る化合物が使用される。そのアッセイは、アッセイ工程を
自動化することおよび任意の便利な供給源から化合物をアッセイに提供すること
(これらは、代表的には、(例えば、ロボットを用いるアッセイにおけるマイク
ロタイタープレート上のマイクロタイター様式において)並行して行われる)に
より、大きな化学ライブラリーをスクリーニングするために設計される。化学化
合物の多くの供給業者(Sigma(St.Louis,MO)、Aldric
h(St.Louis,MO)、Sigma−Aldrich(St.Loui
s,MO)、Fluka Chemika−Biochemica Analy
tika(Buchs Swizerland)などを含む)が存在することが
認識される。
【0161】 1つの好ましい実施態様において、ハイスループットスクリーニング方法は、
多数の潜在的な治療化合物(潜在的なモジュレーターまたはリガンド化合物)を
含むコンビナトリアル化学またはペプチドライブラリーを提供する工程を含む。
次いで、このような「コンビナトリアル化学ライブラリー」または「リガンドラ
イブラリー」は、本明細書中に記載されるように、1つ以上のアッセイにおいて
スクリーニングされ、所望の特徴の活性を示すライブラリーメンバー(特定の化
学種またはサブクラス)を同定する。このようにして同定された化合物は、従来
の「リード化合物」として働き得るか、またはそれ自体が潜在的なまたは実際の
治療剤として使用され得る。
【0162】 コンビナトリアル化学ライブラリーは、多数の化学「ビルディングブロック」
(例えば、試薬)の組み合わせにより、化学合成または生物学的合成のいずれか
によって生成された多様な化学化合物のコレクションである。例えば、直鎖状の
コンビナトリアル化学ライブラリー(例えば、ポリペプチドライブラリー)は、
所定の化合物の長さ(すなわち、ポリペプチド化合物中のアミノ酸の数)につい
て、あらゆる可能な方法において、1セットの化学ビルディングブロック(アミ
ノ酸)を組み合わせることによって形成される。何百万もの化学化合物が、この
ような化学ビルディングブロックのコンビナトリアルな混合を通して、合成され
得る。
【0163】 コンビナトリアル化学ライブラリーの調製およびスクリーニングは、当業者に
周知である。このようなコンビナトリアル化学ライブラリーには、ペプチドライ
ブラリー(例えば、米国特許第5,010,175号、Furka,Int.J
.Pept.Prot.Res.37:487−493(1991)およびHo
ughtonら、Nature 354:84−88(1991)を参照のこと
)が含まれるがこれらに限定されない。化学的で多様性ライブラリーを生成する
ための他の化学もまた使用され得る。このような化学には、ペプトイド(例えば
、PCT公開番号WO91/19735)、コードされたペプチド(例えば、P
CT公開番号WO93/20242)、ランダムバイオオリゴマー(例えば、P
CT公開番号WO92/00091)、ベンゾジアゼピン(例えば、米国特許第
5,288,514号)、ヒダントインのようなダイバーゾマー(divers
omer)、ベンゾジアゼピン、およびジペプチド(Hobbsら、Proc.
Nat.Acad.Sci.USA 90:6909−6913(1993))
、ビニールのポリペプチド(Hagiharaら、J.Amer.Chem.S
oc.114:6568(1992))、グルコース骨格を有する非ペプチド模
倣物(Hirschmannら、J.Amer.Chem.Soc.114:9
217−9218(1992))、小化合物ライブラリーのアナログ有機合成(
Chenら、J.Amer.Chem.Soc.116:2661(1994)
)、オリゴカルバメート(Choら、Science 261:1303(19
93))、および/またはペプチジルホスホネート(Campbellら、J.
Org.Chem.59:658(1994))、核酸ライブラリー(Ausu
bel、Berger、およびSambrook、すべて前出、を参照のこと)
、ペプチド核酸ライブラリー(例えば、米国特許第5,539,083号を参照
のこと)、抗体ライブラリー(例えば、Vaughnら、Nature Bio
technology、14(3):309−314(1996)およびPCT
/US96/10287を参照のこと)、炭水化物ライブラリー(例えば、Li
angら、Science、274:1520−1522(1996)および米
国特許第5,593,853号を参照のこと)、小有機分子ライブラリー(例え
ば、ベンゾジアゼピン、Baum C&EN、1月18日号、第33頁(199
3)を参照のこと;イソプレノイド、米国特許第5,569,588号;チアゾ
リジノンおよびメタチアザノン、米国特許第5,549,974号;ピロリジン
、米国特許第5、525,735号および同第5,519,134号;モルホリ
ノ化合物、米国特許第5,506,337号;ベンゾジアゼピン、米国特許第5
,288,514号など)が含まれるがこれらに限定されない。
【0164】 コンビナトリアルライブラリーの調製のためのデバイスは、市販されている(
例えば、357MPS、390MPS、Advanced Chem Tech
,Louisville KY,Symphony,Rainin,Wobur
n,MA,433A Applied Biosystems,Foster
City,CA,9050 Plus,Millipore,Bedford,
MAを参照のこと)。さらに、多くのコンビナトリアルライブラリーは、それ自
体市販されている(例えば、ComGenex,Princeton,N.J.
,Asinex,Moscow,Ru,Tripos,Inc.,St.Lou
is,MO,ChemStar,Ltd,Moscow,RU,3D Phar
maceuticals,Exton,PA,Martek Bioscien
ces,Columbia,MDなどを参照のこと)。
【0165】 1つの実施態様において、本発明は、ハイスループット様式における固相に基
づくインビトロアッセイを提供し、ここでは、ヒトKv6.2サブユニットを含
むKv6.2チャンネルを発現する細胞または組織が、固相基材に結合される。
本発明のハイスループットアッセイにおいて、1日で異なる数千までのモジュレ
ーターまたはリガンドをスクリーニングすることが可能である。特に、マイクロ
タイタープレートの各ウェルは、選択された潜在的なモジュレーターに対する別
々のアッセイを実行するために使用され得るか、または、濃度もしくはインキュ
ベーション時間の効果が観察される場合、5〜10ウェルが単一のモジュレータ
ーを試験し得る。従って、単一の標準マイクロタイタープレートは、約96のモ
ジュレーターをアッセイし得る。1536ウェルプレートが使用されるならば、
約100〜約1500の異なる化合物を容易にアッセイし得る。1日にいくつか
の異なるプレートをアッセイすることが可能である;約6,000〜20,00
0までの異なる化合物のアッセイスクリーニングは、本発明の統合された系を使
用して可能である。
【0166】 (VII.Kv6.2を使用するコンピューター支援薬物設計) Kv6.2の活性を調節する化合物についてのなお別のアッセイは、コンピュ
ーター支援薬物設計を含み、ここではコンピューターシステムが使用され、アミ
ノ酸配列によってコードされた構造情報に基づくKv6.2の三次元構造を生成
する。入力したアミノ酸配列は、コンピュータープログラムにおいてあらかじめ
確立したアルゴリズムと直接的かつ能動的に相互作用し、そのタンパク質の二次
構造、三次構造、および四次構造のモデルを産生する。次いで、そのタンパク質
構造のモデルは、例えば、リガンドまたは他のカリウムチャンネルサブユニット
に結合する能力を有するその構造の領域を同定するために試験される。次いで、
これらの領域は、そのタンパク質、またはKv6.2が他のカリウムチャンネル
サブユニットと相互作用する領域に結合するリガンドを同定するために使用され
る。
【0167】 タンパク質の三次元構造モデルは、少なくとも25、50、75、もしくは1
00のアミノ酸残基のチャンネルタンパク質のアミノ酸配列、またはKv6.2
モノマーをコードする対応する核酸配列を、コンピューターシステムに入力する
ことによって生成される。各モノマーのアミノ酸配列は、配列番号1、配列番号
17、およびそれらの保存的に改変されたバージョンからなる群より選択される
。そのアミノ酸配列は、各タンパク質の一次配列または部分配列を表し、これは
、そのタンパク質の構造的な情報をコードする。アミノ酸配列の少なくとも25
、50、75、もしくは100残基(または少なくとも約25、50、75、ま
たは100アミノ酸をコードするヌクレオチド配列)が、コンピューターキーボ
ードから、コンピューター読み取り可能な基材(以下を含むがこれらに限定され
ない:電子記憶媒体(例えば、磁気ディスク、テープ、カートリッジ、およびチ
ップ)、光学媒体(例えば、CD−ROM))から、インターネットのサイトに
よって配信される情報から、そしてRAMによってコンピューターシステムに入
力される。次いで、チャンネルタンパク質の三次元構造モデルは、当業者に公知
のソフトウェアを用いて、アミノ酸配列およびコンピューターシステムの相互作
用によって生成される。次いで、得られる三次元コンピューターモデルは、コン
ピューター読みとり可能な基材上に保存される。
【0168】 アミノ酸配列は、モノマーの二次構造、三次構造、および四次構造、および4
つのモノマーを含むヘテロマーカリウムチャンネルタンパク質を形成するのに必
要な情報をコードする一次構造を表す。ソフトウェアは、一次配列によってコー
ドされる特定のパラメーターを見て、構造モデルを生成する。これらのパラメー
ターは、「エネルギー項」または異方性項といわれ、主に静電ポテンシャル、疎
水性ポテンシャル、溶媒接近可能表面、および水素結合を含む。二次エネルギー
項は、ファンデルワールスポテンシャルを含む。生物学的分子は、累積様式での
エネルギー項を最小化する構造を形成する。従って、コンピュータープログラム
は、一次構造またはアミノ酸配列によってコードされるこれらの項を使用して、
二次構造モデルを作製している。
【0169】 次いで、二次構造によってコードされるタンパク質の三次構造は、二次構造の
エネルギー項に基づいて形成される。この時点でユーザーは、さらなる変数(例
えば、そのタンパク質が膜結合型かまたは可溶性か、その体内における局在、お
よびその細胞における局在(例えば、細胞質、表面、または核))を入力し得る
。これらの変数は、二次構造のエネルギー項とともに、三次構造のモデルを形成
するために使用される。三次構造のモデリングに際して、コンピュータープログ
ラムは、二次構造の疎水面を似たようなものと一致させ、そして二次構造の親水
面を似たようなものと一致させる。
【0170】 一旦その構造が生成されたならば、潜在的なリガンド結合領域は、コンピュー
ターシステムによって同定される。潜在的なリガンドについての三次元構造は、
上記のように、アミノ酸もしくはヌクレオチド配列、または化合物の化学式を入
力することによって生成される。次いで、潜在的なリガンドの三次元的構造は、
Kv6.2タンパク質の三次元構造と比較されて、Kv6.2に結合するリガン
ドを同定する。このタンパク質とリガンドとの間の結合親和性は、そのタンパク
質への結合の高められた確率を有するリガンドを決定するためにエネルギー項を
使用して決定される。
【0171】 コンピューターシステムはまた、Kv6.2遺伝子の変異、多型改変体、対立
遺伝子、および種間ホモログについてスクリーニングするために使用され得る。
このような変異は、疾患状態と関連し得る。一旦改変体が同定されたならば、診
断アッセイは、疾患状態と関連する変異遺伝子を有する患者を同定するために使
用され得る。変異したKv6.2遺伝子の同定は、第1の核酸(例えば、配列番
号2または配列番号18)、または配列番号1または配列番号17およびその保
存的に修飾されたバージョンからなる群より選択された、Kv6.2をコードす
るアミノ酸配列の入力を受け取ることを含む。この配列は、上記のように、コン
ピューターシステムに入力される。次いで、第1の核酸またはアミノ酸配列は、
この第1の配列と実質的な同一性を有する第2の核酸またはアミノ酸配列と比較
される。上記のような様式で、第2の配列は、コンピューターシステムに入力さ
れる。一旦第1の配列と第2の配列が比較されたならば、配列間のヌクレオチド
またはアミノ酸の差異が同定される。このような配列は、Kv6.2遺伝子にお
ける対立遺伝子の差異および疾患状態に関連する変異を表し得る。上記の第1お
よび第2の配列は、コンピューター読みとり可能な基材上に保存され得る。
【0172】 Kv6.2モノマーおよびこれらのKv6.2モノマーを含むカリウムチャン
ネルは、高密度オリゴヌクレオチドアレイ技術(例えば、GeneChipTM
とともに使用されて、本発明におけるKv6.2のホモログおよび多型改変体を
同定し得る。同定されるホモログが既知の疾患と関連している場合、生物学的サ
ンプル中の疾患を検出する際の診断ツールとして、それらはGeneChipTM とともに使用され得る。例えば、Gunthandら、AIDS Res.Hu
m.Retroviruses 14:869−876(1998);Koza
lら、Nat.Med.2:753−759(1996);Matsonら、A
nal.Biochem.224:110−106(1995);Lockha
rtら、Nat.Biotechnol.14:1675−1680(1996
);Gingerasら、Genome Res.8:435−448(199
8);Haciaら、Nucleic Acids Res.26:3865−
3866(1998)を参照のこと。
【0173】 (VIII.細胞トランスフェクションおよび遺伝子治療) 本発明は、インビトロおよびインビボでの細胞のトランスフェクションのため
のKv6.2の核酸を提供する。これらの核酸は、以下に記載するように、標的
細胞および生物のトランスフェクションのための多数の周知のベクターのいずれ
かに挿入され得る。これらの核酸は、エキソビボまたはインビボで、ベクターお
よび標的細胞の相互作用を通して、細胞にトランスフェクトされる。次いで、K
v6.2についての核酸は、プロモーターの制御下で、本発明のKv6.2モノ
マーを発現し、それによってKv6.2遺伝子の非存在、部分的不活化、または
異常な発現の効果を緩和する。
【0174】 このような遺伝子治療手順は、多くの状況において、後天性および遺伝性の遺
伝子欠損、癌、およびウイルス感染を治療するために使用されてきた。ヒトにお
いて人工の遺伝子の発現が可能であることは、多くの重要なヒトの疾患(他の治
療による処置に感受性ではない多くの疾患を含む)の予防および/または治癒を
容易にする(遺伝子治療手順の概説については、Anderson、Scien
ce 256:808−813(1992);NabelおよびFelgner
、TIBTECH 11:211−217(1993);MitaniおよびC
askey、TIBTECH 11:162−166(1993);Mulli
gan、Science 926−932(1993);Dillon、TIB
TECH 11:167−175(1993);Miller、Nature
357:455−460(1992);Van Brunt、Biotechn
ology 6(10):1149−1154(1998);Vigne、Re
storative Neurology and Neuroscience
8:35−36(1995);KremerおよびPerricaudet、
British Medical Bulletin 51(1):31−44
(1995);Haddadaら、Current Topics in Mi
crobiology and Immunology(Doerflerおよ
びBoehm編、1995);およびYuら、Gene Therapy 1:
13−26(1994)を参照のこと)。
【0175】 遺伝子または遺伝物質の細胞への送達は、疾患の遺伝子治療処置における最初
の重要な工程である。非常に多くの送達方法が、当業者に周知である。好ましく
は、核酸は、インビボまたはエキソビボ遺伝子治療使用のために投与される。非
ウイルスベクター送達系には、DNAプラスミド、裸の核酸、および送達ビヒク
ル(例えば、リポソーム)と複合体化された核酸が含まれる。ウイルスベクター
送達系には、DNAおよびRNAウイルスが含まれ、これらは細胞への送達後に
エピソーム性ゲノムまたは組み込まれたゲノムのいずれかを有する。
【0176】 核酸の非ウイルス性送達の方法には、リポフェクション、マイクロインジェク
ション、微粒子銃、ビロソーム、リポソーム、免疫リポソーム、ポリカチオンま
たは脂質:核酸結合体、裸のDNA、人工ビリオン、および薬剤によって増強さ
れたDNAの取り込みが含まれる。リポフェクションは、例えば、米国特許第5
,049,386号、同第4,946,787号;および同第4,897,35
5号に記載されており、そしてリポフェクション試薬は市販されている(例えば
、TransfectamTMおよびLipofectinTM)。ポリヌクレオチ
ドの効率的なレセプター認識リポフェクションに適切なカチオン性脂質および中
性脂質には、Felgner、WO91/17424、WO91/16024の
脂質が含まれる。細胞(エキソビボ投与)または標的組織(インビボ投与)に送
達され得る。
【0177】 脂質:核酸複合体(免疫脂質複合体のような標的化されたリポソームを含む)
の調製は、当業者に周知である(例えば、Crystal、Science 2
70:404−410(1995);Blaeseら、Cancer Gene
Ther.2:291−297(1995);Behrら、Bioconju
gate Chem.5:382−389(1994);Remyら、Bioc
onjugate Chem.5:647−654(1994);Gaoら、G
ene Therapy 2:710−722(1995);Ahmadら、C
ancer Res.52:4817−4820(1992);米国特許第4,
186,183号、同第4,217,344号、同第4,235,871号、同
第4,261,975号、同第4,485,054号、同第4,501,728
号、同第4,774,085号、同第4,837,028号、および同第4,9
46,787号を参照のこと)。
【0178】 核酸の送達のためのRNAウイルスまたはDNAウイルスに基づく系の使用は
、身体における特定の細胞にウイルスを標的化し、そして核にウイルスの有効搭
載量を輸送するために高度に進化したプロセスを利用する。ウイルスベクターは
患者に直接投与されるか(インビボ)、またはそれらはインビトロで細胞を処理
するために使用され得、そして改変された細胞が患者に投与される(エキソビボ
)。核酸の送達のための従来のウイルスに基づく系には、遺伝子移入のための、
レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、
アデノ随伴ウイルスベクター、および単純ヘルペスウイルスベクターが含まれ得
る。ウイルスベクターは、標的細胞および組織への現在最も効率的かつ多才な遺
伝子移入の方法である。宿主ゲノムにおける組み込みは、レトロウイルス、レン
チウイルス、およびアデノ随伴ウイルス遺伝子移入法を用いて可能であり、しば
しば挿入されたトランスジーンの長期の発現を生じる。さらに、高い形質導入効
率が、多くの異なる細胞型および標的組織において観察されてきた。
【0179】 レトロウイルスの向性は、外来のエンベロープタンパク質を組み込むことによ
って変更され、標的細胞の潜在的な標的集団を拡張し得る。レンチウイルスベク
ターは、分裂していない細胞を形質導入し得るか、またはそれに感染し得、そし
て代表的には高いウイルス力価を産生し得るレトロウイルスベクターである。従
って、レトロウイルス遺伝子移入系の選択は、標的組織に依存する。レトロウイ
ルスベクターは、6〜10kbまでの外来配列についてパッケージング能力を有
する、シス作用長末端反復から構成される。最小のシス作用LTRは、ベクター
の複製およびパッケージングに十分であり、次いで、これは、標的細胞に治療遺
伝子を組み込むために使用されて、永続的なトランスジーン発現を提供する。広
範に使用されるレトロウイルスベクターには、マウス白血病ウイルス(MuLV
)、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)、シミアン免疫不全ウイルス(SI
V)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、およびこれらの組み合わせに基づくベ
クターが含まれる(例えば、Buchscherら、J.Virol.66:2
731−2739(1992);Johannら、J.Virol.66:16
35−1640(1992);Sommerfeltら、Virol.176:
58−59(1990);Wilsonら、J.Virol.63:2374−
2378(1989);Millerら、J.Virol.65:2220−2
224(1991);PCT/US94/05700を参照のこと)。
【0180】 核酸の一過性発現が好ましい適用において、アデノウイルスに基づく系が代表
的に使用される。アデノウイルスに基づくベクターは、多くの細胞型において非
常に高い形質導入効率を可能にし、そして細胞分裂を必要としない。このような
ベクターを用いて、高い力価および発現レベルが得られてきた。このベクターは
、比較的単純な系で大量に産生され得る。アデノ随伴ウイルス(「AAV」)ベ
クターはまた、例えば、核酸およびペプチドのインビトロ産生において、ならび
にインビボおよびエキソビボ遺伝子治療手順のために、標的核酸を用いて細胞を
形質導入するために使用される(例えば、Westら、Virology 16
0:38−47(1987);米国特許第4,797,368号;WO93/2
4641;Kotin、Human Gene Therapy 5:793−
801(1994);Muzyczka、J.Clin.Invest.94:
1351(1994)を参照のこと)。組換えAAVベクターの構築は、多数の
刊行物において記載されており、これらには、米国特許第5,173,414号
;Tratschinら、Mol.Cell.Biol.5:3251−326
0(1985);Tratschinら、Mol.Cell.Biol.4:2
072−2081(1984);HermonatおよびMuzyczka、P
roc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.81:6466−6470
(1984);およびSamulskiら、J.Virol.63:03822
−3828(1989)が含まれる。
【0181】 特に、少なくとも6のウイルスベクターアプローチが、臨床試験における遺伝
子移入のために現在利用可能であり、レトロウイルスベクターが、断然最も頻繁
に用いられる系である。これらのウイルスベクターのすべては、形質導入因子を
生成するために、ヘルパー細胞株に挿入された遺伝子による欠損ベクターの補完
を含むアプローチを利用する。
【0182】 pLASNおよびMFG−Sは、臨床試験において使用されてきたレトロウイ
ルスベクターの例である(Dunbarら、Blood 85:3048−30
5(1995);Kohnら、Nat.Med.1:1017−102(199
5);Malechら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.
94:22 12133−12138(1997))。PA317/pLASN
は、遺伝子治療試験に用いられた最初の治療ベクターであった(Blaeseら
、Science 270:475−480(1995))。MFG−Sパッケ
ージングされたベクターについて、50%以上の形質導入効率が観察された(E
llemら、Immunol Immunother.44(1):10−20
(1997);Dranoffら、Hum.Gene Ther.1:111−
2(1997))。
【0183】 組換えアデノ随伴ウイルスベクター(rAAV)は、欠損しかつ非病原性のパ
ルボウイルスアデノ随伴2型ウイルスに基づく、有望な選択的遺伝子送達系であ
る。全てのベクターは、トランスジーン発現カセットに隣接するAAV 145
bpの逆向き末端反復のみを保持するプラスミドに由来する。形質導入された細
胞のゲノム中への組み込みに起因する、効率的な遺伝子移入および安定なトラン
スジーン送達は、このベクター系の重要な特性である(Wagnerら、Lan
cet 351:9117 1702〜3(1998)、Kearnsら、Ge
ne Ther.9:748〜55(1996))。
【0184】 複製欠損組換えアデノウイルスベクター(Ad)は、一過性発現の遺伝子治療
に主に使用される。なぜなら、それらは、高力価で産生され得、そしてそれらは
、多数の異なる細胞型に容易に感染するからである。ほとんどのアデノウイルス
ベクターは、操作され、その結果、トランスジーンは、Ad E1a、E1b、
E3遺伝子を置換する;続いてこの複製欠損体ベクターは、トランスで欠失した
遺伝子機能を供給するヒト293細胞中で増殖される。Adベクターは、複数の
型の組織(非分裂性の分化した細胞(例えば、肝臓、腎臓および筋肉系細胞組織
中に見出される細胞)を含む)にインビボで形質導入する。従来のAdベクター
は、大きな保有能力を有する。臨床試験におけるAdベクターの使用の例は、筋
肉内注射での抗腫瘍免疫化のためのポリヌクレオチド治療を含んだ(Sterm
anら、Hum.Gene.Ther.7:1083〜9(1998))。臨床
試験における遺伝子移入についてのアデノウイルスベクターの使用のさらなる例
は、Roseneckerら、Infection 241:5〜10(199
6);Stermanら、Hum.Gene Ther.9:7 1083〜1
089(1998);Welshら、Hum.Gene Ther.2:205
〜18(1995);Alvarezら、Hum.Gene Ther.5:5
97〜613(1997);Topfら、Gene Ther.5:507〜5
13(1998);Stermanら、Hum.Gene Ther.7:10
83〜1089(1998)。
【0185】 パッケージング細胞は、宿主細胞に感染し得るウイルス粒子を形成するために
使用される。このような細胞には、アデノウイルスをパッケージングする293
細胞、およびレトロウイルスをパッケージングするψ2細胞またはPA317細
胞が挙げられる。遺伝子治療に使用されるウイルスベクターは、通常、核酸ベク
ターをウイルス粒子中にパッケージングするプロデューサー細胞によって作製さ
れる。これらのベクターは、代表的には、パッケージングおよび続く宿主中への
組み込みに必要とされる最小ウイルス配列を含み、他のウイルス配列は、発現さ
れるタンパク質の発現カセットによって置換されている。ウイルス機能の欠落は
、パッケージング細胞株によってトランスで供給される。例えば、遺伝子治療に
使用されるAAVベクターは、代表的には、パッケージングおよび宿主ゲノム中
への組み込みに必要とされるAAVゲノム由来のITR配列を有するのみである
。ウイルスDNAは、他のAAV遺伝子(すなわち、repおよびcap)をコ
ードするが、ITR配列を欠くヘルパープラスミドを含む、細胞株中にパッケー
ジングされる。こ細胞株はまた、ヘルパーとしてアデノウイルスで感染される。
このヘルパーウイルスは、AAVベクターの複製およびヘルパープラスミド由来
のAAV遺伝子の発現を促進する。このヘルパープラスミドは、ITR配列の欠
損に起因して、有意な量でパッケージングされない。アデノウイルスとの夾雑は
、例えば、アデノウイルスがAAVよりも感受性である熱処理によって減ぜられ
得る。
【0186】 多くの遺伝子治療の適用において、遺伝子治療ベクターが、高程度の特異性で
特定の組織型へと送達されることが所望される。ウイルスベクターは、代表的に
は、ウイルス外部表面上でウイルスコートタンパク質との融合タンパク質として
リガンドを発現することによって、所定の細胞型の特異性を有するように改変さ
れる。このリガンドは、目的の細胞型に存在することが既知のレセプターに対す
る親和性を有するように選択される。例えば、Hanら、Proc.Natl.
Acad.Sci.USA.92:9747〜9751(1995)は、モロニ
ーマウス白血病ウイルスがgp70に融合したヒトヘレグリンを発現するように
改変され得ること、および組換えウイルスがヒト上皮増殖因子レセプターを発現
する特定のヒト乳癌細胞に感染することを報告した。この原則は、リガンド融合
タンパク質を発現するウイルスおよびレセプターを発現する標的細胞の他の対に
拡張され得る。例えば、糸状ファージは、実質的に任意の選択された細胞レセプ
ターに対する特異的な結合親和性を有する抗体フラグメント(例えば、FABま
たはFv)を提示するように操作され得る。上記の記載は、主にウイルスベクタ
ーに適用されるが、同じ原則が、非ウイルスベクターに適用され得る。このよう
なベクターは、特異的な標的細胞による取り込みをもたらすと考えられる特異的
な取り込み配列を含むように操作され得る。
【0187】 遺伝子治療ベクターは、以下に記載されるように、個々の患者への投与によっ
て、代表的には全身投与(例えば、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、または頭蓋
注入)によってか、あるいは局所適用によってインビボで送達され得る。あるい
は、ベクターは、細胞(例えば、個々の患者に由来する外植された細胞(例えば
、リンパ球、骨髄吸引物、組織標本)または一般のドナー造血幹細胞にエキソビ
ボで送達され、続いて通常、ベクターを組み込んだ細胞について選択した後に患
者中に細胞が再移植され得る。
【0188】 診断、研究のため、または(例えば、宿主生物中へのトランスフェクトした細
胞の再注入による)遺伝子治療のためのエキソビボでの細胞のトランスフェクシ
ョンは、当業者に周知である。好ましい実施態様において、細胞は、核酸(例え
ば、遺伝子またはcDNA)でトランスフェクトした被検生物から単離され、そ
して被検生物(例えば、患者)中に再注入して戻される。エキソビボでのトラン
スフェクションに適切な種々の細胞型は、当業者に周知である(例えば、Fre
shneyら、Culture of Animal Cells、A Man
ual of Basic Technique(第3版、1994)、および
患者からの細胞を単離し、そして培養する方法の議論について、その中で引用さ
れる参考文献を参照のこと)。
【0189】 1つの実施態様において、幹細胞は、細胞のトランスフェクションおよび遺伝
子治療についてのエキソビボでの手順に使用される。幹細胞を使用する利点は、
それらが他の細胞型にインビトロで分化され得るか、またはそれらが骨髄中に移
植する哺乳動物(例えば、細胞のドナー)中に導入され得ることである。サイト
カイン(例えば、GM−CSF、IFN−γ、およびTNF−α)を使用して、
臨床的に重要な免疫細胞型中にインビトロでCD34+細胞を分化させる方法は
、公知である(Inabaら、J.Exp.Med.176:1693〜170
2(1992)を参照のこと)。
【0190】 幹細胞は、既知の方法を使用して、形質導入および分化のために単離される。
例えば、幹細胞は、所望されない細胞(例えば、CD4+およびCD8+(T細
胞)、CD45+(全てのB細胞(pan B cell))、GR−1(顆粒
球)、およびIad(分化した抗原提示細胞))を結合する抗体を用いて、骨髄
細胞をパニングすることによって、骨髄細胞から単離される(Inabaら、J
.Exp.Med.176:1693〜1702(1992)を参照のこと)。
【0191】 治療用核酸を含むベクター(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、リポ
ソームなど)はまた、インビボで細胞の形質導入のために生物に直接的に投与さ
れ得る。あるいは、裸のDNAが、投与され得る。投与は、血液細胞または組織
細胞との最終的な接触へと分子を導入するために通常使用される、任意の経路に
よってである。このような核酸の適切な投与方法は、当業者に利用可能であり、
そして周知であるが、1以上の経路が、特定の組成物を投与するために使用され
得、特定の経路が、しばしば、別の経路よりも迅速かつ効果的な反応を提供し得
る。
【0192】 投与は、血液または組織細胞との最終的な接触へと分子を導入するための通常
使用される任意の経路によってである。核酸は、任意の適切な様式で、好ましく
は、薬学的に受容可能なキャリアと共に投与される。このような核酸を投与する
適切な方法は、当業者に利用可能であり、そして周知であるが、1以上の経路が
、特定の組成物を投与するために使用され得、特定の経路は、しばしば、別の経
路よりも迅速かつ効果的な反応を提供し得る。
【0193】 (IX.薬学的組成物) 薬学的に受容可能なキャリアは、投与される特定の組成物(例えば、核酸、タ
ンパク質、調節性化合物または形質導入された細胞)によって、ならびにこの組
成物を投与するために使用される特定の方法によって、部分的に決定される。従
って、本発明の薬学的組成物の広汎な種々の適切な処方が存在する(例えば、R
emington’s Pharmaceutical Sciences 第
17版、1989を参照のこと)。
【0194】 経口投与に適切な処方物は、以下からなり得る:(a)希釈剤(例えば、水、
生理食塩水またはPEG400)中に懸濁された、有効量のパッケージングされ
た核酸のような液体溶液;(b)各々、所定の量の活性成分を、液体、固体、顆
粒またはゼラチンとして含む、カプセル剤、袋剤(sachet)、錠剤;(c
)適切な液体中の懸濁液;および(d)適切な乳剤。錠剤形態は、1以上のラク
トース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、リン酸カルシウム、コーン
スターチ、ポテトスターチ、微晶性セルロース、ゼラチン、コロイド状二酸化珪
素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸および他の賦形剤、着色
剤、充填剤、結合剤、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、保存剤、香味剤、色素、崩壊剤
、および薬学的に適合性のキャリアを含み得る。ロゼンジ形態は、香味中に活性
成分(例えば、スクロース)、ならびに不活性基剤(例えば、活性成分に加えて
当該分野で公知のキャリアを含むゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースお
よびアカシア乳剤、ゲルなど)中に活性成分を含む香錠を含み得る。
【0195】 選り抜きの化合物(単独または他の適切な成分との組合せ)は、吸入によって
投与されるエアロゾル処方物中になされ得る(すなわち、それらは、噴霧され得
る)。エアロゾル処方物は、加圧した受容可能な噴霧剤(例えば、ジコロロジフ
ルオロメタン、プロパン、窒素など)中に配置され得る。
【0196】 直腸投与に適切な処方物は、例えば、座剤の基剤とともにパッケージングされ
た核酸からなる座剤を含む。適切な座剤の基剤は、天然トリグリセリドまたは合
成グリセリドあるいは天然パラフィン炭化水素または合成パラフィン炭化水素を
含む。さらに、例えば、液体トリグリセリド、ポリエチレングリコール、および
パラフィン炭化水素を含む基剤との、選り抜きの化合物の組合せからなるゼラチ
ン直腸カプセルを使用することもまた可能である。
【0197】 非経口投与(例えば、関節内(関節における)、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔
内、および皮下経路によって)に適切な処方物は、抗酸化剤、緩衝液、静菌薬、
およびこの処方物を意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質を含み得る
、水性および非水性の等張滅菌注射溶液、ならびに懸濁剤、可溶化剤、濃厚剤(
thickening agent)、安定化剤、および保存剤を含み得る、水
性および非水性の滅菌懸濁液を含む。本発明の実施において、組成物は、例えば
、静脈内注入、経口、局所、腹腔内、膀胱内またはクモ膜下腔内によって投与さ
れ得る。非経口投与および静脈内投与は、投与の好ましい方法である。推奨され
る処方物は、単位用量または複数用量の密封された容器(例えば、アンプルまた
はバイアル)中に存在し得る。
【0198】 注射溶液および懸濁液は、以前に記載された種類の滅菌粉末、顆粒、および錠
剤から調製され得る。エキソビボ治療のために核酸によって形質導入された細胞
もまた、上記のように、静脈内または非経口的に投与され得る。
【0199】 本発明の状況において、患者に投与された用量は、患者において経時的に有益
な治療応答をもたらすに十分であるべきである。この用量は、用いられる特定の
ベクターの効率およびこの患者の状態、ならびに処置される患者の体重および表
面積によって決定される。用量のサイズもまた、特定のベクターの投与または特
定の患者において形質導入された細胞型に伴う、任意の有害な副作用の存在、性
質および程度によって決定される。
【0200】 ヒトKv6.2αサブユニットを含むKv6.2チャネル発現の低下または異
常に起因する状態の処置または予防において投与されるベクターの有効量を決定
する際に、医師は、このベクターの循環血漿レベル、ベクターの毒性、この疾患
の進行、および抗ベクター抗体の産生を評価する。一般に、ベクターに由来する
裸の核酸の等価な用量は、代表的な70kgの患者に対して約1μg〜100μ
gであり、そしてレトロウイルス粒子を含むベクターの用量は、等価量の治療用
核酸を生じるように算定される。
【0201】 投与のために、本発明の化合物および形質導入された細胞が、患者の質量およ
び全体の健常さに適用されるようなインヒビター、ベクター、または形質導入さ
れた細胞型のLD−50、および種々の濃度のこのインヒビター、ベクター、ま
たは細胞型の副作用によって決定される速度にて投与され得る。投与は、単回用
量または分割された用量によって達成され得る。
【0202】 形質導入された細胞は、確立された方法に従って再注入のために調製される(
例えば、Abrahamsenら、J.Clin.Apheresis 6:4
8〜53(1991);Carterら、J.Clin.Apheresis
4:113〜117(1998);Aebersoldら、J.Immunol
.Meth.112:1〜7(1998);Muulら、J.Immunol.
Methods 101:171〜181(1987);およびCarterら
、Transfusion 27:362〜365(1987)を参照のこと)
【0203】 (X.キット) ヒトKv6.2およびそのホモログは、カリウムチャネルの発現および調節を
試験するための有用な道具である。Kv6.2核酸に特異的にハイブリダイズす
るヒトKv6.2特異的試薬(例えば、Kv6.2プローブおよびKv6.2プ
ライマー)、ならびにKv6.2タンパク質に特異的に結合するKv6.2特異
的試薬(例えば、Kv6.2抗体)は、発現および調節を試験するために使用さ
れる。
【0204】 サンプル中のKv6.2 DNAおよびRNAの存在についての核酸アッセイ
は、当業者に公知の多数の技術(例えば、サザン分析、ノーザン分析、ドットブ
ロット、RNase保護、S1分析、増幅技術(例えば、PCRおよびLCR)
ならびにインサイチュハイブリダイゼーション)を含む。インサイチュハイブリ
ダイゼーションにおいて、例えば、標的核酸は、引き続く解釈および分析のため
に細胞の形態を保存しつつ、細胞内のハイブリダイゼーションに利用可能である
ようなその細胞の周囲から解放される。以下の文献は、インサイチュハイブリダ
イゼーションの技術の概説を提供する:Singerら、Biotechniq
ues 4:230〜250(1986);Haaseら、Methods i
n Virology、第VII巻、189〜226頁(1984);およびN
ucleic Acid Hybridization:A Practica
l Approach(Hamesら編、1987)。さらに、Kv6.2タン
パク質は、上記の種々のイムノアッセイ技術を用いて検出され得る。この試験サ
ンプルは、代表的に、陽性コントロール(例えば、組換えKv6.2モノマーを
発現するサンプル)および陰性コントロールの両方に対して比較される。
【0205】 本発明はまた、ヘテロマーカリウムチャネルのモジュレーターをスクリーニン
グするためのキットを提供する。このようなキットは、容易に入手可能な材料お
よび試薬から調製され得る。例えば、このようなキットは、任意の1以上の以下
の材料を含み得る:Kv6.2モノマー、反応チューブ、およびKv6.2を含
むカリウムチャネルの活性を試験するための使用説明書。広汎な種々のキットお
よび成分は、このキットの意図された使用者およびこの使用者の特定の必要性に
依存して、本発明に従って調製され得る。例えば、このキットは、Kv6.2モ
ノマーを含むカリウムチャネルの活性を測定するための、インビトロまたはイン
ビボのアッセイに対して合わせられ得る。
【0206】 本明細書中に引用される全ての刊行物および特許出願は、各々の個々の刊行物
または特許出願が参考として援用されることを特異的かつ個々に示すのと同様に
、本明細書中で参考として援用される。
【0207】 前述の発明は、理解の明瞭さの目的のために例示および例のためにいくらか詳
細に記載されているが、特定の変化および改変が、添付した特許請求の範囲の精
神または範囲から逸脱することなく、本発明に対してなされ得ることが、本発明
の教示を鑑みて、当業者に容易に明らかである。
【0208】 (実施例) 以下の実施例は、例示のみのために提供され、そして限定のために提供されな
い。当業者は、本質的に同様の結果を得るために変化または改変され得る、種々
の重要ではないパラメーターを容易に認識する。
【0209】 (実施例1:マウスKv6.2のクローニング) 標準的な条件に従って、PCRおよびプライマーを使用して、マウスKv6.
2を、脳全体のcDNAから増幅する。以下のプライマーを増幅のために使用す
る:ATGCCCATGTCTTCCAGAGACAGG(配列番号3)、およ
びGATGTCTAGAGGGAGTTACATGTAGCG(配列番号4)。
【0210】 このcDNAを、標準的な方法に従って脳全体から単離された総RNAから調
製する。Kv6.2を、以下の条件を使用して上記のプライマーを用いて増幅す
る:96℃で15秒、72〜60℃で15秒および72℃で3分(40サイクル
)。
【0211】 このPCR産物を、標準的な技術に従って、プラスミド中にサブクローニング
し、そして配列決定をする。マウスKv6.2のヌクレオチド配列およびアミノ
酸配列を、それぞれ、配列番号2および配列番号1において提供する(ヒトおよ
びマウスのKv6.2アミノ酸配列の比較についての図1もまた参照のこと)。
【0212】 (実施例II:ヒトKv6.2のクローニング) ヒトKv6.2遺伝子のおよそ200bpのフラグメントを、ヒトの脳全体の
mRNAから、マウスKv6.2の孔(pore)領域からのセンスプライマー
(TAGCATCCCGGCATCCTATTGGTG;配列番号11)および
S6領域に対する縮重アンチセンスプライマー(AGGAGTGAGAGAAC
GTRTGRAADAT;配列番号12)を用いて、RT−PCRを使用してク
ローニングした。使用したサイクル条件は、20サイクルの、95℃(15秒)
、65〜45℃(15秒)(1サイクル毎に1℃下げる)、72℃(2分)、続
いて20サイクルの、95℃(15秒)、45℃(15秒)、72℃(2分)で
あった。
【0213】 この遺伝子の3’末端を、P領域に結合するこの遺伝子特異的なセンスプライ
マー(CATCCTATTGGTGGGCCATCATCT;配列番号13)を
使用して、単回の標準的な3’RACE PCRを使用してクローニングした。
サイクル条件は、以下であった:24サイクルの、95℃(15秒)、72〜6
0℃(15秒)(1サイクル毎に0.5℃下げた)、72℃(2分)、続いて2
1サイクルの、95℃(15秒)、60℃(15秒)、72℃(2分)。およそ
500bpの単一のバンドを、単離してそして配列決定した。これは、ヒトKv
6.2のP領域から停止コドンを含んだ。
【0214】 5’末端を、ネスティド(nested)遺伝子特異的オリゴを使用して、2
回の5’RACE PCRを用いてクローニングした。1回目の反応条件は、ア
ンチセンス方向においてS6に結合する、異なる遺伝子特異的プライマー(GG
GAGAAGGTGTGGAAGATAGACG;配列番号10)を使用したこ
とを除いて、3’RACEに使用された反応条件と同一であった。この反応液の
うちの1/10のμlを、ネスティド遺伝子特異的アンチセンスプライマー(G
CCACCATCTGGCCTGGCACACTG;配列番号14)を使用した
第2の反応に対するテンプレートとして使用した。この反応についてのサイクル
条件は、95℃(15秒)、60℃(15秒)、72℃(2分)(25サイクル
)であった。およそ1.7kbの単一のバンドを単離した。これは、ヒトKv6
.2遺伝子の5’末端(開始メチオニンからP領域を含む)を含むことが見出さ
れた。
【0215】 次いで、ヒトKv6.2遺伝子全体を、センスプライマー(TCTTGAAT
TCCGCCATGCCCATGCCTTCCAGAGACGG(配列番号15
)(開始メチオニンにEcoRI制限部位およびKozakコンセンサスを付加
)およびヒトKv6.2の3’UTRに存在するアンチセンスプライマー(CT
GGGCTCTAGAAACACCACCAGGT(配列番号16)を用いて、
発現ベクターの1片において増幅した。サイクルは、3’RECE PCRに対
して使用した条件と同一であった。およそ1.7kbの単一バンドを単離し、そ
してヒトKv6.2のオープンリーディングフレーム全体を含むことを見いだし
た。プライマーの対、ATGCCCATGCCTTCCAGAGACGG(配列
番号7)およびTTACATGTGCATGATAGGCAAGGCTG(配列
番号8)は、これらの条件下でKv6.2のオープンリーディングフレームを増
幅するに十分である。マウスKv6.2のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列
をそれぞれ、配列番号18および配列番号17に提供する(ヒトおよびマウスの
Kv6.2アミノ酸配列の比較に対する図1もまた参照のこと)。
【0216】 (実施例III:Kv6.2モノマーを含むヘテロマーチャネルの発現および
電位ゲート制御活性) ヒトKv6.2モノマーを、電位ゲート制御活性を有するヘテロマーカリウム
チャネルを形成するその能力を実証するために、標準的な方法論に従って、ヒト
Kv2.1モノマーを用いてXenopusオーシスト中に同時発現させた。マ
ウスKv6.2およびヒトKv2.1もまた、同時発現させた。電流の強度にお
ける変化は、レポーター電位感受性蛍光色素を使用して間接的に測定される(例
えば、Ettsら、Chemistry and Physiology of
Lipids、69:137(1994)を参照のこと)。電流の強度におけ
る変化もまた、電気生理学を使用して直接的に、およびイオンフラックスを用い
て測定される。単独で発現したKv6.2は、電気的にサイレントであった(図
2を参照のこと)。
【0217】 (配列表) (マウスKv6.2アミノ酸配列(配列番号1))
【0218】
【化4】 (マウスKv6.2ヌクレオチド配列(配列番号2))
【0219】
【化5】 (ヒトKv6.2アミノ酸配列(配列番号17))
【0220】
【化6】 (ヒトKv6.2ヌクレオチド配列(配列番号18))
【0221】
【化7】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ヒトおよびマウスのKv6.2遺伝子のアミノ酸整列である。同一の
残基には影を施し、そして整列の間のギャップは、破線で示す。アミノ酸残基番
号を、左の余白に与える。ヒトおよびマウスのKv6.2は、全体としてアミノ
酸レベルで80%同一である。
【図2】 図2は、Xenopus卵母細胞におけるKv6.2遺伝子の発現である。(
A)マウスKv6.2遺伝子からのcRNAを注射した卵母細胞から記録された
電流。使用した電圧ステップは、静止電位である−90mVからであり、そして
−80mVから+20mVの範囲で、20mVの増分であった。マウスKv6.
2もヒトKv6.2も、外向き電位ゲート制御カリウム電流はこれらの条件下で
は発生しなかった。(B−D)ヒトKv2.1遺伝子単独について(B)、ヒト
Kv2.1およびマウスKv6.2の同時注入について(C)、およびヒトKv
2.1およびヒトKv6.2の同時注入について(D)、cRNAを注入した卵
母細胞から記録された電流。同一の電位ステップを、各卵に適用した。各場合に
おいて静止電位は、−90mVであり、そして−80mVから+20mVの範囲
で、20mVの増分であった。両方のKv6.2/KV2.1のヘテロマーがK
v2.1ホモマーよりもより脱分極した電位で活性化することが認められる。ヘ
テロマーの活性化は、Kv2.1ホモマーよりもより遅延されることも認められ
た。(B)において使用したKv2.1 cRNAの量は、(C)および(D)
において使用されたものの8分の1であった。両方のKv6.2遺伝子がKv2
.1電流の大きさの減少を生じた。
【手続補正書】
【提出日】平成13年10月30日(2001.10.30)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】 本発明はまた、配列番号1に示すKv6.2の多型性改変体を提供する:改変
体#1、これは、アミノ酸48位でのグルタミン酸残基がアスパラギン酸残基
に置き換わっている;改変体#2、これは、アミノ酸174位においてロイシン
残基がバリン残基に置き換わっている;および改変体#3、これは、アミノ酸1
95位において、アラニン残基がセリン残基に置き換わっている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0218
【補正方法】変更
【補正内容】
【0218】
【化4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0220
【補正方法】変更
【補正内容】
【0220】
【化6】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ヒト(配列番号17)およびマウス(配列番号1)のKv6.2遺伝
子のアミノ酸整列である。同一の残基には影を施し、そして整列の間のギャップ
は、破線で示す。アミノ酸残基番号を、左の余白に与える。ヒトおよびマウスの
Kv6.2は、全体としてアミノ酸レベルで80%同一である。
【図2】 図2は、Xenopus卵母細胞におけるKv6.2遺伝子の発現である。(
A)マウスKv6.2遺伝子からのcRNAを注射した卵母細胞から記録された
電流。使用した電圧ステップは、静止電位である−90mVからであり、そして
−80mVから+20mVの範囲で、20mVの増分であった。マウスKv6.
2もヒトKv6.2も、外向き電位ゲート制御カリウム電流はこれらの条件下で
は発生しなかった。(B−D)ヒトKv2.1遺伝子単独について(B)、ヒト
Kv2.1およびマウスKv6.2の同時注入について(C)、およびヒトKv
2.1およびヒトKv6.2の同時注入について(D)、cRNAを注入した卵
母細胞から記録された電流。同一の電位ステップを、各卵に適用した。各場合に
おいて静止電位は、−90mVであり、そして−80mVから+20mVの範囲
で、20mVの増分であった。両方のKv6.2/KV2.1のヘテロマーがK
v2.1ホモマーよりもより脱分極した電位で活性化することが認められる。ヘ
テロマーの活性化は、Kv2.1ホモマーよりもより遅延されることも認められ
た。(B)において使用したKv2.1 cRNAの量は、(C)および(D)
において使用されたものの8分の1であった。両方のKv6.2遺伝子がKv2
.1電流の大きさの減少を生じた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61P 43/00 111 48/00 C07K 14/47 A61P 43/00 111 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 G06F 17/30 170F 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 A61K 37/02 // G06F 17/30 170 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘテロマーカリウムチャネルのαサブユニットを含むポリペ
    プチドモノマーをコードする、単離された核酸であって、該ポリペプチドモノマ
    ーは、以下: (i)少なくとも1つのさらなるKvαサブユニットとともに、電位ゲート制
    御の特徴を有するヘテロマーカリウムチャネルを形成する能力を有し; (ii)Kv6.2サブユニット会合領域に対して約70%を超えるアミノ酸
    配列同一性を有するモノマーサブユニット会合領域を有し;そして (iii)配列番号1または配列番号17に対して生成されたポリクローナル
    抗体に特異的に結合する、 単離された核酸。
  2. 【請求項2】 前記核酸がヒトKv6.2をコードする、請求項1に記載の
    単離された核酸。
  3. 【請求項3】 前記核酸がマウスKv6.2をコードする、請求項1に記載
    の単離された核酸。
  4. 【請求項4】 前記核酸が、配列番号1または配列番号17をコードする、
    請求項1に記載の単離された核酸。
  5. 【請求項5】 前記核酸が、配列番号2または配列番号18のヌクレオチド
    配列を有する、請求項1に記載の単離された核酸。
  6. 【請求項6】 前記核酸が、以下: 【化1】 からなる群より選択されるプライマーセットと同じ配列に対して、ストリンジェ
    ントなハイブリゼーション条件下で選択的にハイブリダイズするプライマーによ
    って増幅される、請求項1に記載の単離された核酸。
  7. 【請求項7】 前記核酸が、約53kDaと約65kDaとの間の分子量を
    有するポリペプチドモノマーをコードする、請求項1に記載の単離された核酸。
  8. 【請求項8】 ヘテロマーカリウムチャネルのαサブユニットを含むポリペ
    プチドモノマーをコードする、単離された核酸であって、該ポリペプチドモノマ
    ーは、以下: (i)少なくとも1つのさらなるKvαサブユニットとともに、電位ゲート制
    御の特徴を有するヘテロマーカリウムチャネルを形成する能力を有し; (ii)Kv6.2 S4−S6領域に対して約85%を超えるアミノ酸配列
    同一性を有するS4−S6領域を有し;そして (iii)配列番号1または配列番号17に対して生成されたポリクローナル
    抗体に特異的に結合する、 単離された核酸。
  9. 【請求項9】 配列番号2または配列番号18に対してストリンジェントな
    条件下で特異的にハイブリダイズするポリペプチドモノマーをコードする、単離
    された核酸。
  10. 【請求項10】 前記核酸が、配列番号2または配列番号18のヌクレオチ
    ド配列に対して、中程度のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で
    、選択的にハイブリダイズする、請求項1または8に記載の単離された核酸。
  11. 【請求項11】 ヘテロマーカリウムチャネルのαサブユニットを含む、単
    離されたポリペプチドモノマーであって、該ポリペプチドモノマーは、以下: (i)少なくとも1つのさらなるKvαサブユニットとともに、電位ゲート制
    御の特徴を有するヘテロマーカリウムチャネルを形成する能力を有し; (ii)Kv6.2 サブユニット会合領域に対して70%を超えるアミノ酸
    配列同一性を有するモノマーサブユニット会合領域を有し;そして (iv)配列番号1または配列番号17に対して生成されたポリクローナル抗
    体に特異的に結合する、 単離されたポリペプチドモノマー。
  12. 【請求項12】 前記ポリペプチドモノマーがヒトKv6.2のアミノ酸配
    列を有する、請求項11に記載の単離されたポリペプチドモノマー。
  13. 【請求項13】 前記ポリペプチドモノマーがマウスKv6.2のアミノ酸
    配列を有する、請求項11に記載の単離されたポリペプチドモノマー。
  14. 【請求項14】 前記ポリペプチドモノマーが配列番号1または配列番号1
    7のアミノ酸配列を有する、請求項11に記載の単離されたポリペプチドモノマ
    ー。
  15. 【請求項15】 ヘテロマーカリウムチャネルのαサブユニットを含む、単
    離されたポリペプチドモノマーであって、該ポリペプチドモノマーは、以下: (i)少なくとも1つのさらなるKvαサブユニットとともに、電位ゲート制
    御の特徴を有するヘテロマーカリウムチャネルを形成する能力を有し; (ii)Kv6.2 S4−S6領域に対して85%を超えるアミノ酸配列同
    一性を有するS4−S6領域を有し;そして (iii)配列番号1または配列番号17に対して生成されたポリクローナル
    抗体に特異的に結合する、 単離されたポリペプチドモノマー。
  16. 【請求項16】 請求項11または請求項15に記載のポリペプチドモノマ
    ーに選択的に結合する、抗体。
  17. 【請求項17】 前記ポリペプチドモノマーが、配列番号1または配列番号
    17のアミノ酸配列を有する、請求項16に記載の抗体。
  18. 【請求項18】 請求項1に記載の核酸を含む、発現ベクター。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載のベクターを用いてトランスフェクトさ
    れた、宿主細胞。
  20. 【請求項20】 ヘテロマー電位ゲート制御カリウムチャネルを通じたイオ
    ンフラックスを増加もしくは減少させる化合物を同定するための方法であって、
    該方法は、以下の工程: (i)該化合物を、真核生物宿主細胞または細胞膜に接触させる工程であって
    、該宿主細胞もしくは細胞膜において、ヘテロマーカリウムチャネルのαサブユ
    ニットを含むポリペプチモノマーが発現されており、ここで、該ポリペプチドモ
    ノマーは、以下: (a)少なくとも1つのさらなるKvαサブユニットとともに、電位ゲート
    制御の特徴を有するヘテロマーカリウムチャネルを形成する能力を有し; (b)Kv6.2サブユニット会合領域に対して70%を超えるアミノ酸配
    列同一性を有するモノマーサブユニット会合領域を有し;そして (c)配列番号1または配列番号17に対して生成されたポリクローナル抗
    体に特異的に結合する、工程;ならびに (ii)カリウムチャネルを発現する、該細胞または細胞膜に対する該化合物
    の機能的効果を決定する工程、 を包含する、方法。
  21. 【請求項21】 前記イオンフラックスの増加または減少が、電流または電
    位の変化を測定することによって決定される、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記カリウムチャネルモノマーポリペプチドが組換え体で
    ある、請求項20に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記カリウムチャネルモノマーポリペプチドが、ヒトKv
    6.2である、請求項20に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記カリウムチャネルモノマーポリペプチドが、マウスK
    v6.2である、請求項20に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記カリウムチャネルモノマーポリペプチドが、配列番号
    1または配列番号17のアミノ酸配列を有する、請求項20に記載の方法。
  26. 【請求項26】 ヘテロマー電位ゲート制御カリウムチャネルを通じたイオ
    ンフラックスを増加もしくは減少させる化合物を同定するための方法であって、
    該方法は、以下の工程: (i)該化合物を、真核生物宿主細胞または細胞膜に接触させる工程であって
    、該宿主細胞もしくは細胞膜において、ヘテロマーカリウムチャネルのαサブユ
    ニットを含むポリペプチモノマーが発現されており、ここで、該ポリペプチドモ
    ノマーは、以下: (a)少なくとも1つのさらなるKvαサブユニットとともに、電位ゲート
    制御の特徴を有するヘテロマーカリウムチャネルを形成する能力を有し; (b)Kv6.2 S4−S6領域に対して85%を超えるアミノ酸配列同
    一性を有するS4−S6領域を有し;そして (c)配列番号1または配列番号17に対して生成されたポリクローナル抗
    体に特異的に結合する、工程;ならびに (ii)該カリウムチャネルを発現する、該細胞または細胞膜に対する該化合
    物の機能的効果を決定する工程、 を包含する、方法。
  27. 【請求項27】 Kv6.2の存在を哺乳動物組織において検出する方法で
    あって、該方法は、以下の工程: (i)生物学的サンプルを単離する工程; (ii)該生物学的サンプルを、Kv6.2と選択的に会合するKv6.2特
    異的試薬と接触させる工程;および (iii)該サンプルと選択的に会合したKv6.2特異的試薬のレベルを検
    出する工程、 を包含する、方法。
  28. 【請求項28】 前記Kv6.2特異的試薬が、Kv6.2特異的抗体、K
    v6.2特異的オリゴヌクレオチドプライマー、およびKv6.2核酸プローブ
    からなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記サンプルがヒト由来である、請求項27に記載の方法
  30. 【請求項30】 コンピュータシステムにおいて、ヒトKv6.2遺伝子の
    変異についてスクリーニングする方法であって、該方法は、以下の工程: (i)該コンピュータに、配列番号2のヌクレオチド配列、配列番号18のヌ
    クレオチド配列、およびそれらの保存的改変版を有する電位ゲート制御カリウム
    チャネルポリペプチドモノマーをコードする第一の核酸配列を入力する工程; (ii)該第一の核酸配列と、該第一の核酸配列と実質的な同一性を有する第
    二の核酸配列とを比較する工程;および (iii)該第一の核酸配列と該第二の核酸配列との間のヌクレオチドの相違
    を同定する工程、 を包含する、方法。
  31. 【請求項31】 前記第二の核酸配列が、疾患状態に関連する、請求項30
    に記載の方法。
  32. 【請求項32】 コンピュータシステムにおいて、Kv6.2ポリペプチド
    モノマーの三次元構造を同定するための方法であって、該方法は、以下の工程: (i)該コンピュータシステムに、カリウムチャネルポリペプチドモノマーの
    少なくとも25アミノ酸のアミノ酸配列または該ポリペプチドモノマーをコード
    する遺伝子の少なくとも75ヌクレオチドを入力する工程であって、該ポリペプ
    チドモノマーは、配列番号1、配列番号17のアミノ酸配列またはそれらの保存
    的改変版を有する、工程;ならびに (ii)該アミノ酸配列によってコードされるポリペプチドモノマーの三次元
    構造を生成する工程、 を包含する、方法。
  33. 【請求項33】 前記アミノ酸配列が一次構造であり、ここで、前記生成工
    程が、以下の工程: (i)該一次構造から決定されるエネルギー項を用いて、該一次構造から二次
    構造を形成する工程;および (ii)該二次構造から決定されるエネルギー項を用いて、該二次構造から三
    次構造を形成する工程、 を包含する、請求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記生成工程が、前記三次構造によって決定される非等方
    性項を用いて、該三次構造から四次構造を形成する工程をさらに包含する、請求
    項33に記載の方法。
  35. 【請求項35】 リガンドに結合する、Kv6.2カリウムチャネルタンパ
    ク質の三次元構造の領域を同定する工程、および該領域を用いて該カリウムチャ
    ネルタンパク質に結合するリガンドを同定する工程、 をさらに包含する、請求項31に記載の方法。
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