JP2002518064A - Rna転写産物の検出、分析およびマッピング方法 - Google Patents

Rna転写産物の検出、分析およびマッピング方法

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JP2002518064A JP2000556062A JP2000556062A JP2002518064A JP 2002518064 A JP2002518064 A JP 2002518064A JP 2000556062 A JP2000556062 A JP 2000556062A JP 2000556062 A JP2000556062 A JP 2000556062A JP 2002518064 A JP2002518064 A JP 2002518064A
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Abstract

(57)【要約】 「ファインアレイ転写物マッピング」または「FATマッピング」と呼ばれる遺伝子分析方法を開示し、該方法は、ゲノムから転写されたRNA分子の検出および測定に有用である。該方法は、鋳型ゲノムの異なった発現を調べ、発現された転写産物の5’末端を正しくマッピングすることに適用される。さらに、特定の生物学的状況下での転写産物の存在または不存在ならびにその相対濃度により、遺伝子機能またはコーディング能を決定することもできる。かくして、該方法は、新規遺伝子および既知遺伝子をマッピングし同定すること、ならびに遺伝子機能および調節を調べることに関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、新規遺伝学的方法、ゲノムから転写されるRNA分子の検出、測定
および特徴づけに有用な方法であるファインアレイ転写産物マッピング(fine a
rray transcript mapping)または「FATマッピング」に関するものである。
該方法は、2つの試料間の異なるRNAの発現を分別し、鋳型であるゲノム配列
に関してRNA分子の末端を正確に決定すること(マッピング)に特に有用であ
る。
【0002】 複雑なゲノムの転写調節の分析は実験的挑戦である。1の古典的なアプローチ
はフィルターハイブリダイゼーションまたはノーザンブロッティングを用いるも
のであり、ゲノムの1の小さい領域のみに由来する転写産物を1回ずつ分析する
ものであり、その部分はプローブにより表わされる。この方法による複雑なゲノ
ムの完全な転写の分析は、数百ないし数千の実験および膨大な量の時間と努力が
必要である。さらに、調べるべき各生物学的状況はさらなる個々のゲノムの分析
を必要とする。かくして、この伝統的アプローチは効率に関して重大な欠点を有
する。 これらの欠点を克服するために、洗練され、感度の良いアプローチが開発され
るようになり、それらは、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)に依存
するものであり、異なる細胞集団中の特定遺伝子の発現を示すものである。分別
ディスプレイRT−PCR(DDRT−PCR)はこれらの新しいPCRによる
方法の最初のもので、2つの集団からの全mRNAのランダムプライムド増幅を
用いるものである。DDRT−PCRは、2つのRNA集団における変化した発
現を示すmRNAに対応したcDNAフラグメントの可視化およびその後の単離
を可能にする(7、8)。もう1つの方法は、レプレゼンテイショナル(repres
entational)分別分析(RDA)と呼ばれ、cDNAの増幅のカップリングした
2つの集団中に存在するフラグメントを、集団の1つに存在する異なって発現さ
れたmRNAから差し引く方法である(6、9)。第3の方法はサプレッション
引き算ハイブリダイゼーション(SSH)であり、これはRT−PCRを用いて
異なって発現された遺伝子由来のmRNAであり、これはRT−PCRを用いて
異なって発現された遺伝子由来のmRNAを選択的に増幅し、その一方で豊富な
cDNAの増幅を抑制するものである(2)。最近の研究において、本発明者は
、転写産物である32種の異なってディスプレイされたマウスcDNA(そのレ
ベルは、潜伏的にHSV−1に感染したネズミ三叉神経節の外植後の最初の4時
間以内に変化した)を単離するためにDDRT−PCRを用いた。4つのcDN
AはネズミTIS7と同一であり、それらの配列はインターフェロン(IFNs
)に関連していることが示された。DDRT−PCRにより生成された異なって
発現された各フラグメントのアクリルアミドゲル精製、再増幅、確認、および配
列決定は非常に労力を要するプロセスであった。 mRNA配列の一部がDDRT−PCR、RDAまたはSSHにより同定され
たら、転写産物の真の末端がマッピングされた後にのみ蛋白をコードするRNA
の部分を決定することができる。1のバッチにおいて既知配列を共有する2〜3
のmRNAの末端をマッピングするための洗練された方法が開発されている。こ
れらのうち優れた方法は「cDNA末端の迅速増幅」(RACE)または「ワン
−サイデッド増幅(one-sided amplification)」として知られており、3’末
端または5’末端に別個に適用される方法である(18、19、20、21)。
この方法は、発現されることが知られているmRNA中の配列を含むオリゴヌク
レオチドプライマーならびにmRNAの末端の特徴を有する第2の一般的なオリ
ゴヌクレオチドプライマーを用いる。1の実験において、小さなRNAのセット
(そのすべてが第1のオリゴヌクレオドプライマーにより表された配列を含むゲ
ノム領域に由来する)のみが検出または分析される。
【0003】 「ファインアレイ転写産物マッピング」または「FATマッピング」と呼ばれ
る本発明は、この領域におけるさらなる発展方法である。FATマッピングは、
数百または数千の重複ゲノムクローンまたはDNAフラグメントのアレイ(arra
y)を含む試験グリッドを、試験集団由来のRNA転写産物を表す標識cDNA
からなるプローブ(1、11、12)を用いてプロービングすることを包含する
。好ましくは、高速ロボットを用いて、この潜在的に高処理量のシステムが、マ
イクログラム量の全細胞mRNAに由来するプローブ混合物により稀な転写産物
の発現を定量的に測定できるようにし、さらに、1回のラン(run)でゲノム配
列中の数百の遺伝子の分析を可能にするようにする。最近、類似の方法を用い、
オリゴヌクレオチドアレイを用いて酵母の新規なオープンリーディングフレーム
(ORF)が同定された(16)。多くのクローンがFATマッピング法に使用
されて2つの近接クローン末端間のギャップが短くなるので、標識プローブの末
端を高い精度で予想することができる。好ましくは、予想の精度はアレイ中のク
ローンの数および分布状態に比例する。コンピューターシュミレーションにより
精度を予想できる。かくして、FATマッピングは、非常に迅速かつ労力を節約
する様式で、DDRT−PCR,SSH、RDAおよびRACEの目的を達成し
うる方法である。FATマッピング法を用いて、引き算的に発現された遺伝子配
列を同定し、転写産物をマッピングするための当該分野で認識された方法を用い
る研究を補完し、確認することもできる。さらにそのうえ、FATマッピングは
、1回の実験において、誘導され、引き算的に発現された遺伝子のデータベース
を得ることができ、それらの発現遺伝子に共通した転写プロモーター中のこれま
で未知であった調節エレメントの同定を容易にするであろう。 FATマッピング法を用いれば、これまで同定されていなかった遺伝子が一定
のゲノム中配列中に存在しているかもしれない。ウイルス、特にヘルペスウイル
スのゲノムは、今回のFATマッピング法を有利に適用できるゲノム配列の一例
である。例えば、1型単純ヘルペスウイルス(HSV−1)における遺伝子活性
および遺伝子の転写は、インビトロで培養された細胞の感染に間にカスケード的
に一時的に調節される。さらにヘルペスウイルスは、共通の3’末端を有するが
異なった5’末端を有する転写産物からの異なった蛋白を発現することが知られ
ている。例えば、以前の研究において、Bandaranら(17)は、より古典的な方
法によりUL9オープンリーディングフレームを含むmRNAの5’末端を正確
に決定することによる、1型単純ヘルペスウイルスによりコードされる新たな蛋
白OBPCの同定について記載している。該OBPC蛋白は、UL9転写産物が
コードするOBP蛋白とは異なる5’末端を有するが同じ3’末端を有する新規
転写産物(UL8.5)によりコードされていた。かくして、これらの結果から
、RNA転写産物の末端のマッピングは新たな遺伝子を発見するための方法であ
るが、このようにして伝統的方法を用いて新たな遺伝子を発見することは非常に
労力を要するものである。FATマッピングは、大きなゲノム領域中の転写産物
の末端の全体的なマッピングを一度に行うための新規かつ迅速な方法を提供し、
それゆえ、本発明の方法は、これまで未同定であった遺伝子の発見を可能にする
非常に有効な別法を提供する。
【0004】 発明の概要 本発明は、ゲノム配列に由来する個々の転写産物の位置をマッピングする方法
であって、下記工程:a)ゲノム配列の重複サブフラグメントを得て、ここに各
ゲノムサブフラグメントのヌクレオチド配列の少なくとも一部分が決定されてお
り;b)各重複ゲノムサブフラグメントを高密度グリッド上の別個の隊列となっ
た(知られた)位置に置き;c)該ゲノム配列から転写された試験転写産物を含
む組成物を調製し;d)該組成物中の試験転写産物を検出可能な様式で標識し;
e)標識試験転写産物を含む組成物を、ゲノムフサブラグメントを含む高密度グ
リッドと接触させ、そのことにより標識試験転写産物がゲノムサブフラグメント
にハイブリダイゼーションするようにし;f)ハイブリダイゼーションしていな
い試験転写産物を高密度グリッドの表面から除去し;g)ハイブリダイゼーショ
ンした標識試験転写産物を含む高密度グリッド上の隊列位置を検出し、次いで、
h)高密度グリッド上で標識試験転写産物がゲノムサブフラグメントにハイブリ
ダイゼーションしたパターンを分析することを含み、高密度グリッド上の標識試
験転写産物の位置を該グリッド上の重複ゲノムサブフラグメントの隊列位置と比
較することにより、ゲノム配列中における個々の試験転写産物の位置がマッピン
グされる方法を提供する。
【0005】 また本発明は、共通のゲノム配列を共有している2またはそれ以上の異なる組
織または細胞集団間の転写産物の異なった発現を測定する方法に関し、該方法は
、該共通配列に対して上記工程aおよびbを行い、異なった各細胞または組織集
団に対して別個に上記工程cからhまでを行い、次いで、異なった各細胞または
組織集団からの試験転写産物が共通のゲノム配列に対してマッピングされるパタ
ーンを比較することを含む方法であり、異なった組織または細胞集団間の転写産
物の発現の相違が調べられる方法である。
【0006】 さらに本発明は、特定条件下においてゲノム配列中の知られた位置の特定のオ
ープンリーディングフレームが発現されるかどうかを調べる方法を提供し、該方
法は、ゲノム配列に対して上記工程aおよびbを行い、それにより該オープンリ
ーディングフレームに対応するゲノムサブフラクションの高密度グリッド上の隊
列位置を決定し、該ゲノム配列を含む細胞または組織の集団を特定条件に供し、
特定条件に供された該細胞または組織のゲノム配列に対して上記工程cからhま
でを行い、次いで、該特定条件に供された該細胞または組織由来の試験転写産物
が該オープンリーディングフレームのゲノムサブフラグメントに対応する該高密
度グリッド上の隊列位置にハイブリダイゼーションしたかどうかを調べることを
含む方法であり、該ゲノム配列中の該オープンリーディングフレームが該特定条
件下で発現されたかどうかが調べられる方法である。
【0007】 発明の詳細な説明 本発明FATマッピングは、ゲノム配列から発現された個々の転写産物のゲノ
ム配列中の位置をマッピングするための便利な方法を提供する。一般的方法は、
まずゲノム配列の重複サブフラグメントを得ることを含み、各サブフラグメント
のヌクレオチド配列はすでに決定されているか既知のものである。当該方法のこ
の工程に関し、用語「配列決定」は、各ゲノムフラグメント全体にわたる全ヌク
レオチド配列の決定を必ずしも必要としない。詳細には、十分な配列のみ、例え
ば、サブフラグメントが由来するゲノム配列中の位置を決定できるフラグメント
の各末端(5’および3’末端)についてのみ知られていてば十分である。さら
に、いくつかの場合、サブフラグメントの重複の程度が非常に高い場合、各サブ
フラグメントの末端のいずれか一方(5’または3’末端)に由来する重要部分
のみ配列決定すれば十分であるかもしれない。本発明のこの工程に関し、すべて
またはいくつかのサブフラグメントの配列を決定する目的は、ゲノム配列の範囲
全体にわたるそれらのサブフラグメントの正しい順序を決定することにもなりう
る。 当該分野においてそのいくつかがよく知られている慣用的方法論によりゲノム
サブフラグメントの配列決定を行ってもよい。また、この工程の特に好ましい具
体例において、配列決定前あるいは高密度グリッド上にサブフラグメントを置く
前に、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を用いて個々のサブフラグメントを増幅す
る。
【0008】 既知配列のゲノムサブフラグメントが得られたならば、各サブフラグメントの
部分試料をそれぞれ、高密度グリッド上の隊列となった(既知の)位置に置く。
グリッド上の各フラグメント位置が知られているので、そして全ゲノム配列中の
各フラグメント配列の位置が知られているので、いずれのグリッド位置から得ら
れるデータであっても、サブフラグメントにより表されるゲノム配列の小さな領
域に帰属することができる。この方法の目的のために、用語「グリッド」、また
は「高密度グリッド」は、ゲノムサブフラグメントの隊列化したスポットまたは
部分試料を適用するに適した表面をいう。核酸グリッド材料は、例えば、ナイロ
ンフィルター膜、誘導体化ガラス、シリコンチップまたは他のポリマー固体支持
体を包含する。多くのかかるグリッドが市販されている。 次いで、ゲノムサブフラグメントの部分試料を含むグリッドを、ゲノム配列を
含有する細胞または組織から転写された試験転写産物を含む組成物に曝露する。
試験転写産物を調製して、検出可能な様式で標識する。例えば、試験転写産物を
検出可能に標識する方法は、標識ヌクレオチド三リン酸存在下での逆転写および
ポリメラーゼ連鎖反応である。好ましい標識は、フルオレセイン、ローダミンお
よびピレンのごとき蛍光発生物質、ハプテン、P32、P33、テルビウム、ユ
ーロピウム、ならびに電気的に活性な基を包含する。
【0009】 ゲノムサブフラグメントを含む高密度グリッドと標識試験転写産物とを接触さ
せ、標識試験転写産物をゲノムサブフラグメントとハイブリダイゼーションさせ
る。好ましいハイブリダイゼーション条件は、0.01ないし1Mの塩濃度、約
35ないし70℃の温度、約0.5ないし数時間の時間を包含する。好ましい条
件は当業者によって、例えば、アレイヌクレオチドの平均G+C含量に基づいて
実験的に容易に決定され、異なるものである。当業者に知られた慣用的方法によ
り未ハイブリダイゼーション試験転写産物を高密度グリッド表面から除去する。
この分野で知られたアレイを調製するための一般的に有用な方法、標識プローブ
およびハイブリダイゼーション条件は、例えば文献11および12に示されてい
る。
【0010】 次いで、標識試験転写産物を有する高密度グリッドの各隊列位置を検出し、標
識試験転写産物が高密度グリッド上に出現するパターンを分析し、それにより高
密度グリッド上の標識転写産物の位置を、該グリッド上の重複ゲノムサブフラグ
メントの隊列位置と比較することにより、ゲノム配列中における個々の試験転写
産物の位置をマッピングする。 よって、便利なことに本発明は、転写されたRNAの5’末端の正確な位置、
さらに3’末端の正確な位置を提供できるものであり、かくして、ORFを含む
既知および未知の転写産物、または遺伝子をゲノム配列上にマッピングする手段
を提供するものである。この情報は、当該分野で知られた他のハイブリダイゼー
ションアレイ法よっては提供されないものである。発現されたRNAは、これま
で実際の遺伝子中に存在するとは予想されなかったOFRを含む可能性があり、
さらに本発明は、特定の条件または刺激に応答した発現とこれらのORFとを関
連づけることができ、かくして、新規遺伝子に関する情報も本発明によって提供
される。本発明により提供される、特定の条件または刺激に応答した既知ORF
の発現に関する情報は、既知ORFに関する新たな機能または活性の情報を導く
。新たな遺伝子の情報は、配列および発現がこれまで特徴づけられていなかった
全く新しい遺伝子、ならびに転写開始が新たに認識された位置で起こる既知遺伝
子配列中の新たなORFを包含する。目的の鋳型ゲノム配列は、動物、微生物、
ウイルスまたは植物を包含する生きた生物に由来する1本鎖または2本鎖DNA
であってもよく、あるいはいくつかの場合にはRNAであってもよい。本発明方
法の好ましい具体例は、ゲノム配列が動物、詳細には哺乳動物、最も詳細にはヒ
ト動物に由来するものである。さらに好ましいゲノム配列はウイルスまたは最近
、最も詳細には1型および2型単純ヘルペスウイルス、B型肝炎ウイルス、C型
肝炎ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6、7および8ならびにヒトサイトメガロ
ウイルスのごとき他の複雑なゲノムに由来するものである。さらなる好ましいゲ
ノム配列は、例えば、他の原核細胞もしくは真核細胞病原体または動物のゲノム
領域を含有するシュードモナス人工染色体(BACs)、あるいはヒトを包含す
る哺乳動物に対して病原性のあるストレプトコッカス種、スタフィロコッカス種
、ミコバクテリウム種および他の類似の生物の完全なゲノムに由来するものであ
る。
【0011】 一般的なFATマッピング法の他の好ましい具体例は、目的DNAを剪断また
は酵素消化し、十分にランダムなフラグメントをクローン化してすべての領域の
配列が複数のクローンにより表されるようにするショットガンクローニング法に
よって重複配列を得るFATマッピング方法を包含する。かくして、クローンの
全集団はゲノム領域についてのライブラリーとなる。上述のごとく、この態様に
おいて、高密度グリッド上に置く前にポリメラーゼ連鎖反応を用いることにより
クローン化フラグメントを個々に増幅し、次いで、クローニングベクターから分
離してもよい。さらに、PCRを用いて一定の重複DNAフラグメントをn個の
ヌクレオチドからなるゲノム領域から得て、FATマッピングに使用する場合、
好ましくは、少ない塩基、好ましくは1個の塩基だけずれるようにフラグメント
を調製する。かくして、例えば、フラグメントのシリーズは、塩基1〜200、
2〜201、3〜202等.....(n−199)〜nの配列を有するポリヌ
クレオチドのフラグメントを含むであろう。FATマッピングのためのDNAフ
ラグメントを得るための最後の好ましい方法は、n個の塩基からなるゲノムを表
す既知ゲノム配列に由来する長さ20個またはそれ以上の塩基の一連の重複オリ
ゴヌクレオチドを完全に合成して、該一連のものが塩基1〜20、2〜21、3
〜22、.....(n−19)〜nを含むようにすることであってもよい。 一般的なFATマッピング法のさらなる好ましい具体例は、ゲノムサブフラグ
メントの配列データに基づいてゲノム配列中のゲノムサブフラグメントの位置を
分析するためのコンピューターにより支援される方法を包含する。さらに、コン
ピューターにより支援される方法は、高密度グリッド上の標識試験転写産物のパ
ターンとを検出し、重複ゲノムサブフラグメントの隊列位置と比較すること、な
らびにかかる分析により示されるmRNAおよび遺伝子の特徴を予測することに
有用である。本発明方法を改良するために、本発明方法のいずれのポイントに自
動化された工程を用いてもよく、特に、例えば、サブフラグメントの配列決定、
サブフラグメントの増幅、サブフラグメントまたは標識試験転写産物の部分試料
を高密度グリッド上に置くこと、ならびにハイブリダイゼーションおよび洗浄工
程に用いてもよい。
【0012】 本発明のFATマッピングにより、共通のゲノム配列を共有する2またはそれ
以上の異なった組織、細胞集団またはウイルス感染細胞集団間の異なった発現お
よび相対濃度を測定する方法が、さらに提供される。上述のごとくこの方法は、
まず、共通のゲノム配列に由来する、配列決定され重複したサブフラグメントか
らなる高密度グリッドを調製することを含む。次いで、試験転写産物の組成物を
共通のゲノム配列から調製する。ここに各試験組成物は、異なる組織もしくは細
胞集団からの、あるいは異なった時点での同じ組織もしくは細胞集団からの、あ
るいは特定の刺激もしくは条件に曝露された同じ組織もしくは細胞集団からの共
通のゲノム配列の発現を示すものである。最後に、それぞれの場合において共通
のゲノム配列から発現された試験転写物のパターンを比較し、それにより、異な
る組織もしくは細胞集団間、あるいは異なった時点での同じ組織もしくは細胞集
団間、あるいは特定の刺激もしくは条件に曝露された同じ組織もしくは細胞集団
間における転写産物の発現の相違を調べる。 該方法のこの態様における好ましい具体例は、共通のゲノム配列が哺乳動物、
最も詳細にはヒトに由来するものである方法である。細菌種、最も詳細にはスト
レプトコッカス、スタフィロコッカス、ミコバクテリウムのごときヒト病原体、
あるいは真菌、最も詳細にはクリプトコッカスのごときヒト病原体真菌タイプ;
あるいは寄生動物、詳細にはプラスモジウムのごとき真核ヒト病原体に由来する
ものである。ウイルス由来、最も詳細には1型単純ヘルペスまたは2型単純ヘル
ペス由来のゲノム配列が特に好ましい。
【0013】 異なった発現を分析することを目的としたFATマッピングのこの態様のさら
なる好ましい具体例は、転写産物組成物が同じ生物の異なる組織に由来するもの
であり、例えば、試料が1の動物個体、詳細には哺乳動物、特にヒトの異なる器
官または細胞タイプから取られる場合である。本発明のこの態様は、組織および
細胞に特異的な機能の調節を調べるための便利な機構を提供する。 さらに本発明の一般的方法は、ゲノム発現の異なった時点における同じ組織タ
イプの発現を調べる方法を提供し、例えば、組織、細胞もしくはウイルスの発達
の異なった段階において、あるいは特定の刺激または条件に曝露された後の異な
った時点においてゲノム発現を測定することができる。異なった時点での分析の
例は、例えばヒトにおける高等動物の細胞の発達および分化の調査、加齢プロセ
スにおける胎児組織とその同じ組織との比較分析を包含する。さらなる特別に有
用な態様は、ウイルスゲノム発現の異なった段階におけるウイルス感染細胞中の
ウイルスゲノムの分析を包含し、例えば、潜伏期間中およびビルレンスサイクル
中の一定間隔においてウイルスゲノムをサンプリングする。したがって、細胞ゲ
ノムの分析を行って、ウイルス潜伏期および感染中に関連した種々の時点におい
てウイルスを有する組織における細胞因子の発現を調べることもできる。 当該方法は、特定の刺激または条件に曝露された後の種々の組織および細胞タ
イプにおける経時的分析にも適用でき、それにより、細胞またはウイルス発現に
対する当該刺激または条件の影響を研究する。異なったゲノム試料に対する可能
な刺激の例は、例えば、温度、光、圧力、または他の物理的、環境的もしくは化
合物を包含する化学的刺激、最も好ましくは感染または疾病の状態におけるウイ
ルス、細胞もしくは組織のタイプに対して適用されうる潜在的な薬剤候補化合物
のごとき化学的刺激を包含するが、これらに限定されない。かくして、本発明は
、癌組織のごとき古典的非感染性疾患ならびにウイルス感染のごとき感染性疾患
を包含する疾病状態に対する潜在的薬剤候補化合物を調べる有用な分析方法を提
供する。
【0014】 さらにもう1つの態様において、ゲノム配列中の既知の位置にある特定のオー
プンリーディングフレームが特定の時点または条件下で発現されるかどうかを調
べる方法として、本発明FATマッピングをさらに説明する。上記のごとく当該
一般的方法は、ゲノム配列の重複サブフラグメントを得ること、これらのサブフ
ラグメントを配列決定すること、次いで、該列決定した各サブフラグメントの部
分試料を高密度グリッド上に隊列として置くことを含む。次いで、このゲノム配
列を含有する細胞または組織の集団を特定条件に供するか、あるいは特定時点に
おいてサンプリングし、ウイルス、細胞または組織集団が特定条件または時点に
供される間に発現された試験転写産物を含む組成物を調製する。この組成物中の
試験転写物を検出可能に標識し、高密度グリッドと接触させ、そのことにより標
識試験転写産物がグリッド上のゲノムサブフラグメントにハイブリダイゼーショ
ンする。未ハイブリダイゼーション試験転写産物をグリッドから洗い去り、標識
試験転写産物を含むグリッド上の位置を同定する。試験転写産物がグリッド上の
ゲノムサブフラグメントにハイブリダイゼーションしたパターンを、好ましくは
コンピューターにより支援される方法により分析する。この分析により、試験転
写産物が転写されたゲノム配列上の位置がマッピングされ、既知オープンリーデ
ィングフレームに由来する特定の転写産物は発現されたかどうかが便利に決定さ
れる。 特に好ましい態様は、組織または細胞集団を特定のストレスまたは潜在的薬剤
化合物に曝露し、ストレスまたは潜在的薬剤化合物への曝露が目的の特定オープ
ンリーディングフレームからの転写を刺激または抑制したかどうかを決定するこ
とを含む。
【0015】 実施例 下記実施例は本願発明の種々の態様を説明する手段として提供され、本発明の
一般的なFATマッピングの適用可能性を限定するものと解してはならない。提
供される実施例は、Current Protocols in Molecular Biology, Vols. 1 and 2,
John Wiley & Sons, 1989およびその後のアップデート版に記載されたような当
該分野でよく知られた慣用的なな分子生物学に関し、これを利用するものである
。 一般的方法 アレイ作成のための、HSV−2クローン化DNA標本の調製: HSV−2 SB5(ATCC VR 2546)ゲノムライブラリーから単一
細菌コロニーを選択し、ユニークなプラスミドインサートを有することを確認し
た。マイクロタイター中で振盪せずに、アンピシリンを含有する175μlのL
Bブロス中でコロニーを一晩増殖させた。M13汎用プライマー(Gibco Life T
echnologies)およびAmpliTaq Gold PEを含む50μlの、3系のPCR増幅ウ
ェル中のそれぞれに1μlの培養物を使用した。 増幅を55℃で40サイクル行った。アガロース電気泳動により生成物を分析
し、AGTCカラムを用いて精製した。DNAを定量し、M13汎用プライマー
(ABI sequencer)を用いて配列決定し、グリッド作成用に沈殿させた。細菌培
養物を3系にして凍結した。下記のようにしてgenomicsHSV−2 SB5 DN
Aから対照用の遺伝子特異的PCR生成物を得た(プライマー感度)。 HSV−2クローン化DNAからのマイクロアレイの調製: 上記工程からのDNA鋳型生成物を用いて、ハイブリダイゼーション用のDN
Aスポットのアレイを調製した。Molecular Dynamics Microarray スポッターを
用いてシラン処理ガラス(Molecular Dynamics, Sunnyvale, CA)上にアレイを
スポットした。スポッティングおよびハイブリダイゼーションに使用するプロト
コルは、本質的には他に記載されたものである(A Systems Approach To Fabric
ating And Analyzing DNA Microarrays (1999). Jenifer Worley, Kate Bechtol
, Sharon Penn, David Roach, David Hancel, Mary Trounstine, and David Bak
er. DNA Microarrays: Biology and Technology. Biotechniques Books. Editor
Mark Schena)。下記のごとく調製したcDNAプローブのハイブリダイゼーシ
ョン後、Molecular Dynamicsマイクロアレイスキャナーを用いて得られたすべて
のマイクロアレイをスキャンした。Array Vision (Imaging Research, St. Cath
erine's Ontario, Canada)を用いて映像を分析した。 遺伝子発現分析のための、HSV−2感染細胞からのRNA抽出: ヒトMRC−5またはNetra−2細胞(ATCC)をHSV−2 SB5
(ATCC VR−2546)に感染の多重度5で感染させた。感染から1、2
、4、6、8および17時間後に、製造者(Life Technologies-Gibco BRL, Gra
nd Island, NY)の説明に従ってTRIzol試薬を用いてRNAを単離した。模擬感
染細胞をすべての実験において対照として使用した。 ハイブリダイゼーションプローブ用の相補的DNAの調製: BRLキット18089−011(Gibco BRL life Technologies)を用い、
20μgの全RNAを用いてCy−3標識cDNAプローブ(dCTP)を得た
。Qiagen Qiaquick PCRカラムを用いてプローブを精製した。洗浄前に付加的に
遠心分離を行う以外は製造者のプロトコルに従って行った。 RT−PCR実験のための、RNAからの相補的DNAの調製: RNase不含DNaseI(Boehringer Mannheim Biochemicals, Indianap
olis, In)でRNAを45分消化し、次いで、70℃で5分間インキュベーショ
ンして酵素を不活性化させた。すでに記載されているようにして(Tal-Singer R
., T. M. Lasner, W. Podrzucki, A. Skokotas, J. J. Leary, S. L. Berger, a
nd N. W. Fraser. 1997. Gene expression during reactivation of herpes sim
plex virus type 1 from latency in the peripheral nervous system is diffe
rent from that during lytic infection of tissue cultures. J. Virol. 71:5
268-5276)、Superscript Preamplification kit(Life-Technologies-Gibco BR
L, Grand Island, NY)を用い、オリゴdTでプライミングし、ランダムヘキサ
マーを用いて2〜3μgの全RNAから相補的DNA(50μl)を得た。 半定量的分析のための、cDNAのPCR増幅: 適当量のcDNAを含む25μlの体積中で反応を行った。SB5転写産物を
検出するためのプラマーペアーを表1に示す。GAPDH用プライマーをClonte
chから得た。ベータアクチンおよびシクロフィリン用プライマーはすでに記載さ
れたものであった(Tal-Singer R., T. M. Lasner, W. Podrzucki, A. Skokotas
, J. J. Leary, S. L. Berger, and N. W. Fraser. 1997. Gene expression dur
ing reactivation of herpes simplex virus type 1 from latency in the peri
pheral nervous system is different from that during lytic infection of t
issue cultures. J. Virol. 71:5268-5276、Tal-Singer R., W. Podrzucki, T.
M. Lasner, A. Skokotas, J. J. Leary, N. W. Fraser and S. L. Berger. 1998
. Use of differential display reverse transcription-PCR to reveal cellul
ar changes during Stimuli that result in herpes simplex virus type 1 rea
ctivation from latency: upregulation of immediate-early cellular respons
e genes TIS7, interferron, and interferron regulatory factor-1. J. Viol.
72:1252-1261)。サーマルサイクラー9700(Perkin-Elmer, Norwalk, Conn
.)を用い、96ウェルプレート中で、1μMの各プライマー、1.25UのAmp
liTaq Gold、200μMのdNTP、および25mM MgCl2を含む10Xバ
ッファーを用いてサイクリング反応を行った。95℃で9分間変性の1サイクル
を行った後、下記サイクルを行った:(i)95℃で1分間変性、(ii)60
℃で1分間アニーリング、次いで、(iii)72℃で2分間伸長。最終サイク
ルは72℃で7分間の伸長で終了した。35ないし45サイクルの増幅を行った
。逆転写を行わないRNA試料を各セットの実験に付してDNA混入に関する対
照とした(RT−)。すでに記載されたように(Tal-Singer et al. 1998)、ア
ガロースゲル電気泳動、Fluoimagerスキャンニング(Molecular Dynamics)およ
びバンド強度定量によりPCR生成物を分析した。PCR生成物バンド強度と細
胞ハウスキーピング遺伝子(シクロフィリン、ベータアクチンまたはGADPH
をコード)のバンド強度との割合として、多くの数のPCR生成物の相対量を調
べた(Bloom, D. C., G. B. Devi-Rao, J. M. Hill, J. G. Stevens, and E. K.
Wagner. 1994. Molecular analysis of herpes simplex virus type 1 during
epinephrine-induced reactivation of latency infected rabbits in vivo. J.
Virol. 68:1283-1292)。 PCR標準物質: 感染MRC−5細胞からのHSV−2(SB5)ウイルスDNAを、DNAz
ol試薬(Life Technologies-Gibco BRL, Grand Island, NY)を用いることに
より脳から調製したマウスDNA中に系列希釈した。1μl中全部で10ナノグ
ラムを、各プライマーセットを用いるPCRに供して相対プライマー感度を評価
した。 TaqManによる定量的RNA分析: 2X TaqMan Universal PCR Master mix(Perkin-Elmer, Norwalk, Conn.)およ
び適当量のcDNAを含む体積50μl中において反応を行った。反応系は20
0nMのTaqManプライマーおよび400nMのTaqManプローブも含
んでいた。Primer Expressソフトウェア(Perkin-Elmer, Norwalk, Conn.)を用
いて表2に記載したプライマーペアーおよびプローブを設計し、96ウェルオプ
チカルプレートにおいて分析した。蛍光リポーター色素Famでプローブ5’末端
を、蛍光消光色素Tamra(Synthegen, Houston, Tx)でローブ3’末端を標識し
て、PCR生成物の直接検出を可能にした。TaqManプローブはPCR生成
物中の標的配列にハイブリダイゼーションし、開裂してリポーター色素および消
光色素を分離させる。これら2つの色素の分離によりリポーターの蛍光が増大す
る。得られた蛍光をABI 7700 Sequence detector(Perkin-Elmer, Norwalk, Con
n)を用いて測定した。上記PCR標準物質を用いて得た標準曲線を用いて相対
コピー数を計算した。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】 実施例1 再活性化中に誘導されるウイルス遺伝子の同定 HSV−2 SB5(ATCC VR−2546)に感染したMRC−5細胞か
らゲノムウイルスDNAを調製する。噴射によりDNAを剪断して平均1ないし
2kbのサイズのフラグメントにし、フラグメントをpUC19およびブルース
クリプト(Bluescript)ベクター中に組み込む。ランダムに選択したクローン化
フラグメントを2000個以上の別々のクローンから配列決定し、シークエンサ
ー(Sequencer)およびPHRAPソフトフェアを用いて、該配列をアセンブリ
ーしてHSV−2ゲノムを表す連続DNA配列にする。各クローン中に組み込ま
れたHSV−2DNAインサートを、M13順方向および逆方向プライマーを用
いるPCRにより増幅する。次いで、各PCR生成物DNAのうち5ナノグラム
を、8列x12列のドットからなるブロック25個の2系のアレイとして数百枚
のスライドグラス上のドットとしてプリントする。各PCR生成物の別個の部分
試料を、各末端におけるDNA配列の1回のランに供して、ゲノムアセンブリー
に関してインサート生成物が直線状に存在することを確認する。対照DNA配列
、例えば、ベータ−アクチン、シクロフィリンおよびIRF−1からの細胞遺伝
子クローンから得た対照DNA試料を、アレイスライド中に含ませることができ
る。 前もってHSVで30日間感染させたマウス(潜伏感染マウス)から、低体温
による再活性化の前後に組織を取る。収集した組織は脳および三叉神経節を含む
。文献15に記載のとおりRNAを組織から精製する。潜伏感染し、再活性化さ
れた組織から標識cDNAを調製し、上記DNAフラグメントの個々のスライド
アレイにハイブリダイゼーションさせる。コンピューター支援映像分析を用いて
、アレイを潜伏感染動物由来のcDNAとハイブリダイゼーションさせることに
より得られた標識ドットパターンを、再活性化動物からのcDNAを用いて得ら
れたパターンと比較する。コンピューター支援計算を用いて、得られたクローン
のパターンを再活性化組織由来のRNAにハイブリダイゼーションするゲノムH
SV−2配列の直線状アレイに翻訳する。これらの直線状アレイは、再活性化プ
ロセスの間に発現されたHSV−2配列を表すものであり、連続した直線状アレ
イから推定される各RNAの最初の(またはいくつかの場合には第2の)ATG
5’により遺伝子が定義される。この実施例において、再活性化中に発現される
が、潜伏感染中に発現されない重要遺伝子は、TK遺伝子UL23およびDNA
ポリメラーゼ遺伝子UL30を包含する。明らかに、インビトロでの一次感染期
間中において、即時初期遺伝子ICP0、ICP4およびICP22はUL23
およびUL30遺伝子の発現前には発現されず、そのことは、低体温により誘導
された細胞機能が、ICP0、ICP4およびICP22遺伝子によるUL23
およびUL30の転写調節に打ち勝つか、あるいはこれに置き換わることを示唆
する。かくして、ICP0、4または22を妨害する抗ウイルス剤は、UL23
またはUL30の阻害剤と同様に潜伏を妨害するとは予想されない。
【0019】 実施例2 一次インビトロ感染期間中のHSV−2における遺伝子発現の一時的
調節の確認 インビトロでHSV−2 SB5に感染してから0、2、6、12および18
時間後のMRC−5細胞由来のRNA試料を用いる実験において、HSV−2中
の全遺伝子の発現の一時的カスケードのキネティクスを一度に調べる。内部リピ
ートLから内部リピートS領域までのRNA転写産物の末端位置をより細かに調
べるために、116100から132600までの間の10ヌクレオチドごとに
開始する長さ1000bpのPCR生成物を得て、アレイに加えて実施例1にて
調製したランダムクローンを補足する。これらの新たな付加物は、実際の末端か
ら10ヌクレオチド以内のところに転写産物の末端をマッピングする最小限の正
確さを保証する。HSV−2に感染してから0、2、6、12および18時間後
に標識cDNAプローブを調製する。全部で5つのcDNA試料をスライドグラ
ス上のアレイグリッドにハイブリダイゼーションさせ、さらに、スポットに結合
している標識プローブのパターンを、HSV−2ゲノム上のRNA分子鋳型配列
の直線状アレイ(またはマップ)に翻訳する。この実験において、RNA転写産
物は0時間目には検出されない。ICP0、ICP4およびICP22を包含す
る即時初期遺伝子は2時間目に検出され、6時間目のハイブリダイゼーションに
おいてUL23およびUL30を包含する初期遺伝子も検出される。18時間目
までには、糖蛋白および糖蛋白Bのごとき構造遺伝子が検出される。各キネティ
クのクラスにおいて検出される遺伝子のなかには、新規でありこれまで未同定で
あった転写産物ならびにそのHSV−1ホモログがそのHSV−2カウンターパ
ートとは異なったように一時的に調節される転写物が検出される。
【0020】 実施例3 潜在的な抗ウイルス化合物が作用するHSV生活環における段階の同
定、ならびに抗ウイルス化合物の作用機構の明確化 一時的に調節されるHSV−2からの遺伝子発現のカスケードを上記実施例2
のようにして特徴づけることができるので、感染細胞を化合物「X」で処理する
こと以外は同様に調製したcDNAプローブを用いるファインアレイ転写物マッ
ピングによって当該カスケードの破壊を調べることもできる。例えば、DNA合
成阻害剤アフィジコジンの存在下または不存在下で感染してから12時間ないし
18時間たった培養物から得たcDNAプローブにアレイをハイブリダイゼーシ
ョンさせることにより、発現が完全にHSV DNA複製に依存している遺伝子
が同定されるであろう。未処理の培養物から得たプローブによって、発現がDN
A合成に厳密に依存している遺伝子がマッピングされるであろうが、それは処理
された培養物から得たプローブを用いて検出されるマッピングされた転写産物を
含まないであろう。結果的に、未知化合物の存在下で感染してから12ないし1
8時間後の細胞から得たcDNAプローブを用いて同じパターンのハイブリダイ
ゼーションしたドットが検出される場合には、未知活性を有する化合物はHSV
DNA合成を阻害する可能性がある。同様に、未知化合物の存在下で感染して
から12ないし18時間後の細胞から得たcDNAを用いるマッピングにおいて
即時初期遺伝子のみが検出される場合には、当該化合物の作用機構は複製サイク
ルの初期段階に、例えば、ICP4による遺伝子発現のトランス活性化に関与し
ているであろう。
【0021】 実施例4 HSVゲノムによりコードされる新規遺伝子の同定 HSV−2からの遺伝子発現の一時的に調節されるカスケードを上記実施例2
のようにして特徴づけることができる。オープンリーディングフレームUL8、
UL9およびUL10の周辺のHSVゲノム領域からの転写産物であって、UL
8、UL8.5、UL9、UL9.5およびUL10(17)をコードするもの
とは異なるサイズの転写産物が存在すること、ならびにFATマッピングがこれ
らのmRNAの末端位置を予測するものであることが知られているので、コード
される新規な蛋白を予測することができる。 この予想は、別のRNAの5’末端に由来する翻訳開始配列中に存在する最初
のATGコドンにより表されるオープンリーディングフレームに基づくであろう
。これらのRNAのいくつかは感染後迅速に発現される可能性があり、他のもの
は感染期間の後期に発現される可能性があり、そのことはクローン化DNAスポ
ットに基づいて得られるシグナル多様化に関与する。推定される新規蛋白は既知
のUL8、UL8.5、UL9、UL9.5およびUL10遺伝子のアミノ酸配
列を表す可能性があり(すなわち、それらのオープンリーディングフレームの小
部分を含む可能性があり)、あるいは別のリーディングフレーム中に存在するこ
とにより新規なアミノ酸配列を表す可能性もある。
【0022】 実施例5 転写に対する新規化合物の影響による新規化合物の特徴づけならびに
それらの薬剤としての可能性 FATマッピングに供されたゲノム配列が動物遺伝子の一部、例えば、ケモカ
インをコードするヒト遺伝子の一部を表す場合には、実験化合物により処理され
た細胞または組織から調製されたプローブを用いて、目的のケモカインの発現に
影響する化合物を同定してもよい。かくして、ヒト末梢血リンパ球は、適当な刺
激により、前炎症性RANTES、MIP1bおよび他のケモカインのmRNA
を転写する。インビトロまたはインビボにおいて試験化合物の存在下で刺激を行
った場合、それらのリンパ球から抽出されたmRNAから標識cDNAプローブ
を調製し、FAT Mapアレイのブローブに使用することができる。RANT
ESまたはMIP1b mRNAの産生を特性または促進する化合物で処理され
た細胞から調製されたプローブを、FAT Mapシグナルの対応した減少また
は増加によって同定することができる。RANTESの転写を抑制する化合物は
抗炎症剤として有用であろうし、RANTESの産生を促進する化合物は潜在的
な前炎症性薬剤であろう。 同様に、FATマッピングを用いて、特定の疾病状態において、例えば、乾癬
の皮膚において異なって発現される一定の遺伝子領域に由来する遺伝子の群を特
徴づけてもよい。薬剤が知られているか、同一ではあるが逆方向(例えば、上流
方向ではなく下流方向)の遺伝子の発現に異なった影響を及ぼすことがFATマ
ッピングまたは別の転写分析により確認可能である場合には、FATマッピング
によってそれらの既知薬剤の新たな疾病への適用が発見される可能性がある。
【0023】 実施例6 実施例2のさらなる具体例 FATMap法を用いて、細胞培養物の一次感染期間中のHSV−2遺伝子発
現の一時的調節を確認した。マイクロアレイFATMapの結果がmRNAレベ
ルを示すものであるかどうかを評価するために、さらに3つの方法、a)遺伝子
特異的生成物量をハウスキーピング遺伝子生成物量と比較する半定量的PCR、
b)TaqManリアルタイム定量的PCR分析、およびc)HSV−2の特定
遺伝子に由来するDNAの多数のスポットによって同じアレイ上に生じたハイブ
リダイゼーションシグナルで同じRNA試料を評価した。以下に、すべての方法
によるHSV−2遺伝子ICP6(UL39)およびgC(UL44)に関する
結果を示す。 FATMapアレイハイブリダイゼーションは、模擬感染対照細胞と比較する
と、MRC−5 RNAを用いた場合には感染時間経過とともにICP6(UL
39)クローンに関するシグナルが除々に増加したことを示した。シグナル強度
のピークはPI(感染後)6時間においてであり、PI 17時間までには減少
した。図3Aにおいて、イメージシグナル強度をY軸にプロットし、そのシグナ
ルを示すクローンの左端位置をX座標に示す。図3B中の矢印は、HSV−2
HG52Genbenkエントリーにおいて定義されたUL39のオープンリーディン
グフレームを示す。 FATMapのデータは、図4に示す同じグリッド上の遺伝子特異的PCR生
成物からのアレイシグナルと矛盾しなかった。UL39(ICP6)に関する慣
用的な半定量的RT−PCRの結果は、発現のFATMapアレイキネティクス
および特異的遺伝子マイクロアレイの結果の両方に矛盾せず、その結果は感染6
時間後まで発現が増加するというものである。類似のHSV−2に関する実験か
ら得られたRNAによる慣用的RT−PCRに関するデータを図5Aに示す。T
aqMan定量的PCR分析から得られたデータもまた、図5Bに示すように、
ICP6(UL39)の発現についてのキネティクスにおけるFATMapアレ
イと一致する。 UL44オープンリーディングフレームの産物である糖蛋白C(gCとしても
知られる)に関する遺伝子である他の1のHSV−2遺伝子をこの実験に使用し
てある。図6Aおよび6Bに、UL44ゲノム領域に関するFATMapのデー
タおよびHSV−2 HG52Genbankエントリーからの遺伝子マップを示す。上
記FATMapクローンによる発現パターンは、図7に示すように、gCオープ
ンリーディングフレーム(UL44)に関する遺伝子特異的DNAスポットにつ
いて行ったマイクロアレイハイブリダイゼーションのパターンとも類似している
。以下に示すように、同じUL44 DNAに関する8系の同じスポットの再現
性もそれぞれ良好であった。
【0024】 実施例7 実施例4の具体例 FATMap法を用いてHSV−2遺伝子発現領域を同定した。該領域では、
HSV−2 HG52Genbankエントリーにより同定された1のオープンリーディ
ングフレーム中で発現レベルが異なっていると思われる。これらは、おそらく別
のRNAが存在し、それがリポートされる遺伝子と相関関係を有していない場合
であり、それゆえ、新たな遺伝子が示される可能性がある。図8において、UL
29のコーディング領域の左半分を含むクローンは、UL29の右半分について
のシグナルよりも大きいことがわかる。このことは、遺伝子の3’側半分を含む
、別個の、高度に発現されたRNAを示唆するものであり、UL29オープンリ
ーディングフレームの一部およびUL29オープンリーディングフレーム中の一
方の末端を用いる新規遺伝子の発現を示すものと考えられる。図8に、各クロー
ンの両末端の位置をプロットしてあり、黒シンボルによりクローン左端が示され
、白い同型シンボルによりクローンの右端が示されている。シンポルの各ペアー
の高さあるいはY軸上の座標は、ハイブリダイゼーション実験においてクローン
により示されたシグナル強度である。 図10に、UL9からUL13までの領域に由来するクローンが示されており
、FATMapによる転写物マッピングの概念は、ゲノムのこの領域からのクロ
ーンシグナルのパターンがHSV−2 HG52Genbankエントリーにより帰属さ
れた遺伝子のパターンと類似しているという事実により明確に支持される。その
データは、UL9は低レベルで発現されるが、UL10および11はより高いレ
ベルで発現され、UL12は中間の発現レベルであることを示す。
【0025】 本明細書にて引用した文献: 下記文献を参照により本願明細書に一体化させる: 1. Chalifur, L. E., R. Fahmy, E. L. Holder, E. W. Hutchinson, C. K. Ost
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ている特許出願(これらに限らない)を包含するすべての刊行物を、参照により
、個々の刊行物が明確に示されているかのごとく本明細書に一体化させる。
【0026】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、単一ゲノム、すなわち2型単純ヘルペス(HSV−2)
のゲノムに適用されたファンアレイ転写産物マッピング、または「FATマッピ
ング法」の説明である。HSV−2ゲノムは、大型で転写が複雑なゲノム領域の
一例である。HSV−2 DNAゲノムの2000以上のランダムな重複クロー
ンを得て、クローン化DNAフラグメントの各末端を配列決定した。各クローン
化フラグメントをグリッド形成媒体上、例えばナイロン膜またはスライドグラス
上アレイ中の個々のスポットに置く。平均して、HSV−2中の各ヌクレオチド
はアレイ上の数個のクローン中に現れる。
【図2】 図2は、慣用的方法によりマッピングされるHSV−1の内部リ
ピート領域に由来する転写産物の複雑性を示す。
【図3A】 図3Aは、0、2、6および17時間感染したMRC−5細胞
から調製されたcDNAプローブにハイブリダイゼーションするFATMapア
レイの結果を示す。HSV−2ゲノムヌクレオチド87000と91000との
間のすべてのサブフラグメントの左端のゲノム位置をX軸として用い、Y軸上の
各シンボルの高さはサブフラグメントが占領したグリッドスポットの光強度であ
る。
【図3B】 図3Bは、HSV2HG52についてGenbankエントリーから
推定され、Genbankエントリーの特徴のセクションに説明され、ソフトウェアパ
ッケージMapDraw(DNASTAR,Inc.)を用いて引き出された、ゲノムヌクレ
オチド87000と91000との間に存在するHSV−2 ORFを示す。U
L39(ICP6)はこのゲノム領域中で知られた唯一のORFである。
【図4】 図4は、HSV−2に感染後0、2、6および17時間たったM
RC−5細胞から調製されたcDNAプローブとのハイブリダイゼーション後、
UL39のみの発現に関する試験で特異的に得られたPCR生成物のグリッドハ
イブリダイゼーション結果を示す。これは、FATマッピングに対するマイクロ
アレイ分析のための慣用的アプローチを示す。生成物を各グリッド上の5つの別
個の位置にスポットし、スポット1〜5からデータを得た。
【図5A】 図5Aは、ハウス−キーピング遺伝子β−アクチンのmRNA
量との比較による、ICP6 mRNA量についての慣用的な半定量的RT−P
CR分析の結果を示す。ベータ−アクチンの量に対するICP6遺伝子特異的P
CR生成物の量の割合を、HSV−2に感染してから0、1、2、4および6時
間後のMRC−5細胞由来のRNAに対するRT−PCR反応から計算した。
【図5B】 図5Bは、HSV−2に感染してから0、1、2、4および6
時間後のMRC−5細胞に由来するRNA試料中の、定量的TaqMan PC
Rにより検出されたmRNA分子の相対量(コピー数)を示す。HSV−2遺伝
子gC(UL44)、ICP6(UL39)およびICP27に関する転写産物
を測定し、棒グラフで示した。
【図6A】 図6Aは感染後0、2、6および17時間たったMRC−5細
胞から調製されたcDNAプローブとハイブリダイゼーションするFATMap
アレイの結果を示す。HSV−2ゲノムヌクレオチド96000と101000
との間のすべてのサブフラグメントの左端のゲノム位置をX軸として用い、Y軸
上の各シンボルの高さはサブフラグメントが同時に占領したグリッドスポットの
光強度である。97000と98000との間のUL44(gC)領域中のすべ
てのクローンのシグナル強度は感染後0ないし2時間、および2ないし6時間に
おいて増大し、次いで、感染後17時間においてわずかに減少していた。
【図6B】 図6Bは、HSV2HG52についてGenbankエントリーから
推定され、Genbankエントリーの特徴のセクションに説明され、ソフトウェアパ
ッケージMapDraw(DNASTAR,Inc.)とともに引き出された、ゲノムヌクレ
オチド96000と101000との間に存在するHSV−2 ORFを示す。
UL44(gC)、UL45およびUL43の部分ならびにUL46はこのゲノ
ム領域中の知られたORFである。
【図7】 図7は、感染から0、2、6、および17時間後のMRC−5細
胞から調製したcDNAプローブにハイブリダイゼーションしたUL44オープ
ンリーディングフレームに関する慣用的なマイクロアレイ遺伝子特異的PCR生
成物スポットの結果を示す。遺伝子特異的DNAをマイクロアレイ中の8系の同
じスポットに適用した。
【図8】 図8は、感染から0、2、6および17時間後のMRC−5細胞
から調製したcDNAプローブMapDrawを用いてHSV2HG52Genebankエン
トリーから引き出された既知ORFとハイブリダイゼーションするFATMap
アレイの結果ならびにMapDrawを用いてHSV2HG52Genebankエントリーか
ら引き出された既知ORFを示す。HSV−2ゲノムヌクレオチド番号5800
0と64000との間のHSV−2ゲノム由来のすべてのサブフラグメントの左
端(黒シンボル)および右端(白シンボル)のゲノム位置をX軸として用い、Y
軸上の各シンボルの高さはサブフラグメントが占領したグリッドスポットの光強
度である。UL29はゲノムヌクレオチド番号58000と64000との間の
HSV2HG52配列から推定される唯一の既知遺伝子である。
【図9】 図9は、感染0、2、6および17時間後のMRC−5細胞から
調製したcDNAプローブとハイブリダイゼーションするFATMapアレイの
結果ならびにMapDrawを用いてHSV2HG52Genebankエントリーから引き出
された既知ORFを示す。HSV−2ゲノムヌクレオチド番号22000と28
000との間のHSV−2ゲノム由来のすべてのサブフラグメントの左端(黒シ
ンボル)および右端(白シンボル)のゲノム位置をX軸として用い、Y軸上の各
シンボルの高さはサブフラグメントが占領したグリッドスポットの光強度である
。このゲノム領域のシグナル強度は既知ORFによく対応し、例えば、UL9お
よびUL13が低レベルでのみ発現され、対照的にUL10および11が図8に
示すUL29領域について見られるよりも高レベルで発現される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ルース・タル−シンガー アメリカ合衆国19063ペンシルベニア州メ ディア、ヘムロック・ロード723番 Fターム(参考) 4B024 AA11 CA04 CA09 CA12 HA14 4B063 QA01 QA05 QA18 QQ10 QQ53 QR32 QR56 QR62 QR82 QS25 QS34 QX02

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲノム配列に由来する個々の転写産物の位置をマピングする
    方法であって、下記工程: a)ゲノム配列の重複サブフラグメントを得ること、ここに各ゲノムサブフラ
    グメントのヌクレオチド配列の少なくとも一部分が決定されており; b)各重複ゲノムサブフラグメントを高密度グリッド上の別個の隊列となった
    (知られた)位置に置くこと; c)該ゲノム配列から転写された試験転写産物を含む組成物を調製すること; d)該組成物中の試験転写産物を検出可能な様式で標識すること; e)標識試験転写産物を含む組成物を、ゲノムフサブラグメントを含む高密度
    グリッドと接触させ、そのことにより標識試験転写産物がゲノムサブフラグメン
    トにハイブリダイゼーションするようにすること; f)ハイブリダイゼーションしていない試験転写産物を高密度グリッドの表面
    から除去すること; g)ハイブリダイゼーションした標識試験転写産物を含む高密度グリッド上の
    隊列位置を検出すること;次いで h)高密度グリッド上で標識試験転写産物がゲノムサブフラグメントにハイブ
    リダイゼーションしたパターンを分析すること を含み、高密度グリッド上の標識試験転写産物の位置を該グリッド上の重複ゲノ
    ムサブフラグメントの隊列位置と比較することにより、ゲノム配列中における個
    々の試験転写産物の位置がマッピングされる方法。
  2. 【請求項2】 工程aにおいて、ショットガンクローニング法を用いて重複
    サブフラグメントの取得が行われる請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 ゲノム配列が植物、動物、細菌およびウイルスからなる群よ
    り選択されるものである請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 ゲノム配列がヒト動物配列である請求項3の方法。
  5. 【請求項5】 ゲノム配列がヘルペスウイルス配列である請求項3の方法。
  6. 【請求項6】 工程bの前にポリメラーゼ連鎖反応を用いて工程aの重複サ
    ブフラグメントが増幅される請求項1の方法。
  7. 【請求項7】 高密度グリッド上の標識試験転写産物の位置と該グリッド上
    の重複ゲノムサブフラグメントの隊列位置との比較が、コンピューターにより支
    援される方法を用いて行われる請求項1の方法。
  8. 【請求項8】 ゲノム配列からの個々の転写産物が、これまで未同定であっ
    た遺伝子の転写を示すものである請求項1の方法。
  9. 【請求項9】 共通のゲノム配列を共有している2またはそれ以上の異なる
    組織または細胞集団間の転写産物の異なった発現を測定する方法であって、下記
    工程: 該共通配列に対して請求項1の方法の工程aおよびbを行うこと; 異なった各細胞または組織集団に対して別個に請求項1の方法の工程cからh
    までを行うこと;次いで 異なった各細胞または組織集団からの試験転写産物が共通のゲノム配列に対し
    てマッピングされるパターンを比較すること を含み、異なったウイルス、組織または細胞集団間の転写産物の発現の相違が調
    べるられる方法。
  10. 【請求項10】 同じ生物中の2種またはそれ以上の組織間の転写産物の異
    なった発現が測定される請求項9の方法。
  11. 【請求項11】 1のウイルス、細胞または組織集団の異なった発現が異な
    った時点において測定される請求項9の方法。
  12. 【請求項12】 外部刺激の不存在下または存在下において、あるいは疾病
    状態の不存在下または存在下において、1の組織、ウイルスまたは細胞集団の異
    なった発現が測定される請求項9の方法。
  13. 【請求項13】 外部刺激が化合物である請求項12の方法。
  14. 【請求項14】 ウイルス、組織または細胞集団が細菌およびウイルスから
    なる群より選択されるものである請求項11の方法。
  15. 【請求項15】 ウイルス集団が2型ヘルペスウイルスである請求項13ま
    たは14の方法。
  16. 【請求項16】 ウイルス集団が2型ヘルペスウイルスであり、時点がウイ
    ルス感染期間中、潜伏中および再活性化中において種々の間隔を置いて取られる
    ものである請求項11および14の方法。
  17. 【請求項17】 特定条件下においてゲノム配列中の知られた位置の特定の
    オープンリーディングフレームが発現されるかどうかを調べる方法であって、下
    記工程: ゲノム配列に対して請求項1の方法の工程aおよびbを行い、それにより該オ
    ープンリーディングフレームに対応するゲノムサブフラクションの高密度グリッ
    ド上の隊列位置を決定すること; 該ゲノム配列を含む細胞または組織の集団を特定条件に供すこと; 特定条件に供された該細胞または組織のゲノム配列に対して請求項1の方法の
    工程cからhまでを行うこと;次いで 該特定条件に供された該細胞または組織由来の試験転写産物が該オープンリー
    ディングフレームのゲノムサブフラグメントに対応する該高密度グリッド上の隊
    列位置にハイブリダイゼーションしたかどうかを調べること を含み、該ゲノム配列中の該オープンリーディングフレームが該特定条件下で発
    現されたかどうかが調べられる方法。
  18. 【請求項18】 特定の条件が、転写前あるいは転写中における化合物の導
    入である請求項17の方法。
  19. 【請求項19】 ゲノム配列がウイルス配列である請求項17の方法。
  20. 【請求項20】 ゲノム配列が2型ヘルペス由来であり、特定の条件が潜在
    的に抗ウイルス剤である化合物の導入である請求項18および19の方法。
  21. 【請求項21】 3’および5’末端部分のみにおいて配列決定されている
    、請求項1の方法の工程aの配列決定されている各ゲノムサブフラグメントのヌ
    クレオチド配列。
  22. 【請求項22】 3’および5’末端部分のみにおいて配列決定されている
    、請求項9の配列決定されている各ゲノムサブフラグメントのヌクレオチド配列
  23. 【請求項23】 3’および5’末端部分のみにおいて配列決定されている
    、請求項17の配列決定されている各ゲノムサブフラグメントのヌクレオチド配
    列。
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