JP2002516119A - 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤抗レトロウイルス療法をモニターするための手段および方法 - Google Patents

非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤抗レトロウイルス療法をモニターするための手段および方法

Info

Publication number
JP2002516119A
JP2002516119A JP2000551038A JP2000551038A JP2002516119A JP 2002516119 A JP2002516119 A JP 2002516119A JP 2000551038 A JP2000551038 A JP 2000551038A JP 2000551038 A JP2000551038 A JP 2000551038A JP 2002516119 A JP2002516119 A JP 2002516119A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mutation
codon
hiv
patient
sensitivity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000551038A
Other languages
English (en)
Inventor
ウィットコム、ジャネット
Original Assignee
バイロロジック・インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by バイロロジック・インコーポレイテッド filed Critical バイロロジック・インコーポレイテッド
Publication of JP2002516119A publication Critical patent/JP2002516119A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/70Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving virus or bacteriophage
    • C12Q1/701Specific hybridization probes
    • C12Q1/702Specific hybridization probes for retroviruses
    • C12Q1/703Viruses associated with AIDS
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/106Pharmacogenomics, i.e. genetic variability in individual responses to drugs and drug metabolism
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/156Polymorphic or mutational markers

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染および後天的免疫不全症候群(AIDS)の治療のための有効な薬剤レジメの同定に使用される、抗ウイルス薬剤感受性および耐性試験に関する。更に、HIV感染および抗ウイルス療法、特に非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤療法に対するその応答の臨床的進行を、表現型感受性アッセイまたは遺伝子型アッセイを使用してモニターする手段および方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、1998年5月26日登録米国特許連番第09/085,148号
の部分的継続であり、1999年3月12日登録の米国仮出願第60/124,
090号の利益を請求するものである。ここに両出願の内容を引用することによ
って本申請書に含めることとする。
【0002】 この出願を通じて、様々な文献が、括弧付きで引用される。これらの出版物の
開示は、本発明の関連する分野の状態をより完全に記載するため、引用すること
により本出願に含める。
【0003】
【技術分野】
本発明は、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)感染および後天的免疫不全症候群
(AIDS)の治療に際し、効果的な薬剤処方を特定するために使用される抗レ
トロウィルス剤感受性・耐性テストに関する。本発明はさらに、表現型または遺
伝型感受性定量法を用いて、HIV感染の臨床的進行、および、その抗レトロウ
ィルス療法に対する反応をモニターするための手段・方法に関わる。本発明はま
た、表現型感受性テストを実行するための、新規のベクター、宿主細胞、および
、組成物にも関わる。本発明はさらに、ある患者の感染が、ある特定の抗レトロ
ウィルス剤処方に対して耐性を持つようになった、そのような患者を特定するた
めの、各種遺伝型方法論の使用にも関わる。本発明はまた、抗レトロウィルス候
補薬について、ウィルス、選ばれたウィルス配列、および・または、ウィルス蛋
白に対する同薬剤の抑制能力に関するスクリーニングにも関わる。特に、本発明
は、表現型感受性テスト、および・または、遺伝型テストによる、非ヌクレオシ
ド系逆転写酵素阻害剤耐性の定量に関わる。
【0004】
【発明の背景】
HIV感染は、病気経過を通じて、ウィルスの高率な世代交番があり、これが
最終的にCD4枯渇と病気進行をもたらすという特徴を持つ。Wei X, Ghosh SK,
Taylor ME et al. (1995) Nature 343, 117-122、および、Ho, DD, Naumann AU,
Perelson AS, et al. (1995) Nature 373, 123-126。抗レトロウィルス剤の目的
は、ウィルス複製の実質的・持続的抑制を実現することである。持続的ウィルス
防止を実現するには、一般に各療法が、3個以上の抗レトロウィルス剤の併用か
ら成る、連続療法の使用が必要とされるようである。従って、初回治療と後続治
療の選択は合理的な根拠に基づいてなされなければならないが、その決定を導く
ために不可欠なのは、耐性パターンおよび交差耐性パターンに関する知識である
。併用療法において先ず重要な原理は、ウィルス複製に対して単独の場合よりも
さらに大きな抑制を実現するために、活性が共働的または加算的になるようにす
ることに関わる。しかしながらやはり、薬剤処方の耐性が鍵となる。なぜなら、
治療は、長年月に渡って維持する必要があるからである。
【0005】 治療されない患者では、1日当りほぼ1010個の、新しいウィルス粒子が生
産される。HIV逆転写酵素(RT)が、エキソ核酸分解校正による転写エラー
修正を持たないことと相俟って、この高レベルのウィルス世代交番は、HIVゲ
ノムの各位置につき、1日当り10から10個の突然変異を招く。その結果
は、広範な遺伝型変異の急速な確立である。他よりも多くのエラーを生じる傾向
がある、鋳型位置または塩基対置換があると考えられているが(Mansky LM, Tem
in HM (1995) J. Virol 69, 5087-5094)(Schinazi RF, Lloyd RM, Ramanathan
CS, et al. (1994) Anitimicrob Agents Chemother 38, 268-274)、一方、数
学モデルからは、感染者では、全ての任意の単一地点において、1日当り最大10
,000回の変異が起きている可能性のあることが示唆されている。
【0006】 抗レトロウィルス剤耐性が生ずるためには、標的酵素は、その阻害剤の存在下
においてその機能を保持しながら、修飾されなければならない。1個のアミノ酸
置換を生ずる点突然変異が、同酵素の活性部位の形、サイズ、または、電荷量、
あるいは、基質結合部位やその周辺領域に変更をもたらす可能性がある。抗レト
ロウィルス剤に対して耐性を持つ突然変異株は、治療開始前は、低レベルにおい
て検出される。(Mohri H, Singh MK, Ching WTW, et al. (1993) Proc Natl Ac
ad Sci USA 90, 25-29)(Najera I, Richman DD, Olivares I, et al. (1994)
AIDS Res Hum Retroviruses 10, 1479-1488)(Najera I, Holguin A, Quinones
-Mateu E, et al. (1955) J. Virol 69, 23-31)。しかしながら、これらの突然
変異株は、全ウィルス負荷の内のほんの一小部分であって、野生型に比べて、複
製上または競合上の欠点を持つ可能性がある。(Coffin JM (1995) Science 267
, 483-489)。抗レトロウィルス剤治療の選択圧は、これら薬剤耐性突然変異株
に対して、競合上の利点を与えることになり、従って、それらが、優勢偽似種を
代表することになり(Frost SDW, McLean AR (1994) AIDS 8, 323-332)(Kella
m P, Boucher CAB, Tijnagal JMGH (1994) JGen Virol 75, 341-351)、最終的
には、患者において、薬剤耐性の確立とウィルス学的失敗という結果に至る。
【0007】 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)は、インビトロにおいてH
IV−1 RTの強力な阻害剤となる、様々な化学的化合物のグループである。
この化合物の中には、ピリジノン誘導体や、デラビルジンやアテビルジンのよう
なビス(ヘテロアリル)ピペラジン(BHAP)、ジピリドジアゼピノン・ネビ
ラピン、チミン誘導体グループのTSAOとHEPT、αアニリノフェニルアセ
タミド(α−APA)化合物ロビリド、(HBY−097)のようなキノキサリ
ン系阻害剤、ベンゾジアゼピン−オン、および、‐チオン(TIBO)化合物、
および、ピリジノン誘導体(L−697,661)が含まれる。これら薬剤の概
観に関しては、(DeClercq E. (1996) Rev Med Virol 6, 97-117)(Emini EA (
1996) Antiviral Drug Resistance(「抗ウィルス剤耐性」)、DD Richman編、J
ohn Wiley & Sons, Ltd)を参照されたい。個々の化合物に対する高レベルの耐
性は、急速に、しばしば、単一投与療法の開始数週間以内に出現するが、多くの
場合、単一点突然変異のみが関わっているが、また多くの場合、他のNNRTI
に対するかなりの交差耐性をも招くようである。報告されている突然変異の多く
は、RT酵素触媒部位近傍の、2個のβシートをコードする、コドングループ1
00−108と181−190とに起こっている。(Kohlstaedt LA, Wang J, F
riedman JM, et al. (1992) Science 256, 1783-90)。従来から報告されている
ところによれば、NNRTI結合ポケットは、RTの、疎水性の非基質結合領域
であって、そこにおいて、これらの薬剤は、RTと直接的相互作用を持つ。同薬
剤は、「親指」サブドメインの可動性を阻害することによって、または、触媒活
性に必須の、保存されたアスパラギン酸側鎖の方向性を破壊することによって、
活性を抑制する。(D‘Aquilla RT, (1994) Clin Lab Med 14, 393-423)(Arnold
E, Ding J. Hughes SH, et al. (1995) Curr Opin Struct Biol 5, 27-38)。
【0008】 ネビラピンに対する感受性低下を付与する突然変異は、コドン98、100、
103、106、108、181、188、および、190に出現することが記
載されている。(Richman DD, Havlir D, Corbeil J. (1994) J Virol 68, 1660
-1666)。ネビラピン単一投与治療の際に最も高頻度で選択される変異種は、T
yr181−Cys(Y181C)突然変異であり、これは、同薬剤に対して、
100倍の感受性低下をもたらし、かつ、ピリジノン誘導体L−696、229
およびL−697、661に対する感受性をも低下させる(Arnold、同上)。T
SAOも181突然変異存在下では、限定された活性しか持たないが、コドン1
00や103の突然変異の存在下では活性を維持し、インビトロにおいて、RT
と最も緊密な相互作用を持つ領域において、特徴的な突然変異種GLU138
Lys(E138K)を選択する。(Richman, DD、同上)。(Richman DD. Shi
h C-K, Lowy I. et al. (1991) Proc Natl. Acad Sic USA 88, 11241-11245)。
【0009】 ロビリドに対する耐性は、単一投与治療で使用すると、多くの患者で、24週
までに出現する。この耐性は、コドン100−110、181−190の範囲、
最も一般的にはコドン103にマッピングされる(Staszewski S, Miller V, Ko
ber A, et al. (1996) Antiviral Ther 1, 42-50)。ロビリドと、ジドブヂン、
または、ジドブジン+ラミブジンによる併用治療においては、コドン98と10
3における変異種が、24週時に検出された、最も高頻度の突然変異であった(
Staszewski S, Miller V, Rehmet S, et al. (1996) AIDS 10, P1-7)。
【0010】 101、103および181突然変異もBHAP類に対する交差耐性を付与す
るけれども(Balzarini J. Karlsson A, Perez-Perez M-J, et al. (1992) Viro
logy 192, 246-253)、インビトロにおいてこれらの薬剤で選択される、特徴的
なP236L置換は、RTに対して、他のいくつかのNNRTIに対する感受性
を付与するようであって、ヌクレオシド類縁体に対する感受性には影響を及ぼす
ことなく、ネビラピンに対するIC50を7から10倍低下させる(Staszewski
S、同上)。この、コドン236における突然変異は、アテビルヂン投与治療時
における臨床分離株の中には観察されていない。ただし、同剤単一投与の際には
コドン103と181に、同剤とジドブジンの併用治療の際にはコドン101、
188、233および238に、他の耐性付与突然変異が報告されている。
【0011】 HBY−057は、最初は、インビトロでコドン190の突然変異を選択する
が、さらに継代すると、RTコドン74と75における突然変異を一貫して選択
し、その際、いくつかの突然変異ウイルスは、ジダノシンやスタブジンに対する
感受性は低下させるが、ジゾブジンに対する感受性には変化がなかった(Kleim
J-P, Roesner M, Winkler I, et al. (1995) J Acquir Immune Defic Sydr 10,
Suppl 3, 2)。
【0012】 コドン181における突然変異は、典型的な41・215コドン突然変異によ
るジドブジン耐性に対して拮抗作用を示すことが報告されている(Zhang D, Cal
iendo AM, Eron JJ, et al. (1994) Antimicrob Agents Chemother 38, 282-287
)。これは、いくつかのNNRTIとジドブジンとの併用治療が実行可能である
ことを示唆している。ジドブジン、ジダノシン、および、ネビラピンに対する3
重耐性を持つHIV突然変異株がインビトロにおいて記載されているけれども(
Larder BA, Kellam P, Kemp SD (1993) Nature 365, 451-453)、これら三種の
併用治療は、CD4細胞カウントが<350個/mmの患者にて、48週に渡
って観察したところ、ジトブジン+ジダノシンのみの併用の場合よりも優れた免
疫学的・ウィルス学的反応を与えた。ジドブジンとプリジノン誘導体L−697
、661との併用治療は、このNNRTI剤単独治療の際には典型的に選択され
るコドン181突然変異の出現を抑え、それによって、この薬剤に対する高レベ
ルの耐性の出現を遅らせる。ジドブジン耐性の変化についてはこの研究では調べ
られていない(Staszewski S, Massari FE, Kober A, et al. (1995) J Infect
Dis 171, 1159-1165)。ネビラピン投与治療時において、ジドブジン同時投与、
または、継続投与は、耐性の出現を遅らせなかった(Richman DD、同上)、(Nu
nberg JH, Schleif WA, Boots EJ, et al. (1990) J Virol 65, 4887-4892)(D
eJong MD, Loewenthl M, Boucher CAB, et al. (1994) J Infect Dis 169, 1346
-1350)(Cheeseman SH, Havlir, D, McLaughlin MM, et al. (1995) J Acquir
Immune Defic Syndr 8, 141-151)。しかしながら、181突然変異体は、併用
時に観察されず、最も一般的に見られた変化はコドン190に起こった(Richma
n DD、同上)。このことから示唆されるのは、インビトロにおいてジドブジン耐
性に対して拮抗作用を示したコドン181突然変異は、インビボでは好まれない
、すなわち、他の突然変異を優先する選択に適合することができない。これが、
ジドブジン耐性と同時に、このNNRTIに対する感受性の低下が見られる理由
である。
【0013】 NNRTIに対する感受性低下が急速に発達するということは、これら薬剤の
有用性の限界、特に単一投与療法におけるこれら薬剤の有用性の限界を示唆する
ものであり、それがために、薬剤耐性ウイルスの出現を遅らせようという試みの
中で、これらの分子が修飾されるに至った。「第2世代」NNRTI、すなわち
、ピリジノンン誘導体L−702、019においては、野生型とコドン181突
然変異株HIV−1の間に、IC50において僅か3倍の変化しか認められず、
さらに、高レベルの耐性が生ずるためには多数の突然変異が必要であった(Gold
man ME, O‘Brien JA, Ruffing TL, et al. (1993) Antimicrob Agents Chemoth
er 37, 947-949)。
【0014】 本発明の一つの目的は、ある患者のあるウイルス集団が、ある任意の処方剤に
対して耐性を持つか否かを示すことのできる、薬剤感受性・耐性テストを供給す
ることである。本発明のもう一つの目的は、ある一クールの治療後、ある任意の
一つの薬剤、または、複数の薬剤に対して耐性を持つに至った患者に対し、医師
が、それに基づいて、治療処方において、1個以上の薬剤を置換することが可能
になる、そのようなテストを供給することである。本発明のさらにもう一つの目
的は、HIV感染、および・または、AIDS治療用の有効な薬剤処方の選択を
可能にするテストを供給することである。本発明のさらにもう一つの目的は、患
者がそれに対して耐性を持つに至った薬剤を特定する、特に、非ヌクレオシド系
逆転写酵素阻害剤に対する耐性を特定するための手段を提供することである。本
発明のさらにもう一つの目的は、薬剤候補化合物であって、特に、非ヌクレオシ
ド系逆転写酵素阻害剤に関連するウイルス薬剤耐性に関して、特定のウイルス、
ウイルス遺伝子、および・または、ウイルス蛋白に作用する薬剤候補化合物の生
物学的有効度を評価するためのテストおよび方法を供給することである。HIV
の抗レトロウィルス薬剤耐性・感受性を評価するための手段・組成物を提供する
のが、本発明のさらにもう一つの目的である。本発明の上記目的、および、その
他の目的は、本申請書全体から明らかとなろう。
【0015】
【発明の概要】
本発明は、ヒト免疫不全ウイルス感染の臨床的進行、および、抗ウィルス治療
に対するウイルスの反応を、表現型・遺伝型方法を用いて、モニターする方法に
関わる。さらに、本発明の一部は、下記の発見に基づく。すなわち、抗レトロウ
ィルス治療に対する耐性を付与する、HIV逆転写酵素(RT)における遺伝的
変化は、表現型ないし遺伝型方法を用いて、患者血漿HIV RNAにおいて直
接、手早く定量が可能であるという発見である。この方法は、ポリメラーゼ連鎖
反応(PCR)に基づく定量法を利用する。別法として、増幅工程なしでウィル
ス蛋白のウィルス核酸を評価する方法があれば、それによって、本発明の教示を
利用して、抗レトロウィルス治療をモニター、および・または、修飾することが
可能となろう。本発明の一部は、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(エファビ
レンツ)で治療された患者(単数または複数)において、HIV逆転写酵素のコ
ドン225における突然変異単独、または、コドン103における突然変異との
併合に関する発見に基づく。すなわち、そのような患者においては、上記突然変
異の存在が、デラビルジン感受性の上昇とは相関するが、ネビラピン感受性とは
ほとんど、あるいは、全く相関しない。この突然変異は、治療開始のある期間後
、血漿HIV RNAにおいて見出された。HIV RTのコドン103におけ
る突然変異に加えてさらにコドン225にも突然変異の出現することは、耐性の
発達、および、最終的に免疫学的衰退進行のインディケーターであることが判明
した。本発明の一部は、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)で治
療された患者において、RTのコドン236における突然変異に関する発見に基
づく。すなわち、そのような患者においては、上記突然変異の存在が、デラビル
ジンに対する感受性の低下とは相関するが、ネビラピン感受性の低下とは全く相
関しない。HIV RTのコドン190と103、および・または、101にお
ける突然変異の発生は、従来、ウイルス学的失敗と、その後の免疫学的衰退と関
連づけられてきた、表現型感受性・耐性変化進行のインディケーターとなること
が判明した。本発明の一部は、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(エファビレ
ンツ)で治療された患者(単数または複数)において、HIV逆転写酵素のコド
ン190における突然変異単独、または、コドン103、および・または、10
1における突然変異との併合に関する発見に基づく。すなわち、そのような患者
においては、上記突然変異の存在は、デラビルジン感受性の上昇、および、ネビ
ラピン感受性の低下と相関する。これらの突然変異は、NNRTI治療の開始あ
る期間後に、血漿HIV RNAに見出された。HIV RTのコドン236と
103、および・または181における突然変異の出現は、ウイルス学的失敗、
および、その後の免疫学的衰退と関連する、表現型における感受性・耐性変化進
行のインディケーターとなることが判明した。
【0016】 本発明の一部は、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(ネビラピン)で治療さ
れた患者(単数または複数)において、HIV逆転写酵素の、コドン230にお
ける突然変異単独、または、コドン181における突然変異との併合に関する発
見に基づく。すなわち、そのような患者においては、上記突然変異の存在が、デ
ラビルジンおよびネビラピン感受性の有意な低下と相関する。これらの突然変異
は、NNRTI治療開始ある期間後に、血漿HIV RNAに見出された。HI
V RTのコドン230と181における突然変異の出現は、ウイルス学的失敗
、および、その後の免疫学的衰退と関連する、表現型における感受性・耐性変化
進行のインディケーターとなることが判明した。本発明の一部は、非ヌクレオシ
ド系逆転写酵素阻害剤(ネビラピン)で治療された患者(単数または複数)にお
いて、HIV逆転写酵素のコドン181における突然変異に関する発見に基づく
。すなわち、そのような患者においては、上記突然変異の存在が、デラビルジン
感受性の中等度の低下、および、ネビラピン感受性の有意な低下と相関しており
、エファビレンツ感受性の変化とは相関しない。この突然変異は、NNRTI治
療開始ある期間後に、血漿HIV RNAに見出された。HIV RTのコドン
181における突然変異の出現は、ウイルス学的失敗、および、その後の免疫学
的衰退と関連する、表現型における感受性・耐性変化進行のインディケーターと
なることが判明した。本発明の一部は、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(エ
ファビレンツ)で治療された患者(単数または複数)において、HIV逆転写酵
素のコドン188における突然変異に関する発見に基づく。すなわち、そのよう
な患者においては、上記突然変異の存在が、デラビルジン感受性の僅かな低下、
および、ネビラピン感受性の実質的な低下と相関する。この突然変異は、NNR
TI治療開始ある期間後に、血漿HIV RNAに見出された。HIV RTの
コドン188における突然変異の出現は、ウイルス学的失敗、および、その後の
免疫学的衰退と関連する、表現型における感受性・耐性変化進行のインディケー
ターとなることが判明した。本発明の一部は、報告ではそれ以前に非ヌクレオシ
ド系逆転写酵素阻害剤に暴露されたことのない患者(単数または複数)における
、HIV逆転写酵素のコドン188の突然変異に関する発見に基づく。すなわち
、そのような患者においては、上記突然変異の存在が、デラビルジン感受性の中
等度の低下、ネビラピン感受性の実質的な低下、および、エファビレンツ感受性
の中等度の低下と相関する。この突然変異は、抗レトロウィルス治療開始ある期
間後に、血漿HIV RNAに見出された。HIV RTのコドン138と18
8における突然変異の出現は、ウイルス学的失敗、および、その後の免疫学的衰
退と関連する、表現型における感受性・耐性変化進行のインディケーターとなる
ことが判明した。本発明の一部は、報告ではそれ以前に非ヌクレオシド系逆転写
酵素阻害剤に暴露されたことのない患者(単数または複数)における、HIV逆
転写酵素のコドン98の突然変異に関する発見に基づく。すなわち、そのような
患者においては、上記突然変異の存在が、デラビルジン、ネビラピン、および、
エファビレンツ感受性の僅かな低下と相関する。この突然変異は、抗レトロウィ
ルス治療開始ある期間後に、血漿HIV RNAに見出された。HIV RTの
コドン98における突然変異の出現は、ウイルス学的失敗、および、その後の免
疫学的衰退と関連する、表現型における感受性・耐性変化進行のインディケータ
ーとなることが判明した。
【0017】 本発明の一部は、その人々について抗レトロウイルス剤投与治療が未知である
患者(単数または複数)において、HIV逆転写酵素の、コドン98における突
然変異単独、または、コドン190における突然変異との併合に関する発見に基
づく。すなわち、そのような患者においては、上記突然変異の存在が、デラビル
ジン感受性の上昇、および、その後の、ネビラピンとエファビレンツ両方の感受
性の実質的低下と相関する。これらの突然変異は血漿HIV RNAに見出され
た。HIV RTのコドン190における突然変異に加えて、さらにコドン98
における突然変異の出現は、耐性および、最終的には、免疫学的衰退進行のイン
ディケーターとなることが判明した。本発明の一部は、非ヌクレオシド系逆転写
酵素阻害剤(デラビルジン)投与治療を受けた患者(単数または複数)において
、HIV逆転写酵素の、コドン181における突然変異単独、または、コドン9
8における突然変異との併合に関する発見に基づく。すなわち、そのような患者
においては、上記突然変異の存在が、デラビルジン感受性の有意な低下、および
、エファビレンズ感受性の実質的低下と相関する。これらの突然変異は、治療開
始ある期間後に、血漿HIV RNAに見出された。HIV RTのコドン18
1における突然変異に加えて、さらにコドン98における突然変異の出現は、耐
性、および、最終的には、免疫学的衰退進行のインディケーターとなることが判
明した。本発明の一部は、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(エファビレンツ
)投与治療を受けた患者(単数または複数)において、HIV逆転写酵素の、コ
ドン101における突然変異単独、または、コドン190、例えば、コドン19
0sにおける突然変異との併合に関する発見に基づく。すなわち、そのような患
者においては、上記突然変異の存在が、デラビルジン感受性の無変化、および、
ネビラピンとエファビレンツ感受性の実質的低下と相関する。これらの突然変異
は、治療開始ある期間後に、血漿HIV RNAに見出された。HIV RTの
コドン190、例えば、190sにおける突然変異に加えて、さらにコドン10
1における突然変異の出現は、耐性、および、最終的には、免疫学的衰退進行の
インディケーターとなることが判明した。本発明の一部は、報告ではそれ以前に
非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤に暴露されたことのない患者(単数または複
数)における、HIV逆転写酵素のコドン108の突然変異に関する発見に基づ
く。すなわち、そのような患者においては、上記突然変異の存在が、デラビルジ
ン感受性の無変化、ネビラピン感受性の僅かな低下、および、エファビレンツ感
受性の無変化と相関する。この突然変異は、抗レトロウィルス剤投与治療開始あ
る期間後に、血漿HIV RNAに見出された。HIV RTのコドン108に
おける突然変異の出現は、ウイルス学的失敗、および、その後の免疫学的衰退と
関連する、表現型における感受性・耐性進行のインディケーターとなることが判
明した。
【0018】 本発明の一部は、報告ではそれ以前に非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤に暴
露されたことのない患者(単数または複数)における、HIV逆転写酵素のコド
ン101の突然変異単独、または、コドン103および・またはコドン190に
おける突然変異との併合に関する発見に基づく。すなわち、そのような患者にお
いては、上記突然変異の存在が、デラビルジン、ネビラピン、および、エファビ
レンツ感受性の変化と相関する。特に、101および190、特に190Aにお
ける突然変異の存在は、デラビルジン感受性の無変化、ネビラピン感受性の実質
的な低下、および、エファビレンツ感受性の有意な低下と相関する。103およ
び190における突然変異の存在は、デラルビジン感受性の中等度の低下、ネビ
ラピン感受性の実質的な低下、および、エファビレンツ感受性の有意な低下と相
関する。この突然変異は、抗レトロウィルス剤投与治療開始ある期間後に、血漿
HIV RNAに見出された。HIV RTのコドン101と103、および・
または、190における突然変異の出現は、ウイルス学的失敗、および、その後
の免疫学的衰退と関連する、表現型における感受性・耐性変化進行のインディケ
ーターとなることが判明した。本発明の一部は、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻
害剤(ネビラピン)投与治療を受けた患者(単数または複数)における、HIV
逆転写酵素のコドン106の突然変異単独、または、コドン189および・また
は181および227における突然変異との併合に関する発見に基づく。すなわ
ち、そのような患者においては、上記突然変異の存在が、デラビルジン、ネビラ
ピン、および、エファビレンツ感受性の変化と相関する。特に、106と181
における突然変異の存在は、デラビルジン感受性の有意な低下、ネビラジン感受
性の実質的な低下、および、エファビレンツ感受性の僅かな低下と相関する。1
06および189における突然変異の存在は、デラビルジン感受性の僅かな低下
、ネビラピン感受性の中等度の低下、および、エファビレンツ感受性の無変化と
相関する。106と227における突然変異の存在は、デラビルジン感受性の僅
かな低下、ネビラピン感受性の実質的な低下、および、エファビレンツ感受性の
僅かな低下と相関する。181および227における突然変異の存在は、デラビ
ルジン感受性の上昇、ネビラピン感受性の有意な低下、および、エファビレンツ
感受性の上昇と相関する。106、181および227における突然変異の存在
は、デラビルジン感受性の中等度の低下、ネビラピン感受性の実質的な低下、お
よび、エファビレンツ感受性の僅かな低下と相関する。この突然変異は、NNR
TI治療開始ある期間後に、血漿HIV RNAに見出された。HIV RTの
コドン106と189および・または181と227における突然変異の出現は
、ウイルス学的失敗、および、その後の免疫学的衰退と関連する、表現型におけ
る感受性・耐性変化進行のインディケーターとなることが判明した。本発明の一
部は、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(ネビラピン)投与治療を受けた患者
(単数または複数)における、HIV逆転写酵素のコドン103の突然変異単独
、または、コドン100および・またはコドン188における突然変異との併合
関する発見に基づく。すなわち、そのような患者においては、上記突然変異の存
在が、デラビルジン、ネビラピン、および、エファビレンツ感受性における変化
と相関する。特に、103と188における突然変異の存在は、デラビルジン感
受性の実質的な低下、ネビラピン感受性の実質的な低下、および、エファビレン
ツ感受性の実質的な低下と相関する。100および103における突然変異の存
在は、デラビルジン感受性の実質的な低下、ネビラピン感受性の中等度の低下、
および、エファビレンツ感受性の実質的な低下と相関する。103、100およ
び188における突然変異の存在は、デラビルジン感受性の実質的な低下、ネビ
ラピン感受性の実質的な低下、および、エファビレンツ感受性の実質的な低下と
相関する。この突然変異は、NNRTI治療開始ある期間後に、血漿HIV R
NAに見出された。HIV RTのコドン103と100、および・または、1
88における突然変異の出現は、ウイルス学的失敗、および、その後の免疫学的
衰退と関連する、表現型における感受性・耐性変化進行のインディケーターとな
ることが判明した。
【0019】 本発明のもう一つの実施態様においては、表現型・遺伝型定量法を含む、PC
R準拠定量法を用いて、HIV RTコドン225における突然変異を、コドン
103を含むその他のコドンにおける突然変異と併合させて検出することが可能
である。これらの突然変異は、抗レトロウィルス治療に対するある特定パターン
の耐性、および、その後の免疫学的衰退と相関する。本発明のさらにもう一つの
実施態様においては、表現型・遺伝型定量法を含む、PCR準拠定量法を用いて
、HIV RTのコドン236における突然変異単独、あるいは、コドン103
および・または181を含むその他のコドンにおける突然変異を併合させて検出
することが可能である。これらの突然変異は、抗レトロウィルス治療に対する耐
性および免疫学的衰退と相関する。本発明のさらにもう一つの実施態様において
は、表現型・遺伝型定量法を含む、PCR準拠定量法を用いて、HIV RTの
コドン190(G190S)における突然変異単独、あるいは、コドン101(
K101E)における突然変異を併合させて検出することが可能である。これら
の突然変異は、抗レトロウィルス治療に対する耐性および免疫学的衰退と相関す
る。
【0020】 本発明のさらにもう一つの実施態様においては、表現型・遺伝型定量法を含む
、PCR準拠定量法を用いて、抗レトロウィルス治療に対する耐性および免疫学
的衰退と相関する、HIV RTのコドン190(G190A)における突然変
異単独、あるいは、コドン103(K103N)における突然変異と併合させて
検出することが可能である。
【0021】 本発明のさらにもう一つの実施態様においては、表現型・遺伝型定量法を含む
、PCR準拠定量法を用いて、抗レトロウィルス治療に対する耐性および免疫学
的衰退と相関する、HIV RTのコドン230における突然変異単独、あるい
は、コドン181における突然変異と併合させて検出することが可能である。
【0022】 本発明のさらにもう一つの実施態様においては、表現型・遺伝型定量法を含む
、PCR準拠定量法を用いて、抗レトロウィルス治療に対する耐性および免疫学
的衰退と相関する、HIV RTのコドン181における突然変異を検出するこ
とが可能である。
【0023】 本発明のさらにもう一つの実施態様においては、表現型・遺伝型定量法を含む
、PCR準拠定量法を用いて、抗レトロウィルス治療に対する耐性および免疫学
的衰退と相関する、HIV RTのコドン188における突然変異を検出するこ
とが可能である。
【0024】 本発明のさらにもう一つの実施態様においては、表現型・遺伝型定量法を含む
、PCR準拠定量法を用いて、抗レトロウィルス治療に対する耐性および免疫学
的衰退と相関する、HIV RTのコドン138における突然変異単独、あるい
は、コドン188における突然変異と併合させて検出することが可能である。
【0025】 本発明のさらにもう一つの実施態様においては、表現型・遺伝型定量法を含む
、PCR準拠定量法を用いて、抗レトロウィルス治療に対する耐性および免疫学
的衰退と相関する、HIV RTのコドン98における突然変異を検出すること
が可能である。
【0026】 本発明のさらにもう一つの実施態様においては、表現型・遺伝型定量法を含む
、PCR準拠定量法を用いて、抗レトロウィルス治療に対する耐性および免疫学
的衰退と相関する、HIV RTのコドン98における突然変異単独、あるいは
、コドン190における突然変異と併合させて検出することが可能である。
【0027】 本発明のさらにもう一つの実施態様においては、表現型・遺伝型定量法を含む
、PCR準拠定量法を用いて、抗レトロウィルス治療に対する耐性および免疫学
的衰退と相関する、HIV RTのコドン181における突然変異単独、あるい
は、コドン98における突然変異と併合させて検出することが可能である。
【0028】 本発明のさらにもう一つの実施態様においては、表現型・遺伝型定量法を含む
、PCR準拠定量法を用いて、抗レトロウィルス治療に対する耐性および免疫学
的衰退と相関する、HIV RTのコドン101における突然変異単独、あるい
は、コドン190、例えば、190sにおける突然変異と併合させて検出するこ
とが可能である。
【0029】 本発明のさらにもう一つの実施態様においては、表現型・遺伝型定量法を含む
、PCR準拠定量法を用いて、抗レトロウィルス治療に対する耐性および免疫学
的衰退と相関する、HIV RTのコドン108における突然変異を検出するこ
とが可能である。
【0030】 本発明のさらにもう一つの実施態様においては、表現型・遺伝型定量法を含む
、PCR準拠定量法を用いて、抗レトロウィルス治療に対する耐性および免疫学
的衰退と相関する、HIV RTのコドン101における突然変異単独、あるい
は、コドン103および・または190における突然変異と併合させて検出する
ことが可能である。
【0031】 本発明のさらにもう一つの実施態様においては、表現型・遺伝型定量法を含む
、PCR準拠定量法を用いて、抗レトロウィルス治療に対する耐性および免疫学
的衰退と相関する、HIV RTのコドン106における突然変異単独、あるい
は、コドン189、および・または、181と227における突然変異と併合さ
せて検出することが可能である。
【0032】 本発明のさらにもう一つの実施態様においては、表現型・遺伝型定量法を含む
、PCR準拠定量法を用いて、抗レトロウィルス治療に対する耐性および免疫学
的衰退と相関する、HIV RTのコドン188における突然変異単独、あるい
は、コドン100、および・または、103における突然変異と併合させて検出
することが可能である。一旦、NNRTI抗レトロウィルス治療を受けている患
者において、コドン225と103に突然変異が検出されたならば、治療処方の
変更を考慮しなければならない。同様に、一旦、NNRTI抗レトロウィルス治
療を受けている患者において、コドン236および・または103および・また
は181に突然変異が検出されたならば、治療処方の変更を考慮しなければなら
ない。同様に、一旦、NNRTI抗レトロウィルス治療を受けている患者におい
て、コドン190および・または103、および・または101に突然変異が検
出されたならば、治療処方の変更を考慮しなければならない。同様に、一旦、N
NRTI抗レトロウィルス治療を受けている患者において、コドン230および
・または181に突然変異が検出されたならば、治療処方の変更を考慮しなけれ
ばならない。同様に、一旦、NNRTI抗レトロウィルス治療を受けている患者
において、コドン181に突然変異が検出されたならば、治療処方の変更を考慮
しなければならない。同様に、一旦、NNRTI抗レトロウィルス治療を受けて
いる患者において、コドン188に突然変異が検出されたならば、治療処方の変
更を考慮しなければならない。同様に、一旦、NNRTI抗レトロウィルス治療
を受けている患者において、コドン138および・または188に突然変異が検
出されたならば、治療処方の変更を考慮しなければならない。同様に、一旦、N
NRTI抗レトロウィルス治療を受けている患者において、コドン98に突然変
異が検出されたならば、治療処方の変更を考慮しなければならない。同様に、一
旦、NNRTI抗レトロウィルス治療を受けている患者において、コドン98お
よび・または190に突然変異が検出されたならば、治療処方の変更を考慮しな
ければならない。同様に、一旦、NNRTI抗レトロウィルス治療を受けている
患者において、コドン181および・または98に突然変異が検出されたならば
、治療処方の変更を考慮しなければならない。同様に、一旦、NNRTI抗レト
ロウィルス治療を受けている患者において、コドン101および・または190
、例えば、190Sに突然変異が検出されたならば、治療処方の変更を考慮しな
ければならない。同様に、一旦、NNRTI抗レトロウィルス治療を受けている
患者において、コドン108に突然変異が検出されたならば、治療処方の変更を
考慮しなければならない。同様に、一旦、NNRTI抗レトロウィルス治療を受
けている患者において、コドン101および・または103および・または19
0、例えば、190Aに突然変異が検出されたならば、治療処方の変更を考慮し
なければならない。同様に、一旦、NNRTI抗レトロウィルス治療を受けてい
る患者において、コドン106および・または189および・または181およ
び・または227に突然変異が検出されたならば、治療処方の変更を考慮しなけ
ればならない。同様に、一旦、NNRTI抗レトロウィルス治療を受けている患
者において、コドン188および・または100および・または103に突然変
異が検出されたならば、治療処方の変更を考慮しなければならない。PCR準拠
定量法による抗レトロウィルス治療の評価の後で、治療処方の修正を実行すべき
タイミングは、患者のウィルス負荷、CD4カウント数、および、それまでの治
療経過を含むいくつかの因子に依存してもよい。
【0033】 本発明のもう一つの局面においては、非ヌクレオシド系逆転写酵素性抗レトロ
ウィルス剤の有効性を評価するための方法が供給される。この方法は下記の工程
を含む、すなわち、(a) 患者由来の分節と、インディケーター遺伝子とを含
む耐性テストベクターを宿主細胞に導入する工程、(b) 工程(a)で得られ
た宿主細胞を培養する工程、(c) 標的宿主細胞におけるインディケーター遺
伝子の発現を測定する工程であって、ここに、同インディケーター遺伝子の発現
は、患者由来分節に依存することを特徴とする工程、および、(d) 工程(c
)由来のインディケーター遺伝子の発現を、工程(a) − (c)をNNRT
I抗HIV剤不在下に実行した場合に測定されたインディケーター遺伝子の発現
と比較する工程、ここに、NNRTI抗HIV剤の試験濃度は、工程(a) −
(c)、工程(b) − (c)、または、工程(c)において示されること
を特徴とする工程、である。
【0034】 本発明はさらに、患者における非ヌクレオシド系逆転写酵素性抗レトロウィル
ス剤の有効性を評価するための方法を供給する。この方法は下記の工程を含む、
すなわち、(a) あるNNRTI抗HIV剤に対する薬剤耐性を表わす標準曲
線を描出する工程、(b) 前記感受性試験を用いて、同患者におけるNNRT
I抗HIV薬剤感受性を定量する工程、および、(c) 工程(b)におけるN
NRTI抗HIV薬剤感受性を、工程(a)で求めた標準曲線と比較する工程で
あって、ここに、NNRTI抗HIV感受性の低下は、同患者における抗HIV
薬剤耐性の発達を示すことを特徴とする工程、である。
【0035】 本発明はさらに、HIV抗レトロウィルス候補剤の生物学的有効性を評価する
ための方法を供給する。この方法は下記の工程を含む、すなわち、(a) 患者
由来の分節と、インディケーター遺伝子とを含む耐性テストベクターを宿主細胞
に導入する工程、(b) 工程(a)で得られた宿主細胞を培養する工程、(c
) 標的宿主細胞におけるインディケーター遺伝子の発現を測定する工程であっ
て、ここに、同インディケーター遺伝子の発現は、患者由来分節に依存すること
を特徴とする工程、および、(d) 工程(c)由来のインディケーター遺伝子
の発現を、工程(a) − (c)を抗ウィルス候補剤不在下に実行した場合に
測定されたインディケーター遺伝子の発現と比較する工程、ここに、抗ウィルス
候補剤化合物の試験濃度は、工程(a) − (c)、工程(b) − (c)
、または、工程(c)に存在することを特徴とする工程、である。
【0036】 標的細胞における耐性テストベクターのインディケーター遺伝子の発現は、最
終的に、患者由来の分節配列の活性に依存する。このインディケーター遺伝子は
、機能的であってもよいし、非機能的であってもよい。
【0037】 また別の局面においては、本発明は、HIV/AIDSに対する、抗レトロウ
ィルス剤感受性・耐性テストに向けられる。HIV/AIDS用抗レトロウィル
ス剤感受性・耐性テストに使用される、本発明の、特異的耐性テストベクターが
特定される。
【0038】 さらに別の局面においては、本発明は、HIV/AIDS治療のための、抗レ
トロウィルス剤候補化合物の特定と、それらの生物学的有効性の評価を供給する
。また別の局面では、本発明は、さらにRT遺伝子とインディケーター遺伝子に
おける1個以上の突然変異を含む、患者由来分節を備える、新規の耐性テストベ
クターに向けられる。
【0039】
【発明の詳細な記述】
本発明は、抗レトロウイルス治療(特に、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
による抗レトロウイルス治療)を受けている患者におけるHIV感染の臨床的進
行をモニターする方法に関する。
【0040】 1つの実施形態において、本発明は、患者の抗レトロウイルス治療の有効性を
評価する方法であって、(i)HIV感染患者から生体サンプルを採取すること
;および(ii)この生体サンプルが、RT内の1つまたは複数の位置における
変異を有するHIVのRTをコードする核酸を含むかどうかを明らかにすること
を含む方法を提供する。その変異(1つまたは複数)は、表現型感受性/耐性に
おける変化との正の相関を有する。
【0041】 特定の実施形態において、本発明は、患者のNNRTI抗レトロウイルス治療
の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から生体サンプルを採
取すること;および(ii)この生体サンプルが、コドン225およびコドン1
03における変異を有するHIVのRTをコードする核酸を含むかどうかを明ら
かにすることを含む方法を提供する。本発明により、表現型感受性アッセイを使
用して、コドン225における変異は、単独で、あるいはHIV逆転写酵素のコ
ドン103における変異との組合せで、デラビルジン感受性の低下、ネビラピン
感受性の変化がほとんどないこと、およびエファビレンツ感受性の変化がほとん
どないことと相関していることが立証された。
【0042】 別の特定の実施形態において、本発明は、患者のNNRTI抗レトロウイルス
治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から生体サンプル
を採取すること;および(ii)この生体サンプルが、コドン236およびコド
ン103および/またはコドン181における変異を有するHIVのRTをコー
ドする核酸を含むかどうかを明らかにすることを含む方法を提供する。本発明に
より、表現型感受性アッセイを使用して、コドン236における変異は、単独で
、あるいはHIV逆転写酵素のコドン103および/またはコドン181におけ
る変異との組合せで、デラビルジン感受性の低下(増大した耐性)、およびネビ
ラピン感受性の無変化と相関していることが立証された。236位の変異は、単
独で、あるいはY181Cの背景のもとで、エファビレンツ感受性に対する作用
を有していないが、103Nの変異により引き起こされる感受性喪失のかなりの
部分を回復させる。
【0043】 別の特定の実施形態において、本発明は、患者のNNRTI抗レトロウイルス
治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から生体サンプル
を採取すること;および(ii)この生体サンプルが、コドン230および/ま
たはコドン181における変異を有するHIVのRTをコードする核酸を含むか
どうかを明らかにすることを含む方法を提供する。本発明により、表現型感受性
アッセイを使用して、コドン230における変異は、単独で、あるいはHIV逆
転写酵素のコドン181における変異との組合せで、デラビルジン感受性の著し
い低下(増大した耐性)、ネビラピン感受性の著しい低下と相関していることが
立証された。
【0044】 別の特定の実施形態において、本発明は、患者のNNRTI抗レトロウイルス
治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から生体サンプル
を採取すること;および(ii)この生体サンプルが、コドン181における変
異を有するHIVのRTをコードする核酸を含むかどうかを明らかにすることを
含む方法を提供する。本発明により、表現型感受性アッセイを使用して、HIV
逆転写酵素のコドン181における変異は、デラビルジン感受性の中程度の低下
(増大した耐性)、ネビラピン感受性の著しい低下、およびエファビレンツ感受
性の無変化と相関していることが立証された。
【0045】 別の特定の実施形態において、本発明は、患者のNNRTI抗レトロウイルス
治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から生体サンプル
を採取すること;および(ii)この生体サンプルが、コドン188における変
異を有するHIVのRTをコードする核酸を含むかどうかを明らかにすることを
含む方法を提供する。本発明により、表現型感受性アッセイを使用して、HIV
逆転写酵素のコドン188における変異は、デラビルジン感受性のわずかな低下
(増大した耐性)、ネビラピン感受性の実質的な低下、およびエファビレンツ感
受性の著しい低下と相関していることが立証された。
【0046】 別の特定の実施形態において、本発明は、患者のNNRTI抗レトロウイルス
治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から生体サンプル
を採取すること;および(ii)この生体サンプルが、コドン138および/ま
たはコドン188における変異を有するHIVのRTをコードする核酸を含むか
どうかを明らかにすることを含む方法を提供する。本発明により、表現型感受性
アッセイを使用して、コドン138における変異は、単独で、あるいはHIV逆
転写酵素のコドン188における変異との組合せで、デラビルジン感受性の中程
度の低下(増大した耐性)、ネビラピン感受性の実質的な低下、およびエファビ
レンツ感受性の中程度の低下と相関していることが立証された。
【0047】 別の特定の実施形態において、本発明は、患者のNNRTI抗レトロウイルス
治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から生体サンプル
を採取すること;および(ii)この生体サンプルが、コドン98における変異
を有するHIVのRTをコードする核酸を含むかどうかを明らかにすることを含
む方法を提供する。本発明により、表現型感受性アッセイを使用して、HIV逆
転写酵素のコドン98における変異は、デラビルジン感受性のわずかな低下(増
大した耐性)、ネビラピン感受性のわずかな低下、およびエファビレンツ感受性
のわずかな低下と相関していることが立証された。
【0048】 別の特定の実施形態において、本発明は、患者のNNRTI抗レトロウイルス
治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から生体サンプル
を採取すること;および(ii)この生体サンプルが、コドン98および/また
はコドン190における変異を有するHIVのRTをコードする核酸を含むかど
うかを明らかにすることを含む方法を提供する。本発明により、表現型感受性ア
ッセイを使用して、コドン98における変異は、単独で、あるいはHIV逆転写
酵素のコドン190における変異との組合せで、デラビルジン感受性の増大(低
下した耐性)、ネビラピン感受性の実質的な低下、およびエファビレンツ感受性
の実質的な低下と相関していることが立証された。他の特定の実施形態において
、本発明は、患者のNNRTI抗レトロウイルス治療の有効性を評価する方法で
あって、(i)HIV感染患者から生体サンプルを採取すること;および(ii
)この生体サンプルが、コドン181および/またはコドン98における変異を
有するHIVのRTをコードする核酸を含むかどうかを明らかにすることを含む
方法を提供する。本発明により、表現型感受性アッセイを使用して、コドン18
1における変異は、単独で、あるいはHIV逆転写酵素のコドン98における変
異との組合せで、デラビルジン感受性の著しい低下(増大した耐性)、ネビラピ
ン感受性の実質的な低下、およびエファビレンツ感受性のわずかな低下と相関し
ていることが立証された。他の特定の実施形態において、本発明は、患者のNN
RTI抗レトロウイルス治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感
染患者から生体サンプルを採取すること;および(ii)この生体サンプルが、
コドン101における変異および/またはコドン190における変異、例えば、
190Sを有するHIVのRTをコードする核酸を含むかどうかを明らかにする
ことを含む方法を提供する。本発明により、表現型感受性アッセイを使用して、
コドン101における変異は、単独で、あるいはHIV逆転写酵素のコドン19
0における変異との組合せで、デラビルジン感受性の無変化(野生型)、ネビラ
ピン感受性の実質的な低下、およびエファビレンツ感受性の実質的な低下と相関
していることが立証された。他の特定の実施形態において、本発明は、患者のN
NRTI抗レトロウイルス治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV
感染患者から生体サンプルを採取すること;および(ii)この生体サンプルが
、コドン108における変異を有するHIVのRTをコードする核酸を含むかど
うかを明らかにすることを含む方法を提供する。本発明により、表現型感受性ア
ッセイを使用して、HIV逆転写酵素のコドン108における変異は、デラビル
ジン感受性の無変化(野生型)、ネビラピン感受性のわずかな低下、およびエフ
ァビレンツ感受性の無変化と相関していることが立証された。別の特定の実施形
態において、本発明は、患者のNNRTI抗レトロウイルス治療の有効性を評価
する方法であって、(i)HIV感染患者から生体サンプルを採取すること;お
よび(ii)この生体サンプルが、コドン101およびコドン103および/ま
たはコドン190における変異を有するHIVのRTをコードする核酸を含むか
どうかを明らかにすることを含む方法を提供する。本発明により、表現型感受性
アッセイを使用して、コドン101における変異は、単独で、あるいはHIV逆
転写酵素のコドン103および/またはコドン190における変異との組合せで
、デラビルジン感受性の無変化(101および190)または中程度の低下(1
03および190、例えば、190A)(増大した耐性)のいずれか、ネビラピ
ン感受性の実質的な低下、およびエファビレンツ感受性の著しい低下と相関して
いることが立証された。
【0049】 別の特定の実施形態において、本発明は、患者のNNRTI抗レトロウイルス
治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から生体サンプル
を採取すること;および(ii)この生体サンプルが、コドン106および/ま
たはコドン189および/またはコドン181および/またはコドン227にお
ける変異を有するHIVのRTをコードする核酸を含むかどうかを明らかにする
ことを含む方法を提供する。本発明により、表現型感受性アッセイを使用して、
コドン106における変異は、単独で、あるいはHIV逆転写酵素のコドン18
9および/またはコドン181および/またはコドン227における変異との組
合せで、デラビルジン感受性、ネビラピン感受性およびエファビレンツ感受性の
低下と相関していることが立証された。詳細には、106位および181位にお
ける変異の存在は、デラビルジン感受性の著しい低下、ネビラピン感受性の実質
的な低下、およびエファビレンツ感受性のわずかな低下と相関している。106
位および189位における変異の存在は、デラビルジン感受性のわずかな低下、
ネビラピン感受性の中程度の低下、およびエファビレンツ感受性の無変化と相関
している。106位および227位における変異の存在は、デラビルジン感受性
のわずかな低下、ネビラピン感受性の実質的な低下、およびエファビレンツ感受
性のわずかな低下と相関している。181位および227位における変異の存在
は、デラビルジン感受性の増大、ネビラピン感受性の著しい低下、およびエファ
ビレンツ感受性の増大と相関している。106位および181位および227位
における変異の存在は、デラビルジン感受性の中程度の低下、ネビラピン感受性
の実質的な低下、およびエファビレンツ感受性のわずかな低下と相関している。
別の特定の実施形態において、本発明は、患者のNNRTI抗レトロウイルス治
療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から生体サンプルを
採取すること;および(ii)この生体サンプルが、コドン188およびコドン
100および/またはコドン103における変異を有するHIVのRTをコード
する核酸を含むかどうかを明らかにすることを含む方法を提供する。本発明によ
り、表現型感受性アッセイを使用して、コドン188における変異は、単独で、
あるいはHIV逆転写酵素のコドン100および/またはコドン103における
変異との組合せで、デラビルジン感受性、ネビラピン感受性およびエファビレン
ツ感受性の変化と相関していることが立証された。詳細には、103位および1
88位における変異の存在は、デラビルジン感受性の実質的な低下、ネビラピン
感受性の実質的な低下、およびエファビレンツ感受性の実質的な低下と相関して
いる。100位および103位における変異の存在は、デラビルジン感受性の実
質的な低下、ネビラピン感受性の中程度の低下、およびエファビレンツ感受性の
実質的な低下と相関している。103位および100位および188位における
変異の存在は、デラビルジン感受性の実質的な低下、ネビラピン感受性の実質的
な低下、およびエファビレンツ感受性の実質的な低下と相関している。前記の状
況のもとにおいて、患者に感染しているHIVウイルスの表現型感受性/耐性プ
ロファイルおよび遺伝子型プロファイルは、抗レトロウイルス剤に対する応答の
何らかの変化を反映して変化している。NNRTI抗レトロウイルス治療の場合
、患者に感染しているHIVウイルスは、本明細書中に記載されているNNRT
Iの1つまたは複数に対して耐性であり得るが、別のNNRTIに対しては耐性
でないことがある。従って、変異を検出した後、抗レトロウイルス剤の投与量を
増大させること、あるいは別の抗レトロウイルス剤に変えること、あるいは1つ
または複数のさらなる抗レトロウイルス剤を患者の治療計画に加えることのいず
れかが望ましいと考えられる。例えば、患者がエファビレンツ(DMP−266
)で処置されている場合、225位における変異が生じたとき、患者の治療計画
は、望ましくは、(i)デラビルジンまたはネビラピンなどの異なるNNRTI
抗レトロウイルス剤に変えて、エファビレンツ処置を止めること;あるいは(i
i)エファビレンツの投与量を増大させること;あるいは(iii)別の抗レト
ロウイルス剤を患者の治療計画に加えることのいずれかによって変更され得る。
治療における改変の有効性は、HIVのRNAコピー数などによりウイルス量を
モニターすることによって評価することができる。HIVのRNAコピー数の減
少は、処置計画の有効性との正の相関を有する。
【0050】 本明細書中で使用されている語句「正の相関を有する」とは、特定の結果によ
って、特定の結論が他の結論よりも起こりやすくなることを示す。
【0051】 本発明の別の好ましい非限定的な特定の実施形態を下記に示す:患者のNNR
TI治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から生体サン
プルを採取すること;(ii)RNAをcDNAに変換して、HIV配列を、R
T遺伝子を含むPCR産物をもたらすHIVプライマーを使用して増幅すること
によって生体サンプル中のHIVコードRNAを増幅すること;(iii)野生
型または225位および103位における変異コドンを含むPCR産物をもたら
すプライマーを使用してPCRを行うこと;および(iv)PCR産物を介して
、コドン225またはコドン103またはその両方における変異の存在または非
存在を明らかにすることを含む方法。本発明のさらに別の好ましい非限定的な特
定の実施形態を下記に示す:患者のNNRTI治療の有効性を評価する方法であ
って、(i)HIV感染患者から血漿サンプルを採取すること;(ii)RNA
をcDNAに変換して、HIV配列を、RT遺伝子を含むPCR産物をもたらす
HIVプライマーを使用して増幅することによって血漿サンプル中のHIVコー
ドRNAを増幅すること;(iii)野生型あるいはコドン103および/また
はコドン181およびコドン236における変異を含むPCR産物をもたらすプ
ライマーを使用してPCRを行うこと;および(iv)PCR産物を介して、コ
ドン236およびコドン103および/またはコドン181における変異の存在
または非存在を明らかにすることを含む方法。
【0052】 本発明のさらに別の好ましい非限定的な特定の実施形態を下記に示す:患者の
NNRTI治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から血
漿サンプルを採取すること;(ii)RNAをcDNAに変換して、HIV配列
を、RT遺伝子を含むPCR産物をもたらすHIVプライマーを使用して増幅す
ることによって血漿サンプル中のHIVコードRNAを増幅すること;(iii
)野生型あるいはコドン101における変異およびコドン190における変異(
G190S)を含むPCR産物をもたらすプライマーを使用してPCRを行うこ
と;および(iv)PCR産物を介して、コドン190における変異(G190
S)およびコドン101における変異の存在または非存在を明らかにすることを
含む方法。
【0053】 本発明のさらに別の好ましい非限定的な特定の実施形態を下記に示す:患者の
NNRTI治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から血
漿サンプルを採取すること;(ii)RNAをcDNAに変換して、HIV配列
を、RT遺伝子を含むPCR産物をもたらすHIVプライマーを使用して増幅す
ることによって血漿サンプル中のHIVコードRNAを増幅すること;(iii
)野生型あるいはコドン103における変異およびコドン190における変異(
G190A)を含むPCR産物をもたらすプライマーを使用してPCRを行うこ
と;および(iv)PCR産物を介して、コドン190における変異(G190
A)およびコドン103における変異を存在または非存在を明らかにすることを
含む方法。本発明のさらに別の好ましい非限定的な特定の実施形態を下記に示す
:患者のNNRTI治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患
者から血漿サンプルを採取すること;(ii)RNAをcDNAに変換して、H
IV配列を、RT遺伝子を含むPCR産物をもたらすHIVプライマーを使用し
て増幅することによって血漿サンプル中のHIVコードRNAを増幅すること;
(iii)野生型あるいはコドン230およびコドン181における変異を含む
PCR産物をもたらすプライマーを使用してPCRを行うこと;および(iv)
PCR産物を介して、コドン230およびコドン181における変異を存在また
は非存在を明らかにすることを含む方法。
【0054】 本発明のさらに別の好ましい非限定的な特定の実施形態を下記に示す:患者の
NNRTI治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から血
漿サンプルを採取すること;(ii)RNAをcDNAに変換して、HIV配列
を、RT遺伝子を含むPCR産物をもたらすHIVプライマーを使用して増幅す
ることによって血漿サンプル中のHIVコードRNAを増幅すること;(iii
)野生型あるいはコドン181における変異を含むPCR産物をもたらすプライ
マーを使用してPCRを行うこと;および(iv)PCR産物を介して、コドン
181における変異の存在または非存在を明らかにすることを含む方法。本発明
のさらに別の好ましい非限定的な特定の実施形態を下記に示す:患者のNNRT
I治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から血漿サンプ
ルを採取すること;(ii)RNAをcDNAに変換して、HIV配列を、RT
遺伝子を含むPCR産物をもたらすHIVプライマーを使用して増幅することに
よって血漿サンプル中のHIVコードRNAを増幅すること;(iii)野生型
あるいはコドン188における変異を含むPCR産物をもたらすプライマーを使
用してPCRを行うこと;および(iv)PCR産物を介して、コドン188に
おける変異の存在または非存在を明らかにすることを含む方法。本発明のさらに
別の好ましい非限定的な特定の実施形態を下記に示す:患者のNNRTI治療の
有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から血漿サンプルを採取
すること;(ii)RNAをcDNAに変換して、HIV配列を、RT遺伝子を
含むPCR産物をもたらすHIVプライマーを使用して増幅することによって血
漿サンプル中のHIVコードRNAを増幅すること;(iii)野生型あるいは
コドン138およびコドン188における変異を含むPCR産物をもたらすプラ
イマーを使用してPCRを行うこと;および(iv)PCR産物を介して、コド
ン138およびコドン188における変異の存在または非存在を明らかにするこ
とを含む方法。
【0055】 本発明のさらに別の好ましい非限定的な特定の実施形態を下記に示す:患者の
NNRTI治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から血
漿サンプルを採取すること;(ii)RNAをcDNAに変換して、HIV配列
を、RT遺伝子を含むPCR産物をもたらすHIVプライマーを使用して増幅す
ることによって血漿サンプル中のHIVコードRNAを増幅すること;(iii
)野生型あるいはコドン98における変異を含むPCR産物をもたらすプライマ
ーを使用してPCRを行うこと;および(iv)PCR産物を介して、コドン9
8における変異の存在または非存在を明らかにすることを含む方法。本発明のさ
らに別の好ましい非限定的な特定の実施形態を下記に示す:患者のNNRTI治
療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から血漿サンプルを
採取すること;(ii)RNAをcDNAに変換して、HIV配列を、RT遺伝
子を含むPCR産物をもたらすHIVプライマーを使用して増幅することによっ
て血漿サンプル中のHIVコードRNAを増幅すること;(iii)野生型ある
いはコドン98およびコドン190における変異を含むPCR産物をもたらすプ
ライマーを使用してPCRを行うこと;および(iv)PCR産物を介して、コ
ドン190およびコドン98における変異の存在または非存在を明らかにするこ
とを含む方法。本発明のさらに別の好ましい非限定的な特定の実施形態を下記に
示す:患者のNNRTI治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感
染患者から血漿サンプルを採取すること;(ii)RNAをcDNAに変換して
、HIV配列を、RT遺伝子を含むPCR産物をもたらすHIVプライマーを使
用して増幅することによって血漿サンプル中のHIVコードRNAを増幅するこ
と;(iii)野生型あるいはコドン98およびコドン181における変異を含
むPCR産物をもたらすプライマーを使用してPCRを行うこと;および(iv
)PCR産物を介して、コドン98およびコドン181における変異の存在また
は非存在を明らかにすることを含む方法。
【0056】 本発明のさらに別の好ましい非限定的な特定の実施形態を下記に示す:患者の
NNRTI治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から血
漿サンプルを採取すること;(ii)RNAをcDNAに変換して、HIV配列
を、RT遺伝子を含むPCR産物をもたらすHIVプライマーを使用して増幅す
ることによって血漿サンプル中のHIVコードRNAを増幅すること;(iii
)野生型あるいはコドン101およびコドン190における変異を含むPCR産
物をもたらすプライマーを使用してPCRを行うこと;および(iv)PCR産
物を介して、コドン190における変異、例えば、190Sおよびコドン101
における変異の存在または非存在を明らかにすることを含む方法。
【0057】 本発明のさらに別の好ましい非限定的な特定の実施形態を下記に示す:患者の
NNRTI治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から血
漿サンプルを採取すること;(ii)RNAをcDNAに変換して、HIV配列
を、RT遺伝子を含むPCR産物をもたらすHIVプライマーを使用して増幅す
ることによって血漿サンプル中のHIVコードRNAを増幅すること;(iii
)野生型あるいはコドン108における変異を含むPCR産物をもたらすプライ
マーを使用してPCRを行うこと;および(iv)PCR産物を介して、コドン
108における変異の存在または非存在を明らかにすることを含む方法。本発明
のさらに別の好ましい非限定的な特定の実施形態を下記に示す:患者のNNRT
I治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から血漿サンプ
ルを採取すること;(ii)RNAをcDNAに変換して、HIV配列を、RT
遺伝子を含むPCR産物をもたらすHIVプライマーを使用して増幅することに
よって血漿サンプル中のHIVコードRNAを増幅すること;(iii)野生型
あるいはコドン101およびコドン103およびコドン190における変異を含
むPCR産物をもたらすプライマーを使用してPCRを行うこと;および(iv
)PCR産物を介して、コドン108およびコドン103およびコドン190に
おける変異、例えば、190Aの存在または非存在を明らかにすることを含む方
法。
【0058】 本発明のさらに別の好ましい非限定的な特定の実施形態を下記に示す:患者の
NNRTI治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から血
漿サンプルを採取すること;(ii)RNAをcDNAに変換して、HIV配列
を、RT遺伝子を含むPCR産物をもたらすHIVプライマーを使用して増幅す
ることによって血漿サンプル中のHIVコードRNAを増幅すること;(iii
)野生型あるいはコドン106およびコドン189およびコドン181およびコ
ドン227における変異を含むPCR産物をもたらすプライマーを使用してPC
Rを行うこと;および(iv)PCR産物を介して、コドン106およびコドン
189およびコドン181およびコドン227における変異の存在または非存在
を明らかにすることを含む方法。
【0059】 本発明のさらに別の好ましい非限定的な特定の実施形態を下記に示す:患者の
NNRTI治療の有効性を評価する方法であって、(i)HIV感染患者から血
漿サンプルを採取すること;(ii)RNAをcDNAに変換して、HIV配列
を、RT遺伝子を含むPCR産物をもたらすHIVプライマーを使用して増幅す
ることによって血漿サンプル中のHIVコードRNAを増幅すること;(iii
)野生型あるいはコドン188およびコドン100およびコドン103における
変異を含むPCR産物をもたらすプライマーを使用してPCRを行うこと;およ
び(iv)PCR産物を介して、コドン188およびコドン100およびコドン
103における変異の存在または非存在を明らかにすることを含む方法。HIV
RTのコドン225およびコドン103における変異の存在は、現在または将
来のNNRTI治療の有効性を変更する必要があり得ることを示している。なぜ
なら、本発明によって示されているように、コドン103における変異は感受性
を低下させ、その感受性はコドン225における変異により部分的に回復され得
るからである。本発明の方法を使用して、NNRTI治療における変化が示され
る。同様に、本発明の手段および方法を使用して、HIV RTのコドン236
およびコドン103および/またはコドン181における変異の存在は、現在ま
たは将来のNNRTI治療の有効性が損なわれていることを示している。同様に
、本発明の手段および方法を使用して、HIV RTのコドン190における変
異(G190A)およびコドン103における変異(K103N)の存在は、現
在または将来のNNRTI治療の有効性が損なわれていることを示している。同
様に、本発明の手段および方法を使用して、HIV RTのコドン190におけ
る変異(G190S)およびコドン101における変異(K101E)の存在は
、現在または将来のNNRTI治療の有効性が損なわれていることを示している
。同様に、本発明の手段および方法を使用して、HIV RTのコドン230お
よびコドン181における変異の存在は、現在または将来のNNRTI治療の有
効性が損なわれていることを示している。同様に、本発明の手段および方法を使
用して、HIV RTのコドン181における変異の存在は、現在または将来の
NNRTI治療の有効性が損なわれていることを示している。同様に、本発明の
手段および方法を使用して、HIV RTのコドン188における変異の存在は
、現在または将来のNNRTI治療の有効性が損なわれていることを示している
。同様に、本発明の手段および方法を使用して、HIV RTのコドン138お
よびコドン188における変異の存在は、現在または将来のNNRTI治療の有
効性が損なわれていることを示している。同様に、本発明の手段および方法を使
用して、HIV RTのコドン98における変異の存在は、現在または将来のN
NRTI治療の有効性が損なわれていることを示している。同様に、本発明の手
段および方法を使用して、HIV RTのコドン98およびコドン190におけ
る変異の存在は、現在または将来のNNRTI治療の有効性が損なわれているこ
とを示している。同様に、本発明の手段および方法を使用して、HIV RTの
コドン181および98における変異の存在は、現在または将来のNNRTI治
療の有効性が損なわれていることを示している。同様に、本発明の手段および方
法を使用して、HIV RTのコドン101における変異およびコドン190に
おける変異、例えば、190Sの存在は、現在または将来のNNRTI治療の有
効性が損なわれていることを示している。同様に、本発明の手段および方法を使
用して、HIV RTのコドン108における変異の存在は、現在または将来の
NNRTI治療の有効性が損なわれていることを示している。同様に、本発明の
手段および方法を使用して、HIV RTのコドン101およびコドン103お
よびコドン190における変異、例えば、190Aの存在は、現在または将来の
NNRTI治療の有効性が損なわれていることを示している。同様に、本発明の
手段および方法を使用して、HIV RTのコドン106およびコドン189お
よびコドン181およびコドン227における変異の存在は、現在または将来の
NNRTI治療の有効性が損なわれていることを示している。同様に、本発明の
手段および方法を使用して、HIV RTのコドン188およびコドン100お
よびコドン103における変異の存在は、現在または将来のNNRTI治療の有
効性が損なわれていることを示している。
【0060】 本発明の別の好ましい非限定的な特定の実施形態を下記に示す:HIV感染患
者の抗レトロウイルス治療の有効性を評価する方法であって、(a)HIV感染
患者から生体サンプルを採取すること;および(b)この生体サンプルが、コド
ン236およびコドン103および/またはコドン181における変異を有する
HIV逆転写酵素をコードする核酸を含むかどうかを明らかにすることを含む方
法。表現型感受性アッセイを使用して、この3つの変異の存在はデラビルジン耐
性との正の相関を有することが認められた。表現型感受性アッセイを使用して、
この3つの変異の存在はネビラピン耐性との正の相関を有することが認められた
。別の実施形態において、HIV RTの変異したコドン236はロイシン(L
)をコードしている。さらなる実施形態において、逆転写酵素は、HIV RT
のコドン236における変異に加えて、コドン103における変異、コドン18
1における変異、またはその組合せを有する。なおさらなる実施形態において、
変異したコドン103はアスパラギン(N)をコードし、181位の変異したコ
ドンはシステイン(C)をコードしている。
【0061】 本発明のもう一つの好ましい非制限的な特定の実施形態は次の通りである:H
IV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であって:(a)H
IV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生体サンプルがコ
ドン225及び103に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコードする核酸を
含むかどうかを調べることを含む方法。表現型感受性アッセイを使用して、HI
V RTのコドン225単独の突然変異あるいはコドン103の突然変異と合わ
せてコドン225の突然変異が存在することは、ネビラピンの感受性には影響を
及ぼさないが、デラビルジン感受性の上昇を生じさせることが認められた。さら
にもう一つの実施形態では、突然変異コドン225はヒスチジンをコードし、コ
ドン230はロイシンをコードし、コドン181はシステインをコードする。
【0062】 本発明は、HIV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であ
って:(a)HIV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生
体サンプルがコドン181に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコードする核
酸を含むかどうかを調べることを含む方法を提供する。表現型感受性アッセイを
使用して、コドン181に突然変異が存在することは、デラビルジン感受性の中
等度の低下及びネビラピン感受性の著しい低下及びエファビレンツ感受性の変化
なしと正に相関することが認められた。ひとつの実施形態では、突然変異コドン
181はイソロイシンをコードする。
【0063】 本発明は、HIV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であ
って:(a)HIV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生
体サンプルがコドン188に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコードする核
酸を含むかどうかを調べることを含む方法を提供する。表現型感受性アッセイを
使用して、コドン188に突然変異が存在することは、デラビルジン感受性のわ
ずかな低下及びネビラピン感受性の実質的な低下及びエファビレンツ感受性の著
しい低下と正に相関することが認められた。ひとつの実施形態では、突然変異コ
ドン188はシステイン、ヒスチジン、あるいはロイシンをコードする。
【0064】 本発明は、HIV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であ
って:(a)HIV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生
体サンプルがコドン190に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコードする核
酸を含むかどうかを調べることを含む方法を提供する。表現型感受性アッセイを
使用して、コドン190に突然変異が存在することは、デラビルジン感受性のわ
ずかな低下及びネビラピン感受性の大きな低下と正に相関することが認められた
。ひとつの実施形態では、突然変異コドン190はアラニンあるいはセリンをコ
ードする。
【0065】 本発明のもう一つの好ましい非制限的な特定の実施形態は次の通りである:H
IV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であって:(a)H
IV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生体サンプルがコ
ドン230及び181に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコードする核酸を
含むかどうかを調べることを含む方法。表現型感受性アッセイを使用して、HI
V RTのコドン230単独の突然変異あるいはコドン181の突然変異と合わ
せてコドン230の突然変異が存在することは、デラビルジン感受性の著しい低
下及びネビラピン感受性の著しい低下を生じさせることが認められた。
【0066】 本発明のもう一つの好ましい非制限的な特定の実施形態は次の通りである:H
IV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であって:(a)H
IV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生体サンプルがコ
ドン138及び188に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコードする核酸を
含むかどうかを調べることを含む方法。表現型感受性アッセイを使用して、HI
V RTのコドン138単独の突然変異あるいはコドン188の突然変異と合わ
せてコドン138の突然変異が存在することは、デラビルジン感受性の中等度の
低下及びネビラピン感受性の実質的な低下及びエファビレンツ感受性の中等度の
低下を生じさせることが認められた。さらにもう一つの実施形態では、突然変異
コドン138はアラニンをコードし、コドン188はロイシンをコードする。
【0067】 本発明は、HIV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であ
って:(a)HIV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生
体サンプルがコドン98に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコードする核酸
を含むかどうかを調べることを含む方法を提供する。表現型感受性アッセイを使
用して、コドン98に突然変異が存在することは、デラビルジン感受性のわずか
な低下及びネビラピン感受性のわずかな低下及びエファビレンツ感受性のわずか
な低下と正に相関することが認められた。ひとつの実施形態では、突然変異コド
ン98はグリシンをコードする。
【0068】 本発明のもう一つの好ましい非制限的な特定の実施形態は次の通りである:H
IV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であって:(a)H
IV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生体サンプルがコ
ドン98及び190に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコードする核酸を含
むかどうかを調べることを含む方法。表現型感受性アッセイを使用して、HIV
RTのコドン98単独の突然変異あるいはコドン190の突然変異と合わせて
コドン98の突然変異が存在することは、デラビルジン感受性の上昇及びネビラ
ピン感受性の実質的な低下及びエファビレンツ感受性の実質的な低下を生じさせ
ることが認められた。さらにもう一つの実施形態では、突然変異コドン190は
セリンをコードし、コドン98はグリシンをコードする。
【0069】 本発明のもう一つの好ましい非制限的な特定の実施形態は次の通りである:H
IV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であって:(a)H
IV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生体サンプルがコ
ドン181及び98に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコードする核酸を含
むかどうかを調べることを含む方法。表現型感受性アッセイを使用して、HIV
RTのコドン181単独の突然変異あるいはコドン98の突然変異と合わせて
コドン181の突然変異が存在することは、デラビルジン感受性の著しい低下及
びネビラピン感受性の実質的な低下及びエファビレンツ感受性のわずかな低下を
生じさせることが認められた。さらにもう一つの実施形態では、突然変異コドン
98はグリシンをコードし、コドン181はシステインをコードする。
【0070】 本発明のもう一つの好ましい非制限的な特定の実施形態は次の通りである:H
IV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であって:(a)H
IV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生体サンプルがコ
ドン101及び190、例えば190Sに突然変異を有するHIV逆転写酵素を
コードする核酸を含むかどうかを調べることを含む方法。表現型感受性アッセイ
を使用して、HIV RTのコドン101単独の突然変異あるいはコドン190
の突然変異と合わせてコドン101の突然変異が存在することは、デラビルジン
の感受性を変化させず、ネビラピン感受性の実質的な低下及びエファビレンツ感
受性の実質的な低下を生じさせることが認められた。さらにもう一つの実施形態
では、突然変異コドン190はセリンをコードし、コドン101はグルタミン酸
をコードする。
【0071】 本発明は、HIV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であ
って:(a)HIV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生
体サンプルがコドン108に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコードする核
酸を含むかどうかを調べることえを含む方法を提供する。表現型感受性アッセイ
を使用して、コドン108に突然変異が存在することは、デラビルジン感受性の
変化なし及びネビラピン感受性のわずかな低下及びエファビレンツ感受性の変化
なしと正に相関することが認められた。ひとつの実施形態では、突然変異コドン
108はイソロイシンをコードする。
【0072】 本発明のもう一つの好ましい非制限的な特定の実施形態は次の通りである:H
IV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であって:(a)H
IV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生体サンプルがコ
ドン101及び190、例えば190Aに突然変異を有するHIV逆転写酵素を
コードする核酸を含むかどうかを調べることを含む方法。表現型感受性アッセイ
を使用して、HIV RTのコドン101単独の突然変異あるいはコドン190
の突然変異と合わせてコドン101の突然変異が存在することは、デラビルジン
の感受性を変化させず、ネビラピン感受性の実質的な低下及びエファビレンツ感
受性の著しい低下を生じさせることが認められた。さらにもう一つの実施形態で
は、突然変異コドン190はグリシンをコードし、コドン101はグルタミン酸
をコードする。
【0073】 本発明のもう一つの好ましい非制限的な特定の実施形態は次の通りである:H
IV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であって:(a)H
IV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生体サンプルがコ
ドン103及び190に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコードする核酸を
含むかどうかを調べることを含む方法。表現型感受性アッセイを使用して、HI
V RTのコドン103単独の突然変異あるいはコドン190の突然変異と合わ
せてコドン103の突然変異が存在することは、デラビルジン感受性の中等度の
低下及びネビラピン感受性の実質的な低下及びエファビレンツ感受性の著しい低
下を生じさせることが認められた。さらにもう一つの実施形態では、突然変異コ
ドン190はアラニンをコードし、コドン103はアスパラギンをコードする。
【0074】 本発明のもう一つの好ましい非制限的な特定の実施形態は次の通りである:H
IV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であって:(a)H
IV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生体サンプルがコ
ドン106及び181に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコードする核酸を
含むかどうかを調べることを含む方法。表現型感受性アッセイを使用して、HI
V RTのコドン106単独の突然変異あるいはコドン181の突然変異と合わ
せてコドン106の突然変異が存在することは、デラビルジン感受性の著しい低
下及びネビラピン感受性の実質的な低下及びエファビレンツ感受性の実質的な低
下を生じさせることが認められた。さらにもう一つの実施形態では、突然変異コ
ドン106はアラニンをコードし、コドン181はシステインをコードする。
【0075】 本発明のもう一つの好ましい非制限的な特定の実施形態は次の通りである:H
IV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であって:(a)H
IV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生体サンプルがコ
ドン106及び189に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコードする核酸を
含むかどうかを調べることを含む方法。表現型感受性アッセイを使用して、HI
V RTのコドン106単独の突然変異あるいはコドン189の突然変異と合わ
せてコドン106の突然変異が存在することは、デラビルジン感受性のわずかな
低下及びネビラピン感受性の中等度の低下を生じさせ、エファビレンツの感受性
を変化させないことが認められた。さらにもう一つの実施形態では、突然変異コ
ドン189はロイシンをコードし、コドン106はアラニンをコードする。
【0076】 本発明のもう一つの好ましい非制限的な特定の実施形態は次の通りである:H
IV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であって:(a)H
IV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生体サンプルがコ
ドン106及び227に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコードする核酸を
含むかどうかを調べることを含む方法。表現型感受性アッセイを使用して、HI
V RTのコドン106単独の突然変異あるいはコドン227の突然変異と合わ
せてコドン106の突然変異が存在することは、デラビルジン感受性のわずかな
低下及びネビラピン感受性の実質的な低下及びエファビレンツ感受性のわずかな
低下を生じさせることが認められた。さらにもう一つの実施形態では、突然変異
コドン227はロイシンをコードし、コドン106はアラニンをコードする。
【0077】 本発明のもう一つの好ましい非制限的な特定の実施形態は次の通りである:H
IV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であって:(a)H
IV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生体サンプルがコ
ドン181及び227に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコードする核酸を
含むかどうかを調べることを含む方法。表現型感受性アッセイを使用して、HI
V RTのコドン181単独の突然変異あるいはコドン227の突然変異と合わ
せてコドン181の突然変異が存在することは、デラビルジン感受性の上昇及び
ネビラピン感受性の著しい低下及びエファビレンツ感受性の上昇を生じさせるこ
とが認められた。
【0078】 さらにもう一つの実施形態では、突然変異コドン227はロイシンをコードし
、コドン181はシステインをコードする。
【0079】 本発明のもう一つの好ましい非制限的な特定の実施形態は次の通りである:H
IV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であって:(a)H
IV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生体サンプルがコ
ドン106及び181及び227に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコード
する核酸を含むかどうかを調べることを含む方法。表現型感受性アッセイを使用
して、HIV RTのコドン106単独の突然変異あるいはコドン181と22
7の突然変異と合わせてコドン106の突然変異が存在することは、デラビルジ
ン感受性の中等度の低下及びエファビレンツ感受性のわずかな低下を生じさせる
ことが認められた。
【0080】 さらにもう一つの実施形態では、突然変異コドン106はアラニンをコードし
、コドン181はシステインをコードし、コドン227はロイシンをコードする
【0081】 本発明のもう一つの好ましい非制限的な特定の実施形態は次の通りである:H
IV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であって:(a)H
IV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生体サンプルがコ
ドン103及び188に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコードする核酸を
含むかどうかを調べることを含む方法。表現型感受性アッセイを使用して、HI
V RTのコドン103単独の突然変異あるいはコドン188の突然変異と合わ
せてコドン103の突然変異が存在することは、デラビルジン感受性の実質的な
低下及びネビラピン感受性の実質的な低下及びエファビレンツ感受性の実質的な
低下を生じさせることが認められた。さらにもう一つの実施形態では、突然変異
コドン188はロイシンをコードし、コドン103はアスパラギンをコードする
【0082】 本発明のもう一つの好ましい非制限的な特定の実施形態は次の通りである:H
IV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であって:(a)H
IV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生体サンプルがコ
ドン100及び103に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコードする核酸を
含むかどうかを調べることを含む方法。表現型感受性アッセイを使用して、HI
V RTのコドン100単独の突然変異あるいはコドン103の突然変異と合わ
せてコドン100の突然変異が存在することは、デラビルジン感受性の実質的な
低下及びネビラピン感受性の中等度の低下及びエファビレンツ感受性の実質的な
低下を生じさせることが認められた。
【0083】 さらにもう一つの実施形態では、突然変異コドン100はイソロイシンをコー
ドし、コドン103はアスパラギンをコードする。
【0084】 本発明のもう一つの好ましい非制限的な特定の実施形態は次の通りである:H
IV感染患者の抗レトロウイルス治療の効果を評価する方法であって:(a)H
IV感染患者から生体サンプルを採取すること;そして(b)生体サンプルがコ
ドン100及び103及び188に突然変異を有するHIV逆転写酵素をコード
する核酸を含むかどうかを調べることを含む方法。表現型感受性アッセイを使用
して、HIV RTのコドン100単独の突然変異あるいはコドン103と18
8の突然変異と合わせてコドン100の突然変異が存在することは、デラビルジ
ン感受性の実質的な低下及びネビラピン感受性の中等度の低下及びエファビレン
ツ感受性の実質的な低下を生じさせることが認められた。
【0085】 さらにもう一つの実施形態では、突然変異コドン100はイソロイシンをコー
ドし、コドン103はアスパラギンをコードし、コドン188はロイシンをコー
ドする。
【0086】 本発明はまた、薬物スクリーニングのためのNNRTI突然変異をさらに含む
、HIV遺伝子を含む耐性試験ベクターを使用するための手段及び方法を提供す
る。より特定すると、本発明は、薬物スクリーニングのためのコドン225及び
103に突然変異を有するHIV逆転写酵素を含む耐性試験ベクターを記述する
。本発明はまた、コドン236及び103および/あるいは181に突然変異を
有するHIV逆転写酵素を含む耐性試験ベクターを記述する。本発明はまた、コ
ドン190(G190A)及び103(K103N)に突然変異を有するHIV
逆転写酵素を含む耐性試験ベクターを記述する。本発明はまた、コドン190(
G190S)及び101(K101E)に突然変異を有するHIV逆転写酵素を
含む耐性試験ベクターを記述する。
【0087】 本発明はまた、コドン230及び181に突然変異を有するHIV逆転写酵素
を含む耐性試験ベクターを記述する。
【0088】 本発明はまた、コドン181に突然変異を有するHIV逆転写酵素を含む耐性
試験ベクターを記述する。
【0089】 本発明はまた、コドン188に突然変異を有するHIV逆転写酵素を含む耐性
試験ベクターを記述する。
【0090】 本発明はまた、コドン138及び188に突然変異を有するHIV逆転写酵素
を含む耐性試験ベクターを記述する。
【0091】 本発明はまた、コドン98に突然変異を有するHIV逆転写酵素を含む耐性試
験ベクターを記述する。
【0092】 本発明はまた、コドン98及び190に突然変異を有するHIV逆転写酵素を
含む耐性試験ベクターを記述する。
【0093】 本発明はまた、コドン181及び98に突然変異を有するHIV逆転写酵素を
含む耐性試験ベクターを記述する。
【0094】 本発明はまた、コドン101及び190、例えば190Sに突然変異を有する
HIV逆転写酵素を含む耐性試験ベクターを記述する。
【0095】 本発明はまた、コドン108に突然変異を有するHIV逆転写酵素を含む耐性
試験ベクターを記述する。
【0096】 本発明はまた、コドン101及び103および/あるいは190、例えば19
0Aに突然変異を有するHIV逆転写酵素を含む耐性試験ベクターを記述する。
【0097】 本発明はまた、コドン106及び189および/あるいは181および/ある
いは227に突然変異を有するHIV逆転写酵素を含む耐性試験ベクターを記述
する。
【0098】 本発明はまた、コドン188及び100および/あるいは103に突然変異を
有するHIV逆転写酵素を含む耐性試験ベクターを記述する。
【0099】 本発明はさらに、非ヌクレオシドHIV−1逆転写酵素阻害因子耐性突然変異
体の分離と同定のための新規ベクター、宿主細胞及び組成物、ならびに抗ウイル
ス薬物のスクリーニングを実施するためにそのようなベクター、宿主細胞及び組
成物を使用することに関する。本発明はまた、上記突然変異体を阻害する能力に
ついての候補薬物のスクリーニングに関する。
【0100】 実施例1:耐性検査ベクターを使用した表現型薬物の感受性および耐性試験 表現型薬物の感受性および耐性試験は、参考により本明細書に組み込まれる、
1997年1月29日に提出されたPCT国際出願第PCT/US97/016
09号に記載された手段と方法を用いて実施した。
【0101】 これらの実験では、HIVプロテアーゼおよび逆転写酵素コード領域に相当す
る患者由来のセグメントは、HIV感染個体の血清に存在するウイルス性粒子か
ら単離した、ウイルス性RNAを用いた逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(RT−
PCR)によって増幅された患者由来セグメントか、耐性試験ベクターDNAの
親クローンの部位指向変異原性によって生成された野生種HIV−1の突然変異
体であった。ウイルスRNAの単離は、標準的手順(例えば、RNAgents Total R
NA Isolation system, Promega, Madison WIまたはRNAzol, Tel-Test, Friendsw
ood, TX)を使用して行った。RT−PCR手順は2段階に分けられた。レトロ
ウイルス逆転写酵素[例えばMoloney MuLV逆転写酵素(Roche Mole
cular Systems, Inc., Branchburg, NJ)またはトリ骨髄芽球症ウイルス(AM
V)逆転写酵素(Boehringer Mannheim, Indianapolis, IN)]を使用して、ウ
イルスRNAをcDNA内にコピーした。そして「ロングPCR」の実施に関し
て述べられているように(Barnes, W.M., (1994) Proc. Natl. Acad. Sci, USA
91,2216-2220)、cDNAは、熱安定性DNAポリメラーゼ[例えばTaq(Ro
che Molecular Systems, Inc., Branchburg, NJ)、Tth(Roche Molecular S
ystems, Inc., Branchburg, NJ)、PrimeZyme(Thermus brockianusから単離、B
iometra, Gottingen, Germany)]または熱安定性ポリメラーゼの組合せ[例え
ば、Expand High Fidelity PCR System(Taq+Pwo),(Boehringer Mannheim. In
dianapolis, IN)またはGeneAmp XL PCR kit(Tth+Vent),(Roche Molecular
Systems,Inc.,Branchburg,NJ)]を用いて増幅した。
【0102】 「試験用」患者由来セグメントの増幅に使用するプライマーである、ApaI
プライマー(PDSApa)とAgeIプライマー(PDSAge)は、199
7年1月29日に提出されたPCT国際出願第PCT/US97/01609号
に記載されているように、PCR生成物の5‘末端および3’末端にそれぞれ導
入されるApaIおよびAgeI認識部位を生じる配列を含んでいた。
【0103】 「試験用」患者由来セグメントを含む耐性試験ベクターは、1997年1月2
9日に提出されたPCT国際出願第PCT/US97/01609号に記載され
ているように、ウイルスRNAをテンプレートとし、オリゴヌクレオチドPDS
APa(1)およびPDSAge(2)をプライマーとして用いてRT−PCR
によって調製された1.5kBの増幅DNA生成物を使用して作成し、続いてA
paIおよびAgeIまたはイソシゾマーPINAIで消化を行った。生成した
耐性試験ベクターに相当するプラスミドDNAに、所与の患者の血清内に存在す
るHIVウイルス擬種の代表的サンプルが含まれるようにするために、所与の耐
性試験ベクターの構築で得られる、多数の独立E.Coli形質転換体をプール
して、プラスミドDNAの調製に使用した。
【0104】 アンホトロピックMuLV 4070A env遺伝子生成物をコード化する
パッケージング発現ベクターによって、耐性試験ベクターの宿主細胞内で、ヒト
標的細胞に効率的に感染可能な耐性試験ベクターウイルス粒子を生成できるよう
になる。envを除いたHIV遺伝子すべてをコード化する耐性試験ベクターは
、パッケージング宿主細胞のトランスフェクションに使用した(一旦トランスフ
ェクションした宿主細胞は、耐性試験ベクター宿主細胞と呼ぶ)。アンホトロピ
ックMuLV 4070A env遺伝子生成物をコード化するパッケージング
発現ベクターは、耐性試験ベクターとともに、耐性試験ベクター宿主細胞内で伝
染性擬種耐性試験ベクターウイルス粒子を生成するのに使用する。
【0105】 耐性試験ベクターを用いる耐性試験は、ヒト胚腎細胞系293(Cell Culture
Facility,UC San Francisco,SF,CA)またはJurkat白血病T細胞系(Auth
ur Weiss,UC San Francisco,SF,CA)より成る、パッケージング宿主および標的宿
主細胞を用いて実施した。
【0106】 耐性試験は、2つの宿主細胞種を用いた耐性試験ベクターによって実施した。
耐性試験ベクターウイルス粒子は、パッケージング宿主細胞に耐性試験ベクター
とパッケージング発現ベクターをトランスフェクションして調製した第1宿主細
胞(耐性試験ベクター宿主細胞)によって生成された。そして、耐性試験ベクタ
ーウイルス粒子を使用して、第2宿主細胞(標的宿主細胞)に感染させ、指標細
胞の発現を測定する。
【0107】 機能性ルシフェラーゼ遺伝子カセットを含む耐性試験ベクターを構築し、宿主
細胞に耐性試験ベクターDNAによってトランスフェクションした。耐性試験ベ
クターには、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤
およびプロ手アーザ阻害剤などの抗レトロウイルス剤に感染しやすい、あるいは
耐性のある、患者由来の逆転写酵素およびプロテアーゼ配列が含まれていた。耐
性試験ベクターDNAを宿主細胞にトランスフェクションすることによって生成
された耐性試験ベクターウイルス粒子は、NRTIまたはNNRTIなしで、あ
るいは薬物の濃度を増加させて成長させた標的宿主細胞に、プロテアーゼ阻害剤
の存在する状態、あるいは不在の状態で、感染させるために使用した。薬物の存
在下で感染させた標的宿主細胞中で生成されたルシフェラーゼ活性の量を、薬物
なしで感染させた標的宿主細胞中で生成されたルシフェラーゼの量と比較した。
薬物耐性は、薬物なしで検出されたルシフェラーゼ活性を50%阻害するのに必
要な薬物の量として測定した(阻害濃度50%、IC50)。IC50値は、薬
物阻害パーセントと薬物濃度のlog10をプロットして決定した。
【0108】 宿主細胞は、直径10cmの皿に播種し、プレーティングの数日後に耐性試験
ベクタープラスミドDNAおよびエンベロープ発現ベクターによりトランスフェ
クションした。トランスフェクションは、リン酸カルシウム沈殿法を用いて実施
した。沈殿物を含むDNA細胞培養液は、トランスフェクション後1時間から2
4時間まで、新しい培養液と交換した。耐性試験ベクターウイルス粒子を含む細
胞培養液は、トランスフェクション後1日から4日まで収集され、0.45mm
フィルターを通過させた後に−80℃で保存した。収集した細胞培養液中のHI
Vカプシドタンパク質(p24)レベルは、EIA法で、メーカー(SIAC; Fred
erick, MD)の記載どおりに決定した。標的細胞(293および293/T)は
、感染させる前に細胞培養液中にプレーティングした。対照感染は、模擬トラン
スフェクション(DNAなし)またはエンベロープ発現プラスミドのない耐性試
験ベクタープラスミドDNAを含むトランスフェクションによる細胞培養液を使
用して実施した。感染後1〜3日あるいはそれ以上後に培養液を取り除き、溶菌
緩衝液(Promega)を各ウェルに添加した。細胞溶菌液は、ルシフェラー
ゼ活性をアッセイした(図3)。薬物の阻害効果は、次の式を用いて決定した:
%ルシフェラーゼ阻害=1−(RLUluc[薬物]÷RLUluc)×100
ここで、RLUluc[薬物]は、薬物存在下の感染細胞中のルシフェラーゼ活
性の相対光単位であり、RLUlucは、薬物不在時のルシフェラーゼ活性の相
対光単位である。IC50値は、ルシフェラーゼ活性の阻害パーセントと薬物濃
度のlog10をプロットしてデータから得られたS字形曲線から求めた。
【0109】 薬物阻害曲線は(図3)に示す。
【0110】 実施例2 相関する表現型感受性と遺伝子型分析 患者HIVサンプルの表現型感受性分析 耐性試験ベクトルは、実施例1に記載されているように作成する。耐性試験ベ
クター、すなわち耐性試験ベクタープール由来のクローンは、抗レトロウイルス
薬物のパネルに対する感受性のレベルを正確に定量的に決定するために、表現型
アッセイで試験を行う。この抗レトロウイルス薬物のパネルは、ヌクレオシド−
類似逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNR
TI)およびプロテアーゼ阻害剤(PRI)として知られるクラスのメンバーを
含んでいていもよい。新しい薬物または新しい薬物標的として利用できるように
なると、薬物のパネルを拡張できる。IC50は、試験を行った薬物にそれぞれ
に対して、各耐性試験ベクタープールについて決定する。試験を行った薬物すべ
てに対する感受性のパターンを調査し、既知の感受性パターンと比較する。患者
のサンプルはさらに、確認された感受性パターンと相関する遺伝子型変化につい
て検査することができる。
【0111】 患者のHIVサンプルの遺伝子型分析 プールまたはクローンの耐性試験ベクターDNAは、実施例2に記載されてい
る遺伝子型法のいずれかで分析する。本発明のある実施形態において、患者のH
IVサンプル配列は、ウイルスRNA精製、RT/PCRおよびABI連鎖終止
自動配列決定を用いて決定する。決定される配列は、データベースに存在する対
照配列と比較するか、治療開始前に患者から得たサンプルがある場合はこれと比
較する。対照配列または予備処理配列と異なる配列の遺伝子型を検査し、確認さ
れた遺伝子型に関連付ける。
【0112】 部位指向突然変異体の表現型感受性分析 確認された遺伝子型変化は、薬物感受性の表現型パターンの変化と関連付け、
定義された野生種(薬物感受性)遺伝子バックグラウンドに対する特定の突然変
異を含む耐性試験ベクターの構築によって評価する。突然変異は単独で含まれる
か、HIVのある薬物またはあるクラスの薬物に対する感受性を調節すると考え
られる、他の既知の薬物耐性突然変異と組み合わされて含まれうる。突然変異は
、幅広く知られた部位指向突然変異誘発法のいずれによって耐性試験ベクターに
導入される。本発明のある実施形態において、部位指向突然変異誘発のメガプラ
イマーPCR法が使用されている。そして、特定の突然変異または突然変異のグ
ループを含む耐性試験ベクターは、上記の表現型感受性アッセイを用いて試験を
行い、感受性プロファイルは、特定の突然変異を持たない、遺伝子的に定義され
た野生種(薬物感受性)耐性試験ベクターの感受性プロファイルと比較する。試
験を行った抗レトロウイルス薬物に対する表現型感受性のパターンの確認された
変化は、耐性試験ベクターに導入された特定の突然変異に由来するものである。
【0113】 実施例3 相関する表現型感受性と遺伝子型分析:P225H 患者97−302の表現型分析 耐性試験ベクターは、97−302と呼ばれる患者サンプルより、実施例1に
記載されているように構築した。この患者は約10ヶ月間、d4T、インディナ
ビルおよびDMP−266による治療を受けていた。ウイルスRNAの単離とR
T/PCRを使用して、PRのすべてとRTのaa1−313をコード化するウ
イルス配列を含む患者由来のセグメントを生成させた。患者由来のセグメントは
、指標遺伝子ウイルスベクターに挿入して、RTV−302と呼ばれる耐性試験
ベクターを生成させた。RTV−302は、表現型感受性アッセイを使用して、
抗レトロウイルス薬物のパネルに対する感受性レベルを正確に定量的に決定する
ために試験を行った。抗レトロウイルス薬物のこのパネルには、NRTI(AZ
T、3TC、d4T、ddIおよびddC)、NNRTI(デラビルジンおよび
ネビラピン)とPRI(インディナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナ
ビル)として知られるクラスのメンバーを含んでいた。試験した薬物それぞれに
ついて、IC50を決定した。患者ウイルスの各薬物に対する感受性を検査し、
既知の感受性パターンと比較した。患者サンプルRTV−302について、NN
RTIに対する感受性パターンを観測すると、ネビラピンに対する感受性が著し
く低下し(耐性が上昇)、デラビルジンに対する感受性が適度に低下した(図8
Aを参照)。患者サンプル97−302はさらに、確認された感受性パターンと
相関する遺伝子型変化について検査した。
【0114】 患者97−302の遺伝子型の決定 RTV−302 DNAは、ABI連鎖終止自動配列決定によって分析した。
ヌクレオチド配列は、野生種クレードB HIV−1のコンセンサス配列(HIV
Sequence Database Los Alamos, NM)と比較した。ヌクレオチド配列は、対照配
列と異なる配列について検査した。RT突然変異は、位置K103N,I135
M,T200A,P225Hで示された。K103Nは、NNRTIに対する耐
性に関連付けられ、表現型感受性アッセイを用いて、デラビルジンとネビラピン
の両方に対して同程度の感受性の低下に関係することが示された。I135Mお
よびT200Aでの突然変異は、HIVの野生種(薬物感受性)変異体における
既知の多形性である。突然変異P225Hは、アミノ酸225における変化をN
NRTI表現型感受性の変化と関連付ける部位指向突然変異誘発および表現型感
受性試験を用いて、特徴付けを行った。
【0115】 部位指向突然変異誘発 耐性試験ベクターは、P225H突然変異のみか、NNRTIに対するHIV
感受性を調節することが知られている他の既知の薬物耐性突然変異(K103N
,Y181C)との組合せを含むものが構築された。突然変異は、部位指向突然
変異誘発のメガプライマーPCR法を用いて、耐性試験ベクターに導入した(Sa
kar G and Sommar SS(1994) Biotechniques 8(4),404-407)。P225H突然変
異(P225H−RTV)を含む耐性試験ベクターは、上で述べた表現型感受性
アッセイを用いて試験を行い、結果は、位置225で野生種である、遺伝的に定
義された耐性試験ベクターと比較した。NNRTI、P225H−RTV中のデ
ラビルジンに対する表現型感受性のパターンは、野生種と比較すると変化した。
別の野生種のバックグラウンドにおいては、(すなわちP225H突然変異のみ
)、P225H−RTVは、野生種対照RTVよりもデラビルジンに対する感受
性が強かった。P225H−RTVでは、ネビラピンに対する感受性は著しく変
化しなかった。P225H突然変異も、K103N,Y181Cまたはその両方
(K103N+Y181C)での付加突然変異を含むRTV内に導入された。す
べての場合において、P225H突然変異が存在するならば、デラビルジンによ
る阻害に対するRTVの感受性は、P225H突然変異を含まない対応するRT
Vに比較して大きくなった(図8D)。すべての場合において、P225H突然
変異によって、ネビラピンに対する感受性は著しく変化しなかった(図8D)。
【0116】 実施例4 相関する表現型感受性および遺伝子型分析:P236L HIV患者97−268の表現型分析 耐性試験ベクターは、97−268と呼ばれる患者サンプルから、実施例1に
記載されているように構築した。この患者は、AZTおよび3TC(NRTI)
、インディナビルおよびサキナビル(PRI)、デラビルジン(NNRTI)に
よって1ヶ月から2年の異なる期間、治療を受けていた。ウイルスRNAの単離
とRT/PCRを用いて、PRすべてとRTのアミノ酸1−313をコード化す
るウイルス配列を含む患者由来のセグメントを生成させた。患者由来のセグメン
トは、指標遺伝子ウイルスベクターに挿入して、RTV−268と呼ばれる耐性
試験ベクターを生成させた。そしてRTV−268は、表現型感受性アッセイを
使用して、抗レトロウイルス薬物のパネルに対する感受性レベルを正確に定量的
に決定するために試験を行った。抗レトロウイルス薬物のこのパネルには、NR
TI(AZT、3TC、d4T、ddIおよびddC)、NNRTI(デラビル
ジンおよびネビラピン)とPRI(インディナビル、ネルフィナビル、リトナビ
ル、サキナビル)として知られるクラスのメンバーを含んでいた。試験した薬物
それぞれについて、IC50を決定した。各薬物に対する患者ウイルスの感受性
を検査し、基準ウイルスの感受性と比較した。ウイルスサンプルがデラビルジン
に対して耐性があることがわかっている患者サンプルRTV−268について、
NNRTIに対する感受性のパターンにデラビルジンに対する耐性がないことを
確認した。サンプルはさらに、感受性パターンと相関する遺伝子型変化について
検査した。
【0117】 HIV患者97−268の遺伝子型 RTV−268 DNAは、ABI連鎖終止自動配列決定によって分析した。
ヌクレオチド配列は、野生種クレードB HIV−1のコンセンサス配列と比較
した。ヌクレオチド配列は、対照配列と異なる配列について評価した。RT突然
変異は対照配列と比較して、位置M41L、D67N、M184V、T200A
、E203D、L210W、T215Y、K219QおよびP236Lで示され
た。T200AおよびE203Dでの突然変異は、HIVの野生種(薬物感受性
)変異体における既知の多形性である。位置M41L、D67N、L210W、
T215YおよびK219Qでの突然変異は、AZT耐性に関連付けられる。M
184Vでの突然変異は、3TC耐性に関連付けられる。P236Lはデラビル
ジンに対する耐性と関連付けられ、ネビラピンに対する耐性を上昇させた(Duew
ekeら., Ibid)。以前の報告とは大きく異なって、RTV−268サンプルのネ
ビラピン感受性は、変化が見られなかった。突然変異P236Lは、アミノ酸2
36における変化を表現型感受性の変化と関連付ける部位指向突然変異誘発と生
体外表現型感受性試験を用いて、特徴付けを行った。
【0118】 部位指向突然変異誘発 耐性試験ベクターは、P236L突然変異のみか、NNRTIに対するHIV
感受性を調節することが知られている他の既知の薬物耐性突然変異(K103N
,Y181C)との組合せを含むものが作成された。突然変異は、部位指向突然
変異誘発のメガプライマーPCR法を用いて、耐性試験ベクターに導入した(Sa
kar G and Sommar, Ibid.)。P236L突然変異(P236L−RTV)を含
む耐性試験ベクターは、上で述べた表現型感受性アッセイを用いて試験を行い、
結果は、位置236で野生種である、遺伝的に定義された耐性試験ベクターと比
較した。P236L−RTVは、NNRTI表現型感受性において変化を示した
。別の野生種のバックグラウンドにおいては、(すなわちP236L突然変異の
み)、P236L−RTVは野生種対照RTVよりも、デラビルジンに対する感
受性が低い。Duewekeらとは対照的に、P236L−RTVの場合、ネビ
ラピンに対する感受性では著しい変化は見られなかった。P236H突然変異も
、K103N、Y181Cまたはその両方(K103N+Y181C)での付加
突然変異を含むRTV内に導入された。すべての場合で、RTVのデラビルジン
に対する感受性はP236L突然変異が存在すれば、P236L突然変異を含ま
ない対応するRTVよりも低かった。すべての場合において、P236L突然変
異によって、ネビラピンに対する感受性は著しく変化しなかった。
【0119】 実施例5 相関する表現型感受性および遺伝子型分析:G190S HIV患者97−644表現型分析 耐性試験ベクターは、97−644と呼ばれる患者サンプルから、実施例1に
記載されているように構築した。この患者は、d4T(NRTI)、インディナ
ビル(PRI)、エファビレンツ(NNRTI)によって5ヶ月から17ヶ月の
異なる期間、治療を受けていた。ウイルスRNAの単離とRT/PCRを用いて
、PRすべてとRTのアミノ酸1−313をコード化するウイルス配列を含む患
者由来のセグメントを生成させた。患者由来のセグメントは、指標遺伝子ウイル
スベクターに挿入して、RTV−644と呼ばれる耐性試験ベクターを生成させ
た。そしてRTV−644は、表現型感受性アッセイを使用して、抗レトロウイ
ルス薬物のパネルに対する感受性レベルを正確に定量的に決定するために試験を
行った。抗レトロウイルス薬物のこのパネルには、NRTI(AZT、3TC、
d4T、ddIおよびddC)、NNRTI(デラビルジンおよびネビラピン)
とPRI(インディナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル)として
知られるクラスのメンバーを含んでいた。試験した薬物それぞれについて、IC
50を決定した。各薬物に対する患者ウイルスの感受性を検査し、基準ウイルス
の感受性と比較した。ウイルスサンプルがネビラピンに対して耐性があることが
わかっている患者サンプルRTV−644について、NNRTIに対する感受性
のパターンにデラビルジンに対する耐性がほとんどまたは全くないことを確認し
た。サンプルはさらに、感受性パターンと相関する遺伝子型変化について検査し
た。
【0120】 HIV患者97−644の遺伝子型 RTV−644 DNAは、ABI連鎖終止自動配列決定によって分析した。
ヌクレオチド配列は、野生種クレードB HIV−1のコンセンサス配列と比較
した。ヌクレオチド配列は、対照配列と異なる配列について評価した。RT突然
変異は対照配列と比較して、位置K101EおよびG190Sで示された。T2
00AおよびE203Dでの突然変異は、HIVの野生種(薬物感受性)変異体
における既知の多形性である。位置K101Eでの突然変異は、すべてのNNR
TIではなく、一部のNNRTIに対する耐性に関連付けられる。特にG190
Sというわけではないが、突然変異G190Aは、ネビラピンとロビリド(lovir
ide)に対する耐性と関連付けられる。突然変異G190SおよびG190Aは、
アミノ酸190における変化を表現型感受性の変化と関連付ける部位指向突然変
異誘発と生体外表現型感受性試験を用いて、特徴付けを行った。
【0121】 部位指向突然変異誘発 G190SおよびG190A突然変異を含む耐性試験ベクターを構築した。突
然変異は、部位指向突然変異誘発のメガプライマーPCR法を用いて、耐性試験
ベクターに導入した(Sakar and Sommar, Ibid.)。G190SまたはG190
A突然変異を含む耐性試験ベクター(G190S−RTVまたはG190A−R
TV)は、上で述べた表現型感受性アッセイを用いて試験を行い、結果は、位置
G190で野生種である、遺伝的に定義された耐性試験ベクターと比較した。G
190S−RTVおよびG190A−RTVは、NNRTI表現型感受性におい
て変化を示した。別の野生種のバックグラウンドにおいては、これらのRTVは
野生種基準RTVよりも、ネビラピンに対する感受性が著しく低く、デラビルジ
ンに対する感受性がやや高かった。
【0122】 実施例6 RIV-1逆転写酵素の同定によるアミノ酸変異非ヌクレオシド逆転転写酵素阻害
剤に対する応答の推定 HIV-1逆転写酵素のアミノ酸236における突然変異の表現型および遺伝子型の相関 本発明の1つの実施態様では、HIV-1の逆転写酵素タンパク質の236番のアミノ
酸における変異を以下の方法を用いて評価する:(i)HIV-1に感染した被験者から
生物学的サンプルを採取し、(ii)そのサンプルがコドン236に突然変異を有するH
IV-1逆転写酵素をコードする核酸を含むかどうかを評価する。コドン236(P236L)
における突然変異の存在はデラビルジン感受性の低下と相関するが、ネビラピン
感受性はほとんどまたはまったく変化しない。
【0123】 この生物学的サンプルは全血、末梢単核細胞(PBMC)、血清、血漿をはじめとす
る血液成分(EDTA、クエン酸-デキストロース、ヘパリンなどの種々の抗凝固剤
を用いて調製される)、組織生検、脳脊髄液(CSF)、またはその他の細胞、組織
もしくは体液からなる。もう1つの実施態様では、HIV-1核酸(ゲノムRNA)また
は逆転写酵素タンパク質は、生物学的サンプルから直接、または生物学的サンプ
ルからウイルス粒子を精製した後に単離できる。HIV-1逆転写酵素の236番のアミ
ノ酸が変異しているかどうかの評価は、逆転写酵素をコードするウイルス核酸の
直接同定または逆転写酵素タンパク質自体の直接同定といった種々の方法を用い
て実施できる。逆転写酵素の236番のアミノ酸の決定は、従来のまたは新規なア
ミノ酸配列決定法による逆転写酵素タンパク質の直接同定、抗体またはその他の
特異的結合タンパク質もしくは化合物によるエピトープ認識により実施できる。
あるいは、HIV-1逆転写酵素タンパク質の236番のアミノ酸は、逆転写酵素タンパ
ク質をコードするHIV-1核酸の増幅コピーを同定することにより決定できる。HIV
-1核酸の増幅は、当業者に公知であろう逆転写-ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)
、NASBA、SDA、PCR、または3SRをはじめとする種々の方法を用いて実施できる。
HIV逆転写酵素をコードする核酸がコドン236に突然変異を有するかどうかの評価
は、種々のプライマー伸長-チェーンターミネーション法(Sanger, ABI/PE and V
isible Genetcis)もしくは鎖切断(Maxam and Gilbert)法、またはより最近に開
発された、マトリックス補助レーザー脱離イオン化フライト時間(matrix assist
ed laser desorption-ionization time of flight)(MALDI-TOF)または質量分析
法(Sequenom, Gene Trace Systems)などの配列決定法を用いる直接的な核酸配列
決定により実施できる。あるいは、アミノ酸236番をコードする核酸配列は、遺
伝子チップハイブリダイゼーションシーケンシング(Affymwtrix)、ラインプロー
ブアッセイ(LiPA; Murex)およびディファレンシャルハイブリダイゼーション(Ch
iron)などのプローブハイブリダイゼーション法を用いて評価できる。
【0124】 本発明の好ましい実施態様では、HIV-1逆転写酵素のアミノ酸236番が野生型で
あるか変異型であるかの評価は生物学的サンプルから調製した耐性試験ベクター
DNAを用いる表現型感受性アッセイを用いて行った。1つの実施態様では、血漿
サンプルを採取してウイルスRNAを精製し、RT-PCR法を用いて患者由来のHIV-1プ
ロテアーゼおよび逆転写酵素領域をコードするセグメントを増幅した。次ぎに増
幅した患者由来のセグメントを、DNA連結および細菌形質転換によって指標遺伝
子ウイルスベクターに組み込み、それにより耐性試験ベクターを作出した。
【0125】 耐性試験ベクターDNAを細菌培養物から単離し、表現型感受性アッセイを実施
例1に記載のようにして行った。P236L変異を有する患者サンプルを用いた表現型
感受性アッセイの結果。患者由来のHIV-1プロテアーゼおよび患者サンプル268由
来の逆転写酵素領域の核酸(DNA)配列は、蛍光検出チェーンターミネーションサ
イクルシーケンシング法(ABI/PE)を用いて決定した。この方法を使用して被験者
のサンプルに存在するHIV-1変異体の混合物の配列の組合せを表す(疑似種を表
す)共通核酸配列を決定し、さらに個々の変異体の核酸配列を決定した。
【0126】 患者サンプルの表現型感受性プロファイルおよび位置指定突然変異体は、デラ
ビルジンおよびネビラピン感受性がHIV-1逆転写酵素の103、181または236番にRT
変異が存在しないことと相関していることを示した。患者サンプルの表現型感受
性プロファイルおよび位置指定突然変異体は、HIV-1逆転写酵素の236番における
アミノ酸ロイシン(L)をコードする核酸配列の突然変異ならびに103および181番
の変異の不在と相関して、デラビルジン感受性は著しく低下(耐性が増強)する
が、ネビラピン感受性はほとんどまたは全く低下しないことを示した。
【0127】 患者サンプルの表現型感受性プロファイルおよび位置指定突然変異体は、103
、181または103および181番にRT変異が存在する場合(K103N、Y181C、またはK103
N+Y181C)、236番におけるアミノ酸プロリンによってさらにデラビルジンまたは
ネビラピン感受性が低下する(耐性が増強する)ことはないことを示した。しか
しながら、患者サンプルの表現型感受性プロファイルおよび位置指定突然変異体
は、NNRTI耐性に関与しているRT変異(K103N、Y181C、またはK103N+Y181C)に加え
、236番におけるアミノ酸ロイシン(L)によってデラビルジン感受性はさらに低下
する(耐性が増強する)が、ネビラピン感受性はほとんどまたは全く低下しない
ことを示した。
【0128】 HIV-1逆転写酵素のアミノ酸225における突然変異の表現型および遺伝子型の相関 患者サンプルの表現型感受性プロファイルおよび位置指定突然変異体は、アミ
ノ酸プロリン(P)がNNRTI耐性(K103N、Y181C)に関与しているRT変異の不在下でHI
V-1逆転写酵素の225番に存在する場合、デラビルジンまたはネビラピン感受性は
変化しないことを示した。しかしながら、患者サンプルの表現型感受性プロファ
イルおよび位置指定突然変異体は、アミノ酸ヒスチジン(H)がNNRTI耐性に関与し
ているRT変異(K103N、Y181C)の不在下で225番に存在する場合には、デラビルジ
ン感受性は増強するが、ネビラピン感受性はほとんどまたは全く変化しないこと
を示した。
【0129】 患者サンプルの表現型感受性プロファイルおよび位置指定突然変異体は、NNRT
I耐性に関与しているRT変異(K103N、Y181C、またはK103N+Y181C)に加えて、225
番にアミノ酸プロリン(P)が存在する場合には、デラビルジン感受性またはネビ
ラピン感受性はさらに低下しないことを示した。これに対し、患者サンプルの表
現型感受性プロファイルおよび位置指定突然変異体は、NNRTI耐性に関与してい
るRT変異(K103N、Y181C、またはK103N+Y181C)の存在下、アミノ酸ヒスチジン(H)
が225番に存在する場合には、デラビルジン感受性は増強するが、ネビラピン感
受性はほとんどまたは全く変化しないことを示した。
【0130】 HIV-1逆転写酵素のアミノ酸190における突然変異の表現型および遺伝子型の相関 患者サンプルの表現型感受性プロファイルおよび位置指定突然変異体は、NNRT
I耐性に関与しているRT変異(K103N、Y181C)の不在下、190番にアミノ酸グリシン
(G)が存在する場合には、デラビルジンまたはネビラピン感受性は変化しないこ
とを示した。患者サンプルの表現型感受性プロファイルおよび位置指定突然変異
体は、NNRTI耐性に関与しているRT変異の不在下、190番にアミノ酸アラニン(A)
が存在する場合には、デラビルジン感受性は増強するが、ネビラピン感受性は低
下することを示した。患者サンプルの表現型感受性プロファイルおよび位置指定
突然変異体は、NNRTI耐性に関与しているRT変異の不在下、190番にアミノ酸セリ
ン(S)が存在する場合には、デラビルジン感受性は増強するが、ネビラピン感受
性は低下することを示した。
【0131】 実施例8 耐性試験ベクターと位置指定突然変異体を用いた、HIVにおけるNNRTI薬剤感受性
および耐性に関与している遺伝子型と表現型の相関:Y181I 耐性試験ベクターの調製および患者98-964HIVサンプルの表現型解析 耐性試験ベクターは、98-964と呼ばれる患者サンプルから実施例1に記載のよ
うにして構築した。この患者はそれまでにddI、d4T、AZT、3TC、ddC、(NRTI)、
サキナビルおよびネルフィナビル(PRI)、ならびにネビラピン(NNRTI)およびHUで
処置されていた。ウイルスRNAを単離し、RT/PCRを用いて、PRのすべておよびRT
のアミノ酸1-313をコードするウイルス配列を含んでなる患者由来セグメントを
作製した。このPDSを指標遺伝子ウイルスベクターに挿入してRTV-964と呼ばれる
耐性試験ベクターを作製した。次ぎにRTV-964を表現型アッセイで試験して抗レ
トロウイルス薬パネルに対する感受性のレベルを正確かつ定量的に測定した。こ
の抗レトロウイルス薬パネルはNRTI(AZT、3TC、d4T、ddIおよびddC)、NNRTI(デ
ラビルジンおよびネビラピン)、ならびにPRI(インジナビル、ネルフィナビル
、リトナビルおよびサキナビル)として知られているクラスのメンバーを含んで
なるものであった。試験した各薬剤の耐性試験ベクタープールについてIC50を求
めた。試験した薬剤すべてに対する感受性パターンを調べ、既知の感受性パター
ンと比較した。患者RTV-964についてNNRTI感受性パターンを観察したところ、そ
こではデラビルジン感受性においてはある程度の低下(10倍)が、またネビラピ
ン感受性においては顕著な低下(750倍)が認められた。
【0132】 患者のHIVサンプルの遺伝子型の決定 RTV-964のDNAはABIチェーンターミネーター自動シーケンシングにより解析し
た。このヌクレオチド配列を野生型分岐群B HIV-1の共通配列と比較した(HIV配
列データベースLos Alamos, NM)。対照配列とは異なる配列に関して遺伝子型を
調べた。突然変異は対照配列に対してM41L、K43E、D67N、K70R、L74I、V75S、Y1
81I、R211T、T215Y、D218EおよびK219Qの位置に見られた。M41L、D67N、K70R、L
74I、V75S、T215YおよびK219QはNRTI耐性に関与している。R211Tにおける変異は
種々のHIVの野生型(薬剤感受性)変異体間では公知の配列多形性を有する。Y18
1Iは高レベルのネビラピン耐性と関与していることがこれまでに示されている。
発明者らは位置指定突然変異誘発およびin vitro表現型感受性試験を用いて突然
変異Y181Iを調べ、認められた遺伝子型における変化と表現型とを相関させた。
【0133】 位置指定突然変異誘発を用いたHIVにおける抗レトロウイルス薬表現型感受性に
おける特異的突然変異の役割の確認 位置指定突然変異誘発のためのメガプライマー法(SakarおよびSommar, Ibid)
を用い、耐性試験ベクターにY181I変異を導入した。次ぎにY181I変異を含む耐性
試験ベクター(Y181I-RTV)を先に記載した表現型アッセイを用いて試験し、結果
を、181番が野生型である遺伝学的に定義された耐性試験ベクターを用いて求め
た結果と比較した。発明者らはY181I-RTVにおけるNNRTI、デラビルジン、ネビラ
ピンおよびエファビレンに対する表現型感受性パターンを求めた。野生型のバッ
クグラウンド(すなわち、Y181I変異単独)において、Y181I-RTVは野生型の対照
RTVに対してデラビルジン感受性のある程度の低下(20倍)とネビラピン感受性
の著しい低下(7400倍)を示した。Y181I-RTVはエファビレンに対しては野生型
の感受性(1.4倍)を示した。
【0134】 実施例9 耐性試験ベクターと位置指定突然変異体を用いた、HIVにおけるNNRTI薬剤感受性
および耐性に関与する遺伝子型と表現型の相関:Y181I 耐性試験ベクターの調製および患者97-300HIVサンプルの表現型解析 耐性試験ベクターは、97-300と呼ばれる患者サンプルから実施例1に記載のよ
うにして構築した。この患者はそれまでにd4Tおよび3TC(NRTI)、インジナビル(P
RI)、ならびにエファビレン(NNRTI)で処置されていた。ウイルスRNAを単離し、R
T/PCRを用いて、PRのすべておよびRTのアミノ酸1-313をコードするウイルス配列
を含んでなる患者由来セグメントを作製した。このPDSを指標遺伝子ウイルスベ
クターに挿入してRTV-300と呼ばれる耐性試験ベクターを作製した。次ぎにRTV-3
00を表現型アッセイで試験して抗レトロウイルス薬パネルに対する感受性のレベ
ルを正確かつ定量的に測定した。この抗レトロウイルス薬パネルはNRTI(AZT、3T
C、d4T、ddIおよびddC)、NNRTI(デラビルジン、エファビレンおよびネビラピン
)、ならびにPRI(インジナビル、ネルフィナビル、リトナビルおよびサキナビ
ル)として知られているクラスのメンバーを含んでなるものであった。試験した
各薬剤の耐性試験ベクタープールについてIC50を求めた。試験した薬剤すべてに
対する感受性パターンを調べ、既知の感受性パターンと比較した。患者RTV-300
についてNNRTI感受性パターンを観察したところ、デラビルジン感受性において
はある程度の低下(25倍)が、またネビラピン感受性においては顕著な低下(80
0倍を超える)が認められた。
【0135】 患者のHIVサンプルの遺伝子型の決定 RTV-300のDNAはABIチェーンターミネーター自動シーケンシングにより解析し
た。このヌクレオチド配列を野生型分岐群B HIV-1の共通配列と比較した(HIV配
列データベースLos Alamos, NM)。対照配列とは異なる配列に関して遺伝子型を
調べた。突然変異は対照配列に対してK32N、M184V、およびY188Lの位置に見られ
た。M184Vにおける突然変異は3TC耐性に関与している。Y181Lは高レベルのエフ
ァビレン耐性と関与していることがこれまでに示されている。Y188におけるその
他の突然変異(すなわちY188CおよびY188H)は、数種のNNRTI(E-ePseU、E-EPS、HE
PT、ネビラピン、BHAP、U-8720E、TIBO R82913、ロビライド)で処置することに
よるものから選択されたことが報告されている。発明者らは位置指定突然変異誘
発およびin vitro表現型感受性試験を用いて突然変異Y181Lを調べ、認められた
遺伝子型における変化と表現型とを相関させた。
【0136】 位置指定突然変異誘発を用いたHIVにおける抗レトロウイルス薬表現型感受性に
おける特異的突然変異の役割の確認 位置指定突然変異誘発のためのメガプライマー法(SakarおよびSommar, Ibid)
を用い、耐性試験ベクターにY181L変異を導入した。次ぎにY181L変異を含む耐性
試験ベクター(Y181L-RTV)を先に記載した表現型アッセイを用いて試験し、結果
を、181番が野生型である遺伝学的に定義された耐性試験ベクターを用いて求め
た結果と比較した。発明者らはY181L-RTVにおけるNNRTI、デラビルジン、ネビラ
ピンおよびエファビレンに対する表現型感受性パターンを求めた。野生型のバッ
クグラウンド(すなわち、Y181L変異単独)において、Y181L-RTVは野生型の対
照RTVに対してデラビルジン感受性の若干の低下(9倍)を、ネビラピン感受性の
実施的な低下(800倍を超える)を、またエファビレン感受性の顕著な低下(109
倍)を示した。エファビレン感受性のおよそ100倍の低下はこれまで報告されてい
るものほど高いものではなかった。
【0137】 位置指定突然変異誘発を用いたHIVにおける抗レトロウイルス薬表現型感受性に
おける特異的突然変異の役割の確認 位置指定突然変異誘発のためのメガプライマー法(SakarおよびSommar, Ibid)
を用い、耐性試験ベクターにY181C変異を導入した。次ぎにY181C変異を含む耐性
試験ベクター(Y181C-RTV)を先に記載した表現型アッセイを用いて試験し、結果
を、181番が野生型である遺伝学的に定義された耐性試験ベクターを用いて求め
た結果と比較した。発明者らはY181C-RTVにおけるNNRTI、デラビルジン、ネビラ
ピンおよびエファビレンに対する表現型感受性パターンを求めた。野生型のバッ
クグラウンド(すなわち、Y181C変異単独)において、Y181C-RTVは野生型の対照
RTVに対してデラビルジン感受性の若干の低下(3倍)を、ネビラピン感受性(30
倍)およびエファビレン感受性(30倍)のある程度の低下を示した。
【0138】 位置指定突然変異誘発を用いたHIVにおける抗レトロウイルス薬表現型感受性に
おける特異的突然変異の役割の確認 位置指定突然変異誘発のためのメガプライマー法(SakarおよびSommar, Ibid)
を用い、耐性試験ベクターにY181H変異を導入した。次ぎにY181H変異を含む耐性
試験ベクター(Y181H-RTV)を先に記載した表現型アッセイを用いて試験し、結果
を、181番が野生型である遺伝学的に定義された耐性試験ベクターを用いて求め
た結果と比較した。発明者らはY181H-RTVにおけるNNRTI、デラビルジン、および
ネビラピンに対する表現型感受性パターンを求めた。野生型のバックグラウンド
(すなわち、Y181H変異単独)において、Y181H-RTVは野生型の対照RTVに対して
ネビラピン感受性のある程度の低下(3.5倍)を示した。エファビレンに対するY
188H表現型感受性は測定しなかった。
【0139】 実施例10 耐性試験ベクターと位置指定突然変異体を用いた、HIVにおけるNNRTI薬剤感受性
および耐性に関与する遺伝子型と表現型の相関:E138およびY188 耐性試験ベクターの調製および患者97-209HIVサンプルの表現型解析 耐性試験ベクターは、97-209と呼ばれる患者サンプルから実施例1に記載のよ
うにして構築した。この患者はそれまでにAZT、ddT、d4Tおよび3TC(NRTI)、イン
ジナビル(PRI)、ならびにアデフォビルで処置されていた。ウイルスRNAを単離し
、RT/PCRを用いて、PRのすべておよびRTのアミノ酸1-313をコードするウイルス
配列を含んでなる患者由来セグメントを作製した。このPDSを指標遺伝子ウイル
スベクターに挿入してRTV-209と呼ばれる耐性試験ベクターを作製した。次ぎにR
TV-209を表現型アッセイで試験して抗レトロウイルス薬パネルに対する感受性の
レベルを正確かつ定量的に測定した。この抗レトロウイルス薬パネルはNRTI(AZT
、3TC、d4T、ddIおよびddC)、NNRTI(デラビルジン、エファビレンおよびネビラ
ピン)、ならびにPRI(インジナビル、ネルフィナビル、リトナビルおよびサキ
ナビル)として知られているクラスのメンバーを含んでなるものであった。試験
した各薬剤の耐性試験ベクタープールについてIC50を求めた。試験した薬剤すべ
てに対する感受性パターンを調べ、既知の感受性パターンと比較した。患者RTV-
209についてNNRTI感受性パターンを観察したところ、デラビルジン感受性におい
てはある程度の低下(75倍)が、またネビラピン感受性においては実質的な低下
(800倍を超える)が認められた。
【0140】 患者のHIVサンプルの遺伝子型の決定 RTV-209のDNAはABIチェーンターミネーター自動シーケンシングにより解析し
た。このヌクレオチド配列を野生型分岐群B HIV-1の共通配列と比較した(HIV配
列データベースLos Alamos, NM)。対照配列とは異なる配列に関して遺伝子型を
調べた。突然変異は対照配列に対してA62V、S68G、V76I、E77L、F116Y、E138A、
Q151M、M184V、Y188L、およびE291Dの位置に見られた。A62V、V75I、E77L、F116
Y、Q151MおよびM184Vにおける突然変異はNRTI耐性に関与している。E138Kにおけ
る突然変異は数種のNNRTI耐性と関与していることがこれまでに示され、Y188Lに
おける突然変異はエファビレン感受性の低下と関与していることがこれまでに示
されている。発明者らは位置指定突然変異誘発およびin vitro表現型感受性試験
を用いて突然変異Y181LおよびE138Aを調べ、認められた遺伝子型における変化と
表現型とを相関させた。
【0141】 位置指定突然変異誘発を用いたHIVにおける抗レトロウイルス薬表現型感受性に
おける特異的突然変異の役割の確認 位置指定突然変異誘発のためのメガプライマー法(SakarおよびSommar, Ibid)
を用い、耐性試験ベクターにE138A変異単独、およびY188Lとの組合せを導入した
。次ぎにE138A変異を含む(E138A-RTV)、またはE138変異をY181L変異とともに含
む(Y181L-RTV)耐性試験ベクターを先に記載した表現型アッセイを用いて試験し
、結果を、181および138番が野生型である遺伝学的に定義された耐性試験ベクタ
ーを用いて求めた結果と比較した。発明者らはE138-RTV、Y188L-RTVおよびE138-
Y188L-RTVにおけるNNRTI、デラビルジン、ネビラピンおよびエファビレンに対す
る表現型感受性パターンを求めた。野生型のバックグラウンド(すなわち、E138
A変異単独)において、E138A-RTVはデラビルジン(1.6倍)、ネビラピン(1.3倍
)およびエファビレン(1.4倍)に対して野生型の感受性を示した。Y188L-RTVは
ネビラピン感受性の若干の低下(800倍を超える)を、またエファビレン感受性
の顕著な低下(110倍)を示した。E138A-Y188L-RTVは野生型の対照RTVに対してデ
ラビルジン感受性(75倍)およびエファビレン感受性(88倍)のある程度の低下
を、ネビラピン感受性の実質的な低下(800倍を超える)を示した。突然変異の
組合せは、各突然変異単独について見られた作用に比べデラビルジン感受性にお
いて増強された作用を示す結果となった。
【0142】 実施例11 耐性試験ベクターと位置指定突然変異体を用いた、HIVにおけるNNRTI薬剤感受性
および耐性に関与する遺伝子型と表現型の相関:A98 耐性試験ベクターの調製および患者98-675HIVサンプルの表現型解析 耐性試験ベクターは、98-675と呼ばれる患者サンプルから実施例1に記載のよ
うにして構築した。この患者はそれまでにddI、AZT、および3TC(NRTI)、ならび
にサキナビルおよびネルフィナビル(PRI)で処置されていた。ウイルスRNAを単離
し、RT/PCRを用いて、PRのすべておよびRTのアミノ酸1-313をコードするウイル
ス配列を含んでなる患者由来セグメントを作製した。このPDSを指標遺伝子ウイ
ルスベクターに挿入してRTV-675と呼ばれる耐性試験ベクターを作製した。次ぎ
にRTV-675を表現型アッセイで試験して抗レトロウイルス薬パネルに対する感受
性のレベルを正確かつ定量的に測定した。この抗レトロウイルス薬パネルはNRTI
(AZT、3TC、d4T、ddIおよびddC)、NNRTI(デラビルジン、エファビレンおよびネ
ビラピン)、ならびにPRI(インジナビル、ネルフィナビル、リトナビルおよび
サキナビル)として知られているクラスのメンバーを含んでなるものであった。
試験した各薬剤の耐性試験ベクタープールについてIC50を求めた。試験した薬剤
すべてに対する感受性パターンを調べ、既知の感受性パターンと比較した。患者
RTV-675についてNNRTI感受性パターンを観察したところ、デラビルジン感受性に
ついては野生型の感受性(2.1倍)が認められ、ネビラピン感受性においては若
干の低下(6倍)が認められた。
【0143】 患者のHIVサンプルの遺伝子型の決定 RTV-675のDNAはABIチェーンターミネーター自動シーケンシングにより解析し
た。このヌクレオチド配列を野生型分岐群B HIV-1の共通配列と比較した(HIV配
列データベースLos Alamos, NM)。対照配列とは異なる配列に関して遺伝子型を
調べた。M41L、S48t、L74V、A98G、M184V、およびT215Yの位置の突然変異は、NR
TI耐性に関与していることが分かった。A98Gにおける突然変異はネビラピン耐性
と関与していることがこれまでに示されている。発明者らは位置指定突然変異誘
発およびin vitro表現型感受性試験を用いて突然変異A98Gを調べ、認められた遺
伝子型における変化と表現型とを相関させた。
【0144】 位置指定突然変異誘発を用いたHIVにおける抗レトロウイルス薬表現型感受性に
おける特異的突然変異の役割の確認 位置指定突然変異誘発のためのメガプライマー法(SakarおよびSommar, Ibid)
を用い、耐性試験ベクターにA98G変異を導入した。次ぎにA98G変異を含む耐性試
験ベクター(A98G-RTV)を先に記載した表現型アッセイを用いて試験し、結果を、
98番が野生型である遺伝学的に定義された耐性試験ベクターを用いて求めた結果
と比較した。発明者らはA98G-RTVにおけるNNRTI、デラビルジン、ネビラピンお
よびエファビレンに対する表現型感受性パターンを求めた。野生型のバックグラ
ウンド(すなわち、A98G変異単独)において、A98G-RTVは野生型の対照RTVに対
してデラビルジン感受性(3倍)、ネビラピン感受性(8倍)、およびエファビレ
ン感受性(3倍)の若干の低下を示した。
【0145】 実施例12 耐性試験ベクターと位置指定突然変異体を用いた、HIVにおけるNNRTI薬剤感受性
および耐性に関与する遺伝子型と表現型の相関:A98およびG190 耐性試験ベクターの調製および患者B HIVサンプルの表現型解析 耐性試験ベクターは、Bと呼ばれる患者サンプルから実施例1に記載のようにし
て構築した。この患者が受けた抗レトロウイルス処置は不明である。ウイルスRN
Aを単離し、RT/PCRを用いて、PRのすべておよびRTのアミノ酸1-313をコードする
ウイルス配列を含んでなる患者由来セグメントを作製した。このPDSを指標遺伝
子ウイルスベクターに挿入してRTV-Bと呼ばれる耐性試験ベクターを作製した。R
TV-Bプールの個々のクローンを選択し、次ぎに表現型アッセイで試験して抗レト
ロウイルス薬パネルに対する感受性のレベルを正確かつ定量的に測定した。この
抗レトロウイルス薬パネルはNRTI(AZT、3TC、d4T、ddIおよびddC)、NNRTI(デラ
ビルジンおよびネビラピン)、ならびにPRI(インジナビル、ネルフィナビル、
リトナビルおよびサキナビル)として知られているクラスのメンバーを含んでな
るものであった。試験した各薬剤の耐性試験ベクタープールについてIC50を求め
た。試験した薬剤すべてに対する感受性パターンを調べ、既知の感受性パターン
と比較した。患者RTV-Bクローン1についてNNRTI感受性パターンを観察したとこ
ろ、デラビルジン感受性においては増強(0.55倍)が、ネビラピン感受性におい
ては実質的な低下(640倍)、またエファビレン感受性においては顕著な低下(2
50倍)が認められた。
【0146】 患者のHIVサンプルの遺伝子型の決定 RTV-Bクローン1のDNAはABIチェーンターミネーター自動シーケンシングにより
解析した。このヌクレオチド配列を野生型分岐群B HIV-1の共通配列と比較した(
HIV配列データベースLos Alamos, NM)。対照配列とは異なる配列に関して遺伝子
型を調べた。突然変異は対照配列に対してM41L、A98G、M184V、L210W、R211?、T
215Y、E297A、およびG190Sの位置に見られた。M41L、M184V、L210WおよびT215Y
はNRTI耐性に関与している。A98Gの突然変異はネビラピン耐性と関与しているこ
とがこれまでに示されている。G190Aの位置における突然変異はネビラピン感受
性の変化と関与していることがこれまでに示されている。190番におけるその他
の突然変異(すなわちE、QおよびT)もまた報告されている。発明者らは位置指定
突然変異誘発およびin vitro表現型感受性試験を用いて突然変異A98GおよびG190
Sを調べ、認められた遺伝子型における変化と表現型とを相関させた。
【0147】 位置指定突然変異誘発を用いたHIVにおける抗レトロウイルス薬表現型感受性に
おける特異的突然変異の役割の確認 位置指定突然変異誘発のためのメガプライマー法(SakarおよびSommar, Ibid)
を用い、耐性試験ベクターにA98およびG190S変異を単独または組合せて導入した
。次ぎにA98G変異を含む(A98G-RTV)、G190S変異を含む(G190S-RTV)を含む、また
両変異を含む(A98G-G190S-RTV)耐性試験ベクターを先に記載した表現型アッセイ
を用いて試験し、結果を、98および190番が野生型である遺伝学的に定義された
耐性試験ベクターを用いて求めた結果と比較した。発明者らはこれらの3つのベ
クターにおけるNNRTI、デラビルジン、ネビラピンおよびエファビレンに対する
表現型感受性パターンを求めた。野生型のバックグラウンド(すなわち、A98G変
異単独)において、A98G-RTVは野生型の対照RTVに対してデラビルジン感受性(3
倍)、ネビラピン感受性(8倍)、およびエファビレン感受性(3倍)の若干の低
下を示した。野生型のバックグラウンド(すなわち、G190S変異単独)において
、G190S-RTVは野生型の対照RTVに対してデラビルジン感受性の増強(0.5倍)、
ネビラピン感受性のある程度の低下(75倍)、またエファビレン感受性の若干の
低下(8倍)を示した。A98G-G190S-RTVは野生型の対照RTVに対してデラビルジン
感受性の増強(0.8倍)を示したが、ネビラピン(800倍を超える)およびエファ
ビレン(250倍を超える)両感受性の実質的低下を示した。個々の突然変異に関
してはエファビレン感受性はわずかな低下しか認められなかったが、A98GとG190
Sの組合せはエファビレン感受性の実質的な低下を生じた。同様に、この組合せ
の突然変異は、2つの突然変異単独の総和よりもネビラピン感受性のより顕著な
低下を招いた。
【0148】 実施例13 耐性試験ベクターと位置指定突然変異体を用いた、HIVにおけるNNRTI薬剤感受性
および耐性に関与する遺伝子型と表現型の相関:Y181およびA98 耐性試験ベクターの調製および患者98-1057サンプルの表現型解析 耐性試験ベクターは、98-1057と呼ばれる患者サンプルから実施例1に記載のよ
うにして構築した。この患者はそれまでにddI、d4T、AZT、および3TC(NRTI)、サ
キナビルおよびインジナビル(PRI)、ならびにデラビルジン(NNRTI)で処置されて
いた。ウイルスRNAを単離し、RT/PCRを用いて、PRのすべておよびRTのアミノ酸1
-313をコードするウイルス配列を含んでなる患者由来セグメントを作製した。こ
のPDSを指標遺伝子ウイルスベクターに挿入してRTV-1057と呼ばれる耐性試験ベ
クターを作製した。次ぎにRTV-1057を表現型アッセイで試験して抗レトロウイル
ス薬パネルに対する感受性のレベルを正確かつ定量的に測定した。この抗レトロ
ウイルス薬パネルはNRTI(AZT、3TC、d4T、ddIおよびddC)、NNRTI(デラビルジン
、エファビレンおよびネビラピン)、ならびにPRI(インジナビル、ネルフィナ
ビル、リトナビルおよびサキナビル)として知られているクラスのメンバーを含
んでなるものであった。試験した各薬剤の耐性試験ベクタープールについてIC50
を求めた。試験した薬剤すべてに対する感受性パターンを調べ、既知の感受性パ
ターンと比較した。患者RTV-1057についてNNRTI感受性パターンを観察したとこ
ろ、デラビルジン感受性においてはある程度の低下(35倍)を、ネビラピン感受
性においては顕著な低下(610倍)を示した。
【0149】 患者のHIVサンプルの遺伝子型の決定 RTV-1057のDNAはABIチェーンターミネーター自動シーケンシングにより解析し
た。このヌクレオチド配列を野生型分岐群B HIV-1の共通配列と比較した(HIV配
列データベースLos Alamos, NM)。対照配列とは異なる配列に関して遺伝子型を
調べた。突然変異は対照配列に対してT39A、M41L、A62V、D67E、T69SST、A98G、
I135T、Y191C、T100I、およびT215Yの位置に見られた。M41L、A62V、D67E、T69S
ST、およびT215YはNRTI耐性に関与している。I135TおよびT100Iの位置における
突然変異はHIVの種々の野生型(薬剤感受性)変異体間で公知の配列多形性を有
する。Y181CおよびA98Gはある種のNNRTIに対する耐性と関与していることがこれ
までに示されている。発明者らは位置指定突然変異誘発およびin vitro表現型感
受性試験を用いて突然変異Y181CおよびA98Gを調べ、認められた遺伝子型におけ
る変化と表現型とを相関させた。
【0150】 位置指定突然変異誘発を用いたHIVにおける抗レトロウイルス薬表現型感受性に
おける特異的突然変異の役割の確認 位置指定突然変異誘発のためのメガプライマー法(SakarおよびSommar, Ibid)
を用い、耐性試験ベクターにY181CおよびA98G変異を単独または組合せて導入し
た。次ぎにT181C変異を含む(Y181C-RTV)、A98G変異を含む(A98G-RTV)を含む、ま
た両変異を含む(Y181C-A98G-RTV)耐性試験ベクターを先に記載した表現型アッセ
イを用いて試験し、結果を、181および98番が野生型である遺伝学的に定義され
た耐性試験ベクターを用いて求めた結果と比較した。発明者らはこれら3つのベ
クターにおけるNNRTI、デラビルジン、ネビラピンおよびエファビレンに対する
表現型感受性パターンを求めた。野生型のバックグラウンド(すなわち、Y181C
変異単独)において、Y181C-RTVは野生型の対照RTVに対してデラビルジン感受性
のある程度の低下(35倍)、ネビラピン感受性の顕著な低下(161倍)、および
エファビレン感受性の若干の低下(3倍)を示した。A98G-RTVは野生型の対照RTV
に対してデラビルジン感受性(3倍)、ネビラピン感受性(8倍)、およびエファ
ビレン感受性(8倍)の若干の低下を示した。Y181C-A98G-RTVは野生型の対照RTV
に対してデラビルジン感受性の顕著な低下(240倍)、ネビラピン感受性の実質
的な低下(800倍を超える)、またエファビレン感受性の若干の低下(7倍)を示
した。これらのデータは2つの突然変異Y191CとA98Gの組合せが、これら2つの突
然変異個々に関して見られる作用の総和よりも、デラビルジンおよびネビラピン
両感受性のより顕著な低下を招くことを示した。
【0151】 実施例14 耐性試験ベクターと位置指定突然変異体を用いた、HIVにおけるNNRTI薬剤感受性
および耐性に関与する遺伝子型と表現型の相関:K101およびG190 耐性試験ベクターの調製および患者98-644および98-1060HIVサンプルの表現型解
析 耐性試験ベクターは、98-644と呼ばれる患者サンプルから実施例1に記載のよ
うにして構築した。この患者はそれまでにd4T(NNRTI)、インジナビル(PRI)、な
らびにエファビレン(NNRTI)で処置されていた。もう1つの耐性試験ベクターは、
98-1060と呼ばれる患者サンプルから実施例1に記載のようにして構築した。この
患者はそれまでにd4T(NNRTI)、インジナビル(PRI)、ならびにエファビレン(NNRT
I)で処置されていた。ウイルスRNAを単離し、RT/PCRを用いて、PRのすべておよ
びRTのアミノ酸1-313をコードするウイルス配列を含んでなる患者由来セグメン
トを作製した。このPDSを指標遺伝子ウイルスベクターに挿入してRTV-644および
RTV-1060と呼ばれる耐性試験ベクターを作製した。次ぎにRTV-644およびRTV-106
0を表現型アッセイで試験して抗レトロウイルス薬パネルに対する感受性のレベ
ルを正確かつ定量的に測定した。この抗レトロウイルス薬パネルはNNRTI(AZT、3
TC、d4T、ddIおよびddC)、NNRTI(デラビルジン、およびネビラピン)、ならび
にPRI(インジナビル、ネルフィナビル、リトナビルおよびサキナビル)として
知られているクラスのメンバーを含んでなるものであった。試験した各薬剤の耐
性試験ベクタープールについてIC50を求めた。試験した薬剤すべてに対する感受
性パターンを調べ、既知の感受性パターンと比較した。患者RTV-644についてNNR
TI感受性パターンを観察したところ、デラビルジン感受性においては極めてわず
かな低下(2.5倍)を、またネビラピン感受性においては顕著な低下(600倍)を
示した。試験した薬剤すべてに対する感受性パターンを調べ、既知の感受性パタ
ーンと比較した。患者RTV-644についてNNRTI感受性パターンを観察したところ、
デラビルジン感受性においては極めてわずかな低下(2.5倍)を、またネビラピ
ン感受性においては顕著な低下(600倍)を示した。試験した薬剤すべてに対す
る感受性パターンを調べ、既知の感受性パターンと比較した。患者RTV-1060につ
いてNNRTI感受性パターンを観察したところ、デラビルジンに対しては野生型の
感受性(1.5倍)が認められた。RTV-1060については、エファビレン感受性の顕
著な低下(900倍)およびネビラピン感受性の実質的な低下(800を超える)が認
められた。
【0152】 患者のHIVサンプルの遺伝子型の決定 RTV-644およびRTV-1060のDNAはABIチェーンターミネーター自動シーケンシン
グにより解析した。このヌクレオチド配列を野生型分岐群B HIV-1の共通配列と
比較した(HIV配列データベースLos Alamos, NM)。対照配列とは異なる配列に関
して遺伝子型を調べた。突然変異はRTV-644については対照配列に対してK101Eお
よびG190Sの位置に見られ、RTV-1060については対照配列に対してK101E、G190S
、T200AおよびT215Yの位置に見られた。T215の位置における配列は野生型と変異
型の混合物であった。K101Eの位置における突然変異は高レベルのデラビルジン
耐性をはじめとする数種のNNRTI耐性と関与していることがこれまで示されてい
る。G190Aの位置における突然変異はネビラピン感受性の変化に関していること
がこれまでに知られている。190番におけるその他の変異(すなわちE、QおよびT
)もまた報告されている。発明者らは位置指定突然変異誘発およびin vitro表現
型感受性試験を用いて突然変異K101EおよびG190Sを調べ、認められた遺伝子型に
おける変化と表現型とを相関させた。
【0153】 位置指定突然変異誘発を用いたHIVにおける抗レトロウイルス薬表現型感受性に
おける特異的突然変異の役割の確認 位置指定突然変異誘発のためのメガプライマー法(SakarおよびSommar, Ibid)
を用い、耐性試験ベクターにK101EおよびG190S 変異を単独または組合せて導入
した。次ぎにK101E変異(K101E-RTV)、またG190S(G190S-RTV)を含む耐性試験ベク
ターを先に記載した表現型アッセイを用いて試験し、結果を、1011および190番
が野生型である遺伝学的に定義された耐性試験ベクターを用いて求めた結果と比
較した。発明者らは3つすべてのベクターにおけるNNRTI、デラビルジン、ネビラ
ピンおよびエファビレンに対する表現型感受性パターンを求めた。野生型のバッ
クグラウンド(すなわち、K101E変異単独)において、K101E-RTVは野生型の対照
RTVに対してデラビルジン感受性(5倍)およびエフェビレン感受性(5倍)の若
干の低下、ならびにネビラピン感受性のある程度の低下(12倍)を示した。K101
E-G190S-RTVは野生型の対照RTVに対してデラビルジン感受性の増強(0.5倍)、
ネビラピン感受性のある程度の低下(75倍)、およびエファビレン感受性の若干
の低下(7.6倍)を示した。K101E-G190S-RTVはデラビルジンに対しては野生型の
感受性(1.4倍)を、野生型の対照RTVに対してネビラピン(800倍を超える)お
よびエファビレン(250倍を超える)の実質的な低下を示した。
【0154】 この実施例では、突然変異G190SとK101Eの組合せは新たな表現型パターンを示
した。これらの組合せはG190S変異単独について認められたデラビルジン感受性
に対する作用を逆転させ、さらにネビラピンおよびエファビレン両者についての
感受性に対する相加作用よりも大きくなった。
【0155】 実施例15 耐性試験ベクターと位置指定突然変異体を用いた、HIVにおけるNNRTI薬剤感受性
および耐性に関与する遺伝子型と表現型の相関:V108I 耐性試験ベクターの調製および患者98-652HIVサンプルの表現型解析 耐性試験ベクターは、98-652と呼ばれる患者サンプルから実施例1に記載のよ
うにして構築した。この患者は抗レトロウイルス治療を受けていなかった。ウイ
ルスRNAを単離し、RT/PCRを用いて、PRのすべておよびRTのアミノ酸1-313をコー
ドするウイルス配列を含んでなる患者由来セグメントを作製した。このPDSを指
標遺伝子ウイルスベクターに挿入してRTV-652と呼ばれる耐性試験ベクターを作
製した。次ぎにRTV-652を表現型アッセイで試験して抗レトロウイルス薬パネル
に対する感受性のレベルを正確かつ定量的に測定した。この抗レトロウイルス薬
パネルはNRTI(AZT、3TC、d4T、ddIおよびddC)、NNRTI(デラビルジンおよびネビ
ラピン)、ならびにPRI(インジナビル、ネルフィナビル、リトナビルおよびサ
キナビル)として知られているクラスのメンバーを含んでなるものであった。試
験した各薬剤の耐性試験ベクタープールについてIC50を求めた。試験した薬剤す
べてに対する感受性パターンを調べ、既知の感受性パターンと比較した。患者RT
V-652についてNNRTI感受性パターンを観察したところ、デラビルジン感受性の増
強(0.97倍)が認められ、ネイビラピン感受性においては若干の低下(5倍)が
認められた。
【0156】 患者のHIVサンプルの遺伝子型の決定 RTV-652のDNAはABIチェーンターミネーター自動シーケンシングにより解析し
た。このヌクレオチド配列を野生型分岐群B HIV-1の共通配列と比較した(HIV配
列データベースLos Alamos, NM)。対照配列とは異なる配列に関して遺伝子型を
調べた。突然変異は対照配列に対してM41L、V108I、I135T、L210W、R211K、およ
びT215Dの位置に見られた。M41L、L210WおよびT215DはNRTI耐性に関与している
。I135TおよびR211Kの位置における突然変異はHIVの種々の野生型(薬剤感受性
)変異体の間で公知の配列多形性を有する。V108Iは数種のNNRTIに対する耐性に
関与していることが知られている。発明者らは位置指定突然変異誘発およびin v
itro表現型感受性試験を用いて突然変異V108Iを調べ、認められた遺伝子型にお
ける変化と表現型とを相関させた。
【0157】 位置指定突然変異誘発を用いたHIVにおける抗レトロウイルス薬表現型感受性に
おける特異的突然変異の役割の確認 位置指定突然変異誘発のためのメガプライマー法(SakarおよびSommar, Ibid)
を用い、耐性試験ベクターにV108I変異を導入した。次ぎにV108I変異を含む耐性
試験ベクター(V108I-RTV)を先に記載した表現型アッセイを用いて試験し、結果
を、108番が野生型である遺伝学的に定義された耐性試験ベクターを用いて求め
た結果と比較した。発明者らはV108I-RTVにおけるNNRTI、デラビルジン、ネビラ
ピンおよびエファビレンに対する表現型感受性パターンを求めた。野生型のバッ
クグラウンド(すなわち、V108I変異単独)において、V108I-RTVはデラビルジン
(1.3倍)およびエファビレン(1.7倍)に対しては野生型の感受性を、また野生
型の対照RTVに対してネビラピン感受性の若干の低下(3倍)を示した。
【0158】 実施例16 耐性試験ベクターと位置指定突然変異体を用いた、HIVにおけるNNRTI薬剤感受性
および耐性に関与する遺伝子型と表現型の相関:K103、K101およびG190 耐性試験ベクターの調製および患者98-955サンプルの表現型解析 耐性試験ベクターは、98-955と呼ばれる患者サンプルから実施例1に記載のよ
うにして構築した。この患者はそれまでにネルフィナビル(PRI)で処置されてい
た。ウイルスRNAを単離し、RT/PCRを用いて、PRのすべておよびRTのアミノ酸1-3
13をコードするウイルス配列を含んでなる患者由来セグメントを作製した。この
PDSを指標遺伝子ウイルスベクターに挿入してRTV-955と呼ばれる耐性試験ベクタ
ーを作製した。次ぎにRTV-955を表現型アッセイで試験して抗レトロウイルス薬
パネルに対する感受性のレベルを正確かつ定量的に測定した。この抗レトロウイ
ルス薬パネルはNRTI(AZT、3TC、d4T、ddIおよびddC)、NNRTI(デラビルジン、エ
ファビレンおよびネビラピン)、ならびにPRI(インジナビル、ネルフィナビル
、リトナビルおよびサキナビル)として知られているクラスのメンバーを含んで
なるものであった。試験した各薬剤の耐性試験ベクタープールについてIC50を求
めた。試験した薬剤すべてに対する感受性パターンを調べ、既知の感受性パター
ンと比較した。患者RTV-955についてNNRTI感受性パターンを観察したところ、デ
ラビルジン感受性においては若干の低下(4倍)を、またネビラピン感受性にお
いては顕著な低下(530倍)を示した。
【0159】 患者のHIVサンプルの遺伝子型の決定 RTV-955のDNAはABIチェーンターミネーター自動シーケンシングにより解析し
た。このヌクレオチド配列を野生型分岐群B HIV-1の共通配列と比較した(HIV配
列データベースLos Alamos, NM)。対照配列とは異なる配列に関して遺伝子型を
調べた。突然変異は対照配列に対してK20R、V35I、A62V、D67N、T69D、V75I、F7
7L、K101E、K103N、Y115F、F116Y、Q151M、I167V、Y181C、M184V、G190A、I202V
、R211K、F214L、T215V、およびK219Qの位置に見られた。K101E、K103N、Y181C
、G190A、およびF214Lの位置における突然変異は野生型と変異型の混合物であっ
た。A62V、D67N、T69D、V75I、F77L、Y115F、Q151M、M184V、T215VおよびK219Q
はNRTI耐性に関与している。V53I、R211KおよびF214Lにおける突然変異はHIVの
種々の野生型(薬剤感受性)変異体間で公知の配列多形性を有する。K101Eにお
ける突然変異はNNRTI耐性と関与していることがこれまでに示されている。Y181I
における突然変異は高レベルのネビラピン耐性に関与してることがこれまでに知
られている。K103Nにおける突然変異は3種のNNRTI、デラビルジン、ネビラピン
およびエファビレン耐性に関与していることがこれまでに知られている。発明者
らは位置指定突然変異誘発およびin vitro表現型感受性試験を用いて突然変異K1
01E、K103NおよびG190Aを調べ、認められた遺伝子型における変化と表現型とを
相関させた。
【0160】 位置指定突然変異誘発を用いたHIVにおける抗レトロウイルス薬表現型感受性に
おける特異的突然変異の役割の確認 位置指定突然変異誘発のためのメガプライマー法(SakarおよびSommar, Ibid)
を用い、耐性試験ベクターにK101E、K103NおよびG109A変異を単独または組合せ
て導入した。次ぎにK101E変異を含む(K101E-RTV)、K103N変異を含む(K103N-RTV)
を含む、G190変異を含む(G190A-RTV)、また2つの突然変異を含む(K101E-G190A-R
TVおよびK103N-G190A-RTV)耐性試験ベクターを先に記載した表現型アッセイを用
いて試験し、結果を、101、103および190番が野生型である遺伝学的に定義され
た耐性試験ベクターを用いて求めた結果と比較した。発明者らはこれら5つすべ
てのベクターにおけるNNRTI、デラビルジン、ネビラピンおよびエファビレンに
対する表現型感受性パターンを求めた。野生型のバックグラウンド(すなわち、
K101E変異単独)において、K101E-RTVは野生型の対照RTVに対してデラビルジン
感受性(5倍)およびエファビレン感受性(5倍)の若干の低下を、またネビラピ
ン感受性のある程度の低下(30倍)を示した。野生型バックグラウンド(すなわ
ち、G190A変異単独)において、G190A-RTVは野生型の対照RTVに対してエファビ
レン感受性の増強(8倍)を示した。K101E-G190A-RTVはデラビルジンに対しては
野生型の感受性(2倍)を、野生型の対照RTVに対してネビラピン感受性の実質的
な低下(800倍を超える)、またエファビレン感受性の顕著な低下(120倍)を示
した。K103N-G190-RTVは野生型の対照RTVに対してデラビルジン感受性のある程
度の低下(40倍)を、ネビラピン感受性の実質的な低下(800倍を超える)を、
またエファビレン感受性の顕著な低下(215倍)を示した。G190Aを含むベクター
へ第2の突然変異を導入したところ、G190A変異単独について認められたデラビ
ルジン感受性における作用が逆転された。G190A変異はデラビルジン感受性の増
強を示した。しかしながら、K101EまたはK103NのいずれかのG190A変異への付加
は、デラビルジン感受性の若干の低下をもたらした。さらに、G190AおよびK101E
の組合せはネビラピンおよびエファビレン感受性の低下における相加作用よりも
大きくなった。最後に、これらのデータは2つの突然変異G190AとK103Nの組合せ
が、これら2つの突然変異個々に関して見られる作用の総和よりも、ネビラピン
およびエファビレン両感受性のより顕著な低下を招くことを示した。
【0161】 実施例17 耐性試験ベクターと位置指定突然変異体を用いた、HIVにおけるNNRTI薬剤感受性
および耐性に関与する遺伝子型と表現型の相関:V106、V189、V181およびF227 耐性試験ベクターの調製および患者98-1033および98-757HIVサンプルの表現型解
析 耐性試験ベクターは、98-1033と呼ばれる患者サンプルから実施例1に記載のよ
うにして構築した。この患者はそれまでにAZT、DST、3TCおよびddI(NRTI)、サキ
ナビル、インジナビルおよびネルフィナビル(PRI)、ならびにネビラピン(NNRTI)
で処置されていた。もう1つの耐性試験ベクターは、98-757と呼ばれる、異なる
時点で同じ患者から得られたサンプルから実施例1に記載のようにして構築した
。この患者はさらに8週間のネビラピン(NNRTI)、d4T(NRTI)、ならびにサキナビ
ルおよびネルフィナビル(PRI)による処置を受けた。ウイルスRNAを単離し、RT/P
CRを用いて、PRのすべておよびRTのアミノ酸1-313をコードするウイルス配列を
含んでなる患者由来セグメントを作製した。このPDSを指標遺伝子ウイルスベク
ターに挿入してRTV-1033およびRTV-757と呼ばれる耐性試験ベクターを作製した
。次ぎにRTV-1033およびRTV-757を表現型アッセイで試験して抗レトロウイルス
薬パネルに対する感受性のレベルを正確かつ定量的に測定した。この抗レトロウ
イルス薬パネルはNRTI(AZT、3TC、d4T、ddIおよびddC)、NNRTI(デラビルジンお
よびネビラピン)、ならびにPRI(インジナビル、ネルフィナビル、リトナビル
およびサキナビル)として知られているクラスのメンバーを含んでなるものであ
った。試験した各薬剤の耐性試験ベクタープールについてIC50を求めた。試験し
た薬剤すべてに対する感受性パターンを調べ、既知の感受性パターンと比較した
。患者RTV-1033についてNNRTI感受性パターンを観察したところ、デラビルジン
感受性においてはある程度の低下(30倍)を、ネビラピン感受性においては実質
的な低下(800倍を超える)を、またエファビレン感受性においては顕著な低下
(200倍)を示した。患者RTV-757についてNNRTI感受性パターンを観察したとこ
ろ、デラビルジン感受性においては若干の低下(10倍)を、またネビラピン感受
性においては実質的な低下(800倍を超える)を示した。
【0162】 患者のHIVサンプルの遺伝子型の決定 RTV-1033およびRTV-757のDNAはABIチェーンターミネーター自動シーケンシン
グにより解析した。このヌクレオチド配列を野生型分岐群B HIV-1の共通配列と
比較した(HIV配列データベースLos Alamos, NM)。対照配列とは異なる配列に関
して遺伝子型を調べた。RTV-1033に関する突然変異は対照配列に対してV35I、D6
7N、T69D、K70R、V106A、V189L、T200A、I202T、R211K、T215F、D218E、K219Q、
H221Y、F227L、L228H、およびR284の位置に見られた。RTV-1033に関する突然変
異は対照配列に対してV35I、D67N、T69D、K70R、V106A、V108I、L109V、Y108C、
V189L、T200A、I202T、R211K、T215F、D218E、K219Q、H211Y、L228H、L283I、お
よびR284Kの位置に見られた。V106A、V108I、およびL109Vの位置は野生型と変異
型の混合物であった。D67N、T69D、K70R、T215F、およびK219QはNRTI耐性に関与
している。V35I、T200A、R211KおよびR284Kにおける突然変異はHIVの種々の野生
型(薬剤感受性)変異体間で公知の配列多形性を有する。V106Aにおける突然変
異はネビラピン耐性と関与していることがこれまでに示されている。V189Iにお
ける突然変異はNNRTI耐性と関与していることがこれまでに示されているが、こ
の位置でのLへの突然変がNNRTI耐性と関与しているという報告はこれまでにはな
かった。V108Iにおける突然変異はデラビルジンおよびネビラピン両耐性の増強
に関与していることがこれまでに示されている。Y181Cにおける突然変異もまた
、デラビルジンおよびネビラピン両耐性の増強に関与していることがこれまでに
示されてる。発明者らは位置指定突然変異誘発およびin vitro表現型感受性試験
を用いて突然変異V106A、V189L、V181CおよびF227Lを調べ、認められた遺伝子型
における変化と表現型とを相関させた。
【0163】 位置指定突然変異誘発を用いたHIVにおける抗レトロウイルス薬表現型感受性に
おける特異的突然変異の役割の確認 位置指定突然変異誘発のためのメガプライマー法(SakarおよびSommar, Ibid)
を用い、耐性試験ベクターにV106A、V189L、V181CおよびF227L変異を単独または
組合せて導入した。次ぎにV106A変異を含む(V106A-RTV)、V189変異を含む(V189L
-RTV)を含む、V181C変異を含む(V181C-RTV)、F227Lを含む(F227L-RTV)、2つの突
然変異を含む(V106A-Y181C-RTVおよびV106A-V189L-RTVおよびV106A-F227-RTVお
よびV181C-F227-RTV)、ならびに3つの突然変異(V106A-Y181C-F227L-RTV)耐性試
験ベクターを先に記載した表現型アッセイを用いて試験し、結果を、106、189、
181および227番が野生型である遺伝学的に定義された耐性試験ベクターを用いて
求めた結果と比較した。発明者らはこれら9つすべてのベクターにおけるNNRTI、
デラビルジン、ネビラピンおよびエファビレンに対する表現型感受性パターンを
求めた。野生型のバックグラウンド(すなわち、V106A変異単独)において、V10
6A-RTVは野生型の対照RTVに対してデラビルジン感受性の若干の低下(5倍)、ネ
ビラピン感受性のある程度の低下(60倍)を、またエファビレンに対しては野生
型の感受性(1.7倍)を示した。野生型バックグラウンド(すなわち、V189L変異
単独)において、V189-RTVは野生型の対照RTVに対して、デラビルジン(1.8倍)
、ネビラピン(1.3倍)およびエファビレン(1.3倍)について野生型の感受性を
示した。野生型バックグラウンド(すなわち、V189C変異単独)において、Y181C
-RTVは野生型の対照RTVに対してデラビルジン感受性の顕著な低下(100倍)、ネ
ビラピン感受性の実質的な低下(800倍を超える)、およびエファビレン感受性
の若干の低下(4倍)を示した。野生型バックグラウンド(すなわち、F227L変異
単独)において、F227L-RTVは野生型の対照RTVに対してデラビルジン(0.03倍)
およびエファビレン感受性(0.48倍)の増強、およびネビラピン感受性の若干の
低下(3倍)を示した。V106A-Y181C-RTVは野生型の対照RTVに対してデラビルジ
ン感受性の若干の低下(3倍) 、ネビラピン感受性のある程度の低下(50倍)を、またエファビレンに対しては
野生型の感受性(1倍)を示した。V106A-F227-RTVは野生型の対照RTVに対してデ
ラビルジン感受性の若干の低下(3倍)、ネビラピン感受性の実質的な低下(800
倍を超える)、およびエファビレン感受性の若干の低下(8倍)を示した。Y181C
-F227L-RTVは野生型の対照RTVに対してデラビルジン(0.89倍)およびエファビ
レン感受性(0.99倍)の増強、およびネビラピン感受性の顕著な低下(285倍)
を示した。V106A-V181C-F227L-RTVは野生型の対照RTVに対してデラビルジン感受
性のある程度の低下(50倍)、ネビラピン感受性の実質的な低下(800倍を超え
る)、およびエファビレン感受性の若干の低下(12倍)を示した。
【0164】 実施例18 耐性試験ベクターと位置指定突然変異体を用いた、HIVにおけるNNRTI薬剤感受性
および耐性に関与する遺伝子型と表現型の相関:Y188、L100およびK103 耐性試験ベクターの調製および患者98-1058HIVサンプルの表現型解析 耐性試験ベクターは、98-1058と呼ばれる患者サンプルから実施例1に記載のよ
うにして構築した。この患者はそれまでにddI、d4T、AZT、3TC、ddCおよびアバ
カビル(NRTI)、インジナビルおよびアンプレナビル(PRI)、ならびにネビラピン(
NNRTI)で処置されていた。ウイルスRNAを単離し、RT/PCRを用いて、PRのすべて
およびRTのアミノ酸1-313をコードするウイルス配列を含んでなる患者由来セグ
メントを作製した。このPDSを指標遺伝子ウイルスベクターに挿入してRTV-1058
と呼ばれる耐性試験ベクターを作製した。RTV-1058の個々のクローンを選択し、
次ぎに表現型アッセイで試験して抗レトロウイルス薬パネルに対する感受性のレ
ベルを正確かつ定量的に測定した。この抗レトロウイルス薬パネルはNRTI(AZT、
3TC、d4T、ddIおよびddC)、NNRTI(デラビルジンおよびネビラピン)、ならびに
PRI(インジナビル、ネルフィナビル、リトナビルおよびサキナビル)として知
られているクラスのメンバーを含んでなるものであった。試験した各薬剤の耐性
試験ベクタープールについてIC50を求めた。試験した薬剤すべてに対する感受性
パターンを調べ、既知の感受性パターンと比較した。患者RTV-1058由来のクロー
ン4、5および10についてNNRTI感受性パターンを観察した。クローン4はデラビル
ジン感受性の顕著な低下(85倍)およびネビラピン感受性のペプチド実質的な低
下(800倍を超える)を示した。クローン5はデラビルジン感受性実質的な低下(
250倍)およびネビラピン感受性の顕著な低下(120倍)を示した。クローン10は
デラビルジン(250倍を超える)およびネビラピン感受性(800倍を超える)の実
質的な低下を示した。
【0165】 患者のHIVサンプルの遺伝子型の決定 RTV-1058のDNAはABIチェーンターミネーター自動シーケンシングにより解析し
た。このヌクレオチド配列を野生型分岐群B HIV-1の共通配列と比較した(HIV配
列データベースLos Alamos, NM)。対照配列とは異なる配列に関して遺伝子型を
調べた。突然変異は対照配列に対してM41L、A62V、D67N、T69SST、L74V、L100I
、K103N、V118I、I135T、T200S、L210W、およびT215Yの位置に見られた。L74Vお
よびL100Iは野生型と変異型の混合物であった。クローン4はK103NおよびY188Lの
位置に突然変異を含んでいた。クローン5はL100IおよびK103Nの位置に突然変異
を含んでいた。クローン10はL100I、K103NおよびY188Lの位置に突然変異を含ん
でいた。M41L、A62V、D67N、T69SST、L74V、L210W、およびT215YはNRTI耐性に関
与している。I135T、T200SおよびR211Tの位置における突然変異はHIVの種々の野
生型(薬剤感受性)変異体間で公知の配列多形性を有する。L100Iにおける突然
変異はデラビルジンおよびネビラピン耐性と関与していることがこれまでに示さ
れている。K103Nにおける突然変異はデラビルジン、ネビラピンおよびエファビ
レン耐性と関与していることがこれまでに示されている。発明者らは位置指定突
然変異誘発およびin vitro表現型感受性試験を用いて突然変異Y188L、L100Iおよ
びK103Nを調べ、認められた遺伝子型における変化と表現型とを相関させた。
【0166】 位置指定突然変異誘発を用いたHIVにおける抗レトロウイルス薬表現型感受性に
おける特異的突然変異の役割の確認 位置指定突然変異誘発のためのメガプライマー法(SakarおよびSommar, Ibid)
を用い、耐性試験ベクターに突然変異Y188L、L100IおよびK103Nを単独または組
合せて導入した。次ぎにY188L変異を含む(Y188L-RTV)、L100I変異を含む(L100I-
RTV)を含む、K103N変異を含む(K103N-RTV)、2つの突然変異を含む(K103E-Y188L-
RTVおよびL100I-K103N-RTV)、ならびに3つの突然変異(L100I-K103N-Y188L-RTV)
耐性試験ベクターを先に記載した表現型アッセイを用いて試験し、結果を、188
、100および103番が野生型である遺伝学的に定義された耐性試験ベクターを用い
て求めた結果と比較した。発明者らはこれら6つすべてのベクターにおけるNNRTI
、デラビルジン、ネビラピンおよびエファビレンに対する表現型感受性パターン
を求めた。野生型のバックグラウンド(すなわち、Y188L変異単独)において、Y
188L-RTVは野生型の対照RTVに対してデラビルジン感受性の若干の低下(9倍)、
ネビラピン感受性の実質的な低下(800倍を超える)、およびエファビレン感受
性のある程度の低下(110倍)を示した。野生型バックグラウンド(すなわち、L
100I変異単独)において、L100I-RTVは野生型の対照RTVに対してデラビルジン(
30倍)およびエファビレン感受性(10倍)のある程度の低下、ならびにネビラピ
ン感受性のある程度の低下(10倍)および若干の低下(3倍)を示した。野生型
バックグラウンド(すなわち、K103M変異単独)において、K103N-RTVは野生型の
対照RTVに対してデラビルジン(50倍)、ネビラピン(55倍)およびエファビレ
ン感受性(30倍)のある程度の低下を示した。K103N-Y188L-RTVは野生型の対照R
TVに対してデラビルジン(250倍を超える)、ネビラピン(800倍を超える)、お
よびエファビレン感受性(250倍を超える)の実質的低下を示した。L100I-K103N
-RTVは野生型の対照RTVに対してデラビルジン(250倍を超える)およびエファビ
レン感受性(250倍を超える)の実質的な低下、ならびにネビラピン感受性のあ
る程度の低下(70倍)を示した。L100I-K103N-Y188L-RTVは 野生型の対照RTVに対してデラビルジン(250倍を超える)、ネビラピン(800倍
を超える)、およびエファビレン感受性(250倍を超える)のある程度の低下を
示した。新規な組合せは各突然変異単独に対して認められるパターンとは異なる
予期しなかった耐性パターンをもたらした。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、耐性試験ベクターである。患者由来セグメントおよび指標遺伝子を含
む耐性試験ベクターの概略図である。
【図2】 図2は、2細胞アッセイを示す。アッセイの概略図である。耐性試験ベクター
は、患者由来セグメントを指標遺伝子ウイルスベクターにクローニングすること
によって得られる。次いで、耐性試験ベクターは、両種性のネズミ白血病ウイル
ス(MLV)エンベロープタンパク質あるいは感染を可能にする他のウイルスタ
ンパク質または細胞タンパク質を産生する発現ベクターと同時トランスフェクシ
ョンされる。患者由来配列によりコードされるプロテアーゼ(PR)および逆転
写酵素(RT)の遺伝子産物を含有する偽タイプ化ウイルス粒子が産生される。
次いで、粒子を集め、新鮮な細胞に感染させるために使用する。不完全なPR配
列およびRT配列を使用して、ルシフェラーゼ活性が機能的なPRおよびRTに
依存していないことが示された。PR阻害剤がトランスフェクション後に細胞に
加えられ、従って粒子が成熟している時には存在している。一方、RT阻害剤は
、ウイルス粒子感染時またはその前に細胞に加えられる。アッセイは、薬物の非
存在下、および広範囲の濃度にわたる薬物の存在下で行われる。ルシフェラーゼ
の量を測定し、阻害率(%)を、試験した種々の薬物濃度において計算する。
【図3】 図3は、表現型薬物感受性プロファイルの例である。データを、log10
度(uM)に対してルシフェラーゼ活性の阻害率をプロットすることによって分
析する。このプロットを使用して、ウイルス複製を50%阻害するために必要と
される薬物濃度(IC50)または95%阻害するために必要とされる薬物濃度
(IC95)を計算する。阻害曲線がより大きな薬物濃度の方に移動することは
、薬物耐性の証拠として解釈される。ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(AZT
)、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(デラビルジン)およびプロテアーゼ阻
害剤(リトナビル)に対する3つの典型的な曲線が示されている。薬物感受性(
耐性)の低下は、基準(処置前)サンプルと比較したとき、あるいは基準サンプ
ルが得られない場合にはPNL4−3またはHXB−2などの薬物感受性ウイル
スの対照と比較したときに、薬物感受性曲線がより大きな薬物濃度の方(右側)
に移動することに反映される。
【図4】 図4は、患者487の表現型薬物感受性および耐性プロファイルである。PC
Rに基づく表現型感受性アッセイを行い、デラビルジンおよびネビラピンの両方
に対する増大した耐性を示す表現型薬物感受性および耐性プロファイルが得られ
た。これは、NNRTI感受性/耐性の最初のパターンの例である。血漿から得
られたこのウイルスを評価することによって、3TC耐性に関連するコドン18
4での変異(M184V)、およびデラビルジン耐性およびネビラピン耐性の両
方に関連するコドン103での変異(K103N)を有するHIV逆転写酵素が
示された。
【図5】 図5は、部位特異的な逆転写酵素変異体の表現型薬物感受性および耐性プロフ
ァイルである。PCRに基づく表現型感受性アッセイを行い、コドン103およ
びコドン181における変異(K103N;Y181C)を有し、デラビルジン
およびネビラピンの両方に対する耐性を示す部位特異的な変異体の表現型薬物感
受性および耐性プロファイルが得られた。この二重変異体により、耐性のさらな
る増大をもたらす両変異の付加的な作用が明らかにされる。
【図6】 図6は、患者268の表現型薬物感受性および耐性プロファイルである。PC
Rに基づく表現型感受性アッセイを行い、ネビラピンではなく、デラビルジンに
対する表現型耐性を有するHIV逆転写酵素を有する血漿から得られたウイルス
の評価を示す表現型薬物感受性および耐性プロファイルが得られた。これは、N
NRTI感受性/耐性の2番目のパターンの例である。この患者のウイルスは、
試験したプロテアーゼ阻害剤のすべてに対して耐性であり、AZTおよび3TC
に対する著しい耐性をも有し、ddC、ddIおよびd4Tに対する感受性のわ
ずかな移動を示す。PCRおよび配列決定に基づく遺伝子型アッセイを使用して
血漿から得られたこのウイルスを評価することによって、コドン103およびコ
ドン236における変異(K103N;P236L)を有するHIV逆転写酵素
が示された。P236Lの変異は、デラビルジン耐性およびネビラピン過敏性を
引き起こすと以前に報告されていた(Dueweke TJら、(1993)P
roc Natl Acad Sci USA、90、4713〜4717)。
しかし、この患者サンプルにおいては、デラビルジン耐性であったが、ネビラピ
ン感受性は野生型と同じであった。
【図7】 図7は、部位特異的な逆転写酵素変異体(P236L)の表現型薬物感受性お
よび耐性プロファイルである。PCRに基づく表現型感受性アッセイを行い、P
236Lの部位特異的な変異生成変異体のデラビルジンおよびネビラピンに対す
る感受性を示す表現型薬物感受性および耐性プロファイルが得られた。この結果
は、図6に示される患者ウイルスサンプルで認められた結果と同一である。その
下の2つの図はK103Nの部位特異的な変異生成変異体を示し、下段の2つの
図は二重変異体K103N+P236Lを示す。P236Lの変異は、デラビル
ジンに対する深刻な耐性を引き起こすK103Nに対して付加的であるが、K1
03Nによるネビラピン耐性に対する作用を有しない。右側の図には、P236
Lの変異がY181−>Cの変異に加えられたときの類似する結果が示されてい
る。
【図8A】 図8Aは、患者302の表現型薬物感受性および耐性プロファイルである。こ
れは、NNRTI感受性/耐性の3番目のパターンの例である。患者ウイルスの
表現型分析により、デラビルジンおよびネビラピンの両方に対する低下した感受
性が明らかにされた。このパターンは、デラビルジン感受性の低下と比較された
とき、ネビラピン感受性のより大きな低下を特徴とする。患者ウイルスの遺伝子
型分析により、デラビルジン耐性およびネビラピン耐性に関連したK103N、
およびP225HのRT変異の存在が明らかにされた。
【図8B】 図8Bは、患者780の表現型薬物感受性および耐性プロファイルである。こ
れは、NNRTI感受性/耐性の3番目のパターンの第二の例である。患者ウイ
ルスの表現型分析により、デラビルジンおよびネビラピンの両方に対する低下し
た感受性が明らかにされた。このパターンは、デラビルジン感受性の低下と比較
されたとき、ネビラピン感受性のより大きな低下を特徴とする。患者ウイルスの
遺伝子型分析により、ネビラピン耐性およびデラビルジン耐性に関連したK10
3N、およびP225HのRT変異の存在が明らかにされた。
【図8C】 図8Cは、患者302の個々のウイルスクローンの表現型薬物感受性および耐
性プロファイルである。患者302から得られた個々のウイルスクローンの遺伝
子型分析により、P225H変異を伴うことなくK103Nの変異を含有するウ
イルス(K103N、I135M、R211K)、およびP225Hの変異とと
もにK103Nの変異を含有するウイルス(K103N、P225H)が明らか
にされた。これらのウイルスクローンの表現型特徴付けにより、P225Hの変
異は、K103Nの変異に関連するデラビルジン耐性量を低下させる(下段を比
較のこと)が、K103Nの変異に関連するネビラピン耐性量を変化させない(
上段を比較のこと)ことが示される。
【図8D】 図8Dは、部位特異的な逆転写酵素変異体の表現型薬物感受性および耐性プロ
ファイルである。部位特異的なRT変異のP225Hを含有するウイルスの表現
型特徴付けにより、この変異は、デラビルジンに対する感受性を増大させるが、
ネビラピンに対する感受性を増大させないことが示される(上段を比較のこと)
。部位特異的なRT変異のP225H+K013NまたはP225H+Y181
Cを含有するウイルスの表現型特徴付けにより、P225Hの変異は、K103
NまたはY181Cのいずれかに関連するデラビルジン耐性量を低下させるが、
K103NまたはY181Cに関連するネビラピン耐性量を低下させないことが
示される。デラビルジンに対してであるが、ネビラピンに対してではない(対応
する中段および下段を比較のこと)。
【図9A】 図9Aは、患者644の表現型薬物感受性および耐性プロファイルである。こ
れは、NNRTI感受性および耐性の4番目のパターンの例である。患者ウイル
スの表現型分析により、デラビルジンではなく、ネビラピンに対する感受性の大
きな低下が明らかにされた。患者ウイルスの表現型分析により、アテビルジン、
DMP266、L−697、661およびUC−10、38、57に対する感受
性の低下に関連するK101E変異(Schinazi、Mellors、La
rder耐性表)だけでなく、RT変異G190Sの存在が明らかにされた。
【図9B】 図9Bは、部位特異的な逆転写酵素変異体の表現型薬物感受性および耐性プロ
ファイルである。部位特異的なRT変異のG190AまたはG190Sのいずれ
かを含有するウイルスの表現型特徴付けにより、これらの変異は、ネビラピンに
対する感受性を大きく低下させ、デラビルジンに対する感受性をわずかに増大さ
せていることが示されている(上段を比較のこと)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W

Claims (72)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 HIV感染患者の非ヌクレオシド逆転写酵素抗レトロウイルス
    療法をモニターする方法であって: (a)前記HIV感染患者から血漿サンプルを採取することと; (b)前記血漿サンプルが、コドン236に変異をもったHIV逆転写酵素をコード
    する核酸を含有するかどうかを評価することとを含み、 前記変異の存在は、デラビルジンに対する感受性の低下およびネビラピン感受
    性における僅かの変化または無変化と相関している方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、前記コドン236における変
    異はロイシンをコードする方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法であって、前記逆転写酵素はコドン10
    3、コドン181またはその両方に追加の変異を有する方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の方法であって、コドン103における変異は
    アスパラギン(N)をコードし、コドン181における変異はシステイン(C)をコ
    ードする方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の方法であって、前記HIV感染患者は抗レト
    ロウイルス剤で治療されている方法。
  6. 【請求項6】 HIV感染患者の抗レトロウイルス療法の有効性を評価する方
    法であって: (a)前記HIV感染患者から生物学的サンプルを採取することと; (b)前記生物学的サンプルが、コドン225に変異をもったHIV逆転写酵素をコ
    ードする核酸を含有するかどうかを評価することとを含み、 前記変異の存在は、デラビルジンに対する感受性の増加およびネビラピン感受
    性における僅かの変化または無変化と相関している方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の方法であって、前記変異したコドン225は
    ヒスチジン(H)をコードする方法。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の方法であって、前記HIV感染患者は抗レト
    ロウイルス剤で治療されている方法。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の方法であって、前記逆転写酵素はコドン10
    3、コドン181またはその両方に追加の変異を有する方法。
  10. 【請求項10】 HIV感染患者の抗レトロウイルス療法の有効性を評価する
    方法であって: (a)前記HIV感染患者から生物学的サンプルを採取することと; (b)前記生物学的サンプルが、コドン190に変異をもったHIV逆転写酵素をコ
    ードする核酸を含有するかどうかを評価することとを含み、 前記変異の存在は、デラビルジン感受性の増加およびネビラピン感受性の低下
    と相関している方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の方法であって、前記コドン190におけ
    る変異はアラニンまたはセリンをコードする方法。
  12. 【請求項12】 HIV抗レトロウイルス薬剤化合物候補の生物学的有効性を
    評価するための方法であって: (a)患者由来のセグメントを含み、更にコドン236における変異およびコド
    ン103および/または181における変異ならびに指標物質の遺伝子を含む耐性試験
    ベクターをホスト細胞の中に導入することと; (b)ステップ(a)で得たホスト細胞を培養することと; (c)標的ホスト細胞における前記指標物質を測定することと; (d)ステップ(c)で得た前記指標物質の測定を、前記抗レトロウイルス薬
    剤化合物候補の不存在下で前記ステップ(a)〜(c)を行ったときに測定され
    た前記指標物質の測定と比較することとを含み、 前記ステップ(a)〜(c);ステップ(b)〜(c);または前記ステップ
    (c)に、試験濃度の前記抗レトロウイルス薬剤化合物候補を存在せしめる方法
  13. 【請求項13】 HIV抗レトロウイルス薬剤化合物候補の生物学的有効性を
    評価するための方法であって: (a)患者由来のセグメントを含み、更にコドン225における変異およびコド
    ン103における変異ならびに指標物質を含む耐性試験ベクターをホスト細胞の中
    に導入することと; (b)ステップ(a)で得たホスト細胞を培養することと; (c)標的ホスト細胞における前記指標物質を測定することと; (d)ステップ(c)で得た前記指標物質の測定を、前記抗レトロウイルス薬
    剤化合物候補の不存在下で前記ステップ(a)〜(c)を行ったときに測定され
    た前記指標物質の測定と比較することとを含み、 前記ステップ(a)〜(c);ステップ(b)〜(c);または前記ステップ
    (c)に、試験濃度の前記抗レトロウイルス薬剤化合物候補を存在せしめる方法
  14. 【請求項14】 HIV抗レトロウイルス薬剤化合物候補の生物学的有効性を
    評価するための方法であって: (a)コドン236に変異を有する逆転写酵素をコードする患者由来のセグメン
    トおよび指標物質遺伝子を含む耐性試験ベクターをホスト細胞の中に導入するこ
    とと; (b)ステップ(a)で得たホスト細胞を培養することと; (c)標的ホスト細胞における前記指標物質遺伝子の発現を測定することと; (d)ステップ(c)で得た前記指標物質遺伝子の発現を、前記抗レトロウイ
    ルス薬剤化合物候補の不存在下で前記ステップ(a)〜(c)を行ったときに測
    定された前記指標物質遺伝子の発現と比較することとを含み、 前記ステップ(a)〜(c);ステップ(b)〜(c);または前記ステップ
    (c)に、試験濃度の前記抗レトロウイルス薬剤化合物候補を存在せしめる方法
  15. 【請求項15】 HIV抗レトロウイルス薬剤化合物候補の生物学的有効性を
    評価するための方法であって: (a)コドン225に変異を有する逆転写酵素をコードする患者由来のセグメン
    トおよび指標物質遺伝子を含む耐性試験ベクターをホスト細胞の中に導入するこ
    とと; (b)ステップ(a)で得たホスト細胞を培養することと; (c)標的ホスト細胞における前記指標物質遺伝子の発現を測定することと; (d)ステップ(c)で得た前記指標物質遺伝子の発現を、前記抗レトロウイ
    ルス薬剤化合物候補の不存在下で前記ステップ(a)〜(c)を行ったときに測
    定された前記指標物質遺伝子の発現と比較することとを含み、 前記ステップ(a)〜(c);ステップ(b)〜(c);または前記ステップ
    (c)に、試験濃度の前記抗レトロウイルス薬剤化合物候補を存在せしめる方法
  16. 【請求項16】 HIV抗レトロウイルス薬剤化合物候補の生物学的有効性
    を評価するための方法であって: (a)コドン190に変異を有する逆転写酵素をコードする患者由来のセグメン
    トおよび指標物質遺伝子を含む耐性試験ベクターをホスト細胞の中に導入するこ
    とと; (b)ステップ(a)で得たホスト細胞を培養することと; (c)標的ホスト細胞における前記指標物質遺伝子の発現を測定することと; (d)ステップ(c)で得た前記指標物質遺伝子の発現を、前記抗レトロウイ
    ルス薬剤化合物候補の不存在下で前記ステップ(a)〜(c)を行ったときに測
    定された前記指標物質遺伝子の発現と比較することとを含み、 前記ステップ(a)〜(c);ステップ(b)〜(c);または前記ステップ
    (c)に、試験濃度の前記抗レトロウイルス薬剤化合物候補を存在せしめる方法
  17. 【請求項17】 HIV患者由来の切片を含み、更にコドン190に変異を有する
    逆転写酵素および指標物質遺伝子を含む耐性試験ベクターであって、前記指標物
    質遺伝子の発現は前記患者由来のセグメントに依存する耐性試験ベクター。
  18. 【請求項18】 HIV患者由来の切片を含み、更にコドン225に変異を有する
    逆転写酵素および指標物質遺伝子を含む耐性試験ベクターであって、前記指標物
    質遺伝子の発現は前記患者由来のセグメントに依存する耐性試験ベクター。
  19. 【請求項19】 HIV患者由来の切片を含み、更にコドン236に変異を有する
    逆転写酵素および指標物質遺伝子を含む耐性試験ベクターであって、前記指標物
    質遺伝子の発現は前記患者由来のセグメントに依存する耐性試験ベクター。
  20. 【請求項20】 請求項17に記載の耐性試験ベクターであって、前記コド
    ン190に変異を有する患者由来のセグメントは、更に、コドン103に変異を含む耐
    性試験ベクター。
  21. 【請求項21】 請求項18に記載の耐性試験ベクターであって、前記コド
    ン225に変異を有する患者由来のセグメントは、更に、コドン103に変異を含む耐
    性試験ベクター。
  22. 【請求項22】 請求項19に記載の耐性試験ベクターであって、前記コド
    ン236に変異を有する患者由来のセグメントは、更に、コドン103および/または
    181に変異を含む耐性試験ベクター。
  23. 【請求項23】 HIV感染患者の非ヌクレオシド逆転写酵素抗レトロウイル
    ス療法を評価する方法であって: (a)前記HIV感染患者から血漿サンプルを採取することと; (b)前記血漿サンプルが、コドン230に変異をもったHIV逆転写酵素をコード
    する核酸を含有するかどうかを評価することとを含み、 前記変異の存在は、デラビルジンおよびネビラピンに対する感受性の低下と相
    関している方法。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の方法であって、前記コドン230におけ
    る変異はロイシン(L)をコードする方法。
  25. 【請求項25】 請求項23に記載の方法であって、前記逆転写酵素はコド
    ン181またはその両方に追加の変異を有する方法。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載の方法であって、コドン281における変
    異はシステイン(C)をコードする方法。
  27. 【請求項27】 請求項23に記載の方法であって、前記HIV感染患者は抗
    レトロウイルス剤で治療されている方法。
  28. 【請求項28】 HIV感染患者の非ヌクレオシド逆転写酵素抗レトロウイル
    ス療法を評価する方法であって: (a)前記HIV感染患者から血漿サンプルを採取することと; (b)前記血漿サンプルが、コドン181に変異をもったHIV逆転写酵素をコード
    する核酸を含有するかどうかを評価することとを含み、 前記変異の存在は、デラビルジンおよびネビラピンに対する感受性の低下、並
    びにエファビレンツ感受性における僅かの変化または無変化と相関している方法
  29. 【請求項29】 請求項28に記載の方法であって、前記コドン181におけ
    る変異はシステイン(C)をコードする方法。
  30. 【請求項30】 請求項28に記載の方法であって、前記逆転写酵素はコド
    ン98、コドン106。コドン227またはその組合せに追加の変異を有する方法。
  31. 【請求項31】 請求項30に記載の方法であって、コドン98における変異
    はグリシン(G)をコードし、コドン106における変異はアラニン(A)をコード
    し、コドン227における変異はロイシン(L)をコードする方法。
  32. 【請求項32】 請求項28に記載の方法であって、前記HIV感染患者は抗
    レトロウイルス剤で治療されている方法。
  33. 【請求項33】 HIV感染患者の非ヌクレオシド逆転写酵素抗レトロウイル
    ス療法の有効性を評価する方法であって: (a)前記HIV感染患者から生物学的サンプルを採取することと; (b)前記生物学的サンプルが、コドン188に変異をもったHIV逆転写酵素をコ
    ードする核酸を含有するかどうかを評価することとを含み、 前記変異の存在は、デラビルジン、ネビラピンおよびエファビレンツに対する
    感受性の減少と相関している方法。
  34. 【請求項34】 請求項23に記載の方法であって、前記コドン188におけ
    る変異はロイシン(L)、システイン(C)またはヒスチジン(H)をコードする
    方法。
  35. 【請求項35】 請求項33に記載の方法であって、前記逆転写酵素はコド
    ン138、コドン103、コドン100またはその組合せに追加の変異を有する方法。
  36. 【請求項36】 請求項35に記載の方法であって、前記コドン138におけ
    る変異はアラニン(A)をコードし、コドン103における変異はアスパラギン(N
    )をコードし、コドン100における変異はイソロイシン(I)をコードする方法。
  37. 【請求項37】 請求項33に記載の方法であって、前記HIV感染患者は抗
    レトロウイルス剤で治療されている方法。
  38. 【請求項38】 HIV感染患者の非ヌクレオシド逆転写酵素抗レトロウイル
    ス療法の有効性を評価する方法であって: (a)前記HIV感染患者から生物学的サンプルを採取することと; (b)前記生物学的サンプルが、コドン190に変異をもったHIV逆転写酵素をコ
    ードする核酸を含有するかどうかを評価することとを含み、 前記変異の存在は、デラビルジン感受性の増加、並びにネビラピンおよびエフ
    ァビレンツに対する感受性の低下と相関している方法。
  39. 【請求項39】 請求項38に記載の方法であって、前記コドン190におけ
    る変異はアラニン(A)またはセリン(S)をコードする方法。
  40. 【請求項40】 請求項38に記載の方法であって、前記逆転写酵素はコド
    ン98、コドン101もしくはコドン103またはその組合せに追加の変異を有する方法
  41. 【請求項41】 請求項40に記載の方法であって、前記コドン98における
    変異はグリシン(G)をコードし、コドン101における変異はグルタミン酸(E)
    をコードし、コドン103における変異はアスパラギン(N)をコードする方法。
  42. 【請求項42】 請求項38に記載の方法であって、前記HIV感染患者は抗
    レトロウイルス剤で治療されている方法。
  43. 【請求項43】 HIV感染患者の非ヌクレオシド逆転写酵素抗レトロウイル
    ス療法の有効性を評価する方法であって: (a)前記HIV感染患者から生物学的サンプルを採取することと; (b)前記生物学的サンプルが、コドン106に変異をもったHIV逆転写酵素をコ
    ードする核酸を含有するかどうかを評価することとを含み、 前記変異の存在は、デラビルジンおよびネビラピンに対する感受性の減少、並
    びにエファビレンツ感受性感受性における僅かの変化または無変化と相関してい
    る方法。
  44. 【請求項44】 請求項43に記載の方法であって、前記コドン106におけ
    る変異はアラニン(A)をコードする方法。
  45. 【請求項45】 請求項43に記載の方法であって、前記逆転写酵素はコド
    ン227およびコドン189またはその組合せに追加の変異を有する方法。
  46. 【請求項46】 請求項45に記載の方法であって、前記コドン227におけ
    る変異はロイシン(L)をコードし、コドン189における変異はロイシン(L)を
    コードする方法。
  47. 【請求項47】 請求項43に記載の方法であって、前記HIV感染患者は抗
    レトロウイルス剤で治療されている方法。
  48. 【請求項48】 HIV感染患者の非ヌクレオシド逆転写酵素抗レトロウイル
    ス療法の有効性を評価する方法であって: (a)前記HIV感染患者から生物学的サンプルを採取することと; (b)前記生物学的サンプルが、コドン103に変異をもったHIV逆転写酵素をコ
    ードする核酸を含有するかどうかを評価することとを含み、 前記変異の存在は、デラビルジン、ネビラピンおよびエファビレンツに対する
    感受性の低下と相関している方法。
  49. 【請求項49】 請求項48に記載の方法であって、前記コドン103におけ
    る変異はアスパラギン(N)をコードする方法。
  50. 【請求項50】 請求項48に記載の方法であって、前記逆転写酵素はコド
    ン100またはその組合せに追加の変異を有する方法。
  51. 【請求項51】 請求項50に記載の方法であって、前記コドン100におけ
    る変異はイソロイシン(I)をコードする方法。
  52. 【請求項52】 請求項48に記載の方法であって、前記HIV感染患者は抗
    レトロウイルス剤で治療されている方法。
  53. 【請求項53】 HIV抗レトロウイルス薬剤化合物候補の生物学的有効性を
    評価するための方法であって: (a)患者由来のセグメントを含み、更にコドン230における変異およびコド
    ン181における変異ならびに指標物質の遺伝子を含む耐性試験ベクターをホスト
    細胞の中に導入することと; (b)ステップ(a)で得たホスト細胞を培養することと; (c)標的ホスト細胞における前記指標物質を測定することと; (d)ステップ(c)で得た前記指標物質の測定を、前記抗レトロウイルス薬
    剤化合物候補の不存在下で前記ステップ(a)〜(c)を行ったときに測定され
    た前記指標物質の測定と比較することとを含み、 前記ステップ(a)〜(c);ステップ(b)〜(c);または前記ステップ
    (c)に、試験濃度の前記抗レトロウイルス薬剤化合物候補を存在せしめる方法
  54. 【請求項54】 HIV抗レトロウイルス薬剤化合物候補の生物学的有効性を
    評価するための方法であって: (a)患者由来のセグメントを含み、更にコドン181における変異およびコド
    ン98および/または106および/または227における変異ならびに指標物質を含む
    耐性試験ベクターをホスト細胞の中に導入することと; (b)ステップ(a)で得たホスト細胞を培養することと; (c)標的ホスト細胞における前記指標物質を測定することと; (d)ステップ(c)で得た前記指標物質の測定を、前記抗レトロウイルス薬
    剤化合物候補の不存在下で前記ステップ(a)〜(c)を行ったときに測定され
    た前記指標物質の測定と比較することとを含み、 前記ステップ(a)〜(c);ステップ(b)〜(c);または前記ステップ
    (c)に、試験濃度の前記抗レトロウイルス薬剤化合物候補を存在せしめる方法
  55. 【請求項55】 HIV抗レトロウイルス薬剤化合物候補の生物学的有効性を
    評価するための方法であって: (a)患者由来のセグメントを含み、更にコドン188における変異およびコド
    ン138および/または103および/または100における変異ならびに指標物質を含
    む耐性試験ベクターをホスト細胞の中に導入することと; (b)ステップ(a)で得たホスト細胞を培養することと; (c)標的ホスト細胞における前記指標物質を測定することと; (d)ステップ(c)で得た前記指標物質の測定を、前記抗レトロウイルス薬
    剤化合物候補の不存在下で前記ステップ(a)〜(c)を行ったときに測定され
    た前記指標物質の測定と比較することとを含み、 前記ステップ(a)〜(c);ステップ(b)〜(c);または前記ステップ
    (c)に、試験濃度の前記抗レトロウイルス薬剤化合物候補を存在せしめる方法
  56. 【請求項56】 HIV抗レトロウイルス薬剤化合物候補の生物学的有効性を
    評価するための方法であって: (a)患者由来のセグメントを含み、更にコドン190における変異およびコド
    ン98および/または101および/または103における変異ならびに指標物質を含む
    耐性試験ベクターをホスト細胞の中に導入することと; (b)ステップ(a)で得たホスト細胞を培養することと; (c)標的ホスト細胞における前記指標物質を測定することと; (d)ステップ(c)で得た前記指標物質の測定を、前記抗レトロウイルス薬
    剤化合物候補の不存在下で前記ステップ(a)〜(c)を行ったときに測定され
    た前記指標物質の測定と比較することとを含み、 前記ステップ(a)〜(c);ステップ(b)〜(c);または前記ステップ
    (c)に、試験濃度の前記抗レトロウイルス薬剤化合物候補を存在せしめる方法
  57. 【請求項57】 HIV抗レトロウイルス薬剤化合物候補の生物学的有効性を
    評価するための方法であって: (a)患者由来のセグメントを含み、更にコドン106における変異およびコド
    ン227および/または189における変異ならびに指標物質を含む耐性試験ベクター
    をホスト細胞の中に導入することと; (b)ステップ(a)で得たホスト細胞を培養することと; (c)標的ホスト細胞における前記指標物質を測定することと; (d)ステップ(c)で得た前記指標物質の測定を、前記抗レトロウイルス薬
    剤化合物候補の不存在下で前記ステップ(a)〜(c)を行ったときに測定され
    た前記指標物質の測定と比較することとを含み、 前記ステップ(a)〜(c);ステップ(b)〜(c);または前記ステップ
    (c)に、試験濃度の前記抗レトロウイルス薬剤化合物候補を存在せしめる方法
  58. 【請求項58】 HIV抗レトロウイルス薬剤化合物候補の生物学的有効性を
    評価するための方法であって: (a)患者由来のセグメントを含み、更にコドン103における変異およびコド
    ン100における変異ならびに指標物質を含む耐性試験ベクターをホスト細胞の中
    に導入することと; (b)ステップ(a)で得たホスト細胞を培養することと; (c)標的ホスト細胞における前記指標物質を測定することと; (d)ステップ(c)で得た前記指標物質の測定を、前記抗レトロウイルス薬
    剤化合物候補の不存在下で前記ステップ(a)〜(c)を行ったときに測定され
    た前記指標物質の測定と比較することとを含み、 前記ステップ(a)〜(c);ステップ(b)〜(c);または前記ステップ
    (c)に、試験濃度の前記抗レトロウイルス薬剤化合物候補を存在せしめる方法
  59. 【請求項59】 HIV抗レトロウイルス薬剤化合物候補の生物学的有効性を
    評価するための方法であって: (a)コドン230に変異を有する逆転写酵素をコードする患者由来のセグメン
    トおよび指標物質遺伝子を含む耐性試験ベクターをホスト細胞の中に導入するこ
    とと; (b)ステップ(a)で得たホスト細胞を培養することと; (c)標的ホスト細胞における前記指標物質遺伝子の発現を測定することと; (d)ステップ(c)で得た前記指標物質遺伝子の発現を、前記抗レトロウイ
    ルス薬剤化合物候補の不存在下で前記ステップ(a)〜(c)を行ったときに測
    定された前記指標物質遺伝子の発現と比較することとを含み、 前記ステップ(a)〜(c);ステップ(b)〜(c);または前記ステップ
    (c)に、試験濃度の前記抗レトロウイルス薬剤化合物候補を存在せしめる方法
  60. 【請求項60】 HIV抗レトロウイルス薬剤化合物候補の生物学的有効性を
    評価するための方法であって: (a)コドン227に変異を有する逆転写酵素をコードする患者由来のセグメン
    トおよび指標物質遺伝子を含む耐性試験ベクターをホスト細胞の中に導入するこ
    とと; (b)ステップ(a)で得たホスト細胞を培養することと; (c)標的ホスト細胞における前記指標物質遺伝子の発現を測定することと; (d)ステップ(c)で得た前記指標物質遺伝子の発現を、前記抗レトロウイ
    ルス薬剤化合物候補の不存在下で前記ステップ(a)〜(c)を行ったときに測
    定された前記指標物質遺伝子の発現と比較することとを含み、 前記ステップ(a)〜(c);ステップ(b)〜(c);または前記ステップ
    (c)に、試験濃度の前記抗レトロウイルス薬剤化合物候補を存在せしめる方法
  61. 【請求項61】 HIV抗レトロウイルス薬剤化合物候補の生物学的有効性を
    評価するための方法であって: (a)コドン188に変異を有する逆転写酵素をコードする患者由来のセグメン
    トおよび指標物質遺伝子を含む耐性試験ベクターをホスト細胞の中に導入するこ
    とと; (b)ステップ(a)で得たホスト細胞を培養することと; (c)標的ホスト細胞における前記指標物質遺伝子の発現を測定することと; (d)ステップ(c)で得た前記指標物質遺伝子の発現を、前記抗レトロウイ
    ルス薬剤化合物候補の不存在下で前記ステップ(a)〜(c)を行ったときに測
    定された前記指標物質遺伝子の発現と比較することとを含み、 前記ステップ(a)〜(c);ステップ(b)〜(c);または前記ステップ
    (c)に、試験濃度の前記抗レトロウイルス薬剤化合物候補を存在せしめる方法
  62. 【請求項62】 HIV抗レトロウイルス薬剤化合物候補の生物学的有効性を
    評価するための方法であって: (a)コドン189に変異を有する逆転写酵素をコードする患者由来のセグメン
    トおよび指標物質遺伝子を含む耐性試験ベクターをホスト細胞の中に導入するこ
    とと; (b)ステップ(a)で得たホスト細胞を培養することと; (c)標的ホスト細胞における前記指標物質遺伝子の発現を測定することと; (d)ステップ(c)で得た前記指標物質遺伝子の発現を、前記抗レトロウイ
    ルス薬剤化合物候補の不存在下で前記ステップ(a)〜(c)を行ったときに測
    定された前記指標物質遺伝子の発現と比較することとを含み、 前記ステップ(a)〜(c);ステップ(b)〜(c);または前記ステップ
    (c)に、試験濃度の前記抗レトロウイルス薬剤化合物候補を存在せしめる方法
  63. 【請求項63】 HIV患者由来の切片を含み、更にコドン230に変異を有する
    逆転写酵素および指標物質遺伝子を含む耐性試験ベクターであって、前記指標物
    質遺伝子の発現は前記患者由来のセグメントに依存する耐性試験ベクター。
  64. 【請求項64】 HIV患者由来の切片を含み、更にコドン227に変異を有する
    逆転写酵素および指標物質遺伝子を含む耐性試験ベクターであって、前記指標物
    質遺伝子の発現は前記患者由来のセグメントに依存する耐性試験ベクター。
  65. 【請求項65】 HIV患者由来の切片を含み、更にコドン188に変異を有する
    逆転写酵素および指標物質遺伝子を含む耐性試験ベクターであって、前記指標物
    質遺伝子の発現は前記患者由来のセグメントに依存する耐性試験ベクター。
  66. 【請求項66】 HIV患者由来の切片を含み、更にコドン189に変異を有する
    逆転写酵素および指標物質遺伝子を含む耐性試験ベクターであって、前記指標物
    質遺伝子の発現は前記患者由来のセグメントに依存する耐性試験ベクター。
  67. 【請求項67】 HIV患者由来の切片を含み、更にコドン181、コドン98、コ
    ドン106およびコドン227またはこれらの組合せに変異を有する逆転写酵素ならび
    に指標物質遺伝子を含む耐性試験ベクターであって、前記指標物質遺伝子の発現
    は前記患者由来のセグメントに依存する耐性試験ベクター。
  68. 【請求項68】 HIV患者由来の切片を含み、更にコドン106、コドン227お
    よびコドン189またはこれらの組合せに変異を有する逆転写酵素ならびに指標物
    質遺伝子を含む耐性試験ベクターであって、前記指標物質遺伝子の発現は前記患
    者由来のセグメントに依存する耐性試験ベクター。
  69. 【請求項69】 HIV患者由来の切片を含み、更にコドン103およびコドン10
    1に変異を有する逆転写酵素ならびに指標物質遺伝子を含む耐性試験ベクターで
    あって、前記指標物質遺伝子の発現は前記患者由来のセグメントに依存する耐性
    試験ベクター。
  70. 【請求項70】 請求項17に記載の耐性試験ベクターであって、前記コド
    ン190に変異を有する患者由来のセグメントは、更に、コドン98およびコドン101
    またはこれらの組合せに変異を含む耐性試験ベクター。
  71. 【請求項71】 請求項63に記載の耐性試験ベクターであって、前記コド
    ン230に変異を有する患者由来のセグメントは、更に、コドン181に変異を含む耐
    性試験ベクター。
  72. 【請求項72】 請求項65に記載の耐性試験ベクターであって、前記コド
    ン188に変異を有する患者由来のセグメントは、更に、コドン138、コドン103お
    よびコドン190またはこれらの組合せに変異を含む耐性試験ベクター。
JP2000551038A 1998-05-26 1999-05-26 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤抗レトロウイルス療法をモニターするための手段および方法 Pending JP2002516119A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US8514898A 1998-05-26 1998-05-26
US09/085,148 1998-05-26
US12409099P 1999-03-12 1999-03-12
US60/124,090 1999-03-12
PCT/US1999/011629 WO1999061658A1 (en) 1998-05-26 1999-05-26 Means and methods for monitoring non-nucleoside reverse transcriptase inhibitor antiretroviral therapy

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002516119A true JP2002516119A (ja) 2002-06-04

Family

ID=26772353

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000551038A Pending JP2002516119A (ja) 1998-05-26 1999-05-26 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤抗レトロウイルス療法をモニターするための手段および方法

Country Status (9)

Country Link
EP (1) EP1082454A4 (ja)
JP (1) JP2002516119A (ja)
CN (2) CN1204266C (ja)
AU (1) AU772511B2 (ja)
BR (1) BR9911600A (ja)
CA (1) CA2329140A1 (ja)
MX (1) MXPA00011623A (ja)
NZ (1) NZ508834A (ja)
WO (1) WO1999061658A1 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7037644B1 (en) 1998-05-26 2006-05-02 Virologic, Inc. Means and methods for monitoring non-nucleoside reverse transcriptase inhibitor antiretroviral therapy and guiding therapeutic decisions in the treatment of HIV/AIDS
EP1185712B8 (en) 1999-05-28 2005-10-19 Virco Bvba New mutational profiles in hiv-1 reverse transcriptase correlated with phenotypic drug resistance
AU2001260224A1 (en) 2000-04-18 2001-10-30 Virco Bvba Methods for measuring drug resistance
BR0111575A (pt) * 2000-06-12 2003-06-24 Virologic Inc Meios e métodos para monitorar a terapia anti-retroviral e orientar as decisões terapêuticas no tratamento de hiv/aids
WO2002022781A2 (en) * 2000-09-15 2002-03-21 Virologic, Inc. Non-nucleoside reverse transcriptase inhibitor as antiretroviral therapy
MXPA03003476A (es) 2000-10-20 2004-09-10 Virco Bvba Nuevos perfiles mutacionales en transcriptasa inversa de vih-1 correlacionan con resistencia fenotipica a farmaco.
FR2826145A1 (fr) 2001-06-14 2002-12-20 Centre Nat Rech Scient Methode d'identification de motifs et/ou des combinaisons de motifs presentant un etat booleen de mutation prederterminee dans un ensemble de sequences et ses applications
US7917303B2 (en) 2001-06-14 2011-03-29 Centre National de la Recherche Scientifique—CNRS Method for identifying combinations of motifs that do not mutate simultaneously in a set of viral polypeptide sequences comprising a putative drug binding site
CN1678757A (zh) * 2002-07-01 2005-10-05 瓦罗洛吉克公司 测定致病病毒复制能力的组合物和方法
EP1520247B1 (en) 2002-07-01 2009-05-27 Tibotec Pharmaceuticals Ltd. Mutational profiles in hiv-1 protease correlated with phenotypic drug resistance
WO2004003223A2 (en) 2002-07-01 2004-01-08 Tibotec Pharmaceuticals Ltd. New mutational profiles in hiv-1 reverse transcriptase correlated with phenotypic drug resistance
WO2013002655A2 (en) 2011-06-28 2013-01-03 Fisher & Paykel Healthcare Limited Improved medical tubing
CN108251500A (zh) * 2016-03-02 2018-07-06 广西医科大学 检测艾滋病治疗药物非核苷类逆转录酶抑制剂主要耐药突变位点的引物及其应用

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6087093A (en) * 1996-01-26 2000-07-11 Innogenetics N.V. Method for detection of drug-induced mutations in the reverse transcriptase gene
AU717755B2 (en) * 1996-01-26 2000-03-30 Virco Bvba Method of managing the chemotherapy of patients who are HIV positive based on the phenotypic drug sensitivity of human HIV strains
CN1263867C (zh) * 1996-01-29 2006-07-12 病毒科学公司 用于确定抗病毒药物敏感性和抗性和筛选抗病毒药物的组合物和方法

Also Published As

Publication number Publication date
BR9911600A (pt) 2001-02-13
CN1204266C (zh) 2005-06-01
NZ508834A (en) 2004-06-25
CN1532290A (zh) 2004-09-29
EP1082454A4 (en) 2005-04-13
EP1082454A1 (en) 2001-03-14
AU772511B2 (en) 2004-04-29
CA2329140A1 (en) 1999-12-02
AU4207599A (en) 1999-12-13
MXPA00011623A (es) 2002-10-17
CN1311823A (zh) 2001-09-05
WO1999061658A1 (en) 1999-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20110229906A1 (en) Means and methods for monitoring protease inhibitor antiretroviral therapy and guiding therapeutic decisions in the treatment of HIV/AIDS
AU772511B2 (en) Means and methods for monitoring non-nucleoside reverse transcriptase inhibitor antiretroviral therapy
WO2000078996A1 (en) Means and methods for monitoring protease inhibitor antiretroviral therapy and guiding therapeutic decisions in the treatment of hiv/aids
US7138231B2 (en) Means and methods for monitoring protease inhibitor antiretroviral therapy and guiding therapeutic decisions in the treatment of HIV/AIDS
WO2002022076A2 (en) Means and methods for monitoring protease inhibitor antiretroviral therapy and guiding therapeutic decisions in the treatment of hiv/aids
US6869759B1 (en) Means and methods for monitoring protease inhibitor antiretroviral therapy and guiding therapeutic decisions in the treatment of HIV/AIDS
US20050130134A1 (en) Means and methods for monitoring non-nucleoside reverse transcriptase inhibitor antiretroviral therapy and guiding therapeutic decisions in the treatment HIV-AIDS
WO2002099387A2 (en) Means and methods for monitoring protease inhibitor antiretroviral therapy and guiding therapeutic decisions in the treatment of hiv/aids
AU2003251732B2 (en) New mutational profiles in HIV-1 reverse transcriptase correlated with phenotypic drug resistance
US7579143B2 (en) Method of assessing the effectiveness of a non-nucleoside reverse transcriptase inhibitor (NNRTI) on a human immunodeficiency virus type 1 (HIV-1)-infected patient
US20040063191A1 (en) Compositions and methods for determining the replication capacity of a pathogenic virus
CA2411401A1 (en) Means and methods for monitoring antiretroviral therapy and guiding therapeutic decisions in the treatment of hiv/aids
US20020094522A1 (en) Means and methods for monitoring non-nucleoside reverse transcriptase inhibitor antiretroviral therapy and guiding therapeutic decisions in the treatment of HIV/AIDS
US7186506B1 (en) Means and methods for monitoring protease inhibitor antiretroviral therapy and guiding therapeutic decisions in the treatment of HIV/AIDS
US20050214744A1 (en) New mutational profiles in hiv-1 reverse transcriptase correlated with phenotypic drug resistance
US20060094020A1 (en) Methods and compositions for determining resistance or susceptibility of HIV-1 to stavudine
AU2003251731C1 (en) New mutational profiles in HIV-1 reverse transcriptase correlated with phenotypic drug resistance